JP7443411B2 - 電子通信システム、及び、信号伝送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子通信システム、及び、信号伝送方法に関する。
近年、車両の機能の高度化が進んでいる。例えば、エネルギーの効率化に貢献する燃費向上に関する研究開発の成果が車両に適用され、エンジンやモータを制御するECU(Electronic Control Unit)の高機能化が進んでいる。このような技術進化に伴い、車両に搭載されるECUが増加する傾向があり、ECU間の通信の効率化が求められていた。例えば、特許文献1には、CAN(Controller Area Network)等のLANにより構成される車載ネットワークシステムにおいて、車両状態に基づいて、通信メッセージの送信周期を予め設定された送信周期に変更する手法が開示されている。
特開2014-28547号公報
ところで、多数のECUを搭載する車両において、常に全てのECUを稼働状態とすると、ECUが消費する電力が無視できない。そこで、ECUを、スリープ等の低消費電力状態に移行させることが考えられる。しかしながら、低消費電力状態にあるECUは、動作を実行する前にウェイクアップさせる必要がある。このため、ECUを低消費電力状態に移行させると応答性が低下することが懸念される。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、車両に搭載される制御部を低消費電力状態からウェイクアップさせる場合の応答性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するための一態様は、車両に搭載された機能部を制御する車両制御部と、上位制御部と、を備え、前記車両制御部と前記上位制御部とは下位通信線により接続され、複数の前記上位制御部は上位通信線により相互に接続され、前記上位制御部は、前記車両制御部から前記下位通信線を介して第1ウェイクアップ信号を受信することに応じてスリープ状態から起動し、前記上位通信線により接続された他の前記上位制御部が起動に要する時間に基づいて第1送信周期を決定し、決定した前記第1送信周期で前記他の上位制御部に第2ウェイクアップ信号を周期的に送信する、電子通信システムである。
上記構成によれば、車両に搭載される制御部を含む電子通信システムにより、上位制御部をウェイクアップさせる場合の応答性の向上を図ることができる。これにより、信号伝送における応答性を損なうことなく制御部をスリープさせることができる。そのため、車両に搭載される制御部を適切にスリープさせることにより、車両の電子通信システムにおけるエネルギー効率の向上を図ることができる。
車両制御システムの概略構成図。 車両制御システムの具体的な構成例を示す図。 車両制御システムの動作を示すフローチャート。 車両制御システムの動作例を示す模式図。 車両制御システムの動作例を示すタイミングチャート。 車両制御システムの動作例を示すタイミングチャート。
図1は、車両制御システム1を示す図である。図2は、車両制御システム1の具体的な構成例を示す図である。
車両制御システム1は、車両Vに搭載される機能部を制御する複数のECUにより構成される。車両制御システム1は、車両Vの機能部を制御することにより、車両Vの走行及び各種の機能を実現する。車両制御システム1は、本開示において電子通信システムの一例に対応する。
車両制御システム1を搭載する車両Vは、例えば四輪自動車である。車両Vの具体的な態様は限定されない。車両Vは、自動二輪車やその他の移動体であってもよい。車両Vは、駆動源として内燃機関を用いる車両であってもよいし、駆動源としてモータを用いる電動車両であってもよく、内燃機関とモータとを用いるハイブリッド車であってもよい。
図1は、車両制御システム1に含まれるECUを一般化して示しており、車両制御システム1のECUの具体的な例を図2に示す。これらの図は、車両Vに搭載される各種のECU、及び、ECUにより制御される機器の一例を示している。本開示の適用対象の車両Vが、図1及び図2に示す車両制御システム1の全てのECU、及び、以下に説明する全ての機能部を備えることを限定する意図は無い。例えば、図2に示されたECUのうち一部を備えていない車両V、及び、図2に示されていないECUを搭載する車両Vも本開示の適用対象である。また、ECUに接続される制御対象の機能部についても、本開示の適用対象を限定する意図はない。
車両制御システム1は、車両Vの全般的な制御および情報処理を行うセントラルECU2を備えている。セントラルECU2は、通信線B1、通信線B2、及び、通信線B10を含む通信ラインに接続される。セントラルECU2は、これらの通信ライン間における通信データの授受を管理するゲートウェイの機能を実現する。セントラルECU2は、本開示において上位制御部の一例に対応する。
セントラルECU2には、通信線B1によりゾーンA-ECU11が接続され、通信線B2によりゾーンB-ECU13が接続される。ゾーンA-ECU11及びゾーンB-ECU13には、さらに1または複数のECUが接続される。
例えば、ゾーンA-ECU11には、通信線B20を介してECU50A、50B、50C…が接続される。ゾーンB-ECU13には、通信線B30を介してECU60A、60B、60C…が接続される。以下では、ECU50A、50B、50C…を区別しない場合にECU50と記載し、ECU60A、60B、60C…を区別しない場合にECU60と記載する。ECU50は、ゾーンA-ECU11の制御対象のECUであり、ECU60はゾーンB-ECU13の制御対象のECUである。
ゾーンA-ECU11は、セントラルECU2とECU50との間の通信データの授受を管理する。ゾーンB-ECU13は、セントラルECU2とECU60との間の通信データの授受を管理する。
また、セントラルECU2には、通信線B10を介してECU70A、70B…が接続される。ECU70A、70Bを区別しない場合にECU70と記載する。ECU70は、セントラルECU2の制御対象のECUといえる。
セントラルECU2には、通信線B3によりTCU(Telematics Control Unit)33が接続される。TCU33は、不図示の通信アンテナや通信回路を備え、LTE(Long Term Evolution)、5G(第5世代移動通信方式)等のセルラー通信方式により無線データ通信を実行する無線通信装置である。TCU33は、セントラルECU2によって制御される機能部の一例である。
また、セントラルECU2には、通信線B4によりカメラ44が接続される。カメラ44は、車両Vの車室内または車外を撮影する。カメラ44は、例えば、複数のカメラを含むMVC(Multi View Camera)システムであってもよい。セントラルECU2は、カメラ44を制御して撮影を実行させ、カメラ44の撮影画像を取得して解析することができる。
図2に、ECU50、60、70の具体的な例を含む車両制御システム1の構成例を示す。図2の例では、セントラルECU2には、通信線B10によりIVI(In-Vehicle Infotainment)-ECU35が接続される。IVI-ECU35には、カーナビゲーションシステム、リアカメラを含む各種のカメラ、オーディオプレイヤー、モニタ、タッチパネル、キーやスイッチ等の操作子、スピーカ、マイクロホン等の車載機器が接続される。IVI-ECU35は、車載機器を制御することにより、車両Vの搭乗者へ種々のインフォメーション及びエンターテイメントを提供する。例えば、IVI-ECU35は、車載機器の起動や停止の制御、及び、他のECUがセンサによって検出したデータ等を車載機器に出力する制御等を実行する。
