JP7437725B2 - 二酸化炭素の熱分解方法と二酸化炭素の熱分解触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、二酸化炭素の熱分解方法と二酸化炭素の熱分解触媒に関し、より詳細には、チタン系ペロブスカイト化合物を触媒として用いるものに関する。
温室効果ガス削減のため、二酸化炭素を回収する技術は世界レベルで最も重要な課題の一つとなっている。気候変動に関する政府間パネルでは、2050年までに二酸化炭素排出量を実質0にする目標を立てており、この目標に従って、様々な技術開発がなされている。主には二酸化炭素を回収した後に、地底・海底に埋蔵する技術(特許文献1参照)と二酸化炭素を他の化学物質に変換して利用する技術(特許文献2参照)である。前者は二酸化炭素がリークして再度大気中に排出されないように適切に管理していく必要があり、ハザードの危険が常に付きまとうため、管理を含めたコストは極めて高くなるのに対し、後者は回収した二酸化炭素を積極的に利用していくCarbon Capture and Utilization (CCU)技術であり、貯蔵に伴う問題から解放される。
CCU技術には、回収した二酸化炭素を金属触媒(特許文献3参照)や藻類(特許文献4参照)で分解し、エタノールやメタンに変換する技術がある。エタノールやメタンは自動車や飛行機の燃料となる。中でも光触媒や藻類は太陽光を二酸化炭素変換のエネルギー源とするため、二酸化炭素削減に効果が期待される。金属光触媒の二酸化炭素変換量は数μmol g-1 h-1~数十μmol g-1 h-1であり、植物の変換量に匹敵する。藻類では二酸化炭素変換量は数百μmol g-1 h-1~数千μmol g-1 h-1であり有効に二酸化炭素をエネルギー源とすることができる(非特許文献1参照)。
上述のように光を二酸化炭素変換エネルギーとして用いる技術だけでなく、熱を二酸化炭素変換エネルギーとして用いる技術も開発されており、工場などの排熱を駆動力とした熱分解システムでは、600℃以上850℃以下で二酸化炭素と水をメタノールと酸素に変換し(特許文献5参照)、1200℃以上では、一酸化炭素に変換できる(非特許文献2参照)。
特許5640168号公報 特開2018-199103号公報 特開2019-001760号公報 特表2018-533967号公報 特開2001-322958号公報 特表2013-518019号公報 特開2010-274258号公報
Wang et al.,AEROSOL AIR QUAL RES.,2014,14 533-549 Qingqing Jiang et al.,Chem Commun.,2017,53,118 Jiahe Liu, et al.,Fuel Process.Technol.,2010,91,419-423 株式会社三菱総合研究所,平成24年度新エネルギー導入促進基礎調査(省エネルギー・再生可能エネルギーに関連する熱の有効利用促進施策に関する調査)報告書,2013年 Wan-Hui Wang et al.,Chem. Rev.2015,115,12936-12973
これまで、様々なCCU技術が開発されているが、従来の技術では二酸化炭素分解触媒は、エネルギー変換効率が低く、分解・変換の際に大量のエネルギーを消費する。そのため、エネルギー消費によるCO増加量を鑑みるとCOの削減になっていない。この問題点を解決するための様々な技術開発がなされているところである。
太陽光エネルギーを用いて二酸化炭素を分解する光触媒では、二酸化チタンがよく用いられる。二酸化チタンだけでは変換効率が低いので、二酸化チタンを多孔質鉱物など、ほかの物質に付着して触媒を形成するが、付着が十分でなく剥落する恐れがある。
また、藻類を用いた技術では、設備と運用コストが課題となる。藻類システムを実行するには、多くの設備を用意する必要がある。また、藻類を入れるタンク内は光がブロックされないよう清掃をこまめに行わなければならない。さらに1gの藻類には最大1Lの水が必要である。したがって、藻類で二酸化炭素を分解するためには多くのスペースと水資源が必要となる。また、COを変換して得られる燃料は藻類から分離しなければならないため、分離工程が複雑になる。さらに、藻類は環境の変化に敏感であるため金属触媒と比べて安定性が低い。そのため、環境のわずかな変化がバイオマスの成長や副産物の量に影響を与える可能性がある。
そこで、光エネルギーに頼らない二酸化炭素の変換技術として熱を組み合わせたシステムがある。二酸化炭素を変換する熱分解では、前述の通り600℃以上850℃以下で二酸化炭素と水をメタノールと酸素に変換し(特許文献5参照)、1200℃以上では、一酸化炭素に変換できる(非特許文献2参照)。また、反応温度を下げるためにレアメタルを触媒とした分解反応技術も開発されており、このとき用いられる触媒は反応効率の良いNiなどのレアメタルやPbである。例えば、Ni触媒を用いて800~1000℃で二酸化炭素を一酸化炭素に分解する(特許文献6参照)。あるいは、750℃でメタンに還元できる(非特許文献3参照)。しかしながら、一般的に工場から出る排熱は500℃以下の中低温熱の排熱が95%を占めており(非特許文献4参照)、上記の反応は比較的高温領域での反応になるため、必要な温度にするためにガスを再加熱しなければならず、高温熱源を必要とする問題がある。
