JP7433539B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本開示は、冷凍サイクルを利用した空気調和機に関するものである。
従来、冷房運転を行う空気調和機は、外気温度が低くなり、圧縮機の周波数が低下する場合に、凝縮温度が低下し、吐出圧力も低くなるため圧縮機の運転範囲を逸脱する恐れがあった。そこで、圧縮機の使用範囲を逸脱させず冷房運転を継続するために、圧縮機が運転できる最小値(圧縮機最低周波数)を変更する空気調和機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-53527号公報
しかし、特許文献1の空気調和機は、最低周波数で運転した場合でも冷房能力が過多となる負荷の場合、実室内温度が空気調和機で設定されている目標室内温度以下となるため、空気調和機はいずれ運転を停止する。そして、特許文献1の空気調和機は、室内温度が上昇してくると再び空気調和機を稼働させるため、空気調和機の運転はon-offを繰り返す断続運転となる。この運転において、最低周波数が低すぎると冷凍サイクルが立ち上がるまでの時間が長くなり、消費電力が増加してしまう。また、最低周波数が高すぎると冷凍サイクルが安定する前に室内温度が目標温度以下となり、空気調和機が停止してしまい効率の悪い運転となってしまう。
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、断続運転を行っても冷凍サイクルを早期に安定させ、効率のよい運転を行う空気調和機を提供することを目的としている。
本開示に係る空気調和機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器から流出した冷媒を減圧させる減圧装置と、減圧装置で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発器の冷媒温度を測定する温度センサと、圧縮機及び減圧装置を制御して暖房運転又は冷房運転を実行し、冷房負荷又は暖房負荷が小さくなった場合に圧縮機の運転を停止し、冷房負荷又は暖房負荷が大きくなった場合に圧縮機の運転を開始する断続運転を行い、断続運転において圧縮機の運転を行う場合に、圧縮機を運転するために設定された周波数の範囲の、下限の周波数として設定された最低周波数で断続運転を行う制御装置と、を有し、制御装置は、冷凍サイクルでの冷媒循環における冷暖房能力安定までの応答値である時定数であって、温度センサによる測定値から算出した冷暖房能力を表す波形における立ち上がり時の時定数に、予め設定された第1定数を乗算して得られた第1判定値と、時定数に第1定数よりも小さい値である予め設定された第2定数を乗算して得られた第2判定値と、を有し、断続運転における、圧縮機の運転開始時から圧縮機の運転停止時までの断続運転時間が第1判定値よりも大きい場合には、次の圧縮機の運転時の最低周波数を増加させ、断続運転時間が第2判定値よりも小さい場合には、次の圧縮機の運転時の最低周波数を減少させるものである。
本開示に係る空気調和機は、制御装置が、断続運転における、圧縮機の運転開始時から圧縮機の運転停止時までの断続運転時間が第1判定値よりも大きい場合には、次の圧縮機の運転時の最低周波数を増加させ、断続運転時間が第2判定値よりも小さい場合には、次の圧縮機の運転時の最低周波数を減少させる。制御装置が、断続運転の際に断続運転時間に基づき圧縮機の最低周波数を変更することによって、断続運転を行っても冷凍サイクルを早期に安定させ、効率のよい運転を行うことができる。
実施の形態に係る空気調和機の冷房運転時の冷媒回路図である。 実施の形態に係る空気調和機の暖房運転時の冷媒回路図である。 図1の制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態に係る空気調和機の圧縮機における圧縮機周波数と冷凍サイクルの性能との関係を示す図である。 実施の形態に係る空気調和機の冷房運転時の動作を説明する図である。 実施の形態に係る空気調和機の暖房運転時の動作を説明する図である。 最低周波数Fminが低すぎる場合の断続運転時の運転波形である。 最低周波数Fminが高すぎる場合の断続運転時の運転波形である。 最低周波数Fminが適切な場合の断続運転時の運転波形である。 実施の形態に係る空気調和機の、冷房運転時の最低周波数Fminを変更する制御フローを示す図である。 実施の形態に係る空気調和機の、暖房運転時の最低周波数Fminを変更する制御フローを示す図である。
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1を含めた、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、各実施の形態において、先行する実施の形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。また、以下の実施の形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施の形態同士を部分的に組み合わせることができる。
実施の形態.
<空気調和機100の構成>
図1は、実施の形態に係る空気調和機100の冷房運転時の冷媒回路図である。図2は、実施の形態に係る空気調和機100の暖房運転時の冷媒回路図である。なお、図1の実線矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示しており、図2の実線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示している。
図1及び図2に示すように、実施の形態に係る空気調和機100は、室外機110と、室内機120とを有する。室外機110は、室外に配置され、室内機120は、室内に配置される。室外機110と、室内機120とは、冷媒配管65の一部を構成する第1延長配管61及び第2延長配管62で接続されている。実施の形態では、室外機110及び室内機120が、それぞれ1台である空気調和機100について例示しているが、空気調和機100は、2台以上の室外機110及び室内機120を有してもよい。
室外機110は、圧縮機10と、流路切替装置20と、室外熱交換器30と、減圧装置40と、室外送風機35とを有する。また、室外機110は、室外温度センサ31を有している。
室内機120は、室内熱交換器50と、室内送風機55とを有する。また、室内機120は、室内温度センサ51及び室内吸込温度センサ52を有している。なお、実施の形態に係る空気調和機100では、室外機110が減圧装置40を有しているが、室外機110ではなく室内機120が減圧装置40を有してもよい。
空気調和機100は更に、制御装置70を有する。制御装置70は、室外機110及び室内機120の冷房運転及び暖房運転等の各種運転を制御する。なお、実施の形態に係る空気調和機100では、室外機110が制御装置70を有しているが、室外機110ではなく室内機120が制御装置70を有してもよい。
空気調和機100は、圧縮機10、流路切替装置20、室外熱交換器30、減圧装置40、及び、室内熱交換器50が冷媒配管65で接続され、冷媒が循環する冷媒回路60を形成している。この空気調和機100は、流路切替装置20の切り替えにより冷媒回路60を流れる冷媒の流れる方向を変更することにより冷房運転及び暖房運転を行うことができる。
圧縮機10は、低温且つ低圧の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮し、高温且つ高圧の冷媒を吐出する。圧縮機10は、例えば、インバータを備え、運転周波数を変化させることにより、単位時間あたりの送出量である容量が制御される。圧縮機10の運転周波数は、制御装置70によって制御される。
流路切替装置20は、例えば四方弁であり、冷媒の流れる方向を切り替えることにより、空気調和機100の冷房運転と暖房運転との切り替えを行う。流路切替装置20は、冷房運転時に、図1の実線で示す状態に切り替わり、圧縮機10の吐出側と室外熱交換器30とが接続される。また、流路切替装置20は、暖房運転時に、図2の実線で示す状態に切り替わり、圧縮機10の吐出側と室内熱交換器50とが接続される。流路切替装置20による流路の切り替えは、制御装置70によって行われる。
室外熱交換器30は、室外空気と室外熱交換器30の内部を流れる冷媒との間で熱交換を行う。室外熱交換器30は、冷房運転の際に、冷媒の熱を室外空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。凝縮器である室外熱交換器30は、圧縮機10から吐出された冷媒を凝縮させる。また、室外熱交換器30は、暖房運転の際に、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により室外空気を冷却する蒸発器として機能する。蒸発器である室外熱交換器30は、減圧装置40で減圧された冷媒を蒸発させる。
室外送風機35は、室外熱交換器30に対して室外空気を供給する。図1及び図2に示す室外熱交換器30に向かう白抜矢印は、室外送風機35によって供給される空気の流れを示している。室外送風機35は、室外送風機35を構成するモータ(図示は省略)の回転数が制御装置70により制御される。空気調和機100は、制御装置70により室外送風機35を構成するモータの回転数が制御されることによって、室外熱交換器30に対する送風量が調整される。
減圧装置40は、凝縮器から流出した冷媒を減圧させる。減圧装置40は、例えば絞りの開度を調整することができる電子式膨張弁であり、開度を調整することによって室外熱交換器30又は室内熱交換器50に流入する冷媒の圧力を制御する。減圧装置40の開度は、制御装置70によって制御される。
室外温度センサ31は、室外熱交換器30に設けられている。空気調和機100が冷房運転を行う場合には、室外温度センサ31は、凝縮温度を測定する。また、空気調和機100が暖房運転を行う場合には、室外温度センサ31は、蒸発温度を測定する。すなわち、空気調和機100が暖房運転を行う場合には、室外温度センサ31は、蒸発器の冷媒温度を測定する。室外温度センサ31によって測定された温度は、制御装置70が受信する。
室内熱交換器50は、室内空気と室内熱交換器50の内部を流れる冷媒との間で熱交換を行う。室内熱交換器50は、冷房運転の際に、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により室内空気を冷却する蒸発器として機能する。蒸発器である室内熱交換器50は、減圧装置40で減圧された冷媒を蒸発させる。また、室内熱交換器50は、暖房運転の際に、冷媒の熱を室内空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。凝縮器である室内熱交換器50は、圧縮機10から吐出された冷媒を凝縮させる。
