JP7443552B2 - インクジェットインク及び画像記録方法 - Google Patents

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Description

本開示は、インクジェットインク及び画像記録方法に関する。
画像記録方法の一種として、被記録媒体上にインクを付与し、付与されたインクに対し、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによりインクを硬化させて画像を得る画像記録方法が知られている。
例えば、特開2018-024757号公報には、光重合性化合物、光重合開始剤、及び平均粒径1nm~200nmの無機フィラーを組成物中0.05質量%~5.0質量%含有し、可視光透過率が30%以上である光硬化型インキジェット印刷用クリアインキ組成物が記載されている。
また、特開2019-162742号公報には、平均一次粒径が100nm~200nmの微粒子を含有する活性エネルギー線硬化型組成物が記載されている。
また、特開2020-062758号公報には、表面をジメチルシリル又はジメチルポリシロキサンにより表面修飾された平均一次粒径7nm~16nmのシリカ粒子を1質量%~10質量%含有する紫外線硬化型インクが記載されている。
ところで、活性エネルギー線硬化型インクを用いて記録される画像は、光沢が強い場合がある。光沢が強いために、上記画像は、レリーフ感を有する場合、目立ちやすい場合等がある。そこで、画像のレリーフ感を低減する観点、画像を目立ちにくくする観点等から、活性エネルギー線硬化型インクを用いて記録される画像の品質として、光沢が抑制されていることが求められる場合がある。しかし、光沢を抑制するために、インクに光沢抑制成分を含有させると、インクジェット記録方式で吐出した場合に吐出性が低下する場合がある。
本発明の一実施形態によれば、吐出性に優れ、かつ、光沢が抑制された画像を記録できるインクジェットインク、及び、上記インクジェットインクを用いた画像記録方法が提供される。
本開示は、以下の態様を含む。
<1>ラジカル重合性モノマー及びシリカ粒子を含有し、シリカ粒子は、平均一次粒径が22nm以上100nm未満であり、かつ、疎水化度が50以上である、インクジェットインク。
<2>シリカ粒子は、平均二次粒径が200nm~800nmである、<1>に記載のインクジェットインク。
<3>シリカ粒子は、単位をnmとしたときの平均一次粒径と、単位をm/gとしたときの比表面積との積が2400以下である、<1>又は<2>に記載のインクジェットインク。
<4>シリカ粒子は、疎水化度が70以上である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のインクジェットインク。
<5>シリカ粒子の含有量は、インクジェットインクの全量に対して、1質量%~10質量%である、<1>~<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク。
<6>ラジカル重合性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマー及び2官能ラジカル重合性モノマーの少なくとも一方を含み、単官能ラジカル重合性モノマー及び2官能ラジカル重合性モノマーの総含有量が、インクジェットインクの全量に対して、50質量%以上である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク。
<7>ラジカル重合性モノマーは、ClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーを含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載のインクジェットインク。
<8>シリカ粒子の含有量に対するClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーの含有量の質量比率は、6~50である、<7>に記載のインクジェットインク。
<9>ラジカル重合性モノマーは、N-ビニル化合物を含む、<1>~<8>のいずれか1つに記載のインクジェットインク。
<10>シリカ粒子の含有量に対するN-ビニル化合物の含有量の質量比率は、1~8である、<9>に記載のインクジェットインク。
<11>ラジカル重合性モノマーは、ビニルエーテル化合物を含む、<1>~<10>のいずれか1つに記載のインクジェットインク。
<12>被記録媒体上に、<1>~<11>のいずれか1つに記載のインクジェットインクをインクジェット記録方式で付与してインク膜を得る工程と、インク膜に活性エネルギー線を照射する工程と、
を含む画像記録方法。
<13>活性エネルギー線を照射する工程は、インク膜に、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で活性エネルギー線を照射する工程を含む、<12>に記載の画像記録方法。
本発明の一実施形態によれば、吐出性に優れ、かつ、光沢が抑制された画像を記録できるインクジェットインク、及び、上記インクジェットインクを用いた画像記録方法が提供される。
以下、本開示に係るインクジェットインク及び画像記録方法について詳細に説明する。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「光」は、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を包含する概念である。
本開示においては、紫外線を、「UV(Ultra Violet)光」ということがある。
本開示において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」はアクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する概念である。
本開示において、「画像」とは、インクを用いて形成される膜全般を意味し、「画像記録」とは、画像(即ち、膜)の形成を意味する。
また、本開示における「画像」の概念には、ベタ画像(solid image)も包含される。
[インクジェットインク]
本開示のインクジェットインク(以下、単に「インク」という)は、ラジカル重合性モノマー及びシリカ粒子を含有し、シリカ粒子は、平均一次粒径が22nm以上100nm未満であり、かつ、疎水化度が50以上である。
本開示のインクによれば、吐出性に優れ、かつ、光沢が抑制された画像を記録できる。上記効果が奏される理由は、以下のように推測される。
一般に、ラジカル重合性モノマーを含有するインクを用いた画像記録は、被記録媒体上にインクを付与し、被記録媒体上に付与されたインク(以下、「インク膜」ともいう)に活性エネルギー線を照射することによって行われる。この画像記録では、インク膜に活性エネルギー線が照射された際、インク膜中のラジカル重合性モノマーが重合してインク膜が硬化する。その結果、硬化したインク膜である画像が得られる。本開示のインクは、活性エネルギー線照射型インクともいえる。
本開示のインクでは、シリカ粒子の疎水化度が50以上である。そのため、シリカ粒子はインク膜の表面に存在しやすい。また、シリカ粒子の平均一次粒径が22nm以上100nm未満である。このような大きさのシリカ粒子がインク膜の表面に集まると、凝集したシリカ粒子がマット剤として機能すると考えられる。シリカ粒子がインク膜の表面に集まった状態でインク膜が硬化することにより、画像の光沢が抑制されると考えられる。
また、シリカ粒子の平均一次粒径が22nm以上であると、シリカ粒子の表面積が増大することなく、インクの粘度上昇が抑制される。その結果、本開示のインクは、吐出性に優れると考えられる。一方、シリカ粒子の平均一次粒径が100nm未満であると、シリカ粒子が沈降しにくいため、本開示のインクは、吐出性に優れると考えられる。
これに対して、特開2018-024757号公報には、平均粒径20nmのシリカ粒子を含むインクが開示されている。この平均粒径は、分散粒径を意味するものであり、一次粒径は20nm以下であると考えられる。また、特開2020-062758号公報には、表面をジメチルシリル又はジメチルポリシロキサンにより表面修飾された平均一次粒径7nm~16nmのシリカ粒子を1質量%~10質量%含有する紫外線硬化型インクが記載されている。特開2018-024757号公報及び特開2020-062758号公報に開示されているインクでは、シリカ粒子の平均一次粒径が小さいため、インクが高粘度となる結果、良好な吐出性が得られないと考えられる。また、シリカ粒子の平均一次粒径が適切な範囲にないために、マット剤としての機能を果たさないと考えられる。したがって、特開2018-024757号公報及び特開2020-062758号公報に開示されているインクでは、光沢抑制の効果は得られないと考えられる。
また、特開2019-162742号公報には、平均一次粒径が100nm~200nmのシリカ粒子を含有する活性エネルギー線硬化型組成物が記載されている。特開2019-162742号公報に開示されている組成物では、シリカ粒子の平均一次粒径が大きいため、沈降しやすく、良好な吐出性が得られないと考えられる。また、シリカ粒子の平均一次粒径が適切な範囲にないために、マット剤としての機能を果たさないと考えられる。したがって、特開2019-162742号公報に開示されている組成物では、光沢抑制の効果は得られないと考えられる。
以下、本開示のインクに含まれる各成分について説明する。
<シリカ粒子>
本開示のインクは、シリカ粒子を少なくとも1種含有する。
本開示のインクに含まれるシリカ粒子の疎水化度は、50以上である。すなわち、本開示のインクに含まれるシリカ粒子は、疎水性シリカ粒子である。疎水化度が50以上であるシリカ粒子は、インク膜の表面に存在しやすいため、画像の光沢が抑制される。また、疎水化度が50以上であるシリカ粒子は、インク中で界面活性剤として働き、インクの表面張力を低下させる。インクの表面張力が小さいと、打滴干渉が抑制され、画質(特に、粒状性)が向上する。
シリカ粒子の疎水化度は、得られる画像の光沢をより抑制し、かつ、画質をより向上させる観点から、70以上であることがより好ましい。シリカ粒子の疎水化度の上限値は特に限定されず、例えば、99である。シリカ粒子の疎水化度は、以下の方法で測定される。
まず、インクに対して遠心分離を行い、シリカ粒子を抽出する。次に、イオン交換水50mL、抽出したシリカ粒子0.2gをビーカーに入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下する。ビーカー内のメタノール濃度が増加するにつれて、シリカ粒子は徐々に沈降していく。シリカ粒子の全量が沈んだ時点で、メタノールの滴下を終了する。滴下終了時におけるメタノールと水との混合溶液中のメタノールの質量分率(%)を疎水化度とする。
本開示のインクに含まれるシリカ粒子の平均一次粒径は、22nm以上100nm未満である。シリカ粒子の平均一次粒径が22nm以上であると、シリカ粒子の表面積が増大することなく、インクの粘度上昇が抑制される。その結果、本開示のインクは、吐出性に優れる。一方、シリカ粒子の平均一次粒径が100nm未満であると、シリカ粒子が沈降しにくいため、本開示のインクは、吐出性に優れる。また、シリカ粒子の平均一次粒径が22nm以上100nm未満であると、インク膜の表面に集まったシリカ粒子がマット剤として機能し、画像の光沢が抑制される。
シリカ粒子の平均一次粒径は、得られる画像の光沢をより抑制し、かつ、吐出性をより向上させる観点から、40nm~80nmであることが好ましく、50nm~80nmであることがより好ましい。
