JP7440838B1 - 卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬 - Google Patents

卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬 Download PDF

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Abstract

【課題】生殖機能が欠落した生体に対し、体重増加を抑制し、かつ、内臓脂肪の蓄積を抑制可能な卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬の提供。【解決手段】卵巣機能欠落生体における内臓脂肪の蓄積を抑制するための飲食品であって、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液を含んでなる。【選択図】図5

Description

本発明は、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液を用いた、卵巣機能欠落生体における、内臓脂肪の蓄積を抑制するための飲食品、及び医薬に関する。
近年、ハナビラタケ菌糸体の熱水抽出物が、エストロゲン活性を有し、かつ、癌細胞の増殖活性など負の活性を有さない、副作用の虞のないエストロゲン様作用を有している、との知見を得たことにより、次の特許文献1に記載のエストロゲンの欠乏による障害や疾患の治療・予防のための医薬、飲食品が導出されている。
特許文献1には、「エストロゲンの欠乏による障害」として、更年期障害による諸症状が例示列挙され、また、「エストロゲンの欠乏による疾患」として、泌尿生殖器障害、骨粗鬆症、動脈硬化、記憶障害、血栓性疾患などが例示列挙されている。また、特許文献1には、エストロゲン様作用として、総コレステロール値、中性脂肪値および遊離脂肪酸値の低減による抗動脈硬化作用および内臓脂肪蓄積抑制が挙げられている。そして、内臓脂肪蓄積抑制効果の検証試験として、高脂肪食を与えたApoE欠損マウスのうち、ハナビラタケ菌糸体培養乾燥物、ハナビラタケ菌糸体熱水抽出物を所定期間経口投与したマウスと、経口投与しないマウスを用いて、総コレステロール値、中性脂肪値、遊離脂肪酸値、内臓脂肪の蓄積量を測定したところ、ハナビラタケ菌糸体培養乾燥物、ハナビラタケ菌糸体熱水抽出物を所定期間経口投与したApoE欠損マウスは、非投与群ApoE欠損マウスに比べて、統計的有意に低減傾向を示したことが記載されている。
また、修治加工したハナビラタケに含まれるフタライド化合物が、内臓脂肪減少作用を示すことが、次の非特許文献1、2に記載されている。
特許第6861422号公報
「修治加工ハナビラタケに含まれるフタライド化合物の内臓脂肪減少作用」、坂野克久、三亀真理子、中尾祥代、山田裕美、十一元晴、万木豊、藤川隆彦、日本薬学会年会要旨集(日本薬学会年会講演要旨集)、第129巻、第2号、第163頁、2009年03月05日発行 「ハナビラタケの抗肥満成分」、YAMADA HIROMI、JUICHI MOTOHARU、FUJIKAWA TAKAHIKO、YURUGI YUTAKA、SAKANO KATSUHISA、食品薬学シンポジウム講演要旨集、第3巻、第132-134頁、2009年10月21日発行
手術による両側の卵巣摘出や、放射線治療を行うことにより、卵巣機能が喪失し、卵巣欠落症状が起こり得る。
卵巣欠落症状の治療には、エストロゲンを用いたホルモン補充療法が知られている。しかし、エストロゲンには、癌細胞の増殖活性など負の活性の懸念がある。
しかるに、特許文献1には、ハナビラタケ菌糸体より抽出したエストロゲン様作用物の内臓脂肪蓄積抑制効果が、卵巣機能の欠落した生体を用いて検証されたことによる旨の記載はなく、特許文献1に記載のものには、卵巣機能が欠落した生体への着目はない。しかも、特許文献1に記載されている内臓脂肪蓄積抑制効果は、高脂肪食を与えることによって予め内臓脂肪が過剰に蓄積された状態にした生体における、蓄積された内臓脂肪の減少量の測定結果に基づいて評価したものであって、内臓脂肪の蓄積量が通常量となっている生体への内臓脂肪の蓄積量の測定結果に基づくものではない。
また、非特許文献1、2に記載のフタライド化合物の内臓脂肪減少作用は、いずれも雄のラットを用いた試験によるものであり、非特許文献1、2に記載のものには、卵巣機能が欠落した生体への着目はない。
そして、従来、卵巣機能が欠落した生体に対しては、ハナビラタケがどのような作用効果を奏するかについては解明されていなかった。
しかるに、本件発明者らは、新たに卵巣機能が欠落した生体に着目し、卵巣機能が欠落した生体に与える、ハナビラタケの効果について、試験、研究を重ねた。その結果、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液には、卵巣機能が欠落した生体に対し、体重増加抑制と内臓脂肪の蓄積抑制とを兼ね備えた作用効果を奏することが判明した。
本発明は、上記のような経緯を鑑みてなされたものであり、卵巣機能が欠落した生体における、体重増加を抑制し、かつ、内臓脂肪の蓄積を抑制可能な卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品は、卵巣機能欠落生体における内臓脂肪の蓄積を抑制するための飲食品であって、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液を含んでなることを特徴としている。
また、本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品においては、前記卵巣機能欠落生体が卵巣除去生体であるのが好ましい。
また、本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品においては、前記卵巣機能欠落生体が卵巣機能停止生体であるのが好ましい。
また、本発明による卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬は、卵巣機能欠落生体における内臓脂肪の蓄積を抑制するための医薬であって、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液を含んでなることを特徴としている。
本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬によれば、卵巣機能が欠落した生体における、体重増加を抑制し、かつ、内臓脂肪の蓄積を抑制可能な卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬が得られる。
