JP7418659B2 - 放射線分析装置 - Google Patents

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Description

本開示は、放射性物質から放出される放射線の線種を判定する放射線分析装置に関する。
環境放射線をモニタリングするにあたって、人工核種と天然核種とを分離するために、放射性核種の分析を行う装置が知られている。放射性核種の分析のためには、α線、β線、γ線等の放射線の線種を判定する機能が必要である。
放射線の線種を判定する機能を有する放射線検出部として、入射した放射線の線種に応じて出力される電気信号の波形が変わることを利用して放射線の線種を分析し、出力波形に基づいて放射線のエネルギーを分析する装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、放射線検出部から出力された電気信号の波形を分析することで放射性物質に含まれる放射性核種を分析しつつ、放射線検出部に入射した放射線の入射位置を特定する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。なお、特許文献2では、特定された放射線の入射位置は、放射線の線種の判定には用いられていない。
また、放射線の線種の判定にあたって、放射線から放射線検出部(例えば、半導体検出器)に付与されたエネルギーの形状が異なることを利用する技術も知られている(例えば、特許文献3を参照)。特許文献3では、予め決められた時間内に入射した放射線毎にエネルギー形状を抽出し、抽出されたエネルギー形状と予め決められたエネルギー形状とを画像処理によって比較することで放射線の線種を判定する。
特開2012-242369号公報 特許第4803565号 特開2020-71119号公報
しかしながら、特許文献1及び2では、入射する放射線毎に放射線検出部から出力された電気信号の波形が同一である場合又は当該波形の差が小さい場合に、放射線の線種の判定精度が悪化するという課題があった。そのため、特許文献1及び2の放射線検出部の適用性は低い。
また、特許文献3では、複数の放射線が放射線検出部に入射した場合、複数の放射線のそれぞれのエネルギー形状が重畳されるため、放射線の線種を判定精度が悪化するという課題があった。
本開示は、放射線の線種の判定精度を向上することを目的とする。
本開示の一態様に係る放射線分析装置は、複数の検出電極を備えた1つ以上の検出面を有し、入射した放射線の粒子毎に前記複数の検出電極に付与されたエネルギーに対応する大きさの複数の電気信号が前記複数の検出電極から出力される、放射線検出部と、前記複数の検出電極から出力された前記複数の電気信号に基づいて、前記複数の検出電極に対応する複数の画素からなるエネルギー付与分布画像を生成する画像生成部と、前記エネルギー付与分布画像に基づいて、前記複数の検出電極のうちの前記エネルギーが付与された検出電極に対応する画素である反応点を取得する処理を、入射した放射線毎に行う反応点取得部と、前記反応点に対応する検出電極から出力された電気信号に基づいて、前記入射した放射線毎に前記反応点の前記エネルギーの積算値である積算エネルギー量を取得する積算エネルギー量取得部と、前記入射した放射線毎に前記積算エネルギー量に対する前記反応点のピクセル数を取得することで、前記積算エネルギー量に対する前記ピクセル数の分布の広がりを取得する反応点広がり取得部と、線種判定閾値を有し、前記分布の代表点における前記ピクセル数と前記線種判定閾値との比較の結果に基づいて前記入射した放射線の線種を判定する線種判定部とを備え、前記線種判定部は、前記積算エネルギー量に応じて前記線種判定閾値を変える、ことを特徴とする。
本開示によれば、放射線の線種の判定精度を向上することができる。
