JP7445588B2 - 運転案作成装置および運転案作成方法 - Google Patents
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Description
各駅間について、当該駅間の走行に係る所定電力量の走行時分に対する傾向データを記憶する記憶手段(例えば、図5の記憶部300A、図8の記憶部300B、又は、図12の記憶部300C)と、
対象列車について計画ダイヤに沿って運転する場合の計画所要時分より長い時間で運転する場合の当該長い時間に相当する余裕時分を設定する余裕時分設定手段(例えば、図5,図8,図12の余裕時分設定部202)と、
前記傾向データに基づいて前記余裕時分を割り振る駅間および割り振る時間を決定することで、前記対象列車を前記計画所要時分より前記余裕時分だけ長い時間で運転する場合の運転案を作成する作成手段(例えば、図5の運転案作成部204A、図8の運転案作成部204B、又は、図12の運転案作成部204C)と、
を備える運転案作成装置である。
対象列車について計画ダイヤに沿って運転する場合の計画所要時分より長い時間で運転する場合の当該長い時間に相当する余裕時分を設定するステップ(例えば、図3のステップS1)と、
所定の記憶部に記憶された各駅間に関する当該駅間の走行に係る所定電力量の走行時分に対する傾向データに基づいて、前記余裕時分を割り振る駅間および割り振る時間を決定することで、前記対象列車を前記計画所要時分より前記余裕時分だけ長い時間で運転する場合の運転案を作成するステップ(例えば、図3のステップS5,S7)と、
を実行する運転案作成方法を構成してもよい。
前記傾向データは、各駅間について、当該駅間の走行時分の増加に対する前記所定電力量の減少度合を示す駅間別減少度合のデータを少なくとも含み(例えば、図4の第1傾向データ)、
前記作成手段は、前記駅間別減少度合のデータに基づいて選択する駅間の順位を決定し、決定した駅間の順に、走行に係る延長時分を割り振ることで、前記運転案を作成する、
運転案作成装置である。
前記傾向データは、各駅間について、当該駅間の走行時分を所定時分ずつ増加させた場合の各増加段階に対する前記所定電力量の減少度合を示す駅間別段階別減少度合のデータを少なくとも含み(例えば、図6の第2傾向データ)、
前記作成手段は、前記駅間別段階別減少度合のデータに基づいて、駅間の選択と当該駅間への延長時分の割り振りとを繰り返し行うことで、前記運転案を作成する、
運転案作成装置である。
前記傾向データは、各駅間について、当該駅間の走行時分を前記計画走行時分から増加させた各増加時分に対する前記所定電力量の減少度合を示す駅間別増加時分別減少度合のデータを少なくとも含み(例えば、図11の第3傾向データ)、
前記作成手段は、前記駅間別増加時分別減少度合のデータに基づいて、選択する駅間および割り振る延長時分の組み合わせの順位を決定し、決定した順に、当該組み合わせに係る駅間に当該組み合わせに係る延長時分を割り振ることで、前記運転案を作成する、
運転案作成装置である。
前記傾向データは、各駅間について、走行時分が同じで運転操縦方法が異なる複数の運転曲線で運転した場合の各運転曲線に関する前記傾向データを含み(例えば、図14の第1傾向データ、図15の第2傾向データ、図11の第3傾向データ)、
前記作成手段は、割り振る駅間に適用する運転曲線を前記傾向データに基づいて決定する、
運転案作成装置である。
前記作成手段は、前記運転案として、1)前記計画ダイヤを変更した変更ダイヤ、2)運転曲線、3)運転中の運転士に示すための運転操縦案内、のうちの少なくとも何れか1つを作成する、
運転案作成装置である。
前記所定電力量は、力行電力量である、
運転案作成装置である。
前記作成手段は、各駅間のうち、所与の除外駅間を除外して割り振る駅を決定する、
運転案作成装置である。
