JP7421687B2 - 内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法に関する。
近年の排気規制や燃費規制の強化により、ガソリンエンジンの低排気化、及び高効率化が求められている。このような状況下において、エンジン(内燃機関とも呼ぶ)の燃焼室内の状態を推定し、その推定結果に基づいてエンジンを制御する燃焼制御技術が知られている。推定した燃焼状態に応じて点火時期や噴射時期などを適切に制御することによって、エンジンの熱効率を向上させる、あるいは有害ガスの排出を減らす等の対応が可能となる。このような燃焼状態の推定技術の例が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1には、「エンジンの回転加速度を算出する手段と、回転加速度に基づいて燃焼室内の燃焼状態を推定する手段」が記載されている。具体的には、回転加速度が極値となる回転位置と燃焼位相との相関を用いて、回転角センサで検出した回転加速度が極値となる回転位置から、燃焼位相を推定することが記載されている。
特許文献1に開示された技術に関わるエンジンの実現象の例について説明する。
図16A及び図16Bは、クランクアングルに対する筒内圧とエンジンの回転数との関係を示す図である。図16A及び図16Bに示す事例では、特許文献1に開示された回転加速度の代わりに、回転数をパラメータとして説明する。
図16A及び図16Bは、クランクアングルに対する筒内圧とエンジンの回転数との関係を示す図である。図16A及び図16Bに示す事例では、特許文献1に開示された回転加速度の代わりに、回転数をパラメータとして説明する。
図16Aは、クランク角と筒内圧との関係を示す曲線の例を示す。この曲線上には、点火時期及びMFB50のタイミングが示されている。点火時期に従って混合気に点火が行われた後、燃焼が開始して筒内圧が上昇し、混合気の質量燃焼割合が50%となる燃焼位相(以下、「MFB(Mass Fraction Burned)50」と呼ぶ)を経て、燃焼が終了する。この燃焼位相が、クランクシャフトを通じて回転数が極値(最大値)となる回転位置(以下、「θω_MAX」と呼ぶ)に影響を及ぼす。以下の説明で、質量燃焼割合が50%となる燃焼位相を「燃焼重心」とも呼ぶ。そして、図16Aに示す曲線は、燃焼重心から点火時期を近似する第2近似曲線の例として用いられる。
図16Bは、クランク角と、回転数との関係を示す曲線の例が示す。この曲線上には、回転数が最大値となるθω_MAXのタイミングが示されている。図16Bに示す曲線は、クランク角に対する回転数を近似するための第1近似曲線の例として用いられる。
図17は、θω_MAXとMFB50との関係を示すグラフである。
図16A及び図16Bに示した曲線で表される物理現象を背景とした上で、図17では、θω_MAXとMFB50の高い相関の例が示される。そこで、図17に示すθω_MAXとMFB50との関係を基に校正曲線を作成することで、内燃機関制御装置がθω_MAXからMFB50を推定することが可能となる。
図16A及び図16Bに示した曲線で表される物理現象を背景とした上で、図17では、θω_MAXとMFB50の高い相関の例が示される。そこで、図17に示すθω_MAXとMFB50との関係を基に校正曲線を作成することで、内燃機関制御装置がθω_MAXからMFB50を推定することが可能となる。
このような校正曲線による燃焼制御に関する技術は、例えば、特許文献2に開示されている。特許文献2には、クランク角センサで検出したθ_MAXを基に校正曲線からMFB50を推定し、目標MFB50との差分に基づいて点火時期を制御することが記載されている。
なお、気筒毎に適切な点火時期を設定することで、内燃機関の燃焼効率を向上させることが可能である。そのため、近年では、気筒毎に固有の点火時期を指示する気筒別点火時期制御が用いられている。しかしながら、各気筒の点火時期を個別に制御する気筒別点火時期制御を行った場合、気筒別点火時期制御を行った気筒のMFB50の変化によって、燃焼トルクが変化し、クランクアングル速度も変化する。
また、内燃機関には、複数の気筒が設けられており、各気筒はクランクシャフトにより接続されている。そのため、気筒別点火時期制御を行った気筒により、他の気筒のθω_MAXの位相も変化する。その結果、各気筒のθω_MAXとMFB50の相関性が変化することで、図17に示す校正曲線にエラーが発生し、燃焼重心であるMFB50の推定精度が低下していた。
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、燃焼重心を高精度に推定することができる内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるなら、本発明の内燃機関制御装置は、複数の気筒の点火時期を個別に調整し、制御する内燃機関制御装置において、回転数変換部と、最大回転数検知部と、燃焼重心推定部と、偏差演算部と、を備えている。回転数変換部は、気筒に接続されたクランクシャフトのクランク角を内燃機関の回転数に変換する。最大回転数検知部は、回転数変換部が変換した回転数の最大値を検知する。燃焼重心推定部は、回転数の最大値から気筒の燃焼重心を推定する。