以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、上部前面扉UD、および下部前面扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
上部前面扉UDと下部前面扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、上部前面扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインに停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
また上部前面扉UDには、遊技情報表示部DSおよび区間表示器SECが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。また区間表示器SECは、内蔵されるLEDの消灯および点灯によって有利区間に滞在しているか否かを報知するものである。
また上部前面扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、上部前面扉UDや下部前面扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また下部前面扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、ストップボタンB1〜B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また下部前面扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(制御基板)100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、RT制御手段173、AT制御手段175、初期化手段177、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190のメイン抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、メイン抽選テーブル記憶手段191に、図3および図4に示すような6種類の内部抽選テーブル(内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6)が記憶されている。そして各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。
なお本実施形態の遊技機では、小役として、小役1〜小役11が用意されており、小役の当選態様として、打順ベル1〜打順ベル9、共通ベル、スイカ、チェリー、およびJACが設定されている。
各小役の当選態様について図5を参照しながら具体的に説明すると、打順ベル1〜打順ベル9は、2種類〜4種類の1枚小役(配当が1枚の小役)と、1種類の8枚小役(配当が8枚の小役:特定小役の一例)とが重複して当選することを示しており、共通ベルは、1種類の13枚小役(配当が13枚の小役)と、1種類の14枚小役(配当が14枚の小役)とが重複して当選することを示している。
またスイカは、1種類の3枚小役(配当が3枚の小役)が単独で当選することを示しており、チェリーは、1種類の2枚小役(配当が2枚の小役)が単独で当選することを示しており、JACは、5種類の1枚小役と、1種類の2枚小役と、1種類の3枚小役と、1種類の8枚小役と、1種類の13枚小役と、1種類の14枚小役と、1種類の15枚小役(配当が15枚の小役)とが重複して当選することを示している。
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1〜リプレイ6が用意されており、リプレイの当選態様として、通常リプレイ1〜通常リプレイ3と、打順リプレイ1〜打順リプレイ12とが設定されている。
各リプレイの当選態様について図6を参照しながら具体的に説明すると、通常リプレイ1〜通常リプレイ3は、リプレイ1を含む2種類のリプレイが重複して当選することを示しており、打順リプレイ1〜打順リプレイ6は、リプレイ1およびリプレイ2を含む2種類〜5種類のリプレイが重複して当選することを示しており、打順リプレイ7〜打順リプレイ12は、リプレイ1およびリプレイ3を含む2種類〜5種類のリプレイが重複して当選することを示している。
また本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル5において小役の当選確率が同一であって、内部抽選テーブル1=内部抽選テーブル2=内部抽選テーブル5<内部抽選テーブル3<内部抽選テーブル4の順にリプレイの当選確率が高くなっている。また内部抽選テーブル6では、内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル5よりも高確率で小役が当選し、リプレイが抽選対象とはなっていない。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル4では、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブル5および内部抽選テーブル6では、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、BB成立状態、およびBB状態が設定可能とされ、RT状態(リプレイの抽選状態)として、非RT状態、RT1状態、RT2状態、およびRT3状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態およびRT状態に応じて内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190のメイン抽選テーブル記憶手段191に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ボーナスがあり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、例えば、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1〜第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1〜B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
そして本実施形態では、図7に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、黒7図柄「黒7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ダミー図柄「DUM」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示させることができるようになっている。
またリール制御手段130は、優先度により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
まずロジック演算では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内(または0コマ〜1コマの範囲内)に存在する5コマ分(または2コマ分)の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>ボーナス」かつ「小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度は、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて優先度を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合とが存在し、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求め、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われ、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が同数となる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
そして本実施形態では、打順ベルが当選した場合に、ストップボタンB1〜B3の押下順序に応じたロジック演算が行われる。具体的には、打順ベル1〜打順ベル9のそれぞれに対して正解打順が設定されており、正解打順とは異なる押下順序が不正解打順として扱われる。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、最初に押下されたストップボタンの種類が正解打順に対応している場合には正解打順であることが確定し、メダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、各リールを停止させる段階で最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
そして本実施形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、8枚小役(小役6)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、1枚小役(小役1〜小役5)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。
なお遊技状態がBB成立状態である場合には、ボーナスよりも小役の入賞が優先されるため、打順ベルが当選して正解打順に沿って停止操作が行われれば8枚小役が入賞し、不正解打順に沿って停止操作が行われても1枚小役の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示する際にビッグボーナス(BB)の入賞が回避されるように優先度が求められる。ただし、スイカやチェリーの当選時においては、スイカに対応する3枚小役やチェリーに対応する2枚小役の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させることができずにビッグボーナス(BB)の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させることができる押下検出位置が存在しているため、BB成立状態においてスイカやチェリーが当選した場合には小役が入賞せずにビッグボーナス(BB)が入賞する場合がある。
またBB成立状態での打順ベルの当選時には押下順序に応じて優先される小役の種類が変わるように停止位置を決定するようにしてもよく、例えば、BB成立状態での打順ベルの当選時には押下順序に関わらずに有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が最大となる停止位置となるように優先度を求めて、8枚小役の入賞よりも1枚小役の入賞を優先して停止位置を決定するようにしてもよい。このようにBB成立状態で8枚小役よりも1枚小役を優先的に入賞させるようにすれば、BB成立状態でのメダルの獲得期待値をより低く抑えられるため、BB成立状態でビッグボーナス(BB)をできるだけ早く入賞させる動機付けを遊技者に与えることができる。