室内送風機55は、室内熱交換器50に対して室内空気を供給する。図1及び図2に示す室内熱交換器50に向かう白抜矢印は、室内送風機55によって供給される空気の流れを示している。室内送風機55は、室内送風機55を構成するモータ(図示は省略)の回転数が制御装置70により制御される。空気調和機100は、制御装置70により室内送風機55を構成するモータの回転数が制御されることによって、室内熱交換器50に対する送風量が調整される。
室内温度センサ51は、室内熱交換器50に設けられている。空気調和機100が冷房運転を行う場合には、室内温度センサ51は、蒸発温度を測定する。すなわち、空気調和機100が冷房運転を行う場合には、室内温度センサ51は、蒸発器の冷媒温度を測定する。また、空気調和機100が暖房運転を行う場合には、室内温度センサ51は、凝縮温度を測定する。
室内吸込温度センサ52は、室内熱交換器50に流入する室内空気の温度を測定する。すなわち、室内吸込温度センサ52は、凝縮器又は蒸発器が配置された空調対象空間の室内温度を測定する。室内吸込温度センサ52は、室内熱交換器50の近くに配置されている。室内温度センサ51及び室内吸込温度センサ52によって測定された温度は、制御装置70が受信する。
図3は、図1の制御装置70の構成の一例を示すブロック図である。制御装置70は、専用のハードウェア、又はメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)で構成されている。なお、CPUは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はプロセッサともいう。
制御装置70が専用のハードウェアである場合、制御装置70は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。制御装置70が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部を一つのハードウェアで実現してもよい。制御装置70は、機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
制御装置70がCPUの場合、制御装置70が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。CPUは、メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置70の各機能を実現する。ここで、メモリは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、又はEEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。
制御装置70は、圧縮機10及び減圧装置40を制御して暖房運転又は冷房運転を実行する。制御装置70は、暖房運転又は冷房運転を実行するに際して、室外送風機35及び室内送風機55の回転数を制御してもよい。制御装置70は、空気調和機100の冷房運転及び暖房運転等の各種運転を制御し、及び、設定室温等の維持又は変更等の制御を行う。
制御装置70は、断続運転において圧縮機10の運転を行う場合に、圧縮機10を運転するために設定された周波数の範囲の、下限の周波数として設定された最低周波数で圧縮機10の断続運転を行う。断続運転は、冷房負荷又は暖房負荷が小さくなった場合に圧縮機10の運転を停止し、冷房負荷又は暖房負荷が大きくなった場合に圧縮機10の運転を開始する運転である。
制御装置70は、図3に示すように、運転状態判定部71、記憶部72、及び、計時部73を備えている。また、制御装置70は、圧縮機制御部74、減圧機構制御部75、及び、送風機制御部76を備えている。
運転状態判定部71は、外部から供給された空気調和機100の運転状態を示す運転情報、及び、各種センサによる測定情報に基づき、後述する冷房運転及び暖房運転時における制御フローにおける判定を行う。運転状態判定部71は、室外温度センサ31、室内温度センサ51、及び、室内吸込温度センサ52の測定データを受信する。
記憶部72には、制御装置70で行われる制御に必要なプログラム及びデータ等が予め記憶されている。記憶部72は、制御装置70が空気調和機100を構成する機器を制御する際に必要な情報等を記憶している。計時部73は、例えば、タイマー又はリアルタイムクロック等からなり、現在の時刻を取得し、また、設定した時間を計るために用いられる。
圧縮機制御部74は、圧縮機10の運転周波数を制御して圧縮機10の回転数を制御する。減圧機構制御部75は、減圧装置40の開度を制御する。送風機制御部76は、室外送風機35及び室内送風機55の回転数を制御する。
図4は、実施の形態に係る空気調和機100の圧縮機10における圧縮機周波数Faと冷凍サイクルの性能との関係を示す図である。ここで、図4を用いて圧縮機10における圧縮機周波数Fa[Hz]の特性について説明する。
図4の(a)の横軸は、圧縮機10の圧縮機周波数Fa[Hz]を表し、縦軸はエネルギー消費効率であるCOP(Coefficient Of Performance)を表している。すなわち、図4の(a)は、圧縮機周波数Fa[Hz]に対するCOPを表している。COPは、定格冷房時及び定格暖房時の消費電力1kW当たりの冷房能力及び暖房能力を示す値である。COPは、冷房運転では、消費電力(kW)に対する冷房能力(kW)の比率で表される(冷房能力(kW)/消費電力)。また、COPは、暖房運転では、消費電力(kW)に対する暖房能力(kW)の比率で表される(暖房能力(kW)/消費電力)。
図4の(b)の横軸は、圧縮機10の圧縮機周波数Fa[Hz]を表し、縦軸は空気調和機100の能力Q[kW]を表している。空気調和機100の能力Q[kW]は、冷房運転では、冷房能力[kW]であり、暖房運転では暖房能力[kW]である。すなわち、図4の(b)は、圧縮機周波数Fa[Hz]に対する、空気調和機100の能力Q[kW]を示している。
図4のCOP最大周波数F1[Hz]は、エネルギー消費効率が最大となる圧縮機10の周波数であり、下限周波数F2[Hz]は、圧縮機10の運転を行うことができる下限となる周波数である。また、上限周波数F3[Hz]は、故障することなく安全に圧縮機10の運転を行うことができる周波数であり、上限側の周波数である。また、最低周波数Fmin[Hz]は、圧縮機10が断続運転を開始する際の圧縮機10の周波数である。最低周波数Fmin[Hz]は、圧縮機10を運転するために設定された周波数の範囲における下限の周波数として設定されている。
上述したように、最低周波数Fmin[Hz]は、圧縮機10の運転に際し、制御装置70に設定されている最低の周波数であって、制御装置70による制御モード内に設定されている最低の周波数である。すなわち、最低周波数Fmin[Hz]は、ユーザ又は制御装置70によって定められた周波数の範囲の下限値である。これに対し、下限周波数F2[Hz]は、圧縮機10を構成するモータ(図示は省略)を回転させるために必要な周波数であり、故障することなく安全に圧縮機10を運転するために必要な下限の周波数である。制御装置70の圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]以上の周波数で圧縮機10の運転を行う。
実施の形態に係る空気調和機100は、制御装置70の圧縮機制御部74によって、最低周波数Fmin[Hz]を変更できる。すなわち、圧縮機制御部74は、図4に示すように、横軸における最低周波数Fmin[Hz]の位置を変更できる。
図4の(b)に示すように、空気調和機100は、圧縮機周波数Fa[Hz]を上げるにつれて、能力Qは上昇する。また、図4の(a)に示すように、空気調和機100は、圧縮機周波数Fa[Hz]を上げるにつれてCOPは上に凸の曲線を描く。図4の(a)に示すように、空気調和機100は、下限周波数F2[Hz]と上限周波数F3[Hz]との間でCOPが上に凸の曲線を描き、下限周波数F2[Hz]と上限周波数F3[Hz]との間にエネルギー消費効率が最大となるCOP最大周波数F1[Hz]が存在する。
<冷房運転>
ここで、実施の形態に係る空気調和機100の動作における冷媒の流れについて説明する。先ず、図1を用いて冷房運転について説明する。冷房運転において、圧縮機10に吸入された冷媒は、圧縮機10によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機10から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置20を通過して、凝縮器として作用する室外熱交換器30に流入する。
室外熱交換器30に流入した冷媒は、室外送風機35によって送られる室外空気と熱交換する。室外熱交換器30において、冷媒は、室外空気へ放熱することで凝縮して、液化する。その際、室外空気は、冷媒との熱交換によって暖められる。室外熱交換器30を流出した液状態の冷媒は、減圧装置40に流入し、減圧及び膨張されて、低温且つ低圧の気液二相状態の冷媒となる。減圧装置40を流出した気液二相状態の冷媒は、室外機110と室内機120とを連結する第1延長配管61を通過し、蒸発器として作用する室内熱交換器50に流入する。
室内熱交換器50に流入した冷媒は、室内送風機55によって送られる室内空気と熱交換して蒸発し、ガス化する。その際、室内空気が冷却されて室内における冷房が実施される。その後、蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、室内機120と室外機110とを連結する第2延長配管62を通過し、流路切替装置20へ再度流入する。流路切替装置20を通った冷媒は、圧縮機10に吸入され、再び圧縮機10によって高温且つ高圧のガス冷媒へと圧縮され、吐出される。
<暖房運転>
次に、図2を用いて暖房運転について説明する。暖房運転において、圧縮機10に吸入された冷媒は、圧縮機10によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出される。圧縮機10から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置20と、室外機110及び室内機120を連結する第2延長配管62とを通過して、凝縮器として作用する室内熱交換器50に流入する。
室内熱交換器50に流入した冷媒は、室内送風機55によって送られる室内空気と熱交換する。室内熱交換器50において、冷媒は、室内空気へ放熱することで凝縮して、液化する。その際、室内空気が温められて、室内における暖房が実施される。室内熱交換器50を流出した液状態の冷媒は、室内機120と室外機110とを連結する第1延長配管61を通過し、減圧装置40に流入する。減圧装置40に流入した液状態の冷媒は、減圧及び膨張されて、低温且つ低圧の気液二相状態の冷媒となる。減圧装置40を流出した気液二相状態の冷媒は、蒸発器として作用する室外熱交換器30に流入する。