本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える体重・摂食及び摂水量への影響についての検証試験結果として、検証試験期間中における各群のマウスの平均体重の推移を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える体重・摂食及び摂水量への影響についての検証試験結果として、検証試験期間中における各群のマウスの1日当たりの平均摂食量の推移を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える体重・摂食及び摂水量への影響についての検証試験結果として、検証試験期間中における各群のマウスの1日当たりの平均摂水量の推移を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える体重・摂食及び摂水量への影響についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスの平均体重を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える内臓脂肪への影響についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスのCTによる内臓脂肪・皮下脂肪の断層画像を示す写真である。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える内臓脂肪への影響についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスの内臓脂肪量を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える内臓脂肪への影響についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスの皮下脂肪量を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える血漿マーカへの影響についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスの血漿中のトリグリセリド含有量を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える血漿マーカへの影響についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスの血漿中のコレステロール含有量を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える血漿マーカへの影響についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスの血糖値を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える血漿マーカへの影響についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスの血漿中のインスリン含有量を示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える糖質・脂質代謝マーカへの影響(遺伝子発現レベル)についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスのRT-PCR法を用いた脂肪組織の遺伝子発現レベルの解析結果としてのアディポネクチンの遺伝子発現レベルを示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える糖質・脂質代謝マーカへの影響(遺伝子発現レベル)についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスのRT-PCR法を用いた脂肪組織の遺伝子発現レベルの解析結果としてのTNF-αの遺伝子発現レベルを示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える糖質・脂質代謝マーカへの影響(遺伝子発現レベル)についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスのRT-PCR法を用いた脂肪組織の遺伝子発現レベルの解析結果としてのレプチンの遺伝子発現レベルを示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える糖質・脂質代謝マーカへの影響(遺伝子発現レベル)についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスのRT-PCR法を用いた脂肪組織の遺伝子発現レベルの解析結果としてのPPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)の遺伝子発現レベルを示すグラフである。 本発明の実施例に係る卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬における、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える糖質・脂質代謝マーカへの影響(遺伝子発現レベル)についての検証試験結果として、検証試験開始から8週間経過後の各群のマウスのRT-PCR法を用いた脂肪組織の遺伝子発現レベルの解析結果としてのPPARα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α)の遺伝子発現レベルを示すグラフである。
上述のとおり、特許文献1には、ハナビラタケ菌糸体より抽出したエストロゲン様作用物には、内臓脂肪の蓄積抑制効果があることが記載されているが、その検証に用いた高脂肪食を与えたApoE欠損マウスが卵巣機能の欠落したマウスである旨の記載はない。即ち、特許文献1には、ハナビラタケ菌糸体より抽出したエストロゲン様作用物の内臓脂肪蓄積抑制効果が、卵巣機能の欠落した生体を用いて検証されたことによる旨の記載はなく、特許文献1に記載のものには、卵巣機能が欠落した生体への着目はない。しかも、特許文献1に記載されている内臓脂肪蓄積抑制効果は、高脂肪食を与えることによって予め内臓脂肪が過剰に蓄積された状態にした生体における、蓄積された内臓脂肪の減少量の測定結果に基づいて評価したものであって、内臓脂肪の蓄積量が通常量となっている生体への内臓脂肪の蓄積量の測定結果に基づくものではない。
また、非特許文献1、2に記載のフタライド化合物の内臓脂肪減少作用は、いずれも雄のラットを用いた試験によるものであり、非特許文献1、2に記載のものには、卵巣機能が欠落した生体への着目はない。
そして、従来、卵巣機能が欠落した生体に対しては、ハナビラタケがどのような作用効果を奏するかについては解明されていなかった。
しかるに、本件発明者らは、新たに卵巣機能が欠落した生体に着目し、卵巣機能が欠落した生体に与える、ハナビラタケの効果について、試験、研究を重ねた。その結果、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液には、卵巣機能が欠落した生体に対し、体重増加抑制と内臓脂肪の蓄積抑制とを兼ね備えた作用効果を奏することが判明し、本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬を導出するに至った。