また本実施形態では、共通ベルやJACが当選した場合には、メダルの払出数に応じて優先度を求めるようにロジック演算が行われ、共通ベルの当選時においては、いずれの押下順序で停止操作が行われても14枚小役(小役10)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、JACの当選時においては、いずれの押下順序で停止操作が行われても15枚小役(小役11)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。
またロジック演算では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補についての優先度を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補についての優先度を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理では、ロジック演算を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。
そして内部抽選で打順ベル1〜打順ベル9のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図8に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順(特定の操作順序の一例)が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。
そして本実施形態では、図8に示すように、打順ベル1〜打順ベル9のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、8枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、1枚小役のいずれかが入賞する場合と、いずれの小役も入賞せずにRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示される場合とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
なおBB成立状態で打順ベルが当選した場合でも、ボーナスよりも小役の入賞を優先しているため、正解打順では8枚小役が入賞し、不正解打順では1枚小役がする場合といずれの役も入賞せずにRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示される場合とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお本実施形態では、BB成立状態における打順ベルの当選時において最初の停止操作が行われた時点で必ずいずれかの小役の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させるようにすることでビッグボーナス(BB)の入賞が回避されるようになっているため、打順ベルに含まれる8枚小役および1枚小役のいずれも入賞しない場合であってもビッグボーナス(BB)が入賞することはない。
また本実施形態では、共通ベルやJACが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、共通ベルの当選時においては、いずれの押下順序で停止操作が行われても14枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、JACの当選時においては、いずれの押下順序で停止操作が行われても15枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また本実施形態では、打順リプレイ1〜打順リプレイ12のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図9に示すように、それぞれの打順リプレイに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。
そして本実施形態では、図9に示すように、打順リプレイ1〜打順リプレイ6のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、リプレイ2が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、リプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また本実施形態では、図9に示すように、打順リプレイ7〜打順リプレイ12のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、リプレイ3が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、リプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
なお本実施形態では、通常リプレイ1〜通常リプレイ3のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれの場合においても押下順序に関わらずにリプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かなどを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図10および図11に示すように、ビッグボーナス(BB)、リプレイ1〜リプレイ6、小役1〜小役11の入賞の有無やRT変動ブランクの表示の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、役が入賞した場合に入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。また全てのリールが停止している状態で有効ライン上に所定の図柄組合せが表示されている場合には、表示された図柄組合せに応じてRT制御手段173によってRT状態を変動させる制御が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図12(A)に示すように、通常状態、BB成立状態、およびBB状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはBB成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にはBB成立状態へ移行する。また通常状態では、図3および図4に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、ビッグボーナス(BB)が抽選対象に設定されている内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル4のいずれかをRT状態に応じて参照して内部抽選が行われる。
BB成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。BB成立状態では、図3および図4に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、通常状態と同じ確率で小役の当否が決定され、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定された内部抽選テーブル5を参照した内部抽選が行われる。
またBB成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持されたまま小役およびリプレイの当否が決定され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、ビッグボーナス(BB)の入賞に基づいて遊技状態をBB成立状態からBB状態へ移行させる。
BB状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。BB状態では、図3および図4に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、小役の当選確率が内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル5よりも高く設定され、リプレイが抽選対象から除外された内部抽選テーブル6を参照した内部抽選が行われる。すなわちBB状態では、通常状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
またBB状態では、BB状態でのボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた終了予定払出数(例えば、300枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、BB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
RT制御手段173は、図12(B)に示すように、非RT状態(非リプレイタイム状態)、RT1状態(第1リプレイタイム状態)、RT2状態(第2リプレイタイム状態)、およびRT3状態(第3リプレイタイム状態)の間でRT状態を移行させるRT移行制御処理を行う。本実施形態では、RT状態に応じてリプレイの抽選態様が異なり、具体的には、リプレイの当選確率、抽選対象となるリプレイの種類、および重複して当選するリプレイの組合せの少なくとも1つが異なっている。RT状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、RT状態を別のRT状態へ移行させることができる。
非RT状態(リプレイ低確率状態の一例)は、複数種類のRT状態の中で初期状態に相当するRT状態で、非RT状態からはRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、非RT状態においてRT変動ブランクをしめす図柄組合せが有効ライン上に表示された場合にはRT1状態へ移行する。また非RT状態では、図3および図4に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として通常リプレイ1〜通常リプレイ3が設定され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブル1を参照した内部抽選が行われる。なお本実施形態では、BB状態の終了に伴って遊技状態が通常状態に復帰する際に非RT状態に設定され、また遊技状態が通常状態である場合に非RT状態以外のRT状態において1枚小役が入賞するとRT状態が非RT状態に移行するようになっている。
RT1状態(リプレイ低確率状態の一例)は、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行するRT状態であって、RT1状態からはRT2状態および非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、RT1状態においてリプレイ2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(リプレイ2が入賞した場合)にはRT2状態へ移行し、RT1状態において1枚小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(1枚小役が入賞した場合)には非RT状態へ移行する。またRT1状態では、図3および図4に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として打順リプレイ1〜打順リプレイ6が設定され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブル2を参照した内部抽選が行われる。