セントラルECU2に繋がる通信線B10には、運転支援ECU41が接続される。運転支援ECU41は、車両Vを自動的に駐車位置に駐車させる制御、或いは、運転者が車両Vを駐車させる場合の支援機能を実行する。運転支援ECU41の制御対象の機能部は、例えば、車両Vが搭載する各種のカメラ、モニタ、タッチパネル、ステアリング装置、ブレーキ機構、アクセル装置を含む。
ゾーンA-ECU11には、通信線B20によりFI(Fuel Injection)制御部51、モータ制御部52、BATT(Battery)制御部53、及び、シフト制御部54が接続される。これらはECU50の一例であり、ゾーンA-ECU11の制御対象の機能部ということができる。
FI制御部51は、車両Vが搭載する内燃機関における燃料噴射量および燃料噴射タイミングの制御を行う。FI制御部51の制御対象である機能部は、電子制御燃料噴射装置を含み、センサ類を含んでもよい。センサ類とは、O2センサ、ノックセンサ、カム角センサ、クランク角センサ、吸気温度センサ、排気温度センサ等が挙げられる。
モータ制御部52は、車両Vが搭載するモータの回転数を制御する。モータ制御部52の制御対象である機能部は、モータに駆動電流を供給するインバータ回路を含み、各種のセンサを含んでもよい。BATT制御部53は、車両Vが搭載する走行用バッテリに関する制御を行う。BATT制御部53は、走行用バッテリに対する充電制御、放電制御、及び、充電量の残量管理を行う。BATT制御部53の制御対象の機能部としての走行用バッテリは、車両Vの走行用の電源である。この走行用バッテリは、車両制御システム1の各部に電力を供給する始動用バッテリとは別に設けられ、モータの駆動電源を供給するために車両Vに搭載される。走行用バッテリは、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー電池、ニッケル水素電池、全固体電池、及び、その他の二次電池であり、キャパシタであってもよい。BATT制御部53の制御対象である機能部は、走行用バッテリのほか、車両Vの走行エネルギーにより回生電力を発電する回生機構を含んでもよい。これに対し、車両Vの始動用バッテリは、車両Vの電源がオフになった状態で、車両制御システム1の各部に電力を供給し、車両Vが搭載する発電装置によって車両Vの走行中に充電される二次電池である。例えば、始動用バッテリは、鉛蓄電池、その他の二次電池、或いはキャパシタで構成される。
シフト制御部54の制御対象である機能部は、例えば、トランスミッション装置57(図4)である。シフト制御部54は、車両Vの走行状態および運転者の操作に応じてトランスミッション装置57を制御する。トランスミッション装置57は、例えば、ステップAT(Automatic Transmission)、CVT(Continuously Variable Transmission)、DCT(Dual Clutch Transmission)等が挙げられる。シフト制御部54の制御対象である機能部は、シフトポジションセンサ、シフトスイッチ、シフトレバー等を含んでもよい。
ゾーンB-ECU13には、通信線B30によってライト制御部72、電動ドア制御部76、A/C制御部77、PW(Power Window)制御部78、及び、エントリ制御部81が接続される。これらはECU60の一例であり、ゾーンB-ECU13の制御対象の機能部ということができる。
ライト制御部72の制御対象の機能部は、灯火装置82(図4)である。灯火装置82は、車両Vが搭載する灯体を含む。具体的には、灯火装置82は、車両Vの前照灯、方向指示器、霧灯、制動灯、後退灯を含み、車両Vの車室内や車両Vの外側を照明する灯体を含んでもよい。
電動ドア制御部76の制御対象の機能部は、例えば、車両Vの開閉部に設けられるアクチュエータである。このアクチュエータは、例えば、電動スライドドアや電動リアゲートを開閉させるモータ、電動トランクリッドのロックを解除するアクチュエータを含む。また、電動ドア制御部76の制御対象のアクチュエータは、開閉部に設けられるドアロックを施錠及び解錠するアクチュエータを含んでもよい。電動ドア制御部76は、アクチュエータを制御することにより、車両Vのドアロックの解錠および施錠、電動スライドドアや電動リアゲートの開閉を行わせる。
A/C制御部77の制御対象の機能部は、車両Vの空調装置(A/C)である。A/C制御部77は、空調装置を制御することにより、設定された目標温度に基づき車両Vの車室内の冷房および暖房を行う。
PW制御部78の制御対象の機能部は、車両Vのパワーウィンドウ装置であり、具体的には、窓を開閉するアクチュエータや、窓の位置を検出するエンコーダである。
エントリ制御部81の制御対象の機能部は、センサ83(図4)及び通信部84(図4)を含む。センサ83は、車両Vの外側または車室内に配置され、車両Vへの人の近接または接触を検知する。通信部84は、車両VのFOBキー或いはその他の電子キーと無線通信を行う無線通信装置である。エントリ制御部81は、センサ83及び/または通信部84によって、車外から車両制御システム1へのユーザアクセスを処理し、いわゆるスマートエントリの動作を実現する。
通信線B1~B4、B10、B20、B30は、様々な通信規格に準拠した複数の通信伝送路により構成されている。これらの通信線を区別しない場合に通信線Bと記載する。通信線Bは、異なる通信規格に準拠したデータ伝送路とすることができる。すなわち、通信線Bを構成するケーブルの具体的な構成、伝送帯域、及び、通信規格は任意に選択される。通信線Bとして適用可能な通信規格としては、例えば、CAN、Ethernet(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)、LIN(Local Interconnect Network)、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)が挙げられるが、他の規格であってもよい。また、各々の通信線Bは、図1、図2及び図4において独立した通信ラインとして記載しているが、その具体的な構成に制限はなく、例えば、複数の機器に接続されたバス型の構成であってもよいし、2台の機器を1対1で接続する構成であってもよい。
車両制御システム1は、複数のECUを階層的に接続するカスケード構造を有する。すなわち、車両制御システム1は、通信線B1、B2により直接、セントラルECU2に接続されるECUと、他のECUを介してセントラルECU2に接続されるECUとを備える。このうち、他のECUを介してセントラルECU2に接続されるECUを、車両制御部と呼ぶ。車両制御部は、具体的には、ゾーンA-ECU11に接続されるECU50、及び、ゾーンB-ECU13に接続されるECU60である。
図2の例で、FI制御部51、モータ制御部52、BATT制御部53、及び、シフト制御部54は車両制御部に該当する。また、ライト制御部72、電動ドア制御部76、A/C制御部77、PW制御部78、及び、エントリ制御部81は車両制御部に該当する。ゾーンA-ECU11と車両制御部とを接続する通信線B20、及び、ゾーンB-ECU13と車両制御部とを接続する通信線B30を、下位通信線と呼ぶ。
また、車両制御部は、セントラルECU2に直接、接続されるECUのうち、車両Vの機能部を制御するECUを含んでもよい。例えば、TCU33、IVI-ECU35、及び、運転支援ECU41は、車両制御部に含まれてもよい。