一方で、高温熱源を使用しない二酸化炭素分解法として、磁場、熱エネルギーを組み合わせて反応を高める技術(特許文献7参照)がある。しかし、このときかける磁場が2000~5000ガウスであり、温度が350~550℃を必要とする。比較的低温熱源での二酸化炭素の分解が可能となるが、強力な磁力を与え続けるためのエネルギーが大きくなる問題がある。
また、上記技術に共通した問題として、二酸化炭素は大気中に0.04%しか存在しないために、変換効率が低くなる。大気では触媒反応を引き起こすには濃度が低い。そこで、水溶液中に溶解するか、濃集させて高圧にてシステムに導入するという手法がとられている。このとき圧力は10~50気圧となっており、熱を組み合わせたシステムでも、大気圧から数気圧必要となるシステムが多いため(非特許文献5参照)高圧化が必要となる問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、上記従来技術の欠点である分解・変換の際に大量にエネルギーを消費する問題、高濃度でしか反応しない問題を解決するため、排熱や地熱などの中低温熱(400~500℃)を利用した、低二酸化炭素濃度でのCCU技術を提供することを目的とする。特に、中低温熱として排熱を利用することにより、実質的にゼロエネルギーでの二酸化炭素分解・変換が可能となる熱分解方法である。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、チタン系ペロブスカイト触媒のナノスケール化(粒子径が、30nm以下)によって、触媒の表面積が大きく、気体が吸着できるサイトが多いため、二酸化炭素との親和性が高く、中低温領域で二酸化炭素の分解を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、触媒自体をナノスケール化することで、多孔質鉱物やレアメタルの担持を行う必要がないため、付着が不十分で剥落するという課題は克服される。また、低圧での二酸化炭素の分解が可能になるため、熱エネルギーのみを利用するシンプルなシステムで作動する。すなわち複数のエネルギーを組み合わせるなど複雑なシステムを構築しなくてもよい。なお、触媒自体に、このように異種金属をドープした触媒でも使用することができる。
そして、本発明の一観点に係る二酸化炭素の熱分解方法は、中低温熱の熱源を利用した二酸化炭素の熱分解方法であって、粒子径が30nm以下のチタン系ペロブスカイト化合物を触媒として用いることを特徴とするものである。
さらに、粒子径が10nm以下であることを特徴とするものである。
さらに、チタン系ペロブスカイト化合物が、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム及びチタン酸ストロンチウムからなる群より選択される少なくとも1種である。
さらに、中低温熱の温度が450℃以下であることを特徴とするものである。
さらに、熱源が、排熱又は地熱であることを特徴とするものである。
また、本発明の他の観点に係る二酸化炭素の熱分解触媒は、粒子径が30nm以下のチタン系ペロブスカイト化合物を含有するものである。
本発明によれば、二酸化炭素を回収した後、親和性が高く比表面積の大きい触媒を用いることで二酸化炭素を低圧かつ中低温熱(400~500℃)で熱分解できる。そのため工場での排熱や地熱などの中低温熱(400~500℃)を利用して二酸化炭素を有価物に変換できるので実質ゼロエネルギーで二酸化炭素を削減できる利点がある。
また、このとき生成物として炭素と酸素が得られる。炭素はグラファイトやカーボンブラックといった炭素材料の製造に利用できる。また、得られた炭素材料をプレスなどの加工によって自動車・航空機のパーツに用いられるシート状の炭素繊維製品に成型できる。また、酸素は、人類の生命活動に必須であることは言うまでもなく、酸素療法や、酸素カプセルに使用されるため、利用価値が非常に高い。
合成した様々な粒子径のチタン酸バリウムおよびチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムの77Kにおける窒素吸着測定の結果を示す図である。 合成したチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムのX線回折測定の結果を示す図である。 様々な粒子径のチタン酸バリウムおよびチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムによる二酸化炭素の熱重量測定の結果を示す図である。 チタン酸バリウムに427℃で二酸化炭素を16時間導入した前後のチタン酸バリウムのラマン分光測定の結果を示す図である。 図3の熱重量測定の結果から、反応した二酸化炭素量を、各粒子径に対しプロットしたグラフを示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
触媒として用いられるチタン系ペロブスカイト化合物(ATiO)は、粒子径30nm以下が好ましく、さらに好ましくは10nm以下である。また、二酸化炭素の分解可能温度は450℃以下が好ましい。
また、二酸化炭素以外存在しない雰囲気下の場合、二酸化炭素の分解は、一般式<化1>または一般式<化2>の反応になる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
