JP7426491B2 - キャピラリ電気泳動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、キャピラリ電気泳動装置に関する。
バイオ医薬品は糖鎖で修飾された抗体分子ががんや希少難病等の特定標的に対して効果を発現するという低分子医薬品にない優れた作用をもっている。低分子医薬品が化学反応によって合成されるのに対し、バイオ医薬品は細胞の生体機能を利用して生成されるため、わずかな培養条件の変化によって生産物の分子構造は影響を受ける。代表的なバイオ医薬品である免疫グロブリンG(IgG)は複雑な構造を持つ分子量15万程度の大きな分子であり、構造の不均一性を防ぐことはほぼ不可能である。従って、バイオ医薬品において製剤の安全性・有効性を確認するための品質検査技術はより一層重要な役割を果たす。
目的物質の構造が複雑であるためバイオ医薬品の検査項目は多岐にわたる。バイオ医薬品の検査として、例えば、検査対象物に含まれる主要成分が目的物質であることを確認する確認試験や、不純物の含量を評価する純度試験などにはキャピラリ電気泳動装置が用いられる。
キャピラリ電気泳動装置は、キャピラリに抗体をはじめとする試料を注入して電気泳動することで、試料が分子量や電荷量に応じて分離され、キャピラリ終端付近に設けられた検出部で検出される。検出方式としては、紫外線(Ultraviolet;UV)吸収、自家蛍光(Native Fluorescence;NF)、レーザー誘起蛍光(Laser Induced Fluorescence;LIF)などの光学方式が広く用いられている。
これらの中でも、UV吸収計測は最も幅広く用いられている検出方式である。UV吸収計測によく用いられる波長は、芳香族アミノ酸の側鎖に吸収されやすい280nmやペプチド結合に吸収されやすい190nm~220nmなどである。光源としては重水素ランプが一般的に用いられ、バンドパスフィルタを用いて特定の波長だけを切り出して使用する。一般的なキャピラリ電気泳動装置のUV吸収計測部は、光源の発光面を、レンズを用いてキャピラリの位置に結像させることで光をキャピラリに照射し、キャピラリを透過した光を検出する構成となっている。検出感度(検出可能な最小の試料濃度)は光源の発光強度分布、光源の安定性、結像倍率、キャピラリの内径、検出器のノイズなどのパラメータによって決まる。現在市場に流通しているキャピラリ電気泳動装置の感度は、IgGにおいて0.5μg/mL程度である。
そのようなキャピラリ電気泳動装置に関して、例えば、特許文献1に所定のシステムが示されている。このシステムは、ハウジングと、前記ハウジング内に配置されたカートリッジリテーナであって、キャピラリを有するキャピラリカートリッジを受けるように構成されているカートリッジリテーナと、前記ハウジング内に配置された検出アセンブリであって、少なくとも1つの放射体と、第1検出器および第2検出器を含んでいる。そして、このシステムは、前記第1検出器が、前記少なくとも1つの放射体に関連する第1出力を検出する第1形態と、前記第2検出器が、前記少なくとも1つの放射体に関連する第2出力を検出する第2形態との間で遷移するように構成されている検出アセンブリを含んでいる。また、このシステムは、前記ハウジング内に移動可能に配置された試薬トレイホルダであって、前記キャピラリカートリッジのキャピラリを試薬体積と流体連通させるように、前記カートリッジリテーナに対して移動するように構成されている試薬トレイホルダを含んでいる。
特表2019-504989号公報
特許文献1に示されているシステムをはじめとして、現在市場に流通しているキャピラリ電気泳動装置は、キャピラリの本数が1本であるため、1度に計測できる試料は1つである。1つの試料の計測には長い時間(典型的には30分程度)を要するため、スループットが低いことが問題となっている。バイオ医薬品の開発はスクリーニング、構造最適化、精製工程最適化などのプロセスを経てなされるが、これらのプロセスでは条件の異なる多くの試料(バイオ医薬品の候補)を計測する必要がある。また、一般的には再現性の確認のために1つの条件について3回以上の計測が行われる。このことから、スループットの低さによって開発期間が長期化するという問題が生じるため、製薬分野においては検査装置のスループット向上が強く求められている。バイオ医薬品の開発期間を短縮することは、早期に患者にバイオ医薬品を届けることにつながるため、利益だけでなく社会的意義の観点においても重要である。また、開発段階だけでなく、製造過程や製品出荷前の品質検査においてもキャピラリ電気泳動装置の高スループット化に対するニーズは大きい。
本発明は前記状況に鑑みてなされたものであり、高スループットなキャピラリ電気泳動装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明に係るキャピラリ電気泳動装置は、測定対象の試料が導入されて電気的に分離される複数のキャピラリと、前記複数のキャピラリで電気的に分離された前記試料を分析するための光を発生させる光源と、前記キャピラリを透過した光を検出する検出器と、を備えている。このキャピラリ電気泳動装置は、前記光源と前記複数のキャピラリとの間に光結合光学系および複数の第一の光ファイバを有するとともに、前記複数のキャピラリと前記検出器との間に複数の第二の光ファイバを有している。このキャピラリ電気泳動装置において、前記光結合光学系は、前記光源からの光を前記複数の第一の光ファイバに結合させる。このキャピラリ電気泳動装置において、前記複数の第一の光ファイバのそれぞれは、一方の端面が前記光結合光学系に接続され、他方の端面が対応する前記キャピラリに正対するように近接して配置される。また、このキャピラリ電気泳動装置において、前記複数の第二の光ファイバのそれぞれは、一方の端面が対応する前記キャピラリに正対するように近接して配置され、他方の端面が前記検出器に接続されている。さらに、このキャピラリ電気泳動装置において、前記第二の光ファイバのコア径 1 が下記式(1)を満たす
Figure 0007426491000001
(ただし、式(1)において、c およびc は、前記第一の光ファイバのコア径をc 、前記第一の光ファイバの端面と前記キャピラリとの間の距離をd 、前記第二の光ファイバの端面と前記キャピラリとの間の距離をd 、前記第一の光ファイバの開口数をNA、前記キャピラリの内径をR in 、前記キャピラリの外径をR out としたとき、
Figure 0007426491000002
であり、mは、
Figure 0007426491000003
である。)
本発明によれば、高スループットなキャピラリ電気泳動装置を提供できる。
前記した以外の課題、構成および効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
第一実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置の構成例を示す摸式図である。 第一実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置の検出部の構成例を示す摸式図である。 バンドルの光入射側端面における第一の光ファイバの配置例(光ファイバ7本)を示す摸式図である。 バンドルの光入射側端面における第一の光ファイバの配置例(光ファイバ8本)を示す摸式図である。 バンドルの光入射側端面における第一の光ファイバの配置例(光ファイバ19本)を示す摸式図である。 第一の光ファイバを位置決めアレイ基板に固定した場合の構成例を示す模式平面図である。 図4Aのivb-ivb断面図である。 光ファイバへの結合光量およびその安定性の位置依存性に関するシミュレーション結果の一例を示すグラフである。図中、横軸はバンドルの中心からの距離r[μm]を示し、縦軸は結合光量を示す。 光ファイバへの結合光量およびその安定性の位置依存性に関するシミュレーション結果の一例を示すグラフである。図中、横軸はバンドルの中心からの距離r[μm]を示し、縦軸は結合光量を示す。 ビーム径と第一の光ファイバの配置例とを説明する模式図である。 照射用光ファイバ(第一の光ファイバ)から出射した光がキャピラリを透過して検出用光ファイバ(第二の光ファイバ)に到達する様子を示したyz断面模式図である。 第一の光ファイバから出射した光がキャピラリを透過して第二の光ファイバに到達する様子を示したxz断面模式図である。 第一の光ファイバから出射した光がキャピラリを透過して第二の光ファイバに到達する様子を示したxz断面模式図である。 第一の光ファイバから出射した光がキャピラリを透過して第二の光ファイバに到達する様子を示したxz断面模式図である。 第一の光ファイバから出射した光がキャピラリを透過して第二の光ファイバに到達する様子を示したxz断面模式図である。 光線追跡シミュレーションを用いて検出用光ファイバのコア径と信号光量の関係を計算した結果の一例を示すグラフである。図中、横軸は検出用光ファイバのコア径c[μm]を示し、縦軸は信号光量を示す。 図9の結果に基づいて計算した飽和レベルの95%以上の信号光を検出可能な第二の光ファイバの最小コア径c95%をc,cとともにd,dに対してプロットした結果を示すグラフである。