図1は、キャリアアグリゲーション(CA)及びデュアルコネクティビティ(DC)におけるセル構成の一例を示す図である。図1において、UEは、5つのセル(C1−C5)に接続している。C1はPCell(Primary Cell)であり、C2−C5はSCell(Secondary Cell)である。
図1Aは、キャリアアグリゲーション(CA)に係る無線基地局及びユーザ端末の通信を示している。CAは、複数の周波数ブロック(コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)、セルとも呼ぶ)を統合して広帯域化する技術である。各CCは、例えば、最大20MHzの帯域幅を有し、最大5つのCCを統合する場合には最大100MHzの広帯域が実現される。
図1Aに示す例において、無線基地局eNB1はマクロセルを形成する無線基地局(以下、マクロ基地局という)であり、無線基地局eNB2はスモールセルを形成する無線基地局(以下、スモール基地局という)とすることができる。例えば、スモール基地局は、マクロ基地局に接続するRRH(Remote Radio Head)のような構成であってもよい。このことから、CAは基地局内CA(intra-eNB CA)と呼ばれてもよい。
キャリアアグリゲーションが適用される場合、1つのスケジューラ(例えば、マクロ基地局eNB1の有するスケジューラ)が複数セルのスケジューリングを制御する。マクロ基地局eNB1の有するスケジューラが複数セルのスケジューリングを制御する構成では、例えば、光ファイバのような高速回線などの理想的バックホール(ideal backhaul)で各無線基地局間が接続されることが想定される。また、CAでは、送信タイミングで分類されたタイミングアドバンスグループ(TAG:Timing Advance Group)をサポートしており、異なるTAGの最大送信タイミング差は32.47μsとなっている。
図1Bは、デュアルコネクティビティ(DC)に係る無線基地局及びユーザ端末の通信を示している。デュアルコネクティビティが適用される場合、複数のスケジューラが独立して設けられ、当該複数のスケジューラ(例えば、無線基地局MeNBの有するスケジューラ及び無線基地局SeNBの有するスケジューラ)がそれぞれ管轄する1つ以上のセルのスケジューリングを制御する。このことから、DCは基地局間CA(inter-eNB CA)と呼ばれてもよい。なお、DCにおいて、独立して設けられるスケジューラ(すなわち基地局)毎にCA(Intra-eNB CA)を適用してもよい。
無線基地局MeNBの有するスケジューラ及び無線基地局SeNBの有するスケジューラがそれぞれの管轄する1つ以上のセルのスケジューリングを制御する構成では、例えば、X2インターフェースなどの遅延の無視できない非理想的バックホール(non-ideal backhaul)で各無線基地局間が接続されることが想定される。また、DCでは、無線基地局間が完全非同期で運用することも可能であり、異なる無線基地局の通信において最大500μsのサブフレームのズレが生じる。
図1Bに示すように、デュアルコネクティビティでは、各無線基地局が、1つ又は複数のセルから構成されるセルグループ(CG:Cell Group)を設定する。各セルグループは、同一無線基地局が形成する1つ以上のセル又は送信アンテナ装置、送信局などの同一送信ポイントが形成する1つ以上のセルから構成される。
PCellを含むセルグループはマスタセルグループ(MCG:Master Cell Group)と呼ばれ、マスタセルグループ以外のセルグループはセカンダリセルグループ(SCG:Secondary Cell Group)と呼ばれる。MCG及びSCGを構成するセルの合計数は、所定値(例えば、5セル)以下となるように設定される。
MCGが設定される(MCGを用いて通信する)無線基地局はマスタ基地局(MeNB:Master eNB)と呼ばれ、SCGが設定される(SCGを用いて通信する)無線基地局はセカンダリ基地局(SeNB:Secondary eNB)と呼ばれる。
デュアルコネクティビティでは、無線基地局間はキャリアアグリゲーションと同等の協調は前提としない。そのため、ユーザ端末は、セルグループごとに下りリンクL1/L2制御(PDCCH/EPDCCH)、上りリンクL1/L2制御(PUCCH/PUSCHによるUCI(Uplink Control Information)フィードバック)を独立に行う事が可能となっている。したがってSeNBにおいても、PCellと同等の機能(例えば、共通サーチスペース、PUCCHなど)を有する特別なSCellが必要となる。PCellと同等の機能を有する特別なSCellのことを、「PSCell」ともいう。
図1Aに示すように、複数のセルを形成する無線基地局が実質的に同一の場合(CAを適用する場合)、当該無線基地局は、各セルにおけるユーザ端末の上り送信電力を総合的に考慮してスケジューリングや上り送信電力を制御することができる。ユーザ端末は、パワーリミテッド(Power-limited)状態でない限り複数のセルでUL信号の送信を同時に行うことができる。
ここで、パワーリミテッドとは、ユーザ端末が送信しようとするタイミングにおいて、ULの送信電力が最大送信電力に達している状態を意味する。例えば、ユーザ端末の許容最大送信電力を超える上り信号の送信が要求された結果、上り信号の送信電力が制限されることをパワーリミテッドという。つまり、複数のセルに対するUL信号の送信に必要とされる送信電力の合計がユーザ端末の許容最大送信電力を超えることをいう。必要とされる送信電力(所望電力、所望送信電力ともいう)は、無線基地局から通知される要求電力(要求送信電力)、当該要求電力に基づいてパワーランピングを適用して増加した送信電力を含む。
既存システム(例えば、Rel.11)では、ユーザ端末がUL信号の送信を行う際にUL送信に要求される送信電力が所定値(例えば、PCMAX)を超える場合、ユーザ端末は所定ルールに基づいてUL信号の送信制御及び/又は電力制御を行う。UL信号としては、上りランダムアクセスチャネル(PRACH)、上り制御チャネル(PUCCH)で送信されるPUCCH信号、上り共有チャネル(PUSCH)で送信されるPUSCH信号、SRS等がある。
例えば、図2Aに示すように、ユーザ端末がCAを適用してCC#0(セル#0)とCC#1(セル#1)に接続し、CC#1でSRSを送信する場合を想定する。この場合、ユーザ端末は、CC#1でSRSの送信を行う前に、当該SRSの送信電力と、他のCC#0で送信するUL信号(ここでは、PUSCH信号)との送信電力の合計値(総送信電力、送信電力の和とも呼ぶ)が所定値を超えるか否か判断する(図2B参照)。所定値としては、ユーザ端末に許容される最大送信電力(PCMAX)とすることができる。
