JP7424557B2 - 車両用カメラ装置 - Google Patents

Description

本発明は、カメラ機構が透過部材の表側を透過部材を介して撮像する車両用カメラ装置に関する。

下記特許文献１に記載の車載用カメラでは、撮像素子が撮影レンズの表側を撮影レンズを介して撮像すると共に、撮像素子が撮影レンズの矩形状表面領域を介して撮像した像がディスプレイに表示される。

ここで、この車載用カメラでは、撮影レンズの矩形状表面領域の下側のみに親水膜が設けられている。

特開２０１５－３５７２２号公報

本発明は、上記事実を考慮し、水の不要な浸入を抑制できる車両用カメラ装置を得ることが目的である。

本発明の第１態様の車両用カメラ装置は、光を透過する透過部材が設けられ、前記透過部材の表側を前記透過部材を介して撮像すると共に、前記透過部材の所定領域を介して撮像した像が表示装置に表示されるカメラ機構と、前記透過部材の表側面を形成し、前記所定領域に配置されると共に、前記所定領域の上側、一側方及び他側方の少なくとも２つに配置されない親水膜と、を備える。

本発明の第２態様の車両用カメラ装置は、光を透過する透過部材が設けられ、前記透過部材の表側を前記透過部材を介して撮像するカメラ機構と、前記透過部材に設けられ、電力が供給される電極と、前記透過部材の表側面を形成し、前記電極から離間される親水膜と、を備える。

本発明の第３態様の車両用カメラ装置は、本発明の第２態様の車両用カメラ装置において、前記透過部材に設けられ、前記電極を介して電力が供給されて発熱する発熱膜を備える。

本発明の第４態様の車両用カメラ装置は、本発明の第１態様～第３態様の何れか１つの車両用カメラ装置において、前記親水膜が前記透過部材の下端まで配置される。

本発明の第１態様の車両用カメラ装置では、カメラ機構が透過部材の表側を透過部材を介して撮像する。さらに、カメラ機構が透過部材の所定領域を介して撮像した像が表示装置に表示される。また、透過部材の表側面を親水膜が形成しており、親水膜が所定領域に配置される。

ここで、親水膜が所定領域の上側、一側方及び他側方の少なくとも２つに配置されない。このため、親水膜から所定領域の上側、一側方及び他側方の少なくとも２つへの水の移動が抑制されることで、所定領域の上側、一側方及び他側方の少なくとも２つへの水の不要な浸入を抑制できる。

本発明の第２態様の車両用カメラ装置では、カメラ機構が透過部材の表側を透過部材を介して撮像する。さらに、透過部材に電極が設けられており、電極に電力が供給される。また、透過部材の表側面を親水膜が形成する。

ここで、親水膜が電極から離間される。このため、親水膜から電極側への水の移動が抑制されることで、電極への水の不要な浸入を抑制できる。

本発明の第３態様の車両用カメラ装置では、透過部材に発熱膜が設けられており、電極を介して発熱膜に電力が供給されて、発熱膜が発熱する。このため、透過部材を加熱できる。

本発明の第４態様の車両用カメラ装置では、親水膜が透過部材の下端まで配置される。このため、親水膜における水を透過部材の下端から良好に排出できる。

本発明の第１実施形態に係る車両用カメラ装置を示す車両後方から見た正面図である。 本発明の第１実施形態に係る車両用カメラ装置を示す車幅方向外側から見た断面図（図１の２－２線断面図）である。 （Ａ）及び（Ｂ）は、本発明の第１実施形態に係る車両用カメラ装置のカバーガラスを示す図であり、（Ａ）は、車両後側から見た正面図であり、（Ｂ）は、下側から見た断面図であり、（Ｃ）は、本発明の第１実施形態～第３実施形態に係る車両用カメラ装置のカバーガラスの変形例を示す下側から見た断面図である。 （Ａ）は、本発明の第２実施形態に係る車両用カメラ装置のカバーガラスを示す車両後側から見た正面図であり、（Ｂ）は、本発明の第３実施形態に係る車両用カメラ装置のカバーガラスを示す車両後側から見た正面図である。

［第１実施形態］
図１には、本発明の第１実施形態に係る車両用カメラ装置１０が車両後方から見た正面図にて示されており、図２には、車両用カメラ装置１０が車幅方向外側から見た断面図（図１の２－２線断面図）にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印ＦＲで示し、車幅方向外方（車両右方）を矢印ＯＵＴで示し、上方を矢印ＵＰで示している。

