JP7427345B2 - バスバー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、バスバー構造に関する。
たとえば、シリーズ方式のハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)には、エンジンの動力で発電する発電モータおよび走行用の動力を発生する駆動モータの2個のモータが搭載されている。走行用の動力は、デファレンシャルギヤに伝達され、デファレンシャルギヤから左右の駆動輪に振り分けられる。
また、ハイブリッド車両には、電力の授受を制御するPCU(Power Control Unit:パワーコントロールユニット)が搭載されている。PCUの搭載構造として、トランスアクスルの形態、つまり2個のモータとデファレンシャルギヤとを単一のトランスアクスルケース内に収容した形態を採用し、PCUをトランスアクスルと一体化した構造が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
その提案に係る構造では、トランスアクスルケースの上部の開口を覆うように、固定台座が設けられている。固定台座の上方には、基板ステーが設けられている。基板ステー上には、インバータの基板が配置されている。固定台座の上方は、トランスアクスルケースに着脱可能に取り付けられるカバーで覆われており、基板ステーおよびインバータなどの各部は、カバー内に収容されている。
また、固定台座には、端子台がトランスアクスルケース内とカバー内とに跨がって設けられている。端子台から上方および下方に、バスバーが延びている。端子台から上方に延びるバスバーは、カバー内でインバータと電気的に接続される。端子台から下方に延びるバスバーは、トランスアクスルケース内で2個のモータと電気的に接続される。
国際公開第2012/105353号
トランスアクスルケース内には、オイル(ATF:Automatic Transmission Fluid)が封入されている。そのため、トランスアクスルケース内とカバー内とに跨がって設けられる端子台には、PCUが配置されるケース内にオイルが浸入することを防止するシール性が求められる。
ところが、従来の提案に係る構造では、2個のモータのU相、V相およびW相に対応して設けられる6本のバスバーが同一平面上に横並びで配置されている。そのため、端子台のサイズが大きく、端子台およびバスバーを含む構造のサイズが大きい。
本発明の目的は、小型化を図ることができる、バスバー構造を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係るバスバー構造は、第1モータ、第2モータおよびパワーコントロールユニットが配置されるケース内に設けられて、第1モータおよび第2モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するバスバー構造であって、第1モータおよび第2モータが配置されるモータ空間とパワーコントロールユニットが配置されるPCU空間とを隔てる隔壁部にモータ空間とPCU空間とに跨がって設けられる保持体と、第1モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、保持体に保持されて、第1モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第1バスバーと、第2モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、保持体に保持されて、記第2モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第2バスバーとを含み、少なくとも2つの第1バスバーは、第1方向に横並びに配置され、少なくとも1つの第1バスバーは、第2バスバーに対して第1方向と直交する第2方向に間隔を空けて重ねて配置されている。
この構成によれば、パワーコントロールユニットが第1モータおよび第2モータとともにケース内に配置されることにより、それらが一体化されている。ケース内には、隔壁部が設けられ、隔壁部により、第1モータおよび第2モータを配置するモータ空間と、パワーコントロールユニットを配置するPCU空間とが隔てられている。
隔壁部には、保持体がモータ空間とPCU空間とに跨がって設けられている。保持体には、第1モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第1バスバーと、第2モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第2バスバーとが保持されている。第1バスバーは、第1モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、第2バスバーは、第2モータのU相、V相およびW相に対応して設けられている。
