JP7432209B2 - 被覆された固形製剤 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年10月19日に日本国特許庁に出願された日本国出願番号第2018-197154号の利益を主張するものである。当該日本国出願は、その出願書類(明細書、特許請求の範囲、図面、要約書)の全体が本明細書に明示されているかのように全ての目的で参照により本明細書に援用される。
本発明は、医薬活性成分を含有する医薬品製剤の技術分野に属する。本発明は、例えば、少なくとも一種の医薬活性成分を含む、被覆された固形製剤であって、医薬品の光安定性を担保しつつ崩壊性に優れた固形製剤に関するものである。
医薬固形製剤は、例えば、大気中の水分、酸素、炭酸ガス、光などから薬物を保護するため、薬物の放出を制御したり作用発現を調節したりするため、味や臭いをマスキングし服用し易くするため、商品価値を高めるため、あるいは識別性を高めるために被覆される。
上記被覆は、医薬品においては、従来から、主にフィルムコーティングやシュガーコーティングにより行われている。フィルムコーティングは、コーティング基剤の高分子(被覆剤)を含む水溶液または有機溶媒溶液を、固形製剤の表面に連続または不連続でスプレーし、当該固形製剤表面に付着し拡がった液滴の水分または有機溶媒が蒸発することによって、被覆剤粒子が凝集し皮膜を形成するものである。
特にフィルムコーティングの場合、その層がマイクロオーダーの厚みで固形製剤の周囲に加わるため、被覆していない素錠などに比べ、崩壊時間が長くなる傾向にある。ひいては固形製剤からの薬物の溶出が遅くなるおそれがある。また、例えば、光から薬物を保護するため遮光剤を被覆する場合でも、フィルムコーティングでは、ヒプロメロースやヒドロキシプロピルセルロースといった高分子化合物と共に被覆しなければならない。
医薬固形製剤を被覆する技術として、上記の他に、原子層蒸着法(ALD)と言われる方法が知られている(特許文献1)。かかる原子層蒸着法は、医薬製剤の表面に存在する官能基とコーティング材料とが反応し、蒸着により単分子層の皮膜を重ねていく方法である。特許文献1では、かかる原子層蒸着法を用いて、活性成分を含む医薬固形製剤に金属酸化物の層を厚さ約0.1~約100nmというナノオーダーの薄さで形成し、医薬固形製剤を被覆している。
一方、スパッタリングは、乾式メッキないし真空メッキとも言われる金属成膜技術の一つである。真空中で不活性ガス(例えば、アルゴン)を導入し、ターゲット(プレート状の成膜材料)にマイナスの電圧を印加してグロー放電を発生させ、不活性ガス原子をイオン化し、高速でターゲットの表面にガスイオンを衝突させて激しく叩き、ターゲットを構成する成膜材料の粒子(原子・分子)を激しく弾き出し、勢いよく基材・基板の表面に付着・堆積させ薄膜を形成する技術である。テレビやスマートフォンなどのディスプレイの反射防止や表面保護、太陽電池や液晶デバイスの透明電極、耐摩耗性の付与、水蒸気や酸素の透過抑制などに応用されている。
前記原子層蒸着法(ALD)に比べてスパッタリングは膜の付着力が強く、膜応力が大きいという特徴がある。さらにスパッタリング技術は、成膜材料が変質しにくく、対象物に熱がかかりにくいという利点を有する。
スパッタリング技術は、薬または食品の分野でも応用された例がある。例えば、特許文献2では、粒状形状や錠剤形状等の表面に、金、銀、プラチナ等の可食性金属からなる金属膜を形成し、装飾性に優れた薬等を提供することが開示されている。但し、特許文献2の発明は、医薬固形製剤を遮光し、機能性を付与するという観点から実施されるものではない。
特表2014-510066号公報 特開2004-43316号公報
本発明は、例えば、医薬活性成分を含む、遮光剤または金属酸化物がナノオーダーの厚みで被覆された新規な固形製剤を提供することを主な課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、医薬固形製剤の被覆に、スパッタリング技術を用いることにより上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
本発明としては、例えば、下記を挙げることができる。
[1]少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤であって、遮光剤または金属酸化物が当該固形製剤の表面に1~500nmの範囲内の厚みで被覆され被覆層を形成していることを特徴とする、医薬固形製剤。