本実施形態に係る車両用カメラ装置１０は、車両（自動車）の車体側としてのサイドドア（特にフロントサイドドア）の上下方向中間部の車両前側端における車外側に設置されている。

図１及び図２に示す如く、車両用カメラ装置１０には、収容体としの略直方体形箱状の筐体１２が設けられており、筐体１２は、サイドドアから車幅方向外側に延出されている。筐体１２内には、支持体（図示省略）が設けられており、支持体は、車幅方向に延伸されている。支持体の車幅方向内側端部は、筐体１２の車幅方向内側端部から下側に突出されており、支持体の車幅方向内側端部は、サイドドアに支持されている。支持体は、筐体１２を支持しており、筐体１２は、支持体を介してサイドドアに支持されている。

筐体１２の車幅方向外側端部は、車両後側に突出されており、筐体１２の車幅方向外側端部の車両後側壁は、被覆部としての被覆壁１２Ａにされている。被覆壁１２Ａは、車両前側に凹状にされており、被覆壁１２Ａの底部（略中央部）には、円状の露出孔１４が貫通形成されている。被覆壁１２Ａの車両前側面には、露出孔１４の全周外側において、対向部としての円環平面状の対向面１２Ｂが形成されており、対向面１２Ｂは、露出孔１４の軸方向に垂直に配置されている。

筐体１２の車幅方向外側端部内は、カメラ機構１６が設けられている。

カメラ機構１６には、略直方体形箱状のブラケット１８が設けられており、ブラケット１８が支持体に支持されて、カメラ機構１６が支持体に支持されている。ブラケット１８の車両後側端には、矩形状の開口１８Ａが形成されており、ブラケット１８内は、開口１８Ａを介して車両後側に開口されている。

ブラケット１８内には、略直方体状のカメラ２０が収容されており、カメラ２０は、ブラケット１８に固定されている。カメラ２０の車両後側端部の中央には、透過部としてのレンズ２０Ａが設けられており、レンズ２０Ａは、車両後側面（表側面）が車両後側に露出されると共に、透明にされて光を透過する。カメラ２０内には、撮像部としての撮像素子（図示省略）が設けられており、カメラ２０は、車両の制御装置２２に電気的に接続されている。制御装置２２には、表示装置２４が電気的に接続されており、表示装置２４は、車室内に配置されている。

ブラケット１８の開口１８Ａ内には、透過部材としての矩形板状のカバーガラス２６（図３の（Ａ）及び（Ｂ）参照）が嵌合されて固定されており、カバーガラス２６は、カメラ２０のレンズ２０Ａに同軸上に対向されている。

カバーガラス２６には、基材としての矩形板状のガラス２８が設けられており、ガラス２８は、カバーガラス２６の車両前側面（裏側面）を形成すると共に、透明にされて光を透過する。

ガラス２８の車両後側面（表側面）の全体には、発熱膜としての矩形膜状の透明導電膜３０が形成されている。透明導電膜３０の材料は、例えばＩＴＯ（Ｉｎｄｉｕｍ Ｔｉｎ Ｏｘｉｄｅ）にされており、透明導電膜３０は、導電性を有すると共に、透明にされて光を透過する。

透明導電膜３０の車両後側面（表側面）には、車幅方向両端部以外の部分において、矩形膜状の親水膜３２が形成されており、親水膜３２は、カバーガラス２６の車両後側面（表側面）を形成すると共に、カバーガラス２６の上下方向全体に配置されている。親水膜３２は、例えば車両後側（表側）の親水層（例えばＳｉＯ_２層）と車両前側（裏側）の光触媒層（例えばＴｉＯ_２層）とが積層されて形成されており、親水膜３２は、親水性を有すると共に、透明にされて光を透過する。

透明導電膜３０の車両後側面の車幅方向両端部には、金属製で長尺矩形板状の電極３４が固定されており、電極３４は、透明導電膜３０の上端部及び下端部以外の部分において上下方向に延伸されている。電極３４は、透明導電膜３０の車幅方向端部の車幅方向中央に配置されており、電極３４は、親水膜３２から車幅方向において離間されている。電極３４は、透明導電膜３０に直接電気的に接続されており、電極３４は、制御装置２２に電気的に接続されている。

