以下、本発明を実現する実施形態を、図面に示す実施例1~実施例9に基づいて説明する。
実施例1におけるケーブル接続機構、ケーブル接続装置及びケーブル接続方法は、ケーブルとしてのフラットケーブルの一端を基板に実装されているコネクタに接続する場合に適用される。
図1は、実施例1のケーブル接続装置を示す斜視図である。図2は、実施例1の第1アームを示す斜視図である。図3は、実施例1の第2アームを示す斜視図である。図4は、実施例1の第3アームを示す斜視図である。図5は、実施例1のケーブル接続機構を示す側面図である。以下、実施例1のケーブル接続装置の構成を説明する。
なお、図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸からなる座標系を定義する。そして、Y軸の負方向を後側方向、正方向を前側方向とした前後方向を前後方向D1とし、X軸の負方向を左側方向、正方向を右側方向とした左右方向を左右方向D2とし、Z軸の正方向を上側方向、負方向を下側方向とした上下方向を上下方向D3とする。また、ケーブル5の一端がコネクタ41に近づく方向を第1方向Fとする。図1では、第1方向Fは、左右方向D2の右側方向に対応する。なお、第1方向Fは、ケーブル5の一端がコネクタ41に近づく方向であれば必ずしも右側方向に限らず、上下方向D3と前後方向D1とに交差する方向であればよい。
図1に示すように、ケーブル接続装置1は、アームユニット2と、作業台3と、を備える。
アームユニット2は、前後方向D1と、左右方向D2に移動可能に構成されている。アームユニット2は、第1アームロボット10と、第2アームロボット20と、第3アームロボット30と、を備えている。すなわち、第1アームロボット10と、第2アームロボット20と、第3アームロボット30とは、1つのアームユニット2として一体化されている。
第1アームロボット10は、第3アームロボット30の右側に配置されている。第2アームロボット20は、第3アームロボット30の左側に配置されている。第3アームロボット30は、第1アームロボット10と第2アームロボット20との間に配置されている。なお、アームユニット2は、ケーブル接続機構を構成する。
図2及び図3に示すように、第1アームロボット10は、第1アーム11と、保持部12と、回転体13と、爪部材14と、第1駆動部15と、第2駆動部16と、過負荷防止部18と、規制部19と、を備えている。
第1アーム11は、複数の多関節機構を有し、三次元的に移動可能とすることができる。第1アーム11は、保持部12を介して、回転体13を支持する。なお、回転体13が保持部12を介さずに第1アーム11に直接支持されていてもよい。また、アームユニット2と第1アーム11との連結部に移動機構を設けて、第1アーム11をアームユニット2に対して移動可能にすることで、第1アーム11を関節のない構成とすることもできる。また、アームユニット2を移動可能にすることで、第1アーム11を三次元的に移動させてもよい。また、第1アーム11を左右方向D2及び上下方向D3を含む面内で二次元的に移動可能としてもよい。
保持部12は、第1アーム11の先端に取り付けられている。保持部12は、第1アーム11の先端から、第1アーム11の長手方向に延在する。
回転体13は、回転ローラとすることができる。回転体13は、保持部12の長手方向に垂直方向に延在するように、保持部12の先端に回転可能に取り付けられている。回転体13は、軸13aを回転軸として、回転可能に構成されている。回転体13の表面の摩擦係数は、後述する支持部22の表面の摩擦係数より高く形成されている。例えば、回転体13の表面を、ゴムや樹脂、シリコン等の素材で形成することができる。
回転体13は、第1アーム11に内蔵された第1駆動部15としてのモータに接続されている。第1駆動部15の駆動により、回転体13は、軸13aを回転軸として、回転するように構成されている。一例として、回転体13と第1駆動部15は、ベルト等によって連結され、モータの駆動力がベルトを介して回転体13に伝達される。
回転体13は、第1アーム11の長手方向に、第1駆動部15と所定の間隔を有して配置されている。すなわち、第1駆動部15と回転体13は、第1アーム11の長手方向に沿って配置されている。なお、第1駆動部15(モータ等)を回転体13の内部に配置することにより、ダイレクトに回転体13を駆動してもよい。
第1駆動部15の駆動力を回転体13に伝達する伝達経路17には、過負荷防止部18を備えている。過負荷防止部18は、ねじりばね、圧縮ばね、又は引張りばねとすることができる。過負荷防止部18は、所定の負荷を超えたとき、第1駆動部15の駆動力の伝達を停止させる、又は減少させるように構成されている。
なお、過負荷防止部18は、ねじりばね、圧縮ばね、及び引張りばねの少なくとも1つを含むように構成されて、所定の負荷を超えたとき、第1駆動部15の駆動力の伝達を停止させる、又は減少させるようにしてもよい。
爪部材14は、第1アーム11の先端から、第1方向Fと反対方向に延在する板状に形成されている。爪部材14は、先端に、下方に突出した爪部14aを備えている。爪部14aは、回転体13の下方に配置されるように構成されている。
爪部材14は、第1アーム11に内蔵された第2駆動部16としてのモータに接続されている。第2駆動部16の駆動により、爪部材14は、第1方向F及びこれと反対方向に移動可能とする。すなわち、爪部14aは、第2駆動部16により、第1方向F及びこれと反対方向に移動可能に構成されている。
規制部19は、回転体13より、第1方向F側に配置されている。規制部19は、保持部12から下方に延在している。規制部19の先端は、爪部14aより下方に突出するように形成されている。
図3及び図4に示すように、第2アームロボット20は、第2アーム21と、支持部22と、を備えている。
第2アーム21は、複数の多関節機構を有し、三次元的に移動可能とすることができる。第2アーム21は、支持部22を支持する。なお、アームユニット2と第2アーム21との連結部に移動機構を設けて第2アーム21をアームユニット2に対して移動可能にすることで、第2アーム21を関節のない構成とすることもできる。また、アームユニット2を移動可能にすることで、第2アーム21を三次元的に移動させてもよい。また、第2アーム21を左右方向D2及び上下方向D3を含む面内で二次元的に移動可能としてもよい。
支持部22は、第2アーム21の先端から第2アーム21の長手方向に延在する板状に形成されている。支持部22の先端には、第2アーム21の長手方向のうち先端を向く方向からみて、上方に曲がった曲部22aが形成されている。曲部22aの表面は、滑らかな弧状の曲面で形成されている。なお、支持部22は、曲部22aを有しなくともよく、長手方向に延在する平面の板状であってもよい。
支持部22の幅方向の両縁には、ガイド部23を備えている。ガイド部23は、支持部22の先端から、曲部22aの厚さ方向のうち表面側に突出するように形成されている。2つのガイド部23の対向する面は、先端に向かうにつれて広がるようにテーパーを有していてもよい。
図4及び図5に示すように、第3アームロボット30は、第3アーム31と、把持部32と、を備えている。