[2]少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤であって、遮光剤または金属酸化物が当該固形製剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆され被覆層を形成していることを特徴とする、医薬固形製剤。
[3]前記被覆層に高分子化合物を含まない、上記[1]または[2]に記載の医薬固形製剤。
[4]前記被覆が、スパッタリングにより行われる、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の医薬固形製剤。
[5]金属酸化物が酸化鉄または酸化チタンである、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の医薬固形製剤。
[6]固形製剤が錠剤である、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の医薬固形製剤。
[7]崩壊時間が前記被覆前の錠剤と実質同じである、上記[6]に記載の医薬固形製剤。
[8]少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤の製造方法であって、スパッタリングにより遮光剤または金属酸化物を当該固形製剤の表面に1~500nmの範囲内の厚みで被覆する工程を含むことを特徴とする、医薬固形製剤の製造方法。
[9]少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤の製造方法であって、スパッタリングにより遮光剤または金属酸化物を当該固形製剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆する工程を含むことを特徴とする、医薬固形製剤の製造方法。
[10]金属酸化物が酸化鉄または酸化チタンである、上記[8]または[9]に記載の医薬固形製剤の製造方法。
[11]固形製剤が錠剤である、上記[8]~[10]のいずれか一項に記載の医薬固形製剤の製造方法。
[12]崩壊時間が前記被覆前の錠剤と実質同じである、上記[11]に記載の医薬固形製剤の製造方法。
[13]少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤の光安定化方法であって、スパッタリングにより遮光剤または金属酸化物を当該固形製剤の表面に1~500nmの範囲内の厚みで被覆する操作を含むことを特徴とする、医薬固形製剤の光安定化方法。
[14]少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤の光安定化方法であって、スパッタリングにより遮光剤または金属酸化物を当該固形製剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆する操作を含むことを特徴とする、医薬固形製剤の光安定化方法。
[15]金属酸化物が酸化鉄または酸化チタンである、上記[13]または[14]に記載の医薬固形製剤の光安定化方法。
[16]固形製剤が錠剤である、上記[13]~[15]のいずれか一項に記載の医薬固形製剤の光安定化方法。
本発明によれば、例えば、医薬品の光安定性を担保しつつ崩壊性に優れた医薬固形製剤とすることができる。
光安定性の結果を表す。縦軸は分解物I(後述)の生成量(%)を、横軸は光線照射量(万ルクス・hr)を、それぞれ示す。黒三角は実施例1の結果を、黒丸は実施例2の結果を、黒四角は実施例3の結果を、×は比較例1(素錠)の結果を、白丸は比較例2(フィルムコーティング錠)の結果を、それぞれ示す。 光安定性の結果を表す。縦軸は分解物Iの生成量(%)を、横軸は光線照射量(万ルクス・hr)を、それぞれ示す。黒四角は実施例4の結果を、黒丸は実施例5の結果を、×は比較例1(素錠)の結果を、それぞれ示す。
1 本発明に係る医薬固形製剤
本発明に係る医薬固形製剤(以下、「本発明製剤」という。)は、少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤であって、遮光剤または金属酸化物が当該固形製剤の表面に1~500nmの範囲内の厚みで被覆され被覆層を形成していることを特徴とする。本発明製剤は、また、少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤であって、遮光剤または金属酸化物が当該固形製剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆され被覆層を形成していることを特徴とする。
