JP7418852B2 - ダクト式空調換気システム - Google Patents

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Description

本発明は、建物内をダクトで空調換気するダクト式空調換気システムに関する。
建物は省エネで快適な暮らし実現のため、ますます高気密化、高断熱化が進んでいる。そのような住宅、非住宅では、建物内に、空調機から空調換気空気を、部屋や空間に送風するダクトをはりめぐらし、建物内をくまなく空調換気するダクト式空調換気システムが比較的多く採用されている。
ダクト式空調換気システムでは、空調や換気した空気をダクトにより、部屋等に送風しているため、長期間の使用により、ダクト内部に、建物内外の埃、ハウスダスト、人やペットのフケ、ダニやダニの糞、死骸、VOC、カビなどのアレルゲンなどが堆積する。
特に、ダクト内部は、「5~40℃前後の温度」、「60%以上の高い湿度による付着した水分」、「付着した埃、汚れ等の栄養分」、というカビの繁殖条件が揃っており、ダクトの内外の温度差により、ダクト内の堆積した埃等やダクトの不織布、断熱材等に結露し、そこでカビやダニが繁殖しやすい。
そして、そこを空調空気が通過することにより、空調空気に埃やカビ、細菌、異臭などがのって、それを吸った人が、呼吸器系の疾患や皮膚トラブルなどアレルギーを発症するなどして、健康を害したり、臭い等により不快になるリスクがある。
さらに、ダクトの断熱性が悪く、ダクトが断熱空間を通っていない場合、ダクトの外周にも結露して、ダクトの下の木材等を濡らして、カビが生えたり、生活空間から見えるシミになったり、腐って強度的な被害を被ったり、結露が電線につたって、漏電するなどのリスクが発生する。
ダクト内部の断熱材のグラスウールは、その表面張力や毛細管現象により水分が繊維の隙間に入り込んでしまうと、乾いたとしても、繊維同士がくっついてしまい、断熱機能に必要な大量の空気を溜め込むことができなくなり、断熱機能が低下するため、一度ダクト内部に結露すると、ますます、結露しやすくなり、空調の効きが悪くなり、消費電力が増大する。
結露については、例えば、冷房運転で、空調機の圧縮機が運転しているサーモON時の冷たい吹き出し空気がダクト内を通過するため、ダクト内周表面が冷やされ、それが例えば10℃となっている状態で、サーモOFFして、圧縮機が停止し、室内空気を吸い込むことにより、室内空気温度で、蒸発器に結露した凝縮水を含んで高湿度となった吹き出し空気が、ダクト内を通過すると、その空気の温湿度が25℃、80%(露点温度21℃)の場合、ダクト内周表面に結露する。
また、ダクトが住宅内の断熱空間を通らず、ダクトの断熱性能が低い場合、夏季、その空間の温湿度は外気温に近く、例えば外気温35℃、空間温度30℃、相対湿度50%(露点温度18.4℃)で、冷房運転により、冷たい吹出空気がダクト内を通過し、ダクト外周表面温度が露点温度以下になると、ダクト外周表面に結露する。
また、冬季、その空間の温度は外気温に近く、例えば外気温0℃、空間温度2℃となっている状態で、暖房運転で、圧縮機が運転しているサーモON時の暖かい吹き出し空気(温湿度50℃11%(露点温度12℃))が、ダクト内を通過し、ダクト内周表面温度が露点温度以下になると、ダクト内周表面に結露する。さらに、サーモOFFして、圧縮機が停止し、室内空気を吸い込むことにより、室内空気温湿度が、ダクト内を通過すると、その空気の温湿度が20℃60%(露点温度12℃)で、ダクト内周表面温度が露点温度以下になると、ダクト内周表面に結露する。冬季、過乾燥防止のため、加湿器で室内を加湿している場合は、さらに結露しやすくなる。
そのため、ダクトを定期的に交換したり、内部を清掃する必要があるが、通常、交換スペース、メンテスペースが狭く、ダクト周囲の壁をはがすなどが必要だが、どこをダクトが通っているかの確認さえも困難である。また、清掃するにもダクト形状、構造により、十分清掃できず、例えば、内部表面に不織布等があると、不織布等に埃やダニ、カビ等が付着して、専用の清掃用機械でも除去できず、不織布等が破損するリスクもある。従って、ダクトの清掃や交換はできたとしても、時間、コストが大幅にかかる。さらに、交換スペースを確保するようにダクトを建物内にはいまわすと、居住スペースが大幅に減少してしまう。
従来、各室内への空気搬送式空調は、気密性を付加したチャンバー構造の天井裏と、この天井裏と室内を連通する複数の室内側吐出口と、前記天井裏に連通する天井裏吹出口と室内側吸込口を有した箱状の本体と、この本体内に前記室内側吸込口より吸い込み天井吹出口より吹き出すように設けた送風機および前記送風機により形成される通風路に設けられる冷房用熱交換器と暖房用熱交換器とを備え、前記冷房用熱交換器と前記暖房用熱交換器を前記通風路を2分するように各風路面をほぼ同一平面上に並設した構成とし、再熱するための暖房用熱交換器に直接室内空気を吸い込み、少ない風量を流すことによって、潜熱能力を増やし、顕熱能力を減らした乾燥冷気および冷温風を天井裏へ吹き出すため、天井裏に梁がある場合や天井裏自体が狭い場合でも結露せずに確実に各室内へ空気搬送による空調ができる空気調和装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、給気ダクトを介して部屋に空調空気を送る全館空調システムにおいて、給気ダクトを介して部屋に送られる空気の温度を調整するための温度調整部と、前記給気ダクトに流入する前記空気の湿度を計測する湿度検知部と、前記温度調整部をオフにするための信号を検知したときに、前記湿度検知部が計測した湿度が所定値よりも大きい場合、前記温度調整部をオンのまま継続し、前記湿度検知部が計測した湿度が前記所定値よりも小さい場合、前記温度調整部をオフにする制御部とを備えることにより、冬季での暖房運転時に、給気ダクトの内部面において結露が発生することを抑制できるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、ダクト空調システムにおいて、空調されるべき居室の外部空間に開口した空気吸い込み口を有する吸い込みチャンバと、該吸い込みチャンバを介して吸い込まれた空気を冷却または加熱するための熱交換器を有する室内機と、該室内機によって冷却または加熱された空気を前記居室の吹き出し口まで運ぶための送風ダクトとからなり、前記熱交換器の下流側に配置され、冷房時に該熱交換器によって冷却された除湿空気を加熱する再熱コイルを含み、それによって前記送風ダクトのダクト部材に断熱材が被覆されないか、または薄い断熱材が被覆されるものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、住宅で換気及び冷暖房を行うための送風用ダクト及び送風システムにおいて、ダクトの内面に木炭粉を含む塗装被膜を形成し、このダクトで空気の取り入れ口や吹出口と送風装置とを連結して、住宅の送風システムを構成し、木炭粉によるダクト内のカビや悪臭の発生を押え、また空気に含まれる臭いを除去できるようにして快適な住宅環境が得られるようにしたものが知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開平11-237079号公報 特許6712763号公報 実開平7-18129号公報 特開2001-248886号公報
しかしながら、特許文献1に記載の空気搬送式空調では、天井裏以外に空調空気を流すことはできないため、建物の構造により対応ができない場合が多く、対応できたとしても、顕熱能力を減らした空気で空調するため、運転の立ち上がり時や外気温等により空調負荷が増えた時に、顕熱能力不足で、温湿度が安定しない、もしくは、安定するのに時間がかかるという問題があった。
また、特許文献2に記載の全館空調システムでは、給気ダクト等の結露防止のために、専用のコントローラ、センサーを用い、複雑なプログラムで湿度制御する必要があるため、イニシャルコストが高く、夏期高温高湿時等の冷房運転時に、冷房サーモOFFすると、ダクト内部に結露する可能性があるという問題があった。
また、特許文献3に記載のダクト空調システムでは、顕熱能力を減らした空気で空調するため、運転の立ち上がり時や外気温等により空調負荷が増えた時に、顕熱能力不足で、温湿度が安定しない、もしくは、安定するのに時間がかかるという問題があった。
また、特許文献4に記載の送風用ダクト及び送風システムでは、ダクト内部の木炭粉を含む塗装被膜の表面上に、埃や菌等が堆積し、結露した場合、カビ等の繁殖を防止できないという問題があった。
発明者等は、長年の研究により、空調ダクト内に、埃、カビ、悪臭などの有害物質が、付着、堆積しにくく、長期間使用しても、ダクトの交換や清掃などのメンテナンスが不要で、建物内を常に健康で快適な空調換気を行うことが可能なダクト式空調換気システムを開発した。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、建物の様々な間取り、形状等に対応し、汎用性の高い機器を用いたシステムで、空調ダクト内部の結露を防止し、ダクト内の埃等の堆積を防止し、カビ等の繁殖を抑えながら、外気温等の負荷変化に対応して、部屋及び空間の空調と換気を適切に行い、省エネで均一な温度で、空気質のよい、常に快適で、常にきれいな空気の、健康な空間を実現するダクト式空調換気システムを提供することを目的としている。
また、比較的シンプルな機器構成で、空調ダクト内の結露を抑えるので、制御遅れが発生せず、あくまでもユーザーが設定する温度に合わせるためのコントローラやセンサーを活用して、同時に結露を防止するので、省エネで快適で健康な空間を、安定して実現するダクト式空調換気システムを提供することを目的としている。
そして、長期間、運転を継続しても、空調ダクト内に埃やカビや悪臭など有害物質が付着、堆積しにくく、ダクトの交換や清掃などのメンテナンスが不要なダクト式空調換気システムを提供することを目的としている。
本発明のダクト式空調換気システムは上記目的を達成するために、高気密高断熱な建物内の部屋及び断熱空間に吹出口を設け、前記建物内に設けられた空調ユニットと前記吹出口を空調ダクトで繋ぎ、前記断熱空間に前記空調ダクトを通し、前記空調ユニットから、前記吹出口に向けて、前記空調ダクトの周囲の空気の温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調空気を前記空調ダクト内に送風することにより、前記部屋及び前記断熱空間を空調し、前記空調ユニットに、フィルタ部を設けて、前記建物内の空気を清浄し、前記空調ユニットから前記吹出口に前記空調空気が流れ、前記部屋及び前記断熱空間から空調ユニットに戻ってくる風路を循環路とし、室外から前記循環路又は前記空調ユニットに室外空気を導入する室外空気導入路を設け、前記室外空気導入路に導入ファンとフィルタを設けて、導入する前記室外空気を清浄し、前記循環路、前記吹出口を設けない部屋又は前記吹出口を設けない断熱空間の少なくともいずれか一つと室外へ前記建物内の空気を排出する室内空気排出路を設け、前記室内空気排出路に排気ファンを設けて、前記循環路の空気の一部又は前記建物内に滞留する空気の一部の少なくとも一方を室外に排出するものである。
この手段により、空調ユニットで作り出された、空調ダクト周囲の空気の温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調空気を、大風量でダクト内に送風することにより、部屋及び断熱空間の吹出口から吹き出し、高気密高断熱な建物内の部屋及び上下の断熱空間を空調するので、日射負荷などの空調負荷の大きい断熱空間も含めて、建物内は快適で均一な温湿度となりやすい。そして、空調ダクトは、断熱空間を通っているため、冷房時のダクト内外の結露、暖房時のダクト内の結露は発生しにくいダクト式空調換気システムが得られる。
また、空調空気を作り出す空調ユニットに、フィルタ部を設けて、建物内の空気を清浄し、室外空気導入路に導入ファンとフィルタを設けて、導入する室外空気を清浄し、吹出口を設けない、いわゆるダーティ―ゾーン(トイレ、洗面所等)から室外に通じる室内空気排出路から、排気ファンにより、部屋及び断熱空間を空調した空気の一部とダーティ―ゾーンの空気を室外に排出することにより、清浄された室外空気を導入し、埃や水分で汚れた建物内の空気を排出しながら、建物内を循環しながら空気清浄する。そして、その清浄された空気がダクト内を流れるため、ダクト内に埃等が堆積しにくいダクト式空調換気システムが得られる。
さらに、建物内で、人間が発生する水分以外で、入浴や調理により水分を発生する浴室と台所等の空気は、室外へ排出する排気ファンを設けることにより、建物内にそれらの水分が滞留せず、空調空気に含まれないため、ダクト内にそれらの水分が流れこまない。
これらにより、空調ダクト内に、埃や水分や結露水等が堆積、滞留しないので、カビも繁殖しにくく、雑菌による臭いも発生しにくく、建物内に、空調ダクト内の埃やカビ、細菌、異臭などが入りにくく、健康で快適な空間を実現できる。そして、長期間使用しても、ダクトの交換や清掃などのメンテナンスが不要で、建物内を常に健康で快適な空調換気を行うことが可能なダクト式空調換気システムが得られる。
また他の手段は、前記高気密高断熱な建物は、屋根断熱仕様かつ基礎断熱仕様とし、前記断熱空間を屋根裏空間と床下空間とし、前記空調ユニットとして、筐体に空調部と送風部と吸込部と混合部を設け、前記吸込部に、前記フィルタ部を設け、前記送風部により、前記吸込部から吸い込まれた空気が、前記フィルタ部により清浄され、清浄された空気の一部が、前記空調部に吸い込まれて空調され、前記空調部から吹き出された吹出空気と前記清浄された空気の一部が、前記混合部にて混合されて空調空気となり、前記空調空気が、前記空調ダクトを通じて、前記吹出口から吹き出される構成とし、前記空調部の風量より前記送風部の風量が多いこととしたものである。
