JP7431075B2 - 駐車システム及び駐車システムの制御装置 - Google Patents

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JP7431075B2 JP2020052541A JP2020052541A JP7431075B2 JP 7431075 B2 JP7431075 B2 JP 7431075B2 JP 2020052541 A JP2020052541 A JP 2020052541A JP 2020052541 A JP2020052541 A JP 2020052541A JP 7431075 B2 JP7431075 B2 JP 7431075B2
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Description

ここに開示する技術は、駐車システム及び駐車システムの制御装置に関する。
特許文献1には、自動運転パーキングシステムが記載されている。このシステムは、乗降場所で利用者が自動運転車から降りると、自動運転車は、機械式駐車装置まで自動走行し、機械式駐車装置に入庫される。また、機械式駐車装置から出庫された自動運転車は、乗降場所まで自動走行し、乗降場所に停車する。利用者は、乗降場所において、自動運転車に乗ることができる。このシステムでは、利用者は、例えば集合住宅のエントランスにおいて、自動運転車に乗降できる。利用者は、機械式駐車装置の近くにまで出向く必要がない。
特開2017-214800号公報
ところが、特許文献1に記載された自動運転パーキングシステムでは、一つの機械式駐車装置と、一つの乗降場所とが対応付けられており、自動運転車は、機械式駐車装置と乗降場所との間の一つの走行路を自動走行するだけである。
これに対し、例えば集合住宅の敷地内に、複数の棟と、一つの機械式駐車装置とが設けられる場合がある。この場合、複数の棟の居住者は、一つの機械式駐車装置を共同で利用する。このような構成の集合住宅に、前記特許文献1に記載された自動運転パーキングシステムを適用するときには、いずれかの棟のエントランスを乗降場所に定めることが考えられる。ところがこの場合、他の棟の居住者は、車に乗降するために、別の棟のエントランスへ出向かなければならず、利便性が悪い。
また、いずれの棟でもない場所に乗降場所を別途、設けることも考えられるが、この場合、いずれの棟の居住者も、乗降場所まで出向かなければならない。利用者が機械式駐車装置の近くまで出向いて、車に乗降する従来のパーキングシステムと、利便性が変わらない。
ここに開示する技術は、駐車システムの利便性を高める。
ここに開示する駐車システムは、
特定の車両が自律運転可能な限定区域内に設けられた複数の乗降領域であって、それぞれ利用者が前記車両に乗降するための乗降領域と、
前記限定区域内に設けられかつ、前記車両を駐車する機械式駐車設備と、
前記限定区域の地図データを、前記車両に提供する情報提供部と、
前記限定区域内に存在している前記車両の位置情報を取得する情報取得部と、
前記車両を誘導する誘導部と、を備え、
前記限定区域内には、複数の乗降領域のそれぞれと前記機械式駐車設備との間で、前記車両が自律運転する走行路がそれぞれ設けられ、
入庫時に、前記乗降領域において利用者が降車した車両は、前記地図データに基づいて前記走行路を通って前記機械式駐車設備まで自律運転しかつ、前記機械式駐車設備に入庫され、
出庫時に、前記機械式駐車設備から出庫された車両は、前記地図データに基づいて前記走行路を通って指定された前記乗降領域まで自律運転し、
前記誘導部は、入庫時に、少なくとも前記車両の位置情報に基づいて、複数の車両が前記機械式駐車設備に到着するタイミングがずれるよう、前記車両の進路を誘導する。
この構成によると、駐車システムは、限定区域に構築される。限定区域は、特定の車両が自律運転可能な区域である。限定区域は、例えばODD(Operational Design Domain:運航設計領域とも呼ばれる)であってもよい。特定の車両は、当該ODD内において自律運転が可能な、SAE Internationalレベル4(以下、単にレベル4と記す)以上の自動運転システムを搭載した車両としてもよい。
限定区域内には、複数の乗降領域が設けられている。利用者は、複数の乗降領域のそれぞれにおいて、車両に乗車、及び、車両から降車が可能である。
限定区域内にはまた、機械式駐車設備が設けられている。そして、限定区域内において、複数の乗降領域のそれぞれと、機械式駐車設備との間には、走行路がそれぞれ設けられている。限定区域内には、複数の走行路が存在する。複数の走行路は、互いに独立していても良いし、少なくとも一部が共通であってもよい。
いずれかの乗降領域において利用者が車両から降りると、当該車両は、前記地図データに基づいて走行路を通って機械式駐車設備まで自律運転しかつ、機械式駐車設備に入庫される。
また、機械式駐車設備から出庫された車両は、前記地図データに基づいて走行路を通って指定された乗降領域まで自律運転する。車両が到着した乗降領域において、利用者は車両に乗ることができる。
このように、利用者は、複数の乗降領域のそれぞれにおいて、車両に乗降することができる。乗降領域を複数設けることによって、利用者は、利用しやすい乗降領域において、乗車及び降車できる。利用者は、機械式駐車設備まで出向かなくてもよい。利用者の利便性が高まる。
また、利用者は、機械式駐車設備について、車両の入庫及び出庫に関する直接的な操作をする必要がない。利用者の利便性が大幅に高まると共に、安全性も高まる。
尚、地図データは、公道を走行するために用いられる地図データよりも、当該限定区域の情報を詳細に含んでいる、としてもよい。
駐車システムは、情報取得部によって、限定区域内に存在している車両を管理できる。尚、情報取得部は、例えば限定区域内に設けたカメラの映像に基づいて、限定区域内に存在している、一又は複数の車両の位置情報を取得してもよい。こうすることで、限定区域が広くても、比較的安価なシステムによって、駐車システムは、一又は複数の車両の位置情報を取得できる。また、駐車システムは、車両から発信される識別情報信号を限定区域内に複数設置した受信機で受信して、その電波強度や信号の位相ずれから、車両の位置を測位したり、限定区域内に複数設置した発信器からの信号を車両が受信して、それによる測位信号を車両から駐車システムに送信することによって、車両の位置を測位したりしてもよい。
誘導部は、通信等の手段を使って、車両に、直接、誘導情報を提供しなくても、自律運転が可能な車両の機能を利用して、車両を、機械式駐車設備、又は、いずれかの乗降領域へ誘導できる。
限定区域内に存在している車両を管理しかつ、車両の進路の誘導を行うことにより、複数の車両が、同時期に機械式駐車設備の前に到着する事態の発生が抑制されるから、駐車システムは、複数の車両をスムースに入庫させることができる。
ここに開示する別の駐車システムは、特定の車両が自律運転可能な限定区域内に設けられた複数の乗降領域であって、それぞれ利用者が車両に乗降するための乗降領域と、
前記限定区域内に設けられかつ、前記車両を駐車する機械式駐車設備と、
前記限定区域の地図データを、前記車両に提供する情報提供部と、
前記車両を誘導する誘導部と、を備え、
前記限定区域内には、複数の乗降領域のそれぞれと前記機械式駐車設備との間で、前記車両が自律運転する走行路がそれぞれ設けられ、
入庫時に、前記乗降領域において利用者が降車した車両は、前記地図データに基づいて前記走行路を通って前記機械式駐車設備まで自律運転しかつ、前記機械式駐車設備に入庫され、
出庫時に、前記機械式駐車設備から出庫された車両は、前記地図データに基づいて前記走行路を通って指定された前記乗降領域まで自律運転し、
前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、建物に併設されかつ、前記建物の利用者が乗降し、
前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、前記限定区域内でかつ前記建物の敷地外に設けられかつ、前記建物の利用者以外が乗降する外来者乗降領域であり、
前記誘導部は、前記外来者乗降領域において乗員が降車した後、自律運転する車両が前記外来者乗降領域から前記敷地へ進入することを許可する。
建物の利用者ではない外来者は、敷地内に立ち入らなくても、機械式駐車設備への車両入庫及び出庫ができる。外来者は、外来者乗降領域で乗降し敷地内に立ち入らないため、セキュリティ性が向上する。
前記複数の乗降領域の内の少なくとも一の乗降領域と、前記機械式駐車設備との間には、前記走行路が複数設けられ、
前記車両は、複数の走行路の内のいずれか一の走行路を自律運転する、としてもよい。
この駐車システムは、複数の乗降領域を備えているため、同時期に、複数の車両のそれぞれが、機械式駐車設備に向かって自律運転することが起こり得る。
一の乗降領域と、前記機械式駐車設備との間に、複数の走行路を設けると、複数の走行路の中から、他の車両の走行位置等に応じて最適な経路を選択して、各車両は自律走行できる。複数の車両のそれぞれが、限定区域内をスムースに自律運転できる。
また、一の乗降領域と機械式駐車設備との間の複数の走行路において、それらの経路長が相違すれば、選択する走行路によって、車両が機械式駐車設備へ到達するタイミングが変わる。このことを利用して、複数の車両が同時に機械式駐車設備の前に到着することを回避すれば、入庫待ちの車両が、機械式駐車設備の前で溜まることを、抑制できる。また、複数設けた走行路の一つを往路に、他の走行路を復路に利用すれば、車両の離合(すれ違い)待ち発生を抑止することができる。
前記情報提供部は、前記限定区域内の前記走行路の情報を、前記車両に提供する、としてもよい。
各車両は、情報提供部から提供された走行路の情報に基づいて、限定区域内を自律運転できる。
前記複数の乗降領域の内の少なくとも一の乗降領域と、前記機械式駐車設備との間には、前記走行路が複数設けられ、
前記情報提供部は、複数の走行路の内のいずれか一の走行路の情報を、前記車両に提供する、としてもよい。
複数の走行路が存在する場合に、走行路の選択は、車両が自律的に行ってもよいが、情報提供部が、走行すべき走行路の情報を、車両に提供することによって、車両は、適切な走行路を自律運転できる。
前記情報取得部が取得した前記車両の現在地情報を、当該車両に提供する位置情報提供部を備えている、としてもよい。
車両は、位置情報提供部から提供された現在地情報に基づいて、機械式駐車設備、又は、いずれかの乗降領域に向かって、自律運転ができる。
前記誘導部は、停止、発進及び進行方向を前記車両に提示する標識、又は、前記車両の通行及び停止を切り替えるゲートである、としてもよい。また、誘導部は、法令に定める道路標識や信号機と同じ形態でもよい。これにより、車両は、公道における運転制御機能を活用しながら、限定区域を走行できる。
自律運転が可能な車両は一般的に、車外の状況を把握できるデバイス、例えば車外の状況を撮影できるカメラを備えている。標識又はゲートを走行路に設け、それら標識又はゲートを使って、停止、発進又は進行方向を示すことにより、駐車システムは、車両を適切に誘導できる。
前記駐車システムは、前記利用者の操作に基づいて、前記複数の乗降領域の内の一の乗降領域の指定を含んだ出庫信号を出力する出力部と、