図中、横軸はd,d[μm]を示し、縦軸は検出用光ファイバのコア径c[μm]を示す。 ,d=150μmとした場合における迷光率[%]の検出用光ファイバのコア径に対する依存性をシミュレーションした結果を示すグラフである。図中、横軸は検出用光ファイバのコア径c[μm]を示し、縦軸は迷光率[%]を示す。 ,d(d=d)に対して、検出用光ファイバのコア径cを十分大きくした場合に得られる信号光量(最大信号光量)をプロットした結果を示すグラフである。図中、横軸はd,d[μm]を示し、縦軸は最大信号光量を示す。 1本キャピラリに対するUV吸収光学系の典型例を示す模式図である。 第二実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置における検出部の別の態様を示す模式図である。 第三実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置の構成例を示す模式図である。 第三実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置の蛍光計測用の検出部の構成例を示す模式図である。 第四実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置における検出部の別の態様を示す模式図である。
[第一実施形態]
以下、適宜図面を参照して本発明の一実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置について詳細に説明する。
(キャピラリ電気泳動装置)
図1は、第一実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1の構成例を示す摸式図である。図2は、第一実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1の検出部6の構成例を示す摸式図である。
図1に示すように、キャピラリ電気泳動装置1は、測定対象の試料が導入されて電気的に分離される複数のキャピラリ110を備えている。この複数のキャピラリ110は任意の箇所から一つにまとめられてキャピラリアレイ11となる。また、キャピラリ電気泳動装置1は、複数のキャピラリ110で電気的に分離された試料を分析するための光を発生させる光源101(図2参照)を備えている。さらに、キャピラリ電気泳動装置1は、キャピラリ110を透過した光を検出する検出器112(図2参照)を備えている。光源101および検出器112は、検出部6を構成する構成要素であり、これらについては後ほど説明する。
そして、キャピラリ電気泳動装置1は、図2に示すように、光源101と複数のキャピラリ110との間に光結合光学系113および複数の照射用光ファイバ(請求の範囲の「第一の光ファイバ」)109を有する。また、キャピラリ電気泳動装置1は、複数のキャピラリ110と検出器112との間に複数の検出用光ファイバ(請求の範囲の「第二の光ファイバ」)111を有している。なお、光結合光学系113については後ほど説明する。
複数の照射用光ファイバ109のそれぞれは、一方の端面109aが光結合光学系113に接続され、他方の端面109bが対応するキャピラリ110に近接して配置されている。
複数の検出用光ファイバ111のそれぞれは、一方の端面111aが対応するキャピラリ110に近接して配置され、他方の端面111bが検出器112に接続されている。
すなわち、本実施形態では、他方の端面109bがキャピラリ110の側面に正対するように、かつ、一方の端面111aがキャピラリ110の側面に正対するように、かつ、他方の端面109bと一方の端面111aがキャピラリ110を挟んで対向するように配置されている。なお、正対とは、例えば、他方の端面109bから出射された光の光軸の中心がキャピラリ110の軸心を通過するようにとの趣旨である。
また、図1に示すように、キャピラリ電気泳動装置1は、電気泳動媒体が収容された電気泳動媒体容器2と、測定対象の試料が収容された複数の試料容器3と、を備えている。キャピラリ電気泳動装置1は、計測の前にキャピラリアレイ11に含まれる複数のキャピラリ110がこれらの容器に接続され、電気的手段や圧力などにより電気泳動媒体と試料とを順次注入する。
キャピラリ電気泳動装置1は、複数の注入側電極槽4と、1つの排出側電極槽7とを備えている。複数の注入側電極槽4と、1つの排出側電極槽7とにはそれぞれバッファー液が満たされており、電気泳動時にはキャピラリ110と電極9とが浸される。そして、高圧電源8が電圧を印加すると、試料内の分子が電気泳動により分子量や電荷量などの性質に応じて分離されながらキャピラリ110を注入側から排出側に向かって移動する。移動した各分子は検出部6に到達すると、光学的手段によって検出される。図示はしていないが、キャピラリ電気泳動装置1はその他に圧力調整部、制御部、信号処理部、表示部、記録部などを有する。
(検出部)
図2に示すように、キャピラリ電気泳動装置1の検出部6は、光結合光学系113と複数の検出器112とを有している。光結合光学系113は、光源101からの光を複数の照射用光ファイバ109に結合させる。光結合光学系113は、例えば、結像光学系114と少なくとも1枚のレンズ105とから形成されている。本実施形態における結像光学系114は、例えば、レンズ102およびレンズ104で形成されている。結像光学系114は、レンズ102とレンズ104との間にバンドパスフィルタ103を有していてもよい。すなわち、光結合光学系113は、具体的な構成例として、レンズ102、バンドパスフィルタ103、レンズ104およびレンズ105で形成することが挙げられる。
検出部6は、前記した具体的な構成例に係る光結合光学系113を有する場合、光源101から出射した光がレンズ102によってコリメート光に変換された後、バンドパスフィルタ103によって特定の波長のみが取り出される。バンドパスフィルタ103の透過波長は、タンパク質のUV吸収計測を行う場合には280nmや220nmなどに設定することができる。バンドパスフィルタ103の透過波長は、NF計測を行う場合には280nmなどに設定することができる。バンドパスフィルタ103の透過波長は、LIF計測を行う場合には使用する蛍光色素の励起波長に設定することができる。光源101の発光スペクトルが目的の波長成分のみを有する場合にはバンドパスフィルタ103は省略することができる。光源101としては、例えば、ハロゲンランプ、重水素ランプなどのランプ光源、LED光源、レーザー光源などを用いることができる。以下では、UV吸収計測を行う場合に関して説明する。
バンドパスフィルタ103を透過した光は、レンズ104とレンズ105とによって複数の照射用光ファイバ109を束ねた光ファイババンドル(バンドル106)に結合される。これにより、光はバンドル106に含まれる照射用光ファイバ109の本数分に分割される。なお、本実施形態においては、図1に示すように、前記した複数の照射用光ファイバ109のなかのうち少なくとも1本の光ファイバは、一方の端面109aが光結合光学系113に接続され、他方の端面107aが参照光用の検出器108に接続されていることが好ましい。つまり、本実施形態においては、前記した複数の照射用光ファイバ109のなかのうち少なくとも1本を参照光用光ファイバ107として用いることが好ましい。参照光用光ファイバ107や参照光用の検出器108については後述する。
このように、バンドル106を用いて光を分割する方法は、ビームスプリッタ、ファイバースプリッタ、導波路、回折格子などを用いた方法と比べて簡素かつ安価な構成で実現できるので、装置の小型化・低コスト化に寄与する。また、前記した構成の光結合光学系113とバンドル106によって光を分割するため、分割によって光のエネルギー密度(単位面積当たりの光のエネルギー)の低下が生じない。そのため、キャピラリ110に光を照射する位置における光のエネルギー密度を高く保つことができる、つまり、検出感度を高くできるという利点がある。
図3Aから図3Cは、バンドル106の光入射側端面(一方の端面109a)における照射用光ファイバ109の配置例(それぞれ、照射用光ファイバ109の本数が7本、8本、19本の場合)を示す模式図である。なお、照射用光ファイバ109は、一般的な光ファイバと同じく、中心部のコア109cと、その周囲を覆うクラッド109dとの二層構造となっている。コア109cは、クラッド109dと比較して屈折率が高く設計されており、光は、全反射という現象によりコア109c内に閉じこめられた状態で伝搬する。検出用光ファイバ111、参照光用光ファイバ107および後述する接続用光ファイバ401も同様の構成を有する。
