JP7420759B2 - 走行制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、作業車の走行を制御する走行制御システムに関する。
走行しながら作業を行う作業車として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この作業車(特許文献1では「コンバイン」)は、左右に揺動操作可能な操舵操作具(特許文献1では「旋回レバー」)を備えている。
特開2017-147999号公報
特許文献1には、操舵操作具の操作に応じた旋回制御について詳述されていない。ここで、特許文献1に記載の作業車において、操舵操作具の中立位置からの揺動角度が大きいほど、作業車の旋回半径が小さくなるような構成とすることが考えられる。
そして、このような構成において、予め決められた旋回動作を行う必要がある場合、オペレータは、作業車がその旋回動作を行うように、操舵操作具を精密に操作する必要がある。しかしながら、操舵操作具を精密に操作することは容易ではないため、予め決められた旋回動作を正確に行うことができない事態が想定される。また、精密な操作が要求されることにより、オペレータの操作負担が増大しがちである。
本発明の目的は、所定の可動範囲を有する操舵操作具を備え、操舵操作具の操作量に基づいて作業車の旋回が行われる走行制御システムにおいて、予め決められた旋回動作を、確実且つ容易に行いやすい走行制御システムを提供することである。
本発明の特徴は、作業車の走行を制御する走行制御システムであって、操舵のための操舵操作具と、前記操舵操作具の操作に応じて前記作業車の走行を制御する走行制御部と、を備え、前記操舵操作具の可動範囲は、第1操作量よりも大きな操作量である第2操作量よりも大きく前記操舵操作具を操作可能であるように設定されており、前記走行制御部は、前記操舵操作具が操作されたとき、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下である場合においては、前記操舵操作具の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、前記作業車の走行を制御することにある。
本発明であれば、オペレータが、操作量が第1操作量以上且つ第2操作量以下となるように操舵操作具を操作すれば、予め決められた旋回動作が行われることとなる。ここで、第1操作量以上且つ第2操作量以下である操作範囲の広さが適宜設定されていれば、操作量が第1操作量以上且つ第2操作量以下となるように操舵操作具を操作することは容易である。
従って、本発明であれば、所定の可動範囲を有する操舵操作具を備え、操舵操作具の操作量に基づいて作業車の旋回が行われる走行制御システムにおいて、予め決められた旋回動作を、確実且つ容易に行いやすい走行制御システムを実現できる。
さらに、本発明において、前記旋回動作の強度である動作レベルを設定可能な設定部を備えると好適である。
この構成によれば、オペレータが、操作量が第1操作量以上且つ第2操作量以下となるように操舵操作具を操作した際に行われる旋回動作の強度を、状況に応じて設定可能となる。これにより、状況に応じて適切な旋回動作を、確実且つ容易に行いやすい走行制御システムを実現できる。
さらに、本発明において、前記走行制御部の制御モードは、前記作業車の自動操舵制御を実行可能な第1制御モードと、前記作業車の自動操舵制御を実行可能な第2制御モードと、の間でモード切替可能であり、前記走行制御部は、前記操舵操作具が操作されたとき、前記第1制御モードまたは前記第2制御モードによる前記作業車の自動操舵制御が実行中であり、且つ、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下である場合においては、前記操舵操作具の操作量にかかわらず一定の前記旋回動作が行われるように、前記作業車の走行を制御するように構成されており、前記第1制御モードにおける前記動作レベルである第1レベルが前記設定部により設定された場合、前記第2制御モードにおける前記動作レベルである第2レベルは、前記第1レベルに一致するように設定され、前記第2レベルが前記設定部により設定された場合、前記第1レベルは、前記第2レベルに一致するように設定されると好適である。
この構成によれば、第1レベルと第2レベルとのうちの一方を設定すれば、他方も、一方に合わせて自動的に設定される。これにより、第1レベル及び第2レベルをそれぞれ手動操作で設定する必要のある構成に比べて、第1レベル及び第2レベルを設定するための操作の手間を少なくすることが可能となる。
さらに、本発明において、前記走行制御部の制御モードは、手動操舵モードと、自動操舵モードと、の間でモード切替可能であり、前記走行制御部の制御モードが前記手動操舵モードである場合、前記走行制御部は、前記操舵操作具の操作に応じて前記作業車の走行を制御し、前記走行制御部の制御モードが前記自動操舵モードである場合、前記走行制御部は、方位決定部により決定された基準方位、または、前記基準方位に基づいて算出された目標走行経路に基づいて、前記作業車の自動操舵制御を実行可能であり、前記走行制御部は、前記操舵操作具が操作されたとき、前記自動操舵モードによる前記作業車の自動操舵制御が実行中であり、且つ、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下である場合においては、前記操舵操作具の操作量にかかわらず一定の前記旋回動作が行われるように、前記作業車の走行を制御するように構成されていると好適である。
この構成によれば、自動操舵制御の実行中に、オペレータが、操作量が第1操作量以上且つ第2操作量以下となるように操舵操作具を操作すると、作業車が、予め決められた旋回動作を行う。これにより、自動操舵制御の実行中であっても、オペレータが、状況に応じて任意に、作業車に旋回動作を行わせることができる走行制御システムを実現できる。
さらに、本発明において、前記走行制御部の制御モードは、前記手動操舵モードと、前記自動操舵モードである第1自動操舵モードと、の間でモード切替可能であり、衛星測位を用いて前記作業車の機体位置を算出する機体位置算出部と、前記走行制御部の制御モードが前記第1自動操舵モードであるとき、手動操作によって生成された第1信号に応答して取得した前記機体位置を第1機体位置に決定する第1機体位置決定部と、前記走行制御部の制御モードが前記第1自動操舵モードであるとき、前記第1機体位置から離れた場所での手動操作によって生成された第2信号に応答して取得した前記機体位置を第2機体位置に決定する第2機体位置決定部と、を備え、前記方位決定部は、前記第1機体位置と前記第2機体位置とを結ぶ直線の方位を前記基準方位として決定すると好適である。
この構成によれば、圃場等の作業場所において実際に作業走行を行いながら、機体位置に基づいて基準方位を決定することができる。これにより、圃場等の作業場所の状態に応じて、基準方位を適切に決定しやすい。従って、自動操舵制御における作業車の進行方向が適切になりやすい。
さらに、本発明において、前記第1自動操舵モードによる前記作業車の自動操舵制御が実行中であるとき、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下となるように前記操舵操作具が操作された場合、前記目標走行経路が、前記操舵操作具の操作方向へ平行移動するように構成されていると好適である。
この構成によれば、第1自動操舵モードによる自動操舵制御が実行中であるとき、オペレータが、操作量が第1操作量以上且つ第2操作量以下となるように操舵操作具を操作すると、目標走行経路が、操舵操作具を操作した方向へ平行移動する。その結果、作業車の走行位置が左または右に変化することとなる。
従って、この構成によれば、第1自動操舵モードによる自動操舵制御の実行中に、作業車の走行位置を左右に変更可能な走行制御システムを実現できる。
さらに、本発明において、前記走行制御部の制御モードは、前記手動操舵モードと、前記自動操舵モードである第2自動操舵モードと、の間でモード切替可能であり、前記走行制御部の制御モードが前記第2自動操舵モードであるとき、前記作業車が所定距離または所定時間に亘って直進したか否かを判定する直進判定部を備え、前記方位決定部は、前記直進判定部により前記作業車が前記所定距離または前記所定時間に亘って直進したと判定された場合、前記所定距離または前記所定時間に亘って行われた直進の方向に基づいて前記基準方位を決定すると好適である。
この構成によれば、走行制御部の制御モードが第2自動操舵モードであるとき、オペレータが、手動操舵によって作業車を所定距離または所定時間に亘って直進させることにより、所定距離または所定時間に亘って行われた直進の方向に基づいて、基準方位が自動的に決定されることとなる。
即ち、この構成によれば、オペレータは、基準方位を決定するために、専用のボタン等を操作する必要がない。これにより、基準方位の決定のために要する労力を軽減可能な走行制御システムを実現できる。
さらに、本発明において、前記第2自動操舵モードによる前記作業車の自動操舵制御が実行中であるとき、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下となるように前記操舵操作具が操作された場合、前記基準方位、または、前記目標走行経路の方向を、前記操舵操作具の操作方向へ変更するように構成されていると好適である。
この構成によれば、第2自動操舵モードによる自動操舵制御が実行中であるとき、オペレータが、操作量が第1操作量以上且つ第2操作量以下となるように操舵操作具を操作すると、基準方位、または、目標走行経路の方向が変更される。その結果、作業車の進行方向が変化することとなる。
従って、この構成によれば、第2自動操舵モードによる自動操舵制御の実行中に、作業車の進行方向を変更可能な走行制御システムを実現できる。
コンバインの左側面図である。 操舵操作具の構成を示す図である。 制御部に関する構成を示すブロック図である。 走行制御部の制御モードが第1自動操舵モードへ切り替えられたときのディスプレイの表示画面を示す図である。 方位決定部に第1登録地点と第2登録地点とが記憶された時点でのディスプレイの表示画面を示す図である。 第1自動操舵モードでの自動操舵制御が行われる場合の例を示す図である。 第1自動操舵モードでの自動操舵制御が行われる場合の例を示す図である。 平行移動処理が実行される前の状態を示す図である。 平行移動処理を説明する図である。 平行移動処理が実行された後の状態を示す図である。 第1応答旋回制御が実行される前の状態を示す図である。 第1応答旋回制御を説明する図である。 第1判定ルーチンのフローチャートである。 第2自動操舵モードでの自動操舵制御が行われる場合の例を示す図である。 第2自動操舵モードでの自動操舵制御が行われる場合の例を示す図である。 方位変更処理が実行される前の状態を示す図である。 方位変更処理を説明する図である。 方位変更処理が実行された後の状態を示す図である。 第2応答旋回制御が実行される前の状態を示す図である。 第2応答旋回制御を説明する図である。 第1設定画面を示す図である。 第2設定画面を示す図である。 第2判定ルーチンのフローチャートである。 第3判定ルーチンのフローチャートである。
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図1に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、図2に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図1に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
また、以下の説明においては、特に断りがない限り、図6から図10、図14から図20に示す矢印Nの方向を「北」、矢印Sの方向を「南」、矢印Eの方向を「東」、矢印Wの方向を「西」とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1に示すように、普通型のコンバイン1(本発明に係る「作業車」に相当)は、収穫部H、クローラ式の走行装置11、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14、搬送部16、穀粒排出装置18、衛星測位モジュール80を備えている。
走行装置11は、コンバイン1における下部に備えられている。また、走行装置11は、コンバイン1に搭載されたエンジン(図示せず)からの動力によって駆動する。そして、コンバイン1は、走行装置11によって自走可能である。
また、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14は、走行装置11の上側に備えられている。運転部12にはオペレータが搭乗可能である。
穀粒排出装置18は、穀粒タンク14の上側に設けられている。また、衛星測位モジュール80は、運転部12の上面に取り付けられている。
収穫部Hは、コンバイン1における前部に備えられている。そして、搬送部16は、収穫部Hの後側に設けられている。また、収穫部Hは、刈刃15及びリール17を含んでいる。
刈刃15は、圃場の植立穀稈を刈り取る。また、リール17は、機体左右方向に沿うリール軸芯17b周りに回転駆動しながら収穫対象の植立穀稈を掻き込む。刈刃15により刈り取られた刈取穀稈は、搬送部16へ送られる。
この構成により、収穫部Hは、圃場の穀物を収穫する。そして、コンバイン1は、刈刃15によって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11によって走行する刈取走行が可能である。
収穫部Hにより収穫された刈取穀稈は、搬送部16によって機体後方へ搬送される。これにより、刈取穀稈は脱穀装置13へ搬送される。
脱穀装置13において、刈取穀稈は脱穀処理される。脱穀処理により得られた穀粒は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。
また、図1に示すように、運転部12には、通信端末4(本発明に係る「設定部」に相当)が配置されている。通信端末4は、種々の情報を表示可能に構成されている。本実施形態において、通信端末4は、運転部12に固定されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、通信端末4は、運転部12に対して着脱可能に構成されていても良いし、通信端末4は、コンバイン1の機外に位置していても良い。