室外熱交換器30に流入した冷媒は、室外送風機35によって送られる室外空気と熱交換されて蒸発し、ガス化する。その際、室外空気は、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置20を通過して、圧縮機10に吸入される。圧縮機10に吸入された冷媒は、再び圧縮機10によって高温且つ高圧のガス冷媒へと圧縮され、吐出される。
<空気調和機100の断続運転>
ここで、空気調和機100の断続運転について説明する。冷房運転で外気温度が低い場合、暖房運転で外気温度が高い場合、あるいは、建物の断熱性能が高く熱負荷が少ない場合、空気調和機100は、インバータを搭載した圧縮機10の周波数が低下する。特に下限周波数F2[Hz]で圧縮機10が運転する場合の能力に対し、負荷が小さい場合、室内温度が設定温度よりも低い温度となってしまい、空気調和機100は圧縮機10がon-offを繰り返す断続運転を行うことになる。ここで、空気調和機100における冷房運転及び暖房運転のそれぞれの断続運転について説明する。
<冷房運転の場合の断続運転>
空気調和機100の冷房能力に対して負荷が小さい場合、負荷に対して冷房能力が大きいため、徐々に室内温度が低下していく。空気調和機100は、室内の過度な冷やし込みを防止するため、制御装置70の圧縮機制御部74は、空気調和機100の設定温度Tsetに対してある一定の幅を持たせて圧縮機10の運転を制御する。なお、設定温度Tsetは、目標となる室内温度であり、例えば、予め記憶部72に記憶されていてもよく、あるいは、ユーザがリモコン等の操作装置を操作することによって制御装置70の記憶部72等に記憶されてもよい。また、ある一定の幅は、設定値α[℃]として予め記憶部72に記憶されている。この設定値α[℃]の値は、ユーザによって変更されてもよく、空気調和機100の運転に伴い制御装置70によって変更されてもよい。設定値α[℃]は、例えば、0.5[℃]あるいは1[℃]である。
室内温度が設定温度Tset-αの温度よりも低い温度になると、運転状態判定部71は、冷房負荷が小さくなった場合であると判断し、制御装置70の圧縮機制御部74は、圧縮機10の運転を止めて、冷房運転を停止する。なお、この制御装置70が冷房運転を停止する温度をoff点という。また、その後、圧縮機10の運転停止により、室内温度が徐々に上昇し、室内温度が設定温度Tset+αよりも高い温度になると、運転状態判定部71は、冷房負荷が大きくなった場合であると判断し、制御装置70の圧縮機制御部74は、圧縮機10の運転を開始し、冷房運転を再開する。なお、この冷房運転を開始する温度をon点という。空気調和機100は、このような動作を行うため、低負荷の場合には、冷房運転のon-offを繰り返す断続運転が行われる。
<暖房運転の場合の断続運転>
空気調和機100の暖房能力に対して負荷が小さい場合、負荷に対して暖房能力が大きいため、徐々に室内温度が上昇していく。空気調和機100は、室内の過度な暖房を防止するため、制御装置70の圧縮機制御部74は、空気調和機100の設定温度Tsetに対してある一定の幅α[℃]を持たせて圧縮機10の運転を制御する。
室内温度が設定温度Tset+αの温度よりも高い温度になると、運転状態判定部71は、暖房負荷が小さくなった場合であると判断し、制御装置70の圧縮機制御部74は、圧縮機10の運転を止めて、暖房運転を停止する。なお、この制御装置70が暖房運転を停止する温度をoff点という。また、その後、圧縮機10の運転停止により、室内温度が徐々に低下し、室内温度が設定温度Tset-αよりも低い温度になると、運転状態判定部71は、暖房負荷が大きくなった場合であると判断し、制御装置70の圧縮機制御部74は、圧縮機10の運転を開始し、暖房運転を再開する。なお、この暖房運転を開始する温度をon点という。空気調和機100は、このような動作を行うため、低負荷の場合には、暖房運転のon-offを繰り返す断続運転が行われる。
<空気調和機100の冷房運転時の動作>
図5は、実施の形態に係る空気調和機100の冷房運転時の動作を説明する図である。図5を用いて、空気調和機100の冷房運転時の動作について説明する。図5の横軸は、時間tmを表している。図5は、(a)~(d)において、時間tmに対して4つの指標の関係を示している。
図5の(a)の縦軸は冷房負荷を表しており、図5の(a)は、時間tmと冷房負荷との関係を示している。図5の(b)の縦軸は室内温度tr[℃]を表しており、図5の(b)は、時間tmと室内温度tr[℃]との関係を示している。図5の(c)の縦軸は能力Q[kW]を表しており、図5の(c)は、時間tmと能力Q[kW]との関係を示している。図5の(d)の縦軸は圧縮機周波数Fa[Hz]を表しており、図5の(d)は、時間tmと圧縮機周波数Fa[Hz]との関係を示している。
図5に示すように空気調和機100の動作は、時間tmの経過において区間1~区間5の5つの区間の動作を有している。図5を用いて、区間1~区間5の5つの区間における空気調和機100の動作について説明する。
(区間1)
区間1は、図5の(a)に示すように冷房負荷が大きく、空気調和機100は、圧縮機10の連続運転を行うことが可能な状態である。空気調和機100の圧縮機制御部74は、設定温度Tsetとなるように圧縮機10の周波数[Hz]を制御しているため、負荷の変動に応じて周波数[Hz]が変化する。具体的には、(d)に示すように、時間tmの経過とともに、圧縮機10の周波数[Hz]は低下する。なお、区間1では、圧縮機10の運転の開始直後であって、圧縮機10の運転を開始してからあまり時間tmが経過していないため、(b)に示すように室内温度tr[℃]はまだ低下していない。
(区間2)
区間2では、(a)に示すように負荷が徐々に小さくなり、(d)に示すように圧縮機10は、動作可能な下限周波数F2[Hz]に張り付く運転となる。その後、下限周波数F2[Hz]で運転した際の能力よりも負荷が小さくなると、能力Qが過多な状態となるため、冷房の場合、室内温度tr[℃]は徐々に低下していき、室内温度tr[℃]がoff点に到達する。室内温度tr[℃]がoff点に到達すると、区間3以降の(d)に示すように、圧縮機10は断続運転を開始する。なお、(d)において、圧縮機10の周波数[Hz]が0の位置では、圧縮機10は運転を停止している。
(区間3)
区間3は、圧縮機10が下限周波数F2[Hz]で断続運転する区間である。区間3では、圧縮機10が運転を行っている場合には、圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]と下限周波数F2[Hz]とが同じ周波数である。なお、圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]と下限周波数F2[Hz]とが同じ周波数である場合の最低周波数Fmin[Hz]を最低周波数Fmin1[Hz]とする。ここで、負荷によっては、断続運転する際の圧縮機10の運転を開始するon点の周波数は、下限周波数F2[Hz]よりも高い方が、断続運転となるon-off運転の平均COPが高くなる場合がある。そのため、制御装置70の圧縮機制御部74は、後述する方法でon-off運転時における圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]を変化させる。
(区間4)
区間4は、区間3で圧縮機10の運転を行った結果、制御装置70が最低周波数Fmin[Hz]を増加させた方がよいと判断し、制御装置70が最低周波数Fmin[Hz]を増加させた場合の結果を示している。ここでは、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を、最低周波数Fmin1[Hz]よりも高い周波数である最低周波数Fmin2[Hz]に変更している。最低周波数Fmin2[Hz]は、負荷に対して必要な周波数よりも大きい周波数である。すなわち、区間4では負荷に対し、制御装置70が最低周波数Fmin[Hz]を必要以上に大きい周波数に設定してしまった場合を示している。なお、制御装置70による最低周波数Fmin[Hz]の変更方法については、後述する。
最低周波数Fmin[Hz]が負荷に対して大きい数値であると、図5の(b)及び(c)で示すように、冷凍サイクルが安定する前に室内温度tr[℃]がoff点に到達してしまう。冷凍サイクルの安定性は、図5の(c)の曲線で示される。(c)において、時間tmの経過に対して能力Q[kW]が一定である場合に冷凍サイクルは安定している。すなわち、図5の(c)において、曲線が水平の直線に近い直線で示されている部分において冷凍サイクルは安定している。
(区間5)
区間5は、区間4における圧縮機10の運転を行った結果を受けて、制御装置70が最低周波数Fmin[Hz]を減少させた場合の結果を示している。区間5では、図5の(d)に示すように、制御装置70は、圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]が、区間3における圧縮機10を運転させた最低周波数Fmin1[Hz]よりも高い値で、圧縮機10を運転させている。また、制御装置70は、圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]が、区間4における圧縮機10を運転させた最低周波数Fmin2[Hz]よりも低い値で、圧縮機10を運転させている。
図5の(c)に示すように、区間5では、区間4と比較して、図5の(c)の曲線が水平の直線に近い直線部分を多く含んでおり、区間4と比較して、空気調和機100の冷凍サイクルが安定している。また、区間5では、区間3に比べて冷凍サイクルが早期に安定し、また、区間5における安定時の能力が区間3における安定時の能力よりも高い。そのため、空気調和機100は、平均COPを高めることができる。
<空気調和機100の暖房運転時の動作>
図6は、実施の形態に係る空気調和機100の暖房運転時の動作を説明する図である。図6を用いて、空気調和機100の暖房運転時の動作について説明する。なお、図6の(a)~(d)は、図5の(a)~(d)に相当する。
(区間1)
区間1は、図6の(a)に示すように暖房負荷が大きく、空気調和機100は、圧縮機10の連続運転を行うことが可能な状態である。空気調和機100の圧縮機制御部74は、設定温度Tsetとなるように圧縮機10の周波数[Hz]を制御しているため、負荷の変動に応じて周波数[Hz]が変化する。具体的には、(d)に示すように、時間tmの経過とともに、圧縮機10の周波数[Hz]は低下する。なお、区間1では、圧縮機10の運転の開始直後であって、圧縮機10の運転を開始してからあまり時間tmが経過していないため、(b)に示すように室内温度tr[℃]はまだ上昇していない。
