JP7424017B2 - 把持モジュール及び物体把持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、把持モジュール及び物体把持装置に関する。
従来、産業用ロボットの一つとして、人間の上肢と同等の機能を実現するマニピュレーターが知られている。マニピュレーターの先端には、用途に応じて様々なエンドエフェクターが装着される。例えば、特許文献1には、複数の把持モジュール(指体)により対象物を把持するエンドエフェクター(以下、「物体把持装置」と称する)が開示されている。特許文献1に開示の物体把持装置では、それぞれの把持モジュールが2自由度(搬送軸が2つ)を有し、搬送軸を制御することにより、把持した対象物の移動及び姿勢変化を行うことができるようになっている。
特開2018-43331号公報 特開2019-90495号公報
しかしながら、特許文献1に開示の物体把持装置は、搬送軸を切り換える際に、対象物から把持モジュールを一旦離し、搬送軸を回転させてから改めて対象物を把持する必要がある。そのため、空中での作業が困難であり、作業時間の面でも課題がある。
また、特許文献2には、球状体を複数方向に自由に回転可能な複数方向駆動装置が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示の複数方向駆動装置は、マニピュレーターの関節機構を想定しており、把持モジュールとして適用することは困難である。例えば、特許文献2に開示の複数方向駆動装置を把持モジュールとして適用しようとした場合、把持モジュールをロール軸周りに回転させたときに、球状体の外側に配置された支持部材と把持した対象物とが干渉する虞がある。そのため、対象物を把持する部位が制限され、把持した対象物の位置及び姿勢を自在に制御することができない。
本発明の目的は、対象物を把持したまま、当該対象物の位置及び姿勢を自在に制御可能な把持モジュール及び物体把持装置を提供することである。
本発明に係る把持モジュールは、
対象物を把持して前記対象物の位置及び姿勢を制御する把持モジュールであって、
周面に所定幅のオフセット部を有し、前記対象物に接触する球状の把持体と、
第1軸周りに前記把持体を回転させる第1駆動部と、
前記第1駆動部から独立して駆動可能で、前記第1軸と直交する第2軸周りに前記把持体を回転させる第2駆動部と、
前記オフセット部に周面が略面一となるように配置されるベルトを有し、前記オフセット部における前記対象物の把持を補助する把持補助部と、を備える。
本発明に係る物体把持装置は、
上記の把持モジュールと、
前記把持モジュールの動作を制御する制御部と、を備える。
本発明によれば、対象物を把持したまま、当該対象物の位置及び姿勢を自在に制御することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る把持モジュールを備える物体把持装置を示す図である。 図2は、把持モジュールの全体構成を示す斜視図である。 図3A、図3Bは、把持モジュールの把持部の内部構造を示す断面図である。 図4は、把持モジュールの把持部の内部構造を示す分解斜視図である。 図5A、図5Bは、把持体の形状の一例を示す図である。 図6A、図6Bは、ベルトの形状の一例を示す図である。 図7A、図7Bは、ベルト駆動部の他の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る把持モジュール1を備える物体把持装置Aを示す図である。物体把持装置Aは、例えば、マニピュレーターの先端に取り付けられるエンドエフェクターとして使用される。
図1に示すように、物体把持装置Aは、把持モジュール1、装置ベース2、及び制御部3を備える。物体把持装置Aは、少なくとも1つの把持モジュール1を有し、複数の把持モジュール1の間、又は把持モジュール1と固定体との間に対象物Wを把持して、把持した対象物Wの位置及び姿勢を変化させることができる。図1では、3つの把持モジュール1をロール軸R周りに回転させることにより、対象物Wを回転させる場合について示している。