ここで、コンバイン1は、自動操舵制御による走行を行うことができるように構成されている。自動操舵制御とは、前進走行を自動で行う制御である。特に、本実施形態において、自動操舵制御とは、αターンやUターン等の大きな方向転換のない前進走行を自動で行う制御である。
また、コンバイン1は、自動操舵制御が実行されていないときは、手動操舵走行を行うように構成されている。手動操舵走行とは、オペレータの手動操舵によって走行を行うことを意味する。
また、運転部12には、主変速レバー(図示せず)が設けられている。コンバイン1が走行しているとき、オペレータが主変速レバーを操作すると、コンバイン1の車速が変化する。即ち、コンバイン1が走行しているとき、オペレータは、主変速レバーを操作することにより、コンバイン1の車速を変更することができる。
また、運転部12には、図2に示す操舵操作具41が設けられている。コンバイン1が手動操舵走行を行っているとき、オペレータが操舵操作具41を操作すると、走行装置11における左右のクローラの間に速度差が生じるように構成されている。これにより、コンバイン1が旋回する。即ち、コンバイン1が手動操舵走行を行っているとき、オペレータは、操舵操作具41を操作することにより、コンバイン1の操舵を行うことができる。
尚、コンバイン1は、操舵操作具41への操作力が走行装置11へ伝達されないように構成されている。即ち、操舵操作具41は、走行装置11に機械的に連動するものではない。オペレータが操舵操作具41を操作すると、操舵操作具41の動きが電気的に検知され、この検知に基づいて、走行装置11における左右のクローラが制御される。これにより、左右のクローラの間に速度差が生じると、コンバイン1は旋回する。また、左右のクローラの間に速度差がない状態では、コンバイン1は直進する。
〔操舵操作具の構成〕
図2に示すように、操舵操作具41は、右第3操作位置R3と左第3操作位置L3との間で、左右方向に揺動操作可能に構成されている。操舵操作具41の可動範囲の中央に、中央操作位置CPが位置している。
中央操作位置CPと右第3操作位置R3との間に、右第1操作位置R1及び右第2操作位置R2が位置している。右第2操作位置R2は、右第1操作位置R1よりも右側に位置している。
中央操作位置CPと左第3操作位置L3との間に、左第1操作位置L1及び左第2操作位置L2が位置している。左第2操作位置L2は、左第1操作位置L1よりも左側に位置している。
本実施形態において、操舵操作具41の操作量は、中央操作位置CPからの揺動角度である。
中央操作位置CPから右第1操作位置R1までの操作量は、第1操作量A1である。また、中央操作位置CPから右第2操作位置R2までの操作量は、第2操作量A2である。そして、上述の通り、操舵操作具41は、右側へ右第3操作位置R3まで操作可能である。即ち、操舵操作具41は、右側へ第2操作量A2よりも大きく操作可能である。
また、図2には図示されていないが、左側についても同様である。即ち、中央操作位置CPから左第1操作位置L1までの操作量は、第1操作量A1である。また、中央操作位置CPから左第2操作位置L2までの操作量は、第2操作量A2である。そして、上述の通り、操舵操作具41は、左側へ左第3操作位置L3まで操作可能である。即ち、操舵操作具41は、左側へ第2操作量A2よりも大きく操作可能である。
このように、操舵操作具41の可動範囲は、第1操作量A1よりも大きな操作量である第2操作量A2よりも大きく操舵操作具41を操作可能であるように設定されている。
〔走行制御システムの構成〕
本実施形態において、コンバイン1の走行は、走行制御システムA(図3参照)によって制御される。即ち、走行制御システムAは、コンバイン1の走行を制御する。図3に示すように、コンバイン1は、制御部20を備えている。そして、通信端末4、操舵操作具41、制御部20は、走行制御システムAに含まれている。
即ち、走行制御システムAは、操舵のための操舵操作具41を備えている。
図3に示すように、制御部20は、走行制御部24を有している。走行制御部24は、走行装置11を制御可能に構成されている。走行制御部24は、走行装置11を制御することにより、コンバイン1の走行を制御する。
尚、制御部20、及び、制御部20に含まれる走行制御部24等の各要素は、マイクロコンピュータ等の物理的な装置であっても良いし、ソフトウェアにおける機能部であっても良い。
ここで、走行制御部24の制御モードは、手動操舵モードと、自動操舵モードと、の間でモード切替可能である。より具体的には、走行制御部24の制御モードは、手動操舵モードと、自動操舵モードである第1自動操舵モード(本発明に係る「第1制御モード」、「第1自動操舵モード」に相当)と、自動操舵モードである第2自動操舵モード(本発明に係る「第2制御モード」、「第2自動操舵モード」に相当)と、の間でモード切替可能である。
即ち、走行制御部24の制御モードは、手動操舵モードと、自動操舵モードである第1自動操舵モードと、の間でモード切替可能である。また、走行制御部24の制御モードは、手動操舵モードと、自動操舵モードである第2自動操舵モードと、の間でモード切替可能である。
尚、詳しくは後述するが、走行制御部24の制御モードが自動操舵モードである場合、走行制御部24は、コンバイン1の自動操舵制御を実行可能である。
本実施形態において、通信端末4は、人為的な操作入力を受け付けるように構成されている。そして、走行制御部24の制御モードは、通信端末4への操作入力によって切り替わる。即ち、オペレータは、通信端末4への操作入力により、走行制御部24の制御モードを、手動操舵モードと、第1自動操舵モードと、第2自動操舵モードと、の間で切り替えることができる。
以下では、走行制御部24の各制御モードについて詳述する。
〔手動操舵モードについて〕
走行制御部24の制御モードが手動操舵モードであるとき、図3に示すように、操舵操作具41から走行制御部24へ、操舵操作具41の操作に応じた信号が入力される。そして、走行制御部24は、この信号に応じて、走行装置11を制御することにより、コンバイン1の走行を制御する。
即ち、走行制御部24の制御モードが手動操舵モードである場合、走行制御部24は、操舵操作具41の操作に応じてコンバイン1の走行を制御する。また、走行制御システムAは、操舵操作具41の操作に応じてコンバイン1の走行を制御する走行制御部24を備えている。
この構成により、コンバイン1は、走行制御部24の制御モードが手動操舵モードであるとき、手動操舵走行を行う。
走行制御部24は、特に限定されないが、例えば、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1より小さい場合にはコンバイン1を直進させ、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上である場合には、操舵操作具41の操作方向にコンバイン1を旋回させるように構成されていても良い。さらに、走行制御部24は、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上である場合、操舵操作具41の操作量が大きいほどコンバイン1の旋回半径が小さくなるように、コンバイン1の走行を制御するように構成されていても良い。
〔第1自動操舵モードについて〕
以下では、第1自動操舵モードについて説明する。図3に示すように、制御部20は、自車位置算出部21(本発明に係る「機体位置算出部」に相当)、及び、自動操舵制御部30(本発明に係る「第1機体位置決定部」、「第2機体位置決定部」に相当)を有している。
図1に示すように、衛星測位モジュール80は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)で用いられる人工衛星GSからのGPS信号を受信する。そして、図3に示すように、衛星測位モジュール80は、受信したGPS信号に基づいて、コンバイン1の自車位置を示す測位データを自車位置算出部21へ送る。
尚、本発明はこれに限定されない。衛星測位モジュール80は、GPSを利用するものでなくても良い。例えば、衛星測位モジュール80は、GPS以外のGNSS(GLONASS、Galileo、みちびき、BeiDou等)を利用するものであっても良い。
自車位置算出部21は、衛星測位モジュール80により出力された測位データに基づいて、コンバイン1の位置座標(本発明に係る「機体位置」に相当)を経時的に算出する。
このように、走行制御システムAは、衛星測位を用いてコンバイン1の機体位置を算出する自車位置算出部21を備えている。自車位置算出部21により算出されたコンバイン1の位置座標は、走行制御部24へ送られる。
また、図3に示すように、コンバイン1は、慣性計測装置81を備えている。また、制御部20は、自車方位算出部25を有している。
慣性計測装置81は、コンバイン1の機体のヨー角度の角速度、及び、互いに直交する3軸方向の加速度を経時的に検知する。慣性計測装置81による検知結果は、自車方位算出部25へ送られる。
自車方位算出部25は、自車位置算出部21から、コンバイン1の位置座標を受け取る。そして、自車方位算出部25は、慣性計測装置81による検知結果と、コンバイン1の位置座標と、に基づいて、コンバイン1の姿勢方位を算出する。
より具体的には、まず、コンバイン1の走行中に、現在のコンバイン1の位置座標、及び、直前に走行していた地点におけるコンバイン1の位置座標に基づいて、自車方位算出部25は、初期姿勢方位を算出する。次に、初期姿勢方位が算出されてからコンバイン1が一定時間走行すると、自車方位算出部25は、その一定時間の走行の間に慣性計測装置81により検知された角速度を積分処理することにより、姿勢方位の変化量を算出する。
そして、このように算出された姿勢方位の変化量を初期姿勢方位に足し合わせることによって、自車方位算出部25は、姿勢方位の算出結果を更新する。その後、一定時間毎に、姿勢方位の変化量が同様に算出されると共に、順次、姿勢方位の算出結果が更新されていく。
以上の構成により、自車方位算出部25は、コンバイン1の姿勢方位を算出する。自車方位算出部25により算出されたコンバイン1の姿勢方位は、走行制御部24へ送られる。
ここで、走行制御部24の制御モードが、手動操舵モードまたは第2自動操舵モードから、第1自動操舵モードへ切り替えられると、通信端末4のディスプレイ4bに、図4に示す画面が表示される。図4に示す画面では、第1登録ボタン51、第2登録ボタン52、終了ボタン63が表示される。
尚、通信端末4は、図3に示すように、自車位置算出部21からコンバイン1の位置座標を受け取る。これにより、通信端末4は、通信端末4のディスプレイ4bに、コンバイン1の現在位置を表示可能である。
また、ディスプレイ4bは、タッチ操作可能に構成されている。オペレータは、ディスプレイ4bにタッチ操作を行うことにより、通信端末4への操作入力を行うことができる。
図4に示す第1登録ボタン51がタッチ操作された場合、所定の第1信号が通信端末4から自動操舵制御部30へ送られる。自動操舵制御部30は、この第1信号に応答して、自車位置算出部21から、コンバイン1の位置座標を取得する。自動操舵制御部30は、この位置座標を、第1登録地点Q1(本発明に係る「第1機体位置」に相当)(図5参照)として決定する。第1登録地点Q1は、自動操舵制御部30における方位決定部31(図3参照)に記憶される。
即ち、走行制御システムAは、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであるとき、手動操作によって生成された第1信号に応答して取得した機体位置を第1登録地点Q1に決定する自動操舵制御部30を備えている。
また、コンバイン1が第1登録地点Q1からある程度離れた場所に位置しているときに、第2登録ボタン52がタッチ操作された場合、所定の第2信号が通信端末4から自動操舵制御部30へ送られる。自動操舵制御部30は、この第2信号に応答して、自車位置算出部21から、コンバイン1の位置座標を取得する。自動操舵制御部30は、この位置座標を、第2登録地点Q2(本発明に係る「第2機体位置」に相当)(図5参照)として決定する。第2登録地点Q2は、方位決定部31(図3参照)に記憶される。
即ち、走行制御システムAは、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであるとき、第1登録地点Q1から離れた場所での手動操作によって生成された第2信号に応答して取得した機体位置を第2登録地点Q2に決定する自動操舵制御部30を備えている。
図4に示す画面において、オペレータが第1登録ボタン51をタッチ操作した後、コンバイン1がある程度の距離を手動操舵走行によって走行し、オペレータが第2登録ボタン52をタッチ操作すると、方位決定部31に、第1登録地点Q1と第2登録地点Q2とが記憶されることとなる。そして、ディスプレイ4bの表示は、図5に示すような画面になる。
図5に示す画面では、第1登録ボタン51、第2登録ボタン52、終了ボタン63が表示される。また、この画面では、第1登録地点Q1、第2登録地点Q2、既刈領域BAが表示されている。尚、既刈領域BAは、コンバイン1により植立穀稈が刈り取られた領域である。
そして、方位決定部31は、第1登録地点Q1と第2登録地点Q2とに基づいて、自動操舵制御のための基準方位TA(図6参照)を決定する。より具体的には、方位決定部31は、第1登録地点Q1と第2登録地点Q2とを結ぶ直線の方位を算出し、この方位を基準方位TAとして決定する。
即ち、方位決定部31は、第1登録地点Q1と第2登録地点Q2とを結ぶ直線の方位を基準方位TAとして決定する。
基準方位TAの形式は、特に限定されないが、例えば、東西南北を基準とした形式(例えば、「北」や「北27度東」等)であっても良いし、座標系における単位ベクトルであっても良い。
また、基準方位TAは、一方から他方への向きを有するものでなくても良い。例えば、基準方位TAは、座標系における直線の傾き(例えば、第1登録地点Q1と第2登録地点Q2とを通る直線の傾き)を示すものであっても良いし、座標系における直線そのもの(例えば、第1登録地点Q1と第2登録地点Q2とを通る直線そのもの)を示すものであっても良いし、東西南北を基準として方向を示すもの(例えば、「南北方向」や「東西方向」等)であっても良い。
