以下に、実施の形態にかかる試験支援方法、試験支援装置、および試験支援プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる監視制御システムおよび試験支援装置を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる監視制御システム1は、監視制御対象を制御する制御装置2と、監視制御対象の状態を監視する監視装置3とを備える。監視制御対象は、例えば、変電所または列車などであるが、かかる例に限定されない。制御装置2と監視装置3とはネットワーク4を介して通信可能に接続される。監視制御システム1は、変電所の運用を管理するための電力管理システムであるが、鉄道における列車の運行を効率的に行うための運行管理システムまたはその他のシステムであってもよい。また、監視制御システム1は、制御装置2および監視装置3の各々を複数備える構成であってもよい。
実施の形態1にかかる試験支援装置10は、例えば、監視制御システム1を構築した製造者の社内に設置されたコンピュータであり、試験画像を生成する。試験画像は、監視画面のキャプチャ画像に含まれる動的シンボルに対してマーキング画像が付加された画像を監視画面のキャプチャ画像に重畳した画像である。監視画面のキャプチャ画像は、監視装置3の監視画面をスクリーンショットすることで得られる画像または監視装置3の監視画面を不図示のカメラで撮像することによって得られる画像である。
試験支援装置10によって生成される試験画像は、例えば、監視制御システム1に対して試験を行った結果を示す画像として用いられたり、監視制御システム1に対して試験を行う際に試験者が参照するために用いられる。これにより、試験支援装置10は、試験者の目視による確認を支援することができる。試験者は、試験を行った結果を示す画像として、試験画像を試験結果のエビデンスとして試験成績書に載せることもできる。
試験支援装置10は、監視制御システム1の試験として複数の試験項目の試験が予め設定された順序で行われるように予め作成された試験要領書の情報を有している。かかる試験要領書の情報に基づいて、試験項目毎に試験項目に応じた複数の模擬信号を監視制御システム1の制御装置2へ入力する。制御装置2は、複数の模擬信号が入力された場合、入力された複数の模擬信号の情報をネットワーク4経由で監視装置3へ出力する。各模擬信号は、試験時において制御装置2へ入力される外部信号である。監視装置3は、監視画面において制御装置2へ入力された各模擬信号に応じたシンボルを変化させる。このように、制御装置2への外部信号の入力に応じて変化するシンボルが上述した動的シンボルである。
動的シンボルの変化の態様の種類には、第1の態様と、第2の態様とがある。第1の態様は、外部信号の入力の前後で一度だけ変化する態様である。第2の態様は、外部信号の入力後に点滅するなどのように外部信号の入力後に繰り返し変化する態様である。なお、動的シンボルの変化は、色の変化であるが、形状の変化、または色および形状の変化であってもよい。以下において、第1の態様で変化する動的シンボルを変化シンボルと記載し、第2の態様で変化する動的シンボルを点滅シンボルと記載する。
試験支援装置10は、監視装置3の監視画面に表示されて試験対象となる画像として、変化前画像および変化後画像を取得する。変化前画像は、模擬信号が制御装置2へ入力される前の監視画面の画像である。変化後画像は、模擬信号が制御装置2へ入力された後の監視画面の画像である。以下、監視画面の画像を監視画像と記載する。かかる監視画像は、監視画面のキャプチャ画像と同じである。
図2は、実施の形態1にかかる監視装置の監視画面に表示される画像である監視画像の一例を示す図である。図2に示す監視画像80には、変電所を構成する複数の要素の各々と、要素間の接続を各々示す複数の接続線と、文字の情報とが含まれる。変電所を構成する複数の要素および複数の接続線の各々は、シンボルとして監視画像に含まれる。
図2において、円形状のシンボルは、断路器のシンボルであり、長方形状のシンボルは、遮断器のシンボルであり、ダイオードの記号で示されるシンボルは、整流器である。また、図2において、断路器のシンボルおよび遮断器のシンボルの各々は、対応する外部信号が入力された場合に変化する動的シンボルである。
また、図2に示す監視画像80には、監視制御システム1の監視制御対象になる変電所の名称として「東区変電所」の文字がシンボルとして含まれ、監視制御システム1が変電所を監視中であることを示す「システム監視」の文字がシンボルとして含まれる。また、図2に示す監視画像80には、監視制御システム1がメンテナンス中であることを示す「メンテナンス」の文字がシンボルとして含まれる。これらの文字で表されるシンボルも動的シンボルである。
なお、試験支援装置10は、図2における右方向をX軸正方向とし図2における下方向をY軸正方向として監視画像80に含まれるシンボルのXY軸上の位置を判定する。なお、試験支援装置10は、監視画像80に含まれるシンボルの位置を判定できればよく、試験支援装置10における監視画像80の座標系は、図2に示すXY軸座標系に限定されない。
図3は、実施の形態1にかかる試験支援装置による試験画像の生成手順の一例を説明するための図である。なお、図3に示す例では、説明を分かりやすくするために、2つの動的シンボルが含まれる画像を監視画面のキャプチャ画像として表している。また、図3においては、シンボルの色の違いが、異なるハッチングで示されている。
図3に示すように、試験支援装置10は、試験項目に対応する変化前画像および複数の変化後画像を含む画像群の情報を試験項目毎に取得する(ステップS1)。かかる画像群の情報は、例えば、監視画面のスクリーンショットを監視装置3に実行させて取得したり、不図示の撮像部による撮像によって取得したりすることができる。画像群に含まれる複数の変化後画像は、模擬信号が入力された後に互いに異なる時間で得られるキャプチャ画像である。
試験支援装置10は、画像群の情報に基づいて、動的シンボルを検出する処理である動的シンボル検出処理を試験項目毎に行う(ステップS2)。ステップS2の処理において、試験支援装置10は、複数の変化後画像のうち異なる2つの変化後画像間の比較結果に基づいて、点滅シンボルを検出する。また、試験支援装置10は、変化前画像と変化後画像との比較結果に基づいて、動的シンボルを検出し、検出した動的シンボルのうち点滅シンボル以外の動的シンボルを変化シンボルとして検出する。
試験支援装置10は、画像群に含まれる複数の変化後画像のうちマーキング対象にする変化後画像を選定するマーキング対象画像選定処理を行う(ステップS3)。ステップS3の処理において、試験支援装置10は、複数の変化後画像のうち点滅シンボルの明るさが最も高い変化後画像をマーキング対象の画像であるマーキング対象画像に選定する。マーキング対象画像は、マーキング画像が付加される試験画像のベースになる変化後画像である。
試験支援装置10は、ステップS3の処理で選定されたマーキング対象画像に基づいて、動的シンボルに付加するマーキング画像の色であるマーキング色を選定するマーキング色選定処理を行う(ステップS4)。マーキング画像は、試験画像においてシンボルが動的シンボルであることを示す画像である。
ステップS4の処理において、試験支援装置10は、ステップS3の処理で選定されたマーキング対象画像内の色の分布に基づいて、マーキング対象画像内で最も使用されていない色をマーキング色のベース色として決定する。ベース色として決定される色には、背景色は含まれない。このように、背景色を除くのは、動的シンボルの周囲が背景である場合が多いからである。背景色は、白色または黒色である。
また、試験支援装置10は、ステップS3の処理で選定されたマーキング対象画像内の色の分布に基づいて、背景色を判定し、背景色に基づいて、マーキング色のグラデーション色を決定する。試験支援装置10は、例えば、白色および黒色のうち使用頻度が高い色を背景色として判定する。試験支援装置10は、背景色が白色である場合、グラデーション色を黒色にし、背景色が黒色である場合、グラデーション色を白色にする。
試験支援装置10は、ステップS2で検出された複数の動的シンボルに対し、試験者が確認する順番を示す番号である確認番号を割り付ける処理である確認番号割付処理を行う(ステップS5)。例えば、図2に示す監視画像80の図2における右方向をX軸正方向とし図2における下方向をY軸正方向としたとする。この場合、試験支援装置10は、ステップS5の処理において、Y軸座標が小さい動的シンボルから順に順番を割り付けたり、試験者の視線に基づいて、試験者が見ると推定される順に動的シンボルに順番を割り付けたりすることができる。
試験支援装置10は、ステップS3で決定されたマーキング対象画像においてステップS2で検出された複数の動的シンボルの各々に対してステップS4で決定されたマーキング色のマーキング画像とステップS5で決定された順番を示す文字とが付加された画像を試験画像として生成する(ステップS6)。
ステップS6の処理では、試験支援装置10は、マーキング対象画像において複数の動的シンボルのうち変化の態様が互いに異なる複数の動的シンボルに互いに異なるマーキング画像が付加された画像を試験画像として生成する。図3に示す例では、変化シンボルには円形状の枠画像を含むマーキング画像が付加され、点滅シンボルには三角形状の枠画像を含むマーキング画像が付加されている。これにより、試験支援装置10は、変化シンボルと点滅シンボルとを区別した試験画像を生成し、監視制御システム1の試験を支援することができる。
また、試験支援装置10は、ステップS6の処理において、背景が白の場合、マーキング色としてベース色を暗くするグラデーションを付加し、背景が黒の場合、マーキング色としてベース色を明るくするグラデーションを付加する。これにより、マーキング画像の一つの辺が単一色にならないため、マーキング色は動的シンボルの色および背景の色と一致しない。したがって、試験支援装置10は、マーキング対象画像内に高い視認性でマーキングした試験画像を生成することができる。