実施の形態1に係る放射線分析装置の構成を示すブロック図である。 (A)は、実施の形態1に係る放射線分析装置の制御部のハードウェア構成を概略的に示す図である。(B)は、実施の形態1に係る放射線分析装置の制御部のハードウェア構成の他の例を概略的に示す図である。 (A)は、実施の形態1に係る放射線検出部の構成を示す平面図である。(B)は、実施の形態1に係る放射線検出部の構成と、実施の形態1に係る画像生成部によって生成されたエネルギー付与分布画像の一例とを概略的に示す斜視図である。 実施の形態1に係る画像生成部によって生成されたエネルギー付与分布画像の他の例を示す図である。 (A)~(C)は、エネルギー付与ピクセル数の放射線の入射角度依存性を示す模式図である。 放射線検出部にβ線が入射したときの積算エネルギー量に対するエネルギー付与ピクセル数の分布の広がりを示すグラフである。 (A)は、放射線検出部に入射したα線のエネルギー形状を示す図である。(B)は、放射線検出部に入射したβ線のエネルギー形状を示す図である。 比較例に係る放射線分析装置における放射線の線種を判定する方法を示すグラフである。 放射線検出部における放射線の入射深さの定義を説明する模式図である。 (A)は、α線の入射深さと付与エネルギーとの関係を示すグラフである。(B)は、β線の入射深さと付与エネルギーとの関係を示すグラフである。 図10(B)に示される0.1МeVのβ線の入射深さと付与エネルギーとの関係を示すグラフである。 実施の形態1に係る放射線分析装置における放射能の線種を判定する方法を示すグラフである。 実施の形態1に係る放射線分析装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る放射線分析装置の構成を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、実施の形態2に係る放射線検出部の構成の一部を示す平面図である。(C)実施の形態2に係る第1の画像生成部によって生成された第1の画像の一例を示す図である。(D)実施の形態2に係る第2の画像生成部によって生成された第2の画像の一例を示す図である。 実施の形態2に係る放射線分析装置における放射線の線種を判定する方法を示すグラフである。 実施の形態3に係る放射線検出部の構成と、実施の形態3に係る画像生成部によって生成されたエネルギー付与分布画像の一例とを示す図である。 実施の形態3に係る放射線分析装置における放射線の線種を判定する方法を示すグラフである。
以下では、本開示の実施の形態に係る放射線分析装置について、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本開示の範囲内で種々の変更が可能である。
図面には、説明の理解を容易にするために、必要に応じてXYZ直交座標系が示されている。X軸とY軸は、放射線検出部の放射線入射面、すなわち、表面に平行な座標軸である。Z軸は、放射線検出部の表面に垂直な座標軸である。
《実施の形態1》
〈放射線分析装置の構成〉
図1は、実施の形態1に係る放射線分析装置1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、放射線分析装置1は、放射線検出器としての放射線検出部11と、制御部20とを有する。制御部20は、画像生成部12と、反応点取得部13と、積算エネルギー量取得部14と、反応点広がり取得部15と、線種判定部16とを有する。
放射線検出部11は、検出対象物に含まれる放射性物質から放出された放射線を検出する。放射線検出部11は、検出結果を電気信号(例えば、電流又は電圧)として出力するセンサである。なお、放射線検出部11の構成については、後述する。
画像生成部12は、放射線検出部11から出力された電気信号に基づいて、放射線によって放射線検出部11に付与されたエネルギー(以下、「付与エネルギー」とも呼ぶ。)の分布である2次元のエネルギー付与分布画像を生成する。
反応点取得部13は、エネルギー付与分布画像に基づいて、放射線検出部11の複数の検出電極のうちのエネルギーが付与された検出電極に対応する画素である反応点(例えば、後述する図3(B)に示されるエネルギー付与ピクセル41)を取得する処理を、入射した放射線毎に行う。
積算エネルギー量取得部14は、入射する放射線毎に反応点の付与エネルギーの積算値である積算エネルギー量を取得する。
反応点広がり取得部15は、放射線毎に積算エネルギー量に対する反応点の数を取得することで、積算エネルギー量に対する反応点の数の分布の広がりを取得する。
線種判定部16は、線種判定閾値(例えば、後述する図12に示される閾値Th)を有し、反応点の数の分布の広がりと線種判定閾値との比較の結果に基づいて放射線の線種を判定する。線種判定部16は、積算エネルギー量に応じて線種判定閾値を変える。