図3に示すように、自動操舵制御部30は、経路算出部32を有している。走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードである場合において、方位決定部31が基準方位TAを決定した後、経路算出部32は、収穫部Hの刈幅中心を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを常時算出する。即ち、この走行ラインは、基準方位TAに基づいて算出される。そして、オペレータが自動操舵開始終了ボタン(図示せず)を操作すると、走行制御部24は、コンバイン1の自動操舵制御を開始する。
尚、本発明はこれに限定されない。走行制御部24は、コンバイン1が所定の走行距離に亘って直進した場合に、コンバイン1の自動操舵制御を開始するように構成されていても良い。
また、自動操舵開始終了ボタンの設けられる場所は特に限定されないが、例えば、運転部12に設けられていても良いし、また、走行制御システムAのうちのコンバイン1の外部に設けられていても良い。また、走行制御部24がコンバイン1の自動操舵制御を実行しているとき、オペレータが自動操舵開始終了ボタンを操作すると、走行制御部24は、コンバイン1の自動操舵制御を終了する。
走行制御部24がコンバイン1の自動操舵制御を開始したとき、経路算出部32は、その時点で算出されていた走行ラインを固定する。固定された走行ラインは、自動操舵目標ラインGL(本発明に係る「目標走行経路」に相当)(図7参照)となる。即ち、経路算出部32は、コンバイン1の自動操舵制御が開始されたタイミングで、そのときに算出していた走行ラインを自動操舵目標ラインGLとして決定する。そして、自動操舵目標ラインGLを示す情報が、自動操舵制御部30から走行制御部24へ送られる。
コンバイン1の自動操舵制御の実行中、走行制御部24は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標と、自車方位算出部25から受け取ったコンバイン1の姿勢方位と、自動操舵制御部30から受け取った自動操舵目標ラインGLを示す情報と、に基づいて、コンバイン1の走行を制御する。より具体的には、走行制御部24は、自動操舵目標ラインGLに沿って刈取走行が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。このとき、走行制御部24は、例えば、収穫部Hの刈幅中心が自動操舵目標ラインGL上に位置するように、コンバイン1の走行を制御する。
また、本発明は、以上で説明した構成に限定されない。コンバイン1の自動操舵制御の実行中、走行制御部24は、自動操舵目標ラインGLに代えて、基準方位TAに基づいてコンバイン1の走行を制御しても良い。この場合、走行制御部24は、コンバイン1の姿勢方位が基準方位TAに合うように、または、基準方位TAに対して平行となるように、機体方位を制御しても良い。
即ち、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードである場合、走行制御部24は、方位決定部31により決定された基準方位TA、または、基準方位TAに基づいて算出された自動操舵目標ラインGLに基づいて、コンバイン1の自動操舵制御を実行可能である。
尚、ディスプレイ4bに図4に示す画面、または、図5に示す画面が表示された状態で、オペレータが終了ボタン63をタッチ操作すると、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替わると共に、ディスプレイ4bの画面は、手動操舵モード用の画面(図示せず)に切り替わる。
ここで、第1自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御について、例を挙げて説明する。図6及び図7に示す例では、コンバイン1は、圃場の境界OBに沿って、圃場における外周側を走行している。
図6において、走行制御部24の制御モードは第1自動操舵モードである。このとき、基準方位TAはまだ決定されていないものとする。また、コンバイン1は、圃場の北端において、西へ向かって走行している。コンバイン1は、第1地点P1を通過した後、第2地点P2を通過する。
そして、この例では、コンバイン1が第1地点P1に位置しているとき、オペレータが、第1登録ボタン51をタッチ操作する。また、コンバイン1が第2地点P2に位置しているとき、オペレータが、第2登録ボタン52をタッチ操作する。
これにより、第1地点P1の位置座標が、第1登録地点Q1として方位決定部31に記憶される。また、第2地点P2の位置座標が、第2登録地点Q2として方位決定部31に記憶される。そして、方位決定部31は、第1登録地点Q1から第2登録地点Q2へ向かう直線の方向を算出し、この方向を基準方位TAとして決定する。この例において、基準方位TAは、西の方角に一致する。
その後、経路算出部32は、収穫部Hの刈幅中心を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを常時算出する。この例において、経路算出部32は、東西方向に延びる走行ラインを算出することとなる。
次に、コンバイン1が圃場の南端において東へ向かって走行する際、オペレータが、自動操舵開始終了ボタンを操作するものとする。これにより、走行制御部24が、コンバイン1の自動操舵制御を開始する。これに伴い、図7に示すように、走行ラインが固定され、自動操舵目標ラインGLとなる。この自動操舵目標ラインGLは、圃場の南端部において、東西方向に延びている。
そして、図7に示すように、コンバイン1は、自動操舵制御により、圃場の南端において東へ向かって走行する。
〔平行移動処理について〕
図3に示すように、自動操舵制御部30は、平行移動部35を有している。平行移動部35は、平行移動処理を実行可能に構成されている。平行移動処理とは、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであり、且つ、コンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、操舵操作具41の操作に応じて、自動操舵目標ラインGLを平行移動する処理である。
以下では、平行移動部35により平行移動処理が実行される場合について、例を挙げて説明する。
図8から図10に示す例では、コンバイン1は、圃場の東端において、北へ向かって走行している。また、この圃場の東端における境界OBは、図8に示す第3地点P3、第4地点P4において折れ曲がっている。第4地点P4は、第3地点P3に対して北東に位置している。圃場の境界OBのうち、第3地点P3よりも南側の部分、及び、第4地点P4よりも北側の部分は、南北方向に沿って延びている。また、圃場の境界OBのうち、第3地点P3と第4地点P4とを繋ぐ部分は、第3地点P3から北東方向へ延びている。
図8において、コンバイン1は、南北方向に延びる第1目標ラインGL1に沿って自動操舵制御による刈取走行を行っている。第1目標ラインGL1は、自動操舵目標ラインGLである。このとき、走行制御部24の制御モードは第1自動操舵モードである。また、このときの基準方位TAは、北向きであるものとする。
この例においては、図9に示すように、コンバイン1が第3地点P3に到達した時点で、オペレータが、操舵操作具41を右第1操作位置R1と右第2操作位置R2との間の位置まで操作したものとする。これにより、操舵操作具41は、右側へ第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下の操作量で操作されたこととなる。
ここで、平行移動部35は、第1自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下となるように操舵操作具41が操作された場合、平行移動処理を実行するように構成されている。
そのため、図9に示す操舵操作具41の操作に応じて、平行移動部35は、平行移動処理を実行する。本実施形態における平行移動処理では、自動操舵目標ラインGLが、操舵操作具41の操作方向へ平行移動するものとする。この例では操舵操作具41が右側へ操作されたため、自動操舵目標ラインGLが、右側へ所定の移動距離だけ平行移動する。
これにより、新たな自動操舵目標ラインGLである第2目標ラインGL2が算出される。尚、平行移動処理において、新たな自動操舵目標ラインGLは、平行移動部35により算出されても良いし、平行移動部35からの指示信号を受け取った経路算出部32により算出されても良い。
このように、走行制御システムAは、第1自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下となるように操舵操作具41が操作された場合、自動操舵目標ラインGLが、操舵操作具41の操作方向へ平行移動するように構成されている。
尚、仮に、操舵操作具41が左側へ第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下の操作量で操作された場合は、自動操舵目標ラインGLが、左側へ所定の移動距離だけ平行移動する。
また、このときの移動距離は、任意に設定することが可能である。移動距離は、例えば10cm(センチメートル)である。
また、仮に、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1未満である場合は、平行移動部35は、平行移動処理を実行しない。
また、この例では、新たな自動操舵目標ラインGLである第2目標ラインGL2が算出されると同時に、古い自動操舵目標ラインGLである第1目標ラインGL1は破棄される。しかしながら、本発明はこれに限定されない。新たな自動操舵目標ラインGLが算出されたとき、古い自動操舵目標ラインGLは破棄されず、記憶されたままでも良い。
図10に示すように、平行移動処理の実行後は、コンバイン1は、第2目標ラインGL2に沿って自動操舵制御による刈取走行を行う。即ち、平行移動処理の実行直後に、コンバイン1は、第2目標ラインGL2へ近づくように走行する。その後、コンバイン1は、コンバイン1の機体位置が第2目標ラインGL2上に位置するように、走行する。
〔第1応答旋回制御について〕
上述の平行移動処理により新たな自動操舵目標ラインGLが算出される場合、走行制御部24は、第1応答旋回制御を実行する。第1応答旋回制御では、予め決められた旋回動作が行われるようにコンバイン1の走行が制御される。
尚、本実施形態において、この旋回動作は、一時的な旋回動作である。また、平行移動処理により新たな自動操舵目標ラインGLが算出された際、既に、コンバイン1がその自動操舵目標ラインGL上に位置している場合であっても、走行制御部24は、第1応答旋回制御を実行しても良い。
また、上述の通り、第1応答旋回制御は、平行移動処理により新たな自動操舵目標ラインGLが算出される場合に実行される。即ち、第1応答旋回制御は、第1自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下となるように操舵操作具41が操作された場合に実行される。このとき、実行される旋回動作は、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定である。例えば、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1であるときに実行される旋回動作と、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2であるときに実行される旋回動作と、は互いに同一である。
このように、走行制御部24は、操舵操作具41が操作されたとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である場合においては、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。
より具体的には、走行制御部24は、操舵操作具41が操作されたとき、第1自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であり、且つ、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である場合においては、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、コンバイン1の走行を制御するように構成されている。
尚、平行移動処理の後に第1応答旋回制御が実行されても良いし、第1応答旋回制御の後に平行移動処理が実行されても良い。また、平行移動処理と第1応答旋回制御とが同時に実行されても良い。
以下では、走行制御部24により第1応答旋回制御が実行される場合について、例を挙げて説明する。
図11に示す例では、コンバイン1は、第1自動操舵モードによる自動操舵制御によって、第3目標ラインGL3に沿って走行しているものとする。第3目標ラインGL3は、自動操舵目標ラインGLである。
そして、図11に示すように、オペレータが、操舵操作具41を右第1操作位置R1と右第2操作位置R2との間の位置まで操作したものとする。これにより、上記で説明した平行移動処理が実行される。その結果、新たな自動操舵目標ラインGLである第4目標ラインGL4が算出される。この例では、圃場の傾斜等の影響により、第4目標ラインGL4が算出された時点で、既に、コンバイン1が第4目標ラインGL4上に位置しているものとする。より具体的には、収穫部Hの刈幅中心が、第4目標ラインGL4上に位置しているものとする。
また、このとき、オペレータが操舵操作具41を右第1操作位置R1と右第2操作位置R2との間の位置まで操作したことに応じて、上記で説明した第1応答旋回制御が実行される。
図12では、第1応答旋回制御の一例が示されている。この例においては、オペレータが操舵操作具41を右側へ操作したため、走行制御部24は、予め決められた右側への旋回動作が行われるようにコンバイン1の走行を制御する。
これにより、図12に示すように、コンバイン1は、第4目標ラインGL4に対して右側へ一時的に旋回する。その後、コンバイン1は、走行制御部24による自動操舵制御により、第4目標ラインGL4に沿って走行する。
尚、第1応答旋回制御による旋回動作は、微小な旋回動作であることが好ましい。そのため、図12に示す例では、コンバイン1は、この旋回動作によって、第4目標ラインGL4に対して右方向へはほとんど移動しない。