カバーガラス２６の車両後側面（親水膜３２の車両後側面）の中央部は、筐体１２（被覆壁１２Ａ）の露出孔１４から車両後側に露出されており、露出孔１４は、カバーガラス２６を介してカメラ２０のレンズ２０Ａに同軸上に対向されている。カバーガラス２６の車両後側面（親水膜３２の車両後側面）は、筐体１２（被覆壁１２Ａ）の対向面１２Ｂに対向されており、カバーガラス２６の車両後側面は、対向面１２Ｂから僅かに離間されている。

次に、本実施形態の作用を説明する。

以上の構成の車両用カメラ装置１０では、カメラ機構１６において、制御装置２２の制御によりカメラ２０の撮像素子がカバーガラス２６の車両後側を筐体１２（被覆壁１２Ａ）の露出孔１４、カバーガラス２６及びカメラ２０のレンズ２０Ａを介して撮像する。また、撮像素子は、カバーガラス２６の車両後側面（親水膜３２の車両後側面）における矩形状の所定領域Ｐを透過した像（光）を撮像する。さらに、撮像素子が撮像した所定領域Ｐを透過した像の選択された部分（一部又は全部）を表示装置２４が制御装置２２の制御により表示する。このため、表示装置２４が表示する像（画像）を車両の乗員（特に運転手）が目視することで、乗員の車両後側の視認が補助される。

ここで、カバーガラス２６では、制御装置２２の制御により透明導電膜３０に一対の電極３４間において電力が供給されることで、透明導電膜３０が一対の電極３４間において発熱して、カバーガラス２６が加熱される。このため、筐体１２の露出孔１４を介して親水膜３２（カバーガラス２６の車両後側面）に付着した水を加熱により除去でき（例えば蒸発させることができ）、カメラ２０の撮像素子によるカバーガラス２６の車両後側の撮像が当該水により阻害されることを抑制できる。

また、カバーガラス２６では、親水膜３２が透明導電膜３０の車幅方向両端部（所定領域Ｐの一側方及び他側方）に配置されておらず、透明導電膜３０の車幅方向両端部の電極３４が親水膜３２から離間されている。このため、親水性を有する親水膜３２から親水性を有しない透明導電膜３０の車幅方向両端部への水の移動が抑制されることで、透明導電膜３０の車幅方向両端部への水の不要な浸入を抑制でき、電極３４への水の不要な浸入を抑制できる。これにより、電極３４の腐食を抑制できると共に、水による一対の電極３４間におけるショートの発生を抑制できる。

さらに、親水膜３２が、筐体１２（被覆壁１２Ａ）の対向面１２Ｂに対向されると共に、対向面１２Ｂから僅かに離間されている。このため、親水膜３２の露出孔１４内側（特に所定領域Ｐ）における水を、対向面１２Ｂと親水膜３２との間に所謂毛細管現象により吸引できて、良好に除去できる。

しかも、親水膜３２がカバーガラス２６の下端まで配置されている。このため、親水膜３２における水をカバーガラス２６の下端から良好に排出できる。

［第２実施形態］
図４（Ａ）には、本発明の第２実施形態に係る車両用カメラ装置５０のカバーガラス２６が車両後側から見た正面図にて示されている。

本実施形態に係る車両用カメラ装置５０は、上記第１実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点において異なる。

図４（Ａ）に示す如く、本実施形態に係る車両用カメラ装置５０のカバーガラス２６では、透明導電膜３０の車両後側面（表側面）に、上端部及び車幅方向両端部以外の部分において、親水膜３２が形成されている。

ここで、本実施形態でも、上記第１実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。

特に、カバーガラス２６では、親水膜３２が透明導電膜３０の上端部及び車幅方向両端部（所定領域Ｐの上側、一側方及び他側方）に配置されていない。このため、親水性を有する親水膜３２から親水性を有しない透明導電膜３０の上端部及び車幅方向両端部への水の移動が抑制されることで、透明導電膜３０の上端部及び車幅方向両端部への水の不要な浸入を抑制できる。

［第３実施形態］
図４（Ｂ）には、本発明の第３実施形態に係る車両用カメラ装置６０のカバーガラス２６が車両後側から見た正面図にて示されている。

本実施形態に係る車両用カメラ装置６０は、上記第２実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点において異なる。

図４（Ｂ）に示す如く、本実施形態に係る車両用カメラ装置６０のカバーガラス２６では、一方（例えば車幅方向内側）の電極３４が、透明導電膜３０の上端部まで上側に延出されると共に、透明導電膜３０の上端部において車幅方向に延伸されており、一方の電極３４は、親水膜３２から車幅方向及び上下方向において離間されている。