図4は、実施の形態1にかかる試験支援装置によって生成される試験画像の一例を示す図である。図4に示す試験画像90では、「システム監視」の文字を含むシンボル91にマーキング画像95が付加され、1つの断路器のシンボル92にマーキング画像96が付加され、「東区変電所」の文字で表されるシンボル93にマーキング画像97が付加され、1つの遮断器のシンボル94にマーキング画像98が付加されている。
マーキング画像95は、シンボル91が外接する矩形状の枠画像と確認番号である「1」を囲む三角形状の枠画像とを含む。マーキング画像96は、シンボル92が外接する矩形状の枠画像と確認番号である「2」を囲む三角形状の枠画像とを含む。マーキング画像97は、シンボル93が外接する矩形状の枠画像と確認番号である「3」を囲む三角形状の枠画像とを含む。マーキング画像98は、シンボル94が外接する矩形状の枠画像と確認番号である「4」を囲む円形状の枠画像とを含む。
マーキング画像95,96,97における三角形状の枠画像は、シンボル91,92,93が点滅シンボルであることを示す画像である。また、マーキング画像98における円形状の枠画像は、シンボル94が変化シンボルであることを示す画像である。このように、試験支援装置10は、変化シンボルと点滅シンボルとで異なるマーキング画像を付加することから、変化シンボルと点滅シンボルとを区別した試験画像を生成することができる。
以下、試験支援装置10の構成について具体的に説明する。図5は、実施の形態1にかかる試験支援装置の構成の一例を示す図である。図5に示すように、試験支援装置10は、通信部11と、撮像部12と、記憶部13と、処理部14とを備える。
通信部11は、第1の通信部21と、第2の通信部22とを備える。第1の通信部21は、制御装置2とネットワークまたは専用線を介して通信可能に接続され、処理部14からの要求に基づいて制御装置2へ模擬信号を送信する。第2の通信部22は、監視装置3とネットワークまたは専用線を介して通信可能に接続され、監視装置3から出力されるキャプチャ画像の情報を受信する。
撮像部12は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサといった撮像素子およびレンズを備えている。
記憶部13は、試験情報31と、キャプチャ画像情報32と、点滅シンボル矩形リスト33と、変化シンボル矩形リスト34と、全矩形リスト35とを記憶する。試験情報31は、監視制御システム1の試験要領書の情報を含んでおり、かかる試験要領書には、試験項目毎に試験項目に応じて出力する複数の模擬信号の情報が含まれる。
キャプチャ画像情報32は、試験項目に対応する変化前画像および複数の変化後画像を含む画像群の情報を試験項目毎に含む。かかるキャプチャ画像情報32は、制御装置2または撮像部12から処理部14によって取得される情報であり、処理部14によって記憶部13に記憶される。点滅シンボル矩形リスト33、変化シンボル矩形リスト34、および全矩形リスト35は、処理部14によって生成されるリストであり、後で詳述する。
処理部14は、模擬信号出力部41と、画像取得部42と、動的シンボル検出部43と、マーキング対象画像選定部44と、マーキング色選定部45と、番号割付部46と、試験画像生成部47と、試験画像出力部48とを備える。
模擬信号出力部41は、試験情報31を記憶部13から読み出し、読み出した試験情報31に基づいて、予め設定された試験項目順に、試験項目に応じた複数の模擬信号を第1の通信部21に制御装置2へ送信させる。
画像取得部42は、試験項目に対応する画像群の情報を試験項目毎に取得する。画像群には、変化前画像および複数の変化後画像が含まれる。画像取得部42は、取得した試験項目毎の画像群の情報を含む情報をキャプチャ画像情報32として記憶部13に記憶させる。
動的シンボル検出部43は、キャプチャ画像情報32を記憶部13から読み出し、読み出したキャプチャ画像情報32に基づいて、監視装置3の監視画面において試験項目に応じた複数の模擬信号によって変化する複数の動的シンボルを試験項目毎に検出する。動的シンボル検出部43によって検出される動的シンボルは、上述した変化シンボルと点滅シンボルである。
動的シンボル検出部43は、第1の検出部51と、第2の検出部52と、統合部53とを備える。第1の検出部51は、画像群に含まれる複数の変化後画像を比較することによって、点滅シンボルを試験項目毎に検出する。第2の検出部52は、画像群に含まれる変化前画像と変化後画像とを比較することによって、動的シンボルを検出し、検出した動的シンボルのうち点滅シンボルを除く動的シンボルを変化シンボルとして試験項目毎に検出する。統合部53は、第1の検出部51による点滅シンボルの検出結果と、第2の検出部52による変化シンボルの検出結果とを試験項目毎に統合する。
以下、動的シンボル検出部43による動的シンボルの検出処理について具体的に説明する。図6は、実施の形態1にかかる動的シンボル検出部による動的シンボルの検出処理を説明するための図である。図6には、変化前画像Aと複数の変化後画像B1,B2,B3が含まれている画像群が試験項目の画像群として含まれる。
第1の検出部51は、複数の変化後画像B1,B2,B3のうち少なくとも2つの変化後画像を比較することによって点滅シンボルを検出する。図7および図8は、動的シンボル検出部の第1の検出部による点滅シンボルの検出処理を説明するための図である。図7に示すように、第1の検出部51は、変化後画像B1と変化後画像B2とを比較し、変化後画像B1と変化後画像B2とに差があるか否かを判定する。
図7に示す例では、変化後画像B1,B2の各々に3つのシンボル61,62,63が含まれており、これら3つのシンボル61,62,63には差異がない。したがって、第1の検出部51は、変化後画像B1と変化後画像B2とに差がないと判定する。この場合、図8に示すように、第1の検出部51は、次に変化後画像B2と変化後画像B3とを比較する。
図8に示す例では、変化後画像B2,B3の各々に3つのシンボル61,62,63が含まれており、これら3つのシンボル61,62,63のうちシンボル61の色が変化している。したがって、第1の検出部51は、変化後画像B2と変化後画像B3との間で、シンボル61が変化していると判定する。図8においては、変化後画像B2,B3間でのシンボル61の色の違いが、異なるハッチングで示されている。図8に示す変化後画像B2と変化後画像B3との差分には、差分がある領域にハッチングが付されている。
図8に示す例では、第1の検出部51は、シンボル61を点滅シンボルとして検出する。第1の検出部51は、検出した点滅シンボルが外接する矩形である外接矩形の座標の情報を含む点滅シンボル矩形リスト33を生成し、生成した点滅シンボル矩形リスト33を記憶部13に記憶させる。かかる点滅シンボル矩形リスト33は、試験項目毎に生成される。図9は、実施の形態1にかかる点滅シンボル矩形リストの一例を示す図である。図10は、実施の形態1にかかるシンボルと外接矩形との関係の一例を示す図である。
図9に示す点滅シンボル矩形リスト33には、「シンボルID」、「第1の座標」、および「第2の座標」が点滅シンボル毎に含まれる。「シンボルID」は、各点滅シンボルに固有の識別情報である。「第1の座標」は、点滅シンボルの外接矩形の1つの角の座標であり、外接矩形のうちX軸上の座標値とY軸上の座標値が各々最も小さい座標である。
「第2の座標」は、「第1の座標」で示される角と対角の位置にある点滅シンボルの外接矩形の他の1つの角の座標であり、外接矩形の領域のうちX軸上の座標値とY軸上の座標値が各々最も大きい座標である。図10に示す例では、点滅シンボルであるシンボル61が矩形であるため、シンボル61の外接矩形71は、シンボル61の外形と同じである。
図9に示す例では、シンボルID「S1001」の点滅シンボルの外接矩形の第1の座標および第2の座標が「x10,y10」および「x11,y11」であることが示されている。また、図9に示す例では、シンボルID「S1002」の点滅シンボルの外接矩形の第1の座標および第2の座標が「x20,y20」および「x21,y21」であることが示されている。
図5に示す第2の検出部52は、変化前画像Aと変化後画像B1,B2,B3のいずれか1つとを比較することによって動的シンボルを検出する。図6に示す例では、第2の検出部52は、変化前画像Aと変化後画像B1とを比較することによって動的シンボルを検出する。第2の検出部52は、点滅シンボル矩形リスト33に基づいて、動的シンボルとして検出したシンボルのうち第1の検出部51によって検出された点滅シンボル以外のシンボルを変化シンボルとして検出する。
図11および図12は、動的シンボル検出部の第2の検出部による変化シンボルの検出処理を説明するための図である。図11および図12に示す例では、第2の検出部52は、変化前画像Aと変化後画像B1とを比較し、変化前画像Aと変化後画像B1とに差があるか否かを判定する。
変化前画像Aおよび変化後画像B1の各々には、3つのシンボル61,62,63が含まれており、これら3つのシンボル61,62,63のうちシンボル61,63の色が変化している。したがって、第2の検出部52は、変化前画像Aと変化後画像B1との間で、シンボル61,63が変化していると判定する。図11および図12においては、変化前画像Aと変化後画像B1間でのシンボル61,63の色の違いが、異なるハッチングで示されている。図11および図12に示す変化前画像Aと変化後画像B1との差分には、差分がある領域にハッチングが付されている。
図11および図12に示す例では、第2の検出部52は、シンボル61,63を動的シンボルとして検出する。第2の検出部52は、シンボル61が外接する矩形である外接矩形の座標とシンボル63が外接する矩形である外接矩形の座標とを算出する。第2の検出部52は、シンボル61,63の外接矩形のうち、点滅シンボル矩形リスト33に含まれる点滅シンボルの外接矩形の座標と同じ座標の外接矩形があるか否かを判定する。第2の検出部52は、シンボル61,63の外接矩形71,73のうち点滅シンボルの外接矩形の座標と同じ座標の外接矩形が算出されたシンボル以外のシンボルを変化シンボルとして検出する。
