JP7420953B2 - ナトリウムアルコキシドおよびカリウムアルコキシドのエネルギー効率に優れた製造方法 - Google Patents

ナトリウムアルコキシドおよびカリウムアルコキシドのエネルギー効率に優れた製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、反応精留による向流でのアルカリ金属アルコキシドの製造方法であって、アルカリ金属がナトリウムおよびカリウムから選択される方法に関する。この方法では、第1のステップで、アルコールを当該アルカリ金属水酸化物と向流で反応させる。得られたアルコールと水との混合物を第2のステップにて精留塔で分離し、得られたアルコール蒸気を圧縮してその温度を上昇させる。圧縮蒸気の冷却時に排出されるエネルギーを、従来の方法とは異なり、本発明による方法の第1のステップで使用することによって活用する。これにより、当該アルカリ金属アルコキシドのエネルギー効率に優れた製造が可能となる。
1.発明の背景
アルカリ金属アルコキシドの製造は、重要な工業プロセスである。
アルカリ金属アルコキシドは、医薬または農薬の有効成分の製造などの多くの化学物質の合成において強塩基として使用されている。さらに、アルカリ金属アルコキシドは、エステル交換反応やアミド化反応の触媒として使用されている。
アルカリ金属アルコキシド(MOR)は、アルカリ金属水酸化物(MOH)とアルコール(ROH)から向流蒸留塔で反応蒸留により製造され、その際、次の反応<1>に従って生成された反応水が留出液とともに除去される。
Figure 0007420953000001
このようなプロセス原理は、例えば米国特許第2,877,274号明細書に記載されており、アルカリ金属水酸化物水溶液とガス状メタノールを精留塔にて向流で反応させる。この方法は、原則的には変わらない形で国際公開第01/42178号にも記載されている。
同様の方法でありながら、さらにベンゼンなどの連行剤を付加的に使用する方法が、英国特許出願公告第377,631号明細書および米国特許第1,910,331号明細書に記載されている。ここで、当該連行剤は、水と水溶性アルコールとを分離させる役割を果たす。どちらの特許明細書でも、反応水を分離するために凝縮物を相分離させる。
相応して、独国特許発明第968903号明細書には、反応塔でアルカリ金属アルコキシドを連続的に製造するための方法が記載されており、この方法では、頂部で取り出された水-アルコール混合物が凝縮され、その後、相分離に供される。ここで、水相は廃棄され、アルコール相は、未使用のアルコールとともに塔の頂部に戻される。同様の方法が欧州特許出願公開第0299577号明細書に記載されており、ここでは凝縮物における水の分離が膜を用いて行われる。工業的に非常に重要なアルカリ金属アルコキシドは、ナトリウムおよびカリウムのアルコキシドであり、特にメトキシドおよびエトキシドが重要である。それらの合成は、例えば欧州特許出願公開第1997794号明細書のような先行技術にしばしば記載されている。
先行技術に記載されている反応精留によるアルカリ金属アルコキシドの合成では、通常、使用したアルコールおよび水を含む蒸気が得られる。経済的な理由から、蒸気に含まれるアルコールを反応蒸留で再び反応物として使用することが合理的である。そのため、通常は蒸気を精留塔に供給し、そこに含まれるアルコールを分離する(例えば、英国特許出願公告第737453号明細書および米国特許第4,566,947号明細書に記載)。こうして回収されたアルコールは、反応物として、例えば反応蒸留に供給される。代替的または追加的に、アルコール蒸気の一部を精留塔の加熱に使用することができる(国際公開第2010/097318号に記載)。しかし、そのためには精留塔を加熱するのに必要な温度レベルに達するまで蒸気を圧縮しなければならない。特に、蒸気の多段圧縮が熱力学的に有利である。この場合、圧縮段階間で蒸気を冷却する。また、中間冷却により、圧縮装置の最大許容温度を超えないようにすることができる。従来の方法で行われるこの冷却の欠点は、その際に取り出されたエネルギーが未使用のまま散逸してしまうことである。
したがって、反応蒸留によるナトリウムおよびカリウムのアルコキシドの製造方法の改良が求められている。この改良により、上記の欠点が回避され、特に蒸気の圧縮および冷却の際に発生する熱のエネルギー効率に優れた利用が可能となることが望ましい。
2.発明の概要
したがって、本発明は、式MOR[式中、Rは、C~C炭化水素基、好ましくはメチル基であり、Mは、ナトリウム、カリウムから選択される金属であり、好ましくはナトリウムである]の少なくとも1つのアルカリ金属アルコキシドの製造方法であって、
(a1)反応精留塔RRで、ROHを含む反応物流SAE1を、MOHを含む反応物流SAE2と向流で反応させて、MORと水とROHとMOHとを含む粗生成物RPを生成し、
RRの下端で、ROHとMORとを含む底部生成物流SAPを取り出し、RRの上端で、水とROHとを含む蒸気流SABを取り出し、
(a2)任意に、ステップ(a1)と同時にかつ空間的に離れた状態で、反応精留塔RRで、ROHを含む反応物流SBE1を、MOHを含む反応物流SBE2と向流で反応させて、MORと水とROHとMOHとを含む粗生成物RPを生成し、ここで、Mは、ナトリウム、カリウムから選択される金属であり、好ましくはカリウムであり、
RRの下端で、ROHとMORとを含む底部生成物流SBPを取り出し、RRの上端で、水とROHとを含む蒸気流SBBを取り出し、
(b)蒸気流SABと、ステップ(a2)を実施する場合には、SABと混合したまたはSABと分離した蒸気流SBB、好ましくはSABと混合した蒸気流SBBとを、精留塔RDに送り、RDにおいて、RDの頂部における、圧力pB2および温度TB2を有し、ROHを含む蒸気流SB2と、RDの底部における水流Sとに分離し、
(c)蒸気流SB2の少なくとも一部を圧縮することにより、SB2よりも圧縮された、圧力pB3(>pB2)および温度TB3(>TB2)の蒸気流SB3を得て、
(d)エネルギーを、SB3からRP、SAE1、SAE2、SAP、SABの少なくとも1つへ伝達させ、ステップ(a2)を実施する場合には、代替的にまたは追加的に、好ましくは追加的に、エネルギーを、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つへ伝達させ、
これにより、SB3よりもエネルギー含有量の少ない蒸気流SB4を得る、方法に関する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、ステップ(e)において、蒸気流SB4は、精留塔RDの加熱に使用され、かつ/または、(好ましくはかつ、)当該塔に返送される。
本発明による方法の一実施形態を示す図である。 本発明による方法の一実施形態を示す図である。
3.図面
図1は、本発明による方法の一実施形態を示し、反応塔RR<100>においてNaOH SAE2<102>とメタノールSAE1<103>とを反応させてナトリウムメトキシド<104>を生成させるものである。反応塔の底部で、メタノール-メトキシド混合物SAP*<104>が取り出される。得られた蒸気SAB<107>は、水/メタノール塔RD<300>に供給され、そこでメタノールが蒸気SB2<302>として蒸留により回収される。蒸気SB2<302>は、圧縮装置VDAB2<303>で予備圧縮され、圧縮装置VD<401>で圧縮されて蒸気SB3<403>となる。中間冷却装置WT<402>で蒸気SB3<403>を圧縮した後に排出されたエネルギーは、反応塔RR<100>の底部の蒸発器VSA<105>に供給される。エネルギーの排出後、得られた蒸気SB4<404>は、任意に圧縮装置VD<405>により再度圧縮され、その後得られた蒸気SB5<409>は、加熱のため、精留塔RD<300>の底部の蒸発器VSRD<406>に供給される。
図2は、本発明による方法の一実施形態を示し、NaOH SAE2<102A>およびKOH SBE2<102B>をそれぞれ、2つの別々の反応塔RR<100A>、RR<100B>でメタノールSAE2<103A>またはSBE2<103B>と反応させて、各メトキシドを生成するものである。各反応塔の底部でそれぞれ、メタノール-メトキシド混合物SAP*<104A>またはSBP*<104B>が取り出される。得られた蒸気は、混合物<107C>として水/メタノール塔RD<300>に供給され、そこでメタノールは蒸気SB2<302>として蒸留により回収される。これが圧縮装置VDAB2<303>で予備圧縮され、圧縮装置VD<401>で圧縮されて圧縮蒸気SB3<403>が生成される。圧縮蒸気SB3<403>から中間冷却装置WT<402>で排出されたエネルギーは、反応塔RR<100A>の底部の蒸発器VSA<105A>と、反応塔RR<100B>の底部の蒸発器VSB<105B>とに供給される。中間冷却装置WT<402>の後、得られた蒸気SB4<404>は、任意にさらなる圧縮装置VD<405>を通り、蒸気SB5<409>として、加熱のため、精留塔RD<300>の底部の蒸発器VSRD<406>に供給される。
4.発明の詳細な説明
4.1 本発明による方法のステップ(a1)
本発明による方法のステップ(a1)において、反応精留塔RRで、ROHを含む反応物流SAE1を、MOHを含む反応物流SAE2と向流で反応させて、MORと水とROHとMOHとを含む粗生成物RPを生成する。
本発明によれば、「反応精留塔」とは、少なくとも部分的に、本発明による方法のステップ(a1)またはステップ(a2)による反応が進行する精留塔と定義される。これは、「反応塔」と略されることもある。
本発明による方法のステップ(a1)において、RRの下端で、ROHとMORとを含む底部生成物流SAPを取り出す。RRの上端で、水とROHとを含む蒸気流SABを取り出す。
Rは、本発明による方法において、C~C炭化水素基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基の異性体、例えばn-ペンチル基からなる群から選択され、より好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基からなる群から選択され、さらにより好ましくは、メチル基、エチル基からなる群から選択される。特に好ましくは、Rはメチル基であり、したがってROHはメタノールである。
