[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1-1.外部構造]
[1-1-1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1-1-2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1-1-3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1~3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1-1-4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1-1-5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1-1-5-1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1-1-5-2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような停止操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1-1-6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1-1-9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1-1-10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAとして構成される。表示ユニットAは、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置である。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1-1-11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1-1-12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1-1-13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいこと示している。
[1-2.内部構造]
[1-2-1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1-2-5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1-2-5-1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1-2-5-2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1-2-5-3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1~4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1~4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「- -」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4-1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4-2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11~図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4-3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4-4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4-5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4-5-1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4-5-2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4-5-3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4-5-4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4-5-5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4-6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4-7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4-8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4-9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4-10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4-10-1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4-10-2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5~図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5-1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5~図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非遊技区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7-赤7-BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0~31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5-2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[5-3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10~図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11~図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11~図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」~「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」~「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」~「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」~「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」~「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」~「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」~「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」~「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」~「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」~「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」~「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」~「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11~図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5-4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「-2枚」又は「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「-2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「-3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準備リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)して停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうこと防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10~図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5-5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17~図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1~26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11~図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0~2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4~6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0~5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2~5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23~図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6-1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0~65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0~65535の範囲、あるいは0~255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0~65535の範囲、0~32767の範囲、0~255の範囲、あるいは0~127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2~S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22~S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」~「6」以外又はベット数が「1」~「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4~6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2~5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6-2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8-1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚かなど種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報など、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ~10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8-2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(パチンコ機)
パチンコ機は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤、遊技領域を外部から視認可能としつつ保護する保護ガラスを含むガラスドア、遊技領域の所定領域に設けられる演出表示装置(遊技領域外に設けられるものであってもよい)、遊技球を払出す払出ユニット、及び、遊技や演出に関する各種制御を行う各種制御基板を含む基板ユニット等を有し、これらは枠体(単に「枠」等と称される場合もある)によって支持される。
また、パチンコ機の前面側には、例えば、遊技者の操作手段の一つとしての発射ハンドル、遊技に供する遊技球を貯留可能な上皿、及び、払出された遊技球を貯留可能な下皿等が設けられている。なお、上述した演出用ボタンや可動演出装置が設けられているものも多い。また、遊技領域には、例えば、遊技球が通過可能な始動領域(「始動口」等と称される場合もある)や特定領域(「V入賞口」等と称される場合もある)、遊技球が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態との間で変移可能な可変入賞装置(「大入賞口」等と称される場合もある)、及び、識別情報(「図柄」等と称される場合があり、「特別図柄」と「普通図柄」を含む)を可変表示可能な可変表示装置等が設けられる。
そして、パチンコ機では、遊技者は発射ハンドルを操作し、遊技球を遊技領域に発射することで遊技を行う。例えば、発射された遊技球が始動領域を通過すると、可変表示が開始される。また、このとき、現在の状態(例えば、当り確率が相対的に高い確変遊技状態であるか等)や始動領域の種類等に応じた確率で、遊技状態を移行させるか否か(例えば、遊技者に有利な大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行させるか否か)が決定される(すなわち、遊技状態を移行させるか否かが抽籤(あるいは、判定)される)。その後、可変表示の停止条件(例えば、設定された変動時間が終了したこと)が成立すると、上記決定結果に応じた停止態様で可変表示が停止する。このとき、上記決定結果が遊技状態を移行させるもの(当り)であれば、停止される停止態様も当該当りに対応する表示結果となり、当該表示結果が表示されたことに応じて当該当りに対応する遊技状態に移行する。一方、上記決定結果が遊技状態を移行させないもの(はずれ)であれば、停止される停止態様もはずれに対応する表示結果となり、遊技状態は移行しない。なお、例えば、発射された遊技球が特定領域を通過すると(特定領域は、通常は遊技球の通過が困難な状態におかれていることが多い)、可変表示装置によらず、遊技状態を移行させることが決定される。
すなわち、パチスロ機1は、必要なメダルをベットし、遊技者が開始操作することを開始契機として遊技が開始されるのに対し、パチンコ機は、遊技者が必要な遊技球を発射ハンドルの操作によって発射し、例えば、これによって始動領域を遊技球が通過したことを開始契機として遊技が開始される点においては異なるものの、ともに遊技者の遊技動作によって遊技が開始される点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、その開始契機が成立したときに、最終的に表示が許可される停止態様(換言すれば、付与される特典の内容)が決定される点において共通する。
また、パチスロ機1は、基本的には遊技者の停止操作によって可変表示が停止されるのに対し、パチンコ機は、停止条件が成立したことによって(遊技者の停止操作によらずして)可変表示が停止される点においては異なるものの、ともに事前の決定結果にしたがって可変表示を停止させ、停止した停止態様に応じた特典を付与する点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、遊技に関連する演出を実行可能な点において共通する。例えば、上記演出表示装置は、上述した演出表示部や情報表示部として機能する。また、パチンコ機においても、上述したランプ、スピーカ、あるいはその他演出装置等の演出実行手段を設け、これらによって演出を実行してもよいことはもちろんである。
なお、パチンコ機では、上記演出表示装置において、装飾図柄(これも「識別情報」等と称される場合がある)が変動表示されるものが多い。上述のとおり、本来の遊技結果は上記可変表示装置にて表示されるものであるが、上記可変表示装置は小型に構成され、また、その表示結果も複数個のLEDの点灯パターンで表示されるため、遊技者が遊技結果を認識し難くなっているものが多い。このため、パチンコ機では、上記可変表示装置の可変表示に連動するように、上記演出表示装置上で装飾図柄を変動表示(及び停止表示)させることで遊技を行うようにしたものが主流である。そして、このような装飾図柄の変動表示は、(演出上、開始契機が成立したときに一定期間遅延してから変動表示を開始したり、あるいは停止条件の成立前に仮停止したりする場合もあるが)基本的には上記可変表装置と同様、遊技の進行にしたがって識別情報を変動表示あるいは停止表示するものである(例えば、当りの場合には装飾図柄が特別停止態様(例えば、図柄揃い)で停止表示される一方、はずれの場合には装飾図柄が非特別停止態様(例えば、バラケ目)で停止表示される)ことから、これを上述した変動表示部の一態様であるとして、本実施形態に係る発明を適用することも可能である。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の外部構造あるいは内部構造の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、メダルを必須とし、遊技球には置き換えできないもの等)を除き、パチンコ機の外部構造あるいは内部構造の構成として適用することができる。
また、パチンコ機においても、遊技に関する各種制御は、主制御基板に実装された遊技制御部としての主制御回路によって行われ(一部、払出に関する制御は、主制御基板に電気的に接続された払出制御基板に実装された払出制御回路によって行われる場合があるが、これを含む)、演出に関する各種制御は、副制御基板に実装された演出制御部としての副制御回路によって行われることから、パチスロ機1の電気的構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、停止操作に関するもの等)を除き、パチンコ機の電気的構成として適用することができる。
また、パチスロ機1においては、上述のとおり、遊技者に相対的に有利な(あるいは、その構成内容によっては不利となる場合もあり得るが)遊技状態として、ボーナス状態、RT状態、AT状態、これらを組み合わせたART状態等を設けることが可能となっている。例えば、ボーナス状態では、小役の抽籤態様を非ボーナス状態よりも有利とすることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能とし、RT状態では、リプレイ役の抽籤態様を非RT状態よりも有利とすることで、はずれが発生しにくい(結果として、メダルが減少しにくい)状態を一定期間継続させることを可能とし、AT状態では、有利な停止操作態様が報知されることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。
これに対し、パチンコ機においても、これらと同様の性質を有する各種遊技状態を設けることが可能となっている。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、上記可変入賞装置について通常とは異なる制御が行われることで、遊技球が入賞しやすい状態に変移することを可能とし、これによって遊技球が付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、時短遊技状態(「電サポ状態」等と称される場合がある)では、普通図柄について通常とは異なる制御が行われることで、始動領域を遊技球が通過しやすい状態とすることを可能とし、これによって上記可変表示装置による抽籤頻度を高めるとともに、遊技球が減少しにくい状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、確変遊技状態では、特別図柄について通常とは異なる制御が行われることで、上記可変表示装置による当籤確率が高まる(結果として、遊技球が増加しやすい)状態を一定期間継続させることを可能としている。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の遊技性として、遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、遊技区間の移行をともなうもの等)を除き、パチンコ機の遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として適用することができる。また、パチスロ機1の遊技性として他に説明する各種事項についても同様である。
なお、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中の遊技回数が規定回数となったことに応じて、時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、天井機能(有利状態(例えば、大当り遊技状態)に移行することなく不利状態(例えば、通常遊技状態)が所定期間(例えば、900ゲーム(回転))継続した場合に、ハマリ救済として有利状態(例えば、時短遊技状態)に移行させることができる機能)を搭載することができるため、パチスロ機1の天井機能に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の天井機能に関する構成として適用することができる。
また、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中において、上記可変表示装置の停止態様が特定のはずれに対応する表示結果となった場合には、これを契機として時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、特定の表示結果(特定の図柄の組合せ)の表示による(大当り遊技状態等への移行を契機としない)遊技状態の遷移(移行)が可能となっているため、例えば、パチスロ機1の特定の図柄の組合せの表示によるRT状態の遷移(移行)に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の特定の表示結果の表示による時短遊技状態の遷移(移行)に関する構成として適用することができる。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか)、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等)や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」~「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」~「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB-00-11-22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA-00-11-22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目~4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目~3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
[第2実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図36~図40に示すように、パチスロ機1は、いわゆるパチスロ機である。パチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技可能なものであるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
なお、以後の説明において、パチスロ機1から遊技者に向かう側(方向)をパチスロ機1の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称し、遊技者から見て右側及び左側をパチスロ機1の右側(右方向)及び左側(左方向)とそれぞれ称する。また、前側及び後側を含む方向は、前後方向又は厚み方向と称し、右側及び左側を含む方向は、左右方向又は幅方向と称する。前後方向(厚み方向)及び左右方向(幅方向)に直交する方向を上下方向又は高さ方向と称する。
図36及び図37に示すように、パチスロ機1の外観は、矩形箱状の筐体2により構成されている。筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に関して所定間隔隔てて、上下方向に貫通する2つの開口G41が形成されている。そして、この2つの開口G41それぞれを塞ぐように木製の板部材G42が上面壁G4に取り付けられている。
図38に示すように、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGにおける開口の上部及び下部を閉塞可能に設けられている。上ドア機構UDは、上側表示窓UD1を中央部に有している。上側表示窓UD1には、光を透過する透明パネルUD11が設けられている。
下ドア機構DDには、上部の略中央部に、矩形状の開口部として形成されたメイン表示窓DD4が設けられている。メイン表示窓DD4の裏面側には、キャビネットGの内部側から取り付けられたリールユニットRUが装着されている。さらに、リールユニットRUの背面には、主制御基板MSが取り付けられている。
リールユニットRUは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリールRL(左リール),RC(中リール),RR(右リール)を主体に構成されている。これらのリールRL,RC,RRは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。リールRL,RC,RRは、メイン表示窓DD4を通じて、各リールRL,RC,RRの動作や各リールRL,RC,RR上に描かれている図柄が視認可能となる。
メイン表示窓DD4には、その表面部に、矩形状のアクリル板等からなる透明パネルDD41が取り付け固定されており、遊技者等がリールユニットRUに触れることができないようになっている。メイン表示窓DD4の下方には、略水平面の第1,第2,第3台座部DD2a,DD2b,DD2cが形成されている。メイン表示窓DD4の右側に位置する第1台座部DD2aには、メダルを投入するためのメダル投入口DD5が設けられている。メダル投入口DD5は、遊技者によりメダルが投入される開口である。メダル投入口DD5から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
メイン表示窓DD4の左側に位置する第2台座部DD2bには、クレジットされているメダルを賭けるための、有効ライン設定手段としての最大BETボタンDD8(MAXBETボタンともいう)が設けられている。最大BETボタンDD8が押されると、メダルの投入枚数として「3」が選択される。
メイン表示窓DD4の前面側に位置する第3台座部DD2cには、液晶表示装置DD20が設けられている。液晶表示装置DD20は、液晶表示パネル(液晶パネル)のパネル面にタッチ式の位置入力装置としてのタッチセンサパネルが配されてなる、いわゆるタッチパネルとなっている。なお、タッチセンサパネルとしては、例えば、人体の一部(指先等)や静電ペン等の接触を検知して、その検知信号を出力する静電容量方式のものであってもよく、又は、ペン先等の堅い物質の接触を検知して、その検知信号を出力する方式のもの、あるいは、その他の方式のものや構造のもの(インセル構造等)であってもよい。
液晶表示装置DD20は、SUI(スマート・ユーザ・インターフェイス)として機能するもので、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って遊技回数等の遊技情報が表示されるとともに、遊技者による選択又は入力を求めるためのメッセージや入力キー等が表示される。
なお、液晶表示装置DD20においては、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って、遊技に関する演出に応じた内容(演出情報)を表示することも可能である。また、液晶表示装置DD20としては、例えば、演出役物としての機能を有するアタッチメントや、専用のアタッチメントとして、ジョグダイヤル又はプッシュボタン等を装着できるようにしてもよい。また、液晶表示装置DD20は、その機能を、後述する表示ユニットA等に振り分けることにより、省略することもできる。
最大BETボタンDD8の前面側には、遊技者の操作によりリールRL,RC,RRを回転駆動させるとともに、メイン表示窓DD4内で図柄の変動表示を開始させるスタートレバーDD6が設けられている。スタートレバーDD6は、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられる。
スタートレバーDD6の右側で、液晶表示装置DD20の前面側には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリールRL,RC,RRの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rが設けられている。
最大BETボタンDD8の左側には、C/PボタンDD13が設けられている。C/PボタンDD13は、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるものである。このC/PボタンDD13の切り換えにより払出しが選択されている状態(非クレジット状態)においては、下ドア機構DDの下部側のコインガードプレート部に設けたメダル払出口DD14(キャンセルシュート)からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部DD15に溜められる。
スタートレバーDD6、及び、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの下部側には、腰部パネルDD18(腰部導光板)が配置されている。腰部パネルDD18は、アクリル板等を使用した化粧用パネルとして構成される。腰部パネルDD18には、パチスロ機1の機種を表す名称や種々の模様等が印刷により描かれている。
また、メダル払出口DD14の左側にはスピーカDD25Lが、右側にはスピーカDD25Rが、それぞれ設けられている。スピーカDD25L,DD25Rは、遊技者に遊技に関する種々の情報を声や音楽等の音により報知する。また、メイン表示窓DD4の左側及び右側には、第1サブ表示装置DD19L及び第2サブ表示装置DD19Rがそれぞれ配置されている。これらのサブ表示装置DD19L,DD19Rは、例えば入賞成立時のメダルの払出枚数やクレジットされている残メダル枚数を表示する。通常は、パチスロ機1にクレジットされるメダルの最大枚数は50枚であるため、50以下のクレジット枚数が表示される。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジシットされている状態では、投入されたメダルはそのままメダル払出口DD14より払出される。また、サブ表示装置DD19L,DD19Rは、タッチパネルを前面に備えていてもよい。
図39に示すように、キャビネットG内は、中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られている。すなわち、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、表示ユニットA等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、リールユニットRUや、パチスロ機1全体の動作を司る主制御基板MS、サブ制御装置SS(図46参照)等が収容される。主制御基板MSは、内部当籤役の決定、リールRL,RC,RRの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ機1における遊技の主な流れを制御する回路(主制御回路)を構成する。サブ制御装置SSは、映像の表示等による演出の実行を制御する回路(副制御回路)を構成する。
(表示ユニットA)
図40に示すように、表示ユニットAは、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置される。表示ユニットAは、映像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより映像を出現させるスクリーン装置Cとを有したいわゆるプロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、構造物や自然物等の立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、後述のスクリーンである役物に対して、その位置(投影距離や角度等)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
表示ユニットAは、前方に開口が形成された筐体A1を有する。この筐体A1は、照射ユニットBの上部を形成するプロジェクタカバーB1、及び、スクリーン装置Cのスクリーン筐体C10とで構成されている。スクリーン筐体C10は、底板C1、右側板C2、左側板C3、及び背板C4を有した箱方形状をなしている。プロジェクタカバーB1は、スクリーン筐体C10の上面に交換可能に取り付けられる。
(表示ユニットA:照射ユニットB)
図41に示すように、照射ユニットBは、照射光を前方に出射するプロジェクタ装置B2と、プロジェクタ装置B2の前方に配置され、プロジェクタ装置B2からの照射光を斜め下後方に配置されたスクリーン装置Cの方向に反射するミラー機構B3と、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3を収容したプロジェクタカバーB1とを有している。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2)
プロジェクタ装置B2は、ケースB22によって外装されつつプロジェクタカバーB1に取り付けられ、キャビネットG内の後部に配置されている。プロジェクタ装置B2は、水平配置された平板状の上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1に取り付けられている。ケースB22は、その上面全体が開口されている。これにより、下側台座B221の下面には、ケースB22に収容されたレンズユニットB21や光学機構B24(図47参照)が位置する。レンズユニットB21は、光学機構B24の複数のLED光源から出射してDMD(Digital Micromirror Device)で反射した照射光を、レンズ等を介して前方のミラー機構B3に向けて出射するように配置されている。このプロジェクタ装置B2の詳細については、図46~図52を用いて後述する。
(表示ユニットA:照射ユニットB:ミラー機構B3)
図41に示すように、プロジェクタ装置B2の前方(照射光の出射方向)には、ミラー機構B3が配置されている。図42に示すように、ミラー機構B3は、ミラーホルダB31と、ミラーホルダB31に収容された光学ミラーB32と、光学ミラーB32の両端部をミラーホルダB31に固定するミラーストッパB33・B34とを有している。図43にも示すように、ミラーホルダB31は、前面が長方形状の板状に形成されている。ミラーホルダB31の各コーナー部には、角度調整穴B311が形成されていると共に、角度調整穴B311を中心にして凹部B312が前面に形成されている。また、上下方向の角度調整穴B311・B311間には、取付け穴B314・B314が上下対称に形成されている。
一方、また、ミラーホルダB31の後面には、ミラー保持部B313が形成されている。ミラー保持部B313は、中央部に形成されており、角度調整穴B311及び取付け穴B314に重複しないサイズで形成されている。ミラー保持部B313の左側及び右側には、ミラーストッパB33・B34がそれぞれ設けられている。ミラーストッパB33・B34は、角度調整穴B331・B341と、取付け穴B334・B344とをそれぞれ有している。ミラーストッパB33・B34における角度調整穴B331・B341及び取付け穴B334・B344は、ミラーホルダB31における角度調整穴B311・B311及び取付け穴B314・B314に対応するように配置されている。
ミラーストッパB33・B34は、一部がミラー保持部B313と重複するように形成されている。これにより、ミラーストッパB33・B34は、ミラー保持部B313に嵌合された光学ミラーB32の左右方向の両辺部に当接し、取付け穴B314・B334・B344によりミラーホルダB31にネジ締結されることによって、光学ミラーB32をミラーホルダB31に保持させている。
図44に示すように、上記のように構成されたミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1におけるリフレクタ保持部B11の内側面に設けられている。リフレクタ保持部B11は、プロジェクタカバーB1の前面中央部に形成されており、上ドア機構UDを開いたときに前側に露出するように配置されている。リフレクタ保持部B11は、角度調整穴B111を有している。角度調整穴B111は、ミラー機構B3の角度調整穴B311に対応した位置に形成されている。
リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111には、図示しないネジが前面側から挿通されており、このネジは、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通する。そして、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341は、ネジが螺合可能なネジ穴として形成されており、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通したネジは、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341に螺合される。
そして、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が緩む方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が広がることとなる。一方、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が締まる方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が縮まることとなる。
上記のように、取付け穴B314・B334・B344を介してミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34とがネジ締結されており、これにより、ミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34との間に光学ミラーB32が挟持されている。このように、ミラーホルダB31と光学ミラーB32とミラーストッパB33・B34とは、ミラー機構B3として一体化されており、ネジの回転によりリフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離を変化させることにより、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減することができる。そして、角度調整穴B311・331・B341がミラー機構B3のコーナー部に対応して4方向に配置されているため、各角度調整穴B311・331・B341の配置位置におけるリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減させることによって、プロジェクタ装置B2から出射された照射光の進行方向に対する光学ミラーB32の反射角度を微調整することを可能にしている。
また、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31との間には、図示しないバネが設けられている。バネは、後端面がミラーホルダB31の凹部B312に当接されており、前端面がリフレクタ保持部B11の内壁面(後壁面)に当接されることによって、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31とで挟持されている。そして、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111から挿通されたネジが当該バネを貫通している。これにより、ネジの回転に伴ってリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離が広がっても、バネの付勢力により、ネジ頭部がリフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に当接することとなり、ネジ頭部が角度調整穴B111から飛び出してリフレクタ保持部B11とネジとの位置関係が崩れてしまうことを防止することができる。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタカバーB1)
図45に示すように、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1に収容されている。なお、プロジェクタ装置B2の下面B2aは、その前部に、後方から前方に向けて上方に傾斜する傾斜面B2a1を有している。図43に示すように、プロジェクタカバーB1は、水平配置された上壁部B12と、上壁部B12の前側に配置されたリフレクタ保持部B11と、上壁部B12の左右方向において左右対称に配置された側壁部B13,B13とを有している。上壁部B12は、前部がキャビネットGよりも前方に突出している(図40参照)。上壁部B12の前部の中央部には、リフレクタ保持部B11が前方に突出した形態に形成されており、突出により形成された空間部に上述のミラー機構B3が角度調整可能に保持されている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C)
上記のように構成された照射ユニットBは、スクリーン装置Cの上面にネジ締結により連結されている。例えば、プロジェクタカバーB1に形成されたネジ穴を介して、スクリーン装置Cの右側板C2及び左側板C3それぞれの上面にネジがねじ込まれている(図40参照)。これにより、表示ユニットAは、照射ユニットBとスクリーン装置Cとをユニット化して一体的に取り扱うことが可能になっている。
スクリーン筐体C10の内部には、照射ユニットBからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構が照射対象を切替え可能に設けられている。具体的には、図45に示すように、複数のスクリーン機構として、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1が設けられている。固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1は、それぞれ、基材にスクリーン塗料が塗布されることにより構成され、映像を出現させることが可能な投影面を有している。
固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1それぞれの投影面は、映像表現を多様化するために、互いに異なる形状をなしている。具体的に、固定スクリーン機構D及びフロントスクリーン機構E1の投影面が平坦であるのに対し、リールスクリーン機構F1の投影面は、側面視円弧形状となっている。また、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1は、プロジェクタ装置B2やミラー機構B3に対して相対的に位置が変位する可動式のスクリーンであり、それぞれ、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2(図示せず)により駆動される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の電気的及び光学的構成)
図46に示すように、プロジェクタ装置B2は、電気的な構成要素として、プロジェクタ制御基板B23、光学機構B24、及び中継基板CKを備えている。プロジェクタ装置B2には、中継基板CKを介して上述したサブ制御装置SSが接続される。サブ制御装置SSは、スクリーンや役物の演出動作に応じて、プロジェクタ制御基板B23を制御し、光学機構B24を介して、スクリーンや役物に照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。また、表示ユニットAの組み立て工程等においては、プロジェクタ装置B2の中継基板CKに調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000が接続される。この調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000は、プロジェクタ装置B2により投影される照射光の位置調整やピント初期設定を行うために用いられる。なお、本実施形態においては、プロジェクタ装置B2の調整機器として調整用PC1000を採用しているが、プロジェクタ装置B2の調整機器としては、調整用プログラム(アプリケーションソフト)がインストールされたタブレットPCやいわゆるスマートフォン、あるいは専用の端末装置であってもよい。
プロジェクタ制御基板B23は、制御LSI230、EEPROM(登録商標)231、DLP(登録商標)制御回路232、及びLEDドライバ233を備える。光学機構B24は、レンズユニットB21の周辺に配置される構成要素として、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を発するLED光源、DMD、レンズユニットB21の投射レンズ210についてフォーカス調整を行うためのフォーカス機構等を備える(図示せず)。
制御LSI230は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、照射光を投影するようにDLP制御回路232を制御する。制御LSI230は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、フォーカス機構を制御して投射レンズ210を光軸方向に移動させることにより、照射光の投影に際してフォーカス調整を行う。EEPROM231には、制御LSI230による制御プログラムやプロジェクタ装置B2の設定・調整に関わるデータが記憶されている。
プロジェクタ装置B2のDLPシステムは、主として、DLP制御回路232、LEDドライバ233、並びに光学機構B24のLED光源及びDMDにより構成される。
DLP制御回路232の制御により、DMDで所定方向に反射した光は、レンズユニットB21へと進み、投射レンズ210を透過することでミラー機構B3に入射し、最終的にミラー機構B3で反射することによって投影対象へと導かれる。これにより、投影対象となるスクリーンや役物に対して照射光が投影され、演出に応じた映像が形成される。
本実施形態において、プロジェクタ装置B2は、いわゆるDLPプロジェクタとして構成される。また、プロジェクタ装置B2は、ミラー機構B3によって照射光を折り返すことにより投影対象までの投影距離を稼ぐとともに、例えばコントラスト比を1000:1とすることによって、照射光の投影距離をできるだけ短くするようにしている。これにより、プロジェクタ装置B2を備えた表示ユニットAは、より安価かつ小型に構成されるとともに、パチスロ機1のキャビネットGにおける限られたスペースに対して容易に搭載される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の機械的構成)
図47に示すように、プロジェクタ装置B2は、外装となる構成要素として、ケースB22、レンズユニットカバーB222、アンダーカバーB223、上側台座B220、及び下側台座B221を有する。ケースB22の前部開口B22kには、レンズユニットカバーB222が取り付けられる。ケースB22の下面には、アンダーカバーB223が覆うように配置される。アンダーカバーB223は、ステーB223aを介して下側台座B221に支持されるとともに、ケースB22の下面適部にも固定される。プロジェクタ装置B2は、上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1の上壁部B12(図43参照)の下面に取り付けられる。本実施形態では、上壁部B12の下面に上側台座B220が固定されるとともに、ケースB22の上面開口を覆うようにその上端部に対して下側台座B221が取り付けられ、上側台座B220の下面に下側台座B221が連結される。このようなプロジェクタ装置B2の取り付け調整手順については後述する。
また、プロジェクタ装置B2は、内部の構成要素として、レンズユニットB21、LED光源を搭載したLED基板(図示せず)、DMDを搭載したDMD基板(図示せず)、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245、及びプロジェクタ制御基板B23を有する。ケースB22には、レンズユニットカバーB222でレンズユニットB21の投射レンズ210が覆われつつレンズユニットB21が収容されるとともに、LED基板、DMD基板、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245が収容される。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22の下面に固定される。
このようなプロジェクタ装置B2は、サブ制御装置SSから演出等の映像に係る映像データが送信され、スクリーンや役物に映像を投影するようにサブ制御装置SSによって制御される。一方、サブ制御装置SSは、スクリーン駆動機構E2,F2を制御することにより、スクリーン機構E1,F1を演出内容に応じて移動させる。
ここで、サブ制御装置SSは、演出によるスクリーン機構E1,F1の移動に応じてプロジェクタ装置B2を制御し、移動したスクリーン機構E1,F1の投影面や固定スクリーン機構Dの投影面に、映像が鮮明に投影されるようにフォーカス調整を行う。
ヒートシンク243R,243G,243Bは、LED基板の背面に部分的に接触している。ヒートシンク243Dは、DMD基板の背面に部分的に接触している。本実施形態において、ヒートシンク243R,243G,243B,243Dのフィン外形サイズとしては、ヒートシンク243R及びヒートシンク243Gが相対的に大きい一方、ヒートシンク243B及びヒートシンク243Dが相対的に小さくなっている。これらのヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、LED基板及びDMD基板それぞれにおいて発生した熱を空気中に放散することにより、光学特性を大きく変化させるまで光学素子や基板の温度を上昇させないように効率よく放熱する。放熱部材であるヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、放熱効果を高めるために導熱性の高いアルミニウム素材が用いられ、空気との接触面積を大きくするために複数の放熱フィンを有している。
吸気用ファン244Aは、ケースB22の右側前部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Rに近接している。吸気用ファン244Bは、ケースB22の左側部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Dに近接している。排気用ファン245は、ケースB22の後部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Gに近接している。
吸気用ファン244Aが近接するケースB22の右側前部には、吸気口B22Aが設けられており、吸気口B22Aに対向してヒートシンク243Rが近接するケースB22の右側後部には、排気口B22Eが設けられている。吸気用ファン244Bが近接するケースB22の左側部の一部には、吸気口B22Bが設けられており、この吸気口B22Bと並ぶようにケースB22の左側部の他の部分には、ケースB22内の空きスペースを通じて3つのヒートシンク243G,243B,243Dまで空気が達するように吸気口B22Cが設けられている。排気用ファン245が近接するケースB22の後部には、排気口B22Dが設けられている。
すなわち、プロジェクタ装置B2のケースB22内においては、吸気口B22Aから吸気用ファン244Aによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243Rから熱を奪いつつ排気口B22Eから排気される空気の流れが形成される。また、ケースB22内においては、吸気口B22Bから吸気用ファン244Bによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243D、ヒートシンク243B、及びヒートシンク243Gから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン245によって強制的に排気される空気の流れが形成される。さらに、ケースB22内においては、吸気口B22Cから吸気された後、主としてヒートシンク243Gやヒートシンク243Bから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン245によって強制的に排気される空気の流れが形成される。
プロジェクタ制御基板B23は、アンダーカバーB223で覆われつつケースB22の下面に取り付けられる。プロジェクタ制御基板B23には、制御LSI230、EEPROM231、DLP制御回路232、及びLEDドライバ233等が搭載されている。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22内に配置されたLED基板及びDMD基板、さらにフォーカス機構と電気的に接続される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の位置・姿勢調整)
図48~図50に示すように、上側台座B220は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12(図43参照)に固定される板金部材であり、矩形状の本体部2200、本体部2200の左右両側を下方及び外方に折り曲げることで形成され、本体部2200と段差を有して左右両側に延出する左端部2201a及び右端部2201b、並びに本体部2200の後側から後方へと部分的に延出する後端部2202を有する。本体部2200及び後端部2202には、下側台座B221を連結するための3つの連結孔2200Aが設けられている。これら3つの連結孔2200Aは、本体部2200に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれには、上壁部B12の下面にネジ締結によって固定するための複数の角孔2201cが設けられている。本実施形態において、角孔2201cは、左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれに3つずつ配置され、前後方向に等間隔に設けられている。角孔2201cの縦横内径寸法は、これに挿入して締結される取付ネジT(図51参照)のネジ軸径よりも大きくなっている。
下側台座B221は、上側台座B220の本体部2200及び後端部2202に概ね対応する板金部材である。下側台座B221には、3つの連結孔2200Aに対応して上向きに突出するように3つの連結ネジ部2210が一体形成されている。これら3つの連結ネジ部2210も、下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。下側台座B221は、連結ネジ部2210のそれぞれにコイルバネ2211を外嵌しつつ連結ネジ部2210の先端を連結孔2200Aに挿通し、本体部2200や後端部2202との間にコイルバネ2211を挟んだ状態としつつ、上側台座B220の上面側から連結ネジ部2210の先端にワッシャー2212を介してナット2213を締結することにより、上側台座B220の下面に懸架された状態で連結される。また、図47に示すように、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214、及びステーB223aをネジ止めするための複数のネジ孔2215が設けられている。下側台座B221は、ケースB22やステーB223aを介してアンダーカバーB223を支持した状態で上側台座B220の下面に連結される。
すなわち、図47~図50に示すように、上側台座B220と下側台座B221とは、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて互いの間隔を調整可能に連結される。連結部R1,R2,R3のそれぞれは、上側台座B220の連結孔2200A、並びに下側台座B221の連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により構成される。
このような上側台座B220及び下側台座B221を用いることにより、プロジェクタ装置B2は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整かつ光軸調整可能に取り付けられる。
図51は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対する上側台座B220の取付形態を示したものである。図51(a)の下図は、上側台座B220の角孔2201cに対して取付ネジTが挿入・締結された状態を示す図であり、図51(a)の上図は、図51(a)の下図に示すB-B’線に沿う断面図である。なお、図51は、上側台座B220の左端部2201aに形成された角孔2201cの周辺を示すが、左端部2201a及び右端部2201bにおけるその余の角孔2201cの周辺も同様である。
図51(a)に示すように、角孔2201cには、下方から取付ネジTが挿入されるとともに、角孔2201cのほぼ中央に取付ネジTが配置される。取付ネジTは、上壁部B12の上面及び左端部2201aの下面に添うように配置されたワッシャーWを介して、上壁部B12の上面側に位置するナットNと螺結される。これにより、上側台座B220の左端部2201aは、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対してネジ止めにより取り付けられる。上側台座B220の右端部2201bも、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して同様のネジ止めにより取り付けられる。
ここで、図51(a)において符号Aで示す斜線部分は、取付ネジTのネジ軸と角孔2201cとの間に形成される隙間である。図51(a)では、取付ネジTのネジ軸が、角孔2201cのほぼ中央に配置され固定されている。このとき、取付ネジTのネジ軸は、符号Aの斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能となる。すなわち、取付ネジTの角孔2201cに対する相対位置を、角孔2201cの開口範囲内において微調整することにより、上側台座B220の左端部2201aをプロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整することができる。同様に、上側台座B220の右端部2201bも、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整することができる。
図51(b)は、図51(a)に対して上側台座B220の左端部2201aを矢印Eの方向にずらした状態を示している。図51(b)の上図は、図51(b)の下図に示すD-D’線に沿う断面図である。この図51(b)に示す状態では、取付ネジTのネジ軸が角孔2201cの開口範囲内において相対的に左寄りに偏位さられ、符号Cに示す斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能になっている。
このように、上側台座B220は、角孔2201cの開口範囲となる所定の調整範囲のなかで位置決め調整されつつ、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して取り付けられる。すなわち、プロジェクタ装置B2は、上側台座B220の左端部2201a及び右端部2201bに設けられた複数の角孔2201cにより、上壁部B12に対する取り付け位置が左右方向及び前後方向に調整される。これにより、プロジェクタ装置B2から照射される光の方向は、基準方向として、左右方向に垂直で前後方向に一致するように容易に調整される。
図52は、上側台座B220に対する下側台座B221の連結構造を示したものである。図52は、連結部R2において、連結孔2200A、連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により、下側台座B221が上側台座B220に連結されている状態を示す断面図である。なお、図52は、1箇所の連結部R2を示すが、その余の連結部R1,R3も同様である。
下側台座B221の連結ネジ部2210は、上側台座B220の本体部2200の下面側から連結孔2200Aに挿入され、本体部2200の上面側に配置されたワッシャー2212を介してナット2213に螺結される。連結ネジ部2210には、コイルバネ2211が外嵌されており、このコイルバネ2211は、連結孔2200Aの周縁部において本体部2200の下面と下側台座B221の上面との間に狭持される。このようなコイルバネ2211により、上側台座B220と下側台座B221との連結部R2付近の部分は、互いに離反する方向(上下方向)に付勢されるので、連結ネジ部2210とナット2213との螺合部分における緩み防止が図られる。
このような連結部R2においては、ナット2213を締め付ける方向あるいは緩める方向に適宜回すことにより、コイルバネ2211で付勢されつつも上側台座B220と下側台座B221との間隔が変化させられる。具体的には、ナット2213を締め付ける方向に回すと、連結部R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が狭められることとなる。このとき、上側台座B220は、図52において図示しない上壁部B12に固定されている。そのため、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜締め付けることで上側台座B220に対して近づく方向に変位し、より上位へと高さ位置が調整されることとなる。一方、ナット2213を緩める方向に回すと、連結部R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が拡大されることとなる。すなわち、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜緩めることで上側台座B220に対して遠ざかる方向に変位し、より下位へと高さ位置が調整されることとなる。
他の連結部R1,R3においても、上記と同様にナット2213の締め付け量を適宜調整することにより、下側台座B221の連結部R1,R3付近の高さ位置を容易に調整することができる。このような連結部R1,R2,R3は、上側台座B220や下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように、具体的には互いに結んだ線が三角形をなすように配置されている。すなわち、下側台座B221は、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいてナット2213の締め付け量により高さ位置を微調整することができるので、下側台座B221の姿勢を、前後方向、左右方向、及び上下方向のいずれ方向に対しても3次元空間内における傾き具合を調整することができる。
このような下側台座B221の姿勢調整は、下側台座B221に支持されたプロジェクタ装置B2からスクリーン等に対して光を照射しながら行われる。その際、スクリーン等には、照射光により映像が投影され、その映像を確認しながら下側台座B221の姿勢が調整される。これにより、プロジェクタ装置B2から照射される光の光軸方向は、スクリーン等の表面に適切な表示態様で映像が映し出されるように調整される。すなわち、光軸方向については、下側台座B221の姿勢調整により、映像の表示態様としていわゆる台形ひずみ等が生じないように前もって調整することができる。
光軸方向の調整等は、プロジェクタ装置B2に接続された調整用PC1000(図46参照)を用いて行われる。上側台座B220及び下側台座B221を介して上壁部B12に取り付けられたプロジェクタ装置B2は、工場での検査時等において、光軸方向の調整のほか、スクリーン等に対する表示映像のチェックが行われ、映像を投影表示するために必要な各種の調整が実施される。調整用PC1000は、調整作業に際して一時的にプロジェクタ装置B2の中継基板CKに接続される(図46参照)。調整用PC1000を操作すると、調整用PC1000から送信される所定のコマンドにより、プロジェクタ装置B2における照射光の投影位置やフォーカス調整等に関する光学パラメータが変更される。このようにして適切に調整された投影位置や光学パラメータは、水平方向及び垂直方向の調整値データとして、プロジェクタ装置B2のEEPROM231に記憶される(図46参照)。EEPROM231に記憶された水平方向及び垂直方向の調整値データは、工場出荷後の搬送等のためにプロジェクタ装置B2への電源供給が行われず、パチスロ機1が遊技場に設置された場合でも、そのまま使用することができる。
上述したことから明らかなように、プロジェクタ装置B2は、主に上側台座B220の上壁部B12に対する取り付け位置に応じて左右方向及び前後方向に位置決めされるとともに、下側台座B221の3次元空間内における姿勢に応じて光軸方向が調整される。
なお、本実施形態においては、上側台座B220と下側台座B221とを互いに連結するための連結部を3箇所に設けたが、少なくとも3箇所が同一直線上にないという条件を満たせば、4箇所以上に連結部を設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、上側台座B220に連結孔2200Aを設けるとともに、下側台座B221に連結ネジ部2210を設けているが、これらの連結孔や連結ネジ部を上下反対に設けてもよい。連結ネジ部は、本実施形態のように台座と一体に形成されたものに限らず、一方の台座に対して固定可能なものであればよい。例えば、連結ネジ部としては、下側台座を貫通して固定されるボルトでもよい。
以上、本発明の一実施形態として、第2実施形態に係るパチスロ機1について説明した。第2実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(1-1) 映像を表示するための表示ユニット(表示ユニットA)と、
前記表示ユニット(表示ユニットA)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部(キャビネットG)に対して開閉可能に取り付けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記表示ユニット(表示ユニットA)は、
映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)から照射された光を反射させる反射ミラー(ミラー機構B3)と、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)により反射された光に基づいて、前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)により投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、を備え、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)、前記反射ミラー(ミラー機構B3)、及び、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)がユニット化されることにより構成されており、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)は、前記開閉扉(上ドア機構UD)を開けた状態で前記表示ユニット(表示ユニットA)の外部から位置を調整することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第2実施形態に係るパチスロ機1によれば、表示ユニットAは、プロジェクタ装置B2、ミラー機構B3、並びに、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1がユニット化されることにより構成されているが、ミラー機構B3は、上ドア機構UDを開けた状態で表示ユニットAの外部から位置を調整することが可能である。従って、表示ユニットAがパチスロ機1のキャビネットGに設置された後であっても、ミラー機構B3の位置を調整することが可能であるため、プロジェクタ装置B2により投影される映像の位置が適切でない場合であっても、投影位置を調整することができる。
(1-2) 前記(1-1)の遊技機であって、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)及び前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)は、前記表示ユニット(表示ユニットA)における所定の位置で固定されており、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)の上方に配置される一方で、前方に光を照射することが可能であり、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)は、前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)から照射された光を斜め下後方に反射させることが可能なように前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の前方に配置され、前記本体部(キャビネットG)の開口側に向けて露出した螺子における螺合の程度を変更することにより該光の反射方向を調整することが可能である。
第2実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ装置B2、並びに、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1は、表示ユニットAにおける所定の位置で固定されている。一方で、ミラー機構B3には、光の反射方向を調整するための螺子が設けられており、当該螺子は、キャビネットGの開口側に向けて露出している。従って、表示ユニットAがパチスロ機1のキャビネットGに設置された後であっても、上ドア機構UDを開けた状態で、螺子を緩めたり締めたりすることにより、光の反射方向(角度)を調整することができる。これにより、プロジェクタ装置B2により投影される映像の位置が適切でない場合であっても、投影位置を調整することができる。
(2-1) 照射光により映像を投影する投影装置(プロジェクタ装置B2)と、
前記投影装置により投影された映像を表示可能な複数の投影面と、
前記複数の投影面のうち少なくとも一の投影面を可動投影面として変位させる駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2、リールスクリーン駆動機構F2)と、
前記投影装置の上方に位置する上壁(上壁部B12)と、を備え、
前記複数の投影面は、表面加工が施され、
前記駆動機構は、前記投影装置に対して前記可動投影面を相対的に変位させるように構成されており、
前記投影装置と前記上壁との間には、上側台座(上側台座B220)及び下側台座(下側台座B221)が設けられ、
前記上側台座は、前記上壁に対して面内位置を調整可能に取り付けられるとともに、前記下側台座は、前記投影装置を支持しつつ、前記上側台座に対して3箇所以上で間隔を調整可能に取り付けられることを特徴とする遊技機。
第2実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ装置B2は、上壁部B12に対する上側台座B220の面内位置を適宜調整することにより、この上側台座B220を介して上壁部B12の適正な位置に取り付けられるとともに、そうして上壁部B12に位置決めされた上側台座B220に対して下側台座B221の上下間隔を3箇所以上の連結部R1,R2,R3で適宜調整することにより、この下側台座B221を介して支持される姿勢が適正となるように取り付けられる。したがって、プロジェクタ装置B2の面内配置位置及び空間内姿勢を上側台座B220及び下側台座B221を用いて簡単に調整することができ、ひいては映像視覚効果の高い高品位な映像を複数の投影面に映し出すことができる。
(2-2) 前記(2-1)の遊技機であって、
前記上側台座及び前記下側台座は、同一直線上にない3箇所以上の複数の連結部(連結部R1,R2,R3)で互いに連結され、
前記複数の連結部のそれぞれには、
前記上側台座及び前記下側台座のうちの一方から突出するとともに他方を貫通してネジ締結される連結ネジ部(連結ネジ部2210)と、
前記連結ネジ部に外嵌されるとともに前記上側台座と前記下側台座との間に配置されるコイルバネ(コイルバネ2211)と、が設けられることを特徴とする。
第2実施形態に係るパチスロ機1によれば、上側台座B220と下側台座B221とは、同一直線上にない3以上の連結部R1,R2,R3における互いの間隔が、連結ネジ部2210のネジ締結量を加減するだけで個別に調整可能とされるとともに、コイルバネ2211の弾性付勢力により調整後の間隔が一定に保たれるので、空間内の互いに直交する前後方向、左右方向、上下方向の3軸方向に対してプロジェクタ装置B2の各姿勢を微調整することができ、例えば上下方向、左右方向、前後方向のいずれの方向にもプロジェクタ装置B2を適正な姿勢で保持することができる。
[第3実施形態]
以上、第2実施形態について説明した。以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第2実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第2実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第2実施形態における説明が第3実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<上側台座B220及び下側台座B221>
本実施形態に係る上側台座B220及び下側台座B221は、第2実施形態に係る上側台座B220及び下側台座B221とは異なる構成を有している。
図53は、上側台座及び下側台座の分解斜視図である。図54は、上側台座及び下側台座を組み付けた状態を示す平面図である。図55は、図54に示す上側台座及び下側台座を斜め前方から見た図である。図56は、図54に示す上側台座及び下側台座を斜め後方から見た図である。図57は、プロジェクタ機構の内部構成要素を収容するケースの斜視図である。図58は、下側台座にケースを取り付けた状態を示す斜視図である。
図53及び図54に示すように、上側台座B220は、平面視矩形状の板金部材に矩形状の開口を設けた形状を有している。図54に示すように、開口は、辺A、辺B、辺C、及び、辺Dに囲まれた略長方形の形状に形成されている。
上側台座B220の右側部分及び左側部分には、それぞれ、角孔2201cが設けられている。角孔2201cは、上側台座B220を中継板B300(図61参照)にネジ締結によって固定するための孔である。
第2実施形態では、プロジェクタ装置B2のプロジェクタカバーB1への取り付けにおいて、上側台座B220をプロジェクタカバーB1の上壁部B12にネジ締結することにより、プロジェクタ装置B2をプロジェクタカバーB1に直接固定することとして説明した。これに対し、本実施形態では、上側台座B220とプロジェクタカバーB1との間に、中継板B300を介在させることとしている。
角孔2201cの縦横内径寸法は、これに挿入して締結される取付ネジTのネジ軸径よりも大きくなっている。なお、図54には、上側台座B220を中継板B300に固定する際に使用される固定プレートB321も示されている。本実施形態において、中継板B300と上側台座B220とは、固定プレートB321及びキャップボルトを用いて締結される。第2実施形態では、固定プレートB321を示していなかったが、中継板B300と上側台座B220との締結に際しては、従来周知の部材を適宜選択して用いることができる。
また、上側台座B220には、下側台座B221を連結するための3つの連結孔2200Aが設けられている。3つの連結孔2200Aは、上側台座B220に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
下側台座B221は、中央に矩形状の開口が形成された矩形状の本体部B221a、本体部B221aと段差を有して前方に延出する右側部B221b及び左側部B221c、並びに、本体部B221aと段差を有して後方に延出する後端部B221dを備える板金部材である。
図55に示すように、右側部B221bは、本体部B221aの前端右側を下方及び外方に折り曲げることで形成されている。左側部B221cは、本体部B221aの前端左側を下方及び外方に折り曲げることで形成されている。図56に示すように、後端部B221dは、本体部B221aの後端を下方に折り曲げるとともに、下方に折り曲げられた部分の一部を外方に折り曲げることで形成されている。右側部B221bと左側部B221cと後端部B221dとは、同一平面上に位置付けられるように形成されている。
右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dには、それぞれ、上側台座B220の3つの連結孔2200Aに対応して上向きに突出するように連結ネジ部2210が一体形成されている。3つの連結ネジ部2210は、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dに沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
第2実施形態と同様に、上側台座B220と下側台座B221とは、3つの連結孔2200A及び3つの連結ネジ部2210に対応する3箇所の連結部のそれぞれにおいて互いの間隔を調整可能に連結される。3箇所の連結部は、それぞれ、連結孔2200A、連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及び、ナット2213により構成される(図47参照)。
また、図53に示すように、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214が設けられている。ケースB22としては、第2実施形態と同様の構成のものを採用することが可能であるが、本実施形態では、図57に示すように、直方体の箱形形状を有するケースB22を採用している。
第2実施形態と同様に、ケースB22には、プロジェクタ装置B2の内部構成要素であるレンズユニットB21(図47参照)、LED基板、DMD基板、ヒートシンク、吸気用ファン等が収容されている。ケースB22の下面には、プロジェクタ制御基板B23(図47参照)が固定されている。
ケースB22の前面に設けられた前部開口B22kには、レンズユニットカバーB222(図47参照)が取り付けられる。レンズユニットB21は、レンズユニットカバーB222で投射レンズ210(図47参照)が覆われた状態で、ケースB22に収容されている。
また、図示しないが、ケースB22には、左右方向における中央よりも左寄りの箇所(下側台座B221に取り付けた状態(図58参照)における左側部B221cの右端付近)に、2つの吸気用ファン244A・244Bが前後に並ぶように配設されている。2つの吸気用ファン244A・244Bの左側には、ヒートシンクが設けられている。
また、ケースB22の右側面には、吸気口B22Aが設けられており(図57参照)、ケースB22の左側面には、排気口B22Eが設けられている(図58参照)。これにより、ケースB22内においては、吸気口B22Aから吸気用ファン244A・244Bによって強制的に吸気された後、ヒートシンクから熱を奪いつつ排気口B22Eから排気される空気の流れが形成される。
図58に示すように、ケースB22は、下側台座B221に対してネジ締結により取り付けられて、その上端面(図57に示す上壁部B22F)が下側台座B221の本体部B221aの内側面に当接している。また、上側台座B220と下側台座B221とが連結された状態において、下側台座B221の本体部B221aは、上側台座B220よりも上方に位置している。これにより、ケースB22の上壁部B22Fも、上側台座B220よりも上方に位置付けられることになる。
この点、第2実施形態では、ケースB22の上端が下側台座B221に取り付けられており、上側台座B220は、それよりも上方に配置されていた。そのため、上側台座B220と下側台座B221との間に形成された空間内にケースB22を配置することができなかった。これに対し、本実施形態では、上側台座B220に開口を形成し、ケースB22の上端(上壁部B22F)が当該開口を上方に挿通するようにケースB22を配置することにより、ケースB22の上端(上壁部B22F)を上側台座B220よりも上方に位置付けることができるようになっている。これにより、ケースB22を配置するためのスペースを有効活用することが可能となっている。
なお、このように、第2実施形態と比較して、上側台座B220に対するケースB22(プロジェクタ装置B2)の相対的な位置を上方に移動させたことにより、ケースB22の前面に設けられた前部開口B22k(図57参照)の前方に、上側台座B220の一部が配置されることになる(図58参照)。すなわち、当該上側台座B220の一部が、前部開口B22kに対応するように設置された投射レンズ210(図47参照)の前方に配置された状態となる。これにより、投射レンズ210から出射された光が上側台座B220によって遮られるようにも思われる。
しかしながら、このようにして照射光が遮られることはない。すなわち、本実施形態において、照射光は、投射レンズ210の光軸よりも下側の部分から出射される。換言すれば、照射光の出射に際しては、投射レンズ210の下半分(投射レンズ210の上下方向における中央部を通る水平面よりも下側の部分)だけが使用される。このような投射レンズ210における光の出射位置は、従来公知のプロジェクタ(例えば、特開2008-058875号公報参照)とは異なっている。
このように、本実施形態では、照射光の出射に際して、投射レンズ210の上半分が使用されず、照射光は、投射レンズ210の光軸よりも下側の部分から出射されるところ、図58のように投射レンズ210の前方に配置された上側台座B220は、投射レンズ210の光軸よりも上方に存在する。従って、投射レンズ210から出射された光の進路は、上側台座B220よりも下方となり、上側台座B220によって照射光が遮られることはない。
また、下側台座B221を下方に折り曲げて、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dを形成することで、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dそれぞれの上方に上側台座B220が配置されるように、上側台座B220と下側台座B221とを連結することができる。これにより、上側台座B220及び下側台座B221の構成を第2実施形態から変更しつつも、3箇所の連結部の構成については、第2実施形態と同様の構成を採用することができる。
従って、プロジェクタ装置B2から照射される光の光軸方向等の調整についても、第2実施形態と同様の方法により行うことができる。このような光軸方向等の調整には、高度なコンピュータプログラムが必要であるところ、当該プログラムの開発には、多額のコストが発生する。本実施形態では、第2実施形態と同じプログラムを用いて光軸方向等の調整を行うことができるため、新たなコストの発生を抑えることが可能である。
また、本実施形態では、ケースB22が上壁部B22Fを有することとして説明しているが、第2実施形態のように、上側が開放されたケースB22(図47参照)を使用することとしてもよい。また、ケースB22の下側台座B221への取付方法としては、特に限定されず、第2実施形態のように、ステーB223a(図47参照)を用いることにより、ケースB22を下側台座B221に取り付けることとしてもよい。
以上で説明したように、本実施形態では、ケースB22の一部を上側台座B220よりも上方に配置することにより、第2実施形態と比較してケースB22を上方に移動させることが可能であり、ケースB22の下方領域に新たな空間を作り出すことができる。このような効果は、上側台座B220の構成を第2実施形態から変更したことにより得られるものであり、プロジェクタカバーB1については、第2実施形態と同様の構成を採用することができる。
もっとも、本実施形態では、他の効果も勘案して、第2実施形態とは異なる構成を有するプロジェクタカバーB1を採用している。以下、本実施形態に係るプロジェクタカバーB1について説明する。
<プロジェクタカバーB1>
図59は、プロジェクタカバーの上壁部を取り外した状態を示す斜視図である。図60は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーの平面図である。図61は、図60に示すプロジェクタカバーの矢視L-Lに沿う断面図と、プロジェクタカバーに取り付けられる中継板の斜視図とを分解して示す図である。図62は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーを斜め上方から見た図である。図63は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーの正面図である。図64は、図63に示すプロジェクタカバーの矢視M-Mに沿う断面図である。
図59に示すように、プロジェクタカバーB1は、概ね左右対称となる構造を備えており、その内部において、中継板取付部B301を有している。中継板取付部B301は、左右の側壁部B13・B13それぞれの内側面から内側に突出するように形成されている。中継板取付部B301は、段差を有するように形成されており、前方及び後方に形成された中継板取付面B301aと、中継板取付面B301aよりも上方に形成された位置調整面B301dと、前方及び後方それぞれの中継板取付面B301aと位置調整面B301dとを接続する接続部B301eとを有している。
中継板取付面B301aには、取付用孔B301bが形成されている。また、位置調整面B301dには、位置調整用孔B301cが形成されている。取付用孔B301bは、中継板B300を中継板取付部B301にネジ締結により取り付けるためのネジ孔である。位置調整用孔B301cは、中継板B300を中継板取付部B301に取り付けた際に上側台座B220の角孔2201c(図53参照)と対向するような位置に形成されている。
図61に示すように、中継板B300は、本体部B300A、本体部B300Aと段差を有して前方に延出する前側部B300B、及び、本体部B300Aと段差を有して後方に延出する後側部B300Cを備える。前側部B300Bは、本体部B300Aの前端を下方及び前方に折り曲げることで形成されている。後側部B300Cは、本体部B300Aの後端を下方及び後方に折り曲げることで形成されている。このように、中継板B300の形状は、プロジェクタカバーB1の中継板取付部B301に設けられた段差に対応した形状となっている。
本体部B300Aには、第1貫通孔B300aが形成されている。前側部B300B及び後側部B300Cには、それぞれ、第2貫通孔B300bが形成されている。第1貫通孔B300aは、中継板B300を上側台座B220に取り付ける際にキャップボルトが挿通する孔である。一方、第2貫通孔B300bは、中継板B300を中継板取付部B301にネジ締結により取り付ける際にネジが挿通する孔である。
また、図59に示すように、プロジェクタカバーB1の前方における左右両側には、上側が開放した開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)が設けられている。右開口B400aは、上面視における形状が辺E~J(図60参照)により構成される六角形に近似する形状となっている。
図62に示すように、辺E~Jを上端として、各辺からそれぞれ下方に向けて連続する壁面(壁面B401e、壁面B401f、壁面B401g、壁面B401h、壁面B401i、及び、壁面B401j)が形成されている。辺Jから連続して形成される壁面B401j(図59参照)は、その他の壁面B401e~B401iと比較して、上下方向の長さが短くなっている。なお、辺Eから連続して形成される壁面B401eは、プロジェクタカバーB1の内側において後方まで連続しており、プロジェクタカバーB1の内側面403(図64参照)の一部となっている。
また、図61に示すように、中継板取付部B301の位置調整面B301dの下方には空洞B402が形成されている。
図64は、接続部B301eを通る水平面(中継板取付面B301aよりも上方であって、位置調整面B301dよりも下方を通る面)で切断したときの断面図である。
図64に示すように、プロジェクタカバーB1の上側に向けて開放した開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)と、中継板取付部B301の位置調整面B301dの下方に形成された空洞402とが、プロジェクタカバーB1の内部において連通している。
<プロジェクタカバーB1及びブラインドB500による空間の形成>
本実施形態では、プロジェクタカバーB1の下側に設けられる部材として、第2実施形態における多孔板B15(図45参照)に代わって、ブラインドB500が採用されている。
図65は、ブラインドの斜視図である。図66は、プロジェクタカバーの上壁部を取り外した状態の照射ユニットの平面図である。図67は、図66に示す照射ユニットの矢視N-Nに沿う断面において開口近傍用ファン及びダクトカバーを取り外した状態を示す図である。
図65に示すように、ブラインドB500は、概ね左右対称となる構造を備えており、略水平に形成された第1水平部B501と、第1水平部B501と連続して傾斜を有するように形成された第1傾斜部B502aと、第1傾斜部B502aと連続して略水平に形成された第2水平部B502bと、第2水平部B502bと連続して傾斜を有するように形成された第2傾斜部B502cと、第2傾斜部B502cと連続して略水平に形成された第3水平部B502dと、第3水平部B502dと左右方向の幅が同じになるように第3水平部B502dの後端から上方に向かって立設された後壁部B503と、ブラインドB500の外壁を構成する外壁部B504と、外壁部B504と対向している内壁部B505と、を有している。
外壁部B504は、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、第3水平部B502d、及び、後壁部B503と連続している。内壁部B505は、第1傾斜部B502a及び第2水平部B502bと連続している。なお、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dは、外壁部B504近傍の一定範囲が隆起しており、当該範囲の内側部分よりも高くなるような構造を有している。
また、ブラインドB500は、平面視矩形状の小部屋B507を有している。小部屋B507は、上下方向に形成された前側壁部B507a、外側壁部B507b、及び、後側壁部B507d、並びに、内壁部B505によって囲まれた空間である。前側壁部B507aは、第2水平部B502bから立設されて、左右方向に延在している。外側壁部B507bは、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dから立設されて、前後方向に延在し、後壁部B503と連続している。後側壁部B507dは、後壁部B503と略同一平面を形成するように立設されている。
このように、小部屋B507は、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dに跨るように形成されているため、第2傾斜部B502c及び第3水平部B502dにおける左右方向の幅は、第1傾斜部B502aにおける左右方向の幅と比較して、前側壁部B507aにおける左右方向の幅の長さ分だけ、狭くなっている。なお、外側壁部B507bには、上方が開放されたU字状の切り欠き507cが形成されている。また、前側壁部B507a、外側壁部B507b、及び、後側壁部B507dの上端は、内壁部B505の上端縁B505aよりも低くなっている。
第1水平部B501には、その前端において上方に向かって僅かに立設された第1壁部B501aと、第1壁部B501aにおける内側部分から後方に向かって連続する第2壁部B501bと、第2壁部B501bから斜め後方に向かって連続する第3壁部B501cと、第3壁部B501cから後方に向かって連続する第4壁部B501dと、第4壁部B501dから内側に向かって連続する第5壁部B501eと、が形成されている。第5壁部B501eは、内壁部B505と連続している。
第3壁部B501cと第4壁部B501dと第5壁部B501eとによって囲まれた領域には、ブラインドB500をプロジェクタカバーB1にネジ締結により取り付けるためのネジ孔B506が形成されている。
図67に示すように、ブラインドB500がプロジェクタカバーB1の下側に取り付けられた状態において、ブラインドB500の第1壁部B501aの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401fと連続し、ブラインドB500の第2壁部B501bの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401gと連続し、ブラインドB500の第3壁部B501cの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401hと連続し、ブラインドB500の第4壁部B501dの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401iと連続している。
また、図67には現れていないが、ブラインドB500の第5壁部B501eの面は、プロジェクタカバーB1の空洞B402(図61参照)の前方に存在する面B402a(図64参照)と略同一平面上に配置されている。第5壁部B501eの上端と面B402aの下端との間には、一定の間隙が存在している。後述するように、当該間隙は、ダクトカバーB600(ダクトカバーB650)によって埋められる(図71参照)。さらに、ブラインドB500の外壁部B504の内側面は、プロジェクタカバーB1の内側面403(図64参照)と連続している。
以上より、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって、空間P(図67参照)が形成される。空間Pは、上方がプロジェクタカバーB1によって覆われるとともに、下方がブラインドB500によって覆われている。また、空間Pの側方は、ブラインドB500の第1壁部B501a~第5壁部B501e、内壁部B505、後壁部B503、及び、外壁部B504、並びに、プロジェクタカバーB1の壁面B401f~B401i、空洞B402の前後方に存在する面B402a・B402b、及び、内側面403等によって囲まれている。
そして、空間Pは、その上方の一部が開口B400(図59参照)を介してプロジェクタカバーB1の外部空間と繋がっており、また、空洞B402を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(図64参照)と繋がっている。プロジェクタカバーB1とブラインドB500とが組み付けられた状態において、空洞B402は、空間Pの一部となっている。
なお、図66及び図67に示すように、開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)には、メッシュ構造を有するパンチングB450(右パンチングB450a及び左パンチングB450b)が設けられている。これにより、開口B400を介して空間Pに異物が侵入してしまうことを一定程度防止することができる。
<空気流路及び液体貯留空間の形成>
図68は、図65に示すブラインドに開口近傍用ファン及びダクトカバーを取り付けるとともに、ケースを配置した状態を示す斜視図である。図69は、図66に示す照射ユニットから右パンチングを取り外した状態を示す斜視図である。図70は、図67に示す照射ユニットに開口近傍用ファン及びダクトカバーを取り付けた状態を示す断面図である。図71は、図70に示す照射ユニットの断面において開口近傍用ファンを取り外した状態を示す右側面図である。
図68に示すように、ブラインドB500の右側上部には、ダクトカバーB600が略水平に配設されている。ダクトカバーB600は、平板状の部材であり、上面視における外形形状が、ブラインドB500の後壁部B503、外壁部B504、内壁部B505、並びに、小部屋B507の前側壁部B507a及び外側壁部B507b(図65参照)それぞれの上端縁を含んで構成される図形に近似する形状となっている。これにより、ダクトカバーB600は、ブラインドB500を上方から覆っている。
また、ブラインドB500の左側上部には、ダクトカバーB650が略水平に配設されている。ダクトカバーB650は、平板状の部材であり、上面視における外形形状は、ダクトカバーB600と異なっているが(図75参照)、ダクトカバーB600と同様に、ブラインドB500を上方から覆っている。
図70に示すように、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成される空間P(図67参照)は、ダクトカバーB600(ダクトカバーB650)よりも上方の空間P1とダクトカバーB600よりも下方の空間P2とに分けられる。分かりやすくするため、図70では、ダクトカバーB600を斜線で示している。
また、図68に示すように、ダクトカバーB600の上側前方には、開口近傍用ファンB700が載置されている。開口近傍用ファンB700は、吸気用のファンであり、開口近傍用ファンB700の前方に存在する空気を、空気通過部B710(図72参照)を通過させて、後方へと移動させることができるようになっている。
図69及び図70に示すように、ブラインドB500にプロジェクタカバーB1が取り付けられた状態において、開口近傍用ファンB700は、プロジェクタカバーB1の右開口B400aの近傍に位置付けられる。分かりやすくするため、図69及び図70では、開口近傍用ファンB700を網掛けで示している。
ここで、図示しないが、本実施形態では、表示ユニットAをキャビネットGに装着した際、照射ユニットBの前方部分がキャビネットGの前方へと突出し、照射ユニットBのうちキャビネットGから突出した部分は、上ドア機構UD(図36参照)に収容される。そして、上ドア機構UDの上面壁に形成された2つの開口(図示せず)が、それぞれ、プロジェクタカバーB1の2つの開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)の真上に位置付けられる。
また、図70に示すように、空洞B402(2つある空洞B402のうちの右側の空洞B402)に近接するように、ケースB22の吸気口B22A(図57参照)が配置されている。図示しないが、ケースB22の排気口B22E(図58参照)についても、同様に、空洞B402(2つある空洞B402のうちの左側の空洞B402)に近接するように配置されている。
これにより、本実施形態では、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口(2つある開口のうちの右側の開口)を介して、パチスロ機1の外部から上ドア機構UDの内部に空気が取り入れられる。この空気は、上ドア機構UDの内部を下向きに移動し、プロジェクタカバーB1の開口B400(右開口B400a)を介して、プロジェクタカバーB1の内部に取り入れられる。
プロジェクタカバーB1の内部に入った空気は、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(2つある空間Pのうちの右側の空間P、図67参照)のうちダクトカバーB600よりも上方の空間P1(図70参照)を後方に移動した後、プロジェクタカバーB1の内側へと向きを変え、空洞B402(2つある空洞B402のうちの右側の空洞B402)を通過して、吸気口B22Aを介してケースB22の内部に入る。
ケースB22の内部に入った空気は、ケースB22内で発生した熱を奪いながら左方向に進み、排気口B22Eを介してケースB22を出る。
ケースB22を出た空気は、空洞B402(2つある空洞B402のうちの左側の空洞B402)を通過した後、進路を前向きに変えて、空間P(2つある空間Pのうちの左側の空間P)のうちダクトカバーB650よりも上方の空間P1を前方に移動する。そして、当該空気は、プロジェクタカバーB1の開口B400(左開口B400b)を介して、プロジェクタカバーB1の外部に出る。
プロジェクタカバーB1の外部に出た空気は、上ドア機構UDの内部を上向きに移動した後、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口(2つある開口のうちの左側の開口)を介して、パチスロ機1の外部に放出される。
以上で説明した空気の流れのうち、プロジェクタカバーB1の内部における空気流路を、図64中に太い矢印で示している。また、空間P1における空気の流れを、図70中に矢印Aで示している。本実施形態では、このような空気流路を形成することにより、プロジェクタ装置B2において発生した熱をパチスロ機1の外部に排出することができる。
ここで、上述したように、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口は、プロジェクタカバーB1の開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)の真上に存在している。すなわち、上ドア機構UDの開口とプロジェクタカバーB1の開口B400とを上面視したとき、少なくとも一部が重なり合っている。
そのため、上ドア機構UDの開口から液体等の異物がパチスロ機1の中に入った場合、当該異物は、プロジェクタカバーB1の内部に侵入することになる。しかしながら、本実施形態によれば、そのような場合であっても、当該異物がケースB22の内部に侵入してしまうことを防止することが可能である。以下、上ドア機構UDの開口から液体Lが投入された場合を例として説明する。
上ドア機構UDの開口から投入された液体Lは、プロジェクタカバーB1の開口B400(右開口B400a)を通過して、ブラインドB500の第1水平部B501(図65参照)に落下する。
ここで、図67を用いて説明したように、ブラインドB500の第5壁部B501eの上端とプロジェクタカバーB1の空洞B402(図61参照)の前方に存在する面B402a(図64参照)の下端との間には、一定の間隙が存在し、ダクトカバーB600の厚みは、当該間隙の長さと略一致する。ダクトカバーB600は、第5壁部B501eの上端及び面B402aの下端の双方に当接して、当該間隙を埋めるように配置される。これにより、ブラインドB500の第1水平部B501とダクトカバーB600との間には、ブラインドB500の第5壁部B501eの高さ相当の隙間が形成されている。液体Lは、当該隙間を通過して、第1水平部B501から第1傾斜部B502aの方へと流れていく。
ブラインドB500の第1傾斜部B502a及び第2傾斜部B502cは、後方に向かうにつれて下降するような傾斜を有しているため、液体Lは、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dを後方へと流れていく。このように、液体Lは、第1水平部B501、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dの面上を流れる。このような液体Lの流れを、図70中に矢印Lで示している。
後方へと流れてきた液体Lは、後壁部B503に衝突し、後壁部B503と外壁部B504と外側壁部B507b(及び内壁部B505)とで囲まれた領域に貯留される(図71参照)。当該領域は、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(図67参照)のうちダクトカバーB600よりも下方の空間P2(図70参照)に含まれる。分かりやすくするため、図71では、貯留された液体Lを網掛けで示している。
ここで、図70に示す空間P1とプロジェクタカバーB1の内部空間Q(図64参照)とは、図71に示す開口B510を介して繋がっている。図71に示すように、開口B510は、側面視における形状が辺K~Nにより構成される長方形に近似する形状となっている。
開口B510の下端を構成する辺Kは、ブラインドB500の内壁部B505の上端縁B505a(図65参照)に対応している。そして、内壁部B505の上端縁B505a(開口510の下端)は、図65に示すように、第1水平部B501、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502d(液体Lの通り道)よりも上方に位置している。
また、図には明示されていないが、ダクトカバーB600は、その右端がブラインドB500の外壁部B504の上端縁上に載置され、且つ、その左端がブラインドB500の内壁部B505の外側面に当接するように配置され、これにより、その主面B610(図72参照)がブラインドB500の内壁部B505の上端縁B505aと略同一平面を形成している(図68参照)。これにより、プロジェクタカバーB1の内部空間Qと液体Lの貯留空間(空間P2)とが、ダクトカバーB600によって隔てられ、液体Lが開口B510を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するということが起こり難くなっている。
<開口近傍用ファンの取付構造及び取付位置>
図72は、ダクトカバー及び開口近傍用ファンの分解斜視図である。図73は、プロジェクタカバー及び開口近傍用ファンを後方且つ下方から見た分解斜視図である。図74は、プロジェクタカバー及び開口近傍用ファンを前方且つ下方から見た部分拡大斜視図である。
図72に示すように、ダクトカバーB600は、主面B610と、ファン設置構造B620と、後側部B630と、配線用開口B640(B640a及びB640b)と、ネジ孔B650(B650a及びB650b)と、を備えている。
主面B610は、上面視矩形形状における左後方コーナー部を切り欠いた形状を有している。ファン設置構造B620は、開口近傍用ファンB700を設置するための構造であり、主面B610の前方右寄りに形成されている。後側部B630は、主面B610の右側後部から後方に延在するように形成されている。配線用開口B640は、プロジェクタカバーB1の外部に配置された各種機能部品(サブ制御装置SS等)とプロジェクタ装置B2等とを接続する配線を挿通させるための孔である。ネジ孔B650は、ダクトカバーB600をプロジェクタカバーB1にネジ締結により取り付けるための孔である。
ファン設置構造B620は、主面B610の前端において立設された前側係合部B621と、前側係合部B621よりも後方において主面B610から立設された左後側係合部B622及び右後側係合部B623と、主面B610から僅かに立設されて前後方向に延在する下側係合部B624(下側左係合部B624a、下側中係合部B624b、及び、下側右係合部B624c)と、を有している。
下側左係合部B624a及び下側中係合部B624bは、前側係合部B621の背面と左後側係合部B622の前面とを接続している。下側右係合部B624cは、前側係合部B621の背面と右後側係合部B623の前面とを接続している。
前側係合部B621の上端縁B621a、左後側係合部B622の上端縁B622a、及び、右後側係合部B623の上端縁B623aは、それぞれカーブ状に形成されている。開口近傍用ファンB700は、円状の空気通過部B710を有している。上端縁B621a、上端縁B622a、及び、上端縁B623aは、空気通過部B710の形状に対応する形状(円弧状)に形成されている。なお、分かりやすくするため、図72では、上端縁B621a及び上端縁B622aを斜線で示し、空気通過部B710を網掛けで示している。
図73に示すように、プロジェクタカバーB1内側の天井部から下方に突出するように、開口近傍用ファンB700を設置するための構造(ファン設置構造)が形成されている。具体的に、プロジェクタカバーB1は、開口B400の後端に沿って形成された前側係合部B421と、前側係合部B421よりも後方に形成された後側係合部B422と、前後方向に延在する上側係合部B423(上側左係合部B423a、上側中係合部B423b、及び、上側右係合部B423c)と、を有している。
上側係合部B423は、前側係合部B421の背面と後側係合部B422の前面とを接続している。プロジェクタカバーB1内側の天井部からの下方への突出長は、上側係合部B423よりも前側係合部B421及び後側係合部B422の方が長くなっている。
前側係合部B421の下端縁B421a及び後側係合部B422の下端縁B422aは、それぞれカーブ状に形成されている。下端縁B421a及び下端縁B422aは、開口近傍用ファンB700の空気通過部B710の形状に対応する形状(円弧状)に形成されている。なお、分かりやすくするため、図73では、下端縁B421a及び下端縁B422aを斜線で示している。
開口近傍用ファンB700は、以上で説明したダクトカバーB600のファン設置構造B620及びプロジェクタカバーB1のファン設置構造によって挟持される。
具体的に、ダクトカバーB600の前側係合部B621と左後側係合部B622との間隔、前側係合部B621と右後側係合部B623との間隔、及び、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421と後側係合部B422との間隔は、それぞれ、開口近傍用ファンB700における前後方向の長さと略等しくなっている。
これにより、開口近傍用ファンB700の左側前面は、ダクトカバーB600の前側係合部B621の背面と当接し、開口近傍用ファンB700の左側背面は、ダクトカバーB600の左後側係合部B622の前面と当接し、開口近傍用ファンB700は、ダクトカバーB600の前側係合部B621と左後側係合部B622とによって挟持される。また、開口近傍用ファンB700の右側前面は、ダクトカバーB600の前側係合部B621の背面と当接し、開口近傍用ファンB700の右側背面は、ダクトカバーB600の右後側係合部B623の前面と当接し、開口近傍用ファンB700は、ダクトカバーB600の前側係合部B621と右後側係合部B623とによって挟持される。
また、開口近傍用ファンB700の前面は、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421の背面と当接し、開口近傍用ファンB700の背面は、プロジェクタカバーB1の後側係合部B422の前面と当接し、開口近傍用ファンB700は、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421と後側係合部B422とによって挟持される。
また、ダクトカバーB600の3つの下側係合部B624(下側左係合部B624a、下側中係合部B624b、及び、下側右係合部B624c)は、主面B610からの上方への突出長が互いに略等しくなっている。また、プロジェクタカバーB1の3つの上側係合部B423(上側左係合部B423a、上側中係合部B423b、及び、上側右係合部B423c)は、プロジェクタカバーB1内側の天井部からの下方への突出長が互いに略等しくなっている。そして、ダクトカバーB600の下側係合部B624とプロジェクタカバーB1の上側係合部B423との間隔は、開口近傍用ファンB700における上下方向の長さと略等しくなっている。
これにより、開口近傍用ファンB700の下面は、ダクトカバーB600の3つの下側係合部B624(下側左係合部B624a、下側中係合部B624b、及び、下側右係合部B624c)の上面と当接し、開口近傍用ファンB700の上面は、プロジェクタカバーB1の3つの上側係合部B423(上側左係合部B423a、上側中係合部B423b、及び、上側右係合部B423c)の下面と当接し、開口近傍用ファンB700は、ダクトカバーB600の下側係合部B624とプロジェクタカバーB1の上側係合部B423とによって挟持される。
以上のようにして、開口近傍用ファンB700は、前後方向及び上下方向から、ダクトカバーB600及びプロジェクタカバーB1によって挟持されることで、固定される。
開口近傍用ファンB700が固定された状態において、空気通過部B710の前面側周縁は、ダクトカバーB600における前側係合部B621の上端縁B621a及びプロジェクタカバーB1における前側係合部B421の下端縁B421aに沿うように位置付けられる(図69及び図74参照)。また、図示しないが、空気通過部B710の背面側外縁は、ダクトカバーB600における左後側係合部B622の上端縁B622a及び右後側係合部B623の上端縁B623a、並びに、プロジェクタカバーB1における後側係合部B422の下端縁B422aに沿うように位置付けられる。
すなわち、空気通過部B710は、正面視において、ダクトカバーB600の前側係合部B621、左後側係合部B622、及び、右後側係合部B623、並びに、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421及び後側係合部B422と重畳していない。換言すれば、空気通過部B710は、ダクトカバーB600の前側係合部B621、左後側係合部B622、及び、右後側係合部B623、並びに、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421及び後側係合部B422によって覆われていない。これにより、空気の通過部分の面積を最大限確保することができる。
一方で、空気通過部B710の周縁と、ダクトカバーB600における係合部の上端縁(上端縁B621a、上端縁B622a、及び、上端縁B623a)並びにプロジェクタカバーB1における係合部の下端縁(下端縁B421a及び下端縁B422a)とを合致させることにより、開口近傍用ファンB700とダクトカバーB600とが当接する部分の面積、及び、開口近傍用ファンB700とプロジェクタカバーB1とが当接する部分の面積を大きくすることが可能であり、これにより、開口近傍用ファンB700を安定的に固定することができる。
また、図74に示すように、プロジェクタカバーB1における前側係合部B421の前面は、右開口B400aの後端縁(図60に示す辺j)から下方に向けて形成された壁面B401j(図59参照)と一致している。これにより、開口近傍用ファンB700は、前側係合部B421の前後方向における厚み分だけ、右開口B400aの後端縁(図60に示す辺j)よりも後方に配置されることになる。従って、開口近傍用ファンB700は、右開口B400aよりも奥まった位置に存在するため、プロジェクタカバーB1の右開口B400aから液体が入ってきたとしても、当該液体が開口近傍用ファンB700に直接かかり難いようになっている。一方で、開口近傍用ファンB700が右開口B400aに近接して配置されているため、右開口B400aを介して、プロジェクタカバーB1の外部から空気を取り込みやすくなっている。これにより、プロジェクタ装置B2において発生した熱を効率よく排出することができる。
なお、ダクトカバーB600の左後側係合部B622と右後側係合部B623とが別個に構成されているのに対し、前側係合部B621は、左右の部位が分断されることなく繋がった形状となっている。これにより、プロジェクタカバーB1の右開口B400aから液体が入ってきたとしても、当該液体が後方へと侵入し難いようになっている。
また、プロジェクタカバーB1における右開口B400aの後端縁(図60に示す辺j)の長さと、ダクトカバーB600における前側係合部B621の左右方向の長さと、ダクトカバーB600における左後側係合部B622の左端から右後側係合部B623の右端までの長さと、プロジェクタカバーB1における前側係合部B421の左右方向の長さと、プロジェクタカバーB1における後側係合部B422の左右方向の長さと、開口近傍用ファンB700における左右方向の長さは、全て略等しくなっている。これにより、プロジェクタカバーB1の右開口B400aから空間P1(図70参照)に至るまでの途中スペース(空間P1を左右方向の鉛直面で切断したときの断面)が開口近傍用ファンB700によって略隙間なく埋められた状態となっている。この点においても、空気の通過部分の面積が最大限確保されており、プロジェクタ装置B2の冷却効率を高めることができる。
<液体の貯留及び排出>
図75は、ブラインド及びダクトカバーを取り付けた状態を左方から見た斜視図である。図76は、プロジェクタカバー、ブラインド、及び、ダクトカバーを後方から見た斜視図である。図77は、図76に示すプロジェクタカバー、ブラインド、及び、ダクトカバーの分解斜視図である。図78は、ブラインド及びダクトカバーの分解斜視図である。
なお、図78では、ブラインドB500を前方且つ上方から見る一方、ダクトカバーB600を後方且つ下方から見た様子を示している。
上述したように、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(図67参照)のうちダクトカバーB600よりも下方の空間P2(図70参照)は、プロジェクタカバーB1の内部に入ってきた液体を貯留することが可能である(図71参照)。
図65を用いて説明したように、ブラインドB500には、第1水平部B501、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、第3水平部B502d、及び、小部屋B507が形成されている。これにより、貯留可能な液体の容量を増やしつつ、ブラインドB500の下方においてスクリーン装置C(図40参照)を配置するためのスペースを確保するとともに、ブラインドB500の強度を維持することが可能となっている。
特に、本実施形態では、小部屋B507の存在によりブラインドB500の強度を高めるとともに、小部屋B507にも液体を貯留することができるようになっている。すなわち、上述したように、小部屋B507には、切り欠き507cが形成されており、液体の貯留量が一定量を超えると、切り欠き507cから小部屋B507に液体が流入する。このようにして、リブとして設けられた小部屋B507に液体を貯留することにより、ブラインドB500内の空間を有効に活用している。
図75に示すように、ダクトカバーB650は、上面視矩形形状における左前方コーナー部を切り欠いた形状を有している。分かりやすくするため、図75では、ダクトカバーB650を斜線で示している。図68を用いて説明したように、ダクトカバーB600は、上面視において小部屋B507の前側壁部B507a及び外側壁部B507b(図65参照)に沿うように配置される。これに対し、ダクトカバーB650は、ダクトカバーB600よりも前後方向の長さが短く、ダクトカバーB650の後端は、小部屋B507よりも前方に位置付けられる。
もっとも、図示しないが、ダクトカバーB650の後端は、プロジェクタカバーB1の空洞B402(図61参照)の後方に存在する面B402b(図64参照)、すなわち、図71に示す開口B510の辺Nよりも後方に配置される。これにより、ダクトカバーB650は、ダクトカバーB600と同様に、プロジェクタカバーB1の内部空間Qと液体Lの貯留空間(空間P2)とを隔てており、液体Lが開口B510を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するということが起こり難くなっている。
ここで、ブラインドB500に貯留された液体は、ブラインドB500からパチスロ機1の外部まで連通するチューブを備える排出機構を用いて排出される。当該チューブは、液体排出用孔Sを挿通させることにより、ブラインドB500内に挿入される。以下、液体排出用孔Sについて説明する。
図76に示すように、液体排出用孔Sは、照射ユニットBの背面側に設けられている。具体的に、図77及び図78に示すように、液体排出用孔Sは、プロジェクタカバーB1の配線用開口B411と、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511aと、ダクトカバーB600の後側部B630(図72参照)と、によって構成される。
配線用開口B411は、プロジェクタカバーB1の背面を構成する背面側壁部B410において、下方が開放した切り欠きとして形成されている。
配線用開口B510aは、ブラインドB500の背面を構成する第1背面側壁部B510において、上方が開放した切り欠きとして形成されている。配線用開口B511aは、ブラインドB500の第1背面側壁部B510の前方に形成された第2背面側壁部B511において、上方が開放した切り欠きとして形成されている。第2背面側壁部B511は、後壁部B503の上端から後方に向けて連続して形成された水平面B508の後端から立設するように形成されている。第1背面側壁部B510は、第2背面側壁部B511の下端から後方に向けて連続して形成された水平面B509の後端から立設するように形成されている。
ダクトカバーB600の後側部B630は、裏側の面B631と、面B631の左右両端縁から下方に突出した下方突出部B632a及び下方突出部B632bと、を有している。下方突出部B632aと下方突出部B632bとは、一定の距離を隔てて略平行となるように対向しており、下方突出部B632aと下方突出部B632bとの間には、スペースが形成されている。
プロジェクタカバーB1、ブラインドB500、及び、ダクトカバーB600が組み付けられた状態において、プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a、並びに、ダクトカバーB600の下方突出部B632aと下方突出部B632bとの間に形成されたスペースは、背面視において重畳し、これにより、液体排出用孔S(図76において2つ示される液体排出用孔Sのうち左側の液体排出用孔S)が形成される。なお、ダクトカバーB650には、後側部B630が形成されていないため(図75参照)、図76において2つ示される液体排出用孔Sのうち右側の液体排出用孔Sは、プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511aによって形成される。
液体排出用孔Sには、ブラインドB500に貯留された液体を排出するためのチューブが挿通されるとともに、照射ユニットB以外の各種機能部品(サブ制御装置SS等)とプロジェクタ装置B2等とを接続するための配線も挿通される。当該配線は、配線用開口B640a、B640b(図72参照)を挿通させることにより、プロジェクタ装置B2や開口近傍用ファンB700に接続される。
ここで、配線用開口B640a、B640bは、ダクトカバーB600の外側(右端近傍)に形成されており、配線用開口B640a、B640bの形成箇所は、プロジェクタカバーB1の内部空間Q(図64参照)に向けて開放された開口B510(図71参照)から離間した位置となっている。これにより、ブラインドB500に貯留された液体が配線用開口B640a、B640bを介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するということが起こり難くなっている。
以上、本発明の一実施形態として、第3実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
従来、プロジェクタ等の投影装置により投影された映像をスクリーンに表示することにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開2012-147828号公報参照)。このような遊技機によれば、液晶表示装置と同程度の映像表現が可能であるとともに、液晶表示装置等と比較して、表示面が大型化した際のコストを低減させることができる。また、スクリーンの形状を適宜変更することにより、液晶表示装置では行うことのできない映像表現も可能となる。
しかしながら、投影装置は、液晶表示装置等と比較して、発熱しやすく、高温になりやすいため、発生した熱を放出しないと正常に機能しなくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、映像を投影することが可能な投影装置で発生した熱を効率よく放出することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第3実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(3-1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
前記カバー部材の内部に配置されたファン(開口近傍用ファンB700)と、
前記カバー部材の内部空間を仕切る仕切部材(ダクトカバーB600)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されており、
前記仕切部材は、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する空間を第2の空間(空間P1)及び第3の空間(空間P2)に仕切っており、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記ファンは、前記第2の空間に配置されており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間は、仕切部材(ダクトカバーB600)によって第2の空間(空間P1)及び第3の空間(空間P2)に仕切られている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P1)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されており、第2の空間(空間P1)には、ファン(開口近傍用ファンB700)が配置されている。これにより、第2の空間(空間P1)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。
一方で、第2の空間(空間P1)にはファン(開口近傍用ファンB700)が配置されているため、仮に、第1の開口(右開口B400a)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に異物が混入した場合であっても、ファン(開口近傍用ファンB700)の存在によって、当該異物がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置されている方(第1の空間(空間Q)側)へと侵入するということを起こり難くすることができる。さらに、第3の空間(空間P2)は、第2の空間(空間P1)(プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の存在する第1の空間(空間Q)と連通する空間)から仕切部材(ダクトカバーB600)によって隔離されているため、仮に、異物が第3の空間(空間P2)に入ってきた場合、当該異物が第3の空間(空間P2)から第2の空間(空間P1)に侵入してしまうことを防止することができる。これにより、遊技機の外部から侵入してきた液体等の異物からプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を保護して、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が故障してしまう原因を除去することができるとともに、第1の開口(右開口B400a)を介した不正なアクセスを抑制して、セキュリティを向上させることができる。
(4-1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
前記カバー部材の内部に配置されたファン(開口近傍用ファンB700)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されており、
前記第1の空間と、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する第2の空間(空間P)とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されており、
前記第2の空間には、前記ファンを設置するためのファン設置用部材(ダクトカバーB600)が設けられており、
前記ファンは、前記第2の空間において、前記カバー部材の内側部と前記ファン設置用部材とによって挟持されている、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P)(カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されており、第2の空間(空間P)には、ファン(開口近傍用ファンB700)が配置されている。これにより、第2の空間(空間P)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。とりわけ、第2の空間(空間P)には、ファン(開口近傍用ファンB700)を設置するためのファン設置用部材(ダクトカバーB600)が設けられており、ファン(開口近傍用ファンB700)は、第2の空間(空間P)において、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内側部とファン設置用部材(ダクトカバーB600)とによって挟持されている。この点、ファン(開口近傍用ファンB700)を設置するに当たり、ビスや爪等の構造を別途設けることとすれば、当該構造のために(左右方向に)新たにスペースが必要になる。これに対し、第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、省スペースでファン(開口近傍用ファンB700)を設置することが可能であり、第2の空間(空間P)内における空気の通過可能部分のスペースを最大限確保することができる。その結果、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間での空気の移動効率を高めることが可能であり、ファン(開口近傍用ファンB700)の機能を最大限活かしつつ、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効果を向上させることができる。
(4-2) 前記(4-1)の遊技機であって、
前記ファン設置用部材には、前記ファンにおける空気の通過可能部分(空気通過部B710)の形状に対応する形状を有するファン設置部(ファン設置構造B620)が形成されている、
ことを特徴とする。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、ファン設置部(ファン設置構造B620)は、ファン(開口近傍用ファンB700)における空気の通過可能部分(空気通過部B710)の形状に対応する形状を有しているため、ファン設置部(ファン設置構造B620)によって空気の通過が妨げられてしまうことを防止することができる。これにより、ファン(開口近傍用ファンB700)の吸引力を最大限活かしつつ、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効果をさらに向上させることができる。
(5-1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されており、
前記第1の空間と、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する第2の空間(空間P)とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されており、
前記第2の空間は、下方が閉塞することにより液体を貯留することが可能であり、
前記カバー部材には、さらに、前記カバー部材の外部に配置された機器と前記プロジェクタとを接続する配線を挿通させるための配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)が形成されており、
前記第2の空間と前記カバー部材の外部空間とは、前記配線用開口を介して連通しており、
前記配線用開口は、前記第2の空間に貯留された液体を前記カバー部材の外部に排出するための機構(排出機構が備えるチューブ)を挿通させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P)(カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されている。これにより、第2の空間(空間P)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。
また、第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部に配置された機器とプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)とを接続する配線を挿通させるための配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)が形成されており、第2の空間(空間P)とカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間とは、配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)を介して連通している。そして、第2の空間(空間P)は、下方が閉塞することにより液体を貯留することが可能である一方、第2の空間(空間P)に貯留された液体は、配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部に排出することが可能である。これにより、仮に、第1の開口(右開口B400a)を介して、遊技機の外部からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部へと液体(遊技者が注ぎ込んだ飲み物等)が入ってきた場合であっても、当該液体を第2の空間(空間P)内に滞留させることが可能であり、当該液体が第2の空間(空間P)外の機器に侵入してしまうことを防止することができる。また、貯留された液体を配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)から適宜排出することにより、液体の貯留量を一定限度以下に保つことが可能である。その結果、第2の空間(空間P)に液体が過剰に貯留されることに起因して、当該液体がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置空間(第1の空間)に侵入してしまう、という事態を回避することができる。このようにして、第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)や他の機器が液体によって故障してしまうことを抑制することができる。なお、パチスロ機1の内部温度は、比較的高い(約60℃)ため、貯留された液体は、上記のような機構を用いて排出しなくても、放置しておけば自然に蒸発する。従って、当該排出機構を設けることは必須でなく、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)が形成されていなくてもよい。
(6-1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
前記カバー部材の内部に配置されたファン(開口近傍用ファンB700)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されるとともに、前記第1の開口の周縁の一部(図60に示す辺j)から前記カバー部材の内側に向けて連続する開口縁部(プロジェクタカバーB1の前側係合部B421)が形成されており、
前記第1の空間と、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する第2の空間(空間P)とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されており、
前記ファンは、前記第2の空間において前記開口縁部に当接するように配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P)(カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されており、第2の空間(空間P)には、ファン(開口近傍用ファンB700)が配置されている。これにより、第2の空間(空間P)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。とりわけ、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、第1の開口(右開口B400a)の周縁の一部(図60に示す辺j)からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内側に向けて連続する開口縁部(プロジェクタカバーB1の前側係合部B421)が形成されており、ファン(開口近傍用ファンB700)は、第2の空間(空間P)において開口縁部(プロジェクタカバーB1の前側係合部B421)に当接するように配置されている。これにより、仮に、第1の開口(右開口B400a)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に液体等の異物(例えば、遊技者が注ぎ込んだ飲み物等)が混入した場合であっても、当該異物がファン(開口近傍用ファンB700)に直接接触してしまうことを防止することができる。一方で、ファン(開口近傍用ファンB700)の設置位置を可能な限り第1の開口(右開口B400a)に接近させることにより、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間での空気移動をスムーズに行わせることができ、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効果を向上させることができる。
第3実施形態では、表示ユニットAをキャビネットGに装着した際、照射ユニットBの前方部分がキャビネットGの前方へと突出し、照射ユニットBのうちキャビネットGから突出した部分は上ドア機構UD(図36参照)に収容されることとして説明した。このように、照射ユニットBの前方部分がキャビネットGの前方へと突出する場合、図79に示すようにして上ドア機構UDがキャビネットGに取り付けられる構成を採用することが望ましい。
図79は、上ドア機構をキャビネットに取り付ける方法について説明するための図である。この構成によれば、引っ掛け部UD120は、上ドア機構UDから後方へと突出する部材であり、ネジ締結により上ドア機構UDに取り付けられる。一方、キャビネットGの側面壁G2の内側面には、内側に向けて突出する内面側突出部材G2a(例えば、側面壁G2の内側面にねじ込まれたネジ等)が設けられている。
上ドア機構UDをキャビネットGに取り付ける(上ドア機構UDをキャビネットGに対して閉じる)に当たっては、まず、上ドア機構UDの上壁の下側面を前面側突出部材G120の上面に載せつつ、引っ掛け部UD120の欠き込みを内面側突出部材G2aに引っ掛ける。この状態で下ドア機構DDをキャビネットGに対して閉じることで、下ドア機構DDによって上ドア機構UDが後方へと押し込まれる。これにより、上ドア機構UDも、キャビネットGに対して閉じられることになる。このような構成を採用することにより、上ドア機構UD及びキャビネットGの内部スペースを有効に活用することができる。
なお、第3実施形態では、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口を介して、パチスロ機1の内部空間と外部空間との間で空気が流動することとして説明したが、本発明においては、キャビネットGの上面壁G4に形成された開口G41(図36参照)を介して空気を流動させることとしてもよい。この場合には、例えば、表示ユニットAをキャビネットGに装着した際、キャビネットGの上面壁G4に形成された開口G41がプロジェクタカバーB1の開口B400の真上に位置付けられるようにすればよい。
また、プロジェクタカバーB1の開口B400の上方に形成された開口(上ドア機構UD又はキャビネットGに形成された開口)からパチスロ機1の内部に侵入する異物の量をなるべく少なくするために、当該開口は、プロジェクタカバーB1の開口B400よりも小さい方がよく、当該開口には、異物の侵入を防止するための何らかの措置(例えば、パンチングB450と同様のメッシュ構造の設置)が施されていることが望ましい。
また、第3実施形態では、プロジェクタ装置B2(ケースB22の内部)に吸気用ファン244A・244Bが配設されるとともに、プロジェクタ装置B2の外部(プロジェクタカバーB1の内部空間)に開口近傍用ファンB700が配設されることとして説明した。本発明において、ファンの配置位置は、特に限定されず、プロジェクタ装置B2(ケースB22の内部)にのみファンを配設して、プロジェクタ装置B2の外部(プロジェクタカバーB1の内部空間)にはファンを配設しないこととしてもよい。逆に、プロジェクタ装置B2の外部(プロジェクタカバーB1の内部空間)にのみファンを配設して、プロジェクタ装置B2(ケースB22の内部)にはファンを配設しないこととしてもよい。
図80は、吸気用ファン及び排気用ファンの配置位置について説明するための図である。なお、この変形例では、プロジェクタカバーB1及びブラインドB500の構成が第3実施形態におけるこれらの構成と若干異なっている。基本的な構成は同様であるため、詳細な説明は省略するが、本変形例におけるブラインドB500には、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、第3水平部B502dの代わりに傾斜部B502が形成され、小部屋B507は形成されていない。また、ブラインドB500の後壁部B503は、第3実施形態よりも前方に位置付けられ、後壁部B503の前側の面は、プロジェクタカバーB1の空洞B402の後方に存在する面B402bと連続している。
吸気用ファンは、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(2つある空間Pのうちの右側の空間P)中の所望の位置に配設することができる。
図80では、吸気用ファンの配置位置として、F(R1)で示す点線で囲まれた領域、F(R2)で示す点線で囲まれた領域、F(R3)で示す点線で囲まれた領域、及び、F(R4)で示す点線で囲まれた領域を例示している。
F(R1)で示す点線で囲まれた領域は、右側の開口B510(図71参照)近傍に位置しており、該領域に吸気用ファンが配設された場合、吸気用ファンは、ケースB22の右側面に設けられた吸気口B22A(図57参照)に近接する。これにより、プロジェクタカバーB1の外部から取り入れられた空気を、ケースB22の内部(プロジェクタ装置B2)へと効率的に送り込むことができる。
F(R2)で示す点線で囲まれた領域は、F(R1)で示す点線で囲まれた領域の右側領域であり、プロジェクタカバーB1の壁面B401iを後方へ延長した箇所である。F(R2)で示す点線で囲まれた領域に吸気用ファンが配設された場合、空間Pを後方に移動した空気の進行方向を、スムーズに内向きへと変えることができる。
F(R3)で示す点線で囲まれた領域は、F(R2)で示す点線で囲まれた領域の前方領域であり、プロジェクタカバーB1の壁面B401j(図59参照)の下側領域である。F(R3)で示す点線で囲まれた領域に吸気用ファンが配設された場合、開口B400を介してプロジェクタカバーB1の内部に取り入れられた空気を、スムーズに後方へと流すことができる。
F(R4)で示す点線で囲まれた領域は、F(R3)で示す点線で囲まれた領域の前方領域であり、開口B400の下方領域である。F(R4)で示す点線で囲まれた領域に吸気用ファンが配設された場合、プロジェクタカバーB1の内部への空気の取り入れをスムーズに行うことができる。
また、排気用ファンは、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(2つある空間Pのうちの左側の空間P)中の所望の位置に配設することができる。
図80では、排気用ファンの配置位置として、F(L1)で示す点線で囲まれた領域、及び、F(L2)で示す点線で囲まれた領域を例示している。
F(L1)で示す点線で囲まれた領域は、左側の開口B510近傍に位置しており、該領域に排気用ファンが配設された場合、排気用ファンは、ケースB22の左側面に設けられた排気口B22E(図58参照)に近接する。これにより、プロジェクタ装置B2で発生した熱によって温められた空気を、プロジェクタ装置B2の外部へと効率的に送り出すことができる。
F(L2)で示す点線で囲まれた領域は、プロジェクタカバーB1の壁面B401jの下側領域である。F(L2)で示す点線で囲まれた領域に排気用ファンが配設された場合、ケースB22から出た空気の進行方向を、スムーズに前向きへと変えることができる。
以上、図80を用いて説明した吸気用ファン及び排気用ファンは、吸気用ファンと排気用ファンとの双方を配設することとしてもよいし、吸気用ファンのみを配設することとしてもよいし、排気用ファンのみを配設することとしてもよい。
また、吸気用ファンは、F(R1)で示す点線で囲まれた領域、F(R2)で示す点線で囲まれた領域、F(R3)で示す点線で囲まれた領域、及び、F(R4)で示す点線で囲まれた領域のうちの何れか1つの領域のみに配設することとしてもよいし、これらの領域のうちの2つ以上の領域に配設することとしてもよい。排気用ファンは、F(L1)で示す点線で囲まれた領域とF(L2)で示す点線で囲まれた領域とのうち、一方の領域のみに配設することとしてもよいし、双方の領域に配設することとしてもよい。
なお、第3実施形態では、プロジェクタカバーB1の内部において、図64中に太い矢印で示したような空気流路が形成されることとして説明した。しかし、プロジェクタカバーB1内の空気は、必ずしも、当該経路に完全に沿って流れる必要はない。
図64に示す空気流路以外に形成され得る空気流路について、図81を用いて説明する。図81は、プロジェクタカバーの内部において形成され得る空気流路を示す図である。
図81の矢印X1に示すように、例えば、プロジェクタ装置B2で発生した熱によって温められた空気が、吸気口B22Aを介してケースB22の外部に出るような流れがあってもよい。このようにして吸気口B22Aから流れ出た空気は、矢印X2に示すように、プロジェクタカバーB1の後方に移動してもよい。また、矢印X3に示すように、排気口B22Eを介してケースB22から出た空気が、後方へと向かうような空気の流れがあってもよい。
プロジェクタカバーB1の後方は開放しているため、矢印X2又は矢印X3に示すように後方に移動した空気は、プロジェクタカバーB1の外部へと排出される。プロジェクタカバーB1の後方からの空気の排出がスムーズに行われるようにするため、プロジェクタカバーB1の後方領域に排気用ファンを配設することとしてもよい。
また、第3実施形態では、空気流路と液体貯留空間とを仕切るために仕切部材(ダクトカバーB600及びダクトカバーB650)を配設することとして説明したが、本発明において、仕切部材(ダクトカバーB600及びダクトカバーB650)を設けることは必須ではない。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、傾斜部B502は、後方に向かうにつれて下降するような傾斜を有しているため、傾斜部B502の後方部分は、内壁部B505の上端縁B505a(開口510の下端)との上下方向の距離が、前方部分よりも長くなっており、液体Lは、そのような傾斜部B502の後方部分(開口510の下端から離れた領域)に貯留される。従って、ダクトカバーB600及びダクトカバーB650を設けなかったとしても、液体Rが開口B510を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するという事態が発生してしまうことを防止することができる。
さらに、上記変形例に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(7-1) 映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前記プロジェクタにより投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンを視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記カバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)及び第2の開口(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)が形成されており、
前記カバー部材の内部において、前記第1の開口から連通して第1の空間(2つある空間Pのうちの右側の空間P)が形成される一方、前記第2の開口から連通して第2の空間(2つある空間Pのうちの左側の空間P)が形成されており、
前記第1の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第3の開口(2つある開口B510のうちの右側の開口B510)により、上方とは異なる方向(左方向)に開放している一方、前記第2の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第4の開口(2つある開口B510のうちの左側の開口B510)により、上方とは異なる方向(右方向)に開放しており、
前記第1の開口(右側の開口B400)と前記第3の開口(右側の開口B510)とが連通する一方、前記第2の開口(左側の開口B400)と前記第4の開口(左側の開口B510)とが連通しており、
前記プロジェクタは、前記第3の開口(右側の開口B510)と前記第4の開口(左側の開口B510)との間に配置されており、
前記カバー部材(ブラインドB500)は、前記第1の空間(右側の空間P)の下端を規定する下端部(水平部B501及び傾斜部B502)を備えるとともに、前記下端部は、前記第1の開口の直下部分から離れるにつれて下降するような傾斜を有する傾斜部(傾斜部B502)を備えており、
前記傾斜部の少なくとも一部は、前記第3の開口の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に位置している、
ことを特徴とする遊技機。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)が形成されている。また、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部には、上方とは異なる方向(左右方向)に開放した第3の開口(右側の開口B510)及び第4の開口(左側の開口B510)が形成されている。第1の開口(右側の開口B400)と第3の開口(右側の開口B510)とは連通しており、これにより第1の空間(右側の空間P)が形成される一方、第2の開口(左側の開口B400)と第4の開口(左側の開口B510)とは連通しており、これにより第2の空間(左側の空間P)が形成されている。そして、このような第3の開口(右側の開口B510)と第4の開口(左側の開口B510)との間にプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が配置されている。これにより、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部から第1の開口(右側の開口B400)を介して流入した空気は、第1の空間(右側の空間P)及び第3の開口(右側の開口B510)を経由して、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した後、第4の開口(左側の開口B510)及び第2の空間(左側の空間P)を経由して、第2の開口(左側の開口B400)を介してカバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部に放出される。当該空気は、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過する際、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を吸収することにより温められるところ、温度の高い空気は上方に向かう性質を有する。そのため、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気は、第2の空間(左側の空間P)内を上昇し、第2の空間(左側の空間P)の上方に形成された第2の開口(左側の開口B400)からスムーズに排出されることとなる。その結果、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することが可能となり、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができる。
また、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、カバー部材(ブラインドB500)は、第1の空間(右側の空間P)の下端を規定する下端部(水平部B501及び傾斜部B502)を備えるとともに、下端部(水平部B501及び傾斜部B502)は、第1の開口(右側の開口B400)の直下部分から離れるにつれて下降するような傾斜を有する傾斜部(傾斜部B502)を備えている。従って、第1の開口(右側の開口B400)を介して、遊技機の外部からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部へと液体(遊技者が注ぎ込んだ飲み物等)が入ってきた場合、当該液体は、第1の開口(右側の開口B400)の直下部分から離れるにつれて下降するように、傾斜部(傾斜部B502)を流れることになる。ここで、傾斜部(傾斜部B502)の少なくとも一部は第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に位置しているため、当該液体が傾斜部(傾斜部B502)を下降しながら流れて第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に到達すると、当該液体よりも第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)の方が上方に存在することになるため、当該液体は、第3の開口(右側の開口B510)を通過しにくく、当該液体がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置されている方へと侵入するということが起こりにくい状態となる。このようにして、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、遊技機の外部から侵入してきた液体等の異物からプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を保護することができる。
(7-2) 前記(7-1)の遊技機であって、
前記本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)には、前記第1の開口及び前記第2の開口のそれぞれの上方に、第5の開口(2つある開口G41のうちの右側の開口G41)及び第6の開口(2つある開口G41のうちの左側の開口G41)が形成されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、本体部(キャビネットG)の上面(上面壁G4)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)のそれぞれの上方に、第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)が形成されている。これにより、本体部(キャビネットG)の第5の開口(右側の開口G41)を介して遊技機の外部上方から遊技機の内部に空気を取り入れ、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)を介してこの空気をカバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部に流入させた後、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気を、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第2の開口(左側の開口B400)及び本体部(キャビネットG)の第6の開口(左側の開口G41)を介して遊技機の外部上方に放出することができる。このように、上記変形例に係るパチスロ機1では、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過して温められた空気の排出先が遊技機の外部上方となっているが、仮に、当該空気を遊技機の背面から排出することとすれば、遊技店に設置される島設備に熱がこもってしまい、遊技機の制御に悪影響を招来してしまうことが懸念される。また、遊技機の側面から空気を排出することとすれば、温められた空気が隣の遊技機に取り込まれることになり、隣接する遊技機間で温かい空気の悪循環が生じてしまう結果として、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができないと考えられる。さらに、遊技機の前方に空気を排出することとすれば、遊技者の顔に熱風が吹き付けられてしまう恐れがある。この点、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、このような問題を生じさせることなく、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を放出するための空気の流れを作り出すことができる。
一方で、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)に形成された第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)が、カバー部材(プロジェクタカバーB1)に形成された第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)の上方に存在しているため、第5の開口(右側の開口G41)又は第6の開口(左側の開口G41)を介して遊技機の外部から内部に異物が入った場合、当該異物は、第1の開口(右側の開口B400)又は第2の開口(左側の開口B400)を介してカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に侵入しやすくなっている。そのため、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に入った異物がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)にまで到達し、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)に悪影響を及ぼしてしまうことが懸念される。例えば、第5の開口(右側の開口G41)から遊技者が飲み物を注入したような場合、当該飲み物が第1の空間(右側の空間P)及び第3の開口(右側の開口B510)を通過してプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の内部にまで侵入すると、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が故障してしまう恐れがある。この点、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、第5の開口(右側の開口G41)及び第1の開口(右側の開口B400)を介して遊技機の外部からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部へと液体が入ってきた場合であっても、当該液体は、上述したように傾斜部(傾斜部B502)に沿って流れるため、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
(7-3) 前記(7-1)又は(7-2)の遊技機であって、
前記傾斜部(傾斜部B502)及び前記傾斜部と連続する壁部(後壁部B503、外壁部B504、及び、内壁部B505)によって下方が閉塞した空間が形成されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、傾斜部(傾斜部B502)及び傾斜部(傾斜部B502)と連続する壁部(後壁部B503、外壁部B504、及び、内壁部B505)によって下方が閉塞した空間が形成されているため、傾斜部(傾斜部B502)を下降しながら流れてきた液体を当該空間に貯留することができる。これにより、貯留された液体の液面が第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に存在する限り、第3の開口(右側の開口B510)を介してプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置空間へと液体が侵入してしまうことを阻止することができる。
(8-1) 映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前記プロジェクタにより投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンを視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記カバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)及び第2の開口(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)が形成されており、
前記カバー部材の内部において、前記第1の開口から連通して第1の空間(2つある空間Pのうちの右側の空間P)が形成される一方、前記第2の開口から連通して第2の空間(2つある空間Pのうちの左側の空間P)が形成されており、
前記第1の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第3の開口(2つある開口B510のうちの右側の開口B510)により、上方とは異なる方向(左方向)に開放している一方、前記第2の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第4の開口(2つある開口B510のうちの左側の開口B510)により、上方とは異なる方向(右方向)に開放しており、
前記第1の開口(右側の開口B400)と前記第3の開口(右側の開口B510)とが連通する一方、前記第2の開口(左側の開口B400)と前記第4の開口(左側の開口B510)とが連通しており、
前記プロジェクタは、前記第3の開口(右側の開口B510)と前記第4の開口(左側の開口B510)との間に配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)が形成されている。また、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部には、上方とは異なる方向(左右方向)に開放した第3の開口(右側の開口B510)及び第4の開口(左側の開口B510)が形成されている。第1の開口(右側の開口B400)と第3の開口(右側の開口B510)とは連通しており、これにより第1の空間(右側の空間P)が形成される一方、第2の開口(左側の開口B400)と第4の開口(左側の開口B510)とは連通しており、これにより第2の空間(左側の空間P)が形成されている。そして、このような第3の開口(右側の開口B510)と第4の開口(左側の開口B510)との間にプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が配置されている。これにより、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部から第1の開口(右側の開口B400)を介して流入した空気は、第1の空間(右側の空間P)及び第3の開口(右側の開口B510)を経由して、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した後、第4の開口(左側の開口B510)及び第2の空間(左側の空間P)を経由して、第2の開口(左側の開口B400)を介してカバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部に放出される。当該空気は、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過する際、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を吸収することにより温められるところ、温度の高い空気は上方に向かう性質を有する。そのため、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気は、第2の空間(左側の空間P)内を上昇し、第2の空間(左側の空間P)の上方に形成された第2の開口(左側の開口B400)からスムーズに排出されることとなる。その結果、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することが可能となり、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができる。
(8-2) 前記(8-1)の遊技機であって、
前記プロジェクタは、第1の通気口(吸気口B22A)及び第2の通気口(排気口B22E)と、前記第1の通気口と前記第2の通気口との間に配置されたファン(吸気用ファン244A・244B)とを備え、
前記第1の通気口(吸気口B22A)と前記第3の開口(右側の開口B510)とが対向する一方、前記第2の通気口(排気口B22E)と前記第4の開口(左側の開口B510)とが対向するように、前記プロジェクタが配置されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)には、第1の通気口(吸気口B22A)と第2の通気口(排気口B22E)とが設けられるとともに、第1の通気口(吸気口B22A)と第2の通気口(排気口B22E)との間にファン(吸気用ファン244A・244B)が備えられており、第1の通気口(吸気口B22A)が第3の開口(右側の開口B510)と対向し第2の通気口(排気口B22E)が第4の開口(左側の開口B510)と対向するようにプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が配置されるため、ファン(吸気用ファン244A・244B)によって強制的に吸気することにより、上記のような空気の流れをスムーズに作り出すことができる。
(8-3) 前記(8-1)又は(8-2)の遊技機であって、
前記本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)には、前記第1の開口及び前記第2の開口のそれぞれの上方に、第5の開口(2つある開口G41のうちの右側の開口G41)及び第6の開口(2つある開口G41のうちの左側の開口G41)が形成されており、
前記プロジェクタは、前記スクリーンの上方に配置されるように、前記本体部に収容されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係るパチスロ機1によれば、本体部(キャビネットG)の上面(上面壁G4)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)のそれぞれの上方に、第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)が形成されている。これにより、本体部(キャビネットG)の第5の開口(右側の開口G41)を介して遊技機の外部上方から遊技機の内部に空気を取り入れ、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)を介してこの空気をカバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部に流入させた後、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気を、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第2の開口(左側の開口B400)及び本体部(キャビネットG)の第6の開口(左側の開口G41)を介して遊技機の外部上方に放出することができる。このように、上記変形例に係るパチスロ機1では、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過して温められた空気の排出先が遊技機の外部上方となっているが、仮に、当該空気を遊技機の背面から排出することとすれば、遊技店に設置される島設備に熱がこもってしまい、遊技機の制御に悪影響を招来してしまうことが懸念される。また、遊技機の側面から空気を排出することとすれば、温められた空気が隣の遊技機に取り込まれることになり、隣接する遊技機間で温かい空気の悪循環が生じてしまう結果として、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができないと考えられる。さらに、遊技機の前方に空気を排出することとすれば、遊技者の顔に熱風が吹き付けられてしまう恐れがある。この点、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、このような問題を生じさせることなく、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を放出するための空気の流れを作り出すことができる。
また、上記変形例に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)の上方に配置されるように本体部(キャビネットG)に収容され、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置位置が本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)に近くなっている。従って、本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)に形成された第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)とプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)との距離も短く、それに伴い、第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)とプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)との間に存在する部材や装置の数は比較的少なくなっている。そのため、第5の開口(右側の開口G41)から取り入れた空気をプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を経由して第6の開口(左側の開口G41)から排出するような流路を設計するに当たって、途中に存在する部材や装置を避けるために複雑な迂回経路を作る必要がなく、比較的容易に空気流路の設計を行うことができる。
以上、上述した実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した場合について説明した。以下、図82~図86を用いて、本発明をパチンコ遊技機に適用した変形例について説明する。
図82は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。図83は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。図84は、パチンコ遊技機の装飾ユニット及びフレーム部材を前方から示す分解斜視図である。
図82及び図83に示すように、パチンコ遊技機6100は、ガラスドア6111、木枠6112、ベースドア6113、遊技盤6114、皿ユニット6115、遊技球を発射する発射装置6122、各種の制御基板を含む基板ユニット6123、遊技価値としての遊技球を付与する球払出ユニットなどから構成されている。
上述したガラスドア6111は、ベースドア6113に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア6111の中央には、開口6116が形成されており、その開口6116には、透過性を有する保護ガラス6124が配設されている。また、上述した木枠6112は、その前方にベースドア6113が軸着される。
上述した皿ユニット6115は、ガラスドア6111の下方に位置するように、ベースドア6113に配設されている。皿ユニット6115には、その上方に上皿6125が、その下方に下皿6126が設けられている。上皿6125及び下皿6126には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口6131A、6131Bが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿6125には、遊技領域6141に発射させるための遊技球が貯留されることとなる。
上述した発射装置6122は、皿ユニット6115の側方に位置するように、ベースドア6113に配設されている。この発射装置6122には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル6132が配設されており、遊技者によって発射ハンドル6132が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6132が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿6125に貯留された遊技球が遊技盤に順次発射される。
上述した遊技盤6114は、保護ガラス6124の後方に位置するように、ベースドア6113の前方に配設されている。遊技盤6114は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域6141を有している。この遊技領域6141は、ガイドレールなどに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。このように、発射装置6122によって発射された遊技球は、遊技盤上に設けられたガイドレールに案内されて遊技盤6114の上部に移動し、その後、遊技領域6141に設けられた複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤の上方から下方に向かって流下することとなる。
図82に示すように、ガラスドア6111の前面における上部領域には、装飾ユニット6258が設けられている。装飾ユニット6258は、パチンコ遊技機6100の前方に突出するように配置されている。
装飾ユニット6258の内部には空洞が形成されており、該空洞には、上述した実施形態で説明した照射ユニットBが配設されている。図82では、装飾ユニット6258の上方から装飾ユニット6258の内部を透視した状態を示している。
図83に示すように、遊技盤6114の背面側には、スクリーン装置C(図40参照)が配置されている。これにより、上述した実施形態と同様に、照射ユニットBのプロジェクタ装置B2から出射された光をスクリーン装置Cのスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1)に照射させることができるようになっている。
装飾ユニット6258は、フレーム部材6211(図84参照)の上部に取り付けられる。図示しないが、フレーム部材6211は、ガラスドア6111の背面側に固定されている。
図84に示すように、照射ユニットBは、フレーム部材6211の上部に取り付けられる。照射ユニットBがフレーム部材6211に取り付けられた状態でフレーム部材6211に対して装飾ユニット6258を取り付けることにより、装飾ユニット6258の内部空間に照射ユニットBが収納される。
また、フレーム部材6211の上部には、照射ユニットBの左右双方において、スピーカ6152とスピーカホルダ6152Aとが一体となって取り付けられている。一方、装飾ユニット6258には、右側及び左側にそれぞれ、スピーカ用孔6151A,6151Bが設けられている。スピーカ用孔6151A,6151Bは、メッシュ状の開口として形成されている。
フレーム部材6211に装飾ユニット6258が取り付けられた状態において、スピーカ用孔6151A,6151Bは、それぞれ、スピーカ6152の前方を覆っており、スピーカ用孔6151A,6151Bを介して、スピーカ6152から発生した音をパチンコ遊技機6100の外部に放出することができるようになっている。
ここで、スピーカ用孔6151Aは、パチンコ遊技機6100の外部から空気を取り込むための通気口としても機能する。図84に示すように、照射ユニットBの前部右側には、吸気用ファン6244が配設されている。これにより、スピーカ用孔6151Aを介して、パチンコ遊技機6100の外部前方から、パチンコ遊技機6100の内部に空気が取り入れられる。
この空気は、第3実施形態と同様に、プロジェクタカバーB1の開口B400R(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の内部に取り入れられ、プロジェクタ装置B2で発生した熱を奪いながらプロジェクタカバーB1内を進行し、開口B400L(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の外部に出る。
プロジェクタカバーB1の外部に出た空気は、フレーム部材6211に形成された貫通孔6245を通過して後方へと移動し、パチンコ遊技機6100の背面側から外部に放出される。
以上で説明した空気の流れを図82及び図84中に矢印で示している。第3実施形態では、パチスロ機1の外部上方から空気を取り入れ、パチスロ機1の外部上方へと空気を排出する場合について説明した。これに対し、本変形例では、パチンコ遊技機6100の外部前方から空気を取り入れ、パチンコ遊技機6100の外部後方へと空気を排出することとしている。このように、本発明において、プロジェクタを冷却するための空気を取り入れる方向及び排出する方向は、特に限定されず、プロジェクタの配置位置やプロジェクタ周辺の構造等に応じて適宜設計することができる。
なお、パチンコ遊技機は、パチスロ遊技機と比較して、遊技機の前後方向における奥行きが短いため、同じ島設備において一のパチンコ遊技機の背面側に他のパチンコ遊技機が設置されている場合、これらのパチンコ遊技機の間には比較的大きなスペースが存在する。従って、プロジェクタにより温められた空気をパチンコ遊技機の背面から排出したとしても、パチンコ遊技機の島設備においては、パチスロ遊技機の島設備ほど熱がこもってしまうことはないと考えられる。
以下、他の変形例として、パチンコ遊技機6100の外部右側から空気を取り入れ、パチンコ遊技機6100の外部左側へと空気を排出する場合について、図85を用いて説明する。図85は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。
図85に示すように、装飾ユニット6258の右側面には、開口6300Rが形成されている。これにより、開口6300Rを介して、パチンコ遊技機6100の外部右側から、パチンコ遊技機6100の内部に空気が取り入れられる。
この空気は、上述した変形例と同様に、プロジェクタカバーB1の開口B400R(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の内部に取り入れられ、プロジェクタ装置B2で発生した熱を奪いながらプロジェクタカバーB1内を進行し、開口B400L(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の外部に出る。
図には表れていないが、装飾ユニット6258の左側面にも、右側面と同様に、開口(開口6300L)が形成されている。これにより、開口B400LからプロジェクタカバーB1の外部に出た空気は、開口6300Lからパチンコ遊技機6100の外部に放出される。
このような空気の流れを図85中に矢印で示している。本変形例では、空気の排出方向を遊技機の側方としていることに起因して、温められた空気が隣の遊技機に取り込まれてしまう可能性があると考えられる。このような事態が発生することを防止するため、空気の排出方向を遊技機の側方とする場合には、例えば、装飾ユニット6258の左右方向の幅をもっと短くする等して、一のパチンコ遊技機における排気口(開口6300L)と、該パチンコ遊技機の隣に設置されたパチンコ遊技機における吸気口(開口6300R)とが、ある程度離れるように構成されていることが望ましい。
以下、図86を用いて、他の変形例について説明する。図86は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。
上述した変形例では、照射ユニットBがフレーム部材6211に取り付けられることとして説明した。これに対し、図86に示す例において、照射ユニットBは、ベースドア6113に取り付けられている。また、スピーカ6152も、ベースドア6113に取り付けられている。このような変形例においても、上述した例と同様の空気流路を形成することができる。
図86では、照射ユニットBがベースドア6113の前側に取り付けられる様子を示しているが、照射ユニットBは、ベースドア6113の後側に取り付けることとしてもよい。本発明において、照射ユニットBは、遊技盤よりも前方に設置されてもよいし、遊技盤よりも後方に設置されてもよい。照射ユニットBを遊技盤よりも後方に設置する場合には、遊技盤の背面側にスペースを形成しつつ、当該スペースを利用することにより、照射ユニットBを配設することができる。
例えば、遊技盤の中央に開口部分を備え、その開口部分に照射ユニットの前部が貫通するように、ベースドア又は遊技盤、その他パチンコ遊技機の後方部材に照射ユニットを配設するようにしてもよい。その場合、従来から存在する一般的なパチンコ遊技機(遊技盤の中央に開口を備え、その開口を通じて遊技盤の後方にある液晶表示装置等を視認可能とする構成のパチンコ遊技機)の遊技盤をそのまま転用することも可能となる。例えば、液晶表示装置を取り払い、スクリーン機構を配設し、さらに遊技盤等の後方部材に照射ユニットを配設することにより、遊技盤の形状を従来のままにしつつ、照射ユニット及びスクリーン機構を搭載した新たな遊技機とすることが可能となる。そのような構成を採用する場合、照射ユニットの前方の一部は遊技盤よりも前方に突出しているため、パチンコ遊技機の後方のスペースをより大きく確保することができる。そうすることで、島設備の狭い遊技場において、島設備全体に照射ユニット付きのパチンコ遊技機を設置した際に、島設備内の温度上昇を低減させることが可能となる。さらに、遊技者から視認可能となる照射ユニットの前方(例えば、リフレクタ保持部B11辺り)に、機種に応じたロゴ等の装飾部材を配置したり、補助的な装飾を行う小型サイズの液晶表示装置、電飾基板等を配置したりすることにより、照射ユニットが遊技者から見えないように目隠しすることができ、さらに演出効果を高めることが可能となる。
なお、スクリーン装置Cは、照射ユニットBに取り付けられた状態で設置されてもよいし、照射ユニットBとは分離した状態で設置されてもよい。
以上で説明した変形例では、空気の排出方向を遊技機の後方又は側方としているが、第3実施形態と同様に、遊技機の上方から空気を排出することとしてもよい。空気の排出方向を上方とする場合には、例えば、装飾ユニット6258(ガラスドア6111)の上面に排気用の開口を形成すればよい。この場合において、照射ユニットBを遊技盤よりも後方に設置する場合には、空気の通路を確保するために、遊技盤にも適宜開口を形成すればよい。
本発明においては、空気を取り入れる方向及び排出する方向、並びに、空気を流す経路に応じて、空気流路上に存在する部材に対して、適宜開口を形成することが可能である。空気流路に応じて、管状のダクトを設けることとしてもよい。
また、空気の流れをスムーズにするために、吸気用ファン及び/又は排気用ファンを適宜配設することが可能である。例えば、空気を取り入れるための開口(例えば、図85の開口6300R)とプロジェクタカバーB1の開口B400Rとの間に吸気用ファン(例えば、図84の吸気用ファン6244)を配設したり、空気を排出するための開口(例えば、図85の開口6300L)とプロジェクタカバーB1の開口B400Lとの間に排気用ファンを配設したりすることが可能である。もっとも、照射ユニットBの内部に設けられたファンにより吸気や排気が充分に行われるのであれば、照射ユニットBの外部にはファンを配設しなくてもよい。
なお、上述した変形例では、図80で説明したプロジェクタカバーB1が採用されるものとして図示しているが、プロジェクタカバーの構成は特に限定されず、プロジェクタの冷却用の空気を取り入れるための開口、及び、当該空気を排出するための開口が形成されたプロジェクタカバーを適宜採用することができる。これらの開口は、プロジェクタカバーの前方や後方、上方や下方、側方等、任意の場所に形成することが可能であり、プロジェクタの冷却効率等を勘案して、開口の形成位置を適宜決定することができる。さらに、プロジェクタは、プロジェクタカバーによって覆われずに、露出した状態で遊技機の内部に配設されていてもよく、遊技機の外部から取り入れた冷却用の空気をプロジェクタに直接(プロジェクタカバーを経由することなく)当てるように構成することも可能である。
[第4実施形態]
以上、第2実施形態及び第3実施形態について説明した。以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第2実施形態及び第3実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第2実施形態及び第3実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第2実施形態及び第3実施形態における説明が第4実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<表示ユニット9000>
図87は、表示ユニットの外観を示す斜視図である。図88は、表示ユニットの内部構造を示す斜視図である。図89は、図88に示す表示ユニットからプロジェクタ及びミラーを分解した状態を示す斜視図である。図90は、図87に示す表示ユニットからプロジェクタ及びミラーを分解した状態においてプロジェクタから光が投射されている様子を示す斜視図である。
図87に示す表示ユニット9000は、第2実施形態で説明した表示ユニットAと同様に、キャビネットG内の中間支持板G1(図40参照)上に交換可能に載置される。
図87~図89に示すように、表示ユニット9000は、ユニット用筐体9010と、プロジェクタ9020と、ミラー9030と、キャビネット側スクリーン9040と、を備えている。
ユニット用筐体9010は、水平配置された底板9011と、底板9011の右端部に立設された右側板9012と、底板9011の左端部に立設された左側板9013と、底板9011の後端部に立設された背板9014と、を有している。底板9011に対して右側板9012と左側板9013と背板9014とがネジ締結により連結されることによって、前面側と上面側とが開放された箱形形状の筐体が形成されている。
背板9014には、プロジェクタ9020を設置するためのプロジェクタ設置用部材9015が取り付けられている。プロジェクタ9020は、プロジェクタ設置用部材9015の前方部に係合されることにより、ユニット用筐体9010内に設置される。
プロジェクタ9020は、第2実施形態で説明したプロジェクタ装置B2(図47参照)と同様の構成(例えば、投射レンズ210と同様の構成を有するレンズ等)を有しており、画像を含む光を投射することが可能である。プロジェクタ9020は、レンズが下側となるように設置され、これにより、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行する。
プロジェクタ設置用部材9015の下方には、ミラー9030を設置するためのミラー設置部9016が形成されている。ミラー設置部9016は、背板9014から底板9011にかけて傾斜する傾斜辺9016a及び9016bを有している。
ミラー9030は、第2実施形態で説明した光学ミラーB32(図42参照)と同様の構成を有しており、プロジェクタ9020から投射された光を反射することが可能である。ミラー9030は、ミラー設置部9016の傾斜辺9016a及び9016bに沿うように設置される。これにより、ミラー9030は、後方よりも前方の方が低くなるような傾斜を有する姿勢となる。
その結果、プロジェクタ9020から投射されて下向きに進行した光は、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図90参照)。図90では、光の照射範囲を斜線で示している。なお、図90に示すプロジェクタ9020とミラー9030との相対的な位置関係は、図88に示す状態(プロジェクタ9020及びミラー9030がユニット用筐体9010内に設置された状態)におけるこれらの相対的な位置関係と同じとなっている。すなわち、図90は、図88に示す状態におけるプロジェクタ9020とミラー9030との相対的な位置関係を保ちつつ、これらを分解して示した図である。
底板9011の前方部には、キャビネット側スクリーン9040が嵌合されることにより、立設されている。これにより、プロジェクタ9020から投射された後ミラー9030によって前方に向けて反射された光は、キャビネット側スクリーン9040に対して後方(背面側)から入射する。
キャビネット側スクリーン9040は、正面視長方形の形状を有しており、全面にわたって均等な厚みを有するように形成されている。キャビネット側スクリーン9040は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のものであり、プロジェクタ9020から投射された光が入射する一様に平坦な背面側の入射面9040aと、入射面9040aに入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面9040bと、を有する。キャビネット側スクリーン9040は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
このようなキャビネット側スクリーン9040の入射面9040aに対して、プロジェクタ9020から投射された光が入射することによって、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bに、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。なお、動画像とは、多数の静止画像から構成され、多数の静止画像が経時的に連続して変化することにより得られるものである。本明細書において、動画像と映像とは同義である。
<光の照射範囲とキャビネット側スクリーン9040との関係>
図91は、プロジェクタから投射された光の照射範囲とキャビネット側スクリーンとの関係を示す図である。
図91では、キャビネット側スクリーン9040(表示面9040b)を網掛けで示している。プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲は、キャビネット側スクリーン9040よりも広くなっている。具体的に、プロジェクタ9020から投射された光は、キャビネット側スクリーン9040(入射面9040a)の全面(図91において網掛けで示す領域)に入射するとともに、キャビネット側スクリーン9040の周縁領域を通過する。図91では、プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲のうち、キャビネット側スクリーン9040の周縁領域を斜線で示している。
プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーン9040に入射せず、図91において斜線で示す領域を通過した光は、キャビネット側スクリーン9040の前方へと進行する。キャビネット側スクリーン9040の前方へと進行した光のうちの一部は、以下で説明するように、上ドア機構UDのドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060に入射することとなる(図96(b)及び(c)参照)。
<上ドア機構UD>
図92は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。図93は、上ドア機構の分解斜視図である。図94は、上ドア機構を前方から見た斜視図である。図95は、遊技機の正面図である。
第2実施形態で説明したように、キャビネットGの内部は、中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られている(図40参照)。図92に示す上ドア機構UDは、第2実施形態に係る上ドア機構UD(図39参照)と同様に、キャビネットGにおける上部空間の前方に配置され、キャビネットGにおける開口の上部を閉塞することが可能なように設けられている。
図93に示すように、上ドア機構UDは、上ドア機構UDの骨格を成すパネルベースHHを有している。パネルベースHHの前面側には、パネル機構HA・HB・HC・HD・HE・HF・HGが設けられている。また、上ドア機構UDは、上側表示窓UD1(図38参照)を中央部(正面視においてキャビネット側スクリーン9040と重畳する位置)に有しており、上側表示窓UD1には、透明パネルUD11が設けられている。これにより、キャビネット側スクリーン9040に画像が表示された場合、当該画像が遊技者から視認可能となる。
図94及び図95に示すように、透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の右側の若干奥まった位置には、ドア側右スクリーン9050が設けられている。透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の左側の若干奥まった位置には、ドア側左スクリーン9060が設けられている。ドア側右スクリーン9050とドア側左スクリーン9060とは、略同一の形状を有している。
ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、平坦なスクリーンを湾曲させた形状(例えば、円筒を半分に割った半円筒形状)を有しており、第2実施形態で説明したリールスクリーン機構F1(図45参照)の側面視における形状と同様、上面視(底面視)における形状が円弧形状となっている。ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、全面にわたって均等な厚みを有するように形成されている。
ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、キャビネット側スクリーン9040と同様に、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のものである。ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
ドア側右スクリーン9050は、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面9050aと、入射面9050aに入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面9050bと、を有する。ドア側左スクリーン9060は、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面9060aと、入射面9060aに入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面9060bと、を有する。
ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、それぞれ、曲率中心が背面側となるように配置されている。すなわち、ドア側右スクリーン9050の入射面9050a及び表示面9050b、並びに、ドア側左スクリーン9060の入射面9060a及び表示面9060bは、プロジェクタ9020から投射された光の進行方向下流側に凸となっている。
図92では、上ドア機構UDが閉じられた状態におけるドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060と、キャビネットG内に配置されたキャビネット側スクリーン9040との位置関係を示している。図中、キャビネット側スクリーン9040は、仮想線で示している。
図92に示すように、ドア側右スクリーン9050の左端を構成する辺(図95に示す辺9050c)と、キャビネット側スクリーン9040の右端を構成する辺(図87に示す辺9040c)とは、近接(あるいは略当接)しており、ドア側右スクリーン9050の辺9050cがキャビネット側スクリーン9040の辺9040cよりも僅かに右側に位置している。また、ドア側左スクリーン9060の右端を構成する辺(図95に示す辺9060c)と、キャビネット側スクリーン9040の左端を構成する辺(図87に示す辺9040d)とは、近接(あるいは略当接)しており、ドア側左スクリーン9060の辺9060cがキャビネット側スクリーン9040の辺9040dよりも僅かに左側に位置している。
ドア側右スクリーン9050の辺9050c、ドア側左スクリーン9060の辺9060c、並びに、キャビネット側スクリーン9040の辺9040c及び辺9040dは、前後方向における位置が略同一となっている。すなわち、ドア側右スクリーン9050の後端(辺9050c)及びドア側左スクリーン9060の後端(辺9060c)は、それぞれ、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bと略同一平面上に位置している。ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、前方に凸となるように湾曲しているため、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、全体的に、キャビネット側スクリーン9040の前方に位置していることになる。
また、ドア側右スクリーン9050の下端を構成する辺(図95に示す辺9050d)、ドア側左スクリーン9060の下端を構成する辺(図95に示す辺9060d)、及び、キャビネット側スクリーン9040の下端を構成する辺(図87に示す辺9040e)は、上下方向における位置(高さ)が略同一となっている(これらの3つの辺は、略同一平面上に位置している)。また、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の上下方向の長さ(辺9050c及び辺9060c)は、キャビネット側スクリーン9040の上下方向の長さ(辺9040c及び辺9040d)よりも長くなっている。これにより、ドア側右スクリーン9050、ドア側左スクリーン9060、及び、キャビネット側スクリーン9040は、下端が略同一高さに位置し、キャビネット側スクリーン9040よりもドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の方が背の高い構成となっている。
<キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060への画像の表示>
図96(a)は、プロジェクタから投射された光の照射範囲とキャビネット側スクリーンとの関係を示す図である。図96(b)は、キャビネット側スクリーンに入射しなかった光がドア側右スクリーンに入射する様子を示す図である。図96(c)は、キャビネット側スクリーンに入射しなかった光がドア側左スクリーンに入射する様子を示す図である。図97及び図98は、キャビネット側スクリーン、ドア側右スクリーン、及び、ドア側左スクリーンに表示される画像について説明するための図である。
図96(a)では、図91において斜線で示した領域(プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲のうち、キャビネット側スクリーン9040の周縁領域)を、便宜上3つの領域(領域I、領域II、及び、領域III)に分けて示している。領域Iは、キャビネット側スクリーン9040の右側に位置する領域である。領域IIは、キャビネット側スクリーン9040の左側に位置する領域である。領域IIIは、キャビネット側スクリーン9040の上側に位置する領域である。なお、図96(a)では、図91と同様、キャビネット側スクリーン9040(表示面9040b)を網掛けで示している。
上述したように、プロジェクタ9020から投射された光のうちの一部は、キャビネット側スクリーン9040の入射面9040aに入射する。これにより、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bに画像が表示される。
また、図96(b)に示すように、プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーン9040に入射せず、図96(a)における領域Iを通過した光は、ドア側右スクリーン9050の入射面9050aに入射する。これにより、ドア側右スクリーン9050の表示面9050bに画像が表示される。
同様に、図96(c)に示すように、プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーン9040に入射せず、図96(a)における領域IIを通過した光は、ドア側左スクリーン9060の入射面9060aに入射する。これにより、ドア側左スクリーン9060の表示面9060bに画像が表示される。
以上のようにして、キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060のそれぞれに、画像(遊技に関する静止画像や動画像)が表示される。本実施形態では、3つのスクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)に表示される各画像と、1つの画像データとが対応しており、1つの画像データを用いることにより3つのスクリーンのそれぞれに画像を表示することができる。
図97及び図98では、このような画像データについて示している。図97(a)において網掛けで示す領域(領域A)は、キャビネット側スクリーン9040に表示される画像を示す情報を含んでいる。図97(a)において斜線で示す領域(領域B)は、ドア側右スクリーン9050に表示される画像を示す情報を含んでいる。図97(a)において斜線で示す領域(領域C)は、ドア側左スクリーン9060に表示される画像を示す情報を含んでいる。図97(a)における残りの領域(領域D)は、画素値が0の情報を含んでいる。画素値とは、プロジェクタ9020の備える液晶パネルに形成された画素の光透過率に対応している。画素値が0であることは、光透過率が最小であることを示しており、画素値が0である領域に対応するスクリーンの表示面は黒色となる。
図97(b)では、画像データの一例を示している。図97(b)に示す画像データは、領域Aにおいて演出画像9100を示す情報を含み、領域Bにおいて花火画像9101を示す情報を含み、領域Cにおいて文字画像9102を示す情報を含んでいる。図中の斜線部分に対応する領域は、画素値が0の情報を含んでいる。このような画像データを用いることによって、キャビネット側スクリーン9040に演出画像9100が表示され、ドア側右スクリーン9050に花火画像9101が表示され、ドア側左スクリーン9060に文字画像9102が表示される。
なお、上述したように、本実施形態では、ドア側右スクリーン9050の後端(辺9050c)及びドア側左スクリーン9060の後端(辺9060c)と、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bとは、前後方向における位置が略同一となっている。これにより、キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060は、それぞれ、プロジェクタ9020からの前後方向における距離が概ね等しくなっており、焦点が大きくずれてしまうことがないようになっている。
図98(a)では、別の画像データの一例を示している。図98(a)に示す画像データは、領域Aにおいて演出画像9100を示す情報を含み、領域Bにおいて装飾用画像9110を示す情報を含み、領域Cにおいて装飾用画像9111を示す情報を含んでいる。図中の斜線部分に対応する領域は、画素値が0の情報を含んでいる。このような画像データを用いることによって、キャビネット側スクリーン9040に演出画像9100が表示され、ドア側右スクリーン9050に装飾用画像9110が表示され、ドア側左スクリーン9060に装飾用画像9111が表示される。
図98(b)では、さらに別の画像データの一例を示している。図98(b)に示す画像データは、領域Bにおいて装飾用画像9110を示す情報を含み、領域Cにおいて装飾用画像9111を示す情報を含んでいる。図中の斜線部分に対応する領域は、画素値が0の情報を含んでいる。このような画像データを用いることによって、ドア側右スクリーン9050に装飾用画像9110が表示され、ドア側左スクリーン9060に装飾用画像9111が表示される。
以上、本発明の一実施形態として、第4実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
従来、プロジェクタを用いることにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開平6-035066号公報及び特開2009-240459号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技用の映像がプロジェクタからスクリーン等の投影面に投影されることにより、液晶表示装置の代わりに、スクリーン等に映像が表示されるようになっている。
しかしながら、このようなプロジェクタからスクリーンに映像が投影される遊技機においては、スクリーンが平坦であることに起因して、演出表現が乏しくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、多彩な演出表現を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第4実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(9-1) スクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ9020)と、を備え、
前記スクリーンは、前記プロジェクタにより投射された光が背面側から入射するように配置され、背面側から入射した光により前面側に画像を表示することが可能であり、
前記スクリーンとして、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)、及び、正面視において前記第1スクリーンの側方又は上方若しくは下方に配置された第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)が設けられ、
前記プロジェクタ、前記第1スクリーン、及び、前記第2スクリーンは、前記プロジェクタにより投射された光のうちの一部が前記第1スクリーンに入射する一方で、前記プロジェクタにより投射された光のうち前記第1スクリーンに入射しない光のうちの少なくとも一部が前記第2スクリーンに入射するように配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第4実施形態に係るパチスロ機1によれば、第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)は、正面視において第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)の側方に配置されている。そして、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光のうちの一部を第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)に入射させる一方で、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光のうち第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)に入射しない光のうちの少なくとも一部を第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)に入射させることが可能である。
従って、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)及び第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)にそれぞれ画像を表示することが可能であり、これらの画像は、遊技者から見た場合、左右に並ぶような位置関係で表示されることになる。これにより、このような2つのスクリーン(第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)及び第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060))に表示された画像を通じて、遊技者を視覚的に楽しませることが可能であり、多彩な演出表現を行うことができる。
(9-2) 前記(9-1)の遊技機であって、
前記第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記第1スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)は、前記開閉扉に設けられている、
ことを特徴とする。
一般的に、遊技機の開閉扉には、機種に応じた装飾(造形)が施されているところ、このような装飾を施すには、多額のコストが発生する。そして、新たな機種を開発するごとに(プロジェクトごとに)、開閉扉の造形をして装飾替えを行おうとすれば、相応のコストが嵩んでしまうことになる。
この点、第4実施形態に係るパチスロ機1によれば、開閉扉(上ドア機構UD)に第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)が設けられており、第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)に画像(外観上装飾と類似するような画像)を表示することによって、当該機種特有の装飾を開閉扉(上ドア機構UD)に施さなくても、装飾を施した場合と同様の視覚的効果を得ることができる。従って、装飾を省略した簡易な開閉扉(上ドア機構UD)を採用することが可能であり、装飾にかかる費用を抑えることができる。そして、新たな機種を開発するに際しても、開閉扉(上ドア機構UD)の装飾替えを大々的に行う必要はなく、機種に応じた画像データ(当該機種特有の装飾と類似するような画像のデータ)を準備すればよい。これにより、第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)に表示する画像を当該新たな機種に応じたものにすれば、装飾替えと同様の効果を得ることが可能であり、コストの削減を図ることができる。
第4実施形態では、プロジェクタ9020から投射された光のうち、図96(a)における領域I(キャビネット側スクリーン9040の右側に位置する領域)を通過した光が、ドア側右スクリーン9050に入射し、プロジェクタ9020から投射された光のうち、図96(a)における領域II(キャビネット側スクリーン9040の左側に位置する領域)を通過した光が、ドア側左スクリーン9060に入射するように、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060がそれぞれ配置されていることとして説明した。すなわち、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(第2スクリーン)が、正面視においてキャビネット側スクリーン9040(第1スクリーン)の側方に配置されていることとして説明した。
本発明において、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)と第2スクリーンとの位置関係は、この例に限定されず、第2スクリーンは、正面視において第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)の上方又は下方に配置されることとしてもよい。例えば、透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の上側にドア側上スクリーンを設けつつ、プロジェクタ9020から投射された光のうち、図96(a)における領域III(キャビネット側スクリーン9040の上側に位置する領域)を通過した光が、ドア側上スクリーンに入射するように、構成してもよい。また、透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の下側にドア側下スクリーンを設けつつ、プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーンの下側に位置する領域(例えば、図96(a)における領域IIIとキャビネット側スクリーン9040を挟んで対向する領域)を通過した光が、ドア側下スクリーンに入射するように、構成してもよい。本発明における第2スクリーンとしては、ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、及び、ドア側下スクリーンという4つのスクリーンを全て設けることとしてもよいし、4つのスクリーンのうちの任意の1つ、2つ、又は3つのスクリーンを設けることとしてもよい。なお、このようなキャビネット側スクリーンの側方に配置されたスクリーン(ドア側右スクリーン又はドア側左スクリーン)と、キャビネット側スクリーンの上方又は下方に配置されたスクリーン(ドア側上スクリーン又はドア側下スクリーン)とは、1つのスクリーンとして構成されていてもよい。例えば、ドア側右スクリーンとドア側左スクリーンとドア側上スクリーンとが、一体となるように構成されていてもよい。
本発明において、開閉扉(上ドア機構UD)における第2スクリーン(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、及び、ドア側下スクリーン)の配置位置は、特に限定されない。すなわち、第2スクリーン(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、及び、ドア側下スクリーン)は、正面視において、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)と近接する領域に設けられていてもよいし、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)からある程度離間した領域に設けられていてもよい。例えば、トップパネル機構HA、左上パネル機構HB、右上パネル機構HC、左横パネル機構HD、右横パネル機構HE(図95参照)等の配置位置の構造を変更して、当該位置に、ドア側上スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側右スクリーン等を設けることとしてもよい。これにより、これらのスクリーンの背面側にプロジェクタから投射された光を入射させて前面側に画像を表示させるようにすれば、これらのパネル機構の配置位置に相当する領域に、機種固有のデザインや機種情報を現すことができるとともに、画像データを適宜使用することにより、そのようなデザインや情報を容易に変更することができる。
なお、トップパネル機構HAは、上ドア機構UDの上端部に配置され、左横パネル機構HDは、上ドア機構UDの左端部に配置され、右横パネル機構HEは、上ドア機構UDの右端部に配置されているところ、これらの配置位置(上ドア機構UDの外周に沿った領域)に第2スクリーン(ドア側上スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側右スクリーン等)を設ける場合には、プロジェクタから投射された光の照射範囲(図91参照)を広くする必要がある。例えば、照射範囲を最大限広げ、(キャビネット側スクリーンが設けられていないと仮定した場合に)上ドア機構UD全体が照射されるような構成を採用することが可能である。照射範囲を広げるためには、例えば、ミラー9030の配置位置や傾斜を調整すればよい。プロジェクタ9020とミラー9030との相対的な位置関係を調整することにより、照射範囲を適宜変更することができ、キャビネット側スクリーンに入射せず前方へと進行した光が、トップパネル機構HA、左横パネル機構HD、右横パネル機構HE等の配置位置(上ドア機構UDの外周に沿った領域)にまで到達するように(上ドア機構UDの広い範囲に亘って光が照射されるように)設計することが可能である。このように、本発明においては、開閉扉(上ドア機構UD)のうち、正面視において第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)と近接する部分のみが、プロジェクタから投射された光によって照射されることとしてもよいし、開閉扉(上ドア機構UD)の外周部分にかけてより広い範囲で照射されることとしてもよい。
第4実施形態では、画像データの例として、図97(a)に示す領域Aと領域Bと領域Cとが、それぞれ別個の画像(図97(b)の例では、演出画像9100、花火画像9101、及び、文字画像9102)を示す情報を含むような画像データについて説明した。本発明において使用する画像データは、この例に限定されず、例えば、領域Aと領域Bと領域Cとに跨るようにして1つの画像(例えば、演出画像9100)を示す情報を含んでいるような画像データを用いることとしてもよい。このような画像データを用いることによって、キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060にそれぞれ、1つの画像(例えば、演出画像9100)の一部が表示され、各スクリーンに表示された一部の画像が一体となることにより当該1つの画像(例えば、演出画像9100)が構成されることになる。このように、本発明においては、キャビネット側スクリーン、及び、その周縁領域(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、ドア側下スクリーン等)に配置されたスクリーンに、それぞれ異なる画像を個別に表示してもよいし、各スクリーンに表示された画像が合わさることにより全体として1つの映像表現が行われることとしてもよい。
また、第4実施形態では、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(第2スクリーン)がパチスロ機1の前面側に露出した状態で設けられている(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の前面側には、他の部材が設けられていない)こととして説明した。これにより、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060に画像が表示された場合、当該画像は、遊技者から視認可能となる。もっとも、本発明においては、第2スクリーン(ドア側右スクリーン及びドア側左スクリーン)の前面側に透明パネルを設けることとしてもよい。透明パネルであれば、第2スクリーンに表示された画像を遊技者の視界から遮ることはなく、当該画像を遊技者が視認する上での支障はないと考えられる。一方で、第2スクリーンを透明パネルで覆うことにより、遊技機の剛性を担保し、第2スクリーンが破損してしまうことを防止することができる。透明パネルを設ける場合、透明パネルの形状は特に限定されないが、例えば、凹凸を有する透明パネルを採用することができる。これにより、第2スクリーン(ドア側右スクリーン及びドア側左スクリーン)に表示された画像に立体感を付与することが可能となり、開閉扉自体に立体的な装飾を施した場合に類似した外観を創出することができる。
また、第4実施形態では、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の形状が、平坦なスクリーンを湾曲させた形状(上面視における形状が円弧形状)であることとして説明した。しかし、本発明における第2スクリーン(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、及び、ドア側上スクリーン)の形状は、特に限定されず、任意の形状を有するスクリーンを適宜採用することができる。例えば、第2スクリーンは、キャビネット側スクリーン9040のような平坦な形状のスクリーンであってもよいし、凹凸を有するスクリーンであってもよいし、丸みを帯びた形状のスクリーンであってもよいし、角張った形状のスクリーンであってもよい。
[第5実施形態]
以上、第2実施形態~第4実施形態について説明した。以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第2実施形態~第4実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第2実施形態~第4実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第2実施形態~第4実施形態における説明が第5実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<光の照射範囲とスクリーンの配置位置>
図99は、上ドア機構及びキャビネットの縦断面図である。
図99では、プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲を、一点鎖線を用いて示している。第4実施形態と同様に、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行した後、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図90参照)。
第4実施形態では、このようにして前方に進行した光のうちの一部が、キャビネット側スクリーン9040(図88参照)に対して後方(背面側)から入射することとして説明した。これに対し、第5実施形態では、キャビネット側スクリーン9040が設けられておらず、プロジェクタ9020から投射された光は、全て上ドア機構UDに到達する。
後述するように、上ドア機構UDには、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057が設けられている(図102及び図103参照)。プロジェクタ9020から投射された光は、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057のそれぞれに対して後方(背面側)から入射し、これらのスクリーンシートの前面側(表示面)に画像が表示されることになる。以下、詳述する。
<上ドア機構UD>
図100は、上ドア機構を前方から見た斜視図である。図101は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。
図100及び図101に示すように、上ドア機構UDには、スクリーンユニット1040、装飾ユニット1050、及び、間接照明ユニット1060が設けられている。以下、各ユニットについて説明する。
<スクリーンユニット1040>
図102は、上ドア機構の分解斜視図である。図103は、上ドア機構の分解斜視図である。図104は、透光板、スクリーンシート、下押さえ部材、上押さえ部材、及び、下フレームを後方から見た斜視図である。図105は、透光板及びスクリーンシートを後方から見る一方、下押さえ部材及び上押さえ部材を前方から見た斜視図である。図106は、上押さえ部材及び上フレームを下方から見た斜視図である。図107は、透光板、スクリーンシート、及び、下フレームを後方から見た斜視図である。
なお、図102では、上ドア機構UDの各構成要素を斜め前方から見た様子を示している。図103では、上ドア機構UDの各構成要素を斜め後方から見た様子を示している。図104では、透光板1045、スクリーンシート1046、下押さえ部材UD101、及び、上押さえ部材UD102については、これらが組み付けられた状態を示し、下フレームUD100については、単独で存在する様子を示している。図105では、透光板1045及びスクリーンシート1046については、これらが組み付けられた状態を示し、下押さえ部材UD101及び上押さえ部材UD102については、これらがそれぞれ単独で存在する様子を示している。図106では、上押さえ部材UD102及び上フレームUD110について、これらがそれぞれ単独で存在する様子を示している。図107では、透光板1045、スクリーンシート1046、及び、下フレームUD100について、これらが組み付けられた状態を示している。
図102及び図103に示すように、スクリーンユニット1040は、透光板1045と、スクリーンシート1046と、を備えている。
透光板1045は、透光性を有するアクリル板等の樹脂又はガラス板等を主たる素材とし、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されている。透光板1045は、中央に位置する平面部1045aと、平面部1045aの左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部1045bと、湾曲部1045bの後端から後方に向けて連続して形成された側面部1045cと、を備えている。平面部1045a及び側面部1045cは、平面形状に形成され、これらの表面は互いに略直交している。湾曲部1045bは、第4実施形態におけるドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(図93参照)のように、平板を湾曲させた形状を有している。
スクリーンシート1046は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、第4実施形態におけるスクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)と同様に、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面と、を有する。スクリーンシート1046は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
スクリーンシート1046は、中央に位置する平面部1046aと、平面部1046aの左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部1046bと、を備えている。平面部1046aは、平面形状に形成され、湾曲部1046bは、平板を湾曲させた形状を有している。スクリーンシート1046の平面部1046a及び湾曲部1046bは、透光板1045の平面部1045a及び湾曲部1045bと、略同一の大きさ及び形状を有している。
スクリーンシート1046は、透光板1045の背面側に配置されている。具体的には、透光板1045の平面部1045aにおける背面側の表面と、スクリーンシート1046の平面部1046aにおける前面側の表面とが密着し、透光板1045の湾曲部1045bにおける背面側の表面と、スクリーンシート1046の湾曲部1046bにおける前面側の表面とが密着した状態となっている。
スクリーンシート1046の入射面(背面側の表面)に対して、プロジェクタ9020から投射された光が入射することによって、スクリーンシート1046の表示面(前面側の表面)に、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。透光板1045は、透明に形成されており、透光板1045の前方には遊技者の視界を遮る構造が存在しないため、スクリーンシート1046に画像が表示された場合、当該画像は、遊技者から視認可能となる。
また、スクリーンシート1046は、平面部1046aと湾曲部1046bとを有しており、平面部1046aと湾曲部1046bとでは奥行き方向の位置が異なるため、平面部1046aと湾曲部1046bの双方に画像を表示することによって、スクリーンシート1046に表示された画像全体に立体感を付与することができる。また、透光板1045及びスクリーンシート1046は、それぞれ、湾曲部1045b及び湾曲部1046bがフォーミング(開放空間内成形)により形成されており、これにより、例えば、真空加工等により湾曲部を形成した場合と比較して、画像の変形を抑えることができる。
以上のように構成された透光板1045及びスクリーンシート1046は、下部が下押さえ部材UD101によって押さえ付けられ且つ上部が上押さえ部材UD102によって押さえ付けられた状態で、下フレームUD100及び上フレームUD110によって支持されている。
具体的に、図104に示すように、下フレームUD100は、コの字状の部材として形成されており、水平配置された底板UD100aと、底板UD100aの前端において上方に向かって僅かに突設された壁部UD100bと、底板UD100aの右端部において上下方向に延在する右側部UD100cと、底板UD100aの左端部において上下方向に延在する左側部UD100dと、を備えている。透光板1045及びスクリーンシート1046は、透光板1045が底板UD100a、右側部UD100c、及び、左側部UD100dに当接した状態で、底板UD100a上に載置される。この状態において、透光板1045の前面下部は、壁部UD100bに当接する。壁部UD100bは、透光板1045の前面下部全体が当接可能なように、透光板1045の平面部1045a、湾曲部1045b、及び、側面部1045cに対応する形状を有している。
図105に示すように、下押さえ部材UD101は、板状に形成されており、その前方側面(押さえ面UD101a)は、スクリーンシート1046に対応して、平面形状に形成された部分と湾曲形状に形成された部分とを有している。透光板1045及びスクリーンシート1046が下フレームUD100の底板UD100a上に載置された状態で、下押さえ部材UD101が下フレームUD100に固定されることにより、スクリーンシート1046の下部は、下フレームUD100の壁部UD100b及び透光板1045と、下押さえ部材UD101の押さえ面UD101aとの間に挟持され、押さえ面UD101aによって押さえ付けられる。なお、下押さえ部材UD101は、ネジ挿通孔UD101b(図104参照)を通したネジを下フレームUD100のネジ穴UD100eにねじ込むことにより、下フレームUD100に取り付けることができる。
また、図106に示すように、上フレームUD110は、正面視略四角形状の外形を有する部材として形成されており、左右方向に延在する底面UD110aと、底面UD110aにおける前方部から下方に僅かに突出した壁部UD110bと、を備えている。下フレームUD100に対して上フレームUD110が固定された状態で、透光板1045及びスクリーンシート1046は、透光板1045の上端縁が上フレームUD110の底面UD110aに当接し、透光板1045の前面上部が上フレームUD110の壁部UD110bに当接するように位置付けられる。壁部UD110bは、透光板1045の前面上部が一定範囲に亘って当接可能なように、透光板1045に対応する形状を有している。
上押さえ部材UD102の前方側面(押さえ面UD102a、図105参照)は、スクリーンシート1046に対応して、平面形状に形成された部分と湾曲形状に形成された部分とを有している。上押さえ部材UD102は、その上面が上フレームUD110の底面UD110aに当接した状態で、ネジ挿通孔UD102bを(図106参照)を通したネジを、上フレームUD110の底面UD110aに形成されたネジ穴UD110cにねじ込むことにより、上フレームUD110に取り付けられる。これにより、スクリーンシート1046の上部は、上フレームUD110の壁部UD110b及び透光板1045と、上押さえ部材UD102の押さえ面UD102aとの間に挟持され、押さえ面UD102aによって押さえ付けられる。
以上のようにして、スクリーンシート1046は、下部が下押さえ部材UD101によって押さえ付けられ且つ上部が上押さえ部材UD102によって押さえ付けられる。下押さえ部材UD101の押さえ面UD101a及び上押さえ部材UD102の押さえ面UD102aは、それぞれ、スクリーンシート1046の形状に対応して、湾曲形状に形成された部分を有している。これにより、透光板1045とスクリーンシート1046との間に隙間ができたり、スクリーンシート1046にシワが発生したりすることを抑制しつつ、スクリーンシート1046を透光板1045に密着させることが可能となり、遊技者から視認される画像が乱れてしまうことを防止することができる。
図107に示すように、透光板1045とスクリーンシート1046とが密着した状態において、これらを後方から見た場合、透光板1045の平面部1045a及び湾曲部1045bは、スクリーンシート1046の平面部1046a及び湾曲部1046bによって覆われている一方、透光板1045の側面部1045cは、スクリーンシート1046によって覆われず露出した状態となっている。
図示していないが、透光板1045及びスクリーンシート1046の背面側には、キャビネットGが配置される。従って、スクリーンシート1046の後端とキャビネットG(側面壁G2)の前端との間には、少なくとも透光板1045の側面部1045cにおける前後方向の長さに相当する隙間が存在することになる。分かりやすくするため、図107では、このような隙間を斜線で示している。
そして、透光板1045のうちスクリーンシート1046によって覆われる部分(平面部1045a及び湾曲部1045b)には、画像が表示される一方、透光板1045のうちスクリーンシート1046によって覆われず露出した部分(側面部1045c、すなわち、図107における斜線部分)には、画像が表示されない。これにより、遊技者に対して、キャビネットG(側面壁G2)の前端から前方向に離間した位置において、画像が浮き出ているような印象を与えることが可能であり、多彩な画像表現を実現することができる。
<装飾ユニット1050>
図108は、上フレーム、第1構造体、第2構造体、第3構造体、第4構造体、及び、スクリーンシートを後方から見た斜視図である。
なお、図108では、第1構造体1051、第2構造体1052、第3構造体1053、及び、第4構造体1054については、これらが組み付けられた状態を示し、上フレームUD110、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057については、これらがそれぞれ単独で存在する様子を示している。
図108に示すように、装飾ユニット1050は、中央に配置された第1構造体1051と、第1構造体1051の周囲に配置された第2構造体1052と、第2構造体1052に隣接する第3構造体1053と、第3構造体1053に隣接する第4構造体1054と、これらの構造体の背面側に配置されたスクリーンシート1056及びスクリーンシート1057と、を備えている。
第1構造体1051、第2構造体1052、第3構造体1053、及び、第4構造体1054は、ネジ締結により上フレームUD110に取り付けられる。スクリーンシート1056は、押さえ部材UD111によって押さえ付けられた状態で、第1構造体1051及び第2構造体1052の背面側に配置される。スクリーンシート1057は、押さえ部材UD111によって押さえ付けられた状態で、第3構造体1053の背面側に配置される。スクリーンシート1056とスクリーンシート1057とは、隣接するように配置され、隣接部において嵌合可能な形状を有している。第4構造体1054は、上フレームUD110のスピーカ収納部UD110dの背面側に配置され、スピーカ収納部UD110dの背面側には、第4構造体1054とともに、図示しないスピーカが配置される。
第1構造体1051は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、文字形状)に形成されている。第2構造体1052は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、炎を模した形状)に形成されている。第3構造体1053は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、鎖を模した形状)に形成されている。第4構造体1054は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、鎖を模した形状)に形成されている。
スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、スクリーンシート1046と同様に、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面と、を有する。スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057の入射面(背面側の表面)に対して、プロジェクタ9020から投射された光が入射することによって、スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057の表示面(前面側の表面)に、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。
ここで、第3構造体1053は、その前面側にハーフミラー(マジックミラー)が形成された構成を有している。ハーフミラーは、従来公知の方法により、半透過膜シートを基板の表面に貼り付けたり、金属膜を金属蒸着させたりすることによって形成することが可能であり、入射する光のうちの一部を反射する一方、一部を透過する性質を有する。
スクリーンシート1057の前面側にこのようなハーフミラーを配置することにより、プロジェクタ9020から光が投射されていない場合には、第3構造体1053の周囲に存在する物体が映り、例えば、黒いメッキ加工の施されたパーツのような外観を呈することになる。第3構造体1053の周囲に存在する物体としては、例えば、図100に示すような鎖を模した形状の構造物を設けることができる。なお、鎖を模した形状の構造物は、第3構造体1053の近傍に設けてもよいし、第3構造体1053(ハーフミラー)自体を当該形状に形成してもよい。一方、プロジェクタ9020から光が投射されている場合には、スクリーンシート1057に表示された画像がハーフミラーに映ることになる。例えば、第3構造体1053の周囲に存在する物体や第3構造体1053の形状に類似する形状(鎖を模した形状)の物体が流れて動いているような画像をスクリーンシート1057に表示することによって、プロジェクタ9020から光が投射されていない場合に静止していた当該物体が動いているような演出を行うことが可能となる。このように、上記構成によれば、造形物及び当該造形物に関連する映像との双方によって、魅力的な演出を生み出すことができる。
また、スクリーンシート1056は、光を拡散するための拡散層、入射面側に凸となる形状を有する単位プリズムが複数配列されたプリズム層を有している。これにより、プロジェクタ9020から投射された光が拡散され、スクリーンシート1056の前面側に配置された造形物と相俟って、魅力的な演出を行うことができる。例えば、図100に示すように、第1構造体1051が「GOD」という文字形状に形成されている場合、「GOD」という文字に対応する画像をスクリーンシート1056に表示することによって、「GOD」という文字がキラキラ輝いているような外観を創出することができる。また、プロジェクタ9020から投射される光の中心(投射レンズの光軸近傍から出射される照射光)は、スクリーンシート1046へと入射するところ、スクリーンシート1056は、画角中心から離れた位置に配置されているが、集光効果の高いプリズム層を設けることにより、スクリーンシート1056に表示される画像の輝度が低下してしまうことを抑えることができる。なお、スクリーンシート1057と同様に、スクリーンシート1056の前面側にもハーフミラーを配置してもよい。
<間接照明ユニット1060>
図109は、透光板、スクリーンシート、下フレーム、LED基板、及び、導光部材を後方から見た斜視図である。図110は、透光板、スクリーンシート、下フレーム、及び、導光部材を前方から見た斜視図である。図111は、透光板、スクリーンシート、下フレーム、LED基板、及び、導光部材の断面を前方から見た斜視図である。
なお、図109では、透光板1045、スクリーンシート1046、下フレームUD100、LED基板1061、及び、導光部材1062について、これらが組み付けられた状態から導光部材1062を取り外した様子を示している。図110では、透光板1045、スクリーンシート1046、下フレームUD100、及び、導光部材1062について、これらが組み付けられた状態から下フレームUD100の位置を僅かにずらした様子を、導光部材1062近傍を拡大して示している。図111では、透光板1045、スクリーンシート1046、下フレームUD100、LED基板1061、及び、導光部材1062について、これらが組み付けられた状態を水平面で切断した様子を、導光部材1062近傍を拡大して示している。
図101に示すように、間接照明ユニット1060は、下フレームUD100の右側部UD100c及び左側部UD100dのそれぞれに沿うように配置されており、各間接照明ユニット1060は、左右対称な構成を有している。
図109に示すように、間接照明ユニット1060は、LED基板1061と、導光部材1062と、を備えている。
LED基板1061は、下フレームUD100の右側部UD100cの若干左側及び左側部UD100dの若干右側のそれぞれ(透光板1045の側面部1045cの若干内側)において、側面部1045cと略平行に配置されている。LED基板1061には、複数のLED1061aが上下方向に等間隔に設けられている。具体的に、右側部UD100c近傍に配置されたLED基板1061のLED1061aは、右方向に光を出射するように設置されており、左側部UD100d近傍に配置されたLED基板1061のLED1061aは、左方向に光を出射するように設置されている。LED基板1061は、側面視において、その一部が透光板1045の側面部1045cと重畳するように配置されているが、LED1061aの設置位置は、側面部1045cの後端よりも後方となっており、LED1061aから出射された光は、側面部1045cによって遮られないようになっている。なお、LED基板1061は、側面部1045cと若干離間して配置されている。
導光部材1062は、下フレームUD100の右側部UD100c及び左側部UD100dと略同一の高さを有する部材であり、内向きに開放する開口1062aが上下方向に複数形成されている。導光部材1062には、上部と下部のそれぞれにネジ孔1062bが形成されており、LED基板1061に形成されたネジ孔1061bを挿通したネジによって、LED基板1061に対して導光部材1062が固定される。これにより、LED1061aから出射された光が開口1062aを通過して導光部材1062の内部に入るようになっている。
また、導光部材1062は、その上部に形成されたネジ孔1062c及び下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)に形成されたネジ孔UD100fを挿通したネジによって、下フレームUD100に対して固定される。
さらに、図110に示すように、導光部材1062には、前方向に開放する開口1062dが上下方向に複数形成されている。図109に示す開口1062aと図110に示す開口1062dとは、導光部材1062の内部において連通している。また、下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)には、前後方向に貫通する開口UD100gが上下方向に複数形成されている。これにより、導光部材1062が下フレームUD100に取り付けられた状態において、導光部材1062の開口1062dと下フレームUD100の開口UD100gとが連通することになる。
図111に示すように、導光部材1062の内部は、LED1061aから出射された光の進行方向を変化させるリフレクタとなっている。LED1061aから出射された光は、導光部材1062の開口1062aを通過して導光部材1062の内部に入った後、横向きから前向きに進行方向を変えて、導光部材1062の開口1062dを通過し、右側部UD100c(左側部UD100d)の開口UD100gから前方向に放出される。図111中の矢印は、LED1061aから出射された光の進行方向を示している。
ここで、図111に示すように、下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)は、透光板1045の側面部1045cに当接している。また、右側部UD100c(左側部UD100d)の後端と側面部1045cの後端とは、前後方向における位置が略同一であり、右側部UD100c(左側部UD100d)における前後方向の長さは、側面部1045cにおける前後方向の長さよりも短くなっている。また、図示しないが、下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)の背面側には、キャビネットGが配置される。キャビネットG(側面壁G2)の前端は、右側部UD100c(左側部UD100d)の後端と近接(略当接)し、キャビネットGの側面壁G2と、右側部UD100c(左側部UD100d)とは、略同一平面上に位置付けられる。
間接照明ユニット1060は、周辺の部材と以上のような位置関係を有するように、透光板1045の側面部1045cに沿って配置されている。そして、LED1061aから出射された光は、透光板1045の側面部1045cに沿って、前方へと放出されることになる。図107を用いて説明したように、透光板1045の側面部1045cは、スクリーンシート1046によって覆われず、当該部分(図107における斜線部分)には画像が表示されないため、画像が浮き出ているような印象を遊技者に与えることができる。本実施形態では、このような画像が表示されない部分から(透光板1045の側面部1045cに沿って)LED1061aの光が放出されることに起因して、画像が表示される部分と画像が表示されない部分との境界を強調し、画像が浮き出ているような印象をより顕著に遊技者に与えることができる。
<上ドア機構UDのキャビネットGへの取り付け>
図112は、上ドア機構、引っ掛け部、及び、前面側突出部材を後方から見た斜視図である。図113は、上ドア機構、引っ掛け部、及び、前面側突出部材を側方から見た斜視図である。図114は、キャビネット、引っ掛け部、及び、前面側突出部材を側方から見た斜視図である。図115は、上ドア機構、キャビネット、引っ掛け部、及び、前面側突出部材の断面の右側面図である。図116は、上ドア機構を下方から見た斜視図である。図117は、上ドア機構及び下ドア機構を前方から見た斜視図である。図118は、上ドア機構及び下ドア機構を後方から見た斜視図である。
なお、図112では、上ドア機構UDから引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120を取り外した様子を示している。図113では、引っ掛け部UD120については、上ドア機構UDに取り付けられている様子を示し、前面側突出部材G120については、上ドア機構UDから取り外した様子を示している。図114では、引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120がキャビネットGに取り付けられている様子を示している。図115では、上ドア機構UDがキャビネットGに対して閉じられた状態における上ドア機構UD、キャビネットG、引っ掛け部UD120、及び、前面側突出部材G120を前後方向の鉛直面で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図115では、引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120を斜線で示している。図116では、上ドア機構UDの各構成要素が組み付けられた状態を示している。図117では、上ドア機構UDと下ドア機構DDとが組み付けられていない状態において、これらを互いに異なる方向から見た様子を示しており、下ドア機構DDの方が側方に近い角度から観察している。図118では、上ドア機構UD及び下ドア機構DDがキャビネットGに対して閉じられた状態を示している。
上ドア機構UDは、引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120により、キャビネットGに取り付けられる。
図112及び図113に示すように、引っ掛け部UD120は、上フレームUD110から後方へと突出する部材であり、主面UD120aには、下方が開放された欠き込みUD120bが形成されている。引っ掛け部UD120の主面UD120aと直交する面には、ネジ孔UD120cが形成されており、引っ掛け部UD120は、ネジ締結により上フレームUD110に取り付けられる。引っ掛け部UD120が上フレームUD110に対して固定されることにより、主面UD120aは、前後方向に沿って配置される。
前面側突出部材G120は、水平配置された主面G120aと、主面G120aの前端中央付近を上方に折り曲げることで形成された前端中央部G120bと、主面G120aの前端右側を上方に折り曲げることで形成された前端右側部G120cと、主面G120aの前端左側を上方に折り曲げることで形成された前端左側部G120dと、前端中央部G120bと前端右側部G120cとの間において主面G120aの前端を上方及び後方に折り曲げることで形成された右載置部G120eと、前端中央部G120bと前端左側部G120dとの間において主面G120aの前端を上方及び後方に折り曲げることで形成された左載置部G120fと、主面G120aの左端及び右端双方の後部を下方に折り曲げることで形成された後側部G120gと、を備えている。
前端右側部G120c及び前端左側部G120dは、前端中央部G120bよりも後方に形成されており、前端中央部G120b、前端右側部G120c、及び、前端左側部G120dの高さは、略同一である。また、右載置部G120e及び左載置部G120fは、それぞれ、前端右側部G120c及び前端左側部G120dよりも後方に形成されており、右載置部G120e及び左載置部G120fの高さは、略同一であり、これらの高さは、前端中央部G120b、前端右側部G120c、及び、前端左側部G120dの高さよりも高くなっている。また、右載置部G120e及び左載置部G120fは、水平配置された面を有している。
後側部G120gには、ネジ孔G120hが形成されており、前面側突出部材G120は、ネジ孔G120hを挿通したネジにより、キャビネットGの側面壁G2に内側から取り付けられる。図114及び図115に示すように、前面側突出部材G120がキャビネットGに対して固定されることにより、主面UD120aの前方部分(前端中央部G120b、前端右側部G120c、前端左側部G120d、右載置部G120e、及び、左載置部G120fを含む)は、キャビネットGから前方へと突出する。
一方、キャビネットGの側面壁G2の内側面には、内側に向けて突出する内面側突出部材G2a(例えば、側面壁G2の内側面にねじ込まれたネジ等)が設けられており、引っ掛け部UD120の欠き込みUD120bが内面側突出部材G2aに引っ掛けられる。これにより、引っ掛け部UD120は、キャビネットGに係止される。
図116に示すように、下フレームUD100は、底板UD100a(図104参照)の下側を向いた面として、下側面UD100hを備えている。下側面UD100hには、下方に突出する下方突出部UD100iが複数形成されている。下方突出部UD100iは、略直方体の形状を有しており、下側面UD100hの後端から前方に向けて延在している。下方突出部UD100iの後端には、ネジ穴UD100e(図104参照)が形成されている。
図117に示すように、下ドア機構DDは、その上部において左右方向に水平配置された上板DD100を備えている。図118に示すように、上ドア機構UD及び下ドア機構DDがキャビネットGに対して閉じられた状態において、上板DD100の後端縁DD100aは、下フレームUD100に形成された下方突出部UD100iの前端と近接(略当接)している。
上ドア機構UD及び下ドア機構DDが以上のように構成されていることにより、上ドア機構UDをキャビネットGに取り付ける(上ドア機構UDをキャビネットGに対して閉じる)に当たっては、まず、上フレームUD110の上壁の下側面を前面側突出部材G120の右載置部G120e及び左載置部G120fの上面に載せつつ、引っ掛け部UD120の欠き込みUD120bを内面側突出部材G2aに引っ掛ける。この状態で下ドア機構DDをキャビネットGに対して閉じることで、下ドア機構DDの上板DD100の後端縁DD100aが下フレームUD100の下方突出部UD100iに当たり、上ドア機構UDが後方へと押し込まれる。これにより、上ドア機構UDも、キャビネットGに対して閉じられることになる。
本実施形態では、以上のようにして上ドア機構UDを閉めることが可能であるため、上ドア機構UDには、キャビネットGと連結するためのヒンジが設けられていない。ヒンジが設けられている場合には、遊技機のサイド部分において画像を表示することが可能な範囲が制限されるところ、本実施形態に係るパチスロ機1においては、ヒンジが存在しない分だけ、上ドア機構UDにおける広い範囲を画像表示領域として確保することができる。具体的には、スクリーンシート1046の後端(透光板1045の左右双方の湾曲部1045bにおける後端)に亘るまでの範囲を、プロジェクタ9020から投射された光の左右方向における照射範囲に含めることが可能になる。これにより、大画面による迫力のある演出を行うことができる。
また、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057という3つのスクリーンが設けられているが、第4実施形態と同様に、各スクリーンに表示される画像を示す情報を1つの画像データに含めれば(図97及び図98参照)、当該1つの画像データを用いることにより3つのスクリーンのそれぞれに画像を表示することができる。
なお、以上のようにして上ドア機構UDが閉じられた状態においては、上ドア機構UDとキャビネットGとの間に僅かな隙間が形成されるが(図115参照)、当該隙間から異物が入ってきた場合であっても、前面側突出部材G120が存在することにより、当該異物がキャビネットGのより内部へと侵入してしまうことを防止することができる。
[第6実施形態]
以上、第2実施形態~第5実施形態について説明した。以下、第6実施形態について説明する。第6実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第2実施形態~第5実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第2実施形態~第5実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第2実施形態~第5実施形態における説明が第6実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<光の照射範囲とスクリーンの配置位置>
図119は、上ドア機構及び下ドア機構を取り外した状態の遊技機を前方から見た斜視図である。図120は、プロジェクタ装置から光が投射されている様子を側方から見た斜視図である。
図119に示すように、キャビネットGの内部には、照射ユニットBが配置されている。第2実施形態(図41参照)と同様に、照射ユニットBは、照射光を出射するプロジェクタ装置B2と、プロジェクタ装置B2から出射された照射光を反射するミラー機構B3と、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3を収容するプロジェクタカバーB1と、を備えている。
プロジェクタカバーB1の構成は、第2実施形態と異なっており、リフレクタ保持部B11(図45参照)は、プロジェクタ装置B2の前方ではなく、プロジェクタ装置B2の上方に形成されている(図123参照)。第2実施形態と同様に、リフレクタ保持部B11の内側面には、ミラー機構B3が設けられており、ミラー機構B3は、プロジェクタ装置B2から投射された光を反射することが可能な光学ミラーB32(図42参照)を備えている。
本実施形態では、リフレクタ保持部B11の形状及び形成位置に対応して、ミラー機構B3(光学ミラーB32)が、前方よりも後方の方が低くなるような傾斜を有する姿勢で、プロジェクタ装置B2の上方に配置される。なお、ミラー機構B3自体の構成は、第2実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
プロジェクタ装置B2は、前方よりも後方の方が低くなるような傾斜(光学ミラーB32よりも急な傾斜)を有する姿勢で、プロジェクタカバーB1に対して固定されている。
これにより、プロジェクタ装置B2から投射されて上向きに進行した光は、ミラー機構B3(光学ミラーB32)によって前方に向けて反射される(図120参照)。図120では、光の照射範囲を斜線で示している。第5実施形態と同様に、ミラー機構B3(光学ミラーB32)によって反射されて前方に進行した光は、全て上ドア機構UDに到達する。上ドア機構UDは、第5実施形態と同様の構成を備えており、プロジェクタ装置B2から投射された光は、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057(図100~図103参照)のそれぞれに対して後方(背面側)から入射し、これらのスクリーンシートの前面側(表示面)に画像が表示されることになる。
<照射光の進行方向の調節>
図121は、照射ユニットを側方から見た斜視図である。図122は、照射ユニットを後方から見た斜視図である。
第2実施形態で説明したように、プロジェクタ装置B2は、ケースB22によって外装されつつ、上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1に取り付けられる(図47参照)。
具体的に、上側台座B220の右側部分及び左側部分には、それぞれ、角孔2201cが設けられている(図48参照)。上側台座B220は、角孔2201cに挿入された取付ネジT(図51参照)によって、プロジェクタカバーB1に取り付けられる。図51では、取付ネジTが角孔2201cの下方から挿入される様子を示しているが、本実施形態において、取付ネジTは、角孔2201cの上方から(ネジ頭部が上部背面側となるように)挿入される。なお、上側台座B220は、プロジェクタカバーB1ではなく、キャビネットGの内部に固定された他の部材に取り付けることとしてもよい。
また、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214が設けられており(図47参照)、ケースB22は、下側台座B221に対して下方からネジ締結により取り付けられる。ケースB22の構成としては、特に限定されないが、本実施形態においては、直方体の箱形形状を有するケースB22(図57参照)を採用している。ケースB22には、プロジェクタ装置B2の内部構成要素であるレンズユニットB21(図47参照)、LED基板、DMD基板、ヒートシンク、吸気用ファン等が収容され、ケースB22の下面には、プロジェクタ制御基板B23(図47参照)が固定されている。
ここで、上側台座B220に形成された角孔2201cは、その縦横内径寸法が取付ネジTのネジ軸径よりも大きくなっている。これにより、プロジェクタ装置B2のプロジェクタカバーB1に対する取り付け位置を左右方向及び前後方向に調整することができるようになっている。プロジェクタ装置B2の取り付け位置を調整する方法の詳細については、図51を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
また、上側台座B220と下側台座B221とは、3つの連結孔2200A及び3つの連結ネジ部2210に対応する3箇所の連結部R1,R2,R3において連結される(図47及び図49参照)。これにより、上側台座B220と下側台座B221とは、連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて互いの間隔を調整することができるようになっている。連結部R1,R2,R3は、上側台座B220及び下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されており、連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて上側台座B220と下側台座B221との間隔を適宜変化させることによって、上側台座B220に対する下側台座B221の3次元空間内における傾き具合を調整することが可能である。各連結部R1,R2,R3において上側台座B220と下側台座B221との間隔を調整する方法の詳細については、図52を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
このような上側台座B220及び下側台座B221を用いることにより、プロジェクタカバーB1に対する上側台座B220の面内位置を適宜調整することが可能であり、プロジェクタ装置B2を適正な位置に配置することができる。また、上側台座B220に対する下側台座B221の傾きを適宜調整することが可能であり、下側台座B221に支持されたケースB22(プロジェクタ装置B2の内部構成要素であるレンズユニットB21等)の姿勢を適正なものとすることができる。このように、プロジェクタ装置B2は、キャビネットG内における位置や姿勢を変化させ、照射光の出射位置、進行方向、照射範囲を調整することが可能なように構成されている。
図121に示すように、上側台座B220及び下側台座B221は、プロジェクタカバーB1における後方に配置されている。プロジェクタカバーB1は、上側台座B220及び下側台座B221の後方が開放された形状となっている。これにより、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3が後方に向けて露出した状態となっている。また、図示しないが、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジT(図51参照)も、後方に向けて露出した状態となっている。
図122に示すように、上側台座B220及び下側台座B221の上方には、プロジェクタカバーB1のリフレクタ保持部B11が配置されている。プロジェクタカバーB1は、リフレクタ保持部B11の上方及び後方が開放された形状となっている。