図3Aや図3Cに示すように、光のエネルギー利用効率を可能な限り高くするため、バンドル106の照射用光ファイバ109は、最密充填配置が望ましい。最密充填配置が不可能な照射用光ファイバ109の本数の場合または光ファイバの配置の制御が困難な場合も、光のエネルギー利用効率を可能な限り高くすることが望ましい。そのような場合は、例えば、図3Bに示すように、バンドル106の中心106aから最外周の照射用光ファイバ109の中心109eまでの距離が可能な限り小さくなるように配置することが望ましい。なお、このような構成のバンドル106は、バンドル106に含まれる複数の照射用光ファイバ109のコア109c部分の最小包含円の直径を実効コア径ECDとすることができる。
(ケーラー照明)
図2に示す光結合光学系113のレンズ102、104、105は、ケーラー照明を構成している。そのため、光結合光学系113のレンズ102、104、105は、光源101の空間的な発光強度分布を均一化してバンドル106に(複数の照射用光ファイバ109に)光を結合することができる。レンズ102とレンズ104とは、結像光学系114(より詳しくは等倍結像光学系)となっている。従って、光結合光学系113は、結像光学系114と少なくとも1枚のレンズ105とからなっているということができる。
光源101の発光面は、等倍結像光学系を構成するレンズ102およびレンズ104により所定の位置に結像する。レンズ105は、レンズ102およびレンズ104による光源101の発光面の結像位置と、レンズ105の光入射側の焦点位置または合成焦点位置が一致するようにして配置される。このような構成とすることで、検出部6は、バンドル106への結合光量の光ファイバ間のばらつきが抑制され、全ての照射用光ファイバ109にほぼ同じ光量を結合させることができる。そのため、検出部6は、全てのキャピラリ110に対する計測条件を均一化することができる。また、前記したように、検出部6は、ケーラー照明により光源101の空間的な発光強度分布を均一化してバンドル106に結合させる。そのため、検出部6は、バンドル106の一方の端面109aの位置における外乱等による部品位置の変動に伴う結合光量のふらつきを抑制し、検出感度の低下を防ぐことができる。
他の構成として、レンズ105を用いずにレンズ102とレンズ104による光源101の発光面の結像位置から所定の量だけ光軸方向にずらした位置にバンドル106の光入射側端面を配置することができる。この場合、バンドル106の光入射側端面における光の空間的な広がりは、結像位置にバンドル106の光入射側端面を配置した場合に比べて大きくなる。これにより、ある程度の照射用光ファイバ109への結合光量の均一化、および外乱等による部品位置の変動に伴う結合光量のふらつき抑制が可能である。
また、光源101の空間的な発光強度分布が比較的均一な場合や、外乱等による部品位置の変動の影響が小さい場合には、レンズ105を用いずにレンズ102とレンズ104による光源101の発光面の結像位置に、バンドル106の光入射側端面を配置することが望ましい。この場合には、より少ない部品点数で同等の感度とスループットが得られる。
(参照光)
前記したように、バンドル106に含まれる光ファイバのうち少なくとも1本は参照光用光ファイバ107として用いることが好ましい。参照光用光ファイバ107の光出射側端面(他方の端面107a)は、参照光用の検出器108に直接接続されている。参照光用光ファイバ107を伝搬した光は検出器108で検出され、光の強度をモニタすることにより、光源101の発光強度のふらつきに起因した検出感度の低下を信号処理により抑制できる。検出器108については後述する。
(光ファイバとキャピラリの近接配置)
バンドル106に含まれる参照光用光ファイバ107以外の複数の照射用光ファイバ109の光出射側端面(他方の端面109b)は、キャピラリ110の長さ方向に対して垂直な方向に配置されている。つまり、当該複数の照射用光ファイバ109の他方の端面109bは、一直線に配列されてなる複数のキャピラリ110の配列平面に対して平行な方向となるよう配置されている。すなわち、照射用光ファイバ109の他方の端面109bから出射された光がキャピラリ110に向けて垂直に入射するよう配置されている。また、当該複数の照射用光ファイバ109の他方の端面109bは、一定間隔で直線状に整列し、かつキャピラリ110に近接して配置されている。さらに、複数の照射用光ファイバ109の配列ピッチと、複数のキャピラリ110の配列ピッチとは一致している。つまり、複数のキャピラリ110のそれぞれと複数の照射用光ファイバ109のそれぞれとを対応させて配置している。
以上の配置とすることで、それぞれのキャピラリ110における試料が注入される端面110a(図1参照)から、キャピラリ110中の光が照射される部位までの長さを簡素な構成で揃えることができる。より好適には、複数のキャピラリ110はいずれも試料を注入する端面110aから、照射用光ファイバ109におけるキャピラリ110と近接して配置されている端面までの長さが等しくなるように配置することである。このようにすると、キャピラリ電気泳動装置1は、複数の試料を同一の条件で計測できる。
また、以上の配置とすることで、それぞれの照射用光ファイバ109の他方の端面109bの位置と、対応するキャピラリ110の中心位置とを精度良く合わせることができる。なお、近接配置を行う照射用光ファイバ109の光出射側端面(他方の端面109b)とキャピラリ110との間の距離については後述する。
それぞれの照射用光ファイバ109を伝搬した光は、レンズを介さずに対応するキャピラリ110のそれぞれに直接照射される。なお、キャピラリ110は、ポリイミド被覆が施されたガラス製の細管である。各キャピラリ110は、光が照射される位置の近傍のポリイミド被覆をあらかじめ除去しておき、ガラスが露出されるようにしておく。
キャピラリ110を透過した光はそれぞれ、光入射側端面(一方の端面111a)がキャピラリ110に近接して配置された、対応する検出用光ファイバ111に結合する。検出用光ファイバ111に結合した光は、検出用光ファイバ111を伝搬して検出器112に導かれる。
なお、検出器112および前記した検出器108はともに、例えば、フォトダイオード、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ、光電子増倍管、回折格子を含む分光器などを用いることができる。これらの分光器は、複数の検出用光ファイバ111のそれぞれに対応して一つずつ設けることができる。また、検出器112については、例えば、複数の検出用光ファイバ111からの出射光を一括で分光可能な分光器を使用することもできる。つまり、検出器112は複数の検出用光ファイバ111からの出射光を検出用光ファイバ111ごとに区別して検出できればよく、その個数は限定されない。検出器112は、設けられた全ての検出用光ファイバ111の出射光を個別に検出できるのであれば1つでもよいし、2つ以上でもよい。また、検出器112は、検出用光ファイバ111に対応させて一つずつ設けてもよい(図2は、検出器112を検出用光ファイバ111に対応させて一つずつ設けた様子を図示している)。CCDカメラは、1つで複数の検出用光ファイバ111からの出射光を一括で分光することができる。
前記したように、照射用光ファイバ109の光出射側端面(他方の端面109b)は、キャピラリ110の長さ方向に対して垂直、かつ一直線に配列されてなる複数のキャピラリ110の配列平面に対して平行な方向となるよう配置されている。そして、検出用光ファイバ111の一方の端面111aは、キャピラリ110の長さ方向に対して垂直、かつ一直線に配列されてなる複数のキャピラリ110の配列平面に対して平行な方向に配置されている。さらに、検出用光ファイバ111の一方の端面111aは、一定間隔で直線状に整列し、かつキャピラリ110に近接して配置されている。また、複数の検出用光ファイバ111の配列ピッチと、複数のキャピラリ110の配列ピッチとは一致している。すなわち、照射用光ファイバ109は、照射用光ファイバ109の他方の端面109bから出射された光がキャピラリ110に垂直に入射し、キャピラリ110を透過してそのまま検出用光ファイバ111の他方の端面111bに入射するよう配置されている。
このように、照射用光ファイバ109の光出射側端面(他方の端面109b)とキャピラリ110との間、および検出用光ファイバ111の光入射側端面(一方の端面111a)とキャピラリ110との間にレンズを設置せず、キャピラリ110への光の照射とキャピラリ110の透過光の検出を光ファイバのみで行うことで、小型で簡素な構成でUV吸収計測を実現できる。それだけでなく、レンズを用いない構成とすることはコスト低減の効果が大きい。UV吸収計測を行う場合には紫外光に対する透過率が高い光学部品を用いる必要があるが、紫外光の透過率が高い材質は高価であるため、そのような材質を用いたレンズの製造はコストを要する。また、そのようなレンズを一定間隔でアレイ化することはさらに大きなコストを要する。従って、本実施形態のように、レンズを用いない装置構成とすると、製造コストを大幅に低減できる。さらに、レンズまたはレンズアレイを特定の位置に設置する必要がなくなるので、そのために要する製造コストも削減できる。なお、近接配置を行う検出用光ファイバ111の光入射側端面(一方の端面111a)とキャピラリ110との間の距離については後述する。
