JP7429853B2 - 鋳ぐるみ用部材 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳ぐるみに用いられる溶湯を流し込むことができるように構成される表面部分を有する鋳ぐるみ用部材に関する。
シリンダブロック等の鋳造品の製造においては、「鋳ぐるみ」と呼ばれる方法が用いられることがある。鋳ぐるみを用いて製造された鋳造品には、この鋳造品自体の鋳造とは別に予め作製された鋳ぐるみ用部材が組み入れられる。具体的には、鋳ぐるみにおいては、鋳ぐるみ用部材が鋳造等によって予め作製され、かかる鋳ぐるみ用部材が、鋳造品を製造するための金型内に設置され、その後、この金型内に、アルミニウム等の金属を溶融させた溶湯が流し込まれ、これによって、鋳ぐるみ用部材を組み入れた鋳造品が製造される。例えば、鋳ぐるみ用部材としては、シリンダブロックに組み入れられるシリンダスリーブ(又はシリンダライナ)等が挙げられる。
また、鋳ぐるみにおいては、鋳ぐるみ用部材の寸法精度を向上させることの他、鋳ぐるみ用部材の表面と、鋳ぐるみ用部材の周囲に流し込まれる溶湯から成る金属の部分(以下、「周辺金属部分」という)との密着性を高めることが要求される。また、このような密着性を高めることによって、鋳ぐるみ用部材及び周辺金属部分間の熱伝導性を高めることも期待される。
そのため、例えば、特許文献1に示されるように、鋳ぐるみ用部材と周辺金属部分との密着性を高めるために、鋳ぐるみ用部材の表面に凸部を形成することがある。また、このような鋳ぐるみ用部材を製造するために、予め加熱された金型の内周面に、ベントナイト等の粘結剤や耐火材を所定の配合比率にて水に混合させた塗型スラリーを塗布し、鋳ぐるみ用部材の表面の凸部に対応する凹部を有する塗型層を金型内に形成するように塗型スラリーを乾燥かつ固化させ、その後、かかる金型内に溶湯が鋳込まれ、これによって、鋳ぐるみ用部材を得る鋳ぐるみ用部材の製造方法が用いられることがある。さらに、既述のシリンダブロックに組み入れられる円筒形状の鋳ぐるみ用部材であるシリンダスリーブは、主に遠心鋳造法によって製造される。かかる製造方法において製造される円筒形状の鋳ぐるみ用部材の粗材は、その表面に固化した塗型スラリー(以下、「塗型層」という)が付着した状態で金型から取り出され、その後、粗材の外周面に付着した塗型層を、ショットブラスト等の表面加工によって除去し、さらに、粗材に切断、機械加工等を施し、これによって、円筒形状の鋳ぐるみ用部材が得られる。
最近、例えば、自動車用エンジンにおいては、小型及び軽量化と併せて、燃費やNVH(Noise, Vibration, Harshness)等の性能を向上させるように、ロバスト性の高い設計を行うことが求められている。そのため、エンジンの中枢部品であるシリンダブロックにおいては、経時的なフリクション特性の維持及び安定化、ブローバイガスの抑制等を目的として、鋳ぐるみ用部材である鋳鉄製のシリンダスリーブに対して厳しい寸法精度及び薄肉化が求められている。その一方で、エンジンにおいては、昇温及び冷却を交互に行うことが継続的に繰り返される。そのため、シリンダスリーブにおいては、エンジン運転時のシリンダスリーブの変形を抑制できるように、シリンダスリーブとアルミ製の周辺金属部分との境界部分における密着強さを高めること、燃焼熱をシリンダスリーブからシリンダブロックの周辺金属部分に均等かつ効率的に伝達すること等のような複数の性能を併せ持つことが求められる。
このようなシリンダスリーブの性能を得るために、アルミダイカストを用いてシリンダブロック内に組み入れられるシリンダスリーブの前加工品(以下、「ブランク品」という)に対して、このブランク品の外周部をチャッキングした状態で旋盤加工が施され、これによって、シリンダスリーブが製造される。そのため、かかるブランク品の偏肉を極力抑制するために、鋳ぐるみ用部材の粗材の外径寸法を安定化させることが重要となる。さらに、エンジンの燃焼及び冷却に応じて生じるシリンダボアの変形が、シリンダブロックの周辺金属部分によって抑えられるように、周辺金属部分に対してアンカー効果をもたらす凸部をシリンダスリーブの外周面全体に形成させることが有効となる。
上記シリンダスリーブ性能を得るために、例えば、特許文献2に示すように、シリンダスリーブの外周面の外方に向かうに従って拡径するように円錐状に形成された複数の単独突起を外周面に設けたシリンダスリーブが提案されている。かかるシリンダスリーブにおいては、円筒形状の金型の内周面に既述の塗型スラリーをコーティングし、かかる塗型スラリーを乾燥かつ固化させ、これによって、塗型層の内周表面から塗型層の内部に向かって凹む複数の凹穴を金型内に成形する。さらに、遠心鋳造法を用いて、このような金型内に鋳鉄の溶湯を流し込むことによってシリンダスリーブを製造する。
特開2001-170755号公報 特開2003-326353号公報
しかしながら、特許文献2のシリンダスリーブにおいては、単独突起の先端が金型の内周面に当接せずに塗型層の内部に位置するおそれがある。この場合、複数の単独突起間にバラツキが生じるおそれがある。そのため、ブランク品の旋盤加工時に、チャッキングに用いられる治具の受け面と、複数の単独突起の先端とが一様に当接しないおそれがあり、その結果、鋳ぐるみ用部材の粗材のチャッキングが不安定になるおそれがある。このような不安定なチャッキングによって、ブランク品に偏肉が生じ易くなる。さらには、鋳ぐるみ用部材の外周表面の形状及び寸法が不安定になるおそれがある。
また、特許文献1及び2のシリンダスリーブの製造に用いられる塗型スラリーは、粘結剤の役割を果たすベントナイトを含んでいる。通常、ベントナイトは、約450℃以上の温度にて分解する結晶水を含んでいる。そのため、塗型スラリー中のベントナイトの配合比が多くなると、ベントナイトが溶湯に接触し、これによって、結晶水が分解し、その結果、大量のガスが放出される。この場合、鋳ぐるみ用部材の表面にピットホールやブローホール等の鋳造欠陥(以下、「ガス欠陥」という)が多発するおそれがある。特に、金型内の溶湯の鋳込み量が少なく、かつ溶湯の凝固時間が短い場合には、上記ガスと溶湯との置換前に凝固が完了し、その結果、ガス欠陥が発生し易くなる。このようなガス欠陥等の欠陥によって、鋳ぐるみ用部材の表面に形成される凹みの深さが十分に得られなくなるおそれがあり、鋳ぐるみ用部材の表面の凹凸を十分に得られないおそれがある。ひいては、鋳ぐるみ用部材の形状精度が十分に得られないおそれがある。
また、鋳ぐるみ用部材及びその製造方法においては、鋳ぐるみ用部材の表面の凹凸に塗型焼き付きが発生するおそれがある。特に、鋳ぐるみ用部材の表面の凹凸のうちアンダーカット形状の部分に塗型焼き付きが発生するおそれがある。この場合、ショットブラスト等の表面加工によって塗型層を除去するための作業時間が増加する。そのため、鋳ぐるみ用部材を効率的に製造するという観点にて改善の余地がある。
上記実情を鑑みると、鋳ぐるみ用部材、特に、円筒形状の鋳ぐるみ用部材においては、鋳ぐるみ用部材のブランク品の偏肉を極力抑えること、鋳ぐるみ用部材と周辺金属部分との密着性を高くすること、鋳ぐるみ用部材を効率的に製造すること、鋳ぐるみ用部材の表面部分の形状及び寸法を安定させること、鋳ぐるみ用部材の形状精度を向上させることが望まれる。
また、円筒形状の鋳ぐるみ用部材の製造方法においては、鋳ぐるみ用部材と周辺金属部分との密着性を高くすること、鋳ぐるみ用部材を効率的に製造すること、鋳ぐるみ用部材の外周に位置する表面部分の形状及び寸法を安定させること、鋳ぐるみ用部材の形状精度を向上させることが望まれる。
課題を解決するために、一態様に係る鋳ぐるみ用部材は、鋳ぐるみに用いられる溶湯を流し込むことができるように構成される表面部分を備え、前記表面部分が、底部と、前記底部から突出する突起部とを有する、鋳ぐるみ用部材であって、前記突起部が、その突出方向の先端に位置する先端面と、前記表面部分の広がり方向である表面広がり方向にて前記突起部の外周の輪郭を形成するように前記底部及び前記先端面間で延びる側方面とを有し、前記側方面が、それぞれ前記表面広がり方向にて前記突起部の外方から同内方に向かって凹む円弧形状に形成される複数の凹部を有し、前記複数の凹部のうち、外周方向に隣り合う凹部は、表面広がり方向にて突起部の内方から突起部の外方に向かって尖って形成される連結部によって、連続的に連結されている。
