JP7437283B2 - 電子時計、通常駆動パルスの駆動ランク選択方法 - Google Patents

電子時計、通常駆動パルスの駆動ランク選択方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子時計、及び通常駆動パルスの駆動ランク選択方法に関する。
特許文献1には、ロータの回転に応じて指針を運針させる電子時計において、駆動力の異なる複数の通常駆動パルスによりロータを駆動することにより消費電力を低減可能な電子時計が開示されている。
特開2018-173419号公報
ここで、駆動力の異なる複数の通常駆動パルスを用いる構成においては、ある駆動ランクで高止まりしてしまい、ロータが回転しているにも関わらず、駆動ランクをダウンさせることができなくなる場合があった。それにより、必要以上に電力を消費してしまう場合があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、消費電力を抑制可能な電子時計、及び通常駆動パルスの駆動ランク選択方法を提供することにある。
(1)ロ-タとコイルを含むステップモータと、前記ステップモータを駆動させる通常駆動パルスを生成し、出力する通常駆動パルス生成回路と、前記通常駆動パルスの出力後、前記ロ-タの自由振動より前記コイルに生じる逆起電流に基づいて前記ロ-タが回転したか否かを検出する回転検出回路と、前記回転検出回路による検出結果に基づいて、前記通常駆動パルスの駆動ランクを選択する駆動ランク選択回路と、を有し、前記駆動ランクは、特定の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクダウンされる場合に選択される第1の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクアップされる場合に選択される第2の駆動ランクと、を少なくとも含み、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合と、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合とで、前記駆動ランクの選択に関して異なる制御を行う、電子時計。
(2)(1)において、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、前記回転検出回路による検出結果に関わらず、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、電子時計。
(3)(1)において、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、前記回転検出回路により前記ロータが回転していないことが検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、電子時計。
(4)(3)において、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、前記回転検出回路により前記ロータが回転していることが第1の回数連続して検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、電子時計。
(5)(4)において、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、前記回転検出回路により前記ロータが回転していることが少なくとも1回以上検出され、かつ前記第1の回数連続して検出されなかった場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第2の駆動ランクを選択する、電子時計。
(6)(1)において、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、前記回転検出回路により前記ロータが回転していないことが、2以上の所定の回数である第2の回数連続して検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第2の駆動ランクを選択する、電子時計。
(7)(6)において、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、前記回転検出回路により前記ロータが回転していることが第1の回数検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、電子時計。
(8)(1)において、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、電子時計。
(9)(1)~(8)のいずれかにおいて、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクの通常駆動パルスを選択し、前記回転検出回路により前記ロータが回転していることが第3の回数連続して検出された場合、前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、電子時計。
(10)(1)~(9)のいずれかにおいて、前記駆動ランク選択回路は、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクの通常駆動パルスを選択し、前記回転検出回路により前記ロータが回転していないことが検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第2の駆動ランクを選択する、電子時計。
(11)(1)~(10)のいずれかにおいて、前記駆動ランクは、互いに駆動力の異なる前記特定の駆動ランクを複数含む、電子時計。
(12)ロ-タとコイルを含むステップモータを駆動させる通常駆動パルスを生成し、出力するステップと、前記通常駆動パルスの出力後、前記ロ-タの自由振動より前記コイルに生じる逆起電流に基づいて前記ロ-タが回転したか否かを検出するステップと、前記回転が回転したか否かの検出結果に基づいて、前記通常駆動パルスの駆動ランクを選択するステップと、を有し、前記駆動ランクは、特定の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクダウンされる場合に選択される第1の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクアップされる場合に選択される第2の駆動ランクと、を少なくとも含み、前記駆動ランクを選択するステップにおいて、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合と、前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合とで、前記駆動ランクの選択に関して異なる制御を行う、通常駆動パルスの駆動ランク選択方法。
上記本発明の(1)~(12)の側面によれば、消費電力を抑制できる。
本実施形態に係る電子時計の全体構成の概要を示すブロック図である。 本実施形態において出力される各パルスの波形の一例を示す図である。 本実施形態の回転検出動作において回転判定がなされる場合の一例を示す波形図である。 本実施形態において出力される通常駆動パルス及び補正駆動パルスの一例を示す図である。 通常駆動パルスの出力により発生する波形と、ロータの減衰振動について説明する図である。 通常駆動パルスの出力により発生する波形と、ロータの減衰振動について説明する図である。 通常駆動パルスの出力により発生する波形と、ロータの減衰振動について説明する図である。 本実施形態における回転検出動作に基づく通常駆動パルスのランク選択制御の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における駆動ランクの選択の一例を示す図である。 本実施形態における駆動ランクの選択の一例を示す図である。 本実施形態における駆動ランクの選択の一例を示す図である。 本実施形態の第1変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。 本実施形態の第1変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。 本実施形態の第1変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。 本実施形態の第2変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。 本実施形態の第2変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。 本実施形態の第3変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。 本実施形態の第4変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態)について図面に基づき詳細に説明する。
[電子時計100の概要]
