JP7430354B1 - 落口枡用取付部材及び落口枡 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で水位調節及び排水量調節を行うことと、これらの調節の際に生じ得る水漏れを防ぐこととを両立することで、農作業に係る労力を低減すること。【解決手段】本発明の落口枡用取付部材3は、水田又は農地の排水側に設置され、排水路に連通する貫通孔2bを含む貫通面2aを有する落口枡本体2の貫通面2aに対して略平行又は傾斜方向に着脱可能であり、開口311を含む開口面31aを有する本体部31と開口面31aに対して略平行に設置可能であり、開口311の一部又は全部を塞ぐことが可能な閉塞部材32とを備え、開口311は、本体部31の中央に対して一側31bに位置し、本体部31の一側31bが鉛直上方に位置するよう落口枡本体2に取り付けることで水位調節状態にし、本体部31の一側31bが鉛直下方に位置するよう落口枡本体2に取り付けることで落水状態にすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、落口枡用取付部材及び落口枡に関する。
農作業では、落口枡に水位調節板を取り付け、農地又は水田等の水位を調節することが行われる。また、落口枡に排水量調節装置を取り付け、水田等からの排水に起因する豪雨時における湛水被害のリスクを低減することが行われる。
これら水位調節及び排水量調節は、特に高齢の農業従事者にとって多大な労力となり得る。労力軽減の観点から、特許文献1は、排水穴を有する後板及び一対の側板を底板に平面視で略冂字状に立設してなる桝本体と、該桝本体内の前方下部側に配設した受圧板と、該受圧板に面接触した状態で前記桝本体内に高さを可変に、かつ嵌脱可能に配設した水位調整板と、該水位調整板より背高で、下部側に前記排水穴より小径の放水穴を設けた平板からなり、前記後板と水位調整板との間に位置して前記桝本体に昇降可能に配設したダム板と、該ダム板と前記桝本体との間に連結し、ダム板の高さ設定を可能にするダム板支持体とから構成してなる水田用水位調整装置を提案する。特許文献1によれば、水田の水を迅速に大量に放出でき、また風圧によってダム板が転倒する事態も解消し、かつ、ダム板の紛失や盗難を防止し得る。
ところで、水位調節板は、通常、落口枡に設けられた溝を介して取り付けられる。この場合、水位調節板の厚みは、溝の幅によって制限される。
特許文献1の水田用水位調整装置が備える水位調節板は、受圧板に面接触した状態で桝本体内に高さを可変に、かつ嵌脱可能に配設可能である。すなわち、水位調節板は、受圧板に面接触した状態でスライド可能である。そのため、既存の落口枡に各種の部材を後付けして特許文献1の水田用水位調整装置を構成する場合、受圧板及び水位調節板のそれぞれが落口枡に取り付け可能な水位調整板のうち最も厚い板の厚さの約半分又はそれ未満の厚さの比較的薄い板として構成されるものと考えられる。
特開2019-060092号公報
しかしながら、水位調整板の厚さが薄いと、使用の際に水圧で湾曲し得る。そのため、湾曲によって生じた隙間から水漏れが生じ得る。水漏れ対策として、隙間に泥土を押し付ける等が考えられるが、板厚が薄いと、泥土を押し付けることで水位調節板がさらに湾曲し、さらなる隙間が生じることが懸念される。この隙間は、水漏れの原因となり得る。
また、特許文献1の水田用水位調整装置は、水田ダム化機能を実現すべく、受圧板及び水位調整板に加えてダム板及びダム板支持体をも有する。そのため、調整装置は、部品点数が比較的多い複雑な構成となっており、農業従事者にとって管理の負担増となり得る。部品点数を減らす方策として、ダム板及びダム板支持体等を別体に構成することが考えられる。しかしながら、そのように別体に構成したとしても、そのような装置では、水位調節から排水量調節に切り替える際に、倉庫等から排水量調節のための部材等を逐一運び出し、取り外した水位調整のための部材等を倉庫等へ運び込むことを要する。そのため、農業従事者にとって管理の負担増であることに変わりはない。
本発明の目的は、簡易な構成で水位調節及び排水量調節を行うことと、これらの調節の際に生じ得る水漏れを防ぐこととを両立することで、農作業に係る労力を低減することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、落口枡に着脱可能な本体部の中央に対して一側に閉塞部材によって塞ぐことが可能な開口を設け、落口枡に取り付けるときの該一側の位置によって水位調節状態と落水状態とを切り替えることができるよう落口枡用取付部材を構成することによって、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
第1の特徴に係る発明は、水田又は農地の排水側に設置され、排水路に連通する貫通孔を含む貫通面を有する落口枡の前記貫通面に対して略平行又は傾斜方向に着脱可能であり、開口を含む開口面を有する本体部と、前記開口面に対して略平行に設置可能であり、前記開口の一部又は全部を塞ぐことが可能な閉塞部材とを備え、前記開口は、前記本体部の中央に対して一側に位置し、前記本体部の前記一側が鉛直上方に位置するよう前記落口枡に取り付けることで水位調節状態にし、前記本体部の前記一側が鉛直下方に位置するよう前記落口枡に取り付けることで落水状態にすることができる、落口枡用取付部材を提供する。