SRSの送信電力(要求電力)とPUSCH信号の送信電力(要求電力)の合計値が所定値を超える場合、ユーザ端末は、SRSの送信を行わない(ドロップ、ドロッピングとも呼ぶ)ように制御する。つまり、ユーザ端末は、SRSと比較してPUSCH信号を優先して送信を制御する。
なお、図2Bでは、CC#0におけるUL送信タイミングと、CC#1におけるUL送信タイミングが異なる(TAGが異なる)場合を示している。この場合、ユーザ端末は、CC#0の2つのサブフレームにおけるPUSCH信号の送信電力をそれぞれ考慮して、SRSの送信を制御する。
また、SRSの送信とPUCCH信号の送信が同時に起こり、且つ送信電力の合計値が所定値を超える場合、ユーザ端末はPUCCH信号をSRSより優先して送信する。同様にSRSの送信とPRACH信号の送信が同時に起こり、且つ送信電力の合計値が所定値を超える場合、ユーザ端末はPRACH信号をSRSより優先して送信する。なお、PUSCH信号の送信電力はPUSCHの電力と、PUCCH信号の送信電力はPUCCHの電力と、PRACH信号の送信電力はPRACHの電力と読み替えてもよい。
このように、既存システムでは、ユーザ端末は、SRSの送信電力(要求電力)と他セル(又はCC)で送信するUL信号の送信電力(要求電力)との合計値を考慮して実際のSRSの送信有無を制御することとなる。但し、CAでは、無線基地局が他セルのスケジューリングの制御も行うため、SRSの送信を考慮した包括的な電力制御を行うことができる。また、無線基地局は、ユーザ端末からSRSが送信されない事態を把握することも可能となる。ユーザ端末からのSRS送信が必要となった場合、無線基地局は、ユーザ端末に対してSRSの送信を動的に指示することもできる(非周期的SRS)。
一方、デュアルコネクティビティ(DC)を適用する際にパワーリミテッドとなった場合のユーザ端末動作(例えば、SRSの制御)については未だ決められていない。そこで、DCを適用する際に、既存システム(CA)と同様にUL信号(例えば、SRSの送信)を制御することが考えられる。
例えば、図3Aに示すように、ユーザ端末がDCを適用してCC#0(セル#0)とCC#1(セル#1)に接続し、CC#0でSRSを送信する場合を想定する。この場合、ユーザ端末は、CC#0でSRSの送信を行う前に、当該SRSの送信電力と、他のCC#1で送信するUL信号(ここでは、PUSCH信号)との送信電力の合計値が所定値(例えば、PCMAX)を超えるか否か判断する(図3B参照)。
SRSの送信電力(要求電力)とPUSCH信号の送信電力(要求電力)の合計値が所定値を超える場合、ユーザ端末は、SRSの送信を行わない(ドロップ、ドロッピングとも呼ぶ)ように制御する(既存システムと同様)。
しかし、複数のセルを形成する無線基地局が異なる場合(DCを適用する場合)、各無線基地局は、他の無線基地局のリソース割当てや電力制御(UL信号に対する要求電力)を把握することが困難となる。つまり、DCを適用する場合、各無線基地局は、独立してユーザ端末の上り送信電力や変調方式等を制御するため、ユーザ端末の合計送信電力が許容最大送信電力を超えない範囲で、送信電力を動的に調整することは困難となる。
さらに、デュアルコネクティビティを適用する場合、各無線基地局は、相手側がどのような電力制御を行っているか把握できないため、ユーザ端末におけるパワースケーリングやドロッピングが起こるタイミングや頻度を想定できないおそれがある。各無線基地局(マスタ基地局MeNB及びセカンダリ基地局SeNB)にとって、ユーザ端末で想定外のパワースケーリングやドロッピングが行われた場合、正しく上りリンク通信を行うことができなくなり、通信品質やスループットが著しく劣化するおそれがある。
例えば、図3Aでは、CC#0を設定する無線基地局(例えば、MeNB)はCC#1におけるスケジューリングや送信電力を制御できないため、通信状況によってはユーザ端末からCC#0に対するSRSの送信機会が低下するおそれがある。また、MeNBは、SRSが受信できない理由を把握することも困難となる。特に、無線通信においてMCGを構成するセル(例えば、PCell)におけるSRSの送信は、チャネル状態の測定や接続確認の観点から重要となる。
そこで、本発明者等は、デュアルコネクティビティ(DC)を適用する場合であっても、各セルグループにおけるUL信号(例えば、SRS)の送信制御を適切に行うことにより、上りリンクにおける通信品質の劣化を抑制することを着想した。具体的には、デュアルコネクティビティ(DC)を適用する場合に、(1)SRSに対して保証電力(minimum guaranteed power)を設定すること、(2)SRSの送信/送信電力制御に優先度を設定すること、(3)パワースケーリングを適用すること、(4)無線基地局へのシグナリングを行うこと等を着想した。
以下に本実施の形態について、詳細に説明する。なお、以下の説明では、UL信号としてSRSについて説明するが本実施の形態が適用可能なUL信号はこれに限られない。
(第1の態様)
第1の態様では、デュアルコネクティビティ(DC)を適用する場合に、SRSに対して保証電力(最低保証電力、保証送信電力とも呼ぶ)を設定する場合について説明する。
保証電力は、ユーザ端末のUL信号の送信電力として保証される電力である。本実施の形態では、SRSの保証電力を、少なくとも一つのセルグループ(CG)において設定することができる。但し、無線基地局からの要求電力が保証電力より小さい場合、ユーザ端末は当該要求電力でSRSの送信を行うことができる。また、無線基地局からの要求電力が保証電力より大きい場合、パワーリミテッドの有無や他のセルグループに設定される要求電力等を考慮して、当該要求電力又は保証電力までパワースケーリングしてSRSの送信を行う。
ここでは、一例として、MCGの保証電力をPMeNB、SCGの保証電力をPSeNBとする場合を想定する。マスタ基地局MeNB又はセカンダリ基地局SeNBは、ユーザ端末に対し、保証電力PMeNBとPSeNBの両方、又はいずれか一方を、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)により通知する。特にシグナリングや指示がない場合、ユーザ端末は、一定の保証送信電力と認識しても良い。例えば、保証送信電力PMeNB=0及び/又はPSeNB=0やPMeNB=PCMAX及び/又はPSeNB=0と認識すればよい。
ユーザ端末は、マスタ基地局MeNBに対してSRSを送信する場合、すなわち下り制御情報及び/又はRRCシグナリングによりSRSの送信がトリガされた場合、MCGへの送信電力を計算する。要求電力が保証送信電力PMeNB以下であれば、ユーザ端末は当該要求電力をMCGの送信電力として確定する。
同様に、ユーザ端末は、セカンダリ基地局SeNBに対してSRSを送信する場合、すなわち下り制御情報及び/又はRRCシグナリングによりSRSの送信がトリガされた場合、SCGへの送信電力を計算する。要求電力が保証送信電力PSeNB以下であれば、ユーザ端末は当該要求電力をSCGの送信電力として確定する。