ここで、本実施形態でも、上記第１実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。

特に、カバーガラス２６では、親水膜３２が透明導電膜３０の上端部及び車幅方向両端部（所定領域Ｐの上側、一側方及び他側方）に配置されておらず、透明導電膜３０の上端部及び車幅方向両端部の電極３４が親水膜３２から離間されている。このため、親水性を有する親水膜３２から親水性を有しない透明導電膜３０の上端部及び車幅方向両端部への水の移動が抑制されることで、透明導電膜３０の上端部及び車幅方向両端部への水の不要な浸入を抑制でき、電極３４へ水の不要な浸入を抑制できる。これにより、電極３４の腐食を抑制できると共に、水による一対の電極３４間におけるショートの発生を抑制できる。

なお、上記第１実施形態～第３実施形態のカバーガラス２６では、ガラス２８の車両後側面（表側面）に透明導電膜３０が設けられると共に、透明導電膜３０の車両後側面（表側面）に親水膜３２及び電極３４が設けられる。しかしながら、図３（Ｃ）に示す如く、カバーガラス２６では、ガラス２８の車両前側面（裏側面）に透明導電膜３０が設けられると共に、透明導電膜３０の車両前側面（裏側面）に電極３４が設けられて、ガラス２８の車両後側面（表側面）に親水膜３２が設けられてもよい。

また、上記第１実施形態～第３実施形態において、電極取出部としてのバスバーがガラス２８の車幅方向両端部に固定されて透明導電膜３０に電気的に接続されてもよい。

さらに、上記第１実施形態～第３実施形態では、透過部材がカバーガラス２６にされる。しかしながら、例えばカメラ２０のレンズ２０Ａが車外に露出される場合には、透過部材がレンズ２０Ａにされてもよい。

また、上記第１実施形態～第３実施形態では、車両用カメラ装置１０、５０、６０が車両のサイドドアに設置される。しかしながら、車両用カメラ装置１０、５０、６０が車両のサイドドア以外の部分に設置されてもよい。

１０・・・車両用カメラ装置、１６・・・カメラ機構、２４・・・表示装置、２６・・・カバーガラス（透過部材）、３０・・・透明導電膜（発熱膜）、３２・・・親水膜、３４・・・電極、５０・・・車両用カメラ装置、６０・・・車両用カメラ装置、Ｐ・・・所定領域

Claims (8)

1. 光を透過する透過部材が設けられると共に、光軸が車両前後方向側にされ、前記透過部材の表側を前記透過部材を介して撮像すると共に、前記透過部材の所定領域を介して撮像した像が表示装置に表示されるカメラ機構と、
   前記透過部材の表側面を形成し、前記所定領域に配置されると共に、前記所定領域の上側、一側方及び他側方の少なくとも２つに配置されない親水膜と、
   を備える車両用カメラ装置。
2. 光を透過する透過部材が設けられ、前記透過部材の表側を前記透過部材を介して撮像すると共に、前記透過部材の所定領域を介して撮像した像が表示装置に表示されるカメラ機構と、
   前記透過部材の表側面を形成し、前記所定領域に配置されると共に、前記所定領域の上側、一側方及び他側方の少なくとも２つに配置されない親水膜と、
   前記親水膜と対向される対向部と、
   を備える車両用カメラ装置。
3. 光を透過する透過部材が設けられ、前記透過部材の表側を前記透過部材を介して撮像するカメラ機構と、
   前記透過部材に設けられ、電力が供給される電極と、
   前記透過部材の表側面を形成し、前記電極から離間される親水膜と、
   前記親水膜と対向される対向部と、
   を備える車両用カメラ装置。
4. 前記透過部材に設けられ、前記電極を介して電力が供給されて発熱する発熱膜を備える請求項３記載の車両用カメラ装置。
5. 前記透過部材の同一面に前記電極及び前記親水膜が配置されると共に、前記電極が前記親水膜の一側方及び他側方に配置される請求項３又は請求項４記載の車両用カメラ装置。
6. 前記カメラ機構の光軸が車両前後方向側にされる請求項２～請求項５の何れか１項記載の車両用カメラ装置。
7. 前記親水膜が前記カメラ機構に対し上側よりも下側に延びる請求項１～請求項６の何れか１項記載の車両用カメラ装置。
8. 前記親水膜が前記透過部材の下端まで配置される請求項１～請求項７の何れか１項記載の車両用カメラ装置。