JP7431129B2 - 燃焼設備及び燃焼設備の運転方法 - Google Patents

燃焼設備及び燃焼設備の運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7431129B2
JP7431129B2 JP2020150574A JP2020150574A JP7431129B2 JP 7431129 B2 JP7431129 B2 JP 7431129B2 JP 2020150574 A JP2020150574 A JP 2020150574A JP 2020150574 A JP2020150574 A JP 2020150574A JP 7431129 B2 JP7431129 B2 JP 7431129B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
additive
combustion
fuel
supply
sulfur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020150574A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022045077A (ja
Inventor
佳彦 土山
照正 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2020150574A priority Critical patent/JP7431129B2/ja
Priority to PCT/JP2021/032414 priority patent/WO2022054707A1/ja
Publication of JP2022045077A publication Critical patent/JP2022045077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7431129B2 publication Critical patent/JP7431129B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/46Removing components of defined structure
    • B01D53/64Heavy metals or compounds thereof, e.g. mercury
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/46Removing components of defined structure
    • B01D53/68Halogens or halogen compounds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/74General processes for purification of waste gases; Apparatus or devices specially adapted therefor
    • B01D53/77Liquid phase processes
    • B01D53/79Injecting reactants
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23JREMOVAL OR TREATMENT OF COMBUSTION PRODUCTS OR COMBUSTION RESIDUES; FLUES 
    • F23J15/00Arrangements of devices for treating smoke or fumes

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chimneys And Flues (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)

Description

本開示は、燃焼設備及び燃焼設備の運転方法に関する。
金属を含む燃料(例えば廃棄物又はバイオマス等)を燃焼するための燃焼設備では、通常、燃料の燃焼により生じる灰中に含まれる金属と、燃料中の塩素化合物とが反応して金属塩化物を生成する。燃焼ガス中の温度が低下すると、燃焼ガスに含まれる金属塩化物が凝縮して腐食性の高い溶融塩を形成し、設備の配管等の腐食の原因となり得る。
このような腐食溶融塩による設備の腐食への対策として、燃焼ガス中に含まれるガス状のアルカリ金属塩化物に硫黄含有添加物を添加すること提案されている。例えば特許文献1には、燃焼チャンバの下流側に過熱ヒータ(伝熱管)が設けられたボイラにおいて、固体塩素含有燃料を燃焼させるときに、燃焼ガスに硫黄含有添加剤を注入することが記載されている。これにより、燃焼ガスに含まれる腐食性の高いアルカリ金属塩化物を比較的腐食性の低いアルカリ硫酸塩に転化させることで、アルカリ金属塩化物による過熱ヒータの腐食を抑制することが図られている。
特許第4028801号公報
ところで、燃焼設備で燃焼される廃棄物やバイオマス等の燃料には、重金属が含まれる場合がある。そして、重金属についても、アルカリ金属と同様、燃焼ガス中で塩化物を形成して溶融塩となり、設備を腐食するという問題が生じ得る。
重金属を含む燃料を燃焼するための燃焼設備における腐食を抑制すべく、上述のアルカリ金属の場合と同様に、硫黄含有添加剤を添加して、燃焼ガスに含まれる腐食性の高い重金属塩化物を、比較的腐食性の低い重金属硫酸塩に変化させることが考えられる。しかしながら、一般に、燃料中にはアルカリ金属が多く含まれるため、燃焼設備の腐食を抑制するためにアルカリ金属及び重金属の全てを硫酸化するのでは、硫黄含有添加剤の添加量が多くなる。このため、コストが増大し、あるいは燃焼ガスとともに排出されるSO量(SOスリップ量)が増大する可能性がある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、設備の腐食を効果的に抑制可能な燃焼設備及び燃焼設備の運転方法を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼設備は、
アルカリ金属及び1以上の重金属を含む燃料を燃焼させるための燃焼炉と、前記燃焼炉からの燃焼ガスが導かれる煙道と、を含む燃焼装置と、
前記燃焼装置の内部における、運転時の温度が400℃以上750℃以下の範囲内の位置に、硫黄を含有する添加剤を供給するように構成された添加剤供給部と、
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼設備は、
アルカリ金属及び1以上の重金属を含む燃料を燃焼させるための燃焼炉と、
前記燃焼炉の下流側に位置し、伝熱管が配置される、又は、伝熱管を含む壁によって形成される伝熱部と、
前記伝熱部に、硫黄を含有する添加剤を供給するように構成された添加剤供給部と、
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼設備の運転方法は、
燃焼炉と、前記燃焼炉に接続される煙道と、を含む燃焼設備の運転方法であって、
前記燃焼炉でアルカリ金属及び1以上の重金属を含む燃料を燃焼させるステップと、
前記燃焼炉又は前記煙道の内部における、運転時の温度が400℃以上750℃以下の範囲内の位置に、硫黄を含有する添加剤を投入するステップと、
を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、設備の腐食を効果的に抑制可能な燃焼設備及び燃焼設備の運転方法が提供される。
一実施形態に係る燃焼設備の概略図である。 一実施形態に係る燃焼設備の添加剤供給装置の概略構成図である。 燃料に含まれる代表的な重金属及びアルカリ金属の塩化物の蒸気圧曲線を示すチャートである。 所定条件下における亜鉛(重金属)の相図である。 所定条件下における鉛(重金属)の相図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(燃焼設備の構成)
図1は、一実施形態に係る燃焼設備の概略図である。図2は、一実施形態に係る燃焼設備の添加剤供給装置の概略構成図である。
