JP7445120B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置に関する。
発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、「LED」とも記載する。)と、赤外光を発する蛍光体と、を組み合わせて赤外光を発する発光装置が開発されている。赤外光を発する発光装置は、例えばセンサの分野で利用されている。
例えば特許文献1には、基体の凹部の底面に配置された紫外光及び/又は可視光を発するLEDと、LEDにより励起されて赤外光を発する蛍光体と、LEDからの光路上に配置され、LEDからの発光及び可視光を透過せず、かつ、赤外光を透過する凹部の開口を覆うフィルタと、を備えた発光装置が開示されている。特許文献1において、蛍光体は、シリコーン樹脂等のバインダー樹脂に混合され、凹部に樹脂と共に充填されて硬化されるか、フィルタの内面に薄膜状に形成され、凹部が空洞であってもよいことが開示されている。
特開2011-233586号公報
LEDからの発光及び可視光の透過を抑制し、かつ、赤外光を透過するフィルタは、厚みが一定であるため、LEDの直上の光路上では、可視光の透過が抑制されず、LEDの発光及び可視光が透過して眩しさを感じてしまう場合がある。また、基体の凹部に空洞が形成されていると、LEDからの放熱が低下する場合がある。
本発明の一態様は、650nm以下の波長の光の出射を抑制して、650nmを超える波長の光を出射し、眩しさを低減した発光装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、可視光及び/又は紫外光を発する発光素子と、前記発光素子から発せられる光に励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発する蛍光体と、を含む蛍光部材と、前記発光素子から発せられる光の光路上であって、前記蛍光部材の光の出射側に配置され、650nm以下の波長の光を吸収し、650nmを超える波長の光を透過する第1膜と、を備え、前記第1膜は、前記発光素子に対向している部分の厚みが、前記発光素子に対向していない部分の厚みよりも大きい、発光装置である。
本発明の第二の態様は、内底面と内側面を備えた第1凹部を有する基台を準備する工程と、前記基台の内底面に発光素子を配置する工程と、前記基台の第1凹部内に、前記発光素子から発せられる光によって励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発する蛍光体と、第1樹脂と、を含む第1樹脂組成物を充填し、硬化させて、前記発光素子を覆う蛍光部材を形成する工程と、前記蛍光部材の表面を改質処理する工程と、表面が改質処理された前記蛍光部材に接触させて、第2樹脂と、650nm以下の光を吸収する光吸収剤と、を含む第2樹脂組成物を配置し、前記第2樹脂組成物を硬化させて第1膜を配置する工程と、を含む発光装置の製造方法である。
本発明の一態様によれば、650nm以下の波長の光の出射を抑制して、650nmを超える波長の光を出射し、眩しさを低減した発光装置を提供することができる。
発光装置の一例を示す模式的断面図である。 発光装置の一例を示す模式的断面図である。 発光装置の一例を示す模式的断面図である。 発光装置の製造方法の一例を示すフローチャートである。 実施例1に係る発光装置の発光スペクトルを示す。 実施例1に係る発光装置の発光スペクトルの一部拡大図であり、実施例1に係る発光装置の400nm付近から650nm以下の波長範囲の発光スペクトルを示す。 実施例2に係る発光装置の発光スペクトルを示す。 実施例2に係る発光装置の発光スペクトルの一部拡大図であり、実施例1に係る発光装置の400nm付近から650nm以下の波長範囲の発光スペクトルを示す。 実施例3に係る発光装置の発光スペクトルを示す。 実施例3に係る発光装置の発光スペクトルの一部拡大図であり、実施例1に係る発光装置の400nm付近から650nm以下の波長範囲の発光スペクトルを示す。
以下、本発明に係る発光装置を一実施形態に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下の発光装置に限定されない。なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。
本発明の一実施態様の発光装置の一例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一の実施態様の発光装置100を示す模式的断面図である。
発光装置100は、可視光及び/又は紫外光を発光する発光素子11、発光素子11から発せられる光に励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発する蛍光体70を含む蛍光部材50と、発光素子11から発せられる光の光路上であって、蛍光部材50の光の出射側に配置され、650nm以下の波長の光を吸収し、650nmを超える波長の光を透過する第1膜80と、を備え、第1膜80は、発光素子11に対向している部分の厚みTepが、発光素子11に対向していない部分の厚みTpよりも大きい。第1膜80は、発光素子11から発せられる光の光路上において、発光素子11に対向している部分の厚みTepが、発光素子11に対向していない部分の厚みTpよりも大きくなっているので、発光素子11から発せられる可視光及び/又は紫外光の発光装置外部への出射を抑制し、眩しさを低減することができる。発光装置100は、発光装置100から出射された光の眩しさを低減した状態で、発光装置100の作動を確認することができる。発光装置100から650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光が主に出射され、650nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する光の出射が抑制されているため、他の装置の誤作動等を発生させることなく、赤外センサー等に利用可能な機能を発揮させることができる。ここで、第1膜80において「発光素子11に対向している部分」は、第1凹部41rを持つ第1基台41を有する発光装置を第1凹部41rの開口されている側を平面とし、その平面に対して垂直方向から発光装置100を見て、発光素子の直上を指す。一方、第1膜80において「発光素子11に対向していない部分」とは、発光素子11に対向している部分以外の部分であり、主に第1凹部41rの外周部分を指す。
発光装置100は、第1基台41を備える。第1基台41は、第1基台41の第1凹部41rの内底面を構成する基板42と、基板42と一体となり、第1凹部41rの内側面を構成する樹脂成形部43を備える。基板42は、平板状であり、第1凹部41rの内底面を構成する面に一対の電極を備えていてもよく、基板42の表面及び/又は内部には導体配線を備えていてもよい。
発光装置100の場合、発光素子11は、正負一対の電極が形成された面11bが、第1基台41の基板42の導体配線上にバンプ等の接合部材を介して、例えばフリップチップ実装(フェイスダウン実装)されてもよい。発光素子11が、基板42にフリップチップ実装された場合、発光素子11の一対の電極が形成された面11bに対向する面11aが主に光の取り出し面となる。
発光素子11は、第1基台41の第1凹部41rの内底面を構成する基板42上にフリップチップ実装され、蛍光部材50は、第1基台41の第1凹部41rの内底面に配置された発光素子11を覆うように配置される。蛍光部材50は、第1基台41の内底面方向に凹む第2凹部50rを備える。蛍光部材50の第2凹部50rは、蛍光部材50を構成する樹脂組成物の硬化時の収縮により第1基台41の内底面方向に凹みが生じて形成されるものであってもよい。樹脂組成物の硬化時の収縮を、樹脂の「ヒケ」という場合もある。