無線基地局xeNB(マスタ基地局MeNB又はセカンダリ基地局SeNB)の要求電力が保証電力PxeNB(保証電力PMeNB又はPSeNB)を超える場合には、ユーザ端末は、条件次第で送信電力が保証電力PxeNB以下となるように制御することができる。
一例として、MCG及びSCGの合計要求電力がユーザ端末の許容最大送信電力PCMAXを超えるおそれがある場合を想定する。この場合、ユーザ端末は、保証電力PxeNBを超える電力が要求されたセルグループに対し、一部のチャネル又は信号のパワースケーリング(Power-scaling)やドロッピングを行う。その結果、送信電力が保証送信電力PxeNB以下となったら、それ以上のパワースケーリングやドロッピングは行わない。
すなわち、デュアルコネクティビティにおけるSRSの最大送信電力として、少なくとも保証送信電力PMeNB又はPSeNBでの送信を保証する構成とすることができる。あるいは、他セルグループの割当てやユーザ端末の実装などに依存して、条件付きで保証電力を適用してもよい。例えば、無線基地局からの要求電力が保証電力以下である場合には、当該要求電力でSRSの送信を行い、無線基地局からの要求電力が保証電力より大きい場合には、少なくとも保証電力以上の送信電力でSRSの送信を行うことができる。
図4Aに示す例では、MCGにおけるUL信号(例えば、SRS)の送信としてマスタ基地局MeNBから保証送信電力PMeNB以下の電力が要求され、SCGにおけるUL信号(例えば、PUSCH信号)の送信としてセカンダリ基地局SeNBから保証送信電力PSeNBを超える電力が要求されている。ユーザ端末は、MCG及びSCGそれぞれにおいて、CCごとの送信電力の総和が、保証送信電力PMeNB及びPSeNBを超えていないかどうか、両セルグループにおける全CCの送信電力の総和が、許容最大送信電力PCMAXを超えていないかどうか、を確認する。
図4Aに示す例では、両セルグループにおける全CCの送信電力の総和が、許容最大送信電力PCMAXを超えるため、ユーザ端末は、パワースケーリング又はドロッピングを適用する。MCGのCCごとの送信電力の総和は保証送信電力PMeNBを超えないが、SCGのCCごとの送信電力の総和が保証送信電力PSeNBを超えることから、ユーザ端末は、MCGに対しては当該要求電力を送信電力として割り当て、残りの電力(許容最大送信電力PCMAXからMCGの送信電力を減算して得られる余剰電力)をSCGに割り当てる。ユーザ端末は、SCGに対しては、上記残りの電力を許容最大送信電力とみなし、SCGに対して、パワースケーリング又はドロッピングを適用する。
図4Bに示す例では、MCGにおけるUL信号(例えば、SRS)の送信としてマスタ基地局MeNBから保証送信電力PMeNBを超える電力が要求され、SCGにおけるUL信号(例えば、PUSCH信号)の送信としてセカンダリ基地局SeNBから保証送信電力PSeNB以下の電力が要求されている。両セルグループにおける全CCの送信電力の総和が、許容最大送信電力PCMAXを超えるため、ユーザ端末は、パワースケーリング又はドロッピングを適用する。
図4Bに示す例では、SCGのCCごとの送信電力の総和は保証送信電力PSeNBを超えないが、MCGのCCごとの送信電力の総和が保証送信電力PMeNBを超えることから、ユーザ端末は、SCGに対しては当該要求電力を送信電力として割り当て、残りの電力(許容最大送信電力PCMAXからSCGの送信電力を減算して得られる余剰電力)をMCGに割り当てる。ユーザ端末は、MCGに対しては、上記残りの電力(≧保証電力)を許容最大送信電力とみなし、MCGに対して、パワースケーリングを適用する。パワースケーリングのルールとしては、Rel.10/11で規定されたルールを適用することもできる。
図4Cに示す例では、MCGにおけるUL信号(例えば、SRS)の送信としてマスタ基地局MeNBから保証送信電力PMeNBを超える電力が要求され、SCGにおけるUL信号(例えば、PUSCH信号)の送信としてセカンダリ基地局SeNBから保証送信電力PSeNBを超える電力が要求されている。この場合、MCGのCCごとの送信電力の総和は保証送信電力PMeNBを超え、SCGのCCごとの送信電力の総和が保証送信電力PSeNBを超えることから、両方のセルグループの電力を保証電力までパワースケーリングする。
なお、上記説明では、各セルグループに対してそれぞれSRSの保証電力を設定する場合を示したが、本実施の形態はこれに限られない。例えば、複数のセルグループの中で、少なくとも一つのセルグループ(例えば、PCellを含むセルグループ)に対してSRSの保証電力を設定すればよい。また、セルグループを構成するセル(CC)の一部又は全部に対してSRSの保証電力を選択的に設定してもよい。
<PUSCH/PUCCHの保証電力との関係>
また、デュアルコネクティビティ(DC)では、PUCCH/PUSCH送信に対しても保証電力を設定することが想定される。ユーザ端末は、マスタ基地局MeNB(又はセカンダリ基地局SeNB)から送信要求があった場合、すなわち上りグラント又はRRCシグナリングによりPUCCH/PUSCHの送信がトリガされた場合、要求電力と保証電力を考慮して送信電力を決定する。
本実施の形態の一態様として、SRSの保証電力を、PUCCH及び/又はPUSCHに対して設定される保証電力と同一と仮定してユーザ端末がSRSの送信電力を制御する。この場合、SRSの保証電力に関する情報のシグナリング(上位レイヤシグナリング)を、PUCCH及び/又はPUSCHの保証電力に関する情報のシグナリングに含めることができる。これにより、保証電力に関するシグナリングビットを低減すると共に、各セルグループにおけるSRSの送信機会を適切に確保することが可能となる。
あるいは、他の態様として、SRSの保証電力を、PUSCH及び/又はPUCCHの保証電力からのオフセットを考慮してユーザ端末がSRSの送信電力を制御する。オフセット値としては、固定値を規定して無線基地局からユーザ端末に対して暗示的(implicit)に通知してもよいし、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知信号等)を用いて明示的(explicit)で通知してもよい。
他にもオフセット値として、SRSの送信電力に利用されるオフセット値(PSRS_OFFSET,c)を利用して、ユーザ端末に通知することも可能である。既存システム(例えば、Rel.11)では、SRSの送信電力として、以下の式(1)に示すように、PUSCHの送信電力にオフセット値(PSRS_OFFSET,c)を付与している。
そこで、PUSCH及び/又はPUCCHの保証電力と当該オフセット値(PSRS_OFFSET,c)を考慮してSRSの保証電力を決定する。PUSCH及び/又はPUCCHの保証電力や、オフセット値(PSRS_OFFSET,c)は、あらかじめ上位レイヤシグナリング等を用いてユーザ端末に通知することができる。
