JP7429961B2 - 模型船試験自動化システム - Google Patents

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Description

本発明は、水槽を利用した模型船試験の自動化システムに関する。
水槽を利用した模型船試験において、試験準備段階における喫水合わせ等は手動で行われている。模型船試験の効率向上及び省力化のためにはこれらの作業を自動化することが望まれる。
ここで、特許文献1には、多数の均一な球状ウェイトを収納するホッパと、ホッパの下端に連通され球状ウェイトを模型船に供給する供給管と、供給管から模型船へ供給される球状ウェイトの数を数えるためのカウンタと、模型船内の球状ウェイトをホッパに戻す戻し装置とを備えた模型船の喫水調整装置が開示されている。
また、特許文献2には、堅腕の下端と模型船船底との相対的堅変位又は縦曳引部材の傾斜角を検出する検出器と、検出器の検出値に基づいて縦曳引部材を水平にするように上下装置を制御する制御手段とを備えた模型船用抵抗動力計が開示されている。
また、特許文献3には、供試模型の長手方向に敷設されたガイドに沿って移動可能に配設された重錘を取付る台車と、台車をガイドに沿って移動させるためガイドの一端に配設する駆動装置と、駆動装置による移動量を台車上で測定する手段とガイドの他端に配設する供試模型船の傾斜量を測定する傾斜計と、傾斜計の計測データと予め設定した傾斜量とを比較演算してその補正値を駆動装置に指示する制御装置を備えた供試模型船のバラスティング装置が開示されている。
また、特許文献4には、模型船吊上げ手段の一端を模型船に連結し、かつ他端をプーリーの如き仲介手段を介して錘に連結し、錘の重量の調整により、模型船の喫水位置を自由に調整できるようにした模型船曳航ガイド装置におけるカウンタ・ウェイト装置が開示されている。
実開昭61-147951号公報 実開昭61-38540号公報 実開昭62-201037号公報 特開昭52-152740号公報
特許文献1は、指定重量となるようカウンタで計数しながらホッパから球状ウェイトを模型船へ供給するものであるが、指定重量を達成したとしても、模型船の船体の歪等により所望の喫水とのずれが生じる可能性がある。
また、特許文献2は、抵抗動力計に働く力の方向を常に水平とすることで抵抗試験の精度を向上させるものであるが、喫水の調整を自動で行うものではない。
また、特許文献3は、航走時において、供試模型船の傾斜を自動的に矯正するものであるが、航走開始前に喫水の調整を自動で行うものではない。
また、特許文献4は、模型船の吊上げ姿勢を実験目的に合わせて自由に調整できるようにしたものであるが、装置の構成が大掛かりであるほか、所望の喫水に自動で調整するものではない。
そこで本発明は、水槽を利用した模型船試験において、喫水の調整を自動で精度よく行うことができる模型船試験自動化システムを提供することを目的とする。
請求項1記載に対応した模型船試験自動化システムにおいては、水槽を利用した模型船試験の自動化システムであって、模型船本体と、模型船本体の喫水を設定する喫水設定手段と、模型船本体の喫水を調整する喫水調整手段と、模型船本体の喫水を検出する喫水検出手段と、喫水設定手段で設定した喫水を得るように喫水検出手段で喫水を検出して喫水調整手段を制御する制御手段とを備え、喫水の調整を自動で行うことを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、喫水の調整を自動化することで、模型船試験の特に準備の手間を削減することができ、精度の向上も可能となる。なお、自動化には自律化や無人化も含む。
請求項2記載の本発明は、喫水には、模型船本体の喫水と、模型船本体のトリム、ヒール、重心位置、慣性モーメント、排水量、及びメタセンター高さのうちの少なくとも1つとを含むことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明によれば、喫水に加えて、喫水に関連した主要項目であるトリム、ヒール、重心位置、慣性モーメント、排水量、又はメタセンター高さを制御することで、喫水そのものとともに喫水に関連した主要項目を調整して、より精度よく模型船試験を行うことができる。
請求項3記載の本発明は、喫水調整手段は、模型船本体に積み下ろし可能な、複数個のブロック型の小型ウェイトであることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明によれば、小型ウェイトの数を調整して複数配置することで、喫水を調整することができる。また、複数の小型ウェイトの配置場所と数を考慮することで、喫水に関連した主要項目を調整することも可能となる。
請求項4記載の本発明は、喫水調整手段は、模型船本体に水を出し入れ可能な、可撓性の膜体で形成された複数個のウォーターバッグであることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明によれば、ウォーターバッグに注入する水量を制御することで、喫水を調整することができる。また、複数のウォーターバッグの配置場所と水量を考慮することで、喫水に関連した主要項目を調整することも可能となる。
請求項5記載の本発明は、喫水調整手段は、模型船本体に搭載された、船長方向、船幅方向、及び上下方向の少なくとも1方向に移動が可能なウェイトであることを特徴とする。
請求項5に記載の本発明によれば、それぞれの方向のウェイトの位置を変更することにより、喫水に関連した主要項目を調整することができる。