課題を解決するために、一態様に係る鋳ぐるみ用部材の製造方法は、軸線を中心とした円筒形状の金型を前記軸線周りに回転させ、かつ前記金型の内周面上に塗型スラリーを流し込む塗型工程と、ひび割れを生じさせた塗型層を形成するように、前記流し込まれた塗型スラリーを乾燥させる乾燥工程と、前記金型を前記軸線周りに回転させ、かつ前記塗型層の内周表面上に溶湯を流し込む注湯工程とを含む鋳ぐるみ用部材の製造方法であって、前記塗型工程にて、前記金型の温度が140℃以上かつ180℃以下の範囲内に調節され、
前記塗型スラリーが、耐火材と粘結剤とを含有し、前記塗型スラリー中の前記粘結剤の含有率が、10質量%を超えかつ15質量%未満の範囲内にある。
一態様に係る鋳ぐるみ用部材、特に、円筒形状の鋳ぐるみ用部材においては、ブランク品の偏肉を極力抑えることができ、鋳ぐるみ用部材と周辺金属部分との密着性を高くすることができ、鋳ぐるみ用部材を効率的に製造することができ、鋳ぐるみ用部材の表面部分の形状及び寸法を安定させることができ、鋳ぐるみ用部材の形状精度を向上させることができる。
一態様に係る円筒形状の鋳ぐるみ用部材の製造方法においては、鋳ぐるみ用部材と周辺金属部分との密着性を高くすることができ、鋳ぐるみ用部材を効率的に製造することができ、鋳ぐるみ用部材の外周に位置する表面部分の形状及び寸法を安定させることができ、鋳ぐるみ用部材の形状精度を向上させることができる。
図1は、一実施形態に係る鋳ぐるみ用部材を概略的に示す斜視図である。 図2は、一実施形態に係る鋳ぐるみ用部材の表面部分の一部を概略的に示す拡大斜視図である。 図3は、一実施形態に係る鋳ぐるみ用部材の製造方法において、金型の内周面に塗型スラリーを塗布する工程(塗布工程)を説明するための図である。 図4(a)は、一実施形態に係る鋳ぐるみ用部材の製造方法において、塗型スラリーを乾燥させる工程(塗型スラリーの乾燥工程)の第1段階における塗型層の断面を模式的に示す図である。図4(b)は、図4(a)の塗型層の内周表面の一部を模式的に示す図である。 図5(a)は、一実施形態に係る製造方法において、塗型スラリーの乾燥工程の第2段階における塗型層の断面を模式的に示す図である。図5(b)は、図5(a)における塗型層の内周表面の一部を模式的に示す図である。 図6(a)は、一実施形態に係る製造方法において、塗型スラリーの乾燥工程の第3段階における塗型層の断面を模式的に示す図である。図6(b)は、図6(a)の塗型層の内周表面の一部を模式的に示す図である。 図7(a)は、一実施形態に係る製造方法において、塗型スラリーの乾燥工程の第4段階における塗型層の断面を模式的に示す図である。図7(b)は、図7(a)の塗型層の内周表面の一部を模式的に示す図である。 図8は、一実施形態に係る製造方法における注湯工程を説明するための図である。 図9(a)は、一実施形態に係る製造方法における注湯後の塗型層の断面を模式的に示す図である。図9(b)は、図9(a)の塗型層の内周表面の一部を模式的に示す図である。 図10は、一実施形態に係る製造方法において、金型から鋳ぐるみ用部材を引き抜く工程(引き抜き工程)を説明するための図である。 図11は、一実施形態に係る製造方法において、ショットブラストによって塗型層を除去する工程(除去工程)を説明するための図である。 図12は、実施例において、円筒形状の鋳ぐるみ用部材の表面部分全体における仮想面の面積に対する突起部先端面の総面積の割合と、鋳ぐるみ用部材及びその周囲の周辺金属部分間における接触界面の密着強さとの関係を示すグラフである。
一実施形態に係る鋳ぐるみ用部材及びその製造方法について以下に説明する。本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材を適用する鋳造品は、シリンダブロックとなっており、鋳ぐるみ用部材は、このシリンダブロックに含まれるシリンダスリーブ(又はシリンダライナ)となっている。しかしながら、鋳ぐるみ用部材を適用する鋳造品は、シリンダブロック以外であってもよく、かつ鋳ぐるみ用部材は、シリンダスリーブ以外であってもよい。
例えば、鋳造品がシリンダブロック又はロアケースである場合において、鋳ぐるみ用部材は、クランクジャーナル部とすることもできる。鋳造品が、ハイブリッド自動車、電気自動車等の回生ブレーキにおけるドラムブレーキである場合において、鋳ぐるみ用部材は、ブレーキシューと接するドラムブレーキの摺動部材とすることができる。鋳造品が、二輪車又は特殊機械用のホイールである場合において、鋳ぐるみ用部材は、このホイールハブのボスとすることができる。鋳造品が、ミッションケース等のハウジングである場合において、鋳ぐるみ用部材は、このハウジングの軸受部とすることができる。
さらに、本発明者は、鋳ぐるみ用部材の製造方法において、鋳ぐるみ用部材の表面の凹凸に対応する塗型層の凹凸が十分に得られない要因として次のようなことを見出している。すなわち、通常、塗型スラリーを乾燥させる乾燥工程の初期段階にて、塗型スラリーから成る塗型層の内周表面からひび割れが生じて、その後、このひび割れが乾燥途中の塗型層の内周表面から金型の内周面に向かって延び、その結果、塗型層に深いひび割れが形成される。しかしながら、乾燥工程の途中段階で塗型層が完全に固化すると、塗型層のひび割れが塗型層の内周表面から金型の内周面に到達するまで伸びず、その結果、塗型層において均等な深さのひび割れが十分に得られないおそれがある。これらを踏まえて、以下の説明を行う。
「鋳ぐるみ用部材の概略」
図1~図5、図8、及び図9を参照して、本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1の概略について説明する。すなわち、鋳ぐるみ用部材1は、概略的には次のように構成されている。図1及び図2に示すように、鋳ぐるみ用部材1は、この鋳ぐるみ用部材1を製造するために用いられる溶湯H(図8及び図9に示し、かつ図9においては仮想線により示す)を流し込むことができるように構成される表面部分2を有する。表面部分2は、底部3と、この底部3から突出する突起部4とを有する。なお、図1においては、突起部4を、黒色に塗り潰すように示す。
図2に示すように、突起部4は、その突出方向の先端に位置する先端面5を有する。突起部4はまた、表面部分2の広がり方向(以下、「表面広がり方向」という)にて突起部4の外周の輪郭を成すように底部3及び先端面5間で延びる側方面6を有する。なお、表面広がり方向は、表面部分2の厚さ方向に直交する面内方向であり、さらに、表面部分2の厚さ方向は突起部4の突出方向と平行である。側方面6は、表面広がり方向に突起部4の外方から突起部4の内方に向かって凹む略円弧形状に形成される複数の凹部7を有する。突起部4の外周の輪郭は、複数の凹部7を突起部4の外周方向にて互いに連続的かつ直接的に連結するようにアメーバ形状に形成されている。
さらに、側方面6は、底部3と突起部4の先端面5との間にて、側方面6の表面広がり方向の内方から側方面6の表面広がり方向の外方に向かって凹む凹形状を有している。すなわち、突起部4の断面は、アンダーカット形状を有するように形成されている。そのため、鋳ぐるみ用部材1が、鋳造品において鋳ぐるみ用部材1の周辺に位置する金属の部分、すなわち、周辺金属部分によって鋳ぐるまれた状態で、表面部分2の厚さ方向(又は略円筒形状の鋳ぐるみ用部材1の径方向)に外力が作用した場合であっても、鋳ぐるみ用部材1において、周辺金属部分に対するアンカー効果がもたらされる。その結果、鋳ぐるみ用部材1及び周辺金属部分間の剥離が発生し難くなる。
さらに、鋳ぐるみ用部材1は、概略的には次のように構成することができる。図1及び図2に示すように、突起部4はまた、その突出方向にて先端面5から底部3に向かって凹む窪み穴8を有する。なお、図1においては、窪み穴8を、黒色に塗り潰された突起部4内に位置する白抜き部分によって示す。また、窪み穴8の内周面は、底部3と突起部4の先端面5との間にて、窪み穴8の表面広がり方向の中心から窪み穴8の表面広がり方向の外方に向かって凹む凹形状を有している。