は、ナトリウム、カリウムから選択され、好ましくはナトリウムである。
反応物流SAE1は、ROHを含む。好ましい実施形態では、SAE1中のROHの質量分率は、95質量%以上、さらにより好ましくは99質量%以上であり、SAE1は、それ以外に特に水を含む。
本発明による方法のステップ(a1)において反応物流SAE1として使用されるアルコールROHは、アルコールの質量分率が99.8質量%超であり水の質量分率が最大0.2質量%である市販のアルコールであってもよい。
反応物流SAE1は、好ましくは蒸気の状態で添加される。
反応物流SAE2は、MOHを含む。好ましい実施形態では、SAE2は、MOHに加えて、水、ROHから選択される少なくとも1つのさらなる化合物を含む。さらにより好ましくは、SAE2は、MOHに加えて水を含み、この場合、SAE2は、MOHの水溶液である。
反応物流SAE2がMOHおよび水を含む場合、SAE2を形成する水溶液の全質量に対するMOHの質量分率は、特に10~55質量%、好ましくは15~54質量%、より好ましくは30~53質量%、特に好ましくは45~52質量%の範囲である。特に好ましくは、水溶液中のMOHの割合は、50質量%である。
反応物流SAE2がMOHおよびROHを含む場合、SAE2を形成する溶液の全質量に対するROH中のMOHの質量分率は、特に10~55質量%、好ましくは15~54質量%、より好ましくは30~53質量%、特に好ましくは45~52質量%の範囲である。
反応物流SAE2がMOHに加えて水とROHの双方を含む特定の場合、SAE2を形成する溶液の全質量に対する、ROH中のMOH、および水の質量分率が、特に10~55質量%、好ましくは15~54質量%、より好ましくは30~53質量%、特に好ましくは45~52質量%の範囲であることが特に好ましい。
本発明による方法のステップ(a1)は、反応精留塔(または「反応塔」)RRで実施される。
本発明による方法のステップ(a2)は、反応精留塔(または「反応塔」)RRで実施される。
好ましくは、反応塔RRまたはRRは、内部構造物を含む。適切な内部構造物は、例えば、トレイ、規則充填物または不規則充填物である。反応塔RRまたはRRがトレイを含む場合、バブルキャップトレイ、バルブトレイ、トンネルキャップトレイ、トルマントレイ、クロススリットバブルキャップトレイまたはシーブトレイが適切である。反応塔RRまたはRRがトレイを含む場合、好ましくは、それらのトレイは、液体の最大5質量%、好ましくは1質量%未満がそれぞれのトレイを通過するように選択される。液体の適下を最小限に抑えるために必要な設計上の対策は、当業者にはよく知られている。バルブトレイの場合には、例えば特に密閉性の高いバルブ設計が選択される。バルブの数を減らすことで、さらに、トレイ開口部の蒸気速度を通常設定される値の2倍にまで高めることができる。シーブトレイを使用する場合には、トレイ開口部の直径を小さくし、開口部の数を維持またはさらには増加させることが特に有利である。
規則充填物または不規則充填物を使用する場合、液体の均一な分配の観点から規則充填物が好ましい。さらに、本実施形態では、全塔断面の2%超に相当する塔断面の全ての部分において、液体に関して、蒸気流に対する液体流の平均比率は15%を超えてはならず、好ましくは3%を超えてはならない。このように液量を低く抑えることで、ワイヤーメッシュの毛管効果により、液体トリクル密度の局所的なピーク値を排除することが可能になる。
不規則充填物を備えた塔、特にランダム充填物を備えた塔、および規則充填物を備えた塔において、液体分配の所望の特性は、塔全断面の約2~5%に相当する、塔ジャケットに隣接する塔断面の縁領域における液体トリクル密度を、他の断面領域と比べて最大100%、好ましくは5~15%低減することによって達成することが可能である。これは、例えば、液体分配器の滴下箇所やその孔を狙い通りに分配することで容易に実現できる。
本発明による方法は、連続的または非連続的に実施することができる。好ましくは、本発明による方法は、連続的に実施される。
本発明によれば、「ROHを含む反応物流SAE1を、MOHを含む反応物流SAE2と向流で反応させる」ことは、特に、反応塔RRでのステップ(a1)におけるROHを含む反応物流SAE1の少なくとも一部の添加箇所が、MOHを含む反応物流SAE2の添加箇所の下方に位置することによって達成される。
反応塔RRは、好ましくは、反応物流SAE1の添加箇所と反応物流SAE2の添加箇所との間に、少なくとも2、特に15~40の理論段を含む。
反応塔RRは、純粋なストリッピング塔として運転することが好ましい。したがって特に、ROHを含む反応物流SAE1は、反応塔RRの下方領域において蒸気状で供給される。本発明による方法のステップ(a1)は、ROHを含む反応物流SAE1の一部が、アルカリMOHを含む反応物流SAE2の添加箇所の下方であるが、反応塔RRの上端または上端の領域にて蒸気状で添加される場合をも含む。これにより、反応塔RRの下方領域の寸法を小さくすることができる。ROH、特にメタノールを含む反応物流SAE1の一部が、反応塔RRの上端または上端の領域で、特に蒸気状で添加される場合、(それぞれステップ(a1)で使用されるアルコールROHの全量に対して)10~70質量%、好ましくは30~50質量%の部分量のみが、反応塔RRの下端で投入され、残りの部分量は、単一の流れで、または複数の部分流に分けて、好ましくは1~10の理論段、特に好ましくは1~3の理論段で、MOHを含む反応物流SAE2の添加箇所の下方にて蒸気状で添加される。
反応塔RRにおいて、ROHを含む反応物流SAE1とMOHを含む反応物流SAE2とを前記反応<1>に従って反応させて、MORおよびHOが生成される。これは平衡反応であるため、これらの生成物は、反応物ROHおよびMOHと混在する。したがって、本発明による方法のステップ(a1)では、反応塔RRにおいて、生成物MORおよび水に加えてさらにROHおよびMOHをも含む粗生成物RPが得られる。
RRの下端では、ROHとMORとを含む底部生成物流SAPが得られ、これが取り出される。
RRの上端、好ましくはRRの塔頂部で、上記で「水とROHとを含む蒸気流SAB」と称された、なおも水を含むアルコール流が取り出される。
この水とROHとを含む蒸気流SABは、本発明による方法のステップ(b)に供給される。ステップ(b)の蒸留で得られたアルコールの一部を、流れSB2、SB3、SB4の少なくとも1つの一部として反応塔RRに反応物流SAE1として供給することができる。
好ましくは、反応物流SAE1に含まれるアルコールROHの量は、それが同時に底部生成物流SAPで得られるアルカリアルコキシドMORの溶媒としても作用するように選択される。好ましくは、反応物流SAE1中のアルコールROHの量は、所望の濃度のアルカリアルコキシド溶液が反応塔の底部に存在し、これがROHとMORとを含む底部生成物流SAPとして取り出されるように選択される。
本発明による方法の好ましい実施形態では、特に、SAE2がMOHに加えて水をも含む場合、ステップ(a1)において反応物流SAE1として使用されるアルコールROHの全質量(質量;単位:kg)と、ステップ(a1)において反応物流SAE2として使用されるMOHの全質量(質量;単位:kg)との比は、4:1~50:1、より好ましくは9:1~48:1、さらにより好ましくは13:1~35:1、なおもさらにより好ましくは22:1~30:1である。
反応塔RRは、還流を伴うかまたは伴わずに、好ましくは還流を伴わずに運転される。
「還流を伴わない」とは、RRの上端で取り出された水とROHとを含む蒸気流SABが、ステップ(b)による精留塔RDに完全に供給されることを意味する。その場合、水とROHとを含む蒸気流SABは、精留塔RDに蒸気状で供給されることが好ましい。
「還流を伴う」とは、各塔の上端で、ステップ(a1)では反応塔RRの上端で、取り出された水とROHとを含む蒸気流SABが完全に排出されるのではなく、すなわちステップ(b)において蒸気流SABが精留塔RDに完全に供給されるのではなく、少なくとも一部、好ましくは一部が、各塔に、ステップ(a1)では反応塔RRに、還流として再度供給されることを意味する。このような還流を設定する場合、還流比は、好ましくは0.05~0.99、より好ましくは0.1~0.9、さらにより好ましくは0.11~0.34、特に好ましくは0.14~0.27、非常に特に好ましくは0.17~0.24である。還流は、各塔の頂部に、ステップ(a1)では反応塔RRの頂部に、冷却器KRRAを設置し、そこで蒸気流SABを少なくとも部分的に凝縮して、各塔に、ステップ(a1)では反応塔RRに、再度供給することにより、設定することができる。還流比とは、一般に、また本発明の趣意において、液状(還流)で各塔に返送される質量流量(kg/h)と、液状(留出液)またガス状(蒸気)で各塔から排出される質量流量(kg/h)との比を意味する。
反応塔RRにおいて還流が設定される実施形態では、ステップ(a1)において反応物流SAE2として使用されるMOHを、少なくとも部分的に還流の流れと混合し、得られた混合物をステップ(a1)に供給してもよい。
本発明による方法のステップ(a1)は、特に、45℃~150℃、好ましくは47℃~120℃、より好ましくは60℃~110℃の範囲の温度で、0.5bar~40bar、好ましくは0.75bar~5barの範囲、より好ましくは1bar~2barの範囲、より好ましくは1bar~1.5barの範囲の圧力で、さらにより好ましくは周囲圧力(1bar)で実施される。
好ましい実施形態では、反応塔RRは、特に中間蒸発器VZAおよび底部蒸発器VSAから選択される少なくとも1つの蒸発器を含む。反応塔RRは、特に好ましくは、少なくとも1つの底部蒸発器VSAを含む。
本発明によれば、「中間蒸発器」VZAおよびVZBとは、各塔の底部の上方、特に反応塔RRまたはRRの底部の上方に存在する蒸発器を意味する。その中で、特に粗生成物RPまたはRPを蒸発させる。
本発明によれば、各塔の底部、特に反応塔RRまたはRRの底部を加熱する蒸発器を「底部蒸発器」VSAおよびVSBと称する。その中で、底部生成物流SAPまたはSBPを蒸発させる。