(区間2)
区間2では、(a)に示すように負荷が徐々に小さくなり、(d)に示すように圧縮機10は、動作可能な下限周波数F2[Hz]に張り付く運転となる。その後、下限周波数F2[Hz]で運転した際の能力よりも負荷が小さくなると、能力Qが過多な状態となるため、暖房の場合、室内温度tr[℃]は徐々に上昇していき、室内温度tr[℃]がoff点に到達する。室内温度tr[℃]がoff点に到達すると、区間3以降の(d)に示すように、圧縮機10は断続運転を開始する。
(区間3)
区間3は、圧縮機10が下限周波数F2[Hz]で断続運転する区間である。区間3では、圧縮機10が運転を行っている場合には、圧縮機10の最低周波数Fmin1[Hz]と下限周波数F2[Hz]とが同じ周波数である。ここで、負荷によっては、断続運転する際の圧縮機10の運転を開始するon点の周波数は、下限周波数F2[Hz]よりも高い方が、断続運転となるon-off運転の平均COPが高くなる場合がある。そのため、制御装置70の圧縮機制御部74は、後述する方法でon-off運転時における圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]を変化させる。
(区間4)
区間4は、区間3で圧縮機10の運転を行った結果、制御装置70が最低周波数Fmin[Hz]を増加させた方がよいと判断し、制御装置70が最低周波数Fmin[Hz]を増加させた場合の結果を示している。ここでは、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を、最低周波数Fmin1[Hz]よりも高い周波数である最低周波数Fmin2[Hz]に変更している。区間4では負荷に対し、制御装置70が最低周波数Fmin[Hz]を必要以上に大きい周波数に設定してしまった場合を示している。
最低周波数Fmin[Hz]が負荷に対して大きい数値であると、図6の(b)及び(c)で示すように、冷凍サイクルが安定する前に室内温度tr[℃]がoff点に到達してしまう。
(区間5)
区間5は、区間4における圧縮機10の運転を行った結果を受けて、制御装置70が最低周波数Fmin[Hz]を減少させた場合の結果を示している。区間5では、図6の(d)に示すように、制御装置70は、圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]が、区間3における圧縮機10を運転させた最低周波数Fmin1[Hz]よりも高い値で、圧縮機10を運転させている。また、制御装置70は、圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]が、区間4における圧縮機10を運転させた最低周波数Fmin2[Hz]よりも低い値で、圧縮機10を運転させている。
図6の(c)に示すように、区間5では、区間4と比較して、図6の(c)の曲線が水平の直線に近い直線部分を多く含んでおり、区間4と比較して、空気調和機100の冷凍サイクルが安定している。また、区間5では、区間3に比べて冷凍サイクルが早期に安定し、また、区間5における安定時の能力が区間3における安定示の能力よりも高い。そのため、空気調和機100は、平均COPを高めることができる。
(最低周波数Fmin[Hz]の変更方法)
図5及び図6では、圧縮機10の制御装置70が、最低周波数Fmin[Hz]を変更しているが、この最低周波数Fmin[Hz]の変更方法について説明する。空気調和機100の制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]の変更に関し、冷凍サイクルの時定数T[s]を試算し、時定数Tと圧縮機10の断続運転時間tとを比較し、圧縮機周波数Fa[Hz]を変更する。なお、時定数T[s]は、冷凍サイクルでの冷媒循環における冷暖房能力安定までの応答値である。また、断続運転時間tは、圧縮機10において断続運転が行われている間の運転時間である。制御装置70は、断続運転の際に、圧縮機10の運転開始時から圧縮機10の運転停止時までの断続運転時間tを測定する。時定数T[s]の求め方と、最低周波数Fmin[Hz]の変更方法を以下に説明する。
(時定数Tの求め方)
圧縮機10が停止している状態から圧縮機10を起動させると、能力Q[kW]は少しずつ上昇する。冷凍サイクルで構築された空気調和機100の場合、図5の(c)における区間3~区間5に示すように、その能力Qの上がり方は1次遅れ系の波形となる。この波形の時定数T[s]は、冷媒回路60内を流れる冷媒循環流量を循環流量Gr[kg/s]、冷媒回路60内に封入された冷媒量を冷媒量M[kg]とすると以下の式(1)で示すことができる。
T=M/Gr …(1)
この循環流量Gr[kg/s]は、以下の式(2)で示すことができる。式2において、圧縮機10の回転数を圧縮機周波数Fa[Hz]、圧縮機10のストロークボリュームをストロークボリュームVst[m]、吸入密度を吸入密度ρs[kg/m]、及び、圧縮機10の体積効率を体積効率ηv[-]とする。
Gr=ρs×Fa×Vst×ηv …(2)
吸入密度ρs[kg/m]は、飽和ガス密度と仮定すると蒸発温度ET[℃]から試算することができるので、以下の式(3)に示すように蒸発温度ET[℃]の関数で示される。
ρs=f(ET) …(3)
したがって、冷房運転時には、低圧側に設置された室内温度センサ51で測定する蒸発温度ETと、圧縮機周波数Fa[Hz]とを入力することで時定数T[s]を算出することができる。また、暖房運転時には、低圧側に設置された室外温度センサ31で測定する蒸発温度ETと、圧縮機周波数Fa[Hz]とを入力することで時定数T[s]を算出することができる。すなわち、制御装置70は、冷暖房能力を表す波形における立ち上がり時の時定数T[s]を室内温度センサ51又は室外温度センサ31による測定値から算出する。
(最低周波数Fmin[Hz]の決定方法)
制御装置70の運転状態判定部71は、空気調和機100における現在の圧縮機10の圧縮機周波数Fa[Hz]を特定する。そして、制御装置70の運転状態判定部71は、前述したように、蒸発温度ET[℃]及び圧縮機周波数Fa[Hz]の値を用いて循環流量Gr[kg/s]を算出し、循環流量Gr[kg/s]と冷媒量M[kg]から時定数T[s]を算出する。
制御装置70の運転状態判定部71は、この時定数T[s]から、以下の式(4)及び式(5)で示す第1判定値Ta及び第2判定値Tbを算出する。なお、第1判定値Ta及び第2判定値Tbは、圧縮機10が断続運転を行う際に圧縮機周波数Fa[Hz]を変更する際に用いられる。より詳細には、第1判定値Ta及び第2判定値Tbは、圧縮機10の断続運転時において、最低周波数Fmin[Hz]を変更する判断の基準となる値である。式(4)における第1定数Aは、例えば5~7の数値、及び、式(5)における第2定数Bは、例えば2~3の数値とすることが望ましい。式(4)に示すように、制御装置70の運転状態判定部71は、時定数T[s]に予め設定された第1定数Aを乗算して第1判定値Taを算出する。式(5)に示すように、制御装置70の運転状態判定部71は、時定数Tに第1定数Aよりも小さい値である予め設定された第2定数Bを乗算して第2判定値Tbを算出する。
Ta=A×T …(4)
Tb=B×T …(5)
制御装置70は、冷凍サイクルでの冷媒循環における安定までの応答値である時定数T[s]に、予め設定された第1定数Aを乗算して得られた第1判定値Taと、時定数T[s]に第1定数Aよりも小さい値である予め設定された第2定数Bを乗算して得られた第2判定値Tbとを有する。
次に、制御装置70の運転状態判定部71は、室内吸込温度センサ52によって測定された室内温度tr[℃]と記憶部72に記憶されている設定温度Tset[℃]とを比較する。そして、運転状態判定部71が以下の状態T1又は状態T2となったと判断したら、圧縮機制御部74は圧縮機10をonの状態にして、圧縮機10を起動する。
ここで、状態T1は、冷房運転時に室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度となった場合である。また、状態T2は、暖房運転時に室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度となった場合である。
制御装置70の圧縮機制御部74が圧縮機10を起動すると、制御装置70の計時部73は、断続運転時間tの計測を開始する。運転状態判定部71は、計時部73により計測された断続運転時間tを最低周波数Fmin[Hz]の変更に利用する。
圧縮機10は、起動後しばらく運転を継続する。制御装置70の運転状態判定部71は、室内吸込温度センサ52によって測定された室内温度tr[℃]と記憶部72に記憶されている設定温度Tset[℃]とを比較する。そして、運転状態判定部71が以下の状態T3又は状態T4となったと判断したら、圧縮機制御部74は圧縮機10をoffの状態にして、圧縮機10の運転を停止する。また、運転状態判定部71が以下の状態T3又は状態T4となったと判断したら、計時部73は断続運転時間tの測定を終了する。
ここで、状態T3は、冷房運転時に室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度となった場合である。また、状態T4は、暖房運転時に室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度となった場合である。
図7は、最低周波数Fmin[Hz]が低すぎる場合の断続運転時の運転波形である。図7の(b)の縦軸は室内温度tr[℃]を表しており、図7の(b)は、時間tmと室内温度tr[℃]との関係を示している。図7の(c)の縦軸は能力Q[kW]を表しており、図7の(c)は、時間tmと能力Q[kW]との関係を示している。図7の(d)の縦軸は圧縮機周波数Fa[Hz]を表しており、図7の(d)は、時間tmと圧縮機周波数Fa[Hz]との関係を示している。
図7に示すように、最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]と等しい場合のように、最低周波数Fmin[Hz]が低すぎる場合、図7の(c)に示すように、冷凍サイクルが安定して動く区間が長くなる。制御装置70の運転状態判定部71は、断続運転時間tが時定数Tから算出される第1判定値Taよりも大きい場合(断続運転時間t>第1判定値Ta)、冷凍サイクルが安定して動く区間が長いと判断する。