本実施形態の運転案作成装置1は、対象列車について、計画ダイヤに沿って運転する場合の計画所要時分より余裕時分だけ長い時間で運転する場合の余裕時分を設定する。次いで、各駅間について当該駅間の走行に係る所定電力量の走行時分に対する傾向データに基づいて余裕時分を割り振る駅間および割り振る時間を決定する。そして、対象列車を計画所要時分より余裕時分だけ長い時間で運転する場合の運転案を作成する。
図1は、余裕時分の設定を説明する図である。本実施形態では、計画ダイヤに沿って運転する場合の計画所要時分より余裕時分だけ長い時間で運転することを運転整理とし、計画ダイヤと、運転整理が行われた後のダイヤである変更ダイヤとを比較して余裕時分を設定する。余裕時分とは、計画所要時分より長い時間で運転する場合の当該長い時間に相当する時分である。つまり、計画ダイヤにおける各列車を対象列車とし、計画ダイヤでの各駅の停車時分に対して延発や抑止等の運転整理により長くなった時分を抽出する。そして、抽出した時分の合計時分を対象列車の余裕時分として設定する。
本実施形態では、走行に係る所定電力量を力行電力量とする。そして、各駅間について当該駅間の走行時分に対する力行電力量の傾向データは、対象列車についてのWTプロットから作成する。
図3は、運転案作成装置1が行う運転案作成処理の流れを説明するフローチャートである。処理の前提として、運転案作成装置1には、計画ダイヤと、この計画ダイヤに対して運転整理が行われた後の変更ダイヤと、各列車の傾向データとが与えられているとする。
第1実施例では、傾向データを、各駅間について、当該駅間の走行時分の増加に対する力行電力量の減少度合を示す駅間別減少度合のデータとする。そして、その駅間別減少度合のデータに基づいて選択する駅間の順位を決定し、決定した駅間の順に、走行に係る延長時分を割り振ることで、運転案を作成する。
図4は、第1実施例における傾向データ(以下「第1傾向データ」という)、および、第1傾向データに基づく余裕時分の割り振りを説明する図である。第1実施例における第1傾向データは、対象列車のWTプロットから、図4に示すように作成する。
図5は、第1実施例における運転案作成装置1Aの機能構成の一例である。図5によれば、運転案作成装置1Aは、操作部102と、表示部104と、音出力部106と、通信部108と、処理部200Aと、記憶部300Aとを備えて構成され、一種のコンピュータシステムとして実現される。なお、運転案作成装置1Aは、1台のコンピュータで実現してもよいし、複数台のコンピュータを接続して構成することとしてもよい。
第2実施例では、傾向データを、各駅間について、当該駅間の走行時分を所定時分ずつ増加させた場合の各増加段階に対する力行電力量の減少度合を示す駅間別段階別減少度合のデータとする。そして、その駅間別段階別減少度合のデータに基づいて、駅間の選択と当該駅間への延長時分の割り振りとを繰り返し行うことで、運転案を作成する。
図6は、第2実施例における傾向データ(以下「第2傾向データ」という)を説明する図である。第2実施例における第2傾向データは、対象列車のWTプロットから、図6に示すように作成する。
図7は、第2傾向データに基づく余裕時分の割り振りを説明する図である。第2実施例では、第2傾向データに基づいて、駅間を順位付けした第2ランキング表の作成と、この第2ランキング表に基づく駅間の選択および当該駅間への延長時分の割り振りとを繰り返し行う。
図8は、第2実施例における運転案作成装置1Bの機能構成の一例である。なお、図8において、図5と同一要素については同符号を付し、詳細な説明を省略する。図8によれば、運転案作成装置1Bにおいて、処理部200Bは、機能的な処理ブロックとして、余裕時分設定部202と、運転案作成部204Bとを有する。