第3アーム31は、複数の多関節機構を有し、三次元的に移動可能とすることができる。把持部32は、ロボットハンドとして構成され、基板等を把持可能とする。なお、アームユニット2と第3アーム31との連結部に移動機構を設けて第3アーム31をアームユニット2に対して移動可能にすることで、第3アーム31を関節のない構成とすることもできる。また、アームユニット2を移動可能にすることで、第3アーム31を三次元的に移動させてもよい。また、第3アーム31を左右方向D2及び上下方向D3を含む面内で二次元的に移動可能としてもよい。
図1に示すように、作業台3は、アームユニット2の前方に配置されている。作業台3には、第1基板40と、第2基板50が設置されている基板設置台(ストッカ―)4と、ブロック60と、撮像装置70と、が設置されている。
図1に示すように、第1基板40は、治具によって、作業台3に設置されていてもよい。第1基板40には、コネクタ41が実装されている。
コネクタ41は、コネクタ41に挿入されたケーブル5に対して、ロック状態とロック解除状態との切り替えをするレバー42を備えている。レバー42は、第1方向Fに垂直方向に配置された回転軸に対して、旋回可能に構成されている。レバー42は、レバー42が上方に起立した起立姿勢と、倒れた姿勢との間を旋回可能に構成されている。レバー42が起立姿勢にあるときは、ロック解除状態にあり、レバー42が倒れた姿勢にあるときは、ロック状態にあるように構成されている。
図1及び図5に示すように、基板設置台4には、第2基板50が取り付けられているカバー52が設置されている。基板設置台4のカバー52が設置される設置面は、傾斜面によって形成されている。第2基板50は、カバー52を介して、基板設置台4に傾斜した姿勢で設置されている。
第2基板50には、コネクタ51が実装されている。コネクタ51には、ケーブル5の他端が連結されている。ケーブル5は、例えば、フラットケーブルとすることができる。
図3及び図7に示すように、ブロック60は、直方体で構成されている。ブロック60の一面は、第1方向Fに対して垂直な平面である垂直面60aとなるように形成されている。垂直面60aの幅は、ケーブル5の幅より、若干大きく形成されている。垂直面60aには、ケーブル5の一端が当接可能となっている。なお、ブロック60は、垂直面60aを有していれば直方体の形状に限定されず、例えば、プレート等でもよい。また、垂直面60aは、第1方向Fに対して所定の角度で傾斜していても、第1方向Fに対して略垂直であればよい。
図1に示すように、撮像装置70は、ケーブル5の一端の姿勢を撮像可能なように設置されている。
図6は、実施例1の把持工程を説明する側面図である。図7及び図8は、実施例1の姿勢調整工程を説明する側面図である。図9は、実施例1の移動工程を説明する側面図である。図10は、実施例1のロック工程を説明する側面図である。以下、実施例1のケーブル接続方法を説明する。
実施例1のケーブル接続方法は、第2基板把持工程と、接触工程と、把持工程と、姿勢調整工程と、移動工程と、ロック工程とを経て、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結されたケーブル5の一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する。
図5に示すように、第2基板把持工程では、第3アーム31の把持部32が、基板設置台4に設置されている第2基板50を、カバー52を介して把持する。言い換えると、第3アーム31は、ケーブル5の他端に連結された第2基板50を保持する。
図6に示すように、接触工程では、第1アーム11が移動することで、回転体13が、支持部22に近づく方向に移動して、ケーブル5の表面に接触する。把持工程では、回転体13がケーブル5の表面に接触した状態で、回転体13がさらに支持部22に近づく方向に移動して、回転体13と支持部22とでケーブル5を把持する。回転体13と支持部22とは、ケーブル5の一端が曲部22aの先端から突出するように、ケーブル5を把持する。
回転体13と支持部22とがケーブル5を把持する際、ガイド部23によって、ケーブル5が案内され、ケーブル5の幅方向の位置決めがされる。また、規制部19の先端が、ケーブル5の表面に接触する。これにより、規制部19がケーブル5の一端の浮き上がりを規制する。
回転体13と支持部22とでケーブル5を把持した状態では、回転体13がケーブル5の表面に接触し、支持部22がケーブル5の裏面を支持する。なお、ケーブル5の表面とは、図1における上側方向及び下側方向の何れかを向いているケーブル5の面であり、裏面とは、ケーブル5の表面と反対側の面である。このため、ケーブル5の上側方向を向いている面が表面の場合、回転体13はケーブル5の上方に配置され、ケーブル5の下側方向を向いている面が表面の場合、回転体13はケーブル5の下方に配置される。なお、それぞれの場合において、支持部22は、ケーブル5を挟んで回転体13の対向する側(ケーブル5の裏面)に配置される。
なお、第2アーム21が移動することで、支持部22が、回転体13に近づく方向に移動しても良い。また、第1アーム11と第2アーム21が移動することで、回転体13と支持部22を相対的に近づく方向に移動させてもよい。また、回転体13と支持部22とがケーブル5を把持する際、規制部19の先端は、ケーブル5の表面に近接するようにしてもよい。
図7に示すように、姿勢調整工程では、回転体13と支持部22とでケーブル5を把持した状態で、第1アーム11と、第2アーム21と、第3アーム31とを第1方向Fに移動して、曲部22aの先端から突出しているケーブル5の一端を、ブロック60の垂直面60aに当接させる。
図8に示すように、曲部22aの先端から突出しているケーブル5の一端をさらに第1方向Fに移動させることで、曲部22aの先端から突出しているケーブル5の一端の姿勢を正しい姿勢に調整する。なお、このとき、第1駆動部15の駆動により回転体13を回転させることで、ケーブル5の一端を支持部22に対して第1方向F、又は、第1方向Fと反対方向に移動させ、曲部22aの先端から突出するケーブル5の長さを調整してもよい。
図9に示すように、移動工程では、回転体13と支持部22とでケーブル5を把持した状態で、第1アーム11と、第2アーム21と、第3アーム31とを第1基板40のコネクタ41の近傍に移動する。
そして、第1駆動部15の駆動により回転体13が回転し、ケーブル5の一端がコネクタ41に近づく第1方向Fに移動する。これにより、ケーブル5の一端がコネクタ41に挿入されて取り付けられる。この際、規制部19は、ケーブル5の表面に接触して、又は、近接してケーブル5の一端の浮き上がりを規制する。なお、ケーブル5の一端がコネクタ41に近づく第1方向Fに移動するときに、ケーブル5の移動速度を変更してもよい。例えば、ケーブル5の一端のコネクタ41への接続開始時には、回転体13の回転速度を遅くして低速でケーブル5を移動させ、その後は回転体13の回転速度を速めて高速でケーブル5を移動させる制御を行ってもい。このように回転体13の回転速度を変更することで、ケーブル5の一端のコネクタ41への接続開始時に、ケーブル5の移動時の振動等に起因するケーブル5の一端のブレ等を防止できることから、確実にケーブル5の一端をコネクタ41へ接続することが可能になる。
図10に示すように、ロック工程では、第2駆動部16の駆動により爪部材14が第1方向Fに移動する。この際、爪部14aは、コネクタ41から上方に突出した回転可能なレバー42を倒して、コネクタ41に挿入されたケーブル5をロック解除状態からロック状態にする。なお、レバーは、回転可能なレバーに限定されず、例えばスライド可能なレバーであってもよい。
