JP7433746B2 - 輸送系統の保守管理システム - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、以下の輸送系統の保守管理システムである。
本発明の輸送系統の保守管理システムは、測定部によって輸送系統本体から発生する状態量を測定し、この測定値に基づき判断部において解析を行うことで、輸送系統内の環境変化を把握し、かつ閉塞状態に係る検知や予測などの判断を行うことができるという効果を奏する。
この特徴によれば、輸送系統内における環境変化を数値化して把握することが可能となる。また、振動、音、温度に関しては、輸送系統本体の外側に検出器を設けて測定を行うことができる。このため、輸送系統内の環境に影響を与えることなく測定が可能となる。
この特徴によれば、測定部の測定結果を記憶部に記憶し、判断部において、記憶部のデータを用い、測定部の測定結果との比較による解析を行うことにより、輸送系統内の環境変化の傾向をより精度高く把握することが可能となる。
この特徴によれば、判断部における判断結果を数値あるいは画像として表示させることで、輸送系統の閉塞状態をオペレーターが判別することができ、これにより、保守管理として必要な対応をとることが可能となる。
この特徴によれば、判断部における判断結果に基づき、閉塞解消手段を作動させることができる。これにより、輸送系統の閉塞状態が進行する前に適切な保守管理を行うことが可能となる。
なお、輸送系統内の閉塞状態を生じさせる閉塞要因は、排水中にもともと含まれる夾雑物に限らない。輸送途中で排水中から析出するようなものも含まれる。また、輸送系統そのものの劣化などにより輸送系統内部表面が剥離したものなども含まれる。
なお、実施態様に記載する輸送系統の保守管理システムについては、本発明に係る輸送系統の保守管理システムを説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施態様における輸送系統の保守管理システムを示す概略説明図である。図1(A)は、水処理装置も含めた全体説明図である。図1(B)は、輸送系統周辺に係る概略説明図である。
本実施態様に係る輸送系統の保守管理システム1aは、図1(A)に示すように、各種の水処理装置100に係る輸送系統10の保守管理を行うものであり、測定部2、判断部3を有するものである。また、本実施態様における輸送系統10は、夾雑物を含む排水Wを水処理装置100の処理槽110に供給するための配管11である。なお、図1において、破線で示された矢印は、制御又は入力可能に接続されていることを示す。
さらに、管内の閉塞状態が進行すると、ポンプなどの流体を送る機器の特性に従って、流量、圧力の両方が変化する場合が多く、流量計や圧力計の単独の変化としては現れにくい。特に、閉塞要因が糸状の夾雑物であった場合、閉塞状態が緩やかに進行していくため、輸送系統内の流量や圧力の変動幅が小さく、流量計や圧力計の変化として現れにくい。
一方、本実施態様における測定部で得られる状態量は、輸送系統本体から発生するものであって、輸送系統内の環境変化(状態変化)に起因して変化する値である。また、輸送系統外部から測定を行うことにより、検出器そのものが輸送系統内の環境に影響することがなく、より精度の高い測定を行うことができる。
図2は、本発明の第2の実施態様における輸送系統の保守管理システムを示す全体概略説明図である。
本実施態様に係る輸送系統の保守管理システム1bは、図2に示すように、第1の実施態様における輸送系統の保守管理システム1aに、測定部2の測定結果をデータとして記憶する記憶部4を設けたものである。また、本実施態様における判断部3は、測定部2の測定結果に加えて、記憶部4に係るデータを用いた解析を行うものである。なお、第1の実施態様の構造と同じものについては、説明を省略する。
記憶部4で記憶させるデータは、測定部2で用いた検出器に応じた形式で記憶させることが好ましい。例えば、数値、波形グラフまたは画像など、いずれのデータ形式でもよい。
また、記憶部4において記憶させるデータとしては、測定部2による直前の測定結果のほかに、判断部3で用いるデータとして、輸送系統10に係る仕様(管径、管厚など)に関するデータや、輸送系統10が閉塞状態にないことが明確であるときの測定データについても記憶させることが好ましい。
したがって、演算部31では、記憶部4に記憶されているデータのうち、前回の測定結果又は閉塞状態にないときの測定データのいずれか片方を用いて解析を行ってもよいが、両方のデータそれぞれと、測定部2で得られた測定値を比較することで、輸送系統10内の閉塞状態に係る判断の精度を上げることが可能となる。
図3は、本発明の第3の実施態様の輸送系統の保守管理システムを示す全体概略説明図である。