RT2状態は、リプレイ2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行するRT状態であって、RT2状態からはRT3状態、非RT状態、およびRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、RT2状態においてリプレイ3の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(リプレイ3が入賞した場合)にはRT3状態へ移行し、RT2状態において1枚小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(1枚小役が入賞した場合)には非RT状態へ移行し、RT2状態においてRT変動ブランクをしめす図柄組合せが有効ライン上に表示された場合にはRT1状態へ移行する。またRT2状態では、図3および図4に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として打順リプレイ7〜打順リプレイ12が設定され、リプレイの当選確率が約1/2.5に設定されている内部抽選テーブル3を参照した内部抽選が行われる。
RT3状態(リプレイ高確率状態の一例)は、リプレイ3の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行するRT状態であって、RT3状態からは非RT状態およびRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、RT3状態において1枚小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(1枚小役が入賞した場合)には非RT状態へ移行し、RT3状態においてRT変動ブランクをしめす図柄組合せが有効ライン上に表示された場合にはRT1状態へ移行する。またRT3状態では、図3および図4に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として通常リプレイ1〜通常リプレイ3が設定され、リプレイの当選確率が約1/2.0に設定されている内部抽選テーブル4を参照した内部抽選が行われる。なお通常状態においてRT3状態に滞在している場合に参照される内部抽選テーブル4では内部抽選の結果がハズレとなることはないように役と乱数値との対応関係が設定されている。
AT制御手段175は、図13に示すように、非AT状態(通常演出状態の一例)、AT準備状態、AT状態(特別演出状態の一例)、およびAT終了待機状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、AT終了判定カウンタ195の値に基づいてAT状態の終了条件の成否を判定して、AT状態の終了条件の成立に伴いAT状態を終了させる制御を行う。本実施形態では、AT準備状態やAT状態に滞在している遊技では、演出制御手段180によって、打順ベルの当選時に正解打順を報知することにより8枚小役(小役6)の入賞を補助する入賞補助演出が行われ、非AT状態に滞在している遊技よりもメダルが獲得しやすい遊技を行うことができるようになっている。
そしてAT制御手段175は、遊技状態が通常状態であって、演出状態が非AT状態またはAT終了待機状態である場合において、内部抽選で共通ベル、スイカ、チェリー、ビッグボーナス(BB)のいずれかが当選したことに基づいてAT抽選(特定抽選の一例)を行う。AT抽選では、内部抽選のために取得した乱数値をメイン抽選テーブル記憶手段191に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選テーブルでは、AT抽選の契機となる内部抽選での各当選態様(共通ベル、スイカ、チェリー、ビッグボーナス(BB))に対応づけられた内部抽選用の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応づけられており、内部抽選のために取得した乱数値がAT抽選テーブルにおいて当選に対応づけられている場合に、AT抽選に当選したと判定される。また本実施形態では、AT抽選の抽選状態として当選確率が約1/256(初期確率の一例)の低確率状態と当選確率が約1/64の高確率状態とを設定可能となっており、AT抽選では抽選状態に応じたAT抽選テーブルが参照されるようになっている。すなわち抽選状態が高確率状態である場合には抽選状態が低確率状態である場合よりも当選確率が高くなるように設定されたAT抽選テーブルが参照される。なお内部抽選での当選態様に応じてAT抽選の当選確率が異なるようにしてもよい。この場合には低確率状態と高確率状態とにおいてAT抽選の当選確率が同一、または低確率状態の方が高確率状態よりもAT抽選の当選確率が高くなる当選態様が存在していてもよく、AT抽選の当選に割り当てられる乱数値の総数が「高確率状態>低確率状態」の関係となっていれば当選態様毎のAT抽選の当選確率は任意に定めることができる。
そしてAT制御手段175は、AT抽選に当選した場合に、演出状態を非AT状態からAT準備状態に移行させ、AT準備状態では、演出制御手段180によって、RT状態をRT3状態へ導くように入賞補助演出が実行される。
例えば、AT抽選の当選時において非AT状態において滞在している可能性の高いRT状態であるRT1状態に滞在している場合には、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時にリプレイ2を入賞させることができるように、正解打順を報知する入賞補助演出を実行してRT状態をRT2状態に誘導し、RT2状態では打順リプレイ7〜打順リプレイ12の当選時にリプレイ3を入賞させることができるように、正解打順を報知する入賞補助演出を実行してRT状態をRT3状態に誘導する。
なお本実施形態では、AT準備状態において演出制御手段180によって打順ベルの当選時に正解打順を報知する入賞補助演出が行われるが、AT準備状態において非RT状態に滞在している場合にはRT状態をRT1状態に変動させるためにRT変動ブランクを示す図柄組合せを有効ライン上に表示させるべく不正解打順で停止操作が行われる必要がある。このため、非RT状態に滞在している状況でAT抽選に当選した場合には、AT準備状態であっても非RT状態に滞在している間は打順ベルの当選時に入賞補助演出は実行されないようになっている。
また本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の当選に基づくAT抽選に当選した場合には、AT抽選の当選情報をBB状態が終了するまで保持し、BB状態の終了に伴って演出状態がAT準備状態に設定される。
そしてAT制御手段175は、AT準備状態に設定されている場合にRT状態がRT3状態に移行したことに基づいて、演出状態をAT準備状態からAT状態へ移行させる。なおAT準備状態からAT状態への移行は、AT準備状態に設定されている場合にRT状態がRT2状態に移行したことに基づいて行われるようにしてもよいし、AT準備状態に設定されている場合にRT2状態において打順リプレイ7〜打順リプレイ12のいずれかが当選したことに基づいて、当該遊技の終了時にAT状態へ移行させるようにしてもよい。
またAT状態において遊技者の操作ミスによりRT状態が非RT状態やRT1状態に転落した場合には、AT状態に滞在している限りはRT状態をRT3状態へ復帰させるように入賞補助演出が行われる。ただしAT状態においてRT状態が非RT状態に転落した場合には、RT状態をRT1状態に誘導するために、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるまで打順ベルの当選時の入賞補助演出は行われない。
またAT制御手段175は、AT抽選に当選したことに基づいて、AT状態の終了条件となる遊技回数である50回に相当する値「50」を、AT終了判定カウンタ195に設定し、AT状態では、1回の遊技が行われる毎に、例えば、スタートレバーSLが押下されたことを契機として、AT終了判定カウンタ195の値から1回分の遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新を行う。またAT状態においては遊技者の操作ミスによりRT状態が非RT状態やRT1状態に転落したことによってRT状態をRT3状態へ復帰させる過程においてもAT終了判定カウンタ195のデクリメント更新は継続される。
そしてAT制御手段175は、AT終了判定カウンタ195の記憶値が初期値「0」に達すると、AT状態の終了条件が成立したと判断され、AT制御手段175は、演出状態をAT終了待機状態に設定し、AT終了待機状態においてRT状態が非RT状態またはRT1状態に移行すると演出状態を非AT状態に復帰させる。本実施形態では、AT状態の終了後のAT終了待機状態では演出制御手段180による打順ベルの当選時の入賞補助演出が行われなくなるため、1枚小役の入賞またはRT変動ブランクを示す図柄組合せの表示によってRT状態が非RT状態またはRT1状態に転落しやすくなる。なおAT状態の終了後の演出状態としてはAT終了待機状態を設けずに非AT状態へ復帰するようにしてもよい。またAT終了待機状態から非AT状態への復帰条件は、例えば、打順ベルの当選時に不正解打順で停止操作が行われたことや、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるか、1枚小役が入賞すること等としてもよい。
なお本実施形態では初期化処理の管理用の遊技区間として有利区間を設定可能として、有利区間である場合に限って演出状態をAT準備状態、AT状態、AT終了待機状態に設定することができるようになっている。このため後述にて詳細に説明するが、演出状態がAT準備状態、AT状態、AT終了待機状態に滞在している場合に有利区間が終了した場合には、図13に示すように、初期化処理によってAT準備状態、AT状態、AT終了待機状態は強制的に終了し、非AT状態に初期化されるようになっている。
またAT制御手段175は、AT状態において、内部抽選で得られた小役の当選態様が、スイカ、チェリー、または共通ベルであった場合に、内部抽選での役の当選態様に応じてAT終了判定カウンタ195の記憶値に所与の加算値を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。
上乗せ抽選では、内部抽選のために取得した乱数値をメイン抽選テーブル記憶手段191に記憶されている上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選テーブルでは、上乗せ抽選の契機となる当選態様に対応づけられた乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応づけられており、上乗せ抽選で取得した乱数値が上乗せ抽選テーブルにおいて当選に対応づけられている場合に、上乗せ抽選に当選したと判定される。また本実施形態では、複数種類の上乗せ抽選テーブルから内部抽選での役の当選態様に応じた上乗せ抽選テーブルが選択されるようになっており、上乗せ抽選の当選確率が「スイカ<チェリー<共通ベル」の順序で高くなるようになっている。また上乗せ抽選に当選した際の加算値は、「チェリー<共通ベル<スイカ」の順序で大きな加算値が選ばれるようになっている。なお内部抽選での役の当選態様と上乗せ抽選の当選確率の関係や、内部抽選での役の当選態様と上乗せ抽選に当選した際の加算値の関係は、前述したものに限られず、任意に定めることができる。