請求項6記載の本発明は、制御手段は、喫水設定手段の喫水の設定に従って、模型船本体への荷重の配分を計算して喫水調整手段を制御することを特徴とする。
請求項6に記載の本発明によれば、喫水調整手段の配置等がより適切なものとなり喫水や喫水に関連した主要項目の調整精度が向上する。また、模型船本体に歪が生じている場合に、歪を考慮して荷重の配分を計算することで、喫水や喫水に関連した主要項目の調整が的確にできる。
請求項7記載の本発明は、喫水検出手段は、模型船本体に高さ方向に設けられたチューブと、チューブの内部圧力を検出する圧力検出器とからなることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明によれば、圧力検出器で検出された内部圧力に基づいて水位を算出し、喫水や喫水に関連した主要項目をリアルタイムに検出することができる。
請求項8記載の本発明は、喫水検出手段は、模型船本体の船側に設けた水位を検出する電極であることを特徴とする。
請求項8に記載の本発明によれば、電極の浸漬状態に基づいて検出された水位から喫水や喫水に関連した主要項目をリアルタイムに検出することができる。
請求項9記載の本発明は、喫水検出手段は、模型船本体の船側に設けたマーカーと模型船本体を撮像する撮像手段とからなることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明によれば、マーカーの位置は一定であるため、撮像手段により撮像したマーカーを基に喫水や喫水に関連した主要項目をリアルタイムに検出することができる。
請求項10記載の本発明は、撮像手段により撮像したマーカーと水面との距離に基づいて喫水を検出することを特徴とする。
請求項10に記載の本発明によれば、マーカーと水面との距離から計算して喫水や喫水に関連した主要項目を精度よくリアルタイムに検出することができる。
請求項11記載の本発明は、マーカーの色及び/又は形状を変えて喫水の状態を判別することを特徴とする。
請求項11に記載の本発明によれば、喫水や喫水に関連した主要項目を精度よくリアルタイムに検出することができる。特に、マーカーの色及び/又は形状を変えることにより、複数の喫水や喫水に関連した主要項目の調整が可能となる。
請求項12記載の本発明は、撮像手段を、喫水調整手段による喫水の調整時にも利用することを特徴とする。
請求項12に記載の本発明によれば、撮像手段を喫水と喫水に関連した主要項目の調整に利用でき、調整精度を向上させることができる。
請求項13記載の本発明は、制御手段は、喫水検出手段で検出される値が予め設定した閾値を超える場合は異常と判定し、喫水調整手段による喫水の調整を止めることを特徴とする。
請求項13に記載の本発明によれば、喫水調整手段が異常積載されたり、バランスを崩して調整されることによる模型船の沈没や転覆を防止できる。
請求項14記載の本発明は、昇降可能なリフト手段を水槽に備え、異常と判定された場合にリフト手段で模型船本体を下方から支持することを特徴とする。
請求項14に記載の本発明によれば、喫水調整手段の異常積載やバランスを崩した調整による模型船の沈没や転覆をより確実に防止できる。
請求項15記載の本発明は、水槽が、幅の狭いトリミングタンク部と幅の広い水槽本体部を有し、喫水調整手段による模型船本体の喫水の調整を水槽本体部で行うことを特徴とする。
請求項15に記載の本発明によれば、水槽本体部は幅が広いため波が消えやすく、喫水調整のための計測が容易となり喫水や喫水に関連した主要項目を円滑に調整できる。
請求項16記載の本発明は、水槽が、トリミングタンク部を有し、トリミングタンク部には、生じた水面変動を抑制する水面変動抑制手段が設けられていることを特徴とする。
請求項16に記載の本発明によれば、トリミングタンク部における喫水や喫水に関連した主要項目の調整のための計測が容易となり喫水を円滑に調整できる。
請求項17記載の本発明は、模型船本体の実質量測定手段をトリミングタンク部に備えたことを特徴とする。
請求項17に記載の本発明によれば、浮力のない状態で模型船の実質量を計測し、喫水の自動調整を精度よく行うことができる。また、通常はトリミングタンク部は水槽本体部よりも水深を浅くして構成することが可能なため、実質量測定手段をコンパクトに構成でき、模型船試験の障害となることも回避できる。
請求項18記載の本発明は、水槽が曳引台車を有し、曳引台車に接続された計測部を喫水の調整と連動して自動的に調整する計測部調整手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項18に記載の本発明によれば、喫水の調整と連動して計測部調整手段を自動的に調整することにより、模型船試験を円滑に続行できる。
請求項19記載の本発明は、曳引台車と模型船本体とのセンターを直接又は間接的に合わせるセンター調整手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項19に記載の本発明によれば、曳引台車と模型船本体とのセンターを直接又は間接的に調整することにより、模型船試験を効率よく高精度に実施することができる。
請求項20記載の本発明は、制御手段による模型船試験の準備と、模型船試験の実施とを統合的に制御する統合制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項20に記載の本発明によれば、制御手段による模型船試験の準備と実施が統合的に制御されることで、喫水の調整と模型船試験をより効率的に実施し、模型船試験を自動化することができる。