偏差演算部は、複数の気筒のうち点火時期が調整された調整後気筒における調整後の点火時期と複数の気筒のうち調整後気筒とは同一又は異なる補正対象気筒の点火時期との偏差を算出する。そして、燃焼重心推定部は、偏差演算部が算出した偏差に基づいて、補正対象気筒の燃焼重心を推定する際に用いる回転数の最大値と燃焼重心との関係を変更する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるなら、本発明の内燃機関制御装置は、複数の気筒の点火時期を個別に調整し、制御する内燃機関制御装置において、回転数変換部と、最大回転数検知部と、燃焼重心推定部と、偏差演算部と、を備えている。回転数変換部は、気筒に接続されたクランクシャフトのクランク角を内燃機関の回転数に変換する。最大回転数検知部は、回転数変換部が変換した回転数の最大値を検知する。燃焼重心推定部は、回転数の最大値から気筒の燃焼重心を推定する。偏差演算部は、複数の気筒のうち点火時期が調整された調整後気筒における調整後の点火時期と複数の気筒のうち調整後気筒とは同一又は異なる補正対象気筒の点火時期との偏差を算出する。そして、燃焼重心推定部は、偏差演算部が算出した偏差に基づいて、補正対象気筒の燃焼重心を推定する際に用いる回転数の最大値と燃焼重心との関係を変更する。
また、本発明の内燃機関制御方法は、複数の気筒の点火時期を個別に調整し、制御する内燃機関制御方法において、以下(1)から(4)に示す処理を含む。
(1)気筒に接続されたクランクシャフトのクランク角を内燃機関の回転数に変換する処理。
(2)変換した回転数の最大値を検知する処理。
(3)複数の気筒のうち点火時期が調整された調整後気筒における調整後の点火時期と複数の気筒のうち調整後気筒とは同一又は異なる補正対象気筒の点火時期との偏差を算出する処理。
(4)偏差に基づいて、補正対象気筒の燃焼重心を推定する際に用いる回転数の最大値と燃焼重心との関係を変更し、補正対象気筒の燃焼重心を推定する処理。
(1)気筒に接続されたクランクシャフトのクランク角を内燃機関の回転数に変換する処理。
(2)変換した回転数の最大値を検知する処理。
(3)複数の気筒のうち点火時期が調整された調整後気筒における調整後の点火時期と複数の気筒のうち調整後気筒とは同一又は異なる補正対象気筒の点火時期との偏差を算出する処理。
(4)偏差に基づいて、補正対象気筒の燃焼重心を推定する際に用いる回転数の最大値と燃焼重心との関係を変更し、補正対象気筒の燃焼重心を推定する処理。
上記構成の内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法によれば、燃焼重心を高精度に推定することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
以下、内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法の実施の形態例について、図1~図15を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.実施の形態例
1-1.内燃機関制御の構成例
まず、実施の形態例(以下、「本例」という)にかかる内燃機関制御装置の構成例について、図1から図3を参照して説明する。
図1は、内燃機関制御装置が搭載された内燃機関の構成例を示す概略構成図である。
1-1.内燃機関制御の構成例
まず、実施の形態例(以下、「本例」という)にかかる内燃機関制御装置の構成例について、図1から図3を参照して説明する。
図1は、内燃機関制御装置が搭載された内燃機関の構成例を示す概略構成図である。
図1に示す内燃機関100は、筒内噴射型のエンジンである。内燃機関100は、吸入行程、圧縮行程、燃焼(膨張)行程、排気行程の4行程を繰り返す4サイクルエンジンである。さらに、内燃機関100は、例えば、3つの気筒(シリンダ)を備えた多気筒エンジンである。なお、内燃機関100が有する気筒の数は、3つに限定されるものではなく、4つ又は6つ以上の気筒を有していてもよい。
内燃機関100は、吸気量を測定するエアフローセンサ1と、吸気を過給するコンプレッサ2と、過給された吸気を冷却するインタークーラ3と、シリンダ5内に吸入するガスを調節するスロットルバルブ4とを備える。そして、スロットルバルブ4の近傍には、スロットルバルブ4の開度を検出するためのスロットルセンサ17が設けられている。
また、内燃機関100は、各気筒のシリンダ5に点火エネルギーを供給する点火プラグ6と、各気筒のシリンダ5の中に燃料を噴射する燃料噴射装置9と、シリンダ5に流入した燃料とガスの混合気を圧縮するピストン10とを備える。さらに、内燃機関100は、シリンダ5へ流入する混合気を調整する吸気バルブ7と、燃焼後の排気ガスを排出する排気バルブ8を備える。
また、内燃機関100は、クランクシャフトに取り付けられたシグナルロータ13の信号を検出するクランク角センサ11と、冷却水の温度を測定する水温センサ12とを備える。さらに、内燃機関100は、排気ガスの運動エネルギーを、シャフトを介してコンプレッサ2に伝えるタービン14と、排気ガス中の有害物質を浄化する三元触媒15を備える。そして、三元触媒15の近傍には、排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出するA/Fセンサ16が取り付けられている。