前記出力部からの出庫信号を受けて、前記機械式駐車設備から出庫された前記車両に、指定された乗降領域への発進を指示する指示部と、を備える、としてもよい。
こうすることで、限定区域内に複数の乗降領域が設けられていても、利用者は、希望する乗降領域を指定すれば、機械式駐車設備から出庫された車両が、指定された乗降領域に到着するため、当該車両に乗車できる。
前記機械式駐車設備には、前記車両が入庫を待機するためのバースが併設され、
前記バースには、入庫前の前記車両内が無人であることを検知する検知装置が設けられている、としてもよい。
この駐車システムは、入庫対象の車両が乗降領域から機械式駐車設備まで自律運転するため、機械式駐車設備に車両が入庫する前に、車両内が無人であることを確認することが好ましい。機械式駐車設備に併設されたバースにおいて、検知装置が、入庫前の車両内が無人であることを検知することにより、駐車システムの安全性が高まる。
尚、検知装置は、バースにおいて、バース内、及び、入庫前の車両内のそれぞれが無人であることを検知してもよい。こうすることで、駐車システムの安全性がより高いレベルで担保される。
前記機械式駐車設備は、前記検知装置が有人であることを検知した場合には、前記車両の入庫を禁止する、としてもよい。
これにより、機械式駐車設備内に人が閉じ込められることが、未然に防止できる。
前記機械式駐車設備は、登録された利用者の車両を駐車し、
前記利用者は、前記限定区域内に設けられた建物の利用者である、としてもよい。
駐車システムは、機械式駐車設備に入庫される車両の利用者を把握できる。
前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、前記建物に併設されかつ、前記建物の利用者が乗降し、
前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、前記建物から離れて設けられかつ、前記建物の利用者以外が乗降する、としてもよい。
こうすることで、建物の利用者以外の利用者も、機械式駐車設備を利用できる。尚、ここでいう建物は、商業施設、オフィスビルであってもよい。
前記建物は、集合住宅であり、
前記利用者は、前記集合住宅の居住者を含む、としてもよい。
この駐車システムは、複数の乗降領域を備えるため、敷地内に複数の棟が設けられた集合住宅において、棟毎に乗降領域を設けることができる。各棟の居住者は、当該棟に設けられた乗降領域において車両に乗降できるため、利便性が高まる。また、各棟の居住者は、敷地内に設けられた機械式駐車設備、又は、乗降領域が設けられている他の棟に出向く必要がなくなる。
前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、前記限定区域の周縁部に設けられかつ、前記集合住宅の居住者以外の利用者が乗降する、としてもよい。
乗降領域を限定区域の周縁部に設けると、利用者は、限定区域内に立ち入らなくても、乗降領域に出入りすることができ、当該乗降領域において、車両に乗降できる。つまり、集合住宅の居住者以外の利用者は、周縁部に設けた乗降領域において車両に乗降すれば、集合住宅の敷地内に立ち入らなくても、当該敷地内に設けられた機械式駐車設備を利用できる。機械式駐車設備の利用率の向上と、集合住宅の敷地内におけるセキュリティの向上とを両立できる。
ここに開示する技術は、特定の車両が自律運転可能な限定区域における駐車システムの制御装置に係る。この駐車システムの制御装置は、
前記限定区域に設けられた機械式駐車設備と、
前記機械式駐車設備への前記車両の入庫、及び、前記機械式駐車設備からの前記車両の出庫を制御する制御部と、
前記限定区域の地図データを、前記車両に提供する情報提供部と、
前記限定区域内に存在している前記車両の位置情報を取得する情報取得部と、
前記車両を誘導する誘導部と、を備え、
前記制御部は、
入庫時に、前記限定区域内に複数設けられた乗降領域において利用者が前記車両から降車した後、前記車両が、前記地図データに基づいてそれぞれの乗降領域と前記機械式駐車設備との間の走行路を通って前記機械式駐車設備まで自律運転しかつ、前記機械式駐車設備に入庫されるよう制御すると共に、
出庫時に、前記機械式駐車設備から車両が出庫されると共に、当該車両が、前記地図データに基づいて複数の乗降領域のうちの指定された乗降領域まで、前記走行路を通って自律運転するよう制御し、
前記誘導部は、入庫時に、少なくとも前記車両の位置情報に基づいて、複数の車両が前記機械式駐車設備に到着するタイミングがずれるよう、前記車両の進路を誘導する。
この構成によると、制御部は、複数の乗降領域と機械式駐車設備との間の車両の自律走行から、機械式駐車設備への入庫までを制御するため、利用者は、複数の乗降領域のそれぞれにおいて、車両に降車できる。また、制御部は、機械式駐車設備からの出庫から、機械式駐車設備と指定された乗降領域との間の車両の自律走行までを制御するため、利用者は、複数の乗降領域のそれぞれにおいて、車両に乗車できる。利用者の利便性が高まる。
複数の車両が、同時期に機械式駐車設備の前に到着する事態の発生が抑制されるから、複数の車両をスムースに入庫させることができる。
ここに開示する別の駐車システムの制御装置は、
前記限定区域に設けられた機械式駐車設備と
前記機械式駐車設備への前記車両の入庫、及び、前記機械式駐車設備からの前記車両の出庫を制御する制御部と、
前記限定区域の地図データを、前記車両に提供する情報提供部と、
前記車両を誘導する誘導部と、を備え、
前記制御部は、
入庫時に、前記限定区域内に複数設けられた乗降領域において利用者が前記車両から降車した後、前記車両が、前記地図データに基づいてそれぞれの乗降領域と前記機械式駐車設備との間の走行路を通って前記機械式駐車設備まで自律運転しかつ、前記機械式駐車設備に入庫されるよう制御すると共に、
出庫時に、前記機械式駐車設備から車両が出庫されると共に、当該車両が、前記地図データに基づいて複数の乗降領域のうちの指定された乗降領域まで、前記走行路を通って自律運転するよう制御し、
前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、建物に併設されかつ、前記建物の利用者が乗降し、
前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、前記限定区域内でかつ前記建物の敷地外に設けられかつ、前記建物の利用者以外が乗降する外来者乗降領域であり、
前記誘導部は、前記外来者乗降領域において乗員が降車した後、自律運転する車両が前記外来者乗降領域から前記敷地へ進入することを許可する。
建物の利用者ではない外来者は、敷地内に立ち入らなくても、機械式駐車設備への車両入庫及び出庫ができる。外来者は、外来者乗降領域で乗降し敷地内に立ち入らないため、セキュリティ性が向上する。
以上説明したように、前記の駐車システム及び駐車システムの制御装置によれば、利用者の利便性が高まる。
図1は、駐車システムが構築された集合住宅の敷地を例示する俯瞰図である。 図2は、自律運転が可能な車両の構成を例示するブロック図である。 図3は、駐車システムの構成を例示するブロック図である。 図4は、バース内の構成を例示する平面図である。 図5は、走行路に設けられた誘導標識の構成を例示する図である。 図6は、走行路に設けられた停止標識の構成を例示する図である。 図7は、入庫時における、駐車システムの制御手順を例示するフローチャートである。 図8は、出庫時における、駐車システムの制御手順を例示するフローチャートである。 図9は、出庫時における、車両の走行路を例示する図1対応図である。 図10は、図1とは異なる構成の駐車システムが構築された集合住宅の敷地を例示する図1対応図である。
以下、駐車システム及び駐車システムの制御装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで説明する駐車システムは例示である。図1は、駐車システム1が構築された集合住宅の敷地20の俯瞰図である。尚、説明を容易にするために、以下においては、図1における上を北、下を南、右を東、左を西と呼ぶ。
この駐車システム1は、敷地20内に設けた複数の乗降領域のそれぞれにおいて、利用者が車両5から降車すると、当該車両5が機械式駐車設備6まで自律運転して、機械式駐車設備6に自動的に入庫されると共に、機械式駐車設備6から出庫された車両5が、いずれかの乗降領域まで自律運転し、利用者は、当該乗降領域において車両5に乗車できるよう構成されている。
[集合住宅の構成]
先ず、駐車システム1が構築された集合住宅の構成を説明する。集合住宅の敷地20は、北側、南側及び西側がそれぞれ北側道路21、南側道路22、及び、西側道路23に面している。図1において、敷地20内には、第1棟24、第2棟25、第3棟26の三つの棟が存在している。第1棟24は、北側道路21の近くに建っている。第2棟25は、西側道路23の近くに建っている。第3棟26は、南側道路22の近くに建っている。
敷地20内には、車両5の乗り入れが可能である。車両5の出入りが可能な入退場門として、敷地20の北側には、第1入退場門211及び第2入退場門212が設けられ、西側には、第3入退場門213及び第4入退場門214が設けられ、南側には、第5入退場門215及び第6入退場門216が設けられている。また、詳細は後述するが、敷地20に対して、北西角には、当該集合住宅の居住者以外の者(以下、外来者と呼ぶ)が利用する外来者区画27が設けられている。外来者区画27には、その西側に第7入退場門217が設けられ、その北側に第8入退場門218が設けられている。
第1棟24、第2棟25、及び第3棟26にはそれぞれ、第1、第2、及び第3乗降領域241、251、261が設けられている。各乗降領域241、251、261は、利用者が車両5の乗降を行う領域である。この例における乗降領域は、出庫時の乗車と入庫時の降車の両方を行うようになっている。尚、乗降領域は、利用者が車両5への乗車のみを行う領域であってもよいし、利用者が車両5からの降車のみを行う領域であってもよい。
第1乗降領域241は、第1棟24の北側に設けられている。第1乗降領域241は主に、第1棟24の居住者が利用する。車両5は、例えば第1入退場門211から敷地20内に入場して第1乗降領域241に停車する(図1の破線の矢印参照)。第1乗降領域241に停車している車両5は、例えば第2入退場門212から敷地20の外に退場する(図9の破線の矢印参照)。
第2乗降領域251は、第2棟25の西側に設けられている。第2乗降領域251は主に、第2棟25の居住者が利用する。車両5は、例えば第3入退場門213から敷地20内に入場して第2乗降領域251に停車する(図1の破線の矢印参照)。第2乗降領域251に停車している車両5は、例えば第4入退場門214から敷地20の外に退場する(図9の破線の矢印参照)。
第3乗降領域261は、第3棟26の南側に設けられている。第3乗降領域261は主に、第3棟26の居住者が利用する。車両5は、例えば第5入退場門215から敷地20内に入場して第3乗降領域261に停車する(図1の破線の矢印参照)。第3乗降領域261に停車している車両5は、例えば第6入退場門216から敷地20の外に退場する(図9の破線の矢印参照)。第1乗降領域241、第2乗降領域251、及び、第3乗降領域261は、互いに離れている。