第1膜80は、蛍光部材50の第2凹部50rに接触して配置されることが好ましい。第1膜80は蛍光部材50等を介して放熱することができるからである。蛍光部材50の第2凹部50rに接触するように第1膜80を構成する第2樹脂組成物を、例えば滴下することによって第2凹部50rに配置してもよい。第2樹脂組成物は、表面張力によって第2凹部50rの縁からやや盛り上がるように配置される。この第2樹脂組成物を硬化させることによって、第1膜80は、発光素子11に対向している部分の厚みTepが、発光素子11に対向してない部分の厚みTpよりも大きくなるように形成することができる。
発光装置100は、発光素子11の一部、蛍光部材50の一部に接触するように配置された反射部材60を備えていてもよい。反射部材60は、発光素子11の一部、蛍光部材50の一部に接触し、第1基台41の第1凹部41rの内底面から内側面にかけて配置されていることが好ましい。発光素子11から出射された光は、反射部材60によって効率よく反射されて蛍光部材50中に入射し、蛍光部材50中の蛍光体70によって発光素子11から出射された光が効率よく波長変換される。蛍光部材50中で波長変換された光は、反射部材60によって効率よく反射されて、発光装置100の外部に出射される。発光装置100は、反射部材60を備えることによって、650nmを超える波長範囲の光の放射束を高くすることができる。
図2は、本発明の第一の実施形態の発光装置の他の例を示す模式的断面図である、発光装置101は、第1膜80の光の出射側には、第2膜90を備えていてもよい。第2膜90は、第1膜80の少なくとも一部に接触するように配置されていることが好ましい。発光装置101は、蛍光部材50の光の出射側に第1膜80及び第2膜90を備えることによって、発光装置101の強度を向上することができる。
第1膜80の光の出射側の全面が、第2膜90で覆われていてもよい。第1膜80の光の出射側の全面が第2膜90で覆われることによって、発光装置101の外部に存在する酸素や水の発光装置101内への侵入が抑制され、第1膜80及び蛍光部材50中の蛍光体70の劣化を抑制することができる。第2膜は、光を透過するものであってもよく、特定の波長範囲の光を反射し、特定の波長範囲の光を透過するものであってもよい。第2膜は、分布ブラッグ反射器(Distributed Bragg reflector、「DBR」とも記載する。)の構成を有する誘電体多層膜であってもよい。発光装置101は、第2膜90を備えること以外、発光装置100と同様の構成を有していても良い。
発光素子
発光素子は、半導体発光素子を用いることが好ましく、GaN系半導体発光素子を用いることがより好ましい。発光素子として、GaN系半導体発光素子を備えた発光装置は、高効率で入力に対するリニアリティが高く、機械的衝撃に対する強度を向上することができる。例えば、発光素子は、窒化物系半導体(InAlGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いたGaN系半導体発光素子を用いることができる。発光素子の発光ピーク波長は、好ましくは380nm以上480nm以下の範囲内であり、より好ましくは400nm以上460nm以下の範囲内である。
発光素子の大きさは、目的とする発光装置の大きさによって異なる。発光素子の厚みTeは、例えば20μm以上300μm以下の範囲内であってもよく、50μm以上250μm以下の範囲内であってもよく、100μm以上200μm以下の範囲内であってもよい。
第1基台
第1基台の内底面を構成する基板は、絶縁性材料を用いて形成されていることが好ましい。基板を構成する絶縁性材料としては、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリアミド樹脂、ポリフタルアミド樹脂、液晶ポリマー等の樹脂が挙げられる。基板が樹脂からなる場合には、樹脂を滴下又はキャビティ内に流入させて硬化させることによって形成することができる。基板には、表面及び/又は内部には導体配線を備えていてもよい。また、基板には、放熱部材又は放熱用端子が備えていてもよい。基板に備えられる導体配線及び放熱用の端子には、Cu、Ag、Au、Al、Pt、Ti、W、Pd、Fe、Ni等の金属及びこれらの合金を用いて形成することができる。導体配線又は放熱用の端子は、例えば電解めっき、無電解めっき、蒸着、スパッタの方法によって形成することができる。第1基台の第1凹部の内側面を形成する樹脂成形部は、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフタルアミド樹脂、液晶ポリマーから選択される第4樹脂を含む第4樹脂組成物を用いて形成することができる。
蛍光部材
蛍光部材は、蛍光体と、第1樹脂と、を含む第1樹脂組成物を、第1基台の第1凹部内に滴下し、硬化させることによって形成することができる。第1樹脂組成物の硬化時の収縮により、蛍光部材は、第1基台の内底面の方向に凹む第2凹部を備えていてもよい。
第1樹脂
蛍光部材は、第1樹脂を含む。第1樹脂は、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及び変性エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。蛍光部材に含まれる第1樹脂は、耐熱性及び耐候性に優れるシリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂であることがより好ましい。シリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、フェニル-メチルシリコーン樹脂、ジフェニルシリコーン樹脂が挙げられる。蛍光部材に含まれる第1樹脂は、1種の樹脂を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
蛍光体
蛍光部材は、蛍光体を含む。蛍光部材に含まれる蛍光体は、発光素子から発せられる可視光及び/又は紫外光によって励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発することが好ましい。例えば380nm以上480nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子の発光によって励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発するものであることが好ましい。蛍光体は、例えば380nm以上480nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子の発光によって励起され、発光ピーク波長が650nmを超えて1800nm以下の範囲内の光を発することが好ましく、発光ピーク波長が660nm以上1700nm以下の範囲内の光を発することがより好ましく、発光ピーク波長が670nm以上1600nm以下の範囲内の光を発することがさらに好ましく、発光ピーク波長が680nm以上1600nm以下の範囲内の光を発することが特に好ましい。
蛍光体は、CeとNdを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体、Crを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体、CrとGaを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体、及びCeとErを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。蛍光部材に蛍光体を含むことにより、発光素子から発せられた光を蛍光体で波長変換し、目的とする650nmを超える波長の光を発光装置から発することができる。