図12に示す例では、点滅シンボル矩形リスト33には、シンボル61の外接矩形71が含まれている。そのため、第2の検出部52は、シンボル61,63の外接矩形71,73のうちシンボル61の外接矩形71が点滅シンボル矩形リスト33に含まれていると判定し、図12に示すように、シンボル63を変化シンボルとして検出し、シンボル61を変化シンボルとして検出しない。
図13は、実施の形態1にかかる変化シンボル矩形リストの一例を示す図である。図13に示す変化シンボル矩形リスト34には、図9に示す点滅シンボル矩形リスト33と同様に、「シンボルID」、「第1の座標」、および「第2の座標」が変化シンボル毎に含まれる。「シンボルID」は、各変化シンボルに固有の識別情報である。「第1の座標」は、変化シンボルの外接矩形の1つの角の座標であり、「第2の座標」は、「第1の座標」で示される角と対角の位置にある変化シンボルの外接矩形の他の1つの角の座標である。
図13に示す例では、シンボルID「S2001」の変化シンボルの外接矩形の第1の座標および第2の座標が「x110,y110」および「x111,y111」であることが示されている。また、図13に示す例では、シンボルID「S2002」の変化シンボルの外接矩形の第1の座標および第2の座標が「x120,y120」および「x121,y121」であることが示されている。
図5に示す統合部53は、図6に示すように、点滅シンボル矩形リスト33と変化シンボル矩形リスト34とを統合して、全矩形リスト35を生成する。図14は、実施の形態1にかかる全矩形リストの一例を示す図である。図14に示す全矩形リスト35には、「確認番号」、「シンボルID」、「第1の座標」、「第2の座標」、および「シンボル種別」が動的シンボル毎に含まれる。
「確認番号」は、監視制御システム1の試験において、試験者が確認する順番を示す番号であり、後述するように番号割付部46によって割り付けられる番号である。「シンボルID」、「第1の座標」、および「第2の座標」は、図9に示す点滅シンボル矩形リスト33および図13に示す変化シンボル矩形リスト34の「シンボルID」、「第1の座標」、および「第2の座標」と同じである。「シンボル種別」は、動的シンボルの種別を示す情報であり、点滅シンボルおよび変化シンボルのうちいずれかを示す情報が含まれる。なお、全矩形リスト35の「シンボルID」は、点滅シンボル矩形リスト33および変化シンボル矩形リスト34の「シンボルID」と異なっていてもよい。
図5に示すマーキング対象画像選定部44は、キャプチャ画像情報32を記憶部13から読み出し、読み出したキャプチャ画像情報32に基づいて、画像群に含まれる複数の変化後画像のうち1つの変化後画像をマーキング対象画像として試験項目毎に選定する。
マーキング対象画像選定部44は、例えば画像群に含まれる複数の変化後画像のうち、含まれる点滅シンボルが最も明るい変化後画像をマーキング対象画像として選定する。例えば、マーキング対象画像選定部44は、変化後画像に含まれる点滅シンボルの明るさとして、点滅シンボルを構成する複数の画素の輝度値の平均である輝度平均値Laveが最も大きな変化後画像をマーキング対象画像として選定する。マーキング対象画像選定部44は、複数の変化後画像の各々をグレースケール画像に変換した後、点滅シンボルの輝度平均値を算出するが、かかる例に限定されない。
図15は、実施の形態1にかかるマーキング対象画像選定部によるマーキング対象画像の選定処理を説明するための図である。マーキング対象画像選定部44は、図15に示すように、変化後画像B1に含まれる点滅シンボルであるシンボル61の平均輝度値Lave1と、変化後画像B2に含まれるシンボル61の平均輝度値Lave2と、変化後画像B3に含まれるシンボル61の平均輝度値Lave3とを算出する。なお、図15に示す例では、シンボル61の色の違いをハッチングの違いで示している。
図15に示す例において、変化後画像B1,B2のシンボル61の色よりも変化後画像B3のシンボル61の色の方が明るいとする。すなわち、Lave1,Lave2<Lave3であるとする。この場合、マーキング対象画像選定部44は、変化後画像B3をマーキング対象画像として選定する。
マーキング対象画像選定部44は、点滅シンボルの外形が矩形である場合、例えば、点滅シンボルの輝度平均値Laveを下記式(1)の演算によって算出する。下記式(1)において、「C」は、点滅シンボルにおけるX軸方向の画素数、「R」は、点滅シンボルにおけるY軸方向の画素数である。「L(i,j)」は、画素の輝度値を示し、「i」は、X軸方向の画素番号を示し、「j」は、Y軸方向の画素番号を示す。
なお、マーキング対象画像選定部44は、点滅シンボルの座標として点滅シンボルが外接する外接矩形の座標を点滅シンボル矩形リスト33から取得するが、点滅シンボルの座標を動的シンボル検出部43から取得することもできる。また、マーキング対象画像選定部44は、各変化後画像の全画素の輝度値の平均を算出し、複数の変化後画像のうち全画素の輝度値の平均が最も大きな変化後画像をマーキング対象画像として選定することもできる。
図5に示すマーキング色選定部45は、マーキング対象画像選定部44によって選定されたマーキング対象画像に基づいて、動的シンボルに付加するマーキング画像の色であるマーキング色を選定する。マーキング画像は、試験画像においてシンボルが動的シンボルであることを示す画像である。また、マーキング色は、ベース色とグラデーション色とで構成される。グラデーション色は、ベース色にグラデーションを付加するための色であり、背景色が黒色である場合、白色であり、背景色が白色である場合、黒色である。グラデーション色が白色または黒色である場合、グラデーション色は、ベース色にグラデーションを付加する際の明るさを示すとも言える。
マーキング色選定部45は、マーキング対象画像内の色の分布に基づいて、マーキング対象画像内で最も使用されていない色をマーキング色のベース色として選定する。ベース色として決定される色には、背景色は含まれない。マーキング色選定部45は、ベース色の判定において、HSV(Hue Saturation Value)色空間を用いる。HSV色空間とは、色相、彩度、および明度で表される空間である。色相は、色の種類を示し、彩度は、色の鮮やかさを示し、明度は、色の明るさを示す。
マーキング色選定部45は、マーキング対象画像を構成する全画素の色相の情報を取得する。監視画面で使用される色の種類はそれほど多くないため、色相が0~179の範囲で表されるとした場合、色相を一定の幅で等分して、分割範囲毎に1つの色Cとしてマーキング対象画像を構成する画素で使用される頻度を算出する。色Cは、色C1~色Cnまでのいずれかである。nは、例えば、10以上の整数である。
マーキング色選定部45は、マーキング対象画像を構成する複数の画素のうち、背景色の画素をベース色を判定するための対象から除外する。背景色は、白色または黒色である。例えば、マーキング色選定部45は、明度が規定値以下の画素の色を黒色と判定し、明度が規定値以上かつ彩度が規定値以下の画素の色を白色と判定する。マーキング色選定部45は、白色または黒色と判定した画素以外の画素の色Cを判定する。
図16は、実施の形態1にかかるマーキング色選定部によるマーキング色のベース色の選定処理を説明するための図であり、図16に示すグラフは、横軸が色相であり、縦軸が使用される頻度である。図16に示す例では、マーキング色選定部45は、色相が0~14の場合には色C1、色相が15~29の場合には色C2、といったように、色相が15区切りの色C1~C12の各々の頻度を算出する。
図16に示す例では、色C9の頻度と色C10の頻度がゼロであり最も少ないため、マーキング色選定部45は、色C9または色C10をベース色として選定する。なお、マーキング色選定部45は、色C9および色C10のうち隣接する色Cの使用頻度が少ない色Cを選択することができる。図16に示す例では、色C8の頻度が色C11の頻度よりも低いため、マーキング色選定部45は、色C9をベース色として選定する。なお、マーキング色選定部45は、最小の頻度の色Cが複数ある場合、色相が最も大きな色Cまたは色相が最も小さな色Cをベース色として選定することもできる。
マーキング対象画像内で最も使用されていない色をマーキングに使用した場合においても、マーキングするシンボルの色またはマーキングする座標の周囲の色と同じ色または類似する色である場合がある。このような場合、マーキング画像の視認性が低下する可能性がある。
そこで、マーキング色選定部45では、マーキング色のベース色に加えグラデーション色を選定する。そして、試験画像生成部47によって生成されるマーキング画像において、マーキング色にグラデーションを付与し、明るさを座標毎に変化させていく。これにより、試験支援装置10は、マーキング画像の色と周辺の色が一致することを抑制することができ、マーキング画像の視認性を向上させることができる。
背景色には白や黒が使用されることが多いが、グラデーションを付与したマーキング画像の色が背景色と被らないようにするためには、グラデーション色を背景色とは異なる色にすることが望ましい。
そこで、マーキング色選定部45は、マーキング画像内の全画像のうち白が用いられている画素の頻度と黒が用いられている画素の頻度とを算出する。マーキング色選定部45は、マーキング画像内の各画素について、明度が規定値以下である場合に、黒色と判定し、明度が規定値以上かつ彩度が規定値以下である場合に、白色と判定する。
マーキング色選定部45は、マーキング画像内の全画像のうち白色が用いられている画素の頻度が黒色が用いられている画素の頻度よりも高ければ、黒色をグラデーション色として選定する。これにより、試験画像生成部47によって、ベース色の明るさが暗く変化するようにグラデーションが付与され、マーキング対象画像内に高い視認性でマーキング画像を付加することができる。