図11は、実施例1のケーブル接続装置1の機能構成を示すブロック図である。以下、実施例1のケーブル接続装置1の機能構成を説明する。
図11に示すように、ケーブル接続装置1は、撮像装置70が撮像した撮像情報を制御部80に入力し、制御部80で処理された情報が、第1アーム11を駆動する第1アーム駆動部11aと、第2アーム21を駆動する第2アーム駆動部21aと、第3アーム31を駆動する第3アーム駆動部31aと、に入力される。
撮像装置70は、ブロック60の近傍に設置され、ケーブル5の一端を撮像する。撮像装置70が撮像した撮像情報は、制御部80に入力される。
制御部80は、判定部81を備える。なお、制御部80は、ケーブル接続装置1の全体の動作を司る。
判定部81は、撮像装置70の撮像情報に基づいて、ケーブル5の一端が正しい姿勢であるか否かを判定する。正しい姿勢とは、ケーブル5の一端が第1方向Fに対して垂直な姿勢である。また、曲部22aの先端から突出するケーブル5の表面(及び裏面)が第1方向Fと平行な姿勢でもある。言い換えると、正しい姿勢とは、ケーブル5の一端が第1方向Fに移動したときに、ケーブル5の一端がコネクタ41に正しく挿入される姿勢である。
判定部81が判定した判定情報は、第1アーム11を駆動する第1アーム駆動部11aと、第2アーム21を駆動する第2アーム駆動部21aと、第3アーム31を駆動する第3アーム駆動部31aと、に入力される。
第1アーム駆動部11aは、判定部81が判定した判定情報に基づいて駆動され、第1アーム11を移動させる。第2アーム駆動部21aは、判定部81が判定した判定情報に基づいて駆動され、第2アーム21を移動させる。第3アーム駆動部31aは、判定部81が判定した判定情報に基づいて駆動され、第3アーム31を移動させる。
図12は、実施例1の制御部の処理の流れを示すフローチャートである。以下、実施例1の制御部80の処理の流れを説明する。
図12に示すように、制御部80は、撮像装置70が撮像した撮像情報を取得する(ステップS101)。
次いで、判定部81は、ケーブル5の一端が正しい姿勢であるか否かを判定する(ステップS102)。ケーブル5の一端が正しい姿勢であると判定した場合(ステップS102でYES)、処理を終了する。
一方、ケーブル5の一端が正しい姿勢でないと判定した場合(ステップS102でNO)、第1アーム駆動部11aと第2アーム駆動部21aと第3アーム駆動部31aを駆動し、第1アーム11と第2アーム21と第3アーム31を移動させて、ケーブル5の一端をブロック60の垂直面60aに当接させ(ステップS103)、ステップS102に戻る。
なお、判定部81は、曲部22aの先端から突出するケーブル5の長さが所定の長さであるか否かを判定することで、ケーブル5の一端が正しい姿勢であるか否かを判定してもよい。この場合、判定部81が、曲部22aの先端から突出するケーブル5の長さが所定の長さで無いと判定した場合(ステップS102でNO)、制御部80は、第1駆動部15を駆動して回転体13を回転させ、ケーブル5の一端を所定の長さになるまで第1方向F、又は、第1方向Fと反対方向に移動させてもよい。
以下、実施例1のケーブル接続機構、ケーブル接続装置及びケーブル接続方法の作用を説明する。
実施例1のケーブル接続機構は、第1基板40に実装されているコネクタ41にケーブル5の一端を接続するためのケーブル接続機構であって、所定の軸回りに回転する回転体13と、回転体13を回転させる第1駆動部15と、を備え、回転体13がケーブル5の表面に接触した状態において、第1駆動部15の駆動により、回転体13は、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させる(図5)。
これにより、回転体13を回転させて、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させることができる。第1アーム11を全体的に移動させることなく、回転体13のコネクタ41に接触する面が第1アーム11に対して相対的に変位することから、小さいワークスペースであっても、ケーブル5をコネクタ51に挿入して取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続機構は、回転体13は、回転ローラである(図6)。
これにより、簡易な構成で、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させることができる。そのため、簡易な構成で、ケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続機構において、回転体13を支持する第1アーム11を備え、第1アーム11の移動により回転体13とケーブル5の表面とが接触する(図6)。
これにより、回転体13をケーブル5の表面に接触させた位置まで移動させることができる。
実施例1のケーブル接続機構において、ケーブル5の裏面を支持する支持部22を備える(図6)。
これにより、回転体13がケーブル5に接触する接触圧を強くすることができる。そのため、ケーブル5の一端を、コネクタ41に近づける第1方向Fに容易に移動させて、コネクタ41に挿入して取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続機構において、回転体13の摩擦係数は、支持部22の摩擦係数より高い。
支持部22の表面には、低摩擦性コート剤(テフロン(登録商標)、シリコン等)をコーティングしてもよい。また、支持部22の基部を鉄やアルミ等の金属で形成して、支持部22のケーブル5と接触する面にプラスチック等の低摩擦材を接合させてもよい。このような構成により、支持部22の強度を確保しながら、支持部22の摩擦係数を回転体13の摩擦係数よりも低くすることができる。
これにより、回転体13とケーブル5との間の摩擦力を、支持部22とケーブル5との間の摩擦力より高くすることができる。そのため、第1駆動部15の駆動により回転する回転体13とケーブル5との間の高い摩擦力によって、回転体13が空転することなくケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させることができる。また、支持部22とケーブル5との間の摩擦力が抑制されるため、ケーブル5が支持部22上を摺動しながら支持部22の表面に沿って移動することができる。
実施例1のケーブル接続機構において、回転体13を支持する第1アーム11と、支持部22を支持する第2アーム21と、を備え、第1アーム11及び第2アーム21の少なくとも一方は、回転体13と支持部22とが相対的に近づく方向に移動可能である(図6)。
これにより、第1アーム11又は第2アーム21を移動させて、ケーブル5を回転体13と支持部22とで挟むことができる。そのため、回転体13がケーブル5に接触する接触圧を強くすることができる。その結果、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに容易に移動させて、コネクタ41に挿入して取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続機構において、第1アーム11と第2アーム21とは、1つのアームユニット2として一体化されている(図1)。