リフレクタ保持部B11には、角度調整穴B111(図44参照)が形成され、角度調整穴B111には、図示しないネジが上側(背面側)から挿通されている。第2実施形態で説明したように、当該ネジを緩めたり締めたりすることによって、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を変化させることができる。これにより、リフレクタ保持部B11の内側面に保持された光学ミラーB32の位置(姿勢)を変化させ、プロジェクタ装置B2から出射された照射光の反射角度(反射後の照射光の進行方向)を調整することが可能である。
<操作用窓G10及び閉塞用蓋G100>
図123は、キャビネットの縦断面図である。図124は、照射ユニット、閉塞用蓋、及び、キャビネットの背面壁の分解斜視図である。図125は、閉塞用蓋を背面壁から取り外した状態における遊技機の背面図である。図126は、図125に示す遊技機における操作用窓周辺の部分拡大図である。図127は、閉塞用蓋及びキャビネットの背面壁の分解斜視図である。図128は、閉塞用蓋及びキャビネットの背面壁の分解斜視図である。図129は、閉塞用蓋を背面壁に取り付けた状態の遊技機における操作用窓周辺の部分拡大図である。
図123に示すように、照射ユニットBがキャビネットGの内部に配置された状態において、上側台座B220及び下側台座B221は、キャビネットGの後方に配置され、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3がキャビネットG(背面壁G3)に取り付けられた閉塞用蓋G100に対向するように位置付けられる。図示しないが、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジTも、閉塞用蓋G100に対向するように位置付けられる。上側台座B220の後方には、他の部材が存在しない空間が形成されている。
また、キャビネットGの後方上部には、プロジェクタカバーB1のリフレクタ保持部B11が配置されている。リフレクタ保持部B11の上方及び後方には、他の部材が存在しない空間が形成されており、当該空間は、上側台座B220の後方空間と繋がっている。なお、図123では、プロジェクタ装置B2から投射された光の照射範囲を斜線で示している。
なお、照射ユニットBは、ネジ締結により背面壁G3に取り付けられる。図122に示すように、プロジェクタカバーB1の後部には、ネジを挿通させるためのネジ孔B100a~dが形成されている。照射ユニットBが背面壁G3に取り付けられた状態においては、ネジ孔B100aの形成されている面B110a、ネジ孔B100bの形成されている面B110b、ネジ孔B100c、dの形成されている面B110cが、それぞれ、背面壁G3の内側面(前面側の面)に当接する。これらの面B110a~cは、互いに分離して形成されており、これにより、プロジェクタカバーB1は、上側台座B220の後方空間、並びに、リフレクタ保持部B11の上方及び後方空間が開放された形状となっている。
図124に示すように、キャビネットGの背面壁G3には、操作用窓G10が形成されている。操作用窓G10は、キャビネットGの外部から内部を視認することが可能な開口として形成されている。操作用窓G10は、閉塞用蓋G100によって閉塞することができる。
図125に示すように、閉塞用蓋G100を背面壁G3から取り外した状態において、後方から正面視すると、操作用窓G10を介して、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3(特にナット2213、図52参照)、及び、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジTの頭部(図示せず)が、操作用窓G10を介して見える。これにより、キャビネットGの外部からナット2213を操作することが可能であり、ナット2213を適宜回すことにより、プロジェクタ装置B2の姿勢を調整することができる。また、キャビネットGの外部から取付ネジTを操作することによって、上側台座B220に形成された角孔2201cの開口範囲内における取付ネジTの位置を移動させることが可能であり、プロジェクタ装置B2の位置を調整することができる。
また、図126に示すように、閉塞用蓋G100を背面壁G3から取り外した状態において、背面側下方から操作用窓G10付近を見上げると、操作用窓G10を介して、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に挿通されたネジの頭部(図示せず)も視認することができる。これにより、キャビネットGの外部から当該ネジを操作することが可能であり、当該ネジを適宜回すことにより、ミラー機構B3の姿勢を調整することができる。
以下、操作用窓G10及び閉塞用蓋G100の構造について説明する。図127では、操作用窓G10及び閉塞用蓋G100を斜め後方から見た様子を示している。図128では、操作用窓G10及び閉塞用蓋G100を斜め前方から見た様子を示している。
図127に示すように、操作用窓G10は、前後方向に貫通する貫通孔として横長の長方形状に形成された開口G10aと、開口G10aの周縁においてキャビネットGの背面壁G3の外側面(背面側の面)に対して凹んだ位置にロの字状の面を有するように形成された周縁部G10bと、周縁部G10bに形成された4つのネジ孔G10cと、周縁部G10bの外縁と背面壁G3の外側面とを接続する接続部G10dと、を備えている。図128に示すように、周縁部G10bは、前方からは見えないが、ネジ孔G10cは、背面壁G3を貫通しているため、前方からも確認することができ、図128では、開口G10aの側方にネジ孔G10cが形成されている様子が示されている。
以上のように構成された操作用窓G10は、換言すれば、背面壁G3の外側面に対して凹んだ凹部を形成するとともに、当該凹部の大部分を貫通させることにより開口を形成した形状を有している。当該開口が開口G10aに相当し、当該凹部のうち開口の形成されていない部分が周縁部G10bに相当する。なお、周縁部G10bは、背面壁G3の外側面と略平行な平坦面(鉛直方向の面)として形成されており、接続部G10dは、水平方向及び鉛直方向の平坦面として形成されている。
閉塞用蓋G100は、板状の部材として構成されており、横長の長方形状に形成された背面G100aと、背面G100aの反対側に形成された前面G100bと、前面G100bに設けられた4つのボス部G100cと、背面G100aの周縁から前方に向かうように形成された周縁部G100dと、を備えている。背面G100a及び前面G100bは、鉛直方向の平坦面として形成されている。
閉塞用蓋G100(背面G100a)の外形状は、操作用窓G10の周縁部G10bの外形状と略同一(周縁部G10bよりも僅かに小さな相似形状)であり、操作用窓G10の開口G10aよりも大きくなっている。これにより、閉塞用蓋G100を上記凹部に嵌合する(上記凹部を埋めるように閉塞用蓋G100を背面壁G3に取り付ける)ことで、操作用窓G10の開口G10aを閉塞することができるようになっている。
より詳細に説明すると、閉塞用蓋G100の周縁部G100dが操作用窓G10の接続部G10dに沿うように閉塞用蓋G100が配置された場合、操作用窓G10の4つのネジ孔G10cと閉塞用蓋G100の4つのボス部G100cとが、それぞれ重畳するとともに、各ネジ孔G10cが各ボス部G100cの前方に位置付けられる。この状態で、前面側(キャビネットGの内側)からネジ孔G10cを挿通させたネジを、ボス部G100cに形成された穴にねじ込むことによって、閉塞用蓋G100がキャビネットG(背面壁G3)に取り付けられる。これにより、操作用窓G10の開口G10aが閉塞用蓋G100によって閉塞される。そして、閉塞用蓋G100を背面壁G3に締結するためのネジは、キャビネットGの内側から(ネジ頭部がキャビネットGの内部に位置付けられるように)螺合されるため、キャビネットGの内部に対するセキュリティを確保することができる。
なお、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3の位置や姿勢を調整するに当たっては、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを開いた状態で、閉塞用蓋G100と背面壁G3とを締結しているネジを前面側から操作して適宜回すことにより、当該ネジ締結を解除すればよい。これにより、閉塞用蓋G100を背面壁G3から取り外すことが可能であり、閉塞用蓋G100によって閉塞されていた操作用窓G10(開口G10a)を出現させることができる。この状態で、開口G10aを介して、キャビネットGの外部(背面側)から、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジT、プロジェクタカバーB1(リフレクタ保持部B11)の角度調整穴B111に挿通されたネジを操作すれば、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3の位置や姿勢を調整することができる。
ここで、閉塞用蓋G100において、前面G100bから周縁部G100dの前端までの長さ(前面G100bを基準とした場合における周縁部G100dの前方への突出長)と、前面G100bからボス部G100cの先端までの長さ(ボス部G100cの高さ)とは、等しくなっている。従って、閉塞用蓋G100の周縁部G100dの前端が操作用窓G10の周縁部G10bに当接するように閉塞用蓋G100が配置された場合、閉塞用蓋G100のボス部G100cの先端も、操作用窓G10の周縁部G10bに当接することになる。
図129では、このような状態で閉塞用蓋G100が配置されている様子を示している。図129中、網掛け部分は、閉塞用蓋G100(前面G100b)を示し、斜線部分は、背面壁G3(開口G10aの周縁)を示している。網掛け部分(閉塞用蓋G100の前面G100b)と斜線部分(開口G10aの周縁)との間には、スペースSが形成されており、当該スペースSの幅(前後方向の長さ)が、上記「周縁部G100dの前方への突出長」及び「ボス部G100cの高さ」に相当する。
このような構成を採用することにより、閉塞用蓋G100を背面壁G3に対して安定的に取り付けることができるとともに、閉塞用蓋G100(周縁部G100dの前端)と背面壁G3(操作用窓G10の周縁部G10b)との間に隙間ができてしまうことを回避し、当該隙間を通じて不正行為が行われてしまうことを防止することができる。
また、操作用窓G10の周縁部G10bは、接続部G10dの前後方向における長さ分だけ、背面壁G3の外側面に対して段差を有するように形成されているところ、閉塞用蓋G100の周縁部G100dの前後方向における長さ(背面G100aを基準とした場合における周縁部G100dの前方への突出長)は、操作用窓G10の接続部G10dの前後方向における長さと略一致する(操作用窓G10の接続部G10dの前後方向における長さよりも僅かに短くなっている)。閉塞用蓋G100の周縁部G100dの前後方向における長さ、及び、操作用窓G10の接続部G10dの前後方向における長さは、それぞれ、全周に亘って一定の長さとなっている。これにより、閉塞用蓋G100が背面壁G3に取り付けられた状態においては、閉塞用蓋G100の背面G100aが背面壁G3の外側面と略同一平面を構成し(背面壁G3の外側面よりも僅かに前方に位置付けられ)、閉塞用蓋G100の存在することが外観上認識され難くなっている。
以上、本発明の一実施形態として、第6実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
従来、プロジェクタを用いることにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開平6-035066号公報及び特開2009-240459号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技用の映像がプロジェクタからスクリーン等の投影面に投影されることにより、液晶表示装置の代わりに、スクリーン等に映像が表示されるようになっている。
しかしながら、従来、このようなプロジェクタが搭載される遊技機においては、プロジェクタが遊技機の内部にいったん固定されてしまうと、その後にプロジェクタに対して微調整を施すことが困難であった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、プロジェクタを内部に取り付けた状態でプロジェクタに対して調整を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第6実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(10-1) スクリーン(スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))と、
前記プロジェクタにより投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)と、
前記プロジェクタを収容する収容部(キャビネットG)と、を備え、
前記収容部には、前記調節部を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている、
ことを特徴とする遊技機。
第6実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容する収容部(キャビネットG)には、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている。従って、収容部(キャビネットG)から閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り外すことによって、閉塞部材(閉塞用蓋G100)で閉塞されている該開口(操作用窓G10の開口G10a)を出現させることが可能であり、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して、収容部(キャビネットG)の外部から、調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することができるようになる。これにより、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容部(キャビネットG)の内部に固定した後であっても、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容部(キャビネットG)の内部に取り付けた状態のまま、収容部(キャビネットG)の外部から調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することによって、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節することができる。
(10-2) スクリーン(スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))と、
前記プロジェクタにより投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)と、
前記プロジェクタを収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記本体部には、前記前面とは別途、前記調節部を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている、
ことを特徴とする遊技機。
第6実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容する本体部(キャビネットG)には、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている。従って、本体部(キャビネットG)から閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り外すことによって、閉塞部材(閉塞用蓋G100)で閉塞されている該開口(操作用窓G10の開口G10a)を出現させることが可能であり、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して、本体部(キャビネットG)の外部から、調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することができるようになる。これにより、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を本体部(キャビネットG)の内部に固定した後であっても、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を本体部(キャビネットG)の内部に取り付けた状態のまま、本体部(キャビネットG)の外部から調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することによって、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節することができる。
(10-3) 前記(10-2)の遊技機であって、
前記閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、前記本体部の内側からの螺合により、前記本体部に取り付けられている、
ことを特徴とする。
第6実施形態に係るパチスロ機1によれば、閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、本体部(キャビネットG)の内側からの螺合により、本体部(キャビネットG)に取り付けられている。従って、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を本体部(キャビネットG)から取り外すためには、本体部(キャビネットG)の内側から螺合を解除することが必要である。これにより、本体部(キャビネットG)の外部から閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り外されてしまうことを回避することが可能であり、本体部(キャビネットG)の内部に対するセキュリティを確保しつつ、本体部(キャビネットG)の外部から不正行為が行われてしまうことを防止することができる。
なお、本発明において、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を本体部(キャビネットG)に取り付ける方法は、特に限定されず、閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、本体部(キャビネットG)の内側からの螺合により、本体部(キャビネットG)に取り付けられることとしてもよいし、本体部(キャビネットG)の外側からの螺合により、本体部(キャビネットG)に取り付けられることとしてもよい。また、閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、螺合以外の方法により、本体部(キャビネットG)に取り付けられることとしてもよい。例えば、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を本体部(キャビネットG)の壁面(背面壁G3の内側面又は外側面)に沿って摺動(スライド)可能にするためのガイド部材を、キャビネットG(背面壁G3)の内側又は外側にレール状に形成し、該ガイド部材上において閉塞部材(閉塞用蓋G100)を係止することとしてもよい。閉塞部材(閉塞用蓋G100)が該ガイド部材上を左右方向(又は前後方向)に摺動することにより、開口(操作用窓G10の開口G10a)が閉塞される閉塞状態と開口(操作用窓G10の開口G10a)が開放される開放状態とが切り替えられるように構成すれば、開放状態において本体部(キャビネットG)の外部から調節部を操作することが可能であり、第6実施形態と同様に、プロジェクタにより投射される光の進行方向を調節することができる。なお、このような効果に鑑みれば、本発明において、閉塞部材(閉塞用蓋G100)の構成は必須ではなく、本体部(キャビネットG)に閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けず、本体部(キャビネットG)に設けられた開口(操作用窓G10の開口G10a)が常時開放された状態となるように構成してもよい。
第6実施形態では、キャビネットGの背面壁G3に、操作用窓G10の開口G10aが形成されるとともに、閉塞用蓋G10が取り付けられることとして説明した。本発明においては、本体部(キャビネットG)を構成する任意の壁面(例えば、背面壁G3、側面壁G2、上面壁G4等)に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けるように構成することが可能である。例えば、キャビネットGの背面壁G3に代えて、側面壁G2又は上面壁G4に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けることとしてもよい。そのように構成する場合には、調節部(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)が側面壁G2又は上面壁G4近傍に配置されるようにすればよい。なお、上面壁G4に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付ける場合、開口G41及び板部材G42(図36参照)をそれぞれ、操作用窓G10の開口G10a及び閉塞用蓋G10として採用してもよいし、開口G41及び板部材G42を形成しないこととしつつ、別途、操作用窓G10の開口G10a及び閉塞用蓋G10に対応する構成を採用することとしてもよい。
また、本体部(キャビネットG)の複数の壁面(例えば、背面壁G3、側面壁G2、及び、上面壁G4のうち、2つ又は3つの壁面)に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けることとしてもよい。例えば、プロジェクタ装置B2の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、キャビネットGの背面壁G3に操作用窓G10の開口G10aを設けるとともに閉塞用蓋G10を取り付ける一方、ミラー機構B3の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、キャビネットGの上面壁G4に操作用窓G10の開口G10aを設けるとともに閉塞用蓋G10を取り付けることとしてもよい。
また、本体部(キャビネットG)の1つの壁面(例えば、背面壁G3、側面壁G2、又は、上面壁G4)に、複数の開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、各開口を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けることとしてもよい。例えば、プロジェクタ装置B2の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、キャビネットGの背面壁G3の中央付近に第1の開口を設けるとともに第1の開口を閉塞可能な第1の閉塞用蓋を取り付ける一方、ミラー機構B3の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、第1の開口よりも上方に第2の開口を設けるとともに第2の開口を閉塞可能な第2の閉塞用蓋を取り付けることとしてもよい。複数の開口を設ける場合、各開口を個別に閉塞可能な閉塞部材を開口の個数分だけ取り付けることとしてもよいし、複数の開口を同時に閉塞可能な閉塞部材を1つだけ取り付けることとしてもよい。
本体部(キャビネットG)の外部からこのような調節を行うに当たっては、調節のための操作を行いやすくするため、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、調節対象となる部材(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3におけるナット2213や、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジT、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に挿通されたネジ等)が開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して視認可能となるように、当該部材が配置されていることが望ましい(図125参照)。調節対象となる部材が複数設けられている場合には、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、これらの複数の部材が全て視認可能(例えば、上側台座B220全体が視認可能)となるように配置されていることが望ましい。調節対象となる部材が複数設けられる場合には、例えば、当該開口(操作用窓G10の開口G10a)を、これらの部材間の距離(最も離れている部材間の距離)よりも径の大きなものとするとよい。これにより、これらの部材に対する調節を行いやすくなる。もっとも、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、調節対象となる部材が開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して視認可能となることは、必須ではない。例えば、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、調節対象となる部材(例えば、プロジェクタカバーB1(リフレクタ保持部B11)の角度調整穴B111に挿通されたネジ)が見えなかったとしても、角度を変えて本体部(キャビネットG)の内部を覗き込んだ場合に当該部材を視認することができるような場合には(図126参照)、当該部材と開口(操作用窓G10の開口G10a)との間に他の部材が存在しない空間が形成されていれば、当該部材を外部から操作することは可能である。本発明においては、調節対象となる部材(調節用のネジやナット等)と開口(操作用窓G10の開口G10a)とがこのような位置関係を有するように構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、キャビネットGの内部が中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られており、上部空間(上ドア機構UDの後側となる空間)に表示ユニットA(照射ユニットB)が収容される一方、下部空間(下ドア機構DDの後側となる空間)に制御基板(主制御基板MSやサブ制御装置SS等)が収容されることとして説明した(図40参照)。しかし、本発明において、本体部(キャビネットG)の内部は、上部空間と下部空間とに仕切られる必要はなく、プロジェクタ(照射ユニットB)が収容される空間と制御基板(主制御基板MSやサブ制御装置SS等)が収容される空間とを区別する必要もない。例えば、プロジェクタカバーB1のリフレクタ保持部B11(ミラー機構B3)の後方空間(図123参照)に制御基板(主制御基板MS又はサブ制御装置SS)を配置することとしてもよい。これにより、本体部(キャビネットG)内のスペースを有効に活用するとともに、制御基板(主制御基板MS又はサブ制御装置SS)から発生した熱が下部空間にこもってしまう現象を緩和することができる。なお、本発明における開閉扉は、複数の扉(上ドア機構UD及び下ドア機構DD)から構成されていてもよいし、1つの扉から構成されていてもよい。
[第7実施形態]
以上、第1実施形態~第6実施形態について説明した。以下、第7実施形態について説明する。第7実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第1実施形態~第6実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第1実施形態~第6実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第6実施形態における説明が第7実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1実施形態のパチスロ機1では、~」のように、第1実施形態に係るパチスロ機1に限定されるような記載であったとしても、第7実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第7実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態~第6実施形態に係るパチスロ機1に限定するような記載についても、第7実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第7実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。従って、第1実施形態~第6実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第7実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第6実施形態に係るパチスロ機1と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態~第6実施形態に係るパチスロ機1と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
<光の照射範囲とスクリーンの配置位置>
本実施形態では、第5実施形態と同様に、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行した後、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図99参照)。そして、プロジェクタ9020から投射された光は、全て上ドア機構UDに到達する。
上ドア機構UDには、中央スクリーン3010が設けられている(図132及び図133参照)。プロジェクタ9020から投射された光は、中央スクリーン3010に対して後方(背面側)から入射し、中央スクリーン3010の前面側(表示面)に画像が表示されることになる。以下、詳述する。
<上ドア機構UD>
図130は、上ドア機構を前方から見た斜視図である。図131は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。図132は、上ドア機構から中央スクリーンユニット及びフロントトップユニットを取り外した状態を前方から見た斜視図である。図133は、上ドア機構から中央スクリーンユニット及びフロントトップユニットを取り外した状態を後方から見た斜視図である。
図130及び図131に示すように、上ドア機構UDには、中央スクリーンユニット3000が設けられている。図132及び図133に示すように、中央スクリーンユニット3000は、中央スクリーン3010と後側透光板3050とを備えている。
中央スクリーン3010は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、第4実施形態におけるスクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)と同様に、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面と、を有する。中央スクリーン3010は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。中央スクリーン3010は、剛性を有する(可撓性を有しない)ように、立体成型により形成されている。
中央スクリーン3010は、第4実施形態におけるスクリーンシート1046(図102参照)のように、中央に位置する平面部3011と、平面部3011の左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部3012と、を備えている。平面部3011は、平面形状に形成され、湾曲部3012は、第4実施形態におけるドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(図94参照)のように、平板を湾曲させた形状を有している。
後側透光板3050は、透明なポリカーボネートを主たる素材とし、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されている。後側透光板3050は、第4実施形態における透光板1045(図102参照)のように、中央に位置する平面部3051と、平面部3051の左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部3052と、を備えている。平面部3051は、平面形状に形成され、湾曲部3052は、平板を湾曲させた形状を有している。
中央スクリーン3010は、上ドア機構UD(パチスロ機1)における最前面(最外面)に配置されている。これにより、中央スクリーン3010と遊技者との間には、他の部材が存在しない状態となる。後側透光板3050は、中央スクリーン3010の背面側に配置されており、中央スクリーン3010を裏側(キャビネットG側)から補強している。後側透光板3050の材料としては、中央スクリーン3010を補強することが可能であるものであれば、特に限定されず、ポリカーボネートの他、アクリル板、ABS等の樹脂、ガラス板等を適宜用いることができる。
後側透光板3050は透光性を有しているため、プロジェクタ9020から投射された光は、後側透光板3050を透過し、中央スクリーン3010の入射面(背面側の表面)に入射する。これにより、中央スクリーン3010の表示面(前面側の表面)に、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。中央スクリーン3010の前方には遊技者の視界を遮る構造が存在しないため、中央スクリーン3010に画像が表示された場合、当該画像は、遊技者から視認可能となる。
また、上ドア機構UDの左側部分及び右側部分には、それぞれ、左サイド装飾ユニット3100L及び右サイド装飾ユニット3100Rが設けられており、上ドア機構UDの上側部分には、フロントトップユニット3200が設けられている。以下、各構成について、より詳細に説明する。
<中央スクリーン3010とサイド装飾部3110との配置関係>
図134は、中央スクリーンを前方から見た斜視図である。図135は、中央スクリーンにおける右サイド凹凸部近傍の部分拡大斜視図である。図136は、上ドア機構における右サイド装飾ユニット近傍の部分拡大斜視図である。図137は、図136に示す上ドア機構からサイド装飾部を取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。図138は、右サイド装飾部を前方から見た斜視図である。図139は、右サイド装飾部を後方から見た斜視図である。図140は、右サイド装飾部の断面図である。図141は、中央スクリーン及び右サイド装飾部の断面図である。
図134に示すように、中央スクリーン3010の湾曲部3012(右湾曲部3012R)における後側部分(右側部分)には、右サイド凹凸部3020R(右上サイド凹凸部3021R、右中サイド凹凸部3022R、及び、右下サイド凹凸部3023R)が形成されている。また、中央スクリーン3010の湾曲部3012(左湾曲部3012L)における後側部分(左側部分)には、左サイド凹凸部3020L(左上サイド凹凸部3021L、左中サイド凹凸部3022L、及び、左下サイド凹凸部3023L)が形成されている。
中央スクリーン3010は、左右対称な構造を有しており、右サイド凹凸部3020R及び左サイド凹凸部3020Lも、互いに左右対称となっている。そこで、以下では、右サイド凹凸部3020R(右上サイド凹凸部3021R、右中サイド凹凸部3022R、及び、右下サイド凹凸部3023R)と左サイド凹凸部3020L(左上サイド凹凸部3021L、左中サイド凹凸部3022L、及び、左下サイド凹凸部3023L)とを区別せず、サイド凹凸部3020(上サイド凹凸部3021、中サイド凹凸部3022、及び、下サイド凹凸部3023)と表記することがある。
図135に示すように、上サイド凹凸部3021は、周囲の面に対して凹んだ凹部3021aと、凹部3021aに対して突出する突起3021bと、を有している。突起3021bは、凹部3021aに囲われるように形成されている。同様に、中サイド凹凸部3022は、周囲の面に対して凹んだ凹部3022aと、凹部3022aに対して突出する突起3022bと、を有している。突起3022bは、凹部3022aに囲われるように形成されている。下サイド凹凸部3023は、周囲の面に対して凹んだ凹部3023aと、凹部3023aに対して突出する突起3023bと、を有している。突起3023bは、凹部3023aに囲われるように形成されている。分かりやすくするため、図135では、凹部3021a、凹部3022a、及び、凹部3023aを黒で示している。
また、中央スクリーン3010は、湾曲部3012の後端から後方に向けて連続して形成された後側部3013を有している。後側部3013は、略平坦に形成されている。分かりやすくするため、図135では、後側部3013を斜線で示している。
図136及び図137に示すように、中央スクリーン3010の右湾曲部3012Rにおける右側には、右湾曲部3012Rに沿うように右サイド装飾部3110Rが配置されている。同様に、中央スクリーン3010の左湾曲部3012Lにおける左側には、左湾曲部3012Lに沿うように左サイド装飾部3110Lが配置されている。右サイド装飾部3110R及び左サイド装飾部3110Lは、それぞれ、右サイド装飾ユニット3100R及び左サイド装飾ユニット3100L(図130参照)の構成要素となっている。右サイド装飾部3110R及び左サイド装飾部3110Lは、互いに左右対称な構造を有している。本明細書では、右サイド装飾部3110Rと左サイド装飾部3110Lとを区別せず、サイド装飾部3110と表記することがある。
図138及び図139に示すように、サイド装飾部3110は、外側部3111及び内側部3112を有している。外側部3111及び内側部3112は、それぞれ、平板状に形成され、互いに略平行に配置されている。また、サイド装飾部3110は、内側部3112の前方部分から外側部3111とは反対側に向けて膨出する膨出部3113(上膨出部3114、中膨出部3115、及び、下膨出部3116)を有している。
図140では、中膨出部3115を通る水平面でサイド装飾部3110を切断した様子を示している。図140に示すように、中膨出部3115は、前面側に配置される前側部3115aと、前側部3115aの側縁から屈曲して形成された屈曲部3115bと、を有している。これにより、内側部3112と前側部3115aと屈曲部3115b(を延長した部分)とで囲まれた三角形形状の空間3115cが形成されている。
図141では、中膨出部3115を通る水平面で中央スクリーン3010及びサイド装飾部3110を切断した様子を示している。分かりやすくするため、図141では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びサイド装飾部3110を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。また、中央スクリーン3010の切断面を斜線で示し、サイド装飾部3110の切断面を黒で示している。
図141に示すように、サイド装飾部3110の内側部3112が中央スクリーン3010の後側部3013と当接し、サイド装飾部3110の屈曲部3115bが中央スクリーン3010の中サイド凹凸部3022における凹部3022aと当接している。これにより、中央スクリーン3010の中サイド凹凸部3022における突起3022bがサイド装飾部3110の空間3115cに挿入されている。
同様に、詳細な図示を省略するが、サイド装飾部3110の上膨出部3114近傍は、中央スクリーン3010の上サイド凹凸部3021に対応する構造を有しており、サイド装飾部3110の下膨出部3116近傍は、中央スクリーン3010の下サイド凹凸部3023に対応する構造を有している。これにより、中央スクリーン3010の上サイド凹凸部3021における突起3021bがサイド装飾部3110の内側部3112と上膨出部3114とによって形成された空間に挿入されている。また、中央スクリーン3010の下サイド凹凸部3023における突起3023bがサイド装飾部3110の内側部3112と下膨出部3116とによって形成された空間に挿入されている。
以上より、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、サイド装飾部3110は、中央スクリーン3010の湾曲部3012及び後側部3013に沿って配置される。これにより、サイド装飾部3110は、中央スクリーン3010における後側部分を覆うような状態となる。ここで、本実施形態では、中央スクリーン3010の湾曲部3012に所定のモチーフ画像(パチスロ機1のモチーフを示す画像)が表示される。当該モチーフ画像は、柱に対応する画像(柱画像)であり、柱画像の大きさは、湾曲部3012の大きさに対応している。湾曲部3012の形状に起因して、当該柱画像は、立体的な外観を呈することになる。その結果、遊技者に対して、湾曲部3012の大きさ及び曲率と同等の大きさ及び曲率を有する柱が実際に存在するように見せることができるとともに、サイド装飾部3110が当該柱に乗り上げているように見せることができる。また、サイド装飾部3110の装飾(膨出部3113等)が当該柱に直接施されているような印象も遊技者に与えることができる。そして、遊技者と中央スクリーン3010との間には他の部材が存在しないため、当該柱を遊技者に直に触れさせることもできる。さらに、中央スクリーン3010における後側部分に表示された画像は、遊技者から歪んで見える可能性があるところ、サイド装飾部3110が当該部分を覆うことになるため、歪んだ画像を目隠しすることが可能であり、画像の見栄えが悪化してしまうことを防止することもできる。
<サイド装飾ユニット3100>
図142は、上ドア機構の正面図である。図143は、図142に示す上ドア機構の矢視A-Aに沿う断面図である。図144は、サイドLED基板及びライトガイドの斜視図である。図145は、サイドLED基板及びライトガイドの分解斜視図である。図146は、サイドLED及びライトガイドの斜視図である。図147は、ライトガイド及びサイドライトレンズの斜視図である。図148は、サイドライトレンズを後方から見た斜視図である。図149は、サイドライトレンズの断面図である。図150は、サイドライトレンズの断面図である。図151は、後側透光板、ライトガイド、及び、サイドライトレンズの斜視図である。図152は、サイド装飾部の斜視図である。図153は、サイド装飾部及びサイドライトレンズの斜視図である。図154は、中央スクリーン、後側透光板、及び、サイド遮光プレートの斜視図である。図155は、図154に示す状態からサイド遮光プレートを取り外した様子を示す斜視図である。図156は、図142に示す上ドア機構の矢視A-Aに沿う断面図である。図157は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。図158は、図157に示す上ドア機構からサイドLED基板カバーを取り外した様子を示す斜視図である。
図142に示すように、中央スクリーン3010における右側部分には、右サイド装飾ユニット3100Rが配設されており、中央スクリーン3010における左側部分には、左サイド装飾ユニット3100Lが配設されている。右サイド装飾ユニット3100Rと左サイド装飾ユニット3100Lとは、左右対称な構造を有している。本明細書では、右サイド装飾ユニット3100Rと左サイド装飾ユニット3100Lとを区別せず、サイド装飾ユニット3100と表記することがある。
図143に示すように、サイド装飾ユニット3100は、サイド装飾部3110と、サイドLED基板3120と、ライトガイド3130と、サイドライトレンズ3140と、を備えている。分かりやすくするため、図143では、中央スクリーン3010の切断面及び後側透光板3050の切断面を網掛けで示し、サイド装飾部3110の切断面及びサイドLED基板3120の切断面を黒で示し、ライトガイド3130の切断面及びサイドライトレンズ3140の切断面を斜線で示している。
図144では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるサイドLED基板3120及びライトガイド3130を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。図144及び図145に示すように、サイドLED基板3120の表面3121には、複数のサイドLED3122が設けられている。具体的には、サイドLED3122a、サイドLED3122b、サイドLED3122c、サイドLED3122d、サイドLED3122e、サイドLED3122f、及び、サイドLED3122gが、それぞれ、2つずつ設けられている。サイドLED3122は、基板表面の法線方向(概ね右方向)に光を出射するように設置されている。また、サイドLED3122は、フルカラーLEDであり、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能である。
ライトガイド3130は、第1導光部3131、第2導光部3132、第3導光部3133、第4導光部3134、第5導光部3135、第6導光部3136、及び、第7導光部3137を備え、これらが順次接続された構造を有している。また、ライトガイド3130は、高い光透過率(例えば、75%~95%、望ましくは、80%~90%程度)を有する材料(例えば、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂)でできている。
第1導光部3131は、基体部3131aと、基体部3131aの後端から分岐した上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cと、を有している。同様に、第2導光部3132は、基体部3132aと、基体部3132aの後端から分岐した上側分岐部3132b及び下側分岐部3132cと、を有している。第3導光部3133は、基体部3133aと、基体部3133aの後端から分岐した上側分岐部3133b及び下側分岐部3133cと、を有している。第4導光部3134は、基体部3134aと、基体部3134aから分岐した上側分岐部3134b及び下側分岐部3134cと、を有している。第5導光部3135は、基体部3135aと、基体部3135aから分岐した上側分岐部3135b及び下側分岐部3135cと、を有している。第6導光部3136は、基体部3136aと、基体部3136aから分岐した上側分岐部3136b及び下側分岐部3136cと、を有している。第7導光部3137は、基体部3137aと、基体部3137aから分岐した上側分岐部3137b及び下側分岐部3137cと、を有している。
図144に示すように、第1導光部3131における上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cは、それぞれ、2つのサイドLED3122aと近接するように配置される。同様に、第2導光部3132における上側分岐部3132b及び下側分岐部3132cは、それぞれ、2つのサイドLED3122bと近接するように配置されている。第3導光部3133における上側分岐部3133b及び下側分岐部3133cは、それぞれ、2つのサイドLED3122cと近接するように配置されている。第4導光部3134における上側分岐部3134b及び下側分岐部3134cは、それぞれ、2つのサイドLED3122dと近接するように配置されている。第5導光部3135における上側分岐部3135b及び下側分岐部3135cは、それぞれ、2つのサイドLED3122eと近接するように配置されている。第6導光部3136における上側分岐部3136b及び下側分岐部3136cは、それぞれ、2つのサイドLED3122fと近接するように配置されている。第7導光部3137における上側分岐部3137b及び下側分岐部3137cは、それぞれ、2つのサイドLED3122gと近接するように配置されている。
これにより、サイドLED3122aから出射された光は、上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cに入射する。図146に示すように、上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cは、基体部3131aに対して屈曲している。これにより、上側分岐部3131b及び下側分岐部3131cに入射した光は、第1導光部3131の内部において進行方向を前向きに変えて、基体部3131aの前面3131dに到達する。同様に、サイドLED3122bから出射された光は、第2導光部3132における基体部3132aの前面3132dに到達する。サイドLED3122cから出射された光は、第3導光部3133における基体部3133aの前面3133dに到達する。サイドLED3122dから出射された光は、第4導光部3134における基体部3134aの前面3134dに到達する。サイドLED3122eから出射された光は、第5導光部3135における基体部3135aの前面3135dに到達する。サイドLED3122fから出射された光は、第6導光部3136における基体部3136aの前面3136dに到達する。サイドLED3122gから出射された光は、第7導光部3137における基体部3137aの前面3137dに到達する。
分かりやすくするため、図146では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるサイドLED3122a~3122g及びライトガイド3130を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。また、基体部3131a~3137aの前面3131d~3137dを斜線で示している。前面3131d~3137dは、鉛直方向の略平坦な面として形成されており、その法線方向は前方向となっている。
図147では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるライトガイド3130及びサイドライトレンズ3140を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。図147及び図148に示すように、サイドライトレンズ3140は、第1導光部3141、第2導光部3142、第3導光部3143、第4導光部3144、第5導光部3145、第6導光部3146、及び、第7導光部3147を備え、これらが順次接続された構造を有している。サイドライトレンズ3140は、透光性を有する素材により形成されている。
図149では、第1導光部3141を通る水平面でサイドライトレンズ3140を切断した様子を示している。図150では、第2導光部3142を通る水平面でサイドライトレンズ3140を切断した様子を示している。
図149に示すように、第1導光部3141は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3141aと、後方突出部3141aから連続して前方に突出するように形成された前方突出部3141bと、を有している。同様に、第4導光部3144は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3144aと、後方突出部3144aから連続して前方に突出するように形成された前方突出部3144bと、を有している。第7導光部3147は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3147aと、後方突出部3147aから連続して前方に突出するように形成された前方突出部3147bと、を有している。
図150に示すように、第2導光部3142は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3142aと、後方突出部3142aから連続して形成された分岐構造を経由して前方に突出する右側前方突出部3142b及び左側前方突出部3142cと、を有している。同様に、第3導光部3143は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3143aと、後方突出部3143aから連続して形成された分岐構造を経由して前方に突出する右側前方突出部3143b及び左側前方突出部3143cと、を有している。第5導光部3145は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3145aと、後方突出部3145aから連続して形成された分岐構造を経由して前方に突出する右側前方突出部3145b及び左側前方突出部3145cと、を有している。第6導光部3146は、板状に形成されて後方に突出する後方突出部3146aと、後方突出部3146aから連続して形成された分岐構造を経由して前方に突出する右側前方突出部3146b及び左側前方突出部3146cと、を有している。
図148では、第1導光部3141~第7導光部3147における後方突出部3141a~3147aの後端面3141d~3147dを斜線で示している。図147に示すように、サイドライトレンズ3140の第1導光部3141~第7導光部3147における後端面3141d~3147dは、それぞれ、ライトガイド3130の第1導光部3131~第7導光部3137における前面3131d~3137dと対向するように配置される。
図151では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における後側透光板3050、ライトガイド3130、及び、サイドライトレンズ3140を、これらの相対的な位置関係を維持しつつ、他の構成要素を削除して示している。図151に示すように、ライトガイド3130とサイドライトレンズ3140との間には、後側透光板3050の後側部3053が配置されている(図143参照)。ライトガイド3130の第1導光部3131~第7導光部3137における前面3131d~3137dは、後側透光板3050の後側部3053における背面側の面と略当接している。サイドライトレンズ3140の第1導光部3141~第7導光部3147における後端面3141d~3147dは、後側透光板3050の後側部3053における前面側の面と略当接している。
ここで、後側透光板3050は、高い光透過率(例えば、75%~95%、望ましくは、80%~90%程度)を有する材料(例えば、ポリカーボネート等の透明な合成樹脂)でできている。従って、サイドLED3122~3122gから出射されてライトガイド3130の前面3131d~3137dに到達した光は、サイドライトレンズ3140の後端面3141d~3147dに入射する。なお、後側透光板3050の後側部3053は、後側透光板3050の後端を折り曲げることにより、平板状に形成された部分となっている。
サイドライトレンズ3140の後端面3141dに入射した光は、第1導光部3141の内部を進行し、前方突出部3141bに到達する。同様に、サイドライトレンズ3140の後端面3144dに入射した光は、第4導光部3144の内部を進行し、前方突出部3144bに到達する。サイドライトレンズ3140の後端面3147dに入射した光は、第7導光部3147の内部を進行し、前方突出部3147bに到達する。
また、サイドライトレンズ3140の後端面3142dに入射した光は、第2導光部3142の内部を進行し、右側前方突出部3142b及び左側前方突出部3142cに到達する。同様に、サイドライトレンズ3140の後端面3143dに入射した光は、第3導光部3143の内部を進行し、右側前方突出部3143b及び左側前方突出部3143cに到達する。サイドライトレンズ3140の後端面3145dに入射した光は、第5導光部3145の内部を進行し、右側前方突出部3145b及び左側前方突出部3145cに到達する。サイドライトレンズ3140の後端面3146dに入射した光は、第6導光部3146の内部を進行し、右側前方突出部3146b及び左側前方突出部3146cに到達する。
図152に示すように、サイド装飾部3110には、前後方向に貫通する光出射用開口3117(第1光出射用開口3117a、第2光出射用開口3117b、第3光出射用開口3117c、第4光出射用開口3117d、第5光出射用開口3117e、第6光出射用開口3117f、及び、第7光出射用開口3117g)が形成されている。第1光出射用開口3117a、第4光出射用開口3117d、及び、第7光出射用開口3117gとしては、それぞれ、1つの開口が設けられており、第2光出射用開口3117b、第3光出射用開口3117c、第5光出射用開口3117e、及び、第6光出射用開口3117fとしては、それぞれ、2つの開口が設けられている。
分かりやすくするため、図152では、光出射用開口3117a~3117gを斜線で示している。なお、サイド装飾部3110は、第1光出射用開口3117aの周縁、第4光出射用開口3117dの周縁、及び、第7光出射用開口3117gの周縁から前方に突出する構造を有しており、これらの突出構造は、それぞれ、上膨出部3114、中膨出部3115、及び、下膨出部3116と連続するように形成されている。
第1光出射用開口3117a、第4光出射用開口3117d、及び、第7光出射用開口3117gの形状は、それぞれ、サイドライトレンズ3140の前方突出部3141b、前方突出部3144b、及び、前方突出部3147bの形状に対応している。また、2つの第2光出射用開口3117b、2つの第3光出射用開口3117c、2つの第5光出射用開口3117e、及び、2つの第6光出射用開口3117fの形状は、それぞれ、右側前方突出部3142b及び左側前方突出部3142c、右側前方突出部3143b及び左側前方突出部3143c、右側前方突出部3145b及び左側前方突出部3145c、並びに、右側前方突出部3146b及び左側前方突出部3146cの形状に対応している。
サイドライトレンズ3140は、サイド装飾部3110における外側部3111と内側部3112(図139参照)との間に配置される。図153に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、サイドライトレンズ3140の前方突出部3141b、右側前方突出部3142b及び左側前方突出部3142c、右側前方突出部3143b及び左側前方突出部3143c、前方突出部3144b、右側前方突出部3145b及び左側前方突出部3145c、右側前方突出部3146b及び左側前方突出部3146c、並びに、前方突出部3147bは、それぞれ、サイド装飾部3110の光出射用開口3117a~3117gに嵌合し、これらの突出部によって、光出射用開口3117a~3117gが閉塞される。以上より、サイドLED3122a~3122gから出射された光は、光出射用開口3117a~3117gを介して、サイドライトレンズ3140からパチスロ機1の外部へと放出される。なお、これらの突出部の前端面にはシボ加工が施されており、これにより、光出射用開口3117a~3117gが満遍なく光るようになっている。
図154に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、中央スクリーン3010の後側部3013と後側透光板3050の後側部3053との間には、サイド遮光プレート3150が配設されている。図155に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、中央スクリーン3010の後端は、後側透光板3050の後端よりも前方に位置付けられており、後側透光板3050の後側部分が中央スクリーン3010によって覆われず露出した状態となっている。分かりやすくするため、図155では、当該露出した部分(露出部分3054)を斜線で示している。サイド遮光プレート3150は、当該露出部分3054を覆うように配置される。
サイド遮光プレート3150は、遮光性を有しており、光の通過が遮断されるようになっている。サイド遮光プレート3150は、ポリカーボネート等を素材としてできており、黒色に着色されている。分かりやすくするため、図156では、サイド遮光プレート3150の切断面を斜線で示している。サイド遮光プレート3150が配設されることにより、プロジェクタ9020から投射された光が後側透光板3050の露出部分3054を透過してサイドライトレンズ3140に侵入してしまうことを防止することができるようになっている。
なお、サイド遮光プレート3150の上端は、後側透光板3050の上端よりも若干低く、露出部分3054の上側部分は、サイド遮光プレート3150によって覆われず、なお露出した状態となっている。しかし、サイドライトレンズ3140の上端も、後側透光板3050の上端よりも低くなっており(サイド遮光プレート3150と略同じ高さとなっており)、当該露出部分を介して、プロジェクタ9020から投射された光がサイドライトレンズ3140に侵入してしまうことはない。
また、図156では、サイドLED基板カバー3160の切断面を黒で示し、遮蔽壁部材3300の切断面を網掛けで示している。サイドLED基板カバー3160には、サイドLED基板3120が設置される。図157及び図158に示すように、サイドLED基板カバー3160は、サイドLED基板3120及びライトガイド3130の側方に配置されて、サイド装飾部3110及び鍵受部材3320とともに、上ドア機構UD(パチスロ機1)における最外面を構成している。遮蔽壁部材3300については、後に詳述する。
<遮蔽壁部材3300>
図159は、遮蔽壁部材を前方から見た斜視図である。図160は、遮蔽壁部材における左側部周辺の部分拡大斜視図である。図161は、遮蔽壁部材を後方から見た斜視図である。図162は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。図163は、図162に示す上ドア機構から遮蔽壁部材及びスピーカ用ハーネスプロテクタを取り外した状態を示す斜視図である。図164(a)は、本実施形態においてプロジェクタから光が投射されている様子を上方から見た模式図である。図164(b)は、他の実施形態においてプロジェクタから光が投射されている様子を上方から見た模式図である。図165は、遮蔽壁部材の正面図である。図166は、遮蔽壁部材及びライトガイドの部分拡大斜視図である。
図159~図161に示すように、遮蔽壁部材3300は、概ね左右対称となる構造を備え、中央が開口した矩形環状の形状を有している。具体的に、遮蔽壁部材3300は、光通過用開口3301の周囲に配置された下側部3302、左側部3303、右側部3304、及び、上側部3305を備えている。
下側部3302は、下側面3302aを有している。下側面3302aは、下側部3302の上面(光通過用開口3301に面した面)を構成しており、略水平方向に形成されている。図示しないが、下側面3302aには、シボ加工が施されることにより、微細な凹凸が形成されている。シボ加工は、表面にシボ(皺模様)が形成される加工であり、光拡散処理として、当該加工が施されている。本明細書において、シボ加工により形成される凹凸の形状(皺模様)は、特に限定されず、梨地、木目、岩目、砂目、布目・絹目等の模様や、幾何学模様、平行な細い線が等間隔に並ぶような模様等を適宜形成することが可能である。
図160に示すように、左側部3303は、第1左側内壁面3303a、第2左側内壁面3303b、第3左側内壁面3303c、及び、第4左側内壁面3303dを備えている。第1左側内壁面3303a、第2左側内壁面3303b、第3左側内壁面3303c、及び、第4左側内壁面3303dは、左側部3303における右側の面(光通過用開口3301に面した面)を構成しており、略鉛直方向に形成されている。なお、分かりやすくするため、図160では、左側部3303を水平面で切断した様子を示している。
第1左側内壁面3303aは、左側部3303の前端面の右端から斜め後方に向けて連続して形成されている。第2左側内壁面3303bは、第1左側内壁面3303aの後端(右端)から第1左側内壁面3303aよりも急な傾斜で後方に向けて連続して形成されている。第3左側内壁面3303cは、第2左側内壁面3303bの後端から第1左側内壁面3303aよりも急な傾斜且つ第2左側内壁面3303bよりも緩やかな傾斜で後方に向けて連続して形成されている。第4左側内壁面3303dは、第3左側内壁面3303cの後端から第2左側内壁面3303bよりも急な傾斜で後方に向けて連続して形成されている。
また、左側部3303は、後端を右方に僅かに折り曲げることで形成された左側後端部3303eを有している。左側後端部3303eの前面3303fは、第4左側内壁面3303dの後端から右側に向けて連続して形成されている。前面3303fと第4左側内壁面3303dとは、略直交している。なお、第4左側内壁面3303dは、上方に向かうにつれて前後方向の長さが短くなっており、左側部3303の上部においては、第4左側内壁面3303dが形成されておらず、左側後端部3303eの前面3303fは、第3左側内壁面3303cと連続している。
同様に、詳細な説明は省略するが、右側部3304は、第1右側内壁面3304a、第2右側内壁面3304b、第3右側内壁面3304c、第4右側内壁面3304d、及び、右側後端部3304eを備えている。第1右側内壁面3304a、第2右側内壁面3304b、第3右側内壁面3304c、第4右側内壁面3304d、及び、右側後端部3304eは、それぞれ、第1左側内壁面3303a、第2左側内壁面3303b、第3左側内壁面3303c、第4左側内壁面3303d、及び、左側後端部3303eと左右対称となっている。
左側後端部3303e及び右側後端部3304eは、それぞれ、略鉛直方向に形成されている。分かりやすくするため、図161では、左側後端部3303eの背面3303g及び右側後端部3304eの背面3304gを斜線で示している。
図162及び図163に示すように、遮蔽壁部材3300の下側部3302は、中継基板3330及び中継基板カバー3331の上側に配置される。これにより、中継基板3330及び中継基板カバー3331は、下側部3302(下側面3302a)によって略完全に覆われる。遮蔽壁部材3300の下側部3302の前端縁3302bにおける前後方向の位置は、後側透光板3050の下側部3055の後端縁における前後方向の位置と略一致している。すなわち、下側部3302の前端縁3302bは、平面視において、下側部3055の後端縁と略一致しており、下側部3302及び下側部3055は、略隙間なく配置されている。なお、後側透光板3050の下側部3055は、平面部3051及び湾曲部3052の下端から後方に向けて連続して形成され、略水平に配置されている。
遮蔽壁部材3300の右側部3304は、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rの左側に配置される。これにより、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rは、右側部3304(第1右側内壁面3304a、第2右側内壁面3304b、第3右側内壁面3304c、及び、第4右側内壁面3304d)によって略完全に覆われる。
同様に、図示しないが、遮蔽壁部材3300の左側部3303は、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320Lの右側に配置される。これにより、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320Lは、左側部3303(第1左側内壁面3303a、第2左側内壁面3303b、第3左側内壁面3303c、及び、第4左側内壁面3303d)によって略完全に覆われる。
ここで、上述したように、プロジェクタ9020から投射された光(ミラー9030によって反射された光)は、前方(中央スクリーン3010の配置されている側)に向けて進行する(図99参照)。図164では、このような光の照射範囲を斜線で示している。
本実施形態では、図164(a)に示すように、ミラー9030によって反射された光の大部分は、遮蔽壁部材3300の光通過用開口3301を通過して、中央スクリーン3010に到達する。一方、ミラー9030によって反射された光のうちの一部は、遮蔽壁部材3300の左側部3303(左側後端部3303eの右側部分)及び右側部3304(右側後端部3304eの左側部分)に入射する。遮蔽壁部材3300は、透光性を有していないため、当該光は、左側部3303及び右側部3304を透過することができず、左側部3303及び右側部3304によって反射されるため、中央スクリーン3010には到達しない。
これに対し、図164(b)に示す他の実施形態は、遮蔽壁部材3300が設けられていない点を除いて、本実施形態と同じ構成を有している。この実施形態では、ミラー9030によって反射された光の進行が遮蔽壁部材3300によって妨げられることがないため、図164(b)に示す照射範囲は、図164(a)に示す照射範囲よりも広くなっている。具体的に、図164(a)では、領域I及び領域IIが照射範囲となっていないのに対し、図164(b)では、領域I及び領域IIが照射範囲となっている。領域I及び領域IIは、正面視において中央スクリーン3010の周縁に位置付けられる領域である。
領域Iには、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320Lが配置されている。また、領域IIには、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rが配置されている。そのため、他の実施形態では、プロジェクタ9020から投射された光の一部が、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320L、並びに、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rによって反射され、当該反射された光が中央スクリーン3010に入射するといった状況が発生し得る。これに対し、本実施形態では、領域I及び領域IIが照射範囲に含まれないため、プロジェクタ9020から投射された光の一部が、左サイドLED基板3120L及び左側鍵受部材3320L、並びに、右サイドLED基板3120R及び右側鍵受部材3320Rによって反射される(反射された光が中央スクリーン3010に入射する)といった事態を防止することができる。
図160に示すように、左側部3303は、前端を左方に僅かに折り曲げることで形成された左側前端部3303hを有している。同様に、右側部3304は、前端を右方に僅かに折り曲げることで形成された右側前端部3304hを有している。図165に示すように、左側前端部3303h及び右側前端部3304hには、前後方向に貫通するライトガイド用開口3306(第1ライトガイド用開口3306a、第2ライトガイド用開口3306b、第3ライトガイド用開口3306c、第4ライトガイド用開口3306d、第5ライトガイド用開口3306e、第6ライトガイド用開口3306f、及び、第7ライトガイド用開口3306g)が形成されている。
ライトガイド用開口3306a~3306gは、正面視における形状が、ライトガイド3130の第1導光部3131~第7導光部3137における基体部3131a~3137aよりも僅かに大きくなっている。図166に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、ライトガイド用開口3306a~3306gには、それぞれ、ライトガイド3130の第1導光部3131~第7導光部3137における基体部3131a~3137aの前部が挿入される。基体部3131a~3137aの前面3131d~3137dは、右側前端部3304h(左側前端部3303h)の前面3304i(前面3303i)と略同一平面上に位置付けられる。これにより、ライトガイド3130を透過した光は、ライトガイド用開口3306a~3306gを介して、ライトガイド3130からサイドライトレンズ3140へと進行することになる。
<空気流路の形成>
図167は、遮蔽壁部材を後方から見た斜視図である。図168は、上ドア機構からトップフレームベースを取り外した状態を示す斜視図である。図169は、図168に示す状態から上部前後フレーム及びダクトシールを取り外した様子を示す斜視図である。図170は、上部前後フレームを後方から見た斜視図である。図171は、上部前後フレームを前方から見た部分拡大斜視図である。図172は、トップフレームベースを後方且つ下方から見た斜視図である。図173は、図172に示すトップフレームベースの部分拡大斜視図である。図174は、トップフレームベース及び上部前後フレームを後方から見た部分拡大斜視図である。図175は、トップフレームベース及び上部前後フレームの断面図である。図176は、上ドア機構からスピーカ用ハーネスプロテクタを取り外した状態を示す斜視図である。
図167に示すように、遮蔽壁部材3300の上側部3305には、右側通気用開口3307R及び左側通気用開口3307Lが形成されている。右側通気用開口3307R及び左側通気用開口3307Lは、それぞれ、前後方向に空気が通過可能なように形成されている。分かりやすくするため、図167では、右側通気用開口3307R及び左側通気用開口3307Lを斜線で示している。
また、図168に示すように、トップフレームベース3210は、上面壁3211を有している。トップフレームベース3210は、フロントトップユニット3200(図130参照)の構成要素であり、フロントトップユニット3200の骨格を構成する部材となっている。上面壁3211には、右側通気口3212R及び左側通気口3212Lがそれぞれ複数形成されている。トップフレームベース3210は、ポリカーボネート等を素材としてできており、左右対称な構造を有している。なお、トップフレームベース3210は、成形前に樹脂材料に顔料又は染料を混ぜて着色することにより、黒色が付されている。これにより、トップフレームベース3210は、光を透過させないようになっている。
トップフレームベース3210の下側には、上部前後フレーム3230が配置されている。図169及び図170に示すように、上部前後フレーム3230は、右側部3230R及び左側部3230Lが中央部3230Cにより接続された構造を有している。右側部3230Rには、上方に向けて開放した右側開口3231Rと、後方に向けて開放した右側開口3232Rと、が形成されている。左側部3230Lには、上方に向けて開放した左側開口3231Lと、後方に向けて開放した左側開口3232Lと、が形成されている。
右側開口3231Rと右側開口3232Rとは、右側部3230Rの内部に形成された右側空洞3233Rを介して連通しており、左側開口3231Lと左側開口3232Lとは、左側部3230Lの内部に形成された左側空洞3233Lを介して連通している。分かりやすくするため、図170では、開口3231(右側開口3231R及び左側開口3231L)並びに開口3232(右側開口3232R及び左側開口3232L)を斜線で示している。
トップフレームベース3210と上部前後フレーム3230との間には、ダクトシール3240(右側ダクトシール3240R及び左側ダクトシール3240L)が配置されている。右側ダクトシール3240R及び左側ダクトシール3240Lは、それぞれ、中央が大きく開口した矩形形状を有しており、上部前後フレーム3230における右側開口3231R及び左側開口3231Lの周縁に沿うように配設されている。ダクトシール3240としては、トップフレームベース3210と上部前後フレーム3230との間を密閉することが可能な緩衝部材(例えば、ゴムパッキン)を適宜採用することができる。
ここで、トップフレームベース3210の右側通気口3212R及び左側通気口3212Lは、それぞれ、上部前後フレーム3230の右側開口3231R及び左側開口3231Lを介して、右側空洞3233R及び左側空洞3233Lと連通している。右側空洞3233R及び左側空洞3233Lは、それぞれ、右側開口3232R及び左側開口3232Lを介して、遮蔽壁部材3300の右側通気用開口3307R及び左側通気用開口3307Lと連通している。
これにより、例えば、左側通気口3212L、左側空洞3233L、及び、左側通気用開口3307Lを介して、パチスロ機1の外部からキャビネットGの内部に空気が取り入れられる。この空気は、吸気口B22A(図57参照)を介してケースB22の内部に入る。ケースB22の内部に入った空気は、ケースB22内で発生した熱を奪いながら右方向に進み、排気口B22E(図58参照)を介してケースB22を出る。ケースB22を出た空気は、右側通気用開口3307R、右側空洞3233R、及び、右側通気口3212Rを介して、パチスロ機1の外部に放出される。
このようにして、プロジェクタ9020において発生した熱をパチスロ機1の外部に排出することができる。なお、第2実施形態では、ケースB22の右側に吸気口B22Aが設けられている一方、ケースB22の左側に排気口B22Eが設けられていることとして説明した。これに対し、本実施形態では、ケースB22の左側に吸気口B22Aが設けられている一方、ケースB22の右側に排気口B22Eが設けられている。
また、図170に示すように、上部前後フレーム3230の中央部3230Cには、フレームベース係合用溝3234(フレームベース係合用溝3234R及びフレームベース係合用溝3234L)が形成されている。フレームベース係合用溝3234は、周囲の面よりも凹んだ凹部として、前後方向に延在するように形成されている。フレームベース係合用溝3234Rとフレームベース係合用溝3234Lとは、略同一の構成を有しており、互いに略平行となるように設けられている。
図171に示すように、フレームベース係合用溝3234は、溝底部3234a、並びに、溝底部3234aと周囲の面とを接続する左側壁面3234b及び右側壁面3234cによって構成されている。フレームベース係合用溝3234は、中央部3230Cの前端から後方にかけて形成されているが、フレームベース係合用溝3234の後端は、中央部3230Cの後端よりも前方に位置付けられている。これにより、フレームベース係合用溝3234の左右(溝左側部3235及び溝右側部3236)は、フレームベース係合用溝3234の後部(溝後側部3237)によって接続されている。
また、フレームベース係合用溝3234の後端には、後方に向けて開放した溝後部開口3234dが形成されている。分かりやすくするため、図171では、フレームベース係合用溝3234Lの左側壁面3234bを黒で示し、フレームベース係合用溝3234Rの溝後部開口3234dを斜線で示している。
図172に示すように、トップフレームベース3210の上面壁3211の下面3211aには、前後フレーム係合用突起3213(前後フレーム係合用突起3213R及び前後フレーム係合用突起3213L)が形成されている。前後フレーム係合用突起3213は、周囲の面よりも突出する凸部として、前後方向に延在するように形成されている。前後フレーム係合用突起3213Rと前後フレーム係合用突起3213Lとは、略同一の構成を有しており、互いに略平行となるように設けられている。
前後フレーム係合用突起3213Rと前後フレーム係合用突起3213Lとの距離は、上部前後フレーム3230におけるフレームベース係合用溝3234Rとフレームベース係合用溝3234Lとの距離と略同一となっている。また、前後フレーム係合用突起3213R及び前後フレーム係合用突起3213Lの大きさは、フレームベース係合用溝3234R及びフレームベース係合用溝3234Lよりもやや小さくなっている。
図173に示すように、前後フレーム係合用突起3213は、前後フレーム係合用爪3213aを有している。前後フレーム係合用爪3213aは、前後フレーム係合用突起3213の後端において、その下部が後方に突出することにより形成されている。分かりやすくするため、図173では、前後フレーム係合用突起3213の側面を黒で示している。
図174に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の前後フレーム係合用爪3213aが上部前後フレーム3230の溝後部開口3234dから後方に突出している。なお、上部前後フレーム3230の中央部3230Cにおける下面のうち、フレームベース係合用溝3234の形成されている部分には、フレームベース係合用溝3234が凹んでいることに対応して下方に向けてコの字状に突出した構造3238が形成されている。
図175では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップフレームベース3210及び上部前後フレーム3230を前後方向の鉛直面(前後フレーム係合用突起3213R及びフレームベース係合用溝3234Rを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図175では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、上部前後フレーム3230の切断面を黒で示している。
図175に示すように、トップフレームベース3210の前後フレーム係合用突起3213R及び前後フレーム係合用突起3213Lは、それぞれ、上部前後フレーム3230のフレームベース係合用溝3234R及びフレームベース係合用溝3234Lに挿入されている。この状態で、トップフレームベース3210の前後フレーム係合用爪3213aは、上部前後フレーム3230における溝後側部3237の下側に位置付けられている。
トップフレームベース3210の上面壁3211は、平板状に形成されており、支柱となる構造を基本的に有していないため、充分な強度が確保されていない。この点、前後フレーム係合用突起3213をフレームベース係合用溝3234に沿わせてスライドさせれば、トップフレームベース3210を上部前後フレーム3230に容易に取り付けることが可能であり、取り付けに際してトップフレームベース3210が破損してしまうことを防止することができる。そして、取り付け後は、上部前後フレーム3230によってトップフレームベース3210を支持し、上面壁3211が撓んでしまうことを防止することができる。
なお、図167に示すように、遮蔽壁部材3300の右側部3304と上側部3305との境界部分(右上角部3310R)は、光通過用開口3301側に膨出した構造を有している。右上角部3310Rには、スピーカ用開口3311が形成されている。分かりやすくするため、図167では、スピーカ用開口3311を斜線で示している。
スピーカ用開口3311の下方には、後方に向かうにつれて下降するような傾斜を有するスピーカ用傾斜部3312が設けられている。これにより、スピーカ用傾斜部3312の上方には、ハーネス配置用空間3313が形成されている。図176に示すように、ハーネス配置用空間3313には、スピーカ3410への接続用のハーネス3314が配置される。ハーネス3314は、スピーカ用開口3311を介してスピーカ3410に接続される。図176では、スピーカ3410の一部がスピーカ用開口3311を介して露出している様子が示されている。
スピーカ用開口3311の背面側には、スピーカ用ハーネスプロテクタ3315が配置される。スピーカ用ハーネスプロテクタ3315は、概ね前後方向の面と上下方向の面とによって所定の段差が形成された構造を有している。これにより、ハーネス配置用空間3313は、スピーカ用ハーネスプロテクタ3315によって閉塞され、ハーネス3314は、スピーカ用傾斜部3312及びスピーカ用ハーネスプロテクタ3315により構成される壁部によって取り囲まれた状態となる。
同様に、遮蔽壁部材3300の左側部3303と上側部3305との境界部分(左上角部3310L)には、スピーカ用開口3311及びスピーカ用傾斜部3312が形成されている。左上角部3310Lは、右上角部3310Rと左右対称な構造を有しているため、詳細な説明は省略する。なお、図176では、右上角部3310Rの背面側のスピーカ用ハーネスプロテクタ3315が取り外されている一方、左上角部3310Lの背面側のスピーカ用ハーネスプロテクタ3315は取り付けられている。
<トップフレームベース3210における画像の反射>
図177は、トップフレームベースを前方から見た斜視図である。図178は、トップフレームベースの底面図である。図179は、上ドア機構をやや下方から見た斜視図である。図180は、中央スクリーン及びトップフレームベースの断面図である。図181は、中央スクリーンにおける平面部及びトップフレームベースにおける下面壁の模式図である。
図177に示すように、トップフレームベース3210は、下面壁3214を備えている。下面壁3214は、平板状に形成されており、上面壁3211と略平行となっている。上面壁3211及び下面壁3214は、略水平に配置されている。分かりやすくするため、図177では、下面壁3214を斜線で示している。
図178に示すように、下面壁3214の下面3215は、画像反射面3216と装飾面3217とを有している。画像反射面3216は、弓形(円弧と、当該円弧の端部同士を結んだ弦とで囲まれた図形)の形状を有している。画像反射面3216は、凹状の溝ととして形成された模様3216aを除いて、シボ加工等は施されておらず、全体的に略平坦なツルツルの面となっている。装飾面3217は、画像反射面3216を囲っている部分であり、全体的に凹凸による装飾が施されている。
画像反射面3216は、反射塗料が塗布されることにより、光を反射することが可能となっている。従来公知のように、反射塗料は、透明性塗料とガラスビーズとを含んで構成されており、強い反射性能を有している。透明性塗料としては、任意の塗料(例えば、後述する遮光塗料と同じ樹脂材料)を用いることが可能である。塗装方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー塗装を採用することが可能である。反射塗料には、黒色顔料(例えば、カーボンブラック)が含まれており、画像反射面3216は、黒色の外観を呈している。画像反射面3216の色は、特に限定されず、任意の色に塗装することが可能である。
図179に示すように、上ドア機構UDを下から見上げると(遊技者の目線から見ると)、画像反射面3216が視界に入る。図180では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びトップフレームベース3210を前後方向の鉛直面(画像反射面3216の左右方向における概ね中央部分を通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図180では、中央スクリーン3010(平面部3011)の切断面を黒で示し、トップフレームベース3210(下面壁3214)の切断面を斜線で示している。
図180に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態では、トップフレームベース3210の下面壁3214における後端縁3214a(弓形における弦に対応する部分)が中央スクリーン3010の平面部3011における前面側の面(表示面3011a)と略当接している。中央スクリーン3010の表示面3011aとトップフレームベース3210の画像反射面3216とは略直交するように配置されている。これにより、画像反射面3216は、表示面3011aの上部(上端よりも僅かに下方)から前方に向けて連続する面となっている。
図181では、上ドア機構UDを下から見上げた状態における中央スクリーン3010の平面部3011及びトップフレームベース3210の下面壁3214を模式的に示している。また、この模式図では、中央スクリーン3010の平面部3011に半円形状の画像(半円画像3011b)が表示されている様子を示している。半円画像3011bは、プロジェクタ9020により投影された画像である。
ここで、上記のように、画像反射面3216が光を反射することが可能であることに起因して、画像反射面3216に反射画像3216aが表示されている。反射画像3216aは、中央スクリーン3010における画像反射面3216との当接部分(下面壁3214における後端縁3214aの下端)を対称の軸として線対称な図形形状(半円形状)を有している。従って、半円画像3011b及び反射画像3216aを遊技者に見せることにより、円が表示されているかのように知覚させることができる。なお、図181では、半円画像3011b及び反射画像3216aをそれぞれ斜線で示している。
<中央スクリーン3010とトップフレームベース3210との配置関係>
図182は、中央スクリーンを前方且つ下方から見た斜視図である。図183は、中央スクリーンを後方且つ下方から見た斜視図である。図184は、中央スクリーンを後方且つ上方から見た斜視図である。図185は、トップフレームベースを後方且つ下方から見た斜視図である。図186は、図185に示すトップフレームベースの部分拡大斜視図である。図187~図189は、中央スクリーン及びトップフレームベースの断面図である。
図182に示すように、中央スクリーン3010は、前面3014の上端から前方に向けて突出して形成された前方上端部3015を有している。前面3014は、平面部3011における前面側の表面(表示面3011a)と、湾曲部3012における前面側の表面3012aと、により構成される。前方上端部3015は、前面3014に対して略垂直に形成されている。
具体的に、前方上端部3015は、中央部3015a、第1左側部3015b、第2左側部3015c、第1右側部3015d、及び、第2右側部3015eを有している。中央部3015aは、中央スクリーン3010の中央において略水平に形成されている。第1左側部3015bは、中央部3015の左端から左下方に向けて連続して形成されている。第2左側部3015cは、第1左側部3015bの左端から左方に向けて連続して形成されている。第1右側部3015dは、中央部3015aの右端から右下方に向けて連続して形成されている。第2右側部3015eは、第1右側部3015dの右端から右方に向けて連続して形成されている。分かりやすくするため、図182では、前方上端部3015の下面3015fを黒で示している。
第1左側部3015bの近傍には、貫通孔3016Lが形成されており、第1右側部3015dの近傍には、貫通孔3016Rが形成されている。貫通孔3016(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)は、中央スクリーン3010を前後方向に貫通するように形成されている。また、中央スクリーン3010は、前面3014の下端近傍から前方に向けて突出して形成された前方下端部3017を有している。前方下端部3017は、前方上端部3015と同様に、前面3014に対して略垂直に形成されている。
図183に示すように、中央スクリーン3010は、背面3018の上端から後方に向けて突出して形成された後方上端部3019を有している。背面3018は、平面部3011における背面側の表面と、湾曲部3012における背面側の表面と、により構成される。後方上端部3019は、背面3018に対して略垂直に形成されている。具体的に、後方上端部3019は、左側部3019a及び右側部3019bを有している。分かりやすくするため、図183では、後方上端部3019の下面3019cを黒で示している。
図184に示すように、左側部3019aの上面3019dは、第1左側部3015bの上面及び第2左側部3015cの上面と連続し、これらの面は一体となっている。同様に、右側部3019bの上面3019eは、第1右側部3015dの上面及び第2右側部3015eの上面と連続し、これらの面は一体となっている。また、中央スクリーン3010は、背面3018の下端から後方に向けて突出して形成された後方下端部3020を有している。後方下端部3020は、後方上端部3019と同様に、背面3018に対して略垂直に形成されている。
図185及び図186に示すように、トップフレームベース3210には、音放出用開口3218(音放出用開口3218L及び音放出用開口3218R)が形成されている。また、トップフレームベース3210には、スクリーン当接部3219が形成されている。分かりやすくするため、図185では、音放出用開口3218L及び音放出用開口3218Rを斜線で示している。また、図186では、スクリーン当接部3219を黒で示している。
スクリーン当接部3219の一部は、下面壁3214の後端縁3214aとなっており、スクリーン当接部3219は、後端縁3214a(スクリーン当接部3219C)と、後端縁3214aの左端から左方に向けて連続して形成された部分(スクリーン当接部3219L)と、後端縁3214aの右端から右方に向けて連続して形成された部分(スクリーン当接部3219R)と、により構成される。
音放出用開口3218Lの周辺右下部分には、スクリーン当接部3219Lよりも後方に突出するようにボス部3220Lが形成されている。同様に、音放出用開口3218Rの周辺左下部分には、スクリーン当接部3219Rよりも後方に突出するようにボス部3220Rが形成されている。また、ボス部3220(ボス部3220L及びボス部3220R)の近傍には、前後方向に貫通するネジ孔3221(ネジ孔3221L及びネジ孔3221R)が形成されている。
図187では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びトップフレームベース3210を前後方向の鉛直面(中央スクリーン3010の平面部3011の左右方向における概ね中央部分を通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図187では、中央スクリーン3010(平面部3011)の切断面を黒で示し、トップフレームベース3210(下面壁3214)の切断面を斜線で示している。
図187に示すように、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219C(後端縁3214a)は、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。この状態において、スクリーン当接部3219Cは、中央スクリーン3010における前方上端部3015(中央部3015a)の僅かに下方に位置付けられる。
図188では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びトップフレームベース3210を前後方向の鉛直面(中央スクリーン3010の右湾曲部3012Rを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図188では、中央スクリーン3010(右湾曲部3012R)の切断面を黒で示し、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示している。
図188に示すように、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219Rは、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。この状態において、スクリーン当接部3219Rは、中央スクリーン3010における前方上端部3015(第2右側部3015e)の僅かに下方に位置付けられる。同様に、図示しないが、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219Lは、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。この状態において、スクリーン当接部3219Lは、中央スクリーン3010における前方上端部3015(第2左側部3015c)の僅かに下方に位置付けられる。
このように、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219(スクリーン当接部3219L、スクリーン当接部3219C、及び、スクリーン当接部3219R)は、全体的に、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。そして、スクリーン当接部3219の上方には、中央スクリーン3010の前方上端部3015(中央部3015a、第1左側部3015b、第2左側部3015c、第1右側部3015d、及び、第2右側部3015e)が配設されている。これにより、仮に、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219と中央スクリーン3010の前面3014との間に僅かな隙間が生じている場合、当該隙間を通じて針金形状の器具を侵入させようとしたとしても、前方上端部3015が邪魔になって、当該侵入を阻止することができるようになっている。従って、当該隙間を通じてゴト行為が行われてしまうことを防止することができる。
図189では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における中央スクリーン3010及びトップフレームベース3210を前後方向の鉛直面(中央スクリーン3010の貫通孔3016L及びトップフレームベース3210のボス部3220Lを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図189では、中央スクリーン3010の切断面を斜線で示し、トップフレームベース3210の切断面を黒で示し、中央スクリーン3010における後方上端部3019(左側部3019a)及び前方上端部3015(第2左側部3015c)の上面を網掛けで示している。
図189に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、中央スクリーン3010の貫通孔3016Lとトップフレームベース3210のボス部3220Lとが重畳する。これにより、ボス部3220Lは、貫通孔3016Lに挿入されて、ボス部3220Lの後部が中央スクリーン3010の背面3018よりも僅かに後方へ突出した状態となる。貫通孔3016Lの径は、ボス部3220Lの径よりも若干大きくなっている。
同様に、図示しないが、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、中央スクリーン3010の貫通孔3016Rとトップフレームベース3210のボス部3220Rとが重畳する。これにより、ボス部3220Rは、貫通孔3016Rに挿入されて、ボス部3220Rの後部が中央スクリーン3010の背面3018よりも僅かに後方へ突出した状態となる。貫通孔3016Rの径は、ボス部3220Rの径よりも若干大きくなっている。
貫通孔3016(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)、並びに、ボス部3220(ボス部3220L及びボス部3220R)は、後側透光板3050がトップフレームベース3210に対してネジ締結により取り付けられるに当たって用いられるものとなっている。これについては、後に詳述する。
<中央スクリーン3010と後側透光板3050との配置関係>
図190は、中央スクリーン及び後側透光板の断面図である。図191(a)は、本実施形態においてプロジェクタから投射された光が後側透光板に入射する様子を上方から見た模式図である。図191(b)は、他の実施形態においてプロジェクタから投射された光が後側透光板に入射する様子を上方から見た模式図である。図192は、中央スクリーン及び後側透光板の断面図である。図193は、後側透光板を後方から見た斜視図である。図194は、中央スクリーン及び後側透光板を後方から見た斜視図である。
図190では、中央スクリーン3010及び後側透光板3050が組み付けられた状態において、これらを水平面で切断した様子を示している。図191では、図190に示す中央スクリーン3010及び後側透光板3050の切断面を模式的に示している。図192では、図190に示す中央スクリーン3010及び後側透光板3050を部分的に拡大して示している。
図190に示すように、中央スクリーン3010の平面部3011における背面側の表面と後側透光板3050の平面部3051における前面側の表面とは密着している(又は、近接(略当接)している)が、中央スクリーン3010の湾曲部3012における背面側の表面と後側透光板3050の湾曲部3052における前面側の表面との間には、隙間が形成されている。分かりやすくするため、図190では、中央スクリーン3010及び後側透光板3050の切断面を黒で示している。
上述したように、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行した後、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図99参照)。これにより、プロジェクタ9020から投射された光は、後側透光板3050に入射する。図191(a)では、ミラー9030によって反射されて直線Lに沿った方向に進行した光が後側透光板3050上の点Xに入射する様子を示している。ここでは、便宜上、後側透光板3050の湾曲部3052の一部が略平坦である(曲率が0である)こととして説明する。
このとき、点Xにおける湾曲部3052に対する接線(L1(X))の方向は、湾曲部3052の形成方向と略一致する。直線Lと直線L1(X)とは略直交し、直線Lと直線L1(X)とのなす角度αは、略90°となっている。すなわち、直線Lに沿った方向に進行した光の湾曲部3052に対する入射角(90°-α)は、略0°である。
これに対し、図191(b)に示す他の実施形態においては、後側透光板3050の平面部3051及び湾曲部3052は、中央スクリーン3010の平面部3011及び湾曲部3012と、略同一の大きさ及び形状を有している。これにより、中央スクリーン3010の平面部3011における背面側の表面と後側透光板3050の平面部3051における前面側の表面とが密着し、中央スクリーン3010の湾曲部3012における背面側の表面と後側透光板3050の湾曲部3052における前面側の表面とが密着している。
図191(b)に示す他の実施形態に係る後側透光板3050の湾曲部3052の曲率は、中央スクリーン3010の湾曲部3012の曲率と略同一となっている。図191(b)では、ミラー9030によって反射されて直線Lに沿った方向に進行した光が後側透光板3050上の点Yに入射する様子を示している。点Yは、他の実施形態に係る後側透光板3050の湾曲部3052上の点であり、直線L上において点Xよりも光の進行方向下流側の点である。点Yにおける湾曲部3052に対する接線(L1(Y))に対して垂直な直線(L2(Y))と直線Lとのなす角度β、すなわち、直線Lに沿った方向に進行した光の湾曲部3052に対する入射角は、本実施形態における当該入射角(90°-α)と比較して大きくなっている。
直線Lに沿った方向に進行した光の湾曲部3052に対する入射角が以上のようになっていることから、他の実施形態では、点Yにおいて反射した光が中央スクリーン3010の平面部3011側に進行しやすくなっている。これに対し、本実施形態では、このような反射を抑制し、反射された光が中央スクリーン3010に入射するといった状況が発生することを防止することができる。
図192に示すように、後側透光板3050の湾曲部3052Lにおける背面側の表面の左端部近傍においては、所定範囲に亘ってシボ加工が施されることにより、微細な凹凸が形成されている。図192では、シボ加工が施されている領域(シボ加工領域3052X)を黒で示している。上述したように、シボ加工は、表面にシボ(皺模様)が形成される加工であり、光拡散処理として、当該加工が施されている。
後側透光板3050は、左右対称な構造を有しており、図示しないが、後側透光板3050の湾曲部3052Rにおける背面側の表面の右端部近傍にも、同様のシボ加工が施されている。これにより、プロジェクタ9020から投射された光が反射によって中央スクリーン3010に入射するといった事態を効果的に防止することができる。
また、中央スクリーン3010の湾曲部3012又は後側部3013における背面側(パチスロ機1の内側)の表面(後側透光板3050のシボ加工領域3052X近傍)にも、同様のシボ加工を施すこととしてもよい。後側透光板3050に対するシボ加工及び中央スクリーン3010に対するシボ加工のうちの何れか一方又は双方のシボ加工を施さないようにしてもよい。
図193に示すように、後側透光板3050の上部には、ネジ孔3056L及びネジ孔3056Rが形成されている。図194に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、中央スクリーン3010の貫通孔3016L及び貫通孔3016Rが、それぞれ、後側透光板3050のネジ孔3056L及びネジ孔3056Rと重畳する。なお、分かりやすくするため、図194では、中央スクリーン3010の前方上端部3015(第1左側部3015b、第2左側部3015c、第1右側部3015d、及び、第2右側部3015e)を黒で示している。
<中央スクリーン3010の固定>
図195は、上ドア機構の断面図である。図196は、上ドア機構からアンダーフレームを取り外した状態を示す斜視図である。図197は、上ドア機構の断面図である。
図195では、上ドア機構UDを前後方向の鉛直面(中央スクリーン3010の貫通孔3016L、後側透光板3050のネジ孔3056L、及び、トップフレームベース3210のボス部3220Lを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図195では、中央スクリーン3010の切断面及びネジ3090の切断面を網掛けで示し、後側透光板3050の切断面を斜線で示し、トップフレームベース3210の切断面を黒で示している。
図195に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、後側透光板3050のネジ孔3056Lとトップフレームベース3210のボス部3220Lとが重畳する。同様に、図示しないが、後側透光板3050のネジ孔3056Rとトップフレームベース3210のボス部3220Rとが重畳する。ネジ孔3056(ネジ孔3056L及びネジ孔3056R)を挿通させたネジ3090を、ボス部3220(ボス部3220L及びボス部3220R)に形成された穴にねじ込むことによって、後側透光板3050がトップフレームベース3210に取り付けられる。また、上述したように、中央スクリーン3010の前面3014は、トップフレームベース3210のスクリーン当接部3219(スクリーン当接部3219L、スクリーン当接部3219C、及び、スクリーン当接部3219R)と略当接している。これにより、中央スクリーン3010は、後側透光板3050とトップフレームベース3210との間に挟持された状態となる。
図196に示すように、上ドア機構UDの下部には、アンダーフレーム3070が配置される。具体的に、アンダーフレーム3070は、中央スクリーン3010における後方下端部3020の下面3020a及び後側透光板3050における下側部3055の下面3055aを覆うように配置される。
図197では、上ドア機構UDを前後方向の鉛直面(上ドア機構UDの左右方向における概ね中央部分を通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図197では、中央スクリーン3010の切断面を斜線で示し、後側透光板3050の切断面を網掛けで示し、アンダーフレーム3070の切断面を黒で示している。
図197に示すように、アンダーフレーム3070は、前端を上方に折り曲げることで形成された上側部3071を有している。上側部3071は、後方に向けて屈曲した構造を有しており、その後端縁3071aは、中央スクリーン3010の前面3014と略当接している。この状態において、後端縁3071aは、中央スクリーン3010における前方下端部3017の僅かに上方に位置付けられる。これにより、仮に、アンダーフレーム3070と中央スクリーン3010の前面3014との間に僅かな隙間が生じている場合、当該隙間を通じて針金形状の器具を侵入させようとしたとしても、前方下端部3017が邪魔になって、当該侵入を阻止することができるようになっている。従って、当該隙間を通じてゴト行為が行われてしまうことを防止することができる。
なお、前方下端部3017は、前面3014の下端よりも僅かに上方に形成されている。また、後側透光板3050の下側部3055は、段差を有するように構成されており、その前部は、中央スクリーン3010の後方下端部3020に載置されるように配置されている。
<スピーカユニット3400>
図198は、上ドア機構からトップサイドパネルを取り外した状態を示す正面図である。図199は、上ドア機構からトップサイドパネル及びスピーカグリルを取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。図200は、上ドア機構からトップフレーム飾りを取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。
図198及び図199に示すように、上ドア機構UDには、左側スピーカユニット3400L及び右側スピーカユニット3400Rが設けられている。左側スピーカユニット3400Lと右側スピーカユニット3400Rとは、左右対称な構造を有しているため、以下では、左側スピーカユニット3400Lについてのみ説明する。また、左側スピーカユニット3400Lと右側スピーカユニット3400Rとを区別せず、スピーカユニット3400と表記する。
スピーカユニット3400は、スピーカ3410と、スピーカグリル3420と、トップサイドパネル3430と、複数のスピーカユニット用LED3440と、スピーカサイドレンズ3450と、トップフレーム飾り3460と、を備えている。なお、図198では、左側スピーカユニット3400Lのトップサイドパネル3430が取り外されている一方、右側スピーカユニット3400Rのトップサイドパネル3430は取り付けられている。
スピーカグリル3420及びトップサイドパネル3430は、スピーカ3410の前方に配置される。スピーカグリル3420は、メッシュ構造(網目状の構造)を有しており、複数の孔3421が形成されている。トップサイドパネル3430には、中央に音放出用開口3431が形成されている。スピーカ3410から出力された音声は、これらの孔3421及び音放出用開口3431を通じて前方に放出されるようになっている。
スピーカユニット用LED3440としては、スピーカ3410に対して上ドア機構UD中央側に配置されたスピーカユニット用LED3440a、及び、スピーカ3410に対して上ドア機構UD外方側に配置されたスピーカユニット用LED3440bが設けられている。スピーカユニット用LED3440は、前方向に光を出射するように設置されている。また、スピーカユニット用LED3440は、フルカラーLEDであり、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能となっている。
トップサイドパネル3430は、透光性を有する素材により形成され、スピーカユニット用LED3440の前面側に配置されている。スピーカユニット用LED3440aから出射された光は、トップサイドパネル3430の内側部3432を透過して、パチスロ機1の外部へと放出される。また、スピーカユニット用LED3440bから出射された光は、トップサイドパネル3430の外側部3433を透過して、パチスロ機1の外部へと放出される。
トップサイドパネル3430の内側部3432には、光出射用開口3434が形成されている。光出射用開口3434は、スピーカサイドレンズ3450に対応する形状を有しており、スピーカサイドレンズ3450が光出射用開口3434に嵌合し、これにより、光出射用開口3434は閉塞されている。スピーカサイドレンズ3450は、透光性を有する素材により形成されている。図示しないが、スピーカサイドレンズ3450の背面側には、スピーカユニット用LED3440cが配設されている。スピーカユニット用LED3440cから出射された光は、スピーカサイドレンズ3450を透過して、パチスロ機1の外部へと放出される。
また、トップサイドパネル3430には、ネジ孔3435が形成されている。トップフレーム飾り3460は、ネジ孔3435の前面側に配置されている。図200に示すように、トップフレーム飾り3460の背面3461には、後方に突出するようにボス部3462が形成されている。図200では、トップフレーム飾り3460については後方から見た様子を示す一方、他の構成については前方から見た様子を示している。
上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップフレームベース3210のネジ孔3221(図185参照)とトップサイドパネル3430のネジ孔3435とトップフレーム飾り3460のボス部3462とが重畳する。ネジ孔3221及びネジ孔3435を挿通させたネジを、ボス部3462に形成された穴にねじ込むことによって、トップフレームベース3210がトップフレーム飾り3460に取り付けられる。当該ネジは、トップフレーム飾り3460の背面側に配置されて、遊技者からは見えないため、良好な見栄えを実現することができる。
<フロントトップユニット3200>
図201は、上ドア機構からトップセンターパネル及びトップレンズを取り外した状態を示す正面図である。図202は、図201に示す状態の上ドア機構の部分拡大正面図である。図203は、図201に示す状態の上ドア機構からトップリフレクタ及び矢印眼リフレクタを取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。図204は、図203に示す状態の上ドア機構から、トップフレームベース及びトップインナーカバーを取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。図205は、トップフレームベース、トップセンターLED基板、及び、センターLED基板ベースの断面図である。
上述したように、上ドア機構UDには、フロントトップユニット3200が設けられている(図130参照)。図201~図204に示すように、フロントトップユニット3200は、トップセンターLED基板3250と、トップリフレクタ3260と、矢印眼リフレクタ3270(左矢印眼リフレクタ3270L及び右矢印眼リフレクタ3270R)と、トップレンズ3280と、トップセンターパネル3290と、を備えている。
トップセンターLED基板3250の表面3251には、複数のセンターLED3252が設けられている。センターLED3252は、基板表面の法線方向(前方向)に光を出射するように設置されている。センターLED3252は、フルカラーLEDであり、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能である。センターLED3252としては、センターLED3252a、センターLED3252b、センターLED3252c、センターLED3252d、センターLED3252e、センターLED3252f、及び、センターLED3252gが設けられている。
センターLED3252aは、トップセンターLED基板3250の中央に設けられている。センターLED3252b及びセンターLED3252cは、センターLED3252aの左側に設けられており、センターLED3252cの配置箇所は、センターLED3252bの配置箇所に囲まれた領域となっている。センターLED3252d及びセンターLED3252eは、センターLED3252aの右側に設けられており、センターLED3252eの配置箇所は、センターLED3252dの配置箇所に囲まれた領域となっている。センターLED3252fは、センターLED3252bの左側に設けられており、センターLED3252gは、センターLED3252dの右側に設けられている。
トップフレームベース3210は、上面壁3211と下面壁3214とを接続する接続部3222(第1接続部3222a、第2接続部3222b、第3接続部3222c、第4接続部3222d、第5接続部3222e、及び、第6接続部3222f)を有している。これにより、中央領域3223a、第1左側領域3223b、第1右側領域3223c、第2左側領域3223d、及び、第2右側領域3223eが区画されている。
中央領域3223aは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第1接続部3222aと第2接続部3222bとによって囲まれた領域である。第1左側領域3223bは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第1接続部3222aと第3接続部3222cとによって囲まれた領域である。第1右側領域3223cは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第2接続部3222bと第4接続部3222dとによって囲まれた領域である。
第2左側領域3223dは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第3接続部3222cと第5接続部3222eとによって囲まれた領域である。第2右側領域3223eは、正面視において、上面壁3211と下面壁3214と第4接続部3222dと第6接続部3222fとによって囲まれた領域である。なお、第5接続部3222e及び第6接続部3222fは、それぞれ、音放出用開口3218L及び音放出用開口3218Rの周縁の一部を構成している。
中央領域3223a、第1左側領域3223b、第1右側領域3223c、第2左側領域3223d、及び、第2右側領域3223eは、それぞれ、前後方向に貫通する空洞部分となっている。正面視において、センターLED3252aは中央領域3223aに位置付けられており、センターLED3252b及びセンターLED3252cは第1左側領域3223bに位置付けられており、センターLED3252d及びセンターLED3252eは第1右側領域3223cに位置付けられており、センターLED3252fは第2左側領域3223dに位置付けられており、センターLED3252gは第2右側領域3223eに位置付けられている。
トップセンターLED基板3250における左側部分の前面側には、左側トップインナーカバー3255Lが設けられている。左側トップインナーカバー3255Lは、第2左側領域3223dの外形形状と概ね合致しており、正面視において第2左側領域3223dと重畳するように配置される。同様に、トップセンターLED基板3250における右側部分の前面側には、右側トップインナーカバー3255Rが設けられている。右側トップインナーカバー3255Rは、第2右側領域3223eの外形形状と概ね合致しており、正面視において第2右側領域3223eと重畳するように配置される。
図205では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップフレームベース3210、トップセンターLED基板3250、及び、センターLED基板ベース3256を前後方向の鉛直面(第2右側領域3223eを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図205では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、トップセンターLED基板3250及びセンターLED基板ベース3256の切断面を黒で示している。
図205に示すように、トップフレームベース3210には、センターLED基板ベース3256が取り付けられている。センターLED基板ベース3256は、上部がトップフレームベース3210の上面壁3211と略当接しており、下部がトップフレームベース3210の下面壁3214と略当接している。トップセンターLED基板3250は、センターLED基板ベース3256に設置されている。これにより、トップセンターLED基板3250は、トップフレームベース3210の上面壁3211と下面壁3214との間に、鉛直方向に(基板表面の法線方向が前方向となるように)配置されている。従って、センターLED3252は、前方向に光を出射することが可能となっている。
<トップリフレクタ3260>
図206は、トップリフレクタを前方から見た斜視図である。図207は、トップリフレクタの背面図である。図208は、トップリフレクタ及びトップセンターLED基板の正面図である。図209及び図210は、トップリフレクタ及びトップセンターLED基板の部分拡大斜視図である。図211は、トップリフレクタ、トップセンターLED基板、及び、トップフレームベースの部分拡大斜視図である。
図206及び図207に示すように、トップリフレクタ3260は、上面壁3261と、下面壁3262と、中央仕切部3263と、第1左側仕切部3264と、第1右側仕切部3265と、第2左側仕切部3266と、第2右側仕切部3267と、を備えている。
中央仕切部3263は、トップリフレクタ3260における左右方向中央において、上面壁3261と下面壁3262とを接続するように形成されている。第1左側仕切部3264は、中央仕切部3263の左側において、上面壁3261の後端と下面壁3262の後端とを接続するように形成されている。第1右側仕切部3265は、中央仕切部3263の右側において、上面壁3261の後端と下面壁3262の後端とを接続するように形成されている。第2左側仕切部3266は、第1左側仕切部3264の左端から左方に向けて連続して形成されている。第2右側仕切部3267は、第1右側仕切部3265の右端から右方に向けて連続して形成されている。
中央仕切部3263には、背面側に光出射用開口3268aが形成されており、第1左側仕切部3264には、背面側に光出射用開口3268b及び光出射用開口3268cが形成されており、第1右側仕切部3265には、背面側に光出射用開口3268d及び光出射用開口3268eが形成されており、第2左側仕切部3266には、背面側に光出射用開口3268fが形成されており、第2右側仕切部3267には、背面側に光出射用開口3268gが形成されている。
分かりやすくするため、図207では、光出射用開口3268a~3268gを斜線で示している。光出射用開口3268aは、前面側にかけて中央仕切部3263を貫通している。光出射用開口3268b及び光出射用開口3268cは、前面側にかけて第1左側仕切部3264を貫通している。光出射用開口3268d及び光出射用開口3268eは、前面側にかけて第1右側仕切部3265を貫通している。光出射用開口3268fは、前面側にかけて第2左側仕切部3266を貫通している。光出射用開口3268gは、前面側にかけて第2右側仕切部3267を貫通している。
これにより、各光出射用開口3268a~3268gに対応して、所定の広がりを有する空間(光通過空間3269a~3269g)が形成されている。また、各光出射用開口3268a~3268gの周縁部分は、トップセンターLED基板3250の表面3251と近接(略当接)している。
図208に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、センターLED3252a~3252gは、それぞれ、光出射用開口3268a~3268gと重畳するように位置付けられる。これにより、センターLED3252a~3252gから出射された光は、それぞれ、光通過空間3269a~3269gを通過することになる。ここで、一の光通過空間3269と他の光通過空間3269とは、トップリフレクタ3260に設けられた壁部によって隔てられている。以下、これについて説明する。
図209及び図210に示すように、中央仕切部3263は、三角柱形状の基体部3263aと、基体部3263aから前方に突出する突出部3263bと、を有しており、基体部3263aから突出部3263bにかけて連通する空洞3263cが形成されている。空洞3263cは、左側内壁部3263dと右側内壁部3263eと上側内壁部3263fとによって囲まれる空間となっている。分かりやすくするため、図209では、左側内壁部3263dの前端縁、右側内壁部3263eの前端縁、及び、上側内壁部3263fの前端縁を黒で示している。なお、これらの後端縁は、光出射用開口3268aの周縁を構成しており、左側内壁部3263dと右側内壁部3263eとは、これらの後端部において接続されている。
光通過空間3269aは、空洞3263cとして構成されている。これにより、光通過空間3269aは、基体部3263aの左側部分によって光通過空間3269bから隔てられており、基体部3263aの右側部分によって光通過空間3269dから隔てられている。
また、光通過空間3269bは、第1左側仕切部3264の傾斜壁部3264aによって囲まれた空間となっている。傾斜壁部3264aによって、一の光通過空間3269bの範囲が画定されており、当該一の光通過空間3269bは、他の光通過空間3269bから隔てられている。分かりやすくするため、図209では、一の光通過空間3269bを画定する傾斜壁部3264aの側面を斜線で示している。傾斜壁部3264aは、その後端縁により囲まれる部分(光出射用開口3268b)の面積よりも前端縁により囲まれる部分の面積の方が大きくなるように、前方に向かうにつれて広がるような傾斜を有して形成されている。
また、光通過空間3269cは、第1左側仕切部3264の矢印眼用周辺壁部3264bによって囲まれた空間となっている。矢印眼用周辺壁部3264bによって、光通過空間3269cは、光通過空間3269bから隔てられている。矢印眼用周辺壁部3264bによって規定される領域は、矢印眼用中央壁部3264cによって2つに区画されている。これにより、一の光通過空間3269cは、他の光通過空間3269cから隔てられている。
分かりやすくするため、図209では、矢印眼用周辺壁部3264bの前端縁3264dを黒で示し、光出射用開口3268cの周縁から連続する前面3264eを斜線で示し、矢印眼用中央壁部3264cの前面3264fを網掛けで示している。矢印眼用中央壁部3264cは、前面3264eよりも前方に突出するように形成されている。また、矢印眼用中央壁部3264cは、矢印眼用周辺壁部3264bと比較して、前後方向の長さが短くなっており、矢印眼用中央壁部3264cの前面3264fは、矢印眼用周辺壁部3264bの前端縁3264dよりも後方に位置付けられている。なお、矢印眼用中央壁部3264cには、第1左側仕切部3264を前後方向に貫通するネジ孔3264gが形成されている。
また、光通過空間3269fは、第2左側仕切部3266の傾斜壁部3266aによって囲まれた空間となっている。傾斜壁部3266aによって、一の光通過空間3269fの範囲が画定されており、当該一の光通過空間3269fは、他の光通過空間3269fから隔てられている。分かりやすくするため、図209では、一の光通過空間3269fを画定する傾斜壁部3266aの側面を斜線で示している。傾斜壁部3266aは、その後端縁により囲まれる部分(光出射用開口3268f)の面積よりも前端縁により囲まれる部分の面積の方が大きくなるように、前方に向かうにつれて広がるような傾斜を有して形成されている。
トップリフレクタ3260は、左右対称な構造を有しており、同様に、光通過空間3269dは、第1右側仕切部3265の傾斜壁部3265aによって囲まれた空間となっており、傾斜壁部3265aによって、一の光通過空間3269dは、他の光通過空間3269dから隔てられている。また、光通過空間3269eは、第1右側仕切部3265の矢印眼用周辺壁部3265bによって囲まれた空間となっており、矢印眼用周辺壁部3265bによって、光通過空間3269eは、光通過空間3269dから隔てられている。矢印眼用周辺壁部3265bによって規定される領域は、矢印眼用中央壁部3265cによって2つに区画されている。これにより、一の光通過空間3269eは、他の光通過空間3269eから隔てられている。また、光通過空間3269gは、第2右側仕切部3267の傾斜壁部3267aによって囲まれた空間となっており、傾斜壁部3267aによって、一の光通過空間3269gは、他の光通過空間3269gから隔てられている。
なお、図211に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップリフレクタ3260における上面壁3261の上面は、トップフレームベース3210における上面壁3211の下面と略当接し、トップリフレクタ3260における下面壁3262の下面は、トップフレームベース3210における下面壁3214の上面と略当接する。
これにより、光通過空間3269d及び光通過空間3269eの前方は、トップリフレクタ3260の上面壁3261と下面壁3262と中央仕切部3263の右側壁面3263gとトップフレームベース3210の第4接続部3222dとによって区画された空間となっている。分かりやすくするため、図211では、トップリフレクタ3260における上面壁3261の下面を斜線で示し、下面壁3262の上面を黒で示し、右側壁面3263gを網掛けで示している。同様に、図示しないが、光通過空間3269b及び光通過空間3269cの前方は、トップリフレクタ3260の上面壁3261と下面壁3262と中央仕切部3263の左側壁面3263hとトップフレームベース3210の第3接続部3222cとによって区画された空間となっている。
<矢印眼リフレクタ3270>
図212は、左矢印眼リフレクタを前方且つ右方から見た斜視図である。図213は、左矢印眼リフレクタの背面図である。図214は、左矢印眼リフレクタを後方から見た斜視図である。図215は、左矢印眼リフレクタの断面図である。図216及び図217は、センターLED、トップリフレクタ、及び、左矢印眼リフレクタの斜視図である。図218は、センターLED、トップリフレクタ、及び、左矢印眼リフレクタの断面図である。
左矢印眼リフレクタ3270Lと右矢印眼リフレクタ3270Rとは、左右対称な構造を有しているため、以下では、これらを区別せず、矢印眼リフレクタ3270として説明する。図212~図214に示すように、矢印眼リフレクタ3270は、前方及び後方が開放した中空の立体形状を有している。
具体的に、矢印眼リフレクタ3270は、基体部3271と、前側部3272と、後側部3273と、を備えている。基体部3271は、矢印眼リフレクタ3270の大部分を占める構造となっている。前側部3272は、基体部3271の前端部から前方に突出するように形成されている。後側部3273は、基体部3271の後端部から後方に突出するように形成されている。
分かりやすくするため、図212では、基体部3271の前端縁3271a及び前側部3272の前端縁3272aを黒で示している。基体部3271の外壁面3271bと前側部3272の外壁面3272bとは、基体部3271の前端縁3271aにおいて段差を有するように形成されている。前側部3272の外壁面3272bは、基体部3271の前端縁3271aと前側部3272の前端縁3272aとを接続するように形成されている。
前側部3272の前端縁3272aにより規定される図形と、基体部3271の前端縁3271aにより規定される図形とは、概ね相似形状を有しており、前側部3272の前端縁3272aにより規定される図形の方が、基体部3271の前端縁3271aにより規定される図形よりも小さくなっている。また、前側部3272には、前方に向けて開放する前側開口3272cが形成されている。前側開口3272cの周縁は、前側部3272の前端縁3272aと一致している。
基体部3271の外壁面3271bと後側部3273の外壁面3273aとは、基体部3271の後端部3271cにおいて段差を有するように形成されている。また、後側部3273には、後方に向けて開放する第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cが形成されている。矢印眼リフレクタ3270の内部には空洞が形成されており、第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cは、前側開口3272cと連通している。
また、後側部3273は、第1後側開口3273bと第2後側開口3273cとの間に後側仕切部3273dを有している。後側仕切部3273dは、後側部3273の上部及び下部を接続するように、平板状に形成されている。後側仕切部3273dには、ネジ穴3273eが形成されている。分かりやすくするため、図213では、基体部3271の後端部3271cを黒で示し、第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cを斜線で示し、後側仕切部3273dの背面3273fを網掛けで示している。
第1後側開口3273bにおける周縁の一部には、後側仕切部3273dの背面3273fよりも後方に突出するように第1後側開口周縁部3273gが形成されている。また、第2後側開口3273cにおける周縁の一部には、後側仕切部3273dの背面3273fよりも後方に突出するように第2後側開口周縁部3273hが形成されている。第1後側開口周縁部3273gの側面及び第2後側開口周縁部3273hの側面は、後側部3273の外壁面3273aと一致している。分かりやすくするため、図214では、第1後側開口周縁部3273gの後端面3273i及び第2後側開口周縁部3273hの後端面3273jを斜線で示し、基体部3271の後端部3271cを黒で示している。
図215では、矢印眼リフレクタ3270を左右方向の鉛直面(基体部3271を通る面)で切断した様子を示している。図215に示すように、矢印眼リフレクタ3270の内壁面3270aは、前方に向かうにつれて広がるような傾斜を有して形成されている。これにより、矢印眼リフレクタ3270を左右方向の鉛直面(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cとの前後方向の距離がXとなるような鉛直面)で切断したとき、その断面に対応する開口(断面開口3270X)は、Xの値が大きいほどその面積が大きくなる。
分かりやすくするため、図215では、矢印眼リフレクタ3270の切断面を斜線で示している。断面開口3270Xは、当該斜線により囲まれた部分である。なお、上述したように、矢印眼リフレクタ3270の外壁面(外壁面3271b、外壁面3272b、外壁面3273a)には、基体部3271と前側部3272との間及び基体部3271と後側部3273との間に、それぞれ段差が形成されているが、内壁面3270aは、このような段差を有することなく、基体部3271と前側部3272と後側部3273との間に連続的に形成されている。従って、前側部3272の厚み(外壁面3272bと内壁面3270aとの距離)は、基体部3271の厚み(外壁面3271bと内壁面3270aとの距離)よりも小さくなっている。図215では、基体部3271の厚みをdで示している。なお、基体部3271及び前側部3272は、それぞれ、略一様な厚みを有するように形成されている。
詳しくは後述するが、前側部3272の前端縁3272aは、トップレンズ3280の後面側に近接する(図224参照)。ここで、矢印眼リフレクタ3270自体は光を通さないため、矢印眼リフレクタ3270周辺のセンターLED3252を発光させてフロントトップユニット3200で発光演出を行う場合に、矢印眼リフレクタ3270の影(特に、矢印眼リフレクタ3270前端部の影)がトップレンズ3280及びトップセンターパネル3290越しに遊技者から見えてしまい、遊技機の美観の低下に繋がることが懸念される。しかし、本実施形態のように、矢印眼リフレクタ3270の前端側に段を設けて、前側部3272を基体部3271と比べて薄肉状にすることで、矢印眼リフレクタ3270前端部の面積を小さくすることが可能であり、結果として、発光演出時における矢印眼リフレクタ3270前端部の影を小さくすることができ、遊技機の美観を向上させるという効果を奏する。
また、矢印眼リフレクタ3270には、後側部3273の後側仕切部3273dから前方に突出するようにボス部3270bが形成されている。ボス部3270bは、円柱形状を有しており、ネジ穴3273eは、後側仕切部3273dを貫通して、ボス部3270bの一部にかけて形成されている。分かりやすくするため、図215では、後側仕切部3273dの前面3273kを黒で示し、ボス部3270bの前面を網掛けで示している。
なお、図示されるように、左矢印眼リフレクタ3270Lにおけるボス部3270bの前面には、「L」の文字が形成されている。これに対し、右矢印眼リフレクタ3270Rにおけるボス部3270bの前面には、「R」の文字が形成されている。これにより、左矢印眼リフレクタ3270Lと右矢印眼リフレクタ3270Rとを容易に区別することが可能となっている。
図216では、トップリフレクタ3260及び左矢印眼リフレクタ3270Lについて、これらを分解するとともに、トップリフレクタ3260については前方(概ね正面)から見た様子を示す一方、左矢印眼リフレクタ3270Lについては後方(概ね背面)から見た様子を示している。図217では、トップリフレクタ3260及び左矢印眼リフレクタ3270Lについて、これらが組み付けられた状態を前方から見た様子を示している。図218では、トップリフレクタ3260及び左矢印眼リフレクタ3270Lについて、これらが組み付けられた状態における断面を左方から見た様子を示している。また、図216~図218では、センターLED3252とトップリフレクタ3260との相対的な位置関係を維持しつつ、センターLED3252、トップリフレクタ3260、及び、左矢印眼リフレクタ3270L以外の構成要素を削除して示している。
図216に示すように、トップリフレクタ3260の矢印眼用中央壁部3264cには、ネジ孔3264gが形成されている。上述したように、ネジ孔3264gは、第1左側仕切部3264を前後方向に貫通するように形成されている。同様に、図示しないが、トップリフレクタ3260の矢印眼用中央壁部3265cには、ネジ孔3265gが形成されている。ネジ孔3265gは、第1右側仕切部3265を前後方向に貫通するように形成されている。
上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップリフレクタ3260のネジ孔3264gと左矢印眼リフレクタ3270Lのネジ穴3273eとが重畳する。ネジ孔3264gを挿通させたネジを、ネジ穴3273eにねじ込むことによって、左矢印眼リフレクタ3270Lがトップリフレクタ3260に取り付けられる。同様に、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップリフレクタ3260のネジ孔3265gと右矢印眼リフレクタ3270Rのネジ穴3273eとが重畳する。ネジ孔3265gを挿通させたネジを、ネジ穴3273eにねじ込むことによって、右矢印眼リフレクタ3270Rがトップリフレクタ3260に取り付けられる。
これにより、左矢印眼リフレクタ3270L及び右矢印眼リフレクタ3270Rは、それぞれ、トップリフレクタ3260の前面側に配置される。このとき、左矢印眼リフレクタ3270Lの第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cが、それぞれ、トップリフレクタ3260における2つの光出射用開口3268cと重畳する。そして、第1後側開口3273bと光出射用開口3268cとが連通するとともに、第2後側開口3273cと光出射用開口3268cとが連通する。同様に、右矢印眼リフレクタ3270Rの第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cが、それぞれ、トップリフレクタ3260における2つの光出射用開口3268eと重畳する。そして、第1後側開口3273bと光出射用開口3268eとが連通するとともに、第2後側開口3273cと光出射用開口3268eとが連通する。
図218では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるセンターLED3252、トップリフレクタ3260、及び、左矢印眼リフレクタ3270Lを前後方向の鉛直面(左矢印眼リフレクタ3270Lの第2後側開口3273cを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図218では、トップリフレクタ3260の切断面を斜線で示し、左矢印眼リフレクタ3270Lの切断面を網掛けで示し、左矢印眼リフレクタ3270Lの後側仕切部3273dにおける側面及び前面3273kをそれぞれ斜線及び黒で示している。
図218に示すように、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける第2後側開口周縁部3273hの後端面3273jがトップリフレクタ3260における光出射用開口3268cの周縁部における前面3264eと略当接し、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける後側仕切部3273dの背面3273fがトップリフレクタ3260における矢印眼用中央壁部3264cの前面3264fと略当接し、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける基体部3271の後端部3271cがトップリフレクタ3260における矢印眼用周辺壁部3264bの前端縁3264dと略当接する。同様に、右矢印眼リフレクタ3270Rもトップリフレクタ3260と略当接する。
<センターLED3252からの光の出射>
以上で説明したように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252aがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268aと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252aから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269a(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269aは、トップリフレクタ3260における空洞3263c(左側内壁部3263dと右側内壁部3263eと上側内壁部3263fとによって囲まれる空間)となっている(図209参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252bがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268bと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252bから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269b(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269bは、トップリフレクタ3260における傾斜壁部3264aによって囲まれた空間となっている(図209参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252cがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268c並びに左矢印眼リフレクタ3270Lの第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと重畳する(図208及び図217参照)。これにより、センターLED3252cから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269c(図206参照)並びに左矢印眼リフレクタ3270Lの内部空間(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと前側開口3272cとを連通させる空洞)を通過して、上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269cは、トップリフレクタ3260における矢印眼用周辺壁部3264b及び矢印眼用中央壁部3264cによって囲まれた空間となっている(図209参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252dがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268dと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252dから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269d(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269dは、トップリフレクタ3260における傾斜壁部3265aによって囲まれた空間となっている(図210参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252eがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268e並びに右矢印眼リフレクタ3270Rの第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと重畳する(図208及び図217参照)。これにより、センターLED3252eから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269e(図206参照)並びに右矢印眼リフレクタ3270Rの内部空間(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと前側開口3272cとを連通させる空洞)を通過して、上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269eは、トップリフレクタ3260における矢印眼用周辺壁部3265b及び矢印眼用中央壁部3265cによって囲まれた空間となっている(図210参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252fがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268fと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252fから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269f(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269fは、トップリフレクタ3260における傾斜壁部3266aによって囲まれた空間となっている(図209参照)。
また、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、センターLED3252gがトップリフレクタ3260の光出射用開口3268gと重畳する(図208参照)。これにより、センターLED3252gから出射された光は、トップリフレクタ3260の光通過空間3269g(図206参照)を通過して上ドア機構UDにおける前方部分へと進行する。光通過空間3269gは、トップリフレクタ3260における傾斜壁部3267aによって囲まれた空間となっている(図210参照)。
センターLED3252a~3252gから出射された光は、以上のように進行するが、当該光の通過経路に位置するトップリフレクタ3260の壁面(左側内壁部3263d、右側内壁部3263e、上側内壁部3263f、傾斜壁部3264a、傾斜壁部3265a、傾斜壁部3266a、傾斜壁部3267a、右側壁面3263g、左側壁面3263h等)、及び、矢印眼リフレクタ3270の壁面(内壁面3270a、外壁面3271b、外壁面3272b等)は、光を反射するリフレクタとなっている。これにより、センターLED3252a~3252gから出射された光は、これらの壁面によって反射されながら前方へと進行するようになっている。
なお、トップリフレクタ3260における第2左側仕切部3266の前面側には、左側トップインナーカバー3255Lが設けられており、トップリフレクタ3260における第2右側仕切部3267の前面側には、右側トップインナーカバー3255Rが設けられている(図203参照)。左側トップインナーカバー3255Lは、平板状に形成されており、その背面が第2左側仕切部3266の前面(傾斜壁部3266aの周縁部)と略当接するように配置されている。右側トップインナーカバー3255Rは、平板状に形成されており、その背面が第2右側仕切部3267の前面(傾斜壁部3267aの周縁部)と略当接するように配置されている。
これにより、センターLED3252fから出射された光は、左側トップインナーカバー3255Lの背面に入射する。左側トップインナーカバー3255Lは、透光性を有する素材により形成されており、当該光は、左側トップインナーカバー3255Lを透過して、左側トップインナーカバー3255Lの前方へと進行する。同様に、センターLED3252gから出射された光は、右側トップインナーカバー3255Rの背面に入射する。右側トップインナーカバー3255Rは、透光性を有する素材により形成されており、当該光は、右側トップインナーカバー3255Rを透過して、右側トップインナーカバー3255Rの前方へと進行する。
<トップレンズ3280>
図219は、トップフレームベース及びトップレンズの斜視図である。図220は、図219に示す状態からトップレンズを取り外した様子を示す斜視図である。図221は、トップレンズを後方且つ上方から見た斜視図である。図222は、トップセンターLED基板、トップリフレクタ、左矢印眼リフレクタ、右矢印眼リフレクタ、及び、トップレンズの斜視図である。図223及び図224は、トップセンターLED基板、トップリフレクタ、左矢印眼リフレクタ、右矢印眼リフレクタ、及び、トップレンズの断面図である。図225は、左矢印眼リフレクタ及びトップレンズの部分拡大斜視図である。図226は、左矢印眼リフレクタ及びトップレンズの断面図である。
図219及び図220に示すように、トップレンズ3280は、トップフレームベース3210における上面壁3211の前端縁3211bと下面壁3214の前端縁3214bと第5接続部3222eと第6接続部3222fとによって囲まれる図形の外形形状と概ね合致している。トップレンズ3280は、これらの前端縁3211b、前端縁3214b、第5接続部3222e、及び、第6接続部3222fに沿うように配置される。
これにより、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の中央領域3223a、第1左側領域3223b、第1右側領域3223c、第2左側領域3223d、及び、第2右側領域3223e(図204参照)は、トップレンズ3280によって前方から覆われている。
具体的に、トップレンズ3280は、左右対称な構造を有しており、中央部3281と、左側部3282と、右側部3283と、を備えている。中央部3281は、三角形形状を有して形成されている。左側部3282は、中央部3281の左端から左方に向けて連続するように形成されている。左側部3282は、左方に向かうにつれて後寄りとなるような傾斜を有している。右側部3283は、中央部3281の右端から右方に向けて連続するように形成されている。右側部3283は、右方に向かうにつれて後寄りとなるような傾斜を有している。
中央部3281の前面側には、中央前側凸部3281aが形成されている。中央前側凸部3281aは、周囲の面に対して僅かに前方に膨出する凸部として、左右方向中央において上下方向に延在している。また、中央部3281には、貫通孔3281b及び貫通孔3281cが形成されている。トップフレームベース3210の第1接続部3222a及び第2接続部3222bには、それぞれ、貫通孔3281b及び貫通孔3281cと重畳する箇所にネジ孔3224a及びネジ孔3224bが形成されている。
左側部3282は、左上側部3282aと、左上側部3282aの下端から後方に向けて屈曲した左下側部3282bと、を有している。左上側部3282a及び左下側部3282bは、それぞれ、略一様な厚みを有するように形成されている。左上側部3282aの前面側には、3つの左前側凸部3284(第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284c)が形成されている。第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284cは、それぞれ、周囲の面(前側主面3282c)に対して僅かに膨出する凸部として、くの字を反転させた形状を有している。
同様に、右側部3283は、右上側部3283aと、右上側部3283aの下端から後方に向けて屈曲した右下側部3283bと、を有している。右上側部3283a及び右下側部3283bは、それぞれ、略一様な厚みを有するように形成されている。右上側部3283aの前面側には、3つの右前側凸部3285(第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285c)が形成されている。第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285cは、それぞれ、周囲の面(前側主面3283c)に対して僅かに膨出する凸部として、くの字形状を有している。
また、左下側部3282bには、下方に向けて突出する左下突出部3282dが形成されている。左下突出部3282dには、周囲の面に対して僅かに膨出する左下前側凸部3282eが形成されている。また、右下側部3283bには、下方に向けて突出する右下突出部3283dが形成されている。右下突出部3283dには、周囲の面に対して僅かに膨出する右下前側凸部3283eが形成されている。上ドア機構UDが組み立てられた状態において、左下突出部3282d及び右下突出部3283dは、それぞれ、トップフレームベース3210における下面壁3214から下方に向けて突出する左下突出部3225a及び右下突出部3225bに嵌合される。
図221に示すように、中央部3281の背面側には、中央後側凹部3281dが形成されている。中央後側凹部3281dは、周囲の面(周縁部3281e)に対して僅かに窪む凹部として、左右方向中央において上下方向に延在している。中央後側凹部3281dの形成箇所は、中央前側凸部3281aの形成箇所と重畳している。これにより、トップレンズ3280を正面視したとき、中央後側凹部3281dの外縁は、中央前側凸部3281aの外縁と略一致している。分かりやすくするため、図221では、中央後側凹部3281dを斜線で示している。
また、左側部3282の背面側には、3つの左後側凹部3286(第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286c)が形成されている。第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cは、それぞれ、周囲の面(後側主面3282f)に対して僅かに窪む凹部として、くの字形状を有している。これらの左後側凹部3286は、基本的に、左上側部3282aに形成されているが、第1左後側凹部3286aの下側における僅かな部分は、左下側部3282bに形成されている。
第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cの形成箇所は、それぞれ、第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284cの形成箇所と重畳している。これにより、トップレンズ3280を正面視したとき、第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cの外縁は、それぞれ、第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284cの外縁と略一致している。
また、第1左後側凹部3286aと第2左後側凹部3286bとの間には、2つの凸部(第1左後側凸部3288a及び第2左後側凸部3288b)が形成されており、第2左後側凹部3286bと第3左後側凹部3286cとの間には、2つの凸部(第3左後側凸部3288c及び第4左後側凸部3288d)が形成されている。第1左後側凸部3288a、第2左後側凸部3288b、第3左後側凸部3288c、及び、第4左後側凸部3288dは、それぞれ、周囲の面(後側主面3282f)に対して僅かに膨出する凸部として、隣り合う左後側凹部3286を接続するように形成されている。
同様に、右側部3283の背面側には、3つの右後側凹部3287(第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287c)が形成されている。第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287cは、それぞれ、周囲の面(後側主面3283f)に対して僅かに窪む凹部として、くの字を反転させた形状を有している。これらの右後側凹部3287は、基本的に、右上側部3283aに形成されているが、第1右後側凹部3287aの下側における僅かな部分は、右下側部3283bに形成されている。
第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287cの形成箇所は、それぞれ、第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285cの形成箇所と重畳している。これにより、トップレンズ3280を正面視したとき、第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287cの外縁は、それぞれ、第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285cの外縁と略一致している。
また、第1右後側凹部3287aと第2右後側凹部3287bとの間には、2つの凸部(第1右後側凸部3289a及び第2右後側凸部3289b)が形成されており、第2右後側凹部3287bと第3右後側凹部3287cとの間には、2つの凸部(第3右後側凸部3289c及び第4右後側凸部3289d)が形成されている。第1右後側凸部3289a、第2右後側凸部3289b、第3右後側凸部3289c、及び、第4右後側凸部3289dは、それぞれ、周囲の面(後側主面3283f)に対して僅かに膨出する凸部として、隣り合う右後側凹部3287を接続するように形成されている。
また、左下突出部3282dの背面側には、周囲の面に対して僅かに窪む左下後側凹部3282gが形成されている。また、右下突出部3283dの背面側には、周囲の面に対して僅かに窪む右下後側凹部3283gが形成されている。左下後側凹部3282g及び右下後側凹部3283gの形成箇所は、それぞれ、左下前側凸部3282e及び右下前側凸部3283eの形成箇所と重畳している。これにより、トップレンズ3280を正面視したとき、左下後側凹部3282g及び右下後側凹部3283gの外縁は、それぞれ、左下前側凸部3282e及び右下前側凸部3283eの外縁と略一致している。
図222~図224に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップレンズ3280は、トップリフレクタ3260、左矢印眼リフレクタ3270L、及び、右矢印眼リフレクタ3270Rの前面側に配置されている。このとき、トップリフレクタ3260における左側内壁部3263dの前端縁、右側内壁部3263eの前端縁、及び、上側内壁部3263fの前端縁(図209参照)と、トップレンズ3280における中央部3281の周縁部3281eとが互いに略平行な面となり、これらの面が略当接する。
また、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける前側部3272の前端縁3272a(図212参照)と、トップレンズ3280における左側部3282の後側主面3282fとが互いに略平行な面となり、これらの面が略当接する。同様に、右矢印眼リフレクタ3270Rにおける前側部3272の前端縁3272a(図212参照)と、トップレンズ3280における右側部3283の後側主面3283fとが互いに略平行な面となり、これらの面が略当接する。
図223では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップセンターLED基板3250、トップリフレクタ3260、左矢印眼リフレクタ3270L、右矢印眼リフレクタ3270R、及び、トップレンズ3280を水平面(矢印眼リフレクタ3270のボス部3270bを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図223では、トップリフレクタ3260における中央仕切部3263の切断面を斜線で示し、左矢印眼リフレクタ3270Lの切断面を黒で示している。
図224では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップセンターLED基板3250、トップリフレクタ3260、左矢印眼リフレクタ3270L、右矢印眼リフレクタ3270R、及び、トップレンズ3280を前後方向の鉛直面(トップレンズ3280の第1左後側凸部3288a及び第2左後側凸部3288bを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図224では、左矢印眼リフレクタ3270Lの切断面を網掛けで示し、トップレンズ3280の切断面を斜線で示している。
図225では、左矢印眼リフレクタ3270L及びトップレンズ3280について、これらを分解するとともに、左矢印眼リフレクタ3270Lについては前方から見た様子を示す一方、トップレンズ3280については後方から見た様子を示している。図226では、上ドア機構UDが組み立てられた状態における左矢印眼リフレクタ3270L及びトップレンズ3280を左右方向の鉛直面(左矢印眼リフレクタ3270Lの基体部3271を通る面)で切断した様子を示している。また、図226では、左矢印眼リフレクタ3270Lの切断面を網掛けで示し、トップレンズ3280における第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cを斜線で示している。
図225及び図226に示すように、左矢印眼リフレクタ3270Lにおける前側部3272の前端縁3272aの外形形状は、トップレンズ3280における3つの左後側凹部3286により規定される仮想図形3286Xの形状と略一致する。仮想図形3286Xは、図225中のP、Q、R、及び、Sによって囲まれる図形である。図225では、左矢印眼リフレクタ3270Lの前端縁3272aを黒で示している。
具体的に、左矢印眼リフレクタ3270Lの前端縁3272aは、上前端縁3272pと下前端縁3272qと左前端縁3272rと右前端縁3272sとによって構成されている。上前端縁3272p及び下前端縁3272qは、それぞれ直線状に形成されている。左前端縁3272r及び右前端縁3272sは、それぞれくの字を反転させた形状に形成されている。
一方、トップレンズ3280における3つの左後側凹部3286は、それぞれ、その外縁が、直線状の上端縁3286p及び下端縁3286q、並びに、くの字状の左端縁3286r及び右端縁3286sにより構成されている。仮想図形3286Xは、3つの左後側凹部3286の上端縁3286pを結ぶ線分(P)と、3つの左後側凹部3286の下端縁3286qを結ぶ線分(Q)と、第3左後側凹部3286cの左端縁3286r(R)と、第1左後側凹部3286aの右端縁3286s(S)と、によって囲まれる図形である。
第1左後側凹部3286aの上端縁3286p、第2左後側凹部3286bの上端縁3286p、及び、第3左後側凹部3286cの上端縁3286pは、同一直線上に位置付けられている。また、第1左後側凹部3286aの下端縁3286q、第2左後側凹部3286bの下端縁3286q、及び、第3左後側凹部3286cの下端縁3286qは、同一直線上に位置付けられている。
上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、左矢印眼リフレクタ3270Lの上前端縁3272pがトップレンズ3280における3つの左後側凹部3286の上端縁3286pと略重畳し、左矢印眼リフレクタ3270Lの下前端縁3272qがトップレンズ3280における3つの左後側凹部3286の下端縁3286qと略重畳し、左矢印眼リフレクタ3270Lの左前端縁3272rがトップレンズ3280における第3左後側凹部3286cの左端縁3286rと略重畳し、左矢印眼リフレクタ3270Lの右前端縁3272sがトップレンズ3280における第1左後側凹部3286aの右端縁3286sと略重畳する。そして、左矢印眼リフレクタ3270Lの前端縁3272aは、トップレンズ3280における仮想図形3286Xの周縁に沿うように配置されて、後側主面3282fと略当接する。
以上より、左矢印眼リフレクタ3270Lの内部空間(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと前側開口3272cとを連通させる空洞)を通過した光(センターLED3252cから出射された光)は、トップレンズ3280の第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286cに入射する(図217参照)。
同様に、図示しないが、右矢印眼リフレクタ3270Rの内部空間(第1後側開口3273b及び第2後側開口3273cと前側開口3272cとを連通させる空洞)を通過した光(センターLED3252eから出射された光)は、トップレンズ3280の第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287cに入射する。
また、トップリフレクタ3260における中央仕切部3263の空洞3263c(図209参照)を通過した光(センターLED3252aから出射された光)は、トップレンズ3280の中央後側凹部3281dに入射する(図216参照)。また、センターLED3252b、センターLED3252d、センターLED3252f、及び、センターLED3252gから出射された光は、トップレンズ3280における中央後側凹部3281dの形成領域、左後側凹部3286の形成領域、及び、右後側凹部3287の形成領域以外の領域に入射する。
センターLED3252aから出射された光の通過経路は、トップリフレクタ3260の壁面によって、他のセンターLED3252から出射された光の通過経路と仕切られている。これにより、センターLED3252a以外のセンターLED3252から出射された光がトップレンズ3280の中央後側凹部3281dに入射することがないようになっている。
また、センターLED3252cから出射された光の通過経路は、左矢印眼リフレクタ3270Lの壁面によって、他のセンターLED3252から出射された光の通過経路と仕切られている。これにより、センターLED3252c以外のセンターLED3252から出射された光がトップレンズ3280の左後側凹部3286に入射することがないようになっている。
同様に、センターLED3252eから出射された光の通過経路は、右矢印眼リフレクタ3270Rの壁面によって、他のセンターLED3252から出射された光の通過経路と仕切られている。これにより、センターLED3252e以外のセンターLED3252から出射された光がトップレンズ3280の右後側凹部3287に入射することがないようになっている。
トップレンズ3280は、透光性を有する素材により形成されており、トップレンズ3280に入射した光は、トップレンズ3280を透過する。そして、トップレンズ3280を透過した光は、トップレンズ3280の前面側に配置されているトップセンターパネル3290に入射する(あるいは、後述するように、トップセンターパネル3290に形成された開口を介してパチスロ機1の外部へと放出される)ことになる。
<トップセンターパネル3290>
図227は、トップセンターパネルを前方から見た斜視図である。図228は、トップセンターパネルの部分拡大正面図である。図229は、トップセンターパネルを後方且つ上方から見た斜視図である。図230は、トップセンターパネル及びトップレンズの背面図である。図231は、トップセンターパネル及びトップレンズの断面図である。図232は、トップセンターパネル及びトップレンズの正面図である。
図227及び図228に示すように、トップセンターパネル3290は、左右対称な構造を有しており、正面視における外形形状がトップレンズ3280と対応している(トップセンターパネル3290の方がトップレンズ3280よりも僅かに大きくなっている)。具体的に、トップセンターパネル3290は、中央部3291と、左側部3292と、右側部3293と、を備えている。
中央部3291は、三角形形状を有して形成されている。中央部3291には、中央開口3291aが形成されている。中央開口3291aは、前後方向に貫通する貫通口として、左右方向中央において上下方向に延在するように形成されている。中央開口3291aの形状は、トップレンズ3280における中央前側凸部3281aに対応する形状となっている。分かりやすくするため、図228では、中央開口3291aを網掛けで示している。
左側部3292は、中央部3291の左端から左方に向けて連続するように形成されている。左側部3292は、左方に向かうにつれて後寄りとなるような傾斜を有している。左側部3292は、左上側部3292aと、左上側部3292aの下端から後方に向けて屈曲した左屈曲部3292bと、左屈曲部3292bの下端から下方に向けて連続して形成された左下側部3292cと、を有している。左上側部3292aには、3つの左側開口3294(第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294c)が形成されている。
第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294cは、それぞれ、前後方向に貫通する貫通口として、くの字を反転させた形状を有している。第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294cの形状は、それぞれ、トップレンズ3280における第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284cに対応する形状となっている。分かりやすくするため、図228では、第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294cを斜線で示している。
右側部3293は、中央部3291の右端から右方に向けて連続するように形成されている。右側部3293は、右方に向かうにつれて後寄りとなるような傾斜を有している。右側部3293は、右上側部3293aと、右上側部3293aの下端から後方に向けて屈曲した右屈曲部3293bと、右屈曲部3293bの下端から下方に向けて連続して形成された右下側部3293cと、を有している。右上側部3293aには、3つの右側開口3295(第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295c)が形成されている。
第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295cは、それぞれ、前後方向に貫通する貫通口として、くの字形状を有している。第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295cの形状は、それぞれ、トップレンズ3280における第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285cに対応する形状となっている。
また、トップセンターパネル3290は、左下側部3292cから下方に向けて突出するように形成された左下突出部3292d、及び、右下側部3293cから下方に向けて突出するように形成された右下突出部3293dを有している。左下突出部3292dには、前後方向に貫通する貫通口として、左下開口3292eが形成されており、右下突出部3293dには、前後方向に貫通する貫通口として、右下開口3293eが形成されている。分かりやすくするため、図228では、左下開口3292eを斜線で示している。左下開口3292e及び右下開口3293eの形状は、それぞれ、トップレンズ3280における左下前側凸部3282e及び右下前側凸部3283eに対応する形状となっている。
また、トップセンターパネル3290には、溝部3296が複数形成されている。各溝部3296は、上部前後フレーム3230のフレームベース係合用溝3234(図171参照)と同様に、周囲の面よりも凹んだ凹部となっている。左側部3292及び右側部3293には、それぞれ、3つの溝部3296が設けられており、これらの溝部3296は、トップセンターパネル3290の前面3290a(前側の面)において所定の長さに亘って延在するように形成されている。分かりやすくするため、図227では、溝部3296を黒で示している。
図229に示すように、トップセンターパネル3290は、上端突出部3297を有している。上端突出部3297は、トップセンターパネル3290の上端において、後方に突出するように形成されている。分かりやすくするため、図229では、上端突出部3297の上面3297aを斜線で示している。
また、中央部3291の背面側には、ボス部3291b及びボス部3291cが形成されている。上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、ボス部3291b及びボス部3291cがそれぞれ、トップレンズ3280の貫通孔3281b及び貫通孔3281cに挿入されている。上述したように、トップレンズ3280の貫通孔3281b及び貫通孔3281cは、それぞれ、トップフレームベース3210のネジ孔3224a及びネジ孔3224bと重畳する(図220参照)。
トップフレームベース3210のネジ孔3224aを挿通させたネジをトップセンターパネル3290のボス部3291bに形成された穴にねじ込むとともに、トップフレームベース3210のネジ孔3224bを挿通させたネジをトップセンターパネル3290のボス部3291cに形成された穴にねじ込むことによって、トップフレームベース3210とトップレンズ3280とトップセンターパネル3290とが連結される。
図230~図232に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップレンズ3280がトップセンターパネル3290の背面側に嵌合されたように配置される。これにより、トップレンズ3280における中央前側凸部3281a、3つの左前側凸部3284(第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284c)、3つの右前側凸部3285(第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285c)、左下前側凸部3282e、並びに、右下前側凸部3283eが、それぞれ、トップセンターパネル3290における中央開口3291a、3つの左側開口3294(第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294c)、3つの右側開口3295(第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295c)、左下開口3292e、並びに、右下開口3293eに嵌合し、トップレンズ3280におけるそれらの凸部によって、トップセンターパネル3290におけるそれらの開口が閉塞される。
なお、トップレンズ3280における前面側の面(中央前側凸部3281a、左前側凸部3284、右前側凸部3285、左下前側凸部3282e、右下前側凸部3283e等の凸部を除く部分)は、トップセンターパネル3290における背面側の面(中央開口3291a、左側開口3294、右側開口3295、左下開口3292e、右下開口3293e等の開口を除く部分)と対応する形状を有しており、これらの面が全体的に略当接することになる。
分かりやすくするため、図230では、トップレンズ3280の外縁を太線で示している。図231では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップレンズ3280及びトップセンターパネル3290を前後方向の鉛直面(トップレンズ3280の第1左前側凸部3284aを通る面)で切断した様子を示している。図231では、トップセンターパネル3290の切断面を網掛けで示し、トップレンズ3280の切断面を斜線で示している。また、図232では、トップレンズ3280の中央前側凸部3281a、3つの左前側凸部3284(第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284c)、3つの右前側凸部3285(第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285c)、左下前側凸部3282e、並びに、右下前側凸部3283eを斜線で示している。
<フロントトップユニット3200における発光演出>
以上より、トップレンズ3280における中央後側凹部3281dに入射した光(センターLED3252aから出射された光)は、トップセンターパネル3290における中央開口3291aを介して、トップレンズ3280における中央前側凸部3281aからパチスロ機1の外部へと放出される。
また、トップレンズ3280における3つの左後側凹部3286(第1左後側凹部3286a、第2左後側凹部3286b、及び、第3左後側凹部3286c)に入射した光(センターLED3252cから出射された光)は、トップセンターパネル3290における3つの左側開口3294(第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294c)を介して、トップレンズ3280における3つの左前側凸部3284(第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、及び、第3左前側凸部3284c)からパチスロ機1の外部へと放出される。
また、トップレンズ3280における3つの右後側凹部3287(第1右後側凹部3287a、第2右後側凹部3287b、及び、第3右後側凹部3287c)に入射した光(センターLED3252eから出射された光)は、トップセンターパネル3290における3つの右側開口3295(第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295c)を介して、トップレンズ3280における3つの右前側凸部3285(第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、及び、第3右前側凸部3285c)からパチスロ機1の外部へと放出される。
また、トップレンズ3280における中央後側凹部3281dの形成領域、左後側凹部3286の形成領域、及び、右後側凹部3287の形成領域以外の領域に入射した光(センターLED3252b、センターLED3252d、センターLED3252f、及び、センターLED3252gから出射された光)は、トップセンターパネル3290における中央開口3291aの形成領域、3つの左側開口3294(第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、及び、第3左側開口3294c)の形成領域、並びに、3つの右側開口3295(第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、及び、第3右側開口3295c)の形成領域以外の領域に入射する。
トップセンターパネル3290は、透光性を有する素材により形成されており、センターLED3252が発光していない状態で銀色を呈している。トップセンターパネル3290の前面3290a(図227参照)には、全体的に金属膜が蒸着されており、蒸着させる金属としては、例えば、スズ及びインジウムが用いられている。これにより、トップセンターパネル3290の光透過率は、20%程度となっている。なお、溝部3296(図171に示す溝底部3234aに相当する部分)においては、前面3290aにおける他の箇所と比較して、蒸着される金属膜が薄くなっている。これにより、溝部3296の光透過率は、相対的に高くなっている。
センターLED3252が発光している状態においては、トップセンターパネル3290に入射した光(センターLED3252b、センターLED3252d、センターLED3252f、及び、センターLED3252gから出射された光)がトップセンターパネル3290を透過し、当該光は、トップセンターパネル3290の前面3290aからパチスロ機1の外部へと放出される。これにより、センターLED3252b、センターLED3252d、センターLED3252f、及び、センターLED3252gの発光色に応じて、トップセンターパネル3290の色味が銀色から変化する。
ここで、上述したように、センターLED3252aから出射された光の通過経路、センターLED3252cから出射された光の通過経路、及び、センターLED3252eから出射された光の通過経路は、それぞれ、トップリフレクタ3260、左矢印眼リフレクタ3270L、及び、右矢印眼リフレクタ3270Rによって、他のセンターLED3252から出射された光の通過経路と仕切られている。また、センターLED3252b及びセンターLED3252fから出射された光の通過経路と、センターLED3252d及びセンターLED3252gから出射された光の通過経路とは、トップリフレクタ3260によって仕切られている。
以上より、フロントトップユニット3200は、正面視において、以下の領域に区分される。
(i)トップレンズ3280における中央前側凸部3281aの形成領域
(ii)トップレンズ3280における3つの左前側凸部3284の形成領域
(iii)トップレンズ3280における3つの右前側凸部3285の形成領域
(iv)上記(i)よりも左側の領域のうち上記(ii)を除く領域
(v)上記(i)よりも右側の領域のうち上記(iii)を除く領域
上記(i)の領域は、センターLED3252aから出射された光によって照射される。上記(ii)の領域は、センターLED3252cから出射された光によって照射される。上記(iii)の領域は、センターLED3252eから出射された光によって照射される。上記(iv)の領域は、センターLED3252b及びセンターLED3252fから出射された光によって照射される。上記(v)の領域は、センターLED3252d及びセンターLED3252gから出射された光によって照射される。
従って、センターLED3252a~3252gから出射される光の色に応じて、上記(i)~(v)の領域における色の見え方を異ならせることができる。例えば、遊技の状況に応じてセンターLED3252a~3252gの発光色を異ならせることにより、上記(i)~(v)の領域における色の見え方を変化させることができる。
例えば、第1の状態(例えば、通常状態)においては、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色を第1の色(例えば、オレンジ色)とし、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色を第2の色(例えば、白色)とし、第2の状態(例えば、第1のCZ状態)においては、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色、並びに、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色を、何れも第1の色(例えば、オレンジ色)とし、第3の状態(例えば、第1のCZ状態とは異なる第2のCZ状態)においては、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色、並びに、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色を、何れも第2の色(例えば、白色)とするように構成することが可能である。
これにより、第1の状態(例えば、通常状態)においては、上記(iv)の領域を第1の色(例えば、オレンジ色)を基調とした色味に見せる一方、上記(v)の領域を第2の色(例えば、白色)を基調とした色味に見せ、第2の状態(例えば、第1のCZ状態)においては、上記(iv)及び(v)の双方の領域を第1の色(例えば、オレンジ色)を基調とした色味に見せ、第3の状態(例えば、第2のCZ状態)においては、上記(iv)及び(v)の双方の領域を第2の色(例えば、白色)を基調とした色味に見せるといったことができる。
このとき、センターLED3252cの発光色は、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色と同じ色としてもよいし異なる色としてもよい。例えば、遊技の状況に応じて、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色と同じ色(例えば、オレンジ色)の光をセンターLED3252cから出射させる場合と、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色と異なる色(例えば、青色)の光をセンターLED3252cから出射させる場合と、を切り替えることとしてもよい。
同様に、センターLED3252eの発光色は、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色と同じ色としてもよいし異なる色としてもよい。例えば、遊技の状況に応じて、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色と同じ色(例えば、白色)の光をセンターLED3252eから出射させる場合と、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色と異なる色(例えば、青色)の光をセンターLED3252eから出射させる場合と、を切り替えることとしてもよい。
また、センターLED3252aの発光色は、他のセンターLED3252の発光色と同じ色としてもよいし異なる色としてもよい。例えば、センターLED3252aの発光色については、他のセンターLED3252の発光色と常に異なる色(例えば、緑色)となるように構成してもよい。
なお、上述したように、トップリフレクタ3260の傾斜壁部3264a、傾斜壁部3265a、傾斜壁部3266a、及び、傾斜壁部3267a(図209及び図210参照)、並びに、矢印眼リフレクタ3270の内壁面3270a(図215参照)は、前方に向かうにつれて広がるような傾斜を有して形成されている。これにより、センターLED3252から出射された光は、光源から拡散されながら前進し、トップレンズ3280乃至トップセンターパネル3290全体を満遍なく光らせることが可能となっている。
また、センターLED3252bから出射された光の一部は、トップレンズ3280における左下前側凸部3282eに導光されて、トップセンターパネル3290における左下開口3292eを介して、左下前側凸部3282eからパチスロ機1の外部へと放出される。同様に、センターLED3252dから出射された光の一部は、トップレンズ3280における右下前側凸部3283eに導光されて、トップセンターパネル3290における右下開口3293eを介して、右下前側凸部3283eからパチスロ機1の外部へと放出される。これにより、中央スクリーン3010に表示された半円画像3011b乃至トップフレームベース3210の画像反射面3216に表示された反射画像3216a(図181参照)とも相俟って、半円画像3011b乃至反射画像3216aがキャラクタの顔の輪郭であり、左下前側凸部3282e及び右下前側凸部3283eにおける発光がキャラクタの目であるかのように、遊技者に見せることができる。
また、センターLED3252b及びセンターLED3252fの発光色と同じ色(例えば、オレンジ色)の光を左側スピーカユニット3400Lにおけるスピーカユニット用LED3440a(図199参照)から出射させ、センターLED3252d及びセンターLED3252gの発光色と同じ色(例えば、白色)の光を右側スピーカユニット3400Rにおけるスピーカユニット用LED3440aから出射させるようにしてもよい。これにより、フロントトップユニット3200における発光演出とスピーカユニット3400における発光演出とを協働させることができる。これらの発光演出における一体感を高めるため、スピーカユニット3400の内側部3432(図199参照)に、トップセンターパネル3290と同様の金属膜を蒸着させることとしてもよい。
<フロントトップユニット3200における光漏れ対策>
図233は、トップフレームベース及びトップセンターパネルをやや上方から見た様子を分解して示す斜視図である。図234は、トップフレームベースにトップセンターパネルが取り付けられた状態をやや上方から見た様子を示す斜視図である。図235は、トップセンターパネルを後方且つやや下方から見た斜視図である。図236は、トップフレームベースを前方から見た部分拡大斜視図である。図237は、トップセンターパネルを後方且つやや上方から見た部分拡大斜視図である。図238は、トップフレームベース、トップレンズ、及び、トップセンターパネルの断面図である。図239は、トップレンズを下方から見た斜視図である。図240は、トップレンズの断面図である。図241は、トップセンターLED基板、トップフレームベース、トップレンズ、及び、トップセンターパネルの模式図である。図242は、トップフレームベース、トップレンズ、及び、トップセンターパネルの断面図である。
図233及び図234に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップセンターパネル3290は、トップフレームベース3210における上面壁3211の前端縁3211bと下面壁3214の前端縁3214bと第5接続部3222eと第6接続部3222fとによって囲まれる図形の外形形状と概ね合致している。トップセンターパネル3290は、これらの前端縁3211b、前端縁3214b、第5接続部3222e、及び、第6接続部3222fに沿うように配置される。
これにより、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の中央領域3223a、第1左側領域3223b、第1右側領域3223c、第2左側領域3223d、及び、第2右側領域3223e(図204参照)は、トップセンターパネル3290によって前方から覆われている。
トップフレームベース3210の上面壁3211は、上壁前側面3226を有している。上壁前側面3226の形状は、トップセンターパネル3290における上端突出部3297の形状と略一致している。上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップセンターパネル3290の上端突出部3297がトップフレームベース3210の上壁前側面3226の上側に配設されており、上壁前側面3226は、上端突出部3297によって覆われている。このとき、上端突出部3297の下面3297b(図235参照)が上壁前側面3226と略当接している。
また、トップフレームベース3210は、下面壁3214の前方部分から下方に突出して形成された下側当接面3227を有している。一方、図235に示すように、トップセンターパネル3290は、背面側の下端付近に下側当接面3298を有している。上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップフレームベース3210の下側当接面3227とトップセンターパネル3290の下側当接面3298とが略当接している。
分かりやすくするため、図233では、トップフレームベース3210の上壁前側面3226を斜線で示し、図234では、トップセンターパネル3290の上端突出部3297の上面3297aを斜線で示し、図235では、トップセンターパネル3290における上端突出部3297の下面3297b及び下側当接面3298を黒で示している。以下、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との位置関係について、より詳細に説明する。
図236及び図237に示すように、トップフレームベース3210は、上壁前側面3226の後端から上方に向けて僅かに立設された上側当接面3228を有している。分かりやすくするため、図236では、上側当接面3228を黒で示している。上側当接面3228の上端は、上壁主面3211cと連続している。これにより、上壁主面3211cと上壁前側面3226とは、上側当接面3228により接続されており、上側当接面3228において段差を有している。
上壁主面3211c及び上壁前側面3226は、上面壁3211の上面を構成している。トップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cは、トップフレームベース3210の上側当接面3228に対応する形状を有している。また、トップセンターパネル3290の上端突出部3297は、トップフレームベース3210の上側当接面3228における上下方向の長さと同程度の(僅かに小さな)厚みを有するように形成されている。
これにより、上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cがトップフレームベース3210の上側当接面3228と左右方向全体に亘って略当接している。そして、トップセンターパネル3290における上端突出部3297の上面3297aと、トップフレームベース3210の上壁主面3211cとが、略同一平面を構成するように位置付けられる。
また、トップフレームベース3210の下側当接面3227は、第1下側当接面3227a及び第2下側当接面3227bを有している。第1下側当接面3227aは、左下突出部3225aの左側及び右下突出部3225b(図220参照)の右側において、僅かに湾曲した曲面として、左右方向に延在するように形成されている。第2下側当接面3227bは、左下突出部3225aから右下突出部3225bにかけて形成されている。図236では、トップフレームベース3210の左側部分しか図示していないが、トップフレームベース3210の右側部分も同様の構造を有している。
また、トップフレームベース3210における下面壁3214の前端縁3214bは、第1下側当接面3227aの上端から前方に突出するように形成されている。分かりやすくするため、図236では、トップフレームベース3210の第1下側当接面3227aを斜線で示し、下面壁3214の前端縁3214b及び第2下側当接面3227bを黒で示している。
トップセンターパネル3290の下側当接面3298は、トップフレームベース3210の下側当接面3227に対応する形状を有しており、トップセンターパネル3290の下側当接面3298とトップフレームベース3210の下側当接面3227とは、左右方向全体に亘って略当接させることが可能となっている。
具体的に、図237に示すように、トップセンターパネル3290の下側当接面3298は、第1下側当接面3298a及び第2下側当接面3298bを有している。第1下側当接面3298aは、左下突出部3292dの左側及び右下突出部3293dの右側において、僅かに湾曲した曲面として、左右方向に延在するように形成されている。第2下側当接面3298bは、左下突出部3292dから右下突出部3293dにかけて形成されている。図237では、トップセンターパネル3290の左側部分しか図示していないが、トップセンターパネル3290の右側部分も同様の構造を有している。
左下側部3292c及び右下側部3293c(図227参照)の背面側における下端部近傍は、後方に向けて僅かに膨出した構造を有しており、当該膨出部分の背面が第1下側当接面3298aとなっている。分かりやすくするため、図237では、第1下側当接面3298aを斜線で示し、第2下側当接面3298bを黒で示している。上ドア機構UDが組み立てられた状態においては、トップセンターパネル3290の第1下側当接面3298aがトップフレームベース3210の第1下側当接面3227aと略当接し、トップセンターパネル3290の第2下側当接面3298bがトップフレームベース3210の第2下側当接面3227bと略当接することになる。
図238では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップフレームベース3210、トップレンズ3280、及び、トップセンターパネル3290を前後方向の鉛直面(トップフレームベース3210の第1下側当接面3227a及びトップセンターパネル3290の第1下側当接面3298aを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図238では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、トップレンズ3280の切断面を黒で示し、トップセンターパネル3290の切断面を網掛けで示している。
図238に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の第1下側当接面3227aとトップセンターパネル3290の第1下側当接面3298aとが略当接している。図238では、このようなトップフレームベース3210及びトップセンターパネル3290の下部におけるこれらの略当接部分(境界部)を境界部Aとして示している。トップレンズ3280の下端縁3280aは、境界部Aの近傍に位置付けられている。トップレンズ3280の下端縁3280aと境界部Aとの間において、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290とは当接しておらず、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との間には、隙間Xが形成されている。
図239に示すように、トップレンズ3280の下端縁3280aには、黒色の遮光塗料が塗布されている。これにより、トップレンズ3280の下端縁3280aは、遮光性を有し、光の通過を遮断することが可能となっている。塗装方法としては、特に限定されず、例えば、マスキング治具を用いたスプレー塗装を採用することが可能である。図239では、トップレンズ3280の下端縁3280a(遮光塗料が塗布されている部分)を黒で示している。
図240に示すように、トップレンズ3280における前面側の面(前側主面3282c及び前側主面3283c)と背面側の面(後側主面3282f及び後側主面3282f)とは、互いに略平行となるように形成されている。下端縁3280aは、これらの面を接続する部分(図中太線で示す部分)として形成されている。なお、図240では、トップレンズ3280を前後方向の鉛直面で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図240では、トップレンズ3280の切断面を斜線で示している。
図241では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップセンターLED基板3250、トップレンズ3280、トップセンターパネル3290を前後方向の鉛直面で切断した様子を模式的に示している。分かりやすくするため、図241では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、トップセンターパネル3290の切断面を網掛けで示し、トップリフレクタ3260及び矢印眼リフレクタ3270については図示を省略している。
図241に示すように、センターLED3252から出射されてトップレンズ3280に入射した光の一部は、トップレンズ3280の内部において導光されて下端縁3280aに到達する。しかし、下端縁3280aは遮光性を有しているため、当該光は、下端縁3280aを通過することができない。従って、当該光が下端縁3280aを通過して隙間X及び境界部Aに形成されたごく僅かな隙間からパチスロ機1の外部に漏れ出してしまうことを防止することができる。
なお、図238に示すように、境界部Aの上方には、トップフレームベース3210における下面壁3214の前端縁3214bが配設されている。これにより、仮に、境界部Aに僅かな隙間が生じている場合、当該隙間を通じて針金形状の器具を侵入させようとしたとしても、前端縁3214bが邪魔になって、当該侵入を阻止することができるようになっている。従って、当該隙間を通じてゴト行為が行われてしまうことを防止することができる。
以上のように、トップレンズ3280の下端縁3280aは、遮光性を有するように黒色の遮光塗料が塗布されている(黒色塗装が施されている)が、トップレンズ3280の上端縁3280bは、このような黒色塗装が施されていない。以下、この点について説明する。
図238に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の上壁前側面3226とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の下面3297bとが略当接し、トップフレームベース3210の上側当接面3228とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cとが略当接している。図238では、このようなトップフレームベース3210及びトップセンターパネル3290の上部におけるこれらの略当接部分(境界部)を境界部Bとして示している。また、トップレンズ3280の上端縁3280bと境界部Bとの間において、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290とは当接しておらず、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との間には、隙間Yが形成されている。
ここで、境界部Aは、トップフレームベース3210の第1下側当接面3227aとトップセンターパネル3290の第1下側当接面3298aとが略当接している部分(上下方向の部分)のみで構成されており、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との境界部の構造がシンプル(断面視において直線的な構造)になっている。これに対し、境界部Bは、トップフレームベース3210の上壁前側面3226とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の下面3297bとが略当接している部分(前後方向の部分)と、トップフレームベース3210の上側当接面3228とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cとが略当接している部分(上下方向の部分)とにより構成されており、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との境界部の構造が複雑で入り組んだもの(断面視において屈曲した構造)となっている。
従って、境界部Bは、境界部Aと比較して光が通り抜け難く、トップレンズ3280の上端縁3280bが遮光性を有していなくても、上端縁3280bを通過した光が隙間Y及び境界部Bに形成されたごく僅かな隙間からパチスロ機1の外部に漏れ出してしまう、といったことは起こり難くなっている。一方で、隙間Yを通過した光は、トップセンターパネル3290の上端突出部3297に入射し、これにより、上端突出部3297を光らせることが可能となっている。
なお、トップフレームベース3210とトップセンターパネル3290との境界部の構造が入り組んでいる場合、当該境界部から光が漏れ出し難いという観点からすると、例えば、トップレンズ3280における左下突出部3282dの下端縁及び右下突出部3283dの下端縁(図239参照)には、上記のような黒色塗装を施さないこととしてもよい。
図242では、上ドア機構UDが組み立てられた状態におけるトップフレームベース3210、トップレンズ3280、及び、トップセンターパネル3290を前後方向の鉛直面(トップレンズ3280の左下前側凸部3282e及びトップセンターパネル3290の左下開口3292eを通る面)で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図242では、トップフレームベース3210の切断面を斜線で示し、トップレンズ3280の切断面を黒で示し、トップセンターパネル3290の切断面を網掛けで示している。
図242に示すように、上ドア機構UDが組み立てられた状態において、トップフレームベース3210の第2下側当接面3227bとトップセンターパネル3290の第2下側当接面3298bとが略当接している。トップセンターパネル3290における第2下側当接面3298bの上側には、第2下側当接面3298bよりも後方に突出する下側後方突出部3299が形成されている。一方、トップフレームベース3210における第2下側当接面3227bの上側には、第2下側当接面3227bに対して凹んだ凹部3229が形成されている。そして、トップセンターパネル3290の下側後方突出部3299がトップフレームベース3210の凹部3229に収容された状態となっている。
このように、トップフレームベース3210の左下突出部3225aとトップセンターパネル3290の左下突出部3292dとの境界部は、入り組んだ構造となっており、当該境界部から光が漏れ出すということが起こり難くなっている。トップフレームベース3210の右下突出部3225bとトップセンターパネル3290の右下突出部3293dとの境界部についても同様である。そこで、これらの境界部近傍に配置されるトップレンズ3280の下端縁(左下突出部3282dの下端縁及び右下突出部3283dの下端縁)には、上記のような黒色塗装を施さないようにすることが可能であるが、もちろん黒色塗装を施すこととしてもよい。また、トップレンズ3280の上端縁3280bにも、黒色塗装を施すこととしてもよい。
なお、トップレンズ3280の下端縁3280aや上端縁3280bに遮光性を持たせるための方法は、塗装に限定されず、遮光性を有するシール(シート)を貼り付けることとしてもよいし、遮光性を有する別部材(例えば、図154に示すサイド遮光プレート3150のような部材)を下端縁3280aの下側乃至上端縁3280bの上側に配設することとしてもよい。
以上、本発明の一実施形態として、第7実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
<付記A>
従来、光反射部を備える集光部材を用いて発光装飾部を強く発光させることで装飾効果を高めるようにした遊技機が知られている(特開2017-018631号公報参照)。
本発明者は、このような発光手段を備える遊技機について、鋭意検討を重ねる過程において、導光部材の構成に関して工夫を凝らすことにより、遊技機の美観を向上させることができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、発光手段を備える遊技機の美観を向上させることを目的とする。
この点、第7実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(A-1) 光を発することが可能な発光手段(センターLED3252)と、
前記発光手段から発せられる光を導光可能な導光部材(トップレンズ3280)と、
前記導光部材に対して前記発光手段から発せられた光の進行方向下流側に配置された第1部材(トップセンターパネル3290)と、を備え、
前記導光部材は、前記発光手段から発せられた光の進行を抑制する光抑制部(黒色塗装部)を備える、
ことを特徴とする遊技機。
本発明に係る遊技機を開発するに当たり、本発明者は、導光部材(トップレンズ3280)に対して発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行方向下流側に第1部材(トップセンターパネル3290)を配置したとき、当該光が意図しない箇所から漏れてしまう可能性を想定した。そして、本発明者は、このような光漏れを防止することが可能な措置を施すことにより、遊技機の美観を向上させることができるのではないかという着想に至った。この点、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、導光部材(トップレンズ3280)には、発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行を抑制する光抑制部(黒色塗装部)が設けられている。このように構成することにより、第1部材(トップセンターパネル3290)周辺における発光を所望の態様で実現することが可能となり、これにより、本発明者は、遊技機の美観を向上させることができることに成功した。
光抑制部(黒色塗装部)に対して、発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行方向下流側には、所定の間隙が存在しており、仮に光抑制部(黒色塗装部)が設けられていなかったとしたら、当該間隙を通じて、発光手段(センターLED3252)から発せられた光が遊技機の外部に漏れ出してしまうことが懸念される。第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、光抑制部(黒色塗装部)の存在により、このような光漏れを防止することが可能となっている。上記所定の間隙は、光が通過可能な空間を有するものであれば特に限定されず、第1部材(トップセンターパネル3290)と他の部材(遊技機構成部品)との境界部に形成された隙間や、第1部材(トップセンターパネル3290)に設けられた孔(例えば、ネジ孔)等を挙げることができる。光漏れを防止することが可能な措置としては、黒色塗装(遮光塗料の塗布)に限定されず、遮光性を有するシール(シート)を貼り付けることとしてもよいし、遮光性を有する別部材を配設することとしてもよい。
(A-2) 前記(A-1)の遊技機であって、
前記第1部材と略当接するように配置された第2部材(トップフレームベース3210)を備え、
前記光抑制部は、前記導光部材における第1の位置(下端縁3280a)に設けられており、
前記第1の位置は、前記発光手段から発せられた光が透過可能な第2の位置(前側主面3282c及び前側主面3283c)よりも、前記第1部材と前記第2部材との境界部に近い、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第2部材(トップフレームベース3210)は、第1部材(トップセンターパネル3290)と略当接するように配置されており、光抑制部(黒色塗装部)は、導光部材(トップレンズ3280)における第1の位置(下端縁3280a)に設けられており、第1の位置(下端縁3280a)は、発光手段(センターLED3252)から発せられた光が透過可能な第2の位置(前側主面3282c及び前側主面3283c)よりも、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部に近くなっている。これにより、発光手段(センターLED3252)から発せられて導光部材(トップレンズ3280)における第1の位置(下端縁3280a)に到達した光は、第1の位置(下端縁3280a)を通過することができないため、仮に、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部に僅かな隙間が生じている場合であっても、当該隙間から遊技機の外部に光が漏れ出してしまうことを防止することができる。
とりわけ、第2部材(トップフレームベース3210)は、黒色の外観を呈しているため、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部から光が漏れてしまうと、黒色の第2部材(トップフレームベース3210)とのコントラストにより、当該光漏れが目立ってしまい、遊技機の美観を大きく損ねてしまうことが懸念される。この点、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、このような光漏れを防止することが可能であり、遊技機の美観を適切に維持することができる。
光漏れを防止することが可能な措置を施す位置(第1の位置)としては、特に限定されないが、例えば、導光部材(トップレンズ3280)の端縁(端部)に適宜当該措置を施すことが可能である。このとき、導光部材(トップレンズ3280)の端縁(端部)が第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部の近傍に位置付けられる(境界部に近接する)ように、導光部材(トップレンズ3280)を配設することが可能である。あるいは、導光部材(トップレンズ3280)の端縁(端部)が第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)との境界部に対向するように、導光部材(トップレンズ3280)を配設することとしてもよい。
第7実施形態では、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが境界部A及び境界部Bにおいてそれぞれ略当接しており、境界部Bが境界部Aと比較して入り組んだ構造となっていることとして説明した。具体的に、境界部Bは、トップフレームベース3210の上壁前側面3226とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の下面3297bとが略当接している部分(第1の部分と呼ぶ)と、トップフレームベース3210の上側当接面3228とトップセンターパネル3290における上端突出部3297の後端縁3297cとが略当接している部分(第2の部分と呼ぶ)とにより構成されている。第1の部分及び第2の部分がそれぞれ平坦であるとすると、第1の部分における法線と第2の部分における法線とのなす角度は、90°程度となっている。
以上の事項をより汎用的に以下のように表現する。第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが第1の境界部(境界部A)及び第2の境界部(境界部B)においてそれぞれ略当接しているとき、第1の境界部(境界部A)上の任意の点における各法線のうち、所定方向(例えば、鉛直方向)に最も近い法線と最も遠い法線とのなす角度(各法線のなす角度の最大値)をθ1とし、第2の境界部(境界部B)上の任意の点における各法線のうち、所定方向(例えば、鉛直方向)に最も近い法線と最も遠い法線とのなす角度(各法線のなす角度の最大値)をθ2とする。例えば、第1の境界部(境界部A)が平坦な面同士が略当接することにより構成されている場合、θ1=0となる。また、第2の境界部(境界部B)が、第1の方向(例えば、前後方向)に延在する平坦な面同士が略当接する部分と第2の方向(例えば、上下方向)に延在する平坦な面同士が略当接する部分とによって構成されている場合、θ2は、第1の方向(例えば、前後方向)と第2の方向(例えば、上下方向)とのなす角度(例えば、90°)となる。
本発明においては、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが第1の境界部(境界部A)及び第2の境界部(境界部B)においてそれぞれ略当接しているとき、導光部材(トップレンズ3280)の端縁(端部)のうち、第1の境界部(境界部A)に近い端縁(端部)を光抑制部(黒色塗装部)とする一方、第2の境界部(境界部B)に近い端縁(端部)を光抑制部(黒色塗装部)とはしないように構成することが可能である。このような構成は、θ2がθ1よりも大きな値となる場合に、採用することとしてもよい。また、θ1がα以下(例えば、30°以下、15°以下、5°以下等)である場合に第1の境界部(境界部A)に近い端縁(端部)を光抑制部(黒色塗装部)とすることとしてもよい。また、θ2がβ以上(例えば、45°以上、60°以上、75°以上等)である場合に第2の境界部(境界部B)に近い端縁(端部)を光抑制部(黒色塗装部)としないこととしてもよい。
また、第1部材(トップセンターパネル3290)が第1部材側当接面X(例えば、第1下側当接面3298a)、第1部材側当接面Y(例えば、上端突出部3297の下面3297b)、及び、第1部材側当接面Z(例えば、上端突出部3297の後端縁3297c)を有し、第2部材(トップフレームベース3210)が第2部材側当接面X(例えば、第1下側当接面3227a)、第2部材側当接面Y(例えば、上壁前側面3226)、及び、第2部材側当接面Z(例えば、上側当接面3228)を有し、第1部材側当接面X、第1部材側当接面Y、及び、第1部材側当接面Zが、それぞれ、第2部材側当接面X、第2部材側当接面Y、及び、第2部材側当接面Zと略当接している場合において、第1部材側当接面Xと第2部材側当接面Xとの略当接部分を、第1の境界部(境界部A)として構成し、第1部材側当接面Yと第2部材側当接面Yとの略当接部分(第1の部分)及び第1部材側当接面Zと第2部材側当接面Zとの略当接部分(第2の部分)を、第2の境界部(境界部B)として構成することとしてもよい。これらの当接面が全て略平坦であるとき、第1部材側当接面Yにおける法線と第1部材側当接面Zにおける法線とのなす角度(第2部材側当接面Yにおける法線と第2部材側当接面Zにおける法線とのなす角度)は、上記θ2となる。また、第2部材側当接面Yにおける法線方向(第1部材側当接面Yにおける法線方向)と第2の境界部(境界部B)に近い端縁(例えば、上端縁3280b)における法線方向(当該端縁における光の出射方向)とのなす角度がγ以下(例えば、45°以下、30°以下、15°以下等)、あるいは0°(すなわち、これらの法線方向が略平行)となるように構成してもよい。
本明細書において、「略当接」とは、2つの部材が完全に当接している状態だけではなく、2つの部材が近接している状態を含む概念である。「近接」とは、2つの部材間の距離(間隙)がこれらの部材の大きさに対して充分に小さい状態を指す。例えば、2つの部材間の距離が一方の部材(例えば、小さい方の部材)の大きさ(例えば、左右方向の長さ)の1/20以下(又は、1/50以下、1/100以下等)である場合、これらの部材は近接していると言える。あるいは、2つの部材間の距離が5mm以下(又は、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下等)である場合、これらの部材は近接していると言ってもよい。
(A-3) 前記(A-1)又は(A-2)の遊技機であって、
前記第1部材と略当接するように配置された第2部材(トップフレームベース3210)を備え、
前記導光部材の上下方向における端縁(上端縁3280b)近傍において、前記第1部材と前記第2部材とが上下に重なっている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第2部材(トップフレームベース3210)は、第1部材(トップセンターパネル3290)と略当接するように配置されており、導光部材(トップレンズ3280)の上下方向における端縁(上端縁3280b)近傍において、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている。ここで、発光手段(センターLED3252)から発せられた光が導光部材(トップレンズ3280)における当該端縁(上端縁3280b)に到達したとき、当該端縁(上端縁3280b)における光の出射方向は、上方向乃至下方向となる。これに対し、仮に、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている部分に僅かな隙間が生じている場合、当該隙間の延在方向は、前後方向乃至左右方向(上下方向とは異なる方向)となる。従って、導光部材(トップレンズ3280)における当該端縁(上端縁3280b)から出た光が当該隙間に侵入したとしても、光の進行方向と隙間の形成方向とが異なるため、当該光が当該隙間を通過することは困難である。これにより、当該隙間から遊技機の外部に光が漏れ出してしまうことを防止することができる。
第7実施形態では、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている部分が、導光部材(トップレンズ3280)における上端縁(上端縁3280b)近傍に配置されることとして説明した。これにより、上方向への光漏れを防止することが可能となる。この点、上方向への光漏れは、台の手前に座る遊技者からは見え難いが、他の顧客から見える可能性があるところ、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、このような他の顧客に対しても、良好な見栄えを実現することができる。
もっとも、本発明においては、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている部分が、導光部材(トップレンズ3280)における下端縁(下端縁3280a)近傍に配置されることとしてもよい。また、第7実施形態では、第1部材(トップセンターパネル3290)が第2部材(トップフレームベース3210)の上側に配置されることとして説明した。本発明においては、第2部材(トップフレームベース3210)が第1部材(トップセンターパネル3290)の上側に配置されることとしてもよい。
本発明において、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが上下に重なっている部分は、上記第2の境界部(境界部B)を構成するものとしてもよい。また、本発明においては、導光部材(トップレンズ3280)の左右方向における端縁(左端縁又は右端縁)近傍において、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが左右に重なるように構成してもよい。この場合、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが左右に重なっている部分が、上記第2の境界部(境界部B)を構成するものとしてもよい。第2の境界部(境界部B)は、第1の境界部(境界部A)と比較して、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが略当接している部分の面積が大きくなるように構成してもよい。
第7実施形態では、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが第1の境界部(境界部A)及び第2の境界部(境界部B)においてそれぞれ略当接していることとして説明した。本発明において、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とは、第1の境界部(境界部A)と第2の境界部(境界部B)とのうち、一方の境界部においてのみ略当接させることとしてもよい。このとき、第1部材(トップセンターパネル3290)と第2部材(トップフレームベース3210)とが略当接する一の境界部は、第1の境界部(境界部A)であってもよいし、第2の境界部(境界部B)であってもよい。
(A-4) 前記(A-1)~(A-3)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、透光性を有しており、
前記発光手段から発せられる光の色として、複数の色が設けられており、
前記発光手段から第1の色(オレンジ色)の光が発せられているときと、前記発光手段から第2の色(白色)の光が発せられているときとで、前記第1部材の外観色が異なる、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、発光手段(センターLED3252)から第1の色(オレンジ色)の光が発せられているときと、発光手段(センターLED3252)から第2の色(白色)の光が発せられているときとで、第1部材(トップセンターパネル3290)の外観色が異なるように構成されている。これにより、遊技の状況に応じて発光手段(センターLED3252)から発せられる光の色を切り替えることを通じて、魅力的な発光演出を実現することができる。
本発明における発光手段としては、フルカラーLEDを用いることが望ましいが、単色LEDを用いることも可能である。
(A-5) 前記(A-1)~(A-4)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)を有しており、
前記第1開口部を介して前記導光部材の第1領域(第1左前側凸部3284a)が視認可能であり、
前記第2開口部を介して前記導光部材の第2領域(第2左前側凸部3284b)が視認可能である、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第1部材(トップセンターパネル3290)は、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)を有しており、第1開口部(第1左側開口3294a)を介して導光部材(トップレンズ3280)の第1領域(第1左前側凸部3284a)が視認可能であり、第2開口部(第2左側開口3294b)を介して導光部材(トップレンズ3280)の第2領域(第2左前側凸部3284b)が視認可能である。これにより、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)を介して導光部材(トップレンズ3280)の第1領域(第1左前側凸部3284a)及び第2領域(第2左前側凸部3284b)における照射態様を遊技者に見せることが可能であり、斬新な発光演出を実現することができる。また、第1領域(第1左前側凸部3284a)及び第2領域(第2左前側凸部3284b)は、それぞれ、1個の導光部材(トップレンズ3280)の一部として構成されているところ、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)の各々に導光部材(レンズ)を嵌める必要がない(開口部ごとに導光部材(レンズ)を用意する必要がなく、全体として1個の導光部材(トップレンズ3280)を配置すれば足りる)ため、製造工程にかかる負担を軽減することができる。また、第1開口部(第1左側開口3294a)及び第2開口部(第2左側開口3294b)の各々に導光部材(レンズ)を嵌めた場合には、部品点数が増加し、それに伴い管理面の負担も増大してしまうと考えられるが、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、そのような負担も軽減することができる。
本発明における第1開口部及び第2開口部としては、第1部材(トップセンターパネル3290)に形成された複数の開口(中央開口3291a、第1左側開口3294a、第2左側開口3294b、第3左側開口3294c、第1右側開口3295a、第2右側開口3295b、第3右側開口3295c、左下開口3292e、及び、右下開口3293e)のうちの任意の2つの開口を採用することが可能である。また、本発明における第1領域及び第2領域としては、導光部材(トップレンズ3280)に形成された複数の凸部(中央前側凸部3281a、第1左前側凸部3284a、第2左前側凸部3284b、第3左前側凸部3284c、第1右前側凸部3285a、第2右前側凸部3285b、第3右前側凸部3285c、左下前側凸部3282e、及び、右下前側凸部3283e)のうち、第1部材(トップセンターパネル3290)における2つの開口に対応する2つの凸部を採用することが可能である。
(A-6) 前記(A-1)~(A-5)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、開口部(左側開口3294及び右側開口3295)を有しており、
前記開口部を介して前記導光部材の特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)が視認可能であり、
前記発光手段として、前記特定領域に対して光を発することが可能な第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)と、前記導光部材における前記特定領域以外の領域に対して光を発することが可能な第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)と、が設けられており、
前記第1発光手段から発せられる光の通過経路と前記第2発光手段から発せられる光の通過経路とを仕切る仕切部材(左矢印眼リフレクタ3270L及び右矢印眼リフレクタ3270R)を備える、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第1部材(トップセンターパネル3290)は、開口部(左側開口3294及び右側開口3295)を有しており、開口部(左側開口3294及び右側開口3295)を介して導光部材(トップレンズ3280)の特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)が視認可能である。また、発光手段(センターLED3252)として、特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)に対して光を発することが可能な第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)と、導光部材(トップレンズ3280)における特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)以外の領域に対して光を発することが可能な第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)と、が設けられており、第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)から発せられる光の通過経路と第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)から発せられる光の通過経路とは、仕切部材(左矢印眼リフレクタ3270L及び右矢印眼リフレクタ3270R)によって仕切られている。これにより、第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)及び第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)を用いて、導光部材(トップレンズ3280)における特定領域(左前側凸部3284及び右前側凸部3285)と他の領域とをそれぞれ個別に照射することが可能であるため、遊技の状況に応じて第1発光手段(センターLED3252c及びセンターLED3252e)及び第2発光手段(センターLED3252b及びセンターLED3252d)の発光態様をそれぞれ切り替えることを通じて、バリエーションに富んだ発光演出を実現することができる。
本発明における開口部としては、中央開口3291aを採用することも可能である。この場合、特定領域としては中央前側凸部3281aを採用し、第1発光手段としてはセンターLED3252aを採用し、第2発光手段としてはセンターLED3252b及びセンターLED3252dを採用し、仕切部材としてはトップリフレクタ3260を採用することが可能である。
(A-7) 前記(A-1)~(A-6)の何れかの遊技機であって、
前記発光手段から発せられる光が通過可能な領域を区画する仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)を備え、
前記仕切部材の先端部(前側部3272)は、前記仕切部材における他の部分と比較して薄肉状に形成されている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、発光手段(センターLED3252)から発せられる光が通過可能な領域が仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)によって区画されており、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の先端部(前側部3272)は、仕切部材における他の部分と比較して薄肉状に形成されている。これにより、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の存在に起因する影が生じ難く、見栄えの良い発光演出を実現することができる。
とりわけ、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の先端部(前側部3272)が導光部材(トップレンズ3280)と略当接しており、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の存在に起因する影が生じやすい配置関係となっている。仮に、先端部(前側部3272)が他の部分(基体部3271)と同程度の厚みを有していれば、そのような影が発生する可能性が高まってしまうと考えられる。この点、第7実施形態では、先端部(前側部3272)の厚みを他の部分(基体部3271)の厚みよりも小さくする(先細りする形状とする)ことにより、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)と導光部材(トップレンズ3280)とが略当接する部分の面積を小さくしている。これにより、そのような影が生じてしまうことを抑制することが可能となっている。
なお、第7実施形態では、先端部(前側部3272)の厚みを他の部分(基体部3271)の厚みよりも小さくするために、これらの間に段部を設けることとして説明した。本発明においては、先端部(前側部3272)の厚みが他の部分(基体部3271)の厚みよりも小さくなれば他の形状を採用することも可能であり、例えば、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の壁面(外壁面又は内壁面)がテーパー状に先細りする形状となるように構成してもよい。
(A-8) 前記(A-1)~(A-7)の何れかの遊技機であって、
前記発光手段から発せられる光が通過可能な領域を区画する仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)を備え、
前記仕切部材により区画される領域(断面開口3270Xの周縁壁部により囲まれる領域)は、第3の位置(光源に近い位置)と比較して、前記第3の位置よりも前記発光手段から発せられた光の進行方向下流側の第4の位置(光源から遠い位置)の方が大きい、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、発光手段(センターLED3252)から発せられる光が通過可能な領域が仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)によって区画されており、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)により区画される領域(断面開口3270Xの周縁壁部により囲まれる領域)は、第3の位置(光源に近い位置)と比較して、第3の位置(光源に近い位置)よりも発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行方向下流側の第4の位置(光源から遠い位置)の方が大きくなっている。これにより、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を拡散させながら前進させることが可能であり、導光部材(トップレンズ3280)の広い範囲を光らせることができるとともに、仕切部材(矢印眼リフレクタ3270)の存在に起因する影も生じ難くすることができる。
このように、矢印眼リフレクタ3270は、発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行方向下流側(前方)に向かうにつれて広がるような傾斜を有しているところ、当該傾斜は、仮に矢印眼リフレクタ3270とトップリフレクタ3260とを一体成型した場合に、金型のテーパー面の傾斜(樹脂部品を金型から抜くための傾斜)とは逆の傾斜となる。そこで、矢印眼リフレクタ3270については、トップリフレクタ3260とは別部品として成型するのがよい。
本発明における発光手段として、LEDを用いる場合、LEDのタイプは特に限定されず、所謂表面実装型LEDを採用してもよいし、所謂砲弾型LEDを採用してもよい。表面実装型LEDとしては、凹状の収納部内に発光素子を載置し、発光素子を樹脂にて充填して形成したものを用いることができる。砲弾型LEDとしては、外面を構成する樹脂の形状を砲弾型に形成したものを用いることができる。砲弾型LEDは、砲弾型の封止樹脂を備えているため、一般的に、表面実装型LEDと比較して、指向性を有しており、照射範囲が狭くなっている。
上記のように、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を拡散させながら前進させるという観点からすると、表面実装型LEDを用いるのが望ましい。これにより、導光部材(トップレンズ3280)乃至第1部材(トップセンターパネル3290)の広い範囲を光らせることができる。また、単位立体角あたりに含まれる光の量が少なくなるため、遊技者から見て光源の位置を分かり難くすることができる。この点、光源の位置(LEDの粒)が遊技者から丸見えになってしまうと見栄えが悪くなってしまうことが懸念されるところ、広角タイプのLEDを用いれば、このようなLEDの粒が目立ち難く、良好なデザイン性を確保することができる。
また、仮に導光部材(トップレンズ3280)を配設しなかったとしても、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を第1部材(トップセンターパネル3290)に直接入射させることにより、第7実施形態と同様の発光演出を行うことは可能であるが、導光部材(トップレンズ3280)を配設することにより、LEDの粒をより目立ち難くすることができる。また、LEDの粒を目立ち難くするという観点からすると、導光部材(トップレンズ3280)の成形前に樹脂材料に顔料又は染料を混ぜることにより、導光部材(トップレンズ3280)を所定の色(例えば、乳白色)に着色することとしてもよい。同様に、第1部材(トップセンターパネル3290)の成形前に樹脂材料に顔料又は染料を混ぜることにより、第1部材(トップセンターパネル3290)を所定の色(例えば、乳白色)に着色することとしてもよい。これにより、導光部材(トップレンズ3280)乃至第1部材(トップセンターパネル3290)全体を満遍なくぼんやりと光らせることができる。
(A-9) 前記(A-1)~(A-8)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、透光性を有しており、外面に金属面が形成されている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第1部材(トップセンターパネル3290)は、透光性を有しており、外面に金属面が形成されている。これにより、発光手段(センターLED3252)から光が発せられていない状況においても、第1部材(トップセンターパネル3290)が金属光沢を有しているため、デザイン性に優れた外観を実現することができる。また、発光手段(センターLED3252)から光が発せられている状況においては、第1部材(トップセンターパネル3290)の外観色を変化させることが可能であり、遊技の状況に応じて色とりどりの第1部材(トップセンターパネル3290)を遊技者に見せることができる。
このように、第1部材(トップセンターパネル3290)は、金属面を備えたハーフミラーとして構成することが可能である。ハーフミラーは、光の透過率が50%であるものに限定されず、任意の透過率を有するハーフミラーを適宜採用することが可能である。透過率は、例えば、5%~30%(例えば、20%)程度としてもよいし、30%~60%程度としてもよい。蒸着させるスズやインジウム、あるいは、銀、アルミニウム等の量を適宜調整することにより、このようなハーフミラーを製造することができる。金属面を厚くするほど、透過率は低くなり、金属光沢が強まることになる。なお、金属面の形成方法は、特に限定されず、金属蒸着の他、例えば、メッキにより金属面をコーティングすることとしてもよい。金属面の色は、特に限定されず、用いる金属の種類に応じて任意の色を採用することが可能である。
第1部材(トップセンターパネル3290)における金属面の形成箇所は、特に限定されず、第1部材(トップセンターパネル3290)の外表面(外部から視認可能な面)における任意の箇所に金属面を形成することが可能である。例えば、トップセンターパネル3290における前面3290aの他、上端突出部3297の上面3297aに金属面を形成することとしてもよい。もちろん、第1部材(トップセンターパネル3290)の外表面に金属面を一切形成しないこととしてもよい。
(A-10) 前記(A-1)~(A-9)の何れかの遊技機であって、
前記第1部材は、透光性を有しており、第1領域(前面3290a)と、前記第1領域よりも光透過率が高い第2領域(溝部3296)と、を有している、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、第1部材(トップセンターパネル3290)は、透光性を有しており、第2領域(溝部3296)は、第1領域(前面3290a)よりも光透過率が高くなっている。これにより、第2領域(溝部3296)は、第1領域(前面3290a)と比較して、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を通過させやすく、当該領域を相対的に強く光らせることができる。このように、第1領域(前面3290a)と第2領域(溝部3296)との間で光の強さにコントラストを設けることを通じて、魅力的な発光演出を実現することができる。
第7実施形態において、第2領域(溝部3296)は、凹部として形成されており、第1領域(前面3290a)と比較して、第1部材(トップセンターパネル3290)における前後方向の厚みが小さくなっている。これにより、第2領域(溝部3296)は、発光手段(センターLED3252)から発せられた光を相対的に通過させやすくなっている。加えて、第2領域(溝部3296)は、その形状(溝引いてあること)に起因して、金属の蒸着量が少なく、金属膜が相対的に薄くなっている。これにより、第1領域(前面3290a)と第2領域(溝部3296)との光透過率の差がさらに大きくなっている。第2領域(溝部3296)には、金属膜が一切形成されないように構成してもよい。第1領域(前面3290a)と第2領域(溝部3296)との間に光透過率の差異を生じさせるための方法としては、特に限定されず、上記以外に例えば、第2領域(溝部3296)の色が第1領域(前面3290a)の色よりも光を透過させやすい色となるように構成してもよい。
また、第7実施形態では、第2領域(溝部3296)が所定の長さに亘って延在するように(線状に)形成されていることとして説明した。これにより、発光手段(センターLED3252)から光が発せられていない状況においても、第2領域(溝部3296)をデザイン目的で形成された線として見せることが可能であるため、違和感を与えてしまうことがない。このような観点から、第2領域(溝部3296)は、所定の模様として形成されていることが望ましい。模様の形状は、特に限定されず、線(直線又は曲線)状に形成されていてもよいし、幾何学模様であってもよいし、文字、図形、記号、又は、これらの組合せ等により構成されていてもよい。
このように、第1部材(トップセンターパネル3290)は、装飾性を備えた部材(装飾部材)として構成することが可能である。また、第2部材(トップフレームベース3210)も、装飾部材として構成することが可能である。
(A-11) 前記(A-1)~(A-10)の何れかの遊技機であって、
前記光抑制部は、前記導光部材において塗装を施した部位である、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、光抑制部(黒色塗装部)は、導光部材(トップレンズ3280)において塗装を施した部位となっている。これにより、発光手段(センターLED3252)から発せられた光の進行を抑制すべき部位が複雑乃至細密な構造を有していたとしても、当該部位に塗装を施すことにより、簡易に且つ低コストで、光漏れを防止することが可能な措置を講じることができる。
第7実施形態では、黒色の遮光塗料が塗布されることにより光抑制部(黒色塗装部)が形成されていることとして説明した。遮光塗料としては、光を吸収する特性を有する従来公知の塗料を適宜採用することが可能である。例えば、遮光塗料は、樹脂材料及び着色剤を含む構成とすることが可能であり、樹脂材料としては、任意の塗料(アクリル樹脂塗料、水性アクリル樹脂塗料、ウレタン系塗料等)を用いることが可能である。着色剤としては、任意の顔料(例えば、カーボンブラック)又は染料を用いることが可能である。光抑制部の色は、黒に限定されず、例えばグレーであってもよい。遮光塗料に含まれる顔料乃至染料の種類と割合とを変えることにより、光抑制部を任意の色に構成することが可能である。着色剤は、複数種類の顔料乃至染料(黒色、白色、赤色、黄色、青色等)を含むものであってもよい。
なお、光漏れがより目立たないようにするため、第1部材(トップセンターパネル3290)の端縁(導光部材(トップレンズ3280)の光抑制部(黒色塗装部)近傍に配置される端縁)にも遮光塗料を塗布することとしてもよい。ただ、第1部材(トップセンターパネル3290)に金属面が形成されている場合には、塗装の作業中に金属膜が剥がれてしまう恐れがあるため、そのような第1部材(トップセンターパネル3290)への塗装は、あえて施さない方が望ましい。
<付記B>
従来、プロジェクタを用いることにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開平6-035066号公報及び特開2009-240459号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技用の映像がプロジェクタからスクリーン等の投影面に投影されることにより、液晶表示装置の代わりに、スクリーン等に映像が表示されるようになっている。
本発明者は、このようなプロジェクタが搭載される遊技機について、鋭意検討を重ねる過程において、スクリーン周辺の配置構造に関して工夫を凝らすことにより、映像表現の迫力を高めることができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、映像表現の迫力を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第7実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(B-1) スクリーン(中央スクリーン3010)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ9020)と、
所定部材(後側透光板3050)と、を備え、
前記プロジェクタと前記スクリーンとは、前記プロジェクタにより投射された光が前記スクリーンの背面側に入射するように配置されており、
前記所定部材は、前記スクリーンに対して前記プロジェクタにより投射された光の進行方向上流側に配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ9020)とスクリーン(中央スクリーン3010)とは、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光がスクリーン(中央スクリーン3010)の背面側に入射するように配置されており、スクリーン(中央スクリーン3010)に対してプロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光の進行方向上流側に所定部材(後側透光板3050)が配置されている。このように構成することにより、本発明者は、スクリーン(中央スクリーン3010)を用いた映像表現の迫力を高めることができることを見出した。この点、所定部材(後側透光板3050)を配置することにより、スクリーン(中央スクリーン3010)が単独で設けられている場合と比較して、スクリーン(中央スクリーン3010)を補強し、遊技者により外力が加えられたとしてもスクリーン(中央スクリーン3010)を保護することが可能となっている。このような所定部材(後側透光板3050)に関しては、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光の進行方向下流側に配置することも考えられた。しかし、この場合、スクリーン(中央スクリーン3010)の前面側に所定部材(後側透光板3050)が存在するため、遊技者は所定部材(後側透光板3050)ごしに映像を見ることになる。そのため、映像がやや奥の方に存在するような印象を遊技者に与え、映像に対する遊技者の没入感が低下してしまうことが懸念された。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、そのような印象を払拭することが可能であり、映像表現の迫力を高めるとともに、映像に対する遊技者の没入感を高めることができる。
(B-2) 前記(B-1)の遊技機であって、
前記所定部材は、前記スクリーンの背面側から前記スクリーンを保護しており、
前記スクリーンは、遊技機の最外面を構成している、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、所定部材(後側透光板3050)は、スクリーン(中央スクリーン3010)の背面側からスクリーン(中央スクリーン3010)を保護しており、スクリーン(中央スクリーン3010)は、遊技機(パチスロ機1)の最外面を構成している。これにより、スクリーン(中央スクリーン3010)を増強することが可能であるとともに、遊技者とスクリーン(中央スクリーン3010)との間には何ら部材が存在しないため、スクリーン(中央スクリーン3010)に表示された画像を遊技者の目に直接入れることができ、映像表現の迫力や臨場感を一層高めることができる。
また、例えば、第5実施形態に係るパチスロ機1では、透光板1045がスクリーンシート1046の前面側に配置されているところ、このような態様を採用した場合、遊技店内の光(パチスロ機1の外部に存在する光)が透光板1045によって照り返されることに起因して、映像の見栄えが悪化してしまうことも懸念される。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、所定部材(後側透光板3050)がスクリーン(中央スクリーン3010)の背面側に存在するため、このような照り返しを防止することが可能であり、映像の見栄えを良好なものとすることができる。また、第5実施形態に係るパチスロ機1では、特にパチスロ機1を横から見た際に透光板1045の存在が目立つことに起因して、(映像の見栄えだけでなく)パチスロ機1自体の見栄えも悪化してしまうことが懸念される。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、スクリーン(中央スクリーン3010)の外側には他の部材が存在しないため、洗練された外観を実現することができる。
(B-3) 前記(B-1)又は(B-2)の遊技機であって、
前記スクリーンは、少なくとも一の端部近傍に、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有する、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)は、少なくとも一の端部近傍に、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有している。曲面部(湾曲部3012)に画像が表示されることにより、表示される画像に立体感を付与することが可能であり、リアリティに富んだ映像表現を実現することができる。
第7実施形態では、スクリーン(中央スクリーン3010)における左端部及び右端部の各近傍に曲面部(左湾曲部3012L及び右湾曲部3012R)が設けられていることとして説明した。本発明において、曲面部(湾曲部3012)の位置及び個数は、特に限定されない。例えば、スクリーン(中央スクリーン3010)における左端部及び右端部のうち、何れか一方の端部近傍にのみ曲面部(湾曲部3012)を設け、他方の端部近傍は平坦に形成することとしてもよい。また、スクリーン(中央スクリーン3010)における左右方向中央寄りの箇所に曲面部(湾曲部3012)を設けることとしてもよい。また、スクリーン(中央スクリーン3010)全体が曲面部(湾曲部3012)として構成されていてもよい。
(B-4) 前記(B-1)~(B-3)の何れかの遊技機であって、
前記プロジェクタを制御することにより、演出を実行することが可能な演出実行手段(副制御回路200)を備え、
前記スクリーンは、所定の曲率を有する曲面部(湾曲部3012)を有し、
前記演出実行手段は、前記所定の曲率に対応する曲面が前記曲面部に存在するような視認態様で、該曲面に対応する画像を前記曲面部に表示させることが可能である、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)は、所定の曲率を有する曲面部(湾曲部3012)を有し、該所定の曲率に対応する曲面が曲面部(湾曲部3012)に存在するような視認態様で、該曲面に対応する画像を曲面部(湾曲部3012)に表示させることが可能となっている。これにより、スクリーン(中央スクリーン3010)の曲面部(湾曲部3012)に該曲面を有する物体が現に存在するかのようなリアリティに富んだ映像表現を実現することができる。
なお、曲率とは、曲線や曲面の曲がり具合を表す量であるが、局所的な曲がり具合を円に近似することができ、近似した円の半径を曲率半径という。例えば、半径rの円周の曲率は1/rであり、曲率半径はrである。曲線の曲がり具合がきついほど曲率は大きくなり、曲率半径は小さくなる。曲率半径は、曲線が円弧である場合には、当該円弧の半径で表すことができ、一方、円弧とは異なる曲線の場合には、曲線の曲がり具合を表す所定の関数により曲率半径を表すことができる。
(B-5) 前記(B-1)~(B-4)の何れかの遊技機であって、
立体装飾部(サイド装飾部3110)を備え、
前記スクリーンは、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有し、
前記立体装飾部は、正面視において、少なくとも一部が前記曲面部と重畳するように配置される、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)は、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有し、正面視において、少なくとも一部が曲面部(湾曲部3012)と重畳するように立体装飾部(サイド装飾部3110)が配置されている。これにより、曲面部(湾曲部3012)に表示される画像に立体感を付与することが可能であり、当該立体感と立体装飾部(サイド装飾部3110)における立体的形状とが相俟って、画像と立体装飾部(サイド装飾部3110)との間に三次元的な一体感を創出することができる。
ここで、仮に、スクリーン(中央スクリーン3010)の前面側に透光部材(第5実施形態における透光板1045のような部材)が配置されているとすると、スクリーン(中央スクリーン3010)と立体装飾部(サイド装飾部3110)との間に当該透光部材が介在するため、曲面部(湾曲部3012)に表示される画像(柱画像)と立体装飾部(サイド装飾部3110)との一体感が崩れ、違和感が生じてしまうことが懸念される。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、スクリーン(中央スクリーン3010)と立体装飾部(サイド装飾部3110)との間には他の部材が介在しないため、このような違和感を払拭することが可能であり、上記一体感を高めることができる。さらには、これらと左側スピーカユニット3400L及び右側スピーカユニット3400Rとの一体感も高めることが可能であり、パチスロ機1全体の外観を洗練されたものとすることができる。
第7実施形態では、スクリーン(中央スクリーン3010)における後側部分を覆うように立体装飾部(サイド装飾部3110)が配置されており、正面視において立体装飾部(サイド装飾部3110)の一部が曲面部(湾曲部3012)の一部と重畳することとして説明した。本発明において、立体装飾部(サイド装飾部3110)は、曲面部(湾曲部3012)の近傍に適宜配置することが可能であり、立体装飾部(サイド装飾部3110)は、曲面部(湾曲部3012)を全く覆っていなくてもよい。例えば、立体装飾部(サイド装飾部3110)を曲面部(湾曲部3012)と隣接するように配置し、立体装飾部(サイド装飾部3110)の表面と曲面部(湾曲部3012)の表面とが略連続する表面を構成するようにしてもよい。
(B-6) 前記(B-1)~(B-5)の何れかの遊技機であって、
立体装飾部(サイド装飾部3110)を備え、
前記スクリーンは、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有するとともに、前記立体装飾部の形状に対応して前記立体装飾部と対向する対向部(サイド凹凸部3020)を有し、
前記立体装飾部は、前記曲面部に沿うように配置される、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)は、湾曲した形状の曲面部(湾曲部3012)を有し、曲面部(湾曲部3012)に沿うように立体装飾部(サイド装飾部3110)が配置されている。これにより、曲面部(湾曲部3012)に表示される画像に立体感を付与することが可能であり、当該立体感と立体装飾部(サイド装飾部3110)における立体的形状とが相俟って、画像と立体装飾部(サイド装飾部3110)との間に三次元的な一体感を創出することができる。また、スクリーン(中央スクリーン3010)は、立体装飾部(サイド装飾部3110)の形状に対応して立体装飾部(サイド装飾部3110)と対向する対向部(サイド凹凸部3020)を有しているため、対向部(サイド凹凸部3020)に嵌合させるようにして立体装飾部(サイド装飾部3110)を配置することができる。これにより、立体装飾部(サイド装飾部3110)と曲面部(湾曲部3012)との相対的な位置関係を適切なものとすることが可能であり、上記一体感を確実に奏することができる。
第7実施形態では、スクリーン(中央スクリーン3010)の曲面部(湾曲部3012)に対向部(サイド凹凸部3020)が形成されていることとして説明した。本発明において、対向部(サイド凹凸部3020)の形成位置は、特に限定されず、例えば、曲面部(湾曲部3012)と連続する部分(例えば、後側部3013)に対向部(サイド凹凸部3020)を形成することとしてもよい。また、曲面部(湾曲部3012)と当該部分(例えば、後側部3013)に跨るように対向部(サイド凹凸部3020)を形成することとしてもよい。立体装飾部(サイド装飾部3110)は、当該部分(例えば、後側部3013)に沿うように配置することとしてもよい。また、第7実施形態では、対向部(サイド凹凸部3020)が凹部(凹部3021a、凹部3022a、及び、凹部3023a)並びに凸部(突起3021b、突起3022b、及び、突起3023b)の双方により構成されることとして説明した。本発明における対向部(サイド凹凸部3020)は、凹部のみで構成されていてもよいし、凸部のみで構成されていてもよい。また、対向部(サイド凹凸部3020)の個数は、もちろん限定されず、任意の数の対向部(サイド凹凸部3020)を適宜形成することが可能である。
(B-7) 前記(B-1)~(B-6)の何れかの遊技機であって、
前記プロジェクタにより投射された光が前記所定部材を透過して漏れるのを抑制するように配設された遮光部材(サイド遮光プレート3150)を備える、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、遮光部材(サイド遮光プレート3150)が配設されることにより、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光が所定部材(後側透光板3050)を透過して漏れるのを抑制することが可能となっている。仮に、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光がスクリーン(中央スクリーン3010)以外の部分から漏れ出すと、当該部分が不自然に光って見栄えが悪くなってしまうところ、遮光部材(サイド遮光プレート3150)の存在により、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
(B-8) 前記(B-1)~(B-7)の何れかの遊技機であって、
光を発することが可能な発光手段(サイドLED3122a~3122g)と、
前記発光手段から発せられた光を導光する導光部材(サイドライトレンズ3140)と、
前記プロジェクタにより投射された光が前記導光部材に到達するのを抑制するように配設された遮光部材(サイド遮光プレート3150)と、を備える、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、遮光部材(サイド遮光プレート3150)が配設されることにより、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光が導光部材(サイドライトレンズ3140)に到達するのを抑制することが可能となっている。仮に、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光が導光部材(サイドライトレンズ3140)に侵入すると、発光手段(サイドLED3122a~3122g)から発せられた光とプロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光とが混ざる結果、意図した発光演出を行うことができなくなってしまうことが懸念されるところ、遮光部材(サイド遮光プレート3150)の存在により、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
第7実施形態では、所定部材(後側透光板3050)のうちスクリーン(中央スクリーン3010)によって覆われない部分(隙間)を塞ぐように遮光部材(サイド遮光プレート3150)が配置されることとして説明した。光が当該隙間を通過して先に進行することを遮断することが可能であれば、遮光部材(サイド遮光プレート3150)の配置位置は、特に限定されない。具体的に、遮光部材(サイド遮光プレート3150)は、所定部材(後側透光板3050)よりもパチスロ機1の外方側に配置することとしてもよいし、所定部材(後側透光板3050)よりもパチスロ機1の内方側に配置することとしてもよい。
(B-9) 前記(B-1)~(B-8)の何れかの遊技機であって、
前記スクリーンの近傍に配設される光反射部(画像反射面3216)を備え
前記光反射部は、前記スクリーンに表示された画像の少なくとも一部を反射することが可能である、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)の近傍に光反射部(画像反射面3216)が配設されており、光反射部(画像反射面3216)は、スクリーン(中央スクリーン3010)に表示された画像の少なくとも一部を反射することが可能となっている。これにより、スクリーン(中央スクリーン3010)に表示された画像と当該画像が光反射部(画像反射面3216)で反射されることにより光反射部(画像反射面3216)に映り込む画像とが合わさることで、スクリーン(中央スクリーン3010)だけでは遊技者に知覚させることのできない斬新な画像表現を実現することができる。
ここで、仮に、スクリーン(中央スクリーン3010)の前面側に透光部材(第5実施形態における透光板1045のような部材)が配置されているとすると、スクリーン(中央スクリーン3010)の表示面と光反射部(画像反射面3216)との間に当該透光部材が存在することになる。従って、透光部材の存在に起因して、反射部(画像反射面3216)に映り込む画像の見栄えが悪化してしまう(特に、スクリーン(中央スクリーン3010)の表示面と光反射部(画像反射面3216)との境界部分に筋のようなものが入ることにより画像の一体感が失われてしまう)ことが懸念される。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、スクリーン(中央スクリーン3010)の表示面と光反射部(画像反射面3216)との間には他の部材が存在しないため、反射部(画像反射面3216)に映り込む画像を鮮明なものとし、スクリーン(中央スクリーン3010)に表示される画像と光反射部(画像反射面3216)に映り込む画像とを一体的に見せることができる。
また、第7実施形態では、反射塗料が塗布されることにより光反射部(画像反射面3216)が構成されていることとして説明した。本発明における光反射部(画像反射面3216)は、この例に限定されず、鏡として構成されていてもよいし、金属膜を蒸着させることにより構成されていてもよいし、光を反射するシートを貼付することにより構成されていてもよいし、鏡面加工を施す(研磨や切削により表面粗さを小さくする)ことにより構成されていてもよい。また、第7実施形態では、光反射部として画像反射面3216が形成されていることとして説明したが、画像反射面3216に加えて、装飾面3217も光反射部として構成してもよい。また、光反射部としては、スクリーン(中央スクリーン3010)の周縁(上端、下端、左端、右端等)近傍から前方に膨出した構成を適宜採用することが可能である。なお、上記第2部材(トップフレームベース3210)全体が反射性能を有していれば、光反射部を形成するための処理を特別に施すことなく、成形後の第2部材(トップフレームベース3210)における所定部位(例えば、下面壁3214の下面3215)をそのまま光反射部としてもよい。
(B-10) 前記(B-1)~(B-9)の何れかの遊技機であって、
前記スクリーンの周縁の少なくとも一部に沿うように、前記スクリーンの表面から突出する突出部(前方上端部3015及び前方下端部3017)が形成されている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)の周縁の少なくとも一部に沿うように、スクリーン(中央スクリーン3010)の表面から突出する突出部(前方上端部3015及び前方下端部3017)が形成されている。これにより、スクリーン(中央スクリーン3010)の表面と他の部材との間に隙間が生じているような場合、当該隙間を通じて針金形状の器具を侵入させようとしたとしても、突出部(前方上端部3015及び前方下端部3017)が邪魔になって、当該侵入を阻止することが可能である。従って、当該隙間を通じてゴト行為が行われてしまうことを防止することができる。また、突出部(前方上端部3015及び前方下端部3017)の存在によりスクリーン(中央スクリーン3010)の剛性を高めることが可能であり、組み立て作業等の際に力が加わった場合においても、スクリーン(中央スクリーン3010)が歪んでしまうことを抑制することができる。