冷凍サイクルが安定して動く区間が長いと運転状態判定部71が判断した場合、制御装置70の圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]を増加させて、冷凍サイクルを早期に安定させつつ、システムの性能が高い周波数で圧縮機10の断続運転を行う。すなわち、断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいと運転状態判定部71が判断した場合、圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]を増加させて、冷凍サイクルを早期に安定させつつ、システムの性能が高い周波数で圧縮機10の断続運転を行う。
図8は、最低周波数Fmin[Hz]が高すぎる場合の断続運転時の運転波形である。図8の(b)の縦軸は室内温度tr[℃]を表しており、図8の(b)は、時間tmと室内温度tr[℃]との関係を示している。図8の(c)の縦軸は能力Q[kW]を表しており、図8の(c)は、時間tmと能力Q[kW]との関係を示している。図8の(d)の縦軸は圧縮機周波数Fa[Hz]を表しており、図8の(d)は、時間tmと圧縮機周波数Fa[Hz]との関係を示している。
図8に示すように、最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]と等しい場合のように、最低周波数Fmin[Hz]が高すぎる場合、図8の(c)に示すように、冷凍サイクルが安定した後の運転が短く、図8の(d)に示すように圧縮機10の発停が頻繁に起きている。制御装置70の運転状態判定部71は、断続運転時間tが時定数Tから算出される第2判定値Tbよりも小さい場合(断続運転時間t<第2判定値Tb)、冷凍サイクルが安定した後の運転が短く、圧縮機10の発停が頻繁に起きている状態であると判断する。
冷凍サイクルが安定した後の運転が短く、圧縮機10の発停が頻繁に起きている状態であると運転状態判定部71が判断した場合、制御装置70の圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]を減少させる。圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]を減少させることによって、冷凍サイクルを早期に安定させつつ、システムの性能が高い周波数で圧縮機10の断続運転を行う。すなわち、断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいと運転状態判定部71が判断した場合、圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]を減少させて、冷凍サイクルを早期に安定させつつ、システムの性能が高い周波数で圧縮機10の断続運転を行う。
図9は、最低周波数Fmin[Hz]が適切な場合の断続運転時の運転波形である。図9の(b)の縦軸は室内温度tr[℃]を表しており、図9の(b)は、時間tmと室内温度tr[℃]との関係を示している。図9の(c)の縦軸は能力Q[kW]を表しており、図9の(c)は、時間tmと能力Q[kW]との関係を示している。図9の(d)の縦軸は圧縮機周波数Fa[Hz]を表しており、図9の(d)は、時間tmと圧縮機周波数Fa[Hz]との関係を示している。
上述したように、制御装置70は、断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいと運転状態判定部71が判断した場合、設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値を変更し、新たに設定する最低周波数Fmin[Hz]の値を、現在設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値よりも増加させる。すなわち、制御装置70は、断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいと運転状態判定部71が判断した場合、次の圧縮機10の運転時の最低周波数Fmin[Hz]を増加させる。最低周波数Fmin[Hz]の増加幅は、設定増加幅βとして、予め記憶部72に記憶されている。設定増加幅βは、1Hz~5Hz程度の幅であるが、当該幅に限定されるものではない。
また、制御装置70は、断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいと運転状態判定部71が判断した場合、設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値を変更し、新たに設定する最低周波数Fmin[Hz]の値を、現在設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値よりも減少させる。すなわち、制御装置70は、断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいと運転状態判定部71が判断した場合、次の圧縮機10の運転時の最低周波数Fmin[Hz]を減少させる。最低周波数Fmin[Hz]の減少幅は、設定減少幅γとして、予め記憶部72に記憶されている。設定減少幅γは、1Hz~5Hz程度の幅であるが、当該幅に限定されるものではない。
空気調和機100の制御装置70は、このように最低周波数Fmin[Hz]を変更することによって、現時点での最適な最低周波数Fmin[Hz]を決定する。制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を変更することによって、現時点での最適な最低周波数Fmin[Hz]を決定し、図9に示すように、冷凍サイクルを早期に安定させつつ、システムの性能が高い周波数で圧縮機10の断続運転を行う。
なお、制御装置70は、圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]を増加させた結果、最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]よりも高い値となる場合(最低周波数Fmin[Hz]>COP最大周波数F1[Hz])、最低周波数Fmin[Hz]としてCOP最大周波数F1[Hz]の値を用いる。
また、制御装置70は、圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]を減少させた結果、最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]よりも低い値となる場合(最低周波数Fmin[Hz]<下限周波数F2[Hz])、最低周波数Fmin[Hz]として下限周波数F2[Hz]の値を用いる。
制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]をこのように決定することによって、最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]以上であって、COP最大周波数F1[Hz]以下となるように最低周波数Fmin[Hz]を決定する(下限周波数F2[Hz]≦最低周波数Fmin[Hz]≦COP最大周波数F1[Hz])。
なお、冷凍サイクルにおけるCOP最大周波数F1[Hz]の数値は、冷凍サイクルの運転状態によって変化するため、室内温度センサ51及び室外温度センサ31の検出値を用いてCOP最大周波数F1[Hz]の数値を変更してもよい。
(冷房運転時の制御フロー)
図10は、実施の形態に係る空気調和機100の、冷房運転時の最低周波数Fmin[Hz]を変更する制御フローを示す図である。空気調和機100の制御装置70は、冷房運転中に図10に示すような制御を行う。
空気調和機100が冷房運転を行う場合には、室内温度センサ51は、蒸発温度ET[℃]を測定する(ステップS1)。室内温度センサ51で測定された蒸発温度ETは、制御装置70で受信され、運転状態判定部71の判定に利用される。次に、空気調和機100の制御装置70は、圧縮機10の圧縮機周波数Fa[Hz]を特定する(ステップS2)。圧縮機10は、インバータ制御されている。圧縮機10は、CPUで演算された目標周波数で動いているため、CPUで指示している周波数を圧縮機周波数Fa[Hz]として特定する。制御装置70は、CPUで指示している圧縮機周波数Fa[Hz]を使って式(2)等の演算を行う。
次に、制御装置70の運転状態判定部71は、上述した式(2)に基づき、冷媒回路60を流れる冷媒の循環流量Gr[kg/s]を算出する(ステップS3)。
Gr=ρs×Fa×Vst×ηv …(2)
次に、制御装置70の運転状態判定部71は、上述した式(1)に基づき、時定数T[s]を算出する(ステップS4)。時定数T[s]は、冷媒回路60内を流れる冷媒の循環流量Gr[kg/s]、及び、冷媒回路60内に封入された冷媒量M[kg]によって算出される。
T=M/Gr …(1)
次に、制御装置70の運転状態判定部71は、上述した式(4)に基づき第1判定値Taを算出し、上述した式(5)に基づき第2判定値Tbを算出する(ステップS5)。第1判定値Taは、時定数T[s]及び第1定数Aによって算出される。第1定数Aは、例えば5~7の値である。第2判定値Tbは、時定数T[s]及び第2定数Bによって算出される。第2定数Bは、例えば2~3の値である。
Ta=A×T …(4)
Tb=B×T …(5)
次に、制御装置70の運転状態判定部71は、室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっているか否かを判定する(ステップS6)。室内温度tr[℃]は、室内吸込温度センサ52によって検知される。室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっていると運転状態判定部71が判定した場合(ステップS6がYESの場合)、制御装置70はステップS7に進む。
室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっていると運転状態判定部71が判定した場合、冷房負荷が大きくなった場合であると判断し、圧縮機制御部74は圧縮機10をonの状態にして、圧縮機10を起動する(ステップS7)。次に、ステップS7において制御装置70の圧縮機制御部74が圧縮機10を起動すると、制御装置70の計時部73は、断続運転時間tの測定を開始する(ステップS8)。すなわち、制御装置70は、冷房運転の断続運転の際に、ステップS6がYESの場合、圧縮機10の運転を開始して、断続運転時間tの測定を開始する。ステップS6がYESの場合とは、室内吸込温度センサ52により測定された室内温度が、室内の設定温度Tset[℃]に対して予め定められた設定幅である設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっている場合である。