請求項21記載の本発明は、統合制御手段を、ネットワークを介して模型船試験要請手段と連係させたことを特徴とする。
請求項21に記載の本発明によれば、遠隔地からの模型船試験の要請を受け、喫水の調整と模型船試験を自動化した模型船試験自動化システムを実現できる。
本発明の模型船試験自動化システムによれば、喫水の調整を自動化することで、模型船試験の特に準備の手間を削減することができ、精度の向上も可能となる。
また、喫水には、模型船本体の喫水と、模型船本体のトリム、ヒール、重心位置、慣性モーメント、排水量、及びメタセンター高さのうちの少なくとも1つとを含む場合は、喫水に加えて、喫水に関連した主要項目であるトリム、ヒール、重心位置、慣性モーメント、排水量、又はメタセンター高さを制御することで、喫水そのものとともに喫水に関連した主要項目を調整して、より精度よく模型船試験を行うことができる。
また、喫水調整手段は、模型船本体に積み下ろし可能な、複数個のブロック型の小型ウェイトである場合は、小型ウェイトの数を調整して複数配置することで、喫水を調整することができる。また、複数の小型ウェイトの配置場所と数を考慮することで、喫水に関連した主要項目を調整することも可能となる。
また、喫水調整手段は、模型船本体に水を出し入れ可能な、可撓性の膜体で形成された複数個のウォーターバッグである場合は、ウォーターバッグに注入する水量を制御することで、喫水を調整することができる。また、複数のウォーターバッグの配置場所と水量を考慮することで、喫水に関連した主要項目を調整することも可能となる。
また、喫水調整手段は、模型船本体に搭載された、船長方向、船幅方向、及び上下方向の少なくとも1方向に移動が可能なウェイトである場合は、それぞれの方向のウェイトの位置を変更することにより、喫水に関連した主要項目を調整することができる。
また、制御手段は、喫水設定手段の喫水の設定に従って、模型船本体への荷重の配分を計算して喫水調整手段を制御する場合は、喫水調整手段の配置等がより適切なものとなり喫水や喫水に関連した主要項目の調整精度が向上する。また、模型船本体に歪が生じている場合に、歪を考慮して荷重の配分を計算することで、喫水や喫水に関連した主要項目の調整が的確にできる。
また、喫水検出手段は、模型船本体に高さ方向に設けられたチューブと、チューブの内部圧力を検出する圧力検出器とからなる場合は、圧力検出器で検出された内部圧力に基づいて水位を算出し、喫水や喫水に関連した主要項目をリアルタイムに検出することができる。
また、喫水検出手段は、模型船本体の船側に設けた水位を検出する電極である場合は、電極の浸漬状態に基づいて検出された水位から喫水や喫水に関連した主要項目をリアルタイムに検出することができる。
また、喫水検出手段は、模型船本体の船側に設けたマーカーと模型船本体を撮像する撮像手段とからなる場合は、マーカーの位置は一定であるため、撮像手段により撮像したマーカーを基に喫水や喫水に関連した主要項目をリアルタイムに検出することができる。
また、撮像手段により撮像したマーカーと水面との距離に基づいて喫水を検出する場合は、マーカーと水面との距離から計算して喫水や喫水に関連した主要項目を精度よくリアルタイムに検出することができる。
また、マーカーの色及び/又は形状を変えて喫水の状態を判別する場合は、喫水や喫水に関連した主要項目を精度よくリアルタイムに検出することができる。特に、マーカーの色及び/又は形状を変えることにより、複数の喫水や喫水に関連した主要項目の調整が可能となる。
また、撮像手段を、喫水調整手段による喫水の調整時にも利用する場合は、撮像手段を喫水と喫水に関連した主要項目の調整に利用でき、調整精度を向上させることができる。
また、制御手段は、喫水検出手段で検出される値が予め設定した閾値を超える場合は異常と判定し、喫水調整手段による喫水の調整を止める場合は、喫水調整手段が異常積載されたり、バランスを崩して調整されることによる模型船の沈没や転覆を防止できる。
また、昇降可能なリフト手段を水槽に備え、異常と判定された場合にリフト手段で模型船本体を下方から支持する場合は、喫水調整手段の異常積載やバランスを崩した調整による模型船の沈没や転覆をより確実に防止できる。
また、水槽が、幅の狭いトリミングタンク部と幅の広い水槽本体部を有し、喫水調整手段による模型船本体の喫水の調整を水槽本体部で行う場合は、水槽本体部は幅が広いため波が消えやすく、喫水調整のための計測が容易となり喫水や喫水に関連した主要項目を円滑に調整できる。
また、水槽が、トリミングタンク部を有し、トリミングタンク部には、生じた水面変動を抑制する水面変動抑制手段が設けられている場合は、トリミングタンク部における喫水や喫水に関連した主要項目の調整のための計測が容易となり喫水を円滑に調整できる。
また、模型船本体の実質量測定手段をトリミングタンク部に備えた場合は、浮力のない状態で模型船の実質量を計測し、喫水の自動調整を精度よく行うことができる。また、通常はトリミングタンク部は水槽本体部よりも水深を浅くして構成することが可能なため、実質量測定手段をコンパクトに構成でき、模型船試験の障害となることも回避できる。
また、水槽が曳引台車を有し、曳引台車に接続された計測部を喫水の調整と連動して自動的に調整する計測部調整手段をさらに備えた場合は、喫水の調整と連動して計測部調整手段を自動的に調整することにより、模型船試験を円滑に続行できる。
また、曳引台車と模型船本体とのセンターを直接又は間接的に合わせるセンター調整手段をさらに備えた場合は、曳引台車と模型船本体とのセンターを直接又は間接的に調整することにより、模型船試験を効率よく高精度に実施することができる。