装置ベース2は、把持モジュール1が取り付けられるモジュール取付部(符号略)を有する。モジュール取付部は、例えば、レール等の移動機構や関節ユニット等を含み、把持モジュール1を全体的に移動させたり、姿勢を変化させたりできるように構成されている。図1では、3つの把持モジュール1が同じ姿勢を呈して把持体10の側部で対象物Wを把持する場合について示しているが、把持モジュール1が対向する姿勢を呈して把持体10の頂部で対象物Wを把持する等、把持モジュール1の姿勢は任意に制御することができる。
制御部3は、個々の把持モジュール1の動作を制御し、把持モジュール1によって把持された対象物Wの位置及び姿勢を変化させる。制御部3は、例えば、演算/制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備える。CPUが、ROM等から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムを実行することにより、把持モジュール1の動作が制御される。
制御部3は、例えば、装置ベース2に内蔵され、物体把持装置Aが装着されるマニピュレーターの制御部(図示略)と協働して、把持モジュール1の動作を制御する。例えば、マニピュレーターの操作部を用いて、対象物Wを目的の位置又は姿勢とするための入力操作が行われた場合に、制御部3は、操作情報に基づいて当該入力操作を解析し、解析結果に基づいて個々の把持モジュール1の動作を制御する。操作情報は、対象物Wの目的の位置又は姿勢を示す情報で与えられてもよいし、対象物Wを目的の位置又は姿勢に移行させるために必要な把持モジュール1の動作を示す情報で与えられてもよい。
把持モジュール1は、対象物Wを把持(固定体に押し付けて把持する場合を含む)しながら対象物Wの位置及び姿勢を制御するためのモジュールであり、2自由度を有する。具体的には、把持モジュール1は、互いに直交するロール軸R(第1軸)及びピッチ軸P(第2軸)周りに把持体10を回転させることにより、対象物Wの位置及び姿勢を自在に変化させることができる。把持モジュール1の具体的な構成を図2~4に示す。
図2は、把持モジュール1の全体構成を示す斜視図である。図3A、図3Bは、把持モジュール1の把持部の内部構造を示す断面図である。図4は、把持モジュール1の把持部の内部構造を示す分解斜視図である。
図2~4に示すように、把持モジュール1は、把持体10、第1駆動部20、第2駆動部30、及び把持補助部50等を備える。
把持体10は、対象物Wに接触する部分であり、全体として略球形状を有する。把持体10が略球形状を有することにより、把持する対象物Wとの接触面積を最大限に確保することができる。
把持体10は、把持する対象物Wとの間で、対象物Wの姿勢等を変化させることができる程度の摩擦力が生じる材料(例えば、ゴム、プラスチック又はエラストマー)で形成される。把持体10の内部は中空であり、内部に把持体10をピッチ軸P周りに回転させるための機構(第2駆動部30の一部)を配置できるようになっている。
すなわち、把持体10は、内部において、ピッチ軸P周りに回転可能に支持されている。これにより、把持体10の支持機構が対象物Wと干渉することはなく、把持体10のほぼ全面で対象物を把持することができる。また、把持体10の支持機構は、把持体10によって外力から保護されるので、異物の侵入等によって把持体10の動作が不安定となるのを防止でき、安定性が向上する。
本実施の形態では、把持体10は、ロール軸Rに平行な平面により二分割された第1把持体11及び第2把持体12で構成されている。第1把持体11及び第2把持体12は、後述する支持フレーム22の把持体保持部222を挟み込むように取り付けられる。
把持体10が把持体保持部222を挟み込んだ状態でピッチ軸P周りに回転できるように、第1把持体11及び第2把持体12は、対向面11a、12a(図5A、図5B参照)が離間するように配置される。対向面11a、12aによって形成される離間部分13(以下、「オフセット部13」と称する)には、支持フレーム22の把持体保持部222の周面が、把持体10の周面よりも凹んだ状態で位置する。このオフセット部13に、把持補助部50のベルト51が配置される。
第1把持体11及び第2把持体12は、ロール軸Rを通る平面に関して、対称的な形状を有することが好ましい。この場合、支持フレーム22の中心軸上に把持補助部50のベルト51が配置されることになる。これにより、ベルト51で対象物Wを把持する際にかかる力は、直接、支持フレーム22(把持体保持部222)に伝達されるので、ベルト51にねじれやせん断が発生することを抑制でき、安定した把持と姿勢制御が可能となる。