まず、図1、図2を参照して、本実施形態に係る電子時計100の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る電子時計の全体構成の概要を示すブロック図である。図2は、本実施形態において出力される各パルスの波形の一例を示す図である。
図1に示すように、電子時計100は、電源1と、基準信号生成回路2と、通常駆動パルス生成回路3と、補正駆動パルス生成回路4と、回転検出パルス生成回路5と、セレクタ6と、ドライバ回路7と、ステップモータ8と、回転検出回路9と、駆動ランク選択回路10とを含む。
[電子時計100の概要:ステップモータ8]
ステップモータ8は、ロータRT、コイルC、ステータ(不図示)を含んで構成されており、ロ-タRTの回転により指針(秒針)を運針させる。ロータRTは2極磁化された円盤状の回転体であり、径方向にN極、S極に着磁されている。ステータは軟磁性材により成り、単相のコイルCが巻装されている。単相とはコイルが1個であり、後述の各パルスを入力する端子が2個(端子O1、O2)であることを意味している。
[電子時計100の概要:基準信号生成回路2]
基準信号生成回路2は、不図示の水晶振動子の発振により基準クロックを生成する発振回路21と、発振回路21からの基準信号を分周する分周回路22とを含む。
[電子時計100の概要:通常駆動パルス生成回路3]
通常駆動パルス生成回路3は、基準信号生成回路2から出力される基準信号に基づいて通常駆動パルスSPを生成し、出力する。通常駆動パルスSPは、単位秒(正秒、1[sec])毎に、指針を1ステップ分駆動させるために出力されるものである。図2(a)においては、0.5[ms]毎に断続的に出力される複数の単パルスを含み、出力期間が4[ms]である通常駆動パルスSPが、単位秒毎に出力される例を示している。
[電子時計100の概要:補正駆動パルス生成回路4]
補正駆動パルス生成回路4は、基準信号生成回路2から出力される基準信号に基づいて補正駆動パルスFPを生成し、出力する。補正駆動パルスFPは、ステップモータ8が非回転の場合、又は、回転したか否かが不確実な場合に、ステップモータ8のロータRTを強制的に回転させるために出力されるパルスである。図2(d)においては、通常駆動パルスSPの出力が開始されてから32[ms]後に出力される、出力期間が7[ms]の補正駆動パルスFPを示している。
[電子時計100の概要:回転検出パルス生成回路5]
回転検出パルス生成回路5は、基準信号生成回路2から出力される基準信号に基づいて回転検出パルスを生成し、出力する。回転検出パルスは、ステップモータ8のロ-タRTが回転したか否かを検出するために出力されるものである。
[電子時計100の概要:回転検出回路9]
回転検出回路9は、判定回路90を含んでいる。判定回路90は、第1判定部91と、第2判定部92を有している。第1判定部91は、第1検出モードにおいて、閾値Vth以上の誘起電圧が検出されたか否かを判定する。第2判定部92は、第2検出モードにおいて、閾値Vth以上の誘起電圧が検出されたか否かを判定する。なお、本実施形態においては、第1検出モード及び第2検出モードで用いる閾値Vthを共通とする例について説明するが、異なる閾値を用いてもよい。
回転検出回路9は、判定回路90による判定結果をセレクタ6及び駆動ランク選択回路10へ出力する。具体的には、回転検出回路9は、閾値Vth以上の誘起電圧を回転検出信号として検出し、その回転検出信号をセレクタ6及び駆動ランク選択回路10へ出力する。
ステップモータ8のコイルCに通常駆動パルスSPが供給されると、ステップモータ8のステータは磁化され、ロータRTは振動し、しだいに振幅が小さくなる。このときのロータRTの減衰振動はコイルCへの磁束変化となり、電磁誘導による逆起電力が発生してコイルCに誘起電流(逆起電流)が流れる。回転検出回路9は、通常駆動パルスSPが出力された後、コイルCに発生する誘起電流に基づいて、ステップモータ8のロータRTが回転したか否かを検出する回転検出動作を行う。
以下の説明において、回転検出回路9により、ステップモータ8のロータRTが回転したと判定されたことを「回転判定」と呼び、回転していないと判定されたことを「非回転判定」と呼ぶこととする。
本実施形態においては、回転検出動作において、第1検出モードと、第1検出モードにおいて所定条件を満たした場合に開始される第2検出モードにより回転検出を行う例について説明する。
第2検出モードは、回転が成功したこと、すなわち、ロ-タRTが磁気ポテンシャルの山を越えたことを検出するものである。第2検出モードの前に、第1検出モードを行うことにより、まだロ-タRTの回転が終了していないのにもかかわらず、磁気ポテンシャルを超えた信号を回転検出信号として誤って検出してしまうことを防止することができる。すなわち、第1の実施形態においては、第1検出モードと第2検出モードの2段階で回転検出を行うことにより、精度良く回転検出できる。
図2(b)においては、第1検出モードにおいて回転検出パルス生成回路5により出力される回転検出パルスB5~B14を示している。なお、回転検出パルスB5~B14のうち数字5~14は、通常駆動パルスSPの出力が開始された時点からの経過時間に対応している。すなわち、図2(b)に示す回転検出パルスB5~B14は、通常駆動パルスSPの出力が開始された時点から5[ms]後に出力が開始され、14[ms]後に出力が終了する、出力間隔が0.5[ms]のパルスである。なお、第2検出モードへの移行に伴い第1検出モードは終了するため、第1検出モードが終了した時点で回転検出パルスB5~B14の出力は終了するとよい。
また、図2(c)においては、第2検出モードにおいて回転検出パルス生成回路5により出力される回転検出パルスF6.5~F14を示している。なお、回転検出パルスF6.5~F14のうち数字6.5~14は、通常駆動パルスSPの出力が開始された時点からの経過時間に対応している。すなわち、回転検出パルスF6.5~F14は、通常駆動パルスSPの出力が開始された時点から6.5[ms]後に出力が開始され、14[ms]後に出力が終了する、出力間隔が0.5[ms]のパルスである。なお、第2検出モードが終了した時点で回転検出パルスF6.5~F14の出力は終了するとよい。
本実施形態において、回転検出パルスB5~B14は通常駆動パルスSPが出力されたコイルCの端子の反対側の端子に出力される。すなわち、指針を運針させるために通常駆動パルスSPがコイルCの端子O1に出力された場合、回転検出パルスB5~B14は、コイルCの端子O2に出力される。そして、回転検出回路9は、コイルCを含む閉ループのインピーダンスを急激に変化させることにより、通常駆動パルスSP出力後のロータRTの自由振動によって発生する誘起電圧を検出する。
一方、回転検出パルスF6.5~F14は、通常駆動パルスSPが出力されたコイルCの端子と同じ側の端子に出力される。すなわち、指針を運針させるために通常駆動パルスSPがコイルCの端子O1に出力された場合、回転検出パルスF6.5~F14は、コイルCの端子O1に出力される。そして、回転検出回路9は、コイルCを含む閉ループのインピーダンスを急激に変化させることにより、通常駆動パルスSP出力後のロータRTの自由振動によって発生する誘起電圧を検出する。
ここで、図3を参照して、本実施形態の回転検出動作において検出される波形について具体的に説明する。図3は、本実施形態の回転検出動作において回転判定がなされる場合の一例を示す波形図である。図3(a)は、コイルCに誘起される電流波形の一例を示している。図3(b)は、第2検出モードにおいて検出される回転検出信号(誘起電圧)の一例を示している。図3(c)は、第1検出モードにおいて検出される回転検出信号(誘起電圧)の一例を示している。
図3(a)に示す波形c1は、通常駆動パルスSPがコイルCに出力された際の電流波形である。通常駆動パルスSPの出力が終了すると、ロータRTは自由振動状態となり、電流波形はc2、c3、c4に示す誘導電流波形となる。
通常駆動パルスSPの出力開始時点から5[ms]が経過した時点で、第1検出モードにおける、回転検出パルスB5(図2参照)がコイルCの端子O2に出力される。図3(a)に示すように5[ms]が経過した時点では電流波形は電流波形c2の領域にあり、電流値は負方向である。したがって、図3(c)に示すように回転検出パルスB5によって生じる誘起電圧V5は、閾値Vthを超えることはない。
通常駆動パルスSPの出力開始時点から6.5[ms]が経過した時点では電流波形は電流波形c3の領域になり、電流値は正方向に変わる。図3(c)に示すように、回転検出パルスB6.5によって生じる誘起電圧V6.5は閾値Vthを超えた回転検出信号となる。同様に、7[ms]、7.5[ms]でも電流波形は電流波形c3の領域にあり、回転検出パルスB7、B7.5によって生じる誘起電圧V7、V7.5は閾値Vthを超えた回転検出信号となる。誘起電圧V6.5、V7、V7.5の3つの誘起電圧が閾値Vthを超えたことで、第1検出モードが終了し、第2検出モードに切り換わる。
第2検出モードにおいて、第1検出モードで最後に出力された回転検出パルスの次の回転検出パルスが出力されるタイミング、すなわち、通常駆動パルスSPの出力開始時点から8[ms]が経過した時点で、コイルCの端子O1に回転検出パルスF8(図2(c)参照)が出力される。