ここで、図4Aは、照射用光ファイバ109を位置決めアレイ基板115に固定した場合の構成例を示す模式平面図である。図4Bは、図4Aのivb-ivb断面図である。
照射用光ファイバ109、検出用光ファイバ111およびキャピラリ110のうちの少なくとも1つは、例えば、図4Aおよび図4Bに示すように、複数の溝部115aを有する位置決めアレイ基板115の前記溝部115aによって1本ずつ位置決めされていることが好ましい。また、この位置決めアレイ基板115を複数有する場合は前記溝部115aの位置が互いに一致していることが好ましい。照射用光ファイバ109、検出用光ファイバ111およびキャピラリ110は、位置決めアレイ基板115によって位置決めされることにより、高い位置精度で実装でき、位置ずれによって生じる検出感度の低下を抑制できる。位置決めアレイ基板115の溝部115aは、現在の加工技術で数μm以下の高い精度で作製することができるので、前記したように高い位置精度で光ファイバやキャピラリ110の位置決めを行うことができる。位置決めアレイ基板115の溝部115aの断面形状はV字型、球面型、台形型などとすることができる。
前述したように、照射用光ファイバ109の光出射側端面、キャピラリ110および検出用光ファイバ111の光入射側端面の配列ピッチは互いに等しいことが好ましい。これらの配列ピッチは、小さくし過ぎると照射用光ファイバ109から出射した光が対応する検出用光ファイバ111以外の検出用光ファイバ111に入射し、感度が低下する。このような検出感度の低下を防ぎ、高い検出感度を得るためには、配列ピッチpiは下記式(1)を満たす値に設定することが好ましい。
Figure 0007426491000004
ここで、式(1)において、cは照射用光ファイバ109のコア径である。cは検出用光ファイバ111のコア径である。dは照射用光ファイバ109の端面109bとキャピラリ110との間の距離である。dは検出用光ファイバ111の端面111aとキャピラリ110との間の距離である。Routはキャピラリ110の外径である。NAは照射用光ファイバ109の開口数である。一例として、例えば、c=105μm、c=200μm、d=d=150μm、Rout=150μm、NA=0.25のとき、配列ピッチpiは少なくとも約269μm以上とすることが望ましい。一方で、配列ピッチpiを大きくし過ぎると装置が大型化してしまうため、配列ピッチpiは式(1)の範囲内で小さくすることが好ましい。
(効果など)
前述したように、本実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1は、光源101からの光を複数の照射用光ファイバ109のバンドル106に結合させることで光を複数に分割する。また、キャピラリ電気泳動装置1は、それぞれの照射用光ファイバ109の一方の端面109bを対応するキャピラリ110に近接して配置することでそれぞれの照射用光ファイバ109から出射された光を直接それぞれの対応するキャピラリ110に照射する。そして、キャピラリ電気泳動装置1は、それぞれのキャピラリ110を透過したそれぞれの光を対応する検出用光ファイバ111に直接結合させ、検出器112に導くこととしている。このような構成としているので、キャピラリ電気泳動装置1は、複数の試料を複数のキャピラリ110でそれぞれ同時に電気泳動して検出できる。従って、キャピラリ電気泳動装置1は、従来のキャピラリ電気泳動装置よりも高いスループットが得られる。
また、キャピラリ電気泳動装置1は、ケーラー照明でバンドル106に光を結合する場合、それぞれの照射用光ファイバ109への光の結合光量のふらつきを抑制し、光のエネルギー密度を低下させることなく光を均一かつ複数に分割できる。
また、キャピラリ電気泳動装置1は、参照光用光ファイバ107を用いた場合、参照光の強度をモニタして発光強度のふらつきに起因した検出感度の低下を信号処理により抑制できる。
さらに、キャピラリ電気泳動装置1は、キャピラリ110への光の照射とキャピラリ110の透過光の検出を光ファイバのみで行うので、小型かつ安価な構成とすることができる。
(さらなる詳細な説明)
以下に、本実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1の構造や効果に関して、数式やシミュレーション結果に基づいてさらに詳細に説明する。
まず、本実施形態におけるケーラー照明の効果について説明する。
照射用光ファイバ109のバンドル106を用いて光を分割し、UV吸収計測を行う場合に重要となるのは、それぞれの照射用光ファイバ109への結合光量の均一性と安定性である。図5Aおよび図5Bは、光ファイバへの結合光量およびその安定性の位置依存性に関するシミュレーション結果の一例を示すグラフである。図5Aでは、均一性の検証のために、レンズ105を設けずにレンズ102とレンズ104とから成る結像光学系を用いた場合と、レンズ102、104、105から成るケーラー照明を用いた場合とについてのシミュレーション結果を示している。図5Aは、前記両方の場合について、バンドル106に結合する光量が、バンドル106の中心からの距離rに対してどのように依存しているかを示している。
シミュレーションは、光源101の発光強度空間分布が半値全幅約0.35mmのガウシアンを仮定した。シミュレーションの条件は、バンドパスフィルタ103の透過波長が220nm、レンズ102およびレンズ104はともに焦点距離が50mmで外径が20mmφ、レンズ105は焦点距離が2.71mmで外径が3mmφ、光ファイバはコア径が105μmでNAが0.25とし、シミュレーションソフト(Zemax OpticStudio17.5)を用いて光線追跡に基づいて実施した。
図5Aに示すように、結像光学系を用いた場合、光源101の発光強度空間分布が反映され、結合光量は距離rに対してガウシアン型の依存性を示す。そのため、結像光学系を用いた場合の結合光量は、バンドル106において中心に近い光ファイバほど大きく、周辺の光ファイバほど小さくなる。このように、この場合は、バンドル106における結合光量の位置依存性が高いため、キャピラリ110ごとに照射される光量が異なる。
一方、ケーラー照明を用いた場合には、バンドル106の中心から±約400μmの領域(距離r)であれば、光ファイバへの結合光量はほぼ一定の値を取る。従って、この領域内に光ファイバを複数配置した場合、全ての光ファイバに対してほぼ同じ光量の光を結合させることができる。このように、この場合は、全てのキャピラリ110に対してほぼ同じ光量の光が照射されるため、同一の条件で複数の異なる試料の同時計測が行える。なお、結合光量が一定となる領域(バンドル106の中心からの距離r)は、レンズ104とレンズ105との焦点距離の比を変えることで自由に設定できる。
結合光量の安定性に関しては、外乱等による光学部品の位置の変位の影響を考慮する必要がある。例えば、光ファイバの光入射側端面の位置が変動すると、それに伴って光ファイバへの結合光量がふらつく。光ファイバの位置(x,y,z)における当該光ファイバへの結合光量をI、光ファイバの変位量を(Δx,Δy,Δz)とすると、光ファイバの変位に伴う結合光量のふらつきΔIの大きさは近似的に以下の式(2)で与えられる。
Figure 0007426491000005
式(2)から、光ファイバの結合光量の空間微分∇Iが大きければ大きいほど結合光量のふらつきΔIが大きくなることが分かる。図5Bは、図5Aの結果に基づいて計算した、光ファイバの光入射側端面の位置がr方向へΔrだけ変動した際に生じる結合光量のふらつきの大きさの絶対値を示している。今回のシミュレーションでは位置の変動の大きさΔrを0.1μmとした。その結果、図5Bに示すように、結像光学系を用いた場合には、r=0μm以外の領域において結合光量のふらつきΔIが大きくなっていることが分かる。これは、対応する領域において結合光量の距離rに対する微分が大きくなっていることを反映しており、これによって当該領域に配置された光ファイバに対応する検出感度は低下する。これに対し、ケーラー照明を用いた場合には、光強度分布を均一化する効果により、r=約-360μm~360μmの範囲において結合光量のふらつきが抑制されていることが分かる。従って、この領域内に光ファイバを配置することで光ファイバへの結合光量のふらつきが抑制され、検出感度の低下を防ぐことができる。
(照射用光ファイバのコア径)
次に、本実施形態における照射用光ファイバ109のコア径cに関して説明する。照射用光ファイバ109のコア径cは主に分解能、スループット、検出感度の3つの性能の観点で決定される。
分解能は、電気泳動時にキャピラリ110を流れる異なる種類の分子を分離して検出する能力であり、キャピラリ110に対する光の照射領域の長さ方向の幅ΔLが小さいほど高くなる。このΔLは、簡単のために照射用光ファイバ109から出射した光がキャピラリ110の内部に到達するまでの光の空間的な広がりおよびキャピラリ110での光の屈折を無視すると、近似的に以下の式(3)で与えられる。
Figure 0007426491000006