ゾーンA-ECU11及びゾーンB-ECU13は、セントラルECU2に直接、接続され、車両制御部とセントラルECU2との間に配置される。ゾーンA-ECU11及びゾーンB-ECU13は、車両制御部とセントラルECU2との間における通信の調整等を実行する。ゾーンA-ECU11及びゾーンB-ECU13は、上位制御部の一例に対応する。上位制御部であるセントラルECU2、ゾーンA-ECU11、及びゾーンB-ECU13を相互に接続する通信線B1、B2を、上位通信線と呼ぶ。上位制御部のうち、セントラルECU2をマスタ制御部、ゾーンA-ECU11及びゾーンB-ECU13を中間制御部と呼んでもよい。上位制御部、中間制御部、マスタ制御部は、車両制御部に接続され、車両制御部の制御に関するデータの伝送及び処理を担うECUである。
車両制御システム1が備えるセントラルECU2、ゾーンA-ECU11、ゾーンB-ECU13、及び、その他の車両制御部は、その動作状態を、通常動作状態と低消費電力状態とに切り替えることができる。図1に示していない各種のECUも同様である。
車両制御部の通常動作状態とは、車両制御部の制御対象の機能部を制御する状態、及び、制御対象の機能部を制御可能な状態をいう。セントラルECU2、ゾーンA-ECU11及びゾーンB-ECU13の通常動作状態とは、車両制御部に関する制御データを送受信し、制御データを処理する状態、及び、これらを実行可能な状態をいう。これに対し、低消費電力状態は、通常動作状態よりも消費電力が小さい状態であり、スリープ状態とも呼ばれる。
セントラルECU2は、低消費電力状態において、セントラルECU2に接続される通信線B1~B4のいずれかからウェイクアップ信号を受信すると、起動して通常動作状態に移行する。ウェイクアップ信号は、例えば、セントラルECU2を宛先とするデジタルデータであってもよいし、通信線B1~B4の電圧がアクティブになることであってもよい。通信線B1~B4は、例えば、CANまたはCAN-FDの1本の信号線または2本の差動信号線で構成される。この場合、セントラルECU2の低消費電力状態において通信線B1~B4はリセッシブであり、通信線B1~B4のいずれかがドミナントの状態になると、セントラルECU2はウェイクアップ信号を検知して起動する。また、ウェイクアップ信号は、セントラルECU2を選択的に起動させる信号であってもよい。
同様に、ゾーンA-ECU11の低消費電力状態において、ゾーンA-ECU11に繋がる通信線B1、B20のいずれかがアクティブになると、ゾーンA-ECU11はウェイクアップ信号を検知して起動する。また、ゾーンB-ECU13は、ゾーンB-ECU13の低消費電力状態において通信線B2、B30のいずれかがアクティブになると、ウェイクアップ信号を検知して起動する。
車両制御部も同様に、低消費電力状態においてウェイクアップ信号を検知すると、起動して通常動作状態に移行する。例えば、FI制御部51、モータ制御部52、BATT制御部53、及び、シフト制御部54は、通信線B20の電圧がリセッシブからドミナントに変化することにより、ウェイクアップ信号を検知して起動する。
通信線B20に接続された車両制御部を起動させるウェイクアップ信号は、FI制御部51、モータ制御部52、BATT制御部53、及び、シフト制御部54のいずれかを選択的に起動させる信号であってもよい。この場合、FI制御部51、モータ制御部52、BATT制御部53、及び、シフト制御部54は、選択的に低消費電力状態に移行可能である。通信線B30に接続されるライト制御部72、電動ドア制御部76、A/C制御部77、及びPW制御部78も同様である。
車両制御システム1では、常に全てのECUが通常動作状態である必要はない。例えば、車両Vの駐車中であって車両Vの電源がオフにされているときには、FI制御部51、モータ制御部52、シフト制御部54等の駆動系のECUは、低消費電力状態とすることができる。一方、エントリ制御部81は、運転者が車両Vに乗り込もうとするときにFOBキーと通信を実行する必要があるため、通常動作状態またはこれに類似する動作状態で待機する必要がある。このため、車両制御システム1は、車両制御システム1を構成する各々のECUを、個別に、或いは所定数を単位として、低消費電力状態に移行させる。これにより、車両制御システム1の消費電力量を抑制することができる。そして、低消費電力状態のECUは、通信線Bに流れるウェイクアップ信号を検知することによって起動し、通常動作状態に移行できる。
セントラルECU2、ゾーンA-ECU11、ゾーンB-ECU13、及び、車両制御部に相当する各ECUは、ウェイクアップ信号を検知してから通常動作状態に移行するまでに、所定の時間を要する。この時間を起動時間と呼ぶ。起動時間の長さはECUの種類、機能、仕様等により異なる。
図1に示すように、セントラルECU2は、プロセッサ91A、メモリ93A、通信部96A、97Aを有する。
通信部96A、97Aは、通信線B1~B4を通じて信号やデータを送受信する通信回路である。通信部96A、97Aは、例えば、NM-GW(Network Management GateWay)で構成される。通信部96A、97Aは、互いに独立したハードウェアであってもよく、一つの通信回路により構成されてもよい。
通信部96Aには、通信線B1及び通信線B2が接続される。通信部96Aは、ゾーンA-ECU11、及び、ゾーンB-ECU13との間で通信を実行する。通信部97Aには、通信線B3、B4が接続される。通信部97Aは、通信線B3、B4に接続される各ECUとの間で通信を実行する。
通信部96Aは、通信線B1及び通信線B2により送信された信号を受信する。通信部96Aは、セントラルECU2が低消費電力状態である間、通信線B1または通信線B2においてウェイクアップ信号を検知した場合、プロセッサ91Aに通知を行う。通信部96Aは、プロセッサ91Aの制御に従って、通信線B1及び通信線B2を通じてウェイクアップ信号を送信する機能を有する。
通信部96Aは、通信線B1及び通信線B2のいずれか、または両方を選択して、ウェイクアップ信号を送信する。この場合、通信部96Aは、通信相手先の機器が起動を完了して通常動作状態に移行するまで、周期的にウェイクアップ信号を送信する。ウェイクアップ信号の送信周期は、予め設定された既定の周期である。この既定の送信周期は、本開示において第2送信周期の一例に対応する。また、通信部96Aが送信するウェイクアップ信号は第2ウェイクアップ信号の一例に対応する。
通信部96Aがウェイクアップ信号を送信する送信周期は、プロセッサ91Aの制御により可変である。例えば、プロセッサ91Aは、通信部96Aがウェイクアップ信号を送信する周期を決定する。通信部96Aは、プロセッサ91Aが指定する送信周期でウェイクアップ信号を繰り返し送信する。この場合、プロセッサ91Aが指定する周期は、本開示において第1送信周期の一例に対応する。
また、通信部96Aは、制御データを通信線B1または通信線B2により送受信する機能を有する。制御データは、車両制御部の制御に関するデータである。例えば、通信部96Aは、BATT制御部53が走行用バッテリを制御する機能に関する制御データを、ゾーンA-ECU11との間で送受信する。この制御データは、例えば、CANまたはCAN-FDのデータフレームの形態で送受信される。通信部96Aは、制御データを通信線B1または通信線B2により送信する場合、制御データ用の送信周期で送信を実行する。制御データ用の送信周期は、予め通信部96Aに設定された周期またはプロセッサ91Aにより指定される周期であり、可変の周期ではない。制御データ用の送信周期は、本開示において第4送信周期の一例に対応する。
通信部97Aは、通信線B3、B4により送信された信号を受信する。通信部97Aは、セントラルECU2が低消費電力状態である間、通信線B3、B4においてウェイクアップ信号を検知した場合、プロセッサ91Aに通知を行う。通信部97Aは、プロセッサ91Aの制御に従って、通信線B3、B4を通じてウェイクアップ信号を送信する機能を有する。