またAT制御手段175は、AT状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には、ビッグボーナス(BB)の当選に基づいてAT終了判定カウンタ195のデクリメント更新を中止してAT状態を中断し、BB状態の終了後からAT準備状態を経由してRT状態がRT3状態に移行することに伴ってAT状態が再開されるようになっている。
またAT制御手段175は、AT状態に移行する際に、AT抽選の抽選状態を変動可能とする遊技回数である32回に相当する所定値「32」を、確率変動カウンタ196に設定し、AT状態の終了後におけるAT終了待機状態や非AT状態での遊技において、1回の遊技が行われる毎に、例えば、スタートレバーSLが押下されたことを契機として、確率変動カウンタ196の値から1回分の遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新を行う。
そしてAT制御手段175は、確率変動カウンタ196の値が初期値(例えば、0)ではない場合に、RT状態に応じてAT抽選の抽選状態を設定し、RT状態が非RT状態またはRT1状態のいずれかである場合にはAT抽選の抽選状態を低確率状態に設定し、RT状態がRT2状態またはRT3状態のいずれかである場合にはAT抽選の抽選状態を高確率状態に設定する。
そして本実施形態では、確率変動カウンタ196の値が初期値(例えば、0)に達すると、後述する初期化手段177によって初期化処理が行われるようになっているが、確率変動カウンタ196が初期値に達するまでの遊技においてAT抽選に当選してAT状態に移行する場合には、そのAT状態に移行する際に確率変動カウンタ196の値が再び所定値「32」に設定されるようになっている。
また本実施形態では、確率変動カウンタ196の値が初期値に達するまでの遊技においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には確率変動カウンタ196のデクリメント更新が中断され、BB状態の終了時までビッグボーナス(BB)の当選時における確率変動カウンタ196の値が保持されるが、そのビッグボーナス(BB)の当選に基づいて行われたAT抽選で当選すれば、BB状態の終了後にAT準備状態を経てAT状態に移行する際に確率変動カウンタ196の値が再び所定値「32」に設定され、ビッグボーナス(BB)の当選に基づいて行われたAT抽選に当選しなかった場合には、BB状態の終了後に演出状態が非AT状態に復帰することに伴って初期化手段177によって初期化処理が行われるようになっている。
初期化手段177は、所定条件下で有利区間を発生させ、有利区間の終了に基づいて、演出状態に関わる制御情報を初期化する初期化処理を行う。特に本実施形態では初期化処理によって演出状態が非AT状態に初期化され、AT終了判定カウンタ195および確率変動カウンタ196の値が初期値(例えば、0)に初期化され、さらにAT抽選の抽選状態が低確率状態に初期化されるようになっている。また本実施の形態では、図14に示すように、初期化処理の管理用の遊技区間として、通常区間、有利区間、および内部中待機区間を設定可能とし、初期化手段177は、通常区間においてAT抽選に当選したことに基づいて、有利区間を開始する。すなわち本実施形態では、AT準備状態、AT状態、およびAT終了待機状態は有利区間である場合に設定可能となっている。なお本実施形態では、通常区間においてAT抽選が当選した遊技においてクリアカウンタ197の値を所定値(例えば、1)に設定して、有利区間では、遊技が行われる毎にクリアカウンタ197の値に一定値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行い、クリアカウンタ197の値がしきい値(例えば、1500)を超えたこと(クリアカウンタの値が「1501」に達したこと)に基づいて有利区間の終了条件が成立するようになっている。本実施形態においてクリアカウンタ197の更新は各遊技における回転中のリールが全て停止した後に行われるようになっているが、各遊技において予め定まっていれば、いずれの契機でクリアカウンタ197の更新を行うようにしてもよく、例えば、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を更新契機とするようにしてもよい。また有利区間においては、有利区間の終了条件に該当しない限りは、AT準備状態やAT状態等の各演出状態への移行が発生してもクリアカウンタ197の更新が行われる。
そして本実施形態では、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したと判断され、有利区間の終了に伴って通常区間に移行させるとともに初期化処理が実行される。このため、AT状態に滞在している状況においてクリアカウンタ197がしきい値を超えた場合には、初期化処理によってAT状態が強制終了して演出状態が非AT状態に初期化されるとともにAT終了判定カウンタ195の値が初期値(例えば、0)に初期化される。またAT準備状態に滞在している状況においてクリアカウンタ197がしきい値を超えた場合にも、初期化処理によってAT準備状態が強制終了して演出状態が非AT状態に初期化されるとともにAT終了判定カウンタ195の値が初期値(例えば、0)に初期化され、AT終了待機状態に滞在している状況においてクリアカウンタ197がしきい値を超えた場合には、非AT状態への復帰条件を満たしていなくても初期化処理によってAT終了待機状態が強制終了して演出状態が非AT状態に初期化される。なお初期化処理では、前述した演出状態、AT終了判定カウンタ195、確率変動カウンタ196、およびAT抽選の抽選状態の初期化のみならずクリアカウンタ197の初期化も行われ、具体的にはクリアカウンタ197の値が初期値(例えば、0)に初期化される。また本実施形態では、確率変動カウンタ196の値が初期値に達した場合やBB状態の終了時に演出状態が非AT状態に復帰する場合にも有利区間の終了条件が成立したと判断されて初期化処理が実行される。
また初期化手段177は、通常区間においてビッグボーナス(BB)が入賞した場合にもクリアカウンタ197の値を所定値(例えば、1)に設定して有利区間を発生させる。なお本実施形態では、ビッグボーナス(BB)については適切なタイミングで停止操作を行わなければ入賞させることができないため、通常区間においてビッグボーナス(BB)が当選してもビッグボーナス(BB)が入賞しなかった場合には内部中待機区間に移行し、ビッグボーナス(BB)の入賞に伴って有利区間が開始するようになっている。
また本実施形態では、内部中待機区間である場合にはAT抽選の実行を禁止し、内部抽選でAT抽選の実行契機となる当選態様が得られた場合であってもAT抽選は実行されないようになっている。ただし内部中待機区間においてもAT抽選を実行するように構成してもよいが、その場合にはAT抽選の結果を無効とすることが好ましい。
また本実施形態では、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えた状況においてBB成立状態に滞在している場合でも初期化処理が行われるが、この場合には有利区間終了後の通常区間の遊技において既に当選していたビッグボーナス(BB)を入賞させることができなかった場合には内部中待機区間に移行する。
また本実施形態では、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えた状況においてBB状態に滞在している場合においても初期化処理が行われるが、BB状態においてはAT抽選が行われないようになっているため、BB状態において初期化処理が行われた場合にはBB状態の終了後の演出状態は必ず非AT状態となり、BB状態の終了時に演出状態が非AT状態に復帰する際にも初期化処理が行われる。
また本実施形態では、通常区間でのAT抽選の当選により有利区間が開始されて有利区間内においてAT状態の遊技を行うようになっているが、AT状態が終了してもAT状態の終了後からカウントが開始される確率変動カウンタ196の値が初期値に達するまでは有利区間が維持されるようになっている。すなわち本実施形態では、AT状態の終了後も有利区間が継続するため、演出状態が非AT状態に復帰しても有利区間に滞在している場合が存在するようになっている。
また初期化手段177は、有利区間が開始されたことに基づいて区間表示器SECに内蔵されているLEDを点灯して有利区間に滞在していることを報知し、有利区間の終了に基づいて区間表示器SECに内蔵されているLEDを消灯する制御を行っている。そして本実施形態では通常区間および内部中待機区間では区間表示器SECに内蔵されているLEDは消灯されているようになっているため、区間表示器SECの点灯状態を確認することで有利区間に滞在しているか否かを判断できるようになっている。
そして本実施形態では、初期化手段177が、クリアカウンタ197の値に基づいて有利区間に滞在していることの報知である有利区間報知を開始または終了させるようになっている。例えば、有利区間に移行することに伴ってクリアカウンタ197に所定値(例えば、1)が設定された場合に、クリアカウンタ197の値が初期値「0」より大きくなったことに基づいて有利区間報知を開始させ、有利区間が終了して通常区間に移行することに伴ってクリアカウンタ197の値が初期値「0」に初期化された場合に、クリアカウンタ197の値が初期値「0」となったことに基づいて有利区間報知を終了させる。
なお本実施形態では、有利区間が開始されると区間表示器SECに内蔵されているLEDが点灯して即座に有利区間に滞在していることが報知されるようになっているが、有利区間の開始から所定の遊技回数(例えば、32回)が消化されるまでは有利区間であることを報知しない非報知区間とするようにしてもよい。また区間表示器SECは、本実施形態のように専用に設ける必要はなく、遊技情報表示部DSにおける、メダルのクレジット数を表示するクレジット表示器やメダルの払出数を表示する払出表示器などと兼用するようにしてもよい。例えば、クレジット表示器や払出表示器が7セグメント表示器で構成されている場合に、小数点等を表示するドット表示部の点灯・消灯を切り替えるによって有利区間に滞在しているか否かを示すようにしてもよい。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段198に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。遊技において実行される演出の内容は、サブ抽選テーブル記憶手段199に記憶されている演出抽選テーブルを、遊技状態、演出状態、内部抽選の結果等に応じて参照して決定される。