CeとNdを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体は、Y、Gd、Sc、Lu及びLaからなる群より選択される少なくとも1種の希土類元素Lnと、Al及びGaから選択される少なくとも1種の元素と、Ceと、Ndと、を含む組成を有する蛍光体であることが好ましい。CeとNdを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体は、例えYAl12:Ce,Ndと表す場合があり、YAG:Ce,Ndと表す場合もある。また、CeとNdを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体は、Ln Al12:Ce,Ndと表す場合があり、LnAG:Ce,Ndと表す場合もある。本明細書において、蛍光体の組成を表す式中、コロン(:)の前は母体結晶を構成する元素及びそのモル比を表し、コロン(:)の後は賦活元素を表す。本明細書において、「モル比」とは、蛍光体の化学組成1モル中の化学組成を構成する各元素のモル量を表す。
CeとNdを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体は、下記式(I)で表される組成を有する蛍光体であってもよい。
(Ln 1-x-yCeNd(Al1-zGa12 (I)
式(I)中、Lnは、Y、Gd、Sc、Lu及びLaからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素であり、x、y及びzは、0.003≦x≦0.015、0.002≦y≦0.06、0≦z≦0.8を満たす数である。
CeとNdを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体は、特開2017-214442号公報に開示されている内容を本明細書に援用することができる。
Crを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体は、Al:Crと表す場合もある。Crを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体は、下記式(II)で表される組成を有する蛍光体であってもよい。
(Al1-wCr (II)
式(II)中、wは、0<w<1を満たす数である。式(II)中、wは、0.001≦w≦0.999を満たす数でもよい。
CrとGdを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体は、GdAlO:Crと表す場合もある。CrとGdを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体は、下記式(III)で表される組成を有する蛍光体であってもよい。
(GdAl1-t-vCrv (III)
式(III)中、t及びvは、それぞれ0<t<1、0<v<1、0<t+v<1を満たす数である。式(III)中、tは、0.001≦t≦0.998を満たす数でもよく、vは、0.001≦v≦0.998を満たす数でもよい。
CeとErを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体は、Y、Gd、Sc、Lu及びLaからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素Lnと、Al及びGaから選択される少なくとも1種の元素と、Ceと、Erと、を含む組成を有する蛍光体であることが好ましい。CeとErを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体の例として、YAl12:Ce,Erと表す場合があり、YAG:Ce,Erと表す場合もある。また、CeとErを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体は、Ln Al12:Ce,Erと表す場合があり、LnAG:Ce,Erと表す場合もある。
CeとErを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体は、下記式(IV)で表される組成を有する蛍光体であってもよい。
(Ln 1-q-rCeEr(Al1-sGa12 (IV)
式(IV)中、Lnは、Y、Gd、Sc、Lu及びLaからなる群より選択される少なくとも一種の希土類元素であり、q、r及びsは、0.003≦q≦0.015、0.002≦r≦0.06、0≦s≦0.8を満たす数である。
蛍光体は、粒子であることが好ましい。蛍光体が粒子である場合、蛍光体粒子の平均粒径は、3μm以上60μm以下の範囲内であることが好ましく、5μm以上50μm以下の範囲内であることがより好ましく、10μm以上30μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。蛍光体粒子の平均粒径が3μm以上60μm以下の範囲内であると、蛍光部材を構成する第1樹脂組成物中の蛍光体粒子の分散性がよく、蛍光部材を形成する際に取り扱い性がよい。蛍光体粒子の平均粒径は、フィッシャーサブシーブサイザー法(Fisher Sub-Sieve Sizer)法(「FSSS法」とも記載する。)で測定することができる。FSSS法は、空気透過法の一種であり、空気の流通抵抗を利用して比表面積を測定し、主に一次粒子の粒径を求める方法である。FSSS法で測定された平均粒径は、フィッシャーサブシーブサイザーズナンバー(Fisher Sub-Sieve Sizer’s Number)である。蛍光体が粒子であり、FSSS法により測定した平均粒径が10μm以上30μm以下の範囲内であると、発光素子からの光を効率よく波長変換して、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光の発光強度を高めることができる。
蛍光部材中の蛍光体は、発光素子の光の取り出し面を覆うように配置される。蛍光部材の厚みは、発光素子の厚みTeよりも大きい厚みを有する部位が存在することが好ましい。蛍光部材は、蛍光部材を構成する第1樹脂組成物の硬化時の収縮により、基台の内底面方向に凹む第2凹部を備えていてもよく、蛍光部材は部位ごとに厚みが異なっていてもよい。例えば、発光装置において、蛍光部材は、発光素子に対向する部分の厚みが、発光素子に対向していない部分の厚みよりも、小さくてもよく、大きくてもよく、厚みが同一であってもよい。ここで、蛍光部材の「発光素子に対向している部分」は、発光素子が配置されている側の基板の平面に対して垂直方向から見て、発光素子の直上を指す。蛍光部材の「発光素子に対向していない部分」とは、発光素子に対向している部分以外の部分であり、主に第1凹部の外周部分を指す。
第1膜
第1膜は、第2樹脂と、650nm以下の光を吸収する光吸収剤と、を含むことが好ましい。第2樹脂は、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。光吸収剤は、650nm以下の波長の光を吸収し、650nmを超える波長の光を透過する染料であってもよく、光吸収剤は染料の他に顔料や無機材料であってもよい。第1膜は、第2樹脂又は第2樹脂の前駆体と、650nm以下の光を吸収する光吸収剤と、を含む第2樹脂組成物を、蛍光部材の第2凹部に配置して、硬化させて形成することができる。第1膜を構成する第2樹脂組成物は、特開2019-131806号公報に開示の内容を参照することができる。