本発明製剤中に含む医薬活性成分としては、薬理活性を有する医薬であれば特に制限されないが、光に不安定な医薬活性成分が好ましい。このような活性成分としては、例えば、ニフェジピン、アムロジピン、ニカルジピン、アゼルニジピンなどのカルシウム拮抗剤、ビタミン類、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンなどのHMG-CoA還元酵素阻害薬を挙げることができる。
本発明に係る遮光剤または金属酸化物としては、医薬上許容され、スパッタリングが可能であれば特に制限されないが、金属酸化物が適当である。
本発明で用いうる遮光剤または金属酸化物としては、例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黄色酸化鉄、黒酸化鉄などの酸化鉄、二酸化ケイ素、酸化チタンを挙げることができる。この中、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、酸化チタンが好ましい。
本発明において、遮光剤または金属酸化物は固形製剤の表面に1~500nmの範囲内の厚みで被覆(ナノコーティング)され被覆層を形成しているが、その厚みは5~400nmの範囲内が好ましく、10~300nmの範囲内がより好ましい。1nmより薄いと、十分な遮光効果が得られないおそれがあり、500nmより厚いと製造時間が長時間に及ぶおそれがある。あるいは、本発明において、遮光剤または金属酸化物は固形製剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆(ナノコーティング)され被覆層を形成しているが、その量は2×10-5~2×10-3mg/mmの範囲内が好ましく、5×10-5~1.5×10-3mg/mmの範囲内がより好ましい。5×10-6mg/mmより少ないと、十分な遮光効果が得られないおそれがあり、3×10-3mg/mmより多いと製造時間が長時間に及ぶおそれがある。
上記のように、本発明では遮光剤または金属酸化物がナノオーダーで被覆されるので、例えば、当該被覆前の錠剤(素錠、フィルムコーティング錠等)と当該被覆後のナノコート錠との崩壊時間を実質同じにすることができる。ここで崩壊時間が「実質同じ」とは、当該被覆後のナノコート錠の崩壊時間が当該被覆前の錠剤の崩壊時間の0.5~1.5倍の範囲内であることをいう。0.8~1.2倍の範囲内であることが好ましい。崩壊時間は、日本薬局方に記載された試験方法に準じて測定することができる。
本発明製剤の剤形としては、医薬固形製剤であれば特に制限されないが、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、ペレット剤、カプセル剤、チュアブル錠、トローチ剤、フィルム剤を挙げることができる。この中、錠剤が好ましい。錠剤については、普通錠のみならず、二層錠や三層錠などの多層錠、腸溶錠、徐放錠、口腔内崩壊錠などのいわゆるOD錠やODフィルムであってもよい。
遮光剤または金属酸化物のナノコーティングは、通常、スパッタリングにより行われる。
スパッタリング自体は公知の方法であり、本発明においてもその公知の方法によりスパッタリングを行うことができる。例えば、遮光剤を有する真空内で強力な磁場をかけ、そこにアルゴンを導入して、磁場によりイオン化(Ar+)し、かかるイオン化アルゴンを遮光剤に衝突させることにより遮光剤表面の原子や分子を飛び出させ、それが被覆対象物である医薬固形製剤の表面に到達し、成膜されることにより行われる。スパッタリングを行うための装置は市販されており、それらを用いて当該スパッタリングを行うことができる。
2 本発明に係る医薬固形製剤の製造方法
本発明に係る医薬固形製剤の製造方法(以下、「本発明製法」という。)は、少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤の製造方法であって、スパッタリングにより遮光剤または金属酸化物を当該固形製剤の表面に1~500nmの範囲内の厚みで被覆する工程を含むことを特徴とする。本発明製法は、また、少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤の製造方法であって、スパッタリングにより遮光剤または金属酸化物を当該固形製剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆する工程を含むことを特徴とする。