また、マーキング色選定部45は、マーキング画像内の全画像のうち黒色が用いられている画素の頻度が白色が用いられている画素の頻度よりも高ければ、白色をグラデーション色として選定する。これにより、試験画像生成部47によって、ベース色の明るさが明るく変化するようにグラデーションが付与され、マーキング対象画像内に高い視認性でマーキング画像を付加することができる。
図17は、実施の形態1にかかるマーキング色選定部によるグラデーション色の選定処理を説明するための図である。図17に示す例では、マーキング画像内の全画像のうち黒色が用いられている画素の頻度が白色が用いられている画素の頻度よりも高い。そのため、マーキング色選定部45は、白色をグラデーション色として選定する。
図5に示す番号割付部46は、動的シンボル検出部43で検出された複数の動的シンボルに対し、試験者が確認する順番を示す番号を割り付ける。例えば、番号割付部46は、Y軸座標が小さい動的シンボルから順に順番を割り付けたり、試験者の視線に基づいて、試験者が見ると推定される順に動的シンボルに順番を割り付けたりすることができる。また、番号割付部46は、マーキング対象画像を複数の領域に分割し、分割した複数の領域のうちどの領域に動的シンボルが位置するかに基づいて、複数の動的シンボルに対して番号を割り付けることもできる。
図5に示す試験画像生成部47は、マーキング対象画像選定部44で選定されたマーキング対象画像において動的シンボル検出部43で検出された複数の動的シンボルの各々に動的シンボルであることを示すマーキング画像が付加された画像を試験画像として生成する。具体的には、試験画像生成部47は、マーキング対象画像において複数の動的シンボルのうち変化の態様が互いに異なる複数の動的シンボルに互いに異なるマーキング画像が付加された画像を試験画像として生成する。変化の態様が互いに異なる複数の動的シンボルは、上述した点滅シンボルと変化シンボルである。
このように、試験支援装置10は、変化の態様が異なる複数の動的シンボルに対して異なるマーキング画像を付加できることから、例えば、試験者は、監視制御システム1において異なる態様の動的シンボルが誤って割り付けられていないかを容易に把握することができる。そのため、試験支援装置10は、例えば、試験者の目視によるシンボルの確認を支援することができる。また、異なる態様の動的シンボルが誤って割り付けられていないかを示すエビデンスとして試験画像を用いることができることから、試験支援装置10は、試験者による試験成績書の作成を支援することができる。
また、試験画像は、マーキング対象画像をベースとして生成されることから、変化後画像において暗い状態から明るい状態まで変化する点滅シンボルが明るい状態で試験画像に含まれる。そのため、試験支援装置10は、点滅シンボルの視認性を高めることができ、試験者の目視によるシンボルの確認をより適切に支援することができる。
また、試験画像生成部47によって付加されるマーキング画像の色は、マーキング色選定部45によって選定されたマーキング色であり、かかるマーキング色は、シンボルの色および背景色に基づいて決定される。そのため、試験支援装置10は、点滅シンボルの視認性を高めることができ、試験者の目視によるシンボルの確認をより適切に支援することができる。
図18は、実施の形態1にかかるマーキング画像の一例を示す図である。図18では、マーキング画像の明度のみを示しているが、マーキング画像は色相および色彩を有している。また、図18では、シンボルの色をハッチングで表している。
図18に示すマーキング画像81は、シンボル64が外接する矩形状の枠画像82と不図示の確認番号を囲む三角形状の枠画像83とを含む。図18に示す枠画像82,83は、図18における右下から左上にかけて色が明るくなっている。このように、枠画像82,83において明るさを座標毎に変化させていくことによって、マーキング画像81の色と周辺の色が一致することを抑制することができ、マーキング画像81の視認性を向上させることができる。
図5に示す試験画像生成部47は、番号割付部46によって各動的シンボルに割り付けられた番号をマーキング画像に含ませて試験画像を生成する。このように、試験支援装置10は、動的シンボルに対して確認順序を示す確認情報が付加された試験画像を生成することができる。そのため、例えば、試験者は、変化前画像から変化した確認が必要な動的シンボルを、動的シンボルに付加された確認情報に基づいて確認することで、確認が必要な動的シンボルを漏れなく確認することができる。したがって、試験支援装置10は、試験者による試験負担および試験者による動的シンボルの見落としを低減することができる。
図19は、実施の形態1にかかる試験支援装置の試験画像生成部によって生成される試験画像の一例を示す図である。図19に示す試験画像99は、シンボル65,66,67,68,69,70と、マーキング画像84,85,86,87とを含む。マーキング画像84は、「警報発生」の文字を含むシンボル65に付加されており、確認番号を囲む枠画像は変化シンボルを示す円形であり、確認番号は「1」である。
また、マーキング画像85は、「東区変電所」の文字で表されるシンボル66に付加されており、確認番号を囲む枠画像は点滅シンボルを示す三角形であり、確認番号は「2」である。マーキング画像86は、断路器を示すシンボル68に付加されており、確認番号を囲む枠画像は変化シンボルを示す円形であり、確認番号は「3」である。マーキング画像87は、遮断器を示すシンボル69に付加されており、確認番号を囲む枠画像は点滅シンボルを示す三角形であり、確認番号は「4」である。また、断路器を示すシンボル67および遮断器を示すシンボル70には、マーキング画像が付されておらず、これらのシンボル67,70は変化していない。なお、試験画像において、最も大きな確認番号は、その他の確認番号と異なる色が付されており、試験者は、確認番号の色によって、確認すべきシンボルが最後のシンボルであるか否かを把握することができる。
図5に示す試験画像出力部48は、出力装置5へ試験画像の情報を出力する。出力装置5は、例えば、表示装置および印刷装置を含む。出力装置5は、試験画像出力部48から出力される試験画像の情報に基づいて、試験画像を表示したり、試験画像を印刷したりすることができる。なお、試験画像出力部48は試験画像の情報を外部装置へ不図示の通信部に送信させることもできる。
つづいて、フローチャートを用いて試験支援装置10の処理部14による処理を説明する。図20は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。試験支援装置10の処理部14は、試験項目の画像群を取得する毎に、図20に示す処理を繰り返し実行する。
図20に示すように、処理部14は、動的シンボル検出処理を実行する(ステップS10)。かかる動的シンボル検出処理は、図21に示すステップS20~S22の処理であり、後で詳述する。次に、処理部14は、確認番号割付処理を実行する(ステップS11)。ステップS11の処理において、処理部14は、ステップS10の動的シンボル検出処理で検出された複数の動的シンボルに対し、試験者が確認する順番を示す番号を割り付ける。
次に、処理部14は、マーキング対象画像選定処理を実行する(ステップS12)。かかるマーキング対象画像選定処理は、図24に示すステップS50~S57の処理であり、後で詳述する。そして、処理部14は、マーキング色選定処理を実行する(ステップS13)。かかるマーキング色選定処理は、図25に示すステップS60,S61の処理であり、後で詳述する。
次に、処理部14は、試験画像生成処理を実行する(ステップS14)。かかる試験画像生成処理は、図28に示すステップS90~S98の処理であり、後で詳述する。処理部14は、ステップS14の処理を終了した場合、図20に示す処理を終了する。
図21は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部による動的シンボル検出処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すように、処理部14は、点滅シンボル検出処理を実行する(ステップS20)。かかる点滅シンボル検出処理は、図22に示すステップS30~S35の処理であり、後で詳述する。次に、処理部14は、変化シンボル検出処理を実行する(ステップS21)。かかる変化シンボル検出処理は、図23に示すステップS40~S46の処理であり、後で詳述する。
処理部14は、ステップS21の処理が終了した場合、全矩形リスト生成処理を行い(ステップS22)、図21に示す処理を終了する。ステップS22の全矩形リスト生成処理は、ステップS20の点滅シンボル検出処理で生成される点滅シンボル矩形リスト33と、ステップS21の変化シンボル検出処理で生成される変化シンボル矩形リスト34とを統合して、全矩形リスト35を生成する処理である。
図22は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部による点滅シンボル検出処理の一例を示すフローチャートである。図22に示すように、処理部14は、対象の試験項目についての画像群の複数の変化後画像を記憶部13から取得する(ステップS30)。
次に、処理部14は、未選択の2つの変化後画像の組み合わせの1つを選択する(ステップS31)。かかるステップS31の処理において、ステップS30で取得された複数の変化後画像が変化後画像B1,B2,B3であるとする。この場合、2つの変化後画像の組み合わせは、変化後画像B1,B2の組み合わせ、変化後画像B2,B3の組み合わせ、および変化後画像B1,B3の組み合わせである。