3つの第1バスバーのうちの少なくとも2つは、第1方向に横並びに配置され、3つの第1バスバーのうちの少なくとも1つは、第2バスバーに対して第1方向と直交する第2方向に間隔を空けて重ねて配置されている。これにより、3つの第1バスバーおよび3つの第2バスバーが第1方向に横並びに配置される構成と比較して、保持体のサイズを第1方向に小さくすることができる。よって、バスバー構造のサイズの小型化を図ることができる。
保持体は、隔壁部に貫通して形成された嵌合口に嵌められており、バスバー構造は、保持体の外周と嵌合口の内面との間をシールするシール部材をさらに含んでいてもよい。
保持体のサイズを第1方向に小さくできるので、シール部材によりシールされる領域を第1方向に小さくできる。その結果、シール構造に要するコストを低減できる。
第2バスバーは、第1方向に延びる部分を有し、第2バスバーのそれぞれの第1方向に延びる部分は、上下方向に間隔を空けて重ねて配置されていてもよい。
これにより、各第2バスバーの第1方向に延びる部分が第1方向または第2方向に並べられることによるサイズの増大を回避できる。
バスバー構造は、モータ空間を保持体に向けて延びる接続線をさらに含み、保持体には、PCU空間側に開放される端子配置部が形成されており、第1バスバーおよび第2バスバーの少なくとも一方は、接続線との接続のための端子部が端子配置部に配置されてもよい。
この構成では、端子配置部に配置される端子部がPCU空間側に露出するので、モータ空間が閉塞された後にも、端子部と接続線との接続作業を行うことができる。
本発明の他の局面に係るバスバー構造は、第1モータ、第2モータおよびパワーコントロールユニットが配置されるケース内に設けられて、第1モータおよび第2モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するバスバー構造であって、第1モータおよび第2モータが配置されるモータ空間とパワーコントロールユニットが配置されるPCU空間とを隔てる隔壁部にモータ空間とPCU空間とに跨がって設けられる保持体と、第1モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、保持体に保持されて、第1モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第1バスバーと、第2モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、保持体に保持されて、第2モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第2バスバーと、モータ空間を保持体に向けて延び、第1バスバーに設けられた第1端子部に接続される第1接続線と、モータ空間を保持体に向けて延び、第2バスバーに設けられた第2端子部に接続される第2接続線とを含み、第1端子部および第2端子部は、保持体上に配置されている。
この構成によれば、パワーコントロールユニットが第1モータおよび第2モータと単一のケース内に収容されることにより、それらが一体化されている。ケース内には、隔壁部が設けられ、隔壁部により、第1モータおよび第2モータを収容するモータ空間と、パワーコントロールユニットを収容するPCU空間とが隔てられている。
隔壁部には、保持体がモータ空間とPCU空間とに跨がって設けられている。保持体には、第1モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第1バスバーと、第2モータとパワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第2バスバーとが保持されている。第1バスバーは、第1モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、第2バスバーは、第2モータのU相、V相およびW相に対応して設けられている。第1バスバーに設けられた第1端子部には、モータ空間を保持体に向けて延びる第1接続線が接続される。また、第2バスバーに設けられた第2端子部には、モータ空間を保持体に向けて延びる第2接続線が接続される。
第1端子部および第2端子部は、保持体上に設けられている。そのため、保持体の周囲に、第1バスバーと第1接続線との接続のためのスペースおよび第2バスバーと第2接続線との接続のためのスペースを確保する必要がない。よって、バスバー構造のサイズ(バスバー構造が占有するスペース)の小型化を図ることができる。
本発明によれば、バスバー構造の小型化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るバスバー構造が採用された駆動ユニットの構成を示す断面図である。 駆動ユニットの分解斜視図である。 バスバー構造を示す斜視図であり、第1保持体の端子配置部の上端部が蓋体で閉塞された状態を示す。 バスバー構造を示す斜視図であり、第1保持体の端子配置部が上方のPCU空間側に開放された状態を示す。 第1バスバー、第2バスバー、第1保持体および第2保持体を左前側から見た斜視図である。 蓋体の斜視図である。 第2保持体を後上側から見た斜視図である。 第2保持体を後下側から見た斜視図である。 第1バスバーおよび第2バスバーを左前側から見た斜視図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<ハイブリッド車両の駆動ユニット>