本発明製法においては、まず、当該被覆前の医薬固形製剤(素錠、フィルムコーティング錠等)を製造する。具体的には、例えば、少なくとも一種の医薬活性成分と、剤形等に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、安定化剤、着色剤などの添加剤とを混合し、造粒、乾燥、整粒し、滑沢剤等を加えて打錠する工程、必要に応じて高分子を含む被覆剤でフィルムコートする工程などを経て、当該被覆前の医薬固形製剤(例えば、素錠、フィルムコーティング錠)を製造する。その後、当該被覆前の医薬固形製剤(素錠、フィルムコーティング錠等)の表面に、遮光剤または金属酸化物の厚みが1~500nm(好ましくは、5~400nm、より好ましくは10~300nm)の範囲内となるよう、あるいは遮光剤または金属酸化物が5×10-6~3×10-3mg/mm(好ましくは、2×10-5~2×10-3mg/mm、より好ましくは5×10-5~1.5×10-3mg/mm)の範囲内で存在するよう、スパッタリングで被覆することにより本発明製法を実施することができる。
本発明製法における医薬活性成分や固形製剤、スパッタリング、遮光剤、金属酸化物などの意義は、前記と同義である。
本発明で用いうる賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン(例、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン)、結晶セルロース、D-マンニトール、デキストリン、ソルビトール、無水リン酸カルシウム、白糖、タルク(天然含水ケイ酸マグネシウム)、カオリン、沈降炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、酸化チタン、軽質無水ケイ酸を挙げることができる。
本発明で用いうる結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、HPMC)、微結晶セルロース、デキストリン、トラガント、ゼラチン、アルファ化デンプン、アラビアゴム、アカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムを挙げることができる。
本発明で用いうる安定化剤としては、例えばブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、レシチン、α-トコフェロール、ヒドロキノン、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、没食子酸イソアミル、ノルジヒドログアイアレティック酸、グアヤク脂、α-ナフチルアミン、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、システイン塩酸塩、アスコルビン酸ステアリン酸ナトリウム、チオグリセロール、チオソルビトールを挙げることができる。
本発明で用いうる崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、部分的に加水分解されたデンプン、カンテン末を挙げることができる。
本発明で用いうる滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ミネラルオイル、ステアリン酸、フマル酸、ポリエチレングリコール、カルシウム、ホウ酸、パラフィン、ココアバターを挙げることができる。
本発明で用いうる着色剤としては、例えば、厚生労働省令で定めた、医薬品等に使用することができるタール色素、三二酸化鉄、酸化鉄赤、酸化鉄黄、二酸化チタン、無機色素、赤色3号、赤色20号、黄色6号、青色2号、緑色5号、橙色5号、赤色8号、カラメルを挙げることができる。
上記各添加剤は、各々、1種であっても任意の2種以上の併用であってもよい。また、各々、必要に応じて適量用いることができる。
本発明製法によれば、当該被覆前の錠剤(素錠、フィルムコーティング錠等)に遮光剤または金属酸化物がナノオーダーで被覆されるので、当該被覆前の錠剤の崩壊時間と実質同じ錠剤を製造することができる。
3 医薬固形製剤の光安定化方法
本発明に係る医薬固形製剤の光安定化方法(以下、「本発明光安定化法」という。)は、少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤の光安定化方法であって、スパッタリングにより遮光剤または金属酸化物を当該固形製剤の表面に1~500nmの範囲内の厚みで被覆する操作を含むことを特徴とする。本発明光安定化法は、また、少なくとも一種の医薬活性成分を含む固形製剤の製造方法であって、スパッタリングにより遮光剤または金属酸化物を当該固形製剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆する操作を含むことを特徴とする。