この手段により、高気密高断熱な建物を屋根断熱仕様かつ基礎断熱仕様とし、建物の最上部で、日射と外気温に影響されやすい屋根裏空間を断熱空間とし、建物の最下部の地面の温度の影響を受け、湿度の高くなりやすい床下空間を断熱空間とし、それぞれを空調し、建物の側部の断熱空間である部屋の空調とあわせて、建物の外皮に面する空間が全て断熱空間であり、全て空調されるので、空調ダクトの内外含めて、建物内の温湿度がより均一となり、冷房時のダクト内外の結露、暖房時のダクト内の結露は、より発生しにくいダクト式空調換気システムが得られる。
また、空調ユニットの送風部により、吸込部から吸い込まれる空気の一部が、空調部に吸い込まれ、空調され、吹き出される。そして、吸込部から吸い込まれた空気の一部が、空調部に吸い込まれず、空調部からの吹出空気と混合部で合流し、混合され、空調部の風量、設定温度、送風部の風量等を調整して、空調ダクト周囲の空気の温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の大風量の空調空気を、省エネで、安定して作り出すことができ、その空調空気を空調ダクトに通すので、空調ダクトに結露しにくいダクト式空調換気システムが得られる。
さらに、空調ユニットの吸込部に設けたフィルタ部により、空調ユニットに吸い込まれる空気の全てが清浄されて、空調ダクトに流入するため、空調ダクトに、埃等が流入するリスクがさらに減少し、フィルタ部が吸込部にあるため、清掃などのメンテナンスしやすいダクト式空調換気システムが得られる。
さらに、空調部の風量に対し、送風部の風量が大幅に多く、部屋及び空間の温度に対しても、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の大風量の空調空気を、省エネで、安定して作り出すことができ、部屋及び空間の温度がオーバーシュートするなど大幅に変動せず、長時間安定して、空調部の吸込空気の温度が、設定温度に近いため、特に夏季の冷房運転時は、空調部は、小温度差でのサーモON状態が長時間継続し、圧縮機が低周波数で継続して運転するので、蒸発器の表面温度、いわゆる蒸発温度が、吸込空気の露点温度以下となって、蒸発器に吸込空気の水分が結露し、長時間運転により、除去される除湿量が多くなり、長時間継続して吹出空気の絶対湿度が低下し、空調空気の絶対湿度も低下し、その空調空気が流れる空調ダクト内、部屋、空間の相対湿度も低下し、冷房運転時、さらに空調ダクトに結露しにくいダクト式空調換気システムが得られる。
そして、空調部の圧縮機等を駆動させることにより、単位風量当たりのランニングコストが高い空調部の風量よりも、単位風量当たりのランニングコストが大幅に低い送風部の風量を多くして、空調空気を作り、空調ダクトを通すシステムのため、省エネである。
また他の手段は、前記空調部は再熱除湿機能を有するものとしたものである。
再熱除湿運転時、一方の熱交換器が低温低圧の冷媒が流れる蒸発器として、もう一方の熱交換器が中温中圧の冷媒が流れる再熱器として機能するため、吸込空気の温度以上で、絶対湿度の低い吹出空気となり、吹出口から吹き出されることにより、空調部は、再熱除湿サーモON状態が長時間継続し、圧縮機が継続して運転するので、蒸発器の表面温度、いわゆる蒸発温度が、吸込空気の露点温度以下となって、蒸発器に吸込空気の水分が結露し、長時間運転により、除去される除湿量が多くなり、長時間継続して吹出空気の絶対湿度が低下し、空調空気の絶対湿度も低下し、その空調空気が流れる空調ダクト内、部屋、空間の相対湿度も低下し、梅雨時期など中温高湿時等で、さらに空調ダクトに結露しにくいダクト式空調換気システムが得られる。
また、他の手段は、前記循環路又は前記空調ユニットに、HEPAフィルタ式又は、電気集塵式の空気清浄機を設けたものである。
循環路又は空調ユニットにHEPAフィルタ式又は、電気集塵式の空気清浄機を設け、空調空気に含まれるカビ胞子レベルの粒子も除去するため、空調空気が通る空調ダクト内にカビがより繁殖しにくく、建物内に、空調ダクト内の埃やカビ、細菌、異臭などが入りにくく、健康で快適な空間を実現できるダクト式空調換気システムが得られる。
また、他の手段は、前記空調ダクトの内側の前記空調空気が流れる表面に、ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルフィルム又はPETフィルムの少なくともいずれか一つを有するものである。
これにより、空調ダクトの内側の空調空気が流れる表面に、通気性と透湿性があり、表面の凹凸が大きい不織布を有せず、代わりに、非通気性、非透湿性で、表面粗さ(表面の凹凸)が小さい、ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルフィルム又はPETフィルムの少なくともいずれか一つを有するので、埃と水分とカビ胞子等が表面からグラスウールに入り込まず、そこでカビ等が繁殖しにくく、さらに表面に、埃等が堆積しにくく、水分も含まないので、カビ等が繁殖しにくく、建物内に、空調ダクト内の埃やカビ、細菌、異臭などが入りにくく、健康で快適な空間を実現できるダクト式空調換気システムが得られる。
また、他の手段は、前記部屋又は前記断熱空間の温度を検出する温度センサーと、前記温度を設定する温度設定部を有し、前記混合部の温度を検出する温度センサーを有し、2つの前記温度センサーの検出値と前記温度設定部の設定温度から、前記空調部と前記送風部を制御する制御部を有するものである。
これにより、自動的に、部屋、空間の平均温度が設定温度となり、空調ダクトの周囲の空気の平均温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調ダクト内の空気の平均温度となるので、部屋、空間をユーザーの設定した温度にしながら、空調ダクト内外の結露を抑えることができ、外乱や空調負荷の変化等があっても、確実にカビ等が繁殖しにくいダクト式空調換気システムが得られる。
また、他の手段は、前記空調ダクトと前記吹出口の間に、ダクトの内側の前記空調空気が流れる表面に、アルミ繊維吸音材を有する断熱ダクトを交換可能に設けるものである。
これにより、ダクトの内側の空調空気が流れる表面に、吸音性と耐候性が高いアルミ繊維吸音材を有する吸音断熱ダクトを、吹出口と空調ダクトの間に、取付孔より、交換可能に設けたので、寝室など、より静音性が必要な部屋の吹出口からの騒音を低減可能で、埃等が吸音材の表面に付着する程度のため、グラスウール等の吸音材と比較して、カビ等が繁殖しにくく、断熱性が低下せず、定期的な清掃や、万が一のダクト交換が必要な場合、取付孔から、容易にダクト内部の清掃や交換ができるダクト式空調換気システムが得られる。
本発明によれば、高気密高断熱な建物内を均一な温湿度となるよう空調し、新鮮できれいな室外空気を導入し、水分を含んだ汚れた室内空気を排気し、建物内を空気清浄することにより、省エネで、均一な温湿度、空気質のよい、健康で快適な空間を実現しながら、さらに、空調ダクト内外の結露は発生しにくく、空調ダクト内に埃等が堆積しにくく、カビも繁殖しにくく、雑菌による臭いも発生しにくく、建物内に、空調ダクト内の埃やカビ、細菌、異臭などが入りにくい、健康で快適な空間を実現できるダクト式空調換気システムを提供できる。
また、長期間使用しても、空調ダクトの交換や清掃などのメンテナンスが不要で、建物内を常に健康で快適な空調換気を行うことが可能なダクト式空調換気システムを提供できる。
さらに、ユーザーの好みにより、部屋、空間の温度を設定し、自動的に設定した温度に合わせながら、空調ダクト内外の結露も防止することが可能なダクト式空調換気システムを提供できる。
さらに、吸音断熱ダクトにより、空調吹出口からの騒音を低減しながら、カビが繁殖しにくく、万が一、ダクトの交換が必要になった時に、吹出口の取付孔から交換可能なダクト式空調換気システムを提供できる。
本発明の実施の形態1におけるダクト式空調換気システムの構成図 同システムの空調ユニットの縦断面図 同システムの空調部の縦断面図 同システムの空調ダクト等の断面図 同システムの制御ブロック図 本発明の実施の形態2における同システムの吸音断熱ダクト施工図 同システムの吸音断熱ダクトの断面図
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるダクト式空調換気システム1の構成図である。
図示するように、ダクト式空調換気システム1は、高気密高断熱住宅である建物2に設置され、建物2内にダクトをはりめぐらし、建物2内の部屋や空間をくまなく空調換気している。
本実施の形態では、部屋は、居室が対象であり、空間とは、非居室が対象となり、居室とは居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室を言い、非居室はそうではない室を言うが、居室として判断が難しい用途の室は、利用実態に応じて判断すればよい。
建物2は、外皮を断熱材(図示せず)及び気密シート(図示せず)で隙間なく覆われており、屋根3は屋根断熱仕様、基礎4は基礎断熱仕様、窓はトリプルガラスの樹脂サッシなどの断熱サッシ5、ドアは断熱ドア(図示せず)であり、屋根裏空間(断熱空間)6、床下空間(断熱空間)7含めて、建物2内全体の部屋や空間が断熱空間となっている。
断熱の方法は、大きく分けて外断熱と内断熱があり、それぞれのメリット/デメリットに応じて採用すればよいが、建物2の外皮に断熱性の欠損がなく、少なくともZEH基準の断熱性能をクリアする建物2を対象とする。
気密性能については、気密シートの仕様にもよるが、気密シートの継ぎ目に気密テープなどを貼るなどして、気密層の連続性を保ち、少なくともC値1.0をクリアする建物2を対象とする。
本ダクト式空調換気システム1では、壁と断熱材で覆われ、気密処理が施された、気密性断熱性の高い空調ユニット10は、玄関ホール11の階段の踊り場12に設けられている。
また、空調ユニット10には、メンテナンスのために、開閉により、階段の踊り場12から内部に出入り可能で、閉めた時に気密性の高い密閉ドア(図示せず)が設けられている。
本実施の形態では、空調ユニット10は、階段の踊り場12に設けられているが、屋根裏空間6、床下空間7、階段下(図示せず)、機械室(図示せず)等の非居室に、設けてもよい。
空調空気を生成する空調ユニット10内には、複数の送風部13、室外に設置された空調室外機14と冷媒配管及び電気配線15で接続された空調部16が設けられている。
空調部16は、熱交換器(図示せず)と送風機(図示せず)を有し、送風部13は、ファン(図示せず)とモーター(図示せず)を有している。
建物2内の部屋A20と部屋B21、玄関ホール11の床又は天井には、各々吹出口
22、23、24が取り付けられ、屋根裏空間6と床下空間7には、各々吹出口25、26
が設けられ、吹出口は、空調空気を吹き出す給気グリルで、風向を変更可能である。
本実施の形態では、居室として、部屋A20、部屋B21に吹出口を設けているが、LDK、寝室、子供部屋、仕事部屋、洗面所、トイレ、浴室、台所等に設けてもよく、非居室として、玄関ホール11、屋根裏空間6、床下空間7に吹出口を設けているが、階段の踊り場12、階段下、機械室、廊下、納戸、クローゼット、下駄箱等に吹出口を設けてもよい。
複数の送風部13と、吹出口22、23、24、25、26とは、空調ダクト30、31、32、33、34で、それぞれ1対1対1で接続されている。
図1では、簡略化して記載していないが、吹出口を設けている部屋、空間は他にもあり、それに合わせて、送風部13を設け、空調ダクトで繋ぎ、建物2全体をくまなく空調換気している。
空調ダクト30、31、32、33、34は、断熱性、耐湿性が高く、可撓性のある内径150mmのダクトで、空調ダクトの一方を送風部13のアダプタ(図示せず)に接続し、空調ユニット10の裏側に建物2内を縦断する断熱空間である縦シャフト35内を通す。縦シャフト35は、図1に示すように、建物2の外皮から遠く、周囲を部屋や空間に囲まれているので、室外空気や日射に影響されず、部屋や空間の温度と同等になりやすい。
そして、空調ダクト30、32、34は、下方に降ろし、建物2の一番下の断熱空間である床下空間7を通して、吹出口22、24、26に、空調ダクトのもう一方を接続し、空調ダクト31、33は、上方に上げ、建物2の一番上の断熱空間である屋根裏空間6を通して、吹出口23、25に、空調ダクトのもう一方を接続している。
一般的に、ダクト内径については、ダクト内の風速を5~7m/s以下とし、送風機、換気扇のP-Q(静圧―風量)特性によって、使用点の風量や静圧に余裕があり、消費電力と騒音が高くならないように選定するが、本実施の形態では、内径150mmのダクトに、最大300m/hを通した時、風速約4.7m/sと、5~7m/s以下となる。また、内径が100mm以上でないと、内部清掃用のブラシ等の機器が入らず、メンテナンスが困難になり、仮に埃等の堆積があった場合でも、ダクト内側の単位表面積当たりの埃等の堆積量が少なくなるように、ダクトスペースが許す限り、内径を大きくするということで、内径150mmとしている。
これにより、空調ユニット10内で生成された空調空気は、送風部13により、断熱空間にすべて通された空調ダクト30、31、32、33、34内を通って、吹出口22、23、24、25、26から、部屋A20、部屋B21、玄関ホール11、屋根裏空間6、床下空間7に吹き出される空調送風路(太い矢印)が形成される。
なお、本実施の形態では、空調ダクトを縦シャフト35、床下空間7、屋根裏空間6を通して、吹出口に接続しているが、建物2の外皮から遠い断熱空間であり、周囲を部屋や空間で囲まれていれば、例えば、階間空間(図示せず)、部屋又は空間の一部をふかして木材で囲った空間(図示せず)でも構わない。