外来者区画27は、前述したように、敷地20に接した北西角に設けられており、北側道路21及び西側道路23のそれぞれに面している。外来者区画27は、敷地20の周縁部に設けられている。
外来者区画27と敷地20との間には、フェンス272と、第1バーゲート273及び第2バーゲート274とが設けられている。外来者区画27は、敷地20から隔離されている。外来者は、北側道路21又は西側道路23から、外来者区画27に入ることができる。外来者は、外来者区画27に立ち入ることはできるが、外来者区画27から敷地20内へ立ち入ることは禁止されている。
外来者区画27には、外来者が車両5の乗降を行うための第4乗降領域271が設けられている。第4乗降領域271は、第1乗降領域241、第2乗降領域251、及び、第3乗降領域261から離れている。敷地20内に設けられている四つの乗降領域241、251、261、271は、互いに離れている。
車両5は、例えば第7入退場門217から外来者区画27内に入場して第4乗降領域271に停車する(図1の破線の矢印参照)。第4乗降領域271に停車している車両5は、例えば第8入退場門218から外来者区画27の外に退場する(図9の破線の矢印参照)。
第1バーゲート273及び第2バーゲート274はそれぞれ、車両5が、外来者区画27と敷地20との間で行き来するためのゲートを構成している。詳細は後述するが、第1バーゲート273及び第2バーゲート274の開閉は、駐車システム1の制御部10が行う。第1バーゲート273及び第2バーゲート274が開かないため、外来者が乗車している車両5は、敷地20内に進入できない。自律運転する無人の車両5のみが、第1バーゲート273及び第2バーゲート274を通過する。
敷地20において、第1棟24、第2棟25、及び第3棟26に囲まれた箇所には、機械式駐車設備6が設けられている。第1棟24、第2棟25、及び第3棟26それぞれの居住者は、機械式駐車設備6を共同で利用する。つまり、居住者が所有する車両5又は居住者が利用する車両5(例えばカーシェアリング等の車両)は、機械式駐車設備6に駐車されている。また、外来者も、機械式駐車設備6を利用する。同様に、外来者が所有する車両5又は外来者が利用する車両5(前記と同様に、例えばカーシェアリング等の車両を含む)は、機械式駐車設備6に駐車されている。この例では1つの機械式駐車設備に複数の乗降領域が対応付けられている。尚、機械式駐車設備6の構成は、後述する。
敷地20内には、車両5が走行可能な走行路が設けられている。走行路は、第1棟24、第2棟25及び第3棟26の建物、機械式駐車設備6の建物、並びに、分離帯28等によって区画されている。走行路は、車両5の走行する方向が定められていてもよい。
図1及び図9に破線又は一点鎖線の矢印で示すように、走行路は、第1~第8入退場門211~218と、第1乗降領域241、第2乗降領域251、第3乗降領域261及び第4乗降領域271とをつなぐ。走行路はまた、第1乗降領域241、第2乗降領域251、第3乗降領域261及び第4乗降領域271と、機械式駐車設備6とをつなぐ。
より詳細に、第1乗降領域241と機械式駐車設備6との間には、走行路として、第1乗降領域241から機械式駐車設備6へ向かう第1往路311(図1参照)と、機械式駐車設備6から第1乗降領域241へ向かう第1復路312(図9参照)と、が設定されている。
第2乗降領域251と機械式駐車設備6との間には、走行路として、第2乗降領域251から機械式駐車設備6へ向かう第2往路321(図1参照)と、機械式駐車設備6から第2乗降領域251へ向かう第2復路322(図9参照)と、が設定されている。
第3乗降領域261と機械式駐車設備6との間には、走行路として、第3乗降領域261から機械式駐車設備6へ向かう第3往路331(図1参照)と、機械式駐車設備6から第3乗降領域261へ向かう第3復路332(図9参照)と、が設定されている。
第4乗降領域271と機械式駐車設備6との間には、走行路として、第4乗降領域271から機械式駐車設備6へ向かう第4往路341(図1参照)と、機械式駐車設備6から第4乗降領域271へ向かう第4復路342(図9参照)と、が設定されている。
ここで、第1往路311、第1復路312、第2往路321、第2復路322、第3往路331、第3復路332、第4往路341、第4復路342は、基本的には、互いに独立している。但し、一部の走行路は重なっている。例えば、第1往路311と第4往路341と第2往路321とは一部が重なっている。また、第2復路322と第3復路332と第4復路342とは、一部が重なっている。
また、乗降領域と機械式駐車設備6との間には、複数の走行路が存在する場合がある。例えば図1に示すように、第2乗降領域251と機械式駐車設備6との間の第2往路321は、第2棟25の南東角において北の方角に左折する走行路321aと、南側道路22に沿って西から東へ直進する走行路321bと、に分岐している。走行路321aと走行路321bとを比較した場合、走行路321aは、機械式駐車設備6に早く到達する近道であり、走行路321bは、相対的に遠回りの経路である。
また、直進する走行路321bはさらに、第3棟26の南東角で北の方角に左折した後、機械式駐車設備6の近くにおいて走行路321bに並列する走行路321cに分岐する。第3乗降領域261と機械式駐車設備6との間の第3往路331も、第2往路321と同様に、二つの走行路331a、331bに分かれる。
同様に、図9に示すように、第2乗降領域251と機械式駐車設備6との間の第2復路322には、機械式駐車設備6から西向きに進む走行路322aと、東向きに進む走行路322bとが設定されている。走行路322aと走行路322bとを比較した場合、走行路322aは、第2乗降領域251に早く到達する近道であり、走行路322bは、相対的に遠回りの経路である。
第3乗降領域261と機械式駐車設備6との間の第3復路332は、機械式駐車設備6から西向きに進む走行路332aと、東向きに進む走行路332bとが設定されている。走行路332aと走行路332bとを比較した場合、走行路332aは、第2乗降領域251に早く到達する近道であり、走行路332bは、相対的に遠回りの経路である。
尚、敷地20内において、走行路を人が通行する場合もある。
そして、この敷地20及び外来者区画27の全部、又は、少なくとも一部には、自律運転機能を有する車両5が、自律運転できる限定区域としてのODD200が設定されている。図1の構成例において、ODD200は、敷地20及び外来者区画27により構成される、斜めのハッチングを付した範囲内である。ODD200の北側の境界は、敷地20及び外来者区画27と北側道路21との境界であり、ODD200の南側の境界は、敷地20と南側道路22との境界であり、ODD200の西側の境界は、敷地20及び外来者区画27と西側道路23との境界である。また、ODD200の東側の境界は、敷地20内に設定されている(図1の二点鎖線を参照)。限定区域は、物理的な境界によって区画されるとは限らない。
このODD200内においては、レベル4以上の自律運転可能な車両5が、無人で(つまり、運転者の操作無く)、前述した走行路を自律運転できる。
図2は、車両5の構成を例示している。車両5は、レベル4以上の自動運転システムを搭載している。より詳細に、車両5は、少なくとも、コントロールユニット50、カメラ51、レーダー52、及び、車外通信部53を備えている。カメラ51は、車両5のボディ等に取り付けられかつ、車両5の周囲環境(例えば走行路の境界、標識、障害物等)を撮影する。カメラ51は、撮影した画像信号を、コントロールユニット50に出力する。レーダー52は、カメラ51と同様に、車両5のボディ等に取り付けられかつ、車両5の周囲の状況(例えば障害物等)を検知する。レーダー52は、周囲状況の検知信号を、コントロールユニット50に出力する。レーダー52は、「ミリ波レーダー」、及び/又は、「LiDAR(Light Detection and Ranging)」等であってよい。車外通信部53は、車両外から送信された情報を受信すると共に、車両外へ情報を送信できる。この駐車システム1において、車外通信部53は、後述する駐車システム1の第1通信部96から送信された情報を受信する。
コントロールユニット50は、カメラ51の画像信号、レーダー52の検知信号、及び、車外通信部53が受信した情報に基づいて、車両5が走行すべき経路を設定すると共に、設定した経路を車両5が追従するよう、エンジン及び/又は電気モータを含む駆動部54、ブレーキ55及びステアリング56に制御信号を出力する。これにより、車両5は、ODD200内を、無人で自律運転する。車両5にはまた、これらの他、パーキングブレーキ、及び/又は、ドアロック等のオンオフを行う装置が含まれていてもよい。
[機械式駐車設備の構成]
図3は、駐車システム1の構成を例示するブロック図である。図4は、機械式駐車設備6のバース7の構成例を示している。駐車システム1は、前述したように、機械式駐車設備6を備えている。駐車システム1はまた、運転盤8と、誘導システム9と、制御部10と、を備えている。制御部10は、機械式駐車設備6、運転盤8、誘導システム9のそれぞれを制御する。制御部10は、駐車システム1の制御装置の一例である。制御部10は、後述するように、それぞれの乗降領域と機械式駐車設備6との間の走行路を通って機械式駐車設備6まで車両5が自律運転しかつ、車両が機械式駐車設備に入庫されるまで、及び、機械式駐車設備6から車両5が出庫されて、当該車両5が、複数の乗降領域のうちの指定された乗降領域まで、走行路を通って自律運転して、当該乗降領域に停車するまで、を制御する。
機械式駐車設備6は、車両5を、例えばパレットに乗せた状態で、入庫したり、出庫したりする。ここに開示する駐車システム1に適用できる機械式駐車設備の形式に特に制限はない。様々な形式の機械式駐車設備が、駐車システム1に採用できる。
機械式駐車設備6は、詳細な図示は省略するが、地上又は地下に、車両5を駐車できる駐車スペース60(図4参照)を有している。駐車スペース60には、入庫中の車両5、具体的には、外部電源により充電可能なバッテリを有するEV(Electric Vehicle)、又は、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)に、非接触で充電が可能な充電設備を設けてもよい。人がプラグを差し込む操作なしに、入庫中に車両5の充電が可能になる。
機械式駐車設備6は、車両5を搬送する搬送部61を備えている。搬送部61は、後述するバース7内から駐車スペース60へ車両5を搬送すると共に、駐車スペース60からバース7内へ車両5を搬送する。尚、バース7内と駐車スペース60との間は、車両5が自走するようにしてもよい。搬送部61はまた、図示は省略するが、駐車スペース60内において、車両5を所定の駐車位置へと搬送したり、所定の駐車位置から車両5を搬送したりする。
機械式駐車設備6には、図4に示すように、入庫対象の車両5が、入庫前に待機するためのバース7が併設されている。バース7は、機械式駐車設備6に車両5が出入り(つまり、出庫及び入庫)する出入口(後述の第2出入口76)に隣接して設けられている。尚、第2出入口76には、第2開閉扉62が設けられている。