また、図8から図10に示す例において、第1応答旋回制御が実行されても良い。
〔第2自動操舵モードについて〕
以下では、第2自動操舵モードについて説明する。図3に示すように、自動操舵制御部30は、直進判定部34を備えている。
直進判定部34は、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであり、且つ、コンバイン1の自動操舵制御が実行されていないとき、コンバイン1が所定距離D1に亘って直進したか否かを判定する。
詳述すると、操舵操作具41の操作状態を示す信号が、操舵操作具41から自動操舵制御部30へ送られる。直進判定部34は、この信号に基づいて、操舵操作具41が操作されているか否かを経時的に判定する。
そして、直進判定部34は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標に基づいて、操舵操作具41が操作されていない間のコンバイン1の移動距離を算出する。算出された移動距離が所定距離D1に達した場合、直進判定部34は、コンバイン1が所定距離D1に亘って直進したと判定する。また、算出された移動距離が所定距離D1に達しない場合、直進判定部34は、コンバイン1が所定距離D1に亘って直進していないと判定する。
そして、方位決定部31は、直進判定部34によりコンバイン1が所定距離D1に亘って直進したと判定された場合、所定距離D1に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TA(図14参照)を決定する。
より具体的には、方位決定部31は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標に基づいて、操舵操作具41が操作されていない間のコンバイン1の位置座標の推移を記憶する。そして、直進判定部34により、コンバイン1が所定距離D1に亘って直進したと判定されたとき、方位決定部31は、記憶している位置座標のうちの2地点を、第1通過地点Y1及び第2通過地点Y2として決定する。
このとき、方位決定部31は、直進判定部34によってコンバイン1が所定距離D1に亘って直進したと判定された時点でのコンバイン1の位置座標を、第2通過地点Y2として決定する。また、所定距離D1に亘って行われた直進の開始時点でのコンバイン1の位置座標を、第1通過地点Y1として決定する。
言い換えれば、所定距離D1に亘って行われた直進の始点及び終点が、それぞれ、第1通過地点Y1及び第2通過地点Y2として決定される。
そして、方位決定部31は、第1通過地点Y1と第2通過地点Y2とに基づいて、自動操舵制御のための基準方位TAを決定する。より具体的には、方位決定部31は、第1通過地点Y1から第2通過地点Y2へ向かう直線の方向を算出する。
ここで、第1通過地点Y1から第2通過地点Y2へ向かう直線の方向は、所定距離D1に亘って行われた直進の方向に等しい。即ち、方位決定部31は、所定距離D1に亘って行われた直進の方向を算出する。そして、方位決定部31は、算出された方向を、基準方位TAとして決定する。
以上で説明した方法により、方位決定部31は、所定距離D1に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TAを決定する。
尚、本発明はこれに限定されない。直進判定部34は、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであり、且つ、コンバイン1の自動操舵制御が実行されていないとき、コンバイン1が所定時間に亘って直進したか否かを判定するように構成されていても良い。そして、この場合、方位決定部31は、直進判定部34によりコンバイン1が所定時間に亘って直進したと判定された場合、所定時間に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TAを決定するように構成されていても良い。
即ち、走行制御システムAは、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであるとき、コンバイン1が所定距離D1または所定時間に亘って直進したか否かを判定する直進判定部34を備えている。また、方位決定部31は、直進判定部34によりコンバイン1が所定距離D1または所定時間に亘って直進したと判定された場合、所定距離D1または所定時間に亘って行われた直進の方向に基づいて基準方位TAを決定する。
尚、所定距離D1は、特に限定されないが、例えば1メートルであっても良い。また、所定時間は、特に限定されないが、例えば1秒であっても良い。
走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードである場合、方位決定部31が基準方位TAを決定すると、走行制御部24は、自動操舵制御を開始する。また、このとき、経路算出部32は、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを算出すると共に、当該走行ラインを、自動操舵目標ラインGL(図14参照)として決定する。そして、自動操舵目標ラインGLを示す情報が、自動操舵制御部30から走行制御部24へ送られる。
コンバイン1の自動操舵制御の実行中、走行制御部24は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標と、自車方位算出部25から受け取ったコンバイン1の姿勢方位と、自動操舵制御部30から受け取った自動操舵目標ラインGLを示す情報と、に基づいて、コンバイン1の走行を制御する。より具体的には、走行制御部24は、自動操舵目標ラインGLに沿って刈取走行が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。このとき、走行制御部24は、例えば、衛星測位モジュール80が自動操舵目標ラインGL上に位置するように、コンバイン1の走行を制御する。
また、本発明は、以上で説明した構成に限定されない。コンバイン1の自動操舵制御の実行中、走行制御部24は、自動操舵目標ラインGLに代えて、基準方位TAに基づいてコンバイン1の走行を制御しても良い。この場合、走行制御部24は、コンバイン1の姿勢方位が基準方位TAに合うように、または、基準方位TAに対して平行となるように、機体方位を制御しても良い。
即ち、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードである場合、走行制御部24は、方位決定部31により決定された基準方位TA、または、基準方位TAに基づいて算出された自動操舵目標ラインGLに基づいて、コンバイン1の自動操舵制御を実行可能である。
以上の構成により、走行制御部24の制御モードが自動操舵モードである場合、走行制御部24は、方位決定部31により決定された基準方位TA、または、基準方位TAに基づいて算出された自動操舵目標ラインGLに基づいて、コンバイン1の自動操舵制御を実行可能である。また、走行制御部24の制御モードは、コンバイン1の自動操舵制御を実行可能な第1自動操舵モードと、コンバイン1の自動操舵制御を実行可能な第2自動操舵モードと、の間でモード切替可能である。
以下では、第2自動操舵モードによる自動操舵制御の開始について詳述する。自動操舵制御部30は、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであり、且つ、コンバイン1の自動操舵制御が実行されていないとき、図13に示す第1判定ルーチンを、一定時間毎に繰り返し実行する。この第1判定ルーチンは、自動操舵制御部30に格納されている。
以下では、図13を参照し、第1判定ルーチンについて説明する。
第1判定ルーチンが開始されると、まず、ステップS01の処理が実行される。ステップS01では、コンバイン1が所定距離D1に亘って直進したか否かが判定される。この判定は、上述のように、直進判定部34により行われる。
コンバイン1が所定距離D1に亘って直進していない場合、ステップS01でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、コンバイン1が所定距離D1に亘って直進した場合、ステップS01でYesと判定され、処理はステップS02へ移行する。
ステップS02では、所定距離D1に亘って行われた直進の方向に基づいて、基準方位TAが決定される。この決定は、上述のように、方位決定部31により行われる。そして、処理はステップS03へ移行する。
ステップS03では、走行制御部24による自動操舵制御が開始される。このとき、経路算出部32は、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを算出すると共に、当該走行ラインを、自動操舵目標ラインGL(図14参照)として決定する。その後、処理は一旦終了する。
ここで、第1判定ルーチンによって、基準方位TAが決定されると共に、走行制御部24による自動操舵制御が開始される場合について、例を挙げて説明する。
図14及び図15に示す例では、コンバイン1は、圃場における外周側を走行している。図14において、コンバイン1は、まず、圃場の北東部の第5地点P5から圃場に進入する。このとき、走行制御部24の制御モードは第2自動操舵モードである。また、このとき、コンバイン1の自動操舵制御は実行されていない。また、このとき、基準方位TAは、まだ決定されていないものとする。そして、コンバイン1は、圃場の北端において、西へ向かって走行する。
次に、コンバイン1は、第6地点P6を通過する。この時点で、オペレータが、操舵操作具41を直進状態に操作するものとする。これにより、コンバイン1は、第6地点P6から直進する。
この例では、コンバイン1が第6地点P6を通過してから第7地点P7に到達するまでの間、オペレータは、操舵操作具41を操作しないものとする。また、第6地点P6から第7地点P7までの距離が、所定距離D1であるとする。
この場合、コンバイン1が第7地点P7に到達した時点で、第1判定ルーチンのステップS01においてYesと判定される。これにより、方位決定部31は、基準方位TAを決定する。
このとき、方位決定部31は、第6地点P6を第1通過地点Y1として決定する。また、方位決定部31は、第7地点P7を第2通過地点Y2として決定する。そして、方位決定部31は、第1通過地点Y1から第2通過地点Y2へ向かう直線の方向を算出し、この方向を基準方位TAとして決定する。図14において、基準方位TAは、西の方角に一致する。
その後、経路算出部32が、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを算出すると共に、当該走行ラインを、自動操舵目標ラインGLとして決定する。そして、コンバイン1の自動操舵制御が開始される。
この自動操舵目標ラインGLは、第6地点P6と第7地点P7とを通ることとなる。また、この自動操舵目標ラインGLは、圃場の北端部において、東西方向に延びている。
そして、図14に示すように、コンバイン1は、第7地点P7から、自動操舵制御による刈取走行を開始する。これにより、コンバイン1は、圃場の北端において西へ向かって、自動操舵制御による刈取走行を行う。
その後、コンバイン1が圃場の西端に到達すると、オペレータは、操舵操作具41を左側へ第2操作量A2よりも大きく操作して、コンバイン1の進行方向を南方へ変更する。ここで、本実施形態においては、第2自動操舵モードによる自動操舵制御の実行中に、操舵操作具41が第2操作量A2よりも大きく操作された場合、自動操舵制御が終了するように構成されている。そのため、オペレータが、操舵操作具41を左側へ第2操作量A2よりも大きく操作したとき、自動操舵制御は終了する。その後、コンバイン1は、手動操舵によって走行する。
そして、図15に示すように、コンバイン1は、第8地点P8を通過する。この時点で、オペレータが、操舵操作具41を直進状態に操作するものとする。これにより、コンバイン1は、第8地点P8から直進する。
この例では、コンバイン1が第8地点P8を通過してから第9地点P9に到達するまでの間、オペレータは、操舵操作具41を操作しないものとする。また、第8地点P8から第9地点P9までの距離が、所定距離D1であるとする。
この場合、コンバイン1が第9地点P9に到達した時点で、第1判定ルーチンのステップS01においてYesと判定される。これにより、方位決定部31は、新たな基準方位TAを決定することにより、基準方位TAを更新する。
このとき、方位決定部31は、既に決定されていた基準方位TAを破棄する。即ち、図14に示した西向きの基準方位TAは、この時点で破棄される。そして、方位決定部31は、第8地点P8を第1通過地点Y1として決定する。また、方位決定部31は、第9地点P9を第2通過地点Y2として決定する。そして、方位決定部31は、第1通過地点Y1から第2通過地点Y2へ向かう直線の方向を算出し、この方向を基準方位TAとして決定する。図15において、基準方位TAは、南の方角に一致する。
その後、経路算出部32が、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通ると共に基準方位TAに沿う方向の走行ラインを算出すると共に、当該走行ラインを、自動操舵目標ラインGLとして決定する。そして、コンバイン1の自動操舵制御が開始される。
この自動操舵目標ラインGLは、第8地点P8と第9地点P9とを通ることとなる。また、この自動操舵目標ラインGLは、圃場の西端部において、南北方向に延びている。
そして、図15に示すように、コンバイン1は、第9地点P9から、自動操舵制御による刈取走行を開始する。これにより、コンバイン1は、圃場の西端において南へ向かって自動操舵制御による刈取走行を行う。
〔方位変更処理について〕
方位決定部31は、方位変更処理を実行可能に構成されている。方位変更処理とは、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであり、且つ、コンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、操舵操作具41の操作に応じて、基準方位TA、または、自動操舵目標ラインGLの方向を変更する処理である。
以下では、方位決定部31により方位変更処理が実行される場合について、例を挙げて説明する。