また、第1把持体11及び第2把持体12は、支持フレーム22に取り付けた状態で把持体10の周面が真球形状を呈するように形成されてもよいし(図5A参照)、対向面11a、12aを当接させたときに把持体10の周面が真球形状を呈するように形成されてもよい(図5B参照)。
特に、図5Aに示すように、把持体10が全体として真球形状を有するようにした場合、ロール軸Rとピッチ軸Pの交点Oから把持体10の周面までの距離が一定になるので、把持体10をロール軸R周り及び/又はピッチ軸P周りに回転させたときに対象物Wにかかる圧力は変化しない。したがって、対象物Wの把持状態が安定する。また、把持体10の周面における周速度は一定となるので、把持体10に所望の動作を行わせるための演算処理を軽減することができる。
第1駆動部20は、ロール軸R(第1軸)の周りに把持体10を回転させるための駆動機構である。第1駆動部20は、第1駆動源21及び第1駆動源21からの動力を受けてロール軸R周りに回転する支持フレーム22を有する。第1駆動源21は、例えば、電動モーターで構成され、モーターベルト23を介して支持フレーム22に動力が伝達されるようになっている。
第2駆動部30は、ピッチ軸P(第2軸)の周りに把持体10を回転させるための駆動機構である。第2駆動部30は、第2駆動源31、第2駆動源31からの動力を受けてロール軸R周りに回転する駆動シャフト32、駆動シャフト32のロール軸R周りの回転をピッチ軸P周りの回転に変換して把持体10に伝達する動力伝達方向変換部33、及び把持体10に固定され把持体10とともにピッチ軸P周りに回転する従動シャフト34を有する。第2駆動源31は、例えば、電動モーターで構成され、歯車伝達機構35を介して駆動シャフト32に動力が伝達されるようになっている。
支持フレーム22は、ロール軸Rに沿って延在する支持本体部221、及び支持本体部221の一方の端部に連設され把持体10が取り付けられる把持体保持部222を有する。支持本体部221は、筒形状を有し、ロール軸Rに沿って貫通孔221aが形成されている。
駆動シャフト32は、支持本体部221の貫通孔221aに挿通される。駆動シャフト32の一方の端部は、例えば、支持フレーム22に設けられた軸受け部42によって軸支され、他方の端部は、例えば、第1駆動源21及び第2駆動源31が配置されるモーターケースの軸受け部(図示略)によって軸支される。また、駆動シャフト32は、支持本体部221の貫通孔221aに配置されたベアリング41によって支持される。すなわち、駆動シャフト32は、支持フレーム22の動作に干渉せず、支持フレーム22のロール軸R周りの回転位置を保持したまま、回転可能となっている。
支持フレーム22の把持体保持部222は、略円板形状を有する。把持体保持部222の一方の面には、従動シャフト34を安定した姿勢で支持できるように、突出部(符号略)が設けられる。また、把持体保持部222には、ピッチ軸Pに沿って貫通孔222aが形成されている。
従動シャフト34は、把持体保持部222の貫通孔222aに挿通される。従動シャフト34の両端部は、例えば、第1把持体11及び第2把持体12の内面に設けられたボス(符号略)に挿入され、固定される。また、従動シャフト34は、把持体保持部222の貫通孔222aに配置されたベアリング43によって支持される。すなわち、従動シャフト34は、把持体10とともにピッチ軸P周りに回転可能となっている。
動力伝達方向変換部33は、例えば、ピニオンギア331(駆動側歯車要素)とクラウンギア332(従動側歯車要素)を有する。ピニオンギア331は、駆動シャフト32に固定され、駆動シャフト32とともに回転する。クラウンギア332は、把持体10(第1把持体11)に固定され、ピニオンギア331と噛合する。本実施の形態では、動力伝達方向変換部33は、把持体10の内部に配置されている。
把持モジュール1において、第2駆動源31が駆動され、駆動シャフト32が回転すると、駆動シャフト32とともにピニオンギア331がロール軸R周りに回転し、これに伴い、クラウンギア332がピッチ軸P周りに回転する。これにより、クラウンギア332が固定された把持体10がピッチ軸P周りに回転する。このとき、支持フレーム22のロール軸R周りの回転位置は保持されるので、把持体10はロール軸R周りには回転せず、ピッチ軸P周りにのみ回転する。すなわち、制御部3は、把持体10をピッチ軸P周りに回転させる場合には、第2駆動源31のみを制御する。