発光装置の大きさによって、第1膜の厚みは異なる。第1膜の発光素子に対向している部分の厚みTepが、第1膜の発光素子に対向していない部分の厚みTpよりも大きく形成されていれば、発光素子から発せられる可視光及び/又は紫外光の発光装置外部への出射を抑制し、発光装置から出射される光の眩しさを低減することができる。例えば図1、図2及び後述する図3に示されるような発光装置において、発光素子の厚みが120μm以上180μm以下の範囲内である場合は、第1膜の発光素子に対向している部分の最大の厚みTepは、例えば200μm以上550μm以下の範囲内であってもよく、250μm以上500μm以下の範囲内であってもよい。発光素子の厚みが120μm以上180μm以下の範囲内である場合は、第1膜の発光素子に対向していない部分の中で測定できる最小の厚みTpは、例えば20μm以上150μm以下の範囲内であってもよく、30μm以上100μm以下の範囲内であってもよい。例えば、発光素子の厚みが150μmの場合は、第1膜の発光素子に対向している部分の中で最大の厚みTepは450μmであってもよく、第1膜の発光素子に対向していない部分の中で測定できる最小の厚みTpは75μmであってもよい。
第2膜
第1膜の光の出射側に配置された第2膜は、例えばエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の第3樹脂、又はガラス材料から形成することができる。第2膜を構成するガラス材料は、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、サファイアガラス、フッ化カルシウムガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、オキシナイトライドガラス、カルコゲナイドガラス等が挙げられる。第2膜が、ガラス材料からなるものであると、酸素は水の発光装置内への侵入をより抑制することができ、蛍光部材から出射される650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光の出射を妨げとなることなく、発光装置の強度を向上することができる。第2膜と、第1膜とは、接着剤で接合されていてもよい。接着剤としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を含む接着材を用いてもよく、高屈折率の有機接着材、無機系接着材、低融点ガラス等を用いてもよい。第2膜には、熱伝導性を向上するために、フィラー等が含まれていてもよく、拡散剤等が含まれていても良い。
第2膜は、第1膜の表面に形成されるため、第2膜の発光素子に対向する部分の厚みと、第2膜の発光素子に対向していない部分の厚みが異なっていてもよく、同一の厚みであってもよい。第2膜の最も大きい厚みは、酸素や水の発光装置内への侵入が抑制できる厚さであればよい。例えば、発光素子の厚みTeが120μm以上180μm以下の範囲内である場合に、酸素や水の発光装置内への侵入の抑制を目的として第2膜を設ける場合には、第2膜の最も大きい厚みは、例えば30μm以上300μm以下の範囲内とすることができ、40μm以上280μm以下の範囲内であってもよく、50μm以上270μm以下の範囲内であってもよい。第2膜において「発光素子に対向している部分」は、第1凹部を持つ第1基台を有する発光装置を第1凹部の開口されている側を平面とし、その平面に対して垂直方向から発光装置を見て、発光素子の直上を指す。一方、第2膜において「発光素子に対向していない部分」とは、発光素子に対向している部分以外の部分であり、主に第1凹部41rの外周部分を指す。
第2膜は、水分等から第1膜を保護するために配置されてもよく、可視光を吸収して吸収した光を熱に変換した第1膜から第2膜を介して外部に放熱しやすくするために配置されてもよい。外部に放熱し易くするために第2膜を配置する場合には、第2膜が、第1膜の表面及び基台の上面に接するように被覆されていることが好ましい。第2膜は、例えば発光素子から発せられた波長範囲の光を反射し、蛍光部材中の蛍光体で波長変換された光を透過する膜であってもよい。例えば、第2膜がDBR膜である場合、第2膜として、任意の酸化膜等からなる下地層に低屈折率層と高屈折率層とからなる1組の誘電体層を複数組、例えば低屈折率層と高屈折率層を2から5組を積層させた多層構造を有するものを用いることができる。DBR膜が誘電体多層膜である場合、例えば低屈折率層としてSiOを含む層を用いることができ、高屈折率層としてNb、TiO、ZrO又はTaを含む層を用いることができる。第2膜がDBR膜である場合、DBR膜の総膜厚は0.2μm以上1μm以下の範囲内であってもよい。
反射部材
反射部材は、第5樹脂又はガラスと、反射材と、を含むことが好ましい。反射材としては、例えば特定の波長における反射率が特定の値以上のイットリウム、ジルコニウム、アルミニウム、及びチタンからなる群から選択される少なくとも一種を含む酸化物等が挙げられる。例えば400nm以上480nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子からの光の反射率が50%以上である、イットリウム、ジルコニウム、アルミニウム及びチタンからなる群から選択される少なくとも一種を含む酸化物が挙げられる。反射部材には、特定の波長における反射率が特定の値以上ではない、白色顔料を含んでいてもよい。白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムのうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて用いることができる。白色顔料の形状は、特に限定されず、不定形若しくは破砕状でもよいが、流動性の観点では球状が好ましい。また、白色顔料の粒径は、例えば0.1μm以上0.5μm以下程度が挙げられる。白色顔料の粒径は、例えばカタログ値を参照することができる。第5樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂が挙げられる。ガラス材料としては、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、サファイアガラス、フッ化カルシウムガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、オキシナイトライドガラス、カルコゲナイドガラス等が挙げられる。反射部材に含まれる第5樹脂又はガラス材料は、第2膜に含まれる第3樹脂又はガラス材料と同種の樹脂又はガラス材料であっても良く、異なる樹脂又はガラス材料であってもよい。
図3は、発光装置の第一の実施形態の発光装置の他の例を示す模式的断面図である。発光装置102は、発光装置101の第1基台41に対して、形状が異なる第2基台44を備える点と、発光素子12の一対の電極が形成された面12aと対向する面12bが第2基台44の内底面を構成する第1リード21に配置され、発光素子12の一対の正負の電極が、それぞれ第1リード21及び第2リード22とそれぞれワイヤ30を介して、フェイスアップ実装される点が相違し、その他の点は共通する。