図1に示すように、燃焼設備100は、燃料を燃焼させるための燃焼装置1と、燃焼装置1内に硫黄を含有する添加剤(以下、硫黄含有添加剤、又は単に添加剤ともいう。)を供給するための添加剤供給装置50と、を備える。
燃焼装置1は、内部で燃料を燃焼させるための燃焼炉12と、燃焼炉12に接続される煙道4と、を含む。燃焼炉12において燃料の燃焼により発生する燃焼ガスが、煙道4に導かれるようになっている。煙道4には、伝熱管14が設けられている。煙道4及び伝熱管14は、蒸気を生成するためのボイラ2を構成していてもよい。燃焼装置1は、燃焼炉12の下流側に位置し、伝熱管14が配置され、又は、伝熱管を含む壁で形成される伝熱部14’を含む。伝熱部14’は、煙道4の一部であってもよい。
燃焼炉12には、燃料供給部8から燃料が供給されるとともに、空気供給部10から空気が供給されるようになっており、燃焼炉12の内部で燃料を燃焼するように構成されている。燃料供給部8から供給される燃料は、亜鉛(Zn)又は鉛(Pb)等の重金属、及び、アルカリ金属(ナトリウム(Na)又はカリウム(K)等)を含む燃料であり、例えば、都市ごみや建材等の廃棄物、又は、バイオマスが燃料として燃焼炉12に供給されるようになっている。
燃焼炉12では、燃料の燃焼により燃焼ガスや灰が生成される。灰の一部は、燃焼炉12の下部に溜まり、図示しない灰排出部を介して、燃焼炉12の外部に排出される。また、灰の一部は、フライアッシュとして、燃焼ガスに同伴されて煙道4に導かれる。
伝熱管14は、煙道を流れる高温の燃焼ガスとの熱交換により、伝熱管14の内部に供給される流体(水等)を加熱するように構成される。伝熱管14は、上述の流体を加熱して蒸気を生成するように構成されていてもよい。このように生成される蒸気は、例えば、発電タービンを駆動するために利用されてもよい。
図1に示すように、煙道4において伝熱管14の下流側には、煙道4を流れる燃焼ガスの温度を低下させるための減温部16が設けられていてもよい。減温部16は、例えば、水を噴霧することにより、燃焼ガスの温度を低下させるように構成されていてもよい。減温部16は、伝熱管14通過後の燃焼ガスの温度を、所定の物質(例えばダイオキシン類)の合成が進まない温度域まで低下させるように構成されていてもよい。
図1に示すように、煙道4において伝熱管14の下流側には、煙道4からの燃焼ガスに同伴される灰(フライアッシュ)を捕捉するための捕捉部18が設けられていてもよい。捕捉部18は、煙道4において減温部16の下流側に位置していてもよい。捕捉部18は、灰を同伴する燃焼ガスから灰を分離するように構成されていてもよい。捕捉部18として、例えばバグフィルタや電気式集塵機等の集塵装置を用いることができる。
図1に示す燃焼装置1では、捕捉部18にて燃焼ガスから分離された灰は、排出管20及び排出バルブ21を介して捕捉部18から排出されるようになっている。
捕捉部18にて灰が除去された燃焼ガスは、捕捉部18に接続された排気通路5及び煙突6を介して、燃焼装置1の外部に排出される。なお、排気通路5にファン22が設けられており、ファン22によって燃焼ガスを吸引するようになっていてもよい。
図1及び図2に示すように、添加剤供給装置50は、燃焼装置1に硫黄を含有する添加剤を供給するための添加剤供給部30と、添加剤供給部30による添加剤の供給量を決定するための供給量決定部42を含む制御部40と、を備えている。
まず、添加剤供給部30について説明する。図1に示す例示的な実施形態では、添加剤供給部30は、硫黄を含有する添加剤が貯留される添加剤タンク32と、添加剤タンク32と燃焼装置1との間に設けられる添加剤供給ライン34と、添加剤供給ライン34に設けられるポンプ36及びバルブ38と、を含む。添加剤タンク32に貯留された添加剤は、ポンプ36により加圧されて、添加剤供給ライン34を介して燃焼装置1の内部に供給されるようになっている。添加剤供給ライン34を介した燃焼装置1内部への添加剤の供給量は、バルブ38によって調節可能になっている。
硫黄を含む添加剤として、硫黄又は硫黄化合物を用いることができる。より具体的には、硫黄を含む添加剤として、例えば、硫酸、発煙硫酸等の硫酸含有物質、又は、硫酸鉄、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム等の硫酸塩等を用いることができる。
添加剤供給部30は、燃焼装置1の内部における、運転時の温度(又は燃焼ガスの温度)が400℃以上750℃以下の範囲内の位置に、上述の添加剤を供給するように構成される。すなわち、添加剤供給ライン34は、燃焼装置1のうち、運転時の内部温度(又は燃焼ガスの温度)が400℃以上750℃以下の範囲内の部位に接続される。
重金属及びアルカリ金属を含む燃料を燃焼するための燃焼設備では、燃焼炉において、燃料に含まれる重金属及びアルカリ金属が、燃料に含まれる塩素(Cl)とともに塩化物を形成して揮発する。このように形成される重金属塩化物及びアルカリ金属塩化物は、燃焼設備内で溶融塩となり、設備の腐食の要因となり得る。そこで、燃焼炉等に硫黄含有添加物を供給して、これらの塩化物を添加剤との反応によって、融点のより高い硫酸塩に変化させることで、重金属及びアルカリ金属に起因する腐食を抑制することが考えられる。
なお、燃焼設備における硫黄含有添加剤と重金属塩化物又はアルカリ金属塩化物との上述の反応は、概略的に以下のよう説明できる。ここでは、添加剤として硫酸アンモニウムを用いる場合について、重金属の代表例として鉛(Pb)、アルカリ金属の代表例としてナトリウム(Na)を用いて説明する。
すなわち、添加剤である硫酸アンモニウムは、燃焼炉12にて下記式(A)に示すように熱分解して、SOガスを生じる。
(NHSO(固体)→2NH(ガス)+SO(ガス)+HO(ガス) ・・・(A)
一方、燃焼炉12に投入された燃料に含まれる鉛(Pb;重金属)及びナトリウム(Na;アルカリ金属)は、燃料に含まれる塩素(Cl)とともに塩化物PbCl及びNaClをそれぞれ形成して揮発する。そして、この揮発した塩化物が上記式(A)で生成したSOガスと、下記式(B)及び(C)に示すように反応して硫酸塩を生成する。
PbCl(ガス)+SO(ガス)+HO(ガス)→PbSO(固体)+2HCl(ガス) ・・・(B)
2NaCl(ガス)+SO(ガス)+HO(ガス)→NaSO(固体)+2HCl(ガス) ・・・(C)
そこで、重金属を含む燃料を燃焼するための燃焼設備における腐食を抑制すべく、硫黄含有添加剤を添加して、燃焼ガスに含まれる腐食性の高いアルカリ金属塩化物及び重金属塩化物を、比較的腐食性の低い(あるいは比較的融点が高い)硫酸塩に変化させることが考えられる。しかしながら、一般に、燃料中にはアルカリ金属が多く含まれるため、燃焼設備の腐食を抑制するためにアルカリ金属及び重金属の全てを硫酸化するのでは、硫黄含有添加剤の添加量が多くなり、コストが増大する。
一般に、アルカリ金属塩化物は、重金属塩化物に比べて比較的融点が高い。例えば、アルカリ金属塩化物の融点は、NaClとKClの共晶の場合約515℃以上であり、重金属塩化物の融点は、PbClとZnClの共晶の場合約250℃以上である。このため、燃焼設備100の構成部材(例えば伝熱管14)の温度があまり高くない場合(例えば、アルカリ金属の融点未満である場合)には、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物が構成部材の表面に付着したとしても、アルカリ金属塩化物が固化し、その腐食性は溶融塩の形態である場合に比べて低下する。一方、燃焼設備100の構成部材の温度があまり高くない場合であっても、燃焼ガス中の重金属塩化物は融点が比較的低く、溶融塩として存在しやすいため、構成部材の腐食の要因となりやすい。したがって、燃焼ガス中に含まれ、腐食性が比較的高いアルカリ金属塩化物及び重金属塩化物のうち、融点が比較的低い重金属塩化物を選択的に硫酸化して低腐食性の硫酸塩にすることができれば、構成部材の腐食を効果的に抑制できると期待できる。
ここで、図3は、燃料に含まれる代表的な重金属(鉛、亜鉛)及びアルカリ金属(ナトリウム、カリウム)の塩化物の蒸気圧曲線を示すチャートである。図3のグラフにおいて、pPb、pZn、pNa及びpは、それぞれ、典型的な燃料に含まれる鉛、亜鉛、ナトリウム及びカリウムが全て揮発したと仮定したときの燃焼装置内における濃度(分圧)であり、TBPbCl2、TBZnCl2、TBNaCl及びTBKClは、それぞれ、上述の各元素について、上述の濃度pPb、pZn、pNa及びpであるときの蒸気圧曲線上の温度である。すなわち、TBPbCl2、TBZnCl2、TBNaCl及びTBKClは、典型的な燃料を燃焼装置で燃焼させた場合における、各元素の塩化物の燃焼装置内における凝縮点(すなわち沸点)を示す。