通信部97Aは、通信線B3、B4のいずれか1以上を選択して、ウェイクアップ信号を送信する。この場合、通信部97Aは、通信相手先の機器が起動を完了して通常動作状態に移行するまで、周期的にウェイクアップ信号を送信する。ウェイクアップ信号の送信周期は、予め設定された既定の周期である。
また、通信部97Aは、制御データを通信線B3、B4により送受信する機能を有する。この制御データは、例えば、CANまたはCAN-FDのデータフレームの形態で送受信される。通信部97Aは、制御データを通信線B3、B4により送信する場合、制御データ用の送信周期で送信を実行する。制御データ用の送信周期は、予め通信部97Aに設定された周期またはプロセッサ91Aにより指定される周期であり、可変の周期ではない。制御データ用の送信周期は、本開示において第4送信周期の一例に対応する。
プロセッサ91Aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、MPU(Micro Processor Unit)により構成される。メモリ93Aは、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、プロセッサ91が実行するプログラム、及び、プロセッサ91により処理されるデータを記憶する。メモリ93は、例えば、フラッシュROM(Read Only Memory)やSSD(Solid State Disk)等の半導体記憶デバイス、或いは、磁気的記憶デバイスで構成される。メモリ93Aは、プログラム及びデータを一時的に記憶するためのワークエリアを形成するRAM(Random Access Memory)を備えてもよい。プロセッサ91A及びメモリ93Aは一体の集積回路(IC)で構成されてもよい。セントラルECU2は、プロセッサ91A、メモリ93A、通信部96A、97Aを統合した集積回路であってもよいし、これらを独立したハードウェアとして備える構成であってもよい。
メモリ93Aは、起動時間データ94A、及び、識別データ95Aを記憶する。
起動時間データ94Aは、セントラルECU2に上位通信線を介して接続されたECUの起動時間を示すデータである。図1及び図2の例では、セントラルECU2に上位通信線を介して接続されたECUはゾーンA-ECU11及びゾーンB-ECU13である。そのため、起動時間データ94Aは、ゾーンA-ECU11の起動時間、及び、ゾーンB-ECU13の起動時間を含む。
起動時間データ94Aは、予めゾーンA-ECU11の起動時間が記述されたデータであってもよい。この場合、起動時間データ94Aが含むゾーンA-ECU11の起動時間は、設計上または計測により求められた時間である。また、プロセッサ91Aは、ゾーンA-ECU11が実際に起動に要した時間を計測することにより、起動時間データ94Aを更新してもよい。この場合、起動時間データ94Aは、直近の、或いは、最後にゾーンA-ECU11が低消費電力状態から起動したときの起動時間の実測値を示す。起動時間データ94Aが含むゾーンB-ECU13の起動時間は、ゾーンA-ECU11の起動時間と同様である。
識別データ95Aは、セントラルECU2が受信する信号及びデータについて、対応する機能と、信号及びデータの転送先を示す。プロセッサ91Aは、通信部96Aまたは通信部97Aにより信号またはデータを受信した場合、識別データ95Aを参照して、受信した信号またはデータに関係するECUや機能を特定する。
プロセッサ91Aは、車両Vの動作状態に応じて、セントラルECU2を通常動作状態から低消費電力状態に移行させる。プロセッサ91Aは、低消費電力状態において通信部96Aまたは通信部97Aによりウェイクアップ信号を受信した場合に、起動して通常動作状態に移行する。
プロセッサ91Aは、通信部96Aまたは通信部97Aにより信号またはデータを受信した場合、識別データ95Aを参照して、受信した信号またはデータに関係する機能やECUを特定する。この信号にはウェイクアップ信号が含まれる。プロセッサ91Aは、受信した信号またはデータに基づく処理を実行し、処理の結果に基づき、信号またはデータを通信部96Aまたは通信部97Aにより送信する。
プロセッサ91Aは、上位通信線を介して接続された他のECUをウェイクアップさせる必要がある場合、ウェイクアップ信号の送信周期を決定する。この動作は、本実施形態では、ゾーンA-ECU11またはゾーンB-ECU13をウェイクアップさせる場合に実行される。
プロセッサ91Aは、通常起動機能と、高速起動機能とを選択的に実行可能である。通常起動機能は、既定の送信周期でウェイクアップ信号を送信する機能である。既定の送信周期は、予めプロセッサ91Aまたは通信部96Aに設定されており、プロセッサ91Aが変更することはない。通常起動機能を実行する場合、プロセッサ91Aは、通信部96Aに対してウェイクアップ信号の送信を指示し、既定の送信周期を指定する。
高速起動機能は、ウェイクアップさせるECUの起動時間に対応して、ウェイクアップ信号の送信周期を決定し、決定した送信周期でウェイクアップ信号を送信させる機能である。高速起動機能を実行する場合、プロセッサ91Aは、起動時間データ94Aを参照し、ウェイクアップさせるECUの起動時間が、送信周期の逓倍、または、送信周期にマージンを加えた周期の逓倍となるように、送信周期を決定する。この送信周期は、上記の既定の送信周期よりも長くてもよいし、短くてもよい。プロセッサ91Aは、起動時間データ94Aに基づいて決定した周期を通信部96Aに指定し、通信部96Aに対してウェイクアップ信号の送信を指示する。
ゾーンA-ECU11は、プロセッサ91B、メモリ93B、通信部96B、及び、通信部97Bを備える。プロセッサ91B、メモリ93B、通信部96B、及び、通信部97Bの機能及び構成は、それぞれ、プロセッサ91A、メモリ93A、通信部96A、及び、通信部97Aと同様である。
通信部96Bは、通信線B1に接続され、セントラルECU2との間の通信を実行する。
通信部97Bには、通信線B20が接続される。通信部97Bは、通信線B20を通じてECU50との通信を実行する。
ゾーンB-ECU13は、プロセッサ91C、メモリ93C、通信部96C、及び、通信部97Cを備える。プロセッサ91C、メモリ93C、通信部96C、及び、通信部97Cの機能及び構成は、それぞれ、プロセッサ91A、メモリ93A、通信部96A、及び、通信部97Aと同様である。
通信部96Cは通信線B2に接続され、セントラルECU2との間の通信を実行する。
通信部97Cには通信線B30が接続される。通信部97Cは、通信線B30を通じてECU60との通信を実行する。
メモリ93Bは、起動時間データ94B、及び、識別データ95Bを記憶する。起動時間データ94Bは、ゾーンA-ECU11に上位通信線を介して接続されたECUの起動時間を示すデータである。図1及び図2の例では、ゾーンA-ECU11に上位通信線を介して接続されたECUは、セントラルECU2である。そのため、起動時間データ94Bは、セントラルECU2の起動時間を含む。
メモリ93Cは、起動時間データ94C、及び、識別データ95Cを記憶する。起動時間データ94Cは、ゾーンB-ECU13に上位通信線を介して接続されたECUの起動時間を示すデータである。図1及び図2の例では、ゾーンB-ECU13に上位通信線を介して接続されたECUは、セントラルECU2である。そのため、起動時間データ94Cは、セントラルECU2の起動時間を含む。
起動時間データ94B、94Cは、予めセントラルECU2の起動時間が記述されたデータであってもよい。この場合、起動時間データ94Aが含むセントラルECU2の起動時間は、設計上または計測により求められた時間である。