第1の特徴に係る発明は、本体部の中央に対して一側に位置する開口を有する。これにより、本体部の一側が鉛直上方に位置するよう落口枡に取り付けられた水位調節状態では、開口が本体部の鉛直上方となる。よって、水田又は農地の水位は、本体部の鉛直上方にある開口の下端の高さ程度の比較的高い水位に調節される。
また、上述の開口の位置により、本体部の一側が鉛直下方に位置するよう落口枡に取り付けられた落水状態では、開口が本体部の鉛直下方となる。これにより、水田又は農地の水は、本体部の鉛直下方にある開口の下端の高さ程度の比較的低い水位であっても、開口を通じて排水される。
そして、第1の特徴に係る発明では、本体部が落口枡の貫通面に対して略平行又は傾斜方向に着脱可能であるため、水位調節状態と落水状態との切り替えは、落口枡用取付部材を落口枡から取り外し、所望の状態で落口枡に取り付ければ足りる。この作業は、水位調節のための部材及び/又は落水のための部材等を落口枡の場所と倉庫等との間で逐一運搬する煩雑な作業を必要としない。
また、第1の特徴に係る発明は、開口面に対して略平行に設置可能であり、開口の一部又は全部を塞ぐことが可能な閉塞部材を備えるため、水位調整及び/又は落水における排水量を調節できる。
加えて、第1の特徴に係る発明の本体部は、排水量を調節可能な閉塞部材と別体に備えられ、特許文献1のような受圧板に面接触した状態でスライド可能な水位調節板でないため、落口枡に取り付け可能な水位調整板のうち最も厚いものと略同じ厚みになるよう構成できる。これにより、本体部が水圧等で湾曲することが防がれ得る。したがって、水位調節及び排水量調節における水漏れに対応する作業が減り得る。
そして、第1の特徴に係る発明は、少ない部品点数で構成された1つの落口枡用取付部材で水位調節と排水量調節とを両立できる。これにより、農業従事者は、部品点数が多い複雑な装置を利用及び管理する労力を費やすことなく、水位調節及び排水量調節のうち所望の調節を行える。
よって、第1の特徴に係る発明は、簡易な構成の1つの部材によって水位調節及び排水量調節を行うことと、水位調節及び排水量調節における水漏れに対応する作業を減らすこととを両立し、農作業に係る労力を低減できる。
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記開口面に沿って前記閉塞部材をスライドすることで開状態にある前記開口の面積を調節可能なスライド機構をさらに備える、落口枡用取付部材を提供する。
第2の特徴に係る発明は、スライド機構を介した閉塞部材のスライドによって開口の面積を調節できる。これにより、第2の特徴に係る発明は、閉塞部材をスライドさせる簡易な操作によって、さらなる排水量調節を実現できる。
よって、第2の特徴に係る発明は、簡易な構成の1つの部材によって水位調節及び排水量調節を行うことと、水位調節及び排水量調節における水漏れに対応する作業を減らすこととを両立し、農作業に係る労力を低減できる。
第3の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明であって、前記スライド機構は、前記開口の全部を塞ぐ位置で前記閉塞部材を係止可能な係止機構と、前記閉塞部材を係止した状態での前記閉塞部材の外周上の点であり前記開口の中心よりも前記本体部の中心に近い位置にある支点を中心として前記閉塞部材を回動可能な回動機構とを有する、落口枡用取付部材を提供する。
第3の特徴に係る発明は、係止機構により、開口の全部を塞ぐ位置で閉塞部材を係止できる。これにより、閉塞部材が動く等して意図されない排水が行われることが防がれ得る。これにより、農業従事者が意図されない排水に対応する労力が低減され得る。
また、第3の特徴に係る発明の閉塞部材は、支点を中心に回動させることにより、開口のうち、本体部の中心に近い側の一部を塞ぐことができる。すなわち、水位調節状態において、閉塞部材は、開口の鉛直下方側の一部を塞ぐことができる。これにより、第3の特徴に係る発明は、閉塞部材を回動させる簡易な操作によって、水位調節状態における開口の下端と異なる高さに水位を調節できる。
水位調節状態とは逆に、落水状態において、閉塞部材は、開口の鉛直上方側の一部を塞ぐことができる。これにより、第3の特徴に係る発明は、閉塞部材を回動させる簡易な操作によって落水状態における排水量を調節することと、開口の下端程度の低い水位であっても排水を続けることとを両立できる。
よって、第3の特徴に係る発明は、簡易な構成の1つの部材によって水位調節及び排水量調節を行うことと、水位調節及び排水量調節における水漏れに対応する作業を減らすこととを両立し、農作業に係る労力を低減できる。