第7実施形態では、スクリーン(中央スクリーン3010)の突出部として、前方上端部3015、前方下端部3017、後方上端部3019、後方下端部3020が設けられており、これらの突出部のうち、前方上端部3015及び前方下端部3017の存在によりゴト行為を防止することができることとして説明した。同様に、後方上端部3019や後方下端部3020に対して、針金形状の器具を侵入させることを阻止する機能を担わせ、これによりゴト行為を防止することが可能なように構成してもよい。
(B-11) 前記(B-1)~(B-10)の何れかの遊技機であって、
前記スクリーンには、貫通孔(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)が形成されており、
前記所定部材は、前記貫通孔を用いた螺子締結により固定されている、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係るパチスロ機1によれば、スクリーン(中央スクリーン3010)には、貫通孔(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)が形成されており、所定部材(後側透光板3050)は、該貫通孔(貫通孔3016L及び貫通孔3016R)を用いた螺子締結により固定されている。これにより、所定部材(後側透光板3050)の固定を通じて、スクリーン(中央スクリーン3010)を適切な位置に配置することができる。
ここで、第5実施形態に係るパチスロ機1では、スクリーンシート1046が下押さえ部材UD101及び上押さえ部材UD102によって押さえ付けられている。これに対し、第7実施形態に係るパチスロ機1では、このような押さえ付けを行うことなく、所定部材(後側透光板3050)やトップフレームベース3210を介した螺子締結によりスクリーン(中央スクリーン3010)が固定されている。これにより、下押さえ部材UD101や上押さえ部材UD102のような部品が不要であり、コストを削減することができる。なお、第5実施形態におけるスクリーンシート1046は、可撓性を有する薄いシート状のスクリーンであるところ、湿度の変化によって伸縮が生じやすくなっている。そのため、螺子締結により他の部材と密着するように固定すると、伸縮に起因して破損してしまうことが懸念され、上記のような押さえ付けを行うことが望ましかった。これに対し、第7実施形態におけるスクリーン(中央スクリーン3010)は、ある程度の厚み(例えば、2mm)とともに剛性を有しており、湿度が変化しても伸縮はそれほど生じない。そのため、螺子締結を行ったとしても破損が生じ難いため、以上のような構成を採用することが可能となった。スクリーン(中央スクリーン3010)の厚みは、特に限定されないが、1mm~5mm程度(あるいは、1.5mm~3mm程度、又は、1.8mm~2.5mm程度)とすることが望ましい。スクリーン(中央スクリーン3010)を薄くすると画像の解像度が上がるが、金型から外す際に破損してしまう可能性が高くなる。スクリーン(中央スクリーン3010)の厚みは、この点を考慮して適宜決定することが可能である。
[第8実施形態]
以上、第1実施形態~第7実施形態について説明した。以下、第8実施形態について説明する。第8実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第1実施形態~第7実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第1実施形態~第7実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第7実施形態における説明が第8実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1実施形態のパチスロ機1では、~」のように、第1実施形態に係るパチスロ機1に限定されるような記載であったとしても、第8実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第8実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態~第7実施形態に係るパチスロ機1に限定するような記載についても、第8実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第8実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。従って、第1実施形態~第7実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第8実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第7実施形態に係るパチスロ機1と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態~第7実施形態に係るパチスロ機1と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
<ロック演出>
図243は、ロック演出の例を示す図である。図244は、ロック演出番号「1」に対応するロック演出の具体的態様を示す図である。図245は、ロック演出番号「2」に対応するロック演出の具体的態様を示す図である。図246は、ロック演出番号「3」に対応するロック演出の具体的態様を示す図である。図247は、ロック演出番号「4」に対応するロック演出の具体的態様を示す図である。図248は、ロック演出番号「5」に対応するロック演出の具体的態様を示す図である。図249は、ロック演出番号「6」に対応するロック演出の具体的態様を示す図である。
第1実施形態で説明したように、ロック演出は、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出である。本実施形態では、第1実施形態と同様に、ロック演出の実行中にリール演出乃至疑似遊技を実行することが可能なように構成されている。
第1実施形態で説明したように、リール演出は、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。また、疑似遊技は、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受け付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。
なお、ロック演出(リール演出乃至疑似遊技)においては、図柄の組合せが停止表示されることがあるが、当該図柄の組合せが停止表示されたことに基づいて遊技者に特典が付与されることはない。例えば、リール演出乃至疑似遊技において停止表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブル(図11~図14参照)に規定された図柄の組合せと一致する場合であっても、当該図柄の組合せに応じたメダルの払出は行われない。
また、例えば、本実施形態では、リール演出乃至疑似遊技において特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示される場合に、AT状態に移行することがあるが、これは、AT状態に移行させることが既に決定されている状態において、特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)を介して、AT状態に移行させることが決定されたことを報知(示唆)しているにすぎず、特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示されたことを受けて、AT状態に移行させることが決定されるものではない。
本実施形態では、このようなロック演出として、図243に示すようなロック演出(ロック演出番号「1」~「6」に対応するロック演出)が設けられている。ロック演出番号「1」~「6」に対応するロック演出は、それぞれ、下記(i)~(iv)のロック演出のうちの一のロック演出、又は、これらのロック演出のうちの2つのロック演出の組合せにより構成されている。
(i)リール演出において「赤7」図柄が揃う
(ii)リール演出において「赤7」図柄が揃わない
(iii)疑似遊技において「赤7」図柄が揃う
(iv)疑似遊技において「赤7」図柄が揃わない
ロック演出番号「1」に対応するロック演出においては、上記(i)の演出が行われる。ロック演出番号「2」に対応するロック演出においては、上記(ii)の演出が行われる。ロック演出番号「3」に対応するロック演出においては、上記(iii)の演出が行われる。ロック演出番号「4」に対応するロック演出においては、上記(iv)の演出が行われる。ロック演出番号「5」に対応するロック演出においては、上記(iv)の演出が行われた後、上記(i)の演出が行われる。ロック演出番号「6」に対応するロック演出においては、上記(ii)の演出が行われた後、上記(iii)の演出が行われる。
なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の図柄配置テーブル(図9参照)が用いられており、「赤7」は、図柄位置「0」に配置されている。図244~図249では、停止表示される図柄に対応する図柄位置を示す数字を併せて示している。
具体的に、図244に示すように、ロック演出番号「1」に対応するロック演出においては、各リール3L,3C,3Rの回転が開始した後(図244(a)参照)、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)右リール3Rの回転が停止し、右リール3Rの中段領域に「赤7」が停止表示される(図244(b)参照)。続いて、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)中リール3Cの回転が停止し、中リール3Cの中段領域に「赤7」が停止表示される(図244(c)参照)。そして、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの中段領域に「赤7」が停止表示される(図244(d)参照)。
図245に示すように、ロック演出番号「2」に対応するロック演出においては、各リール3L,3C,3Rの回転が開始した後(図245(a)参照)、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)右リール3Rの回転が停止し、右リール3Rの中段領域に「赤7」が停止表示される(図245(b)参照)。続いて、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)中リール3Cの回転が停止し、中リール3Cの中段領域に「赤7」が停止表示される(図245(c)参照)。そして、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの中段領域に「赤7」以外の図柄(この例では、「白ブランク1」)が停止表示される(図245(d)参照)。
図246に示すように、ロック演出番号「3」に対応するロック演出においては、各リール3L,3C,3Rの回転が開始した後(図246(a)参照)、右リール3Rに対する停止操作に応じて右リール3Rの回転が停止し、右リール3Rの中段領域に「赤7」が停止表示される(図246(b)参照)。この状態において、右リール3Rは、所定のタイミングで揺動している。続いて、中リール3Cに対する停止操作に応じて中リール3Cの回転が停止し、中リール3Cの中段領域に「赤7」が停止表示される(図246(c)参照)。この状態において、中リール3Cは、所定のタイミングで揺動しており、右リール3Rの揺動も継続している。そして、左リール3Lに対する停止操作に応じて左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの中段領域に「赤7」が停止表示される(図246(d)参照)。この状態において、左リール3Lは、所定のタイミングで揺動しており、右リール3R及び中リール3Cの揺動も継続している。
図247に示すように、ロック演出番号「4」に対応するロック演出においては、各リール3L,3C,3Rの回転が開始した後(図247(a)参照)、右リール3Rに対する停止操作に応じて右リール3Rの回転が停止し、右リール3Rの中段領域に「赤7」が停止表示される(図247(b)参照)。この状態において、右リール3Rは、所定のタイミングで揺動している。続いて、中リール3Cに対する停止操作に応じて中リール3Cの回転が停止し、中リール3Cの中段領域に「赤7」が停止表示される(図247(c)参照)。この状態において、中リール3Cは、所定のタイミングで揺動しており、右リール3Rの揺動も継続している。そして、左リール3Lに対する停止操作に応じて左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの中段領域に「赤7」以外の図柄(この例では、「白ブランク1」)が停止表示される(図247(d)参照)。この状態において、左リール3Lは、所定のタイミングで揺動しており、右リール3R及び中リール3Cの揺動も継続している。
図248に示すように、ロック演出番号「5」に対応するロック演出においては、各リール3L,3C,3Rの回転が開始した後(図248(a)参照)、右リール3Rに対する停止操作に応じて右リール3Rの回転が停止し、右リール3Rの中段領域に「赤7」が停止表示される(図248(b)参照)。この状態において、右リール3Rは、所定のタイミングで揺動している。続いて、中リール3Cに対する停止操作に応じて中リール3Cの回転が停止し、中リール3Cの中段領域に「赤7」が停止表示される(図248(c)参照)。この状態において、中リール3Cは、所定のタイミングで揺動しており、右リール3Rの揺動も継続している。そして、左リール3Lに対する停止操作に応じて左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの中段領域に「赤7」以外の図柄(この例では、「白ブランク1」)が停止表示される(図248(d)参照)。この状態において、左リール3Lは、所定のタイミングで揺動しており、右リール3R及び中リール3Cの揺動も継続している。その後、左リール3Lが再度回転し(図248(e)参照)、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの中段領域に「赤7」が停止表示される(図248(f)参照)。この状態において、左リール3Lは、所定のタイミングで揺動しており、右リール3R及び中リール3Cの揺動も継続している。
図249に示すように、ロック演出番号「6」に対応するロック演出においては、各リール3L,3C,3Rの回転が開始した後(図249(a)参照)、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)右リール3Rの回転が停止し、右リール3Rの中段領域に「赤7」が停止表示される(図249(b)参照)。続いて、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)中リール3Cの回転が停止し、中リール3Cの中段領域に「赤7」が停止表示される(図249(c)参照)。そして、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの中段領域に「赤7」以外の図柄(この例では、「白ブランク1」)が停止表示される(図249(d)参照)。その後、左リール3Lが再度回転し(図249(e)参照)、左リール3Lに対する停止操作に応じて左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの中段領域に「赤7」が停止表示される(図249(f)参照)。この状態において、左リール3Lは、所定のタイミングで揺動している一方、右リール3R及び中リール3Cは揺動していない。なお、左リール3Lの中段領域に「赤7」が停止表示された後に、左リール3Lと同様に、右リール3R及び中リール3Cが所定のタイミングで揺動するようにしてもよい。
<ロック演出決定処理>
図250は、主制御回路において行われるロック演出決定処理を示すフローチャートである。
図250に示すロック演出決定処理は、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)が実行された後に、主制御回路100において行われる処理である。
ロック演出決定処理において、まず、メインCPU101は、現在の遊技区間が有利区間であるか否かを判断する(ステップS1001)。第1実施形態で説明したように、有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)に制御可能な遊技期間であり、有利区間としては、演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられている(図5参照)。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点においては非有利区間と同様であるが、モード移行が行われる点において非有利区間と異なっている。増加区間は、AT状態(遊技者にとって有利な遊技状態)である。
現在の遊技区間が有利区間ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、現在の遊技区間が有利区間であると判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナス中であるか否かを判断する(ステップS1002)。第1実施形態で説明したように、疑似ボーナスは、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)である。メインCPU101は、メインRAM103のモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、疑似ボーナス中であるか否かを判断することができる。
疑似ボーナス中であると判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナスに移行したのが今回遊技であるか否かを判断する(ステップS1003)。第1実施形態で説明したように、内部抽籤処理(図23のステップS5参照)により内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグ(図7(a)参照)が決定される。そして、演出区間(有利区間・通常遊技)においては、疑似ボーナス移行抽籤テーブル(図7(c)参照)が参照され、乱数値及び有利区間当籤時サブフラグに基づく抽籤(疑似ボーナス移行抽籤)が行われることにより、疑似ボーナス移行抽籤の結果として「当籤」又は「非当籤」が決定される。「当籤」としては、「当籤(今回遊技)」及び「当籤(次回遊技)」が設けられている。
「当籤(今回遊技)」が決定された場合には、例えば、今回の遊技(当該疑似ボーナス移行抽籤が行われた遊技)における有利区間中遊技開始時処理(図28参照)のステップS106において、モードフラグ格納領域(図20参照)における「疑似ボーナス」に対応するビットが「1」にセットされる。これにより、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には、今回の遊技から疑似ボーナスに移行する。同様に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には、例えば、次回の遊技(当該疑似ボーナス移行抽籤が行われた遊技の次回の遊技)における有利区間中遊技開始時処理(図28参照)のステップS106において、モードフラグ格納領域(図20参照)における「疑似ボーナス」に対応するビットが「1」にセットされる。これにより、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には、次回の遊技から疑似ボーナスに移行する。
疑似ボーナスに移行したのが今回遊技ではないと判断した場合、メインCPU101は、1G連抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS1004)。第1実施形態で説明したように、疑似ボーナスにおいては、1G連抽籤テーブル(図7(d)参照)が参照され、乱数値及び有利区間当籤時サブフラグに基づく抽籤(1G連抽籤)が行われることにより、1G連抽籤の結果として「当籤」又は「非当籤」が決定される。「当籤」としては、「当籤(1G連+1)」が設けられている。
「当籤(1G連+1)」が決定された場合には、例えば、有利区間中遊技開始時処理(図28参照)のステップS103において、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)。疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることになる。
ステップS1003において疑似ボーナスに移行したのが今回遊技であると判断した場合、又は、ステップS1004において1G連抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出番号「1」及び「6」(図243参照)のうちの何れかを抽籤により選択する(ステップS1005)。そして、メインCPU101は、ロック演出開始フラグをオンにセットし(ステップS1006)、本サブルーチンを終了する。これにより、ロック演出番号「1」又は「6」に対応するロック演出が行われることになる。ロック演出番号「1」又は「6」に対応するロック演出は、第1実施形態で説明した「赤7揃い」演出に相当する演出である。なお、1G連抽籤に当籤した場合には、疑似ボーナスに移行した場合に行われるロック演出(「赤7揃い」演出)とは異なるロック演出(例えば、第1実施形態で説明した特別ボーナス中演出)が行われるように構成してもよい。
ステップS1002において疑似ボーナス中ではないと判断した場合、メインCPU101は、特別ロック演出発生条件が成立したか否かを判断する(ステップS1007)。第1実施形態で説明したように、特別ロック演出は、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」(図7(a)参照)が決定され、且つ、モード移行抽籤(図8(f)参照)により天国Cモード(図6参照)に移行することが決定された場合に、所定の確率で実行可能な演出である。すなわち、特別ロック演出発生条件は、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定され、モード移行抽籤により天国Cモードに移行することが決定され、且つ、所定の確率で当籤可能な特別ロック演出発生抽籤に当籤すること、である。
なお、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合には、疑似ボーナス移行抽籤の結果として、必ず「当籤(次回遊技)」が決定され(図7(c)参照)、疑似ボーナスへの移行が確定する。また、天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードとなっている。疑似ボーナスが開始するとき、天井短縮抽籤テーブル(図8(e)参照)が参照され、乱数値に基づく抽籤(天井短縮抽籤)が行われることにより、天井短縮抽籤の結果として「当籤」又は「非当籤」が決定される。「当籤」が決定された場合には、疑似ボーナスが終了するときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることになる。天国Cモードは、天井短縮抽籤に当籤可能なモード(天国モード)であり、且つ、天国モードが維持されやすいモード(遊技者にとって有利なモード)となっている。
ステップS1004において1G連抽籤に当籤していないと判断した場合、又は、ステップS1007において特別ロック演出発生条件が成立していないと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出抽籤を実行する(ステップS1008)。この処理において、メインCPU101は、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、「当籤」又は「非当籤」を決定する。続いて、メインCPU101は、ロック演出抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS1009)。ロック演出抽籤に当籤していないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ロック演出抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出番号「2」及び「4」(図243参照)のうちの何れかを抽籤により選択する(ステップS1010)。そして、メインCPU101は、ロック演出開始フラグをオンにセットし(ステップS1011)、本サブルーチンを終了する。これにより、ロック演出番号「2」又は「4」に対応するロック演出(所謂ガセ演出)が行われることになる。
ステップS1007において特別ロック演出発生条件が成立したと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出番号「3」及び「5」(図243参照)のうちの何れかを抽籤により選択する(ステップS1012)。そして、メインCPU101は、ロック演出開始フラグをオンにセットし(ステップS1013)、本サブルーチンを終了する。これにより、ロック演出番号「3」又は「5」に対応するロック演出が行われることになる。
ロック演出番号「3」又は「5」に対応するロック演出は、第1実施形態で説明した特別ロック演出に相当する演出となっている。第1実施形態と同様に、特別ロック演出は、有利区間中における遊技の進行度合い(遊技履歴)が所定の条件を満たす場合には実行されないように構成することが可能である。このような遊技履歴としては、有利区間ゲーム数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値等(リミット処理において参照される値)を採用することができる。有利区間が継続する期間には上限(リミッタ)が設けられており、リミット処理は、当該リミッタに到達したことより有利区間を終了させるための処理である(図16参照)。
なお、図250に示すロック演出決定処理では、疑似ボーナス移行抽籤乃至1G連抽籤に当籤した場合にロック演出番号「1」又は「6」に対応するロック演出が行われる(ロック演出番号「3」及び「5」に対応するロック演出は行われない)こととして説明した。もっとも、本実施形態においては、疑似ボーナス移行抽籤乃至1G連抽籤に当籤した場合にロック演出番号「3」又は「5」に対応するロック演出(特別ロック演出)が行われ得ることとしてもよい。第1実施形態で説明したように、準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動すると、1G連抽籤が実行されなくなる(図16参照)。また、準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動すると、疑似ボーナス移行抽籤が実行されなくなるようにしてもよい。疑似ボーナス移行抽籤及び1G連抽籤が実行されなくなると、図250のステップS1003、ステップS1004、及び、ステップS1007における判断結果が全て「NO」となり、ロック演出は実行されなくなる。本実施形態においては、例えば、有利区間中の変数(有利区間ゲーム数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、若しくは、制御用払出数カウンタの値、又は、これらの値と1G連ストックカウンタの値とに基づいて算出される値等)が所定の値以上となった場合に、ロック演出(特別ロック演出としての疑似遊技)が実行されなくなるように構成することが可能である。
<ロック演出実行処理>
図251は、主制御回路において行われるロック演出実行処理を示すフローチャートである。図252は、疑似遊技においてメイン表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
図251に示すロック演出実行処理は、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS8(遊技開始時メイン側演出制御処理)で行われる処理である。
ロック演出実行処理において、まず、メインCPU101は、ロック演出開始フラグ(図250のステップS1006、ステップS1011、及び、ステップS1013参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1021)。ロック演出開始フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ロック演出開始フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、ロックコマンド生成格納処理を実行する(ステップS1022)。この処理において、メインCPU101は、ロックコマンドデータを生成し、生成したロックコマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたロックコマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、リールのロックが開始されたことを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
具体的に、ロックコマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路200では、各種ロック演出に対応する演出データがセットされる。これにより、例えば、ロック演出決定処理(図250参照)においてロック演出番号「3」~「5」のうちの何れかに対応するロック演出が選択されている場合には、図252に示す「7を狙え」演出画像1100がメイン表示装置210に表示される。「7を狙え」演出画像1100は、「右リール3R→中リール3C→左リール3L」の順序、及び、各リール3L,3C,3Rにおいて「赤7」図柄が停止表示され得るタイミングで停止操作を行うことを示唆する画像である。「7を狙え」演出画像1100を表示することによって、示唆される順序で遊技者にストップボタン8L,8C,8Rを操作させることが可能であり、その結果、遊技者を疑似遊技に参加させることができる。
次に、メインCPU101は、ロック演出開始フラグをオフにセットする(ステップS1023)。続いて、メインCPU101は、ロック演出用加速処理を実行する(ステップS1024)。この処理において、メインCPU3031は、リール3L,3C,3Rの回転の開始を要求する。リール3L,3C,3Rの回転開始が要求されると、リール制御処理(図32のステップS203参照)によってステッピングモータの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。そして、各リール3L,3C,3Rは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。なお、当該定速に達するまでの各リール3L,3C,3Rの回転態様は、通常の回転(順回転)に限定されず、スロー回転、高速回転、逆回転、これらの組合せ等のリールアクションを含むものであってもよい。また、各リール3L,3C,3Rは、定速での回転状態を維持せずに、所定速度に達した後、すぐに減速させることとしてもよい。
リール制御処理(図32のステップS203参照)において、メインCPU101は、励磁相の励磁パターンを経時的に切り換えることによって、各リール3L,3C,3Rが図244~図249に示すような態様で回転し停止するように、各ステッピングモータ51L,51C,51Rを制御する。リール3L,3C,3Rの回転を加速させる場合、メインCPU101は、加速用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されるようにパルス信号を出力する。リール3L,3C,3Rを定速で回転させる場合、メインCPU101は、定速用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されるようにパルス信号を出力する。リール3L,3C,3Rの回転を減速させる場合、メインCPU101は、減速用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されるようにパルス信号を出力する。リール3L,3C,3Rを停止させた状態で維持する場合、メインCPU101は、停止用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されるようにパルス信号を出力する。リール3L,3C,3Rを揺動させる場合、メインCPU101は、揺動用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されるようにパルス信号を出力する。各励磁パターンは、予め定められた時間に亘って保持される。当該時間は、タイマ更新処理(図32のステップS206参照)によって管理される。なお、励磁方式は、特に限定されず、2相励磁乃至1-2相励磁等を適宜採用することが可能である。また、ステッピングモータ51L,51C,51Rは、PM型のステッピングモータであってもよいし、HB型のステッピングモータであってもよい。駆動方式は、バイポーラ方式であってもよいし、ユニポーラ方式であってもよい。
ステップS1024の処理を実行した後、メインCPU101は、疑似遊技中フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1025)。疑似遊技中フラグは、疑似遊技が実行されている状態であることを示すフラグである。図示しないが、ロック演出番号「3」~「5」のうちの何れかに対応するロック演出が選択されている場合、メインCPU101は、ステップS1024の処理において、疑似遊技中フラグをオンにセットする処理を併せて行う。また、ロック演出番号「6」に対応するロック演出が選択されている場合、メインCPU101は、リール演出において左リール3Lを停止させた状態で維持する制御(図249(d)参照)を開始するとき(各リール3L,3C,3Rの回転が開始してから所定時間が経過したとき)に、疑似遊技中フラグをオンにセットする。
疑似遊技中フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技中処理を実行する(ステップS1026)。疑似遊技中処理については、後に図253を用いて説明する。
ステップS1025において疑似遊技中フラグがオンにセットされていないと判断した場合、又は、ステップS1026の処理を実行した後、メインCPU101は、ロック演出終了フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1027)。ロック演出終了フラグは、ロック演出が終了したことを示すフラグである。図示しないが、ロック演出番号「1」又は「2」に対応するロック演出が選択されている場合、メインCPU101は、左リール3Lを停止させた状態で維持する制御(図244(d)及び図245(d)参照)を開始するとき(各リール3L,3C,3Rの回転が開始してから所定時間が経過したとき)に、ロック演出終了フラグをオンにセットする。また、ロック演出番号「3」又は「4」に対応するロック演出が選択されている場合、メインCPU101は、左リール3Lを揺動させる制御(図246(d)及び図247(d)参照)を開始するとき(疑似遊技における各リール3L,3C,3Rに対する停止操作が全て完了したとき)に、ロック演出終了フラグをオンにセットする(図254のステップS1073参照)。また、ロック演出番号「5」に対応するロック演出が選択されている場合、メインCPU101は、再回転後に停止した左リール3Lを揺動させる制御(図248(f)参照)を開始するとき(左リール3Lの再回転が開始してから所定時間が経過したとき)に、ロック演出終了フラグをオンにセットする(図255のステップS1084参照)。また、ロック演出番号「6」に対応するロック演出が選択されている場合、メインCPU101は、再回転後に停止した左リール3Lを揺動させる制御(図249(f)参照)を開始するとき(再回転後の疑似遊技における左リール3Lに対する停止操作が完了したとき)に、ロック演出終了フラグをオンにセットする(図256のステップS1112参照)。
ロック演出終了フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS1025に処理を戻す。一方、ロック演出終了フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、ランダム遅延フラグをオンにセットし(ステップS1028)、本サブルーチンを終了する。ランダム遅延フラグは、ランダム遅延処理を行うために用いられるフラグである。第1実施形態で説明したように、ランダム遅延処理は、ロック演出の後、各リール3L,3C,3Rに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理であり、ロック演出の結果として遊技者が「目押し」を行いやすくなってしまうことを防止するために行われる。ランダム遅延処理の詳細については、後に図258を用いて説明する。
<疑似遊技中処理>
図253は、主制御回路において行われる疑似遊技中処理を示すフローチャートである。
図253に示す疑似遊技中処理は、主制御回路100において図251(ロック演出実行処理)のステップS1026で行われる処理である。
疑似遊技中処理において、まず、メインCPU101は、ロック演出決定処理(図250参照)において選択されたロック演出番号がロック演出番号「6」であるか否かを判断する(ステップS1041)。
選択されたロック演出番号がロック演出番号「6」ではないと判断した場合、メインCPU101は、通常疑似遊技中処理を実行する(ステップS1042)。通常疑似遊技中処理については、後に図254を用いて説明する。ステップS1042の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、選択されたロック演出番号がロック演出番号「6」であると判断した場合、メインCPU101は、リール演出後疑似遊技中処理を実行する(ステップS1043)。リール演出後疑似遊技中処理については、後に図256を用いて説明する。ステップS1043の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<通常疑似遊技中処理>
図254は、主制御回路において行われる通常疑似遊技中処理を示すフローチャートである。
図254に示す通常疑似遊技中処理は、主制御回路100において図253(疑似遊技中処理)のステップS1042で行われる処理である。
通常疑似遊技中処理において、まず、メインCPU101は、ステップS1061~ステップS1068の処理を実行するが、これらの処理は、図29(リール停止制御処理)のステップS111~ステップS120の処理と基本的に同様の処理である。
ここで、図254に示す通常疑似遊技中処理では、図29のステップS116及びステップS117に相当する処理が行われないこととしている。すなわち、滑り駒数(ステップS117参照)は決定されず、ステップS1066の処理において、メインCPU101は、停止開始位置(ステップS116参照)にかかわらず、最終的に図柄が停止する位置として予め定められた位置を停止予定位置として決定し格納する。これにより、図246(b)~(d)、図247(b)~(d)、及び、図248(b)~(d)に示すような態様で、各リール3L,3C,3Rが停止する。疑似遊技においては、このように、停止開始位置及び滑り駒数とは無関係に予め定められた図柄が停止表示されることとしてもよいし、図29に示す(メイン遊技における)リール停止制御処理と同様に、停止開始位置及び滑り駒数に基づいて各リール3L,3C,3Rを停止させる制御を行うこととしてもよい。この場合には、例えば、ロック演出番号「3」又は「5」に対応するロック演出が選択されていても、停止操作のタイミングが適切でなかった場合には、「赤7」図柄が揃わないことになる。なお、停止開始位置及び滑り駒数に基づいて各リール3L,3C,3Rを停止させる場合、疑似遊技における最大滑り駒数は、メイン遊技における最大滑り駒数と同じであることとしてもよいし、メイン遊技における最大滑り駒数よりも多いこととしてもよいし、メイン遊技における最大滑り駒数よりも少ないこととしてもよい。
また、図29のステップS111では、各リール3L,3C,3Rが定速で回転しているときの速度(定速回転速度)の例として、80回転/1分を挙げて説明した。疑似遊技における定速回転速度は、メイン遊技における定速回転速度と同じである(例えば、80回転/1分)こととしてもよいし、メイン遊技における定速回転速度よりも速い(例えば、90~180回転/1分、あるいは、120~160回転/1分)こととしてもよいし、メイン遊技における定速回転速度よりも遅い(例えば、10~60回転/1分、あるいは、30~45回転/1分)こととしてもよい。また、図254に示す通常疑似遊技中処理では、疑似遊技においても、メイン遊技と同様に、各リール3L,3C,3Rの回転速度が定速回転速度に達するのを待って、各ストップボタン8L,8C,8Rを有効化することとしている(ステップS1062参照)。しかし、疑似遊技においては、各リール3L,3C,3Rの回転速度が定速回転速度に達する前に、各ストップボタン8L,8C,8Rを有効化することとしてもよい。
ステップS1068の処理を実行した後、メインCPU101は、制御対象リール(ステップS1065参照)が停止したか否かを判断する(ステップS1069)。この処理において、メインCPU101は、制御対象リールの回転を減速させる制御が終了したか否かを判断する。メインCPU101は、減速用の励磁パターンの保持時間が満了したとき(制御対象リールの回転を停止させるのに要する時間が経過したとき)に、制御対象リールの回転を減速させる制御が終了した(制御対象リールが停止した)ことを認識することができる。
制御対象リールが停止していないと判断した場合、メインCPU101は、再度ステップS1069の処理を実行する。一方、制御対象リールが停止したと判断した場合、メインCPU101は、制御対象リールを揺動させる制御を実行する(ステップS1070)。この処理において、メインCPU101は、制御対象リールを揺動させるための揺動用の励磁パターンに対応するデータをセットする。これにより、制御対象リールに対応するステッピングモータ51が駆動制御され、制御対象リールが所定の態様で揺動する。揺動用の励磁パターンは、特に限定されないが、以下のように励磁パターンIと励磁パターンIIとを繰り返すように2相励磁を行う構成を採用することが可能である。
図示しないが、各ステッピングモータ51L,51C,51Rには、4つの励磁相(A相、B相、C相、及び、D相)が時計回りに順次配置されており、1-2相励磁のパターンとして、8つの励磁パターン(A相-B相、B相、B相-C相、C相、C相-D相、D相、D相-A相、及び、A相)が設けられている。例えば、上記励磁パターンIとして基準となる励磁パターンからのオフセット値が2となる励磁パターン(例えば、B相-C相)を時間T1(例えば、3割込時間)に亘って保持し、上記励磁パターンIIとして基準となる励磁パターンからのオフセット値が0となる励磁パターン(例えば、A相-B相)を時間T2(例えば、300割込時間)に亘って保持するような構成を採用することが可能である。T2は500ms未満とすることが望ましく、また、T1とT2との合計時間も500ms未満とすることが望ましく、例えば、T1を1~20ms(あるいは、2~10ms)程度の時間とし、T2を100~490ms(あるいは、200~450ms)程度の時間とすることが可能である。また、揺動用の励磁パターンに基づく励磁制御が行われる際のステッピングモータ51の使用電流は、停止用の励磁パターンに基づく励磁制御が行われる際のステッピングモータ51の使用電流よりも多くなるように構成し、定速用の励磁パターンに基づく励磁制御が行われる際のステッピングモータ51の使用電流と同程度としてもよい。例えば、揺動用の励磁パターンに基づく励磁制御が行われる際のステッピングモータ51の使用電流は、加速用の励磁パターン乃至減速用の励磁パターンに基づく励磁制御が行われる際のステッピングモータ51の使用電流の60%程度(例えば、40~80%、あるいは、50~70%程度)としてもよい。
以上のようにステッピングモータ51を駆動制御することにより、リール3を上下に揺動させることができる(図246(b)~(d)、図247(b)~(d)、及び、図248(b)~(d)参照)。リール3の揺動態様は、遊技者が認識可能な程度にリール3が動いている限り、特に限定されない。もっとも、「揺動」とは、微振動であり、「仮停止」とも言い得るものであるため、振動の幅は、1図柄分(あるいは、1/2図柄分、1/4図柄分、1/8図柄分、又は、1/16図柄分)を超えないことが望ましい。なお、「揺動」は、リール3が一定の周期で動作する場合だけでなく、リール3が非周期的に動作する場合を含む概念である。また、リール3が略完全に停止している期間が含まれる場合も、「揺動」に含まれるが、当該期間は、500ms未満(例えば、100~490ms、あるいは、200~450ms)であることが望ましい。すなわち、500ms未満の範囲でリール3が何らかの動作を行う場合には、「揺動」と呼ぶことが可能である。
ステップS1070の処理を実行した後、メインCPU101は、有効なストップボタン8L,8C,8Rが存在するか否かを判断する(ステップS1071)。この処理は、図29(リール停止制御処理)のステップS121の処理と同様の処理である。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域(図21参照)を参照することにより、ストップボタン8L,8C,8Rの操作状況を認識することができる。
有効なストップボタン8L,8C,8Rが存在すると判断した場合、メインCPU101は、ステップS1063に処理を移す。一方、有効なストップボタン8L,8C,8Rが存在しないと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出決定処理(図250参照)において選択されたロック演出番号がロック演出番号「5」であるか否かを判断する(ステップS1072)。
選択されたロック演出番号がロック演出番号「5」ではないと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出終了フラグをオンにセットし(ステップS1073)、本サブルーチンを終了する。一方、選択されたロック演出番号がロック演出番号「5」であると判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技後リール演出処理を実行する(ステップS1074)。疑似遊技後リール演出処理については、後に図255を用いて説明する。ステップS1074の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<疑似遊技後リール演出処理>
図255は、主制御回路において行われる疑似遊技後リール演出処理を示すフローチャートである。
図255に示す疑似遊技後リール演出処理は、主制御回路100において図254(通常疑似遊技中処理)のステップS1074で行われる処理である。
疑似遊技後リール演出処理において、まず、メインCPU101は、再加速処理を実行する(ステップS1081)。この処理は、図251(ロック演出実行処理)のステップS1024の処理と同様の処理である。ステップS1024の処理において、メインCPU3031は、リール3L,3C,3Rの回転の開始を要求するが、ステップS1081の処理において、メインCPU3031は、左リール3Lの回転の開始のみを要求する。これ以外の点については、ステップS1024において説明した通りである。ステップS1081の処理が実行されることにより、ステッピングモータ51Lの駆動が制御され、左リール3Lの回転が開始される(図248(e)参照)。
次に、メインCPU101は、左リール3Lが停止したか否かを判断する(ステップS1082)。この処理は、図254(通常疑似遊技中処理)のステップS1069の処理と同様の処理である。メインCPU101は、左リール3Lの再回転が開始してから所定時間が経過したときに、左リール3Lが停止したことを認識することができる。
左リール3Lが停止していないと判断した場合、メインCPU101は、再度ステップS1082の処理を実行する。一方、左リール3Lが停止したと判断した場合、メインCPU101は、左リール3Lを揺動させる制御を実行する(ステップS1083)。この処理は、図254(通常疑似遊技中処理)のステップS1070の処理と同様の処理である。これにより、ステッピングモータ51Lの駆動が制御され、左リール3Lを上下に揺動させることができる(図248(f)参照)。
その後、メインCPU101は、ロック演出終了フラグをオンにセットし(ステップS1084)、本サブルーチンを終了する。
<リール演出後疑似遊技中処理>
図256は、主制御回路において行われるリール演出後疑似遊技中処理を示すフローチャートである。
図256に示すリール演出後疑似遊技中処理は、主制御回路100において図253(疑似遊技中処理)のステップS1043で行われる処理である。上述したように、ロック演出番号「6」に対応するロック演出が選択されている場合、各リール3L,3C,3Rの回転(図251のステップS1024参照)が開始してから所定時間が経過したときに、疑似遊技中フラグがオンにセットされる。これにより、図251のステップS1025の判断結果が「YES」となり、図256に示すリール演出後疑似遊技中処理が開始されることになる。
リール演出後疑似遊技中処理において、まず、メインCPU101は、リール演出後疑似遊技開始コマンド生成格納処理を実行する(ステップS1101)。この処理において、メインCPU101は、リール演出後疑似遊技開始コマンドデータを生成し、生成したリール演出後疑似遊技開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたリール演出後疑似遊技開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、上記(ii)のリール演出が終了して上記(iii)の疑似遊技が開始されること(図243参照)を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。具体的に、リール演出後疑似遊技開始コマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路200では、リール演出が終了して疑似遊技が開始されることに対応する演出データがセットされる。これにより、例えば、図示しないが、「レバーを叩け」といった内容の文字画像(「レバーを叩け」画像)がメイン表示装置210に表示され、遊技者に対してスタートレバー7を操作することを促すことができる。
次に、メインCPU101は、スタートレバー7が操作されたか否かを判断する(ステップS1102)。この処理において、メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態(図25のステップS50参照)となったか否かを判断する。スタートレバー7が操作されていないと判断した場合、メインCPU101は、再度ステップS1102の処理を実行する。一方、スタートレバー7が操作されたと判断した場合、メインCPU101は、再加速処理を実行する(ステップS1103)。この処理は、図255(疑似遊技後リール演出処理)のステップS1081の処理と同様の処理である。これにより、ステッピングモータ51Lの駆動が制御され、左リール3Lの回転が開始される(図249(e)参照)。このように、図256に示すリール演出後疑似遊技中処理では、リール演出の終了後、スタートレバー7が操作されることを条件として左リール3Lの再回転が行われることとして説明している。しかし、左リール3Lの再回転は、リール演出の終了後自動的に(リール演出において全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止してから所定時間が経過したときに)行われることとしてもよい。
次に、メインCPU101は、左リール3Lの回転速度が定速回転速度に到達したか否かを判断する(ステップS1104)。上述したように、疑似遊技における定速回転速度は、メイン遊技における定速回転速度(80回転/1分)と異なっていてもよい(図254のステップS1061参照)。左リール3Lの回転速度が定速回転速度に到達していないと判断した場合、メインCPU101は、再度ステップS1104の処理を実行する。一方、左リール3Lの回転速度が定速回転速度に到達したと判断した場合、メインCPU101は、左リール3Lの停止を許可する(ステップS1105)。この処理において、メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域(図21参照)のビット4に「1」を格納する。これにより、左ストップボタン8Lが有効化される。なお、上述したように、左リール3Lの回転速度が定速回転速度に達する前に、左ストップボタン8Lを有効化することとしてもよい(図254のステップS1062参照)。
続いて、メインCPU101は、ステップS1106~ステップS1111の処理を実行するが、これらの処理は、図254のステップS1063~ステップS1070の処理と基本的に同様の処理である。図254に示す通常疑似遊技中処理では、操作されたストップボタン8L,8C,8Rに対応するリール3L,3C,3Rが制御対象リールとして決定されるが、図256に示すリール演出後疑似遊技中処理では、左リール3Lが制御対象リールとなっている。ステップS1111の処理が実行されることにより、ステッピングモータ51Lの駆動が制御され、左リール3Lを上下に揺動させることができる(図249(f)参照)。その後、メインCPU101は、ロック演出終了フラグをオンにセットし(ステップS1112)、本サブルーチンを終了する。
<リール回転開始処理>
図257は、主制御回路において行われるリール回転開始処理を示すフローチャートである。
図257に示すリール回転開始処理は、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS10で行われる処理である。
リール回転開始処理において、まず、メインCPU101は、ランダム遅延フラグ(図251のステップS1028参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1121)。
ランダム遅延フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、ランダム遅延フラグがオンにセットされてから(ロック演出が終了してから)所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS1122)。所定時間が経過していないと判断した場合、メインCPU101は、再度ステップS1122の処理を実行する。一方、所定時間が経過したと判断した場合、メインCPU101は、ランダム遅延処理を実行する(ステップS1123)。上述したように、ランダム遅延処理は、ロック演出の後、各リール3L,3C,3Rに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である。ランダム遅延処理の詳細については、後に図258を用いて説明する。ステップS1123の処理を実行した後、メインCPU101は、ランダム遅延フラグをオフにセットし(ステップS1124)、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS1121においてランダム遅延フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、通常時加速処理を実行する(ステップS1125)。この処理は、図23(メイン処理)のステップS10で説明した通りの処理である。ステップS1125の処理において、メインCPU101は、ランダム遅延処理とは異なり、各リール3L,3C,3Rの回転の開始を同時に要求する。これにより、各リール3L,3C,3Rにおける回転の開始及び加速が同時に行われ、同時に定速に達する。ステップS1125の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
図257に示すリール回転開始処理では、ロック演出が終了すると、遊技者による操作を要することなく自動的にランダム遅延処理が実行されることとして説明している。しかし、ロック演出の終了後、遊技者による操作(例えば、スタートレバー7操作)が行われることを条件として、ランダム遅延処理が実行されることとしてもよい。この場合には、例えば、ステップS1122の判断結果が「YES」となったときに、上述した「レバーを叩け」画像(図256のステップS1101参照)をメイン表示装置210に表示させるとよい。その後、スタートレバー7が操作されると、スタートレバー7が操作されたタイミングでランダム遅延処理(ステップS1123の処理)を開始するように構成することが可能である。一方、「レバーを叩け」画像が表示された後、所定時間以内にスタートレバー7が操作されなかった場合には、所定時間が経過したタイミングでランダム遅延処理を開始するようにしてもよい。
<ランダム遅延処理>
図258は、主制御回路において行われるランダム遅延処理を示すフローチャートである。
図258に示すランダム遅延処理は、主制御回路100において図257(リール回転開始処理)のステップS1123で行われる処理である。
ランダム遅延処理において、まず、メインCPU101は、左リール用乱数値、中リール用乱数値、及び、右リール用乱数値をそれぞれ取得する(ステップS1141)。左リール用乱数値、中リール用乱数値、及び、右リール用乱数値は、それぞれ、各リール3L,3C,3Rの回転開始タイミングをランダムに決定するための乱数値である。ステップS1141の処理において、メインCPU101は、左リール用乱数値として0~20のうちの一の数値を取得し、中リール用乱数値として0~20のうちの一の数値を取得し、右リール用乱数値として0~20のうちの一の数値を取得する。
次に、メインCPU101は、左リール用乱数値、中リール用乱数値、及び、右リール用乱数値に対応する値を、それぞれ、左リール加速用タイマ、中リール加速用タイマ、及び、右リール加速用タイマにセットする(ステップS1142)。この処理において、メインCPU101は、左リール用乱数値に所定数(例えば、32)を乗じて得られる値を左リール加速用タイマにセットし、中リール用乱数値に所定数(例えば、32)を乗じて得られる値を中リール加速用タイマにセットし、右リール用乱数値に所定数(例えば、32)を乗じて得られる値を右リール加速用タイマにセットする。例えば、左リール用乱数値が5であれば、左リール加速用タイマに「160」をセットし、中リール用乱数値が10であれば、左リール加速用タイマに「320」をセットし、右リール用乱数値が15であれば、右リール加速用タイマに「480」をセットする。左リール加速用タイマ、中リール加速用タイマ、及び、右リール加速用タイマは、それぞれ、タイマ更新処理(図32のステップS206参照)により更新される。すなわち、左リール加速用タイマ、中リール加速用タイマ、及び、右リール加速用タイマは、それぞれ、定期割込処理(図32参照)が1回行われるごとに1減少する。
次に、メインCPU101は、左リール3Lが加速済みであるか否かを判断する(ステップS1143)。メインCPU101は、左リール加速済フラグ(ステップS1146参照)がオンにセットされている場合に、左リール3Lが加速済みであることを認識することができる。左リール3Lが加速済みではないと判断した場合、メインCPU101は、左リール加速用タイマが0であるか否かを判断する(ステップS1144)。左リール加速用タイマが0であると判断した場合、メインCPU101は、左リール加速処理を実行する(ステップS1145)。この処理において、メインCPU101は、通常時加速処理(図257のステップS1124参照)において左リール3Lを加速させる際に用いられる励磁パターンと同じ励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されるように制御を行う。そして、メインCPU101は、左リール加速済フラグをオンにセットする(ステップS1146)。
ステップS1143において左リール3Lが加速済みであると判断した場合、ステップS1144において左リール加速用タイマが0ではないと判断した場合、又は、ステップS1146の処理を実行した後、メインCPU101は、中リール3Cが加速済みであるか否かを判断する(ステップS1147)。メインCPU101は、中リール加速済フラグ(ステップS1150参照)がオンにセットされている場合に、中リール3Cが加速済みであることを認識することができる。中リール3Cが加速済みではないと判断した場合、メインCPU101は、中リール加速用タイマが0であるか否かを判断する(ステップS1148)。中リール加速用タイマが0であると判断した場合、メインCPU101は、中リール加速処理を実行する(ステップS1149)。この処理において、メインCPU101は、通常時加速処理(図257のステップS1124参照)において中リール3Cを加速させる際に用いられる励磁パターンと同じ励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されるように制御を行う。そして、メインCPU101は、中リール加速済フラグをオンにセットする(ステップS1150)。
ステップS1147において中リール3Cが加速済みであると判断した場合、ステップS1148において中リール加速用タイマが0ではないと判断した場合、又は、ステップS1150の処理を実行した後、メインCPU101は、右リール3Rが加速済みであるか否かを判断する(ステップS1151)。メインCPU101は、右リール加速済フラグ(ステップS1154参照)がオンにセットされている場合に、右リール3Rが加速済みであることを認識することができる。右リール3Rが加速済みではないと判断した場合、メインCPU101は、右リール加速用タイマが0であるか否かを判断する(ステップS1152)。右リール加速用タイマが0であると判断した場合、メインCPU101は、右リール加速処理を実行する(ステップS1153)。この処理において、メインCPU101は、通常時加速処理(図257のステップS1124参照)において右リール3Rを加速させる際に用いられる励磁パターンと同じ励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されるように制御を行う。そして、メインCPU101は、右リール加速済フラグをオンにセットする(ステップS1154)。
ステップS1151において右リール3Rが加速済みであると判断した場合、ステップS1152において右リール加速用タイマが0ではないと判断した場合、又は、ステップS1154の処理を実行した後、メインCPU101は、全てのリール3L,3C,3Rが加速済みであるか否かを判断する(ステップS1155)。メインCPU101は、左リール加速済フラグ、中リール加速済フラグ、及び、右リール加速済フラグが全てオンにセットされている場合に、全てのリール3L,3C,3Rが加速済みであることを認識することができる。少なくとも一のリール3が加速済みではないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS1143に処理を戻す。一方、全てのリール3L,3C,3Rが加速済みであると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上より、各リール3L,3C,3Rの回転開始タイミングは、ランダムに決定され、この点において、ランダム遅延処理(ロック演出が行われた場合におけるリール3L,3C,3Rの加速処理)は、通常時加速処理(ロック演出が行われなかった場合におけるリール3L,3C,3Rの加速処理)と異なっている。もっとも、回転後の各リール3L,3C,3Rの挙動(各リール3L,3C,3Rの回転が開始してから定速に達するまでの時間)は、ロック演出が行われた場合とロック演出が行われなかった場合とで同じとなっている。
<疑似遊技におけるリール制御状態>
図259~図261は、疑似遊技が行われる場合におけるリール制御状態の時間的変化の一例を示す図である。
図259及び図260では、ロック演出番号「3」(図243参照)に対応するロック演出が行われる場合における遊技者による操作とリール制御状態との関係性を示している。図261では、ロック演出番号「6」(図243参照)に対応するロック演出が行われる場合における遊技者による操作とリール制御状態との関係性を示している。図中、「加速」は、リール制御状態が加速制御状態であることを示し、「定速」は、リール制御状態が定速制御状態であることを示し、「減速」は、リール制御状態が減速制御状態であることを示し、「停止」は、リール制御状態が停止制御状態であることを示し、「揺動」は、リール制御状態が揺動制御状態であることを示す。
加速制御状態は、加速用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁される状態であり、定速制御状態は、定速用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁される状態であり、減速制御状態は、減速用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁される状態であり、停止制御状態は、停止用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁される状態であり、揺動制御状態は、揺動用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁される状態である。リール制御状態を示す情報(リール制御状態フラグ)は、メインRAM103のリール制御状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されている。メインCPU101は、リール制御状態フラグ格納領域を参照することにより、現在のリール制御状態を認識し、リール制御処理(図32のステップS203参照)において、当該リール制御状態に応じた励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されるように、各ステッピングモータ51L,51C,51Rを制御する。
図259に示す例では、スタートレバー7が操作されると、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態が加速制御状態となり、所定時間が経過すると、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態は、定速制御状態となる。その後、第1停止操作として何れかのストップボタン8が操作されると、当該停止操作の対象となったリール3(第1停止リール)に対するリール制御状態が減速制御状態となり、当該第1停止リールの回転が停止すると、当該第1停止リールのリール制御状態は、揺動制御状態となる。同様に、第2停止操作として何れかのストップボタン8が操作されると、当該停止操作の対象となったリール3(第2停止リール)に対するリール制御状態が減速制御状態となり、当該第2停止リールの回転が停止すると、当該第2停止リールのリール制御状態は、揺動制御状態となる。同様に、第3停止操作として何れかのストップボタン8が操作されると、当該停止操作の対象となったリール3(第3停止リール)に対するリール制御状態が減速制御状態となり、当該第3停止リールの回転が停止すると、当該第3停止リールのリール制御状態は、揺動制御状態となる。そして、全てのリール3L,3C,3Rに対するリール制御状態が揺動制御状態となった後、ランダム遅延処理が行われると、ランダムなタイミングで、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態が加速制御状態となり、その後、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態は、定速制御状態となる。
図260に示す例では、スタートレバー7が操作されると、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態が加速制御状態となり、所定時間が経過すると、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態は、定速制御状態となる。その後、第1停止操作として何れかのストップボタン8が操作されると、当該停止操作の対象となったリール3(第1停止リール)に対するリール制御状態が減速制御状態となり、当該第1停止リールの回転が停止すると、当該第1停止リールのリール制御状態は、揺動制御状態となる。同様に、第2停止操作として何れかのストップボタン8が操作されると、当該停止操作の対象となったリール3(第2停止リール)に対するリール制御状態が減速制御状態となり、当該第2停止リールの回転が停止すると、当該第2停止リールのリール制御状態は、揺動制御状態となる。同様に、第3停止操作として何れかのストップボタン8が操作されると、当該停止操作の対象となったリール3(第3停止リール)に対するリール制御状態が減速制御状態となり、当該第3停止リールの回転が停止すると、当該第3停止リールのリール制御状態は、揺動制御状態となる。そして、全てのリール3L,3C,3Rに対するリール制御状態が揺動制御状態となってから所定時間が経過したときに、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態が停止制御状態となる。その後、ランダム遅延処理が行われると、ランダムなタイミングで、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態が加速制御状態となり、その後、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態は、定速制御状態となる。
以上のように、ランダム遅延処理が行われるとき、図259に示す例では、揺動制御状態から加速制御状態に直接移行させることとしているのに対し、図260に示す例では、揺動制御状態からいったん停止制御状態に移行させ、その後、停止制御状態から加速制御状態に移行させることとしている。本実施形態では、このように、揺動制御状態と加速制御状態との間に停止制御状態を介在させてもよいし介在させなくてもよい。停止制御状態を介在させる場合、揺動制御状態から停止制御状態に移行させるタイミングは、特に限定されない。例えば、図257のステップS1122の判断結果が「YES」となったときに、全てのリール3L,3C,3Rに対するリール制御状態を揺動制御状態から停止制御状態に移行させることとしてもよい。また、疑似遊技からメイン遊技に移行させる際に(例えば、図257のステップS1122の判断結果が「YES」となったときに)、上述した「レバーを叩け」画像(図256のステップS1101参照)をメイン表示装置210に表示させることとし、スタートレバー7が操作されたときに、全てのリール3L,3C,3Rに対するリール制御状態を揺動制御状態から停止制御状態に移行させることとしてもよい。これらの場合には、停止制御状態に移行するタイミングで、各リール3L,3C,3Rの揺動が同時に終了することになる。当該タイミングは、ランダム遅延処理(図257のステップS1123参照)が開始される前であってもよいし、ランダム遅延処理が開始された後であってもよい。一方で、本実施形態では、リール3ごとに異なるタイミングで(停止操作が行われた順序で)、揺動を終了させることとしてもよい。例えば、それぞれのリール3について、リール制御状態が揺動制御状態に移行してから(回転が停止してから)所定時間が経過したときに、揺動制御状態から停止制御状態に移行させることとしてもよい。
図261に示す例では、スタートレバー7が操作されると、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態が加速制御状態となり、所定時間が経過すると、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態は、定速制御状態となる。その後、所定時間が経過すると、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)、第1停止リール(例えば、右リール3R)に対するリール制御状態が減速制御状態を経て停止制御状態となる。同様に、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)、第2停止リール(例えば、中リール3C)に対するリール制御状態が減速制御状態を経て停止制御状態となる。同様に、遊技者の停止操作によらずして(自動的に)、第3停止リール(例えば、左リール3L)に対するリール制御状態が減速制御状態を経て停止制御状態となる。その後、上述した「レバーを叩け」画像(図256のステップS1101参照)がメイン表示装置210に表示され、スタートレバー7が操作されると、第3停止リール(例えば、左リール3L)に対するリール制御状態が加速制御状態を経て定速制御状態となる。そして、第3停止リールに対応するストップボタン8(例えば、左ストップボタン8L)が操作されると、当該停止操作の対象となったリール3(第3停止リール)に対するリール制御状態が減速制御状態となり、当該第3停止リールの回転が停止すると、当該第3停止リールのリール制御状態は、揺動制御状態となる。その後、ランダム遅延処理が行われると、ランダムなタイミングで、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態が加速制御状態となり、その後、各リール3L,3C,3Rに対するリール制御状態は、定速制御状態となる。
以上のように、図261に示す例では、第1停止リール(例えば、右リール3R)及び第2停止リール(例えば、中リール3C)の回転が自動的に停止されるところ、これらのリールについては、停止後にリール制御状態が揺動制御状態とならないこととしている。このように、本実施形態においては、遊技者の停止操作によらずして一のリール3が停止する場合、当該リール3を揺動させないように構成することが可能である。例えば、第1停止リール(例えば、右リール3R)及び第2停止リール(例えば、中リール3C)の回転が自動的に停止された後、遊技者の停止操作に応じて第3停止リール(例えば、左リール3L)の回転が停止される場合、第1停止リール(例えば、右リール3R)及び第2停止リール(例えば、中リール3C)が停止したときにはこれらのリール3を揺動させない一方、第3停止リール(例えば、左リール3L)が停止したときには当該リール3を揺動させることとしてもよい。この場合、図261に示す例のように、第3停止リール(例えば、左リール3L)をいったん自動的に停止させ、再回転後に行われる停止操作に応じて当該第3停止リールを再度停止させてもよいし、第3停止リール(例えば、左リール3L)をいったん自動的に停止させることなく、(再回転を経由することなく最初から)停止操作に応じて第3停止リール(例えば、左リール3L)を停止させることとしてもよい。同様に、第1停止リール(例えば、右リール3R)の回転が自動的に停止された後、遊技者の停止操作に応じて第2停止リール(例えば、中リール3C)及び第3停止リール(例えば、左リール3L)の回転が停止される場合、第1停止リール(例えば、右リール3R)が停止したときには当該リール3を揺動させない一方、第2停止リール(例えば、中リール3C)及び第3停止リール(例えば、左リール3L)が停止したときにはこれらのリール3を揺動させることとしてもよい。以上では、先に停止されるリール3が自動的に停止され、後で停止されるリール3が遊技者の停止操作に応じて停止されることとして説明したが、逆に、先に停止されるリール3が遊技者の停止操作に応じて停止され、後で停止されるリール3が自動的に停止されることとしてもよい。
なお、本実施形態においては、遊技者の停止操作によらずして一のリール3が停止する場合であっても、当該リール3を揺動させるように構成することも可能である。例えば、図261に示すような態様で第1停止リール(例えば、右リール3R)~第3停止リール(例えば、左リール3L)の回転が自動的に停止される場合、第1停止リール(例えば、右リール3R)が停止したときに第1停止リール(例えば、右リール3R)を揺動させ、第2停止リール(例えば、中リール3C)が停止したときに第2停止リール(例えば、中リール3C)を揺動させ、第3停止リール(例えば、左リール3L)が停止したときに第3停止リール(例えば、左リール3L)を揺動させることとしてもよい。
図259~図261では、遊技者が一のストップボタン8を操作し、当該ストップボタン8が操作状態から非操作状態に変化した(ストップスイッチ8Sがオン状態からオフ状態に変化した、すなわち、オフエッジとなった)後、当該ストップボタン8に対応するリール3に対するリール制御状態が揺動制御状態となるものとして図示した。本実施形態では、ストップボタン8が操作状態から非操作状態に変化した(オフエッジとなった)ときに当該ストップボタン8に対応するリール3の揺動を開始してもよいし、ストップボタン8が非操作状態から操作状態に変化した(ストップスイッチ8Sがオフ状態からオン状態に変化した、すなわち、オンエッジとなった)ときに当該ストップボタン8に対応するリール3の揺動を開始してもよい。例えば、第1停止操作のオンエッジ時(第1停止リールの揺動無し)→第1停止操作のオフエッジ時(第1停止リールの揺動開始)→第2停止操作のオンエッジ時(第2停止リールの揺動無し)→第2停止操作のオフエッジ時(第2停止リールの揺動開始)→第3停止操作のオンエッジ時(第3停止リールの揺動無し)→第3停止操作のオフエッジ時(第3停止リールの揺動開始)となるように構成してもよい。
また、本実施形態では、遊技者の停止操作に応じて第1停止リール(例えば、右リール3R)~第3停止リール(例えば、左リール3L)の回転が停止される場合(図259及び図260参照)、第1停止リール(例えば、右リール3R)及び第2停止リール(例えば、中リール3C)が停止したときにはこれらのリール3を揺動させず、第3停止リール(例えば、左リール3L)が停止したときに全てのリール3を揺動させることとしてもよい。例えば、第3停止リール(例えば、左リール3L)に対応するストップスイッチ8Sのオフエッジが検出されたときに、全てのリール3を揺動させることとしてもよい。あるいは、このとき、第1停止リール(例えば、右リール3R)及び第2停止リール(例えば、中リール3C)は揺動させず、第3停止リール(例えば、左リール3L)のみを揺動させることとしてもよい。例えば、第1停止操作のオンエッジ時(第1停止リールの揺動無し)→第1停止操作のオフエッジ時(第1停止リールの揺動無し)→第2停止操作のオンエッジ時(第2停止リールの揺動無し)→第2停止操作のオフエッジ時(第2停止リールの揺動無し)→第3停止操作のオンエッジ時(第3停止リールの揺動無し)→第3停止操作のオフエッジ時(全てのリールの揺動開始)となるように構成してもよい。
以上、本発明の一実施形態として、第8実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
<付記C>
従来、当籤役抽籤の結果を報知するためのメインリールと、演出用のサブリールと、を備えた遊技機が知られている(特開2010-214050号公報参照)。サブリールは、メインリールよりも大型に形成されるとともに、目立つ位置に配置され、また、遊技者にとって識別しやすい図柄が識別しやすい配列で配置されている。これにより、サブリールがあたかも中心的なリールであるかのように遊技者に見せている。
このようなサブリールを備える遊技機においては、遊技者が停止操作を行うことで、メインリールでは実行することが困難な態様(例えば、逆回転やコマ送り等)でサブリールを回転させた後に停止させるリール演出が実行されることがある。
一方、メインリールのみを備える遊技機においても、このようなリールを用いた演出(遊技者が停止操作を行うことでリールが停止するが、停止されたリールの表示態様に応じた遊技媒体(メダル等)を付与しない演出)を実行することが望まれている。しかしながら、メインリールにおいてこのような演出(疑似遊技)が行われる場合、遊技者がメイン遊技と誤認してしまう恐れがある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、メインリールにおいて疑似遊技が行われても、遊技者がメイン遊技と誤認してしまうことを防止することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第8実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(C-1) 複数の図柄が施され、回転駆動可能な複数のリール(リール3L,3C,3R)と、
遊技者による停止操作の検出を行うことが可能な停止操作検出手段(ストップスイッチ8S)と、
前記リールを制御するリール制御手段(図32のステップS203の処理等を実行するメインCPU101)と、を備え、
前記リール制御手段は、前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出された場合に、回転中の前記リールを停止させる停止操作後停止制御を実行可能であり、
前記停止操作後停止制御により前記リールが停止された場合に前記複数のリールの図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)又は遊技媒体データを付与し得るメイン遊技と、前記停止操作後停止制御により前記リールが停止された場合に前記複数のリールの図柄態様に応じた遊技媒体又は遊技媒体データを付与しない疑似遊技と、を実行可能であり、
前記リール制御手段(図254のステップS1070の処理、図255のステップS1083の処理、図256のステップS1111の処理等を実行するメインCPU101)は、前記停止操作後停止制御により停止された前記リールを動作させる停止後動作制御(揺動制御)を実行可能であり、前記疑似遊技において所定の条件(T1とT2との合計時間の経過)を満たした場合に前記停止後動作制御を実行する、
ことを特徴とする遊技機。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)又は遊技媒体(メダル)データを付与し得るメイン遊技と、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)又は遊技媒体(メダル)データを付与しない疑似遊技と、を実行可能である。そして、停止操作後停止制御により停止されたリールを動作させる停止後動作制御(揺動制御)を実行可能であり、疑似遊技において所定の条件(T1とT2との合計時間の経過)を満たした場合に停止後動作制御(揺動制御)を実行するように構成されている。これにより、停止後動作制御(揺動制御)を通じて、現在行われている遊技が疑似遊技であることを遊技者に認識させることが可能であり、遊技者が当該遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを防止することができる。
第8実施形態では、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)乃至1G連抽籤(AT上乗せ抽籤)に当籤した場合に、疑似遊技が実行され得ることとして説明した。疑似遊技を発生させるための条件は、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)乃至1G連抽籤(AT上乗せ抽籤)に当籤することに限定されず、遊技者に対して特典(例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(有利状態)の発生を許容する権利)を付与することが決定された場合に適宜疑似遊技を発生させることが可能である。例えば、特定の役が内部当籤役として決定された場合に疑似遊技を発生させることとしてもよいし、特定の図柄組合せが停止表示された場合に疑似遊技を発生させることとしてもよい。特定の役としては、例えば、有利状態への移行が確定する役や有利状態への移行に高確率で当籤し得る役(レア役)を採用することができる。特定の図柄組合せとしては、例えば、有利状態への移行が確定する図柄組合せや有利状態への移行に高確率で当籤し得る図柄組合せを採用することができる。有利状態としては、第1実施形態で説明したような遊技状態を適宜採用することが可能であり、疑似ボーナス(AT状態)の他に、例えば、ボーナス状態を挙げることができる。また、有利区間を有利状態として採用し、非有利区間から有利区間に移行することが決定された場合(有利区間移行抽籤に当籤した場合)に、疑似遊技が実行され得ることとしてもよい。
また、一の単位遊技(1回のメイン処理(図23参照)が開始してから終了するまでの期間)において上記権利を付与することが決定された場合(例えば、AT抽籤に当籤した場合)、疑似遊技は、当該単位遊技(当籤ゲーム)において実行してもよいし、当該単位遊技(当籤ゲーム)よりも所定回数(例えば、3回)後の単位遊技において実行してもよい。例えば、スタートレバー7の操作を契機とする内部抽籤の結果に基づいて疑似遊技を発生させることが決定された場合、当該決定の直後に疑似遊技を実行することとしてもよいし、当該決定が行われた単位遊技(当籤ゲーム)よりも所定回数(例えば、3回)後の単位遊技におけるスタートレバー7操作を契機として疑似遊技を実行することとしてもよい。また、特定の図柄組合せが停止表示されたことに基づいて疑似遊技を発生させることが決定された場合、当該決定が行われた単位遊技(当籤ゲーム)の次の単位遊技におけるスタートレバー7操作を契機として疑似遊技を実行することとしてもよいし、当該決定が行われた単位遊技(当籤ゲーム)よりも所定回数(例えば、3回)後の単位遊技におけるスタートレバー7操作を契機として疑似遊技を実行することとしてもよい。これらの場合、スタートレバー7が操作されなくても、疑似遊技を実行することとしてもよい。当籤ゲームにおいて疑似遊技を実行せず、当籤ゲーム以降の単位遊技において疑似遊技を実行する場合には、当籤ゲーム以降疑似遊技を実行するまでの間に、有利状態への移行が示唆される前兆演出(例えば、第1実施形態で説明したAT前兆演出)を実行することとしてもよい。これにより、例えば、特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示されたことに基づいて疑似遊技を発生させることが決定された状況において、すぐに疑似遊技が行われる場合、1ゲーム後に疑似遊技が行われる場合、2ゲーム後に疑似遊技が行われる場合、3ゲーム後に疑似遊技が行われる場合等、疑似遊技の開始タイミングにバリエーションを持たせることが可能であり、疑似遊技がいつ行われるのかについて、遊技者に期待感を抱かせることができる。
また、第8実施形態では、スタートレバー7が操作されたとき(第1停止操作が行われる前)に疑似遊技を実行することとして説明した。疑似遊技を実行するタイミングは、特に限定されず、スタートレバー7が操作されたとき(第1停止操作が行われる前)であってもよいし、第1停止操作が行われたとき(第2停止操作が行われる前)であってもよいし、第2停止操作が行われたとき(第3停止操作が行われる前)であってもよいし、第3停止操作が行われたとき(次回の単位遊技におけるスタートレバー7操作が行われる前)であってもよい。また、スタートレバー7が操作された後、全リール3L,3C,3Rの回転速度が定速回転速度に達する前にストップボタン8が操作されたことを条件として、疑似遊技に移行させることとしてもよい。すなわち、全リール3L,3C,3Rの回転速度が定速回転速度に達する前にストップボタン8が操作された場合には、当該ストップボタン8の操作を疑似遊技用の第1停止操作として扱う一方、全リール3L,3C,3Rの回転速度が定速回転速度に達した後にストップボタン8が操作された場合には、当該ストップボタン8の操作をメイン遊技用の第1停止操作として扱うこととしてもよい。
なお、以上では、有利状態の発生を許容する権利を付与することが決定された場合に疑似遊技を発生させることとして説明したが、疑似遊技を発生させるか否かを決定するための抽籤(疑似遊技発生抽籤)を行い、当該疑似遊技発生抽籤に当籤した場合に、疑似遊技を発生させるとともに、有利状態の発生を許容する権利を付与することとしてもよい。この場合には、例えば、上述した疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に代えて、疑似遊技発生抽籤を行うとよい。例えば、上述した有利区間当籤時サブフラグ乃至有利区間入賞時サブフラグに基づいて疑似遊技発生抽籤の結果(当籤又は非当籤)が決定されるように構成することが可能である。
また、第8実施形態では、疑似遊技において所定の条件(T1とT2との合計時間の経過)を満たした場合に停止後動作制御(揺動制御)を実行することとして説明した。停止後動作制御(揺動制御)としては、上述した励磁パターンIに基づく励磁制御を採用することが可能である。停止後動作制御(揺動制御)は、500ms未満の範囲でリール3に何らかの動作を行わせる制御である限り、特に限定されず、所定の条件としても任意の条件を適宜採用することが可能である。すなわち、揺動用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されているときには常に、一の励磁パターンの保持時間が500msに達する前に他の励磁パターンに切り換える(一の励磁パターンの保持時間を500ms未満とする)ことが望ましい。当該励磁パターンの切り換え(位相信号の変化)は、回胴の速度を物理的に変化させるための制御である。励磁パターンの切り換えが行われている場合であっても、当該切り換えが回胴の速度を物理的に変化させるために用いられていない場合、又は、当該切り換えによる回胴の物理的な速度変化を人為的に阻害していると認められる場合には、当該切り換えが行われていないものとして扱うとよい。なお、揺動用の励磁パターンに基づいて励磁相が励磁されているときには、リール3が微動しているが、本明細書では、このときのリール3の状態を「仮停止」乃至「停止」と表現することがある。
パチスロ機1において物理的なメダルを用いて遊技が行われる場合、メイン遊技は、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)を付与し得る遊技であり、疑似遊技は、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)を付与しない遊技である。一方、パチスロ機1が第1実施形態で説明したメダルレス遊技機である場合、メイン遊技は、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)データを付与し得る遊技であり、疑似遊技は、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)データを付与しない遊技である。遊技媒体(メダル)データは、遊技者が保有する遊技価値に相当するデータであり、第1実施形態で説明したように、電磁的に(あるいは、遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で)管理されるものである。
(C-2) 前記(C-1)の遊技機であって、
前記停止操作後停止制御によらずに前記リールが停止される回胴演出(リール演出)を実行可能であり、
前記リール制御手段は、前記回胴演出においては前記停止後動作制御を実行しない一方、前記疑似遊技においては前記停止後動作制御を実行することが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、停止操作後停止制御によらずに(遊技者による停止操作の検出が行われなくても)リールが停止される回胴演出(リール演出)を実行可能であり、回胴演出(リール演出)においては停止後動作制御(揺動制御)を実行しないように構成されている。回胴演出(リール演出)においては、遊技者が停止操作を行わなくてもリールが停止されるため、当該回胴演出(リール演出)を遊技者がメイン遊技と誤認してしまう可能性は、相対的に低くなっている。このような回胴演出(リール演出)においては停止後動作制御(揺動制御)を実行しないようにすることで、疑似遊技における停止後動作制御(揺動制御)を際立たせることが可能であり、結果として、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを効果的に防止することができる。
第8実施形態では、回胴演出(リール演出)が、遊技者が停止操作を行わなくてもリールが停止されるものであることとして説明した。回胴演出(リール演出)においてリールが停止される契機としては、遊技者による停止操作以外の契機を適宜採用することが可能である。例えば、リールの回転が開始されてから所定時間が経過したときに(自動的に)リールを停止させることとしてもよいし、メイン遊技において停止操作に用いられる操作部(ストップボタン8L,8C,8R)以外の操作部(例えば、スタートレバー7やベットボタン)が操作されたことを契機としてリールを停止させることとしてもよい。このような態様で(ストップボタン8を介することなく)リールを停止させる演出は、回胴演出(リール演出)と呼ぶことができる。回胴演出(リール演出)においては、停止後動作制御(揺動制御)を実行しないことが望ましいが、停止後動作制御(揺動制御)を実行することとしてもよい。
(C-3) 前記(C-1)又は(C-2)の遊技機であって、
前記リール制御手段は、前記停止後動作制御として、前記停止操作後停止制御により停止された前記リールを所定の周期で揺動させる揺動制御を実行可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、停止後動作制御(揺動制御)として、停止操作後停止制御により停止されたリールを所定の周期で揺動させる揺動制御を実行可能なように構成されている。このような揺動制御を通じて、揺動の周期に遊技者を着目させる斬新な演出を実現することが可能であるとともに、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを効果的に防止することができる。
揺動の周期は、特に限定されず、例えば、上述したT1とT2との合計時間を1周期として、所定の揺動パターンを繰り返すような揺動制御を実行する構成を採用することが可能である。もっとも、停止後動作制御(揺動制御)は、リールを周期的に動作させる制御に限定されず、リールを非周期的に動作させる制御であってもよい。例えば、第1の停止後動作制御(揺動制御)が行われてから第1の時間が経過したときに第2の停止後動作制御(揺動制御)を行い、第2の停止後動作制御(揺動制御)が行われてから第2の時間が経過したときに第3の停止後動作制御(揺動制御)を行う場合、第1の時間と第2の時間とが異なるようにしてもよい。例えば、励磁パターンIを時間T1(例えば、3割込時間)に亘って保持し、励磁パターンIIを時間T2(例えば、300割込時間)に亘って保持し、その後、励磁パターンI(又は、励磁パターンI及び励磁パターンIIとは異なる励磁パターンIII)を時間T3(例えば、5割込時間)に亘って保持するような構成を採用することが可能である。時間T3(例えば、5割込時間)が経過した後は、励磁パターンIIを時間T2(例えば、300割込時間)に亘って保持してもよいし、励磁パターンII(又は、励磁パターンI、励磁パターンII、及び、励磁パターンIIIとは異なる励磁パターンIV)を時間T4(例えば、200割込時間)に亘って保持してもよい。
(C-4) 前記(C-1)~(C-3)の何れかの遊技機であって、
前記リール制御手段は、前記停止後動作制御を実行することにより、前記停止操作後停止制御により停止された前記リールが動作する状態と該動作が中断する状態とを繰り返し発生させることが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、停止後動作制御(揺動制御)を実行することにより、停止操作後停止制御により停止されたリールが動作する状態と該動作が中断する状態とを繰り返し発生させることが可能なように構成されている。これにより、リールの動作を通じて、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを防止することが可能であるとともに、当該動作が中断する期間を設けることで、リールが停止(仮停止)したことを遊技者に明確に認識させ、リールが停止(仮停止)したかどうかが分からず遊技者に混乱を来してしまうことを回避することができる。
リールの動作が中断する状態は、一の励磁パターンを所定期間に亘って保持することにより、発生させることができる。当該所定期間は、例えば、100~490ms(あるいは、200~450ms)程度の時間とすることが可能である。もっとも、停止後動作制御(揺動制御)は、リールの動作が中断する状態を発生させるものに限定されず、リールの動作(例えば、微振動)を継続させるものであってもよい。
(C-5) 前記(C-1)~(C-4)の何れかの遊技機であって、
前記リール制御手段(例えば、図258の処理等を実行するメインCPU101)は、
前記疑似遊技において前記複数のリールが停止された後、前記メイン遊技のために、前記複数のリールのうちの一の前記リールの回転を開始させ、さらに、該一のリールの回転開始タイミングよりも遅いタイミングで他の前記リールの回転を開始させることが可能であり、
該一のリールの回転を開始させた後、該他のリールの回転を開始させるまで、該他のリールに対する前記停止後動作制御を継続することが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技において複数のリール(リール3L,3C,3R)が停止された後、メイン遊技のために、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの一のリールの回転を開始させ、さらに、該一のリールの回転開始タイミングよりも遅いタイミングで他のリールの回転を開始させることが可能である。そして、該一のリールの回転を開始させた後、該他のリールの回転を開始させるまで、該他のリールに対する停止後動作制御(揺動制御)を継続することが可能なように構成されている。これにより、該一のリールの回転を開始させた後も、疑似遊技が行われたことを遊技者に認識させることが可能であり、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを効果的に防止することができる。
もっとも、第8実施形態で説明したように、一のリールの回転を開始させた後、他のリールの回転を開始させるまでの間、該他のリールに対する停止後動作制御(揺動制御)を行わないこととしてもよい。例えば、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうち、ランダム遅延処理により何れか一のリールの回転が開始されるタイミングで(1つ目のリールが回転を開始するときに)、全てのリールに対する停止後動作制御(揺動制御)を終了することとしてもよい。ランダム遅延処理において、各リールの回転が開始される順序は、特に限定されず、ランダムに決定されることとしてもよいし、予め定められた順序(例えば、左リール3L→中リール3C→右リール3R)で回転が開始されることとしてもよい。予め定められた順序で各リールの回転を開始させる場合には、例えば、まずは、左リール加速用タイマをセットし、左リール加速用タイマが0となったときに左リール3Lの回転を開始させ、その後、中リール加速用タイマをセットし、中リール加速用タイマが0となったときに中リール3Cの回転を開始させ、その後、右リール加速用タイマをセットし、右リール加速用タイマが0となったときに右リール3Rの回転を開始させるようにすればよい。
(C-6) 前記(C-1)~(C-5)の何れかの遊技機であって、
前記リール制御手段は、
前記複数のリールのうちの一の前記リールを前記停止操作後停止制御によらずに停止させる一方、前記複数のリールのうちの他の前記リールを前記停止操作後停止制御により停止させることが可能であり、
該一のリールに対しては前記停止後動作制御を実行しない一方、該他のリールに対しては前記停止後動作制御を実行することが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの一のリールを停止操作後停止制御によらずに停止させる一方、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの他のリールを停止操作後停止制御により停止させることが可能である。そして、該一のリールに対しては停止後動作制御(揺動制御)を実行しない一方、該他のリールに対しては停止後動作制御(揺動制御)を実行することが可能なように構成されている。停止操作後停止制御によらずにリールが停止される場合、リールが停止されるに当たって停止操作が行われていないため、当該リールの停止を遊技者がメイン遊技と誤認してしまう可能性は、相対的に低くなっている。このような場合には停止後動作制御(揺動制御)を実行しないようにすることで、停止操作後停止制御によりリールが停止される場合における停止後動作制御(揺動制御)を際立たせることが可能であり、結果として、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを効果的に防止することができる。
上記一のリールが停止されるタイミングと上記他のリールが停止されるタイミングとは、何れのタイミングが先であってもよい。すなわち、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの一のリールを停止操作後停止制御によらずに停止させた後、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの他のリールを停止操作後停止制御により停止させることとしてもよいし、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの一のリールを停止操作後停止制御により停止させた後、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの他のリールを停止操作後停止制御によらずに停止させることとしてもよい。また、停止操作後停止制御により停止されるリールの個数、及び、停止操作後停止制御によらずに停止されるリールの個数は、特に限定されない。例えば、停止操作後停止制御により停止されるリールの個数を1とし、停止操作後停止制御によらずに停止されるリールの個数を2としてもよいし、停止操作後停止制御により停止されるリールの個数を2とし、停止操作後停止制御によらずに停止されるリールの個数を1としてもよい。
例えば、第1停止リール(例えば、左リール3L)及び第2停止リール(例えば、中リール3C)の回転が自動的に停止された後、遊技者の停止操作に応じて第3停止リール(例えば、右リール3R)の回転が停止される場合、第1停止リール(例えば、左リール3L)及び第2停止リール(例えば、中リール3C)が停止したときにはこれらのリール3を揺動させない一方、第3停止リール(例えば、右リール3R)が停止したときには当該リール3を揺動させることとしてもよい。また、遊技者の停止操作に応じて第1停止リール(例えば、左リール3L)の回転が停止された後、第2停止リール(例えば、中リール3C)及び第3停止リール(例えば、右リール3R)の回転が自動的に停止される場合、第1停止リール(例えば、左リール3L)が停止したときには当該リール3を揺動させる一方、第2停止リール(例えば、中リール3C)及び第3停止リール(例えば、右リール3R)が停止したときにはこれらのリール3を揺動させないこととしてもよい。
停止操作後停止制御によらずにリールが停止される場合、リールが停止される契機としては、遊技者による停止操作以外の契機を適宜採用することが可能である。例えば、リールの回転が開始されてから所定時間が経過したときに(自動的に)リールを停止させることとしてもよいし、メイン遊技において停止操作に用いられる操作部(ストップボタン8L,8C,8R)以外の操作部(例えば、スタートレバー7やベットボタン)が操作されたことを契機としてリールを停止させることとしてもよい。このような態様で(ストップボタン8を介することなく)リールを停止させる場合においては、停止後動作制御(揺動制御)を実行しないことが望ましいが、停止後動作制御(揺動制御)を実行することとしてもよい。
(C-7) 前記(C-1)~(C-6)の何れかの遊技機であって、
前記疑似遊技を実行する旨決定することが可能な疑似遊技決定手段(図250の処理を実行するメインCPU101)と、
所定の期間(有利区間)中における前記メイン遊技の進行に応じて更新され得る所定の変数(有利区間ゲーム数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値)が特定の条件(リミッタの作動条件)を満たした場合に、前記所定の期間を終了させることが可能な所定期間終了手段と、を備え、
前記疑似遊技決定手段は、前記所定の期間において前記疑似遊技を実行する旨決定することが可能である一方、前記所定の変数が前記特定の条件を満たす前の特定期間(準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動した後の期間)においては前記疑似遊技を実行する旨決定しない、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、所定の期間(有利区間)中におけるメイン遊技の進行に応じて更新され得る所定の変数(有利区間ゲーム数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値)が特定の条件(リミッタの作動条件)を満たした場合に、所定の期間(有利区間)を終了させることが可能である。そして、所定の期間(有利区間)において疑似遊技を実行する旨決定することが可能である一方、所定の変数(有利区間ゲーム数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値)が特定の条件を満たす前の特定期間(準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動した後の期間)においては疑似遊技を実行する旨決定しないように構成されている。疑似遊技が実行された場合には遊技者に対して期待感を抱かせると考えられるところ、特定期間(準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動した後の期間)においては、疑似遊技を実行しないことにより、当該期待感を過度に煽ってしまうことを抑制することができる。
特定期間は、準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動した後の期間に限定されず、所定の期間(有利区間)が終了する前の任意の期間において疑似遊技を実行する旨決定しないように構成することが可能である。特定期間としては、例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が所定の値(例えば、1200)以上である期間や、有利区間払出数カウンタの値が所定の値(例えば、1920)以上である期間等を採用することとしてもよい。これにより、所定の期間(有利区間)が終了するまでの残り遊技回数が所定回数以下となった場合や所定の期間(有利区間)が終了するまでの残り払出数が所定数以下となった場合には、疑似遊技が実行されないようにすることができる。あるいは、第1実施形態で説明したMYが所定数以上となった場合に、疑似遊技が実行されないようにしてもよい。なお、所定の期間は、有利区間に限定されず、非有利区間であってもよい。また、所定の期間が有利区間である場合、当該有利区間は、演出区間(有利区間・通常遊技)であってもよいし、増加区間(有利区間・疑似ボーナス)であってもよい。また、演出区間(有利区間・通常遊技)中の何れかのモードを所定の期間として採用してもよい。
(C-8) 前記(C-1)~(C-7)の何れかの遊技機であって、
遊技者による所定操作(スタートレバー7操作)の検出を行うことが可能な所定操作検出手段と、
前記所定操作を行うことを遊技者に促すための画像(「レバーを叩け」画像)を表示することが可能な表示手段(メイン表示装置210)と、を備え、
前記所定操作検出手段により前記所定操作が検出された場合に、前記疑似遊技を開始させることが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、所定操作(スタートレバー7操作)を行うことを遊技者に促すための画像(「レバーを叩け」画像)を表示することが可能であり、所定操作(スタートレバー7操作)が検出された場合に疑似遊技を開始させることが可能なように構成されている。これにより、自身の意思により遊技者を疑似遊技に参加させることが可能であり、疑似遊技に対する遊技者の関心を高めることができる。
第8実施形態では、リール演出が行われた後疑似遊技が行われる演出(ロック演出番号「6」に対応するロック演出)において、リール演出の終了後、所定操作(スタートレバー7操作)が行われたことを契機として疑似遊技に移行する(疑似遊技用の回転が開始される)こととして説明した。このように、所定操作(スタートレバー7操作)は、リール演出から疑似遊技に移行する契機として採用することができる。もっとも、所定操作(スタートレバー7操作)により疑似遊技に移行する場面は、この例に限定されない。例えば、疑似遊技が行われた後再度疑似遊技が行われる(疑似遊技が複数回繰り返し行われる)場合において、所定操作(スタートレバー7操作)が行われたことを契機として、次の疑似遊技に移行させることとしてもよい。
疑似遊技が複数回繰り返し行われる場合としては、例えば、AT状態の延長(上乗せ)に関する演出が行われる場合を挙げることができる。例えば、AT状態が200ゲーム上乗せされることが決定されている状況において、1回目の疑似遊技で「赤7」図柄が揃うとともにAT状態が100ゲーム上乗せされたことを示す画像を表示し、2回目の疑似遊技で「赤7」図柄が揃うとともにAT状態がさらに100ゲーム(合計200ゲーム)上乗せされたことを示す画像を表示し、3回目の疑似遊技で「赤7」図柄が揃わずAT状態の上乗せがこれ以上発生しなかった(上乗せゲーム数が200ゲームで終了した)ことを示す画像を表示するような演出を採用することが可能である。当該演出では、一の疑似遊技において特定の図柄組合せが停止表示された(例えば、「赤7」図柄が揃った)場合には、AT状態が所定ゲーム数上乗せされた(あるいは、1G連ストックが所定数付与された)ことを報知(示唆)するとともに、次の疑似遊技に移行可能とする一方、一の疑似遊技において特定の図柄組合せが停止表示されなかった(例えば、「赤7」図柄が揃わなかった)場合には、AT状態の上乗せがこれ以上行われなかった(あるいは、1G連ストックがこれ以上付与されなかった)ことを報知(示唆)するとともに、次の疑似遊技には移行しない(当該演出を終了する)ように構成することができる。これにより、疑似遊技を通じて、遊技者に対して、獲得した上乗せゲーム数(あるいは、1G連ストックの数)を小出しに報知(示唆)することが可能である。なお、以上では、疑似遊技が複数回繰り返し行われることとして説明したが、当該複数回の疑似遊技のうちの少なくとも一の疑似遊技に代えて、回胴演出(リール演出)を行うこととしてもよい。
また、第8実施形態では、ロック演出番号「3」~「5」のうちの何れかに対応するロック演出が選択された場合、通常のスタートレバー7操作(図25のステップS50参照)とは別途所定操作(スタートレバー7操作)を要することなく、自動的に疑似遊技が開始される(ロック演出用加速処理(図251のステップS1024参照)が実行されることにより、リール3L,3C,3Rの回転が開始される)こととして説明した。しかし、第9実施形態で説明するように、この場合においても、所定操作(スタートレバー7操作)が行われることを、疑似遊技が開始されるための条件として採用し、所定操作(スタートレバー7操作)が行われたことを契機として、疑似遊技を開始させることとしてもよい。上記所定操作(スタートレバー7操作)により疑似遊技に移行する場面としては、このような場面を採用することも可能である。
なお、疑似遊技に移行させるための所定操作(スタートレバー7操作)が行われなかった場合には、所定の待機時間が経過したことを契機として疑似遊技に移行させることとしてもよいし、そもそも疑似遊技に移行させないこととしてもよい。また、所定操作としては、特に限定されず、任意の操作部(例えば、スタートレバー7、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9等)の操作を適宜採用することが可能である。
(C-9) 前記(C-1)~(C-8)の何れかの遊技機であって、
前記停止操作後停止制御によらずに前記リールが停止される回胴演出(リール演出)を実行可能であり、
前記リール制御手段は、
前記回胴演出として、前記停止操作後停止制御によらずに前記複数のリールを停止させることが可能な回胴演出用リール制御手段と、
前記疑似遊技として、前記回胴演出用リール制御手段により停止された前記複数のリールのうちの少なくとも一の前記リールの回転を開始させた後、該少なくとも一のリールを前記停止操作後停止制御により停止させることが可能な疑似遊技用リール制御手段(図256の処理を実行するメインCPU101)と、を備え、
前記回胴演出用リール制御手段により停止された前記複数のリールに対しては前記停止後動作制御を実行しない一方、前記疑似遊技用リール制御手段により停止された前記少なくとも一のリールに対しては前記停止後動作制御を実行することが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、回胴演出(リール演出)として、停止操作後停止制御によらずに(遊技者による停止操作の検出が行われなくても)複数のリール(リール3L,3C,3R)を停止させることが可能であり、また、疑似遊技として、回胴演出(リール演出)において停止された複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの少なくとも一のリールの回転を開始させた後、該少なくとも一のリールを停止操作後停止制御により停止させることが可能である。そして、回胴演出(リール演出)において停止された複数のリール(リール3L,3C,3R)に対しては停止後動作制御(揺動制御)を実行しない一方、疑似遊技において停止された少なくとも一のリールに対しては停止後動作制御(揺動制御)を実行することが可能なように構成されている。回胴演出(リール演出)においては、遊技者が停止操作を行わなくてもリールが停止されるため、当該回胴演出(リール演出)を遊技者がメイン遊技と誤認してしまう可能性は、相対的に低くなっている。このような回胴演出(リール演出)においては停止後動作制御(揺動制御)を実行しないようにすることで、疑似遊技における停止後動作制御(揺動制御)を際立たせることが可能であり、結果として、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを効果的に防止することができる。
第8実施形態では、リール演出が行われた後疑似遊技が行われる演出(ロック演出番号「6」に対応するロック演出)において、疑似遊技では、回胴演出(リール演出)において停止された複数のリール(リール3L,3C,3R)のうち、一のリールの回転を開始させた後、該一のリールを停止操作後停止制御により停止させることとして説明した。疑似遊技において回転及び停止するリールの個数は、特に限定されず、1つであってもよいし、2つであってもよいし、3つ(全てのリール)であってもよい。本明細書において、「疑似遊技」は、全てのリールが停止操作後停止制御により停止され得るロック演出に限定されず、停止操作後停止制御により停止され得るリールが少なくとも1つ存在するロック演出については、広く「疑似遊技」と呼んでいる。疑似遊技において、回転するリールの個数と停止操作後停止制御により停止され得るリールの個数とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、一のリールのみが回転し、当該一のリールが停止操作後停止制御により停止され得るようなロック演出は、疑似遊技と呼ぶことができるし、全てのリールが回転し、少なくとも一のリールが停止操作後停止制御により停止され得るようなロック演出も、疑似遊技と呼ぶことができる。なお、疑似遊技において、リールの回転は、1回転(1周)に満たないものであってもよく、図柄数個分の回動(例えば、コマ送り)であってもよい。このように、回胴演出(リール演出)が行われた後疑似遊技が行われる場合、回胴演出(リール演出)においては、停止後動作制御(揺動制御)を実行しないことが望ましいが、停止後動作制御(揺動制御)を実行することとしてもよい。なお、回胴演出が行われた後疑似遊技が行われる場合、当該回胴演出は、リール演出を含むものであってもよいし、リール演出を含まないもの(単なるフリーズ)であってもよい。
(C-10) 前記(C-1)~(C-9)の何れかの遊技機であって、
前記停止操作後停止制御によらずに前記リールが停止される回胴演出(リール演出)を実行可能であり、
前記リール制御手段は、
前記疑似遊技として、前記停止操作後停止制御により前記複数のリールを停止させることが可能な疑似遊技用リール制御手段(図254の処理を実行するメインCPU101)と、
前記回胴演出として、前記疑似遊技用リール制御手段により停止された前記複数のリールのうちの少なくとも一の前記リールの回転を開始させた後、該少なくとも一のリールを前記停止操作後停止制御によらずに停止させることが可能な回胴演出用リール制御手段(図255の処理を実行するメインCPU101)と、を備え、
前記疑似遊技用リール制御手段により停止された前記複数のリールに対して前記停止後動作制御を実行し、前記回胴演出用リール制御手段により停止された前記少なくとも一のリールに対しても前記停止後動作制御を実行することが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技として、停止操作後停止制御により複数のリール(リール3L,3C,3R)を停止させることが可能であり、また、回胴演出(リール演出)として、疑似遊技において停止された複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの少なくとも一のリールの回転を開始させた後、該少なくとも一のリールを停止操作後停止制御によらずに(遊技者による停止操作の検出が行われなくても)停止させることが可能である。そして、疑似遊技において停止された複数のリール(リール3L,3C,3R)に対して停止後動作制御(揺動制御)を実行し、回胴演出(リール演出)において停止された少なくとも一のリールに対しても停止後動作制御(揺動制御)を実行することが可能なように構成されている。回胴演出(リール演出)においては、遊技者が停止操作を行わなくてもリールが停止されるため、当該回胴演出(リール演出)を遊技者がメイン遊技と誤認してしまう可能性は相対的に低いようにも考えられるが、回胴演出(リール演出)が疑似遊技に続いて行われる場合、当該回胴演出(リール演出)は疑似遊技と一体的なものとして、遊技者がメイン遊技と誤認してしまう可能性が存在すると言える。このような回胴演出(リール演出)において停止後動作制御(揺動制御)を実行することで、当該回胴演出(リール演出)を遊技者がメイン遊技と誤認してしまうことを効果的に防止することができる。
第8実施形態では、疑似遊技が行われた後リール演出が行われる演出(ロック演出番号「5」に対応するロック演出)において、回胴演出(リール演出)では、疑似遊技において停止された複数のリール(リール3L,3C,3R)のうち、一のリールの回転を開始させた後、該一のリールを停止操作後停止制御によらずに停止させることとして説明した。回胴演出(リール演出)において回転及び停止するリールの個数は、特に限定されず、1つであってもよいし、2つであってもよいし、3つ(全てのリール)であってもよい。本明細書において、「リール演出」は、全てのリールが停止操作後停止制御によらずに停止され得るロック演出に限定されず、停止操作後停止制御によらずに停止され得るリールが少なくとも1つ存在するロック演出については、広く「リール演出」と呼んでいる。リール演出において、回転するリールの個数と停止操作後停止制御によらずに停止され得るリールの個数とは同じである。すなわち、回転している全てのリールが停止操作後停止制御によらずに停止され得るようなロック演出は、リール演出と呼ぶことができる。一方、回転しているリールのうち少なくとも一のリールが停止操作後停止制御により停止され得るようなロック演出は、疑似遊技と呼ぶことができる。なお、リール演出において、リールの回転は、1回転(1周)に満たないものであってもよく、図柄数個分の回動(例えば、コマ送り)であってもよい。このように、疑似遊技が行われた後回胴演出(リール演出)が行われる場合、回胴演出(リール演出)においては、停止後動作制御(揺動制御)を実行することが望ましいが、停止後動作制御(揺動制御)を実行しないこととしてもよい。
(C-11) 前記(C-1)~(C-10)の何れかの遊技機であって、
前記複数のリールの図柄態様として特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止表示され得るように前記停止操作を行うことを遊技者に促すための画像(「7を狙え」演出画像1100)を表示することが可能な表示手段(メイン表示装置210)を備え、
前記特定の図柄組合せは、前記複数のリールのうちの一の前記リールにおける図柄が特定図柄(「赤7」図柄)であり、
前記リール制御手段は、前記疑似遊技において、該一のリールが前記停止操作後停止制御により停止されたとき、該一のリールにおいて前記特定図柄が表示され得るように前記停止後動作制御を実行することが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様として特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止表示され得るように停止操作を行うことを遊技者に促すための画像(「7を狙え」演出画像1100)を表示することが可能であり、特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)は、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの一のリールにおける図柄が特定図柄(「赤7」図柄)となっている。そして、疑似遊技において、該一のリールが停止操作後停止制御により停止されたとき、該一のリールにおいて特定図柄(「赤7」図柄)が表示され得るように停止後動作制御(揺動制御)を実行することが可能なように構成されている。これにより、停止後動作制御(揺動制御)を通じて、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを防止しつつ、特定図柄(「赤7」図柄)(特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)を構成する図柄)を遊技者に見せることが可能であり、特定図柄(「赤7」図柄)を介して遊技者に対して期待感を抱かせることができる。
第8実施形態で説明したように、停止後動作制御(揺動制御)を実行することにより、一のリールを揺動(振動)させたり、略完全に停止させたりすることができる。これにより、当該リールが振動の中心に位置している状態乃至当該リールが略完全に停止している状態において所定位置(有効ライン上)に存在する図柄を、当該リールが停止操作後停止制御により停止されたとき(例えば、図254のステップS1069参照)に所定位置(有効ライン上)に存在する図柄(例えば、図246(d)参照)と同じ図柄(例えば、「赤7」図柄)とすることが可能である。停止後動作制御(揺動制御)が実行されている期間中、当該図柄(例えば、「赤7」図柄)が所定位置(有効ライン上)に存在する時間は、他の図柄が所定位置(有効ライン上)に存在する時間と比較して長くなっている。第8実施形態では、第1実施形態と同様に、有効ラインが「センターライン」の1ラインのみとなっている。なお、特定の図柄組合せとしては、任意の図柄組合せを適宜採用することが可能であり、「赤7」図柄揃いの他、例えば、第9実施形態で説明する「BAR」図柄揃いであってもよい。また、特定の図柄組合せは、同じ図柄の組合せに限定されず、異なる図柄が含まれるものであってもよい。また、特定図柄としても、「赤7」図柄の他、「BAR」図柄等、任意の図柄を適宜採用することが可能である。
また、第1実施形態で説明したように、AT状態としては、例えば、疑似BB(ビッグボーナス)及び疑似RB(レギュラーボーナス)を採用することができる。そして、疑似BBに移行させることが決定された場合には、疑似遊技で第1の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示され、疑似RBに移行させることが決定された場合には、疑似遊技で第2の図柄組合せ(例えば、「BAR」図柄揃い)が停止表示されるようにしてもよい。その際、疑似BBに移行させることが決定された場合には、上述した「7を狙え」演出画像1100を表示させ、疑似RBに移行させることが決定された場合には、第9実施形態で説明する「BARを狙え」演出画像を表示させることとしてもよい。
さらに、疑似遊技で「赤7」図柄揃いが停止表示された場合には、疑似BB演出を行い、疑似遊技で「BAR」図柄揃いが停止表示された場合には、疑似RB演出を行うようにしてもよい。疑似BB演出では、疑似BB示唆画像(疑似BBに移行させることが決定されたことを示唆する画像)がメイン表示装置210に表示され、疑似RB演出では、疑似RB示唆画像(疑似RBに移行させることが決定されたことを示唆する画像)がメイン表示装置210に表示される。疑似遊技において停止表示された図柄を示す情報(停止位置情報)が主制御回路100から副制御回路200へと送信されることにより、副制御回路200は、疑似BB演出及び疑似RB演出を行うことができる。
また、第8実施形態で説明したように、疑似遊技においても、メイン遊技と同様に、停止開始位置及び滑り駒数に基づいて各リール3L,3C,3Rを停止させる制御を行うこととしてもよい。この場合には、例えば、ロック演出番号「3」に対応するロック演出が選択されていても、停止操作のタイミングが適切でなかった場合には、「赤7」図柄が揃わないことになる。仮に、少なくとも一のリールにおいて、停止操作のタイミングが適切でなかったことにより「赤7」図柄が停止表示されなかった場合、その後、当該リールにおいて回胴演出(リール演出)を行うことにより「赤7」図柄を停止表示させ、これにより、複数のリール(リール3L,3C,3R)において「赤7」図柄が揃うように構成してもよい。
なお、疑似遊技において「赤7」図柄が停止表示されない場合における停止操作後停止制御は、メイン遊技における停止操作後停止制御と同じ停止操作後停止制御であってもよいし、メイン遊技における停止操作後停止制御とは異なる停止操作後停止制御であってもよい。例えば、内部当籤役として赤7役(例えば、赤7リプレイ)を設け、当該赤7役に対応する図柄の組合せを「赤7-赤7-赤7」であることとする。そして、当該赤7役が内部当籤役として決定された場合には、メイン遊技において、左リール3Lの中段領域に「赤7」図柄が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「赤7」図柄が停止表示され、右リール3Rの中段領域に「赤7」図柄が停止表示されるように停止操作後停止制御を行う一方、当該赤7役が内部当籤役として決定されなかった場合には、メイン遊技において、左リール3Lの中段領域に「リプレイ」図柄が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「リプレイ」図柄が停止表示され、右リール3Rの中段領域に「赤7」図柄が停止表示されるように停止操作後停止制御を行うことが可能であることとする。このようなメイン遊技における停止操作後停止制御と同じ停止操作後停止制御を疑似遊技においても行うこととしてもよい。これにより、例えば、特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止表示され得るように停止操作を行うことを遊技者に促すための画像(「7を狙え」演出画像1100)が表示される演出(「赤7を狙え」演出)において、右リール3R→中リール3C→左リール3Lの順に、遊技者が「赤7」図柄を狙って停止操作を行ったとき、右リール3Rの中段領域に「赤7」図柄が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「リプレイ」図柄が停止表示され、左リール3Lの中段領域に「リプレイ」図柄が停止表示されるように停止操作後停止制御を行うこととしてもよい。
また、第8実施形態で説明したように、疑似遊技における最大滑り駒数は、メイン遊技における最大滑り駒数(例えば、「4」)よりも多いこととしてもよい。例えば、疑似遊技においては、20コマ制御を行う(停止操作が行われてから最大で図柄20個分リールを回転させた上で停止させる)こととしてもよい。この場合、疑似遊技において「赤7」図柄が停止表示されない場合に停止表示される図柄を、メイン遊技において小役を取りこぼした場合に停止表示される図柄と同じ図柄であることとしてもよい。例えば、第1実施形態で説明したように、内部当籤役として特定役(例えば、スイカ)が決定され得るようにし、当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。そして、当該スイカが内部当籤役として決定された場合、メイン遊技において、停止操作態様が適切(正解)である場合には、左リール3Lの中段領域に「スイカ」図柄が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「スイカ」図柄が停止表示され、右リール3Rの中段領域に「スイカ」図柄が停止表示される一方、停止操作態様が不適切(不正解)である(スイカを取りこぼした)場合には、左リール3Lの中段領域に「スイカ」図柄が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「スイカ」図柄が停止表示され、右リール3Rの中段領域に「リプレイ」図柄が停止表示されることとする。疑似遊技において「赤7」図柄が停止表示されない場合には、このようなメイン遊技において小役を取りこぼした場合に停止表示される図柄の組合せ(小役のこぼし目)と同じ図柄の組合せで停止表示されることとしてもよい。このような小役のこぼし目は、特に限定されず、スイカの他、ベル等の小役を取りこぼした場合に停止表示される図柄の組合せを適宜採用することが可能である。
また、上述したように、本発明においては、疑似遊技を発生(継続)させるか否かを決定するための抽籤(疑似遊技発生抽籤)を行い、当該疑似遊技発生抽籤に当籤した場合に、疑似遊技を発生(継続)させるとともに、有利状態の発生を許容する権利を付与することとしてもよい。また、疑似遊技が行われた後再度疑似遊技が行われる(疑似遊技が複数回繰り返し行われる)場合において、所定操作(スタートレバー7操作)が行われたことを契機として、次の疑似遊技に移行させることとしてもよく、疑似遊技が複数回繰り返し行われる場合としては、例えば、AT状態の延長(上乗せ)に関する演出が行われる場合を挙げることができる。以下のように、これらの構成を組み合わせることも可能である。
例えば、所定操作(スタートレバー7操作)を契機として疑似遊技に移行させ、当該疑似遊技において特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止表示されると、AT状態の延長(上乗せ)が行われ(上乗せゲーム数を示す画像を表示し)、その後、所定操作(スタートレバー7操作)を行うことを遊技者に促すための画像(「レバーを叩け」画像)が表示され、所定操作(スタートレバー7操作)を契機として疑似遊技に移行させる。このような態様で疑似遊技を繰り返し行うように構成することが可能である。ここで、一の疑似遊技において特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止表示された場合には、次の疑似遊技への移行が可能である(当該一の疑似遊技の結果として、AT状態の延長(上乗せ)が行われる)一方、一の疑似遊技において特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止表示されなかった場合には当該疑似遊技で終了する(当該一の疑似遊技の結果として、AT状態の延長(上乗せ)が行われない)こととし、一の疑似遊技が行われた後次の疑似遊技が行われるか否か(特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止表示されるか否か)を決定するための抽籤(疑似遊技発生抽籤)を行い、当該疑似遊技発生抽籤に当籤した場合に、一の疑似遊技において特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)を停止表示させるとともに、次の疑似遊技への移行が可能であるように構成してもよい。これにより、疑似遊技発生抽籤(疑似遊技継続抽籤)に当籤する限り、疑似遊技が繰り返し行われるとともに、AT状態の延長(上乗せ)が行われることになる。なお、上述したように、AT状態の遊技期間は、ゲーム数管理、セット数管理、払出数管理、差枚数管理、ナビ回数管理等によって管理され、これに対応して、AT状態の延長(上乗せ)においては、ゲーム数、セット数、払出数、差枚数管理、又は、ナビ回数等が上乗せされる。
AT状態の延長(上乗せ)が行われるための条件は、疑似遊技において特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が停止表示されることに限定されず、疑似遊技において任意の条件が成立した場合にAT状態の延長(上乗せ)が行われるように構成することが可能である。例えば、疑似遊技は、5回を1セットとして行われることとし、各疑似遊技においては、各リール3L,3C,3Rに対する停止操作の順序として正解の押し順が設定されるものとする。第9実施形態で説明する疑似遊技進行用ストップボタンと同様に、正解の押し順は、各疑似遊技において抽籤により決定することができる。一のセットの疑似遊技が開始されると、遊技者は、正解の押し順で停止操作を行うことを狙って5回の疑似遊技を行う。5回の疑似遊技が行われる間、正解の押し順で停止操作が行われる毎に(最大で5回)AT状態の延長(上乗せ)が行われる。そして、5回の疑似遊技が行われた後、疑似遊技を終了し、メイン遊技に移行する。このような構成を採用することができる。
また、一のセットの疑似遊技(5回の疑似遊技)において少なくとも1回正解の押し順で停止操作が行われた場合には、次のセットの疑似遊技(5回の疑似遊技)への移行が可能である(当該一のセットの疑似遊技の結果として、AT状態の延長(上乗せ)が行われる)一方、一のセットの疑似遊技(5回の疑似遊技)において1回も正解の押し順で停止操作が行われなかった場合には、当該セットの疑似遊技(5回の疑似遊技)で終了する(当該一のセットの疑似遊技の結果として、AT状態の延長(上乗せ)が行われない)ようにしてもよい。あるいは、一のセットを構成する5回の疑似遊技が行われる間、当該5回の疑似遊技のうちの一の疑似遊技において正解の押し順で停止操作が行われた場合には、次の疑似遊技への移行が可能である(当該一の疑似遊技の結果として、AT状態の延長(上乗せ)が行われる)一方、一の疑似遊技において正解の押し順で停止操作が行われなかった場合には、(5回の疑似遊技が全て消化されていなかったとしてもその時点で)当該疑似遊技で終了する(当該一の疑似遊技の結果として、AT状態の延長(上乗せ)が行われない)ようにしてもよい。また、正解の押し順で停止操作が行われたことによりAT状態の延長(上乗せ)が行われる場合、基本的には所定ゲーム数の上乗せが行われる一方、2回の疑似遊技において連続して正解の押し順で停止操作が行われた場合には、所定ゲーム数よりも多いゲーム数の上乗せが行われるようにしてもよい。さらに、正解の押し順で停止操作が行われた疑似遊技が連続する回数(連続成功回数)が増えるにつれて、上乗せゲーム数が段階的に増えるように構成してもよい。
以上のような正解の押し順で停止操作が行われたことによりAT状態の延長(上乗せ)が行われる態様(押し順当て)を採用する場合、このような押し順当てをメイン遊技で行おうとすると、押し順正解用の図柄組合せ、押し順不正解用の図柄組合せ、目押しミス用の図柄組合せ等のために新たにデータを作成する必要があり、また、これらの図柄組合せ用のリール配列やリール停止制御等のために新たにデータを作成する必要があり、データ量が増大してしまう。この点、このような押し順当てを疑似遊技で行う場合には、メイン遊技のように内部当籤役に対応する図柄組合せ等に限定されることなく、任意の図柄組合せを自由に停止させることが可能であるため、データ量を増大させることなく押し順当てを実現することができる。また、これにより節約したデータ容量を用いて新たな遊技性を追加し興趣を高める余地も創出することができる。
以上で説明したようなAT状態の延長(上乗せ)は、AT状態において疑似遊技が行われた場合に行うことが可能である。以下、このようなAT状態について、具体例を示して説明する。
この例では、遊技者が遊技を行う状態として、遊技者にとって有利な有利遊技状態であるAT遊技と、AT遊技よりも相対的に不利な通常遊技状態である通常遊技とに大別される。通常遊技からAT遊技への移行は、AT遊技終了後の遊技回数が天井ゲーム数に至ったこと(天井ゲーム数消化)、確定役に当籤したこと(確定役当籤)、メインCZ状態において特定のリールアクションが決定されたこと(CZ成功)を契機として行われることとなる。
「確定役」とは、AT遊技が開始されることが確定する役を意味し、ここでは、「チェリーリプ」、「強チェリーリプ」及び「強ベル」を示すものとする。確定役当籤により通常遊技からAT遊技に移行する場合には、まず、確定役に当籤したことに基づいて、AT遊技の基本継続回数が付与(AT管理用差枚数カウンタに150が加算)される。その後、確定役の種別に応じて、複数種類のリールアクションのなかからリールアクション(特別リールアクション)が決定され、決定されたリールアクションに応じたAT遊技の付加継続回数が付与(AT管理用差枚数カウンタに300、400又は500が加算)されることとなる。なお、リールアクションは、以上で説明した回胴演出(リール演出)である。
また、通常遊技において、「強チャンスリプ」(レア役)が内部当籤役として決定され、「特殊リプA1~6」又は「特殊リプB」のいずれかに入賞(強チャンスリプ成立)すると、メインCPU101の制御により演出遊技状態が「通常遊技状態」から「メインCZ状態1」に移行し、8ゲームの間、メインCZ状態となる。そして、演出遊技状態が「メインCZ状態1」、又はその後移行する「メインCZ状態2」である場合に、特定のリールアクションが決定され、実行されるとCZ成功となり、通常遊技からAT遊技に移行することとなっている。
AT遊技に移行すると、AT管理用差枚数カウンタの値が0以下となる(AT回数を消化する)まで、遊技者にとって有利となる停止操作の手順が報知されることとなり、その報知にしたがって停止操作を行うことにより、遊技者はメダルを増加させることができる。具体的に、AT中において、「押し順小役」である「中左右ベル」、「中右左ベル」「右左中ベル」及び「右中左ベル」が内部当籤役として決定された場合に、7枚のメダルが払い出されることとなる停止操作順序を報知することとしている。
ここで、AT遊技中の状態として、AT回数(AT管理用差枚数カウンタの値)を加算させることができる疑似確変状態が設けられている。具体的に、AT遊技において、「ベルリプ1~4」のいずれかが内部当籤役として決定され、疑似確変状態の移行抽籤に当籤すると、特定のリールアクションが実行され、メインCPU101の制御により疑似確変状態に移行する。この疑似確変状態では、遊技開始時ロックが1回実行される場合の疑似遊技回数が決定され、決定された回数の疑似遊技を行うことができる。なお、疑似遊技回数の決定に際しては、複数回の疑似遊技回数が決定可能となっている。
ここで、疑似遊技は、遊技開始時ロック中のベットボタン(MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)への操作(疑似投入操作)、スタートレバー(スタートレバー7)への操作(疑似開始操作)、疑似内部当籤役の決定、ストップボタン(ストップボタン8L,8C,8R)への操作(疑似停止操作)が行われることにより、その進行が制御されるものであり、あたかも通常遊技(メイン遊技)と同様に遊技が進行しているかのように遊技者に印象付けることができる。なお、疑似内部当籤役の決定は、通常遊技における内部当籤役の決定と同様に、疑似開始操作に基づいて行われる。
そして、疑似確変状態においては、決定された内部当籤役に基づいてAT回数(AT管理用差枚数カウンタの値)の上乗せ抽籤が行われるとともに、決定された疑似内部当籤役に基づいてAT回数(AT管理用差枚数カウンタの値)の上乗せ抽籤が行われることとなる。疑似内部当籤役の決定は、疑似開始操作に基づいて行われる態様に限定されず、例えば、疑似投入操作又は疑似停止操作(特に、第1停止操作に係る疑似停止操作)に基づいて行われることとしてもよい。これに伴い、AT回数の上乗せ抽籤が行われるタイミングも、疑似開始操作が行われたタイミングに限定されず、疑似投入操作又は疑似停止操作(特に、第1停止操作に係る疑似停止操作)が行われたタイミングであってもよい。また、疑似遊技において全てのリール3L,3C,3Rが停止(疑似停止)したタイミング(疑似内部当籤役に対応する図柄組合せが停止表示されたタイミング)において、AT回数の上乗せ抽籤を行うこととしてもよい。この場合、疑似停止により表示された図柄組合せ(疑似図柄組合せ)に基づいてAT回数の上乗せ抽籤を行うこととしてもよい。上乗せ抽籤が行われると、抽籤結果(AT回数)がAT管理用差枚数カウンタの値に加算される。
また、疑似確変状態には、「疑似確変状態1」(第1のモード)と、「疑似確変状態1」(第1のモード)よりも相対的に多くの疑似遊技回数が決定される「疑似確変状態2」(第2のモード)とがあり、所定の移行条件の成立(例えば、高確移行抽籤に当籤したこと)に基づいて、「疑似確変状態1」(第1のモード)から「疑似確変状態2」(第2のモード)に移行することとなる。この「疑似確変状態2」(第2のモード)では、疑似遊技が実行される場合には、必ず2回以上の疑似遊技回数が決定されることとなるため、疑似内部当籤役に基づくAT回数の上乗せ抽籤の機会を複数回享受させることができ、疑似確変状態という遊技者に有利な上乗せ抽籤状態を多様化させることができる。
また、「疑似確変状態2」(第2のモード)から「疑似確変状態1」(第1のモード)への移行は、実際に疑似遊技が行われた回数(高確保障ゲーム数)に基づいて行われるため、「疑似確変状態2」(第2のモード)における疑似遊技に基づくAT回数の上乗せ抽籤の機会を確実に享受させることができる。なお、疑似確変状態への移行は、AT遊技中のみならず、通常遊技中にも実行されることとしてもよい。この場合は、決定された内部当籤役に基づいてAT遊技、又はメインCZ状態への移行抽籤が行われるとともに、決定された疑似内部当籤役に基づいてAT遊技、又はメインCZ状態への移行抽籤が行われることとすればよい。
以上で説明したように、疑似確変状態は、一の単位遊技において複数回の疑似遊技を実行可能な状態である。複数回の疑似遊技は、例えば、図23(メイン処理)のステップS8(遊技開始時メイン側演出制御処理)において行うことが可能である。そして、疑似遊技の結果に基づいてAT状態の延長(上乗せ)が行われることから、疑似確変状態は、AT状態における上乗せ特化ゾーンの役割を果たしている。ここで、AT状態の延長(上乗せ)に関わる「疑似遊技の結果」は、上述したように、疑似内部当籤役であってもよいし、疑似図柄組合せであってもよい。
AT状態の延長(上乗せ)に関わる「疑似遊技の結果」として疑似内部当籤役を採用する場合、以下のような例を挙げることができる。この例では、AT遊技中のみならず、通常遊技中においても、疑似確変状態に滞在可能となっている。また、疑似遊技は、4回を1セットとして行われ、疑似遊技継続抽籤(当籤確率:50%)に当籤した場合には、一のセットが行われた後、次のセットへの移行が可能となっている。疑似確変状態としては、疑似確変状態A(モードA)、疑似確変状態B(モードB)、及び、疑似確変状態C(モードC)という3種類のモードが設けられている。疑似内部当籤役として特定の役(レア役)が決定される確率は、疑似確変状態A(1/4)→疑似確変状態B(1/2)→疑似確変状態C(1/1)と順に高くなる。疑似内部当籤役として特定の役が決定された場合には、AT状態の延長(上乗せ)が行われる。疑似内部当籤役は、通常の内部当籤役と同じであってもよいし、疑似遊技専用の内部当籤役を設けることとしてもよい。また、特定の図柄組合せが表示された場合には、一の疑似確変状態から、当該疑似確変状態よりも有利な疑似確変状態へと昇格する。このような疑似確変状態の昇格は、特定の図柄組合せの種別に応じて、1段階(疑似確変状態A→疑似確変状態B、又は、疑似確変状態B→疑似確変状態C)であってもよいし、2段階(疑似確変状態A→疑似確変状態C)であってもよい。
AT状態の延長(上乗せ)に関わる「疑似遊技の結果」として疑似図柄組合せを採用する場合、以下のような例を挙げることができる。この例において、疑似遊技は、5回を1セットとして行われる。そして、一のセットの疑似遊技(5回の疑似遊技)において疑似図柄組合せとして特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が少なくとも1回表示された場合には、次のセットの疑似遊技(5回の疑似遊技)への移行が可能である(当該一のセットの疑似遊技の結果として、AT状態の延長(上乗せ)が行われる)一方、一のセットの疑似遊技(5回の疑似遊技)において疑似図柄組合せとして特定の図柄組合せ(「赤7」図柄揃い)が1回も表示されなかった場合には、当該セットの疑似遊技(5回の疑似遊技)で終了する(当該一のセットの疑似遊技の結果として、AT状態の延長(上乗せ)が行われない)。
停止後動作制御(揺動制御)が実行されることにより、リールが揺動する場合、当該揺動の態様(パターン)は、常に一定であってもよいし、複数の揺動パターンを設けることとしてもよい。当該複数の揺動パターンは、停止後動作制御(揺動制御)が実行されている状態におけるリールの動作パターンが互いに異なるものである。例えば、微振動の周期及び/又は振幅が互いに異なる複数の揺動パターンとして、揺動パターンA、揺動パターンB、及び、揺動パターンCを設けることとし、図254のステップS1070乃至図255のステップS1083における揺動制御では、これらの揺動パターンのなかから選択された一の揺動パターンでリールを揺動させることが可能である。揺動パターンを選択するタイミングは、特に限定されず、例えば、揺動制御が行われるごとに抽籤により一の揺動パターンを選択することとしてもよい。また、非有利区間において一の揺動パターンを選択し、当該非有利区間から移行した有利区間においては、常に当該一の揺動パターンでリールを揺動させることとしてもよい。そして、当該有利区間から非有利区間に移行した場合、再度一の揺動パターンを選択することとしてもよい。あるいは、揺動制御が行われるとき、所定の変数(値)に基づいて一の揺動パターンを選択することとし、非有利区間において当該値の更新を行うこととしてもよい。例えば、各揺動パターンには、所定の数値範囲(例えば、揺動パターンA:1~100、揺動パターンB:101~200、揺動パターンC:201~300)が対応付けられており、非有利区間中に抽籤により更新された値(1~300のうちの何れかの値)に対応する揺動パターンを選択することとしてもよい。また、当該変数は、上述した有利区間ゲーム数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値等であってもよい。これにより、有利区間において行われた単位遊技の回数が増えるにつれて、揺動パターンA→揺動パターンB→揺動パターンCといったように、揺動パターンを変化させることもできる。当該変数乃至選択された揺動パターンを示す情報は、疑似遊技におけるリールの動作を管理するためのRWM(あるいは、RAM)に記憶させることが可能である。当該RWMは、指示機能に一切影響を与えないものとなっている。
揺動パターンを複数設ける場合、遊技者に対して付与される特典の種別に応じた揺動パターンで、リールを揺動させることとしてもよい。例えば、当該特典が有利区間への移行である場合(例えば、有利区間移行抽籤に当籤した場合)には、揺動パターンAでリールを揺動させ、当該特典が疑似ボーナス(AT状態)への移行である場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合)には、揺動パターンBでリールを揺動させ、当該特典が疑似ボーナスの延長(ゲーム数延長やセット数上乗せ)である場合(例えば、1G連抽籤に当籤した場合)には、揺動パターンCでリールを揺動させるといったように構成することが可能である。このような特典の種別に応じた揺動パターンで揺動させるのは、第3停止リールに限定し、第1停止リール及び第2停止リールは、各種特典に共通の揺動パターンで揺動させることとしてもよい。
以上で説明した疑似遊技は、メインリール(リール3L,3C,3R)とは別途設けられたリール状の物理的な構造物(サブリール)で行うこととしてもよいし、メイン演出表示部21や液晶表示装置にリール様の画像(ビデオリール)を表示することにより行うこととしてもよい。このような態様で行われる疑似遊技は、副制御回路200によって制御される演出として採用することが可能である。もっとも、当該演出を遊技者がメイン遊技と誤認してしまうことがないように、主制御回路100によって制御されるメインリールをパチスロ機1上で明示することが望ましい。例えば、リール3L,3C,3Rの近傍において、パネル上又は液晶表示装置等で「回胴」という文字を常時表示するように構成することが可能である。当該表示は、遊技が行われている状態においてのみ表示し、遊技が行われていない(デモ画面が表示されている)状態(遊技待機中)、エラーが発生している状態、設定変更操作が行われている状態等においては表示しないこととしてもよい。
また、疑似遊技が行われているときに電断が発生した場合、電断から復帰した際に疑似遊技が再開されることとしてもよい。図示しないが、本実施形態において、主制御回路100は、電源管理回路を備えている。電源管理回路は、電源基板から供給される直流12Vの電源電圧の変動を管理する。そして、電源管理回路は、例えば、電源が投入された際(電源電圧が0Vから起動電圧値(10V)を上回った際)には、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103等により構成されるマイクロコンピュータにリセット信号を出力し、電断が発生した際(電源電圧が12Vから停電電圧値(10.5V)を下回った際)には、電断検知信号をマイクロコンピュータに出力する。そして、電源管理回路から電断検知信号が出力された場合、メインCPU101は、疑似遊技中フラグに対応する情報(疑似遊技中情報)を、メインRAM103の所定領域にバックアップデータとして記憶させる。疑似遊技中フラグは、疑似遊技が実行されている状態であることを示すフラグであり(図251のステップS1025参照)、疑似遊技が開始するときにオンにセットされ、疑似遊技が終了するとき(例えば、ロック演出終了フラグ(図254のステップS1073及び図255のステップS1084参照)がオンにセットされるとき)にオフにセットされる。電断から復帰した際、当該バックアップデータに基づいて、メインCPU101は、電断時に疑似遊技が行われていたことを認識することが可能であり、疑似遊技を再開させることができる(図24のステップS29参照)。なお、電断からの復帰時においては、疑似遊技の最初から再開させてもよいし、電断が発生した時点における疑似遊技の状況から(疑似遊技の途中から)再開させてもよい。例えば、全てのリール3L,3C,3Rが回転している状況で電断が発生した場合には、全てのリール3L,3C,3Rの回転を開始するところ(図251のステップS1024参照)から再開させてもよいし、少なくとも一のリールが停止されている状況で電断が発生した場合には、当該リールを電断時の図柄位置で停止させつつ、電断時に回転していたリールに対する停止操作を受け付けるところ(図254のステップS1063参照)から再開させてもよい。
また、疑似遊技が行われているときに電断が発生した場合において、電断から復帰する際に設定値が変更された場合には、設定値変更後の遊技において、疑似遊技が再開されないこととしてもよい。この場合には、例えば、設定値が変更されたことを契機として、メインRAM103の所定領域に記憶された上記疑似遊技中情報をメインCPU101が初期化することとしてもよい(図24のステップS23参照)。これにより、疑似遊技が行われているときに電断が発生した場合において、電断から復帰する際に設定値が変更されなかった場合には疑似遊技が再開される一方、設定値が変更された場合には疑似遊技が再開されないように構成することが可能である。あるいは、疑似遊技が行われているときに電断が発生した場合においては、電断から復帰する際に設定値が変更されたか否かにかかわらず、疑似遊技が再開されないように構成してもよい。
また、第1実施形態で説明したように、AT状態中の一の単位遊技において報知対象役が内部当籤役として決定された場合であっても、当該単位遊技において疑似遊技が行われる場合、当該疑似遊技中は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成することが望ましい。この場合、疑似遊技においては、報知対象役に対応する図柄組合せを停止表示させることとしてもよいし、報知対象役とは無関係な図柄組合せを停止表示させることとしてもよい。また、当該単位遊技(メイン遊技)において指示モニタに停止操作の情報を表示させる場合には、ランダム遅延処理が開始されるとき(例えば、図257のステップS1122の判断結果が「YES」となったとき)や、ランダム遅延処理により1つ目のリールが回転を開始するタイミングで、当該表示を開始するように構成することが可能である。また、疑似遊技中は、指示モニタにおいて、当該遊技が疑似遊技であることに一義的に対応する表示(疑似遊技であることを報知するための表示)を行うこととしてもよい。
(C-12) 前記(C-1)~(C-11)の何れかの遊技機であって、
遊技者による開始操作の検出を行うことが可能な開始操作検出手段(スタートスイッチ7S)と、
前記開始操作検出手段により前記開始操作が検出された場合に、当籤役を決定することが可能な役決定手段(図23のステップS5の処理を実行するメインCPU101)と、
前記メイン遊技において、前記複数のリールの図柄態様に応じた遊技媒体又は遊技媒体データを付与することが可能な付与手段(図23のステップS14の処理を実行するメインCPU101)と、
遊技者にとって有利な情報を報知することが可能な報知手段(指示モニタ)と、を備え、
前記付与手段は、
前記メイン遊技において、前記複数のリールが停止されることで該複数のリールの図柄態様として所定の図柄態様(小役に係る図柄の組合せ)が導出された場合に、該所定の図柄態様に応じた遊技媒体又は遊技媒体データを付与することが可能であり、
前記リール制御手段は、
前記疑似遊技において前記複数のリールが停止された後、前記メイン遊技のために、前記複数のリールのうちの一の前記リールの回転を開始させ、さらに、該一のリールの回転開始タイミングよりも遅いタイミングで他の前記リールの回転を開始させることが可能な疑似遊技後リール回転開始制御手段(図258の処理等を実行するメインCPU101)を備え、
前記役決定手段により所定の役(報知対象役)が当籤役として決定された場合において、前記疑似遊技後リール回転開始制御手段により前記リールの回転を開始させた後、前記停止操作として所定の停止操作(正解押し順)が検出された場合に、前記複数のリールの図柄態様として前記所定の図柄態様が導出されるように前記停止操作後停止制御を実行することが可能であり、
前記報知手段は、
前記役決定手段により前記所定の役が当籤役として決定された場合、前記疑似遊技においては前記有利な情報として前記所定の停止操作に関する情報を報知せず、前記疑似遊技後リール回転開始制御手段により前記リールの回転を開始させた後に該所定の停止操作に関する情報を報知することが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技において複数のリール(リール3L,3C,3R)が停止された後、メイン遊技のために、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの一のリールの回転を開始させ、さらに、該一のリールの回転開始タイミングよりも遅いタイミングで他のリールの回転を開始させることが可能である。また、所定の役(報知対象役)が当籤役として決定された場合において、疑似遊技後にリールの回転を開始させた後、停止操作として所定の停止操作(正解押し順)が検出された場合に、所定の図柄態様(小役に係る図柄の組合せ)が導出されるように停止操作後停止制御を実行することが可能であり、メイン遊技において、所定の図柄態様(小役に係る図柄の組合せ)が導出された場合に、該所定の図柄態様(小役に係る図柄の組合せ)に応じた遊技媒体又は遊技媒体データを付与することが可能である。そして、所定の役(報知対象役)が当籤役として決定された場合、疑似遊技においては所定の停止操作(正解押し順)に関する情報を報知せず、疑似遊技後にリールの回転を開始させた後に該所定の停止操作(正解押し順)に関する情報を報知することが可能なように構成されている。これにより、疑似遊技において遊技者が所定の停止操作(正解押し順)を行うべき旨勘違いしてしまうことを回避することが可能であり、停止後動作制御(揺動制御)と相俟って、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを効果的に防止することができる。
所定の役(報知対象役)としては、上述した特定役と同様に、遊技者の停止操作態様(押し順)に応じて付与されるメダル数が変動する役(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)を採用することが可能である。所定の停止操作(正解押し順)に関する情報の報知(指示モニタにおける停止操作の情報の表示)は、疑似遊技後にリールの回転を開始させた後、例えば、メイン遊技における第3停止操作(あるいは、第1停止操作又は第2停止操作)が完了するまで継続させるように構成するとよい。
[第9実施形態]
以上、第1実施形態~第8実施形態について説明した。以下、第9実施形態について説明する。第9実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第1実施形態~第8実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第1実施形態~第8実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第8実施形態における説明が第9実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1実施形態のパチスロ機1では、~」のように、第1実施形態に係るパチスロ機1に限定されるような記載であったとしても、第9実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第9実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態~第8実施形態に係るパチスロ機1に限定するような記載についても、第9実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第9実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。従って、第1実施形態~第8実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第9実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第8実施形態に係るパチスロ機1と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態~第8実施形態に係るパチスロ機1と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
<ロック演出実行処理>
図262は、主制御回路において行われるロック演出実行処理を示すフローチャートである。図263は、主制御回路において行われる疑似遊技開始用処理を示すフローチャートである。
図262に示すロック演出実行処理は、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS8(遊技開始時メイン側演出制御処理)で行われる処理である。第8実施形態では、図23(メイン処理)のステップS8(遊技開始時メイン側演出制御処理)で行われる処理として、図251に示すロック演出実行処理が行われることとして説明した。本実施形態では、図23(メイン処理)のステップS8(遊技開始時メイン側演出制御処理)で行われる処理として、図251に示すロック演出実行処理が行われることとしてもよいし、図262に示すロック演出実行処理が行われることとしてもよい。
ロック演出実行処理において、まず、メインCPU101は、ロック演出開始フラグ(図250のステップS1006、ステップS1011、及び、ステップS1013参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1201)。ロック演出開始フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ロック演出開始フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技開始用処理を実行する(ステップS1202)。ここで、図263を用いて、疑似遊技開始用処理について説明する。
疑似遊技開始用処理において、まず、メインCPU101は、ロック演出決定処理(図250参照)において選択されたロック演出番号がロック演出番号「3」、「4」、及び、「5」のうちの何れかであるか否かを判断する(ステップS1221)。選択されたロック演出番号がロック演出番号「3」、「4」、及び、「5」のうちの何れでもないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、選択されたロック演出番号がロック演出番号「3」、「4」、及び、「5」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、所定時間(例えば、5秒)に対応する値を疑似遊技開始時ロックタイマにセットする(ステップS1222)。疑似遊技開始時ロックタイマは、タイマ更新処理(図32のステップS206参照)により更新される。すなわち、疑似遊技開始時ロックタイマは、定期割込処理(図32参照)が1回行われるごとに1減少する。
次に、メインCPU101は、疑似遊技開始時ロックタイマが0であるか否かを判断する(ステップS1223)。疑似遊技開始時ロックタイマが0ではないと判断した場合、メインCPU101は、再度ステップS1223の処理を実行する。これにより、所定時間(例えば、5秒)に亘って疑似遊技開始時ロックが行われることになる。疑似遊技開始時ロックは、リール演出及び疑似遊技を伴わないロック演出(フリーズ)であってもよいし、リール演出(スロー回転、高速回転、逆回転等のリールアクション)を伴うロック演出であってもよい。疑似遊技開始時ロックが行われている間、リール3L,3C,3Rは、停止した状態が維持されており、遊技者が何らかの操作を行ったとしても、当該操作は無効となる。
一方、疑似遊技開始時ロックタイマが0であると判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技開始コマンド生成格納処理を実行する(ステップS1224)。この処理において、メインCPU101は、疑似遊技開始コマンドデータを生成し、生成した疑似遊技開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納された疑似遊技開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、疑似遊技が開始するタイミングであることを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
具体的に、疑似遊技開始コマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路200では、疑似遊技が開始されることに対応する演出データがセットされる。これにより、例えば、図示しないが、「レバーを叩け」といった内容の文字画像(「レバーを叩け」画像)がメイン表示装置210に表示され、遊技者に対してスタートレバー7を操作することを促すことができる。
次に、メインCPU101は、スタートレバー7が操作されたか否かを判断する(ステップS1225)。この処理において、メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態(図25のステップS50参照)となったか否かを判断する。スタートレバー7が操作されたと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、スタートレバー7が操作されていないと判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技開始コマンド生成格納処理を実行してから(「レバーを叩け」画像が表示されてから)所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS1226)。所定時間が経過していないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS1225に処理を戻す。一方、所定時間が経過したと判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技キャンセルフラグをオンにセットする(ステップS1227)。疑似遊技キャンセルフラグは、疑似遊技をキャンセルするために用いられるフラグである。その後、メインCPU101は、ロック演出開始フラグをオフにセットし(ステップS1228)、本サブルーチンを終了する。
以上、図263を用いて、図262のステップS1202で行われる疑似遊技開始用処理について説明した。図262に説明を戻す。
ステップS1202の処理を実行した後、メインCPU101は、疑似遊技キャンセルフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1203)。疑似遊技キャンセルフラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、疑似遊技キャンセルフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS1204~ステップS1210の処理を実行するが、これらの処理は、図251のステップS1022~ステップS1028の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上より、ロック演出決定処理(図250参照)においてロック演出番号「3」~「5」のうちの何れかに対応するロック演出が選択された場合には、疑似遊技開始時ロックが行われる。その後、スタートレバー7が操作された場合には、疑似遊技用にリール3L,3C,3Rの回転が開始されて疑似遊技が行われ(図262のステップS1206及びステップS1208参照)、ランダム遅延処理(図257のステップS1123参照)を経て、リール3L,3C,3Rの回転がメイン遊技用の定速回転となる。一方、「レバーを叩け」画像が表示されてから所定時間以内にスタートレバー7が操作されなかった場合には、疑似遊技(疑似遊技用のリール3L,3C,3Rの回転)が行われずに、通常時加速処理(図257のステップS1125参照)を経て、リール3L,3C,3Rの回転がメイン遊技用の定速回転となる。
このように、図262に示すロック演出実行処理では、スタートレバー7が操作されることを条件として、疑似遊技が開始されることとして説明した。しかし、第8実施形態で説明したように、疑似遊技が開始されるための条件は、スタートレバー7の操作に限定されず、任意の操作部(例えば、スタートレバー7、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9等)の操作を適宜採用することが可能である。また、疑似遊技がキャンセルされる(疑似遊技キャンセルフラグがオンにセットされる)ための条件は、所定時間の経過に限定されず、任意の操作部(例えば、スタートレバー7、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9等)の操作を適宜採用することが可能である。
<通常疑似遊技中処理>
図264は、主制御回路において行われる通常疑似遊技中処理を示すフローチャートである。図265は、主制御回路において行われるストップボタン操作受付処理を示すフローチャートである。図266は、主制御回路において行われる揺動制御処理を示すフローチャートである。図267は、主制御回路において行われる疑似遊技終了用処理を示すフローチャートである。
図264に示す通常疑似遊技中処理は、主制御回路100において図253(疑似遊技中処理)のステップS1042で行われる処理である。第8実施形態では、図253(疑似遊技中処理)のステップS1042で行われる処理として、図254に示す通常疑似遊技中処理が行われることとして説明した。本実施形態では、図253(疑似遊技中処理)のステップS1042で行われる処理として、図254に示す通常疑似遊技中処理が行われることとしてもよいし、図264に示す通常疑似遊技中処理が行われることとしてもよい。
通常疑似遊技中処理において、まず、メインCPU101は、ステップS1241及びステップS1242の処理を実行するが、これらの処理は、図254のステップS1061及びステップS1062の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS1242の処理を実行した後、メインCPU101は、ストップボタン操作受付処理を実行する(ステップS1243)。ここで、図265を用いて、ストップボタン操作受付処理について説明する。
ストップボタン操作受付処理において、まず、メインCPU101は、ストップボタン操作キャンセルフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1261)。ストップボタン操作キャンセルフラグは、疑似遊技においてMAXベットボタン6aが操作された場合にセットされるフラグである(ステップS1264参照)。ストップボタン操作キャンセルフラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ストップボタン操作キャンセルフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、有効なストップボタン8L,8C,8Rが操作されたか否かを判断する(ステップS1262)。この処理は、図254のステップS1063の処理と同様の処理である。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域(図21参照)を参照することにより、有効なストップボタン8L,8C,8Rを認識することができる。
有効なストップボタン8L,8C,8Rが操作されたと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、有効なストップボタン8L,8C,8Rが操作されていないと判断した場合、メインCPU101は、MAXベットボタン6aが操作されたか否かを判断する(ステップS1263)。この処理において、メインCPU101は、ベットスイッチ6Sがオン状態となったか否かを判断する。
MAXベットボタン6aが操作されたと判断した場合、メインCPU101は、ストップボタン操作キャンセルフラグをオンにセットする(ステップS1264)。ストップボタン操作キャンセルフラグは、残っているストップボタン操作を全て省略することを示すフラグである。ステップS1264の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、MAXベットボタン6aが操作されていないと判断した場合、メインCPU101は、図265に示すストップボタン操作受付処理を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS1265)。所定時間が経過していないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS1262に処理を戻す。一方、所定時間が経過したと判断した場合、メインCPU101は、ストップボタン操作省略フラグをオンにセットする(ステップS1266)。ストップボタン操作省略フラグは、今回のストップボタン操作を省略することを示すフラグである。ステップS1266の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上、図265を用いて、図264のステップS1243で行われるストップボタン操作受付処理について説明した。図264に説明を戻す。
ステップS1243の処理を実行した後、メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新し(ステップS1244)、制御対象リールを決定する(ステップS1245)。これらの処理において、メインCPU101は、ストップボタン操作キャンセルフラグ及びストップボタン操作省略フラグが何れもオンにセットされていない場合、図254のステップS1064及びステップS1065の処理と同様の処理を行う。一方、メインCPU101は、ストップボタン操作キャンセルフラグ又はストップボタン操作省略フラグがオンにセットされている場合、有効なストップボタン8L,8C,8Rのうち最も左に位置するストップボタン8が操作されたものとして、作動ストップボタン格納領域を更新するととともに、制御対象リールを決定する。
例えば、全てのストップボタン8L,8C,8Rが有効である場合、メインCPU101は、左ストップボタン8Lが操作されたときと同様に、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」を格納し、ビット4を「0」に更新するとともに、左リール3Lを制御対象リールとして決定する。また、中ストップボタン8C及び右ストップボタン8Rが有効である場合、メインCPU101は、中ストップボタン8Cが操作されたときと同様に、作動ストップボタン格納領域のビット1に「1」を格納し、ビット5を「0」に更新するとともに、中リール3Cを制御対象リールとして決定する。また、左ストップボタン8L及び中ストップボタン8Cが有効である場合、メインCPU101は、左ストップボタン8Lが操作されたときと同様に、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」を格納し、ビット4を「0」に更新するとともに、左リール3Lを制御対象リールとして決定する。また、右ストップボタン8Rのみが有効である場合、メインCPU101は、右ストップボタン8Rが操作されたときと同様に、作動ストップボタン格納領域のビット2に「1」を格納し、ビット6を「0」に更新するとともに、右リール3Rを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、ステップS1246~ステップS1249の処理を実行するが、これらの処理は、図254のステップS1066~ステップS1069の処理と基本的に同様の処理である。ステップS1246の処理において、ステップS1066の処理と同様に、メインCPU101は、停止開始位置(ステップS116参照)にかかわらず、最終的に図柄が停止する位置として予め定められた位置を停止予定位置として決定し格納する。これにより、ストップボタン操作キャンセルフラグ乃至ストップボタン操作省略フラグがオンにセットされているか否かにかかわらず、図246(b)~(d)、図247(b)~(d)、及び、図248(b)~(d)に示すような態様で、各リール3L,3C,3Rが停止する。
ここで、ストップボタン操作キャンセルフラグ乃至ストップボタン操作省略フラグがオンにセットされている場合には、ストップボタン操作キャンセルフラグ及びストップボタン操作省略フラグがオンにセットされていない場合と比較して、制御対象リールが停止するまでの回転態様を異ならせることとしてもよい。例えば、ストップボタン操作キャンセルフラグがオンにセットされている場合(MAXベットボタン6aが操作された場合)には、ストップボタン操作キャンセルフラグ及びストップボタン操作省略フラグが何れもオンにセットされていない場合(ストップボタン8が操作された場合)と比較して、当該ボタンが操作されてから制御対象リールが停止するまでの時間が長くなるようにしてもよい(例えば、制御対象リールを1回余分に回転させた上で停止させることとしてもよい)。ただ、回転態様に差異があったとしても、最終的に停止表示される図柄は、ストップボタン操作キャンセルフラグ乃至ストップボタン操作省略フラグがオンにセットされているか否かにかかわらず同じ図柄となっている。
ステップS1249において制御対象リールが停止したと判断した場合、メインCPU101は、揺動制御処理を実行する(ステップS1250)。ここで、図266を用いて、揺動制御処理について説明する。
揺動制御処理において、まず、メインCPU101は、ストップボタン操作キャンセルフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1281)。ストップボタン操作キャンセルフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、ストップボタン操作省略フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1282)。ストップボタン操作省略フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、ストップボタン操作省略フラグをオフにセットする(ステップS1283)。
ステップS1281においてストップボタン操作キャンセルフラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS1283の処理を実行した後、メインCPU101は、制御対象リールを停止させる制御を実行する(ステップS1284)。この処理において、メインCPU101は、制御対象リールを停止させるための停止用の励磁パターンに対応するデータをセットする。これにより、図246(b)~(d)、図247(b)~(d)、及び、図248(b)~(d)に示すような態様で制御対象リールが停止した状態が維持される(図示とは異なり、揺動は発生しない)。
ステップS1282においてストップボタン操作省略フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、制御対象リールを揺動させる制御を実行する(ステップS1285)。この処理は、図254のステップS1070の処理と同様の処理である。これにより、図246(b)~(d)、図247(b)~(d)、及び、図248(b)~(d)に示すような態様で制御対象リールが揺動する。
ステップS1284又はステップS1285の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上、図266を用いて、図264のステップS1250で行われる揺動制御処理について説明した。図264に説明を戻す。
ステップS1250の処理を実行した後、メインCPU101は、有効なストップボタン8L,8C,8Rが存在するか否かを判断する(ステップS1251)。この処理は、図254のステップS1071の処理と同様の処理である。有効なストップボタン8L,8C,8Rが存在しないと判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技終了用処理を実行する(ステップS1252)。ここで、図267を用いて、疑似遊技終了用処理について説明する。
疑似遊技終了用処理において、まず、メインCPU101は、ロック演出決定処理(図250参照)において選択されたロック演出番号がロック演出番号「3」であるか否かを判断する(ステップS1301)。選択されたロック演出番号がロック演出番号「3」であると判断した場合、メインCPU101は、外部集中端子板55を介してAT相当信号を出力する(ステップS1302)。第1実施形態で説明したように、外部集中端子板55は、パチスロ機1外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されており、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入状況や遊技状態の遷移状況が認識可能となっている。
AT相当信号は、AT状態が開始されることに基づいてオン状態とされ、AT状態が終了されることに基づいてオフ状態とされる外部信号である。ステップS1302の処理において、メインCPU101は、当該外部信号をオン状態とする。同様に、図示しないが、メインCPU101は、図255のステップS1083の処理を実行した後、当該外部信号をオン状態とする。これにより、データ表示機やホールコンピュータでは、AT状態が開始されたと認識されることになる。
このように、本実施形態では、ロック演出番号「3」又は「5」に対応するロック演出が終了する際(「赤7」図柄揃いが停止表示されたとき)に、AT相当信号をオン状態とするように構成されている。また、第1実施形態で説明したように、複数のAT状態(所定のAT状態及び特定のAT状態)を設け、各AT状態は、遊技者にとっての有利度が互いに異なるようにしてもよい。このようなAT状態としては、例えば、第1実施形態で説明した疑似BB(ビッグボーナス)及び疑似RB(レギュラーボーナス)を採用することができる。そして、疑似BBに移行させることが決定された場合及び疑似RBに移行させることが決定された場合の双方において、疑似遊技で同一の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示されるようにしてもよい。さらに、疑似BBに移行させることが決定された場合に疑似遊技で特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示されたときと、疑似RBに移行させることが決定された場合に疑似遊技で特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示されたときとで、同一のAT相当信号をオン状態とするようにしてもよい。これにより、疑似遊技で特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示された時点では、疑似BBと疑似RBとのうち何れの疑似ボーナスに移行させることが決定されたのかを分からなくすることが可能であり、遊技者に対して期待感を抱かせることができる。なお、実際に疑似BB乃至疑似RBが開始するタイミングは、特に限定されないが、疑似遊技で特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示された後(当該疑似遊技が行われた単位遊技、又は、当該単位遊技よりも所定回数後に行われる単位遊技)とすることが可能である。例えば、メイン遊技において「赤7」図柄揃いが有効ラインに沿って停止表示されたことを契機として疑似BBが開始され、メイン遊技において「BAR」図柄揃いが有効ラインに沿って停止表示されたことを契機として疑似RBが開始されるようにしてもよい。
以上では、疑似遊技において特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示されたとき(ランダム遅延処理が開始される前)にAT相当信号をオン状態とすることとして説明したが、同様に、リール演出において特定の図柄組合せ(例えば、「赤7」図柄揃い)が停止表示されたとき(ランダム遅延処理が開始される前)にAT相当信号をオン状態とすることとしてもよい。また、実際に疑似ボーナスが開始するタイミング(例えば、図28のステップS106)でAT相当信号をオン状態とすることとしてもよい。また、AT相当信号をオフ状態とするタイミングも、特に限定されないが、実際に疑似ボーナスが終了するタイミング(例えば、図31のステップS155)でAT相当信号をオフ状態とすることが可能である。なお、第1実施形態で説明したように、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1(上記AT相当信号)をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態としてもよい。この観点から、疑似遊技は、最初の1セット目のAT状態に移行させることが決定された場合にのみ行われる(例えば、1G連抽籤に当籤した場合には行われない)こととしてもよい。また、AT相当信号をオン状態とするときには、第1実施形態で説明した区間ランプが点灯した状態となっている。
ステップS1301においてロック演出番号がロック演出番号「3」ではないと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出決定処理(図250参照)において選択されたロック演出番号がロック演出番号「5」であるか否かを判断する(ステップS1303)。ステップS1302の処理を実行した後、又は、ステップS1303においてロック演出番号がロック演出番号「5」ではない(すなわち、ロック演出番号「4」である)と判断した場合、メインCPU101は、外部集中端子板55を介してメダル投入信号を出力する(ステップS1304)。
第1実施形態で説明したように、メダル投入信号は、メダルが投入された場合に外部集中端子板55から出力される信号である(図25のステップS42及びステップS46参照)。すなわち、メダル投入信号は、メイン遊技が1回行われるごとに出力され、メダル投入信号を介して、データ表示機やホールコンピュータにおいてパチスロ機1で行われた遊技の回数を認識することができるようになっている。本実施形態では、疑似遊技においてもメダル投入信号を出力することにより、当該遊技の回数は、疑似遊技も含めた回数(メイン遊技の回数と疑似遊技の回数との合計回数)となっている。これにより、疑似遊技が行われた場合においても遊技回数がカウントアップされる仕様となっている。図示しないが、メインCPU101は、図255のステップS1083の処理を実行した後においても、メダル投入信号を出力する。
メダル投入信号は、疑似遊技が開始するタイミング又は疑似遊技が終了するタイミングで出力することが可能である。疑似遊技が開始するタイミングとしては、例えば、スタートレバー7が操作されたとき(例えば、図263のステップS1225の判断結果が「YES」となったとき)や、疑似遊技用のリール3L,3C,3Rの回転が開始するとき(例えば、図262のステップS1206の処理が行われるタイミング)を挙げることができる。疑似遊技が終了するタイミングとしては、例えば、疑似遊技用のリール3L,3C,3Rの回転が停止したとき(例えば、図267の処理が行われるタイミング)や、メイン遊技用のリール3L,3C,3Rの回転が開始するとき(例えば、図257のステップS1122の判断結果が「YES」となったときや、ランダム遅延処理により1つ目のリールが回転を開始するタイミング)を挙げることができる。なお、疑似遊技においてメダル投入信号が出力される場合、当該疑似遊技の行われる単位遊技においては、メダルが投入された際にメダル投入信号が出力されないように構成してもよい。
ステップS1304の処理を実行した後、メインCPU101は、ロック演出終了フラグをオンにセットし(ステップS1305)、本サブルーチンを終了する。一方、ステップS1303においてロック演出番号がロック演出番号「5」であると判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技後リール演出処理を実行する(ステップS1306)。疑似遊技後リール演出処理については、図255を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。ステップS1306の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上、図267を用いて、図264のステップS1252で行われる疑似遊技終了用処理について説明した。図264に説明を戻す。ステップS1252の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<疑似遊技チャレンジ操作受付処理>
図268は、主制御回路において行われる疑似遊技チャレンジ操作受付処理を示すフローチャートである。
図268に示す疑似遊技チャレンジ操作受付処理は、主制御回路100において図264(通常疑似遊技中処理)のステップS1243で行われる処理である。以上では、図264(通常疑似遊技中処理)のステップS1243で行われる処理として、図265に示すストップボタン操作受付処理が行われることとして説明した。本実施形態では、図264(通常疑似遊技中処理)のステップS1243で行われる処理として、図268に示す疑似遊技チャレンジ操作受付処理が行われる場合があることとしてもよい。
具体的に、全てのストップボタン8が有効である場合(ストップボタン8がまだ1つも操作されていない場合)、すなわち、今回の停止操作が第1停止操作である場合には、図268に示す疑似遊技チャレンジ操作受付処理が行われることとし、無効なストップボタン8が存在する場合(少なくとも一のストップボタン8が操作済みである場合)、すなわち、今回の停止操作が第2停止操作又は第3停止操作である場合には、図265に示すストップボタン操作受付処理が行われることとしてもよい。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域(図21参照)を参照することにより、有効なストップボタン8L,8C,8R及び無効なストップボタン8L,8C,8Rを認識することができる。
疑似遊技チャレンジ操作受付処理において、まず、メインCPU101は、疑似遊技進行用ストップボタンを決定する(ステップS1321)。この処理において、メインCPU101は、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、左ストップボタン8L、中ストップボタン8C、及び、右ストップボタン8Rのうちの一のストップボタン8を疑似遊技進行用ストップボタンとして決定する。
次に、メインCPU101は、疑似遊技開始コマンド生成格納処理を実行する(ステップS1322)。この処理において、メインCPU101は、疑似遊技開始コマンドデータを生成し、生成した疑似遊技開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納された疑似遊技開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、疑似遊技が開始するタイミングであることを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
具体的に、疑似遊技開始コマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路200では、疑似遊技が開始されることに対応する演出データがセットされる。これにより、例えば、図示しないが、「ストップボタンの3択正解で疑似遊技スタート」といった内容の文字画像がメイン表示装置210に表示され、遊技者に対してストップボタン8を操作することを促すことができる。
次に、メインCPU101は、有効なストップボタン8L,8C,8Rが操作されたか否かを判断する(ステップS1323)。この処理は、図254のステップS1063の処理と同様の処理である。有効なストップボタン8L,8C,8Rが操作されたと判断した場合、メインCPU101は、操作されたストップボタン8がステップS1321で決定した疑似遊技進行用ストップボタンと一致するか否かを判断する(ステップS1324)。
操作されたストップボタン8が疑似遊技進行用ストップボタンと一致すると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了し、図264のステップS1244に処理を移す。一方、操作されたストップボタン8が疑似遊技進行用ストップボタンと一致しないと判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技キャンセルフラグをオンにセットし(ステップS1325)、本サブルーチンを終了する。
図示しないが、疑似遊技キャンセルフラグがオンにセットされている場合、メインCPU101は、図268に示す疑似遊技チャレンジ操作受付処理を終了した後、図264のステップS1244~ステップS1252の処理を行うことなく、図264に示す通常疑似遊技中処理を終了し、さらに、図262のステップS1209及びステップS1210の処理を行うことなく、図262に示すロック演出実行処理を終了する。
ステップS1323において有効なストップボタン8L,8C,8Rが操作されていないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS1326~ステップS1329の処理を実行するが、これらの処理は、図265のステップS1263~ステップS1266の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上より、第1停止操作として疑似遊技進行用ストップボタン(例えば、左ストップボタン8L)が操作された場合(ストップボタンの3択に正解した場合)には、疑似遊技が続行し、ランダム遅延処理(図257のステップS1123参照)を経て、リール3L,3C,3Rの回転がメイン遊技用の定速回転となる。一方、第1停止操作として疑似遊技進行用ストップボタン以外のストップボタン8(例えば、中ストップボタン8C又は右ストップボタン8R)が操作された場合(ストップボタンの3択に失敗した場合)には、その時点で疑似遊技が終了し、通常時加速処理(図257のステップS1125参照)を経て、リール3L,3C,3Rの回転がメイン遊技用の定速回転となる。
このように、本実施形態では、疑似遊技用のリール3L,3C,3Rの回転が開始された後、適切なストップボタン8が操作されたことを条件として疑似遊技が進行するように構成することが可能である。一方、このような適切なストップボタン8の操作は、疑似遊技が開始されるための条件として採用してもよい。例えば、図263では、スタートレバー7が操作されることを条件として疑似遊技が開始されることとして説明したが、スタートレバー7の操作に代えて、適切なストップボタン8(例えば、左ストップボタン8L)が操作されることを条件として疑似遊技(疑似遊技用のリール3L,3C,3Rの回転)が開始されることとしてもよい。そして、不適切なストップボタン8(例えば、中ストップボタン8C又は右ストップボタン8R)が操作された場合には、疑似遊技がキャンセルされる(そもそも、疑似遊技用のリール3L,3C,3Rの回転も行われない)ようにしてもよい。
<フリーズ種別の決定>
図269は、メイン表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
図269では、メイン表示装置210においてフリーズ種別決定画面が表示されている様子を示している。本実施形態では、複数種類のフリーズ(フリーズA、フリーズB、及び、フリーズC)が設けられている。フリーズAは、リール演出及び疑似遊技を伴わないロック演出である。フリーズBは、順回転のリール演出を伴うロック演出である。フリーズCは、逆回転のリール演出を伴うロック演出である。フリーズ種別決定画面は、フリーズA、フリーズB、及び、フリーズCのなかから一のフリーズを決定するための画面である。決定されたフリーズは、例えば、疑似遊技開始時ロック(図263のステップS1223参照)として実行されることになる。
具体的に、図269では、フリーズ種別決定画面として、フリーズA画像1201、フリーズB画像1202、フリーズC画像1203、及び、矢印画像1204が表示されている様子を示している。矢印画像1204は、フリーズA画像1201、フリーズB画像1202、及び、フリーズC画像1203のうちの何れの画像が選択されているのかを示すための画像である。図269に示す例では、矢印画像1204がフリーズA画像1201の横に近接して表示されており、フリーズA画像1201が選択されていることを示している。
このように、フリーズA画像1201が選択されている状態(フリーズA選択状態)においては、矢印画像1204がフリーズA画像1201の横に表示される。同様に、フリーズB画像1202が選択されている状態(フリーズB選択状態)においては、矢印画像1204がフリーズB画像1202の横に表示される。フリーズC画像1203が選択されている状態(フリーズC選択状態)においては、矢印画像1204がフリーズC画像1203の横に表示される。
矢印画像1204の位置は、下記(a)~(c)のうちの何れかの方法で、切り替えることが可能である。例えば、ホールメニューにおいて、これらの方法のうちの一の方法が設定されるようになっている。
(a)ストップボタン8L,8C,8Rの操作
(b)MAXベットボタン6aの操作
(c)タイマ管理
上記(a)が設定されている場合、遊技者は、フリーズ種別決定画面がメイン表示装置210に表示されているときに、ストップボタン8L,8C,8Rを操作することにより、矢印画像1204の位置を切り替えることが可能であり、MAXベットボタン6aを操作することにより、フリーズの種別を決定することができる。具体的に、フリーズA選択状態においてMAXベットボタン6aが操作された場合にはフリーズAが決定され、フリーズB選択状態においてMAXベットボタン6aが操作された場合にはフリーズBが決定され、フリーズC選択状態においてMAXベットボタン6aが操作された場合にはフリーズCが決定される。
上記(b)が設定されている場合、遊技者は、フリーズ種別決定画面がメイン表示装置210に表示されているときに、MAXベットボタン6aを操作することにより、矢印画像1204の位置を切り替えることが可能であり、スタートレバー7を操作することにより、フリーズの種別を決定することができる。具体的に、フリーズA選択状態においてスタートレバー7が操作された場合にはフリーズAが決定され、フリーズB選択状態においてスタートレバー7が操作された場合にはフリーズBが決定され、フリーズC選択状態においてスタートレバー7が操作された場合にはフリーズCが決定される。
上記(c)が設定されている場合には、フリーズ種別決定画面がメイン表示装置210に表示されているときに、フリーズA選択状態、フリーズB選択状態、フリーズC選択状態にうちの一の状態から他の状態へと(例えば、フリーズA選択状態→フリーズB選択状態→フリーズC選択状態→フリーズA選択状態・・・といったように)、所定時間ごとに切り替わる。このとき、遊技者は、MAXベットボタン6aを操作することにより、フリーズの種別を決定することができる。具体的に、フリーズA選択状態においてMAXベットボタン6aが操作された場合にはフリーズAが決定され、フリーズB選択状態においてMAXベットボタン6aが操作された場合にはフリーズBが決定され、フリーズC選択状態においてMAXベットボタン6aが操作された場合にはフリーズCが決定される。なお、予め定められた時間以内にMAXベットボタン6aが操作されなかった場合には、当該時間が経過したときの状態に応じた種別のフリーズが決定される。あるいは、抽籤により選択された種別のフリーズが決定されることとしてもよい。
フリーズ種別決定画面がメイン表示装置210に表示されるタイミングは、特に限定されないが、例えば、BBに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って停止表示された(BBが入賞した)場合にフリーズ種別決定画面が表示されるように構成することが可能である。例えば、一の単位遊技においてBBが入賞し、次の単位遊技におけるスタートレバー7操作が行われたときに、フリーズ種別決定画面が表示されるようにしてもよい。あるいは、一の単位遊技においてBBが入賞したとき、次の単位遊技におけるスタートレバー7操作が行われるまでの間に、フリーズ種別決定画面が表示されるようにしてもよい。
以上では、フリーズの種別が決定される場合について説明したが、同様の方法により、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合や1G連抽籤に当籤した場合に行われるロック演出の種別を決定することとしてもよい。例えば、図269と同様の画面において、上記(a)~(c)のような方法で、ロック演出A(例えば、リール演出及び疑似遊技を伴わないロック演出)、ロック演出B(例えば、リール演出を伴うロック演出)、及び、ロック演出C(例えば、疑似遊技を伴うロック演出)のうちの一のロック演出を決定することができるように構成してもよい。図250のステップS1005、ステップS1010、及び、ステップS1012においては、このようにして決定されたロック演出を選択することとしてもよい。また、同様の方法により、揺動パターンの種別(例えば、第8実施形態で説明した揺動パターンA、揺動パターンB、及び、揺動パターンCのうちの一の揺動パターン)を決定することができるように構成してもよい。なお、このようにして決定される演出は、主制御回路100により制御される演出に限定されず、副制御回路200により制御される演出であってもよい。
<ボーナス当籤時処理>
図270は、主制御回路において行われるボーナス当籤時処理を示すフローチャートである。
図270に示すボーナス当籤時処理は、図26(内部抽籤処理)のステップS70の処理が実行された後に、主制御回路100において行われる処理である。すなわち、ボーナス当籤時処理は、ボーナス当籤ゲーム(ボーナス役が内部当籤役として決定されることにより、非ボーナス状態(ボーナス状態でなく持越状態でもない状態)から持越状態(フラグ間)へと移行した単位遊技)において、各リール3L,3C,3Rの回転が開始する前に行われる処理である。
ボーナス当籤時処理において、まず、メインCPU101は、BBが内部当籤役として決定されているか(今回の単位遊技がBB当籤ゲームであるか)否かを判断する(ステップS1341)。BBが内部当籤役として決定されていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、BBが内部当籤役として決定されていると判断した場合、メインCPU101は、ロック演出番号「1」、「3」、「5」、及び、「6」(図243参照)のうちの何れかを抽籤により選択する(ステップS1342)。そして、メインCPU101は、ロック演出開始フラグをオンにセットし(ステップS1343)、本サブルーチンを終了する。これにより、ロック演出番号「1」、「3」、「5」、又は、「6」に対応するロック演出が行われることになる。
第8実施形態では、疑似遊技に対応するロック演出番号が選択された場合、「7を狙え」演出画像1100(図252参照)がメイン表示装置210に表示される(図251のステップS1022参照)こととして説明した。これにより、疑似遊技中、各リール3L,3C,3Rにおいて「赤7」図柄が停止表示され得るタイミングで停止操作を行うことを遊技者に促すことができる。本実施形態においても、同様に、「7を狙え」演出画像1100がメイン表示装置210に表示されることとしてもよいが、ここでは、「BARを狙え」演出画像(図示せず)がメイン表示装置210に表示されることとする。これにより、疑似遊技中、各リール3L,3C,3Rにおいて「BAR」図柄が停止表示され得るタイミングで停止操作を行うことを遊技者に促すことができる。
また、ここでは、BBが内部当籤役として決定された後、メイン遊技において「赤7」図柄揃いが有効ラインに沿って停止表示された(「赤7」図柄揃いが成立した)場合にBB状態が開始され、MBが内部当籤役として決定された後、メイン遊技において「BAR」図柄揃いが有効ラインに沿って停止表示された(「BAR」図柄揃いが成立した)場合にMB状態が開始されることとする。この場合、BB当籤ゲーム(メイン遊技)において、遊技者は、各ストップボタン8L,8C,8Rを操作するに当たって、「赤7」図柄を狙うべきであると言える。
しかしながら、上記のように、疑似遊技において「BARを狙え」演出画像が表示される場合、仮に、疑似遊技が終了しメイン遊技に移行した後も、「BARを狙え」演出画像が継続的に表示されるとすると、遊技者に対して、本来狙うべき図柄(「赤7」図柄)とは異なる図柄(「BAR」図柄)を狙わせることになる。そうすると、「赤7」図柄揃いが有効ラインに沿って停止表示されない(BBが入賞しない)可能性が高くなってしまう。
とりわけ、各リール3L,3C,3Rにおいて「赤7」図柄と「BAR」図柄とが離間して配置されている場合には、その蓋然性が非常に高い。例えば、図9に示すように、少なくとも一のリール3(中リール3C)において、「赤7」図柄に対応する図柄位置(「0」)が「BAR」図柄に対応する図柄位置(「9」)に対して最大滑り駒数(4図柄)の範囲内に存在しない場合、当該リール3(中リール3C)に対して、「BAR」図柄が有効ライン上に表示されるタイミングで停止操作が行われたとすると、BBが入賞することは不可能となる。この意味において、当該「BARを狙え」演出画像は、BBを入賞させないようにするための示唆となってしまう。
何れにしても、疑似遊技において表示された「BARを狙え」演出画像は、遊技者が狙うべき図柄(内部当籤役)を誤認してしまうことを抑制することができるように、所定のタイミングで表示を終了することが望ましい。当該タイミングは、ランダム遅延処理(図257のステップS1123参照)が開始される前であってもよいし、ランダム遅延処理が開始された後であってもよい。具体的に、当該タイミングとしては、例えば、疑似遊技において第2停止リールが停止した後第3停止リールが停止するまでの間(例えば、図265のステップS1262の判断結果が「YES」となり当該ストップボタン8の操作が第3停止操作であるときや、図265のステップS1265の判断結果が「YES」となり第3停止操作が省略されるとき)、残っているストップボタン操作が全て省略されたとき(例えば、図265のステップS1263の判断結果が「YES」となったとき)、第3停止リールが停止した後当該第3停止リールが揺動を開始するまでの間(例えば、図264のステップS1249の判断結果が「YES」となり当該制御対象リールが第3停止リールであるとき)、疑似遊技において全てのリール3L,3C,3Rが停止したタイミング(例えば、図264のステップS1251の判断結果が「YES」となった後、ステップS1252の処理が行われる前)、メイン遊技用のリール3L,3C,3Rの回転が開始するとき(例えば、図257のステップS1122の判断結果が「YES」となったときや、ランダム遅延処理により1つ目のリールが回転を開始するタイミング)、メイン遊技用に各リール3L,3C,3Rの回転が開始した後全てのリール3L,3C,3Rの回転が定速に達するまでの間等を挙げることができる。
また、「BARを狙え」演出画像の表示を終了するタイミングで、他に疑似遊技用の演出(例えば、揺動制御)が行われていれば、当該演出も終了するとよい。さらに、当該タイミングで、BBが内部当籤役として決定されたことに対応する演出(BB示唆演出)を開始する(BBが内部当籤役として決定されたことを示唆する画像(例えば、「7を狙え」演出画像1100)を表示する)こととしてもよい。これにより、遊技者が狙うべき図柄(内部当籤役)を誤認してしまうことを効果的に防止するとともに、「赤7」図柄を狙うべき示唆を与えることができる。
なお、第8実施形態で説明したように、疑似遊技においては、停止開始位置及び滑り駒数とは無関係に予め定められた図柄が停止表示されるように構成することが可能である。そこで、疑似遊技では、各ストップボタン8L,8C,8Rを操作するに当たって、遊技者が「BAR」図柄を狙ったとしても(各リール3L,3C,3Rにおいて「BAR」図柄が停止表示され得るタイミングで停止操作が行われたとしても)、「赤7」図柄揃いが成立するようにしてもよい。これにより、当該「赤7」図柄揃いを介して、BBが内部当籤役として決定されたことを示唆することができる。疑似遊技で「赤7」図柄揃いが成立した場合には、メイン遊技において上記BB示唆演出を行わないこととしてもよい。
あるいは、疑似遊技では、各リール3L,3C,3Rにおいて「BAR」図柄が停止表示され得るタイミングで停止操作が行われたことに応じて「BAR」図柄揃いが成立する(適切なタイミングで停止操作が行われなかった場合には、「BAR」図柄揃いが成立しない)ように構成してもよい。また、疑似遊技では、停止開始位置及び滑り駒数とは無関係に「BAR」図柄揃いが成立するようにしてもよい。あるいは、疑似遊技では、「BAR」図柄がテンパイするものの、「BAR」図柄揃いが成立しない(残り1つの「BAR」図柄が停止表示されない)ようにしてもよい。疑似遊技で「赤7」図柄揃いが成立しなかった場合には、メイン遊技において上記BB示唆演出を行うことが望ましい。
このように、各リール3L,3C,3Rにおいて「赤7」図柄乃至「BAR」図柄が停止表示されるごとに、各リール3L,3C,3Rに対して揺動制御(図266のステップS1285参照)が行われる。第8実施形態で説明したように、当該揺動制御は、各リール3L,3C,3Rが振動の中心に位置している状態乃至各リール3L,3C,3Rが略完全に停止している状態において、「赤7」図柄乃至「BAR」図柄が有効ライン上に位置付けられるように行われる。
以上、図270に示すボーナス当籤時処理が行われる場合には、図250に示すロック演出決定処理が行われないこととしてもよいし、図270に示すボーナス当籤時処理と併せて、図250に示すロック演出決定処理も行われることとしてもよい。また、図示しないが、BBが内部当籤役として決定されていない場合に、ロック演出番号「2」又は「4」に対応するロック演出(所謂ガセ演出)が行われることとしてもよい。
<遊技終了時ロック演出決定処理>
図271は、主制御回路において行われる遊技終了時ロック演出決定処理を示すフローチャートである。
図271に示す遊技終了時ロック演出決定処理は、図31(有利区間中遊技終了時処理)のステップS156の処理が実行された後に、主制御回路100において行われる処理である。
遊技終了時ロック演出決定処理において、まず、メインCPU101は、現在の遊技区間が有利区間であるか否かを判断する(ステップS1361)。この処理は、図250のステップS1001の処理と同様の処理である。現在の遊技区間が有利区間ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技区間が有利区間であると判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナス移行抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS1362)。第1実施形態で説明したように、メイン遊技におけるリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、停止表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグ(図7(a)参照)が決定される。そして、演出区間(有利区間・通常遊技)においては、疑似ボーナス移行抽籤テーブル(図7(c)参照)が参照され、乱数値及び有利区間入賞時サブフラグに基づく抽籤(疑似ボーナス移行抽籤)が行われることにより、疑似ボーナス移行抽籤の結果として「当籤」又は「非当籤」が決定される。なお、「当籤」としては、「当籤(今回遊技)」及び「当籤(次回遊技)」が設けられているが、ここでは、これらを区別しないこととする。
疑似ボーナス移行抽籤に当籤していないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、疑似ボーナス移行抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出番号「1」、「3」、「5」、及び、「6」(図243参照)のうちの何れかを抽籤により選択する(ステップS1363)。そして、メインCPU101は、ロック演出開始フラグをオンにセットし(ステップS1364)、本サブルーチンを終了する。これにより、ロック演出番号「1」、「3」、「5」、又は、「6」に対応するロック演出が行われることになる。
なお、図示しないが、1G連抽籤(図7(d)参照)に当籤した場合においても、ロック演出番号「1」、「3」、「5」、及び、「6」のうちの何れかが選択される(ロック演出番号「1」、「3」、「5」、又は、「6」に対応するロック演出が行われる)ようにしてもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(及び1G連抽籤)に当籤していない場合に、ロック演出番号「2」及び「4」のうちの何れかが選択される(ロック演出番号「2」又は「4」に対応するロック演出が行われる)ようにしてもよい。
<遊技終了時ロック演出実行処理>
図272は、主制御回路において行われる遊技終了時ロック演出実行処理を示すフローチャートである。図273は、主制御回路において行われる遊技終了時ロック演出開始用処理を示すフローチャートである。
図272に示す遊技終了時ロック演出実行処理は、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS16(遊技終了時メイン側演出制御処理)で行われる処理である。
遊技終了時ロック演出実行処理において、まず、メインCPU101は、ロック演出開始フラグ(図271のステップS1364参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1381)。ロック演出開始フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ロック演出開始フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、遊技終了時ロック演出開始用処理を実行する(ステップS1382)。ここで、図273を用いて、遊技終了時ロック演出開始用処理について説明する。
遊技終了時ロック演出開始用処理において、まず、メインCPU101は、リプレイが入賞したか否かを判断する(ステップS1401)。この処理において、メインCPU101は、有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せ(図11~図14参照)であるか否かを判断する。
リプレイが入賞したと判断した場合、メインCPU101は、リプレイ入賞時ロック演出開始コマンド生成格納処理を実行する(ステップS1402)。この処理において、メインCPU101は、リプレイ入賞時ロック演出開始コマンドデータを生成し、生成したリプレイ入賞時ロック演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたリプレイ入賞時ロック演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、リプレイが入賞してロック演出が開始されるタイミングであることを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
具体的に、リプレイ入賞時ロック演出開始コマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路200では、リプレイが入賞してロック演出が開始されることに対応する演出データがセットされる。これにより、例えば、図示しないが、「ベットして下さい」といった内容の文字画像(ベット要求画像)がメイン表示装置210に表示され、遊技者に対してベットボタン(MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)を操作することを促すことができる。リプレイが入賞した場合には、ベットボタンの操作は不要であるはずところ、ベット要求画像を通じて、遊技者を意外に感じさせることができる。
次に、メインCPU101は、ベットボタン(MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)が操作されたか否かを判断する(ステップS1403)。この処理において、メインCPU101は、ベットスイッチ6Sがオン状態となったか否かを判断する。MAXベットボタン6aと1ベットボタン6bとのうちの何れかが操作されたと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bが何れも操作されていないと判断した場合、メインCPU101は、スタートレバー7が操作されたか否かを判断する(ステップS1404)。この処理において、メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態(図25のステップS50参照)となったか否かを判断する。スタートレバー7が操作されていないと判断した場合、メインCPU101は、リプレイ入賞時ロック演出開始コマンド生成格納処理を実行してから(ベット要求画像が表示されてから)所定時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS1405)。
所定時間が経過していないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS1403に処理を戻す。ステップS1404においてスタートレバー7が操作されたと判断した場合、又は、ステップS1405において所定時間が経過したと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出キャンセルフラグをオンにセットする(ステップS1406)。ロック演出キャンセルフラグは、ロック演出をキャンセルするために用いられるフラグである。その後、メインCPU101は、ロック演出開始フラグをオフにセットし(ステップS1407)、本サブルーチンを終了する。
ステップS1401においてリプレイが入賞していないと判断した場合、メインCPU101は、リプレイ以外入賞時ロック演出開始コマンド生成格納処理を実行する(ステップS1408)。この処理において、メインCPU101は、リプレイ以外入賞時ロック演出開始コマンドデータを生成し、生成したリプレイ以外入賞時ロック演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたリプレイ以外入賞時ロック演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、リプレイ以外の役が入賞してロック演出が開始されるタイミングであることを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
具体的に、リプレイ以外入賞時ロック演出開始コマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路200では、リプレイ以外の役が入賞してロック演出が開始されることに対応する演出データがセットされる。これにより、例えば、図示しないが、「レバーを叩け」といった内容の文字画像(「レバーを叩け」画像)がメイン表示装置210に表示され、遊技者に対してスタートレバー7を操作することを促すことができる。リプレイ以外の役が入賞した場合には、スタートレバー7を操作する前に、ベットボタンの操作が必要であるはずところ、「レバーを叩け」画像を通じて、遊技者を意外に感じさせることができる。
次に、メインCPU101は、スタートレバー7が操作されたか否かを判断する(ステップS1409)。この処理において、メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態(図25のステップS50参照)となったか否かを判断する。スタートレバー7が操作されたと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、スタートレバー7が操作されていないと判断した場合、メインCPU101は、リプレイ以外入賞時ロック演出開始コマンド生成格納処理を実行してから(「レバーを叩け」画像が表示されてから)所定時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS1410)。所定時間が経過していないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS1409に処理を戻す。一方、所定時間が経過したと判断した場合、メインCPU101は、ロック演出キャンセルフラグをオンにセットする(ステップS1411)。ロック演出キャンセルフラグは、ロック演出をキャンセルするために用いられるフラグである。その後、メインCPU101は、ロック演出開始フラグをオフにセットし(ステップS1412)、本サブルーチンを終了する。
以上、図273を用いて、図272のステップS1382で行われる遊技終了時ロック演出開始用処理について説明した。図272に説明を戻す。
ステップS1382の処理を実行した後、メインCPU101は、ロック演出キャンセルフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1383)。ロック演出キャンセルフラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ロック演出キャンセルフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS1384~ステップS1390の処理を実行するが、これらの処理は、図251のステップS1022~ステップS1028の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上より、リプレイが入賞した単位遊技においてロック演出が行われる旨決定された場合には、ベットボタン(MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)が操作されることにより、ロック演出用にリール3L,3C,3Rの回転が開始されてロック演出が行われ(図272のステップS1386及びステップS1388参照)、次回の単位遊技において、ランダム遅延処理(図257のステップS1123参照)を経て、リール3L,3C,3Rの回転がメイン遊技用の定速回転となる。一方、リプレイが入賞した単位遊技においてロック演出が行われる旨決定されたが、ベット要求画像が表示されてから所定時間以内にベットボタン(MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)が操作されなかった場合、又は、スタートレバー7が操作された場合には、ロック演出(ロック演出用のリール3L,3C,3Rの回転)が行われずに、次回の単位遊技において、通常時加速処理(図257のステップS1125参照)を経て、リール3L,3C,3Rの回転がメイン遊技用の定速回転となる。
なお、図273に示す遊技終了時ロック演出開始用処理では、ベットボタン(MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)が操作されずにスタートレバー7が操作された場合には、次回の単位遊技へと進行することとしている。この場合、次回の単位遊技におけるスタートレバー7操作を省略することとしてもよい。すなわち、図273のステップS1404の判断結果が「YES」となった場合には、次回の単位遊技においてスタートレバー7が操作されるのを待つことなく、図25のステップS50の判断結果が「YES」となるように構成してもよい。もっとも、図273に示す遊技終了時ロック演出開始用処理とは異なり、ベットボタン(MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)が操作されない限り次回の単位遊技へと進行しないように構成してもよい。また、ベットボタン(MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)が操作されない場合であっても次回の単位遊技へと進行するとしても、相当長い時間(例えば、1分)に亘ってベットボタン(MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)が操作されない場合にようやく次回の単位遊技へと進行するように構成してもよい。
また、リプレイ以外の役が入賞した単位遊技においてロック演出が行われる旨決定された場合には、スタートレバー7が操作されることにより、ロック演出用にリール3L,3C,3Rの回転が開始されてロック演出が行われ(図272のステップS1386及びステップS1388参照)、次回の単位遊技において、ランダム遅延処理(図257のステップS1123参照)を経て、リール3L,3C,3Rの回転がメイン遊技用の定速回転となる。一方、リプレイ以外の役が入賞した単位遊技においてロック演出が行われる旨決定されたが、「レバーを叩け」画像が表示されてから所定時間以内にスタートレバー7が操作されなかった場合には、ロック演出(ロック演出用のリール3L,3C,3Rの回転)が行われずに、次回の単位遊技において、通常時加速処理(図257のステップS1125参照)を経て、リール3L,3C,3Rの回転がメイン遊技用の定速回転となる。なお、スタートレバー7が操作されない限り次回の単位遊技へと進行しないように構成してもよいし、相当長い時間(例えば、1分)に亘ってスタートレバー7が操作されない場合にようやく次回の単位遊技へと進行するように構成してもよい。
<疑似遊技中ストップボタン発光制御処理>
図示しないが、主制御回路100では、疑似遊技中に疑似遊技中ストップボタン発光制御処理が行われる。具体的に、メインCPU101は、図264のステップS1243の処理を実行した後、疑似遊技中ストップボタン発光制御処理を実行する。これにより、例えば、各ストップボタン8L,8C,8Rの点灯態様が変化する。以下、詳細に説明する。
各ストップボタン8L,8C,8Rは、それぞれ、同様の構成を有しており、遊技者が接触可能な押圧部分を有するストップボタンカバーと、ストップボタンカバーよりも奥まった箇所に配設されたストップボタン用LEDと、を備えている。ストップボタン用LEDは、フルカラーLEDであり、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能となっている。ストップボタンカバーは、透光性を有する素材により形成されており、ストップボタン用LEDから出射された光は、ストップボタンカバーを透過して、パチスロ機1の外部へと放出され、遊技者から視認可能となっている。
本実施形態では、疑似遊技において、有効なストップボタン8L,8C,8Rのストップボタン用LEDを発光させるように構成されている。具体的に、図264のステップS1242において、メインCPU101は、全てのストップボタン8L,8C,8Rのストップボタン用LEDが点灯するように制御する。また、図264のステップS1244において、メインCPU101は、今回操作されたストップボタン8(又は、ストップボタン操作が省略され、操作されたと見做されたストップボタン8)のストップボタン用LEDが消灯するように制御する。あるいは、ステップS1244ではなく、ステップS1249において制御対象リールが停止したと判断した場合に、今回操作されたストップボタン8(又は、ストップボタン操作が省略され、操作されたと見做されたストップボタン8)のストップボタン用LEDが消灯するように制御してもよい。
また、メインCPU101は、有効なストップボタン8L,8C,8Rのストップボタン用LEDを点灯させるとき、当該ストップボタン用LEDの発光色が特定の色(例えば、赤色)となるように制御してもよい。また、メインCPU101は、今回操作されたストップボタン8(又は、ストップボタン操作が省略され、操作されたと見做されたストップボタン8)のストップボタン用LEDが特定の色(例えば、赤色)で発光するように制御してもよい。
このとき、遊技者に対して特典を付与することが決定されている場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に当籤している場合)に、当該特典を付与することが決定されていない場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に当籤していない場合)と比較して、高い確率でストップボタン用LEDが特定の色(例えば、赤色)で発光するように制御してもよい。また、遊技者に対して特典を付与することが決定されている場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に当籤している場合)には、ストップボタン用LEDの発光色が所定の色(例えば、青色)となる確率よりも、ストップボタン用LEDの発光色が特定の色(例えば、赤色)となる確率が高くなるように制御してもよい。
これにより、ストップボタン用LEDの発光色を通じて、遊技者に対して当該疑似遊技の期待度を示唆することができる。このような制御は、3つのストップボタン8L,8C,8Rに対して個別に行うことが可能である。例えば、ストップボタン8が3つとも特定の色(例えば、赤色)で点灯した場合には遊技者を大いに期待させ、1つのストップボタン8のみが特定の色(例えば、赤色)で点灯した場合には遊技者の期待感を相対的に低下させるといったこともできる。
以上では、各ストップボタン8L,8C,8Rの点灯態様が変化する演出について説明したが、スタートレバー7やベットボタン(MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b)の点灯態様を変化させることとしてもよい。例えば、スタートレバー7、並びに、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、それぞれ、ストップボタン8と同様に、透光性を有するカバー及びLEDを備えることとする。スタートレバー7のカバーは、遊技者が把持可能な球状部分とすることが可能である。例えば、上述した「レバーを叩け」画像がメイン表示装置210に表示されたときにスタートレバー7のLEDを点灯させることとしてもよいし、上述したベット要求画像がメイン表示装置210に表示されたときにMAXベットボタン6a乃至1ベットボタン6bのLEDを点灯させることとしてもよい。
また、このとき、スタートレバー7乃至ベットボタンにおけるLEDの発光色を通じて、遊技者に対して当該疑似遊技の期待度を示唆することとしてもよい。例えば、遊技者に対して特典を付与することが決定されている場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に当籤している場合)に、当該特典を付与することが決定されていない場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に当籤していない場合)と比較して、高い確率でスタートレバー7乃至ベットボタンのLEDが特定の色(例えば、赤色)で発光するように制御してもよい。また、遊技者に対して特典を付与することが決定されている場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に当籤している場合)には、スタートレバー7乃至ベットボタンにおけるLEDの発光色が所定の色(例えば、青色)となる確率よりも、スタートレバー7乃至ベットボタンにおけるLEDの発光色が特定の色(例えば、赤色)となる確率が高くなるように制御してもよい。
ストップボタン8、スタートレバー7、MAXベットボタン6a、及び、1ベットボタン6bに設けられたLEDは、主制御回路100により制御されることとしてもよいし、副制御回路200により制御されることとしてもよい。当該LEDが副制御回路200により制御されるように構成されている場合、メインCPU101は、当該LEDの点灯態様を変化させるとき、当該点灯態様の変化に対応するコマンドデータを生成し、生成したコマンドデータを副制御回路200へと送信するようにすればよい。なお、メイン遊技においても、疑似遊技と同様に、当該LEDの点灯態様を変化させる演出を行うこととしてもよい。
<バックライト演出>
第1実施形態で説明したように、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(リールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
本実施形態では、このようなリールランプ(リールバックライト)を用いた演出(バックライト演出)が行われる。図示しないが、各リール3L,3C,3Rには、リールバックライトとしてLED(リール照明用LED)が複数配設されている。これらのリール照明用LEDは、メイン表示窓4の枠内に停止表示された9個の図柄を1個ずつ個別に照射することができるように、各リール3L,3C,3Rにおけるリール本体の内側に配置されている。
以下では、左リール3Lの上段領域を照射可能なリール照明用LEDを左上リール照明用LEDと呼び、左リール3Lの中段領域を照射可能なリール照明用LEDを左中リール照明用LEDと呼び、左リール3Lの下段領域を照射可能なリール照明用LEDを左下リール照明用LEDと呼び、中リール3Cの上段領域を照射可能なリール照明用LEDを中上リール照明用LEDと呼び、中リール3Cの中段領域を照射可能なリール照明用LEDを中中リール照明用LEDと呼び、中リール3Cの下段領域を照射可能なリール照明用LEDを中下リール照明用LEDと呼び、右リール3Rの上段領域を照射可能なリール照明用LEDを右上リール照明用LEDと呼び、右リール3Rの中段領域を照射可能なリール照明用LEDを右中リール照明用LEDと呼び、右リール3Rの下段領域を照射可能なリール照明用LEDを右下リール照明用LEDと呼ぶこととする。
左上リール照明用LED、左中リール照明用LED、左下リール照明用LED、中上リール照明用LED、中中リール照明用LED、中下リール照明用LED、右上リール照明用LED、右中リール照明用LED、及び、右下リール照明用LEDとしては、それぞれ、複数のLEDが設けられており、各リール3L,3C,3Rにおいて複雑な点灯パターンを有するバックライト演出を実現することができるようになっている。
バックライト演出は、疑似遊技において、各リール3L,3C,3Rが停止するのに伴って、点灯中のリール照明用LEDを消灯させることにより行われる。具体的に、メインCPU101は、疑似遊技において各リール3L,3C,3Rの回転を開始させるとき(図262のステップS1206及び図272のステップS1386参照)、左上リール照明用LED、左中リール照明用LED、左下リール照明用LED、中上リール照明用LED、中中リール照明用LED、中下リール照明用LED、右上リール照明用LED、右中リール照明用LED、及び、右下リール照明用LEDが全て点灯するように制御する。
そして、メインCPU101は、図264のステップS1249において制御対象リールが停止したと判断した場合に、制御対象リールの上段領域を照射可能なリール照明用LED、制御対象リールの中段領域を照射可能なリール照明用LED、及び、制御対象リールの下段領域を照射可能なリール照明用LEDのうち、有効ライン上に位置しない領域を照射可能なリール照明用LEDが消灯するように制御する。例えば、有効ラインがセンターラインであり、制御対象リールが左リール3Lであるとする。この場合、メインCPU101は、左上リール照明用LED及び左下リール照明用LEDが消灯する一方、左中リール照明用LEDは点灯した状態が維持されるように制御する。有効ライン上に位置しない領域を照射可能なリール照明用LEDを消灯させる際、当該リール照明用LEDとして設けられた複数のLEDを全て消灯させることとしてもよいし、当該複数のLEDのうちの一部のLEDを消灯させることとしてもよい。
これにより、有効ライン上に位置しない領域に停止表示された図柄の視認性は低下するが、有効ライン上に位置する領域に停止表示された図柄の視認性は確保される。例えば、ロック演出番号「3」に対応するロック演出(図243参照)において、図246(b)に示す状態では、右リール3Rに関し、「BAR」及び「リプレイ」の視認性が低下する一方、「赤7」の視認性は確保される。図246(c)に示す状態では、右リール3Rに関しては図246(b)に示す状態と同じであり、中リール3Cに関しては、「スイカ」及び「黄ブランク」の視認性が低下する一方、「赤7」の視認性は確保される。図246(d)に示す状態では、右リール3R及び中リール3Cに関しては図246(c)に示す状態と同じであり、左リール3Lに関しては、「白ブランク1」及び「スイカ」の視認性が低下する一方、「赤7」の視認性は確保される。従って、一部のリール照明用LEDが消灯したとしても、「赤7」図柄が揃ったことを遊技者に対して明確に認識させることができる。
なお、有効ライン上に位置しない領域を照射可能なリール照明用LEDを消灯させる場合、当該リール照明用LEDが消灯することにより、有効ライン上に位置する領域における図柄の視認性が低下しないように構成することが望ましい。例えば、各領域における図柄の視認性が他の領域におけるリール照明用LEDの点灯態様によって干渉されないように、隣接する領域間に仕切り板等を設けた構造にするとよい。
また、有効ライン上に位置しない領域を照射可能なリール照明用LEDを消灯させた後、当該LEDを再度点灯させたり消灯させたりすることとしてもよい。その際、当該LEDの点灯パターンを通じて、遊技者に対して当該疑似遊技の期待度を示唆することとしてもよい。例えば、遊技者に対して特典を付与することが決定されている場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に当籤している場合)に、当該特典を付与することが決定されていない場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に当籤していない場合)と比較して、高い確率で特定のパターンで当該LEDが点灯するように制御してもよい。また、遊技者に対して特典を付与することが決定されている場合(例えば、疑似ボーナス移行抽籤(AT抽籤)に当籤している場合)には、所定のパターンで当該LEDが点灯する確率よりも、特定のパターンで当該LEDが点灯する確率が高くなるように制御してもよい。
リール照明用LEDは、主制御回路100により制御されることとしてもよいし、副制御回路200により制御されることとしてもよい。リール照明用LEDが副制御回路200により制御されるように構成されている場合、メインCPU101は、リール照明用LEDの点灯態様を変化させるとき、当該点灯態様の変化に対応するコマンドデータを生成し、生成したコマンドデータを副制御回路200へと送信するようにすればよい。なお、メイン遊技においても、疑似遊技と同様に、リール照明用LEDの点灯態様を変化させる演出を行うこととしてもよい。
<メインROM及びメインRAMの内部構成(メモリマップ)>
次に、図274A~図274Cを参照しながら、主制御回路100に含まれるメインROM102及びメインRAM103の内部構成(以下「メモリマップ」という)について説明する。なお、図274Aは、メモリ全体のメモリマップを示す図であり、図274Bは、メインROM102のメモリマップを示す図であり、図274Cは、メインRAM103のメモリマップを示す図である。
主制御回路100が備えるメモリ全体のメモリマップでは、図274Aに示すように、アドレスの先頭(0000H)側から、メインROM102のメモリ領域、メインRAM103のメモリ領域、内蔵レジスタエリア及びXCSデコードエリアが、不使用領域を間に挟んでこの順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
メインROM102のメモリマップでは、図274Bに示すように、メインROM102のアドレスの先頭(0000H)側から、プログラムエリア、データエリア、規定外エリア、商標記録エリア、プログラム管理エリア及びセキュリティ設定エリアが、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
なお、プログラムエリアには、遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU101により実行される各種処理の制御プログラムが記憶される。データエリアには、遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU101により使用される各種データ(例えば、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等)が記憶される。すなわち、プログラムエリアとデータエリアとからなる遊技用ROM領域(遊技用記憶領域)には、遊技店で遊技者が実際に行う遊技の遊技性に関連する制御処理(遊技性に関する処理)に必要な各種プログラム及び各種データが格納される。
また、規定外エリアには、遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理(遊技性に影響を与えない処理)の制御プログラム及びデータが記憶される。例えば、パチスロ1の検定試験(試射試験)で使用されるプログラム及びデータ、電断時のチェックサム生成処理や電源復帰時のサムチェック処理などで使用される制御プログラム及びデータ、並びに、不正対策プログラム及びそれに必要なデータ等が、規定外エリアに格納される。
メインRAM103のメモリマップでは、図274Cに示すように、メインRAM103のアドレスの先頭(F000H)側から、遊技用RAM領域(所定格納領域、遊技用一時記憶領域)及び規定外RAM領域(規定外一時記憶領域)が、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
遊技用RAM領域には、遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する制御プログラムの実行により決定された例えば内部当籤役等の各種データを一時的に格納する作業領域及びスタックエリアが設けられる。そして、各種データのそれぞれは、遊技用RAM領域内の所定アドレスの作業領域に格納される。
また、規定外RAM領域には、遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理の作業領域となる規定外作業領域と、規定外スタックとが設けられる。本実施形態では、この規定外RAM領域を使用して、例えばサムチェック処理等の遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理が実行される。
上述のように、本実施形態のパチスロ機1では、メインROM102内において、遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理に使用される各種プログラム及び各種データ(テーブル)を、遊技用ROM領域とは異なるアドレスに配置された規定外ROM領域(規定外記憶領域)に格納する。また、そのような遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理は、メインRAM103内において、遊技用RAM領域とは異なるアドレスに配置された規定外RAM領域を使用して行われる。
このようなメインROM102の構成では、従来の規則上においてプログラム等の配置不可とされていたROM領域(規定外ROM領域)に、遊技者が実際に行う遊技そのものには不要なプログラム及びデータを配置することができる。それゆえ、本実施形態では、遊技用ROM領域の容量の圧迫を回避することができる。
<試射試験信号制御処理(規定外)>
図示しないが、主制御回路100では、定期割込処理(図32参照)において試射試験信号制御処理(規定外)が行われる。メインCPU101は、図32のステップS208の処理を実行した後、試射試験信号制御処理(規定外)を実行する。この処理において、メインCPU101は、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302(図3参照)を介して試験機に各種試験信号を出力する際の制御処理を行う。
具体的に、メインCPU101は、メインRAM103のスタックエリアのアドレスを退避させ、スタックポインタ(SP)に規定外スタックエリアのアドレスをセットし、全レジスタのデータを退避させる。そして、メインCPU101は、試験機用第1インターフェースボード301乃至試験機用第2インターフェースボード302を介して試験機に出力される信号に関する処理として、各リールの回転制御信号(駆動信号)、ボーナス(特賞)のON/OFF信号(試験信号)、条件装置信号制御フラグの状態に対応する制御信号等を出力するための処理を行う。そして、メインCPU101は、退避させた全レジスタのデータの復帰処理を行い、退避させたスタックエリアのアドレスをスタックポインタ(SP)にセットする。
このような試射試験信号制御処理(規定外)は、メインRAM103の規定外作業領域(図274C参照)を用いて実行される。なお、試射試験信号制御処理(規定外)は、試射試験時以外のとき(パチスロ機1が遊技店に設置された後)にも行われるが、このときには、主制御基板71が試験機用第1インターフェースボード301乃至試験機用第2インターフェースボード302を介して試験機に接続されていないので、各種試験信号は生成されても出力されない。
ここで、第1実施形態で説明したように、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるように構成することが可能である。疑似遊技信号を出力する際の制御処理は、試射試験信号制御処理(規定外)において行われることとしてもよい。この場合、疑似遊技信号を出力する際の制御処理は、メインRAM103の規定外作業領域(図274C参照)を用いて実行されることになる。
また、第1実施形態で説明したように、試験機用第1インターフェースボード301は、疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。この場合、主制御基板71から試験機用第2インターフェースボード302に疑似遊技信号を入力し、試験機用第2インターフェースボード302から試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技信号を入力するように構成してもよい。その上で、試験機用第1インターフェースボード301から主制御基板71に疑似遊技進行制御用の信号(停止信号)を送信することで、疑似遊技において各リール3L,3C,3Rが停止(疑似停止)されるように構成することが可能である。これにより、試射試験をスムーズに進めることができる。
また、リプレイが入賞して疑似遊技が行われる場合には(図273参照)、リプレイが入賞したことをキャンセルする旨を試験機側で認識可能とするための試験信号(キャンセル信号)が出力されるように構成することが可能である。この場合、試験機用第1インターフェースボード301(試験機用第2インターフェースボード302)を介して主制御基板71から試験機にキャンセル信号(ベットボタンの操作を催促する旨の信号)を出力することとしてもよいし、主制御基板71から試験機用第1インターフェースボード301(試験機用第2インターフェースボード302)に、リプレイが入賞して疑似遊技が行われることを示す信号を入力した上で、試験機用第1インターフェースボード301(試験機用第2インターフェースボード302)から試験機にキャンセル信号を出力することとしてもよい。その後、ベットが行われたことに対応する信号(ベット信号)を試験機に出力することにより、次の遊技が開始されるようにすることが可能であり、試射試験を円滑に進めることができる。このような信号を出力する際の制御処理も、試射試験信号制御処理(規定外)において行われるように構成することが可能である。なお、リプレイが入賞して疑似遊技が行われる場合としては、有効ライン外において各リール3L,3C,3Rに停止表示された図柄の組合せが「ベル」-「ベル」-「ベル」となっているが入賞役がリプレイであるような場合を採用することができる。
以上、本発明の一実施形態として、第9実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
<付記D>
従来、当籤役抽籤の結果を報知するためのメインリールと、演出用のサブリールと、を備えた遊技機が知られている(特開2010-214050号公報参照)。サブリールは、メインリールよりも大型に形成されるとともに、目立つ位置に配置され、また、遊技者にとって識別しやすい図柄が識別しやすい配列で配置されている。これにより、サブリールがあたかも中心的なリールであるかのように遊技者に見せている。
このようなサブリールを備える遊技機においては、遊技者が停止操作を行うことで、メインリールでは実行することが困難な態様(例えば、逆回転やコマ送り等)でサブリールを回転させた後に停止させるリール演出が実行されることがある。
一方、メインリールのみを備える遊技機においても、このようなリールを用いた演出(遊技者が停止操作を行うことでリールが停止するが、停止されたリールの表示態様に応じた遊技媒体(メダル等)を付与しない演出)を実行することが考えられるが、メインリールにおいてこのような演出(疑似遊技)が行われる場合、疑似遊技に関する操作について遊技者自身が決定することができるように、当該操作の自由度を高めることが望まれる。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、疑似遊技に関する操作について遊技者自身が決定可能であり、当該操作の自由度を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第9実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(D-1) 複数の図柄が施され、回転駆動可能な複数のリール(リール3L,3C,3R)と、
遊技者による停止操作の検出を行うことが可能な停止操作検出手段(ストップスイッチ8S)と、
前記リールを制御するリール制御手段(図32のステップS203の処理等を実行するメインCPU101)と、を備え、
前記リール制御手段は、前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出された場合に、回転中の前記リールを停止させる停止操作後停止制御を実行可能であり、
前記停止操作後停止制御により前記リールが停止された場合に前記複数のリールの図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)又は遊技媒体データを付与し得るメイン遊技と、前記停止操作後停止制御により前記リールが停止された場合に前記複数のリールの図柄態様に応じた遊技媒体又は遊技媒体データを付与しない疑似遊技と、を実行可能であり、
前記疑似遊技を進行させるための操作を省略可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)又は遊技媒体(メダル)データを付与し得るメイン遊技と、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)又は遊技媒体(メダル)データを付与しない疑似遊技と、を実行可能であり、疑似遊技を進行させるための操作を省略可能なように構成されている。これにより、疑似遊技を進行させるための操作を遊技者の意思でキャンセルすることができるため、当該操作について遊技者自身が決定可能であり、当該操作の自由度を高めることができる。また、当該操作を省略することを望む遊技者のニーズに応えることが可能であり、操作負担の軽減も図ることができる。
上記疑似遊技を進行させるための操作には、疑似遊技が行われているときに該疑似遊技を進行させるための操作(例えば、第1停止操作、第2停止操作、及び、第3停止操作)の他、疑似遊技を開始させるための操作も含まれる。疑似遊技を開始させるための操作は、所定操作が検出された場合に疑似遊技を開始させることが可能なように構成されている場合における当該所定操作である。第8実施形態でも説明したように、所定操作としては、特に限定されず、任意の操作部(例えば、スタートレバー7、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9等)の操作を適宜採用することが可能である。
第8実施形態で説明したように、パチスロ機1において物理的なメダルを用いて遊技が行われる場合、メイン遊技は、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)を付与し得る遊技であり、疑似遊技は、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)を付与しない遊技である。一方、パチスロ機1が第1実施形態で説明したメダルレス遊技機である場合、メイン遊技は、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)データを付与し得る遊技であり、疑似遊技は、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合に複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様に応じた遊技媒体(メダル)データを付与しない遊技である。遊技媒体(メダル)データは、遊技者が保有する遊技価値に相当するデータであり、第1実施形態で説明したように、電磁的に(あるいは、遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で)管理されるものである。
(D-2) 前記(D-1)の遊技機であって、
前記リール制御手段(図264の処理等を実行するメインCPU101)は、前記疑似遊技において該疑似遊技を進行させるための操作が省略された場合、該疑似遊技において前記停止操作後停止制御により前記複数のリールが停止された場合における該複数のリールの図柄態様と同じ図柄態様となるように、前記複数のリールを停止させることが可能である、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技において該疑似遊技を進行させるための操作が省略された場合、該疑似遊技において停止操作後停止制御により複数のリール(リール3L,3C,3R)が停止された場合における該複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様と同じ図柄態様となるように、複数のリール(リール3L,3C,3R)を停止させることが可能なように構成されている。これにより、疑似遊技を進行させるための操作が省略されたとしても、疑似遊技の結果として、当該操作が省略されなかった場合と同じ図柄態様が導出されるため、当該操作を省略する旨の意思決定を遊技者に安心して行ってもらうことができる。
もっとも、疑似遊技において該疑似遊技を進行させるための操作が省略されて複数のリール(リール3L,3C,3R)が停止された場合における該複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様と、該疑似遊技において停止操作後停止制御により複数のリール(リール3L,3C,3R)が停止された場合における該複数のリール(リール3L,3C,3R)の図柄態様と、が異なることがあってもよい。例えば、疑似遊技において停止操作後停止制御により複数のリール(リール3L,3C,3R)が停止される場合には、停止操作のタイミングが適切であれば、予め定められた図柄(例えば、「赤7」図柄)が停止表示されるが、停止操作のタイミングが適切でないと、予め定められた図柄(例えば、「赤7」図柄)が停止表示されない一方、該疑似遊技において該疑似遊技を進行させるための操作が省略されて複数のリール(リール3L,3C,3R)が停止される場合には、予め定められた図柄(例えば、「赤7」図柄)が必ず停止表示されるように構成してもよい。
(D-3) 前記(D-1)又は(D-2)の遊技機であって、
前記停止操作とは異なる所定操作(MAXベットボタン6a操作)の検出を行うことが可能な所定操作検出手段を備え、
前記リール制御手段(図264の処理等を実行するメインCPU101)は、前記疑似遊技において前記所定操作検出手段により前記所定操作が検出された場合に、回転中の前記リールを停止させる所定操作後停止制御を実行可能である、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技において停止操作とは異なる所定操作(MAXベットボタン6a操作)が検出された場合に、回転中のリールを停止させる所定操作後停止制御を実行可能なように構成されている。これにより、疑似遊技を進行させるための操作として、遊技者の意思で、停止操作に代えて(停止操作を省略して)所定操作(MAXベットボタン6a操作)を行うことが可能であり、疑似遊技において停止操作以外の操作を行うことを望む遊技者のニーズに応えることができるとともに、疑似遊技における操作の自由度を一層高めることができる。
第9実施形態では、疑似遊技において所定操作(MAXベットボタン6a操作)が行われた場合に、残っているストップボタン操作が全て省略されることとして説明した。所定操作(MAXベットボタン6a操作)が行われた場合に省略されるストップボタン操作は、この例に限定されず、今回のストップボタン操作のみが省略されることとしてもよい。また、所定操作としては、特に限定されず、任意の操作部(例えば、スタートレバー7、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9等)の操作を適宜採用することが可能である。例えば、一の操作部(例えば、MAXベットボタン6a)が操作された場合には、残っているストップボタン操作が全て省略される一方、他の操作部(例えば、1ベットボタン6b)が操作された場合には、今回のストップボタン操作のみが省略されるように構成してもよい。
なお、所定操作後停止制御は、停止操作後停止制御と同じ制御であってもよいし、停止操作後停止制御とは異なる制御であってもよい。所定操作後停止制御が停止操作後停止制御と同じ制御である場合、停止操作後停止制御としてのステッピングモータ51の駆動制御(ステッピングモータ51の励磁制御に用いられる減速用の励磁パターンに対応する励磁用データ)と、所定操作後停止制御としてのステッピングモータ51の駆動制御(ステッピングモータ51の励磁制御に用いられる減速用の励磁パターンに対応する励磁用データ)とは、同一の制御(励磁用データ)となる。一方、所定操作後停止制御が停止操作後停止制御と異なる制御である場合、停止操作後停止制御としてのステッピングモータ51の駆動制御(ステッピングモータ51の励磁制御に用いられる減速用の励磁パターンに対応する励磁用データ)と、所定操作後停止制御としてのステッピングモータ51の駆動制御(ステッピングモータ51の励磁制御に用いられる減速用の励磁パターンに対応する励磁用データ)とは、異なる制御(励磁用データ)となる。
(D-4) 前記(D-1)~(D-3)の何れかの遊技機であって、
前記停止操作後停止制御によらずに前記リールが停止される回胴演出(リール演出)を実行可能であり、
前記回胴演出が終了した後に、前記疑似遊技を実行可能である、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、停止操作後停止制御によらずにリールが停止される回胴演出(リール演出)が終了した後に、疑似遊技を実行可能なように構成されている。これにより、回胴演出(リール演出)及び疑似遊技の2段階で演出を行うことが可能であり、回胴演出(リール演出)が発生した段階で、続いて疑似遊技が発生することを遊技者に期待させることができる。
回胴演出(リール演出)としては、疑似遊技開始時ロック(図263のステップS1223参照)を採用してもよいし、ロック演出番号「6」(図243参照)に対応するロック演出において行われるリール演出を採用してもよい。
(D-5) 前記(D-1)~(D-4)の何れかの遊技機であって、
遊技者による操作が所定時間無効化される所定ロック(疑似遊技開始時ロック)を実行することが可能なロック実行手段(図263のステップS1223の処理を実行するメインCPU101)を備え、
前記ロック実行手段により実行される前記所定ロックが終了した後に、前記疑似遊技を実行可能であり、
前記リール制御手段(図266の処理を実行するメインCPU101)は、前記疑似遊技においては前記停止操作後停止制御により停止された前記リールを動作させる停止後動作制御(揺動制御)を実行可能である一方、前記ロック実行手段により前記所定ロックが実行されている間は前記停止後動作制御を実行しない、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、遊技者による操作が所定時間無効化される所定ロック(疑似遊技開始時ロック)が終了した後に、疑似遊技を実行可能であり、疑似遊技においては停止操作後停止制御により停止されたリールを動作させる停止後動作制御(揺動制御)を実行可能である一方、所定ロック(疑似遊技開始時ロック)が実行されている間は停止後動作制御(揺動制御)を実行しないように構成されている。これにより、所定ロック(疑似遊技開始時ロック)及び疑似遊技の2段階で演出を行うことが可能であり、所定ロック(疑似遊技開始時ロック)が発生した段階で、続いて疑似遊技が発生することを遊技者に期待させることができる。また、疑似遊技においては、停止後動作制御(揺動制御)を通じて、現在行われている遊技が疑似遊技であることを遊技者に認識させることが可能であり、遊技者が当該遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを防止することができる。一方で、所定ロック(疑似遊技開始時ロック)においては、遊技者による操作が無効化され、当該所定ロック(疑似遊技開始時ロック)を遊技者がメイン遊技と誤認してしまう可能性は、相対的に低くなっている。このような所定ロック(疑似遊技開始時ロック)においては停止後動作制御(揺動制御)を実行しないようにすることで、疑似遊技における停止後動作制御(揺動制御)を際立たせることが可能であり、結果として、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを効果的に防止することができる。
第9実施形態で説明したように、所定ロック(疑似遊技開始時ロック)が実行されている間、遊技者が何らかの操作を行ったとしても当該操作は無効となり、所定ロック(疑似遊技開始時ロック)が終了した後に、疑似遊技用の操作が受け付けられるようになる(図263のステップS1225、並びに、図265のステップS1262及びステップS1263参照)。また、第9実施形態で説明したように、所定ロック(疑似遊技開始時ロック)は、リール演出を伴わないロック演出であってもよいし、リール演出を伴うロック演出であってもよい。所定ロック(疑似遊技開始時ロック)がリール演出を伴うものである場合、当該リール演出においてリールが停止したとき、停止後動作制御(揺動制御)を行うこととしてもよいし、停止後動作制御(揺動制御)を行わないこととしてもよい。
(D-6) 前記(D-1)~(D-5)の何れかの遊技機であって、
前記停止操作とは異なる所定操作(MAXベットボタン6a操作)の検出を行うことが可能な所定操作検出手段を備え、
前記リール制御手段(図264の処理等を実行するメインCPU101)は、
前記疑似遊技において前記所定操作検出手段により前記所定操作が検出された場合に、回転中の前記リールを停止させる所定操作後停止制御を実行可能であり、
前記停止操作後停止制御が実行される場合には、前記停止操作が検出されてから所定のタイミングで前記リールを停止させる一方、前記所定操作後停止制御が実行される場合には、前記所定操作が検出されてから前記所定のタイミングよりも遅いタイミングで前記リールを停止させることが可能である、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技において停止操作とは異なる所定操作(MAXベットボタン6a操作)が検出された場合に、回転中のリールを停止させる所定操作後停止制御を実行可能である。そして、停止操作後停止制御が実行される場合には、停止操作が検出されてから所定のタイミングでリールを停止させる一方、所定操作後停止制御が実行される場合には、所定操作(MAXベットボタン6a操作)が検出されてから所定のタイミングよりも遅いタイミングでリールを停止させることが可能なように構成されている。これにより、疑似遊技を進行させるための操作として、遊技者の意思で、停止操作に代えて(停止操作を省略して)所定操作(MAXベットボタン6a操作)を行うことが可能であり、疑似遊技において停止操作以外の操作を行うことを望む遊技者のニーズに応えることができるとともに、疑似遊技における操作の自由度を一層高めることができる。また、所定操作(MAXベットボタン6a操作)が行われた場合におけるリールの停止タイミングを停止操作が行われた場合よりも遅らせることを通じて、遊技者に対して斬新なリールアクションを提供することが可能であり、停止操作を省略したとしても、遊技者に疑似遊技を楽しんでもらうことができる。