上述したエアフローセンサ1、クランク角センサ11、水温センサ12、A/Fセンサ16、スロットルセンサ17及びアクセルの操作量を検出するアクセルセンサ18(図2参照)等の各種センサの出力信号は、内燃機関100を制御する内燃機関制御装置(ECU:Engine Control Unit)200に入力される。
[ECUの構成]
次に、図2を参照して内燃機関100を制御する内燃機関制御装置200の構成について説明する。
図2は、内燃機関制御装置200の構成を示すブロック図である。
次に、図2を参照して内燃機関100を制御する内燃機関制御装置200の構成について説明する。
図2は、内燃機関制御装置200の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、内燃機関制御装置200は、入力回路201と、入出力ポート202と、RAM(Random Access Memory)203と、ROM(Read Only Memory)204と、CPU(Central Processing Unit)205を有する。また、内燃機関制御装置200は、スロットル弁駆動回路206と、燃料噴射装置駆動回路207と、点火出力回路208と、を有する。なお、スロットル弁駆動回路206、燃料噴射装置駆動回路207及び点火出力回路208は、電気的に制御される回路である。
入力回路201には、スロットルセンサ17、エアフローセンサ1、クランク角センサ11、水温センサ12、A/Fセンサ16、アクセルセンサ18等の各センサからの出力が入力される。入力回路201は、入力された信号に対してノイズ除去等の信号処理を行って、入出力ポート202へ送る。入出力ポート202の入力ポートに入力された値はRAM203に格納される。
ROM204には、CPU205により実行される各種演算処理の内容を記述した制御プログラムや、各処理に用いられるMAPやデータテーブル等が記憶されている。RAM203には、入出力ポート202の入力ポートに入力された値や、制御プログラムに従って演算された各アクチュエータの操作量を表す値を格納する格納領域が設けられている。また、RAM203に格納された各アクチュエータの操作量を表す値は、入出力ポート202の出力ポートに送られる。
入出力ポート202の出力ポートにセットされたスロットルバルブ4の目標開度を実現する駆動信号は、スロットル弁駆動回路206を経て、スロットルバルブ4を駆動するモータに送られる。燃料噴射装置9の駆動信号は、開弁時ON、閉弁時OFFとなるON・OFF信号である。入出力ポート202の出力ポートにセットされた燃料噴射装置9の駆動信号は、燃料噴射装置駆動回路207で燃料噴射装置9を駆動するのに十分なエネルギーに増幅されて、燃料噴射装置9に供給される。
点火プラグ6に対する作動信号は、点火出力回路208内の一次側コイルの通流時にONとなり、非通流時にOFFとなるON・OFF信号である。点火プラグ6の点火時期は、点火プラグ6に対する作動信号がONからOFFになる時点である。入出力ポート202の出力ポートにセットされた点火プラグ6に対する作動信号は、点火出力回路208で点火に必要な十分なエネルギーに増幅されて、点火プラグ6に供給される。
また、CPU205には、MFB50を推定する燃焼検知部300(図3参照)が設けられている。
[燃焼検知部の構成]
次に、図3を参照して燃焼検知部300の構成について説明する。
図3は、燃焼検知部300の構成を示すブロック図である。
次に、図3を参照して燃焼検知部300の構成について説明する。
図3は、燃焼検知部300の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、燃焼検知部300は、回転数変換部301と、θω_MAX検知部302と、MFB50推定部303と、平均値演算部304と、偏差演算部305とを備えている。
回転数変換部301は、計測されたクランク角を内燃機関100の回転数に変換する。例えば、回転数変換部301は、RAM203から入力されたクランク角センサ11のパルス信号の数を回転数の値(以下、「回転数」と称する)を示す回転数信号に変換する。そして、回転数変換部301は、変換した回転数をθω_MAX検知部302に出力する。ここで、回転数変換部301は、クランク角に対する回転数を近似する第1近似曲線(図16B参照)を用いてクランク角を回転数に変換する。
最大回転数検知部であるθω_MAX検知部302は、入力した回転数信号に基づいて、回転数の最大値(以下、「θω_MAX」と称する)を検知する。そして、θω_MAX検知部302は、検知したθω_MAXをMFB50推定部303に出力する。
燃焼重心推定部であるMFB50推定部303は、複数の気筒ごとにMFB50とθω_MAXとの関係を示す複数の校正曲線を有している。そして、MFB50推定部303は、θω_MAX検知部302から出力されたθω_MAXと、校正曲線に基づいて、気筒ごとにMFB50を推定する。そして、MFB50推定部303は、推定したMFB50(以下、「推定MFB50」と称する)を点火出力回路208に出力する。点火出力回路208は、推定MFB50が予め設定された目標MFB50に近づくように、各気筒の点火時期を調整する。