図1は、本発明の一実施形態に係るバスバー構造41が採用された駆動ユニット1の構成を示す断面図である。
駆動ユニット1は、たとえば、シリーズ方式のハイブリッドシステムを採用したハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)に搭載される。駆動ユニット1には、エンジンの動力で発電する発電モータ11と、走行のための動力を発生する駆動モータ12と、駆動モータ12の動力を左右の駆動輪に振り分けるデファレンシャルギヤ13と、ハイブリッド車両での電力の授受を制御するPCU(Power Control Unit:パワーコントロールユニット)14とが含まれる。発電モータ11、駆動モータ12およびデファレンシャルギヤ13は、駆動ユニット1の外殻をなすユニットケース15内に配置されて、トランスアクスルの形態をなしている。また、PCU14は、ユニットケース15内に配置されて、発電モータ11、駆動モータ12およびデファレンシャルギヤ13と一体化されている。
図2は、駆動ユニット1の分解斜視図である。
ユニットケース15は、発電モータ11を収容するハウジング21と、駆動モータ12を収容するケース22とに2分割されている。駆動ユニット1がハイブリッド車両に搭載された状態では、ハウジング21がケース22の後側に配置される。ハウジング21の前端部には、複数のボルト締結部23がそれぞれ発電モータ11の回転径方向の外側に張り出して形成されている。また、ケース22の後端部には、各ボルト締結部23と対応する位置に、複数のボルト締結部24がそれぞれ駆動モータ12の回転径方向の外側に張り出して形成されている。各ボルト締結部23,24には、ねじ孔が貫通して形成されている。ハウジング21の前端面とケース22の後端面とが当接されて、ボルト25が互いに重なるボルト締結部23,24に前側からねじ込まれることにより、ハウジング21とケース22とが結合される。
ハウジング21とケース22とが結合された状態で、発電モータ11と駆動モータ12とが前後に並ぶ。また、ハウジング21とケース22とが結合された状態で、デファレンシャルギヤ13がハウジング21内とケース22内とに跨がって配置される。ケース22の上端部は、上方に開放される略四角枠状に形成されており、その上端部内には、上方の空間と下方の空間とを隔てる隔壁部26が形成されている。隔壁部26の下方の空間は、発電モータ11および駆動モータ12を収容するモータ空間27であり、隔壁部26の上方の空間は、PCU14を配置するPCU空間28として設けられている。
PCU空間28内には、左前端部に、発電モータ11とPCU14とを電気的に接続するための第1バスバー31の一端部が配置されている。第1バスバー31は、発電モータ11のU相、V相およびW相のそれぞれに対応して設けられ、平板状で長く延びる金属板を屈曲して形成されている。3つの第1バスバー31の各一端部は、PCU14との接続のための端子部32として、上下方向および左右方向(第1方向の一例)に延びる同一平面上に位置するように、左右方向に間隔を空けて並べて配置されている。
また、PCU空間28内には、その右前端部、つまり第1バスバー31の右側の位置に、駆動モータ12とPCU14とを電気的に接続するための第2バスバー33の一端部が配置されている。第2バスバー33は、駆動モータ12のU相、V相およびW相のそれぞれに対応して設けられ、平板状で長く延びる金属板を屈曲して形成されている。3つの第2バスバー33の各一端部は、PCU14との接続のための端子部34として、第1バスバー31の端子部32が配置される平面と同一平面上に位置するように、左右方向に間隔を空けて並べて配置されている。第1バスバー31の端子部32および第2バスバー33の端子部34は、ケース22の上端よりも上方に突出して、上下方向に同じ高さの位置に配置されている。
<バスバー構造>
図3および図4は、バスバー構造41を示す斜視図である。
第1バスバー31および第2バスバー33を含むバスバー構造41は、ケース22の隔壁部26を介して、隔壁部26の下方のモータ空間27と隔壁部26の上方のPCU空間28とに跨がって設けられている。バスバー構造41には、第1保持体42、第2保持体43および第3保持体44が含まれる。第1保持体42、第2保持体43および第3保持体44は、いずれも樹脂製である。
図5は、第1バスバー31、第2バスバー33、第1保持体42および第2保持体43を左前側から見た斜視図である。
第1保持体42は、平面視で角が丸まった略四角形状をなし、ブロック状に形成されている。第1保持体42には、後側に偏った位置に、平面視で略楕円状の端子配置部51が上面から凹んで形成されている。端子配置部51は、上方のPCU空間28側に開放されている。また、端子配置部51は、第1保持体42の後面に貫通して形成された接続口52を介して、モータ空間27と連通している。