図3のグラフからわかるように、一般的な廃棄物やバイオマス等の燃料を燃焼させる場合、燃焼装置内における重金属塩化物の凝縮点(TBPbCl2及びTBZnCl2)は約400℃以下であり、アルカリ金属塩化物の凝縮点(TBNaCl及びTBKCl)は約750℃以である。すなわち、燃料(廃棄物やバイオマス等)中のアルカリ金属及び重金属の含有量が一般的な範囲である場合、該燃料を燃焼する燃焼設備内において、各成分の蒸気圧との関係で、約400℃以上では燃焼ガス中の重金属塩化物(燃料中の重金属に由来する塩化物)は気化し、約750℃以下では燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物(燃料中のアルカリ金属に由来する塩化物)は凝縮する。
この点、上述の実施形態では、燃焼装置1の内部における400℃以上750℃以下の温度範囲の位置(又は燃焼ガス温度が400℃以上750℃以下の温度範囲の位置)に硫黄を含む添加剤を供給する。すなわち、燃焼装置1の内部において、重金属塩化物がガスとして存在し、かつ、アルカリ金属塩化物が凝縮物(液体又は固体)として存在する位置に硫黄を含む添加剤を供給するようにしたので、アルカリ金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(例えば上記式(C)の反応)を抑制しながら、重金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(例えば上記式(B)の反応)を促進することができる。なお、これは、アルカリ金属塩化物の凝縮物と添加剤の硫黄分(燃焼ガス中のSO)との反応は液体-気体反応又は固体-気体反応であるのに対し、重金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応は気体-気体反応であり、液体-気体反応及び固体-気体反応は気体-気体反応に比べて反応速度が十分に小さいためである。すなわち、上述の実施形態によれば、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物よりも重金属塩化物を優先的に硫酸化させることができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、添加剤供給部は、運転時の温度が500℃以上700℃以下の範囲の位置に、硫黄を含有する添加剤を供給するように構成される。
上述の実施形態では、燃焼装置1において、運転時の温度が500℃以上の位置に硫黄含有添加剤を供給するようにしたので、燃焼ガス中の重金属塩化物と添加剤との反応をより促進することができる。一方、上述の実施形態では、燃焼装置1において、運転時の温度が700℃以下の位置に硫黄含有添加剤を供給するようにしたので、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物の凝縮を促進することができ、このため、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物と添加剤との反応をより効果的に抑制することができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量をより効果的に削減しながら、燃焼設備の腐食をより効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図1に示すように、添加剤供給部30は、燃焼装置1を構成する煙道4の内部に添加剤を供給するように構成されていてもよい。すなわち、添加剤供給ライン34は、煙道4に接続されていてもよい。また、幾つかの実施形態では、図1に示すように、添加剤供給部30は、燃焼装置1における伝熱部14’に添加剤を供給するように構成されていてもよい。
廃棄物やバイオマス等の燃料を燃焼するための燃焼設備100において、燃焼炉12の下流側に設けられる伝熱部14’(煙道4)における温度は、燃焼炉12の温度(例えば、約800℃以上)よりも低く、伝熱部14’の大部分又は煙道4の一部において、400℃以上750℃以下程度の温度範囲内である。この点、上述の実施形態では、燃焼装置1における伝熱部14’又は煙道4に添加剤を供給するようにしたので、既に述べたように、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物よりも重金属塩化物を優先的に硫酸化させることができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
一実施形態では、添加剤供給部30は、煙道4における減温部16よりも上流側の位置に、添加剤を供給するように構成される。
一般に、減温部16では、燃焼ガスが冷却されて燃焼ガス温度は急激に低下する。この点、上述の実施形態では、煙道4において、燃焼ガスの温度が急激に低下する減温部16よりも上流側の位置にて添加剤を供給するようにしたので、煙道4(燃焼装置1)における400℃以上750℃以下程度の温度範囲の位置に添加剤を供給しやすい。
一実施形態では、添加剤供給部30は、煙道4における伝熱管14よりも上流側の位置に、添加剤を供給するように構成される。言い換えると、一実施形態では、煙道4と燃焼炉12との接続位置と、伝熱管14との間の流路長さをLとしたとき、煙道4において、上述の接続位置からの長さが0以上L以下の位置に、添加剤を供給するように構成される。
上述の実施形態では、煙道4において、伝熱管14よりも上流側の位置に添加剤を供給するようにしたので、伝熱管14に到達する前の燃焼ガスに添加剤を供給して燃焼ガスに含まれる重金属塩化物を硫酸化することができる。よって、重金属溶融塩に起因する伝熱管14の腐食を効果的に抑制することができる。
一実施形態では、煙道4と燃焼炉12との接続位置と、伝熱管14との間の流路長さをLとしたとき、煙道4において、上述の接続位置からの長さが0以上3L/4以下の位置、又は、L/5以上2L/3以下の位置に、添加剤を供給するように構成される。
上述の実施形態では、煙道4における接続位置からの長さが0以上又はL/5以上の位置に添加剤を供給する。すなわち、燃焼装置1の内部温度(又は燃焼ガス温度)が適度に低下した位置に添加剤を供給するようにしたので、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物の凝縮を促進することができる。よって、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物と添加剤との反応を効果的に抑制することができる。
また、上述の実施形態では、煙道4における接続位置からの長さが3L/4以下又は2L/3以下の位置に添加剤を供給するようにしたので、煙道4を流れる燃焼ガスに添加剤が供給されてから、該燃焼ガスが伝熱管14に到達するまでの距離(時間)を確保しやすい。すなわち、燃焼ガス中の重金属塩化物と、添加剤との反応時間を確保しやすいので、燃焼ガスが伝熱管14に到達するまでに重金属塩化物の硫酸化反応を進めやすくなる。よって、重金属溶融塩に起因する伝熱管14の腐食を効果的に抑制することができる。
一実施形態では、伝熱部14’と燃焼炉12との接続位置と、伝熱管14との間の流路長さをL’としたとき、伝熱部14’において、上述の接続位置からの長さが0以上3L’/4以下の位置、又は、L’/5以上2L’/3以下の位置に、添加剤を供給するように構成される。
上述の実施形態では、伝熱部14’における接続位置からの長さが0以上又はL’/5以上の位置に添加剤を供給する。すなわち、燃焼装置1の内部温度(又は燃焼ガス温度)が適度に低下した位置に添加剤を供給するようにしたので、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物の凝縮を促進することができる。よって、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物と添加剤との反応を効果的に抑制することができる。