発光装置102は、可視光及び/又は紫外光を発光する発光素子12、発光素子12の発光によって励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発する蛍光体70を含む蛍光部材50と、発光素子12から発せられる光の光路上であって、蛍光部材50の光の出射側に配置され、650nm以下の波長の光を吸収し、650nmを超える波長の光を透過する第1膜80と、を備え、第1膜80は、発光素子12に対向している部分の厚みTepが、発光素子12に対向していない部分の厚みTpよりも大きい。発光装置102は、650nm以下の波長の光を吸収し、650nmを超える波長の光を透過する第1膜80は、発光素子12に対向している部分の厚みTepが、発光素子12に対向していない部分の厚みTpよりも大きくなっているので、発光素子12から発せられる可視光及び/又は紫外光の発光装置外部への出射を抑制し、眩しさを抑制することができる。ここで、発光装置102の第1膜80において「発光素子12に対向している部分」は、第1凹部44rを持つ第1基台44を有する発光装置を第1凹部44rの開口されている側を平面とし、その平面に対して垂直方向から発光装置102を見て、発光素子12の直上を指す。一方、第1膜80において「発光素子12に対向していない部分」とは、発光素子12に対向している部分以外の部分であり、主に第1凹部44r内の外周部分を指す。
第2基台
発光装置102は、第2基台44を備える。第2基台44は、第1リード21と、第2リード22と、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の第4樹脂を含み、第2基台44の第1凹部44rの内側面を構成する樹脂成形部45と、が一体的に成形されてなるものである。第2基台44の第1リード21及び第2リード22は、第2基台44の内底面を構成する。第2基台44は、第1リード21及び第2リード22によって構成された内底面と、樹脂成形部45によって構成された内側面と、を備えた第1凹部44rを有する。第1凹部44rの内底面には発光素子12が載置されている。発光素子12は、一対の正負の電極を有しており、その一対の正負の電極は、それぞれ第1リード21及び第2リード22とそれぞれワイヤ30を介して電気的に接続されている。発光装置102は、第1リード21及び第2リード22を介して、外部からの電力供給を受けて発光させることができる。
蛍光体70を含む蛍光部材50は、第2基台44の第1凹部44rの内底面を構成する第1リード21に配置された発光素子12を覆うように配置される。蛍光部材50は、第2基台44の内底面方向に凹む第2凹部50rを備える。蛍光部材50の第2凹部50rは、蛍光部材50を構成する樹脂組成物の硬化時の収縮により第2基台44の内底面方向に凹みが生じて形成されるものであってもよい。
第1膜80は、蛍光部材50の第2凹部50rに接触して配置されることが好ましい。蛍光部材50の第2凹部50rに接触するように第1膜80を構成する第2樹脂組成物を、例えば滴下することによって第2凹部50rに配置すると、第2樹脂組成物の表面張力によって、第2樹脂組成物は、第2凹部50rの縁からやや盛り上がって配置される。この第2樹脂組成物を硬化させることによって、第1膜80は、発光素子12に対向した部分の厚みTepが、発光素子12に対向してない部分の厚みTpよりも大きくなるように形成することができる。
発光装置102は、第1膜80の光の出射側には、第2膜90を備えていてもよい。発光装置102は、発光素子12の一部、蛍光部材50の一部に接触するように配置される反射部材60を備えていもよい。第2膜90及び反射部材60は、発光装置101に用いた第2膜90及び反射部材60と同様のものを用いることができる。
発光装置は、発光装置の発光スペクトルにおいて、650nmを超える波長範囲内の最大の発光ピーク波長Lrにおける発光強度Irに対する、650nm以下の波長範囲内の最大の発光ピーク波長Lvの発光強度Ivの発光強度比Iv/Irが0.01以下であるものが好ましい。発光装置が、発光スペクトルにおいて、発光強度比Iv/Irが0.01以下である光を発するものであると、650nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する光の発光装置の外部への出射が抑制され、眩しさを低減することができる。発光装置は、発光装置の発光スペクトルにおいて、発光強度比Iv/Irが0.005以下の光を発するものであってもよく、0.003以下の光を発するものであってもよく、0.002以下の光を発するものであってもよい。発光装置は、発光装置の発光スペクトルにおいて、発光強度比Iv/Irが0.0001以上の光を発するものであってもよい。
発光装置の製造方法
発光装置の製造方法は、内底面と内側面を備えた第1凹部を有する基台を準備する工程と、基台の内底面に発光素子を配置する工程と、基台の第1凹部内に、発光素子から発せられる光によって励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発する蛍光体と、第1樹脂と、を含む第2樹脂組成物を充填し、硬化させて発光素子を覆う蛍光部材を形成する工程と、蛍光部材の表面を改質処理する工程と、表面が改質処理された蛍光部材に接触させて、第2樹脂と、650nm以下の光を吸収する光吸収剤と、を含む第2樹脂組成物を配置し、前記第2樹脂組成物を硬化させて第1膜を形成する工程とを含む。
図4は、第二の実施形態に係る発光装置の製造方法の一例を示すフローチャートである。発光装置の製造方法は、基台の準備工程S301と、発光素子の配置工程S302と、蛍光部材の形成工程S303と、改質処理工程S304と、第1膜の配置工程S305と、を含む。発光装置の製造方法は、第1膜の配置工程S305の後工程に、第2膜を配置する配置工程S306を含んでいてもよい。発光装置の製造方法において、発光素子の配置工程S302の後であって、蛍光部材の形成工程S303の前に、反射部材を形成する工程を含んでいてもよい。発光装置の製造方法において、複数の第1凹部が形成された集合基台を用いる場合には、1つの第1凹部を有する個々の単位領域の発光装置ごとに、集合基台を分離する個片化工程を含んでいてもよい。
基台の準備工程
基台の準備工程は、内底面と内側面を備えた第1凹部を有する基台を準備する。図1又は図2に示すような第1基台41を準備する場合は、第1凹部41rの内底面を構成する表面及び/又は内部に導体配線を備えた基板42を準備し、樹脂成形金型のキャビティ内の所定位置に基板42を配置し、キャビティ内に第1凹部41rの内側面を構成する第4樹脂組成物を注入して、基板42と樹脂成形部43を一体成形して、第1凹部41rを備えた第1基台41を準備する。
図3に示すような第2基台44を準備する場合は、樹脂成形金型のキャビティ内の所定位置に第1リード21及び第2リード22を配置し、キャビティ内に第1凹部44rの内側面を構成する第4樹脂組成物を注入し、第1リード21と、第2リード22と、樹脂成形部45と、を一体成形して、第1凹部44rを備えた第2基台44を準備する。第1リード21及び第2リード22は、第2基台44の第1凹部44rの内底面を構成し、樹脂成形部45は、第2基台44の内側面を構成する。
発光素子の配置工程
発光素子の配置工程は、基台の内底面に発光素子を配置する。発光装置100又は発光装置101を製造する場合は、発光素子11の正負一対の電極が形成された面11bが基板42の導体配線上にバンプ等の接合部材を介して、例えばフリップチップ実装(フェイスダウン実装)される。発光素子11が、基板42にフェイスダウン実装された場合、発光素子11の一対の電極が形成された面11bに対向する面11aが主に光の取り出し面となる。
発光装置102を製造する場合は、発光素子12の正負一対の電極が形成された面12aに対向する面12bが第1リード21上に配置され、正負一対の電極が、それぞれワイヤ30を介して第1リード21及び第2リード22に電気的に接続される。発光素子12が、第1リード21及び第2リード22にそれぞれワイヤ30を介して、フェイスアップ実装された場合、発光素子12の一対の電極が形成された面12bが主に光の取り出し面となる。
反射部材の形成工程