室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっていないと運転状態判定部71が判定した場合(ステップS6がNOの場合)、制御装置70はステップS9に進む。あるいは、ステップS8において制御装置70の計時部73が断続運転時間tの測定を開始すると、制御装置70はステップS9に進む。
制御装置70の運転状態判定部71は、室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっているか否かを判定する(ステップS9)。室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっていると運転状態判定部71が判定した場合(ステップS9がYESの場合)、制御装置70はステップS10に進む。
室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっていると運転状態判定部71が判定した場合、冷房負荷が小さくなった場合であると判断して、圧縮機制御部74は圧縮機10をoffの状態にして、圧縮機10を停止する(ステップS10)。次に、ステップS10において制御装置70の圧縮機制御部74が圧縮機10を停止すると、制御装置70の計時部73は、断続運転時間tの測定を終了する(ステップS11)。すなわち、制御装置70は、断続運転時間tの測定の開始後、ステップS9がYESの場合、圧縮機10の運転を停止し、断続運転時間tの測定を終了する。ステップS9がYESの場合とは、室内吸込温度センサ52により測定された室内温度が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっている場合である。
ステップS11において制御装置70の計時部73が断続運転時間tの測定を終了すると、制御装置70の運転状態判定部71は、計時部73によって測定された断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいか否かを判定する(ステップS12)。
制御装置70は、断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいと運転状態判定部71が判断した場合(ステップS12がYESの場合)、設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値を変更し、新たに設定する最低周波数Fmin[Hz]の値を、現在設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値よりも増加させる。すなわち、断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいと運転状態判定部71が判定した場合(ステップS12がYESの場合)、制御装置70の圧縮機制御部74は、次の圧縮機10の運転時の最低周波数Fmin[Hz]を増加させる(ステップS13)。最低周波数Fmin[Hz]の増加幅は、設定増加幅βとして、予め記憶部72に記憶されている。なお、増加させた最低周波数Fmin[Hz]は、次のon点に達したときに用いる圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]である。
断続運転時間tが第1判定値Ta以下であると運転状態判定部71が判定した場合(ステップS12がNOの場合)、制御装置70はステップS14に進む。あるいは、ステップS13において圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]を増加させると、制御装置70はステップS14に進む。
制御装置70の運転状態判定部71は、計時部73によって測定された断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいか否かを判定する(ステップS14)。
制御装置70は、断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいと運転状態判定部71が判断した場合(ステップS14がYESの場合)、設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値を変更し、新たに設定する最低周波数Fmin[Hz]の値を、現在設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値よりも減少させる。すなわち、断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいと運転状態判定部71が判定した場合(ステップS14がYESの場合)、制御装置70の圧縮機制御部74は、次の圧縮機10の運転時の最低周波数Fmin[Hz]を減少させる(ステップS15)。最低周波数Fmin[Hz]の減少幅は、設定減少幅γとして、予め記憶部72に記憶されている。なお、減少させた最低周波数Fmin[Hz]は、次のon点に達したときに用いる圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]である。
断続運転時間tが第2判定値Tb以上であると運転状態判定部71が判定した場合(ステップS14がNOの場合)、制御装置70はステップS16に進む。あるいは、ステップS15において圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]を減少させると、制御装置70はステップS16に進む。
制御装置70の運転状態判定部71は、現時点での最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]よりも大きいか否かを判定する(ステップS16)。
現時点での最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]よりも大きいと運転状態判定部71が判定した場合(ステップS16がYESの場合)、圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]をCOP最大周波数F1[Hz]に設定する(ステップS17)。すなわち、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を増加させた場合に、断続運転の際の最低周波数Fmin[Hz]と、エネルギー消費効率が最大となるCOP最大周波数F1[Hz]とを比較する。そして、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]よりも大きい場合には、最低周波数Fmin[Hz]をCOP最大周波数F1[Hz]と同じ値に設定する。なお、設定した最低周波数Fmin[Hz]は、次のon点に達したときに用いる圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]である。
現時点での最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]以下であると運転状態判定部71が判定した場合(ステップS16がNOの場合)、制御装置70はステップS18に進む。あるいは、ステップS17において圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]をCOP最大周波数F1[Hz]に設定すると、制御装置70はステップS18に進む。
制御装置70の運転状態判定部71は、現時点での最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]よりも小さいか否かを判定する(ステップS18)。
現時点での最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]よりも小さいと運転状態判定部71が判定した場合(ステップS18がYESの場合)、圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]に設定する(ステップS19)。すなわち、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を減少させた場合に、断続運転の際の最低周波数Fmin[Hz]と、圧縮機10を運転するために必要な下限の周波数となる下限周波数F2[Hz]とを比較する。そして、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]よりも小さい場合には、最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]と同じ値に設定する。なお、設定した最低周波数Fmin[Hz]は、次のon点に達したときに用いる圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]である。
現時点での最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]以上であると運転状態判定部71が判定した場合(ステップS18がNOの場合)、制御装置70は最低周波数Fmin[Hz]を現時点の設定値に維持したまま冷房運転を継続する。あるいは、ステップS19において圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]に設定すると、制御装置70は最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]に維持したまま冷房運転を継続する。そして、空気調和機100は、冷房運転中、常時ステップS1~ステップS19の動作を行う。
(暖房運転時の制御フロー)
図11は、実施の形態に係る空気調和機100の、暖房運転時の最低周波数Fmin[Hz]を変更する制御フローを示す図である。空気調和機100の制御装置70は、暖房運転中に図11に示すような制御を行う。
空気調和機100が暖房運転を行う場合には、室内温度センサ51は、蒸発温度ET[℃]を測定する(ステップST1)。次に、空気調和機100の制御装置70は、圧縮機10の圧縮機周波数Fa[Hz]を特定する(ステップST2)。
次に、制御装置70の運転状態判定部71は、上述した式(2)に基づき、冷媒回路60を流れる冷媒の循環流量Gr[kg/s]を算出する(ステップST3)。次に、制御装置70の運転状態判定部71は、上述した式(1)に基づき、時定数T[s]を算出する(ステップST4)。
Gr=ρs×Fa×Vst×ηv …(2)
T=M/Gr …(1)
次に、制御装置70の運転状態判定部71は、上述した式(4)に基づき第1判定値Taを算出し、上述した式(5)に基づき第2判定値Tbを算出する(ステップST5)。第1判定値Taは、時定数T[s]及び第1定数Aによって算出される。第1定数Aは、例えば5~7の値である。第2判定値Tbは、時定数T[s]及び第2定数Bによって算出される。第2定数Bは、例えば2~3の値である。