また、上述の実施形態では、伝熱部14’における接続位置からの長さが3L’/4以下又は2L’/3以下の位置に添加剤を供給するようにしたので、伝熱部14’を流れる燃焼ガスに添加剤が供給されてから、該燃焼ガスが伝熱管14に到達するまでの距離(時間)を確保しやすい。すなわち、燃焼ガス中の重金属塩化物と、添加剤との反応時間を確保しやすいので、燃焼ガスが伝熱管14に到達するまでに重金属塩化物の硫酸化反応を進めやすくなる。よって、重金属溶融塩に起因する伝熱管14の腐食を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、上述の添加剤は硫酸アンモニウムを含む。
硫酸アンモニウムが添加剤として供給される場合、上記式(A)~(C)を用いて説明したように、硫酸アンモニウムは、高温環境下で分解してから重金属等と反応する。一方、熱分解後の硫酸アンモニウムのうち未反応分は、350℃程度以下の温度で硫酸アンモニウムに戻る。この点、上述の実施形態によれば、添加剤として硫酸アンモニウムを用いるようにしたので、重金属との反応で消費されない未反応分は、350℃程度以下の温度の領域で腐食性の低い硫酸アンモニウムに戻る。このため、未反応分の添加剤に由来する硫酸デポジットの生成(すなわち、硫酸の結露)を抑制することができる。よって、硫酸デポジットによる燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
次に、供給量決定部42を含む制御部40について説明する。上述したように、制御部40は、添加剤供給部30による添加剤の供給量を決定するための供給量決定部42を含む。制御部40は、供給量決定部42により決定された供給量の添加剤が供給されるように、添加剤供給部30のバルブ38を制御するように構成されていてもよい。
制御部40は、プロセッサ(CPU等)、記憶装置(メモリデバイス;RAM等)、補助記憶部及びインターフェース等を備えた計算機を含む。制御部40は、インターフェースを介して、後述する検出部26及び/又は濃度センサ28からの信号を受け取るようになっている。プロセッサは、このようにして受け取った信号を処理するように構成される。また、プロセッサは、記憶装置に展開されるプログラムを処理するように構成される。これにより、上述の供給量決定部42の機能が実現される。
制御部40での処理内容は、プロセッサにより実行されるプログラムとして実装される。プログラムは、補助記憶部に記憶されていてもよい。プログラム実行時には、これらのプログラムは記憶装置に展開される。プロセッサは、記憶装置からプログラムを読み出し、プログラムに含まれる命令を実行するようになっている。
供給量決定部42は、燃料中の1以上の重金属の含有量に基づいて、硫黄含有添加剤の供給量を決定するように構成される。すなわち、供給量決定部42は、燃料に複数種の重金属が含まれる場合、これらの重金属のうち少なくとも1つの燃料中含有量に基づいて、硫黄含有添加剤の供給量を決定する。
燃料中の1以上の重金属の含有量は、燃料の成分分析をすることにより取得してもよい。
あるいは、燃料の燃焼により生成される灰に含まれる重金属の含有量を、燃料に含まれる重金属の含有量と見做してもよい。すなわち、供給量決定部42は、上述の灰に含まれる1以上の重金属の含有量に基づいて、硫黄含有添加剤の供給量を決定するようにしてもよい。
燃料の燃焼により生成した灰中の重金属の含有量は、検出部26によって計測してもよい。図1に示す例示的な実施形態では、検出部26は、捕捉部18で捕捉された灰中の重金属の含有量を検出するように構成されている。検出部26は、例えば、捕捉部18から灰が排出される排出管20を介して、分析対象の灰を採取するようになっていてもよい。検出部26による灰中の重金属の含有量の検出結果を示す信号は、制御部40に送られるようになっている。
なお、検出部26は、燃料の燃焼により生成した灰を規定期間毎に採取して分析するように構成されていてもよい。そして、検出部26により取得された重金属の含有量を規定期間毎に供給量決定部42にフィードバックするようにしてもよい。これにより、燃料に含まれる重金属の量が時間の経過とともに変化する場合であっても、該重金属の量の変化に応じて、適切な量の添加物を添加することができる。
幾つかの実施形態では、供給量決定部42は、燃料の単位重量当たりに含まれる1以上の重金属のうち少なくとも何れかのモル数に対する、燃料の単位重量当たりに供給される添加剤に含まれる硫黄の当量比が規定範囲内となるように、添加剤の供給量を決定するように構成される。
上述の実施形態によれば、燃料の単位重量当たりに含まれる重金属のモル数に対する、燃料の単位重量当たりに供給される添加剤に含まれる硫黄の当量比が規定範囲内となるように添加剤の供給量を決定するようにしたので、燃料に含まれる重金属を腐食性の比較的低い硫酸塩に適切に変化させるために必要かつ十分な量の添加剤を供給することができる。よって、燃焼ガス中の重金属塩化物を腐食性の比較的低い硫酸塩に適切に変化させることができる。
より具体的に、燃料に重金属である鉛及び亜鉛が含まれる場合、供給量決定部42は、燃料の単位重量当たりに含まれる鉛及び亜鉛の合計モル数に対する、燃料の単位重量当たりに供給される添加剤に含まれる硫黄の当量比が0.5以上10以下、又は、1以上10以下となるように、添加剤の供給量を決定するように構成されてもよい。すなわち、供給量決定部42は、燃料の単位重量当たりに含まれる鉛及び亜鉛の各モル数mPb及びmZn、及び、燃料の単位重量当たりに添加される添加剤に含まれる硫黄のモル数mが下記式(D)又は(D’)を満たすように、添加剤の供給量を決定するように構成されてもよい。
0.5≦{m/(mPb+mZn)}≦10 …(D)
1≦{m/(mPb+mZn)}≦10 …(D’)
なお、上記式(A)及び(B)から明らかなように、燃料中の鉛と添加剤中の硫黄とは、1:1のモル比で反応する。また、同様に、燃料中の亜鉛と添加剤中の硫黄とは、1:1のモル比で反応する。
上述の実施形態によれば、燃料の単位重量当たりに含まれる鉛及び亜鉛の合計モル数に対する、燃料の単位重量当たりに供給される添加剤に含まれる硫黄の当量比が0.5以上又は1以上となるように添加剤の供給量を決定するようにしたので、燃焼ガス中の重金属塩化物の大部分を腐食性の比較的低い硫酸塩に適切に変化させることができる。また、一般的に、廃棄物やバイオマス等の燃料中のアルカリ金属の含有量は、重金属の含有量の10倍程度である。この点、上述の実施形態では、上述の当量比が10以下となるように添加剤の供給量を決定する。したがって、燃焼ガス中の重金属塩化物との反応では消費されない余剰分(未反応分)の添加剤が強腐食性の硫酸デポジット(硫酸の凝縮物)として残存したとしても、該硫酸デポジットを、燃焼ガス中又は燃焼設備に付着したアルカリ金属塩化物との反応により消失させて、硫酸デポジットによる設備の腐食を抑制することができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食をより効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、供給量決定部42は、燃料の燃焼により生じる燃焼ガス中の塩酸(HCl)濃度に基づいて、燃料に含まれる1以上の重金属から、添加剤の供給量の算出基準となる重金属を選択するように構成される。すなわち、供給量決定部42は、燃料に複数種の重金属が含まれる場合、これらの重金属のうち少なくとも1つを、添加剤供給量の算出基準の重金属として選択する。
燃焼ガス中の塩酸濃度は、燃焼装置1に設けた濃度センサ28で計測することにより取得されてもよい。濃度センサ28による計測濃度を示す信号は、制御部40に送られるようになっている。濃度センサ28は、燃焼炉12、煙道4又は排気通路5における燃焼ガス中の塩酸濃度を検出するように構成されていてもよい。
なお、濃度センサ28は、燃焼ガス中の塩酸濃度を規定期間毎に計測するように構成されていてもよい。そして、濃度センサ28により取得された塩酸濃度を規定期間毎に供給量決定部42にフィードバックするようにしてもよい。これにより、燃焼ガス中の塩酸濃度が時間の経過とともに変化する場合であっても、該塩酸濃度の変化に応じて、適切な量の添加物を添加することができる。