一方、第1駆動源21が駆動され、支持フレーム22が回転すると、把持体10も支持フレーム22とともにロール軸R周りに回転する。このとき、駆動シャフト32が回転していなければ、静止状態のピニオンギア331に対してクラウンギア332がロール軸R周りに回転することになるため、クラウンギア332がピッチ軸P周りに回転し、把持体10がピッチ軸P周りに回転してしまう。そこで、把持体10をロール軸R周りに回転させる際には、第2駆動源31は、ピニオンギア331とクラウンギア332のロール軸R周りの相対位置が保持されるように、駆動シャフト32を回転させる。すなわち、制御部3は、把持体10をロール軸R周りに回転させる場合には、第1駆動源21だけでなく、第2駆動源31も制御する。これにより、把持体10を、ピッチ軸P周りの回転位置を保持したまま、ロール軸R周りに回転させることができる。
上述したように、把持モジュール1において、把持体10は、オフセット部13を有する構成であり、把持体10の把持面(対象物Wと接触する面)の一部は不連続となっている。そのため、把持体10のロール軸R周りの回転によって、対象物Wを把持するための加圧力線上に、対象物Wとの把持接点が存在しなくなる場合が生じうる。この場合、対象物Wの姿勢等を安定して制御することが困難になる。本実施の形態では、把持補助部50を設けることにより、かかる問題が解消されている。
把持補助部50は、把持体10のオフセット部13における対象物Wの把持を補助する。把持補助部50は、ベルト51、駆動ローラー52、従動ローラー53、及び動力分岐部54等を有する。駆動ローラー52及び従動ローラー53は、例えば、支持フレーム22に設けれたローラー支持部55に、回転可能に取り付けられる。
ベルト51は、把持体10に形成されたオフセット部13に、ベルト51の把持面と把持体10の周面とが略面一となるように、支持フレーム22の把持体保持部222の円弧状の周面に沿って配置される。これにより、把持体10の把持面の不連続が解消される。なお、ベルト51の把持面は、オフセット部13から若干膨出してもよい。
例えば、把持体10が図5Aに示す形状を呈する場合、ベルト51の把持面は、図6Aに示すように、円弧を描くように形成される。ベルト51は、把持体10の周面を延長する形で第1把持体11と第2把持体12とを接続するので、把持体10とベルト51からなる周面を1個体の真球とみなすことができる。したがって、ロール軸Rとピッチ軸Pの交点Oから把持接点までの距離が常に一定に保たれるので、対象物Wの姿勢等を制御する際の安定性が向上する。
また例えば、把持体10が図5Bに示す形状を呈する場合、ベルト51の把持面は、図6Bに示すように、平坦状に形成される。この場合、一般的なゴムベルトやタイミングベルト等を適用できるので、低コストで実現することができる。
ベルト51の形状は、把持性能を重視するか、コストを重視するかによって、適宜選択される。
本実施の形態では、ベルト51は、無端ベルトで構成され、駆動ローラー52及び従動ローラー53に巻回され、把持体保持部222の周面に二重にして配置されている。ベルト51は、駆動ローラー52の回転に追従して、支持フレーム22(把持体保持部222)の周面に沿って走行する。すなわち、把持補助部50に無限軌道が適用されており、駆動ローラー52が、ベルト51を走行させるベルト駆動部を構成している。
動力分岐部54は、駆動シャフト32と駆動ローラー52を連結し、第2駆動源31の動力を分岐して駆動ローラー52に伝達するための動力伝達部であり、例えば、複数の歯車要素を有する。駆動シャフト32の回転に伴い、駆動ローラー52が回転し、ベルト51が走行することとなる。ベルト51は、把持体10のピッチ軸P周りの回転に対して、駆動タイミング、駆動方向、周速度が同じとなるように制御される。つまり、ベルト51は、駆動シャフト32の回転に伴う把持体10のピッチ軸P周りの回転に同調するように、走行する。これにより、把持体10とベルト51が同時に駆動される際の差動成分がほぼゼロになるので、対象物Wの姿勢制御中に、把持接点が把持体10とベルト51を跨いで横断することとなっても、スムーズに横断させることができ、予期せぬ姿勢変動や対象物Wの損傷を抑制することができる。