部屋A20と部屋B21のドア(図示せず)のアンダーカットなどの排気口40、41は、玄関ホール11との間に開口している。
屋根裏空間6、床下空間7と玄関ホール11との間には、排気ガラリなどの排気口42、43が設けられている。
空調ユニット10の階段の踊り場12側の密閉ドア(図示せず)の上部には、吸込ガラリなどの還気口44(吸込部)が設けられており、空調ユニット10に吸い込まれる空気は、すべて還気口44(吸込部)から吸い込まれる。
これにより、部屋A20と部屋B21と屋根裏空間6と床下空間7の空気が、各々の排気口40、41、42、43を通って、玄関ホール11に入り、還気口44から、空調ユニット10に戻る還気路(細い矢印)が形成される。
そして、空調送風路と還気路を繋いで、循環路(図示せず)が形成される。
屋根裏空間6に、室外空気を室内に導入し、室内空気を室外へ排出する時に、室内空気の全熱を室外空気に回収する熱交換気ユニット50を設け、建物2全体の換気を行っている。
本実施の形態では、熱交換気ユニット50は、24時間換気風量が125m/h、強ノッチ換気風量250m/hで、全熱熱交換率は約70%のものである。
建物2内のトイレ51の天井には、トイレ51内の空気を排気する、排気ガラリなどの換気排気口52が設けられ、排気ダクトA53で、熱交換気ユニット50と接続されている。
建物2の外壁の貫通孔に屋外排気フードA54が設けられ、排気ダクトB55で、熱交換気ユニット50と接続されている。
熱交換気ユニット50は、室外空気を導入する導入ファン(図示せず)、室内空気を排気する排気ファン(図示せず)、モーター(図示せず)、室内空気の全熱を室外空気に回収する熱交換素子63、及び熱交換素子63の室内空気の入口側に配置されて素子に室内空気の埃等が付着しないための素子用プレフィルタ64を有する。
素子用プレフィルタ64は、ポリエステル、モダクリル製の厚み10mm~20mmの不織布で、標準風速2.5m/sで使用し、効率(重量法)75%で、洗浄により再生可能となっている。
なお、熱交換気ユニット50の周囲にメンテナンス可能な空間を設けたり、下部の天井に点検口を設けるなどして、熱交換素子63と素子用プレフィルタ64を、定期的に清掃などのメンテナンスを容易に可能としている。
これにより、室内空気は、換気排気口52から排気ダクトA53を通って、熱交換気ユニット50で、全熱を回収され、排気ダクトB55を通って、屋外排気フードA54から、室外に排気される。
室内空気排出路は、換気排気口52と屋外排気フードA54との間に形成され、排気ダクトA53、熱交換気ユニット50、排気ダクトB55によって形成される。室内空気排出路には、熱交換気ユニット50の素子用プレフィルタ64が設けられるが、素子用プレフィルタ64以外に、又は素子用プレフィルタ64とともに他のフィルタを設けてもよい。また、室内空気排出路には、熱交換気ユニット50の排気ファンが設けられるが、排気ファン以外に、又は排気ファンとともに他の排気ファンを設けてもよい。
建物2の外壁の貫通孔に屋外給気フード56が設けられ、給気ダクトA57で、熱交換気ユニット50と接続されている。
給気ダクトA57の途中で、屋根裏空間6には、導入する室外空気を清浄する外気清浄フィルタ58を有するフィルタボックス59を、下部の天井に点検口を設けるなどして、フィルタの清掃などのメンテナンスを容易に可能なように設けている。
外気清浄フィルタ58は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、PP樹脂製 の厚み35mmの微粒子用フィルタで、0.5μm以上の粒子、例えばカビ胞子の捕集が可能で、2μm以上の粒子を約95%の捕集効率で、約2年に1回交換する仕様である。
玄関ホール11の天井で、空調ユニット10の還気口44の前方に、室外空気を建物2内に吹き出す換気給気口60が設けられ、給気ダクトB61で、熱交換気ユニット50と接続されている。
これにより、室外空気は、屋外給気フード56から導入され、給気ダクトA57を通って、フィルタボックス59で清浄され、熱交換気ユニット50で全熱を回収し、給気ダクトB61を通って、換気給気口60から、室内に導入される。
室外空気導入路は、屋外給気フード56と換気給気口60との間に形成され、給気ダクトA57、フィルタボックス59、熱交換気ユニット50、及び給気ダクトB61によって形成される。室外空気導入路には、フィルタボックス59の外気清浄フィルタ58が設けられるが、外気清浄フィルタ58以外に、又は外気清浄フィルタ58とともに他のフィルタを設けてもよい。また、室外空気導入路には、熱交換気ユニット50の導入ファンが設けられるが、導入ファン以外に、又は導入ファンとともに他の導入ファンを設けてもよい。
排気ダクトA53は、換気排気口52から熱交換ユニット50の間の屋根裏空間6に設けられた排気用のダクトのため、ダクト内結露の可能性は少なく、埃や水分がダクト内側に堆積、吸水しないように、ダクト内側に断熱材や不織布などを有しない、ポリプロピレン製のダクトだけで構成された、内径150mmの非断熱ダクトである。
排気ダクトB55と給気ダクトA57は、屋外排気フードA54又は屋外給気フード56から熱交換気ユニット50の間の屋根裏空間6に設けられた、室外空気に接触するダクトのため、内径150mmの断熱性、耐湿性が高く、可撓性のある空調ダクトと同じ仕様としている。
給気ダクトB61は、換気給気口60から熱交換気ユニット50の間の屋根裏空間6に設けられた給気ダクトのため、内径150mmの断熱性、耐湿性が高く、可撓性のある空調ダクトと同じ仕様としている。
熱交換気ユニット50と排気ダクトB55、給気ダクトA57は、室外空気に接触するため、結露や室外からの埃等の侵入の可能性があり、定期的な清掃や交換などが可能な様に、近くに点検口を設ける必要がある。
トイレ51には、空調空気を吹き出す吹出口が設けられておらず、玄関ホール11との間に、空気が出入りするガラリ65が設けられており、熱交換気ユニット50の運転により、玄関ホール11に戻った、部屋及び断熱空間を空調した空気の一部は、ガラリ65から、トイレ51に流入し、安定時には、トイレ51内は、空調空気に近い空気質(温湿度、清浄度等)となる。
熱交換気ユニット50の運転により、室外空気導入路に設けられた外気清浄フィルタ58で清浄された新鮮な室外空気が、熱交換気ユニット50の導入ファンで導入され、トイレ51等のいわゆるダーティ―ゾーンの水分等で汚れた空気と部屋及び断熱空間を空調した空気の一部が、換気排気口52から室内空気排出路を通って、熱交換気ユニット50の排気ファンにより、熱交換気ユニット50に入り、熱交換素子63で、室外空気と全熱を熱交換した後、室外に排出されるので、室外から埃やカビ胞子などを建物2内に入れず、トイレ等の水分や臭い等を室外に排出し、熱交換によって、省エネで、建物2内の換気を行いながら、建物内の埃や水分、カビ胞子等を減らすことができる。
なお、本実施の形態では、トイレ51に換気排気口52が設けられているが、トイレ以外で、例えば洗面所、浴室、台所など、臭気、水分、有害物質等が発生、滞留しやすい部屋、空間であるいわゆるダーティ―ゾーンに換気排気口とガラリを設けてもよく、その場合は、それらを他の部屋や空間を経由せず、直接室外に排出できる。但し、熱交換気ユニット50の熱交換素子63が、浴室等の水分、台所等の油分等で劣化しにくいものでない場合は、後述する別の換気扇を設ける必要がある。
また、換気排気口52を、玄関ホール11、空調ユニット10など循環路(還気路)の下流の部屋や空間に設けてもよく、その場合は、部屋や空間の室内空気の一部が、その部屋や空間で、通常の生活によって発生した埃や水分等と一緒に、室外に排出されるが、ダーティ―ゾーンの水分等がその部屋や空間に流入しないように、ダーティーゾーンにも換気排気口52を設けるか、後述する別の換気扇を設ける必要がある。
建物2内の浴室66の天井には、浴室66内の空気を排気する、強ノッチ風量で80m/hの天井埋込型換気扇67が設けられ、排気ダクトC68で、建物2の外壁の貫通孔に設けられた屋外排気フードC69と接続されている。
排気ダクトC68は、屋外排気フードC69から天井埋込型換気扇67の間の断熱空間に設けられ、室外空気に接触するダクトのため、内径100mmの断熱性、耐湿性が高く、可撓性のある空調ダクトと同じ仕様としている。
天井埋込型換気扇67と排気ダクトC68は、室外空気に接触するため、結露や室外からの埃等の侵入の可能性があり、定期的な清掃や交換などが可能な様に、近くに点検口を設ける必要がある。
浴室66には、空調空気を吹き出す吹出口が設けられておらず、玄関ホール11との間に、空気が出入りするガラリ70が設けられており、天井埋込型換気扇67の運転により、玄関ホール11に戻った、部屋及び断熱空間を空調した空気の一部は、ガラリ70から、浴室66に流入し、安定時には、浴室66内は、空調空気に近い空気質(温湿度、清浄度等)となる。
なお、本実施の形態では、浴室66に天井埋込型換気扇67が設けられているが、浴室以外で、例えば洗面所、トイレ、台所などで、入浴、洗面、洗濯、排便、調理等による強い臭気、大量の水分、有害物質等が一時的に発生、滞留しやすい部屋、空間に換気扇を設けてもよく、それらを直接室外にすばやく排出できる。
また、本実施の形態では、天井埋込型換気扇67が設けられているが、室外に直接すばやく排気できる換気扇であれば、例えば、壁取付型や中間ダクト型でもよく、さらに、熱交換素子が、浴室等の水分、台所等の油分等で劣化しにくい熱交換気ユニットでもよい。
前記空調ユニット10には、建物2内の空気を清浄するために、複数のフィルタ(フィルタ部)を設けている。
複数のフィルタの一つとして、空調ユニット10の吸込ガラリなどの還気口44(吸込部)に、階段の踊り場12側から取り外して清掃等のメンテナンス可能なように、還気口フィルタ75(フィルタ部)を設けている。
また、空調部16に、熱交換器(図示せず)の上流側に、吸込空気を清浄し、熱交換器の埃等の付着を防止するための空調部フィルタ76(フィルタ部)を設けている。
さらに、送風部13に、ファン(図示せず)の上流側に、吸込空気を清浄し、空調ダクト30、31、32、33、34内、部屋A20、部屋B21、玄関ホール11、屋根裏空間6、床下空間7に埃等を吹き出さないように、送風部フィルタ77(フィルタ部)を設けている。
なお、空調部フィルタ76、送風部フィルタ77は、いずれも、本体から取り外し、定期的に清掃などのメンテナンスが可能である。
還気口フィルタ75は、ポリエステル、モダクリル製の厚み15mm~30mmの不織布で、標準風速1m/sで使用し、効率(重量法)は80%以上で、洗浄により再生可能となっている。
空調部フィルタ76は、ポリプロピレン繊維をハニカム状(ハチの巣状)に織ったフィルタを樹脂枠に成形したもので、効率が低いが、圧力損失が低く、吸水性吸湿性がなく、洗浄による清掃が容易である。
送風部フィルタ77は、ポリエステル他製の厚み2mmの不織布で、標準風速2m/sで使用し、効率(重量法)30%で、圧力損失が低く、洗浄により再生可能となっている。なお、清掃などのメンテナンスの頻度を減らしたい場合は、少し効率が下がるが、空調部フィルタ76と同じく、ポリプロピレン繊維をハニカム状に織ったフィルタを樹脂枠に成形したものとしてもよい。
空調ユニット10内の、還気口44の下流で、空調部16と送風部13の間には、電気式集塵式の空気清浄機80を設けている。空気清浄機80は、プレフィルタと電気式集塵機を備えている。
プレフィルタは、電気式集塵機の上流にある、20~50メッシュ程度のSUS製の荒い網目のフィルタで、還気口44から吸い込んだ空気と空調部16から吹き出した空気から、主として目視可能な程度の粗い粒子、粒子径が10 ~20μm以上のものを除去し、電気式集塵機を通過させる。
プレフィルタは、用途によりポリプロピレンなどの樹脂製であってもよい。
プレフィルタの下流にある電気式集塵機により、さらに細かい粒子、粒子径が0.3μm 以上のもの、たとえば、空気中のカビ胞子、土埃、花粉、黄砂やPM2.5などの浮遊粒子を除去する。
なお、本実施の形態では、電気式集塵式の空気清浄機80が設けられているが、HEPAフィルタ( High Efficiency Particulate Air Filter)などの目の細かいろ紙を通過させるHEPAフィルタ式でもよく、除去したい埃、菌、有害物質等の種類及びその程度、機械の形状、空調ユニット10の形状、空調ユニット10内の空気の風速、清掃などのメンテナンスの頻度等により選択すればよい。例えば、HEPAフィルタで捕捉可能な0.1μm以上の粒子径のウイルスを対象とする場合は、HEPAフィルタ式とする。
なお、プレフィルタと電気式集塵機は、空調ユニット10の密閉ドアを開けて、清掃、取替などのメンテナンスが容易に行える。
なお、本実施の形態では、空気清浄機80を空調ユニット10内に設けたが、部屋20等から、空調ユニット10に戻る還気路の途中に設けてもよい。
本実施の形態では、空調ユニット10内の送風部13を空調部16の送風機(図示せず)と分けているが、熱交換器(図示せず)で熱交換させるための空調送風機能と各部屋、各空間に送風する搬送機能が効果的に作用するならば、どのような送風部13、送風機の構成でも構わない。
本実施の形態では、空調ユニット10は壁と断熱材で覆われ密閉された空調室であるが、板金や断熱材で覆われたコンパクトな筐体であってもよく、空調部16と送風部13の位置関係で、還気口44から吸い込まれた空気と空調部16の吹出空気が、ショートカットせず、よく混合されれば、階段の踊り場12、階段の下、廊下などの空間の一部を壁等で囲って、空調部16、送風部13等を設け、一部が開放された空間であってもよい。但し、空調部16、送風部13を、容易にメンテナンスできる程度の大きさが望ましい。