これにより、第1アーム11と第2アーム21とを、1つのアームユニット2にして、ケーブル接続機構をコンパクトにすることができる。
実施例1のケーブル接続機構において、支持部22は、先端が曲がった曲部22aを有する(図5)。
これにより、支持部22をコネクタ41に対して傾けなくても、ケーブル5の一端をコネクタ41に対して正しい姿勢にすることができる。そのため、支持部22のワークスペースを省スペースにすることができる。
実施例1のケーブル接続機構において、曲部22aの表面は、曲面で形成されている(図5)。
これにより、ケーブル5を曲面に沿わして移動させることができる。そのため、ケーブル5を折り曲げることなく、コネクタ41に挿入して取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続機構において、第1駆動部15の駆動力を回転体13に伝達する伝達経路17には、所定の負荷を超えたとき、駆動力の伝達を停止させる又は減少させる、過負荷防止部18を備える(図5)。
これにより、ケーブル5や第1駆動部15に過負荷がかかることを防止することができる。そのため、ケーブル5や第1駆動部15の損傷を未然に防ぐことができる。
実施例1のケーブル接続機構において、過負荷防止部18は、ねじりばね、圧縮ばね、及び引張りばねの少なくとも1つを含む(図5)。
これにより、簡易な構成で、ケーブル5や第1駆動部15に過負荷がかかることを防止することができる。そのため、簡易な構成で、ケーブル5や第1駆動部15の損傷を未然に防ぐことができる。
実施例1のケーブル接続機構において、回転体13は、第1アーム11の長手方向に、第1駆動部15と所定の間隔を有して配置されている(図5)。
これにより、回転体13と第1駆動部15を第1アーム11の長手方向に沿うように配置することができる。そのため、回転体13と第1駆動部15をコンパクトに配置することができる。その結果、第1アーム11のワークスペースを省スペースにすることができる。
実施例1のケーブル接続機構において、回転体13より下方に突出した爪部14aと、爪部14aを第1方向Fに移動させる第2駆動部16と、を備え、爪部14aは、第2駆動部16の駆動により、コネクタ41から上方に突出したレバー42を移動して、コネクタ41に挿入されたケーブル5をロック解除状態からロック状態にする(図9及び図10)。
これにより、ケーブル5のコネクタ41への挿入と、コネクタ41に挿入されたケーブル5をロック状態にすることを、一連の動作ですることができる。そのため、ケーブル5のコネクタ41への挿入から、ケーブル5をロック状態にするまでの時間を短縮することができる。
実施例1のケーブル接続機構において、回転体13より第1方向F側に配置されている、ケーブル5の一端が第1方向Fに移動するときに、ケーブル5の表面に接触する又は近接して、ケーブル5の一端の浮き上がりを規制する規制部19を有する(図6)。
これにより、ケーブル5の一端をコネクタ41に挿入する際に、ケーブル5の一端の浮き上がりを防止することができる。そのため、ケーブル5に傷や折り目をつけることなく、ケーブル5をコネクタ41に容易に挿入して取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続機構において、ケーブル5の他端に連結された第2基板50を保持する第3アーム31を備える(図5)。
これにより、ケーブル5の一端をコネクタ41に挿入する際に、ケーブル5の他端が連結された第2基板50を第3アーム31で保持することができる。そのため、ケーブル5の一端をコネクタ41に容易に挿入することができる。
実施例1のケーブル接続装置1は、ケーブル接続機構の動作を制御する制御部80と、を備える(図11)。
そのため、小さいワークスペースであっても、自動でケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続装置1において、ケーブル5の一端を当接可能なブロック60を備える(図7及び図8)。
これにより、ケーブル5の一端をブロック60に当接させて、ケーブル5の一端を正しい姿勢にすることができる。そのため、ケーブル5を正しい姿勢で、コネクタ41に挿入して取り付けることができる。その結果、ケーブル5に傷や折り目をつけることなく、ケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続装置1において、ケーブル5の一端を撮像する撮像装置70を備え、制御部80は、撮像装置70の撮像情報に基づいて、ケーブル5の一端が正しい姿勢であるか否かを判定する判定部81を備える(図11)。
これにより、ケーブル5の一端が正しい姿勢であるか否かを判定することができる。そのため、ケーブル5を正しい姿勢でコネクタ41に挿入して取り付けることができる。その結果、ケーブル5に傷や折り目をつけることなく、ケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続方法は、第1基板40に実装されているコネクタ41にケーブル5の一端を接続するためのケーブル接続方法であって、所定の軸回りに回転する回転体13をケーブル5の表面に接触させる接触工程と、回転体13を回転させる第1駆動部15を駆動させて、回転体13が、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させる移動工程と、を含む(図6及び図9)。
これにより、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させて、コネクタ41に挿入して取り付けることができる。そのため、ワークスペースを小さくして、ケーブル5をコネクタ41に取り付けることができる。
実施例1のケーブル接続方法は、第1基板40に実装されているコネクタ41にケーブル5の一端を接続するためのケーブル接続方法であって、第1アーム11に保持された、所定の軸回りに回転する回転体13と、第2アーム21に支持された、ケーブル5の裏面を支持する支持部22のうち少なくともいずれか一方を相対的に近づく方向に移動させて、回転体13をケーブル5の表面に接触させて、回転体13と支持部22とでケーブル5を把持する把持工程と、ケーブル5の一端をブロック60に当接させてケーブル5の一端の姿勢を調整する姿勢調整工程と、回転体13を回転させる第1駆動部15の駆動により、回転体13が、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させる移動工程と、を含む。
これにより、ケーブル5の一端を正しい姿勢でコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させて、コネクタ41に挿入して取り付けることができる。そのため、ワークスペースを小さくして、ケーブル5をコネクタ41に正しい姿勢で取り付けることができる。
また、ケーブル5の一端をブロック60に当接させて、ケーブル5の一端を正しい姿勢にすることができる。そのため、ケーブル5を正しい姿勢で、コネクタ41に挿入して取り付けることができる。その結果、ケーブル5に傷や折り目をつけることなく、ケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
実施例2のケーブル接続機構は、回転体の構成が異なる点で、実施例1のケーブル接続機構と相違する。