後述するように、バース7は、入庫対象の車両5が自律運転をする際の目的地となる場所である。車両5は、いずれかの乗降領域からバース7内まで、自律運転する。
バース7は、詳細な図示は省略するが、四方が壁で囲まれていると共に屋根を有している。バース7内は、外部から隔離されている。
バース7の正面(つまり、図4における紙面上方の部分)には、車両5が出入りする第1出入口70が設けられている。第1出入口70には、第1開閉扉71が設けられている。第1開閉扉71が開くと、入庫対象の車両5が、第1出入口70を通ってバース7内へ進入する。また、第1開閉扉71が開くと、出庫対象の車両5が、第1出入口70を通ってバース7の外へ退出する。車両5は、自律運転により第1出入口70を通過する。
バース7は、その内部に車両一台が停車できる大きさを有している。入庫対象の車両5は、バース7内に停車する。バース7内には、複数のバース内カメラ72と、動体検知装置73とが設けられている。
バース内カメラ72は、図例では、バース7内の前後左右の四隅それぞれに設置されている。バース内カメラ72は、車両5の周囲を撮影する。駐車システム1の制御部10は、これらのバース内カメラ72が撮影した画像信号に基づいて、これから機械式駐車設備6へ入庫しようとする車両5の周囲に、人が居ないことを確認する。カメラの画像信号に基づいて、人等を検知する技術は公知であるため、ここでは、その詳細な説明は省略する。尚、バース内カメラ72に代えて、又は、バース内カメラ72に加えて、例えば光電管センサ等の物体検知装置を、バース7内に設けてもよい。
動体検知装置73は、バース7内に停車している車両5の中に、人(正確には、人である可能性が高い動体)を検知する。具体的に動体検知装置73は、例えばマイクロ波(つまり、周波数が3GHz以上30GHz以下の電磁波)を、車両5の中に送信し、反射物で反射した反射波を受信することにより、車両5の中の人を検知する。図4の構成例において、バース7内には、二つの動体検知装置73が設けられている。
二つの動体検知装置73はそれぞれ、バース7内へ前進で進入した車両5の前方に配置されている。二つの動体検知装置73の検知エリア74、75は、部分的に重なっている。
一方の動体検知装置73の検知エリア74は、車両5内における前列の右席から、前列の左席の後方の部分をカバーしている。一方の動体検知装置73は、運転席に存在する人や、助手席の後方の席に存在する人などを主に検知できる。他方の動体検知装置73の検知エリア75は、車両5内における前列の左席から、前列の右席の後方の部分をカバーしている。他方の動体検知装置73は、助手席に存在する人や、運転席の後方の席に存在する人などを主に検知できる。尚、こうした動体検知装置による動体検知技術も公知であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
駐車システム1の制御部10は、バース7内に入庫対象の車両5が停車している間に、車両5の中、及び、バース7内であって車両5の外に、人が居ないことを確認する。車両5の内外に、人が居ない場合に、駐車システム1は、当該車両5を入庫する。
バース7内は、壁、屋根、第1開閉扉71、及び、第2開閉扉62によって外部から隔離されているため、外乱又は侵入物等を排除することができる。駐車システム1は、バース内カメラ72及び動体検知装置73を使って、車両5内及びバース7内が無人であることを精度良く判断できる。
バース7にはまた、第2出入口76が設けられている。第2出入口76は、第1出入口70に対向している。第2出入口76は、バース7内と、機械式駐車設備6の駐車スペース60とをつないでいる。第2出入口76には、第2開閉扉62が設けられている。第2開閉扉62が開くと、入庫対象の車両5が、第2出入口76を通って駐車スペース60内へ搬送される。また、第2開閉扉62が開くと、出庫対象の車両5が、第2出入口76を通ってバース7内へ搬送される。前記の搬送部61が、バース7内と、駐車スペース60との間で、車両5を搬送する。
敷地20に設けられた機械式駐車設備6は、予め登録をした利用者が、車両5を入庫したり、車両5を出庫したりできる。機械式駐車設備6は、利用者情報を記憶している駐車データベース63を備えている。駐車データベース63は、利用者として予め登録されている契約者番号と、契約者を認証するための暗証番号と、該契約者が機械式駐車設備6に入庫する車両5の情報とを対応付けて記憶している。車両5の情報には、当該車両5の登録番号(つまり、ナンバープレートの番号)が少なくとも含まれる。機械式駐車設備6の構成上必要であれば、駐車データベース63が記憶する車両5の情報には、車両5の全高が相対的に低いノーマルルーフ車であるか、全高が相対的に高いハイルーフ車であるかを示す情報が含まれる。また、駐車データベース63は、カーシェアリング用の車両5については、当該車両5の情報のみ(つまり、利用者情報を含まない情報)を記憶すればよい。この場合、駐車データベース63は、カーシェアリング用の車両5が出庫される際に、当該車両5を利用するユーザー情報と、当該車両5の情報とを紐付けて記憶し、当該車両5が入庫される際(つまり、ユーザーが車両5の利用を終了した際)に、駐車データベース63は、当該車両5に紐付けていたユーザー情報を、消去すればよい。また、後述するように、利用者は、機械式駐車設備6を直接的に操作しないことから、駐車データベース63は、利用者情報を含まない、車両5の情報のみを記憶してもよい。
また、駐車データベース63は、車両5が機械式駐車設備6に入庫しているか、出庫しているかを示す入出庫状態も記憶している。入庫している場合、駐車データベース63は、当該車両5が駐車されている位置又はパレットを特定する情報も記憶する。
駐車データベース63は、利用者に関する情報として、利用者が携帯する携帯端末12の連絡先情報(例えば、スマートフォンの電話番号、又は、メールアドレス)も記憶している。後述するように、駐車システム1の制御部10は、第2通信部11を通じて、利用者の携帯端末12に通知を行う場合がある。第2通信部11と携帯端末12とは、通信回線を利用した無線通信が可能である。
運転盤8は、利用者が、入庫時及び出庫時に操作を行う装置である。運転盤8は、有線又は無線の通信線を介して制御部10に接続されている。運転盤8は、詳細な図示は省略するが、利用者に対して各種の情報を表示する表示部81と、利用者が操作を行う操作部82とを備えている。表示部81及び操作部82は、例えばタッチパネル式のフラットパネルディスプレイとして、一体に構成してもよい。
運転盤8は、図1に示すように、各乗降領域に対応して設置されている。具体的に、第1乗降領域241、第2乗降領域251、第3乗降領域261、及び第4乗降領域271のそれぞれに、第1運転盤8a、第2運転盤8b、第3運転盤8c、及び第4運転盤8dが設置されている。利用者が、車両5の入庫時、又は、車両5の出庫時に、いずれかの運転盤8で操作を行うと、駐車システム1の制御部10は、後述するように、入庫又は出庫に係る制御を実行する。どの運転盤8が操作されたかにより、利用者が乗降する乗降位置が特定される。運転盤8は、利用者の操作に基づいて、複数の乗降領域241、251、261、271の内の一の乗降領域の指定を含んだ出庫信号を出力する出力部の一例である。制御部10は、出力部からの出庫信号を受けて、機械式駐車設備6から出庫された車両5に、指定された乗降領域への発進を指示する指示部の一例である。
[誘導システムの構成]
前述したように、車両5は、ODD200内を自律運転する。駐車システム1は、ODD200内において、車両5を誘導する誘導システム9を備えている。
誘導システム9は、乗降領域カメラ91と、区域内カメラ92と、バース前カメラ93と、を備えている。乗降領域カメラ91は、第1~第4乗降領域241、251、261、271のそれぞれに、一つ又は複数、設けられている。乗降領域カメラ91は、第1~第4乗降領域241、251、261、271のそれぞれにおいて、車両5を特定するために用いられる。具体的に、乗降領域241、251、261、271のそれぞれにおいて、利用者が降車すれば、乗降領域カメラ91は、入庫対象となった車両5を撮影する。駐車システム1の制御部10は、その画像信号に基づいて、入庫対象の車両5を特定する。制御部10は、例えばOCR技術を使って認識したナンバープレートの登録番号によって車両5を特定する。乗降領域カメラ91はまた、出庫対象の車両5が、乗降領域に到着したことを判断するためにも用いられる。乗降領域カメラ91は、ODD200内において、車両5の位置情報を取得する情報取得部の一例である。
区域内カメラ92は複数、存在している。複数の区域内カメラ92は、図1に例示するように、ODD200内の各所に設置されている。各区域内カメラ92が撮影した画像信号に基づいて、駐車システム1の制御部10は、ODD200内に存在している全ての車両5と、その現在地とを特定する。区域内カメラ92も、前記情報取得部の一例である。
バース前カメラ93は、図1に例示するように、バース7の正面部に設けられている。バース前カメラ93は、バース7の前に停車している車両5を撮影する。前記と同様に、駐車システム1の制御部10は、バース前カメラ93の画像信号に基づいて、バース7の前に停車している車両5を特定する。バース前カメラ93も、前記情報取得部の一例である。
誘導システム9はまた、走行路に設けられた誘導標識94、停止標識95、及び、前記のバーゲート273、274を備えている。誘導標識94は、自律運転している車両5に対して、進行方向を指定するための標識である。図5は、誘導標識94を例示している。この誘導標識94は、図1に示すように、第2棟25の南東角の近傍に設置されている。この位置は、第2往路321が、走行路321aと走行路321bとに分かれる箇所である。
誘導標識94は、図5に例示するように、車両5の進行方向を矢印の向きによって指定する。図5の上図は、誘導標識94が、直進方向を指定しており、図5の下図は、誘導標識94が、左折方向を指定している。車両5のコントロールユニット50は、カメラ51の画像信号に基づいて誘導標識94が示す矢印の向きを判断し、自車の進行方向を決定できる。誘導標識94は、走行路を自律運転している車両を誘導する誘導部の一例である。尚、図1における誘導標識94の設置位置は、一例であり、誘導標識は、ODD200内における適宜の位置に設置ができる。また、誘導標識94の構成は、図5の例に限定されるものではない。
停止標識95は、自律運転している車両5に対して、停止と発進とを指定するための標識である。図6は、停止標識95を例示している。この停止標識95は、図1に示すように、機械式駐車設備6の近傍における、並列に設けられた走行路321b(及び走行路331a)と、走行路321c(及び走行路331b)との位置のそれぞれに、設置されている。この位置は、後述するように、入庫対象の車両5が、バース7へ行く前に待機するための位置である。
停止標識95は、図6に例示するように、文字によって停止と発進とを指定する。図6の上図は、停止標識95が、停止を指定しており、図6の下図は、停止標識95が、発進を指定している。車両5のコントロールユニット50は、カメラ51の画像信号に基づいて停止標識95が示す指示を判断し、自車の停止及び発進を決定する。停止標識95は、誘導部の一例である。尚、図1における停止標識95の設置位置は、一例であり、停止標識は、ODD200内における適宜の位置に設置ができる。
