JP7420689B2 - 防振装置 - Google Patents
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Description
この種の防振装置として、例えば下記特許文献1に示されるような、弾性体が、外筒の中心軸線に沿う軸方向に間隔をあけて配置されるとともに、外筒内に嵌合された環状の一対の端弾性体と、これらの端弾性体同士の間において、内側取付部材を径方向に挟む両側に各別に配設された一対の中弾性体と、を備え、内側取付部材と外筒との間に、一対の端弾性体同士の間において、周方向で互いに隣り合う中弾性体同士の間に位置する部分を、径方向の外側から覆い内側取付部材との間に液室を画成する被覆部材が配設され、被覆部材と外筒との間に、各液室同士を連通するオリフィス通路が形成された構成が知られている。
固定部が、外筒の前記軸方向の両端部ではなく、いずれか一方の端部に形成されているので、この防振装置を容易に形成することが可能になり、コストの増大を抑えることができる。
被覆部材の固定フランジ部が、剛体板とともに固定部によって前記軸方向に挟まれて固定されているので、被覆部材を外筒に対して確実に強く固定することができる。
互いに突き当てられた、分割体の各周端縁に、互いに係合する第1係合部および第2係合部が各別に形成されているので、周方向で互いに隣り合う各分割体の前記軸方向および径方向の相対移動を規制することが可能になり、複数の分割体を備える被覆部材であっても、被覆部材の全体を外筒に対して強く固定することができる。
本実施形態の防振装置1は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される内側取付部材11、および他方に連結されるとともに、内側取付部材11を囲繞する外筒12と、内側取付部材11と外筒12とを弾性的に連結する弾性体31、32と、を備えている。
防振装置1は、例えば自動車用のサスペンションブッシュやエンジンマウント、あるいは工場に設置される産業機械のマウント等として用いられる。
以下、軸方向から見た平面視において、2つの第1面取り部21bが互いに対向する向きを一方向Xといい、一方向Xに直交する方向を他方向Yという。
樹脂部22の少なくとも軸方向の端部の外周面は、軸方向から見て非円形状を呈する。図示の例では、樹脂部22の外周面は、軸方向の全長にわたって、軸方向から見て非円形状を呈する。
外部分27の外周面は、外部分27より軸方向の内側に位置する中部分26の外周面より径方向の内側に位置している。
中部分26の肉厚は、全域にわたって、外部分27の肉厚より厚くなっている。中部分26の、径方向の外側を向く頂面は、周方向の全長にわたって、軸方向に沿う縦断面視で、軸方向に真直ぐ延びている。中部分26は、軸方向から見て、一方向Xに長い長方形状を呈する。
中部分26の外周面のうち、他方向Yを向き、かつ一方向Xに延びる長辺部分26bに、後述する中弾性体32が連結されている。長辺部分26bに、他方向Yに窪む窪み部26cが形成されている。図示の例では、窪み部26cは、長辺部分26bにおける一方向Xの両端部を除く全域に形成されるとともに、一方向Xに沿って中央部から離れるに従い、深さが浅くなっている。長辺部分26bは、軸方向から見て凹曲線状を呈する。なお、長辺部分26bに、窪み部26cを形成しなくてもよい。
なお、中部分26の外径を、全周にわたって同等にしてもよい。
端連結部31bは、筒状に形成され、周方向の全長にわたって連続して延びている。端連結部31bは、端フランジ部31aの径方向の内端部から下方に向かうに従い、径方向の内側に向けて延びている。端連結部31bは、中部分26における軸方向の外端部に連結されている。端連結部31bは、中心軸線Oと同軸に配置されている。
内側取付部材11において、補強部31cが連結された外部分27の外周面が、外部分27より軸方向の内側に位置する中部分26の外周面より径方向の内側に位置している。これにより、補強部31cの径方向の大きさ、つまり端弾性体31の体積を大きく確保することができる。なお、端弾性体31に補強部31cを形成せず、端弾性体31を外部分27の外周面に連結し、中部分26に連結しなくてもよい。
ストッパ弾性部34は、周方向で互いに隣り合う中弾性体32同士の間に配設され、液室14a、14bの隔壁の一部を構成している。被覆部材17は、弾性体31、32を形成する材質より硬質の、例えば合成樹脂材料等で形成されている。被覆部材17は、一対の端弾性体31同士の間に嵌合されている。
外筒12の軸方向の両端部のうちのいずれか他方の端部に、径方向の内側に向けて突出し、被覆部材17の軸方向の両端部のうちのいずれか他方の端部を、軸方向に支持する支持突部24が形成されている。支持突部24は、外筒12の前記他方の端部が、屈曲されてフランジ状に形成されている。支持突部24は、剛体板33を介して、被覆部材17の前記他方の端部を軸方向に支持している。なお、被覆部材17に支持突部24を形成しなくてもよい。
