以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。また図2は、本発明の実施形態に係る遊技機の内部構成(リールユニットを除く)を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、上部前面扉UD、および下部前面扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1~第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また収納箱BX内のリールユニット収納スペースPSの下部には、電源装置を内蔵し、電源スイッチES、設定変更キーシリンダKS、設定変更ボタンBS等の各種スイッチが備えられた電源ユニットEUおよびメダルの払出装置としてのホッパーユニットHPが収められている。ホッパーユニットHPは、遊技に供するメダルを貯蔵するメダル貯蔵タンクMTと、ステッピングモータからなる払出モータ(図示省略)と払出モータに軸支された回転ディスク(図示省略)とを備えており、回転ディスクが払出モータによって回転駆動されて、1枚単位でメダルを払い出すことができるように構成されている。またホッパーユニットHPは、メダル貯蔵タンクMTにおけるメダルの貯蔵量が一定に達すると、余剰メダルがキャッシュボックスCBに送り出されるようになっている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、例えば、リールユニット収納スペースPSの上方にメイン基板MAINが取り付けられているとともに、リールユニット収納スペースPSの側方にサブ基板SUBが取り付けられており、これらの制御基板(メイン基板MAIN、サブ基板SUB)には、CPU(演算手段の一例)、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM(一時記憶手段の一例)等を搭載して遊技機の動作を制御することができるようになっている。なお本実施の形態では、電源ユニットEUに設定変更キーシリンダKSや設定変更ボタンBSが設けられているが、メイン基板MAINの表面に設定変更キーシリンダKSや設定変更ボタンBSを設けるようにしてもよい。
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1~第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1~第3リールR3を回転駆動し、制御基板から全相励磁の駆動パルスが供給されると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1~第3リールR3が停止する。
上部前面扉UDと下部前面扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、上部前面扉UDには第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると、第1リールR1の中段、第2リールR2の下段、および第3リールR3の下段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインに停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットHPからメダルの払い出し等が行われる。
また上部前面扉UDには、遊技情報表示部DSおよび区間表示器SECが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、BB状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。また区間表示器SECは、内蔵されるLEDの消灯および点灯によって有利区間に滞在しているか否かを報知するものである。
また上部前面扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、上部前面扉UDや下部前面扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカSPが複数設けられている。このスピーカSPからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また下部前面扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1~B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1~B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~B3を押下していくと、ストップボタンB1~B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~B3を解放すると、ストップボタンB1~B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1~B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
また下部前面扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがホッパーユニットHPからメダル払い出し口MOを通じてメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。なお遊技の結果に応じてメダルが払い出される場合に、メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、払出数の一部あるいは全部に相当するメダルを、クレジット上限枚数(本実施形態では50枚)を限度としてクレジットし、メダルのクレジット数の変化に伴って遊技情報表示部DSの7セグメント表示器からなるクレジット表示器の表示値を変化させる動作を行う。
図3は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(メイン基板MAINおよびサブ基板SUB)100によって制御される。遊技制御手段100は、電源スイッチESの作動により電源ユニットEUから電力が供給されて起動し、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更許可スイッチ250、設定変更スイッチ260等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット(払出装置)HP、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、設定変更手段103、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態制御手段170、特典付与手段175、演出制御手段180、遊技情報記憶手段190a、演出情報記憶手段190bを含む。なお本実施形態では、設定変更手段103、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態制御手段170、およびAT制御手段175は、メイン基板MAINのCPUが各種のプログラムを実行することによって実現され、演出制御手段180は、サブ基板SUBのCPUが各種のプログラムを実行することによって実現される。また遊技情報記憶手段190aは、メイン基板MAINに搭載されているメインROMおよびメインRAMによって構成され、演出情報記憶手段190bは、サブ基板SUBに搭載されているサブROMおよびサブRAMによって構成されている。またメイン基板MAINのCPUが実行する各種のプログラムは、遊技情報記憶手段190aのメインROMに記憶されており、サブ基板SUBのCPUが実行する各種のプログラムは、演出情報記憶手段190bのサブROMに記憶されている。
設定変更手段103は、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられた設定値記憶領域1913に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態では、電源投入時の設定変更許可スイッチ250の状態に応じて遊技モードで起動される場合と設定変更モードで起動される場合とが切り替えられるようになっており、設定変更キーシリンダKSに設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに設定キーが回されると設定変更許可スイッチ250の信号状態がオン状態となり、この状態で電源スイッチESが作動することにより電源ユニットEUから電力が供給されると、設定変更手段103が、遊技機を設定変更モードで起動する。そして本実施形態では、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から設定値を選択することができるようになっており、設定1から順に設定6に向かって出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。なお本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
また設定変更手段103は、設定変更モードにおいて設定変更ボタンBSを押下することにより設定変更スイッチ260が作動すると、設定変更スイッチ260からの入力信号を受け付ける毎に、設定値を設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバーSLの押下により作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域1913に記憶させる制御を行う。そして本実施形態では、設定変更キーシリンダKSに挿入された設定キーを初期位置に戻すことによって設定変更許可スイッチ250の信号状態をオフ状態に変更し設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
また本実施形態では、設定変更キーシリンダKSが初期位置にある状態で電源が投入されると、設定変更許可スイッチ260の信号状態がオフ状態であることに基づいて遊技モードで遊技機を起動する。そして本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
また設定変更手段103は、設定変更モードにおいて、遊技情報記憶手段190aのメインRAMの所定の記憶領域に記憶されている情報を初期化する初期化処理を行う。特に本実施の形態では、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに関して、抽選フラグ記憶領域1915、遊技状態記憶領域1916、演出状態記憶領域1918、高確移行カウンタ1919、ATストック数カウンタ1920、ATゲーム数カウンタ1921、第1クリアカウンタ1922、第2クリアカウンタ1923、および天井カウンタ1924に記憶されている情報を設定変更モードにおける初期化処理によって初期化する。より詳細には、遊技情報記憶手段190aのメインRAMにおける抽選フラグ記憶領域1915、遊技状態記憶領域1916、演出状態記憶領域1918、高確移行カウンタ1919、ATストック数カウンタ1920、ATゲーム数カウンタ1921、第1クリアカウンタ1922、第2クリアカウンタ1923、および天井カウンタ1924以外の記憶領域を情報保持領域として指定し、メインRAMの情報保持領域以外の記憶領域に記憶されている情報を初期化する。このため、メインRAMにおいて、設定値記憶領域1913およびクレジット情報記憶領域1914については情報保持領域として指定され、これらの記憶領域に記憶されている情報は、設定変更モードにおける初期化処理によっては初期化されずに保持されるようになっている。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられたクレジット情報記憶領域1914に最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、遊技機にメダルがクレジット記憶された状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジット情報記憶領域1914にクレジット記憶されたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、0~65535までの65536個の乱数値を1周期中で重複することなく発生させる16ビット乱数回路によって発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、遊技情報記憶手段190aのメインROMに設けられたメイン抽選テーブル記憶領域1910に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、メイン抽選テーブル記憶領域1910に、図4に示すような3種類の内部抽選テーブル(内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3)が記憶されている。そして各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0~65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。なお本実施形態では、6段階の設定値に対して、設定値毎に3種類の内部抽選テーブルが用意されており、設定値に応じて内部抽選で一部の当選態様が得られる確率が異なっており、設定値が高くなるほど出玉率の期待値が高くなるように役と乱数値との対応関係が設定されている。