尚、停止標識95の構成は、図6の例に限定されるものではない。例えば、停止標識95は、信号機のように、点灯する色によって停止と発進とを指定してもよい。
バーゲート273、274は、前述したように、外来者区画27と敷地20との間に設けられている。詳細な図示は省略するが、バーゲート273、274はそれぞれ、バーが水平に倒されることにより、車両5の走行路を横切るよう配置される閉鎖状態と、バーが起立することにより、車両5の走行路から退避した開放状態と、に切り替わる。自律運転をする車両5は、バーの状態を把握することにより、バーゲート273、274が閉鎖状態にある間は、バーゲート273、274の前で停車し、バーゲート273、274が開放状態になれば、バーゲート273、274を通過して外来者区画27と敷地20との間を行き来する。バーゲート273、274は、誘導部の一例である。バーゲート273、274を設けることによって、車両5を運転する外来者が、敷地20内に進入することを防止できる。尚、図1におけるバーゲート273、274の設置位置は、一例であり、バーゲートは、ODD200内における適宜の位置に設置ができる。
誘導システム9は、車両5との間で通信を行う第1通信部96を備えている。第1通信部96が送信した情報は、車両5の車外通信部53が受信する。第1通信部96は、走行路の情報、及び、後述するように、車両5の走行や車両5の機器の動作を直接指令する情報を、車両5に提供する情報提供部の一例である。
誘導システム9はまた、車両5の誘導に関する様々な情報を記憶した誘導データベース97を備えている。誘導データベース97は、ODD200の詳細な地図を記憶している。ODD200の地図データは、車両5が公道を自律運転する際に利用する地図データよりも、ODD200に関する詳細な情報を含んでいる。ODD200の地図データは、この集合住宅に構築された駐車システム1のみが保有するデータである。駐車システム1の制御部10は、入庫対象の車両5及び出庫対象の車両5に、ODD200の地図データを提供する。誘導データベース97は、情報提供部の一例である。
尚、制御部10は、車両5が入庫又は出庫する都度、ODD200の地図データを当該車両5に提供してもよいし、車両5がODD200の地図データを既に記憶しているのであれば、地図データの提供を省略してもよい。
[入庫時の制御]
次に、図7のフローチャートを参照しながら、駐車システム1における入庫時の制御について説明する。図7のフローチャートは、利用者又は自律運転する車両5に関する制御ステップS71~S74、S718~S721と、駐車システム1に関する制御ステップS75~S717とを含んでいる。尚、ステップS71~S74の中には、人が行う動作も含まれている。
入庫時の制御フローは、利用者が、各入退場門211、213、215、218を通じて、車両5を敷地20又は外来者区画27内、つまり、ODD200内に入場させることにより開始する(図7のステップS71)。尚、車両5は、利用者が手動運転により、ODD200内に入場する場合、及び、車両5が自律運転により、ODD200内に入場する場合の両方があり得る。車両5がODD200内に入場すれば、駐車システム1は、区域内カメラ92等の画像信号に基づいて、入場した車両5を検知する(ステップS75)。尚、各入退場門に、車両5の通過を検知するセンサを設置してもよい。
利用者は、車両5を、第1乗降領域241、第2乗降領域251、第3乗降領域261、又は、第4乗降領域271に停車させる(ステップS72)。駐車システム1は、乗降領域カメラ91等の画像信号に基づいて、入場した車両5を特定(つまり、車両5の登録番号を特定)し(ステップS76)、誘導データベース97に記憶する。特定した車両5が、入庫対象の車両5となり得る。
各乗降領域241、251、261、271に停車した車両5から、乗員が降車する(ステップS73)。尚、利用者は、降車後、車両5のドアの施錠を行ってもよいし、施錠を行わなくてもよい。
利用者はまた、降車した乗降領域241、251、261、271に設置されている運転盤8a、8b、8c、8dを操作することにより、車両5の利用が完了したことを、運転盤8を通じて、駐車システム1に通知する(ステップS74)。このときに利用者は、予め登録されている契約者番号と暗証番号とを使った認証を行う。これにより、駐車システム1は、駐車データベース63を参照して、利用者と、入庫対象の車両5の登録番号とを特定できる。駐車システム1は、ステップS76で特定した車両5の登録番号と、駐車データベース63が記憶している車両5の情報とを照合してもよい。
その後、駐車システム1は、入庫対象の車両5を機械式駐車設備6まで自律運転させるが、車両5から降車した利用者が運転盤8の操作を行わないと、車両5が、乗降領域241、251、261、271に放置されることになる。車両5が、所定時間以上、放置された場合、駐車システム1は、当該車両5から降車した利用者に対して、通知を行ってもよい。駐車システム1は、乗降領域241、251、261、271に停車している車両5の登録番号を、ステップS76で特定しているため、駐車データベース63を参照することにより、当該車両5に紐付けられている登録者及びその連絡先を特定することができる。
運転盤8からの通知を受けた駐車システム1は、車両5がODD200内に位置しているか否かを確認する(ステップS77)。ODD200内に位置していない場合、車両5は、この後の自律運転ができないため、駐車システム1は、利用者へ通知をする(ステップS78)。駐車システム1は、利用者が操作をしている運転盤8に、通知を行ってもよいし、当該利用者について登録されている携帯端末12へ通知を行ってもよい。通知を受けた利用者は、車両5を乗降領域241、251、261、271へ停車させる。
車両5がODD200内に位置していれば、駐車システム1は、車両5へ施錠ロックを指示する(ステップS79)。この施錠ロックは、車両5の中からドア等を開けることができなくするロックである。車両5が自律運転をしている間に、車両5の中に居る人がドア等を開けることがないようにするためである。指示を受けた車両5は、図7でのステップは省略しているが、施錠ロックを行う。
尚、利用者が運転盤8を操作する際には、乗員は全て降車しているため、車両5内は、基本的には無人であるが、誤って人が乗っている可能性もある。そこで、駐車システム1は、車両5が自律運転をしている間、車両5の施錠ロックを行う。
駐車システム1は次いで、車両5に、自律運転を指示する(ステップS710)。駐車システム1はまた、自律運転に必要な情報を、第1通信部96を通じて、車両5に提供する(ステップS711)。駐車システム1が車両5に提供する情報には、少なくとも、目的地(ここでは、バース7内)、目的地までの経路、及び、進入不可の領域の情報(つまり、(つまり、ODD200の地図データであり、ODD200の地図データに進入不可の領域の情報は含まれている)が含まれる。尚、駐車システム1が車両5に提供する経路情報に関しては、後で詳述する。
駐車システム1は、前述したように、ODD200内に存在している全ての車両5と、その現在地とを特定している。駐車システム1は、車両5が自律運転をしている間、車両5に対し、当該車両5の現在地情報を提供する。これにより、車両5は、例えば全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を利用しなくても、ODD200の地図データと、自車両の現在地と、目的地までの経路情報と、に基づいて、ODD200内を自律運転できる。一方、駐車システム1は、車両5の現在地を特定することによって、車両5からの情報提供(例えば、当該車両5の現在地情報)を受けなくても、ODD200内を走行している車両5を管理することができる。また、駐車システム1は、必要に応じて誘導部(誘導標識94及び/又は停止標識95)の表示切替を行う。
車両5は、駐車システム1からの指示を受けて、発進する(ステップS718)と共に、駐車システム1から提供された情報を用いて、ODD200内の走行路を自律運転する(ステップS719)。車両5は、必要に応じて誘導部(誘導標識94及び/又は停止標識95)の情報を自律運転に利用する。車両5は、バース7内に到着したか否かを判断し(ステップS720)、バース7内に到着するまで、自律運転を継続する。尚、車両5がODD200内を走行している間、駐車システム1は、区域内カメラ92の画像信号に基づいて、車両5の現在地を特定し続ける。
前述したように、バース7には第1開閉扉71が設けられており、第1開閉扉71は、通常は閉じている。自律運転する車両5は、第1開閉扉71が開いていないことを判断し、バース7の前で停車する。
駐車システム1は、バース前カメラ93の画像信号に基づいて、車両5がバース7の前に停車しているか否かを判断する(ステップS712)。
車両5がバース7の前に到達すれば、駐車システム1は、バース前カメラ93の画像信号に基づいて、車両5の登録番号を特定し、入庫対象の車両5であるか否かを判断する。入庫対象の車両5であれば、駐車システム1は、第1開閉扉71を開ける(ステップS713)。第1開閉扉71が開けば、車両5は、障害物がなくなったことを認識するため、バース7内へ進入する。車両5は、目的地であるバース7内で停車し、自律運転を終了する(ステップS721)。
駐車システム1は、車両5がバース7内の正規位置に停車したことをカメラやセンサまたは車両5からの通知により検知すると第1開閉扉71を閉じ、バース7内に停車している車両5について、車両5内が無人であるか、及び、バース7内が無人であるかを判断する(ステップS714)。駐車システム1は、前述したように、バース内カメラ72及び動体検知装置73を使って、無人/有人の判断を行う。ステップS714の判断がYESの場合、駐車システム1は、車両5の入庫を許可し、第2開閉扉62を開ける(ステップS715)。搬送部61が、車両5を所定の駐車スペース60へ搬送する(ステップS716)ことにより、車両5の入庫が完了し、駐車システム1は、第2開閉扉62を閉鎖する。
一方、車両5内又はバース7内が無人でない場合、駐車システム1は、車両5の入庫を禁止する(ステップS717)。
駐車システム1は、車両5の入庫を禁止した後、当該車両5の入庫を指示した利用者の携帯端末12に対して、車両5内及び/又はバース7内で人を検知した旨を、通知してもよい。また、駐車システム1は、適切なタイミングで第1開閉扉71を開き、車両退出後に閉じるようにしてもよい。駐車システム1は、通知の際に、車両5内及び/又はバース7内を撮像したカメラ画像を、利用者の携帯端末12へ送ってもよい。この場合、通知を受けた利用者は、例えば携帯端末12を操作することにより、入庫の指示を取り消して当該車両5を、元の乗降領域に戻す(つまり、元の乗降領域まで車両5を自律運転させる)ことができる。
尚、通知を受けた利用者が、入庫の指示の取り消しを行わない、又は、通知に応答しない場合、駐車システム1は、当該システムの外部(例えば、駐車システム1を管理又は運営する事業主のお客様センター)へ発報するようにしてもよい。