Ta=A×T …(4)
Tb=B×T …(5)
次に、制御装置70の運転状態判定部71は、室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっているか否かを判定する(ステップST6)。室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっていると運転状態判定部71が判定した場合(ステップST6がYESの場合)、制御装置70はステップST7に進む。
室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっていると運転状態判定部71が判定した場合、暖房負荷が大きくなった場合であると判断して、圧縮機制御部74は圧縮機10をonの状態にして、圧縮機10を起動する(ステップST7)。次に、ステップST7において制御装置70の圧縮機制御部74が圧縮機10を起動すると、制御装置70の計時部73は、断続運転時間tの測定を開始する(ステップST8)。すなわち、制御装置70は、暖房運転の断続運転の際に、ステップST6がYESの場合、圧縮機10の運転を開始して、断続運転時間tの測定を開始する。ステップST6がYESの場合とは、室内吸込温度センサ52により測定された室内温度が、室内の設定温度Tset[℃]に対して予め定められた設定幅である設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっている場合である。
室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっていないと運転状態判定部71が判定した場合(ステップST6がNOの場合)、制御装置70はステップST9に進む。あるいは、ステップST8において制御装置70の計時部73が断続運転時間tの測定を開始すると、制御装置70はステップST9に進む。
制御装置70の運転状態判定部71は、室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっているか否かを判定する(ステップST9)。室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっていると運転状態判定部71が判定した場合(ステップST9がYESの場合)、制御装置70はステップST10に進む。
室内温度tr[℃]が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっていると運転状態判定部71が判定した場合、暖房負荷が小さくなった場合であると判断して、圧縮機制御部74は圧縮機10をoffの状態にして、圧縮機10を停止する(ステップST10)。次に、ステップST10において制御装置70の圧縮機制御部74が圧縮機10を停止すると、制御装置70の計時部73は、断続運転時間tの測定を終了する(ステップST11)。すなわち、制御装置70は、断続運転時間tの測定の開始後、ステップST9がYESの場合、圧縮機10の運転を停止し、断続運転時間tの測定を終了する。ステップST9がYESの場合とは、室内吸込温度センサ52により測定された室内温度が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっている場合である。
ステップST11において制御装置70の計時部73が断続運転時間tの測定を終了すると、制御装置70の運転状態判定部71は、計時部73によって測定された断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいか否かを判定する(ステップST12)。
制御装置70は、断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいと運転状態判定部71が判断した場合(ステップST12がYESの場合)、設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値を変更し、新たに設定する最低周波数Fmin[Hz]の値を、現在設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値よりも増加させる。すなわち、断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいと運転状態判定部71が判定した場合(ステップST12がYESの場合)、制御装置70の圧縮機制御部74は、次の圧縮機10の運転時の最低周波数Fmin[Hz]を増加させる(ステップST13)。最低周波数Fmin[Hz]の増加幅は、設定増加幅βとして、予め記憶部72に記憶されている。なお、増加させた最低周波数Fmin[Hz]は、次のon点に達したときに用いる圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]である。
断続運転時間tが第1判定値Ta以下であると運転状態判定部71が判定した場合(ステップST12がNOの場合)、制御装置70はステップST14に進む。あるいは、ステップST13において圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]を増加させると、制御装置70はステップST14に進む。
制御装置70の運転状態判定部71は、計時部73によって測定された断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいか否かを判定する(ステップST14)。
制御装置70は、断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいと運転状態判定部71が判断した場合(ステップST14がYESの場合)、設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値を変更し、新たに設定する最低周波数Fmin[Hz]の値を、現在設定されている最低周波数Fmin[Hz]の値よりも減少させる。すなわち、断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいと運転状態判定部71が判定した場合(ステップST14がYESの場合)、制御装置70の圧縮機制御部74は、次の圧縮機10の運転時の最低周波数Fmin[Hz]を減少させる(ステップST15)。最低周波数Fmin[Hz]の減少幅は、設定減少幅γとして、予め記憶部72に記憶されている。なお、減少させた最低周波数Fmin[Hz]は、次のon点に達したときに用いる圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]である。
断続運転時間tが第2判定値Tb以上であると運転状態判定部71が判定した場合(ステップST14がNOの場合)、制御装置70はステップST16に進む。あるいは、ステップST15において圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]を減少させると、制御装置70はステップST16に進む。
制御装置70の運転状態判定部71は、現時点での最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]よりも大きいか否かを判定する(ステップST16)。
最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]よりも大きいと運転状態判定部71が判定した場合(ステップST16がYESの場合)、圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]をCOP最大周波数F1[Hz]に設定する(ステップST17)。すなわち、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を増加させた場合に、断続運転の際の最低周波数Fmin[Hz]と、エネルギー消費効率が最大となるCOP最大周波数F1[Hz]とを比較する。そして、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]よりも大きい場合には、最低周波数Fmin[Hz]をCOP最大周波数F1[Hz]と同じ値に設定する。なお、設定した最低周波数Fmin[Hz]は、次のon点に達したときに用いる圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]である。
現時点での最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]以下であると運転状態判定部71が判定した場合(ステップST16がNOの場合)、制御装置70はステップST18に進む。あるいは、ステップST17において圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]をCOP最大周波数F1[Hz]に設定すると、制御装置70はステップST18に進む。
制御装置70の運転状態判定部71は、現時点での最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]よりも小さいか否かを判定する(ステップST18)。
最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]よりも小さいと運転状態判定部71が判定した場合(ステップST18がYESの場合)、圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]に設定する(ステップST19)。すなわち、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を減少させた場合に、断続運転の際の最低周波数Fmin[Hz]と、圧縮機10を運転するために必要な下限の周波数となる下限周波数F2[Hz]とを比較する。そして、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]よりも小さい場合には、最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]と同じ値に設定する。なお、設定した最低周波数Fmin[Hz]は、次のon点に達したときに用いる圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]である。