図13は、実施例2のケーブル接続機構を示す側面図である。以下、実施例2のケーブル接続機構の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図13に示すように、実施例2の回転体113は、略矩形のブロック状の回転ブロックとすることができる。回転体113は、保持部12の長手方向に垂直方向に延在するように、保持部12の先端に回転可能に取り付けられる。回転体113は、軸13aを回転軸として、ホーム位置P1と、図13上でホーム位置P1から時計回りに回転した繰り出し位置P2と、の間を回転可能に構成されている。
回転体113の先端面は、凸状の曲面とすることができる。回転体13の先端面の摩擦係数は、支持部22の表面の摩擦係数より高く形成されている。
以下、実施例2のケーブル接続方法を説明する。
実施例2のケーブル接続方法は、第2基板把持工程と、接触工程と、把持工程と、姿勢調整工程と、移動工程と、ロック工程とを経て、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結されたケーブル5の一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する。なお、以下では、実施例1と異なる点のみ記載する。
図13に示すように、接触工程では、第1アーム11が移動することで、ホーム位置P1にある回転体113が、支持部22に近づく方向に移動して、ケーブル5の表面に接触する。把持工程では、ホーム位置P1にある回転体113がケーブル5の表面に接触した状態で、回転体113がさらに支持部22に近づく方向に移動して、回転体113と支持部22とでケーブル5を把持する。回転体113と支持部22とは、ケーブル5の一端が曲部22aの先端から突出するように、ケーブル5を把持する。
図13に示すように、移動工程では、第1駆動部15の駆動により回転体113がホーム位置P1から繰り出し位置P2に回転し、ケーブル5の一端がコネクタ51に近づける第1方向Fに移動する。これにより、ケーブル5の一端がコネクタ41に挿入されて取り付けられる。
なお、ケーブルの移動量が大きい場合、回転体113は、ホーム位置P1から繰り出し位置P2に回転した後に、反時計回りに回転してホーム位置P1に戻り、更に、繰り出し位置P2に回転する動作を繰り返してもよい。ホーム位置P1から繰り出し位置P2に戻るときに、第1アーム11をケーブル5から遠ざかる方向に移動させて回転体113とケーブル5とを非接触にすることで、戻り動作時にケーブル5の逆方向(第1方向Fと反対方向)への移動を防止することができる。
以下、実施例2のケーブル接続機構の作用を説明する。
実施例2のケーブル接続機構において、回転体113は、回転ブロックである(図13)。
これにより、簡易な構成で、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させることができる。そのため、簡易な構成で、ケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるので説明を省略する。
実施例3のケーブル接続機構は、回転体の構成が異なる点で、実施例1のケーブル接続機構と相違する。
図14は、実施例3のケーブル接続機構を示す側面図である。以下、実施例3のケーブル接続機構の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図14に示すように、実施例3の回転体213は、回転ベルトとすることができる。回転体213は、2つの回転ローラ213bに架け回されている。2つの回転ローラ213bの回転軸は、保持部12の長手方向に垂直方向に延在するように、保持部12に回転可能に取り付けられる。2つの回転ローラ213bは、軸13aを回転軸として、回転可能に構成されている。回転体213の表面の摩擦係数は、支持部22の表面の摩擦係数より高く形成されている。
少なくとも1つの回転ローラ213bは、第1アーム11に内蔵された第1駆動部15としてのモータに接続されている。第1駆動部15の駆動により、回転ローラ213bは、軸13aを回転軸として回転し、回転体213が移動するように構成されている。なお、第1駆動部15(モータ等)を少なくとも1つの回転ローラ213bの内部に配置することにより、ダイレクトに回転体13を駆動してもよい。
以下、実施例3のケーブル接続方法を説明する。
実施例3のケーブル接続方法は、第2基板把持工程と、接触工程と、把持工程と、姿勢調整工程と、移動工程と、ロック工程とを経て、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結されたケーブル5の一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する。なお、以下では、実施例1と異なる点のみ記載する。
図14に示すように、接触工程では、第1アーム11が移動することで、回転体213が、支持部22に近づく方向に移動して、ケーブル5の表面に接触する。把持工程では、回転体213がケーブル5の表面に接触した状態で、回転体213がさらに支持部22に近づく方向に移動して、回転体213と支持部22とでケーブル5を把持する。回転体213と支持部22とは、ケーブル5の一端が曲部22aの先端から突出するように、ケーブル5を把持する。
図14に示すように、移動工程では、第1駆動部15の駆動により、回転ローラ213bが回転して回転体213が移動し、ケーブル5の一端がコネクタ41に近づく第1方向Fに移動する。これにより、ケーブル5の一端がコネクタ41に挿入されて取り付けられる。
以下、実施例3のケーブル接続機構の作用を説明する。
実施例3のケーブル接続機構において、回転体213は、回転ベルトである(図14)。
これにより、簡易な構成で、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させることができる。そのため、簡易な構成で、ケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるので説明を省略する。
実施例4のケーブル接続機構は、回転体の構成が異なる点で、実施例1のケーブル接続機構と相違する。
図15は、実施例4のケーブル接続機構を示す側面図である。図16は、別の実施例のケーブル接続機構を示す側面図である。以下、実施例4のケーブル接続機構の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図15に示すように、実施例4の回転体313は、回転ローラの外周に吸着部313aが取り付けられている。吸着部313aは、例えば、粘着素材で形成されている。吸着部313aは、ケーブル5の表面に接触したときに、粘着力によって、ケーブル5の表面を吸着する。
吸着部313aの表面の摩擦係数は、支持部22の表面の摩擦係数より高く形成されている。
なお、回転体413は、図16に示すように、回転ローラの外周面に、吸着部413aとしての吸引口を複数有してもよい。この場合、第1アーム11に設けられた吸引装置413bが稼働することで、吸着部413aとしての吸引口から空気が吸引されるように構成されている。
以下、実施例4のケーブル接続方法を説明する。