空調ユニット10内の空気清浄機80の下方には、空気清浄機80通過後の空気の温度、湿度、埃の濃度を検知するセンサーと制御部を有する空調ユニットコントローラ110を設け、部屋、空間からの還気と室外空気が集まる玄関ホール11には、それらの空気が混合されて均一化された玄関ホール11の空気の温度、湿度、埃の濃度を検知するセンサーと玄関ホール11の温度を設定する温度設定部と制御部を有する室温コントローラ120を設けている。
空調ユニットコントローラ110と室温コントローラ120は、空調部16の制御部と送風部13の制御部と信号のやりとりを行う信号線により接続されている。
図2は、空調ユニット10の縦断面図である。
壁(密閉ドアを含む)と断熱材で覆われ密閉された空調ユニット10は、玄関ホール11の階段の踊り場12に設けられ、玄関ホール11の階段の踊り場12と接する密閉ドア(図示せず)の上部に、部屋A20等の空気が空調ユニット10に戻ってくる還気口44(吸込部)が設けられ、還気口フィルタ75(フィルタ部)を備えている。
空調部16は、還気口44の正面で、奥に離れて設けられ、複数の送風部13は、空調ユニット10内の下方で、空調ユニット10の裏側の縦シャフト35に本体等が埋め込まれている。
空調部16は、送風部13により還気口44から吸い込まれた空気(玄関ホール11で、部屋、空間からの還気と導入した室外空気が混合した空気)の一部を、送風機(図示せず)により、上面部及び前面部の吸込口86から吸込み、空調部フィルタ76(フィルタ部)で清浄し、熱交換器(図示せず)で、冷媒と熱交換した空気を、吹出口87より下方に吹き出す。
空調部16、還気口44と送風部13との間に、空気清浄機80が、空調ユニット10の上下を仕切るように設けられている。
空気清浄機80の下方で、送風部13の前方は、混合部85であり、還気口44から吸い込まれた空気(玄関ホール11で、部屋、空間からの還気と導入した室外空気が混合した空気)の一部と空調部16から吹き出された吹出空気が、混合される空間である。
送風部13は、ファン(図示せず)により、空調部16から吹き出された吹出空気と、還気口44から空調部16に吸い込まれずバイパスして流入した空気の一部を、空気清浄機80に通過させて空気清浄し、混合部85で混合した空調空気を、吸込口88から吸込み、送風部フィルタ(フィルタ部)77でさらに清浄し、空調ダクト30、31、32、33、34に流入させる。
図3は、空調部16の縦断面図である。
空調部16の筐体の上面部と前面部の吸込口86から吸い込まれた空気は、空調部フィルタ76で空気清浄され、熱交換器91、92で冷媒と熱交換され、送風機90で、吹出口87から、ルーバー94の向いた方向に吹き出される。
空調部16は、運転モードとして、冷房/暖房/再熱除湿の3つを有し、熱交換器91、92は、各運転モードにより、流れる冷媒の特性が変わり、役割が切り替わる構造となっている。つまり、冷房運転時は、熱交換器91、92共に、低温低圧の冷媒が流れる蒸発器として機能し、暖房運転時は、熱交換器91、92共に、高温高圧の冷媒が流れる凝縮器として機能する。
そして、再熱除湿運転時は、熱交換器91が低温低圧の冷媒が流れる蒸発器として、熱交換器92が中温中圧の冷媒が流れる再熱器として機能し、熱交換器91(蒸発器)の表面温度が、吸込空気の露点温度以下の温度の冷媒の蒸発温度となるため、通過した空気は温度が下がると共に絶対湿度が下がり、熱交換器91(蒸発器)の表面に結露した凝縮水(除湿水)は、熱交換器91(蒸発器)下方のドレンパン93に流れ、ドレンホース(図示せず)で室外等へ流される。熱交換器92(再熱器)の表面温度は、吸込空気以上の温度の冷媒の凝縮温度となるため、通過した空気は温度が上がる。その2つの熱交換器91、92を通過した空気が、送風機90により、合流し、混合されて、吸込空気の温度以上で、絶対湿度の低い吹出空気となり、吹出口87から吹き出される。
図4は、空調ダクト30、31、32、33、34、給気ダクトB61、排気ダクトB55及び給気ダクトA57の断面図である。
空調ダクト30、31、32、33、34、給気ダクトB61、排気ダクトB55及び給気ダクトA57は、断熱性、耐湿性が高く、可撓性のある内径150mmのダクトである。
ダクトの構成としては、外側から、順に、可撓性のある厚み0.08mm程度のポリエチレンシートなどの外部被覆材100、厚み25mmで密度24kg/m程度のグラスウールなどの断熱材101、ポリエステル不織布などに対して、非通気性、非透湿性で、表面粗さ(表面の凹凸)が小さい、厚み0.1mm程度のポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルフィルム、PETフィルムなどの内部被覆材102、空調空気等が通過する風路103となっており、断熱材101の内側と内部被覆材102の間に、ポリプロピレン樹脂などの成型用芯材(図示せず)を設けて、空調ダクト30~34等を折り曲げても、座屈せず、内部の風路103の断面積が確保できるようになっている。
なお、本実施の形態では、断熱材101は、厚み25mmで密度24kg/m程度のグラスウールを使用しているが、ダクトの外径が大きくなり、ダクトを通すスペースを建物2の断熱空間内に確保することが困難な場合、断熱材の密度を100kg/m以上にし、厚みを10mm以下のグラスウール等にすることにより、ダクトスペースを確保してもよい。その場合、ダクトの断熱性が若干低下するため、ダクトを通す断熱空間の断熱を強化するか、建物2の外皮から遠ざけた断熱空間にダクトを通すか、断熱空間の吹出口25、26の数を増やすなどして、空調能力を増やすなどの対応を行うことが望ましい。
図5は、同システムの制御ブロック図である。
空調ユニットコントローラ110は、空調ユニット10内で、空気清浄機80の通過後で、送風部13に吸い込まれる前の混合部85の空調空気の温度を検知する温度センサー111と同空気の湿度を検知する湿度センサー112と同空気の埃の質量濃度を検知する埃センサー113を有し、制御部114にデータを送信する。
室温コントローラ120は、還気口44に吸い込まれる空気(玄関ホール11で、部屋、空間からの還気と導入した室外空気が混合した空気)の温度を検知する温度センサー121と同空気の湿度を検知する湿度センサー122と同空気の埃の質量濃度を検知する埃センサー123と同空気の温度を設定する温度設定部125を有し、制御部124にデータを送信する。
空調部16は、熱交換器91、92で熱交換される吸込空気の温度を検出する吸込温度センサー133を有し、制御部130にデータを送信し、制御部130からの指示により送風機90の回転数制御を行う送風機制御部131とルーバー94の角度制御を行うルーバー制御部132を有する。
空調室外機14は、制御部135からの指示により圧縮機(図示せず)の回転数制御を行う圧縮機制御部136と室外送風機(図示せず)の回転数制御を行う室外送風機制御部137を有する。
送風部13は、制御部140の指示によりモーター(図示せず)の回転数制御を行うモーター制御部141を有する。
空調ユニットコントローラ110の制御部114と室温コントローラ120の制御部124とは信号線150で繋がれ、信号のやりとりを行う。
空調ユニットコントローラ110の制御部114と空調部16の制御部130とは信号線151で繋がれ、信号のやりとりを行う。
空調部16の制御部130と空調室外機14の制御部135は信号線152で繋がれ、信号のやりとりを行う。
空調ユニットコントローラ110の制御部114と複数の送風部13の制御部140とはそれぞれ信号線153で繋がれ、それぞれ信号のやりとりを行う。
空気清浄機80は、制御部160の指示により電気式集塵機の運転制御を行う電気式集塵機制御部161を有する。
空調ユニットコントローラ110の制御部114と空気清浄機80の制御部160とは信号線154で繋がれ、信号のやりとりを行う。
熱交換気ユニット50は、制御部165の指示によりモーターの回転数制御を行うモーター制御部166を有する。
空調ユニットコントローラ110の制御部114と熱交換気ユニット50の制御部165とは信号線155で繋がれ、信号のやりとりを行う。
以上の構成において、空調ユニットコントローラ110と室温コントローラ120は、それぞれ複数の信号線により、空調部16と複数の送風機13と空気清浄機80と熱交換気ユニット50と接続され、通信を行い、ダクト式空調換気システム1を適正に制御している。なお、本実施形態では、通信は、信号線による有線方式であるが、それぞれに無線通信部を設けて、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)、赤外線などの無線方式で行っても構わない。
上記構成において、室温コントローラ120の温度設定部125で温度を設定し、本ダクト式空調換気システム1の運転を行うと、空調部16と複数の送風部13と空気清浄機80と熱交換気ユニット50が、空調ユニットコントローラ110により、適正に制御、運転される。
各部屋と屋根裏空間6と床下空間7等の空間の空調後の戻り空気が、複数の送風機13により、還気路を通って、玄関ホール11に戻る。
また、フィルタボックス59により清浄され、熱交換気ユニット50で室内空気と熱交換された室外空気が、換気給気口60から玄関ホール11に入る。
これらの空気は、玄関ホール11で混合され、空調ユニット10の還気口44の還気口フィルタ75(フィルタ部)で清浄され、空調ユニット10に流入する。
空調部16は、還気口44から吸い込まれた空気の一部を、吸込口86から吸込み、空調部フィルタ76(フィルタ部)で清浄し、熱交換器(図示せず)で、冷媒と熱交換した空気を、吹出口87より下方に吹き出す。
複数の送風部13で、還気口44から吸い込まれた空気の残りは、空調部16をバイパスして、空調部16から吹き出した吹出空気と共に、空気清浄機80を通過し、さらに細かい埃や菌などを除去して、空気清浄され、混合部85で、よく混合した空調空気となる。
複数の送風部13は、空調空気を、吸込口88から吸込み、送風部フィルタ(フィルタ部)77でさらに清浄し、空調ダクト30、31、32、33、34に流入させる。
本実施の形態では、空調部16の風量は、約600m/hで、吹出空気の温度は、吸込空気の温度に対し、冷房時は約10K、暖房時は約20Kであるが、複数の送風部13の合計風量は、約1500m/hのため、還気口44から吸い込まれた空気のうち、残りの約900m/hの空調機16をバイパスしてくる空気と、混合部85で混合されると、約1500m/hの冷房時約5K、暖房時約10K以内の空調空気が、複数の送風部13に吸い込まれる。
ここで、建物2は高気密高断熱で、還気路での温度勾配がほとんどないため、空調部16の吸込空気の温度は、玄関ホール11の温度や各部屋、各空間からの戻り空気の平均温度や各部屋、各空間の平均温度とほぼ同じとなる。
空調ダクト30、31、32、33、34は、断熱空間である縦シャフト35を通っている。空調ダクト33は、屋根裏空間6(断熱空間)で、吹出口25から、空調空気を吹出し、建物2の最上部にあり、屋根の輻射熱や室外の影響を受けやすい屋根裏空間6を空調換気する。空調ダクト34は、床下空間7(断熱空間)で、吹出口26から、空調空気を吹出し、建物2の最下部にあり、地下や室外の影響を受けやすい床下空間7を空調換気する。
空調ダクト30、32は、床下空間7(断熱空間)を通って、それぞれ、吹出口22、24から、空調空気を吹出し、部屋A20、玄関ホール11を空調換気する。
空調ダクト31は、屋根裏空間6(断熱空間)を通って、吹出口23から、空調空気を吹出し、部屋B21を空調換気する。
つまり、空調ユニット10内で生成された約1500m/hの、各部屋、各空間の温度に対し、冷房時約5K、暖房時約10K以内で、複数のフィルタ部と空気清浄機80で空気清浄された空調空気が、送風部13により、断熱空間にすべて通された空調ダクト30、31、32、33、34内を通って、吹出口22、23、24、25、26から、部屋A20、部屋B21、玄関ホール11、屋根裏空間6、床下空間7に吹き出されるので、空調空気は、空調ダクト30、31、32、33、34を通過しても、ほとんど温度勾配がなく、そのまま、各部屋、各空間の温度に対し、冷房時約5K、暖房時約10K以内の大風量の清浄された空調空気が、吹出口22、23、24、25、26から吹き出し、建物2内が非常に快適で均一な温度で、非常に良い空気質に空調換気される。
また、空調ダクト30、31、32、33、34内には、上記のように、空調ダクトが通る断熱空間の温度に対し、冷房時約5K、暖房時約10K以内の大風量の清浄された空調空気が、通過するので、ダクト内外で結露することもなく、特に、ダクト内に、水分や埃や菌などが滞留、堆積しにくい。
各部屋、各空間を空調換気した空調空気は、排気口40、41、42、43を通って、玄関ホール11に戻り、還気口44から、空調ユニット10に戻る。
還気口44から吸い込まれた空気(玄関ホール11で、部屋、空間からの還気と導入した室外空気が混合した空気)が、空調ユニット10にて、再度、空調され、各部屋、各空間に供給されるので、還気の熱や空気質が再利用され、結果的に省エネとなる。
そして、玄関ホール11で、部屋、空間からの還気と導入した室外空気が混合した空気の一部は、熱交換気ユニット50により、ガラリ65から、トイレ51に流入する。トイレ51の水分、臭気、有害物質等を含んだ空気は、熱交換気ユニット50により、フィルタボックス59で清浄された室外空気と全熱交換し、屋外排気フードA54から室外に排出され、部屋、空間からの還気と導入した室外空気が混合した空気の一部が、トイレ51の空気として置き換わる。