また、プロセッサ91Bは、セントラルECU2が実際に起動に要した時間を計測することにより、起動時間データ94Bを更新してもよい。この場合、起動時間データ94Bは、直近の、或いは、最後にセントラルECU2が低消費電力状態から起動したときの起動時間の実測値を示す。起動時間データ94Cも同様に、プロセッサ91Cが計測した時間であってもよい。
以下では、プロセッサ91A、91B、91Cを区別しない場合に、プロセッサ91と記載する。メモリ93A、93B、93Cも同様に、これらを区別しない場合にメモリ93と記載する。起動時間データ94A、94B、94Cも同様であり、識別データ95A、95B、95Cも同様である。また、通信部96A、96B、96C、及び、通信部97A、97B、97Cについても、それぞれ、これらを区別しない場合に通信部96或いは通信部97と記載する。
車両制御システム1において、セントラルECU2、ゾーンA-ECU11、及び、ゾーンB-ECU13以外の各々のECUは、図示はしないが、プロセッサ91、メモリ93、通信部96、及び、通信部97と同様の構成を備える。
図3は、車両制御システム1の動作を示すフローチャートであり、上位通信線に接続されたECUの動作を示す。具体的には、図1及び図2に示す構成においてはセントラルECU2、ゾーンA-ECU11、及び、ゾーンB-ECU13が実行する動作を示す。すなわち、プロセッサ91A、91B、91Cは、いずれも図3の動作を実行可能であり、ここではプロセッサ91Bの動作を一例として説明する。
プロセッサ91Bは、低消費電力状態において通信部97Bによりウェイクアップ信号を検知すると(ステップS11)、起動を開始する(ステップS12)。プロセッサ91Bは、起動処理を完了して通常起動機能に移行すると(ステップS13)、通信部97Bが検知したウェイクアップ信号に関係する車両Vの機能を特定する(ステップS14)。
ステップS14で、プロセッサ91Bは、例えば、ウェイクアップ信号の送信元のECUを特定することにより、ウェイクアップ信号に関連する機能を特定する。或いは、プロセッサ91Bは、ウェイクアップ信号に付加されるデータや識別符号等に基づいて、ウェイクアップ信号に関連する機能を特定する。
プロセッサ91Bは、ステップS14で特定した機能がどの機能であるかに基づき、高速起動機能を実行するか否かを判定する(ステップS15)。プロセッサ91Bは、高速起動機能を実行しないと判定した場合(ステップS15;NO)、通常起動機能を実行し(ステップS16)、通信部96Bによって既定の送信周期でウェイクアップ信号を送信させる(ステップS17)。
プロセッサ91Bは、高速起動機能を実行すると判定した場合(ステップS15;YES)、高速起動機能を実行する。すなわち、プロセッサ91Bは、起動時間データ94Bを参照して(ステップS18)、起動時間に対応する送信周期を決定する(ステップS19)。プロセッサ91Bは、ステップS19で決定した送信周期で、通信部96Bによりウェイクアップ信号を送信させる(ステップS20)。
高速起動機能は、ウェイクアップ信号の送信周期をECUの起動時間に適合させることによって、ECUが起動を完了してから送信周期に到達するまでの時間を短縮できる。このため、ECUが低消費電力状態にあっても、ECUの起動を含む処理を短時間で実行できるという利点がある。このため、高速起動機能は、車両Vの機能のうち応答時間が短いことが特に効果的な機能について、実行されることが好ましい。
プロセッサ91A、91B、91Cが高速起動機能を実行する対象となる機能は、運転者や搭乗者の操作等に対して即時に応答することが求められる機能である。例えば、次の第1~第5の機能が挙げられる。
第1の機能は、運転者や搭乗者が車両Vに接近し、或いは車両Vのドアの操作等を行うことに応じて、車両Vのドアロックを解錠する機能である。この機能の実行時、車両制御システム1においては、エントリ制御部81がFOBキーの接近やFOBキーのスイッチ操作を検出し、ゾーンB-ECU13、セントラルECU2、及び、電動ドア制御部76が起動し、電動ドア制御部76の制御によりアクチュエータが解錠を行う。
第2の機能は、運転者や搭乗者が車両Vに接近し、或いは車両Vのドアの操作等を行うことに伴い、トランスミッション装置57を動作可能な状態にする機能である。車両制御システム1においては、エントリ制御部81がFOBキーの接近やFOBキーのスイッチ操作を検出し、ゾーンB-ECU13、セントラルECU2、ゾーンA-ECU11、及び、シフト制御部54が起動する。
第3の機能は、運転者や搭乗者が車両Vに接近し、或いは車両Vのドアの操作等を行うことに応じて、車両Vの車外および車室内に設置された灯火装置を点灯させる機能である。この灯火装置は、ウェルカムランプと呼ばれるものが該当する。この機能の実行時、車両制御システム1においては、エントリ制御部81がFOBキーの接近やFOBキーのスイッチ操作を検出し、ゾーンB-ECU13、セントラルECU2、及び、ライト制御部72が起動し、ライト制御部72の制御によりウェルカムランプが所定時間、点灯する。
第4の機能は、運転者やFOBキーのスイッチを操作することに応じて、車両Vのハザードランプを点滅させる機能である。この機能の実行時、車両制御システム1においては、エントリ制御部81がFOBキーのスイッチ操作を検出し、ゾーンB-ECU13、セントラルECU2、及び、ライト制御部72が起動し、ライト制御部72の制御により灯火装置82のハザードランプが点滅する。
第4の機能は、カメラ44によって、事前に登録された運転者や搭乗者の顔を認識した場合に、車両Vのドアロックを解錠する機能である。この機能の実行時、車両制御システム1においては、セントラルECU2がカメラ44の撮影画像に基づいて、事前に登録された運転者や搭乗者の顔を認識し、セントラルECU2、ゾーンB-ECU13、及び、電動ドア制御部76が起動し、電動ドア制御部76の制御によりアクチュエータが解錠を行う。
第5の機能は、カメラ44によって、事前に登録された運転者や搭乗者の顔を認識した場合に、ウェルカムランプを点灯させる機能である。この機能の実行時、車両制御システム1においては、セントラルECU2がカメラ44の撮影画像から、事前に登録された運転者や搭乗者の顔を認識し、セントラルECU2、ゾーンB-ECU13、及び、ライト制御部72が起動し、ライト制御部72の制御によりウェルカムランプが所定時間、点灯する。
プロセッサ91A、91B、91Cが通常起動機能を実行する対象となる機能は、運転者や搭乗者の操作等に対して、応答に数百ミリ秒~数秒を要しても支障のない機能である。例えば、運転者や搭乗者が車両Vから離れた位置で操作等を行うことに関する機能である。具体的な例として、次の第6~第11の機能が挙げられる。
第6の機能は、運転者や搭乗者がスマートフォンやその他の通信端末を操作し、通信端末から不図示の通信ネットワークやサーバ等を介して車両Vにコマンドを送信することに関する機能である。より具体的には、車両Vが通信端末からのコマンドに応じて、灯火装置82を点灯または点滅させる機能である。この機能は、カーファインダと呼ばれる機能の一部である。この機能の実行時、車両制御システム1においては、TCU33がコマンドを受信し、セントラルECU2、ゾーンB-ECU13、及び、ライト制御部72が起動し、ライト制御部72の制御により灯火装置82が点灯または点滅する。
第7の機能は、第6の機能と同様に車両Vが通信端末からのコマンドを受信し、このコマンドに応じて、車両Vのホーンを鳴動させる機能である。この機能は、カーファインダと呼ばれる機能の一部である。この機能の実行時、車両制御システム1においては、TCU33がコマンドを受信し、セントラルECU2、ゾーンB-ECU13、及び、不図示のホーン制御部が起動し、ホーン制御部の制御によりホーンが鳴動する。