処理部14は、ステップS31で選択した組み合わせの2つの変化後画像を比較する(ステップS32)。処理部14は、ステップS31で選択した組み合わせの2つの変化後画像間で変化する領域である変化領域があるか否かを判定する(ステップS33)。処理部14は、変化領域があると判定した場合(ステップS33:Yes)、変化領域の各々を点滅シンボルとして判定し、点滅シンボルに対する外接矩形の情報を記憶部13に記憶される点滅シンボル矩形リスト33に追加する(ステップS34)。
ステップS34の処理において、処理部14は、互いの距離が閾値以下の複数の変化点を1つのまとまりと見なし、1まとまりの領域を変化領域として判定する。これにより、処理部14は、点滅シンボルが複数の文字で構成される場合であっても、点滅シンボルを精度よく検出することができる。
処理部14は、ステップS34の処理が終了した場合、または変化領域がないと判定した場合(ステップS33:No)、ステップS31で未選択の2つの変化後画像の組み合わせがあるか否かを判定する(ステップS35)。処理部14は、未選択の2つの変化後画像の組み合わせがあると判定した場合(ステップS35:Yes)、処理をステップS31に移行する。処理部14は、未選択の2つの変化後画像の組み合わせがないと判定した場合(ステップS35:No)、図22に示す処理を終了する。
図23は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部による変化シンボル検出処理の一例を示すフローチャートである。図23に示すように、処理部14は、対象の試験項目についての変化前画像と変化後画像とを記憶部13から取得する(ステップS40)。
次に、処理部14は、ステップS40で取得した変化前画像と変化後画像とを比較し(ステップS41)、かかる比較結果に基づいて、変化前画像と変化後画像との間で変化する領域である変化領域があるか否かを判定する(ステップS42)。処理部14は、変化領域があると判定した場合(ステップS42:Yes)、ステップS42であると判定された変化領域のうち1つを選択し、選択した1つの変化領域を動的シンボルと判定し、判定した動的シンボルに対する外接矩形の座標を算出する(ステップS43)。
次に、処理部14は、ステップS43で算出した外接矩形の座標が点滅シンボル矩形リスト33に含まれるか否かを判定する(ステップS44)。処理部14は、ステップS43で算出した外接矩形の座標が点滅シンボル矩形リスト33に含まれていないと判定した場合(ステップS44:No)、ステップS43で算出した外接矩形の座標を記憶部13に記憶される変化シンボル矩形リスト34に追加する(ステップS45)。
処理部14は、ステップS45の処理が終了した場合、またはステップS43で算出した外接矩形の座標が点滅シンボル矩形リスト33に含まれていると判定した場合(ステップS44:Yes)、ステップS43で未選択の変化領域があるか否かを判定する(ステップS46)。処理部14は、未選択の変化領域があると判定した場合(ステップS46:Yes)、処理をステップS43に移行する。
処理部14は、未選択の変化領域がないと判定した場合(ステップS46:No)、または変化領域がないと判定した場合(ステップS42:No)、図23に示す処理を終了する。
図24は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部によるマーキング対象画像選定処理の一例を示すフローチャートである。図24に示すように、処理部14は、対象の試験項目についての画像群の複数の変化後画像を記憶部13から取得する(ステップS50)。
次に、処理部14は、ステップS50で取得した複数の変化後画像のうち未選択の変化後画像の1つを選択する(ステップS51)。そして、処理部14は、ステップS51で選択した変化後画像に含まれる点滅シンボルを構成する複数の画素のうち未選択の画素を選択し(ステップS52)、選択した画素の輝度値を合計輝度値に加算する(ステップS53)。なお、合計輝度値は、ステップS51で変化後画像が選択されたときに、リセットされてゼロになる。
次に、処理部14は、ステップS51で選択した変化後画像に含まれる点滅シンボルを構成する複数の画素のうち未選択の画素があるか否かを判定する(ステップS54)。処理部14は、未選択の画素があると判定した場合(ステップS54:Yes)、処理をステップS52に移行する。
また、処理部14は、未選択の画素がないと判定した場合(ステップS54:No)、画素の輝度値の平均である輝度平均値Laveを算出する(ステップS55)。ステップS55の処理において、処理部14は、ステップS51で選択した変化後画像に含まれる点滅シンボルを構成する画素の数で合計輝度値を乗算することによって、輝度平均値Laveを算出する。
次に、処理部14は、ステップS50で取得した複数の変化後画像のうち未選択の変化後画像があるか否かを判定する(ステップS56)。処理部14は、未選択の変化後画像があると判定した場合(ステップS56:Yes)、処理をステップS51に移行する。
処理部14は、未選択の変化後画像がないと判定した場合(ステップS56:No)、点滅シンボルの輝度平均値が最も大きい変化後画像をマーキング対象画像として選定し(ステップS57)、図24に示す処理を終了する。なお、処理部14は、点滅シンボルを構成する複数の画素に代えて、点滅シンボルが外接する矩形である外接矩形内の複数の画素を用いることもできる。この場合、処理部14は、外接矩形内の画素数で合計輝度値を乗算することによって、輝度平均値Laveを算出する。
図25は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部によるマーキング色選定処理の一例を示すフローチャートである。図25に示すように、処理部14は、ベース色決定処理を実行する(ステップS60)。かかるベース色決定処理は、図26のステップS70~S75の処理であり、後で詳述する。
次に、処理部14は、グラデーション色決定処理を実行する(ステップS61)。かかるグラデーション色決定処理は、図27のステップS80~S88の処理であり、後で詳述する。処理部14は、ステップS61の処理を終了した場合、図25に示す処理を終了する。
図26は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部によるベース色決定処理の一例を示すフローチャートである。図26に示すように、処理部14は、マーキング対象画像を構成する複数の画素のうち未選択の1つの画素を選択する(ステップS70)。
次に、処理部14は、ステップS70で選択した画素の明度が規定値以下またはステップS70で選択した画素の彩度が規定値以下であるか否かを判定する(ステップS71)。処理部14は、明度が規定値以下または彩度が規定値以下ではないと判定した場合(ステップS71:No)、ステップS70で選択した画素の色相が予め定められた色相条件を充足しているか否かを判定する(ステップS72)。予め定められた色相条件は、例えば、図16に示す色C1は、色相が0~14であり、図16に示す色C2は、色相が15~29などである。
処理部14は、予め定められた色相条件を充足していると判定した場合(ステップS72:Yes)、選択した画素の色相に対応する色Cのヒストグラム値を更新する(ステップS73)。なお、ステップS72の処理は省略することもできる。
処理部14は、ステップS73の処理が終了した場合、明度が規定値以下または彩度が規定値以下であると判定した場合(ステップS71:Yes)、または予め定められた色相条件を充足していないと判定した場合(ステップS72:No)、ステップS70で未選択の画素があるか否かを判定する(ステップS74)。
処理部14は、未選択の画素があると判定した場合(ステップS74:Yes)、処理はステップS70に移行する。また、処理部14は、未選択の画素がないと判定した場合(ステップS74:No)、ヒストグラム値の最も小さい色をベース色として選択する(ステップS75)。処理部14は、ステップS75の処理が終了した場合、図26に示す処理を終了する。
図27は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部によるグラデーション色決定処理の一例を示すフローチャートである。処理部14は、マーキング対象画像を構成する複数の画素のうち未選択の1つの画素を選択する(ステップS80)。処理部14は、ステップS80で選択した画素の明度が規定値以下であるか否かを判定する(ステップS81)。処理部14は、明度が規定値以下であると判定した場合(ステップS81:Yes)、黒ヒストグラム値に1を加算して黒ヒストグラム値を更新する(ステップS82)。黒ヒストグラム値は、黒色のヒストグラム値である。
処理部14は、ステップS82の処理を終了した場合、または明度が規定値以下ではないと判定した場合(ステップS81:No)、ステップS80で選択された画素の明度が規定値より大きく且つ彩度が規定値以下であるか否かを判定する(ステップS83)。処理部14は、明度が規定値より大きく且つ彩度が規定値以下であると判定した場合(ステップS83:Yes)、白ヒストグラム値に1を加算して白ヒストグラム値を更新する(ステップS84)。白ヒストグラム値は、白色のヒストグラム値である。
処理部14は、ステップS84の処理を終了した場合、または明度が規定値より大きくないまたは彩度が規定値以下ではないと判定した場合(ステップS83:No)、ステップS80で未選択の画素があるか否かを判定する(ステップS85)。処理部14は、未選択の画素があると判定した場合(ステップS85:Yes)、処理をステップS80に移行する。処理部14は、未選択の画素がないと判定した場合(ステップS85:No)、黒ヒストグラム値が白ヒストグラム値以上であるか否かを判定する(ステップS86)。
処理部14は、黒ヒストグラム値が白ヒストグラム値以上であると判定した場合(ステップS86:Yes)、グラデーション色として白色を選定する(ステップS87)。また、処理部14は、黒ヒストグラム値が白ヒストグラム値以上ではないと判定した場合(ステップS86:No)、グラデーション色として黒色を選定する(ステップS88)。