以下、本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬について、検証データを用いて詳しく説明する。
本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬は、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液を含んで作製される。
ハナビラタケ子実体は、子実体そのものであってもよいし、ハナビラタケ子実体の破砕物、磨砕物、乾燥物、乾燥粉砕物などの処理物であってもよい。本発明で使用するハナビラタケ子実体は、その由来については特に制限はなく、自生したもの、人工培養物のいずれでもよいが、生産性を考慮すれば、人工培養物が好ましい。また、ハナビラタケ子実体に菌糸体を含んでいてもよい。
ハナビラタケ子実体の採取時期、生育年数、培養方法、培養期間などについても特に制限はない。ハナビラタケ子実体は培地成分の異なる生産方法により、活性の異なるものが得られるが、本発明においては、そのいずれを用いてもよく、単独で用いても、複数種を組み合わせて用いてもよい。活性が高いハナビラタケ子実体を組み合わせて使用すれば、より高い活性の発現が期待できる。
なお、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液の品質を安定化させるためには、株式会社インタートレードヘルスケア社が培養し、標準化しているハナビラタケ子実体を用いて製造された「ITはなびらたけ」(登録商標)のハナビラタケ粉末を使用することが好ましい。
ハナビラタケ子実体粉末を水と混ぜて粉末懸濁液を得ることができる。
なお、本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制食品、及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制に含まれるハナビラタケ子実体の粉末懸濁液の有効成分は水溶性であるため、有機溶媒を使用した抽出方法によっては溶出させることができない。
ハナビラタケ粉末懸濁液の接種による内臓脂肪の蓄積等の効果についての検証試験
本件発明者らは、マウスの卵巣を摘出することで、エストロゲンが産生されなくなることに着目し、卵巣機能が欠落した生体として卵巣摘出マウスを用い、卵巣摘出マウスに対し、ハナビラタケ子実体の粉末を用いて作製したハナビラタケ粉末懸濁液がどのような影響を与えるかを検証した。なお、ハナビラタケ粉末懸濁液は、「ITはなびらたけ」(登録商標)のハナビラタケ粉末を水と混ぜることによって作製したものを用いた。
検証試験に用いるマウスとして、次の5つの群のマウスを夫々8匹ずつ準備した。
第1群「Sham」:腹部を切開し、卵巣は摘出せずに切開部をそのまま縫合したマウス
第2群「OVX」:腹部を切開し、卵巣を摘出後に切開部を縫合したマウス
第3群「sc10」:腹部を切開し、卵巣を摘出後に切開部を縫合し、縫合後、マウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与したマウス
第4群「sc50」:腹部を切開し、卵巣を摘出後に切開部を縫合し、縫合後、マウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与したマウス
第5群「E2」:腹部を切開し、卵巣を摘出後に切開部を縫合し、縫合後、マウスの体重1kgに対し、10mlの水に20μgの割合でエストロゲンの一種であるエストラジオールを添加した液体を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与したマウス
ハナビラタケ粉末懸濁液の確認・調整を行うとともに、各群のマウスの体重に差異がないようにして群分けを実施した。
手術後1週間経過後、全ての群のマウスに対する水及び餌の投与を開始した。同時に、所定の群のマウスへの上記した量のハナビラタケ粉末懸濁液、エストロゲンの経口投与も開始した。7週間投与を継続するとともに、投与期間中、各群の個々のマウスの体重、摂食量、摂水量を測定し、検証試験期間の各週における各群のマウスの平均体重、1日当たりの平均摂食量、1日当たりの平均摂水量、8週間経過後の各群のマウスの平均体重を算出した。
その後、各群のマウスを解剖し、CTによる内臓脂肪・皮下脂肪量の測定、結晶マーカによる解析、RT-PCR法を用いた脂肪組織の遺伝子発現レベルの解析を行った。
ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える体重・摂食及び摂水量への影響についての検証試験結果
検証試験期間中の各週における各群のマウスの平均体重の推移を図1に、1日当たりの平均摂食量の推移を図2に、1日当たりの平均摂水量の推移を図3に、8週間経過後の各群のマウスの平均体重を図4にそれぞれ示す。
(体重の推移)
一般に、エストロゲンが分泌されなくなると太りやすい体質になり、体重が増加する。しかるに、図1に示すように、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスは、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスと比較して、体重が増加傾向にあるのに対し、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウス、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスと比較して、体重が殆ど増加しないことが認められた。
また、卵巣摘出後にエストロゲンを経口投与した第5群「E2」のマウスは、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスと比較して、体重が増加傾向にあることが認められた。これは、本来、生体の卵巣からエストロゲンは常時分泌されるものであるのに対し、卵巣を摘出した生体にエストロゲンを断続的に与えたことにより、卵巣を摘出した生体に対するエストロゲンの作用が断続的となって体重増加抑制効果が十分には発揮されなかったと考えられる。
(摂食量の推移)
図2に示すように、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスは、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスと比較して、摂食量がほぼ同程度で検証試験期間中ほぼ横ばいの傾向にあることが認められた。
また、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウス、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、摂食量が少ない状態で検証試験期間中ほぼ横ばいの傾向にあることが認められた。
一方、卵巣摘出後にエストラジオールを経口投与した第5群「E2」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、検証試験期間の開始から5週目までは、摂食量が少なかったが、その後増加傾向となり、8週間経過後には、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスの摂食量を上回ることが認められた。