また、制御手段による模型船試験の準備と、模型船試験の実施とを統合的に制御する統合制御手段をさらに備えた場合は、制御手段による模型船試験の準備と実施が統合的に制御されることで、喫水の調整と模型船試験をより効率的に実施し、模型船試験を自動化することができる。
また、統合制御手段を、ネットワークを介して模型船試験要請手段と連係させた場合は、遠隔地からの模型船試験の要請を受け、喫水の調整と模型船試験を自動化した模型船試験自動化システムを実現できる。
本発明の実施形態による模型船試験自動化システムのブロック図 同喫水調整手段の例を示す図 同喫水検出手段の例を示す図 同喫水調整の例を示す図 同喫水検出手段の他の例を示す図 同模型船本体の船側に設けるマーカーの他の例を示す図 同実質量測定手段を示す図 同喫水調整の説明図 同水槽本体部の断面図 同計測部調整手段を示す図 同制御手段による異常判定に用いる閾値の例を示す図 同曳引台車と計測部を示す図 同センター調整手段を示す図
本発明の実施形態による模型船試験自動化システムについて説明する。
図1は本実施形態による模型船試験自動化システムのブロック図である。
模型船試験自動化システムは、水槽を利用した模型船試験の自動化システムであって、模型船本体10と、模型船本体10の喫水を設定する喫水設定手段20と、模型船本体10の喫水を調整する喫水調整手段30と、模型船本体10の喫水を検出する喫水検出手段40と、喫水設定手段20で設定した喫水を得るように喫水検出手段40で喫水を検出して喫水調整手段30を制御する制御手段50と、統合制御手段60と、模型船試験要請手段70を備え、喫水の調整を自動で行う。
喫水には、模型船本体10の喫水と、模型船本体10のトリム、ヒール、重心位置、慣性モーメント、排水量、及びメタセンター高さのうちの少なくとも1つとを含むことが好ましい。喫水に加えて、喫水に関連した主要項目であるトリム、ヒール、重心位置、慣性モーメント、排水量、又はメタセンター高さを制御することで、喫水そのものとともに喫水に関連した主要項目を調整して、より精度よく模型船試験を行うことができる。なお、排水量は、模型船自体の質量と模型船に積載した喫水調整手段30の質量との合計である。
喫水設定手段20は、試験の内容や模型船の性能等に基づいて模型船本体10の喫水を設定する。また、試験者等が任意の値を喫水設定手段20に入力して喫水を設定することもできる。
統合制御手段60は、制御手段50による模型船試験の準備と、模型船試験の実施とを統合的に制御する。制御手段50による模型船試験の準備と実施が統合的に制御されることで、喫水の調整と模型船試験をより効率的に実施し、模型船試験を自動化することができる。
また統合制御手段60は、ネットワークを介して模型船試験要請手段70と連係している。これにより、遠隔地からの模型船試験の要請を受け、喫水の調整と模型船試験を自動化した模型船試験自動化システムを実現できる。
図2は喫水調整手段の例を示す図であり、図2(a)は上面図、図2(b)は船幅方向断面図である。
図2に示す喫水調整手段30は、模型船本体10に搭載された、船長方向、船幅方向、及び上下方向の少なくとも1方向に移動が可能なウェイト31である。
模型船本体10には、ウェイト31として、船首部に位置し軸に沿って船幅方向に移動可能な船首部ウェイト31Aと、船尾部に位置し軸に沿って船幅方向に移動可能な船尾部ウェイト31Bと、船首部と船尾部との間に位置し軸に沿って船長方向に移動可能な中間部ウェイト31Cと、上下方向に移動可能な昇降ウェイト31Dが設けられている。ウェイト31の移動には、例えばボールネジを利用する。制御手段50がそれぞれの方向のウェイト31の位置を変更することにより、喫水に関連した主要項目を調整することができる。なお、図2では1軸のウェイト31を示しているが、2軸又は3軸としてもよい。
また、制御手段50は、喫水設定手段20で設定された喫水に従って、模型船本体10への荷重の配分を計算して喫水調整手段30を制御することが好ましい。これにより、喫水調整手段30の配置等がより適切なものとなり喫水や喫水に関連した主要項目の調整精度が向上する。また、模型船本体10に歪が生じている場合に、歪を考慮して荷重の配分を計算することで、模型船本体10の歪を補正し、喫水そのものや喫水に関連した主要項目の調整が的確にできる。
また、喫水調整手段30は、模型船本体10に積み下ろし可能な、複数個のブロック型の小型ウェイト32としてもよい(図4参照)。
この場合は、制御手段50が、喫水設定手段20で設定された喫水に従って模型船本体10への荷重の配分を計算し、例えばコンテナ船におけるコンテナのように小型ウェイト32の数を調整して複数配置することで、喫水を調整することができる。また、複数の小型ウェイト32の配置場所と数を考慮することで、喫水に関連した主要項目を調整することも可能となる。
なお、積み上げた小型ウェイト32の山が崩れることを防止するため、小型ウェイト32同士を磁気等で結合させるか、又は機械加工による倒壊防止機構等を設けることが好ましい。これにより、積み上げた小型ウェイト32の山が試験中に崩れて喫水が変化することを防止できる。
なお、小型ウェイト32は、同じ形状で重さの異なる複数種類を用いてもよい。この場合は、例えば、軽量ブロックを重量ブロックの下に置くことで重心高さを稼ぐこと等ができる。
また、喫水調整手段30は、水を出し入れ可能な、可撓性の膜体で形成された複数個のウォーターバッグ(図示無し)としてもよい。