図1に示す例では、制御部20は、放射性核種分析部17を更に有する。放射性核種分析部17は、線種判定部16における放射線の線種についての判定結果及び入射した放射線の1粒子のエネルギー(以下、「固有エネルギー」とも呼ぶ。)に基づいて、当該放射線の核種を分析する。なお、制御部20は、放射性核種分析部17を有していなくても実現することができる。
図2(A)は、実施の形態1に係る放射線分析装置1の制御部20のハードウェア構成を概略的に示す図である。図2(A)に示されるように、制御部20は、例えば、記憶部21と、プロセッサ22とを用いて(例えば、コンピュータによって)実現することができる。記憶部21は、ソフトウェアとしてのプログラムを格納する記憶装置としてのメモリ21aと、データベース等の各種情報を記憶する補助記憶装置21bとを有する。メモリ21aは、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置である。補助記憶装置21bは、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。なお、補助記憶装置21bは、フラッシュメモリに限らず、ハードディスク等の記憶装置であってもよい。
プロセッサ22は、制御部20の機能を実現する情報処理部である。プロセッサ22は、例えば、補助記憶装置21bに格納されたプログラムを、メモリ21aを介して読み出して実行する。プロセッサ22は、演算結果等のデータをメモリ21a及び補助記憶装置21bのうちのいずれかの記憶装置に保存する。制御部20の一部、すなわち、画像生成部12、反応点取得部13、積算エネルギー量取得部14、反応点広がり取得部15、線種判定部16及び放射性核種分析部17の一部を、図2(A)に示される記憶部21と、プログラムを実行するプロセッサ22とによって実現してもよい。また、制御部20は、電気回路によって実現されていてもよい。
図2(B)は、実施の形態1に係る放射線分析装置1の制御部20のハードウェア構成の他の例を概略的に示す図である。図2(B)に示されるように、制御部20は、単一回路又は複合回路等の専用のハードウェアとしての処理回路23を用いて実現されていてもよい。この場合、制御部20の機能は、処理回路23によって実現される。
次に、放射線検出部11の構成について説明する。図3(A)は、図1に示される放射線検出部11の構成の一部を示す平面図である。放射線検出部11は、例えば、半導体検出器である。放射線検出部11は、複数の検出電極30を備えた検出面11a(以下、「第1の検出面11a」とも呼ぶ。)を有する。複数の検出電極30は、例えば、複数行複数列のマトリクス状に配列されている。放射線は、複数の検出電極30に入射する。入射した放射線の粒子毎に複数の検出電極30に付与されたエネルギーに対応する大きさの複数の電気信号が、複数の検出電極30から出力される。
放射線検出部11は、半導体検出器に限られず、他の構成であってもよい。放射線検出部11は、例えば、シンチレータと、光検出器又はイメージャとを有していてもよい。シンチレータは、放射線をシンチレーション光(例えば、紫外光、可視光、赤外光等)に変換する。光検出器又はイメージャは、シンチレーション光を検出する検出電極を有する。検出電極は、検出結果を電気信号として出力する。光検出器又はイメージャは、例えば、マトリクス状に配置されている。これにより、シンチレーション光が検出された位置とシンチレーション光の分布が検出されるため、放射線の検出位置の分解能を向上させることができる。また、放射線の検出位置の分解能を一層向上させるために、シンチレーション光を光検出器に集光するレンズが更に備えられていてもよく、シンチレータの形状はZ軸方向に伸びる柱状であってもよい。
図3(B)は、実施の形態1に係る放射線検出部11の構成と、実施の形態1に係る画像生成部12によって生成されたエネルギー付与分布画像D1の一例とを示す斜視図である。図3(B)では、放射線の一例としてのβ線52が、放射線検出部11の放射線入射面110に入射する例が示されている。画像生成部12は、複数の検出電極30から出力された複数の電気信号に基づいて、エネルギー付与分布画像D1を生成する。エネルギー付与分布画像D1は、複数の検出電極30に対応する複数の画素40からなる。複数の画素40は、例えば、マトリクス状に配列されている。なお、検出電極30から出力された電気信号が放射線検出部11のノイズより小さい場合、画像生成部12は、平滑フィルタ(例えば、移動平均フィルタ、ガウシアンフィルタ等)によって、エネルギー付与分布画像D1に対してノイズを低減する処理を行ってもよい。