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴から第3の特徴のいずれかに係る発明であって、前記閉塞部材は、前記開口面の一方のみに設けられ、他方の前記開口面には前記閉塞部材が設けられていない、落口枡用取付部材を提供する。
第4の特徴に係る発明の落口枡用取付部材は、閉塞部材が設けられた開口面が落口枡の水田又は農地の側になるよう、落口枡に取り付けることができる。これにより、閉塞部材は、水田又は農地の側から貫通孔へと流れる水の水圧によって本体部に押し付けられ、本体部と密着し得る。これにより、水位調節及び排水量調節における水漏れが低減され得る。
また、水圧によって本体部に押し付けられた閉塞部材は、開口を塞がない状態、開口の一部を塞いだ状態、又は開口の全部を塞いだ状態で固定され得る。これにより、固定されていない閉塞部材が動き、閉塞部材の状態が変化することが防がれ得る。よって、閉塞部材の状態の変化に応じて閉塞部材を所望の状態に逐一戻す手間が省かれ得る。
よって、第4の特徴に係る発明は、簡易な構成の1つの部材によって水位調節及び排水量調節を行うことと、水位調節及び排水量調節における水漏れに対応する作業を減らすこととを両立し、農作業に係る労力を低減できる。
第5の特徴に係る発明は、水田又は農地の排水側に設置され、排水路に連通する貫通孔を含む貫通面を有する落口枡本体と、第1の特徴から第4の特徴のいずれかに係る発明の落口枡用取付部材とを含んで構成される、落口枡を提供する。
第5の特徴に係る発明によれば、落口枡用取付部材を落口枡から取り外し、所望の状態で落口枡に取り付ける比較的簡単な作業によって、落口枡の状態を水位調節状態又は落水状態の状態に切り替えることができる。
また、第5の特徴に係る発明によれば、落口枡用取付部材の本体部が落口枡に取り付け可能な水位調整板のうち最も厚いものと略同じ厚みになるよう構成できるため、本体部が水圧等で湾曲することが防がれ得る。したがって、水位調節及び排水量調節における水漏れに対応する作業が減り得る。
加えて、第5の特徴に係る発明によれば、水枡用取付部材が少ない部品点数の簡易な構造であることにより、農業従事者は、部品点数が多い複雑な装置を利用及び管理する労力を費やすことなく、水位調節及び排水量調節を行える。
よって、第5の特徴に係る発明は、簡易な構成の1つの部材によって水位調節及び排水量調節を行うことと、水位調節及び排水量調節における水漏れに対応する作業を減らすこととを両立し、農作業に係る労力を低減できる。
本発明は、簡易な構成の1つの部材によって水位調節及び排水量調節を行うことと、水位調節及び排水量調節における水漏れに対応する作業を減らすこととを両立し、農作業に係る労力を低減できる。
図1は、落口枡用取付部材3が水位調節状態で取り付けられた落口枡1の概略を示す図である。 図2は、落口枡用取付部材3を正面から見たときの概略を示す図である。 図3は、落口枡用取付部材3が落水状態で取り付けられた落口枡1を示す図である。 図4は、開口311の下端より高い水位に調節するときの落口枡1の概略を示す図である。 図5は、排水量を絞って落水するときの落口枡1の概略を示す図である。 図6は、サイズ変更部材5の一例を示す図である。
以下は、本発明を実施するための好適な形態の一例について、図を参照しながら説明するものである。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
<落口枡1>
図1は、落口枡用取付部材3が水位調節状態で取り付けられた落口枡1の概略を示す図である。落口枡1は、水田又は農地(農地等)の排水側に設置され、落口枡本体2と、落口枡用取付部材3とを含んで構成される。
〔落口枡本体2〕
落口枡本体2は、排水路に連通する貫通孔2bを含む貫通面2aを有する。貫通孔2bの下端は、貫通面2aの下端と略一致していることが好ましい。すなわち、貫通孔2bの下端は、落口枡本体2の内側における底面と略一致していることが好ましい。これにより、貫通孔2bを介しての排水がより確実に行われる。
落口枡本体2の大きさは、特に限定されず、畔高及び/又は水切り深さ等に応じた適宜の大きさでよい。落口枡本体2は、溝2cによって例示される、本実施形態の落口枡用取付部材3及び従来技術の水位調節板等の各種板状部材を貫通面2aに対して略平行又は傾斜方向に着脱可能な取付機構を有する。溝2c等の取付機構を介して各種板状部材を取り付けることにより、水位調節等が行われる。
〔落口枡用取付部材3〕
図2は、落口枡用取付部材3を正面から見たときの概略を示す図である。落口枡用取付部材3は、本体部31と、閉塞部材32とを少なくとも備える。
[本体部31]
本体部31は、上述の落口枡本体2の貫通面2aに対して略平行又は傾斜方向に着脱可能であり、開口311を含む開口面31aを有する。開口311は、本体部31の中央に対して一側31bに位置する。このような構成により、本体部31は、後述する水位調節状態及び落水状態を切り替えて取り付け可能となる。