スループットは、同時に光を照射可能なキャピラリ110の本数、すなわちバンドル106に含まれる照射用光ファイバ109の本数が多いほど高くなる。照射用光ファイバ109の本数Nは、バンドル106の光入射側端面における光の断面積に対する光ファイバの断面積の比に概ね比例するため、近似的に以下の式(4)が成立する。
Figure 0007426491000007
ここで、式(4)において、Dはバンドル106の光入射側端面における光のビーム径、c’(>c)は照射用光ファイバ109のクラッド径である。クラッド径c’は、例えば、コア径cが105μmの場合は125μm程度、コア径が200μmの場合は220μm程度が一般的であり、コア径よりも1~2割程度大きな値となる。従って、αを1.1から1.2の間の定数とすると、c’=αcと表すことができるので、式(4)はコア径cを用いて以下の式(5)と書き換えることができる。
Figure 0007426491000008
検出感度は、キャピラリ110の内部(試料が通過する部分)に照射される光量Pが大きいほど高くなる。光量Pは、バンドル106に入射する光の総光量をPとして、ケーラー照明により光の強度分布が均一化されていることを考慮し、簡単のために照射用光ファイバ109から出射した光がキャピラリ110の内部に到達するまでの光の空間的な広がりおよびキャピラリ110での光の屈折を無視すると、近似的に以下の式(6)で与えられる。
Figure 0007426491000009
ここで、式(6)において、Rinはキャピラリ110の内径であり典型的には50μm程度である。光量Pの表式が条件によって異なるのは、c≦Rinの場合には照射用光ファイバ109から出射した光の全てがキャピラリ110の内部に照射されるのに対して、c>Rinの場合はその一部がキャピラリ110の内部に照射されるためである。ここでは説明の簡略化のために光の広がりや屈折を無視する近似に基づいた数式を用いたが、これらの効果を考慮した場合にもコア径cと性能の定性的な関係は変わらない。
式(3)、(5)、(6)から分かるように、スループット・分解能と検出感度とはトレードオフの関係にあり、コア径cを小さくするとスループットと分解能は向上するが検出感度は低下する。従って、コア径cは目標とする装置の仕様に合わせて決める必要がある。本発明者らは実際にUV吸収計測の実験を行うことで、従来のキャピラリ電気泳動装置と同等の検出感度が達成可能であることを見出した。なお、当該UV吸収計測の実験は、市販の重水素ランプを用いて、例えば、ビーム径Dを600μm、照射用光ファイバ109のクラッド径c’を125μm、コア径cを105μmとすることで行った。このときの光の照射領域の幅ΔLは105μmとなった。これは従来のキャピラリ本数が1本のキャピラリ電気泳動装置での値(200~800μm)以下である。このことから、本実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1は、従来のキャピラリ電気泳動装置よりも高い分解能を有することが分かる。なお、図6は、ビーム径Dと照射用光ファイバ109の配置例とを説明する模式図である。図6に示すように、ビーム径Dが600μmのビーム領域の中にはクラッド径c’が125μm(コア径cが105μm)の照射用光ファイバ109を14本配置できる。従って、この場合、本実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1は、従来のキャピラリ電気泳動装置の14倍のスループットが得られる。
(検出用光ファイバのコア径)
次に、本実施形態における検出用光ファイバ111のコア径に関して説明する。検出用光ファイバ111のコア径は主に検出感度とクロストークの観点で決定される。検出感度の観点で言えば、キャピラリ110の内部を透過した光(以下、信号光と称する)の大部分を検出可能な程度に大きな値とすることが好ましい。照射用光ファイバ109から出射した光は検出用光ファイバ111に到達するまでに光軸と垂直な方向に広がる。そのため、検出用光ファイバ111のコア径cは、照射用光ファイバ109のコア径cよりも大きく設定することが好ましい。このようにすると、検出用光ファイバ111のコア径cを照射用光ファイバ109のコア径cと同一にする場合よりも多くのキャピラリ透過光を検出でき、検出感度が向上する。一方で、検出用光ファイバ111のコア径を必要以上に大きな値にすると、ノイズの元となるキャピラリ110の内部以外を透過した光(以下、迷光と称する)を検出して逆に検出感度が低下する可能性がある。それだけでなく、隣接する他のキャピラリ110の内部を透過した光(以下、クロストーク光と称する)を検出し、クロストークが発生するリスクも高まる。
図7Aは、照射用光ファイバ109から出射した光がキャピラリ110を透過して検出用光ファイバ111に到達する様子を示したyz断面模式図である。図7Bは、照射用光ファイバ109から出射した光がキャピラリ110を透過して検出用光ファイバ111に到達する様子を示したxz断面模式図である。ここで、図7Aおよび図7B中のy方向はキャピラリ110の長さ方向、z方向は光の出射方向、x方向はyz平面に垂直な方向である。
図7Aに示すように、キャピラリ110の中心でのyz断面においては、照射用光ファイバ109から出射した光は全てキャピラリ110の内部を通過する。従って、yz断面上においては、全ての信号光を検出するためには検出用光ファイバ111のコア径cを、照射用光ファイバ109から出射した全ての光が結合するように定めればよい。この場合の検出用光ファイバ111のy方向のコア径cは、図7Aより、キャピラリ110での光の屈折を無視すると以下の式(7)で与えられる。
Figure 0007426491000010
ここで、θは図7Aに示した照射用光ファイバ109からの光の発散角である。NA=sinθの関係を用いると、tanθ=NA/√(1-NA)と表せるため、式(7)はNAを用いて式(8)と書き換えることができる。
Figure 0007426491000011
一方で、図7Bに示すように、キャピラリ110の中心でのxz断面においては、照射用光ファイバ109から出射した光は必ずしも全てキャピラリ110の内部を通過しない。以下では、xz断面において全ての信号光を検出するために必要な最小の検出用光ファイバ111のコア径cを、条件ごとに分けて求める。キャピラリ110の中心位置を原点として、xz平面において傾きがtanθであり、キャピラリ110の内部に接する直線(原点中心で直径Rinの円の接線)の方程式をx=f(z)とすると、f(z)は以下の式(9)で与えられる。
Figure 0007426491000012
f(z)の照射用光ファイバ109の光出射側端面における値(式(10))と±c/2の大小関係によって検出用光ファイバ111のコア径cの表式は異なる。
Figure 0007426491000013
図8Aから図8Cはいずれも、それぞれの図中に示す条件で照射用光ファイバ109から出射した光がキャピラリ110を透過して検出用光ファイバ111に到達する様子を示したxz断面模式図である。
図8Aに示した2f(-(d+Rout/2))>cの場合には、照射用光ファイバ109から出射した全ての光はキャピラリ110の内部(内径内)を通過する。そのため、検出用光ファイバ111のコア径cはキャピラリ110での光の屈折を無視すると以下の式(11)のように検出用光ファイバ111のコア径cと同じ式で表される。
Figure 0007426491000014
図8Bに示した-c≦2f(-(d+Rout/2))≦cの場合には、キャピラリ110での光の屈折を無視すると、cはf(z)の検出用光ファイバ111の光入射側端面における値f(d+Rout/2)を用いて以下の式(12)のように求められる。
Figure 0007426491000015
図8Cに示した2f(-(d+Rout/2))<-cの場合には、キャピラリ110での光の屈折を無視すると、cは図中に示した直線x=g(z)(座標(x,z)=(-c/2,-(d+Rout/2))を通り、キャピラリ110の内部に接する直線のうち傾きの大きい方)の検出用光ファイバ111の光入射側端面における値g(d+Rout/2)を用いてc=2g(d+Rout/2)と表すことができる。傾きをmとするとg(z)は以下の式(13)と表すことができる。
Figure 0007426491000016
式(13)にz=d+Rout/2を代入すると、cは以下の式(14)で表される。
Figure 0007426491000017
傾きmは、直線x=g(z)が以下の式(15)で表されるキャピラリ110の内径部分を表す円の接線である条件から定まる。
Figure 0007426491000018
g(z)が式(13)で表される円の接線であるためには、式(13)と式(15)のxz平面における交点が1つでなくてはならない。すなわち、式(13)で与えられるx=g(z)を式(14)に代入して得られるzに関する2次方程式の判別式が0でなくてはならない。この条件は以下の式(16)で表される。
Figure 0007426491000019