本開示において、シリカ粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定される値である。シリカ粒子の平均一次粒径は、例えば、日本電子社製の透過型電子顕微鏡(製品名「1200EX」)を用いて測定することができる。具体的な測定方法は以下のとおりである。
カーボン膜を貼り付けたCu200メッシュ(日本電子社製)に、1,000倍に希釈したインクを滴下し乾燥させる。その後、TEMで10万倍に拡大した画像から、重なっていない独立した粒子300個の円相当径を測定する。測定によって得られた円相当径の平均値を、平均一次粒径とする。
本開示のインクに含まれるシリカ粒子の平均二次粒径は、200nm~800nmであることが好ましく、400nm~800nmであることがより好ましい。シリカ粒子の平均二次粒径が200nm~800nmであると、シリカ粒子がインク膜の表面に存在することによって画像の光沢を抑制する効果が高い。
本開示において、二次粒径とは、インク中でシリカ粒子が分散された状態における大きさを意味し、分散粒径ともいえる。シリカ粒子は、インク中で一次粒子の状態で存在する場合と、一次粒子が複数集まって凝集した状態で存在する場合がある。前者の場合には、一次粒径と二次粒径とがほぼ同じ値となる。
シリカ粒子の平均二次粒径は、粒子径分布測定装置を用いて測定される値である。シリカ粒子の平均二次粒径は、例えば、LUM社製の粒子径分布測定装置(製品名「LUMiSizer」)を用いて測定することができる。具体的な測定方法は以下のとおりである。
LUM社製の粒子径分布測定装置(製品名「LUMiSizer」)を用いて、回転数3000の条件で16時間遠心分離を行う。測定によって得られた分散粒径の平均値を、平均二次粒径とする。
本開示のインクに含まれるシリカ粒子は、単位をnmとしたときの平均一次粒径と、単位をm/gとしたときの比表面積との積が2400以下であることが好ましく、1800以下であることがより好ましい。上記積の下限値は特に限定されず、例えば、1000である。
通常、平均一次粒径が小さくなるほど、比表面積は高くなる。また、一次粒子同士が凝集している場合に、凝集度合いが高いほど、比表面積は低くなる。よって、平均一次粒径と比表面積との積が2400以下であるということは、一次粒子がある程度凝集して二次粒子を形成していることを意味する。したがって、シリカ粒子の平均一次粒径と比表面積との積が2400以下であると、画像の光沢が抑制される。
シリカ粒子の比表面積は、BET法によって測定される値である。シリカ粒子の比表面積は、例えば、Microtrac MRB社製の迅速BET比表面積測定装置(製品名「BELSORP MR1」)を用いて測定することができる。具体的な測定方法は以下のとおりである。
まず、インクに対して遠心分離を行い、シリカ粒子を抽出する。次に、抽出したシリカ粒子を、プロピレングリコールモノメチルエーテルで洗浄し、乾燥させる。得られたシリカ粒子について、迅速BET比表面積測定装置を用いて、窒素ガスの充填量から比表面積を算出する。
シリカ粒子は、平均一次粒径が22nm以上100nm未満であれば、ヒュームドシリカであってもよく、コロイダルシリカであってもよい。一般に、コロイダルシリカは単分散であって、凝集しにくい。すなわち、平均一次粒径と平均二次粒径とがほぼ同じ値となる傾向にある。一方、ヒュームドシリカは、一次粒子がゆるやかに凝集して二次粒子を形成する傾向にある。本開示のインクでは、画像の光沢を抑制する観点から、シリカ粒子の平均二次粒径は200nm~800nmであることが好ましい。したがって、シリカ粒子は、ヒュームドシリカであることが好ましい。
シリカ粒子の表面構造は特に限定されないが、疎水化度を50以上とする観点から、シリカ粒子は、ポリジメチルシロキサン構造又はアルキル基を有することが好ましく、ポリジメチルシロキサン構造を有することが好ましい。
シリカ粒子の表面構造は、熱分解ガスクロマトグラフ、例えば、島津製作所製のQP2010 Ultraを用いて解析することができる。
シリカ粒子は市販品であってもよい。市販品としては、例えば、VP RY 40 S、VP RX 40S(以上、エボニック社製)、Aerosil RY50、Aerosil RY51、Aerosil NY50、Aerosil RX50、Aerosil NAX50、Aerosil RM50、Aerosil NA50Y、Aerosil NA50H、Aerosil NY200S、Aerosil NX90S、Aerosil NX90G(以上、エボニック社製)、及びレオロシールPM-09(トクヤマ社製)が挙げられる。
シリカ粒子の含有量は特に限定されないが、インクの全量に対して0.5質量%~15質量%であることが好ましく、1質量%~10質量%であることがより好ましく、2.5質量%~8質量%であることがさらに好ましい。シリカ粒子の含有量が0.5質量%以上であると、画像の光沢がより抑制される。一方、シリカ粒子の含有量が15質量%以下であると、吐出性がより向上する。
<ラジカル重合性モノマー>
本開示のインクは、ラジカル重合性モノマーを少なくとも1種含有する。
ラジカル重合性モノマーとは、1分子中に少なくとも1つのラジカル重合性基を有するモノマーのことをいう。ラジカル重合性基は、硬化性の観点から、エチレン性不飽和基であることが好ましい。
ラジカル重合性モノマーの分子量は、100~400が好ましい。ラジカル重合性モノマーの分子量は、ラジカル重合性モノマーを構成する原子の種類及び数に基づいて、算出することができる。
ラジカル重合性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマー(以下、「単官能モノマー」という)、2官能ラジカル重合性モノマー(以下、「2官能モノマー」という)、及び3官能以上のラジカル重合性モノマー(以下、「3官能以上のモノマー」という)のいずれであってもよい。また、ラジカル重合性モノマーは、単官能モノマー、2官能モノマー、及び3官能以上のモノマーのうちの2種以上を含む組み合わせであってもよい。
本開示のインクに含まれるラジカル重合性モノマーは、単官能モノマー及び2官能モノマーの少なくとも一方を含むことが好ましい。この場合、単官能モノマー及び2官能モノマーの総含有量は、インクの全量に対して、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。単官能モノマー及び2官能モノマーの総含有量の上限値は特に限定されないが、例えば、80質量%である。
中でも、ラジカル重合性モノマーは、2官能モノマーを含むことが好ましく、単官能モノマー及び2官能モノマーを含むことがより好ましい。インクに2官能モノマーが含まれていると、重合の際にシリカ粒子がインク膜の表面に押し出されやすいため、得られる画像の光沢がより抑制される。
得られる画像の光沢をより抑制する観点から、2官能モノマーの含有量は、インクの全量に対し、5質量%~80質量%であることが好ましく、10質量%~80質量%であることがより好ましく、20質量%~80質量%であることがさらに好ましい。
また、得られる画像の光沢をより抑制する観点から、シリカ粒子の含有量に対する2官能モノマーの含有量の質量比率は、1~100であることが好ましく、3~50であることがより好ましく、4~20であることがさらに好ましい。
インクの粘度を低減させる観点から、ラジカル重合性モノマーの含有量は、インクの全量に対し、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、65質量%以上であることがさらに好ましく、70質量%以上であることが特に好ましい。ラジカル重合性モノマーの含有量の上限値は特に限定されないが、例えば、80質量%である。
-単官能モノマー-
単官能モノマーとしては、例えば、単官能(メタ)アクリレート、単官能(メタ)アクリルアミド、単官能芳香族ビニル化合物、単官能ビニルエーテル、及び単官能N-ビニル化合物が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸4-tert-ブチルシクロヘキシル、ボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-クロロエチル(メタ)アクリレート、4-ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2,2,2-テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5-テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4-クロロフェニル(メタ)アクリレート、2-フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシヘキサヒドロフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性(以下、EO変性とする)フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性(以下、PO変性とする)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性-2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(3-エチル-3-オキセタニルメチル)(メタ)アクリレート、及びフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
単官能(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルフォリンが挙げられる。
単官能芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、3-プロピルスチレン、4-プロピルスチレン、3-ブチルスチレン、4-ブチルスチレン、3-ヘキシルスチレン、4-ヘキシルスチレン、3-オクチルスチレン、4-オクチルスチレン、3-(2-エチルヘキシル)スチレン、4-(2-エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4-t-ブトキシカルボニルスチレン、及び4-t-ブトキシスチレンが挙げられる。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、n-ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4-メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2-ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、4-ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、及びフェノキシポリエチレングリコールビニルエーテルが挙げられる。
単官能N-ビニル化合物としては、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルオキサゾリジノン、及びN-ビニル-5-メチルオキサゾリジノンが挙げられる。
-2官能モノマー-