重金属の中には、燃焼ガス中の塩酸濃度等の条件によっては、燃焼ガス中にて腐食性の低い安定的な化合物として析出するものが存在する。この点、上述の実施形態では、燃焼ガス中の塩酸濃度に基づいて、添加剤の供給量の算出基準となる重金属を選択する。したがって、例えば、上述の重金属(燃焼ガス中にて腐食性の低い安定的な化合物として析出する重金属)以外の重金属を、添加剤の供給量の算出基準となる重金属として選択することで、硫黄含有添加剤の供給量をより効果的に削減することができる。
より具体的に、燃料に重金属である鉛及び亜鉛が含まれる場合、供給量決定部42は、燃焼ガス中の塩酸濃度が1000ppm以下のとき、燃料の単位重量当たりに含まれる鉛(2価)のモル数に対する、前記燃料の単位重量当たりに供給される前記添加剤に含まれる硫黄(2価)の当量比が0.5以上10以下、又は、1以上10以下となるように、即ち、上述の各モル数mPb及びmが下記式(E)又は(E’)を満たすように、添加剤の供給量を決定するように構成されてもよい。
0.5≦{m/mPb}≦10 …(E)
1≦{m/mPb}≦10 …(E’)
ここで、図4及び図5は、それぞれ、HCl(気体)、SO(気体)、O(気体)及びHO(気体)の存在下における重金属の相図の一例であり、図4は亜鉛の相図であり、図5は鉛の相図である。図4及び図5の相図は、温度が573K、全圧が1atm、Oの分圧が0.01atm、かつ、HOの分圧が0.1atmの条件下での相図であり、各相図において、縦軸はHClの分圧を示し、横軸は、SOの分圧を示す。
図4の相図に示されるように、雰囲気中の塩酸(HCl)濃度が1000ppm以下(即ち、塩酸分圧(図4の相図の縦軸)が10-3atm以下)であり、かつ、SO濃度が極小さい条件下において、亜鉛は、安定的な酸化亜鉛(ZnO)として析出する。なお、一方、図5の相図に示されるように、該相図の塩酸濃度範囲内及びSO濃度範囲内の条件下において、鉛は、塩化物又は硫酸塩を形成する。
したがって、燃焼ガス中の塩酸濃度が1000ppm以下の条件下においては、燃焼ガス中の亜鉛は、腐食性の低い酸化鉛として安定的に存在するため、亜鉛を硫酸塩化させるための硫黄含有添加剤を供給する必要がない。一方、上述の条件下において、鉛は塩化物として存在し得るので、設備の腐食抑制のためには鉛を硫酸化する必要がある。
この点、上述の実施形態では、燃焼ガス中の塩酸濃度が1000ppm以下のとき、添加剤の供給量の算出基準として、亜鉛を除外して、鉛を選択するようにしたので、硫黄含有添加剤の供給量をより効果的に削減することができる。また、上述の実施形態によれば、燃料中の鉛の含有量に対する添加剤中の硫黄の当量比を0.5以上又は1以上としたので、燃焼ガス中の鉛の大部分を腐食性の比較的低い硫酸塩に適切に変化させることができるとともに、上述の当量比を10以下としたので、余剰分(未反応分)の添加剤に由来する硫酸デポジットによる設備の腐食を抑制することができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食をより効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、添加剤供給部30は、伝熱管14又は伝熱管14を流れる流体の温度が450℃以下の運転条件下で、燃焼装置1内の400℃以上740℃以下の温度範囲の位置に添加剤を供給するように構成される。
上述の実施形態では、煙道4の内部に設けられる伝熱管14又は該伝熱管14を流れる流体の温度が、アルカリ金属塩化物の融点(約515℃以上)よりも低い、450℃以下の運転条件下で、燃焼装置1内の400℃以上740℃以下の温度範囲の位置に硫黄含有添加剤を供給する。すなわち、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物が構成部材の表面に付着したとしても、アルカリ金属塩化物が固化する条件下で、上述の温度範囲の位置に硫黄含有添加剤を供給する。したがって、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物よりも重金属塩化物を優先的に硫酸化させることで、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
(燃焼設備の運転方法)
以下、幾つかの実施形態に係る燃焼設備の運転方法を説明する。幾つかの実施形態に係る運転方法が適用される燃焼設備は、燃焼炉と、燃焼炉に接続される煙道を含む。以下の説明では、幾つかの運転方法が上述の燃焼設備100に適用される場合について説明する。
幾つかの実施形態に係る運転方法では、まず、燃焼炉12でアルカリ金属及び1以上の重金属を含む燃料を燃焼させる(ステップS1)。
次に、燃焼炉12又は煙道4の内部における、運転時の温度が400℃以上750℃以下の範囲内の位置に、硫黄を含有する添加剤を投入する(ステップS2)。あるいは、煙道4の内部に、硫黄を含有する添加剤を投入する。この工程は、上述の添加剤供給部30により行ってもよい。
上述の方法では、燃焼炉12又は煙道4の内部における、400℃以上750℃以下の温度範囲の位置に硫黄を含む添加剤を供給する。すなわち、燃焼設備内において、重金属塩化物がガスとして存在し、かつ、アルカリ金属塩化物が凝縮物として存在する位置に硫黄を含む添加剤を供給するようにしたので、アルカリ金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(液相-気相反応又は固相-気相反応)を抑制しながら、重金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(気相-気相反応)を促進することができる。すなわち、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物よりも重金属塩化物を優先的に硫酸化させることができる。よって、上記(11)の方法によれば、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、上述のステップS2は、煙道4に設けられる伝熱管14又は該伝熱管14を流れる流体の温度が450℃以下の条件下で実施する。
幾つかの実施形態では、燃料中の1以上の重金属の含有量に基づいて、添加剤の供給量を決定するようにしてもよい(ステップS3)。
一実施形態では、ステップS3では、燃料の単位重量当たりに含まれる1以上の重金属のうち少なくとも何れかのモル数に対する、燃料の単位重量当たりに供給される添加剤に含まれる硫黄の当量比が規定範囲内となるように、添加剤の供給量を決定してもよい。
一実施形態では、ステップS3では、燃料の単位重量当たりに含まれる鉛及び亜鉛の合計モル数に対する、燃料の単位重量当たりに供給される添加剤に含まれる硫黄の当量比が0.5以上10以下となるように、添加剤の供給量を決定してもよい。
幾つかの実施形態では、ステップS3において、燃料の燃焼により生じる燃焼ガス中の塩酸濃度に基づいて、燃料に含まれる1以上の重金属から、添加剤の供給量の算出基準となる重金属を選択してもよい。
より具体的には、燃焼ガス中の塩酸濃度が1000ppm以下のとき、燃料の単位重量当たりに含まれる鉛のモル数に対する、燃料の単位重量当たりに供給される添加剤に含まれる硫黄の当量比が0.5以上10以下となるように、添加剤の供給量を決定するようにしてもよい。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼設備は、
アルカリ金属及び1以上の重金属を含む燃料を燃焼させるための燃焼炉と、前記燃焼炉からの燃焼ガスが導かれる煙道と、を含む燃焼装置と、
前記燃焼装置の内部における、運転時の温度が400℃以上750℃以下の範囲内の位置に、硫黄を含有する添加剤を供給するように構成された添加剤供給部と、
を備える。
一般に、アルカリ金属塩化物は、重金属塩化物に比べて比較的融点が高い。このため、燃焼設備の構成部材(例えば伝熱管)の温度があまり高くない場合には、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物が構成部材の表面に付着したとしても、アルカリ金属塩化物が固化し、その腐食性は溶融塩の形態である場合に比べて低下する。一方、燃焼設備100の構成部材の温度があまり高くない場合であっても、燃焼ガス中の重金属塩化物は融点が比較的低く、溶融塩として存在しやすいため、構成部材の腐食の要因となりやすい。したがって、燃焼ガス中に含まれ、腐食性が比較的高いアルカリ金属塩化物及び重金属塩化物のうち、融点が比較的低い重金属塩化物を選択的に硫酸化して低腐食性の硫酸塩にすることができれば、構成部材の腐食を効果的に抑制できると期待できる。