図16から図18に示す例と、図19及び図20に示す例と、では、コンバイン1は、圃場の東端において、北へ向かって走行している。また、この圃場の東端における境界OBは、図16に示す第10地点P10において折れ曲がっている。圃場の境界OBのうち、第10地点P10よりも南側の部分は南北方向に沿って延びている。また、圃場の境界OBのうち、第10地点P10よりも北側の部分は、第10地点P10から北東方向へ延びている。
まず、図16から図18に示す例について説明する。
図16において、コンバイン1は、南北方向に延びる第5目標ラインGL5に沿って自動操舵制御による刈取走行を行っている。第5目標ラインGL5は、自動操舵目標ラインGLである。このとき、走行制御部24の制御モードは第2自動操舵モードである。また、このときの基準方位TAは、北向きであるものとする。
この例においては、図17に示すように、コンバイン1が第10地点P10に到達した時点で、オペレータが、操舵操作具41を右第1操作位置R1と右第2操作位置R2との間の位置まで操作したものとする。これにより、操舵操作具41は、右側へ第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下の操作量で操作されたこととなる。
ここで、方位決定部31は、第2自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下となるように操舵操作具41が操作された場合、方位変更処理を実行するように構成されている。
そのため、図17に示す操舵操作具41の操作に応じて、方位決定部31は、方位変更処理を実行する。本実施形態における方位変更処理では、自動操舵目標ラインGLの方向が、操舵操作具41の操作方向に従って変更されるものとする。この例では操舵操作具41が右側へ操作されたため、自動操舵目標ラインGLの方向が、平面視で右回りに所定角度だけ変更される。
これにより、新たな自動操舵目標ラインGLである第6目標ラインGL6が算出される。尚、方位変更処理において、新たな自動操舵目標ラインGLは、方位決定部31により算出されても良いし、方位決定部31からの指示信号を受け取った経路算出部32により算出されても良い。
尚、仮に、操舵操作具41が左側へ第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下の操作量で操作された場合は、自動操舵目標ラインGLの方向が、平面視で左回りに所定角度だけ変更される。
また、このときの所定角度は、任意に設定することが可能である。所定角度は、例えば0.5度である。
また、仮に、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1未満である場合は、方位決定部31は、方位変更処理を実行しない。
また、方位変更処理によって方向が変更された後の自動操舵目標ラインGLは、平面視で衛星測位モジュール80の位置を通るように算出されても良いし、衛星測位モジュール80から機体前方に予め決められた距離だけ離れた位置を通るように算出されても良いし、収穫部Hの刈幅中心を通るように算出されても良い。
また、この例では、新たな自動操舵目標ラインGLである第6目標ラインGL6が算出されると同時に、古い自動操舵目標ラインGLである第5目標ラインGL5は破棄される。しかしながら、本発明はこれに限定されない。新たな自動操舵目標ラインGLが算出されたとき、古い自動操舵目標ラインGLは破棄されず、記憶されたままでも良い。
図18に示すように、方位変更処理の実行後は、コンバイン1は、第6目標ラインGL6に沿って自動操舵制御による刈取走行を行う。
また、以上で説明した例では、方位変更処理により、自動操舵目標ラインGLの方向が変更されたが、本発明はこれに限定されない。方位変更処理により、基準方位TAが変更されても良い。例えば、図17に示す状態において、北向きの基準方位TAが、方位変更処理によって北東向きの基準方位TAに変更されても良い。この場合、経路算出部32が、変更後の基準方位TAに沿う自動操舵目標ラインGLを算出することにより、新たな自動操舵目標ラインGLが算出される。
このように、走行制御システムAは、第2自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下となるように操舵操作具41が操作された場合、基準方位TA、または、自動操舵目標ラインGLの方向を、操舵操作具41の操作方向へ変更するように構成されている。
〔第2応答旋回制御について〕
次に、図19及び図20に示す例について説明する。図19及び図20に示す例では、方位変更処理と共に、第2応答旋回制御が実行される。第2応答旋回制御は、走行制御部24により実行される。第2応答旋回制御では、予め決められた旋回動作が行われるようにコンバイン1の走行が制御される。
尚、本実施形態において、この旋回動作は、一時的な旋回動作である。また、方位変更処理により新たな自動操舵目標ラインGLが算出された際、既に、コンバイン1の姿勢方位がその自動操舵目標ラインGLに沿っている場合であっても、走行制御部24は、第2応答旋回制御を実行しても良い。
また、第2応答旋回制御は、方位変更処理により新たな自動操舵目標ラインGLが算出される場合に実行される。即ち、第2応答旋回制御は、第2自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下となるように操舵操作具41が操作された場合に実行される。このとき、実行される旋回動作は、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定である。例えば、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1であるときに実行される旋回動作と、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2であるときに実行される旋回動作と、は互いに同一である。
このように、走行制御部24は、操舵操作具41が操作されたとき、第2自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であり、且つ、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である場合においては、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、コンバイン1の走行を制御するように構成されている。
以上で説明した構成により、走行制御部24は、操舵操作具41が操作されたとき、第1自動操舵モードまたは第2自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であり、且つ、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である場合においては、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、コンバイン1の走行を制御するように構成されている。
言い換えれば、走行制御部24は、操舵操作具41が操作されたとき、自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であり、且つ、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である場合においては、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、コンバイン1の走行を制御するように構成されている。
尚、第1応答旋回制御による旋回動作と、第2応答旋回制御による旋回動作と、は互いに同一であっても良いし、互いに異なっていても良い。
また、方位変更処理の後に第2応答旋回制御が実行されても良いし、第2応答旋回制御の後に方位変更処理が実行されても良い。また、方位変更処理と第2応答旋回制御とが同時に実行されても良い。
図19に示す状態では、図17と同様に、コンバイン1が第10地点P10に到達した時点で、オペレータが、操舵操作具41を右第1操作位置R1と右第2操作位置R2との間の位置まで操作したものとする。これにより、上記で説明した方位変更処理が実行される。
しかしながら、図19に示す状態では、図17とは異なり、第6目標ラインGL6が算出された時点で、圃場の傾斜等の影響により、既に、コンバイン1の向きが第6目標ラインGL6に沿っているものとする。
また、このとき、オペレータが操舵操作具41を右第1操作位置R1と右第2操作位置R2との間の位置まで操作したことに応じて、上記で説明した第2応答旋回制御が実行される。
図20では、応答旋回制御の一例が示されている。この例においては、上述の通り、オペレータが操舵操作具41を右側へ操作したため、走行制御部24は、予め決められた右側への旋回動作が行われるようにコンバイン1の走行を制御する。
これにより、図20に示すように、コンバイン1は、第6目標ラインGL6に対して右側へ一時的に旋回する。その後、コンバイン1は、走行制御部24による自動操舵制御により、第6目標ラインGL6に沿って走行する。
尚、第2応答旋回制御による旋回動作は、微小な旋回動作であることが好ましい。そのため、図20に示す例では、コンバイン1は、この旋回動作によって、第6目標ラインGL6に対して右方向へはほとんど移動しない。
また、図16から図18に示す例において、第2応答旋回制御が実行されても良い。
〔動作レベルの設定について〕
走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであるとき、通信端末4は、ディスプレイ4bに、第1設定画面を表示可能に構成されている。図21に示す通信端末4のディスプレイ4bには、第1設定画面が表示されている。
図21に示すように、第1設定画面には、第1レベル表示部70、左右シフト量表示部71、第1角度範囲表示部72、プラスボタン73、マイナスボタン74が表示されている。
第1レベル表示部70には、第1レベルが表示される。第1レベルとは、第1自動操舵モードにおける動作レベルである。動作レベルとは、第1応答旋回制御または第2応答旋回制御による旋回動作の強度である。
即ち、第1レベル表示部70には、第1応答旋回制御による旋回動作の強度が表示される。
図21に示す例では、第1レベル表示部70に、「1」と表示されている。これにより、第1レベルが1に設定されていることが示されている。
本実施形態において、第1レベルは、1、2、3、4の四段階に設定可能である。第1レベルの値が大きいほど、第1応答旋回制御による旋回動作の強度が高くなる。
旋回動作の強度とは、具体的には、左右のクローラの速度差であっても良いし、旋回動作の実行される時間の長さであっても良い。左右のクローラの速度差が大きいことは、旋回動作の強度が高いことに相当する。また、旋回動作の実行される時間が長いことは、旋回動作の強度が高いことに相当する。
第1レベル表示部70がタッチ操作されると、第1レベル表示部70が選択された状態となる。また、プラスボタン73及びマイナスボタン74は、タッチ操作可能なボタンである。第1レベル表示部70が選択された状態で、オペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、所定の信号が走行制御部24へ送られる。この信号は、第1レベル表示部70が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号である。
ここで、走行制御部24は、現在設定されている第1レベルを記憶している。そして、走行制御部24は、第1レベル表示部70が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、第1レベルを一段階だけ増加させる。そして、走行制御部24は、増加後の第1レベルを記憶する。
この構成により、第1レベル表示部70が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、第1レベルが一段階ずつ増加する。
また、第1レベル表示部70が選択された状態で、オペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、所定の信号が走行制御部24へ送られる。この信号は、第1レベル表示部70が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号である。
走行制御部24は、第1レベル表示部70が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、第1レベルを一段階だけ減少させる。そして、走行制御部24は、減少後の第1レベルを記憶する。
この構成により、第1レベル表示部70が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、第1レベルが一段階ずつ減少する。
以上で説明した構成により、通信端末4は、操作入力によって、第1レベルを設定可能に構成されている。
即ち、走行制御システムAは、旋回動作の強度である動作レベルを設定可能な通信端末4を備えている。
左右シフト量表示部71には、左右シフト量が表示される。尚、左右シフト量とは、上述の平行移動処理における自動操舵目標ラインGLの移動距離である。
図21に示す例では、左右シフト量表示部71に、「10cm」と表示されている。これにより、左右シフト量が10cmに設定されていることが示されている。
左右シフト量表示部71がタッチ操作されると、左右シフト量表示部71が選択された状態となる。左右シフト量表示部71が選択された状態で、オペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、所定の信号が自動操舵制御部30へ送られる。この信号は、左右シフト量表示部71が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号である。
ここで、平行移動部35は、現在設定されている左右シフト量を記憶している。そして、自動操舵制御部30が、左右シフト量表示部71が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、平行移動部35は、左右シフト量を所定長さだけ増加させる。そして、平行移動部35は、増加後の左右シフト量を記憶する。
