JP7432229B2 - 環状カーボネートの製造方法 - Google Patents

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本願は、亜鉛化合物と炭化カルシウムの存在下で、ポリオール類と二酸化炭素を反応させて、環状カーボネートを製造する方法に関する。
スズ化合物の存在下で、グリセロールと二酸化炭素を反応させて、環状カーボネートを製造する方法が知られている(非特許文献1)。この環状カーボネートの製造方法では、副生する水の影響で、生成物の収率(約0.4%)が極めて低かった。この副生する水を除去するために、モレキュラーシーブを脱水剤として用いても、生成物の収率は約6%であり、余り改善されなかった。
Journal of Molecular Catalysis A: Chemical 257 (2006) 149-153
本願の課題は、安価な炭化カルシウムを用いて副生する水を除去することにより、経済性に優れ、かつ高収率で環状カーボネートが製造できる方法を提供することである。
本願の環状カーボネートの製造方法は、亜鉛化合物と炭化カルシウムの存在下で、ポリオール類と二酸化炭素を反応させる反応工程を有する。
本願によれば、亜鉛系触媒存在下で、ポリオール類と二酸化炭素との反応から副生する水を安価な炭化カルシウムを用いて除去することにより、高収率で環状カーボネートが製造できる。
実施例1、実施例6-1、および実施例6-2の反応時間とグリセロールカーボネートの収率の関係を示すグラフ。
本願の実施形態の環状カーボネートの製造方法は、亜鉛化合物と炭化カルシウムの存在下で、ポリオール類と二酸化炭素を反応させる反応工程を備えている。本実施形態の製造方法で得られる環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、グリセロールカーボネート、およびブタントリオールカーボネートなどが例示される。
亜鉛化合物は触媒として機能する。亜鉛化合物としては、酢酸亜鉛(Zn(CHCOO))(以下「Zn(OAc)」と記載することがある)、硫酸亜鉛(ZnSO)、塩化亜鉛(ZnCl)、臭化亜鉛(ZnBr)、ヨウ化亜鉛(ZnI)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(Zn(CFSO)(以下「Zn(OTf)」と記載することがある)、およびp-トルエンスルホン酸亜鉛(Zn(CS))(以下「Zn(Tos)」と記載することがある)などが例示される。これらの中でもZnI、Zn(OTf)、およびZn(Tos)が好ましい。高収率で環状カーボネートが得られるからである。
炭化カルシウムは脱水剤として機能する。ポリオール類と二酸化炭素が反応して環状カーボネートが生成するとき、水が副生する。副生する水を反応系から炭化カルシウムが除くことにより、ポリオール類と二酸化炭素から環状カーボネートが生成する反応が進行する。ポリオール類としては、ジオールおよびトリオールなどが例示される。ジオールとしては、下記の化学式で表されるグリコールなどが例示される。トリオールとしては、1,2,3-プロパントリオール(グリセロール)および1,2,4-ブタントリオールなどが例示される。
Figure 0007432229000001
本実施形態の反応工程は、例えば、亜鉛化合物、炭化カルシウム、ポリオール類、および溶媒が入っている反応容器に二酸化炭素を充填させることによって行えるが、反応工程の実施態様には特に制限がない。反応工程における温度(反応温度)は、反応を十分に進行させる観点から、100~200℃が好ましく、150~180℃がより好ましく、165~180℃がさらに好ましいが、特に制限がない。反応温度165~180℃で反応工程を行うと、高収率で環状カーボネートが得られる。
反応工程における二酸化炭素の圧力は、0.5~30MPaが好ましく、1~10MPaがより好ましく、3~5MPaがさらに好ましいが、特に制限がない。二酸化炭素の圧力を3~5MPaとして反応工程を行うと、高収率で環状カーボネートが得られる。反応工程の時間(反応時間)は、ポリオール類の種類、反応温度、および二酸化炭素の圧力などの条件により異なるが、4~24時間が好ましい。
反応工程における溶媒は、環状カーボネートの生成を妨げなければ特に制限がなく、無溶媒であってもよい。反応工程における溶媒としては、炭化水素類やエーテル類などが挙げられる。具体的には、アセトニトリル(MeCN)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、N,N′-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N′-ジメチルアセトアミド(DMAc)、メチルエチルケトン(MEK)、およびN-メチル-2-ピロリドン(NMP)などが例示される。これらの中でもDMAcおよびNMPが好ましく、NMPが特に好ましい。高収率で環状カーボネートが得られるからである。
反応工程では、さらに下記の化学式で表される少なくとも一種の配位子の存在下で、ポリオール類と二酸化炭素を反応させてもよい。環状カーボネートの収率が向上するからである。
Figure 0007432229000002
(実施例1)