第3実施例では、傾向データを、各駅間について、当該駅間の走行時分を計画走行時分から増加させた各増加時分に対する力行電力量の減少度合を示す駅間別増加時分別減少度合のデータとするとともに、走行時分が同じで運転操縦方法が異なる複数の運転曲線で運転した場合の各運転曲線に関するデータとする。そして、その駅間別増加時分別減少度合のデータに基づいて、選択する駅間および割り振る延長時分の組み合わせの順位を決定し、決定した順に、当該組み合わせに係る駅間に当該組み合わせに係る延長時分を割り振ることで、運転案を作成する。
図9は、ある駅間の運転曲線の一例を示す図である。図9の上側には、ある駅間の運転曲線として、走行時分が同じであり、運転操縦方法としてブレーキパターンが異なる3種類の運転曲線を示している。ブレーキパターンとは、運転操縦の1つであるブレーキ扱い(使用するノッチ、速度帯に応じて複数のノッチを設定することも含む)である。図9の上側に示すように、走行時分が同じであっても、運転操縦の1つであるブレーキパターンが異なると、力行や惰行といった他の運転操縦の扱いが異なることから、運転曲線が異なるとともに、力行電力量も異なり得る。つまり、ブレーキパターン毎に、当該ブレーキパターンを含む運転曲線として走行時分が異なる複数の運転曲線が存在することから、図9の下側に示すように、各ブレーキパターンについてWTプロットが作成される。
図10,図11は、第3実施例における傾向データ(以下「第3傾向データ」という)および余裕時分の割り振りを説明する図である。第3実施例における第3傾向データは、対象列車のWTプロットから、図10,図11に示すように作成する。
更に、第3実施例では、対象列車の各駅間のうち、延長時分を割り振った駅間については、第3ランキング表において当該駅間に対応付けられているブレーキパターンを含む運転曲線を適用して、運転案を作成する。例えば、図11の例では、順位が“1位”の“bc駅間”の“+15秒”については、ブレーキパターン“BP3”を含む運転曲線を適用する。これは、第3ランキング表において各駅間に対応する力行電力量減少量は、当該駅間の走行時分を当該駅間との組み合わせである増加時分だけ長くしたときの力行電力量減少量であるとともに、その力行電力量減少量は、当該組み合わせに対応するブレーキパターンを含む運転曲線で走行したときに実現されるからである。
図12は、第3実施例における運転案作成装置1Cの機能構成の一例である。なお、図12において、図5と同一要素については同符号を付し、詳細な説明を省略する。図12によれば、運転案作成装置1Cにおいて、処理部200Cは、機能的な処理ブロックとして、余裕時分設定部202と、運転案作成部204Cとを有する。
以上複数の実施例を説明したが、本実施形態によれば、計画ダイヤに沿った計画所要時分よりも長い時間で運転する場合における省エネ運転を実現する運転案をリアルタイムに作成することが可能となる。つまり、各駅間に関して当該駅間の走行に係る所定電力量の走行時分に対する傾向データを用意し、この傾向データに基づき、余裕時分を駅間に延長時分として割り振る。これにより、当該駅間の走行時分が延長されることとなるため、消費エネルギーを低減した走行が可能となり、その結果、省エネ運転を実現する運転案を作成することができる。一般的に、走行時分が長くなると消費エネルギーが減少する傾向がある。しかし、駅間によっては、勾配や曲線等の線路条件が異なるため、消費エネルギーの減少の傾向が異なり得る。このため、当該駅間の走行に係る所定電力量の走行時分に対する傾向データに基づくことで、消費エネルギーが減少する傾向がより高い、つまり、走行時分を長くしたときの省エネ効果がより高い駅間に優先して余裕時分を割り振ることができる。その結果、より高い省エネ効果が得られる運転案を作成することが可能となる。
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
第1実施例において、第1傾向データを、対象列車を含む複数の列車についてのWTプロットから作成するようにしてもよい。