2官能モノマーとしては、例えば、2官能(メタ)アクリレート、2官能ビニルエーテル、及び、ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基とを含む2官能モノマーが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能ビニルエーテルとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル(ClogP値:1.32)、エチレングリコールジビニルエーテル(ClogP値:0.66)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(ClogP値:0.47)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(ClogP値:0.29)、ポリエチレングリコールジビニルエーテル(ClogP値:0.29以下)、プロピレングリコールジビニルエーテル(ClogP値:0.97)、ブチレングリコールジビニルエーテル(ClogP値:1.32)、ヘキサンジオールジビニルエーテル(ClogP値:2.38)、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(ClogP値:1.66)、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル(例えば、ビスフェノールAエチレンオキシドジビニルエーテルの場合、ClogP値:5.35)、及びビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル(例えば、ビスフェノールFエチレンオキシドジビニルエーテルの場合、ClogP値:4.55)が挙げられる。
ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基とを含む2官能モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。
-3官能以上のモノマー-
3官能以上のモノマーとしては、例えば、3官能以上の(メタ)アクリレート及び3官能以上のビニルエーテルが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、及びトリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。
3官能以上のビニルエーテルとしては、例えば、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO変性トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO変性トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO変性ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO変性ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、及びPO変性ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルが挙げられる。
-ウレタン(メタ)アクリレート-
2官能モノマー及び3官能以上のモノマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートも挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、2官能イソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能イソシアネート化合物としては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、3-メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3-ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,6-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナフタレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4'-ジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
-エポキシ(メタ)アクリレート-
2官能モノマー及び3官能以上のモノマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレートも挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂との反応物が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
ラジカル重合性モノマーは、ClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーを含むことが好ましい。インクが2種以上のラジカル重合性モノマーを含む場合に、2種以上のラジカル重合性モノマーのうち少なくとも1種が、ClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーであることが好ましい。インクにClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーが含まれていると、疎水化度が50以上であるシリカ粒子と疎水性相互作用が働きやすい。その結果、インクの粘度が低下し、吐出性が向上する。
得られる画像の光沢をより抑制し、かつ、吐出性をより向上させる観点から、シリカ粒子の含有量に対するClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーの含有量の質量比率は、5~100であることが好ましく、6~50であることがより好ましく、7~30であることがさらに好ましい。
ClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、ジプロピレングリコールジアクリレート(ClogP値:2.04)、トリプロピレングリコールジアクリレート(ClogP値:2.17)、フェノキシエチルアクリレート(ClogP値:2.56)、3-メチルペンタンジオールジアクリレート(ClogP値:2.89)、イソボルニルアクリレート(ClogP値:4.66)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(ClogP値:4.66)、ノナンジオールジアクリレート(ClogP値:4.66)、及びラウリルアクリレート(ClogP値:6.62)が挙げられる。
本開示において、ClogP値は、フラグメント法を用いて計算される。フラグメント法を使用している計算ソフトとしては、例えば、ChemDraw Professioal 16が挙げられる。
ラジカル重合性モノマーは、N-ビニル化合物を含むことが好ましい。N-ビニル化合物は、シリカ粒子をインク膜表面に押し出す作用を持っている。そのため、インクにN-ビニル化合物が含まれていると、シリカ粒子がインク膜表面に集まり、得られる画像の光沢がより抑制される。
得られる画像の光沢をより抑制し、かつ、吐出性をより向上させる観点から、シリカ粒子の含有量に対するN-ビニル化合物の含有量の質量比率は、1~15であることが好ましく、1~10であることがより好ましく、1~8であることがさらに好ましく、1~7であることが特に好ましい。
また、ラジカル重合性モノマーは、ビニルエーテル化合物を含むことが好ましい。ビニルエーテル化合物は重合速度が遅く、シリカ粒子と共にインク膜の表面に押し出される。そのため、インクにビニルエーテル化合物が含まれていると、シリカ粒子がインク膜表面に集まり、得られる画像の光沢がより抑制される。また、ビニルエーテル化合物は一般に極性が高く、シリカ粒子を凝集させ、得られる画像の光沢をより一層抑制させる。
特に、多官能ビニルエーテル化合物は、重合の際に、シリカ粒子をインク膜の表面に押し出す効果が高い。したがって、ビニルエーテル化合物は、多官能ビニルエーテル化合物であることが好ましい。また、インクの粘度が高くなり過ぎず、吐出性を向上させる観点から、多官能ビニルエーテル化合物は、2官能ビニルエーテル化合物であることが好ましく、ポリエチレングリコールジビニルエーテルであることがより好ましい。
また、ビニルエーテル化合物のClogP値は1.0未満であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。ビニルエーテル化合物のClogP値が1.0未満であると、シリカ粒子をより凝集させ、画像の光沢を抑制させる効果が高い。
ビニルエーテル化合物の含有量は、インクの全量に対して、0.5質量%~10質量%であることが好ましく、2質量%~8質量%であることがより好ましい。
<分散剤>
本開示のインクは、分散剤を少なくとも1種含有することが好ましい。インクに分散剤が含まれていると、インク中でのシリカ粒子の分散性が向上する。その結果、インクの吐出性がより向上する。
分散剤の種類は特に限定されないが、疎水化度が50以上のシリカ粒子の分散性を向上させる観点から、分散剤は、ClogP値が2~10の疎水性モノマーに由来する構造単位を有するポリマーであることが好ましい。ClogP値が2~10の疎水性モノマーに由来する構造単位を有するポリマーは、疎水化度が50以上のシリカ粒子の表面への吸着力が高いため、シリカ粒子の分散性が向上する。その結果、インクの吐出性がより向上する。
ClogP値が2~10の疎水性モノマーとしては、例えば、スチレン、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及びステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、分散剤は、塩基性分散剤であることが好ましい。分散剤に含まれる塩基性基が、シリカ粒子の表面に存在するシラノール基に吸着することにより、シリカ粒子の分散性が向上する。その結果、インクの吐出性がより向上する。
分散剤は、市販品であってもよい。市販品としては、例えば、ソルスパース(SOLSPERSE)13940、17000、20000、24000、26000、28000、32000、35000、36000、39000等のソルスパースシリーズ(Noveon社製)、
DISPERBYK-108、109、161、162、163、164、167、168、180、182、184、185、2000、2001、2008、2009、2012、2013、2022、2025、2026、2050、2055、2150、2155、2163、2164、9076、9077、DISPERBYK-9076等のDISPERBYKシリーズ(BYKケミー社製);
BYKJET-9150、9151、9152等のBYKJETシリーズ(BYK社製);
Efka PX4701、Efka PX4703、Efka PX4733、Efka PU4063等のEfkaシリーズ(BASF社製);
Dispex Ultra PX 4575(BASF社製)が挙げられる。
シリカ粒子の含有量に対する分散剤の含有量の質量比率は、シリカ粒子を安定に分散させる観点から、0.05~0.5であることが好ましく、0.08~0.2であることがより好ましい。
<ラジカル重合開始剤>
本開示のインクは、ラジカル重合開始剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物が挙げられる。
中でも、ラジカル重合開始剤は、アシルホスフィン化合物であることが好ましい。
アシルホスフィンオキシド化合物としては、モノアシルホスフィンオキシド化合物及びビスアシルホスフィンオキシド化合物が挙げられる。