この場合は、制御手段50が、喫水設定手段20で設定された喫水に従って模型船本体10への荷重の配分を計算し、例えばウォーターバッグに注入する水量を制御することで、喫水を調整することができる。また、複数のウォーターバッグの配置場所と水量を考慮することで、喫水に関連した主要項目を調整することも可能となる。
水の入った容器を喫水調整手段30として用いる場合、容器内の水に自由表面が生じると自由水影響が試験に影響する。一方、可撓性を有するウォーターバッグは、水量に応じて伸縮するため、水量が所定範囲内であれば内部は常に水で満たされ自由表面が生じない。これにより、ウォーターバッグの重量を調整しつつ自由水影響を無くして精度よく試験を実施することができる。
なお、模型船本体10に搭載したウォーターバッグは模型船本体10に固定することが好ましい。これにより、試験中にウォーターバッグが移動して喫水が変化することを防止できる。
図3は喫水検出手段の例を示す図である。
模型船試験自動化システムは、模型船本体10を撮像する撮像手段80として複数台のカメラを備えており、撮像手段80を用いて模型船本体10をモニタリング及び画像解析し、喫水設定手段20で設定された喫水と喫水検出手段40で検出された喫水に基づき、制御手段50によるフィードバック制御により自動で喫水調整する。
本例においては、喫水検出手段40として、第一の喫水検出手段と第二の喫水検出手段を設けている。
第一の喫水検出手段は、模型船本体10に設けられたチューブ41と、チューブ41の内部圧力を検出する圧力検出器42とからなる。チューブ41は、高さ方向に所定の長さを有し、上部は模型船本体10の上面付近に位置し、下部は上面と下面との中央付近に位置している。チューブ41の内部には水が満たされており、圧力検出器42で検出された水圧に基づいて水位を算出し、喫水や喫水に関連した主要項目をリアルタイムに検出することができる。なお、チューブ41の設けられる高さ方向とは、上下方向のみならず斜目方向も含むものとする。
第二の喫水検出手段は、模型船本体10の船側に設けられ水位を検出する電極43である。電極43は、高さ方向に所定の長さを有し、対となった2つの電極43から成る導電性テープにより形成されている。導電性テープの上部は模型船本体10の上面付近に位置し、下部は模型船本体10の下面付近に位置している。2つの電極43に交流電圧を印可し、電極43の浸漬状態に基づいて検出された水位、すなわちブリッジ回路(図示せず)における平衡条件のずれに起因して発生する電圧の変動に基づく水位から、喫水や喫水に関連した主要項目をリアルタイムに検出することができる。なお、電極43の設けられる高さ方向とは、上下方向のみならず斜目方向も含むものとする。
なお、喫水の検出は、第一の喫水検出手段又は第二の喫水検出手段のどちらか一方のみで行ってもよい。
図4は喫水調整の例を示す図であり、図4(a)は水槽に設けられた曳引台車の上面図、図4(b)は模型船本体に搭載する喫水調整手段を示す図である。
模型船は、曳引台車90に設けられた曳航装置133(曳航ロッド133A)によって水槽100内を曳航可能である。また、模型船は、自航モータ・自航動力計12を備えており、水槽100内を自律走行することも可能である。
曳引台車90には、模型船本体10を撮像する撮像手段80として複数台のカメラが、模型船本体10の左右側方において、船首部、中間部、船尾部を撮影できるように、それぞれ3台ずつ設けられている。
制御手段50は、カメラにより撮影された画像を基に、喫水調整手段30を搭載可能なスペース11を判定する。なお、スペース11の判定には、枠線又は塗装を用いてもよい。
スペース11に搭載する喫水調整手段30は、図4(b)に示すように、例えば、規格化されたコンテナ型の小型ウェイト32とし、模型船内の空きスペース11に積載することで、模型船の喫水を設定された喫水の状態に合わせる。
このように、喫水調整手段30による喫水の調整に撮像手段80を利用することで、喫水と喫水に関連した主要項目の調整精度を向上させることができる。
図5は喫水検出手段の他の例を示す図であり、図5(a)は水槽に設けられた曳引台車の上面図、図5(b)は側面図である。
曳引台車90には、船首ガイド131、船尾ガイド132、曳航装置133、及びクランプ134を備えた計測部130が設けられている。
本例の喫水検出手段40は、模型船本体10の船側に設けた複数のマーカー44と、模型船本体10を撮像する撮像手段80からなる。マーカー44の位置は一定であるため、撮像手段80により撮像したマーカー44を基に喫水や喫水に関連した主要項目をリアルタイムに検出することができる。このように撮像手段80は、喫水検出手段40としても利用することができる。
三角形のマーカー44は、模型船本体10の船側において、船首部、中間部、及び船尾部の三箇所に設けられている。なお、図5(b)では左舷側のみ示しているが、右舷側の船側の三箇所にも同様に三角形のマーカー44が設けられている。
曳引台車90に設けられた撮像手段80である複数台のカメラは、模型船本体10の左右側方において、船首部、中間部、及び船尾部に形成されたマーカー44を撮影できるように、それぞれ3台ずつ設けられている。
喫水検出手段40は、左舷側と右舷側のそれぞれについて、カメラによりマーカー44と水面Wとの距離(ピクセル数、物理値)を計測し、計測した距離に基づいてマーカー44と水面Wとの距離を計算し喫水や喫水に関連した主要項目を精度よくリアルタイムに検出する。
制御手段50は、左舷側と右舷側とでのマーカー44と水面Wとの距離の差に基づいて、喫水調整手段30を左舷側と右舷側のどちらに置くかを判定する。また、船首部と船尾部とでのマーカー44と水面Wとの距離の差に基づいて、喫水調整手段30を船首部と船尾部のどちらに置くかを判定する。これにより、設定された喫水に合わせることができる。