図3(a)に示すように8[ms]が経過した時点では電流波形は電流波形c3の領域にあり、電流値は正方向にある。したがって、図3(b)に示すように回転検出パルスF8によって生じる誘起電圧V8は閾値Vthを超えることはない。
図3(a)に示すように9.5[ms]が経過した時点では電流波形は電流波形c4の領域になり、電流値は負方向に変わる。図3(b)に示すように、回転検出パルスB9.5によって生じる誘起電圧V9.5は閾値Vthを超えた回転検出信号となる。同様に、10[ms]でも電流波形は電流波形c4の領域にあり、回転検出パルスB10によって生じる誘起電圧V10は閾値Vthを超えた回転検出信号となる。誘起電圧V9.5、V10の2つの誘起電圧が閾値Vthを超えたことで、判定回路90により回転判定がなされ、第2検出モードを終了する。そして、補正駆動パルスFPを出力することなく、駆動ランク選択回路10が次回出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクを維持する。
なお、本実施形態においては、第1検出モードにおいて3つの回転検出信号が検出され、かつ第2検出モードにおいて2つの回転検出信号が検出された場合に回転判定がなされる例について示したが、これに限られるものではない。
[電子時計100の概要:セレクタ6]
セレクタ6は、回転検出回路9の検出結果に基づいて、通常駆動パルスSP、補正駆動パルスFP、回転検出パルスのいずれを出力するか選択し、選択したパルスをドライバ回路7に出力する回路である。なお、セレクタ6は駆動ランク選択回路10の機能を兼ねていてもよい。すなわち、セレクタ6が、回転検出回路9の検出結果に基づいて、通常駆動パルスSPの駆動ランクを選択し、通常駆動パルス生成回路3を制御する構成であってもよい。
[電子時計100の概要:ドライバ回路7]
ドライバ回路7は、セレクタ6から入力されたパルスに応じた信号(駆動波形)をステップモータ8のコイルCの端子O1、O2に出力する。
[電子時計100の概要:駆動ランク選択回路10]
本実施形態においては、通常駆動パルス生成回路3は、駆動力の異なる複数の通常駆動パルスSPを生成し、出力可能である。駆動力の異なる複数の通常駆動パルスSPを出力可能としているのは、電子時計100の周囲の環境温度などによって何らかの負荷が加わった場合に、ロータRTが非回転となってしまう場合があるためである。例えば、指針を駆動させる輪列に塗られている油の粘性が変化した場合や、輪列間に粉塵が侵入した場合などにおいて、ロータRTが非回転となってしまう場合がある。また、ロータRTを確実に回転させるために駆動力が十分に大きい通常駆動パルスSPを常時出力した場合、必要以上に消費電力が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態においては、駆動ランク選択回路10は、回転検出回路9の検出結果に基づいて、通常駆動パルスSPの駆動ランクを選択し、通常駆動パルス生成回路3を制御する。駆動ランクは、通常駆動パルスSPのデューティ比に相当する。デューティ比が大きいほど、コイルCに供給される電流量は多くなり、ステップモータ8の駆動力が大きくなる。デューティ比とは、所定の期間内で通常駆動パルスSPのパルスが出力される割合を示す。
例えば、通常駆動パルスSPのデューティ比として1/32、2/32、3/32・・・31/、32、32/32が予め用意されているとよい。デューティ比が大きいほど、駆動力が大きいパルスである。すなわち、デューティ比32/32の通常駆動パルスSPが最大の駆動力(駆動ランク)であり、デューティ比1/32の通常駆動パルスSPが最小の駆動力である。
駆動ランク選択回路10は、回転検出回路9により回転判定がなされた場合、通常駆動パルス生成回路3により出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクを維持させる。ただし、駆動ランクが維持される状態が所定回数に達した場合、駆動ランク選択回路10は、通常駆動パルス生成回路3により出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクダウンさせる。これは、通常駆動パルスSPの駆動力が必要以上に強く、不要に消費電力をしている可能性があるためである。本実施形態においては、回転判定が連続して256回(第3の回数)連続してカウントされた場合、通常駆動パルスSPの駆動ランクを1ランクダウンすることとする(後述の図6参照)。なお、これは一例であって、256回に限られるものではない。
駆動ランク選択回路10は、回転検出回路9により非回転判定がなされた場合、通常駆動パルス生成回路3により出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクアップする。これは、現在出力されている通常駆動パルスSPの駆動力が弱い可能性があるためである。また、回転検出回路9により非回転判定がなされた場合、補正駆動パルス生成回路4により補正駆動パルスFPが出力される。
ここで、図4を参照して、本実施形態における駆動ランクの選択の一例について説明する。図4は、本実施形態において出力される通常駆動パルス及び補正駆動パルスの一例を示す図である。なお、図4においては、「〇」は通常駆動パルスSPの出力後の回転検出動作において回転判定がなされた場合を示している。一方、「×」は通常駆動パルスSP出力後の回転検出動作において非回転判定がなされた場合を示している。また、図4においては、「SP」の後に付される数字は、通常駆動パルスの駆動ランクの大きさを示している。具体的には、「SP3」は「SP2」よりも駆動ランクが大きい通常駆動パルスを示しており、「SP2」は「SP1」よりも駆動力が大きい通常駆動パルスを示している。また、図4の矢印は時間Tの経過を示している。
図4に示す例においては、最初に出力された通常駆動パルスSP1後の回転検出動作において、非回転判定「×」がなされている。そのため、補正駆動パルスFPが出力されると共に、次回出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクアップしている。すなわち、駆動ランク選択回路10が、次回出力される通常駆動パルスとして通常駆動パルスSP2を選択している。
通常駆動パルスSP2出力後の回転検出動作においても、非回転判定「×」がなされている。そのため、補正駆動パルスFPが出力されると共に、次回出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクアップしている。すなわち、駆動ランク選択回路10が、次回出力される通常駆動パルスとして通常駆動パルスSP3を選択している。
通常駆動パルスSP3出力後の回転検出動作においては、回転判定「〇」がなされている。そのため、次回出力される通常駆動パルスの駆動ランクは維持される。すなわち、駆動ランク選択回路10は、次回も通常駆動パルスSP3を選択している。
図4においては、通常駆動パルスSP3の出力が連続して所定回数行われた場合の例を示している。具体的には、通常駆動パルスSP3出力後の回転検出動作において256回連続して回転判定がなされた場合の例を示している。
回転判定が256回連続してなされた後、通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクダウンする。すなわち、駆動ランク選択回路10は、通常駆動パルスSP2を選択している。
通常駆動パルスSP2後の回転検出動作において、非回転判定「×」がなされている。そのため、補正駆動パルスFPが出力されると共に、次回出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクアップしている。すなわち、駆動ランク選択回路10が、次回出力される通常駆動パルスとして通常駆動パルスSP3を選択している。
以上、図4を参照して、駆動ランク選択回路10による駆動ランクの選択の一例について説明した。ただし、本実施形態において、駆動ランク選択回路10は、今回出力する通常駆動パルスSPとして特定の駆動ランクを選択する場合であって、前回出力した通常駆動パルスSPの駆動ランクが特定の駆動のランクよりも高い場合、回転検出回路9による検出結果に関わらず、次回出力する通常駆動パルスSPとして特定の駆動ランクよりも低い駆動ランクを選択する。なお、特定の駆動ランクにおける駆動ランクの選択の詳細については後述することとする。
[回転検出動作における誤検出について]
ここで、図5A~図5Cを参照して、回転検出動作における誤検出について説明する。図5A~図5Cは、通常駆動パルスの出力により発生する波形と、ロータの減衰振動について説明する図である。図5A、及び図5Cは、回転判定される場合の例を示している。図5Bは、回転しているにも関わらず、非回転判定される場合の例を示している。
図5A(1)、図5B(1)、図5C(1)は、図3(a)で示したものと同様に、コイルCに誘起される電流波形の一例を示している。図5A(2)、図5B(2)、図5C(2)は、図5A(1)、図5B(1)、図5C(1)の電流波形にそれぞれ対応するロータRTの動作を示している。なお、図5A(1)、図5B(1)、図5C(1)においては、第1検出モード及び第2検出モードの開始位置、終了位置を破線により示すが、これは一例であって、図示の例に限られるものではない。