後述するように、各気筒の点火時期を個別に調整した場合、クランクシャフトを介して相互に接続された他の気筒(以下、「補正対象気筒」と称する)のθω_MAXの位相が変化する。そのため、MFB50推定部303は、補正対象気筒の校正曲線を補正し、補正した校正曲線に基づいて、補正対象気筒のMFB50を推定する。
平均値演算部304には、点火時期制御を実施した気筒の調整後の点火時期#n、#n+1がRAM203から入力される。平均値演算部304は、入力された点火時期の平均値(以下、「平均点火時期」と称する)t1を算出する。そして、平均値演算部304は、平均点火時期t1を偏差演算部305に出力する。
偏差演算部305には、補正対象気筒の点火時期(以下、「補正対象気筒点火時期」と称する)t0がRAM203から入力される。そして、偏差演算部305は、平均点火時期t1と補正対象気筒点火時期t0の偏差を演算する。偏差演算部305は、演算した偏差をMFB50推定部303に出力する。
MFB50推定部303は、θω_MAX検知部302から出力された補正対象気筒のθω_MAXを用いて、補正前の校正曲線により補正前MFB50を推定する。また、MFB50推定部303は、加算部307と、校正曲線補正部306を有している。加算部307は、推定した補正前MFB50に、偏差演算部305から出力された偏差を足し合わせる。加算部307により足し合わせた値が補正後MFB50となる。そして、加算部307は、補正後MFB50を校正曲線補正部306に出力する。
校正曲線補正部306は、補正後MFB50に基づいて、補正対象気筒の校正曲線を補正する。そして、MFB50推定部303は、補正された校正曲線と、θω_MAX検知部302から出力されたθω_MAXを用いて、補正対象気筒のMFB50を推定する。また、MFB50推定部303は、推定した補正対象気筒のMFB50を点火出力回路208に出力する。そして、点火出力回路は、MFB50推定部303から出力された推定MFB50に基づいて、補正対象気筒の点火時期を制御する。
1-2.点火時期制御
次に、上述した構成を有する内燃機関制御装置200における点火時期制御について説明する。以下に示す例では、3気筒エンジンを例として説明する。
次に、上述した構成を有する内燃機関制御装置200における点火時期制御について説明する。以下に示す例では、3気筒エンジンを例として説明する。
[平均点火時期制御]
まず、図4及び図5を参照して従来の点火時期制御として平均点火時期制御について説明する。
図4は、従来の平均点火時期制御を示す説明図、図5は、従来の平均点火時期制御の制御例を示す図である。図5における各グラフには、上部に筒内圧と点火時期及び燃焼重心であるMFB50を図示している。そして、図5における各グラフの下部には、回転数とその極大値であるθω_MAXが図示されている。また、図5に示すように、各気筒のθω_MAXとMFB50に関する校正曲線は、全気筒の点火時期が共通の条件で作成されている。
まず、図4及び図5を参照して従来の点火時期制御として平均点火時期制御について説明する。
図4は、従来の平均点火時期制御を示す説明図、図5は、従来の平均点火時期制御の制御例を示す図である。図5における各グラフには、上部に筒内圧と点火時期及び燃焼重心であるMFB50を図示している。そして、図5における各グラフの下部には、回転数とその極大値であるθω_MAXが図示されている。また、図5に示すように、各気筒のθω_MAXとMFB50に関する校正曲線は、全気筒の点火時期が共通の条件で作成されている。
図4に示すように、従来の点火時期制御では、まずクランク角センサが検出した信号から最大角速度であるθω_MAXを検出する。なお、θω_MAXは、各気筒で共通である。次に、このθω_MAXを用いて、図5に示す各気筒の校正曲線から各気筒のMFB50を推定する。また、推定した各気筒のMFB50の平均値である平均MFB50を算出する。そして、平均MFB50が適切なMFB50となるように点火時期taを算出する。また、算出された点火時期taは、図5に示すように、各気筒で共通である。そして、算出された点火時期taが点火出力回路に出力されて、各気筒の点火プラグが算出された点火時期taに基づいて点火する。
なお、気筒毎に適切な点火時期を設定することで、内燃機関の燃焼効率を向上させることが可能である。そのため、気筒毎に固有の点火時期を指示する気筒別点火時期制御が用いられている。
[気筒別点火時期制御]
次に、図6から図10を参照して本例の点火時期制御、すなわち気筒別に点火時期を制御する方法について説明する。
図6は、気筒別点火時期制御を示す説明図、図7、図8及び図10は、気筒別点火時期制御の制御例を示す図である。図7、図8及び図10における各グラフには、上部に筒内圧と点火時期及び燃焼重心であるMFB50を図示している。そして、図7、図8及び図10における各グラフの下部には、回転数とその極大値であるθω_MAXが図示されている。
次に、図6から図10を参照して本例の点火時期制御、すなわち気筒別に点火時期を制御する方法について説明する。
図6は、気筒別点火時期制御を示す説明図、図7、図8及び図10は、気筒別点火時期制御の制御例を示す図である。図7、図8及び図10における各グラフには、上部に筒内圧と点火時期及び燃焼重心であるMFB50を図示している。そして、図7、図8及び図10における各グラフの下部には、回転数とその極大値であるθω_MAXが図示されている。