そして演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態およびAT状態である場合において、打順ベルの当選時に正解打順を報知して8枚小役の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。ただし、演出状態がAT準備状態であってもRT状態が非RT状態である場合や、AT状態において打順ベルの当選時に遊技者の操作ミスにより1枚小役が入賞してRT状態が非RT状態に転落した場合には、遊技状態をRT1状態に誘導するべくRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるまで打順ベルが当選しても入賞補助演出は行わないようになっている。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態である場合に、RT状態がRT1状態に滞在している状況では、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時において正解打順を報知してリプレイ2の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させ、RT状態がRT2状態に滞在している状況では、打順リプレイ7〜打順リプレイ12の当選時において正解打順を報知してリプレイ3の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
また演出制御手段180は、演出状態がAT状態であっても打順ベルの当選時における遊技者の操作ミスによってRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されてRT状態がRT1状態に転落している場合には、AT状態に滞在していることを条件として、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時において正解打順を報知してリプレイ2の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。またAT状態においてRT状態が非RT状態やRT1状態に転落してRT状態をRT3状態へ復帰させる過程においてRT2状態に滞在している場合には、AT状態に滞在していることを条件として、打順リプレイ7〜打順リプレイ12の当選時において正解打順を報知してリプレイ3の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御が行われる。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
本実施の形態では、遊技区間として通常区間と有利区間とを設定可能とし、いずれの遊技区間においても演出状態が非AT状態である場合にAT抽選が行われるが、通常区間ではAT抽選の当選確率を初期確率で一定とし、有利区間ではAT抽選の当選確率を所定条件下で変動させる手法を採用している。
具体的に説明すると、通常区間においては演出状態が常に非AT状態に設定されており、内部抽選の結果に応じてAT抽選が行われるが、通常区間でのAT抽選の抽選状態は常に低確率状態に設定され、当選確率は約1/256に固定されている。そして本実施の形態では、通常区間においてAT抽選に当選すると有利区間が開始し、有利区間において演出状態をAT状態に設定可能となっているが、AT状態が終了しても即座に有利区間が終了することはなく、確率変動カウンタ196の値が初期値に達するか、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えるまで有利区間が継続し、演出状態が非AT状態に転落しても有利区間に滞在している状況が発生する。すなわち本実施の形態では、非AT状態において通常区間に滞在している場合と有利区間に滞在している場合とが存在する。このように有利区間に滞在しつつ演出状態が非AT状態である場合にも、内部抽選の結果に応じてAT抽選が行われるが、通常区間とは異なり、AT抽選の抽選状態が低確率状態と高確率状態との間で変動するようになり、高確率状態では低確率状態よりも当選確率が高く約1/64の当選確率でAT抽選が行われる。すなわち本実施の形態では、通常区間がAT抽選の当選確率が固定された区間となり、有利区間がAT抽選の当選確率が変動する区間となっている。
そして本実施の形態では、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えることによって有利区間が終了することになると、演出状態がAT状態であった場合にAT終了判定カウンタ195の値がしきい値に達していなくても初期化処理によって強制的にAT状態を終了させて演出状態を非AT状態に初期化する。すなわち本実施の形態では、クリアカウンタ197の値に基づいて初期化処理を行うことが遊技者に有利な状況が徒に長期間継続しないようにしてメダルの大量獲得を抑止する役割を果たしている。なおクリアカウンタ197のしきい値は、有利区間におけるメダルの獲得枚数(メダルの投入数と払出数との差)が所定数を超えないように設定することができ、本実施の形態では有利区間におけるメダルの獲得枚数が3000枚を超えないように設定している。具体的には、クリアカウンタ197のしきい値は3000枚/傾斜値で算出される遊技回数に相当する値となっている。ここで傾斜値はアシストタイム遊技およびボーナス遊技による1遊技当りのメダルの純増加枚数の期待値であり、本実施の形態では傾斜値は2枚となっている。このため、本実施の形態の有利区間の遊技回数は1500回(=3000枚/2枚)となり、有利区間に移行することに伴ってクリアカウンタ197に「1」を設定してから1500回分の遊技回数をカウントしたら有利区間を終了するようにしきい値を設定している。このように有利区間の期間はメダルの獲得枚数の上限数や傾斜値に依存し、これらの設計次第で任意に設定することができる。
また本実施の形態では、有利区間である場合に限って演出状態をAT状態に設定可能となっており、クリアカウンタ197の値に基づいて初期化処理を行うことによって有利区間におけるメダルの獲得を制限している。具体的には、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えていない場合には、AT状態の終了後にRT状態が非RT状態またはRT1状態に転落してから演出状態を非AT状態に復帰させつつ有利区間を終了させないようにしているが、この場合には有利区間において設計上の獲得期待値である3000枚を超えてメダルが獲得されることはない。一方、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えた場合には、RT状態に関わらずに有利区間を終了させて初期化処理を行って演出状態を非AT状態に復帰させることによって有利区間において設計上の獲得期待値である3000枚を超えてメダルを過剰に獲得できてしまうことを防いでいる。従って本実施の形態によれば、好適にメダルの獲得性能を調整して射倖性を抑えることができるようになる。
また本実施の形態では、有利区間の終了に基づいて初期化処理を行うことで射倖性を抑止しつつ、AT抽選の当選確率が固定された区間とAT抽選の当選確率が変動する区間を設けるという新たな遊技性を提供して遊技者の関心を惹きつけることができる。
また本実施の形態では、有利区間において区間表示器SECの点灯状態を通常区間とは異ならせることで有利区間に滞在していることが報知され、有利区間でAT抽選が実行され得る状況においては遊技客が有利区間に滞在していることを把握できるようになっている。このため、AT抽選の当選確率が変動する有利区間において遊技客の入れ替わりが起きることを防いで遊技の公平性を担保することができる。
なお本実施の形態では、AT抽選の抽選状態を低確率状態と高確率状態の2種類としたが、AT抽選の抽選状態を3種類以上として有利区間では通常区間において選択されない複数種類の抽選状態の間で変動可能としてもよい。例えば、高確率状態に加えて高確率状態よりさらにAT抽選に当選しやすい超高確率状態(例えば、当選確率が約1/32)などを設けることができ、有利区間では抽選等によって高確率状態と超高確率状態とが切り替わるようにするようにしてもよい。
また有利区間ではRT状態に応じてAT抽選の抽選状態を設定するのではなく、抽選状態移行抽選を行って抽選状態を変化させるようにしてもよい。例えば、チェリー、スイカ、共通ベルの当選時に抽選状態移行抽選を行って低確率状態または高確率状態を選択するようにしてもよい。また内部抽選で当選した役に応じて抽選状態を移行させたりするようにしてもよい。例えば、チェリー、スイカ、共通ベルの当選時には高確率状態に設定し、ハズレ時に低確率状態に設定するようにしてもよい。また打順ベルの当選時に正解打順で停止操作が行われると高確率状態に設定し、不正解打順で停止操作が行われると低確率状態に設定するようにしてもよい。また高確率状態としてチェリー当選時に当選しやすい第1高確率状態、スイカ当選時に当選しやすい第2高確率状態、共通ベルの当選時に当選しやすい第3高確率状態などを設けて、チェリー当選時に第1高確率状態に移行し、スイカ当選時に第2高確率状態に移行し、共通ベルの当選時に第3高確率状態に移行し、同一の抽選契機が続くとAT抽選に当選しやすいというような構成としてもよい。
また本実施の形態では、確率変動カウンタ196の値が初期値に達したことによって初期化処理を実行していたが、確率変動カウンタ196を設けずにAT状態の終了後にAT抽選に当選することなく所定のRT状態に移行したことを条件に初期化処理を実行するようにしてもよい。この場合でも、有利区間である場合に限って演出状態をAT状態に設定可能となっており、有利区間の終了に伴って初期化処理を行って演出状態をAT状態に復帰させることで有利区間におけるメダルの獲得を制限しているが、上記実施形態の場合とは異なり、有利区間において更新されるクリアカウンタ197の値に応じて初期化処理の実行条件が異なっている。
例えば、非RT状態への移行を初期化処理の条件とした場合には、AT終了待機状態においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると非AT状態に移行するが、クリアカウンタ197がしきい値を超えていなければ有利区間が継続し、AT抽選に当選することなく1枚役の入賞によって非RT状態に移行した際に初期化処理が実行される。このようにすればAT状態の終了後も非AT状態かつRT1状態である場合には有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
そして、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えていない場合には、AT状態の終了後にRT状態が非RT状態に転落したことに伴って有利区間を終了させて初期化処理を行い、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えた場合には、RT状態に関わらずに有利区間を終了させて初期化処理を行うことによって、有利区間において設計上の獲得期待値を超えてメダルを過剰に獲得できてしまうことを防いでいる。従って、AT状態の終了後にRT状態が非RT状態に移行したことを有利区間の終了条件として初期化処理を行うようにしても好適にメダルの獲得性能を調整して射倖性を抑えることができるようになる。
また例えば、RT1状態への移行を初期化処理の条件とした場合には、AT終了待機状態において1枚役が入賞すると非AT状態に移行するが、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えていなければ有利区間が継続し、AT抽選に当選することなくRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことによってRT1状態に移行した際に初期化処理が実行される。このようにすればAT状態の終了後も非AT状態かつ非RT状態である場合には有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