式(16)をmについて解くことで、mに関する表式を得ることができる。式(16)を満たすmに関する表式は2つ得られるが、図8Cに示したg(z)はこれら2つの式のうち常により大きな値を与える方であり、以下の式(17)のように表される。
Figure 0007426491000020
以上の結果をまとめると、全ての信号光を検出するために必要な最小の検出用光ファイバ111のコア径cは以下の式(18)のように表すことができる。
Figure 0007426491000021
上述のように、全ての信号光を検出するために必要な最小の検出用光ファイバ111のコア径cおよびコア径cはxz断面とyz断面とで異なる。従って、検出用光ファイバ111のコア形状は理想的には楕円が好ましいが、コア形状が楕円の光ファイバは一般には流通していないため実際にはそのような光ファイバの適用は困難である。c>cであるため、検出用光ファイバ111のコア径cをcに設定することで全ての信号光を検出可能である。しかし、その場合には迷光やクロストーク光が検出されることで信号対雑音比(SNR)が低下する可能性が高まる。そのため、本実施形態においては、検出用光ファイバ111のコア径cがc<c<cを満たすようにすることが好ましい。このようにすると、検出用光ファイバ111のコア径cを照射用光ファイバ109と同一とする場合よりもキャピラリ110を透過した光を多く検出できるので、検出感度が向上する。また、それとともに、キャピラリ110の内部以外を透過した不要な光の検出量を小さくできるので、検出感度が向上する。
図9は、シミュレーションソフト(Zemax OpticStudio17.5)を用いて光線追跡シミュレーションを行い、検出用光ファイバ111のコア径cと信号光量との関係を計算した結果の一例を示すグラフである。シミュレーションは、図2に示す光学系において、レンズ105を用いないで行った。つまり、当該シミュレーションは、レンズ102とレンズ104による光源101の発光面の結像位置にバンドル106の光入射側端面を配置してバンドル106の中心に配置された照射用光ファイバ109に光を結合させ、対応するキャピラリ110に照射される光に関して実施した。
シミュレーションの条件は、光源101の発光強度空間分布が半値全幅約0.35mmのガウシアン、光源101からの光の発散角が±20度、バンドパスフィルタ103の透過波長が220nm、レンズ102およびレンズ104の焦点距離がともに21.5mm、レンズ102およびレンズ104の有効径がともに10mm、キャピラリ110の屈折率が1.458、キャピラリ110内部の屈折率が1.33、c=105μm、Rin=50μm、Rout=150μm、NA=0.25である。このシミュレーションをd,d=0μm、50μm、100μm、150μm、200μm、250μmの場合について行った。なお、c、Rin、Rout、NA、d、dはそれぞれ前記したものと同義である。
図9の縦軸は、光源101から出射される波長220nmの光の総光量を1としたときの値である。図9に示すように、d,dがいずれの場合であっても、検出用光ファイバ111のコア径cの増大とともに信号光量が増大するが、ある値以上で飽和することが分かる。
図10は、図9の結果に基づいて計算した飽和レベルの95%以上の信号光を検出可能な検出用光ファイバ111の最小コア径c95%を、c,cとともにd,dに対してプロットした結果を示すグラフである。図中、検出用光ファイバ111の最小コア径c95%を「▲」で示している。ここで、cは-c≦2f(-(d+Rout/2))≦cの場合に相当する値が用いられている。
図10に示すように、信号光の大部分(95%以上)を検出可能な検出用光ファイバ111の最小コア径c95%は、cからcの間に存在していることが分かる。例えば、d,d=150μmとし、検出用光ファイバ111のコア径cを照射用光ファイバ109のコア径cと同じ105μmに設定した場合の信号光量は、約0.004(図9)となる。これは、検出用光ファイバ111のコア径cを十分大きな値に設定したときの信号光量の飽和レベル0.012の約33%である。これに対し、検出用光ファイバ111のコア径cをc(≒166μm)からc(≒337μm)の間に設定した場合の信号光量は約0.0096から約0.012となる(図9)。これは飽和レベルの約75%から99.9%である。このように、検出用光ファイバ111のコア径cをcからcの間に設定する(c<c<c)ことで、照射用光ファイバ109のコア径cと同じにする場合よりも多くの信号光を検出できる。
図11は、d,d=150μmとした場合における迷光率[%]の検出用光ファイバ111のコア径cに対する依存性を、シミュレーションソフト(Zemax OpticStudio17.5)を用いて計算した結果を示すグラフである。なお、本明細書において、迷光率とは、検出用光ファイバ111に結合する総光量に対する迷光量の割合をいう。図11に示すように、コア径cが200μm程度まではコア径cの増加に伴い迷光率はほぼ単調に減少し、さらに225μm辺りまではわずかに減少するが、225μm以上では増加に転じていることが分かる。これは、直径225μm以内の円形領域においては信号光のエネルギー密度が迷光のエネルギー密度よりも大きく、直径225μm以上の領域においてはその大小関係が逆転していることを意味している。従って、d,d=150μmの場合、かつ検出器112のノイズよりも光強度のノイズが支配的な場合には、迷光率が大きくなるとSNRが低下するため225μmが最適な検出用光ファイバ111のコア径cとなる。また、図11中、点線で図示したように、迷光率の観点で最適なコア径cもcとcの間に存在している(c<c<c)ことが分かる。
以上の結果から、検出用光ファイバ111のコア径cをcからcの間に設定することで、照射用光ファイバ109と同じコア径に設定した場合よりもより多くの信号光を検出できる。また、検出用光ファイバ111のコア径cをcからcの間に設定することで、c以上のコア径に設定した場合よりも迷光率やクロストークを小さくすることができるため、高い検出感度が得られる。
図12は、d,d(d=d)に対して、検出用光ファイバ111のコア径cを十分大きくした場合に得られる信号光量(最大信号光量)をプロットした結果を示すグラフである。d,dは小さいほど最大信号光量が大きくなるため性能の観点からはd,dは可能な限り小さくすることが望ましい。しかし、部品同士の接触による部品の破損や性能低下を避けるため、実際には数十~数百μm程度に設定するのが適切である。
(所定の感度を得るための好適な条件)
次に、本実施形態において所定の感度を得るための好適な信号光量を定義し、その信号光量を得るのに好適な条件について説明する。信号光量の基準値を定めるために、図13に示した1本のキャピラリ131に対するUV吸収光学系130の典型例について考える。光源である重水素ランプ132の発光面が、2枚のレンズL,Lから成る結像光学系Lによってキャピラリ131の位置に結像される。なお、レンズLとキャピラリ131との間、かつキャピラリ131近傍にはスリット133が配置されており、スリット133を透過した一部の光がキャピラリ131に照射される。このとき、2枚のレンズL,Lの間に設けられたバンドパスフィルタ134によって計測に用いる波長成分のみが切り出される。キャピラリ131を透過した光の一部が光ファイババンドル135に結合し、検出器であるフォトダイオード136で検出される。スリット133はキャピラリ131の内部以外に光が照射されるのを可能な限り防ぐ役割と、キャピラリ131の長さ方向に対する光の照射領域幅を制限して分解能を規定する役割とを果たしている。
このUV吸収光学系130においては、結像光学系の倍率を低くしてキャピラリ131へ照射される光のスポットサイズを小さくするほどキャピラリ131の内部を透過する光量は大きくなる。しかし、最終的に検出される光ファイババンドル135への結合光量は光ファイバの開口数NAにより上限が決まっている。そのため、レンズLの開口数はNA程度であれば十分であり、それ以上に大きな値にしたとしても検出光量はほとんど増加しない。このことから、開口数NA程度の同一のレンズを使用して等倍結像とすることが照射光量を最大化する最も安価で簡素な構成であると言える。従って、本実施形態においては、図13に示すUV吸収光学系130において等倍結像時に得られる信号光量を、所定の感度を達成するために必要な信号光量の基準値Pと定義することとした。
典型的な条件を仮定し、シミュレーションソフト(Zemax OpticStudio17.5)を用いて光線追跡シミュレーションを行い、図13に示すUV吸収光学系130において得られる信号光量を評価した。その結果、得られる信号光量は、光源である重水素ランプ132から出射される計測波長成分の総光量の約1%となった。なお、シミュレーションの条件として、光ファイババンドル135はコア径320μmの光ファイバが直径1mmの範囲内に7本配置されているものを仮定した。そのため、スリット133のキャピラリ131の長さ方向の幅は200μm、スリット133のキャピラリ131の長さ方向と垂直な方向の幅は100μmに設定した。光源(重水素ランプ132)、レンズL,L、バンドパスフィルタ134に関する条件は、図9の結果を得る際の条件と同一である。シミュレーションと実機との差異や光源の総発光量の製品ごとのばらつきに起因する誤差が2割程度存在すると仮定して、基準値Pは0.8%とした。この基準値Pは、典型的な1本キャピラリのUV吸収光学系130において得られる信号光量の典型的な値と解釈することができる。