図1に戻る。図1において、落口枡用取付部材3は、本体部31の一側31bが鉛直上方に位置するよう落口枡本体2に取り付けられた水位調節状態である。水位調節状態の落口枡用取付部材3は、本体部31の鉛直上方にある開口311の下端の高さ程度の比較的高い水位に農地等の水位を調節できる。
図3は、落口枡用取付部材3が落水状態で取り付けられた落口枡1を示す図である。上述の開口311の位置により、本体部31の一側31bが鉛直下方に位置するよう落口枡本体2に取り付けられた落水状態では、開口311が本体部31の鉛直下方となる。これにより、農地等の水は、本体部31の鉛直下方にある開口311の下端の高さ程度の比較的低い水位であっても、開口311を通じて排水される。
本体部31が落口枡本体2の貫通面2aに対して略平行又は傾斜方向に着脱可能であるため、水位調節状態と落水状態との切り替えは、落口枡用取付部材3を落口枡本体2から取り外し、所望の状態で落口枡本体2に取り付ければ足りる。この作業は、水位調節のための部材及び/又は落水のための部材等を落口枡の場所と倉庫等との間で逐一運搬する煩雑な作業を必要としない。
本体部31の材質は、特に限定されない。本体部31の材質は、例えば、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂、木、コンクリート、金属等でよい。なかでも、本体部31の材質は、ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂等によって例示される耐水性を有する比較的廉価な合成樹脂であることが好ましい。これにより、本体部31は、耐水性があり、軽量かつ費用対効果に優れたものとなり得る。
溝2cを介して水位調節状態で落口枡本体2に取り付けられた一側31bは、溝2cの上端と略一致することが好ましい(図1)。すなわち、本体部31の一側31bを上にしたときの高さは、落口枡本体2に設けられた溝2cの上端から下端までの長さと略一致することが好ましい。これにより、畔高及び/又は水切り深さ等に応じた適宜の大きさに構成された落口枡本体2に取り付けられた場合において、落口枡用取付部材3は、水位を当該畔高及び/又は当該水切り深さに調節できる。
本体部31の厚みは、溝2cを介して取り付け可能な最も厚い板の厚みの60%以上であることが好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。これにより、本体部31が農地等の側から本体部31の側への水圧等で湾曲することが防がれ得る。したがって、水位調節及び排水量調節における水漏れに対応する作業が減り得る。本実施形態の落口枡用取付部材3は、スライド可能に構成された複数の板を組み合わせた部材でないため、このような厚くて頑丈な構成にし得る。
本体部31は、一側31b又は一側31bと対向する他側に後述するサイズ変更部材5と嵌合可能な嵌合部(例えば、図6の第1嵌合部31f及び第2嵌合部31g)を有することが好ましい。これにより、サイズ変更部材5によって本体部31のサイズを変更した場合における水漏れが低減される。なお、図6では、第1嵌合部31fを凸状の形状、第2嵌合部31gを凹状の形状であるものとしてそれぞれ示しているが、逆に第1嵌合部31fを凹状の形状、第2嵌合部31gを凸状の形状でも良い。又、第1嵌合部31f及び第2嵌合部31gの両方を凹状及び凸状の形状にしても良い。又、本体部31とサイズ変更部材5の分離が不要であれば嵌合部周辺からの水漏れをさらに低減すべく嵌合部を接着剤・防水テープ・ネジ等を使用して一体化しても良い。
第1嵌合部31f、第2嵌合部31gは、摩耗耐性の高い材質で構成されていても良い。該材質として、例えば、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。
開口311は、一側31bに最も近い部分から一側31bまでの距離が80mm以下であることが好ましく、60mm以下であることがより好ましい。これにより、農地等の水位が上述の距離に対応する低い水位であっても、排水が好適に行われる。開口311は、一側31bに最も近い部分から一側31bまでの距離が20mm以上であることが好ましく、40mm以上であることがより好ましい。これにより、農業従事者等が嫌う土砂流出が防止される。
開口311は、一側31bの一端31dからの距離が他端31eからの距離より大きくなるよう構成されることが好ましい(図2)。すなわち、水位調節状態又は落水状態の落口枡用取付部材3を開口面31aに垂直な向きから正面視した場合において、開口面31aの左右いずれかに偏るよう開口311が設けられていることが好ましい(図1、図3)。これにより、開状態の開口311の一端31d側の領域の一部又は全部が、開状態の閉塞部材32を配する領域として利用可能となる(図2)。
開口311の形状は、特に限定されず、略円形、略楕円形、略菱形、略台形、略矩形等の各種形状でよい。開口311の形状は、なかでも、略円形、略楕円形、菱形、及び台形等によって例示される、開口311のうち本体部31の中央側端部が中央側から一側31bに向けて広がる形状であることが好ましい。これにより、落口枡用取付部材3は、水位調節状態において、水位が開口311の下端に近づくにつれて排水量が減るよう水位を調節できる。開口311の形状は、略円形であることがより好ましい。これにより、農地等から排水される水の表面近くにある浮遊物が開口311の角に引っ掛かり、開口311を詰まらせることが防がれ得る。