ここで、燃料(廃棄物やバイオマス等)中のアルカリ金属及び重金属の含有量が一般的な範囲である場合、該燃料を燃焼する燃焼設備内において、各成分の蒸気圧との関係で、400℃以上では燃焼ガス中の重金属塩化物(燃料中の重金属に由来する塩化物)は気化し、750℃以下では燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物(燃料中のアルカリ金属に由来する塩化物)は凝縮する。この点、上記(1)の構成では、燃焼設備内の400℃以上750℃以下の温度範囲の位置に硫黄を含む添加剤を供給する。すなわち、燃焼設備内において、重金属塩化物がガスとして存在し、かつ、アルカリ金属塩化物が凝縮物として存在する位置に硫黄を含む添加剤を供給するようにしたので、アルカリ金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(液相-気相反応又は固相-気相反応)を抑制しながら、重金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(気相-気相反応)を促進することができる。すなわち、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物よりも重金属塩化物を優先的に硫酸化させることができる。よって、上記(1)の構成によれば、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記燃焼設備は、
前記燃料中の前記1以上の重金属の含有量に基づいて前記添加剤供給部による前記添加剤の供給量を決定するように構成された供給量決定部を備え、
前記供給量決定部は、前記燃料の単位重量当たりに含まれる前記1以上の重金属のうち少なくとも何れかのモル数に対する、前記燃料の単位重量当たりに供給される前記添加剤に含まれる硫黄の当量比が規定範囲内となるように、前記添加剤の供給量を決定するように構成される。
上記(2)の構成によれば、燃料の単位重量当たりに含まれる重金属のモル数に対する、燃料の単位重量当たりに供給される添加剤に含まれる硫黄の当量比が規定範囲内となるように添加剤の供給量を決定するようにしたので、燃料に含まれる重金属を腐食性の比較的低い硫酸塩に適切に変化させるために必要かつ十分な量の添加剤を供給することができる。よって、燃焼ガス中の重金属塩化物を腐食性の比較的低い硫酸塩に適切に変化させることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記1以上の重金属は、鉛及び亜鉛を含み、
前記供給量決定部は、前記燃料の単位重量当たりに含まれる鉛及び亜鉛の合計モル数に対する、前記燃料の単位重量当たりに供給される前記添加剤に含まれる硫黄の当量比が0.5以上10以下となるように、前記添加剤の供給量を決定するように構成される。
廃棄物やバイオマス等の燃料に含まれる典型的な重金属として鉛及び亜鉛が挙げられる。上記(3)の構成によれば、燃料の単位重量当たりに含まれる鉛及び亜鉛の合計モル数に対する、燃料の単位重量当たりに供給される添加剤に含まれる硫黄の当量比が0.5以上となるように添加剤の供給量を決定するようにしたので、燃焼ガス中の重金属塩化物の大部分を腐食性の比較的低い硫酸塩に適切に変化させることができる。また、一般的に、廃棄物やバイオマス等の燃料中のアルカリ金属の含有量は、重金属の含有量の10倍程度である。この点、上記(3)の構成では、上述の当量比が10以下となるように添加剤の供給量を決定する。したがって、燃焼ガス中の重金属塩化物との反応では消費されない余剰分(未反応分)の添加剤が強腐食性の硫酸デポジットとして残存したとしても、該硫酸デポジットを、燃焼ガス中又は燃焼設備に付着したアルカリ金属塩化物との反応により消失させて、硫酸デポジットによる設備の腐食を抑制することができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食をより効果的に抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記供給量決定部は、前記燃料の燃焼により生じる燃焼ガス中の塩酸濃度に基づいて、前記1以上の重金属から、前記添加剤の供給量の算出基準となる重金属を選択するように構成される。
重金属の中には、燃焼ガス中の塩酸濃度等の条件によっては、燃焼ガス中にて腐食性の低い安定的な化合物として析出するものが存在する。この点、上記(4)の構成では、燃焼ガス中の塩酸濃度に基づいて、添加剤の供給量の算出基準となる重金属を選択する。したがって、例えば、上述の重金属(燃焼ガス中にて腐食性の低い安定的な化合物として析出する重金属)以外の重金属を、添加剤の供給量の算出基準となる重金属として選択することで、硫黄含有添加剤の供給量をより効果的に削減することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記1以上の重金属は、鉛及び亜鉛を含み、
前記供給量決定部は、前記燃焼ガス中の塩酸濃度が1000ppm以下のとき、前記燃料の単位重量当たりに含まれる鉛のモル数に対する、前記燃料の単位重量当たりに供給される前記添加剤に含まれる硫黄の当量比が0.5以上10以下となるように、前記添加剤の供給量を決定するように構成される。
燃焼ガス中の塩酸濃度が1000ppm以下の条件では、亜鉛は、安定的な酸化亜鉛として析出する。この点、上記(5)の構成によれば、燃焼ガス中の塩酸濃度が1000ppm以下のとき、添加剤の供給量の算出基準として、亜鉛を除外して、鉛を選択するようにしたので、上記(4)で述べたように、硫黄含有添加剤の供給量をより効果的に削減することができる。また、上記(5)の構成によれば、燃料中の鉛の含有量に対する添加剤中の硫黄の当量比を0.5以上としたので、燃焼ガス中の鉛の大部分を腐食性の比較的低い硫酸塩に適切に変化させることができるとともに、上述の当量比を10以下としたので、余剰分(未反応分)の添加剤に由来する硫酸デポジットによる設備の腐食を抑制することができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食をより効果的に抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記添加剤は硫酸アンモニウムを含む。
硫酸アンモニウムが添加剤として供給される場合、硫酸アンモニウムは、高温環境下で分解してから重金属等と反応する。一方、熱分解後の硫酸アンモニウムのうち未反応分は、350℃程度以下の温度で硫酸アンモニウムに戻る。この点、上記(6)の構成によれば、添加剤として硫酸アンモニウムを用いるようにしたので、重金属との反応で消費されない未反応分は、350℃程度以下の温度の領域で腐食性の低い硫酸アンモニウムに戻る。このため、未反応分の添加剤に由来する硫酸デポジットの生成を抑制することができる。よって、硫酸デポジットによる燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記燃焼装置は、前記燃焼炉の下流側に位置し、伝熱管が配置される、又は、伝熱管を含む壁によって形成される伝熱部を含み、
前記添加剤供給部は、前記伝熱部に前記添加剤を供給するように構成される。
燃焼設備において、燃焼炉の下流側に設けられる伝熱部における温度は、燃焼炉の温度よりも低く、伝熱部の大部分において、400℃以上750℃以下程度の温度範囲内である。この点、上記(7)の構成では、燃焼設備における伝熱部に添加剤を供給するようにしたので、上記(1)で述べたように、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物よりも重金属塩化物を優先的に硫酸化させることができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記燃焼設備は、
前記煙道の内部に設けられる伝熱管を備え、
前記添加剤供給部は、前記伝熱管又は前記伝熱管を流れる流体の温度が450℃以下の運転条件下で、前記位置に前記添加剤を供給するように構成される。