本実施態様に係る輸送系統の保守管理システム1cは、第1の実施態様における輸送系統の保守管理システム1a又は第2の実施態様における輸送系統の保守管理システム1bに、閉塞状態を解消するための閉塞解消手段5と、閉塞解消手段5の動作を制御する制御部6を設けたものである。なお、第1又は第2の実施態様の構造と同じものについては、説明を省略する。
閉塞解消手段5としては、図3に示すように、輸送系統10に設けられている流量調節手段51としてのバルブB1などが挙げられる。これにより、輸送系統10内の流量を増やすことで、輸送系統10内に蓄積又は滞留している閉塞要因を押し流すことが可能となる。また、輸送系統10が耐薬品性を有する材質である場合や、閉塞要因がスケールである場合、閉塞解消手段5として薬品添加装置及び薬剤添加量制御装置を設けるものとしてもよい。これにより、閉塞要因を薬品により処理することが可能となる。
制御部6は、判断部3から入力された判断結果のうち、輸送系統10内に閉塞要因が蓄積又は滞留している傾向にあると判断された結果が入力された場合、閉塞解消手段5を稼働させるものである。また、判断部3から入力された判断結果のうち、閉塞状態の程度に係る情報に対して閾値を設け、設けられた閾値を超えた場合に制御部6によって閉塞解消手段を稼働させるようにすることが好ましい。なお、設けられた閾値は、判断部3からの判断結果の一部として制御部6に入力されるものとしてもよい。これにより、閉塞解消手段5を過度に高い頻度で動作させることを抑制することが可能となる。
なお、本実施態様における輸送系統の保守管理システム1cにおいては、制御部による閉塞状態解消手段の制御によらず、表示部32に示された内容に基づき、オペレーターが手動で流量調節手段51を操作し、閉塞状態を解消するものであってもよい。
図4は、第4の実施態様の輸送系統の保守管理システムを示す概略説明図である。
本実施態様に係る輸送系統の保守管理システム1dは、第1~3の実施態様における輸送系統の保守管理システム1a~1cにおいて、輸送系統10に振動や衝撃を付与する振動付与装置7を設けたものである。なお、第1~3の実施態様の構造と同じものについては、説明を省略する。
図5は、本実施態様における輸送系統の保守管理システムの振動付与装置についての他の態様を示す概略説明図である。図5に示すように、振動付与装置7として、ラインL1及びバルブB2を介して空気又は水(蒸気含む)などの流体Fを輸送系統10内に供給する流体供給口72を設けるものとしてもよい。また、流体Fは、ポンプ(不図示)などにより高圧状態としたものを輸送系統10内に供給することが特に好ましい。これにより、輸送系統10内の圧力が急激に変化することで、輸送系統10に振動又は衝撃を与えることが可能となる。なお、流体供給口72は、輸送系統10の外周面のどの位置に配設するものであってもよく、1又は複数台設けるものであってもよい。
また、流体Fは輸送系統10の洗浄用流体として機能させるものであってもよい。このとき、振動付与装置7と閉塞解消手段5とを兼用させるものであってもよい。これにより、部品点数を減らすことが可能となる。
なお、振動付与装置7として発振装置71を設ける場合、輸送系統10は、外部からの振動又は衝撃を伝えやすい材質にすることが好ましく、例えば金属とすることが好ましい。
Claims (5)
- 夾雑物を含む排水を輸送するための配管の状態を保守管理するシステムであって、
前記排水の輸送に起因して前記配管から発生する状態量を、外部から振動又は衝撃を加えることなく測定する測定部と、
前記測定部の測定結果を解析し、解析結果に基づき、配管内の閉塞状態の検知を判断する判断部と、を有し、
前記配管本体から発生する状態量は、配管本体の振動、音、温度のうち、少なくともいずれか1つに係るものであることを特徴とする、配管の保守管理システム。 - 前記測定部の測定結果をデータとして記憶する記憶部を設け、
前記判断部は、前記測定部の測定結果と前記記憶部のデータとを比較することを特徴とする、請求項1に記載の配管の保守管理システム。 - 前記判断部における判断結果を表示するための表示部を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の配管の保守管理システム。
- 前記表示部は、保守管理対象である配管から離れたところに設置され、前記表示部の入力手段により保守管理システムに係る操作について遠隔操作を行うことを特徴とする、請求項3に記載の保守管理システム。
- 前記配管内の閉塞状態を解消するための閉塞解消手段を有し、
前記判断部における判断結果により、前記閉塞解消手段の動作を制御するための制御部を設けることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の配管の保守管理システム。
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