また、SRSに対する保証電力の設定は、UL信号の送信先に応じて制御することも可能である。デュアルコネクティビティを適用する場合、ユーザ端末は、各基地局が形成する異なるセルグループと接続する。また、各セルグループでは、セル毎の分類(PCell(PSCell)又はSCell)や、タイミングアドバンスグループ(TAG)毎の分類(PTAG又はSTAG)がある(図5参照)。
本実施の形態では、セルグループ(CG)、タイミングアドバンスグループ(TAG)、及び/又はセルの分類毎に異なる保証電力を設定することができる。あるいは、セルグループの一部(例えば、PCGのみ)に対して保証電力を設定してもよい。同様に、TAGの一部(例えば、PTAGのみ)に対して保証電力を設定してもよいし、セルの一部(例えば、PCellのみ)に対して保証電力を設定してもよい。
例えば、PCGとSCG毎に異なる保証電力を設定することができる。具体的には、PCGのSRS保証電力をSCGのSRS保証電力より高く設定することができる。あるいは、PCellとSCell(又はPCellとSCellとPSCell)の分類毎、又はそれぞれに対して異なる保証電力を設定してもよいし、タイミングアドバンスグループ(PTAGとSTAG)の分類毎、又はそれぞれに対して異なる保証電力を設定することも可能である。
このように、セルグループ(CG)、タイミングアドバンスグループ(TAG)、及び/又はセルの分類毎、又はそれぞれに保証電力を設定することにより、SRSの送信を維持する送信先を柔軟に設定することができる。その結果、通信品質の劣化を抑制し、スループットを向上することができる。
また、SRSに対する保証電力の設定は、SRSの分類(種別)に応じて制御することも可能である。例えば、周期的に送信するSRS(Periodic SRS、trigger type0とも呼ぶ)と非周期的に送信するSRS(Aperiodic SRS、trigger type1とも呼ぶ)に対して異なる保証電力を設定することができる。あるいは、周期的に送信するSRSと非周期的に送信するSRSの一方(例えば、非周期的SRS)に対して保証電力を設定してもよい。非周期的SRSに保証電力を設定することにより、無線基地局がユーザ端末に要求したSRSの送信を適切に担保することが可能となる。
また、周期的SRSに対して保証電力を設定する場合、ユーザ端末はSRSを送信するタイミング(例えば、サブフレーム番号)や周波数リソースに基づいて保証電力の適用有無を制御してもよい。つまり、ユーザ端末は、SRSを送信するための優先サブフレームと非優先サブフレームを設定し、保証電力の適用を切り替えて制御する。あるいは、ユーザ端末はSRSを送信するための優先周波数リソースと非優先周波数リソースを設定し、保証電力の適用を切り替えて制御する。例えば、保証電力を設定するタイミング(例えば、サブフレーム)は、あらかじめ仕様で定義されていてもよいし、無線基地局からユーザ端末に上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知信号等)で通知することができる。
このように、一部のSRSに対して選択的に保証電力を設定することにより、パワーリミテッドとならない状況では保証電力が設定されないSRSの送信も可能とし、パワーリミテッドの状況では保証電力が設定されたSRSの送信を担保する。この場合、パワーリミテッドとなる状況では、PUCCH信号やPUSCH信号を優先して送信し、保証電力が設定されないSRSをドロップすることができる。これによりスループットを向上することができる。
<PUSCHを考慮した制御>
また、ユーザ端末は、SRSが送信されるサブフレームにおけるPUSCHの送信の有無に応じて、パワーリミテッド時のSRSの送信や送信電力を制御する構成としてもよい。
例えば、図6Aに示すように、MCGのセル(CC#0)の所定サブフレームでSRSが送信され、当該SRSの送信区間において、SCGのセル(CC#1)でPUSCHが送信され、パワーリミテッドとなる場合を想定する。
ユーザ端末は、所定サブフレームのシンボル(第0〜第13シンボル)のうち、最終シンボル(第13シンボル)にSRSを多重して送信することができる。この場合、SRSが送信される所定サブフレームにおいてPUSCHの割当て(例えば、第0〜第12シンボル)の有無に応じてSRSの送信や送信電力を制御する。
例えば、SRSが送信される所定サブフレーム(例えば、第0〜第12シンボル)にPUSCHが割当てられる場合、ユーザ端末は、PUSCHに設定される電力に基づいて(PUSCHに適用する電力制御に従って)SRSの送信電力を決定する。具体的に、ユーザ端末は、(1)SRSの送信電力をPUSCHの送信電力と同一とする、又は(2)PUSCHの送信電力とSRSの送信電力の差分又は比率を保持したままPUSCHと同様に電力制御(例えば、パワースケーリング)を行う。
図6Bに、ユーザ端末が(1)SRSの送信電力をPUSCHの送信電力と同一とする場合の一例を示す。図6Bでは、MCGのCC#0におけるUL信号(例えば、PUSCH)の送信としてマスタ基地局MeNBから保証電力を超える電力が要求され、SCGのCC#1におけるUL信号(例えば、PUSCH信号)の送信としてセカンダリ基地局SeNBから保証電力以下の電力が要求されている。両セルグループにおける全CCの送信電力の総和が、許容最大送信電力を超えるため、ユーザ端末は、パワースケーリング又はドロッピングを適用する。
図6Bに示す例では、SCGのCC#1の送信電力の総和は保証電力を超えないが、MCGのCC#0の送信電力の総和が保証電力を超える場合を示している。この場合、ユーザ端末は、SCGに対しては当該要求電力を送信電力として割り当て、残りの電力(許容最大送信電力PCMAXからSCGの送信電力を減算して得られる余剰電力)をMCGに割り当てる。
ユーザ端末は、CC#0の所定サブフレームに対しては、上記残りの電力を許容最大送信電力とみなし、PUSCHに対して、パワースケーリングを適用する。さらに、ユーザ端末は、SRSに対してもドロッピングするのではなく、PUSCHと同様にパワースケーリングを適用する。具体的には、図6Bに示すように、PUSCHと同じ電力を設定する。これにより、既存システムのルールではドロッピングされたSRSを、ドロッピングせずに送信することが可能となる。なお、既存システムでは、図6Cに示すようにSRSをドロッピングすることとなる。
また、ユーザ端末は、SRSとPUSCHの送信電力を同一にするのではなく、PUSCHの送信電力とSRSの送信電力の差分又は比率を保持したままSRSの電力制御(例えば、パワースケーリング)を行ってもよい。例えば、PUSCHの送信電力設定に用いられるオフセット(P0_PUSCH)とSRSの送信電力設定に用いられるオフセット(PSRS_OFFSET)の差分又は比率を保持したまま、PUSCHと同様にSRSの電力をパワースケーリングする。