実施例4のケーブル接続方法は、第2基板把持工程と、接触工程と、把持工程と、姿勢調整工程と、移動工程と、ロック工程とを経て、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結されたケーブル5の一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する。なお、以下では、実施例1と異なる点のみ記載する。
図15に示すように、接触工程では、第1アーム11が移動することで、回転体13が、支持部22に近づく方向に移動して、吸着部313aがケーブル5の表面に接触する。把持工程では、吸着部313aがケーブル5の表面に接触した状態で、回転体13がさらに支持部22に近づく方向に移動して、回転体13と支持部22とでケーブル5を把持する。
図15に示すように、移動工程では、第1駆動部15の駆動により回転体13が回転し、ケーブル5の一端がコネクタ41に近づく第1方向Fに移動する。これにより、ケーブル5の一端がコネクタ41に挿入されて取り付けられる。
以下、実施例4のケーブル接続機構の作用を説明する。
実施例4のケーブル接続機構において、回転体13の表面は、回転体13がケーブル5の表面に接触したときに、ケーブル5の表面を吸着する吸着部313aを有する(図15)。
これにより、吸着部313aをケーブル5の表面に吸着させることができる。そのため、回転体13が空転することなくケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させることができる。また、回転体13とともにケーブル5を挟む支持部22を有なくても、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させることもできる。そのため、簡易な構成で、ケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるので説明を省略する。
実施例5のケーブル接続機構は、回転体と支持部の構成が異なる点で、実施例1のケーブル接続機構と相違する。
図17は、実施例5のケーブル接続装置1を示す斜視図である。以下、実施例5のケーブル接続機構の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図17に示すように、実施例5の回転体13は、2つの回転ローラで構成されている。回転体13は、回転体13の軸方向に、直列に2つ設けられている。第1駆動部15の駆動により、2つの回転体13は、同芯の軸13aを回転軸として、回転するように構成されている。支持部22は、回転体13に対応するように、2つ設けられている。
なお、回転体13を、回転体13の軸方向に、直列に2つ以上設けることもできる。また、2つの回転体13は、個別の軸を回転軸として設けられていてもよい。また、支持部22を2つ設ける代わりに、2つの回転体13に対応した1つの支持部22で構成してもよい。
以下、実施例5のケーブル接続方法を説明する。
実施例5のケーブル接続方法は、第2基板把持工程と、接触工程と、把持工程と、姿勢調整工程と、移動工程と、ロック工程とを経て、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結された2つのケーブル5の一端を、第1基板40に実装された2つのコネクタ41に接続する。なお、以下では、実施例1と異なる点のみ記載する。
図17に示すように、接触工程では、第1アーム11が移動することで、各回転体13が、各支持部22に近づく方向に移動して、各ケーブル5の表面に接触する。把持工程では、各回転体13が各ケーブル5の表面に接触した状態で、各回転体13がさらに各支持部22に近づく方向に移動して、各回転体13と各支持部22とで各ケーブル5を把持する。
図17に示すように、姿勢調整工程では、各回転体13と各支持部22とで各ケーブル5を把持した状態で、第1アーム11と、第2アーム21と、第3アーム31とを第1方向Fに移動して、曲部22aの先端から突出している各ケーブル5の一端を、ブロック60の垂直面60aに当接させる。
移動工程では、第1駆動部15の駆動により各回転体13が回転し、各ケーブル5の一端が、各コネクタ41に近づく第1方向Fに移動する。これにより、各ケーブル5の一端が、各コネクタ41に挿入されて取り付けられる。
以下、実施例5のケーブル接続機構の作用を説明する。
実施例5のケーブル接続機構において、回転体13は、回転体13の軸方向に、直列に2つ以上設けられている(図17)。
これにより、回転体13は、2つ以上のケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動することができる。そのため、2つ以上のケーブル5をコネクタ41に同時に挿入して取り付けることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるので説明を省略する。
実施例6のケーブル接続機構は、回転体と支持部の構成が異なる点で、実施例1のケーブル接続機構と相違する。
図18は、実施例6のケーブル接続機構を示す側面図である。以下、実施例6のケーブル接続機構の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図18に示すように、実施例6の回転体13は、2つの回転ローラで構成されている。回転体13は、回転体13の軸方向に対して直交方向に、並列に2つ設けられている。第1駆動部15の駆動により、2つの回転体13は、軸13aを回転軸として、回転するように構成されている。
なお、回転体13を、回転体13の軸方向に対して直交方向に、並列に2つ以上設けることもできる。
以下、実施例6のケーブル接続方法を説明する。
実施例6のケーブル接続方法は、第2基板把持工程と、接触工程と、把持工程と、姿勢調整工程と、移動工程と、ロック工程とを経て、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結されたケーブル5の一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する。なお、以下では、実施例1と異なる点のみ記載する。
図18に示すように、接触工程では、第1アーム11が移動することで、2つの回転体13が、支持部22に近づく方向に移動して、ケーブル5の表面に接触する。把持工程では、回転体13がケーブル5の表面に接触した状態で、2つの回転体13がさらに支持部22に近づく方向に移動して、2つの回転体13と支持部22とでケーブル5を把持する。
移動工程では、第1駆動部15の駆動により2つの回転体13が回転し、ケーブル5の一端が、各コネクタ41に近づく第1方向Fに移動する。これにより、ケーブル5の一端が、各コネクタ41に挿入されて取り付けられる。
以下、実施例6のケーブル接続機構の作用を説明する。
実施例6のケーブル接続機構において、回転体13は、回転体13の軸方向に対して直交方向に、並列に2つ以上設けられている(図18)。
これにより、回転体13が、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させる力を強くすることができる。そのため、ケーブル5のコネクタ41への挿入不足を防ぐことができる。
なお、他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるので説明を省略する。
実施例7のケーブル接続機構は、支持部の構成が異なる点で、実施例1のケーブル接続機構と相違する。