本実施例ではゾルゲル法を用いて合成した、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)を触媒としており、熱エネルギーによって、二酸化炭素を分解するものである。
チタン系ペロブスカイト化合物(ATiO)の合成法は以下の通りである。
Ba(OCHCHまたはCa(OCHCH、Sr(OCH(CHおよびTi(OCH(CHを化学量論比で[Ti]=200mMかつBa(またはCa、Sr):Ti=1:1となるようにmethanol,2-methoxirthanolからなる混合溶媒に溶解させ、各濃度に調整し、これを原料溶液とした。3時間以上の撹拌の後に耐圧容器に移し、蒸留水をBa(またはCa、Sr):Ti:HO=1:1:5となるよう添加、密閉し電気炉にて127℃で24時間の加熱処理によりゾルゲル合成を行った。溶液を耐圧容器に移すまでの操作は窒素雰囲気下で行った。自然冷却後反応溶液を回収し、10000rpm、20分間の条件で遠心分離を行い、沈殿を採取した。回収した沈殿は常温で6時間以上真空乾燥した。また、1μmの孔径のろ紙を用いて100℃の沸騰水で精製した。その後、チタン酸バリウムに関して、電気炉にて427℃~1227℃の各温度で加熱し、加熱なしのサンプルと合わせて様々な粒子径を持つチタン酸バリウムを得た。
図1は合成した様々な粒子径のチタン酸バリウムおよびチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムの77Kにおける窒素吸着測定の結果である。得られた吸着等温線から、相対圧0.05~0.35におけるBET解析によると、合成したチタン酸バリウムの比表面積は93、52、35、27、17、12、3.9、2.0、0.86m-1であった。また、比表面積から球形近似のもと算出した粒子径はそれぞれ、11、19、29、37、60、83、250、500、1200nmであった。同様に、合成したチタン酸カルシウムの表面積は65、1.4m-1であった。粒子径はそれぞれ、23、1100nmであった。チタン酸ストロンチウムの表面積は42、1.1m-1であった。粒子径はそれぞれ、29、1200nmであった。
図2は合成したチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムのX線回折測定の結果である。
チタン酸バリウムのX線回折測定によると、参考文献のチタン酸バリウム(Waesche,R.,et al.,Mater Res Bull.,1981,16,497-500)と比較して、同じ位置にピークが確認できることから、どのサンプルもチタン酸バリウム結晶が合成できていることがわかる。なお、495nm以下の粒子では、正方晶(a=b≠c)から立方晶に相転移が起きることから座標系(a,b,c)のうちa=b=cとなるため、(001)面と(100)面(22°付近)や、(101)面と(110)面(31°付近)、(200)面と(002)面(45°付近)などが重なって一つのピークとなっている。また、粒子が小さくなるほどピークがブロードとなり、Braggの式(2dsinθ=nλ)から、面間隔が広がるため、ピークが低角側にシフトしている。
同様に、チタン酸カルシウムのX線回折測定によると、参考文献のチタン酸カルシウム(Kay,H.et al.,Acta Crystallogr.,1957,10,219-226)と比較して、同じ位置にピークが確認できるため、どのサンプルもチタン酸カルシウム結晶を合成できていることがわかる。
また、チタン酸ストロンチウムの場合も、X線回折測定によると、参考文献のチタン酸ストロンチウム(Tsuda,K.et al.,Acta Cra\ystallogr.,1995,51,7-19)と比較して、同じ位置にピークが確認できるため、どのサンプルもチタン酸ストロンチウム結晶を合成できていることがわかる。
図3は様々な粒子径のチタン酸バリウムおよびチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムによる二酸化炭素の熱重量測定の結果である。前処理として427℃で酸素を8時間導入しサンプル表面にある有機物や炭素を燃焼させた。これを図3の初期時間とし、二酸化炭素を4時間導入後、8時間酸素を導入した。なお、導入したガスの流量は全て100mL/minである。一般に427℃では二酸化炭素の物理吸着はみられないため、図3の熱重量変化は二酸化炭素の還元分解反応による還元炭素量とみなせる。
二酸化炭素を4時間導入する前後の質量変化は、粒子径が11、19、29、37、60、83、250、500、1200nmのチタン酸バリウムではそれぞれ、2.0、0.33、0.23、0.14、0.11、0.12、0.22、0.03、0.0005wt%であり、粒子が小さいほど重量増加量が大きいことがわかった。反応性は比表面積と比例しておらず、結晶性の高い500nm以上のチタン酸バリウムはほとんど反応しないのに対し、数十nmのチタン酸バリウムでは反応性が著しく増大した。
同様の解析をチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムにも行った。質量変化は、粒子径が23、1100nmのチタン酸カルシウムではそれぞれ、2.1、0.07wt%であった。粒子径が29、1200nmのチタン酸ストロンチウムではそれぞれ、0.14、0.09wt%であった。