製造に係る労力を低減する場合、開口311の形状は、略円形の中でも、外周が円の内部に含まれない形状であることが好ましい(図1)。これにより、ホールソー等の円形の穴を開ける器具を用いた比較的簡便な加工によって本体部31が製造され得る。また、水位調節の精度をさらに高める場合、開口311の形状は、略円形の中でも、一側31bを上にして見たときに円の左右が欠けており、欠けた部分がそれぞれ上下方向に略直線状の部分を構成する略欠円形であることがさらに好ましい(図2)。これにより、曲線部分において浮遊物が引っかかることが防がれるとともに、水位が略直線状の部分に相当する場合の排水量が略一定となり、水位調節の精度が高められ得る。
[閉塞部材32]
閉塞部材32は、開口面31aに対して略平行に設置可能であり、開口311の一部又は全部を塞ぐことが可能な部材である。閉塞部材32は、水位調整及び/又は落水における排水量を調節できる。閉塞部材32の材質は、本体部31と同様でよい。
閉塞部材32は、一方の開口面(開口面31a)のみに設けられ、他方の開口面(図示せず)には設けられないことが好ましい。これにより、落口枡用取付部材3は、閉塞部材32が設けられた開口面31aが落口枡1の農地等の側になるよう、落口枡本体2に取り付けることができる。また、これにより、閉塞部材32は、農地等の側から貫通孔2bへと流れる水の水圧によって本体部31に押し付けられ、本体部31と密着し得る。よって、水位調節及び排水量調節における水漏れが低減され得る。
また、農地等の側から本体部31の側にかかる水圧によって本体部31に押し付けられた閉塞部材32は、開口311を塞がない全開状態、開口311の一部を塞いだ開状態、又は開口311の全部を塞いだ閉状態等でよりいっそう固定され得る。これにより、固定されていない閉塞部材32が動き、閉塞部材32の状態が変化することがよりいっそう防がれ得る。よって、閉塞部材32の状態の変化に応じて閉塞部材32を所望の状態に逐一戻す手間がよりいっそう省かれ得る。
閉塞部材32の形状は、開口311の一部又は全部を塞ぐことが可能であれば、特に限定されない。開口311が略円形である場合、閉塞部材32の形状は、同様に略円形であることが好ましい。これにより、閉塞部材32のうち、開口311の全部を塞いだ状態において開口311の外側となる余白部分を最小限にするよう、閉塞部材32が構成される。開口311がその他の形状である場合も同様に、閉塞部材32の形状を開口311と同様の形状にすることにより、余白部分を最小限にできる。
閉塞部材32は、手で持つことにより、及び/又は、後述の操作手段4、長い柄がついた器具等で操作することにより、閉塞部材32を動かすことが可能な把持機構32aを有することが好ましい。把持機構32aは、例えば、閉塞部材32の開口面31aと異なる側に設けられた突起、ツマミ等である。これにより、農業従事者等は、後述のスライド機構33を用いた閉塞部材32のスライドを容易に行える。
[スライド機構33]
落口枡用取付部材3は、開口面31aに沿って閉塞部材32をスライドすることで開状態にある開口311の面積を調節可能なスライド機構33を備えることが好ましい。これにより、開口311の面積が調節可能となる。よって、農業従事者は、閉塞部材32をスライドさせる簡易な操作によって、さらなる排水量調節を実現できる。
スライド機構33は、特に限定されない。スライド機構33は、係止機構331と回動機構332と有することが好ましい。係止機構331は、開口311の全部を塞ぐ位置で閉塞部材32を係止可能な機構である。回動機構332は、閉塞部材32を係止した状態での閉塞部材32の外周上の点であり、開口311の中心よりも本体部31の中心31cに近い位置にある支点を中心として閉塞部材32を回動可能な機構である。
開口311及び閉塞部材32が略円形であり、一側31bの一端31dからの距離が他端31eからの距離より大きくなるよう構成される場合、上述の支点は、開口311の中心から見た向きが開口311の中心から一側31bに向かう向きに対して90°乃至150°の範囲であり、かつ、開口311の中心より一端31dに近い位置に設けられることが好ましい。
支点と一端31dとが上述の位置関係であり、かつ、支点を開口311の中心から見た向きが90°以上であることにより、水位調節状態において水位を比較的低くする場合における閉塞部材32の上側を水平に近づけることができる。これにより、水位を比較的低くする場合における水位調節の精度が高まり得る。また、支点と一端31dとが上述の位置関係であり、かつ、支点を開口311の中心から見た向きが150°以下であることにより、水位調節状態において水位を比較的高くする場合における閉塞部材32の上側を水平に近づけることができる。これにより、水位を比較的高くする場合における水位調節の精度が高まり得る。