なお、ベルト51は、ベルト51の把持面が対象物Wとの把持接点となる場合にだけ、走行するように制御されてもよい。これにより、対象物Wの姿勢等を制御する際の消費電力を低減することができる。
本実施の形態では、第2駆動源31は、ベルト51を走行させるベルト駆動部の駆動源を兼用している。これにより、簡単な構成でベルト51を駆動することが可能となり、また、駆動用の給電経路や制御用の信号経路を確保する必要がないので、把持モジュール1の構成を簡素化できるとともに、小型化を図ることができる。
ここで、ベルト51は、動摩擦係数及び静摩擦係数が把持体10と同等であることが好ましい。これにより、対象物Wと接触する把持接点の不連続を解消でき、対象物Wの姿勢等を制御する際に、把持体10からベルト51にかけて把持接点が横断しても、摩擦力が急激に変化することはなく、対象物Wの滑落や姿勢等の想定外の変化を防止することができる。
このように、本実施の形態に係る把持モジュール1は、対象物Wを把持して対象物Wの位置及び姿勢を制御する把持モジュールであって、周面に所定幅のオフセット部13を有し、対象物Wに接触する球状の把持体10と、ロール軸R(第1軸)周りに把持体10を回転させる第1駆動部20と、第1駆動部20から独立して駆動可能で、ロール軸Rと直交するピッチ軸P(第2軸)周りに把持体10を回転させる第2駆動部30と、オフセット部13に周面が略面一となるように配置されるベルト51を有し、オフセット部13における対象物Wの把持を補助する把持補助部50と、を備える。
これにより、把持体10とともにベルト51が対象物Wとの把持面を形成し、オフセット部13による把持面の不連続が解消されるので、対象物Wを確実に把持することができ、対象物Wの姿勢等を安定して制御することができる。したがって、把持モジュール1によれば、把持体10によって対象物Wを把持したまま、把持体10と対象物Wとが接触する接平面上において、自在に対象物Wの姿勢等を制御することができる。例えば、物体把持装置Aに設けられる複数の把持モジュール1の姿勢を制御するとともに、それぞれの把持モジュール1の把持体10の回転方向、回転速度、回転量を制御することで、対象物Wを移動させたり、姿勢を変化させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、把持モジュール1の具体的な構成は、実施の形態で説明した構成に限定されない。図7A、図7Bに示すように、ベルト51をタイミングベルトで構成して、把持体10がベルト51の走行に連動してピッチ軸P周りに回転するようにしてもよい。図7A、図7Bでは、ベルト51は、把持体10に設けられたプーリー部11b、12bと、タイミングプーリー58とに巻回されている。また、駆動シャフト32の回転が、ベベルギア56、57を介して、タイミングプーリー58に伝達されるようになっている。この場合、駆動シャフト32が回転すると、タイミングプーリー58が回転し、これに伴い、ベルト51が走行する。また、ベルト51の走行に連動して、把持体10がピッチ軸P周りに回転する。このように構成した場合、把持体10とベルト51の駆動に必要な機構を簡略化できるので、把持モジュール1の小型化を図ることができる。
実施の形態では、第2駆動源31が、ベルト駆動部の駆動源を兼用しているが、第1駆動源21がベルト駆動部の駆動源を兼用してもよい。また、第1駆動源21及び第2駆動源31とは別に、ベルト51の駆動専用の駆動源を設けてもよい。
実施の形態では、把持補助部50に無限軌道を適用した場合について説明したが、ベルト51の両端に巻取り装置及び繰出し装置を配置して、巻取り装置及び繰出し装置を駆動してベルト51を走行させてもよい。
また、把持モジュール1は、複数の把持体10を備えていてもよい。把持体10を構成する第1把持体11及び第2把持体12は、異なる形状であってもよい。
また、実施の形態では、互いに直交するロール軸R(第1軸)及びピッチ軸P(dai2軸)を中心に、把持体10を回転させる把持モジュール1について説明したが、把持体10の回転中心となる第1軸及び第2軸は、互いに直交しなくてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 把持モジュール