また、図5A(1)、図5A(2)においては、デューティ比18/32の通常駆動パルスSPが出力された場合の例を示しており、図5B(1)、図5B(2)においては、デューティ比19/32の通常駆動パルスSPが出力された場合の例を示しており、図5C(1)、図5C(2)においては、デューティ比20/32の通常駆動パルスSPが出力された場合の例を示している。
図5A(2)、図5B(2)、図5C(2)のロータRTの動作を示す図において、太線の矢印は、通常駆動パルスSPの出力期間におけるロータRTの回転動作を示している。また、細線の矢印A、B、Cは、通常駆動パルスSP出力後のロータRTの減衰振動を示している。また、ロータRTが減衰振動後に停止する位置、すなわち、ロータRTが安定する位置を「静的安定点」として示している。ロータRTは、静的安定点を中心に減衰振動することとなる。
図5A(2)に示すように、デューティ比18/32の通常駆動パルスSPの出力によりロータRTが時計回りに回転した後静的安定点を通過し(矢印A)、ロータRTは減衰振動により、静的安定点に戻る方向、すなわち反時計周りに移動する(矢印B)。その後静的安定点を通過し、さらに時計回りに移動する(矢印C)。この減衰振動が、コイルCに誘起される電流波形となり、図5A(1)に示す波形として現れる。
具体的には、デューティ比18/32の場合において、図5A(2)に示す矢印Aの動きに基づいて、電流値が正方向の波形が発生する。これは、図3(a)に示す電流波形c3に対応する波形である。また、図5A(2)に示す矢印Bの動きに基づいて、電流値が負方向の波形が発生する。これは、図3(a)に示す電流波形c4に対応する波形である。回転検出においては、まず第1検出モードで正方向の波形c3に対応して、閾値Vthを超えた3つの回転検出信号が検出される。その後、第2検出モードで負方向の波形c4に対応して、閾値Vthを超えた2つの回転検出信号が検出される。そのため、図5A(1)に示す波形においては、回転判定がなされることとなる。
図5A(2)に示す例においては、通常駆動パルスSPの出力によるロータRTの回転は、静的安定点よりも手前で終了しているが、静的安定点側に引っ張られる力が働くことにより、静的安定点を中心とする振幅は大きくなる。
次に、図5B(2)に示す、デューティ比19/32の場合について説明する。この場合、デューティ比18/32よりも通常駆動パルスSPの駆動力が大きいため、ロータRTの回転速度が速くなる。そのため、通常駆動パルスSPの出力期間中にロータRTは図5B(2)の180°位置を超えて回転する(太線の矢印)。ここで、通常駆動パルスSPによって生じるステータの磁極は、図5B(2)の0°位置と180°位置になるので、ロータRTが180°位置を超えた後も通常駆動パルスSPが出力されていると、磁界によって回転と反対方向に力がかかり、ロータRTの回転は減速する。通常駆動パルスSPの出力期間を過ぎると、ロータRTは、静的安定点を通過し(矢印A)、ロータRTは減衰振動により、静的安定点に戻る方向、すなわち反時計周りに移動する(矢印B)。その後静的安定点を通過し、さらに時計回りに移動する(矢印C)。ただし、デューティ比19/32の場合においては、通常駆動パルスSPの出力期間中にロータRTの回転が減速するため、ロータRTの減衰振動は、デューティ比18/32の場合と比較して小さくなる。そのため、回転検出動作において検出される誘起電圧が小さくなる。その結果、ロータRTが回転しているにも関わらず、第2検出モードにおいて、閾値Vthを超えた2つの回転検出信号を検出できず、非回転判定がなされることとなる。
非回転判定がなされることにより、補正駆動パルスFPが出力されると共に、次回出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクアップすることなる。その結果、ロータRTが回転しているにも関わらず、必要以上に電力を消費してしまう。
続いて、図5C(2)に示す、デューティ比20/32の場合について説明する。この場合、デューティ比19/32よりもさらに通常駆動パルスSPの駆動力が大きいため、ロータRTの回転速度はさらに速くなる。そのため、デューティ比19/32と同様に、通常駆動パルスSPの出力期間中にロータRTは図5B(2)の180°位置を超えて回転し(太線の矢印)、180°位置を超えるとロータRTの回転は減速する。通常駆動パルスSPの出力期間を過ぎると、ロータRTは、静的安定点を通過し(矢印A)、ロータRTは減衰振動により、静的安定点に戻る方向、すなわち反時計周りに移動する(矢印B)。その後静的安定点を通過し、さらに時計回りに移動し(矢印C)、反時計回りに異動する(矢印D)。ただし、デューティ比20/32の場合は、デューティ比が大きくロータRTの回転速度が速いため、180°位置を超えた後に減速したとしてもロータRTの減衰振動は十分大きくなる。そのため、第2検出モードにおいて、矢印Bまたは矢印Dの動きにおいて閾値Vthを超えた2つの回転検出信号が検出され、回転判定がなされることとなる。
以上説明したように、高過ぎず、かつ低過ぎずの所定の駆動ランクにおいて、ロータRTが回転しているにも関わらず、非回転判定となりやすくなってしまう。本実施形態においては、このような駆動ランク、すなわち、図5Bで示したデューティ比19/32の通常駆動パルスSPの駆動ランクを「特定の駆動ランク」と定義する。
なお、回転検出動作における誤検出が生じやすい駆動ランク、すなわち特定の駆動ランクは、時計の輪列構造などの、ロータRTの回転にかかる負荷の大きさによって決まる。そのため、特定の駆動ランクのデューティ比は19/32に限られるものではない。また、同じムーブメントを使用した時計であっても、例えば指針の大きさが異なるなど、外装部材の種類によっても特定の駆動ランクは異なり、時計の種類によっては特定のランクが生じない場合もある。特定の駆動ランクは、出荷前の製品評価などにより予め把握されるとよい。
[デューティロックついて]
デューティ比19/32の通常駆動パルスSPが出力された後、回転検出の誤検出が生じることにより、非回転判定がなされると、次回出力される通常駆動パルスSPのデューティ比は1ランクアップされて20/32となる。その後、回転判定が連続して所定回数なされた場合、出力される通常駆動パルスSPのデューティ比は1ランクダウンされて19/32となる。さらに回転検出の誤検出が生じることにより、非回転判定がなされると、次回出力される通常駆動パルスSPのデューティ比は1ランクアップされて20/32となる。このように、デューティ比19/32とデューティ比20/32を行き来することなり、特定の駆動ランクであるデューティ比19/32から駆動ランクをランクダウンさせることができなくなってしまう。この現象はデューティロックなどと呼ばれる。
そこで、本実施形態においては、駆動ランク選択回路10は、前回出力した通常駆動パルスSPのデューティ比が18/32であって、今回出力する通常駆動パルスSPのデューティ比が19/32である場合と、前回出力した通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であって、今回出力する通常駆動パルスSPのデューティ比が19/32である場合とで、駆動ランクの選択に関して異なる制御を行うこととした。ここで、特定の駆動ランクをデューティ比が19/32とすると、特定の駆動ランクからランクダウンされる場合に選択されるデューティ比が18/32は、第1の駆動ランクであり、特定の駆動ランクからランクアップされる場合に選択されるデューティ比が20/32は、第2の駆動ランクである。
具体的には、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクが特定の駆動ランク(デューティ比19/32)の場合であって、前回出力された通常駆動パルスSPの駆動ランクがデューティ比20/32の場合、回転検出回路9による検出結果に関わらず、次回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクを1ランクダウンさせて18/32とすることとした。以下、本実施形態における通常駆動パルスのランク選択制御について具体的に説明する。
[通常駆動パルスのランク選択制御]
図6は、本実施形態における回転検出動作に基づく通常駆動パルスのランク選択制御の一例を示すフローチャートである。なお、図6は正秒毎の動作を示すものである。
まず、駆動ランク選択回路10が、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクが特定の駆動ランクであるか否かを判定する(ステップST1)。
今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクが特定の駆動ランク以外のランクである場合(ステップST1:N)、セレクタ6が、正秒のタイミングで通常駆動パルスSPを選択、出力する(ステップST2)。