なお本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役27が用意され、小役の当選態様として、図5および図6に示すように、打順ベルa群(打順ベルa3~打順ベルa6:他の当選態様の一例)、打順ベルb群(打順ベルb3~打順ベルb6:他の当選態様の一例)、打順ベルc群(打順ベルc3~打順ベルc6:特定当選態様の一例)、打順ベルd群(打順ベルd3~打順ベルd6:特定当選態様の一例)、特殊打順ベル、共通ベル、目押し役、チャンス目、共通1枚役、JAC1、JAC2、およびJAC3が設定されている。
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1およびリプレイ2が用意され、リプレイの当選態様として、図6に示すように、リプレイaおよびリプレイbが設定されている。
また本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2において小役の当選確率が同一であって、内部抽選テーブル2では内部抽選テーブル1よりもリプレイの当選確率が高くなっており、内部抽選テーブル3ではリプレイが抽選対象となっておらず、また内部抽選テーブル3では内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2とは小役の抽選態様が異なっているともに、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2よりも小役の当選確率が高くなっている。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナス(BB)が用意されており、ビッグボーナス(BB)は、内部抽選テーブル1において抽選対象となっている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、BB成立状態、およびBB状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
そして本実施形態では、ボーナスやリプレイの当選態様については、設定値によっては当選確率が変動しないようになっているが、小役については設定値に応じて一部の当選態様の当選確率が変動し、設定値が高くなるほど共通ベルの当選確率が高くなるとともに、打順ベルc群および打順ベルd群の当選確率が低くなっている。特に本実施形態では、共通ベルと打順ベルc群と打順ベルd群とに割り当てられる乱数値の合計が設定値によらずに均等になっている。すなわち本実施形態では、設定値が高くなることによって共通ベルに割り当てられる乱数値の量が多くなる分だけ、打順ベルc群および打順ベルd群に割り当てられる乱数値の量が少なくなるというトレードオフの関係がある。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について遊技情報記憶手段190aのメインROMに設けられたメイン抽選テーブル記憶領域1910に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられた抽選フラグ記憶領域1915に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。抽選フラグ設定処理では、例えば、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、持越可能フラグに対応づけられているボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1~第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1~B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1~B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1~B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへ全相励磁の駆動パルスを供給することにより、第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1~B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1~第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1~B3の押下順序が変化すると、第1リールR1~第3リールR3の停止順序が変化する。本実施形態では、第1リールR1~第3リールR3のうち、最初に停止するリールに対応する停止操作を第1停止操作、2番目に停止するリールに対応する停止操作を第2停止操作、最後に停止するリールに対応する停止操作を第3停止操作と称し、第1停止操作に対応するリールの停止を第1停止、第2停止操作に対応するリールの停止を第2停止、第3停止操作に対応するリールの停止を第3停止と称する場合がある。
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1~B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
そして本実施形態では、図7に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1~第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄a「赤7a」、赤7図柄b「赤7b」、白7図柄「白7」、バー図柄「BAR」、特殊図柄「SP」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄a「BLa」、ベル図柄b「BLb」、スイカ図柄「WM」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)のリールの位置である押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示させることができるようになっている。なお本実施形態において押下検出位置は各リールの上段の表示位置となっている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
またリール制御手段130は、遊技情報記憶手段190aのメインROMに設けられた停止制御テーブル記憶領域1911に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。
また本実施形態の遊技機では、小役、リプレイ、およびボーナスに関して、「リプレイ>ボーナス」かつ「小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置が選択されるように停止制御テーブルが設定されている。
また本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役に係る抽選フラグが当選状態に設定された場合に参照される停止制御テーブルでは、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置が設定されている場合(個数優先制御:第1制御の一例)と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて停止位置が設定されている場合(払出数優先制御:第2制御の一例)とが存在し、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置が設定されている場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が多くなる停止位置ほど優先されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、メダルの払出数に応じて停止位置が設定されている場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先されるように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置が設定されている場合に、メダルの払出数が同一となる複数の停止位置については、それぞれの停止位置の優先度合いは同一として扱われて押下検出位置に対する停止位置が設定され、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置が設定されている場合に、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が同数となる複数の停止位置については、それぞれの停止位置の優先度合いは同一として扱われて押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また本実施形態では、例えば、配当が15枚の小役を15枚小役と称し、配当が10枚の小役を10枚小役と称する等、説明の便宜上、小役を配当によって分類して総称することがある。
そして内部抽選で打順ベルa群(打順ベルa3~打順ベルa6)、打順ベルb群(打順ベルb3~打順ベルb6)、打順ベルc群(打順ベルc3~打順ベルc6)、および打順ベルd群(打順ベルd3~打順ベルd6)が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図8および図9に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。特に本実施の形態では、第1リールR1(特定リールの一例)を最初に停止させる押下順序(打順1,打順2)は、いずれの打順ベルにおいても不正解打順となっている。本実施形態では、必要に応じて、打順ベルa群~打順ベルd群に関する15枚小役または10枚小役を入賞可能とする停止操作の態様を正解操作態様とし、正解操作態様と異なる停止操作の態様を失敗操作態様と称することがある。
まず打順ベルa群または打順ベルb群のいずれかに属する打順ベルが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図8に示すように、正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、15枚小役または1枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、1枚小役が入賞するように(打順3~打順6が不正解打順である際には取りこぼしの場合あり)、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
なお図8における「1枚小役(1/4)」とは1枚小役のみが入賞可能な状況において1/4の確率で1枚小役が入賞し、3/4の確率でいずれの役も入賞しない取りこぼしが発生することを意味する。
また本実施形態では、打順ベルa群または打順ベルb群のいずれかに属する打順ベルの当選時において正解打順で停止操作が行われた場合に、正解打順における第1停止操作の押下検出位置によって15枚小役が入賞するか否かが決定され、第1停止操作の押下検出位置が図7に示す第1押下位置または第2押下位置のいずれであるかによって15枚小役が入賞するか否かが決定される。本実施形態では、打順ベルa群および打順ベルb群について15枚小役を入賞可能とする第1停止操作の押下検出位置を正解位置とする。そして、図8に示すように、打順ベルa群については、正解打順であって第1停止操作が第1押下位置である場合に15枚小役が入賞し、正解打順であっても第1停止操作が第2押下位置である場合には15枚小役が入賞せず、打順ベルb群については、正解打順であって第1停止操作が第2押下位置である場合に15枚小役が入賞し、正解打順であっても第1停止操作が第1押下位置である場合には15枚小役が入賞しない。