図6に示すように、気筒別点火時期制御では、クランク角センサが検出した信号から最大角速度であるθω_MAXを検出する。また、図7に示すように、第1気筒、第2気筒及び第3気筒ごとに、それぞれ燃焼重心であるMFB50と、最大角速度であるθω_MAXの関係を示す校正曲線が設定されている。そして、各気筒の校正曲線により、気筒毎にMFB50を推定する。
気筒別点火時期制御では、推定した各気筒のMFB50が最適なMFB50、すなわち目標MFB50となるように、各気筒の点火時期がそれぞれ算出されて、各気筒の点火時期が調整される。なお、以下の説明では、気筒の点火時期が調整されたときを気筒別点火時期制御が実施されたと判断する。また、気筒別点火時期制御は、例えば、内燃機関100が搭載された車両の走行状態や、推定MFB50と目標MFB50との差が予め設定された閾値を超えた際に、複数の気筒に対して個別に実施される。
また、図7に示す例では、第1気筒と第2気筒のみに気筒別点火時期制御を実施した場合を示している。この第1気筒及び第2気筒が調整後気筒に相当する。また、第1気筒と第2気筒の点火時期の調整幅A1が同じ例を示している。そのため、第1気筒と第2気筒の調整後の点火時期の平均値(以下、「平均点火時期」と称する)t1は、調整後の点火時期と同一である。
図7に示すように、第1気筒と第2気筒の点火時期が変化したため、第1気筒及び第2気筒のMFB50の位相が変化する。そのため、θω_MAXの位相も調整幅B1で変化する。このように、第1気筒及び第2気筒は、MFB50とθω_MAXの位相が共に変化するため、第1気筒及び第2気筒の校正曲線は、変化しない。
図8は、気筒別点火時期制御による校正曲線の変化を示す図である。
ここで、第1気筒、第2気筒及び第3気筒は、クランクシャフトを介して相互に接続されている。図8に示すように、第1気筒及び第2気筒のMFB50の位相変化が、第3気筒へ伝播し、第3気筒のθω_MAXが第1気筒及び第2気筒と同様に変化する。しかしながら、第3気筒の点火時期は、調整されていないため、第3気筒のMFB50の位相は変化しない。
ここで、第1気筒、第2気筒及び第3気筒は、クランクシャフトを介して相互に接続されている。図8に示すように、第1気筒及び第2気筒のMFB50の位相変化が、第3気筒へ伝播し、第3気筒のθω_MAXが第1気筒及び第2気筒と同様に変化する。しかしながら、第3気筒の点火時期は、調整されていないため、第3気筒のMFB50の位相は変化しない。
その結果、第3気筒では、θω_MAXの位相のみが変化したため、θω_MAXとMFB50の関係を示す実際の校正曲線は、点線から実線に遷移する。そのため、図8に示す点線は、気筒別点火時期制御により他気筒(第1気筒及び第2気筒)のMFB50の位相変化による自気筒(第3気筒)のθω_MAXの位相変化を考慮しない不適切な校正曲線となる。
図9は、不適切な校正曲線で推定した場合の推定MFB50を示す図である。図9の横軸は時間を示している。
図9に示すように、θω_MAXの位相変化を考慮しない不適切な校正曲線でMFB50を推定した場合、第3気筒では、実線で示す推定値である推定MFB50と、点線で示す実測値である真値MFB50との間に大きな乖離が発生する。そのため、MFB50を高精度に推定するためには、校正曲線を点線から実線に補正する処理が必要となる。
図9に示すように、θω_MAXの位相変化を考慮しない不適切な校正曲線でMFB50を推定した場合、第3気筒では、実線で示す推定値である推定MFB50と、点線で示す実測値である真値MFB50との間に大きな乖離が発生する。そのため、MFB50を高精度に推定するためには、校正曲線を点線から実線に補正する処理が必要となる。
ここで、図10に示すように、補正対象気筒(第3気筒)の点火時期t0と、気筒別点火時期制御を実施した第1気筒及び第2気筒の調整後の点火時期の平均点火時期t1の偏差は、A2となる。そして、補正対象気筒の補正前のMFB50の位相と気筒別点火時期制御を実施することで変化した気筒のMFB50の偏差をC1とする。このとき、点火時期の偏差A2とMFB50の偏差C1が等しくなることが分かった。そのため、本例の内燃機関制御装置200では、この点火時期の偏差とMFBの偏差の関係を用いて、補正対象気筒の校正曲線を補正している。
次に、図11を参照して校正曲線の補正処理について説明する。
図11は、校正曲線の補正処理の概要を示す説明図である。
図11に示すように、クランク角センサが検出した信号から最大角速度であるθω_MAXを検出する。そして、補正対象気筒における補正前の校正曲線と検出したθω_MAXから補正前のMFB50が推定される。次に、気筒別点火時期制御を実施した気筒の調整後の点火時期の平均点火時期t1と補正対象気筒の点火時期t0の偏差(差分)A2を算出する。そして、推定した補正前のMFB50に算出した偏差A2を加算することで、校正曲線が補正される。
図11は、校正曲線の補正処理の概要を示す説明図である。
図11に示すように、クランク角センサが検出した信号から最大角速度であるθω_MAXを検出する。そして、補正対象気筒における補正前の校正曲線と検出したθω_MAXから補正前のMFB50が推定される。次に、気筒別点火時期制御を実施した気筒の調整後の点火時期の平均点火時期t1と補正対象気筒の点火時期t0の偏差(差分)A2を算出する。そして、推定した補正前のMFB50に算出した偏差A2を加算することで、校正曲線が補正される。