処理部14は、ステップS87の処理が終了した場合、またはステップS88の処理が終了した場合、図27に示す処理を終了する。
図28は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部による試験画像生成処理の一例を示すフローチャートである。図28に示すように、処理部14は、記憶部13に記憶される全矩形リスト35に含まれる複数の動的シンボルの1つを選択する(ステップS90)。
次に、処理部14は、ステップS12のマーキング対象画像選定処理で選定したマーキング対象画像にステップS13のマーキング色選定処理で選定した色で指定座標に矩形状の枠画像を付加する(ステップS91)。指定座標は、付加される矩形状の枠画像がステップS90で選択された動的シンボルに内接する位置である。
次に、処理部14は、全矩形リスト35に含まれるシンボル種別の情報に基づいて、ステップS90で選択した動的シンボルが点滅シンボルであるか否かを判定する(ステップS92)。処理部14は、ステップS90で選択した動的シンボルが点滅シンボルであると判定した場合(ステップS92:Yes)、ステップS90で選択した動的シンボルに対して三角形状の枠画像をマーキング画像に追加する(ステップS93)。また、処理部14は、ステップS90で選択した動的シンボルが点滅シンボルではないと判定した場合(ステップS92:No)、ステップS90で選択した動的シンボルに対して円形状の枠画像をマーキング画像に追加する(ステップS94)。
処理部14は、ステップS93の処理が終了した場合、またはステップS94の処理が終了した場合、全矩形リスト35に含まれる確認番号の情報に基づいて、ステップS90で選択した動的シンボルの確認番号が最大であるか否かを判定する(ステップS95)。処理部14は、確認番号が最大であると判定した場合(ステップS95:Yes)、ステップS93またはステップS94で追加された枠画像内に赤色で確認番号を追加する(ステップS96)。また、処理部14は、確認番号が最大ではないと判定した場合(ステップS95:No)、ステップS93またはステップS94で追加された枠画像内に黒色で確認番号を追加する(ステップS97)。
処理部14は、ステップS96の処理が終了した場合、またはステップS97の処理が終了した場合、全矩形リスト35に含まれる複数の動的シンボルのうちステップS90で未選択の動的シンボルがあるか否かを判定する(ステップS98)。処理部14は、未選択の動的シンボルがあると判定した場合(ステップS98:Yes)、処理をステップS90に移行する。また、処理部14は、未選択の動的シンボルがないと判定した場合(ステップS98:No)、図28に示す処理を終了する。
図29は、実施の形態1にかかる試験支援装置の処理部のハードウェア構成の一例を示す図である。図29に示すように、試験支援装置10の処理部14は、プロセッサ101と、メモリ102とを備えるコンピュータを含む。プロセッサ101およびメモリ102は、例えば、バス103によって互いに情報の送受信が可能である。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、模擬信号出力部41、画像取得部42、動的シンボル検出部43、マーキング対象画像選定部44、マーキング色選定部45、番号割付部46、試験画像生成部47、および試験画像出力部48などの機能を実行する。プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、処理部14は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
以上のように、実施の形態1にかかる試験支援装置10によって実行される試験支援方法は、画像取得部42によって実行される画像取得ステップと、動的シンボル検出部43によって実行される動的シンボル検出ステップと、試験画像生成部47によって実行される試験画像生成ステップと、を含む。画像取得ステップは、監視画面を各々異なる時間でキャプチャした画像であるキャプチャ画像であってシンボルの変化前の画像とシンボルの変化後の複数の画像とを含む画像群を取得する。動的シンボル検出ステップは、画像取得ステップで取得された画像群に含まれる複数の画像間で変化した複数のシンボルを複数の動的シンボルとして検出する。試験画像生成ステップは、画像群に含まれる変化後の複数の画像のうちの1つの画像であるマーキング対象画像において動的シンボル検出ステップで検出された複数の動的シンボルの各々に対して動的シンボルであることを示すマーキング画像が付加された画像を試験画像として生成する。また、試験画像生成ステップは、マーキング対象画像において複数の動的シンボルのうち変化の態様が互いに異なる複数の動的シンボルに互いに異なるマーキング画像が付加された画像を試験画像として生成する。これにより、試験支援装置10で実行される試験支援方法では、監視制御システム1の試験結果を示す試験画像90,99を生成して監視制御システム1の試験を支援することができる。また、本試験支援方法では、変化の態様が異なる複数の動的シンボルに対して異なるマーキング画像が付加されることから、例えば、試験者は、監視制御システム1において異なる態様の動的シンボルが誤って割り付けられていないかを容易に把握することができる。そのため、本試験支援方法では、例えば、試験者の目視によるシンボルの確認を支援することができる。また、異なる態様の動的シンボルが誤って割り付けられていないかを示すエビデンスとして試験画像を用いることができることから、本試験支援方法では、試験者による試験に加え、試験者による試験成績書の作成を支援することができる。
また、動的シンボル検出ステップは、複数の変化後画像間で変化したシンボルを点滅シンボルとして検出し、変化前画像と変化後画像との間で変化したシンボルのうち点滅シンボルを除くシンボルを変化シンボルとして検出する。点滅シンボルは、第1の動的シンボルの一例である。変化シンボルは、第2の動的シンボルの一例である。試験画像生成ステップは、マーキング対象画像において点滅シンボルと変化シンボルとで互いに異なるマーキング画像が付加された試験画像90,99を生成する。これにより、試験支援装置10で実行される試験支援方法では、変化シンボルと点滅シンボルとを区別した試験画像を生成することができ、監視制御システム1の試験をより支援することができる。
また、試験支援装置10によって実行される試験支援方法は、マーキング対象画像選定部44で実行されるマーキング対象画像選定ステップを含む処理を実行する。マーキング対象画像選定ステップは、複数の変化後画像のうち複数の変化後画像間で変化する点滅シンボルの明るさが最も明るい変化後画像をマーキング対象画像として決定する。これにより、試験支援装置10で実行される試験支援方法では、点滅シンボルの視認性の高い変化後画像をマーキング対象画像として決定することができ、監視制御システム1の試験をより支援することができる。
また、試験支援装置10によって実行される試験支援方法は、マーキング色選定部45で実行されるマーキング色選定ステップを含む処理を実行する。マーキング色選定ステップは、複数の動的シンボルの各々に対して付加するマーキング画像の色を、マーキング対象画像の色に基づいて決定する。試験画像生成ステップは、マーキング対象画像においてマーキング色選定ステップで決定された色のマーキング画像が複数の動的シンボルに付加された画像を試験画像として生成する。これにより、試験支援装置10で実行される試験支援方法では、動的シンボルの視認性を高めた試験画像を生成することができ、監視制御システム1の試験をより支援することができる。
また、マーキング色選定ステップは、マーキング対象画像のうち背景色として用いられる色を除く色の分布に基づいてマーキング対象画像での使用頻度が最も少ない色をマーキング対象画像のベース色として決定し、マーキング対象画像のうち背景色として用いられる色と異なる色でベース色にグラデーションを付加した色をマーキング対象画像の色として決定する。これにより、試験支援装置10で実行される試験支援方法では、動的シンボルの視認性をより高めた試験画像を生成することができ、監視制御システム1の試験をより支援することができる。
また、マーキング色選定ステップは、背景色として用いられる色が白である場合にベース色に黒でグラデーションを付加した色をマーキング対象画像の色として決定し、背景色として用いられる色が黒である場合にベース色に白でグラデーションを付加した色をマーキング対象画像の色として決定する。これにより、試験支援装置10で実行される試験支援方法では、動的シンボルの視認性をより高めた試験画像を生成することができ、監視制御システム1の試験をより支援することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる試験支援装置は、動的シンボルとして点滅シンボルおよび変化シンボルに加えて移動シンボルを検出し、検出した移動シンボルに点滅シンボルおよび変化シンボルとは異なるマーキング画像を付加する点で、実施の形態1にかかる試験支援装置10と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の試験支援装置10と異なる点を中心に説明する。
図30は、実施の形態2にかかる試験支援装置の構成の一例を示す図である。図30に示すように、実施の形態2にかかる試験支援装置10Aは、通信部11と、撮像部12と、記憶部13Aと、処理部14Aとを備える。
記憶部13Aは、移動元シンボルリスト36と移動先シンボルリスト37と移動シンボル矩形リスト38とを備える点で、記憶部13と異なる。移動元シンボルリスト36、移動先シンボルリスト37、および移動シンボル矩形リスト38は、処理部14Aによって記憶部13Aに追加される情報であり、後述する。