図6は模型船本体の船側に設けるマーカーの他の例を示す図である。
図6(a)では、満載状態での喫水に対応するマーカー44を、赤色の逆三角形としている。また図6(b)ではバラスト状態での喫水に対応するマーカー44を、黒色の四角形としている。また図6(c)ではバラスト状態(船尾トリム)での喫水に対応するマーカー44を、緑色の四角形としている。
このように、マーカー44の色や形状を変えて喫水の状態を判別することで、喫水や喫水に関連した主要項目を精度よくリアルタイムに検出することができる。特に、マーカー44の色と形状の少なくとも一方を変えることにより、複数の喫水や喫水に関連した主要項目の調整が可能となる。
図7は実質量測定手段を示す図である。
模型船試験自動化システムは、模型船本体10の実質量を測定する実質量測定手段110をトリミングタンク部101に備える。これにより、浮力のない状態で模型船の実質量を計測し、喫水の自動調整を精度よく行うことができる。また、通常はトリミングタンク部101は、水槽本体部102(図8参照)よりも水深を浅くして構成することが可能なため、実質量測定手段110をコンパクトに構成でき、模型船試験の障害となることも回避できる。
実質量測定手段110は、例えば、トリミングタンク部101に設けた昇降可能なリフト手段120を利用することができる。リフト手段120は、模型船を水面Wよりも上に持ち上げることができるリフト量を有する。また、模型船の喫水を調整している間などは模型船との接触を避けるため収縮状態でトリミングタンク部101の底面よりも下方に設けた窪みに格納されている。なお、トリミングタンク部101が十分な水深を有しリフト手段120が模型船に意図せず接触するおそれがない場合は、トリミングタンク部101の底面にて収縮状態にしておいてもよい。
図8は喫水調整の説明図であり、図8(a)はトリミングタンク部の断面図、図8(b)はトリミングタンク部と水槽本体部の上面図である。また、図9は水槽本体部の断面図である。
水槽100は、模型船の発着場であるトリミングタンク部101と、トリミングタンク部101に連通し試験を実施する場である水槽本体部102を有する。水槽本体部102の幅α2は、トリミングタンク部101の幅α1よりも広い。
ここで、喫水調整手段30をブロック型の小型ウェイト32として喫水を調整する手順について説明する。
まず、トリミングタンク部101において、制御手段50は、喫水設定手段20が設定した喫水に基づき、規定量の小型ウェイト32を模型船本体10に積載する。次に、模型船をリフト手段120で水面Wより上方に持ち上げて実質量(排水量)を計測する。
次に喫水の調整を行うが、模型船の喫水を調整する際において、喫水調整手段30の積み下ろしに伴い発生する波(水面変動)は、幅が狭いトリミングタンク部101では消えにくく喫水調整のための計測が難しい。そこで、制御手段50は、模型船を水槽本体部102へ移動させ、水槽本体部102においてカメラや喫水検出手段40等を用いて喫水を調整する。水槽本体部102は幅が広いため波が消えやすく、喫水調整のための計測が容易となり喫水や喫水に関連した主要項目を円滑に調整できる。このように、制御手段50による喫水調整手段30を用いた喫水調整は、トリミングタンク部101よりも幅が広い水槽本体部102で行うことが好ましい。
なお、トリミングタンク部101に、生じた波を抑制する水面変動抑制手段(図示無し)を設けた場合は、生じた波が水面変動抑制手段により早期に消えるため、模型船を水槽本体部102に移動させずとも、トリミングタンク部101において喫水や喫水に関連した主要項目を円滑に調整できる。水面変動抑制手段は、例えば、消波機能を発揮する形状に加工されたトリミングタンク部101の側壁等である。
このように、喫水の調整を自動化することで、模型船試験の特に準備の手間を削減することができ、精度の向上も可能となる。この実施形態における模型船試験自動化システムは、喫水そのものに加えて喫水に関連した主要項目を調整できることに利点がある。なお、自動化には自律化や無人化も含む。
図10は計測部調整手段を示す図である。
計測部調整手段140は、喫水調整後の模型船の状態に合わせて、計測部130の船首ガイド131、船尾ガイド132、検力計133B、及びクランプ134の上下位置を自動調整する機構を有する。
喫水調整をすることで模型船の状態が変化し曳引台車90と接続されている計測部130の各機器との距離が変わるが、模型船の喫水変化に伴って計測部130の上下位置を計測部調整手段140が自動調整することで、喫水の調整と連動して計測部調整手段140を自動的に調整することにより、模型船試験を円滑に続行できる。
なお、喫水検出手段40にマーカー44と撮像手段80を用いている場合は、計測部130の上下位置の調整量は、調整しようとする計測部130に最も近いマーカー44の移動距離と同じにすることが好ましい。例えば船尾ガイド132の上下位置の調整量は、船尾に設けられたマーカー44と水面Wとの喫水調整前後の距離に基づく(図5参照)。これにより、仮に模型船本体10に歪が生じている場合でも計測部130の上下位置を適切に調整することができる。
図11は制御手段による異常判定に用いる閾値の例を示す図である。
模型船の喫水調整をする際に、小型ウェイト32等の喫水調整手段30の過積載等の異常積載が発生すると、沈没や転覆のおそれがある。これを防止するため、制御手段50は、模型船の角度(トリム、ヒール)を計測して閾値を基に異常判定を行う。