モノアシルホスフィンオキシド化合物としては、例えば、イソブチリルジフェニルホスフィンオキシド、2-エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキシド、o-トルイルジフェニルホスフィンオキシド、p-t-ブチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、3-ピリジルカルボニルジフェニルホスフィンオキシド、アクリロイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ピバロイルフェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイルビスジフェニルホスフィンオキシド、ピバロイルジフェニルホスフィンオキシド、p-トルイルジフェニルホスフィンオキシド、4-(t-ブチル)ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、テレフタロイルビスジフェニルホスフィンオキシド、2-メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、バーサトイルジフェニルホスフィンオキシド、2-メチル-2-エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキシド、1-メチル-シクロヘキサノイルジフェニルホスフィンオキシド、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステルが挙げられる。
ビスアシルホスフィンオキシド化合物としては、例えば、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-2-ナフチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-クロロフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,4-ジメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-オクチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロ-3,4,5-トリメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロ-3,4,5-トリメトキシベンゾイル)-4-エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2-メチル-1-ナフトイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2-メチル-1-ナフトイル)-4-エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2-メチル-1-ナフトイル)-2-ナフチルホスフィンオキシド、ビス(2-メチル-1-ナフトイル)-4-プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2-メチル-1-ナフトイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2-メトキシ-1-ナフトイル)-4-エトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2-クロロ-1-ナフトイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド及びビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドが挙げられる。
中でも、アシルホスフィンオキシド化合物は、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(製品名「Omnirad 819」、IGM Resins B.V.社製)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(製品名「Omnirad TPO H」、IGM Resins B.V.社製)、又は(2,4,6-トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキシド(製品名「Omnirad TPO-L」、IGM Resins B.V.社製)が好ましい。
ラジカル重合開始剤の含有量は、インクの全質量に対して1質量%~10質量%であることが好ましく、2質量%~8質量%であることがより好ましい。
<増感剤>
本開示のインクがラジカル重合開始剤を含む場合、本開示のインクは、ラジカル重合開始剤と共に増感剤を含有してもよい。インクに増感剤が含まれていると、硬化性が向上し、特にLED光源を用いた場合の硬化性が向上する。
増感剤としては、例えば、多核芳香族化合物、キサンテン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物、チアジン系化合物、アクリジン系化合物、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム系化合物、クマリン系化合物、チオキサントン系化合物、及びチオクロマノン系化合物が挙げられる。中でも、増感剤は、得られる画像の画質を向上させる観点から、チオキサントン系化合物であることが好ましい。
チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-ドデシルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、1-メトキシカルボニルチオキサントン、2-エトキシカルボニルチオキサントン、3-(2-メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4-ブトキシカルボニルチオキサントン、3-ブトキシカルボニル-7-メチルチオキサントン、1-シアノ-3-クロロチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-クロロチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-エトキシチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-アミノチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-フェニルスルフリルチオキサントン、3,4-ジ[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]チオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-(1-メチル-1-モルホリノエチル)チオキサントン、2-メチル-6-ジメトキシメチルチオキサントン、2-メチル-6-(1,1-ジメトキシベンジル)チオキサントン、2-モルホリノメチルチオキサントン、2-メチル-6-モルホリノメチルチオキサントン、n-アリルチオキサントン-3,4-ジカルボキシイミド、n-オクチルチオキサントン-3,4-ジカルボキシイミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)チオキサントン-3,4-ジカルボキシイミド、1-フェノキシチオキサントン、6-エトキシカルボニル-2-メトキシチオキサントン、6-エトキシカルボニル-2-メチルチオキサントン、チオキサントン-2-ポリエチレングリコールエステル、及び2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサントン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロリドが挙げられる。
中でも、入手容易性及び画質向上の観点から、チオキサントン系化合物は、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、又は4-イソプロピルチオキサントンが好ましい。
チオキサントン系化合物は、市販品であってもよい。市販品としては、Lambson社製のSPEEDCUREシリーズ(例えば、SPEEDCURE 7010、SPEEDCURE CPTX、及びSPEEDCURE ITX)が挙げられる。
増感剤の含有量は、インクの全量に対して、1質量%~10質量%であることが好ましく、1.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
<重合禁止剤>
本開示に係るインクは、重合禁止剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン化合物、フェノチアジン、カテコール類、アルキルフェノール類、アルキルビスフェノール類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオジプロピオン酸エステル、メルカプトベンズイミダゾール、ホスファイト類、ニトロソアミン化合物、ヒンダードアミン化合物、及びニトロキシルラジカルが挙げられる。
中でも、重合禁止剤は、ニトロソアミン化合物、ヒンダードアミン化合物、ヒドロキノン化合物、及びニトロキシルラジカルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、ニトロソアミン化合物であることがより好ましい。
ニトロソアミン化合物としては、例えば、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩及びN-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンが挙げられる。中でも、ニトロソアミン化合物は、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩であることが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、インクの経時安定性を向上させる観点から、インクの全量に対して0.01質量%以上であることが好ましく、0.03質量%以上であることがより好ましい。重合禁止剤の含有量の上限値は特に限定されないが、重合性の観点から、1質量%であることが好ましい。
<色材>
本開示のインクは、色材を少なくとも1種含有していてもよい。
色材の種類は特に限定されず、顔料及び染料のいずれであってもよい。耐光性の観点では、色材は、顔料であることが好ましい。
色材として顔料を用いる場合、顔料は顔料分散液としてインクに含有させることができる。顔料分散液は、顔料を顔料分散剤を用いて液状媒体中に分散させることにより得られる液体であり、顔料、顔料分散剤、及び液状媒体を少なくとも含む。
顔料分散剤としては、上記分散剤(すなわち、シリカ粒子を分散させる目的の分散剤)と同様のものが挙げられる。
液状媒体としては、例えば、有機溶剤が挙げられる。また、液状媒体は、インクに含有させる上記ラジカル重合性モノマーであってもよい。
顔料は、通常市販されている有機顔料及び無機顔料のいずれであってもよい。また、顔料は、赤外線吸収性を有する不可視顔料であってもよい。
本開示のインクが色材を含有する場合、色材の含有量は、インクの全量に対し、1質量%~20質量%であることが好ましく、2質量%~10質量%であることがより好ましい。