清浄された、全熱交換後の新鮮な室外空気は、玄関ホール11の換気給気口60から吹き出し、玄関ホール11で、部屋、空間からの還気と混合され、還気口44から、空調ユニット10に流入し、各部屋、各空間に送風される。
入浴中など、浴室66で、大量の水分や強い臭気等が一時的に発生した時は、天井埋込型換気扇67を強ノッチで運転することにより、直接、室外にすばやく排出しながら、ガラリ70から、部屋、空間からの還気と導入した室外空気が混合した空気の一部が、浴室66の空気として置き換わるので、安定時には、浴室66内は、空調空気に近い空気質(温湿度、清浄度等)となる。
各送風部13の各送風量は、各部屋、各空間の容積から決定する。空調のために必要な送風量は、部屋2.5m当たり少なくとも8m/h以上、理想的には20m/h以上が望ましく、部屋の大きさや日射などの空調負荷によって送風量を調整する。送風部13は、高効率なDCモーター(図示せず)でシロッコファン(図示せず)を回転させるので、空調負荷等によって、シロッコファン(図示せず)の回転数を制御部140、モーター制御部141で制御する。
送風部13の台数は、基本的に、吹出口1台につき1台とし、空調ダクト1本で繋ぐが、前述した必要送風量に対し、送風部13に余裕がある場合、部屋や空間の形状により、途中で空調ダクトを分岐させ、吹出口を増やすことも可能であるが、分岐部で、抵抗になり、風速が変わること等により、水分、埃、菌等が滞留、堆積する可能性があり、また清掃等のメンテナンスも困難となるので、できれば、1:1:1台とするのが望ましく、どうしても分岐部を設ける場合は、後から分岐部内の清掃や交換が可能な様に、近くに点検口を設ける必要がある。
空調部16は建物2の空調負荷により、能力、台数を選定するが、能力選定にあたっては、よりCOPが高い低周波数(30Hz前後)での圧縮機(図示せず)運転が継続する能力(建物の空調負荷に対し、適正な定格能力、多くて100%)のエアコン等を選定すると、安定時に低周波数での継続運転となり、より省エネで、ハンチングのない安定した温湿度となるので、望ましい。
空調ユニット10で、還気口44から吸い込まれた空気(玄関ホール11で、部屋、空間からの還気と導入した室外空気が混合した空気)と空調部16で空調された吹出空気とを確実に混合させ、各部屋、各空間の温度差の少ない均一な温度、つまり、各部屋、各空間の目標温度に対し、冷房時5K以内、暖房時10K以内の温度差の空調空気となるように、空調部16の風量は、複数の送風部13の合計送風量の50%以下の風量とするのが望ましい。
その空調空気を複数の送風部13で、複数の空調ダクトを通して、各部屋、各空間の天井や壁に設けられた吹出口から送風することにより、各部屋、各空間を均一な快適な温度に空調換気する。
例えば、建物の床面積が約100m、天井高さは2.5mの場合、4kW相当の冷房能力をもつ空調部16を設置し、弱風モードでは冷房運転時空調風量は600m/hとなる。各部屋、各空間に送風する送風部13は、1台あたりの送風量が、弱風量で100m/h程度、中風量で150m/h程度、強風量で200m/hのものを設定し、10台の送風部13の場合の合計送風量は1000m/h~2000m/h程度になり、空調部16の空調風量よりも多く、合計送風量の30~60%の風量が空調部16の空調風量(弱風モード)として設定する。
なお、空調風量とは、空調部16の熱交換器(図示せず)を通過する風量であり、大風量で各部屋に空調空気を吹出せるように、熱交換器通過による圧力損失を避けるため、熱交換器をバイパスする風路を有する空調部16の場合は、バイパス風路の風量は空調風量から除くものとする。
熱交換気ユニット50で導入する室外空気導入量、室内空気排出量、いわゆる換気風量としては、床面積約100m、天井高さ2.5mの換気回数0.5回/hの場合、24時間換気風量125m/hとする。
浴室66で、入浴中などでは、天井埋込型換気扇67の排気風量が80m/h程度増えるため、一時的に排気過多となるが、短時間であり、その負圧により熱交換気ユニット50の室外空気導入量が少し増えるため、建物2全体として、適正量の新鮮で空気清浄された室外空気を導入しながら、水分や二酸化炭素、臭気、VOC、埃、菌他を排出でき、省エネで健康快適な空調換気を実現できる。
夏季、室温設定温度25℃では、冷房運転の空調部16の吹出温度は、還気口44から吸い込まれる空気の温度26℃に対し約10K以上低い、15℃であるが、26℃の還気口44から吸い込まれる空気と混合して、還気口44から吸い込まれる空気の温度に対し、約5K低い21℃となり、送風部13に吸い込まれ、空調ダクトを通っているため、温度勾配がなく、21℃で、吹出口から各部屋、各空間に吹き出す。安定時、空調ダクトの通る断熱空間には、ほとんど吹出口があり、空調した断熱空間を通っているため、空調ダクトの内周表面温度は21℃に近い22℃となり、外周表面温度は、断熱空間の室温25℃に近い24℃となる。
断熱空間の室温25℃相対湿度60%の場合、露点温度は17℃であり、空調ダクトの外周表面には、結露しない。
また、室外温度が下がり、空調負荷が減って、空調部16がサーモOFFして、圧縮機が停止した場合、空調部16の吹出空気の温湿度は、温度は室温と同じく25℃で、相対湿度は、空調部16の蒸発器に結露した凝縮水が再蒸発して、少し高く80%となっても、露点温度は21℃であり、空調ダクトの内周表面にも、結露しない。
比較として、従来のダクト式空調換気システムでは、空調部が吹き出した空気をそのままダクトに流すので、空調部の吸込空気の温度26℃に対し約10K以上低い15℃の吹出空気が流れて、ダクトの内周表面を冷やし、17℃程度になる。この状態で、サーモOFFし、圧縮機が停止すると、吹出空気は温度25℃相対湿度80%露点温度21℃となり、ダクト内を通過すると、ダクト内周表面に結露する。
冬季、室温設定温度21℃では、暖房運転の空調部16の吹出温度は、還気口44から吸い込まれる空気の温度20℃に対し約20K以上高い、42℃であるが、19℃の還気口44から吸い込まれる空気と混合して、還気口44から吸い込まれる空気の温度に対し約10K高い30℃となり、送風部13により、空調ダクトを通っているため、温度勾配がなく、30℃で、吹出口から各部屋、各空間に吹き出す。安定時、空調ダクトの通る断熱空間には、ほとんど吹出口があり、空調した断熱空間を通っているため、空調ダクトの内周表面温度は30℃に近い28℃となり、外周表面温度は、断熱空間の室温21℃に近い23℃となる。
送風部13の吹出空気の温湿度は、温度30℃相対湿度32%露点温度12℃であり、空調ダクトの内周表面に結露しない。加湿器により加湿して相対湿度が50%に上がっても、露点温度は18℃のため、結露しない。
また、室外温度が上がり、空調負荷が減って、空調部16がサーモOFFして、圧縮機が停止した場合、送風部13の吹出空気の温湿度は、温度は室温と同じく21℃で、相対湿度は高くなり60%となり、露点温度は12℃であり、空調ダクトの内周表面に、結露しない。加湿器により加湿して相対湿度が80%まで上がっても、露点温度は17℃で、結露しない。
比較として、従来のダクト式空調換気システムでは、ダクトが住宅内の断熱空間を通らず、その空間が空調もされておらず、ダクトの断熱性能も低い場合、その空間の温度は外気温に近く、例えば外気温0℃、空間温度2℃となっている状態で、空調部が吹き出した空気をそのままダクトに流すので、空調部の吸込空気の温度20℃に対し約20K以上高い40℃の吹出空気が流れて、相対湿度20%では、露点温度13℃となり、ダクト内表面温度が13℃以下となった場合、ダクト内周表面に結露する。この状態で、サーモOFFし、圧縮機が停止すると、吹出空気は温度21℃相対湿度60%露点温度13℃となり、同様に結露する。
加湿機により、加湿して相対湿度が上がると、さらに結露量が増える。
空調部16の風量600m/hより、複数の送風部13の合計風量1500m/hが大幅に多く、約1500m/hの、各部屋、各空間の温度に対し、冷房時約5K、暖房時約10K以内の空調空気が、部屋、空間に吹き出されるので、長時間、部屋、空間の温度は安定する。また、空調部16の能力決定にあたっては、よりCOPが高い低周波数での圧縮機(図示せず)運転が継続する能力(建物の空調負荷に対し、適正な定格能力、多くて100%)のエアコン等を選定する。よって、省エネのため、安定時には、圧縮機(図示せず)が低周波数で長時間運転するよう、空調部16の設定温度は、部屋、空間の平均温度より、少し低く(冷房時約5K以内)、少し高く(暖房時約10K以内)設定する。高気密高断熱住宅のため、部屋、空間の平均温度と還気口44(吸込部)から吸い込まれる空気の温度と空調部16の吸込空気の温度は、ほぼ等しいため、長時間継続して、空調部16の吸込空気の温度が、設定温度より少し高い(冷房時)、少し低い(暖房時)ことにより、サーモON状態で、圧縮機が低周波数で運転するので、サーモON/OFF等による温湿度のハンチングや、圧縮機立ち上がり時のCOPが低い状態が発生せず、建物2内全体が、省エネで、快適で均一な温湿度となる。
特に夏季の冷房運転時は、空調部16は、小温度差でのサーモON状態が長時間継続し、圧縮機(図示せず)が継続して運転するので、蒸発器の表面温度、いわゆる蒸発温度が、吸込空気の露点温度以下となって、蒸発器に吸込空気の水分が結露し、長時間運転により、除去される除湿量が多くなり、長時間継続して吹出空気の絶対湿度が低下し、空調空気の絶対湿度も低下し、その空調空気が流れる空調ダクト内、部屋、空間の相対湿度も低下する。
例えば、夏季の室外温度約35℃相対湿度約40%の冷房運転時、室温設定温度25℃の安定時では、部屋、空間の平均温度25℃に対し、還気路での温度勾配と、室内空気と熱交換した30℃程度の室外空気と合流することにより、空調ユニット10の吸込空気温度は約26℃となり、空調部16の設定温度を、吸込空気温度26℃に対し約2~4K低い、22~24℃とすると、空調部16は、小温度差でのサーモON状態が長時間継続し、圧縮機(図示せず)が低周波数で継続して運転し、除去される除湿量も多くなり、絶対湿度の低い空調空気が流れる空調ダクト内、部屋、空間の相対湿度も40%以下に低下する。
なお、通常、エアコンの冷房運転時において、サーモON時に蒸発器に結露した凝縮水は、サーモOFF時に圧縮機が停止し、蒸発温度が上がると、凝縮水が吸込空気により、再蒸発して、吹出空気の絶対湿度が上昇し、非常に不快な高い絶対湿度の空気となるが、本ダクト式空調換気システム1では、サーモOFFの頻度が減り、そういった空調空気とはなりにくい。
上記のような、空調部16の能力決定を行っても、室外温度による空調負荷の変化、例えば、梅雨時期のそれほど温度は高くないが、蒸し蒸しとした高湿度の時(温度27℃、相対湿度80%以上)などでは、空調部16を冷房運転した場合、一般的なエアコンなど顕熱能力が高いため、比較的早く温度だけ下がってサーモOFFしてしまい、除去される除湿量が少なく、吹出空気の絶対湿度が下がらず、空調空気の絶対湿度も下がらず、空調空気が流れる空調ダクト内、部屋、空間の相対湿度も下がらず、温度だけが下がって、逆に相対湿度が上がってしまう場合がある。
このような場合は、空調部16の運転モードを再熱除湿運転とし、熱交換器91が低温低圧の冷媒が流れる蒸発器として、熱交換器92が中温中圧の冷媒が流れる再熱器として機能するため、吸込空気の温度以上で、絶対湿度の低い吹出空気となり、吹出口87から吹き出され、温度は下がらず、絶対湿度が下がる。
これにより、空調部16は、再熱除湿サーモON状態が長時間継続し、圧縮機(図示せず)が継続して運転するので、熱交換器91(蒸発器)の表面温度、いわゆる蒸発温度が、吸込空気の露点温度以下となって、熱交換器91(蒸発器)に吸込空気の水分が結露し、長時間運転により、除去される除湿量が多くなり、長時間継続して吹出空気の絶対湿度が低下し、空調空気の絶対湿度も低下し、その空調空気が流れる空調ダクト内、部屋、空間の相対湿度も低下する。
なお、本実施の形態では、熱交換器92(再熱器)に冷媒を流すヒートポンプ式としたが、再熱器として、燃料電池などを熱源として発生した温水を流す熱交換器でもよい。
以上により、空調ダクトを通過する空調空気に埃、菌、水分等が少なく、空調ダクト内も結露しにくいので、長時間運転しても、堆積した埃等に水分、カビ胞子等が付着し、カビ等が繁殖するということが少ないが、空調ダクト内の内側表面に、ポリプロピレンなどの不織布がある場合、その不織布に通気性、透湿性があり、不織布の内側の断熱材等に埃と水分とカビ胞子等が付着してカビが繁殖する場合がある。
また、断熱材がグラスウールの場合は、その表面張力や毛細管現象により水分が繊維の隙間に入り込んでしまうと、乾いたとしても、繊維同士がくっついてしまい、断熱機能に必要な大量の空気を溜め込むことができなくなり、断熱機能が低下するため、一度ダクト内部に結露すると、ますます、結露しやすくなる。
また、不織布は、表面粗さ(表面の凸凹)も大きいので、何らかの理由で通過する空気に埃等が多く含まれる場合、不織布に引っかかって、堆積していきやすい。
さらに、空調ダクト内をブラシ等が回転する機械を使用して清掃する場合、ブラシが不織布の表面の凸凹に引っかかって、不織布が破損する可能性もある。
このような場合は、空調ダクト30、31、32、33、34に、グラスウールなどの断熱材101の内側で、空調空気が通過するダクト内側表面に、ポリエステル不織布などに対して、非通気性、非透湿性で、表面粗さ(表面の凹凸)が小さい、厚み0.1mm程度のポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルフィルム、PETフィルムなどの内部被覆材102を有するものを使用することにより、ダクト内側表面から、埃と水分とカビ胞子等がグラスウールに入り込まず、そこでカビ等が繁殖しにくく、さらに表面に、埃等が堆積しにくく、水分も含まないので、カビ等が繁殖しにくく、建物2内に、ダクト内の埃やカビ、細菌、異臭などが入りにくく、健康で快適な空間を実現できる。