第8の機能は、第6の機能と同様に車両Vが通信端末からのコマンドを受信し、このコマンドに応じて、車両Vの位置情報や、車両Vの位置を含む範囲の地図データを端末装置に送信する機能である。この機能は、カーファインダと呼ばれる機能の一部である。この機能の実行時、車両制御システム1においては、TCU33がコマンドを受信し、セントラルECU2、及び、IVI-ECU35が起動し、IVI-ECU35が検知する車両Vの位置情報やIVI-ECU35が有する地図データがTCU33により端末装置に送信される。
第9の機能は、第6の機能と同様に車両Vが通信端末からのコマンドを受信し、このコマンドに応じて、カメラ44により撮影された撮影画像を端末装置に送信する機能である。この機能の実行時、車両制御システム1においては、TCU33がコマンドを受信し、セントラルECU2が起動し、セントラルECU2がカメラ44の撮影画像を取得し、コマンドに応じてカメラ44の撮影画像がTCU33により端末装置に送信される。
第10の機能は、車両Vのタイマ予約機能により、事前に設定された日時に走行用バッテリの充電を開始する機能である。タイマ予約機能は、例えば、タッチパネルの操作により指定される日時を、IVI-ECU35が内蔵するRTC(Real Time Clock)が計時することにより実現される。この機能の実行時、車両制御システム1においては、IVI-ECU35がタイマ予約された日時の到来を検知し、セントラルECU2、ゾーンA-ECU11、及び、BATT制御部53が起動し、BATT制御部53の制御により走行用バッテリの充電が開始される。
第11の機能は、車両Vのタイマ予約機能により、事前に設定された日時に空調装置の運転を開始または終了させる機能である。この機能の実行時、車両制御システム1においては、IVI-ECU35がタイマ予約された日時の到来を検知し、セントラルECU2、ゾーンB-ECU13、及び、A/C制御部77が起動し、A/C制御部77の制御により空調装置が空調運転を開始または終了する。
上述した第1~第11の機能は、車両Vが有する機能の一例に過ぎない。プロセッサ91は、車両Vのその他の機能についても、機能により高速起動機能と通常起動機能とを選択して実行することが可能である。
図4は、車両制御システム1の動作例を示す模式図である。図4には、車両制御システム1におけるECUの起動順序を矢印で示す。図4に示す起動順序P1は、上述した第2の機能に関する順序を示し、起動順序P2は第6の機能に関する順序を示す。
起動順序P1に示すように、第2の機能の実行時、センサ83または通信部84が検知を行うことをトリガとして、エントリ制御部81がゾーンB-ECU13をウェイクアップさせる。続いて、ゾーンB-ECU13がセントラルECU2をウェイクアップさせ、セントラルECU2がゾーンA-ECU11をウェイクアップさせる。ゾーンA-ECU11は、シフト制御部54をウェイクアップさせ、これによりシフト制御部54がトランスミッション装置57を制御可能となる。
起動順序P1は、高速起動機能の対象となる機能の例である。
起動順序P2に示すように、第6の機能の実行時、TCU33がコマンドを受信したことをトリガとして、セントラルECU2が起動し、セントラルECU2がゾーンB-ECU13をウェイクアップさせる。ゾーンB-ECU13は、ライト制御部72をウェイクアップさせ、これによりライト制御部72が灯火装置82を点灯または点滅させる。
起動順序P2は、通常起動機能の対象となる機能の例である。
図5は車両制御システム1の動作例を示すタイミングチャートであり、図4の起動順序P1に対応する高速起動機能の一例である。
図5(a)はエントリ制御部81の動作を示し、図5(b)はゾーンB-ECU13の動作を示し、図5(c)はセントラルECU2の動作を示す。図5(d)はゾーンA-ECU11の動作を示し、図5(e)はシフト制御部54の動作を示す。なお、図5及び図6に関して、理解の便宜のために車両制御システム1の伝送遅延及びECU内部の処理遅延については図示及び説明を省略する。
エントリ制御部81は、センサ83または通信部84の検知に応じて起動し、通信線B20に対してウェイクアップ信号Dの送信を開始する。ウェイクアップ信号Dの送信は、時刻T1から、例えば20ミリ秒周期で繰り返し実行される。エントリ制御部81がウェイクアップ信号Dを送信する送信周期は、予め定められた周期である。ウェイクアップ信号Dの送信周期は、本開示において第3送信周期の一例に対応する。ウェイクアップ信号Dは、本開示において第1ウェイクアップ信号の一例に対応する。
ゾーンB-ECU13は、時刻T1でウェイクアップ信号Dを検知することにより起動する。ゾーンB-ECU13の起動時間は、図5の例では32ミリ秒である。ゾーンB-ECU13は、ゾーンB-ECU13の起動完了後である時刻T3にウェイクアップ信号Dを検知し、このウェイクアップ信号Dに応じて、セントラルECU2にウェイクアップ信号Eを送信する。ウェイクアップ信号Eは、本開示において第2ウェイクアップ信号の一例に対応する。
ゾーンB-ECU13は、起動後に時刻T3で受信するウェイクアップ信号Dに基づき、高速起動機能と通常起動機能のいずれかを選択する。図5の例では高速起動機能が選択される。ゾーンB-ECU13は、起動時間データ94Cが示すセントラルECU2の起動時間に合わせて、ウェイクアップ信号Eの送信周期を決定する。例えば、図5の例では、セントラルECU2の起動時間は140ミリ秒である。この場合、ウェイクアップ信号Eの送信周期を70ミリ秒、または140ミリ秒とすると、セントラルECU2の起動直後にウェイクアップ信号EがセントラルECU2によって受信される。ウェイクアップ信号Eの送信周期にはECUや通信線Bの仕様により上限があるため、図5の例ではウェイクアップ信号Eの送信周期が70ミリ秒とされる。さらに、動作の確実性を高めるため、送信周期には一定のマージンが含まれることが望ましい。これにより、ゾーンB-ECU13は、ウェイクアップ信号Eの送信周期を75ミリ秒とする。この場合、セントラルECU2は、セントラルECU2が起動完了してから10ミリ秒後の時刻T5にウェイクアップ信号Eを検知し、ゾーンA-ECU11にウェイクアップ信号Fを送信する。セントラルECU2が起動完了してからウェイクアップ信号Eを検知するまでの時間は、実質的に処理が行われない時間のロスである。高速起動機能を実行することにより、セントラルECU2の起動に関する待ち時間LT1を10ミリ秒に抑えることができる。
セントラルECU2は、起動後に時刻T5で受信するウェイクアップ信号Eに基づき、高速起動機能と通常起動機能のいずれかを選択する。図5の例では高速起動機能が選択される。セントラルECU2は、起動時間データ94Aが示すゾーンA-ECU11の起動時間に合わせて、ウェイクアップ信号Fの送信周期を決定する。
図5の例では、ゾーンA-ECU11の起動時間は170ミリ秒である。この場合、ウェイクアップ信号Fの送信周期を45ミリ秒、85ミリ秒、または170ミリ秒とすると、待ち時間を短くすることができる。セントラルECU2は、送信周期の上限とマージンの制約とに適合させるため、送信周期を50ミリ秒に決定する。この場合、ゾーンA-ECU11は、ゾーンA-ECU11が起動完了してから30ミリ秒後の時刻T9にウェイクアップ信号Fを検知し、シフト制御部54にウェイクアップ信号Gを送信する。ゾーンA-ECU11が起動完了してからウェイクアップ信号Fを検知するまでの待ち時間LT2は30ミリ秒であり、ゾーンA-ECU11の起動時間に比べ十分に短い。