本発明光安定化法は、少なくとも、錠剤等の医薬固形製剤の表面に、遮光剤または金属酸化物の厚みが1~500nm(好ましくは、5~400nm、より好ましくは10~300nm)の範囲内となるよう、あるいは遮光剤または金属酸化物が5×10-6~3×10-3mg/mm(好ましくは、2×10-5~2×10-3mg/mm、より好ましくは5×10-5~1.5×10-3mg/mm)の範囲内で存在するよう、スパッタリングで被覆することにより実施することができる。
本発明光安定化法における医薬活性成分や固形製剤、スパッタリング、遮光剤、金属酸化物などの意義は、前記と同義である。
以下に実施例や比較例、試験例などを掲げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定されるものではない。
[比較例1、実施例1~3]素錠と三二酸化鉄のナノコーティング錠の製造
下記表1、2の処方内容に従って、被覆前の素錠(比較例1)と、それに三二酸化鉄を約10nm~300nmの厚みで、ないし三二酸化鉄が5.23×10-5~1.57×10-3mg/mm存在するようナノコーティングした錠剤(実施例1~3、本発明製剤)を製造した。
Figure 0007432209000001
Figure 0007432209000002
※ 実施例1(膜厚10nm):0.009mg/錠、5.23×10-5mg/mm
実施例2(膜厚30nm):0.027mg/錠、1.57×10-4mg/mm
実施例3(膜厚300nm):0.27mg/錠、1.57×10-3mg/mm
具体的には、次のようにして、比較例1の素錠と実施例1~3の三二酸化鉄ナノコーティング錠を製造した。
(1)錠剤の調製
(A)アクティブ顆粒、(B)速崩壊性顆粒、(C)矯味顆粒に整粒した甘味剤、香料を拡散式混合機に入れて混合後、整粒した滑沢剤を加えてさらに混合したものを打錠末とした。ロータリー式打錠機にて杵径8.5mm、錠剤質量205mgになるように打錠末を打錠し、比較例1の錠剤を得た。
(2)ナノコーティング・実施例1~3の錠剤の製造
比較例1の錠剤(素錠)に、マグネトロン式スパッタリング装置(品番:L560、ライボルト社製)を用いて三二酸化鉄を所定量コーティングし、実施例1~3のナノコーティング錠(本発明製剤)を製造した。
[比較例2]フィルムコーティング錠
TC-5(ヒプロメロース、5.7mg/錠)と三二酸化鉄(0.027mg/錠)との混合物を調製し、これを常法により比較例1の錠剤にフィルムコートし、比較例2のフィルムコーティング錠を製造した。
[試験例1]錠剤の物性
得られた実施例1~3と比較例1および2の錠剤の物性を常法により測定した(n=3)。その結果を下記の表3に示す。
Figure 0007432209000003
表3から明らかな通り、実施例1~3の本発明製剤は、いずれも従来のフィルムコーティング錠(比較例2)より崩壊時間が速く、コーティングなしの素錠(比較例1)とほぼ同等であり、崩壊性に優れていた。
[試験例2]光安定性試験
実施例1~3と比較例1および2の錠剤を、光安定性試験機に入庫し、25℃70%RH条件下で、キセノンランプを30~120万lx・hr照射して光安定性試験を行った。その結果を、表5および図1に示す。下記構造式を有する分解物Iの生成量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。その測定条件は、次の通りである。
Figure 0007432209000004
〔HPLC測定条件〕
検出器:Waters2487、紫外吸光光度計(測定波長:237nm)
カラム:Cadenza CD C18、内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフ用オクチルシリル化シリカゲルを充填したもの。
カラム温度:35℃付近の一定温度
サンプル温度:4℃付近の一定温度
移動相:リン酸二水素カリウム水溶液/アセトニトリル混液
Figure 0007432209000005
流量:毎分1.0mL
分析時間:30分
Figure 0007432209000006
表5や図1から明らかな通り、実施例1~3の本発明製剤は、いずれも光安定性に優れており、素錠(比較例1)に比べ優に高く、従来のフィルムコーティング錠(比較例2)より同等かそれ以上であった。僅か30nmの三二酸化鉄のコーティング(実施例2)で素錠(比較例1)より光分解物の増加は半減した。また、三二酸化鉄の被覆量が同じ実施例2と比較例2を対比すると、本発明は従来のフィルムコーティングより光分解物の増加量が少なく、光安定性に優れていることが明らかである。
[実施例4および5]酸化チタンのナノコーティング錠の製造