また内部抽選で打順ベルc群または打順ベルd群のいずれかに属する打順ベルが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図9に示すように、正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、10枚小役または1枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1~B3が押下されると、1枚小役が入賞するように、押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また本実施形態では、打順ベルc群または打順ベルd群のいずれかに属する打順ベルの当選時において正解打順で停止操作が行われた場合に、正解打順における第1停止操作の押下検出位置によって10枚小役が入賞するか否かが決定され、第1停止操作の押下検出位置が図7に示す第1押下位置または第2押下位置のいずれであるかによって10枚小役が入賞するか否かが決定される。本実施形態では、打順ベルc群および打順ベルd群について10枚小役を入賞可能とする第1停止操作の押下検出位置を正解位置とする。そして、図9に示すように、打順ベルc群については、正解打順であって第1停止操作が第1押下位置である場合に10枚小役が入賞し、正解打順であっても第1停止操作が第2押下位置である場合には10枚小役が入賞せず、打順ベルd群については、正解打順であって第1停止操作が第2押下位置である場合に10枚小役が入賞し、正解打順であっても第1停止操作が第1押下位置である場合には10枚小役が入賞しない。
また打順ベルc群および打順ベルd群については、通常状態では全ての停止操作の順序が不正解打順として扱われ、BB成立状態である場合に限って正解打順として扱われる停止操作の順序と不正解打順として扱われる停止操作の順序とが存在するようになっている。すなわち打順ベルc群および打順ベルd群については、通常状態において当選した場合、如何なる操作態様も失敗操作態様となる。このため通常状態では、BB成立状態で10枚小役を入賞可能な操作態様で停止操作が行われても1枚小役が入賞する。なお打順ベルa群および打順ベルb群については、通常状態およびBB成立状態のいずれにおいても図8に示す態様で停止制御が行われ、通常状態およびBB成立状態のいずれであっても正解操作態様で停止操作が行われれば15枚小役が入賞する。
また、各打順ベルの当選時であって、正解操作態様で停止操作が行われている場合には払出数優先制御によって15枚小役や10枚小役の入賞形態を構成する図柄が優先的に有効ライン上に表示され、失敗操作態様で停止操作が行われている場合には個数優先制御によって1枚小役の入賞形態を構成する図柄が優先的に有効ライン上に表示されるように、各停止制御テーブルにおいて押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また内部抽選で特殊打順ベルが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、第1リールR1を最初に停止させる操作順序で停止操作が行われると、1枚小役が入賞し、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(打順3~打順6)で停止操作が行われると、10枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお本実施形態では、特殊打順ベルの当選時に10枚小役が入賞する場合、操作順序に応じて入賞する10枚小役の種類が異なっている。具体的には、打順3(B2→B1→B3)では小役5が入賞し、打順4(B2→B3→B1)では小役6が入賞し、打順5(B3→B1→B2)では小役7が入賞し、打順6(B3→B2→B1)では小役8が入賞する。なお特殊打順ベルについては、第1リールR1を最初に停止させる操作順序では個数優先制御によって1枚小役の入賞が優先され、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序では払出数優先制御によって10枚小役の入賞が優先される。
また内部抽選で共通ベルが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれの操作態様でも必ず10枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また内部抽選で目押し役が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、停止操作の態様に応じて、3枚小役が入賞する場合と、1枚小役が入賞する場合と、いずれの役も入賞しない場合(役の取りこぼし)とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。本実施形態では、目押し役が当選した場合、1/2の確率で3枚小役が入賞し、1/4の確率で1枚小役が入賞し、1/4の確率で役の取りこぼしが発生する。
また内部抽選でチャンス目が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれの操作態様でも必ず1枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されているが、操作順序に応じて入賞する小役の種類が異なっている。具体的には、チャンス目が当選した場合、第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)では小役11が入賞し、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(打順3~打順6)では小役22または小役23が入賞する。
また内部抽選で共通1枚役が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれの操作態様でも必ず1枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また内部抽選でJAC1が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれかの15枚小役が必ず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、内部抽選でJAC2が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれかの10枚小役が必ず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、内部抽選でJAC3が当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれかの1枚小役が必ず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また、リプレイaやリプレイbといった各種のリプレイの当選態様については、内部抽選で各リプレイの当選態様が得られた場合に参照される停止制御テーブルにおいて、停止操作の態様に関わらず当選態様に含まれているいずれかのリプレイが必ず入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
またビッグボーナス(BB)については、通常状態においてビッグボーナス(BB)が単独で当選した場合のみ入賞可能であって、BB成立状態ではハズレが存在せず、必ずビッグボーナス(BB)よりも優先度の高い小役またはリプレイが重複して当選している関係でビッグボーナス(BB)が入賞しないように、停止制御テーブルにて押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、遊技情報記憶手段190aのメインROMに設けられた入賞判定テーブル記憶領域1912に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かなどを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図10~図13に示すように、ビッグボーナス(BB)、リプレイ1、リプレイ2、および小役1~小役27の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、役が入賞した場合に入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニットHP(払出装置)に払い出させる制御を行う。
ホッパーユニットHPは、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニットHPには、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニットHPから実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット記憶(貯留記憶)が許可されている場合には、ホッパーユニットHPによって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられたクレジット情報記憶領域1914に記憶されているクレジット数(クレジット記憶されたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、次回の遊技を行わせるために必要な規定投入数に相当する枚数のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、規定投入数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態制御手段170は、図14に示すように、通常状態、BB成立状態、およびBB状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行処理を行う。本実施形態では、滞在している遊技状態を示す情報は、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられた遊技状態記憶領域1916に格納される。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはBB成立状態またはBB状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選したが、ビッグボーナス(BB)が入賞しなかった場合にBB成立状態へ移行し、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選し、かつビッグボーナス(BB)が入賞した場合にBB状態へ移行する。また通常状態では、図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち、リプレイの当選確率が約1/7.3以上に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブル1を参照して内部抽選が行われる。
BB成立状態は、通常状態において内部抽選でビッグボーナス(BB)が当選したが、ビッグボーナス(BB)が入賞しなかったことを契機として移行する遊技状態で、図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち、リプレイの当選確率が内部抽選テーブル1よりも高くなることでハズレ(不当選)が発生せず、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブル2を参照した内部抽選が行われる。
またBB成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段170は、遊技状態をBB成立状態からBB状態へ移行させる。
BB状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態であり、図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3のうち、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2とは小役の抽選態様が異なる内部抽選テーブル3を参照した内部抽選が行われる。
またBB状態では、BB状態での遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば、83枚)を超えるメダルが払い出されたと判断されると、遊技状態制御手段170は、BB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。なお本実施形態では、BB状態における払出数についてのカウント情報は遊技状態記憶領域1916に記憶される。
AT制御手段175は、図15に示すように、初期演出状態、通常演出状態、およびAT状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出状態をAT状態に設定し、ATストック数カウンタ1920の値およびATゲーム数カウンタ1921の値に基づいてAT状態の終了条件の成否を判定して、AT状態の終了条件の成立に伴いAT状態を終了させる制御を行う。本実施形態では、滞在している演出状態を示す情報は、遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられた演出状態記憶領域1918に格納される。また本実施形態では、AT状態に滞在している場合に、AT制御手段175によって、打順ベルの当選時において遊技情報表示部DSに設けられた7セグメント表示器からなるメイン表示器300に正解操作態様(正解打順および正解位置の少なくとも一方)に対応する情報(操作指示情報の一例)を表示することにより15枚小役(小役1~小役4)および10枚小役(小役5~小役8)の入賞を補助する正解操作報知が行われるとともに、演出制御手段180によって、打順ベルの当選時において液晶ディスプレイLCDに正解操作態様(正解打順および正解位置の少なくとも一方)に対応する画像を表示することにより15枚小役(小役1~小役4)および10枚小役(小役5~小役8)の入賞を補助する入賞補助演出が行われ、初期演出状態や通常演出状態に滞在している遊技よりもメダルが獲得しやすいアシストタイム遊技(補助遊技の一例)を行うことができるようになっている。