次に、図4はチタン酸バリウムに427℃で二酸化炭素を16時間導入した前後のチタン酸バリウムのラマン分光測定の結果である。チタン酸バリウムでは、1300、1450、1660cm-1付近にチタン酸バリウム由来のピークがみられる。11nmのチタン酸バリウムでは二酸化炭素導入により、1320、1450、1600cm-1にピークが現れた。1450cm-1のピークはチタン酸バリウム由来のピークと考えられるが、1320と1600cm-1、特に1600cm-1のピークはチタン酸バリウムではみられない。
炭素材料の代表例としてカーボンブラックのラマンピークは1350、1600cm-1でみられ、このことから、1320と1600cm-1のピークは炭素材料に由来していると考えられる。ここで、1350cm-1のDバンドはアモルファスカーボンや欠陥、エッジ由来のピークであり、1600cm-1にみられるGバンドは炭素の六角格子内振動に由来するピークであり、ほとんどの炭素材料はDバンド、Gバンドを持つ。一方、粒子径の大きい1200nmのチタン酸バリウムでは、炭素由来のピークが確認できないことから、十分に二酸化炭素の還元反応が起きていないと考えられ、これは熱重量測定の結果と一致する。
すなわち、11nmのチタン酸バリウムの表面で、一般式<化1>または一般式<化2>の還元反応が起き、還元炭素が析出していることを示している。
図5は、図3の熱重量測定の結果から、反応した二酸化炭素量を、各粒子径に対しプロットしたグラフである。粒子径30nm以上では二酸化炭素の反応量はわずかであるのに対し、粒子径30nm以下で反応量が増加し始めることがわかる。特に、粒子径20nmよりも小さいときに、反応性が著しく増加し、粒子径10nmになると二酸化炭素の反応量は粒子径30nmのおよそ10倍になる。すなわち、チタン系ペロブスカイト化合物では、粒子径30nm以下のときに二酸化炭素を還元分解可能であるといえる。
以上、本実施例により、チタン系ペロブスカイト触媒のナノスケール化(粒子径が、30nm以下)によって、触媒の表面積が大きく、気体が吸着できるサイトが多いため、二酸化炭素との親和性が高く、中低温領域で二酸化炭素の分解を実現できることを確認した。
本実施例において、チタン系ペロブスカイト化合物として、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムについて説明したが、チタン系ペロブスカイト化合物である限りにおいて限定されるわけではなく、例えば、チタン酸鉛、チタン酸コバルト、チタン酸ニッケルでも同様の効果を得ることができる。
また、本実施例において、中低温熱の温度として427℃を用いて説明したが、二酸化炭素を分解できる限りにおいて限定されるわけではないが、500℃以下であることが好ましく、より好ましくは450℃以下、更に好ましくは400℃以下である。また、熱源として、再生可能エネルギーを活かした熱源が好ましく、例えば、排熱、地熱、太陽熱、バイオマス熱などが適している。
また、本実施例において、二酸化炭素の熱分解反応は大気圧で実施した結果を示したものであり、特別に加圧する必要がないという利点もある。
本発明は、二酸化炭素を回収した後、親和性が高く比表面積の大きい触媒を用いることで二酸化炭素を低圧かつ中低温熱(400~500℃)で熱分解できる二酸化炭素の熱分解方法と二酸化炭素の熱分解触媒として、産業上利用可能である。

Claims (6)

  1. 中低温熱の熱源を利用した二酸化炭素の熱分解方法であって、
    粒子径が30nm以下のチタン系ペロブスカイト化合物を触媒として用いて、二酸化炭素を炭素と酸素とに分解することを含み、
    前記中低温熱の温度が400~500℃であることを特徴とする二酸化炭素の熱分解方法。
  2. 前記粒子径が10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の熱分解方法。
  3. 前記チタン系ペロブスカイト化合物が、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム及びチタン酸ストロンチウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の二酸化炭素の熱分解方法。
  4. 前記熱源が、排熱又は地熱であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の二酸化炭素の熱分解方法。
  5. 粒子径が30nm以下のチタン系ペロブスカイト化合物を含有する二酸化炭素の熱分解触媒であって、前記二酸化炭素の熱分解が、二酸化炭素を炭素と酸素とに分解することを含んでなる、二酸化炭素の熱分解触媒
  6. 前記二酸化炭素の熱分解に、400~500℃の熱源を利用することを含んでなる、請求項5に記載の二酸化炭素の熱分解触媒
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大場友則,ナノセラミック触媒による二酸化炭素からのナノカーボン創製,科学研究費助成事業研究成果報告書,日本,2019年03月29日,https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-15K12261/15K12261seika/
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