なお、上述した例では、偏差A2を加算することで校正曲線を補正する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、偏差A2から補正値を算出し、算出した補正値をMFB50に乗算する等その他各種の方法で校正曲線を補正してもよい。
図12は、補正後の校正曲線で推定した場合の推定MFB50を示す図である。図12の横軸は時間を示している。図12における実線は、推定値であり、点線は、実測値である。
図12に示すように、校正曲線を補正することで、補正対象気筒である第3気筒の推定値である推定MFB50を、実測値である真値MFB50に近づけることができる。このように、気筒別点火時期制御を実施した場合でも、MFB50を高精度に推定することができる。
図12に示すように、校正曲線を補正することで、補正対象気筒である第3気筒の推定値である推定MFB50を、実測値である真値MFB50に近づけることができる。このように、気筒別点火時期制御を実施した場合でも、MFB50を高精度に推定することができる。
2.燃焼重心(MFB50)の推定動作例
2-1.第1の推定動作作例
次に、本例の内燃機関制御装置200で実施されるMFB50の第1の推定動作例について図13を参照して説明する。
図13は、MFB50の第1の推定動作例を示すフローチャートである。図13に示す第1の推定動作例では、3気筒エンジンにおける第1気筒と第2気筒に対して気筒別点火時期制御が実施され、第3気筒のMFB50を推定する動作について説明する。
2-1.第1の推定動作作例
次に、本例の内燃機関制御装置200で実施されるMFB50の第1の推定動作例について図13を参照して説明する。
図13は、MFB50の第1の推定動作例を示すフローチャートである。図13に示す第1の推定動作例では、3気筒エンジンにおける第1気筒と第2気筒に対して気筒別点火時期制御が実施され、第3気筒のMFB50を推定する動作について説明する。
まず、CPU205は、MFB50推定部303が推定した第1気筒及び第2気筒の推定MFB50に基づいて、第1気筒及び第2気筒の点火時期を算出する。すなわち、推定MFB50が目標MFB50に近づくような点火時期を算出する。そして、CPU205は、算出した点火時期に基づいて、CPU205は、第1気筒及び第2気筒の点火時期を調整する気筒別点火時期制御を実施する(ステップS11)。
次に、平均値演算部304は、点火時期制御を実施した第1気筒及び第2気筒の調整後の点火時期をRAM203から取得する。そして、平均値演算部304は、第1気筒及び第2気筒の調整後の点火時期の平均値、すなわち平均点火時期t1を算出する(ステップS12)。
次に、MFB50推定部303は、気筒別点火時期制御を実施していない第3気筒の最大角速度であるθω_MAXと補正前の校正曲線に基づいて、MFB50を求める(ステップS13)。
また、偏差演算部305は、平均点火時期t1と、第3気筒の点火時期t0の偏差A2を算出する(ステップS14)。そして、偏差演算部305は、算出した偏差A2をMFB50推定部303に入力する。MFB50推定部303の加算部307は、ステップS13の処理で求めたMFB50にステップS14の処理で算出した偏差A2を足し合わせ、補正後MFB50を算出する(ステップS15)。
次に、校正曲線補正部306は、ステップS15の処理で算出した補正後MFB50に基づいて、第3気筒の校正曲線を補正する(ステップS16)。以後、MFB50推定部50は、ステップS16の処理で補正した校正曲線に基づいて第3気筒のMFB50を推定する。このように、気筒別点火時期制御を実施したことで生じたθω_MAXの変化を考慮することで、燃焼重心であるMFB50の推定精度を高めることができる。
第1の推定動作例では、第1気筒と第2気筒の複数の気筒に対して気筒別点火時期制御が実施された例を説明し、第1気筒及び第2気筒の調整後の点火時期の平均値を算出する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1気筒に対してのみ気筒別点火時期制御が実施された場合、偏差演算部305は、第1気筒の調整後の点火時期と、気筒別点火時期制御を実施していない第2気筒の点火時期の偏差を算出する。
そして、MFB50推定部303は、この偏差を用いて第2気筒の校正曲線の補正を行う。さらに、偏差演算部305は、第1気筒の調整後の点火時期と、気筒別点火時期制御を実施していない第3気筒の点火時期の偏差を算出する。そして、MFB50推定部303は、この偏差を用いて第3気筒の校正曲線の補正を行う。これにより、気筒別点火時期制御が実施された気筒により生じる他の気筒への影響を考慮することができ、MFB50の推定精度の向上を図ることができる。
また、本例では、MFB50推定部303が気筒ごとに最大角速度であるθω_MAXと、燃料重心であるMFB50の関係を示す校正曲線を有しており、この校正曲線を補正する例を説明したが、これに限定されるものではない。最大角速度であるθω_MAXと、燃料重心であるMFB50の関係を示すものとして、例えば、数式やマップをMFB50推定部303が気筒ごとに有しており、この数式やマップを補正してもよい。
2-2.第2の推定動作例