本実施の形態では、排気ダクトB55、給気ダクトA57、給気ダクトB61、排気ダクトC68も、上述した空調ダクト30~34と同様なダクトを使用している。給気ダクトB61については、外気清浄フィルタ58通過により、埃、カビ胞子の侵入は抑えられるが、捕集効率が100%ではなく、熱交換素子63で、室内空気と全熱交換されることにより、結露は抑えられるが、厳冬期や酷暑時は、結露する可能性が高いので、空調ダクト30~34と同様なダクトを使用することにより、ダクト内でカビ等が繁殖するリスクは減少し、建物2内に、ダクト内の埃やカビ、細菌、異臭などが入りにくい。給気ダクトA57については、空調ダクト30~34と同様なダクトを使用することにより、少なくとも給気ダクトA57の内側に、埃、カビ胞子、水分等は付着しにくく、汚れの進行は遅くなり、屋外給気フード56での室外空気との接触による結露も減少する。排気ダクトB55については、空調ダクト30~34と同様なダクトを使用することにより、少なくとも排気ダクトB55の内側に、埃、カビ胞子、水分等は付着しにくく、汚れの進行は遅くなると共に、屋外排気フードA54から、埃、カビ胞子、水分等が排出されやすく、屋外排気フードA54での室外空気との接触による結露も減少する。排気ダクトC68については、空調ダクト30~34と同様なダクトを使用することにより、少なくとも排気ダクトC68の内側に、埃、カビ胞子、水分等は付着しにくく、汚れの進行は遅くなると共に、屋外排気フードC69から、埃、カビ胞子、水分等が排出されやすく、屋外排気フードC69での室外空気との接触による結露も減少する。
室温コントローラ120の温度設定部125で温度を設定し、本ダクト式空調換気システム1の運転を行うと、空調部16と複数の送風部13と空気清浄機80と熱交換気ユニット50が、空調ユニットコントローラ110により、適正に制御、運転されるが、その内容は下記となる。
空調ユニット10内の混合部85の空調空気の温度、湿度、埃濃度を空調ユニットコントローラ110の温度センサー111、同空気の湿度を検知する湿度センサー112、同空気の埃の質量濃度を検知する埃センサー113で検出し、還気口44から吸い込まれる空気(玄関ホール11で、部屋、空間からの還気と導入した室外空気が混合した空気)の温度を室温コントローラ120の温度センサー121、同空気の湿度を検知する湿度センサー122、同空気の埃の質量濃度を検知する埃センサー123で検出し、それぞれ、各制御部114、124にデータを送り、信号線150で制御部124から制御部114にデータが送られる。
また、室温コントローラ120の温度設定部125で設定された温度データを制御部124に送り、信号線150で制御部124から制御部114にデータが送られる。
制御部114では、温度センサー121で検出した温度と温度設定部125で設定された温度を比較して、空調部16の運転モードを冷房/暖房のいずれかに決定し、冷房運転の場合は、湿度センサー122で検出した湿度を閾値とを比較して、閾値より低い場合は冷房運転とし、閾値より高い場合は再熱除湿運転と決定する。
また、制御部114では、温度センサー121で検出した還気口44から吸い込まれる空気の温度から、部屋、空間の平均温度を推定し、温度センサー111で検出した混合部85の空調空気の温度から、空調ダクト内の空気の平均温度を推定し、部屋、空間の平均温度が設定温度となるように、また、部屋、空間の平均温度を空調ダクトの周囲の空気の平均温度とし、それに対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調ダクト内の空気の平均温度となるように、空調部16の設定温度と送風部13の送風量を決定し、先程決定した空調部16の運転モード(冷房/暖房/再熱除湿)と空調部16の設定温度と送風部13の送風量を、それぞれ信号線151を通じて、空調部16の制御部130に信号を送り、信号線153を通じて、複数の送風部13の制御部140に信号を送る。
送風部13の送風量については、例えば、建物の床面積が約100m、天井高さは2.5mで、冷房能力4kW相当、弱風モード冷房運転時空調風量600m/hである空調部16を設置した場合、送風部13は、1台あたりの送風量が、弱風量で100m/h程度、最大風量で300m/hのものを10台設置し、10台の送風部13の合計送風量は1000m/h~2000m/hとし、空調部16の空調風量よりも多く、合計送風量の30~60%の風量が空調部16の空調風量(弱風モード)となるように、100m/hから300m/hの間で決定し、本ダクト式空調換気システム1の運転中は、送風量を0とせず、内径150mmの空調ダクト30~34内の空調空気の風速を常に1.6~4.7m/sで制御する。
一般的に、水面上の空気の移動による水の蒸発速度Y(kg/ms)は、水面の飽和蒸気量Xw(kg/m)、水面上の空気の水蒸気量Xa(kg/m)、水面上の空気の移動速度V(m/s)により、Y=K・V(Xw―Xa)となり、移動速度に比例する。これを空調ダクト30~34にあてはめた時、空調ダクト内周表面上に結露した水分は、空調空気の風速に比例してその蒸発量が増えるので、本ダクト式空調換気システム1では、仮に空調ダクト内に結露した場合でも、できる限り早く蒸発させるため、送風量を0とせず、常に空調空気を流し続ける仕様としている。
運転モードと設定温度の信号を受けた空調部16の制御部130は、吸込温度センサー133からの吸込温度のデータとあわせて、空調部16の圧縮機等の運転状態を決定し、送風機制御部131とルーバー制御部132に、それぞれ送風機90の回転数とルーバー94の角度を指示し、信号線152を通じて、空調室外機14の制御部135に信号を送る。
同様な信号を受けた空調室外機14の制御部135は、圧縮機制御部136と室外送風機制御部137に、それぞれ圧縮機の回転数と室外送風機の回転数を指示する。
送風量の信号を受けた複数の送風部13の制御部140は、それぞれのモーター制御部141に、それぞれのモーターの回転数を指示する。
さらに、制御部114では、埃センサー123で検出した埃の濃度と閾値とを比較して、閾値より低い場合は空気清浄機80の停止を決定し、高い場合は空気清浄機80の運転を決定して、信号線154を通じて、空気清浄機80の制御部160に信号を送り、信号を受けた制御部160は、電気式集塵機制御部161に停止/運転を指示する。
熱交換気ユニット50の換気風量については、空調ユニットコントローラ110の換気風量設定手段(図示せず)により、建物2の大きさに応じた24時間換気風量を設定し、制御部114では、熱交換気ユニット50の制御部165に、信号線155を通じて信号を送り、制御部165はモーター制御部166にその風量に応じたファン回転数を指示するが、湿度センサー122、埃センサー123で検出した湿度、埃の濃度が、閾値より大幅に大きい場合、一時的に、換気風量を24時間換気風量より増大させるよう決定し、モーター制御部166に、その回転数を指示する。
また、例えば、天井埋込型換気扇67の制御部(図示せず)と制御部114を信号線で繋ぎ、湿度センサー122、埃センサー123で検出した湿度、埃の濃度が、閾値より大幅に大きい場合、天井埋込型換気扇67を運転するように決定し、制御部114から天井埋込型換気扇67の制御部(図示せず)に信号を送ってもよい。
さらに、その場合、天井埋込型換気扇67の排気により、建物2全体の給気排気バランスがくずれるので、熱交換気ユニット50の室外空気を導入する導入ファン(図示せず)だけ、回転数を増加させ、給気排気バランスをとるように、制御部114から制御部165に信号を送ってもよい。
例えば、夏季の室外温度約35℃相対湿度約40%、室温コントローラ120の温度センサー121で検出された温度が28℃で、温度設定部125で設定された温度が25℃の場合、制御部114では、空調部16の運転モードを一旦冷房と決定し、湿度センサー122で検出した湿度が50%の場合、閾値70%より低いため、冷房運転と決定する。
そして、制御部114では、温度センサー121で検出した温度28℃から、部屋、空間の平均温度を27℃と推定し、温度センサー111で検出した温度25℃から、空調ダクト内の空気の平均温度を25℃と推定し、部屋、空間の平均温度27℃が設定温度25℃となるように、また、部屋、空間の平均温度27℃を空調ダクトの周囲の空気の平均温度27℃とし、それに対し、冷房時は5K以内の22℃~27℃の空調ダクト内の空気の平均温度となるように(この時点の空調ダクト内の平均温度は25℃)、空調部16の設定温度を22℃と決定し、送風部13の送風量をそれぞれ200m/hと決定し、それぞれ信号線151を通じて、空調部16の制御部130に信号を送り、信号線153を通じて、複数の送風部13の制御部140に信号を送る。
運転モード「冷房」と設定温度「22℃」の信号を受けた空調部16の制御部130は、吸込温度センサー133からの吸込温度「28℃」のデータとあわせて、空調部16の圧縮機等の運転状態、例えば、送風機90の回転数を900r/minとルーバー94の角度を水平から下方へ45度、圧縮機を中周波数の52Hzで運転、室外送風機の回転数を600r/min等と指示する。
送風量「200m/h」の信号を受けた複数の送風部13の制御部140は、それぞれのモーター制御部141に、例えば、それぞれのモーターの回転数を1200r/minと指示する。
例えば、梅雨時期の室外温度約27℃相対湿度約80%、室温コントローラ120の温度センサー121で検出された温度が24℃で、温度設定部125で設定された温度が22℃の場合、制御部114では、空調部16の運転モードを一旦冷房と決定し、湿度センサー122で検出した湿度が80%の場合、閾値70%より高いため、再熱除湿運転と決定する。
そして、制御部114では、温度センサー121で検出した温度24℃から、部屋、空間の平均温度を23℃と推定し、温度センサー111で検出した温度20℃から、空調ダクト内の空気の平均温度を20℃と推定し、部屋、空間の平均温度23℃が設定温度22℃となるように、また、部屋、空間の平均温度23℃を空調ダクトの周囲の空気の平均温度23℃とし、それに対し、冷房時は5K以内の18℃~23℃の空調ダクト内の空気の平均温度となるように(この時点の空調ダクト内の平均温度は20℃)、空調部16の設定温度を22℃と決定し、送風部13の送風量をそれぞれ150m/hと決定し、それぞれ信号線151を通じて、空調部16の制御部130に信号を送り、信号線153を通じて、複数の送風部13の制御部140に信号を送る。
運転モード「再熱除湿」と設定温度「22℃」の信号を受けた空調部16の制御部130は、吸込温度センサー133からの吸込温度「23℃」のデータとあわせて、空調部16の圧縮機等の運転状態、例えば、送風機90の回転数を600r/minとルーバー94の角度を水平から下方へ45度、圧縮機を低周波数の32Hzで運転、室外送風機の回転数を600r/min等と指示する。
送風量「150m/h」の信号を受けた複数の送風部13の制御部140は、それぞれのモーター制御部141に、例えば、それぞれのモーターの回転数を900r/minと指示する。
例えば、冬季の室外温度約7℃、室温コントローラ120の温度センサー121で検出された温度が16℃で、温度設定部125で設定された温度が20℃の場合、制御部114では、空調部16の運転モードを暖房と決定する。
そして、制御部114では、温度センサー121で検出した温度16℃から、部屋、空間の平均温度を17℃と推定し、温度センサー111で検出した温度25℃から、空調ダクト内の空気の平均温度を25℃と推定し、部屋、空間の平均温度17℃が設定温度20℃となるように、また、部屋、空間の平均温度17℃を空調ダクトの周囲の空気の平均温度17℃とし、それに対し、暖房時は10K以内の17℃~27℃の空調ダクト内の空気の平均温度となるように(この時点の空調ダクト内の平均温度は25℃)、空調部16の設定温度を22℃と決定し、送風部13の送風量をそれぞれ200m/hと決定し、それぞれ信号線151を通じて、空調部16の制御部130に信号を送り、信号線153を通じて、複数の送風部13の制御部140に信号を送る。
運転モード「暖房」と設定温度「22℃」の信号を受けた空調部16の制御部130は、吸込温度センサー133からの吸込温度「16℃」のデータとあわせて、空調部16の圧縮機等の運転状態、例えば、送風機90の回転数を900r/minとルーバー94の角度を水平から下方へ60度、圧縮機を中周波数の52Hzで運転、室外送風機の回転数を900r/min等と指示する。
送風量「200m/h」の信号を受けた複数の送風部13の制御部140は、それぞれのモーター制御部141に、例えば、それぞれのモーターの回転数を1200r/minと指示する。
それ以降も、あるタイミングで、制御部114では、部屋、空間の平均温度が設定温度となるように、また、空調ダクトの周囲の空気の平均温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調ダクト内の空気の平均温度となるように、空調部16の設定温度を決定し、送風部13の送風量をそれぞれ決定し、それぞれ信号線151を通じて、空調部16の制御部130に信号を送り、信号線153を通じて、複数の送風部13の制御部140に信号を送る。
運転モードと設定温度の信号を受けた空調部16の制御部130は、吸込温度センサー133からの吸込温度のデータとあわせて、空調部16の圧縮機等の運転状態、例えば、送風機の回転数とルーバーの角度、圧縮機の運転周波数、室外送風機の回転数等を指示する。