本実施形態において信号光量が基準値Pである0.8%よりも大きくするために好適な条件の例について説明する。図9の結果から、最も信号光量が大きくなるd,d=0μmの場合に信号光量が0.8%以上となる検出用光ファイバ111のコア径cは約60μm以上であることが分かる。そのため、検出用光ファイバ111のコア径cは少なくとも60μm以上とすることが好ましいと言える。また、図12に示した結果から、信号光量が0.8%以上となるためにはd,dはそれぞれ約300μm以下であることが好ましいと言える。これらの条件を満たすように構成することで、所定の感度をより確実に達成できる。
[第二実施形態]
ここまで本実施形態について代表的にUV吸収計測を行う場合について説明した。本実施形態は、例えば、フォトダイオードなどの検出器112の前に励起波長成分を遮断して蛍光波長を透過するロングパスフィルタなどを挿入することで、NF計測やLIF計測にも適用できる。以下に、第二実施形態として、UV吸収計測とLIF計測とを同一の装置で行うことのできるキャピラリ電気泳動装置1について説明する。
図14は、第二実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1における検出部6の別の態様を示す模式図である。なお、図14に関しては、図2に示した構成要素と同じものには同一の符号を付し、その説明を省略する。図14に示すように、第二実施形態は、蛍光計測(NFやLIF)のための第二の光源(光源201)、レンズ202および着脱可能なロングパスフィルタ203が、キャピラリ110に近接して設けられている点で第一実施形態と異なる。レンズ202は、例えば、コリメートレンズであり、光源201からの励起光をコリメート光に変換して複数のキャピラリ110に対して照射する光照射部としての役割を果たす。
図14に示すように、第二実施形態における検出部6では、レンズ202による複数のキャピラリ110への光の照射方向は、複数の照射用光ファイバ109によるキャピラリ110への光の照射方向およびキャピラリ110の長さ方向の両方に対して垂直となるように設定されている。また、レンズ202による複数のキャピラリ110への光の照射は、キャピラリ110の内部を通るように設定されている。
このような構成としているので、第二実施形態における検出部6では、光源201から出射した励起光がレンズ202によってコリメート光に変換される。そして、このコリメート光がキャピラリアレイ11に対してキャピラリ110の配列方向に向かって入射する。これによって、単一の光源201を用いて複数のキャピラリ110に対して励起光を一括照射することができる。キャピラリ110内を移動する試料に励起光が照射されると、試料から蛍光(自家蛍光または蛍光色素からの蛍光)が発生する。そして、発生した蛍光の一部が検出用光ファイバ111に結合する。検出用光ファイバ111を伝搬した蛍光はロングパスフィルタ203を透過して検出器112によって検出される。ロングパスフィルタ203は、キャピラリ110によって散乱されて検出用光ファイバ111に結合した励起光を遮断する役割を果たす。また、ロングパスフィルタ203は着脱可能となっており、UV吸収計測を行う場合には外し、蛍光計測を行う場合には設置される。
前述したように、第二実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1においては説明を省略したが、第二実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1は第一実施形態と同様に動作して光源101に基づくUV吸収計測を行う。そして、第二実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1はそれと同時にLIF計測を行う。
このとき、第二実施形態においては、第一実施形態の光源101を励起光源として用いる場合と比べると、キャピラリ110を透過した励起光が検出用光ファイバ111に直接入射しない。そのため、第二実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1は、検出用光ファイバ111へ結合する励起光量を抑制できる。これにより、より高い感度で蛍光計測を行うことができる。
[第三実施形態]
図15は、第三実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1の構成例を示す模式図である。なお、図15に関しては、図1に示した構成要素と同じものには同一の符号を付し、その説明を省略する。図15に示すように、第三実施形態は、試料の電気泳動上、UV吸収計測用の検出部6の下流に、蛍光計測用の検出部12をさらに有している点で第一実施形態と異なる。なお、検出部6の構成は図2に示した通りである。以下、検出部12の構成について説明する。
図16は、第三実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1の蛍光計測用の検出部12の構成例を示す模式図である。
図16に示すように、第三実施形態における蛍光計測用の検出部12では、レンズ202による複数のキャピラリ110への光の照射方向は、複数の照射用光ファイバ109(図16には図示なし)によるキャピラリ110への光の照射方向およびキャピラリ110の長さ方向の両方に対して垂直となるように設定されている。また、レンズ202による複数のキャピラリ110への光の照射は、キャピラリ110の内部を通るように設定されている。
このような構成としているので、図16に示すように、検出部12は、第二実施形態と同様、光源201から出射された励起光がレンズ202によってコリメート光に変換される。そして、このコリメート光がキャピラリアレイ11に対してキャピラリ110の配列方向に向かって入射する。キャピラリ110の中の試料から発生した蛍光はレンズアレイ301によってコリメート光に変換される。そして、このコリメート光はロングパスフィルタ302を透過してレンズアレイ303によって集光され、検出器であるフォトダイオードアレイ304によって検出される。
第三実施形態においては、蛍光をフォトダイオードアレイ304へ導く手段としてレンズアレイ301およびレンズアレイ303を用いている。レンズは光ファイバと比べて開口数を大きくすることが容易である。そのため、第三実施形態においては第二実施形態と比べてより多くの蛍光を検出することができ、高い検出感度が得られる。
また、第三実施形態では、図15に示しているように、キャピラリアレイ11の異なる部分にUV吸収計測用の検出部6と蛍光計測用の検出部12とを設けている。このようにすることで、これらの検出部6、12においてキャピラリアレイ11の配列ピッチpiをそれぞれの計測モードに対して個別に最適化することができる。
また、これらの検出部6、12においてキャピラリアレイ11の配列ピッチpiをそれぞれの計測モードで等しくすることができる。このようにすると、検出部6と検出部12との間で配列ピッチpiを調節するための区間が不要になるので、検出部6と検出部12との距離を縮小することができる。従って、両計測モードの電気泳動条件(例えば、電気泳動距離)を近づけることができる。また、装置のサイズを縮小することができる。
[第四実施形態]
図17は、第四実施形態に係るキャピラリ電気泳動装置1における検出部6の別の態様を示す模式図である。なお、図17に関しては、図2に示した構成要素と同じものには同一の符号を付し、その説明を省略する。図17に示すように、第四実施形態は、結像光学系114にレンズ105が設けられておらず、代わりに接続用光ファイバ401(請求の範囲の「第三の光ファイバ」)と、光ファイバアダプタ402と、が設けられている点で第一実施形態と異なる。ここで、光ファイバアダプタ402は、接続用光ファイバ401と照射用光ファイバ109とを直接接続するための部材であり、レンズのように光の伝搬経路上に介在物として介するものではない。すなわち、光ファイバアダプタ402は、伝搬する光に対して何ら影響を与えない。光ファイバアダプタ402が接続用光ファイバ401と照射用光ファイバ109とを接続することによって、接続用光ファイバ401を伝搬する光は照射用光ファイバ109に直接伝搬(直接接続)される。
接続用光ファイバ401の入射側端面(一方の端面401a)は、結像光学系114による光源101の発光面の結像位置に配置されている。言い換えると、一方の端面401aは接続用光ファイバ401への結合光量が最大となる位置に配置されている。一方、接続用光ファイバ401の出射側端面(他方の端面401b)は光ファイバアダプタ402によってバンドル106の光入射側端面(一方の端面109a)に直接接続されている。これにより、光源101からの光は接続用光ファイバ401へ結合し、接続用光ファイバ401を伝搬したのちバンドル106に結合し、バンドル106に含まれる照射用光ファイバ109の本数分に分割される。