3つの第1バスバー31は、左右方向に間隔を空けて横並びに配置されている。
3つの第1バスバー31のうち、左端に配置される第1バスバー31は、図3および図4に示されるように、端子部32から後側に直角に屈曲して右側に延び、右後側に屈曲して延び、下側に直角に屈曲して、端子配置部51の前側で第1保持体42に挿入され、第1保持体42内で前側に直角に屈曲している。左端の第1バスバー31の端子部32と反対側の端部は、発電モータ11との接続のための端子部53として、端子配置部51に配置されている。
3つの第1バスバー31のうち、右端に配置される第1バスバー31は、端子部32から後側に直角に屈曲して延び、下側に直角に屈曲して、端子配置部51の前側で第1保持体42に挿入され、第1保持体42内で前側に直角に屈曲している。端子部32から後側に直角に屈曲して延びる部分は、その途中で、斜め左側に延びる部分を有するように屈曲している。右端の第1バスバー31の端子部32と反対側の端部は、発電モータ11との接続のための端子部53として、端子配置部51に左端の端子部53の右側に間隔を空けて配置されている。
3つの第1バスバー31のうち、中央に配置される第1バスバー31は、端子部32から後側に直角に屈曲して延び、下側に直角に屈曲して、端子配置部51の前側で第1保持体42に挿入され、第1保持体42内で前側に直角に屈曲している。端子部32から後側に直角に屈曲して延びる部分は、その途中で、斜め右側に延びる部分を有するように屈曲している。中央の第1バスバー31の端子部32と反対側の端部は、発電モータ11との接続のための端子部53として、端子配置部51に左端の端子部53と右端の端子部53との間の中央に配置されている。
端子配置部51には、第3バスバー54の一端部が接続口52を介して挿入される。第3バスバー54は、発電モータ11のU相、V相およびW相のそれぞれに対応して設けられ、モータ空間27をハウジング21内とケース22内とに跨がって延びている。第3バスバー54の一端部である端子部55は、端子配置部51において、それぞれ第1バスバー31の端子部53に上側から重なる。そして、ボルト56が第3バスバー54の端子部55および第1バスバー31の端子部53をこの順に挿通されて、ボルト56の先端部が第1保持体42にねじ込まれることにより、第1バスバー31の端子部53と第3バスバー54の端子部55とが締結される。
端子配置部51の上端部には、図3に示されるように、蓋体61が上方から嵌められる。
図6は、蓋体61の斜視図である。
蓋体61は、端子配置部51の上端開口に対応して、平面視で略楕円形状に形成されている。蓋体61の外周には、Oリング溝62が全周にわたって形成されている。Oリング溝62には、弾性を有するOリング63が嵌められる。Oリング63の外周部は、Oリング溝62から外部に突出する。蓋体61が端子配置部51の上端部にその上方から嵌められると、端子配置部51の上端部の内面とOリング溝62との間でOリング63が弾性変形し、端子配置部51の上端部の内面と蓋体61との間がOリング63でシールされる。これにより、端子配置部51は、接続口52を介して、モータ空間27のみと連通する。
また、第1保持体42の上端部の外周には、Oリング溝64が全周にわたって形成されている。Oリング溝64には、樹脂製のOリング65が嵌められる。Oリング65の外周部は、Oリング溝64の外部に突出する。隔壁部26には、第1保持体42の上端部の外形に対応した形状の嵌合口66が貫通して形成されている。第1保持体42は、その嵌合口66に嵌められる。第1保持体42が嵌合口66に嵌められた状態では、嵌合口66の内面とOリング溝64との間でOリング65が弾性変形し、嵌合口66の内面と第1保持体42の外周との間がOリング65でシールされる。これにより、隔壁部26の下方のモータ空間27と上方のPCU空間28とが隔離される。
また、第1保持体42には、端子配置部51の上端開口の周囲に、2つの押さえ爪67が設けられている。蓋体61が端子配置部51の上端部に嵌められた状態では、各押さえ爪67の先端部が蓋体61に形成された押さえ突起68に上方から当接する。これにより、蓋体61が端子配置部51から抜けることが防止される。
図7は、第2保持体43を後上側から見た斜視図である。図8は、第2保持体43を後下側から見た斜視図である。
第2保持体43は、第1保持体42前端部に対して上側に離間した位置から左側に延びている。第2保持体43には、第1バスバー配置部71および第2バスバー配置部72,73,74が一体に設けられている。
第1バスバー配置部71は、左右方向に延びる板状に形成されている。
第2バスバー配置部72は、第1バスバー配置部71の下側に配置され、左右方向に延びる板状に形成されている。第2バスバー配置部72の左端部には、その後端縁から矩形状に切り欠いた切欠75が形成されている。第2バスバー配置部72の上面には、第1バスバー配置部71の右端から右側に間隔を空けた位置に、位置決め突起76が前後方向に延びる四角柱状の突条として形成されている。