蒸発器は、通常、各反応塔または精留塔の外側に配置されている。蒸発器で蒸発させる混合物は、抜出部を通じて塔から抜き出され、少なくとも1つの蒸発器に供給される。反応塔RRまたはRRの場合、これは、粗生成物RPまたはRPの中間蒸発の際に抜き出されて少なくとも1つの中間蒸発器VZAまたはVZBに供給される。蒸発した混合物は、場合により液体が残った状態で、注入部を通じて再度各塔に返送される。蒸発器が中間蒸発器、すなわち特に中間蒸発器VZAまたはVZBである場合には、各混合物が抜き出されて蒸発器に供給される抜出部は、側方抜出部であり、蒸発した各混合物が塔に再度供給される注入部は、側方注入部である。蒸発器が底部蒸発器である場合、すなわち塔底部を加熱する場合、つまり特に底部蒸発器VSAまたはVSBである場合、底部抜出流の少なくとも一部、特にSAPまたはSBPは底部蒸発器Vに供給されて蒸発され、底部領域で再度各塔に返送される。しかし代替的に、例えば、中間蒸発器の使用時に適切なトレイ上に、または各塔の底部に管を形成して、この中に各圧縮蒸気流SB3または熱媒体Wを流すことも可能である。この場合、蒸発は塔のトレイ上または塔底部で行われる。ただし、蒸発器は各塔の外側に配置することが好ましい。
中間蒸発器および底部蒸発器として使用できる好適な蒸発器は、例えば、自然循環式蒸発器、強制循環式蒸発器、膨張部を備えた強制循環式蒸発器、蒸気ボイラ、薄膜落下式蒸発器または薄膜式蒸発器である。自然循環式蒸発器や強制循環式蒸発器では、蒸発器の熱交換器として通常はチューブバンドルやプレート式装置が使用される。チューブバンドル式熱交換器を用いる場合、圧縮蒸気流SB3または熱媒体Wが管の中を流れ、蒸発させる混合物が管の周囲を流れてもよいし、圧縮蒸気流SB3または熱媒体Wが管の周囲を流れ、蒸発させる混合物が管の中を流れてもよい。薄膜落下式蒸発器の場合には、通常、蒸発させる混合物を管の内側に薄膜として加え、管を外側から加熱する。薄膜式蒸発器では、薄膜落下式蒸発器とは異なり、さらにワイパー付きロータが設けられており、これにより、蒸発させる液体を管の内壁に分散させて薄膜を形成する。
しかし、上記のものに加えて、精留塔での使用に適した当業者に知られている他の任意のタイプの蒸発器も使用することができる。
中間蒸発器が圧縮蒸気流SB3または熱媒体Wを加熱蒸気として用いて運転される蒸発器である場合、中間蒸発器は、反応塔RRのストリッピング部において反応物流SAE1の注入箇所の領域に、または反応塔RRの場合には反応物流SBE1の注入箇所の領域に配置されていると好ましい。これにより、加熱エネルギーの大部分を中間蒸発器により導入することができる。例えば、エネルギーの80%超を中間蒸発器により導入することができる。本発明によれば、中間蒸発器は、蒸留に必要な全エネルギーの50%超、特に75%超がこれにより導入されるように配置および/または設計されることが好ましい。
中間蒸発器を使用する場合、反応塔RRまたはRRが、中間蒸発器の下方に1~50の理論段を有し、中間蒸発器の上方に1~200の理論段を有するように中間蒸発器を配置すると特に有利である。特に、反応塔RRまたはRRが、中間蒸発器の下方に2~10の理論段を有し、中間蒸発器の上方に20~50の理論段を有すると好ましい。
粗生成物RPまたはRPが中間蒸発器VZAまたはVZBに供給される側方抜出部と、蒸発した粗生成物RPまたはRPが中間蒸発器VZAまたはVZBから各反応塔RRまたはRRに再度供給される側方注入部とは、反応塔の同じトレイの間に配置することが可能である。ただし、側方抜出部と側方注入部とが異なる高さに位置することも可能である。
好ましい実施形態では、中間蒸発器RRまたはRRを用いる場合、中間蒸発器RRまたはRRの上方の反応塔RRまたはRRの直径は、中間蒸発器RRまたはRRの下方の反応塔RRまたはRRの直径より大きい。これには、投資コストを抑えられるという利点がある。
このような中間蒸発器VZAでは、反応塔RRに存在するMORと水とROHとMOHとを含む液状粗生成物RPをガス状に変換することができるため、本発明による方法のステップ(a1)による反応の効率が向上する。
反応塔RRの上方領域に1つ以上の中間蒸発器VZAを配置することで、反応塔RRの下方領域の寸法を小さくすることができる。少なくとも1つ、好ましくは複数の中間蒸発器VZAを有する実施形態では、ROHの部分流を液状で反応塔RRの上方領域に供給することも可能である。
本発明によれば、底部蒸発器は、反応塔RRまたはRRの底部に配置され、「VSA」または「VSB」と称される。このような底部蒸発器において、反応塔RRまたはRRに存在する底部生成物流SAPまたはSBPを通し、そこからROHを少なくとも部分的に除去することができ、それにより、SAPに対してMORの質量分率が増加した底部生成物流SAP*、またはSBPに対してMORの質量分率が増加した底部生成物流SBP*が得られる。
本発明による方法のステップ(a1)において、反応塔RRの下端で、ROHとMORとを含む底部生成物流SAPが取り出される。
反応塔RRが少なくとも1つの底部蒸発器VSAを含み、それに底部生成物流SAPが少なくとも部分的に通され、ROHがそれから少なくとも部分的に除去されることが好ましく、それにより、SAPに対してMORの質量分率が増加した底部生成物流SAP*が得られる。このさらなる好ましい実施形態では、ステップ(d)において、SB3またはWが少なくとも部分的に底部蒸発器VSAに通され、エネルギーがSB3またはWから底部生成物流SAPへ伝達され、特にSB3またはWが蒸発器VA1の加熱に利用されると、さらに有利である。Wは、RP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBPまたはSBBとは異なる熱媒体であって、SB3から少なくとも1つの熱媒体Wへエネルギーが伝達されるように、SB3に接触している(第4.5節参照)。
ここで、底部生成物流SAP*のMORの質量分率は、特に底部生成物流SAPのMORの質量分率と比較して、少なくとも1%、好ましくは2%以上、より好ましくは5%以上、さらにより好ましくは10%以上、なおもさらにより好ましくは20%以上、なおもさらにより好ましくは30%以上、なおもさらにより好ましくは40%以上、なおもさらにより好ましくは50%以上、なおもさらにより好ましくは100%以上、なおもさらにより好ましくは150%以上増加している。
好ましくは、SAPは、または少なくとも1つの底部蒸発器VSAが使用され、これに底部生成物流SAPが少なくとも部分的に通され、そこからROHが少なくとも部分的に除去される場合にはSAP*は、SAPの全質量に対してそれぞれ1~50質量%、好ましくは5~32質量%、より好ましくは15~32質量%、最も好ましくは30~32質量%の範囲の、ROH中のMORの質量分率を有する。
ここで、SAPまたはSAP*中の残留水の質量分率は、好ましくは、SAPの全質量に対して、1質量%未満、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満である。
ここで、SAPまたはSAP*中の反応物MOHの質量分率は、好ましくは、SAPの全質量に対して、1質量%未満、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満である。
4.2 本発明による方法のステップ(a2)(任意)
本発明によれば、ステップ(a2)は任意に実施される。本発明による方法のステップ(a1)と同時にかつ空間的に離れた状態で進行する任意のステップ(a2)において、反応精留塔RRで、ROHを含む反応物流SBE1を、MOHを含む反応物流SBE2と向流で反応させて、MORと水とROHとMOHとを含む粗生成物RPを生成する。
本発明による方法のステップ(a2)において、RRの下端で、ROHとMORとを含む底部生成物流SBPが取り出される。RRの上端では、水とROHとを含む蒸気流SBBが取り出される。
は、ナトリウム、カリウムから選択され、好ましくはカリウムである。
反応物流SBE1は、ROHを含む。好ましい実施形態では、SBE1中のROHの質量分率は、95質量%以上、さらにより好ましくは99質量%以上であり、SBE1は、それ以外に特に水を含む。
本発明による方法のステップ(a2)において反応物流SBE1として使用されるアルコールROHは、アルコールの質量分率が99.8質量%超であり水の質量分率が最大0.2質量%である市販のアルコールであってもよい。
反応物流路SBE1は、好ましくは蒸気の状態で添加される。
反応物流SBE2は、MOHを含む。好ましい実施形態では、SBE2は、MOHに加えて、水、ROHから選択される少なくとも1つのさらなる化合物を含む。さらにより好ましくは、SBE2は、MOHに加えて水を含み、この場合、SBE2は、MOHの水溶液である。
反応物流SBE2がMOHおよび水を含む場合、SBE2を形成する水溶液の全質量に対するMOHの質量分率は、特に10~55質量%、好ましくは15~54質量%、より好ましくは30~53質量%、特に好ましくは45~52質量%の範囲である。特に好ましくは、水溶液中のMOHの量は、50質量%である。
反応物流SBE2がMOHおよびROHを含む場合、SBE2を形成する溶液の全質量に対するROH中のMOHの質量分率は、特に10~55質量%、好ましくは15~54質量%、より好ましくは30~53質量%、特に好ましくは45~52質量%の範囲である。
反応物流SBE2がMOHに加えて水とROHの双方を含む特定の場合、SBE2を形成する溶液の全質量に対する、ROH中のMOH、および水の質量分率が、特に10~55質量%、好ましくは15~54質量%、より好ましくは30~53質量%、特に好ましくは45~52質量%の範囲であることが特に好ましい。
本発明による方法のステップ(a2)は、反応精留塔(または「反応塔」)RRで実施される。反応塔RRの好ましい実施形態は、第4.1節に記載されている。
本発明によれば、「ROHを含む反応物流SBE1を、MOHを含む反応物流SBE2と向流で反応させる」ことは、特に、反応塔RRでのステップ(a2)におけるROHを含む反応物流SBE1の少なくとも一部の添加箇所が、MOHを含む反応物流SBE2の添加箇所の下方に位置することによって達成される。
反応塔RRは、好ましくは、反応物流SBE1の添加箇所と反応物流SBE2の添加箇所との間に少なくとも2、特に15~40の理論段を含む。