なかでも、支点の位置は、開口311の中心から見た向きが開口311の中心から一側31bに向かう向きに対して105°乃至135°であり、かつ、開口311の中心より一端31dに近い位置に設けられることが特に好ましい(図1)。これにより、水位を比較的低くする場合における精度と、水位を比較的高くする場合における精度とがよりいっそう両立され得る。
係止機構331は、特に限定されず、例えば、突起等で構成されたストッパでよい。回動機構332は、特に限定されず、例えば、閉塞部材32に設けられた孔にボルト等を用いて構成された回動軸を通したものでよい。係止機構331は、開口311の全部を塞ぐ位置で閉塞部材32を係止できる。これにより、閉塞部材32が重力、水の力等で動いて意図されない排水が行われることが防がれ得る。よって、農業従事者が意図されない排水に対応する労力が低減され得る。
回動機構332は、回動軸を介して閉塞部材32に力を加え、閉塞部材32と本体部31との間に摩擦を生じさせることが可能な固定具を含むことが好ましい。これにより、回動機構332は、開状態にある開口311の面積を調節した状態でその位置を略固定できる。
このような固定具として、例えば、ダブルナットと、スプリングワッシャーとを組み合せたもの等のばね力を用いた固定具が挙げられる。2つのナットを重ねたダブルナットの本体部31に近い側にスプリングワッシャーを配設することにより、スプリングワッシャーは、閉塞部材32を本体部31に押し付ける。よって、閉塞部材32と、本体部31との間に摩擦が生じ、閉塞部材32が任意の状態でその位置を略固定可能となる。ダブルナットを用いるため、スプリングワッシャーがダブルナットを本体部31から離れる方向に押し付けても、ナットの緩みが防がれる。
スライド機構33の材質は、耐水性があるものであれば、特に限定されない。スライド機構33の材質は、例えば、耐水性を有する各種の合成樹脂、ステンレス鋼等でよい。
スライド機構33は、閉状態の閉塞部材32が本体部31から離れる向きに動くことを防ぐ動き防止機構333をさらに含むことが好ましい。これにより、閉状態の閉塞部材32が本体部31から離れて水漏れが生じることが防がれる。動き防止機構333は、例えば、閉状態の閉塞部材32の外周の一部を閉塞部材32から見て本体部31と異なる側から覆うことが可能なカバー、ガード等でよい(図2)。
〔操作手段4〕
必須の態様ではないが、落口枡1は、把持機構32aを操作可能な操作手段4(アシスト器具)をさらに含んで構成されることが好ましい。操作手段として、例えば、細長い操作手段本体41の中央41aより一端41bに近い位置に把持機構32aを通すことが可能な把持穴42が設けられ、中央41aより他端41cに近い位置の少なくとも一部が把持可能に構成された柄状部材が挙げられる(図3)。
これにより、農業従事者等は、深く屈んで把持機構32aを操作する労力を費やすことなく、把持穴42に把持機構32aを引っかけて、把持機構32aを操作できる。操作手段本体41は、より好ましくは、略板状で板の面の側から見たときの長手方向の長さが短手方向の長さの3倍以上であることが好ましい。これにより、操作手段本体41の製造及び保管が容易となり得る。
操作手段4の長手方向の長さは、特に限定されず、例えば、50乃至100cmでよい。これにより、保管・運搬を容易にすることと、把持機構32aを容易に操作することとが両立され得る。操作手段4の材質は、特に限定されない。該材質は、例えば、アルミニウム/アルミニウム合金によって例示される、軽量かつ耐久性及び費用対効果に優れた材質でよい。
〔サイズ変更部材5〕
図6は、サイズ変更部材5の一例を示す図である。落口枡1は、落口枡用取付部材3の本体部31のサイズを変更可能なサイズ変更部材5(「ベンチ」とも称される。)を含んで構成されても良い。サイズ変更部材5は、落口枡用取付部材3のサイズを変更可能であれば特に限定されず、例えば、本体部31の一側31b又は他側に取り付けて本体部31の一側31bから他側への長さを変更可能な板状部材でよい。これにより、落口枡用取付部材3の本体部31のサイズは、所望のサイズに合わせて変更可能となる。所望のサイズとして、例えば、希望する畔高、落水状態において開口311の下端に期待する高さ、落口枡本体2のサイズ、溝2cの長さ等に対応するサイズが挙げられる。
サイズ変更部材5は、一側31b又は他側に1つを取り付けて用いてもよく、2つ以上を組合せて用いてもよい。2つ以上を組合せて用いることにより、より柔軟なサイズ変更が行われ得る。
本体部31が第1嵌合部31f及び第2嵌合部31g等の嵌合部を有する場合、サイズ変更部材5は、これらの嵌合部と嵌合可能な変更部材第1嵌合部5a、変更部材第2嵌合部5bのいずれか1以上を有することが好ましい。これにより、サイズ変更部材5を取り付けて本体部31のサイズを変更した場合における水漏れが低減される。