ここで、突出方向における底部3及び先端面5間の窪み穴8の深さが約0.5mmよりも小さい場合、周辺金属部分に対する鋳ぐるみ用部材1のアンカー効果が十分に得られず、ひいては、鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との間における熱伝導性が十分に得られないおそれがある。また、かかる窪み穴8の深さが約5.0mmよりも大きい場合、例えば、ダイカスト法において、窪み穴8内にて底部3まで溶湯を十分に充填できないおそれがある。このような観点によれば、突起部4の突出方向における底部3及び先端面5間の窪み穴8の深さは、約0.5mm以上かつ約5.0mm以下の範囲内とするとよい。好ましくは、かかる窪み穴8の深さは、約0.5mm以上かつ約1.5mm以下の範囲内とするとよい。
また、突起部4の突出方向における底部3及び先端面5間の突起部4の高さが、約0.5mmよりも小さい場合、周辺金属部分に対する鋳ぐるみ用部材1のアンカー効果が十分に得られず、ひいては、鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との間における熱伝導性が十分に得られないおそれがある。また、かかる突起部4の高さが約5.0mmよりも大きい場合、例えば、ダイカスト法において、突起部4の側方面6に囲まれた空間内にて底部3まで溶湯を十分に充填できないおそれがある。このような観点によれば、突起部4の突出方向にて、突起部4の突出方向における底部3及び先端面5間の突起部4の高さは、約0.5mm以上かつ約5.0mm以下の範囲内とするとよい。好ましくは、かかる突起部4の高さは、約0.5mm以上かつ約1.5mm以下の範囲内とするとよい。
また、突起部4の突出方向にて先端面5に対応する位置で、窪み穴8の表面広がり方向の中心8a周りに窪み穴8の2つの最外周部8bに沿って略円形形状に延びる窪み穴8の仮想円形線8d(仮想線により示す)の直径が約0.5mmよりも小さい場合、周辺金属部分に対する鋳ぐるみ用部材1のアンカー効果が十分に得られないおそれがある。表面部分2における突起部4の先端面5の面積E2が十分に得られないおそれがある。また、窪み穴8の仮想円形線8dの直径が約8.0mmよりも大きい場合、突起部4の側方面6がアメーバ形状を形成できず、その結果、鋳造品の鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との密着性が十分に得られないおそれがある。このような観点によれば、窪み穴8の仮想円形線8dの直径は、約0.5mm以上かつ約8.0mm以下の範囲内とすることができる。
また、図1、図8、及び図9(a)を参照すると、突起部4の先端面5は金型10の内周面11に沿った形状となっている。
ここで、突起部4の突出方向にて先端面5に対応する位置で表面部分2の全体に渡って広がるように仮想面を定義する。この仮想面の面積E1に対する先端面5の面積E2の割合(以下、必要に応じて、「先端面5の面積比」という)E2/E1が、約5%、さらには、約15%よりも小さい場合、表面部分2における突起部4の先端面5の面積E2が十分に得られず、その結果、鋳造品の鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との密着性が十分に得られないおそれがある。先端面5の面積比E2/E1が、約60%、さらには、約45%よりも大きい場合、突起部4の側方面6がアメーバ形状を形成できず、その結果、鋳造品の鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との密着性が十分に得られないおそれがある。このような観点によれば、先端面5の面積比E2/E1は、約5%以上かつ約60%以下の範囲内の範囲内とすることができる。先端面5の面積比E2/E1は、好ましくは、約15%以上かつ約45%以下の範囲内とすることもできる。
「鋳ぐるみ用部材の詳細」
図1、図2、図8、及び図9(a)を参照して、本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1の詳細について説明する。すなわち、鋳ぐるみ用部材1は、詳細には次のように構成することができる。図1に示すように、鋳ぐるみ用部材1は、軸線1aを中心とした略円筒形状に形成される。しかしながら、鋳ぐるみ用部材の形状はこれに限定されない。鋳ぐるみ用部材の形状は、鋳ぐるみ用部材の用途に合わせて適宜変更することができる。例えば、鋳ぐるみ用部材は、略円筒形状以外の略半円筒形状等の略半筒形状、略四半円筒形状等の略四半筒形状、略コ字形状の断面を有する形状、略逆T字形状の断面を有する形状、湾曲した板形状、平らな板形状等とすることができる。
図8及び図9(a)に示すように、略円筒形状の金型10を用いて鋳ぐるみ用部材1を鋳造するときにおいて、突起部4の先端面5は、金型10の内周面11に当接する。そのため、突起部4の先端面5は、金型10の内周面11に沿った形状になっている。
また、後述する塗型層Nの厚さの範囲を定める観点によれば、突起部4の突出方向の長さは、約0.5mm~約5.0mmの範囲内にある。突起部4の突出方向の長さは、好ましくは、約0.5mm~約1.5mmの範囲内にある。突起部4の突出方向の長さは、より好ましくは、約0.8mm~約1.2mmの範囲内にある。
図2に示すように、隣り合う凹部7によって連結部9が形成される。隣り合う凹部7は、突起部4の外周方向にて互いに連続的に連結される。そのため、連結部9は、表面広がり方向にて突起部4の内方から突起部4の外方に向かって尖って形成される。
突起部4の側方面6の凹部7は、特に、突起部4の突出方向にて先端面5に対応する位置で、表面広がり方向に突起部4の外方から突起部4の内方に向かって凹む略円弧形状に形成されている。側方面6の凹部7はまた、特に、突起部4の突出方向にて底部3に対応する位置で、表面広がり方向に突起部4の外方から突起部4の内方に向かって凹む略円弧形状に形成されている。側方面6の凹部7は、底部3と突起部4の先端面5との間で、表面広がり方向に突起部4の外方から突起部4の内方に向かって凹む湾曲形状に形成されている。すなわち、側方面6の凹部7はアンダーカット形状に形成されている。
側方面6における複数の凹部7の大きさはランダムになっている。表面部分2の厚さ方向(又は鋳ぐるみ用部材1の径方向)から見た場合において、略円弧形状に延びる複数の凹部7の長さはランダムになっている。底部3と突起部4の先端面5との間で延びる複数の凹部7の湾曲形状もまたランダムになっている。
窪み穴8の仮想円形線8dを定義する場合に用いられる窪み穴8の2つの最外周部8bは、窪み穴8の中で、窪み穴8の表面広がり方向の中心8aから窪み穴8の外方に向かって1番目及び2番目に大きく突出する部分となっている。例えば、表面部分2の厚さ方向(又は鋳ぐるみ用部材1の径方向)から見た場合において、窪み穴8は、略円形形状、略楕円形状、略多角形状等に形成することができる。言い換えれば、窪み穴8の内周面8cは、特に、突起部4の突出方向にて先端面5に対応する位置で、略円形形状、略楕円形状、略多角形状等に形成することができる。
また、窪み穴8の内周面8cは、特に、突起部4の突出方向にて窪み穴8の底に対応する位置で、略円形形状、略楕円形状、略多角形状等に形成することができる。この場合、窪み穴8の内周面8cはまた、底部3と突起部4の先端面5との間で、窪み穴8の表面広がり方向の中心8aから窪み穴8の表面広がり方向の外方に向かって凹む湾曲形状に形成される。すなわち、窪み穴8の内周面8cはアンダーカット形状を有するように形成される。
以上、本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1は、この鋳ぐるみ用部材1を鋳ぐるむための周辺金属である溶湯を流し込むことができるように構成される表面部分2を有し、この表面部分2が、底部3と、この底部3から突出する突起部4とを有する。さらに、この突起部4は、その突出方向の先端に位置する先端面5と、表面広がり方向にて突起部4の外周の輪郭を形成するように底部3及び先端面5間で延びる側方面6とを有し、この側方面6が、それぞれ表面広がり方向にて突起部4の外方から同内方に向かって凹む略円弧形状に形成され、突起部4の外周の輪郭が、複数の凹部7を突起部4の外周方向にて互いに連続的に連結するようにアメーバ形状に形成されている。