駐車システム1は、ステップS717において車両5の入庫を禁止した後、当該車両5に、例えば元の乗降領域、又は、ODD200内において予め設定されている特定領域へ向かう自律運転を、自動的に指示してもよい。駐車システム1から指示を受けた車両5は、バース7から退場すると共に、指定された目的地へ自律運転する。
また、検知した人が、バース7内、又は、車両5内に、故意に侵入を図った侵入者であることを想定して、駐車システム1は、ステップS717の後、第1開閉扉71等を閉じて、バース7内を閉鎖した上で、警告放送及び/又は警告表示を行うと共に、お客様センターへ発報してもよい。
[出庫時の制御]
次に、図8のフローチャートを参照しながら、駐車システム1における出庫時の制御について説明する。図8のフローチャートは、利用者又は車両に関する制御ステップS81、S815~S816と、駐車システム1に関する制御ステップS82~S89と、自律運転する車両5に関する制御ステップS810~S814とを含んでいる。尚、ステップS81、S815~S816の中には、人が行う動作も含まれている。
出庫時の制御フローは、利用者が、運転盤8を操作することにより、車両5の利用を駐車システム1に通知することにより開始する(図8のステップS81)。運転盤8から駐車システム1の制御部10には、利用者を特定する情報、及び、操作が行われた運転盤8の情報が送信される。駐車システム1は、運転盤8からの信号を受けて、駐車データベース63を参照することにより、出庫対象の車両5を特定すると共に、機械式駐車設備6に、出庫対象の車両5の出庫を指示する。機械式駐車設備6は、指定された車両5を、駐車スペース60からバース7内へ搬送する(ステップS82)。
駐車システム1は、第1開閉扉71を開けた後、バース7内の車両5に対して発進を指示し(ステップS83)、指示を受けた車両5は、第1出入口70を通って、バース7の前へ移動する(ステップS810)。車両5は、バース7の前で停車する。
駐車システム1は、車両5が、バース7の前に停車しているか否かを判断し(ステップS84)、停車している場合、車両5に対して自律運転を指示する(ステップS85)。駐車システム1はまた、自律運転に必要な情報を、第1通信部96を通じて、車両5に提供する(ステップS86)。駐車システム1が車両5に提供する情報には、少なくとも、目的地、目的地までの経路、及び、進入不可の領域の情報(つまり、ODD200の地図データ)が含まれる。尚、目的地は、利用者が操作を行った運転盤8が設置されている乗降領域である。駐車システム1の制御部10は、利用者が操作を行った運転盤8が、第1~第4運転盤8a~8dのいずれであるかに基づいて、出庫対象の車両5の目的地を設定できる。
車両5は、駐車システム1からの指示を受けて、発進する(ステップS811)と共に、駐車システム1から提供された情報を用いて、ODD200内の走行路を自律運転する(ステップS812)。車両5は、指定の乗降領域241、251、261、271に到着したか否かを判断し(ステップS813)、乗降領域241、251、261、271に到着するまで、自律運転を継続する。車両5がODD200内を走行している間、駐車システム1は、区域内カメラ92の画像信号に基づいて、車両5の現在地を特定し、車両5への情報提供を継続する。車両5は、指定の乗降領域241、251、261、271に到着すれば、自律運転を終了し、そこに停車する(ステップS814)。
駐車システム1は、乗降領域カメラ91の画像信号に基づいて、車両5が指定された乗降領域241、251、261、271に停車しているか否かを判断する(ステップS87)。車両5が乗降領域241、251、261、271に到達すれば、駐車システム1は、車両5に対して、前述した施錠ロックを解除させ(ステップS88)、例えば利用者の携帯端末12へ、車両5が到着したことを通知する(ステップS89)。
通知を受けた利用者は、必要であれば車両5のドアの解錠を行い、車両5に乗車する(ステップS815)。その後、手動による運転、又は、自律運転により、車両5が発進し(ステップS816)、入退場門212、214、216、218から、敷地20又は外来者区画27の外へ退場する。
[経路情報の提供]
駐車システム1は、各乗降領域241、251、261、271と、機械式駐車設備6との間の走行路を予め設定して誘導データベース97に記憶しておき、入庫対象の車両5、又は、出庫対象の車両5に対して、予め設定した走行路の情報を、走行すべき経路として提供してもよい。
具体的に、図1の構成例には、入庫時に利用できる走行路を例示している。第1乗降領域241から機械式駐車設備6に向かう第1往路311は、第1乗降領域241から西向きに進んだ後、第1棟24の北西角において左折して南向きに進み、第1棟24の南西角において左折してバース7の前に至る経路として設定されている。
また、第4乗降領域271から機械式駐車設備6に向かう第4往路341は、第4乗降領域271から東向きに進んだ後、第1棟24の北西角において右折して南向きに進み、第1棟24の南西角において左折してバース7の前に至る経路として設定されている。第4往路341の途中には、第1バーゲート273が設置されている。
また、第2乗降領域251から機械式駐車設備6に向かう第2往路321aは、第2乗降領域251から南向きに進んだ後、第2棟25の南西角において左折して東向きに進み、第2棟25の南東角において左折して北向きに進み、さらに、第1棟の南西角において右折してバース7の前に至る経路として設定されている。
また、第3乗降領域261から機械式駐車設備6に向かう第3往路331aは、第3乗降領域261から東向きに進んだ後、第3棟26の南東角において左折して北向きに進み、第1棟24の南東角において左折してバース7の前に至る経路として設定されている。
ここで、この駐車システム1は、ODD200内には、乗降領域241、251、261、271が複数、設けられており、利用者は、それら複数の乗降領域241、251、261、271のそれぞれにおいて、車両5に乗車及び降車が可能である。そのため、ODD200内において、複数台の車両5が、同時期に、機械式駐車設備6に向かって自律運転を行うことが起こり得る。
また、複数の車両5が、同時期に機械式駐車設備6の前に到着してしまい、入庫待ちの多数の車両が、機械式駐車設備6の前に溜まってしまうことも起こり得る。
複数の車両5が、同時期に機械式駐車設備6の前に到着することを抑制するために、この駐車システム1においては、少なくとも一の乗降領域について、乗降領域から機械式駐車設備までの走行路として、複数の走行路を設定している。
具体的に、第2乗降領域251と機械式駐車設備6との間には、走行路321aと、走行路321bとの二つの走行路が設定されている。車両5は、複数の走行路から、ODD200の状況に応じて選択された走行路を走行する。
走行路321aは、前述したように、第2棟25の南東角において左折して北向きに進む走行路である。走行路321bは、第2棟25の南東角において直進して東向きに進む走行路である。走行路321bは、第3棟26の南東角において左折して北向きに進んだ後、第1棟24の南東角において左折して、バース7の前に至る経路として設定されている。
走行路321bは、相対的に遠回りの経路であるため、当該走行路321bを走行する車両5は、機械式駐車設備6に遅く到着する。走行路321bはまた、第3往路331aと重なる走行路である。駐車システム1は、ODD200内に存在する各車両5の現在地の情報等に基づいて、第2乗降領域251から機械式駐車設備6に向かう車両5に対し、走行路321a又は走行路321bの情報を選択的に、経路情報として提供する。こうすることで、車両5が機械式駐車設備6の前に到着するタイミングがずれる。複数の車両5が、同時期に機械式駐車設備6の前に到着する事態の発生が抑制される。駐車システム1は、複数の車両5をスムースに入庫させることができる。
駐車システム1はまた、乗降領域241、251、261、271から発進して、走行路の走行中の車両5の進路を、ODD200内の状況の変化に応じて、途中で、変更する。例えば第2乗降領域251を発進した車両5が、走行路321aと走行路321bとの分岐位置にさしかかる際に、誘導標識94を使って、当該車両5の進行方向を、左折又は直進に指定(変更)する。駐車システム1は、ODD200内の最新の状況に対応して、第2乗降領域251から機械式駐車設備6に向かう車両5を、最適な走行路で走行させることができる。
尚、駐車システム1は、車両5の発進時には、常に、いずれかの一方の走行路(例えば走行路321a)の情報を車両5に提供すると共に、ODD200内の最新の状況に応じて、当該車両5の走行中に、誘導標識94等を使って、その進行方向を変更してもよい。
尚、図1の構成例では、ODD200内に一つの誘導標識94を設置しているが、誘導標識は、ODD200内の構成に応じて、適宜の場所のそれぞれに設置してもよい。ODD200内の誘導標識は、一つのみとは限らない。
第2乗降領域251と機械式駐車設備6との間に設定されている走行路は、走行路321aと、走行路321bとの二つだけでなく、走行路321cも設定されている。走行路321cは、第1棟24と第3棟26との間において、走行路321bから分岐すると共に、走行路321bに並列するように設けられている。そして、走行路321cは、第1棟24の南側において左折して、バース7の前に至る経路として設定されている。
並列する走行路321bと走行路321cとは、例えば入庫待ちの車両5が待機する待機場として利用できる。前述したように、走行路321bと走行路321cとのそれぞれに、停止標識95を設置しているため、駐車システム1は、走行路321b及び走行路321cを走行する車両5の停止及び発進を制御できる。駐車システム1は、二つの停止標識95の制御を通じて、車両5を、順番に、バース7の前へ到着させることができる。
尚、第3乗降領域261と機械式駐車設備6との間に設定されている走行路も、走行路331aと、走行路331bとが設定されている。これら走行路331aと、走行路331bとは、前述した走行路321bと、走行路321cと重なる。従って、この駐車システム1では、第2乗降領域251及び第3乗降領域261のそれぞれから発進した車両5を、走行路321b(及び走行路331a)と走行路321c(及び走行路331b)とのそれぞれにおいて、待機させることができる。
待機場を設けることにより、駐車システム1は、多数の車両5を、スムースに機械式駐車設備6に入庫できる。
尚、図1では図示を省略しているが、第1乗降領域241から発進し、第1往路311を走行する車両5は、第1棟24の南西角を左折した直後に右折して、機械式駐車設備6の西側を南向きに走行した後、機械式駐車設備6の南西角を左折すれば、走行路321b(及び走行路331a)、又は、走行路321c(及び走行路331b)の位置に到達できる。第4乗降領域271から発進し、第4往路341を走行する車両5も同様に、走行路321b(及び走行路331a)、又は、走行路321c(及び走行路331b)の位置に到達できる。従って、第1乗降領域241及び第5乗降領域271のそれぞれから発進した車両5も、走行路321b(及び走行路331a)と走行路321c(及び走行路331b)とのそれぞれにおいて、待機させることができる。
また、図9は、出庫時の経路を例示している。機械式駐車設備6から第1乗降領域241に向かう第1復路312は、バース7の前から東向きに進んだ後、第1棟24の南東角において左折して北向きに進み、第1棟24の北東角において左折して第1乗降領域241に至る経路として設定されている。