反応塔RRは、純粋なストリッピング塔として運転することが好ましい。したがって特に、ROHを含む反応物流SBE1は、反応塔RRの下方領域において蒸気状で供給される。本発明による方法のステップ(a2)は、ROHを含む反応物流SBE1の一部が、アルカリMOHを含む反応物流SBE2の添加箇所の下方であるが、反応塔RRの上端または上端の領域にて蒸気状で添加される場合をも含む。これにより、反応塔RRの下方領域の寸法を小さくすることができる。ROH、特にメタノールを含む反応物流SBE1の一部が、反応塔RRの上端または上端の領域で、特に蒸気状で添加される場合、(それぞれステップ(a2)で使用されるアルコールROHの全量に対して)10~70質量%、好ましくは30~50質量%の部分量のみが、反応塔RRの下端で投入され、残りの部分量は、単一の流れで、または複数の部分流に分けて、好ましくは1~10の理論段、特に好ましくは1~3の理論段で、MOHを含む反応物流SBE2の添加箇所の下方にて蒸気状で添加される。
反応塔RRにおいて、ROHを含む反応物流SBE1とMOHを含む反応物流SBE2とを前記反応<1>に従って反応させて、MORおよびHOが生成される。これは平衡反応であるため、これらの生成物は、反応物ROHおよびMOHと混在する。したがって、本発明による方法のステップ(a2)では、反応塔RRにおいて、生成物MORおよび水に加えてさらにROHおよびMOHをも含む粗生成物RPが得られる。
RRの下端では、ROHとMORとを含む底部生成物流SBPが得られ、これが取り出される。
RRの上端、好ましくはRRの塔頂部で、上記で「水とROHとを含む蒸気流SBB」と称された、なおも水を含むアルコール流が取り出される。
この水とROHとを含む蒸気流SBBは、本発明による方法のステップ(b)に供給される。ここで、蒸気流SBBは、本発明による方法のステップ(b)に供給される前にSABと混合して、または混合せずに、すなわちSABとは別に、本発明による方法のステップ(b)に供給される。好ましくは、蒸気流SBBはSABと混合され、その後、この混合物は本発明による方法のステップ(b)に供給される。ステップ(b)の蒸留で得られたアルコールの一部を、流れSB2、SB3、SB4の少なくとも1つの一部として反応塔RRに反応物流SBE1として供給することができる。
好ましくは、反応物流SBE1に含まれるアルコールROHの量は、それが同時に底部生成物流SBPで得られるアルカリアルコキシドMORの溶媒としても作用するように選択される。好ましくは、反応物流SBE1中のアルコールROHの量は、所望の濃度のアルカリアルコキシド溶液が反応塔の底部に存在し、これがROHとMORとを含む底部生成物流SBPとして取り出されるように選択される。
本発明による方法の好ましい実施形態では、特に、SBE2がMOHに加えて水をも含む場合、ステップ(a2)において反応物流SBE1として使用されるアルコールROHの全質量(質量;単位:kg)と、ステップ(a2)において反応物流SBE2として使用されるMOHの全質量(質量;単位:kg)との比は、4:1~50:1、より好ましくは9:1~48:1、さらにより好ましくは13:1~35:1、なおもさらにより好ましくは22:1~30:1である。
反応塔RRは、還流を伴うかまたは伴わずに、好ましくは還流を伴わずに運転される。
「還流を伴わない」とは、RRの上端で取り出された水とROHとを含む蒸気流SBBが、ステップ(b)による精留塔RDに完全に供給されることを意味する。その場合、水とROHとを含む蒸気流SBBは、精留塔RDに蒸気状で供給されることが好ましい。
「還流を伴う」とは、各塔の上端で、ステップ(a2)では反応塔RRの上端で、取り出された水とROHとを含む蒸気流SBBが完全に排出されるのではなく、すなわちステップ(b)において蒸気流SBBが精留塔RDに完全に供給されるのではなく、少なくとも一部、好ましくは一部が、各塔に、ステップ(a2)では反応塔RRに、還流として再度供給されることを意味する。このような還流を設定する場合、還流比は、好ましくは0.05~0.99、より好ましくは0.1~0.9、さらにより好ましくは0.11~0.34、特に好ましくは0.14~0.27、非常に特に好ましくは0.17~0.24である。還流は、各塔の頂部に、ステップ(a2)では反応塔RRの頂部に、冷却器KRRBを設置し、そこで蒸気流SBBを少なくとも部分的に凝縮して、各塔に、ステップ(a2)では反応塔RRに、再度供給することにより、設定することができる。
反応塔RRにおいて還流が設定される実施形態では、ステップ(a2)において反応物流SBE2として使用されるMOHを、少なくとも部分的に還流の流れと混合し、得られた混合物をステップ(a2)に供給してもよい。
本発明による方法のステップ(a2)は、特に、45℃~150℃、好ましくは47℃~120℃、より好ましくは60℃~110℃の範囲の温度で、0.5bar~40bar、好ましくは0.75bar~5barの範囲、より好ましくは1bar~2barの範囲、より好ましくは1bar~1.5barの範囲の圧力で、さらにより好ましくは周囲圧力(1bar)で実施される。
好ましい実施形態では、反応塔RRは、特に中間蒸発器VZBおよび底部蒸発器VSBから選択される少なくとも1つの蒸発器を含む。反応塔RRは、特に好ましくは、少なくとも1つの底部蒸発器VSBを含む。
このような中間蒸発器VZBでは、反応塔RRに存在するMORと水とROHとMOHとを含む液状粗生成物RPをガス状に変換することができるため、本発明による方法のステップ(a2)による反応の効率が向上する。
反応塔RRの上方領域に1つ以上の中間蒸発器VZBを配置することで、反応塔RRの下方領域の寸法を小さくすることができる。少なくとも1つ、好ましくは複数の中間蒸発器VZBを有する実施形態では、ROHの部分流を液状で反応塔RRの上方領域に供給することも可能である。
本発明による方法のステップ(a2)において、反応塔RRの下端で、ROHとMORとを含む底部生成物流SBPが取り出される。
反応塔RRが少なくとも1つの底部蒸発器VSBを含み、それに底部生成物流SBPが少なくとも部分的に通され、ROHがそれから少なくとも部分的に除去されることが好ましく、それにより、SBPに対してMORの質量分率が増加した底部生成物流SBP*が得られる。このさらなる好ましい実施形態では、ステップ(d)において、SB3またはWが少なくとも部分的に底部蒸発器VSBに通され、エネルギーがSB3またはWから底部生成物流SBPへ伝達され、特にSB3またはWが蒸発器VB1の加熱に使用されると、さらに有利である。
ここで、底部生成物流SBP*のMORの質量分率は、特に底部生成物流SBPのMORの質量分率と比較して、少なくとも1%、好ましくは2%以上、より好ましくは5%以上、さらにより好ましくは10%以上、なおもさらにより好ましくは20%以上、なおもさらにより好ましくは30%以上、なおもさらにより好ましくは40%以上、なおもさらにより好ましくは50%以上、なおもさらにより好ましくは100%以上、なおもさらにより好ましくは150%以上増加している。
好ましくは、SBPは、または少なくとも1つの底部蒸発器VSBが使用され、これに底部生成物流SBPが少なくとも部分的に通され、そこからROHが少なくとも部分的に除去される場合にはSBP*は、SBPの全質量に対してそれぞれ1~50質量%、好ましくは5~32質量%、より好ましくは15~32質量%、最も好ましくは30~32質量%の範囲の、ROH中のMORの質量分率を有する。
ここで、SBPまたはSBP*中の残留水の質量分率は、好ましくは、SBPの全質量に対して、1質量%未満、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満である。
ここで、SBPまたはSBP*中の反応物MOHの質量分率は、好ましくは、SBPの全質量に対して、1質量%未満、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満である。
ステップ(a2)も実施される本方法の実施形態では、好ましくは、底部生成物流SAPが少なくとも部分的に底部蒸発器VSAに通され、ROHがSAPから少なくとも部分的に除去され、それにより、SAPに対してMORの質量分率が増加した底部生成物流SAP*が得られ、かつ/または好ましくは、底部生成物流SBPが少なくとも部分的に底部蒸発器VSBに通され、ROHがSBPから少なくとも部分的に除去され、それにより、SBPに対してMORの質量分率が増加した底部生成物流SBP*が得られる。このさらなる好ましい実施形態では、ステップ(d)において、エネルギーがSB3から底部生成物流SAPおよび/または好ましくは底部生成物流SBPへ伝達され、特にSB3が底部蒸発器VSAおよび/または好ましくは底部蒸発器VSBの加熱に利用されると、さらに有利である。このSB3のエネルギーの利用は、直接的であっても間接的であってもよい。
本発明による方法のステップ(a2)が実施される本発明の実施形態では、ステップ(a2)は、ステップ(a1)と同時にかつ空間的に離れた状態で実施される。2つの反応塔RRおよびRRでステップ(a1)および(a2)を行うことにより、空間的な分離が確保される。
本発明の有利な実施形態では、反応塔RRおよびRRは、塔ジャケットに収容されており、その際、塔は、少なくとも1つの隔壁によって少なくとも部分的に区切られている。本発明によれば、このような少なくとも1つの隔壁を有する塔は、「TRD」と称される。このような隔壁塔は当業者に知られており、例えば、米国特許第2,295,256号明細書、欧州特許出願公開第0122367号明細書、欧州特許出願公開第0126288号明細書、国際公開第2010/097318号、および
Figure 0007420953000002
に記載されている。本発明による方法について考慮される隔壁塔において、隔壁は、好ましくは底部まで延びており、特に好ましくは塔の長手方向に少なくとも1/4、より好ましくは少なくとも1/3、さらにより好ましくは少なくとも半分、さらにより好ましくは少なくとも2/3、なおもさらにより好ましくは少なくとも3/4に延びている。隔壁は、塔を少なくとも2つの反応空間に区切っており、これらの反応空間において、空間的に分離した反応を行うことができる。少なくとも1つの隔壁によって作られる反応空間は、同じ大きさであっても、異なる大きさであってもよい。