サイズ変更部材5の材質は、特に限定されず、落口枡用取付部材3と同様でよい。サイズ変更部材5は、変更部材第1嵌合部5a、変更部材第2嵌合部5bが摩耗耐性の高い材質で構成されていても良い。該材質として、例えば、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。
<農地等>
落口枡1が設置される農地等は、特に限定されず、イネ、ヒエ、ハス、クワイ、タロイモ、ワサビ、ヒシ、ヨウサイ、セリ、オランダガラシ等によって例示される各種農作物のいずれか1以上を栽培可能な圃場等でよい。農地等は、なかでも、水田によって例示される湛水状態でイネ等の各種農作物を栽培可能な圃場を含むことが好ましい。これにより、落口枡1は、湛水状態の圃場の水位を調節できる。また、落口枡1は、排水量を調節しながら湛水状態の圃場から排水し、急激な排水による湛水被害を防ぎつつ圃場を落水状態にできる。
<落口枡1の使用例>
以下は、本実施形態における落口枡1の使用例の説明である。以下では、農地等が水田であり、農作物がイネである場合について説明するが、農地及び農作物の組合せが異なる場合についても、水位調節状態と落水状態とを育成状況及び/又は天候等に応じて適宜に変更することで、本実施形態の落口枡1がもたらす各種の好ましい効果を得ることが可能である。
〔落口枡本体2の設置〕
落口枡本体2が設置されていない場合、農業従事者等は、農地等の排水側に落口枡本体2を設置し、貫通孔2bを排水路と連通させる。
〔水位調節状態で落口枡用取付部材3を取り付ける〕
農業従事者等は、落口枡本体2に設けられた溝2c等の取付機構を介して、開口311が鉛直上方となる水位調節状態で落口枡用取付部材3を落口枡本体2に取り付ける(図1)。このとき、落口枡用取付部材3は、閉塞部材32が落口枡1の農地等の側にある状態で取り付けられる。これにより、農地等の側から本体部31の側にかかる水圧で閉塞部材32が本体部31に押し付けられ、水位調節中の水漏れが低減される。これにより、水漏れ対応作業に労力が費やされることが防がれ得る。
[閉塞部材32を用いた水位調節]
図4は、開口311の下端より高い水位に調節するときの落口枡1の概略を示す図である。閉塞部材32は、回動機構332と協働して支点を中心に回動させることにより、開口311のうち、本体部31の中心31cに近い側の一部を塞ぐことができる。すなわち、水位調節状態において、閉塞部材32は、開口311の鉛直下方側の一部を塞ぐことができる。これにより、農業従事者は、閉塞部材32を回動させる簡易な操作によって、水位調節状態における開口311の下端と異なる高さに水位を調節できる。農業従事者等は、操作手段4等を用いて把持機構32aを操作することにより、よりいっそう容易に閉塞部材32を回動させることができる。
また、農業従事者等は、係止機構331を用いて開口311の全部を塞ぐ位置に閉塞部材32を係止し、落口枡用取付部材3の上端に水位を調節することもできる。農作物は、農地等に水が湛えられた湛水状態で栽培される。
〔中干しを行う〕
農業従事者等は、農地等を落水状態にする中干しを必要に応じて行う。中干しを始める場合、農業従事者等は、例えば、田植えの約一ヶ月後、又は、出穂の約一ヶ月前の時期に、水位調節状態の落口枡用取付部材3を落口枡本体2から取り外し、天地を入れ替えて落口枡本体2に取り付ける。これにより、落口枡用取付部材3は、開口311が鉛直下方となる落水状態で落口枡本体2に取り付けられる(図3)。
このとき、落口枡用取付部材3は、閉塞部材32が落口枡1の農地等の側にある状態で取り付けられる。これにより、水位調節状態の場合と同様に、排水中の水漏れが低減され、水漏れ対応作業に労力が費やされることが防がれ得る。また、落水状態への変更が排水量調節のための部材等を逐一倉庫等から運び出す煩雑な作業を伴わないことにより、中干しに係る労力が低減される。これにより、酸素不足となった土壌からのメタンガス排出が中干しの適切な実施を介して削減されることが見込まれ得る。温室効果ガスであるメタンガスの排出が削減されることにより、SDGs達成への寄与が見込まれ得る。
〔間断灌漑を行う〕
農業従事者等は、湛水状態と落水状態とを短期間で入れ替える間断灌漑を必要に応じて行う。間断灌漑は、例えば、間断灌漑を行う期間において、落口枡用取付部材3の状態が水位調節状態で1日、落水状態で2から3日を交互に繰り返すよう落口枡用取付部材3を管理して行う。本実施形態では、上述のとおり、水位調節状態と落水状態とを切り替えるときの労力が低減される。そのため、湛水状態と落水状態とを何度も切り替える間断灌漑における農業従事者等の労力が大幅に低減される。これにより、酸素不足となった土壌からのメタンガス排出が間断灌漑の適切な実施を介して削減されることが見込まれ得る。
〔低水位での水位調節を行う〕
農業従事者等は、閉塞部材32を操作して開口311を塞がない全開状態にした後に、水位調節状態で落口枡用取付部材3を落口枡本体2に取り付ける。これにより、農地等の水位が低水位に調節される。
〔高水位での水位調節を行う〕
農業従事者等は、係止機構331によって開口311の全部を塞ぐ閉状態の位置に閉塞部材32を係止した後に、水位調節状態で落口枡用取付部材3を落口枡本体2に取り付ける。これにより、農地等の水位が高水位に調節される。