そのため、表面部分2における突起部4の先端面5の面積E2を効率的に増加することができる。また、図1に示すような軸線1aを基準とした鋳ぐるみ用部材1の外周面における曲率又は直径を、軸線1aを基準としたすべての突起部4の先端面5における曲率又は直径と略一致させることができる。その結果、例えば、略円筒形状の鋳ぐるみ用部材1の外周面、特に、突起部4の先端面5から鋳ぐるみ用部材1をチャッキングした状態で、鋳ぐるみ用部材1、特に、その内周面を加工するときに、このチャッキング状態が安定し、かつチャック荷重を効率的に増加させることができ、かつひずみを抑制するように鋳ぐるみ用部材1にチャッキング荷重を加えることができる。そのため、鋳ぐるみ用部材1の前加工品であるブランク品の偏肉を極めて抑えることができる。鋳ぐるみ用部材1の加工精度を向上させることができ、その結果、鋳ぐるみ用部材1の真円度、円筒度、同軸度等の形状及び寸法、特に、鋳ぐるみ用部材1の表面部分2の形状及び寸法を安定させることができ、かつ鋳ぐるみ用部材1の形状精度を著しく向上させることができる。ひいては、鋳ぐるみ用部材1を効率的に製造することができる。また、突起部4の側方面6に形成されるアンダーカット形状の部分の容積を増加させることができる。そのため、かかる鋳ぐるみ用部材1を鋳ぐるんだ鋳造品において、鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との密着性を高めることができる。ひいては、鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との間における熱伝導性を高めることができる。
本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1においては、突起部4が、その突出方向にて先端面5から底部3に向かって凹む窪み穴8を有している。また、窪み穴8の内周面は、底部3と突起部4の先端面5との間にて、窪み穴8の表面広がり方向の中心から窪み穴8の表面広がり方向の外方に向かって凹む凹形状を有している。このような窪み穴8によっては、周辺金属部分に対する鋳ぐるみ用部材1のアンカー効果を高めることができる。そのため、鋳造品の鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との密着性を高めることができる。
本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1においては、突起部4の突出方向にて先端面5に対応する位置で、窪み穴8の表面広がり方向の中心8a周りに窪み穴8の2つの最外周部8bに沿って略円形形状に延びる仮想円形線8dの直径が約0.5mm以上かつ約8.0mm以下となっている。このような鋳ぐるみ用部材1においては、窪み穴8の仮想円形線8dの直径を約0.5mm以上とすることによって、周辺金属部分に対する鋳ぐるみ用部材1のアンカー効果を高めることができる。また、表面部分2における突起部4の先端面5の面積E2を効率的に増加することができる。また、窪み穴8の仮想円形線8dの直径を約8.0mm以下とすることによって、突起部4の側方面6をアメーバ形状に効率的に形成することができる。そのため、鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との密着性を高めることができる。
本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1においては、突起部4の突出方向における底部3及び先端面5間の窪み穴8の深さが、約0.5mm以上かつ約5.0mm以下の範囲内にある。このような鋳ぐるみ用部材1においては、窪み穴8の深さを約0.5mm以上とすることによって、周辺金属部分に対する鋳ぐるみ用部材1のアンカー効果を高めることができる。そのため、鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との間における熱伝導性を高めることができる。また、窪み穴8の深さを約5.0mm以下とすることによって、遠心鋳造を用いて鋳ぐるみ用部材1を鋳造することができる。そのため、鋳ぐるみ用部材1を効率的に製造することができる。
本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1においては、突起部4の突出方向における底部3及び先端面5間の突起部4の高さが、約0.5mm以上かつ約5.0mm以下の範囲内にある。このような鋳ぐるみ用部材1においては、突起部4の高さを約0.5mm以上とすることによって、周辺金属部分に対する鋳ぐるみ用部材1のアンカー効果を高めることができる。そのため、鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との間における熱伝導性を高めることができる。また、突起部4の高さを約5.0mm以下とすることによって、遠心鋳造を用いて鋳ぐるみ用部材1を鋳造することができる。そのため、鋳ぐるみ用部材1を効率的に製造することができる。
本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1においては、突起部4の先端面5が金型10の内周面11に沿った形状となっている。このような鋳ぐるみ用部材1においては、図1に示すような軸線1aを基準とした鋳ぐるみ用部材1の外周面における曲率又は直径を、軸線1aを基準としたすべての突起部4の先端面5における曲率又は直径と略一致させることができる。そのため、鋳ぐるみ用部材1の加工時における外形チャックを安定させることができ、かつ鋳ぐるみ用部材1の表面部分2の形状及び寸法を安定させることができる。ひいては、鋳ぐるみ用部材1を効率的に製造することができる。
本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1においては、突起部4の突出方向にて先端面5に対応する位置で表面部分2の全体に渡って広がるように定義される仮想面の面積E1に対する先端面5の面積E2の割合E2/E1、すなわち、先端面5の面積比E2/E1が、約5%以上かつ約60%以下の範囲内となっている。このような鋳ぐるみ用部材1においては、先端面5の面積比E2/E1を約5%以上とすることによって、表面部分2における突起部4の先端面5の面積E2を効率的に増加することができる。先端面5の面積比E2/E1を約60%以下とすることによって、突起部4の側方面6をアメーバ形状に効率的に形成することができる。そのため、鋳造品の鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との密着性を高めることができる。
「鋳ぐるみ用部材の製造方法の概略」
図3~図9を参照して、本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1の製造方法の概略について説明する。すなわち、鋳ぐるみ用部材1の製造方法は、概略的には次のようになっている。図3に示すように、鋳ぐるみ用部材1の製造方法においては、軸線10aを中心として略円筒形状に形成された金型10を用いる。
かかる製造方法においては、図3に示すように、金型10を軸線10a周りに回転させ、かつ金型10の内周面11上に塗型スラリーMを流し込む(塗型工程)。なお、図3及び図8においては、一例として、金型10の回転状態を、円弧形状に延びる矢印Jによって示す。塗型スラリーMは、耐火材と粘結剤と水とを含有する。また、塗型工程において、金型10の回転によって生じる遠心力は、約10G~約30Gの範囲内とする。なお、1Gは、9.8m/sである。