処理部14Aは、動的シンボル検出部43および試験画像生成部47に代えて、動的シンボル検出部43Aおよび試験画像生成部47Aを備える点で、処理部14と異なる。動的シンボル検出部43Aは、第3の検出部54を備えると共に、統合部53に代えて統合部53Aを備える点で、動的シンボル検出部43と異なる。
第3の検出部54は、動的シンボルとして移動シンボルを検出する。図31は、実施の形態2にかかる試験支援装置によって検出される移動シンボルを説明するための図である。図31に示すように、移動シンボル60は、変化前画像と変化後画像との間で位置が変化するシンボルである。すなわち、移動シンボル60は、模擬信号によって位置が変化するシンボルである。移動シンボル60は、例えば、移動シンボルに割り当てられた機器が取り外された場合に、移動するシンボルである。
第3の検出部54は、マーキング色選定部45によって検出された背景色の情報に基づいて、変化前画像と変化後画像との間で背景に変化したシンボルの変化前画像における座標および色を検出し、検出したシンボルの座標および色を含む移動元シンボルリスト36を生成し、生成した移動元シンボルリスト36を記憶部13Aに記憶させる。図32は、実施の形態2にかかる移動元シンボルリストの一例を示す図である。
図32に示すように、移動元シンボルリスト36には、「シンボルID」、「第1の座標」、「第2の座標」、および「色」がシンボル毎に含まれる。「シンボルID」は、各移動シンボルの識別情報である。「第1の座標」、および「第2の座標」は、点滅シンボル矩形リスト33などの「第1の座標」、および「第2の座標」と同じである。「色」は、シンボルの色を示す情報である。なお、「色」は、シンボルを構成する複数の座標の各々の色を示す情報であってもよい。
図30に示す第3の検出部54は、マーキング色選定部45によって検出された背景色の情報に基づいて、変化前画像と変化後画像との間で背景から変化したシンボルの変化後画像における座標および色を検出し、検出したシンボルの座標および色を含む移動先シンボルリスト37を生成し、生成した移動先シンボルリスト37を記憶部13Aに記憶させる。移動先シンボルリスト37は、移動元シンボルリスト36と同様のリストである。
第3の検出部54は、生成した移動元シンボルリスト36と移動先シンボルリスト37とに基づいて、移動シンボルを検出し、検出した移動シンボルの情報を含む移動シンボル矩形リスト38を記憶部13Aに記憶させる。移動シンボル矩形リスト38には、移動シンボルの移動元の座標と移動先の座標とが含まれる。
図33は、実施の形態2にかかる移動シンボル矩形リストの一例を示す図である。図33に示すように、移動シンボル矩形リスト38には、「シンボルID」、「移動元座標」、および「移動先座標」が移動シンボル毎に含まれる。「移動元座標」は、移動シンボルの移動元の座標の情報であり、「移動先座標」は、移動シンボルの移動先の座標の情報である。「移動元座標」および「移動先座標」の各々には、「第1の座標」および「第2の座標」が含まれる。「第1の座標」および「第2の座標」は、点滅シンボル矩形リスト33および変化シンボル矩形リスト34の「第1の座標」および「第2の座標」と同じである。
図34は、実施の形態2にかかる試験支援装置の動的シンボル検出部による移動シンボルの検出方法を説明するための図である。図34に示す例では、変化前画像にはシンボル74,75,76,77,78,79が含まれ、変化後画像にはシンボル74,75,76’,77,78,79が含まれている。
第3の検出部54は、変化前画像と変化後画像との間で背景に変化したシンボル76の変化前画像における座標および色を検出し、検出したシンボル76の座標および色を含む移動元シンボルリスト36を生成する。また、第3の検出部54は、変化前画像と変化後画像との間で背景から変化したシンボル76’の変化後画像における座標および色を検出し、検出したシンボル76’の座標および色を含む移動先シンボルリスト37を生成する。
第3の検出部54は、生成した移動元シンボルリスト36に含まれるシンボル76の座標および色と移動先シンボルリスト37に含まれるシンボル76’の座標および色とに基づいて、移動シンボルを検出する。第3の検出部54は、シンボル76とシンボル76’とが同じ形状で同じ色であるため、シンボル76’を移動シンボルと検出する。第3の検出部54は、シンボル76の座標を移動元座標として含み且つシンボル76’の座標を移動先座標として含む移動シンボル矩形リスト38を生成し、生成した移動シンボル矩形リスト38を記憶部13Aに記憶させる。
第3の検出部54は、移動元シンボルリスト36と移動先シンボルリスト37とに各々2つ以上のシンボルの情報が含まれている場合、移動前のシンボルと同じ色の移動後のシンボルであって移動前のシンボルに最も近い移動後のシンボルを対応付けて移動シンボルの情報として移動シンボル矩形リスト38に加える。
図35は、実施の形態2にかかる試験支援装置の動的シンボル検出部による複数の移動シンボルの検出方法を説明するための図である。図35に示す例では、変化前画像にはシンボル110,111が含まれ、変化後画像にはシンボル110’,111’が含まれている。
第3の検出部54は、変化前画像と変化後画像との間で背景に変化したシンボル110,111の変化前画像における座標および色を検出し、検出したシンボル110,111の座標および色を含む移動元シンボルリスト36を生成する。また、第3の検出部54は、変化前画像と変化後画像との間で背景から変化したシンボル110’,111’の変化後画像における座標および色を検出し、検出したシンボル110’,111’の座標および色を含む移動先シンボルリスト37を生成する。
第3の検出部54は、移動元シンボルリスト36に含まれる複数の移動前のシンボルのうち1つのシンボルの座標を取得し、かかるシンボルと同じ色で座標が最も近い移動後のシンボルの座標を移動先シンボルリスト37から取得する。第3の検出部54は、座標を取得した移動前のシンボルと移動後のシンボルとが同じ移動シンボルであると判定し、かかる移動シンボルの移動前の座標と移動後の座標とを含む移動シンボル矩形リスト38を生成する。
図35に示す例では、シンボル110の座標は、シンボル110’,111’のうちシンボル110’の座標と最も近く、シンボル110の色もシンボル110’の色と同じである。また、シンボル111の座標は、シンボル110’,111’のうちシンボル111’の座標と最も近く、シンボル111の色もシンボル111’の色と同じである。
そのため、第3の検出部54は、シンボル110とシンボル110’とが同じ移動シンボルであると判定し、シンボル111とシンボル111’とが同じ移動シンボルであると判定する。第3の検出部54は、シンボル110の座標とシンボル110’の座標とを含む移動シンボルの情報と、シンボル111の座標とシンボル111’の座標とを含む移動シンボルの情報とを含む移動シンボル矩形リスト38を生成する。
図30に示す統合部53Aは、点滅シンボル矩形リスト33、変化シンボル矩形リスト34、および移動シンボル矩形リスト38を統合して全矩形リスト35を生成する点で、移動シンボル矩形リスト38を統合しない統合部53と異なる。統合部53Aによって生成される全矩形リスト35には、点滅シンボルの情報および変化シンボルの情報に加え、移動シンボルの情報が含まれる。
図30に示す試験画像生成部47Aは、点滅シンボル、変化シンボル、および移動シンボルの各々に対して互いに異なるマーキング画像を付加する点で、点滅シンボルおよび変化シンボルの各々に対して互いに異なるマーキング画像を付加する試験画像生成部47と異なる。
試験画像生成部47Aは、マーキング対象画像選定部44で選定されたマーキング対象画像において動的シンボル検出部43Aで検出された複数の動的シンボルの各々に動的シンボルであることを示すマーキング画像が付加された画像を試験画像として生成する。具体的には、試験画像生成部47Aは、複数の動的シンボルのうち変化の態様が互いに異なる点滅シンボル、変化シンボル、および移動シンボルの各々に互いに異なるマーキング画像が付加された画像を試験画像として生成する。
図36は、実施の形態2にかかる試験支援装置の試験画像生成部によって生成される試験画像の一例を示す図であり、図34に示す監視画像に対応する試験画像である。図36に示す試験画像では、マーキング対象画像において動的シンボル検出部43Aで検出された複数のシンボル75,76’に付加されたマーキング画像120,121’と、変化前画像のシンボル76の位置に付加されたマーキング画像121とを含む。
このように、試験画像生成部47Aによって生成される試験画像において、シンボル76’の位置に付加されたマーキング画像121’と変化前画像のシンボル76の位置に付加されたマーキング画像121とが含まれる。これにより、試験支援装置10Aは、移動シンボルの変化前の位置と変化後の位置を強調表示することができる。そのため、例えば、試験者は、試験支援装置10Aによって生成された試験画像に基づいて、移動シンボルの変化前の位置と変化後の位置を把握することができ、移動先の位置が間違っているか否かを容易に把握することができる。また、シンボル76’の位置に付加されたマーキング画像121’と変化前画像のシンボル76の位置に付加されたマーキング画像121とに、確認番号を囲む矩形状の枠画像が含まれる。そのため、例えば、試験者は、移動シンボルの変化前の位置と変化後の位置を容易に把握することができる。
図37は、実施の形態2にかかる試験支援装置の試験画像生成部によって生成される試験画像の他の例を示す図であり、図35に示す監視画像に対応する試験画像である。図37に示す試験画像では、マーキング対象画像において動的シンボル検出部43Aで検出された複数のシンボル110’,111’に付加されたマーキング画像122’,123’と、変化前画像のシンボル110,111の位置に付加されたマーキング画像122,123とを含む。これにより、試験者は、試験支援装置10Aによって生成された試験画像に基づいて、移動シンボルの変化前の位置と変化後の位置を把握することができ、移動先の位置が間違っているか否かを容易に把握することができる。