本開示のインクが、クリア画像を記録するためのクリアインクである場合、本開示のインクは、色材を実質的に含有しなくてもよい。この場合、色材の含有量は、インクの全量に対し、1質量%未満であってもよく、0.1質量%未満であってもよく、0質量%であってもよい。なお、クリア画像とは、波長400nm~700nmにおける透過率が80%以上である画像を意味する。
<その他の成分>
本開示のインクは、必要に応じて、上記成分以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、界面活性剤、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩、水、溶剤、及び塩基性化合物が挙げられる。
<物性>
インクのpHは、インクジェット記録方式を用いて付与する場合に吐出性を向上させる観点から、7~10であることが好ましく、7.5~9.5であることがより好ましい。pHは、pH計を用いて25℃で測定され、例えば、東亜DKK社製のpHメーター(型番「HM-31」)を用いて測定される。
インクの粘度は、0.5mPa・s~30mPa・sであることが好ましく、2mPa・s~20mPa・sであることがより好ましく、2mPa・s~15mPa・sであることが好ましく、3mPa・s~10mPa・sであることがさらに好ましい。粘度は、粘度計を用いて25℃で測定され、例えば、東機産業社製のTV-22型粘度計を用いて測定される。
インクの表面張力は、60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m~50mN/mであることがより好ましく、25mN/m~45mN/mであることがさらに好ましい。表面張力は、表面張力計を用いて25℃で測定され、例えば、協和界面科学社製の自動表面張力計(製品名「CBVP-Z」)を用いて、プレート法によって測定される。
[画像記録方法]
本開示の画像記録方法は、被記録媒体上に、上記インクをインクジェット記録方式で付与してインク膜を得る工程(以下、「第1付与工程」ともいう)と、インク膜に活性エネルギー線を照射する工程(以下、「第1照射工程」ともいう)と、を含む。
本開示の画像記録方法は、必要に応じ、その他の工程を含んでいてもよい。
上述のとおり、本開示の画像記録方法は、本開示のインクを用いる。このため、本開示の画像記録方法によれば、本開示のインクと同様の効果が奏される。
<第1付与工程>
第1付与工程は、被記録媒体上に、上記インクをインクジェット記録方式で付与してインク膜を得る工程である。
被記録媒体の種類は特に限定されず、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等の金属の板)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリスチレン(PS:Polystyrene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等のフィルム)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙、及び、上述した金属がラミネートされ又は蒸着されたプラスチックフィルムが挙げられる。
インクジェット記録方式は、画像を記録し得る方式であれば特に限定されず、公知の方式を用いることができる。インクジェット記録方式としては、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及び、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式が挙げられる。
インクジェット記録方式に用いるインクジェットヘッドとしては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを基材の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、基材の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とが挙げられる。
ライン方式では、記録素子の配列方向と交差する方向に基材を走査させることで基材の全面にパターン形成を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、ライン方式では、キャリッジの移動と基材との複雑な走査制御が不要になり、基材だけが移動するので、シャトル方式と比べて記録速度の高速化が実現できる。
インクジェットヘッドから吐出されるインクの打滴量は、1pL(ピコリットル)~100pLであることが好ましく、3pL~80pLであることがより好ましく、3pL~50pLであることがさらに好ましい。
<第1照射工程>
第1照射工程では、第1付与工程で得られたインク膜に、活性エネルギー線を照射する。
第1照射工程では、インク膜に活性エネルギー線を照射することにより、インク膜中のラジカル重合性モノマーの少なくとも一部を重合させて画像を得る。
第1照射工程において、インク膜中のラジカル重合性モノマーの一部のみを重合させる場合には、インク膜中のラジカル重合性モノマーの実質的に全部を重合させる場合と比較して、活性エネルギー線の照射エネルギーを小さくする。
本開示では、インク膜中のラジカル重合性モノマーの一部のみを重合させることを「仮硬化」ともいい、仮硬化のための活性エネルギー線の照射を「ピニング露光」ともいう。
本開示では、インク膜中のラジカル重合性モノマーの実質的に全部を重合させることを「本硬化」ともいい、本硬化のための活性エネルギー線の照射を「本露光」ともいう。
第1照射工程は、インク膜に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程であってもよいし、インク膜に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程であってもよいし、
ンク膜に対してピニング露光及び本露光をこの順に施す工程であってもよい。
第1照射工程が、インク膜に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程である場合、第1照射工程により、仮硬化されたインク膜である画像が得られる。第1照射工程が、インク膜に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程、又は、インク膜に対してピニング露光及び本露光をこの順に施す工程である場合、第1照射工程により、本硬化されたインク膜である画像が得られる。
第1照射工程がピニング露光(すなわち、仮硬化)を施す工程である場合の画像記録方法は、さらに、後述する第2付与工程及び第2照射工程を含むことが好ましい。
ピニング露光(即ち、仮硬化)後におけるインク膜の反応率は、10%~80%が好ましい。
ここで、インク膜の反応率とは、高速液体クロマトグラフィーによって求められるインク膜中のラジカル重合性モノマーの重合率を意味する。
インク膜の反応率が10%以上であることにより、このインク膜上に付与されるインク(例えば、後述の第2インク)のドットの拡がり不足が抑制される。その結果、最終的に得られる画像(例えば、後述の多次色画像)の粒状性が向上する。すなわち、画像のざらつきが低減される。
また、インク膜の反応率が80%以下であることにより、このインク膜上に付与されるインク(例えば、後述の第2インク)の拡がりが過剰となることが抑制され、かつ、インクのドット同士の打滴干渉が抑制される。その結果、最終的に得られる画像の画質が向上する。
インク膜の反応率は、最終的に得られる画像の粒状性をより向上させる観点から、15%以上であることが好ましい。
インク膜の反応率は、最終的に得られる画像の画質をより向上させる観点から、75%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることが特に好ましい。
本露光後のインク膜の反応率は、80%超100%以下が好ましく、85%~100%がより好ましく、90%~100%がさらに好ましい。反応率が80%超である場合には、画像の密着性がより向上する。
インク膜の反応率は、以下の方法を用いて算出される。
被記録媒体上のインク膜に対する活性エネルギー線の照射終了までの操作が施された被記録媒体を準備し、この被記録媒体のインク膜が存在する領域から20mm×50mmの大きさのサンプル片(以下、照射後サンプル片とする)を切り出し、切り出した照射後サンプル片を、10mLのTHF(テトラヒドロフラン)中に24時間浸漬し、インクが溶出した溶出液を得る。得られた溶出液について、高速液体クロマトグラフィーにより、ラジカル重合性モノマーの量(以下、「照射後モノマー量X1」とする)を求める。
別途、被記録媒体上のインク膜に対して活性エネルギー線を照射しないこと以外は上記と同じ操作を実施し、ラジカル重合性モノマーの量(以下、「未照射時モノマー量X1」とする)を求める。
照射後モノマー量X1及び未照射時モノマー量X1に基づき、下記式により、インクの反応率(%)を求める。
インクの反応率(%) = ((未照射時モノマー量X1-照射後モノマー量X1)/未照射時モノマー量X1)×100
照射工程における活性エネルギー線(即ち、ピニング露光及び/又は本露光のための活性エネルギー線。以下同じ。)は、UV光(即ち、紫外光)であることが好ましく、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光であることがより好ましい。
UV光源(即ち、UV光の光源)としては、照度及び照射時間の少なくとも一方が可変である公知のUV光源を用いることができる。
UV光源として、好ましくはLED(Light Emitting Diode)光源である。
照射工程における活性エネルギー線の照射は、酸素濃度が20体積%以下(より好ましくは20体積%未満、さらに好ましくは5体積%以下)の環境下で行われてもよい。これにより、酸素による重合阻害が抑制され、被記録媒体との密着性により優れた画像が得られる。
酸素濃度20体積%未満の環境下としては、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、及びヘリウムガス)の存在下が好適である。
ピニング露光のための活性エネルギー線の照度は、上述したインクの反応率をより達成し易い観点から、0.10W/cm~0.50W/cmであることが好ましく、よ0.20W/cm~0.50W/cmであることがより好ましく、0.20W/cm~0.45W/cmであることがさらに好ましい。
ピニング露光のための活性エネルギー線の照射エネルギー(以下、「露光量」ともいう)は、上述したインクの反応率をより達成し易い観点から、2mJ/cm~20mJ/cmであることが好ましく、4mJ/cm~15mJ/cmであることがより好ましい。
本露光のための活性エネルギー線の照度は、被記録媒体と画像との密着性をより向上させる観点から、1.0W/cm以上であることが好ましく、2.0W/cm以上であることがより好ましく、4.0W/cm以上であることがさらに好ましい。
本露光のための活性エネルギー線の照度の上限値は特に制限はないが、例えば、10W/cmである。
本露光のための活性エネルギー線の露光量は、被記録媒体と画像との密着性をより向上させる観点から、20mJ/cm以上であることが好ましく、80mJ/cm以上であることがより好ましい。
本露光のための活性エネルギー線の露光量の上限値は特に制限されず、例えば、240mJ/cmである。
<第2付与工程>
本開示の画像記録方法は、第1照射工程における活性エネルギー線が照射されたインク膜(以下、「第1インク膜」ともいう)上に、第2インクを付与し、上記第1インク膜に接する第2インク膜を得る第2付与工程を含んでいてもよい。