撹拌装置を備える容量10mLのオートクレーブに、ポリオール類であるグリセロール0.5mmol、炭化カルシウム2.5mmol、p-トルエンスルホン酸亜鉛0.025mmol、1,10-フェナントロリン(以下「phen」と記載することがある)0.075mmol、および溶媒であるNMP3mLを入れ、二酸化炭素ボンベを接続して密封した。オートクレーブ内を撹拌しながら、オートクレーブ内に二酸化炭素を充填し、180℃に昇温して、オートクレーブ内の圧力が5MPaになるように調整し、24時間反応させて環状カーボネートであるグリセロールカーボネートを合成した(下記化学反応式)。なお、オートクレーブ内の圧力を二酸化炭素の圧力とみなした。
Figure 0007432229000003
反応終了後、オートクレーブ内を冷却し、残存する二酸化炭素を放出した。つぎに、ジメチルスルホキシド-d(DMSO-d)を用いて、グリセロールカーボネートをH-NMRで分析し、収率を算出した。グリセロールカーボネートの収率は92%であった。
(実施例2および比較例1)
p-トルエンスルホン酸亜鉛に代えて、下記の表1に示した亜鉛化合物を用い、実施例1と同様にしてグリセロールカーボネートを合成した。比較例として、亜鉛化合物を用いなかった点を除いて、実施例1と同様にしてグリセロールカーボネートを合成した。グリセロールカーボネートの収率を表1に示す。表1に示すように、様々な亜鉛化合物を用いて、高収率でグリセロールカーボネートが合成できることがわかった。
Figure 0007432229000004
(実施例3)
phenの量を変えて、またはphenに代えて、下記の表2に示した配位子を用い、もしくは配位子を用いずに、実施例1と同様にしてグリセロールカーボネートを合成した。ただし、実施例3-6から3-9までは、反応時間を16時間とした。なお、表2に示す配位子の略称は、上記の配位子の化学式の下方に記載した略称と一致する。グリセロールカーボネートの収率を表2に示す。
Figure 0007432229000005
表2に示すに示すように、様々な配位子を用いて、または配位子を用いなくても、高収率でグリセロールカーボネートが合成できることがわかった。また、Zn(OTf)の物質量(0.025mmol)の2倍~3倍の物質量のphenを用いたときに、より高収率でグリセロールカーボネートが合成できることがわかった。
(実施例4)
NMPに代えて、下記の表3に示した溶媒を用い、実施例1と同様にしてグリセロールカーボネートを合成した。グリセロールカーボネートの収率を表3に示す。表3に示すように、様々な溶媒を用いて、高収率でグリセロールカーボネートが合成できることがわかった。
Figure 0007432229000006
(実施例5)
炭化カルシウムの物質量を1.25mmolとした点を除き、実施例1と同様にしてグリセロールカーボネートを合成した。グリセロールカーボネートの収率は69%であった。
(実施例6)
反応温度を150℃(実施例16-1)または165℃(実施例16-2)とした点を除き、実施例1と同様にしてグリセロールカーボネートを合成した。反応時間とグリセロールカーボネートの収率の関係を、実施例1(反応温度180℃)とともに図1に示す。実施例1では、グリセロールカーボネートの収率は、反応時間16時間で72%に、反応時間24時間で92%にそれぞれ達した。反応時間24時間のグリセロールカーボネートの収率は、実施例16-1で36%、実施例16-2で57%であった。反応温度が高いとグリセロールカーボネートの収率も高かった。
(実施例7)
グリセロールに代えて、下記の表4に示した原料を用い、実施例1と同様にして環状カーボネートを合成した。環状カーボネートの収率を表4に示す。表4に示すように、トリオールだけはなく、様々なジオールを原料として、高収率で環状カーボネートが合成できることがわかった。
Figure 0007432229000007

Claims (6)

  1. 亜鉛化合物と炭化カルシウムの存在下で、ポリオールと二酸化炭素を反応させる反応工程を有する環状カーボネートの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記亜鉛化合物が、ヨウ化亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、およびp-トルエンスルホン酸亜鉛の少なくとも一種である環状カーボネートの製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記反応工程では、さらに下記の化学式で表される少なくとも一種の配位子の存在下で、ポリオールと二酸化炭素を反応させる環状カーボネートの製造方法。
    Figure 0007432229000008
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、
    N-メチル-2-ピロリドン溶媒を用いて前記反応工程を行う環状カーボネートの製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項において、
    温度165~180℃で前記反応工程を行う環状カーボネートの製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項において、
    二酸化炭素の圧力が3~5MPaで前記反応工程を行う環状カーボネートの製造方法。
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