上記(8)の構成では、煙道内部に設けられる伝熱管又は伝熱管を流れる流体の温度が、アルカリ金属塩化物の融点よりも低い、450℃以下の運転条件下で、燃焼装置1内の400℃以上740℃以下の温度範囲の位置に硫黄含有添加剤を供給する。すなわち、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物が構成部材の表面に付着したとしても、アルカリ金属塩化物が固化する条件下で、上述の温度範囲の位置に硫黄含有添加剤を供給する。したがって、上記(1)で述べたように、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物よりも重金属塩化物を優先的に硫酸化させることで、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、
前記添加剤供給部は、運転時の温度が500℃以上700℃以下の範囲の位置に、硫黄を含有する添加剤を供給するように構成される。
上記(9)の構成では、運転時の温度が500℃以上の位置に硫黄含有添加剤を供給するようにしたので、燃焼ガス中の重金属塩化物と添加剤との反応をより促進することができる。一方、上記(9)の構成では、運転時の温度が700℃以下の位置に硫黄含有添加剤を供給するようにしたので、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物の凝縮を促進することができ、このため、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物と添加剤との反応をより効果的に抑制することができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量をより効果的に削減しながら、燃焼設備の腐食をより効果的に抑制することができる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼設備は、
アルカリ金属及び1以上の重金属を含む燃料を燃焼させるための燃焼炉と、
前記燃焼炉の下流側に位置し、伝熱管が配置される、又は、伝熱管を含む壁によって形成される伝熱部と、
前記伝熱部に、硫黄を含有する添加剤を供給するように構成された添加剤供給部と、
を備える。
燃焼設備において、燃焼炉の下流側に設けられる伝熱部における温度は、燃焼炉の温度よりも低く、煙道の大部分において、400℃以上750℃以下程度の温度範囲内である。この点、上記(7)の構成では、その大部分において温度範囲が約400℃以上750℃以下である伝熱部に硫黄を含む添加剤を供給する。すなわち、燃焼設備内において、重金属塩化物がガスとして存在し、かつ、アルカリ金属塩化物が凝縮物として存在する位置に硫黄を含む添加剤を供給するようにしたので、アルカリ金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(液相-気相反応又は固相-気相反応)を抑制しながら、重金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(気相-気相反応)を促進することができる。すなわち、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物よりも重金属塩化物を優先的に硫酸化させることができる。よって、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼設備の運転方法は、
燃焼炉と、前記燃焼炉に接続される煙道と、を含む燃焼設備の運転方法であって、
前記燃焼炉でアルカリ金属及び1以上の重金属を含む燃料を燃焼させるステップと、
前記燃焼炉又は前記煙道の内部における、運転時の温度が400℃以上750℃以下の範囲内の位置に、硫黄を含有する添加剤を投入するステップと、
を備える。
上記(11)の方法では、燃焼炉12又は煙道4の内部における、400℃以上750℃以下の温度範囲の位置に硫黄を含む添加剤を供給する。すなわち、燃焼設備内において、重金属塩化物がガスとして存在し、かつ、アルカリ金属塩化物が凝縮物として存在する位置に硫黄を含む添加剤を供給するようにしたので、アルカリ金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(液相-気相反応又は固相-気相反応)を抑制しながら、重金属塩化物と添加剤の硫黄分との反応(気相-気相反応)を促進することができる。すなわち、燃焼ガス中のアルカリ金属塩化物よりも重金属塩化物を優先的に硫酸化させることができる。よって、上記(11)の方法によれば、硫黄含有添加剤の供給量を削減しながら、燃焼設備の腐食を効果的に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 燃焼装置
2 ボイラ
4 煙道
5 排気通路
6 煙突
8 燃料供給部
10 空気供給部
12 燃焼炉
14 伝熱管
14’ 伝熱部
16 減温部
18 捕捉部
20 排出管
21 排出バルブ
22 ファン
26 検出部
28 濃度センサ
30 添加剤供給部
32 添加剤タンク
34 添加剤供給ライン
36 ポンプ
38 バルブ
40 制御部
42 供給量決定部
50 添加剤供給装置
100 燃焼設備

Claims (10)

  1. アルカリ金属及び1以上の重金属を含む燃料を燃焼させるための燃焼炉と、前記燃焼炉からの燃焼ガスが導かれる煙道と、を含む燃焼装置と、
    前記燃焼装置の内部における、運転時の温度が400℃以上750℃以下の範囲内の位置に、硫黄を含有する添加剤を供給するように構成された添加剤供給部と、
    を備える燃焼設備。
  2. 前記燃料中の前記1以上の重金属の含有量に基づいて前記添加剤供給部による前記添加剤の供給量を決定するように構成された供給量決定部を備え、
    前記供給量決定部は、前記燃料の単位重量当たりに含まれる前記1以上の重金属のうち少なくとも何れかのモル数に対する、前記燃料の単位重量当たりに供給される前記添加剤に含まれる硫黄の当量比が規定範囲内となるように、前記添加剤の供給量を決定するように構成された
    請求項1に記載の燃焼設備。
  3. 前記1以上の重金属は、鉛及び亜鉛を含み、
    前記供給量決定部は、前記燃料の単位重量当たりに含まれる鉛及び亜鉛の合計モル数に対する、前記燃料の単位重量当たりに供給される前記添加剤に含まれる硫黄の当量比が0.5以上10以下となるように、前記添加剤の供給量を決定するように構成された
    請求項2に記載の燃焼設備。
  4. 前記供給量決定部は、前記燃料の燃焼により生じる燃焼ガス中の塩酸濃度に基づいて、前記1以上の重金属から、前記添加剤の供給量の算出基準となる重金属を選択するように構成された
    請求項2に記載の燃焼設備。
  5. 前記1以上の重金属は、鉛及び亜鉛を含み、
    前記供給量決定部は、前記燃焼ガス中の塩酸濃度が1000ppm以下のとき、前記燃料の単位重量当たりに含まれる鉛のモル数に対する、前記燃料の単位重量当たりに供給される前記添加剤に含まれる硫黄の当量比が0.5以上10以下となるように、前記添加剤の供給量を決定するように構成された
    請求項4に記載の燃焼設備。
  6. 前記添加剤は硫酸アンモニウムを含む
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の燃焼設備。
  7. 前記燃焼装置は、前記燃焼炉の下流側に位置し、伝熱管が配置される、又は、伝熱管を含む壁によって形成される伝熱部を含み、
    前記添加剤供給部は、前記伝熱部に前記添加剤を供給するように構成された
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の燃焼設備。
  8. 前記煙道の内部に設けられる伝熱管を備え、
    前記添加剤供給部は、前記伝熱管又は前記伝熱管を流れる流体の温度が450℃以下の条件下で、前記位置に前記添加剤を供給するように構成された
    請求項1乃至7の何れか一項に記載の燃焼設備。
  9. 前記添加剤供給部は、運転時の温度が500℃以上700℃以下の範囲の位置に、硫黄を含有する添加剤を供給するように構成された
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の燃焼設備。
  10. 燃焼炉と、前記燃焼炉に接続される煙道と、を含む燃焼設備の運転方法であって、
    前記燃焼炉でアルカリ金属及び1以上の重金属を含む燃料を燃焼させるステップと、