第2バスバー配置部73は、第2バスバー配置部72の下側に配置され、左右方向に延びる板状に形成されている。第2バスバー配置部73の左端部は、第2バスバー配置部72の切欠75よりも右側に位置しており、第2バスバー配置部73の左端部には、その後端縁から矩形状に切り欠いた切欠77が形成されている。第2バスバー配置部73の上面には、第2バスバー配置部72の右端から右側に間隔を空けた位置に、位置決め突起78が前後方向に延びる四角柱状の突条として形成されている。
第2バスバー配置部74は、第2バスバー配置部73の下側に配置され、左右方向に延びる板状に形成されている。第2バスバー配置部74の左端部は、第2バスバー配置部73の切欠77よりも右側に位置しており、第2バスバー配置部74の左端部には、その後端縁から矩形状に切り欠いた切欠79が形成されている。第2バスバー配置部74の上面には、第2バスバー配置部73の右端から右側に間隔を空けた位置に、位置決め突起80が前後方向に延びる四角柱状の突条として形成されている。
第1バスバー配置部71上には、左端の第1バスバー31の右後側に延びる部分、中央の第1バスバー31の後側に延びる部分および右端の第1バスバー31の後側に延びる部分が配置されている。各第1バスバー31は、第1バスバー配置部71の後端縁を後側に越えた位置で下側に屈曲して延びている。
図9は、第1バスバー31および第2バスバー33を左前側から見た斜視図である。
3つの第2バスバー33のうち、端子部34が左端に配置される第2バスバー33は、端子部34が第2バスバー配置部72の位置決め突起76に左側から当接している。この第2バスバー33は、端子部34から前側に直角に屈曲して、第2バスバー配置部72上を左側に延び、第2バスバー配置部72の切欠75と左右方向に同じ位置で後側に屈曲し、切欠75の位置で下側に屈曲して、切欠75を通して下側に延びている。そして、その下側に延びる部分は、第1保持体42の第1バスバー31が挿入される部分よりも前側の部分に上側から挿入され、第1保持体42を貫通して、下端部が第1保持体42の前面に配置されている。
3つの第2バスバー33のうち、端子部34が中央に配置される第2バスバー33は、端子部34が第2バスバー配置部73の位置決め突起78に左側から当接している。この第2バスバー33は、端子部34から前側に直角に屈曲して、第2バスバー配置部73上を左側に延び、第2バスバー配置部73の切欠77と左右方向に同じ位置で後側に屈曲し、切欠77の位置で下側に屈曲して、切欠77を通して下側に延びている。そして、その下側に延びる部分は、第1保持体42の第1バスバー31が挿入される部分よりも前側の部分に上側から挿入され、第1保持体42を貫通して、下端部が第1保持体42の前面に配置されている。
3つの第2バスバー33のうち、端子部34が右端に配置される第2バスバー33は、端子部34が第2バスバー配置部74の位置決め突起80に左側から当接している。この第2バスバー33は、端子部34から前側に直角に屈曲して、第2バスバー配置部74上を左側に延び、第2バスバー配置部74の切欠79と左右方向に同じ位置で後側に屈曲し、切欠79の位置で下側に屈曲して、切欠79を通して下側に延びている。そして、その下側に延びる部分は、第1保持体42の第1バスバー31が挿入される部分よりも前側の部分に上側から挿入され、第1保持体42を貫通して、下端部が第1保持体42の前面に配置されている。
第2バスバー配置部72の切欠75、第2バスバー配置部73の切欠77および第2バスバー配置部74の切欠79は、左右方向にずれて配置され、それぞれ第1バスバー31に対して前後方向に前側から対向している。これにより、切欠75,77,79にそれぞれ挿通される第2バスバー33の下側に延びる部分は、第1バスバー31の下側に延びる部分と前後方向(第2方向の一例)に前側から間隔を空けて重ねて配置されている(前後方向に前側から間隔を空けて対向している)。
各第2バスバー33の下端部は、駆動モータ12との接続のための端子部81とされ、それらの端子部81には、図1に示されるように、駆動モータ12のU相巻線、V相巻線およびW相巻線にそれぞれ接続された接続線82が接続される。
また、第1バスバー配置部71と第2バスバー配置部72との間、第2バスバー配置部72,73間および第2バスバー配置部73,74間は、図3に示されるように、それぞれ後側に開放されている。これにより、各第2バスバー33の左右方向に延びる部分は、第1バスバー配置部71と第2バスバー配置部72との間、第2バスバー配置部72,73間および第2バスバー配置部73,74間に後側から差し込むことができる。
第3保持体44には、図4に示されるように、各第3バスバー54の端子部55と反対側の端部がボルト83で固定される。第3保持体44は、図1に示されるように、ハウジング21にボルト84で固定される。
<作用効果>