現時点での最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]以上であると運転状態判定部71が判定した場合(ステップST18がNOの場合)、制御装置70は最低周波数Fmin[Hz]を現時点の設定値に維持したまま暖房運転を継続する。あるいは、ステップST19において圧縮機制御部74が最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]に設定すると、制御装置70は最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]に維持したまま暖房運転を継続する。そして、空気調和機100は、暖房運転中、常時ステップST1~ステップST19の動作を行う。
<空気調和機100の作用効果>
空気調和機100の制御装置70は、冷暖房能力を表す波形における立ち上がり時の時定数T[s]を室内温度センサ51又は室外温度センサ31による測定値から算出する。また、制御装置70は、算出した時定数T[s]に予め設定された第1定数Aを乗算して第1判定値Taを算出し、算出した時定数T[s]に第1定数Aよりも小さい値である予め設定された第2定数Bを乗算して第2判定値Tbを算出する。また、制御装置70は、断続運転の際に、圧縮機10の運転開始時から圧縮機10の運転停止時までの断続運転時間tを測定する。そして、制御装置70は、断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きい場合には次の圧縮機10の運転時の最低周波数Fmin[Hz]を増加し、断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さい場合には次の圧縮機10の運転時の最低周波数Fmin[Hz]を減少させる。
図7に示すように、断続運転時間tが第1判定値Taよりも大きいと制御装置70が判断した場合、圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]を増加させて、冷凍サイクルを早期に安定させつつ、システムの性能が高い周波数で圧縮機10の断続運転を行う。また、図8に示すように、断続運転時間tが第2判定値Tbよりも小さいと制御装置70が判断した場合、圧縮機制御部74は、最低周波数Fmin[Hz]を減少させて、冷凍サイクルを早期に安定させつつ、システムの性能が高い周波数で圧縮機10の断続運転を行う。したがって、空気調和機100は、制御装置70が、断続運転の際に断続運転時間tに基づき圧縮機10の最低周波数Fmin[Hz]を変更することによって、断続運転を行っても冷凍サイクルを早期に安定させ、効率のよい運転を行うことができる。
また、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を増加させた場合に、最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]よりも大きい場合には、最低周波数Fmin[Hz]をCOP最大周波数F1[Hz]と同じ値に設定する。図4に示すように、COP最大周波数F1[Hz]は、エネルギー消費効率が最大となる周波数であるため、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を増加させた場合に、COPが最大の状態に維持することができる。
また、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を減少させた場合に、最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]よりも小さい場合には、最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]と同じ値に設定する。下限周波数F2[Hz]は、圧縮機10を運転するために必要な最低限の周波数であり、圧縮機10の機器そのものを運転する際の下限の周波数である。そのため、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]を減少させた場合に、断続運転の際の運転時においては、故障することなく安全に圧縮機10を運転することができる。
また、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]がCOP最大周波数F1[Hz]よりも大きい場合には、最低周波数Fmin[Hz]をCOP最大周波数F1[Hz]と同じ値に設定する。また、制御装置70は、最低周波数Fmin[Hz]が下限周波数F2[Hz]よりも小さい場合には、最低周波数Fmin[Hz]を下限周波数F2[Hz]と同じ値に設定する。そのため、制御装置70は、圧縮機10を運転する際には、下限周波数F2[Hz]と、COP最大周波数F1[Hz]との間で安定して圧縮機10を運転することができる。
また、制御装置70は、冷房運転時に室内温度が、室内の設定温度Tset[℃]に対して予め定められた設定幅である設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度である場合、圧縮機10の運転を開始して、断続運転時間tの測定を開始する。また、制御装置70は、断続運転時間tの測定の開始後、室内温度が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度になっている場合には、圧縮機10の運転を停止し、断続運転時間tの測定を終了する。したがって、空気調和機100は、冷房運転時の断続運転を行うことができ、室内空間の過剰な冷却を抑制できる。
また、制御装置70は、暖房運転時に室内温度が、室内の設定温度Tset[℃]に対して予め定められた設定幅である設定値α[℃]を引いた温度よりも低い温度である場合、圧縮機10の運転を開始して、断続運転時間tの測定を開始する。また、制御装置70は、断続運転時間tの測定の開始後、室内温度が設定温度Tset[℃]に対して設定値α[℃]を足した温度よりも高い温度になっている場合には、圧縮機10の運転を停止し、断続運転時間tの測定を終了する。したがって、空気調和機100は、暖房運転時の断続運転を行うことができ、室内空間の過剰な暖房を抑制できる。
10 圧縮機、20 流路切替装置、30 室外熱交換器、31 室外温度センサ、35 室外送風機、40 減圧装置、50 室内熱交換器、51 室内温度センサ、52 室内吸込温度センサ、55 室内送風機、60 冷媒回路、61 第1延長配管、62 第2延長配管、65 冷媒配管、70 制御装置、71 運転状態判定部、72 記憶部、73 計時部、74 圧縮機制御部、75 減圧機構制御部、76 送風機制御部、100 空気調和機、110 室外機、120 室内機。

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    前記凝縮器から流出した冷媒を減圧させる減圧装置と、
    前記減圧装置で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記蒸発器の冷媒温度を測定する温度センサと、
    前記圧縮機及び前記減圧装置を制御して暖房運転又は冷房運転を実行し、冷房負荷又は暖房負荷が小さくなった場合に前記圧縮機の運転を停止し、冷房負荷又は暖房負荷が大きくなった場合に前記圧縮機の運転を開始する断続運転を行い、前記断続運転において前記圧縮機の運転を行う場合に、前記圧縮機を運転するために設定された周波数の範囲の、下限の周波数として設定された最低周波数で前記断続運転を行う制御装置と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    冷凍サイクルでの冷媒循環における冷暖房能力安定までの応答値である時定数であって、前記温度センサによる測定値から算出した冷暖房能力を表す波形における立ち上がり時の前記時定数に、予め設定された第1定数を乗算して得られた第1判定値と、
    前記時定数に前記第1定数よりも小さい値である予め設定された第2定数を乗算して得られた第2判定値と、
    を有し、
    前記断続運転における、前記圧縮機の運転開始時から前記圧縮機の運転停止時までの断続運転時間が前記第1判定値よりも大きい場合には、次の前記圧縮機の運転時の前記最低周波数を増加させ、前記断続運転時間が前記第2判定値よりも小さい場合には、次の前記圧縮機の運転時の前記最低周波数を減少させる空気調和機。
  2. 前記制御装置は、
    前記最低周波数を増加させた場合に、
    前記断続運転の際の前記最低周波数と、エネルギー消費効率が最大となる最大周波数とを比較し、前記最低周波数が前記最大周波数よりも大きい場合には、前記最低周波数を前記最大周波数と同じ値に設定する請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記制御装置は、
    前記最低周波数を減少させた場合に、
    前記断続運転の際の前記最低周波数と、前記圧縮機を運転するために必要な下限の周波数となる下限周波数とを比較し、前記最低周波数が前記下限周波数よりも小さい場合には、前記最低周波数を前記下限周波数と同じ値に設定する請求項1又は2に記載の空気調和機。
  4. 前記凝縮器又は前記蒸発器が配置された空調対象空間の室内温度を測定する室内吸込温度センサを有し、
    前記制御装置は、
    前記冷房運転の前記断続運転の際に、前記室内吸込温度センサにより測定された前記室内温度が、室内の設定温度に対して予め定められた設定幅である設定値を足した温度よりも高い温度になっている場合に、冷房負荷が大きくなった場合であると判断して前記圧縮機の運転を開始して、前記断続運転時間の測定を開始し、
    前記断続運転時間の測定の開始後、前記室内吸込温度センサにより測定された前記室内温度が前記設定温度に対して前記設定値を引いた温度よりも低い温度になっている場合には、冷房負荷が小さくなった場合であると判断して前記圧縮機の運転を停止し、前記断続運転時間の測定を終了する請求項1~3のいずれか1項に記載の空気調和機。
  5. 前記凝縮器又は前記蒸発器が配置された空調対象空間の室内温度を測定する室内吸込温度センサを有し、
    前記制御装置は、
    前記暖房運転の前記断続運転の際に、前記室内吸込温度センサにより測定された前記室内温度が、室内の設定温度に対して予め定められた設定幅である設定値を引いた温度よりも低い温度になっている場合に、暖房負荷が大きくなった場合であると判断して前記圧縮機の運転を開始して、前記断続運転時間の測定を開始し、
    前記断続運転時間の測定の開始後、前記室内吸込温度センサにより測定された前記室内温度が前記設定温度に対して前記設定値を足した温度よりも高い温度になっている場合には、暖房負荷が小さくなった場合であると判断して前記圧縮機の運転を停止し、前記断続運転時間の測定を終了する請求項1~3のいずれか1項に記載の空気調和機。
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