またAT制御手段175は、図16に示すように、通常区間(非有利区間)および有利区間を設定可能とし、通常区間では演出状態を初期状態である初期演出状態に固定して有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選したことによって有利区間を開始して有利区間であることを条件に演出状態をAT状態に設定可能としている。
そしてAT制御手段175は、通常区間での遊技において、演出状態が通常状態またはBB成立状態に滞在している場合に、有利区間移行抽選を行う。通常状態では、内部抽選で、打順ベルa群、打順ベルb群、打順ベルc群、打順ベルd群、特殊打順ベル、共通ベル、目押し役、チャンス目+BB、共通1枚役+BB、またはリプレイaのいずれかの当選態様が得られたことに基づいて有利区間移行抽選を行う。通常状態では、リプレイbの当選態様を得る場合と、ビッグボーナス(BB)が単独で当選する当選態様を得る場合とが存在するが、その場合には有利区間移行抽選は行われない。またBB成立状態では、内部抽選で、打順ベルa群、打順ベルb群、打順ベルc群、打順ベルd群、特殊打順ベル、共通ベル、目押し役、チャンス目、共通1枚役、またはリプレイaのいずれかの当選態様が得られたことに基づいて有利区間移行抽選を行う。BB成立状態では、リプレイbの当選態様を得る場合が存在するが、その場合には有利区間移行抽選は行われない。
有利区間移行抽選では、内部抽選のために取得した乱数値をメイン抽選テーブル記憶領域1910に記憶されている有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて有利区間移行抽選に当選(有利区間当選)したか否かを判定する。有利区間移行抽選テーブルでは、有利区間移行抽選の実行契機となる当選態様に対応づけられた内部抽選用の乱数値に対して、当選またはハズレが割り当てられており、内部抽選のために取得した乱数値が有利区間移行抽選の実行契機となる当選態様に対応づけられており、かつ有利区間移行抽選テーブルにおいて当選に対応づけられている場合に、有利区間移行抽選に当選したと判定される。
そしてAT制御手段175は、通常区間において有利区間移行抽選に当選すると、有利区間移行抽選に当選したことに基づいて有利区間移行処理を行い、有利区間移行抽選に当選した遊技の次回の遊技から有利区間を開始させ、演出状態を通常演出状態に設定する。本実施形態では、通常演出状態におけるAT抽選の抽選モードとして、低確モードと高確モードとが設定可能であり、通常演出状態である場合には、いずれかの抽選モードに滞在し、演出状態を通常演出状態に移行させる際に、モード決定抽選を行って、モード決定抽選の結果に応じて抽選モードを決定する。モード決定抽選は、演出状態を通常演出状態に移行させる遊技の第3停止に対応する停止操作に関連づけて0~255までの乱数値のいずれかを取得して、これらの乱数値に対応づけられている低確モードまたは高確モードのいずれかを抽選結果として得るものである。本実施形態では、低確モードが高確モードよりも選択されやすい態様でモード決定抽選が行われる。なお演出状態を通常演出状態に移行させる遊技とは、有利区間移行抽選に当選した遊技、または有利区間においてAT状態が終了した遊技のことであり、有利区間移行抽選に当選した遊技では有利区間移行処理の一部としてモード決定抽選が行われ、有利区間においてAT状態が終了した遊技では、演出状態を通常演出状態に復帰させる処理の一部としてモード決定抽選が行われる。
なお有利区間移行抽選の当選態様を、例えば、低確当選と高確当選の2種類として有利区間移行処理において抽選モードを低確モードまたは高確モードのいずれに移行させるかを決定するようにしてもよい。この場合、有利区間移行抽選の結果が低確当選である場合には有利区間移行処理において抽選モードを低確モードに設定し、有利区間移行抽選の結果が高確当選である場合には有利区間移行処理において抽選モードを高確モードに設定することができる。
AT制御手段175は、有利区間において、遊技状態がBB成立状態であって、かつ演出状態が通常演出状態である場合に、AT抽選を行う。具体的には、内部抽選で、打順ベルa群、打順ベルb群、打順ベルc群、打順ベルd群、特殊打順ベル、共通ベル、目押し役、チャンス目、共通1枚役、またはリプレイaのいずれかの当選態様を得たことに基づいてAT抽選が行われる。本実施形態では、遊技状態が通常状態またはBB状態である場合には、AT抽選は実行されないようになっている。ただし遊技状態が通常状態である場合および遊技状態がBB状態である場合の少なくとも一方においてもAT抽選が実行される構成であってもよい。
AT抽選では、AT抽選の実行契機となる当選態様が得られた場合に0~255の範囲のいずれかの乱数値を取得し、取得された乱数値をメイン抽選テーブル記憶領域1910に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選テーブルでは、AT抽選用の乱数値に対して、AT当選またはハズレが割り当てられており、AT抽選のために取得した乱数値が、AT抽選テーブルにおいてAT当選に対応づけられている場合に、AT抽選に当選したと判定される。なお本実施形態では、低確モードと高確モードとでは、AT当選が得られる確率が異なっており、高確モードでは低確モードよりもAT当選が得られる確率が高く設定されている。
また本実施形態では、打順ベル(打順ベルa群、打順ベルb群、打順ベルc群、打順ベルd群、および特殊打順ベル)以外のAT抽選の実行契機となる当選態様が得られた場合には、第1リールR1~第3リールR3に対する停止操作が有効化される前にAT抽選を実行するが、打順ベルの当選した場合のAT抽選については、当選した打順ベルに含まれる1枚小役の入賞時にAT抽選を実行している。このため打順ベルの当選した遊技では、15枚小役または10枚小役が入賞した場合やいずれの役も入賞しなかった場合にはAT抽選が実行されない。なお打順ベルの当選時に他の当選態様を得た場合と同様の実行契機でAT抽選を行った上で1枚小役が入賞しなかったことに基づいてAT抽選の結果を無効とする処理を行うようにしてもよい。また本実施形態では、打順ベルの当選時において第1停止操作が第1リールR1を停止させるものである場合には、必ず1枚小役が入賞するため、第1停止操作が第1リールR1を停止させる態様である場合にAT抽選を実行するようにしてもよい。
またAT制御手段175は、通常演出状態において低確モードに滞在している状況では、打順ベルの当選した遊技における1枚小役の入賞時に高確移行カウンタ1919の値を更新する処理を行い、打順ベルに当選しても15枚小役または10枚小役が入賞した場合やいずれの役も入賞しなかった場合には高確移行カウンタ1919の値は更新されない。本実施形態では、通常演出状態かつ低確モードへ移行する際に所定値「255」が高確移行カウンタ1919に設定され、AT制御手段175は、打順ベルの当選時に高確移行減算値抽選を行って高確移行カウンタ1919の更新に係る減算値を「3」または「29」のいずれかに決定し、決定された減算値を高確移行カウンタ1919の値から減算する。
高確移行減算値抽選は、打順ベルの当選した遊技における1枚小役の入賞時に0~255までの乱数値のいずれかを取得して、これらの乱数値に予め対応づけられている「3」または「29」のいずれかの減算値を抽選結果とするものである。
そしてAT制御手段175は、低確モードにおいて高確移行カウンタ1919の値が初期値「0」に達したことに基づいて高確移行条件が成立したと判断し、抽選モードを高確モードに移行させる。通常演出状態において高確モードに滞在している状況において、AT制御手段175は、打順ベルa群、打順ベルb群、打順ベルc群、打順ベルd群、または共通1枚役が当選したことに基づいて転落抽選を行う。転落抽選では、内部抽選のために取得した乱数値をメイン抽選テーブル記憶領域1910に記憶されている転落抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて転落抽選に当選したか否かを判定する。転落抽選テーブルでは、転落抽選の実行契機となる当選態様に対応づけられた内部抽選用の乱数値に対して、転落当選またはハズレが割り当てられており、内部抽選のために取得した乱数値が打順ベルa群、打順ベルb群、打順ベルc群、打順ベルd群、または共通1枚役のいずれかに対応づけられており、かつ転落抽選テーブルにおいて転落当選に対応づけられている場合に、転落抽選に当選したと判定される。そして本実施形態では、AT制御手段175が、転落抽選で転落当選の抽選結果を得たことに基づいて高確終了条件が成立したと判断し、抽選モードを低確モードに移行させる。
また本実施形態では、演出状態を通常演出状態に移行させる際に、AT制御手段175が、所定値「1024」を天井カウンタ1924に設定し、通常演出状態での遊技が行われる毎に内部抽選の結果に応じた減算値を天井カウンタ1924の値から減算する処理を行う。特に本実施形態では、打順ベル(打順ベルa群、打順ベルb群、打順ベルc群、打順ベルd群、特殊打順ベル)の当選時には1枚小役の入賞を条件として天井カウンタ1924の値を減算する処理を行い、15枚小役または10枚小役が入賞した場合やいずれの役も入賞しなかった場合には天井カウンタ1924の値は更新されない。
そしてAT制御手段175は、AT抽選の結果がAT当選であったこと、または天井カウンタ1924の値が初期値「0」に達したことに基づいて、演出状態を通常演出状態からAT状態に移行させる制御を行う。またAT制御手段175が、AT状態への移行が決定されたことに基づいて、ATストック数カウンタ1920に一定値「1」を加算し、AT状態への移行条件が成立した遊技(AT当選の抽選結果を得た遊技または天井カウンタ1924の値が初期値「0」に達した遊技)の終了に伴って演出状態をAT状態に移行させる際に、ATストック数カウンタ1920から一定値「1」を減算するともに、AT状態の終了条件となる遊技回数である30回に相当する値「30」をATゲーム数カウンタ1921に設定する。
そしてAT制御手段175は、演出状態がAT状態であることに基づいてアシストタイム遊技を行わせ、アシストタイム遊技が行われる毎にATゲーム数カウンタ1921の値から遊技1回分に相当する一定値「1」を減算する。そして本実施形態では、AT状態において、打順ベルa群、打順ベルb群、打順ベルc群、または打順ベルd群に属する打順ベルが当選すると正解操作態様(正解打順および第1停止操作に係る押下位置)を報知する正解操作報知および入賞補助演出が行われる。本実施形態では、正解操作報知によって遊技者に操作態様を指示することが指示機能に該当する。
また本実施形態では、AT制御手段175が、打順ベルa群~打順ベルd群に関する正解操作報知を行う場合に、メイン表示器300に正解打順と第1停止操作に係る押下位置に対応する情報が表示されるが、具体的には、正解打順と第1停止操作に係る押下位置との組合せ毎に操作指示番号が設定されており、メイン表示器300には7セグメント表示によって「13」(打順3かつ第1押下位置)、「14」(打順4かつ第1押下位置)、「15」(打順5かつ第1押下位置)、「16」(打順6かつ第1押下位置)、「23」(打順3かつ第2押下位置)、「24」(打順4かつ第2押下位置)、「25」(打順5かつ第2押下位置)、「26」(打順6かつ第2押下位置)のいずれかの操作指示番号が表示されるようになっている。
また本実施形態では、AT状態において特殊打順ベルが当選した場合にも正解操作報知および入賞補助演出が行われる。特殊打順ベルに係る正解操作報知では、特殊打順ベルが当選した遊技で抽選(各操作指示番号の選択率は均等)にて定めた任意の操作指示番号(「13」~「16」および「23」~「26」のうちいずれか1種類)がメイン表示器300に表示される。
またAT制御手段175は、有利区間において演出状態がAT状態である場合に、内部抽選で特殊打順ベル、共通ベル、目押し役、またはチャンス目が当選したことに基づいて上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選では、上乗せ抽選の実行契機となる当選態様が得られた場合に0~255の範囲のいずれかの乱数値を取得し、取得された乱数値をメイン抽選テーブル記憶領域1910に記憶されている上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選テーブルでは、上乗せ抽選用の乱数値に対して、上乗せ当選またはハズレが割り当てられており、上乗せ抽選のために取得した乱数値が上乗せ抽選テーブルにおいて上乗せ当選に対応づけられている場合に、上乗せ抽選に当選したと判定される。そして本実施形態では、AT制御手段175が、上乗せ抽選で上乗せ当選の抽選結果を得たことに基づいて、ATストック数カウンタ1920に一定値「1」を加算する。