図8および図9に示されるように、第1連通開口18、および第2連通開口20は、ストッパ弾性部34の一部と径方向で対向している。図示の例では、第1連通開口18、および第2連通開口20は、ストッパ弾性部34が有する2つの外側部分34bのうちのいずれか一方の軸方向の一端部と径方向で対向している。図10に示されるように、外側部分34bの軸方向の一端部の外周面は、径方向の内側に向けて窪んでいる。図示の例では、外側部分34bの軸方向の一端部の外周面は、軸方向の外側に向かうに従い、径方向の内側に向けて延びている。
なお、複数の外側部分34bのうち、後述する注入孔12aが開口した第1連通開口18と径方向で対向する外側部分34bの軸方向の一端部のみを、径方向の内側に向けて窪ませてもよい。また、ストッパ弾性部34のうち、第1連通開口18、および第2連通開口20と径方向で対向する各部分の外周面を、径方向の内側に向けて窪ませなくてもよい。
第1溝19a、および第2溝19bそれぞれの周方向の長さは、互いに同じで、第3溝19dの長さより長くなっている。第1連通開口18は、第1溝19aにおける周方向の一端部に開口し、第2連通開口20は、第2溝19bにおける周方向の一端部に開口し、第3溝19dは、第1溝19aおよび第2溝19bそれぞれにおける周方向の他端部同士を接続している。第1溝19aおよび第2溝19bそれぞれにおける周方向の他端部同士は、周方向に隣接している。第3溝19dは、周方向で隣り合う第1連通開口18と第2連通開口20との間に設けられている。
第2面取り部17dは、第1連通開口18および第2連通開口20双方の開口周縁部に形成されている。第2面取り部17dは、径方向の外側に向かうに従い、第1連通開口18および第2連通開口20の各開口を拡げる向きに延びている。第2面取り部17dは、本体溝19を画成する壁部のうち、周方向に延び、第1溝19aと第2溝19bとを軸方向に仕切る仕切壁部19eに形成されている。
被覆部材17は、中弾性体32を全周にわたって覆っている。分割体15の周端縁15aは、中弾性体32における周方向の中央部に位置している。第1連通開口18、および第2連通開口20はそれぞれ、2つの分割体15それぞれにおいて、周方向で互いに隣接する周端部に各別に形成されている。
射出ゲート痕部36は、仕切壁部19eにおいて、第1連通開口18、および第2連通開口20のうちのいずれか一方より、いずれか他方に近い部分に設けられている。なお、射出ゲート痕部36を、仕切壁部19eにおいて、第1連通開口18、および第2連通開口20の双方から同等の距離離れた部分に設けてもよい。
射出ゲート痕部36は、第1連通開口18、および第2連通開口20のうちの前記他方が開口している第1溝19a、若しくは第2溝19bに連通している。なお、射出ゲート痕部36を、第1連通開口18、および第2連通開口20のうちの前記一方が開口している第1溝19a、若しくは第2溝19bに連通させてもよい。
そして、この防振装置1に振動が入力されたときに、弾性体31、32が弾性変形しつつ、各液室14a、14bの内容積が変動することで、液室14a、14b内の液体がオリフィス通路を流通して液柱共振を生じさせることにより振動が減衰、吸収される。
第1短絡貫通孔37、および第2短絡貫通孔38を通過する液体の流通抵抗は、オリフィス通路の流通抵抗より小さい。第1短絡貫通孔37、および第2短絡貫通孔38の各流路断面積は、例えば約3mm2以上とされ、オリフィス通路の流路断面積より小さい。第1短絡貫通孔37、および第2短絡貫通孔38の各長さは、オリフィス通路の長さより短い。
第1短絡貫通孔37は、第1溝19aにおける周方向の他端部に開口している。第1短絡貫通孔37、および第2連通開口20それぞれの周方向の位置は、互いに同等になっている。第2短絡貫通孔38は、第2溝19bにおける周方向の他端部に開口している。第2短絡貫通孔38、および第1連通開口18それぞれの周方向の位置は、互いに同等になっている。第1短絡貫通孔37は、他方の液室14bにおいて、オリフィス通路内を液体が一方の液室14aから他方の液室14bに向けて流通する流通方向F1の前側の端部に開口している。第2短絡貫通孔38は、一方の液室14aにおいて、オリフィス通路内を液体が他方の液室14bから一方の液室14aに向けて流通する流通方向F2の前側の端部に開口している。
第1短絡貫通孔37は、第1溝19aにおける軸方向の中央部に配置され、第2短絡貫通孔38は、第2溝19bにおける軸方向の中央部に配置されている。第1短絡貫通孔37、および第2短絡貫通孔38それぞれにおける本体溝19の溝底面における開口形状は、周方向に長い長円形状となっている。
リーク通路28、29は、中弾性体32において、被覆部材17の内面に当接した外面に形成されている。リーク通路28、29は、中弾性体32の、周方向を向く側面に開口している。リーク通路28、29は、中弾性体32の外面を径方向の外側から見た正面視で、軸方向に直交する方向に直線状に延びている。
複数のリーク通路28、29のうち、主部32aに形成された第1リーク通路28は、主部32aにおける軸方向の中央部に配置され、副部32bに形成された第2リーク通路29における軸方向の中央部は、副部32bにおける軸方向の中央部より軸方向の外側に位置している。複数のリーク通路28、29のうちの少なくとも2つは、流路長が互いに異なっている。図示の例では、第1リーク通路28の周方向の長さは、第2リーク通路29の周方向の長さより長くなっている。第1リーク通路28の幅は、第2リーク通路29の幅より狭くなっている。