ここで、塗型スラリーMのコーティングにおいて、金型10の温度が約140℃よりも低い場合、塗型スラリーMの乾燥が遅れて、その結果、生産性が低下する。また、塗型層Nの生乾きの状態が長く続くことになり、その結果、塗型層Nが大きなセルサイズとなるように深いひび割れFが生じ、かつひび割れた塗型層Nに反りが生じる。このような塗型層の状態において、高温の溶湯(又は周辺金属の溶湯)を金型内に注湯すると、金型10の内周面11に付着していた塗型層が剥離するおそれがある。また、塗型工程にて金型10の温度が約180℃よりも高い場合、及び/又は塗型スラリーM中の粘結剤の含有率が約10質量%以下である場合、塗型層Nのひび割れFが、塗型層Nの内周表面N1から金型10の内周面11に向けて一様に進展せずに、ひび割れFの深さは浅くかつランダムになる。すなわち、塗型層Nの内周表面N1から発生するひび割れFが、金型10の内周面11にまで到達せずに、塗型層Nの内部の途中までしか延びない状態が発生する。また、塗型スラリーM中の粘結剤の含有率が約15質量%以上である場合、塗型スラリーMの粘性が極めて高くなり、塗型工程にて、塗型スラリーMを金型10の内周面11全体に均一に塗布することができない。このような観点によれば、塗型工程において金型10の温度が約140℃以上かつ約180℃以下の範囲内に調節されることができ、かつ塗型スラリーM中の粘結剤の含有率が、約10質量%を超えかつ約15質量%未満の範囲内とすることができる。例えば、粘結剤としては、モンモリロナイトを主成分とする粘土の一種であるベントナイトを使用することができる。
図4~図7に示すように、塗型工程の後に、金型10の内周面11までに達するひび割れFを生じさせた塗型層Nを形成するように、流し込まれた塗型スラリーMを乾燥させる(乾燥工程)。図8及び図9に示すように、乾燥工程の後に、金型10を軸線10a周りに回転させながら、溶湯Hを塗型層Nの内周表面N1からひび割れFの隙間を通って金型10の内周面11に接触するように流し込む(注湯工程)。なお、図9においては、一例として、溶湯Hを、互いに平行な複数の斜めの仮想線によって網掛けされた状態で示す。すなわち、鋳ぐるみ用部材1の製造方法は、上述のような塗型工程、乾燥工程、及び注湯工程を含む。また、注湯工程において、金型10の回転によって生じる遠心力は、約90G~約125Gの範囲内とする。注湯工程において、金型10に流し込まれる溶湯Hの温度は、鋳鉄を用いる場合、好ましくは、約1400℃~約1470℃とする。しかしながら、注湯工程における金型の遠心力及び溶湯の温度は、これらに限定されない。注湯工程における金型の遠心力及び溶湯の温度は、流し込まれる溶湯材質次第で、これらと異ならせることができる。
さらに、鋳ぐるみ用部材1の製造方法は、概略的には次のようにすることができる。塗型スラリーMは、炭素質添加剤をさらに含有する。ここで、塗型スラリーM中に炭素質添加剤が含まれない場合、又は塗型スラリーM中の炭素質添加剤の含有率が約0.1質量%未満である場合、鋳ぐるみ用部材1の表面部分2にガス欠陥が発生するおそれがある。塗型スラリーM中の炭素質添加剤の含有率が約0.5質量%以上である場合、注湯工程にて溶湯Hを金型10に流し込むときに、塗型層N内に含有されるベントナイトの結晶水が分解され、この分解によって発生するガスが優先的に還元される。そのため、ひび割れた塗型層Nの反りが大きくなり、その結果、金型10の内周面11から剥離するおそれがある。このような観点によれば、塗型スラリーM中の炭素質添加剤の含有率は、好ましくは、約0.1質量%以上かつ約0.5質量%未満の範囲内とする。
「鋳ぐるみ用部材の製造方法の詳細」
図3~図11を参照して、本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1の製造方法の詳細について説明する。すなわち、鋳ぐるみ用部材1の製造方法は、詳細には次のようにすることができる。鋳ぐるみ用部材1の製造方法においては、図10に示すように、注湯工程の後に、鋳ぐるみ用部材1の粗材Rを金型10の軸線10aに沿った方向に移動させるように、かかる粗材Rを金型10から引き抜く(引き抜き工程)。粗材Rは、鋳ぐるみ用部材1の表面部分2に固化した塗型層Nが付着した状態となっている。なお、図10においては、一例として、金型10の引き抜き方向を、直線状に延びる矢印Qによって示す。
図11に示すように、引き抜き工程の後に、ショットブラスト等の表面加工によって、粗材Rから塗型層Nを除去する(除去工程(又はショットブラスト工程))。例えば、図11に示すように、ショットブラスト等においては、複数の球体又は粒体Bを粗材Rの塗型層Nに投射し、これによって、塗型層Nを研掃及び除去する。なお、図11においては、一例として、複数の球体又は粒体Bの投射方向を、直線形状に延びる矢印Dによって示し、かつ突起部4を、黒色にて塗り潰すように示す。かかる除去工程によって、鋳ぐるみ用部材1が得られることとなる。このような製造方法は、塗型工程、乾燥工程、及び注湯工程に加えて、上述のような引き抜き工程及び除去工程を含むことができる。
さらに、図3に示すように塗型工程において用いられる塗型スラリーMは、次のようにすることができる。塗型スラリーMは、その基本的な構成材料として、粘結剤の一例であるベントナイトと、耐火材の一例である珪藻土と、水とを含有する。かかる塗型スラリーMは、ベントナイト、珪藻土、及び水のような材料を、次のような塗型スラリーM全体の質量に対するこれらの質量の割合にてそれぞれ含有することができる。すなわち、塗型スラリーMは、約10質量%を超えると共に約13質量%以下の範囲内にあるベントナイトと、約8質量%~約15質量%の範囲内にある珪藻土と、約72質量%~約82質量%の範囲内にある水とを含有することができる。
ここで、塗型スラリーMが約10質量%以下のベントナイトを含む場合、乾燥工程にて塗型層Nが十分に収縮せず、その結果、ひび割れFが、アメーバ形状に形成された鋳ぐるみ用部材1の突起部4の側方面6をもたらすように塗型層Nに生じないおそれがある。また、塗型スラリーMが約13質量%を超えるベントナイトを含む場合、塗型スラリーMの粘度が高くなり、塗型工程にて、塗型スラリーMを金型10の内周面11全体に渡ってムラなく塗布するように塗型スラリーMを流動させることが困難になる。これに対して、塗型スラリーMが、約10質量%を超えると共に約13質量%以下であるベントナイトを含む場合には、ひび割れFを、アメーバ形状に形成された鋳ぐるみ用部材1の突起部4の側方面6をもたらすように塗型層Nに生じさせることができ、かつ塗型工程にて、塗型スラリーMを金型10の内周面11全体に渡ってムラなく塗布するように塗型スラリーMを流動させることができる。
特に、塗型スラリーMにおいては、ベントナイトの質量に対する、珪藻土に吸収された分を除いた水の質量の割合(=珪藻土に吸収された分を除いた水の質量/ベントナイトの質量)は、ひび割れFの形状を決定する重要な指標となり、かつかかる割合が約6.0に近似するほど塗型層Nのひび割れFを大きくすることができる。さらに、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合(=ベントナイトの質量/珪藻土の質量)を約0.7~約1.5の範囲内とすれば、ひび割れFの深さ及び幅への影響が大きくなる。
ベントナイトの質量に対する、珪藻土に吸収された分を除いた水の質量の割合が約4.0未満である場合、及び/又は珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合が約0.7未満である場合、ひび割れFを、アメーバ形状に形成された鋳ぐるみ用部材1の突起部4の側方面6をもたらすように塗型層Nに生じさせることが難しくなる。ベントナイトの質量に対する、珪藻土に吸収された分を除いた水の質量の割合が約6.0よりも大きい場合、及び/又は珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合が約1.5よりも大きい場合、ひび割れた塗型層Nがその反りによって金型10の内周面11から剥離するおそれがある。このような観点によれば、ベントナイトの質量に対する、珪藻土に吸収された分を除いた水の質量の割合は、約4.0~約6.0の範囲内とすることができる。さらに、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合は、約0.7~約1.5の範囲内とすることができる。