第2インクは、ラジカル重合性モノマー及びラジカル重合開始剤を含有するインクであることが好ましく、本開示のインクであることがより好ましい。
第2インクが本開示のインクである場合に、第2インク中のシリカ粒子の含有量は、第1インク中のシリカ粒子の含有量よりも多いことが好ましい。シリカ粒子は界面活性剤として機能を果たすため、シリカ粒子の含有量が多いほど、インクの表面張力が低下する。すなわち、第2インクに含まれるシリカ粒子の含有量が、第1インクに含まれるシリカ粒子の含有量よりも多いと、第2インクの表面張力が第1インクの表面張力よりも低下する。これにより、第1インク膜上に第2インクを付与した場合に、打滴干渉が抑制される。その結果、得られる画像の画質が向上する。
第1付与工程において付与される本開示のインク(以下、第1インクともいう)と第2インクとは、色相が異なることが好ましい。
第1インク及び第2インクの色相が異なる場合には、2次色の画像を記録できる。
第2付与工程において、第2インクは、第1インク膜上及び第1インク膜が形成されていない非記録媒体上に跨って付与されてもよい。
また、第2付与工程において、第2インクは、第1インク膜の少なくとも一部の上に付与されればよく、必ずしも、第1インク膜の全体の上に付与される必要はない。
第2インクの付与方法は、第1インクの付与方法と同様であり、好ましい態様も同様である。
第2付与工程を含む態様の本開示の画像記録方法によれば、光沢が抑制された2次色画像を記録できる。
<第2照射工程>
第2付与工程を含む態様の本開示の画像記録方法は、さらに、第1インク膜及び第2インク膜の全体に対し、第2活性エネルギー線を照射する第2照射工程を含んでいてもよい。
第2照射工程は、第1インク膜及び第2インク膜の全体に対してピニング露光を施す工程であってもよいし、第1インク膜及び第2インク膜の全体に対して本露光を施す工程であってもよいし、第1インク膜及び第2インク膜の全体に対してピニング露光及び本露光をこの順に施す工程であってもよい。
第2活性エネルギー線及びその照射条件の好ましい態様は、第1照射工程における活性エネルギー線及びその照射条件の好ましい態様と同様である。
例えば、第2照射工程におけるピニング露光及び本露光の好ましい照射条件は、第1照射工程におけるピニング露光及び本露光の好ましい照射条件と同様である。
<その他の工程>
本開示の画像記録方法は、第2照射工程の後に、本開示のインクを付与する工程と、活性エネルギー線を照射する工程を繰り返し行ってもよい。
本開示のインクを複数回付与する場合には、得られる画像の画質を向上させる観点から、後から付与するインク中のシリカ粒子の含有量は、先に付与するインク中のシリカ粒子の含有量よりも多いことが好ましい。
先に付与するインクと、後から付与するインクの色相が異なる場合には、多次色の画像を記録できる。
例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを付与する場合には、最初に、被記録媒体上に、ブラックインクを付与し、ブラックインク膜を得た後、ブラックインク膜上にシアンインクを付与し、シアンインク膜上にマゼンタインクを付与し、マゼンタインク膜上にイエローインクを付与することが好ましい。
被記録媒体上に、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの順に付与することを想定し、シアンインクに含まれるシリカ粒子の含有量は、ブラックインクに含まれるシリカ粒子の含有量よりも多く、マゼンタインクに含まれるシリカ粒子の含有量は、シアンインクに含まれるシリカ粒子の含有量よりも多く、イエローインクに含まれるシリカ粒子の含有量は、マゼンタインクに含まれるシリカ粒子の含有量よりも多いことが好ましい。シリカ粒子の含有量は、各インクの全量に対する含有量を意味する。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例には限定されない。
<実施例1~実施例45、比較例1~比較例10>
まず、マゼンタ顔料分散液を調製した。
-マゼンタ顔料分散液の調製-
マゼンタ顔料30質量部と、「SR341」50質量部と、「SOLSPERSE 32000」20質量部とを分散機モーターミルM50(アイガー社製)に投入し、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散処理を行い、マゼンタ顔料分散液を得た。
次に、調製したマゼンタ顔料分散液と、下記表2~表7に記載のシリカ粒子、ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、及び分散剤とを、各成分が表2~表7に記載の含有量(質量%)になるよう混合した。混合物を、ミキサー(製品名「L4R」、シルバーソン社製)を用いて、25℃で5000回転/分の条件で20分間撹拌し、インクを得た。
表2~表7中、シリカ粒子の平均一次粒径及び平均二次粒径の単位は「nm」、表面積の単位は「m/g」である。「ClogP値が2以上のモノマー/シリカ粒子」は、シリカ粒子の含有量に対するClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーの含有量の質量比率を意味する。「N-ビニル化合物/シリカ粒子」は、シリカ粒子の含有量に対するN-ビニル化合物の含有量の質量比率を意味する。
なお、インクの調製には、FLORSTAB UV-12(Kromachem社製)を用いた。FLORSTAB UV12は、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩とPEAとの混合物であり、混合比は1:9である。N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩は、重合禁止剤であり、PEAはラジカル重合性モノマーであるため、以下では、重合禁止剤とラジカル重合性モノマーに分けて記載する。例えば、インクに含まれるFLORSTAB UV-12の含有量が0.5質量%である場合に、PEA0.45質量%、N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩0.05質量%とした。
表2~表7に記載されている各成分の詳細は以下のとおりである。
<シリカ粒子>
<ラジカル重合性モノマー(表中、「重合性モノマー」と記す)>
・4-HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート(製品名「4-HBA」、大阪有機化学工業社製)
・VMOX:5-メチル-3-ビニルオキサゾリジン-2-オン(製品名「VMOX」、BASF社製)
・TEGDA:トリエチレングリコールジアクリレート(製品名「SR268」、Sartomer社製)
・NVC:N-ビニルカプロラクタム(製品名「NVC」、BASF社製)
・OXEA:(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート(製品名「Oxe-10」、大阪有機化学社製)
・GTA:グリセリントリアクリレート(製品名「アロニックスM930」、Sartomer社製)
・DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート(製品名「SR508」、Sartomer社製)
・PEA:フェノキシエチルアクリレート(製品名「FLORSTAB UV12」、Kromachem社製、のうち90質量%分)
・3MPDDA:3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート(製品名「SR341」、Sartomer社製)
・IBOA:イソボルニルアクリレート(製品名「SR506」、Sartomer社製)
・NDDA:ノナンジオールジアクリレート(製品名「SR578」、Sartomer社製)
・LA:ラウリルアクリレート(製品名「SR335」、Sartomer社製)
・DVE-3:トリエチレングリコールジビニルエーテル(製品名「Rapi-Curetm DVE-3」、Ashland社製)
<ラジカル重合開始剤(表中、「重合開始剤」と記す)>
・Ominirad 819:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IGM Resins B.V.社製)
・TPO-L:(2,4,6-トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルホスフィンオキシド(製品名「Omnirad TPO-L」、IGM Resins B.V.社製)
<増感剤>
・ITX:2-イソプロピルチオキサントン(製品名「SPEEDCURE ITX」、Lambson社製)
<重合禁止剤>
・ニトロソアミン化合物:トリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩(製品名「FLORSTAB UV12」、Kromachem社製、のうち10質量%分)
<分散剤>
・BYKJET9151:スチレン系ポリマー(BYK社製)
・DISPERBYK-2013:スチレン系ポリマー(BYK社製)
・SOLSPERSE32000:ポリエチレンイミン系ポリマー(Lubrizol社製)
<色材>
・マゼンタ顔料:製品名「Cinquasia(登録商標)Magenta L 4540」(BASF社製)
[画像記録装置の準備]
被記録媒体を搬送するための搬送系と、被記録媒体の搬送方向上流側から順次配列された、ブラックインク用ヘッド、UV(Ultraviolet)光源、シアンインク用ヘッド、UV光源、マゼンタインク用ヘッド、UV光源、イエローインク用ヘッド、UV光源、ホワイトインク用ヘッド、及び窒素パージUV露光機と、を備える画像記録装置(詳細には、インクジェット記録装置)を準備した。搬送系は、シングルパス方式の枚葉印刷機の搬送系とした。
ブラックインク用ヘッド、シアンインク用ヘッド、マゼンタインク用ヘッド、及びイエローインク用ヘッドは、それぞれ、インクジェットノズル(以下、単に「ノズル」ともいう)を備えるピエゾ型のインクジェットヘッド(詳細には、ラインヘッド)である。各ノズルからは、1pL~60pLのマルチサイズドットを1,200×1,200dpiの解像度で射出できる。ここで、dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
このインクジェット記録装置のインク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、及びインクジェットヘッドによって構成されている。本実施例における画像記録では、上記インク供給系における、インク供給タンクからインクジェットヘッドまでの部分に対し、断熱及び加温を行った。また、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ温度センサーを設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。
マゼンタインク用ヘッドに繋がる元タンクに、各実施例用のインク及び各比較例用のインクのいずれか1つを収容した。
各インクジェットヘッドの直後の各UV光源及び窒素パージUV露光機におけるUV光源としては、それぞれ、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光を照射できるLED(Light Emitting Diode)ランプ(京セラ社製、4cm幅、G4B、最大照度10W)を使用した。