送風量の信号を受けた複数の送風部13の制御部140は、それぞれのモーター制御部141に、それぞれのモーターの回転数を指示する。
以上を空調ユニットコントローラ110による停止まで繰り返す。
送風部13は、運転中は、回転数は制御されるが、停止することはなく、シロッコファンを回転し続け、空調ダクト30~34に送風し続ける。これは、空調ダクト30~34内の空気を動かし続け、表面の埃等を吹出口から掃き出し、水分を蒸発させ、空調ダクト30~34内外を含め、建物2内の温湿度を均一にすることに有効だからである。
また、基本的に、空調ユニットコントローラ110による運転は、メンテナンス等による停止と長期不在時を除いて、24時間365日連続とするのが望ましい。送風部13は、高効率なDCモーター(図示せず)で回転させるので、もともと省エネで、回転数に比例して消費電力がさらに下がるが、空調室外機14の圧縮機は、本システムの消費電力に占める割合が大きい。従って、連続運転していても、室外温度や日射により、よほど空調負荷が大きくなければ、安定時は、圧縮機が低周波数で運転するか、停止するため、送風部13が、運転し続けても、システムの消費電力は非常に少ないのに対し、空調ダクト30~34の埃、カビ、水分の付着、堆積の防止には、大変有効だからである。
また、「部屋、空間の平均温度を設定温度とすること」と、「空調ダクトの周囲の空気の平均温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調ダクト内の空気の平均温度となるようにすること」が両立しない場合は、通常、ユーザー視点で、「部屋、空間の平均温度を設定温度とすること」を優先する制御となっているが、運転開始時で、空調負荷が大きい時など、空調ユニットコントローラ110に設けられた隠し操作(例えば、運転開始時に設定温度を最低又は最高温度とするなど)により、「空調ダクトの周囲の空気の平均温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調ダクト内の空気の平均温度となるようにすること」を優先するモードに変更可能である。
しかし、基本的に、空調ダクト内を通過する空気の水分、埃、菌等が通常のダクト式空調換気システムに比べると大幅に少なく、高気密高断熱な建物2に適正な能力の空調部16を設け、送風部13の合計送風量を空調部16の空調風量よりも多くし、合計送風量の30~60%の風量が空調部16の空調風量(弱風モード)として設定することにより、長時間運転した安定時は、空調部16の吹出空気の温度は吸込空気の温度とほぼ等しくなり、空調ダクト内の空気の平均温度は空調ダクトの周囲の空気の平均温度とほぼ等しくなるので、空調ダクト内に、埃等が堆積しにくく、水分も含みにくいので、カビ等が繁殖しにくい。
なお、本実施の形態で、断熱空間である屋根裏空間6、床下空間7にも、吹出口25、26を設けて、複数の送風部13で空調空気を送風するのは、勿論、空調ダクト30、31、32、33、34が通っている空間を空調して、空調ダクト内外の結露を防止することが目的であり、空調負荷の変化や断熱材等の経年劣化のリスクに備えて、空調ダクト30~34が通っている断熱空間全てに、吹出口を設けてもよい。例えば、縦シャフト35に吹出口を設けてもよい。
また、吹出口を人の在室機会がほとんどない空間に設けるその他の理由として、建物2全体を空調空気で空調すると、建物2全体が、部屋間、空間温度差の少ない均一な温度になり、熱の移動も少なく、快適な空間を維持するのにかえって省エネであるからでもある。特に屋根裏空間6と床下空間7は、建物2の外壁に面した大きな空間のため、建物2にとってさらに高断熱化となり、省エネ空調となるからである。
なお、本実施の形態では、空調部16を熱交換器91、92と送風機90が一体の筐体に収められた、いわゆる空調室内機として、送風部13をいわゆる送風機として、空調ユニット10を空調室である四方を断熱壁に囲まれた1坪程度の比較的コンパクトな部屋として説明しているが、空調ユニット10を板金などに囲まれた筐体とし、筐体内に、空調部16として、熱交換器だけを設け、送風部13として、複数の送風機を設け、複数の送風機により、空調ユニット10に吸い込まれる空気の一部を熱交換器に通過することにより吹出空気とし、空調ユニット10に吸い込まれる空気の一部を熱交換器を通過させないバイパス空気とし、バイパス空気と吹出空気とを筐体内で混合させて空調空気とし、この空調空気を各部屋、各空間に送風してもよい。その場合でも、空調部16、複数の送風部13、及び空気清浄機80は、清掃などのメンテナンスや作業が容易な大きさ、構造とすることが望ましい。
なお、本実施の形態の一例として、建物2の床面積が約100m、天井高さは2.5mの場合、各部屋や各空間を均一な温度に省エネで空調換気するために、各部屋や各空間に送風する合計送風量が1500m/hであれば、循環回数6回/hとなり、空気清浄機80の処理風量も1500m/hで、循環回数6回/hと言え、建物2全体の空調換気のための大風量の送風により、空調ダクト内も含む建物2全体の空気清浄も行えるという合理的なシステムとなっている。
一般的に、電気式集塵式は、HEPAフィルタ式と比較して、通風抵抗が小さいので、送風部13の消費電力、運転騒音が小さく、目詰まりしにくく、寿命が長いというメリットがある反面、一過性の集塵効率が低く、オゾン等の副生成物の発生があるというデメリットがある。
逆に、一般的に、HEPAフィルタ式は、通風抵抗が大きく、送風部13の消費電力、運転騒音が大きく、目詰まりしやすく、寿命が短いというデメリットがある反面、一過性の集塵効率が高く、より細かい粒子径の物質を短時間で捕捉しやすく、オゾン等の副生成物の発生がないというメリットがある。
本実施の形態で、除去したい埃、カビ胞子レベルの粒子は、長時間運転すれば、いずれの方式でも除去できるため、その他の除去したい有害物質等の種類及びその程度、機械の形状、空調ユニット10の形状、空調ユニット10内の空気の風速、メンテナンスの頻度、ユーザーの重要視するポイント等により選択すればよい。
特に、HEPAフィルタ式の場合、それだけの大風量を通過させると、送風部13の性能(P-Q等)を大幅に向上させなければならず、また、騒音も増大するが、本実施の形態では、複数の送風部13、例えば、10台の送風部13で送風し、建物2内を循環させるため、1台当たりの送風部13の性能向上は緩和される。また、1台当たりの送風量を増加させるのは、各送風部13のDCモーターの回転数を上げることで容易であり、消費電力の増加量がACモーターに比べると少なく、合理的に、省エネ高効率で、合計送風量を増やし、建物2内の空気を清浄できる。
さらに、HEPAフィルタの通過風速を1m/s以下となるような空調ユニット10の還気口44の大きさとすれば、騒音の増大は抑えられるが、空調ユニット10を大きくすることは、建物2内のスペースが十分あれば、比較的容易である。
本実施の形態では、フィルタ部と空気清浄機80を、空調ユニット10内の風路の上流から空調ダクト30~34に向かって順に、還気口フィルタ75(効率80%以上)、空気清浄機80(0.3μmの粒子も捕集可能)と配置し、空調ダクト30~34の直前に、送風部フィルタ77(効率30%)を設けたが、フィルタ部、空気清浄機80は、循環路を通過する空気を効率よく清浄し、メンテナンスが容易であれば、循環路の途中に設けてもよく、また、フィルタ部と空気清浄機80の循環路、空調ユニット10内における配置の順番については、捕集可能な粒子が大きいものもしくは、捕集効率が低いものを上流に、捕集可能な粒子が小さいものもしくは、捕集効率が高いもの下流にすると、フィルタ部と空気清浄機の圧損が急激に増加せず、結果、省エネで、清掃などのメンテナンス頻度を減らせることができる。また、本実施の形態の送風部フィルタ77のように、空調ダクト30~34の直前に、フィルタ部を設けると、その上流にある風路やその他のフィルタ部や空気清浄機80に洩れがあった場合でも、埃等の侵入を最低限抑えるのに有効である。
例えば、送風部フィルタ77の効率を下げてもそのままの位置に設け、プレ還気口フィルタ(効率30%)を、還気口フィルタ75の上流に追加で設け、順に、プレ還気口フィルタ(効率30%)、還気口フィルタ75(効率80%以上)、空気清浄機80(0.3μmの粒子も捕集可能)、送風部フィルタ(効率低い)とするのが、合理的である。
ここで、上記のフィルタには、空気清浄機80のプレフィルタを入れていないが、これも含めて合理的なフィルタ部の構成、順番にするのが望ましい。
また、空調部フィルタ76(効率低い)を、この順番にいれていないのは、循環路の中で、空調部フィルタ76をバイパスできる風路があり、空調部フィルタ76の効率を増やしても、バイパスする風量が増えるだけだからである。
また、本実施の形態では、気密断熱された空調ユニット10内で、空調ダクト30~34の入り口の送風部13のほぼ直前に、再熱除湿機能付きの空調部16、混合部85を設けているので、絶対湿度を下げ、温湿度を適正とした空調空気を、直接、空調ダクト30~34に送風でき、空調ダクト30~34内の結露を防止できる。
以上により、空調ユニット10で作り出された、空調ダクト30~34周囲の空気の温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調空気を、大風量でダクト内に送風することにより、部屋A20、部屋B21、玄関ホール11及び屋根裏空間(断熱空間)6、床下空間(断熱空間)7の吹出口22、23、24、25、26から吹き出し、高気密高断熱な建物2内の部屋及び上下の断熱空間を空調するので、日射負荷などの空調負荷の大きい断熱空間も含めて、建物2内は快適で均一な温湿度となりやすい。そして、空調ダクト30~34は、断熱空間を通っているため、冷房時のダクト内外の結露、暖房時のダクト内の結露は発生しにくい。
また、空調空気が流れ、戻ってくる循環路(空調ユニット10)に、複数のフィルタ部(還気口フィルタ75、空調部フィルタ76、送風部フィルタ77)を設けて、建物2内の空気を清浄し、室外空気導入路に熱交換気ユニット50と外気清浄フィルタ58を設けて、導入する室外空気を清浄し、空調ダクト30~34を通じて、部屋及び断熱空間を空調した空気の一部は、いわゆるダーティ―ゾーン(トイレ51、洗面所等)から、室外に排出されることにより、清浄された室外空気を導入し、埃や水分で汚れた建物2内の空気を排出しながら、建物2内を循環しながら空気清浄する。そして、その清浄された空気が空調ダクト30~34内を流れるため、ダクト内に埃等が堆積しにくい。
さらに、建物2内で、人間が発生する水分以外で、入浴や調理により水分を発生する浴室66と台所等の空気は、室外へ排出する天井埋込型換気扇67を設けることにより、建物2内にそれらの水分が滞留せず、空調空気に含まれないため、空調ダクト30~34内にそれらの水分が流れこまない。
これらにより、空調ダクト30~34内に、埃や水分や結露水等が堆積、滞留しないので、カビも繁殖しにくく、雑菌による臭いも発生しにくく、建物2内に、空調ダクト30~34内の埃やカビ、細菌、異臭などが入りにくく、健康で快適な空間を実現できる。そして、長期間使用しても、空調ダクト30~34の交換や清掃などのメンテナンスが不要で、建物2内を常に健康で快適な空調換気を行うことが可能である。
高気密高断熱な建物2を屋根断熱仕様かつ基礎断熱仕様とし、建物の最上部で、日射と外気温に影響されやすい屋根裏空間6を断熱空間とし、建物2の最下部の地面の温度の影響を受け、湿度の高くなりやすい床下空間7を断熱空間とし、それぞれを空調し、建物2の側部の断熱空間である部屋の空調とあわせて、建物2の外皮に面する空間が全て断熱空間であり、全て空調されるので、空調ダクト30~34の内外含めて、建物2内の温湿度がより均一となり、冷房時のダクト内外の結露、暖房時のダクト内の結露は、より発生しにくい。
また、空調ユニット10の送風部13により、還気口(吸込部)44から吸い込まれる空気の一部が、空調部16に吸い込まれ、空調され、吹き出される。そして、吸込部から吸い込まれた空気の一部が、空調部16に吸い込まれず、さきほどの吹出空気と混合部85で合流し、混合され、空調部16の風量、設定温度、送風部13の風量等を調整して、空調ダクト30~34周囲の空気の温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の大風量の空調空気を、省エネで、安定して作り出すことができ、その空調空気を空調ダクト30~34に通すので、空調ダクトに結露しにくい。
さらに、空調部16の風量より、送風部13の風量が大幅に多い等により、長時間安定して、空調部16の吸込空気の温度が、設定温度より少し高い(冷房時)、少し低い(暖房時)ため、特に夏季の冷房運転時は、空調部16は、小温度差でのサーモON状態が長時間継続し、圧縮機が低周波数で継続して運転するので、蒸発器の表面温度、いわゆる蒸発温度が、吸込空気の露点温度以下となって、蒸発器に吸込空気の水分が結露し、長時間運転により、除去される除湿量が多くなり、長時間継続して吹出空気の絶対湿度が低下し、空調空気の絶対湿度も低下し、その空調空気が流れる空調ダクト30~34内、部屋、空間の相対湿度も低下し、冷房運転時、さらに空調ダクト30~34に結露しにくい。