反応点取得部13(図1参照)は、エネルギー付与分布画像D1に基づいて、付与エネルギーが付与された検出電極30に対応する画素であるエネルギー付与ピクセル41(すなわち、上述した反応点)を取得する処理を行う。反応点取得部13は、当該処理を入射した放射線毎に行う。ここで、エネルギー付与ピクセル41とは、予め決められたエネルギー閾値より大きい付与エネルギーが検出された検出電極30に対応する画素である。なお、エネルギー閾値は、エネルギー付与分布画像D1のノイズ量以上であることが望ましい。
図4は、実施の形態1に係る画像生成部12によって生成されたエネルギー付与分布画像D1の他の例を示す図である。図4に示す例では、エネルギー付与分布画像D1において、第1のエネルギー付与ピクセル41a及び第2のエネルギー付与ピクセル41bが存在する。第1のエネルギー付与ピクセル41aは、X軸方向及びY軸方向に連なっている。また、図4に示す例では、第2のエネルギー付与ピクセル41bは、第1のエネルギー付与ピクセル41aと隣接していない。言い換えれば、第1のエネルギー付与ピクセル41a及び第2のエネルギー付与ピクセル41bは、互いに間隔Eを開けて検出される。反応点広がり取得部15(図1参照)は、間隔Eが予め決められた距離閾値より大きいとき、第1のエネルギー付与ピクセル41aに対応する検出電極30(図3(A)参照)に入射した放射線の粒子は、第2のエネルギー付与ピクセル41bに対応する検出電極30に入射した放射線の粒子と異なると判定する。
積算エネルギー量取得部14(図1参照)は、エネルギー付与ピクセル41(図3(B)参照)に対応する検出電極30から出力された電気信号に基づいて、エネルギー付与ピクセル41の付与エネルギーの積算値である積算エネルギー量を取得する。積算エネルギー量取得部14は、入射した放射線の粒子毎に積算エネルギー量を取得する。具体的には、積算エネルギー量取得部14は、異なる粒子由来のエネルギー付与ピクセル41における付与エネルギーを積算する。例えば、積算エネルギー量取得部14は、図4に示される第1のエネルギー付与ピクセル41aの付与エネルギーと第2のエネルギー付与ピクセル41bの付与エネルギーとを区別して、積算する処理を行う。
反応点広がり取得部15(図1参照)は、積算エネルギー量に対するエネルギー付与ピクセル41の数(以下、「エネルギー付与ピクセル数」とも呼ぶ。)をカウントする。これにより、積算エネルギー量に対するエネルギー付与ピクセル数の分布(例えば、後述する図6に示される分布P1、P2、P3)の広がりを取得する。このとき、反応点広がり取得部15は、入射した放射線の粒子毎にエネルギー付与ピクセル数を取得する。これは、エネルギー付与ピクセル数が、放射線検出部11に対する放射線の入射角度に依存するためである。
図5(A)~(C)は、エネルギー付与ピクセル数の放射線(ここでは、β線)の入射角度依存性を示す模式図である。図5(A)~(C)では、説明の理解を容易にするために、エネルギー付与分布画像D1のうちX軸方向におけるエネルギー付与ピクセル数の入射角度依存性が示されている。
図5(A)では、β線52が、放射線検出部11の放射線入射面110に第1の角度θで入射した例を示す。図5(B)では、β線52が、放射線入射面110に第2の角度θで入射した例を示す。第2の角度θは、第1の角度θより小さい。図5(C)は、β線52が、放射線入射面110に垂直な方向から入射した例を示す。すなわち、図5(C)におけるβ線52の入射角度は、図5(B)に示される第2の角度θより小さい。図5(A)~(C)に示されるように、β線52の入射角度が小さくなるほど、エネルギー付与ピクセル数は減少し、β線52の入射角度が大きくなるほどエネルギー付与ピクセル数は増加する。このように、β線52の入射角度の違いによって、反応点広がり取得部15(図1参照)が取得するエネルギー付与ピクセル数は異なる。
図6は、放射線検出部11にβ線が入射したときの積算エネルギー量に対するエネルギー付与ピクセル数の分布P1、P2、P3の広がりを示すグラフである。図6に示されるグラフにおいて、横軸は積算エネルギー量であり、縦軸はエネルギー付与ピクセル数である。β線52の入射角度が不規則である場合、同一のエネルギーのβ線52が入射したときに取得されるエネルギー付与ピクセル数は、確率密度分布である分布P1、P2、P3によって表される。