つづいて、フローチャートを用いて試験支援装置10Aの処理部14Aによる処理を説明する。図38は、実施の形態2にかかる試験支援装置の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。試験支援装置10Aの処理部14Aは、試験項目の画像群を取得する毎に、図38に示す処理を繰り返し実行する。
図38に示すステップS100,S101,S103の処理は、図20に示すステップS12,S13,S11の処理と同じであり、説明を省略する。また、図38に示すステップS104の処理は、移動シンボルに異なるマーキング画像を付加する処理が追加される点で、図20に示すステップS14の処理と異なる。
図38に示すように、処理部14Aは、ステップS101の処理が終了した場合、動的シンボル検出処理を実行する(ステップS102)。かかる動的シンボル検出処理は、図39に示すステップS110~S112の処理である。
図39は、実施の形態2にかかる試験支援装置の処理部による動的シンボル検出処理の一例を示すフローチャートである。図39に示すステップS110,S111の処理は、図21に示すステップS20,S21の処理と同じであり、説明を省略する。処理部14Aは、移動シンボル検出処理を実行する(ステップS112)。かかる移動シンボル検出処理は、図40に示すステップS120~S132の処理であり、後で説明する。
処理部14Aは、全矩形リスト生成処理を実行し(ステップS113)、図39に示す処理を終了する。ステップS113の全矩形リスト生成処理において、処理部14Aは、ステップS110の処理で生成される点滅シンボル矩形リスト33と、ステップS111の処理で生成される変化シンボル矩形リスト34と、ステップS112の処理で生成される移動シンボル矩形リスト38とを統合して、全矩形リスト35を生成する。
図40は、実施の形態2にかかる試験支援装置の処理部による移動シンボル検出処理の一例を示すフローチャートである。図40に示すように、処理部14Aは、変化シンボル矩形リスト34から未選択の1つの外接矩形を選択する(ステップS120)。処理部14Aは、変化後の色が背景色であるか否かを判定する(ステップS121)。ステップS121の処理において、処理部14Aは、変化後画像のうちステップS120で選択した外接矩形の座標の色が背景色であるか否かを判定する。
処理部14Aは、変化後の色が背景色であると判定した場合(ステップS121:Yes)、ステップS120で選択した外接矩形の座標および色を含むシンボルの情報を移動元シンボルリスト36に追加する(ステップS122)。処理部14Aは、変化後の色が背景色ではないと判定した場合(ステップS121:No)、変化前の色が背景色であるか否かを判定する(ステップS123)。ステップS123の処理において、処理部14Aは、変化前画像のうちステップS120で選択した外接矩形の座標の色が背景色であるか否かを判定する。
処理部14Aは、変化前の色が背景色であると判定した場合(ステップS123:Yes)、ステップS120で選択した外接矩形の座標および色を含むシンボルの情報を移動先シンボルリスト37に追加する(ステップS124)。処理部14Aは、ステップS122の処理が終了した場合、またはステップS124の処理が終了した場合、ステップS120で選択した外接矩形の情報を変化シンボル矩形リスト34から削除する(ステップS125)。
処理部14Aは、ステップS125の処理が終了した場合、または変化前の色が背景色ではないと判定した場合(ステップS123:No)、ステップS120で未選択の外接矩形があるか否かを判定する(ステップS126)。処理部14Aは、未選択の外接矩形があると判定した場合(ステップS126:Yes)、処理をステップS120に移行する。
処理部14Aは、未選択の外接矩形がないと判定した場合(ステップS126:No)、移動元シンボルリスト36から1つのシンボルを選択する(ステップS127)。処理部14Aは、移動先シンボルリスト37から1つのシンボルを選択する(ステップS128)。処理部14Aは、ステップS127で選択したシンボルの色とステップS128で選択したシンボルの色が一致するか否かを判定する(ステップS129)。
処理部14Aは、シンボルの色が一致すると判定した場合(ステップS129:Yes)、ステップS127で選択したシンボルとステップS128で選択したシンボルとを1つの移動シンボルとして移動シンボル矩形リスト38に追加する(ステップS130)。処理部14Aは、シンボルの色が一致しないと判定した場合(ステップS129:No)、ステップS128で未選択のシンボルがあるか否かを判定する(ステップS131)。
処理部14Aは、未選択のシンボルがあると判定された場合(ステップS131:Yes)、処理をステップS128に移行する。処理部14Aは、未選択のシンボルがないと判定された場合(ステップS131:No)、またはステップS130の処理が終了した場合、ステップS127で未選択のシンボルがあるか否かを判定する(ステップS132)。処理部14Aは、未選択のシンボルがあると判定した場合(ステップS132:Yes)、処理をステップS127に移行する。処理部14Aは、未選択のシンボルがないと判定した場合(ステップS132:No)、図40に示す処理を終了する。
実施の形態2にかかる試験支援装置10Aの処理部14Aのハードウェア構成例は、図29に示す試験支援装置10の処理部14のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、模擬信号出力部41、画像取得部42、動的シンボル検出部43A、マーキング対象画像選定部44、マーキング色選定部45、番号割付部46、試験画像生成部47A、および試験画像出力部48の機能を実行することができる。
以上のように、実施の形態2にかかる試験支援装置10Aで実行される試験支援方法は、上述した画像取得ステップと、動的シンボル検出部43Aで実行される動的シンボル検出ステップと、試験画像生成部47Aで実行される試験画像生成ステップとを含む。動的シンボル検出ステップは、複数の変化後画像間で変化したシンボルを点滅シンボルとして検出し、変化前画像と複数の変化後画像の1つとの間で変化したシンボルのうち位置が移動したシンボルを移動シンボルとして検出し、変化前画像と1つの変化後画像との間で変化したシンボルのうち点滅シンボルと移動シンボルとを除くシンボルを変化シンボルとして検出する。移動シンボルは、第3の動的シンボルの一例である。試験画像生成ステップは、マーキング対象画像において点滅シンボルと変化シンボルと移動シンボルとで互いに異なるマーキング画像が付加された試験画像を生成する。これにより、試験支援装置10Aで実行される試験支援方法では、変化シンボルと点滅シンボルと移動シンボルとを区別した試験画像を生成することができ、監視制御システム1の試験をより支援することができる。
また、試験画像生成ステップは、マーキング対象画像において移動シンボルの変化前画像の位置にマーキング画像をさらに付加した画像を試験画像として生成する。これにより、試験支援装置10Aで実行される試験支援方法では、例えば、試験者は、試験画像に基づいて、移動シンボルの変化前の位置と変化後の位置とを把握することができ、例えば、移動先の位置が間違っているか否かを容易に把握することができる。
なお、実施の形態2にかかる動的シンボル検出部43Aは、さらに、形状が変化するシンボルなどの他の種類の動的シンボルを検出することもできる。この場合も、試験画像生成部47Aは、マーキング対象画像において複数の動的シンボルのうち変化の態様が互いに異なる複数の動的シンボルに互いに異なるマーキング画像が付加された画像を試験画像として生成することができる。
また、実施の形態1,2にかかる試験画像生成部47,47Aは、確認番号を付加した試験画像を生成するが、試験画像生成部47,47Aは、確認番号を付加しない試験画像を生成することもできる。この場合、試験画像生成部47,47Aは、マーキング対象画像において確認番号が配置される領域にもマーキング色を付したマーキング画像を付加した試験画像を生成する。
また、試験画像生成部47,47Aは、動的シンボルが外接する矩形状の枠画像を含むマーキング画像をマーキング対象画像に付加するが、かかる例に限定されない。例えば、試験画像生成部47,47Aは、動的シンボルが外接しないように動的シンボルを囲む形状の画像を含むマーキング画像をマーキング対象画像に付加することもできる。
また、点滅シンボル矩形リスト33、変化シンボル矩形リスト34、および移動シンボル矩形リスト38には、シンボルが外接する矩形の座標が含まれるが、かかる例に限定されない。例えば、点滅シンボル矩形リスト33、変化シンボル矩形リスト34、および移動シンボル矩形リスト38には、シンボルが外接する矩形の座標に代えて、シンボルを構成する全画素の座標、またはシンボルの外形を構成する全画素の座標を含めてもよい。
また、上述した例では、試験画像生成部47,47Aは、確認番号を囲む枠画像の形状を動的シンボルの種類毎に異ならせるが、確認番号を囲む枠画像の枠の幅または色を動的シンボルの種類毎に異ならせることもできる。また、試験画像生成部47,47Aは、確認番号を囲む枠画像の形状に代えて、動的シンボルを囲む枠画像の形状、枠の幅、または色と異ならせることもできる。
また、上述した例では、マーキング色選定部45は、動的シンボルの種類にかかわらず、単一のマーキング色を決定するが、動的シンボルの種類に応じた異なるマーキング色を決定することもできる。また、マーキング色選定部45は、動的シンボルの色または形に応じた異なるマーキング色を決定することもできる。また、マーキング色選定部45は、動的シンボルの周囲であって動的シンボルから予め設定された距離にある範囲の色に基づいて、動的シンボル毎にマーキング色を決定することもできる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。