所定操作(MAXベットボタン6a操作)が行われた場合におけるリールアクションは、特に限定されず、停止操作が行われた場合よりも余分に回転させた上でリールを停止させることとしてもよいし、停止操作が行われた場合と比較して回転速度を変更(遅く)した上で(例えば、コマ送りにして)リールを停止させることとしてもよいし、回転方向を変更した(逆回転させた)上でリールを停止させることとしてもよい。このようなリールアクションは、所定操作(MAXベットボタン6a操作)が行われた場合に、停止操作が行われた場合とは異なる励磁パターンに基づいてステッピングモータ51の駆動制御を行うことにより実現することができる。
なお、このようなリールアクション(余分な回転、回転速度の変更、回転方向の変更等)は、疑似遊技において停止操作(ストップボタン8操作)が行われた場合においても実行することとしてもよい。例えば、複数のリール(リール3L,3C,3R)のうち少なくとも一のリールについて、当該リールに対する停止操作が行われた後も、すぐに停止させず、1周又は複数周回させた上で(当該リールに対応するストップボタン8が操作されてから所定時間が経過したときに自動的に)停止させることとしてもよい。当該一のリールは、第1停止リール(第1停止操作の対象となったリール)であってもよいし、第2停止リール(第2停止操作の対象となったリール)であってもよいし、第3停止リール(第3停止操作の対象となったリール)であってもよい。当該一のリールが第1停止リールである場合、第2停止リール乃至第3停止リールが停止した後に、第1停止リールが停止することがあってもよいし、同様に、当該一のリールが第2停止リールである場合、第3停止リールが停止した後に、第2停止リールが停止することがあってもよい。また、全てのリール(リール3L,3C,3R)について、このようなリールアクションを行うこととしてもよい。リールアクションが行われたとしても、停止操作が行われたことによりリールが停止される点に変わりはないので、停止操作後停止制御によりリールが停止される場合として、当該リールに対しては停止後動作制御(揺動制御)が実行されることとするのが望ましい。
(D-7) 前記(D-1)~(D-6)の何れかの遊技機であって、
前記リール制御手段(図266の処理を実行するメインCPU101)は、前記疑似遊技において前記停止操作後停止制御により前記リールが停止された場合には停止された該リールを動作させる停止後動作制御(揺動制御)を実行可能である一方、前記疑似遊技において該疑似遊技を進行させるための操作が省略されて前記リールが停止された場合には前記停止後動作制御を実行しない、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技において停止操作後停止制御によりリールが停止された場合には停止された該リールを動作させる停止後動作制御(揺動制御)を実行可能である一方、疑似遊技において該疑似遊技を進行させるための操作が省略されてリールが停止された場合には停止後動作制御(揺動制御)を実行しないように構成されている。疑似遊技を進行させるための操作が省略されてリールが停止された場合においては、当該操作を省略する旨の意思決定を遊技者自身が行っている可能性が高いため、当該疑似遊技を遊技者がメイン遊技と誤認してしまう可能性は、相対的に低くなっている。このような場合においては停止後動作制御(揺動制御)を実行しないようにすることで、停止操作後停止制御によりリールが停止された場合における停止後動作制御(揺動制御)を際立たせることが可能であり、結果として、遊技者が疑似遊技をメイン遊技と誤認してしまうことを効果的に防止することができる。
もっとも、疑似遊技において該疑似遊技を進行させるための操作が省略されてリールが停止された場合においても停止後動作制御(揺動制御)を実行するように構成してもよい。また、残っているストップボタン操作が全て省略された場合には、停止後動作制御(揺動制御)を実行しない一方、今回のストップボタン操作のみが省略された場合には、停止後動作制御(揺動制御)を実行するように構成してもよい。例えば、所定操作(MAXベットボタン6a操作)が行われることによりリールが停止した場合には、停止後動作制御(揺動制御)を実行しない一方、ストップボタン8が操作されずに所定時間が経過したことによりリールが停止した場合には、停止後動作制御(揺動制御)を実行するように構成してもよい。
(D-8) 前記(D-1)~(D-7)の何れかの遊技機であって、
前記リール制御手段(図264の処理等を実行するメインCPU101)は、前記疑似遊技において前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出されずに所定時間が経過した場合に、回転中の前記リールを停止させる自動停止制御を実行可能である、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技において停止操作が検出されずに所定時間が経過した場合に、回転中のリールを停止させる自動停止制御を実行可能なように構成されている。これにより、疑似遊技を進行させるための操作としての停止操作を行わずに、遊技者の意思で所定時間待機することにより、当該停止操作を省略することが可能であり、停止操作を省略することを望む遊技者のニーズに応えることができるとともに、疑似遊技における操作の自由度を一層高めることができる。
第9実施形態では、疑似遊技においてストップボタン8が操作されずに所定時間が経過した場合に、今回のストップボタン操作のみが省略されることとして説明した。ストップボタン8が操作されずに所定時間が経過した場合に省略されるストップボタン操作は、この例に限定されず、残っているストップボタン操作が全て省略されることとしてもよい。
なお、自動停止制御は、停止操作後停止制御と同じ制御であってもよいし、停止操作後停止制御とは異なる制御であってもよい。自動停止制御が停止操作後停止制御と同じ制御である場合、停止操作後停止制御としてのステッピングモータ51の駆動制御(ステッピングモータ51の励磁制御に用いられる減速用の励磁パターンに対応する励磁用データ)と、自動停止制御としてのステッピングモータ51の駆動制御(ステッピングモータ51の励磁制御に用いられる減速用の励磁パターンに対応する励磁用データ)とは、同一の制御(励磁用データ)となる。一方、自動停止制御が停止操作後停止制御と異なる制御である場合、停止操作後停止制御としてのステッピングモータ51の駆動制御(ステッピングモータ51の励磁制御に用いられる減速用の励磁パターンに対応する励磁用データ)と、自動停止制御としてのステッピングモータ51の駆動制御(ステッピングモータ51の励磁制御に用いられる減速用の励磁パターンに対応する励磁用データ)とは、異なる制御(励磁用データ)となる。
(D-9) 前記(D-1)~(D-8)の何れかの遊技機であって、
前記疑似遊技において所定の条件(所定時間の経過)が成立した場合に、該疑似遊技を進行させるための操作を省略可能であり、
前記リール制御手段(図264の処理等を実行するメインCPU101)は、前記疑似遊技において前記複数のリールのうちの2つ以上のリールが回転しているときに前記所定の条件が成立した場合、該2つ以上のリールのうちの一のリールを前記停止操作後停止制御によらずに停止させることが可能である、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技において所定の条件(所定時間の経過)が成立した場合に、該疑似遊技を進行させるための操作を省略可能であり、疑似遊技において複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの2つ以上のリールが回転しているときに所定の条件(所定時間の経過)が成立した場合、該2つ以上のリールのうちの一のリールを停止操作後停止制御によらずに停止させることが可能なように構成されている。これにより、所定の条件(所定時間の経過)を成立させることで一のリールに対する停止操作を省略することが可能であり、当該停止操作を省略することを望む遊技者のニーズに応えることができるとともに、疑似遊技における操作の自由度を一層高めることができる。
第9実施形態では、上記所定の条件として、所定時間の経過を採用した例について説明したが、所定の条件は、この例に限定されず、任意の操作部(例えば、スタートレバー7、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9等)の操作を適宜採用することが可能である。例えば、上述したように、第9実施形態では、疑似遊技において所定操作(MAXベットボタン6a操作)が行われた場合に、残っているストップボタン操作が全て省略されることとして説明したが、この場合、今回のストップボタン操作のみが省略されることとしてもよい。
(D-10) 前記(D-1)~(D-9)の何れかの遊技機であって、
前記疑似遊技において所定の条件(MAXベットボタン6a操作)が成立した場合に、該疑似遊技を進行させるための操作を省略可能であり、
前記リール制御手段(図264の処理等を実行するメインCPU101)は、前記疑似遊技において前記複数のリールのうちの2つ以上のリールが回転しているときに前記所定の条件が成立した場合、該2つ以上のリール全てを前記停止操作後停止制御によらずに停止させることが可能である、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、疑似遊技において所定の条件(MAXベットボタン6a操作)が成立した場合に、該疑似遊技を進行させるための操作を省略可能であり、疑似遊技において複数のリール(リール3L,3C,3R)のうちの2つ以上のリールが回転しているときに所定の条件(MAXベットボタン6a操作)が成立した場合、該2つ以上のリール全てを停止操作後停止制御によらずに停止させることが可能なように構成されている。これにより、所定の条件(MAXベットボタン6a操作)を成立させることで回転中の全てのリールに対する停止操作を省略することが可能であり、当該停止操作を省略することを望む遊技者のニーズに応えることができるとともに、操作負担の軽減も一層図ることができる。
第9実施形態では、上記所定の条件として、MAXベットボタン6a操作を採用した例について説明したが、所定の条件は、この例に限定されず、任意の操作部(例えば、スタートレバー7、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9等)の操作を適宜採用することが可能である。また、所定時間の経過を所定の条件として採用してもよい。例えば、上述したように、第9実施形態では、疑似遊技においてストップボタン8が操作されずに所定時間が経過した場合に、今回のストップボタン操作のみが省略されることとして説明したが、この場合、残っているストップボタン操作が全て省略されることとしてもよい。
(D-11) 前記(D-1)~(D-10)の何れかの遊技機であって、
前記疑似遊技を実行する旨決定することが可能な疑似遊技決定手段(図250及び図271の処理を実行するメインCPU101)と、
所定の期間(有利区間)中における前記メイン遊技の進行に応じて更新され得る所定の変数(有利区間ゲーム数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値)が特定の条件(リミッタの作動条件)を満たした場合に、前記所定の期間を終了させることが可能な所定期間終了手段と、を備え、
前記疑似遊技決定手段は、前記所定の期間において前記疑似遊技を実行する旨決定することが可能である一方、前記所定の変数が前記特定の条件を満たす前の特定期間(準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動した後の期間)においては前記疑似遊技を実行する旨決定しない、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、所定の期間(有利区間)中におけるメイン遊技の進行に応じて更新され得る所定の変数(有利区間ゲーム数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値)が特定の条件(リミッタの作動条件)を満たした場合に、所定の期間(有利区間)を終了させることが可能である。そして、所定の期間(有利区間)において疑似遊技を実行する旨決定することが可能である一方、所定の変数(有利区間ゲーム数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値)が特定の条件を満たす前の特定期間(準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動した後の期間)においては疑似遊技を実行する旨決定しないように構成されている。疑似遊技が実行された場合には遊技者に対して期待感を抱かせると考えられるところ、特定期間(準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動した後の期間)においては、疑似遊技を実行しないことにより、当該期待感を過度に煽ってしまうことを抑制することができる。
第8実施形態で説明したように、準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動すると、疑似ボーナス移行抽籤が実行されなくなるように構成してもよい。当該疑似ボーナス移行抽籤は、有利区間当籤時サブフラグ(内部当籤役)に基づく抽籤であってもよいし、有利区間入賞時サブフラグ(停止表示された図柄の組合せ)に基づく抽籤であってもよい。なお、第8実施形態で説明したように、上記特定期間は、準リミット処理(ゲーム数)又は準リミット処理(払出数)が作動した後の期間に限定されず、所定の期間(有利区間)が終了する前の任意の期間において疑似遊技を実行する旨決定しないように構成することが可能である。
(D-12) 前記(D-1)~(D-11)の何れかの遊技機であって、
遊技者による所定操作(スタートレバー7操作やベットボタン操作)の検出を行うことが可能な所定操作検出手段と、
前記所定操作を行うことを遊技者に促すための画像(「レバーを叩け」画像やベット要求画像)を表示することが可能な表示手段(メイン表示装置210)と、を備え、
前記所定操作検出手段により前記所定操作が検出された場合に、前記疑似遊技を開始させることが可能である、
ことを特徴とする。
第9実施形態に係るパチスロ機1によれば、所定操作(スタートレバー7操作やベットボタン操作)を行うことを遊技者に促すための画像(「レバーを叩け」画像やベット要求画像)を表示することが可能であり、所定操作(スタートレバー7操作やベットボタン操作)が検出された場合に疑似遊技を開始させることが可能なように構成されている。これにより、自身の意思により遊技者を疑似遊技に参加させることが可能であり、疑似遊技を行うか否かに関し、遊技の状況に応じて臨機応変に決定する機会を遊技者に提供することができる。
第9実施形態では、ロック演出番号「3」~「5」のうちの何れかに対応するロック演出が選択された場合において、疑似遊技開始時ロックが行われた後、所定操作(スタートレバー7操作)が行われたことを契機として疑似遊技に移行する(疑似遊技用の回転が開始される)こととして説明した。また、リプレイが入賞した単位遊技においてロック演出番号「3」~「5」のうちの何れかに対応するロック演出が選択された場合に、所定操作(ベットボタン操作)が行われたことを契機として疑似遊技に移行する(疑似遊技用の回転が開始される)こととして説明した。また、リプレイ以外の役が入賞した単位遊技においてロック演出番号「3」~「5」のうちの何れかに対応するロック演出が選択された場合に、所定操作(スタートレバー7)が行われたことを契機として疑似遊技に移行する(疑似遊技用の回転が開始される)こととして説明した。このように、所定操作(スタートレバー7操作やベットボタン操作)が行われることを、疑似遊技が開始されるための条件として採用し、所定操作(スタートレバー7操作やベットボタン操作)が行われたことを契機として、疑似遊技を開始させることとしてもよい。
なお、疑似遊技を開始させるための所定操作(スタートレバー7操作やベットボタン操作)が行われなかった場合には、所定の待機時間が経過したことを契機として疑似遊技に移行させることとしてもよいし、所定の待機時間が経過した場合には疑似遊技に移行させない(疑似遊技がキャンセルされる)こととしてもよい。疑似遊技開始時ロックは、当該所定の待機時間に亘って行われるロックであることとしてもよい。この場合、疑似遊技開始時ロックにおいては、所定操作のみを受け付けることとし、他の遊技操作が行われても当該操作を無効とするように構成してもよい。第8実施形態で説明したように、所定操作としては、特に限定されず、任意の操作部(例えば、スタートレバー7、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9等)の操作を適宜採用することが可能である。
[第10実施形態]
以上、第1実施形態~第9実施形態について説明した。以下、第10実施形態について説明する。第10実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第1実施形態~第9実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第1実施形態~第9実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第9実施形態における説明が第10実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1実施形態のパチスロ機1では、~」のように、第1実施形態に係るパチスロ機1に限定されるような記載であったとしても、第10実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第10実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態~第9実施形態に係るパチスロ機1に限定するような記載についても、第10実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第10実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。従って、第1実施形態~第9実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第10実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第9実施形態に係るパチスロ機1と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態~第9実施形態に係るパチスロ機1と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
<設定示唆演出実行処理>
図275は、副制御回路において行われる設定示唆演出実行処理を示すフローチャートである。
図275に示す設定示唆演出実行処理は、設定示唆演出を実行するための処理である。設定示唆演出は、パチスロ機1に対して設定されている設定値を示唆し得る演出である。第1実施形態で説明したように、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すもの(6段階の設定1~設定6)であり、設定値が低いほど(設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。
設定示唆演出としては、設定示唆演出I、設定示唆演出II、設定示唆演出III、設定示唆演出IV、及び、設定示唆演出Vが設けられている。設定示唆演出Iは、設定値が設定2~6の何れかである場合にのみ発生し得る(設定値が設定1である場合には発生し得ない)演出である。設定示唆演出IIは、設定値が設定3~6の何れかである場合にのみ発生し得る(設定値が設定1、2の何れかである場合には発生し得ない)演出である。
設定示唆演出IIIは、設定値が設定4~6の何れかである場合にのみ発生し得る(設定値が設定1~3の何れかである場合には発生し得ない)演出である。設定示唆演出IVは、設定値が設定5、6の何れかである場合にのみ発生し得る(設定値が設定1~4の何れかである場合には発生し得ない)演出である。設定示唆演出Vは、設定値が設定6である場合にのみ発生し得る(設定値が設定1~5の何れかである場合には発生し得ない)演出である。
すなわち、設定示唆演出Iが発生した場合には、設定値が設定2以上であることが確定し、設定示唆演出IIが発生した場合には、設定値が設定3以上であることが確定し、設定示唆演出IIIが発生した場合には、設定値が設定4以上であることが確定し、設定示唆演出IVが発生した場合には、設定値が設定5以上であることが確定し、設定示唆演出Vが発生した場合には、設定値が設定6であることが確定する。このように、設定示唆演出I~Vを用いて、設定値について示唆することができるようになっている。
各設定示唆演出においては、設定値を示唆するための画像(キャラクタ画像)がメイン表示装置210に表示される。設定示唆演出Iにおいては、キャラクタ画像I(所定のキャラクタ画像)がメイン表示装置210に表示され、これにより、設定値が設定2以上であることが示唆される。また、設定示唆演出IIにおいては、キャラクタ画像II(キャラクタ画像Iとは異なるキャラクタ画像)がメイン表示装置210に表示され、これにより、設定値が設定3以上であることが示唆される。
また、設定示唆演出IIIにおいては、キャラクタ画像III(キャラクタ画像I及びキャラクタ画像IIとは異なるキャラクタ画像)がメイン表示装置210に表示され、これにより、設定値が設定4以上であることが示唆される。設定示唆演出IVにおいては、キャラクタ画像IV(キャラクタ画像I、キャラクタ画像II、及び、キャラクタ画像IIIとは異なるキャラクタ画像)がメイン表示装置210に表示され、これにより、設定値が設定5以上であることが示唆される。
設定示唆演出Vにおいては、キャラクタ画像V(キャラクタ画像I、キャラクタ画像II、キャラクタ画像III、及び、キャラクタ画像IVとは異なるキャラクタ画像)がメイン表示装置210に表示され、これにより、設定値が設定6であることが示唆される。キャラクタ画像I、キャラクタ画像II、キャラクタ画像III、キャラクタ画像IV、及び、キャラクタ画像Vに対応する画像データは、それぞれ、ロムカートリッジ基板202(図3参照)に記憶されている。
また、図275に示す設定示唆演出実行処理は、AT状態が終了したときに副制御回路200において行われる処理である。図示しないが、AT状態の終了条件が成立すると、メインCPU101は、AT状態終了コマンドデータを生成し、生成したAT状態終了コマンドデータを副制御回路200へと送信する。これにより、副制御回路200では、AT状態が終了したことを認識することができるようになる。
第1実施形態で説明したように、AT状態の遊技期間は、ゲーム数管理、セット数管理、払出数管理、差枚数管理、ナビ回数管理等によって管理される。メインCPU101は、図31のステップS151において、これらの変数(カウンタ)を更新する。そして、更新後のカウンタの値が所定値に達した場合、メインCPU101は、AT状態終了コマンドデータを副制御回路200に送信する。
なお、更新後のカウンタの値が所定値に達した場合であっても、次回遊技から再度AT状態が開始される場合(例えば、1G連ストックを保有している場合や天井短縮抽籤に当籤している場合)、メインCPU101は、AT状態終了コマンドデータを副制御回路200に送信しないこととしてもよい。すなわち、予め定められたAT状態の遊技期間が終了し、且つ、AT状態の延長が行われない場合に、AT状態終了コマンドデータが主制御回路100から副制御回路200へと送信されるようにしてもよい。
設定示唆演出実行処理において、まず、サブCPU201は、正式なログインが行われているか否かを判断する(ステップS1501)。後述するように、正式なログインは、遊技者が会員登録を行った上でパスワードを入力することにより行われるものである。正式なログインを行うための操作が行われた場合、サブCPU201は、正式ログインフラグをオンにセットする。ステップS1501の処理において、サブCPU201は、正式ログインフラグがオンにセットされているか否かを判断する。正式なログインが行われていないと判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、正式なログインが行われていると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出設定が有効になっているか否かを判断する(ステップS1502)。この処理において、サブCPU201は、設定示唆演出設定画面(図281参照)において設定示唆演出設定として「有効」が設定されているか否かを判断する。設定示唆演出設定が有効になっていないと判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、設定示唆演出設定が有効になっていると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出用期間を特定する(ステップS1503)。設定示唆演出用期間としては、「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、及び、「期間J」が設けられている。
「期間A」は、電源投入後ゲーム回数が1回以上1000回以下であるような期間である。「期間B」は、電源投入後ゲーム回数が1001回以上2000回以下であるような期間である。「期間C」は、電源投入後ゲーム回数が2001回以上3000回以下であるような期間である。「期間D」は、電源投入後ゲーム回数が3001回以上4000回以下であるような期間である。「期間E」は、電源投入後ゲーム回数が4001回以上5000回以下であるような期間である。「期間F」は、電源投入後ゲーム回数が5001回以上6000回以下であるような期間である。「期間G」は、電源投入後ゲーム回数が6001回以上7000回以下であるような期間である。「期間H」は、電源投入後ゲーム回数が7001回以上8000回以下であるような期間である。「期間I」は、電源投入後ゲーム回数が8001回以上9000回以下であるような期間である。「期間J」は、電源投入後ゲーム回数が9001回以上であるような期間である。
後述するように、設定示唆演出設定画面(図281参照)では、「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、及び、「期間J」のそれぞれに対して、設定示唆演出タイプを設定することができるようになっている。設定示唆演出タイプとしては、「タイプA」、「タイプB」、及び、「タイプC」が設けられている。本実施形態では、「タイプA」、「タイプB」、及び、「タイプC」のうち、何れの設定示唆演出タイプが設定されているのかによって、発生する設定示唆演出の種別が異なり得るようになっている。
電源投入後ゲーム回数は、電源が投入されてからパチスロ機1で行われた単位遊技の回数であり、電源投入後ゲーム回数カウンタにおいて管理されている。図示しないが、メインCPU101は、図23のステップS14の処理を実行した後、電源投入後ゲーム回数カウンタの値を1加算する。電源投入後ゲーム回数カウンタの値を示す情報は、主制御回路100から副制御回路200へと送信され、これにより、副制御回路200は、電源投入後ゲーム回数を認識することができる。
ステップS1503の処理において、サブCPU201は、10個の設定示唆演出用期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、及び、「期間J」)のうち、現在の電源投入後ゲーム回数が属する一の設定示唆演出用期間を特定する。例えば、サブCPU201は、現在の電源投入後ゲーム回数が100回であれば、一の設定示唆演出用期間として「期間A」を特定し、現在の電源投入後ゲーム回数が7777回であれば、一の設定示唆演出用期間として「期間H」を特定する。
次に、サブCPU201は、ステップS1503で特定した設定示唆演出用期間においてAT状態が終了したのが初めてであるか否かを判断する(ステップS1504)。この処理において、サブCPU201は、当該設定示唆演出用期間において主制御回路100からAT状態終了コマンドデータを受信したのが1回目であるか否かを判断する。当該設定示唆演出用期間においてAT状態が終了したのが初めてではないと判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS1503で特定した設定示唆演出用期間においてAT状態が終了したのが初めてであると判断した場合、サブCPU201は、当該設定示唆演出用期間に対して設定された設定示唆演出タイプが「タイプA」であるか否かを判断する(ステップS1505)。当該設定示唆演出用期間に対して設定された設定示唆演出タイプが「タイプA」であると判断した場合、サブCPU201は、タイプA用設定示唆演出実行処理を実行する(ステップS1506)。タイプA用設定示唆演出実行処理については、後に図276を用いて説明する。ステップS1506の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1505において、ステップS1503で特定した設定示唆演出用期間に対して設定された設定示唆演出タイプが「タイプA」ではないと判断した場合、サブCPU201は、当該設定示唆演出用期間に対して設定された設定示唆演出タイプが「タイプB」であるか否かを判断する(ステップS1507)。当該設定示唆演出用期間に対して設定された設定示唆演出タイプが「タイプB」であると判断した場合、サブCPU201は、タイプB用設定示唆演出実行処理を実行する(ステップS1508)。タイプB用設定示唆演出実行処理については、後に図277を用いて説明する。ステップS1508の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1507において、ステップS1503で特定した設定示唆演出用期間に対して設定された設定示唆演出タイプが「タイプB」ではないと判断した場合、サブCPU201は、当該設定示唆演出用期間に対して設定された設定示唆演出タイプが「タイプC」であるか否かを判断する(ステップS1509)。当該設定示唆演出用期間に対して設定された設定示唆演出タイプが「タイプC」であると判断した場合、サブCPU201は、タイプC用設定示唆演出実行処理を実行する(ステップS1510)。タイプC用設定示唆演出実行処理については、後に図278を用いて説明する。ステップS1509において当該設定示唆演出用期間に対して設定された設定示唆演出タイプが「タイプC」ではないと判断した場合、又は、ステップS1510の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
<タイプA用設定示唆演出実行処理>
図276は、副制御回路において行われるタイプA用設定示唆演出実行処理を示すフローチャートである。
図276に示すタイプA用設定示唆演出実行処理は、副制御回路200において図275(設定示唆演出実行処理)のステップS1506で行われる処理である。
タイプA用設定示唆演出実行処理において、まず、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定1であるか否かを判断する(ステップS1521)。
パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定1ではない(設定2~設定6の何れかである)と判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出Iを実行する(ステップS1522)。この処理において、サブCPU201は、キャラクタ画像Iに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像Iがメイン表示装置210に表示される。
ステップS1521においてパチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定1であると判断した場合、又は、ステップS1522の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
<タイプB用設定示唆演出実行処理>
図277は、副制御回路において行われるタイプB用設定示唆演出実行処理を示すフローチャートである。
図277に示すタイプB用設定示唆演出実行処理は、副制御回路200において図275(設定示唆演出実行処理)のステップS1508で行われる処理である。
タイプB用設定示唆演出実行処理において、まず、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定1であるか否かを判断する(ステップS1541)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定1であると判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定1ではない(設定2~設定6の何れかである)と判断した場合、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定2であるか否かを判断する(ステップS1542)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定2であると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出Iを実行する(ステップS1543)。この処理において、サブCPU201は、キャラクタ画像Iに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像Iがメイン表示装置210に表示される。ステップS1543の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1542においてパチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定2ではない(設定3~設定6の何れかである)と判断した場合、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定3であるか否かを判断する(ステップS1544)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定3であると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出I及び設定示唆演出IIのうちの何れかを抽籤により選択する(ステップS1545)。設定示唆演出Iが選択される確率及び設定示唆演出IIが選択される確率は、それぞれ、任意に設計することができるが、ここでは、これらの確率が同一(それぞれ1/2)であることとする。
そして、サブCPU201は、ステップS1545で選択した設定示唆演出を実行する(ステップS1546)。この処理において、サブCPU201は、ステップS1545で選択した設定示唆演出の種別に応じて、キャラクタ画像Iに対応する画像データ又はキャラクタ画像IIに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像I及びキャラクタ画像IIのうちの何れかのキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示される。ステップS1546の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1544においてパチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定3ではない(設定4~設定6の何れかである)と判断した場合、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定4であるか否かを判断する(ステップS1547)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定4であると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出I、設定示唆演出II、及び、設定示唆演出IIIのうちの何れかを抽籤により選択する(ステップS1548)。設定示唆演出Iが選択される確率、設定示唆演出IIが選択される確率、及び、設定示唆演出IIIが選択される確率は、それぞれ、任意に設計することができるが、ここでは、これらの確率が同一(それぞれ1/3)であることとする。
そして、サブCPU201は、ステップS1548で選択した設定示唆演出を実行する(ステップS1549)。この処理において、サブCPU201は、ステップS1548で選択した設定示唆演出の種別に応じて、キャラクタ画像Iに対応する画像データ、キャラクタ画像IIに対応する画像データ、又は、キャラクタ画像IIIに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像I、キャラクタ画像II、及び、キャラクタ画像IIIのうちの何れかのキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示される。ステップS1549の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1547においてパチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定4ではない(設定5及び設定6の何れかである)と判断した場合、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定5であるか否かを判断する(ステップS1550)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定5であると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出I、設定示唆演出II、設定示唆演出III、及び、設定示唆演出IVのうちの何れかを抽籤により選択する(ステップS1551)。設定示唆演出Iが選択される確率、設定示唆演出IIが選択される確率、設定示唆演出IIIが選択される確率、及び、設定示唆演出IVが選択される確率は、それぞれ、任意に設計することができるが、ここでは、これらの確率が同一(それぞれ1/4)であることとする。
そして、サブCPU201は、ステップS1551で選択した設定示唆演出を実行する(ステップS1552)。この処理において、サブCPU201は、ステップS1551で選択した設定示唆演出の種別に応じて、キャラクタ画像Iに対応する画像データ、キャラクタ画像IIに対応する画像データ、キャラクタ画像IIIに対応する画像データ、又は、キャラクタ画像IVに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像I、キャラクタ画像II、キャラクタ画像III、及び、キャラクタ画像IVのうちの何れかのキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示される。ステップS1552の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1550においてパチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定5ではない(設定6である)と判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出I、設定示唆演出II、設定示唆演出III、設定示唆演出IV、及び、設定示唆演出Vのうちの何れかを抽籤により選択する(ステップS1553)。設定示唆演出Iが選択される確率、設定示唆演出IIが選択される確率、設定示唆演出IIIが選択される確率、設定示唆演出IVが選択される確率、及び、設定示唆演出Vが選択される確率は、それぞれ、任意に設計することができるが、ここでは、これらの確率が同一(それぞれ1/5)であることとする。
そして、サブCPU201は、ステップS1553で選択した設定示唆演出を実行する(ステップS1554)。この処理において、サブCPU201は、ステップS1553で選択した設定示唆演出の種別に応じて、キャラクタ画像Iに対応する画像データ、キャラクタ画像IIに対応する画像データ、キャラクタ画像IIIに対応する画像データ、キャラクタ画像IVに対応する画像データ、又は、キャラクタ画像Vに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像I、キャラクタ画像II、キャラクタ画像III、キャラクタ画像IV、及び、キャラクタ画像Vのうちの何れかのキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示される。ステップS1554の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
<タイプC用設定示唆演出実行処理>
図278は、副制御回路において行われるタイプC用設定示唆演出実行処理を示すフローチャートである。図279は、AT状態終了時にメイン表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
図278に示すタイプC用設定示唆演出実行処理は、副制御回路200において図275(設定示唆演出実行処理)のステップS1510で行われる処理である。
タイプC用設定示唆演出実行処理において、まず、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定1であるか否かを判断する(ステップS1561)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定1であると判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定1ではない(設定2~設定6の何れかである)と判断した場合、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定2であるか否かを判断する(ステップS1562)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定2であると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出Iを実行する(ステップS1563)。この処理において、サブCPU201は、キャラクタ画像Iに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像Iがメイン表示装置210に表示される。ステップS1563の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1562においてパチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定2ではない(設定3~設定6の何れかである)と判断した場合、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定3であるか否かを判断する(ステップS1564)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定3であると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出IIを実行する(ステップS1565)。この処理において、サブCPU201は、キャラクタ画像IIに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像IIがメイン表示装置210に表示される。ステップS1565の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1564においてパチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定3ではない(設定4~設定6の何れかである)と判断した場合、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定4であるか否かを判断する(ステップS1566)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定4であると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出IIIを実行する(ステップS1567)。この処理において、サブCPU201は、キャラクタ画像IIIに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像IIIがメイン表示装置210に表示される。ステップS1567の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1566においてパチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定4ではない(設定5及び設定6の何れかである)と判断した場合、サブCPU201は、パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定5であるか否かを判断する(ステップS1568)。パチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定5であると判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出IVを実行する(ステップS1569)。この処理において、サブCPU201は、キャラクタ画像IVに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像IVがメイン表示装置210に表示される。ステップS1569の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1568においてパチスロ機1の設定値が6種類の設定値(設定1~設定6)のうち設定5ではない(設定6である)と判断した場合、サブCPU201は、設定示唆演出Vを実行する(ステップS1570)。この処理において、サブCPU201は、キャラクタ画像Vに対応する画像データをセットする。これにより、キャラクタ画像Vがメイン表示装置210に表示される。ステップS1570の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
図279では、メイン表示装置210においてAT終了画面が表示されている様子を示している。AT終了画面は、AT状態が終了したときにメイン表示装置210に表示される画面である。AT終了画面は、画面略中央のAT終了表示領域1251と、画面上方のAT状態中遊技結果表示領域1252と、画面右下の設定示唆画像表示領域1253と、を有する。AT終了表示領域1251には、AT状態が終了したことを示す画像が表示される。AT状態中遊技結果表示領域1252には、AT状態において行われた遊技の結果(例えば、メダルの払出数)を示す画像が表示される。設定示唆画像表示領域1253には、設定示唆画像として、キャラクタ画像I~Vのうちの何れかが表示される。図279に示す例では、キャラクタ画像Vが表示され、設定値が設定6であることが確定したことが示されている。
<ホールメニュー画面>
図280は、設定確認状態においてメイン表示装置に表示されるホールメニュー画面の一例を示す図である。
第1実施形態で説明したように、遊技店側の管理者が設定確認操作又は設定変更操作を行っているとき、ホールメニュー(ホールメニュー画面)が表示される。設定確認操作は、パチスロ機1の設定値を確認するための操作である。設定変更操作は、パチスロ機1の設定値を変更するための操作である。
設定確認操作及び設定変更操作は、それぞれ、設定用鍵型スイッチ52を用いて行われる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態(設定変更状態)となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態(設定確認状態)となる。
このようにして設定確認状態になったとき、図280に示すホールメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。設定変更状態になったときにも、同様のホールメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。設定確認状態になると、そのことを示すコマンドデータ(設定確認開始コマンドデータ)が主制御回路100から副制御回路200へと送信される。また、設定変更状態になると、そのことを示すコマンドデータ(設定変更開始コマンドデータ)が主制御回路100から副制御回路200へと送信される。これにより、副制御回路200では、設定確認状態乃至設定変更状態になったことを認識することができるようになる。
図280に示すように、ホールメニュー画面は、画面左側領域のホールメニュー項目表示領域1300と、画面下方の左右方向略中央のボタン表示領域1310と、画面右側領域のプレビュー表示領域1320と、を有する。
ホールメニュー項目表示領域1300には、複数のホールメニュー項目が表示される。ホールメニュー項目としては、時刻設定、トータルメダル情報、設定変更・確認履歴、エラー情報履歴、監視履歴、警告設定、省電力モード設定、打ち止め設定、自動精算設定、及び、設定示唆演出設定が設けられている。時刻設定、トータルメダル情報、設定変更・確認履歴、エラー情報履歴、監視履歴、警告設定、省電力モード設定、打ち止め設定、及び、自動精算設定については、第1実施形態で説明した通りである。設定示唆演出設定については、後に図281を用いて説明する。
ボタン表示領域1310には、演出用ボタン群(図3参照)に対応する画像が表示される。演出用ボタン群は、中央に配置される決定ボタンと、決定ボタンの周囲に配置される選択ボタン(上選択ボタン、下選択ボタン、左選択ボタン、及び、右選択ボタン)と、を有する。各選択ボタンを操作することで、遊技店側の管理者は、複数のホールメニュー項目のうちの何れかを選択することができる。図280では、現在選択されているホールメニュー項目を実線で囲んで示しており、選択されていないホールメニュー項目を点線で囲んで示している。一のホールメニュー項目が選択されている状態で決定ボタンを操作することで、遊技店側の管理者は、当該ホールメニュー項目に決定することができる。なお、ホールメニュー項目として「時刻設定」が選択されている状態の画面がホールメニュー画面の初期画面となっている。
プレビュー表示領域1320には、複数のホールメニュー項目のうちの選択されている一のホールメニュー項目についてのプレビュー画面が表示される。図280では、ホールメニュー項目として「時刻設定」が選択されている状態において、時刻設定画面がプレビュー表示されている様子を示している。一のホールメニュー項目について新たな設定(例えば、時刻設定)を行う場合、遊技店側の管理者は、当該ホールメニュー項目が選択されている状態で決定ボタンを操作する。これにより、当該ホールメニュー項目が決定されると、当該新たな設定を行うための画面(例えば、時刻設定画面)が表示され、当該画面において選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、当該新たな設定を行うことができる。
また、ホールメニュー画面における右下の極小領域には、設定確認状態においては「設定確認中です」という文字が表示され、設定変更状態においては「設定変更中です」という文字が表示される。これにより、遊技店側の管理者は、設定確認状態乃至設定変更状態であることを把握することができるようになっている。設定確認状態において表示されるホールメニュー画面と設定変更状態において表示されるホールメニュー画面とは、当該文字が違うだけであり、ホールメニュー項目表示領域1300、ボタン表示領域1310、及び、プレビュー表示領域1320の内容は同一となっている。
なお、設定確認状態乃至設定変更状態が終了した場合には、ホールメニュー画面の表示も終了するように構成することが可能である。設定確認状態乃至設定変更状態において設定用鍵型スイッチ52がオフ状態になると、そのことを示すコマンドデータが主制御回路100から副制御回路200へと送信される。これにより、副制御回路200では、設定確認状態乃至設定変更状態が終了したことを認識することができる。
あるいは、設定変更状態において設定変更が行われた場合には、設定変更状態が終了した後も、ホールメニュー画面を表示することとしてもよい。このときに表示されるホールメニュー画面においては、図280に示すホールメニュー項目に加えて、「ホールメニュー終了」を表示することとしてもよい。設定変更状態が終了すると、遊技の実行が可能であるところ、遊技店側の管理者は、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「ホールメニュー終了」を選択し決定することが可能であり、これにより、ホールメニュー画面の表示を終了させ、遊技画面に移行させることができる。一方、設定確認状態乃至設定変更状態においては、遊技を行うことができないため、選択ボタン及び決定ボタンの操作により、ホールメニュー画面の表示を終了させることはできない。
第1実施形態で説明したように、設定変更は、設定変更状態においてリセットスイッチ53を操作することにより行うことができる。設定変更が行われた場合には、初期化コマンドデータ(図24のステップS27参照)が主制御回路100から副制御回路200へと送信されるところ、当該初期化コマンドデータには、設定変更が行われたことを示す情報が含まれている。これにより、副制御回路200では、設定変更が行われたことを認識することができる。
<設定示唆演出設定画面>
図281~図283は、設定確認状態においてメイン表示装置に表示される設定示唆演出設定画面の一例を示す図である。
図281に示す設定示唆演出設定画面は、ホールメニュー画面においてホールメニュー項目として「設定示唆演出設定」が選択・決定されたときにメイン表示装置210に表示される画面である。遊技店側の管理者は、設定示唆演出設定画面上で選択ボタン及び決定ボタンを用いて操作を行うことにより、各設定示唆演出用期間に対して設定示唆演出タイプを設定することができる。
設定示唆演出設定画面は、画面上方の操作項目表示領域1330と、操作項目表示領域1330の下方に配置される有効/無効設定領域1340と、有効/無効設定領域1340の下方に配置される設定示唆演出タイプ設定領域1350と、を有する。
操作項目表示領域1330には、遊技店側の管理者が操作可能な項目として、「戻る」、「決定」、「設定履歴」、「パスワード」、及び、「初期化」が表示される。遊技店側の管理者は、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「戻る」、「決定」、「設定履歴」、「パスワード」、及び、「初期化」のうちの何れかを選択・決定することができる。有効/無効設定領域1340には、設定示唆演出設定を無効化乃至有効化するための選択項目として、「無効」及び「有効」が表示される。遊技店側の管理者は、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「無効」及び「有効」のうちの何れかを選択・決定することができる。
設定示唆演出タイプ設定領域1350には、10種類の設定示唆演出用期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、及び、「期間J」)が表示されるとともに、各設定示唆演出用期間の横に、設定示唆演出タイプとして、「なし」、「タイプA」、「タイプB」、及び、「タイプC」が表示される。遊技店側の管理者は、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、10種類の設定示唆演出用期間のそれぞれについて、「なし」、「タイプA」、「タイプB」、及び、「タイプC」のうちの何れかを選択・決定することができる。
図275~図278を用いて説明したように、「タイプA」は、表示可能なキャラクタ画像(設定示唆画像)のうちキャラクタ画像Iを必ず出現させるように制御するための設定示唆演出タイプである。「タイプB」は、表示可能なキャラクタ画像(設定示唆画像)を均等に出現させるように制御するための設定示唆演出タイプである。「タイプC」は、表示可能なキャラクタ画像(設定示唆画像)のうち最高の(最も有利な示唆を行うことが可能な)キャラクタ画像を出現させるように制御するための設定示唆演出タイプである。「なし」は、キャラクタ画像を出現させないように制御するための設定示唆演出タイプである。表示可能なキャラクタ画像とは、設定値が設定2である場合にはキャラクタ画像Iであり、設定値が設定3である場合にはキャラクタ画像I及びキャラクタ画像IIであり、設定値が設定4である場合にはキャラクタ画像I、キャラクタ画像II、及び、キャラクタ画像IIIであり、設定値が設定5である場合にはキャラクタ画像I、キャラクタ画像II、キャラクタ画像III、及び、キャラクタ画像IVであり、設定値が設定6である場合にはキャラクタ画像I、キャラクタ画像II、キャラクタ画像III、キャラクタ画像IV、及び、キャラクタ画像Vである。
遊技店側の管理者は、下記(i)~(iv)の手順により、設定示唆演出タイプを設定することができる。
(i)有効/無効設定領域1340において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「有効」を選択し決定する。
(ii)設定示唆演出タイプ設定領域1350において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「期間A」に対する設定示唆演出タイプとして、「なし」、「タイプA」、「タイプB」、及び、「タイプC」のうちの何れかを選択し決定する。
(iii)「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、及び、「期間J」について、それぞれ上記(ii)と同様の操作を繰り返す。
(iv)操作項目表示領域1330において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「決定」を選択し決定する。
これにより、10種類の設定示唆演出用期間に対してそれぞれ設定示唆演出タイプが設定され、現在設定されている設定値、並びに、上記(ii)及び(iii)において選択・決定された内容に応じて、AT状態が終了したときに、上述した設定示唆演出が行われることになる(図275~図278参照)。
ここで、図示しないが、上記(iv)の操作が行われると、「この設定示唆演出設定を登録しますか?」というメッセージが表示される。これに対し、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「YES」を選択・決定すると、上記(ii)及び(iii)において選択・決定された内容が登録される。登録された当該内容を設定示唆演出設定用プリセットと呼ぶこととする。設定示唆演出設定用プリセットは、各設定示唆演出用期間と当該設定示唆演出用期間に対して選択・決定された設定示唆演出タイプとの対応関係を示すものである。設定示唆演出設定用プリセットを登録するに当たっては、所定の操作を行うことにより、当該設定示唆演出設定用プリセットに対して名称(例えば、「イベント日用カスタム」、「回収日用カスタム」等)を付すことが可能である。当該名称(設定示唆演出設定用名称)は、設定示唆演出設定用プリセットとともに保存される。すなわち、サブCPU201は、設定示唆演出設定用プリセットと設定示唆演出設定用名称とを対応付けてサブRAM203に記憶させる。
また、上記(iv)の操作が行われると、パスワードが表示(発行)される。当該パスワードを設定示唆演出設定用パスワードと呼ぶこととする。設定示唆演出設定用パスワードは、上記(ii)及び(iii)において選択・決定された内容(各設定示唆演出用期間と当該設定示唆演出用期間に対して選択・決定された設定示唆演出タイプとの対応関係)を暗号化したものである。サブCPU201は、当該対応関係を示す情報を複数の記号(文字及び数字を含む)から構成される記号列に変換することにより、設定示唆演出設定用パスワードを生成する。生成された設定示唆演出設定用パスワードは、メイン表示装置210に表示される。パチスロ機1は、当該対応関係を示す情報を記号列に変換するためのテーブル等の構成を有しており、設定示唆演出設定用パスワードを決定することが可能である。パスワードの生成に係る技術は、遊技機分野における従来周知の技術であるため(例えば、特開2015-139519号公報参照)、詳細な説明は省略する。
上記設定示唆演出設定用プリセットが登録されている場合、遊技店側の管理者は、上記(i)~(iv)の手順に代えて、下記(v)~(viii)の手順により、設定示唆演出タイプを設定することもできる。
(v)操作項目表示領域1330において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「設定履歴」を選択し決定する。
(vi)上記(v)により画面が切り替わり、登録済の設定示唆演出設定用プリセット(設定示唆演出設定用名称)が一覧表示される。
(vii)選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、上記(vi)により表示された設定示唆演出設定用名称のうちの何れかを選択し決定する。
(viii)上記(vii)により設定示唆演出設定画面に戻り、操作項目表示領域1330において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「決定」を選択し決定する。
上記(viii)の設定示唆演出設定画面では、上記(vii)で選択・決定した設定示唆演出設定用名称に対応する設定示唆演出設定用プリセットと同じ対応関係で、各設定示唆演出用期間に対して設定示唆演出タイプが選択・決定された状態となっている。これにより、当該設定示唆演出設定用プリセットと同じ内容で設定示唆演出タイプを設定することが可能である。
また、遊技店側の管理者は、上記(i)~(iv)の手順に代えて、下記(ix)~(xii)の手順により、設定示唆演出タイプを設定することもできる。
(ix)操作項目表示領域1330において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「パスワード」を選択し決定する。
(x)上記(ix)により画面が切り替わり、パスワード入力画面(複数の記号が配列された画面)が表示される。
(xi)パスワード入力画面において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、予め把握している記号列(設定示唆演出設定用パスワード)を入力する。
(xii)上記(xi)により設定示唆演出設定画面に戻り、操作項目表示領域1330において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「決定」を選択し決定する。
上記(xii)の設定示唆演出設定画面では、上記(xi)で入力された設定示唆演出設定用パスワードに対応する内容(各設定示唆演出用期間と設定示唆演出タイプとの対応関係)と同じ対応関係で、各設定示唆演出用期間に対して設定示唆演出タイプが選択・決定された状態となっている。サブCPU201は、上記(xi)で入力された設定示唆演出設定用パスワードにより暗号化された情報を解読し、解読した内容を上記(xii)の設定示唆演出設定画面に反映させる。パチスロ機1は、当該暗号化された情報を特定するためのテーブル等の構成を有しており、当該情報を解読することが可能である。パスワードの解読に係る技術は、遊技機分野における従来周知の技術であるため(例えば、特開2013-081521号公報参照)、詳細な説明は省略する。
これにより、過去に発行された設定示唆演出設定用パスワードを記録しておき、当該設定示唆演出設定用パスワードを入力することで、当該設定示唆演出設定用パスワードに対応する内容と同じ内容で設定示唆演出タイプを設定することが可能である。また、パチスロ機1以外の遊技機においても、当該設定示唆演出設定用パスワードを入力することで、パチスロ機1と同じ内容で設定示唆演出タイプを設定することが可能である。
なお、操作項目表示領域1330において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「初期化」を選択し決定すると、現在設定されている設定示唆演出設定が解除される。これにより、全ての設定示唆演出用期間に対して、設定示唆演出タイプとして、「なし」が設定される。すなわち、設定示唆演出設定が初期化される。このような初期化は、設定示唆演出設定画面において「初期化」が選択・決定された場合にのみ行われ、設定値が変更されたとしても、設定示唆演出設定は初期化されない。また、操作項目表示領域1330において、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、「戻る」を選択し決定すると、設定示唆演出設定画面からホールメニュー画面へと画面が切り替わるようになっている。
以上、図281に示す設定示唆演出設定画面では、10種類の設定示唆演出用期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、及び、「期間J」)のそれぞれに対して設定示唆演出タイプを設定することができることとして説明した。
これに対し、図282に示す設定示唆演出設定画面では、8種類のAT終了回数(「AT終了1回」、「AT終了2~9回」、「AT終了10回」、「AT終了11~19回」、「AT終了20回」、「AT終了21~29回」、「AT終了30回」、及び、「AT終了31回~」)のそれぞれに対して設定示唆演出タイプを設定することができることとしている。上述したように、設定示唆演出は、AT状態が終了したときに行われる。
「AT終了1回」は、電源投入後1回目のAT状態が終了したときに行われる設定示唆演出を指している。「AT終了2~9回」は、電源投入後2~9回目の何れかのAT状態が終了したときに行われる設定示唆演出を指している。「AT終了10回」は、電源投入後10回目のAT状態が終了したときに行われる設定示唆演出を指している。「AT終了11~19回」は、電源投入後11~19回目の何れかのAT状態が終了したときに行われる設定示唆演出を指している。「AT終了20回」は、電源投入後20回目のAT状態が終了したときに行われる設定示唆演出を指している。「AT終了21~29回」は、電源投入後21~29回目の何れかのAT状態が終了したときに行われる設定示唆演出を指している。「AT終了30回」は、電源投入後30回目のAT状態が終了したときに行われる設定示唆演出を指している。「AT終了31回~」は、電源投入後31回目以降のAT状態が終了したときに行われる設定示唆演出を指している。
図281を用いて説明した手順と同様の手順により、このようなAT終了回数に対して設定示唆演出タイプを設定することができる。これにより、AT状態が終了したとき、現在設定されている設定値及び当該AT状態が電源投入後何回目のAT状態であるのかに応じて、設定示唆演出I~Vのうちの何れかの設定示唆演出を行うことができる。例えば、設定値として設定6が設定されており、「AT終了1回」に対して「タイプC」が設定されている場合には、電源投入後初めてAT状態が終了したときに、表示可能なキャラクタ画像のうち最高のキャラクタ画像(すなわち、キャラクタ画像V)を出現させることができる。
また、図283に示す設定示唆演出設定画面では、8種類の時間範囲(「10時~11時」、「11時~12時」、「12時~14時」、「14時~16時」、「16時~18時」、「18時~20時」、「20時~22時」、及び、「22時~23時」)のそれぞれに対して設定示唆演出タイプを設定することができることとしている。図281を用いて説明した手順と同様の手順により、このような時間範囲に対して設定示唆演出タイプを設定することができる。これにより、AT状態が終了したとき、現在設定されている設定値及び当該AT状態が終了した時刻に応じて、設定示唆演出I~Vのうちの何れかの設定示唆演出を行うことができる。例えば、設定値として設定6が設定されており、「10時~11時」に対して「タイプC」が設定されている場合、AT状態が10時50分に終了したときに、表示可能なキャラクタ画像のうち最高のキャラクタ画像(すなわち、キャラクタ画像V)を出現させることができる。
<ログイン>
図284(A)は、メイン表示装置に表示されるメニュー画面の概要を示す図である。図284(B)は、メニュー画面の構成例を示す図である。図285は、キャラクタのカスタマイズを行うためのキャラクタカスタマイズ画面を示す図である。図286は、遊技履歴画面の一例を示す図である。図287は、遊技システムを示す図である。
副制御回路200は、遊技が行われていない状況で演出用ボタン群の決定ボタンが操作されると、図284(A)に示すメニュー画面を呼び出し、メイン表示装置210に表示する。上述したように、演出用ボタン群は、十字キー(上選択ボタン、下選択ボタン、左選択ボタン、及び、右選択ボタン)並びに決定ボタンを含み、遊技者が十字キーを操作すると、選択カーソルが操作された方向に移動し、遊技者が決定ボタンを操作すると、選択カーソルが指し示している項目が選択(決定)される。
図284(B)に示すように、メニュー画面には、メインメニューとして「カスタム遊技」「音量調整」「遊技データ」「配当・配列」「専用サイト」が設けられ、一部のメインメニューには更に詳細なサブメニューが設けられている。例えば、メインメニュー「カスタム遊技」には、サブメニュー「キャラ選択」「かんたんスタート」「パスワードを入力」「途中記録を見る」「記録して終了」「会員登録」が設けられる。サブメニュー「キャラ選択」は、メイン表示装置210上で行う演出に用いるキャラクタのカスタマイズ(カスタム)を行うメニューである。
サブメニュー「かんたんスタート」~「会員登録」は、遊技者の登録遊技に関して用いられるメニューである。近年のパチスロ機では、遊技を行う遊技者の登録を行うことで、登録を行わない遊技者に比べて出玉には影響のない特典を付与することがある。具体的には、副制御回路200は、遊技者の登録を行った場合には、登録を行った後の遊技の履歴(例えば、ボーナス回数や小役の当籤確率といった遊技履歴に加え、実行した演出の演出履歴なども含む)を管理し、この履歴に基づいて一定の特典を付与する。この遊技の履歴は、今回の遊技に関するものだけでなく、前回行った遊技に関するものも含めることが可能である。具体的には、遊技者毎の遊技の履歴をサーバ上で管理しておき、遊技を行う際に携帯電話などを介してサーバから遊技機に遊技の履歴を通知することで、前回の遊技の履歴を引き継いで遊技を行うことができる。
サブメニュー「かんたんスタート」は、前回の遊技の履歴は引き継ぐことなく今回の遊技の履歴の蓄積のみを行う場合、すなわち簡易的なログインを行うために操作されるメニューである。また、サブメニュー「パスワードを入力」は、前回の遊技の履歴を引き継ぎつつ今回の遊技の履歴を更に蓄積する場合、すなわち正式なログインを行うために操作されるメニューである。ここで、簡易的なログインは、サブメニュー「かんたんスタート」が操作されるだけで完了する一方で、正式なログインは、会員登録を行ったうえで、パチスロ機1にパスワードを入力することで行われる。そのため、簡易的なログインと正式なログインとを比較すると、簡易的なログインは正式なログインよりも簡易な登録手順であるといえ、反対に、正式なログインは簡易的なログインよりも煩雑な登録手順であるといえる。
サブメニュー「途中記録を見る」は、ログイン(簡易又は正式)を行っている場合に、それまでに蓄積した遊技の履歴の途中記録を確認する場合に操作されるメニューである。サブメニュー「記録して終了」は、ログイン(簡易又は正式)を行っている場合に、それまでに蓄積した遊技の履歴をサーバ上に記録する場合に操作されるメニューである。これらサブメニュー「途中記録を見る」「記録して終了」が操作されると、蓄積した遊技の履歴がパチスロ機1から遊技者の携帯電話やサーバ上に読み出される。また、サブメニュー「会員登録」は、サーバ上に遊技者の初期登録を行うために操作されるメニューである。
図285に示すキャラクタカスタマイズ画面では、「キャラクタ」選択欄と「コスチューム」選択欄と「ポーズ」選択欄と「アクセサリー」選択欄とが設けられ、それぞれの選択欄には選択可能な複数のアイコンが設けられる。パチスロ機1では、決定アイコンが操作されたタイミングでそれぞれの選択欄において選択されていたアイコン内容に基づいて、キャラクタがカスタマイズされる。
「キャラクタ」選択欄は、キャラクタを選択するために用いられ、副制御回路200は、複数種類のキャラクタの中から「キャラクタ」選択欄において選択された一のキャラクタを決定する。また、「コスチューム」選択欄は、キャラクタのコスチュームを選択するために用いられ、「ポーズ」選択欄は、キャラクタのポーズを選択するために用いられ、「アクセサリー」選択欄は、キャラクタのアクセサリーを選択するために用いられる。「コスチューム」選択欄~「アクセサリー」選択欄は、それぞれキャラクタの表示態様(コスチューム、ポーズ、アクセサリー)に関するカスタマイズを行うために用いられる。副制御回路200は、対応する選択欄に応じた複数の表示態様の中から、当該選択欄において選択された一の表示態様を決定する。
このキャラクタカスタマイズ画面において、遊技者は、演出用ボタン群を用いたボタン操作を行うことにより、キャラクタのカスタマイズを行うことができる。キャラクタのカスタマイズが行われると、副制御回路200は、「コスチューム」選択欄において選択したコスチューム、及び「アクセサリー」選択欄において選択したアクセサリーを身に着けた「キャラクタ」選択欄において選択したキャラクタを、「ポーズ」選択欄において選択したポーズで、メイン表示装置210に表示する。
カスタム遊技では、カスタマイズの内容に応じたキャラクタを用いた演出が行われる。カスタム遊技は、決定アイコンが操作される(カスタム開始操作が行われる)ことにより開始し、終了アイコン(図示せず)が操作される(カスタム終了操作が行われる)ことにより終了する。
図286(A)は、サブメニュー「遊技履歴1」から呼び出される遊技履歴の1ページ目であり、図286(B)は、サブメニュー「遊技履歴2」から呼び出される遊技履歴の2ページ目である。図286(A)に示すように、遊技履歴の1ページ目には、総ゲーム数、現在のゲーム数、ボーナス回数、CZ回数、ART回数、上乗せゾーン1,2回数及び上乗せゾーン3回数が表示される。このように遊技履歴の1ページ目には、総ゲーム数や現在のゲーム数に加え、ボーナスやARTなどの遊技者にとって有利な遊技状態が行われた回数が表示される。
また、図286(A)に示すように、遊技履歴の1ページ目には、「次ページへ」アイコンが表示される。この「次ページへ」アイコンが選ばれた場合には、遊技履歴の2ページ目が呼び出される。なお、遊技履歴の1ページ目は、全ての遊技者が表示可能であるものの、遊技履歴の2ページ目は、正式ログインを行った遊技者のみが表示することができ、非ログインの遊技者や簡易ログインの遊技者は表示することはできない。そこで、副制御回路200は、ログインが行われていない場合や簡易ログインのみが行われている場合には、「次ページへ」アイコンを非表示や選ぶことができないようにする。
続いて、図286(B)に示すように、遊技履歴の2ページ目には、スイカ(「F_スイカ」)が内部当籤役として決定された回数(当籤回数)と、チャンス目A(「F_チャンス役1」)の当籤回数、チャンス役B(「F_チャンス役2」)の当籤回数、弱チェリー(「F_弱チェリー」)の当籤回数、強チェリー(「F_強チェリー」)の当籤回数、及び確定チェリー(「F_確定チェリー」)の当籤回数が表示される。すなわち、遊技履歴の2ページ目には、所謂レア役の当籤回数が表示される。
このように正式なログインを行った遊技者についてのみレア役の当籤回数を表示することで、パチスロ機1では、わざわざ正式な手順を踏んで登録を行った遊技者に対して、遊技には直接影響しない程度の特典(レア役の当籤回数の表示)を与えることができる。これによりレア役の当籤回数の表示を望む遊技者に対して、正式な登録の利用を促すことができ、結果、遊技機に対して愛着を持たせ、遊技機の稼動を上げることができる。
また、パチスロ機1では、簡易的な手順でログインを行った遊技者に対しては、レア役の当籤回数を表示する遊技履歴の2ページ目を表示しないため、簡易的なログイン手順を利用してログインのみを行っておき、他人が遊技を行った後に当該他人の遊技の結果を盗み見る行為を防止することができる。
以下、図287を用いて、正式なログインについて、より詳細に説明する。遊技システム1500は、パチスロ機1と管理サーバ1510と携帯端末機1520とを備える。携帯端末機1520と管理サーバ1510とは、インターネットを介した通信により、互いにデータのやり取りを行うことができる。
遊技を開始するのに先立ち、遊技者は、自身の所有する携帯端末機1520において所定のアプリケーションを起動させた状態で、管理サーバ1510からパスワードの発行を受ける。パスワードは、前回までに行った遊技の履歴を暗号化したものである。管理サーバ1510には、前回までに行った遊技の履歴を示す遊技履歴情報が記憶されており、管理サーバ1510は、当該遊技履歴を、複数の記号(文字及び数字を含む)から構成される記号列に変換する。パスワードは、このような遊技履歴に対応する記号列である。遊技者は、所定の操作を行うことにより、パスワードを携帯端末機1520に表示させることができる。
その後、遊技を開始するに当たり、遊技者は、パチスロ機1において演出用ボタン群を操作することにより、メニュー画面(図284(A)参照)をメイン表示装置210に表示させ、メニュー画面においてメインメニュー「カスタム遊技」を選択する。これにより、サブメニュー画面として、「キャラ選択」、「かんたんスタート」、「パスワードを入力」、「途中記録を見る」、「記録して終了」、及び、「会員登録」のうちの何れかを選択するための画面(図284(B)参照)がメイン表示装置210に表示される。
そして、遊技者は、サブメニュー画面においてサブメニュー「パスワードを入力」を選択する。これにより、パスワードを入力するための画面(パスワード入力画面)がメイン表示装置210に表示される。遊技者は、パスワード入力画面において、演出用ボタン群を用いたボタン操作を行って、管理サーバ1510から発行されたパスワードを入力することにより、正式なログインを行うことができる。これにより、前回までに行った遊技の履歴を引き継ぎつつ、今回行われた遊技の履歴が蓄積される。
遊技の履歴(遊技履歴)には、総遊技回数、遊技者にとって有利な遊技状態(特定遊技状態)の発生回数(例えば、ボーナス回数やART回数等)、各役の当籤回数や当籤確率、遊技媒体の投入枚数及び払出枚数の他、実行された演出の履歴(演出履歴)が含まれる。演出履歴には、各種演出の発生回数の他、カスタム遊技(キャラクタのカスタマイズ)に関する履歴が含まれる。カスタム遊技に関する履歴としては、各種キャラクタが選択された回数や、カスタム遊技の種別(選択されたキャラクタの種別)ごとの遊技履歴が挙げられる。選択されたキャラクタの種別ごとの遊技履歴としては、各種キャラクタのカスタマイズが行われた状態で行われた遊技の回数(例えば、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数、及び、キャラクタBが選択された状態で行われた遊技の回数)や、各種キャラクタのカスタマイズが行われた状態で特定遊技状態(例えば、ボーナスやART等)が発生した回数(例えば、キャラクタAが選択された状態で特定遊技状態が発生した回数、及び、キャラクタBが選択された状態で特定遊技状態が発生した回数)等が挙げられる。
管理サーバ1510では、このような遊技履歴が、会員登録を行っている遊技者毎に割り当てられる会員IDと対応付けて管理されている。例えば、管理サーバ1510には、一の遊技者がキャラクタAを選択した状態で行った遊技の回数及びキャラクタBを選択した状態で行った遊技の回数がそれぞれ記憶されるとともに、他の遊技者がキャラクタAを選択した状態で行った遊技の回数及びキャラクタBを選択した状態で行った遊技の回数もそれぞれ記憶されている。これにより、管理サーバ1510は、各遊技者の遊技履歴を比較することができるようになっている。パスワードには、このような各遊技者の遊技履歴の比較結果(所定の方法により決定された順位)も暗号化されて含まれている。
遊技を終了するに当たり、遊技者は、サブメニュー画面においてサブメニュー「記録して終了」を選択する。これにより、メイン表示装置210に2次元コードが表示される。当該2次元コードは、管理サーバ1510のアドレス情報及びパチスロ機1において蓄積された遊技履歴情報をコード化したものである。遊技者は、携帯端末機1520が備えるカメラにより、2次元コードを撮像することができる。携帯端末機1520は、カメラが2次元コードを撮像した際に得られる画像データから2次元コードを認識し、この認識した2次元コードから、管理サーバ1510のアドレス情報を生成する。その結果、管理サーバ1510にアクセスすることが可能となる。また、携帯端末機1520から管理サーバ1510に遊技履歴情報が送信される。これにより、当該遊技履歴は、管理サーバ1510において管理されることになる。
なお、初めて正式なログインを行うためには、会員登録を行う必要がある。会員登録を行うに当たり、遊技者は、サブメニュー画面においてサブメニュー「会員登録」を選択する。これにより、メイン表示装置210に2次元コードが表示される。当該2次元コードは、管理サーバ1510のアドレス情報及び会員登録に係る情報をコード化したものである。遊技者は、携帯端末機1520が備えるカメラにより、2次元コードを撮像することができる。携帯端末機1520は、カメラが2次元コードを撮像した際に得られる画像データから2次元コードを認識し、この認識した2次元コードから、管理サーバ1510のアドレス情報を生成する。その結果、管理サーバ1510にアクセスすることが可能となる。また、携帯端末機1520から管理サーバ1510に会員登録に係る情報が送信される。これにより、管理サーバ1510において当該遊技者用のIDが設定されることになる。
ここで、図275では、正式なログインが行われている場合に設定示唆演出が行われる(すなわち、会員登録をしない限り、設定示唆演出が行われない)こととして説明した。これにより、遊技者に対して、正式なログイン(会員登録)を行うことを促すことができる。もっとも、設定示唆演出が行われるための条件は、この例に限定されない。例えば、正式なログインが行われている場合だけでなく、簡易的なログインが行われている場合にも、設定示唆演出が行われることとしてもよい。また、正式なログインが行われておらず、簡易的なログインも行われていない場合であっても(ログインが行われているか否かにかかわらず)、設定示唆演出が行われることとしてもよい。あるいは、設定示唆演出設定画面において、設定示唆演出とログインとを連携させるか否か(「有効」又は「無効」)を設定することが可能なように構成し、「有効」が設定された場合には、ログインが行われていることを条件として(上記と同様に、正式なログインを必要としてもよいし、簡易的なログインで足りることとしてもよい)設定示唆演出が行われることとし、「無効」が設定された場合には、ログインの有無にかかわらず設定示唆演出が行われることとしてもよい。
また、以上では、図284~図286に示す画面がメイン表示装置210に表示されることとして説明したが、これらの画面は、メイン表示装置210とは別途設けられた専用のタッチパネル液晶に表示することとしてもよい。これにより、遊技中(メイン表示装置210で演出が行われているとき)であっても、遊技者は、メニュー画面上で操作を行うことができる。
また、キャラクタのカスタマイズは、遊技者の所有する携帯端末機1520を操作することにより行うことができるようにしてもよい。例えば、会員登録を行った遊技者が、携帯端末機において所定のアプリケーションを起動させた状態で、キャラクタカスタマイズ画面(図285と同様の画面)を携帯端末機1520に表示させ、当該キャラクタカスタマイズ画面上にて、携帯端末機1520に対してタッチ操作又はボタン操作を行うことにより、キャラクタのカスタマイズを行うことができるように構成してもよい。この場合、カスタマイズの内容は、管理サーバ1510を介してパチスロ機1に送信可能なように構成してもよいし、非接触式短距離通信(NFC通信)等により携帯端末機携帯端末機1520からパチスロ機1に直接送信可能なように構成してもよい。
<設定示唆演出のバリエーション>
図288~図298は、設定示唆演出の一例を示す図である。
以上では、設定示唆演出について説明したが、本実施形態では、上述した設定示唆演出とは異なる設定示唆演出を行うことが可能である。以下で説明する設定示唆演出は、上述した設定示唆演出に代えて行うこととしてもよいし、上述した設定示唆演出とは別途行う(一のパチスロ機1において、上述した設定示唆演出及び以下で説明する設定示唆演出の双方の設定示唆演出が行われ得る)こととしてもよい。以下で説明する設定示唆演出において表示されるキャラクタ画像としては、上述したキャラクタ画像I~Vのうちの何れかのキャラクタ画像を採用することとしてもよい。
設定示唆演出の一例として、図288(a)では、AT状態が終了するまでの残り遊技回数が所定回数(100回)以下となったときに「Ending」という文字画像がメイン表示装置210に表示され、AT状態のエンディング期間が開始された様子を示している。図288(b)では、図288(a)に示す状態の後、レア役が内部当籤役として決定されたことにより、下段チェリーが入賞するとともに、「おめでとう!」という文字画像がメイン表示装置210に表示され、当該文字画像を通じて、相対的に高い設定値(設定5)以上であることが確定したことが示唆されている様子を示している。図288(c)では、図288(b)に示す状態の後、AT状態が終了したことに伴い、「The end」という文字画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。そして、図288(d)では、図288(c)に示す状態の後、画面が切り替わり、キャラクタが全員集合してメイン表示装置210に表示され、これにより、最高の設定値(設定6)であることが確定したことが示唆されている様子を示している。このように、図288に示す例では、AT状態のエンディング期間中にレア役が内部当籤役として決定された場合に、設定示唆演出が行われるようになっている。
設定示唆演出の別の一例として、図289(a)では、「Rush開始」という文字画像がメイン表示装置210に表示され、AT状態が開始された様子を示している。図289(b)では、図289(a)に示す状態の後、レア役が内部当籤役として決定された(下段チェリーが入賞した)ことにより、ゲージが上昇していることを示す画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。図289(c)では、図289(b)に示す状態の後、AT状態が終了したことに伴い、「Rush終了」という文字画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。図289(d)では、図289(c)に示す状態の後、画面が切り替わり、キャラクタが全員集合してメイン表示装置210に表示され、これにより、最高の設定値(設定6)であることが確定したことが示唆されている様子を示している。このように、図289に示す例では、AT状態中(AT状態のエンディング期間に限定してもよい)にレア役が内部当籤役として決定されるごとにゲージが上昇する(メーターが溜まる)ように制御される。そして、メーターがたくさん溜まっているほど高い確率で設定示唆演出が行われるようになっている。
設定示唆演出の別の一例として、図290(a)では、「Rush開始1回目」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、初当りとなったことに伴い1セット目のAT状態が開始された様子を示すとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示されることにより、当該キャラクタ画像を通じて、一の設定値(設定2)以上であることが確定したことが示唆されている様子を示している。図290(b)では、図290(a)に示す状態の後、「Rush継続6回目」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、AT状態が連荘している(延長されている)ことに伴い6セット目のAT状態が開始された様子を示す一方、キャラクタ画像がメイン表示装置210に表示されていない様子を示している。図290(c)では、図290(b)に示す状態の後、「Rush継続8回目」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、AT状態が連荘している(延長されている)ことに伴い8セット目のAT状態が開始された様子を示すとともに、メイン表示装置210に表示されているキャラクタ画像の数が図290(a)に示す状態よりも増えていることにより、当該文字画像を通じて、一の設定値(設定3)以上であることが確定したことが示唆されている様子を示している。図290(d)では、図290(c)に示す状態の後、「Rush継続10回目」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、AT状態が連荘している(延長されている)ことに伴い10セット目のAT状態が開始された様子を示すとともに、キャラクタが全員集合してメイン表示装置210に表示され、これにより、最高の設定値(設定6)であることが確定したことが示唆されている様子を示している。図290に示す例では、AT状態が開始されるときに設定示唆演出が行われる場合があるところ、10セット目のAT状態が開始されるときには、設定示唆演出が行われる可能性が相対的に高くなっている。
設定示唆演出の別の一例として、図291(a)では、「Rush開始」という文字画像がメイン表示装置210に表示され、AT状態が開始された様子を示している。図291(b)では、図291(a)に示す状態の後、左リール3Lの上段領域、中段領域、下段領域にそれぞれ「V」図柄が停止表示されたことに伴い、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示され、当該キャラクタ画像を通じて、一の設定値(設定4)以上であることが確定したことが示唆されている様子を示している。このように、図291に示す例では、リール3の特定位置(例えば、同種の図柄が連続して配置されている箇所)を目押しで狙い(図示しないが、前提として、目押しすべきことを示唆する特定演出が発生する)、当該目押しに成功した場合に設定示唆演出が行われるようになっている。
設定示唆演出の別の一例として、図292(a)では、「BONUS確定」という文字画像(ボーナス確定画面:ボーナス役が内部当籤役として決定された場合にのみ表示され得る画像)がメイン表示装置210に表示されることにより、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことを報知するとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示されることにより、当該キャラクタ画像を通じて、一の設定値(設定4)以上であることが確定したことが示唆されている様子を示している。図292(b)では、図292(a)に示す状態の後、「BONUS終了」という文字画像(ボーナス終了画面)がメイン表示装置210に表示されることにより、ボーナス状態が終了した様子を示すとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示され、これにより、最高の設定値(設定6)であることが確定したことが示唆されている様子を示している。これに対し、図292(c)では、図292(a)に示す状態の後、「BONUS終了」という文字画像(ボーナス終了画面)がメイン表示装置210に表示されることにより、ボーナス状態が終了した様子を示す一方、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示されていない様子を示している。このように、図292に示す例では、ボーナス確定画面及びボーナス終了画面の双方で所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示された場合には、最高の設定値(設定6)であることが確定する一方、ボーナス確定画面及びボーナス終了画面のうちの何れか一方でのみ所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示された場合には、一の設定値(設定4)以上であることが確定するようになっている。
設定示唆演出の別の一例として、図293(a)では、「Rush回数3回」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、3セット目のAT状態が終了した様子を示すとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示されることにより、当該キャラクタ画像を通じて、一の設定値(設定4)以上であることが確定したことが示唆されている様子を示している。図293(b)では、図293(a)に示す状態の後、「Rush回数4回」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、4セット目のAT状態が終了した様子を示すとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示され、これにより、一の設定値(設定5)以上であることが確定したことが示唆されている様子を示している。図293(c)では、図293(b)に示す状態の後、「Rush回数5回」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、5セット目のAT状態が終了した様子を示すとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示され、これにより、最高の設定値(設定6)であることが確定したことが示唆されている様子を示している。このように、図293に示す例では、一のAT状態が終了したときに表示されるAT終了画面において所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示された場合には、一の設定値(設定4)以上であることが確定し、当該AT状態の次のセットのAT状態が終了したときに表示されるAT終了画面において所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示された場合(所定のキャラクタ画像が2回連続表示された場合)には、当該一の設定値よりも有利な設定値(設定5)以上であることが確定し、当該セットの次のセットのAT状態が終了したときに表示されるAT終了画面において所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示された場合(所定のキャラクタ画像が3回連続表示された場合)には、最高の設定値(設定6)であることが確定する。
設定示唆演出の別の一例として、図294(a)では、「Rush回数3回」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、3セット目のAT状態が終了した様子を示すとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示されることにより、当該キャラクタ画像を通じて、一の設定値(設定4)以上であることが確定したことが示唆されている様子を示している。図294(b)では、図294(a)に示す状態の後、AT状態の連荘が3セットで終了し、演出区間(有利区間・通常遊技)に移行した様子を示している。図294(c)では、図294(b)に示す状態の後、「Rush開始」という文字画像がメイン表示装置210に表示され、AT状態が再度開始された様子を示している。図294(d)では、図294(c)に示す状態の後、「Rush回数2回」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、2セット目のAT状態が終了した様子を示すとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示されることにより、当該キャラクタ画像を通じて、一の設定値(設定5)以上であることが確定したことが示唆されている様子を示している。図294(e)では、図294(d)に示す状態の後、AT状態の連荘が2セットで終了し、演出区間(有利区間・通常遊技)に移行した様子を示している。図294(f)では、図294(e)に示す状態の後、「Rush回数5回」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、5セット目のAT状態が終了した(前提として、AT状態に再度移行している)様子を示すとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示され、これにより、最高の設定値(設定6)であることが確定したことが示唆されている様子を示している。なお、図294(f)に示す状態の後、AT状態の連荘は5セットで終了し、演出区間(有利区間・通常遊技)に移行する。このように、図294に示す例では、図293に示す例と同様に、AT終了画面において所定のキャラクタ画像が連続して表示される回数が増えるにつれて、より有利な設定値以上であることが確定するが、AT終了画面は、AT状態の延長(継続)が行われない場合(AT状態から通常遊技に転落する場合)にのみ表示されるようになっている。
設定示唆演出の別の一例として、図295(a)では、「Rush回数7回」という文字画像がメイン表示装置210に表示されることにより、7セット目のAT状態が終了した様子を示すとともに、所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。図295(b)では、図295(a)に示す状態の後、「まだまだ!」という文字画像(復活演出)がメイン表示装置210に表示されることにより、AT状態が継続することが決定された様子を示している。これに対し、図295(c)では、図295(a)に示す状態の後、AT状態の連荘が7セットで終了し、演出区間(有利区間・通常遊技)に移行した様子を示すとともに、これにより、図295(a)に示す状態において表示された所定のキャラクタ画像を通じて、最高の設定値(設定6)であることが確定したことが示唆されている様子を示している。このように、図295に示す例では、AT終了画面において所定のキャラクタ画像がメイン表示装置210に表示された場合、当該所定のキャラクタ画像は、設定値を示唆している可能性がある。しかし、その後AT状態が継続する場合には、当該所定のキャラクタ画像は設定値を示唆する役割を果たしていなかったことになり、当該所定のキャラクタ画像は無効なものとなる(設定示唆演出とは無関係な演出であった(相対的に高い設定値以上であることが確定したわけではない)ことが事後的に判明する)。一方、AT状態から通常遊技に転落する場合には、当該所定のキャラクタ画像は設定値を示唆する役割を果たしていたことになり、当該所定のキャラクタ画像は有効なものとなる(設定示唆演出であった(相対的に高い設定値以上であることが確定した)ことが事後的に判明する)。
設定示唆演出の別の一例として、図296(a)では、「Rush開始」という文字画像がメイン表示装置210に表示され、AT状態が開始された様子を示している。図296(b)では、図296(a)に示す状態の後、所定の役が内部当籤役として決定されたことに伴い、第9実施形態で説明した「BARを狙え」演出画像がメイン表示装置210に表示され、リール3において「BAR」図柄揃いが停止表示された様子を示している。図296(c)では、図296(b)に示す状態の後、「BAR」図柄揃いが停止表示されたことに伴い、「PUSH」ボタン画像(演出ボタンの操作を促す画像)がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。図296(d)では、図296(c)に示す状態の後、演出ボタンが操作されたことに伴い、キャラクタが全員集合してメイン表示装置210に表示され、これにより、最高の設定値(設定6)であることが確定したことが示唆されている様子を示している。このように、図296に示す例では、特定図柄(例えば、「BAR」図柄)を目押しで狙い、当該目押しに成功した場合に演出ボタンの操作指示が出現し、演出ボタンを操作することにより設定示唆演出が行われるようになっている。
設定示唆演出の別の一例として、図297(a)では、「Rush開始」という文字画像がメイン表示装置210に表示され、AT状態が開始された様子を示している。図297(b)では、図297(a)に示す状態の後、所定の役が内部当籤役として決定されたことに伴い、第9実施形態で説明した「BARを狙え」演出画像がメイン表示装置210に表示され、リール3において「BAR」図柄揃いが停止表示された様子を示している。図297(c)では、図297(b)に示す状態の後、「BAR」図柄揃いが停止表示されたことに伴い、「PUSH」ボタン画像(演出ボタンの操作を促す画像)がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。図297(d)では、図297(c)に示す状態の後、演出ボタンが操作されたことに伴い、「+456枚」という文字画像がメイン表示装置210に表示され、これにより、設定値が4~6の何れかであることが確定したことが示唆されている様子を示している。このように、図297に示す例では、「456」に対応する数字を含む画像が表示されることを通じて、設定値が4~6の何れかであることが確定するようになっている。このような画像としては、AT状態の上乗せゲーム数に対応する画像(「+456枚」)、AT状態において獲得したメダルの枚数を報知する画像(「OVER456枚」)、敵撃破演出(例えば、復活演出)において表示される画像(「敵を456匹倒しました」)等を採用することが可能である。
設定示唆演出の別の一例として、図298(a)では、「BIG BONUS」という文字画像がメイン表示装置210に表示され、BB状態(疑似BB)が開始された様子を示している。図298(b)では、図298(a)に示す状態の後、「一発告知モード」、「最終告知モード」、及び、「チャンス告知モード」のうちの何れかを選択するための画面がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。「一発告知モード」、「最終告知モード」、及び、「チャンス告知モード」は、それぞれ、演出モードの1種であり、例えば、AT状態が継続するか否かを告知する方法(復活演出の内容)が互いに異なっている。遊技者は、演出ボタンを操作することにより、一の演出モードを選択することができる。そして、選択された演出モードに応じて、各設定示唆演出(例えば、設定示唆演出I~V)が出現する割合が異なるようになっている。例えば、「チャンス告知モード」が選択されている場合には、「一発告知モード」乃至「最終告知モード」が選択されている場合と比較して、相対的に低い設定値以上であることが確定する設定示唆演出(例えば、設定示唆演出I)が発生しやすいが、相対的に高い設定値以上であることが確定する設定示唆演出(例えば、設定示唆演出IVや設定示唆演出V)が発生し難くなるように構成してもよい。また、「一発告知モード」が選択されている場合には、設定示唆演出として、相対的に高い設定値以上であることが確定する設定示唆演出(例えば、設定示唆演出IIIや設定示唆演出IVや設定示唆演出V)のみが発生する(設定示唆演出Iや設定示唆演出IIは発生しない)が、そもそも、「最終告知モード」乃至「チャンス告知モード」が選択されている場合と比較して、設定示唆演出の発生確率が低くなるように構成してもよい。
設定示唆演出の別の一例として、図示しないが、有利区間が開始されるときに行われる設定示唆演出を設けることとしてもよい。当該設定示唆演出は、演出区間(通常遊技)におけるモードの種別に応じて内容を異ならせることとしてもよい。例えば、有利区間が開始されるときのモードが特定のモードである場合には、相対的に高い設定値以上であることが確定する設定示唆演出(例えば、設定示唆演出IIIや設定示唆演出IVや設定示唆演出V)を行うこととしてもよい。あるいは、特定のモードが開始されること自体が、相対的に高い設定値(例えば、設定4)以上であることが確定することと同義である(特定のモード専用の画面が表示されることが設定示唆演出に相当する)こととしてもよい。特定のモードが開始された場合には、相対的に高い設定値(例えば、設定4)以上であることが確定するとともに、所定ゲーム数以内に疑似ボーナス移行抽籤に当籤することが確定する(所定ゲーム数以内に必ず疑似ボーナス移行抽籤に当籤させる)こととしてもよい。また、非有利区間専用の設定示唆演出を設けることとしてもよい。
また、特定の状況(例えば、AT状態が終了したとき)において発生し得る設定示唆演出が設けられている場合、当該設定示唆演出は、所定操作(例えば、演出ボタンやタッチパネルの操作)が行われたことを条件として発生させる一方、所定操作(例えば、演出ボタンやタッチパネルの操作)が行われない場合には発生させないこととしてもよい。また、遊技者にとって有利な遊技状態(有利状態)として、第1有利状態(例えば、疑似BB(ビッグボーナス))と、第1有利状態と比較して有利度合いが小さな第2有利状態(例えば、疑似RB(レギュラーボーナス))と、が設けられている場合において、第2有利状態中に設定示唆演出が行われる(第1有利状態中には設定示唆演出が行われない、あるいは、第1有利状態中は第2有利状態中と比較して設定示唆演出の発生確率が低い)こととしてもよい。
また、電源が投入されてから(又は、設定値が変更されてから)の特定の状況(例えば、AT状態が終了したとき)の発生回数が特定回数である場合には(例えば、1回目や10回目の特定の状況においては)、当該発生回数が特定回数以外である場合と比較して、設定示唆演出の発生確率が高くなるようにしてもよい。例えば、1回目の特定の状況(例えば、AT状態が終了したとき)における設定示唆演出の発生確率が高くなるように設定した場合には、朝の開店後早い時間における集客を図るといったことが可能となる。
また、過去の設定値を含めた示唆を行うことが可能な設定示唆演出を設けることとしてもよい。例えば、直近数日間のうち少なくとも1日は設定6が設定されている(本日の設定値、前日の設定値、及び、前々日の設定値のうちの何れかが設定6である)ことが確定するような設定示唆演出を設けることとしてもよい。また、前日よりも本日の方が高い設定値(例えば、設定5や設定6)が設定されていることが確定するような設定示唆演出を設けることとしてもよい。これにより、過去の設定値に関する情報をデータ表示機やデータサイト等で確認した遊技者に対して、当該設定示唆演出を通じて、設定推測を楽しませることができる。
また、第1実施形態で説明したように、例えば、内部当籤役として特定役(例えば、スイカ)が決定され得るようにし、当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行うように構成することが可能である。
また、第1実施形態で説明したように、メイン遊技におけるリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、停止表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグ(図7(a)参照)が決定される。そして、演出区間(有利区間・通常遊技)においては、疑似ボーナス移行抽籤テーブル(図7(c)参照)が参照され、乱数値及び有利区間入賞時サブフラグに基づく抽籤(疑似ボーナス移行抽籤)が行われる。疑似ボーナス移行抽籤は、基本的に毎回の単位遊技において行われるが、遊技者が特定の遊技方法(例えば、上記のように8枚のメダルが払い出されるような遊技方法)で遊技を行った単位遊技においては、有利決定としての疑似ボーナス移行抽籤を行わないこととしてもよい。あるいは、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った単位遊技においては、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行わなかった単位遊技と比較して、有利決定としての疑似ボーナス移行抽籤の当籤確率が相対的に低下することとしてもよい。このような場合において、疑似ボーナス移行抽籤が行われた回数が所定回数となったときに発生し得る設定示唆演出を設けることとしてもよい。これにより、遊技者としては、特定の遊技方法で遊技を行わない方が早いタイミングで設定示唆演出を享受することが可能となる。
特定の遊技方法としては、例えば、特定役が内部当籤役として決定された単位遊技において、所定のリール(例えば、左リール3L)に対する停止操作が、所定の範囲に属する図柄(例えば、図柄位置「10」~「18」の図柄)のうちの何れかの図柄が中段領域に表示されているタイミングで行われるような遊技方法や、各リール3L,3C,3Rに対する停止操作の順序が特定の順序となるような遊技方法を挙げることができる。このように、特定の遊技において、特定の停止順が他の停止順に比べて一方的に有利である場合に限り、当該特定の停止順で遊技を行った場合に、当該特定の遊技において、有利決定を行わない(又は、有利決定において有利度合いを有利なものに変動させる旨決定される確率を低下させる)ように構成することが可能である。なお、第1実施形態で説明したように、このような制限は、当該単位遊技限りのものとすることが望ましい。
また、有利決定を行わない(又は、有利決定において有利度合いを有利なものに変動させる旨決定される確率を低下させる)のに代えて、天井までの遊技数の計測を停止する(又は、当該天井までの遊技数の延長を行う)こととしてもよい。例えば、第1実施形態で説明したように、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この点、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った単位遊技においては、天井ゲーム数を更新しない(又は、天井ゲーム数を増加させる)こととしてもよい。
<ロック>
図299及び図300は、第1停止時ロックの一例を示す図である。図301及び図302は、中停止時ロックの一例を示す図である。
第1実施形態で説明したように、ロック演出(ロック)は、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出である。本実施形態では、所定の役が内部当籤役として決定された場合に第1停止時ロックが実行されるように構成することが可能である。あるいは、所定の役が内部当籤役として決定された場合に中停止時ロックが実行されるように構成してもよい。
所定の役としては、遊技者による停止操作の態様(停止操作のタイミング)に応じて付与されるメダル数が変動するもの(例えば、上述した特定役)を採用することが可能である。すなわち、所定の役(例えば、スイカ)が内部当籤役として決定された場合において、停止操作のタイミングが適切である場合には、所定枚数(例えば、8枚)のメダルが払い出される。一方、停止操作のタイミングが適切でない場合には、取りこぼしが発生し、停止操作のタイミングが適切である場合よりもメダルの払出枚数が少なくなる(又は、メダルが一切払い出されない)。
ここで、パチスロ機1において遊技を行う遊技者のなかには、各リール3L,3C,3Rに対する停止操作を行うに当たって、左ストップボタン8L→中ストップボタン8C→右ストップボタン8Rの順に指を滑らせるような打ち方(以下、滑らせ打法と呼ぶこととする)で遊技を行う者が存在すると考えられる。所定の役(例えば、スイカ)が内部当籤役として決定された場合に、このような滑らせ打法で遊技を行うと、当該所定の役(例えば、スイカ)を取りこぼしてしまう可能性が高い。
この点、所定の役(例えば、スイカ)が内部当籤役として決定された場合に、第1停止時ロック乃至中停止時ロックを実行することで、滑らせ打法で遊技を行った場合であっても、このような取りこぼしが発生することを防止することが可能となっている。以下、図299及び図300を用いて第1停止時ロックについて説明し、図301及び図302を用いて中停止時ロックについて説明する。
図299(a)では、一の単位遊技において各リール3L,3C,3Rの回転が開始し、全てのリール3L,3C,3Rが回転している様子を示している。その後、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されているか否かによって、リール3の挙動が異なることになる。図299(b)及び図300(a)~(d)では、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合について示しており、図299(c)では、所定の役とは異なる役(リプレイ)が内部当籤役として決定されている場合について示している。
具体的に、図299(b)では、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合において、図299(a)に示す状態の後、第1停止操作として左ストップボタン8Lが操作されたことに伴い、左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの上段領域に「スイカ」が停止表示された様子を示している。このとき、第1停止操作が行われたことにより、第1停止時ロックが発生する。第1停止時ロックは、第1停止操作が行われた後第2停止操作が行われる前に発生するロックである。第1停止時ロックが発生すると、第1停止操作が行われた後遊技者による操作(例えば、ストップボタン8の操作)が無効化される。第1停止時ロックは、中ストップボタン8Cが操作されるまで継続する。すなわち、第1停止時ロックは、中ストップボタン8Cが操作されたことを契機として解除される。なお、図中の矢印は、滑らせ打法において遊技者がどの位置まで指を滑らせたのかを示している。
図300(a)では、図299(b)に示す状態の後、滑らせ打法において中ストップボタン8Cまで指を滑らせた(中ストップボタン8Cが操作された)様子を示している。このとき、中ストップボタン8Cが操作されたことに伴い、第1停止時ロックが終了する。中ストップボタン8Cの操作は、第1停止時ロックを解除させるための操作としては有効であるが、中リール3Cを停止させるための操作としては無効である。
図300(b)では、図300(a)に示す状態の後、滑らせ打法において右ストップボタン8Rまで指を滑らせた(右ストップボタン8Rが操作された)様子を示している。第1停止時ロックは既に終了しているため、右ストップボタン8Rの操作は、右リール3Rを停止させるための操作として有効である。これにより、図300(b)では、右リール3Rの回転が停止し、右リール3Rの下段領域に「スイカ」が停止表示され、有効ライン(ここでは、クロスダウンライン)に沿って「スイカ」がリーチ態様(左リール3L及び右リール3Rにおいて「スイカ」が停止表示され、中リール3Cのみが回転している状態)となっている様子を示している。なお、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合、左リール3L及び右リール3Rにおいては、左ストップボタン8L乃至右ストップボタン8Rの操作タイミングにかかわらず、「スイカ」が停止表示されるようになっている。
図300(c)では、図300(b)に示す状態の後、第9実施形態で説明した「BARを狙え」演出画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。ここでは、中リール3Cにおいて、「スイカ」に対応する図柄位置は、「BAR」に対応する図柄位置と近くなっている(最大滑り駒数(4図柄)の範囲内に存在する)こととする。これにより、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合において、中ストップボタン8Cの操作タイミングが適切である場合(例えば、「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで中ストップボタン8Cの操作が行われた場合)には、中リール3Cにおいて「スイカ」が停止表示され、クロスダウンラインに沿って「スイカ」が揃う(入賞する)。一方、中ストップボタン8Cの操作タイミングが適切でない場合には、中リール3Cにおいて「スイカ」が停止表示されず、クロスダウンラインに沿って「スイカ」が揃わない(取りこぼす)。
図300(d)では、図300(c)に示す状態の後、中ストップボタン8Cが適切なタイミングで操作されたことに伴い、中リール3Cにおいて「スイカ」が停止表示され、クロスダウンラインに沿って「スイカ」が揃った様子を示している。これにより、所定枚数(例えば、8枚)のメダルが払い出される。なお、以上では、「BARを狙え」演出画像(停止操作のタイミングを示唆する画像)をメイン表示装置210に表示することとして説明したが、このような画像は表示しないこととしてもよい。また、「スイカ」が揃った場合には、上述した設定示唆演出を行うこととしてもよい。
以上の例では、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合には第1停止時ロックが発生するのに対し、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されていない場合には第1停止時ロックが発生しない。図299(c)では、所定の役とは異なる役(リプレイ)が内部当籤役として決定されている場合において、図299(a)に示す状態の後、リプレイが入賞した様子を示している。この場合には、第1停止時ロックが発生しないため、滑らせ打法による左ストップボタン8L、中ストップボタン8C、及び、右ストップボタン8Rの操作が、それぞれ、第1停止操作、第2停止操作、及び、第3停止操作として有効なものとなる。
以上とは別の態様として、図301(a)では、一の単位遊技において各リール3L,3C,3Rの回転が開始し、全てのリール3L,3C,3Rが回転している様子を示している。その後、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されているか否かによって、リール3の挙動が異なることになる。図301(b)及び図302(a)~(b)では、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合について示しており、図301(c)では、所定の役とは異なる役(リプレイ)が内部当籤役として決定されている場合について示している。
具体的に、図301(b)では、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合において、図301(a)に示す状態の後、第1停止操作として左ストップボタン8Lが操作されたことに伴い、左リール3Lの回転が停止し、左リール3Lの上段領域に「スイカ」が停止表示された様子を示している。ここで、図301(b)では、滑らせ打法において中ストップボタン8Cまで指を滑らせた(中ストップボタン8Cが操作された)様子を示しているが、中リール3Cの回転は停止していない。この例では、中ストップボタン8Cが操作されることにより、中停止時ロックが発生する。中停止時ロックは、中ストップボタン8Cが操作された後に発生するロックである。中停止時ロックが発生すると、中ストップボタン8Cが操作された後所定時間(例えば、2秒)が経過するまで、遊技者による操作(例えば、ストップボタン8の操作)が無効化される。
滑らせ打法における中ストップボタン8Cの操作は、中停止時ロックを発生させるための操作としては有効であるが、中リール3Cを停止させるための操作としては無効である。また、滑らせ打法においては、通常、中ストップボタン8Cが操作されてから所定時間(中停止時ロックにより遊技者による操作が無効化される時間)以内に右ストップボタン8Rが操作されるため、滑らせ打法における右ストップボタン8Rの操作も、右リール3Rを停止させるための操作としては無効である。
図302(a)では、図301(b)に示す状態の後、第9実施形態で説明した「BARを狙え」演出画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。ここでは、上記と同様に、中リール3Cにおいて、「スイカ」に対応する図柄位置は、「BAR」に対応する図柄位置と近くなっている(最大滑り駒数(4図柄)の範囲内に存在する)こととする。これにより、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合において、中ストップボタン8Cの操作タイミングが適切である場合(例えば、「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで中ストップボタン8Cの操作が行われた場合)には、中リール3Cにおいて「スイカ」が停止表示される。一方、中ストップボタン8Cの操作タイミングが適切でない場合には、中リール3Cにおいて「スイカ」は停止表示されない。なお、上記と同様に、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合、左リール3L及び右リール3Rにおいては、左ストップボタン8L乃至右ストップボタン8Rの操作タイミングにかかわらず、「スイカ」が停止表示されるようになっている。
図302(b)では、図302(a)に示す状態の後、中ストップボタン8Cが適切なタイミングで操作されたこと(右ストップボタン8Rが任意のタイミングで操作されたこと)に伴い、中リール3C及び右リール3Rにおいて「スイカ」が停止表示され、クロスダウンラインに沿って「スイカ」が揃った様子を示している。これにより、所定枚数(例えば、8枚)のメダルが払い出される。なお、以上では、「BARを狙え」演出画像(停止操作のタイミングを示唆する画像)をメイン表示装置210に表示することとして説明したが、このような画像は表示しないこととしてもよい。また、「スイカ」が揃った場合には、上述した設定示唆演出を行うこととしてもよい。
以上の例では、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されている場合には中停止時ロックが発生するのに対し、所定の役(スイカ)が内部当籤役として決定されていない場合には中停止時ロックが発生しない。図301(c)では、所定の役とは異なる役(リプレイ)が内部当籤役として決定されている場合において、図301(a)に示す状態の後、リプレイが入賞した様子を示している。この場合には、中停止時ロックが発生しないため、滑らせ打法による左ストップボタン8L、中ストップボタン8C、及び、右ストップボタン8Rの操作が、それぞれ、第1停止操作、第2停止操作、及び、第3停止操作として有効なものとなる。
以上、本発明の一実施形態として、第10実施形態に係るパチスロ機1について説明した。
<付記E>
従来、BB遊技状態の終了時に設定値を示唆可能な設定示唆演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開2003-245403号公報参照)。
このような従来の遊技機において、設定示唆演出は、他の演出と同様に、メーカ側が設定した出現率等に応じて発生する。一方で、ホール(店舗)側が意図した態様で設定値(遊技者にとっての有利度)を示唆することができれば、顧客獲得のための営業戦略等を立案するに当たっても有用であると考えられる。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、店舗側の意図に沿って有利度に関する示唆を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第10実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(E-1) 遊技者にとっての有利度として複数種類設けられた有利度(設定値)のうちの何れかに管理者が設定可能な有利度設定手段と、
前記有利度設定手段により設定された有利度に関して示唆し得る示唆制御を実行可能な示唆制御手段(図275~図278の処理を実行するサブCPU201)と、
前記管理者により前記示唆制御を実行するための示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能な示唆情報設定手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、遊技者にとっての有利度として複数種類設けられた有利度(設定値)のうちの何れかに管理者が設定可能であり、設定された有利度(設定値)に関して示唆し得る示唆制御を実行可能である。そして、示唆制御を実行するための示唆情報(設定示唆演出タイプ)を管理者により設定可能なように構成されている。これにより、営業戦略等を考慮した上で、店舗側の意図に沿って示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定することが可能であり、当該意図に沿って有利度(設定値)に関する示唆を行うことができる。
第10実施形態では、設定示唆演出I~Vが発生した場合に所定の設定値以上であることが確定することとして説明した。設定示唆演出は、所定の設定値以上である場合にのみ発生する(所定の設定値以上であることが確定する)演出であってもよいし、所定の設定値以上である可能性が高いことを示唆する演出であってもよい。例えば、設定示唆演出Vは、設定値が設定6であることを所定の確率(例えば、80%)で示唆する演出である(当該演出が出現した際に、設定値が設定6である確率が80%である)こととしてもよい。また、設定示唆演出Iは、設定値が設定2以上であることを所定の確率(例えば、80%)で示唆する演出である(当該演出が出現した際に、設定値が設定2以上である確率が80%である)こととしてもよい。また、設定示唆演出として、設定値が奇数(1、3、又は、5)であることが確定する(あるいは、可能性が高いことを示唆する)演出や、設定値が偶数(2、4、又は、6)であることが確定する(あるいは、可能性が高いことを示唆する)演出を採用することとしてもよい。
また、第10実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した例について説明したが、本発明は、パチンコ遊技機に適用することも可能である。パチンコ遊技機においても、パチンコゲームに関する各種データが互いに異なる複数の設定値(「1」~「6」の6段階)が設けられており、セットした設定値を変更するための操作(設定変更)及びセットした設定値を確認するための操作(設定確認)を行うことができるように構成することが可能である。例えば、電源が投入されていない状態で、設定キーをON操作し、バックアップクリアスイッチの押下操作及び電源スイッチのON操作の両方を行うことで、設定変更状態となるようにするとよい。設定変更状態において設定スイッチを押下することにより、設定値を変更することが可能である。また、例えば、電源が投入されていない状態で、設定キーをON操作し、バックアップクリアクリアスイッチを押下操作せずに、電源スイッチのON操作を行うことで、設定確認状態となるようにするとよい。設定確認状態においては、例えば、性能表示モニタに設定値を示す情報が表示され、設定値を確認することが可能である。設定変更状態及び設定確認状態は、設定キーをOFF操作することにより終了する。
示唆情報(設定示唆演出タイプ)は、設定示唆演出設定画面が表示されているときに設定することが可能である。設定示唆演出設定画面は、設定確認操作が行われているときに表示されることとしてもよいし、設定変更操作が行われているときに表示されることとしてもよい。設定確認操作乃至設定変更操作を行うためには、電源スイッチ乃至設定用鍵型スイッチ(バックアップクリアクリアスイッチ)を操作する必要があるところ、これらのスイッチは、キャビネットGの内部に設けられている。従って、示唆情報(設定示唆演出タイプ)は、前扉(上ドア機構UD又は下ドア機構DD)を開けることにより設定することが可能であると言うことができる。あるいは、パチンコ遊技機においては、本体の裏側(背面側)に設定変更スイッチが設けられる場合がある。基本的に島内に人が立ち入ることはできないため、本体の裏面(裏面に配設された基板ケース等に収容された設定変更スイッチ)を操作するためには、鍵を用いて枠を回動させる必要がある。従って、示唆情報(設定示唆演出タイプ)は、枠を回動させた場合に設定することができるようにしてもよい。換言すれば、示唆情報(設定示唆演出タイプ)は、回動開閉部を開放させた後に設定可能なように構成することができる。回動開閉部は、パチスロ遊技機における前扉であってもよいし、パチンコ遊技機における本体枠(外枠に対して回動可能な部分)であってもよい。何れにしても、示唆情報(設定示唆演出タイプ)は、遊技者が操作することができない操作部が操作された場合に設定することが可能であると言うことができる。
第10実施形態では、メニュー画面が表示される状況として、遊技が行われていない状況を採用してもよいし、遊技が行われている状況を採用してもよいこととして説明した。「遊技が行われている状況」とは、主制御回路側で遊技処理が行われていない(すなわち、1遊技が終了し、BET操作やスタートレバー操作を待っている)状態ではない状態を指す。遊技処理は、例えば、BET操作(スタートレバー操作)が行われた後メダルの払出が行われるまでの間に行われる遊技に係る処理である。「遊技が行われている状況」は、表示装置にデモ画面が表示されていない状況を指すこととしてもよい。デモ画面は、遊技が行われていない(客待ち状態である)と判断される場合に移行される画面である。デモ画面への移行条件としては、従来公知の条件を適宜採用することが可能である。例えば、パチスロ遊技機においては、メダルの払出が行われた後BETが行われないまま所定時間(例えば、10秒)が経過すること、再遊技による自動投入の後スタートレバーが操作されないまま所定時間が経過すること、C/Pボタンが操作されクレジットされているメダルが全て払い出されること、電源が投入されること(BETが行われるまでの間)、といった条件を、デモ画面への移行条件として挙げることができる。また、パチンコ遊技機においては、図柄の変動が停止した後ハンドルの操作が検出されないまま所定時間が経過すること、図柄の変動が停止した後始動口への入賞が発生しないまま所定時間が経過すること、保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること、といった条件を、デモ画面への移行条件として挙げることができる。設定示唆演出設定画面は、「遊技が行われていない状況」において表示される画面であるとも言える。
(E-2) 前記(E-1)の遊技機であって、
前記示唆情報設定手段は、複数の期間(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して前記示唆情報を設定可能である、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、複数の期間(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能なように構成されている。これにより、有利度(設定値)に関する示唆の態様を期間(設定示唆演出用期間)ごとに異ならせることが可能であり、各期間(設定示唆演出用期間)に応じた営業戦略等を立案しようとする店舗のニーズに応えることができる。
もっとも、複数の期間(設定示唆演出用期間)を設けることは必須ではなく、このような期間とは無関係に(全期間に対して一の)示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能なように構成してもよい。
(E-3) 前記(E-1)又は(E-2)の遊技機であって、
前記示唆情報設定手段は、所定期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、又は、「期間J」)に対して前記示唆情報を設定可能であり、
前記示唆制御手段は、前記所定期間において所定の条件(AT状態の終了条件)を満たした場合に、前記示唆情報設定手段により該所定期間に対して設定された前記示唆情報に応じた前記示唆制御を実行可能である、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、所定期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、又は、「期間J」)に対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能であり、所定期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、又は、「期間J」)において所定の条件(AT状態の終了条件)を満たした場合に、該所定期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、又は、「期間J」)に対して設定された示唆情報(設定示唆演出タイプ)に応じた示唆制御を実行可能なように構成されている。これにより、所定期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、又は、「期間J」)において所定の条件(AT状態の終了条件)を満たした場合に、該所定期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、又は、「期間J」)に応じた態様で有利度(設定値)に関する示唆を行うことが可能であり、該所定期間(「期間A」、「期間B」、「期間C」、「期間D」、「期間E」、「期間F」、「期間G」、「期間H」、「期間I」、又は、「期間J」)に着目した営業戦略等を立案しようとする店舗のニーズに応えることができる。
第10実施形態では、所定の条件として、AT状態の終了条件を採用した例について説明した。所定の条件は、この例に限定されず、任意の条件を適宜採用することが可能である。このような条件としては、例えば、所定の遊技状態が終了することという条件、所定の遊技状態が開始することという条件、遊技者に対して特典が付与されたことという条件、所定の役が内部当籤役として決定されることという条件、所定の図柄組合せが停止表示されることという条件等を挙げることができる。所定の遊技状態としては、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(有利状態)を採用することが可能であり、パチスロ遊技機におけるボーナス状態(BB状態やMB状態等)、RT状態、AT状態(ART状態)、パチンコ遊技機における大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態等の遊技状態等を挙げることができる。これらの条件は、単独で採用してもよいし、複数の条件を併用してもよい。複数の条件を併用する場合には、条件ごとに示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能なように構成してもよい。
また、所定の遊技状態が複数種類設けられている場合、第1の所定の遊技状態に関する条件が成立したときには設定示唆演出が行われる一方、第2の所定の遊技状態に関する条件が成立したときには設定示唆演出が行われないように構成してもよい。設定示唆演出が行われる頻度が高すぎると、遊技者に容易に設定値を察知されてしまうところ、このような構成を採用することで、当該頻度を調整することができる。第1の所定の遊技状態と第2の所定の遊技状態とは、遊技者にとっての有利度合いが互いに異なるように構成することが可能であり、このような第1の所定の遊技状態及び第2の所定の遊技状態としては、それぞれ、第1実施形態で説明した疑似BB(ビッグボーナス)及び疑似RB(レギュラーボーナス)を採用することができる。第1の所定の遊技状態の方が第2の所定の遊技状態よりも有利であることとしてもよいし、逆に、第2の所定の遊技状態の方が第1の所定の遊技状態よりも有利であることとしてもよい。
また、第10実施形態では、一の期間(設定示唆演出用期間)において所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したとき、当該期間(設定示唆演出用期間)において所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したのが初めてである場合のみ、設定示唆演出が行われることとして説明した。しかし、一の期間(設定示唆演出用期間)において所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したとき、当該期間(設定示唆演出用期間)において所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したのが2回目以降である場合においても、設定示唆演出が行われることとしてもよい。所定の条件(AT状態の終了条件)が複数回成立した場合、当該所定の条件(AT状態の終了条件)の成立が何回目であるのかによって、各設定示唆演出の発生する確率を異ならせることとしてもよい。この場合、所定の条件(AT状態の終了条件)の成立回数は、期間(設定示唆演出用期間)ごとにカウントされることとしてもよいし、期間(設定示唆演出用期間)とは無関係にカウントされることとしてもよい。
また、所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したときに、設定示唆演出を発生させるか否かを決定するための抽籤(設定示唆演出発生抽籤)を行い、当該設定示唆演出発生抽籤に当籤した場合に、設定示唆演出を行うこととしてもよい。また、所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したときに、特定のキャラクタ画像(特定画像)を表示するか否かを決定するための抽籤(特定画像出現抽籤)を行い、当該特定画像出現抽籤に当籤した場合には、当該キャラクタ画像を表示することとしてもよい。この場合には、当該所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したときに、設定示唆演出を行わないこととしてもよい。一方で、所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したときに特定のキャラクタ画像が表示された場合には、次に所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したときに、必ず設定示唆演出を行うようにしてもよい。当該設定示唆演出は、設定された示唆情報(設定示唆演出タイプ)に基づいて行うこととしてもよいし、予め定められた設定示唆演出を行うこととしてもよい。これにより、特定のキャラクタ画像が表示された場合、遊技者に対して遊技を継続するモチベーションを与えることが可能であり、遊技機の稼働を促進させることができる。特定のキャラクタ画像の表示タイミングは、所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したときに限定されず、任意のタイミングで特定のキャラクタ画像を表示することが可能である。例えば、図288~図298を用いて説明した設定示唆演出において表示されるキャラクタ画像を特定のキャラクタ画像として採用し、当該設定示唆演出の実行タイミングを特定のキャラクタ画像の表示タイミングとして採用してもよい。何れにしても、特定のキャラクタ画像が表示された場合には、次回所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したときに必ず設定示唆演出を行うように構成することが可能である。
なお、設定示唆演出(キャラクタ画像I~Vの表示)は、ごく短い時間だけ(例えば、3秒以内)行われるものであり、一の単位遊技において設定示唆演出が開始された場合、当該設定示唆演出は、当該一の単位遊技が終わるまでに完了する(キャラクタ画像I~Vが表示された状態は、すぐに終了し、次の単位遊技に持ち越されない)ように構成することが可能である。あるいは、当該設定示唆演出は、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー操作が行われたことを契機として終了することとしてもよい。
(E-4) 前記(E-1)~(E-3)の何れかの遊技機であって、
前記示唆情報として、複数種類の示唆情報(「タイプA」、「タイプB」、及び、「タイプC」)が設けられており、
前記示唆情報設定手段は、前記複数種類の示唆情報のなかから選択された一の前記示唆情報を設定可能である、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、示唆情報(設定示唆演出タイプ)として複数種類の示唆情報(「タイプA」、「タイプB」、及び、「タイプC」)が設けられており、複数種類の示唆情報(「タイプA」、「タイプB」、及び、「タイプC」)のなかから選択された一の示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能なように構成されている。これにより、予め設けられた複数種類の示唆情報(「タイプA」、「タイプB」、及び、「タイプC」)のなかから一の示唆情報(設定示唆演出タイプ)を選択することで示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定することが可能であり、管理者が示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定するための操作を簡便にすることができる。
(E-5) 前記(E-1)~(E-4)の何れかの遊技機であって、
情報を報知可能な報知手段(メイン表示装置210)を備え、
前記示唆制御手段は、前記報知手段による情報の報知を制御可能な報知制御手段を備え、
前記報知手段により報知可能な情報として、前記有利度設定手段により設定された有利度が第1の有利度(設定2)又は該第1の有利度よりも遊技者にとって有利な有利度である場合にのみ報知され得る第1の情報(キャラクタ画像I)が設けられており、
前記報知制御手段は、前記示唆情報設定手段により設定された前記示唆情報が第1示唆情報(「タイプA」)である場合において、前記有利度設定手段により設定された有利度が前記第1の有利度又は該第1の有利度よりも遊技者にとって有利な有利度である場合、前記有利度設定手段により設定された有利度にかかわらず、前記報知手段による前記第1の情報の報知を制御可能である、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、報知手段(メイン表示装置210)により報知可能な情報として、第1の有利度(設定2)又は該第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって有利な有利度(設定値)が設定されている場合にのみ報知され得る第1の情報(キャラクタ画像I)が設けられている。そして、示唆情報(設定示唆演出タイプ)として第1示唆情報(「タイプA」)が設定されている場合において、第1の有利度(設定2)又は該第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって有利な有利度(設定値)が設定されている場合、設定された有利度(設定値)にかかわらず、第1の情報(キャラクタ画像I)の報知を制御可能なように構成されている。これにより、第1の情報(キャラクタ画像I)を通じて、第1の有利度(設定2)又は該第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって有利な有利度(設定値)が設定されていることを示唆することが可能であり、このような態様で有利度(設定値)に関する示唆を行いたいと考える店舗のニーズに応えることができる。
(E-6) 前記(E-1)~(E-5)の何れかの遊技機であって、
情報を報知可能な報知手段(メイン表示装置210)を備え、
前記示唆制御手段は、前記報知手段による情報の報知を制御可能な報知制御手段を備え、
複数種類の有利度として、少なくとも、第1の有利度(設定2)、及び、該第1の有利度よりも遊技者にとって有利な第2の有利度(設定3)が設けられており、
前記報知手段により報知可能な情報として、前記有利度設定手段により設定された有利度が前記第1の有利度よりも遊技者にとって不利な有利度である場合には報知され得ない第1の情報(キャラクタ画像I)、及び、前記有利度設定手段により設定された有利度が前記第2の有利度よりも遊技者にとって不利な有利度である場合には報知され得ない第2の情報(キャラクタ画像II)を含む複数種類の情報が設けられており、
前記報知制御手段は、前記示唆情報設定手段により設定された前記示唆情報が第2示唆情報(「タイプB」)である場合において、前記有利度設定手段により設定された有利度が前記第1の有利度又は該第1の有利度よりも遊技者にとって有利な有利度である場合、前記複数種類の情報のなかから前記有利度設定手段により設定された有利度に応じて選択された一の情報が前記報知手段により報知されるように制御可能である、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、報知手段(メイン表示装置210)により報知可能な情報として、第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって不利な有利度(設定値)が設定されている場合には報知され得ない第1の情報(キャラクタ画像I)、及び、第2の有利度(設定3)よりも遊技者にとって不利な有利度(設定値)が設定されている場合には報知され得ない第2の情報(キャラクタ画像II)を含む複数種類の情報が設けられている。そして、示唆情報(設定示唆演出タイプ)として第2示唆情報(「タイプB」)が設定されている場合において、第1の有利度(設定2)又は該第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって有利な有利度(設定値)が設定されている場合、設定された有利度(設定値)に応じて複数種類の情報のなかから選択された一の情報が報知手段(メイン表示装置210)により報知されるように制御可能なように構成されている。これにより、例えば、第1の情報(キャラクタ画像I)を通じて第1の有利度(設定2)又は該第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって有利な有利度(設定値)が設定されていることを示唆したり、第2の情報(キャラクタ画像II)を通じて第2の有利度(設定3)又は該第2の有利度(設定3)よりも遊技者にとって有利な有利度(設定値)が設定されていることを示唆したりすることが可能であり、このような態様で有利度(設定値)に関する示唆を行いたいと考える店舗のニーズに応えることができる。
(E-7) 前記(E-1)~(E-6)の何れかの遊技機であって、
情報を報知可能な報知手段(メイン表示装置210)を備え、
前記示唆制御手段は、前記報知手段による情報の報知を制御可能な報知制御手段を備え、
複数種類の有利度として、少なくとも、第1の有利度(設定2)、及び、該第1の有利度よりも遊技者にとって有利な第2の有利度(設定3)が設けられており、
前記報知手段により報知可能な情報として、前記有利度設定手段により設定された有利度が前記第1の有利度よりも遊技者にとって不利な有利度である場合には報知され得ない第1の情報(キャラクタ画像I)、及び、前記有利度設定手段により設定された有利度が前記第2の有利度よりも遊技者にとって不利な有利度である場合には報知され得ない第2の情報(キャラクタ画像II)が設けられており、
前記報知制御手段は、前記示唆情報設定手段により設定された前記示唆情報が第3示唆情報(「タイプC」)である場合において、前記有利度設定手段により設定された有利度が前記第1の有利度である場合には前記報知手段による前記第1の情報の報知を制御可能であり、前記有利度設定手段により設定された有利度が前記第2の有利度である場合には前記報知手段による前記第2の情報の報知を制御可能である、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、報知手段(メイン表示装置210)により報知可能な情報として、第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって不利な有利度(設定値)が設定されている場合には報知され得ない第1の情報(キャラクタ画像I)、及び、第2の有利度(設定3)よりも遊技者にとって不利な有利度(設定値)が設定されている場合には報知され得ない第2の情報(キャラクタ画像II)が設けられている。そして、示唆情報(設定示唆演出タイプ)として第3示唆情報(「タイプC」)が設定されている場合において、第1の有利度(設定2)が設定されている場合には第1の情報(キャラクタ画像I)の報知を制御可能であり、第2の有利度(設定3)が設定されている場合には第2の情報(キャラクタ画像II)の報知を制御可能なように構成されている。これにより、例えば、第2の有利度(設定3)が設定されている場合には、第1の情報(キャラクタ画像I)を通じた示唆ではなく、第2の情報(キャラクタ画像II)を通じた示唆(第1の情報(キャラクタ画像I)を通じた示唆よりも遊技者にとって有利な示唆)を行うことが可能であり、このような態様で有利度(設定値)に関する示唆を行いたいと考える店舗のニーズに応えることができる。
以上では、設定2が第1の有利度に相当することとして説明したが、第1の有利度は、設定3~設定5の何れかであってもよい。また、以上では、設定3が第2の有利度に相当することとして説明したが、第2の有利度は、設定4~設定6の何れかであってもよい。第2の有利度が第1の有利度よりも遊技者にとって有利な有利度(設定値)である限り、第1の有利度としては、設定2~設定5のうちの任意の有利度(設定値)を採用することが可能であり、第2の有利度としては、設定3~設定6のうちの任意の有利度(設定値)を採用することが可能である。
第10実施形態では、第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって不利な有利度(設定値)が設定されている場合においても、示唆情報(設定示唆演出タイプ)として、第1示唆情報(「タイプA」)、第2示唆情報(「タイプB」)、及び、第3示唆情報(「タイプC」)のうちの何れかを設定することができることとして説明した。しかし、第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって不利な有利度(設定値)が設定されている場合には、そもそも、第1示唆情報(「タイプA」)、第2示唆情報(「タイプB」)、及び、第3示唆情報(「タイプC」)を設定することができないように構成してもよい。例えば、第1の有利度(設定2)よりも遊技者にとって不利な有利度(設定値)が設定されている場合には、第1示唆情報(「タイプA」)、第2示唆情報(「タイプB」)、及び、第3示唆情報(「タイプC」)を選択ボタンにより選択することができないように構成してもよい。
また、第10実施形態では、示唆情報(設定示唆演出タイプ)として、第1示唆情報(「タイプA」)、第2示唆情報(「タイプB」)、及び、第3示唆情報(「タイプC」)が設けられていることとして説明した。示唆情報(設定示唆演出タイプ)は、これらの例に限定されず、例えば、設定示唆演出を高確率で発生させるための示唆情報(設定示唆演出タイプ)や設定示唆演出を低確率で発生させるための示唆情報(設定示唆演出タイプ)等を設けることとしてもよい。その上で、設定示唆演出を高確率で発生させるための示唆情報(設定示唆演出タイプ)が設定されている場合と、設定示唆演出を低確率で発生させるための示唆情報(設定示唆演出タイプ)が設定されている場合とで、上述した設定示唆演出発生抽籤の当籤確率が異なるように構成することが可能である。また、設定示唆演出を高確率で発生させるための示唆情報(設定示唆演出タイプ)が設定されている場合には、設定示唆演出を高確率で発生させる一方、相対的に低い設定値以上であることが確定する設定示唆演出(例えば、設定示唆演出I)が発生しやすいが、相対的に高い設定値以上であることが確定する設定示唆演出(例えば、設定示唆演出IVや設定示唆演出V)が発生し難くなるように構成してもよい。また、設定示唆演出を低確率で発生させるための示唆情報(設定示唆演出タイプ)が設定されている場合には、設定示唆演出を低確率で発生させる一方、設定示唆演出として、相対的に高い設定値以上であることが確定する設定示唆演出(例えば、設定示唆演出IIIや設定示唆演出IVや設定示唆演出V)のみが発生する(設定示唆演出Iや設定示唆演出IIは発生しない)ように構成してもよい。
なお、報知手段による報知は、画像の表示に限定されず、音の出力であってもよいし、光の出力であってもよいし、これらの任意の組合せであってもよい。すなわち、報知手段は、画像表示手段(表示装置)であってもよいし、音出力手段(スピーカ)であってもよいし、発光手段であってもよい。
(E-8) 前記(E-1)~(E-7)の何れかの遊技機であって、
前記示唆情報設定手段は、前記有利度設定手段により一の有利度が設定されている状態において示唆情報を設定した後、前記有利度設定手段により該一の有利度とは異なる有利度が設定された場合、該示唆情報を維持することが可能である、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、一の有利度(設定値)が設定されている状態において示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定した後、該一の有利度(設定値)とは異なる有利度(設定値)が設定された場合、該示唆情報(設定示唆演出タイプ)を維持することが可能なように構成されている。これにより、有利度(設定値)の設定が変更された場合であっても、示唆情報(設定示唆演出タイプ)の設定を再度行う必要がなく、管理者にとっての利便性を図ることができる。
(E-9) 前記(E-1)~(E-8)の何れかの遊技機であって、
前記示唆情報設定手段は、
複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して所定の操作(設定示唆演出タイプを選択する操作)が繰り返し行われることにより、各設定対象に対して前記示唆情報を設定可能な第1示唆情報設定手段と、
特定の操作(設定示唆演出設定用パスワードの入力操作や設定示唆演出設定用プリセットから選択する操作)が行われることにより、前記複数の設定対象のそれぞれに対して前記示唆情報を設定可能な第2示唆情報設定手段と、を備える、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して所定の操作(設定示唆演出タイプを選択する操作)が繰り返し行われることにより各設定対象(設定示唆演出用期間)に対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能である一方、特定の操作(設定示唆演出設定用パスワードの入力操作や設定示唆演出設定用プリセットから選択する操作)が行われることでも複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能なように構成されている。これにより、有利度(設定値)に関する示唆の態様を設定対象(設定示唆演出用期間)ごとに異ならせることが可能であり、各設定対象(設定示唆演出用期間)に応じた営業戦略等を立案しようとする店舗のニーズに応えることができる。また、複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定するに当たって、特定の操作(設定示唆演出設定用パスワードの入力操作や設定示唆演出設定用プリセットから選択する操作)を行うことで所定の操作(設定示唆演出タイプを選択する操作)を繰り返し行う手間を省くことが可能であり、管理者にとっての利便性を図ることができる。
(E-10) 前記(E-1)~(E-9)の何れかの遊技機であって、
前記示唆情報設定手段は、
複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して所定の操作(設定示唆演出タイプを選択する操作)が繰り返し行われることにより、各設定対象に対して前記示唆情報を設定可能な第1示唆情報設定手段と、
前記第1示唆情報設定手段により各設定対象に対して前記示唆情報が設定された場合、各設定対象と該設定対象に対して設定された前記示唆情報との対応関係を示す設定対象毎示唆情報(設定示唆演出設定用プリセット)を登録可能な設定対象毎示唆情報登録手段と、
前記設定対象毎示唆情報登録手段により登録された前記設定対象毎示唆情報を選択する旨の操作が行われることにより、前記複数の設定対象のそれぞれに対して、該設定対象毎示唆情報に応じた前記示唆情報を設定可能な第2示唆情報設定手段と、を備える、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して所定の操作(設定示唆演出タイプを選択する操作)が繰り返し行われることにより、各設定対象(設定示唆演出用期間)に対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能であり、このようにして各設定対象(設定示唆演出用期間)に対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)が設定された場合、各設定対象(設定示唆演出用期間)と該設定対象(設定示唆演出用期間)に対して設定された示唆情報(設定示唆演出タイプ)との対応関係を示す設定対象毎示唆情報(設定示唆演出設定用プリセット)を登録可能である。そして、このようにして登録された設定対象毎示唆情報(設定示唆演出設定用プリセット)を選択する旨の操作が行われることにより、複数の設定対象のそれぞれに対して、該設定対象毎示唆情報(設定示唆演出設定用プリセット)に応じた示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能なように構成されている。これにより、有利度(設定値)に関する示唆の態様を設定対象ごとに異ならせることが可能であり、各設定対象に応じた営業戦略等を立案しようとする店舗のニーズに応えることができる。また、各設定対象に対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)をいったん設定すると、各設定対象と該設定対象に対して設定された示唆情報(設定示唆演出タイプ)との対応関係を示す設定対象毎示唆情報(設定示唆演出設定用プリセット)を登録することが可能であり、次回同様の対応関係で各設定対象に対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定するに当たっては、登録された設定対象毎示唆情報(設定示唆演出設定用プリセット)を選択する旨の操作を行えばよく、管理者にとっての利便性を図ることができる。
(E-11) 前記(E-1)~(E-10)の何れかの遊技機であって、
複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれと各設定対象に対する前記示唆情報との対応関係を示す設定対象毎示唆情報が暗号化された暗号化情報(設定示唆演出設定用パスワード)を入力可能な入力手段を備え、
前記示唆情報設定手段は、前記入力手段において前記暗号化情報が入力された場合、前記複数の設定対象のそれぞれに対して、該暗号化情報から特定される前記設定対象毎示唆情報に応じた前記示唆情報を設定可能である、
ことを特徴とする。
第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれと各設定対象(設定示唆演出用期間)に対する示唆情報(設定示唆演出タイプ)との対応関係を示す設定対象毎示唆情報が暗号化された暗号化情報(設定示唆演出設定用パスワード)を入力可能であり、該暗号化情報(設定示唆演出設定用パスワード)が入力された場合、複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して、該暗号化情報(設定示唆演出設定用パスワード)から特定される設定対象毎示唆情報に応じた示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定可能なように構成されている。これにより、有利度(設定値)に関する示唆の態様を設定対象(設定示唆演出用期間)ごとに異ならせることが可能であり、各設定対象(設定示唆演出用期間)に応じた営業戦略等を立案しようとする店舗のニーズに応えることができる。また、暗号化情報(設定示唆演出設定用パスワード)を入力するだけで、複数の設定対象(設定示唆演出用期間)のそれぞれに対して示唆情報(設定示唆演出タイプ)を設定することが可能であるため、管理者にとっての利便性を図ることができる。
第10実施形態では、選択ボタン及び決定ボタンを操作することにより、暗号化情報(設定示唆演出設定用パスワード)を入力可能であることとして説明した。暗号化情報を遊技機に入力する方法は、ボタンやタッチパネル等の操作手段を用いてパスワードを入力する方法に限定されない。例えば、遊技機にカメラを設けるとともに、当該暗号化情報として携帯端末機に表示された2次元コードを当該カメラにより読み取らせることとしてもよい。あるいは、管理サーバから遊技機に暗号化情報を送信可能なように構成してもよいし、非接触式短距離通信(NFC通信)等により携帯端末機から遊技機に暗号化情報を送信可能なように構成してもよい。
また、第10実施形態では、各設定対象(設定示唆演出用期間)と示唆情報(設定示唆演出タイプ)との対応関係を示す設定対象毎示唆情報(設定示唆演出設定用プリセット)が暗号化された暗号化情報(設定示唆演出設定用パスワード)を出力可能であることとして説明した。暗号化情報を出力する方法は、パスワードを表示装置に表示させる方法に限定されない。例えば、暗号化情報として2次元コードを表示装置に表示させることとしてもよい。この場合、上記のように、遊技機にカメラを設けるとともに、暗号化情報として携帯端末機に表示された2次元コードを当該カメラにより読み取らせることが可能なように構成することが望ましい。これにより、一の遊技機において暗号化情報として2次元コードが表示された場合には、携帯端末機に設けられたカメラにより当該2次元コードを撮像し、当該2次元コードを当該携帯端末機に表示させた上で、他の遊技機に設けられたカメラにより当該2次元コードを読み取らせることにより、当該一の遊技機において設定された示唆情報(設定示唆演出タイプ)と同じ示唆情報(設定示唆演出タイプ)を、当該他の遊技機においても設定することが可能である。
以上では、設定示唆演出用期間が上記設定対象に相当することとして説明したが、上記設定対象としては、この例に限定されず、時間の経過とともに(遊技の進行に伴って)変化し得る変数の属する範囲を適宜採用することが可能である。当該変数は、単位遊技の回数(例えば、電源投入後ゲーム回数)であってもよいし、所定の条件(AT状態の終了条件)の成立回数(例えば、AT終了回数)であってもよいし、所定の条件の成立した単位遊技の回数であってもよいし、時間であってもよい。これにより、所定の条件(AT状態の終了条件)が成立したとき、その時点における当該変数の属する範囲に対して設定された示唆情報(設定示唆演出タイプ)に応じて、設定示唆演出を行うことが可能である。上述したように、所定の条件としては、例えば、所定の遊技状態が終了することという条件、所定の遊技状態が開始することという条件、遊技者に対して特典が付与されたことという条件、所定の役が内部当籤役として決定されることという条件、所定の図柄組合せが停止表示されることという条件等を採用することが可能である。所定の遊技状態としては、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(有利状態)を採用することが可能であり、パチスロ遊技機におけるボーナス状態(BB状態やMB状態等)、RT状態、AT状態(ART状態)、パチンコ遊技機における大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態等の遊技状態等を挙げることができる。
以上のような設定対象を採用した場合、例えば、朝の開店後早い時間に対応する設定対象(例えば、図281に示す「期間A」、図282に示す「AT終了1回」、図283に示す「10時~11時」等)に対して「タイプC」を設定することにより、当該時間における集客を図るといったことが可能となる。なお、第10実施形態では、上記変数としての単位遊技の回数乃至所定の条件(AT状態の終了条件)の成立回数が、電源が投入されてから行われた単位遊技の回数乃至電源が投入されてから成立した所定の条件(AT状態の終了条件)の回数であることとして説明した。しかし、上記変数としては、有利度(設定値)が変更されてから行われた単位遊技の回数乃至有利度(設定値)が変更されてから成立した所定の条件(AT状態の終了条件)の回数を採用してもよい。
<付記F>
従来、当籤役抽籤の結果を報知するためのメインリールと、演出用のサブリールと、を備えた遊技機が知られている(特開2010-214050号公報参照)。
このような従来の遊技機においては、所定の役が内部当籤役として決定されている場合に、遊技者による停止操作の態様に応じて、当該役に対応する図柄の組合せが停止表示されたり、当該図柄の組合せが停止表示されなかったりする。
この点、遊技者のなかには、特に何も考えず、適当な停止操作を行う者も存在するところ、当該役が内部当籤役として決定された単位遊技において、このような適当な停止操作を行ってしまうと、当該役を取りこぼしてしまう可能性がある。そこで、遊技者が適当な停止操作を行う場合であっても、このような役を取りこぼさないようにすることが望まれる。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技者が適当な停止操作を行う場合であっても、取りこぼす可能性のある役に対応する図柄の組合せが停止表示される機会を提供することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第10実施形態に係るパチスロ機1によれば、取りこぼす可能性のある役(スイカ)が内部当籤役として決定された場合に、第1停止時ロック乃至中停止時ロックが実行されるように構成されている。これにより、適当な停止操作により当該役(スイカ)を取りこぼしてしまうことを防止することが可能であり、当該役(スイカ)に対応する図柄の組合せが停止表示されるように、遊技者に対して目押しの機会を提供することができる。
[第11実施形態]
以上、第1実施形態~第10実施形態について説明した。以下、第11実施形態について説明する。第11実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第1実施形態~第10実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第1実施形態~第10実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第10実施形態における説明が第11実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1実施形態のパチスロ機1では、~」のように、第1実施形態に係るパチスロ機1に限定されるような記載であったとしても、第11実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第11実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態~第10実施形態に係るパチスロ機1に限定するような記載についても、第11実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第11実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。従って、第1実施形態~第10実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第11実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第10実施形態に係るパチスロ機1と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態~第10実施形態に係るパチスロ機1と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
<遊技状態の遷移フロー>
図303(a)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。図303(b)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。
第1実施形態で説明したように、パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。本実施形態では、図303(a)に示すような遊技状態が主制御回路100によって管理されている。このような遊技状態としては、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態、及び、ボーナス状態が設けられている。
ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤であり、かつ、ボーナスが作動(入賞)していない状態である。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態、すなわち、ボーナス役が当籤し、かつ、ボーナスが作動していない状態である。ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。第1実施形態で説明したように、フラグ間状態は、持越状態、(ボーナス)フラグ間、(ボーナス)内部中等と称されることもある。ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。
本実施形態では、ボーナス状態として、2BB遊技状態及び3BB遊技状態が設けられている。2BB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_2BB」が設けられており、3BB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_3BB」が設けられている(図306A~図306D参照)。また、フラグ間状態として、2BBフラグ間状態及び3BBフラグ間状態が設けられている。
2BBフラグ間状態は、RT状態(RT1遊技状態)として構成されている。第1実施形態で説明したように、RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。ボーナス非当籤状態及び3BBフラグ間状態は、それぞれ、非RT状態(RT0遊技状態)として構成されている。
図303(a)及び図303(b)を参照して具体的に説明すると、ボーナス非当籤状態において、「F_3BB」が内部当籤役として決定されると(内部当籤すると)、主制御回路100は、ボーナス非当籤状態から3BBフラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。この場合には、RT0遊技状態が維持される。一方、ボーナス非当籤状態において、「F_2BB」が内部当籤役として決定されると(内部当籤すると)、主制御回路100は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)から2BBフラグ間状態(RT1遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。
「F_2BB」(2BB)及び「F_3BB」(3BB)は、持越役である(図18参照)。2BBが内部当籤すると、2BBに対応する図柄の組合せ(図306Bに示す「C_2BB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(2BBが入賞するまで)、2BBが内部当籤した状態が持ち越される。2BBフラグ間状態は、2BBが内部当籤した状態が持ち越されている状態である。同様に、3BBが内部当籤すると、3BBに対応する図柄の組合せ(図306Bに示す「C_3BB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(3BBが入賞するまで)、3BBが内部当籤した状態が持ち越される。3BBフラグ間状態は、3BBが内部当籤した状態が持ち越されている状態である。
3BBフラグ間状態において、「C_3BB」に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って停止表示されると(3BBが入賞すると)、主制御回路100は、3BBフラグ間状態から3BB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。また、2BBフラグ間状態において、「C_2BB」に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って停止表示されると(2BBが入賞すると)、主制御回路100は、2BBフラグ間状態から2BB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。
3BB遊技状態において規定枚数(21枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路100は、3BB遊技状態からボーナス非当籤状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(5)参照)。また、2BB遊技状態において規定枚数(1枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路100は、2BB遊技状態からボーナス非当籤状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(6)参照)。
<図柄配置テーブル>
図304(a)は、図柄配置テーブルを示す図である。
図304(a)に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C、及び、右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列を表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」~「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」~「19」は、左リール3L、中リール3C、及び、右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」~「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。図柄の種類としては、「白7」、「紫7」、「BAR」、「リプ」、「ベルA」、「ベルB」、「スイカ」、「チェリー」、「ブランクA」、及び、「ブランクB」を含んでいる。
<図柄コード表>
図304(b)は、図柄コード表を示す図である。
図304(b)に示すように、各リール3L,3C,3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、本実施形態においては、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図304(b)に示す図柄コード表は、3つのリール3L,3C,3Rの表面に配された図柄を特定するためのデータとしての図柄コードを表している。
例えば、図304(a)に示した図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C、及び、右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列を表すものとして説明したが、実際にメインROM102に記憶されている図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C、及び、右リール3Rの各々の表面に配されている図柄を特定する図柄コードの配列を表している。
本実施形態において、パチスロ機1で用いる図柄は、上述のように、「白7」、「紫7」、「BAR」、「リプ」、「ベルA」、「ベルB」、「スイカ」、「チェリー」、「ブランクA」、及び、「ブランクB」の10種類である。図柄コード表では、「白7」、「紫7」、「BAR」、「リプ」、「ベルA」、「ベルB」、「スイカ」、「チェリー」、「ブランクA」、及び、「ブランクB」の各図柄に対する図柄コードとして「1」から「10」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
図305A及び図305Bは、図柄組合せテーブルを示す図である。
図柄組合せテーブルは、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)と、当該図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に払い出されるメダルの枚数(払出枚数)との対応関係を規定している。図柄組合せ(コンビネーション)については、左リール3Lにおける図柄、中リール3Cにおける図柄、及び、右リール3Rにおける図柄を、左から順に示している。各コンビネーションに対して付された名称も併せて示している。
メダルの払出枚数については、2枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数(2枚掛け時の払出)、及び、3枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数(3枚掛け時の払出)をそれぞれ示している。本明細書では、1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技を1枚掛け遊技と呼び、2枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技を2枚掛け遊技と呼び、3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技を3枚掛け遊技と呼ぶ場合がある。本実施形態では、各遊技状態において投入可能なメダルの枚数が2枚又は3枚として設定されている。
有効ラインとしては、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの上段領域を結ぶ擬似的なライン(中段-中段-上段)が設定されている。第1実施形態で説明したように、有効ラインは、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされた場合に有効化される。
図305A及び図305Bに示す図柄組合せテーブルは、13バイトで表される格納領域識別データによって識別される図柄の組合せ(「コンビネーション」)と、2枚掛け乃至3枚掛け時に有効ライン上にコンビネーションが表示された場合におけるメダルの各払出枚数とが対応付けられている。
図中、複数のコンビネーションを纏めて示しているものがある。例えば、「C_TBリプB_01~02」は、「C_TBリプB_01」及び「C_TBリプB_02」という2つのコンビネーションにより構成されている。「C_TBリプB_01」と呼ばれるコンビネーションは、「リプ-スイカ-ベルA」という図柄組合せに対応しており、「C_TBリプB_02」と呼ばれるコンビネーションは、「リプ-ブランクA-ベルA」という図柄組合せに対応している。これらのコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合、メダルの払出はないが、再遊技が作動する。
同様に、「C_CBリプA_01~08」は、「C_CBリプA_01」~「C_TBリプB_08」という8つのコンビネーションにより構成されている。図中、「C_CBリプA_01~08」に対しては、左リール3Lにおける図柄として2種類の図柄(「ベルA」及び「ベルB」)が規定され、中リール3Cにおける図柄として1種類の図柄(「ベルB」)が規定され、右リール3Rにおける図柄として4種類の図柄(「白7」、「紫7」、「ブランクB」、及び、「チェリー」)が規定されている。これにより、「C_CBリプA_01~08」は、2×1×4=8つのコンビネーションを含むことになる。
また、「C_CDベルA」と呼ばれる「リプ-ベルB-ベルB」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合には、2枚掛け遊技においては11枚のメダルが払い出され、3枚掛け遊技においても11枚のメダルが払い出される。また、「C_2BB」と呼ばれる「白7-ブランクA-BAR」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、遊技状態が2BB遊技状態に移行する。
なお、図中、「REP」は、入賞時にリプレイ(再遊技)を作動させるコンビネーションを示し、「FRU」は、入賞時にメダルが払い出されるコンビネーションを示し、「BB」は、入賞時にBB遊技状態(2BB遊技状態又は3BB遊技状態)を作動させるコンビネーションを示し(図11~図14参照)、「HZR」は、それ以外のコンビネーション(入賞してもメダルが払い出されないコンビネーション)を示している。
<フラグ別コンビネーションテーブル>
図306A~図306Dは、フラグ別コンビネーションテーブルを示す図である。
フラグ別コンビネーションテーブルは、各種内部当籤役と有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)との対応関係を規定している。これにより、内部当籤役が決定されると、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せの種別(入賞可能な表示役の種別)が一義的に決定されることになる。
具体的に、図306A~図306Dに示すフラグ別コンビネーションテーブルは、内部当籤役に対応して有効ライン上に表示させることが許可されるコンビネーションを示している。本実施形態における内部当籤役としては、「はずれ」、「F_リプレイ」、「F_共通Bリプ」、「F_チャンスA」、「F_チャンスB」、「F_特殊役A」、「F_特殊役B」、「F_特殊役C」、「F_特殊役D」、「F_スイカ」、「F_弱チェリー」、「F_強チェリー」、「F_123ベルA」、「F_123ベルB」、「F_132ベルA」、「F_132ベルB」、「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_312ベルA1」、「F_312ベルA2」、「F_312ベルB1」、「F_312ベルB2」、「F_321ベルA1」、「F_321ベルA2」、「F_321ベルB1」、「F_321ベルB2」、「F_JACA」、「F_JACB」、「F_3BB」、及び、「F_2BB」がある。
例えば、内部当籤役が「F_3BB」である場合には、「C_3BB」を有効ライン上に表示させることが許可される。また、内部当籤役が「F_2BB」である場合には、「C_2BB」を有効ライン上に表示させることが許可される。すなわち、内部当籤役が「F_2BB」又は「F_3BB」である場合には、BB(2BB又は3BB)に内部当籤していることを表す。
また、内部当籤役が「F_リプレイ」である場合には、「C_Tリプ」、「C_Cリプ」、「C_CUリプ_01~02」、「C_CDリプ_01~12」、及び、「C_Bリプ_01~32」を有効ライン上に表示させることが許可される。また、内部当籤役が「F_123ベルB」である場合には、「T_こぼし1」、「T_こぼし4_01~02」、「T_こぼし5_01~02」、「C_CDベルA」、「C_中制御2_01~04」、「C_右制御3_01~02」、「C_右制御4_01~02」、及び、「C_123制御2_01~02」を有効ライン上に表示させることが許可される。
<内部抽籤テーブル>
本実施形態に係る内部抽籤テーブルとしては、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)中に2枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図307(a)参照)と、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図307(b)参照)と、3BBフラグ間状態(RT0遊技状態)中に2枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図308(a)参照)と、3BBフラグ間状態(RT0遊技状態)中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図308(b)参照)と、2BBフラグ間状態(RT1遊技状態)中に2枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図309(a)参照)と、2BBフラグ間状態(RT1遊技状態)中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図309(b)参照)と、BB遊技状態(2BB遊技状態及び3BB遊技状態)において参照される内部抽籤テーブル(図309(c)参照)と、が設けられている。
図307(a)は、ボーナス非当籤状態(2枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図307(b)は、ボーナス非当籤状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図308(a)は、3BBフラグ間状態(2枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図308(b)は、3BBフラグ間状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図309(a)は、2BBフラグ間状態(2枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図309(b)は、2BBフラグ間状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図309(c)は、BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
図307~図309に示す複数の内部抽籤テーブルは、各遊技状態及び各投入枚数に対応してメインROM102に記憶され、設定1~6ごとに分母を65536とした各フラグの当籤確率を示している。例えば、図307(a)では、当籤役として「F_2BB」が規定されているが、「F_3BB」が規定されておらず、「F_2BB」には、抽籤値「12000」が規定されている。これにより、「F_2BB」が内部当籤する確率は「12000/65536」となっている。図307(b)では、当籤役として「F_3BB」が規定されているが、「F_2BB」が規定されておらず、「F_3BB」には、設定1に対して抽籤値「13877」が規定されている。これにより、設定1の場合、「F_3BB」が内部当籤する確率は「13877/65536」となっている。
図308(a)及び(b)では、すでに内部当籤している「F_3BB」と重複する役に対して抽籤値が規定されている。重複当籤役については、テーブル内において、「F_3BB+(重複当籤役)」という形で表記している。3BBフラグ間状態(2枚掛け遊技及び3枚掛け遊技)では、「はずれ」のみが当籤することはないので、「はずれ」には抽籤値「0」が規定されている。その代わりに、重複当籤無し時(実質「はずれ」時)の役として「F_3BB」が規定されている。
図309(a)及び(b)では、すでに内部当籤している「F_2BB」と重複する役に対して抽籤値が規定されている。重複当籤役については、テーブル内において、「F_2BB+(重複当籤役)」という形で表記している。2BBフラグ間状態(2枚掛け遊技)では、「はずれ」のみが当籤することはないので、「はずれ」には抽籤値「0」が規定されている。さらに、実質「はずれ」時の役(「F_2BB」)には抽籤値「0」が規定されており、当該役は当籤しない構成となっている。また、2BBフラグ間状態(3枚掛け遊技)では、「はずれ」のみが当籤することはないので、「はずれ」には抽籤値「0」が規定されている。その代わりに、重複当籤無し時(実質「はずれ」時)の役として「F_2BB」が規定されている。
<内部当籤役と停止操作態様とメダル払出枚数との対応関係>
図310Aは、ボーナス非当籤状態及び2BBフラグ間状態(3枚掛け遊技)における内部当籤役と停止操作態様とメダル払出枚数との対応関係の一例を示す図である。図310Bは、3BBフラグ間状態(3枚掛け遊技)における内部当籤役と停止操作態様とメダル払出枚数との対応関係の一例を示す図である。
第1実施形態では、各内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明した(図15参照)。本実施形態では、内部当籤役と停止操作態様とメダル払出枚数との対応関係が図310A及び図310Bに示すように構成されている。
図310Aでは、ボーナス非当籤状態乃至2BBフラグ間状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技における内部当籤役と停止操作態様とメダル払出枚数との対応関係について示している。図310Bでは、3BBフラグ間状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技における内部当籤役と停止操作態様とメダル払出枚数との対応関係について示している。
図中、「1→2→3」は、左リール3Lに対する停止操作が第1停止操作として行われ、中リール3Cに対する停止操作が第2停止操作として行われ、右リール3Rに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順1)を示している。「1→3→2」は、左リール3Lに対する停止操作が第1停止操作として行われ、右リール3Rに対する停止操作が第2停止操作として行われ、中リール3Cに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順2)を示している。
「2→1→3」は、中リール3Cに対する停止操作が第1停止操作として行われ、左リール3Lに対する停止操作が第2停止操作として行われ、右リール3Rに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順3)を示している。「2→3→1」は、中リール3Cに対する停止操作が第1停止操作として行われ、右リール3Rに対する停止操作が第2停止操作として行われ、左リール3Lに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順4)を示している。
「3→1→2」は、右リール3Rに対する停止操作が第1停止操作として行われ、左リール3Lに対する停止操作が第2停止操作として行われ、中リール3Cに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順5)を示している。「3→2→1」は、右リール3Rに対する停止操作が第1停止操作として行われ、中リール3Cに対する停止操作が第2停止操作として行われ、左リール3Lに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順6)を示している。
例えば、2BBフラグ間状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において「F_123ベルB」が内部当籤役として決定された場合には、打順1により停止操作が行われると11枚のメダルが払い出され、打順2により停止操作が行われると1/2の確率で1枚のメダルが払い出され、打順3により停止操作が行われると1/4の確率で1枚のメダルが払い出され、打順4により停止操作が行われると1/4の確率で1枚のメダルが払い出され、打順5により停止操作が行われると1/4の確率で1枚のメダルが払い出され、打順6により停止操作が行われると1/4の確率で1枚のメダルが払い出される。
これに対し、3BBフラグ間状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において「F_123ベルB」が内部当籤役として決定された場合には、打順1により停止操作が行われると11枚のメダルが払い出され、打順2により停止操作が行われると11枚のメダルが払い出され、打順3により停止操作が行われると1/4の確率で1枚のメダルが払い出され、打順4により停止操作が行われると1/4の確率で1枚のメダルが払い出され、打順5により停止操作が行われると1/4の確率で1枚のメダルが払い出され、打順6により停止操作が行われると1/4の確率で1枚のメダルが払い出される。
「F_123ベルA」、「F_123ベルB」、「F_132ベルA」、「F_132ベルB」、「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_312ベルA1」、「F_312ベルA2」、「F_312ベルB1」、「F_312ベルB2」、「F_321ベルA1」、「F_321ベルA2」、「F_321ベルB1」、及び、「F_321ベルB2」は、各リール3L,3C,3Rに対する停止操作の順序(押し順)に応じて、有効ラインに沿って停止表示される図柄の組合せが異なる内部当籤役(押し順ベル)となっている。押し順ベルが内部当籤役として決定された場合には、押し順が正解であれば、11枚のメダルが払い出されることになる。
なお、図310Aにおいて、「同一」とは、ボーナス非当籤状態乃至2BBフラグ間状態中の3枚掛け遊技と3BBフラグ間状態中の3枚掛け遊技とで、内部当籤役と停止操作態様とメダル払出枚数との対応関係が同じであることを示しており、「変化」とは、ボーナス非当籤状態乃至2BBフラグ間状態中の3枚掛け遊技と3BBフラグ間状態中の3枚掛け遊技とで、内部当籤役と停止操作態様とメダル払出枚数との対応関係が少なくとも一部異なることを示している。
例えば、上記のように、「F_123ベルB」が内部当籤役として決定された場合には、ボーナス非当籤状態乃至2BBフラグ間状態中の3枚掛け遊技と3BBフラグ間状態中の3枚掛け遊技とで、打順2により停止操作が行われた場合に払い出されるメダルの枚数が異なっている。そこで、図310Aにおいて、「F_123ベルB」に対しては「変化」と表示されている。また、「F_123ベルB」以外の押し順ベルに対しても、「変化」と表示されている。本実施形態において、押し順ベルにおける正解の押し順は、ボーナス非当籤状態乃至2BBフラグ間状態よりも3BBフラグ間状態の方が多くなっている。
<サブフラグ>
図311(a)は、内部当籤役とサブフラグ番号との対応関係を示す図である。図311(b)は、サブフラグ番号とサブフラグ名との対応関係を示す図である。
第1実施形態で説明したように、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。
図311(a)及び(b)に示すように、内部当籤役「はずれ」、「F_JACA」、及び、「F_JACB」に対しては、サブフラグ番号「0」(「はずれ」)が設定されている。内部当籤役「F_リプレイ」に対しては、サブフラグ番号「1」(「リプ」)が設定されている。内部当籤役「F_共通Bリプ」に対しては、サブフラグ番号「2」(「共通ベル」)が設定されている。内部当籤役「F_チャンスA」に対しては、サブフラグ番号「3」(「チャンス目A」)が設定されている。内部当籤役「F_チャンスB」に対しては、サブフラグ番号「4」(「チャンス目B」)が設定されている。
内部当籤役「F_特殊役A」、「F_特殊役B」、「F_特殊役C」、及び、「F_特殊役D」に対しては、サブフラグ番号「5」(「特殊役」)が設定されている。内部当籤役「F_スイカ」に対しては、サブフラグ番号「6」(「スイカ」)が設定されている。内部当籤役「F_弱チェリー」に対しては、サブフラグ番号「7」(「弱チェリー」)が設定されている。内部当籤役「F_強チェリー」に対しては、サブフラグ番号「8」(「強チェリー」)が設定されている。
内部当籤役「F_123ベルA」、「F_123ベルB」、「F_132ベルA」、「F_132ベルB」、「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_312ベルA1」、「F_312ベルA2」、「F_312ベルB1」、「F_312ベルB2」、「F_321ベルA1」、「F_321ベルA2」、「F_321ベルB1」、及び、「F_321ベルB2」に対しては、サブフラグ番号「9」(「押し順ベル」)が設定されている。
これにより、内部当籤役が「はずれ」、「F_JACA」、及び、「F_JACB」のうちの何れかである場合には、サブフラグ「はずれ」が決定される。内部当籤役が「F_リプレイ」である場合には、サブフラグ「リプ」が決定される。内部当籤役が「F_共通Bリプ」である場合には、サブフラグ「共通ベル」が決定される。内部当籤役が「F_チャンスA」である場合には、サブフラグ「チャンス目A」が決定される。内部当籤役が「F_チャンスB」である場合には、サブフラグ「チャンス目B」が決定される。
内部当籤役が「F_特殊役A」、「F_特殊役B」、「F_特殊役C」、及び、「F_特殊役D」のうちの何れかである場合には、サブフラグ「特殊役」が決定される。内部当籤役が「F_スイカ」である場合には、サブフラグ番号「スイカ」が決定される。内部当籤役が「F_弱チェリー」である場合には、サブフラグ「弱チェリー」が決定される。内部当籤役が「F_強チェリー」である場合には、サブフラグ「強チェリー」が決定される。
内部当籤役が「F_123ベルA」、「F_123ベルB」、「F_132ベルA」、「F_132ベルB」、「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_312ベルA1」、「F_312ベルA2」、「F_312ベルB1」、「F_312ベルB2」、「F_321ベルA1」、「F_321ベルA2」、「F_321ベルB1」、及び、「F_321ベルB2」のうちの何れかである場合には、サブフラグ「押し順ベル」が決定される。
<遊技性>
図312は、本発明の一実施形態に係る非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図である。
第11実施形態に係るパチスロ機1では、主制御回路100において、図303に示す遊技状態とは別途、図312に示す遊技状態(出玉状態)が管理されている。図312に示すように、出玉状態は、非有利区間及び有利区間に大別される。
第1実施形態で説明したように、有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)に制御可能な遊技期間である(図5参照)。有利区間としては、演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・AT状態)が設けられている。演出区間は、基本的には遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、AT状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態である点においては非有利区間と同様であるが、モード移行が行われる点において非有利区間と異なっている。増加区間は、AT状態(遊技者にとって有利な遊技状態)である。
演出区間においては、通常モード、チャンスAモード、チャンスBモード、疑似ボーナスAモード、疑似ボーナスBモード、及び、疑似ボーナスCモードのうちの何れかのモードに制御可能となっている。各モードの特徴については、以下で詳述する。
なお、本明細書では、有利区間且つ通常モードである状態を有利区間(通常モード)と表記し、有利区間且つチャンスAモードである状態を有利区間(チャンスAモード)と表記し、有利区間且つチャンスBモードである状態を有利区間(チャンスBモード)と表記し、有利区間且つ疑似ボーナスAモードである状態を有利区間(疑似ボーナスAモード)と表記し、有利区間且つ疑似ボーナスBモードである状態を有利区間(疑似ボーナスBモード)と表記し、有利区間且つ疑似ボーナスCモードである状態を有利区間(疑似ボーナスCモード)と表記することがある。
<非有利区間用遊技開始時処理>
図313は、主制御回路において行われる非有利区間用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図314は、初回ボーナス当籤率抽籤テーブルを示す図である。図315は、有利区間経過ゲーム数判定フラグセット抽籤テーブルを示す図である。図316は、チャンスB継続率抽籤テーブルを示す図である。
図313に示す非有利区間用遊技開始時処理は、現在の遊技区間が非有利区間(図312参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で(例えば、図27のステップS85の判断結果が「YES」となった場合に)行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)を参照することにより、現在の遊技区間が非有利区間であることを認識することができる。
非有利区間用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、内部当籤役が所定の役(「はずれ」又は「F_リプレイ」)であるか否かを判断する(ステップS2001)。この処理において、メインCPU101は、内部当籤役決定処理(図26のステップS64参照)により決定された内部当籤役が「はずれ」及び「F_リプレイ」(図307~図309参照)のうちの何れかであるか否かを判断する。内部当籤役が「はずれ」及び「F_リプレイ」のうちの何れでもないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、内部当籤役が「はずれ」及び「F_リプレイ」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、有利区間移行処理を実行する(ステップS2002)。この処理において、メインCPU101は、遊技区間フラグ格納領域(図示せず)を更新することにより、遊技区間として有利区間をセットする(図27のステップS88参照)。また、メインCPU101は、天井ゲーム数に「851ゲーム」をセットする。第1実施形態と同様に、有利区間の通常モードにおいて行われた単位遊技の回数(天井カウンタの値)が天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード、疑似ボーナスBモード、及び、疑似ボーナスCモードのうちの何れか)に移行させることが決定される。
次に、メインCPU101は、初回ボーナス当籤率抽籤処理を実行する(ステップS2003)。この処理において、メインCPU101は、初回ボーナス当籤率抽籤テーブル(図314参照)を参照して、サブフラグ(図311参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、ボーナス当籤率として、「低」、「中」、及び、「高」のうちの何れかを決定する。
図314(a)~(f)に示す初回ボーナス当籤率抽籤テーブルにおいては、サブフラグ(「はずれ」、「リプ」、「共通ベル」、「チャンス目A」、「チャンス目B」、「特殊役」、「スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」、及び、「押し順ベル」)ごとに、ボーナス当籤率(「低」、「中」、及び、「高」)に対応する抽籤値が規定されている。図中、「ボーナス当籤率低」は、ボーナス当籤率が「低」であることを示し、「ボーナス当籤率中」は、ボーナス当籤率が「中」であることを示し、「ボーナス当籤率高」は、ボーナス当籤率が「高」であることを示す。各ボーナス当籤率が決定される確率は、「当該ボーナス当籤率に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
初回ボーナス当籤率抽籤テーブルは、設定1~6のそれぞれに対して設けられている。設定値が設定1である場合には、図314(a)に示す初回ボーナス当籤率抽籤テーブルが参照され、設定値が設定2である場合には、図314(b)に示す初回ボーナス当籤率抽籤テーブルが参照され、設定値が設定3である場合には、図314(c)に示す初回ボーナス当籤率抽籤テーブルが参照され、設定値が設定4である場合には、図314(d)に示す初回ボーナス当籤率抽籤テーブルが参照され、設定値が設定5である場合には、図314(e)に示す初回ボーナス当籤率抽籤テーブルが参照され、設定値が設定6である場合には、図314(f)に示す初回ボーナス当籤率抽籤テーブルが参照される。
例えば、設定値が設定1であり、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「リプ」である場合には、ボーナス当籤率として、102/256の確率で「低」が決定され、102/256の確率で「中」が決定され、52/256の確率で「高」が決定される。
ステップS2003の処理を実行した後、メインCPU101は、有利区間経過ゲーム数判定フラグセット抽籤処理を実行する(ステップS2004)。この処理において、メインCPU101は、有利区間経過ゲーム数判定フラグセット抽籤テーブル(図315参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、「当籤」又は「非当籤」を決定する。
図315に示す有利区間経過ゲーム数判定フラグセット抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、有利区間経過ゲーム数判定フラグセット抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。有利区間経過ゲーム数判定フラグセット抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、設定値が設定1である場合には、183/256の確率で、有利区間経過ゲーム数判定フラグセット抽籤に当籤する。有利区間経過ゲーム数判定フラグセット抽籤に当籤した場合、メインCPU101は、有利区間経過ゲーム数判定フラグをオンにセットする。有利区間経過ゲーム数判定フラグは、有利区間において行われた単位遊技の回数が100回に達するときにオフにセットされる。
ステップS2004の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB継続率抽籤処理を実行する(ステップS2005)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB継続率抽籤テーブル(図316参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスB継続率として、「40%」、「50%」、「60%」、「70%」、「80%」、「90%」、及び、「100%」のうちの何れかを決定する。
図316(a)~(c)に示すチャンスB継続率抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、チャンスB継続率(「40%」、「50%」、「60%」、「70%」、「80%」、「90%」、及び、「100%」)に対応する抽籤値が規定されている。各チャンスB継続率が決定される確率は、「当該チャンスB継続率に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
チャンスB継続率抽籤テーブルは、ボーナス当籤率(「低」、「中」、及び、「高」)のそれぞれに対して設けられている。ボーナス当籤率が「低」である場合には、図316(a)に示すチャンスB継続率抽籤テーブルが参照され、ボーナス当籤率が「中」である場合には、図316(b)に示すチャンスB継続率抽籤テーブルが参照され、ボーナス当籤率が「高」である場合には、図316(c)に示すチャンスB継続率抽籤テーブルが参照される。
例えば、初回ボーナス当籤率抽籤処理(ステップS2003参照)により決定されたボーナス当籤率が「低」であり、設定値が設定1である場合には、チャンスB継続率として、80/256の確率で「50%」が決定され、73/256の確率で「60%」が決定され、70/256の確率で「70%」が決定され、32/256の確率で「80%」が決定され、1/256の確率で「90%」が決定される。
ステップS2005の処理を実行した後、メインCPU101は、有利区間(通常モード)用各種抽籤処理を実行する(ステップS2006)。有利区間(通常モード)用各種抽籤処理については、後に図321を用いて説明する。ステップS2005の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<有利区間(通常モード)用遊技開始時処理>
図317は、主制御回路において行われる有利区間(通常モード)用遊技開始時処理を示すフローチャートである。
図317に示す有利区間(通常モード)用遊技開始時処理は、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及び通常モード(図312参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)及びモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及び通常モードであることを認識することができる。
有利区間(通常モード)用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、天井カウンタの値に1加算する(ステップS2021)。天井カウンタの値は、有利区間(通常モード)において行われた単位遊技の回数を示し、メインRAM103に記憶されている。天井カウンタの値は、有利区間(通常モード)においてのみ加算され、有利区間が終了して非有利区間に移行するときにクリアされる。
次に、メインCPU101は、天井カウンタの値が天井ゲーム数(851)であるか否かを判断する(ステップS2022)。天井カウンタの値が天井ゲーム数(851)であると判断した場合、メインCPU101は、天井到達時処理を実行する(ステップS2023)。この処理において、メインCPU101は、ボーナス当籤情報の値に「2」を加算する。ボーナス当籤情報の値は、疑似ボーナスの種別に対応しており、メインRAM103に記憶されている。具体的に、ボーナス当籤情報「1」は、疑似ボーナスAモードに対応しており、ボーナス当籤情報「2」は、疑似ボーナスBモードに対応しており、ボーナス当籤情報「3」は、疑似ボーナスCモードに対応している。
また、メインCPU101は、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタに「2」をセットする。ボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値は、ボーナス本前兆演出が実行される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。ボーナス本前兆演出は、疑似ボーナスに移行することを示唆する演出であり、疑似ボーナスに当籤している場合(ボーナス当籤情報の値が1以上である場合)に行われる演出である。ボーナス本前兆演出が終了すると(ボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値が「0」になると)、ボーナス当籤情報の値に応じた疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード、疑似ボーナスBモード、又は、疑似ボーナスCモード)に移行する。
なお、天井カウンタの値が天井ゲーム数(851)に達した場合であっても、前兆演出(ボーナス本前兆演出、ボーナスフェイク前兆演出、又は、チャンスA前兆演出)が実行されている場合(ボーナス本前兆ゲーム数カウンタ、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタ、又は、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きい場合)には、前兆演出が終了したとき(当該カウンタの値が0になったとき)に天井到達時処理を実行することとしてもよい。前兆演出については、後に詳述する。
ステップS2022において天井カウンタの値が天井ゲーム数(851)ではないと判断した場合、又は、ステップS2023の処理を実行した後、メインCPU101は、有利区間(通常モード)用各種抽籤処理を実行する(ステップS2024)。有利区間(通常モード)用各種抽籤処理については、後に図321を用いて説明する。ステップS2024の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<キャラ関連抽籤処理>
図318は、主制御回路において行われるキャラ関連抽籤処理を示すフローチャートである。図319は、キャラ決定抽籤テーブルを示す図である。図320は、キャラ高確ゲーム数抽籤テーブルを示す図である。
図318に示すキャラ関連抽籤処理は、現在の遊技区間が非有利区間であるとき、又は、現在の遊技区間が有利区間であり、且つ、モードが通常モード、チャンスAモード、チャンスBモード、疑似ボーナスAモード、若しくは、疑似ボーナスBモード(図312参照)であるときに、主制御回路100において図26(内部抽籤処理)のステップS73の処理(サブフラグ等設定処理)が行われた後に行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)及びモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の遊技区間及びモードを認識することができる。
キャラ関連抽籤処理において、まず、メインCPU101は、キャラ高確ゲーム数カウンタ(ステップS2049参照)の値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS2041)。キャラ高確ゲーム数カウンタの値は、キャラクタ(キャラA、キャラB、キャラC、及び、キャラDのうちの何れか)がセットされた状態で行われる単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。
図示しないが、パチスロ機1には、装飾ユニットA、装飾ユニットB、装飾ユニットC、及び、装飾ユニットDが設けられている。これらの装飾ユニットは、透光性を有するレンズ部材を備えている。また、パチスロ機1には、装飾ユニットA照射用LED、装飾ユニットB照射用LED、装飾ユニットC照射用LED、及び、装飾ユニットD照射用LEDが設けられている。装飾ユニットA照射用LED、装飾ユニットB照射用LED、装飾ユニットC照射用LED、及び、装飾ユニットD照射用LEDは、それぞれ、装飾ユニットA、装飾ユニットB、装飾ユニットC、及び、装飾ユニットDを照射することができるように配置されている。これにより、装飾ユニットA、装飾ユニットB、装飾ユニットC、及び、装飾ユニットDを個別に点灯させることが可能となっている。
具体的に、キャラAがセットされた状態においては、副制御回路200が装飾ユニットA照射用LEDを発光させ、装飾ユニットAが点灯する。キャラBがセットされた状態においては、副制御回路200が装飾ユニットB照射用LEDを発光させ、装飾ユニットBが点灯する。キャラCがセットされた状態においては、副制御回路200が装飾ユニットC照射用LEDを発光させ、装飾ユニットCが点灯する。キャラDがセットされた状態においては、副制御回路200が装飾ユニットD照射用LEDを発光させ、装飾ユニットDが点灯する。
キャラ高確ゲーム数カウンタの値が0よりも大きいと判断した場合、メインCPU101は、キャラ高確ゲーム数カウンタの値から1減算する(ステップS2042)。そして、メインCPU101は、キャラ高確ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS2043)。キャラ高確ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、セットされているキャラクタをクリアする(ステップS2044)。
ステップS2041においてキャラ高確ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、ステップS2043においてキャラ高確ゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS2044の処理を実行した後、メインCPU101は、キャラクタがセットされているか否かを判断する(ステップS2045)。キャラクタがセットされていると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、キャラクタがセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「特殊役」(図311参照)であるか否かを判断する(ステップS2046)。サブフラグが「特殊役」ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、サブフラグが「特殊役」であると判断した場合、メインCPU101は、キャラ決定抽籤を実行する(ステップS2047)。この処理において、メインCPU101は、キャラ決定抽籤テーブル(図319参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、キャラ決定抽籤の結果として、「非当籤」、「キャラA」、「キャラB」、「キャラC」、及び、「キャラD」のうちの何れかを決定する。
図319に示すキャラ決定抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、キャラ決定抽籤の結果(「非当籤」、「キャラA」、「キャラB」、「キャラC」、及び、「キャラD」)に対応する抽籤値が規定されている。キャラ決定抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
キャラ決定抽籤は、非有利区間、有利区間(通常モード)、有利区間(チャンスAモード)、有利区間(チャンスBモード)、有利区間(疑似ボーナスAモード)、及び、有利区間(疑似ボーナスBモード)において実行され得る。有利区間経過ゲーム数判定フラグ(図313のステップS2004参照)がオンにセットされている場合には、図319(b)に示すキャラ決定抽籤テーブルが参照され、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合、非有利区間、有利区間(通常モード)、及び、有利区間(チャンスAモード)においては、図319(a)に示すキャラ決定抽籤テーブルが参照され、有利区間(チャンスBモード)、有利区間(疑似ボーナスAモード)、及び、有利区間(疑似ボーナスBモード)においては、図319(c)に示すキャラ決定抽籤テーブルが参照される。
例えば、設定値が設定1である場合、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない有利区間(通常モード)においては、キャラ決定抽籤の結果として、169/256の確率で「非当籤」が決定され、36/256の確率で「キャラA」が決定され、32/256の確率で「キャラB」が決定され、18/256の確率で「キャラC」が決定され、1/256の確率で「キャラD」が決定される。
なお、図示しないが、一の単位遊技で実行されるキャラ関連抽籤処理においてキャラ決定抽籤に当籤した(キャラ決定抽籤の結果が「キャラA」、「キャラB」、「キャラC」、及び、「キャラD」のうちの何れかである)場合、次の単位遊技で実行されるキャラ関連抽籤処理(ステップS2041の処理が行われる前)において、当該結果に対応するキャラクタがセットされる。これにより、当該次の単位遊技において、装飾ユニットA、装飾ユニットB、装飾ユニットC、及び、装飾ユニットDのうちの何れかが点灯することになる。
ステップS2047の処理を実行した後、メインCPU101は、キャラ決定抽籤に当籤した(キャラ決定抽籤の結果が「キャラA」、「キャラB」、「キャラC」、及び、「キャラD」のうちの何れかである)か否かを判断する(ステップS2048)。キャラ決定抽籤に当籤していない(キャラ決定抽籤の結果が「非当籤」である)と判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、キャラ決定抽籤に当籤した(キャラ決定抽籤の結果が「キャラA」、「キャラB」、「キャラC」、及び、「キャラD」のうちの何れかである)と判断した場合、メインCPU101は、キャラ高確ゲーム数抽籤を実行する(ステップS2049)。この処理において、メインCPU101は、キャラ高確ゲーム数抽籤テーブル(図320参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、キャラ高確ゲーム数として、「3」、「5」、「10」、「15」、及び、「20」のうちの何れかを決定する。
図320に示すキャラ高確ゲーム数抽籤テーブルにおいては、遊技状態(「非有利区間、有利区間(通常モード)、及び、有利区間(チャンスAモード)」、並びに、「有利区間(チャンスBモード)、有利区間(疑似ボーナスAモード)、及び、有利区間(疑似ボーナスBモード)」ごとに、キャラ高確ゲーム数(「3」、「5」、「10」、「15」、及び、「20」)に対応する抽籤値が規定されている。各キャラ高確ゲーム数が決定される確率は、「当該キャラ高確ゲーム数に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、有利区間(通常モード)においては、キャラ高確ゲーム数として、153/256の確率で「5」が決定され、85/256の確率で「10」が決定され、16/256の確率で「15」が決定され、2/256の確率で「20」が決定される。メインCPU101は、決定されたキャラ高確ゲーム数をキャラ高確ゲーム数カウンタにセットする。ステップS2049の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<有利区間(通常モード)用各種抽籤処理>
図321は、主制御回路において行われる有利区間(通常モード)用各種抽籤処理を示すフローチャートである。
図321に示す有利区間(通常モード)用各種抽籤処理は、主制御回路100において、図313(非有利区間用遊技開始時処理)のステップS2006、及び、図317(有利区間(通常モード)用遊技開始時処理)のステップS2024で行われる処理である。
有利区間(通常モード)用各種抽籤処理において、まず、メインCPU101は、ボーナス抽籤処理を実行する(ステップS2061)。ボーナス抽籤処理については、後に図322を用いて説明する。
ステップS2061の処理を実行した後、メインCPU101は、ボーナス昇格抽籤処理を実行する(ステップS2062)。ボーナス昇格抽籤処理については、後に図325を用いて説明する。
ステップS2062の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスA抽籤処理を実行する(ステップS2063)。チャンスA抽籤処理については、後に図327を用いて説明する。
ステップS2063の処理を実行した後、メインCPU101は、前兆ゲーム数抽籤処理を実行する(ステップS2064)。前兆ゲーム数抽籤処理については、後に図330を用いて説明する。
ステップS2064の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<ボーナス抽籤処理>
図322は、主制御回路において行われるボーナス抽籤処理を示すフローチャートである。図323は、ボーナス抽籤テーブルを示す図である。図324(a)は、サブフラグと出玉フラググループ(通常)番号との対応関係をキャラクタごとに示す図である。図324(b)は、出玉フラググループ(通常)番号と出玉フラググループ(通常)との対応関係を示す図である。
図322に示すボーナス抽籤処理は、主制御回路100において図321(有利区間(通常モード)用各種抽籤処理)のステップS2061で行われる処理である。
ボーナス抽籤処理において、まず、メインCPU101は、天井カウンタ(図317のステップS2021参照)の値が天井ゲーム数(851)よりも小さいか否かを判断する(ステップS2081)。天井カウンタの値が天井ゲーム数(851)よりも小さくないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、天井カウンタの値が天井ゲーム数(851)よりも小さいと判断した場合、メインCPU101は、ボーナス当籤情報(図317のステップS2023参照)の値が「0」であるか否かを判断する(ステップS2082)。ボーナス当籤情報の値が「0」ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ボーナス当籤情報の値が「0」であると判断した場合、メインCPU101は、ボーナス抽籤を実行する(ステップS2083)。この処理において、メインCPU101は、ボーナス抽籤テーブル(図323参照)を参照して、出玉フラググループ(通常)(図324参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、ボーナス抽籤の結果として、「非当籤」、「ボーナス当籤情報+1」、「ボーナス当籤情報+2」、「ボーナス当籤情報+3」、及び、「ボーナスフェイク」のうちの何れかを決定する。
図323に示すボーナス抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(通常)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、ボーナス抽籤の結果(「非当籤」、「ボーナス当籤情報+1」、「ボーナス当籤情報+2」、「ボーナス当籤情報+3」、及び、「ボーナスフェイク」)に対応する抽籤値が規定されている。ボーナス抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
ボーナス抽籤テーブルは、ボーナス当籤率(「低」、「中」、及び、「高」)(図313のステップS2003参照)、並びに、有利区間経過ゲーム数判定フラグ(図313のステップS2004参照)の有無のそれぞれに対して設けられている。有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされている場合には、図323(d)に示すボーナス抽籤テーブルが参照され、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合において、ボーナス当籤率が「低」である場合には、図323(a)に示すボーナス抽籤テーブルが参照され、ボーナス当籤率が「中」である場合には、図323(b)に示すボーナス抽籤テーブルが参照され、ボーナス当籤率が「高」である場合には、図323(c)に示すボーナス抽籤テーブルが参照される。
図324では、キャラクタの有無及び種別(「なし」、「キャラA」、「キャラB」、「キャラC」、及び、「キャラD」)(図318のステップS2047参照)ごとに、サブフラグ(図311参照)に対応する出玉フラググループ(通常)が規定されている。「なし」は、キャラクタがセットされていないことを示し、「キャラA」は、キャラAがセットされていることを示し、「キャラB」は、キャラBがセットされていることを示し、「キャラC」は、キャラCがセットされていることを示し、「キャラD」は、キャラDがセットされていることを示す。メインCPU101は、キャラクタの有無及び種別と図324に示す対応関係とに基づいて、サブフラグを出玉フラググループ(通常)に変換する。
例えば、キャラAがセットされている状態において、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「リプ」である場合には、出玉フラググループ(通常)として「レアLV3」が決定される。このとき、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされておらず、ボーナス当籤率が「高」である場合には、ボーナス抽籤の結果として、240/256の確率で「非当籤」が決定され、8/256の確率で「ボーナス当籤情報+1」が決定され、7/256の確率で「ボーナス当籤情報+2」が決定され、1/256の確率で「ボーナス当籤情報+3」が決定される。
また、例えば、キャラDがセットされている状態において、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「特殊役」である場合には、出玉フラググループ(通常)として「レアLV5」が決定される。このとき、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされておらず、ボーナス当籤率が「低」である場合には、ボーナス抽籤の結果として、37/256の確率で「ボーナス当籤情報+1」が決定され、36/256の確率で「ボーナス当籤情報+2」が決定され、1/256の確率で「ボーナス当籤情報+3」が決定され、182/256の確率で「ボーナスフェイク」が決定される。
メインCPU101は、ボーナス抽籤の結果として、「ボーナス当籤情報+1」が決定された場合、ボーナス当籤情報の値に「1」を加算し、「ボーナス当籤情報+2」が決定された場合、ボーナス当籤情報の値に「2」を加算し、「ボーナス当籤情報+3」が決定された場合、ボーナス当籤情報の値に「3」を加算する。ここで、ボーナス当籤情報の値の上限値は、「3」であるため、メインCPU101は、加算後のボーナス当籤情報の値が「3」を超える場合、ボーナス当籤情報の値に「3」をセットする。ボーナス当籤情報の値が1以上であることは、疑似ボーナスに当籤したことを示し、この場合には、上述したように、ボーナス本前兆演出が行われる。
また、メインCPU101は、ボーナス抽籤の結果として「ボーナスフェイク」が決定された場合、ボーナスフェイクフラグをオンにセットする。ボーナスフェイクフラグは、ボーナス抽籤の結果として「ボーナスフェイク」が決定された(ボーナスフェイクに当籤した)ことを示すフラグである。ボーナスフェイクに当籤した場合には、ボーナスフェイク前兆演出が行われる。ボーナスフェイク前兆演出は、疑似ボーナスに移行することを示唆する演出であり、疑似ボーナスに当籤していない場合に行われる演出(所謂ガセ演出)である。ボーナスフェイク前兆演出が終了しても、疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード、疑似ボーナスBモード、又は、疑似ボーナスCモード)には移行しない。
ステップS2083の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<ボーナス昇格抽籤処理>
図325は、主制御回路において行われるボーナス昇格抽籤処理を示すフローチャートである。図326は、ボーナス昇格抽籤テーブルを示す図である。
図325に示すボーナス昇格抽籤処理は、主制御回路100において図321(有利区間(通常モード)用各種抽籤処理)のステップS2062で行われる処理である。なお、一の単位遊技においてボーナス抽籤(図322のステップS2083参照)が行われたことにより、ボーナス当籤情報の値が1以上となった場合、当該単位遊技においてはボーナス昇格抽籤処理を行わず、次の単位遊技からボーナス昇格抽籤処理を行うこととしてもよい。
ボーナス昇格抽籤処理において、まず、メインCPU101は、ボーナス当籤情報(図322のステップS2083参照)の値が「0」よりも大きいか否かを判断する(ステップS2101)。ボーナス当籤情報の値が「0」であると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ボーナス当籤情報の値が「0」よりも大きい(1以上である)と判断した場合、メインCPU101は、ボーナス昇格抽籤を実行する(ステップS2102)。この処理において、メインCPU101は、ボーナス昇格抽籤テーブル(図326参照)を参照して、出玉フラググループ(通常)(図324参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、ボーナス昇格抽籤の結果として、「非当籤」、「ボーナス当籤情報+1」、及び、「ボーナス当籤情報+2」のうちの何れかを決定する。
図326に示すボーナス昇格抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(通常)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、ボーナス昇格抽籤の結果(「非当籤」、「ボーナス当籤情報+1」、及び、「ボーナス当籤情報+2」)に対応する抽籤値が規定されている。ボーナス昇格抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
ボーナス昇格抽籤テーブルは、現在のボーナス当籤情報が「1」である場合、及び、現在のボーナス当籤情報が「2」以上である場合のそれぞれに対して設けられている。現在のボーナス当籤情報が「1」である場合には、図326(a)に示すボーナス昇格抽籤テーブルが参照され、現在のボーナス当籤情報が「2」以上である場合には、図326(b)に示すボーナス昇格抽籤テーブルが参照される。
例えば、現在のボーナス当籤情報が「1」であり、出玉フラググループ(通常)が「レアLV5」である場合には、ボーナス昇格抽籤の結果として、171/256の確率で「非当籤」が決定され、84/256の確率で「ボーナス当籤情報+1」が決定され、1/256の確率で「ボーナス当籤情報+2」が決定される。
メインCPU101は、ボーナス抽籤の結果として、「ボーナス当籤情報+1」が決定された場合、ボーナス当籤情報の値に「1」を加算し、「ボーナス当籤情報+2」が決定された場合、ボーナス当籤情報の値に「2」を加算する。上述したように、ボーナス当籤情報の値の上限値は、「3」であるため、メインCPU101は、加算後のボーナス当籤情報の値が「3」を超える場合、ボーナス当籤情報の値に「3」をセットする。
ステップS2102の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスA抽籤処理>
図327は、主制御回路において行われるチャンスA抽籤処理を示すフローチャートである。図328は、設定別チャンスA抽籤テーブルを示す図である。図329は、チャンスA抽籤テーブルを示す図である。
図327に示すチャンスA抽籤処理は、主制御回路100において図321(有利区間(通常モード)用各種抽籤処理)のステップS2063で行われる処理である。
チャンスA抽籤処理において、まず、メインCPU101は、設定別チャンスA抽籤を実行する(ステップS2121)。この処理において、メインCPU101は、設定別チャンスA抽籤テーブル(図328参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、「当籤」又は「非当籤」を決定する。
図328に示す設定別チャンスA抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、設定別チャンスA抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。設定別チャンスA抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
設定別チャンスA抽籤テーブルは、有利区間経過ゲーム数判定フラグ(図313のステップS2004参照)の有無のそれぞれに対して設けられている。有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合には、図328(a)に示す設定別チャンスA抽籤テーブルが参照され、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされている場合には、図328(b)に示す設定別チャンスA抽籤テーブルが参照される。例えば、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合において、設定値が設定1である場合には、194/256の確率で、設定別チャンスA抽籤に当籤する。
ステップS2121の処理を実行した後、メインCPU101は、設定別チャンスA抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS2122)。設定別チャンスA抽籤に当籤していないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、設定別チャンスA抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、チャンスA抽籤を実行する(ステップS2123)。この処理において、メインCPU101は、チャンスA抽籤テーブル(図329参照)を参照して、出玉フラググループ(通常)(図324参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスA抽籤の結果として、「非当籤」、「チャンスA当籤情報+1」、及び、「チャンスA当籤情報+2」のうちの何れかを決定する。
図329に示すチャンスA抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(通常)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、チャンスA抽籤の結果(「非当籤」、「チャンスA当籤情報+1」、及び、「チャンスA当籤情報+2」)に対応する抽籤値が規定されている。チャンスA抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
チャンスA抽籤テーブルは、現在のチャンスA当籤情報が「0」である場合、及び、現在のチャンスA当籤情報が「1」以上である場合のそれぞれに対して設けられている。現在のチャンスA当籤情報が「0」である場合には、図328(a)に示すチャンスA抽籤テーブルが参照され、現在のチャンスA当籤情報が「1」以上である場合には、図328(b)に示すチャンスA抽籤テーブルが参照される。
例えば、チャンスA当籤情報が「0」であり、出玉フラググループ(通常)が「レアLV3」である場合には、チャンスA抽籤の結果として、89/256の確率で「非当籤」が決定され、163/256の確率で「チャンスA当籤情報+1」が決定され、4/256の確率で「チャンスA当籤情報+2」が決定される。
メインCPU101は、チャンスA抽籤の結果として、「チャンスA当籤情報+1」が決定された場合、チャンスA当籤情報の値に「1」を加算し、「チャンスA当籤情報+2」が決定された場合、ボーナス当籤情報の値に「2」を加算する。ここで、チャンスA当籤情報の値の上限値は、「2」であるため、メインCPU101は、加算後のチャンスA当籤情報の値が「2」を超える場合、チャンスA当籤情報の値に「2」をセットする。チャンスA当籤情報の値が1以上であることは、チャンスAに当籤したことを示し、この場合には、チャンスA前兆演出が行われることになる。チャンスA前兆演出は、チャンスAモードに移行することを示唆する演出である。チャンスA前兆演出が終了すると、チャンスAモードに移行する。
ステップS2123の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<前兆ゲーム数抽籤処理>
図330は、主制御回路において行われる前兆ゲーム数抽籤処理を示すフローチャートである。図331は、前兆ゲーム数抽籤テーブルを示す図である。
図330に示す前兆ゲーム数抽籤処理は、主制御回路100において図321(有利区間(通常モード)用各種抽籤処理)のステップS2064で行われる処理である。
前兆ゲーム数抽籤処理において、まず、メインCPU101は、前兆ゲーム数カウンタ(ボーナス本前兆ゲーム数カウンタ、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタ、及び、チャンスA前兆ゲーム数カウンタ)(ステップS2145参照)の値が0であるか否かを判断する(ステップS2141)。ボーナス本前兆ゲーム数カウンタ、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタ、及び、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値のうち、少なくとも何れかが0ではないと判断した場合、すなわち、前兆演出(ボーナス本前兆演出、ボーナスフェイク前兆演出、又は、チャンスA前兆演出)が行われている場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタ、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタ、及び、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が何れも0であると判断した場合、すなわち、前兆演出(ボーナス本前兆演出、ボーナスフェイク前兆演出、及び、チャンスA前兆演出)が行われていない場合、メインCPU101は、ボーナス当籤情報(図322のステップS2083参照)の値が1以上であるか否かを判断する(ステップS2142)。
ボーナス当籤情報の値が1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、ボーナスフェイクフラグ(図322のステップS2083参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2143)。ボーナスフェイクフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスA当籤情報(図327のステップS2123参照)の値が1以上であるか否かを判断する(ステップS2144)。チャンスA当籤情報の値が1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2142においてボーナス当籤情報の値が1以上であると判断した場合、ステップS2143においてボーナスフェイクフラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS2144においてチャンスA当籤情報の値が1以上であると判断した場合、すなわち、今回の単位遊技において疑似ボーナス、ボーナスフェイク、又は、チャンスAに当籤した場合、メインCPU101は、前兆ゲーム数抽籤を実行する(ステップS2145)。
この処理において、メインCPU101は、前兆ゲーム数抽籤テーブル(図331参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、前兆基礎ゲーム数として、「3」、「4」、「12」、「15」、「26」、「29」、及び、「32」のうちの何れかを決定する。そして、メインCPU101は、乱数値に基づく抽籤を別途行うことにより、0~2のうちの何れかの数値を加算ゲーム数として決定する。そして、メインCPU101は、前兆基礎ゲーム数と加算ゲーム数との合計を前兆ゲーム数として決定する。
図331に示す前兆ゲーム数抽籤テーブルにおいては、前兆ゲーム数抽籤の契機(「ボーナスフェイク」、「ボーナス当籤情報1」、「ボーナス当籤情報2」、「ボーナス当籤情報3」、及び、「チャンスA当籤時」)ごとに、前兆基礎ゲーム数(「3」、「4」、「12」、「15」、「26」、「29」、及び、「32」)に対応する抽籤値が規定されている。各前兆基礎ゲーム数が決定される確率は、「当該前兆基礎ゲーム数に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
図中、「ボーナスフェイク」は、ボーナスフェイクフラグがオンにセットされている(ボーナスフェイクに当籤した)ことに基づいて前兆ゲーム数抽籤が行われることを示し、この場合、決定された前兆ゲーム数がボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタにセットされる。ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値は、ボーナスフェイク前兆演出が実行される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。
また、「ボーナス当籤情報1」は、ボーナス当籤情報の値が1であることに基づいて前兆ゲーム数抽籤が行われることを示し、「ボーナス当籤情報2」は、ボーナス当籤情報の値が2であることに基づいて前兆ゲーム数抽籤が行われることを示し、「ボーナス当籤情報3」は、ボーナス当籤情報の値が3であることに基づいて前兆ゲーム数抽籤が行われることを示す。これらの場合、決定された前兆ゲーム数がボーナス本前兆ゲーム数カウンタにセットされる。上述したように、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値は、ボーナス本前兆演出が実行される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。
また、「チャンスA当籤時」は、チャンスAに当籤した(チャンスA当籤情報の値が1以上である)ことに基づいて前兆ゲーム数抽籤が行われることを示し、この場合、決定された前兆ゲーム数がチャンスA前兆ゲーム数カウンタにセットされる。チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値は、チャンスA前兆演出が実行される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。
前兆ゲーム数抽籤テーブルとしては、図331(a)に示す前兆ゲーム数抽籤テーブル及び図331(b)に示す前兆ゲーム数抽籤テーブルが設けられている。前兆演出が行われておらず(ボーナス本前兆ゲーム数カウンタ、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタ、及び、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が何れも0であり)、且つ、出玉フラググループ(通常)が「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、又は、「レアLV6」である場合において、ボーナスフェイク、疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード、疑似ボーナスBモード、又は、疑似ボーナスCモード)、若しくは、チャンスAに当籤した場合には、図331(b)に示す前兆ゲーム数抽籤テーブルが参照され、それ以外の場合には、図331(a)に示す前兆ゲーム数抽籤テーブルが参照される。
例えば、前兆演出が行われておらず、且つ、出玉フラググループ(通常)が「レアLV1」である場合において、ボーナス当籤情報の値が1である場合には、前兆基礎ゲーム数として、163/256の確率で「3」が決定され、8/256の確率で「4」が決定され、69/256の確率で「12」が決定され、16/256の確率で「15」が決定される。メインCPU101は、決定された前兆基礎ゲーム数と加算ゲーム数(0~2の何れか)との合計を前兆ゲーム数カウンタにセットする。
ステップS2145の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
図示しないが、ステップS2145において前兆ゲーム数がボーナス本前兆ゲーム数カウンタにセットされた場合、メインCPU101は、ボーナス本前兆演出開始コマンドデータを生成し、生成したボーナス本前兆演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたボーナス本前兆演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、ボーナス本前兆演出を開始させるタイミングであることを認識することができるようになり、ボーナス本前兆演出のための画像の表示、音の出力、光の出力等を開始させる処理が行われる。その結果、前兆ゲーム数分の単位遊技に亘ってボーナス本前兆演出が行われることになる。
また、ステップS2145において前兆ゲーム数がボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタにセットされた場合、メインCPU101は、ボーナスフェイク前兆演出開始コマンドデータを生成し、生成したボーナスフェイク前兆演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたボーナスフェイク前兆演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、ボーナスフェイク前兆演出を開始させるタイミングであることを認識することができるようになり、ボーナスフェイク前兆演出のための画像の表示、音の出力、光の出力等を開始させる処理が行われる。その結果、前兆ゲーム数分の単位遊技に亘ってボーナスフェイク前兆演出が行われることになる。ボーナスフェイク前兆演出は、ボーナス本前兆演出と基本的に同じ演出である。
また、ステップS2145において前兆ゲーム数がチャンスA前兆ゲーム数カウンタにセットされた場合、メインCPU101は、チャンスA前兆演出開始コマンドデータを生成し、生成したチャンスA前兆演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたチャンスA前兆演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、チャンスA前兆演出を開始させるタイミングであることを認識することができるようになり、チャンスA前兆演出のための画像の表示、音の出力、光の出力等を開始させる処理が行われる。その結果、前兆ゲーム数分の単位遊技に亘ってチャンスA前兆演出が行われることになる。チャンスA前兆演出は、ボーナス本前兆演出乃至ボーナスフェイク前兆演出と同じ演出であってもよいし異なる演出であってもよい。なお、疑似ボーナス、ボーナスフェイク、及び、チャンスAに当時に当籤した場合には、ボーナス本前兆演出が最も優先的に行われ、ボーナスフェイク前兆演出が次に優先的に行われ、チャンスA前兆演出が次に優先的に行われる。
また、ボーナスフェイク前兆演出が行われている(ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きい)間も、ボーナス抽籤(図322のステップS2083参照)が行われ、これにより、ボーナス抽籤(疑似ボーナス)に当籤した場合には、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値がクリア(当該カウンタに「0」がセット)される。そして、前兆ゲーム数抽籤(ステップS2145参照)により決定された前兆ゲーム数がボーナス本前兆ゲーム数カウンタにセットされる。その結果、ボーナスフェイク前兆演出が終了して、ボーナス本前兆演出が開始されることになる。
また、チャンスA前兆演出が行われている(チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きい)間も、ボーナス抽籤(図322のステップS2083参照)が行われ、これにより、疑似ボーナス乃至ボーナスフェイクに当籤した場合には、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が0になるまでチャンスA前兆演出が継続的に行われる(ボーナス本前兆演出乃至ボーナスフェイク前兆演出がストックされる)。そして、チャンスA前兆演出の終了に伴い有利区間(通常モード)から有利区間(チャンスAモード)へと移行した後、有利区間(チャンスAモード)から有利区間(通常モード)へと移行するときに前兆ゲーム数抽籤(ステップS2145参照)が行われる。これにより決定された前兆ゲーム数がボーナス本前兆ゲーム数カウンタ乃至ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタにセットされて、ボーナス本前兆演出乃至ボーナスフェイク前兆演出が開始される(ストックされていたボーナス本前兆演出乃至ボーナスフェイク前兆演出が放出される)ことになる。
また、このようにボーナスフェイク前兆演出がストックされている状態で、ボーナス抽籤(図322のステップS2083参照)により疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード又は疑似ボーナスBモード)に当籤した場合には、疑似ボーナスAモードが終了するとき、又は、疑似ボーナスBモードから移行したチャンスBモードが終了するときに、ボーナスフェイク前兆演出がストックされていることを示す情報がクリアされる。
また、ボーナスフェイク前兆演出が行われている(ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きい)間に、ボーナス抽籤(図322のステップS2083参照)によりボーナスフェイクに再度当籤した場合には、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0になるまで元のボーナスフェイク前兆演出が継続的に行われる。一方、ボーナスフェイクに再度当籤したことを示す情報は破棄される。
また、ボーナスフェイク前兆演出が行われている(ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きい)間に、チャンスA抽籤(図327のステップS2123参照)によりチャンスAに当籤した場合には、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0になるまでボーナスフェイク前兆演出が継続的に行われる(チャンスA前兆演出がストックされる)。そして、ボーナスフェイク前兆演出が終了すると前兆ゲーム数抽籤(ステップS2145参照)が行われ、これにより決定された前兆ゲーム数がチャンスA前兆ゲーム数カウンタにセットされて、チャンスA前兆演出が開始される(ストックされていたチャンスA前兆演出が放出される)ことになる。
以上、ボーナス抽籤(図322のステップS2083参照)、ボーナス昇格抽籤(図325のステップS2102参照)、チャンスA抽籤(図327のステップS2123参照)、及び、前兆ゲーム数抽籤(図330のステップS2145参照)は、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)において行われることとして説明したが、これらの処理は、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)において行われることとしてもよい。例えば、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)以外である場合には、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)においてこれらの処理を行う一方、サブフラグが「押し順ベル」である場合には、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)においてこれらの処理を行うこととしてもよい。
図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)においてこれらの処理を行う場合、有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せに応じて、参照する出玉フラググループ(通常)を異ならせてもよい。例えば、サブフラグが「押し順ベル」である場合において、11枚のメダルが払い出された場合には、キャラクタに応じた出玉フラググループ(通常)(図324参照)が決定される一方、11枚のメダルが払い出されなかった場合には、キャラクタにかかわらず出玉フラググループ(通常)番号として「0」が決定されることとしてもよい。なお、有利区間移行処理(図313のステップS2002参照)が行われた単位遊技では、サブフラグが「押し順ベル」である場合においても、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)においてこれらの処理を行うこととしてもよい。
<前兆ゲーム数カウンタ管理処理>
図332は、主制御回路において行われる前兆ゲーム数カウンタ管理処理を示すフローチャートである。
図332に示す前兆ゲーム数カウンタ管理処理は、現在の遊技区間が有利区間であり、且つ、モードが通常モード若しくはチャンスAモード(図312参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)及びモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の遊技区間及びモードを認識することができる。
前兆ゲーム数カウンタ管理処理において、まず、メインCPU101は、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタ(図330のステップS2145参照)の値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS2161)。ボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きいと判断した場合、メインCPU101は、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値から1減算する(ステップS2162)。そして、メインCPU101は、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS2163)。ボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、ボーナス本前兆演出を終了する(ステップS2164)。この処理において、メインCPU101は、ボーナス本前兆演出終了コマンドデータを生成し、生成したボーナス本前兆演出終了コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたボーナス本前兆演出終了コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、ボーナス本前兆演出を終了させるタイミングであることを認識することができるようになり、ボーナス本前兆演出のために行っている画像の表示、音の出力、光の出力等を終了させる処理が行われる。
その後、メインCPU101は、疑似ボーナス移行フラグをオンにセットし(ステップS2165)、本サブルーチンを終了する。疑似ボーナス移行フラグは、疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード、疑似ボーナスBモード、又は、疑似ボーナスCモード)を開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、疑似ボーナス移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、ボーナス当籤情報の値に応じてモードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、ボーナス当籤情報の値が1である場合には疑似ボーナスAモードに移行し、ボーナス当籤情報の値が2である場合には疑似ボーナスBモードに移行し、ボーナス当籤情報の値が3である場合には疑似ボーナスCモードに移行する。
ステップS2161においてボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS2166)。ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きいと判断した場合、メインCPU101は、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値から1減算する(ステップS2167)。そして、メインCPU101は、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS2168)。ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、ボーナスフェイク前兆演出を終了する(ステップS2169)。この処理において、メインCPU101は、ボーナスフェイク前兆演出終了コマンドデータを生成し、生成したボーナスフェイク前兆演出終了コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたボーナスフェイク前兆演出終了コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、ボーナスフェイク前兆演出を終了させるタイミングであることを認識することができるようになり、ボーナスフェイク前兆演出のために行っている画像の表示、音の出力、光の出力等を終了させる処理が行われる。ステップS2169の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2166においてボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS2170)。チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が0よりも大きいと判断した場合、メインCPU101は、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値から1減算する(ステップS2171)。そして、メインCPU101は、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS2172)。チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、チャンスA前兆ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスA前兆演出を終了する(ステップS2173)。この処理において、メインCPU101は、チャンスA前兆演出終了コマンドデータを生成し、生成したチャンスA前兆演出終了コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたチャンスA前兆演出終了コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、チャンスA前兆演出を終了させるタイミングであることを認識することができるようになり、チャンスA前兆演出のために行っている画像の表示、音の出力、光の出力等を終了させる処理が行われる。
その後、メインCPU101は、チャンスA移行フラグをオンにセットし(ステップS2174)、本サブルーチンを終了する。チャンスA移行フラグは、チャンスAモードを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、チャンスA移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、チャンスAモードに移行する。また、メインCPU101は、チャンスAモードが開始するとき、チャンスAゲーム数カウンタに「3」をセットする。チャンスAゲーム数カウンタの値は、チャンスAモードで行われる単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。
<有利区間(チャンスAモード)用遊技開始時処理>
図333は、主制御回路において行われる有利区間(チャンスAモード)用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図334A及び図334Bは、チャンスA中報酬抽籤テーブルを示す図である。図335(a)は、サブフラグと出玉フラググループ(チャンスA)番号との対応関係をキャラクタごとに示す図である。図335(b)は、出玉フラググループ(チャンスA)番号と出玉フラググループ(チャンスA)との対応関係を示す図である。図336は、加算用チャンスB継続率UP抽籤テーブルを示す図である。
図333に示す有利区間(チャンスAモード)用遊技開始時処理は、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及びチャンスAモード(図312参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)及びモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及びチャンスAモードであることを認識することができる。
有利区間(チャンスAモード)用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、チャンスAゲーム数カウンタの値から1減算する(ステップS2181)。そして、メインCPU101は、チャンスAゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS2182)。チャンスAゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、通常移行フラグをオンにセットする(ステップS2183)。通常移行フラグは、通常モードを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、通常移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、通常モードに移行する。
ステップS2182においてチャンスAゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS2183の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤を実行する(ステップS2184)。この処理において、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤テーブル(図334A及び図334B参照)を参照して、出玉フラググループ(チャンスA)(図335参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスA中報酬抽籤の結果として、「非当籤」、「継続率UP弱」、「継続率UP中」、「継続率UP強」、「ダメージストック+1」、「ダメージストック+2」、「直撃疑似ボーナスA」、「直撃疑似ボーナスB」、及び、「直撃疑似ボーナスC」のうちの何れかを決定する。