喫水の計測は、上述した喫水検出手段40を用いる他、船首尾の沈下量をレーザー距離計等の変位計の計測値の平均により算出することもできる。なお、変位計を船首側正面と船尾側背面のそれぞれに二つずつ設けることで、ヒールの角度も算出可能である。また、トリム及びヒールの角度は、ポテンショメータ、3軸加速度計、又はジャイロ等を用いて計測することも可能である。また、喫水検出手段40にマーカー44と撮像手段80を用いている場合は、マーカー44と撮像手段80を用いて喫水とともに角度を計測することもできる。
喫水及び角度には予め設定した閾値が設けられている。図11(a)には喫水の閾値例を点線Aで示し、図11(b)にはヒールの閾値例を点線B示し、図11(c)にはトリムの閾値例を点線Cで示している。なお、図11(a)の模型船はトリミングタンク部101内に位置し喫水調整手段30を積み込む前の状態、図11(b)の模型船はトリミングタンク部101内に位置し喫水調整手段30を積み込んだ状態である。
喫水は、例えば沈下量が喫水の2割を閾値とする。ヒールの閾値は、設定の喫水時に問題のない最大ヒール角を算出し、例えば±5度など、プラスマイナス両方の値を設定する。トリムの閾値は、設定の喫水時に問題のない最大トリム角を算出し、例えば±10度など、プラスマイナスの両方の値を閾値に設定する。
制御手段50は、喫水検出手段40等で検出される値が予め設定した閾値を超える場合は異常と判定し、喫水調整手段30による喫水の調整を止める。これにより、喫水調整手段30が異常積載されたり、バランスを崩して調整されることによる模型船の沈没や転覆を防止できる。
また、異常積載が検知された場合は、喫水調整手段30の積み込みを止めるとともに、図11(c)に示すように、トリミングタンク部101の下方に設置されている昇降可能なリフト手段120を伸ばして模型船を下方から支持することが好ましい。これにより、喫水調整手段30の異常積載やバランスを崩した調整による模型船の沈没や転覆をより確実に防止できる。
図12は曳引台車と計測部を示す図であり、図12(a)は曳引台車の上面図、図12(b)~(d)は曳引台車の正面図である。また、図13はセンター調整手段を示す図であり、図13(a)はセンター調整手段の第一例、図13(b)はセンター調整手段の第二例である。また、図12(a)及び図13における一点鎖線は模型船のセンターを示す線である。
曳引台車90はレール91を有し、船首ガイド131と船尾ガイド132を有するガイド装置、検力計(検力ロッド)133Bと曳航ロッド133Aを有する曳航装置133、及びハサミ134Aを有するクランプ134が接続されている。船首ガイド131と船尾ガイド132はそれぞれ接合部Dで模型船に接続している。
図12(b)ではガイド装置の移動方向を矢印で示している。ガイド装置は曳引台車90の幅方向及び上下方向に移動可能である。図12(c)ではクランプ134の移動方向を矢印で示している。クランプ134は曳引台車90の幅方向及び上下方向に移動可能である。図12(d)では曳航装置133(検力ロッド133B)の移動方向を矢印で示している。曳航装置133は曳引台車90の幅方向及び上下方向に移動可能である。
図13(a)に示す第一例のセンター調整手段150は、トリミングタンク部101に複数設置されるレーザー距離計等の非接触変位計測器151を有する。非接触変位計測器151は、模型船の両舷側に船長方向に沿ってそれぞれ複数設置されている。非接触変位計測器151で測定された模型船との距離は、制御手段50にフィードバックされる。制御手段50では、模型船との距離に基づいて演算を行い、模型船本体10のセンターと曳引台車90のセンターが一致するように、ガイド装置、クランプ134、及び曳航装置133を制御する。すなわち、この図13(a)の第一例では、非接触変位計測器151と模型船本体10との距離に基づいて間接的に曳引台車90と模型船本体10とのセンターを合わせている。
図13(b)に示す第二例のセンター調整手段150は、曳引台車90に複数設置される非接触変位計測器151を有する。非接触変位計測器151は、模型船の上方において両舷側に船長方向に沿ってそれぞれ複数設置されている。非接触変位計測器151で測定されたガイド装置等との距離は、制御手段50にフィードバックされる。制御手段50では、ガイド装置等との距離に基づいて演算を行い、模型船本体10のセンターと曳引台車90のセンターが一致するように、ガイド装置、クランプ134、及び曳航装置133を制御する。すなわち、この図13(b)の第二例では、曳引台車90に設けた非接触変位計測器151と計測部130との距離に基づいて、直接、曳引台車90と模型船本体10とのセンターを合わせている。
このように、センター調整手段150を用いて曳引台車90と模型船本体10とのセンターを直接又は間接的に合わせることで、模型船試験を効率よく高精度に実施することができる。
本発明は、水槽を利用した模型船試験に適用し、模型船試験の効率向上に役立てることができる。また、模型船試験の要請に応じた自動化が図れる。
10 模型船本体
20 喫水設定手段
30 喫水調整手段
31 ウェイト
32 小型ウェイト
33 ウォーターバッグ
40 喫水検出手段
41 チューブ
42 圧力検出器
43 電極
44 マーカー
50 制御手段
60 統合制御手段
70 模型船試験要請手段
80 撮像手段
90 曳引台車
100 水槽
101 トリミングタンク部
102 水槽本体部
110 実質量測定手段
120 リフト手段
130 計測部
140 計測部調整手段
150 センター調整手段
151 非接触変位計測器
W 水面

Claims (21)

  1. 水槽を利用した模型船試験の自動化システムであって、