そして、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えていない場合には、AT状態の終了後にRT状態がRT1状態に転落したことに伴って有利区間を終了させて初期化処理を行い、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えた場合には、RT状態に関わらずに有利区間を終了させて初期化処理を行うことによって、有利区間において設計上の獲得期待値を超えてメダルを過剰に獲得できてしまうことを防いでいる。従ってAT状態の終了後にR状態がRT1状態に移行したことを有利区間の終了条件として初期化処理を行うようにしても好適に遊技媒体の獲得性能を調整して射倖性を抑えることができるようになる。
なおAT状態の終了後に非RT状態またはRT1状態のいずれに移行した場合に有利区間を終了させて初期化処理を行うようにしてもよい。この場合には、AT状態の終了後に滞在する演出状態であるAT終了待機状態の終了条件が成立すると初期化処理を行う構成とすることができる。
また本実施の形態では、確率変動カウンタ196の値は1回の遊技が行われる毎に一定値ずつが減算され、遊技回数をカウントするものであったが、AT状態への移行回数をカウントするものであってもよい。例えば、通常区間でのAT抽選の当選時にAT状態への移行可能回数として「3」を設定し、AT状態が終了する際に確率変動カウンタ196の値から一回分のAT状態への移行に相当する一定値「1」を減算する。このようにすると3回目のAT状態の終了時に確率変動カウンタ196の値が初期値「0」に達して有利区間が終了し、有利区間の終了によって初期化処理が実行され、AT状態に3回移行するまでは非AT状態であっても有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
また本実施の形態では、AT状態において上乗せ抽選に当選した場合にAT終了判定カウンタ195の値に対して上乗せを行ったが、上乗せ抽選に当選した場合に確率変動カウンタ196の値に対して上乗せを行うようにしてもよい。このようにすればAT状態の終了後において初期化処理が実行されるまでの期間が延長されることになるため、再びAT状態へ移行する機会を得やすくなる遊技仕様とすることができる。なおAT終了判定カウンタ195の値に対する上乗せを行う上乗せ抽選(以下、第1上乗せ抽選)とは別に確率変動カウンタ196の値に対する上乗せを行う上乗せ抽選(以下、第2上乗せ抽選)を行うようにしてもよく、第1上乗せ抽選が行われる当選態様と第2上乗せ抽選が行われる当選態様とは同一であってもよいし異なっていてもよい。
また本実施の形態では、AT状態に移行する毎に確率変動カウンタ196の値が所定値に再設定されるようになっていたが、確率変動カウンタ196の値は有利区間でのAT抽選の当選時に更新が中断されて、その値が持ち越されてAT状態の終了後に中断時の値から更新が再開されるようになっていてもよい。
また本実施の形態において、AT制御手段175が、AT準備状態またはAT状態において打順ベルや打順リプレイが当選した場合に、打順ベル(打順ベルの当選時)または打順リプレイ(打順リプレイの当選時)の種類に応じた正解打順を示す遊技情報、内部抽選の結果を示す遊技情報、または当選役を示す遊技情報を遊技情報表示部DSに表示させる制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技情報表示部DSにおける、メダルのクレジット数を表示するクレジット表示器やメダルの払出数を表示する払出表示器などにリールの回転中において遊技情報を表示させることができる。なおクレジット表示器や払出表示器を、停止操作に関する操作指示情報などを表示させる指示表示器として兼用する場合に、区間表示器SECも兼用させるようにしてもよい。例えば、クレジット表示器や払出表示器が7セグメント表示器で構成されている場合に、数字等を表示する7セグメントの表示態様によって操作指示情報を示し、小数点等を表示するドット表示部の点灯・消灯によって有利区間に滞在しているか否かを示すようにしてもよい。
また本実施の形態では、AT抽選や上乗せ抽選については内部抽選用の乱数値を使用して当否を決定するようにしたが、内部抽選で所定の抽選結果を得た場合にAT抽選や上乗せ抽選について専用の乱数値を取得して、取得した乱数値に当選またはハズレのいずれかを対応づけた抽選テーブルを参照して当否を決定するようにしてもよい。
また本実施の形態では、AT状態においてAT終了判定カウンタ195をデクリメント更新することとしたが、インクリメント更新するようにしてもよい。例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、AT終了判定カウンタ195の値を初期値「0」に初期化し、AT状態では、1回の遊技が行われる毎にAT終了判定カウンタ195の値に1回分の遊技に相当する一定値「1」を加算するインクリメント更新を行い、AT終了判定カウンタ195の値がしきい値(例えば、50:50回の遊技回数に相当する値)に達したことに基づいてAT状態を終了させるようにしてもよい。またこの例では、上乗せ抽選に当選した場合(所定条件が成立した場合)に、AT終了判定カウンタ195の値から所与の値を減算する更新を行う(AT終了判定カウンタ195が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ195の値を更新する)ようにしてもよいし、所与の値をしきい値に加算してAT状態の終了条件となるしきい値を再設定(更新)する(AT終了判定カウンタ195が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ195のしきい値を更新する)ようにしてもよい。
また本実施の形態では、AT終了判定カウンタ195はAT状態の遊技回数をカウントするものであったが、AT終了判定カウンタ195の値をメダルの投入数と払出数とに応じて更新し、メダルの払出数からメダルの投入数を差し引いたいわゆる差枚数でAT状態の終了を管理するようにしてもよい。例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、AT状態の終了条件となる差枚数である100枚のメダルに相当する値「100」をAT終了判定カウンタ195に設定し、AT状態では、1回の遊技が行われる毎にメダルの投入数(規定投入数)に相当する値をAT終了判定カウンタ195の値に加算するインクリメント更新を行い、小役が入賞してメダルが払い出された場合にメダルの払出数に相当する値をAT終了判定カウンタ195の値から減算するデクリメント更新を行い、AT終了判定カウンタ195の値がしきい値(例えば、0)に達したこと(しきい値未満となったこと)に基づいてAT状態を終了させるようにしてもよい。またこの例では、上乗せ抽選に当選した場合(所定条件が成立した場合)にAT終了判定カウンタ195の値に所与の加算値を上乗せする(AT終了判定カウンタ195が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ195の値を更新する)ようにしてもよい。
また例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、AT終了判定カウンタ195の値を初期値「0」に初期化し、AT状態では、1回の遊技が行われる毎にメダルの投入数(規定投入数)に相当する値をAT終了判定カウンタ195の値から減算するデクリメント更新を行い、小役が入賞してメダルが払い出された場合にメダルの払出数に相当する値をAT終了判定カウンタ195の値に加算するインクリメント更新を行い、AT終了判定カウンタ195の記憶値がしきい値(例えば、100:100枚の差枚数に相当する値)に達したこと(しきい値以上となったこと)に基づいてAT状態を終了させるようにしてもよい。またこの例では、上乗せ抽選に当選した場合(所定条件が成立した場合)に、AT終了判定カウンタ195の値から所与の値を減算する更新を行う(AT終了判定カウンタ195が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ195の値を更新する)ようにしてもよいし、所与の値をしきい値に加算してAT状態の終了条件となるしきい値を再設定(更新)する(AT終了判定カウンタ195が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ195のしきい値を更新する)ようにしてもよい。
また本実施の形態では、有利区間に移行することに伴ってクリアカウンタ197に所定値(例えば、1)を設定し、有利区間では、クリアカウンタ197の値が「1」の状態から更新を開始することとしたが、クリアカウンタ197の値が初期値「0」の状態から更新を開始し、クリアカウンタ197の値がしきい値である「1500」に達したことに基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。
また本実施の形態では、有利区間においてクリアカウンタ197をインクリメント更新することとしたが、デクリメント更新するようにしてもよい。例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、有利区間の終了条件となる遊技回数である1500回に相当する値「1500」をクリアカウンタ197に設定し、有利区間では、1回の遊技が行われる毎にクリアカウンタ197の値から1回分の遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新を行い、クリアカウンタ197の記憶値がしきい値(例えば、0)に達したことに基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。
また本実施の形態では、クリアカウンタ197は1回の遊技が行われる毎に更新され、クリアカウンタ197の値は有利区間での遊技回数に相当するものであったが、クリアカウンタ197の値をメダルの投入数と払出数とに応じて更新するようにしてもよい。このようにすれば、メダルの払出数からメダルの投入数を差し引いたいわゆる差枚数(獲得数)で有利区間を終了させるか否かを管理することができる。
例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、有利区間の終了条件となる差枚数である3000枚のメダルに相当する値「3000」をクリアカウンタ197に設定し、有利区間では、1回の遊技が行われる毎にメダルの投入数(規定投入数)に相当する値をクリアカウンタ197の値に加算するインクリメント更新を行い、小役が入賞してメダルが払い出された場合にメダルの払出数に相当する値をクリアカウンタ197の値から減算するデクリメント更新を行い、クリアカウンタ197の値がしきい値(例えば、0)に達したこと(しきい値未満となったこと)に基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。