図5の例において、セントラルECU2は、起動を完了したときに、起動完了を示す通知信号WをゾーンB-ECU13に送信してもよい。この場合、ゾーンB-ECU13は、通知信号Wに基づいてセントラルECU2の起動時間を検出し、起動時間データ94Cを更新してもよい。同様に、ゾーンA-ECU11は、起動を完了したときに通知信号WをセントラルECU2に送信してもよく、この場合、セントラルECU2は、通知信号Wに基づき起動時間データ94Aを更新してもよい。
図6は車両制御システム1の動作例を示すタイミングチャートであり、図4の起動順序P2に対応する通常起動機能の一例である。
図6(a)はTCU33の動作を示し、図6(b)はセントラルECU2の動作を示し、図6(c)はゾーンB-ECU13の動作を示し、図6(d)はライト制御部72の動作を示す。
TCU33は、通信機能によりコマンドを受信してから、通信線B3におけるウェイクアップ信号Hの送信を開始する。ウェイクアップ信号Hの送信は、時刻T11から、例えば100ミリ秒周期で繰り返し実行される。TCU33がウェイクアップ信号Hを送信する送信周期は予め定められた周期であり、TCU33や通信線B3の仕様に応じて決められた固定の周期である。この送信周期は本開示において第3送信周期の一例に対応する。ウェイクアップ信号Hは、本開示において第1ウェイクアップ信号の一例に対応する。
セントラルECU2は、時刻T11でウェイクアップ信号Hを検知することにより起動を開始する。セントラルECU2の起動時間は図6の例では140ミリ秒である。セントラルECU2は、セントラルECU2の起動完了後である時刻T13にウェイクアップ信号Hを検知し、このウェイクアップ信号Hに応じて、ゾーンB-ECU13にウェイクアップ信号Iを送信する。ウェイクアップ信号Iは、本開示において第2ウェイクアップ信号の一例に対応する。
図6の例で、セントラルECU2は、通常起動機能を選択する。セントラルECU2は、既定の送信周期である80ミリ秒をウェイクアップ信号Iの送信周期とする。セントラルECU2は、80ミリ秒間隔でウェイクアップ信号Iを送信する。
ゾーンB-ECU13は、時刻T13でウェイクアップ信号Iを検知して起動を開始し、170ミリ秒後に起動を完了する。ゾーンB-ECU13は、時刻T16にウェイクアップ信号Iを検知することに応じて、ライト制御部72へのウェイクアップ信号Jの送信を開始する。
図6の例では、セントラルECU2が起動してからウェイクアップ信号Hを検知するまでの待ち時間LT3は60ミリ秒である。また、ゾーンB-ECU13が起動してからウェイクアップ信号Iを検知するまでの待ち時間LT4は70ミリ秒である。これらの待ち時間は図5の例に比べて長い。
車両制御システム1は、運転者や搭乗者の操作に迅速に応答することが求められる機能については、ゾーンA-ECU11、ゾーンB-ECU13、及びセントラルECU2が高速起動機能を実行する。高速起動機能の実行により、待ち時間を短縮し、素早い応答を実現できる。ECUを低消費電力状態からウェイクアップさせるための待ち時間を短縮することにより、ECUを低消費電力状態に移行させても運転者や搭乗者の利便性を損なわない。このため、ECUを積極的に低消費電力状態に移行させることが可能となり、車両制御システム1の消費電力量を効果的に抑制できる。また、車両制御システム1は、少しの遅延が許容される機能については、ゾーンA-ECU11、ゾーンB-ECU13、及びセントラルECU2が通常起動機能を実行する。これにより、セントラルECU2、ゾーンA-ECU11、及びゾーンB-ECU13の処理負荷および通信線Bにおける伝送負荷を軽減し、動作の安定性を確保できる。
さらに、セントラルECU2、ゾーンA-ECU11、及びゾーンB-ECU13以外の車両制御部であるECUは、ウェイクアップ信号を、所定の送信周期で送信する。この所定の送信周期は、各々のECUや通信線Bの仕様に応じて定められており、変更されない。これらのECUは、複数のECUの共有バスである通信線Bに接続されている。従って、送信周期を変更させないことによって、バスの通信を安定させることができ、信頼性を確保できる。
図6の例において、ゾーンB-ECU13は、起動を完了したときに通知信号WをセントラルECU2に送信してもよい。セントラルECU2は、通知信号Wに基づいてゾーンB-ECU13の起動時間を検出し、起動時間データ94Aを更新してもよい。
上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、発明が適用される形態を限定するものではない。
上記実施形態では、セントラルECU2、ゾーンA-ECU11、及び、ゾーンB-ECU13が、高速起動機能と通常起動機能とを選択的に実行可能な構成を説明したが、これは一例である。例えば、セントラルECU2は、通常起動機能のみを実行する構成であってもよい。また、他のECUとバスを共有しないECUが、高速起動機能と通常起動機能とを選択的に実行可能な構成であってもよい。
また、上記実施形態で示した車両制御システム1の構成は一例であり、車両制御システム1が備えるECUの種類、ECUの数、ECUの制御対象の装置の構成は種々に変更可能である。図3に示したステップ単位は、車両制御システム1における動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。そのステップの順番は、適宜に入れ替えてもよい。
また、本実施形態で説明した内容は適宜に組み合わせることが可能である。例えば、以下に説明する構成1~構成7は、いずれも、その他の任意の構成と組み合わせることが可能である。
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)車両に搭載された機能部を制御する車両制御部と、上位制御部と、を備え、前記車両制御部と前記上位制御部とは下位通信線により接続され、複数の前記上位制御部は上位通信線により相互に接続され、前記上位制御部は、前記車両制御部から前記下位通信線を介して第1ウェイクアップ信号を受信することに応じてスリープ状態から起動し、前記上位通信線により接続された他の前記上位制御部が起動に要する時間に基づいて第1送信周期を決定し、決定した前記第1送信周期で前記他の上位制御部に第2ウェイクアップ信号を周期的に送信する、電子通信システム。
構成1の電子通信システムによれば、車両に搭載される制御部を含む電子通信システムにより、上位制御部をウェイクアップさせる場合の応答性の向上を図ることができる。これにより、上位制御部の応答性を損なうことなく、上位制御部をスリープさせることができる。そのため、車両に搭載される制御部を適切にスリープさせることにより、車両の電子通信システムにおけるエネルギー効率の向上を図ることができる。
(構成2)前記上位制御部は、前記車両制御部が前記第1ウェイクアップ信号を送信する要因となった機能に応じて、通常起動機能と高速起動機能とを切り替えて実行し、前記通常起動機能の実行時は、既定の第2送信周期で前記第2ウェイクアップ信号を送信し、前記高速起動機能の実行時は、前記他の上位制御部の起動に要する時間に基づいて、前記第2送信周期とは異なる前記第1送信周期を決定する、構成1に記載の電子通信システム。
構成2の電子通信システムによれば、上位制御部の起動に要する時間に基づいてウェイクアップ信号の送信周期を決定する高速起動機能と、既定の送信周期でウェイクアップ信号を送信する通常起動機能とを選択的に実行できる。このため、迅速な応答が要求される機能について、高速起動機能を利用して応答性を高めることができる。また、他の機能については通常起動機能を利用することにより、上位制御部の処理負荷および通信線における伝送負荷を軽減し、動作の安定性を高めることができる。従って、動作の安定性と応答の迅速性とを両立できる。