回転検出回路9は、正秒から5[ms]後に回転検出動作を開始する(ステップST3、図2(b)参照)。回転検出動作においては、まず、第1検出モードが行われる。第1検出モードにおいては、セレクタ6が、回転検出パルスを選択、出力する。そして、回転検出回路9が、回転検出パルスに基づいてコイルCに発生する誘起電圧を検出する。
その一方で、回転検出回路9は、第1判定部91により判定動作を開始する。第1判定部91が、回転検出信号を3回検出したとの判定をした場合(ステップST4:Y)、回転検出回路9が、セレクタ6に対して第1検出モードの終了指示を送信すると共に、第2検出モードへの移行指示を送信する。
一方、第1判定部91が、回転検出信号の検出が3回未満であるとの判定をした場合(ステップST4:N)、回転検出回路9は、非回転判定を行い、セレクタ6に対して第1検出モードの終了指示を送信すると共に、補正駆動パルスFPを選択、出力させる(ステップST5)。そして、駆動ランク選択回路10が、次回出力する通常駆動パルスSPとして駆動ランクを1ランクアップさせる(ステップST6)。
第2検出モードに移行した場合(ステップST4:Y)、セレクタ6が、回転検出パルスを選択、出力する。そして、回転検出回路9が、回転検出パルスに基づいてコイルCに発生する誘起電圧を検出する。
その一方で、回転検出回路9は、第2判定部92により判定動作を開始する。第2判定部92が、回転検出信号を2回検出したとの判定をした場合(ステップST7:Y)、回転検出回路9が、セレクタ6に対して第2検出モードの終了指示を送信すると共に、その時点において回転判定がなされた回数が取得される(ステップST8)。
一方、ステップST7において、第2判定部92が、回転検出信号の検出が2回未満であるとの判定をした場合(ステップST7:N)、回転検出回路9は、非回転判定を行い、セレクタ6に対して第2検出モードの終了指示を送信すると共に、補正駆動パルスFPを選択、出力させる(ステップST5)。そして、駆動ランク選択回路10が、次回出力する通常駆動パルスSPとして駆動ランクを1ランクアップさせる(ステップST6)。
第2検出モードの終了後、ステップST8において取得された回転判定の回数が256回である場合(ステップST9:Y)、駆動ランク選択回路10が次回出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクを1ランクダウンさせる(ステップST10)。その後、回転判定回数がリセットされる(ステップST11)。
一方、取得された回転判定の回数が256回に達していない場合(ステップST9:N)、駆動ランク選択回路10は次回出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクを維持する。
ここで、ステップST1において、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクが特定の駆動ランクである場合(ステップST1:Y)、駆動ランク選択回路10は、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクが、前回出力された通常駆動パルスSPの駆動ランクからランクダウンされているか否かを判定する(ステップST12)。今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクが、前回出力された通常駆動パルスSPの駆動ランクからランクダウンされていない場合(ステップST12:N)、すなわち、通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクアップされている又は維持されている場合、上述のステップST2以降の動作を行う。
今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクが、前回出力された通常駆動パルスSPの駆動ランクからランクダウンされている場合(ステップST12:Y)、セレクタ6が、通常駆動パルスSPを選択、出力する(ステップST13)。
その後、回転検出回路9が回転検出動作を行う(ステップST14)。回転検出動作を行うが、その検出結果に関わらず、駆動ランク選択回路10は、次回出力する通常駆動パルスSPとして駆動ランクを1ランクダウンさせる(ステップST15)。
さらに、図7、図8を参照して、本実施形態における駆動ランクの選択の一例について説明する。図7、図8は、本実施形態における駆動ランクの選択の一例を示す図である。
図7A、図7Bは、デューティ比18/32の通常駆動パルスSPからランクアップすることで、特定の駆動ランクであるデューティ比19/32が選択された例を示している。図7A、図7B中の「〇」は通常駆動パルスSPの出力後の回転検出動作において回転判定がなされた場合を示している。一方、図7A、図7B中の「×」は通常駆動パルスSP出力後の回転検出動作において非回転判定がなされた場合を示している。図7A、図7B中の矢印は、回転検出動作後の駆動ランクの推移を示している。なお、t秒は任意の正秒である。以降の図においても同様とする。
図7Aに示す例においては、t秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が18/32であり、出力後の回転検出動作において非回転判定がなされている。そのため、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクアップされる。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として19/32が選択される。
また、図7Aに示す例においては、t+1秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が19/32であり、出力後の回転検出動作において回転判定がなされている。そのため、t秒+2秒で出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクは維持される。その後、t+256秒まで連続して回転検出動作において回転判定がなされている。そのため、t+257秒(図中においては不図示)で出力される通常駆動ランクがランクダウンされる。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+257秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として18/32が選択される。
図7Bに示す例においては、t秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が18/32であり、出力後の回転検出動作において非回転判定がなされている。そのため、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクがアップされる。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として19/32が選択される。
また、図7Bに示す例においては、t+1秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が19/32であり、出力後の回転検出動作において非回転判定がなされている。そのため、t秒+2秒(図中においては不図示)で出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクはアップされる。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+2秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として20/32が選択される。また、この場合、t+1秒で通常駆動パルスSPが出力された後に、補正駆動パルスFPが出力されることとなる。
図7A、図7Bを参照して説明した駆動ランクの選択制御は、駆動ランク(デューティ比)に関わらず行われるものである。すなわち、前回出力された通常駆動パルスSPの駆動ランクが、今回出力する駆動パルスSPの駆動ランクよりも小さい場合であれば、図7A、図7Bを参照して説明した駆動ランクの選択制御と同様の制御が行われることとなる。
図8は、前回出力された通常駆動パルスSPの駆動ランクが、今回出力する駆動パルスSPの駆動ランクよりも大きい場合であって、今回出力する通常駆動パルスSPが特定の駆動ランクである例を示している。
具体的には、図8に示す例においては、t秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であり、出力後の回転検出動作において回転判定がなされ、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクダウンしている。そして、駆動ランク選択回路10により、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として19/32が選択されている。