また例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、クリアカウンタ197に所定値(例えば、3)を設定し、有利区間では、1回の遊技が行われる毎にメダルの投入数(規定投入数)に相当する値をクリアカウンタ197の値から減算するデクリメント更新を行い、小役が入賞してメダルが払い出された場合にメダルの払出数に相当する値をクリアカウンタ197の値に加算するインクリメント更新を行い、クリアカウンタ197の値がしきい値(例えば、3000:3000枚の差枚数に相当する値)に達したこと(またはしきい値を超えたこと)に基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。なおこの例では、AT抽選の当選時にクリアカウンタ197に所定値を設定しないようにして、有利区間では初期値「0」からクリアカウンタ197の更新を行い、しきい値である「3000」に達したこと(または「3000」を超えたこと)に基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。
またAT終了判定カウンタ195およびクリアカウンタ197においてメダルの差枚数をカウントする場合には、リプレイが入賞した場合にはメダルの払出数を「0」として扱い、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技(再遊技)ではメダルの投入数を「0」として扱ってカウンタを更新させないことが望ましい。
また本実施の形態では、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、必ず有利区間に移行することとしたが、BB状態の終了後にAT状態へ移行する場合には、そのBB状態を有利区間とし、BB状態の終了後にAT状態へ移行しない場合には、そのBB状態を通常区間とするようにしてもよい。具体的には、通常区間においてビッグボーナス(BB)に当選した場合に、そのビッグボーナス(BB)の当選に基づくAT抽選に当選した場合には、BB状態の終了後にAT準備状態を経由してAT状態へ移行することになるため、BB状態を有利区間に設定し、一方、ビッグボーナス(BB)の当選に基づくAT抽選に当選しなかった場合には、BB状態の終了後に非AT状態に復帰することになるため、BB状態を通常区間に設定するようにしてよい。ただし、有利区間においてAT状態での遊技を行っている状況においてビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、BB状態の終了後にAT状態への復帰が確定しているため有利区間を維持することが好ましい。
またボーナスを複数種類設けて一部のボーナスは入賞すると有利区間に移行する契機となるが、残りのボーナスは入賞しても有利区間に移行する契機とならないようにしてもよい。例えば、通常ビッグボーナス(NBB)と特殊ビッグボーナス(SBB)とを設けて、通常区間または内部中待機区間で通常ビッグボーナス(NBB)に入賞しても有利区間には移行せずに、通常ビッグボーナス(NBB)の入賞によって移行する遊技状態であるNBB状態は通常区間に設定され、通常区間または内部中待機区間で特殊ビッグボーナス(SBB)に入賞すると、特殊ビッグボーナス(SBB)の入賞によって移行する遊技状態であるSBB状態は有利区間に設定されるようにしてもよい。ただし、有利区間において通常ビッグボーナス(NBB)が入賞した場合にはNBB状態であっても有利区間を維持するようにしてもよいが、有利区間での通常ビッグボーナス(NBB)の当選または入賞を有利区間の終了条件とした場合については、上述したようにNBB状態を通常区間に設定することができる。
またBB状態において初期化処理が行われて通常区間に移行した場合に、そのBB状態において初期化処理後からBB状態の終了条件が成立するまでの遊技において低確率状態(通常区間での抽選状態)でのAT抽選を行うようにしてもよい。
また本実施の形態では非AT状態においてAT抽選を行ってAT状態へ移行させるか否かを決定するように構成したが、演出状態としてCZ状態を設けて、非AT状態ではAT抽選を行わずにCZ状態(特別演出状態の他の一例)へ移行させるか否かを決定し、CZ状態においてAT抽選を行って、AT抽選に当選したことに基づいて演出状態をAT状態へ移行させるようにしてもよい。なおCZ状態を設ける場合であっても通常区間においては演出状態が非AT状態に固定され、有利区間である場合にCZ状態が設定可能であり、非AT状態がCZ状態を含むものではない。
図15は、演出状態としてCZ状態を設けた実施の態様における遊技機の機能ブロック図である。
この態様では、記憶手段190にAT終了判定カウンタ195a(図2おけるAT終了判定カウンタ195に相当)とCZ終了判定カウンタ195bとを備え、AT制御手段175が、演出状態が非AT状態である場合にAT抽選の代わりに内部抽選の結果に応じてCZ抽選(特定抽選の他の一例)を行い、CZ抽選に当選したことによって図16に示すように演出状態をCZ状態に移行させ、CZ状態において内部抽選の結果に応じてAT抽選を行ってAT状態に移行させるか否かを決定する。なおCZ抽選の実行契機とAT抽選の実行契機とは同一であってもよいし、異なっていてもよいが、以下ではCZ状態抽選の実行契機とAT抽選の実行契機が異なっているものとして説明する。CZ抽選の実行契機とAT抽選の実行契機とを異ならせる態様の一例としては、CZ抽選の実行契機を、共通ベル、スイカ、チェリーの当選時とし、AT抽選の実行契機を、打順ベル、ビッグボーナス(BB)の当選時とすることができる。なおCZ抽選については内部抽選において共通ベル、スイカ、チェリーに対応づけられた乱数値に対して当選またはハズレが対応づけられたCZ抽選テーブルを参照して当否が決定される。
またこの態様では、CZ抽選の抽選状態として当選確率が約1/32(初期確率の一例)の低確率状態と当選確率が約1/8の高確率状態とを設定可能となっており、CZ抽選では抽選状態に応じたCZ抽選テーブルが参照されるようになっている。すなわち抽選状態が高確率状態である場合には抽選状態が低確率状態である場合よりも当選確率が高くなるように設定されたCZ抽選テーブルが参照される。なお内部抽選での当選態様に応じてCZ抽選の当選確率が異なるようにしてもよい。この場合には低確率状態と高確率状態とにおいてCZ抽選の当選確率が同一、または低確率状態の方が高確率状態よりもCZ抽選の当選確率が高くなる当選態様が存在していてもよく、CZ抽選の当選に割り当てられる乱数値の総数が「高確率状態>低確率状態」の関係となっていれば当選態様毎のCZ抽選の当選確率は任意に定めることができる。
そしてAT制御手段175は、CZ抽選に当選するとCZ終了判定カウンタ195bに終了条件となる遊技回数(例えば、8回)に相当する所定値(例えば、8)を設定し、CZ状態での遊技を1回行う毎にCZ終了判定カウンタ195bの値から一定値(例えば、1)を減算する。そしてCZ終了判定カウンタ195bの値がしきい値(例えば、0)に達すると、CZ状態の終了条件が成立して演出状態が非AT状態に復帰する。一方、CZ終了判定カウンタ195bの値がしきい値に達するまでにAT抽選に当選した場合にもCZ状態の終了条件が成立し、この場合にはCZ終了判定カウンタ195bの値を「0」にするとともにCZ状態の終了後にAT準備状態に移行する。なおCZ状態では打順ベルの当選時に入賞補助演出を行うようになっているが、打順リプレイに係る入賞補助演出は行われないようになっている。すなわちCZ状態は簡易的なAT状態という位置づけのものである。またCZ状態では、打順ベルの当選時には約1/8でAT抽選に当選し、ビッグボーナス(BB)の当選時には必ずAT抽選に当選するようになっている。
またAT制御手段175は、AT抽選に当選することなくCZ状態が終了した場合には、CZ状態の終了時に確率変動カウンタ196にCZ抽選の抽選状態を変動可能とする遊技回数である32回に相当する所定値「32」を、確率変動カウンタ196に設定し、CZ状態の終了後における非AT状態での遊技において、1回の遊技が行われる毎に、例えば、スタートレバーSLが押下されたことを契機として、確率変動カウンタ196の値から1回分の遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新を行う。
そしてAT制御手段175は、確率変動カウンタ196の値が初期値(例えば、0)ではない場合に、RT状態に応じてCZ抽選の抽選状態を設定し、RT状態が非RT状態またはRT1状態のいずれかである場合にはCZ抽選の抽選状態を低確率状態に設定し、RT状態がRT2状態またはRT3状態のいずれかである場合にはCZ抽選の抽選状態を高確率状態に設定する。
そして本実施形態では、図17に示すように通常区間でのCZ抽選の当選によって有利区間が開始し、有利区間である場合に限って演出状態をCZ状態に設定可能となっており、CZ状態の終了後に確率変動カウンタ196の値が初期値(例えば、0)に達すると有利区間が終了し、有利区間の終了に基づいて初期化手段177によって初期化処理が行われるようになっており、確率変動カウンタ196が初期値に達するまでの遊技においてCZ抽選に当選してCZ状態に移行する場合には、そのCZ状態がAT抽選に当選することなく終了する際に確率変動カウンタ196の値が再び所定値「32」に設定されるようになっている。
また本実施形態では、確率変動カウンタ196の値が初期値に達するまでの遊技においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には確率変動カウンタ196のデクリメント更新が中断され、BB状態の終了時までビッグボーナス(BB)の当選時における確率変動カウンタ196の値が保持されるが、BB状態の終了後に演出状態が非AT状態に復帰することに伴って有利区間が終了し、有利区間の終了に基づいて初期化手段177によって初期化処理が行われて確率変動カウンタ196の値も初期値に初期化される。
また、この態様では、初期化処理において、AT終了判定カウンタ195bや確率変動カウンタ196のみならず、CZ終了判定カウンタ195bも初期化され、有利区間が終了して通常区間に移行することに伴ってCZ終了判定カウンタ195bの値が初期値(例えば、0)に初期化される。
また、この態様においては、図16に示すように、AT制御手段175が、AT準備状態、AT状態、またはAT終了待機状態に滞在している状況においてクリアカウンタ197の値がしきい値「1500」を超えた場合(クリアカウンタ197の値が「1501」に達した場合)には、上記実施形態の場合と同様に有利区間の終了に伴う初期化処理によって非AT状態へ復帰させ、CZ状態に滞在している状況においてクリアカウンタ197の値がしきい値「1500」を超えた場合にも、有利区間の終了に伴う初期化処理によって非AT状態へ移行させるようになっている。
また図16に示すように、この態様では、非AT状態からAT状態に至るまでには必ずCZ状態を経由することになり、初期化手段177は、図17に示すように、通常区間に滞在している場合に通常区間においてCZ抽選に当選したことに基づいて有利区間を発生させ、CZ状態が終了してもクリアカウンタ197の値がしきい値を超えていなければ確率変動カウンタ196の値が初期値に達するまでは有利区間を維持することによりCZ状態が終了しても有利区間を維持したまま演出状態が非AT状態に滞在している場合が存在する。そして通常区間における非AT状態ではCZ抽選の抽選状態が低確率状態に固定されている一方で、有利区間における非AT状態ではCZ抽選の抽選状態がRT状態に応じて低確率状態と高確率状態との間で変動し、これにより、射倖性を抑えつつCZ抽選の当選確率が固定された区間とCZ抽選の当選確率が変動する区間とを設けることができる。なおAT状態に移行するためには必ずCZ状態を経由するのではなく、非AT状態においてもAT抽選を行ってCZ状態を経由せずにAT状態へ移行させる場合を設けるようにしてもよい。