そしてAT制御手段175は、AT状態においてアシストタイム遊技が行われる毎に一定値ずつ減算されるATゲーム数カウンタ1921の値が初期値「0」に達すると、ATストック数>0であれば、ATストック数カウンタ1920の値から一定値「1」を減算するとともに、ATゲーム数カウンタ1921の値に「30」を再設定してAT状態を継続し、ATストック数=0であれば、ATゲーム数=0かつATストック数=0であることによって終了条件が成立したと判断し、演出状態を通常演出状態に復帰させる。
また本実施形態では、AT制御手段175が、有利区間移行処理において遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられた第1クリアカウンタ1922の値を所定値「1」に設定して、有利区間では、1回の遊技が行われる毎に第1クリアカウンタ1922の値に1回分の遊技に相当する一定値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行い、第1クリアカウンタ1922の値がしきい値(例えば、1500)を超えた場合(第1クリアカウンタ1922の値が「1501」に達した場合)において有利区間の終了条件が成立したと判断する。本実施形態において第1クリアカウンタ1922の更新は各遊技における回転中のリールが全て停止した後に行われるようになっているが、各遊技において予め定まっていれば、いずれの契機で第1クリアカウンタ1922の更新を行うようにしてもよく、例えば、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を更新契機とするようにしてもよい。
また本実施形態では、AT制御手段175が、有利区間移行処理において遊技情報記憶手段190aのメインRAMに設けられた第2クリアカウンタ1923の値を初期値「0」に設定して、有利区間では、第2クリアカウンタ1923の値を各遊技でのメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、15枚のメダルの払い出しがあった場合には「15」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数(3枚)に相当する値「3」を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を第2クリアカウンタ1923の値に加算する更新処理を行い、第2クリアカウンタ1923の値がしきい値(例えば、2400)を超えた場合にも有利区間の終了条件が成立したと判断する。なお第2クリアカウンタ1923の値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における第2クリアカウンタ1923の値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、第2クリアカウンタ1923の値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の第2クリアカウンタ1923の値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。また遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして取り扱って差枚数を求めるようになっている。
また有利区間においては、有利区間の終了条件に該当しない限りは、遊技状態または演出状態の移行が発生しても第1クリアカウンタ1922および第2クリアカウンタ1923の更新が行われる。
またAT制御手段175は、有利区間の終了に基づいて遊技情報記憶手段190aのメインRAMの所定の記憶領域に記憶されている情報を初期化する初期化処理を行う。特に本実施形態では遊技情報記憶手段190のメインRAMに関して、演出状態記憶領域1918、高確移行カウンタ1919、ATストック数カウンタ1920、ATゲーム数カウンタ1921、第1クリアカウンタ1922、第2クリアカウンタ1923、および天井カウンタ1924に記憶されている情報を有利区間の終了に伴う初期化処理によって初期化する。より詳細には、遊技情報記憶手段190aのメインRAMにおける演出状態記憶領域1918、高確移行カウンタ1919、ATストック数カウンタ1920、ATゲーム数カウンタ1921、第1クリアカウンタ1922、第2クリアカウンタ1923、および天井カウンタ1924以外の記憶領域を情報保持領域として指定し、メインRAMの情報保持領域以外の記憶領域に記憶されている情報を初期化する。このため有利区間の終了に伴う初期化処理が行われる場合においては、設定変更モードにおける初期化処理が行われる場合とは異なり、設定値記憶領域1913およびクレジット情報記憶領域1914に加えて、抽選フラグ記憶領域1915および遊技状態記憶領域1916についても情報保持領域として指定され、これらの記憶領域に記憶されている情報は、有利区間の終了に伴う初期化処理によっては初期化されずに保持されるようになっている。そして有利区間の終了に伴う初期化処理が行われると、演出状態が初期演出状態に初期化されるとともに、高確移行カウンタ1919、ATストック数カウンタ1920、ATゲーム数カウンタ1921、第1クリアカウンタ1922、第2クリアカウンタ1923、および天井カウンタ1924の値が初期値(例えば、0)に初期化されて通常区間に復帰するようになっている。
そして本実施形態では、有利区間の終了に伴って初期化処理が実行されて通常区間に復帰するため、AT状態に滞在している状況において第1クリアカウンタ1922または第2クリアカウンタ1923の値がしきい値を超えた場合には、有利区間の終了に伴う初期化処理によって各AT状態が強制終了して演出状態が初期演出状態に初期化されるとともに、高確移行カウンタ1919、ATストック数カウンタ1920、ATゲーム数カウンタ1921、第1クリアカウンタ1922、第2クリアカウンタ1923、および天井カウンタ1924の値が初期値(例えば、0)に初期化される。またその他の演出状態に滞在している状況において第1クリアカウンタ1922または第2クリアカウンタ1923の値がしきい値を超えた場合にも、有利区間の終了に伴う初期化処理によって現在滞在している演出状態が強制終了して演出状態が初期演出状態に初期化されるとともに、高確移行カウンタ1919、ATストック数カウンタ1920、ATゲーム数カウンタ1921、第1クリアカウンタ1922、第2クリアカウンタ1923、および天井カウンタ1924の値が初期値(例えば、0)に初期化される。なお本実施形態では、電源のオン/オフによって演出状態が初期化されることないが、設定変更モードで起動された場合に、設定変更モードにおいて初期化処理が行われた場合にも、演出状態が初期演出状態に初期化されるとともに、高確移行カウンタ1919、ATストック数カウンタ1920、ATゲーム数カウンタ1921、第1クリアカウンタ1922、第2クリアカウンタ1923、および天井カウンタ1924の値が初期値(例えば、0)に初期化される。
また本実施形態では、通常区間での有利区間移行抽選の当選により有利区間が開始されて有利区間内において所定条件下で演出状態をAT状態に設定してアシストタイム遊技を行うようになっているが、AT状態が終了しても有利区間の終了条件が成立していない限りは有利区間が維持されるようになっている。すなわち本実施形態では、AT状態の終了後も有利区間が継続するため、演出状態がAT状態とは異なる演出状態に移行しても有利区間に滞在している場合が存在する。
またAT制御手段175は、有利区間が開始されたことに基づいて区間表示器SECに内蔵されているLEDを点灯して有利区間に滞在していることを報知し、有利区間の終了に基づいて区間表示器SECに内蔵されているLEDを消灯する制御を行っている。そして本実施形態では通常区間では区間表示器SECに内蔵されているLEDは消灯されているようになっているため、区間表示器SECの点灯状態を確認することで有利区間に滞在しているか否かを判断できるようになっている。
そして本実施形態では、AT制御手段175が、第1クリアカウンタ1922の値に基づいて有利区間に滞在していることの報知である特定報知を開始または終了させるようになっている。例えば、有利区間に移行することに伴って第1クリアカウンタ1922に所定値「1」が設定された場合に、第1クリアカウンタ1922の値が初期値「0」より大きくなったこと(第1クリアカウンタ1922の値が初期値「0」ではないこと)に基づいて特定報知を開始させ、有利区間が終了して通常区間に移行することに伴って第1クリアカウンタ1922の値が初期値「0」に初期化された場合に、第1クリアカウンタ1922の値が初期値「0」となったことに基づいて特定報知を終了させる。
なお区間表示器SECは、本実施形態のように専用に設ける必要はなく、メイン表示器300と兼用するようにしてもよい。例えば、7セグメント表示器の小数点等を表示するドット表示部の点灯・消灯を切り替えるによって有利区間に滞在しているか否かを示し、通常区間ではドット表示部を消灯し、有利区間ではドット表示部を点灯することで有利区間報知とするようにしてもよい。また有利区間が開始されると区間表示器SECに内蔵されているLEDが点灯して即座に有利区間に滞在していることが報知されるようになっているが、有利区間の開始から所定の遊技回数が消化されるまでは有利区間であることを報知しない非報知区間としたり、有利区間における最初の正解操作報知が実行されるまでは有利区間であることを報知しない非報知区間としたりするようにしてもよい。また特定報知は、有利区間における特定の状況において実行されるようにしてもよく、例えば、有利区間において演出状態がAT状態に移行する場合に特定報知を開始してAT状態が終了する場合に特定報知を終了するようにしてもよい。
演出制御手段180は、演出情報記憶手段190bのサブROMに設けられた演出データ記憶領域1926に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1~B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカSPから音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。遊技において実行される演出の内容は、演出情報記憶手段190bのサブROMに設けられたサブ抽選テーブル記憶領域1927に記憶されている演出抽選テーブルを、遊技状態、演出状態、内部抽選の結果等に応じて参照して決定される。なお本実施形態では、サブROMの演出データ記憶領域1926から遊技の進行状況等に応じた画像データをサブRAMに設けられたイメージバッファ1928に読み込んで、イメージバッファ1928に読み込まれた画像データに基づく画像が液晶ディスプレイLCDに出力され、サブROMの演出データ記憶領域1926から遊技の進行状況等に応じたサウンドデータをサブRAMに設けられたサウンドバッファ1929に読み込んで、サウンドバッファ1929に読み込まれたサウンドデータに基づく音がスピーカSPから出力されるようになっている。
そして演出制御手段180は、有利区間において打順ベルa群および打順ベルb群の当選時に特定操作報知が行われる場合において、正解打順と第1停止操作に係る押下位置とを報知して15枚小役(小役1~小役4)の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
また演出制御手段180は、有利区間において打順ベルc群および打順ベルd群の当選時に特定操作報知が行われる場合において、正解打順と第1停止操作に係る押下位置とを報知して10枚小役(小役5~小役8)の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
また演出制御手段180は、有利区間において特殊打順ベルの当選時に特定操作報知が行われる場合において、特定操作報知に対応する停止操作の順序と第1停止操作に係る押下位置とを報知して10枚小役(小役5~小役8)の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
また演出制御手段180は、AT状態で遊技を行っている場合には、AT状態が終了するまでの遊技回数の残数を、液晶ディスプレイLCD等の表示装置330に表示させる残数表示演出を実行させる制御を行う。残数表示演出では遊技を行うことによってATゲーム数カウンタ1921の値が減算されると、その減算分を反映するように遊技回数の残数も減っていくように表示内容が変更される。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネル、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニットHPなどは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