なお、第1リーク通路28の隔壁の被覆部材17による弾性変形量を、第2リーク通路29の隔壁の被覆部材17による弾性変形量以下としてもよい。また、第1リーク通路28が開く液室14a、14bの内圧を、第2リーク通路29が開く液室14a、14bの内圧以下としてもよい。
第1短絡貫通孔37、および第2短絡貫通孔38は、第1リーク通路28より軸方向の外側で、かつ第2リーク通路29より軸方向の内側に位置している。
固定部23が、外筒12の軸方向の両端部ではなく、いずれか一方の端部に形成されているので、この防振装置1を容易に形成することが可能になり、コストの増大を抑えることができる。
被覆部材17の固定フランジ部17cが、剛体板33とともに固定部23によって軸方向に挟まれて固定されているので、被覆部材17を外筒12に対して確実に強く固定することができる。
互いに突き当てられた、分割体15の各周端縁15aに、互いに係合する第1係合部41および第2係合部42が各別に形成されているので、周方向で互いに隣り合う各分割体15の軸方向および径方向の相対移動を規制することが可能になり、複数の分割体15を備える被覆部材17であっても、被覆部材17の全体を外筒12に対して強く固定することができる。
内側取付部材11として、全体が一体に形成された構成を採用してもよい。
内側取付部材11の外径を、軸方向の全長にわたって同等にしてもよい。
射出ゲート痕部36として、例えば、液溜り凹部36aおよび接続溝36bを有しない構成、若しくは被覆部材17において、仕切壁部19e以外の部分に設けられた構成等を採用してもよい。
オリフィス通路として、周方向に1周以下延びる構成を採用してもよい。
本体溝19が、被覆部材17の外周面に形成された構成を示したが、本体溝19を外筒12の内周面に形成してもよい。
液室14a、14bに封入する液体は、前記実施形態に限らず例えば、水、およびエチレングリコール等を採用してもよい。
中弾性体32に、複数のリーク通路28、29を形成しなくてもよい。
中弾性体32として、主部32aおよび副部32bを備える構成を示したが、例えば、主部32aおよび副部32bのうちのいずれか一方のみを備える構成を採用する等適宜変更してもよい。
11 内側取付部材
12 外筒
12a 注入孔
14a、14b 液室
15 分割体
15a 周端縁
17 被覆部材
17c 固定フランジ部
23 固定部
24 支持突部
31 端弾性体(弾性体)
32 中弾性体(弾性体)
33 剛体板
41 第1係合部
42 第2係合部
O 中心軸線
Claims (4)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される内側取付部材、および他方に連結されるとともに、前記内側取付部材を囲繞する外筒と、
前記内側取付部材と前記外筒とを弾性的に連結する弾性体と、を備え、
前記弾性体は、前記外筒の中心軸線に沿う軸方向に間隔をあけて配置されるとともに、前記外筒内に嵌合された環状の一対の端弾性体と、これらの端弾性体同士の間において、前記軸方向から見た平面視で前記中心軸線に交差する径方向に、前記内側取付部材を挟む両側に各別に配設された一対の中弾性体と、を備え、
前記内側取付部材と前記外筒との間には、一対の前記端弾性体同士の間において、前記平面視で前記中心軸線回りに周回する周方向で互いに隣り合う前記中弾性体同士の間に位置する部分を、径方向の外側から覆い前記内側取付部材との間に液室を画成する被覆部材が配設され、
前記被覆部材と前記外筒との間に、各前記液室同士を連通するオリフィス通路が形成され、
前記端弾性体に、周方向に延びる環状の剛体板が設けられ、
前記被覆部材の前記軸方向の両端部のうちのいずれか一方の端部、および前記剛体板は、前記外筒の前記軸方向の両端部のうちのいずれか一方の端部に形成された固定部によって前記軸方向に挟まれて固定されている、防振装置。 - 前記被覆部材の前記軸方向の両端部のうちのいずれか一方の端部に、径方向の外側に向けて突出し、周方向に延びる固定フランジ部が形成され、
前記固定フランジ部、および前記剛体板が、前記固定部によって前記軸方向に挟まれて固定されている、請求項1に記載の防振装置。 - 前記外筒の前記軸方向の両端部のうちのいずれか他方の端部に、径方向の内側に向けて突出し、前記被覆部材の前記軸方向の両端部のうちのいずれか他方の端部を、前記軸方向に支持する支持突部が形成されている、請求項1または2に記載の防振装置。
- 前記被覆部材は、周方向に分割された複数の分割体を備えるとともに、周方向で互いに隣り合う前記分割体の周端縁同士が互いに突き当てられて全体で円筒状をなし、
互いに突き当てられた各前記周端縁には、互いに係合することで、周方向で互いに隣り合う各前記分割体の前記軸方向および径方向の相対移動を規制する第1係合部および第2係合部が各別に形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の防振装置。
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