次に、図14を参照してMFB50の第2の推定動作例について説明する。
図14は、MFB50の第2の推定動作例を示すフローチャートである。図14に示す第2の推定動作例では、4気筒エンジンにおいて、第1気筒、第2気筒及び第3気筒の気筒別点火時期が実施されて、第4気筒の校正曲線を補正した後の状態について説明する。また、図14に示す動作例では、気筒休止制御により第3気筒が休止されるときを想定している。ここで、校正曲線を補正した後に、気筒休止が実施された場合、平均点火時期が変化する可能性がある。そのため、図14に示す動作例では、気筒休止が実施された場合、再度アクティブな気筒、すなわち休止していない気筒の点火時期から平均点火時期を算出している。
次に、図14を参照してMFB50の第2の推定動作例について説明する。
図14は、MFB50の第2の推定動作例を示すフローチャートである。図14に示す第2の推定動作例では、4気筒エンジンにおいて、第1気筒、第2気筒及び第3気筒の気筒別点火時期が実施されて、第4気筒の校正曲線を補正した後の状態について説明する。また、図14に示す動作例では、気筒休止制御により第3気筒が休止されるときを想定している。ここで、校正曲線を補正した後に、気筒休止が実施された場合、平均点火時期が変化する可能性がある。そのため、図14に示す動作例では、気筒休止が実施された場合、再度アクティブな気筒、すなわち休止していない気筒の点火時期から平均点火時期を算出している。
図14に示すように、CPU205は、第1気筒及び第2気筒、第3気筒への気筒別点火時期制御を実施する(ステップS21)。ステップS21の処理において、MFB50推定部303の校正曲線補正部306により、第4気筒の校正曲線は、第1気筒及び第2気筒、第3気筒の調整後の点火時期の平均点火時期と、第4気筒の点火時期との偏差に基づいて補正されている。
次に、CPU205は、内燃機関100に設けた各種センサや指令信号に基づいて、気筒休止検知を実施する(ステップS22)。そして、CPU205は、気筒休止が実施されたか否かを判断する(ステップS23)。ステップS23の処理において、気筒休止が実施されていないと判断した場合(ステップS23のNO判定)、処理が終了する。すなわち、第4気筒のMFB50は、ステップS21の処理で補正された校正曲線に基づいて推定される。
これに対して、ステップS23の処理において、気筒休止が実施されたと判断した場合(ステップS23のYES判定)、平均値演算部304は、休止していない気筒である第1気筒及び第2気筒の調整後の点火時期の平均値(平均点火時期)を算出する(ステップS24)。
次に、MFB50推定部303は、気筒別点火時期制御を実施していない第4気筒の最大角速度であるθω_MAXと補正前の校正曲線に基づいて、MFB50を求める(ステップS25)。
また、偏差演算部305は、ステップS24で再算出した平均点火時期と、第4気筒の点火時期の偏差を算出する(ステップS26)。そして、偏差演算部305は、算出した偏差をMFB50推定部303に入力する。MFB50推定部303の加算部307は、ステップS25の処理で求めたMFB50にステップS26の処理で算出した偏差を足し合わせ、補正後MFB50を算出する(ステップS27)。
次に、校正曲線補正部306は、ステップS27の処理で算出した補正後MFB50に基づいて、第4気筒の校正曲線を補正する(ステップS28)。以後、MFB50推定部50は、ステップS28の処理で補正した校正曲線に基づいて第4気筒のMFB50を推定する。なお、休止している第3気筒がアクティブになった際は、平均値演算部304は、再び気筒別点火時期制御が実施され、かつアクティブ(燃焼状態)な気筒の点火時期の平均値を算出する。
このように、気筒の休止及び燃焼の状態を検出し、アクティブな気筒の点火時期のみで平均点火時期を算出することで、補正対象気筒の校正曲線を適切に補正することができ、MFB50の推定精度を高めることができる。
2-3.第3の推定動作例
次に、図15を参照してMFB50の第3の推定動作例について説明する。
図15は、MFB50の第3の推定動作例を示す説明図である。図15に示す第3の推定動作例では、4気筒エンジンにおいて、第1気筒及び第2気筒、第3気筒、第4気筒の全ての気筒に対して気筒別点火時期制御が実施された場合について説明する。
次に、図15を参照してMFB50の第3の推定動作例について説明する。
図15は、MFB50の第3の推定動作例を示す説明図である。図15に示す第3の推定動作例では、4気筒エンジンにおいて、第1気筒及び第2気筒、第3気筒、第4気筒の全ての気筒に対して気筒別点火時期制御が実施された場合について説明する。
図15に示すように、気筒別点火時期制御が実施されることで、第1気筒の点火時期は、点火時期tn1から点火時期tm1に調整され、第2気筒の点火時期は、点火時期tn2から点火時期tm2に調整される。そして、第3気筒の点火時期は、点火時期tn3から点火時期tm3に調整され、第4気筒の点火時期は、点火時期tn4から点火時期tm4に調整される。そのため、各気筒のMFB50の位相も変化する。また、各気筒は、クランクシャフトを介して接続されているため、各気筒のθω_MAXの位相が同様に変化する。