一方、CC#0の所定サブフレームでPUSCH信号の送信が行われず、且つパワーリミテッドとなる場合を想定する。かかる場合、ユーザ端末は、SRSの送信電力を他のセルグループの送信電力を割当てた後の余剰電力で送信する、SRSの送信を行わない(ドロップ)、又はPUSCH又はPUCCHの電力制御に従うことができる。
<PUCCHを考慮した制御>
また、ユーザ端末は、SRSが送信されるサブフレームにおけるPUCCHの送信の有無に応じて、パワーリミテッド時のSRSの送信や送信電力を制御する構成としてもよい。
例えば、図6Aに示すように、MCGのセル(CC#0)の所定サブフレームでSRSが送信され、当該SRSの送信区間において、SCGのセル(CC#1)でPUSCHが送信され、パワーリミテッドとなる場合を想定する。
CC#0の所定サブフレームにPUCCHが割当てられる場合、ユーザ端末は、PUCCHに設定される電力に基づいて(PUCCHに適用する電力制御に従って)SRSの送信電力を決定する。具体的に、ユーザ端末は、(1)SRSの送信電力密度をPUCCHの送信電力密度と同一とする、(2)PUCCHの送信電力密度とSRSの送信電力密度との差分又は比率を保持したままPUCCHと同様に電力制御(例えば、パワースケーリング)する、又は(3)PUSCHの電力制御をSRSに適用する。
ユーザ端末が(3)PUSCHの電力制御をSRSに適用する場合、所定サブフレームにおいてPUSCHの送信を仮定して電力制御(例えば、パワースケーリング)を行う。つまり、ユーザ端末は、上記<PUSCHを考慮した制御>で記載した(1)又は(2)の電力制御方法を適用することができる。
一方、CC#0の所定サブフレームでPUCCH信号の送信が行われず、且つパワーリミテッドとなる場合を想定する。かかる場合、ユーザ端末は、SRSの送信電力を他のセルグループの送信電力を割当てた後の余剰電力で送信する、SRSの送信を行わない(ドロップ)、又はPUSCHの電力制御に従うことができる。
(第2の態様)
第2の態様では、デュアルコネクティビティ(DC)を適用する場合に、SRSに対して優先度を設定する場合について説明する。優先度は、周期的SRS(Periodic SRS)と非周期的SRS(Aperiodic SRS)の一方又は両方に設定することができる。また、周期的SRSと非周期的SRSに対してそれぞれ異なる優先度を設定することができる。
優先度は、SRSを送信するセルグループと異なる他のセルグループのUL信号(例えば、PUSCH信号、PUCCH信号、SRS等)に対する送信の優先度とすることができる。あるいは、SRSを送信するセルグループのUL信号(例えば、PUSCH信号、PUCCH信号、PRACH信号、SRS等)に対する送信の優先度としてもよい。
<周期的SRS>
周期的SRSに対して優先度を設定する場合、当該周期的SRSに対して優先度の高低を示すフラグを設定する。例えば、ユーザ端末に上位レイヤシグナリングを用いて周期的SRSを設定(Configure)する際に、優先度の高低を示す情報をあわせてユーザ端末に通知する。
また、ユーザ端末に対して優先度の異なる複数の周期的SRSを設定してもよい。この場合、ユーザ端末に設定する情報として、既存の周期的SRSの構成(SRS configuration)に加えて、優先度の高低を示す1ビット又は複数ビットのフラグを追加した構成とすることができる。また、周期的SRSを複数設定する場合(例えば、送信周期が異なる2つのSRSを設定する場合)、2つ目に設定する周期的SRSに対して、系列を決定するために単一又は複数の仮想セルID(バーチャルセルID)をユーザ端末に通知してもよい。
<非周期的SRS>
ユーザ端末からの非周期的SRSの送信は、無線基地局から送信される下り制御情報(例えば、DCIフォーマット0、4等)により制御される。また、無線基地局は、あらかじめトリガの有無及び/又はトリガするSRSパラメータに関する情報を上位レイヤシグナリングでユーザ端末に通知しておく(図7A参照)。
そこで、本実施の形態では、非周期的SRSに対して優先度を設定する場合、当該非周期的SRSのパラメータを設定する際に、優先度の高低についてもあわせてユーザ端末にシグナリングすることができる。
特に、DCIフォーマット4(ULグラント)を利用した非周期的SRSのトリガでは、SRSトリガの有無とトリガする場合のSRSパラメータをユーザ端末に複数通知する。そこで、ユーザ端末に通知する各パラメータに対して異なる優先度を設定することができる(図7B参照)。例えば、第1のSRSパラメータセット〜第3のSRSパラメータセットにそれぞれ異なる優先度を設定する。これにより、無線基地局は、通信環境に応じて柔軟なSRS送信を制御することが可能となる。
あるいは、非周期的SRSのトリガを制御する下り制御情報(ULグラント)に優先度に関する情報を含めてユーザ端末に動的に通知する構成としてもよい。
<周期的SRSと非周期的SRS>
また、周期的SRSと非周期的SRSに対して、異なる優先度を設定してもよい。例えば、無線基地局がトリガを制御する非周期的SRSに対して、周期的SRSより高い優先度を設定する。
また、UL信号の送信先(セルグループ(CG)、タイミングアドバンスグループ(TAG)、及び/又はセル)の分類に応じて異なる優先度を設定してもよい。例えば、PCell、PCG、PTAG等に送信するSRSに対して高い優先度を設定する。この場合、明示的(explicit)にシグナリングして優先度を設定してもよいし、所定のSRSを暗示的(implicit)に優先SRSとして設定することも可能である。
<優先度に応じた送信電力設定>
本実施の形態において、ユーザ端末は、優先度に応じてSRSの送信有無を制御するのでなく、優先度に応じてSRSに設定する送信電力を変更してもよい。例えば、ユーザ端末は、優先度が高いSRSに対して、保証電力(又はPCMAX)になるまでに優先的に電力を割当てることができる。
また、優先度の高いSRS(例えば、優先度が同一のSRS)が複数存在し、パワーリミテッドとなる場合、ユーザ端末は、(1)複数のSRSに対して均等にパワースケーリングを行う、又は(2)一部のSRSに対して優先的に電力割当てを行うことができる。(2)における一部のSRSとしては、PCell、PCG、PTAG等で送信するSRSから選択することができる。
また、優先度が低いSRSを送信する場合、又は他のUL信号(PUSCH信号、PUCCH信号、PRACH信号)を優先する場合、パワーリミテッドにより電力を設定すると通常優先度が低いSRSはドロップされる。しかし本実施の形態では、SRSと同時送信する物理チャネルや信号に電力を割当てた後に、残存割当て可能な電力がある場合には、残存電力の全て又は一部をSRSに割当て、SRSのドロップを回避するように制御してもよい。この場合、同時送信する物理チャネルや信号に対しては、保証電力を割当てることにより、SRSに対する電力を確保することができる。