耐火剤が珪藻土である場合において、珪藻土には、約1μm~約150μmの範囲内の粒径を有する粉体を用いる。また、複数種類の珪藻土を混合させたものを用いることもできる。例えば、高温焼成によって珪藻土内の有機物を除去したものを用いることができる。また、少量の炭酸塩等を添加した状態での溶融焼成によって、その表面に薄いガラス質の被膜を形成した珪藻土を混合させたものを用いることができる。この場合、前者は、乾燥工程において塗型層Nの均等な収縮を促進し、その結果、ひび割れFを形成するきっかけが与えられる。後者においては、ガラス質の被膜によって組成が安定するため、その結果、塗型層Nの強度を向上させることができる。そのため、特に、注湯工程において、溶湯Hに起因して塗型層Nが剥離及び脱落することを防止できる。
また、高温の溶湯Hが塗型層Nに接触すると、短時間でベントナイトの結晶水のすべてがガスとして放出される。そのため、特に、金型10内への溶湯Hの鋳込み量が少なく、かつ溶湯Hの凝固時間が短い場合には、ベントナイトの結晶水に起因するガスが溶湯Hから分離することが滞って、その結果、鋳ぐるみ用部材1の表面にガス欠陥を発生させ易くする。
これに対して、本実施形態に係る製造方法においては、炭素質添加剤が塗型スラリーMに添加され、かつ塗型スラリーM中に均一に分散された状態で、このような塗型スラリーMが金型10の内周面11上に塗布される。そのため、高温の溶湯Hが塗型層Nに流し込まれると、塗型層NからCO、C系等の還元性ガスが発生し、これによって、金型10の内周面11と塗型層Nとの間で還元性雰囲気を形成できる。この場合、鋳込み直後に、金型10内にてベントナイトの結晶水が、爆発的にガス化すると共に遠心鋳造における遠心分離作用を受け、さらに、溶湯H内に入り込もうとする。これに対して、上記還元性雰囲気を形成する還元性ガスフィルムによって、結晶水からの分解ガスの入り込みを防ぐことができる。さらに、結晶水に起因するガスは、燃焼かつ消失し、これによって、ガス欠陥の発生を抑制することができる。
また、還元性ガスは、塗型層Nと接触する溶湯Hの表面の酸化を抑えることができる。そのため、溶湯Hの表面張力を増加させることができる。溶湯Hと塗型層Nとの間における接触角(ぬれ性)を低くすることができ、その結果、鋳ぐるみ用部材1の表面に対して塗型層Nが焼き付くことを防止できる。塗型層Nのスクワレに起因する鋳ぐるみ用部材1の表面における突起形状の不良を防止することができる。さらには、引き抜き工程において金型10から鋳ぐるみ用部材1の粗材Rを引き抜くための抜型性能を改善することができる。
さらに、塗型層Nの厚さが約0.5mmよりも小さい場合、鋳造品において鋳ぐるみ用部材1の周辺に位置する金属の部分、すなわち、周辺金属部分に対する鋳ぐるみ用部材1のアンカー効果が十分に得られず、ひいては、鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との間における熱伝導性が十分に得られないおそれがある。また、塗型層Nの厚さが約5.0mmよりも大きい場合、遠心鋳造を用いて鋳ぐるみ用部材1を鋳造できないおそれがある。このような観点によれば、塗型層Nの厚さは、約0.5mm以上かつ約5.0mm以下の範囲内とすることができる。なお、シリンダスリーブ等のように略円筒形状の鋳ぐるみ用部材1を製造する場合においては、上記のように定めた上限値及び下限値と同じ観点に基づいて、塗型層Nの厚さは、約0.5mm以上かつ約1.5mm以下の範囲内とすることができ、さらには、塗型層Nの厚さは、約0.8mm以上かつ約1.2mm以下の範囲内とすることができる。
さらに、図4~図9を参照して、乾燥工程及び注湯工程において、塗型層Nにひび割れFが成長するメカニズムについて説明する。図4に示すように、乾燥工程の第1段階、特に、初期段階においては、金型10の温度が約140℃以上かつ約180℃以下の範囲内になっており、かつ塗型層Nの水分が蒸発し、これによって、塗型層Nから水蒸気が発生する。この第1段階においては、塗型層Nにひび割れFが発生していない。なお、図4(a)、図5(a)、及び図6(a)においては、一例として、塗型層Nの水分が蒸発している状態を、波形状に延びる矢印Vによって示す。
図4~図6を参照すると、乾燥工程が、第1段階の後に、第2段階を経て第3段階に至るまでにおいては、塗型層Nの収縮領域が、その内周表面N1から塗型層Nの外周表面N2に向かって徐々に広がる。なお、図5(a)及び図6(a)においては、一例として、塗型層Nの収縮状態を、直線形状に延びる矢印Kによって示す。このような塗型層Nの収縮によって、ひび割れFが、塗型層Nの内周表面N1から塗型層Nの外周表面N2に向かって徐々に延び、かつ塗型層Nの広がり方向(以下、「層広がり方向」という)にて徐々に広がるように成長する。なお、塗型層Nの外周表面N2は、塗型層Nの厚さ方向にて内周表面N1の反対側に位置し、かつ金型10の内周面11に当接する。また、層広がり方向は、塗型層Nの厚さ方向に直交する面内方向となっている。
具体的には、図5に示すように、乾燥工程の第2段階においては、ひび割れFが、塗型層Nの内周表面N1から塗型層Nの厚さ方向の中間まで凹むように形成されている。図6に示すように、乾燥工程の第3段階においては、ひび割れFが、塗型層Nの内周表面N1から塗型層Nの外周表面N2、すなわち、金型10の内周面11まで延びるように形成されている。さらに、第3段階におけるひび割れFの層広がり方向の大きさは、第2段階におけるひび割れFの層広がり方向の大きさよりも大きくなっている。なお、ひび割れFの層広がり方向の大きさは、ひび割れFの幅と呼ぶこともできる。
図6及び図7を参照すると、乾燥工程が、第3段階の後に、第4段階、特に、完了段階に至るまで、塗型層Nの内周表面N1における収縮と、塗型層Nの外周表面N2における収縮とが、塗型層Nの厚さ方向の中間における収縮よりも大きくなる。このような収縮の結果、図7に示すように、乾燥工程の第4段階において、ひび割れFにより形成される塗型層Nの側方面N3は、層広がり方向にて塗型層Nの内方から同外方に向かって突出する湾曲形状に形成されている。すなわち、塗型層Nの側方面N3は、アンダーカット形状に形成されている。なお、乾燥工程の第4段階においては、金型10の温度が100℃以上に保たれていると好ましい。しかしながら、第4段階における金型の温度は、これに限定されない。
図8及び図9に示すように、上記乾燥工程の後に、注湯工程において、金型10内で塗型層Nの内周表面N1上に溶湯Hが流し込まれると、塗型層Nに含まれるベントナイトの結晶水が急激に放出され、その結果、塗型層Nがさらに収縮する。この場合、塗型層Nの内周表面N1及び外周表面N2における収縮量と、塗型層Nの厚さ方向の中間における収縮量との差がさらに大きくなる。
また、注湯工程において金型10内に流し込まれる溶湯H、すなわち、鋳ぐるみ用部材1の材料は、鋳ぐるみ用部材1を遠心鋳造した場合に遠心力による作用を効果的にもたらすために大きな比重を有する金属とすることができる。例えば、鋳ぐるみ用部材1の材料は、鋳鉄、銅合金、錫合金、亜鉛合金等とすることができる。鋳鉄は、一般的に、Fe(鉄)、C(炭素)、及びSi(ケイ素)を含む三元合金となっており、鋳ぐるみ用部材1の材料が、このような鋳鉄である場合、かかる材料は、片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄等とすることができる。
鋳ぐるみ用部材1がシリンダスリーブである場合、例えば、鋳ぐるみ用部材1の材料は、優れた摺動性及び耐摩耗性を得るという観点においては、Fe、C、及びSiに加えて、Mn(マンガン)、P(リン)、S(硫黄)、その他の元素を含む片状黒鉛鋳鉄とすることができる。また、注湯工程において、ひび割れFによって溶湯Hが金型10の内周面11に接触する。そのため、溶湯Hの炭素当量(CE値)が約4.2未満である場合、かかる接触によって白鉄化が生じるおそれがある。また、溶湯Hの炭素当量が約4.7よりも大きい場合、著しい初晶黒鉛の晶出に伴って黒鉛サイズが粗大化し、さらには、鋳ぐるみ用部材1の内周面上に黒鉛膜が形成されるおそれがある。このような観点によれば、溶湯Hの炭素当量は、約4.2~約4.7の範囲内とすることができる。