    前記燃焼炉又は前記煙道の内部における、運転時の温度が400℃以上750℃以下の範囲内の位置に、硫黄を含有する添加剤を投入するステップと、
    を備える燃焼設備の運転方法。
JP2020150574A 2020-09-08 2020-09-08 燃焼設備及び燃焼設備の運転方法 Active JP7431129B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020150574A JP7431129B2 (ja) 2020-09-08 2020-09-08 燃焼設備及び燃焼設備の運転方法
PCT/JP2021/032414 WO2022054707A1 (ja) 2020-09-08 2021-09-03 燃焼設備及び燃焼設備の運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020150574A JP7431129B2 (ja) 2020-09-08 2020-09-08 燃焼設備及び燃焼設備の運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022045077A JP2022045077A (ja) 2022-03-18
JP7431129B2 true JP7431129B2 (ja) 2024-02-14

Family

ID=80631756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020150574A Active JP7431129B2 (ja) 2020-09-08 2020-09-08 燃焼設備及び燃焼設備の運転方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7431129B2 (ja)
WO (1) WO2022054707A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2601612B2 (ja) * 1993-03-11 1997-04-16 株式会社神戸製鋼所 焼却炉排ガス処理方法
JPH06319944A (ja) * 1993-05-13 1994-11-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 回収ボイラ排ガス中のNOx及び付着灰中のCl低減方法
JPH09241667A (ja) * 1996-03-11 1997-09-16 Toa Netsuken Kk 都市ごみおよび/または汚泥焼却プラント用防食添加剤とその使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022045077A (ja) 2022-03-18
WO2022054707A1 (ja) 2022-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7261100B2 (ja) 添加剤供給量決定装置及びこれを備えた燃焼設備並びに燃焼設備の運転方法
Zuo et al. Review of flue gas acid dew-point and related low temperature corrosion
Sandberg et al. A 7 year long measurement period investigating the correlation of corrosion, deposit and fuel in a biomass fired circulated fluidized bed boiler
JP5302597B2 (ja) 排ガス処理装置及び排ガス処理方法
JP4028801B2 (ja) 塩素含有燃料を燃焼するための熱生成プラントを作動するための方法
Otsuka A thermodynamic approach on vapor-condensation of corrosive salts from flue gas on boiler tubes in waste incinerators
HU228684B1 (hu) Eljárás, valamint hulladékégetõ berendezés erõsen halogénezett folyékony hulladékok korrózió- és emissziószegény társított elégetésére hulladékégetõ berendezésben
US10543434B2 (en) Method and system of increasing water and acid condensation from flue gas
Vainio et al. Impact of boiler load and limestone addition on SO3 and corrosive cold-end deposits in a coal-fired CFB boiler
JP7431129B2 (ja) 燃焼設備及び燃焼設備の運転方法
Romero et al. Modeling of SO3 formation and depletion processes in coal-fired boilers
Albina et al. Effects of feed composition on boiler corrosion in waste-to-energy plants
Chanpirak et al. The chemical coupling between moist CO oxidation and gas-phase potassium sulfation
Villani et al. Exploiting the low-temperature end of wte-boilers
KR101946567B1 (ko) 보일러의 부식방지 제어장치 및 제어방법
Jokiniemi et al. Modelling and experimental results on aerosol formation, deposition and emissions in fluidized bed combustion of biomass
JP6300666B2 (ja) 熱分解ガスの燃焼方法、及び燃焼装置
Lee et al. Fine particle alteration monitoring in flue gas at the convection pass inlet of a commercial circulating fluidized bed combustion boiler during solid recovered fuel combustion
KR101868921B1 (ko) 고온부식 방지 연소장치
NOGUCHI et al. Lecture on Fundamental Aspects of High Temperature Corrosion and Corrosion Protection Part 3: High Temperature Corrosion and Corrosion Protection of the Boilers in Waste to Energy Plants
JP2009204224A (ja) 火炉併設ボイラ設備の灰付着防止方法及び火炉併設ボイラ設備
Khodier et al. Investigation of gaseous emissions and ash deposition in a pilot-scale PF combustor co-firing cereal co-product biomass with coal
Levy et al. Modeling of SO3 formation in coalfired boilers
Wu Chemistry of potassium halides and their role in corrosion in biomass and waste firing
JP2020020503A (ja) 廃棄物焼却設備の脱硝及び腐食低減方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7431129

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150