(摂水量の推移)
図3に示すように、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスは、摂水量が低減傾向にあり、検証期間終了時には、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスの摂水量を大きく下回ることが認められた。
また、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウス、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、検証試験期間の開始から3、4週目まで摂水量が減少し、その後ほぼ横ばい状態を保ち、検証期間終了時には、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスの摂水量とほぼ同程度となることが認められた。
一方、卵巣摘出後にエストラジオールを投与した第5群「E2」のマウスは、検証試験期間の開始直後は、摂水量が少なかったが、その後増加傾向となり、8週間経過後には、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウス、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウス、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスの摂水量を大きく上回り、さらには、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスの摂水量をも上回ることが認められた。
(8週間経過後の体重)
図4に示すように、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスは、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、体重が有意に増加することが認められた。
また、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウス、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準5%を下回る確率で、体重増加が有意に抑制されることが認められた。
一方、卵巣摘出後にエストラジオールを投与した第5群「E2」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと同程度の体重となり、体重増加の抑制効果は認められなかった。
ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える内臓脂肪・皮下脂肪への影響についての検証試験結果
また、8週間経過後の各群のマウスのCTによる内臓脂肪・皮下脂肪の断層画像を図5に、内臓脂肪量を図6に、皮下脂肪量を図7にそれぞれ示す。
図5~図7に示すように、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスは、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、内臓脂肪、皮下脂肪ともに有意な増加が認められた。
これに対し、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、内蔵脂肪の蓄積が有意に抑制されることが認められた。
また、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準5%を下回る確率で、内蔵脂肪、皮下脂肪の蓄積が有意に抑制されることが認められた。
また、卵巣摘出後にエストラジオールを投与した第5群「E2」のマウスも、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、内蔵脂肪の蓄積が有意に抑制されることが認められた。
ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える血漿マーカへの影響についての検証試験結果
また、8週間経過後の各群のマウスの血漿マーカによる解析結果として、血漿中のトリグリセリド含有量を図8に、血漿中のコレステロール含有量を図9に、血糖値を図10に、血漿中のインスリン含有量を図11にそれぞれ示す。
(血漿中のトリグリセリド含有量)
図8に示すように、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウス、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準5%を下回る確率で、血漿トリグリセリド濃度が有意に低下することが認められた。
(血漿中のコレステロール含有量)
血漿コレステロール濃度については、図9に示すように、ハナビラタケ粉末懸濁液の経口投与による有意な影響は認められなかった。
(血糖値)
図10に示すように、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスは、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、血糖値が有意に増加することが認められた。
これに対し、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、血糖値の増加が有意に抑制されることが認められた。
また、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準5%を下回る確率で、血糖値の増加が有意に抑制されることが認められた。
また、卵巣摘出後にエストラジオールを経口投与した第5群「E2」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、血糖値の増加が有意に抑制されることが認められた。
(血漿中のインスリン含有量)
図12に示すように、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスは、卵巣を摘出していない第1群「Sham」のマウスと比較して、血漿インスリン濃度が増加することが認められた。
これに対し、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウス、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウス、卵巣摘出後にエストラジオールを経口投与した第5群「E2」のマウスは、第1群「Sham」のマウスと比較して、血漿インスリン濃度が減少傾向にあることが認められた。
ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が与える糖質・脂質代謝マーカへの影響(遺伝子発現レベル)についての検証試験結果