以上のように、PCU14が発電モータ11および駆動モータ12とともにユニットケース15内に配置されることにより、それらが一体化されている。ユニットケース15内には、隔壁部26が設けられ、隔壁部26により、発電モータ11および駆動モータ12を配置するモータ空間27と、PCU14を配置するPCU空間28とが隔てられている。
隔壁部26には、第1保持体42がモータ空間27とPCU空間28とに跨がって設けられている。第1保持体42には、発電モータ11とPCU14とを電気的に接続するための第1バスバー31と、駆動モータ12とPCU14とを電気的に接続するための第2バスバー33とが保持されている。第1バスバー31は、発電モータ11のU相、V相およびW相に対応して設けられ、第2バスバー33は、駆動モータ12のU相、V相およびW相に対応して設けられている。
3つの第1バスバー31は、左右方向に横並びに配置されている。3つの第1バスバー31の下側に延びる部分は、それぞれ第2バスバー33の下側に延びる部分に対して前後方向に間隔を空けて対向している。言い換えれば、3つの第1バスバー31の第1保持体42に上側から挿入される部分は、それぞれ第2バスバー33の第1保持体42に上側から挿入される部分に対して前後方向に間隔を空けて重ねて配置されている。これにより、3つの第1バスバー31および3つの第2バスバー33が左右方向に横並びに配置される構成と比較して、第1保持体42のサイズを左右方向に小さくすることができる。よって、バスバー構造41のサイズの小型化を図ることができる。
第1保持体42は、隔壁部26に貫通して形成された嵌合口66に嵌められており、バスバー構造41は、第1保持体42の外周と嵌合口66の内面との間をシールするOリング65をさらに含んでいる。第1保持体42のサイズを左右方向に小さくできるので、Oリング65によりシールされる領域を左右方向に小さくできる。その結果、シール構造に要するコストを低減できる。
第2バスバー33は、左右方向に延びる部分を有し、各第2バスバー33の左右方向に延びる部分は、上下方向に間隔を空けて重ねて配置されている。これにより、各第2バスバー33の左右方向に延びる部分が前後方向または左右方向に並べられることによるサイズの増大を回避できる。
また、端子配置部51には、各第1バスバー31の端子部53が配置されている。端子配置部51には、第3バスバー54の一端部が接続口52を介して挿入される。第3バスバー54は、発電モータ11のU相、V相およびW相のそれぞれに対応して設けられ、モータ空間27をハウジング21内とケース22内とに跨がって延びている。第3バスバー54の端子部55は、端子配置部51において、それぞれ第1バスバー31の端子部53に接続される。端子配置部51は、上方のPCU空間28側に開放されている。そのため、端子配置部51に配置される第1バスバー31の端子部53がPCU空間28側に露出するので、ハウジング21とケース22とが結合されて、モータ空間27が閉塞された後にも、端子部53と第3バスバー54の端子部55との接続作業を行うことができる。
隔壁部26には、第1保持体42がモータ空間27とPCU空間28とに跨がって設けられている。第1保持体42には、発電モータ11とPCU14とを電気的に接続するための第1バスバー31と、駆動モータ12とPCU14とを電気的に接続するための第2バスバー33とが保持されている。第1バスバー31は、発電モータ11のU相、V相およびW相に対応して設けられ、第2バスバー33は、駆動モータ12のU相、V相およびW相に対応して設けられている。第1バスバー31に設けられた第1端子部には、モータ空間27を第1保持体42に向けて延びる第1接続線が接続される。また、第2バスバー33に設けられた第2端子部には、モータ空間27を第1保持体42に向けて延びる第2接続線が接続される。
また、第1バスバー31の端子部53および第2バスバー33の端子部81は、第1保持体42上に設けられている。そのため、第1保持体42の周囲に、第1バスバー31と第3バスバー54との接続のためのスペースおよび第2バスバー33と接続線82との接続のためのスペースを確保する必要がない。よって、バスバー構造41のサイズ(バスバー構造41が占有するスペース)の小型化を図ることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、3つの第1バスバー31が左右方向に横並びに配置されているとしたが、2つの第1バスバー31が左右方向に横並びに配置されて、残りの1つの第1バスバー31が2つの第1バスバー31と前後方向に異なる位置に配置されていてもよい。
また、3つの第1バスバー31の第1保持体42に上側から挿入される部分がそれぞれ第2バスバー33の第1保持体42に上側から挿入される部分に対して前後方向に間隔を空けて重ねて配置されているとした。これに限らず、少なくとも1つの第1バスバー31の第1保持体42に上側から挿入される部分が第2バスバー33の第1保持体42に上側から挿入される部分に対して前後方向に間隔を空けて重ねて配置されていればよい。この構成であっても、第1保持体42の左右方向のサイズの縮小を図ることができる。