この実施形態では、隔壁によって分離された各領域において、底部生成物流SAPおよびSBPを別々に取り出すことができ、好ましくは、少なくとも1つの反応壁によって形成された各反応空間に設置された底部蒸発器VSAまたはVSBに通し、そこでSAPまたはSBPからROHを少なくとも部分的に除去して、SAP*またはSBP*を得ることができる。
4.3 本発明による方法のステップ(b)
本発明による方法のステップ(b)では、蒸気流SABを精留塔RDに送り、RDにおいて、RDの頂部における、圧力pB2および温度TB2を有し、ROHを含む蒸気流SB2と、RDの底部における水流Sとに分離する。
ステップ(a2)が実施される本発明による方法の任意の実施形態では、蒸気流SBBも同様に精留塔RDに送り、RDにおいて、RDの頂部における、圧力pB2および温度TB2を有し、ROHを含む蒸気流SB2と、RDの底部における水流Sとに分離する。ここで、蒸気流SBBは、SABと混合して、またはSABとは別に、精留塔RDに送られる。ここで、蒸気流SBBは、好ましくはSABと混合してから精留塔RDに送られる。
本発明の一実施形態では、蒸気流SABおよび任意にSBBを、精留塔RDに送る前に圧縮することができる。これは、任意の圧縮装置VDAB1により行うことができる。
当然のことながら、SBBがSABとは別に精留塔RDに送られる実施形態でも、SABおよびSBBは精留塔RDにおいて混合されるため、いずれの場合も、ステップ(b)の実施後に、RDの頂部におけるROHを含む蒸気流SB2と、RDの底部における水流Sとへの分離が生じる。
蒸気流SB2が示す圧力を「pB2」、その温度を「TB2」と表記する。これは特に、SB2が本発明による方法のステップ(c)に供される前のSB2の圧力および温度を指す。
好ましくは、ステップ(b)において、精留塔RDの底部における水流Sも取り出される。
本発明による方法のステップ(b)における精留塔RDとして、当業者に知られている任意の精留塔を使用することができる。好ましくは、反応塔RDは、内部構造物を含む。適切な内部構造物は、例えば、トレイ、不規則充填物または規則充填物である。トレイとして、通常はバブルキャップトレイ、シーブトレイ、バルブトレイ、トンネルキャップトレイまたはスリットトレイが使用される。不規則充填物は、一般にランダム充填物である。ランダム充填物として、通常はラシヒリング、ポールリング、バールサドル、またはIntalox(登録商標)サドルが使用される。規則充填物は、例えばSulzer社よりMellapack(登録商標)なる商品名で販売されている。挙げられた内部構造物に加えて、他の適切な内部構造物も当業者に知られており、同様に使用することができる。
好ましい内部構造物は、1理論分離段あたりの比圧力損失が小さい。例えば、規則充填物およびランダム充填物は、1理論分離段あたりの圧力損失がトレイよりも大幅に小さい。これには、精留塔の圧力損失が可能な限り低く抑えられ、圧縮装置の機械的性能や蒸発させるアルコール/水混合物の温度が低く抑えられるという利点がある。
精留塔RDに規則充填物または不規則充填物が含まれている場合、これらは分割されてもよいし、1つの連続した充填物であってもよい。しかし通常は、少なくとも2つの充填物が提供され、一方の充填物は、蒸気流SABの注入箇所または2つの蒸気流SABおよびSBBの注入箇所の上方に提供され、一方の充填物は、蒸気流SABの注入箇所または2つの蒸気流SABおよびSBBの注入箇所の下方に提供される。不規則充填物、例えばランダム充填物が使用される場合、ランダム充填物は通常は、適切なシーブトレイまたはメッシュトレイに載置されている。
本発明による方法における反応塔RR(またはステップ(a2)が実施される実施形態では、反応塔RRおよび反応塔RR)と精留塔RDとの組み合わせにおいて、精留塔RDは、ステップ(c)による蒸気圧縮の場合に、塔間の圧力勾配をわずかなコストおよび複雑さで確立できるように選択された圧力で運転されることが好ましい。
本発明による方法では、アルコールROHは消費され、したがって、特に連続プロセスモードの場合には、未使用のアルコールROHを補う必要がある。
その際、未使用のアルコールROHが、特に、ROHを含む反応物流SAE1として、反応塔RRに、またはステップ(a2)が実施される実施形態では反応塔RRおよびRRに、直接供給される。
本発明による方法において、ROHを含む蒸気流SB2を、部分的に、ステップ(a1)において反応物流SAE1として使用し、任意にステップ(a2)において反応物流SBE1として使用することがさらに好ましい。代替的にまたは追加的に、圧縮蒸気流SB3を、部分的に、ステップ(a1)において反応物流SAE1として使用し、任意にステップ(a2)において反応物流SBE1として使用することができる。この好ましい実施形態では、精留塔RDに未使用のアルコールROHが添加されることがさらにより好ましい。
精留塔RDに未使用のアルコールROHが添加される場合、精留塔RDの濃縮部に供給するか、または精留塔RDの頂部に直接供給することが好ましい。最適な注入箇所は、使用される未使用のアルコールの水含有量と、他方では蒸気流SB2中の所望の残留水含有量とに依存する。使用されるアルコールの水含有量が多く、また蒸気流SB2の純度要求が高いほど、精留塔RDの頂部から若干の理論段数分だけ下方での注入が有利になる。精留塔RDの頂部より最大で20理論段数分だけ下方であることが好ましく、特に1~5理論段数分だけ下方であることが好ましい。
精留塔RDに未使用のアルコールROHが添加される場合、精留塔RDの頂部で沸点までの温度で、好ましくは室温で添加される。この場合、未使用のアルコールについては別途注入することが予定されていてよいが、精留塔RDの頂部で取り出されたアルコールの一部が凝縮後に返送される場合には、これと混合して精留塔RDに一緒に供給することも可能である。この場合、蒸気流SB2から凝縮されたアルコールが収集される凝縮物容器に未使用のアルコールを添加すると特に好ましい。
本発明の有利な実施形態では、ステップ(a1)による反応塔RR、またはステップ(a2)が実施される上述の好ましい実施形態における反応塔RRおよびRR、ならびに蒸気流SB1を分離するためのステップ(b)による精留塔RDは、塔ジャケットに収容されており、各塔は、少なくとも部分的に少なくとも1つの隔壁によって区切られているか、またはステップ(a2)が実施される上述の好ましい実施形態では少なくとも2つの隔壁によって区切られており、少なくとも1つの隔壁または少なくとも2つの隔壁は、塔の底部まで延びている。項目4.2で述べたように、この場合もこれは隔壁塔である。
この場合、ステップ(a1)による粗生成物RPへの、またはステップ(a1)および(a2)による粗生成物RPおよびRPへの反応はTRDの一部で行われ、その際、反応物流SAE2および任意に反応物流SBE2は、隔壁の上端の下方だがほぼ同じレベルで加えられ、反応物流SAE1および任意に反応物流SBE1は、下端にて蒸気状で加えられる。反応物流の添加箇所の上方で生じるアルコール/水混合物は、精留塔RDの濃縮部として機能する塔領域の全体にわたって隔壁の上方で分配される。塔の、隔壁で仕切られた第2の下部は、精留塔RDのストリッピング部である。蒸留に必要なエネルギーは、塔の、隔壁で仕切られた第2の部分の下端の蒸発器を通じて供給され、その際、この蒸発器は、従来通り加熱することも、圧縮蒸気流SB3で加熱することも可能である。蒸発器が従来通り加熱される場合、圧縮蒸気流SB3で加熱される中間蒸発器を追加で設けてもよい。
本発明による方法のステップ(b)に続いて、ROHを含む蒸気流SB2は、精留塔RDの頂部で取り出される。この蒸気流SB2中のROHの好ましい質量分率は、99質量%以上、好ましくは99.6質量%以上、より好ましくは99.9質量%以上であり、残部は、特に水である。
RDの底部では、1質量%未満のアルコールを含み得る水流Sが得られる。
本発明において、ROHを含む蒸気流SB2を精留塔RDの頂部で取り出すことは、蒸気流SB2が、精留塔RDにおいて、頂部流として、または内部構造物の上方で側方抜出物として取り出されることを意味する。精留塔RDの底部における実質的に水を含む流れSの好ましい取出しは、通常、精留塔RDの底部で行われるが、底部の側方抜出部を通じて取り出すことも可能である。
4.4 本発明による方法のステップ(c)
本発明による方法のステップ(c)において、蒸気流SB2の少なくとも一部を圧縮する。これにより、SB2よりも圧縮された蒸気流SB3が得られる。蒸気流SB3が示す圧力を「pB3」、その温度を「TB3」と表記する。
B3の圧力pB3は、SB2の圧力pB2よりも高く、好ましくはSB2の圧力pB2よりも1~10bar高く、より好ましくはSB2の圧力pB2よりも3~6bar高く、さらにより好ましくはSB2の圧力pB2よりも5bar高い。SB3の温度TB3は、SB2の温度TB2よりも高く、好ましくはSB2の温度TB2よりも10~150℃高く、より好ましくはSB2の温度TB2よりも50~100℃高く、さらにより好ましくはSB2の温度TB2よりも95℃高い。
ステップ(c)における蒸気流SB2の圧縮は、当業者に知られている任意の方法で実施することができる。例えば、圧縮は1段でも多段でも可能であり、好ましくは多段である。多段圧縮では、同じ種類の圧縮装置を複数台使用することも、異なる種類の圧縮装置を使用することもできる。1段圧縮を用いるか多段圧縮を用いるかは、蒸気SB2が圧縮される圧力に依存する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、蒸気流SB2の10~90質量%、好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~70質量%、さらにより好ましくは40~60質量%、なおもさらにより好ましくは50質量%が、反応物流SAE1として、またはステップ(a2)が実施される場合には反応物流SAE1および/または反応物流SBE1として、使用される。
この目的のために、反応物流SAE1および/または反応物流SBE1として用いられるものの少なくとも一部が、第1の圧縮装置VDAB2により圧縮(「予備圧縮」)されると有利である。代替的または追加的に、この好ましい実施形態では、この予備圧縮を保証するために、圧縮装置VDAB1も上述したように使用することができる。