次に、線種判定部16が、放射線の線種の判定する方法について説明する。以下の説明では、線種判定部16が、入射した放射線が、第1の線種としてのα線及び第1の線種とは異なる第2の線種としてのβ線のいずれであるかを判定(以下、「弁別」とも呼ぶ。)する方法について説明する。なお、線種判定部16は、α線及びγ線との弁別又はβ線及びγ線との弁別に用いられてもよい。
放射線の線種の判定を説明するにあたって、α線及びβ線のエネルギー形状の相違について説明する。図7(A)は、放射線検出部11に入射したα線51のエネルギー形状61を示す図である。図7(B)は、放射線検出部11に入射したβ線52のエネルギー形状62を示す図である。なお、図7(B)に示されるβ線52の固有エネルギーは、図7(A)に示されるα線51の固有エネルギーと同じである。
α線51の電荷量は、β線52の電荷量と異なる。また、α線51の質量は、β線52の質量と異なる。そのため、α線51のエネルギー形状61は、β線52のエネルギー形状62と異なる。具体的には、β線52の飛程は長いため、エネルギー形状62は楕円形状になり易い。一方、α線51の1粒子のエネルギーとβ線52の1粒子のエネルギーが同一である場合、α線51の飛程は短いため、エネルギー形状61はエネルギー形状62より小さい円形になる。
図8は、比較例に係る放射線分析装置における放射線の線種を判定する方法を示すグラフである。比較例に係る放射線分析装置は、放射線の線種を判定するための線種判定閾値Thaが、積算エネルギー量に関わらず、一定である点で実施の形態1に係る放射線分析装置1と異なる。図8に示されるグラフにおいて、横軸は積算エネルギー量であり、縦軸はエネルギー付与ピクセル数である。また、図8に示されるグラフにおいて、一点鎖線で示される分布Q1、Q2、Q3は、α線51(図7(A)参照)が入射したときの積算エネルギー量E1~E3に対するエネルギー付与ピクセル数の確率密度分布であり、実線で示される分布P1、P2、P3は、β線52(図7(B)参照)が入射したときの積算エネルギー量E1~E3に対するエネルギー付与ピクセル数の確率密度分布である。
上述したように、α線51の固有エネルギーとβ線52の固有エネルギーとが同じである場合、α線51のエネルギー形状61は、β線52のエネルギー形状62より小さい(図7(A)及び(B)参照)。すなわち、α線51が入射したときに取得される積算エネルギー量が、β線52が入射したときに取得される積算エネルギー量と同じである場合、分布Q1、Q2、Q3の広がりは、分布P1、P2、P3の広がりより狭くなる。そのため、例えば、積算エネルギー量E3が取得された場合、図8に示される線種判定閾値Thaが設定されることで、入射した放射線がα線及びβ線のうちのいずれの線種であるかを判定することができる。
放射線のエネルギー形状は、放射線検出部における放射線の深さ方向の付与エネルギーの分布である。そのため、放射線の入射深さによって、放射線のエネルギー形状は異なる。図9は、放射線検出部11における放射線の入射深さの定義を説明する模式図である。図9に示されるように、「入射深さ」とは、放射線(ここでは、β線52)が放射線検出部11の放射線入射面110に垂直な方向(すなわち、Z軸方向)に入射したときに、電気信号が検出されたZ軸方向の位置である。
図10(A)は、α線の入射深さと付与エネルギーとの関係を示すグラフである。図10(B)は、β線の入射深さと付与エネルギーとの関係を示すグラフである。図10(A)及び(B)に示されるように、α線、β線のそれぞれの固有エネルギーの値に応じて、α線、β線のそれぞれの入射深さが異なる。具体的には、固有エネルギーが大きくなるほど、α線及びβ線は、放射線検出部11(図9参照)に深く侵入する。
例えば、放射線検出部11がCsI(ヨウ化セシウム)シンチレータを有し、α線及びβ線のそれぞれが当該CsIシンチレータに付与する付与エネルギーが概ね同じである場合、α線が入射したときの発光量は、β線が入射したときの発光量の約2/3倍となる。すなわち、3МeVのα線が入射したときの発光量は、2МeVのβ線が入射したときの発光量と概ね同じである。