以上、本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1の製造方法は、上述のような塗型工程、乾燥工程、及び注湯工程を含んでおり、塗型工程にて、金型10の温度が約140℃以上かつ約180℃以下の範囲内に調節され、塗型スラリーMが、耐火材と粘結剤とを含有し、塗型スラリーM中の粘結剤の含有率が、約10質量%を超えかつ約15質量%未満の範囲内にある。
本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1の製造方法においては、塗型工程にて金型10の温度が約140℃以上かつ約180℃以下の範囲内に調節され、かつ塗型スラリーM中の粘結剤の含有率が約10質量%を超えることによって、乾燥工程にて塗型層Nの生乾きを確実に防ぐことができ、かつ塗型層Nのひび割れFを塗型層Nの内周表面N1及び金型10の内周面11間で延びるように確実に形成することができる。また、塗型スラリーM中の粘結剤の含有率が約15質量%未満であることによって、塗型スラリーMを金型10の内周面11全体に渡ってムラなく確実に塗布するように、塗型スラリーMを流動させることができる。そのため、鋳ぐるみ用部材1の表面部分2の形状及び寸法を安定させることができ、かつ鋳ぐるみ用部材1の形状精度を著しく向上させることができる。ひいては、鋳ぐるみ用部材1を効率的に製造することができる。本実施形態に係る鋳ぐるみ用部材1の製造方法においては、鋳ぐるみ用部材1における表面部分2の突起部4の側方面6を、上述のようなアメーバ形状に形成することができる。そのため、鋳造品の鋳ぐるみ用部材1と周辺金属部分との密着性を高めることができる。
本実施形態係る鋳ぐるみ用部材1の製造方法においては、塗型スラリーMが、炭素質添加剤をさらに含有する。このような製造方法においては、塗型スラリーMに含有される炭素質添加剤によって、鋳ぐるみ用部材1の表面部分2に塗型焼き付きが発生することを効率的に防ぐことができる。また、鋳ぐるみ用部材1の表面部分2にガス欠陥が発生することを抑制できる。そのため、鋳ぐるみ用部材1の表面部分2の形状及び寸法、並びに鋳造品質を安定させることができ、かつ鋳ぐるみ用部材1の形状精度を著しく向上させることができる。
本実施形態係る鋳ぐるみ用部材1の製造方法においては、塗型スラリーM中の炭素質添加剤の含有率が、約0.1質量%以上かつ約0.5質量%未満の範囲内にある。このような製造方法においては、塗型スラリーM中の炭素質添加剤の含有率が約0.1質量%以上であることによって、鋳ぐるみ用部材1の表面部分2にガス欠陥が発生することを確実に抑制できる。塗型スラリーM中の炭素質添加剤の含有率が約0.5質量%未満であることによって、注湯工程にて溶湯Hを金型10に流し込むときに、ひび割れた塗型層Nがその反りによって金型10の内周面11から剥離することを確実に抑制できる。そのため、鋳ぐるみ用部材1の表面部分2の形状及び寸法を安定させることができ、かつ鋳ぐるみ用部材1の形状精度を著しく向上させることができる。ひいては、鋳ぐるみ用部材1を効率的に製造することができる。
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
「実施例1~8及び比較例1について」
最初に、実施例1~8及び比較例1に係る塗型層は、後述する塗型スラリーを除いて互いに同様に形成された。各塗型層の形成過程について、塗型工程において、塗型層の厚さを1.0mm~1.2mmとするように塗型スラリーを金型の内周面上に塗布し、かつ乾燥工程において、塗布された塗型スラリーを乾燥させ、これによって、ひび割れを有する塗型層が形成された。金型の温度は150℃~170℃であった。乾燥工程の後、言い換えれば、次に述べる注湯工程の前において、塗型層のひび割れの程度を確認した。さらに、遠心鋳造法を用いて、かかる金型の内周面の塗型層上に鋳鉄溶湯を流し込む注湯工程を実施し、その後、金型から引き抜かれた鋳ぐるみ用部材の粗材において、鋳ぐるみ用部材の表面部分及びそれに付着した塗型層を観察し、かかる観察によって、表面部分のガス欠陥発生の有無と、塗型層の剥離の有無とを確認した。
表1に示すように、実施例1~8及び比較例1に係る塗型層においては、次のような塗型スラリーが用いられた。実施例1においては、11.0質量%のベントナイトと、15.0質量%の珪藻土とを含有する塗型スラリーが用いられ、かかる塗型スラリーは、石炭粉等の炭素質添加剤を含有せず、かつかかる塗型スラリーにおいて、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合(=ベントナイトの質量/珪藻土の質量)は、0.73であった。
実施例2においては、11.0質量%のベントナイトと、15.0質量%の珪藻土と、0.1質量%の石炭粉とを含有する塗型スラリーが用いられ、かつかかる塗型スラリーにおいて、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合は、0.73であった。
実施例3においては、11.0質量%のベントナイトと、15.0質量%の珪藻土と、0.2質量%の石炭粉とを含有する塗型スラリーが用いられ、かつかかる塗型スラリーにおいて、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合は、0.73であった。
実施例4においては、11.0質量%のベントナイトと、15.0質量%の珪藻土と、0.4質量%の石炭粉とを含有する塗型スラリーが用いられ、かつかかる塗型スラリーにおいて、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合は、0.73であった。
実施例5においては、11.0質量%のベントナイトと、15.0質量%の珪藻土と、0.5質量%の石炭粉とを含有する塗型スラリーが用いられ、かつかかる塗型スラリーにおいて、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合は、0.73であった。
実施例6においては、12.0質量%のベントナイトと、15.0質量%の珪藻土と、0.2質量%の石炭粉とを含有する塗型スラリーが用いられ、かつかかる塗型スラリーにおいて、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合は、0.80であった。
実施例7においては、12.0質量%のベントナイトと、12.5質量%の珪藻土と、0.2質量%の石炭粉とを含有する塗型スラリーが用いられ、かつかかる塗型スラリーにおいて、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合は、0.96であった。
実施例8においては、12.0質量%のベントナイトと、7.5質量%の珪藻土と、0.2質量%の石炭粉とを含有する塗型スラリーが用いられ、かつかかる塗型スラリーにおいて、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合は、1.60であった。
比較例1においては、11.0質量%のベントナイトと、15.0質量%の珪藻土とを含有する塗型スラリーが用いられ、かかる塗型スラリーは、石炭粉等の炭素質添加剤を含有せず、かつかかる塗型スラリーにおいて、珪藻土の質量に対するベントナイトの質量の割合は、0.67であった。
注湯工程前では、実施例1~8及び比較例1の塗型スラリーを用いて金型の内周面に形成された塗型層のひび割れの程度は、表1に示すような結果となった。また、注湯工程後では、実施例1~8及び比較例1の塗型スラリーから得られた塗型層が鋳ぐるみ部材の表面部分に付着した状態となっている鋳ぐるみ部材の粗材において、塗型層の剥離の有無と、表面部分のガス欠陥発生の有無とは、表1に示すような結果となった。なお、表1において、注湯工程前におけるひび割れの程度については、すべてのひび割れが塗型層の内周表面から金型の内周面までに延びている場合を「〇」によって示し、すべてのひび割れではないが半分以上のひび割れが塗型層の内周表面から金型の内周面までに延びている場合を「△」によって示し、かつ半分以上のひび割れが塗型層の内周表面から金型の内周面までに延びていない場合を「×」によって示す。また、表1において、注湯工程後における表面部分のガス欠陥発生の有無及び塗型層の剥離の有無については、ガス欠陥発生及び剥離が無い場合を「〇」によって示し、かつガス欠陥発生及び剥離がある場合を「×」によって示す。