蒸気流SB2の残りの部分、すなわち反応物流SAE1および/または反応物流SBE1として使用されない部分は、次に、この好ましい実施形態ではさらに圧縮され、本発明によるステップ(d)において使用される。この追加の圧縮は特に、VDAB1およびVDAB2に対する少なくとも1つの追加の圧縮装置VDを用いて実施される。
ここで、ステップ(c)においてSB3が圧縮される温度TB3および圧力pB3は、ステップ(a1)におけるRP、SAE1、SAE2、SAP、SABのうちのいずれに、またはステップ(a2)が実施される場合にはRP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBのうちのいずれにエネルギーを伝達すべきかに応じて、調整される。当然のことながら、例えばこれらの成分の1つを加熱するためにSB3が使用される場合には、ステップ(c)の終了時に、SB3の温度TB3は、ステップ(d)で加熱される成分の温度よりも高くなければならない。当業者は、自身の専門知識に従ってこれを設定することができる。
B3が設定される圧力pについても同様である。これもステップ(d)の要求に応じて当業者が設定することができる。
圧縮蒸気流SB3のエネルギーが例えば粗生成物RPへ伝達され、特に粗生成物RPが反応塔RRに設置された中間蒸発器VZAにより加熱される場合には、本発明による方法のステップ(d)において蒸気流SB3のエネルギーを用いて反応塔RRの底部の蒸発器VSAが加熱され、次いでそれによりSAPが加熱される場合に比べて、中間蒸発器VZAの加熱の際に克服すべき圧力差が小さい。
克服すべき大きな圧力差は、圧縮装置の段数を増やすか、またはより強力な圧縮装置とすることで克服することができる。しかし、圧縮装置の段数を増やすことが一般的である。
本発明による方法における圧縮装置として、特に蒸気流SB2の圧縮には、ガス流の圧縮が可能な当業者に知られているいずれの圧縮装置も好適である。適切な圧縮装置は、例えば、単段または多段式タービン、ピストン式圧縮装置、スクリュ式圧縮装置、遠心式圧縮装置、または軸流式圧縮装置である。
多段圧縮の場合、克服すべき各圧力段階に適した圧縮装置が使用される。
4.5 本発明による方法のステップ(d)
本発明による方法のステップ(d)において、エネルギーを、SB3からRP、SAE1、SAE2、SAP、SABの少なくとも1つ、好ましくはRP、SAPの少なくとも1つ、さらにより好ましくはSAPへ伝達させる。ステップ(a2)が実施される本発明による方法の任意の実施形態では、エネルギーは、代替的にまたは追加的に、好ましくは追加的に、SB3からRP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つ、好ましくはRP、SBPの少なくとも1つ、より好ましくはSBPへ伝達される。
したがって、ステップ(a2)が実施される場合、本発明による方法のステップ(d)において、エネルギーは、SB3からRP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つ、好ましくはRP、SAP、RP、SBPの少なくとも1つ、好ましくはSAPおよびSBPの双方へ伝達される。
これにより、SB3よりもエネルギー量の少ない蒸気流SB4が得られる。これは特に、SB4の圧力pB4およびSB4の温度TB4について、pB4≦pB3でかつTB4<TB3が成り立つことを意味する。さらにより好ましくは、TB2<TB4でかつpB2<pB4が成り立つため、TB2<TB4<TB3でかつpB2<pB4≦pB3が成り立つ。
これは特に、SB3により、RP、SAE1、SAE2、SAP、SABの少なくとも1つ、好ましくはRP、SAPの少なくとも1つ、さらにより好ましくはSAPが加熱されることを意味する。ステップ(a2)が実施される本発明による方法の任意の実施形態では、これは特に、代替的にまたは追加的に、好ましくは追加的に、SB3により、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つ、好ましくはRP、SBPの少なくとも1つ、好ましくはSBPが加熱されることを意味する。
ステップ(a2)が実施される場合、さらにより好ましくは、SB3により、RP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つ、好ましくはRP、SAP、RP、SBPの少なくとも1つ、好ましくはSAPおよびSBPの双方が加熱される。
したがって、本発明による方法のステップ(c)を実施した後、SB3の温度TB3は、好ましくは、ステップ(d)でSB3によって加熱されるRP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBから選択される成分の温度より高い。
B3によるRP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つへのエネルギーの伝達、好ましくはその加熱は、好ましくは直接的または間接的に行われる。
「直接的に」とは、SB3を、RP、SAE1、SAE2、SAP、SABから選択される少なくとも1つの成分と接触させるか、またはステップ(a2)が実施される場合にはRP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBから選択される少なくとも1つの成分と接触させることにより、熱がSB3から当該の少なくとも1つの成分へと伝達することを意味する。
AP、SBPの場合、これは、SB3を反応塔RRまたはRRにおいて底部蒸発器VSAまたはVSBに少なくとも部分的に通し、そこでSAPまたはSBPを加熱することによって行うことができる。
熱交換器としては,当業者が通常使用する熱交換器を使用することができる。
「間接的に」とは、特に、SB3を少なくとも1つの熱媒体Wと、好ましくは少なくとも1つの熱交換器WTを介して接触させることを意味し、その際、熱媒体は、RP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBPまたはSBBではなく、すなわちこれらとは異なるものであるため、エネルギー、好ましくは熱がSB3から少なくとも1つの熱媒体Wへ伝達し、次いで熱がWからRP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBから選択される当該の少なくとも1つの成分へ伝達し、その際、Wが当該の成分と接触する。
本発明による方法のさらなる実施形態では、RP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つがSB3により間接的に加熱される場合、熱をまずSB3からWへ、好ましくは少なくとも1つの熱交換器WTを介した接触によって伝達させ、次いでWから、RP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBとは異なるさらなる熱媒体Wへ、好ましくは少なくとも1つの熱交換器WTを介した接触によって伝達させることも可能である。次いで、最後のステップでは、WからRP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つに熱が伝達される。当然のことながら、本発明のさらなる実施形態では、相応してさらなる熱媒体W、W、Wなどを用いることができる。
熱媒体W、またはそれに加えてさらに用いられるW、W、W、Wとして、当業者に知られている任意の熱媒体を用いることができ、これは好ましくは、水;アルコール-水溶液;塩-水溶液、これには、イオン液体、例えばLiBr溶液、ジアルキルイミダゾリウム塩、例えば特にジアルキルイミダゾリウムジアルキルホスフェートが含まれる;鉱油、例えば軽油;熱油、例えばシリコーン油;生体油、例えばリモネン;芳香族炭化水素、例えばジベンジルトルエンからなる群から選択される。熱媒体Wとして最も好ましいのは、水である。
また、使用可能な塩-水溶液については、例えば、独国特許出願公開第102005028451号明細書および国際公開第2006/134015号にも記載されている。
B3から、粗生成物RP、RPおよび/またはSAE1、SAE2、SAP、SAB、SBE1、SBE2、SBP、SBBから選択される少なくとも1つの流れへのエネルギーの伝達は、当業者に知られている方法に従って行われ、好ましくは、以下で番号4.5.1、4.5.2、4.5.3および4.5.4で挙げられる実施形態のいずれかに従って行われ、最も好ましいのは、4.5.4で挙げられるものである。
4.5.1) ステップ(d)においてエネルギーがSB3からRPおよび/またはRPの少なくとも1つへ伝達される本発明の実施形態では、エネルギーの伝達は、好ましくは、反応塔RRまたはRRに少なくとも1つの中間蒸発器VZAまたはVZBが設置され、それにより液状粗生成物RPまたはRPが反応塔RRまたはRR内で蒸発されるように行われる。この好ましい実施形態では、特にこの中間蒸発器VZAまたはVZBは、直接加熱が行われる場合にはSB3で加熱され、間接加熱が行われる場合にはSB3ではない熱媒体Wで加熱され、その際、熱媒体Wは、SB3からエネルギーを予め吸収している。
4.5.2) ステップ(d)においてエネルギーがSB3からSAE1、SAE2、SBE1、SBE2から選択される少なくとも1つの反応物流へ伝達される本発明の実施形態では、エネルギーの伝達は、好ましくは、各反応物流が、反応塔RRまたはRRに送られる前に少なくとも1つの熱交換器WT1を通るように行われる。WT1において、直接加熱が行われる場合はSB3から、間接加熱が行われる場合はSB3ではない熱媒体Wから少なくとも1つの反応物流SAE1、SAE2、SBE1、SBE2へのエネルギー、好ましくは熱の伝達が行われ、その際、熱媒体Wは、SB3からエネルギーを予め吸収している。
4.5.3) ステップ(d)においてエネルギーがSB3からSAB、SBBから選択される少なくとも1つの蒸気流へ伝達される本発明の実施形態では、エネルギーの伝達は、好ましくは、各蒸気流が、精留塔RDに送られる前に熱交換器WT2を通るように行われる。WT2において、直接加熱が行われる場合はSB3から、間接加熱が行われる場合はSB3ではない熱媒体Wから、SAB、SBBから選択される少なくとも1つの蒸気流へのエネルギー、好ましくは熱の伝達が行われ、その際、熱媒体Wは、SB3からエネルギーを予め吸収している。