ここで、CsIシンチレータの発光量と積算エネルギー量とは正の相関がある。そのため、3МeVのα線が入射したときに取得される積算エネルギー量と2МeVのβ線が入射したときに取得される積算エネルギー量とは概ね同じである。しかしながら、3МeVのα線の入射深さは、2МeVのβ線の入射深さより浅いため、エネルギー付与ピクセル数に相違が生じる。よって、エネルギー付与ピクセル数について適切な線種判定閾値が設定されることで、3МeVのα線と2МeVのβ線とを弁別することができる。
しかしながら、入射したβ線の固有エネルギーが小さい場合、すなわち、β線が入射したときに取得される積算エネルギー量が小さい場合、エネルギー付与ピクセル数が減少する。例えば、図8に示される積算エネルギー量E1が取得された場合、一定の線種判定閾値Thaが用いられる比較例に係る放射線分析装置では、入射したβ線をα線と誤って判定するおそれがある。
図11は、図10(B)に示される0.1МeVのβ線の入射深さと付与エネルギーとの関係を示すグラフである。図11に示されるように、β線の固有エネルギーが0.1МeVである場合、放射線検出部11内におけるβ線の入射深さは、0.04mmである。一方、上述した図10(A)に示されるように、α線の固有エネルギーが1.5МeVである場合、放射線検出部11内におけるα線の入射深さも0.04mmである。すなわち0.1МeVのβ線が入射したときに取得されるエネルギー付与ピクセル数と1.5МeVのα線が入射したときに取得されるエネルギー付与ピクセル数と概ね同じとなる。よって、比較例に係る放射線分析装置では、0.1МeVのβ線と1.5МeVのα線とを弁別することができない。
図12は、実施の形態1に係る放射線分析装置1における放射線の線種を判定する方法を示すグラフである。図12に示されるグラフにおいて、横軸は積算エネルギー量であり、縦軸はエネルギー付与ピクセル数である。図12に示されるように、線種判定閾値としての閾値Thは、積算エネルギー量に応じて変わる。具体的には、閾値Thは、積算エネルギー量が大きいほど、大きい値に設定される。図12に示す例では、閾値Thは、積算エネルギー量に比例して大きくなる。
線種判定部16(図1参照)は、積算エネルギー量取得部14によって取得された積算エネルギー量に応じて閾値Thを変える。よって、同線種の放射線であっても、積算エネルギー量に応じて他の線種の放射線との弁別に用いられる閾値Thが変わる。例えば、上述した積算エネルギー量が小さい0.1МeVのβ線(図11参照)が放射線検出部11(図1参照)に入射した場合、線種判定部16が積算エネルギー量に応じて閾値Thを小さい値に設定することで、当該β線を1.5МeVのα線(図10(A)参照)と誤判定する確率を低減することができる。したがって、α線とβ線との判定精度を向上させることができる。
また、線種判定部16は、分布Q1~Q3、P1~P3の代表点におけるエネルギー付与ピクセル数と閾値Thとの比較の結果に基づいて入射した放射線の線種を判定する。例えば、積算エネルギー量E3が取得された場合、線種判定部16は、分布Q3、P3の代表点A1、A2におけるピクセル数N1、N2と閾値Thとを比較することで、入射した放射線の線種を判定する。図12に示す例では、代表点A1、A2は、分布Q3、P3におけるピーク値(すなわち、極大点)である。なお、代表点A1、A2は極大点に限らず、分布Q3、P3における予め決められた位置の点であればよい。
ピクセル数N1は閾値Thより小さいため、線種判定部16は、入射した放射線の線種をα線と判定する。また、ピクセル数N2は閾値Thより大きいため、線種判定部16は、入射した放射線の線種をβ線と判定する。
積算エネルギー量と閾値Thとの関係は、予め決められている。例えば、α線の放射線源及びβ線の放射線源を用いて、α線及びβ線のそれぞれについてのエネルギー付与ピクセル数の確率密度分布を実験によって算出し、誤判定確率が最も小さい閾値Thを設定することが望ましい。ここで、当該確率密度分布を実験によって算出する場合には、放射線検出部11と検出対象物との間の距離を実際に測定する際の距離と対応づけておくことが望ましい。また、実験に用いられる検出対象物の形状も実際の測定時に想定される検出対象物の形状と対応づけておくことが望ましい。例えば、スミア法によって、ろ紙に付着した放射性物質の各種データの測定を行う場合には、放射線源として面線源を用いて分布を算出することが望ましい。また、実験によって算出された複数の測定位置における積算エネルギー量に対する線種判定閾値をスプライン近似又は適切な関数で表される近似によって、連続的な値として導出しておくことが望ましい。