本実施の形態では、停止操作の順序と第1停止操作に係る押下位置とによって正解小役(15枚小役または10枚小役)を入賞可能とする正解操作態様が設定される小役の当選態様として、打順ベルa群、打順ベルb群、打順ベルc群、および打順ベルd群が存在し、打順ベルa群および打順ベルb群については、通常状態およびBB成立状態のいずれにおいても正解操作態様で正解小役を入賞させることができるのに対して、打順ベルc群および打順ベルd群については、BB成立状態では正解操作態様で正解小役を入賞させることができるが、通常状態では正解操作態様であっても正解小役を入賞させることが不可能となっている。
まず図17~図24を参照しながら、打順ベルa群および打順ベルb群について打順ベルa3の当選時を代表例として説明する。
図17は、BB成立状態において打順ベルa3の当選態様を得た場合に当選している役を示す図である。
図17に示すように、BB成立状態において打順ベルa3の当選態様を得た場合、小役1、小役12、小役20、およびビッグボーナス(BB)が当選しており、停止操作の順序が打順3(B2→B1→B3)であって、第1停止操作が第1押下位置で行われた場合に、15枚小役である小役1が入賞する。
以下では、BB成立状態において打順ベルa3の当選時に打順3に沿って各リールを停止させる場合について説明する。
第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況でストップボタンB2が押下され、図18(A)に示すように、第2リールR2に対する第1停止操作の押下検出位置が3番であった場合、第1停止操作の態様が正解打順かつ正解位置であり、正解操作態様であることから払出数優先制御で第2リールR2の停止位置を決定する。
具体的には、第2リールR2の3番の押下検出位置に対して引き込み範囲内に存在する図柄は、図19に示す通りであり、メダルの払出数が最も多くなるのはリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に表示させた場合となる。
そこで、図18(B)に示すように、2番のリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に表示させるように第2リールR2を停止させる。すると、図18(C)に示すように、第2リールR2が停止した時点では、打順ベルa3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役1および小役20となる。
続いて、第2リールR2が停止しており、第1リールR1および第3リールR3が回転している状況でストップボタンB1が押下され、図20(A)に示すように、第1リールR1に対する第2停止操作の押下検出位置が3番であった場合、この押下検出位置に対して引き込み範囲内に存在する図柄は、図21に示す通りであり、入賞可能な当選役の入賞形態を示す図柄組み合わせを表示可能とする図柄はベル図柄a「BLa」とリプレイ図柄「RP」となる。ここで、ベル図柄a「BLa」は15枚小役を入賞可能とするものであり、リプレイ図柄「RP」は1枚小役を入賞可能とするものであるから、払出数優先制御によって15枚小役の入賞を優先し、図20(B)に示すように、1番のベル図柄a「BLa」を有効ライン上に表示させるように第1リールR1を停止させる。すると、図20(C)に示すように、第1リールR1が停止した時点では、打順ベルa3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役1のみとなる。
そして、最後に回転中の第3リールR3を停止させる際には、第3リールR3において、リプレイ図柄「RP」が、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示可能な位置関係で配置されているため、必ず小役1が入賞することになる。例えば、第3リールR3の押下検出位置が3番であった場合、図20(D)に示すように、1番のリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に表示させる位置で第3リールR3が停止して小役1が入賞する。本実施の形態では、小役1が入賞する場合、各リールの中段からなる無効ラインにベル図柄(ベル図柄a、ベル図柄b)によって構成されるベル揃いの図柄組み合わせが表示される。
続いて、第2リールR2に対する第1停止操作の押下検出位置が正解位置ではなかった場合について説明する。
第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況でストップボタンB2が押下され、図22(A)に示すように、第2リールR2に対する第1停止操作の押下検出位置が12番であった場合、第1停止操作の態様が正解打順であるが正解位置ではなく、失敗操作態様であることから個数優先制御で第2リールR2の停止位置を決定する。
具体的には、第2リールR2の12番の押下検出位置に対して引き込み範囲内に存在する図柄は、図23に示す通りであり、当選役に係る入賞形態を示す図柄組み合わせの個数が最も多くなるのはリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に表示させた場合となる。
そこで、図22(B)に示すように、12番のリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に表示させるように第2リールR2を停止させる。すると、図22(C)に示すように、第2リールR2が停止した時点では、打順ベルa3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役1および小役20となる。本実施形態では、打順ベルa群および打順ベルb群の当選時において第1停止操作が正解打順に沿っている場合、押下検出位置が正解位置である場合および正解位置でない場合のいずれにおいても、払出数優先制御による第1停止の表示対象と個数優先制御による第1停止の表示対象とが同一となるように構成されている。
続いて、第2リールR2が停止しており、第1リールR1および第3リールR3が回転している状況でストップボタンB1が押下され、図24(A)に示すように、第1リールR1に対する第2停止操作の押下検出位置が3番であった場合、この押下検出位置に対して引き込み範囲内に存在する図柄は、図21に示す通りであり、入賞可能な当選役の入賞形態を示す図柄組み合わせを表示可能とする図柄はベル図柄a「BLa」とリプレイ図柄「RP」となる。ここで、ベル図柄a「BLa」を表示させた場合の図柄組み合わせの個数は1個であり、リプレイ図柄「RP」を表示させた場合の図柄組み合わせの個数は4個であるから、個数優先制御によってリプレイ図柄「RP」の表示を優先し、図24(B)に示すように、0番のリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に表示させるように第1リールR1を停止させる。すると、図24(C)に示すように、第1リールR1が停止した時点では、打順ベルa3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役20のみとなる。
そして、最後に回転中の第3リールR3を停止させる際には、第3リールR3において、赤7図柄a「赤7a」、バー図柄「BAR」、チェリー図柄「CH」、および白7図柄「白7」は、押下検出位置に関わらずに、いずれかの図柄を有効ライン上に表示可能な位置関係で配置されているため、必ず小役20が入賞することになる。例えば、第3リールR3の押下検出位置が12番であった場合、図24(D)に示すように、14番の白7図柄「白7」を有効ライン上に表示させる位置で第3リールR3が停止して小役20が入賞する。
本実施の形態では、図17~図24によってBB成立状態での打順ベルa3の当選時における制御例を説明したが、打順ベルa群および打順ベルb群については通常状態でもBB成立状態と同一の停止制御によって各リールの停止位置が決定される。
次に図25~図34を参照しながら、打順ベルc群および打順ベルd群について打順ベルc3の当選時を代表例として説明する。
図25は、BB成立状態において打順ベルc3の当選態様を得た場合に当選している役を示す図である。
図25に示すように、BB成立状態において打順ベルc3の当選態様を得た場合、小役5、小役22、小役23、小役26、およびビッグボーナス(BB)が当選しており、停止操作の順序が打順3(B2→B1→B3)であって、第1停止操作が第1押下位置で行われた場合に、10枚小役である小役5が入賞する。
以下では、BB成立状態において打順ベルc3の当選時に打順3に沿って各リールを停止させる場合について説明する。
第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況でストップボタンB2が押下され、図26(A)に示すように、第2リールR2に対する第1停止操作の押下検出位置が3番であった場合、第1停止操作の態様が正解打順かつ正解位置であり、正解操作態様であることから払出数優先制御で第2リールR2の停止位置を決定する。
具体的には、第2リールR2の3番の押下検出位置に対して引き込み範囲内に存在する図柄は、図27に示す通りであり、メダルの払出数が最も多くなるのはベル図柄b「BLb」を有効ライン上に表示させた場合となる。
そこで、図26(B)に示すように、1番のベル図柄b「BLb」を有効ライン上に表示させるように第2リールR2を停止させる。すると、図26(C)に示すように、第2リールR2が停止した時点では、打順ベルc3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役5および小役26となる。
続いて、第2リールR2が停止しており、第1リールR1および第3リールR3が回転している状況でストップボタンB1が押下され、図28(A)に示すように、第1リールR1に対する第2停止操作の押下検出位置が3番であった場合、この押下検出位置に対して引き込み範囲内に存在する図柄は、図29に示す通りであり、入賞可能な当選役の入賞形態を示す図柄組み合わせを表示可能とする図柄は赤7図柄b「赤7b」とベル図柄a「BLa」となる。ここで、赤7図柄b「赤7b」は1枚小役を入賞可能とするものであり、ベル図柄a「BLa」は10枚小役を入賞可能とするものであるから、払出数優先制御によって10枚小役の入賞を優先し、図28(B)に示すように、1番のベル図柄a「BLa」を有効ライン上に表示させるように第1リールR1を停止させる。すると、図28(C)に示すように、第1リールR1が停止した時点では、打順ベルc3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役5のみとなる。
そして、最後に回転中の第3リールR3を停止させる際には、第3リールR3において、リプレイ図柄「RP」が、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示可能な位置関係で配置されているため、必ず小役5が入賞することになる。例えば、第3リールR3の押下検出位置が3番であった場合、図28(D)に示すように、1番のリプレイ図柄「RP」を有効ライン上に表示させる位置で第3リールR3が停止して小役5が入賞する。本実施の形態では、小役5が入賞する場合、各リールの中段からなる無効ラインにベル揃いの図柄組み合わせが表示される。
続いて、第2リールR2に対する第1停止操作の押下検出位置が正解位置ではなかった場合について説明する。
第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況でストップボタンB2が押下され、図30(A)に示すように、第2リールR2に対する第1停止操作の押下検出位置が12番であった場合、第1停止操作の態様が正解打順であるが正解位置ではなく、失敗操作態様であることから個数優先制御で第2リールR2の停止位置を決定する。
具体的には、第2リールR2の12番の押下検出位置に対して引き込み範囲内に存在する図柄は、図31に示す通りであり、当選役に係る入賞形態を示す図柄組み合わせの個数が最も多くなるのはベル図柄b「BLb」を有効ライン上に表示させた場合となる。
そこで、図30(B)に示すように、11番のベル図柄b「BLb」を有効ライン上に表示させるように第2リールR2を停止させる。すると、図30(C)に示すように、第2リールR2が停止した時点では、打順ベルc3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役5および小役26となる。本実施形態では、打順ベルc群および打順ベルd群の当選時において第1停止操作が正解打順に沿っている場合、押下検出位置が正解位置である場合および正解位置でない場合のいずれにおいても、払出数優先制御による第1停止の表示対象と個数優先制御による第1停止の表示対象とが同一となるように構成されている。