4.5.4) ステップ(d)においてエネルギーがSB3からSAP、SBPから選択される少なくとも1つの底部生成物流へ直接伝達される本発明の実施形態では、エネルギーの伝達は、有利には、反応塔RRまたはRRに少なくとも1つの底部蒸発器VSAまたはVSBが設置されており、これにSB3が少なくとも部分的に通され、またこれにSAPまたはSBPが反応塔RRまたはRRを出た後に少なくとも部分的に通されることで、エネルギー、好ましくは熱がSB3からSAPまたはSBPへ伝達され、特にSAPまたはSBPが少なくとも部分的に蒸発され、特にROHがSAPまたはSBPから少なくとも部分的に蒸発され、それにより底部生成物流SAP*またはSBP*が得られるように行われる。
ステップ(d)においてエネルギーがSB3からSAP、SBPから選択される少なくとも1つの底部生成物流へ間接的に伝達される本発明の実施形態では、エネルギーの伝達は、有利には、SB3が、好ましくは熱交換器を介して、RP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBPまたはSBBとは異なる熱媒体W、好ましくは水と接触することにより、エネルギー、好ましくは熱がSB3から少なくとも1つの熱媒体Wへ伝達され、反応塔RRまたはRRに少なくとも1つの底部蒸発器VSAまたはVSBが設置されており、Wに少なくとも部分的に通され、これにSAPまたはSBPが反応塔RRまたはRRを出た後に少なくとも部分的に通されることで、エネルギー、好ましくは熱がWからSAPまたはSBPへ伝達され、特にSAPまたはSBPが少なくとも部分的に蒸発され、特にROHがSAPまたはSBPから少なくとも部分的に蒸発され、それにより底部生成物流SAP*またはSBP*が得られるように行われる。
4.5.4による好ましい実施形態では、さらにより好ましくは、蒸発器VSAまたはVSBに加えて、反応塔RRの少なくとも1つのさらなる従来型加熱蒸発器VKA、または反応塔RRの少なくとも1つのさらなる従来型加熱蒸発器VKBが使用され、これは、反応塔RRまたはRRの底部に配置されている。蒸気流SB3で直接または間接的に加熱される蒸発器VSAまたはVSBも同様に反応塔RRまたはRRの底部に配置されている場合、従来型加熱蒸発器VKAまたはVKBを、例えば反応塔RRまたはRRの運転時の追加の熱供給に用いることができる。しかし総じて、従来型加熱蒸発器VKAまたはVKBは、反応塔RRまたはRRの始動に用いられる。反応塔RRまたはRRの始動時には、蒸発器VSAまたはVSBを直接または間接的に加熱するのに十分な蒸気SB3がまだ存在しないため、まず外部から熱を供給する必要がある。精留塔RDの始動後、精留塔RDの頂部から取り出せる蒸気量SB2が増加する。これを圧縮してSB3とし、圧縮蒸気流SB3で加熱される蒸発器VSAまたはVSBに運転を切り替えることができる。この場合、一方では、蒸気流SB3で加熱される蒸発器VSAまたはVSBをゆっくりと始動させ、従来型加熱蒸発器VKAまたはVKBの加熱を相応して減らすことが可能であり、あるいは精留塔RRまたはRRにおいて定常的な運転状態が確立されるまで待機し、その後、従来型加熱蒸発器VKAまたはVKBから、圧縮蒸気流SB3で加熱される蒸発器VSAまたはVSBへと切り替えられる。
例えば項目4.5.1に記載の本発明の実施形態のように、中間蒸発器VZAまたはVZBを圧縮蒸気流SB3で加熱する場合、追加の従来型加熱蒸発器VKAまたはVKBを使用して、反応塔RRまたはRRの底部の熱がさらに反応塔RRまたはRRに導入される。この場合、従来型加熱蒸発器VKAまたはVKBは、反応塔RRまたはRRの運転時間全体にわたって運転される。この場合にも、反応塔RRまたはRRの始動のために、中間蒸発器VZAまたはVZBの加熱に十分な多量の蒸気流SB3を中間蒸発器VZAまたはVZBの加熱に供給できるようになるまで、まず従来型加熱蒸発器VKAまたはVKBにより反応塔RRまたはRRに多量の熱を導入する必要がある。それから、従来型加熱蒸発器VKAまたはVKBにより反応塔RRまたはRRに導入される熱量を低減することができる。あるいは中間蒸発器VZAまたはVZBを用いる場合には、各反応塔RRまたはRRの底部で、2つの従来型加熱蒸発器VKA1およびVKA2またはVKB1およびVKB2を用いることも可能である。その場合、追加の従来型加熱蒸発器VKA2またはVKB2は、塔の始動に使用され、他方の従来型加熱蒸発器VKA1またはVKB1は、反応塔RRまたはRRの運転中に継続して運転される。
本発明による方法のステップ(d)は、本発明の予期せぬ効果を示すものである。本発明の方法により、蒸気流SB2から圧縮蒸気流SB3への圧縮時に得られる余剰エネルギーを未使用のまま散逸させるのではなく、反応蒸留における反応運転に利用することが可能である。これは大幅な省エネルギーにつながる。
4.6 本発明による方法のより好ましいステップ(e)
本発明による方法の好ましい実施形態では、ステップ(e)において、蒸気流SB4を精留塔RDの加熱に使用する。これは特に、精留塔RDの下端に底部蒸発器VSRDを設置し、これによりRDの底部の水流Sを加熱することによって達成できる。水流Sを、少なくとも部分的に精留塔RDに返送することができる。代替的にまたは追加的に、好ましくは追加的に、蒸気流SB4を、好ましくは精留塔RDの頂部で精留塔RDに返送することもできる。蒸気流SB4が精留塔RDに返送される場合、これは好ましくは凝縮され、沸点までの温度で、好ましくは室温で、好ましくは精留塔RDの頂部で添加される。この場合、蒸気流SB4については別途注入することが予定されていてよいが、精留塔RDの頂部で取り出されたアルコールの一部が凝縮後に返送される場合には、これと混合して精留塔RDに一緒に供給することも可能である。この場合、蒸気流SB2から凝縮されたアルコールが収集される凝縮物容器に蒸気流SB4を添加すると特に好ましい。
蒸気流SB4がステップ(e)で使用される場合、これを少なくとも1つのさらなる圧縮装置VDで圧縮することが有利であり、それにより、SB4よりも圧縮された蒸気流SB5が得られる。
5.本発明の好ましい実施形態
図1に、本発明による方法の実施形態<10>を示す。これは反応塔RR<100>を含み、この反応塔RR<100>は、任意に反応物流SAE2<102>の上方に段を含むことができる。反応塔RR<100>の頂部には、反応物流SAE2<102>としてNaOH水溶液が添加される。あるいはKOHのメタノール溶液を反応物流SAE2<102>として添加して、対応するカリウムメトキシドを生成することもできる。
反応塔RR<100>の底部の上方で、メタノールが反応物流SAE1<103>として蒸気状で添加される。反応塔RR<100>の底部では、生成物であるナトリウムメトキシドが、メタノールに溶解した状態で底部生成物流SAP*<104>として得られる。塔RR<100>の底部の底部蒸発器VSA<105>および任意の蒸発器VKA<106>により、ナトリウムメトキシド溶液SAP*<104>の濃度を所望の値に調整する。ここで、任意の蒸発器VKA<106>は、特に塔RR<100>の始動にも使用される。
反応塔RR<100>の頂部で、蒸気流SAB<107>が取り出される。反応塔RR<100>の頂部で、蒸気流SAB<107>の一部が冷却器KRRA<108>で凝縮され、液状で還流として反応塔RR<100>の頂部に供給される。ただし、冷却器KRRA<108>および還流の設定は任意である。
蒸気流SAB<107>は、導管<13>を通じて精留塔RD<300>に供給される。
精留塔RD<300>の頂部で、メタノール蒸気SB2<302>が排出される。これは次に圧縮装置VDAB2<303>に通され、導管<31>を通じて反応塔RR<100>に部分的に再循環され、そこで反応物流SAE1<103>として使用される。また、圧縮装置VDAB2<303>に代えて、またはそれに加えて、圧縮装置VDAB1<301>を用いてもよい。
本発明は、メタノール蒸気SB2<302>の少なくとも一部が、圧縮装置VDAB2<303>を通ってそこで予備圧縮された後に圧縮装置VD<401>に供給され、そこで圧縮されて圧縮蒸気流SB3<403>となる構成である。蒸気流SB3<403>は、底部蒸発器VSA<105>を加熱する。これは、SB3<403>による底部蒸発器VSA<105>の直接加熱(図1には図示せず)によって行われる。あるいは加熱は、図1に示すように、熱交換器WT<402>を介して熱媒体(好ましくは水)W<410>に熱を伝達させ、その熱媒体で底部蒸発器VSA<105>を加熱することによっても行われる。熱媒体(好ましくは水)W<410>は、導管<41>および<14>内で循環し、これらの導管はさらに、任意に制御用の導管<141>および<411>をも有することができる。熱交換器WT<402>の通過後に、SB3<403>よりもエネルギー含有量の少ない蒸気流SB4<404>が得られる。SB4<404>は、追加の圧縮装置VD<405>を通り、次いで、SB4<404>よりも圧縮された蒸気流SB5<409>として、底部蒸発器VSRD<406>の加熱に用いられ、その後、任意のスロットル<407>に通されて、必要に応じて未使用のメタノール<408>とともに精留塔RD<300>に還流として再度供給される。精留塔RD<300>の底部で、水流S<304>が得られる。
図2に、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す。これは、図1に対応するが、ただし、2つの反応塔RR<100A>およびRR<100B>が存在し、反応塔RR<100A>およびRR<100B>の対応する構成要素は、図1で反応塔RR<100>について示したものに対応し、各構成要素は、RRまたはRRに属することを示すために、接尾語「A」または「B」を有している。反応塔RR<100A>では、NaOHを含む流れSAE2<102A>が添加され、反応塔RR<100B>では、KOHを含む流れSBE2<102B>が添加される。反応塔RR<100A>およびRR<100B>ともに、アルカリ注入部の上方にさらに段を設けてもよいが、これは任意であり、図2では図示しない。図1とは異なり、導管<14>および<41>は、蒸発器VSA<105A>およびVSB<105B>の双方と蒸気SB3<403>との熱交換を可能にする分岐部を有する。このため、任意に追加の制御用スロットル<412>を挿入することも可能である。蒸気流SAB<107A>および蒸気流SBB<107B>は、混合して蒸気流<107C>として精留塔RD<300>に供給される。