バスバー構造41が採用されるハイブリッド車両として、シリーズ方式のハイブリッドシステムを採用したハイブリッド車両を例に挙げたが、バスバー構造41は、シリーズ方式以外の方式のハイブリッドシステムを採用したハイブリッド車両に採用されてもよいし、エンジンを搭載しておらず、走行のための動力を発生するモータを2つ搭載した電気自動車(EV:Electric Vehicle)に採用されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
11:発電モータ(第1モータ)
12:駆動モータ(第2モータ)
15:ユニットケース(ケース)
26:隔壁部
27:モータ空間
28:PCU空間
31:第1バスバー
33:第2バスバー
41:バスバー構造
42:第1保持体(保持体)
51:端子配置部
53:端子部(第1端子部)
54:第3バスバー(接続線、第1接続線)
65:Oリング(シール部材)
66:嵌合口
81:端子部(第2端子部)
82:接続線(第2接続線)

Claims (4)

  1. 第1モータ、第2モータおよびパワーコントロールユニットが収容されるケース内に設けられて、前記第1モータおよび前記第2モータと前記パワーコントロールユニットとを電気的に接続するバスバー構造であって、
    前記第1モータおよび前記第2モータが配置されるモータ空間と前記パワーコントロールユニットが配置されるPCU空間とを隔てる隔壁部に前記モータ空間と前記PCU空間とに跨がって設けられる保持体と、
    前記第1モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、前記保持体に保持されて、前記第1モータと前記パワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第1バスバーと、
    前記第2モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、前記保持体に保持されて、前記第2モータと前記パワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第2バスバーと、
    前記モータ空間を前記保持体に向けて延びる接続線と、を含み、
    少なくとも2つの前記第1バスバーは、第1方向に横並びに配置され、
    少なくとも1つの前記第1バスバーは、前記第2バスバーに対して前記第1方向と直交する第2方向に間隔を空けて重ねて配置され
    前記保持体には、前記PCU空間側に開放される端子配置部が形成されており、
    前記第1バスバーおよび前記第2バスバーの少なくとも一方は、前記接続線との接続のための端子部が前記端子配置部に配置される、バスバー構造。
  2. 前記保持体は、前記隔壁部に貫通して形成された嵌合口に嵌められており、
    前記保持体の外周と前記嵌合口の内面との間をシールするシール部材、をさらに含む、請求項1に記載のバスバー構造。
  3. 前記第2バスバーは、前記第1方向に延びる部分を有し、
    前記第2バスバーのそれぞれの前記第1方向に延びる部分は、上下方向に間隔を空けて重ねて配置されている、請求項1または2に記載のバスバー構造。
  4. 第1モータ、第2モータおよびパワーコントロールユニットが収容されるケース内に設けられて、前記第1モータおよび前記第2モータと前記パワーコントロールユニットとを電気的に接続するバスバー構造であって、
    前記第1モータおよび前記第2モータが配置されるモータ空間と前記パワーコントロールユニットが配置されるPCU空間とを隔てる隔壁部に前記モータ空間と前記PCU空間とに跨がって設けられる保持体と、
    前記第1モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、前記保持体に保持されて、前記第1モータと前記パワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第1バスバーと、
    前記第2モータのU相、V相およびW相に対応して設けられ、前記保持体に保持されて、前記第2モータと前記パワーコントロールユニットとを電気的に接続するための第2バスバーと、
    前記モータ空間を前記保持体に向けて延び、前記第1バスバーに設けられた第1端子部に接続される第1接続線と、
    前記モータ空間を前記保持体に向けて延び、前記第2バスバーに設けられた第2端子部に接続される第2接続線と、を含み、
    前記第1端子部および前記第2端子部は、前記保持体上に配置され
    前記保持体には、前記PCU空間側に開放される端子配置部が形成されており、
    前記第1バスバーは、前記第1接続線との接続のための端子部が前記端子配置部に配置される、バスバー構造。
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