発光装置の製造方法は、発光素子の配置工程後であって、蛍光部材の形成工程前に、基台の第1凹部内の発光素子の周囲に、反射部材を形成する工程を含んでいても良い。反射部材は、反射材と、第5樹脂又はガラス材料を含む第5組成物を第1凹部の内底面の一部及び内側面の一部に接触するように配置させ、硬化させて形成することができる。
蛍光部材の形成工程
蛍光部材の形成工程は、基台の第1凹部内に、発光素子から発せられる光によって励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発する蛍光体と、第1樹脂と、を含む第1樹脂組成物を充填し、硬化させて、発光素子を覆う蛍光部材を形成する。第1樹脂組成物中の蛍光体の含有量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは20質量部以上500質量部以下の範囲内であり、より好ましくは30質量部以上450質量部以下の範囲内であり、さらに好ましくは40質量部以上400質量部以下の範囲内である。第1樹脂組成物中の蛍光体の含有量が、樹脂100質量部に対して、20質量部以上350質量部以下の範囲内であれば、発光素子の光の主な光の取り出し面及び発光素子の側面の光の取り出し面を蛍光体で覆い、発光素子から発せられる光を効率よく吸収し、蛍光体で波長変換して放射束の高い650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発することができる。
発光装置から放射束の高い650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発するために、蛍光体が、CeとNdを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体である場合は、第1樹脂組成物中の蛍光体の含有量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは20質量部以上500質量部以下の範囲内であり、より好ましくは30質量部以上450質量部以下の範囲内であり、さらに好ましくは40質量部以上400質量部以下の範囲内であり、特に好ましくは50質量部以上300質量部以下の範囲内である。
発光装置から放射束の高い650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発するために、蛍光体が、Crを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体である場合は、第1樹脂組成物中の蛍光体の含有量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは50質量部以上300質量部以下の範囲内であり、より好ましくは60質量部以上250質量部以下の範囲内であり、さらに好ましくは70質量部以上200質量部以下の範囲内であり、特に好ましくは80質量部以上150質量部以下の範囲内である。
発光装置から放射束の高い650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発するために、蛍光体が、CrとGaを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体である場合は、第1樹脂組成物中の蛍光体の含有量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは50質量部以上500質量部以下の範囲内であり、より好ましくは70質量部以上480質量部以下の範囲内であり、さらに好ましくは80質量部以上450質量部以下の範囲内であり、特に好ましくは100質量部以上400質量部以下の範囲内である。
蛍光部材は、蛍光体及び樹脂以外に、フィラー、光安定剤、着色剤等のその他の成分を含んでいてもよい。フィラーとしては、例えばシリカ、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等を挙げることができる。
第1樹脂組成物が、図1に示す発光装置100、図2に示す発光装置101又は図3に示す発光装置102を形成する場合、例えばディスペンサーを用いて滴下され、第1基台41の第1凹部41r又は第2基台44の第1凹部44rに第1樹脂組成物が充填され、硬化されて、蛍光部材50が形成される。
第1樹脂組成物は、第1基台41の第1凹部41r又は第2基台44の第1凹部44rに滴下されて充填された後、硬化時に収縮し、第1基台41又は第2基台44の内底面方向に凹む第2凹部50rが形成されてもよい。
改質処理工程
改質処理工程は、蛍光部材の表面を改質処理する。蛍光部材の表面を改質処理することによって、第1膜を構成する第2樹脂組成物と蛍光部材との密着性を向上させたり、第2樹脂組成物の濡れ拡がりのムラをなくしたりする。それにより、発光素子に対向している部分の第1膜の厚みTepが、発光素子に対向していない部分の第1膜の厚みTpよりも厚くなる形状に、第2樹脂組成物を成形することができる。蛍光部材が第2凹部を備える場合には、第2凹部の内面を含む蛍光部材の表面を改質処理することが好ましい。改質処理としては、例えばプラズマ処理、コロナ放電処理、オゾン水処理等が挙げられる。改質処理は、低温で改質処理を行うことが可能なプラズマ処理であることが好ましい。プラズマ処理は、プラズマCVD法により、窒素プラズマ、水素プラズマ、又はハロゲンプラズマを行うことができる。改質処理は、大気中で行うことができ、酸素雰囲気中で行ってもよい。また、改質処理は、25℃以上100℃以下の温度範囲内で行うことが好ましく、40℃以上90℃以下の温度範囲内で行ってもよく、50℃以上80℃以下の温度範囲内で行ってもよい。
第1膜の配置工程
第1膜の配置工程は、表面が改質された蛍光部材に接触させて、第2樹脂と、650nm以下の光を吸収する光吸収剤と、を含む第2樹脂組成物を配置し、第2樹脂組成物を硬化させて第1膜を配置してもよい。第2樹脂組成物は、表面が改質された蛍光部材との密着性が向上し、蛍光部材の第2凹部から流出することなく、第2樹脂組成物の表面張力によって、蛍光部材の第2凹部の縁から盛り上がるように配置される。この第2樹脂組成物を硬化させることによって、発光素子に対向している部分の厚みTepが、発光素子に対向していない部分の厚みTpよりも大きい第1膜を配置することができる。第1膜を形成する工程において、蛍光部材が第2凹部を有している場合には、例えばディスペンサーを用いて第2樹脂組成物を第2凹部内に滴下し、第2樹脂組成物を硬化させて第1膜を配置することが好ましい。第2樹脂組成物を、蛍光部材の第2凹部内に滴下して充填すると、第2樹脂組成物の表面張力によって第2凹部の縁から第2樹脂組成物が盛り上がり、発光素子に対向している部分の厚みTepが、発光素子に対向していない部分の厚みTpよりも大きい第1膜を比較的容易に配置することができる。
第2膜の配置工程
第2膜の配置工程は、第1膜の光の出射側に、第3組成物を配置し、硬化させて、第2膜を配置してもよい。第3組成物は、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の第3樹脂、又はガラス材料を含んでいてもよい。第3組成物は、第1膜の光の出射側にディスペンサーを用いて滴下し、第1膜の全体を覆うように第3組成物を配置させて硬化させることができる。第1膜と第2膜は接着剤で接合されていてもよく、第1膜の光の出射側に接着剤を塗布した後、第2膜を配置してもよい。第2膜がDBR膜である場合、第2膜を接着剤を介して第1膜に接合して配置してもよい。第2膜がDBR膜である場合、第1膜の光の出射側に、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)、スパッタ、蒸着法等により低屈折率層と高屈折率層とを交互に成膜して形成してもよい。