続いて、第2リールR2が停止しており、第1リールR1および第3リールR3が回転している状況でストップボタンB1が押下され、図32(A)に示すように、第1リールR1に対する第2停止操作の押下検出位置が3番であった場合、この押下検出位置に対して引き込み範囲内に存在する図柄は、図29に示す通りであり、入賞可能な当選役の入賞形態を示す図柄組み合わせを表示可能とする図柄は赤7図柄b「赤7b」とベル図柄a「BLa」となる。ここで、赤7図柄b「赤7b」を表示させた場合の図柄組み合わせの個数は4個であり、ベル図柄a「BLa」を表示させた場合の図柄組み合わせの個数は1個であるから、個数優先制御によって赤7図柄b「赤7b」の表示を優先し、図32(B)に示すように、4番の赤7図柄b「赤7b」を有効ライン上に表示させるように第1リールR1を停止させる。すると、図32(C)に示すように、第1リールR1が停止した時点では、打順ベルc3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役26のみとなる。
そして、最後に回転中の第3リールR3を停止させる際には、第3リールR3において、赤7図柄a「赤7a」、バー図柄「BAR」、チェリー図柄「CH」、および白7図柄「白7」は、押下検出位置に関わらずに、いずれかの図柄を有効ライン上に表示可能な位置関係で配置されているため、必ず小役26が入賞することになる。例えば、第3リールR3の押下検出位置が12番であった場合、図32(D)に示すように、14番の白7図柄「白7」を有効ライン上に表示させる位置で第3リールR3が停止して小役26が入賞する。
図33は、通常状態において打順ベルc3の当選態様を得た場合に当選している役を示す図である。
図33に示すように、通常状態において打順ベルc3の当選態様を得た場合、小役5、小役22、小役23、および小役26が当選しており、停止操作の順序が打順3(B2→B1→B3)であって、かつ第1停止操作が第1押下位置で行われても、10枚小役である小役5の入賞が回避されるようになっている。なお通常状態では如何なる態様で停止操作が行われても10枚小役の入賞は回避される。
以下では、通常状態において打順ベルc3の当選時に打順3に沿って各リールを停止させる場合について説明する。
第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが回転している状況でストップボタンB2が押下された場合、遊技状態が通常状態であることから個数優先制御で第1リールR1の停止位置を決定する。本実施の形態では、BB成立状態で正解打順に相当する第1停止操作が行われた場合、払出数優先制御および個数優先制御のいずれでも第1停止に係る表示対象が同一となるため、例えば、図26(A)に示すように、第2リールR2の押下検出位置が3番であった場合、図26(B)に示すように、1番のベルb図柄「BLb」を有効ライン上に表示させるように第2リールR2の停止位置が決定される。すると、図26(C)に示すように、第2リールR2が停止した時点では、打順ベルc3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役5および小役26となる。
続いて、第2リールR2が停止しており、第1リールR1および第3リールR3が回転している状況でストップボタンB1が押下され、図34(A)に示すように、第1リールR1に対する第2停止操作の押下検出位置が3番であった場合、この押下検出位置に対して引き込み範囲内に存在する図柄は、図29に示す通りであり、入賞可能な当選役の入賞形態を示す図柄組み合わせを表示可能とする図柄は赤7図柄b「赤7b」とベル図柄a「BLa」となる。ここで、赤7図柄b「赤7b」を表示させた場合の図柄組み合わせの個数は4個であり、ベル図柄a「BLa」を表示させた場合の図柄組み合わせの個数は1個であるから、個数優先制御によって赤7図柄b「赤7b」の表示を優先し、図34(B)に示すように、4番の赤7図柄b「赤7b」を有効ライン上に表示させるように第1リールR1を停止させる。すると、図34(C)に示すように、第1リールR1が停止した時点では、打順ベルc3に含まれる小役のうち、入賞可能な当選役は、小役26のみとなる。
そして、最後に回転中の第3リールR3を停止させる際には、第3リールR3において、赤7図柄a「赤7a」、バー図柄「BAR」、チェリー図柄「CH」、および白7図柄「白7」は、押下検出位置に関わらずに、いずれかの図柄を有効ライン上に表示可能な位置関係で配置されているため、必ず小役26が入賞することになる。例えば、第3リールR3の押下検出位置が2番であった場合、図34(D)に示すように、4番の赤7図柄a「赤7a」を有効ライン上に表示させる位置で第3リールR3が停止して小役26が入賞する。
このように本実施の形態では、打順ベルc群および打順ベルd群に関して、BB成立状態において正解操作態様で停止操作を行えば10枚小役を入賞させることができるが、通常状態において正解操作態様で停止操作を行っても10枚小役の入賞が回避されて1枚小役が入賞する。そして本実施の形態では、打順ベルが当選した場合、第1停止操作が行われた時点では正解操作態様から失敗操作態様への転落の可能性を残しているため、遊技状態に応じた停止制御の切り替えを第2停止操作時に行っている。
図35は、第2停止操作時に停止制御を切り替える処理の一例を示すフローチャートである。
まず打順ベルの当選時においては、正解操作用の停止データと失敗操作用の停止データとが参照用のデータとして設定される(ステップS100)。正解操作用の停止データは15枚小役(打順ベルa群および打順ベルb群)または10枚小役(打順ベルc群および打順ベルd群)の入賞形態を構成する図柄を優先的に有効ライン上に表示するための停止データであり、失敗操作用の停止データは1枚小役の入賞形態を構成する図柄を優先的に有効ライン上に表示するための停止データである。
そして第1停止操作時ではなく(ステップS101でN)、第3停止操作時でもなければ(ステップS102でN)、当選した打順ベルが打順ベルa群または打順ベルb群のいずれかに属するものであるか否かをチェックする(ステップS103)。
当選した打順ベルが打順ベルa群または打順ベルb群に属するものであった場合には(ステップS103でY)、遊技状態を判断するステップS104の処理をスキップしてステップS105以降の処理に進む。
また当選した打順ベルc群または打順ベルd群のいずれかに属するものであった場合には(ステップS103でN)、遊技状態が通常状態であるか否かをチェックし(ステップS104)、遊技状態が通常状態である場合には(ステップS104でY)、参照する停止データを失敗操作用の停止データに更新する(ステップS107)。
一方、遊技状態がBB成立状態である場合には(ステップS104でN)、第2停止操作が正解操作態様であるか否かをチェックし(ステップS105)、正解操作態様である場合には(ステップS105でN)、参照する停止データを正解操作用の停止データに更新し(ステップS106)、正解操作態様でない場合には(ステップS105でY)、参照する停止データを失敗操作用の停止データに更新する(ステップS106)。
このように本実施の形態では、打順ベルの当選した遊技において、第2停止操作時に、当選した打順ベルの種類を判断し、打順ベルc群または打順ベルd群に属するものであると判断された場合に、滞在している遊技状態の判断を行って処理を分岐させることによって停止制御の切り替えを行っている。
以上に述べた本実施の形態によれば、打順ベルa群および打順ベルb群に属する打順ベルについては通常状態およびBB成立状態のいずれにおいても正解小役が入賞可能であり、打順ベルc群および打順ベルd群に属する打順ベルについては通常状態では正解小役を入賞させることができず、BB成立状態では正解小役が入賞可能となっているため、各遊技状態でのメダルの獲得性能を好適に調整することが可能となる。
図36は、本実施の形態における各遊技状態でのメダルの獲得性能(ここでは出玉率の期待値)を比較した模式図である。
図36に示すように、通常状態では、打順1,2<打順3~6の関係となっており、BB成立状態でも、打順1,2<打順3~6の関係となっている。すなわち通常状態およびBB成立状態では、第1リールR1を最初に停止させる遊技方法よりも第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる遊技方法の方が出玉率の期待値の面からみると有利となっている。なおBB状態については、停止操作の順序による出玉率の期待値の偏りはない。
また本実施の形態では、停止操作の順序の観点から出玉率の期待値を比較すると、打順1,2(第1リールR1を最初に停止させる遊技方法)は通常状態とBB成立状態との間で出玉率の期待値が変化せず、打順3~6(第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる遊技方法)は通常状態とBB成立状態との間で出玉率の期待値が変化し、かつBB成立状態の方が通常状態よりも出玉率の期待値が高くなっている。
また図36に示すように、遊技状態間での出玉率の期待値の違いを比較すると、打順3~6に関しては、通常状態<BB状態<BB成立状態となっており、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる遊技方法では、BB状態は通常状態よりも出玉率の期待値が高く、さらにBB成立状態はBB状態よりも出玉率の期待値が高いという関係になっていることが判る。
本実施の形態のように、打順1,2よりも打順3~6の方がメダルの獲得性能が高くなるような仕様では、規則で定められた出玉率の範囲の下限を下回らないように、打順3~6での出玉率の期待値を高い水準で設計する必要がある。
そして本実施の形態では、BB状態の出玉率の期待値を低めに設計することでBB成立状態の出玉率の期待値を上昇させても規則で定められた出玉率の範囲の上限を超えないようにするものであり、BB状態の出玉率の期待値を下げた分だけ設計自由度を確保することができる。そしてBB状態に関しては、BB状態でのメダルの獲得性能が通常状態でのメダルの獲得性能を上回っていることが要求されていることから、BB状態の出玉率の期待値を下げるためには、通常状態の出玉率の期待値を低く設計する必要が生じる。
しかしながら、通常状態とBB状態とのメダルの獲得性能の比較は、通常状態で出玉率の期待値が最も高い遊技方法との比較となることから、出玉率の期待値が高い打順3~6での比較となり、BB状態のメダルの獲得性能を低く設計することの障害となる。
そこでBB状態のメダルの獲得性能を設計する上での指標となる通常状態のメダルの獲得性能を下げるべく、通常状態ではBB成立状態と打順ベルの当選時における停止制御の制御則を異ならせることで、配当の高い小役の入賞を制限することで所望する効果を得ることができる。ただし本実施の形態のように有利区間において通常演出状態で遊技を行っている状況で第1リールR1を最初に停止させる遊技方法が推奨される仕様では、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる遊技方法を不利に取り扱うために、通常状態とBB成立状態とにおいて停止操作の順序のそれぞれにおける出玉率の期待値の大小関係を維持することが要求される場合がある。
このため本実施の形態では、通常状態およびBB成立状態において制御則が共通の打順ベル群として打順ベルa群および打順ベルb群と、通常状態とBB成立状態とにおいて制御則が異なる打順ベル群として打順ベルc群および打順ベルd群とを設け、打順ベルc群および打順ベルd群については通常状態において正解小役を入賞不可能とすることで、停止操作の順序の間に関する出玉率の期待値の大小関係を保ったまま、通常状態での出玉率の期待値を下げ、その結果として、BB状態の出玉率の期待値の下げ幅を確保する効果を得ることができる。
なお本実施形態の手法によれば、仮に、打順ベルとして打順ベルa群および打順ベルb群が存在せず、打順ベルc群および打順ベルd群が存在していた場合であっても、通常状態での各停止操作の順序に関する出玉率の期待値が均等であるため、通常状態とBB成立状態とで停止操作の順序に応じた出玉率の期待値の大小関係を保ったまま通常状態の出玉率の期待値を下げることができる。
また本実施の形態のように、打順ベルとして打順ベルa群~打順ベルd群が存在している場合、打順ベルa群および打順ベルb群によって形成される停止操作の順序に応じた出玉率の期待値の偏りが通常状態でも維持されるため、通常状態とBB成立状態とで停止操作の順序に応じた出玉率の期待値の大小関係を保ったまま通常状態の出玉率の期待値を下げることができる。
また打順ベルa群および打順ベルb群において第1リールR1を最初に停止させる遊技方法である打順1,2において正解操作態様が設定されている当選態様を含んでいてもよく、この場合、打順ベルa群および打順ベルb群については通常状態とBB成立状態とにおいて同様の制御則でリールを停止させる制御を行うことによって通常状態とBB成立状態とにおいて停止操作の順序に応じた出玉率の期待値の大小関係は維持される。このため、打順ベルa群および打順ベルb群について打順1,2に正解操作態様が存在する構成であった場合でも、通常状態とBB成立状態とで停止操作の順序に応じた出玉率の期待値の大小関係を保ったまま通常状態の出玉率の期待値を下げることができる。
また本実施の形態では、第1リールR1以外のリールを最初に停止させる遊技方法については、出玉率の期待値が同一となるように設計した場合を例にとり説明をしたが、微差にすぎない程度の違いであれば、完全に同一でなくてもよい。