図334A及び図334Bに示すチャンスA中報酬抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(チャンスA)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、チャンスA中報酬抽籤の結果(「非当籤」、「継続率UP弱」、「継続率UP中」、「継続率UP強」、「ダメージストック+1」、「ダメージストック+2」、「直撃疑似ボーナスA」、「直撃疑似ボーナスB」、及び、「直撃疑似ボーナスC」)に対応する抽籤値が規定されている。チャンスA中報酬抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
チャンスA中報酬抽籤テーブルは、チャンスA当籤情報(「1」及び「2」)(図327のステップS2123参照)、並びに、チャンスAモードで行われる単位遊技の残り回数(チャンスAゲーム数カウンタの値:「0」、「1」、及び、「2」)のそれぞれに対して設けられている。チャンスA当籤情報が「1」であり、チャンスAゲーム数カウンタの値が「0」である場合には、図334A(a)に示すチャンスA中報酬抽籤テーブルが参照され、チャンスA当籤情報が「1」であり、チャンスAゲーム数カウンタの値が「1」である場合には、図334A(b)に示すチャンスA中報酬抽籤テーブルが参照され、チャンスA当籤情報が「1」であり、チャンスAゲーム数カウンタの値が「2」である場合には、図334A(c)に示すチャンスA中報酬抽籤テーブルが参照され、チャンスA当籤情報が「2」であり、チャンスAゲーム数カウンタの値が「0」である場合には、図334B(a)に示すチャンスA中報酬抽籤テーブルが参照され、チャンスA当籤情報が「2」であり、チャンスAゲーム数カウンタの値が「1」である場合には、図334B(b)に示すチャンスA中報酬抽籤テーブルが参照され、チャンスA当籤情報が「2」であり、チャンスAゲーム数カウンタの値が「2」である場合には、図334B(c)に示すチャンスA中報酬抽籤テーブルが参照される。
図335では、キャラクタの有無及び種別(「なし」、「キャラA」、「キャラB」、「キャラC」、及び、「キャラD」)(図318のステップS2047参照)ごとに、サブフラグ(図311参照)に対応する出玉フラググループ(チャンスA)が規定されている。「なし」は、キャラクタがセットされていないことを示し、「キャラA」は、キャラAがセットされていることを示し、「キャラB」は、キャラBがセットされていることを示し、「キャラC」は、キャラCがセットされていることを示し、「キャラD」は、キャラDがセットされていることを示す。メインCPU101は、キャラクタの有無及び種別と図335に示す対応関係とに基づいて、サブフラグを出玉フラググループ(チャンスA)に変換する。
例えば、キャラAがセットされている状態において、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」である場合には、出玉フラググループ(チャンスA)として「レアLV1」が決定される。このとき、チャンスA当籤情報が「2」であり、チャンスAゲーム数カウンタの値が「2」である場合には、チャンスA中報酬抽籤の結果として、176/256の確率で「継続率UP中」が決定され、16/256の確率で「継続率UP強」が決定され、62/256の確率で「ダメージストック+1」が決定され、2/256の確率で「ダメージストック+2」が決定される。
また、例えば、キャラBがセットされている状態において、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「特殊役」である場合には、出玉フラググループ(チャンスA)として「レアLV3」が決定される。このとき、チャンスA当籤情報が「1」であり、チャンスAゲーム数カウンタの値が「0」である場合には、チャンスA中報酬抽籤の結果として、240/256の確率で「直撃疑似ボーナスB」が決定され、16/256の確率で「直撃疑似ボーナスC」が決定される。
ステップS2184の処理を実行した後、メインCPU101は、キャラD(図318のステップS2047参照)がセットされているか否かを判断する(ステップS2185)。キャラDがセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤の結果が「非当籤」であるか否かを判断する(ステップS2186)。チャンスA中報酬抽籤の結果が「非当籤」であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤非当籤時処理を実行する(ステップS2187)。チャンスA中報酬抽籤非当籤時処理については、後に図337を用いて説明する。ステップS2187の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2186においてチャンスA中報酬抽籤の結果が「非当籤」ではないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤の結果が継続率UP(「継続率UP弱」、「継続率UP中」、又は、「継続率UP強」)であるか否かを判断する(ステップS2188)。チャンスA中報酬抽籤の結果が「継続率UP弱」、「継続率UP中」、及び、「継続率UP強」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、加算用チャンスB継続率UP抽籤を実行する(ステップS2189)。この処理において、メインCPU101は、加算用チャンスB継続率UP抽籤テーブル(図336参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、加算用チャンスB継続率UP抽籤の結果として、「非当籤」、「1%」、「2%」、「3%」、「4%」、「5%」、及び、「10%」のうちの何れかを決定する。
図336に示す加算用チャンスB継続率UP抽籤テーブルにおいては、チャンスA中報酬抽籤(ステップS2184参照)により決定された継続率UPの程度(「継続率UP弱」、「継続率UP中」、及び、「継続率UP強」)ごとに、加算用チャンスB継続率UP抽籤の結果(「非当籤」、「1%」、「2%」、「3%」、「4%」、「5%」、及び、「10%」)に対応する抽籤値が規定されている。加算用チャンスB継続率UP抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、チャンスA中報酬抽籤の結果が「継続率UP中」である場合には、加算用チャンスB継続率UP抽籤の結果として、128/256の確率で「2%」が決定され、64/256の確率で「3%」が決定され、64/256の確率で「4%」が決定される。メインCPU101は、加算用チャンスB継続率UP抽籤の結果として決定されたパーセンテージを加算用チャンスB継続率情報の値に加算する。加算用チャンスB継続率情報の値は、メインRAM103に記憶されている。加算用チャンスB継続率情報については、後に詳述する。ステップS2189の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2188においてチャンスA中報酬抽籤の結果が「継続率UP弱」、「継続率UP中」、及び、「継続率UP強」のうちの何れでもないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤の結果がダメージストック(「ダメージストック+1」又は「ダメージストック+2」)であるか否かを判断する(ステップS2190)。チャンスA中報酬抽籤の結果が「ダメージストック+1」及び「ダメージストック+2」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、ダメージストックカウンタの値を更新する(ステップS2191)。
この処理において、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤の結果が「ダメージストック+1」である場合、ダメージストックカウンタの値に「1」を加算し、チャンスA中報酬抽籤の結果が「ダメージストック+2」である場合、ダメージストックカウンタの値に「2」を加算する。ダメージストックカウンタの値は、メインRAM103に記憶されている。ダメージストックカウンタについては、後に詳述する。ステップS2191の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2190においてチャンスA中報酬抽籤の結果が「ダメージストック+1」及び「ダメージストック+2」のうちの何れでもない(「直撃疑似ボーナスA」、「直撃疑似ボーナスB」、及び、「直撃疑似ボーナスC」)のうちの何れかである)と判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナスに移行させるための処理を実行する(ステップS2192)。この処理において、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤の結果に応じた値をボーナス当籤情報(図322のステップS2083参照)の値に加算する。具体的に、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤の結果が「直撃疑似ボーナスA」である場合、ボーナス当籤情報の値に「1」を加算し、チャンスA中報酬抽籤の結果が「直撃疑似ボーナスB」である場合、ボーナス当籤情報の値に「2」を加算し、チャンスA中報酬抽籤の結果が「直撃疑似ボーナスC」である場合、ボーナス当籤情報の値に「3」を加算する。
また、メインCPU101は、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタに「1」をセットする。これにより、次の単位遊技から疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード、疑似ボーナスBモード、又は、疑似ボーナスCモード)が開始されることになる(図332のステップS2165参照)。すなわち、チャンスAモードから通常モードに移行することなく、チャンスAモードから疑似ボーナスへと直接移行する。また、メインCPU101は、チャンスAゲーム数カウンタに「0」をセットする。なお、メインCPU101は、通常移行フラグ(ステップS2183参照)がオンにセットされている場合、通常移行フラグをクリアする。ステップS2192の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2185においてキャラDがセットされていると判断した場合、メインCPU101は、チャンスA中報酬抽籤の結果が「直撃疑似ボーナスC」であるか否かを判断する(ステップS2193)。チャンスA中報酬抽籤の結果が「直撃疑似ボーナスC」であると判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナスCモードに移行させるための処理を実行する(ステップS2194)。この処理において、メインCPU101は、ボーナス当籤情報の値に「3」を加算し、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタに「1」をセットするとともに、チャンスAゲーム数カウンタに「0」をセットする。これにより、次の単位遊技から疑似ボーナスCモードが開始されることになる(図332のステップS2165参照)。すなわち、チャンスAモードから通常モードに移行することなく、チャンスAモードから疑似ボーナスCモードへと直接移行する。なお、メインCPU101は、通常移行フラグ(ステップS2183参照)がオンにセットされている場合、通常移行フラグをクリアする。ステップS2194の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2193においてチャンスA中報酬抽籤の結果が「直撃疑似ボーナスC」ではないと判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナスBモード等に移行させるための処理を実行する(ステップS2195)。この処理において、メインCPU101は、ボーナス当籤情報の値に「2」を加算し、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタに「1」をセットするとともに、チャンスAゲーム数カウンタに「0」をセットする。これにより、次の単位遊技から疑似ボーナスBモード(チャンスAモードに移行した時点でボーナス当籤情報の値が1以上である場合には、疑似ボーナスCモード)が開始されることになる(図332のステップS2165参照)。すなわち、チャンスAモードから通常モードに移行することなく、チャンスAモードから疑似ボーナスBモード等へと直接移行する。なお、メインCPU101は、通常移行フラグ(ステップS2183参照)がオンにセットされている場合、通常移行フラグをクリアする。ステップS2195の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上、チャンスA中報酬抽籤(ステップS2184参照)は、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)において行われることとして説明したが、この処理は、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)において行われることとしてもよい。例えば、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)以外である場合には、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)においてこの処理を行う一方、サブフラグが「押し順ベル」である場合には、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)においてこの処理を行うこととしてもよい。
図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)においてこの処理を行う場合、有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せに応じて、参照する出玉フラググループ(チャンスA)を異ならせてもよい。例えば、サブフラグが「押し順ベル」である場合において、11枚のメダルが払い出された場合には、キャラクタに応じた出玉フラググループ(チャンスA)(図335参照)が決定される一方、11枚のメダルが払い出されなかった場合には、キャラクタにかかわらず出玉フラググループ(チャンスA)番号として「0」が決定されることとしてもよい。
<チャンスA中報酬抽籤非当籤時処理>
図337は、主制御回路において行われるチャンスA中報酬抽籤非当籤時処理を示すフローチャートである。図338は、チャンスA中強制解除抽籤テーブルを示す図である。図339は、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤テーブルを示す図である。図340は、チャンスA中前兆ゲーム数抽籤テーブルを示す図である。
図337に示すチャンスA中報酬抽籤非当籤時処理は、主制御回路100において図333(有利区間(チャンスAモード)用遊技開始時処理)のステップS2187で行われる処理である。
チャンスA中報酬抽籤非当籤時処理において、まず、メインCPU101は、チャンスA中強制解除抽籤を実行する(ステップS2201)。この処理において、メインCPU101は、チャンスA中強制解除抽籤テーブル(図338参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスA中強制解除抽籤の結果として、「チャンスAポイント+1」、「直撃疑似ボーナスA」、「直撃疑似ボーナスB」、及び、「直撃疑似ボーナスC」のうちの何れかを決定する。
図338に示すチャンスA中強制解除抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、チャンスA中強制解除抽籤の結果(「チャンスAポイント+1」、「直撃疑似ボーナスA」、「直撃疑似ボーナスB」、及び、「直撃疑似ボーナスC」)に対応する抽籤値が規定されている。チャンスA中強制解除抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、設定値が設定1である場合には、チャンスA中強制解除抽籤の結果として、255/256の確率で「チャンスAポイント+1」が決定され、1/256の確率で「直撃疑似ボーナスB」が決定される。
ステップS2201の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスA中強制解除抽籤の結果が「チャンスAポイント+1」であるか否かを判断する(ステップS2202)。チャンスA中強制解除抽籤の結果が「チャンスAポイント+1」であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスAポイントの値に「1」を加算する(ステップS2203)。チャンスAポイントの値は、メインRAM103に記憶されている。そして、メインCPU101は、チャンスAポイントの値が3以上であるか否かを判断する(ステップS2204)。
チャンスAポイントの値が3以上であると判断した場合、メインCPU101は、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤を実行する(ステップS2205)。この処理において、メインCPU101は、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤テーブル(図339参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤の結果として、「ボーナスフェイク」、「ボーナス当籤情報+1」、「ボーナス当籤情報+2」、及び、「ボーナス当籤情報+3」のうちの何れかを決定する。
図339に示す規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤の結果(「ボーナスフェイク」、「ボーナス当籤情報+1」、「ボーナス当籤情報+2」、及び、「ボーナス当籤情報+3」)に対応する抽籤値が規定されている。規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、設定値が設定1である場合には、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤の結果として、138/256の確率で「ボーナスフェイク」が決定され、53/256の確率で「ボーナス当籤情報+1」が決定され、64/256の確率で「ボーナス当籤情報+2」が決定され、1/256の確率で「ボーナス当籤情報+3」が決定される。
メインCPU101は、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤の結果として、「ボーナス当籤情報+1」が決定された場合、ボーナス当籤情報の値に「1」を加算し、「ボーナス当籤情報+2」が決定された場合、ボーナス当籤情報の値に「2」を加算し、「ボーナス当籤情報+3」が決定された場合、ボーナス当籤情報の値に「3」を加算する。上述したように、ボーナス当籤情報の値の上限値は、「3」であるため、メインCPU101は、加算後のボーナス当籤情報の値が「3」を超える場合、ボーナス当籤情報の値に「3」をセットする。また、ボーナス当籤情報の値が1以上であることは、疑似ボーナスに当籤したことを示し、この場合には、ボーナス本前兆演出が行われる。
また、メインCPU101は、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤の結果として「ボーナスフェイク」が決定された場合であって、ボーナス当籤情報の値が0である場合には、ボーナスフェイクフラグをオンにセットする。上述したように、ボーナスフェイクフラグは、ボーナスフェイクに当籤したことを示すフラグであり、これにより、ボーナスフェイク前兆演出が行われる。なお、チャンスAモードに移行した時点でボーナス当籤情報の値が1以上である場合には、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤の結果として「ボーナスフェイク」が決定された場合であっても、ボーナスフェイクフラグはオンにセットされない。この場合には、チャンスA中前兆ゲーム数抽籤(ステップS2207参照)において、当該ボーナス当籤情報の値が参照され、ボーナス本前兆演出が行われることになる。
ステップS2205の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスAポイントの値から「3」を減算する(ステップS2206)。そして、メインCPU101は、チャンスA中前兆ゲーム数抽籤を実行する(ステップS2207)。この処理において、メインCPU101は、チャンスA中前兆ゲーム数抽籤テーブル(図340参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、前兆ゲーム数として、「4」、「14」、「15」、「19」、「20」、「21」、及び、「22」のうちの何れかを決定する。
図340に示すチャンスA中前兆ゲーム数抽籤テーブルにおいては、前兆ゲーム数抽籤の契機(「ボーナスフェイク」、「ボーナス当籤情報1」、「ボーナス当籤情報2」、及び、「ボーナス当籤情報3」)ごとに、前兆ゲーム数(「4」、「14」、「15」、「19」、「20」、「21」、及び、「22」)に対応する抽籤値が規定されている。各前兆ゲーム数が決定される確率は、「当該前兆ゲーム数に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
図中、「ボーナスフェイク」は、ボーナスフェイクフラグがオンにセットされている(ボーナスフェイクに当籤した)ことに基づいてチャンスA中前兆ゲーム数抽籤が行われることを示し、この場合、決定された前兆ゲーム数がボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタにセットされる。上述したように、ボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタの値は、ボーナスフェイク前兆演出が実行される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている(図330のステップS2145参照)。
また、「ボーナス当籤情報1」は、ボーナス当籤情報の値が1であることに基づいてチャンスA中前兆ゲーム数抽籤が行われることを示し、「ボーナス当籤情報2」は、ボーナス当籤情報の値が2であることに基づいてチャンスA中前兆ゲーム数抽籤が行われることを示し、「ボーナス当籤情報3」は、ボーナス当籤情報の値が3であることに基づいてチャンスA中前兆ゲーム数抽籤が行われることを示す。これらの場合、決定された前兆ゲーム数がボーナス本前兆ゲーム数カウンタにセットされる。上述したように、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタの値は、ボーナス本前兆演出が実行される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている(図330のステップS2145参照)。
例えば、ボーナス当籤情報の値が1である場合には、前兆ゲーム数として、32/256の確率で「14」が決定され、32/256の確率で「15」が決定され、60/256の確率で「19」が決定され、58/256の確率で「20」が決定され、58/256の確率で「21」が決定され、16/256の確率で「22」が決定される。メインCPU101は、決定された前兆ゲーム数を前兆ゲーム数カウンタにセットする。
図330のステップS2145と同様に、図337のステップS2207において前兆ゲーム数がボーナス本前兆ゲーム数カウンタにセットされた場合、メインCPU101は、ボーナス本前兆演出開始コマンドデータを生成し、生成したボーナス本前兆演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたボーナス本前兆演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、ボーナス本前兆演出を開始させるタイミングであることを認識することができるようになり、ボーナス本前兆演出のための画像の表示、音の出力、光の出力等を開始させる処理が行われる。その結果、前兆ゲーム数分の単位遊技に亘ってボーナス本前兆演出が行われることになる。
また、ステップS2207において前兆ゲーム数がボーナスフェイク前兆ゲーム数カウンタにセットされた場合、メインCPU101は、ボーナスフェイク前兆演出開始コマンドデータを生成し、生成したボーナスフェイク前兆演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたボーナスフェイク前兆演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、ボーナスフェイク前兆演出を開始させるタイミングであることを認識することができるようになり、ボーナスフェイク前兆演出のための画像の表示、音の出力、光の出力等を開始させる処理が行われる。その結果、前兆ゲーム数分の単位遊技に亘ってボーナスフェイク前兆演出が行われることになる。
ステップS2204においてチャンスAポイントの値が3未満であると判断した場合、又は、ステップS2207の処理を実行した後、メインCPU101は、通常移行フラグをオンにセットする(ステップS2208)。上述したように、通常移行フラグは、通常モードを開始するタイミングであることを示すフラグである(図333のステップS2183参照)。メインCPU101は、通常移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、通常モードに移行する。
なお、チャンスAモードに移行した時点でボーナス当籤情報の値が1以上であり、且つ、規定チャンスAポイント到達時ボーナス抽籤(ステップS2205参照)が行われないまま、チャンスAモードから通常モードへと移行した場合には、ステップS2207ではなく、図330のステップS2145において前兆ゲーム数が決定されて、前兆演出が行われることになる。
ステップS2202においてチャンスA中強制解除抽籤の結果が「チャンスAポイント+1」ではない(「直撃疑似ボーナスA」、「直撃疑似ボーナスB」、及び、「直撃疑似ボーナスC」)のうちの何れかである)と判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナスに移行させるための処理を実行する(ステップS2209)。この処理において、メインCPU101は、チャンスA中強制解除抽籤の結果に応じた値をボーナス当籤情報(図322のステップS2083参照)の値に加算する。具体的に、メインCPU101は、チャンスA中強制解除抽籤の結果が「直撃疑似ボーナスA」である場合、ボーナス当籤情報の値に「1」を加算し、チャンスA中強制解除抽籤の結果が「直撃疑似ボーナスB」である場合、ボーナス当籤情報の値に「2」を加算し、チャンスA中強制解除抽籤の結果が「直撃疑似ボーナスC」である場合、ボーナス当籤情報の値に「3」を加算する。
また、メインCPU101は、ボーナス本前兆ゲーム数カウンタに「1」をセットする。これにより、次の単位遊技から疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード、疑似ボーナスBモード、又は、疑似ボーナスCモード)が開始されることになる(図332のステップS2165参照)。すなわち、チャンスAモードから通常モードに移行することなく、チャンスAモードから疑似ボーナスへと直接移行する。なお、メインCPU101は、通常移行フラグ(図333のステップS2183参照)がオンにセットされている場合、通常移行フラグをクリアする。
ステップS2208又はステップS2209の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスAゲーム数カウンタに「0」をセットする(ステップS2210)。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<疑似ボーナスへの移行と疑似遊技>
図341は、疑似遊技において停止表示される図柄の例を示す図である。図342は、疑似遊技停止位置初期設定抽籤テーブルを示す図である。図343は、疑似遊技停止位置決定テーブルを示す図である。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、ロック演出の実行中に疑似遊技を実行することが可能なように構成されている。第1実施形態で説明したように、ロック演出は、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出である。疑似遊技は、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受け付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。
本実施形態では、5種類の疑似遊技(疑似遊技1~5)が設けられており、各疑似遊技においては、互いに異なる図柄が停止表示されるようになっている。図341(a)では、疑似遊技1において停止表示される図柄を示しており、図341(b)では、疑似遊技2において停止表示される図柄を示しており、図341(c)では、疑似遊技3において停止表示される図柄を示しており、図341(d)では、疑似遊技4において停止表示される図柄を示しており、図341(e)では、疑似遊技5において停止表示される図柄を示している。
具体的に、図341(a)に示すように、疑似遊技1では、左リール3Lの中段領域に「紫7」が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「紫7」が停止表示され、右リール3Rの中段領域に「ベルA」が停止表示される(7テンパイはずれ)。図341(b)に示すように、疑似遊技2では、左リール3Lの中段領域に「紫7」が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「紫7」が停止表示され、右リール3Rの中段領域に「BAR」が停止表示される(7・7・BAR揃い)。
図341(c)に示すように、疑似遊技3では、左リール3Lの中段領域に「紫7」が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「紫7」が停止表示され、右リール3Rの中段領域に「紫7」が停止表示される(7揃い通常)。図341(d)に示すように、疑似遊技4では、左リール3Lの上段領域に「紫7」が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「紫7」が停止表示され、右リール3Rの下段領域に「紫7」が停止表示される(7揃い7確定)。図341(e)に示すように、疑似遊技5では、左リール3Lの中段領域に「白7」が停止表示され、中リール3Cの中段領域に「白7」が停止表示され、右リール3Rの中段領域に「白7」が停止表示される(白7揃い)。
なお、このように、疑似遊技においては、図柄の組合せが停止表示されるが、当該図柄の組合せが停止表示されたことに基づいて遊技者に特典が付与されることはない。例えば、疑似遊技において停止表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブル(図305A及び図305B参照)に規定された図柄の組合せと一致する場合であっても、当該図柄の組合せに応じたメダルの払出は行われない。
疑似遊技は、ボーナス本前兆演出乃至ボーナスフェイク前兆演出が終了する(図332のステップS2164及びステップS2169参照)単位遊技で、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS16(遊技終了時メイン側演出制御処理)として実行される。実行される疑似遊技の種別は、疑似遊技停止位置初期設定抽籤テーブル(図342参照)及び疑似遊技停止位置決定テーブル(図343参照)に基づいて決定される。
メインCPU101は、ボーナス本前兆演出乃至ボーナスフェイク前兆演出が開始されるとき(例えば、図317のステップS2023の処理を実行した後、図330のステップS2145の処理を実行した後、図333のステップS2192、ステップS2194、又は、ステップS2195の処理を実行した後、図337のステップS2207又はステップS2209の処理を実行した後)、疑似遊技停止位置初期設定抽籤を実行する。この処理において、メインCPU101は、疑似遊技停止位置初期設定抽籤テーブル(図342参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似遊技の種別として、「疑似遊技1」、「疑似遊技2」、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、及び、「疑似遊技5」のうちの何れかを決定する。
図342に示す疑似遊技停止位置初期設定抽籤テーブルにおいては、疑似遊技の種別(「疑似遊技1」、「疑似遊技2」、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、及び、「疑似遊技5」)に対応する抽籤値が規定されている。各疑似遊技が決定される確率は、「当該疑似遊技に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。すなわち、86/256の確率で「疑似遊技3」が決定され、42/256の確率で「疑似遊技4」が決定され、128/256の確率で「疑似遊技5」決定される。
その後、メインCPU101は、ボーナス本前兆演出乃至ボーナスフェイク前兆演出が終了するとき(例えば、図332のステップS2164又はステップS2169の処理を実行した後)、疑似遊技停止位置決定処理を実行する。この処理において、メインCPU101は、疑似遊技停止位置決定テーブル(図343参照)を参照することにより、疑似遊技の種別として、「疑似遊技1」、「疑似遊技2」、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、及び、「疑似遊技5」のうちの何れかを決定する。
図343に示す疑似遊技停止位置決定テーブルにおいては、疑似遊技停止位置初期設定抽籤の結果(「疑似遊技1」、「疑似遊技2」、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、及び、「疑似遊技5」)ごとに、ボーナス当籤情報の値(「0」、「1」、「2」、及び、「3」)に対する疑似遊技の種別(「疑似遊技1」、「疑似遊技2」、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、及び、「疑似遊技5」)が規定されている。
これにより、疑似遊技停止位置決定処理では、ボーナス当籤情報の値が「0」である場合、疑似遊技停止位置初期設定抽籤により決定されている疑似遊技の種別にかかわらず、「疑似遊技1」が決定される。また、ボーナス当籤情報の値が「1」である場合、疑似遊技停止位置初期設定抽籤により決定されている疑似遊技の種別にかかわらず、「疑似遊技2」が決定される。また、ボーナス当籤情報の値が「2」である場合、疑似遊技停止位置初期設定抽籤により決定されている疑似遊技の種別に応じて、「疑似遊技3」又は「疑似遊技4」が決定される。また、ボーナス当籤情報の値が「3」である場合、疑似遊技停止位置初期設定抽籤により決定されている疑似遊技の種別に応じて、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、又は、「疑似遊技5」が決定される。
そして、メインCPU101は、疑似遊技停止位置決定処理を実行した単位遊技における遊技終了時メイン側演出制御処理(図23のステップS16参照)として、当該疑似遊技停止位置決定処理により決定された疑似遊技を実行する。これにより、ボーナス本前兆演出が終了したとき、ボーナス当籤情報の値が1である場合には、疑似遊技2が行われて疑似ボーナスAモードに移行し、ボーナス当籤情報の値が2である場合には、疑似遊技3又は疑似遊技4が行われて疑似ボーナスBモードに移行し、ボーナス当籤情報の値が3である場合には、疑似遊技3、疑似遊技4、又は、疑似遊技5が行われて疑似ボーナスCモードに移行する(図332のステップS2165参照)。一方、ボーナスフェイク前兆演出が終了したとき(ボーナス当籤情報の値が0である場合)には、疑似遊技1が行われ、この場合、疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード、疑似ボーナスBモード、又は、疑似ボーナスCモード)には移行しない。
<有利区間(疑似ボーナスAモード)用遊技開始時処理>
図344は、主制御回路において行われる有利区間(疑似ボーナスAモード)用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図345は、疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤テーブルを示す図である。図346は、疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤テーブルを示す図である。
図344に示す有利区間(疑似ボーナスAモード)用遊技開始時処理は、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及び疑似ボーナスAモード(図312参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)及びモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及び疑似ボーナスAモードであることを認識することができる。
有利区間(疑似ボーナスAモード)用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤を実行する(ステップS2221)。この処理において、メインCPU101は、疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤テーブル(図345参照)を参照して、出玉フラググループ(通常)(図324参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤の結果として、「非当籤」、「チャンスB」、及び、「AT」のうちの何れかを決定する。
図345に示す疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(通常)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤の結果(「非当籤」、「チャンスB」、及び、「AT」)に対応する抽籤値が規定されている。「チャンスB」は、チャンスBに当籤したことを示し、「AT」は、ATに当籤したことを示す。疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤テーブルは、有利区間経過ゲーム数判定フラグ(図313のステップS2004参照)の有無、並びに、チャンスBへの当籤の有無のそれぞれに対して設けられている。当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBにまだ当籤していない場合において、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合には、図345(a)に示す疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤テーブルが参照され、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされている場合には、図345(b)に示す疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤テーブルが参照され、当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBに既に当籤している場合には、図345(c)に示す疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤テーブルが参照される。
例えば、当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBにまだ当籤しておらず、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされている場合において、出玉フラググループ(通常)が「レアLV3」である場合には、疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤の結果として、192/256の確率で「非当籤」が決定され、64/256の確率で「チャンスB」が決定される。メインCPU101は、疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤の結果として、「チャンスB」が決定された場合、チャンスB当籤フラグをセットする。チャンスB当籤フラグは、当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBに既に当籤していることを示すフラグである。
ステップS2221の処理を実行した後、メインCPU101は、疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤の結果が「AT」であるか否かを判断する(ステップS2222)。疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤の結果が「AT」であると判断した場合、メインCPU101は、AT移行処理を実行する(ステップS2223)。この処理において、メインCPU101は、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新し、これにより、AT状態に移行する。なお、メインCPU101は、チャンスB当籤フラグがオンにセットされている場合、チャンスB当籤フラグをクリアする。ステップS2223の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2222において疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤の結果が「AT」ではないと判断した場合、メインCPU101は、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)であるか否かを判断する(ステップS2224)。サブフラグが「押し順ベル」ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、サブフラグが「押し順ベル」であると判断した場合、メインCPU101は、ナビ設定処理を実行する(ステップS2225)。この処理において、メインCPU101は、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドデータに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する(図28のステップS104参照)。これにより、第1実施形態と同様に、指示モニタやメイン演出表示部21(図1参照)において、押し順ベルにおける正解の押し順(図310A及び図310B)が報知されることになる。
次に、メインCPU101は、ベルナビ回数カウンタの値から1減算する(ステップS2226)。ベルナビ回数カウンタの値は、疑似ボーナスAモードで行われるベルナビの残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。図示しないが、メインCPU101は、疑似ボーナスAモードが開始するとき、すなわち、疑似ボーナス移行フラグ(図332のステップS2165参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、ベルナビ回数カウンタに「6」をセットする。
次に、メインCPU101は、ベルナビ回数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS2227)。ベルナビ回数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、ベルナビ回数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤を実行する(ステップS2228)。この処理において、メインCPU101は、疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤テーブル(図346参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤の結果として、「非当籤」、「1%」、「2%」、「3%」、「4%」、「5%」、「10%」、「20%」、及び、「30%」のうちの何れかを決定する。
図346に示す疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤テーブルにおいては、チャンスB継続率(図313のステップS2005参照)の属し得る範囲(「50%以下」、「51~60%」、「61~70%」、「71~80%」、「81~90%」、及び、「91~100%」)ごとに、疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤の結果(「非当籤」、「1%」、「2%」、「3%」、「4%」、「5%」、「10%」、「20%」、及び、「30%」)に対応する抽籤値が規定されている。疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤テーブルは、チャンスBへの当籤の有無のそれぞれに対して設けられている。当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBにまだ当籤していない場合には、図346(a)に示す疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤テーブルが参照され、当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBに既に当籤している場合には、図346(b)に示す疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤テーブルが参照される。
例えば、当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBにまだ当籤していない場合において、チャンスB継続率抽籤処理(図313のステップS2005参照)により決定されたチャンスB継続率が60%(51%~60%)である場合には、疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤の結果として、128/256の確率で「3%」が決定され、95/256の確率で「5%」が決定され、32/256の確率で「10%」が決定され、1/256の確率で「20%」が決定される。メインCPU101は、疑似ボーナスA終了時チャンスB継続率UP抽籤の結果として決定されたパーセンテージを加算用チャンスB継続率情報(図333のステップS2189参照)の値に加算する。
ステップS2228の処理を実行した後、メインCPU101は、当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBに当籤しているか否かを判断する(ステップS2229)。メインCPU101は、チャンスB当籤フラグ(ステップS2221参照)がオンにセットされている場合に、当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBに当籤していることを認識することができる。
当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBに当籤していると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB移行フラグをオンにセットし(ステップS2230)、本サブルーチンを終了する。チャンスB移行フラグは、チャンスBモードを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、チャンスB移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、チャンスBモードに移行する。
一方、当該疑似ボーナスAモードにおいてチャンスBに当籤していないと判断した場合、メインCPU101は、通常移行フラグをオンにセットし(ステップS2231)、本サブルーチンを終了する。上述したように、通常移行フラグは、通常モードを開始するタイミングであることを示すフラグである(図333のステップS2183参照)。メインCPU101は、通常移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、通常モードに移行する。
<有利区間(疑似ボーナスBモード)用遊技開始時処理>
図347は、主制御回路において行われる有利区間(疑似ボーナスBモード)用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図348は、疑似ボーナスB中報酬抽籤テーブルを示す図である。図349は、疑似ボーナスB中加算用チャンスB継続率UP抽籤テーブルを示す図である。
図347に示す有利区間(疑似ボーナスBモード)用遊技開始時処理は、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及び疑似ボーナスBモード(図312参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)及びモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及び疑似ボーナスBモードであることを認識することができる。
有利区間(疑似ボーナスBモード)用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、疑似ボーナスB中報酬抽籤を実行する(ステップS2241)。この処理において、メインCPU101は、疑似ボーナスB中報酬抽籤テーブル(図348参照)を参照して、出玉フラググループ(通常)(図324参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果として、「非当籤」、「継続率UP」、「ダメージストック+1」、「ダメージストック+2」、及び、「ダメージストック+5」のうちの何れかを決定する。
図348に示す疑似ボーナスB中報酬抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(通常)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果(「非当籤」、「継続率UP」、「ダメージストック+1」、「ダメージストック+2」、及び、「ダメージストック+5」)に対応する抽籤値が規定されている。疑似ボーナスB中報酬抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
疑似ボーナスB中報酬抽籤テーブルは、有利区間経過ゲーム数判定フラグ(図313のステップS2004参照)の有無のそれぞれに対して設けられている。有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合には、図348(a)に示す疑似ボーナスB中報酬抽籤テーブルが参照され、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされている場合には、図348(b)に示す疑似ボーナスB中報酬抽籤テーブルが参照される。例えば、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合において、出玉フラググループ(通常)が「レアLV3」である場合には、疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果として、192/256の確率で「継続率UP」が決定され、64/256の確率で「ダメージストック+1」が決定される。
ステップS2241の処理を実行した後、メインCPU101は、疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果が「継続率UP」であるか否かを判断する(ステップS2242)。疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果が「継続率UP」であると判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナスB中加算用チャンスB継続率UP抽籤を実行する(ステップS2243)。この処理において、メインCPU101は、疑似ボーナスB中加算用チャンスB継続率UP抽籤テーブル(図349参照)を参照して、出玉フラググループ(通常)(図324参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似ボーナスB中加算用チャンスB継続率UP抽籤の結果として、「非当籤」、「1%」、「2%」、「3%」、「4%」、「5%」、及び、「10%」のうちの何れかを決定する。
図349に示す疑似ボーナスB中加算用チャンスB継続率UP抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(通常)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、疑似ボーナスB中加算用チャンスB継続率UP抽籤の結果(「非当籤」、「1%」、「2%」、「3%」、「4%」、「5%」、及び、「10%」)に対応する抽籤値が規定されている。疑似ボーナスB中加算用チャンスB継続率UP抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、出玉フラググループ(通常)が「レアLV3」である場合には、疑似ボーナスB中加算用チャンスB継続率UP抽籤の結果として、128/256の確率で「3%」が決定され、92/256の確率で「4%」が決定され、32/256の確率で「5%」が決定され、4/256の確率で「10%」が決定される。メインCPU101は、疑似ボーナスB中加算用チャンスB継続率UP抽籤の結果として決定されたパーセンテージを加算用チャンスB継続率情報(図333のステップS2189参照)の値に加算する。
ステップS2242において疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果が「継続率UP」ではないと判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果がダメージストック(「ダメージストック+1」、「ダメージストック+2」、又は、「ダメージストック+5」)であるか否かを判断する(ステップS2244)。疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果が「ダメージストック+1」、「ダメージストック+2」、及び、「ダメージストック+5」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、ダメージストックカウンタ(図333のステップS2191参照)の値を更新する(ステップS2245)。
この処理において、メインCPU101は、疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果が「ダメージストック+1」である場合、ダメージストックカウンタの値に「1」を加算し、疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果が「ダメージストック+2」である場合、ダメージストックカウンタの値に「2」を加算し、疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果が「ダメージストック+5」である場合、ダメージストックカウンタの値に「5」を加算する。
ステップS2243若しくはステップS2245の処理を実行した後、又は、ステップS2244において疑似ボーナスB中報酬抽籤の結果が「ダメージストック+1」、「ダメージストック+2」、及び、「ダメージストック+5」のうちの何れでもない(「非当籤」である)と判断した場合、メインCPU101は、疑似ボーナスBゲーム数カウンタの値から1減算する(ステップS2246)。疑似ボーナスBゲーム数カウンタの値は、疑似ボーナスBモードで行われる単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。図示しないが、メインCPU101は、疑似ボーナスBモードが開始するとき、すなわち、疑似ボーナス移行フラグ(図332のステップS2165参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、疑似ボーナスBゲーム数カウンタに「25」をセットする。
次に、メインCPU101は、疑似ボーナスBゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS2247)。疑似ボーナスBゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB移行フラグをオンにセットする(ステップS2248)。上述したように、チャンスB移行フラグは、チャンスBモードを開始するタイミングであることを示すフラグである(図344のステップS2230参照)。メインCPU101は、チャンスB移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、チャンスBモードに移行する。
ステップS2247において疑似ボーナスBゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS2248の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスBモードへの移行>
図350は、チャンスBモードへの移行ルートを示す図である。
有利区間(チャンスBモード)(図312参照)としては、チャンスBモード(基本)及びチャンスBモード(特殊)が設けられている。図350では、チャンスBモード(基本)への移行ルートとして、ルート(I)、ルート(II)、及び、ルート(III)が示されている。
ルート(I)は、有利区間(疑似ボーナスAモード)からチャンスBモード(基本)に移行するルートである。具体的には、疑似ボーナスAモード中に行われる疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤(図344のステップS2221参照)においてチャンスBに当籤した場合に、疑似ボーナスAモードからチャンスBモード(基本)へと移行する(図344のステップS2230参照)。
ルート(II)は、有利区間(疑似ボーナスBモード)からチャンスBモード(基本)に移行するルートである。具体的には、疑似ボーナスBモードにおいて規定回数(25回)の単位遊技が行われた場合に、疑似ボーナスBモードからチャンスBモード(基本)へと移行する(図347のステップS2248参照)。
ルート(III)は、有利区間(AT状態)からチャンスBモード(基本)に移行するルートである。具体的には、AT状態において、サブフラグとして「押し順ベル」(図311参照)が決定されたが、正解の押し順(図310A及び図310B)により停止操作が行われなかった(11枚のメダルが払い出されなかった)場合に、AT状態からチャンスBモード(基本)へと移行する。
ここで、AT状態としては、複数のモードが設けられており、当該複数のモードのうちの1つとして、ATデンジャーモードが設けられている。AT状態において、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)である場合、ATデンジャーモード以外のモードでは、指示モニタやメイン演出表示部21(図1参照)において、押し順ベルにおける正解の押し順(図310A及び図310B)が必ず報知される(ベルナビが常に発生する)。
これに対し、ATデンジャーモードでは、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)である場合、ベルナビを発生させるか否かを決定するための抽籤(ベルナビ発生抽籤)が行われ、ベルナビ発生抽籤に当籤した場合にのみ、当該正解の押し順が報知される。ベルナビ発生抽籤に当籤しなかった場合には、正解の押し順は報知されず、押し順ベルが内部当籤役として決定されたことだけがメイン演出表示部21において報知される。
そこで、ATデンジャーモードにおいて押し順ベルが内部当籤役として決定された場合には、正解の押し順により停止操作を行うことができない可能性があり、正解の押し順により停止操作を行うことができなかった場合には、AT状態が終了し、チャンスBモード(基本)に移行することになる。
なお、AT状態へは、基本的に、疑似ボーナスCモードから移行する。具体的には、疑似ボーナスCモードにおいて規定回数(40回)の単位遊技が行われた場合に、疑似ボーナスCモードからAT状態(AT基本モード)へと移行する。AT基本モードは、ATデンジャーモードとは異なるモードであり、サブフラグとして「押し順ベル」(図311参照)が決定された場合には、押し順ベルにおける正解の押し順(図310A及び図310B)が必ず報知される。また、疑似ボーナスAモード中に行われる疑似ボーナスA中チャンスB&AT抽籤(図344のステップS2221参照)においてATに当籤した場合にも、AT基本モードへと移行する(図344のステップS2223参照)。
チャンスBモードでは、8回の単位遊技を1回のセットとして、最大で5回のセットが行われる。各セットにおいては、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う演出(バトル演出)が行われ、バトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したとき、AT状態に移行するようになっている。当該バトル演出は、チャンスBモードにおいてのみ行われる演出となっている。本実施形態では、非有利区間及び有利区間、並びに、有利区間における各モードにおいて、互いに異なる演出が行われる。なお、以下では、チャンスBモード(基本)及びチャンスBモード(特殊)をそれぞれ、チャンスB基本モード及びチャンスB特殊モードとも表記する。
<チャンスB移行時処理>
図351は、主制御回路において行われるチャンスB移行時処理を示すフローチャートである。図352は、チャンスB突入時余りチャンスAポイント変換抽籤テーブルを示す図である。
図351に示すチャンスB移行時処理は、現在の遊技区間が有利区間であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)を参照することにより、現在の遊技区間を認識することができる。
チャンスB移行時処理において、まず、メインCPU101は、現在のモードがATデンジャーモードであるか否かを判断する(ステップS2261)。メインCPU101は、メインRAM103のモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在のモードがATデンジャーモードであることを認識することができる。
現在のモードがATデンジャーモードではないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB移行フラグ(図344のステップS2230及び図347のステップS2248参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2262)。チャンスB移行フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、チャンスB移行フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、チャンスAポイント(図337のステップS2203参照)の値が1以上であるか否かを判断する(ステップS2263)。チャンスAポイントの値が1以上であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB突入時余りチャンスAポイント変換抽籤を実行する(ステップS2264)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB突入時余りチャンスAポイント変換抽籤テーブル(図352参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスB突入時余りチャンスAポイント変換抽籤の結果として、「非当籤」、「1%」、「2%」、「3%」、「4%」、「5%」、及び、「10%」のうちの何れかを決定する。
図352に示すチャンスB突入時余りチャンスAポイント変換抽籤テーブルにおいては、チャンスAポイントの値(「余りチャンスAポイント1」及び「余りチャンスAポイント2」ごとに、チャンスB突入時余りチャンスAポイント変換抽籤の結果(「非当籤」、「1%」、「2%」、「3%」、「4%」、「5%」、及び、「10%」)に対応する抽籤値が規定されている。図中、「余りチャンスAポイント1」は、チャンスAポイントの値が1であることを示し、「余りチャンスAポイント2」は、チャンスAポイントの値が2であることを示す。チャンスB突入時余りチャンスAポイント変換抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、チャンスAポイントの値が1である場合には、チャンスB突入時余りチャンスAポイント変換抽籤の結果として、219/256の確率で「1%」が決定され、32/256の確率で「3%」が決定され、4/256の確率で「5%」が決定され、1/256の確率で「10%」が決定される。メインCPU101は、チャンスB突入時余りチャンスAポイント変換抽籤の結果として決定されたパーセンテージを加算用チャンスB継続率情報(図333のステップS2189参照)の値に加算する。そして、メインCPU101は、チャンスAポイントの値をクリア(「0」にセット)する(ステップS2265)。
なお、以上では、余っているチャンスAポイントの値が、加算用チャンスB継続率情報の値に変換される例について説明したが、当該チャンスAポイントの値は、ダメージストックカウンタの値に変換されるようにしてもよい。例えば、チャンスAポイントの値が1である場合には、抽籤により「非当籤」又は「ダメージストック+1」が決定され、チャンスAポイントの値が2である場合には、抽籤により「ダメージストック+1」又は「ダメージストック+2」が決定されるようにしてもよい(図333のステップS2191参照)。また、チャンスAポイントの値が2である場合には、抽籤を行わずに固定で「ダメージストック+1」が付与されるようにしてもよい。
ステップS2263においてチャンスAポイントの値が1未満(0)であると判断した場合、又は、ステップS2265の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB継続率決定処理を実行する(ステップS2266)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB継続率抽籤処理(図313のステップS2005参照)により決定されたチャンスB継続率と加算用チャンスB継続率情報(図333のステップS2189、図344のステップS2228、図347のステップS2243、及び、図351のステップS2264参照)の値との合計値を新たなチャンスB継続率として決定する。そして、メインCPU101は、加算用チャンスB継続率情報の値をクリア(「0」にセット)し、本サブルーチンを終了する。
ステップS2261において現在のモードがATデンジャーモードであると判断した場合、メインCPU101は、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)であるか否かを判断する(ステップS2267)。サブフラグが「押し順ベル」ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、サブフラグが「押し順ベル」であると判断した場合、メインCPU101は、押し順ベルにおける正解の押し順(図310A及び図310B)で停止操作が行われたか否かを判断する(ステップS2268)。メインCPU101は、メインRAM103の押下順序格納領域(図22参照)を参照することにより、各リール3L,3C,3Rに対する停止操作の順序を認識することができる。押し順ベルにおける正解の押し順で停止操作が行われたと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、押し順ベルにおける正解の押し順で停止操作が行われていないと判断した場合、メインCPU101は、ATデンジャー終了時チャンスB継続率抽籤を実行する(ステップS2269)。この処理において、メインCPU101は、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスB継続率として、「40%」、「50%」、「60%」、「70%」、「80%」、「90%」、及び、「100%」のうちの何れかを決定する。
そして、メインCPU101は、チャンスB移行フラグをオンにセットする(ステップS2270)。上述したように、チャンスB移行フラグは、チャンスBモードを開始するタイミングであることを示すフラグである(図344のステップS2230参照)。メインCPU101は、チャンスB移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、チャンスBモードに移行する。
ステップS2270の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB継続率決定処理を実行する(ステップS2271)。この処理において、メインCPU101は、ATデンジャー終了時チャンスB継続率抽籤(ステップS2269参照)により決定されたチャンスB継続率と加算用チャンスB継続率情報(図333のステップS2189、図344のステップS2228、図347のステップS2243、及び、図351のステップS2264参照)の値との合計値を新たなチャンスB継続率として決定する。そして、メインCPU101は、加算用チャンスB継続率情報の値をクリア(「0」にセット)し、本サブルーチンを終了する。
<有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理>
図353は、主制御回路において行われる有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理を示すフローチャートである。
図353に示す有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理は、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及びチャンスB基本モード(図350参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)及びモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及びチャンスB基本モードであることを認識することができる。
有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、今回の単位遊技が初回セットの1ゲーム目であるか否かを判断する(ステップS2281)。上述したように、チャンスBモード(チャンスB基本モード)へは、チャンスB移行フラグ(図344のステップS2230、図347のステップS2248、及び、図351のステップS2270参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。チャンスB基本モードに移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新することによりチャンスBモードに移行させた後、続けて、図353に示す有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理が行われる。
また、上述したように、チャンスB基本モードでは、8回の単位遊技を1回のセットとして、最大で5回のセットが行われる。ステップS2281の処理において、メインCPU101は、今回の単位遊技においてチャンスB基本モードに移行した場合に、今回の単位遊技が初回セット(最大5回のセットのうちの第1回目のセット)の1ゲーム目(セットを構成する8回の単位遊技のうちの1回目の単位遊技)であると判断する。今回の単位遊技が初回セットの1ゲーム目であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB(基本)中初回セット1ゲーム目処理を実行する(ステップS2282)。チャンスB(基本)中初回セット1ゲーム目処理については、後に図354を用いて説明する。ステップS2282の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2281において今回の単位遊技が初回セットの1ゲーム目ではないと判断した場合、メインCPU101は、今回の単位遊技が2セット目以降(最大5回のセットのうちの第2回目~第5回目の何れかのセット)の1ゲーム目(セットを構成する8回の単位遊技のうちの1回目の単位遊技)であるか否かを判断する(ステップS2283)。メインCPU101は、チャンスB基本モード次セット移行フラグ(図365のステップS2409及び図366のステップS2428参照)がオンにセットされている場合に、今回の単位遊技が2セット目以降の1ゲーム目であることを認識することができる。
今回の単位遊技が2セット目以降の1ゲーム目であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB(基本)中1ゲーム目処理を実行する(ステップS2284)。チャンスB(基本)中1ゲーム目処理については、後に図355を用いて説明する。ステップS2284の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2283において今回の単位遊技が2セット目以降の1ゲーム目ではない(セットを構成する8回の単位遊技のうちの2回目~8回目の何れかの単位遊技である)と判断した場合、メインCPU101は、チャンスB(基本)中2ゲーム目以降処理を実行する(ステップS2285)。チャンスB(基本)中2ゲーム目以降処理については、後に図364を用いて説明する。ステップS2285の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB(基本)中初回セット1ゲーム目処理>
図354は、主制御回路において行われるチャンスB(基本)中初回セット1ゲーム目処理を示すフローチャートである。
図354に示すチャンスB(基本)中初回セット1ゲーム目処理は、主制御回路100において、図353(有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理)のステップS2282で行われる処理である。
チャンスB(基本)中初回セット1ゲーム目処理において、まず、メインCPU101は、チャンスBポイントを引き継いでいるか否かを判断する(ステップS2301)。メインCPU101は、チャンスB引き継ぎポイント(図368のステップS2445参照)がセットされている場合に、チャンスBポイントを引き継いでいることを認識することができる。
チャンスBポイントを引き継いでいないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスBポイントの値に「5」をセットする(ステップS2302)。チャンスBポイントの値は、チャンスBモード中に行われるバトル演出における敵キャラクタのヒットポイントの残存量に対応している。チャンスBポイントの値が0になると、バトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタに勝利し、AT状態に移行する。チャンスBポイントの値は、メインRAM103に記憶されており、メイン演出表示部21において当該値(残存量)を遊技者が視認可能な画像(例えば、メーター等)が表示される。
一方、チャンスBポイントを引き継いでいると判断した場合、メインCPU101は、チャンスBポイントの値として、チャンスB引き継ぎポイント(図368のステップS2445参照)の値をセットする(ステップS2303)。チャンスB引き継ぎポイントの値は、前回のチャンスBモードから引き継いでいるチャンスBポイントの値を示しており、メインRAM103に記憶されている。また、メイン演出表示部21には、引き継がれたチャンスBポイントの値を示す画像(メーター等)が表示される。なお、チャンスBポイントを引き継いでいる場合であっても、ステップS2303の処理が行われた時点では、チャンスBポイントの値として、初期値「5」を示す画像を表示するようにし、チャンスBポイントの値を更新するとき(例えば、初めてダメージ量を減算するとき(図359のステップS2342参照))に、引き継がれたチャンスBポイントの値を前提として画像の表示を更新するようにしてもよい。例えば、引き継がれたチャンスBポイントの値が「3」であり、初めて減算するダメージ量が「1」である場合、「5」を示す画像から「2」を示す画像に変更するようにしてもよい。ステップS2303の処理を実行すると、メインCPU101は、チャンスB引き継ぎポイントの値をクリアする。
ステップS2302又はステップS2303の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB(基本)中1ゲーム目処理を実行する(ステップS2304)。チャンスB(基本)中1ゲーム目処理については、後に図355を用いて説明する。ステップS2304の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB(基本)中1ゲーム目処理>
図355は、主制御回路において行われるチャンスB(基本)中1ゲーム目処理を示すフローチャートである。図356は、チャンスB一発勝利抽籤テーブルを示す図である。図357は、チャンスB継続抽籤テーブルを示す図である。図358は、AT確定状態後天国移行抽籤テーブルを示す図である。
図355に示すチャンスB(基本)中1ゲーム目処理は、主制御回路100において、図353(有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理)のステップS2284、及び、図354(チャンスB(基本)中初回セット1ゲーム目処理)のステップS2304で行われる処理である。
チャンスB(基本)中1ゲーム目処理において、まず、メインCPU101は、チャンスB(基本)ゲーム数カウンタに「8」をセットする(ステップS2321)。チャンスB(基本)ゲーム数カウンタの値は、当該セットにおいて実行可能な単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。
次に、メインCPU101は、チャンスB一発勝利抽籤を実行する(ステップS2322)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB一発勝利抽籤テーブル(図356参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、「当籤」又は「非当籤」を決定する。
図356に示すチャンスB一発勝利抽籤テーブルにおいては、出玉モード及び有利区間経過ゲーム数判定フラグ(図313のステップS2004参照)の有無(『出玉モード0、1かつ有利区間経過ゲーム数判定フラグ=「0」』、及び、『出玉モード2又は有利区間経過ゲーム数判定フラグ=「1」』ごとに、チャンスB一発勝利抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。
出玉モードは、AT基本モードにおいてセットされるパラメータであり、0~2のうちの何れかの値をとり得る。AT基本モードは、18回の単位遊技を1回のセットとして、16回のセットに亘って実行可能となっており、各セットが開始するときに、0~2のうちの何れかの値が出玉モードとしてセットされる。具体的に、第1回目、第2回目、及び、第13回目~第16回目のうちの何れかのセットが開始するときには、出玉モードとして「0」がセットされ、第3回目、第4回目、及び、第12回目のうちの何れかのセットが開始するときには、出玉モードとして「1」がセットされ、第5回目~第11回目のうちの何れかのセットが開始するときには、出玉モードとして「2」がセットされる。出玉モードは、有利区間から非有利区間に移行するときにクリアされる。
AT基本モード中に行われるモード移行抽籤においてATデンジャーモードに移行させることが決定されると、ATデンジャーモードが開始される。そして、上述したように、ATデンジャーモードにおいてサブフラグとして「押し順ベル」(図311参照)が決定されたが、正解の押し順(図310A及び図310B)により停止操作が行われなかった(11枚のメダルが払い出されなかった)場合に、チャンスBモード(基本)へと移行する。そこで、現在のチャンスBモードの移行元のモードがATデンジャーモードである場合(図350に示すルート(III)によりチャンスBモードに移行した場合)、出玉モードの値は、AT基本モードからATデンジャーモードに移行したときの値(当該移行までにAT基本モードで行われたセットの回数に応じた値)である。一方、現在のチャンスBモードの移行元のモードが疑似ボーナスAモード又は疑似ボーナスBモードである場合(図350に示すルート(I)又は(II)によりチャンスBモードに移行した場合)、出玉モードの値は、「0」である。
図中、『出玉モード0、1かつ有利区間経過ゲーム数判定フラグ=「0」』は、出玉モードの値が「0」又は「1」であり、且つ、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていないことを示し、『出玉モード2又は有利区間経過ゲーム数判定フラグ=「1」』は、出玉モードの値が「2」であるか、又は、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていることを示す。チャンスB一発勝利抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
すなわち、出玉モードの値が「0」又は「1」であり、且つ、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合には、2/256の確率で、チャンスB一発勝利抽籤に当籤する。また、出玉モードの値が「2」である場合、乃至、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされている場合には、1/256の確率で、チャンスB一発勝利抽籤に当籤する。
ステップS2322の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB一発勝利抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS2323)。チャンスB一発勝利抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、チャンスBポイント(図354のステップS2302及びステップS2303参照)の値に「0」をセットする(ステップS2324)。また、図示しないが、メインCPU101は、ステップS2324の処理を実行する前のチャンスBポイントの値をダメージストックカウンタ(図333のステップS2191及び図347のステップS2245参照)の値に加算する。
次に、メインCPU101は、チャンスB一発勝利フラグをオンにセットする(ステップS2325)。チャンスB一発勝利フラグは、チャンスB一発勝利抽籤に当籤したことを示すフラグである。そして、メインCPU101は、AT確定状態フラグをオンにセットする(ステップS2326)。AT確定状態フラグは、AT状態に移行することが確定したことを示すフラグである。
ステップS2323においてチャンスB一発勝利抽籤に当籤していないと判断した場合、メインCPU101は、ダメージストックカウンタ(図333のステップS2191及び図347のステップS2245参照)の値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS2327)。ダメージストックカウンタの値が「1」未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB継続抽籤を実行する(ステップS2328)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB継続抽籤テーブル(図357参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、「当籤」又は「非当籤」を決定する。
図357に示すチャンスB継続抽籤テーブルにおいては、「当籤」及び「非当籤」に対応する抽籤値として、それぞれ、「(2×継続率の整数部分)+((144×継続率の整数部分)/256の商)」、及び、「256-{(2×継続率の整数部分)+((144×継続率の整数部分)/256の商)}」が規定されている。「継続率」は、チャンスB移行時処理(図351参照)により決定されたチャンスB継続率(ステップS2266及びステップS2271参照)である。例えば、チャンスB継続率が60%である場合、「当籤」に対応する抽籤値は、(2×60)+((144×60)/256の商)=120+33=153である。従って、この場合、153/256≒60%の確率で、チャンスB継続抽籤に当籤する。ステップS2328の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB継続抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS2329)。
ステップS2327においてダメージストックカウンタの値が「1」以上であると判断した場合、メインCPU101は、ダメージストックカウンタの値から1減算する(ステップS2330)。そして、ステップS2329においてチャンスB継続抽籤に当籤したと判断した場合、又は、ステップS2330の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB継続フラグをオンにセットする(ステップS2331)。チャンスB継続フラグは、チャンスB基本モードにおける次回のセットに移行可能であることを示すフラグである。従って、ダメージストックカウンタの値が「1」以上である場合には、チャンスB継続抽籤が行われることなく、チャンスB基本モードにおける次回のセットに移行させることが可能となる。
ステップS2331の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB(基本)中1ゲーム目専用処理を実行する(ステップS2332)。チャンスB(基本)中1ゲーム目専用処理については、後に図359を用いて説明する。ステップS2332の処理を実行した後、メインCPU101は、AT確定状態フラグ(図359のステップS2350参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2333)。AT確定状態フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB継続フラグをオフにセットする(ステップS2334)。
ステップS2326又はステップS2334の処理を実行した後、メインCPU101は、AT確定状態後天国移行抽籤を実行する(ステップS2335)。この処理において、メインCPU101は、AT確定状態後天国移行抽籤テーブル(図358参照)を参照して、出玉フラググループ(通常)(図324参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、AT確定状態後天国移行抽籤の結果として、「当籤」又は「非当籤」を決定する。
図358に示すAT確定状態後天国移行抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(通常)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、AT確定状態後天国移行抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。AT確定状態後天国移行抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、出玉フラググループ(通常)が「レアLV3」である場合には、2/256の確率で、AT確定状態後天国移行抽籤に当籤する。AT確定状態後天国移行抽籤に当籤した場合、メインCPU101は、天国移行抽籤当籤フラグをオンにセットする。天国移行抽籤当籤フラグは、AT確定状態後天国移行抽籤に当籤したことを示すフラグである。
ステップS2329においてチャンスB継続抽籤に当籤していないと判断した場合、又は、ステップS2333においてAT確定状態フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB(基本)中共通処理を実行する(ステップS2336)。チャンスB(基本)中共通処理については、後に図362を用いて説明する。
ステップS2335又はステップS2336の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB(基本)ゲーム数カウンタ(ステップS2321参照)の値から1減算する(ステップS2337)。そして、メインCPU101は、チャンスB中ベルナビ用処理を実行する(ステップS2338)。チャンスB中ベルナビ用処理については、後に図372を用いて説明する。ステップS2338の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB(基本)中1ゲーム目専用処理>
図359は、主制御回路において行われるチャンスB(基本)中1ゲーム目専用処理を示すフローチャートである。図360は、セット開始時ダメージ量抽籤テーブルを示す図である。図361は、追撃番号決定抽籤テーブルを示す図である。
図359に示すチャンスB(基本)中1ゲーム目専用処理は、主制御回路100において、図355(チャンスB(基本)中1ゲーム目処理)のステップS2332で行われる処理である。
チャンスB(基本)中1ゲーム目専用処理において、まず、メインCPU101は、セット開始時ダメージ量抽籤を実行する(ステップS2341)。この処理において、メインCPU101は、セット開始時ダメージ量抽籤テーブル(図360参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、セット開始時ダメージ量抽籤の結果として、「ダメージ量1」、「ダメージ量2」、「ダメージ量3」、「ダメージ量4」、及び、「ダメージ量5」のうちの何れかを決定する。
図360に示すセット開始時ダメージ量抽籤テーブルにおいては、出玉モード(「出玉モード0、1」及び「出玉モード2」)ごとに、セット開始時ダメージ量抽籤の結果(「ダメージ量1」、「ダメージ量2」、「ダメージ量3」、「ダメージ量4」、及び、「ダメージ量5」)に対応する抽籤値が規定されている。図中、「出玉モード0、1」は、出玉モードの値が「0」又は「1」であることを示し、「出玉モード2」は、出玉モードの値が「2」であることを示す。出玉モードについては上述した通りである(図356参照)。
セット開始時ダメージ量抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、出玉モードの値が「0」である場合には、セット開始時ダメージ量抽籤の結果として、172/256の確率で「ダメージ量1」が決定され、79/256の確率で「ダメージ量2」が決定され、4/256の確率で「ダメージ量3」が決定され、1/256の確率で「ダメージ量5」が決定される。
次に、メインCPU101は、チャンスBポイント(図354のステップS2302及びステップS2303参照)の値からダメージ量を減算する(ステップS2342)。この処理において、メインCPU101は、セット開始時ダメージ量抽籤の結果が「ダメージ量1」である場合、チャンスBポイントの値から「1」を減算し、セット開始時ダメージ量抽籤の結果が「ダメージ量2」である場合、チャンスBポイントの値から「2」を減算し、セット開始時ダメージ量抽籤の結果が「ダメージ量3」である場合、チャンスBポイントの値から「3」を減算し、セット開始時ダメージ量抽籤の結果が「ダメージ量4」である場合、チャンスBポイントの値から「4」を減算し、セット開始時ダメージ量抽籤の結果が「ダメージ量5」である場合、チャンスBポイントの値から「5」を減算する。なお、チャンスBポイントの値の下限値は、「0」であるため、メインCPU101は、減算後のチャンスBポイントの値がマイナスとなる場合、チャンスBポイントの値に「0」をセットする。
そして、メインCPU101は、減算後のチャンスBポイントの値が「0」であるか否かを判断する(ステップS2343)。減算後のチャンスBポイントの値が「0」ではないと判断した場合、メインCPU101は、追撃番号決定抽籤を実行する(ステップS2344)。この処理において、メインCPU101は、追撃番号決定抽籤テーブル(図361参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、追撃番号決定抽籤の結果として、「非当籤」、「追撃番号1」、「追撃番号2」、「追撃番号3」、及び、「追撃番号4」のうちの何れかを決定する。
図361に示す追撃番号決定抽籤テーブルにおいては、ダメージストック(図333のステップS2191及び図347のステップS2245参照)の有無(「ダメージストック無」及び「ダメージストック有」)ごとに、追撃番号決定抽籤の結果(「非当籤」、「追撃番号1」、「追撃番号2」、「追撃番号3」、及び、「追撃番号4」)に対応する抽籤値が規定されている。図中、「ダメージストック無」は、ダメージストックカウンタの値が「0」であることを示し、「ダメージストック有」は、ダメージストックカウンタの値が「1」以上であることを示す。
追撃番号決定抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、ダメージストックカウンタの値が「0」である場合には、追撃番号決定抽籤の結果として、219/256の確率で「非当籤」が決定され、35/256の確率で「追撃番号1」が決定され、2/256の確率で「追撃番号2」が決定される。ダメージストックカウンタの値が「1」以上である場合には、追撃番号決定抽籤に必ず当籤し、また、ダメージストックカウンタの値が「0」である場合と比較して、より大きな追撃番号が決定されやすくなっている。
次に、メインCPU101は、ダメージストックカウンタの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS2345)。ダメージストックカウンタの値が「1」以上であると判断した場合、メインCPU101は、ダメージストックカウンタの値から1減算する(ステップS2346)。ステップS2345においてダメージストックカウンタの値が「1」未満(0)であると判断した場合、又は、ステップS2346の処理を実行した後、メインCPU101は、追撃番号決定抽籤の結果が当籤(「追撃番号1」、「追撃番号2」、「追撃番号3」、又は、「追撃番号4」)であるか否かを判断する(ステップS2347)。
追撃番号決定抽籤の結果が「追撃番号1」、「追撃番号2」、「追撃番号3」、及び、「追撃番号4」のうちの何れでもないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、追撃番号決定抽籤の結果が「追撃番号1」、「追撃番号2」、「追撃番号3」、及び、「追撃番号4」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、追撃番号をセットする(ステップS2348)。
この処理において、メインCPU101は、追撃番号決定抽籤の結果が「追撃番号1」である場合、追撃番号の値に「1」をセットし、追撃番号決定抽籤の結果が「追撃番号2」である場合、追撃番号の値に「2」をセットし、追撃番号決定抽籤の結果が「追撃番号3」である場合、追撃番号の値に「3」をセットし、追撃番号決定抽籤の結果が「追撃番号4」である場合、追撃番号の値に「4」をセットする。なお、追撃番号決定抽籤の結果が「非当籤」である場合、追撃番号の値は「0」となっている。追撃番号の値は、メインRAM103に記憶されており、チャンスB特殊モードにおいて用いられる(図373参照)。
次に、メインCPU101は、チャンスBポイントの値が追撃番号の値以下であるか否かを判断する(ステップS2349)。チャンスBポイントの値が追撃番号の値よりも大きいと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2343において減算後のチャンスBポイントの値が「0」であると判断した場合、又は、ステップS2349において、チャンスBポイントの値が追撃番号の値以下であると判断した場合、メインCPU101は、AT確定状態フラグをオンにセットする(ステップS2350)。上述したように、AT確定状態フラグは、AT状態に移行することが確定したことを示すフラグである(図355のステップS2326参照)。ステップS2350の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB(基本)中共通処理>
図362は、主制御回路において行われるチャンスB(基本)中共通処理を示すフローチャートである。図363は、チャンスB中書き換え抽籤テーブルを示す図である。
図362に示すチャンスB(基本)中共通処理は、主制御回路100において、図355(チャンスB(基本)中1ゲーム目処理)のステップS2336で行われる処理である。
チャンスB(基本)中共通処理において、まず、メインCPU101は、チャンスB中書き換え抽籤を実行する(ステップS2361)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB中書き換え抽籤テーブル(図363参照)を参照して、出玉フラググループ(通常)(図324参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスB中書き換え抽籤の結果として、「非当籤」、「継続」、「継続&追撃番号+1」、「継続&追撃番号+2」、「継続&追撃番号+3」、及び、「継続&追撃番号+4」のうちの何れかを決定する。
図363に示すチャンスB中書き換え抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(通常)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、チャンスB中書き換え抽籤の結果(「非当籤」、「継続」、「継続&追撃番号+1」、「継続&追撃番号+2」、「継続&追撃番号+3」、及び、「継続&追撃番号+4」)に対応する抽籤値が規定されている。チャンスB中書き換え抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
チャンスB中書き換え抽籤テーブルは、チャンスB継続フラグ(図355のステップS2331参照)の有無のそれぞれに対して設けられている。チャンスB継続フラグがオンにセットされていない場合には、図363(a)に示すチャンスB中書き換え抽籤テーブルが参照され、チャンスB継続フラグがオンにセットされている場合には、図363(b)に示すチャンスB中書き換え抽籤テーブルが参照される。例えば、チャンスB継続フラグがオンにセットされていない場合において、出玉フラググループ(通常)が「レアLV3」である場合には、チャンスB中書き換え抽籤の結果として、128/256の確率で「非当籤」が決定され、116/256の確率で「継続」が決定され、12/256の確率で「継続&追撃番号+1」が決定される。
ステップS2361の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB中書き換え抽籤の結果が追撃番号を含むもの(「継続&追撃番号+1」、「継続&追撃番号+2」、「継続&追撃番号+3」、又は、「継続&追撃番号+4」)であるか否かを判断する(ステップS2362)。チャンスB中書き換え抽籤の結果が「継続&追撃番号+1」、「継続&追撃番号+2」、「継続&追撃番号+3」、及び、「継続&追撃番号+4」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、追撃番号(図359のステップS2348参照)の値を更新する(ステップS2363)。
この処理において、メインCPU101は、チャンスB中書き換え抽籤の結果が「継続&追撃番号+1」である場合、追撃番号の値に「1」を加算し、チャンスB中書き換え抽籤の結果が「継続&追撃番号+2」である場合、追撃番号の値に「2」を加算し、チャンスB中書き換え抽籤の結果が「継続&追撃番号+3」である場合、追撃番号の値に「3」を加算し、チャンスB中書き換え抽籤の結果が「継続&追撃番号+4」である場合、追撃番号の値に「4」を加算する。
次に、メインCPU101は、チャンスBポイントの値が追撃番号の値以下であるか否かを判断する(ステップS2364)。ステップS2362においてチャンスB中書き換え抽籤の結果が「継続&追撃番号+1」、「継続&追撃番号+2」、「継続&追撃番号+3」、及び、「継続&追撃番号+4」のうちの何れでもないと判断した場合、又は、ステップS2364においてチャンスBポイントの値が追撃番号の値よりも大きいと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB継続フラグ(図355のステップS2331参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2365)。
チャンスB継続フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、チャンスB継続フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB中書き換え抽籤の結果が継続を含むもの(「継続」、「継続&追撃番号+1」、「継続&追撃番号+2」、「継続&追撃番号+3」、又は、「継続&追撃番号+4」)であるか否かを判断する(ステップS2366)。
チャンスB中書き換え抽籤の結果が「継続」、「継続&追撃番号+1」、「継続&追撃番号+2」、「継続&追撃番号+3」、及び、「継続&追撃番号+4」のうちの何れかでもないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、チャンスB中書き換え抽籤の結果が「継続」、「継続&追撃番号+1」、「継続&追撃番号+2」、「継続&追撃番号+3」、及び、「継続&追撃番号+4」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB継続フラグをオンにセットする(ステップS2367)。
そして、メインCPU101は、ステップS2368~ステップS2370の処理を実行するが、これらの処理は、図359のステップS2341~ステップS2343の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。ステップS2370において減算後のチャンスBポイントの値が「0」ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2364においてチャンスBポイントの値が追撃番号の値以下であると判断した場合、又は、ステップS2370において減算後のチャンスBポイントの値が「0」であると判断した場合、メインCPU101は、AT確定状態フラグをオンにセットする(ステップS2371)。上述したように、AT確定状態フラグは、AT状態に移行することが確定したことを示すフラグである(図355のステップS2326及び図359のステップS2350参照)。ステップS2371の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB継続フラグをオフにセットし(ステップS2372)、本サブルーチンを終了する。
ここで、上述したように、一の単位遊技において図355のステップS2326乃至図359のステップS2350でAT確定状態フラグがオンにセットされた場合には、当該単位遊技からAT確定状態後天国移行抽籤が行われる(図355のステップS2335参照)。これに対し、一の単位遊技において図362のステップS2371でAT確定状態フラグがオンにセットされた場合には、次の単位遊技からAT確定状態後天国移行抽籤が行われる(図364のステップS2384参照)。
なお、AT確定状態後天国移行抽籤及びチャンスB中書き換え抽籤(図362のステップS2361参照)は、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)において行われることとして説明しているが、これらの処理は、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)において行われることとしてもよい。例えば、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)以外である場合には、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)においてこれらの処理を行う一方、サブフラグが「押し順ベル」である場合には、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)においてこれらの処理を行うこととしてもよい。
図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)においてこれらの処理を行う場合、有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せに応じて、参照する出玉フラググループ(通常)を異ならせてもよい。例えば、サブフラグが「押し順ベル」である場合において、11枚のメダルが払い出された場合には、キャラクタに応じた出玉フラググループ(通常)(図324参照)が決定される一方、11枚のメダルが払い出されなかった場合には、キャラクタにかかわらず出玉フラググループ(通常)番号として「0」が決定されることとしてもよい。
<チャンスB(基本)中2ゲーム目以降処理>
図364は、主制御回路において行われるチャンスB(基本)中2ゲーム目以降処理を示すフローチャートである。
図364に示すチャンスB(基本)中2ゲーム目以降処理は、主制御回路100において、図353(有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理)のステップS2285で行われる処理である。
チャンスB(基本)中2ゲーム目以降処理において、まず、メインCPU101は、チャンスB一発勝利用処理を実行する(ステップS2381)。チャンスB一発勝利用処理については、後に図370を用いて説明する。
ステップS2381の処理を実行した後、メインCPU101は、AT確定状態フラグ(図355のステップS2326、図359のステップS2350、及び、図362のステップS2371参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2382)。AT確定状態フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、天国移行抽籤当籤フラグ(図355のステップS2335参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2383)。天国移行抽籤当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、AT確定状態後天国移行抽籤を実行する(ステップS2384)。この処理は、図355のステップS2335の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS2382においてAT確定状態フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB(基本)中共通処理を実行する(ステップS2385)。チャンスB(基本)中共通処理については、図362を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
ステップS2383において天国移行抽籤当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS2384若しくはステップS2385の処理を実行した後、メインCPU101は、今回の単位遊技が一のセットにおける最終ゲーム(セットを構成する8回の単位遊技のうちの8回目の単位遊技)であるか否かを判断する(ステップS2386)。メインCPU101は、チャンスB(基本)ゲーム数カウンタ(図355のステップS2321参照)の値を参照することにより、今回の単位遊技が何回目の単位遊技であるのかを認識することができる。
今回の単位遊技が一のセットにおける最終ゲームであると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB(基本)中最終ゲーム処理を実行する(ステップS2387)。チャンスB(基本)中最終ゲーム処理については、後に図365を用いて説明する。
ステップS2386において今回の単位遊技が一のセットにおける最終ゲームではないと判断した場合、又は、ステップS2387の処理を実行した後、メインCPU101は、ステップS2388及びステップS2389の処理を実行するが、これらの処理は、図355のステップS2337及びステップS2338の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。ステップS2389の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB(基本)中最終ゲーム処理>
図365は、主制御回路において行われるチャンスB(基本)中最終ゲーム処理を示すフローチャートである。
図365に示すチャンスB(基本)中最終ゲーム処理は、主制御回路100において、図364(チャンスB(基本)中2ゲーム目以降処理)のステップS2387で行われる処理である。
チャンスB(基本)中最終ゲーム処理において、まず、メインCPU101は、AT確定状態フラグ(図355のステップS2326、図359のステップS2350、及び、図362のステップS2371参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2401)。AT確定状態フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、追撃番号の値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS2402)。追撃番号決定抽籤(図359のステップS2344参照)の結果が当籤(「追撃番号1」、「追撃番号2」、「追撃番号3」、又は、「追撃番号4」)である場合、乃至、チャンスB中書き換え抽籤(図362のステップS2361参照)の結果が追撃番号を含むもの(「継続&追撃番号1」、「継続&追撃番号2」、「継続&追撃番号3」、又は、「継続&追撃番号4」)である場合には、追撃番号の値が「1」以上となる。
追撃番号の値が「1」未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、天国移行抽籤当籤フラグ(図355のステップS2335及び図364のステップS2384参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2403)。天国移行抽籤当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、AT基本モード移行フラグをオンにセットする(ステップS2404)。AT基本モード移行フラグは、AT基本モードを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、AT基本モード移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、AT基本モードに移行する。ステップS2404の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2403において天国移行抽籤当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、AT天国モード移行フラグをオンにセットする(ステップS2405)。AT天国モード移行フラグは、AT天国モードを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、AT天国モード移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、AT天国モードに移行する。AT天国モードは、AT状態において制御可能なモードの1つであり、AT基本モードと比較して、遊技者にとって有利なモードとなっている。ステップS2405の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
上述したように、ATデンジャーモードでは、サブフラグが「押し順ベル」(図311参照)である場合に、ベルナビを発生させるか否かを決定するための抽籤(ベルナビ発生抽籤)が行われ、ベルナビ発生抽籤に当籤した場合に正解の押し順が報知される(図350参照)。ここで、AT基本モード及びAT天国モードにおいては、ATデンジャーモード中に行われるベルナビ発生抽籤に当籤する確率(回避率)を上昇させるための抽籤(回避率抽籤)が行われる。そして、AT天国モードにおいては、AT基本モードと比較して、回避率抽籤が高確率で行われる(あるいは、回避率抽籤に当籤する確率が高い)ことにより、回避率を上昇させやすくなっている。
また、本実施形態では、ATデンジャーモードにおいて、サブフラグが「押し順ベル」(図311参照)であり、正解の押し順により停止操作を行うことができなかった場合であっても、所定のキャラがストックされていれば(ストック数が「1」以上であれば)、AT状態の終了を回避することができる。所定のキャラは、累積的にストックすることが可能であり、ストック数に相当する回数だけ(例えば、当該ストック数が「3」であれば3回)、当該回避を行うことができる。ここで、AT基本モード及びAT天国モードにおいては、当該ストック数を加算するための抽籤(キャラストック抽籤)が行われる。そして、AT天国モードにおいては、AT基本モードと比較して、キャラストック抽籤が高確率で行われる(あるいは、キャラストック抽籤に当籤する確率が高い)ことにより、当該ストック数を増加させやすくなっている。
ステップS2402において追撃番号の値が「1」以上であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB特殊モード移行フラグをオンにセットする(ステップS2406)。チャンスB特殊モード移行フラグは、チャンスB特殊モードを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、チャンスB特殊モードがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、チャンスB特殊モードに移行する。ステップS2406の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上より、チャンスB基本モード中の一のセットにおいてAT確定状態フラグ(図355のステップS2326、図359のステップS2350、及び、図362のステップS2371参照)がオンにセットされた場合には、当該セットが終了するときにAT状態(AT基本モード又はAT天国モード)に移行するか、あるいは、チャンスB特殊モードに移行した後当該チャンスB特殊モードが終了するときにAT状態(AT基本モード又はAT天国モード)に移行する(図373のステップS2529及びステップS2530参照)。
ステップS2401においてAT確定状態フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB継続フラグ(図355のステップS2331及び図362のステップS2367参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2407)。チャンスB継続フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、追撃番号の値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS2408)。
追撃番号の値が「1」未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB基本モード次セット移行フラグをオンにセットする(ステップS2409)。チャンスB基本モード次セット移行フラグは、チャンスB基本モードにおける次回のセットを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、チャンスB基本モード次セット移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、チャンスB基本モードにおける次回のセットに移行させる(図353のステップS2284参照)。ステップS2409の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2408において追撃番号の値が「1」以上であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB特殊モード移行フラグをオンにセットする(ステップS2410)。チャンスB特殊モード移行フラグは、チャンスB特殊モードを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、チャンスB特殊モードがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、チャンスB特殊モードに移行する。ステップS2410の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2407においてチャンスB継続フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB非継続時最終ゲーム処理を実行する(ステップS2411)。チャンスB非継続時最終ゲーム処理については、後に図366を用いて説明する。ステップS2411の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB非継続時最終ゲーム時処理>
図366は、主制御回路において行われるチャンスB非継続時最終ゲーム時処理を示すフローチャートである。図367は、チャンスB終了時時間遡行抽籤テーブルを示す図である。
図366に示すチャンスB非継続時最終ゲーム時処理は、主制御回路100において、図365(チャンスB(基本)中最終ゲーム処理)のステップS2411で行われる処理である。
チャンスB非継続時最終ゲーム時処理において、まず、メインCPU101は、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「特殊役」(図311参照)であるか否かを判断する(ステップS2421)。サブフラグが「特殊役」であると判断した場合、メインCPU101は、エンディング移行抽籤を実行する(ステップS2422)。この処理において、メインCPU101は、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、「当籤」又は「非当籤」を決定する。これにより、6/256の確率で、エンディング移行抽籤に当籤する。
次に、メインCPU101は、エンディング移行抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS2423)。エンディング移行抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、ATエンディングモード移行フラグをオンにセットする(ステップS2424)。ATエンディングモード移行フラグは、ATエンディングモードを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、ATエンディングモード移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、ATエンディングモードに移行する。ステップS2424の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ATエンディングモードは、AT状態において制御可能なモードの1つであり、非有利区間(図312参照)に移行するまで継続するモードである。第1実施形態で説明したように、有利区間においてリミット処理(図16参照)が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)に、有利区間から非有利区間へと移行する。これにより、ATエンディングモードも終了することになる。
ステップS2421においてサブフラグが「特殊役」ではないと判断した場合、又は、ステップS2423においてエンディング移行抽籤に当籤していないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスBポイントの値(図354のステップS2302及びステップS2303参照)が「5」であるか否かを判断する(ステップS2425)。チャンスB基本モード中の一のセットにおいてチャンスB継続フラグがオンにセットされた場合には、当該セットにおいてチャンスBポイントの値が必ず1以上減算される(図359のステップS2342及び図362のステップS2369参照)。従って、チャンスBポイントの値が「5」であることは、今回のセットが初回(最大5回のセットのうちの第1回目のセット)であることを意味している。
ステップS2425においてチャンスBポイントの値が「5」であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB終了時時間遡行抽籤を実行する(ステップS2426)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB終了時時間遡行抽籤テーブル(図367参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、「当籤」又は「非当籤」を決定する。
図367に示すチャンスB終了時時間遡行抽籤テーブルにおいては、出玉モード及び有利区間経過ゲーム数判定フラグ(図313のステップS2004参照)の有無(『出玉モード0、1かつ有利区間経過ゲーム数判定フラグ=「0」』、及び、『出玉モード2又は有利区間経過ゲーム数判定フラグ=「1」』ごとに、チャンスB終了時時間遡行抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。
図中、『出玉モード0、1かつ有利区間経過ゲーム数判定フラグ=「0」』は、出玉モードの値が「0」又は「1」であり、且つ、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていないことを示し、『出玉モード2又は有利区間経過ゲーム数判定フラグ=「1」』は、出玉モードの値が「2」であるか、又は、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていることを示す。出玉モードについては上述した通りである(図356参照)。チャンスB終了時時間遡行抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
すなわち、出玉モードの値が「0」又は「1」であり、且つ、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合には、32/256の確率で、チャンスB終了時時間遡行抽籤に当籤する。また、出玉モードの値が「2」である場合、及び、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされている場合には、1/256の確率で、チャンスB終了時時間遡行抽籤に当籤する。
ステップS2426の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB終了時時間遡行抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS2427)。チャンスB終了時時間遡行抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB基本モード次セット移行フラグをオンにセットする(ステップS2428)。チャンスB基本モード次セット移行フラグは、チャンスB基本モードにおける次回のセットを開始するタイミングであることを示すフラグである(図365のステップS2409参照)。メインCPU101は、チャンスB基本モード次セット移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、チャンスB基本モードにおける次回のセットに移行させる(図353のステップS2284参照)。
ステップS2428の処理を実行した後、メインCPU101は、時間遡行抽籤当籤時ベルナビ許可フラグをオンにセットする(ステップS2429)。時間遡行抽籤当籤時ベルナビ許可フラグは、チャンスBモードにおいてベルナビを行うために用いられるフラグである。チャンスB終了時時間遡行抽籤に当籤すると、次回のセットにおける1回目の単位遊技からチャンスBモードが終了するまで、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合に正解の押し順が報知される(図372参照)。ステップS2429の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2425においてチャンスBポイントの値が「5」ではないと判断した場合、又は、ステップS2427においてチャンスB終了時時間遡行抽籤に当籤していないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB終了時処理を実行する(ステップS2430)。チャンスB終了時処理については、後に図368を用いて説明する。ステップS2430の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB終了時処理>
図368は、主制御回路において行われるチャンスB終了時処理を示すフローチャートである。図369は、チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤テーブルを示す図である。
図368に示すチャンスB終了時処理は、主制御回路100において、図366(チャンスB非継続時最終ゲーム時処理)のステップS2430で行われる処理である。
チャンスB終了時処理において、まず、メインCPU101は、有利区間が終了することが確定しているか否かを判断する(ステップS2441)。上述したように、チャンスBモードへの移行ルートとしては、3つのルートが設けられているところ(図350参照)、現在のチャンスBモードの移行元のモードがATデンジャーモードである場合(図350に示すルート(III)によりチャンスBモードに移行した場合)には、現在のチャンスBモードが終了すると、有利区間も終了し、非有利区間に移行する。また、天井カウンタの値が天井ゲーム数(851)に達すると(天井到達)、疑似ボーナスに移行するところ(図317のステップS2023参照)、天井到達を経由してチャンスBモードに移行した場合にも、現在のチャンスBモードが終了すると、有利区間も終了し、非有利区間に移行する。
ステップS2441の処理において、メインCPU101は、現在のチャンスBモードの移行元のモードがATデンジャーモードである場合、乃至、天井到達を経由してチャンスBモードに移行した場合に、有利区間が終了することが確定していると判断する。現在のチャンスBモードの移行元のモードがATデンジャーモードであることを示す情報や、天井到達を経由してチャンスBモードに移行したことを示す情報は、メインRAM103に記憶されており、メインCPU101は、チャンスBモードへの移行ルートを認識することができるようになっている。
ステップS2441において有利区間が終了することが確定していないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤を実行する(ステップS2442)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤テーブル(図369参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の結果として、「非当籤+有利区間終了」、「非当籤+有利区間継続」、及び、「当籤+有利区間継続」のうちの何れかを決定する。
図369に示すチャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤テーブルにおいては、有利区間経過ゲーム数判定フラグ(図313のステップS2004参照)の有無(『有利区間経過ゲーム数判定フラグが「0」』、及び、『有利区間経過ゲーム数判定フラグが「1」』ごとに、チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の結果(「非当籤+有利区間終了」、「非当籤+有利区間継続」、及び、「当籤+有利区間継続」)に対応する抽籤値が規定されている。
図中、『有利区間経過ゲーム数判定フラグが「0」』は、現在のチャンスBモードの移行元の疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード又は疑似ボーナスBモード)に移行した時点で、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていないことを示し、『有利区間経過ゲーム数判定フラグが「1」』は、現在のチャンスBモードの移行元の疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード又は疑似ボーナスBモード)に移行した時点で、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていることを示す。チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、現在のチャンスBモードの移行元の疑似ボーナス(疑似ボーナスAモード又は疑似ボーナスBモード)に移行した時点で、有利区間経過ゲーム数判定フラグがオンにセットされていない場合には、チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の結果として、192/256の確率で「非当籤+有利区間終了」が決定され、32/256の確率で「非当籤+有利区間継続」が決定され、32/256の確率で「当籤+有利区間継続」が決定される。
ステップS2442の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の結果が有利区間継続(「非当籤+有利区間継続」又は「当籤+有利区間継続」)であるか否かを判断する(ステップS2443)。チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の結果が「非当籤+有利区間継続」及び「当籤+有利区間継続」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の結果が「当籤+有利区間継続」であるか否かを判断する(ステップS2444)。
チャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の結果が「当籤+有利区間継続」であると判断した場合、チャンスB引き継ぎポイントの値として、チャンスBポイントの値(図359のステップS2342、図362のステップS2369、及び、図373のステップS2526参照)をセットする(ステップS2445)。これにより、チャンスBポイントの値が次回のチャンスBモードに引き継がれる(図354のステップS2303参照)。
ステップS2444においてチャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の結果が「当籤+有利区間継続」ではないと判断した場合、又は、ステップS2445の処理を実行した後、メインCPU101は、通常移行フラグをオンにセットする(ステップS2446)。上述したように、通常移行フラグは、通常モードを開始するタイミングであることを示すフラグである(図333のステップS2183参照)。メインCPU101は、通常移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、モードフラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、有利区間(通常モード)に移行する。
ステップS2441において有利区間が終了することが確定していると判断した場合、又は、ステップS2443においてチャンスB終了時チャンスBポイント引き継ぎ抽籤の結果が「非当籤+有利区間継続」及び「当籤+有利区間継続」のうちの何れでもない(「非当籤+有利区間終了」である)と判断した場合、メインCPU101は、非有利区間移行フラグをオンにセットする(ステップS2447)。非有利区間移行フラグは、非有利区間を開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、非有利区間移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、遊技区間フラグ格納領域(図示せず)を更新する。これにより、非有利区間に移行する。
ステップS2446又はステップS2447の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスBポイントの値をクリア(「0」にセット)する(ステップS2448)。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB一発勝利用処理>
図370は、主制御回路において行われるチャンスB一発勝利用処理を示すフローチャートである。
図370に示すチャンスB一発勝利用処理は、主制御回路100において、図364(チャンスB(基本)中2ゲーム目以降処理)のステップS2381で行われる処理である。
チャンスB一発勝利用処理において、まず、メインCPU101は、今回の単位遊技が一のセットにおける2ゲーム目(セットを構成する8回の単位遊技のうちの2回目の単位遊技)であるか否かを判断する(ステップS2461)。メインCPU101は、チャンスB(基本)ゲーム数カウンタ(図355のステップS2321参照)の値を参照することにより、今回の単位遊技が何回目の単位遊技であるのかを認識することができる。
今回の単位遊技が一のセットにおける2ゲーム目ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、今回の単位遊技が一のセットにおける2ゲーム目であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB一発勝利フラグ(図355のステップS2325参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2462)。チャンスB一発勝利フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、チャンスB一発勝利フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、チャンスB一発勝利時楽曲出力フラグをオンにセットする(ステップS2463)。チャンスB一発勝利時楽曲出力フラグは、チャンスB一発勝利時楽曲を出力するタイミングであることを示すフラグである。図370に示すチャンスB一発勝利用処理は、有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理(図353参照)において行われるところ、有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理が終了すると、スタートコマンド生成格納処理(図23のステップS7参照)が行われる。
スタートコマンド生成格納処理において、メインCPU101は、スタートコマンドデータを生成し、生成したスタートコマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたスタートコマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。チャンスB一発勝利時楽曲出力フラグがオンにセットされている場合には、チャンスB一発勝利時楽曲出力フラグを示す情報がスタートコマンドデータに含まれる。これにより、副制御回路200では、チャンスB一発勝利時楽曲出力フラグがオンにセットされていること、すなわち、前回の単位遊技においてチャンスB一発勝利抽籤(図355のステップS2323参照)に当籤したことを認識することができる。
そして、当該スタートコマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路200のサブCPU201は、チャンスB一発勝利時楽曲に対応する演出データ(チャンスB一発勝利時楽曲用音声データ)をセットする。チャンスB一発勝利時楽曲用音声データは、ロムカートリッジ基板202(図3参照)に記憶されている。当該音声データがセットされることにより、チャンスB一発勝利時楽曲がスピーカ35a,35b(図2参照)から出力される。チャンスB一発勝利時楽曲は、チャンスB一発勝利抽籤に当籤した場合にのみ再生されるBGMとなっている。
チャンスB基本モード中の一のセットの1ゲーム目(当該セットを構成する8回の単位遊技のうちの1回目の単位遊技)でチャンスB一発勝利抽籤に当籤した場合、チャンスB一発勝利時楽曲は、当該セットの2ゲーム目(当該セットを構成する8回の単位遊技のうちの2回目の単位遊技)におけるスタートコマンド生成格納処理が行われた直後(例えば、スタートレバー7が操作されてから500ms(あるいは、250ms又は100ms)以内)から、当該セットが終了するまで、継続的に出力される。そして、当該セットが終了すると、AT状態(AT基本モード又はAT天国モード)に移行することになる(図365のステップS2404及びステップS2405参照)。
ステップS2463の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB一発勝利時ロック演出開始フラグをオンにセットする(ステップS2464)。チャンスB一発勝利時ロック演出開始フラグは、チャンスB一発勝利時ロック演出を実行するタイミングであることを示すフラグである。チャンスB一発勝利時ロック演出については、後に図371を用いて説明する。ステップS2464の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB一発勝利フラグをオフにセットし(ステップS2465)、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB一発勝利時ロック演出実行処理>
図371は、主制御回路において行われるチャンスB一発勝利時ロック演出実行処理を示すフローチャートである。
図371に示すチャンスB一発勝利時ロック演出実行処理は、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS8(遊技開始時メイン側演出制御処理)で行われる処理である。
チャンスB一発勝利時ロック演出実行処理において、まず、メインCPU101は、チャンスB一発勝利時ロック演出開始フラグ(図370のステップS2464参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2481)。チャンスB一発勝利時ロック演出開始フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、チャンスB一発勝利時ロック演出開始フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、所定時間(例えば、2000ms)に対応する値をロックタイマにセットする(ステップS2482)。ロックタイマは、タイマ更新処理(図32のステップS206参照)により更新される。すなわち、ロックタイマは、定期割込処理(図32参照)が1回行われるごとに1減少する。
次に、メインCPU101は、チャンスB一発勝利時ロック演出開始コマンド生成格納処理を実行する(ステップS2483)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB一発勝利時ロック演出開始コマンドデータを生成し、生成したチャンスB一発勝利時ロック演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたチャンスB一発勝利時ロック演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、チャンスB一発勝利時ロック演出が開始されたことを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU101は、ロックタイマが0であるか否かを判断する(ステップS2484)。ロックタイマが0ではないと判断した場合、メインCPU101は、再度ステップS2484の処理を実行する。これにより、所定時間(例えば、2000ms)に亘ってチャンスB一発勝利時ロック演出が行われることになる。チャンスB一発勝利時ロック演出は、リール演出及び疑似遊技を伴わないロック演出(フリーズ)であってもよいし、リール演出(スロー回転、高速回転、逆回転等のリールアクション)乃至疑似遊技(例えば、本実施形態及び上述した実施形態で説明した疑似遊技)を伴うロック演出であってもよい。チャンスB一発勝利時ロック演出が行われている間、リール3L,3C,3Rは、停止した状態が維持されており、遊技者が何らかの操作を行ったとしても、当該操作は無効となる。
一方、ロックタイマが0であると判断した場合、メインCPU101は、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)であるか否かを判断する(ステップS2485)。サブフラグが「押し順ベル」であると判断した場合、メインCPU101は、ナビ設定処理を実行する(ステップS2486)。この処理において、メインCPU101は、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やチャンスB一発勝利時ロック演出終了コマンドデータ(ステップS2487参照)に含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する(図28のステップS104参照)。これにより、上述したように、指示モニタにおいて、押し順ベルにおける正解の押し順(図310A及び図310B)が報知されることになる(図344のステップS2225参照)。また、以下のように、メイン表示装置210においても、当該正解の押し順が報知されることになる。
ステップS2485においてサブフラグが「押し順ベル」ではないと判断した場合、又は、ステップS2486の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB一発勝利時ロック演出終了コマンド生成格納処理を実行する(ステップS2487)。この処理において、メインCPU101は、チャンスB一発勝利時ロック演出終了コマンドデータを生成し、生成したチャンスB一発勝利時ロック演出終了コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたチャンスB一発勝利時ロック演出終了コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、チャンスB一発勝利時ロック演出が終了したことを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
具体的に、ステップS2486の処理が実行された場合、チャンスB一発勝利時ロック演出終了コマンドデータには、今回の単位遊技において決定された押し順ベルにおける正解の押し順(図310A及び図310B)に対応する情報(押し順情報)が含まれている。当該チャンスB一発勝利時ロック演出終了コマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路200のサブCPU201は、当該押し順情報に対応する演出データ(押し順ナビ画像データ)をセットする。押し順ナビ画像データは、ロムカートリッジ基板202(図3参照)に記憶されており、当該画像データがセットされることにより、押し順ナビ画像がメイン表示装置210に表示される。押し順ナビ画像は、押し順ベルにおける正解の押し順を報知(ベルナビ)するための画像である。
ステップS2487の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB一発勝利時ロック演出開始フラグをオフにセットし(ステップS2488)、一発勝利時ベルナビ許可フラグをオンにセットする(ステップS2489)。一発勝利時ベルナビ許可フラグは、チャンスBモードにおいてベルナビを行うために用いられるフラグである(図372参照)。ステップS2489の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスB中ベルナビ用処理>
図372は、主制御回路において行われるチャンスB中ベルナビ用処理を示すフローチャートである。
図372に示すチャンスB中ベルナビ用処理は、主制御回路100において、図355(チャンスB(基本)中1ゲーム目処理)のステップS2338、及び、図364(チャンスB(基本)中2ゲーム目以降処理)のステップS2389で行われる処理である。
チャンスB中ベルナビ用処理において、まず、メインCPU101は、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)であるか否かを判断する(ステップS2501)。サブフラグが「押し順ベル」ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、サブフラグが「押し順ベル」であると判断した場合、メインCPU101は、時間遡行抽籤当籤時ベルナビ許可フラグ(図366のステップS2429参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2502)。
時間遡行抽籤当籤時ベルナビ許可フラグがオンにセットされていると判断した場合、チャンスB一発勝利時ロック演出開始フラグ(図370のステップS2464参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2503)。一方、時間遡行抽籤当籤時ベルナビ許可フラグがオンにセットされていないと判断した場合、一発勝利時時ベルナビ許可フラグ(図371のステップS2489参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2504)。
ステップS2503においてチャンスB一発勝利時ロック演出開始フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。また、ステップS2504において一発勝利時時ベルナビ許可フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2503においてチャンスB一発勝利時ロック演出開始フラグがオンにセットされていないと判断した場合、又は、ステップS2504において一発勝利時時ベルナビ許可フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、ナビ設定処理を実行する(ステップS2505)。この処理において、メインCPU101は、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドデータに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する(図28のステップS104参照)。
ステップS2505の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。ステップS2505の処理が実行されることにより、上述したように、指示モニタにおいて、押し順ベルにおける正解の押し順(図310A及び図310B)が報知されることになる(図344のステップS2225参照)。また、以下のように、メイン表示装置210においても、当該正解の押し順が報知されることになる。
図372に示すチャンスB中ベルナビ用処理は、有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理(図353参照)において行われるところ、有利区間(チャンスB基本モード)用遊技開始時処理が終了すると、スタートコマンド生成格納処理(図23のステップS7参照)が行われる。スタートコマンド生成格納処理において、メインCPU101は、スタートコマンドデータを生成し、生成したスタートコマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納されたスタートコマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。
ステップS2505の処理が実行された場合、スタートコマンドデータには、今回の単位遊技において決定された押し順ベルにおける正解の押し順(図310A及び図310B)に対応する情報(押し順情報)が含まれている。当該スタートコマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路200のサブCPU201は、当該押し順情報に対応する演出データ(押し順ナビ画像データ)をセットする。押し順ナビ画像データは、ロムカートリッジ基板202(図3参照)に記憶されており、当該画像データがセットされることにより、押し順ナビ画像がメイン表示装置210に表示される。押し順ナビ画像は、押し順ベルにおける正解の押し順を報知(ベルナビ)するための画像である。
以上で説明したように、チャンスB基本モード中の一のセットの1ゲーム目(当該セットを構成する8回の単位遊技のうちの1回目の単位遊技)でチャンスB一発勝利抽籤(図355のステップS2322参照)に当籤した場合、当該セットの2ゲーム目(当該セットを構成する8回の単位遊技のうちの2回目の単位遊技)において押し順ベルが内部当籤役として決定されると、チャンスB一発勝利時ロック演出が終了したときに(例えば、スタートレバー7が操作されてから2000ms経過後に)、正解の押し順が報知される(図371のステップS2486参照)。また、当該セットの3ゲーム目以降(当該セットを構成する8回の単位遊技のうちの3回目~8回目の単位遊技)において押し順ベルが内部当籤役として決定されると、スタートコマンド生成格納処理が行われた直後から(例えば、スタートレバー7が操作されてから500ms(あるいは、250ms又は100ms)以内に)、正解の押し順が報知される(図372のステップS2505参照)。このように、一の単位遊技においてチャンスB一発勝利抽籤に当籤すると、次の単位遊技からチャンスBモードが終了するまで、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合にベルナビが発生することになる。
なお、AT状態乃至疑似ボーナスAモードにおいても、図372に示すチャンスB中ベルナビ用処理と同様に、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合には、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)でナビ設定処理(ステップS2505参照)が行われる。これにより、スタートコマンド生成格納処理が行われた直後から(例えば、スタートレバー7が操作されてから500ms(あるいは、250ms又は100ms)以内に)、正解の押し順が報知されることになる。
<有利区間(チャンスB特殊モード)用遊技開始時処理>
図373は、主制御回路において行われる有利区間(チャンスB特殊モード)用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図374は、追撃番号UP抽籤テーブルを示す図である。
図373に示す有利区間(チャンスB特殊モード)用遊技開始時処理は、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及びチャンスB特殊モード(図350参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の遊技区間フラグ格納領域(図示せず)及びモードフラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の遊技区間及びモードがそれぞれ有利区間及びチャンスB特殊モードであることを認識することができる。
有利区間(チャンスB特殊モード)用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、AT確定状態フラグ(図359のステップS2350及び図362のステップS2371参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2521)。AT確定状態フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、追撃番号UP抽籤を実行する(ステップS2522)。この処理において、メインCPU101は、追撃番号UP抽籤テーブル(図374参照)を参照して、出玉フラググループ(通常)(図324参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、追撃番号UP抽籤の結果として、「非当籤」、「追撃番号+1」、「追撃番号+2」、及び、「追撃番号+3」のうちの何れかを決定する。
図374に示す追撃番号UP抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ(通常)(「右記以外」、「レアLV1」、「レアLV2」、「レアLV3」、「レアLV4」、「レアLV5」、及び、「レアLV6」)ごとに、追撃番号UP抽籤の結果(「非当籤」、「追撃番号+1」、「追撃番号+2」、及び、「追撃番号+3」)に対応する抽籤値が規定されている。追撃番号UP抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、出玉フラググループ(通常)が「レアLV3」である場合には、追撃番号UP抽籤の結果として、128/256の確率で「追撃番号+1」が決定され、128/256の確率で「追撃番号+2」が決定される。
ステップS2522の処理を実行した後、メインCPU101は、追撃番号UP抽籤の結果が当籤(「追撃番号+1」、「追撃番号+2」、又は、「追撃番号+3」)であるか否かを判断する(ステップS2523)。追撃番号UP抽籤の結果が「追撃番号+1」、「追撃番号+2」、及び、「追撃番号+3」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、追撃番号(図359のステップS2348及び図362のステップS2363参照)の値を更新する(ステップS2524)。この処理において、メインCPU101は、追撃番号UP抽籤の結果が「追撃番号+1」である場合、追撃番号の値に「1」を加算し、追撃番号UP抽籤の結果が「追撃番号+2」である場合、追撃番号の値に「2」を加算し、追撃番号UP抽籤の結果が「追撃番号+3」である場合、追撃番号の値に「3」を加算する。
ステップS2521においてAT確定状態フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、天国移行抽籤当籤フラグ(図355のステップS2335及び図364のステップS2384参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2525)。天国移行抽籤当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、AT確定状態後天国移行抽籤を実行する(ステップS2526)。この処理は、図355のステップS2335の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS2523において追撃番号UP抽籤の結果が「追撃番号+1」、「追撃番号+2」、及び、「追撃番号+3」のうちの何れでもないと判断した場合、ステップS2525において天国移行抽籤当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS2524若しくはステップS2526の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスBポイントの値から追撃番号の値を減算する(ステップS2527)。なお、チャンスBポイントの値の下限値は、「0」であるため、メインCPU101は、減算後のチャンスBポイントの値がマイナスとなる場合、チャンスBポイントの値に「0」をセットする。
そして、メインCPU101は、減算後のチャンスBポイントの値が「0」であるか否かを判断する(ステップS2528)。減算後のチャンスBポイントの値が「0」であると判断した場合、メインCPU101は、ステップS2529~ステップS2531の処理を実行するが、これらの処理は、図365のステップS2403~ステップS2405の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。一方、減算後のチャンスBポイントの値が「0」ではないと判断した場合、メインCPU101は、ステップS2532の処理を実行するが、この処理は、図365のステップS2409の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS2530、ステップS2531、又は、ステップS2532の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスB中ベルナビ用処理を実行する(ステップS2533)。チャンスB中ベルナビ用処理については、図372を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。ステップS2533の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
なお、追撃番号UP抽籤(ステップS2522参照)は、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)において行われることとして説明しているが、この処理は、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)において行われることとしてもよい。例えば、サブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)により設定されたサブフラグが「押し順ベル」(図311参照)以外である場合には、図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)においてこれらの処理を行う一方、サブフラグが「押し順ベル」である場合には、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)においてこの処理を行うこととしてもよい。
図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)においてこの処理を行う場合、有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せに応じて、参照する出玉フラググループ(通常)を異ならせてもよい。例えば、サブフラグが「押し順ベル」である場合において、11枚のメダルが払い出された場合には、キャラクタに応じた出玉フラググループ(通常)(図324参照)が決定される一方、11枚のメダルが払い出されなかった場合には、キャラクタにかかわらず出玉フラググループ(通常)番号として「0」が決定されることとしてもよい。
<付記G>
従来、ATへの移行抽籤が通常状態よりも優遇されるチャンスゾーンを備えた遊技機が知られている(特開2017-77412号公報参照)。チャンスゾーンにおいては、通常状態と比較して、出玉への期待感が上昇するため、遊技者の関心も高めることができる。
従来の遊技機においては、AT等の有利状態に移行することが決定された場合に、その後の遊技やその旨の告知方法について改善する余地があった。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、有利状態に移行する権利が付与された場合に、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第11実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(G-1) 遊技に関する状態を制御可能な状態制御手段と、
遊技者にとって有利な有利状態(AT状態)に移行する権利を付与することが可能な付与手段と、
遊技者にとって有利な情報を報知することが可能な報知手段(図371及び図372の処理等を実行するメインCPU101)と、を備え、
前記付与手段は、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に、前記有利状態に移行する権利を付与することが可能であり、
前記報知手段は、前記特定状態において前記特定の条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な情報を報知することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に、遊技者にとって有利な有利状態(AT状態)に移行する権利を付与することが可能であり、また、遊技者にとって有利な情報を報知することが可能なように構成されている。これにより、当該情報を通じて、遊技に対する遊技者のモチベーションを高めることが可能であり、有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合における遊技の興趣を向上させることができる。
(G-2) 前記(G-1)の遊技機であって、
演出を実行することが可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記特定状態において前記特定の条件が成立した場合に、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)を実行することが可能であり、
前記報知手段(図371のステップS2486の処理を実行するメインCPU101)は、前記特定状態において前記特定の条件が成立した場合に、前記特定演出が開始された後、遊技者にとって有利な情報を報知することが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)を実行することが可能であり、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が開始された後、遊技者にとって有利な情報を報知することが可能なように構成されている。仮に、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が開始されるよりも前に当該情報が報知されると、当該報知が行われた時点で、特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立したことが遊技者に察知される可能性がある。そうすると、その後に開始される特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)に対して遊技者に関心を持ってもらうことができず、せっかく特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)を行うこととした意義が減殺されてしまうことが懸念される。この点、第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が開始されるよりも前に当該情報が報知されることを抑制することで、このような事態を回避することが可能であり、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)の価値を高め、有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合における遊技の興趣を一層向上させることができる。
(G-3) 前記(G-1)又は(G-2)の遊技機であって、
前記付与手段は、
前記特定状態において前記特定の条件として第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に、前記有利状態に移行する権利を付与することが可能な第1付与手段(図355のステップS2326の処理を実行するメインCPU101)と、
前記特定状態において第2の条件(ダメージ量の減算によりチャンスBポイントの値が0になること)が成立した場合に、前記有利状態に移行する権利を付与することが可能な第2付与手段(図359のステップS2350の処理を実行するメインCPU101)と、を備え、
前記状態制御手段(図365のステップS2404及びステップS2405の処理を実行するメインCPU101)は、前記第1付与手段により前記有利状態に移行する権利が付与された場合、前記第2付与手段により前記有利状態に移行する権利が付与された場合よりも早いタイミングで前記有利状態に移行させることが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定状態(チャンスB基本モード)において第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に有利状態(AT状態)に移行する権利を付与することが可能である一方、特定状態(チャンスB基本モード)において第2の条件(ダメージ量の減算によりチャンスBポイントの値が0になること)が成立した場合にも有利状態(AT状態)に移行する権利を付与することが可能である。そして、第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立したことにより有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合、第2の条件(ダメージ量の減算によりチャンスBポイントの値が0になること)が成立したことにより有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合よりも早いタイミングで有利状態(AT状態)に移行させることが可能なように構成されている。これにより、第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合には、遊技者に対して、有利状態(AT状態)で遊技を行う機会を早期に提供することが可能であるため、第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立することに対する遊技者の期待感を高めることができるとともに、第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合における遊技の興趣を一層向上させることができる。
(G-4) 前記(G-1)~(G-3)の何れかの遊技機であって、
前記特定状態において所定の変数(チャンスBポイントの値)を更新することが可能な変数更新手段を備え、
前記状態制御手段は、前記特定状態において前記所定の変数が所定の値(0)となった場合に、前記有利状態に移行させることが可能であり、
前記変数更新手段(図355のステップS2324の処理を実行するメインCPU101)は、前記特定状態において前記特定の条件が成立した場合に、前記所定の変数が前記所定の値となるように、前記所定の変数を更新することが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定状態(チャンスB基本モード)において所定の変数(チャンスBポイントの値)を更新することが可能であるとともに、特定状態(チャンスB基本モード)において所定の変数(チャンスBポイントの値)が所定の値(0)となった場合に、有利状態(AT状態)に移行させることが可能である。そして、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に、所定の変数(チャンスBポイントの値)が該所定の値(0)となるように、所定の変数(チャンスBポイントの値)を更新することが可能なように構成されている。これにより、特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合と特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立しなかった場合とで、所定の変数(チャンスBポイントの値)に関する制御を統一することが可能であり、このような所定の変数(チャンスBポイントの値)を用いた特定状態(チャンスB基本モード)を通じて、遊技の興趣を一層向上させることができる。
(G-5) 前記(G-1)~(G-4)の何れかの遊技機であって、
前記特定状態において所定の変数(チャンスBポイントの値)を更新することが可能な変数更新手段を備え、
前記状態制御手段は、前記特定状態において所定の区間(セット)に複数回制御可能であり、
前記変数更新手段(図359のステップS2342及び図362のステップS2369の処理を実行するメインCPU101)は、前記特定状態中の各前記所定の区間において前記所定の変数を更新することが可能であり、
前記付与手段(図359のステップS2350及び図362のステップS2371の処理を実行するメインCPU101)は、前記特定状態中の一の前記所定の区間において前記所定の変数が所定の値(0)となった場合に、前記有利状態に移行する権利を付与することが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定状態(チャンスB基本モード)において所定の区間(セット)に複数回制御可能であるとともに、特定状態(チャンスB基本モード)中の各所定の区間(セット)において所定の変数(チャンスBポイントの値)を更新することが可能である。そして、特定状態(チャンスB基本モード)中の一の所定の区間(セット)において所定の変数(チャンスBポイントの値)が所定の値(0)となった場合に、有利状態(AT状態)に移行する権利を付与することが可能なように構成されている。これにより、特定状態(チャンスB基本モード)中の各所定の区間(セット)において所定の変数(チャンスBポイントの値)が更新されることについて、遊技者に関心を抱かせることが可能であり、そのような所定の変数(チャンスBポイントの値)を用いた特定状態(チャンスB基本モード)を通じて、遊技の興趣を一層向上させることができる。
(G-6) 前記(G-1)~(G-5)の何れかの遊技機であって、
前記報知手段は、
前記有利状態において、遊技者にとって有利な情報を第1のタイミング(図23のステップS7の処理が行われたとき)で報知することが可能であり、
前記特定状態において前記特定の条件が成立した場合に、遊技者にとって有利な情報を、前記第1のタイミングよりも遅い第2のタイミング(図371のステップS2487の処理が行われたとき)で報知することが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、有利状態(AT状態)において、遊技者にとって有利な情報を第1のタイミング(図23のステップS7の処理が行われたとき)で報知することが可能である一方、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に、遊技者にとって有利な情報を第1のタイミング(図23のステップS7の処理が行われたとき)よりも遅い第2のタイミング(図371のステップS2487の処理が行われたとき)で報知することが可能なように構成されている。これにより、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合における当該情報の報知が行われるタイミングを遅らせることを通じて、有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合における遊技の興趣を一層向上させることができる。
(G-7) 前記(G-1)~(G-6)の何れかの遊技機であって、
前記報知手段は、前記有利状態中の各単位遊技において所定の条件(押し順ベルの内部当籤)が成立した場合に、遊技者にとって有利な情報を報知することが可能であり、前記特定状態において前記特定の条件が成立した場合、前記有利状態に移行する前に、複数回の単位遊技において該情報を報知することが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、有利状態(AT状態)中の各単位遊技において所定の条件(押し順ベルの内部当籤)が成立した場合に、遊技者にとって有利な情報を報知することが可能であり、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合、有利状態(AT状態)に移行する前に、複数回の単位遊技において該情報を報知することが可能なように構成されている。これにより、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合には、有利状態(AT状態)に移行する前から、有利状態(AT状態)と同様の情報の報知を行うことが可能であるため、有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合における遊技の興趣を一層向上させることができる。
(G-8) 前記(G-1)~(G-7)の何れかの遊技機であって、
前記付与手段は、
前記特定状態において前記特定の条件として第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に、前記有利状態に移行する権利を付与することが可能な第1付与手段(例えば、図355のステップS2326の処理を実行するメインCPU101)と、
前記特定状態において第2の条件(追撃番号の値がチャンスBポイントの値以上であること)が成立した場合に、前記有利状態に移行する権利を付与することが可能な第2付与手段(図359のステップS2350及び図362のステップS2371の処理を実行するメインCPU101)と、を備え、
前記状態制御手段は、
前記特定状態に制御した後に所定状態(チャンスB特殊モード)に制御することが可能であり、
前記第1付与手段により前記有利状態に移行する権利が付与された場合には、前記所定状態に制御することなく前記有利状態に移行させることが可能である一方、前記第2付与手段により前記有利状態に移行する権利が付与された場合には、前記所定状態に制御した後に前記有利状態に移行させることが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定状態(チャンスB基本モード)において第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に有利状態(AT状態)に移行する権利を付与することが可能である一方、特定状態(チャンスB基本モード)において第2の条件(追撃番号の値がチャンスBポイントの値以上であること)が成立した場合にも有利状態(AT状態)に移行する権利を付与することが可能である。そして、第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立したことにより有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合には、所定状態(チャンスB特殊モード)に制御することなく有利状態(AT状態)に移行させることが可能である一方、第2の条件(追撃番号の値がチャンスBポイントの値以上であること)が成立したことにより有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合には、所定状態(チャンスB特殊モード)に制御した後に有利状態(AT状態)に移行させることが可能なように構成されている。このように、第1の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合と第2の条件(追撃番号の値がチャンスBポイントの値以上であること)が成立した場合とで、有利状態(AT状態)に移行する過程に所定状態(チャンスB特殊モード)を介在させるか否かを異ならせることを通じて、有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合における遊技の興趣を一層向上させることができる。
(G-9) 前記(G-1)~(G-8)の何れかの遊技機であって、
前記特定状態において所定の変数(チャンスBポイントの値)を管理することが可能な変数管理手段を備え、
前記状態制御手段は、前記特定状態において前記所定の変数が所定の値(0)となった場合に、前記有利状態に移行させることが可能であり、
前記変数管理手段(図368のステップS2445及び図354のステップS2303の処理を実行するメインCPU101)は、前記所定の変数が前記所定の値とならずに一の前記特定状態が終了する場合、後に発生する前記特定状態に該所定の変数を引き継がせることが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定状態(チャンスB基本モード)において所定の変数(チャンスBポイントの値)が所定の値(0)となった場合に、有利状態(AT状態)に移行させることが可能である。そして、所定の変数(チャンスBポイントの値)が所定の値(0)とならずに一の特定状態(チャンスB基本モード)が終了する場合、後に発生する特定状態(チャンスB基本モード)に該所定の変数(チャンスBポイントの値)を引き継がせることが可能なように構成されている。これにより、一の特定状態(チャンスB基本モード)と後に発生する特定状態(チャンスB基本モード)との間に、所定の変数(チャンスBポイントの値)を軸に継続性を生じさせることが可能であり、特定状態(チャンスB基本モード)における遊技の興趣を一層向上させることができる。
(G-10) 前記(G-1)~(G-9)の何れかの遊技機であって、
前記特定状態において所定の変数(チャンスBポイントの値)を管理することが可能な変数管理手段を備え、
前記状態制御手段は、一の前記特定状態が終了した後第1の状態(非有利区間)に制御される場合には、後に発生する前記特定状態に前記所定の変数を引き継がせない一方、一の前記特定状態が終了した後第2の状態(有利区間)に制御される場合には、後に発生する前記特定状態に前記所定の変数を引き継がせることが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、一の特定状態(チャンスB基本モード)が終了した後第1の状態(非有利区間)に制御される場合には、後に発生する特定状態(チャンスB基本モード)に所定の変数(チャンスBポイントの値)を引き継がせない一方、一の特定状態(チャンスB基本モード)が終了した後第2の状態(有利区間)に制御される場合には、後に発生する特定状態(チャンスB基本モード)に所定の変数(チャンスBポイントの値)を引き継がせることが可能なように構成されている。これにより、一の特定状態(チャンスB基本モード)が終了した後第2の状態(有利区間)に制御される場合には、一の特定状態(チャンスB基本モード)と後に発生する特定状態(チャンスB基本モード)との間に、所定の変数(チャンスBポイントの値)を軸に継続性を生じさせることが可能であり、特定状態(チャンスB基本モード)における遊技の興趣を一層向上させることができる。また、一の特定状態(チャンスB基本モード)が終了した後第1の状態(非有利区間)に制御される場合には、このような継続性を生じさせることができないため、一の特定状態(チャンスB基本モード)が終了した後に制御される状態が第1の状態(非有利区間)と第2の状態(有利区間)とのうちの何れの状態であるのかについて、遊技者の関心を高めることができる。これにより、特定状態(チャンスB基本モード)の面白みをさらに増大させることが可能であり、特定状態(チャンスB基本モード)における遊技を遊技者に存分に満喫してもらうことができる。
(G-11) 前記(G-1)~(G-10)の何れかの遊技機であって、
遊技に関する出力を行うことが可能な第1出力手段(スピーカ35a,35b)と、
遊技に関する出力を行うことが可能な第2出力手段(指示モニタ及びメイン表示装置210)と、
演出を実行することが可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、前記特定状態において前記特定の条件が成立した場合に、前記第1出力手段からの出力により、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)を実行することが可能であり、
前記報知手段は、前記特定状態において前記特定の条件が成立した場合に、前記第2出力手段からの出力により、遊技者にとって有利な情報を報知することが可能である、
ことを特徴とする。
第11実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に、第1出力手段(スピーカ35a,35b)からの出力により、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)を実行することが可能である一方、第2出力手段(指示モニタ及びメイン表示装置210)からの出力により、遊技者にとって有利な情報を報知することが可能なように構成されている。このように、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合には、第1出力手段(スピーカ35a,35b)及び第2出力手段(指示モニタ及びメイン表示装置210)という2つの出力手段を用いて当該演出及び報知に係る出力が行われる。そのため、当該2つの出力手段からの出力を通じて、遊技者の五感(視覚及び聴覚)を複合的に刺激することが可能であり、有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合における遊技の興趣を一層向上させることができる。
第11実施形態では、チャンスB一発勝利時ロック演出が終了したときに、遊技者にとって有利な情報(押し順ベルにおける正解の押し順)が報知されることとして説明した(図371参照)。当該情報(押し順ベルにおける正解の押し順)が報知されるタイミングは、チャンスB一発勝利時ロック演出が終了するのと略同時(直前乃至直後)であってもよいし、チャンスB一発勝利時ロック演出が実行されている途中であってもよい。例えば、チャンスB一発勝利時ロック演出開始コマンド生成格納処理の前にナビ設定処理を行うこととし、これにより設定した停止操作に関する情報等をチャンスB一発勝利時ロック演出開始コマンドデータに含めることとし、副制御回路において、チャンスB一発勝利時ロック演出開始コマンドデータを受信してから所定時間(例えば、1000ms)が経過したときに押し順ナビ画像データをセットするように構成すれば、チャンスB一発勝利時ロック演出が実行されている途中に当該情報(押し順ベルにおける正解の押し順)を報知することができる。
なお、遊技者にとって有利な情報(押し順ベルにおける正解の押し順)を報知するタイミングを特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が開始された後とするに当たって、チャンスB一発勝利時ロック演出を行うことは必須ではない。例えば、リールの回転が開始するのと略同時に特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)を開始させ、それから所定時間(例えば、1000ms)が経過したときに当該情報(押し順ベルにおける正解の押し順)を報知するようにしてもよい。また、一の単位遊技において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立したことにより有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合、当該単位遊技(セットにおける1ゲーム目)において特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)を開始させる一方で、所定の条件(押し順ベルの内部当籤)が成立していた場合であっても当該情報(押し順ベルにおける正解の押し順)を報知せず、次回以降の単位遊技(セットにおける2ゲーム目以降)において所定の条件(押し順ベルの内部当籤)が成立した場合に、当該情報(押し順ベルにおける正解の押し順)を報知することしてもよい。
また、第11実施形態では、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が第1出力手段(スピーカ35a,35b)を通じて行われ、遊技者にとって有利な情報(押し順ベルにおける正解の押し順)の報知が第2出力手段(指示モニタ及びメイン表示装置210)を通じて行われることとして説明した。第1出力手段及び第2出力手段は、特に限定されず、画像を表示することが可能な表示手段(表示装置)、音を出力することが可能な音出力手段(スピーカ)、光を発することが可能な発光手段(LED)等の出力手段のうちの任意の出力手段を適宜採用することが可能である。例えば、特定演出は、画像の表示であってもよいし、音の出力であってもよいし、光の出力であってもよいし、これらの任意の組合せであってもよい。また、遊技者にとって有利な情報の報知は、画像の表示であってもよいし、音の出力であってもよいし、光の出力であってもよいし、これらの任意の組合せであってもよい。特定演出と遊技者にとって有利な情報の報知とは、同種の出力(例えば、ともに画像の表示)であってもよい。この場合、特定演出を行うための表示手段と遊技者にとって有利な情報の報知を行うための表示手段とは、同じ表示手段であってもよいし異なる表示手段(第1表示手段及び第2表示手段)であってもよい。例えば、第1実施形態のようにメイン表示装置及びサブ表示装置を設け、これらをそれぞれを第1表示手段及び第2表示手段として採用してもよい。
また、第11実施形態では、特定状態(チャンスB基本モード)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合、特定状態(チャンスB基本モード)が終了するまで、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が継続することとして説明した。特定演出の長さは、特に限定されず、複数回の単位遊技に亘って継続するものであってもよいし、1回の単位遊技(特定演出が開始された単位遊技)のなかで完了するものであってもよいし、短時間(例えば、3秒以内)だけ出現するものであってもよい。なお、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)は、有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合にのみ行われる(特定演出が発生した場合には有利状態(AT状態)への移行が確定する)ものであってもよいし、有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合に加え、有利状態(AT状態)に移行する権利が付与されていない場合にも行われるものであってもよい。有利状態(AT状態)に移行する権利が付与されていなくても特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が発生し得るような形態を採用する場合においては、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が発生した場合に、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が発生しない場合よりも、有利状態(AT状態)に移行する確率が高くなるように構成するとよい。あるいは、特定演出(チャンスB一発勝利時楽曲の出力)が発生した場合には、比較的高い確率(例えば、80%以上)で有利状態(AT状態)に移行させる(有利状態(AT状態)に移行する期待度が高い)ように構成してもよい。
また、第11実施形態では、特定状態(チャンスB基本モード)中の一の所定の区間(セット)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立したことにより有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合、当該所定の区間(セット)が終了したときに有利状態(AT状態)に移行させることとして説明した。特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合に有利状態(AT状態)に移行させるタイミングは、この例に限定されない。例えば、特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立したことにより有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合においても、予め設定された回数(例えば、5回)の所定の区間(セット)を全て終了してから有利状態(AT状態)に移行させることとしてもよい。また、一の所定の区間(セット)において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合、当該所定の区間(セット)が何回目の所定の区間(セット)であるのかに応じて、当該所定の区間(セット)が終了したときに有利状態(AT状態)に移行させるのか、あるいは、予め設定された回数(例えば、5回)の所定の区間(セット)を全て終了してから有利状態(AT状態)に移行させるのかを決定するようにしてもよい。例えば、当該特定状態(チャンスB基本モード)において、当該所定の区間(セット)を含めて残っている所定の区間(セット)の回数が所定回数(例えば、2回)以上(あるいは以下)である場合には、必ず(あるいは抽籤により)予め設定された回数(例えば、5回)の所定の区間(セット)を全て終了してから有利状態(AT状態)に移行させるようにしてもよい。同様に、第2の条件(ダメージ量の減算によりチャンスBポイントの値が0になること)が成立したことにより有利状態(AT状態)に移行する権利が付与された場合においても、予め設定された回数(例えば、5回)の所定の区間(セット)を全て終了してから有利状態(AT状態)に移行させることとしてもよいし、予め設定された回数(例えば、5回)の所定の区間(セット)を全て終了させるか否かを決定するようにしてもよい。
また、第11実施形態では、特定状態(チャンスB基本モード)中の一の所定の区間(セット)における1回目の単位遊技において特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)を成立させるか否かの決定を行うこととして説明した。特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)を成立させるか否かの決定を行うタイミングは、特に限定されず、一の所定の区間(セット)における任意の単位遊技(例えば、最後の単位遊技)で当該決定を行うように構成することが可能である。
特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立してから有利状態(AT状態)に移行するまでの間は、遊技者にとって有利な情報(押し順ベルにおける正解の押し順)が報知されるが、特定状態(チャンスB基本モード)が継続している。遊技者から見た画面の様子も、特定状態(チャンスB基本モード)中の演出(バトル演出)が行われており、有利状態(AT状態)とは区別されるものとなっている。特定状態(チャンスB基本モード)が終了するとき、バトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタに勝利し、有利状態(AT状態)に移行する。有利状態(AT状態)において行われる演出は、特定状態(チャンスB基本モード)において行われる演出とは異なるものとすることが可能である。
なお、特定状態(チャンスB基本モード)中は、基本的に、遊技者にとって有利な情報(押し順ベルにおける正解の押し順)が報知されないが、特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合には、例外的に遊技者にとって有利な情報(押し順ベルにおける正解の押し順)が報知される。特定状態(チャンスB基本モード)においては、特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)が成立した場合にのみ遊技者にとって有利な情報(押し順ベルにおける正解の押し順)を報知することとしてもよいし、特定の条件(チャンスB一発勝利抽籤への当籤)以外の何らかの条件が成立した場合にも当該情報を報知することとしてもよい。
また、第11実施形態では、所定の変数(チャンスBポイントの値)の下限値が所定の値(0)であることとして説明したが、所定の変数(チャンスBポイントの値)の下限値(上限値)は設定しないようにしてもよい。この場合、特定状態(チャンスB基本モード)において所定の変数(チャンスBポイントの値)が所定の値(0)以下(以上)となったときに、有利状態(AT状態)に移行させるように構成することが可能である。また、この場合、所定の変数(チャンスBポイントの値)と所定の値(0)との差分(所定の値(0)を下回る(上回る)程度)に応じて、特典を付与することとしてもよい。その際、所定の変数(チャンスBポイントの値)と所定の値(0)との差が大きいほど、大きな特典を付与するように構成することが望ましい。このような特典としては、例えば、有利状態(AT状態)を有利に進行させることを可能とするもの(例えば、ATデンジャーモード中に行われるベルナビ発生抽籤に当籤する確率(回避率)を上昇させるものや、ATデンジャーモードにおいて正解の押し順により停止操作を行うことができなかった場合であってもAT状態の終了を回避可能とする(所定のキャラと同様の役割を果たす)もの)を採用することが可能である。このような特典は、ダメージストックカウンタの値に応じて付与することとしてもよい。当該特典は、所定の画像(AT状態において有利なアイコン)として表示装置に表示させるとよい。また、有利状態(AT状態)がゲーム数、差枚数、ナビ回数等により管理されている場合、特典は、有利状態(AT状態)の遊技期間が延長されるように、ゲーム数、差枚数、ナビ回数等を直接的に付与するようなものであってもよい。有利状態(AT状態)の管理方法については、第1実施形態で説明した通りである。なお、第11実施形態では、所定の変数(チャンスBポイントの値)を減算方式により管理することとして説明したが、もちろん加算方式により管理してもよい。また、所定の変数(チャンスBポイントの値)は、各単位遊技において決定された内部当籤役に基づいて更新することが可能である。
また、第11実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した例について説明したが、本発明は、パチンコ遊技機に適用することも可能である。有利状態としては、パチスロ遊技機におけるボーナス状態(BB状態やMB状態等)、RT状態、AT状態(ART状態)、疑似ボーナス、有利区間、パチンコ遊技機における時短遊技状態、確変遊技状態、大当り遊技状態等を適宜採用することが可能である。特定状態は、有利状態に移行する権利が付与され得る状態であれば、特に限定されず、パチスロ遊技機におけるチャンスゾーンや通常モードであってもよいし、パチンコ遊技機における時短遊技状態や非時短遊技状態や確変遊技状態や非確変遊技状態であってもよい。特定の条件としては、有利状態に移行する権利が付与されるための条件(パチスロ遊技機におけるATやBB、パチンコ遊技機における大当り等への当籤等)を適宜採用することが可能である。有利状態及び特定状態は、それぞれ、主制御回路により制御される状態に限定されず、副制御回路により制御される状態(演出モード)であってもよい。
遊技者にとって有利な情報は、遊技者が遊技を有利に行うための情報であってもよいし、有利状態に移行する権利が付与されたことを示唆する情報であってもよいし。遊技者が遊技を有利に行うための情報としては、遊技者が有利な操作を行うための情報(例えば、パチスロ遊技機における停止操作に関する情報、パチンコ遊技機における左打ち乃至右打ちに関する情報等)を挙げることができる。パチスロ遊技機における停止操作に関する情報としては、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、有効ラインに沿って停止表示されることが許容される図柄組合せのうち払出枚数が最も多い図柄組合せを入賞させるために必要な停止操作を行うための情報を適宜採用することが可能である。このような情報としては、押し順役における正解の押し順を示す情報の他、押し順役の種類を示す情報や停止操作を行うべき(目押しの)タイミングを示す情報等を挙げることができる。有利状態に移行する権利が付与されたことを示唆する情報としては、例えば、パチスロ遊技機におけるATやBB、パチンコ遊技機における大当り(例えば、通常大当り、確変大当り、時短大当り、ラウンド数の多い大当り)等に当籤したことを示唆する(これらに当籤した場合にのみ出力される)情報を挙げることができる。従って、例えば、これらに当籤したことを報知(示唆)する演出を行うことや、当該当籤に対応する図柄組合せ(ボーナスや大当りに対応する図柄組合せ)を表示することも、遊技者にとって有利な情報を報知するものと言える。特定の条件が成立してから有利状態に移行するまでの間に遊技者にとって有利な情報が報知される回数は、特に限定されず、1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、本発明をパチンコ遊技機に適用する場合には、特定演出として先読み演出(一の大当り判定(大当り判定用乱数値の抽出)の結果を示唆する演出のうち、当該一の大当り判定よりも先に行われた大当り判定に対応する識別情報の変動表示(特別図柄変動)が終了する前にその内容が決定されるもの)を採用することとしてもよい。
また、第11実施形態では、特定状態(チャンスB基本モード)において所定の区間(セット)に複数回制御可能であり、所定の区間(セット)は、所定回数(8回)の単位遊技から構成されることとして説明した。所定の区間(セット)を構成する単位遊技の回数は、特に限定されず、複数回であってもよいし、1回であってもよい。所定の区間を構成する単位遊技の回数が1回である場合、所定の区間と単位遊技とは同義となる。パチスロ遊技機における単位遊技は、1回のメイン処理(図23参照)が開始してから終了するまでの期間とすることが可能である。また、パチンコ遊技機における単位遊技は、1回の特別図柄ゲームが行われる期間(特別図柄の可変表示が開始されてから、可変表示が終了して特別図柄の当り判定処理の結果が確定表示(導出)されるまでの期間)とすることが可能である。
また、第11実施形態では、特定状態(チャンスB基本モード)における一の所定の区間(セット)と次の所定の区間(セット)との間に所定状態(チャンスB特殊モード)を介在させることとして説明した。しかし、所定状態(チャンスB特殊モード)を介在させることは必須ではなく、一の所定の区間(セット)が終了するとき、特定状態(チャンスB基本モード)が継続する場合には、直ちに次の所定の区間(セット)に移行させることとしてもよい。一の所定の区間(セット)が終了するときに特定状態(チャンスB基本モード)を継続させる確率(チャンスB継続抽籤の当籤確率)は、0~100%(あるいは、50~70%)のなかから抽籤により決定することとしてもよいし、予め定められた確率(例えば、50%)であることとしてもよい。あるいは、加算用チャンスB継続率情報の値が加算される前のチャンスB継続率(図351参照)を、0~100%(あるいは、50~70%)のなかから抽籤により決定することとしてもよいし、予め定められた確率(例えば、50%)であることとしてもよい。
また、第11実施形態では、特定状態(チャンスB基本モード)において所定の区間(セット)に複数回制御可能であり、一の所定の区間(セット)において特定状態(チャンスB基本モード)を継続させる旨の決定が行われなかった場合に特定状態(チャンスB基本モード)を終了させることとして説明した。特定状態(チャンスB基本モード)の終了条件は、この例に限定されず、特定状態(チャンスB基本モード)を予め定められたゲーム数(例えば、10ゲーム)で管理し、予め定められたゲーム数を消化した後、特定状態(チャンスB基本モード)を終了させるようにしてもよい。この場合において、特定状態(チャンスB基本モード)中に行われる抽籤の結果に応じて所定の区間(セット)に制御するようにしてもよく、そのような所定の区間(セット)において有利状態(AT状態)に移行する権利を付与するか否かの決定(例えば、バトル演出)を行うようにしてもよい。また、所定の区間(セット)中は、ゲーム数管理におけるカウンタの値を更新せず(減算をストップし)、所定の区間(セット)が終了した場合に再度当該カウンタの値の更新を開始するようにしてもよい。これにより、所定の区間(セット)において有利状態(AT状態)に移行する権利が付与されなかった場合には、所定の区間(セット)を除いて行われたゲーム数が予め定められたゲーム数に達したとき、有利状態(AT状態)に移行させることなく、特定状態(チャンスB基本モード)を終了させるように構成することが可能である。また、一の所定の区間(セット)において、一の所定の区間(セット)が終了した後に再度所定の区間(セット)に制御するか否かを抽籤により決定するようにしてもよい。
また、第1実施形態で説明したメダルレス遊技機(遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理する遊技機)においては、遊技機が遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と正常に接続されていない場合に、いずれかの返却操作手段の操作に応じて、遊技価値数に対応する情報を通信専用ユニットに送信すると、当該情報が消失してしまう恐れがある。そこで、通信専用ユニットと正常に接続されていない状態では遊技が進行しないよう、遊技開始時に主制御基板におけるエラー状態として、遊技を行うことが不可能な(例えば、投入ボタン(ベットボタン)、精算ボタン、スタートレバーの受け付け等ができない)状態になるようにしてもよい。これにより、遊技価値数に対応する情報が消失してしまうことを未然に防ぐことができる遊技機を提供することが可能である。
[第12実施形態]
以上、第1実施形態~第11実施形態について説明した。以下、第12実施形態について説明する。第12実施形態に係るパチスロ機1は、以下に説明する点に関する以外は、基本的に、上述した第1実施形態~第11実施形態に係るパチスロ機1と同様の構成、機能を有するものである。また、第1実施形態~第11実施形態における説明が第12実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1実施形態のパチスロ機1では、~」のように、第1実施形態に係るパチスロ機1に限定されるような記載であったとしても、第12実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第12実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態~第11実施形態に係るパチスロ機1に限定するような記載についても、第12実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第12実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。従って、第1実施形態~第11実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第12実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第11実施形態に係るパチスロ機1と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
[11-1.プロセッサの構成]
図375は、主に、第12実施形態に係るパチスロ機1の副制御ユニットの構成を表している。図375に示された副制御ユニット2100は、副中継基板2200と副制御基板2300を含み、副中継基板2200は、上述した第1実施形態に係るパチスロ機1の副中継基板74に対応し、副制御基板2300は、第1実施形態に係るパチスロ機1の副制御基板72に対応する。副制御基板2300は、第1実施形態に係るパチスロ機1と同様に、主制御基板2010と電気的に接続され、その主制御基板2010から送信されるコマンドに基づいて、演出内容の決定や演出の実行等の処理を行う。副制御基板2300と副中継基板2200は、基本的に、BtoB(Board-to-Board)で相互に接続されており、図375では、一点鎖線により区切られた表示となっている。また、副制御基板2300と副中継基板2200は、本実施形態では、それぞれ別の基板Boxに収納されている。
副制御基板2300は、図375に示すように、CPU2390、GPU2400、VPU2410、VRAM2420、SDRAM2430等を1パッケージ化した、マルチチップモジュールとして構成される。なお、GPUとVPUを合わせてVDPと称する場合もあり、また、GPU及びVPUのそれぞれをVDPと称する場合もあるため、VDPは、GPU及びVPUの上位概念的な総称として使用される。
CPU2390は、主制御基板2010から送信されてきたコマンド等に基づいて、演出内容を決定し、決定された演出内容を実行するための各種制御を行う。例えば、3D画像や2D画像を表示装置に表示するためにGPU2400やVPU2410等の動作を制御する。また、CPU2390は、本実施形態では、4つのCPUコア(CPUコア#1、CPUコア#2、CPUコア#3、CPUコア#4)を有するマルチコアCPUである。なお、CPU2390は、このような構成に限られるものではなく、5以上(または3以下)のCPUコアから構成されていてもよいし、マルチCPUとして構成されていてもよい。
GPU2400は、4つのGPU(GPU#1、GPU#2、GPU#3、GPU#4)からなる。また、GPU2400は、本実施形態では、CPU2390と同様に、5以上(または3以下)のGPUから構成されていてもよい。SDRAM2430は、本実施形態では、それぞれが1GByteの容量を有する2つのSDRAMから構成される。
次に、副制御基板2300の各構成要素について説明する。HSS I/F2320は、高速シリアルインターフェースであり(例えば、SATA3といった規格のインターフェース)、副制御基板2300は、HSS I/F2320を介して、副中継基板2200のサブROM2210からデータを受信し、FRAM(登録商標)2220との間でデータの送受信を行う。サブROM2210は、CPU2390により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置2510に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置2520に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等を記憶する。サブROM2210は、上述した第1実施形態に係るパチスロ機1のロムカートリッジ基板202と同様の機能を有する。
UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)I/F2330は、シリアル通信のためのインターフェースであり、副制御基板2300は、UART I/F2330を介して、主制御基板2010、ドア監視ユニット2020、セレクタ2030からデータを受信する。ここで、主制御基板2010は、上述した第1実施形態に係るパチスロ機1の主制御基板71に対応し、ドア監視ユニット2020は、第1実施形態に係るパチスロ機1の24hドア監視ユニット61に対応する。また、第1実施形態に係るパチスロ機1では、セレクタ31のメダルセンサ31Sが、主中継基板73に接続されているが、本実施形態のパチスロ機1では、副制御基板2300に接続されている。
また、副制御基板2300は、UART I/F2330を介して、メイン表示装置2510やサブ表示装置2520と所定のデータをやり取りする。ここで、メイン表示装置2510は、概ね、第1実施形態に係るパチスロ機1のメイン表示装置210に対応し、サブ表示装置2520は、第1実施形態に係るパチスロ機1のサブ表示装置220に対応する。
さらに、副制御基板2300は、I2C I/F2340を介して、副中継基板2200のRTC(Real-Time Clock)2230との間でデータの送受信を行う。また、副制御基板2300は、I2C I/F2340を介して、副中継基板2200のデジタルアンプ2240に対し、スピーカ群2040に音声を出力するため、デジタルアンプ2240への設定データ、及び、デジタルアンプ2240のステータス(動作状態)を取得するためのデータ(コマンド)の送信及び受信を行う。ここで、スピーカ群2040は、上述した第1実施形態に係るパチスロ機1のスピーカ群(35a、35b等)に対応するものであるが、本実施形態では、例えば、遊技機の上部に設けられたL・Rスピーカ、及び遊技機の下部に設けられたL・Rスピーカからなる4つのスピーカで構成することができる。なお、本実施形態では、I2C I/F2340を介してRTC2230に接続しているが、RTCの通信仕様によってはSPI I/F2360を介してRTC2230に接続する場合もある。
またさらに、副制御基板2300は、I2S I/F2350を介して、副中継基板2200のデジタルアンプ2240に対し、スピーカ群2040に音声を出力するための音源データを送信する。
また、副制御基板2300は、SPI(Serial Peripheral Interface) I/F2360を介して、副中継基板2200のLEDドライバ2250に対し、演出用LED群2050の発光を制御するためのデータを送信する。ここで、演出用LED群2050は、上述した第1実施形態に係るパチスロ機1のランプ/LED類23に対応するが、本実施形態では、上部、上部右側、上部左側、下部右側、下部左側、腰部パネル、各リール3L,3C,3Rの内部(リールランプ)、各ボタンにそれぞれ複数のフルカラーLEDを実装することができる。なお、払出表示等に使用される7セグメントLEDは、主制御基板2010で制御され、演出用LED群2050には含まれない。なお、本実施形態では、SPI I/F2360を介してLEDドライバ2250に接続しているが、LEDドライバの通信仕様によっては、I2C I/F2340を介してLEDドライバ2250に接続する場合もある。
副制御基板2300のGZIP(または、GUNZIP)2370は、ファイルを解凍(伸張)するための回路である。一般的には、GZIPがファイルを圧縮する機能であり、GUNZIPがファイルを解凍する機能を指すが、本実施形態においては、GZIP2370は、ファイルを圧縮/解凍するための回路である。また、副制御基板2300は、汎用I/OポートであるGPIO(General Purpose Input/Output)2380を介してボタン群2060から信号を受信し、また、このGPIO2380を介して、可動役物2070に制御信号を送信する。ここで、ボタン群2060は、例えば、上述した第1実施形態に係るパチスロ機1の演出用ボタン群(10a、10b等)に対応し、ストップボタン等は含まれない。また、可動役物2070は、第1実施形態に係るパチスロ機1には備えられていないが、本実施形態では、備えるようにすることが可能である。
副制御基板2300は、上述したように、4つのCPU2390と4つのGPU2400を備えるが、それぞれ、必ずしも4つである必要はない。副制御基板2300はさらに、1つのVPU2410を備える。GPU2400とVPU2410は、画像処理専用のマイクロプロセッサであり、これらによって、メイン表示装置2510やサブ表示装置2520で表示される映像が生成されるが、本実施形態では、GPU2400は、CPU2390の制御に基づいて、主として3D画像(動画、静止画)に関する処理を実行し、VPU2410は、CPU2390の制御に基づいて、主として2D画像(動画、静止画)に関する処理を実行する。
副制御基板2300のVRAM2420には、表示装置ごとに2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ、第2フレームバッファ)が設定され、それぞれに、対応する表示装置に表示する画像の画像データが書き出される。また、第1のフレームのタイミングで一方のフレームバッファの画像データが表示装置に転送され、次の第2のフレームのタイミングで他方のフレームバッファの画像データが表示装置に転送され、これらの処理が交互に繰り返されることによって、その表示装置に動画が表示される。
なお、表示装置ごとに2つのフレームバッファを設定する方法以外に、複数の表示装置分の表示サイズ(ピクセル)をまとめたサイズの第1フレームバッファと第2フレームバッファを設定し、画像データを表示装置に転送する際、フレームバッファのデータ範囲を指定し表示装置に転送する転送方式もあり、1つのフレームバッファから複数の表示装置に転送する方法を使用することもでき、画像データを書き出すフレームバッファも、表示装置の数に限定されず、1つのフレームバッファとなる。また、第1フレームバッファと第2フレームバッファのような2つのフレームバッファは、ダブルフレームバッファと称され、それぞれのフレームバッファは、「描画」と「表示」機能を有することで、上記の動作を可能としている。
副制御基板2300のSDRAM2430は、上述した第1実施形態に係るパチスロ機1のサブRAM203に対応する。SDRAM2430には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板2010から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。
副制御基板2300のLVDS(Low Voltage Differential Signaling)I/F2440を介して、VRAM2420の第1フレームバッファ、または第2フレームバッファに書き出された画像データがメイン表示装置2510やサブ表示装置2520に転送され、送信された表示装置で当該画像データに基づく表示が行われる。また、各表示装置には、LVDS I/F2440によってVSYNC信号が送信され、このVSYNC信号に基づいて、表示装置における画像データ(フレーム)の切り替えが行われる。
なお、VSYNC信号は、フレームレート(FPS)が60fpsであれば、16.5msec周期毎に送信(発生)され、30fpsであれば、33msec周期毎に送信(発生)される信号である。
副制御基板2300のバス2310を介して、副制御基板2300の上述した各構成要素の間でのデータ送受信が行われる。
[11-2.プロセスとスレッド]
次に、図376ないし図378を参照して、本実施形態のプロセスとスレッドについて説明する。
図376に示すように、電源投入時に、副制御基板2300、または副中継基板2200のサブROM2210に実装されたブートローダーが、OS(Operating System:カーネル)のプログラム(本願の管理プログラムに対応する)をローディングした後、起動させ、次に、OSがマスタープロセスのプログラム(本願の制御プログラムに対応する)を起動し、その後、マスタープロセスが各プロセスのプログラム(本願の制御プログラムに対応する)を起動する。例えば、図376では、マスタープロセスは、3つのプロセス(グラフィックプロセス、サウンドプロセス、ランププロセス)を起動させるように示されている。ここで、プロセスは、実行中のプログラムであり、OSの制御により、独立し、かつ、並列に実行可能である。また、1つのプロセスには1つの共通のメモリ空間が与えられる。
マスタープロセスでは、5つのスレッド(プロセス間通信スレッド、定周期スレッド、周辺機器スレッド、主基板スレッド、マスタースレッド(メインスレッド))が並行して実行され、主制御基板2010からコマンド等を受信する。スレッドは、プログラム(プロセス)の命令を実行する部分であり、CPUコアを利用する最小単位となっている。
また、上述したマスタープロセスと同様に、グラフィックプロセスでは4つのスレッド(プロセス間通信スレッド、定周期スレッド、役物スレッド、グラフィックスレッド(メインスレッド))が実行され、サウンドプロセスでは、3つのスレッド(プロセス間通信スレッド、定周期スレッド、サウンドスレッド(メインスレッド))が実行され、ランププロセスでは、3つのスレッド(プロセス間通信スレッド、定周期スレッド、ランプスレッド(メインスレッド))が実行される。このように、1つのプロセスに複数のスレッドが存在するため、本実施形態における処理形態は、「マルチスレッド」であると言うことができ、また、複数のプロセスが同時に起動していることから、「マルチプロセス」であると言える。
また、このとき、OSが、マスタープロセスだけでなく、すべてのプロセスを起動するように構成することもできる。なお、「起動」とは、対象のプロセスをサブROM2210から読み込み、SDRAM2430上にロードし、ロードしたプロセスを実行させることであり、パソコンのアプリケーションソフトウェアのような動作となる。
なお、各スレッドは、上述のように、CPUコアを利用し、CPUコアに対して命令を与えることができるが、スレッドがどのCPUコアに命令を与えるかは、基本的にOSの制御により行われる。また、スレッドとそのスレッドが動作するCPUコアとの対応付けをユーザが指定することもできる。具体的には、ランププロセスは、常時1つのCPUコアを占有し、マスタープロセス、グラフィックプロセス、及び、サウンドプロセスは、占有されていない3つのCPUコアによってスレッドが動作するが、グラフィックプロセスのファイルキャッシュ処理(図392参照)は、ランププロセスが3つのCPUコアの内の1つのCPUコアを一時的に占有する。よって、1つのプロセスのすべてのスレッドが、同じCPUコアを利用するとは限らない。また、上述のように、プロセスには、それぞれメモリ空間が与えられるが、同一プロセス内のスレッドは、このメモリ空間を共有することができる。
図377には、上述したマスタープロセス、グラフィックプロセス、サウンドプロセス、及びランププロセスと、共有メモリとの関係が示されている。この共有メモリは、上述した、プロセス内のスレッドで共有可能なメモリ空間とは異なるものである。本実施形態では、共有メモリとして、図375に示したSDRAM2430の一部が用いられ、この共有メモリを各スレッド(プロセス間通信スレッド)がアクセスすることによって、プロセス間のデータ共有を可能としている。
共有メモリの構成としては、各CPUコア(または、各CPU)が、1つの共有バスを通して1つの共有メモリにアクセスする方式(集中共有メモリ方式)がある。また、各CPUコア(または、各CPU)のローカルメモリを共有バスで接続し、仮想的に1つの共有メモリとしてアクセス可能にする方式(分散共有メモリ方式)もある。
本実施形態では、上記のように、SDRAM2430が2つのSDRAMで構成されているため、このSDRAMのうち1つ(1つのSDRAMの一部または全部)を共有メモリとして設定することも、2つのSDRAMのそれぞれ少なくとも一部を仮想的に連結して共有メモリとして設定することもできる。
なお、本実施形態では、図375に示すように、可動役物2070を備えることもできるが、これに関連するプロセス、及びスレッドは、上述したグラフィックプロセス内の役物スレッドが制御を行う。また、図376に示したプロセスや、そのプロセスに係るスレッドは例示に過ぎず、その数や機能については様々なバリエーションを考えることができる。
図377では、実線の矢印が共有メモリの領域確保に関する主体と対象、及び共有メモリへのデータの書き込みを表し、点線の矢印が共有メモリへのデータの書き込みを表し、一点鎖線の矢印が共有メモリからのデータの読み込みを表している。なお、各プロセスにおいて、共有メモリにアクセスしないスレッドは、図示を省略している。
例えば、図377において、マスタープロセスのマスタースレッドが、SDRAM2430内に複数の共有メモリを確保する。ここでは、その1つの共有メモリの名称を「マスター→グラフィック」とし、この共有メモリ「マスター→グラフィック」は、マスタープロセスからグラフィックプロセスに向けたデータの記憶領域を意味しており、実際に、この共有メモリ「マスター→グラフィック」は、マスタープロセスのマスタースレッドでデータの書き込みが行われ、グラフィックプロセスのプロセス間通信スレッドでデータの読み込みが行われる。
なお、本実施形態では、プロセス単位でのデバッグや再起動が可能なように、送信側(書き込み側)のプロセスのスレッドが共有メモリの記憶領域を確保するように構成しているが、OSによって、または、受信側(読み込み側)のプロセスのスレッドによって当該記憶領域を確保するようにしても良い。また、いずれか1つのプロセス(のスレッド)によって、すべての記憶領域を確保するように構成することもできる。
同様に、グラフィックプロセスのグラフィックスレッドが、共有メモリ「グラフィック→マスター」を確保し、この共有メモリ「グラフィック→マスター」は、グラフィックプロセスのグラフィックスレッドでデータの書き込みが行われ、マスタープロセスのプロセス間通信スレッドでデータの読み込みが行われる。
また、サウンドプロセスのサウンドスレッドが、共有メモリ「サウンド→マスター」を確保し、この共有メモリ「サウンド→マスター」は、サウンドプロセスのサウンドスレッドでデータの書き込みが行われ、マスタープロセスのプロセス間通信スレッドでデータの読み込みが行われる。さらに、サウンドプロセスのサウンドスレッドが、共有メモリ「サウンド→グラフィック」を確保し、この共有メモリ「サウンド→グラフィック」は、サウンドプロセスのサウンドスレッドでデータの書き込みが行われ、グラフィックプロセスのプロセス間通信スレッドでデータの読み込みが行われる。
さらに、ランププロセスのランプスレッドが、共有メモリ「ランプ→マスター」を確保し、この共有メモリ「ランプ→マスター」は、ランププロセスのランプスレッドでデータの書き込みが行われ、マスタープロセスのプロセス間通信スレッドでデータの読み込みが行われる。
上記のように、本実施形態では、共有メモリを介したプロセス間通信の共有メモリからのデータの読み込み(受信)は、すべて各プロセスのプロセス間通信スレッドで行われるように構成されている(一点鎖線の矢印)。また、各プロセスのメインスレッド(例えば、マスタースレッド、グラフィックスレッド、サウンドスレッド、ランプスレッドなど)により、共有メモリへのデータの書き込みが行われるように構成されている(実線の矢印、及び点線の矢印)。また、各プロセスのメインスレッドで共有メモリからのデータの読み込み(受信)を行うように構成することもでき、各プロセスのプロセス間通信スレッドで、共有メモリへのデータの書き込み(送信)を行うように構成することもできる。
また、サウンドプロセスとランププロセスに関し、複数のプロセスからデータの書き込みが行われる共有メモリが設定されている。例えば、マスタープロセスのマスタースレッドが、共有メモリ「ANY→サウンド」を確保し、この共有メモリ「ANY→サウンド」は、マスタースレッド、グラフィックスレッド、ランプスレッドによってデータの書き込みが行われ、サウンドプロセスのプロセス間通信スレッドでデータの読み込みが行われる。また、マスタープロセスのマスタースレッドが、共有メモリ「ANY→ランプ」を確保し、この共有メモリ「ANY→ランプ」は、マスタースレッド、グラフィックスレッド、サウンドスレッドによってデータの書き込みが行われ、ランププロセスのプロセス間通信スレッドでデータの読み込みが行われる。
また、マスタープロセスは、遊技機のデバッグ用に、共有メモリ「ANY→マスター」を確保し、マスタープロセスを含む全てのプロセスのプロセス間通信スレッドから、デバッグ用のデータを収集する。なお、図377では、共有メモリ「ANY→マスター」に関し、マスタースレッドによる共有メモリ「ANY→マスター」の確保とデータの書き込みを実線で表したが、当該共有メモリへの他のスレッドからのデータの書き込みを表す点線の矢印の表記、及び、共有メモリからのデータの読み込みを表す一点鎖線の矢印の表記は省略した。
マスタープロセスのプロセス間通信スレッドには、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)ドライバ等を組み込むことができ、この組み込まれた通信プロトコルによって、パチスロ機1に接続されたデバッグ用の外部コンピュータに、共有メモリ「ANY→マスター」に書き込まれたデータ(メッセージ)を転送することができる。外部コンピュータは、パチスロ機1の副制御ユニット2100に所定のインターフェース(例えば、LAN回線やIEEE802.3準拠のGMACインターフェース)を介して接続され、共有メモリ「ANY→マスター」からのデータを上記プロトコルにより受信し、これらのデータに対して必要な解析を行うことができる。
また、マスタープロセスのプロセス間通信スレッドに加えて、グラフィックプロセス、サウンドプロセス、及びランププロセス等についてもTCPドライバ等を組み込むことで、各プロセスのプロセス間通信スレッドが、その通信プロトコルを用いて、対応する共有メモリの読み込みや書き込みをすることが可能となる。
これによって、副制御ユニット2100に接続された外部コンピュータの指示で所定の共有メモリに対するデータの送受信を行い、各プロセスの処理を制御することができる。このような構成によって、半実機状態での効果的なデバックが可能になる。例えば、第1処理を各プロセスで実行させるようにパチスロ機1に実装し、第2処理を外部コンピュータによる指示で実行させることにより、第2処理に関するデバッグや、第1処理と第2処理との関係の整理等を容易に行うことができる。このような構成により、従来、専用計測器を用いて内部のデータを把握するといった作業が不要となり、結果的に、デバッグを容易に行うことができる。
また、図376に関連して、OSがマスタープロセスを起動し、その後、マスタープロセスが各プロセスを起動するとの構成を説明したが、その後、マスタープロセスは、各プロセスが正常に起動したのを判断してから、各プロセスの共有メモリにデータ(メッセージ)の送信を行うようにすることもできる。
例えば、マスタープロセスのマスタースレッドが、起動対象のプロセスによってデータが書き込まれる共有メモリ(共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」、「ランプ→マスター」等)を確保した後、各プロセスを起動させる。そこで、各プロセスのメインスレッドは、必要な共有メモリの確保を行った後、プロセス間通信スレッドにより、マスタープロセスへメッセージを送信する(共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」、「ランプ→マスター」等に所定のデータを送信する)。次に、マスタープロセスのプロセス間通信スレッドは、各プロセスからのメッセージが上記の共有メモリに受信できているか否かを判定し、受信できていれば、その共有メモリに対応するプロセスが正常に起動したものと判断して、各プロセスへのメッセージの送信(共有メモリ「マスター→グラフィック」、「ANY→サウンド」、「ANY→ランプ」等へのデータの送信)を行う。
なお、本実施形態では、図375に示すように、可動役物2070を備えることもできるが、これに関連するプロセス、及びスレッドについての説明は省略する。
次に、図378を参照して、図377で説明した共有メモリにおけるデータ送受信方式について説明する。図378(A)には、上述した共有メモリ「ANY→サウンド」に関するデータ送受信の形態が示されている。すなわち、共有メモリ「ANY→サウンド」に関しては、上述のように、マスタープロセスのマスタースレッド、グラフィックプロセスのグラフィックスレッド、ランププロセスのランプスレッドでデータの書き込みが行われ、サウンドプロセスのプロセス間通信スレッドでデータの読み込みが行われる。ここで、上述した3つのスレッドのデータの書き込みをメッセージの送信、サウンドプロセスのプロセス間通信スレッドでのデータの読み込みをメッセージの受信と捉えれば、共有メモリ「ANY→サウンド」は、いわゆる「メッセージキュー」として機能する。
図378(B)には、メッセージキューの深さ=N(N個のメッセージ格納領域)を有する共有メモリ「ANY→サウンド」において、プロセスから(FIFO形式で)メッセージの送受信が行われる状況が示されている。図378(B)の上段に示すように、異なるプロセス(マスタープロセス、グラフィックプロセス、ランププロセス)からの「送信0」、「送信1」、「送信2」により、それぞれメッセージ「0」、「1」、「2」が送信されると、それらのメッセージが送信順にメッセージキューに追加され(メッセージ数は3)、その先頭(例えば、先頭アドレスによって指定されるメッセージ)はメッセージ「0」であり、終端(例えば、終端アドレスによって指定されるメッセージ)はメッセージ「2」となる。図378(B)の上段において、メッセージキューのハッチングされた領域は、メッセージが格納されていることを表す。
その後、図378(B)の中段に示すように、1つのプロセス(サウンドプロセス)によって、最初に追加されたメッセージ「0」が受信され、その結果、先頭はメッセージ「1」となり、メッセージが格納されていることを表すハッチング領域は、メッセージ「1」、「2」であり、このとき、先頭アドレスが変更され、メッセージ「1」が先頭となり、メッセージ「2」が終端となる。
次に、図378(B)の下段に示すように、1つのプロセス(サウンドプロセス)によって、メッセージ「1」、「2」が順に受信され、その結果、メッセージキューは空になり、先頭アドレスと終端アドレスはクリアされる(メッセージが格納されていることを表すハッチング領域が無くなる)。図378では、共有メモリ「ANY→サウンド」に係る送受信方式を説明したが、他の共有メモリも同様である。
また、複数のプロセスのプロセス間通信スレッドから、同時に同じ共有メモリ(メッセージキュー)に対してアクセスがあった場合、いずれか1つの書き込み、または読み込みを優先させるよう、排他制御が行われる。このような排他制御により、メッセージキューの同じ領域に、異なるメッセージが同時に追加されるといったことが回避される。
但し、スレッド間通信エリアは、サウンドプロセスで使用するためのメモリとして確保されるため、他のプロセス(マスタープロセス、グラフィックプロセス、及びランププロセス)からアクセスすることは不可能であり、サウンドプロセスが管理するメモリに確保される。
[11-2-1.サウンドプロセス]
次に、図379ないし図383を参照して、サウンドプロセスの基本的な流れについて説明する。
図379は、サウンドプロセスの各スレッドに関する基本的な流れを示す模式図である。ここでは、イベントコードやサウンドコードによって、単独リクエストや、複数の単独リクエストを含むシーケンスリクエストが実行される。単独リクエストは、例えば、新たなサウンドを要求するためのリクエスト、再生中のサウンドのミュートや消音をするためのリクエストなどである。
図379に示すように、サウンドプロセスのプロセス間通信スレッドとサウンドスレッドには、定周期スレッドから一定周期でタイミング情報が提供される。また、共有メモリ「ANY→サウンド」に、他のメインスレッド(例えば、マスタープロセス、グラフィックプロセス、ランププロセスの各メインスレッド)から、イベントコードやサウンドコード等を書き込むと、それらのデータが、プロセス間通信スレッドにより読み込まれ、サウンドスレッドに提供される。
例えば、図380(A)に示すように、共有メモリ「ANY→サウンド」には、イベントコードやサウンドコードのほか、音量設定、サウンド消音リクエスト、サウンド一時停止リクエストといった、サウンドのリクエストに係るデータ等が格納される。
サウンドスレッドは、プロセス間通信スレッドからイベントコードやサウンドコード等を受信すると、そのデータ等に基づくリクエスト、及び関連するサウンドデータをライブラリAPIに提供する。ライブラリAPIは、例えば、ファームウエアやドライバといった形で本実施形態のパチスロ機1に実装され、リクエストとサウンドデータによって、デジタルアンプに接続されたスピーカ群2040での音声出力等が制御される。
ライブラリAPIは、リクエストとサウンドデータの受信に応じて、サウンドスレッドに再生情報等を送信する。サウンドスレッドが、ライブラリAPIから受信した再生情報等を共有メモリ「サウンド→マスター」や「サウンド→グラフィック」に送信すると、マスタープロセスのプロセス間通信スレッドは、共有メモリ「サウンド→マスター」にアクセスして当該再生情報等を読み込み、グラフィックプロセスのプロセス間通信スレッドは、共有メモリ「サウンド→グラフィック」にアクセスして当該再生情報等を読み込む。
共有メモリ「サウンド→マスター」には、例えば、図380(B)に示すように、サウンドプロセスの各スレッドに関する生存情報(スレッドが正常動作をしていることを示す情報)や、要求されたリクエストのリクエスト情報等が格納される。
また、共有メモリ「サウンド→グラフィック」には、例えば、図380(C)に示すように、再生中のサウンド種別、シーケンスパターン、再生経過時間等を含む再生情報、マーカー、サウンドと連動させるサウンド連動ランプ、サウンド情報(リクエストや再生中のサウンド情報を含む)等が格納される。
[11-2-1a.サウンドプロセスのサウンドスレッド]
図381には、図379で示したサウンドスレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。サウンドスレッドは、起動時に、共有メモリ「サウンド→マスター」、「サウンド→グラフィック」を確保する(ステップS3001)。次に、ステップS3002において、スレッド間通信エリアを確保する。このスレッド間通信エリアは、各スレッド間(例えば、サウンドスレッドとプロセス間通信スレッドとの間、サウンドスレッドと定周期スレッドとの間)のメモリとして個別に確保されたり、すべてのスレッド間で共通のメモリとして確保されるなど、様々な形態がある。
また、本実施形態では、スレッド間では、データはすべてスレッド間通信エリアを介したスレッド間通信でやり取りし、例えば、一方の処理でグローバル変数として宣言した変数(フラグ等)を更新し、他の処理で、そのグローバル変数を参照するといった、従来のデータ共有方法は使用していない。スレッド間通信エリアは、図378で説明した共有メモリと同様の形式のメッセージキューであり、例えば、SDRAM2430に確保される。
次に、ステップS3003において、上記のようなスレッド間通信エリアを参照して、プロセス間通信スレッドからのリクエスト(イベントコード、サウンドコード、リクエスト等)を取得する。次に、ステップS3004において、リクエスト要求があったか否かが判定される。リクエスト要求があったと判定された場合(ステップS3004のYES)、ステップS3005において、リクエスト要求の解析が行われる。
リクエスト要求の解析を行った結果、そのリクエスト要求が新たなリクエスト要求か否かを判定する(ステップS3006)。新たなリクエスト要求であった場合(ステップS3006のYES)、ステップS3007において、その新たなリクエストを登録し、その後、ステップS3014に進む。新たなリクエスト要求でない場合(ステップS3006のNO)、ステップS3008において、そのリクエストを要求中リクエストに登録する。
リクエスト要求がないと判定された場合(ステップS3004のNO)、ステップS3009において、定周期スレッドからのタイミング情報(SID=1)があるか否かを判定する。タイミング情報がない場合(ステップS3009のNO)、ステップS3014に進む。タイミング情報がある場合(ステップS3009のYES)、ステップS3010において、ライブラリAPIからの再生情報を取得し、その後、ステップS3011において、その取得した再生情報を共有メモリ「サウンド→グラフィック」にセットする。
次に、ステップS3012において、サウンドプロセスのスレッド間通信エリアから、各スレッドのスレッド生存情報(プロセス間通信スレッド生存情報、定周期スレッド生存情報)を取得し、ステップS3013において、その取得した生存情報と、自身(サウンドスレッド)が生きていることを表すサウンドスレッド生存情報を、共有メモリ「サウンド→マスター」にセットし、その後、ステップS3014に進む。
ステップS3014において、実行中リクエスト要求は、シーケンスリクエストか否かが判定される。実行中リクエスト要求がシーケンスリクエストである場合(ステップS3014のYES)、ステップS3015においてシーケンス更新処理を行う。実行中リクエスト要求がシーケンスリクエストでない場合(ステップS3014のNO)、ステップS3016に進む。
ステップS3016において、要求中リクエストの処理を行い、ステップS3017において、ドライバ(API)アクセスを行う。要求中リクエストの処理は、例えば、ミュート、消音、フェードイン/アウト、ダッキング、ボリューム変更、マーカーに関する要求(実行)中のリクエスト、新たなサウンドを要求された場合に再生するサウンドの取得や、取得したサウンドの登録等である。なお、ダッキングとは、一定の状況において、特定の音源のボリュームを絞って他の音を聞きやすくしたり際立たせる編集のことであり、例えば、ナレーションが再生される瞬間にBGMのボリュームを小さくするような編集が想定され、また、BGMを再生する場合であれば、ギター音を際立たせるため、ギター以外の楽器の音のボリュームを小さくする編集が想定される。
また、ドライバアクセスは、要求中リクエストの処理結果をドライバに反映させ、実際にドライバからサウンドデータをデジタルアンプに送る処理である。これによって、デジタルアンプに接続されたスピーカ群2040に対して、音声出力等の制御がされる。
次に、サウンドスレッドの更新タイミングの到来を待機し(ステップS3018)、その後、ステップS3003に戻り、以降の処理を繰り返す。なお、サウンドスレッドによるサウンド制御については、後で詳細に説明する。
[11-2-1b.サウンドプロセスのプロセス間通信スレッド]
図382には、図379で示したプロセス間通信スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。プロセス間通信スレッドは、共有メモリ「ANY→サウンド」を監視し、その共有メモリにリクエストが存在すれば、共有メモリから当該リクエストを取り出し、そのリクエストを、スレッド間通信により、サウンドスレッドに送信する。
プロセス間通信スレッドは、最初に、共有メモリ「ANY→サウンド」からリクエストの取得を行う(ステップS3031)。次に、ステップS3032において、リクエスト(イベントコード、サウンドコード、リクエスト等)があったか否かが判定される。リクエストがあったと判定された場合(ステップS3032のYES)、ステップS3033において、そのリクエストをスレッド間通信エリアにセットし、ステップS3034に進む。なお、本実施形態では、共有メモリ「ANY→サウンド」に対し、図380に示すように、マスタープロセス、グラフィックプロセス、ランププロセスの各プロセス間通信スレッドから、イベントコード、サウンドコード、リクエスト等が書き込まれる。リクエストがないと判定された場合(ステップS3032のNO)、なにもせずにステップS3034に進む。
ステップS3034において、自身(プロセス間通信スレッド)が生きていることを表すプロセス間通信スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットする。このプロセス間通信スレッド生存情報は、共有メモリにリクエストがなくてもセットされる。その後、ステップS3035において、定周期スレッドからのタイミング情報(SID=2)の到来を待機し、その後、ステップS3031に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-1c.サウンドプロセスの定周期スレッド]
図383には、図379で示した定周期スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。定周期スレッドは、一定周期に動作するもので、サウンドスレッド、及びプロセス間通信スレッドのためのタイミング情報を生成し、これを、スレッド間通信を使用してサウンドスレッド、プロセス間通信スレッドにそれぞれ通知する。
最初に、ステップS3051において、タイミング情報発生処理を実行する。このタイミング情報発生処理は、各スレッドに応じた時間でタイミング情報を発生させる処理であり、スレッドごとに、異なるサウンドID(SID)のタイミング情報を発生させる。SIDは、例えば、サウンドスレッドに応じたタイミング情報の場合は、SID=1であり、10msec周期毎に発生するタイミング情報である。また、プロセス間通信スレッドに応じたタイミング情報の場合は、SID=2であり、20sec周期毎に発生するタイミング情報である。
次に、ステップS3052において、発生させたタイミング情報を、(スレッド間通信用に)スレッド間通信エリアにセットし、ステップS3053において、自身(定周期スレッド)が生きていることを表す定周期スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットし、その後、ステップS3054において、一定期間(10msec)待機し、その後、ステップS3051に戻り、以降の処理を繰り返す。
なお、本実施形態では、タイミング情報を10msec周期毎に発生させているが、これに限定されず、2msec~20msec間のいずれかの周期にタイミング情報を発生させてもよい。
[11-2-2.ランププロセス]
次に、図384ないし図388を参照して、ランププロセスの基本的な流れについて説明する。
図384は、ランププロセスの各スレッドに関する基本的な流れを示す模式図である。ここでは、イベントコード、パターンリクエスト、シーケンスリクエスト等によって、単独リクエストや、複数の単独リクエストを含むシーケンスリクエストが実行される。単独リクエストは、例えば、新たなランプ(の点灯)を要求するためのリクエスト、点灯中のランプを消灯するためのリクエストなどである。
図384に示すように、ランププロセスのプロセス間通信スレッドとランプスレッドには、定周期スレッドから一定周期でタイミング情報が提供される。また、共有メモリ「ANY→ランプ」に、他のメインスレッド(例えば、マスタープロセス、グラフィックプロセス、ランププロセスの各メインスレッド)から、シーケンスリクエスト1等を書き込むと、そのシーケンスリクエスト1等が、プロセス間通信スレッドにより読み込まれ、ランプスレッドに提供される。
例えば、図385(A)に示すように、共有メモリ「ANY→ランプ」には、イベントコード、パターンリクエスト、シーケンスリクエスト、テーブル番号リクエストのほか、ポート指定、グループ指定、ランプクリア、ランプ一時停止、ランプ輝度設定といった、ランプのリクエストに係るデータ等が格納される。
ランプスレッドは、プロセス間通信スレッドからイベントコード等を受信すると、そのイベントコード等に基づいて、ランプに関するリクエストと、関連するランプデータをライブラリAPIに提供する。ライブラリAPIは、例えば、ファームウエアやドライバといった形で本実施形態のパチスロ機1に実装され、リクエストとランプデータによって、LEDドライバ2250に接続された演出用LED群2050の点灯等が制御される。
ライブラリAPIは、リクエストとランプデータの受信に応じて、ランプスレッドに再生情報等を送信する。ランプスレッドが、ライブラリAPIから受信した再生情報等を共有メモリ「ランプ→マスター」に送信すると、マスタープロセスのプロセス間通信スレッドは、共有メモリ「ランプ→マスター」にアクセスして当該再生情報等を読み込む。なお、本実施形態では、ランプの再生情報がグラフィックプロセスで必要ないため、共有メモリ「ランプ→グラフィック」を設けていないが、必要に応じて共有メモリ「ランプ→グラフィック」を設け、ランプスレッドが送信したデータを、グラフィックプロセスのプロセス間通信スレッドが読み込むようにしてもよい。
共有メモリ「ランプ→マスター」には、例えば、図385(B)に示すように、ランププロセスの各スレッドに関する生存情報(スレッドが正常動作をしていることを示す情報)や、再生中のランプパターン、再生経過時間等を含む再生情報が格納され、さらに、要求されたリクエストのリクエスト情報等が格納される。
[11-2-2a.ランププロセスのランプスレッド]
図386には、図384で示したランプスレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。ランプスレッドは、起動時に、共有メモリ「ランプ→マスター」を確保する(ステップS3071)。次に、ステップS3072において、スレッド間通信エリアを確保する。このスレッド間通信エリアは、各スレッド間(例えば、ランプスレッドとプロセス間通信スレッドとの間、ランプスレッドと定周期スレッドとの間)のメモリとして個別に確保されたり、すべてのスレッド間で共通のメモリとして確保されるなど、様々な形態がある。
ランププロセスのスレッド間通信エリアも、サウンドプロセスのサウンドスレッドのスレッド間通信エリアと同様である。
また、本実施形態では、スレッド間では、データはすべてスレッド間通信エリアを介したスレッド間通信でやり取りし、例えば、一方の処理でグローバル変数として宣言した変数(フラグ等)を更新し、他の処理で、そのグローバル変数を参照するといった、従来のデータ共有方法は使用していない。
次に、ステップS3073において、上記のようなスレッド間通信エリアを参照して、プロセス間通信スレッドからのリクエスト(イベントコードやシーケンスリクエスト等)を取得する。次に、ステップS3074において、リクエスト要求があったか否かが判定される。リクエスト要求があったと判定された場合(ステップS3074のYES)、ステップS3075において、リクエスト要求の解析が行われる。
リクエスト要求の解析を行った結果、そのリクエスト要求が新たなリクエスト要求か否かを判定する(ステップS3076)。新たなリクエスト要求であった場合(ステップS3076のYES)、ステップS3077において、その新たなリクエストを登録し、その後、ステップS3083に進む。新たなリクエスト要求でない場合(ステップS3076のNO)、ステップS3078において、そのリクエストを要求中リクエストに登録する。
リクエスト要求がないと判定された場合(ステップS3074のNO)、ステップS3079において、定周期スレッドからのタイミング情報(LID=1)があるか否かを判定する。タイミング情報がない場合(ステップS3079のNO)、ステップS3083に進む。タイミング情報がある場合(ステップS3079のYES)、ステップS3080において、ライブラリAPIからの再生情報等を取得し、その後、ステップS3081において、ランププロセスのスレッド間通信エリアから、各スレッドのスレッド生存情報を取得し、ステップS3082において、ステップS3080で取得した再生情報等と、ステップS3081で取得した生存情報(プロセス間通信スレッド生存情報、定周期スレッド生存情報)と、自身(ランプスレッド)が生きていることを表すランプスレッド生存情報とを、共有メモリ「ランプ→マスター」にセットし、その後、ステップS3083に進む。
ステップS3083において、実行中リクエスト要求は、シーケンスリクエストか否かが判定される。実行中リクエスト要求がシーケンスリクエストである場合(ステップS3083のYES)、ステップS3084においてシーケンス更新処理を行う。実行中リクエスト要求がシーケンスリクエストでない場合(ステップS3083のNO)、ステップS3085に進む。
ステップS3085において、要求中リクエストの処理を行い、ステップS3086において、ドライバ(API)アクセスを行う。要求中リクエストの処理は、例えば、消灯、フェードイン/アウト、輝度変更、新たなランプといったリクエストを要求された場合に再生するランプの取得や、取得したランプの登録等である。また、ドライバアクセスは、要求中リクエストの処理結果をドライバに反映させ、実際にドライバからランプデータをLEDドライバ2250に送る処理である。これによって、LEDドライバ2250に接続された演出用LED群2050に対して、点灯等の制御がされる。
次に、ランプスレッドの更新タイミングの到来を待機し(ステップS3087)、その後、ステップS3073に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-2b.ランププロセスのプロセス間通信スレッド]
図387には、図384で示したプロセス間通信スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。プロセス間通信スレッドは、共有メモリ「ANY→ランプ」を監視し、その共有メモリにイベントコード等のリクエストが存在すれば、共有メモリから当該リクエストを取り出し、そのリクエストを、スレッド間通信により、ランプスレッドに送信する。
プロセス間通信スレッドは、最初に、共有メモリ「ANY→ランプ」からリクエストの取得を行う(ステップS3101)。次に、ステップS3102において、リクエストがあったか否かが判定される。リクエストがあったと判定された場合(ステップS3102のYES)、ステップS3102において、そのリクエストをスレッド間通信エリアにセットし、ステップS3103に進む。なお、本実施形態では、共有メモリ「ANY→ランプ」には、図377に示すように、マスタープロセス、グラフィックプロセス、サウンドプロセスの各プロセス間通信スレッドからリクエストが書き込まれる。リクエストがないと判定された場合(ステップS3102のNO)、なにもせずにステップS3104に進む。
ステップS3104において、自身(プロセス間通信スレッド)が生きていることを表すプロセス間通信スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットする。このプロセス間通信スレッド生存情報は、共有メモリにリクエストがなくてもセットされる。その後、ステップS3105において、定周期スレッドからのタイミング情報(LID=2)の到来を待機し、その後、ステップS3101に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-2c.ランププロセスの定周期スレッド]
図388には、図384で示した定周期スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。定周期スレッドは、一定周期に動作するもので、ランプスレッド、及びプロセス間通信スレッドのためのタイミング情報を生成し、これを、スレッド間通信を使用してランプスレッド、プロセス間通信スレッドにそれぞれ通知する。
最初に、ステップS3121において、タイミング情報発生処理を実行する。このタイミング情報発生処理は、各スレッドに応じた時間でタイミング情報を発生させる処理であり、スレッドごとに、異なるランプID(LID)のタイミング情報を発生させる。LIDは、例えば、ランプスレッドに応じたタイミング情報の場合は、LID=1であり、2msec周期毎に発生するタイミング情報である。また、プロセス間通信スレッドに応じたタイミング情報の場合は、LID=2であり、20sec周期毎に発生するタイミング情報である。
次に、ステップS3122において、発生させたタイミング情報を、(スレッド間通信用に)スレッド間通信エリアにセットし、ステップS3123において、自身(定周期スレッド)が生きていることを表す定周期スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットし、その後、ステップS3124において、一定期間(2msec)待機し、その後、ステップS3051に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-3.グラフィックプロセス]
次に、図389ないし図395を参照して、グラフィックプロセスの基本的な流れについて説明する。
図389は、グラフィックプロセスの各スレッドに関する基本的な流れを示す模式図である。ここでは、リクエストが要求された例が示されている。なお、本実施形態においては、可動役物2070を有するように構成することもでき、その場合に実装される役物スレッド、及びこれに関連するデータの流れを点線で示している。
図389に示すように、グラフィックプロセスのプロセス間通信スレッドとグラフィックスレッドには、定周期スレッドから一定周期でタイミング情報が提供される。また、本実施形態に係るパチスロ機1が可動役物2070を有する場合、役物スレッドに対しても、定周期スレッドから一定周期でタイミング情報が提供される。
また、共有メモリ「マスター→グラフィック」、「サウンド→グラフィック」に、他のメインスレッド(例えば、マスタープロセス、サウンドプロセスの各メインスレッド)から、リクエストを書き込むと、そのリクエストが、プロセス間通信スレッドにより読み込まれ、グラフィックスレッドに提供される。
例えば、図390(A)に示すように、共有メモリ「マスターグラフィック」には、遊技状態等、キー入力情報、エラー画面表示情報、画面表示に関する各種情報、プロジェクタ情報等が格納され、それぞれがグラフィックプロセスに対する「リクエスト」として機能しうる。遊技状態等は、例えば、遊技状態、RT状態、内部当籤役などを含む。また、キー入力情報は、例えば、所定の演出ボタンのプッシュ、チャンスボタンの操作、タッチパネルの座標や操作種別に関する情報などを含む。また、エラー画面表示情報には、エラー画面を表示するためのエラーコード等を含むことができ、プロジェクタ情報には、フォーカス情報や中心座標位置等が含まれうる。
なお、本実施形態では、メイン表示装置2510としてプロジェクタを使用しているため、プロジェクタ情報を共有メモリに格納しているが、メイン表示装置2510に、サブ表示装置2520と同様の液晶表示装置を使用する場合、プロジェクタ情報の代わりにメイン液晶情報が格納される。メイン液晶情報は、実装された液晶表示装置のスペック、及び仕様に応じた情報となる。
共有メモリ「サウンド→グラフィック」は、図380(C)を参照して説明したように、再生中のサウンド種別、シーケンスパターン、再生経過時間等を含む再生情報、マーカー、サウンドと連動させるサウンド連動ランプ、サウンド情報(リクエストや再生中のサウンド情報を含む)等が格納されており、このうちのそれぞれが、グラフィックプロセスに対する「リクエスト」として機能しうる。
グラフィックスレッドは、プロセス間通信スレッドからリクエストを受信すると、そのリクエストに基づいて、2D/3DリクエストデータをライブラリAPIに提供する。ライブラリAPIは、例えば、ファームウエアやドライバといった形で本実施形態のパチスロ機1に実装され、2D/3Dリクエストデータに基づいて、(CPU2390の制御による)GPU2400とVPU2410の処理によって、本実施形態のパチスロ機1のメイン表示装置2510や、サブ表示装置2520に画像を表示するように制御する。
ライブラリAPIは、2D/3Dリクエストデータの受信に応じて、グラフィックスレッドに各種情報を送信する。グラフィックスレッドが、ライブラリAPIから受信した各種情報を共有メモリ「グラフィック→マスター」、「ANY→サウンド」、「ANY→ランプ」に送信すると、マスタープロセスのプロセス間通信スレッドは、共有メモリ「グラフィック→マスター」にアクセスして当該各種情報を読み込み、サウンドプロセスのプロセス間通信スレッドは、共有メモリ「ANY→サウンド」にアクセスして当該各種情報を読み込み、ランププロセスのプロセス間通信スレッドは、共有メモリ「ANY→ランプ」にアクセスして当該各種情報を読み込む。
共有メモリ「グラフィック→マスター」には、例えば、図390(B)に示すように、グラフィックプロセスの各スレッドに関する生存情報(スレッドが正常動作をしていることを示す情報)、プロジェクタ情報、役物情報、発生エラー情報、映像情報等が格納される。
共有メモリ「ANY→サウンド」には、図380(A)を参照して説明したように、イベントコードやサウンドコードのほか、音量設定、サウンド消音リクエスト、サウンド一時停止リクエストといった、サウンドのリクエストに係るデータ等が格納され、また、共有メモリ「ANY→ランプ」には、図385(A)を参照して説明したように、イベントコード、パターンリクエスト、シーケンスリクエスト、テーブル番号リクエストのほか、ポート指定、グループ指定、ランプクリア、ランプ一時停止、ランプ輝度設定といった、ランプのリクエストに係るデータ等が格納される。
また、本実施形態のパチスロ機1が可動役物2070を有する場合、役物スレッドは、マスタープロセスから、(グラフィックプロセスのプロセス間通信スレッドとグラフィックスレッドを経由して)役物リクエストを受信すると、その役物リクエストに基づいて、リクエストデータをライブラリAPIに提供する。なお、本実施形態において、役物スレッドは、可動役物2070に関して複雑な動作を行うことがないため、シーケンスリクエストを使用することはないが、マスタープロセスからの役物リクエストを基に、グラフィックスレッド内で、役物へのリクエストを組み合わせてシーケンスリクエストを生成することもできる。
ライブラリAPIは、例えば、ファームウエアやドライバといった形で本実施形態のパチスロ機1に実装され、役物スレッドからのリクエストデータに基づいて、モータドライバIC等に接続された可動役物がリクエストに応じて駆動するように制御される。また、役物スレッドは、ライブラリAPIから受信した役物情報を、グラフィックスレッドに送信し、グラフィックスレッドは、受信した役物情報を共有メモリ「グラフィック→マスター」に書き込む。
[11-2-3a.グラフィックプロセスのグラフィックスレッド]
図391には、図389で示したグラフィックスレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。グラフィックスレッドは、起動時に、共有メモリ「グラフィック→マスター」を確保する(ステップS3141)。次に、ステップS3142において、スレッド間通信エリアを確保する。このスレッド間通信エリアは、各スレッド間(例えば、グラフィックスレッドとプロセス間通信スレッドとの間、グラフィックスレッドと定周期スレッドとの間)のメモリとして個別に確保されたり、すべてのスレッド間で共通のメモリとして確保されるなど、様々な形態がある。
グラフィックプロセスのスレッド間通信エリアも、サウンドプロセスのサウンドスレッドのスレッド間通信エリアと同様である。
また、本実施形態では、スレッド間では、データはすべてスレッド間通信エリアを介したスレッド間通信でやり取りし、例えば、一方の処理でグローバル変数として宣言した変数(フラグ等)を更新し、他の処理で、そのグローバル変数を参照するといった、従来のデータ共有方法は使用していない。
次に、ステップS3143において、上記のようなスレッド間通信エリアを参照して、プロセス間通信スレッドからのリクエストを取得する。次に、ステップS3144において、リクエスト要求があったか否かが判定される。リクエスト要求があったと判定された場合(ステップS3144のYES)、ステップS3145において、リクエスト要求の解析が行われる。
リクエスト要求の解析は、例えば、マスタープロセスから送られてくるデータに基づき(すなわち、共有メモリ「マスター→グラフィック」に格納されるデータに基づき)、主制御基板2010からのコマンドがリクエストに登録されていれば、コマンドの種類により、新たな演出を実行する場合(例えば、スタートコマンド)には、同じくリクエストに登録されている遊技状態、内部当籤役等の情報を基に、新たな演出を決定(スタートコマンドを契機として演出の抽籤、表示(入賞)コマンドを契機として別の演出に切り替え)し、新たに決定した演出を実行するための準備を行い、コマンドの種類により実行中の演出を更新(例えば、ストップコマンドを契機に演出トリガを更新)させるための準備を行う。
リクエスト要求の解析を行った結果、そのリクエスト要求が新たなリクエスト要求か否かを判定する(ステップS3146)。新たなリクエスト要求であった場合(ステップS3146のYES)、ステップS3147において、新たな演出オブジェクトを生成し、その後、ステップS3154に進む。ここで、新たな演出オブジェクトの生成は、新たに演出が決定すると、決定した演出の演出シーケンス、使用する画像データ(動画(2D/3D)/静止画(2D/3D))の登録情報、使用する画像データの描画サイズ、各種効果(エフェクト等)、トリガ情報等が記憶された演出データを選択し、選択した演出データから演出オブジェクトを生成する。
新たなリクエスト要求でない場合(ステップS3146のNO)、ステップS3148において、そのリクエストを、実行中の演出オブジェクトに登録する。
リクエスト要求がないと判定された場合(ステップS3144のNO)、ステップS3149において、定周期スレッドからのタイミング情報(GID=1)があるか否かを判定する。タイミング情報がない場合(ステップS3149のNO)、ステップS3154に進む。タイミング情報がある場合(ステップS3149のYES)、ステップS3150において、ライブラリAPIからの各種情報を取得し、その後、ステップS3151において、その取得した各種情報を共有メモリ「グラフィック→マスター」にセットする。
次に、ステップS3152において、スレッド間通信エリアを参照して、グラフィックプロセスのスレッド間通信エリアから、各スレッドのスレッド生存情報(プロセス間通信スレッド生存情報、定周期スレッド生存情報、役物スレッド生存情報)を取得し、ステップS3153において、その取得した生存情報と、自身(グラフィックスレッド)が生きていることを表すグラフィックスレッド生存情報を、共有メモリ「グラフィック→マスター」にセットし、その後、ステップS3154に進む。
ステップS3154において、実行中の演出オブジェクトの更新処理を行う。この処理は、フレーム毎の更新処理や、主制御基板2010からのコマンドに応じた演出トリガの更新等を行い、その結果、実行中の演出オブジェクトがフレーム単位で更新される。
次に、ステップS3155において、2D/3D CG処理を行う。この処理は、2D画像(ムービー含む)への効果指示、スプライトの設定、輝度/透過設定等を行い、3D画像(ムービー含む)のためのポリゴン指示、テクスチャ選択等を行うものである。
その後、ステップS3156において、ファイルキャッシュ処理を行う。ファイルキャッシュ処理については、図392を参照して後で説明する。次に、ステップS3157において、ドライバ(API)アクセス(描画処理、データ構築処理)を行う。この処理は、ステップS3155における2D/3D CG処理の結果をドライバに反映させ、演出等に係る3Dイメージや2Dイメージを生成するもので、GPU2400、及びVPU2410の処理である。なお、ここでは、GPU(VPU)にアクセスするためのドライバ(API)としてOpenGLを使用するが、他のドライバを使用することもできる。
次に、グラフィックスレッドの更新タイミングの到来を待機し(ステップS3158)、その後、ステップS3143に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-3b.ファイルキャッシュ処理]
図392には、図391で示したファイルキャッシュ処理の流れを、より詳細に表したフローチャートが示されている。
ここで、図391のグラフィックスレッドや図392のファイルキャッシュ処理を制御するCPU2390は、演算処理プロセッサに対応し、図391のステップS3157でドライバ(API)アクセス(描画処理、データ構築処理)を行うGPU2400やVPU2410は、画像処理プロセッサに対応し、また、副制御ユニット2100は、上記の演算処理プロセッサと画像処理プロセッサを有する演出制御部に対応する。また、演出制御部によって表示が行われるメイン表示装置2510やサブ表示装置2520は、表示部に対応する。
最初に、ステップS3171において、例えば、サブROM2210を参照して、読み込みリストがあるか否かの判定を行う。読み込みリストがあると判定された場合(ステップS3171のYES)、ステップS3172において、読み込みリストからプリフェッチ情報を生成する。プリフェッチ情報には、読み込むデータの順にデータ識別情報(例えば、データ名やアドレス)が並んで格納されている。