下記表6の処方内容に従って、被覆前の素錠(比較例1)と、それに酸化チタンを約30nmまたは300nmの厚みで、ないし酸化チタンが1.2×10-4mg/mmまたは1.2×10-3mg/mm存在するようナノコーティングした錠剤(実施例4および5、本発明製剤)を製造した。
Figure 0007432209000007
※※ 実施例4(膜厚30nm):0.0205mg/錠、1.2×10-4mg/mm
実施例5(膜厚300nm):0.205mg/錠、1.2×10-3mg/mm
具体的には、比較例1の錠剤(素錠)に、マグネトロン式スパッタリング装置(品番:L560、ライボルト社製)を用いて酸化チタンを所定量コーティングし、実施例4、5のナノコーティング錠(本発明製剤)を製造した。
[試験例3]錠剤の物性
得られた実施例4および5と比較例1の錠剤の物性を常法により測定した(n=3)。その結果を下記の表7に示す。
Figure 0007432209000008
表7から明らかな通り、実施例4および5の本発明製剤は、いずれもコーティングなしの素錠(比較例1)とほぼ同等の崩壊時間であり、崩壊性に優れていた。
[試験例4]光安定性試験
実施例4および5の錠剤を、光安定性試験機に入庫し、25℃70%RH条件下で、キセノンランプを30~120万lx・hr照射して光安定性試験を行った。その結果を、表8および図2に示す。上記試験例2と同様の測定条件で、分解物Iの生成量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。
Figure 0007432209000009
表8や図2から明らかな通り、実施例4および5の本発明製剤は、いずれも素錠(比較例1)に比べ高い光安定性を示した。僅か30nmの酸化チタンのコーティング(実施例4)であっても素錠(比較例1)に比べ光分解物の増加量は大幅に抑えられている。
本発明によれば、例えば、医薬品の光安定性を担保しつつ崩壊性に優れた医薬固形製剤を提供することができるので、本発明は、光に不安定な活性成分を含む医薬固形製剤ないしその製造において有用である。

Claims (12)

  1. 少なくとも一種の医薬活性成分を含む医薬錠剤であって、金属酸化物が当該錠剤の表面に1nm以上500nm未満の範囲内の厚みで被覆され被覆層を形成していることを特徴とする、医薬錠剤
  2. 少なくとも一種の医薬活性成分を含む医薬錠剤であって、金属酸化物が当該錠剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆され被覆層を形成していることを特徴とする、医薬錠剤
  3. 前記被覆層に高分子化合物を含まない、請求項1または2に記載の医薬錠剤
  4. 金属酸化物が酸化鉄または酸化チタンである、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬錠剤
  5. 崩壊時間が前記被覆前の錠剤と実質同じである、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬錠剤
  6. 少なくとも一種の医薬活性成分を含む医薬錠剤の製造方法であって、スパッタリングにより金属酸化物を当該医薬錠剤の表面に1nm以上500nm未満の範囲内の厚みで被覆する工程を含むことを特徴とする、医薬錠剤の製造方法。
  7. 少なくとも一種の医薬活性成分を含む医薬錠剤の製造方法であって、スパッタリングにより金属酸化物を当該医薬錠剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆する工程を含むことを特徴とする、医薬錠剤の製造方法。
  8. 金属酸化物が酸化鉄または酸化チタンである、請求項またはに記載の医薬錠剤の製造方法。
  9. 崩壊時間が前記被覆前の錠剤と実質同じである、請求項6~8のいずれか一項に記載の医薬錠剤の製造方法。
  10. 少なくとも一種の医薬活性成分を含む医薬錠剤の光安定化方法であって、スパッタリングにより金属酸化物を当該医薬錠剤の表面に1nm以上500nm未満の範囲内の厚みで被覆する操作を含むことを特徴とする、医薬錠剤の光安定化方法。
  11. 少なくとも一種の医薬活性成分を含む医薬錠剤の光安定化方法であって、スパッタリングにより金属酸化物を当該医薬錠剤の表面に5×10-6~3×10-3mg/mmの範囲内で存在するよう被覆する操作を含むことを特徴とする、医薬錠剤の光安定化方法。
  12. 金属酸化物が酸化鉄または酸化チタンである、請求項10または11に記載の医薬錠剤の光安定化方法。
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