図19は、実施例7のケーブル接続機構を示す側面図である。以下、実施例7のケーブル接続機構の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図19に示すように、実施例7の支持部522は、回転部としての回転ローラとすることができる。支持部522は、第2アーム21の先端から延在したステイ523によって、保持されている。支持部522は、回転体13と対向するように配置されている。支持部522は、軸522aを回転軸として、回転可能に構成されている。
なお、支持部522は、回転部としての回転ベルトや回転ボールとすることができる。また、支持部522は、回転部としての回転ローラ、回転ベルト、及び回転ボールの少なくとも1つを含むように構成されてもよい。
以下、実施例7のケーブル接続方法を説明する。
実施例7のケーブル接続方法は、第2基板把持工程と、接触工程と、把持工程と、姿勢調整工程と、移動工程と、ロック工程とを経て、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結された2つのケーブル5の一端を、第1基板40に実装された2つのコネクタ41に接続する。なお、以下では、実施例1と異なる点のみ記載する。
図19に示すように、接触工程では、第1アーム11が移動することで、回転体13が、支持部522に近づく方向に移動して、ケーブル5の表面に接触する。把持工程では、回転体13がケーブル5の表面に接触した状態で、回転体13がさらに支持部522に近づく方向に移動して、回転体13と支持部522とでケーブル5を把持する。
回転体13と支持部522とでケーブル5を把持した状態では、回転体13がケーブル5の表面に接触し、支持部522がケーブル5の裏面を支持する。
図19に示すように、移動工程では、第1駆動部15の駆動により回転体13が回転し、ケーブル5の一端がコネクタ41に近づく第1方向Fに移動する。この際、支持部522は、ケーブル5の移動に従動して回転する。これにより、ケーブル5の一端がコネクタ41に挿入されて取り付けられる。
以下、実施例7のケーブル接続機構の作用を説明する。
実施例7のケーブル接続機構において、支持部522は、回転部を有し、回転部は、回転ローラ、回転ベルト、及び回転ボールの少なくとも1つを含む(図19)。
これにより、支持部522でケーブル5を支持しつつ、支持部522を回転させてケーブル5を移動させることができる。そのため、容易にケーブル5を移動させて、コネクタ41に挿入して取り付けることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるので説明を省略する。
実施例8のケーブル接続機構は、支持部の構成が異なる点で、実施例1のケーブル接続機構と相違する。
図20は、実施例8のケーブル接続機構を示す側面図である。以下、実施例8のケーブル接続機構の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図20に示すように、第2アーム21の先端には、ステイ623が設けられている。ステイ623は、空気を放出する気体放出部622を保持している。なお、気体放出部622は、例えばファンとすることができる。また、配管等を用いることにより、気体放出部622から圧縮空気を放出してもい。
気体放出部622から、ケーブル5の裏面に向けて空気を放出された気体は、ケーブル5の裏面を支持する。
以下、実施例8のケーブル接続方法を説明する。
実施例8のケーブル接続方法は、第2基板把持工程と、接触工程と、把持工程と、姿勢調整工程と、移動工程と、ロック工程とを経て、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結されたケーブル5の一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する。なお、以下では、実施例1と異なる点のみ記載する。
図20に示すように、接触工程では、第1アーム11が移動することで、回転体13が、気体放出部622に近づく方向に移動して、ケーブル5の表面に接触する。把持工程では、回転体13がケーブル5の表面に接触した状態で、気体放出部622から空気が送入されて、回転体13と支持部としての気体とでケーブル5を把持する。
図20に示すように、移動工程では、回転体13と支持部とでケーブル5を把持した状態で、第1アーム11と、第2アーム21と、第3アーム31とを第1基板40のコネクタ41に近傍に移動する。
そして、第1駆動部15の駆動により回転体13が回転し、ケーブル5の一端がコネクタ41に近づく第1方向Fに移動する。これにより、ケーブル5の一端がコネクタ41に挿入されて取り付けられる。
以下、実施例8のケーブル接続機構の作用を説明する。
実施例8のケーブル接続機構において、支持部を有する代わりに、ケーブル5の裏面を支持する気体を放出する気体放出部622を有する(図20)。
これにより、気体の圧力によって、ケーブル5を支持することができる。そのため、支持部のワークスペースを省スペースにすることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるので説明を省略する。
実施例9のケーブル接続機構は、回転体の代わりにスライドブロックを有する点で、実施例1のケーブル接続機構と相違する。
図21は、実施例9のケーブル接続機構を示す側面図である。図22は、別の実施例のケーブル接続機構を示す側面図である。以下、実施例9のケーブル接続機構の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図21に示すように、実施例9では、回転体の代わりにスライドブロック713を有する。スライドブロック713は、保持部12の長手方向に垂直方向に延在するように、保持部12の先端にスライド可能に取り付けられている。スライドブロック713は、断面略矩形状に形成されている。スライドブロック713の先端面は、凸状の曲面で形成されてもよい。
スライドブロック713は、保持部12に設けられた溝部12aに挿入可能な突起部713aを備えている。溝部12aは、支持部22の表面の形状に沿うように形成されている。
スライドブロック713は、突起部713aが溝部12aに嵌合した状態で、溝部12aに沿って、ホーム位置Q1と、送り出し位置Q2との間をスライド可能とする。スライドブロック713の先端面の摩擦係数は、支持部22の表面の摩擦係数より高く形成されている。
スライドブロック713は、第1アーム11に内蔵された第1駆動部15としてのモータに接続されている。モータとスライドブロック713の間には、モータの回転を直動に変換するための回転直動変換機構(図示せず)が連結されている。回転直動変換機構は例えば、ラック-ピニオン機構である。第1駆動部15の駆動により、スライドブロック713は、ホーム位置Q1と、送り出し位置Q2との間をスライドするように構成されている。
また、第1駆動部15としての直動機構(ソレノイドやシリンダ等)をスライドブロック713に直接連結させ、直動機構の駆動によりスライドブロック713をスライドしてもよい。なお、第1アーム11全体を移動させて、スライドブロック713をホーム位置Q1と、送り出し位置Q2との間でスライドするように構成してもよい。