    模型船本体と、前記模型船本体の喫水を設定する喫水設定手段と、前記模型船本体の前記喫水を調整する喫水調整手段と、前記模型船本体の前記喫水を検出する喫水検出手段と、前記喫水設定手段で設定した前記喫水を得るように前記喫水検出手段で前記喫水を検出して前記喫水調整手段を制御する制御手段とを備え、前記喫水の調整を自動で行うことを特徴とする模型船試験自動化システム。
  2. 前記喫水には、前記模型船本体の喫水と、前記模型船本体のトリム、ヒール、重心位置、慣性モーメント、排水量、及びメタセンター高さのうちの少なくとも1つとを含むことを特徴とする請求項1に記載の模型船試験自動化システム。
  3. 前記喫水調整手段は、前記模型船本体に積み下ろし可能な、複数個のブロック型の小型ウェイトであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の模型船試験自動化システム。
  4. 前記喫水調整手段は、前記模型船本体に水を出し入れ可能な、可撓性の膜体で形成された複数個のウォーターバッグであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の模型船試験自動化システム。
  5. 前記喫水調整手段は、前記模型船本体に搭載された、船長方向、船幅方向、及び上下方向の少なくとも1方向に移動が可能なウェイトであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の模型船試験自動化システム。
  6. 前記制御手段は、前記喫水設定手段の前記喫水の設定に従って、前記模型船本体への荷重の配分を計算して前記喫水調整手段を制御することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  7. 前記喫水検出手段は、前記模型船本体に高さ方向に設けられたチューブと、前記チューブの内部圧力を検出する圧力検出器とからなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  8. 前記喫水検出手段は、前記模型船本体の船側に設けた水位を検出する電極であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  9. 前記喫水検出手段は、前記模型船本体の船側に設けたマーカーと前記模型船本体を撮像する撮像手段とからなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  10. 前記撮像手段により撮像した前記マーカーと水面との距離に基づいて前記喫水を検出することを特徴とする請求項9に記載の模型船試験自動化システム。
  11. 前記マーカーの色及び/又は形状を変えて前記喫水の状態を判別することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の模型船試験自動化システム。
  12. 前記撮像手段を、前記喫水調整手段による前記喫水の調整時にも利用することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  13. 前記制御手段は、前記喫水検出手段で検出される値が予め設定した閾値を超える場合は異常と判定し、前記喫水調整手段による前記喫水の調整を止めることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  14. 昇降可能なリフト手段を前記水槽に備え、前記異常と判定された場合に前記リフト手段で前記模型船本体を下方から支持することを特徴とする請求項13に記載の模型船試験自動化システム。
  15. 前記水槽が、幅の狭いトリミングタンク部と幅の広い水槽本体部を有し、前記喫水調整手段による前記模型船本体の前記喫水の調整を前記水槽本体部で行うことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  16. 前記水槽が、トリミングタンク部を有し、前記トリミングタンク部には、生じた水面変動を抑制する水面変動抑制手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  17. 前記模型船本体の実質量測定手段を前記トリミングタンク部に備えたことを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の模型船試験自動化システム。
  18. 前記水槽が曳引台車を有し、前記曳引台車に接続された計測部を前記喫水の調整と連動して自動的に調整する計測部調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  19. 前記曳引台車と前記模型船本体とのセンターを直接又は間接的に合わせるセンター調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項18に記載の模型船試験自動化システム。
  20. 前記制御手段による前記模型船試験の準備と、前記模型船試験の実施とを統合的に制御する統合制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の模型船試験自動化システム。
  21. 前記統合制御手段を、ネットワークを介して模型船試験要請手段と連係させたことを特徴とする請求項20に記載の模型船試験自動化システム。

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