本実施形態においては、t+1秒で、特定の駆動ランクであるデューティ比19/32の通常駆動パルスSPが出力されて、回転検出動作を行うが、その検出結果に関わらず、駆動ランクをランクダウンさせる。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+2秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として18/32が選択される。なお、この場合においても、回転検出動作における検出結果が非回転であった場合は、補正駆動パルスFPを出力するとよい。
以上説明した本実施形態においては、通常駆動パルスSPの駆動ランクが、特定の駆動ランク(デューティ比19/32)以上を維持してしまうことを抑制できる。このため、消費電力が必要以上に増加してしまうことを抑制できる。
[第1変形例]
次に、図9~図11を参照して、本実施形態の第1変形例について説明する。図9~図11は、本実施形態の第1変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。なお、本実施形態で説明した構成と同様の構成については同じ符号を用いてその説明は省略する。後述する第2変形例~第4変形例においても同様である。
上記本実施形態においては、前回出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であって、今回出力する通常駆動パルスSPのデューティ比が19/32の場合、回転検出動作の検出結果に関わらず、次回出力する通常駆動パルスSPのデューティ比を18/32とする例について説明した。
それに対して、第1変形例においては、前回出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であって、今回出力する通常駆動パルスSPのデューティ比が19/32の場合、回転検出動作を行い、非回転判定の場合、次回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクダウンする。また、デューティ比19/32の通常駆動パルスSPにおいて所定回数(第1の回数)連続して回転判定がなされた場合、その後出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクダウンする。また、デューティ比19/32の通常駆動パルスSPにおいて所定回数(第1の回数)未満の回数回転判定がなされた場合、その後出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクアップする。
具体的には、図9に示す例においては、t秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であり、出力後の回転検出動作において回転判定がなされ、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクダウンしている。そして、駆動ランク選択回路10により、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として19/32が選択されている。
図9に示す例においては、t+1秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が19/32であり、出力後の回転検出動作において非回転判定がなされ、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクダウンしている。
このように、第1変形例においては、t+1秒で、特定の駆動ランクであるデューティ比19/32の通常駆動パルスSPが出力し、回転検出動作を行い、非回転判定がなされた場合、駆動ランクをランクダウンする。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+2秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として18/32が選択される。
図10に示す例においては、t秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であり、出力後の回転検出動作において回転判定がなされ、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクダウンしている。そして、駆動ランク選択回路10により、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として19/32が選択されている。
このように、第1変形例においては、t+1秒で、特定の駆動ランクであるデューティ比19/32の通常駆動パルスSPが出力し、回転検出動作を行い、回転判定がなされた場合、駆動ランクを維持する。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+2秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として19/32が選択される。
図10に示す例においては、t+1秒から256回連続で回転判定がなされた例を示している。第1変形例においては、256回(第1の回数)連続で回転判定がなされた場合、駆動ランクをランクダウンさせる。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+257秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として18/32が選択される。これは、ロータRTが回転しているにも関わらず非回転判定をしやすくなってしまう特定の駆動ランクにおいても、回転判定がなされた場合は、その判定結果に信頼性があるためである。すなわち、図10に示す例においては、判定結果通りロータRTは回転している可能性が高いといえるためである。このため、第1変形例においては、他の駆動ランクと同様に、256回連続で回転判定がなされた場合に駆動ランクをランクダウンすることにより、消費電力を抑制する制御を行うこととした。なお、256回連続で回転判定がなされた場合にランクダウンするとの制御は一例であり、回数はこれに限られない。
図11に示す例においては、図10で示した例と同様に、t秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であり、出力後の回転検出動作において回転判定がなされ、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクダウンしている。そして、駆動ランク選択回路10により、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として19/32が選択されている。
その後、3回連続で回転判定がなされた後、t+4秒で非回転判定がなされている。すなわち、所定回数(第1の回数)である256回連続して回転判定がなされることなく、非回転判定がなされている。この場合においては、次回出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクアップされる。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+5秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として20/32が選択される。
このように、第1変形例においては、回転判定が少なくとも1回以上なされて、かつ所定回数連続して回転判定がなされなかった場合、駆動ランクをランクアップさせることとした。これは、少なくとも1回以上回転判定がなされた後、非回転判定がなされた場合においては、回転判定に信頼性があるためである。すなわち、t+4秒において非回転判定がなされた理由は、誤検出ではなく、単に駆動力が足らなかったと考えられるためである。
[第2変形例]
次に、図12A、図12Bを参照して、本実施形態の第2変形例について説明する。図12A、図12Bは、本実施形態の第2変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。
上記第1変形例においては、図9を参照して、前回出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であって、今回出力する通常駆動パルスSPのデューティ比が19/32の場合、回転検出動作を行い、非回転判定の場合、次回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクダウンする例について説明した。
第2変形例においては、特定の駆動ランクにおいて非回転判定が連続して所定回数なされた場合は、通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクアップし、非回転判定がなされたとしても、2以上の所定回数(第2の回数)以上連続して非回転判定がなされない場合は通常駆動パルスSPの駆動ランクの変更を行わない例を説明する。