また、ケーブル5の移動量が大きい場合、スライドブロック713は、ホーム位置Q1から送り出し位置Q2にスライドした後に、逆方向にスライドしてホーム位置Q1に戻り、更に、送り出し位置Q2にスライドする動作を繰り返してもよい。ホーム位置Q1から送り出し位置Q2に戻るときに、第1アーム11をケーブル5から遠ざかる方向に移動させてスライドブロック713とケーブル5とを非接触にすることで、戻りの動作時のケーブル5の逆方向(第1方向Fと反対方向)への移動を防止することができる。このような構成により、ケーブル5が、支持部22上を摺動しながらスライドブロック713とともにコネクタ51に近づく第1方向Fに支持部22の表面に沿って移動することができるため、簡易な構成で、ケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
なお、図22に示すように、スライドブロック713は、先端面に吸着部713bとしての吸引口を備えていてもよい。この場合、第1アーム11に設けられた吸引装置713cが稼働することで、吸着部713bとしての吸引口から空気が吸引されるように構成されている。
また、スライドブロック713は、先端面に、粘着素材で形成されている吸着部を備えていてもよい。吸着部は、ケーブル5の表面に接触したときに、粘着力によって、ケーブル5の表面を吸着する。
以下、実施例9のケーブル接続方法を説明する。
実施例9のケーブル接続方法は、第2基板把持工程と、接触工程と、把持工程と、姿勢調整工程と、移動工程と、ロック工程とを経て、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結されたケーブル5の一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する。なお、以下では、実施例1と異なる点のみ記載する。
図21に示すように、接触工程では、第1アーム11が移動することで、ホーム位置Q1にある回転体113が、支持部22に近づく方向に移動して、ケーブル5の表面に接触する。把持工程では、ホーム位置Q1にある回転体113がケーブル5の表面に接触した状態で、スライドブロック713がさらに支持部22に近づく方向に移動して、スライドブロック713と支持部22とでケーブル5を把持する。スライドブロック713と支持部22とは、ケーブル5の一端が曲部22aの先端から突出するように、ケーブル5を把持する。
図13に示すように、移動工程では、第1駆動部15の駆動によりスライドブロック713がホーム位置Q1から送り出し位置Q2にスライドし、ケーブル5の一端がコネクタ51に近づく第1方向Fに移動する。これにより、ケーブル5の一端がコネクタ41に挿入されて取り付けられる。
以下、実施例9のケーブル接続機構の作用を説明する。
実施例9のケーブル接続機構は、第1基板40に実装されているコネクタ41にケーブル5の一端を接続するためのケーブル接続機構であって、スライド可能なスライドブロック713と、スライドブロック713をスライドさせる第1駆動部15と、を備え、スライドブロック713がケーブル5の表面に接触した状態において、第1駆動部15の駆動により、スライドブロック713は、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させる(図21)。
これにより、スライドブロック713をスライドさせて、ケーブル5の一端をコネクタ41に近づける第1方向Fに移動させることができる。そのため、小さいワークスペースであっても、ケーブル5をコネクタ41に挿入して取り付けることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、実施例1と略同様であるので説明を省略する。
以上、本発明のケーブル接続機構を実施例1~実施例9に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、各実施例の組み合わせ、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1~実施例8では、回転体を回転ローラ、回転ベルト、又は回転ブロックとする例を示した。しかし、回転体は、ボール状の物体が回転する回転ボールとすることもできる。また、回転体は、回転ローラ、回転ベルト、回転ボール、及び回転ブロックの少なくとも1つを含むこともできる。
実施例1~実施例9では、支持部を備える例を示した。しかし、例えば、回転体の上部とケーブル5とが接触するような場合、ケーブル5の自重によって回転体とケーブル5との接触圧を確保することができる。このように、ケーブルの下方(図1の下側)から回転体が接触するような場合、支持部を備えなくてもよい。また、組立部品の一部を、ケーブル5を挟んで回転体と反対側に位置付けることが可能な場合も、支持部を備えなくてもよい。この場合、回転体と組立部品の一部とでケーブル5を把持することができる。組立部品の一例としては、第2基板50が取り付けられているカバー52がケーブル5の長手方向に曲面形状として延在することが挙げられる。
実施例6では、回転体13は、直列に2つ設けられ、実施例7では、回転体13は、並列に2つ設けられる例を示した。しかし、回転体は、直列に2つ以上設けることも、並列に2つ以上設けることもできる。また、回転体は、直列に2つ以上設け、さらに、並列に2つ以上設けることもできる。
実施例1~実施例9では、ケーブル5をフラットケーブルとする例を示した。しかし、ケーブルは、フラットケーブルに限定されるものではない。
実施例1~実施例9では、曲部22aは、滑らかな弧状の曲面で形成されている例を示した。しかし、曲部は、断面略L字状に折れ曲がった形状であってもよい。
実施例1~実施例9では、第1アーム11と、第2アーム21と、第3アーム31とが別体で設けられる例を示した。しかし、第3アーム31と第1アーム11を一体化してもよく、また、第3アーム31と第2アーム21とを一体化してもい。また、第1アーム11、第2アーム21及び第3アーム31がアームユニット2に連結されることなく、それぞれが独立したアームとして構成されていてもよい。
実施例1~実施例9では、本発明を、コネクタが取り付けられていないケーブル5の一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する場合に適用する例を示した。しかし、本発明は、ケーブルの一端に取り付けられているコネクタを、第1基板に実装されたコネクタに接続するようにしてもよい。また、本発明は、電気部品を搭載した回路を設けたケーブルにも適用することができる。
また、本発明は、複数の単一ケーブルをケーブルの長手方向に垂直な方向に並べて配置し、ケーブルの被覆等を溶着して複数の単一ケーブルを1つの板状にしたケーブルにも適用することができる。また、本発明は、ケーブルを接続するコネクタの接続口が、図1における上側又は下側を向いた姿勢で第1基板40に実装されているコネクタに対しても適用することができる。この場合、ケーブルは、上方又は下方からコネクタに接続される。
実施例1~実施例9では、本発明を、第2基板50に実装されたコネクタ51に連結されたケーブル5の一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する場合に適用する例を示した。しかし、本発明は、ケーブルの他端がコネクタに連結されていないケーブルの一端を、第1基板40に実装されたコネクタ41に接続する場合にも適用することができる。