2 装置ベース
3 制御部
10 把持体
11 第1把持体
12 第2把持体
13 オフセット部
20 第1駆動部
30 第2駆動部
50 把持補助部
51 ベルト
52 駆動ローラー(ベルト駆動部)
53 従動ローラー
54 動力分岐部(動力伝達部)
A 物体把持装置
R ロール軸(第1軸)
P ピッチ軸(第2軸)

Claims (13)

  1. 対象物を把持して前記対象物の位置及び姿勢を制御する把持モジュールであって、
    周面に所定幅のオフセット部を有し、前記対象物に接触する球状の把持体と、
    第1軸周りに前記把持体を回転させる第1駆動部と、
    前記第1駆動部から独立して駆動可能で、前記第1軸と直交する第2軸周りに前記把持体を回転させる第2駆動部と、
    前記オフセット部に周面が略面一となるように配置されるベルトを有し、前記オフセット部における前記対象物の把持を補助する把持補助部と、
    を備える把持モジュール。
  2. 前記把持体は、前記第1軸に平行な平面により二分割された第1把持体及び第2把持体を有し、当該把持体の内部において前記第2軸周りに回転可能に支持されており、
    前記第1把持体及び前記第2把持体の対向面によって前記オフセット部が形成される、
    請求項1に記載の把持モジュール。
  3. 前記把持体の前記オフセット部を除く周面は、前記第1把持体及び前記第2把持体を組み付けた状態で、全体として真球形状を呈する、請求項2に記載の把持モジュール。
  4. 前記把持補助部は、前記把持体の前記第2軸周りの回転に同調するように前記ベルトを走行させるベルト駆動部を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の把持モジュール。
  5. 前記ベルトは、無端ベルトで構成され、
    前記無端ベルトが掛け回される支持部材の一つが、前記ベルト駆動部として機能する、
    請求項4に記載の把持モジュール。
  6. 前記第2駆動部の駆動源は、前記ベルト駆動部の駆動源を兼用する、請求項5に記載の把持モジュール。
  7. 前記ベルト駆動部は、前記第2駆動部の動力を前記ベルトに伝達する動力伝達機構を有する、請求項6に記載の把持モジュール。
  8. 前記把持体は、前記ベルトの走行に連動して回転する、請求項6に記載の把持モジュール。
  9. 前記ベルト駆動部の駆動源は、前記第1駆動部及び前記第2駆動部の駆動源と別体で構成される、請求項5に記載の把持モジュール。
  10. 前記把持体と前記ベルトは、動摩擦係数及び静摩擦係数が同等である、請求項1から9のいずれか一項に記載の把持モジュール。
  11. 前記第1駆動部は、
    第1駆動源と、
    前記第1駆動源からの動力を受けて前記第1軸周りに回転する支持フレームと、を有し、
    前記支持フレームは、前記第1軸に沿って延在する筒状の支持本体部及び前記支持本体部に連設され前記把持体が取り付けられる把持体保持部を有し、
    前記把持体は、前記把持体保持部を挟み込むように対向して配置される、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の把持モジュール。
  12. 前記第2駆動部は、
    第2駆動源と、
    前記第2駆動源からの動力を受けて前記第1軸周りに回転する駆動シャフトと、
    前記駆動シャフトの前記第1軸周りの回転を前記第2軸周りの回転に変換して前記把持体に伝達する動力伝達方向変換部と、
    前記把持体に固定され前記把持体とともに前記第2軸周りに回転する従動シャフトと、を有し、
    前記駆動シャフトは、前記支持本体部に内挿され一端が前記把持体保持部に回転可能に支持され、
    前記従動シャフトは、前記把持体保持部に前記第2軸周りに回転可能に軸支されている、
    請求項11に記載の把持モジュール。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の把持モジュールと、
    前記把持モジュールの動作を制御する制御部と、
    を備える物体把持装置。
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