これらの各UV光源は、UV光の照度及び照射時間を変更できるUV光源である。本実施例における画像記録では、各ヘッドから吐出されたインクが被記録媒体上に着弾してから0.1秒後に、着弾したインクに対するUV光の照射が開始されるように、被記録媒体の搬送速度を調整した。
[画像記録]
上記した画像記録装置を用い、被記録媒体上に、インクを、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射し(ピニング露光)、次いで5.0W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射(本露光)することにより、画像(詳細には、ベタ画像)が記録された画像記録物を得た。
ここで、ピニング露光は、マゼンタインク用ヘッドの直後のUV光源により、大気(酸素濃度20%)雰囲気下で実施した。
本露光は、窒素パージUV露光機により、酸素濃度1%、窒素濃度99%の雰囲気下で実施した。
得られた画像記録物を用いて画像の光沢抑制及び画質の評価を実施し、インクを用いて吐出性の評価を実施した。評価方法は、以下のとおりである。評価結果を表2~表7に示す。
(画像の光沢抑制)
上記画像が記録される前の被記録媒体の光沢度、及び、得られた画像記録物に記録されている画像の光沢度を、それぞれ、光沢計(製品名「高光沢グロスチェッカ IG-410」、堀場製作所製)により、60°光沢条件で測定した。
得られた結果に基づき、画像の光沢度から被記録媒体の光沢度(即ち、画像が記録される前の被記録媒体の光沢度)を差し引いた値(以下、「光沢差〔画像-被記録媒体〕」とする)を算出した。光沢差に基づき、画像の光沢抑制を評価した。評価基準は以下のとおりである。画像の光沢が最も抑制されているランクは、「5」である。
5:光沢差〔画像-被記録媒体〕が20未満であった。
4:光沢差〔画像-被記録媒体〕が20以上25未満であった。
3:光沢差〔画像-被記録媒体〕が25以上30未満であった。
2:光沢差〔画像-被記録媒体〕が30以上40未満であった。
1:光沢差〔画像-被記録媒体〕が40以上であった。
(吐出性)
上記した画像記録装置のマゼンタインク用ヘッドから上記インクを、1,200dpiのモードで5分間連続的に吐出する吐出試験を行った。吐出終了後に、ノズル抜けの本数を数えた。この吐出試験を6回行い、ノズル抜けの本数に基づいて、インクの吐出性を評価した。なお、ノズル抜けとは、「吐出できずスジになる」ことをいう。評価基準は以下のとおりである。インクの吐出性に最も優れるランクは「5」である。
5:6回の吐出試験において全て、ノズル抜けが発生しなかった。
4:6回の吐出試験のうち1回の吐出試験においてノズル抜けが1本のみ発生し、5回の吐出試験ではノズル抜けが発生しなかった。
3:6回の吐出試験のうち2回の吐出試験においてノズル抜けが1本のみ発生し、4回の吐出試験ではノズル抜けが発生しなかった。
2:6回の吐出試験のうち3回の吐出試験においてノズル抜けが1本のみ発生し、3回の吐出試験ではノズル抜けが発生しなかった。
1:6回の吐出試験のうち4回以上の吐出試験においてノズル抜けが1本のみ発生したこと、及び、6回の吐出試験のうち少なくとも1回の吐出試験においてノズル抜けが2本以上発生したことの少なくとも一方に該当した。
(画質)
得られた画像記録物を目視で観察し、画像の画質(具体的には、粒状性)を評価した。評価基準は以下のとおりである。粒状性に最も優れるランクは「5」である。
5:画像全体にざらつきが見られず均一であった。
4:画像にわずかに微小なざらつきが見られるが、全体としてはほぼ均一であった。
3:画像に微小なざらつきが見られるが、実用上は問題ないレベルであった。
2:画像にざらつきが多く目視でも目立ち、実用上問題になるレベルであった。
1:画像に強い濃淡をもったざらつきが多く発生し、均一とは言えないレベルであった。
表2~表7に示すように、実施例1~実施例45のインクは、ラジカル重合性モノマー及びシリカ粒子を含有し、シリカ粒子は、平均一次粒径が22nm以上100nm未満であり、かつ、疎水化度が50以上であり、吐出性に優れ、かつ、光沢が抑制された画像を記録できた。
一方、比較例1では、シリカ粒子の平均一次粒径が18nmと小さいため、インクの吐出性に劣ることが分かった。
比較例2、比較例6、及び比較例7では、シリカ粒子の疎水化度が0であるため、インクの吐出性に劣り、かつ、光沢が抑制された画像が得られないことが分かった。
比較例3~比較例5では、シリカ粒子の平均一次粒径がそれぞれ、20nm、13nm、15nmと小さいため、インクの吐出性に劣り、かつ、光沢が抑制された画像が得られないことが分かった。
比較例8では、シリカ粒子の平均一次粒径が110nmと大きいため、光沢が抑制された画像が得られないことが分かった。
比較例9及び比較例10では、シリカ粒子の平均一次粒径がそれぞれ、400nm、500nmと非常に大きいため、インクの吐出性に劣ることが分かった。
実施例26では、シリカ粒子の平均二次粒径が200nm~800nmであり、実施例42と比較して、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例26では、シリカ粒子の平均一次粒径と比表面積との積が2400以下であり、実施例42と比較して、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例28~実施例31では、シリカ粒子の疎水化度が70以上であるため、実施例36及び実施例37と比較して、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例4では、シリカ粒子の含有量が1質量%~10質量%であるため、シリカ粒子の含有量が1質量%未満である実施例1と比較して、粒状性に優れ、かつ、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例4では、シリカ粒子の含有量が1質量%~10質量%であるため、シリカ粒子の含有量が10質量%超である実施例7と比較して、インクの吐出性に優れ、かつ、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例12では、シリカ粒子の含有量に対するClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーの含有量の質量比率が6~50であるため、質量比率が6未満である実施例11と比較して、インクの吐出性に優れ、かつ、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例4では、シリカ粒子の含有量に対するClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーの含有量の質量比率が6~50であるため、質量比率が50超である実施例2と比較して、粒状性に優れ、かつ、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例13では、インクにN-ビニル化合物が含まれているため、インクにN-ビニル化合物が含まれていない実施例17と比較して、粒状性に優れ、かつ、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例19では、シリカ粒子の含有量に対するN-ビニル化合物の含有量の質量比率が1~8であるため、質量比率が8超である実施例21と比較して、粒状性に優れ、かつ、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例4では、シリカ粒子の含有量に対するN-ビニル化合物の含有量の質量比率が1~8であるため、質量比率が1未満である実施例7と比較して、インクの吐出性に優れ、かつ、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
実施例45では、インクにビニルエーテル化合物が含まれているため、ビニルエーテル化合物が含まれていない実施例23と比較して、光沢がより抑制された画像が得られることが分かった。
[実施例46~実施例53]
多次色画像を記録するために、上記マゼンタ顔料分散液のほかに、シアン顔料分散液、イエロー顔料分散液、及びブラック顔料分散液を調製した。シアン顔料分散液、イエロー顔料分散液、及びブラック顔料分散液は、上記マゼンタ顔料をシアン顔料、イエロー顔料、及びブラック顔料にそれぞれ変更することにより、マゼンタ顔料分散液と同様の方法で調製した。
<色材>
・マゼンタ顔料:製品名「Cinquasia(登録商標)Magenta L 4540」(BASF社製)
・シアン顔料:PB15:4、製品名「Heliogen(登録商標)Blue D 7110 F」(BASF社製)
・イエロー顔料:P.Y.120、製品名「Novoperm Yellow H2G」(クラリアント社製)
・ブラック顔料:カーボンブラック、製品名「Special Black 250」(Orion Engineered Carbons)
次に、調製した各顔料分散液と、下記表8に記載のシリカ粒子、ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、及び分散剤とを、各成分が表8に記載の含有量(質量%)になるよう混合した。混合物を、ミキサー(製品名「L4R」、シルバーソン社製)を用いて、25℃で5000回転/分の条件で20分間撹拌し、インクを得た。
[画像記録装置の準備]
実施例1と同様に、画像記録装置を準備した。ブラックインク用ヘッドに繋がる元タンクに、実施例46のインクを収容し、シアンインク用ヘッドに繋がる元タンクに、実施例47のインクを収容し、マゼンタインク用ヘッドに繋がる元タンクに、実施例48のインクを収容し、イエローインク用ヘッドに繋がる元タンクに、実施例49のインクを収容した。画像記録終了後に、それぞれの元タンクを洗浄し、ブラックインク用ヘッドに繋がる元タンクに、実施例50のインクを収容し、シアンインク用ヘッドに繋がる元タンクに、実施例51のインクを収容し、マゼンタインク用ヘッドに繋がる元タンクに、実施例52のインクを収容し、イエローインク用ヘッドに繋がる元タンクに、実施例53のインクを収容した。
[画像記録]
実施例46では、上記した画像記録装置を用い、被記録媒体上に、実施例46のインク(ブラックインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたブラックインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射し(ピニング露光)、次いで5.0W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射(本露光)することにより、画像(詳細には、ベタ画像)が記録された画像記録物を得た。
ここで、ピニング露光は、ブラックインク用ヘッドの直後のUV光源により、大気(酸素濃度20%)雰囲気下で実施した。
本露光は、窒素パージUV露光機により、酸素濃度1%、窒素濃度99%の雰囲気下で実施した。
実施例47では、上記した画像記録装置を用い、被記録媒体上に、実施例46のインク(ブラックインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたブラックインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射した(ピニング露光)。半硬化したブラックインク膜上に、実施例47のインク(シアンインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたシアンインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射した。(ピニング露光)。次いで5.0W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射(本露光)することにより、画像(詳細には、ベタ画像)が記録された画像記録物を得た。