そして、空調部16の圧縮機等を駆動させることにより、単位風量当たりのランニングコストが高い空調部16の風量よりも、単位風量当たりのランニングコストが大幅に低い送風部13の風量を多くして、空調空気を作り、空調ダクト30~34を通すシステムのため、省エネである。一例として、冷房能力4kW、COP4のエアコン(空調部)だけで、家全体に送風するための1200m/hの空調空気を作り出すには、最低でも600m/hのエアコンが2台必要で、能力制御してサーモOFFしないとすると約30~40円/hかかるが、エアコン(空調部)と送風機(送風部)で空調空気を作り出すには、エアコンを1台と200m/hの送風機が6台必要で、能力制御してサーモOFFしないとすると、送風機はDCモーターで1台約5W/hの消費電力のため、ほぼエアコン1台分の約20円/hしかかからないと推定される。一般的に、エアコンのファンは貫流ファンのため、静圧が低く、ダクトで送風することはできないので、家の間取りにもよるが、エアコン2台で家全体に空調空気を送風することは困難で、実際には、さらに多くのエアコンが必要となり、ランニングコストはさらに高くなる。一方、送風機は軸流ファンのため、静圧が高く、ダクトで送風するのに適しているので、エアコン1台で空調空気を作り出すことができ、ランニングコストは低くなる。
さらに、再熱除湿運転時、一方の熱交換器91が低温低圧の冷媒が流れる蒸発器として、もう一方の熱交換器92が中温中圧の冷媒が流れる再熱器として機能するため、吸込空気の温度以上で、絶対湿度の低い吹出空気となり、吹出口87から吹き出されることにより、空調部16は、再熱除湿サーモON状態が長時間継続し、圧縮機が継続して運転するので、蒸発器の表面温度、いわゆる蒸発温度が、吸込空気の露点温度以下となって、蒸発器に吸込空気の水分が結露し、長時間運転により、除去される除湿量が多くなり、長時間継続して吹出空気の絶対湿度が低下し、空調空気の絶対湿度も低下し、その空調空気が流れる空調ダクト30~34内、部屋、空間の相対湿度も低下し、梅雨時期など中温高湿時等で、さらに空調ダクト30~34に結露しにくい。
さらに、循環路(空調ユニット10)にHEPAフィルタ式又は、電気集塵式の空気清浄機80を設け、空調空気に含まれるカビ胞子レベルの粒子も除去するため、空調空気が通る空調ダクト30~34内にカビがより繁殖しにくくなる。
さらに、空調ダクト30~34の内側の空調空気が流れる表面に、通気性と透湿性があり、表面の凹凸が大きい不織布を有せず、代わりに、非通気性、非透湿性で、表面粗さ(表面の凹凸)が小さい、ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルフィルム、PETフィルムを有するので、埃と水分とカビ胞子等が表面からグラスウールに入り込まず、そこでカビ等が繁殖しにくく、さらに表面に、埃等が堆積しにくく、水分も含まないので、カビ等が繁殖しにくく、建物2内に、空調ダクト30~34内の埃やカビ、細菌、異臭などが入りにくく、健康で快適な空間を実現できる。
さらに、自動的に、部屋、空間の平均温度が設定温度となり、空調ダクト30~34の周囲の空気の平均温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調ダクト30~34内の空気の平均温度となるので、部屋、空間をユーザーの設定した温度にしながら、空調ダクト内外の結露を抑えることができ、外乱や空調負荷の変化等があっても、確実にカビ等が繁殖しにくい。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における同システムの吸音断熱ダクト施工図である。
例えば、部屋B21を寝室として使用していて、部屋B21の吹出口23からの騒音(空調空気の流れる騒音、空調ユニット10からの騒音の伝搬)が大きく、眠れないなどの生活に支障をきたす場合、空調ダクト31と吹出口23の間に、吸音性、断熱性の高い吸音断熱ダクト170を設けることにより、騒音を低減できる。
空調ダクト31に、継手171の片方のフランジを接続し、もう一方のフランジを、内径150mm、長さ3mで可撓性のある吸音断熱ダクト170の片方に接続する。接続にあたっては、力がかかっても、長期に洩れが発生しないように、ダクトの周囲4方からくぎを打ったうえで、気密断熱テープを十分な貼りしろで、貼り付ける。
吸音断熱ダクト170のもう片方を、吹出口23のフランジ172に、上記と同様に接続する。
部屋B21の天井173に開口された取付孔174に、吹出口23の取付フランジ175を通し、天井173にネジ等で取り付ける。
吸音断熱ダクト170の清掃、交換などを行う場合、吹出口23を天井173から取り外し、取付孔174から、吸音断熱ダクト170を部屋B21側に引っ張り出すなどして、吸音断熱ダクト170の清掃、交換を行えるよう、取付孔174の大きさは、□400mm以上とし、吹出口23は、それを塞ぐ大きさである□450mm以上とする。また、継手171が、取付孔174から手を入れて工事できるように、取付孔174の位置を決め、吸音断熱ダクト170は、天井173の裏側で取付孔174周りに、とぐろを巻くように、収めるのが望ましい。
図7は、吸音断熱ダクトの断面図である。
吸音断熱ダクト170は、吸音性、断熱性、耐湿性が高く、可撓性のある内径150mmのダクトである。
ダクトの構成としては、外側から、順に、可撓性のある厚み0.08mm程度のポリエチレンシートなどの外部被覆材100、厚み25mmで密度24kg/m3程度のグラスウールなどの断熱材101、ポリエステル不織布などに対して、非通気性、非透湿性で、表面粗さ(表面の凹凸)が小さい、厚み0.1mm程度のポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルフィルム、PETフィルムなどの内部被覆材102、厚み10~50mmの空気層180、吸音性と耐候性が高い厚み1~2mmのアルミ繊維製の吸音材181、空調空気等が通過する風路103となっており、内部被覆材102の内側と吸音材181の外側に、ポリプロピレン樹脂などの成型用芯材(図示せず)を設けて、吸音断熱ダクト170を折り曲げても、ダクト全体が座屈せず、内部の空気層180と風路103の断面積が確保できるようになっている。
吸音断熱ダクト170は、断熱材101であるグラスウールに、埃、水分、カビ胞子等が入り込まないように、その内側に、非通気性、非透湿性で、表面粗さ(表面の凹凸)が小さい、ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルフィルム、PETフィルムなどの内部被覆材102を設けているので、グラスウールでカビ等が繁殖しにくい。
そして、その内側に、空気層180とアルミ繊維製の吸音材181があり、風路103と接しているので、空調空気が流れる流体騒音や、空調ユニット10等で発生した騒音が、空気層180と多孔質の吸音材181により、吸音される。吸音材181自体は、アルミ繊維製のため、耐候性に優れ、結露しても、水分を含まず、内側の空気層180に入り込んでも、内部被覆材102で、それ以上入り込まず、逆に、重力、蒸発により、風路103に戻る。 埃等は、吸音材181が、いわばフィルタの役目をするので、空気層180に入り込む可能性は低く、表面に付着する程度のため、1年に1回程度、定期的に、取付孔174から、吸音断熱ダクト170の吸音材181の表面に付着した埃等を除去するよう清掃し、経年劣化した場合は、吸音断熱ダクト170を取り外して、交換する。清掃については、ダクト内側表面に不織布がなく、金属製の吸音材のため、強度があり、ブラシ等で清掃しても破損しにくい。
なお、本実施の形態では、吸音断熱ダクト170の断熱材101は、厚み25mmで密度24kg/m3程度のグラスウールを使用しているが、ダクトの外径が大きくなり、ダクトを通すスペースを建物2の断熱空間内に確保することが困難な場合、断熱材の密度を100kg/m以上にし、厚みを10mm以下のグラスウール等にすることにより、ダクトスペースを確保してもよい。その場合、ダクトの断熱性が若干低下するため、ダクトを通す断熱空間の断熱を強化するか、建物2の外皮から遠ざけた断熱空間にダクトを通すか、断熱空間の吹出口25、26の数を増やすなどして、空調能力を増やすなどの対応を行うことが望ましい。
また、空気層181の厚み10~50mmについては、吸音したい騒音の周波数や大きさによって、決定する。
これにより、ダクトの内側の空調空気が流れる表面に、吸音性と耐候性が高いアルミ繊維吸音材181を有する吸音断熱ダクト170を、吹出口23と空調ダクト31の間に、取付孔174より、交換可能に設けたので、寝室など、より静音性が必要な部屋の吹出口23からの騒音を低減可能で、埃等が吸音材の表面に付着する程度のため、グラスウール等の吸音材と比較して、カビ等が繁殖しにくく、断熱性が低下せず、定期的な清掃や、万が一のダクト交換が必要な場合、取付孔174から、容易にダクト内部の清掃や交換ができる。
長期間運転しても、ダクト内を清潔に保ちながら、建物内全体の高効率な空調換気ができ、健康で快適な空間を維持できるシステムであり、ダクトを使って、空調空気、換気空気を搬送するシステムを採用する建物であれば、一般住宅だけでなく、ホテルや事務所、商業施設、病院、工場、研究施設などの建物の空調換気にも適用できる。
1 ダクト式空調換気システム
2 建物
3 屋根
4 基礎
5 断熱サッシ
6 屋根裏空間(断熱空間)
7 床下空間(断熱空間)
10 空調ユニット
11 玄関ホール
12 階段の踊り場
13 送風部
14 空調室外機
15 電気配線
16 空調部
20 部屋A
21 部屋B
22 吹出口
23 吹出口
24 吹出口
25 吹出口
26 吹出口
30 空調ダクト
31 空調ダクト
32 空調ダクト
33 空調ダクト
34 空調ダクト
35 縦シャフト
40 排気口
41 排気口
42 排気口
43 排気口
44 還気口(吸込部)
50 熱交換気ユニット
51 トイレ
52 換気排気口
53 排気ダクトA
54 屋外排気フードA
55 排気ダクトB
56 屋外給気フード
57 給気ダクトA
58 外気清浄フィルタ
59 フィルタボックス
60 換気給気口
61 給気ダクトB
63 熱交換素子
64 素子用プレフィルタ
65 ガラリ
66 浴室
67 天井埋込型換気扇
68 排気ダクトC
69 屋外排気フードC
70 ガラリ
75 還気口フィルタ(フィルタ部)
76 空調部フィルタ(フィルタ部)
77 送風部フィルタ(フィルタ部)
80 空気清浄機
85 混合部
86 吸込口
87 吹出口
88 吸込口
90 送風機
91 熱交換器
92 熱交換器
93 ドレンパン
94 ルーバー
100 外部被覆材
101 断熱材
102 内部被覆材
103 風路
110 空調ユニットコントローラ
111 温度センサー
112 湿度センサー
113 埃センサー
114 制御部
120 室温コントローラ
121 温度センサー
122 湿度センサー
123 埃センサー
124 制御部
125 温度設定部
130 制御部
131 送風機制御部
132 ルーバー制御部
133 吸込温度センサー
135 制御部
136 圧縮機制御部
137 室外送風機制御部
140 制御部
141 モーター制御部
150 信号線
151 信号線
152 信号線
153 信号線
154 信号線
155 信号線
160 制御部
161 電気式集塵機制御部
165 制御部
166 モーター制御部
170 吸音断熱ダクト
171 継手
172 フランジ
173 天井
174 取付孔
175 取付フランジ
180 空気層
181 吸音材

Claims (3)

  1. 高気密高断熱な建物内の部屋及び断熱空間に吹出口を設け、
    前記建物内に設けられた空調ユニットと前記吹出口を空調ダクトで繋ぎ、
    前記断熱空間に前記空調ダクトを通し、
    前記空調ユニットで清浄された空調空気を作り、
    前記空調ユニットから前記吹出口に前記清浄された空調空気が流れ、
    前記吹出口が設けられた前記部屋及び前記断熱空間から前記空調ユニットに戻ってくる風路を循環路としたダクト式空調換気システムであって、
    前記空調ユニット内に、吸込部、フィルタ部、空調部、バイパス部、混合部及び送風部を設け、
    前記空調部は、送風機と熱交換器からなり、空調送風機と圧縮機からなる室外機と繋げられ、
    前記送風部はシロッコファンとDCモーターからなり、
    前記循環路を通って、前記送風部により、前記吸込部から吸い込まれた空気が、前記フィルタ部により清浄され、
    前記吸込部から吸い込まれた前記空気が、前記空調部と前記バイパス部をそれぞれ通過し、
    前記空調部を通過した空気と前記バイパス部を通過した空気とは前記混合部にて混合され、
    前記送風部の風量は、前記空調部の運転中は常時ゼロではなく、
    前記空調部の吹出風量より多く、
    前記空調ダクトの周囲の空気の温度に対し、冷房時は5K以内、暖房時は10K以内の空調空気が作られ、
    前記送風部により、前記吹出口に向けて、前記清浄された空調空気を前記空調ダクト内に送風することにより、前記循環路を通って、前記部屋及び前記断熱空間を空調及び空気清浄することを特徴とするダクト式空調換気システム。
  2. 室外から前記循環路又は前記空調ユニットに室外空気を導入する室外空気導入路を設け、
    前記室外空気導入路に導入ファンとフィルタを設けて、導入する前記室外空気を清浄し、
    前記循環路、前記吹出口を設けない前記部屋又は前記吹出口を設けない前記断熱空間の少なくともいずれか一つから室外へ前記建物内の空気を排出する室内空気排出路を設け、
    前記室内空気排出路に排気ファンを設けて、前記循環路の空気の一部又は前記建物内に滞留する前記空気の一部の少なくとも一方を室外に排出することを特徴とする請求項1に記載のダクト式空調換気システム。
  3. 前記空調ダクトの内側の前記空調空気が流れる表面に、
    ポリプロピレンフィルム、軟質塩化ビニルフィルム又はPETフィルムの少なくともいずれか一つを有することを特徴とする請求項1に記載のダクト式空調換気システム。
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