第1基台又は第2基台が複数の第1凹部41r又は複数の第1凹部44rを備えた集合基台である場合には、1つの第1凹部41rを有する個々の単位領域の発光装置ごとに、集合基台を分離する個片化工程を含んでいてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
図1に示す発光装置100を製造した。
第1基台の準備
第1凹部41rを有する第1基台41を準備した。第1基台41は、基板42を用い、シリコーン樹脂を含む第4樹脂組成物を硬化させた樹脂成形部43を備え、内底面が基板42で構成され、内側面が樹脂成形部43で構成された第1凹部41rを有する。
発光素子の配置
発光ピーク波長が450nmであるGaN系半導体からなり、厚みが150μmである発光素子11を準備した。第1基台41の第1凹部41rの内底面を構成する基板42の導体配線上に、発光素子11をフリップチップ実装し、発光素子11を配置した。
反射部材の形成
反射材として酸化チタンとシリコーン樹脂とを含む第5組成物を、第1基台41の第1凹部41rの発光素子11の周囲に配置し、第5組成物を硬化させて、反射部材60を形成した。
蛍光部材の形成
シリコーン樹脂100質量部に対して、YAG:Ce,Ndで表されるCeとNdを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体を200質量部含む第1樹脂組成物を準備した。第1基台41の第1凹部41r内に、ディスペンサーを用いて第1樹脂組成物を滴下し、硬化させて蛍光部材50を形成した。蛍光部材50は、第1樹脂組成物の硬化時の収縮により第1基台41の内底面の方向に凹む第2凹部50rが形成された。
改質処理
第2凹部50rの内面を含む蛍光部材50の表面を、プラズマCVD法により、大気圧プラズマ放電処理装置(製品名:PC30B-HS、Panasonic社製)を用いて、プラズマ処理し、蛍光部材50の表面を改質した。
第1膜の配置
650nm以下の波長の光を吸収し、650nmを超える波長の光を透過する光吸収剤として染料を含み、シリコーン樹脂又はシリコーン樹脂前駆体を含む第2樹脂組成物(製品名:AIR-7051、信越化学工業株式会社製)を準備した。第2樹脂組成物を蛍光部材50の第2凹部50r内に滴下し、発光素子に対向する部分の厚みTepが、発光素子に対向していない部分の厚みTpよりも大きくなるように、第2樹脂組成物の表面張力によって、第1基台41の第1凹部41rの縁部又は蛍光部材の第2凹部の縁部から盛り上がるように配置される。この第2樹脂組成物を硬化させることによって、第1膜を配置した。第1膜80は、発光素子11に対向している部分の厚みTepが、発光素子11に対向していない部分の厚みTpよりも大きくなった。
実施例2
図1に示す発光装置100を製造した。発光ピーク波長が405nmであるGaN系半導体からなり、厚みが150μmである発光素子11と、蛍光部材50を形成する第1樹脂組成物として、シリコーン樹脂100質量部に対して、Al:Crで表されるCrを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体を150質量部含む第1樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置100を製造した。第1膜80は、発光素子11に対向している部分の厚みTepが、発光素子11に対向していない部分の厚みTpよりも大きくなった。
実施例3
図1に示す発光装置100を製造した。発光ピーク波長が405nmであるGaN系半導体からなり、厚みが150μmである発光素子11と、蛍光部材50を形成する第1樹脂組成物として、シリコーン樹脂100質量部に対して、GaAlO:Crで表されるCrを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体を200質量部含む第1樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置100を製造した。第1膜80は、発光素子11に対向している部分の厚みTepが、発光素子11に対向していない部分の厚みTpよりも大きくなった。
発光装置の評価
第1膜の厚みの測定
実施例1から3に係る各発光装置の基板に対して垂直な方向から切断して、発光装置の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)で観察したSEM写真を得た。各発光装置の断面のSEM写真において、発光素子の厚みと、第1膜の発光素子に対向する部分の中で最も大きい厚みTepと、第1膜の発光素子に対向していない部分の中で測定可能な最も小さい厚みTpを測定した。
発光スペクトル
実施例1から3に係る各発光装置について、全光束測定装置を用いて、各発光装置の波長に対する発光強度を示す発光スペクトルを測定した。各発光装置の発光スペクトルにおいて、400nm以上500nm未満の範囲の発光ピーク波長を発光素子の発光ピーク波長Leとして測定した。また、各発光装置の発光スペクトルにおいて、400nm以上650nm以下の範囲の最大の発光ピーク波長Lvを測定した。さらに、各発光装置の発光スペクトルにおいて、650nmを超える範囲における最大の発光ピーク波長Lrを測定した。650nmを超える範囲における最大の発光ピーク波長Lrの発光強度Irに対する、400nm以上650nm以下の範囲の最大の発光ピーク波長Lvの発光強度Ivの発光強度比Iv/Irを測定した。結果を表1に示す。
色度(x、y)
実施例1から3に係る各発光装置について、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムで、CIE1931系の色度座標における色度x及びyを測定した。
放射束(mW)及び発光効率(mW/W)
実施例1から3に係る各発光装置について、積分球を使用した全光束測定装置を用いて、放射束を測定した。また、発光装置に供給した電力(W)に対して700nm以上1100nm以下の波長範囲の放射束(mW)の比を発光効率(mW/W)として測定した。
実施例1から3に係る各発光装置の評価結果を、表1に示す。
Figure 0007445120000001
実施例1から3に係る各発光装置は、第1膜の発光素子に対向している部分の厚みTepが、第1膜の発光素子に対向していない部分の厚みTpよりも大きい。このため、実施例1から3に係る発光装置は、650nm以下の波長の光を第1膜で吸収し、650nm以下の可視光及び/又は紫外光の発光装置外部への出射が抑制され、眩しさを低減することができる。また、実施例1から3に係る各発光装置の放射束は50.0mWを超え、供給電力に対する700nm以上1100nm以下の波長範囲の放射束(mW)の比である、発光効率も35(mW/W)を超えており、赤外センサー等として利用できる十分なエネルギーの光が実施例1から3に係る各発光装置から出射される。
図5は、実施例1に係る発光装置の発光スペクトルを示す。実施例1に係る発光装置は、発光スペクトルにおいて、650nmを超える波長範囲内の最大の発光ピーク波長Lrにおける発光強度Irに対する、400nm以上650nm以下の波長範囲の最大の発光ピーク波長Lvにおける発光強度Ivの発光強度比Iv/Irが0.002以下であり、650nm以下に発光ピーク波長を有する光の出射が抑制されている。
図6は、図5に示す発光スペクトルの一部拡大図であり、実施例1に係る発光装置の400nm付近から650nm以下の波長範囲の発光スペクトルを示す。実施例1に係る発光装置は、発光スペクトルにおいて400nm以上500nm未満の範囲に存在するピークがほとんど確認できず、発光素子からの光がほとんど外部に出射していなかった。また、実施例1に係る発光装置は、400nm以上650nm以下の波長範囲の最大の発光ピーク波長Lvにおける発光強度Ivも、650nmを超える波長範囲内の最大の発光ピーク波長Lrにおける発光強度Irに対して非常に小さいので、650nm以下の波長範囲の光が出射された場合であっても、発光装置から発せられる光の眩しさを低減した状態で、発光装置の作動を確認することができる。