また、機械式駐車設備6から第2乗降領域251に向かう第2復路322aは、バース7の前から西向きに進んだ後、第1棟24の南西角において左折して南向きに進み、機械式駐車設備6の北西角において右折して西向きに進み、さらに、第2棟25の北西角において左折して第2乗降領域251に至る経路として設定されている。
また、機械式駐車設備6から第3乗降領域261に向かう第3復路332aは、バース7の前から西向きに進んだ後、第1棟24の南西角において左折して南向きに進み、第3棟26の南西角において左折して第3乗降領域261に至る経路として設定されている。
また、機械式駐車設備6から第4乗降領域271に向かう第4復路342は、バース7の前から西向きに進んだ後、第1棟24の南西角において左折して南向きに進み、機械式駐車設備6の北西角において右折して西向きに進み、さらに、第2棟の北西角において右折して第4乗降領域271に至る経路として設定されている。第4復路342の途中には、第2バーゲート274が設置されている。
尚、出庫時の経路においても、機械式駐車設備6から乗降領域までの走行路として、複数の走行路を設定している。
具体的に、機械式駐車設備6と第2乗降領域251との間には、走行路322aと、走行路322bとの二つの走行路が設定されている。走行路322bは、バース7の前から東向きに進んだ後、第1棟24の南東角において右折して南向きに進み、第3棟26の北東角において右折して西向きに進み、さらに、第2棟25の東側において右折して北向きに進み、第2棟25の北東角において、前述した走行路322aに合流する経路として設定されている。
また、機械式駐車設備6と第3乗降領域261との間には、走行路332aと、走行路332bとの二つの走行路が設定されている。走行路332bは、バース7の前から東向きに進んだ後、第1棟24の南東角において右折して南向きに進み、第3棟26の北東角において右折して西向きに進み、第3棟26の北西角において、前述した走行路332aに合流する経路として設定されている。
例えば、走行路322a及び332aは、機械式駐車設備6から第2乗降領域251及び第3乗降領域261に向かう車両5の他に、第4乗降領域271に向かう車両5も走行する経路である。そのため、多数の車両5が走行する可能性がある。これに対し、走行路322b及び332bの一部は、第4乗降領域271に向かう車両5は走行しない。駐車システム1は、走行路322a及び332aと、走行路322b及び332bとを、適宜選択することにより、多数の車両5が、同じ走行路を走行することを抑制できる。また、入庫時と同様に、乗降領域が混雑している場合は、走行路上の適当な位置を待機場として利用することができる。
駐車システム1は、車両5の出庫時にも、前述した入庫時と同様に、複数の走行路から選択した経路の情報を提供する。また、駐車システム1は、ODD200内に設置された誘導標識を使って、車両5の進行方向を指定するようにしてもよい。こうすることで、駐車システム1は、出庫対象の多数の車両5を、ODD200内においてスムースに自律運転させることができる。
尚、入庫時、及び、出庫時のそれぞれにおいて、駐車システム1から車両5へ経路情報を提供せずに、駐車システム1から車両5へは目的地の情報と地図データのみを提供し、ODD200内に設けた走行路に沿って、車両5が、経路を自身で設定して、自律運転するよう、駐車システム1を構成してもよい。
[駐車システムの作用効果]
以上説明したように、この駐車システム1は、ODD200内に複数の乗降領域241、251、261、271が設けられている。利用者は、それら複数の乗降領域241、251、261、271のそれぞれにおいて、車両5に乗車及び降車が可能である。第1乗降領域241、第2乗降領域251、及び、第3乗降領域243はそれぞれ、第1棟24、第2棟25、及び、第3棟26に設けられているため、各棟24、25、26の居住者は、最寄りの乗降領域241、251、261において、車両5に乗車及び降車が可能である。利用者は、住居している棟24、25、26から離れた機械式駐車設備6まで出向く必要がなく、利用者の利便性が高い。
また、この駐車システム1において、利用者は、各乗降領域241、251、261、271のそれぞれにおいて、車両5から降車した後、機械式駐車設備6を直接操作しなくても、当該車両5を機械式駐車設備6に入庫できる。機械式駐車設備6の操作ミス等が生じず、機械式駐車設備6の安全な運用が実現する。また、利用者が直接操作をしないため、バース7に設けた第1開閉扉71の閉め忘れや、バース7と駐車スペース60との間の第2開閉扉62の閉め忘れ等の発生が抑制される。人手を介さないため、駐車システム1は、入庫を、スムースに連続して行うことができる。
また、車両5の入庫時には、駐車システム1が、バース7内、及び、車両5内の無人を確認するため、機械式駐車設備6に人が閉じ込められる事態を、未然に回避できる。機械式駐車設備6の安全性が高まる。また、そうした人手を介さない入庫作業により人が存在する可能性を十分に低減した状況における安全確認を、駐車システム1が行うため、利用者が安全確認を行う場合と比較して、見落とし等のエラーが避けられる。
車両5の出庫時も同様に、利用者は、機械式駐車設備6を直接操作しなくても、当該車両5を機械式駐車設備6から出庫できる。機械式駐車設備6の操作ミス等が生じず、機械式駐車設備6の安全な運用が実現する。また、従来の駐車システムでは、扉の開閉は同じ操作者が実行するように構成されているため、車両5を出庫した利用者が第1開閉扉71及び第2開閉扉62を閉め忘れて出発してしまうと、次の利用者が車両の入庫又は出庫ができなくなっていたが、この駐車システム1は、人手を介さないことで、第1開閉扉71及び第2開閉扉62の閉め忘れ等が発生しない。このため、扉の閉め忘れによって車両5の出庫及び入庫が停滞してしまうことが抑制される。
また、複数の乗降領域241、251、261、271が互いに離れていて、各乗降領域241、251、261、271と機械式駐車設備6との間の走行路は、実質的に独立している。この駐車システム1においては、独立した複数の走行路のそれぞれを、複数の車両5が、同時期に自律運転することが起こり得る。その結果、複数の車両5が、機械式駐車設備6に、同時期に到着することも起こり得る。
これに対し、この駐車システム1は、前述したように、一つの乗降領域(具体的には、第2乗降領域251)と機械式駐車設備6の間に、複数の走行路321a、321b、321c、322a、322b等を設けている。走行路の選択によって、車両5が機械式駐車設備6に到達するタイミングを調整できるから、複数の車両5が、機械式駐車設備6に、同時期に到着する事態を抑制できる。駐車システム1は、複数の車両5を、スムースに、入庫及び出庫できる。入庫待ちの車両5が、機械式駐車設備6の前に、長く連なってしまうことが抑制される。
また、並列した走行路321b、321c及び331a、331bを設けることにより、車両5の待機スペースとして利用することができ、特に帰宅者が多くて、入庫対象の車両5が多く発生する夕刻時等においても、駐車システム1は、多数の車両5を、順次、機械式駐車設備6に入庫できる。
また、第4乗降領域271は、車両5が自律走行可能なODD200内に設けられているものの、ODD200の周縁部に設けられていると共に、フェンス272等によって、区画されているため、外来者は、敷地20の内部に立ち入ることができない。また、前述したように、この駐車システム1では、外来者は、第4乗降領域271において、車両5に乗車及び降車をすることができ、当該車両5の機械式駐車設備6からの出庫、及び、機械式駐車設備への入庫は、車両5の自律走行により、外来者の実質的な操作無しで実行される。このため、外来者は、敷地20内に立ち入る必要がない。
外来者は、例えば機械式駐車設備6に入庫されている車両5を、カーシェリングで利用する利用者、又は、機械式駐車設備6に入庫されている車両5を所有する利用者(当該機械式駐車設備6の利用を契約している利用者)とすることができる。集合住宅の居住者以外の利用者が、機械式駐車設備6を利用できるから、機械式駐車設備6の利用率が高まる。その一方で、前述したように、集合住宅の居住者以外の外来者は、敷地20内に立ち入らないため、集合住宅のセキュリティ性が向上する。
この駐車システム1は、ODD200内に構築されるため、レベル4の車両5が自律運転できる。駐車システム1は、レベル5の車両が要求されないという利点を有している。
駐車システム1の制御部10は、前述した駐車システム1における入庫及び出庫を制御することにより、車両5をスムースに入出庫させることができる。
[駐車システムの変形例]
図10は、機械式駐車設備の変形例を示している。この機械式駐車設備600は、入庫用のバース7と、出庫用のバース700とを備えている。出庫用のバース700は、機械式駐車設備600を挟んで、入庫用のバース7とは逆側に併設されている。機械式駐車設備600は、入庫する車両5の入庫口と、出庫する車両5の出庫口とは分かれるため、車両5の入庫、及び、車両5の出庫を、よりスムースに行うことができる。
図10の一点鎖線の矢印は、第1乗降領域241と機械式駐車設備600との間に設定されている走行路313、第2乗降領域251と機械式駐車設備600との間に設定されている走行路323、第3乗降領域261と機械式駐車設備600との間に設定されている走行路333、及び、第4乗降領域271と機械式駐車設備600との間に設定されている走行路343とを例示している。これらの走行路313、323、333、343は、出庫時用の走行路である。尚、入庫時用の走行路は、図1に示す走行路と同じにしてもよい。
この構成の駐車システム1においても、前記と同様に、利用者の利便性を向上できる。
[その他の変形例]
尚、前記の構成では、駐車システム1は、バース7内で、無人/有人の検知を行っているが、駐車システム1は、無人/有人の検知だけでなく、バース7内で、車両5内に荷物等の置き忘れの検知も行ってもよい。尚、駐車システム1は、バース7内で、車両5内の無人/有人の検知のみを行ってもよい。
また、入庫時、又は、出庫時に、利用者は、運転盤8を操作する代わりに、携帯端末12や車載器(図示省略)を通じて、入庫時の操作、及び、出庫時の操作が可能となるよう、駐車システム1を構成してもよい。その場合、携帯端末12の操作において、利用者は、入庫対象の車両5が停車している乗降領域を指定したり、出庫対象の車両5が向かうべき乗降領域を指定したりすればよい。また、携帯端末12の現在地情報を利用して、駐車システム1は、その現在地に最も近い乗降領域241、251、261、271を、当該利用者が利用する乗降領域であると特定してもよい。また、利用者と、当該利用者が使用する乗降領域との情報を予め紐付けて、誘導データベース97に記憶しておいてもよい。
また、駐車システム1の運転盤8は、乗降領域241、251、261、271に設置されることに限らない。運転盤8と同様の操作ができる操作盤を、集合住宅の各住居に設置してもよい。こうすることで、居住者は、自身の住居に設置された操作盤を利用して、入庫時の操作、及び、出庫時の操作ができる。これは特に、出庫時に、利用者が乗降領域241、251、261、271へ出向く前に、事前に操作盤の操作を行うことを可能にする。利用者が乗降領域241、251、261、271に出向いた時には、車両5が、当該乗降領域に到着していることも可能である。