(第3の態様)
第3の態様では、SRSの送信タイミングにおいてパワーリミテッドとなる場合に、SRSにパワースケーリングを行って送信を制御する場合について説明する。
既存システム(例えば、Rel.11)では、SRSの送信タイミングにおいてパワーリミテッドとなった場合、ユーザ端末はSRSをドロップするように制御する。一方、本実施の形態では、パワーリミテッドとなった場合であっても、ユーザ端末はSRSのドロップを極力回避し、可能な限りの電力を用いてSRSの送信を行うように制御する。
例えば、ユーザ端末は、SRSと同一タイミングで送信されるUL信号との合計電力がPCMAX(又は保証電力)を超えないようにパワースケーリングを行う。この際、ユーザ端末は、SRSに対してのみパワースケーリングを適用してもよいし、SRSと同時送信される一部又は全部の信号に対してパワースケーリングを適用してもよい。
また、同じタイミング(例えば、同一サブフレーム)で複数セルに対してSRSの送信を行う場合、所定の電力補正係数(w(i))をSRSの要求電力に乗算することにより、各SRSの電力補正を行うことができる。電力補正係数としては、既存システムでパワーリミテッドとなる場合に利用される電力補正係数(w(i))を利用することができる。
一方で、SRSに対してユーザ端末がパワースケーリングを行う場合、無線基地局側で正確なチャネル状態の測定が困難となる。その結果、ユーザ端末に対する適応変復調・チャネル符号化(AMC:Adaptive Modulation and Coding)を適切に設定できなくなるおそれがある。
そこで、本実施の形態では、複数アンテナに対してSRSの送信が設定されている場合に、一部のアンテナからのSRS送信をドロップ又はパワースケーリングする。一方、他のアンテナについては、送信電力(要求電力)を確保してSRSの送信を行う。これにより、無線基地局は、チャネル状態の測定を適切に行うことができると共に、ユーザ端末側における電力の張付き(パワーリミテッド)を解消することができる。
例えば、ユーザ端末は、SRS送信が設定される複数のアンテナのうち、アンテナポート番号の大きいアンテナから順番に送信電力を下げる(パワースケーリング)又はドロップすることができる(図8参照)。図8は、ユーザ端末が4つのアンテナポート(AP#1〜AP#4)を用いてSRSを送信する場合を示している。
本実施の形態では、AP#1〜AP#4からSRSの送信時にパワーリミテッドとなる場合、AP番号の大きいAP(AP#4)から順にパワースケーリング又はドロップする。図8では、AP#4をドロップする(又はパワースケーリングにより送信電力を0とする)場合を示している。
あるいは、ユーザ端末から異なる系列のSRS(種別が異なるSRS)を送信する場合に、一部の系列をドロップ又はパワースケーリングすることにより、他の系列のSRSの送信電力を確保してもよい。例えば、同じタイミングで周期的SRSと非周期的SRSを送信する必要がある場合、ユーザ端末は周期的SRSをドロップ又はパワースケーリングすることができる。
あるいは、広帯域で送信されるSRSに対して、送信帯域を限定する(減らす)ことによりSRSの送信電力を確保することも可能である。例えば、ユーザ端末は、SRSの送信時にパワーリミテッドとなった場合、SRSの送信帯域を所定領域(例えば、送信帯域の50%)に限定してSRSの送信を行う。
あるいは、ユーザ端末は、櫛の歯多重(comb)されているSRSに対して、周波数的な挿入周期を低減することによりSRSの送信電力を確保してもよい。無線基地局側では、FFT後の信号を検出することにより、パワースケーリングの有無を把握することができる。
(第4の態様)
第4の態様では、ユーザ端末の送信電力設定に関する情報を無線基地局へ通知する場合について説明する。
上述したように、デュアルコネクティビティ(DC)を適用する場合、ユーザ端末は、パワーリミテッドによりSRSの送信をドロップ又はパワースケーリングする場合がある。この場合、ユーザ端末は、SRSをドロップしたこと、及び/又はパワースケーリングを行ったことを無線基地局に通知する。あるいは、ユーザ端末は、所定サブフレームにおいてパワーリミテッドとなったことを無線基地局に通知する構成としてもよい。
ユーザ端末から無線基地局へパワーリミテッドであるか否かを通知する方法として、パワーリミテッドであるか否かに応じてSRSの送信方法を変更することができる。例えば、ユーザ端末は、SRSに適用する信号系列を変更することにより、無線基地局に対してパワーリミテッドであるか否かを通知することができる。信号系列としては、SRSの櫛の歯を2種類設定し、パワーリミテッドであるか否かに応じて異なる系列を使いわけることができる。
あるいは、ユーザ端末は、パワーリミテッドでなくとも、パワーリミテッドになるまでの残存電力を無線基地局に通知する構成としてもよい。特に、PUSCHを送信する場合には、残存電力に関する情報をPUSCHに含めて通知することができる。なお、既存システムにおけるパワーヘッドルーム(PHR)を利用してもよい。
また、ユーザ端末は、残存電力に関する情報を、SRSの送信先のセル(CG)又は他のセル(又は他のCG)に送信することができる。
(第5の態様)
第5の態様では、デュアルコネクティビティ(DC)を適用する場合に一部のセル(又はセルグループ)がTDDを適用する際の保証電力の設定について説明する。なお、第5の態様は、SRSの保証電力に限られず、他の信号(例えば、PUSCH信号及び/又はPUCCH信号)の保証電力に対しても適用することができる。
上記第1の態様で示したように、異なるセルグループ毎に保証電力を設定する形態において、一部のセル(又はセルグループ)がTDDを適用する場合も想定される。この場合、TDDを適用する他のセル(又はセルグループ)のサブフレームの種別(DLサブフレーム、ULサブフレーム、又はSpecial(SP)サブフレーム)に応じて、設定できるUL送信電力が変化する。
例えば、MCGがFDDを適用するセル(例えば、CC#0)を設定し、SCGがTDDを適用するセル(例えば、CC#1)を設定する場合を想定する。この場合、CC#1のサブフレーム種別に応じて、ユーザ端末がCC#0のUL送信に利用できる送信電力が異なる。例えば、CC#1がDLサブフレームとなる場合、CC#0で設定する上りの送信電力は、CC#1がULサブフレームとなる場合と比較して余裕が生じる。
したがって、本実施の形態では、UL信号(例えば、SRS、PUSCH信号及び/又はPUCCH信号)に対して複数の保証電力を設定する。例えば、サブフレーム種別毎に異なる複数の保証電力を設定して、電力割当てを行う。つまり、相手側のセルのサブフレーム種別(DL、UL、又はSP)に応じて、ユーザ端末が複数の保証電力を切り替えて利用する。