図12Aに示す例においては、t秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であり、出力後の回転検出動作において回転判定がなされ、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクダウンしている。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として19/32が選択されている。そして、t+1秒で、特定の駆動ランクであるデューティ比19/32の通常駆動パルスSPが出力し、回転検出動作を行い、非回転判定がなされた場合、駆動ランクを維持する。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+2秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として19/32が選択される。
その後、4回連続で非回転判定がなされた場合、次回出力される通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクアップする。すなわち、駆動ランク選択回路10により、t+5秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として20/32が選択される。このような制御とした理由は、特定のランクにおいてロータRTが回転しているにも関わらず、非回転判定をしてしまう誤検出は、毎回の回転検出において必ず起こるものではないからである。ただし、この誤検出は一定の確率で起こるものであり、従来の駆動ランクの制御においては、256回連続して回転判定がなされないと駆動ランクがランクダウンされないため、256回のうちのどこかでこの誤検出が起こってしまうと駆動ランクがランクアップし、デューティロックが起こってしまう。そのため、本変形例では、特定の駆動ランクにおいて非回転判定が連続して所定回数(第2の回数)なされた場合は、誤検出ではなく駆動力が足りていないと判断し、通常駆動パルスSPの駆動ランクをランクアップする。
図12Bに示す例においては、図12Aに示す例と異なり、特定の駆動ランクにおいて非回転判定がなされるものの、連続して所定回数(第2の回数)以上は非回転判定がなされていない。すなわち、t+3秒で一度非回転判定がなされるものの、t+4秒以降は回転判定がなされている。この場合は、t+3秒の非回転判定は誤検出である可能性が高いと判断し、駆動ランクの変更を行わない。そして、デューティ比19/32において、256回回転判定がなされると、駆動ランクはランクダウンする。
このように、本来であれば一度非回転判定がなされると駆動力をランクアップさせるところ、第2変形例においては、2以上の所定回数(第2の回数)以上連続して非回転判定がなされる場合のみランクアップさせることにより、非回転検出の要因が誤検出であるのか、あるいは本当に非回転であるのかを判別したうえで、駆動ランクの制御を行うことができ、駆動ランクが高止まりしてしまうことを抑制できる。
[第3変形例]
次に、図13を参照して、本実施形態の第3変形例について説明する。図13は、本実施形態の第3変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。
上記本実施形態においては、前回出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であって、今回出力する通常駆動パルスSPのデューティ比が19/32の場合、回転検出動作の検出結果に関わらず、次回出力する通常駆動パルスSPのデューティ比を18/32とする例について説明した。
第3変形例においては、デューティ比19/32の通常駆動パルスSPを出力することなく、今回出力する通常駆動パルスSPのデューティ比を18/32とする例について説明する。
図13に示す例においては、t秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が20/32であり、出力後の回転検出動作において回転判定がなされ、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクダウンしている。そして、駆動ランク選択回路10により、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として18/32が選択されている。第3変形例においては、特定の駆動ランクであるデューティ比19/32を選択しないことより、より低い駆動ランクの通常駆動パルスSPを出力することにより消費電力を低減できる。
[第4変形例]
次に、図14を参照して、本実施形態の第4変形例について説明する。図14は、本実施形態の第4変形例における駆動ランクの選択の一例を示す図である。
上記本実施形態及び第1~第3変形例においては、特定の駆動ランクが1つである場合について説明したが、電子時計100によっては特定の駆動ランクは1つに限られない。すなわち、ロータRTが回転しているにも関わらず、非回転判定をしやすくなってしまう駆動ランクが複数存在する場合がある。
第4変形例においては、デューティ比19/32、及びデューティ比20/32の2つの駆動ランクが特定の駆動ランクである場合について説明する。また、第4変形例においては、第3変形例と同様に、特定の駆動ランクの通常駆動パルスSPの出力を回避する例について説明する。
図14に示す例においては、t秒で出力された通常駆動パルスSPのデューティ比が21/32であり、出力後の回転検出動作において回転判定がなされ、今回出力する通常駆動パルスSPの駆動ランクがランクダウンしている。そして、駆動ランク選択回路10により、t+1秒で出力される通常駆動パルスSPのデューティ比として18/32が選択されている。第3変形例においては、特定の駆動ランクであるデューティ比19/32、及びデューティ比20/32を選択しないことより、より低い駆動ランクの通常駆動パルスSPを出力することにより消費電力を低減できる。
なお、第4変形例においては、特定の駆動ランクが1ランク違いの2つの駆動ランクである例について示したが、これに限られず、特定の駆動ランクは3つ以上あってもよいし、それらが互いに2ランク以上異なるものであってもよい。また、特定の駆動ランクが複数存在する例は、本実施形態、第1変形例、及び第2変形例に適用してもよい。
以上、本発明に係る実施形態及びその変形例について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。
1 電源、2 基準信号生成回路、21 発信回路、22 分周回路、3 通常駆動パルス生成回路、4 補正駆動パルス生成回路、5 回転検出パルス生成回路、6 セレクタ、7 ドライバ回路、71 第1ドライバ回路、72 第2ドライバ回路、8 ステップモータ、9 回転検出回路、90 判定回路、91 第1判定部、92 第2判定部、10 駆動ランク選択回路、100 電子時計、C コイル、RT ロータ。

Claims (11)

  1. ロ-タとコイルを含むステップモータと、
    前記ステップモータを駆動させる通常駆動パルスを生成し、出力する通常駆動パルス生成回路と、
    前記通常駆動パルスの出力後、前記ロ-タの自由振動より前記コイルに生じる逆起電流に基づいて前記ロ-タが回転したか否かを検出する回転検出回路と、
    前記回転検出回路による検出結果に基づいて、前記通常駆動パルスの駆動ランクを選択する駆動ランク選択回路と、
    を有し、
    前記駆動ランクは、特定の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクダウンされる場合に選択される第1の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクアップされる場合に選択される第2の駆動ランクと、を少なくとも含み、
    前記駆動ランク選択回路は、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合と、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合とで、
    前記駆動ランクの選択に関して異なる制御を行い、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、
    前記回転検出回路による検出結果に関わらず、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、
    電子時計。
  2. ロ-タとコイルを含むステップモータと、
    前記ステップモータを駆動させる通常駆動パルスを生成し、出力する通常駆動パルス生成回路と、
    前記通常駆動パルスの出力後、前記ロ-タの自由振動より前記コイルに生じる逆起電流に基づいて前記ロ-タが回転したか否かを検出する回転検出回路と、
    前記回転検出回路による検出結果に基づいて、前記通常駆動パルスの駆動ランクを選択する駆動ランク選択回路と、
    を有し、
    前記駆動ランクは、特定の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクダウンされる場合に選択される第1の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクアップされる場合に選択される第2の駆動ランクと、を少なくとも含み、