また、上述のように閉塞部材32を係止した後に、落口枡用取付部材3が取り付けられた落口枡本体2において、落口枡本体2の鉛直上方かつ落口枡用取付部材3と落口枡本体2との間にできる開口部を板及び/又は土のう等で塞ぐことにより、農地等の水位をさらに高い水位に調節できる。
〔豪雨時の排水量調節を行う〕
台風等によって豪雨となった場合、農業従事者等は、スライド機構33を用いて開口311の面積を調節し、落水状態で落口枡用取付部材3を落口枡本体2に取り付ける。これにより、周辺及び/又は下流において農地等からの排水による湛水被害が生じることを防ぎつつ農地等からの排水を行うことができる。すなわち、田んぼダムが実現される。
図5は、排水量を絞って落水するときの落口枡1の概略を示す図である。水位調節状態とは逆に、落水状態において、閉塞部材32は、開口311の鉛直上方側の一部を塞ぐことができる。これにより、落口枡用取付部材3は、閉塞部材32を回動させる簡易な操作によって落水状態における排水量を調節することと、開口311の下端程度の低い水位であっても排水を続けることとを両立できる。
ところで、水位調節と排水量調節による田んぼダムの実現とを異なる部材で行う場合、田んぼダムのための部材等を逐一倉庫等から運び出すため、作業が煩雑となり、作業時間が長くなり得る。そのため、急に雨足が強くなる等によって作業時間が不足していると、広い農地等の全ての排水箇所で田んぼダムを実現できないことが懸念される。また、取り外した水位調節のための部材等が作業時間不足によって倉庫等に収納されることなく排水箇所の周辺にやむなく放置され、豪雨の間に破損・紛失等することが懸念される。
本実施形態では、1つの落口枡用取付部材3で水位調節と排水量調節とを行うことができるため、急な豪雨時等の作業時間が限られた状況においても、田んぼダムのための部材等を逐一倉庫等から運び出すことなく、取り外した水位調節用の部材を放置することなく、比較的短時間かつより少ない労力で田んぼダムを実現できる。
〔落水を行う〕
農業従事者等は、例えば、出穂の約30日後、イネ刈りの約10日前の時期に、落口枡用取付部材3を落水状態にする。これにより、落水が行われ、イネが乾き、登熟が完了される。また、落水により、土が乾かされ、複式収穫機(コンバイン)の走行性が安定し、イネ刈りの作業がスムーズに行われる。
以上、本発明を実施する好ましい形態の一例が説明された。なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
1 落口枡
2 落口枡本体
2a 貫通面
2b 貫通孔
2c 溝
3 落口枡用取付部材
31 本体部
31a 第1開口面
31b 一側
31c 本体部中心
31d 一端
31e 他端
31f 第1嵌合部
31g 第2嵌合部
311 開口
32 閉塞部材
32a 把持機構
33 スライド機構
331 係止機構
332 回動機構
333 動き防止機構
4 操作手段
41 操作手段本体
41a 中央
42b 一端
42c 他端
42 把持穴
5 サイズ変更部材
5a 変更部材第1嵌合部
5b 変更部材第2嵌合部

Claims (5)

  1. 水田又は農地の排水側に設置され、排水路に連通する貫通孔を含む貫通面を有する落口枡の側板の内面に形成された溝を介し、前記貫通面に対して略平行又は傾斜方向に着脱可能であり、開口を含む開口面を有する本体部と、
    前記開口面に対して略平行に設置可能であり、前記開口の一部又は全部を塞ぐことが可能な閉塞部材とを備え、
    前記開口は、前記本体部の中央に対して一側に位置し、
    前記本体部の前記一側が鉛直上方に位置するよう前記落口枡に取り付けることで水位調節状態にし、前記本体部の前記一側が鉛直下方に位置するよう前記落口枡に取り付けることで落水状態にすることができる、
    落口枡用取付部材。
  2. 前記開口面に沿って前記閉塞部材をスライドすることで開状態にある前記開口の面積を調節可能なスライド機構をさらに備える、請求項1に記載の落口枡用取付部材。
  3. 前記スライド機構は、
    前記開口の全部を塞ぐ位置で前記閉塞部材を係止可能な係止機構と、
    前記閉塞部材を係止した状態での前記閉塞部材の外周上の点であり、前記開口の中心よりも前記本体部の中心に近い位置にある支点を中心として前記閉塞部材を回動可能な回動機構とを有する、
    請求項2に記載の落口枡用取付部材。
  4. 前記閉塞部材は、前記開口面の一方のみに設けられ、他方の前記開口面には前記閉塞部材が設けられていない、請求項1に記載の落口枡用取付部材。
  5. 水田又は農地の排水側に設置され、排水路に連通する貫通孔を含む貫通面を有する落口枡本体と、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の落口枡用取付部材とを含んで構成される、落口枡。
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