例えば2種類の保証電力を用いる場合、一部のセル(CC#1)がDLサブフレーム(UL信号の送信を行わない)時の保証電力と、一部のセルがULサブフレーム(UL信号を送信する)時の保証電力を設定する。Specialサブフレームの保証電力はDLサブフレーム、ULサブフレームと独立に指定が出来ても良いし、例えばULサブフレームと同一としても良い。
ユーザ端末は、TDDを利用するセルの構成(UL/DL/SP構成)からサブフレーム種別を自律的に判断して、複数の保証電力を切り替えて利用することができる。なお、TDDを利用するセルのUL/DL/SP構成に関する情報は、報知信号や(E)PDCCH等から把握することができる。あるいは、無線基地局からユーザ端末に対して複数の保証電力に関する情報を通知する構成としてもよい。
このように、デュアルコネクティビティにおいて、TDDを適用するセルがある場合、サブフレーム種別(UL/DL/SP構成)に関連付けて複数の保証電力を設定することにより、ユーザ端末はサブフレーム種別に応じてUL信号の送信電力を柔軟に制御することが可能となる。なお、保証電力は、SRS、PUSCH信号、PUCCH信号及びPRACH信号の一部に設定してもよいし、全てに設定することも可能である。
(無線通信システムの構成)
以下、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記第1の態様〜第5の態様のいずれか又はこれらの組み合わせが適用される。
図9は、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの一例を示す概略構成図である。図9に示すように、無線通信システム1は、複数の無線基地局10(11及び12)と、各無線基地局10によって形成されるセル内にあり、各無線基地局10と通信可能に構成された複数のユーザ端末20と、を備えている。無線基地局10は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。
図9において、無線基地局11は、例えば相対的に広いカバレッジを有するマクロ基地局で構成され、マクロセルC1を形成する。無線基地局12は、局所的なカバレッジを有するスモール基地局で構成され、スモールセルC2を形成する。なお、無線基地局11及び12の数は、図9に示す数に限られない。
マクロセルC1及びスモールセルC2では、同一の周波数帯が用いられてもよいし、異なる周波数帯が用いられてもよい。また、無線基地局11及び12は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して互いに接続される。
なお、マクロ基地局11は、無線基地局、eNodeB(eNB)、送信ポイント(transmission point)などと呼ばれてもよい。スモール基地局12は、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB(HeNB)、送信ポイント、RRH(Remote Radio Head)などと呼ばれてもよい。
ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでいてもよい。ユーザ端末20は、無線基地局10を経由して他のユーザ端末20と通信を実行できる。
上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、所定のSIB(System Information Block)が伝送される。また、PBCHにより、同期信号や、MIB(Master Information Block)などが伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認信号(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどを伝送するために用いられてもよい。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認信号などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブル(RAプリアンブル)が伝送される。また、上りリンクの参照信号として、チャネル品質測定用の参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、PUCCHやPUSCHを復調するための復調用参照信号(DM−RS:Demodulation Reference Signal)が送信される。
図10は、本実施の形態に係る無線基地局10の全体構成図である。無線基地局10(無線基地局11及び12を含む)は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部から構成される。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力された下り信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野で利用されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置を適用することができる。
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅される。各送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図11は、本実施の形態に係る無線基地局10が有するベースバンド信号処理部104の主な機能構成図である。なお、図11では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図11に示すように、無線基地局10は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信処理部304と、を少なくとも含んで構成されている。
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又は拡張PDCCH(EPDCCH)で伝送される下り制御信号のスケジューリングを制御する。また、システム情報、同期信号、CRS、CSI−RSなどの下り参照信号などのスケジューリングの制御も行う。また、上り参照信号、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号等のスケジューリングを制御する。なお、制御部301は、本発明に係る技術分野で用いられるコントローラ、制御回路又は制御装置で構成することができる。