ここで、ピニング露光は、ブラックインク用ヘッド及びシアンインク用ヘッドの直後のUV光源により、大気(酸素濃度20%)雰囲気下で実施した。
本露光は、窒素パージUV露光機により、酸素濃度1%、窒素濃度99%の雰囲気下で実施した。
実施例48では、上記した画像記録装置を用い、被記録媒体上に、実施例46のインク(ブラックインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたブラックインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射した。(ピニング露光)。半硬化したブラックインク膜上に、実施例47のインク(シアンインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたシアンインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射した(ピニング露光)。半硬化したシアンインク膜上に、実施例48のインク(マゼンタインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたマゼンタインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射した(ピニング露光)。次いで5.0W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射(本露光)することにより、画像(詳細には、ベタ画像)が記録された画像記録物を得た。
ここで、ピニング露光は、ブラックインク用ヘッド、シアンインク用ヘッド、及びマゼンタインク用ヘッドの直後のUV光源により、大気(酸素濃度20%)雰囲気下で実施した。
本露光は、窒素パージUV露光機により、酸素濃度1%、窒素濃度99%の雰囲気下で実施した。
実施例49では、上記した画像記録装置を用い、被記録媒体上に、実施例46のインク(ブラックインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたブラックインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射した。(ピニング露光)。半硬化したブラックインク膜上に、実施例47のインク(シアンインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたシアンインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射した(ピニング露光)。半硬化したシアンインク膜上に、実施例48のインク(マゼンタインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたマゼンタインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射した(ピニング露光)。半硬化したマゼンタインク膜上に、実施例49のインク(イエローインク)を、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたイエローインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射した(ピニング露光)。次いで5.0W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射(本露光)することにより、画像(詳細には、ベタ画像)が記録された画像記録物を得た。
ここで、ピニング露光は、ブラックインク用ヘッド、シアンインク用ヘッド、マゼンタインク用ヘッド、及びイエローインク用ヘッドの直後のUV光源により、大気(酸素濃度20%)雰囲気下で実施した。
本露光は、窒素パージUV露光機により、酸素濃度1%、窒素濃度99%の雰囲気下で実施した。
実施例50~実施例53についても、実施例46~実施例49と同様に画像記録を行った。
得られた画像記録物を用いて画像の光沢抑制及び画質の評価を実施し、インクを用いて吐出性の評価を実施した。具体的には、実施例46では、被記録媒体上に実施例46のインクを用いて記録されたブラック画像に対して、光沢抑制及び画質の評価を行った。実施例47では、上記ブラック画像上に実施例47のインクを用いて記録されたシアン画像に対して、光沢抑制及び画質の評価を行った。実施例48では、上記シアン画像上に実施例48のインクを用いて記録されたマゼンタ画像に対して、光沢抑制及び画質の評価を行った。実施例49では、上記マゼンタ画像上に実施例49のインクを用いて記録されたイエロー画像に対して、光沢抑制及び画質の評価を行った。実施例50~実施例53についても、実施例46~実施例49と同様に、光沢抑制及び画質の評価を行った。評価方法は、実施例1に対する評価と同じである。評価結果を表8に示す。
表8に示すように、実施例51~実施例53では、後から付与されたインク中のシリカ粒子の含有量が、先に付与されたインク中のシリカ粒子の含有量よりも多く、実施例47~実施例49と比較して、粒状性に優れた画像が得られることが分かった。
<参考例1>
インクジェット記録装置(製品名「Jet Press 540WV」、富士フイルム社製)に設けられている各インクタンクに、各色インクを個別に充填した。下塗り組成物として、UV硬化型インク(製品名「Uvijet MK702」、富士フイルム社製)とUV硬化型インク(製品名「Uvijet MK703」、富士フイルム社製)とを質量比率85:15で混合した混合液を用いた。また、ホワイトインクとして、UV硬化型インク(製品名「Uvijet MK021」、富士フイルム社製)を用いた。ブラックインクとして、UV硬化型インク(製品名「Uvijet MKA04」、富士フイルム社製)を用いた。シアンインクとして、UV硬化型インク(製品名「Uvijet MK215」、富士フイルム社製)を用いた。マゼンタインクとして、UV硬化型インク(製品名「Uvijet MK867」、富士フイルム社製)を用いた。イエローインクとして、UV硬化型インク(製品名「Uvijet MKA52」、富士フイルム社製)を用いた。
被記録媒体として、二軸延伸ポリエステルフィルム(製品名「エンブレット PTM-12」、ユニチカ社製、膜厚12μm)を用いた。
まず、被記録媒体上に、下塗り組成物を塗布した。下塗り組成物を塗布した後に、照度750mW/cmでピニング露光を行い、下塗り層を形成した。次に、得られた下塗り層上に、ホワイトインクでベタ画像を記録し、得られたベタ画像上にブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを、この順に吐出した。各インクを吐出した後においても、下塗り組成物を塗布した後と同様に、照度750mW/cmでピニング露光を行った。最後のピニング露光の後に、酸素濃度0.1体積%未満の窒素雰囲気下で、被記録媒体の上部(すなわち、画像が記録されている側)から、照度3000mW/cmで本露光を行った。窒素パージは、インクジェット記録装置に附属している窒素発生器を用いて行った。次に、大気雰囲気下で、被記録媒体の下部(すなわち、画像が記録されていない側)から、照度3000mW/cmで本露光を行い、画像記録物を得た。
なお、被記録媒体の搬送速度は50m/分とした。
<参考例2>
下塗り組成物を塗布しなかったこと以外は、参考例1と同様の方法で画像記録物を得た。
<参考例3>
UV硬化型インク(製品名「Uvijet MK021」、富士フイルム社製)1リットルに、シリコン系界面活性剤(製品名「BYK-307」、BYK社製)0.8gを添加し、十分に撹拌することにより、ホワイトインクを調製した。UV硬化型インク(製品名「Uvijet MK021」、富士フイルム社製)の代わりに、調製したホワイトインクを用いたこと以外は、参考例2と同様の方法で画像記録物を得た。
参考例1~参考例3はいずれも、被記録媒体と画像との密着性が良好であり、かつ、画質が良好であることが確認された。
なお、2020年9月29日に出願された日本国特許出願2020-163387号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。また、本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (11)

  1. ラジカル重合性モノマー及びシリカ粒子を含有し、
    前記シリカ粒子は、平均一次粒径が22nm以上100nm未満であり、かつ、疎水化度が50以上であり、
    前記シリカ粒子の含有量は、インクジェットインクの全量に対して、2.5質量%~8質量%であり、
    前記シリカ粒子は、平均二次粒径が400nm~800nmである、インクジェットインク。
  2. 前記シリカ粒子は、単位をnmとしたときの平均一次粒径と、単位をm/gとしたときの比表面積との積が2400以下である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記シリカ粒子は、疎水化度が70以上である、請求項1又は請求項2に記載のインクジェットインク。
  4. 前記ラジカル重合性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマー及び2官能ラジカル重合性モノマーの少なくとも一方を含み、
    前記単官能ラジカル重合性モノマー及び前記2官能ラジカル重合性モノマーの総含有量が、インクジェットインクの全量に対して、50質量%以上である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  5. 前記ラジカル重合性モノマーは、ClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーを含む、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  6. 前記シリカ粒子の含有量に対する前記ClogP値が2以上のラジカル重合性モノマーの含有量の質量比率は、6~50である、請求項に記載のインクジェットインク。
  7. 前記ラジカル重合性モノマーは、N-ビニル化合物を含む、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  8. 前記シリカ粒子の含有量に対する前記N-ビニル化合物の含有量の質量比率は、1~8である、請求項に記載のインクジェットインク。
  9. 前記ラジカル重合性モノマーは、ビニルエーテル化合物を含む、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  10. 被記録媒体上に、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のインクジェットインクをインクジェット記録方式で付与してインク膜を得る工程と、
    前記インク膜に活性エネルギー線を照射する工程と、
    を含む画像記録方法。
  11. 前記活性エネルギー線を照射する工程は、前記インク膜に、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で前記活性エネルギー線を照射する工程を含む、請求項10に記載の画像記録方法。
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