このような構成においては、接続用光ファイバ401への結合光量の一方の端面401aの位置に対する微分係数がゼロになるため、一方の端面401aの位置の変動によって生じる結合光量のふらつきを小さくすることができる。これは、図5Bに示したように、第一実施形態においてケーラー照明を用いない場合(結像光学系を用いた場合)であってもバンドルの中心(r=0μm)に配置された照射用光ファイバ109への結合光量のふらつきは小さいことと同じ理由である。
さらに、他方の端面401bと一方の端面109aは光ファイバアダプタ402によって一体化しているため、両者の相対的な位置関係はほとんど変化することがない。したがって、第四実施形態においては部品位置の変動によるバンドル106に含まれる照射用光ファイバ109への結合光量のふらつきを抑制し、検出感度の低下を防ぐことができる。
なお、接続用光ファイバ401のコア径は、照射用光ファイバ109から成るバンドル106のコア径よりも相対的に大きいことが望ましい。このように相対的に大きなコア径をもつ1本の接続用光ファイバ401と相対的に小さなコア径を持つ照射用光ファイバ109から成るバンドル106を直接接続することで光を分割する方法は、ビームスプリッタ、ファイバースプリッタ、導波路、回折格子などを用いた方法と比べて簡素かつ安価な構成で実現できるので、装置の小型化・低コスト化に寄与する。また、分割によって光のエネルギー密度(単位面積当たりの光のエネルギー)の低下が生じないため、キャピラリ110に光を照射する位置における光のエネルギー密度を高く保つことができ、検出感度を高くできるという利点がある。
接続用光ファイバ401のコア径は、図3Aから図3Cに示したバンドル106の実効コア径ECD(バンドル106に含まれる複数の照射用光ファイバ109のコア109c部分の最小包含円の直径)よりも大きくすることが望ましい。これにより、複数の照射用光ファイバ109に均等に光を分割することができ、検出部6は、全てのキャピラリ110に対する計測条件を均一化することができる。
以上、本発明に係るキャピラリ電気泳動装置について実施形態により詳細に説明したが、本発明の主旨はこれに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 キャピラリ電気泳動装置
2 電気泳動媒体容器
3 試料容器
4 注入側電極槽
6、12 検出部
7 排出側電極槽
8 高圧電源
9 電極
11 キャピラリアレイ
101 光源
102、104、105 レンズ
103 バンドパスフィルタ
106 バンドル(光ファイババンドル)
106a 中心
107 参照光用光ファイバ
107a 端面
108、112 検出器
109 照射用光ファイバ(第一の光ファイバ)
109a、109b 端面
109c コア
109d クラッド
109e 中心
110 キャピラリ
110a 端面
111 検出用光ファイバ(第二の光ファイバ)
111a、111b 端面
113 光結合光学系
114 結像光学系
115 位置決めアレイ基板
115a 溝部
201 光源
202 レンズ
203 ロングパスフィルタ
301、303 レンズアレイ
302 ロングパスフィルタ
304 フォトダイオードアレイ
401 接続用光ファイバ(第三の光ファイバ)
D ビーム径
L 距離(複数の照射用光ファイバ(第一の光ファイバ)のバンドルの最小包含円の中心から最外周の光ファイバの中心までの距離)
結像光学系
、L レンズ
’ クラッド径
コア径(照射用光ファイバ(第一の光ファイバ))
コア径(検出用光ファイバ(第二の光ファイバ))
95% 最小コア径
、c コア径
pi 配列ピッチ
r 距離(バンドルの中心からの距離)

Claims (10)

  1. 測定対象の試料が導入されて電気的に分離される複数のキャピラリと、
    前記複数のキャピラリで電気的に分離された前記試料を分析するための光を発生させる光源と、
    前記キャピラリを透過した光を検出する検出器と、を備え、
    前記光源と前記複数のキャピラリとの間に光結合光学系および複数の第一の光ファイバを有するとともに、前記複数のキャピラリと前記検出器との間に複数の第二の光ファイバを有し、
    前記光結合光学系は、前記光源からの光を前記複数の第一の光ファイバに結合させ、
    前記複数の第一の光ファイバのそれぞれは、一方の端面が前記光結合光学系に接続され、他方の端面が対応する前記キャピラリに正対するように近接して配置され、
    前記複数の第二の光ファイバのそれぞれは、一方の端面が対応する前記キャピラリに正対するように近接して配置され、他方の端面が前記検出器に接続されており、
    前記第二の光ファイバのコア径c1が下記式(1)を満たすことを特徴するキャピラリ電気泳動装置。
    Figure 0007426491000022
    (ただし、式(1)において、cおよびcは、前記第一の光ファイバのコア径をc、前記第一の光ファイバの端面と前記キャピラリとの間の距離をd、前記第二の光ファイバの端面と前記キャピラリとの間の距離をd、前記第一の光ファイバの開口数をNA、前記キャピラリの内径をRin、前記キャピラリの外径をRoutとしたとき、
    Figure 0007426491000023
    であり、mは、
    Figure 0007426491000024
    である。)
  2. 前記光結合光学系は、前記光源の空間的な光強度分布を均一化して前記複数の第一の光ファイバに結合させることを特徴とする請求項1に記載のキャピラリ電気泳動装置。
  3. 前記光結合光学系は、結像光学系と第三の光ファイバとから成り、前記第三の光ファイバの一方の端面は前記結像光学系による前記光源の発光面の結像位置に配置され、他方の端面が前記複数の第一の光ファイバに直接接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のキャピラリ電気泳動装置。
  4. 前記複数の第一の光ファイバの一方の端面は、1つに束ねられることでバンドルを形成しており、前記第三の光ファイバのコア径は、前記バンドルに含まれる複数の光ファイバのコアの最小包含円の直径よりも大きいことを特徴とする請求項に記載のキャピラリ電気泳動装置。
  5. 前記複数の第一の光ファイバのなかの光ファイバのうち少なくとも1本の光ファイバは、一方の端面が前記光結合光学系に接続され、他方の端面が参照光用の検出器に接続されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のキャピラリ電気泳動装置。
  6. 前記複数の第一の光ファイバは、前記複数のキャピラリのそれぞれに対応して近接して配置されている端面が、下記式(2)を満たす配列ピッチpiで設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のキャピラリ電気泳動装置。
    Figure 0007426491000025
    (ただし、式(2)において、cは前記第一の光ファイバのコア径、cは前記第二の光ファイバのコア径、dは前記第一の光ファイバの端面と前記キャピラリとの間の距離、dは前記第二の光ファイバの端面と前記キャピラリとの間の距離、Routは前記キャピラリの外径、NAは前記第一の光ファイバの開口数である。)
  7. 前記複数のキャピラリ、前記複数の第一の光ファイバおよび前記複数の第二の光ファイバのうちの少なくとも1つが、複数の溝部を有する位置決めアレイ基板の前記溝部によって1本ずつ位置決めされているとともに、前記位置決めアレイ基板を複数有する場合は前記溝部の位置が互いに一致していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のキャピラリ電気泳動装置。
  8. 第二の光源と、前記第二の光源からの光を前記複数のキャピラリに対して照射する光照射部と、をさらに有し、前記光照射部による前記複数のキャピラリへの光の照射方向は、前記複数の第一の光ファイバによる前記キャピラリへの光の照射方向および前記キャピラリの長さ方向の両方に対して垂直であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のキャピラリ電気泳動装置。
  9. 前記第二の光ファイバのコア径が60μm以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のキャピラリ電気泳動装置。
  10. 前記第一の光ファイバの端面と前記キャピラリとの間の距離をd、前記第二の光ファイバの端面と前記キャピラリとの間の距離をdとしたとき、d≦300μm、d≦300μmであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のキャピラリ電気泳動装置。
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