表1を参照すると、実施例1~7に係る塗型層においては、すべてのひび割れが塗型層の内周表面から金型の内周面までに延びていた。また、実施例8に係る塗型層においては、半分以上のひび割れが塗型層の内周表面から金型の内周面までに延びていた。これら実施例1~8に係る塗型層、特に、実施例1~7に係る塗型層を用いて鋳ぐるみ用部材を作製した場合、突起部の側方面をアメーバ形状に形成できた。その一方で、比較例1に係る塗型層においては、すべてのひび割れが塗型層の内周表面から金型の内周面までに延びていなかった。このような比較例1に係る塗型層を用いて鋳ぐるみ用部材を作製した場合、突起部の側方面をアメーバ形状に形成できなかった。
そのため、塗型スラリー中の粘結剤、特に、ベントナイトの含有率が10質量%を超える場合に、鋳ぐるみ用部材の突起部の側方面をアメーバ形状に形成するように塗型層にひび割れを形成できることが確認できた。さらに、耐火材、特に、珪藻土の質量に対する粘結剤、特に、ベントナイトの質量の割合が、0.7~1.5の範囲内にある場合に、鋳ぐるみ用部材の突起部の側方面をアメーバ形状により確実に形成するように塗型層にひび割れを形成できることが確認できた。
表1を参照すると、実施例2~5に係る塗型層においては、ガス欠陥が発生しなかった。実施例1及び比較例1に係る塗型層においては、ガス欠陥が発生した。そのため、塗型スラリー中の炭素質添加剤、特に、石炭粉の含有率が0.1質量%以上である場合に、ガス欠陥の発生を抑制できることが確認できた。さらに、実施例2~4に係る塗型層においては、塗型層の剥離は発生しなかった。実施例5に係る塗型層においては、塗型層の剥離が発生した。そのため、塗型スラリー中の炭素質添加剤、特に、石炭粉の含有率が0.5質量%未満である場合に、塗型層の剥離の発生を抑制できることが確認できた。すなわち、ガス欠陥及び塗型層の剥離を抑制する観点においては、塗型スラリー中の炭素質添加剤の含有率が、0.1質量%以上かつ0.5質量%未満の範囲内にあると好ましいことが確認できた。
「実施例9について」
実施例9において、複数の鋳ぐるみ用部材における仮想面の面積に対する先端面の面積の割合、すなわち、先端面の面積比と、周辺金属部材に対するこれらの鋳ぐるみ用部材の相対密着強さとの関係について確認した。なお、実施例9に係る複数の鋳ぐるみ用部材は、以下で特に言及しない限り、上記実施形態と同様である。
実施例9に係る各鋳ぐるみ用部材の材料は、Fe、C、及びSiに加えて、Mn、P、S、その他の元素を含む片状黒鉛鋳鉄となっている。周辺金属部材の材料は、アルミニウム合金となっている。また、相対密着強さは、最低限必要とされる鋳ぐるみ用部材の基準密着強さ(MPa)に対する実施例9に係る鋳ぐるみ用部材の密着強さ(MPa)の比率(=実施例9に係る鋳ぐるみ用部材の密着強さ/鋳ぐるみ用部材の基準密着強さ)となっている。なお、実施例9に係る鋳ぐるみ用部材の密着強さが鋳ぐるみ用部材の基準密着強さと等しい場合には、相対密着強さは1.0となり、後述する図12においては、このような場合を太線Wにより示す。
このような実施例9に係る鋳ぐるみ用部材の密着強さは、次のように測定した。すなわち、各鋳ぐるみ用部材から、300mm~500mmの範囲内の密着面積を有する試験片を削り出し、試験片における周辺金属部材の表面及び鋳ぐるみ用部材の表面のそれぞれを、熱硬化性エポキシ系接着剤によって引張治具に固定し、このような試験片に対して、精密万能試験機を用いて引張治具を密着面に対して垂直な方向に引っ張ることによって垂直剥離試験を行った。密着強さは、周辺金属部材と鋳ぐるみ用部材とが剥離したときの最大荷重を試験前の試験片の密着面積によって除した値とした。
さらに、鋳ぐるみ用部材において、先端面の面積比が45%を超えると、相対密着強さが減少傾向を示した。そのため、相対密着強さの増加傾向に基づいて先端面の面積比のより好ましい範囲を確認するために、実施例9に係る複数の鋳ぐるみ用部材は、その先端面の面積比を、0%よりも大きく、かつ45%以下である範囲内とするものとなっている。
実施例9に係る複数の鋳ぐるみ用部材における先端面の面積比と、周辺金属部材に対するこれらの鋳ぐるみ用部材の相対密着強さとの関係は、図12に示すような結果になった。かかる図12は、先端面の面積比(%)を横軸Xにより示し、かつ相対密着強さを縦軸Yにより示したグラフとなっている。複数の鋳ぐるみ用部材のデータは、かかるグラフにプロットされており、グラフにおいては、これらのデータに基づいた多項式近似曲線Z(破線により示す)が描かれている。
図12の多項式近似曲線Zを参照すると、先端面の面積比が0%を超えかつ5%未満の範囲内にある場合では、相対密着強さが実質的に一定になっている。さらに、先端面の面積比が5%以上になると、相対密着強さの増加が始まる。また、先端面の面積比が15%以上になると、相対密着強さが急激に増加する。先端面の面積比が15%以上になると、1.5以上の相対密着強さが確保される。そのため、先端面の面積比が5%以上である場合に、鋳造品の鋳ぐるみ用部材と周辺金属部分との密着性を高めることができることが確認できた。さらには、先端面の面積比が15%以上かつ45%以下の範囲内にある場合に、鋳造品の鋳ぐるみ用部材と周辺金属部分との密着性をより高めることができることが確認できた。
1…鋳ぐるみ用部材、2…表面部分、3…底部、4…突起部、5…先端面、6…側方面、7…凹部、8…窪み穴、8a…中心、8b…最外周部
10…金型、10a…軸線、11…内周面
M…塗型スラリー、N…塗型層、N1…内周表面
H…溶湯
F…ひび割れ

Claims (8)

  1. 鋳ぐるみに用いられる溶湯を流し込むことができるように構成される表面部分を備え、
    前記表面部分が、底部と、前記底部から突出する突起部とを有する、鋳ぐるみ用部材であって、
    前記突起部が、その突出方向の先端に位置する先端面と、前記表面部分の広がり方向である表面広がり方向にて前記突起部の外周の輪郭を形成するように前記底部及び前記先端面間で延びる側方面とを有し、
    前記側方面が、それぞれ前記表面広がり方向にて前記突起部の外方から同内方に向かって凹む円弧形状に形成される複数の凹部を有し、
    前記複数の凹部のうち、外周方向に隣り合う凹部は、表面広がり方向にて突起部の内方から突起部の外方に向かって尖って形成される連結部によって、連続的に連結されている、鋳ぐるみ用部材
  2. 前記突起部が、前記突出方向にて前記先端面から前記底部に向かって凹む窪み穴を有している、請求項1に記載の鋳ぐるみ用部材。
  3. 前記窪み穴の内周面が、前記底部と前記突起部の先端面との間にて、前記窪み穴の表面広がり方向の中心から前記窪み穴の表面広がり方向の外方に向かって凹む凹形状を有している、請求項2に記載の鋳ぐるみ用部材。
  4. 前記突出方向にて前記先端面に対応する位置で、前記窪み穴の表面広がり方向の中心周りに前記窪み穴の2つの最外周部に沿って円形形状に延びる仮想円形線の直径が0.5mm以上かつ8.0mm以下の範囲内にある、請求項2又は3に記載の鋳ぐるみ用部材。
  5. 前記突出方向における前記底部及び前記先端面間の前記窪み穴の深さが、0.5mm以上かつ5.0mm以下の範囲内にある、請求項2~4のいずれか一項に記載の鋳ぐるみ用部材。
  6. 前記突出方向における前記底部及び前記先端面間の前記突起部の高さが、0.5mm以上かつ5.0mm以下の範囲内にある、請求項1~5のいずれか一項に記載の鋳ぐるみ用部材。
  7. 前記突出方向にて前記先端面に対応する位置で前記表面部分の全体に渡って広がるように定義される仮想面の面積に対する前記先端面の面積の割合が、5%以上かつ60%以下の範囲内にある、請求項1~6のいずれか一項に記載の鋳ぐるみ用部材。
  8. 前記突起部の先端面が、円筒形状の金型の内周面に沿った形状となっている、請求項1~7のいずれか一項に記載の鋳ぐるみ用部材。
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