次に、ステップS3173において、例えば、SDRAM2430にファイルキャッシュ用メモリ(例えば、FIFO形式のメモリ)を確保し、ステップS3174で、ファイルキャッシュスレッドの生成を要求する。
ステップS3174で、ファイルキャッシュスレッドの生成が要求されると、読み込み専用スレッドとしてファイルキャッシュスレッドを起動する。このファイルキャッシュスレッドは、CPU2390の、動作していない、いずれかのCPUコアにより、グラフィックプロセスのスレッドとして実行され、ファイルキャッシュ処理を行った後、処理を終了する。
ファイルキャッシュスレッドでは、上記のプリフェッチ情報に基づいて、GPU2400、VPU2410で行われるドライバアクセス(描画処理等)で用いられるデータの先読みが行われる。例えば、サブROM2210に記憶されている、描画処理に関する関連データが、プリフェッチ情報に記憶されたデータ識別情報の並びに基づく所定の順序で、SDRAM2430のファイルキャッシュ用メモリに事前に読み込まれ、最終的に、GPU2400やVPU2410に転送される。
なお、読み込みリストは、GPU2400等に転送される関連データの一部として格納・管理されていてもよいし、関連データとは別個のデータとして管理されていてもよい。
読み込みリストがないと判定された場合(ステップS3171のNO)、ステップS3175において、キャンセル要求があるか否かの判定を行う。キャンセル要求があると判定された場合(ステップS3175のYES)、ステップS3176において、プリフェッチ情報を破棄し、さらに、ステップS3177において、ファイルキャッシュスレッドの破棄を要求し、その後、ファイルキャッシュ処理を終了する。キャンセル要求がないと判定された場合(ステップS3175のNO)、なにもせずに、ファイルキャッシュ処理を終了する。
なお、ファイルキャッシュ用メモリを確保する場合、システムとアプリケーションがVRAM2420を利用している場合は、VRAM2420で未使用の部分の全て、またはその一部を、当該ファイルキャッシュ用メモリに用いることもできる。
また、プリフェッチ情報には、例えば、GPU2400やVPU2410で1シーンの描画処理をするのに必要なデータが、所定のCPUコア(ファイルキャッシュスレッドとは異なるCPUコア)により提供される順序(処理の順序)で指定されており、ファイルキャッシュスレッドは、そのプリフェッチ情報で指定された順序で、データをファイルキャッシュ用メモリに読み込む結果、ファイルキャッシュ用メモリには、プリフェッチ情報で指定された順序でデータが並ぶことになる。
GPU2400やVPU2410で描画処理等を行う場合、所定のCPUコアは、ファイルキャッシュスレッドで読み込まれたデータを順次、読み込まれた順に取り出してGPU2400やVPU2410に転送し、その処理結果をVRAM2420に書き込む。また、所定のCPUコアによって、ファイルキャッシュ用メモリからデータが読み取られると、その都度、当該データがファイルキャッシュ用メモリから消去されるので、GPU2400やVPU2410の描画処理等で所定のCPUコアが必要なデータを転送している間に、別のCPUコア(ファイルキャッシュスレッド)が、並行して(バックグラウンドで)、次のシーンに用いるデータを順次読み取る(すなわち、先読みする)ことができるので、実質的に、当該データの読み込みに要する時間を不要とする(または、大幅に節約する)ことができる。
なお、一般的な演出等に用いられるシーンで利用されるデータは、その内容と使用順序が予め分かっており、プリフェッチ情報にこの内容を記憶させておけば、ファイルキャッシュスレッドで効果的なデータの先読みが実現される。例えば、3D画像では、対象物(ポリゴンオブジェクト)のモデリング、座標変換、シェーディング、テクスチャマッピング等に用いるデータと、それらのデータを使用する順序が予め分かっている。
なお、プリフェッチ情報が不明の場合は、ファイルキャッシュスレッドでの先読みは行われず、通常の読み込みが行われる(ファイルキャッシュ用メモリを用いず、サブROM2210等から直接、必要なデータが読み込まれる)。また、ファイルキャッシュ用メモリにデータがない場合、所定のCPUコアは、通常の読み込み(サブROM2210等からの読み込み)を行う。
OS(オペレーティングシステム)の機能を利用して画像処理に係る関連データをキャッシュすることも可能であるが、通常のキャッシュは、CPUのキャッシュメモリ(例えば、各CPUコアに対してL1キャッシュが64KB、全CPUコアでL2キャッシュが512KB)を利用しており、その記憶容量は大きくないので、すぐにメモリの容量が不足して通常の読み込み処理が行われることが多くなり、期待したパフォーマンスを得ることが難しい。これに対し、上述した本願のファイルキャッシュ処理では、比較的大容量のファイルキャッシュ用メモリが確保されるとともに、そのファイルキャッシュ用メモリに、(読み込み専用スレッドによって)処理順を意識した配置で関連データが記憶されることにより、データ読み込みの処理効率が向上し、複数のデータ高速に読み込むことができる。
[11-2-3c.グラフィックプロセスのプロセス間通信スレッド]
図393には、図389で示したプロセス間通信スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。プロセス間通信スレッドは、共有メモリ「マスター→グラフィック」、「サウンド→グラフィック」を監視し、その共有メモリに所定のデータ(例えば、登録データ)が存在すれば、共有メモリから当該データを取り出し、そのデータをリクエストとして、スレッド間通信により、グラフィックスレッドに送信する。
プロセス間通信スレッドは、最初に、共有メモリ「マスター→グラフィック」、「サウンド→グラフィック」から登録データの取得を行う(ステップS3191)。次に、ステップS3192において、登録データがあったか否かが判定される。登録データがあったと判定された場合(ステップS3192のYES)、ステップS3193において、その登録データをリクエストとしてスレッド間通信エリアにセットし、ステップS3194に進む。なお、本実施形態では、共有メモリ「マスター→グラフィック」、「サウンド→グラフィック」には、図377、図390(A)、図380(C)に示すように、マスタープロセス、サウンドプロセスの各プロセス間通信スレッドから、(例えば、共有メモリ「マスター→グラフィック」に格納された)遊技状態といった登録データが書き込まれる。登録データがないと判定された場合(ステップS3192のNO)、なにもせずにステップS3194に進む。
ステップS3194において、自身(プロセス間通信スレッド)が生きていることを表すプロセス間通信スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットする。このプロセス間通信スレッド生存情報は、共有メモリに登録データがなくてもセットされる。その後、ステップS3195において、定周期スレッドからのタイミング情報(GID=2)の到来を待機し、その後、ステップS3191に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-3d.グラフィックプロセスの定周期スレッド]
図394には、図389で示した定周期スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。定周期スレッドは、一定周期に動作するもので、グラフィックスレッド、役物スレッド、及びプロセス間通信スレッドのためのタイミング情報を生成し、これを、スレッド間通信を使用してグラフィックスレッド、役物スレッド、プロセス間通信スレッドにそれぞれ通知する。
最初に、ステップS3211において、タイミング情報発生処理を実行する。このタイミング情報発生処理は、各スレッドに応じた時間でタイミング情報を発生させる処理であり、スレッドごとに、異なるグラフィックID(GID)のタイミング情報を発生させる。GIDは、例えば、グラフィックスレッドに応じたタイミング情報の場合は、GID=1であり、16.5msec周期(VSYNC信号=60fpsに同期するタイミング)毎に発生するタイミング情報である。また、プロセス間通信スレッドに応じたタイミング情報の場合は、GID=2であり、20sec周期毎に発生するタイミング情報である。さらに、役物スレッドに応じたタイミング情報の場合は、GID=3であり、1sec周期毎に発生するタイミング情報である。
次に、ステップS3212において、発生させたタイミング情報を、(スレッド間通信用に)スレッド間通信エリアにセットし、ステップS3213において、自身(定周期スレッド)が生きていることを表す定周期スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットし、その後、ステップS3214において、一定期間(0.5msec)待機し、その後、ステップS3211に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-3e.グラフィックプロセスの役物スレッド]
図395には、図389で示した、可動役物2070を制御するための役物スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。
役物スレッドは最初に、ステップS3231において、スレッド間通信エリアを参照して、グラフィックスレッドからのリクエストを取得する。次に、ステップS3232において、リクエスト要求があったか否かが判定される。リクエスト要求があったと判定された場合(ステップS3232のYES)、ステップS3233において、リクエスト要求の解析が行われる。
リクエスト要求の解析を行った結果、そのリクエスト要求が新たなリクエスト要求か否かを判定する(ステップS3234)。新たなリクエスト要求であった場合(ステップS3234のYES)、ステップS3235において、新たなリクエストを登録し、その後、ステップS3237に進む。新たなリクエスト要求でない場合(ステップS3234のNO)、ステップS3236において、そのリクエストを要求中リクエストに登録する。
リクエスト要求がないと判定された場合(ステップS3232のNO)、ステップS3237において、定周期スレッドからのタイミング情報(GID=3)があるか否かを判定する。タイミング情報がない場合(ステップS3237のNO)、ステップS3241に進む。タイミング情報がある場合(ステップS3237のYES)、ステップS3238において、ライブラリAPIからの役物情報を取得し、その後、ステップS3239において、その取得した役物情報を、スレッド間通信エリアを介してグラフィックスレッドに送信し、グラフィックスレッドは、この役物情報を共有メモリ「グラフィック→マスター」にセットする。
次に、ステップS3240において、自身(役物スレッド)が生きていることを表す役物スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットする。この役物スレッド生存情報は、共有メモリにリクエストがなくてもセットされる。その後、ステップS3241に進む。
ステップS3241において、要求中リクエストの処理を行う。この処理は、例えば、停止、順回転/逆回転、回転速度変更(加速/減速)、振動等、新たな役物の駆動を要求された場合の駆動する駆動パターンの取得や取得した駆動パターンの登録等を行う。
次に、ステップS3242において、ドライバ(API)アクセスを行う。この処理は、要求中リクエストの処理の結果(リクエストデータ)を、ドライバに反映させる。また、ドライバ(API)から、リクエストデータに基づいた役物駆動データをモータドライバIC等(例えば、役物駆動用のモータやソレノイド)に送信し、可動役物2070が駆動するように制御する。
次に、役物スレッドの更新タイミングの到来を待機し(ステップS3243)、その後、ステップS3231に戻り、以降の処理を繰り返す。
なお、可動役物2070を備えていない場合、役物スレッドを動作しない様にするか、グラフィックプロセスから削除することが望ましい。
[11-2-4.マスタープロセス]
次に、図396ないし図401を参照して、マスタープロセスの基本的な流れについて説明する。
図396は、マスタープロセスの各スレッドに関する基本的な流れを示す模式図である。図396に示すように、マスタープロセスの各スレッドには、定周期スレッドから一定周期でタイミング情報が提供される。また、共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」、「ランプ→マスター」に、他のメインスレッド(例えば、グラフィックプロセス、サウンドプロセス、ランププロセスの各メインスレッド)から、生存情報等を書き込むと、その生存情報等が、プロセス間通信スレッドにより読み込まれ、マスタースレッドに提供される。
マスタースレッドは、主基板スレッドから主基板コマンドを受信し、この主基板コマンドに応じて、共有メモリ「マスター→グラフィック」にリクエストを送信し、また、周辺機器スレッドから機器間コマンドを受信し、この機器間コマンドに応じて、共有メモリ「マスター→グラフィック」にリクエストを送信する。その後、グラフィックプロセスのプロセス間通信スレッドは、共有メモリ「マスター→グラフィック」にアクセスして当該リクエストを読み込む。
なお、共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」、「ランプ→マスター」、「マスター→グラフィック」に格納されるデータについては既に説明しているため、ここでは説明を省略する。また、共有メモリ「ANY→マスター」は、遊技機のデバッグ用に確保されているものであり、ここでは説明を省略する。
[11-2-4a.マスタープロセスのマスタースレッド]
図397には、図396で示したマスタースレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。マスタースレッドは、起動時に、共有メモリ「マスター→グラフィック」、「ANY→サウンド」、「ANY→ランプ」を確保する(ステップS3261)。次に、ステップS3262において、スレッド間通信エリアを確保する。このスレッド間通信エリアは、各スレッド間(例えば、マスタースレッドとプロセス間通信スレッドとの間、マスタースレッドと定周期スレッドとの間)のメモリとして個別に確保されたり、すべてのスレッド間で共通のメモリとして確保されるなど、様々な形態がある。
マスタープロセスのスレッド間通信エリアも、サウンドプロセスのサウンドスレッドのスレッド間通信エリアと同様である。
次に、ステップS3263において、初期化処理が行われる。この初期化処理は、バックアップメモリ(例えば、FRAM(登録商標)2220)のチェックや、周辺機器用の通信回路の初期化等を行う。その後、ステップS3264において、上記のようなスレッド間通信エリアを参照して、プロセス間通信スレッドからのリクエストを取得し、ステップS3265において、取得したリクエストが解析結果であるか否かが判定される。リクエストが解析結果であると判定された場合(ステップS3265のYES)、ステップS3266において、コマンド別処理が行われ、その後、ステップS3267に進む。
コマンド別処理は、解析結果(主制御基板2010からの主基板コマンド)のコマンドID別に行う処理である。例えば、スタートコマンド、ストップ(停止)コマンド、入賞(表示、または3OFF(遊技者の第3停止操作の検知))コマンドであれば、コマンドID、内部当籤役、遊技状態、RT状態、有利区間情報等をグラフィックプロセス(マスター→グラフィック)に送信し、また、ベット(投入)コマンドであれば、周辺機器(CMOSセレクタ)スレッドからの情報との整合性の判定を行い、初期化(設定変更・設定確認)コマンドであれば、メンテナンス(ホール)メニューのための処理の実行、及びグラフィックプロセス(マスター→グラフィック)にメンテナンスメニューのためのリクエスト要求を行う。また、エラーコマンドであれば、エラー処理、及びグラフィックプロセスにエラー画面表示のリクエスト要求を行い、無操作(周期)コマンドであれば、無操作コマンドに応じた処理を行う。
本実施形態では、スタートコマンドを受信すると、グラフィックプロセスで演出の決定(抽籤)を行うが、マスタースレッド、またはマスタースレッドに相当するサブ制御メイン処理(副制御基板2300で実行されるサブ側制御処理)等で演出を決定するように構成することもできる。
リクエストが解析結果でないと判定された場合(ステップS3265のNO)、ステップS3267に進む。ステップS3267において、リクエストは周辺機器情報(周辺機器からの機器間コマンド等)か否かが判定される。リクエストが周辺機器情報であると判定された場合(ステップS3267のYES)、ステップS3268において、周辺機器別処理が行われ、その後、ステップS3269に進む。
周辺機器別処理は、周辺機器スレッドで収集した、セレクタ2030(例えば、CMOSセレクタ)、ドア監視ユニット2020(例えば、24hドア監視ユニット)、サブ表示装置2520(例えば、タッチパネルの液晶表示装置)、メイン表示装置2510(例えば、プロジェクタ)からの情報に応じた処理を行う。例えば、CMOSセレクタであれば、メダルの投入に応じた投入枚数に対する処理を行ったり、メダルの色/刻印判定結果で不正メダルが投入されたと判定された場合にエラー表示を行うため、グラフィックプロセスにリクエスト要求を行う。また、タッチパネルの表示装置であれば、タッチパネルの操作の種類(タップ、フリック、ズーム等)、操作の座標情報をグラフィックプロセスに送信する(リクエストする)。
リクエストが周辺機器情報でないと判定された場合(ステップS3267のNO)、ステップS3269に進む。ステップS3269において、リクエストは生存情報か否かが判定される。リクエストが生存情報であると判定された場合(ステップS3269のYES)、ステップS3270において、生存確認処理が行われ、その後、ステップS3271に進む。
生存確認処理は、共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」、「ランプ→マスター」に格納されている生存情報、及びマスタープロセスのスレッド間通信エリアの生存情報を確認することにより、それぞれのプロセスの各スレッドが正常に動作しているか否かを判定する処理である。
ステップS3271では、ステップS3270の生存確認処理の結果を参照し、それぞれのプロセスの全てのスレッドが正常に動作しているか否かを判定する。全てのスレッドが正常に動作していると判定された場合(ステップS3271のYES)、ステップS3272において、副制御基板2300のマルチモジュール内に設けられたWDT(watchdog timer:不図示)をクリアし、ステップS3274に進む。
一方、少なくとも1つのスレッドが正常に動作していないと判定された場合(ステップS3271のNO)、ステップS3273において、プロセス&スレッド管理処理を行い、その後、ステップS3274に進む。プロセス&スレッド管理処理は、例えば、正常でないスレッドを有するプロセスを再起動するように制御したり、正常に動作していないスレッドに関する情報を、メイン表示装置2510等に表示するよう制御する。
なお、プロセス&スレッド管理処理は、WDTの機能により、副制御基板2300を再起動(リブート)させてもよく、また、正常でないスレッドのみを再起動させるために、正常でないスレッドを有するプロセスに対し、対象のスレッドを再起動させるように指示する。こうした再起動の指示は、例えば、再起動をさせるためのメッセージを共有メモリに送信し、そのメッセージを、正常でないスレッドを有するプロセス(のプロセス間通信スレッド)に読み取らせるようにすることで行われる。
ステップS3274において、電断割り込みが発生したか否かを判定する。電断割り込みが発生したと判定された場合(ステップS3274のYES)、ステップS3275において、電源断絶処理を行い、その後、ステップS3276に進む。一方、電断割り込みが発生していない場合(ステップS3274のNO)、なにもせずに、ステップS3276に進む。
なお、電源断絶処理は、FRAM(登録商標)2220に、実行中の演出情報(例えば、遊技状態、演出状態、表示中の動画、及び静止画、実行中のランプの発光パターン、ランプのシーケンス情報、再生中のサウンドのリクエスト情報等)を記憶し、電断割込み発生前に実行していた演出を再開させることを可能にする。
ステップS3276において、定周期スレッドからのタイミング情報(MID=1)の到来を待機し、その後、ステップS3264に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-4b.マスタープロセスのプロセス間通信スレッド]
図398には、図396で示したプロセス間通信スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。プロセス間通信スレッドは、共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」、「ランプ→マスター」を監視し、その共有メモリにリクエストが存在すれば、共有メモリから当該リクエストを取り出し、そのリクエストを、スレッド間通信により、マスタースレッドに送信する。
プロセス間通信スレッドは、最初に、共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」、「ランプ→マスター」からリクエストの取得を行う(ステップS3291)。次に、ステップS3292において、リクエストがあったか否かが判定される。リクエストがあったと判定された場合(ステップS3292のYES)、ステップS3293において、そのリクエストをスレッド間通信エリアにセットし、ステップS3294に進む。なお、本実施形態では、共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」、「ランプ→マスター」には、図377、図390(B)、図380(B)、図385(B)に示すように、グラフィックプロセス、サウンドプロセス、ランププロセスの各プロセス間通信スレッドからリクエストが書き込まれる。リクエストがないと判定された場合(ステップS3292のNO)、なにもせずにステップS3294に進む。
ステップS3294において、自身(プロセス間通信スレッド)が生きていることを表すプロセス間通信スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットする。このプロセス間通信スレッド生存情報は、共有メモリにリクエストがなくてもセットされる。その後、ステップS3295において、定周期スレッドからのタイミング情報(MID=2)の到来を待機し、その後、ステップS3291に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-4c.マスタープロセスの定周期スレッド]
図399には、図396で示した定周期スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。定周期スレッドは、一定周期に動作するもので、マスタースレッド、プロセス間通信スレッド、主基板スレッド、及び周辺機器スレッドのためのタイミング情報を生成し、これを、スレッド間通信を使用してマスタースレッド、プロセス間通信スレッド、主基板スレッド、周辺機器スレッドにそれぞれ通知する。
最初に、ステップS3311において、タイミング情報発生処理を実行する。このタイミング情報発生処理は、各スレッドに応じた時間でタイミング情報を発生させる処理であり、スレッドごとに、異なるランプID(MID)のタイミング情報を発生させる。MIDは、例えば、マスタースレッドに応じたタイミング情報の場合は、MID=1であり、4msec周期毎に発生するタイミング情報である。また、プロセス間通信スレッドに応じたタイミング情報の場合は、MID=2であり、20sec周期毎に発生するタイミング情報である。さらに、主基板スレッドに応じたタイミング情報の場合は、MID=3であり、4sec周期毎に発生するタイミング情報であり、周辺機器スレッドに応じたタイミング情報の場合は、MID=4であり、10sec周期毎に発生するタイミング情報である。
次に、ステップS3312において、発生させたタイミング情報を、(スレッド間通信用に)スレッド間通信エリアにセットし、ステップS3313において、自身(定周期スレッド)が生きていることを表す定周期スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットし、その後、ステップS3314において、一定期間(1msec)待機し、その後、ステップS3311に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-4d.マスタープロセスの主基板スレッド]
図400には、図396で示した主基板スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。主基板スレッドは、主制御基板2010が送信するコマンドを受信し、そのコマンドに対応する処理を行う。コマンドは、UART I/F2330(図375参照)を使用し、1バイト単位で発生する受信割り込み処理によって受信バッファに記憶され、受信数が規定数(例えば、8バイト)に達した場合に、主基板スレッドで取得可能なバッファにセット(登録)する。
最初に、ステップS3331において、上記のバッファを参照し、コマンドを取得する。ステップS3332において受信コマンドがあるか否かを判定し、受信コマンドがあると判定された場合(ステップS3332のYES)、ステップS3333において、コマンド解析を行う。このコマンド解析は、取得したコマンドの種別に応じて、コマンドのチェックやコマンドIDの保存を行い、また、コマンドに格納されている遊技状態、内部当籤役、RT状態等のコマンドパラメータを所定の領域に格納する。
本実施形態では、例えば、スタートコマンドを受信すると、グラフィックプロセスで演出の決定(抽籤)を行うが、主基板スレッド、または主基板スレッドに相当するサブ制御メイン処理(副制御基板2300で実行されるサブ側制御処理)等で演出を決定するように構成することもできる。
次に、ステップS3334において、ステップS3333のコマンド解析による解析結果を、スレッド間通信エリアにセットし、さらに、ステップS3335において、自身(主基板スレッド)が生きていることを表す主基板スレッド生存情報を、スレッド間通信エリアにセットし、その後、ステップS3336に進む。
ステップS3332において受信コマンドがないと判定された場合(ステップS3332のNO)、ステップS3336に進む。ステップS3336において、定周期スレッドからのタイミング情報(MID=3)の到来を待機し、その後、ステップS3331に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-2-4e.マスタープロセスの周辺機器スレッド]
図401には、図396で示した周辺機器スレッドの処理の流れを示したフローチャートが示されている。周辺機器スレッドは、セレクタ2030(例えば、CMOSセレクタ)、ドア監視ユニット2020(例えば、24hドア監視ユニット)、サブ表示装置2520(例えば、タッチパネルの表示装置)、メイン表示装置2510(例えば、プロジェクタ)に対する処理を行う。これらの周辺機器は、全てシリアル通信(UART)により、双方向通信が可能である。
上記のように、周辺機器に対する処理を行うため、ステップS3351のCMOSセレクタ処理、ステップS3352の24hドア管理ユニット処理、ステップS3353のタッチパネル処理、ステップS3354のプロジェクタ処理により、マスタースレッドと周辺機器との間での機器間コマンドの送受信を制御する。
タッチパネル処理は、サブ表示装置2520に設けられたタッチパネルの座標や操作種別に関する情報に基づく処理であり、プロジェクタ処理は、メイン表示装置2510(例えば、プロジェクタ)に対して、フォーカス、ホワイトバランス等の設定を行う処理である。
その後、ステップS3355において、自身(周辺機器スレッド)が生きていることを表す周辺機器スレッド生存情報をスレッド間通信エリアにセットし、ステップS3356において、定周期スレッドからのタイミング情報(MID=4)の到来を待機し、その後、ステップS3351に戻り、以降の処理を繰り返す。
[11-3.画像処理]
次に、図402ないし図404を参照して、本実施形態において実行される、グラフィックプロセス(グラフィックイベント)による画像処理について説明する。なお、ここで説明する画像処理は、本実施形態によるマルチプロセス、マルチスレッドの構成で実現することができるが、こうした構成が必須となるものではない。少なくとも1つのCPUと1つのGPU(またはGPUとVPU)を有する構成において実現可能である。
[11-3-1.通常時のデコード処理]
図402(A)には、通常時のサブ制御処理(CPU処理)、グラフィック制御処理(GPU(VPU)処理)、及び表示制御(表示処理)の時系列の処理が示されている。なお、ここでは、サブ制御処理を行うCPU2390は、演算処理プロセッサに対応し、グラフィック制御処理を行うGPU2400やVPU2410は、画像処理プロセッサに対応し、また、副制御ユニット2100は、上記の演算処理プロセッサと画像処理プロセッサを有する演出制御部に対応する。表示制御の対象であり、演出制御部によって表示が行われるメイン表示装置2510やサブ表示装置2520は、表示部に対応し、この表示部は、VRAM2420を含む概念として表すことができる(後述する図402(B)、図402(C)に関しても同じ)。
演出制御部は、静止画データや動画データからデコード処理を行うことによって表示部に出力される表示データを生成する。例えば、MPEG系のコーデックの場合、フレーム間予測に基づく圧縮が行われており、これらの形式の動画データについては、そのデータだけで1フレームの表示データを再現できるキーフレーム(例えば、Iフレーム)と、キーフレーム等を参照して1フレームの表示データを再現できる差分フレーム(例えば、PフレームやBフレーム)を利用してデコード処理を行う。
通常時の再生フレームレートは、60fpsのため、副制御基板2300のCPU2390によるサブ制御処理(CPU処理)では、16.5msec周期で、画像制御に関する処理を行う。ここでは、16.5msecが1フレームを表示する時間となるため、60fpsのフレームレートでは、16.5msecを1フレーム時間と称する。
タイミングt0、t1、t2、t3、t4は、それぞれ1フレーム時間(16.5msec)の間隔である。図402では、円筒形状のそれぞれがフレームに関する処理を表しており、その円筒形状に記載された「00」、「01」、「02」といった番号は、フレーム番号を示している。また、図402では、横軸が時間軸であり、円筒形状の時間軸に沿った長さは、概略処理の時間を表している。
図402(A)のCPU処理では、CPU2390が、16.5msecの間に、フレーム00~フレーム07の8つのフレームに関して、デコードに必要なデータをサブROM2210等から順次取得してSDRAM2430に書き込み、GPU2400やVPU2410に、そのフレームに関するデコードの指示を行う。図402(A)では、CPU処理において、フレーム00の円筒形状の右端から、GPU(VPU)処理のフレーム00の円筒形状に左端に矢印が記載されているが、これは、上述した、CPU2390からGPU2400やVPU2410への指示やデータの準備を示しており、その他、フレーム01~フレーム06については、この矢印が省略されている。上記のように、本実施形態では、2フレーム時間未満(例えば、1フレーム時間)で、複数フレーム分(例えば、8フレーム分)のデコードが行われる。
図402(A)の表示処理は、GPU2400やVPU2410が、フレーム00~フレーム03といったフレーム画像データをVRAM2420に書き出し、それぞれt1、t2、t3といったタイミングで、VSYNC信号と同期して、そのフレーム画像データに対応する画像が、メイン表示装置2510やサブ表示装置2520に表示される処理を示している。
図402(A)では、t0において、表示するフレーム番号としてフレーム00が指定されると(すなわち、表示フレーム位置指定が行われると)、フレーム00がタイミングt1で、メイン表示装置2510等に表示されるまで、タイミングt0からt1までに、CPU2390とGPU2400等によって、フレーム00からフレーム07までの8フレームの先行デコード処理が行われ、その後、CPU2390とGPU2400、VPU2410によって、1フレームが表示(消費)されるごとに、1フレーム単位で先行デコード処理が行われる。
例えば、t1において、表示するフレーム番号としてフレーム01が指定されると(すなわち、表示フレーム位置指定が行われると)、タイミングt1において、CPU2390とGPU2400等によるフレーム08の先行デコードが開始され、フレーム01が表示されると、タイミングt2において、CPU2390とGPU2400等によるフレーム09の先行デコードが開始され、フレーム02が表示されると、タイミングt3において、CPU2390とGPU2400等によるフレーム10の先行デコードが開始され、以降、同様に先行デコード処理が行われる。
このような、図402(A)に示す処理では、必ず8つのフレームが先行してデコードされている状態となっており、この、先行してデコードするフレーム数(先行デコード数)は、事前に設定し、サブROM2210等に記憶しておくことができ、本実施形態では、例えば、最大8フレームとしているが、様々な最大フレーム数を設定することができ、その設定した最大フレーム数に応じて、先行デコード数を設定することができる。このような先行デコード数は、本実施形態では、「閾値」として管理される。
また、先行デコード数を0とし、CPU処理、GPU(VPU)処理において、先行デコードを行うことなく、デコード処理と表示処理とを同期させることもできる。
また、表示フレーム位置指定が行われたときに、その指定されたフレーム番号が、その後、メイン表示装置2510等に表示されるフレーム番号より小さい場合は、過去のフレームを表示するためのデコード処理を行う。ただし、この場合、デコード処理は、対応するキーフレームの動画データを過去にさかのぼって探索し、さらにこのキーフレームに続く差分フレームを順次読み込んで、表示するフレームを生成しなければならない。
[11-3-2.シークデコード処理(1)]
図402(B)には、図402(A)に示した、先行デコード数=8の状況において、フレーム5個分のシーク(Seek=5)が2回発生した場合のサブ制御処理(CPU処理)、グラフィック制御処理(GPU(VPU)処理)、及び表示制御(表示処理)が示されている。
ここで、シークとは、動画を早送りするといった処理であり、上述した、過去のフレームを表示する処理(巻き戻し処理、早戻しとも言う)もシークの1つである。
図402(B)に示す「Seek=5」のシークとは、フレームを4つ飛ばして早送り再生することである。シークの数字が大きければ大きいほど、早送りの速度が早くなる。例えば、動画の早送り処理は、遊技者による操作によって、メイン表示装置2510に表示されている演出動画が早送りで再生されるような場合に実施される。
図402(B)に示すように、最初は、図402(A)の場合と同様に、CPU2390とGPU2400等は、8つのフレームを先行してデコードするよう動作する。ここで、タイミングt1の直前のタイミングt0aで、CPU2390において「Seek=5」のシーク命令(フレーム番号=現在のフレーム番号にシークするフレーム数を加算し表示を行う表示フレーム位置指定=05)を受信したとする。そうすると、この時点で、その指定されたフレーム番号と、その後、メイン表示装置2510等に表示されるフレーム番号を比較する。ここで、指定されたフレーム番号(05)は、メイン表示装置2510等に表示されるフレーム番号(00)より大きく、かつ、フレーム番号の差分は、上述の閾値「8」より小さいので、フレーム05のデコードが完了していることがわかり、そこで、CPU2390は、タイミングt2において、フレーム05を表示させ、早送りの動画再生になるよう制御する。なお、図402(B)では、タイミングt1においてフレーム00が表示され、その次のタイミングでフレーム05が表示されるようになっているが、シーク命令はタイミングt1より前に受信しているので、所定の処理条件を満足していれば、タイミングt1でフレーム05を表示することも可能である。
また、本実施形態では、メイン表示装置2510等に表示される現在のフレーム番号が「00」の場合で説明したが、現在のフレーム番号(101)の場合、CPU2390が「Seek=5」のシーク命令を受信した場合、指定されるフレーム番号(106)となる。
また、CPU処理では、タイミングt0aで「Seek=5」のシーク命令を受信した後、フレーム06以降のフレームが必要となるので、フレーム06以降の8つのフレームについて先行デコード処理を行うように制御する。この時点では、今後、シーク命令を受信するか否かがわからないので、その後の通常の動画再生に備えて、フレーム06以降のフレームを順次デコードしておく必要がある。また、フレーム06、07は、タイミングt0からt1の間で行われることになっているので、そのスケジュールはそのままとし、タイミングt1から、新たに、フレーム08から12までのデコードが開始され、さらに、タイミングt2から、フレーム13のデコードが開始される。
この点、図402(A)で示した通常デコード時では、タイミングt1からt2の間は、フレーム08のデコードのみが実行されたが、このケースでは、上記のように、フレーム08からフレーム12までのフレームが先行してデコードされる。また、このとき、フレーム01から04までのデコード済フレームは廃棄される。
次に、タイミングt1aで再び「Seek=5」のシーク命令(フレーム番号=10の表示を行う表示フレーム位置指定)を受信したとすると、この時点で、その指定されたフレーム番号と、その後、メイン表示装置2510等に表示されるフレーム番号を比較する。ここで、指定されたフレーム番号(10)は、メイン表示装置2510等に表示されるフレーム番号(05)より大きく、かつ、フレーム番号の差分は、上述の閾値「8」より小さいので、フレーム10のデコードが完了していることがわかるので、タイミングt3において、フレーム10を表示させるよう制御する。
CPU処理では、タイミングt1aで「Seek=5」のシーク命令を受信した後、フレーム11以降のフレームが必要となるので、フレーム11以降の8つのフレームについて先行デコードを行うように制御する。この時点では、今後、シーク命令を受信するか否かがわからないので、通常の動画再生に備えて、フレーム11以降のフレームを順次デコードしておく必要がある。また、フレーム11、12は、タイミングt1からt2の間で行われることになっているので、そのスケジュールはそのままとし、タイミングt2から、新たに、フレーム13から17までのデコードが開始され、さらに、タイミングt3から、フレーム18のデコードが開始される。
この点、図402(A)で示した通常デコード時では、タイミングt2からt3の間は、フレーム09のデコードのみが実行されたが、このケースでは、上記のように、フレーム13から17までのフレームが先行してデコードされる。また、このとき、フレーム06からフレーム09までの先行デコード済のフレームは廃棄される。
タイミングt2からt3の間は、シーク命令を受信しないので、図402(A)で示した通常デコード時と同様の処理になり、タイミングt3では、上記のように、フレーム18のみのデコードが行われ、タイミングt4では、フレーム11が表示され、また、そのタイミングt4で、フレーム19のみのデコードが行われる。
[11-3-3.シークデコード処理(2)]
図402(C)には、図402(A)に示した、先行デコード数=8の状況において、フレーム10個分のシーク(Seek=10)が1回発生した場合のサブ制御処理(CPU処理)、グラフィック制御処理(GPU(VPU)処理)、及び表示制御(表示処理)を示されている。
ここで、シークとは、動画を早送り、または巻き戻す処理であり、図402(C)に示す「Seek=10」のシークとは、フレームを9つ飛ばして再生することである。
図402(C)に示すように、最初は、図402(A)の場合と同様に、CPU2390とGPU2400等は、8つのフレームを先行してデコードするよう動作する。ここで、タイミングt1の直前のタイミングt0bで、CPU2390において「Seek=10」のシーク命令(フレーム番号=10の表示を行う表示フレーム位置指定)を受信したとする。そうすると、この時点で、その指定されたフレーム番号と、その後、メイン表示装置2510等に表示されるフレーム番号を比較する。ここで、指定されたフレーム番号(10)は、メイン表示装置2510等に表示されるフレーム番号(00)より大きく、かつ、フレーム番号の差分は、上述の閾値「8」より大きいので、CPU2390は、タイミングt2において、フレーム10を表示させ、早送りの動画再生になるよう制御する必要がある。
CPU処理では、タイミングt0bで「Seek=10」のシーク命令を受信した後、フレーム10以降のフレームが必要となるので、フレーム08、フレーム09のデコード処理はスキップし、タイミングt1から、フレーム10以降のフレームについて先行デコードを行うように制御する。この時点では、今後、シーク命令を受信するか否かがわからないので、その後の通常の動画再生に備えて、フレーム10以降のフレームを順次デコードしておく必要がある。タイミングt1から、新たに、フレーム10から17までのデコードが開始され、さらに、タイミングt2から、フレーム18のデコードが開始される。また、このとき、フレーム01からフレーム07までの先行デコード済のフレームは廃棄される。
タイミングt1からt2の間は、シーク命令を受信しないので、図402(A)で示した通常デコード時と同様の処理になり、タイミングt2では、上記のように、フレーム18のみのデコードが行われ、タイミングt3では、フレーム11が表示され、また、そのタイミングt4で、フレーム19のみのデコードが行われる。また、タイミングt4では、フレーム12が表示され、また、そのタイミングt4で、フレーム20のみのデコードが行われる。
また、例えば、図402(C)に示す先行デコード処理が行われる状況において、「Seek=8」のシーク命令(フレーム番号=8の表示を行う表示フレーム位置指定)を受信したとすると、この時点で、その指定されたフレーム番号と、その後、メイン表示装置2510等に表示されるフレーム番号を比較する。ここで、指定されたフレーム番号(8)は、メイン表示装置2510等に表示されるフレーム番号(00)より大きく、かつ、フレーム番号の差分は、上述の閾値「8」と同じである。そこで、CPU2390は、タイミングt2において、フレーム8を表示させ、早送りの動画再生になるよう制御する。CPU処理では、タイミングt0bで「Seek=8」のシーク命令を受信した後、フレーム8以降のフレームが必要となるので、タイミングt1から、フレーム8以降のフレームについて先行デコードを行うように制御する。この時点では、今後、シーク命令を受信するか否かがわからないので、その後の通常の動画再生に備えて、フレーム08以降のフレームを順次デコードしておく必要がある。すなわち、タイミングt1からタイミングt2の間に、新たに、フレーム08から15までのデコードが開始され、さらに、タイミングt2から、フレーム16のデコードが開始される。
このように、シーク命令により表示フレーム位置指定がされたフレーム番号と、表示されるフレーム番号との差が閾値より小さければ、先行デコード済と判断して、その先行デコード済のフレーム位置に進み、一方、シーク命令により表示フレーム位置指定がされたフレーム番号と、表示されるフレーム番号との差が閾値以上であれば、表示するフレームが先行デコード済でないと判断し、先行デコード済のフレームを破棄するとともに、(必要に応じて)不要となるフレームの先行デコード処理をスキップしてシーク先のフレームから新たに先行デコードを開始する。ただし、このような先行デコード処理のスキップにより、シーケンシャルなデーコード処理が中断され、結局、表示フレーム位置指定がされたフレーム番号のフレームを元の動画データから探索し、その探索フレームがキーフレームである場合は、それをそのまま使用するが、探索フレームがキーフレームでない場合は、対応する直前のキーフレームの動画データを探索し、さらにこのキーフレームに続く差分フレームを順次読み込んで、表示フレームを生成する処理(シーク処理)が必要となるので、場合によっては、却って処理コストが増大する可能性がある。したがって、シーク命令がされた場合に、(デコード済のフレームの利用を含め)そのままデコード処理を続けるか、表示フレーム位置指定がされたフレーム番号のフレームのデコード処理にジャンプするかを判定するための閾値をどのように設定するかが重要になってくる。
シーク命令により表示するフレームが先行デコード済の場合、先行デコード処理が可能な数だけ、新たに追加して先行デコード処理を行い、また、この追加の先行デコード処理を、次のフレーム時間のタイミングで行うことで、処理負荷を軽減させることができる。
また、シーク命令により表示するフレームが先行デコード済の場合、当該フレーム時間では、通常処理における先行デコード処理と処理コスト(処理時間)が同じであり、廃棄するフレームが発生するが、処理負荷が増大することはない。また、図402(C)のようなシーク命令がされる状況で、図402(A)のような通常処理を行って、先行デコード処理のスキップを行わないでおくと、先行デコード処理とデコード済のフレームの廃棄が連続で行われることになり、結果的に処理負荷が増大することになる。
なお、この例では、閾値の「8」は、先行デコード処理を行うフレーム数に対応するものであるが、当該閾値は、複数フレームの順次の(通常の)デコード処理とフレームの廃棄処理にかかる時間、及び、不要となるフレームの先行デコード処理をスキップして表示フレーム位置指定がされたフレームからデコード処理を行う時間の関係に基づいて、より適切な数値に決定されうる。
[11-3-4.30fps動画再生処理]
図403(A)には、図402(A)等と同様に、通常時のサブ制御処理(CPU処理)、グラフィック制御処理(GPU(VPU)処理)、及び表示制御(表示処理)の時系列の処理が示されている。
本実施形態において、グラフィックプロセスは、60fps(16.5msec)で処理を行っているが、30fpsのフレームレートで作成された動画(ムービー)を利用するケースも想定される。また、この場合、動画のフレームレートは、ハードウエアの仕様に固定され、初期設定等で変更することができないことも多く、また、ハードウェアの仕様として、フレームレートの変更が可能であっても、フレームレートが異なる動画が混在し、かつ、頻繁にフレームレートを変更するような制御を行うと、予測し得ない不具合が発生することも懸念される。そこで、ソフトウエアによって、上記のような状況に対応する必要がある。
ここで、30fpsの動画を、60fpsの動画を再生するプラットフォームでそのまま再生すると、2倍速再生となってしまうため、2フレームに1回、処理を行うようにする。これによって、実質的に、33msecに1フレームが再生されることになり、30fpsの動画が、通常の速度で再生される。また、このような処理によって、VRAM2420への書き込み(表示処理)も2回に1回となり、60fpsの処理周期で、30fpsの動画を容易に再生することができる。
図403(A)では、図402(A)等と同様に、副制御基板2300のCPU2390によるサブ制御処理(CPU処理)では、16.5msec周期で、画像制御に関する処理を行う。タイミングt0、t1、t2、t3、t4は、それぞれ1フレーム時間(16.5msec)の間隔である。図403においても図402と同様に、円筒形状のそれぞれがフレームに関する処理を表しており、その円筒形状に記載された「00」、「01」、「02」といった番号は、フレーム番号を示している。また、横軸が時間軸であり、円筒形状の時間軸に沿った長さは、概略処理の時間を表す点も図402と同様である。
図403(A)のCPU処理では、CPU2390が、16.5msecの間に、フレーム00~フレーム07の8つのフレームに関して、デコードに必要なデータをサブROM2210等から順次取得してSDRAM2430に書き込み、GPU2400やVPU2410に、そのフレームに関するデコードの指示を行う。図403(A)では、CPU処理において、フレーム00の円筒形状の右端から、GPU(VPU)処理のフレーム00の円筒形状に左端に矢印が記載されているが、これは、上述した、CPU2390からGPU2400やVPU2410への指示やデータの準備を示しており、その他、フレーム01~フレーム06については、この矢印が省略されている。
図403(A)の表示処理は、GPU2400やVPU2410が、フレーム00~フレーム03といったフレーム画像データをVRAM2420に書き出し、それぞれt1、t2、t3といったタイミングで、VSYNC信号と同期して、そのフレーム画像データに対応する画像が、メイン表示装置2510やサブ表示装置2520に表示される処理を示している。
ここで、図403(A)では、フレーム00がタイミングt1で、メイン表示装置2510等に表示されるまで、タイミングt0からt1までに、CPU2390とGPU2400等によって、フレーム00からフレーム07までの8フレームの先行デコード処理が行われ、その後、タイミングt2においても、フレーム00が表示されるように制御される。このような表示制御は、例えば、VRAM2420のフレーム画像データを書き込み、VSYNC信号を33msec周期とすることで実現でき、VRAM2420への書き込みは、図402(A)のケースと比べて2回に1回となる。
また、例えば、VRAM2420の第1フレームバッファにフレーム00のフレーム画像データを書き込み、タイミングt1におけるVSYNC信号でフレーム00の表示がされ、次に、第2フレームバッファにもフレーム00のフレーム画像データが書き込まれた状態で、タイミングt2におけるVSYNC信号で、同じフレーム00の表示がされ、結果的に、フレーム00が2フレーム分(33msec)表示装置に継続して表示されるよう制御してもよい。
その後、CPU2390とGPU2400、VPU2410によって、新たなフレームについて2回目の表示がされるごとに、1フレーム単位で先行デコード処理が行われる。図403(A)では、フレーム00について2回目の表示(タイミングt2における表示)がされると、タイミングt2において、CPU2390とGPU2400等によるフレーム08のデコードが開始され、フレーム01について2回目の表示(タイミングt4における表示)がされると、タイミングt4において、CPU2390とGPU2400等によるフレーム09のデコードが開始され、以降、同様に先行デコード処理が行われる。
このような動画再生処理により、高いフレームレートの動画(例えば、上記のような60fpsの動画)を再生するプラットフォームにおいて、低いフレームレートの動画データ(例えば、上記のような30fpsの動画データ)を読み込んで、正常な速度の動画再生を行うように制御することができる。
[11-3-5.60fps動画再生処理]
図403(B)には、図402(A)等と同様に、通常時のサブ制御処理(CPU処理)、グラフィック制御処理(GPU(VPU)処理)、及び表示制御(表示処理)の時系列の処理が示されている。
本実施形態において、グラフィックプロセスは、60fps(16.5msec)で処理を行っているが、、処理負荷を軽減させるといった目的のために、60fpsの動画データを30fpsで再生することも想定される。また、この場合、動画のフレームレートは、ハードウエアの仕様に固定され、初期設定等で変更することができないことも多い。そこで、ソフトウエアによって、上記のような状況に対応する必要がある。
ここで、60fpsのフレームレートで作成された動画(ムービー)をそのまま30fpsで再生しようとすると、2倍スロー再生となってしまうため、33msecごとに1フレーム飛ばしで動画再生を行うようにする必要がある。これによって、60fpsの動画が、通常の速度で再生される。また、このような処理によって、VRAM2420への書き込み(表示処理)も2回に1回となり、60fpsの処理周期で、30fpsの動画を容易に再生することができる。
図403(B)では、図402(A)等と同様に、副制御基板2300のCPU2390によるサブ制御処理(CPU処理)では、16.5msec周期で、画像制御に関する処理を行う。タイミングt0、t1、t2、t3、t4は、それぞれ1フレーム時間(16.5msec)の間隔である。
図403(B)のCPU処理では、CPU2390が、16.5msecの間に、フレーム00~フレーム07の8つのフレームに関して、デコードに必要なデータをサブROM2210等から順次取得してSDRAM2430に書き込み、GPU2400やVPU2410に、そのフレームに関するデコードの指示を行う。図403(B)では、CPU処理において、フレーム00の円筒形状の右端から、GPU(VPU)処理のフレーム00の円筒形状に左端に矢印が記載されているが、これは、上述した、CPU2390からGPU2400やVPU2410への指示やデータの準備を示しており、その他、フレーム01~フレーム06については、この矢印が省略されている。
図403(B)の表示処理は、GPU2400やVPU2410が、フレーム00、02、04といったフレーム画像データをVRAM2420に書き出し、それぞれt1、t2、t3、t4といったタイミングで、VSYNC信号と同期して、そのフレーム画像データに対応する画像が、メイン表示装置2510やサブ表示装置2520に表示される処理を示している。
ここで、図403(B)では、フレーム00がタイミングt1で、メイン表示装置2510等に表示されるまで、タイミングt0からt1までに、CPU2390とGPU2400等によって、フレーム00からフレーム07までの8フレームの先行デコード処理が行われ、その後、タイミングt2においても、フレーム00が表示されるように制御される。このような表示制御は、例えば、VRAM2420のフレーム画像データを書き込み、VSYNC信号を33msec周期とすることで実現でき、VRAM2420への書き込みは、図402(A)のケースと比べて2回に1回となる。
また、例えば、VRAM2420の第1フレームバッファにフレーム00のフレーム画像データを書き込み、タイミングt1におけるVSYNC信号でフレーム00の表示がされ、次に、第2フレームバッファにもフレーム00のフレーム画像データが書き込まれた状態で、タイミングt2におけるVSYNC信号で、同じフレーム00の表示がされ、結果的に、フレーム00が2フレーム分(33msec)表示装置に継続して表示されるよう制御してもよい。
その後、図403(B)では、タイミングt3において、フレーム02が表示され、タイミングt4においても、フレーム02の表示が継続される。このように、33msecの周期により1つ飛ばしでフレームを表示することにより、60fpsの動画データを30fpsの動画として再生することができる。
ここで、CPU2390とGPU2400、VPU2410によって、新たなフレームについて2回目の表示がされるごとに、1フレーム単位で先行デコード処理が行われる。図403(B)では、フレーム00について2回目の表示(タイミングt2における表示)がされると、タイミングt2において、CPU2390とGPU2400等によるフレーム08のデコードが開始され、フレーム02について2回目の表示(タイミングt4における表示)がされると、タイミングt4において、CPU2390とGPU2400等によるフレーム09のデコードが開始され、以降、同様に先行デコード処理が行われる。
なお、ここでは、フレーム00、02、04などの偶数フレームのみが表示処理に用いられるため、CPU2390とGPU2400等による先行デコード処理において、フレーム01、03、05といった奇数フレームの処理を省略することもできる。
このような動画再生処理により、高いフレームレートの動画(例えば、上記のような60fpsの動画)を再生するプラットフォームにおいて、高いフレームレートの動画データを低いフレームレートの動画(例えば、上記のような30fpsの動画)として、正常な速度で動画再生するように制御することができる。
[11-3-6.ブレンド処理]
図404には、本実施形態のグラフィックプロセス(グラフィックイベント)において、GPU2400で実行されるブレンド処理の概要が示されている。
図404(A)には、画像のブレンド処理に用いられる一時バッファ2610、下地画像(背景)を記憶する作業バッファ2620、及びフレームバッファ2630が示されている。一時バッファ2610は、画面サイズと同じバッファサイズであり、実際の描画位置にスプライト画像1が配置されている。なお、一時バッファ2610、作業バッファ2620、及びフレームバッファ2630(上述の「第1フレームバッファ」、及び「第2フレームバッファ」)は、本実施形態の図375に示す、VRAM2420に対応する。
また、一時バッファ2610、及び作業バッファ2620をSDRAM2430に対応させることも可能であり、一時バッファ2610、または作業バッファ2620のいずれか一方をVRAM2420に対応させ、他の一方をSDRAM2430に対応させることも可能である。一時バッファ2610、及び作業バッファ2620の、VRAM2420、及びSDRAM2430の対応は、それぞれのRAMの使用容量に応じて予め適宜、設定することが可能である。
GPU2400内のシェーダ等は、一時バッファ2610内のスプライト画像1と、作業バッファ2620に記憶されている下地画像をブレンド処理し、ブレンド結果をフレームバッファ2630に出力する。フレームバッファ2630において、スプライト画像1は、一時バッファ2610における座標位置と同じ位置に配置される。これにより、フレームバッファ2630には、下地画像前面にスプライト画像1が合成された画像が記憶される。
図404(B)には、図404(A)と同様に、画像のブレンド処理に用いられる一時バッファ2610、下地画像(背景)を記憶する作業バッファ2620、及びフレームバッファ2630が示されている。図404(A)とは異なり、一時バッファ2610には、実際の描画位置にスプライト画像1とスプライト画像2が配置されている。なお、フレームバッファ2630は、本実施形態の図375に示す、VRAM2420に対応する。
GPU2400内のシェーダ等は、一時バッファ2610内のスプライト画像1、2と、作業バッファ2620に記憶されている下地画像をブレンド処理し、ブレンド結果をフレームバッファ2630に出力する。フレームバッファ2630において、スプライト画像1、2は、一時バッファ2610における座標位置と同じ位置に配置される。これにより、フレームバッファ2630には、下地画像の前面にスプライト画像1、2が合成された画像が記憶される。図404(B)のように、スプライト画像1、2の座標に重なりがなければ、一時バッファ2610に両方配置することができ、シェーダ等が、同時にブレンド処理を行うことができる。
従来では、画像のブレンド処理を行う場合に、それぞれのスプライト画像に応じたバッファを用意していたが(例えば、5種類の画像サイズのスプライト画像に対する5つのバッファ、または、画像サイズに関係なく10種類のスプライト画像に対する10のバッファ)、本実施形態のように、画面サイズと同じ一時バッファ2610を1つだけ用いて、それぞれのスプライト画像を記憶することができるため、メモリに無駄がなく、効率よく利用することができる。
また、複数回、ブレンド処理を行う場合、一旦、フレームバッファ2630に記憶されているブレンド処理後の画像(スプライト画像)を一時バッファ2610の一部にコピーし、他のスプライト画像とのブレンド処理を行った後に、処理結果を再びフレームバッファ2630の同じ場所に書き戻すことができる。
[11-4.ファイル解凍処理]
次に、グラフィックプロセス(グラフィックイベント)によるファイル解凍処理について説明する。
上述した本実施形態に係るグラフィックプロセスでは、マルチスレッドで読み込みを行う場合、画像データ等の解凍を行うために、副制御基板2300のGZIP2370を利用する(図375参照)。GZIP2370は、ファイルを解凍するための回路であり、マルチスレッドでファイル読み込みを行う場合、この回路は、1つのスレッドでしか利用できない。そのため、GZIP2370を利用するグラフィックスレッドは、GZIP2370の回路(デバイス)をロックしてからファイルの解凍処理を行う。
このとき、別のグラフィックスレッドでファイルを解凍する際に、GZIP2370の回路をロックしようとすると失敗するので、そこで、ソフトウエアによる解凍処理を行う。このソフトウエアの解凍処理は、GZIP2370の回路により実行される解凍処理をソフトウエアで実現するものである。グフラフィックスレッドは、GZIP2370の回路のロックが失敗したときに、GZIP2370の回路が空きになるのを待つこともできるが、このようなソフトウエアによる解凍処理を適宜利用することによって、画像データ等のファイル読み込み性能が、(GZIP2370のボトルネックによって)実質、シングルスレッドになってしまうことを回避することができる。
ここで、図405を参照して、グラフィックスレッドのファイル解凍処理について説明する。図405は、1のグラフィックスレッドにおけるファイル解凍処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、ステップS3371において、GZIP2370の回路(以下、「HW GZIP」と称する)が、他のグラフィックスレッドに利用されて動作中となっているか否かを示すステータスを取得する。次に、ステップS3372において、取得したステータスを参照して、HW GZIPが動作中であるか否かを判定する。
このHW GZIPが動作中でないと判定した場合(ステップS3372のNO)、そのグラフィックスレッドは、HW GZIPを用いたファイル解凍処理を行うことができ、以降、そのための処理を行う。まず、ステップS3373において、HW GZIPのデバイスロックを行い、他のグラフィックスレッドがこのHW GZIPを利用できないようにする。次に、ステップS3374において、HW GZIPに、指定したファイルについて解凍要求を行う。その後、HW GZIPによるファイル解凍処理が終了したら、ステップS3375においてHW GZIPのデバイスアンロックを行い、他のグラフィックスレッドがこのHW GZIPを利用できるようにする。ステップS3375の処理の後、グラフィックスレッドは、ファイル解凍処理を終了する。
このHW GZIPが動作中であると判定した場合(ステップS3372のYES)、そのグラフィックスレッドは、ステップS3376において、ソフトウエアによるGZIP解凍処理(SW GZIP)を行うよう、指定したファイルについて解凍要求を行う。その後、ソフトウエアによるファイル解凍処理が終了したら、グラフィックスレッドは、ファイル解凍処理を終了する。
[11-4.サウンド制御]
次に、図406ないし図409を参照して、本実施形態のサウンドプロセス(サウンドスレッド)で実行されるサウンド制御について説明する。このようなサウンドプロセス(サウンドスレッド)の動作を制御するCPU2390は、演算処理部に対応し、CPU2390に接続され、CPU2390から音データを受信して増幅を行うデジタルアンプ2240は、音源増幅部に対応する。また、デジタルアンプ2240に接続され、音声を出力するスピーカ群2040は、音出力部に対応する。
マスタープロセスやグラフィックプロセス等の別プロセスのメインスレッドが、イベントコードリクエストやサウンドコードリクエストが、共有メモリを介してサウンドプロセスのプロセス間通信スレッドに取得され、その後、プロセス間通信スレッドからサウンドスレッドに、これらのリクエストが渡される。イベントコードリクエストは、本実施形態のパチスロ機1のスタートレバー7の操作、ストップボタン8L、8C、8Rの操作、メダルの投入(ベット操作)や、決定された演出等で発生するイベントを表すイベントコードを含んでいる。また、サウンドコードリクエストは、サウンドに係るリクエストを特定するサウンドコードを含んでいる。
サウンドスレッドは、イベントコードリクエストを受け取ると、イベントコードに基づいてサウンドオブジェクトを取得し、その後、取得したサウンドオブジェクト内に登録されているサウンドコード(ハッシュ値)を取得して、サウンドコードに基づくリクエストを行う。ここで、サウンドオブジェクトは複数存在する場合があり、その場合は、それぞれのサウンドオブジェクトに応じて複数のサウンドコードに対応するリクエストを行う。一方、サウンドコードを受け取った場合は、そのサウンドコードをそのまま利用してリクエストを行う。サウンドスレッドは、ライブラリAPIをコールして、当該サウンドコードに関するリクエスト要求を実施する。
上記のようなサウンドコードに関するリクエストを実行する場合、ライブラリAPIをコールする際に、各サウンドコードに対応するリクエストデータを含んだリクエスト情報がライブラリAPIに送信される。図406(A)には、本実施形態のリクエストデータの一例が示されている。
図406(A)に示すリクエストデータは、「対象チャンネル/グループ」の項目を含む複数のデータを含んでいる。ここで、「対象チャンネル/グループ」は、リクエストデータの制御対象を特定するもので、図406(B)に示すように、同じ領域であっても、複数のデータ格納形式を有する。すなわち、制御対象が単独チャンネルの場合は、8バイトうち、7~8バイト目の2バイト(16ビット)でチャンネル番号を表し、制御対象が単独グループの場合は、5~6バイト目の2バイトでグループ番号(2以上の指定されたチャンネルをグループ化したものであり、例えば、グループ番号「01」は、チャンネル10、チャンネル11、チャンネル14、チャンネル15の4つのチャンネルをグループ化した番号)を表す。また、図406(B)に示すように、制御対象が複数チャンネルの場合は、8バイトのすべてのビットを用いて、制御対象のチャンネルを、64チャンネル(1ch~64ch)のなかから複数指定する。例えば、先頭の1ビットが「1」であれば、64個目のチャンネル(64ch)を使用し、最後の1ビットが「1」であれば、1個目のチャンネル(1ch)を使用し、使用しないチャンネルのビットには「0」がセットされる。
なお、単独グループと複数チャンネルの差は、単独グループは、グループ毎に予めチャンネルを設定しておく必要があるが、複数チャンネルの場合、サウンドスレッドや他のプロセスからのリクエストデータに使用したいチャンネルに対応するビットを指定することができる。
なお、上述の「チャンネル」は、スピーカに対応する物理的なチャンネル(物理チャンネル)とは異なり、論理的なチャンネル(論理チャンネル)を表す。このような論理チャンネルは、複数の音源を合成して、1つの物理チャンネル(スピーカー)に出力するために利用される。例えば、1つの論理チャンネルがBGMの音源に対応付けられ、もう1つの論理チャンネルがコインを投入したときなどのベット(投入)の効果音に対応付けられた場合に、これらの2つの音声を合成して、合成後の音声を1つのスピーカーから出力する。
「オプションフラグ・ファンクション種別」の項目は、図406(C)に示すように、上位2バイト(16ビット)がオプションフラグを表し、下位2バイトがファンクション種別を表す。オプションフラグは、第1ビットが「1」であれば、指定サウンドコードを対象とするリクエストであることを表し、「対象チャンネル/グループ」の内容は意味を持たない。例えば、一時停止/一時停止解除やミュート/ミュート解除といったリクエストの場合に「1」がセットされる。第1ビットが「0」であれば、指定サウンドコードを対象とするリクエストではないので、第2ビットの評価に進むことになる。
第2ビットが「1」であれば、複数チャンネルを対象とするリクエストであることを表し、「対象チャンネル/グループ」の8バイトすべてが、制御対象のチャンネルを表すビットとして評価される。一方、第2ビットが「0」であれば、単独チャンネルまたは単独グループを対象とするリクエストであることを表し、「対象チャンネル/グループ」の7~8バイト目にデータがあれば、その値が、制御対象のチャンネル番号を表し、5~6バイト目にデータがあれば、その値が、制御対象のグループ番号を表す。
このほか、図406(A)に示すリクエストデータには、例えば、遅延時間、優先順位、マスターボリューム参照インデックス番号、コマンドボリューム値、再生リクエストパラメータ、自分自身のリクエストID、対象リクエストID、フェード属性、ダッキング属性、フェードリクエストパラメータ、ダッキングリクエストパラメータ等が含まれる。
なお、遅延時間は、単音の場合は再生開始までの遅延時間であり、シーケンスリクエストの場合は、実施までの遅延時間である(シーケンスリクエストについて後述する)。また、マスターボリューム参照インデックス番号は、後述するマスターボリュームテーブルに記憶されたマスターボリューム情報を参照するインデックス番号であり、マスターボリュームテーブルには、例えば、32種類、7段階のボリューム値が定義されている。再生リクエストパラメータには、例えば、再生するサウンドファイル名やファイルフォーマット、再生開始位置等が含まれる。
また、自分自身のリクエストIDは、単独音のリクエストについては、そのリクエスト情報のリクエストIDとなるが、シーケンスリクエストの子リクエスト(子の再生リクエスト)については、(そのシーケンスリクエストの)リクエスト情報のリクエストIDと、自分自身のリクエストIDが異なる値となる。
対象リクエストIDは、オプションフラグの第1ビットにより、指定サウンドコードを対象とするリクエストであるとされた場合に、例えば、一時停止/一時停止解除やミュート/ミュート解除などの対象となるリクエストIDを指定するものである。
フェード属性は、例えば、無し、イン、アウトといった内容を有し、ダッキング属性は、例えば、無し、対象、影響といった内容を有する。フェードリクエストパラメータ、及びダッキングリクエストパラメータは、フェード属性やダッキング属性で必要な場合に定義される。
図407には、例えば、サブROM2210等に記憶されているリクエストテーブルの例が示されている。この例では、リクエストテーブルが、共通ヘッダと複数のリクエスト情報を有するように構成される。共通ヘッダには、ツール、エンコーダ、ライブラリ、バイナリファイルデータフォーマットの各バージョンや、システムのサンプリング周波数、すステムのフレームレート、(テーブル内に記憶されたデータの)データ数などが記憶される。
リクエスト情報は、それぞれがサウンドコードに対応付けられ、通常は、1つまたは複数のリクエストデータを含む。また、リクエスト情報は、サウンドの再生位置を、例えば、時間やフレーム数によって特定する1つまたは複数のインデックスとして機能するシーケンスマーカーを含む場合があるが、シーケンスマーカーを含まないリクエスト情報や、シーケンスマーカーのみのリクエスト情報も存在しうる。
図407に示すリクエストテーブルには、3つのリクエスト情報が例示されており、Index=1のリクエスト情報は、サウンドコード=0003で、1つのリクエストデータを有する。このリクエストデータは、制御対象が単独チャンネルの「2ch」の再生リクエストであり、リクエストID=1となっている。また、この再生リクエストに係る再生リクエストパラメータには、サウンドファイル名=M1、ファイルフォーマット=A、再生開始位置=10等が定義されている。
また、Index=2のリクエスト情報は、サウンドコード=0022で、1つのリクエストデータを有する。このリクエストデータは、制御対象が単独チャンネルの「2ch」の再生リクエストであり、リクエストID=2となっている。また、この再生リクエストに係る再生リクエストパラメータには、サウンドファイル名=M2、ファイルフォーマット=A、再生開始位置=20等が定義されている。
Index=10のリクエスト情報は、サウンドコード=0101で、3つのリクエスト(2つの再生リクエストと、1つの音量制御リクエスト)を含むシーケンスリクエストとなっている。シーケンスリクエストは、複数のサウンドの制御(再生、停止、音量制御等)を時間軸上に並べて1つのリクエストとして構成したものである。シーケンスリクエストでは、再生リクエストに関してのみ、すでに登録済みの再生リクエストを引用する形で登録され、再生リクエストパラメータは、引用元で定義された再生リクエストパラメータが使用される。
ここでは、Index=1のリクエスト情報(リクエストID=1の再生リクエスト)と、Index=2のリクエスト情報(リクエストID=2の再生リクエスト)が、Index=10のリクエスト情報に対応するシーケンスリクエスト(リクエストID=10)に含まれ、Index=10のリクエスト情報では、リクエストID=1の再生リクエストのリクエストデータは、再生リクエストデータ(1)として、元のIndex=1のリクエスト情報が参照され、このときの自分自身のリクエストIDは、10ではなく、「1」となる。同様に、リクエストID=2の再生リクエストのリクエストデータは、再生リクエストデータ(2)として、元のIndex=2のリクエスト情報が参照され、このときの自分自身のリクエストIDは、10ではなく、「2」となる。
このようなリクエストID=10のシーケンスリクエストに2つの再生リクエストが含まれる場合、その1つの再生リクエストは「子リクエスト」、シーケンスリクエストは「親リクエスト」の関係となる。
Index=10のリクエスト情報により表されるシーケンスリクエストは、図407に示すように、いくつかのシーケンスマーカーを含む場合がある。それぞれのシーケンスマーカーは、マーカー位置(時間)とマーカー名を有している。
具体的な仕組みとして、再生中のサウンドがマーカー位置に到達した場合に、再生情報にマーカー名を記憶させ、マーカー名が記憶された再生情報が、グラフィックプロセス、または/及びランププロセスに送信され、受信先のプロセスが再生情報に記憶されたマーカー名に応じた演出を実行するために設けられた機能であり、設計者が任意に設定できる情報である。したがって、マーカー名に応じて、グラフィックプロセスで使用するが、ランププロセスでは使用しないといった使い方も可能である。
このような構成により、それぞれのリクエストには個別のサウンドコードが設定されているので、例えば、シーケンスリクエストのサウンドコード「0101」についてミュートリクエストを実行すれば、当該シーケンス全体(含まれるすべての再生リクエストに係るサウンドの再生)を消音できる一方、再生リクエストのサウンドコード「0003」や「0022」を指定してミュートリクエストを実行すれば、対応する再生リクエストに係るサウンドの再生を個別に消音することができる。
同様に、例えば、シーケンスリクエストのサウンドコード「0101」について再生停止リクエストを実行すれば、当該シーケンス全体(含まれるすべての再生リクエストに係るサウンドの再生)を停止できる一方、再生リクエストのサウンドコード「0003」や「0022」を指定して再生停止リクエストを実行すれば、対応する再生リクエストに係るサウンドの再生を個別に停止することができる。
図408(A)には、ハッシュ値リクエストテーブルの例が示されている。ハッシュ値リクエストテーブルは、図407に示したリクエストテーブルに関連して説明した共通ヘッダと同様の形式の共通ヘッダを備え、さらに、各リクエストのハッシュ値、及び再生するサウンドのファイル長(総演奏時間)をインデックスの値に対応付けて記憶している。
ハッシュ値リクエストテーブルのハッシュ値は、サウンドコードを基に生成されている。各リクエストが、リクエストテーブルに保存される順序と、ハッシュ値リクエストテーブルに保存される順序は同じであるため、ハッシュ値と、このハッシュ値に対応するリクエスト情報は、同じインデックスに(同じ格納順で)関連づけられている。
上述したように、サウンドスレッドは、イベントコードリクエストを受け取り、イベントコードに基づいて取得したサウンドオブジェクト内に登録されているサウンドコード(ハッシュ値)を取得するが、この処理は、ハッシュ値リクエストテーブルを参照して行われる。ハッシュ値を取得した後、そのハッシュ値に基づいてリクエストテーブルのリクエスト情報を特定し、特定したリクエスト情報により、リクエストを行う。
図408(B)には、チャンネルグループテーブルの例が示されている。チャンネルグループテーブルは、図407に示したリクエストテーブルに関連して説明した共通ヘッダと同様の形式の共通ヘッダを備え、さらに、各チャンネルグループに関するチャンネルグルプ情報を記憶している。各チャンネルグループ情報は、グループ番号と、このグループに属するチャンネルのチャンネル情報を含んでいる。チャンネル情報は、例えば、64bitのデータであり、各ビットが対応するチャンネルの属否を表し、1bit目の値が「1」であれば、64chが当該グループに属し、64bit目の値が「1」であれば、1chが当該グループに属する。bitの値が「0」のチャンネルは、当該グループに属していないことを表す。
このように、チャンネルグループテーブルを利用することにより、グループと、そのグループに属するチャンネルの対応関係を柔軟に設定することができる。
図408(C)には、マスターボリュームテーブルの例が示されている。マスターボリュームテーブルは、図407に示したリクエストテーブルに関連して説明した共通ヘッダと同様の形式の共通ヘッダを備え、さらに、複数のマスターボリューム情報を記憶している。この例では、32種類のマスターボリューム情報が記憶され、各マスターボリューム情報には、インデックス番号と、7つのボリューム値が記憶され、この結果、7段階のボリューム設定を32種類のなかから選択することが可能となっている。
上述したように、図406(A)に示すリクエストデータには、マスターボリューム参照インデックス番号によって、このマスターボリュームテーブルのなかの1つのマスターボリューム情報が参照され、リクエスト単位で、ボリューム設定を変えることができる。
本実施形態において、マスターボリューム情報と、遊技者が選択することができる遊技者ボリュームで、デジタルアンプ2240に送信する音源データに対するボリュームが反映される。また、マスターボリューム情報と、遊技者が選択することができる遊技者ボリュームに基づき、デジタルアンプ2240のボリュームを設定するようにしてもよく、デジタルアンプ2240のボリュームを設定する場合、I2C I/F2340を介して、デジタルアンプ2240にボリュームの設定値を送信することになる。
なお、本実施形態において、マスターボリューム情報を参照しない場合が存在する。例えば、マスタープロセスからイベントコード、またはサウンドコード(図380(A)参照)として、エラー発生時(例えば、主基板コマンドがエラーコマンド)の異常音を出音するリクエストがされた場合、マスターボリューム情報に関わらず、常に最大ボリュームでその異常音を再生するよう制御される。
図409には、サウンドデータの例が示されている。本実施形態のサウンドデータは、エンコード種別に応じて作成されたサウンドデータであり、例えば、SMZファイルやPCMといったフォーマットのファイルである。図409(A)は、サウンドマーカー有りのサウンドデータであり、共通ヘッダ、マーカー情報、及びデータ部を含んでいる。共通ヘッダには、例えば、データ長、1フレームのサイズ、フレーム数、コーデックのバージョン、データフォーマットのバージョン、サンプリング周波数、ビットレート、モノラル/ステレオ種別、サウンドマーカー数、ループ区間(開始位置サンプル数)、ループ区間(終了位置サンプル数)といったデータを含む。
また、このサウンドデータは、共通ヘッダのサウンドマーカー数で定義された数のマーカー情報を含み、各マーカー情報には、それぞれのマーカー位置(例えば、フレーム位置)が含まれる。データ部には、PCMデータや、SMA形式で圧縮された音源データといった、サウンドの実データが格納される。
図409(B)は、サウンドマーカー無しのサウンドデータの例を示している。共通ヘッダは、図409(A)に示すサウンドデータの共通ヘッダと同様であり、その共通ヘッダの後に、サウンドの実データを格納したデータ部が格納されている。
以下、上述した遊技機における構成とその構成から奏する効果について付記する。
<付記H-1>
従来の遊技機において、表示演出の表示速度を変更することができるものが提案されている(特開2005-073743号公報参照)。
このような提案に係る遊技機では、表示制御装置の表示速度段階的変更部により、表示演出の表示速度が変更されるが、プログラムによって表示速度を変更することも可能であり、プログラムによる表示速度の変更によって動画の倍速再生を行う場合、1フレーム目を再生した後に3フレーム目を再生する必要があるため、シーク処理を行って3フレーム目を取得し、当該3フレーム目の再生処理を行うことになる。
しかしながら、このような遊技機において、プログラムによる動画の倍速再生を行う場合、上記のようなシーク処理が必ず発生するため処理が重くなるという問題があった。また、上記の遊技機のように、表示制御装置に、表示速度段階的変更部のような専用回路を設けると製造コストが上昇することになる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、処理負荷を増大させることなく、演出における画像の表示速度を変更する(例えば、通常の速度から、n倍速(2倍速や5倍速など)に再生速度を変更する)ことができる遊技機を提供することを目的とする。
また、本発明のさらなる目的は、専用回路を設けることなく、低コストで、演出における画像の表示速度を変更することができる遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-1-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
表示部(例えば、図375に示すメイン表示装置2510やサブ表示装置2520(VRAM2420を含む))と、
演算処理プロセッサ(例えば、図375に示すCPU2390)と、前記演算処理プロセッサに接続されて画像処理を行う画像処理プロセッサ(例えば、図375に示すGPU2400やVPU2410)とを有し、演出制御を行い前記表示部に表示を行う演出制御部(例えば、図375に示す副制御ユニット2100)と、を備え、
前記演出制御部は、
静止画データ、及び動画データからデコード処理を行い、表示データを生成するデコード手段と、
前記表示データを前記表示部にフレーム時間(例えば、60fpsの場合、1フレーム時間は16.5msec)ごとに出力することで、前記表示部に表示フレームを表示する表示データ出力手段と、を有することを特徴とする遊技機(例えば、第12実施形態に係るパチスロ機1)。
(H-1-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記演出制御部は、前記デコード手段に対して、前記表示部に表示すべき表示フレームを指定する表示フレーム位置指定(例えば、表示されるフレームのフレーム番号の指定)を行い、
前記デコード手段は、
1フレーム時間で、複数表示フレームに対応する複数の表示データの前記デコード処理を行うことができ、
前記デコード処理を事前に行う、先行デコード処理(例えば、図402(A)に示すように、タイミングt0からタイミングt1において、フレーム00からフレーム07までのデコード処理を、フレーム00の表示処理が行われる前に行う処理)が可能であるように構成される遊技機。
(H-1-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1、または第2の実施態様において下記の構成を有する。
前記演出制御部は、前記デコード手段に対して、前記表示部に表示すべき表示フレームを指定する表示フレーム位置指定を行い、
前記デコード手段は、
1フレーム時間で、複数フレームに対応する複数の表示データの前記デコード処理を行うことができ、
前記デコード処理を事前に行う、先行デコード処理が可能であり、
前記先行デコード処理において、事前に生成可能な表示データの先行デコード数(先行してデコードするフレーム数)が設定されており、さらに、
1フレーム時間でデコード処理を行う件数の上限(例えば、図402(A)ないし(C)に示す例では、最大8フレーム)が設定されているように構成される遊技機。
(H-1-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3の実施態様のいずれかにおいて下記の構成を有する。
前記演出制御部は、前記デコード手段に対して、前記表示部に表示すべき表示フレームを指定する表示フレーム位置指定を行い、
前記デコード手段は、
1フレーム時間で、複数フレームに対応する複数の表示データの前記デコード処理を行うことができ、
前記デコード処理を事前に行う、先行デコード処理が可能であり、
前記演出制御部は、
前記表示データが前記表示部に出力されることで使用された分だけ、あらたに前記先行デコード処理を行う(例えば、図402(A)に示すように、フレーム00の表示処理が行われるタイミングt1においてフレーム08のデコード処理が行われ、フレーム01の表示処理が行われるタイミングt2においてフレーム09のデコード処理が行われる)ように、前記デコード手段を制御するように構成される遊技機。
(H-1-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4の実施態様のいずれかにおいて下記の構成を有する。
前記演出制御部は、前記デコード手段に対して、前記表示部に表示すべき表示フレームを指定する表示フレーム位置指定を行い、
前記デコード手段は、
1フレーム時間で、複数フレームに対応する複数の表示データの前記デコード処理を行うことができ、
前記デコード処理を事前に行う、先行デコード処理が可能であり、
前記演出制御部は、
前記表示データに関する閾値を有し、
前記表示フレーム位置指定に係るフレーム位置の値、前記表示部に表示される表示フレームに係るフレーム位置の値、及び前記閾値との関係に応じて、前記表示データ出力手段に対し、前記先行デコード処理によって既に生成されている表示データか、前記デコード処理で生成する表示データのどちらを前記表示部に出力するかを指示するよう制御するように構成される遊技機。
(H-1-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5の実施態様のいずれかにおいて下記の構成を有する。
前記演出制御部は、前記デコード手段に対して、前記表示部に表示すべき表示フレームを指定する表示フレーム位置指定を行い、
前記デコード手段は、
1フレーム時間で、複数フレームに対応する複数の表示データの前記デコード処理を行うことができ、
前記デコード処理を事前に行う、先行デコード処理が可能であり、
前記先行デコード処理において、事前に生成可能な表示データの先行デコード数が設定されており、
前記演出制御部は、前記表示データに関する閾値を有し、
前記閾値は、前記先行デコード数に基づいて設定され、
前記演出制御部は、
前記表示フレーム位置指定に係るフレーム位置の値が、前記表示部に表示される表示フレームに係るフレーム位置の値より大きく、かつ、両者のフレーム位置の値の差分が、前記閾値より小さい場合(例えば、図402(B)に示すように、表示フレーム位置指定に係るフレーム位置の値(Seek=5によって指示されるフレーム05)が、表示処理に係るフレーム00より大きく、かつ、フレーム位置の値の差分「5」が閾値「8」より小さい場合)、前記先行デコード処理によって既に生成されている表示データを用いて前記表示部に、前記表示フレーム位置指定に係る表示フレームを表示するよう制御するように構成される遊技機。
(H-1-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6の実施態様のいずれかにおいて下記の構成を有する。
前記演出制御部は、前記デコード手段に対して、前記表示部に表示すべき表示フレームを指定する表示フレーム位置指定を行い、
前記デコード手段は、
1フレーム時間で、複数フレームに対応する複数の表示データの前記デコード処理を行うことができ、
前記デコード処理を事前に行う、先行デコード処理が可能であり、
前記先行デコード処理において、事前に生成可能な表示データの先行デコード数が設定されており、
前記演出制御部は、前記表示データに関する閾値を有し、
前記閾値は、前記先行デコード数に基づいて設定され、
前記演出制御部は、
前記表示フレーム位置指定に係るフレーム位置の値が、前記表示部に表示される表示フレームに係るフレーム位置の値より大きく、かつ、両者のフレーム位置の値の差分が、前記閾値より小さい場合、前記表示データ出力手段に、前記表示フレーム位置指定に係るフレーム位置の表示データを、前記先行デコード処理によって既に生成されている表示データのなかから選択し、前記表示部に出力するよう制御するように構成される遊技機。
(H-1-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7の実施態様のいずれかにおいて下記の構成を有する。
前記演出制御部は、前記デコード手段に対して、前記表示部に表示すべき表示フレームを指定する表示フレーム位置指定を行い、
前記デコード手段は、
1フレーム時間で、複数フレームに対応する複数の表示データの前記デコード処理を行うことができ、
前記デコード処理を事前に行う、先行デコード処理が可能であり、
前記先行デコード処理において、事前に生成可能な表示データの先行デコード数が設定されており、
前記演出制御部は、前記表示データに関する閾値を有し、
前記閾値は、前記先行デコード数に基づいて設定され、
前記演出制御部は、
前記表示フレーム位置指定に係るフレーム位置の値が、前記表示部に表示される表示フレームに係るフレーム位置の値より大きく、かつ、両者のフレーム位置の値の差分が、前記閾値以上である場合(例えば、図402(C)に示すように、表示フレーム位置指定に係るフレーム位置の値(Seek=10によって指示されるフレーム10)が、表示処理に係るフレーム00より大きく、かつ、フレーム位置の値の差分「10」が閾値「8」以上である場合)、前記先行デコード処理によって既に生成されている表示データを用いることなく(例えば、図402(C)に示すように、その後のタイミングt1でデコード処理がされたフレーム10を用いて)、前記表示部に、前記表示フレーム位置指定に係る表示フレームを表示するよう制御するように構成される遊技機。
(H-1-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8の実施態様のいずれかにおいて下記の構成を有する。
前記演出制御部は、前記デコード手段に対して、前記表示部に表示すべき表示フレームを指定する表示フレーム位置指定を行い、
前記デコード手段は、
1フレーム時間で、複数フレームに対応する複数の表示データの前記デコード処理を行うことができ、
前記デコード処理を事前に行う、先行デコード処理が可能であり、
前記先行デコード処理において、事前に生成可能な表示データの先行デコード数が設定されており、
前記演出制御部は、前記表示データに関する閾値を有し、
前記閾値は、前記先行デコード数に基づいて設定され、
前記演出制御部は、
前記表示フレーム位置指定に係るフレーム位置の値が、前記表示部に表示される表示フレームに係るフレーム位置の値より大きく、かつ、両者のフレーム位置の値の差分が、前記閾値以上である場合、前記デコード手段に、前記表示フレーム位置指定に係るフレーム位置の表示データを生成するデコード処理を行うよう制御し、さらに、前記表示データ出力手段に、当該デコード処理によって生成された表示データを、前記表示部に出力するよう制御するように構成される遊技機。
(H-1-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9の実施態様のいずれかにおいて下記の構成を有する。
前記演出制御部は、前記デコード手段に対して、前記表示部に表示すべき表示フレームを指定する表示フレーム位置指定を行い、
前記デコード手段は、
1フレーム時間で、複数フレームに対応する複数の表示データの前記デコード処理を行うことができ、
前記デコード処理を事前に行う、先行デコード処理が可能であり、
前記先行デコード処理において、事前に生成可能な表示データの先行デコード数が設定されており、
前記演出制御部は、前記表示データに関する閾値を有し、
前記閾値は、前記先行デコード数(例えば、図402(A)ないし図402(C)で示されるような、先行デコード数「8」)に設定されるように構成される遊技機。
上記構成の遊技機によれば、処理負荷を増大させることなく、演出における画像の表示速度を変更することができる。またさらに、上記構成の遊技機によれば、専用回路を設けることなく、低コストで、演出における画像の表示速度を変更することができる。
また、上記構成の遊技機により、動画について、n倍速の再生が指示された場合に、ユーザが動画再生状況を意識することなく、指定されたフレーム番号に基づく数値と所定閾値の比較結果に応じて、動画再生処理を切り替えるため、当該倍速の再生に係る任意フレームを指定することで最適な動画再生処理を行うことが可能となる。
<付記H-2>
従来の遊技機において、ファイルをまとめるとともに、まとめたファイルをアクセスする構成が開示されている(特開2013-031586号公報参照)。
このような提案に係る遊技機では、設定されたファイルリスト、又は、プログラムに記載されたファイル名から対象のファイルを読み込み、指定領域(RAM)に展開したり、記憶させたりしている。
しかしながら、このような遊技機では、ファイルリスト、又はプログラムに記載されたファイル名を読み込んでから、対象ファイルを順番に読み込むため、読み込み時間がかかっている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、複数のファイルを迅速に読み込むことができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-2-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
表示部(例えば、図375に示すメイン表示装置2510やサブ表示装置2520)と、
演算処理プロセッサ(例えば、図375に示すCPU2390)と、前記演算処理プロセッサに接続されて画像処理を行う画像処理プロセッサ(例えば、図375に示すGPU2400やVPU2410)とを有し、演出制御を行い前記表示部に表示を行う演出制御部(例えば、図375に示す副制御ユニット2100)と、を備え、
前記演出制御部は、前記画像処理プロセッサにおける画像処理のためにデータを転送するよう制御することを特徴とする遊技機(例えば、第12実施形態に係るパチスロ機1)。
(H-2-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
転送する前記データをそれぞれ特定するリスト情報(例えば、図392のフローチャートで説明した読み込みリスト)が予め記憶されており、
前記演出制御部は、前記リスト情報に基づいて、転送するデータを特定するように構成される遊技機。
(H-2-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1、または第2の実施態様において下記の構成を有する。
転送する前記データをそれぞれ特定するリスト情報が予め記憶されており、
前記演出制御部は、前記リスト情報に基づいて、転送するデータを特定し、
前記リスト情報には、前記データを転送する順序を示す情報が含まれているように構成される遊技機。
(H-2-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
転送する前記データをそれぞれ特定するリスト情報が予め記憶されており、
前記演出制御部は、前記リスト情報に基づいて、転送するデータを特定し、
前記演出制御部は、前記リスト情報が存在する場合に、
前記リスト情報からプリフェッチ情報を生成し、
前記データを格納しているデータ格納領域より高速なアクセスが可能な、専用のデータメモリ領域を確保し、
前記プリフェッチ情報に基づいて、前記データを前記データ格納領域から読み込み、前記データメモリ領域に記憶するデータ読込専用処理(例えば、図392のフローチャートで説明したファイルキャッシュスレッド)を起動するように構成される遊技機。
(H-2-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
転送する前記データをそれぞれ特定するリスト情報が予め記憶されており、
前記演出制御部は、前記リスト情報に基づいて、転送するデータを特定し、
前記演出制御部は、前記リスト情報が存在する場合に、
前記リスト情報からプリフェッチ情報を生成し、
前記データを格納しているデータ格納領域より高速なアクセスが可能な、専用のデータメモリ領域を確保し、
前記プリフェッチ情報に基づいて、前記データを前記データ格納領域から読み込み、前記データメモリ領域に記憶するデータ読込専用処理を起動し、
前記プリフェッチ情報に基づいて、前記データ読込専用処理が、前記データメモリ領域にデータを順に記憶することによって、前記データメモリ領域において、前記データが、前記画像処理プロセッサの処理に必要な順序で並べられるように構成される遊技機。
(H-2-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
転送する前記データをそれぞれ特定するリスト情報が予め記憶されており、
前記演出制御部は、前記リスト情報に基づいて、転送するデータを特定し、
前記演出制御部は、前記リスト情報が存在する場合に、
前記リスト情報からプリフェッチ情報を生成し、
前記データを格納しているデータ格納領域より高速なアクセスが可能な、専用のデータメモリ領域を確保し、
前記プリフェッチ情報に基づいて、前記データを前記データ格納領域から読み込み、前記データメモリ領域に記憶するデータ読込専用処理を起動し、
前記データメモリ領域には、上限の記憶容量が設定され、
前記データ読込専用処理は、前記データメモリ領域の空きがなくなった場合に、前記データの読み込みを行わないよう制御するように構成される遊技機。
(H-2-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
転送する前記データをそれぞれ特定するリスト情報が予め記憶されており、
前記演出制御部は、前記リスト情報に基づいて、転送するデータを特定し、
前記演出制御部は、前記リスト情報が存在する場合に、
前記リスト情報からプリフェッチ情報を生成し、
前記データを格納しているデータ格納領域より高速なアクセスが可能な、専用のデータメモリ領域を確保し、
前記プリフェッチ情報に基づいて、前記データを前記データ格納領域から読み込み、前記データメモリ領域に記憶するデータ読込専用処理を起動し、
前記演算処理プロセッサは、複数のコアプロセッサ(例えば、4つのCPUコア(CPUコア#1、CPUコア#2、CPUコア#3、CPUコア#4))で構成され、
前記データ読込専用処理は、前記複数のコアプロセッサのうち、動作していないコアプロセッサで起動されることで、1つ、または複数の前記データ読込専用処理が起動することになるように構成される遊技機。
(H-2-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
転送する前記データをそれぞれ特定するリスト情報が予め記憶されており、
前記演出制御部は、前記リスト情報に基づいて、転送するデータを特定し、
前記演出制御部は、前記リスト情報が存在する場合に、
前記リスト情報からプリフェッチ情報を生成し、
前記データを格納しているデータ格納領域より高速なアクセスが可能な、専用のデータメモリ領域を確保し、
前記プリフェッチ情報に基づいて、前記データを前記データ格納領域から読み込み、前記データメモリ領域に記憶するデータ読込専用処理を起動し、
前記演出制御部は、キャンセル要求に基づいて、
前記プリフェッチ情報を破棄し、
前記データ読込専用処理の破棄要求を行うように構成される遊技機。
(H-2-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
転送する前記データをそれぞれ特定するリスト情報が予め記憶されており、
前記演出制御部は、前記リスト情報に基づいて、転送するデータを特定し、
前記演出制御部は、前記リスト情報が存在する場合に、
前記リスト情報からプリフェッチ情報を生成し、
前記データを格納しているデータ格納領域より高速なアクセスが可能な、専用のデータメモリ領域を確保し、
前記プリフェッチ情報に基づいて、前記データを前記データ格納領域から読み込み、前記データメモリ領域に記憶するデータ読込専用処理を起動し、
前記演出制御部は、前記データメモリ領域に記憶されている前記データが、前記画像処理プロセッサによって処理された場合に、当該データを前記データメモリ領域から消去するように構成される遊技機。
(H-2-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
転送する前記データをそれぞれ特定するリスト情報が予め記憶されており、
前記演出制御部は、前記リスト情報に基づいて、転送するデータを特定し、
前記演出制御部は、前記リスト情報が存在する場合に、
前記リスト情報からプリフェッチ情報を生成し、
前記データを格納しているデータ格納領域より高速なアクセスが可能な、専用のデータメモリ領域を確保し、
前記プリフェッチ情報に基づいて、前記データを前記データ格納領域から読み込み、前記データメモリ領域に記憶するデータ読込専用処理を起動し、
前記データ読込専用処理が、前記プリフェッチ情報に基づいて、3D画像データを構築するためのデータを、前記画像処理プロセッサの処理に必要な順序に並べて前記データメモリ領域に記憶するように構成される遊技機。
上記構成の遊技機によれば、画像処理において、複数のファイルを迅速に読み込むことができる。
また、上記構成の遊技機により、ファイル読み込みリストから生成されたプリフェッチ情報に基づいて、描画処理に関する関連データが所定の順序で事前に読み込まれるため、画像処理におけるデータ読み込みの処理効率が向上する。
<付記H-3>
従来の遊技機において、音声演出のための再生チャンネルを管理する場合に、管理テーブルとチャンネル番号により再生チャンネルを管理する構成が開示されている(特開2017-119192号公報参照)。
この場合の再生チャンネルは、例えば、1~32といった実数により管理される。
しかしながら、このような遊技機では、実数によって再生チャンネルが管理されているため、複数のチャンネルを使用する場合であっても、1チャンネルごとに定義、及び管理が必要になり、無駄な処理が発生している。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、演出等に係る音声出力のための複数のチャンネルを、無駄のない簡単な処理で定義、管理することができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-3-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
演算処理部(例えば、図375に示すCPU2390)と、
前記演算処理部に接続された音源増幅部(例えば、図375に示すデジタルアンプ2240)と、
前記音源増幅部に接続された音出力部(例えば、図375に示すスピーカ群2040)と、を備え、
前記演算処理部は、
前記音源増幅部に音データを出力するための複数の音声チャンネル(例えば、1chないし64chの論理チャンネル)を有し、
前記複数の音声チャンネルのうち1つ、または複数の音声チャンネルに対応するチャンネルデータ(例えば、図406(A)に示すようなリクエストデータ)をセットし、前記音源増幅部に前記チャンネルデータを出力することにより、前記音出力部から音声を出力するように制御することを特徴とする遊技機(例えば、第12実施形態に係るパチスロ機1)。
(H-3-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記チャンネルデータには、前記音声チャンネルを指定する複数の設定形式(例えば、図406(B)に示すリクエストデータの形式)があるように構成される遊技機。
(H-3-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1、または第2の実施態様において下記の構成を有する。
前記チャンネルデータには、前記音声チャンネルを指定する複数の設定形式があり、
前記複数の設定形式に係る前記チャンネルデータはそれぞれ、
同じデータ長(例えば、8バイト)を有し、
前記音声チャンネルを指定するために使用する領域の範囲が異なる(例えば、図406(B)に示すように、制御対象が単独チャンネルの場合、右端(最下位)16bitを使用し、制御対象が単独グループの場合、右端16bitの左隣(上位)にある16bitを使用する)ように構成される遊技機。
(H-3-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記チャンネルデータには、前記音声チャンネルを指定する複数の設定形式があり、
前記複数の設定形式に係る前記チャンネルデータはそれぞれ、
同じデータ長を有し、
前記音声チャンネルを指定するために使用する領域の範囲が異なり、
前記複数の設定形式に係る前記チャンネルデータにおいて、
異なる設定形式で、前記音声チャンネルを指定するために使用する領域が、少なくとも一部で重複し(例えば、図406(B)に示すように、制御対象が単独チャンネルの場合と複数チャンネルの場合で、使用する領域に重複がある)、
前記異なる設定形式を識別するための情報を別途用いるように構成される遊技機。
(H-3-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記チャンネルデータに複数の音声チャンネルが指定されているか否かを示す情報(例えば、図406(C)に示す、オプションフラグ・ファンクション識別のリクエストデータ)が、前記チャンネルデータとは別に前記音源増幅部に出力されるように構成される遊技機。
(H-3-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記チャンネルデータには、前記音声チャンネルを指定する複数の設定形式があり、
前記チャンネルデータは、
前記音声チャンネルを個別に指定する設定形式と、グループで管理された前記音声チャンネルをグループ単位で指定する設定形式とを有するように構成される遊技機。
(H-3-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記チャンネルデータには、前記音声チャンネルを指定する複数の設定形式があり、
前記チャンネルデータに設定する第1の設定形式(例えば、図406(B)に示す、制御対象=単独チャンネルに係る設定形式)は、チャンネル番号を設定する形式であり、第2の設定形式(例えば、図406(B)に示す、制御対象=単独グループに係る設定形式)は、複数のチャンネルを指定するためのグループ番号を設定する形式であり、第3の設定形式(例えば、図406(B)に示す、制御対象=複数チャンネルに係る設定形式)は、最大チャンネル数を設定可能とするビット情報を設定する形式であるように構成される遊技機。
(H-3-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記チャンネルデータには、前記音声チャンネルを指定する複数の設定形式があり、
前記チャンネルデータに設定する第1の設定形式は、チャンネル番号を設定する形式であり、第2の設定形式は、複数のチャンネルを指定するためのグループ番号を設定する形式であり、
前記第1の設定形式を設定する場合は、第1チャンネル領域に前記チャンネル番号を設定し、前記第2の設定形式を設定する場合は、前記第1チャンネル領域と重複しない第2チャンネル領域に前記グループ番号を設定するように構成される遊技機。
(H-3-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記チャンネルデータには、前記音声チャンネルを指定する複数の設定形式があり、
前記チャンネルデータに設定する第1の設定形式は、チャンネル番号を設定する形式であり、第2の設定形式は、複数のチャンネルを指定するためのグループ番号を設定する形式であり、第3の設定形式は、最大チャンネル数を設定可能とするビット情報を設定する形式であり、
前記第1の設定形式を設定する場合は、第1チャンネル領域に前記チャンネル番号を設定し、前記第2の設定形式を設定する場合は、前記第1チャンネル領域と重複しない第2チャンネル領域に前記グループ番号を設定し、
前記第3の設定形式を設定する場合は、前記第1チャンネル領域、前記第2チャンネル領域、及び第3チャンネル領域に前記ビット情報を設定するように構成される遊技機。
(H-3-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記チャンネルデータには、前記音声チャンネルを指定する複数の設定形式があり、
前記演算処理部は、前記チャンネルデータが、前記音声チャンネルをグループ単位で指定する設定形式である場合に、チャンネルグループテーブル(例えば、図408(B)に示す、チャンネルグループテーブル)を参照して、指定されているグループに属する音声チャンネルを把握し、
前記チャンネルグループテーブルには、グループごとに、そのグループに属する音声チャンネルが最大チャンネル数を設定可能とするビット情報として記憶されているように構成される遊技機。
上記構成の遊技機によれば、複数のサウンドチャンネルを定義、管理できるので、音声出力に関する処理が簡素化される。
<付記H-4>
従来の遊技機において、サウンドの演出を制御するために、サウンドを管理するサウンドテーブルを用いる構成が開示されている(特開2018-015443号公報参照)。
こうした従来の遊技機では、複数のサウンドを連続して制御する場合、複数のサウンドの再生を管理するサウンドシーケンスをリクエストしてサウンドを再生することになる。
しかしながら、上記のようなサウンドシーケンスのリクエストが登録された場合、個別のサウンドの再生制御を行うには、当該サウンドシーケンスとは別の管理や処理が必要となる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、サウンドシーケンスのリクエスト(シーケンスリクエスト)によって複数のサウンドの管理を可能にするとともに、シーケンスリクエストに登録されている個別のサウンドの管理も可能とすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-4-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
演算処理部(例えば、図375に示すCPU2390)と、
前記演算処理部に接続された音源増幅部(例えば、図375に示すデジタルアンプ2240)と、
前記音源増幅部に接続された音出力部(例えば、図375に示すスピーカ群2040)と、を備え、
前記演算処理部は、
前記音出力部に出力するために複数の音源データが設定された音源要求データ(例えば、図407に示すリクエスト(リクエストID=1)やシーケンスリクエスト(リクエストID=10))を有することを特徴とする遊技機(例えば、第12実施形態に係るパチスロ機1)。
(H-4-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記音源要求データには、単一の音源データに関する要求を含む第1音源要求データ(例えば、図407に示すリクエスト(リクエストID=1))と、複数の音源データに関する要求を含む第2音源要求データ(例えば、図407に示すシーケンスリクエスト(リクエストID=10)とが含まれるように構成される遊技機。
(H-4-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1、または第2の実施態様において下記の構成を有する。
前記音源要求データには、単一の音源データに関する要求を含む第1音源要求データと、複数の音源データに関する要求を含む第2音源要求データとが含まれ、
前記第2音源要求データと、前記第1音源要求データとを記憶する音源要求データ記憶部(例えば、図407に示すリクエストテーブル)を有し、
前記演算処理部は、
前記第2音源要求データが音源データに関する再生要求を含む場合、当該再生要求に係る前記第1音源要求データを、前記音源要求データ記憶部から参照するように構成される遊技機。
(H-4-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記音源要求データには、単一の音源データに関する要求を含む第1音源要求データと、複数の音源データに関する要求を含む第2音源要求データとが含まれ、
前記第2音源要求データと、前記第1音源要求データとを記憶する音源要求データ記憶部を有し、
前記音源要求データ記憶部において、前記音源要求データのそれぞれは、識別子(例えば、リクエストID)によって個別に管理され、
前記第2音源要求データが音源データに関する再生要求を含む場合、前記第2音源要求データに、当該再生要求に係る前記第1音源要求データの識別子が含まれるように構成される遊技機。
(H-4-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記音源要求データには、単一の音源データに関する要求を含む第1音源要求データと、複数の音源データに関する要求を含む第2音源要求データとが含まれ、
前記第2音源要求データと、前記第1音源要求データとを記憶する音源要求データ記憶部を有し、
前記音源要求データ記憶部において、前記音源要求データのそれぞれは、識別子によって個別に管理され、
前記演算処理部は、
前記第2音源要求データが音源データに関する再生要求を含む場合、前記再生要求に係る前記第1音源要求データの識別子を用いて前記音源要求データ記憶部を参照し、対応する前記第1音源要求データを取得するように構成される遊技機。
(H-4-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記音源要求データには、単一の音源データに関する要求を含む第1音源要求データと、複数の音源データに関する要求を含む第2音源要求データとが含まれ、
前記第2音源要求データは、複数の音源データを連続して制御するための、ひとまとまりのデータであるように構成される遊技機。
(H-4-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記音源要求データには、単一の音源データに関する要求を含む第1音源要求データと、複数の音源データに関する要求を含む第2音源要求データとが含まれ、
前記第2音源要求データと、前記第1音源要求データとを記憶する音源要求データ記憶部を有し、
前記音源要求データ記憶部において、前記音源要求データのそれぞれは、識別子によって個別に管理され、
前記識別子に基づき、前記音源要求データについてそれぞれ設定を行うことができるように構成される遊技機。
(H-4-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記音源要求データには、単一の音源データに関する要求を含む第1音源要求データと、複数の音源データに関する要求を含む第2音源要求データとが含まれ、
前記第2音源要求データが音源データに関する再生要求を含む場合、前記再生要求に係る第1音源要求データにおいて再生位置が設定できるとともに(例えば、リクエストデータの再生開始位置の設定)、前記第2音源要求データにおいて、1つ、または複数の再生位置が設定できる(例えば、シーケンスリクエストのシーケンスマーカーの設定)ように構成される遊技機。
(H-4-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記音源要求データには、単一の音源データに関する要求を含む第1音源要求データと、複数の音源データに関する要求を含む第2音源要求データとが含まれ、
前記第2音源要求データが音源データに関する再生要求を含む状況において、
前記第2音源要求データに対して所定の要求を行う場合、その要求は、前記第2音源要求データに含まれる音源データすべてに関する要求として受け付けられ、
前記再生要求に係る前記第1音源要求データに対して個別に所定の要求を行う場合、その要求は、前記第1音源要求データの音源データに関する要求として受け付けられるように構成される遊技機。
(H-4-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記音源要求データには、単一の音源データに関する要求を含む第1音源要求データと、複数の音源データに関する要求を含む第2音源要求データとが含まれ、
前記第2音源要求データと、前記第1音源要求データとを記憶する音源要求データ記憶部を有し、
前記音源要求データ記憶部は、第1コード(例えば、リクエストID(上記の識別子))に対応付けて音源要求データを記憶し、
第2コード記憶部(例えば、図408のハッシュ値リクエストテーブル)は、前記音源要求データに係る第2コード(例えば、ハッシュ値)を、前記音源要求データ記憶部における対応する音源要求データの並びと同じ順序で記憶し、
前記演算処理部は、前記第1コードを利用して前記音源要求データ記憶部を参照することにより、目的の音源要求データにアクセス可能であるとともに、前記第2コードを利用して、前記第2コード記憶部と前記音源要求データ記憶部を参照することにより、目的の音源要求データにアクセス可能であるように構成される遊技機。
上記構成の遊技機によれば、サウンドシーケンスのリクエスト(シーケンスリクエスト)による複数のサウンドの管理と、シーケンスリクエストに登録されている個別のサウンドの管理がともに可能となるため、音声再生に係る制御の自由度が向上する。
<付記H-5>
従来の遊技機において、演出制御装置のプログラムのメイン処理によって全ての処理を行う構成が開示されている(特開2019-213753号公報参照)。
こうした従来の遊技機では、演出制御系プログラムは、通称、「シングルスレッド」と呼ばれるプログラムで構成されている。
しかしながら、上記のようなシングルスレッドで構成されたシステムは、複数の処理の内、1つの処理で不具合が発生すると、システム全体を再起動(リブート)しなければ、動作を正常に戻すことができない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、システムの一部に不具合が発生しても、不具合が発生した部分のみを再起動させることで、システム全体を停止させることなく、安定的に動作させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-5-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
演算処理プロセッサ(例えば、図375に示すCPU2390)と、前記演算処理プロセッサに接続された画像処理を行う画像処理プロセッサ(例えば、図375に示すGPU2400やVPU2410)と、を備えた制御部(例えば、図375に示す副制御ユニット2100)を有し、
前記演算処理プロセッサは、複数のコアプロセッサ(例えば、4つのCPUコア(CPUコア#1、CPUコア#2、CPUコア#3、CPUコア#4))で構成され、
前記制御部は、前記複数のコアプロセッサを用いることで演出制御を行うことを特徴とする遊技機(例えば、第12実施形態に係るパチスロ機1)。
(H-5-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラム(例えば、OSを実行するためのプログラム)が記憶されたリードオンリーメモリ(例えば、図375に示すサブROM2210)と、
書き換え可能なリードライトメモリ(例えば、図375に示すSDRAM2430)と、を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラム(例えば、マスタープロセス、グラフィックプロセス、サウンドプロセス、ランププロセスを実行するためのプログラム)を含んで構成される遊技機。
(H-5-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1、または第2の実施態様において下記の構成を有する。
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラムが記憶されたリードオンリーメモリと、
書き換え可能なリードライトメモリと、を有し、
さらに、遊技における抽籤に関する制御を行う遊技制御部を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラムを含んで構成され、
前記複数のプロセスのうちの第1プロセス(例えば、マスタープロセス)は、
前記遊技制御部からコマンドを受信して、前記コマンドに応じた処理を実行し、
前記コマンドに応じた要求を、前記複数のプロセスのうちの第2プロセス(例えば、グラフィックプロセス)に送信し、
前記第2プロセスは、受信した前記要求に応じた処理を実行するとともに、当該要求に応じた情報を、前記複数のプロセスのうちの第3プロセスに送信し、
前記第3プロセス(例えば、サウンドプロセス、または、ランププロセス)は、受信した前記情報に応じた処理を実行するように構成される遊技機。
(H-5-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラムが記憶されたリードオンリーメモリと、
書き換え可能なリードライトメモリと、を有し、
さらに、遊技における抽籤に関する制御を行う遊技制御部を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラムを含んで構成され、
前記複数のプロセスは、他のすべてのプロセスを管理するための第1プロセス、表示手段への画像表示を制御する第2プロセス、及び、少なくとも、音声出力手段への音声出力を制御するプロセス、または発光手段への発光を制御するプロセスのどちらかを含む第3プロセスを含み、
前記第1プロセスは、
前記遊技制御部からコマンドを受信して、前記コマンドに応じた処理を実行し、
前記コマンドに応じた要求を、前記第2プロセスに送信し、
前記第2プロセスは、受信した前記要求に応じた処理を実行するとともに、当該要求に応じた情報を、前記第3プロセスに送信し、
前記第3プロセスは、受信した前記情報に応じた処理を実行するように構成される遊技機。
(H-5-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラムが記憶されたリードオンリーメモリと、
書き換え可能なリードライトメモリと、を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラムを含んで構成され、
各プロセスにおいて、前記制御プログラムの命令を実行するスレッドは、前記複数のコアプロセッサのうち1つのコアプロセッサを利用するよう制御されるように構成される遊技機。
(H-5-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラムが記憶されたリードオンリーメモリと、
書き換え可能なリードライトメモリと、を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラムを含んで構成され、
各プロセスにおいて、前記制御プログラムの命令を実行するスレッドは、前記複数のコアプロセッサのうち1つのコアプロセッサを利用するよう制御され、
前記複数のプロセスのそれぞれには、1つのプロセス内共通メモリ空間(例えば、スレッド間通信エリア)が与えられ、
前記スレッドは、前記プロセス内共通メモリ空間を利用して、同じプロセス内の他のスレッドとの間でデータの送受信を行うように構成される遊技機。
(H-5-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラムが記憶されたリードオンリーメモリと、
書き換え可能なリードライトメモリと、を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラムを含んで構成され、
各プロセスにおいて、前記制御プログラムの命令を実行するスレッドは、前記複数のコアプロセッサのうち1つのコアプロセッサを利用するよう制御され、
前記複数のプロセスのうち一のプロセス(例えば、マスタープロセス)は、他のプロセスの各スレッドから、当該スレッドが正常であるか否かを表す生存情報を収集して、各スレッドの状態を集中的に管理するように構成される遊技機。
(H-5-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラムが記憶されたリードオンリーメモリと、
書き換え可能なリードライトメモリと、を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラムを含んで構成され、
各プロセスにおいて、前記制御プログラムの命令を実行するスレッドは、前記複数のコアプロセッサのうち1つのコアプロセッサを利用するよう制御され、
前記複数のプロセスのうち一のプロセスは、
他のプロセスの各スレッドから、当該スレッドが正常であるか否かを表す生存情報を収集して、各スレッドの状態を集中的に管理し、
正常でないスレッドが存在する場合は、所定の対応を行うよう制御し、
前記対応には、少なくとも、当該正常でないスレッドを有するプロセスを再起動する処理、及び当該正常でないスレッドに関する情報を、所定の表示手段に表示する処理のいずれかが含まれるように構成される遊技機。
(H-5-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラムが記憶されたリードオンリーメモリと、
書き換え可能なリードライトメモリと、を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラムを含んで構成され、
各プロセスにおいて、前記制御プログラムの命令を実行するスレッドは、前記複数のコアプロセッサのうち1つのコアプロセッサを利用するよう制御され、
前記複数のプロセスのそれぞれには、1つのプロセス内共通メモリ空間が与えられ、
前記複数のプロセスのうち一のプロセスは、他のプロセスの各スレッドから、当該スレッドが正常であるか否かを表す生存情報を収集して、各スレッドの状態を集中的に管理し、
前記生存情報は、他のそれぞれのプロセスにおいて、一のスレッド(例えば、各プロセスのメインスレッド)が、前記プロセス内共通メモリ空間を介して他のスレッドから収集した生存情報を含むように構成される遊技機。
(H-5-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラムが記憶されたリードオンリーメモリと、
書き換え可能なリードライトメモリと、を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラムを含んで構成され、
各プロセスにおいて、前記制御プログラムの命令を実行するスレッドは、前記複数のコアプロセッサのうち1つのコアプロセッサを利用するよう制御され、
前記複数のプロセスのそれぞれには、1つのプロセス内共通メモリ空間が与えられ、
1つのプロセスのスレッドがそれぞれ、異なる実行周期で繰り返し処理を行う場合に、そのプロセスの一のスレッドがタイミング情報を前記プロセス内共通メモリ空間に出力することで他のスレッドの処理タイミングが把握可能となっており、
前記タイミング情報には、どのスレッドの実行周期に対応するものであるかが分かるように、識別子(例えば、サウンドプロセスに関してSID=1、2等)が付与されているように構成される遊技機。
上記構成の遊技機によれば、システムの一部に不具合が発生しても、不具合が発生した部分のみを再起動させることで、システム全体を停止させることなく、安定的に動作させることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、それぞれの主要機能をマルチプロセス化し、さらに、各プロセス内でマルチスレッド化を行うことにより、1つのプロセス、又はスレッドで不具合が発生しても、その不具合の発生したプロセスやスレッドのみを再起動させるだけでよいため、演出制御系のサブシステム全体を停止させることなく、安定的な動作を維持することができる。
<付記H-6>
従来の遊技機において、演出制御装置のプログラムのメイン処理によって全ての処理を行う構成が開示されている(特開2019-213753号公報参照)。
こうした従来の遊技機では、演出制御系プログラムにおける各処理間のデータのやり取りは、メモリの指定位置に保存したデータを、同じ指定位置を参照することによってメモリから読み取る構成となっている。
上記のようなデータのやり取りを行うプログラムを作成することは容易であるが、実機に組み込んだ状態では、外部から、当該メモリに保存したデータの内容を把握することができないため、ICE(In-Circuit Emulator)等に代表されるデバッグ用の専用計測器が必須となる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、専用計測器を用いずに内部のデータを把握して、デバッグを容易に行うことができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の遊技機を提供する。
(H-6-1)本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
演算処理プロセッサ(例えば、図375に示すCPU2390)と、前記演算処理プロセッサに接続された画像処理を行う画像処理プロセッサ(例えば、図375に示すGPU2400やVPU2410)と、を備えた制御部(例えば、図375に示す副制御ユニット2100)を有し、
前記演算処理プロセッサは、複数のコアプロセッサ(例えば、4つのCPUコア(CPUコア#1、CPUコア#2、CPUコア#3、CPUコア#4))で構成され、
前記制御部は、
複数の制御プログラム、及び前記制御プログラムを管理するための管理プログラム(例えば、OSを実行するためのプログラム)が記憶されたリードオンリーメモリ(例えば、図375に示すサブROM2210)と、
書き換え可能なリードライトメモリ(例えば、図375に示すSDRAM2430)と、を有し、
前記リードオンリーメモリに記憶された前記制御プログラムは、前記管理プログラムの制御により、独立し且つ並列で実行可能な複数のプロセスを実行するためのプログラム(例えば、マスタープロセス、グラフィックプロセス、サウンドプロセス、ランププロセスを実行するためのプログラム)を含んで構成され、
前記複数のプロセスのプロセス間におけるデータの入出力は、前記リードライトメモリに確保された共有メモリ(例えば、図377に示した共有メモリ)を介して行われることを特徴とする遊技機(例えば、第12実施形態に係るパチスロ機1)。
(H-6-2)本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
前記共有メモリは、前記複数のプロセスに応じた数が個別に確保され(例えば、図377に示すように、マスタープロセスは、グラフィックプロセス、サウンドプロセス、ランププロセスとの間でデータのやり取りを行い、それぞれのプロセスからのデータ受信に応じて、共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」、「ランプ→マスター」を確保し、さらに、それぞれのプロセスへのデータ送信に応じて、共有メモリ「マスター→グラフィック」、「ANY→サウンド」、「ANY→ランプ」を確保する)、
前記プロセスに応じた前記共有メモリにデータを出力し、前記共有メモリとは異なる共有メモリから、前記プロセスとは異なるプロセスで出力されたデータを入力するように構成される遊技機。
(H-6-3)本発明の第3の実施態様に係る発明は、第1、または第2の実施態様において下記の構成を有する。
前記共有メモリは、前記複数のプロセスに応じた数が個別に確保され、
前記プロセスに応じた前記共有メモリにデータを出力し、前記共有メモリとは異なる共有メモリから、前記プロセスとは異なるプロセスで出力されたデータを入力し、
前記共有メモリには、1つのプロセスからデータを入力して1つのプロセスにデータを出力する第1共有メモリ(例えば、共有メモリ「グラフィック→マスター」、「サウンド→マスター」等)と、複数のプロセスからデータを入力して1つのプロセスにデータを出力する第2共有メモリ(例えば、共有メモリ「ANY→サウンド」、「ANY→ランプ」等)とが含まれるように構成される遊技機。
(H-6-4)本発明の第4の実施態様に係る発明は、第1ないし第3のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
さらに、遊技の進行に関する制御を行う遊技制御部を有し、
前記複数のプロセスのうちの第1プロセス(例えば、マスタープロセス)は、
前記遊技制御部からコマンドを受信して、前記コマンドに応じた処理を実行し、
前記コマンドに応じた要求を、前記複数のプロセスのうちの第2プロセス(例えば、グラフィックプロセス)に前記共有メモリを介して送信し、
前記第2プロセスは、受信した前記要求に応じた処理を実行するとともに、当該要求に応じた情報を、前記複数のプロセスのうちの第3プロセス(例えば、サウンドプロセス、または、ランププロセス)に前記共有メモリを介して送信し、
前記第3プロセスは、受信した前記情報に応じた処理を実行するように構成される遊技機。
(H-6-5)本発明の第5の実施態様に係る発明は、第1ないし第4のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
さらに、遊技における抽籤に関する制御を行う遊技制御部を有し、
前記複数のプロセスは、他のすべてのプロセスを管理するための第1プロセス、表示手段への画像表示を制御する第2プロセス、及び、少なくとも、音声出力手段への音声出力を制御するプロセス、または、発光手段への発光を制御するプロセスのどちらかを含む第3プロセスを含み、
前記第1プロセスは、
前記遊技制御部からコマンドを受信して、前記コマンドに応じた処理を実行し、
前記コマンドに応じた要求を、前記第2プロセスに前記共有メモリを介して送信し、
前記第2プロセスは、受信した前記要求に応じた処理を実行するとともに、当該要求に応じた情報を、前記第3プロセスに前記共有メモリを介して送信し、
前記第3プロセスは、受信した前記情報に応じた処理を実行するように構成される遊技機。
(H-6-6)本発明の第6の実施態様に係る発明は、第1ないし第5のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記共有メモリは、前記プロセスに実装される所定の通信プロトコル(例えば、TCP)によってデータの入出力が可能な構成となっている遊技機。
(H-6-7)本発明の第7の実施態様に係る発明は、第1ないし第6のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記共有メモリは、前記プロセスに実装される所定の通信プロトコルによってデータの入出力が可能な構成となっており、
外部接続機器(例えば、遊技機に接続可能なPC)が前記通信プロトコルを使用して、前記共有メモリに対してデータを送受信することができるように構成される遊技機。
(H-6-8)本発明の第8の実施態様に係る発明は、第1ないし第7のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
前記共有メモリは、前記プロセスに実装される所定の通信プロトコルによってデータの入出力が可能な構成となっており、
外部接続機器が前記通信プロトコルを使用して、前記共有メモリに対してデータを送受信することができ、
前記プロセスは、対応する共有メモリに入力されたデータに応じた処理を実行するよう制御され、
前記外部接続機器から前記共有メモリに入力されたデータによって、前記プロセスの処理を制御することが可能であるように構成される遊技機。
(H-6-9)本発明の第9の実施態様に係る発明は、第1ないし第8のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
各プロセスにおいて、前記制御プログラムの命令を実行するスレッドは、前記複数のコアプロセッサのうち1つのコアプロセッサを利用するよう制御され、
前記複数のプロセスのうち一のプロセス(例えば、マスタープロセス)は、
他のプロセスの各スレッドから、当該スレッドが正常であるか否かを表す生存情報を前記共有メモリを介して収集することで各スレッドの状態を集中的に管理し、
正常でないスレッドが存在する場合は、所定の対応を行うよう制御し、
前記対応には、少なくとも、当該正常でないスレッドを有するプロセスを再起動する処理、及び当該正常でないスレッドに関する情報を、所定の表示手段に表示する処理のいずれかが含まれるように構成される遊技機。
(H-6-10)本発明の第10の実施態様に係る発明は、第1ないし第9のいずれかの実施態様において下記の構成を有する。
各プロセスにおいて、前記制御プログラムの命令を実行するスレッドは、前記複数のコアプロセッサのうち1つのコアプロセッサを利用するよう制御され、
前記複数のプロセスのうち一のプロセスは、
他のプロセスの各スレッドから、当該スレッドが正常であるか否かを表す生存情報を前記共有メモリを介して収集することで各スレッドの状態を集中的に管理し、
前記生存情報は、他のそれぞれのプロセスにおいて、一のスレッド(例えば、各プロセスのメインスレッド)が、当該プロセス内で共通して利用できるメモリ空間(例えば、スレッド間通信エリア)を介して他のスレッドから収集した生存情報を含むように構成される遊技機。
上記構成の遊技機によれば、専用計測器を用いずに遊技機内部のデータを把握して、デバッグを容易に行うことができる。
また、上記構成の遊技機によれば、パソコン等から遊技機で実行されるプロセスにLAN回線等を介してデータの送受信が可能となるため、容易なデバッグを実現することができる。
[第1の遊技機の変形例]
続いて、図410~図422を参照して、第1実施形態において第1の遊技機として説明したものについて、さらなる変形例(拡張例)を説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機の変形例として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機の変形例として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
上述の第1の遊技機では、所定役(例えば、押し順ベル)が当籤役として決定されたときに、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には当該AT関連処理を不利とする仕様を採用してもよい。
そして、上述の第1の遊技機では、その仕様を適用した一例として、所定役が当籤役として決定されたときに、特定態様にて停止操作が行われた場合にはSR情報としてSR1が設定される一方、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合にはSR情報としてSR2が設定され、SR1が設定された場合には天井ポイントが必ず1減算されるのに対し、SR2が設定された場合には天井ポイントが1減算されない場合があるように構成することで、AT関連処理を有利・不利とするように構成してもよい。
SR情報は、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行ったかを識別するための情報として構成される。具体的には、押し順ベルに当籤した遊技において、左第1停止で停止操作が行われたか(第1リールに対して最初に停止操作が行われたか)を識別する。押し順ベルに当籤した遊技において、左第1停止で停止操作が行われた場合には、SR情報として「SR1」が設定される。一方、押し順ベルに当籤した遊技において、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、SR情報として「SR2」が設定される。また、押し順ベル以外の役に当籤した遊技においては、押し順にかかわらず「SR0」が設定される。
もっとも、このような仕様は、上述のものとは異なる遊技性においても適用可能であるし、また、上述の第1の遊技機の項で説明した点以外にも、さらに種々の工夫をなす余地もあると考えられることから、本変形例ではそれらについて説明する。
なお、このような仕様では、所定役が、特定態様にて停止操作が行われた場合には付与される遊技価値の期待値が低くなる一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には付与される遊技価値の期待値が高くなるように構成されることで、結果として、その遊技機全体の特性としても、特定態様にて停止操作が行われた場合には遊技価値の付与が不利となる一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には遊技価値の付与が一方的に有利となるように構成されるものとなる。
したがって、本変形例では、基本的に、所定役が当籤役として決定されたか否かにかかわらず、所定の制御条件が満たされるときには、特定態様にて停止操作が行われた場合にはATに関連する決定(AT関連処理)が優遇され得る制御が行われ、特定態様にて停止操作が行われなかった場合にはATに関連する決定(AT関連処理)が優遇され得る制御が行われないものとして説明する。
<第1の遊技機(変形例)の遊技性>
まず、図410を参照して、本変形例における遊技の流れについて説明する。図410は、本変形例における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図である。
遊技者が遊技を行う状態(遊技区間)として、非有利区間及び有利区間が設けられている点は上述の第1の遊技機と同様である。また、上述の第1の遊技機では、非有利区間の遊技性に係る遊技状態として、通常中(非有利区間)が設けられていたが、この点は本変形例も同様である。上述の第1の遊技機と異なる点は、有利区間の遊技性に係る遊技状態として、CZ中、ST中、第1ボーナス中及び第2ボーナス中が設けられている点である。
CZ中及びST中は、通常有利区間(演出区間)として構成される状態であるが、通常中(有利区間)よりもAT状態に移行しやすい(あるいは、通常中(有利区間)とは異なる条件でAT状態に移行するか否かを決定可能とする)点で、通常中(有利区間)よりも有利な遊技状態となっている。また、第1ボーナス中及び第2ボーナス中は、増加区間(AT状態)として構成される状態であり、基本的には、上述の第1の遊技機における疑似ボーナス中と同様の遊技状態となっている。また、本変形例では、ST中及び第2ボーナス中は、双方の遊技状態で連チャンゾーンを構成している。これについては後述する。
通常中(非有利区間)において、有利区間に移行することが決定される(有利区間移行抽籤に当籤する)と、通常中(有利区間)に移行する(有利区間移行)。すなわち、有利区間が開始される。なお、有利区間移行抽籤の結果として、CZ中や第1ボーナス中に移行することが決定され得るようにし、当該決定結果となった場合には直接該当の状態に移行する場合があるようにしてもよい。
通常中(有利区間)において遊技が行われ、CZ移行条件が成立すると、CZ中に移行する(CZ移行条件成立)。なお、CZ移行条件は、例えば、当籤役に応じて設定された当籤確率でCZ移行抽籤が行われ、当該抽籤に当籤した場合に成立するように構成してもよいし、当籤役(あるいは、遊技期間の進行)に応じてポイントが付与されるようにし、付与されたポイントが規定値となった(周期到達となった)場合に成立する(あるいは、周期到達となったときにCZ移行抽籤が行われ、当該抽籤に当籤した場合に成立する)ように構成してもよい。すなわち、CZ中に移行させるか否かが所定契機ごとに決定され得るようにすればよく、上述のものもあくまで一例である。
また、通常中(有利区間)において遊技が行われ、AT移行条件が成立すると、第1ボーナス中に移行する(AT移行条件成立)。なお、AT移行条件は、例えば、当籤役に応じて設定された当籤確率でAT移行抽籤が行われ、当該抽籤に当籤した場合に成立するように構成してもよいし、上述の周期到達となったときにAT移行抽籤が行われ、当該抽籤に当籤した場合に成立する(あるいは、CZ移行抽籤の一部の決定結果としてAT当籤が決定される)ように構成してもよい。また、例えば、設定された天井ゲーム数やCZ失敗回数が規定値となった場合に成立するように構成してもよい。すなわち、第1ボーナス中に移行させるか否かが所定契機ごとに決定され得るようにすればよく、上述のものもあくまで一例である。
なお、本変形例では、基本的に、通常中(有利区間)からCZ中に移行し、CZ中にAT移行条件が成立して第1ボーナス中に移行するというルートが遊技性のメインルートとなっているため、通常中(有利区間)から直接第1ボーナス中に移行する確率は必ずしも高いものではない。また、AT移行条件が成立した場合、その一部では第2ボーナス中に移行することが決定され得るように構成してもよい。
なお、通常中(有利区間)では、例えば、CZ移行条件が成立するか否かに関連する決定、あるいは、AT移行条件が成立するか否かに関連する決定においては、現在の状態が優遇状態であるか、あるいは非優遇状態であるかによってその決定確率に差異が生じるように構成されている。具体的には、現在の状態が優遇状態であれば、上述の決定が優遇され、現在の状態が非優遇状態であれば、上述の決定が優遇されないものとなっている。
例えば、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べてCZ移行抽籤に当籤しやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べてCZ移行抽籤に当籤しにくくする。なお、「当籤しにくくする」ことには、当該抽籤自体が行われなくなる(あるいは、当該抽籤は行われるが、当籤の抽籤値に「0」が設定されることによって実質的に当籤しなくなる(若しくは、当籤の抽籤値に極めて小さい値(例えば「1」など)が設定されることによって現実的にほぼ当籤しなくなる))ことが含まれるものとする。
また、例えば、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べてポイントが付与されやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べてポイントが付与されにくくする。なお、「付与されにくくする」ことには、当該付与決定自体が行われなくなる(あるいは、当該付与決定は行われるが、決定結果が必ず「0」となることによって実質的に付与されなくなる(若しくは、決定結果が「1」以上となる確率が極めて低くなることによって現実的にほぼ付与されなくなる))ことが含まれるものとする。むろん、例えば、「スイカ」に当籤したときに、優遇状態であれば「5」ポイントが付与されるが、非優遇状態であれば「1」ポイントしか付与されないといった態様で差異を生じさせることも可能である。また、例えば、1ゲームにつき1ポイント付与されるものである場合、優遇状態であれば当該付与処理が行われるが、非優遇状態であれば当該付与処理は行われないといった態様で差異を生じさせることも可能である。
また、例えば、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べてAT移行抽籤に当籤しやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べてAT移行抽籤に当籤しにくくする。なお、「当籤しにくくする」ことには、当該抽籤自体が行われなくなる(あるいは、当該抽籤は行われるが、当籤の抽籤値に「0」が設定されることによって実質的に当籤しなくなる(若しくは、当籤の抽籤値に極めて小さい値(例えば「1」など)が設定されることによって現実的にほぼ当籤しなくなる))ことが含まれるものとする。
また、例えば、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、CZ移行条件が成立するか否かに関連する決定については非優遇状態よりも優遇するが、AT移行条件が成立するか否かに関連する決定については非優遇状態と同様とする(すなわち、優遇しない)といった態様を採用することもできるし、通常中(有利区間)において、現在の状態が優遇状態であるときは、AT移行条件が成立するか否かに関連する決定については非優遇状態よりも優遇するが、CZ移行条件が成立するか否かに関連する決定については非優遇状態と同様とする(すなわち、優遇しない)といった態様を採用することもできる。
CZ中は、例えば、規定期間(例えば、16ゲーム)継続可能に構成され、その間にAT移行条件が成立した場合に第1ボーナス中に移行するものとなっている(CZ成功・AT当籤)。一方、その間にAT移行条件が成立しなかった場合には通常中(有利区間)に移行するものとなっている(CZ失敗・AT非当籤)。なお、CZ中のAT移行条件は、例えば、通常中(有利区間)におけるものと同様のものを採用することもできるし、後述のST中におけるものと同様のものを採用することもできる。
また、後述の優遇制御に関し、例えば、CZ中において、通常中(有利区間)におけるものと同様のAT移行条件を採用する場合(あるいは、少なくともST中におけるものとは異なるAT移行条件を採用する場合)には、通常中(有利区間)と同様の優遇制御が行われるものとすることができるし、ST中におけるものと同様のAT移行条件を採用する場合(あるいは、少なくとも通常中(有利区間)におけるものとは異なるAT移行条件を採用する場合)には、ST中と同様の優遇制御が行われるものとすることができる。
また、CZ中のAT移行条件は、これらとは異なるものを採用することもできる。例えば、CZ中においては、その前半期間(例えば、1~10ゲーム)で所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)にAT当籤期待度を決定する(あるいは、昇格させる)ための期待度抽籤が行われ、その後半期間(例えば、11~15ゲーム)で決定されたAT当籤期待度を用いたAT抽籤が所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に行われ、これに当籤した場合には最終ゲーム(例えば、16ゲーム目)でAT当籤(CZ成功)が告知された上で次ゲームから第1ボーナス中に移行し、これに当籤しなかった場合には最終ゲーム(例えば、16ゲーム目)でAT非当籤(CZ失敗)が告知された上で次ゲームから通常中(有利区間)に戻るなどといった遊技性を採用することができる。
この場合、例えば、前半期間において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べて期待度抽籤に当籤しやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べて期待度抽籤に当籤しにくくするようにすればよい。また、後半期間において、現在の状態が優遇状態であるときは、少なくとも非優遇状態と比べてAT抽籤に当籤しやすくし、現在の状態が非優遇状態であるときは、少なくとも優遇状態と比べてAT抽籤に当籤しにくくするようにすればよい。なお、「当籤しにくくする」の態様は上述のものと同様である。
なお、CZ中の規定期間はあくまで例示であり、その期間は上述のものに限られない。例えば、ゲーム数管理とする場合、その期間は変動しない他の期間(例えば、32ゲーム)であってもよいし、変動し得る他の期間(例えば、16~32ゲームのうちで抽籤により決定されたもの)であってもよい。また、例えば、AT抽籤が行われる回数が規定されている(あるいは、抽籤によって決定される)ものとし、この規定回数(例えば、3回)のAT抽籤が行われるまでは継続するものとしてもよい。また、例えば、規定回数(例えば、3回)の継続抽籤が行われるものとし、途中の継続抽籤で非当籤となった場合にはCZ失敗となって終了し、全ての継続抽籤で当籤となった場合にはCZ成功となって終了するものとしてもよい。
また、CZ中においては、一又は複数の抽籤や決定結果にしたがい、第1ボーナス中に移行させるか否かが最終的に決定され得るようにすればよく、その態様も上述のものに限られない。また、CZ中から第1ボーナス中に移行させる時期も上述のものに限られない。例えば、最終ゲームを待つことなく、AT移行条件が成立したゲームの次ゲームから第1ボーナス中に移行させるようにしてもよい。
また、CZ中は、基本的に非AT状態である通常有利区間として構成されるものとしているが、少なくとも一部の期間(例えば、開始から押し順ベルが3回当籤するまでなど)においてはAT状態(増加区間)となるようにしてもよいし、あるいは、全期間をAT状態である増加区間として構成してもよい。
第1ボーナス中は、例えば、規定期間(例えば、20ゲーム)継続可能に構成されるAT状態(増加区間)であり、規定期間の遊技が消化されると連チャンゾーンに移行する(第1ボーナス終了条件成立)。なお、第1ボーナス中は、少なくとも所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に第2ボーナスストック抽籤が行われ、これに当籤した場合には第2ボーナスカウンタの値が1加算される。そして、規定期間の遊技が消化されたときに、第2ボーナスカウンタの値が1以上である場合には第2ボーナスカウンタの値を1減算した上で第2ボーナス中に移行し、第2ボーナスカウンタの値が0である場合にはST中に移行するものとなっている。
なお、第1ボーナス中の規定期間はあくまで例示であり、その期間は上述のものに限られない。例えば、ゲーム数管理とする場合、その期間は変動しない他の期間(例えば、25ゲーム)であってもよいし、変動し得る他の期間(例えば、20・25・30ゲームのうちで抽籤により決定されたもの)であってもよい。また、押し順ベル当籤時にナビが発生する回数(ナビ回数)によって管理されるもの(例えば、ナビ回数が「10」回となったときに終了するなど)であってもよいし、差枚数によって管理されるもの(例えば、差枚数が「100」枚を超えるものとなったときに終了するなど)であってもよい。
第2ボーナス中は、例えば、規定期間(例えば、10ゲーム)継続可能に構成されるAT状態(増加区間)であり、規定期間の遊技が消化されると1セットが終了する。また、第2ボーナス中は、少なくとも所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に第2ボーナスストック抽籤が行われ、これに当籤した場合には第2ボーナスカウンタの値が1加算される。そして、規定期間の遊技が消化されたとき(1セットが終了したとき)に、第2ボーナスカウンタの値が1以上である場合(第1ボーナス中やST中で加算されていたものも含む)には第2ボーナスカウンタの値を1減算した上で第2ボーナス中の次セットが開始されるものとなっている。なお、このとき(第1ボーナス中から最初に移行するとき、ST中から移行するときを含む)、規定期間を抽籤し(例えば、10・20・40ゲームのうちから一のゲーム数を決定し)、当該抽籤結果にしたがった規定期間が設定されるようにしてもよい。
また、第2ボーナス中において、規定期間の遊技が消化されたとき(1セットが終了したとき)に、第2ボーナスカウンタの値が0である場合にはST中に移行するものとなっている(第2ボーナス終了条件成立)。なお、第2ボーナス中の規定期間の管理手法は、第1ボーナス中の説明で述べたものと同様、種々の管理手法を採用することができる。
ST中は、例えば、規定期間(例えば、16ゲーム)継続可能に構成され、その間に第2ボーナス移行条件が成立した場合には第2ボーナス中に移行するものとなっている(第2ボーナス移行条件成立)。一方、その間に第2ボーナス移行条件が成立しなかった場合には、連チャンゾーンの終了(すなわち、有利区間の終了)となり、有利区間終了時の初期化処理が行われるとともに、通常中(非有利区間)に移行するものとなっている(連チャンゾーン終了)。
ST中は、基本的に非AT状態である通常有利区間として構成され、所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に、当籤役と後述の抽籤MAPの種類とに応じて設定された当籤確率でAT移行抽籤(第2ボーナス移行抽籤)が行われるとともに、所定契機ごと(例えば、特定役に当籤するごと、あるいは一遊技ごと)に第2ボーナスストック抽籤が行われる。また、これらの抽籤(決定)に際しては、現在の状態が優遇状態であるか、あるいは非優遇状態であるかによってその決定確率に差異が生じるように構成されている。具体的には、現在の状態が優遇状態であれば、上述の決定が優遇され、現在の状態が非優遇状態であれば、上述の決定が優遇されないものとなっている。なお、これについては、図412を用いて後で詳述する。
ST中において、第2ボーナス移行抽籤に当籤した場合には次ゲームから(規定期間の遊技が消化されたときとしてもよい)第2ボーナス中に移行する(第2ボーナス移行条件成立)。また、第2ボーナス移行抽籤に当籤することなく規定期間の遊技が消化されたときに、第2ボーナスカウンタの値が1以上である場合には第2ボーナスカウンタの値を1減算した上で第2ボーナス中に移行する(第2ボーナス移行条件成立)。一方、第2ボーナス移行抽籤に当籤することなく規定期間の遊技が消化されたときに、第2ボーナスカウンタの値も0である場合には上述のとおり連チャンゾーンが終了し、通常中(非有利区間)に移行する(連チャンゾーン終了)。なお、ST中の規定期間の管理手法は、CZ中の説明で述べたものと同様、種々の管理手法を採用することができる。
このように、本変形例では、第1ボーナス中の終了後は、第2ボーナス中とST中とを相互に行き来(ループ)可能とし、ST中自体は増加区間として構成されていないが、第2ボーナス中に移行する期待度が高い(第2ボーナスが連チャンしやすい)状態として構成することで、遊技者にとって興趣の高い遊技期間である連チャンゾーンとして構成することを可能としている。また、第2ボーナス中はそれ単体で連チャンする(延長される)場合もあることから、これによっても興趣を高めることを可能としている。
なお、このような連チャンゾーンをさらに複数設けるようにしてもよい。例えば、上述の連チャンゾーンを第1連チャンゾーンとし、この第1連チャンゾーンにおいて、特定の移行条件が成立した場合にはこれよりも有利な第2連チャンゾーンに移行させるようにしてもよい。この場合、特定の移行条件は、例えば、第1連チャンゾーンにおいて、規定回数(例えば、累計5セット)の第2ボーナスが実行された場合に成立するなどとすればよい。また、例えば、第1連チャンゾーンにおいて、規定期間(例えば、累計100ゲーム)の第2ボーナスが実行された場合に成立するなどとしてもよい。むろんこれらも一例であり、遊技者の遊技結果によって成立し得る各種の条件を採用することができる。
また、第2連チャンゾーンを有利とする態様であるが、例えば、第1連チャンゾーンにおいては、第2ボーナスが連チャンする(ループする)確率がトータル50~75%程度に設定されるのに対し、第2連チャンゾーンにおいては、当該確率がトータル85%程度に設定されるものとして、相対的に第2ボーナス中に移行しやすくなる(連チャンゾーンが終了しにくくなる)といった態様を採用することもできるし、また、例えば、第1連チャンゾーンにおいては、第2ボーナス中の規定期間として40ゲームが所定確率で決定されるのに対し、第2連チャンゾーンにおいては、これによりも40ゲームが決定されやすくなる、あるいは、第1連チャンゾーンにおいては、第2ボーナスストック抽籤の当籤確率が所定確率であるのに対し、第2連チャンゾーンにおいては、これによりも当籤しやすくなることで、一回あたりの第2ボーナス中の継続度合いが有利となるといった態様を採用することもできる。むろんこれらも一例であり、結果として遊技者に有利となるのであればどのような態様も採用することができる。
なお、図示は省略しているが、本変形例においても、各種リミット処理が作動するものとなっており、例えば、第1ボーナス中、第2ボーナス中及びST中のいずれかの状態において、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1420」以上となった場合、又は有利区間払出数カウンタの値が「2064」以上となった場合にはエンディング状態に移行する。エンディング状態は、払出数リミッタが作動するまで、又は、ゲーム数リミッタが作動するまで、押し順ベルについてナビが発生し得る状態として構成される。エンディング状態において、これらのうちいずれかのリミッタが作動した場合には、有利区間が強制的に終了され、通常中(非有利区間)に移行する。
また、いずれの状態であっても、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となった場合にはゲーム数リミッタが作動し、有利区間払出数カウンタの値が「2400」以上となった場合には払出数リミッタが作動する。この場合には、上述の如く、有利区間は強制的に終了となり、有利区間終了時の初期化処理が行われるとともに、通常中(非有利区間)に移行することとなる。
なお、ゲーム数リミッタは、ゲーム数の消化のみによって作動し得るものであるため、例えば、作動直前から遊技を開始した遊技者が(すぐにリミッタが作動して)興趣を低下させてしまう可能性があり、また、有利区間移行抽籤の抽籤内容などによっては、一度有利区間を終了させて非有利区間に移行させたときのほうが遊技者に有利となる場合があることから、有利区間を頻繁に終了させることがかえって射幸性の適切な管理に資することとならない可能性もある。したがって、このような観点より、リミッタとしては払出数リミッタのみを搭載し、ゲーム数リミッタについては搭載しないように構成してもよい。
<第1の遊技機(変形例)の優遇制御例(通常中)>
続いて、図411を参照して、本変形例における通常中(有利区間)の優遇制御例について説明する。なお、図411では、通常中(有利区間)の優遇制御例を説明するために、当該処理の一例を示す概要的なフローチャートを示している。したがって、当該優遇制御における具体的な制御処理は必ずしも図411に示すものに限られない。
まず、メインCPU101は、遊技が開始されるとき(例えば、開始操作が行われたとき)に、優遇カウンタは1以上であるか否かを判定する(S4001)。優遇カウンタは、当該遊技を優遇状態とするか、非優遇状態とするかを管理するためのカウンタであり、遊技開始時に、優遇カウンタが1以上であれば当該遊技は優遇状態に制御され、優遇カウンタが0であれば当該遊技は非優遇状態に制御されるものとなっている。
メインCPU101は、優遇カウンタは1以上であると判定した場合(S4001がYES)、当該遊技の状態を優遇状態にセットする(S4002)。次いで、優遇カウンタを1減算する(S4003)。その後、処理をS4005に移す。
一方、メインCPU101は、優遇カウンタは1以上でない(すなわち、0である)と判定した場合(S4001がNO)、当該遊技の状態を非優遇状態にセットする(S4004)。その後、処理をS4005に移す。
なお、図411では図示を省略しているが、S4001~S4004の処理によって、当該遊技の状態として優遇状態又は非優遇状態が設定されると、メインCPU101は、当該設定結果を参照して、CZ移行条件が成立するか否かに関連する決定やAT移行条件が成立するか否かに関連する決定などのAT状態(例えば、第1ボーナス中)に関連する決定を行う。
例えば、メインCPU101は、優遇状態が設定されていれば、当該遊技においてCZ移行抽籤を行ったり、AT移行抽籤を行ったりするなどの処理を行う。また、当該遊技において、ポイントを付与したり、天井ゲーム数を進行させたりするなどの処理を行う。一方、メインCPU101は、非優遇状態が設定されていれば、当該遊技においてCZ移行抽籤を行ったり、AT移行抽籤を行ったりするなどの処理を行わない。また、当該遊技において、ポイントを付与したり、天井ゲーム数を進行させたりするなどの処理を行わない。なお、優遇状態を非優遇状態と比べてどのように有利とするかの態様、あるいは、非優遇状態を優遇状態と比べてどのように不利とするかの態様については、これらに限られないことは上述のとおりである。
次いで、メインCPU101は、当該遊技の停止操作が左第1停止であるか否かを判定する(S4005)。すなわち、メインCPU101は、当該遊技において特定態様にて停止操作が行われたかを判定する。なお、この判定は、第1停止操作が行われたときに実行されるものであってもよいし、第3停止操作後に実行されるものであってもよい。
メインCPU101は、当該遊技の停止操作が左第1停止であると判定した場合(S4005がYES)、優遇カウンタ加算抽籤を行い、当該抽籤に当籤なら優遇カウンタを1加算する(S4006)。その後、当該処理を終了させる。一方、メインCPU101は、当該遊技の停止操作が左第1停止でないと判定した場合(S4005がNO)、そのまま当該処理を終了させる。
優遇カウンタ加算抽籤では、例えば、確率分母を「65536」とし、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65535」が割り当てられ、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられた優遇カウンタ加算抽籤テーブルが参照され、抽出された乱数値に基づいて当該抽籤が行われる。この場合、「65535/65536」の確率で優遇カウンタが1加算されることが決定され、「1/65536」の確率で優遇カウンタは加算されないことが決定される。すなわち、本変形例では、優遇状態の遊技において、左第1停止にて停止操作が行われた場合であっても優遇カウンタの値を1加算しないときがあるように構成されている。
なお、上記の優遇カウンタ加算抽籤テーブルの構成はあくまで一例である。例えば、確率分母を「256」とし、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「255」が割り当てられ、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられるものであってもよい。すなわち、2バイト乱数でなく、1バイト乱数を用いて当該抽籤が行われるものとしてもよい。
また、例えば、「優遇カウンタ加算せず」が決定される確率を上記のものよりも増加させてもよい。例えば、1バイト乱数の例で説明すると、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「192」や「128」が割り当てられるものとし、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「64」や「128」が割り当てられるものとしてもよい。すなわち、優遇状態の有利の程度(あるいは、非優遇状態の不利の程度)などに応じて、適宜確率が設定されるようにすればよい。これは、他の例についても同様である。
また、例えば、確率分母を「65536」とし、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65536」が割り当てられ、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「0」が割り当てられるものであってもよい。すなわち、抽籤処理自体は行われるが、当該遊技の停止操作が左第1停止である場合には実質的に必ず優遇カウンタが1加算されるものとしてもよい。なお、これに付随して、例えば、S4005の処理において、メインCPU101が当該遊技の停止操作が左第1停止であると判定した場合には、S4006の処理においては単に優遇カウンタを1加算する処理が行われるものとし、抽籤は行われないものとしてもよい。
また、S4005の処理において、メインCPU101が当該遊技の停止操作が左第1停止であると判定した場合には、S4006の処理において次遊技を対象として優遇状態がセットされる処理が行われるものとし、メインCPU101が当該遊技の停止操作が左第1停止以外であると判定した場合には、その後の処理(仮にS4007とする)において次遊技を対象として非優遇状態がセットされる処理が行われるものとして、優遇カウンタを用いることなくこのような制御が行われ得るものとしてもよい。
また、例えば、確率分母を「65536」とし、「優遇カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65534」が割り当てられ、「優遇カウンタ2加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられ、「優遇カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられるものであってもよい。すなわち、一回の遊技で優遇カウンタの値が2以上加算される場合があるものとして、一回の遊技の結果に応じて複数の遊技分、優遇状態が継続することが決定され得るものとしてもよい。
このように、メインCPU101は、S4005及びS4006の処理によって、当該遊技の停止操作が左第1停止である場合には、原則として優遇カウンタを1加算する。そうすると、次遊技においては優遇状態が設定されることとなる(S4001及びS4002参照)。一方、当該遊技の停止操作が左第1停止でない場合には、原則として優遇カウンタを加算しない。そうすると、次遊技においては非優遇状態が設定されることとなる(S4001、S4003及びS4004参照)。
すなわち、本変形例では、上述のような優遇制御が行われることで、遊技者が左第1停止で遊技を行うと、少なくともその次遊技は優遇状態となることから、遊技者がずっと左第1停止で遊技を行えば、基本的にずっと優遇状態で遊技が行われることとなる。一方、遊技者が左第1停止以外で遊技を行うと、少なくともその次遊技は非優遇状態となることから、遊技者がずっと左第1停止以外で遊技を行えば、基本的にずっと非優遇状態で遊技が行われることとなる。
なお、上述の一例では、特定態様にて停止操作が行われた場合、S4006の処理において優遇カウンタが加算更新されることで、次遊技が優遇状態とされるようにしていたが、優遇カウンタの制御手法はこれに限られない。例えば、S4003又はS4004の処理後、S4005の処理前に、優遇カウンタを1加算する処理が行われるものとし、S4005がYESの場合にはそのまま処理を終了する一方、S4005がNOの場合には優遇カウンタ減算抽籤を行い、当該抽籤に当籤なら優遇カウンタを1減算し、当該処理を終了させるようにしてもよい。この場合、例えば、「優遇カウンタ1減算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65535」が割り当てられ、「優遇カウンタ減算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられた優遇カウンタ減算抽籤テーブルが参照され、抽出された乱数値に基づいて当該抽籤が行われるものとすればよい。
また、この場合、優遇カウンタ減算抽籤テーブルは、例えば、確率分母を「65536」とし、「優遇カウンタ1減算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65534」が割り当てられ、「優遇カウンタ2減算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられ、「優遇カウンタ減算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられるものであってもよい。すなわち、一回の遊技で優遇カウンタの値が実質的に2以上減算される場合があるものとして、一回の遊技の結果に応じて複数の遊技分、非優遇状態が継続することが決定され得るものとしてもよい。
なお、本変形例では、上述のような優遇制御は、少なくとも通常中(有利区間)においてはいずれの当籤役が決定されたとしても行われ得るように構成されている。すなわち、本変形例では、通常中(有利区間)における全ての遊技で上述のような優遇制御を実行可能であるものとしている。また、これは、CZ中も同様の優遇制御を行うように構成する場合には当該CZ中も同様であるし、ST中も同様の優遇制御を行うように構成する場合には当該ST中も同様である。すなわち、本変形例では、少なくともAT状態(第1ボーナス中又は第2ボーナス中)に制御されていないときには、上述のような優遇制御を実行可能である。
もっとも、AT状態においても上述のような優先制御を実行可能としてもよい。例えば、AT状態であるか否かで処理が分岐することで制御負荷が増加する可能性がある場合には、上述のような優先制御は常に実行されることとしてもよい。この場合、例えば、AT状態である場合には優遇カウンタの値を参照することなく各種の決定や抽籤が行われるようにすればよい。あるいは、AT状態では固有の処理として、遊技ごとに優遇カウンタを1加算する処理が行われるものとし、これによってAT状態中は優遇カウンタの値が常に1以上となるようにしてもよい。なお、この場合には、ST中に移行することとなったときに、優遇カウンタの値の初期値として「1」がセットされるようにすればよい。
ここで、上述の第1の遊技機では、例えば「押し順ベル」のように、停止操作態様(打順)によって付与される遊技価値の期待値が変動する押し順小役と、この押し順小役以外の停止操作態様(打順)によって付与される遊技価値の期待値は変動しない不問役(例えば各リプレイ役やその他の各小役)とを有し、押し順小役が当籤役として決定された遊技で、特定態様(例えば左第1停止)にて停止操作が行われた場合を、AT関連処理は有利となるが、付与される遊技価値の期待値は低くなるAT優遇打順とし、特定態様とは異なる態様(例えば左第1停止以外)にて停止操作が行われた場合を、AT関連処理は不利となるが、付与される遊技価値の期待値は高くなる獲得優遇打順(換言すれば、AT非優遇打順)としてもよい。本変形例では、これとは異なる態様にてこれらの打順を構成するものとしている。
具体的には、上述の如く、遊技機全体の特性として、特定態様にて停止操作が行われた場合には遊技価値の付与が不利となる一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には遊技価値の付与が一方的に有利となると捉え、遊技ごとの当籤役にかかわらず、特定態様にて停止操作が行われた場合には、これをAT優遇打順とし(すなわち、優遇状態に制御可能とし)、特定態様とは異なる態様にて停止操作が行われた場合には、これをAT非優遇打順とする(すなわち、非優遇状態に制御可能とする)ものとしている。換言すれば、全ての役をこのような優遇制御の対象としているのである。
もっとも、このような優遇制御は、基本的に推奨遊技状態で遊技が行われることを前提としていることから、例えば、推奨遊技状態では原則として当籤することがないボーナス役(例えば、「F_BB」など)については対象外としてもよい。
また、例えば、「F_チェリー」や「F_スイカ」など、当籤確率は低いが遊技者にとって期待度の高い態様にて各種の抽籤や決定が行われ得る、いわゆるレア役については対象外としてもよい。なお、レア役を対象外とする態様であるが、例えば、現在の状態が優遇状態でレア役が当籤役として決定された場合には対象外とする一方、現在の状態が非優遇状態でレア役が当籤役として決定された場合には対象外とはしないといった態様を採用することもできる。
また、例えば、現在の状態が優遇状態でレア役が当籤役として決定された場合に、例えば、CZ移行抽籤やAT移行抽籤に当籤するなどして有利状態に移行することが決定された場合には対象外とする一方、有利状態に移行することが決定されなかった場合には対象外とはしないといった態様を採用することもできる。
また、通常役のみを優遇制御の対象とするように構成してもよい。なお、ここでいう「通常役」は、例えば、上述の如く、ボーナス役を除く全ての役として定義することもできるし、ボーナス役及びレア役を除く全ての役として定義することもできる。また、ボーナス役の持越状態(フラグ間)で遊技が進行する場合においては、フラグ間におけるレア役以外の役として定義することもできる。例えば、押し順ベル等の小役とフラグ間のボーナス役との重複役や、リプレイ役とフラグ間のボーナス役との重複役をまとめて「通常役」として扱うものとしてもよい。また、これらとは異なる捉え方によって定義することもできる。例えば、全ての役のうちで、優遇制御の対象とする役と、優遇制御の対象外としない役とを予め定めておき(役種は問わない)、優遇制御の対象とする役は全て通常役であるとして定義することもできる。なお、このように、優遇制御の対象とする役は「ペナルティくじ」等と称されることがある。
また、例えば、リプレイ役について、押し順リプレイを設けるようにし、当該押し順リプレイは、特定態様にて停止操作が行われた場合には特定の図柄組合せが表示される一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には当該特定の図柄組合せが表示されないように構成し(ただし、最終的に付与されるのはともに再遊技である)、この押し順リプレイと押し順小役とを通常役として定義し、その他の不問役は対象外とするとして定義することもできる。
<第1の遊技機(変形例)の優遇制御例(ST中)>
続いて、図412を参照して、本変形例におけるST中の優遇制御例について説明する。図412では、ST中の優遇制御例を説明するために、ST中の遊技の流れの一部の概要を示している。なお、各遊技を優遇状態又は非優遇状態のいずれに制御するかは、図411を用いて説明したものと同様の手法を採用することもできるし、これとは異なる手法を採用することもできる。
(ST中の仕様例)
まず、ST中の仕様例について説明する。上述のとおり、また、図412に示すように、ST中は、例えば、規定期間(例えば、16ゲーム)継続可能に構成される。この規定期間は、期間管理情報であるSTゲーム数カウンタによって管理される。STゲーム数カウンタの値は、その遊技における停止操作態様が順押し(左第1停止)であるか、変則押し(左第1停止以外)であるかにかかわらず(換言すれば、優遇状態に制御されるか、非優遇状態に制御されるかにかかわらず)、1ゲームにつき1ずつ加算される。すなわち、ST状態の遊技期間(期間管理情報)は、打順不問で進行する。なお、STゲーム数カウンタは減算更新によって対応する情報を管理するものであってもよい。
また、例えば、変動表示部を3つのリール(左リール3L,中リール3C,右リール3R)で構成する場合、より詳細には、「左→中→右」の順に停止操作を行う場合は「順押し」、「左→右→中」の順に停止操作を行う場合は「ハサミ打ち」などともいうが、図412の説明(他において左第1停止を「順押し」と説明している場合も同様)においては、左第1停止(左→中→右、及び、左→右→中の両方)を含めて「順押し」と表記している。そして、少なくとも本例では、左第1停止の場合は、左→中→右の順で停止操作する場合と、左→右→中の順で停止操作する場合とで特に差を設けない(処理の上でも同じ扱い)として、第1停止時点で優遇状態に関する処理を可能としている。もっとも、左→中→右の順で停止操作する場合と、左→右→中の順で停止操作する場合とで優遇状態とするか否かの処理に関して差を設けるものとしてもよく、例えば、左→中→右の順で停止操作した場合は優遇状態となる推奨打法(特定態様となる停止操作)がなされたとして扱い、左→右→中の順で停止操作した場合は第2停止の時点で、変則押し(中第1停止、右第1停止)と同じく非推奨打法(特定態様とならない停止操作)がなされたと扱うものとしてもよい。
また、ST中の有利度合いを管理する抽籤管理情報であるMAPゲーム数カウンタが設けられる。MAPゲーム数カウンタの値は、その遊技における停止操作態様が順押しである場合には1加算され、変則押しである場合には加算されないように構成される。なお、MAPゲーム数カウンタの値は、抽籤MAPを設定するために用いられ、基本的にその値が大きいほど、第2ボーナス移行抽籤に当籤する確率が高くなるように構成される。すなわち、ST中の有利度合い(抽籤管理情報)は、順押しの場合には有利なものに変動し(進行し)、変則押しの場合には有利なものに変動しない(進行しない)。なお、MAPゲーム数カウンタは減算更新によって対応する情報を管理するものであってもよい。
また、少なくとも変則押しの場合よりも確率は低いが、順押しの場合にもMAPゲーム数カウンタの値が加算されない場合があるようにしてもよい。この場合、例えば、確率分母を「65536」とし、「MAPゲーム数カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65535」が割り当てられ、「MAPゲーム数カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられたMAPゲーム数カウンタ加算抽籤テーブルが参照され、抽出された乱数値に基づいて当該抽籤が行われるものとすればよい。
また、少なくとも順押しの場合よりも確率は低いが、変則押しの場合にもMAPゲーム数カウンタの値が加算される場合があるようにしてもよい。この場合、例えば、「MAPゲーム数カウンタ加算せず」の抽籤結果が決定される抽籤値に「65535」が割り当てられ、「MAPゲーム数カウンタ1加算」の抽籤結果が決定される抽籤値に「1」が割り当てられたMAPゲーム数カウンタ加算抽籤テーブルが参照され、抽出された乱数値に基づいて当該抽籤が行われるものとすればよい。
また、MAPゲーム数カウンタの値と抽籤MAPとの関係であるが、MAPゲーム数カウンタの値が大きいほど抽籤MAPが有利となるという基本的な関係性はそのままに、例えば、MAPゲーム数カウンタの値と抽籤MAPとが一義的に対応するものとして、MAPゲーム数カウンタの値に応じた抽籤MAPが設定されるものとしてもよいし、MAPゲーム数カウンタの値に応じた抽籤値で複数の抽籤MAPの中から一の抽籤MAPが抽籤によって決定されるものとしてもよい。
また、抽籤MAPであるが、例えば、単に第2ボーナス移行抽籤に当籤する確率が進行するのに応じて高くなる(当籤が決定される抽籤値が大きくなる)といった態様で有利度合いを有利なものに変動可能とするものであってもよいし、第2ボーナス移行抽籤が行われる対象役が進行するのに応じて増加する(結果として当籤確率が高くなる)といった態様で有利度合いを有利なものに変動可能とするものであってもよい。また、これらを組み合わせて有利度合いを有利なものに変動可能とするものであってもよい。なお、これらもあくまで一例であり、これら以外の態様にて有利度合いを有利なものに変動可能とするものであってもよい。
図412に示すもので例示すると、例えば、抽籤MAP「A」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」及び「チェリー」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「1」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「255」が割り当てられるものとする。また、抽籤MAP「B」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」及び「チェリー」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「2」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「254」が割り当てられるものとする。また、抽籤MAP「C」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」及び「チェリー」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「3」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「253」が割り当てられるものとする。
また、抽籤MAP「D」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」、「チェリー」及び「特殊役」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「1」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「255」が割り当てられるものとする。また、抽籤MAP「E」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」、「チェリー」及び「特殊役」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「2」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「254」が割り当てられるものとする。また、抽籤MAP「F」であるときは、抽籤対象役は「スイカ」、「チェリー」及び「特殊役」であり、確率分母を「256」とし、それぞれで当籤が決定される抽籤値に「3」が割り当てられ、非当籤が決定される抽籤値に「253」が割り当てられるものとする。例えば、このようにして順次有利度合いが高めるように構成することができる。
(制御例1)
続いて、ST中の1~6ゲーム目において、全て順押しで遊技を行った場合を制御例1として説明する(図412の(a)参照)。
1ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「A」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
2ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「B」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
3ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「C」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
4ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「D」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
5ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「E」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
6ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「F」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
(制御例2)
続いて、ST中の1~6ゲーム目において、1ゲーム目に変則押しで遊技を行い、残りを順押しで遊技を行った場合を制御例2として説明する(図412の(b)参照)。
1ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「A」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
2ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
3ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「B」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
4ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「C」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
5ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「D」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
6ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「E」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
ここで、制御例1と比較してみると、制御例1では、6ゲーム目において抽籤MAPが「F」まで進行しているのに対し、制御例2では、6ゲーム目において抽籤MAPが「E」までしか進行していない。また、制御例2では、2ゲーム目が非優遇状態に制御されたため、当該遊技では第2ボーナス移行抽籤や第2ボーナスストック抽籤が行われていない(一例として、無抽籤としている)。すなわち、制御例2では、1ゲーム目において、例えば、「押し順ベル」に当籤し、偶々正解打順となって多くの遊技価値が付与される場合があったとしても、少なくともAT関連処理は制御例1よりも不利となっており、しかも、ST中の遊技期間が延長されるわけでもないため、全体としてみれば、制御例1よりも遊技者に不利となり得るものとなっている。
(制御例3)
続いて、ST中の1~6ゲーム目において、1~4ゲーム目に変則押しで遊技を行い、残りを順押しで遊技を行った場合を制御例3として説明する(図412の(c)参照)。
1ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「A」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
2ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
3ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
4ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
5ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
6ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。また、順押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値も1加算される。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「B」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
ここで、制御例1と比較してみると、制御例1では、6ゲーム目において抽籤MAPが「F」まで進行しているのに対し、制御例3では、6ゲーム目において抽籤MAPが「B」までしか進行していない。また、制御例3では、2~5ゲーム目が非優遇状態に制御されたため、当該遊技では第2ボーナス移行抽籤や第2ボーナスストック抽籤が行われていない(一例として、無抽籤としている)。すなわち、制御例3では、1~4ゲーム目において、例えば、「押し順ベル」に当籤し、偶々正解打順となって多くの遊技価値が付与される場合があったとしても、少なくともAT関連処理は制御例1よりも不利となっており、しかも、ST中の遊技期間が延長されるわけでもないため、全体としてみれば、制御例1よりも遊技者に不利となり得るものとなっている。
(制御例4)
続いて、ST中の1~6ゲーム目において、全て変則押しで遊技を行った場合を制御例4として説明する(図412の(d)参照)。
1ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。また、当該遊技は優遇状態に制御されるため、当籤役と抽籤MAP「A」とに応じて第2ボーナス移行抽籤が行われるとともに、第2ボーナスストック抽籤が行われる。
2ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
3ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
4ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
5ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
6ゲーム目においては、まず、STゲーム数カウンタの値が1加算される。一方、変則押しで遊技が行われたので、MAPゲーム数カウンタの値は1加算されない。なお、当該遊技は非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
なお、このような制御例4において、仮にST中の全期間において変則押しで遊技が行われたとした場合、7~15ゲーム目までは同様の制御が行われる。そして、16ゲーム目においては、当該遊技がST中に第2ボーナスが付与されるか否かが決定され得る最終ゲームとなるが、当該遊技も非優遇状態に制御されるため、第2ボーナス移行抽籤は行われず、第2ボーナスストック抽籤も行われない。
そして、次ゲームでは(例えば、1ゲーム目で第2ボーナスストック抽籤に当籤していれば第2ボーナス中に移行する場合はあるとしても)、基本的に第2ボーナスが付与されるか否かの決定は行われず、連チャンゾーンの結果表示(例えば、連チャンゾーン中に、第2ボーナスが何セット実行されたかや何枚獲得できたか等)を行うための1ゲームのST終了準備状態に制御され、当該遊技でST中が終了し、また、これによって連チャンゾーンも終了する(すなわち、有利区間が終了する)こととなる。
<第1の遊技機(変形例)の期待感演出の制御例>
続いて、図413~図420を参照して、本変形例の期待感演出の制御例について説明する。なお、図413及び図414は、演出データ1が決定された場合の制御例(制御例1)を示す図であり、図415及び図416は、演出データ2が決定された場合の制御例(制御例2)を示す図であり、図417~図420は、演出データ3が決定された場合の制御例(制御例3)を示す図である。また、この制御例においては説明をわかりやすくするため、本実施形態のとおり、変動表示部が3つのリール(左リール3L,中リール3C,右リール3R)を具備するものとして説明する。
また、ここでいう「期待感演出」は、遊技者に何らかの期待感を与えることが可能な演出を意味するものであり、例えば、通常中(有利区間)において、レア役に当籤した遊技で実行され得る(レア役でない役に当籤した遊技でも実行され得る)演出や、CZ中(あるいは、第1ボーナス中)に移行することが決定されているが未だCZ中(あるいは、第1ボーナス中)に移行していない前兆状態で実行され得る(いわゆるガセ前兆状態でも実行され得る)演出である。
すなわち、遊技者に有利な状況が発生すること(あるいは、発生しないこと)を報知したり、遊技者に有利な状況が発生し得る可能性(例えば、その高低ないし期待度など)を示唆したりすることを可能とする演出として定義することもできる。また、そのような報知ないし示唆は、遊技の進行に応じて演出内容が変化する(演出が進行する)ことによって行われるものとなっている。
なお、上述の用途はあくまで一例であり、むろん他の用途で用いることもできる。例えば、CZ中やST中に、AT状態移行の期待感を報知ないし示唆するものであってもよいし、第1ボーナス中や第2ボーナス中に、AT状態延長の期待感を報知ないし示唆するものであってもよい。また、この例では、期待感演出の一例として、メイン演出表示部21における表示内容の変化(表示内容の進行)によって報知ないし示唆を行うものとしているが、これに限られず、例えば、ランプやスピーカ等の他の演出実行手段の演出態様によって演出を進行させ、そのような報知ないし示唆を行うものであってもよい。
(制御例1)
まず、図413及び図414を参照して、期待感演出の一例として演出データ1が決定された場合の制御例(制御例1)を説明する。なお、図413は、この例において、順押し(左第1停止)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図であり、図414は、この例において、順押し以外(左第1停止以外)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図である。
この例では、最初に、開始操作時において、演出内容や期待度を示す導入表示(図413及び図414中、「宝を見つけろ!」の表示画面)が行われた後、演出の進行が開始されている(図413及び図414中、「どこだ?」の表示画面)。
このとき、図413に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図413中、「どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図413中、「どこだ?どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する。この場合、有利な状況の発生を報知ないし示唆する場合には、有利結果表示を行う(図413中、「GET!CHANCE!」の表示画面)。一方、有利な状況の発生を報知ないし示唆しない場合には、不利結果表示を行う(図413中、「残念・・・」の表示画面)。このように、順押しである場合には、最終的な表示内容(あるいは、中途の表示内容によって予測可能な場合があってもよい)によって、遊技者に所定の期待感が示されるものとなっている。
一方、演出の進行が開始された後、図414に示すように、左第1停止以外で停止操作が行われたとする。この場合には、演出の進行が停止され、その後は、当該演出に対応する待機表示が行われるものとなっている(図414中、「宝ステージ待機中」の表示画面)。この待機表示は、第2停止操作や第3停止操作が行われて遊技が進行した場合にも継続して行われるものとなっている。すなわち、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、以後当該演出が進行しないものとなり、遊技者に所定の期待感は示されなくなる。
このように左第1停止以外で停止操作が行われるとATに関する処理が不利となることのある遊技機において、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、「変則押しをしています」「中リールを最初に止めています」「右リールを最初に止めています」など、状況説明を行う音声や文字表示などの状況説明演出を行うものとすると良い。左第一停止で操作した場合は、このような状況説明演出は発生しないため、変則押しをした遊技者にそれとなく違和感を抱かせて、左リールを最初に止めようという気持ちを喚起することができる。
このような状況説明演出は、待機表示の発生とともに発生させるものであってもよい。また、このような状況説明演出は、変則押しによってATに関する処理が不利となる遊技に限り発生させるものであってもよいし、打順ナビ非発生のいわゆる通常遊技において変則押しが行われた場合でATに関する処理が不利とならない遊技においても発生可能としてもよい。状況説明演出の発生タイミングは、ストップボタン押下時点でも良いし、ストップボタンを離したタイミングでも良いし、停止操作したリールが停止した時点でもよい。
また、状況説明演出は、第一停止時点でのみ発生させてもよいし、第二停止以降の時点で重ねて発生されるものとしてもよい。例えば、中→右→左の順に停止操作した場合は、第一停止時点で「中リールを最初に止めています」、第二停止時点で「右リールを止めています」、第三停止時点で「左リールを止めています」との音声などの状況説明演出を行っても良い。
また、状況説明演出は、例えば、下パネル(腰部パネル13)やリール周辺ランプ、リールバックライトなどの装飾ランプを消灯や点滅など通常の点灯状態と異なる特別態様とするものでもよい。例えば、左から停止した場合は下パネルは点灯したままであり、中や右から停止した場合は下パネルが消灯するといった仕様とすることができ、このような態様となれば、中又は右から停止させるという操作態様が何らかの不利益を生じさせるものであると遊技者に推認させることが可能となる。
このような状況説明演出を行うことで、偶然操作ミスで中リールや右リールを停止させてしまった遊技者に対して、直接的な警告表現で不快感を与えることなく、左第一停止などの推奨遊技態様での遊技を促すことができる。
(制御例2)
まず、図415及び図416を参照して、期待感演出の一例として演出データ2が決定された場合の制御例(制御例2)を説明する。なお、図415は、この例において、順押し(左第1停止)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図であり、図416は、この例において、順押し以外(左第1停止以外)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図である。
この例では、最初に、開始操作時において、演出内容や期待度を示す導入表示(図415及び図416中、「敵から逃げろ!」の表示画面)が行われた後、演出の進行が開始されている(図415及び図416中、「急げ!」の表示画面)。
このとき、図415に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図415中、「急げ!急げ!」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図415中、「急げ!急げ!急げ!」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する。この場合、有利な状況の発生を報知ないし示唆する場合には、有利結果表示を行う(図415中、「成功!」の表示画面)。一方、有利な状況の発生を報知ないし示唆しない場合には、不利結果表示を行う(図415中、「失敗・・・」の表示画面)。このように、順押しである場合には、最終的な表示内容(あるいは、中途の表示内容によって予測可能な場合があってもよい)によって、遊技者に所定の期待感が示されるものとなっている。
一方、演出の進行が開始された後、図416に示すように、左第1停止以外で停止操作が行われたとする。この場合には、演出の進行が停止され、その後は、当該演出に対応する待機表示が行われるものとなっている(図416中、斜線で示す表示画面。なお、これは、制御例1とは異なる待機表示が行われることを示したものに過ぎず、例えば、「逃亡ステージ待機中」といったように当該演出に対応することが認識しやすい表示画面が表示されるものとしてもよい)。この待機表示は、第2停止操作や第3停止操作が行われて遊技が進行した場合にも継続して行われるものとなっている。すなわち、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、以後当該演出が進行しないものとなり、遊技者に所定の期待感は示されなくなる。
なお、上述の制御例1及び制御例2では、それぞれにおいて、第1停止操作が左第1停止以外であった場合、そのときからそれぞれの演出に対応する待機表示が行われるものとしていたが、待機表示が開始される時期はこれに限られない。例えば、第2停止操作が行われたときとしてもよいし、第3停止操作が行われたときとしてもよい。また、それぞれで待機表示が開始される時期が異なるものであってもよい。これは、後述の制御例3についても同様である。
また、上述の制御例1及び制御例2では、異なる種類の期待感演出が複数あることを例示するために、制御例1における期待感演出と、制御例2における期待感演出とがあることを説明したが、むろん、このような演出の種類は2種類に限られない。少なくとも一部の表示内容が異なるそれ以上の種類があるように構成することが可能である。また、この場合、それぞれの演出に対応する待機表示が設けられるようにすればよい。また、後述の制御例3では、上述の制御例1が連続演出の一部である場合を例示するために、制御例3における期待感演出があることを説明したが、むろん、このような演出の種類は1種類に限られない。少なくとも一部の表示内容が異なるそれ以上の種類があるように構成することが可能である。また、この場合、それぞれの演出に対応する待機表示が設けられるようにすればよい。
また、上述の制御例1及び制御例2では、待機表示を行う場合に、それぞれの演出の演出内容とできる限り齟齬が生じないように、それぞれの演出に対応する固有の待機表示が行われるものとしていたが、例えば、データ量の削減等を図るために共通の待機表示が行われるものとしてもよい。これは、後述の制御例3についても同様である。
また、上述の制御例1及び制御例2では、第1停止操作が左第1停止以外であるときは一律に待機表示が行われるものとしていたが、例えば、実行される演出が最終的に有利結果表示を行うものである場合には待機表示を行わず、最終的に不利結果表示を行うものである場合に待機表示を行うものとしてもよい。すなわち、左第1停止以外で遊技が行われ、非優遇状態に制御される場合であっても、それが遊技状況に影響を与えない(あるいは、与えにくい)場合(例えば、すでにAT抽籤に当籤していて、次遊技からAT状態に移行することが予定されている場合など)には、待機表示を行わないものとしてもよい。これは、後述の制御例3についても同様である。
一方、例えば、実行される演出が最終的に不利結果表示を行うものである場合には待機表示を行わず、最終的に有利結果表示を行うものである場合に待機表示を行うものとしてもよい。すなわち、当該演出がもともとガセ演出であり、最終的な結果表示を行わなくとも、それが必ずしも遊技者にとって不利とならない場合には、待機表示を行わないものとしてもよい。これは、後述の制御例3についても同様である。
また、上述の制御例1及び制御例2における期待感演出は、単発演出として構成されるものであってもよいし、連続演出の一部として構成されるものであってもよい。例えば、単発演出として構成されるものである場合、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、当該演出と同じ演出が再度実行されるものとしてもよい。あるいは、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、演出抽籤は実行されず、演出無し(基本的な表示画面は除く)となるようにしてもよい。また、待機表示は、その表示が開始された後、次遊技を開始するための開始操作が行われたときにその表示が終了されるものとしてもよい。この場合、待機表示の表示が終了すると、予定されていた演出の表示が開始ないし再開されるものとすればよい。なお、待機表示の表示が終了するのは、開始操作が行われたときではなく、次遊技のためのベット操作が行われたときとしてもよい。
また、あるいは、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、当該遊技で表示された待機表示がそのまま継続して行われるものとしてもよい。この場合、当該次遊技において順押しで停止操作が行われた場合には、その次の遊技(最初に待機表示が行われた遊技の2ゲーム後の遊技)において、当該演出と同じ演出が再度実行されるものとしてもよいし、特段の制御を行うことなく、通常のルールにしたがって演出が決定され得るものとしてもよい。また、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、特段の制御を行うことなく、通常のルールにしたがって演出が決定され得るものとしてもよい。
また、例えば、連続演出として構成されるものである場合、当該演出が行われ、待機表示が行われた当該遊技の次遊技においては、待機表示が行われた遊技で実行されたものと同じ演出が再度実行されるものとすればよい。例えば、連続演出が、1ゲーム目で第1演出が実行され、2ゲーム目で第2演出が実行され得る2ゲーム構成であったとする。このとき、全ての遊技が順押しで行われた場合には、1ゲーム目で第1演出が実行され、2ゲーム目で第2演出が実行される。
一方、例えば、1ゲーム目が変則押しで行われた場合、当該遊技では第1演出の途中から待機表示が行われることとなる。このとき、2ゲーム目では第1演出が再度実行されるようにし、2ゲーム目が順押しで行われた場合、当該遊技では第1演出が最後まで実行され、3ゲーム目で第2演出が実行されるようにする。また、このとき、2ゲーム目が変則押しで行われた場合、当該遊技では1ゲーム目と同様の制御が行われるものとすればよい。すなわち、2ゲーム目では第1演出の途中から待機表示が行われ、3ゲーム目では第1演出が再度実行されるようにし、3ゲーム目が順押しで行われた場合、当該遊技では第1演出が最後まで実行され、4ゲーム目で第2演出が実行されるようにすればよい。
また、例えば、1ゲーム目は順押しで行われ、2ゲーム目が変則押しで行われた場合、当該遊技では第2演出の途中から待機表示が行われることとなる。このとき、3ゲーム目では第2演出が再度実行されるようにし、3ゲーム目が順押しで行われた場合、当該遊技では第2演出が最後まで実行されるようにする。また、このとき、3ゲーム目が変則押しで行われた場合、当該遊技では2ゲーム目と同様の制御が行われるものとすればよい。すなわち、3ゲーム目では第2演出の途中から待機表示が行われ、4ゲーム目では第2演出が再度実行されるようにし、4ゲーム目が順押しで行われた場合、当該遊技では第2演出が最後まで実行されるようにすればよい。
もっとも、ずっと変則押しが行われることで、同じ演出がずっと繰り返されることに支障がある場合には、そのような制御が行われ得る遊技数に上限(例えば、10ゲームなど)を設けるようにし、上限の遊技数が消化されても演出が完結していなかった場合には、演出が途中で終了する制御が行われるようにしてもよい。なお、連続演出として構成される場合の制御例は、後述の制御例3を用いて後で詳述する。
また、順押しで遊技が行われなかった場合に待機表示を行う制御は、期待感演出とは異なる演出が実行される場合にも行われるようにしてもよい。すなわち、このような制御が行われる対象となる演出は期待感演出に限られない。例えば、演出がその後も継続するか(発展するか)否かを報知ないし示唆可能な発展演出が実行される場合にもこのような制御が行われ得るものとしてもよい。また、例えば、CZ中やST中において、AT状態に移行するか否かを報知ないし示唆可能なバトル演出が実行される場合にもこのような制御が行われ得るものとしてもよい。また、例えば、当籤役や状態などを報知ないし示唆可能な一般演出が実行される場合にもこのような制御が行われ得るものとしてもよい。すなわち、このような制御が行われる対象となる演出は、全ての演出のうちの任意の演出とすることができる。
(制御例3)
続いて、図417~図420を参照して、期待感演出の一例として演出データ3が決定された場合の制御例(制御例3)を説明する。なお、図417及び図418は、この例において、1ゲーム目及び2ゲーム目に順押し(左第1停止)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図であり、図419及び図420は、この例において、1ゲーム目に順押し以外(左第1停止以外)で停止操作が行われて遊技が進行し、2ゲーム目に順押し(左第1停止)で停止操作が行われて遊技が進行した場合の表示内容の進行を模式的に示した図である。
この例では、1ゲーム目の開始操作時において、演出内容や期待度を示す導入表示(図417及び図419中、「宝を見つけろ!」の表示画面)が行われた後、演出の進行が開始されている(図417及び図419中、「どこだ?」の表示画面)。
このとき、図417に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図417中、「どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図417中、「どこだ?どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図417中、「NEXT・・・」の表示画面)。すなわち、当該演出が1ゲーム目では終了せず、2ゲーム目に継続することが示される。
次いで、2ゲーム目の開始操作が行われた場合、開始操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図418中、「どこだー!?」の表示画面)。
このとき、図418に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図418中、「どこだー!?どこだー!?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図418中、「どこだー!?どこだー!?どこだー!?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する。この場合、有利な状況の発生を報知ないし示唆する場合には、有利結果表示を行う(図418中、「GET!CHANCE!」の表示画面)。一方、有利な状況の発生を報知ないし示唆しない場合には、不利結果表示を行う(図418中、「残念・・・」の表示画面)。このように、1ゲーム目、2ゲーム目ともに順押しである場合には、2ゲーム目の最終的な表示内容(あるいは、中途の表示内容によって予測可能な場合があってもよい)によって、遊技者に所定の期待感が示されるものとなっている。
一方、1ゲーム目で演出の進行が開始された後、図419に示すように、左第1停止以外で停止操作が行われたとする。この場合には、演出の進行が停止され、その後は、1ゲーム目では当該演出に対応する待機表示が行われるものとなっている(図419中、「宝ステージ待機中」の表示画面)。この待機表示は、第2停止操作や第3停止操作が行われて遊技が進行した場合にも継続して行われるものとなっている。すなわち、左第1停止以外で停止操作が行われた遊技では、以後当該演出が進行しないものとなる。
もっとも、2ゲーム目が開始されると、図420に示すように、当該2ゲーム目においては、1ゲーム目の演出が再度実行されるものとなっている。具体的には、2ゲーム目の開始操作が行われた場合、開始操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出の進行が開始(再開)される(図420中、「どこだ?」の表示画面)。なお、図420においては、導入表示は行われないものとなっているが、導入表示も含めて演出が最初から再度実行されるように構成することも可能である。
このとき、図420に示すように、左第1停止で停止操作が行われたとする。この場合には、第1停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図420中、「どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第2停止操作が行われた場合、第2停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図420中、「どこだ?どこだ?どこだ?」の表示画面)。
次いで、残りのストップボタンに対して第3停止操作が行われた場合、第3停止操作が行われて遊技が進行したのにともない、演出がさらに進行する(図420中、「NEXT・・・」の表示画面)。すなわち、当該演出が2ゲーム目では終了せず、3ゲーム目に継続することが示される。
その後、3ゲーム目において、左第1停止で停止操作が行われた場合には、図418に示したものと同様に演出を進行させる制御が行われる一方、左第1停止以外で停止操作が行われた場合には、図418に示した開始操作までの演出が再度実行されたのち、図419に示したものと同様に演出の進行を待機させる制御が行われることとなる。
なお、2ゲーム目において、仮に左第1停止以外で停止操作が行われたとした場合には、再度1ゲーム目(図419参照)と同様の制御が行われ、3ゲーム目において、再度2ゲーム目(図420参照)と同様の制御が行われることとなる。
(電断復帰時の制御例)
電源装置34の電源スイッチ(不図示)がオフにされる(電源がオフ状態とされる)か、停電などのその他の要因の発生によってパチスロ機1への電力の供給が断たれて電断が発生し、その後、電力の供給が再開されて当該電断状態から復帰する場合、基本的に遊技状態及び演出状態は電断前の状態に復帰することとなる。ここで、電断時に上述の待機表示が行われていた場合、その復帰の態様としては以下の態様を挙げることができる。
第1の態様は、電断復帰時にはそのまま待機表示が行われる(再開される)という態様である。例えば、待機表示が行われたまま遊技店が閉店して電源がオフ状態とされ、設定変更が行われることなく翌日の開店に合わせて電断がオン状態とされた場合、待機表示が解除されるとすると、最初に遊技を行う遊技者は、最初の遊技が非優遇状態に制御であることを知らないまま遊技を行うことになり、遊技者が不測の不利益を被ってしまう場合がある。この第1の態様によれば、このような問題が生じることを抑制できる。
第2の態様は、電断復帰時には待機表示ではなく、他の表示(例えば、初期画面を表示する)が行われるという態様である。例えば、待機表示が行われたまま遊技店が閉店して電源がオフ状態とされ、設定変更が行われることなく翌日の開店に合わせて電断がオン状態とされた場合には待機表示が再開されるが、設定変更が行われた場合には初期画面が表示されるものとした場合、開店時に待機表示が表示されているか否かで設定変更が行われたか否かが簡単に見抜けるようになってしまい、遊技店が不測の不利益を被ってしまう場合がある。この第2の態様によれば、このような問題が生じることを抑制できる。なお、上述の第1の態様の場合も同様であるが、少なくとも、電断復帰時の表示態様と後述の設定変更時の表示態様とが同じ表示態様となるように表示制御を行うことが望ましいと考えられる。このようにすれば、いずれの態様であっても上述の問題が生じることを抑制できる。また、ここでいう初期画面とは、例えば、いわゆる通常時の滞在ステージを表示する画面などが該当する。なお、非有利区間専用の表示画面を設け、これを初期画面としてもよいし、非有利区間と有利区間のいずれでも表示され得るステージ表示画面などを設け、これを初期画面としてもよい。
(設定変更時の制御例)
設定用鍵型スイッチ52などへの操作によって、パチスロ機1の設定値が変更されたとき(設定変更が行われたとき)、設定変更前の遊技において上述の待機表示が行われていた場合、その復帰の態様としては以下の態様を挙げることができる。
第1の態様は、設定変更後もあえてそのまま待機表示が行われるという態様である。上述のとおり、設定変更が行われることなく電断のオフ・オンがされた場合には待機表示が再開されるが、設定変更が行われた場合には初期画面が表示されるものとした場合、開店時に待機表示が表示されているか否かで設定変更が行われたか否かが簡単に見抜けるようになってしまい、遊技店が不測の不利益を被ってしまう場合がある。この第1の態様によれば、このような問題が生じることを抑制できる。
第2の態様は、設定変更後は待機表示ではなく、他の表示(例えば、初期画面を表示する)が行われるという態様である。直前の遊技において変則押しで停止操作が行われたとしても、設定変更時の初期化処理によって、設定変更後の最初の遊技が非優遇状態となることはなく(この場合、最初の遊技では固定処理で優遇カウンタが1加算されることとすればよい)、また、そもそも演出データも初期化されるため、最初に遊技を行う遊技者が不利益を被る可能性はないからである。
また、例えば、パチスロ機1を、設定用鍵型スイッチ52などを用いた設定変更手順と異なる初期化手順として、電源オフ状態において、主制御基板71に設けられたリセットボタン(不図示)を押しながら(すなわち、初期化操作手段に対して所定の初期化操作を行い)、電源オン状態とする(すなわち、所定の電源投入操作を行う)と、設定値はそのままで有利区間がリセット(初期化される)される(すなわち、有利区間が終了し、有利区間終了時の初期化処理が行われた上で非有利区間に移行する)といった特別リセット操作が可能となるように構成することもできるが、この場合、特別リセット操作が行われる前に上述の待機表示が行われていた場合には、特別リセット操作後(有利区間のリセット後)は待機表示でなく、例えば、上述のものと同様の初期画面が表示されるものとすればよい。むろん、このような特別リセット操作が行われたことを見抜かれにくくするため、特別リセット操作後(有利区間のリセット後)もあえてそのまま待機表示が行われるものとしてもよい。なお、特別リセット操作が行われると、有利区間に関する状態が初期化され、初期状態としての非有利区間が設定されるが、ボーナス役の持越状態が推奨遊技状態となる仕様の場合には、持越中のボーナス役に関する情報(持越役格納領域の情報)は維持されるものとすればよい。
(その他の制御例)
開始操作が行われた後に、所定の演出用操作を伴う操作演出(例えば、上述の操作連動演出)を行う場合がある。チャンスボタン(例えば、上述の演出用ボタン10a,10b)やタッチパネル(例えば、上述のサブ演出表示部22)など所定の演出用操作手段に対する操作に応じて期待度示唆などの応答演出が発生する演出である。この場合、演出用操作の受付開始後に対象となる演出用操作手段に対する操作を行わない場合は、操作待ち状態となるが、この操作待ち状態でも変則押しが行われた場合は待機表示へと切り替わり、演出用操作の操作待ち状態も終了し、それ以後に演出用操作手段を操作しても当該操作演出で予定されていた応答演出は発生しないものとすることが望ましい。このようにすることで、待機表示中に期待度示唆などの役割を持つ応答演出が発生するという遊技者にとって分かりにくい状況の発生を抑制できる。
また、リール回転中及びリール停止中のいずれであっても演出状態設定(例えば、音量調整、光量調整等の)が可能な仕様の場合は、変則押しに伴う待機表示の表示中であっても適時演出状態設定ができるものとしてもよい。また、リール回転中は演出状態設定ができないが、リール停止中は演出状態設定(音量調整、光量調整等)が可能な仕様の場合には、変則押しに伴う待機表示の表示中であってもリール停止中であれば演出状態設定ができるものとしてもよい。また、遊技履歴の表示、携帯連動メニューの表示、一部の配当表の表示、ゲームフローの表示などが可能となるユーザーメニュー画面の表示についても同様であり、変則押しに伴う待機表示の表示中であっても、仕様上、これらを表示可能な状態であれば通常時と同じく所定操作にしたがってこれらを表示可能としてもよい。また、演出状態設定は、例えば、上述の操作演出における操作待ち状態においても、仕様上、これを設定可能な状態であれば適時行えるものとすることができる。
また、開始操作が行われた後に、リールの回転開始から定速回転に至るまでの期間において、リール回転動作を行いストップボタン押下に基づいてリールを仮停止させるといった上述の疑似遊技を行う場合がある。このような疑似遊技においては、変則押しで停止操作が行われたとしても非推奨打法とはならないため、待機表示は行われず、AT関連処理が不利とならないようにすればよい。また、疑似遊技中は、上述の如く、疑似遊技中であることを明確にするために「FREEPLAY」等の疑似遊技中表示が行われるとすることが望ましい。なお、仮に、待機表示の表示中において疑似遊技が行われるものとなったときは、待機表示とともに疑似遊技中表示が行われるものとすればよい。
<第1の遊技機(変形例)の押し順ベルの変形例及び送信情報制御例>
続いて、図421及び図422を参照して、本変形例の押し順ベルの変形例の構成、及びサブ側に送信する送信情報の制御例について説明する。本変形例の送信情報の制御例は、そのまま第1の遊技機の送信情報の制御例であるともいい得る。もっとも、本変形例では、図421に示すものを送信情報制御例1として説明し、図422に示すものを送信情報制御例2として説明している。
また、本変形例において変動表示部が3つのリール(左リール3L,中リール3C,右リール3R)を具備するものとして説明する。また、押し順ベルの変形例においては、押し順ベル以外の役についてもこれと同様にグルーピングされる場合を説明するため、第1の遊技機とは一部の役構成を変更している。これについては後で詳述する。
(押し順ベルの変形例の役構成)
図421に示す変形例では、例えば、内部当籤役として、リプレイ役である「F_通常リプ」及び「F_チェリー」と、小役である「F_共通ベル」、「F_押し順ベルA_123」~「F_押し順ベルA_321」(変形例の「押し順ベルA」)、「F_押し順ベルB_213」~「F_押し順ベルB_321」(変形例の「押し順ベルB」)、「F_2択1枚役A」、「F_2択1枚役B」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、及び「F_スイカ」とを含んで構成される。
「F_通常リプ」は、リプレイ役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて再遊技が付与されるものとなっている。また、「F_チェリー」は、リプレイ役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて再遊技が付与されるものとなっている。
「F_共通ベル」は、小役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて13枚入賞が発生するものとなっている。
変形例の「押し順ベルA」は、6択の押し順小役となっており、正解打順で停止操作が行われた場合には対応する図柄組合せが表示されて13枚入賞が発生し、不正解打順で停止操作が行われた場合であって、第1停止操作は正解打順であった場合には、押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、不正解打順で停止操作が行われた場合であって、第1停止操作も不正解打順であった場合には、所定のリールに対する押下位置が適切であれば(1/2のタイミングで押下位置正解となる)、対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ(残りの1/2のタイミングで押下位置不正解となる)、取りこぼしが発生して入賞は発生しない(0枚となる)ものとなっている。
変形例の「押し順ベルB」は、左第1停止が正解打順として規定されない4択の押し順小役となっており、正解打順で停止操作が行われた場合には対応する図柄組合せが表示されて13枚入賞が発生し、不正解打順で停止操作が行われた場合であって、第1停止操作は正解打順であった場合には、押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、不正解打順で停止操作が行われた場合であって、第1停止操作も不正解打順であった場合には、所定のリールに対する押下位置が適切であれば(1/2のタイミングで押下位置正解となる)、対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ(残りの1/2のタイミングで押下位置不正解となる)、取りこぼしが発生して入賞は発生しない(0枚となる)ものとなっている。
なお、変形例の「押し順ベルB」は、左第1停止では正解打順となる場合がなく、左第1停止以外で正解打順となる場合があるように構成されたものであり、左第1停止が遊技価値の付与が不利となる打順として規定され、左第1停止以外が遊技価値の付与に関し一方的に有利となる打順として規定された、偏りベルを構成する押し順小役となっている。
また、図421に示すとおり、変形例の「押し順ベルB」がこのように構成されることで、遊技機全体としてみた場合も、打順「123」又は「132」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値が「1.1612」枚となるのに対し、打順「213」、「231」、「312」又は「321」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値は「2.716」枚となる。すなわち、左第1停止で停止操作が行われた場合、左第1停止以外で停止操作が行われた場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成されている。
もっとも、上述の獲得期待値は、非AT状態(すなわち、有利な停止操作態様が報知されない状況下)における1ゲームあたりの獲得期待値であり、また、1ゲームを行うために必要なベット数は3枚であることから、非AT状態ではいずれの打順で遊技を行ったとしても獲得期待値が「3」を超えない(換言すれば、出玉率が「1」を超えない)ように構成されている。したがって、例えば、非AT状態において、ずっと左第1停止以外で停止操作を行っていたとしても、それによって、少なくとも確率上は、遊技者が遊技価値を増加させ続けることが可能となるようには構成されていない。
「F_2択1枚役A」及び「F_2択1枚役B」は、打順ではなく、押下位置2択の小役となっており、例えば、「F_2択1枚役A」が当籤役として決定された場合、所定のリールに対する押下位置が適切であれば(1/2のタイミング(第1のタイミング)で押下位置正解となる)、対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ(残りの1/2のタイミング(第2のタイミング)で押下位置不正解となる)、取りこぼしが発生して入賞は発生せず(0枚となる)、また、「F_2択1枚役B」が当籤役として決定された場合、所定のリールに対する押下位置が適切であれば(1/2のタイミング(第2のタイミング)で押下位置正解となる)、対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生し、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ(残りの1/2のタイミング(第1のタイミング)で押下位置不正解となる)、取りこぼしが発生して入賞は発生しない(0枚となる)ものとなっている。
「F_共通1枚役A」及び「F_共通1枚役B」は、小役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて1枚入賞が発生するものとなっている。
「F_スイカ」は、小役であり、打順及び押下位置不問で対応する図柄組合せが表示されて5枚入賞が発生するものとなっている。なお、この「F_スイカ」については、所定のリールに対する押下位置が適切であれば5枚入賞が発生する一方、所定のリールに対する押下位置が適切でなければ1枚入賞が発生するものとして構成してもよい。
(押し順ベルの変形例の送信情報制御例(その1))
続いて、図421を参照して、押し順ベルの変形例を用いた内部当籤情報及び指示情報の設定態様を説明する。なお、これを送信情報制御例(その1)としているのは、図422を参照して後で説明する送信情報制御例(その2)と区別するためである。
送信情報制御例(その1)は、非AT状態であっても、遊技ごとに、内部当籤役に関する何らかの情報をサブ側に送信するものとして構成された制御例である。これに対し、送信情報制御例(その2)は、非AT状態であるときには、基本的にサブ側には内部当籤役に関する情報を送信しないものとして構成された制御例である。
(非AT状態(有利区間)における設定態様1)
図421に示す態様1は、有利区間の非AT状態(通常有利区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の一例を示したものである。
この態様1では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、「F_共通ベル」及び変形例の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「99」)が設定される。すなわち、「F_共通ベル」及び変形例の「押し順ベルA」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「98」)が設定される。すなわち、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、いずれの役に当籤した場合であっても、打順がサブ側で特定可能とならない指示情報(「99」)が設定される。すなわち、全ての役がグルーピングされた指示情報が設定される。
(非AT状態(有利区間)における設定態様2)
図421に示す態様2は、有利区間の非AT状態(通常有利区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の他の例を示したものである。
この態様2では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通ベル」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「3」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、変形例の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「80」)が設定される。すなわち、変形例の「押し順ベルA」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「98」)が設定される。すなわち、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、いずれの役に当籤した場合であっても、打順がサブ側で特定可能とならない指示情報(「指示なし」となる指示情報)が設定される点は上述の態様1と同様であるが、この態様2では、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合には指示情報として「99」が設定され、その他の役に当籤した場合には指示情報として「0」が設定される。
なお、この態様2では、変形例の「押し順ベルA」に当籤した場合に、内部当籤情報に「80」が設定され、指示情報に「99」ではなく、「0」が設定されることで、例えば、サブ側で「押し順チャレンジ演出」(例えば、表示画面で「?-?-?」といったような表示がなされ、少なくとも押し順役に当籤していることが示唆される演出)を行うこと可能となっている。これについては後で詳述する。
(非AT状態(有利区間)における設定態様3)
図421に示す態様3は、有利区間の非AT状態(通常有利区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の他の例を示したものである。
この態様3では、「F_チェリー」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「2」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、「F_通常リプ」、「F_共通ベル」、変形例の「押し順ベルA」、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、「F_2択1枚役B」、又は「F_共通1枚役A」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「97」)が設定される。すなわち、「F_通常リプ」、「F_共通ベル」、変形例の「押し順ベルA」、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、「F_2択1枚役B」、及び「F_共通1枚役A」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、いずれの役に当籤した場合であっても、打順がサブ側で特定可能とならない指示情報(「指示なし」となる指示情報)が設定される点は上述の態様1と同様であるが、この態様3では、「F_チェリー」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合には指示情報として「0」が設定され、その他の役に当籤した場合には指示情報として「99」が設定される。
なお、上述の態様1~態様3のいずれについても、その目的とするところは、変形例の「押し順ベルB」のような偏りベルが内部当籤役に含まれるように構成する場合に、非AT状態にあっては、サブ側での演出を含め、その当籤を遊技者に認識可能な状態としないことにある。
例えば、非AT状態であるから正解打順自体は報知されないとしても、変形例の「押し順ベルB」のような偏りベルが当籤したことを遊技者が認識可能となれば、遊技者が、このような認識をした遊技では、(遊技性が左第1停止を行ってAT関連処理を有利としていくものであったとしても)意図的に左第1停止以外で停止操作を行う場合も出てくることになる。この場合、当初企図していた出玉率と乖離する出玉率となる可能性が高まり、結果として遊技の公平性を害するおそれが生じることになる。
また、変形例の「押し順ベルB」のような偏りベルが当籤したことを遊技者が認識可能となるということは、実質的に遊技価値の付与に関し有利な打順の絞り込みが可能となるのと同じであることから、換言すれば、このように認識可能となる状態にすることはAT状態の一態様であるともいい得る。してみると、現状の規則上は、例えば、上述の指示モニタにおいてもこれと対応する指示情報を表示する必要が生じ、また、このような状態で得られた出玉は、上述の「指示込役物比率」(例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした役物割合情報)に算入される必要が生じることとなる。
そして、このような必要が生じるとすれば、出玉設計が困難を極め、また、非AT状態からAT状態に移行させることで飛躍的に出玉を増加させることができるようになるといった遊技性を担保し得なくなり、遊技者の興趣も著しく低下させてしまうことになる。
そこで、本変形例では、以下の要件を満たすことを前提として、上述の態様1~態様3のように各情報を設定することで、AT状態と解釈される余地がなくなるようにしている。
例えば、第1の要件は、内部当籤情報に関し、変形例の「押し順ベルB」のような偏りベルが含まれる(グルーピングされる)内部当籤情報が設定される遊技では、左第1停止以外(変則押し)のいずれの打順で停止操作が行われた場合あっても出玉率が1未満(あるいは、1以下)とするというものである。
例えば、上述の態様1及び態様2では、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされ、内部当籤情報「98」が設定されている。そして、内部当籤情報「98」が設定された遊技(換言すれば、当該グループ役に当籤した遊技)では、打順「123」又は「132」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値が「0.500」枚となるのに対し、打順「213」、「231」、「312」又は「321」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値は「2.702」枚となるように構成されている。すなわち、いずれの打順で停止操作を行ったとしても、獲得期待値が「3」を超えない(換言すれば、出玉率が「1」を超えない)ものとなっている。
また、例えば、上述の態様3では、「F_通常リプ」、「F_共通ベル」、変形例の「押し順ベルA」、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、「F_2択1枚役B」、及び「F_共通1枚役A」がグルーピングされ、内部当籤情報「97」が設定されている。そして、内部当籤情報「97」が設定された遊技(換言すれば、当該グループ役に当籤した遊技)では、打順「123」又は「132」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値が「1.601」枚となるのに対し、打順「213」、「231」、「312」又は「321」で停止操作が行われたと仮定した場合の獲得期待値は「2.708」枚となるように構成されている。すなわち、いずれの打順で停止操作を行ったとしても、獲得期待値が「3」を超えない(換言すれば、出玉率が「1」を超えない)ものとなっている。
このようにすることで、例えば、仮に、内部当籤役情報「98」や「97」が設定されたことを遊技者が認識可能となり、変則押しで遊技が行われたとしても、それによって、遊技者が遊技価値を増加させることができるようになるといった攻略の余地が生じることはなくなる。なお、グルーピングの手法しだいでは、獲得期待値が「3」を超える場合も出てくると思われるが、遊技の公平性を害さないことが担保される限り、このような場合があっても差し支えない。もっとも、上述の観点からすれば、やはり獲得期待値が「3」を超えないように構成することが望ましい。
例えば、第2の要件は、変形例の「押し順ベルB」のような偏りベルが含まれる(グルーピングされる)内部当籤情報が設定される遊技では、サブ側において、例えば、上述の「押し順チャレンジ演出」のように、押し順役に当籤したことが認識可能な(あるいは、遊技者が打順ナビと認識してしまう可能性がある)演出(打順関連演出)を行わないというものである。
そこで、例えば、上述の態様1では、全ての役について指示情報「99」が設定されている。また、例えば、上述の態様2では、内部当籤情報「98」が設定される遊技では指示情報「99」が設定されている。また、例えば、上述の態様3では、内部当籤情報「97」が設定される遊技では指示情報「99」が設定されている。すなわち、サブ側では、指示情報「0」を受信した遊技では、上述の打順関連演出を行い得るように制御することが可能となる一方で、指示情報「99」を受信した遊技では、上述の打順関連演出を行い得ないように制御することが可能となる。
なお、サブ側が指示情報「99」を受信した遊技においても、例えば、白ナビや黄色ナビなどの色ナビで小役の当籤を示唆する演出や、左第1停止で停止操作が行われた場合にチャンス予告を行う演出など、少なくとも打順と関連しない演出であれば、これを行うことは差し支えない。また、例えば、上述の態様1の場合に、内部当籤情報「99」の場合と、内部当籤情報「98」の場合と、内部当籤情報「0」(はずれ)の場合とで、同じ演出が行われるようにしてもよいし、異なる演出が行われるようにしてもよい。
このようにすることで、遊技者が偏りベルの当籤を意識せず、AT関連処理が有利となる特定態様(左第1停止)で遊技を行いやすくなる。また、上述のように内部当籤情報や指示情報が設定されることで、偏りベルを含んで構成されるグルーピング情報がサブ側に送信されたとしても、これによって有利な打順の絞り込みが可能とはならないため、そのような遊技での払出は、指示による払出には該当せず、また、上述の「指示込役物比率」に算入される必要もなくなるものと考えられる。そして、これにより、AT状態及び役物作動中の実質的な有利状態の払出を正確にカウントすることが可能となり、遊技店側も上述の役比モニタ装置54で当該遊技機の挙動を把握しやすくなると考えられる。
なお、さらに以下の要件(第3の要件)を追加することも考えられる。例えば、第3の要件は、指示情報「99」が設定される遊技では、メイン側で制御される報知手段によってその旨が報知されるようにするというものである。
例えば、情報表示装置14において、特別ランプを新たに設けるようにし、指示情報「99」が設定される遊技では、この特別ランプを点灯させる(あるいは、所定の表示態様を表示させる)ようにする。あるいは、指示情報「99」が設定される遊技では、指示モニタで「-」などの指示非発生を示唆する表示を行うようにする。なお、これらはあくまで一例であって、何らかの表示態様で遊技者に指示非発生を示唆することが可能であれば、別の報知手段を用いることもできる。
このようにすることで、例えば、特別ランプが点灯した(あるいは、指示モニタに「-」が表示された)遊技では、ナビが発生しない(停止操作態様が報知されない、指示が行われない)ことを遊技者に報知ないし示唆できるため、遊技者が偏りベルの当籤を意識せず、AT関連処理が有利となる特定態様(左第1停止)で遊技を行いやすくなる。また、このように推奨される遊技方法にて遊技を行うように促すことができる。
なお、特別ランプを用いる場合、サブ側に対して、特別ランプの点灯/非点灯の情報をさらに送信するようにしてもよい。そして、サブ側では、当該情報を参照して、特別ランプの点灯を認識した場合には上述の打順関連演出を行わない制御が実行されるものとしてもよい。もっとも、このような情報を送信することなく、内部当籤情報及び指示情報を総合的に判断して(あるいは、指示情報「99」が送信されたかを判断して)、上述の打順関連演出を行わない制御が実行されるものとしてもよい。
また、指示モニタを用いる場合、例えば、指示情報「0」が設定される場合には、指示モニタには「0」が表示されるようにしてもよいし、あるいは、指示モニタには何らの情報も表示されない(非表示となる)ようにしてもよい。いずれの場合であってもメイン側での指示は発生しないものとなる。もっとも、この場合、サブ側では、上述の打順関連演出を行うことが許容されるものとする。一方、指示情報「99」が設定される場合には、指示モニタに「-」(あるいは、少なくとも上述の「0」や非表示とは異なる態様であって、かつ、各指示とも異なる態様となる別の識別情報)が表示されるようにすればよい。この場合にも同様に、メイン側での指示は発生しないものとなる。もっとも、この場合、サブ側では、上述の打順関連演出を行うことが禁止されるものとする。
指示モニタに「0」が表示される(あるいは、非表示となる)場合には、例えば、押し順リプレイなどに当籤したときに、上乗せ報知として7を揃わせるための7揃いナビ(ナビにしたがわなくとも出玉に影響を与えない)のような演出用の打順関連演出がサブ側で行われるようにすることは可能となる。もっとも、このような演出用の打順関連演出は行われず、打順に関連しない期待感演出を行うことは当然ながら可能である。
また、指示モニタに「1」~「6」が表示される場合には、それぞれに対応する打順ナビがサブ側で行われるようにすればよい。例えば、指示モニタが「1」なら左、中、右の順にリールを停止させる打順「123」を指示し、指示モニタが「2」なら左、右、中の順にリールを停止させる打順「132」を指示し、指示モニタが「3」なら中、左、右の順にリールを停止させる打順「213」を指示し、指示モニタが「4」なら中、右、左の順にリールを停止させる打順「312」を指示し、指示モニタが「5」なら右、左、中の順にリールを停止させる打順「231」を指示し、指示モニタが「6」なら右、中、左の順にリールを停止させる打順「321」を指示すればよい。また、指示モニタに「-」が表示される場合には、上述のとおり、サブ側で打順関連演出が行われないようにすればよい。
続いて、AT状態における内部当籤情報及び指示情報の設定態様、並びに非有利区間における内部当籤情報及び指示情報の設定態様についても説明する。
(AT状態(有利区間)における設定態様1)
図421に示す態様1は、有利区間のAT状態(増加区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の一例を示したものである。
この態様1では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通ベル」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「3」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、変形例の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「80」)が設定される。すなわち、変形例の「押し順ベルA」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、それぞれの正解打順がサブ側で特定可能となる指示情報「1」~「6」が設定されるため、このように構成されていても有利な停止操作態様の報知を行うことが可能になる。
また、変形例の「押し順ベルB」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「81」)が設定される。すなわち、変形例の「押し順ベルB」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、それぞれの正解打順がサブ側で特定可能となる指示情報「3」~「6」が設定されるため、このように構成されていても有利な停止操作態様の報知を行うことが可能になる。
また、「F_2択1枚役A」又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「82」)が設定される。すなわち、「F_2択1枚役A」及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、これらは押し順小役でないため、このように構成されていてもAT状態に影響は与えない。なお、それぞれで異なる指示情報が設定されるようにし、正解となる押下位置が報知され得るものとしてもよい。
(AT状態(有利区間)における設定態様2)
図421に示す態様2は、有利区間のAT状態(増加区間)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の他の例を示したものである。
この態様2では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通ベル」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「3」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、変形例の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「80」)が設定される。すなわち、変形例の「押し順ベルA」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。なお、この態様2では、「F_押し順ベルA_123」及び「F_押し順ベルA_132」に当籤した場合には指示情報「10」が設定されるものとなっている。この指示情報「10」は、例えば、「1-?-?」といったように、第1停止操作(左第1停止)のみ正解打順が報知される指示情報として構成される。すなわち、この態様2では、変形例の「押し順ベルA」に当籤した場合に、第2停止操作の2択チャレンジ演出が行われるものなっている。これはあくまで一例である。
また、同様に、指示情報「20」は、例えば、「?-1-?」といったように、第1停止操作(中第1停止)のみ正解打順が報知される指示情報として構成され、指示情報「30」は、例えば、「?-?-1」といったように、第1停止操作(右第1停止)のみ正解打順が報知される指示情報として構成される。
また、変形例の「押し順ベルB」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「81」)が設定される。すなわち、変形例の「押し順ベルB」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、それぞれの正解打順がサブ側で特定可能となる指示情報「3」~「6」が設定されるため、このように構成されていても有利な停止操作態様の報知を行うことが可能になる。
また、「F_2択1枚役A」又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「82」)が設定される。すなわち、「F_2択1枚役A」及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。もっとも、これらは押し順小役でないため、このように構成されていてもAT状態に影響は与えない。なお、それぞれで異なる指示情報が設定されるようにし、正解となる押下位置が報知され得るものとしてもよい。
(非有利区間における設定態様)
図421に示す態様は、非有利区間(非AT状態)における内部当籤情報及び指示情報の設定態様の一例を示したものである。
この態様では、「F_通常リプ」、「F_チェリー」、「F_共通ベル」、「F_共通1枚役A」、「F_共通1枚役B」、又は「F_スイカ」に当籤した場合、それぞれの当籤がサブ側で特定可能となる内部当籤情報(「1」、「2」、「3」、「16」、「17」、又は「18」)が設定される。
また、変形例の「押し順ベルA」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「80」)が設定される。
また、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合、このうちのいずれかに当籤したことはサブ側で特定可能となるが、いずれに当籤したかはサブ側で特定可能とならない内部当籤情報(「98」)が設定される。すなわち、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、及び「F_2択1枚役B」がグルーピングされた内部当籤情報が設定される。
また、この態様では、変形例の「押し順ベルB」、「F_2択1枚役A」、又は「F_2択1枚役B」に当籤した場合には指示情報として「99」が設定され、その他の役に当籤した場合には指示情報として「0」が設定される。
(押し順ベルの変形例の送信情報制御例(その2))
続いて、図422を参照して、押し順ベルの変形例を用いた送信情報制御例(その2)を説明する。なお、上述のとおり、この送信情報制御例(その2)は、非AT状態であるときには、基本的にサブ側には内部当籤役に関する情報を送信しないものとして構成された制御例である。また、図422では、この送信情報制御例(その2)を説明するために、当該処理の一例を示す概要的なフローチャートを示している。したがって、当該送信情報制御における具体的な制御処理は必ずしも図422に示すものに限られない。
まず、メインCPU101は、遊技が開始されるとき(例えば、開始操作が行われたとき)に、AT中であるか否かを判定する(S4011)。すなわち、メインCPU101は、現在の状態がAT状態であるか否かを判定する。メインCPU101は、AT中であると判定した場合(S4011がYES)、処理をS4013に移す。
一方、メインCPU101は、AT中でないと判定した場合(S4011がNO)、レア役に当籤したか否かを判定する(S4012)。メインCPU101は、レア役に当籤していないと判定した場合(S4012がNO)、そのまま当該処理を終了させる。
一方、メインCPU101は、レア役に当籤したと判定した場合(S4012がYES)、処理をS4013に移す。メインCPU101は、S4011がYESの場合、又はS4012がYESの場合、送信情報設定処理を行う(S4013)。その後、当該処理を終了させる。
なお、送信情報設定処理では、AT状態である場合(S4011がYESの場合)、例えば、図421に示したAT状態のいずれかの設定態様により、内部当籤情報及び指示情報を送信する。また、非AT状態であるが(S4011がNOであるが)、レア役に当籤した場合(S4012がYESの場合)、例外的に当籤したレア役に対応する内部当籤情報を送信する。また、この場合、当籤したレア役に対応する指示情報が「0」であれば、指示情報も送信されるようにしてもよい。
一方、非AT状態であり(S4011がNOであり)、レア役にも当籤していない場合(S4012もNOである場合)には、そもそも内部当籤役に関連する情報が設定されず(S4013の処理が行われないようにし)、いずれの情報もサブ側に送信されないようにしている。なお、ここでいう「レア役」は、例えば、「F_チェリー」や「F_スイカ」等の役を示すものである。
このようにすれば、例えば、変形例の「押し順ベルB」のような偏りベルが含まれるものとしても、AT状態以外では、この当籤をサブ側で認識することはできなくなるので、遊技者が偏りベルの当籤を意識せず、AT関連処理が有利となる特定態様(左第1停止)で遊技を行いやすくなる。しかも、非AT状態の内部当籤情報や指示情報をどのような構成するかを考慮する必要がなくなることから、制御負荷やデータ量を少なくすることができるとともに、遊技機の設計のしやすさも向上させることができる。
もっとも、いかなる役についても内部当籤役に関連する情報が送信されないとすれば、サブ側では内部当籤役の種類に応じた期待感演出などの演出が何ら行われなくことから、遊技の興趣が著しく低下するおそれがある。そこで、この例においては、レア役に当籤したときは、非AT状態であっても例外的に送信情報設定処理が行われるものとしている。
なお、上述の趣旨からすれば、S4012の処理を設けることなく、S4011でAT状態であると判定された場合にはS4013の処理を行うが、S4011でAT状態でない(非AT状態である)と判定された場合にはそのまま当該処理を終了させるようにし、レア役についても例外とせずに送信情報設定処理が行われないようにしてもよい。
また、このような構成とした上で、例えば、レア役、あるいは少なくとも偏りベル以外(あるいは、偏りベルが含まれるグループ以外)の他の役について、これに当籤した場合には、それぞれ異なる種別のロック演出が実行されるようにし、ロック演出の種別がロックコマンドでサブ側に送信されるようにして、偏りベルについて打順関連演出が行われないことを担保しつつ、これと関連しない役については、内部当籤役に関連する演出が行われ得るようにしてもよい。
<第1の遊技機(変形例)の仕様を用いた遊技機>
第1の遊技機(変形例)によれば、その仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
例えば、AT状態に関連する決定が優遇される優遇状態と、当該優遇状態でない非優遇状態とを有し、少なくともAT状態に制御されていないときに、いずれかの状態に制御可能であり、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、当該特定態様にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を優遇状態に制御可能とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、遊技の進行に応じて表示内容が進行する特定演出(例えば、期待感演出)において、優遇状態の遊技において当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、実行されている特定演出の種類に応じた特定待機表示(例えば、待機表示)を行うことが可能である遊技機である。
なお、特定態様となる停止操作は、打順が左第1停止である態様に限られない。例えば、その他のリールに対して第1停止操作を行うことが特定態様の停止操作となるように構成してもよい。また、例えば、変動表示部を4つのリールで構成する場合、そのうちの二つの特定のリールに対して特定の順番にて停止操作を行うことが特定態様の停止操作となるように構成してもよい。また、特定のリール(例えば、左リール)に対して特定の押下位置で停止操作を行うことが特定態様の停止操作となるように構成してもよい。
また、優遇状態に制御される停止操作態様は、非優遇状態に制御される停止操作態様よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成されるものしているが、遊技価値の期待値が同じであってもこのような優遇制御が行われるものとしてもよい。すなわち、偏りベルが含まれないように役構成した場合であっても、優遇状態に制御され得る停止操作の特定態様を定め、当該特定態様にて停止操作が行われた場合には優遇状態に制御可能とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には非優遇状態に制御可能とするように構成してもよい。
また、特定待機表示は、種々の用途に用いることができる。例えば、演出の進行が待機されることを報知ないし示唆するために用いることができるし、非優遇状態に制御されることを報知ないし示唆するために用いることができる。また、例えば、演出が中途で終了したことを報知ないし示唆するために用いることができる。また、例えば、特定態様にて停止操作が行われないことによって遊技者に不利となったことを報知ないし示唆するために用いることができる。また、推奨される遊技方法で遊技を行う(例えば、特定態様にて停止操作を行う)べきことを報知ないし示唆するために用いることができる。すなわち、優遇制御に関連する種々の情報、あるいは演出の進行に関連する種々の情報を報知ないし示唆するために用いることができる。
また、例えば、優遇制御は、通常役を当籤役として決定した場合に実行可能である遊技機である。
また、例えば、優遇制御は、いずれの役を当籤役として決定した場合にも実行可能である遊技機である。
優遇制御が行われ得る遊技は、所定の制御条件にしたがって任意に設定可能である。例えば、通常中(有利区間)と、CZ中と、ST中とでそれぞれ異なる条件で優遇制御が行われ得るものとしてもよい。例えば、これらのうちいずかの状態では、いずれの役を当籤役として決定した場合にも実行されるものとし、その他の状態では、通常役を当籤役として決定した場合に実行されるものとしてもよい。また、例えば、同じ状態であっても、ある遊技期間ではいずれの役を当籤役として決定した場合にも実行されるものとし、他の遊技期間では通常役を当籤役として決定した場合に実行されるものとしてもよい。
また、例えば、優遇状態又は非優遇状態のいずれとするかを一遊技単位で制御可能である遊技機である。もっとも、上述の如く、複数遊技単位でそのような優遇制御を行う場合があるようにしてもよいし、一遊技の中の、停止操作単位でもそのような優遇制御を行う場合があるようにしてもよい。
例えば、優遇状態の遊技において、特定態様にて第1停止操作が行われた場合には優遇状態に制御することを決定可能とするが、第2停止操作においてさらに優遇状態に制御するか否かを決定可能とし、ここで優遇状態に制御しないことが決定された場合には非優遇状態に制御されるものとしてもよい。また、例えば、優遇状態の遊技において、特定態様にて第1停止操作が行われなかった場合には非優遇状態に制御することを決定可能とするが、第2停止操作において、例えば、獲得優遇打順とならなかったなどの所定の条件を満たす場合には、優遇状態に制御することを決定可能とし、ここで優遇状態に制御することが決定された場合には優遇状態に制御されるものとしてもよい。
また、例えば、優遇状態の遊技において優遇カウンタの値を1減算し、当該遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合には優遇カウンタの値を1加算する一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には優遇カウンタの値を1加算せず、優遇カウンタの値が1以上である遊技を優遇状態に制御する遊技機である。
また、例えば、優遇状態の遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合であっても優遇カウンタの値を1加算しないときがある遊技機である。
なお、優遇カウンタに替えて、非優遇状態の遊技期間を管理する非優遇カウンタを設けるようにし、優遇状態の遊技において非優遇カウンタの値を1加算し、当該遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合には非優遇カウンタの値を1減算する一方、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には非優遇カウンタの値を1減算せず、非優遇カウンタの値が1以上である遊技を非優遇状態に制御するように構成してもよい。
また、この場合、優遇状態の遊技において、特定態様にて停止操作が行われた場合であっても非優遇カウンタの値を1減算しないときがあるように構成してもよい。
また、例えば、特定待機表示が行われているときに電断が発生した場合、当該電断からの復帰後も特定待機表示を行うことが可能である遊技機である。
また、例えば、特定待機表示が行われているときに設定変更が行われた場合、当該設定変更後も特定待機表示を行うことが可能である遊技機である。
なお、一の状況から他の状況に遷移した場合に特定待機表示を継続させる態様は上述のものに限られない。例えば、遊技が終了され、そのまま所定時間(例えば、30秒)が経過して非遊技状態であると判定された場合、通常であればデモンストレーション画面が表示されることとなるが、特定待機表示が行われていた場合には、デモンストレーション画面に替えて、特定待機表示が継続して表示されるように構成してもよい。また、この場合、例えば、非遊技状態であると判定されてからさらに所定時間(例えば、2時間)が経過した場合には、特定待機表示を行うことを終了し、通常のデモンストレーション画面が表示されるようにしてもよい。
また、例えば、特定演出は、複数遊技にわたって実行される連続演出を含み、優遇状態の遊技において連続演出が実行されているときに、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、当該遊技において特定待機表示を行った後、当該遊技における表示内容の演出を次遊技において再度実行可能である遊技機である。
なお、再度実行するとは、最初から全て実行することのみならず、一部を実行することも含む。また、再度実行する際に調整が必要な場合には、演出の全体構成は変えずに実行時間のみを変えて調整することもできるし、一部について演出内容を省略するあるいは追加するなどして調整することもできる。すなわち、遊技者に違和感を与えることなく、同じ演出が再度実行されたと認識される演出が実行されればよく、必ずしも全く同じ演出でなくともよい。
また、連続演出は、少なくとも関連する演出が複数遊技にわたって実行されるものであればよく、複数遊技を1セットとして所定の情報が報知ないし示唆されるもののみならず、一遊技ごとに所定の情報が報知ないし示唆される演出が複数遊技にわたって実行され得るものを含む。また、必ずしも連続する遊技で実行されるものでなくともよく、例えば、前兆状態などの特定の遊技期間では演出傾向を制御するための演出シナリオ(演出制御状態)が決定され得るものとし、連続しない遊技間においても関連する演出が実行され得るようにした場合には、連続しない遊技間であっても、ある遊技で実行された演出を、その後の遊技で再度実行され得るようにすることもできる。
また、例えば、最初に停止操作が検出されたときに、当該停止操作が特定の表示列(例えば、左リール)に対するものである場合には特定態様となり、当該停止操作が特定の表示列に対するものでない場合には特定態様とならないように構成され、特定演出は、遊技が開始されるときから実行される期待感演出であり、優遇状態の遊技において特定演出が実行される場合に、最初の停止操作が特定の表示列に対するものでなかったときは、そのときから特定待機表示を行う遊技機である。
なお、最初に停止操作が検出されたときとは、第1停止操作が行われたまさにそのとき(ストップボタンが操作されてオン状態となったとき、あるいはストップボタンが操作された後、これがオフ状態となったとき)であってもよいし、第1停止操作後、第2停止操作前の任意のタイミングであってもよい。