この構成により、左右シフト量表示部71が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、左右シフト量が所定長さ刻みで増加する。
また、左右シフト量表示部71が選択された状態で、オペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、所定の信号が自動操舵制御部30へ送られる。この信号は、左右シフト量表示部71が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号である。
自動操舵制御部30が、左右シフト量表示部71が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、平行移動部35は、左右シフト量を所定長さだけ減少させる。そして、平行移動部35は、減少後の左右シフト量を記憶する。
この構成により、左右シフト量表示部71が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、左右シフト量が所定長さ刻みで減少する。
以上で説明した構成により、通信端末4は、操作入力によって、平行移動処理における自動操舵目標ラインGLの移動距離を所定長さ刻みで変更可能に構成されている。
本実施形態において、この所定長さは、5cmである。即ち、通信端末4は、操作入力によって、平行移動処理における自動操舵目標ラインGLの移動距離を5cm刻みで変更可能に構成されている。ただし、本発明はこれに限定されず、この所定長さは、5cm以外のいかなる長さであっても良い。
尚、左右シフト量には、上限値が設けられていても良い。左右シフト量の上限値は、特に限定されないが、例えば20cmであっても良い。
通信端末4は、平行移動部35の制御モードを、許可モードと禁止モードとの間で切り替えることができるように構成されている。許可モードとは、平行移動処理の実行が許可されるモードである。禁止モードとは、平行移動処理の実行が禁止されるモードである。
即ち、平行移動部35の制御モードは、平行移動処理の実行が許可される許可モードと、平行移動処理の実行が禁止される禁止モードと、の間で切り替え可能である。
詳述すると、通信端末4は、左右シフト量を減少させる操作入力に応じて、平行移動部35の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替える。より具体的には、左右シフト量が5cmに設定されているときに、左右シフト量表示部71が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作すると、通信端末4は、平行移動部35の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替える。平行移動部35の制御モードが禁止モードである場合、左右シフト量表示部71に、「なし」と表示される。
また、通信端末4は、左右シフト量を増加させる操作入力に応じて、平行移動部35の制御モードを、禁止モードから許可モードへ切り替える。より具体的には、平行移動部35の制御モードが禁止モードであるときに、左右シフト量表示部71が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作すると、通信端末4は、平行移動部35の制御モードを、禁止モードから許可モードへ切り替える。平行移動部35の制御モードが許可モードである場合、図21に示すように、左右シフト量表示部71に、現在設定されている左右シフト量が表示される。
このように、通信端末4は、操作入力によって平行移動部35の制御モードを切り替え可能に構成されている。
第1角度範囲表示部72には、第1角度範囲が表示される。尚、第1角度範囲とは、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであるときの第2操作量A2である。
図21に示す例では、第1角度範囲表示部72に、「12.5°」と表示されている。これにより、第1角度範囲が12.5°に設定されていることが示されている。
第1角度範囲表示部72がタッチ操作されると、第1角度範囲表示部72が選択された状態となる。第1角度範囲表示部72が選択された状態で、オペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、所定の信号が自動操舵制御部30へ送られる。この信号は、第1角度範囲表示部72が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号である。
ここで、自動操舵制御部30は、現在設定されている第1角度範囲を記憶している。そして、自動操舵制御部30は、第1角度範囲表示部72が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、第1角度範囲を所定角度だけ増加させる。そして、自動操舵制御部30は、増加後の第1角度範囲を記憶する。
この構成により、第1角度範囲表示部72が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、第1角度範囲が所定角度刻みで増加する。
また、第1角度範囲表示部72が選択された状態で、オペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、所定の信号が自動操舵制御部30へ送られる。この信号は、第1角度範囲表示部72が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号である。
自動操舵制御部30は、第1角度範囲表示部72が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、第1角度範囲を所定角度だけ減少させる。そして、自動操舵制御部30は、減少後の第1角度範囲を記憶する。
この構成により、第1角度範囲表示部72が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、第1角度範囲が所定角度刻みで減少する。
以上で説明した構成により、通信端末4は、操作入力によって、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであるときの第2操作量A2を所定角度刻みで変更可能に構成されている。
本実施形態において、この所定角度は、2.5°である。即ち、通信端末4は、操作入力によって、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであるときの第2操作量A2を2.5°刻みで変更可能に構成されている。ただし、本発明はこれに限定されず、この所定角度は、2.5°以外のいかなる角度であっても良い。
尚、第1角度範囲には、上限値が設けられていても良い。第1角度範囲の上限値は、特に限定されないが、例えば17.5°であっても良い。
ここで、通信端末4は、第1角度範囲を減少させる操作入力に応じて、平行移動部35の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替えるように構成されていても良い。例えば、第1角度範囲が7.5°に設定されているときに、第1角度範囲表示部72が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作した場合、通信端末4は、平行移動部35の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替えても良い。
また、このように平行移動部35の制御モードが禁止モードとなった状態では、第1角度範囲表示部72に、「なし」と表示されても良い。また、この状態で、第1角度範囲表示部72が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作した場合、通信端末4は、平行移動部35の制御モードを、禁止モードから許可モードへ切り替えても良い。
本実施形態において、通信端末4は、コンバイン1の走行中には、ディスプレイ4bに第1設定画面を表示しないように構成されている。また、ディスプレイ4bに第1設定画面が表示された状態でコンバイン1が走行を開始した場合、プラスボタン73及びマイナスボタン74は、タッチ操作を受け付けない状態となる。
即ち、通信端末4は、コンバイン1の走行中には、第1レベルを設定するための操作入力を受け付けないように構成されている。
また、通信端末4は、コンバイン1の走行中には、左右シフト量を設定するための操作入力を受け付けないように構成されている。
また、通信端末4は、コンバイン1の走行中には、第1角度範囲を設定するための操作入力を受け付けないように構成されている。
尚、本実施形態において、第1操作量A1は、第1角度範囲の下限値よりも小さい操作量に設定されている。
走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであるとき、通信端末4は、ディスプレイ4bに、第2設定画面を表示可能に構成されている。図22に示す通信端末4のディスプレイ4bには、第2設定画面が表示されている。
図22に示すように、第2設定画面には、第2レベル表示部75、角度シフト量表示部76、第2角度範囲表示部77、プラスボタン73、マイナスボタン74が表示されている。
第2レベル表示部75には、第2レベルが表示される。第2レベルとは、第2自動操舵モードにおける動作レベルである。即ち、第2レベル表示部75には、第2応答旋回制御による旋回動作の強度が表示される。
図22に示す例では、第2レベル表示部75に、「1」と表示されている。これにより、第2レベルが1に設定されていることが示されている。
本実施形態において、第2レベルは、1、2、3、4の四段階に設定可能である。第2レベルの値が大きいほど、第2応答旋回制御による旋回動作の強度が高くなる。
旋回動作の強度とは、具体的には、左右のクローラの速度差であっても良いし、旋回動作の実行される時間の長さであっても良い。左右のクローラの速度差が大きいことは、旋回動作の強度が高いことに相当する。また、旋回動作の実行される時間が長いことは、旋回動作の強度が高いことに相当する。
第2レベル表示部75がタッチ操作されると、第2レベル表示部75が選択された状態となる。第2レベル表示部75が選択された状態で、オペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、所定の信号が走行制御部24へ送られる。この信号は、第2レベル表示部75が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号である。
ここで、走行制御部24は、現在設定されている第2レベルを記憶している。そして、走行制御部24は、第2レベル表示部75が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、第2レベルを一段階だけ増加させる。そして、走行制御部24は、増加後の第2レベルを記憶する。
この構成により、第2レベル表示部75が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、第2レベルが一段階ずつ増加する。
また、第2レベル表示部75が選択された状態で、オペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、所定の信号が走行制御部24へ送られる。この信号は、第2レベル表示部75が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号である。
走行制御部24は、第2レベル表示部75が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、第2レベルを一段階だけ減少させる。そして、走行制御部24は、減少後の第2レベルを記憶する。
この構成により、第2レベル表示部75が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、第2レベルが一段階ずつ減少する。
以上で説明した構成により、通信端末4は、操作入力によって、第2レベルを設定可能に構成されている。
そして、本実施形態においては、第1レベルが通信端末4の操作により設定された場合、第2レベルは、第1レベルに一致するように自動的に設定される。また、第2レベルが通信端末4の操作により設定された場合、第1レベルは、第2レベルに一致するように自動的に設定される。
例えば、第1レベルが通信端末4の操作により「3」に設定された場合、第2レベルは、自動的に「3」に設定される。また、第2レベルが通信端末4の操作により「4」に設定された場合、第1レベルは、自動的に「4」に設定される。
このように、第1自動操舵モードにおける動作レベルである第1レベルが通信端末4により設定された場合、第2自動操舵モードにおける動作レベルである第2レベルは、第1レベルに一致するように設定される。また、第2レベルが通信端末4により設定された場合、第1レベルは、第2レベルに一致するように設定される。
ただし、本発明はこれに限定されない。第1レベルと第2レベルとは、互いに異なる値に設定可能であっても良い。
角度シフト量表示部76には、角度シフト量が表示される。尚、角度シフト量とは、方位変更処理における基準方位TAまたは自動操舵目標ラインGLの方向の変更量である。
図22に示す例では、角度シフト量表示部76に、「0.5°」と表示されている。これにより、角度シフト量が0.5°に設定されていることが示されている。
角度シフト量表示部76がタッチ操作されると、角度シフト量表示部76が選択された状態となる。角度シフト量表示部76が選択された状態で、オペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、所定の信号が自動操舵制御部30へ送られる。この信号は、角度シフト量表示部76が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号である。
ここで、方位決定部31は、現在設定されている角度シフト量を記憶している。そして、自動操舵制御部30が、角度シフト量表示部76が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、方位決定部31は、角度シフト量を所定角度だけ増加させる。そして、方位決定部31は、増加後の角度シフト量を記憶する。