またこの態様では、CZ状態において打順ベルが当選した場合に、打順ベルの種類に応じた遊技情報を遊技情報表示部DSに表示させ、当該遊技情報が示す(または示唆する)押下順序(正解打順)を演出制御手段180が入賞補助演出によって報知するようにしてもよい。
また例えば、非AT状態においてもAT抽選を行う場合に、CZ終了判定カウンタ195bの記憶値がしきい値に達して非AT状態に移行する場合に低確率状態、高確率状態、超高確率状態のうちからAT抽選の抽選状態を抽選等により設定し、CZ状態の終了後の非AT状態においてAT抽選の抽選状態が低確率状態に滞在していることを有利区間の終了条件としてもよい。この場合には、CZ終了判定カウンタ195bの値に基づくCZ状態の終了条件が成立して非AT状態に移行する場合に、AT抽選の抽選状態が高確率状態または超高確率状態に設定された場合には、有利区間を継続させて非AT状態においてAT抽選の抽選状態が低確率状態に設定された時点で有利区間を終了させ、一方、非AT状態に移行する場合に、AT抽選の抽選状態が低確率状態に設定された場合には、非AT状態への移行とともに有利区間を終了させるようにしてもよい。
またこの態様では、CZ状態においてCZ状態を継続させるか否かを決定する継続抽選を行い、継続抽選に当選した場合にはCZ状態を継続させ、継続抽選の結果がハズレとなった場合にはCZ状態を終了させて演出状態を非AT状態に復帰させるようにしてもよい。例えば、CZ終了判定カウンタ195bの値がしきい値に達したことに基づいて継続抽選を行い、継続抽選に当選した場合にはCZ終了判定カウンタ195bに所定値(例えば、8)を再設定してCZ状態を継続させるようにしてもよいし、CZ終了判定カウンタ195bの値がしきい値に達した以降の遊技においてAT抽選に当選するか継続抽選の結果がハズレとなるまで継続抽選を毎遊技行うようにしてもよいし、CZ状態において継続抽選を毎遊技行うようにしてもよい。
また例えば、CZ抽選に当選したことに基づいてRT状態をRT2状態(リプレイ高確率状態の他の一例)に誘導するように入賞補助演出を実行し、RT状態がRT2状態に移行したことに基づいて演出状態をCZ状態に移行させ、RT状態においてCZ状態での遊技を行わせ、CZ状態ではCZ終了判定カウンタ195bの記憶値がしきい値に達するまでは打順ベルの当選時に入賞補助演出を行い、CZ終了判定カウンタ195bの値がしきい値に達した以降は打順ベルの当選時に入賞補助演出を行わないようにしてRT状態が非RT状態またはRT1状態に転落したこと(特定の図柄組合せが有効ライン上に表示されたこと)に基づいてCZ状態を終了させるようにしてもよいし、CZ終了判定カウンタ195bの値がしきい値に達していなくてもRT状態が非RT状態またはRT1状態に転落した場合にもCZ状態を終了させるようにしてもよい。なおこの例では、CZ状態用のRT状態を別途用意し、当該RT状態においてCZ状態での遊技を行わせるようにしてもよい。
この場合に、CZ状態の終了時またはCZ状態の終了後にRT状態が非RT状態やRT1状態に移行すると演出状態が非AT状態に復帰するが有利区間を継続させるようにしてもよい。そしてクリアカウンタ197の値がしきい値を超えていない場合には、CZ状態の終了後にRT状態が非RT状態やRT1状態に転落してから演出状態を非AT状態に復帰させつつ有利区間を終了させないようにしても有利区間において設計上の獲得期待値である3000枚を超えてメダルが獲得されることはない。一方、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えた場合には、RT状態に関わらずに有利区間を終了させて初期化処理を行って演出状態を非AT状態に復帰させることによって有利区間において設計上の獲得期待値である3000枚を超えてメダルを過剰に獲得できてしまうことを防ぐことができる。
またCZ状態での遊技をRT2状態で行わせる場合にCZ状態の終了時またはCZ状態の終了後にRT状態が非RT状態やRT1状態に移行すると有利区間が終了して初期化処理が実行されることにより演出状態が非AT状態に復帰するようにしてもよい。この場合には、有利区間において更新されるクリアカウンタ197の値に応じて初期化処理の実行条件が異なることになる。具体的には、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えていない場合には、CZ状態の終了後にRT状態が非RT状態またはRT1に転落したことに伴って有利区間を終了させて初期化処理を行い、クリアカウンタ197の値がしきい値を超えた場合には、RT状態に関わらずに有利区間を終了させて初期化処理を行うことによって、有利区間において設計上の獲得期待値である3000枚を超えてメダルを過剰に獲得できてしまうことを防ぐことができる。
なお図15〜図17に示した例では、CZ抽選の抽選状態を低確率状態と高確率状態の2種類としたが、CZ抽選の抽選状態を3種類以上として有利区間では通常区間では選択されない複数種類の抽選状態の間で変動可能としてもよい。例えば、高確率状態に加えて高確率状態よりさらにCZ抽選に当選しやすい超高確率状態(例えば、当選確率が約1/2)などを設けることができ、有利区間では抽選等によって高確率状態と超高確率状態とが切り替わるようにするようにしてもよい。
また有利区間ではRT状態に応じてCZ抽選の抽選状態を設定するのではなく、抽選状態移行抽選を行って抽選状態を変化させるようにしてもよい。例えば、チェリー、スイカ、共通ベルの当選時に抽選状態移行抽選を行って低確率状態または高確率状態を選択するようにしてもよい。また内部抽選で当選した役に応じて抽選状態を移行させたりするようにしてもよい。例えば、チェリー、スイカ、共通ベルの当選時には高確率状態に設定し、ハズレ時に低確率状態に設定するようにしてもよい。また打順ベルの当選時に正解打順で停止操作が行われると高確率状態に設定し、不正解打順で停止操作が行われると低確率状態に設定するようにしてもよい。また高確率状態としてチェリー当選時に当選しやすい第1高確率状態、スイカ当選時に当選しやすい第2高確率状態、共通ベルの当選時に当選しやすい第3高確率状態などを設けて、チェリー当選時に第1高確率状態に移行し、スイカ当選時に第2高確率状態に移行し、共通ベルの当選時に第3高確率状態に移行し、同一の抽選契機が続くとCZ抽選に当選しやすいというような構成としてもよい。
また図15〜図17に示す例では、確率変動カウンタ196の値が初期値に達したことによって有利区間を終了させ、その有利区間の終了によって初期化処理を実行していたが、確率変動カウンタ196を設けずにCZ状態の終了後にCZ抽選に当選することなくRT状態が変動したことを条件に有利区間を終了させ、その有利区間の終了によって初期化処理を実行するようにしてもよい。このようにすればCZ状態の終了後も非AT状態において有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
例えば、CZ状態の終了時点において非RT状態に滞在していた場合には、CZ状態の終了後の遊技において1枚役が入賞してもRT状態は変動しないため、クリアカウンタ197がしきい値を超えていなければ有利区間が継続し、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことよってRT1状態に移行した際に有利区間が終了して初期化処理が実行される。
また例えば、CZ状態の終了時点においてRT1状態に滞在していた場合には、CZ状態の終了後の遊技においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されてもRT状態は変動しないため、クリアカウンタ197がしきい値を超えていなければ有利区間が継続し、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことよってRT1状態に移行した際やリプレイ2の入賞によってRT2状態に移行した際に有利区間が終了して初期化処理が実行される。
また図15〜図17に示す例では、確率変動カウンタ196の値は1回の遊技が行われる毎に一定値ずつが減算され、遊技回数をカウントするものであったが、CZ状態への移行回数をカウントするものであってもよい。例えば、通常区間でのCZ抽選の当選時にCZ状態への移行可能回数として「3」を設定し、CZ状態が終了する際に確率変動カウンタ196の値から一回分のCZ状態への移行に相当する一定値「1」を減算する。このようにすると3回目のCZ状態の終了時に確率変動カウンタ196の値が初期値「0」に達して有利区間が終了すると初期化処理が実行され、CZ状態に3回移行するまでは非AT状態であっても有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
また図15〜図17に示す例では、CZ状態が終了する毎に確率変動カウンタ196の値が所定値に再設定されるようになっていたが、確率変動カウンタ196の値は有利区間でのCZ抽選の当選時に更新が中断されて、その値が持ち越されてAT抽選に当選することなくCZ状態が終了した場合に、そのCZ状態の終了後に中断時の値から更新が再開されるようになっていてもよい。
また図15〜図17に示す例では、CZ抽選について内部抽選用の乱数値を使用して当否を決定するようにしたが、内部抽選で所定の抽選結果を得た場合にCZ抽選について専用の乱数値を取得して、取得した乱数値に当選またはハズレのいずれかを対応づけた抽選テーブルを参照して当否を決定するようにしてもよい。
また図15〜図17に示す例では、CZ状態においてCZ終了判定カウンタ195bをデクリメント更新することとしたが、インクリメント更新するようにしてもよい。例えば、CZ抽選に当選したことに基づいて、CZ終了判定カウンタ195bの値を初期値「0」に初期化し、CZ状態では、1回の遊技が行われる毎にCZ終了判定カウンタ195bの値に1回分の遊技に相当する一定値「1」を加算するインクリメント更新を行い、CZ終了判定カウンタ195bの値がしきい値(例えば、32:32回の遊技回数に相当する値)に達したことに基づいてCZ状態を終了させるようにしてもよい。
また図15〜図17に示す例では、BB状態において初期化処理が行われて通常区間に移行した場合に、そのBB状態において初期化処理後からBB状態の終了条件が成立するまでの遊技において低確率状態(通常区間での抽選状態)でのCZ抽選を行うようにしてもよい。
またAT制御手段175が通常区間と有利区間とで特定抽選を行い、通常区間で特定抽選に当選した場合と有利区間で特定抽選に当選した場合とで異なる処理を実行するようにしてもよい。例えば、通常区間における特定抽選が有利区間を開始するか否かを決定するとともに演出状態をAT状態に移行させるか否かを決定するものであり、有利区間における特定抽選がAT状態においてAT終了判定カウンタ195の値に上乗せを行うか否かを決定するものであるようにすることができる。また例えば、通常区間における特定抽選が有利区間を開始するか否かを決定するとともに演出状態をCZ状態に移行させるか否かを決定するものであり、有利区間における特定抽選が演出状態をAT状態に移行させるか否かを決定するものであったり、AT状態においてAT終了判定カウンタ195の値に上乗せを行うか否かを決定するものであるようにすることができる。すなわち通常区間で特定抽選に当選したことによって付与される特典と有利区間で特定抽選に当選したことによって付与される特典とが異なっていてもよい。