また、例えば、AT状態に関連する決定が優遇される優遇状態と、当該優遇状態でない非優遇状態とを有し、少なくともAT状態に制御されていないときに、いずれかの状態に制御可能であり、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、非AT状態であるST中は、通常中(有利区間)よりも遊技者にとって有利であり、かつ、規定期間(例えば、16ゲーム)は継続されるように構成され、当該特定態様にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を優遇状態に制御可能とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、規定期間は、優遇状態であるか否かにかかわらず、1回の遊技が行われることに応じて進行し、ST中の有利度合いは、優遇状態での遊技が行われた場合には有利なものに変動する場合がある一方、非優遇状態での遊技が行われた場合には有利なものに変動する場合はない遊技機である。
なお、ST中は、必ずしも通常中(有利区間)よりも有利な状態でなくともよい。また、このような制御は、通常中(有利区間)やCZ中において行われるものであってもよい。また、この遊技機においても、むろん、上述のものと同様に特定待機表示を行うことが可能であるし、これに関連する種々の制御を行うことが可能である。また、例えば、通常中(有利区間)とST中とで同じ期待感演出が実行され得るように構成したときに、特定待機表示を行う場合には、通常中(有利区間)とST中とで異なる内容の特定待機表示を行うように構成してもよい。
<第1の遊技機(変形例)に係る発明のまとめ(付記)>
以上説明したように、第1の遊技機(変形例)では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
従来の遊技機において、液晶表示部などの演出表示手段を備え、遊技の進行に応じて表示画像を変化させることで演出を行うようにしたものが提案されている(例えば、特開2000-135303号公報参照)。
しかしながら、近年、このような遊技機では、遊技性の多様化にともない、遊技状況に応じてより適切な遊技制御を行うことが求められている。
本発明は、遊技状況に応じた適切な遊技制御を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
複数の識別情報を複数の表示列で変動表示可能な可変表示手段(例えば、変動表示部)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、前記可変表示手段の変動表示を停止させるための停止操作を検出可能な停止操作検出手段(例えば、停止操作検出部)と、前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作検出手段により検出された停止操作態様とに応じて、前記可変表示手段の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知される特別遊技状態(例えば、第1の遊技機(変形例)における第1ボーナス中や第2ボーナス中などのAT状態)に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、第1の遊技機(変形例)において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、前記特別遊技状態に関連する決定が優遇される優遇状態(例えば、第1の遊技機(変形例)における優遇状態)と、当該優遇状態でない非優遇状態(例えば、第1の遊技機(変形例)における非優遇状態)とを有し、少なくとも前記特別遊技状態に制御されていないときに、いずれかの状態に制御可能な優遇制御手段(例えば、第1の遊技機(変形例)において優遇制御を行うメインCPU101)と、特定演出(例えば、第1の遊技機(変形例)における期待感演出)を含む複数の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、メイン演出表示部21)と、を備え、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、前記優遇制御手段は、前記特定態様にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を前記優遇状態に制御可能とし、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を前記非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、前記特定演出は、遊技の進行に応じて表示内容が進行する演出であり、少なくとも一部の表示内容が異なる複数種類があり、前記演出実行手段は、前記優遇状態の遊技において前記特定演出が実行されているときに、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、実行されている前記特定演出の種類に応じた特定待機表示を行うことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、遊技価値の付与期待値が低くなる特定態様にて停止操作が行われた場合には優遇状態に制御され、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には非優遇状態に制御されることを可能とし、特定演出が実行されているときに、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には実行されている特定演出の種類に応じた特定待機表示を行うことを可能としている。したがって、特に演出面において、遊技状況に応じた適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、少なくとも前記役決定手段が通常役を当籤役として決定した場合に前記優遇制御を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技機の特性をふまえ、適切な遊技状況において優遇制御を行うことを可能としている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、前記役決定手段がいずれの役を当籤役として決定した場合にも前記優遇制御を実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技機の特性をふまえ、適切な遊技状況において優遇制御を行うことを可能としている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、前記優遇状態又は前記非優遇状態のいずれとするかを一遊技単位で制御可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、遊技者が過度に有利又は不利となる状況の発生を抑制し、よりきめ細かい優遇制御を行うことを可能としている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、前記優遇状態とする遊技期間を管理するカウンタ(例えば、優遇カウンタ)を有し、前記優遇状態の遊技において前記カウンタの値を1減算し、当該遊技において、前記特定態様にて停止操作が行われた場合には前記カウンタの値を1加算する一方、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には前記カウンタの値を1加算せず、前記カウンタの値が1以上である遊技を前記優遇状態に制御することを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、よりきめ細かい優遇制御を行うことを可能としつつ、これによって制御負荷が過度に増大してしまうことを防止できるようにしている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記優遇制御手段は、前記優遇状態の遊技において、前記特定態様にて停止操作が行われた場合であっても前記カウンタの値を1加算しないときがあることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、よりきめ細かい優遇制御を行うことを可能としつつ、遊技性が単調となってしまうことを防止できるようにしている。したがって、遊技性を多様なものとして遊技の興趣を高めつつ、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記特定待機表示が行われているときに電断が発生した場合、当該電断からの復帰後も前記特定待機表示を行うことが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、電断が発生し、これから復帰した場合であっても、特定待機表示によって非優遇状態に制御されることを遊技者に示すことができるため、特に演出面において、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記特定待機表示が行われているときに設定変更が行われた場合、当該設定変更後も前記特定待機表示を行うことが可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、設定変更が行われた場合であっても、特定待機表示によってこれを見抜きにくくすることができるため、特に演出面において、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記特定演出は、複数遊技にわたって実行される連続演出を含み、前記演出実行手段は、前記優遇状態の遊技において前記連続演出が実行されているときに、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、当該遊技において前記特定待機表示を行った後、当該遊技における表示内容の演出を次遊技において再度実行可能であることを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特定態様にて停止操作が行われずに特定待機表示が行われた場合であっても、その後特定態様にて停止操作が行われた場合には当該演出が再度進行されるように制御することを可能としている。したがって、優遇制御によって遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、特に演出面において、より適切な遊技制御を行うことができる。
前記停止操作検出手段により最初に停止操作が検出されたときに、当該停止操作が特定の表示列(例えば、左リール)に対するものである場合には前記特定態様となり、当該停止操作が前記特定の表示列に対するものでない場合には前記特定態様とならないように構成され、前記特定演出は、遊技が開始されるときから実行される期待感演出であり、前記演出実行手段は、前記優遇状態の遊技において前記特定演出が実行される場合に、最初の停止操作が前記特定の表示列に対するものでなかったときは、そのときから前記特定待機表示を行うことを特徴とする上記に記載の遊技機である。
この遊技機によれば、特定態様にて停止操作が行われなかった場合には、それが確定したときから特定待機表示が行われ得るため、遊技者の期待感を無用に引き延ばして興趣の低下につながってしまうことを防止しつつ、遊技者に優遇状態に制御されない停止操作であったことをより適切な態様で報せることを可能としている。したがって、特に演出面において、より適切な遊技制御を行うことができる。
複数の識別情報を複数の表示列で変動表示可能な可変表示手段(例えば、変動表示部)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、前記可変表示手段の変動表示を停止させるための停止操作を検出可能な停止操作検出手段(例えば、停止操作検出部)と、前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作検出手段により検出された停止操作態様とに応じて、前記可変表示手段の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知される特別遊技状態(例えば、第1の遊技機(変形例)における第1ボーナス中や第2ボーナス中などのAT状態)と、遊技者にとって有利な停止操作態様が報知されない通常遊技状態(例えば、第1の遊技機(変形例)における通常中(有利区間))及び特定遊技状態(例えば、第1の遊技機(変形例)におけるST中)とを有し、いずれかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、第1の遊技機(変形例)において各遊技状態を制御するメインCPU101)と、前記特別遊技状態に関連する決定が優遇される優遇状態(例えば、第1の遊技機(変形例)における優遇状態)と、当該優遇状態でない非優遇状態(例えば、第1の遊技機(変形例)における非優遇状態)とを有し、少なくとも前記特別遊技状態に制御されていないときに、いずれかの状態に制御可能な優遇制御手段(例えば、第1の遊技機(変形例)において優遇制御を行うメインCPU101)と、を備え、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合よりも付与される遊技価値の期待値が低くなるように構成され、前記特定遊技状態は、前記通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として構成されるとともに、前記特定遊技状態に制御された場合、特定の遊技期間(例えば、規定期間)は当該特定遊技状態が継続されるように構成され、前記優遇制御手段は、前記特定態様にて停止操作が行われた場合に少なくとも次遊技を前記優遇状態に制御可能とし、前記特定態様にて停止操作が行われなかった場合に少なくとも次遊技を前記非優遇状態に制御可能とする優遇制御を実行可能であり、前記特定の遊技期間を管理する第1管理手段(例えば、STゲーム数カウンタ)と、前記特定遊技状態の有利度合いを管理する第2管理手段(例えば、MAPゲーム数カウンタ)と、をさらに備え、前記第1管理手段は、前記特定遊技状態において、前記優遇状態であるか否かにかかわらず、1回の遊技が行われることに応じて前記特定の遊技期間を進行させ、前記第2管理手段は、前記特定遊技状態において、前記優遇状態での遊技が行われた場合には前記特定遊技状態の有利度合いを有利なものに変動可能とする一方、前記非優遇状態での遊技が行われた場合には前記特定遊技状態の有利度合いを有利なものに変動可能とはしないことを特徴とする遊技機である。
この遊技機によれば、遊技価値の付与期待値が低くなる特定態様にて停止操作が行われた場合には優遇状態に制御され、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には非優遇状態に制御されることを可能とし、特定遊技状態においては、優遇状態であるか否かにかかわらずその遊技期間を進行させる一方、その有利度合いについては優遇状態での遊技が行われた場合にのみ有利となり得るように構成している。すなわち、例えば、遊技者が敢えて特定態様にて停止操作を行わないようにしたとしても、それによって特定遊技状態が引き延ばされたり、そのような遊技者が有利となったりする状況が発生することを防止できるようになっている。したがって、遊技状況に応じた適切な遊技制御を行うことができる。
[第13実施形態]
以上、第1実施形態~第12実施形態について説明した。以下、第13実施形態について説明する。第13実施形態に係るパチスロ機1の基本的な構成は、第1実施形態~第12実施形態に係るパチスロ機1と同じである。以下においては、第1実施形態~第12実施形態に係るパチスロ機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態~第12実施形態における説明が第13実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
なお、以上の説明において、例えば、「第1実施形態では、~」や「第1実施形態のパチスロ機1では、~」のように、第1実施形態に係るパチスロ機1に限定されるような記載であったとしても、第13実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第13実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。同様に、以上の説明において、第2実施形態~第12実施形態に係るパチスロ機1に限定するような記載についても、第13実施形態における趣旨を逸脱しない範囲で、第13実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。従って、第1実施形態~第12実施形態に示した各構成(変形例で示した各構成及び拡張例で示した各構成も含む)を、第13実施形態で示した構成と部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能である。
また、第1実施形態~第12実施形態に係るパチスロ機1と異なる形状であったとしても、同様の機能を有する構成については、便宜上、同じ符号を付している場合がある。また、第1実施形態~第12実施形態に係るパチスロ機1と同じ形状や同じ処理であったとしても、便宜上、異なる符合やステップ番号を付している場合もある。
<遊技状態の遷移フロー>
図423(a)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。図423(b)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。
第1実施形態で説明したように、パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。本実施形態では、図423(a)に示すような遊技状態が主制御回路100によって管理されている。このような遊技状態としては、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態、及び、ボーナス状態が設けられている。
ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤であり、かつ、ボーナスが作動(入賞)していない状態である。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態、すなわち、ボーナス役が当籤し、かつ、ボーナスが作動していない状態である。ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。第1実施形態で説明したように、フラグ間状態は、持越状態、(ボーナス)フラグ間、(ボーナス)内部中等と称されることもある。ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。
本実施形態では、ボーナス状態として、3BB遊技状態が設けられている。3BB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_3BB」が設けられている(図426A~図426E参照)。また、フラグ間状態として、3BBフラグ間状態が設けられている。
3BBフラグ間状態は、RT状態(RT1遊技状態)として構成されている。第1実施形態で説明したように、RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。ボーナス非当籤状態は、非RT状態(RT0遊技状態)として構成されている。
図423(a)及び図423(b)を参照して具体的に説明すると、ボーナス非当籤状態において、「F_3BB」が内部当籤役として決定されると(内部当籤すると)、主制御回路100は、ボーナス非当籤状態から3BBフラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。
「F_3BB」(3BB)は、持越役である(図18参照)。3BBが内部当籤すると、3BBに対応する図柄の組合せ(図425Aに示す「C_3BB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(3BBが入賞するまで)、3BBが内部当籤した状態が持ち越される。3BBフラグ間状態は、3BBが内部当籤した状態が持ち越されている状態である。
3BBフラグ間状態において、「C_3BB」に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って停止表示されると(3BBが入賞すると)、主制御回路100は、3BBフラグ間状態から3BB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。3BB遊技状態において規定枚数(55枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路100は、3BB遊技状態からボーナス非当籤状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。
<図柄配置テーブル>
図424(a)は、図柄配置テーブルを示す図である。
図424(a)に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C、及び、右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列を表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」~「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」~「19」は、左リール3L、中リール3C、及び、右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」~「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。図柄の種類としては、「ブイ」、「セブン」、「バー」、「スイカ」、「チェリー」、「ベルA」、「ベルB」、「リプA」、「リプB」、及び、「ブランク」を含んでいる。
<図柄コード表>
図424(b)は、図柄コード表を示す図である。
図424(b)に示すように、各リール3L,3C,3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、本実施形態においては、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図424(b)に示す図柄コード表は、3つのリール3L,3C,3Rの表面に配された図柄を特定するためのデータとしての図柄コードを表している。
例えば、図424(a)に示した図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C、及び、右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列を表すものとして説明したが、実際にメインROM102に記憶されている図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C、及び、右リール3Rの各々の表面に配されている図柄を特定する図柄コードの配列を表している。
本実施形態において、パチスロ機1で用いる図柄は、上述のように、「ブイ」、「セブン」、「バー」、「スイカ」、「チェリー」、「ベルA」、「ベルB」、「リプA」、「リプB」、及び、「ブランク」の10種類である。図柄コード表では、「ブイ」、「セブン」、「バー」、「スイカ」、「チェリー」、「ベルA」、「ベルB」、「リプA」、「リプB」、及び、「ブランク」の各図柄に対する図柄コードとして「1」から「10」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
図425A及び図425Bは、図柄組合せテーブルを示す図である。
図柄組合せテーブルは、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)と、当該図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に払い出されるメダルの枚数(払出枚数)との対応関係を規定している。図柄組合せ(コンビネーション)については、左リール3Lにおける図柄、中リール3Cにおける図柄、及び、右リール3Rにおける図柄を、左から順に示している。各コンビネーションに対して付された名称も併せて示している。
メダルの払出枚数については、1枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数(1枚掛け時の払出)、2枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数(2枚掛け時の払出)、及び、3枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数(3枚掛け時の払出)をそれぞれ示している。本明細書では、1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技を1枚掛け遊技と呼び、2枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技を2枚掛け遊技と呼び、3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技を3枚掛け遊技と呼ぶ場合がある。本実施形態では、各遊技状態において投入可能なメダルの枚数が3枚として設定されている。
有効ラインとしては、左リール3Lの上段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの下段領域を結ぶ擬似的なライン(上段-中段-下段)が設定されている。第1実施形態で説明したように、有効ラインは、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされた場合に有効化される。
図425A及び図425Bに示す図柄組合せテーブルは、13バイトで表される格納領域識別データによって識別される図柄の組合せ(「コンビネーション」)と、1枚掛け、2枚掛け、乃至、3枚掛け時に有効ライン上にコンビネーションが表示された場合におけるメダルの各払出枚数とが対応付けられている。
図中、複数のコンビネーションを纏めて示しているものがある。例えば、「C_外しリプB_01~02」は、「C_外しリプB_01」及び「C_外しリプB_02」という2つのコンビネーションにより構成されている。「C_外しリプB_01」と呼ばれるコンビネーションは、「ブイ-リプA-バー」という図柄組合せに対応しており、「C_外しリプB_02」と呼ばれるコンビネーションは、「ブイ-リプA-チェリー」という図柄組合せに対応している。これらのコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合、メダルの払出はないが、再遊技が作動する。
同様に、「C_321ベルB_01~06」は、「C_321ベルB_01」~「C_321ベルB_06」という6つのコンビネーションにより構成されている。図中、「C_321ベルB_01~06」に対しては、左リール3Lにおける図柄として3種類の図柄(「セブン」、「ブイ」、及び、「チェリー」)が規定され、中リール3Cにおける図柄として2種類の図柄(「ベルB」及び「ベルA」)が規定され、右リール3Rにおける図柄として1種類の図柄(「ベルA」)が規定されている。これにより、「C_321ベルB_01~06」は、3×2×1=6つのコンビネーションを含むことになる。これらのコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合には、15枚のメダルが払い出される。
また、「C_3BB」と呼ばれる「ブイ-リプB-ブイ」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、遊技状態が3BB遊技状態に移行する。
なお、図中、「REP」は、入賞時にリプレイ(再遊技)を作動させるコンビネーションを示し、「FRU」は、入賞時にメダルが払い出されるコンビネーションを示し、「BB」は、入賞時にBB遊技状態(3BB遊技状態)を作動させるコンビネーションを示している(図11~図14参照)。
<フラグ別コンビネーションテーブル>
図426A~図426Eは、フラグ別コンビネーションテーブルを示す図である。
フラグ別コンビネーションテーブルは、各種内部当籤役と有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)との対応関係を規定している。これにより、内部当籤役が決定されると、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せの種別(入賞可能な表示役の種別)が一義的に決定されることになる。
具体的に、図426A~図426Eに示すフラグ別コンビネーションテーブルは、内部当籤役に対応して有効ライン上に表示させることが許可されるコンビネーションを示している。本実施形態における内部当籤役としては、「F_3BB」、「F_リプレイA」、「F_リプレイB」、「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_213ベルC」、「F_213ベルD」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_231ベルC」、「F_231ベルD」、「F_312ベルA」、「F_312ベルB」、「F_312ベルC」、「F_312ベルD」、「F_321ベルA」、「F_321ベルB」、「F_321ベルC」、「F_321ベルD」、「F_共通ベルA」、「F_共通ベルB」、「F_1枚役A」、「F_1枚役B」、「F_チェリー」、「F_平行スイカ」、「F_斜めスイカ」、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、「F_BB確定役B」、「F_共通1枚役」、及び、「F_共通15枚役」がある。
例えば、内部当籤役が「F_3BB」である場合には、「C_3BB」を有効ライン上に表示させることが許可される。すなわち、内部当籤役が「F_3BB」である場合には、BB(3BB)に内部当籤していることを表す。
また、内部当籤役が「F_リプレイB」である場合には、「C_外しリプB_01~02」、「C_外しリプA_01~02」、「C_中段リプA_01~04」、「C_下段リプA_01~06」、「C_CUリプ_01~03」、「C_上段リプB_01~06」、「C_上段リプA_01~03」、及び、「C_CDリプ_01~04」を有効ライン上に表示させることが許可される。
また、内部当籤役が「F_213ベルA」である場合には、「C_一枚役C6_01~02」、「C_一枚役C2_01~02」、「C_一枚役C1_01~02」、「C_中右一枚B_01~04」、「C_中右一枚A_01~04」、「C_制御役E1_01~02」、「C_制御役D6_01~02」、「C_制御役D5_01~02」、「C_制御役D1_01~02」、「C_制御役B3_01~02」、「C_制御役B2_01~02」、「C_制御役B1_01~02」、「C_制御役A4_01~02」、「C_制御役A2_01~02」、「C_制御役A1_01~02」、及び、「C_213ベルA_01~03」を有効ライン上に表示させることが許可される。
<内部抽籤テーブル>
本実施形態に係る内部抽籤テーブルとしては、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)において参照される内部抽籤テーブル(図427参照)と、3BBフラグ間状態(RT1遊技状態)において参照される内部抽籤テーブル(図428(a)参照)と、BB遊技状態(3BB遊技状態)において参照される内部抽籤テーブル(図428(b)参照)と、が設けられている。
図427は、RT0遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図428(a)は、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図428(b)は、BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
図427及び図428に示す複数の内部抽籤テーブルは、各遊技状態及び各投入枚数に対応してメインROM102に記憶され、設定1~6ごとに分母を65536とした各フラグの当籤確率を示している。例えば、図427では、「F_213ベルA」に抽籤値「4308」が規定されている。これにより、「F_213ベルA」が内部当籤する確率は「4308/65536」となっている。
「F_3BB」が内部当籤する場合としては、「F_3BB」が単独で内部当籤する場合と、「F_3BB」が他の内部当籤役と重複して内部当籤する場合と、が設けられている。図427及び図428では、「F_3BB」が単独で内部当籤する場合を「F_3BB」と表記し、「F_3BB」が他の内部当籤役と重複して内部当籤する場合を「F_3BB+(他の内部当籤役)」と表記している。
図427に示すように、RT0遊技状態において、「F_共通ベルB」、「F_1枚役A」、「F_1枚役B」、「F_チェリー」、「F_平行スイカ」、「F_斜めスイカ」、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」は、「F_3BB」と重複して内部当籤することが可能となっている。また、「F_共通ベルB」、「F_1枚役A」、「F_1枚役B」、「F_チェリー」、「F_平行スイカ」、「F_斜めスイカ」、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」が内部当籤した場合には、必ず、「F_3BB」が内部当籤している。
上述したように、RT1遊技状態では、「F_3BB」が既に内部当籤している。従って、図428(a)に示すように、RT1遊技状態においては、「F_共通ベルB」、「F_1枚役A」、「F_1枚役B」、「F_チェリー」、「F_平行スイカ」、「F_斜めスイカ」、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」以外の内部当籤役についても、「F_3BB」と重複して内部当籤することとされている。なお、RT1遊技状態では、「はずれ」のみが当籤することはないので、「はずれ」には抽籤値「0」が規定されている。
なお、図427及び図428に示した各当籤役の抽籤値は、全設定で共通の値となっているが、一部又は全部の当籤役について設定差を設けても良い。
<内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係>
図429は、内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。
第1実施形態では、各内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明した(図15参照)。本実施形態では、内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係が図429に示すように構成されている。
図中、「1→2→3」は、左リール3Lに対する停止操作が第1停止操作として行われ、中リール3Cに対する停止操作が第2停止操作として行われ、右リール3Rに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順1)を示している。「1→3→2」は、左リール3Lに対する停止操作が第1停止操作として行われ、右リール3Rに対する停止操作が第2停止操作として行われ、中リール3Cに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順2)を示している。
「2→1→3」は、中リール3Cに対する停止操作が第1停止操作として行われ、左リール3Lに対する停止操作が第2停止操作として行われ、右リール3Rに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順3)を示している。「2→3→1」は、中リール3Cに対する停止操作が第1停止操作として行われ、右リール3Rに対する停止操作が第2停止操作として行われ、左リール3Lに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順4)を示している。
「3→1→2」は、右リール3Rに対する停止操作が第1停止操作として行われ、左リール3Lに対する停止操作が第2停止操作として行われ、中リール3Cに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順5)を示している。「3→2→1」は、右リール3Rに対する停止操作が第1停止操作として行われ、中リール3Cに対する停止操作が第2停止操作として行われ、左リール3Lに対する停止操作が第3停止操作として行われる場合(打順6)を示している。
具体的に、「F_リプレイA」が内部当籤役として決定された場合には、打順1又は打順2により停止操作が行われると、「通常リプ」が有効ラインに沿って表示され、打順3~打順6のうちの何れかにより停止操作が行われると、目押し成功で「外しリプ」が有効ラインに沿って表示され、目押し失敗で「通常リプ」が有効ラインに沿って表示される。同様に、「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合には、打順1又は打順2により停止操作が行われると、「通常リプ」が有効ラインに沿って表示され、打順3~打順6のうちの何れかにより停止操作が行われると、目押し成功で「外しリプ」が有効ラインに沿って表示され、目押し失敗で「通常リプ」が有効ラインに沿って表示される。
「通常リプ」は、「C_中段リプA_01~04」、「C_下段リプA_01~06」、「C_CUリプ_01~03」、「C_上段リプB_01~06」、「C_上段リプA_01~03」、及び、「C_CDリプ_01~04」(図425A参照)の総称である。「外しリプ」は、「C_外しリプB_01~02」及び「C_外しリプA_01~02」(図425A参照)の総称である。
図426Eに示すように、内部当籤役が「F_リプレイA」である場合と内部当籤役が「F_リプレイB」である場合とでは、有効ライン上に表示させることが許可される「外しリプ」の内容が異なっている。具体的に、上述したように、内部当籤役が「F_リプレイB」である場合には、「外しリプ」として、「C_外しリプB_01~02」及び「C_外しリプA_01~02」を有効ライン上に表示させることが許可される。これに対し、内部当籤役が「F_リプレイA」である場合には、「外しリプ」として、「C_外しリプA_01~02」を有効ライン上に表示させることが許可されるが、「C_外しリプB_01~02」を有効ライン上に表示させることは許可されない。このことが疑似BIG(図430参照)の遊技性に関わっている。詳細については後述する。
また、「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_213ベルC」、及び、「F_213ベルD」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合には、打順3により停止操作が行われると、目押し成功で15枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示され、目押し失敗で1枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示され、打順3以外の打順により停止操作が行われると、目押しにかかわらず1枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示される。
また、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_231ベルC」、及び、「F_231ベルD」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合には、打順4により停止操作が行われると、目押し成功で15枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示され、目押し失敗で1枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示され、打順4以外の打順により停止操作が行われると、目押しにかかわらず1枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示される。
また、「F_312ベルA」、「F_312ベルB」、「F_312ベルC」、及び、「F_312ベルD」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合には、打順5により停止操作が行われると、目押し成功で15枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示され、目押し失敗で1枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示され、打順5以外の打順により停止操作が行われると、目押しにかかわらず1枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示される。
また、「F_321ベルA」、「F_321ベルB」、「F_321ベルC」、及び、「F_321ベルD」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合には、打順6により停止操作が行われると、目押し成功で15枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示され、目押し失敗で1枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示され、打順6以外の打順により停止操作が行われると、目押しにかかわらず1枚のメダルが払い出されるコンビネーションが有効ラインに沿って表示される。
このように、「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_213ベルC」、「F_213ベルD」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_231ベルC」、「F_231ベルD」、「F_312ベルA」、「F_312ベルB」、「F_312ベルC」、「F_312ベルD」、「F_321ベルA」、「F_321ベルB」、「F_321ベルC」、及び、「F_321ベルD」は、各リール3L,3C,3Rに対する停止操作の順序(押し順)に応じて、有効ラインに沿って停止表示されるコンビネーション(図柄の組合せ)が異なる内部当籤役(押し順ベル)となっている。押し順ベルが内部当籤役として決定された場合には、押し順が正解であり、且つ、目押しが成功であれば、15枚のメダルが払い出されることになる。
なお、「F_平行スイカ」、「F_斜めスイカ」、「F_チェリー」、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合には、打順1又は打順2により停止操作が行われた場合と、打順3~打順6のうちの何れかにより停止操作が行われた場合とで、有効ラインに沿って停止表示されるコンビネーションが異なっている。
例えば、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、及び、「F_リーチ目役C」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合には、打順1又は打順2により停止操作が行われると、「リーチ目一枚」が有効ラインに沿って表示され、打順3~打順6のうちの何れかにより停止操作が行われると、「通常出目一枚」が有効ラインに沿って表示される。「リーチ目一枚」は、図425A及び図425Bに示す図柄組合せのうち「リーチ目」という単語を含むものの総称である。「リーチ目一枚」は、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、及び、「F_リーチ目役C」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合にのみ有効ラインに沿って表示され得る図柄組合せとなっている。
また、「F_BB確定役A」及び「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合には、打順1又は打順2により停止操作が行われると、「BB確定リーチ一枚」が有効ラインに沿って表示され、打順3~打順6のうちの何れかにより停止操作が行われると、「通常出目一枚」が有効ラインに沿って表示される。「BB確定リーチ一枚」は、図425A及び図425Bに示す図柄組合せのうち「BB確定役」という単語を含むものの総称である。「BB確定リーチ一枚」は、「F_BB確定役A」及び「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合にのみ有効ラインに沿って表示され得る図柄組合せとなっている。
<遊技性>
図430は、本発明の一実施形態に係る非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図である。図431は、本発明の一実施形態に係る出玉状態の移行遷移を示す図である。図432は、本発明の一実施形態に係る出玉状態の移行条件をまとめた表である。
第13実施形態に係るパチスロ機1では、主制御回路100において、図423に示す遊技状態とは別途、図430に示す遊技状態(出玉状態)が管理されている。図430に示すように、出玉状態は、非有利区間及び有利区間に大別される。
第1実施形態で説明したように、有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)に制御可能な遊技期間である(図5参照)。有利区間としては、演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・AT状態)が設けられている。演出区間は、基本的には遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、AT状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態である点においては非有利区間と同様であるが、出玉状態の移行が行われる点において非有利区間と異なっている。増加区間は、AT状態(遊技者にとって有利な遊技状態)である。
演出区間においては、通常ステージ、チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、及び、昇格チャンスのうちの何れかの出玉状態に制御可能となっている。通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージBを総称して、通常出玉状態と表記することとする。また、増加区間においては、疑似BIG及び疑似REGのうちの何れかの出玉状態に制御可能となっている。各出玉状態の特徴については、以下で詳述する。
図431及び図432に示すように、非有利区間において、有利区間移行抽籤(図435のステップS4001参照)に当籤し、有利区間移行時抽籤(図435のステップS4003参照)の結果、連荘準備に移行させることが決定されると、主制御回路100は、非有利区間から連荘準備へと出玉状態を移行させる(移行条件(A)参照)。また、非有利区間において、有利区間移行抽籤(図435のステップS4001参照)に当籤し、有利区間移行時抽籤(図435のステップS4003参照)の結果、連荘チャレンジに移行させることが決定されると、主制御回路100は、非有利区間から連荘チャレンジへと出玉状態を移行させる(移行条件(B)参照)。
連荘準備において連荘準備転落抽籤(図437のステップS4031参照)に当籤すると、主制御回路100は、連荘準備から通常ステージへと出玉状態を移行させる(移行条件(C)参照)。連荘準備において連荘チャレンジ移行抽籤(図437のステップS4027参照)に当籤すると、主制御回路100は、連荘準備から連荘チャレンジへと出玉状態を移行させる(移行条件(D)参照)。
通常ステージにおいて、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤(図445のステップS4082参照)の結果、チャンスステージAに移行させることが決定されると、主制御回路100は、前兆状態を経由して、通常ステージからチャンスステージAへと出玉状態を移行させる(移行条件(E)参照)。チャンスステージAにおいて、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤(図468のステップS4303参照)により決定された回数の単位遊技が行われると、主制御回路100は、チャンスステージAから通常ステージへと出玉状態を移行させる(移行条件(F)参照)。
通常ステージにおいて、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤(図445のステップS4082参照)の結果、チャンスステージBに移行させることが決定されると、主制御回路100は、前兆状態を経由して、通常ステージからチャンスステージBへと出玉状態を移行させる(移行条件(G)参照)。チャンスステージBにおいて、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤(図468のステップS4303参照)により決定された回数の単位遊技が行われると、主制御回路100は、チャンスステージBから通常ステージへと出玉状態を移行させる(移行条件(H)参照)。
通常ステージにおいて、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤(図445のステップS4082参照)の結果、昇格チャンスに移行させることが決定されると、主制御回路100は、前兆状態を経由して、通常ステージから昇格チャンスへと出玉状態を移行させる(移行条件(I)参照)。また、チャンスステージAにおいて、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤(図468のステップS4306参照)の結果、昇格チャンスに移行させることが決定されると、主制御回路100は、前兆状態を経由して、チャンスステージAから昇格チャンスへと出玉状態を移行させる(移行条件(I)参照)。また、チャンスステージBにおいて、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤(図468のステップS4306参照)の結果、昇格チャンスに移行させることが決定されると、主制御回路100は、前兆状態を経由して、チャンスステージBから昇格チャンスへと出玉状態を移行させる(移行条件(I)参照)。
また、通常ステージにおいて、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤(図445のステップS4082参照)の結果、疑似BIGに移行させることが決定されると、主制御回路100は、前兆状態を経由して、通常ステージから疑似BIGへと出玉状態を移行させる(移行条件(J)参照)。また、チャンスステージAにおいて、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤(図468のステップS4306参照)の結果、疑似BIGに移行させることが決定されると、主制御回路100は、前兆状態を経由して、チャンスステージAから疑似BIGへと出玉状態を移行させる(移行条件(J)参照)。また、チャンスステージBにおいて、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤(図468のステップS4306参照)の結果、疑似BIGに移行させることが決定されると、主制御回路100は、前兆状態を経由して、チャンスステージBから疑似BIGへと出玉状態を移行させる(移行条件(J)参照)。
昇格チャンスにおいて、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果、疑似BIGに移行させることが決定されると、主制御回路100は、昇格チャンスから疑似BIGへと出玉状態を移行させる(移行条件(K)参照)。昇格チャンスにおいて、疑似BIGに移行させることが決定されずに、単位遊技が所定回数(4回)行われると、主制御回路100は、昇格チャンスから疑似REGへと出玉状態を移行させる(移行条件(L)参照)。
疑似BIGにおいて、連荘チャレンジ抽籤(図486のステップS4408参照)に当籤すると、疑似BIGの終了条件が成立したときに、主制御回路100は、疑似BIGから連荘チャレンジへと出玉状態を移行させる(移行条件(M)参照)。疑似REGにおいて、連荘チャレンジ抽籤(図494のステップS4483参照)に当籤すると、疑似REGの終了条件が成立したときに、主制御回路100は、疑似REGから連荘チャレンジへと出玉状態を移行させる(移行条件(M)参照)。疑似BIGの終了条件及び疑似REGの終了条件については、後に図433を用いて説明する。
疑似REGにおいて、1G連抽籤(図494のステップS4484参照)に当籤すると、疑似REGの終了条件が成立したときに、主制御回路100は、疑似REGから疑似BIGへと出玉状態を移行させる(移行条件(N)参照)。なお、疑似BIGにおいて、1G連抽籤(図485のステップS4384参照)に当籤すると、疑似BIGの終了条件が成立したときに、主制御回路100は、出玉状態を再度疑似BIGに制御する。
連荘チャレンジにおいて、連荘チャレンジ中抽籤(図498のステップS4525参照)の結果、昇格チャンスに移行させることが決定されると、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤(図498のステップS4523参照)により決定された回数の単位遊技が行われたときに、主制御回路100は、連荘チャレンジから昇格チャンスへと出玉状態を移行させる(移行条件(O)参照)。連荘チャレンジにおいて、連荘チャレンジ中抽籤(図498のステップS4525参照)の結果、疑似BIGに移行させることが決定されると、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤(図498のステップS4523参照)により決定された回数の単位遊技が行われたときに、主制御回路100は、連荘チャレンジから疑似BIGへと出玉状態を移行させる(移行条件(P)参照)。
連荘チャレンジにおいて、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤(図498のステップS4528参照)の結果、非有利区間に移行させることが決定されると、主制御回路100は、連荘チャレンジから非有利区間へと出玉状態を移行させる(移行条件(Q)参照)。連荘チャレンジにおいて、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤(図498のステップS4528参照)の結果、連荘準備に移行させることが決定されると、主制御回路100は、連荘チャレンジから連荘準備へと出玉状態を移行させる(移行条件(R)参照)。
以上では、各出玉状態の移行ルートとして代表的なものについて説明した。本実施形態では、出玉状態の移行条件として、上記移行条件(A)~(R)以外の条件も設けられており、各移行条件が成立した場合に、一の出玉状態から他の出玉状態へと移行するようになっている。以下、より詳細に説明する。
なお、演出区間は、遊技者にとって不利な状態(メダル等の遊技価値が減少する状態)とすることが可能であるが、遊技者に有利な停止操作の情報の一部(例えば、特定の打順役の正解打順や揃えるべきボーナス図柄組合せなど)を報知可能な状態としてもよい。
<AT状態(疑似BIG及び疑似REG)>
図433(a)は、疑似BIG及び疑似REGにおいて指示モニタに表示される数値を示す図である。図433(b)は、指示モニタに表示される数値に対応する内容を示す図である。
第1実施形態で説明したように、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(AT状態)においては、副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。第1実施形態と同様に、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。
図433(a)に示すように、疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_213ベルA」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「1」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_213ベルB」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「5」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_213ベルC」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「1」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_213ベルD」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「5」が表示される。
また、疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_231ベルA」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「2」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_231ベルB」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「6」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_231ベルC」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「2」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_231ベルD」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「6」が表示される。
また、疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_312ベルA」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「3」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_312ベルB」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「7」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_312ベルC」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「3」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_312ベルD」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「7」が表示される。
また、疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_321ベルA」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「4」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_321ベルB」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「8」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_321ベルC」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「4」が表示される。疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_321ベルD」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「8」が表示される。
図433(b)に示すように、指示モニタの数値「1」により、第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作を「セブン」を狙った目押しで行い、第2停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行い、第3停止操作として右リール3Rに対する停止操作を行うことが報知される。指示モニタの数値「2」により、第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作を「セブン」を狙った目押しで行い、第2停止操作として右リール3Rに対する停止操作を行い、第3停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行うことが報知される。
指示モニタの数値「3」により、第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作を「セブン」を狙った目押しで行い、第2停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行い、第3停止操作として中リール3Cに対する停止操作を行うことが報知される。指示モニタの数値「4」により、第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作を「セブン」を狙った目押しで行い、第2停止操作として中リール3Cに対する停止操作を行い、第3停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行うことが報知される。
指示モニタの数値「5」により、第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作を「ブイ」を狙った目押しで行い、第2停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行い、第3停止操作として右リール3Rに対する停止操作を行うことが報知される。指示モニタの数値「6」により、第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作を「ブイ」を狙った目押しで行い、第2停止操作として右リール3Rに対する停止操作を行い、第3停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行うことが報知される。
指示モニタの数値「7」により、第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作を「ブイ」を狙った目押しで行い、第2停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行い、第3停止操作として中リール3Cに対する停止操作を行うことが報知される。指示モニタの数値「8」により、第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作を「ブイ」を狙った目押しで行い、第2停止操作として中リール3Cに対する停止操作を行い、第3停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行うことが報知される。
以上のように、疑似BIG及び疑似REGにおいて、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに「1」~「8」のうちの何れかの数値が表示される。指示モニタに「1」~「8」のうちの何れかの数値が表示されること(押し順ベルを入賞させるための停止操作の情報が報知されること)を「ベルナビ」とも呼ぶ。遊技者は、報知(ベルナビ)に従った停止操作を行うことで、15枚のメダルを獲得することができる(図429参照)。これにより、疑似BIG及び疑似REGは、遊技者にとって有利な遊技状態(AT状態)となっている。また、以下で説明するように、疑似BIGは、疑似REGと比較してベルナビが行われる回数が多く、疑似REGよりも有利な遊技状態となっている。
ここで、疑似BIGとしては、第1疑似BIG及び第2疑似BIGが設けられている。疑似BIGが開始するときには、第1疑似BIGに制御される。第1疑似BIGにおいて、「C_中段リプA_01~04」、「C_下段リプA_01~06」、「C_CUリプ_01~03」、「C_上段リプB_01~06」、「C_上段リプA_01~03」、及び、「C_CDリプ_01~04」のうちの何れか(通常リプ)が有効ラインに沿って表示されると、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行する。
1回の疑似BIGにおいて第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行可能な回数には上限が設けられており、当該上限回数は3回となっている。第1疑似BIGから第2疑似BIGへの移行回数(通常リプの入賞回数)が2回以下である場合、第2疑似BIGにおいて所定回数(9回)のベルナビが行われると、第2疑似BIGから第1疑似BIGへと移行する。一方、第1疑似BIGから第2疑似BIGへの移行回数(通常リプの入賞回数)が3回である場合、第2疑似BIGにおいて所定回数(9回)のベルナビが行われると、第2疑似BIGから第1疑似BIGに移行することなく、疑似BIGが終了する。
また、第1疑似BIGにおいて所定回数(30回)のベルナビが行われると、第1疑似BIGから第2疑似BIGへの移行回数(通常リプの入賞回数)にかかわらず、疑似BIGが終了する。また、疑似REGにおいて所定回数(5回)のベルナビが行われると、疑似REGが終了する。
第1疑似BIGにおいて実行可能なベルナビの残り回数は、第1ベルナビ回数カウンタにより管理され、第2疑似BIGにおいて実行可能なベルナビの残り回数及び疑似REGにおいて実行可能なベルナビの残り回数は、第2ベルナビ回数カウンタにより管理される。また、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行可能な残り回数は、通常リプ残り入賞回数カウンタにより管理される。
疑似BIGが開始するとき、第1ベルナビ回数カウンタに「30」がセットされ、通常リプ残り入賞回数カウンタに「3」がセットされる。第1ベルナビ回数カウンタの値は、第1疑似BIGにおいてベルナビが1回行われるごとに1減算される。通常リプ残り入賞回数カウンタの値は、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと1回移行する(第1疑似BIGにおいて通常リプが入賞する)ごとに1減算される。
第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行するとき、第2ベルナビ回数カウンタに「9」がセットされる。第2ベルナビ回数カウンタの値は、第2疑似BIGにおいてベルナビが1回行われるごとに1減算される。また、疑似REGが開始するとき、第2ベルナビ回数カウンタに「5」がセットされる。第2ベルナビ回数カウンタの値は、疑似REGにおいてベルナビが1回行われるごとに1減算される。
以上より、疑似BIGの終了条件は、下記(i)及び(ii)のうちの何れかが成立することであり、疑似REGの終了条件は、下記(iii)が成立することである。
(i)第1ベルナビ回数カウンタの値が0であること
(ii)通常リプ残り入賞回数カウンタの値が0であり、且つ、第2ベルナビ回数カウンタの値が0であること
(iii)第2ベルナビ回数カウンタの値が0であること
従って、第1疑似BIGにおいて実行可能なベルナビの残り回数(第1ベルナビ回数カウンタの値)が多く残っている状況において、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行可能な回数が上限に達すると、第1疑似BIGにおけるベルナビの恩恵を最大限享受することができないまま、疑似BIGが終了してしまうことになる。疑似BIGにおけるメダルの払出枚数を最大化するためには、第1疑似BIGにおいて実行可能なベルナビの残り回数(第1ベルナビ回数カウンタの値)がなるべく少なくなってから、最終(3回目)の第2疑似BIGへと移行させる必要がある。このような観点から、第1疑似BIGにおいて実行可能なベルナビの残り回数(第1ベルナビ回数カウンタの値)が多く残っており、且つ、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行可能な残り回数(通常リプ残り入賞回数カウンタの値)が1回である状況においては、第1疑似BIGから第2疑似BIGへの移行(通常リプの入賞)を回避することが望ましい。
この点、本実施形態では、第1疑似BIGにおいて、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合であっても、「C_外しリプB_01~02」及び「C_外しリプA_01~02」のうちの何れか(外しリプ)が有効ラインに沿って表示された場合には、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行することはなく、通常リプ残り入賞回数カウンタの値は減算されない。すなわち、外しリプを入賞させることによって、第1疑似BIGから第2疑似BIGへの移行(通常リプの入賞)を回避することが可能である。
図433(a)に示すように、疑似BIGにおいて、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「9」又は「10」が表示される。具体的に、疑似BIGにおいて「F_リプレイA」が内部当籤役として決定されたとき、通常リプ残り入賞回数カウンタの値が2以上である場合、又は、第1ベルナビ回数カウンタの値が6以下である場合には、指示モニタに数値「9」が表示される。同様に、疑似BIGにおいて「F_リプレイB」が内部当籤役として決定されたとき、通常リプ残り入賞回数カウンタの値が2以上である場合、又は、第1ベルナビ回数カウンタの値が6以下である場合には、指示モニタに数値「9」が表示される。
これに対し、疑似BIGにおいて「F_リプレイA」が内部当籤役として決定されたとき、通常リプ残り入賞回数カウンタの値が1であり、且つ、第1ベルナビ回数カウンタの値が7以上である場合には、指示モニタに数値「10」が表示される。同様に、疑似BIGにおいて「F_リプレイB」が内部当籤役として決定されたとき、通常リプ残り入賞回数カウンタの値が1であり、且つ、第1ベルナビ回数カウンタの値が7以上である場合には、指示モニタに数値「10」が表示される。
図433(b)に示すように、指示モニタの数値「9」により、通常リプを入賞させるための停止操作を行うことが報知され、指示モニタの数値「10」により、外しリプを入賞させるための停止操作を行うことが報知される。通常リプ残り入賞回数カウンタの値が1であり、且つ、第1ベルナビ回数カウンタの値が7以上である場合において、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定されたとき、遊技者は、報知に従って、外しリプを入賞させるための停止操作を行うことで、第1疑似BIGから第2疑似BIGへの移行(通常リプの入賞)を回避することができる。これにより、第1疑似BIGにおいて実行可能なベルナビの残り回数(第1ベルナビ回数カウンタの値)が多く(7回以上)残っている状態で疑似BIGが終了してしまうことを防止することが可能であり、第1疑似BIGにおけるベルナビの恩恵を享受しながら、疑似BIGを継続することができる。
なお、上述したように、内部当籤役が「F_リプレイA」である場合には、「外しリプ」として「C_外しリプA_01~02」を有効ライン上に表示させることが許可され、内部当籤役が「F_リプレイB」である場合には、「外しリプ」として、「C_外しリプA_01~02」に加えて、「C_外しリプB_01~02」を有効ライン上に表示させることが許可される(図426E参照)。
「C_外しリプA_01~02」を有効ライン上に表示させるためには、左リール3Lに対する停止操作が、図柄位置「6」の図柄(「バー」)が中段領域に表示されているタイミングで行われる(図柄位置「6」の「バー」がビタ押しされる)必要がある。内部当籤役が「F_リプレイA」である場合、及び、内部当籤役が「F_リプレイB」である場合の何れの場合においても、「C_外しリプA_01~02」を有効ライン上に表示させることが許可されているため、「バー」のビタ押しに成功することにより、「C_外しリプA_01~02」を入賞させる(通常リプの入賞を回避する)ことができる。
これに対し、「C_外しリプB_01~02」を有効ライン上に表示させるためには、左リール3Lに対する停止操作が、図柄位置「13」~「15」の何れかの図柄(何れも「ブイ」)が中段領域に表示されているタイミングで行われる(図柄位置「13」~「15」の「ブイ」が目押しされる)必要がある。内部当籤役が「F_リプレイB」である場合には、「C_外しリプB_01~02」を有効ライン上に表示させることが許可されているため、「ブイ」の目押しに成功することにより、「C_外しリプB_01~02」を入賞させる(通常リプの入賞を回避する)ことができる。一方、内部当籤役が「F_リプレイA」である場合には、「C_外しリプB_01~02」を有効ライン上に表示させることが許可されていないため、「ブイ」の目押しを行っても、「C_外しリプB_01~02」を入賞させることはできず、この場合には、通常リプが入賞することになる。
指示モニタに数値「10」が表示された場合、遊技者は、「F_リプレイA」及び「F_リプレイB」のうちの何れかが内部当籤役として決定されたことを認識することができる。しかし、内部当籤役が「F_リプレイA」である場合と、内部当籤役が「F_リプレイB」である場合とで、指示モニタに表示される数値は同じ(「10」)であり、メイン演出表示部21において行われる演出の内容も同じ(例えば、「外しチャレンジ」といった文字画像の表示)となっている。そのため、遊技者は、内部当籤役が「F_リプレイA」と「F_リプレイB」とのうちの何れであるのかを認識することができない。
「バー」のビタ押しに成功することさえできれば、内部当籤役が「F_リプレイA」と「F_リプレイB」とのうちの何れであっても、外しリプを入賞させることができるため、内部当籤役が「F_リプレイA」と「F_リプレイB」とのうちの何れであるのかは、問題とならない。しかし、一般的に、ビタ押しには、高度な技術が求められ、成功させることは難しい。
「ブイ」の目押しに成功するための停止操作のタイミング(狙うべき図柄の範囲)は、「バー」のビタ押しに成功するための停止操作のタイミング(狙うべき図柄の範囲)よりも幅広くなっているため、「ブイ」の目押しは、「バー」のビタ押しよりも簡単と言える。しかし、内部当籤役が「F_リプレイA」と「F_リプレイB」とのうちの何れであるのかを認識することができない状況で、「ブイ」の目押しを行ったとき、内部当籤役が「F_リプレイB」であれば外しリプを入賞させることができるが、内部当籤役が「F_リプレイA」であれば外しリプを入賞させることはできない。
「F_リプレイA」が内部当籤役として決定される確率と「F_リプレイB」が内部当籤役として決定される確率との割合は、約1:3である(図427及び図428参照)。従って、内部当籤役が「F_リプレイA」と「F_リプレイB」とのうちの何れであるのかを認識することができない状況で「ブイ」の目押しを行ったとき、(正確な目押しが行われることを前提とすれば)外しリプを入賞させることができる確率は約75%である。これに対し、「バー」のビタ押しを行ったときには、(正確なビタ押しが行われることを前提とすれば)外しリプを入賞させることができる確率は100%である。以上より、遊技者は、難易度が高いが成功すれば確実に外しリプを入賞させることが可能な「バー」のビタ押しと、難易度が低いが正確な操作を行っても外しリプを入賞させることができない可能性のある「ブイ」の目押しと、のうちの何れかを選択しながら、第1疑似BIGにおける遊技を行うことになる。
なお、図433(a)及び(b)に示すように、疑似BIG及び疑似REGにおいて、「F_共通ベルA」及び「F_共通ベルB」(図中、まとめて「F_共通ベル」と表記)、「F_平行スイカ」、並びに、「F_斜めスイカ」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合には、指示モニタに数値「11」が表示される。指示モニタの数値「11」により、第1停止操作として左リール3L以外(中リール3C又は右リール3R)に対する停止操作を行うことが報知される。指示モニタの構成は、適宜設計することが可能であり、例えば、指示モニタの数値「1」~「8」は、3BBフラグ間状態においてのみ表示し、指示モニタの数値「9」~「11」は、3BBフラグ間状態であるか否かにかかわらず表示することとしてもよい。
<内部当籤役とサブフラグと出玉フラグとの対応関係>
図434は、内部当籤役とサブフラグと出玉フラグとの対応関係を示す図である。
第1実施形態で説明したように、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。
図434には、内部当籤役とサブフラグとの対応関係が示されている。具体的に、内部当籤役「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_213ベルC」、「F_213ベルD」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_231ベルC」、「F_231ベルD」、「F_312ベルA」、「F_312ベルB」、「F_312ベルC」、「F_312ベルD」、「F_321ベルA」、「F_321ベルB」、「F_321ベルC」、「F_321ベルD」、「F_1枚役B」、「F_共通1枚役」、及び、「F_共通15枚役」に対しては、サブフラグ番号「0」(「はずれ」)が設定されている。
内部当籤役「F_リプレイA」及び「F_リプレイB」に対しては、サブフラグ番号「1」(「リプレイ」)が設定されている。内部当籤役「F_共通ベルA」及び「F_共通ベルB」に対しては、サブフラグ番号「2」(「共通ベル」)が設定されている。内部当籤役「F_平行スイカ」に対しては、サブフラグ番号「3」(「平行スイカ」)が設定されている。内部当籤役「F_斜めスイカ」に対しては、サブフラグ番号「4」(「斜めスイカ」)が設定されている。
内部当籤役「F_チェリー」に対しては、サブフラグ番号「5」(「チェリー」)が設定されている。内部当籤役「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、及び、「F_リーチ目役C」に対しては、サブフラグ番号「6」(「リーチ目役」)が設定されている。内部当籤役「F_BB確定役A」に対しては、サブフラグ番号「7」(「BB確定役A」)が設定されている。内部当籤役「F_BB確定役B」に対しては、サブフラグ番号「8」(「BB確定役B」)が設定されている。内部当籤役「F_1枚役A」に対しては、サブフラグ番号「9」(「1枚役」)が設定されている。内部当籤役「はずれ」に対しては、サブフラグ番号「10」(「はずれ(単独BB)」)が設定されている。
これにより、内部当籤役が「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_213ベルC」、「F_213ベルD」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_231ベルC」、「F_231ベルD」、「F_312ベルA」、「F_312ベルB」、「F_312ベルC」、「F_312ベルD」、「F_321ベルA」、「F_321ベルB」、「F_321ベルC」、「F_321ベルD」、「F_1枚役B」、「F_共通1枚役」、及び、「F_共通15枚役」のうちの何れかである場合には、サブフラグ「はずれ」が決定される。
内部当籤役が「F_リプレイA」及び「F_リプレイB」のうちの何れかである場合には、サブフラグ「リプレイ」が決定される。内部当籤役が「F_共通ベルA」及び「F_共通ベルB」のうちの何れかである場合には、サブフラグ「共通ベル」が決定される。内部当籤役が「F_平行スイカ」である場合には、サブフラグ「平行スイカ」が決定される。内部当籤役が「F_斜めスイカ」である場合には、サブフラグ「斜めスイカ」が決定される。
内部当籤役が「F_チェリー」である場合には、サブフラグ「チェリー」が決定される。内部当籤役が「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、及び、「F_リーチ目役C」のうちの何れかである場合には、サブフラグ「リーチ目役」が決定される。内部当籤役が「F_BB確定役A」である場合には、サブフラグ「BB確定役A」が決定される。内部当籤役が「F_BB確定役B」である場合には、サブフラグ「BB確定役B」が決定される。内部当籤役が「F_1枚役A」である場合には、サブフラグ「1枚役」が決定される。内部当籤役が「はずれ」である場合には、サブフラグ「はずれ(単独BB)」が決定される。
以上のサブフラグは、主制御回路100において、第1実施形態で説明したサブフラグ等設定処理(図26のステップS73参照)で決定される。そして、決定されたサブフラグを示す情報は、基本的に、スタートコマンドデータ(図23のステップS7参照)に含まれることで、副制御回路200へと送信される。これにより、副制御回路200では、決定されたサブフラグを認識することが可能であり、当該サブフラグに応じた演出を行うことができる。
ただし、本実施形態では、非AT状態であり、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されない場合において、内部当籤役が「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_213ベルC」、「F_213ベルD」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_231ベルC」、「F_231ベルD」、「F_312ベルA」、「F_312ベルB」、「F_312ベルC」、「F_312ベルD」、「F_321ベルA」、「F_321ベルB」、「F_321ベルC」、及び、「F_321ベルD」のうちの何れか(押し順ベル)である場合には、サブフラグを示す情報が副制御回路200に送信されないようになっている。
これらの押し順ベルは、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行った場合には押し順が不正解であり、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作を行った場合に押し順が正解となり得る偏りベルを構成している。このような偏りベルが内部当籤役として決定された場合に、サブフラグを示す情報が副制御回路200に送信されないようにすることで、非AT状態において偏りベルを入賞させることを狙った停止操作(変則押し)が行われてしまうことを防止することができる。もっとも、偏りベルが内部当籤役として決定された場合においても、サブフラグを示す情報が副制御回路200に送信されるように構成してもよい。
なお、偏りベルの構成は、特に限定されず、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行った場合に押し順が正解となり得る内部当籤役がそもそも設けられていなくてもよいし(図427及び図428参照)、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行った場合に押し順が正解となり得る内部当籤役を設けつつ、当該内部当籤役が決定される確率が、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作を行った場合に押し順が正解となり得る内部当籤役が決定される確率よりも低くなるように構成されていてもよい。
また、図434には、内部当籤役と出玉フラグとの対応関係が示されている。内部当籤役と出玉フラグとの対応関係としては、6種類(出玉フラググループ1、出玉フラググループ2、出玉フラググループ3、出玉フラググループ4、出玉フラググループ5、及び、出玉フラググループ6)設けられている。遊技の状況に応じて、これらの出玉フラググループのうちの一の出玉フラググループにおける出玉フラグが決定される。
具体的に、内部当籤役が「はずれ」である場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「除外役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「リーチ目BB」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「リーチ目BB」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「非転落役」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「リーチ目BB」が決定される。
内部当籤役が「F_リプレイA」及び「F_リプレイB」のうちの何れかである場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「除外役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「リプベル」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「非転落役」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「その他」が決定される。
内部当籤役が「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_213ベルC」、「F_213ベルD」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_231ベルC」、「F_231ベルD」、「F_312ベルA」、「F_312ベルB」、「F_312ベルC」、「F_312ベルD」、「F_321ベルA」、「F_321ベルB」、「F_321ベルC」、及び、「F_321ベルD」のうちの何れかである場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「移行役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「その他」が決定される。
内部当籤役が「F_共通ベルA」及び「F_共通ベルB」のうちの何れかである場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「移行役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「リプベル」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「非転落役」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「その他」が決定される。
内部当籤役が「F_平行スイカ」である場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「移行役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「弱レア役」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「弱レア役」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「非転落役」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「平行スイカ」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「その他」が決定される。
内部当籤役が「F_斜めスイカ」である場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「移行役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「斜めスイカ」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「斜めスイカ」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「非転落役」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「斜めスイカ」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「その他」が決定される。
内部当籤役が「F_チェリー」である場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「移行役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「弱レア役」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「弱レア役」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「非転落役」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「チェリー」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「その他」が決定される。
内部当籤役が「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、及び、「F_リーチ目役C」のうちの何れかである場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「移行役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「リーチ目」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「リーチ目」又は「リーチ目BB」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「非転落役」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「リーチ目」が決定される。
内部当籤役が「F_BB確定役A」及び「F_BB確定役B」のうちの何れかである場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「移行役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「リーチ目BB」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「リーチ目」又は「リーチ目BB」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「非転落役」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「リーチ目BB」が決定される。
内部当籤役が「F_1枚役A」及び「F_1枚役B」のうちの何れかである場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「移行役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「1枚役」が決定される。
内部当籤役が「F_共通1枚役」及び「F_共通15枚役」のうちの何れかである場合には、出玉フラググループ1における出玉フラグとして「除外役」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ3における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ4における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ5における出玉フラグとして「その他」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグとして「その他」が決定される。
以上のようにして決定された出玉フラグは、以下で説明する各種抽籤において用いられることになる。
<非有利区間用遊技開始時処理>
図435は、主制御回路において行われる非有利区間用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図436(a)は、有利区間移行抽籤テーブルを示す図である。図436(b)は、有利区間移行時抽籤テーブルを示す図である。
図435に示す非有利区間用遊技開始時処理は、現在の遊技区間が非有利区間(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で(例えば、図27のステップS85の判断結果が「YES」となった場合に)行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の遊技区間が非有利区間であることを認識することができる。
非有利区間用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、有利区間移行抽籤処理を実行する(ステップS4001)。この処理において、メインCPU101は、有利区間移行抽籤テーブル(図436(a)参照)を参照して、出玉フラググループ1における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、有利区間移行抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。
図436(a)に示す有利区間移行抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ1における出玉フラグ(「除外役」及び「移行役」)ごとに、有利区間移行抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。有利区間移行抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。これにより、出玉フラググループ1における出玉フラグが「除外役」である場合には、0/256の確率で有利区間移行抽籤に当籤し、出玉フラググループ1における出玉フラグが「移行役」である場合には、256/256の確率で有利区間移行抽籤に当籤する。
ステップS4001の処理を実行した後、メインCPU101は、有利区間移行抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS4002)。有利区間移行抽籤に当籤していないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、有利区間移行抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、有利区間移行時抽籤処理を実行する(ステップS4003)。この処理において、メインCPU101は、有利区間移行時抽籤テーブル(図436(b)参照)を参照して、出玉フラググループ2における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、有利区間移行時抽籤の結果として、「連荘準備」、「連荘チャレンジ」、及び、「確定連荘チャレンジ」のうちの何れかを決定する。
図436(b)に示す有利区間移行時抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ2における出玉フラグ(「その他」、「弱レア役」、「斜めスイカ」、「リーチ目」、及び、「リーチ目BB」)ごとに、有利区間移行時抽籤の結果(「連荘準備」、「連荘チャレンジ」、及び、「確定連荘チャレンジ」)に対応する抽籤値が規定されている。有利区間移行時抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、出玉フラググループ2における出玉フラグが「その他」である場合には、有利区間移行時抽籤の結果として、256/256の確率で「連荘準備」が決定され、出玉フラググループ2における出玉フラグが「斜めスイカ」である場合には、有利区間移行時抽籤の結果として、128/256の確率で「連荘チャレンジ」が決定され、128/256の確率で「確定連荘チャレンジ」が決定される。
有利区間移行時抽籤の結果として「連荘準備」が決定された場合、メインCPU101は、連荘準備移行フラグをオンにセットする。連荘準備移行フラグは、連荘準備を開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、連荘準備移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、連荘準備に移行する(図431及び図432の移行条件(A)参照)。
また、有利区間移行時抽籤の結果として「連荘チャレンジ」又は「確定連荘チャレンジ」が決定された(連荘チャレンジに当籤した)場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグをオンにセットする。連荘チャレンジ移行フラグは、連荘チャレンジを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、連荘チャレンジに移行する(図431及び図432の移行条件(B)参照)。また、有利区間移行時抽籤の結果として「確定連荘チャレンジ」が決定された場合、メインCPU101は、確定連荘チャレンジフラグをオンにセットする。確定連荘チャレンジフラグは、連荘チャレンジにおいて参照され、連荘チャレンジが有利に制御される。
ステップS4003の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施例では、出玉フラググループ1における出玉フラグが「移行役」である場合(移行役成立時)の有利区間移行抽籤は、必ず当籤となるものであるが、非当籤の係数を1以上として、必ずしも当籤しないものとしてもよい。また、非有利区間において移行役の成立を示唆する演出や、除外役の成立を示唆する演出などを発生可能として、有利区間への移行が行われるかどうかの期待感を高める仕様としてもよいし、連荘チャレンジ又は確定連荘チャレンジなど有利度合いの高い状態への移行期待度が高い当籤役(例えば、図436(b)に示す「その他」以外の出玉フラグ(弱レア役・斜めスイカ・リーチ目・リーチ目BB)に対応する当籤役など)の成立を示唆ないし報知する演出を発生可能としてもよい。
<連荘準備用遊技開始時処理>
図437は、主制御回路において行われる連荘準備用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図438(a)は、連荘準備モード抽籤テーブル(1)を示す図である。図438(b)は、連荘準備モード抽籤テーブル(2)を示す図である。図439は、連荘チャレンジ移行抽籤テーブルを示す図である。図440(a)は、連荘チャレンジ移行時確定抽籤テーブルを示す図である。図440(b)は、連荘準備転落抽籤テーブルを示す図である。
図437に示す連荘準備用遊技開始時処理は、現在の出玉状態が連荘準備(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で(例えば、図27のステップS85の判断結果が「NO」となった場合に)行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
連荘準備用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、連荘準備開始時であるか否かを判断する(ステップS4021)。上述したように、連荘準備へは、連荘準備移行フラグ(図435のステップS4003参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。連荘準備に移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新することにより連荘準備に移行させた後、続けて、図437に示す連荘準備用遊技開始時処理が行われる。ステップS4021の処理において、メインCPU101は、今回の単位遊技において連荘準備に移行した場合(今回の単位遊技が連荘準備の1ゲーム目である場合)に、連荘準備開始時であると判断する。
連荘準備開始時であると判断した場合、メインCPU101は、現在の遊技状態が3BBフラグ間状態(図423参照)であるか否かを判断する(ステップS4022)。メインCPU101は、メインRAM103の持越役格納領域(図18参照)を参照することにより、現在の遊技状態が3BBフラグ間状態であることを認識することができる。
現在の遊技状態が3BBフラグ間状態であると判断した場合、メインCPU101は、連荘準備保障遊技数カウンタに「5」をセットする(ステップS4023)。連荘準備保障遊技数カウンタの値は、連荘準備に滞在することが保障される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。連荘準備保障遊技数カウンタの値は、0よりも大きい場合に、連荘準備において単位遊技が1回行われるごとに1減算される。図示しないが、当該減算は、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる。
次に、メインCPU101は、連荘準備モード抽籤処理(1)を実行する(ステップS4024)。この処理において、メインCPU101は、連荘準備モード抽籤テーブル(1)(図438(a)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、連荘準備モード抽籤(1)の結果(連荘準備モード)として、「モード1」及び「モード2」のうちの何れかを決定する。
図438(a)に示す連荘準備モード抽籤テーブル(1)においては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、連荘準備モード抽籤(1)の結果(「モード1」及び「モード2」)に対応する抽籤値が規定されている。連荘準備モード抽籤(1)の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。これにより、設定値にかかわらず、連荘準備モード抽籤(1)の結果(連荘準備モード)として、256/256の確率で「モード2」が決定される。
ステップS4022において現在の遊技状態が3BBフラグ間状態ではないと判断した場合、メインCPU101は、連荘準備保障遊技数カウンタに「0」をセットする(ステップS4025)。次に、メインCPU101は、連荘準備モード抽籤処理(2)を実行する(ステップS4026)。この処理において、メインCPU101は、連荘準備モード抽籤テーブル(2)(図438(b)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、連荘準備モード抽籤(2)の結果(連荘準備モード)として、「モード1」及び「モード2」のうちの何れかを決定する。
図438(b)に示す連荘準備モード抽籤テーブル(2)においては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、連荘準備モード抽籤(2)の結果(「モード1」及び「モード2」)に対応する抽籤値が規定されている。連荘準備モード抽籤(2)の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。これにより、設定値にかかわらず、連荘準備モード抽籤(2)の結果(連荘準備モード)として、256/256の確率で「モード1」が決定される。
ステップS4021において連荘準備開始時ではないと判断した場合、又は、ステップS4024若しくはステップS4026の処理を実行した後、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行抽籤処理を実行する(ステップS4027)。この処理において、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行抽籤テーブル(図439参照)を参照して、出玉フラググループ3における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、連荘チャレンジ移行抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。
図439に示す連荘チャレンジ移行抽籤テーブルは、出玉フラググループ3における出玉フラグ(「その他」、「リプベル」、「弱レア役」、「斜めスイカ」、及び、「リーチ目orリーチ目BB」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ3における出玉フラグが「その他」である場合には、図439(a)に示す連荘チャレンジ移行抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ3における出玉フラグが「リプベル」である場合には、図439(b)に示す連荘チャレンジ移行抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ3における出玉フラグが「弱レア役」である場合には、図439(c)に示す連荘チャレンジ移行抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ3における出玉フラグが「斜めスイカ」である場合には、図439(d)に示す連荘チャレンジ移行抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ3における出玉フラグが「リーチ目」又は「リーチ目BB」である場合には、図439(e)に示す連荘チャレンジ移行抽籤テーブルが参照される。
各連荘チャレンジ移行抽籤テーブルにおいては、連荘準備モード(「モード1」及び「モード2」)ごとに、連荘チャレンジ移行抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。連荘チャレンジ移行抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、出玉フラググループ3における出玉フラグが「リプベル」であり、連荘準備モード抽籤処理(1)(ステップS4024参照)又は連荘準備モード抽籤処理(2)(ステップS4026参照)で決定された連荘準備モードが「モード2」である場合には、32/256の確率で連荘チャレンジ移行抽籤に当籤する。また、連荘準備モード抽籤処理(1)(ステップS4024参照)又は連荘準備モード抽籤処理(2)(ステップS4026参照)で決定された連荘準備モードが「モード1」である場合には、出玉フラググループ3における出玉フラグにかかわらず、連荘チャレンジ移行抽籤に当籤しない。
連荘チャレンジ移行抽籤に当籤した(連荘チャレンジに当籤した)場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグをオンにセットする。上述したように、連荘チャレンジ移行フラグは、連荘チャレンジを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、連荘チャレンジに移行する(図431及び図432の移行条件(D)参照)。後述するように、連荘チャレンジは、相対的に高い確率で疑似BIG乃至昇格チャンスに移行することが可能な出玉状態であり、連荘準備は、このような連荘チャレンジに移行することが可能な出玉状態となっている。
ステップS4027の処理を実行した後、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS4028)。連荘チャレンジ移行抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行時確定抽籤処理を実行する(ステップS4029)。この処理において、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行時確定抽籤テーブル(図440(a)参照)を参照して、出玉フラググループ3における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、連荘チャレンジ移行時確定抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。
図440(a)に示す連荘チャレンジ移行時確定抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ3における出玉フラグ(「その他」、「リプベル」、「弱レア役」、「斜めスイカ」、及び、「リーチ目orリーチ目BB」)ごとに、連荘チャレンジ移行時確定抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。連荘チャレンジ移行時確定抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、出玉フラググループ3における出玉フラグが「斜めスイカ」である場合には、128/256の確率で連荘チャレンジ移行時確定抽籤に当籤し、出玉フラググループ3における出玉フラグが「リーチ目」又は「リーチ目BB」である場合には、連荘チャレンジ移行時確定抽籤に必ず非当籤となる。連荘チャレンジ移行時確定抽籤に当籤した場合、メインCPU101は、確定連荘チャレンジフラグをオンにセットする。上述したように、確定連荘チャレンジフラグは、連荘チャレンジにおいて参照され、連荘チャレンジが有利に制御される。なお、連荘チャレンジ当籤回数カウンタ(図504参照)の値が所定値(例えば、3)以上である場合には、連荘チャレンジ移行時確定抽籤に必ず当籤させることとしてもよい。
ステップS4028において連荘チャレンジ移行抽籤に当籤していないと判断した場合、又は、ステップS4029の処理を実行した後、メインCPU101は、連荘準備保障遊技数カウンタ(ステップS4023及びステップS4025参照)の値が「0」であるか否かを判断する(ステップS4030)。連荘準備保障遊技数カウンタの値が「0」であると判断した場合、メインCPU101は、連荘準備転落抽籤処理を実行する(ステップS4031)。この処理において、メインCPU101は、連荘準備転落抽籤テーブル(図440(b)参照)を参照して、出玉フラググループ4における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、連荘準備転落抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。
図440(b)に示す連荘準備転落抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ4における出玉フラグ(「その他」及び「非転落役」)ごとに、連荘準備転落抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。連荘準備転落抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。これにより、出玉フラググループ4における出玉フラグが「その他」である場合には、192/256の確率で連荘準備転落抽籤に当籤し、出玉フラググループ4における出玉フラグが「非転落役」である場合には、連荘準備転落抽籤に必ず非当籤となる。
連荘準備転落抽籤に当籤した場合、メインCPU101は、通常ステージ移行フラグをオンにセットする。通常ステージ移行フラグは、通常ステージを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、通常ステージ移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、通常ステージに移行する(図431及び図432の移行条件(C)参照)。
ステップS4030において連荘準備保障遊技数カウンタの値が「0」ではないと判断した場合、又は、ステップS4031の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<通常ステージ用遊技開始時処理>
図441は、主制御回路において行われる通常ステージ用遊技開始時処理を示すフローチャートである。
図441に示す通常ステージ用遊技開始時処理は、現在の出玉状態が通常ステージ(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で(例えば、図27のステップS85の判断結果が「NO」となった場合に)行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
通常ステージ用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、通常ステージ開始時であるか否かを判断する(ステップS4041)。上述したように、通常ステージへは、通常ステージ移行フラグ(図437のステップS4031参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。通常ステージに移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新することにより通常ステージに移行させた後、続けて、図441に示す通常ステージ用遊技開始時処理が行われる。ステップS4041の処理において、メインCPU101は、今回の単位遊技において通常ステージに移行した場合(今回の単位遊技が通常ステージの1ゲーム目である場合)に、通常ステージ開始時であると判断する。
通常ステージ開始時であると判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ開始時処理を実行する(ステップS4042)。通常ステージ開始時処理については、後に図442を用いて説明する。
ステップS4041において通常ステージ開始時ではないと判断した場合、又は、ステップS4042の処理を実行した後、メインCPU101は、通常出玉状態共通処理を実行する(ステップS4043)。通常出玉状態共通処理については、後に図450を用いて説明する。
ステップS4043の処理を実行した後、メインCPU101は、通常ステージ専用処理を実行する(ステップS4044)。通常ステージ専用処理については、後に図445を用いて説明する。
ステップS4044の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<通常ステージ開始時処理>
図442は、主制御回路において行われる通常ステージ開始時処理を示すフローチャートである。図443(a)は、通常移行時モード抽籤テーブルを示す図である。図443(b)は、通常移行時天井抽籤テーブルを示す図である。図444は、ポイントモード抽籤テーブルを示す図である。
図442に示す通常ステージ開始時処理は、主制御回路100において図441(通常ステージ用遊技開始時処理)のステップS4042で行われる処理である。
通常ステージ開始時処理において、まず、メインCPU101は、通常移行時モード抽籤処理を実行する(ステップS4061)。この処理において、メインCPU101は、通常移行時モード抽籤テーブル(図443(a)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常移行時モード抽籤の結果(通常モード)として、「モード1」、「モード2」、「モード3」、「モード4」、「モード5」、「モード6」、「モード7」、及び、「モード8」のうちの何れかを決定する。
図443(a)に示す通常移行時モード抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、通常移行時モード抽籤の結果(「モード1」、「モード2」、「モード3」、「モード4」、「モード5」、「モード6」、「モード7」、及び、「モード8」)に対応する抽籤値が規定されている。通常移行時モード抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、設定値が設定1である場合には、通常移行時モード抽籤の結果(通常モード)として、98/256の確率で「モード1」が決定され、98/256の確率で「モード2」が決定され、24/256の確率で「モード3」が決定され、12/256の確率で「モード4」が決定され、12/256の確率で「モード5」が決定され、1/256の確率で「モード6」が決定され、3/256の確率で「モード7」が決定され、8/256の確率で「モード8」が決定される。
ステップS4061の処理を実行した後、メインCPU101は、通常移行時天井抽籤処理を実行する(ステップS4062)。この処理において、メインCPU101は、通常移行時天井抽籤テーブル(図443(b)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常移行時天井抽籤の結果(天井ゲーム数)として、「1」、「51」、「101」、「151」、「201」、「251」、「301」、「351」、「401」、「451」、「501」、「551」、「601」、「651」、「701」、「801」、及び、「901」のうちの何れかを決定する。
図443(b)に示す通常移行時天井抽籤テーブルにおいては、通常モード(「モード1」、「モード2」、「モード3」、「モード4」、「モード5」、「モード6」、「モード7」、及び、「モード8」)ごとに、通常移行時モード抽籤の結果(「1」、「51」、「101」、「151」、「201」、「251」、「301」、「351」、「401」、「451」、「501」、「551」、「601」、「651」、「701」、「801」、及び、「901」)に対応する抽籤値が規定されている。通常移行時天井抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、通常移行時モード抽籤処理(ステップS4061参照)で決定された通常モードが「モード1」である場合には、通常移行時天井抽籤の結果(天井ゲーム数)として、16/256の確率で「201」が決定され、16/256の確率で「301」が決定され、48/256の確率で「401」が決定され、16/256の確率で「501」が決定され、48/256の確率で「601」が決定され、16/256の確率で「701」が決定され、40/256の確率で「801」が決定され、56/256の確率で「901」が決定される。
ステップS4062の処理を実行した後、メインCPU101は、ポイントモード抽籤処理を実行する(ステップS4063)。この処理において、メインCPU101は、ポイントモード抽籤テーブル(図444参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、ポイントモード抽籤の結果(ポイントモード)として、「ポイントモード1」、「ポイントモード2」、及び、「ポイントモード3」のうちの何れかを決定する。
図444に示すポイントモード抽籤テーブルは、ポイント到達回数カウンタの値(「0~2」、「3~5」、「6~8」、及び、「9以上」)のそれぞれに対して設けられている。ポイント到達回数カウンタの値は、通常ポイント(図456参照)の値が所定値(100)に到達した回数を示す。ポイント到達回数カウンタの値が「0」~「2」の何れかである場合には、図444(a)に示すポイントモード抽籤テーブルが参照され、ポイント到達回数カウンタの値が「3」~「5」の何れかである場合には、図444(b)に示すポイントモード抽籤テーブルが参照され、ポイント到達回数カウンタの値が「6」~「8」の何れかである場合には、図444(c)に示すポイントモード抽籤テーブルが参照され、ポイント到達回数カウンタの値が「9」以上である場合には、図444(d)に示すポイントモード抽籤テーブルが参照される。
各ポイントモード抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、ポイントモード抽籤の結果(「ポイントモード1」、「ポイントモード2」、及び、「ポイントモード3」)に対応する抽籤値が規定されている。ポイントモード抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、ポイント到達回数カウンタの値が「0」~「2」の何れかであり、設定値が設定6である場合には、253/256の確率で「ポイントモード1」が決定され、2/256の確率で「ポイントモード2」が決定され、1/256の確率で「ポイントモード3」が決定される。なお、今回のポイントモード抽籤で決定されたポイントモードの値(1~3の何れか)が既に決定されているポイントモードの値よりも小さな値である場合、今回のポイントモード抽籤で決定されたポイントモードの値は破棄される。
<通常ステージ専用処理>
図445は、主制御回路において行われる通常ステージ専用処理を示すフローチャートである。図446は、通常ステージ中フリーズ抽籤テーブルを示す図である。図447~図449は、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルを示す図である。
図445に示す通常ステージ専用処理は、主制御回路100において図441(通常ステージ用遊技開始時処理)のステップS4044で行われる処理である。
通常ステージ専用処理において、まず、メインCPU101は、通常ステージ中フリーズ抽籤処理を実行する(ステップS4081)。この処理において、メインCPU101は、通常ステージ中フリーズ抽籤テーブル(図446参照)を参照して、出玉フラググループ6における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常ステージ中フリーズ抽籤の結果として、「非当籤」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」のうちの何れかを決定する。
図446に示す通常ステージ中フリーズ抽籤テーブルは、出玉フラググループ6における出玉フラグ(「その他」、「リーチ目」、「リーチ目BB」、及び、「1枚役」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」である場合には、図446(a)に示す通常ステージ中フリーズ抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」である場合には、図446(b)に示す通常ステージ中フリーズ抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、図446(c)に示す通常ステージ中フリーズ抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「1枚役」である場合には、図446(d)に示す通常ステージ中フリーズ抽籤テーブルが参照される。
各通常ステージ中フリーズ抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、通常ステージ中フリーズ抽籤の結果(「非当籤」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」)に対応する抽籤値が規定されている。通常ステージ中フリーズ抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」であり、設定値が設定1である場合には、通常ステージ中フリーズ抽籤の結果として、254/256の確率で「非当籤」が決定され、2/256の確率で「昇格チャンス」が決定される。また、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、設定値にかかわらず、通常ステージ中フリーズ抽籤の結果として、255/256の確率で「非当籤」が決定され、1/256の確率で「疑似BIG」が決定される。
通常ステージ中フリーズ抽籤の結果として「昇格チャンス」が決定された(昇格チャンスに当籤した)場合、メインCPU101は、当該通常ステージ中フリーズ抽籤が行われた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、昇格チャンスに移行する。また、通常ステージ中フリーズ抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、当該通常ステージ中フリーズ抽籤が行われた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、疑似BIGに移行する。
また、通常ステージ中フリーズ抽籤の結果として「昇格チャンス」乃至「疑似BIG」が決定された(昇格チャンス又は疑似BIGに当籤した)場合、当該通常ステージ中フリーズ抽籤が行われた単位遊技が終了するときにフリーズが発生する。第1実施形態で説明したように、フリーズは、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出である。メインCPU101は、当該単位遊技における遊技終了時メイン側演出制御処理(図23のステップS16参照)で、フリーズの実行を制御する。これにより、当該単位遊技における第3停止操作が行われた後、所定期間に亘って遊技操作が無効となる。その後、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー7操作を契機として、昇格チャンス乃至疑似BIGに移行することになる。
なお、当該フリーズの実行中は、フリーズに対応する演出として、画像、音声、ランプなどにより昇格チャンス又は疑似BIGの当籤を示唆ないし報知する演出が行われる。また、当該フリーズが行われる状況においてはメインリール(リール3L,3C,3R)にてリーチ目(疑似ボーナス等の当たりを示唆する出目)が停止していることが多いため、リールバックライト(例えば、メイン表示窓4の枠内に停止表示された9個の図柄を1個ずつ個別に照射することができるように、各リール3L,3C,3Rにおけるリール本体の内側に配置されたリール照明用LED)の点灯・点滅・消灯などによる演出を行ってリーチ目に着目させるものとしてもよい。後述するように、本実施形態では、「リーチ目一枚」及び「BB確定リーチ一枚」(図429参照)がリーチ目の役割を果たしている。このようなリーチ目は、フリーズが行われる状況において、所定の押し順(例えば、左第1停止)で停止操作が行われた場合に必ず停止させることとしてもよいし、停止操作のタイミングによっては停止されないことがあってもよい。
また、前兆状態中の一の単位遊技において、通常ステージ中フリーズ抽籤の結果として「昇格チャンス」乃至「疑似BIG」が決定された(昇格チャンス又は疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、前兆ゲーム数カウンタの値(ステップS4084参照)をクリアする。これにより、前兆状態は終了する。なお、ステップS4081の処理が実行される時点で、既に昇格チャンス又は疑似BIGに当籤している場合(昇格チャンス当籤フラグ又は疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている場合)、メインCPU101は、通常ステージ中フリーズ抽籤を行わず、ステップS4082に処理を移す。
ステップS4081の処理を実行した後、メインCPU101は、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤処理を実行する(ステップS4082)。この処理において、メインCPU101は、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブル(図447~図449参照)を参照して、出玉フラググループ5における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として、「非当籤」、「チャンスステージA」、「チャンスステージB」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」のうちの何れかを決定する。
通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルとしては、非高確において参照される通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブル(図447参照)と、高確1乃至高確2において参照される通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブル(図448参照)と、高確3において参照される通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブル(図449参照)と、が設けられている。通常出玉状態においては、非高確、高確1、高確2、及び、高確3のうちの何れかの確率モードに制御される(ステップS4085参照)。通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤では、図447~図449の通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルのうち、現在の確率モードに応じた通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルが参照される。
図447~図449に示す通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルは、出玉フラググループ5における出玉フラグ(「その他」、「平行スイカ」、「斜めスイカ」、及び、「チェリー」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ5における出玉フラグが「その他」である場合には、図447(a)、図448(a)、又は、図449(a)に示す通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ5における出玉フラグが「平行スイカ」である場合には、図447(b)、図448(b)、又は、図449(b)に示す通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ5における出玉フラグが「斜めスイカ」である場合には、図447(c)、図448(c)、又は、図449(c)に示す通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ5における出玉フラグが「チェリー」である場合には、図447(d)、図448(d)、又は、図449(d)に示す通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルが参照される。
各通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果(「非当籤」、「チャンスステージA」、「チャンスステージB」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」)に対応する抽籤値が規定されている。通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、現在の確率モードが高確1又は高確2であり、出玉フラググループ5における出玉フラグが「斜めスイカ」である場合には、設定値にかかわらず、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として、1/256の確率で「チャンスステージA」が決定され、255/256の確率で「チャンスステージB」が決定される。また、現在の確率モードが高確3であり、出玉フラググループ5における出玉フラグが「平行スイカ」である場合には、設定値にかかわらず、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として、128/256の確率で「非当籤」が決定され、112/256の確率で「昇格チャンス」が決定され、16/256の確率で「疑似BIG」が決定される。
非高確、高確1、及び、高確2においては、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として「昇格チャンス」乃至「疑似BIG」の決定される確率が0であり、「昇格チャンス」乃至「疑似BIG」が決定され得るのは、高確3のみとなっている。これにより、高確3が最も有利な確率モードとなっている。高確1乃至高確2においては、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として「チャンスステージA」乃至「チャンスステージB」の決定される確率が、非高確よりも高くなっている。これにより、高確1及び高確2は、非高確よりも有利な確率モードとなっている。
通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として「チャンスステージA」が決定された(チャンスステージAに当籤した)場合、メインCPU101は、チャンスステージA当籤回数カウンタの値に1を加算する。チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であることは、チャンスステージAに当籤していることを示す。詳細については後述するが、チャンスステージAに当籤すると、前兆状態を経由してチャンスステージAに移行する(図431及び図432の移行条件(E)参照)。チャンスステージA当籤回数カウンタの値は、チャンスステージAに当籤した回数を示す。チャンスステージAの当籤は、ストックすることができ、チャンスステージA当籤回数カウンタの値に相当する回数だけ、通常ステージからチャンスステージAへと移行することが可能となる。通常ステージからチャンスステージAに移行するとき、チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1減算される。
また、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として「チャンスステージB」が決定された(チャンスステージBに当籤した)場合、メインCPU101は、チャンスステージB当籤回数カウンタの値に1を加算する。チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であることは、チャンスステージBに当籤していることを示す。詳細については後述するが、チャンスステージBに当籤すると、前兆状態を経由してチャンスステージBに移行する(図431及び図432の移行条件(G)参照)。チャンスステージB当籤回数カウンタの値は、チャンスステージBに当籤した回数を示す。チャンスステージBの当籤は、ストックすることができ、チャンスステージB当籤回数カウンタの値に相当する回数だけ、通常ステージからチャンスステージBへと移行することが可能となる。通常ステージからチャンスステージBに移行するとき、チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1減算される。
また、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として「昇格チャンス」が決定された(昇格チャンスに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグをオンにセットする。昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、昇格チャンスに当籤すると、前兆状態を経由して昇格チャンスに移行する(図431及び図432の移行条件(I)参照)。
また、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、疑似BIGに当籤すると、前兆状態を経由して疑似BIGに移行する(図431及び図432の移行条件(J)参照)。なお、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされている状態で、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグを破棄する(オフにセットする)。
ステップS4082の処理を実行した後、メインCPU101は、ポイント関連処理を実行する(ステップS4083)。ポイント関連処理については、後に図456を用いて説明する。
ステップS4083の処理を実行した後、メインCPU101は、通常ステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理を実行する(ステップS4084)。通常ステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理については、後に図459を用いて説明する。
ステップS4084の処理を実行した後、メインCPU101は、確率モード関連処理を実行する(ステップS4085)。確率モード関連処理については、後に図464を用いて説明する。
ステップS4085の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
なお、詳細については後述するが、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)においては、非高確、高確1、高確2、及び、高確3のうちの何れかの確率モードに制御される。高確1~3は、基本的に通常ステージを前提としたモードとなっている。高確1は、通常出玉状態において行われた単位遊技の回数が所定値(「251」、「351」、「451」、「551」、「651」、及び、「751」のうちの何れか)に到達したとき(有利区間開始からの規定ハマりゲーム数到達時)に行われる抽籤(図451のステップS4123、並びに、図452A及び図452B参照)で移行する高確である。当該抽籤は、通常モード1~8に応じて行われる。
高確2は、通常ポイント(図456のステップS4163参照)の値が100ポイントに到達したとき(ポイント到達時)に行われる抽籤(図456のステップS4167、図458、図464のステップS4265、及び、図465(b)参照)やチェリー当籤時に行われる抽籤(図464のステップS4262及び図465(a)参照)などで移行する高確である。抽籤状態(確率モード)の有利度合いは、高確1と高確2とで同等となっている。高確3は、高確1中の高確2当籤又は高確2中の高確1当籤で移行する高確(いわゆる超高確)であり、高確1及び高確2よりもさらに有利度合いの高い状態となっている。
高確1~3は、このような関係性となっている。本遊技機では、いわゆる通常状態(図430での通常ステージ)から遊技者が当たりと認識する状態(「昇格チャンス」及び「疑似BIG」)への主な当籤ルートは、単位遊技の回数が天井ゲーム数(図443(b)参照)に到達したとき、リーチ目役などの当籤役(例えば、図446に示す「リーチ目」乃至「リーチ目BB」に対応する当籤役)による抽籤での当籤、通常ポイントの100ポイント到達毎の抽籤での当籤の3つである。当籤役による抽籤においては、通常ステージよりもチャンスステージA乃至チャンスステージBの方が、「昇格チャンス」乃至「疑似BIG」に当籤しやすくなっている。
そのため、通常ステージでは、まず非高確から高確1・2へ移行させ、高確1・2からチャンスステージ(チャンスステージA乃至チャンスステージB)に移行させて当たりを目指すというゲーム性となる。つまり、高確1・2はチャンスステージへの移行優遇状態として機能する。上述の通り、高確1はゲーム数消化を条件に移行可能なので、いわゆるレア役(スイカやチェリー)が引けない(当籤しない)場合でも高確移行が期待できるものとなっている。高確2は、ポイント到達時に行われる抽籤やチェリー当籤時に行われる抽籤に基づいて移行するため、当籤役によって移行が期待できるものとなっている。
また、高確3は、高確1滞在中の高確2当籤、高確2滞在中の高確1当籤という高確状態の重複によって移行する状態であり、図449(後述)の通り、チャンスステージへの移行はなく、「昇格チャンス」「疑似BIG」の当籤が期待できる状態として機能する。高確3はチャンスステージよりも有利度合いが高いので、チャンスステージへの移行を抑制する仕様とすることにより、高確3の残りゲーム数が存在する状態においては、高確3よりも有利度合いが低い状態への移行によって高確3が終了することがないようになっている。
なお、高確3のような高確の重複で移行する特殊高確状態を持たずに、複数の高確状態が重なった場合(高確1の残りゲーム数と高確2の残りゲーム数の両方が1以上となった場合)に、例えば、高確1のゲーム数消化後に、高確2のゲーム数を消化させる(高確1の終了後に高確2へと移行させる)仕様としてもよい。また、本実施例では、高確1・2は有利度合いが同等の状態としているが、高確2の方が高確1よりも有利度合いが高いこととしてもよいし、その逆としてもよい。
演出面では、非高確は主に昼ステージ、高確1・2は主に夕方ステージ、高確3は主に夜ステージなどとして滞在状態を示唆する演出などを行うとよい。また、特定演出(夜ステージへの移行や、赤文字セリフなど)が発生したときは、高確3への滞在が確定するなど、滞在している状態を確定的に報知する演出を実行可能としてもよい。また、高確1・2の両方で発生する演出や、高確1では発生するが高確2で発生しない演出などを設けて、高確移行の契機を推測可能なゲーム性としてもよい。
<通常出玉状態共通処理>
図450は、主制御回路において行われる通常出玉状態共通処理を示すフローチャートである。
図450に示す通常出玉状態共通処理は、主制御回路100において図441(通常ステージ用遊技開始時処理)のステップS4043で行われる処理である。
通常出玉状態共通処理において、まず、メインCPU101は、内部当籤役決定処理(図26のステップS64参照)により「F_BB確定役A」(図427及び図428参照)が内部当籤役として決定されたか否かを判断する(ステップS4101)。
「F_BB確定役A」が内部当籤役として決定されたと判断した場合、メインCPU101は、通常中ロングフリーズ抽籤処理を実行する(ステップS4102)。この処理において、メインCPU101は、通常中ロングフリーズ抽籤テーブル(図示せず)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常中ロングフリーズ抽籤(1)の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定し、通常中ロングフリーズ抽籤(1)の結果が「当籤」である場合に、通常中ロングフリーズ抽籤(2)の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。これにより、通常中ロングフリーズ抽籤(1)には1/256の確率で当籤し、通常中ロングフリーズ抽籤(2)には64/256の確率で当籤する。
通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合には、ロングフリーズが発生する。ロングフリーズは、フリーズの一態様であり、上述したフリーズ(図445のステップS4081参照)と比較して、遊技操作が無効にされる期間が長くなっている。通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合、メインCPU101は、当該通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)が行われた単位遊技における遊技開始時メイン側演出制御処理(図23のステップS8参照)で、ロングフリーズの実行を制御する。
また、通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合、メインCPU101は、当該通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)が行われた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時メイン側演出制御処理(図23のステップS8参照)で、疑似遊技の実行を制御する。また、メインCPU101は、当該通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)が行われた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、ロングフリーズが発生した単位遊技が消化され、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー7操作を契機として、疑似遊技が行われ、疑似BIGに移行する。
また、通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合、メインCPU101は、疑似BIG(ED)フラグをオンにセットする。疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされた場合には、疑似BIGの終了条件が成立したときに再度疑似BIGに制御され、これにより、有利区間が終了するまで疑似BIGが継続することになる。第1実施形態で説明したように、有利区間においてリミット処理(図16参照)が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、3000ゲームや1999枚)となった場合)に、有利区間から非有利区間へと移行する。このとき、疑似BIGも終了することになる。なお、このようなリミット処理は行われないこととしてもよい。
なお、通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合、メインCPU101は、チャンスステージA当籤回数カウンタの値、チャンスステージB当籤回数カウンタの値、昇格チャンス当籤フラグ、疑似BIG当籤フラグ、及び、前兆ゲーム数カウンタの値(図445のステップS4082及びステップS4084参照)を全てクリアする。
ステップS4101において「F_BB確定役A」が内部当籤役として決定されていないと判断した場合、又は、ステップS4102の処理を実行した後、メインCPU101は、通常規定遊技数カウンタ更新処理を実行する(ステップS4103)。通常規定遊技数カウンタ更新処理については、後に図451を用いて説明する。
ステップS4103の処理を実行した後、メインCPU101は、天井関連処理を実行する(ステップS4104)。天井関連処理については、後に図454を用いて説明する。
ステップS4104の処理を実行した後、メインCPU101は、昇格チャンス前処理を実行する(ステップS4105)。昇格チャンス前処理については、後に図466を用いて説明する。
ステップS4105の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<通常規定遊技数カウンタ更新処理>
図451は、主制御回路において行われる通常規定遊技数カウンタ更新処理を示すフローチャートである。図452A及び図452Bは、通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルを示す図である。図453は、天井フェイク準備中抽籤テーブルを示す図である。
図451に示す通常規定遊技数カウンタ更新処理は、主制御回路100において図450(通常出玉状態共通処理)のステップS4103で行われる処理である。
通常規定遊技数カウンタ更新処理において、まず、メインCPU101は、通常規定遊技数カウンタの値に1加算する(ステップS4121)。通常規定遊技数カウンタの値は、通常出玉状態において行われた単位遊技の回数を示し、メインRAM103に記憶されている。通常規定遊技数カウンタの値は、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)においてのみ加算され、通常出玉状態以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
次に、メインCPU101は、通常規定遊技数カウンタの値が所定値(「251」、「351」、「451」、「551」、「651」、及び、「751」のうちの何れか)であるか否かを判断する(ステップS4122)。
通常規定遊技数カウンタの値が「251」、「351」、「451」、「551」、「651」、及び、「751」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、通常規定遊技数高確1移行抽籤処理を実行する(ステップS4123)。この処理において、メインCPU101は、通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブル(図452A及び図452B参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常規定遊技数高確1移行抽籤の結果として、「非当籤」及び「高確1」のうちの何れかを決定する。
図452A及び図452Bに示す通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルは、通常移行時モード抽籤処理(図442のステップS4061参照)で決定された通常モード(「モード1」、「モード2」、「モード3」、「モード4」、「モード5」、「モード6」、「モード7」、及び、「モード8」)のそれぞれに対して設けられている。通常モードが「モード1」である場合には、図452A(a)に示す通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード2」である場合には、図452A(b)に示す通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード3」である場合には、図452A(c)に示す通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード4」である場合には、図452A(d)に示す通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード5」である場合には、図452B(e)に示す通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード6」である場合には、図452B(f)に示す通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード7」である場合には、図452B(g)に示す通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード8」である場合には、図452B(h)に示す通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルが参照される。
各通常規定遊技数高確1移行抽籤テーブルにおいては、通常規定遊技数カウンタの値(「251」、「351」、「451」、「551」、「651」、及び、「751」)ごとに、通常規定遊技数高確1移行抽籤の結果(「非当籤」及び「高確1」)に対応する抽籤値が規定されている。通常規定遊技数高確1移行抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、通常モードが「モード1」であり、通常規定遊技数カウンタの値が「251」である場合には、通常規定遊技数高確1移行抽籤の結果として、240/256の確率で「非当籤」が決定され、16/256の確率で「高確1」が決定される。
通常規定遊技数高確1移行抽籤の結果として「高確1」が決定された(高確1に当籤した)場合、メインCPU101は、上述した確率モード(図445のステップS4082参照)として高確1をセットするとともに、高確1遊技数カウンタに「50」をセットする。高確1遊技数カウンタの値は、高確1に滞在可能な単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。高確1遊技数カウンタの値は、0よりも大きい場合に、単位遊技が1回行われるごとに1減算される。高確1遊技数カウンタの値が0になると、高確1から非高確へと移行する。図示しないが、当該減算は、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる。
なお、確率モードとして高確2がセットされている状態(図445のステップS4085参照)で、通常規定遊技数高確1移行抽籤の結果として「高確1」が決定された(高確1に当籤した)場合、メインCPU101は、確率モードとして高確3をセットするとともに、高確3遊技数カウンタに「20」をセットし、高確1遊技数カウンタの値及び後述する高確2保障遊技数カウンタの値をクリアする。高確3遊技数カウンタの値は、高確3に滞在可能な単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。高確3遊技数カウンタの値は、0よりも大きい場合に、単位遊技が1回行われるごとに1減算される。高確3遊技数カウンタの値が0になると、高確3から高確2へと移行する。図示しないが、当該減算は、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる。
ステップS4123の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。なお、ステップS4123の処理が実行される時点で、確率モードとして高確3がセットされている場合、メインCPU101は、通常規定遊技数高確1移行抽籤を行わず、本サブルーチンを終了する。
ステップS4122において通常規定遊技数カウンタの値が「251」、「351」、「451」、「551」、「651」、及び、「751」のうちの何れでもないと判断した場合、メインCPU101は、通常規定遊技数カウンタの値が天井ゲーム数(通常移行時天井抽籤(図442のステップS4062参照)で決定された値)であるか否かを判断する(ステップS4124)。
通常規定遊技数カウンタの値が天井ゲーム数であると判断した場合、メインCPU101は、天井準備中をセットする(ステップS4125)。天井準備中は、通常出玉状態において制御される状態であり、前兆状態(チャンスステージA、チャンスステージB、昇格チャンス、及び、疑似BIGの何れかに移行することを示唆する前兆演出が行われる状態)に移行するための準備期間となっている。ステップS4125の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
なお、ステップS4125の処理が実行される時点で、昇格チャンス又は疑似BIGに当籤している場合(昇格チャンス当籤フラグ又は疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている場合)、メインCPU101は、天井準備中をセットせずに、本サブルーチンを終了する。また、天井準備中がセットされている状態で、昇格チャンス又は疑似BIGに当籤した場合、メインCPU101は、天井準備中をクリアする。
ステップS4124において通常規定遊技数カウンタの値が天井ゲーム数ではないと判断した場合、メインCPU101は、通常規定遊技数カウンタの値が特定値(「51」、「151」、「201」、「301」、「401」、「501」、「601」、「701」、及び、「801」のうちの何れか)であるか否かを判断する(ステップS4126)。
通常規定遊技数カウンタの値が「51」、「151」、「201」、「301」、「401」、「501」、「601」、「701」、及び、「801」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、天井フェイク準備中抽籤処理を実行する(ステップS4127)。この処理において、メインCPU101は、天井フェイク準備中抽籤テーブル(図453参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、天井フェイク準備中抽籤の結果として、「非当籤」及び「天井フェイク準備中」のうちの何れかを決定する。
図453に示す天井フェイク準備中抽籤テーブルは、通常移行時モード抽籤処理(図442のステップS4061参照)で決定された通常モード(「モード1」、「モード2」、「モード3」、「モード4」、「モード5」、「モード6」、「モード7」、及び、「モード8」)のそれぞれに対して設けられている。通常モードが「モード1」である場合には、図453(a)に示す天井フェイク準備中抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード2」である場合には、図453(b)に示す天井フェイク準備中抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード3」である場合には、図453(c)に示す天井フェイク準備中抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード4」である場合には、図453(d)に示す天井フェイク準備中抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード5」である場合には、図453(e)に示す天井フェイク準備中抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード6」である場合には、図453(f)に示す天井フェイク準備中抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード7」である場合には、図453(g)に示す天井フェイク準備中抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード8」である場合には、図453(h)に示す天井フェイク準備中抽籤テーブルが参照される。
各天井フェイク準備中抽籤テーブルにおいては、通常規定遊技数カウンタの値(「51」、「151」、「201」、「301」、「401」、「501」、「601」、「701」、及び、「801」)ごとに、天井フェイク準備中抽籤の結果(「非当籤」及び「天井フェイク準備中」)に対応する抽籤値が規定されている。天井フェイク準備中抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、通常モードが「モード1」であり、通常規定遊技数カウンタの値が「51」である場合には、天井フェイク準備中抽籤の結果として、192/256の確率で「非当籤」が決定され、64/256の確率で「天井フェイク準備中」が決定される。
天井フェイク準備中抽籤の結果として「天井フェイク準備中」が決定された(天井フェイク準備中に当籤した)場合、メインCPU101は、天井フェイク準備中をセットする。天井フェイク準備中は、通常出玉状態において制御される状態であり、ガセ前兆状態(チャンスステージA、チャンスステージB、昇格チャンス、及び、疑似BIGの何れにも当籤していないにもかかわらず前兆演出が行われる状態)に移行するための準備期間となっている。
ステップS4126において通常規定遊技数カウンタの値が「51」、「151」、「201」、「301」、「401」、「501」、「601」、「701」、及び、「801」のうちの何れでもないと判断した場合、又は、ステップS4127の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
なお、ステップS4127の処理が実行される時点で、確率モードとして高確3がセットされている場合、乃至、昇格チャンス又は疑似BIGに当籤している場合(昇格チャンス当籤フラグ又は疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている場合)、メインCPU101は、天井フェイク準備中抽籤を行わず、本サブルーチンを終了する。また、天井フェイク準備中がセットされている状態で、昇格チャンス又は疑似BIGに当籤した場合、メインCPU101は、天井フェイク準備中をクリアする。また、通常規定遊技数カウンタの値が「51」、「151」、「201」、「301」、「401」、「501」、「601」、「701」、及び、「801」のうちの何れかである場合であっても、当該値が天井ゲーム数である場合には、ステップS4124の判断結果が「YES」となるため、天井フェイク準備中抽籤は行われないことになる。
なお、本実施形態では、滞在している通常モード(モード1~8)に応じて、ガセ前兆が発生する契機となるゲーム数(発生ゲーム数)の割合に差異を持たせている(天井フェイク準備中抽籤に当籤しやすい通常規定遊技数カウンタの値が、通常モードごとに異なっている)。これにより、発生した前兆が結果として特典(チャンスステージ、昇格チャンス、疑似BIGへの移行)につながらないガセ前兆で終わったとしても、単にハズレであったと遊技者を落胆させるだけにはならず、ガセ前兆の発生ゲーム数に滞在中のモードを推測する手がかりとしての役割を担わせることができる。そのため、モード推測の楽しみや、モードからさらに設定値を推測する楽しみを遊技者に与えることができる。
<天井関連処理>
図454は、主制御回路において行われる天井関連処理を示すフローチャートである。図455A及び図455Bは、天井到達時当籤種別抽籤テーブルを示す図である。
図454に示す天井関連処理は、主制御回路100において図450(通常出玉状態共通処理)のステップS4104で行われる処理である。
天井関連処理において、まず、メインCPU101は、天井準備中(図451のステップS4125参照)がセットされているか否かを判断する(ステップS4141)。
天井準備中がセットされていると判断した場合、メインCPU101は、天井準備中フラグセット抽籤処理を実行する(ステップS4142)。この処理において、メインCPU101は、天井準備中フラグセット抽籤テーブル(図示せず)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、天井準備中フラグセット抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。これにより、16/256の確率で天井準備中フラグセット抽籤に当籤する。
なお、天井準備中遊技数カウンタの値が所定値(17)を超えている場合、メインCPU101は、天井準備中フラグセット抽籤の結果として必ず「当籤」を決定する。天井準備中遊技数カウンタの値は、天井準備中がセットされてから行われた単位遊技の回数を示し、メインRAM103に記憶されている。また、ステップS4142の処理が実行される時点で、昇格チャンス又は疑似BIGに当籤している場合(昇格チャンス当籤フラグ又は疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている場合)、メインCPU101は、天井準備中フラグセット抽籤を行わず、ステップS4143に処理を移す。
ステップS4142の処理を実行した後、メインCPU101は、天井準備中フラグセット抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS4143)。天井準備中フラグセット抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、天井到達時当籤種別抽籤処理を実行する(ステップS4144)。この処理において、メインCPU101は、天井到達時当籤種別抽籤テーブル(図455A及び図455B参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、天井到達時当籤種別抽籤の結果として、「非当籤」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」のうちの何れかを決定する。
図455A及び図455Bに示す天井到達時当籤種別抽籤テーブルは、通常移行時モード抽籤処理(図442のステップS4061参照)で決定された通常モード(「モード1」、「モード2」、「モード3」、「モード4」、「モード5」、「モード6」、「モード7」、及び、「モード8」)のそれぞれに対して設けられている。通常モードが「モード1」である場合には、図455A(a)に示す天井到達時当籤種別抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード2」である場合には、図455A(b)に示す天井到達時当籤種別抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード3」である場合には、図455A(c)に示す天井到達時当籤種別抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード4」である場合には、図455A(d)に示す天井到達時当籤種別抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード5」である場合には、図455B(e)に示す天井到達時当籤種別抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード6」である場合には、図455B(f)に示す天井到達時当籤種別抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード7」である場合には、図455B(g)に示す天井到達時当籤種別抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード8」である場合には、図455B(h)に示す天井到達時当籤種別抽籤テーブルが参照される。
各天井到達時当籤種別抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、天井到達時当籤種別抽籤の結果(「非当籤」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」)に対応する抽籤値が規定されている。天井到達時当籤種別抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、通常モードが「モード1」であり、設定値が設定1である場合には、天井到達時当籤種別抽籤の結果として、255/256の確率で「昇格チャンス」が決定され、1/256の確率で「疑似BIG」が決定される。
天井到達時当籤種別抽籤の結果として「昇格チャンス」が決定された(昇格チャンスに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグをオンにセットする。上述したように、昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、昇格チャンスに当籤すると、前兆状態を経由して昇格チャンスに移行する(図445のステップS4084参照)。また、天井到達時当籤種別抽籤の結果として「昇格チャンス」が決定された(昇格チャンスに当籤した)場合、メインCPU101は、天井到達時昇格チャンス当籤フラグをオンにセットする。天井到達時昇格チャンス当籤フラグは、天井到達時当籤種別抽籤により昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである。
また、天井到達時当籤種別抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、疑似BIGに当籤すると、前兆状態を経由して疑似BIGに移行する(図445のステップS4084参照)。また、天井到達時当籤種別抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、天井到達時疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。天井到達時疑似BIG当籤フラグは、天井到達時当籤種別抽籤により疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。
ステップS4143において天井準備中フラグセット抽籤に当籤していないと判断した場合、又は、ステップS4144の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。なお、ステップS4144の処理を実行した場合、メインCPU101は、天井準備中をクリアする。
ステップS4141において天井準備中がセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、天井フェイク準備中(図451のステップS4127参照)がセットされているか否かを判断する(ステップS4145)。
天井フェイク準備中がセットされていると判断した場合、メインCPU101は、天井フェイク準備中フラグセット抽籤処理を実行する(ステップS4146)。この処理において、メインCPU101は、天井フェイク準備中フラグセット抽籤テーブル(図示せず)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、天井フェイク準備中フラグセット抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。これにより、20/256の確率で天井フェイク準備中フラグセット抽籤に当籤する。なお、天井フェイク準備中遊技数カウンタの値が所定値(17)を超えている場合、メインCPU101は、天井フェイク準備中フラグセット抽籤の結果として必ず「当籤」を決定する。天井フェイク準備中遊技数カウンタの値は、天井フェイク準備中がセットされてから行われた単位遊技の回数を示し、メインRAM103に記憶されている。
天井フェイク準備中フラグセット抽籤に当籤した場合、メインCPU101は、天井フェイク当籤フラグをオンにセットする。天井フェイク当籤フラグは、天井フェイクに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、天井フェイクに当籤すると、前兆状態に移行する。もっとも、チャンスステージA、チャンスステージB、昇格チャンス、及び、疑似BIGのうちの何れかに当籤しない限り、前兆状態が終了しても、これらの出玉状態に移行することはない。すなわち、当該前兆状態は、ガセ前兆演出が行われる状態(ガセ前兆状態)である。また、天井フェイク準備中フラグセット抽籤に当籤した場合、メインCPU101は、天井フェイク準備中をクリアする。
ステップS4145において天井フェイク準備中がセットされていないと判断した場合、又は、ステップS4146の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。なお、ステップS4146の処理が実行される時点で、昇格チャンス又は疑似BIGに当籤している場合(昇格チャンス当籤フラグ又は疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている場合)、メインCPU101は、天井フェイク準備中フラグセット抽籤を行わず、本サブルーチンを終了する。
<ポイント関連処理>
図456は、主制御回路において行われるポイント関連処理を示すフローチャートである。図457は、ポイント獲得抽籤テーブルを示す図である。図458は、ポイント到達時抽籤テーブルを示す図である。
図456に示すポイント関連処理は、主制御回路100において図445(通常ステージ専用処理)のステップS4083で行われる処理である。
ポイント関連処理において、まず、メインCPU101は、内部当籤役決定処理(図26のステップS64参照)により「F_チェリー」(図427及び図428参照)が内部当籤役として決定されたか否かを判断する(ステップS4161)。「F_チェリー」が内部当籤役として決定されたと判断した場合、メインCPU101は、チェリーカウンタの値に1加算する(ステップS4162)。チェリーカウンタの値は、「F_チェリー」が内部当籤役として決定された回数を示し、メインRAM103に記憶されている。チェリーカウンタの値は、通常ステージにおいてのみ加算され、上限値は4となっている。
ステップS4161において「F_チェリー」が内部当籤役として決定されていないと判断した場合、又は、ステップS4162の処理を実行した後、メインCPU101は、ポイント獲得抽籤処理を実行する(ステップS4163)。この処理において、メインCPU101は、ポイント獲得抽籤テーブル(図457参照)を参照して、出玉フラググループ3における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、ポイント獲得抽籤の結果として、「非当籤」、「5」、「10」、「20」、「30」、「40」、「50」、及び、「100」のうちの何れかを決定する。
図457に示すポイント獲得抽籤テーブルは、出玉フラググループ3における出玉フラグ(「その他」、「リプベル」、「弱レア役」、「斜めスイカ」、及び、「リーチ目orリーチ目BB」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ3における出玉フラグが「その他」である場合には、図457(a)に示すポイント獲得抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ3における出玉フラグが「リプベル」である場合には、図457(b)に示すポイント獲得抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ3における出玉フラグが「弱レア役」である場合には、図457(c)に示すポイント獲得抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ3における出玉フラグが「斜めスイカ」である場合には、図457(d)に示すポイント獲得抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ3における出玉フラグが「リーチ目」又は「リーチ目BB」である場合には、図457(e)に示すポイント獲得抽籤テーブルが参照される。
各ポイント獲得抽籤テーブルにおいては、チェリーカウンタの値(「0」、「1」、「2」、「3」、及び、「4」)ごとに、ポイント獲得抽籤の結果(「非当籤」、「5」、「10」、「20」、「30」、「40」、「50」、及び、「100」)に対応する抽籤値が規定されている。ポイント獲得抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、出玉フラググループ3における出玉フラグが「リプベル」であり、チェリーカウンタの値が「4」である場合には、ポイント獲得抽籤の結果として、192/256の確率で「30」が決定され、32/256の確率で「50」が決定され、32/256の確率で「100」が決定される。
ポイント獲得抽籤の結果として「0」よりも大きな値が決定された(ポイント獲得抽籤に当籤した)場合、メインCPU101は、当該値を通常ポイントの値に加算する。通常ポイントの値は、ポイント到達時抽籤(ステップS4165参照)において使用されるものであり、メインRAM103に記憶されている。サブ演出表示部22(図1参照)には、通常ポイントの値に対応する画像(例えば、メーター等)が表示されており、通常ポイントがどの程度溜まっているのかを遊技者が視認可能となっている。当該メーターが満タンになったとき、ポイント到達時抽籤が行われることになる。
なお、通常ポイントの値が加算される際(ポイント獲得時)には、ポイント獲得を示す演出を行っても良い。本実施例では、図457(b)に示す「リプベル」に対応する内部当籤役(リプレイ乃至共通ベル)に応じて通常ポイントが加算されるため、例えば、全リール停止後にリプレイ乃至共通ベルが入賞した状態でリプレイ乃至共通ベルの入賞後エフェクト(画面又はリールバックライトなどから通常ポイントの値に対応する画像(メーター等)へ向けて光が流れるような演出)を行って、リプレイ乃至共通ベルの当籤によってメーターの値が増えるというゲーム性を遊技者に分かりやすいものとしてもよい。また、スタートレバー操作後から全リール停止より前のタイミングでポイントの獲得を示唆する演出やポイント獲得確定演出を発生可能としてもよい。このような構成とすることで、特にあと少しで100ポイントに到達するという局面での興趣が高まる。
また、加算後の通常ポイントの値が100以上である場合、メインCPU101は、ポイント到達フラグをオンにセットする。ポイント到達フラグは、通常ポイントの値が100に到達したことを示すフラグである。一の単位遊技においてポイント到達フラグがオンにセットされた場合、当該単位遊技の次の単位遊技におけるポイント関連処理が開始するとき、メインCPU101は、ポイント到達フラグをオフにセットし、ポイント到達時抽籤フラグをオンにセットする。ポイント到達時抽籤フラグは、ポイント到達時抽籤が行われることを示すフラグである。
ステップS4163の処理を実行した後、メインCPU101は、前回の単位遊技で通常ポイントの値が100に到達したか否かを判断する(ステップS4164)。メインCPU101は、ポイント到達時抽籤フラグを参照することにより、前回の単位遊技で通常ポイントの値が100に到達したことを認識することができる。
前回の単位遊技で通常ポイントの値が100に到達したと判断した場合、メインCPU101は、ポイント到達回数カウンタの値に1加算する(ステップS4165)。上述したように、ポイント到達回数カウンタの値は、通常ポイントの値が100に到達した回数を示し、メインRAM103に記憶されている。ポイント到達回数カウンタの値は、通常ステージにおいてのみ加算され、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
そして、メインCPU101は、ポイントモード抽籤処理を実行する(ステップS4166)。この処理において、メインCPU101は、ポイントモード抽籤テーブル(図444参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、ポイントモード抽籤の結果(ポイントモード)として、「ポイントモード1」、「ポイントモード2」、及び、「ポイントモード3」のうちの何れかを決定する。この処理は、図442のステップS4063の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
次に、メインCPU101は、ポイント到達時抽籤処理を実行する(ステップS4167)。この処理において、メインCPU101は、ポイント到達時抽籤テーブル(図458参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、ポイント到達時抽籤の結果として、「高確2」、「チャンスステージA」、「チャンスステージB」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」のうちの何れかを決定する。
図458に示すポイント到達時抽籤テーブルは、『ポイント到達回数カウンタ「0」』、『ポイント到達回数カウンタ「1、3、5、7」』、『ポイント到達回数カウンタ「2、4、6、8」』、並びに、『ポイント到達回数カウンタ「9以上」or「ポイントモード3」』のそれぞれに対して設けられている。ポイント到達回数カウンタの値が「0」である場合には、図458(a)に示すポイント到達時抽籤テーブルが参照され、ポイント到達回数カウンタの値が「1」、「3」、「5」、及び、「7」のうちの何れか(奇数)である場合には、図458(b)に示すポイント到達時抽籤テーブルが参照され、ポイント到達回数カウンタの値が「2」、「4」、「6」、及び、「8」のうちの何れか(偶数)である場合には、図458(c)に示すポイント到達時抽籤テーブルが参照され、ポイント到達回数カウンタの値が「9」以上である場合、又は、ポイントモード(ステップS4166参照)が「ポイントモード3」である場合には、図458(d)に示すポイント到達時抽籤テーブルが参照される。
各ポイント到達時抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、ポイント到達時抽籤の結果(「高確2」、「チャンスステージA」、「チャンスステージB」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」)に対応する抽籤値が規定されている。ポイント到達時抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、ポイント到達回数カウンタの値が「1」、「3」、「5」、及び、「7」のうちの何れか(奇数)であり、設定値が設定6である場合には、ポイント到達時抽籤の結果として、170/256の確率で「高確2」が決定され、76/256の確率で「チャンスステージA」が決定され、2/256の確率で「チャンスステージB」が決定され、8/256の確率で「昇格チャンス」が決定される。また、ポイント到達回数カウンタの値が「9」以上である場合、又は、ポイントモードが「ポイントモード3」である場合には、設定値にかかわらず、256/256の確率で「疑似BIG」が決定される。
ポイント到達時抽籤の結果として「高確2」が決定された場合、メインCPU101は、ポイント到達時高確2当籤フラグをオンにセットする。ポイント到達時高確2当籤フラグは、ポイント到達時抽籤の結果として「高確2」が決定されたことを示すフラグである。詳細については後述するが、ポイント到達時高確2当籤フラグがオンにセットされている場合には、非高確乃至高確1から高確2乃至高確3へと確率モードが移行する可能性がある(図445のステップS4085参照)。
また、ポイント到達時抽籤の結果として「チャンスステージA」が決定された(チャンスステージAに当籤した)場合、メインCPU101は、チャンスステージA当籤回数カウンタの値に1を加算する。上述したように、チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であることは、チャンスステージAに当籤していることを示す。詳細については後述するが、チャンスステージAに当籤すると、前兆状態を経由してチャンスステージAに移行する(図445のステップS4084参照)。また、ポイント到達時抽籤の結果として「チャンスステージA」が決定された(チャンスステージAに当籤した)場合、メインCPU101は、ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタの値に1を加算する。ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であることは、ポイント到達時抽籤によりチャンスステージAに当籤していることを示す。
また、ポイント到達時抽籤の結果として「チャンスステージB」が決定された(チャンスステージBに当籤した)場合、メインCPU101は、チャンスステージB当籤回数カウンタの値に1を加算する。上述したように、チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であることは、チャンスステージBに当籤していることを示す。詳細については後述するが、チャンスステージBに当籤すると、前兆状態を経由してチャンスステージBに移行する(図445のステップS4084参照)。また、ポイント到達時抽籤の結果として「チャンスステージB」が決定された(チャンスステージBに当籤した)場合、メインCPU101は、ポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタの値に1を加算する。ポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であることは、ポイント到達時抽籤によりチャンスステージBに当籤していることを示す。
また、ポイント到達時抽籤の結果として「昇格チャンス」が決定された(昇格チャンスに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグをオンにセットする。上述したように、昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、昇格チャンスに当籤すると、前兆状態を経由して昇格チャンスに移行する(図445のステップS4084参照)。また、ポイント到達時抽籤の結果として「昇格チャンス」が決定された(昇格チャンスに当籤した)場合、メインCPU101は、ポイント到達時昇格チャンス当籤フラグをオンにセットする。ポイント到達時昇格チャンス当籤フラグは、ポイント到達時抽籤により昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである。
また、ポイント到達時抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、疑似BIGに当籤すると、前兆状態を経由して疑似BIGに移行する(図445のステップS4084参照)。また、ポイント到達時抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、ポイント到達時疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。ポイント到達時疑似BIG当籤フラグは、ポイント到達時抽籤により疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。
以上より、ポイント到達回数カウンタの値が「9」以上である場合、又は、ポイントモードとしてポイントモード3がセットされている場合において、ポイント到達時抽籤が行われた場合には、疑似BIGに移行することが確定する。上述した通常ポイントの値に対応する画像(例えば、メーター等)には、現在のポイントモードに応じた色が付されている。これにより、例えば、ポイントモードとしてポイントモード3がセットされている場合には、当該メーターの色が所定色(例えば、金色)となる。なお、ステップS4167の処理を実行したとき、メインCPU101は、通常ポイントの値から100を減算する。
ステップS4164において前回の単位遊技で通常ポイントの値が100に到達していないと判断した場合、又は、ステップS4167の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
なお、ステップS4164において前回の単位遊技で通常ポイントの値が100に到達したと判断した場合であっても、チャンスステージA、チャンスステージB、昇格チャンス、又は、疑似BIGに当籤している場合(チャンスステージA当籤回数カウンタの値若しくはチャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上である場合、又は、昇格チャンス当籤フラグ若しくは疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている場合)、確率モードとして高確3がセットされている場合、乃至、前兆状態中である場合、メインCPU101は、ステップS4165~ステップS4167の処理を実行せずに、本サブルーチンを終了する。もっとも、これらの場合であっても、ポイントモードとしてポイントモード3がセットされている場合には、ステップS4165~ステップS4167の処理を実行することとしてもよい。
ここで、前兆状態にはガセ前兆状態も含まれているところ、ガセ前兆状態中である場合においても、ステップS4165~ステップS4167の処理(ポイント到達時抽籤)は実行されない。上述したように、ポイント到達時抽籤が行われた場合には通常ポイントの値から100が減算されるところ、サブ演出表示部22に表示されている上記メーターを見ることで、遊技者は、ポイント到達時抽籤が行われたことを認識することができる。仮に、本前兆状態中にはポイント到達時抽籤を行わない一方、ガセ前兆状態中にはポイント到達時抽籤を行うこととすれば、当該メーターを通じて、現在行われている前兆演出がガセ前兆演出であることが遊技者に見抜かれてしまう可能性がある。この点、本実施形態では、本前兆状態と同様に、ガセ前兆状態も主制御回路100で管理しているため(図454のステップS4146参照)、ガセ前兆状態中においてポイント到達時抽籤を行わないように構成することが可能であり、これにより、本前兆演出とガセ前兆演出との区別を行うことを困難にし、前兆演出に対する遊技者の期待感を確保することができる。
なお、通常ポイントの値が規定値(100ポイント)に到達した場合(100ポイント到達時)には、100ポイント到達を示す到達演出を行っても良い。ここで、単にポイントによる抽籤(ポイント到達時抽籤)を受けられる旨を示すだけの演出でも良いが、滞在中のポイントモードや設定値、ポイント到達回数カウンタの値などを参照して、特典の当籤期待度や当たりやすい特典の種別を示唆するような演出を行うものとしてもよい。例えば、100ポイント到達時にメーターが点滅するパターンをデフォルト演出とし、メーターに雷が落ちるエフェクトが発生すれば特典(例えば、昇格チャンス乃至疑似BIG)の当籤期待度が高いなどとしても良い。また、通常ポイントの値に対応するメーター等の画像と関連のない画像などを表示する演出としてもよい。例えば、画面に登場するミニキャラの種別で期待度などを示唆するものとしてもよい。
また、本実施形態では、100ポイント到達の次の単位遊技でポイント到達時抽籤処理が実行されるため、以上のような特典の当籤期待度や当たりやすい特典の種別を示唆する演出などを、上述したリプレイ乃至共通ベルの入賞後エフェクトが発生した単位遊技の次の単位遊技中に発生させるように構成することが可能である。例えば、ポイント到達時抽籤が行われてから当該抽籤の結果の報知が行われるよりも前に(例えば、ポイント到達時抽籤が行われた単位遊技におけるスタートレバー操作後全リール停止前)に当該ポイント到達時抽籤の結果に応じて当該演出を行うこととしてもよい。この場合、ポイント到達時抽籤の結果は、当該抽籤が行われた単位遊技における全リール停止時に報知されることとしてもよい。
また、前兆状態中のポイント関連処理については、以下のような構成を採用することが可能である。例えば、前兆状態中はガセ前兆・本前兆のいずれである場合においてもメーターを非表示として、前兆演出に遊技者が集中できるようにしてもよい(仕様例1)。また、ガセ前兆中に通常ポイントの値が100ポイントに到達し、ポイント到達時抽籤が行われた場合であっても結果は即座に報知せず、前兆終了後に、ポイント到達を示す演出やポイント到達時抽籤が行われた旨を示す演出を行ったり、抽籤結果の報知を行ったりするものとしてもよい(仕様例2)。また、仕様例1と仕様例2とを組み合わせてもよい。
ここで、非前兆状態においてポイント到達時抽籤が行われた場合、当該ポイント到達時抽籤の結果は、当該ポイント到達時抽籤が行われた単位遊技における全リール停止時に報知するように構成することが可能である。仕様例2は、前兆状態においてポイント到達時抽籤が行われた場合に、前兆終了後に当該結果を報知するのを原則としつつ、抽籤結果が昇格チャンスや疑似BIGの当籤である場合には、前兆中に当該結果を報知するものであることが望ましい。この場合は、ガセ前兆中の演出状態に対応する当り報知演出を出すものとして違和感なく演出を行うとよい。なお、上述したように、ガセ前兆が発生した場合には、設定値を推測することが可能であるところ、ガセ前兆中にポイント到達時抽籤により昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤したことを報知する場合、当該前兆がガセであったのか否かが不明であるものとした方が、設定推測の難易度を高めることができる。
また、ガセ前兆中に通常ポイントの値が100ポイントに到達した場合は、ポイント到達時抽籤の実行を当該ガセ前兆の終了時、あるいは、ガセ前兆終了から1~3ゲーム後などまで先送りしてもよい(仕様例3)。この場合は、ポイント到達を示す演出やポイント到達時抽籤が行われた旨を示す演出、抽籤結果の報知等も合わせて先送りされる。このようにすることで、昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤して移行する状況において、当該当籤を契機として前兆に移行したのか、あるいは、前兆中に行われたポイント到達時抽籤により昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤したのかが、遊技者にとって分かりやすい仕様となる。
<通常ステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理>
図459は、主制御回路において行われる通常ステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理を示すフローチャートである。図460は、主制御回路において行われる通常ステージ中疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤処理を示すフローチャートである。図461は、主制御回路において行われる通常ステージ中チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤処理を示すフローチャートである。図462A(a)は、通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルを示す図である。図462A(b)は、通常ステージ中(天井到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルを示す図である。図462A(c)は、通常ステージ中(基本)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルを示す図である。図462B(d)は、通常ステージ中(ポイント到達時)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルを示す図である。図462B(e)は、通常ステージ中(基本)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルを示す図である。図462B(f)は、通常ステージ中天井フェイク当籤時前兆遊技数抽籤テーブルを示す図である。
図459に示す通常ステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理は、主制御回路100において図445(通常ステージ専用処理)のステップS4084で行われる処理である。
通常ステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理において、まず、メインCPU101は、前兆遊技数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4181)。前兆遊技数カウンタの値は、前兆状態に制御される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。通常ステージ中の前兆状態においては、チャンスステージA、チャンスステージB、昇格チャンス、及び、疑似BIGのうちの何れかに移行することを示唆する前兆演出が行われる。前兆遊技数カウンタの値が0ではない(1以上である)ことは、前兆状態中であることを示している。
前兆遊技数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、前兆遊技数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4182)。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである(図445のステップS4082、図454のステップS4144、及び、図456のステップS4167参照)。
疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4183)。上述したように、昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである(図445のステップS4082、図454のステップS4144、及び、図456のステップS4167参照)。
ステップS4182において疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS4183において昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ中疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤処理を実行する(ステップS4184)。ここで、図460を用いて、通常ステージ中疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤処理について説明する。
通常ステージ中疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤処理において、まず、メインCPU101は、ポイント到達時疑似BIG当籤フラグ又はポイント到達時昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4201)。上述したように、ポイント到達時疑似BIG当籤フラグは、ポイント到達時抽籤により疑似BIGに当籤したことを示すフラグであり、ポイント到達時昇格チャンス当籤フラグは、ポイント到達時抽籤により昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである(図456のステップS4167参照)。
ポイント到達時疑似BIG当籤フラグ又はポイント到達時昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤を実行する(ステップS4202)。この処理において、メインCPU101は、通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブル(図462A(a)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤の結果(前兆遊技数候補)として、「0」、「1~4」、「5~8」、「9~12」、「13~16」、「17~20」、「21~24」、「25~28」、及び、「29~32」のうちの何れかを決定する。
図462A(a)に示す通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルにおいては、通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤の結果(「0」、「1~4」、「5~8」、「9~12」、「13~16」、「17~20」、「21~24」、「25~28」、及び、「29~32」)に対応する抽籤値が規定されている。通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤の結果(前兆遊技数候補)として、64/256の確率で「0」が決定され、32/256の確率で「1~4」が決定され、128/256の確率で「5~8」が決定され、16/256の確率で「9~12」が決定され、16/256の確率で「13~16」が決定される。決定された前兆遊技数候補には、複数の数値が含まれる場合がある。この場合、メインCPU101は、さらに乱数値に基づく抽籤を行うことにより、当該複数の数値のうちの一の数値を決定する。メインCPU101は、このようにして決定された一の数値を前兆遊技数として決定する。なお、ポイントモードとしてポイントモード3がセットされている場合には、前兆遊技数として「0」を決定することとしてもよい。
そして、メインCPU101は、ステップS4202で決定された前兆遊技数に1を加えた数を前兆遊技数カウンタにセットし(ステップS4203)、本サブルーチンを終了する。
ステップS4201においてポイント到達時疑似BIG当籤フラグ及びポイント到達時昇格チャンス当籤フラグが何れもオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、天井到達時疑似BIG当籤フラグ又は天井到達時昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4204)。上述したように、天井到達時疑似BIG当籤フラグは、天井到達時当籤種別抽籤により疑似BIGに当籤したことを示すフラグであり、天井到達時昇格チャンス当籤フラグは、天井到達時当籤種別抽籤により昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである(図454のステップS4144参照)。
天井到達時疑似BIG当籤フラグ又は天井到達時昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ中(天井到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤を実行する(ステップS4205)。この処理において、メインCPU101は、通常ステージ中(天井到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブル(図462A(b)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常ステージ中(天井到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤の結果(前兆遊技数候補)として、「0」、「1~4」、「5~8」、「9~12」、「13~16」、「17~20」、「21~24」、「25~28」、及び、「29~32」のうちの何れかを決定する。
図462A(b)に示す通常ステージ中(天井到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルの基本的な構成は、図462A(a)に示す通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルと同様である。これにより、メインCPU101は、一の数値を前兆遊技数として決定する。
そして、メインCPU101は、ステップS4205で決定された前兆遊技数に1を加えた数を前兆遊技数カウンタにセットし(ステップS4206)、本サブルーチンを終了する。
ステップS4204において天井到達時疑似BIG当籤フラグ及び天井到達時昇格チャンス当籤フラグが何れもオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ中(基本)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤を実行する(ステップS4207)。この処理において、メインCPU101は、通常ステージ中(基本)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブル(図462A(c)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常ステージ中(基本)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤の結果(前兆遊技数候補)として、「0」、「1~4」、「5~8」、「9~12」、「13~16」、「17~20」、「21~24」、「25~28」、及び、「29~32」のうちの何れかを決定する。
図462A(c)に示す通常ステージ中(基本)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルの基本的な構成は、図462A(a)に示す通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルと同様である。これにより、メインCPU101は、一の数値を前兆遊技数として決定する。
そして、メインCPU101は、ステップS4207で決定された前兆遊技数に1を加えた数を前兆遊技数カウンタにセットし(ステップS4208)、本サブルーチンを終了する。
以上、図460を用いて、図459のステップS4184で行われる通常ステージ中疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤処理について説明した。図459に説明を戻す。ステップS4184の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4183において昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS4185)。上述したように、チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であることは、チャンスステージBに当籤していることを示す(図445のステップS4082及び図456のステップS4167参照)。
チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS4186)。上述したように、チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であることは、チャンスステージAに当籤していることを示す(図445のステップS4082及び図456のステップS4167参照)。
ステップS4185においてチャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であると判断した場合、又は、ステップS4186においてチャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であると判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ中チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤処理を実行する(ステップS4187)。ここで、図461を用いて、通常ステージ中チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤処理について説明する。
通常ステージ中チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤処理において、まず、メインCPU101は、ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタの値又はポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS4221)。上述したように、ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であることは、ポイント到達時抽籤によりチャンスステージAに当籤していることを示し、ポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であることは、ポイント到達時抽籤によりチャンスステージBに当籤していることを示す(図456のステップS4167参照)。
ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタの値又はポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であると判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ中(ポイント到達時)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤を実行する(ステップS4222)。この処理において、メインCPU101は、通常ステージ中(ポイント到達時)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤テーブル(図462B(d)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常ステージ中(ポイント到達時)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤の結果(前兆遊技数候補)として、「0」、「1~4」、「5~8」、「9~12」、「13~16」、「17~20」、「21~24」、「25~28」、及び、「29~32」のうちの何れかを決定する。
図462B(d)に示す通常ステージ中(ポイント到達時)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルの基本的な構成は、図462A(a)に示す通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルと同様である。これにより、メインCPU101は、一の数値を前兆遊技数として決定する。
そして、メインCPU101は、ステップS4222で決定された前兆遊技数に1を加えた数を前兆遊技数カウンタにセットし(ステップS4223)、本サブルーチンを終了する。
ステップS4221においてポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタの値及びポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタの値が何れも1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ中(基本)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤を実行する(ステップS4224)。この処理において、メインCPU101は、通常ステージ中(基本)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤テーブル(図462B(e)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常ステージ中(基本)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤の結果(前兆遊技数候補)として、「0」、「1~4」、「5~8」、「9~12」、「13~16」、「17~20」、「21~24」、「25~28」、及び、「29~32」のうちの何れかを決定する。
図462B(e)に示す通常ステージ中(基本)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルの基本的な構成は、図462A(a)に示す通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルと同様である。これにより、メインCPU101は、一の数値を前兆遊技数として決定する。
そして、メインCPU101は、ステップS4224で決定された前兆遊技数に1を加えた数を前兆遊技数カウンタにセットし(ステップS4225)、本サブルーチンを終了する。
以上、図461を用いて、図459のステップS4187で行われる通常ステージ中チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤処理について説明した。図459に説明を戻す。ステップS4187の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。なお、チャンスステージAの当籤及びチャンスステージBの当籤がストックされている場合には、チャンスステージA乃至チャンスステージBから通常ステージへと移行した最初の単位遊技(通常ステージの1ゲーム目)においてステップS4187の処理が実行されることになる。
ステップS4186においてチャンスステージA当籤回数カウンタの値が1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、天井フェイク当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4188)。上述したように、天井フェイク当籤フラグは、天井フェイクに当籤したことを示すフラグである(図454のステップS4146参照)。
天井フェイク当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、天井フェイク当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ中天井フェイク当籤時前兆遊技数抽籤を実行する(ステップS4189)。この処理において、メインCPU101は、通常ステージ中天井フェイク当籤時前兆遊技数抽籤テーブル(図462B(f)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、通常ステージ中天井フェイク当籤時前兆遊技数抽籤の結果(前兆遊技数候補)として、「0」、「1~4」、「5~8」、「9~12」、「13~16」、「17~20」、「21~24」、「25~28」、及び、「29~32」のうちの何れかを決定する。
図462B(f)に示す通常ステージ中天井フェイク当籤時前兆遊技数抽籤テーブルの基本的な構成は、図462A(a)に示す通常ステージ中(ポイント到達時)疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤テーブルと同様である。これにより、メインCPU101は、一の数値を前兆遊技数として決定する。
そして、メインCPU101は、ステップS4189で決定された前兆遊技数に1を加えた数を前兆遊技数カウンタにセットし(ステップS4190)、本サブルーチンを終了する。
以上のように、図460のステップS4203、ステップS4206、若しくは、ステップS4208、図461のステップS4223若しくはステップS4225、又は、図459のステップS4190において、前兆遊技数カウンタに初期値がセットされた場合、メインCPU101は、前兆演出開始コマンドデータを生成し、生成した前兆演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納された前兆演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、前兆演出を開始させるタイミングであることを認識することができるようになり、前兆演出のための画像の表示、音の出力、光の出力等を開始させる処理が行われる。その結果、前兆遊技数カウンタにセットされた値に相当する回数の単位遊技に亘って前兆演出が行われる(前兆状態に制御される)ことになる。
<通常ステージ用前兆遊技数カウンタ管理処理>
図463は、主制御回路において行われる通常ステージ用前兆遊技数カウンタ管理処理を示すフローチャートである。
図463に示す通常ステージ用前兆遊技数カウンタ管理処理は、現在の出玉状態が通常ステージ(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
通常ステージ用前兆遊技数カウンタ管理処理において、まず、メインCPU101は、前兆遊技数カウンタ(図460のステップS4203、ステップS4206、及び、ステップS4208、図461のステップS4223及びステップS4225、並びに、図459のステップS4190参照)の値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS4241)。前兆遊技数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、前兆遊技数カウンタの値が0よりも大きいと判断した場合、メインCPU101は、前兆遊技数カウンタの値から1減算する(ステップS4242)。そして、メインCPU101は、前兆遊技数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4243)。前兆遊技数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、前兆遊技数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、前兆演出を終了する(ステップS4244)。この処理において、メインCPU101は、前兆演出終了コマンドデータを生成し、生成した前兆演出終了コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納された前兆演出終了コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、前兆演出を終了させるタイミングであることを認識することができるようになり、前兆演出のために行っている画像の表示、音の出力、光の出力等を終了させる処理が行われる。
次に、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4245)。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである(図445のステップS4082、図454のステップS4144、及び、図456のステップS4167参照)。
疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG移行フラグをオンにセットする(ステップS4246)。また、図示しないが、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオフにセットし、ポイント到達時疑似BIG当籤フラグ乃至天井到達時疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている場合、メインCPU101は、これらのフラグもオフにセットする。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
疑似BIG移行フラグは、疑似BIGを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、疑似BIG移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、疑似BIGに移行する。
ステップS4245において疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4247)。上述したように、昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである(図445のステップS4082、図454のステップS4144、及び、図456のステップS4167参照)。
昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス移行フラグをオンにセットする(ステップS4248)。また、図示しないが、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグをオフにセットし、ポイント到達時昇格チャンス当籤フラグ乃至天井到達時昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされている場合、メインCPU101は、これらのフラグもオフにセットする。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
昇格チャンス移行フラグは、昇格チャンスを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、昇格チャンス移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、昇格チャンスに移行する。
ステップS4247において昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS4249)。上述したように、チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であることは、チャンスステージBに当籤していることを示す(図445のステップS4082、及び、図456のステップS4167参照)。
チャンスステージB当籤回数カウンタの値が1以上であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージB移行フラグをオンにセットする(ステップS4250)。また、図示しないが、メインCPU101は、チャンスステージB当籤回数カウンタの値から1減算する。また、今回終了する前兆状態が通常ステージ中(ポイント到達時)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤(図461のステップS4222参照)が行われることにより開始されたものである場合、メインCPU101は、ポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタの値から1減算する。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
チャンスステージB移行フラグは、チャンスステージBを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、チャンスステージB移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、チャンスステージBに移行する。
ステップS4249においてチャンスステージB当籤回数カウンタの値が1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS4251)。上述したように、チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であることは、チャンスステージAに当籤していることを示す(図445のステップS4082、及び、図456のステップS4167参照)。チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、チャンスステージA当籤回数カウンタの値が1以上であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージA移行フラグをオンにセットする(ステップS4252)。また、図示しないが、メインCPU101は、チャンスステージA当籤回数カウンタの値から1減算する。また、今回終了する前兆状態が通常ステージ中(ポイント到達時)チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤(図461のステップS4222参照)が行われることにより開始されたものである場合、メインCPU101は、ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタの値から1減算する。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
チャンスステージA移行フラグは、チャンスステージAを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、チャンスステージA移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、チャンスステージAに移行する。
以上より、チャンスステージA、チャンスステージB、昇格チャンス、及び、疑似BIGのうちの何れかに当籤した場合には、前兆状態を経由して、チャンスステージA、チャンスステージB、昇格チャンス、又は、疑似BIGへと移行する。一方、天井フェイクに当籤しても、出玉状態の移行は行われない。また、チャンスステージA、チャンスステージB、昇格チャンス、及び、疑似BIGのうち、複数の出玉状態に当籤した場合には、疑似BIGへの移行が最も優先的に行われ、昇格チャンスへの移行が次に優先的に行われ、チャンスステージBへの移行が次に優先的に行われ、チャンスステージAへの移行が次に優先的に行われる。
なお、天井フェイクに当籤することにより前兆状態に移行した場合において、前兆状態中に昇格チャンス又は疑似BIGに当籤した場合には、前兆状態が終了したとき、昇格チャンス又は疑似BIGへと移行させるようにしてもよい。また、チャンスステージA又はチャンスステージBに当籤することにより前兆状態に移行した場合において、前兆状態中に昇格チャンス又は疑似BIGに当籤した場合には、前兆状態が終了したとき、昇格チャンス又は疑似BIGへと移行させるようにしてもよいし、チャンスステージA又はチャンスステージBへと移行させるようにしてもよい。
<確率モード関連処理>
図464は、主制御回路において行われる確率モード関連処理を示すフローチャートである。図465(a)は、高確2移行抽籤テーブル(1)を示す図である。図465(b)は、高確2移行抽籤テーブル(2)を示す図である。図465(c)は、高確2移行抽籤テーブル(3)を示す図である。図465(d)は、高確2転落抽籤テーブルを示す図である。
図464に示す確率モード関連処理は、主制御回路100において図445(通常ステージ専用処理)のステップS4085で行われる処理である。
確率モード関連処理において、まず、メインCPU101は、内部当籤役決定処理(図26のステップS64参照)により「F_チェリー」(図427及び図428参照)が内部当籤役として決定されたか否かを判断する(ステップS4261)。
「F_チェリー」が内部当籤役として決定されたと判断した場合、メインCPU101は、高確2移行抽籤処理(1)を実行する(ステップS4262)。この処理において、メインCPU101は、高確2移行抽籤テーブル(1)(図465(a)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、高確2移行抽籤(1)の結果として、「0」、「10」、「20」、「30」、「40」、及び、「50」のうちの何れかを決定する。
図465(a)に示す高確2移行抽籤テーブル(1)においては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、高確2移行抽籤(1)の結果(「0」、「10」、「20」、「30」、「40」、及び、「50」)に対応する抽籤値が規定されている。高確2移行抽籤(1)の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、設定値1が設定1である場合には、高確2移行抽籤(1)の結果として、170/256の確率で「0」が決定され、58/256の確率で「10」が決定され、28/256の確率で「20」が決定される。
上述したように、通常出玉状態においては、非高確、高確1、高確2、及び、高確3のうちの何れかの確率モードに制御される。現在の確率モードが非高確である場合において、高確2移行抽籤(1)の結果として「0」よりも大きな値が決定された(高確2移行抽籤(1)に当籤した)場合、メインCPU101は、確率モードとして高確2をセットするとともに、高確2移行抽籤(1)の結果として決定された値を高確2保障遊技数カウンタにセットする(ステップS4263)。高確2保障遊技数カウンタの値は、高確2に滞在することが保障される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。高確2保障遊技数カウンタの値は、0よりも大きい場合に、高確2において単位遊技が1回行われるごとに1減算される。図示しないが、当該減算は、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる。
また、現在の確率モードが高確2である場合において、高確2移行抽籤(1)の結果として「0」よりも大きな値が決定された(高確2移行抽籤(1)に当籤した)場合、メインCPU101は、高確2移行抽籤(1)の結果として決定された値が現在の高確2保障遊技数カウンタの値よりも大きな値である場合には、当該高確2移行抽籤(1)の結果として決定された値を高確2保障遊技数カウンタにセットする一方、高確2移行抽籤(1)の結果として決定された値が現在の高確2保障遊技数カウンタの値以下である場合には、当該高確2移行抽籤(1)の結果として決定された値を破棄する。
また、現在の確率モードが高確1である場合において、高確2移行抽籤(1)の結果として「0」よりも大きな値が決定された(高確2移行抽籤(1)に当籤した)場合、メインCPU101は、確率モードとして高確3をセットして、高確3遊技数カウンタに「20」をセットするとともに、高確1遊技数カウンタの値をクリアし、高確2移行抽籤(1)の結果として決定された値を破棄する。なお、現在の確率モードが高確3である場合、メインCPU101は、ステップS4261の判断結果が「YES」でも、高確2移行抽籤(1)を実行しない。
ステップS4261において「F_チェリー」が内部当籤役として決定されていないと判断した場合、又は、ステップS4263の処理を実行した後、メインCPU101は、ポイント到達時高確2当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4264)。上述したように、ポイント到達時高確2当籤フラグは、ポイント到達時抽籤(図456のステップS4167参照)の結果として「高確2」が決定されたことを示すフラグである。
ポイント到達時高確2当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、高確2移行抽籤処理(2)を実行する(ステップS4265)。この処理において、メインCPU101は、高確2移行抽籤テーブル(2)(図465(b)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、高確2移行抽籤(2)の結果として、「0」、「10」、「20」、「30」、「40」、及び、「50」のうちの何れかを決定する。図465(b)に示す高確2移行抽籤テーブル(2)の基本的な構成は、図465(a)に示す高確2移行抽籤テーブル(1)と同様である。
ステップS4263の処理と同様に、現在の確率モードが非高確である場合において、高確2移行抽籤(2)の結果として「0」よりも大きな値が決定された(高確2移行抽籤(2)に当籤した)場合、メインCPU101は、確率モードとして高確2をセットするとともに、高確2移行抽籤(2)の結果として決定された値を高確2保障遊技数カウンタにセットする(ステップS4266)。
また、現在の確率モードが高確2である場合において、高確2移行抽籤(2)の結果として「0」よりも大きな値が決定された(高確2移行抽籤(2)に当籤した)場合、メインCPU101は、高確2移行抽籤(2)の結果として決定された値が現在の高確2保障遊技数カウンタの値よりも大きな値である場合には、当該高確2移行抽籤(2)の結果として決定された値を高確2保障遊技数カウンタにセットする一方、高確2移行抽籤(2)の結果として決定された値が現在の高確2保障遊技数カウンタの値以下である場合には、当該高確2移行抽籤(2)の結果として決定された値を破棄する。
また、現在の確率モードが高確1である場合において、高確2移行抽籤(2)の結果として「0」よりも大きな値が決定された(高確2移行抽籤(2)に当籤した)場合、メインCPU101は、確率モードとして高確3をセットして、高確3遊技数カウンタに「20」をセットするとともに、高確1遊技数カウンタの値をクリアし、高確2移行抽籤(2)の結果として決定された値を破棄する。なお、現在の確率モードが高確3である場合、メインCPU101は、ステップS4264の判断結果が「YES」でも、高確2移行抽籤(2)を実行しない。
ステップS4264においてポイント到達時高確2当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、又は、ステップS4266の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスステージA乃至チャンスステージBから通常ステージへの移行時であるか否かを判断する(ステップS4267)。上述したように、通常ステージへは、通常ステージ移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。通常ステージに移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新することにより通常ステージに移行させた後、続けて、図441に示す通常ステージ用遊技開始時処理が行われる。ステップS4267の処理において、メインCPU101は、今回の単位遊技において通常ステージに移行した場合(今回の単位遊技が通常ステージの1ゲーム目である場合)において、移行元の出玉状態がチャンスステージA又はチャンスステージBである場合に、チャンスステージA乃至チャンスステージBから通常ステージへの移行時であると判断する。
チャンスステージA乃至チャンスステージBから通常ステージへの移行時であると判断した場合、メインCPU101は、高確2移行抽籤処理(3)を実行する(ステップS4268)。この処理において、メインCPU101は、高確2移行抽籤テーブル(3)(図465(c)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、高確2移行抽籤(3)の結果として、「0」、「10」、「20」、「30」、「40」、及び、「50」のうちの何れかを決定する。図465(c)に示す高確2移行抽籤テーブル(3)の基本的な構成は、図465(a)に示す高確2移行抽籤テーブル(1)と同様である。
ステップS4263の処理と同様に、現在の確率モードが非高確である場合において、高確2移行抽籤(3)の結果として「0」よりも大きな値が決定された(高確2移行抽籤(3)に当籤した)場合、メインCPU101は、確率モードとして高確2をセットするとともに、高確2移行抽籤(3)の結果として決定された値を高確2保障遊技数カウンタにセットする(ステップS4269)。
また、現在の確率モードが高確2である場合において、高確2移行抽籤(3)の結果として「0」よりも大きな値が決定された(高確2移行抽籤(3)に当籤した)場合、メインCPU101は、高確2移行抽籤(3)の結果として決定された値が現在の高確2保障遊技数カウンタの値よりも大きな値である場合には、当該高確2移行抽籤(3)の結果として決定された値を高確2保障遊技数カウンタにセットする一方、高確2移行抽籤(3)の結果として決定された値が現在の高確2保障遊技数カウンタの値以下である場合には、当該高確2移行抽籤(3)の結果として決定された値を破棄する。
また、現在の確率モードが高確1である場合において、高確2移行抽籤(3)の結果として「0」よりも大きな値が決定された(高確2移行抽籤(3)に当籤した)場合、メインCPU101は、確率モードとして高確3をセットして、高確3遊技数カウンタに「20」をセットするとともに、高確1遊技数カウンタの値をクリアし、高確2移行抽籤(3)の結果として決定された値を破棄する。なお、現在の確率モードが高確3である場合、メインCPU101は、ステップS4267の判断結果が「YES」でも、高確2移行抽籤(3)を実行しない。
ステップS4267においてチャンスステージA乃至チャンスステージBから通常ステージへの移行時ではないと判断した場合、又は、ステップS4269の処理を実行した後、メインCPU101は、現在の確率モードが高確2及び高確3のうちの何れかであるか否かを判断する(ステップS4270)。現在の確率モードが高確2及び高確3のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU101は、高確2保障遊技数カウンタの値が「0」であるか否かを判断する(ステップS4271)。
高確2保障遊技数カウンタの値が「0」であると判断した場合、メインCPU101は、高確2転落抽籤処理を実行する(ステップS4272)。この処理において、メインCPU101は、高確2転落抽籤テーブル(図465(d)参照)を参照して、出玉フラググループ4における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、高確2転落抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。
図465(d)に示す高確2転落抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ4における出玉フラグ(「その他」及び「非転落役」)ごとに、高確2転落抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。高確2転落抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。これにより、出玉フラググループ4における出玉フラグが「その他」である場合には、192/256の確率で高確2転落抽籤に当籤し、出玉フラググループ4における出玉フラグが「非転落役」である場合には、高確2転落抽籤に必ず非当籤となる。高確2転落抽籤に当籤した場合、メインCPU101は、高確2乃至高確3から非高確へと確率モードを移行させる。
ステップS4270において現在の確率モードが高確2及び高確3のうちの何れでもないと判断した場合、ステップS4271において高確2保障遊技数カウンタの値が「0」ではないと判断した場合、又は、ステップS4272の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<昇格チャンス前処理>
図466は、主制御回路において行われる昇格チャンス前処理を示すフローチャートである。図467は、昇格チャンス移行時抽籤テーブルを示す図である。
図466に示す昇格チャンス前処理は、主制御回路100において図450(通常出玉状態共通処理)のステップS4105で行われる処理である。
昇格チャンス前処理において、まず、メインCPU101は、前兆遊技数カウンタ(図460のステップS4203、ステップS4206、及び、ステップS4208、図461のステップS4223及びステップS4225、並びに、図459のステップS4190参照)の値が1であるか否かを判断する(ステップS4281)。前兆遊技数カウンタの値が1ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、前兆遊技数カウンタの値が1であると判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4282)。上述したように、昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである(図445のステップS4082、図454のステップS4144、及び、図456のステップS4167参照)。
なお、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされている状態で、疑似BIGに当籤した場合、昇格チャンス当籤フラグはオフにセットされるため、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていることは、疑似BIGに当籤していないことを意味する。従って、ステップS4282の判断結果が「YES」となるのは、次回の単位遊技において昇格チャンスに移行することが予定されている場合であると言える。
昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、ポイントモード抽籤処理を実行する(ステップS4283)。この処理において、メインCPU101は、ポイントモード抽籤テーブル(図444参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、ポイントモード抽籤の結果(ポイントモード)として、「ポイントモード1」、「ポイントモード2」、及び、「ポイントモード3」のうちの何れかを決定する。
この処理は、図442のステップS4063の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。なお、メインCPU101は、ステップS4283の処理を実行するに当たり、通常ポイント(図456参照)の値が100以上である場合、当該通常ポイントの値を100で割ったときの商をポイント到達回数カウンタの値に加算する。例えば、通常ポイントの値が250である場合、250÷100=2余り50であるところ、ポイント到達回数カウンタの値に2が加算され、余りの50ポイントは破棄される。
ステップS4283の処理を実行した後、メインCPU101は、昇格チャンス移行時抽籤処理を実行する(ステップS4284)。この処理において、メインCPU101は、昇格チャンス移行時抽籤テーブル(図467参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、昇格チャンス移行時抽籤の結果として、「非当籤」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」のうちの何れかを決定する。
図467に示す昇格チャンス移行時抽籤テーブルにおいては、「ポイントモード1」、「ポイントモード2」、並びに、「ポイントモード3、通常モード7又は通常モード8」のそれぞれについて、昇格チャンス移行時抽籤の結果(「非当籤」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)に対応する抽籤値が規定されている。昇格チャンス移行時抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、ポイントモードとしてポイントモード1がセットされている場合には、昇格チャンス移行時抽籤の結果として、256/256の確率で「非当籤」が決定され、ポイントモードとしてポイントモード2がセットされている場合には、昇格チャンス移行時抽籤の結果として、256/256の確率で「非当籤」が決定される。また、ポイントモードとしてポイントモード3がセットされている場合、乃至、通常モードがモード7又はモード8である場合には、昇格チャンス移行時抽籤の結果として、256/256の確率で「疑似BIG」が決定される。
昇格チャンス移行時抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグをオフにセットする。そして、メインCPU101は、当該昇格チャンス移行時抽籤が行われた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、疑似BIGに移行する。
ステップS4284の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上では、図441~図467を用いて、通常ステージにおいて行われる各種抽籤処理(通常中ロングフリーズ抽籤処理、通常規定遊技数高確1移行抽籤処理、天井フェイク準備中抽籤処理、天井準備中フラグセット抽籤処理、天井到達時当籤種別抽籤処理、天井フェイク準備中フラグセット抽籤処理、昇格チャンス移行時抽籤処理、通常ステージ中フリーズ抽籤処理、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤処理、ポイント獲得抽籤処理、ポイントモード抽籤処理、ポイント到達時抽籤処理、通常ステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理、高確2移行抽籤処理(1)~(3)、及び、高確2転落抽籤処理)について説明した。
これらの処理が行われる順序は特に限定されず、例えば、通常中ロングフリーズ抽籤処理、通常規定遊技数高確1移行抽籤処理、通常ステージ中フリーズ抽籤処理、天井フェイク準備中抽籤処理、天井準備中フラグセット抽籤処理、天井フェイク準備中フラグセット抽籤処理、天井到達時当籤種別抽籤処理、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤処理、ポイント獲得抽籤処理、ポイントモード抽籤処理、ポイント到達時抽籤処理、通常ステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理、高確2移行抽籤処理(1)~(3)、高確2転落抽籤処理、及び、昇格チャンス移行時抽籤処理の順に実行されるように構成してもよい。
この場合において、通常中ロングフリーズ抽籤に当籤した場合(通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合)には、以降の処理を実行しないようにしてもよい。また、通常ステージ中フリーズ抽籤に当籤した場合(通常ステージ中フリーズ抽籤の結果として「昇格チャンス」又は「疑似BIG」が決定された場合)には、以降の処理を実行しないようにしてもよい。
<チャンスステージ用遊技開始時処理>
図468は、主制御回路において行われるチャンスステージ用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図469は、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤テーブルを示す図である。図470は、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤テーブルを示す図である。図471は、チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤テーブルを示す図である。
図468に示すチャンスステージ用遊技開始時処理は、現在の出玉状態がチャンスステージA又はチャンスステージB(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で(例えば、図27のステップS85の判断結果が「NO」となった場合に)行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
チャンスステージ用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、チャンスステージA又はチャンスステージBの開始時であるか否かを判断する(ステップS4301)。上述したように、チャンスステージAへは、チャンスステージA移行フラグ(図463のステップS4252参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。チャンスステージAに移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新することによりチャンスステージAに移行させた後、続けて、図468に示すチャンスステージ用遊技開始時処理が行われる。同様に、チャンスステージBへは、チャンスステージB移行フラグ(図463のステップS4250参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。チャンスステージBに移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新することによりチャンスステージBに移行させた後、続けて、図468に示すチャンスステージ用遊技開始時処理が行われる。ステップS4301の処理において、メインCPU101は、今回の単位遊技においてチャンスステージA又はチャンスステージBに移行した場合(今回の単位遊技がチャンスステージA又はチャンスステージBの1ゲーム目である場合)に、チャンスステージA又はチャンスステージBの開始時であると判断する。
チャンスステージA又はチャンスステージBの開始時であると判断した場合、メインCPU101は、高確2をクリアする(ステップS4302)。この処理において、メインCPU101は、確率モードとして高確2がセットされている場合、高確2保障遊技数カウンタの値をクリアするとともに、高確2から非高確へと確率モードを移行させる。
次に、メインCPU101は、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤処理を実行する(ステップS4303)。この処理において、メインCPU101は、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤テーブル(図469参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤の結果(チャンスステージ保障遊技数)として、「20」、「40」、「60」、「80」、及び、「100」のうちの何れかを決定する。
図469に示すチャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤テーブルにおいては、「チャンスステージA」及び「チャンスステージB」のそれぞれについて、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤の結果(「20」、「40」、「60」、「80」、及び、「100」)に対応する抽籤値が規定されている。チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、チャンスステージAにおいては、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤の結果(チャンスステージ保障遊技数)として、250/256の確率で「40」が決定され、5/256の確率で「60」が決定され、1/256の確率で「100」が決定される。また、チャンスステージBにおいては、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤の結果(チャンスステージ保障遊技数)として、250/256の確率で「20」が決定され、5/256の確率で「40」が決定され、1/256の確率で「100」が決定される。チャンスステージBにおいては、チャンスステージAと比較して、チャンスステージ保障遊技数として、小さな値が決定されやすくなっている。
ステップS4303の処理を実行した後、メインCPU101は、ステップS4303で決定されたチャンスステージ保障遊技数をチャンスステージ保障遊技数カウンタにセットする(ステップS4304)。チャンスステージ保障遊技数カウンタの値は、チャンスステージA乃至チャンスステージBに滞在することが保障される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。後述するように、チャンスステージ保障遊技数カウンタの値は、チャンスステージA又はチャンスステージBにおいて単位遊技が1回行われるごとに1減算される。
ステップS4301においてチャンスステージA又はチャンスステージBの開始時ではないと判断した場合、又は、ステップS4304の処理を実行した後、メインCPU101は、通常出玉状態共通処理を実行する(ステップS4305)。この処理は、図441のステップS4043の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。なお、チャンスステージA乃至チャンスステージBにおいては、天井フェイク準備中抽籤(図451のステップS4127参照)の結果として「天井フェイク準備中」が決定された(天井フェイク準備中に当籤した)場合であっても、天井フェイク準備中はセットされず、当該抽籤結果は破棄される。
ステップS4305の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤処理を実行する(ステップS4306)。この処理において、メインCPU101は、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤テーブル(図470参照)を参照して、出玉フラググループ6における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果として、「非当籤」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」のうちの何れかを決定する。
図470に示すチャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤テーブルは、出玉フラググループ6における出玉フラグ(「その他」、「リーチ目」、「リーチ目BB」、及び、「1枚役」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」である場合には、図470(a)に示すチャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」である場合には、図470(b)に示すチャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、図470(c)に示すチャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「1枚役」である場合には、図470(d)に示すチャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤テーブルが参照される。
各チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤テーブルにおいては、「チャンスステージA」及び「チャンスステージB」のそれぞれについて、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果(「非当籤」、「昇格チャンス」、及び、「疑似BIG」)に対応する抽籤値が規定されている。チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、チャンスステージAにおいては、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果として、出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」である場合には、256/256の確率で「非当籤」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」である場合には、256/256の確率で「昇格チャンス」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、256/256の確率で「疑似BIG」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「1枚役」である場合には、256/256の確率で「非当籤」が決定される。
また、チャンスステージBにおいては、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果として、出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」である場合には、256/256の確率で「非当籤」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」である場合には、256/256の確率で「昇格チャンス」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、256/256の確率で「疑似BIG」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「1枚役」である場合には、192/256の確率で「非当籤」が決定され、58/256の確率で「昇格チャンス」が決定され、6/256の確率で「疑似BIG」が決定される。
このように、出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」、「リーチ目」、又は、「リーチ目BB」である場合、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の各結果が決定される確率は、チャンスステージAとチャンスステージBとで同じになっている。一方、出玉フラググループ6における出玉フラグが「1枚役」である場合、チャンスステージAにおいては、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果として、「昇格チャンス」乃至「疑似BIG」が決定され得ないのに対し、チャンスステージBにおいては、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果として、「昇格チャンス」乃至「疑似BIG」が決定され得るようになっている。これにより、チャンスステージBは、チャンスステージAよりも有利な出玉状態となっている。
また、上述したように、通常ステージ中の非高確、高確1、及び、高確2においては、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤(図445のステップS4082参照)の結果として「昇格チャンス」乃至「疑似BIG」の決定される確率が0となっている(図447及び図448参照)。これに対し、チャンスステージA乃至チャンスステージBにおいてチャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果として「昇格チャンス」乃至「疑似BIG」が決定される確率は、相対的に高くなっている。これにより、チャンスステージA乃至チャンスステージBは、通常ステージよりも有利な出玉状態となっている。
チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果として「昇格チャンス」が決定された(昇格チャンスに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグをオンにセットする。昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、昇格チャンスに当籤すると、前兆状態を経由して昇格チャンスに移行する(図431及び図432の移行条件(I)参照)。
また、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、疑似BIGに当籤すると、前兆状態を経由して疑似BIGに移行する(図431及び図432の移行条件(J)参照)。なお、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされている状態で、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグを破棄する(オフにセットする)。
なお、チャンスステージA乃至チャンスステージBにおいて、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」である場合、すなわち、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、及び、「F_リーチ目役C」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合(図434参照)には、昇格チャンスに必ず当籤する。また、チャンスステージA乃至チャンスステージBにおいて、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合、すなわち、「F_BB確定役A」及び「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合(図434参照)には、疑似BIGに必ず当籤する。
ここで、上述したように、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、及び、「F_リーチ目役C」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われると、「リーチ目一枚」が有効ラインに沿って停止表示される(図429参照)。「リーチ目一枚」は、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、及び、「F_リーチ目役C」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合にのみ入賞可能なコンビネーションである。従って、「リーチ目一枚」が有効ラインに沿って停止表示されることは、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、及び、「F_リーチ目役C」のうちの何れかが内部当籤役として決定されたことを意味しており、遊技者は、「リーチ目一枚」を視認することを通じて、昇格チャンスに当籤したことを把握することができる。
また、上述したように、「F_BB確定役A」及び「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われると、「BB確定リーチ一枚」が有効ラインに沿って停止表示される(図429参照)。「BB確定リーチ一枚」は、「F_BB確定役A」及び「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合にのみ入賞可能なコンビネーションである。従って、「BB確定リーチ一枚」が有効ラインに沿って停止表示されることは、「F_BB確定役A」及び「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定されたことを意味しており、遊技者は、「BB確定リーチ一枚」を視認することを通じて、疑似BIGに当籤したことを把握することができる。
このように、「リーチ目一枚」及び「BB確定リーチ一枚」は、昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤したこと(AT状態への移行が確定したこと)を遊技者に報知する役割を担っている。なお、後述するように、本実施形態では、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作(変則押し)が行われた場合にペナルティが発生する。従って、AT状態(疑似BIG及び疑似REG)以外の出玉状態において、遊技者は、基本的に、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行うことで遊技を行う。
これに対し、通常ステージにおいては、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合、すなわち、出玉フラググループ5における出玉フラグが「その他」である場合(図434参照)に昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤する確率は、非常に低くなっている(図447~図449参照)。「リーチ目一枚」及び「BB確定リーチ一枚」の上記役割に鑑みると、昇格チャンス及び疑似BIGの何れにも当籤していないにもかかわらず、「リーチ目一枚」乃至「BB確定リーチ一枚」を遊技者に見せることは妥当でない。
そこで、通常ステージにおいて、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合に、昇格チャンス及び疑似BIGの何れにも当籤していないときには、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作(変則押し)を行うことが報知される。当該報知(変則押しナビ)は、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作(変則押し)を行うことを示唆する画像がメイン表示装置210に表示されることによって行われる。変則押しナビに従った停止操作が行われることにより、「通常出目一枚」が有効ラインに沿って停止表示され、「リーチ目一枚」乃至「BB確定リーチ一枚」は出現しない。なお、この場合、指示モニタでの報知は行われないが、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」のうちの何れが内部当籤役として決定された場合においても、停止操作の態様によってメダルの払出枚数が異なることはないため(図429参照)、特に問題はない。
このように、チャンスステージA及びチャンスステージBは、「リーチ目一枚」乃至「BB確定リーチ一枚」を通じてAT状態への移行が報知されやすい出玉状態となっている。これに対し、通常ステージは、「リーチ目一枚」乃至「BB確定リーチ一枚」よりも、副制御回路200によって制御される演出を通じて、AT状態に移行する期待度が示唆される出玉状態となっている。通常ステージにおいては、確率モードやポイントモード等に応じた複数の演出モードが設けられており、各演出モードにおいては、メイン表示装置210に表示される背景画像が異なっている。これにより、何れの演出モードに滞在するのか(背景画像)によって、当該期待度が示唆されるようになっている。
なお、通常ステージでは、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合に、通常ステージ中フリーズ抽籤(図445のステップS4081及び図446参照)乃至通常中ロングフリーズ抽籤(図450のステップS4102参照)において昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤する可能性がある。通常ステージ中フリーズ抽籤乃至通常中ロングフリーズ抽籤において昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤した場合に、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われると、「リーチ目一枚」乃至「BB確定リーチ一枚」が有効ラインに沿って停止表示される。一方、通常ステージ中フリーズ抽籤乃至通常中ロングフリーズ抽籤において昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤しなかった場合には、上記変則押しナビが行われ、変則押しナビに従った停止操作が行われることにより、「リーチ目一枚」乃至「BB確定リーチ一枚」は出現しない。
ステップS4306の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理を実行する(ステップS4307)。チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理については、後に図472を用いて説明する。
ステップS4307の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤処理を実行する(ステップS4308)。この処理において、メインCPU101は、チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤テーブル(図471参照)を参照して、出玉フラググループ5における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤の結果として、「0」、「20」、「40」、「60」、「80」、及び、「100」のうちの何れかを決定する。