この構成により、角度シフト量表示部76が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、角度シフト量が所定角度刻みで増加する。
また、角度シフト量表示部76が選択された状態で、オペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、所定の信号が自動操舵制御部30へ送られる。この信号は、角度シフト量表示部76が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号である。
自動操舵制御部30が、角度シフト量表示部76が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、方位決定部31は、角度シフト量を所定角度だけ減少させる。そして、方位決定部31は、減少後の角度シフト量を記憶する。
この構成により、角度シフト量表示部76が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、角度シフト量が所定角度刻みで減少する。
以上で説明した構成により、通信端末4は、操作入力によって、方位変更処理における基準方位TAまたは自動操舵目標ラインGLの方向の変更量を所定角度刻みで変更可能に構成されている。
本実施形態において、この所定角度は、0.1°である。即ち、通信端末4は、操作入力によって、方位変更処理における基準方位TAまたは自動操舵目標ラインGLの方向の変更量を0.1°刻みで変更可能に構成されている。ただし、本発明はこれに限定されず、この所定角度は、0.1°以外のいかなる角度であっても良い。
尚、角度シフト量には、上限値が設けられていても良い。角度シフト量の上限値は、特に限定されないが、例えば2.0°であっても良い。
通信端末4は、方位決定部31の制御モードを、許可モードと禁止モードとの間で切り替えることができるように構成されている。許可モードとは、方位変更処理の実行が許可されるモードである。禁止モードとは、方位変更処理の実行が禁止されるモードである。
即ち、方位決定部31の制御モードは、方位変更処理の実行が許可される許可モードと、方位変更処理の実行が禁止される禁止モードと、の間で切り替え可能である。
詳述すると、通信端末4は、角度シフト量を減少させる操作入力に応じて、方位決定部31の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替える。より具体的には、角度シフト量が0.1°に設定されているときに、角度シフト量表示部76が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作すると、通信端末4は、方位決定部31の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替える。方位決定部31の制御モードが禁止モードである場合、角度シフト量表示部76に、「なし」と表示される。
また、通信端末4は、角度シフト量を増加させる操作入力に応じて、方位決定部31の制御モードを、禁止モードから許可モードへ切り替える。より具体的には、方位決定部31の制御モードが禁止モードであるときに、角度シフト量表示部76が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作すると、通信端末4は、方位決定部31の制御モードを、禁止モードから許可モードへ切り替える。方位決定部31の制御モードが許可モードである場合、図22に示すように、角度シフト量表示部76に、現在設定されている角度シフト量が表示される。
このように、通信端末4は、操作入力によって方位決定部31の制御モードを切り替え可能に構成されている。
第2角度範囲表示部77には、第2角度範囲が表示される。尚、第2角度範囲とは、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであるときの第2操作量A2である。
図22に示す例では、第2角度範囲表示部77に、「12.5°」と表示されている。これにより、第2角度範囲が12.5°に設定されていることが示されている。
第2角度範囲表示部77がタッチ操作されると、第2角度範囲表示部77が選択された状態となる。第2角度範囲表示部77が選択された状態で、オペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、所定の信号が自動操舵制御部30へ送られる。この信号は、第2角度範囲表示部77が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号である。
ここで、自動操舵制御部30は、現在設定されている第2角度範囲を記憶している。そして、自動操舵制御部30は、第2角度範囲表示部77が選択された状態でプラスボタン73がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、第2角度範囲を所定角度だけ増加させる。そして、自動操舵制御部30は、増加後の第2角度範囲を記憶する。
この構成により、第2角度範囲表示部77が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作する度に、第2角度範囲が所定角度刻みで増加する。
また、第2角度範囲表示部77が選択された状態で、オペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、所定の信号が自動操舵制御部30へ送られる。この信号は、第2角度範囲表示部77が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号である。
自動操舵制御部30は、第2角度範囲表示部77が選択された状態でマイナスボタン74がタッチ操作されたことを示す信号を受け取ると、第2角度範囲を所定角度だけ減少させる。そして、自動操舵制御部30は、減少後の第2角度範囲を記憶する。
この構成により、第2角度範囲表示部77が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作する度に、第2角度範囲が所定角度刻みで減少する。
以上で説明した構成により、通信端末4は、操作入力によって、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであるときの第2操作量A2を所定角度刻みで変更可能に構成されている。
本実施形態において、この所定角度は、2.5°である。即ち、通信端末4は、操作入力によって、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであるときの第2操作量A2を2.5°刻みで変更可能に構成されている。ただし、本発明はこれに限定されず、この所定角度は、2.5°以外のいかなる角度であっても良い。
尚、第2角度範囲には、上限値が設けられていても良い。第2角度範囲の上限値は、特に限定されないが、例えば17.5°であっても良い。
ここで、通信端末4は、第2角度範囲を減少させる操作入力に応じて、方位決定部31の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替えるように構成されていても良い。例えば、第2角度範囲が7.5°に設定されているときに、第2角度範囲表示部77が選択された状態でオペレータがマイナスボタン74をタッチ操作した場合、通信端末4は、方位決定部31の制御モードを、許可モードから禁止モードへ切り替えても良い。
また、このように方位決定部31の制御モードが禁止モードとなった状態では、第2角度範囲表示部77に、「なし」と表示されても良い。また、この状態で、第2角度範囲表示部77が選択された状態でオペレータがプラスボタン73をタッチ操作した場合、通信端末4は、方位決定部31の制御モードを、禁止モードから許可モードへ切り替えても良い。
尚、本実施形態において、第1操作量A1は、第2角度範囲の下限値よりも小さい操作量に設定されている。
本実施形態において、通信端末4は、コンバイン1の走行中には、ディスプレイ4bに第2設定画面を表示しないように構成されている。また、ディスプレイ4bに第2設定画面が表示された状態でコンバイン1が走行を開始した場合、プラスボタン73及びマイナスボタン74は、タッチ操作を受け付けない状態となる。
即ち、通信端末4は、コンバイン1の走行中には、第2レベルを設定するための操作入力を受け付けないように構成されている。
また、通信端末4は、コンバイン1の走行中には、角度シフト量を設定するための操作入力を受け付けないように構成されている。
また、通信端末4は、コンバイン1の走行中には、第2角度範囲を設定するための操作入力を受け付けないように構成されている。
尚、本実施形態においては、第1角度範囲が通信端末4の操作により設定された場合、第2角度範囲は、第1角度範囲に一致するように自動的に設定される。また、第2角度範囲が通信端末4の操作により設定された場合、第1角度範囲は、第2角度範囲に一致するように自動的に設定される。
例えば、第1角度範囲が通信端末4の操作により「15.0°」に設定された場合、第2角度範囲は、自動的に「15.0°」に設定される。また、第2角度範囲が通信端末4の操作により「10.0°」に設定された場合、第1角度範囲は、自動的に「10.0°」に設定される。
ただし、本発明はこれに限定されない。第1角度範囲と第2角度範囲とは、互いに異なる角度に設定可能であっても良い。
〔第2判定ルーチンについて〕
自動操舵制御部30(図3参照)は、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであり、且つ、コンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、図23に示す第2判定ルーチンに従って、平行移動処理を実行するか否かを決定する。この第2判定ルーチンは、自動操舵制御部30に格納されている。自動操舵制御部30は、この第2判定ルーチンを、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであり、且つ、コンバイン1の自動操舵制御が実行中であるときに、一定時間毎に繰り返し実行する。
以下では、図23を参照し、第2判定ルーチンについて説明する。
第2判定ルーチンが開始されると、まず、ステップS11の処理が実行される。ステップS11では、操舵操作具41から自動操舵制御部30へ送られる操舵操作具41の操作状態を示す信号に基づいて、操舵操作具41が操作されたか否かが判定される。操舵操作具41が操作されていない場合、ステップS11でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、操舵操作具41が操作されている場合、ステップS11でYesと判定され、処理はステップS12へ移行する。
ステップS12では、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さいか否かが判定される。操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さい場合、ステップS12でYesと判定され、処理は一旦終了する。また、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上である場合、ステップS12でNoと判定され、処理はステップS13へ移行する。
尚、本発明はこれに限定されず、操舵操作具41は、操作量が第1操作量A1よりも小さいときには、操舵操作具41の操作による信号が走行制御部24及び自動操舵制御部30へ送られないように構成されていても良い。言い換えれば、コンバイン1は、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さいときには、操舵操作具41が操作されていないときと同じ状態となるように構成されていても良い。この場合、ステップS12が設けられておらず、且つ、ステップS11において、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さい場合はNoと判定され、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上である場合はYesと判定される構成であっても良い。
ステップS13では、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2以下であるか否かが判定される。操舵操作具41の操作量が第2操作量A2よりも大きい場合、ステップS13でNoと判定され、処理はステップS14へ移行する。また、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2以下である場合、ステップS13でYesと判定され、処理はステップS15へ移行する。
ステップS14では、走行制御部24による自動操舵制御が終了する。その後、処理は一旦終了する。尚、この後、コンバイン1は、走行制御部24の制御モードが第1自動操舵モードであるままで、手動操舵によって走行する。
ステップS15では、平行移動部35の制御モードが許可モードであるか否かが判定される。平行移動部35の制御モードが禁止モードである場合、ステップS15でNoと判定され、処理は一旦終了する。
尚、ステップS15でNoと判定された場合、走行制御部24による自動操舵制御が終了するように構成されていても良い。
平行移動部35の制御モードが許可モードである場合、ステップS15でYesと判定され、処理はステップS16へ移行する。
ステップS16では、上述の第1応答旋回制御が実行される。その後、処理はステップS17へ移行する。ステップS17では、上述の平行移動処理が実行される。その後、処理は一旦終了する。
尚、図23に示すように、第1自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御の実行中に操舵操作具41が操作されたとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下であっても、平行移動部35の制御モードが禁止モードである場合は、第1応答旋回制御及び平行移動処理は実行されない。