また、制御部301は、無線基地局10に接続するユーザ端末20の上り信号送信電力を調整するために、送信信号生成部302及びマッピング部303を制御することができる。具体的には、制御部301は、ユーザ端末から送信されるSRSに基づいてチャネル品質を推定し、適応変復調・チャネル符号化(AMC)を制御する。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。例えば、送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのCSIなどに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
また、送信信号生成部302は、SRS等のUL信号に設定する保証電力に関する情報や、優先度に関する情報を生成することもできる。これらの情報は、送受信部103を介して上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知信号等)や下り制御信号によりユーザ端末20へ通知される。なお、送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野で利用される信号生成器又は信号生成回路で構成することができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野で利用されるマッピング回路又はマッパーで構成することができる。
受信処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)に対して受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。また、受信処理部304は、受信した信号を用いて受信電力(RSRP)やチャネル状態について測定してもよい。なお、処理結果や測定結果は、制御部301に出力されてもよい。受信処理部304は、本発明に係る技術分野で利用される信号処理器又は信号処理回路で構成することができる。
図12は、本実施の形態に係るユーザ端末20の全体構成図である。図12に示すように、ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野で利用されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置で構成することができる。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
送受信部203は、1つ以上のセルから構成されるセルグループ(CG)をそれぞれ設定する複数の無線基地局との間で信号を送受信することができる。例えば、送受信部203は、複数のCGに対してUL信号を同時に送信することが可能である。
図13は、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204の主な機能構成図である。なお、図13においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図13に示すように、ユーザ端末20は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信処理部404と、を少なくとも含んで構成されている。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、UL信号の生成を制御する。具体的には、制御部401は、送信信号生成部402及びマッピング部403の制御を行う。なお、制御部401は、本発明に係る技術分野で利用されるコントローラ、制御回路又は制御装置で構成することができる。
また、制御部401は、UL信号(PUCCH信号、PUSCH信号、SRS等)の送信電力を制御する。具体的には、制御部401は、送受信部203がMCG及びSCGに対してUL信号を同時送信する場合に、UL信号(例えば、SRS)に対して設定される保証電力を考慮して送信電力を制御する(上記第1の態様)。保証電力に関する情報は、受信処理部404から取得することができる。この際、PUCCH及び/又はPUSCHの保証電力からのオフセット値に基づいてSRSの保証電力を取得してもよい。
また、制御部401は、SRSの保証電力とPUSCH及び/又はPUCCHの保証電力と同一と仮定して電力を制御することができる。また、制御部401は、SRSの種別(周期的SRS又は非周期的SRS)に対して異なる保証電力を適用して電力を制御してもよい。また、制御部401は、SRSが送信されるサブフレームにおいて、PUCCH及び/又はPUSCHの割当ての有無に応じてSRSの送信電力を制御することができる。
また、制御部401は、SRSに対して優先度を設定して送信を制御することができる(上記第2の態様)。あるいは、制御部401は、SRSの送信タイミングにおいてパワーリミテッドとなる場合に、SRSにパワースケーリングを行って送信を制御することができる(上記第3の態様)。あるいは、制御部401は、ユーザ端末の送信電力設定に関する情報を無線基地局へ通知するように制御することができる(上記第4の態様)。あるいは、制御部401は、一部のセル(又はセルグループ)がTDDを適用する際に、複数の保証電力を用いて送信電力を制御することができる(上記第5の態様)。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)などの上り制御信号を生成する。
また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、制御部401は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、送信信号生成部402に上りデータ信号の生成を指示する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいてSRSを生成する。なお、送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野で利用される信号生成器又は信号生成回路で構成することができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野で利用されるマッピング回路又はマッパーで構成することができる。
受信処理部404は、無線基地局10から送信されるDL信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。また、受信処理部404は、受信した信号を用いて受信電力(RSRP)やチャネル状態について測定してもよい。なお、処理結果や測定結果は、制御部401に出力されてもよい。受信処理部404は、本発明に係る技術分野で利用される信号処理器又は信号処理回路で構成することができる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、CD−ROM、RAM、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。