6.実施例
例1(本発明によらない):
2kg/hのNaOH水溶液(50質量%)流を、30℃で反応塔の頂部に供給する。21kg/hの蒸気状のメタノール流を、反応塔の底部の上方にて向流で供給する。反応塔を、1.2barの圧力で運転する。塔底部で、4.5kg/hのほぼ無水の生成物流を取り出す(メタノール中30質量%のナトリウムメトキシド)。反応塔の蒸発器で、低圧蒸気により約0.5kWの加熱力を投入する。反応塔の頂部で18.5kg/hの蒸気状のメタノール-水の流れを取り出し、精留塔に供給する。精留塔を、約1.1barで運転する。精留塔の底部で、1.5kg/hの液状の水流を排出する。精留塔の頂部で、33.4kg/hの蒸気状のメタノール流を取り出し、熱交換器で75℃に予備加熱し、次いで第1の圧縮装置に供給する。この圧縮装置で、この流れを1.7barに圧縮する。その後、この流れを分割し、21kg/hの流れを反応塔に返送する。残りの12.4kg/hを、中間冷却装置を備えた2段圧縮部に供給する。圧縮装置2において、4.9bar、180℃まで圧縮する。その後の中間冷却装置では、この流れを約150℃まで冷却し、その際、冷却水を介して約0.2kWの熱を放出させる。圧縮装置3では、この流れを最終的に6.2bar、170℃まで圧縮する。精留塔の蒸発器でもある後続の冷却器では、精留塔向けに約4kWの加熱力が提供される。液状のメタノール流に3.9kg/hの未使用のメタノールを供給し、その混合流を還流として精留塔に頂部で供給する。
例2(本発明による)、図1に対応:
例1と同様であるが、反応塔<100>は2つの底部蒸発器<105>および<106>を有する。第1の底部蒸発器<105>では、熱媒体を用いて約0.2kWの熱流を投入するが、この熱流は、圧縮装置2と圧縮装置3との間の中間冷却装置で放出されて熱媒体(水)へ伝達されたものである。第2の底部蒸発器では、必要なエネルギーの残りを低圧蒸気により提供する。これにより、反応塔<100>の低圧蒸気の需要量が例1に比べて約40%削減される。
例3(本発明による)、図2に対応:
第1の反応塔を、例2と同様に運転する。さらに、第2の反応塔(以下、「K2」という)を、水性KOH(50質量%)を用いて運転する。両反応塔は、例2と同様にそれぞれ2つの底部蒸発器を有する。0.5kg/hの流れを、K2の頂部にて30℃で供給する。7.5kg/hの蒸気状のメタノール流を、K2の底部の上方にて向流で供給する。K2を、1.2barの圧力で運転する。K2の底部で、1.5kg/hのほぼ無水の生成物流を取り出す(メタノール中32質量%のカリウムメトキシド)。K2の両蒸発器に、合計約0.2kWの加熱力を投入する。K2の頂部で7kg/hの蒸気状のメタノール-水流を取り出す。このメタノール-水流を、第1の反応塔のメタノール-水流と合わせ、精留塔に供給する。精留塔を、約1.1barで運転する。精留塔の底部で、1.8kg/hの液状の水流を排出する。精留塔の頂部で、46.2kg/hの蒸気状のメタノール流を取り出し、熱交換器で75℃に予備加熱し、次いで第1の圧縮装置に供給する。この圧縮装置で、この流れを1.7barに圧縮する。その後、この流れを分割し、28.5kg/hの流れを反応塔に返送する。残りの17.7kg/hを、中間冷却装置を備えた2段圧縮部に供給する。圧縮装置2において、4.9bar、180℃まで圧縮する。その後の中間冷却装置では、この流れを約140℃まで冷却し、その際、熱媒体としての水を介して約0.36kWの熱を放出させる。圧縮装置3では、この流れを最終的に6.2bar、160℃まで圧縮する。精留塔<300>の蒸発器でもある後続の冷却器では、精留塔向けに約5kWの加熱力が提供される。液状のメタノール流に4.7kg/hの未使用のメタノールを供給し、その混合流を還流として精留塔に頂部で供給する。圧縮装置の中間冷却装置で加熱された熱媒体を用いて、2つの反応塔の蒸発器を通じてエネルギーを投入する。これにより、必要な加熱力の約51%を中間冷却装置で賄うことができる。残りの49%のみを、蒸発器を通じて低圧蒸気で供給すれば済む。
結果:本発明により、圧縮装置段の中間冷却時に通常であれば未使用のまま散逸してしまうエネルギーを効率的に利用することが可能となる。

Claims (13)

  1. 式MOR[式中、Rは、C~C炭化水素基であり、Mは、ナトリウム、カリウムから選択される金属である]の少なくとも1つのアルカリ金属アルコキシドの製造方法であって、
    (a1)反応精留塔RRで、ROHを含む反応物流SAE1を、MOHを含む反応物流SAE2と向流で反応させて、MORと水とROHとMOHとを含む粗生成物RPを生成し、
    RRの下端で、ROHとMORとを含む底部生成物流SAPを取り出し、RRの上端で、水とROHとを含む蒸気流SABを取り出し、
    (a2)そして任意に、ステップ(a1)と同時にかつ空間的に離れた状態で、反応精留塔RRで、ROHを含む反応物流SBE1を、MOHを含む反応物流SBE2と向流で反応させて、MORと水とROHとMOHとを含む粗生成物RPを生成し、ここで、Mは、ナトリウム、カリウムから選択される金属であり、
    RRの下端で、ROHとMORとを含む底部生成物流SBPを取り出し、RRの上端で、水とROHとを含む蒸気流SBBを取り出し、
    (b)前記蒸気流SABと、ステップ(a2)を実施する場合には、SABと混合したまたはSABと分離した前記蒸気流SBBとを、精留塔RDに送り、RDにおいて、RDの頂部における、圧力pB2および温度TB2を有し、ROHを含む蒸気流SB2と、RDの底部における水流Sとに分離し、
    (c)前記蒸気流SB2の少なくとも一部を圧縮することにより、SB2よりも圧縮された、圧力pB3(>pB2)および温度TB3(>TB2)の蒸気流SB3を得て、
    (d)エネルギーを、SB3からRP、SAE1、SAE2、SAP、SABの少なくとも1つへ伝達させ、ステップ(a2)を実施する場合には、代替的にまたは追加的に、エネルギーを、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つへ伝達させ、
    これにより、SB3よりもエネルギー含有量の少ない蒸気流SB4を得る、方法。
  2. Rは、メチル基またはエチル基である、請求項1記載の方法。
  3. AE2は、MOHに加えて、水、前記ROHから選択される少なくとも1つのさらなる化合物を含み、ステップ(a2)を実施する場合には、SBE2は、MOHに加えて、水、前記ROHから選択される少なくとも1つのさらなる化合物を含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 精留塔RD、反応塔RR、およびステップ(a2)を実施する場合には反応塔RRは、塔ジャケットに収容されており、前記塔は、少なくとも1つの隔壁によって、ステップ(a2)を実施する場合には少なくとも2つの隔壁によって、少なくとも部分的に区切られており、前記少なくとも1つの隔壁または前記少なくとも2つの隔壁は、前記塔の底部まで延びている、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記蒸気流SB2の10~90質量%を、反応物流SAE1として使用し、ステップ(a2)を実施する場合には、代替的または追加的に反応物流SBE1として使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. ステップ(d)において、SB3により、RP、SAE1、SAE2、SAP、SABの少なくとも1つを加熱し、ステップ(a2)を実施する場合には、代替的または追加的に、SB3により、RP、SBE1、SBE2、SBP、SBBの少なくとも1つを加熱する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. RRは、少なくとも1つの蒸発器を有し、ステップ(a2)を実施する場合には、RRは、少なくとも1つの蒸発器を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. RRは、少なくとも1つの底部蒸発器VSAを有し、ステップ(a2)を実施する場合には、RRは、少なくとも1つの底部蒸発器VSBを有する、請求項7記載の方法。
  9. B3を少なくとも部分的に前記反応塔RRの底部蒸発器VSAに通し、SAPを少なくとも部分的にVSAに通すことによりエネルギーをSB3からSAPへ伝達させ、ステップ(a2)を実施する場合には、代替的または追加的に、SB3を少なくとも部分的に前記反応塔RRの底部蒸発器VSBに通し、SBPを少なくとも部分的にVSBに通すことによりエネルギーをSB3からSBPへ伝達させる、請求項8記載の方法。
  10. B3を、RP、SAE1、SAE2、SAP、SAB、RP、SBE1、SBE2、SBPまたはSBBとは異なる熱媒体Wと接触させることにより、エネルギーをSB3から少なくとも1つの熱媒体Wへと伝達させ、次いでWを少なくとも部分的に前記反応塔RRの底部蒸発器VSAに通し、SAPを少なくとも部分的にVSAに通してエネルギーをWからSAPへと伝達させ、ステップ(a2)を実施する場合には、代替的または追加的に、次いでWを少なくとも部分的に前記反応塔RRの底部蒸発器VSBに通し、SBPを少なくとも部分的にVSBに通してエネルギーをWからSBPへと伝達させる、請求項8記載の方法。
  11. は水である、請求項10記載の方法。
  12. ステップ(e)において、前記蒸気流SB4を、前記精留塔RDの加熱に使用し、かつ/または前記精留塔RDに返送する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 連続的に実施する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
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