(構成3)前記上位制御部は、前記他の上位制御部が過去に起動に要した時間に基づいて前記第1送信周期を決定する、構成1または構成2に記載の電子通信システム。
構成3の電子通信システムによれば、上位制御部が実際に起動に要した時間に基づいてウェイクアップ信号の送信周期を決定できる。これにより、上位制御部の状態に対応して、適切な送信周期を決定できる。
(構成4)前記上位制御部は、前記他の上位制御部が過去に起動に要した時間が前記第1送信周期を逓倍した時間となるように前記第1送信周期を決定する、構成1から構成3のいずれかに記載の電子通信システム。
構成4の電子通信システムによれば、上位制御部が起動に要した時間に適合する送信周期を設定することにより、上位制御部が起動してからウェイクアップ信号に対応する処理を行うまでの待ち時間を、効果的に短縮できる。従って、上位制御部が低消費電力状態にある場合の応答性を、より一層、高めることができる。
(構成5)前記車両制御部は、既定の第3送信周期で前記第1ウェイクアップ信号を送信し、前記上位制御部は、可変の前記第1送信周期で前記第2ウェイクアップ信号を送信可能であり、前記第1送信周期を決定する動作を行ってから前記第2ウェイクアップ信号を送信する、構成1から構成4のいずれかに記載の電子通信システム。
構成5の電子通信システムによれば、上位制御部がウェイクアップ信号の送信周期を可変とすることにより応答性の向上を図ることができる。また、車両制御部が既定の送信周期でウェイクアップ信号を送信するので、例えば複数の車両制御部が下位通信線を共有する構成とすることが可能となる。このため、応答性の向上と、電子通信システムにおける通信線の構成の効率化を両立できる。
(構成6)前記上位制御部は、前記車両制御部の制御データを含むデータフレームを、既定の第4送信周期で送信し、前記第2ウェイクアップ信号を前記第1送信周期で送信する、構成1から構成5のいずれかに記載の電子通信システム。
構成6の電子通信システムによれば、ウェイクアップ信号の送信周期が変更可能であり、通信線におけるトラフィックの多くを占めるデータフレームは固定された送信周期で送信される。これにより、低消費電力状態からの起動時の応答性を向上させるとともに、通信の安定化を図ることができる。
(構成7)車両に搭載された機能部を制御する車両制御部と、上位制御部とを下位通信線により接続し、複数の前記上位制御部を上位通信線により相互に接続した電子通信システムにおける信号伝送方法であって、前記車両制御部から前記下位通信線を介して前記上位制御部に第1ウェイクアップ信号を送信することにより前記上位制御部をスリープ状態から起動させ、前記上位制御部によって、前記上位通信線により接続された他の前記上位制御部が起動に要する時間に基づいて第1送信周期を決定し、決定した前記第1送信周期で前記他の上位制御部に第2ウェイクアップ信号を周期的に送信する、信号伝送方法。
構成7の信号伝送方法によれば、車両に搭載される上位制御部をウェイクアップさせる場合の応答性の向上を図ることができる。これにより、上位制御部の応答性を損なうことなく、上位制御部をスリープさせることができる。そのため、車両に搭載される制御部を適切にスリープさせることにより、車両の電子通信システムにおけるエネルギー効率の向上を図ることができる。
1…車両制御システム(電子通信システム)、2…セントラルECU(上位制御部)、11…ゾーンA-ECU(上位制御部)、13…ゾーンB-ECU(上位制御部)、33…TCU(車両制御部)、35…IVI-ECU(車両制御部)、41…運転支援ECU(車両制御部)、44…カメラ、50…ECU(車両制御部)、51…FI制御部(車両制御部)、52…モータ制御部(車両制御部)、53…BATT制御部(車両制御部)、54…シフト制御部(車両制御部)、57…トランスミッション装置、60…ECU(車両制御部)、70…ECU(車両制御部)、72…ライト制御部(車両制御部)、76…電動ドア制御部(車両制御部)、77…A/C制御部(車両制御部)、78…PW制御部(車両制御部)、81…エントリ制御部(車両制御部)、82…灯火装置、83…センサ、84…通信部、91、91A、91B、91C…プロセッサ、93、93A、93B、93C…メモリ、94A、94B、94C…起動時間データ、95A、95B、95C…識別データ、96、96A、96B、96C…通信部、97、97A、97B、97C…通信部、V…車両。

Claims (7)

  1. 車両に搭載された機能部を制御する車両制御部と、上位制御部と、を備え、
    前記車両制御部と前記上位制御部とは下位通信線により接続され、複数の前記上位制御部は上位通信線により相互に接続され、
    前記上位制御部は、
    前記車両制御部から前記下位通信線を介して第1ウェイクアップ信号を受信することに応じてスリープ状態から起動し、
    前記上位通信線により接続された他の前記上位制御部が起動に要する時間に基づいて第1送信周期を決定し、決定した前記第1送信周期で前記他の上位制御部に第2ウェイクアップ信号を周期的に送信する、電子通信システム。
  2. 前記上位制御部は、
    前記車両制御部が前記第1ウェイクアップ信号を送信する要因となった機能に応じて、通常起動機能と高速起動機能とを切り替えて実行し、
    前記通常起動機能の実行時は、既定の第2送信周期で前記第2ウェイクアップ信号を送信し、
    前記高速起動機能の実行時は、前記他の上位制御部の起動に要する時間に基づいて、前記第2送信周期とは異なる前記第1送信周期を決定する、請求項1に記載の電子通信システム。
  3. 前記上位制御部は、前記他の上位制御部が過去に起動に要した時間に基づいて前記第1送信周期を決定する、請求項1または請求項2に記載の電子通信システム。
  4. 前記上位制御部は、前記他の上位制御部が過去に起動に要した時間が前記第1送信周期を逓倍した時間となるように前記第1送信周期を決定する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子通信システム。
  5. 前記車両制御部は、既定の第3送信周期で前記第1ウェイクアップ信号を送信し、
    前記上位制御部は、可変の前記第1送信周期で前記第2ウェイクアップ信号を送信可能であり、前記第1送信周期を決定する動作を行ってから前記第2ウェイクアップ信号を送信する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子通信システム。
  6. 前記上位制御部は、前記車両制御部の制御データを含むデータフレームを、既定の第4送信周期で送信し、前記第2ウェイクアップ信号を前記第1送信周期で送信する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子通信システム。
  7. 車両に搭載された機能部を制御する車両制御部と、上位制御部とを下位通信線により接続し、複数の前記上位制御部を上位通信線により相互に接続した電子通信システムにおける信号伝送方法であって、
    前記車両制御部から前記下位通信線を介して前記上位制御部に第1ウェイクアップ信号を送信することにより前記上位制御部をスリープ状態から起動させ、
    前記上位制御部によって、前記上位通信線により接続された他の前記上位制御部が起動に要する時間に基づいて第1送信周期を決定し、決定した前記第1送信周期で前記他の上位制御部に第2ウェイクアップ信号を周期的に送信する、信号伝送方法。
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