また本実施の形態では、第1リールR1を最初に停止させる停止操作の順序である打順1または打順2において正解小役を入賞させることができる打順ベルが設けられていなかったが、打順1および打順2に関して正解操作態様が設定されている打順ベルを設けた構成としてもよく、その場合、通常状態において正解小役の入賞が不可能となる打順ベルc群および打順ベルd群の少なくとも一方において打順1に関する正解操作態様が設定された打順ベルと打順2に関する正解操作態様が設定された打順ベルとを含ませることができる。このようにすれば、打順ベルc群および打順ベルd群について通常状態では正解小役の入賞が不可能になっても停止操作の順序の偏りなく出玉率の期待値を下げる効果を発揮するので、通常状態とBB成立状態とにおいて停止操作の順序のそれぞれにおける出玉率の期待値の大小関係を保ったまま、通常状態の出玉率の期待値を下げる効果を得ることができる。
また本実施形態では、打順ベルa群および打順ベルb群については打順ベルc群および打順ベルd群とは異なる正解小役を用いることで、正解小役の種類を増やしてBB状態の出玉率の期待値の調整幅を確保することができる。ただし打順ベルa群~打順ベルd群およおび特殊打順ベルに関して、いずれも正解小役を10枚小役とするようにしてもよい。
また本実施の形態では、打順ベルを構成しない10枚小役として、小役9が設けられており、小役9を含む当選態様として共通ベルが存在する。本実施の形態では、共通ベルに関しては、通常状態およびBB成立状態のいずれにおいても10枚小役を入賞可能とする構成であったが、共通ベルについて、BB成立状態では10枚小役を入賞可能とし、通常状態では10枚小役を入賞不可能とするように制御してもよい。このようにすれば、共通ベルについても遊技状態に応じて停止制御の制御則の切り替えが行われて通常状態での出玉率の期待値を下げる効果を発揮する。そして共通ベルについて通常状態では停止操作の順序の偏りなく出玉率の期待値を下げるようにすれば、通常状態とBB成立状態とにおいて停止操作の順序のそれぞれにおける出玉率の期待値の大小関係を保ったまま、通常状態の出玉率の期待値を下げる効果を得ることができる。
また本実施の形態では、打順ベルa群~打順ベルd群および特殊打順ベルのみでは、AT状態ではない遊技(以下、非AT中遊技と呼ぶ)の出玉率の期待値が、規則で定められた出玉率の範囲の下限を下回るおそれがあるため、BB成立状態において停止操作の順序によらず10枚小役を入賞可能な共通ベルの存在によって非AT中遊技の出玉率の期待値の底上げを図ることができる。
また本実施の形態では、打順ベルの当選時において、第2停止操作の時点において正解操作態様であることが確定するものであったが、第1停止操作の時点で正解操作態様であるか否かが確定するようなものであってもよい。
また本実施の形態では、打順ベルa群および打順ベルb群に関して、第1停止操作が第2リールR2または第3リールR3を停止させるものであって失敗操作態様である場合に、1枚小役が入賞しない場合があるように停止制御を行う構成となっているが、これは高純増仕様を設計する上で、正解操作態様を第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる打順3~打順6に偏らせていることから、これらの操作順序における非AT中遊技の出玉率の上昇を抑えるためである。特に、本実施の形態では、通常演出状態において打順ベルの当選時に打順3~打順6に沿って停止操作を行っても、次遊技以降にペナルティが及ぶことがないため、打順1,2と打順3~打順6との間で非AT中遊技の出玉率の乖離が大きいと、AT抽選を受けることができないことを考慮しても打順3~打順6で遊技を行った方が良いという攻略要素を排除することが難しくなる。このため、第1停止操作が第2リールR2または第3リールR3を停止させるものであって失敗操作態様である場合に、1枚小役の入賞率を1/4にまで低くして、打順3~打順6の非AT中遊技の出玉率の上昇を抑えることができる。
また本実施の形態では、打順ベルの当選時において、停止操作の順序が正解打順であって第1停止操作が正解位置で行われた場合に正解小役を入賞させることができるものであったが、停止操作の順序が正解打順であって第2停止操作または第3停止操作が正解位置で行われた場合に正解小役が入賞する仕様であってもよい。この場合、正解位置で停止操作を行うことが要求されるのは、第1停止操作、第2停止操作、および第3停止操作の少なくとも1つ以上であればよく、正解位置での停止操作を要求されるのが、第1停止操作のみ、第2停止操作のみ、または第3停止操作のみ等の停止操作の順序に依存するものであってもよいし、第1リールR1~第3リールR3のうち所定のリール(所定のリールは1つであってもよいし、2つ以上であってもよい)のみに関して正解位置での停止操作が要求されるものであってもよい。そして本出願においては、正解操作態様において正解小役が入賞可能であることは、正解打順であっても正解小役が入賞する場合と正解小役が入賞しない場合とが存在していてもよいことを意味する。また本出願において、正解操作態様には、停止操作の順序に指定があるが押下検出位置の指定がない操作態様、停止操作の順序および押下検出位置のいずれにも指定がある操作態様が含まれる。
また通常区間において有利区間移行抽選が行われる場合には、必ず有利区間当選の抽選結果を得て有利区間に移行することが好ましい。このようにすれば、通常区間から有利区間への移行率が高くなることによって通常区間の滞在期間を少なくすることができる。本実施の形態では、BB成立状態において第1リールR1を最初に停止させる場合と第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる場合とでは、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる場合の方がメダルの獲得期待値が高くなり、通常区間において有利区間への移行等に関する処理は内部抽選の結果に紐付いて実行されて、いずれのリールを最初に停止させても有利度合いに違いがない。このため、通常区間に長期に亘って滞在すると第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる遊技方法が有利となってしまうという攻略要素が発生する。また有利区間に滞在しているか否かは有利区間報知によって遊技者が認識可能であるため、有利区間報知の有無を確認して遊技方法を切り替えることが容易になってしまう。そこで、有利区間移行確率を極めて高くすることによって、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させることが有利となる状況をなるべく少なくすることができる。特に、先に述べた有利区間移行率を高める手法は、内部抽選の結果に応じた有利区間移行処理を行うとともに、有利区間中の指示情報の提供に関連付けられた処理に設定差を設ける代わりに、BB状態でのメダルの払出数とアシストタイム遊技における正解操作報知によるメダルの払出数とを合算した値を総払出数で割った値(いわゆる指示込み役物比率)が70%を超えないように設計された遊技仕様において好適であり、本実施の形態においても同様の遊技仕様を採用している。
また本実施の形態では、BB成立状態において有利区間に滞在している場合には、その有利区間が終了するまでの間に必ず1回はAT状態に移行するように天井機能を搭載している。これにより一連の有利区間中においてAT状態へ移行せずに有利区間の終了条件を迎えて正解小役を入賞させるための正解操作報知が行われずに有利区間が終了することを回避することができる。なお本実施の形態では、天井カウンタ1924の値の更新は、有利区間において通常演出状態に滞在している場合に行われ、遊技が行われる毎に一定値ずつ更新され、打順ベルの当選時に限っては1枚小役の入賞を条件として更新を許可するものであったが、内部抽選の結果に応じた値で更新すること、または役の入賞等の遊技結果に応じた値で更新することなどであってもよい。また天井カウンタ1924の値の更新については、第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)で停止操作が行われている場合には、天井カウンタ1924の値を所定値に近づけることを許容し、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(打順3~打順6)で停止操作が行われている場合には、天井カウンタ1924の値を所定値に近づけることを許容しないようにすることが好ましい。このように一連の有利区間中に最低限として1回はAT状態へ移行するような仕様を設ける理由は、有利区間の終了条件となる遊技回数を1500回に設定したこととの関係で、いわゆる新中期試験(1600G)での出玉率の範囲の下限を下回る可能性をできる限り減らすためである。特に本実施の形態では、第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(打順3~打順6)でのメダルの獲得性能が第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)でのメダルの獲得性能よりも高く、第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)でのメダルの獲得が厳しい仕様となっているため、1回もAT状態へ移行せずに1500Gの有利区間を消化してしまうと、出玉率が低すぎる事態に陥る可能性がある。このため天井機能を設けつつ、天井機能の発動に必要な天井カウンタ1924の値の更新を、第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)に関して許可するようにすることが好ましい。
また本実施の形態では、BB成立状態で第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)で停止操作を行うと2枚以上のメダルの払い出しが行われる当選態様として、共通ベルと目押し役とが設けられており、これらの当選態様のいずれかを得る確率が少なくとも1/400以上となっている。
本実施の形態では、BB成立状態において打順ベルa群~打順ベルd群のいずれかに属する打順ベルが当選した時に第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)で停止操作を行うと必ず1枚小役を入賞させることができるが、いわゆる短時間試験における出玉率の範囲の下限はメダルの投入数に対してメダルの払出数が「1/3を超える」であり、出玉率が33.33333・・・・%では短時間試験において不適合となってしまう。このため、第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)で停止操作を行う遊技方法において、適度な頻度で2枚以上のメダルの払い出しが行われる当選態様を設けることが必要となる。
そこで本実施の形態では、共通ベルおよび目押し役の当選態様を用意し、第1リールR1を最初に停止させる操作順序(打順1,2)で停止操作を行った場合にほぼ2枚以上のメダルの払い出しができるようにしている。なお本実施の形態において、共通ベルの当選確率は約1/30、目押し役の当選確率は約1/256に設定され、これらの合算確率は約1/27であり、短時間試験の400Gの間にいずれかの共通ベルまたは目押し役のいずれかが、ほぼ確実に1回以上得られるようになっているため、短時間試験での適合が見込める設計が可能である。
また本実施の形態では、打順ベルの当選時において正解小役の入賞の可能性のある停止操作の順序が第2リールR2または第3リールR3を最初に停止させる操作順序(打順3~打順6)に偏っているため、少なくとも非AT中遊技において打順ベルの当選情報がサブ基板側に通知されないようにすることが好ましい。なお有利区間であって指示情報を遊技者に提供する状況においては、打順ベルの当選情報をサブ基板側に通知するようにしてもよいし、非AT中遊技であるか、AT中遊技であるかに関わらず打順ベルの当選情報はサブ基板側に一切通知しないようにしてもよい。また打順ベルの当選情報がサブ基板側に通知されない仕様であっても、メイン基板側において正解操作報知を行う際には正解操作態様に対応する指示情報をサブ基板側に通知すればサブ基板側で入賞補助演出は実行可能であり、打順ベルの当選情報そのものを通知しなくても滞りなくアシストタイム遊技を行うことは可能である。このように、少なくとも非AT中遊技については打順ベルの当選情報をサブ基板側に通知しないようにすれば、サブ基板を改造して非AT中遊技において打順ベルの当選を不正に把握して非AT中遊技におけるメダルの消費を抑えるという不正行為を未然に防ぐことができる。
また本実施の形態では、遊技を行う際にメダル等の遊技媒体を投入し、役の入賞によって遊技媒体を払い出すようにした遊技機であったが、遊技媒体を用いずに電子的情報としての遊技価値を消費または付与することによって遊技を行わせるようにしてもよい。例えば、遊技機または遊技機に接続される外部ユニットにおいて遊技者の所有する遊技価値の情報を記憶することができるようにして、遊技価値の数を減算することによって遊技価値を消費することを遊技媒体の投入に置き換え、遊技価値の数を加算することによって遊技価値を付与することを遊技媒体の払い出しに置き換えた構成としてもよい。