    前記駆動ランク選択回路は、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合と、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合とで、
    前記駆動ランクの選択に関して異なる制御を行い、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、
    前記回転検出回路により前記ロータが回転していないことが検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、
    子時計。
  3. 前記駆動ランク選択回路は、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、
    前記回転検出回路により前記ロータが回転していることが第1の回数連続して検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、
    請求項に記載の電子時計。
  4. 前記駆動ランク選択回路は、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、
    前記回転検出回路により前記ロータが回転していることが少なくとも1回以上検出され、かつ前記第1の回数連続して検出されなかった場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第2の駆動ランクを選択する、
    請求項に記載の電子時計。
  5. ロ-タとコイルを含むステップモータと、
    前記ステップモータを駆動させる通常駆動パルスを生成し、出力する通常駆動パルス生成回路と、
    前記通常駆動パルスの出力後、前記ロ-タの自由振動より前記コイルに生じる逆起電流に基づいて前記ロ-タが回転したか否かを検出する回転検出回路と、
    前記回転検出回路による検出結果に基づいて、前記通常駆動パルスの駆動ランクを選択する駆動ランク選択回路と、
    を有し、
    前記駆動ランクは、特定の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクダウンされる場合に選択される第1の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクアップされる場合に選択される第2の駆動ランクと、を少なくとも含み、
    前記駆動ランク選択回路は、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合と、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合とで、
    前記駆動ランクの選択に関して異なる制御を行い、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、
    前記回転検出回路により前記ロータが回転していないことが、2以上の所定の回数である第2の回数連続して検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第2の駆動ランクを選択する、
    子時計。
  6. 前記駆動ランク選択回路は、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、
    前記回転検出回路により前記ロータが回転していることが第1の回数検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、
    請求項に記載の電子時計。
  7. ロ-タとコイルを含むステップモータと、
    前記ステップモータを駆動させる通常駆動パルスを生成し、出力する通常駆動パルス生成回路と、
    前記通常駆動パルスの出力後、前記ロ-タの自由振動より前記コイルに生じる逆起電流に基づいて前記ロ-タが回転したか否かを検出する回転検出回路と、
    前記回転検出回路による検出結果に基づいて、前記通常駆動パルスの駆動ランクを選択する駆動ランク選択回路と、
    を有し、
    前記駆動ランクは、特定の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクダウンされる場合に選択される第1の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクアップされる場合に選択される第2の駆動ランクと、を少なくとも含み、
    前記駆動ランク選択回路は、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合と、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合とで、
    前記駆動ランクの選択に関して異なる制御を行い、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、
    子時計。
  8. ロ-タとコイルを含むステップモータと、
    前記ステップモータを駆動させる通常駆動パルスを生成し、出力する通常駆動パルス生成回路と、
    前記通常駆動パルスの出力後、前記ロ-タの自由振動より前記コイルに生じる逆起電流に基づいて前記ロ-タが回転したか否かを検出する回転検出回路と、
    前記回転検出回路による検出結果に基づいて、前記通常駆動パルスの駆動ランクを選択する駆動ランク選択回路と、
    を有し、
    前記駆動ランクは、特定の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクダウンされる場合に選択される第1の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクアップされる場合に選択される第2の駆動ランクと、を少なくとも含み、
    前記駆動ランク選択回路は、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合と、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合とで、
    前記駆動ランクの選択に関して異なる制御を行い、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクの通常駆動パルスを選択し、
    前記回転検出回路により前記ロータが回転していることが第3の回数連続して検出された場合、前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、
    子時計。
  9. 前記駆動ランク選択回路は、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクの通常駆動パルスを選択し、
    前記回転検出回路により前記ロータが回転していないことが検出された場合、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第2の駆動ランクを選択する、
    請求項1~のいずれか1項に記載の電子時計。
  10. 前記駆動ランクは、互いに駆動力の異なる前記特定の駆動ランクを複数含む、
    請求項1~のいずれか1項に記載の電子時計。
  11. ロ-タとコイルを含むステップモータを駆動させる通常駆動パルスを生成し、出力するステップと、
    前記通常駆動パルスの出力後、前記ロ-タの自由振動より前記コイルに生じる逆起電流に基づいて前記ロ-タが回転したか否かを検出するステップと、
    前記回転が回転したか否かの検出結果に基づいて、前記通常駆動パルスの駆動ランクを選択するステップと、
    を有し、
    前記駆動ランクは、特定の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクダウンされる場合に選択される第1の駆動ランクと、前記特定の駆動ランクからランクアップされる場合に選択される第2の駆動ランクと、を少なくとも含み、
    前記駆動ランクを選択するステップにおいて、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第1の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクアップする場合と、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合とで、
    前記駆動ランクの選択に関して異なる制御を行い、
    前回出力した前記通常駆動パルスが前記第2の駆動ランクであって、今回出力する前記通常駆動パルスの駆動ランクをランクダウンする場合、今回出力する前記通常駆動パルスとして前記特定の駆動ランクを選択し、
    前記検出結果に関わらず、次回出力する前記通常駆動パルスとして前記第1の駆動ランクを選択する、
    通常駆動パルスの駆動ランク選択方法。
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