図7は、実施例2に係る発光装置の発光スペクトルを示す。実施例2に係る発光装置は、発光スペクトルにおいて、650nmを超える波長範囲内の最大の発光ピーク波長Lrにおける発光強度Irに対する、400nm以上650nm以下の波長範囲の最大の発光ピーク波長Lvにおける発光強度Ivの発光強度比Iv/Irが0.002以下であり、650nm以下に発光ピーク波長を有する光の出射が抑制されている。
図8は、図7に示す発光スペクトルの一部拡大図であり、実施例2に係る発光装置の400nm付近から650nm以下の波長範囲の発光スペクトルを示す。実施例2に係る発光装置は、発光スペクトルにおいて400nm以上500nm未満の範囲にピークが確認できず、発光素子からの光がほぼ外部に出射されていなかった。また、実施例2に係る発光装置は、400nm以上650nm以下の波長範囲の発光ピーク波長Lvにおける発光強度Ivも、650nmを超える波長範囲内の最大の発光ピーク波長Lrにおける発光強度Irに対して非常に小さく、実施例2に係る発光装置は、650nm以下の発光ピーク波長を有する光の出射が抑制されている。
図9は、実施例3に係る発光装置の発光スペクトルを示す。実施例3に係る発光装置は、発光スペクトルにおいて、650nmを超える波長範囲内の最大の発光ピーク波長Lrにおける発光強度Irに対する、400nm以上650nm以下の波長範囲の最大の発光ピーク波長Lvにおける発光強度Ivの発光強度比Iv/Irが0.005以下であり、650nm以下に発光ピーク波長を有する光の出射が抑制されている。
図10は、図9に示す発光スペクトルの一部拡大図であり、実施例3に係る発光装置の400nm付近から650nm以下の波長範囲の発光スペクトルを示す。実施例3に係る発光装置は、発光スペクトルにおける400nm以上500nm未満の範囲に存在する発光素子の発光ピーク波長Leにおける発光強度も、400nm以上650nm以下の波長範囲に存在する最大の発光ピーク波長Lvにおける発光強度Ivも、650nmを超える波長範囲内の最大の発光ピーク波長Lrにおける発光強度Irに対して、非常に小さいため、実施例3に係る発光装置は、650nm以下の波長範囲の光が出射された場合であっても、発光装置から発せられる光の眩しさを低減した状態で、発光装置の作動を確認することができる。
本開示の発光装置は、赤外センサーを含む各種センサー、信号機、照明式スイッチ、各種インジケータ等に好適に利用できる。
11、12:発光素子、21:第1リード、22:第2リード、41:第1基台、41r:第1凹部、42:基板、43、45:樹脂成形部、44:第2基台、44r:第1凹部、50:蛍光部材、50r:第2凹部、60:反射部材、70:蛍光体、80:第1膜、90:第2膜、100、101、102:発光装置。

Claims (11)

  1. 可視光及び/又は紫外光を発する発光素子と、
    前記発光素子から発せられる光に励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発する蛍光体を含む蛍光部材と、
    前記発光素子から発せられる光の光路上であって、前記蛍光部材の光の出射側に配置され、650nm以下の波長の光を吸収し、650nmを超える波長の光を透過する第1膜と、を備え、
    前記第1膜は、前記発光素子に対向している部分の厚みが、前記発光素子に対向していない部分の厚みよりも大きい、発光装置。
  2. 前記蛍光部材が、第1樹脂を含み、
    前記第1膜が、第2樹脂と、650nm以下の光を吸収する光吸収剤と、を含む、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記蛍光体は、CeとNdを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体、Crを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体、CrとGaを含む酸化アルミニウムの組成を有する蛍光体、及びCeとErを含む希土類アルミン酸塩の組成を有する蛍光体の組成を有する蛍光体からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記第1膜の光の出射側に、第2膜を備えた、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 基台を備え、前記基台は、内底面と内側面を備えた第1凹部を有し、
    前記発光素子が、前記基台の第1凹部の内底面に配置され、
    前記蛍光部材が、前記基台の第1凹部の内底面に配置された発光素子を覆うように配置され、前記第1凹部の内底面方向に凹む第2凹部を備え、
    前記第1膜が、前記蛍光部材の第2凹部に接触して配置された、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 内底面と内側面を備えた第1凹部を有する基台を準備する工程と、
    前記基台の内底面に発光素子を配置する工程と、
    前記基台の第1凹部内に、前記発光素子から発せられる光によって励起され、650nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する光を発する蛍光体と、第1樹脂と、を含む第1樹脂組成物を充填し、硬化させて、前記発光素子を覆う蛍光部材を形成する工程と、
    前記蛍光部材の表面を改質処理する工程と、
    表面が改質処理された前記蛍光部材に接触させて、第2樹脂と、650nm以下の光を吸収し、650nmを超える波長の光を透過する光吸収剤と、を含む第2樹脂組成物を配置し、前記第2樹脂組成物を硬化させて、前記発光素子に対向している部分の厚みが、前記発光素子に対向していない部分の厚みよりも大きくなるように第1膜を配置する工程と、を含む発光装置の製造方法。
  7. 前記蛍光部材を形成する工程において、前記基台の内底面方向に凹む、前記第1樹脂組成物の硬化時の収縮により形成される第2凹部を備えた蛍光部材を形成することと、
    前記改質処理する工程において、前記第2凹部の内面を含む前記蛍光部材の表面を改質処理すること、を含む、請求項6に記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記改質処理が、プラズマ処理、コロナ放電処理、オゾン水処理のいずれかの処理である、請求項6又は7に記載の発光装置の製造方法。
  9. 前記蛍光部材を形成する工程において、前記第1樹脂組成物を前記第1凹部内に滴下して充填する、請求項6から8のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  10. 前記第1膜を配置する工程において、前記第2樹脂組成物を前記第2凹部内に滴下して、配置する、請求項7又は請求項7を引用する請求項8又は9に記載の発光装置の製造方法。
  11. 前記第1膜の光の出射側に、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の第3樹脂、ガラス材料又は誘電体多層膜からなる第2膜を配置する工程をさらに含む、請求項7から10のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
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