また、駐車システム1の運転盤8又は携帯端末12を用いて、車両5の出庫予約が可能となるように、駐車システム1を構成してもよい。こうすることで、利用者が、予約した時刻に乗降領域241、251、261、271に出向くと、車両5が、当該乗降領域に到着していることを実現できる。
また、複数の乗降領域241、251、261、271のそれぞれから、複数の車両5が発進することで、機械式駐車設備6の前に、複数の車両5の同時期に到達することが予想される場合、駐車システム1は、車両5が、乗降領域241、251、261、271から発進するタイミングを、適宜ずらすようにしてもよい。発進タイミングは、駐車システム1から車両5への発進指示のタイミングによって定めてもよいし、例えば各乗降領域241、251、261、271に、前述した停止標識95を設けておき、停止標識95が発進を指示するタイミングによって定めてもよい。
また、駐車システムは、ODD200内に、複数の機械式駐車設備が設けられていてもよい。
1 駐車システム
10 制御部(制御装置)
200 ODD(限定区域)
24 第1棟(建物、集合住宅)
25 第2棟(建物、集合住宅)
26 第3棟(建物、集合住宅)
27 外来者区画
241 第1乗降領域
251 第2乗降領域
261 第3乗降領域
271 第4乗降領域
273 第1バーゲート(誘導部)
274 第2バーゲート(誘導部)
311、312、313 走行路
321、322、323 走行路
331、332、333 走行路
341、342、343 走行路
5 車両
6 機械式駐車設備
600 機械式駐車設備
7 バース
72 バース内カメラ(検知装置)
73 動体検知装置(検知装置)
8 運転盤(出力部)
91 乗降領域カメラ(情報取得部)
92 区域内カメラ(情報取得部)
93 バース前カメラ(情報取得部)
94 誘導標識(誘導部)
95 停止標識(誘導部)
96 第1通信部(情報提供部)
97 誘導データベース(情報提供部)

Claims (15)

  1. 特定の車両が自律運転可能な限定区域内に設けられた複数の乗降領域であって、それぞれ利用者が車両に乗降するための乗降領域と、
    前記限定区域内に設けられかつ、前記車両を駐車する機械式駐車設備と、
    前記限定区域の地図データを、前記車両に提供する情報提供部と、
    前記限定区域内に存在している前記車両の位置情報を取得する情報取得部と、
    前記車両を誘導する誘導部と、を備え、
    前記限定区域内には、複数の乗降領域のそれぞれと前記機械式駐車設備との間で、前記車両が自律運転する走行路がそれぞれ設けられ、
    入庫時に、前記乗降領域において利用者が降車した車両は、前記地図データに基づいて前記走行路を通って前記機械式駐車設備まで自律運転しかつ、前記機械式駐車設備に入庫され、
    出庫時に、前記機械式駐車設備から出庫された車両は、前記地図データに基づいて前記走行路を通って指定された前記乗降領域まで自律運転し、
    前記誘導部は、入庫時に、少なくとも前記車両の位置情報に基づいて、複数の車両が前記機械式駐車設備に到着するタイミングがずれるよう、前記車両の進路を誘導する
    駐車システム。
  2. 特定の車両が自律運転可能な限定区域内に設けられた複数の乗降領域であって、それぞれ利用者が車両に乗降するための乗降領域と、
    前記限定区域内に設けられかつ、前記車両を駐車する機械式駐車設備と、
    前記限定区域の地図データを、前記車両に提供する情報提供部と、
    前記車両を誘導する誘導部と、を備え、
    前記限定区域内には、複数の乗降領域のそれぞれと前記機械式駐車設備との間で、前記車両が自律運転する走行路がそれぞれ設けられ、
    入庫時に、前記乗降領域において利用者が降車した車両は、前記地図データに基づいて前記走行路を通って前記機械式駐車設備まで自律運転しかつ、前記機械式駐車設備に入庫され、
    出庫時に、前記機械式駐車設備から出庫された車両は、前記地図データに基づいて前記走行路を通って指定された前記乗降領域まで自律運転し、
    前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、建物に併設されかつ、前記建物の利用者が乗降し、
    前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、前記限定区域内でかつ前記建物の敷地外に設けられかつ、前記建物の利用者以外が乗降する外来者乗降領域であり、
    前記誘導部は、前記外来者乗降領域において乗員が降車した後、自律運転する車両が前記外来者乗降領域から前記敷地へ進入することを許可する
    駐車システム。
  3. 請求項1又は2に記載の駐車システムにおいて、
    前記複数の乗降領域の内の少なくとも一の乗降領域と、前記機械式駐車設備との間には、前記走行路が複数設けられ、
    前記車両は、複数の走行路の内のいずれか一の走行路を自律運転する
    駐車システム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の駐車システムにおいて、
    前記情報提供部は、前記限定区域内の前記走行路の情報を、前記車両に提供する
    駐車システム。
  5. 請求項4に記載の駐車システムにおいて、
    前記複数の乗降領域の内の少なくとも一の乗降領域と、前記機械式駐車設備との間には、前記走行路が複数設けられ、
    前記情報提供部は、複数の走行路の内のいずれか一の走行路の情報を、前記車両に提供する
    駐車システム。
  6. 請求項に記載の駐車システムにおいて、
    前記限定区域内に存在している前記車両の位置情報を取得する情報取得部を備えている駐車システム。
  7. 請求項1又は6に記載の駐車システムにおいて、
    前記情報取得部が取得した前記車両の現在地情報を、当該車両に提供する位置情報提供部を備えている
    駐車システム。
  8. 請求項1又は2に記載の駐車システムにおいて、
    前記誘導部は、停止、発進及び進行方向を前記車両に提示する標識、又は、前記車両の通行及び停止を切り替えるゲートである
    駐車システム。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の駐車システムにおいて、
    前記利用者の操作に基づいて、前記複数の乗降領域の内の一の乗降領域の指定を含んだ出庫信号を出力する出力部と、
    前記出力部からの出庫信号を受けて、前記機械式駐車設備から出庫された前記車両に、指定された乗降領域への発進を指示する指示部と、を備える
    駐車システム。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の駐車システムにおいて、
    前記機械式駐車設備には、前記車両が入庫を待機するためのバースが併設され、
    前記バースには、入庫前の前記車両内が無人であることを検知する検知装置が設けられている
    駐車システム。
  11. 請求項10に記載の駐車システムにおいて、
    前記機械式駐車設備は、前記検知装置が有人であることを検知した場合には、前記車両の入庫を禁止する
    駐車システム。
  12. 請求項に記載の駐車システムにおいて、
    前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、建物に併設されかつ、前記建物の利用者が乗降し、
    前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、前記建物から離れて設けられかつ、前記建物の利用者以外が乗降する
    駐車システム。
  13. 請求項12に記載の駐車システムにおいて、
    前記建物は、集合住宅であり、
    前記利用者は、前記集合住宅の居住者を含み、
    前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、前記限定区域の周縁部に設けられかつ、前記集合住宅の居住者以外の利用者が乗降する
    駐車システム。
  14. 特定の車両が自律運転可能な限定区域における駐車システムの制御装置であって、
    前記限定区域に設けられた機械式駐車設備と、
    前記機械式駐車設備への前記車両の入庫、及び、前記機械式駐車設備からの前記車両の出庫を制御する制御部と、
    前記限定区域の地図データを、前記車両に提供する情報提供部と、
    前記限定区域内に存在している前記車両の位置情報を取得する情報取得部と、
    前記車両を誘導する誘導部と、を備え
    前記制御部は、
    入庫時に、前記限定区域内に複数設けられた乗降領域において利用者が前記車両から降車した後、前記車両が、前記地図データに基づいてそれぞれの乗降領域と前記機械式駐車設備との間の走行路を通って前記機械式駐車設備まで自律運転しかつ、前記機械式駐車設備に入庫されるよう制御すると共に、
    出庫時に、前記機械式駐車設備から車両が出庫されると共に、当該車両が、前記地図データに基づいて複数の乗降領域のうちの指定された乗降領域まで、前記走行路を通って自律運転するよう制御し、
    前記誘導部は、入庫時に、少なくとも前記車両の位置情報に基づいて、複数の車両が前記機械式駐車設備に到着するタイミングがずれるよう、前記車両の進路を誘導する駐車システムの制御装置。
  15. 特定の車両が自律運転可能な限定区域における駐車システムの制御装置であって、
    前記限定区域に設けられた機械式駐車設備と、
    前記機械式駐車設備への前記車両の入庫、及び、前記機械式駐車設備からの前記車両の出庫を制御する制御部と、
    前記限定区域の地図データを、前記車両に提供する情報提供部と、
    前記車両を誘導する誘導部と、を備え、
    前記制御部は、
    入庫時に、前記限定区域内に複数設けられた乗降領域において利用者が前記車両から降車した後、前記車両が、前記地図データに基づいてそれぞれの乗降領域と前記機械式駐車設備との間の走行路を通って前記機械式駐車設備まで自律運転しかつ、前記機械式駐車設備に入庫されるよう制御すると共に、
    出庫時に、前記機械式駐車設備から車両が出庫されると共に、当該車両が、前記地図データに基づいて複数の乗降領域のうちの指定された乗降領域まで、前記走行路を通って自律運転するよう制御し、
    前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、建物に併設されかつ、前記建物の利用者が乗降し、
    前記複数の乗降領域の内の少なくとも一は、前記限定区域内でかつ前記建物の敷地外に設けられかつ、前記建物の利用者以外が乗降する外来者乗降領域であり、
    前記誘導部は、前記外来者乗降領域において乗員が降車した後、自律運転する車両が前記外来者乗降領域から前記敷地へ進入することを許可する駐車システムの制御装置。
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