また、8週間経過後の各群のマウスのRT-PCR法を用いた脂肪組織の遺伝子発現レベルの解析結果として、アディポネクチンの遺伝子発現レベルを図12に、TNF-αの遺伝子発現レベルを図13に、レプチンの遺伝子発現レベルを図14に、PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)の遺伝子発現レベルを図15に、PPARα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α)の遺伝子発現レベルを図16にそれぞれ示す。
(アディポネクチンの遺伝子発現レベル)
図12に示すように、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に10mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第3群「sc10」のマウス、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウス、卵巣摘出後にエストラジオールを経口投与した第5群「E2」のマウスは、アディポネクチンの遺伝子発現レベルが増加することが認められた。
とりわけ、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、アディポネクチンの遺伝子発現レベルが有意に増加することが認められた。
また、卵巣摘出後にエストラジオールを経口投与した第5群「E2」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準5%を下回る確率で、アディポネクチンの遺伝子発現レベルが有意に増加することが認められた。
(TNF-αの遺伝子発現レベル)
図13に示すように、TNF-αの遺伝子発現レベルについては、有意な抑制効果は認められなかった。
(レプチンの遺伝子発現レベル)
図14に示すように、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、レプチンの遺伝子発現レベルが有意に増加することが認められた。
(PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)の遺伝子発現レベル)
図15に示すように、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準1%を下回る確率で、PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)の遺伝子発現レベルが有意に増加することが認められた。
また、卵巣摘出後にエストラジオールを経口投与した第5群「E2」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準5%を下回る確率で、PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)の遺伝子発現レベルが有意に増加することが認められた。
(PPARα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α)の遺伝子発現レベル)
図16に示すように、卵巣摘出後にマウスの体重1kgに対し、10mlの水に50mgの割合でハナビラタケ粉末を溶かして作製したハナビラタケ粉末懸濁液を、マウスの体重1kgに対し10mlの割合で経口投与した第4群「sc50」のマウスは、卵巣を摘出した第2群「OVX」のマウスと比較して、有意水準5%を下回る確率で、PPARα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α)の遺伝子発現レベルが有意に増加することが認められた。
このように、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液には、卵巣機能が欠落した生体に対し、体重増加を抑制すると同時に内臓脂肪・皮下脂肪の蓄積を抑制する効果があることが認められた。
体重増加の抑制は、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が、レプチン遺伝子発現レベルを有意に増加させたことによるものと考えられる。
また、内臓脂肪・皮下脂肪の蓄積抑制は、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が、PPARα遺伝子発現レベルを有意に増加させて、内臓脂肪・皮下脂肪のもととなるトリグリセリド(中性脂肪)を有意に低下させ、また、アディポネクチン遺伝子発現レベルを有意に増加させたことによるものと考えられる。
さらには、ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液が、PPARγ遺伝子発現レベルを有意に増加させて、血糖値の増加を有意に抑制するとともに、脂肪細胞の分化を促進して、アディポネクチンやレプチンの分泌を促進させたことによるものと考えられる。
以上、本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬について、実施例を用いて説明したが、本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬は、実施例の記載に限定されるものではない。例えば、卵巣機能欠落生体は、両側の卵巣が除去された生体に限られるものではなく、卵巣は存在するが卵巣としての機能が停止している生体であってもよい。
本発明の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品及び卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬は、生殖機能が欠落した生体に起こり得る障害や疾患の治療・予防が求められる分野の他、生殖機能が低下した生体に起こり得る障害や疾患の治療・予防が求められる分野に有用である。

Claims (4)

  1. 卵巣機能欠落生体における内臓脂肪の蓄積を抑制するための飲食品であって、
    ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液を含んでなることを特徴とする、卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品。
  2. 前記卵巣機能欠落生体が卵巣除去生体であることを特徴とする請求項1に記載の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品。
  3. 前記卵巣機能欠落生体が卵巣機能停止生体であることを特徴とする請求項1に記載の卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制飲食品。
  4. 卵巣機能欠落生体における内臓脂肪の蓄積を抑制するための医薬であって、
    ハナビラタケ子実体の粉末懸濁液を含んでなることを特徴とする、卵巣機能欠落生体の内臓脂肪蓄積抑制薬。
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