第1実施例において、第1傾向データを、各駅間について走行時分が同じで運転操縦方法が異なる複数の運転曲線で運転した場合の各運転曲線に関するデータを含むようにしてもよい。
第2実施例において、第2傾向データを、各駅間について走行時分が同じで運転操縦方法が異なる複数の運転曲線で運転した場合の各運転曲線に関するデータを含むようにしてもよい。
上述の実施形態では、走行に係る所定電力量を力行電力量としたが、力行電力量から回生電力量を差し引いた消費エネルギーとしてもよい。
200A,200B,200C…処理部
202…余裕時分設定部
204A,204B,204C…運転案作成部
300A,300B,300C…記憶部
302A,302B,302C…運転案作成プログラム
304…計画ダイヤデータ
306…変更ダイヤデータ
310A…第1傾向データ
310B…第2傾向データ
320C…第3傾向データ
320A,320B,320C…運転案データ
Claims (6)
- 各駅間について、当該駅間の走行に係る所定電力量の走行時分に対する傾向データを記憶する記憶手段と、
対象列車について計画ダイヤに沿って運転する場合の計画所要時分より長い時間で運転する場合の当該長い時間に相当する余裕時分を設定する余裕時分設定手段と、
前記傾向データに基づいて前記余裕時分を割り振る駅間および割り振る時間を決定することで、前記対象列車を前記計画所要時分より前記余裕時分だけ長い時間で運転する場合の運転案を作成する作成手段と、
を備え、
前記傾向データは、各駅間について、当該駅間の走行時分を前記計画所要時分から増加させた各増加時分に対する前記所定電力量の減少度合を示す駅間別増加時分別減少度合のデータを少なくとも含み、
前記作成手段は、前記駅間別増加時分別減少度合のデータに基づいて、選択する駅間および割り振る延長時分の組み合わせの順位を決定し、決定した順に、当該組み合わせに係る駅間に当該組み合わせに係る延長時分を割り振ることで、前記運転案を作成する、
運転案作成装置。 - 前記傾向データは、各駅間について、走行時分が同じで運転操縦方法が異なる複数の運転曲線で運転した場合の各運転曲線に関する前記傾向データを含み、
前記作成手段は、割り振る駅間に適用する運転曲線を前記傾向データに基づいて決定する、
請求項1に記載の運転案作成装置。 - 前記作成手段は、前記運転案として、1)前記計画ダイヤを変更した変更ダイヤ、2)運転曲線、3)運転中の運転士に示すための運転操縦案内、のうちの少なくとも何れか1つを作成する、
請求項1又は2に記載の運転案作成装置。 - 前記所定電力量は、力行電力量である、
請求項1~3の何れか一項に記載の運転案作成装置。 - 前記作成手段は、各駅間のうち、所与の除外駅間を除外して割り振る駅を決定する、
請求項1~4の何れか一項に記載の運転案作成装置。 - コンピュータシステムが、
対象列車について計画ダイヤに沿って運転する場合の計画所要時分より余裕時分だけ長い時間で運転する場合の前記余裕時分を設定するステップと、
所定の記憶部に記憶された各駅間に関する当該駅間の走行に係る所定電力量の走行時分に対する傾向データに基づいて、前記余裕時分を割り振る駅間および割り振る時間を決定することで、前記対象列車を前記計画所要時分より前記余裕時分だけ長い時間で運転する場合の運転案を作成するステップと、
を実行する運転案作成方法であって、
前記傾向データは、各駅間について、当該駅間の走行時分を前記計画所要時分から増加させた各増加時分に対する前記所定電力量の減少度合を示す駅間別増加時分別減少度合のデータを少なくとも含み、
前記運転案を作成するステップは、前記駅間別増加時分別減少度合のデータに基づいて、選択する駅間および割り振る延長時分の組み合わせの順位を決定し、決定した順に、当該組み合わせに係る駅間に当該組み合わせに係る延長時分を割り振ることで、前記運転案を作成するステップである、
運転案作成方法。
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