図471に示すチャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤テーブルは、出玉フラググループ5における出玉フラグ(「その他」、「平行スイカ」、「斜めスイカ」、及び、「チェリー」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ5における出玉フラグが「その他」である場合には、図471(a)に示すチャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ5における出玉フラグが「平行スイカ」である場合には、図471(b)に示すチャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ5における出玉フラグが「斜めスイカ」である場合には、図471(c)に示すチャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ5における出玉フラグが「チェリー」である場合には、図471(d)に示すチャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤テーブルが参照される。
各チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤の結果(「0」、「20」、「40」、「60」、「80」、及び、「100」)に対応する抽籤値が規定されている。チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、出玉フラググループ5における出玉フラグが「斜めスイカ」であり、設定値が設定6である場合には、チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤の結果として、126/256の確率で「0」が決定され、128/256の確率で「20」が決定され、1/256の確率で「40」が決定され、1/256の確率で「60」が決定される。メインCPU101は、チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤の結果として決定された値をチャンスステージ保障遊技数カウンタの値に加算する。
ステップS4308の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理>
図472は、主制御回路において行われるチャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理を示すフローチャートである。図473は、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルを示す図である。
図472に示すチャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理は、主制御回路100において図468(チャンスステージ用遊技開始時処理)のステップS4307で行われる処理である。
チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理において、まず、メインCPU101は、前兆遊技数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4321)。前兆遊技数カウンタの値は、前兆状態に制御される単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。チャンスステージA乃至チャンスステージB中の前兆状態においては、昇格チャンス及び疑似BIGのうちの何れかに移行することを示唆する前兆演出が行われる。前兆遊技数カウンタの値が0ではない(1以上である)ことは、前兆状態中であることを示している。
前兆遊技数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。一方、前兆遊技数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4322)。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである(図468のステップS4306及び図454のステップS4144参照)。
疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4323)。上述したように、昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである(図468のステップS4306及び図454のステップS4144参照)。昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4322において疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS4323において昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤を実行する(ステップS4324)。この処理において、メインCPU101は、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤テーブル(図473参照)を参照して、出玉フラググループ6における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤の結果として、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、及び、「8」のうちの何れかを決定する。
図473に示すチャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルは、出玉フラググループ6における出玉フラグ(「その他」、「リーチ目」、「リーチ目BB」、及び、「1枚役」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」である場合には、図473(a)に示すチャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」である場合には、図473(b)に示すチャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、図473(c)に示すチャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「1枚役」である場合には、図473(d)に示すチャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルが参照される。
各チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤テーブルにおいては、「チャンスステージA」及び「チャンスステージB」のそれぞれについて、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤の結果(「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、及び、「8」)に対応する抽籤値が規定されている。チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、チャンスステージAにおいて、出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」である場合には、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤の結果として、64/256の確率で「0」が決定され、192/256の確率で「1」が決定される。また、チャンスステージBにおいて、出玉フラググループ6における出玉フラグが「1枚役」である場合には、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤の結果として、8/256の確率で「1」が決定され、192/256の確率で「2」が決定され、56/256の確率で「3」が決定される。
ステップS4325の処理を実行した後、メインCPU101は、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤の結果として決定された値に1を加えた数を前兆遊技数カウンタにセットし(ステップS4325)、本サブルーチンを終了する。
このように、前兆遊技数カウンタに初期値がセットされた場合、メインCPU101は、前兆演出開始コマンドデータを生成し、生成した前兆演出開始コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納された前兆演出開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、前兆演出を開始させるタイミングであることを認識することができるようになり、前兆演出のための画像の表示、音の出力、光の出力等を開始させる処理が行われる。その結果、前兆遊技数カウンタにセットされた値に相当する回数の単位遊技に亘って前兆演出が行われる(前兆状態に制御される)ことになる。
<チャンスステージ用カウンタ管理処理>
図474は、主制御回路において行われるチャンスステージ用カウンタ管理処理を示すフローチャートである。
図474に示すチャンスステージ用カウンタ管理処理は、現在の出玉状態がチャンスステージA又はチャンスステージB(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
チャンスステージ用カウンタ管理処理において、まず、メインCPU101は、前兆遊技数カウンタ(図472のステップS4325参照)の値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS4341)。前兆遊技数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージ保障遊技数カウンタの値から1減算する(ステップS4342)。そして、メインCPU101は、チャンスステージ保障遊技数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4343)。チャンスステージ保障遊技数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、チャンスステージ保障遊技数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、通常ステージ移行フラグをオンにセットし(ステップS4344)、本サブルーチンを終了する。上述したように、通常ステージ移行フラグは、通常ステージを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、通常ステージ移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、通常ステージに移行する(図431及び図432の移行条件(F)及び(H)参照)。
ステップS4341において前兆遊技数カウンタの値が0よりも大きいと判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージ保障遊技数カウンタの値が0よりも大きいか否かを判断する(ステップS4345)。チャンスステージ保障遊技数カウンタの値が0よりも大きいと判断した場合、メインCPU101は、チャンスステージ保障遊技数カウンタの値から1減算する(ステップS4346)。
ステップS4345においてチャンスステージ保障遊技数カウンタの値が0であると判断した場合、又は、ステップS4346の処理を実行した後、メインCPU101は、前兆遊技数カウンタの値から1減算する(ステップS4347)。そして、メインCPU101は、前兆遊技数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4348)。前兆遊技数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、前兆遊技数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、前兆演出を終了する(ステップS4349)。この処理において、メインCPU101は、前兆演出終了コマンドデータを生成し、生成した前兆演出終了コマンドデータをメインRAM103の通信データ格納領域に格納する。通信データ格納領域に格納された前兆演出終了コマンドデータは、通信データ送信処理(図32のステップS204参照)において主制御回路100から副制御回路200へ送信される。これにより、副制御回路200では、前兆演出を終了させるタイミングであることを認識することができるようになり、前兆演出のために行っている画像の表示、音の出力、光の出力等を終了させる処理が行われる。
次に、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4350)。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである(図468のステップS4306及び図454のステップS4144参照)。
疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG移行フラグをオンにセットする(ステップS4351)。また、図示しないが、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオフにセットし、天井到達時疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている場合には、当該フラグもオフにセットする。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
上述したように、疑似BIG移行フラグは、疑似BIGを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、疑似BIG移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、疑似BIGに移行する。
ここで、チャンスステージA乃至チャンスステージBにおいては、疑似BIG又は昇格チャンスに当籤した場合にのみ前兆状態に移行する。従って、ステップS4350の判断結果が「NO」となる場合には、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていることになる。そこで、ステップS4350において疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス移行フラグをオンにセットする(ステップS4352)。また、図示しないが、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグをオフにセットし、天井到達時昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされている場合には、当該フラグもオフにセットする。その後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
上述したように、昇格チャンス移行フラグは、昇格チャンスを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、昇格チャンス移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、昇格チャンスに移行する。
以上より、チャンスステージA乃至チャンスステージBにおいて、昇格チャンス及び疑似BIGのうちの何れかに当籤した場合には、前兆状態を経由して、昇格チャンス又は疑似BIGへと移行する。また、上述したように、通常ステージにおいて、チャンスステージA又はチャンスステージBに当籤することにより前兆状態に移行した場合において、当該前兆状態中に昇格チャンス又は疑似BIGに当籤した場合には、当該前兆状態が終了したときに、チャンスステージA又はチャンスステージBへと移行させるように構成することが可能である。この場合には、チャンスステージA乃至チャンスステージBの開始時(チャンスステージA乃至チャンスステージBの1ゲーム目)におけるチャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理(図472参照)で、前兆遊技数カウンタに初期値がセットされることにより、前兆状態に移行し、当該前兆状態が終了したときに昇格チャンス又は疑似BIGへと移行することになる。
<昇格チャンス用遊技開始時処理>
図475は、主制御回路において行われる昇格チャンス用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図476A及び図476Bは、昇格チャンスモード抽籤テーブルを示す図である。図477は、昇格チャンス中抽籤テーブルを示す図である。図478は、次回疑似遊技抽籤テーブルを示す図である。図479は、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤テーブルを示す図である。図480は、今回疑似遊技抽籤テーブルを示す図である。図481は、疑似遊技の内容を示す図である。
図475に示す昇格チャンス用遊技開始時処理は、現在の出玉状態が昇格チャンス(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で(例えば、図27のステップS85の判断結果が「NO」となった場合に)行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
昇格チャンス用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、昇格チャンス開始時であるか否かを判断する(ステップS4361)。上述したように、昇格チャンスへは、昇格チャンス移行フラグ(図463のステップS4248及び図474のステップS4352参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。昇格チャンスに移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新することにより昇格チャンスに移行させた後、続けて、図475に示す昇格チャンス用遊技開始時処理が行われる。ステップS4361の処理において、メインCPU101は、今回の単位遊技において昇格チャンスに移行した場合(今回の単位遊技が昇格チャンスの1ゲーム目である場合)に、昇格チャンス開始時であると判断する。
昇格チャンス開始時であると判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス遊技数カウンタに所定値をセットする(ステップS4362)。この処理において、メインCPU101は、基本的に、昇格チャンス遊技数カウンタに「3」をセットするが、ポイントモード(図466のステップS4283参照)としてポイントモード2がセットされている場合には、昇格チャンス遊技数カウンタに「5」をセットする。また、図示しないが、メインCPU101は、通常出玉状態においてセットした各種情報(カウンタ等)をクリアする。昇格チャンス遊技数カウンタの値は、昇格チャンスに滞在可能な単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。昇格チャンス遊技数カウンタの値は、単位遊技が1回行われるごとに1減算される。図示しないが、当該減算は、図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる。
次に、メインCPU101は、突入時ロングフリーズ抽籤処理を実行する(ステップS4363)。この処理において、メインCPU101は、突入時ロングフリーズ抽籤テーブル(図示せず)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、突入時ロングフリーズ抽籤(1)の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定し、突入時ロングフリーズ抽籤(1)の結果が「当籤」である場合に、突入時ロングフリーズ抽籤(2)の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。これにより、突入時ロングフリーズ抽籤(1)には1/256の確率で当籤し、突入時ロングフリーズ抽籤(2)には1/256の確率で当籤する。
突入時ロングフリーズ抽籤(1)及び突入時ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合には、ロングフリーズが発生する。突入時ロングフリーズ抽籤(1)及び突入時ロングフリーズ抽籤(2)に当籤したときに発生するロングフリーズの期間は、通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)(図450のステップS4102参照)に当籤したときに発生するロングフリーズの期間と同じである。突入時ロングフリーズ抽籤(1)及び突入時ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合、メインCPU101は、当該突入時ロングフリーズ抽籤(1)及び突入時ロングフリーズ抽籤(2)が行われた単位遊技における遊技開始時メイン側演出制御処理(図23のステップS8参照)で、ロングフリーズの実行を制御する。
また、突入時ロングフリーズ抽籤(1)及び突入時ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合、メインCPU101は、当該突入時ロングフリーズ抽籤(1)及び突入時ロングフリーズ抽籤(2)が行われた単位遊技における遊技開始時メイン側演出制御処理(図23のステップS8参照)で、ロングフリーズの終了後、疑似遊技の実行を制御する。これにより、ロングフリーズに続いて疑似遊技が行われる。
また、突入時ロングフリーズ抽籤(1)及び突入時ロングフリーズ抽籤(2)の双方に当籤した場合、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、疑似BIGに移行する。また、メインCPU101は、疑似BIG(ED)フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされた場合には、疑似BIGの終了条件が成立したときに再度疑似BIGに制御され、これにより、有利区間が終了するまで疑似BIGが継続することになる。
なお、本実施例において、「有利区間が終了するまで継続する」とは、実質的に差枚数リミッタ(払出数リミッタ:例えば、2400枚到達)により有利区間終了となるということを意味する。後述するように、疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされた(疑似BIG(ED)に移行した)場合には、疑似BIGストックカウンタの値に2が加算される。これにより、少なくとも3回疑似BIGに制御されることが保障され、この場合、3回の疑似BIGが終了する前に差枚数リミッタを作動させるように構成することが可能である。
もっとも、ロングフリーズの恩恵は、上記のような疑似BIG(ED)への移行以外のものとしてもよい。例えば、ロングフリーズ発生時は、少なくとも疑似BIG又は疑似BIG以上の特典が確定するものとしてもよい。疑似BIG以上の特典としては、例えば、疑似BIGへの移行が所定回数保証される(疑似BIG連荘保障)や、疑似BIGよりも価値が大きな所定の有利遊技(疑似ボーナスやAT)などを別途設けて移行させるものでもよい。また、差枚数や遊技回数のリミッタを搭載していない機種においては、所定期間(例えば、1000枚獲得や500ゲーム継続など)が経過するまで継続するロングフリーズ対応の特別疑似ボーナスを設けることとしてもよい。
また、本実施形態では、ボーナス状態においてロングフリーズ抽籤は行われないが、メダルが増加するリアルボーナス(特別役物や役物連続作動装置)を搭載した機種においては、昇格チャンス開始ゲームや昇格チャンス中にリアルボーナス役を引いた(例えば、3BBが内部当籤した)場合にロングフリーズを発生させ、当該ボーナス作動中を上乗せ特化ゾーン(例えば、疑似BIGに当籤しやすい状態、すなわち、疑似BIGストックカウンタの値が加算されやすい状態)にするなどとしてもよい。
なお、疑似BIGの終了条件が成立したときに再度疑似BIGに制御される場合、疑似BIG終了画面を表示して一旦終了を示した後に、次のスタートレバー操作時に疑似BIG対応の疑似遊技(「ブイ」揃い等)を発生させる連荘風の演出としてもよいし、継続時に疑似遊技を発生させずに継続を示す演出(「まだまだ!」などの継続を意味する画像の表示や音声など)のみで疑似BIGを継続させるものとしてもよい。
ステップS4363の処理を実行した後、メインCPU101は、昇格チャンスモード抽籤処理を実行する(ステップS4364)。この処理において、メインCPU101は、昇格チャンスモード抽籤テーブル(図476A及び図476B参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、昇格チャンスモード抽籤の結果(昇格チャンスモード)として、「モード1」、「モード2」、「モード3」、及び、「モード4」のうちの何れかを決定する。
図476A及び図476Bに示す昇格チャンスモード抽籤テーブルは、通常移行時モード抽籤処理(図442のステップS4061参照)で決定された通常モード(「モード1」、「モード2」、「モード3」、「モード4」、「モード5」、「モード6」、「モード7」、及び、「モード8」)、並びに、「連荘チャレンジ→昇格チャンス移行時」のそれぞれに対して設けられている。
昇格チャンスへの移行元の出玉状態が通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、又は、チャンスステージB)である場合には、図476A及び図476B(a)~(h)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルのうちの一の昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照される。具体的に、通常モードが「モード1」である場合には、図476A(a)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード2」である場合には、図476A(b)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード3」である場合には、図476A(c)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード4」である場合には、図476A(d)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード5」である場合には、図476A(e)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード6」である場合には、図476B(f)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード7」である場合には、図476B(g)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照され、通常モードが「モード8」である場合には、図476B(h)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照される。また、昇格チャンスへの移行元の出玉状態が連荘チャレンジである場合には、図476B(i)に示す昇格チャンスモード抽籤テーブルが参照される。
各昇格チャンスモード抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、昇格チャンスモード抽籤の結果(「モード1」、「モード2」、「モード3」、及び、「モード4」)に対応する抽籤値が規定されている。昇格チャンスモード抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、昇格チャンスへの移行元の出玉状態が通常出玉状態であり、通常モードが「モード3」である場合には、設定値にかかわらず、昇格チャンスモード抽籤の結果(昇格チャンスモード)として、256/256の確率で「モード3」が決定される。また、昇格チャンスへの移行元の出玉状態が通常出玉状態であり、通常モードが「モード6」である場合には、設定値にかかわらず、昇格チャンスモード抽籤の結果(昇格チャンスモード)として、192/256の確率で「モード3」が決定され、64/256の確率で「モード4」が決定される。また、昇格チャンスへの移行元の出玉状態が連荘チャレンジである場合には、設定値にかかわらず、昇格チャンスモード抽籤の結果(昇格チャンスモード)として、256/256の確率で「モード2」が決定される。
ステップS4361において昇格チャンス開始時ではないと判断した場合、又は、ステップS4364の処理を実行した後、メインCPU101は、昇格チャンス遊技数カウンタ(ステップS4362参照)の値が1以上であるか否かを判断する(ステップS4365)。
昇格チャンス遊技数カウンタの値が1以上であると判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス中抽籤処理を実行する(ステップS4366)。この処理において、メインCPU101は、昇格チャンス中抽籤テーブル(図477参照)を参照して、出玉フラググループ2における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、昇格チャンス中抽籤の結果として、「フェイク疑似遊技」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」のうちの何れかを決定する。
図477に示す昇格チャンス中抽籤テーブルは、出玉フラググループ2における出玉フラグ(「その他」、「弱レア役」、「斜めスイカ」、「リーチ目」、及び、「リーチ目BB」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ2における出玉フラグが「その他」である場合には、図477(a)に示す昇格チャンス中抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ2における出玉フラグが「弱レア役」である場合には、図477(b)に示す昇格チャンス中抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ2における出玉フラグが「斜めスイカ」である場合には、図477(c)に示す昇格チャンス中抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ2における出玉フラグが「リーチ目」である場合には、図477(d)に示す昇格チャンス中抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ2における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、図477(e)に示す昇格チャンス中抽籤テーブルが参照される。
各昇格チャンス中抽籤テーブルにおいては、ステップS4364で決定された昇格チャンスモード(「モード1」、「モード2」、「モード3」、及び、「モード4」)ごとに、昇格チャンス中抽籤の結果(「フェイク疑似遊技」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)に対応する抽籤値が規定されている。昇格チャンス中抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、出玉フラググループ2における出玉フラグが「その他」であり、昇格チャンスモードが「モード4」である場合には、昇格チャンス中抽籤の結果として、204/256の確率で「フェイク疑似遊技」が決定され、52/256の確率で「疑似BIG(ED)」が決定される。また、出玉フラググループ2における出玉フラグが「リーチ目BB」であり、昇格チャンスモードが「モード1」である場合には、昇格チャンス中抽籤の結果として、255/256の確率で「疑似BIG」が決定され、1/256の確率で「疑似BIG(ED)」が決定される。
昇格チャンス中抽籤の結果として「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。
ステップS4366の処理を実行した後、メインCPU101は、次回疑似遊技抽籤処理を実行する(ステップS4367)。この処理において、メインCPU101は、次回疑似遊技抽籤テーブル(図478参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似遊技抽籤の結果として、「疑似遊技1」、「疑似遊技2」、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、「疑似遊技5」、「疑似遊技6」、「疑似遊技7」、及び、「疑似遊技8」のうちの何れかを決定する。
図478に示す次回疑似遊技抽籤テーブルは、昇格チャンス中抽籤の結果(「フェイク疑似遊技」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)のそれぞれに対して設けられている。ステップS4366において「フェイク疑似遊技」が決定された場合には、図478(a)に示す次回疑似遊技抽籤テーブルが参照され、ステップS4366において「疑似BIG」が決定された場合には、図478(b)に示す次回疑似遊技抽籤テーブルが参照され、ステップS4366において「疑似BIG(ED)」が決定された場合には、図478(c)に示す次回疑似遊技抽籤テーブルが参照される。
各次回疑似遊技抽籤テーブルにおいては、ステップS4364で決定された昇格チャンスモード(「モード1」、「モード2」、「モード3」、及び、「モード4」)ごとに、次回疑似遊技抽籤の結果(「疑似遊技1」、「疑似遊技2」、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、「疑似遊技5」、「疑似遊技6」、「疑似遊技7」、及び、「疑似遊技8」)に対応する抽籤値が規定されている。次回疑似遊技抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、昇格チャンスモードが「モード1」であり、ステップS4366において「フェイク疑似遊技」が決定された場合には、次回疑似遊技抽籤の結果として、86/256の確率で「疑似遊技1」が決定され、170/256の確率で「疑似遊技2」が決定される。また、昇格チャンスモードが「モード1」であり、ステップS4366において「疑似BIG」が決定された場合には、次回疑似遊技抽籤の結果として、112/256の確率で「疑似遊技3」が決定され、112/256の確率で「疑似遊技4」が決定され、32/256の確率で「疑似遊技5」が決定される。また、昇格チャンスモードが「モード1」であり、ステップS4366において「疑似BIG(ED)」が決定された場合には、次回疑似遊技抽籤の結果として、32/256の確率で「疑似遊技3」が決定され、32/256の確率で「疑似遊技4」が決定され、32/256の確率で「疑似遊技5」が決定され、160/256の確率で「疑似遊技6」が決定される。
メインCPU101は、次回疑似遊技抽籤により決定された疑似遊技をセットする。これにより、メインCPU101は、当該次回疑似遊技抽籤が行われた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時メイン側演出制御処理(図23のステップS8参照)で、当該疑似遊技の実行を制御する。また、昇格チャンス中抽籤の結果として「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている)場合、メインCPU101は、当該昇格チャンス中抽籤が行われた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、疑似BIGに移行する(図431及び図432の移行条件(K)参照)。
また、昇格チャンス中抽籤の結果として「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIG(ED)に当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG(ED)フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされた場合には、疑似BIGの終了条件が成立したときに再度疑似BIGに制御され、これにより、有利区間が終了するまで疑似BIGが継続することになる。
ステップS4367の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4365において昇格チャンス遊技数カウンタの値が1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4368)。疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤処理を実行する(ステップS4369)。この処理において、メインCPU101は、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤テーブル(図479参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の結果として、「フェイク疑似遊技」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」のうちの何れかを決定する。
図479に示す規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤テーブルにおいては、ステップS4364で決定された昇格チャンスモード(「モード1」、「モード2」、「モード3」、及び、「モード4」)ごとに、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の結果(「フェイク疑似遊技」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)に対応する抽籤値が規定されている。規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、昇格チャンスモードが「モード1」である場合には、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の結果として、232/256の確率で「フェイク疑似遊技」が決定され、24/256の確率で「疑似BIG」が決定される。また、昇格チャンスモードが「モード4」である場合には、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の結果として、224/256の確率で「疑似BIG」が決定され、32/256の確率で「疑似BIG(ED)」が決定される。
ステップS4369の処理を実行した後、メインCPU101は、今回疑似遊技抽籤処理を実行する(ステップS4370)。この処理において、メインCPU101は、今回疑似遊技抽籤テーブル(図480参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、今回疑似遊技抽籤の結果として、「疑似遊技1」、「疑似遊技2」、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、「疑似遊技5」、「疑似遊技6」、「疑似遊技7」、及び、「疑似遊技8」のうちの何れかを決定する。
図480に示す今回疑似遊技抽籤テーブルは、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の結果(「疑似BIG」及び「疑似BIG(ED)」)のそれぞれに対して設けられている。ステップS4369において「疑似BIG」が決定された場合には、図480(a)に示す今回疑似遊技抽籤テーブルが参照され、ステップS4369において「疑似BIG(ED)」が決定された場合には、図480(b)に示す今回疑似遊技抽籤テーブルが参照される。
各今回疑似遊技抽籤テーブルにおいては、ステップS4364で決定された昇格チャンスモード(「モード1」、「モード2」、「モード3」、及び、「モード4」)ごとに、今回疑似遊技抽籤の結果(「疑似遊技1」、「疑似遊技2」、「疑似遊技3」、「疑似遊技4」、「疑似遊技5」、「疑似遊技6」、「疑似遊技7」、及び、「疑似遊技8」)に対応する抽籤値が規定されている。今回疑似遊技抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、昇格チャンスモードが「モード1」であり、ステップS4369において「疑似BIG」が決定された場合には、今回疑似遊技抽籤の結果として、128/256の確率で「疑似遊技7」が決定され、128/256の確率で「疑似遊技8」が決定される。また、昇格チャンスモードが「モード1」であり、ステップS4369において「疑似BIG(ED)」が決定された場合には、今回疑似遊技抽籤の結果として、256/256の確率で「疑似遊技6」が決定される。なお、ステップS4369において「フェイク疑似遊技」が決定された場合には、「疑似遊技7」が決定される。
メインCPU101は、今回疑似遊技抽籤により決定された疑似遊技をセットする。これにより、メインCPU101は、当該今回疑似遊技抽籤が行われた単位遊技における遊技開始時メイン側演出制御処理(図23のステップS8参照)で、当該疑似遊技の実行を制御する。その結果、ステップS4367で決定された疑似遊技に続いて、ステップS4369で決定された疑似遊技が実行されることになる。
また、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の結果として「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新し、これにより、疑似BIGに移行する。また、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の結果として「フェイク疑似遊技」が決定された(疑似BIGに当籤しなかった)場合、メインCPU101は、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新し、これにより、疑似REGに移行する(図431及び図432の移行条件(L)参照)。
また、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の結果として「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIG(ED)に当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG(ED)フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされた場合には、疑似BIGの終了条件が成立したときに再度疑似BIGに制御され、これにより、有利区間が終了するまで疑似BIGが継続することになる。
ステップS4370の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上では、8種類の疑似遊技(疑似遊技1、疑似遊技2、疑似遊技3、疑似遊技4、疑似遊技5、疑似遊技6、疑似遊技7、及び、疑似遊技8)が設けられていることとして説明した。第1実施形態で説明したように、疑似遊技は、ロック演出の実行中に実行することが可能なように構成されている。ロック演出(ロック)は、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出である。
図481に示すように、疑似遊技1では、トップラインにおいて、「ブイ」、「セブン」、又は、「バー」がテンパイとなるが、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライン、及び、クロスダウンラインの何れのラインにおいても、「ブイ」、「セブン」、及び、「バー」が揃わない。疑似遊技1は、ステップS4366において「フェイク疑似遊技」が決定された場合に実行され得る疑似遊技である。疑似遊技2では、ボトムラインにおいて、「ブイ」、「セブン」、又は、「バー」がテンパイとなるが、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライン、及び、クロスダウンラインの何れのラインにおいても、「ブイ」、「セブン」、及び、「バー」が揃わない。疑似遊技2は、ステップS4366において「フェイク疑似遊技」が決定された場合に実行され得る疑似遊技である。
疑似遊技3では、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライン、及び、クロスダウンラインのうちの何れかのライン(左リール3Lに対する停止操作が第1停止操作として行われた場合にはトップライン)において「ブイ」が揃うか、センターラインにおいて「セブン」が揃う。疑似遊技3は、ステップS4366において「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された場合に実行され得る疑似遊技である。疑似遊技4では、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライン、及び、クロスダウンラインのうちの何れかのライン(左リール3Lに対する停止操作が第1停止操作として行われた場合にはボトムライン)において「ブイ」が揃うか、センターラインにおいて「セブン」が揃う。疑似遊技4は、ステップS4366において「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された場合に実行され得る疑似遊技である。
疑似遊技5では、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライン、及び、クロスダウンラインのうちの何れかのライン(左リール3Lに対する停止操作が第1停止操作として行われた場合にはクロスアップライン)において「ブイ」が揃うか、センターラインにおいて「セブン」が揃う。疑似遊技5は、ステップS4366において「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された場合に実行され得る疑似遊技である。疑似遊技6では、センターライン、クロスアップライン、及び、クロスダウンラインにおいて「ブイ」がテンパイとなりセンターラインにおいて「ブイ」が揃うか、センターラインにおいて「セブン」が揃い、「バー」は何れのラインにおいても揃わない。疑似遊技6は、ステップS4366又はステップS4369において「疑似BIG(ED)」が決定された場合に実行され得る疑似遊技である。
また、疑似遊技6は、「疑似BIG(ED)」が決定された場合にのみ実行され得る疑似遊技である。すなわち、疑似遊技6が実行された場合には、疑似BIG(ED)(有利区間が終了するまで疑似BIGが継続すること)が確定する。例えば、通常中ロングフリーズ抽籤(1)及び通常中ロングフリーズ抽籤(2)(図450のステップS4102参照)に当籤した場合に行われる疑似遊技、並びに、突入時ロングフリーズ抽籤(1)及び突入時ロングフリーズ抽籤(2)(図475のステップS4363参照)に当籤した場合に行われる疑似遊技も、疑似遊技6となっている。
疑似遊技7では、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライン、及び、クロスダウンラインの何れのラインにおいても、「ブイ」及び「セブン」が揃わず、センターラインにおいて「バー」が揃う。疑似遊技7は、ステップS4369において「疑似BIG」又は「フェイク疑似遊技」が決定された場合に実行され得る疑似遊技である。なお、「疑似BIG」が決定された場合において、疑似遊技7が実行された場合には、疑似遊技7の終了後にリール演出(リールの再回転)が行われ、何れかのラインにおいて「ブイ」又は「セブン」が揃う。一方、「フェイク疑似遊技」が決定された場合において、疑似遊技7が実行された場合には、リールの再回転は行われない。
疑似遊技8では、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライン、及び、クロスダウンラインの何れかのラインにおいて、「バー」がテンパイとなるが、何れのラインにおいても、「ブイ」、「セブン」、及び、「バー」が揃わない。疑似遊技8は、ステップS4369において「疑似BIG」が決定された場合に実行され得る疑似遊技である。なお、「疑似BIG」が決定された場合において、疑似遊技8が実行された場合には、疑似遊技8の終了後にリール演出(リールの再回転)が行われ、何れかのラインにおいて「ブイ」又は「セブン」が揃う。
<昇格チャンスにおける遊技の流れ>
図482は、昇格チャンスにおける遊技の流れを示す図である。
図482に示すように、昇格チャンスの1ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:3)においては、ロングフリーズ(図475のステップS4363参照)が発生する場合がある。当該フリーズが発生した場合には、フリーズに続いてBB狙い疑似遊技(疑似遊技6)が発生し、疑似BB(疑似BIG)が開始する。一方、フリーズが発生しなかった場合には、当該昇格チャンスの1ゲーム目が消化され、スタートレバー7の操作を契機として、昇格チャンスの2ゲーム目に移行する。
昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)においては、1ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)が発生する。当該疑似遊技(BB狙い疑似遊技1回目)において、疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)が揃った場合には、疑似BB(疑似BIG)が開始する。一方、当該疑似遊技(BB狙い疑似遊技1回目)において、疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)が揃わなかった場合には、当該昇格チャンスの2ゲーム目が消化され、スタートレバー7の操作を契機として、昇格チャンスの3ゲーム目に移行する。
昇格チャンスの3ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:1)においては、2ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)が発生する。当該疑似遊技(BB狙い疑似遊技2回目)において、疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)が揃った場合には、疑似BB(疑似BIG)が開始する。一方、当該疑似遊技(BB狙い疑似遊技2回目)において、疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)が揃わなかった場合には、当該昇格チャンスの3ゲーム目が消化され、スタートレバー7の操作を契機として、昇格チャンスの4ゲーム目に移行する。
昇格チャンスの4ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)においては、3ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)が発生する。当該疑似遊技(BB狙い疑似遊技3回目)において、疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)が揃った場合には、疑似BB(疑似BIG)が開始する。一方、当該疑似遊技(BB狙い疑似遊技3回目)において、疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)が揃わなかった場合には、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)で疑似BIGに当籤しない限り、RB狙い疑似遊技(疑似遊技7)が発生し、疑似RB(疑似REG)が開始する。
なお、以上では、昇格チャンスの3ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果として「フェイク疑似遊技」が決定された場合には、当該結果に基づいてフェイク疑似遊技(疑似遊技1又は疑似遊技2)が決定され(図475のステップS4367参照)、昇格チャンスの4ゲーム目においては、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)の結果にかかわらず、BB狙い疑似遊技3回目として、当該フェイク疑似遊技が行われることとして説明した。しかし、昇格チャンスの3ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果として「フェイク疑似遊技」が決定され、昇格チャンスの4ゲーム目において規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)で疑似BIGに当籤した場合には、当該フェイク疑似遊技を破棄し、当該規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4370参照)を、BB狙い疑似遊技3回目として行うこととしてもよい。
また、図482では、疑似遊技(BB狙い疑似遊技乃至RB狙い疑似遊技)が行われた後に疑似BIG乃至疑似REGが開始するものとして示している。遊技者は、疑似遊技(BB狙い疑似遊技乃至RB狙い疑似遊技)において疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)乃至疑似REG移行図柄(「バー」)が揃うことを通じて、疑似BIG乃至疑似REGが開始することを認識することができる。もっとも、実際に疑似BIG乃至疑似REGが開始するタイミング(出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新するタイミング)は、疑似遊技(BB狙い疑似遊技乃至RB狙い疑似遊技)が行われた後(例えば、遊技開始時メイン側演出制御処理(図23のステップS8参照)中)であってもよいし、疑似遊技(BB狙い疑似遊技乃至RB狙い疑似遊技)が行われる前(例えば、遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)中)であってもよい。
<昇格チャンスにおける演出例(1ゲーム目で疑似BIG当籤時)>
図483は、昇格チャンスの1ゲーム目で疑似BIGに当籤した場合における演出例を示す図である。
図483に示す演出例として、図483(a)では、昇格チャンスに移行する単位遊技の1つ前の単位遊技(通常出玉状態から昇格チャンスに移行する場合においては通常出玉状態の最終ゲーム:当籤報知ゲーム)において、「WIN」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。
図483(b)では、図483(a)に示す状態の後、昇格チャンスの1ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:3)において、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)が行われることに応じて、「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。ここでは、昇格チャンス中抽籤の結果として「疑似BIG」が決定されたものとする。なお、ロングフリーズ(図475のステップS4363参照)には非当籤となっている。
図483(c)では、図483(b)に示す状態の後、昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)において、1ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)が開始するときに、「Vを狙え!」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。当該画像は、疑似BIG移行図柄としての「ブイ」図柄が各リール3L,3C,3Rにおいて停止表示され得るタイミングで停止操作を行うことを示唆する画像である。これにより、「ブイ」を狙った停止操作を行うことを遊技者に促すことができる。
図483(d)では、図483(c)に示す状態の後、昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)で行われる疑似遊技において、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したときに、「V・V・V」「ビッグボーナス!」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。これにより、疑似BIG移行図柄としての「ブイ」が揃ったこと、及び、ビッグボーナス(疑似BIG)に移行することを遊技者に報知することができる。なお、疑似BIG移行図柄が揃ったとき(疑似BIGが開始するとき)、第1実施形態で説明した外部信号1がオン状態とされる。
図483(d)に示す状態の後、昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)においては、疑似遊技に続いて(各リール3L,3C,3Rの回転が停止している状態で)、ロックが発生し、遊技の進行がさらに所定期間停止する。図483(e)では、当該ロックが行われている期間中に、疑似BIGにおいて行われる演出(BB演出)を選択するための画面がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。遊技者は、演出ボタンを操作することにより、演出A、演出B、及び、演出Cのうちの何れかの演出を、BB演出として選択することができる。
図483(f)では、図483(e)に示す状態の後、昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)において、BB演出として一の演出(ここでは、演出B)が決定されたときに、「レバーで遊技が進行します」「獲得0枚」「残りナビ30回」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。これにより、スタートレバー7の操作を遊技者に促すことが可能であり、スタートレバー7が操作されたときに、ロックは終了する。また、スタートレバー7が操作されなくても、疑似遊技において全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止してから所定時間(例えば、50秒)が経過したときに、ロックは終了する。「獲得0枚」は、疑似BIGにおいて遊技者が獲得したメダルの枚数(払出枚数と投入枚数との差)を示し、「残りナビ30回」は、上述した第1疑似BIG(図433参照)において実行可能なベルナビの残り回数(第1ベルナビ回数カウンタの値)を示している。
図483(f)に示す状態の後、スタートレバー7が操作されると、実遊技(メイン遊技)用に各リール3L,3C,3Rの回転が開始する(ランダム遅延処理が行われて遊技が進行する)。図483(g)では、このときに押し順ナビ画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。押し順ナビ画像は、押し順ベルにおける正解の押し順を報知(ベルナビ)するための画像である。ここでは、「F_321ベルD」が内部当籤役として決定されたことに伴い、第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作を「ブイ」を狙った目押しで行い、第2停止操作として中リール3Cに対する停止操作を行い、第3停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行うことが報知されている(図433参照)。また、ベルナビが1回行われたことに伴い、「残りナビ」の回数が1回減って「29回」となっている。
図483(h)では、図483(g)に示す状態の後、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したときに、「GET 15枚」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。ここでは、報知(ベルナビ)に従った停止操作が行われたことにより、押し順ベルが入賞したことに伴い、15枚のメダルが払い出されている(図429参照)。また、「獲得」枚数が、当該払出枚数(15枚)と投入枚数(3枚)との差(12枚)に更新されている。
なお、図483(e)~(h)に示す状態においては、既に昇格チャンスから疑似BIGへと移行しており、疑似BIGの1ゲーム目について示すものであるが、便宜上、昇格チャンスの2ゲーム目であることとして説明している。
<昇格チャンスにおける演出例(疑似BIG非当籤時)>
図484は、昇格チャンスの1ゲーム目~4ゲーム目で疑似BIGに全て非当籤となった場合における演出例を示す図である。
図484に示す演出例として、図484(a)では、昇格チャンスに移行する単位遊技の1つ前の単位遊技(通常出玉状態から昇格チャンスに移行する場合においては通常出玉状態の最終ゲーム:当籤報知ゲーム)において、「WIN」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。
図484(b)では、図484(a)に示す状態の後、昇格チャンスの1ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:3)において、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)が行われることに応じて、「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。ここでは、昇格チャンス中抽籤の結果として「フェイク疑似遊技」が決定されたものとする。なお、ロングフリーズ(図475のステップS4363参照)には非当籤となっている。
図484(c)では、図484(b)に示す状態の後、昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)において、1ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)が開始するときに、「Vを狙え!」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。当該画像は、疑似BIG移行図柄としての「ブイ」図柄が各リール3L,3C,3Rにおいて停止表示され得るタイミングで停止操作を行うことを示唆する画像である。これにより、「ブイ」を狙った停止操作を行うことを遊技者に促すことができる。
図484(d)では、図484(c)に示す状態の後、昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)で行われる疑似遊技において、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したときに、「ざんねん」「レバーオンで遊技が進行します」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。これにより、疑似BIG移行図柄としての「ブイ」が揃わなかった(疑似BIGに当籤しなかった)ことを遊技者に報知するとともに、スタートレバー7の操作を遊技者に促すことができる。
図484(d)に示す状態の後、スタートレバー7が操作されると、実遊技(メイン遊技)用に各リール3L,3C,3Rの回転が開始する(ランダム遅延処理が行われて遊技が進行する)。図484(e)では、昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)において、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)が行われることに応じて、「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。ここでは、昇格チャンス中抽籤の結果として「フェイク疑似遊技」が決定されたものとする。
図484(f)では、図484(e)に示す状態の後、昇格チャンスの3ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:1)において、2ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)が開始するときに、「Vを狙え!」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。当該画像は、疑似BIG移行図柄としての「ブイ」図柄が各リール3L,3C,3Rにおいて停止表示され得るタイミングで停止操作を行うことを示唆する画像である。これにより、「ブイ」を狙った停止操作を行うことを遊技者に促すことができる。
図484(g)では、図484(f)に示す状態の後、昇格チャンスの3ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:1)で行われる疑似遊技において、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したときに、「ざんねん」「レバーオンで遊技が進行します」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。これにより、疑似BIG移行図柄としての「ブイ」が揃わなかった(疑似BIGに当籤しなかった)ことを遊技者に報知するとともに、スタートレバー7の操作を遊技者に促すことができる。
図484(g)に示す状態の後、スタートレバー7が操作されると、実遊技(メイン遊技)用に各リール3L,3C,3Rの回転が開始する(ランダム遅延処理が行われて遊技が進行する)。図484(h)では、昇格チャンスの3ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:1)において、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)が行われることに応じて、「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。ここでは、昇格チャンス中抽籤の結果として「フェイク疑似遊技」が決定されたものとする。
図484(i)では、図484(h)に示す状態の後、昇格チャンスの4ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)において、3ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)が開始するときに、「Vを狙え!」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。当該画像は、疑似BIG移行図柄としての「ブイ」図柄が各リール3L,3C,3Rにおいて停止表示され得るタイミングで停止操作を行うことを示唆する画像である。これにより、「ブイ」を狙った停止操作を行うことを遊技者に促すことができる。なお、ここでは、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)の結果として、「フェイク疑似遊技」が決定されたものとする。また、昇格チャンスの4ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)では、疑似遊技が2回行われるところ、3ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)を第1疑似遊技と表記することとする。
図484(j)では、図484(i)に示す状態の後、昇格チャンスの4ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)で行われる第1疑似遊技において、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したときに、「ざんねん」「レバーオンで遊技が進行します」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。これにより、疑似BIG移行図柄としての「ブイ」が揃わなかった(疑似BIGに当籤しなかった)ことを遊技者に報知するとともに、スタートレバー7の操作を遊技者に促すことができる。
図484(j)に示す状態の後、スタートレバー7が操作されると、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4370参照)が開始する。当該疑似遊技を第2疑似遊技と表記することとする。図484(k)では、昇格チャンスの4ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)で行われる第2疑似遊技が開始するときに、「BARを狙え!」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。当該画像は、疑似REG移行図柄としての「バー」図柄が各リール3L,3C,3Rにおいて停止表示され得るタイミングで停止操作を行うことを示唆する画像である。これにより、「バー」を狙った停止操作を行うことを遊技者に促すことができる。
図484(l)では、図484(k)に示す状態の後、昇格チャンスの4ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)で行われる第2疑似遊技において、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したときに、「レギュラーボーナス!」「レバーオンで遊技が進行します」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。これにより、レギュラーボーナス(疑似REG)に移行することを遊技者に報知するとともに、スタートレバー7の操作を遊技者に促すことができる。なお、疑似REG移行図柄が揃ったとき(疑似REGが開始するとき)、第1実施形態で説明した外部信号2がオン状態とされる。
図484(l)に示す状態の後、スタートレバー7が操作されると、実遊技(メイン遊技)用に各リール3L,3C,3Rの回転が開始する(ランダム遅延処理が行われて遊技が進行する)。図484(m)では、このときに押し順ナビ画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。押し順ナビ画像は、押し順ベルにおける正解の押し順を報知(ベルナビ)するための画像である。ここでは、「F_231ベルA」乃至「F_231ベルC」が内部当籤役として決定されたことに伴い、第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作を「セブン」を狙った目押しで行い、第2停止操作として右リール3Rに対する停止操作を行い、第3停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行うことが報知されている(図433参照)。また、「残りナビ4回」は、疑似REGにおいて実行可能なベルナビの残り回数(第2ベルナビ回数カウンタの値)を示している。「残りナビ」の初期値は5回であるが、ベルナビが1回行われたことに伴い、「残りナビ」の回数が1回減って「4回」に更新されている。
図484(n)では、図484(m)に示す状態の後、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したときに、「GET 15枚」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。ここでは、報知(ベルナビ)に従った停止操作が行われたことにより、押し順ベルが入賞したことに伴い、15枚のメダルが払い出されている(図429参照)。
なお、図484(m)及び(n)に示す状態においては、既に昇格チャンスから疑似REGへと移行しており、疑似REGの1ゲーム目について示すものであるが、便宜上、昇格チャンスの4ゲーム目であることとして説明している。
以上で説明したように、昇格チャンスに移行した場合には、疑似BIG及び疑似REGのうちの何れかのAT状態に必ず移行することになる。すなわち、昇格チャンスは、AT状態に移行することが確定した出玉状態である。そして、昇格チャンスでは、何れのAT状態に移行させるのかが決定されるとともに、疑似遊技を通じて、移行先のAT状態を報知する演出が行われる。1ゲーム目から最終ゲームまでの間に行われる疑似遊技において疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)が揃った場合には、疑似BIGに移行する。最終ゲームで行われる第1疑似遊技において疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)が揃わなかった場合には、第2疑似遊技において疑似REG移行図柄(「バー」)が揃い、疑似REGに移行する。疑似REGへは最終ゲームのみで移行可能であり、最終ゲーム以外のゲームにおいて疑似REGに移行することはない。
ここまで、遊技者が停止操作可能な疑似遊技により疑似ボーナス開始時等の図柄表示を行う仕様について説明したが、疑似遊技に代えて、あるいは疑似遊技と併用する形で、遊技者の停止操作を伴わずに自動的にリールが停止するリール演出を用いて、疑似ボーナス開始時等の図柄表示が行われることとしても良い。リール演出を用いることとした場合、演出効果は疑似遊技に劣るものの、疑似遊技と比べメインプログラムの容量を軽減することできる。
また、疑似遊技においても、疑似遊技用のリールの回転開始あるいは停止操作有効となったときから所定時間(例えば、30秒など)経過で自動的にリールが停止して疑似ボーナス開始時等の図柄表示が行われるものとなっている。そのため、広義では、疑似遊技もリール演出の1種とみることもできる。時間経過による自動停止の場合は、予定された図柄組合せ(ブイ揃い、セブン揃い、バー揃いなど)が止まるように制御してもよいし、時間経過時点で各リールに停止信号を入力して停止させるものとしてもよい。後者の場合は、たまたまタイミングが合えば予定された図柄組合せが揃うものの、当該図柄組合せが揃わない場合があることとしてもよい。
疑似遊技のリール停止制御としては、上述した実施形態で説明した態様を適宜採用することが可能である。例えば、通常遊技(メイン遊技)と同様あるいは類似させる形で、滑りコマ数を最大4コマなどとして押下位置(停止操作タイミング)に応じて疑似停止出目が変化する仕様でもよいし、押下位置不問で疑似遊技の種別(疑似遊技1~8)により予め定められた位置まで図柄を滑らせて停止させるものでもよい。また、押下位置に応じて出目が変化するタイプでも、停止候補位置を2~3通り(例えば、疑似遊技3なら、ブイ揃いまたはセブン揃いのいずれかとなるように、押下位置によっては4コマ以上滑らせる)に限定するような停止制御を行って、遊技者に分かりやすい出目を停止させるものとしてもよい。なお、押下位置に応じて出目が変化するタイプである場合に、例えば、疑似BIG開始時にブイ揃い・セブン揃いのいずれも停止しなかった場合でも、疑似BIG開始時演出(例えば、図483(d)に示すブイ揃い対応演出)は、ブイ揃い時と同じ態様で行って遊技者が状況を把握できるようにすることが望ましい。
なお、本実施例では、昇格チャンス中の最大遊技回数は4ゲーム(又は6ゲーム)であり、ゲーム数の加算は行われない仕様であるが、所定条件を満たした場合に昇格チャンスのゲーム数を延長可能な仕様としてもよい。例えば、レア役当籤かつ疑似BIG非当籤の場合に残りゲーム数を延長するといった仕様としてもよい。また、昇格チャンスを延長する場合、+1ゲーム、+5ゲームといったゲーム数の上乗せとしてもよいし、疑似BIGに当籤するまで継続する無限昇格チャンスといった状態を設けて移行させるものとしてもよい。
<疑似BIG用遊技開始時処理>
図485は、主制御回路において行われる疑似BIG用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図486は、主制御回路において行われる疑似BIG開始時処理を示すフローチャートである。図487は、疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤テーブルを示す図である。図488は、疑似BIG中1G連抽籤テーブルを示す図である。
図485に示す疑似BIG用遊技開始時処理は、現在の出玉状態が疑似BIG(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で(例えば、図27のステップS85の判断結果が「NO」となった場合に)行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
疑似BIG用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、疑似BIG開始時であるか否かを判断する(ステップS4381)。上述したように、疑似BIGへは、疑似BIG移行フラグ(図463のステップS4246及び図474のステップS4351参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技、又は、昇格チャンスにおいて昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)で疑似BIGに当籤した単位遊技の次の単位遊技、若しくは、昇格チャンスにおいて規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)で疑似BIGに当籤した単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。疑似BIGに移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新することにより疑似BIGに移行させた後、続けて、図485に示す疑似BIG用遊技開始時処理が行われる。ステップS4381の処理において、メインCPU101は、今回の単位遊技において疑似BIGに移行した場合(今回の単位遊技が疑似BIGの1ゲーム目である場合)に、疑似BIG開始時であると判断する。
疑似BIG開始時であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG開始時処理を実行する(ステップS4382)。ここで、図486を用いて、疑似BIG開始時処理について説明する。
疑似BIG開始時処理において、まず、メインCPU101は、昇格チャンスからの移行時であるか否かを判断する(ステップS4401)。この処理は、今回の単位遊技において疑似BIGに移行した場合(今回の単位遊技が疑似BIGの1ゲーム目である場合)に行われるところ、メインCPU101は、移行元の出玉状態が昇格チャンスである場合に、昇格チャンスからの移行時であると判断する。
昇格チャンスからの移行時ではないと判断した場合、メインCPU101は、疑似遊技をセットする(ステップS4402)。この処理において、メインCPU101は、疑似BIG(ED)フラグ(図450のステップS4102、並びに、図475のステップS4363、ステップS4366、及び、ステップS4369参照)がオンにセットされている場合、疑似遊技6(図481参照)をセットし、疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされていない場合、疑似遊技5(図481参照)をセットする。これにより、メインCPU101は、当該単位遊技における遊技開始時メイン側演出制御処理(図23のステップS8参照)で、セットされた疑似遊技の実行を制御する。また、図示しないが、メインCPU101は、通常出玉状態においてセットした各種情報(カウンタ等)をクリアする。
ステップS4401において昇格チャンスからの移行時であると判断した場合、又は、ステップS4402の処理を実行した後、メインCPU101は、第1疑似BIGをセットする(ステップS4403)。上述したように、疑似BIGとしては、第1疑似BIG及び第2疑似BIGが設けられているところ、疑似BIG開始時においては第1疑似BIGに制御される。
次に、メインCPU101は、第1ベルナビ回数カウンタに「30」をセットする(ステップS4404)。上述したように、第1ベルナビ回数カウンタの値は、第1疑似BIGにおいて実行可能なベルナビの残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。第1ベルナビ回数カウンタの値は、第1疑似BIGにおいてベルナビが1回行われるごとに1減算される。
次に、メインCPU101は、通常リプ残り入賞回数カウンタに「3」をセットする(ステップS4405)。上述したように、通常リプ残り入賞回数カウンタの値は、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行可能な残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。通常リプ残り入賞回数カウンタの値は、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと1回移行する(第1疑似BIGにおいて通常リプが入賞する)ごとに1減算される。
次に、メインCPU101は、疑似BIG(ED)フラグ(図450のステップS4102、並びに、図475のステップS4363、ステップS4366、及び、ステップS4369参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4406)。疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、疑似BIGストックカウンタの値に2を加算する(ステップS4407)。疑似BIGストックカウンタの値は、疑似BIGの終了条件が成立したときに再度疑似BIGに制御可能な残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。
次に、メインCPU101は、疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤処理を実行する(ステップS4408)。この処理において、メインCPU101は、疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤テーブル(図487参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。
図487に示す疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。これにより、設定値にかかわらず、1/256の確率で疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤に当籤する。
疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤に当籤した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ当籤フラグをオンにセットする。連荘チャレンジ当籤フラグは、連荘チャレンジに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、連荘チャレンジに当籤すると、疑似BIGの終了条件が成立したときに、連荘チャレンジに移行する(図431及び図432の移行条件(M)参照)。
ステップS4408の処理を実行した後、メインCPU101は、突入時ロングフリーズ抽籤処理を実行する(ステップS4409)。この処理は、図475のステップS4363の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。ステップS4409の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上、図486を用いて、図485のステップS4382で行われる疑似BIG開始時処理について説明した。図485に説明を戻す。
ステップS4381において疑似BIG開始時ではないと判断した場合、又は、ステップS4382の処理を実行した後、メインCPU101は、疑似BIGストックカウンタの値が2以上であるか否かを判断する(ステップS4383)。疑似BIGストックカウンタの値が2以上であると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
疑似BIGストックカウンタの値が2未満であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG中1G連抽籤処理を実行する(ステップS4384)。この処理において、メインCPU101は、疑似BIG中1G連抽籤テーブル(図488参照)を参照して、出玉フラググループ6における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似BIG中1G連抽籤の結果として、「非当籤」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」のうちの何れかを決定する。
図488に示す疑似BIG中1G連抽籤テーブルは、出玉フラググループ6における出玉フラグ(「その他」、「リーチ目」、「リーチ目BB」、及び、「1枚役」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」である場合には、図488(a)に示す疑似BIG中1G連抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」である場合には、図488(b)に示す疑似BIG中1G連抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、図488(c)に示す疑似BIG中1G連抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「1枚役」である場合には、図488(d)に示す疑似BIG中1G連抽籤テーブルが参照される。
各疑似BIG中1G連抽籤テーブルにおいては、「第1疑似BIG」及び「第2疑似BIG」のそれぞれについて、疑似BIG中1G連抽籤の結果(「非当籤」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)に対応する抽籤値が規定されている。疑似BIG中1G連抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、第1疑似BIGにおいては、疑似BIG中1G連抽籤の結果として、出玉フラググループ6における出玉フラグにかかわらず、256/256の確率で「非当籤」が決定される。また、第2疑似BIGにおいては、疑似BIG中1G連抽籤の結果として、出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」又は「1枚役」である場合には、256/256の確率で「非当籤」が決定され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」又は「リーチ目BB」である場合には、255/256の確率で「非当籤」が決定され、1/256の確率で「疑似BIG」が決定される。疑似BIG中1G連抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(1G連抽籤に当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIGストックカウンタの値に1を加算する。
ステップS4384の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<疑似BIG用カウンタ管理処理>
図489は、主制御回路において行われる疑似BIG用カウンタ管理処理を示すフローチャートである。
図489に示す疑似BIG用カウンタ管理処理は、現在の出玉状態が疑似BIG(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
疑似BIG用カウンタ管理処理において、まず、メインCPU101は、第1疑似BIGに制御されているか否かを判断する(ステップS4421)。第1疑似BIGに制御されていると判断した場合、メインCPU101は、内部当籤役決定処理(図26のステップS64参照)によりリプレイ(「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」(図427及び図428参照))が内部当籤役として決定されたか否かを判断する(ステップS4422)。
リプレイが内部当籤役として決定されたと判断した場合、メインCPU101は、第1疑似BIG中成立リプカウンタの値に1加算する(ステップS4423)。第1疑似BIG中成立リプカウンタの値は、第1疑似BIG中にリプレイ(「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」)が内部当籤役として決定された回数を示し、メインRAM103に記憶されている。
次に、メインCPU101は、通常リプが入賞したか否かを判断する(ステップS4424)。この処理において、メインCPU101は、有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せが「通常リプ」(「C_中段リプA_01~04」、「C_下段リプA_01~06」、「C_CUリプ_01~03」、「C_上段リプB_01~06」、「C_上段リプA_01~03」、及び、「C_CDリプ_01~04」(図425A参照)のうちの何れか)であるか否かを判断する。
通常リプが入賞したと判断した場合、メインCPU101は、通常リプ残り入賞回数カウンタ(図486のステップS4405参照)の値から1減算する(ステップS4425)。そして、メインCPU101は、第2疑似BIGをセットする(ステップS4426)。これにより、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行する。
次に、メインCPU101は、第2ベルナビ回数カウンタに「9」をセットする(ステップS4427)。上述したように、第2ベルナビ回数カウンタの値は、第2疑似BIGにおいて実行可能なベルナビの残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。第2ベルナビ回数カウンタの値は、第2疑似BIGにおいてベルナビが1回行われるごとに1減算される。
ステップS4424において通常リプが入賞していないと判断した場合、又は、ステップS4427の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4422においてリプレイが内部当籤役として決定されていないと判断した場合、メインCPU101は、ベルナビが発生したか否かを判断する(ステップS4428)。この処理において、メインCPU101は、押し順ベル(「F_213ベルA」、「F_213ベルB」、「F_213ベルC」、「F_213ベルD」、「F_231ベルA」、「F_231ベルB」、「F_231ベルC」、「F_231ベルD」、「F_312ベルA」、「F_312ベルB」、「F_312ベルC」、「F_312ベルD」、「F_321ベルA」、「F_321ベルB」、「F_321ベルC」、及び、「F_321ベルD」(図425A及び図425B参照)のうちの何れか)が内部当籤役として決定されたか否かを判断する。上述したように、疑似BIGにおいては、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合に、押し順ベルを入賞させるための停止操作の情報が報知される(ベルナビが行われる)。
ベルナビが発生したと判断した場合、メインCPU101は、第1ベルナビ回数カウンタ(図486のステップS4404参照)の値から1減算する(ステップS4429)。そして、メインCPU101は、第1ベルナビ回数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4430)。第1ベルナビ回数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG終了時処理(1)を実行する(ステップS4431)。疑似BIG終了時処理(1)については、後に図490を用いて説明する。
ステップS4428においてベルナビが発生していないと判断した場合、ステップS4430において第1ベルナビ回数カウンタの値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS4431の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4421において第1疑似BIGに制御されていない(第2疑似BIGに制御されている)と判断した場合、メインCPU101は、ベルナビが発生したか否かを判断する(ステップS4432)。この処理は、ステップS4428の処理と同様の処理である。ベルナビが発生していないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ベルナビが発生したと判断した場合、メインCPU101は、第2ベルナビ回数カウンタ(ステップS4427参照)の値から1減算する(ステップS4433)。そして、メインCPU101は、第2ベルナビ回数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4434)。第2ベルナビ回数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、第2ベルナビ回数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、通常リプ残り入賞回数カウンタ(ステップS4425参照)の値が0であるか否かを判断する(ステップS4435)。通常リプ残り入賞回数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG終了時処理(2)を実行する(ステップS4436)。疑似BIG終了時処理(2)については、後に図492を用いて説明する。
一方、通常リプ残り入賞回数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、第1疑似BIGをセットする(ステップS4437)。これにより、第2疑似BIGから第1疑似BIGへと移行する。
ステップS4436又はステップS4437の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<疑似BIG終了時処理(1)>
図490は、主制御回路において行われる疑似BIG終了時処理(1)を示すフローチャートである。図491は、成立リプ数不足時抽籤テーブルを示す図である。
図490に示す疑似BIG終了時処理(1)は、主制御回路100において図489(疑似BIG用カウンタ管理処理)のステップS4431で行われる処理である。また、この処理は、疑似BIGの終了条件として、上述した「(i)第1ベルナビ回数カウンタの値が0であること」という条件が成立したときに行われる処理である。
疑似BIG終了時処理(1)において、まず、メインCPU101は、疑似BIGストックカウンタ(図486のステップS4407参照)の値が2以上であるか否かを判断する(ステップS4441)。
疑似BIGストックカウンタの値が2未満であると判断した場合、メインCPU101は、第1疑似BIG中成立リプカウンタ(図489のステップS4423参照)の値が2以下であるか否かを判断する(ステップS4442)。
第1疑似BIG中成立リプカウンタの値が2以下であると判断した場合、メインCPU101は、成立リプ数不足時抽籤処理を実行する(ステップS4443)。この処理において、メインCPU101は、成立リプ数不足時抽籤テーブル(図491参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、成立リプ数不足時抽籤の結果として、「非当籤」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」のうちの何れかを決定する。
図491に示す成立リプ数不足時抽籤テーブルにおいては、第1疑似BIG中成立リプカウンタの値、すなわち、第1疑似BIG中にリプレイが内部当籤役として決定された回数(「0回」、「1回」、及び、「2回」)ごとに、成立リプ数不足時抽籤の結果(「非当籤」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)に対応する抽籤値が規定されている。成立リプ数不足時抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
例えば、第1疑似BIG中成立リプカウンタの値が「1」である場合には、成立リプ数不足時抽籤の結果として、224/256の確率で「非当籤」が決定され、32/256の確率で「疑似BIG」が決定される。成立リプ数不足時抽籤の結果として「疑似BIG」が決定された(成立リプ数不足時抽籤に当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIGストックカウンタの値に1を加算する。
ステップS4442において第1疑似BIG中成立リプカウンタの値が3以上であると判断した場合、又は、ステップS4443の処理を実行した後、メインCPU101は、疑似BIGストックカウンタの値が1以上であるか否かを判断する(ステップS4444)。
ステップS4441において疑似BIGストックカウンタの値が2以上であると判断した場合、又は、ステップS4444において疑似BIGストックカウンタの値が1以上であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG継続フラグをオンにセットする(ステップS4445)。疑似BIG継続フラグは、疑似BIGを継続することを示すフラグである。メインCPU101は、疑似BIG継続フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、疑似BIG開始時処理(図486参照)を実行する。これにより、疑似BIGが継続する。
また、メインCPU101は、ステップS4445の処理を実行したとき、疑似BIGストックカウンタの値から1減算する。なお、1回の有利区間中に疑似BIGに制御される(疑似BIG開始時処理が実行される)回数が3回以上となることが確定した場合には、疑似BIGストックカウンタの値から減算しないこととしてもよい。この場合には、疑似BIG(ED)(有利区間が終了するまで疑似BIGが継続すること)が確定する。
ステップS4444において疑似BIGストックカウンタの値が1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4446)。上述したように、連荘チャレンジ当籤フラグは、連荘チャレンジに当籤したことを示すフラグである(図486のステップS4408参照)。
連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグをオンにセットする(ステップS4447)。上述したように、連荘チャレンジ移行フラグは、連荘チャレンジを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、連荘チャレンジに移行する。
一方、連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、非有利区間移行フラグをオンにセットする(ステップS4448)。非有利区間移行フラグは、非有利区間を開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、非有利区間移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、非有利区間に移行する。
ステップS4445、ステップS4447、又は、ステップS4448の処理を実行した後、メインCPU101は、連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされている場合、当該フラグをオフにセットし、本サブルーチンを終了する。なお、疑似BIGが継続する場合には、連荘チャレンジ当籤フラグを持ち越すこととし、この場合には、疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤処理(図486のステップS4408参照)を行わないこととしてもよい。
<疑似BIG終了時処理(2)>
図492は、主制御回路において行われる疑似BIG終了時処理(2)を示すフローチャートである。図493は、最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤テーブルを示す図である。
図492に示す疑似BIG終了時処理(2)は、主制御回路100において図489(疑似BIG用カウンタ管理処理)のステップS4436で行われる処理である。また、この処理は、疑似BIGの終了条件として、上述した「(ii)通常リプ残り入賞回数カウンタの値が0であり、且つ、第2ベルナビ回数カウンタの値が0であること」という条件が成立したときに行われる処理である。
疑似BIG終了時処理(2)において、まず、メインCPU101は、疑似BIGストックカウンタ(図486のステップS4407参照)の値が1以上であるか否かを判断する(ステップS4461)。
疑似BIGストックカウンタの値が1以上であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG継続フラグをオンにセットする(ステップS4462)。上述したように、疑似BIG継続フラグは、疑似BIGを継続することを示すフラグである。メインCPU101は、疑似BIG継続フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、疑似BIG開始時処理(図486参照)を実行する。これにより、疑似BIGが継続する。
また、メインCPU101は、ステップS4462の処理を実行したとき、疑似BIGストックカウンタの値から1減算する。なお、1回の有利区間中に疑似BIGに制御される(疑似BIG開始時処理が実行される)回数が3回以上となることが確定した場合には、疑似BIGストックカウンタの値から減算しないこととしてもよい。この場合には、疑似BIG(ED)(有利区間が終了するまで疑似BIGが継続すること)が確定する。
一方、疑似BIGストックカウンタの値が1未満(0)であると判断した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4463)。上述したように、連荘チャレンジ当籤フラグは、連荘チャレンジに当籤したことを示すフラグである(図486のステップS4408参照)。
連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤処理を実行する(ステップS4464)。この処理において、メインCPU101は、最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤テーブル(図493参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。
図493に示す最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤テーブルは、最終第2疑似BIG突入時第1ベルナビ回数カウンタの値(「6未満」及び「6以上」)のそれぞれに対して設けられている。最終第2疑似BIG突入時第1ベルナビ回数カウンタの値は、最終(3回目)の第2疑似BIGに移行したとき(ステップS4425の処理が行われることにより通常リプ残り入賞回数カウンタの値が0となった状態で、ステップS4426の処理が行われたとき)の第1ベルナビ回数カウンタ(図489のステップS4429参照)の値である。最終第2疑似BIG突入時第1ベルナビ回数カウンタの値が「6」未満である場合には、図493(a)に示す最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤テーブルが参照され、最終第2疑似BIG突入時第1ベルナビ回数カウンタの値が「6」以上である場合には、図493(b)に示す最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤テーブルが参照される。
各最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、最終第2疑似BIG突入時第1ベルナビ回数カウンタの値が「6」未満である場合には、設定値にかかわらず、256/256の確率で最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤に非当籤となる。また、最終第2疑似BIG突入時第1ベルナビ回数カウンタの値が「6」以上である場合には、設定値にかかわらず、2/256の確率で最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤に当籤する。ステップS4464の処理を実行した後、メインCPU101は、最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS4465)。
ステップS4463において連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS4465において最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグをオンにセットする(ステップS4466)。上述したように、連荘チャレンジ移行フラグは、連荘チャレンジを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、連荘チャレンジに移行する。
ステップS4465において最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤に当籤していないと判断した場合、メインCPU101は、非有利区間移行フラグをオンにセットする(ステップS4467)。上述したように、非有利区間移行フラグは、非有利区間を開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、非有利区間移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、非有利区間に移行する。
なお、当該有利区間において点灯していた区間ランプ(状態表示部、有利区間ランプともいう)は、非有利区間への移行が決定された当該遊技の全リール停止後に点灯状態から消灯状態へと変化する。第1実施形態で説明したように、区間ランプは、点灯することで現在の状態が有利区間中であることを表示するものである。
ステップS4462、ステップS4466、又は、ステップS4467の処理を実行した後、メインCPU101は、連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされている場合、当該フラグをオフにセットし、本サブルーチンを終了する。なお、疑似BIGが継続する場合には、連荘チャレンジ当籤フラグを持ち越すこととし、この場合には、疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤処理(図486のステップS4408参照)を行わないこととしてもよい。
<疑似REG用遊技開始時処理>
図494は、主制御回路において行われる疑似REG用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図495は、疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤テーブルを示す図である。図496は、疑似REG中1G連抽籤テーブルを示す図である。
図494に示す疑似REG用遊技開始時処理は、現在の出玉状態が疑似REG(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で(例えば、図27のステップS85の判断結果が「NO」となった場合に)行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
疑似REG用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、疑似REG開始時であるか否かを判断する(ステップS4481)。上述したように、疑似REGへは、昇格チャンスの最終ゲーム(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。疑似REGに移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新することにより疑似REGに移行させた後、続けて、図494に示す疑似REG用遊技開始時処理が行われる。ステップS4481の処理において、メインCPU101は、今回の単位遊技において疑似REGに移行した場合(今回の単位遊技が疑似REGの1ゲーム目である場合)に、疑似REG開始時であると判断する。
疑似REG開始時であると判断した場合、メインCPU101は、第2ベルナビ回数カウンタに「5」をセットする(ステップS4482)。上述したように、第2ベルナビ回数カウンタの値は、疑似REGにおいて実行可能なベルナビの残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。第2ベルナビ回数カウンタの値は、疑似REGにおいてベルナビが1回行われるごとに1減算される。
次に、メインCPU101は、疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤処理を実行する(ステップS4483)。この処理において、メインCPU101は、疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤テーブル(図495参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤の結果として、「非当籤」及び「当籤」のうちの何れかを決定する。
図495に示す疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤テーブルは、出玉用有利区間遊技数カウンタの値(「199以下」及び「200以上」)のそれぞれに対して設けられている。出玉用有利区間遊技数カウンタは、上述した有利区間ゲーム数カウンタであり、出玉用有利区間遊技数カウンタの値は、有利区間において行われた単位遊技の回数を示し、メインRAM103に記憶されている。図示しないが、出玉用有利区間遊技数カウンタの値は、有利区間においてのみ加算され、非有利区間に移行するときにクリアされる。出玉用有利区間遊技数カウンタの値が「199」以下である場合には、図495(a)に示す疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤テーブルが参照され、出玉用有利区間遊技数カウンタの値が「200」以上である場合には、図495(b)に示す疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤テーブルが参照される。
各疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)ごとに、疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤の結果(「非当籤」及び「当籤」)に対応する抽籤値が規定されている。疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。これにより、出玉用有利区間遊技数カウンタの値が「199」以下である場合には、設定値にかかわらず、1/256の確率で疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤に当籤する。また、例えば、出玉用有利区間遊技数カウンタの値が「200」以上であり、設定値が設定6である場合には、40/256の確率で疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤に当籤する。
疑似REG開始時連荘チャレンジ抽籤に当籤した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ当籤フラグをオンにセットする。上述したように、連荘チャレンジ当籤フラグは、連荘チャレンジに当籤したことを示すフラグである。詳細については後述するが、連荘チャレンジに当籤すると、疑似REGの終了条件が成立したときに、連荘チャレンジに移行する(図431及び図432の移行条件(M)参照)。
ステップS4481において疑似REG開始時ではないと判断した場合、又は、ステップS4483の処理を実行した後、メインCPU101は、疑似REG中1G連抽籤処理を実行する(ステップS4484)。この処理において、メインCPU101は、疑似REG中1G連抽籤テーブル(図496参照)を参照して、出玉フラググループ6における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、疑似REG中1G連抽籤の結果として、「非当籤」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」のうちの何れかを決定する。
図496に示す疑似REG中1G連抽籤テーブルは、出玉フラググループ6における出玉フラグ(「その他」、「リーチ目」、「リーチ目BB」、及び、「1枚役」)のそれぞれに対して設けられている。出玉フラググループ6における出玉フラグが「その他」である場合には、図496(a)に示す疑似REG中1G連抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目」である場合には、図496(b)に示す疑似REG中1G連抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、図496(c)に示す疑似REG中1G連抽籤テーブルが参照され、出玉フラググループ6における出玉フラグが「1枚役」である場合には、図496(d)に示す疑似REG中1G連抽籤テーブルが参照される。
各疑似REG中1G連抽籤テーブルにおいては、疑似REG中1G連抽籤の結果(「非当籤」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)に対応する抽籤値が規定されている。疑似REG中1G連抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。例えば、出玉フラググループ6における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、疑似REG中1G連抽籤の結果として、240/256の確率で「非当籤」が決定され、15/256の確率で「疑似BIG」が決定され、1/256の確率で「疑似BIG(ED)」が決定される。
疑似REG中1G連抽籤の結果として「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された(1G連抽籤に当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。また、疑似REG中1G連抽籤の結果として「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIG(ED)に当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG(ED)フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされた場合には、疑似BIGの終了条件が成立したときに再度疑似BIGに制御され、これにより、有利区間が終了するまで疑似BIGが継続することになる。
ステップS4484の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<疑似REG用カウンタ管理処理>
図497は、主制御回路において行われる疑似REG用カウンタ管理処理を示すフローチャートである。
図497に示す疑似REG用カウンタ管理処理は、現在の出玉状態が疑似REG(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
疑似REG用カウンタ管理処理において、まず、メインCPU101は、ベルナビが発生したか否かを判断する(ステップS4501)。この処理は、図489のステップS4428の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。ベルナビが発生していないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、ベルナビが発生したと判断した場合、メインCPU101は、第2ベルナビ回数カウンタ(図494のステップS4482参照)の値から1減算する(ステップS4502)。そして、メインCPU101は、第2ベルナビ回数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4503)。第2ベルナビ回数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、第2ベルナビ回数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4504)。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである(図494のステップS4484参照)。
疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG移行フラグをオンにセットする(ステップS4505)。上述したように、疑似BIG移行フラグは、疑似BIGを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、疑似BIG移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、疑似BIGに移行する(図431及び図432の移行条件(N)参照)。
一方、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4506)。上述したように、連荘チャレンジ当籤フラグは、連荘チャレンジに当籤したことを示すフラグである(図494のステップS4483参照)。
連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグをオンにセットする(ステップS4507)。上述したように、連荘チャレンジ移行フラグは、連荘チャレンジを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、連荘チャレンジ移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、連荘チャレンジに移行する。
一方、連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、非有利区間移行フラグをオンにセットする(ステップS4508)。非有利区間移行フラグは、非有利区間を開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、非有利区間移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、非有利区間に移行する。
ステップS4505、ステップS4507、又は、ステップS4508の処理を実行した後、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグ乃至連荘チャレンジ当籤フラグがオンにセットされている場合、これらのフラグをオフにセットし、本サブルーチンを終了する。なお、疑似BIGに移行する場合には、連荘チャレンジ当籤フラグを持ち越すこととし、この場合には、疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤処理(図486のステップS4408参照)を行わないこととしてもよい。
ここまで、疑似REGに関する処理について説明を行ったが、前述の通り、疑似REGは疑似BIGと比べ出玉面での有利度合いが低い。そのため、疑似REG中又は疑似REG終了時などに、疑似BIG中には発生しない設定示唆演出などを実行可能なものとして、遊技者の興趣が低下することをなるべく抑制できるようにすることが望ましい。設定示唆演出としては、上述した実施形態で説明した態様を適宜採用することが可能である。
<連荘チャレンジ用遊技開始時処理>
図498は、主制御回路において行われる連荘チャレンジ用遊技開始時処理を示すフローチャートである。図499は、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤テーブルを示す図である。図500は、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤テーブルを示す図である。図501は、連荘チャレンジ中抽籤テーブルを示す図である。図502は、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤テーブルを示す図である。
図498に示す連荘チャレンジ用遊技開始時処理は、現在の出玉状態が連荘チャレンジ(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で(例えば、図27のステップS85の判断結果が「NO」となった場合に)行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
連荘チャレンジ用遊技開始時処理において、まず、メインCPU101は、連荘チャレンジ開始時であるか否かを判断する(ステップS4521)。上述したように、連荘チャレンジへは、連荘チャレンジ移行フラグ(図435のステップS4003、図437のステップS4027、図490のステップS4447、図492のステップS4466、及び、図497のステップS4507参照)がオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において移行する。連荘チャレンジに移行する単位遊技における遊技開始時状態制御処理では、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新することにより連荘チャレンジに移行させた後、続けて、図498に示す連荘チャレンジ用遊技開始時処理が行われる。ステップS4521の処理において、メインCPU101は、今回の単位遊技において連荘チャレンジに移行した場合(今回の単位遊技が連荘チャレンジの1ゲーム目である場合)に、連荘チャレンジ開始時であると判断する。
連荘チャレンジ開始時であると判断した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤処理を実行する(ステップS4522)。この処理において、メインCPU101は、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤テーブル(図499参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の結果として、「非当籤」、「昇格チャンス」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」のうちの何れかを決定する。
図499に示す連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤テーブルにおいては、設定値(「設定1」、「設定2」、「設定3」、「設定4」、「設定5」、及び、「設定6」)、並びに、「確定連荘チャレンジ」のそれぞれについて、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の結果(「非当籤」、「昇格チャンス」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)に対応する抽籤値が規定されている。「確定連荘チャレンジ」は、確定連荘チャレンジフラグ(図435のステップS4003及び図437のステップS4029参照)がオンにセットされていることを指している。連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、確定連荘チャレンジフラグがオンにセットされていない場合には、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の結果として、設定値にかかわらず、178/256の確率で「非当籤」が決定され、77/256の確率で「昇格チャンス」が決定され、1/256の確率で「疑似BIG」が決定される。また、確定連荘チャレンジフラグがオンにセットされている場合には、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の結果として、設定値にかかわらず、224/256の確率で「昇格チャンス」が決定され、31/256の確率で「疑似BIG」が決定され、1/256の確率で「疑似BIG(ED)」が決定される。すなわち、確定連荘チャレンジフラグがオンにセットされている場合には、疑似BIG乃至昇格チャンスに移行することが確定する。
連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の結果として「昇格チャンス」が決定された(昇格チャンスに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグをオンにセットする。上述したように、昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである。また、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の結果として「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。また、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の結果として「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIG(ED)に当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG(ED)フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされた場合には、疑似BIGの終了条件が成立したときに再度疑似BIGに制御され、これにより、有利区間が終了するまで疑似BIGが継続することになる。
ステップS4522の処理を実行した後、メインCPU101は、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤処理を実行する(ステップS4523)。この処理において、メインCPU101は、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤テーブル(図500参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤の結果(連荘チャレンジ遊技数)として、「1」、「2」、「3」、及び、「4」のうちの何れかを決定する。
図500に示す連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤テーブルにおいては、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤(ステップS4522参照)の結果(「非当籤」、「昇格チャンス」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)ごとに、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤の結果(「1」、「2」、「3」、及び、「4」)に対応する抽籤値が規定されている。連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の結果が「非当籤」である場合には、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤の結果(連荘チャレンジ遊技数)として、256/256の確率で「3」が決定される。また、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤の結果が「昇格チャンス」、「疑似BIG」、又は、「疑似BIG(ED)」である場合には、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤の結果(連荘チャレンジ遊技数)として、192/256の確率で「3」が決定され、64/256の確率で「4」が決定される。
ステップS4523の処理を実行した後、メインCPU101は、ステップS4523で決定された連荘チャレンジ遊技数を連荘チャレンジ遊技数カウンタにセットする(ステップS4524)。連荘チャレンジ遊技数カウンタの値は、連荘チャレンジに滞在可能な単位遊技の残り回数を示し、メインRAM103に記憶されている。後述するように、連荘チャレンジ遊技数カウンタの値は、単位遊技が1回行われるごとに1減算される。
ステップS4521において連荘チャレンジ開始時ではないと判断した場合、又は、ステップS4524の処理を実行した後、メインCPU101は、連荘チャレンジ中抽籤処理を実行する(ステップS4525)。この処理において、メインCPU101は、連荘チャレンジ中抽籤テーブル(図501参照)を参照して、出玉フラググループ2における出玉フラグ(図434参照)及び乱数値に基づく抽籤を行うことにより、連荘チャレンジ中抽籤の結果として、「非当籤」、「昇格チャンス」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」のうちの何れかを決定する。
図501に示す連荘チャレンジ中抽籤テーブルにおいては、出玉フラググループ2における出玉フラグ(「その他」、「弱レア役」、「斜めスイカ」、「リーチ目」、及び、「リーチ目BB」)ごとに、連荘チャレンジ中抽籤の結果(「非当籤」、「昇格チャンス」、「疑似BIG」、及び、「疑似BIG(ED)」)に対応する抽籤値が規定されている。連荘チャレンジ中抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、出玉フラググループ2における出玉フラグが「その他」である場合には、連荘チャレンジ中抽籤の結果として、256/256の確率で「非当籤」が決定される。また、出玉フラググループ2における出玉フラグが「弱レア役」である場合には、連荘チャレンジ中抽籤の結果として、256/256の確率で「昇格チャンス」が決定される。また、出玉フラググループ2における出玉フラグが「斜めスイカ」又は「リーチ目」である場合には、連荘チャレンジ中抽籤の結果として、256/256の確率で「疑似BIG」が決定される。また、出玉フラググループ2における出玉フラグが「リーチ目BB」である場合には、連荘チャレンジ中抽籤の結果として、255/256の確率で「疑似BIG」が決定され、1/256の確率で「疑似BIG(ED)」が決定される。
連荘チャレンジ中抽籤の結果として「昇格チャンス」が決定された(昇格チャンスに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグをオンにセットする。上述したように、昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである。また、連荘チャレンジ中抽籤の結果として「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである。また、連荘チャレンジ中抽籤の結果として「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIG(ED)に当籤した)場合、メインCPU101は、疑似BIG(ED)フラグをオンにセットする。上述したように、疑似BIG(ED)フラグがオンにセットされた場合には、疑似BIGの終了条件が成立したときに再度疑似BIGに制御され、これにより、有利区間が終了するまで疑似BIGが継続することになる。
なお、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされている状態で、連荘チャレンジ中抽籤の結果として「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された(疑似BIGに当籤した)場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグを破棄する(オフにセットする)。また、今回の連荘チャレンジ中抽籤で決定された結果が、それまでに行われた連荘チャレンジ中抽籤乃至連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤(ステップS4522参照)で決定された結果よりも不利なものである場合、メインCPU101は、今回の連荘チャレンジ中抽籤で決定された結果を破棄する。
ステップS4525の処理を実行した後、メインCPU101は、連荘チャレンジ遊技数カウンタ(ステップS4524参照)の値が1であるか否かを判断する(ステップS4526)。連荘チャレンジ遊技数カウンタの値が1であることは、当該単位遊技が連荘チャレンジの最終ゲームであることを意味する。連荘チャレンジ遊技数カウンタの値が1ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、連荘チャレンジ遊技数カウンタの値が1であると判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグ又は疑似BIG当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4527)。昇格チャンス当籤フラグ又は疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、昇格チャンス当籤フラグ及び疑似BIG当籤フラグが何れもオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤処理を実行する(ステップS4528)。この処理において、メインCPU101は、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤テーブル(図502参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の結果として、「非有利区間」及び「連荘準備」のうちの何れかを決定する。
図502に示す連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤テーブルにおいては、「その他」及び「疑似ボーナス→連荘チャレンジ」のそれぞれについて、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の結果(「非有利区間」及び「連荘準備」)に対応する抽籤値が規定されている。「疑似ボーナス→連荘チャレンジ」は、現在滞在する連荘チャレンジへの移行元の出玉状態が疑似ボーナス(疑似BIG乃至疑似REG)であることを示している。「その他」は、現在滞在する連荘チャレンジへの移行元の出玉状態が疑似ボーナス(疑似BIG乃至疑似REG)以外の出玉状態であることを示している。連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の各結果が決定される確率は、「当該結果に対して規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:256)」によって表すことができる。
これにより、現在滞在する連荘チャレンジへの移行元の出玉状態が疑似ボーナス(疑似BIG乃至疑似REG)である場合には、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の結果として、256/256の確率で「非有利区間」が決定される。また、現在滞在する連荘チャレンジへの移行元の出玉状態が疑似ボーナス(疑似BIG乃至疑似REG)以外の出玉状態である場合には、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の結果として、256/256の確率で「連荘準備」が決定される。
すなわち、疑似BIG乃至疑似REGから連荘チャレンジへと移行した場合(図490のステップS4447、図492のステップS4466、及び、図497のステップS4507参照)、当該連荘チャレンジの最終ゲームで行われる連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の結果としては、必ず「非有利区間」が決定される。また、非有利区間乃至連荘準備から連荘チャレンジへと移行した場合(図435のステップS4003及び図437のステップS4027参照)、当該連荘チャレンジの最終ゲームで行われる連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の結果としては、必ず「連荘準備」が決定される。
連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の結果として「非有利区間」が決定された場合、メインCPU101は、非有利区間移行予約フラグをオンにセットする。非有利区間移行予約フラグは、非有利区間を開始することが予約されていることを示すフラグである。また、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の結果として「連荘準備」が決定された場合、メインCPU101は、連荘準備移行予約フラグをオンにセットする。連荘準備移行予約フラグは、連荘準備を開始することが予約されていることを示すフラグである。
ステップS4528の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<連荘チャレンジ用カウンタ管理処理>
図503は、主制御回路において行われる連荘チャレンジ用カウンタ管理処理を示すフローチャートである。
図503に示す連荘チャレンジ用カウンタ管理処理は、現在の出玉状態が連荘チャレンジ(図430参照)であるときに、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる処理である。メインCPU101は、メインRAM103の出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を参照することにより、現在の出玉状態を認識することができる。
連荘チャレンジ用カウンタ管理処理において、まず、メインCPU101は、連荘チャレンジ遊技数カウンタ(図498のステップS4524参照)の値から1減算する(ステップS4541)。そして、メインCPU101は、連荘チャレンジ遊技数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS4542)。連荘チャレンジ遊技数カウンタの値が0ではないと判断した場合、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
一方、連荘チャレンジ遊技数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4543)。上述したように、疑似BIG当籤フラグは、疑似BIGに当籤したことを示すフラグである(図498のステップS4522及びステップS4525参照)。
疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、疑似BIG移行フラグをオンにセットする(ステップS4544)。上述したように、疑似BIG移行フラグは、疑似BIGを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、疑似BIG移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、疑似BIGに移行する(図431及び図432の移行条件(P)参照)。
一方、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4545)。上述したように、昇格チャンス当籤フラグは、昇格チャンスに当籤したことを示すフラグである(図498のステップS4522及びステップS4525参照)。
昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、昇格チャンス移行フラグをオンにセットする(ステップS4546)。上述したように、昇格チャンス移行フラグは、昇格チャンスを開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、昇格チャンス移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、昇格チャンスに移行する(図431及び図432の移行条件(O)参照)。
一方、昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、連荘準備移行予約フラグ(図498のステップS4528参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4547)。連荘準備移行予約フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU101は、連荘準備移行フラグをオンにセットする(ステップS4548)。上述したように、連荘準備移行フラグは、連荘準備を開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、連荘準備移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、連荘準備に移行する(図431及び図432の移行条件(R)参照)。
ステップS4547の判断結果が「NO」となる場合には、非有利区間移行予約フラグ(図498のステップS4528参照)がオンにセットされていることになる。ステップS4547において連荘準備移行予約フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU101は、非有利区間移行フラグをオンにセットする(ステップS4549)。上述したように、非有利区間移行フラグは、非有利区間を開始するタイミングであることを示すフラグである。メインCPU101は、非有利区間移行フラグがオンにセットされた単位遊技の次の単位遊技における遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)で、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)を更新する。これにより、非有利区間に移行する(図431及び図432の移行条件(Q)参照)。
ステップS4544、ステップS4546、ステップS4548、又は、ステップS4549の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上で説明したように、連荘チャレンジは、疑似BIG乃至疑似REGが終了したときに移行する可能性がある一方、相対的に高い確率で疑似BIG乃至昇格チャンスに当籤し得る出玉状態となっている。これにより、疑似BIG乃至疑似REGから連荘チャレンジへと移行した場合には、再度疑似BIG乃至疑似REGへと移行する(連荘する)ことを目指して遊技を行うことになる。
また、以上では、連荘チャレンジの最終ゲームにおいて、連荘チャレンジ中抽籤(図498のステップS4525参照)が行われた後に、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤(図498のステップS4528参照)が行われることとして説明した。しかし、以下で説明するように、連荘チャレンジの最終ゲームにおいては、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤が行われた後に、連荘チャレンジ中抽籤が行われることとしてもよい。この場合には、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤により連荘準備移行予約フラグ乃至非有利区間移行予約フラグがオンにセットされた後に、連荘チャレンジ中抽籤により疑似BIG当籤フラグ乃至昇格チャンス当籤フラグがオンにセットされる可能性がある。そして、この場合には、疑似BIG乃至昇格チャンスへと移行することになるところ(図503のステップ4544及びステップS4546参照)、ステップ4544又はステップS4546の処理を実行したとき、連荘準備移行予約フラグ乃至非有利区間移行予約フラグをオフにセットする(破棄する)こととしてもよい。
[第13実施形態の変形例(ペナルティ)]
以上では、第13実施形態に係るパチスロ機1の遊技性について説明した。当該遊技性は、図435~図503を用いて説明したような処理が行われることによって創出することが可能であるが、当該遊技性を実現するための処理は、以上の例に限定されない。以下で説明する変形例においては、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合にペナルティが発生する。
ペナルティに関し、第1実施形態では、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動する(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)特定役が設けられる場合について説明した。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行うことが可能であることとして説明した。本明細書では、このように有利決定が行われることが制限されることを「ペナルティ」と呼んでいる。
このようなペナルティの例として、第1の遊技機の変形例(図410~図422参照)として、所定役(例えば、押し順ベル)が当籤役として決定されたときに、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には当該AT関連処理を不利とする仕様を採用する場合について説明した。第1の遊技機の変形例として説明した事項は、本実施形態に係るパチスロ機1の基本的な遊技性が損なわれない限り、本実施形態に係るパチスロ機1にも適用することができる。
ここで、本実施形態における押し順ベルは、第1の遊技機の変形例における押し順ベルと同様に、各リール3L,3C,3Rに対する停止操作の順序(押し順)に応じて、有効ラインに沿って停止表示されるコンビネーション(図柄の組合せ)が異なり、その結果、払い出されるメダルの枚数にも差異が生じるものである。また、当該押し順ベルは、上述した偏りベルを構成するものである。
これにより、第1の遊技機の変形例と同様に、押し順ベル(偏りベル)が内部当籤役として決定された単位遊技において、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合に払い出されるメダルの枚数の期待値は、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合に払い出されるメダルの枚数の期待値よりも小さくなっている。また、押し順ベル(偏りベル)が内部当籤役として決定されたか否かにかかわらず、一の単位遊技において、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合に払い出されるメダルの枚数の期待値は、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合に払い出されるメダルの枚数の期待値よりも小さくなっている。また、非AT状態全体としても、非AT状態中の全ての単位遊技において特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合に払い出されるメダルの枚数の期待値は、非AT状態中の全ての単位遊技において当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合に払い出されるメダルの枚数の期待値よりも小さくなっている。
以下では、第1の遊技機の変形例と同様に、特定態様(例えば、左第1停止)にて停止操作が行われた場合にはAT関連処理を有利とし、当該特定態様にて停止操作が行われなかった場合には当該AT関連処理を不利とする仕様を採用する場合について説明する。
なお、「AT関連処理」は、AT状態に移行することを直接決定する(AT移行抽籤を行う)ための処理の他、CZ状態(CZ)に移行することを決定する(CZ移行抽籤を行う)ための処理、CZ状態が継続可能な期間(CZ期間)を設定する(CZ期間抽籤を行う)ための処理、複数種類のAT状態のうち相対的に有利なAT状態に移行すること(AT状態の有利度)を決定する(AT有利度抽籤を行う)ための処理、AT移行抽籤、CZ移行抽籤、又は、AT有利度抽籤において参照されるモード(参照モード)を設定する(参照モード抽籤を行う)ための処理、相対的に有利な状態(参照モード)が継続可能な期間を短縮するための処理、相対的に有利な状態(参照モード)の終了後に移行する状態(参照モード)を決定する(転落後移行先抽籤を行う)ための処理、AT状態又はCZ状態に移行するまでの期間に関する処理、AT移行抽籤又はCZ移行抽籤が行われるための条件に関する処理、AT状態への移行を報知する演出(AT確定演出)を行うための処理等を含む概念である。
AT状態としては、疑似BIG(相対的に有利なAT状態)及び疑似REG(相対的に不利なAT状態)を挙げることができる。CZ状態は、通常中(有利区間)よりもAT状態に移行しやすい状態である。通常中(有利区間)としては、通常ステージを挙げることができ、CZ状態としては、チャンスステージA、チャンスステージB、及び、連荘チャレンジを挙げることができる。昇格チャンスは、AT状態に移行することが確定した状態であるところ、このような状態もCZ状態に含めることとしてもよい。
上記「AT移行抽籤」としては、例えば、通常ステージ中フリーズ抽籤(図445のステップS4081参照)、通常中ロングフリーズ抽籤(図450のステップS4102参照)、天井到達時当籤種別抽籤(図454のステップS4144参照)、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤(図468のステップS4306参照)、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤(図498のステップS4522参照)、連荘チャレンジ中抽籤(図498のステップS4525参照)等を挙げることができる。この例では、通常中(有利区間)とCZ状態とで、基本的に異なるAT移行抽籤が行われることとしているが、同じAT移行抽籤が行われることとしてもよい。
上記「CZ移行抽籤」としては、例えば、連荘チャレンジ移行抽籤(図437のステップS4027参照)、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤(図445のステップS4082参照)、ポイント到達時抽籤(図456のステップS4167参照)等を挙げることができる。通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤及びポイント到達時抽籤は、一部の抽籤結果がAT状態への移行が決定されるものであり、AT移行抽籤を兼ねている。
上記「CZ期間抽籤」としては、例えば、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤(図468のステップS4303参照)、チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤(図468のステップS4308参照)、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤(図498のステップS4523参照)等を挙げることができる。CZ期間抽籤は、CZ期間の初期値を決定するための抽籤、及び、CZ期間を延長するための抽籤を含む。
上記「AT有利度抽籤」としては、例えば、昇格チャンス移行時抽籤(図466のステップS4284参照)、突入時ロングフリーズ抽籤(図475のステップS4363参照)、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)等を挙げることができる。AT有利度抽籤は、AT状態に移行することが確定した状態において行うことが可能である。
上記「参照モード抽籤」としては、例えば、連荘準備モード抽籤(図437のステップS4024及びステップS4026参照)、連荘チャレンジ移行時確定抽籤(図437のステップS4029参照)、通常移行時モード抽籤(図442のステップS4061参照)、ポイントモード抽籤(図442のステップS4063、図456のステップS4166、及び、図466のステップS4283参照)、通常規定遊技数高確1移行抽籤(図451のステップS4123参照)、高確2移行抽籤(図464のステップS4262、ステップS4265、及び、ステップS4268参照)、昇格チャンスモード抽籤(図475のステップS4364参照)等を挙げることができる。参照モード抽籤は、参照モードの初期値を決定するための抽籤、及び、参照モードを移行させるための抽籤を含む。
上記「相対的に有利な状態(参照モード)が継続可能な期間を短縮するための処理」としては、相対的に有利な状態(参照モード)から不利な状態(参照モード)へと移行することを決定する(転落抽籤を行う)ための処理、及び、相対的に有利な状態(参照モード)が継続可能な残り期間を減少させるための処理を挙げることができる。転落抽籤としては、例えば、連荘準備転落抽籤(図437のステップS4031参照)、高確2転落抽籤(図464のステップS4272参照)等を挙げることができる。相対的に有利な状態(参照モード)が継続可能な残り期間を減少させるための処理としては、例えば、連荘準備保障遊技数カウンタ(図437のステップS4023参照)の値、高確2保障遊技数カウンタ(図464のステップS4263、ステップS4266、及び、ステップS4269参照)の値、チャンスステージ保障遊技数カウンタ(図468のステップS4304参照)の値、昇格チャンス遊技数カウンタ(図475のステップS4362参照)の値、連荘チャレンジ遊技数カウンタ(図498のステップS4524参照)の値等を減算する処理を挙げることができる。上記転落後移行先抽籤としては、例えば、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤(図498のステップS4528参照)を挙げることができる。
上記「AT状態又はCZ状態に移行するまでの期間に関する処理」としては、AT状態又はCZ状態に移行するまでの期間を決定する(前兆期間抽籤を行う)ための処理、及び、AT状態又はCZ状態に移行するまでの残り期間を減少させるための処理を挙げることができる。上記前兆期間抽籤としては、例えば、通常ステージ中疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤(図460のステップS4202、ステップS4205、及び、ステップS4207参照)、通常ステージ中チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤(図461のステップS4222及びステップS4224)、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤(図472のステップS4324参照)等を挙げることができる。AT状態又はCZ状態に移行するまでの残り期間を減少させるための処理としては、例えば、前兆遊技数カウンタ(図460のステップS4203、ステップS4206、及び、ステップS4208、図461のステップS4223及びステップS4225、並びに、図472のステップS4325参照)の値を減算する処理等を挙げることができる。
上記「AT移行抽籤又はCZ移行抽籤が行われるための条件に関する処理」としては、当該条件として所定の抽籤に当籤することという条件を採用する場合においては、当該所定の抽籤を行うための処理を挙げることができ、当該条件として所定の変数が所定値に達することという条件を採用する場合においては、当該所定値を設定する(条件設定抽籤を行う)ための処理、及び、当該所定の変数を更新する処理を挙げることができる。当該所定の抽籤としては、例えば、天井準備中フラグセット抽籤(図454のステップS4142参照)等を挙げることができる。上記条件設定抽籤としては、例えば、通常移行時天井抽籤(図442のステップS4062参照)等を挙げることができる。当該所定の変数を更新する処理としては、例えば、通常規定遊技数カウンタの値を加算する処理(図451のステップS4121参照)、通常ポイントの値を加算する処理(図456のステップS4163参照)等を挙げることができる。
上記AT確定演出は、AT状態に移行することが決定された場合にのみ行われる演出であり、AT状態に移行する旨の事実を報知するものであってもよいし、複数種類のAT状態が設けられている場合において移行先のAT状態の種別(上記AT有利度抽籤の結果)を報知するものであってもよい。AT確定演出としては、上述したロック演出を採用することが可能であり、当該ロック演出は、疑似遊技を伴うロック演出であってもよいし、リール演出を伴うロック演出であってもよいし、リール演出及び疑似遊技を伴わないロック演出(フリーズ)であってもよい。AT確定演出として疑似遊技を行うための処理としては、例えば、次回疑似遊技抽籤処理(図475のステップS4367参照)、今回疑似遊技抽籤処理(図475のステップS4370参照)等を挙げることができる。AT確定演出としてフリーズを行うための処理としては、例えば、通常ステージ中フリーズ抽籤処理(図445のステップS4081参照)、通常中ロングフリーズ抽籤処理(図450のステップS4102参照)、突入時ロングフリーズ抽籤処理(図475のステップS4363参照)等を挙げることができる。
なお、以上では、AT関連処理の例として、AT状態以外の状態で行われる処理を示したが、もちろん、AT状態において行われる処理もAT関連処理に含まれる。また、有利区間において行われる処理だけでなく、非有利区間において行われる処理も、以上で説明した態様に該当する限り、AT関連処理であると言える。
AT状態において行われるAT関連処理としては、例えば、疑似BIG開始時連荘チャレンジ抽籤処理(図486のステップS4408参照)、1G連抽籤処理(図485のステップS4384及び図494のステップS4484参照)、最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤処理(図492のステップS4464参照)、成立リプ数不足時抽籤処理(図490のステップS4443参照)等を挙げることができる。非有利区間において行われるAT関連処理としては、例えば、有利区間移行抽籤処理(例えば、図435のステップS4001参照)、有利区間移行時抽籤処理(図435のステップS4003参照)等を挙げることができる。
<カウンタ一覧>
図504は、主制御回路において管理されるカウンタの一覧を示す図である。
図504では、主制御回路100において管理される各カウンタの名称とクリアタイミングと加減算タイミングと数値範囲と副制御回路200への送信の有無とが対応付けて示されている。図中、「LEV」は、スタートレバー7が操作されたとき(遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)が行われるとき)を指し、「3OFF」は、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したとき(遊技終了時状態制御処理(図23のステップS15参照)が行われるとき)を指し、「特賞作動中」は、ボーナス状態(図423に示す3BB遊技状態)を指している。なお、この例では、ボーナス状態においてAT関連処理を行わないこととしているが、ボーナス状態においてもAT関連処理を行うこととしてもよい。
連荘準備保障遊技数カウンタは、連荘準備に滞在することが保障される単位遊技の残り回数を管理するカウンタである(図437のステップS4023及びステップS4025参照)。連荘準備保障遊技数カウンタの値は、特賞作動中を除く連荘準備における毎回の単位遊技で「3OFF」(遊技終了時)に1減算され、連荘準備以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。また、連荘準備保障遊技数カウンタの値が0となった単位遊技の次の単位遊技から連荘準備転落抽籤(図437のステップS4031参照)が行われることになる。
出玉用有利区間遊技数カウンタは、有利区間において行われた単位遊技の回数を管理するカウンタである(図495参照)。出玉用有利区間遊技数カウンタの値は、特賞作動中を除く有利区間における毎回の単位遊技で「3OFF」(遊技終了時)に1加算され、非有利区間に移行するときにクリアされる。
通常規定遊技数カウンタは、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)において行われた単位遊技の回数を管理するカウンタである(図451のステップS4121参照)。通常規定遊技数カウンタの値は、特賞作動中を除く通常出玉状態における毎回の単位遊技で「LEV」(遊技開始時)に1加算され、通常出玉状態以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
前兆遊技数カウンタは、前兆状態に制御される単位遊技の残り回数を管理するカウンタである(図460のステップS4203、ステップS4206、及び、ステップS4208、図461のステップS4223及びステップS4225、並びに、図472のステップS4325参照)。前兆遊技数カウンタの値は、特賞作動中を除く前兆状態における毎回の単位遊技で「3OFF」(遊技終了時)に1減算され、出玉状態が移行するときにクリアされる。
通常ポイントカウンタは、ポイント獲得抽籤(図456のステップS4163参照)で獲得したポイントを管理するカウンタである。ポイント獲得抽籤は、特賞作動中を除く通常ステージにおける毎回の単位遊技で行われる。通常ポイントカウンタの値は、ポイント到達時抽籤(図456のステップS4167参照)において使用され、ポイント到達時抽籤が行われたとき(「LEV」(遊技開始時))に100減算される。また、通常ポイントカウンタの値は、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
ポイント到達回数カウンタは、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)において通常ポイントの値が100に到達した回数を管理するカウンタである(図456のステップS4165参照)。ポイント到達回数カウンタの値は、特賞作動中を除く通常ステージにおいて、確率モードとして高確3がセットされておらず、前兆状態ではなく、ポイント獲得抽籤(図456のステップS4163参照)が行われる前の時点における通常ポイントの値が100以上である場合に、当該ポイント獲得抽籤が行われた後(「LEV」(遊技開始時))に1加算される。また、ポイント到達回数カウンタの値は、通常出玉状態以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
チェリーカウンタは、通常ステージにおいて「F_チェリー」が内部当籤役として決定された回数を管理するカウンタである(図456のステップS4162参照)。チェリーカウンタの値は、特賞作動中を除く通常ステージにおいて「F_チェリー」が内部当籤役として決定された場合(「LEV」(遊技開始時))に1加算される。また、チェリーカウンタの値は、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
チャンスステージA当籤回数カウンタは、チャンスステージAに当籤した回数を管理するカウンタである(図445のステップS4082及び図456のステップS4167参照)。チャンスステージA当籤回数カウンタの値は、特賞作動中を除く通常ステージ中に行われる通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤(図445のステップS4082)乃至ポイント到達時抽籤(図456のステップS4167参照)においてチャンスステージAに当籤した場合(「LEV」(遊技開始時))に1加算される。また、チャンスステージA当籤回数カウンタの値は、チャンスステージAに移行するときに1減算され、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタは、ポイント到達時抽籤(図456のステップS4167参照)においてチャンスステージAに当籤した回数を管理するカウンタである。ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタの値は、特賞作動中を除く通常ステージ中に行われるポイント到達時抽籤においてチャンスステージAに当籤した場合(「LEV」(遊技開始時))に1加算される。また、ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタの値は、チャンスステージAに移行するときに1減算され、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
チャンスステージB当籤回数カウンタは、チャンスステージBに当籤した回数を管理するカウンタである(図445のステップS4082及び図456のステップS4167参照)。チャンスステージB当籤回数カウンタの値は、特賞作動中を除く通常ステージ中に行われる通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤(図445のステップS4082)乃至ポイント到達時抽籤(図456のステップS4167参照)においてチャンスステージBに当籤した場合(「LEV」(遊技開始時))に1加算される。また、チャンスステージB当籤回数カウンタの値は、チャンスステージBに移行するときに1減算され、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
ポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタは、ポイント到達時抽籤(図456のステップS4167参照)においてチャンスステージBに当籤した回数を管理するカウンタである。ポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタの値は、特賞作動中を除く通常ステージ中に行われるポイント到達時抽籤においてチャンスステージBに当籤した場合(「LEV」(遊技開始時))に1加算される。また、ポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタの値は、チャンスステージBに移行するときに1減算され、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
チャンスステージ保障遊技数カウンタは、チャンスステージA乃至チャンスステージBに滞在することが保障される単位遊技の残り回数を管理するカウンタである(図468のステップS4304参照)。チャンスステージ保障遊技数カウンタの値は、特賞作動中を除くチャンスステージA乃至チャンスステージBにおける毎回の単位遊技で「3OFF」(遊技終了時)に1減算され、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。また、チャンスステージ保障遊技数カウンタの値が0となった単位遊技の次の単位遊技において通常ステージへと移行する。
高確1遊技数カウンタは、高確1に滞在可能な単位遊技の残り回数を管理するカウンタであり、通常規定遊技数高確1移行抽籤(図451のステップS4123参照)において高確1に当籤したときに「50」がセットされる。高確1遊技数カウンタの値は、特賞作動中を除く通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)において、高確1がセットされている状態における毎回の単位遊技で「3OFF」(遊技終了時)に1減算され、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
高確2保障遊技数カウンタは、高確2に滞在することが保障される単位遊技の残り回数を管理するカウンタである(図464のステップS4263、ステップS4266、及び、ステップS4269参照)。高確2保障遊技数カウンタの値は、特賞作動中を除く通常ステージにおいて、高確2がセットされている状態における毎回の単位遊技で「3OFF」(遊技終了時)に1減算され、通常ステージ以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。また、高確2保障遊技数カウンタの値が0となった単位遊技の次の単位遊技から高確2転落抽籤(図464のステップS4272参照)が行われることになる。
第1ベルナビ回数カウンタは、第1疑似BIGにおいて実行可能なベルナビの残り回数を管理するカウンタである(図486のステップS4404参照)。第1ベルナビ回数カウンタの値は、第1疑似BIGにおいてベルナビが行われた単位遊技で「3OFF」(遊技終了時)に1減算され、疑似BIGが終了するときにクリアされる。
通常リプ残り入賞回数カウンタは、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行可能な残り回数を管理するカウンタである(図486のステップS4405参照)。以上の説明において、通常リプ残り入賞回数カウンタの値は、第1疑似BIGから第2疑似BIGへと移行する(第1疑似BIGにおいて通常リプが入賞した)ときに1減算されることとしたが(図489のステップS4425参照)、ここでは、第1疑似BIGから第2疑似BIGに移行した後当該第2疑似BIGが終了するとき(「3OFF」(遊技終了時))、すなわち、図489のステップS4434の判断結果が「YES」となったときに1減算されることとする。また、通常リプ残り入賞回数カウンタの値は、疑似BIGが終了するときにクリアされる。
第2ベルナビ回数カウンタは、第2疑似BIG乃至疑似REGにおいて実行可能なベルナビの残り回数を管理するカウンタであり、第2疑似BIGが開始するときに「9」がセットされ、疑似REGが開始するときに「5」がセットされる(図489のステップS4427及び図494のステップS4482参照)。第2ベルナビ回数カウンタの値は、第2疑似BIG乃至疑似REGにおいてベルナビが行われた単位遊技で「3OFF」(遊技終了時)に1減算され、疑似BIG乃至疑似REGが終了するときにクリアされる。
疑似BIGストックカウンタは、疑似BIG乃至疑似REGの終了条件が成立したときに疑似BIGに制御可能な残り回数を管理するカウンタである(図490のステップS4441及びステップS4444、並びに、図492のステップS4461参照)。以上の説明では、疑似REGの終了条件が成立したときに疑似BIGに制御するか否かは、疑似BIG当籤フラグにより管理することとしたが(図497のステップS4504参照)、ここでは、疑似REGにおいても、疑似BIGと同様に、疑似BIGストックカウンタにより管理することとしている。疑似BIGストックカウンタの値は、1G連抽籤(図485のステップS4384及び図494のステップS4484参照)において疑似BIGに当籤した場合(「LEV」(遊技開始時))に1加算され、疑似BIG乃至疑似REGが終了して新たな疑似BIGに移行するときに1減算される。また、疑似BIGストックカウンタの値は、疑似BIG(ED)(エンディングBB)に移行するときにクリアされる。
なお、以上の説明では、疑似BIG(ED)フラグ(図486のステップS4406参照)を用いて、有利区間が終了するまで疑似BIGが継続することが制御されることとしたが、ここでは、疑似BIG(ED)が疑似BIGとは別の出玉状態として、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)において管理されていることとする。これにより、1G連抽籤(図485のステップS4384及び図494のステップS4484参照)等において疑似BIG(ED)に当籤した場合には、出玉状態としての疑似BIG(ED)に移行することになる。疑似BIG(ED)は、有利区間が終了するまで疑似BIGが継続する出玉状態であってもよいし、疑似BIG開始時に疑似BIGストックカウンタの値に2が加算される点を除いて、通常の疑似BIGと同じ出玉状態であってもよい。
第1疑似BIG中成立リプカウンタは、第1疑似BIG中にリプレイ(「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」)が内部当籤役として決定された回数を管理するカウンタである(図489のステップS4423参照)。第1疑似BIG中成立リプカウンタの値は、第1疑似BIGにおいてリプレイが内部当籤役として決定された単位遊技で「3OFF」(遊技終了時)に1加算される。また、第1疑似BIG中成立リプカウンタの値は、疑似BIG若しくは疑似REGが終了するとき、又は、疑似BIG(ED)に移行するときにクリアされる。
通常モードカウンタは、通常モードを管理するカウンタであり、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)以外の出玉状態から通常出玉状態に移行したとき(「LEV」(遊技開始時))に、通常移行時モード抽籤(図442のステップS4061参照)において決定された値がセットされる。通常モードカウンタの値は、通常出玉状態及び昇格チャンス以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
ポイントモードカウンタは、ポイントモードを管理するカウンタであり、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)中(「LEV」(遊技開始時))に行われるポイントモード抽籤(図442のステップS4063、図456のステップS4166、及び、図466のステップS4283参照)において決定された値がセットされる。ポイントモードカウンタの値は、通常出玉状態及び昇格チャンス以外の出玉状態に移行するときにクリアされる。
連荘チャレンジ当籤回数カウンタは、非有利区間乃至連荘準備において連荘チャレンジに当籤した回数を管理するカウンタである。連荘チャレンジ当籤回数カウンタの値は、有利区間移行時抽籤(図435のステップS4003参照)乃至連荘チャレンジ移行抽籤(図437のステップS4027参照)において連荘チャレンジに当籤した場合(「LEV」(遊技開始時))に1加算される。また、連荘チャレンジ当籤回数カウンタの値は、通常出玉状態(通常ステージ、チャンスステージA、及び、チャンスステージB)に移行するとき、並びに、疑似ボーナス(疑似BIG、疑似BIG(ED)、若しくは、疑似REG)が終了するときにクリアされる。
<レバーオン時AT関連処理>
図505は、主制御回路において行われるレバーオン時AT関連処理を示すフローチャートである。
図505に示すレバーオン時AT関連処理は、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS6の処理(遊技開始時状態制御処理)で行われる処理である。
レバーオン時AT関連処理において、まず、メインCPU101は、ペナルティの影響を受けない処理を実行する(ステップS4601)。この処理において、メインCPU101は、上述したAT関連処理のうちの一部の処理を実行し、当該AT関連処理の結果に基づいて各種情報(カウンタやフラグ等)を更新する。
ステップS4601で行われる処理としては、遊技者にとって不利な処理、AT確定演出を行うための処理、一の出玉状態が開始するとき(今回の単位遊技が当該出玉状態の1ゲーム目である場合)に行われる処理、一の出玉状態が終了するとき(今回の単位遊技が当該出玉状態の最終ゲームである場合)に行われる処理等を挙げることができる。また、AT状態乃至非有利区間において行われるAT関連処理も、ステップS4601で行われる処理に含まれる。
上記「遊技者にとって不利な処理」としては、例えば、連荘準備転落抽籤処理(図437のステップS4031参照)や高確2転落抽籤処理(図464のステップS4272参照)等を挙げることができる。連荘準備転落抽籤処理及び高確2転落抽籤処理は、上述した「相対的に有利な状態(参照モード)から不利な状態(参照モード)へと移行することを決定する(転落抽籤を行う)ための処理」である。
上記「AT確定演出を行うための処理」としては、例えば、通常中ロングフリーズ抽籤処理(図450のステップS4102参照)や突入時ロングフリーズ抽籤処理(図475のステップS4363参照)等を挙げることができる。通常中ロングフリーズ抽籤処理及び突入時ロングフリーズ抽籤処理は、上述した「AT確定演出としてフリーズを行うための処理」である。上述したように、一の単位遊技において通常中ロングフリーズ抽籤処理乃至突入時ロングフリーズ抽籤に当籤した場合には、当該単位遊技における遊技開始時メイン側演出制御処理(図23のステップS8参照)で、ロングフリーズの実行が制御される。これにより、各リール3L,3C,3Rの回転が開始する前(第1停止操作が行われる前)にロングフリーズが発生する。
上記「一の出玉状態が開始するとき(今回の単位遊技が当該出玉状態の1ゲーム目である場合)に行われる処理」としては、例えば、連荘準備モード抽籤処理(図437のステップS4024及びステップS4026参照)、通常移行時モード抽籤処理(図442のステップS4061参照)、通常移行時天井抽籤処理(図442のステップS4062参照)、ポイントモード抽籤処理(図442のステップS4063参照)、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤処理(図468のステップS4303参照)、昇格チャンスモード抽籤処理(図475のステップS4364参照)、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤処理(図498のステップS4522参照)、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤処理(図498のステップS4523参照)等を挙げることができる。
これらの処理のうち、連荘準備モード抽籤処理、通常移行時モード抽籤処理、ポイントモード抽籤処理、及び、昇格チャンスモード抽籤処理は、上述した「AT移行抽籤、CZ移行抽籤、又は、AT有利度抽籤において参照されるモード(参照モード)を設定する(参照モード抽籤を行う)ための処理」である。なお、ポイントモード抽籤処理は、通常ステージが開始するとき(図442のステップS4063参照)、通常ポイントの値が100に到達したとき(図456のステップS4166参照)、及び、通常出玉状態から昇格チャンスに移行するとき(図466のステップS4283参照)に行われるところ、ここでは、これらのポイントモード抽籤処理のうち、通常ステージが開始するときに行われるポイントモード抽籤処理だけをステップS4601の処理対象とする。
また、チャンスステージ開始時チャンスステージ保障遊技数抽籤処理、及び、連荘チャレンジ開始時遊技数抽籤処理は、上述した「CZ状態が継続可能な期間(CZ期間)を設定する(CZ期間抽籤を行う)ための処理」である。また、通常移行時天井抽籤処理は、上述した「AT移行抽籤又はCZ移行抽籤が行われるための条件に関する処理」である。また、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤処理は、上述した「AT状態に移行することを直接決定する(AT移行抽籤を行う)ための処理」である。
上記「一の出玉状態が終了するとき(今回の単位遊技が当該出玉状態の最終ゲームである場合)に行われる処理」としては、例えば、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤(図498のステップS4528参照)等を挙げることができる。連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤は、上述した「相対的に有利な状態(参照モード)の終了後に移行する状態(参照モード)を決定する(転落後移行先抽籤を行う)ための処理」である。
ステップS4601の処理を実行した後、メインCPU101は、バックアップ処理を実行する(ステップS4602)。この処理において、メインCPU101は、AT関連パラメータをメインRAM103の所定領域にバックアップデータとして記憶させる。AT関連パラメータとは、AT関連処理が行われた結果として更新され得る各種情報(カウンタやフラグ等)である。例えば、図504に示すカウンタや各種当籤フラグ等がAT関連パラメータに含まれる。当籤フラグは、AT移行抽籤乃至CZ移行抽籤に当籤したことを示すフラグ(例えば、疑似BIG当籤フラグ、昇格チャンス当籤フラグ、連荘チャレンジ当籤フラグ等)である。
ステップS4602の処理が行われることにより、多くのAT関連パラメータは、バックアップデータとして記憶されることになるが、一部のAT関連パラメータは、バックアップデータとして記憶されないこととされている(バックアップの対象外となっている)。「ペナルティの影響を受けない処理」(ステップS4601及び図506のステップS4626参照)が行われることにより更新され得る情報については、基本的にバックアップの対象外とすることができる。
例えば、バックアップの対象外となっているAT関連パラメータとしては、上述した「相対的に有利な状態(参照モード)が継続可能な残り期間を減少させるための処理」が行われることにより更新され得る情報、AT状態において行われるAT関連処理により更新され得る情報、上述した「一の出玉状態が開始するとき(今回の単位遊技が当該出玉状態の1ゲーム目である場合)に行われる処理」が行われることにより更新され得る情報等を挙げることができる。
上記「相対的に有利な状態(参照モード)が継続可能な残り期間を減少させるための処理が行われることにより更新され得る情報」としては、例えば、連荘準備保障遊技数カウンタ(図437のステップS4023参照)、高確2保障遊技数カウンタ(図464のステップS4263、ステップS4266、及び、ステップS4269参照)、チャンスステージ保障遊技数カウンタ(図468のステップS4304参照)、昇格チャンス遊技数カウンタ(図475のステップS4362参照)、連荘チャレンジ遊技数カウンタ(図498のステップS4524参照)、高確1遊技数カウンタ(図451のステップS4123参照)等を挙げることができる。
上記「AT状態において行われるAT関連処理により更新され得る情報」としては、例えば、第1ベルナビ回数カウンタ(図486のステップS4404参照)、通常リプ残り入賞回数カウンタ(図486のステップS4405参照)、第2ベルナビ回数カウンタ(図489のステップS4427及び図494のステップS4482参照)、第1疑似BIG中成立リプカウンタ(図489のステップS4423参照)、疑似ボーナス終了後連荘チャレンジ当籤フラグ(図486のステップS4408及び図494のステップS4483参照)、疑似BIGストックカウンタ(図490のステップS4441及びステップS4444、並びに、図492のステップS4461参照)、1G連抽籤(図485のステップS4384及び図494のステップS4484参照)において疑似BIG(ED)に当籤した場合にセットされるフラグ等を挙げることができる。なお、ここでは、AT状態においてオンにセットされる連荘チャレンジ当籤フラグを、AT状態以外の状態においてオンにセットされる連荘チャレンジ当籤フラグと区別して、疑似ボーナス終了後連荘チャレンジ当籤フラグと表記している。AT状態において確定連荘チャレンジフラグがセットされることがある場合には、当該フラグ(疑似ボーナス終了後確定連荘チャレンジフラグ)も、「AT状態において行われるAT関連処理により更新され得る情報」に含めることができる。
上記「一の出玉状態が開始するとき(今回の単位遊技が当該出玉状態の1ゲーム目である場合)に行われる処理が行われることにより更新され得る情報」としては、例えば、連荘準備モードカウンタ、通常モードカウンタ、昇格チャンスモードカウンタ等を挙げることができる。連荘準備モードカウンタ、通常モードカウンタ、及び、昇格チャンスモードカウンタは、それぞれ、連荘準備モード、通常モード、及び、昇格チャンスモードを管理するカウンタである。連荘準備モードカウンタ、通常モードカウンタ、及び、昇格チャンスモードカウンタは、それぞれ、連荘準備モード抽籤処理、通常移行時モード抽籤処理、及び、昇格チャンスモード抽籤処理が行われることにより更新され得る情報である。連荘準備モード抽籤処理、通常移行時モード抽籤処理、及び、昇格チャンスモード抽籤処理は、上述した「一の出玉状態が開始するとき(今回の単位遊技が当該出玉状態の1ゲーム目である場合)に行われる処理」である。なお、ポイントモード抽籤処理も、「一の出玉状態が開始するとき(今回の単位遊技が当該出玉状態の1ゲーム目である場合)に行われる処理」に含まれるが、当該処理は、通常ステージが開始するとき(図442のステップS4063参照)の他に、通常ポイントの値が100に到達したとき(図456のステップS4166参照)及び通常出玉状態から昇格チャンスに移行するとき(図466のステップS4283参照)にも行われる点に鑑み、ここでは、ポイントモードカウンタ(ポイントモードを管理するカウンタ)をバックアップの対象としている。
以上で説明したバックアップの対象外となっているAT関連パラメータ以外のAT関連パラメータについては、バックアップの対象とすることができる。ここでは、ステップS4603の処理乃至図506のステップS4621の処理が行われることにより更新され得る情報については、バックアップの対象としている。
例えば、バックアップの対象となっているAT関連パラメータとしては、上述した「AT状態に移行することを直接決定する(AT移行抽籤を行う)ための処理」乃至「CZ状態(CZ)に移行することを決定する(CZ移行抽籤を行う)ための処理」が行われることにより更新され得る情報、各種状態(参照モード)を示す情報等を挙げることができる。
上記『「AT状態に移行することを直接決定する(AT移行抽籤を行う)ための処理」乃至「CZ状態(CZ)に移行することを決定する(CZ移行抽籤を行う)ための処理」が行われることにより更新され得る情報』としては、例えば、チャンスステージA当籤回数カウンタ、ポイント到達時チャンスステージA当籤回数カウンタ、チャンスステージB当籤回数カウンタ、ポイント到達時チャンスステージB当籤回数カウンタ、昇格チャンス当籤フラグ、ポイント到達時昇格チャンス当籤フラグ、疑似BIG当籤フラグ、ポイント到達時疑似BIG当籤フラグ等を挙げることができる。
上記「各種状態(参照モード)を示す情報」としては、例えば、図430に示す出玉状態(非有利区間、通常ステージ、チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、疑似BIG、及び、疑似REG)を示す情報、確率モード(非高確、高確1、高確2、及び、高確3)を示す情報、出玉状態に対して補佐的な役割を果たすための情報等を挙げることができる。出玉状態を示す情報としては、現在の出玉状態(現在出玉状態)を示す情報、次回の出玉状態(次回出玉状態)を示す情報等を挙げることができる。現在出玉状態は、出玉状態フラグ格納領域(図20参照)において管理されており、次回出玉状態も同様に、次回出玉状態フラグ格納領域(図示せず)において管理されている。
次回出玉状態としては、「なし」、「次回非有利区間」、「次回通常ステージ」、「次回チャンスステージA」、「次回チャンスステージB」、「次回連荘準備」、「次回連荘チャレンジ」、「次回昇格チャンス」、「次回疑似BIG」、及び、「次回疑似REG」が設けられている。前兆状態に制御される場合には、次回出玉状態フラグ格納領域において、何れかの次回出玉状態に対応するビットに「1」が格納されることになる。例えば、現在出玉状態が「通常ステージ」であり、次回出玉状態が「次回チャンスステージA」である場合には、通常ステージにおいてチャンスステージAに当籤したことにより前兆状態に制御されていることを示す。前兆遊技数カウンタの値が0になったときに次回出玉状態が「なし」以外である場合には、当該次回出玉状態に対応する出玉状態に移行する。一方、前兆遊技数カウンタの値が0になったときに次回出玉状態が「なし」である場合には、現在出玉状態が継続する。
出玉状態に対して補佐的な役割を果たすための情報としては、天井準備中(図451のステップS4125参照)であることを示す情報(天井到達状態フラグ)、天井フェイク準備中(図451のステップS4127参照)であることを示す情報(天井フェイク状態フラグ)、確定連荘チャレンジフラグ(図435のステップS4003及び図437のステップS4029参照)、連荘準備開始時において3BBフラグ間状態(図437のステップS4022参照)ではないことを示す情報(連荘準備開始時非内部中状態フラグ)等を挙げることができる。また、疑似BIG及び疑似REGについては、適宜フラグ(疑似BIG作動状態フラグ、疑似REG作動状態フラグ、第2疑似BIG開始状態フラグ、第2疑似BIG作動状態フラグ等)により管理することが可能であり、これらのフラグも、出玉状態に対して補佐的な役割を果たすための情報と言える。
なお、出玉状態を示す情報としては、前回の出玉状態(前回出玉状態)を示す情報も管理されているが、当該情報については、バックアップの対象外となっている。前回出玉状態は、前回の単位遊技において滞在していた出玉状態であり、前回出玉状態と現在出玉状態とを比較することにより、出玉状態の遷移の有無をチェックすることができる。
また、図504に示すカウンタのうち、バックアップの対象外として上述したカウンタ以外のカウンタ(出玉用有利区間遊技数カウンタ、通常規定遊技数カウンタ、前兆遊技数カウンタ、通常ポイントカウンタ、ポイント到達回数カウンタ、チェリーカウンタ、ポイントモードカウンタ、連荘チャレンジ当籤回数カウンタ等)については、バックアップの対象となっている。また、図504には示していないが、天井準備中遊技数カウンタ(図454のステップS4142参照)も、バックアップの対象となっている。
ステップS4602の処理を実行した後、メインCPU101は、レバーオン時の各種AT関連処理を実行する(ステップS4603)。この処理において、メインCPU101は、スタートレバー7が操作されたとき(遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)が行われるとき)に行われるAT関連処理のうち、ステップS4601で行われる処理以外のAT関連処理を実行する。図435~図503を用いて遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において行われるものとして説明した処理のうち、ステップS4601で行われない処理については、全てステップS4603乃至ステップS4604で行われることになる。
具体的に、ステップS4603で行われる処理としては、連荘チャレンジ移行抽籤処理(図437のステップS4027参照)、連荘チャレンジ移行時確定処理抽籤(図437のステップS4029参照)、通常ステージ中フリーズ抽籤処理(図445のステップS4081参照)、通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤処理(図445のステップS4082参照)、通常規定遊技数高確1移行抽籤処理(図451のステップS4123参照)、天井準備中フラグセット抽籤処理(図454のステップS4142参照)、天井到達時当籤種別抽籤処理(図454のステップS4144参照)、ポイントモード抽籤処理(図456のステップS4166参照)、ポイント到達時抽籤処理(図456のステップS4167参照)、通常ステージ中疑似BIG・昇格チャンス当籤時前兆遊技数抽籤処理(図460のステップS4202、ステップS4205、及び、ステップS4207参照)、通常ステージ中チャンスステージ当籤時前兆遊技数抽籤処理(図461のステップS4222及びステップS4224参照)、高確2移行抽籤処理(図464のステップS4262、ステップS4265、及び、ステップS4268参照)、昇格チャンス移行時抽籤処理(図466のステップS4284参照)、チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤処理(図468のステップS4306参照)、チャンスステージ中遊技数上乗せ抽籤処理(図468のステップS4308参照)、チャンスステージ中フラグ当籤時前兆遊技数抽籤処理(図472のステップS4324参照)、昇格チャンス中抽籤処理(図475のステップS4366参照)、次回疑似遊技抽籤処理(図475のステップS4367参照)、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤処理(図475のステップS4369参照)、今回疑似遊技抽籤処理(図475のステップS4370参照)、連荘チャレンジ中抽籤処理(図498のステップS4525参照)等を挙げることができる。
これらの処理は、基本的に遊技者にとって有利な処理であり、上述した「有利決定」に相当するものである。本変形例では、後述するペナルティ条件(図506のステップS4623参照)が成立する場合に、このような有利決定が行われることが制限される(有利決定の結果がキャンセルされる)ことになる。
なお、上述した「AT確定演出としてフリーズを行うための処理」のうち、通常中ロングフリーズ抽籤処理(図450のステップS4102参照)及び突入時ロングフリーズ抽籤処理(図475のステップS4363参照)については、ステップS4601で行われる。これに対し、通常ステージ中フリーズ抽籤処理(図445のステップS4081参照)は、ステップS4603で行われることとしている。上述したように、通常中ロングフリーズ抽籤乃至突入時ロングフリーズ抽籤の結果として制御されるロングフリーズは、各リール3L,3C,3Rの回転が開始する前(第1停止操作が行われる前)に発生する。これに対し、通常ステージ中フリーズ抽籤の結果として制御されるフリーズは、各リール3L,3C,3Rの回転が停止した後(第3停止操作が行われた後)に発生する。この点で、通常ステージ中フリーズ抽籤処理は、通常中ロングフリーズ抽籤処理及び突入時ロングフリーズ抽籤処理と異なっている。
ステップS4603の処理を実行した後、メインCPU101は、ステップS4603で行われたAT関連処理の結果に基づいて各種情報(カウンタやフラグ等)を更新する(ステップS4604)。また、この処理において、メインCPU101は、バックアップの対象となっているカウンタのうち、スタートレバー7が操作されたとき(図504に示す「LEV」)に加減算が実行され得るもの(例えば、通常規定遊技数カウンタ、通常ポイントカウンタ、ポイント到達回数カウンタ、チェリーカウンタ、ポイントモードカウンタ、連荘チャレンジ当籤回数カウンタ等)について、加減算のタイミングである場合には、その値を更新する。ステップS4604の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
<全停止時AT関連処理>
図506は、主制御回路において行われる全停止時AT関連処理を示すフローチャートである。
図506に示す全停止時AT関連処理は、主制御回路100において図23(メイン処理)のステップS15の処理(遊技終了時状態制御処理)で行われる処理である。
全停止時AT関連処理において、まず、メインCPU101は、全停止時の各種AT関連処理を実行する(ステップS4621)。この処理において、メインCPU101は、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したとき(遊技終了時状態制御処理(図23のステップS15参照)が行われるとき)に行われるAT関連処理のうち、ステップS4626で行われる処理以外のAT関連処理を実行する。図435~図503を用いて遊技終了時状態制御処理(図23のステップS15参照)において行われるものとして説明した処理のうち、ステップS4626で行われない処理については、全てステップS4621乃至ステップS4622で行われることになる。
なお、以上では、昇格チャンス前処理(図450のステップS4105参照)、及び、高確2移行抽籤処理(3)(図464のステップS4267~ステップS4269参照)が遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において行われることとして説明したが、ここでは、昇格チャンス前処理(図450のステップS4105参照)、及び、高確2移行抽籤処理(3)(図464のステップS4267~ステップS4269参照)が遊技終了時状態制御処理(図23のステップS15参照)において行われることとする。また、ステップS4621において、ペナルティ条件(ステップS4623参照)が成立するか否かを判断し、ペナルティ条件が成立すると判断した場合には、高確2移行抽籤処理(3)を実行しないこととしてもよい。
ステップS4621の処理を実行した後、メインCPU101は、ステップS4621で行われたAT関連処理の結果に基づいて各種情報(カウンタやフラグ等)を更新する(ステップS4622)。また、この処理において、メインCPU101は、バックアップの対象となっているカウンタのうち、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したとき(図504に示す「3OFF」)に加減算が実行され得るもの(例えば、出玉用有利区間遊技数カウンタ、前兆遊技数カウンタ等)について、加減算のタイミングである場合には、その値を更新する。
ステップS4622の処理を実行した後、メインCPU101は、ペナルティ条件が成立するか否かを判断する(ステップS4623)。ここで、ペナルティ条件は、下記(a)~(g)の全てが成立することである。
(a)非有利区間中(有利区間に移行する単位遊技を含む)ではないこと
(b)第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作(変則押し)が行われること
(c)疑似BIG中ではないこと
(d)疑似REG中ではないこと
(e)疑似BIG(ED)中ではないこと
(f)通常ステージ中乃至連荘準備中である場合において、内部当籤役として、「はずれ」、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、「F_BB確定役B」、「F_1枚役A」、及び、「F_1枚役B」が何れも決定されていないこと
(g)ボーナス状態(図423に示す3BB遊技状態)中ではないこと
上述したように、通常ステージにおいて、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合に、昇格チャンス及び疑似BIGの何れにも当籤していないときには、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作を行うことが報知(変則押しナビ)される。この場合、変則押しナビに従った停止操作が行われたにもかかわらずペナルティを発生させることは妥当でない。そこで、通常ステージにおいて、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合には、ペナルティ条件が成立しないこととされている(上記(f))。
また、通常ステージにおいて「はずれ」が内部当籤役として決定された場合においても、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われると、遊技者に「リーチ目」と受け取られる可能性のある図柄組合せ(例えば、左リール3Lにおいて「ブイ」が3つ表示される出目)が出現する可能性があるため、同様に変則押しナビが行われることとしている。また、変則押しナビが発生する場面が限定されると、変則押しナビが発生したことに基づいて遊技者がAT関連処理の結果を推測することができてしまう可能性がある。そこで、通常ステージにおいて、「F_1枚役A」及び「F_1枚役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合にも、同様に変則押しナビが行われることとしている。これにより、通常ステージにおいて、「F_リーチ目役A」、「F_リーチ目役B」、「F_リーチ目役C」、「F_BB確定役A」、及び、「F_BB確定役B」に加え、「はずれ」、「F_1枚役A」、及び、「F_1枚役B」のうちの何れかが内部当籤役として決定された場合にも、ペナルティ条件が成立しないこととされている。連荘準備についても、同様に、これらの役が内部当籤役として決定された場合に、ペナルティ条件が成立しないこととされている(上記(f))。
ステップS4623においてペナルティ条件が成立すると判断した場合、メインCPU101は、バックアップ情報を各種カウンタ/フラグに代入する(ステップS4624)。この処理において、メインCPU101は、図505のステップS4604乃至図506のステップS4622により更新した後の情報(カウンタやフラグ等)に、図505のステップS4602でバックアップデータとして記憶した情報(カウンタやフラグ等)を上書きする。これにより、当該更新した後の情報から、当該バックアップデータとして記憶した情報へと、AT関連パラメータが変更される。すなわち、当該AT関連パラメータは、前回の単位遊技の時点で記憶されていた情報に戻り、今回の単位遊技において行われたAT関連処理の結果がキャンセルされることになる。
そして、メインCPU101は、次の単位遊技において疑似遊技を行うことが決定されている場合、当該疑似遊技情報を破棄する(ステップS4625)。この処理において、メインCPU101は、図505のステップS4604乃至図506のステップS4622の処理が行われることにより、次の単位遊技において疑似遊技を行うことを示す情報(疑似遊技情報)が記憶された場合に、当該疑似遊技情報を消去する。例えば、メインCPU101は、現在の出玉状態が昇格チャンスである場合に、次回疑似遊技抽籤(図475のステップS4367参照)により決定された疑似遊技がセットされたとき、当該疑似遊技を示す情報を消去する。これにより、当該次回疑似遊技抽籤が行われた単位遊技の次の単位遊技において行われる予定であった疑似遊技がキャンセルされることになる。
ここで、ステップS4625の処理において破棄される疑似遊技情報は、図505のステップS4603乃至図506のステップS4621で行われたAT関連処理の結果に基づいて更新されるものである。この点、上述したように、次回疑似遊技抽籤処理(図475のステップS4367参照)は、図505のステップS4603で行われるのに対し、通常中ロングフリーズ抽籤処理(図450のステップS4102参照)は、図505のステップS4601で行われる。通常中ロングフリーズ抽籤に当籤した場合にも、次の単位遊技において疑似遊技を行うことが決定されることになるが、この場合には、ステップS4625の処理対象とならず、当該疑似遊技はキャンセルされない。
ステップS4623においてペナルティ条件が成立しないと判断した場合、又は、ステップS4625の処理を実行した後、メインCPU101は、ペナルティの影響を受けない処理を実行する(ステップS4626)。この処理において、メインCPU101は、上述したAT関連処理のうちの一部の処理を実行し、当該AT関連処理の結果に基づいて各種情報(カウンタやフラグ等)を更新する。ステップS4626で行われる処理としては、遊技者にとって不利な処理、AT状態において行われるAT関連処理等を挙げることができる。
ステップS4626の処理において、メインCPU101は、上記「遊技者にとって不利な処理」として、例えば、連荘準備保障遊技数カウンタ(図437のステップS4023参照)、高確2保障遊技数カウンタ(図464のステップS4263、ステップS4266、及び、ステップS4269参照)、チャンスステージ保障遊技数カウンタ(図468のステップS4304参照)、昇格チャンス遊技数カウンタ(図475のステップS4362参照)、連荘チャレンジ遊技数カウンタ(図498のステップS4524参照)、高確1遊技数カウンタ(図451のステップS4123参照)について、その値を更新(1減算)する。また、メインCPU101は、チャンスステージ保障遊技数カウンタの値が0である場合に、通常ステージへと移行させる(図474のステップS4344参照)。
上記「AT状態において行われるAT関連処理」としては、例えば、最終第2疑似BIG終了時連荘チャレンジ抽籤処理(図492のステップS4464参照)、成立リプ数不足時抽籤処理(図490のステップS4443参照)等を挙げることができる。また、メインCPU101は、上述した前回出玉状態を示す情報を更新する。
また、ステップS4626の処理において、メインCPU101は、連荘準備転落抽籤処理(図437のステップS4031参照)の補足例外処理を実行する。この処理は、図505のステップS4601で行われる連荘準備転落抽籤に当籤した場合において、図505のステップS4603で行われる連荘チャレンジ移行抽籤(図437のステップS4027参照)にも当籤し、連荘チャレンジ移行フラグがオンにセットされている場合、当該連荘準備転落抽籤の結果を破棄する処理である。これにより、当該補足例外処理が実行される結果として、次の単位遊技において連荘チャレンジに移行することになる。一方、連荘準備転落抽籤に当籤し、連荘チャレンジ移行抽籤にも当籤したが、ペナルティ条件が成立した場合には、ステップS4624で連荘チャレンジ移行フラグがオフにセットされる。従って、この場合には、当該補足例外処理が実行されず、次の単位遊技において通常ステージに移行することになる。
また、ステップS4626の処理において、メインCPU101は、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤処理(図498のステップS4528参照)の補足例外処理を実行する。この処理は、図505のステップS4601で行われる連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤が行われた結果として、非有利区間乃至連荘準備に移行することが予約された場合において、図505のステップS4603で行われる連荘チャレンジ中抽籤処理(図498のステップS4525参照)で昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤し、昇格チャンス当籤フラグ乃至疑似BIG当籤フラグがオンにセットされている場合、当該連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤の結果を破棄する処理である。これにより、当該補足例外処理が実行される結果として、次の単位遊技において昇格チャンス乃至疑似BIGに移行することになる。一方、連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤により非有利区間乃至連荘準備に移行することが予約され、連荘チャレンジ中抽籤において昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤したが、ペナルティ条件が成立した場合には、ステップS4624で昇格チャンス当籤フラグ乃至疑似BIG当籤フラグがオフにセットされる。従って、この場合には、当該補足例外処理が実行されず、次の単位遊技において非有利区間乃至連荘準備に移行することになる。また、図498では、ステップS4527の判断結果が「NO」となった場合に連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤処理を実行することとして説明したが、ステップS4527の処理を行わずに(昇格チャンス当籤フラグ乃至疑似BIG当籤フラグがオンにセットされているか否かにかかわらず)連荘チャレンジ終了時通常移行抽籤処理を実行することとしてもよい。この場合には、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤(図498のステップS4522参照)において昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤した場合にも、当該補足例外処理を実行することとすればよい。なお、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤処理は、図505のステップS4601で行われるため、連荘チャレンジ開始時疑似ボーナス抽籤において昇格チャンス乃至疑似BIGに当籤した場合、ペナルティ条件が成立したとしても、ステップS4624で昇格チャンス当籤フラグ乃至疑似BIG当籤フラグがオフにセットされることはない。
また、ステップS4626の処理において、メインCPU101は、連荘準備転落抽籤処理(図437のステップS4031参照)の補足例外処理を実行する。この処理は、図505のステップS4601で行われる連荘準備転落抽籤に当籤した場合において、図505のステップS4603で行われる連荘チャレンジ移行抽籤(図437のステップS4027参照)にも当籤し、連荘チャレンジ移行フラグがオンにセットされている場合、当該連荘準備転落抽籤の結果を破棄する処理である。
ステップS4626の処理を実行した後、メインCPU101は、本サブルーチンを終了する。
以上より、例えば、通常ステージにおいては、図505のステップS4602で、現在のチャンスステージA当籤回数カウンタの値がバックアップデータとして記憶される。その後、ステップS4603で行われる通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤(図445のステップS4082参照)においてチャンスステージAに当籤した場合、ステップS4604でチャンスステージA当籤回数カウンタの値に1が加算される。その後、当該単位遊技においてペナルティ条件が成立した場合には、図506のステップS4624で、ステップS4604による加算後のチャンスステージA当籤回数カウンタの値に、ステップS4602でバックアップデータとして記憶されたチャンスステージA当籤回数カウンタの値が上書きされる。これにより、チャンスステージA当籤回数カウンタの値は、当該通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤が行われる前の時点における値に戻り、当該通常ステージ中移行フラグ・当籤フラグ抽籤の結果がキャンセルされたことになる。
また、例えば、チャンスステージAにおいては、図505のステップS4602で、現在の疑似BIG当籤フラグを示す情報(ここでは「OFF」)がバックアップデータとして記憶される。その後、ステップS4603で行われるチャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤(図468のステップS4306参照)において疑似BIGに当籤した場合、ステップS4604で疑似BIG当籤フラグがオンにセットされる。その後、当該単位遊技においてペナルティ条件が成立した場合には、図506のステップS4624で、ステップS4604の処理後の疑似BIG当籤フラグを示す情報(「ON」)に、ステップS4602でバックアップデータとして記憶された疑似BIG当籤フラグを示す情報(「OFF」)が上書きされる。これにより、疑似BIG当籤フラグは、オフにセットされた状態に戻り、当該チャンスステージ中疑似BIG・昇格チャンス抽籤の結果がキャンセルされたことになる。なお、以上では、疑似BIGに当籤したことを示す情報をフラグにより管理する例について説明しているが、疑似BIGに当籤したことを示す情報についても、チャンスステージAに当籤したことを示す情報と同様に、カウンタにより管理することとしてもよい。
また、例えば、連荘準備においては、図505のステップS4601で行われる連荘準備転落抽籤(図437のステップS4031参照)に当籤した場合、通常ステージ移行フラグがオンにセットされる。ステップS4601が行われることにより更新され得る情報はバックアップの対象外となっているところ、ステップS4602で、当該フラグを示す情報はバックアップデータとして記憶されない。そして、図506のステップS4624の処理対象となるAT関連パラメータは、ステップS4603乃至ステップS4621で行われたAT関連処理の結果に基づいて更新される情報であるところ、連荘準備転落抽籤はステップS4601で行われるため、当該通常ステージ移行フラグは、ステップS4624の処理対象にならない。従って、当該単位遊技においてペナルティ条件が成立した場合においても、ステップS4601の処理後の通常ステージ移行フラグを示す情報(「ON」)が維持され、次の単位遊技において通常ステージへと移行することになる。
また、例えば、連荘準備保障遊技数カウンタ(図437のステップS4023参照)、高確2保障遊技数カウンタ(図464のステップS4263、ステップS4266、及び、ステップS4269参照)、チャンスステージ保障遊技数カウンタ(図468のステップS4304参照)、昇格チャンス遊技数カウンタ(図475のステップS4362参照)、連荘チャレンジ遊技数カウンタ(図498のステップS4524参照)、及び、高確1遊技数カウンタ(図451のステップS4123参照)については、バックアップの対象外となっている。そのため、図505のステップS4602において、これらのカウンタの値は、バックアップデータとして記憶されない。そして、バックアップの対象外となっているAT関連パラメータは、図506のステップS4624の処理対象にもならない。従って、ペナルティ条件が成立したか否かにかかわらず、その値が1以上である場合には、毎回の単位遊技において、ステップS4626でその値が1減算される。
また、例えば、前兆遊技数カウンタ(図460のステップS4203、ステップS4206、及び、ステップS4208、図461のステップS4223及びステップS4225、並びに、図472のステップS4325参照)については、バックアップの対象となっている。また、バックアップの対象となっているAT関連パラメータは、図506のステップS4624の処理対象になっている。従って、前兆状態に制御されている場合には、ステップS4602において、現在の前兆遊技数カウンタの値がバックアップデータとして記憶される。そして、ステップS4622で前兆遊技数カウンタの値から1減算される。その後、ペナルティ条件が成立している場合には、ステップS4624において、ステップS4622による減算後の前兆遊技数カウンタの値に、ステップS4602でバックアップデータとして記憶された前兆遊技数カウンタの値が上書きされる。これにより、前兆遊技数カウンタの値は、当該単位遊技が開始された時点における値に戻り、当該減算がキャンセルされたことになる。
以上で説明したように、第13実施形態に係るパチスロ機1の遊技性を実現するためには、数多くのAT関連処理を実行する必要があるが、フローチャートにおいて、ペナルティの影響を受けない処理及びペナルティの影響を受ける処理について複雑な分岐を組むことなく、比較的簡便な処理によりペナルティ機能を導入することができる。これにより、ペナルティに係る処理に必要な容量を節約しつつ、適切にペナルティを実現することができる。その際、仮に、ペナルティ条件の成否を判断してからAT関連処理を実行することとすれば、AT関連処理のタイミングを第1停止操作以降とする必要があり、AT関連処理(AT移行抽籤等)の結果を演出に反映させ難くなる。この点、上記の例によれば、ペナルティ条件の成否を判断する前に(スタートレバー7が操作された時点で)AT関連処理を実行することが可能であるため、AT関連処理(AT移行抽籤等)の結果を即座に演出に反映させることができる。なお、AT関連処理の結果に基づいた演出を行うためには、AT関連処理の結果を示す情報をスタートコマンドデータ(図23のステップS7参照)に含めることとすればよい。
また、以上では説明を省略したが、図505のステップS4601又は図506のステップS4626の処理において、メインCPU101は、各カウンタのクリアタイミング(図504参照)である場合に、当該カウンタをクリアする。また、図505のステップS4601の処理において、メインCPU101は、現在の出玉状態が昇格チャンスであり、昇格チャンス遊技数カウンタの値が1である場合、昇格チャンスが終了した後の移行先の出玉状態(疑似REG又は疑似BIG)を仮に設定する。この処理において、メインCPU101は、当該移行先の出玉状態として、昇格チャンスモードが「モード1」~「モード3」の何れかである場合には疑似REGを設定し、昇格チャンスモードが「モード4」である場合には疑似BIGを設定する。このようにして移行先の出玉状態を仮に設定することを「強制設定」と呼ぶことにする。
ここで、昇格チャンスの最終ゲーム(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)において、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤処理(図475のステップS4369参照)が行われた時点で、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていれば、メインCPU101は、当該疑似BIG当籤フラグに基づいて疑似BIGへと移行させることができる。しかし、当該時点で、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされていなければ、メインCPU101は、疑似BIG当籤フラグに基づいて疑似BIGに移行させることができず、(この場合には疑似REG当籤フラグもオンにセットされていないため)疑似REG当籤フラグに基づいて疑似REGに移行させることもできない。この場合、メインCPU101は、上記強制設定した出玉状態を参照し、当該出玉状態へと移行させる。このような状況は、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)及び規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)の結果として「疑似REG」が設けられていない(疑似REG当籤フラグがオンにセットされない)こと、及び、ペナルティ条件が成立することにより疑似BIG当籤フラグがオフにセットされる可能性があることに起因して発生し得る。
例えば、昇格チャンス遊技数カウンタの値が1である場合において、図505のステップS4603で行われる昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)で疑似BIGに当籤し、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされたが、ペナルティ条件が成立した場合には、図506のステップS4624で当該疑似BIG当籤フラグがオフにセットされる。その後、次の単位遊技(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)において、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)で疑似BIGに当籤しなかった場合には、疑似BIG当籤フラグも疑似REG当籤フラグもオンにセットされていないことになる。この場合、メインCPU101は、上記強制設定した出玉状態を参照し、当該出玉状態へと移行させる。
また、昇格チャンス遊技数カウンタの値が1である場合において、図505のステップS4603で行われる昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)で疑似BIGに当籤せず、次の単位遊技(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)においても、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)で疑似BIGに当籤しなかった場合、疑似BIG当籤フラグも疑似REG当籤フラグもオンにセットされていないことになる。この場合、メインCPU101は、上記強制設定した出玉状態を参照し、当該出玉状態へと移行させる。
<昇格チャンスにおける演出例(ペナルティ発生時)>
図507は、昇格チャンスにおいてペナルティが発生した場合における演出例を示す図である。
図507に示す演出例として、図507(a)では、昇格チャンスに移行する単位遊技の1つ前の単位遊技(通常出玉状態から昇格チャンスに移行する場合においては通常出玉状態の最終ゲーム:当籤報知ゲーム)において、「WIN」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。
図507(b)では、図507(a)に示す状態の後、昇格チャンスの1ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:3)において、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)が行われることに応じて、「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。なお、ロングフリーズ(図475のステップS4363参照)には非当籤となっている。
図507(c)では、図507(b)に示す状態の後、昇格チャンスの1ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:3)において、リール3L,3C,3Rの回転が開始した後、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作(変則押し)が行われたときに、「変則押ししています」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像も引き続き表示されている。
図507(d)では、図507(c)に示す状態の後、昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)において、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)が行われることに応じて、「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。1ゲーム目において変則押しが行われたことに伴い、ペナルティ条件が成立し、当該1ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)はキャンセルされている(図506のステップS4625参照)。
図507(e)では、図507(d)に示す状態の後、昇格チャンスの2ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:2)において、リール3L,3C,3Rの回転が開始した後、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作(変則押し)が行われたときに、「変則押ししています」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像も引き続き表示されている。
図507(f)では、図507(e)に示す状態の後、昇格チャンスの3ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:1)において、昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)が行われることに応じて、「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。2ゲーム目において変則押しが行われたことに伴い、ペナルティ条件が成立し、当該2ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)はキャンセルされている(図506のステップS4625参照)。
図507(g)では、図507(f)に示す状態の後、昇格チャンスの3ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:1)において、リール3L,3C,3Rの回転が開始した後、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作(変則押し)が行われたときに、「変則押ししています」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。「ボーナス昇格抽選中」という文字に対応する画像も引き続き表示されている。
図507(h)では、図507(g)に示す状態の後、昇格チャンスの4ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)において、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4370参照)が開始するときに、「BARを狙え!」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。当該画像は、疑似REG移行図柄としての「バー」図柄が各リール3L,3C,3Rにおいて停止表示され得るタイミングで停止操作を行うことを示唆する画像である。これにより、「バー」を狙った停止操作を行うことを遊技者に促すことができる。3ゲーム目において変則押しが行われたことに伴い、ペナルティ条件が成立し、当該3ゲーム目で行われた昇格チャンス中抽籤(図475のステップS4366参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技(図475のステップS4367参照)はキャンセルされている(図506のステップS4625参照)。これに対し、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)の結果に基づいて決定された疑似遊技は、ペナルティの影響を受けずに発生している。
図507(i)では、図507(h)に示す状態の後、昇格チャンスの4ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)で行われる疑似遊技において、全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止したときに、「レギュラーボーナス!」「レバーオンで遊技が進行します」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。これにより、レギュラーボーナス(疑似REG)に移行することを遊技者に報知するとともに、スタートレバー7の操作を遊技者に促すことができる。
図507(i)に示す状態の後、スタートレバー7が操作されると、実遊技(メイン遊技)用に各リール3L,3C,3Rの回転が開始する(ランダム遅延処理が行われて遊技が進行する)。図507(j)では、このときに押し順ナビ画像がメイン表示装置210に表示されている様子を示している。押し順ナビ画像は、押し順ベルにおける正解の押し順を報知(ベルナビ)するための画像である。ここでは、「F_231ベルA」乃至「F_231ベルC」が内部当籤役として決定されたことに伴い、第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作を「セブン」を狙った目押しで行い、第2停止操作として右リール3Rに対する停止操作を行い、第3停止操作として左リール3Lに対する停止操作を行うことが報知されている(図433参照)。また、「残りナビ4回」は、疑似REGにおいて実行可能なベルナビの残り回数(第2ベルナビ回数カウンタの値)を示している。「残りナビ」の初期値は5回であるが、ベルナビが1回行われたことに伴い、「残りナビ」の回数が1回減って「4回」に更新されている。
以上では、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)の結果として「フェイク疑似遊技」が決定された場合について説明している。これにより、「BAR」狙いの疑似遊技が発生し(図507(h)参照)、疑似REGへと移行している(図507(i)及び(j)参照)。これに対し、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤(図475のステップS4369参照)の結果として「疑似BIG」又は「疑似BIG(ED)」が決定された場合には、図507(h)~(j)の演出に代えて、例えば、図483(c)~(h)のような演出が行われ、疑似BIGへと移行する。
以上で説明したように、本実施形態では、一の単位遊技で行われるAT関連処理(例えば、昇格チャンス中抽籤)において疑似BIGに当籤し、疑似BIG当籤フラグがオンにセットされた場合であっても、当該単位遊技においてペナルティ条件が成立した場合には、当該疑似BIG当籤フラグがオフにセットされた状態に戻る(図506のステップS4624参照)。これにより、当該AT関連処理(例えば、昇格チャンス中抽籤)の結果が無効にされたことになる。一方で、バックアップの対象外となっているAT関連パラメータ(例えば、昇格チャンス遊技数カウンタ)については、ペナルティ条件が成立した場合であっても更新される(図506のステップS4626参照)。従って、昇格チャンスにおいてペナルティ条件が成立するごとに、結果的に疑似BIGへの昇格の機会を1回失うことになる。なお、前兆状態を経由して昇格チャンスに移行することが決定されている場合において、当籤報知ゲーム(図507(a)参照)でペナルティ条件が成立した場合には、前兆遊技数カウンタの値が更新されない(図506のステップS4624参照)ため、ペナルティ条件が成立する限り、昇格チャンスに移行しない。
また、本実施形態では、一の単位遊技においてペナルティ条件が成立した場合において、当該単位遊技において実行されたAT関連処理(例えば、昇格チャンス中抽籤)の結果として疑似遊技を行うことが決定された場合には、当該疑似遊技が破棄される。一方、一の単位遊技においてペナルティ条件が成立した場合において、当該単位遊技以外の単位遊技(例えば、次の単位遊技)において実行されたAT関連処理(例えば、規定遊技数消化時疑似BIG昇格抽籤)の結果として疑似遊技を行うことが決定された場合には、当該ペナルティ条件が成立したことに基づいて当該疑似遊技は破棄されない。もっとも、このような場合においても、当該疑似遊技を破棄することとしてもよい。なお、ここでは、遊技開始時に(遊技開始時状態制御処理(図23のステップS6参照)において)疑似遊技が行われることを前提に、ペナルティ条件が成立した単位遊技の次の単位遊技において行うことが予定されている疑似遊技が破棄されることとして説明している。しかし、疑似遊技は、遊技終了時に(遊技終了時状態制御処理(図23のステップS15参照)において)行われることとしてもよく、この場合には、ペナルティ条件が成立した当該単位遊技において行うことが予定されている疑似遊技が破棄されることとしてもよい。
なお、ペナルティ条件は、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作(変則押し)が行われた場合に成立し得るところ、当該停止操作は、もちろん、実遊技(メイン遊技)における停止操作であって、疑似遊技における停止操作ではない。従って、昇格チャンスの4ゲーム目(昇格チャンス遊技数カウンタの値:0)で発生する疑似遊技において第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作が行われたとしても、当該単位遊技において疑似BIG乃至疑似REGが開始する。
また、図507では、変則押しが行われた場合に、「変則押ししています」という文字に対応する画像がメイン表示装置210に表示されることとして説明した。第1の遊技機の変形例で説明したように、ペナルティ条件が成立し得る態様で停止操作が行われた場合には、文字表示や音声により「変則押ししています」という状況説明を行う演出を行うように構成することが可能である。
また、ペナルティ条件が成立し得る態様で停止操作が行われた場合には、演出内容を変更する(実行中の演出を終了する)こととしてもよい。例えば、上述したように、通常ステージにおいては、複数の演出モードが設けられているところ、相対的に期待度の高い演出モード(特殊演出モード)に滞在しているときに変則押しが行われた場合には、第1停止操作が行われた時点で、最も期待度の低い演出モード(基本演出モード)へと画面を切り替えることとしてもよい。また、チャンスステージA、チャンスステージB、又は、連荘準備に滞在しているときには、通常ステージとは異なる演出モードに滞在しているところ、これらの出玉状態において変則押しが行われた場合にも、同様に、基本演出モードへと画面を切り替えることとしてもよい。一方、連荘チャレンジ又は昇格チャンスに滞在しているときにも、通常ステージとは異なる演出モードに滞在しているが、これらの出玉状態において変則押しが行われた場合には、演出モードを切り替えない(現在表示されている背景画像を維持する)こととしてもよい。
<付記I>
従来、変則押しで遊技が行われた場合に補助遊技(AT)を発生させないペナルティ処理を行う遊技機が知られている(特開2003-117077号公報参照)。
このようなペナルティ処理については、さらなる改良の余地がある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、ペナルティ処理を適切に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第13実施形態に係るパチスロ機1は、以下の特徴を備えている。
(I-1) 複数の識別情報を変動表示可能な可変表示手段(リール3L,3C,3R)と、
当籤役を決定可能な役決定手段(図26の処理を実行するメインCPU101)と、
前記可変表示手段の変動表示を停止させる停止操作を検出可能な停止操作検出手段(ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8S)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と、前記停止操作検出手段により検出された停止操作態様とに基づいて、前記可変表示手段の変動表示を停止させて停止表示を導出可能な停止制御手段(図29の処理を実行するメインCPU101)と、
前記停止表示に応じた入賞を発生可能な入賞手段(図23のステップS13及びステップS14の処理を実行するメインCPU101)と、
有利な停止操作態様を報知可能な報知手段(指示モニタやメイン表示装置210)と、
遊技に関する状態を制御可能な状態制御手段と、
前記報知手段による報知を実行可能な有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)を更新可能な特定処理(AT関連処理)を実行可能な有利状態関連処理手段(図505のステップS4601、ステップS4603、及び、ステップS4604、並びに、図506のステップS4621、ステップS4622、及び、ステップS4626の処理を実行するメインCPU101)と、
特定態様で停止操作が行われた場合に、該特定態様と異なる所定態様で停止操作が行われた場合よりも前記有利状態への移行に関して不利なものとするペナルティ処理を実行可能なペナルティ手段(図506のステップS4624の処理を実行するメインCPU101)と、を備え、
前記ペナルティ手段は、前記特定態様で停止操作が行われた場合に、前記ペナルティ処理として、今回の単位遊技における前記有利状態に関するパラメータの更新のうち少なくとも一部のパラメータの更新を無効とすることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、有利な停止操作態様の報知を実行可能な有利状態(AT状態)に制御可能であり、有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)を更新可能な特定処理(AT関連処理)を実行可能である。また、特定態様で停止操作が行われた場合に、該特定態様と異なる所定態様で停止操作が行われた場合よりも有利状態(AT状態)への移行に関して不利なものとするペナルティ処理を実行可能である。そして、特定態様で停止操作が行われた場合に、ペナルティ処理として、今回の単位遊技における有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新のうち少なくとも一部のパラメータ(AT関連パラメータ)の更新を無効とすることが可能なように構成されている。これにより、特定態様で停止操作が行われた場合に、今回の単位遊技における有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新のうち少なくとも一部のパラメータ(AT関連パラメータ)の更新を無効とすることを通じて、所定態様で停止操作が行われた場合よりも有利状態(AT状態)への移行に関して不利なものとすることが可能であり、ペナルティ処理を適切に行うことができる。
(I-2) 前記(I-1)の遊技機であって、
単位遊技が開始されてから前記特定処理が行われるよりも前のタイミングで、前記有利状態に関するパラメータの少なくとも一部を保存情報として記憶可能なバックアップ手段(図505のステップS4602の処理を実行するメインCPU101)を備え、
前記ペナルティ手段は、前記特定態様で停止操作が行われた場合に、前記ペナルティ処理として、前記有利状態に関するパラメータの少なくとも一部について、前記特定処理が実行された後に前記バックアップ手段により記憶された前記保存情報に基づいて更新することで今回の単位遊技での前記特定処理による前記有利状態に関するパラメータの更新を無効とすることが可能である、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、単位遊技が開始されてから特定処理(AT関連処理)が行われるよりも前のタイミングで、有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の少なくとも一部を保存情報として記憶可能である。そして、特定態様で停止操作が行われた場合に、ペナルティ処理として、有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の少なくとも一部について、特定処理(AT関連処理)が実行された後に該保存情報に基づいて更新可能なように構成されている。そのため、特定態様で停止操作が行われた場合、有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)のうち、保存情報に基づいて更新されたものについては、特定処理(AT関連処理)が行われるよりも前の時点における情報に戻り、結果として、特定処理(AT関連処理)によるパラメータ(AT関連パラメータ)の更新が無効とされたことになる。これにより、ペナルティ処理を簡潔に実現することが可能であり、処理の効率化を図ることができる。
(I-3) 前記(I-1)又は(I-2)の遊技機であって、
前記可変表示手段を複数備え、
前記ペナルティ処理は、複数の前記可変表示手段に対する停止操作の順序が特定の順序(変則押し)である場合に、該複数の可変表示手段に対する停止操作の順序が該特定の順序と異なる所定の順序(順押し)である場合よりも前記有利状態への移行に関して不利なものとする処理である、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、ペナルティ処理は、複数の可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作の順序が特定の順序(変則押し)である場合に、該複数の可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作の順序が該特定の順序(変則押し)と異なる所定の順序(順押し)である場合よりも有利状態(AT状態)への移行に関して不利なものとする処理となるように構成されている。これにより、複数の可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作の順序に応じて、有利状態(AT状態)への移行に関する有利度を異ならせることが可能であり、当該停止操作の順序に対する遊技者の関心を高めることができる。
(I-4) 前記(I-1)~(I-3)の何れかの遊技機であって、
前記入賞手段は、前記停止表示に応じた遊技価値を付与可能であり、
前記特定態様で停止操作が行われた場合に付与される遊技価値の期待値は、前記所定態様で停止操作が行われた場合に付与される遊技価値の期待値よりも大きくなっている、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定態様で停止操作が行われた場合に付与される遊技価値の期待値は、所定態様で停止操作が行われた場合に付与される遊技価値の期待値よりも大きくなるように構成されている。これにより、有利状態(AT状態)への移行に関しては相対的に不利になり得るが相対的に多くの遊技価値を獲得可能な特定態様と、獲得可能な遊技価値は相対的に少なくなるが有利状態(AT状態)への移行に関しては相対的に有利になり得る所定態様との間で、有利度に関するバランスを図ることができる。
(I-5) 前記(I-1)~(I-4)の何れかの遊技機であって、
前記状態制御手段は、前記有利状態への移行にとって有利な特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)に制御可能であるとともに、該特定状態において更新され得る特定の変数(チャンスステージ保障遊技数カウンタ、連荘準備保障遊技数カウンタ、連荘チャレンジ遊技数カウンタ、昇格チャンス遊技数カウンタ、高確1遊技数カウンタ、高確2保障遊技数カウンタ等)が所定の値となった場合に、該特定状態を終了させることが可能であり、
前記特定処理は、前記特定状態において前記有利状態に関するパラメータとして前記特定の変数を更新可能な処理を含み、
前記ペナルティ手段は、前記特定状態において前記特定態様で停止操作が行われた場合に、今回の単位遊技における前記有利状態に関するパラメータの更新のうち少なくとも前記特定の変数の更新を維持することが可能である、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、有利状態(AT状態)への移行にとって有利な特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)に制御可能であるとともに、該特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)において更新され得る特定の変数(チャンスステージ保障遊技数カウンタ、連荘準備保障遊技数カウンタ、連荘チャレンジ遊技数カウンタ、昇格チャンス遊技数カウンタ、高確1遊技数カウンタ、高確2保障遊技数カウンタ等)が所定の値となった場合に、該特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)を終了させることが可能である。また、特定処理(AT関連処理)は、特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)において有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)として特定の変数(チャンスステージ保障遊技数カウンタ、連荘準備保障遊技数カウンタ、連荘チャレンジ遊技数カウンタ、昇格チャンス遊技数カウンタ、高確1遊技数カウンタ、高確2保障遊技数カウンタ等)を更新可能な処理を含む。そして、特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)において特定態様で停止操作が行われた場合に、今回の単位遊技における有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新のうち少なくとも特定の変数(チャンスステージ保障遊技数カウンタ、連荘準備保障遊技数カウンタ、連荘チャレンジ遊技数カウンタ、昇格チャンス遊技数カウンタ、高確1遊技数カウンタ、高確2保障遊技数カウンタ等)の更新を維持することが可能なように構成されている。特定の変数(チャンスステージ保障遊技数カウンタ、連荘準備保障遊技数カウンタ、連荘チャレンジ遊技数カウンタ、昇格チャンス遊技数カウンタ、高確1遊技数カウンタ、高確2保障遊技数カウンタ等)が更新されることは、特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)の終了に近づくことを意味しているところ、特定態様で停止操作が行われた場合に、仮に特定の変数(チャンスステージ保障遊技数カウンタ、連荘準備保障遊技数カウンタ、連荘チャレンジ遊技数カウンタ、昇格チャンス遊技数カウンタ、高確1遊技数カウンタ、高確2保障遊技数カウンタ等)の更新が無効とされると、特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)に滞在可能な期間が引き延ばされる。すなわち、ペナルティ処理が行われることにより、却って有利状態(AT状態)への移行に関して有利な状況を招くことになる。この点、第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定態様で停止操作が行われた場合に更新が無効とされるパラメータ(AT関連パラメータ)のなかから、特定の変数(チャンスステージ保障遊技数カウンタ、連荘準備保障遊技数カウンタ、連荘チャレンジ遊技数カウンタ、昇格チャンス遊技数カウンタ、高確1遊技数カウンタ、高確2保障遊技数カウンタ等)が除外されているため、このような状況を惹起してしまうことを防止することが可能であり、適切なペナルティを作動させることができる。
(I-6) 前記(I-1)~(I-5)の何れかの遊技機であって、
前記ペナルティ手段は、前記有利状態において前記特定態様で停止操作が行われた場合に、今回の単位遊技における前記有利状態に関するパラメータの更新を維持することが可能である、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、有利状態(AT状態)において特定態様で停止操作が行われた場合に、今回の単位遊技における有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新を維持することが可能なように構成されている。この点、有利状態(AT状態)においては、停止操作態様の報知が行われるところ、当該報知に従った結果として特定態様で停止操作が行われた場合に、遊技者にとって不利な状況が作られてしまうことは妥当でない。第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、有利状態(AT状態)については、ペナルティ処理が実行される場面から除外されているため、このような状況を惹起してしまうことを防止することが可能であり、適切なペナルティを作動させることができる。併せて、有利状態(AT状態)においては、有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新を無効とするための処理を省略することが可能であり、ペナルティ処理にかかる負担を軽減し、処理の効率化を図ることができる。
(I-7) 前記(I-1)~(I-6)の何れかの遊技機であって、
前記状態制御手段は、前記可変表示手段において導出されることが許容される状態を一の単位遊技から次の単位遊技へと持越可能な所定の停止表示(「C_3BB」に係る図柄の組合せ)が前記停止制御手段により導出された場合に、所定状態(ボーナス状態)に制御可能であり、
前記ペナルティ手段は、前記所定状態においては前記ペナルティ処理を実行しない、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、可変表示手段(リール3L,3C,3R)において導出されることが許容される状態を一の単位遊技から次の単位遊技へと持越可能な所定の停止表示(「C_3BB」に係る図柄の組合せ)が導出された場合に、所定状態(ボーナス状態)に制御可能である。そして、所定状態(ボーナス状態)においてはペナルティ処理を実行しないように構成されている。この点、所定状態(ボーナス状態)においては、特定処理(AT関連処理)が実行されないように設計される可能性があるところ、特定処理(AT関連処理)が実行されなければ、有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)が更新されることもなく、この場合には、そもそもペナルティ処理の対象が存在しないことになる。第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、所定状態(ボーナス状態)において特定処理(AT関連処理)が実行されないように設計しようとする開発者の意図に沿ったペナルティ仕様を実現することができる。併せて、所定状態(ボーナス状態)においては、有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新を無効とするための処理を省略することが可能であり、ペナルティ処理にかかる負担を軽減し、処理の効率化を図ることができる。
(I-8) 前記(I-1)~(I-7)の何れかの遊技機であって、
演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、少なくとも前記停止制御手段により前記停止表示が導出されるまでの間に、前記有利状態への移行が決定された場合にのみ発生し得る特定演出(フリーズ)を実行可能な特定演出実行手段を備え、
前記ペナルティ手段は、一の単位遊技において前記特定演出実行手段により前記特定演出が実行された場合、前記特定態様で停止操作が行われたとしても、該単位遊技における前記有利状態に関するパラメータの更新を維持することが可能である、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、少なくとも停止表示が導出されるまでの間に、有利状態(AT状態)への移行が決定された場合にのみ発生し得る特定演出(フリーズ)を実行可能である。そして、一の単位遊技において特定演出(フリーズ)が実行された場合、特定態様で停止操作が行われたとしても、該単位遊技における有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新を維持することが可能なように構成されている。仮に、有利状態(AT状態)への移行が決定された場合にのみ発生し得る特定演出(フリーズ)が行われた場合に、有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新が無効とされると、当該特定演出(フリーズ)を通じて有利状態(AT状態)への移行が決定されたことが遊技者に報知されたにもかかわらず、当該有利状態(AT状態)への移行がキャンセルされることになる。このことは、遊技者に酷であることに加え、遊技機が故障したと勘違いされる恐れもある。この点、第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、特定演出(フリーズ)が行われた場合には、有利状態(AT状態)に関するパラメータの更新が無効とされないため、このような状況を惹起してしまうことを防止することが可能であり、効果的なペナルティを実現することができる。
(I-9) 前記(I-1)~(I-8)の何れかの遊技機であって、
複数の前記可変表示手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記ペナルティ手段は、前記複数の可変表示手段に対する停止操作として、所定の前記可変表示手段(中リール3C又は右リール3R)に対する停止操作が最初に行われた場合に、前記ペナルティ処理を実行可能であり、
前記演出実行手段は、
第1の演出(通常ステージ中の基本演出モードでの演出)、及び、該第1の演出よりも前記有利状態への移行に対する期待度が高い第2の演出(通常ステージ中の特殊演出モードでの演出)を含む複数の演出のうちの何れかの演出を実行可能であり、
前記第2の演出が実行されている場合において、前記複数の可変表示手段に対する停止操作として前記所定の可変表示手段に対する停止操作が最初に行われたとき、前記第2の演出から前記第1の演出へと演出を変更可能である、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、第1の演出(通常ステージ中の基本演出モードでの演出)、及び、該第1の演出(通常ステージ中の基本演出モードでの演出)よりも有利状態(AT状態)への移行に対する期待度が高い第2の演出(通常ステージ中の特殊演出モードでの演出)を含む複数の演出のうちの何れかの演出を実行可能である。また、複数の可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作として、所定の可変表示手段(中リール3C又は右リール3R)に対する停止操作が最初に行われた場合に、ペナルティ処理を実行可能である。そして、第2の演出(通常ステージ中の特殊演出モードでの演出)が実行されている場合において、複数の可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作として所定の可変表示手段(中リール3C又は右リール3R)に対する停止操作が最初に行われたとき、第2の演出(通常ステージ中の特殊演出モードでの演出)から第1の演出(通常ステージ中の基本演出モードでの演出)へと演出を変更可能なように構成されている。従って、複数の可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作として所定の可変表示手段(中リール3C又は右リール3R)に対する停止操作が最初に行われた場合には、ペナルティ処理として、有利状態(AT状態)への移行に関して不利なものとされるところ、少なくとも今回の単位遊技における有利状態(AT状態)への移行に対する期待度は低下することになる。この点、第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、ペナルティ処理が行われる場合に、有利状態(AT状態)への移行に対する期待度が相対的に低い演出へと切り替えることができる。これにより、有利状態(AT状態)への移行を客観的に期待することができない状況であるにもかかわらず、遊技者に誤った期待感を抱かせてしまうことを防止することができる。
(I-10) 前記(I-1)~(I-9)の何れかの遊技機であって、
遊技の進行を所定期間遅延させるロック演出を実行可能なロック演出実行手段と、
前記ロック演出を実行する旨決定可能なロック演出決定手段と、を備え、
前記ロック演出決定手段により前記ロック演出を実行する旨決定された場合において、前記特定態様で停止操作が行われた場合に、該決定を破棄することが可能である、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、遊技の進行を所定期間遅延させるロック演出を実行可能であり、ロック演出を実行する旨決定された場合において、特定態様で停止操作が行われた場合に、該決定を破棄することが可能なように構成されている。このように、特定態様で停止操作が行われた場合には、所定態様で停止操作が行われた場合よりも有利状態(AT状態)への移行に関して不利なものとすることが可能であるとともに、ロック演出を実行する旨の決定も無効とされることがある。これにより、ペナルティ機能とロック演出とが融合した斬新な遊技を実現することが可能であり、ペナルティに対する遊技者の関心を高めることができる。
(I-11) 前記(I-1)~(I-10)の何れかの遊技機であって、
遊技の進行を所定期間遅延させるロック演出を実行可能なロック演出実行手段と、
前記ロック演出を実行する旨決定可能なロック演出決定手段と、を備え、
前記ロック演出決定手段は、前記ロック演出として、前記可変表示手段において識別情報を変動表示させた後所定の表示態様(「ブイ」揃い)で停止させる有利状態開始演出(疑似BIG開始用疑似遊技)を実行する旨決定可能であり、
前記状態制御手段は、前記ロック演出実行手段により前記有利状態開始演出が実行されるときに、前記有利状態を開始可能であり、
前記ペナルティ手段は、前記ロック演出決定手段により前記有利状態開始演出を実行する旨決定された場合において、前記特定態様で停止操作が行われた場合に、該決定を破棄することが可能である、
ことを特徴とする。
第13実施形態に係るパチスロ機1によれば、遊技の進行を所定期間遅延させるロック演出を実行可能であり、ロック演出として、可変表示手段(リール3L,3C,3R)において識別情報を変動表示させた後所定の表示態様(「ブイ」揃い)で停止させる有利状態開始演出(疑似BIG開始用疑似遊技)を実行する旨決定可能である。そして、有利状態開始演出(疑似BIG開始用疑似遊技)が実行されるときに、有利状態(AT状態)を開始可能であり、有利状態開始演出(疑似BIG開始用疑似遊技)を実行する旨決定された場合において、特定態様で停止操作が行われた場合に、該決定を破棄することが可能なように構成されている。このように、特定態様で停止操作が行われた場合には、所定態様で停止操作が行われた場合よりも有利状態(AT状態)への移行に関して不利なものとすることが可能であるとともに、ロック演出を実行する旨の決定も無効とされることがある。これにより、ペナルティ機能とロック演出とが融合した斬新な遊技を実現することが可能であり、ペナルティに対する遊技者の関心を高めることができる。また、有利状態(AT状態)への移行に関して不利になることに伴って、有利状態(AT状態)が開始されるときに実行可能な有利状態開始演出(疑似BIG開始用疑似遊技)をキャンセルすることができる。これにより、遊技の進行と演出内容との整合性を図ることが可能であり、洗練されたペナルティを実現することができる。
以上で説明したように、第13実施形態では、有利な停止操作態様の報知を実行可能な有利状態(AT状態)に制御可能であり、有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)を更新可能な特定処理(AT関連処理)を実行可能である。また、特定態様で停止操作が行われた場合に、該特定態様と異なる所定態様で停止操作が行われた場合よりも有利状態(AT状態)への移行に関して不利なものとするペナルティ処理を実行可能である。そして、特定態様で停止操作が行われた場合に、ペナルティ処理として、今回の単位遊技における有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新のうち少なくとも一部のパラメータ(AT関連パラメータ)の更新を無効とすることが可能なように構成されている。
上述したように、「AT関連処理」は、AT状態に移行することを直接決定する(AT移行抽籤を行う)ための処理の他、CZ状態(CZ)に移行することを決定する(CZ移行抽籤を行う)ための処理、CZ状態が継続可能な期間(CZ期間)を設定する(CZ期間抽籤を行う)ための処理、複数種類のAT状態のうち相対的に有利なAT状態に移行すること(AT状態の有利度)を決定する(AT有利度抽籤を行う)ための処理、AT移行抽籤、CZ移行抽籤、又は、AT有利度抽籤において参照されるモード(参照モード)を設定する(参照モード抽籤を行う)ための処理、相対的に有利な状態(参照モード)が継続可能な期間を短縮するための処理、相対的に有利な状態(参照モード)の終了後に移行する状態(参照モード)を決定する(転落後移行先抽籤を行う)ための処理、AT状態又はCZ状態に移行するまでの期間に関する処理、AT移行抽籤又はCZ移行抽籤が行われるための条件に関する処理、AT状態への移行を報知する演出(AT確定演出)を行うための処理等を含む概念である。
もっとも、有利状態は、AT状態(疑似ボーナス)に限定されず、遊技者にとって有利な状態を適宜採用することが可能である。例えば、有利状態は、ボーナス状態(BB状態やMB状態等)であってもよいし、RT状態(ART状態)であってもよいし、これらの状態への移行にとって有利な状態(例えば、チャンスゾーン)であってもよい。また、特定態様及び所定態様としては、複数の可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作の順序及びタイミングが互いに異なる態様を適宜採用することが可能である。例えば、特定態様は、複数の可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作の順序が特定の順序となるような態様であってもよいし、各可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作のタイミングが特定のタイミングとなるような態様であってもよいし、これらの組合せ態様であってもよい。
また、第13実施形態では、特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)において更新され得る特定の変数(チャンスステージ保障遊技数カウンタ、連荘準備保障遊技数カウンタ、連荘チャレンジ遊技数カウンタ、昇格チャンス遊技数カウンタ、高確1遊技数カウンタ、高確2保障遊技数カウンタ等)が所定の値(0)となった場合に、該特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)を終了させることが可能であることとして説明した。特定状態(チャンスステージA、チャンスステージB、連荘準備、連荘チャレンジ、昇格チャンス、高確1、高確2等)において更新され得る特定の変数(チャンスステージ保障遊技数カウンタ、連荘準備保障遊技数カウンタ、連荘チャレンジ遊技数カウンタ、昇格チャンス遊技数カウンタ、高確1遊技数カウンタ、高確2保障遊技数カウンタ等)が所定の値となった場合には、無条件で特定状態を終了させることとしてもよいし、特定の変数が所定の値となったことを契機として上述した転落抽籤を行うようにし、転落抽籤に当籤したことを条件として特定状態を終了させることとしてもよい。
また、第13実施形態では、一の単位遊技において特定演出(フリーズ)が実行された場合、特定態様で停止操作が行われたとしても、該単位遊技における有利状態(AT状態)に関するパラメータ(AT関連パラメータ)の更新を維持することが可能であることとして説明した。特定演出(フリーズ)としては、少なくとも停止表示が導出される(第3停止操作が行われる)までの間に発生する演出を適宜採用することが可能である。例えば、特定演出(フリーズ)は、スタートレバーが操作されたときに発生するものであってもよいし、第1停止操作が行われた後第2停止操作が行われる前に発生するものであってもよいし、第2停止操作が行われた後第3停止操作が行われる前に発生するものであってもよい。また、特定演出は、主制御回路により制御されるもの(例えば、ロック演出)であってもよいし、副制御回路により制御されるもの(例えば、所定の画像が表示される演出)であってもよい。
また、第13実施形態では、第2の演出(通常ステージ中の特殊演出モードでの演出)が実行されている場合において、複数の可変表示手段(リール3L,3C,3R)に対する停止操作として所定の可変表示手段(中リール3C又は右リール3R)に対する停止操作が最初に行われたとき、第2の演出(通常ステージ中の特殊演出モードでの演出)から第1の演出(通常ステージ中の基本演出モードでの演出)へと演出を変更可能であることとして説明した。このような演出モード(背景画面)の切り替えは、第1停止操作が行われた後すぐに(第2停止操作が行われる前に)行われることが望ましい。また、特殊演出モードとして、期待度が互いに異なる複数の演出モードが設けられている場合、何れの特殊演出モードに滞在している場合においても、基本演出モードに切り替えられるように構成することが可能である。第2の演出の内容は、特に限定されず、例えば、第1の遊技機(変形例)で説明した期待感演出であってもよい。
また、第13実施形態では、ロック演出を実行する旨決定された場合において、特定態様で停止操作が行われた場合に、該決定を破棄することが可能であることとして説明した。当該ロック演出は、疑似遊技を伴うロック演出であってもよいし、リール演出を伴うロック演出であってもよいし、リール演出及び疑似遊技を伴わないロック演出(フリーズ)であってもよい。例えば、以上では、疑似遊技において疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)乃至疑似REG移行図柄(「バー」)が揃うこととして説明したが、リール演出において疑似BIG移行図柄(「ブイ」又は「セブン」)乃至疑似REG移行図柄(「バー」)が揃うこととしてもよい。
<付記(その他)>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
また、従来、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せとなった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
しかしながら、従来のパチスロ遊技機やパチンコ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を効果的に図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上、第1実施形態~第13実施形態について説明した。上述した実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は、他の遊技機(例えば、パチンコ遊技機やスロットマシン等)に適用することも可能である。
以上、本発明の第1実施形態~第13実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。