各気筒が個別に点火時期が制御されるため、点火時期の調整幅は、各気筒で異なり、MFB50の位相の変化量にずれが生じる。また、各気筒における調整後の点火時期tm1、tm2、tm3、tm4と平均点火時期t_aveの偏差Δ#1、Δ#2、Δ#3、Δ#4は、各気筒のMFB50とMFB50の平均値MFB50_aveの偏差Δ#1、Δ#2、Δ#3、Δ#4とほぼ等しい。
そのため、平均値演算部304は、既知である各気筒の調整後の点火時期tm1、tm2、tm3、tm4から平均点火時期t_aveを算出する。そして、偏差演算部305は、各気筒の点火時期tm1、tm2、tm3、tm4と平均点火時期t_aveの偏差#1、Δ#2、Δ#3、Δ#4を算出する。また、MFB50推定部50は、θω_MAXと補正前の校正曲線から各気筒のMFB50を推定する。上述したように、各気筒のθω_MAXは、同様に変化するために、補正前の校正曲線から推定されたMFB50は、平均値MFB50_aveとほぼ等しくなる。
そして、MFB50推定部50は、平均値MFB50_aveに偏差演算部305で算出した偏差#1、Δ#2、Δ#3、Δ#4を加算し、各気筒の校正曲線を補正する。その後、MFB50推定部50は、補正後の校正曲線に基づいて、各気筒のMFB50を推定する。これにより、各気筒が個別に点火時期が制御された場合でも、各気筒のMFB50を高精度に推定することができる。
なお、本発明は、上述し、かつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換することも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…エアフローセンサ、 5…シリンダ(気筒)、 6…点火プラグ、 10…ピストン、 11…クランク角センサ、 13…シグナルロータ、 100…内燃機関、 200…内燃機関制御装置(ECU)、 201…入力回路、 202…入出力ポート、 203…RAM、 204…ROM、 205…CPU、 206…スロットル弁駆動回路、 207…燃料噴射装置駆動回路、 208…点火出力回路、 300…燃焼検知部、 301…回転数変換部、 302…θω_MAX検知部(最大回転数検知部)、 303…MFB50推定部(燃焼重心推定部)、 304…平均値演算部、 305…偏差演算部、 306…校正曲線補正部、 307…加算部
Claims (8)
- 複数の気筒の点火時期を個別に調整し、制御する内燃機関制御装置において、
前記気筒に接続されたクランクシャフトのクランク角を内燃機関の回転数に変換する回転数変換部と、
前記回転数変換部が変換した前記回転数の最大値を検知する最大回転数検知部と、
前記回転数の最大値から前記気筒の燃焼重心を推定する燃焼重心推定部と、
複数の前記気筒のうち点火時期が調整された調整後気筒における調整後の点火時期と複数の前記気筒のうち前記調整後気筒とは同一又は異なる補正対象気筒の点火時期との偏差を算出する偏差演算部と、を備え、
前記燃焼重心推定部は、前記偏差演算部が算出した前記偏差に基づいて、前記補正対象気筒の前記燃焼重心を推定する際に用いる前記回転数の最大値と前記燃焼重心との関係を変更する
内燃機関制御装置。 - 前記燃焼重心推定部は、複数の前記気筒ごとに前記回転数の最大値と前記燃焼重心との関係を示す校正曲線を有し、
前記偏差演算部が算出した前記偏差に基づいて、前記補正対象気筒の前記校正曲線を補正する校正曲線補正部を有する
請求項1に記載の内燃機関制御装置。 - 前記燃焼重心推定部は、
前記調整後気筒の前記点火時期を調整した際に変化した前記回転数の最大値に基づいて、前記補正対象気筒の補正前燃焼重心を推定し、
前記校正曲線補正部は、推定した前記補正前燃焼重心に前記偏差を加算することで、前記校正曲線を補正する
請求項2に記載の内燃機関制御装置。 - 前記調整後気筒が複数存在する際に、複数の前記調整後気筒の調整後の点火時期の平均値を算出する平均値演算部を備え、
前記偏差演算部は、前記平均値と前記補正対象気筒の点火時期との偏差を算出する
請求項1に記載の内燃機関制御装置。 - 前記平均値演算部は、複数の前記調整後気筒の休止を検知した際に、複数の前記調整後気筒のうち休止していない気筒の調整後の点火時期の平均値を再び演算し、
前記偏差演算部は、再び演算された前記平均値と前記補正対象気筒の点火時期との偏差を算出する
請求項4に記載の内燃機関制御装置。 - 前記補正対象気筒は、前記調整後気筒と同一の気筒であり、
前記偏差演算部は、前記平均値と前記補正対象気筒の調整後の点火時期との偏差を算出する
請求項4に記載の内燃機関制御装置。 - 前記補正対象気筒は、前記調整後気筒とは異なる気筒である
請求項1に記載の内燃機関制御装置。 - 複数の気筒の点火時期を個別に調整し、制御する内燃機関制御方法において、
前記気筒に接続されたクランクシャフトのクランク角を内燃機関の回転数に変換する処理と、
変換した前記回転数の最大値を検知する処理と、
複数の前記気筒のうち点火時期が調整された調整後気筒における調整後の点火時期と複数の前記気筒のうち前記調整後気筒とは同一又は異なる補正対象気筒の点火時期との偏差を算出する処理と、
前記偏差に基づいて、補正対象気筒の燃焼重心を推定する際に用いる前記回転数の最大値と燃焼重心との関係を変更し、前記補正対象気筒の燃焼重心を推定する処理と、
を含む内燃機関制御方法。
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