〔第3判定ルーチンについて〕
自動操舵制御部30(図3参照)は、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであり、且つ、コンバイン1の自動操舵制御が実行中であるとき、図24に示す第3判定ルーチンに従って、方位変更処理を実行するか否かを決定する。この第3判定ルーチンは、自動操舵制御部30に格納されている。自動操舵制御部30は、この第3判定ルーチンを、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであり、且つ、コンバイン1の自動操舵制御が実行中であるときに、一定時間毎に繰り返し実行する。
以下では、図24を参照し、第3判定ルーチンについて説明する。
第3判定ルーチンが開始されると、まず、ステップS21の処理が実行される。ステップS21では、操舵操作具41から自動操舵制御部30へ送られる操舵操作具41の操作状態を示す信号に基づいて、操舵操作具41が操作されたか否かが判定される。操舵操作具41が操作されていない場合、ステップS21でNoと判定され、処理は一旦終了する。また、操舵操作具41が操作されている場合、ステップS21でYesと判定され、処理はステップS22へ移行する。
ステップS22では、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さいか否かが判定される。操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さい場合、ステップS22でYesと判定され、処理は一旦終了する。また、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上である場合、ステップS22でNoと判定され、処理はステップS23へ移行する。
尚、本発明はこれに限定されず、操舵操作具41は、操作量が第1操作量A1よりも小さいときには、操舵操作具41の操作による信号が走行制御部24及び自動操舵制御部30へ送られないように構成されていても良い。言い換えれば、コンバイン1は、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さいときには、操舵操作具41が操作されていないときと同じ状態となるように構成されていても良い。この場合、ステップS22が設けられておらず、且つ、ステップS21において、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1よりも小さい場合はNoと判定され、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上である場合はYesと判定される構成であっても良い。
ステップS23では、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2以下であるか否かが判定される。操舵操作具41の操作量が第2操作量A2よりも大きい場合、ステップS23でNoと判定され、処理はステップS24へ移行する。また、操舵操作具41の操作量が第2操作量A2以下である場合、ステップS23でYesと判定され、処理はステップS25へ移行する。
ステップS24では、走行制御部24による自動操舵制御が終了する。その後、処理は一旦終了する。尚、この後、コンバイン1は、走行制御部24の制御モードが第2自動操舵モードであるままで、手動操舵によって走行する。
ステップS25では、方位決定部31の制御モードが許可モードであるか否かが判定される。方位決定部31の制御モードが禁止モードである場合、ステップS25でNoと判定され、処理は一旦終了する。
尚、ステップS25でNoと判定された場合、走行制御部24による自動操舵制御が終了するように構成されていても良い。
方位決定部31の制御モードが許可モードである場合、ステップS25でYesと判定され、処理はステップS26へ移行する。
ステップS26では、上述の第2応答旋回制御が実行される。その後、処理はステップS27へ移行する。ステップS27では、上述の方位変更処理が実行される。その後、処理は一旦終了する。
尚、図24に示すように、第2自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御の実行中に操舵操作具41が操作されたとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下であっても、方位決定部31の制御モードが禁止モードである場合は、第2応答旋回制御及び方位変更処理は実行されない。
以上で説明した構成であれば、オペレータが、操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下となるように操舵操作具41を操作すれば、予め決められた旋回動作が行われることとなる。ここで、第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である操作範囲の広さが適宜設定されていれば、操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下となるように操舵操作具41を操作することは容易である。
従って、以上で説明した構成であれば、所定の可動範囲を有する操舵操作具41を備え、操舵操作具41の操作量に基づいてコンバイン1の旋回が行われる走行制御システムAにおいて、予め決められた旋回動作を、確実且つ容易に行いやすい走行制御システムAを実現できる。
〔その他の実施形態〕
(1)走行装置11は、ホイール式であっても良いし、セミクローラ式であっても良い。
(2)操舵操作具41は、ステアリングホイールにより構成されていても良い。また、この場合、ステアリングホイールの回転角度は、本発明に係る「操作量」に相当する。
(3)自車位置算出部21、走行制御部24、自車方位算出部25、自動操舵制御部30、方位決定部31、経路算出部32、直進判定部34のうち、一部または全てがコンバイン1の外部に備えられていても良いのであって、例えば、コンバイン1の外部に設けられた管理施設や管理サーバに備えられていても良い。
(4)直進判定部34は、コンバイン1が所定距離D1に亘って直進したか否かを判定すると共に、コンバイン1が所定時間に亘って直進したか否かを判定するように構成されていても良い。
(5)コンバイン1の自動操舵制御を実行できないように構成されていても良い。
(6)通信端末4は設けられていなくても良い。
(7)第1レベルを設定できないように構成されていても良い。
(8)第2レベルを設定できないように構成されていても良い。
(9)走行制御部24は、第1自動操舵モードまたは第2自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行中であるか否かにかかわらず、操舵操作具41が操作されたとき、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である場合においては、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、コンバイン1の走行を制御するように構成されていても良い。
(10)走行制御部24は、操舵操作具41が操作されたとき、第1自動操舵モードまたは第2自動操舵モードによるコンバイン1の自動操舵制御が実行されておらず、且つ、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である場合においては、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、コンバイン1の走行を制御するように構成されていても良い。
(11)走行制御部24は、操舵操作具41が操作されたとき、走行制御部24の制御モードが手動操舵モードであり、且つ、操舵操作具41の操作量が第1操作量A1以上且つ第2操作量A2以下である場合においては、操舵操作具41の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、コンバイン1の走行を制御するように構成されていても良い。
(12)第1自動操舵モードが存在しない構成であっても良い。
(13)第2自動操舵モードが存在しない構成であっても良い。
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、普通型のコンバインだけではなく、自脱型のコンバイン、トラクタ、田植機、トウモロコシ収穫機、ジャガイモ収穫機、ニンジン収穫機、建設作業機等、種々の作業車に利用可能である。
1 コンバイン(作業車)
4 通信端末(設定部)
21 自車位置算出部(機体位置算出部)
24 走行制御部
30 自動操舵制御部(第1機体位置決定部、第2機体位置決定部)
31 方位決定部
34 直進判定部
41 操舵操作具
A 走行制御システム
A1 第1操作量
A2 第2操作量
D1 所定距離
GL 自動操舵目標ライン(目標走行経路)
Q1 第1登録地点(第1機体位置)
Q2 第2登録地点(第2機体位置)
TA 基準方位

Claims (8)

  1. 作業車の走行を制御する走行制御システムであって、
    操舵のための操舵操作具と、
    前記操舵操作具の操作に応じて前記作業車の走行を制御する走行制御部と、を備え、
    前記操舵操作具の可動範囲は、第1操作量よりも大きな操作量である第2操作量よりも大きく前記操舵操作具を操作可能であるように設定されており、
    前記走行制御部は、前記操舵操作具が操作されたとき、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下である場合においては、前記操舵操作具の操作量にかかわらず一定の旋回動作が行われるように、前記作業車の走行を制御する走行制御システム。
  2. 前記旋回動作の強度である動作レベルを設定可能な設定部を備える請求項1に記載の走行制御システム。
  3. 前記走行制御部の制御モードは、前記作業車の自動操舵制御を実行可能な第1制御モードと、前記作業車の自動操舵制御を実行可能な第2制御モードと、の間でモード切替可能であり、
    前記走行制御部は、前記操舵操作具が操作されたとき、前記第1制御モードまたは前記第2制御モードによる前記作業車の自動操舵制御が実行中であり、且つ、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下である場合においては、前記操舵操作具の操作量にかかわらず一定の前記旋回動作が行われるように、前記作業車の走行を制御するように構成されており、
    前記第1制御モードにおける前記動作レベルである第1レベルが前記設定部により設定された場合、前記第2制御モードにおける前記動作レベルである第2レベルは、前記第1レベルに一致するように設定され、
    前記第2レベルが前記設定部により設定された場合、前記第1レベルは、前記第2レベルに一致するように設定される請求項2に記載の走行制御システム。
  4. 前記走行制御部の制御モードは、手動操舵モードと、自動操舵モードと、の間でモード切替可能であり、
    前記走行制御部の制御モードが前記手動操舵モードである場合、前記走行制御部は、前記操舵操作具の操作に応じて前記作業車の走行を制御し、
    前記走行制御部の制御モードが前記自動操舵モードである場合、前記走行制御部は、方位決定部により決定された基準方位、または、前記基準方位に基づいて算出された目標走行経路に基づいて、前記作業車の自動操舵制御を実行可能であり、
    前記走行制御部は、前記操舵操作具が操作されたとき、前記自動操舵モードによる前記作業車の自動操舵制御が実行中であり、且つ、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下である場合においては、前記操舵操作具の操作量にかかわらず一定の前記旋回動作が行われるように、前記作業車の走行を制御するように構成されている請求項1から3の何れか一項に記載の走行制御システム。
  5. 前記走行制御部の制御モードは、前記手動操舵モードと、前記自動操舵モードである第1自動操舵モードと、の間でモード切替可能であり、
    衛星測位を用いて前記作業車の機体位置を算出する機体位置算出部と、
    前記走行制御部の制御モードが前記第1自動操舵モードであるとき、手動操作によって生成された第1信号に応答して取得した前記機体位置を第1機体位置に決定する第1機体位置決定部と、
    前記走行制御部の制御モードが前記第1自動操舵モードであるとき、前記第1機体位置から離れた場所での手動操作によって生成された第2信号に応答して取得した前記機体位置を第2機体位置に決定する第2機体位置決定部と、を備え、
    前記方位決定部は、前記第1機体位置と前記第2機体位置とを結ぶ直線の方位を前記基準方位として決定する請求項4に記載の走行制御システム。
  6. 前記第1自動操舵モードによる前記作業車の自動操舵制御が実行中であるとき、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下となるように前記操舵操作具が操作された場合、前記目標走行経路が、前記操舵操作具の操作方向へ平行移動するように構成されている請求項5に記載の走行制御システム。
  7. 前記走行制御部の制御モードは、前記手動操舵モードと、前記自動操舵モードである第2自動操舵モードと、の間でモード切替可能であり、
    前記走行制御部の制御モードが前記第2自動操舵モードであるとき、前記作業車が所定距離または所定時間に亘って直進したか否かを判定する直進判定部を備え、
    前記方位決定部は、前記直進判定部により前記作業車が前記所定距離または前記所定時間に亘って直進したと判定された場合、前記所定距離または前記所定時間に亘って行われた直進の方向に基づいて前記基準方位を決定する請求項4から6の何れか一項に記載の走行制御システム。
  8. 前記第2自動操舵モードによる前記作業車の自動操舵制御が実行中であるとき、前記操舵操作具の操作量が前記第1操作量以上且つ前記第2操作量以下となるように前記操舵操作具が操作された場合、前記基準方位、または、前記目標走行経路の方向を、前記操舵操作具の操作方向へ変更するように構成されている請求項7に記載の走行制御システム。
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