〈放射線分析装置の動作〉
次に、放射線分析装置1の動作について説明する。図13は、放射線分析装置1の動作を示すフローチャートである。先ず、ステップST1において、放射線検出部11から画像生成部12に電気信号が入力される。
ステップST2において、画像生成部12は、入力された電気信号に基づいて複数の画素40からなるエネルギー付与分布画像D1を生成する。
ステップST3において、反応点取得部13は、エネルギー付与分布画像D1の複数の画素40のうちエネルギー付与ピクセル41を取得する。
ステップST4において、積算エネルギー量取得部14は、入射した放射線毎に積算エネルギー量を取得する。
ステップST5において、反応点広がり取得部15は、積算エネルギー量に対するエネルギー付与ピクセル数の分布P1~P3、Q1~Q3の広がりを取得する。
ステップST6において、線種判定部16は、ステップST4によって取得された積算エネルギー量に応じて閾値Thを設定する。
ステップST7において、線種判定部16は、分布P1~P3、Q1~Q3のそれぞれの代表点A1、A2におけるエネルギー付与ピクセル数が閾値Thより小さいか否かを判定し、当該エネルギー付与ピクセル数が閾値Thより小さい場合(すなわち、ステップST7において、判定がYesの場合)、入射した放射線をα線と判定し、処理を終了する。また、ステップST7において、代表点A1、A2におけるエネルギー付与ピクセル数が閾値Th以上である場合(すなわち、ステップST7において、判定がNoの場合)、入射した放射線をβ線と判定し、処理を終了する。
〈実施の形態1の効果〉
以上に説明した実施の形態1によれば、反応点広がり取得部15は、入射した放射線毎に積算エネルギー量に対するエネルギー付与ピクセル数を取得することで、積算エネルギー量に対するエネルギー付与ピクセル数の分布P1~P3、Q1~Q3の広がりを取得する。また、線種判定部16は、当該分布P1~P3、Q1~Q3の代表点におけるエネルギー付与ピクセル数と閾値Thとの比較の結果に基づいて入射した放射線の線種を判定する。すなわち、1粒子毎に放射線の線種の判定が行われる。これにより、検出対象物から線種の異なる複数の放射線が放出された場合であっても、放射線分析装置1は、入射した放射線の線種を判定することができる。
また、実施の形態1によれば、線種判定部16は、積算エネルギー量に応じて放射線の線種を判定するための閾値Thを変える。よって、同線種の放射線であっても、積算エネルギー量に応じて他の線種の放射線との弁別に用いられる閾値Thが変わる。よって、放射線の線種の判定精度を向上させることができる。
また、実施の形態1によれば、線種の異なる複数の放射線が放射線検出部11に入射したときに出力された複数の電気信号の波形に差異が無い場合又は当該差異が小さい場合であっても、エネルギー付与ピクセル数の分布の広がりと積算エネルギー量とに基づいて、放射線の線種を判定することができる。
また、実施の形態1によれば、線種の異なる複数の放射線が放射線検出部11に入射したときに取得された複数のエネルギー付与ピクセル数の分布に差異が無い場合又は当該差異が小さい場合であっても、線種判定部16が積算エネルギー量に応じて閾値Thを変えることで、放射線の線種を判定することができる。
また、実施の形態1によれば、線種の異なる複数の放射線が放射線検出部11に入射したときに当該複数の放射線のそれぞれの付与エネルギーに差異が無い場合又は当該差異が小さい場合であっても、エネルギー付与ピクセル数の分布の広がりに基づいて放射線の線種を判定することができる。
また、実施の形態1によれば、反応点広がり取得部15は、エネルギー付与分布画像D1内の第1のエネルギー付与ピクセル41aと第2のエネルギー付与ピクセル41bとの間の距離が予め決められた距離閾値より大きいとき、第1のエネルギー付与ピクセル41aに対応する検出電極30に入射した放射線の粒子は、第2のエネルギー付与ピクセル41bに対応する検出電極30に入射した放射線の粒子と異なると判定する。これにより、入射した放射線の粒子毎のエネルギー付与ピクセル数の分布の広がりと積算エネルギー量とを取得することができる。
《実施の形態2》
図14は、実施の形態2に係る放射線分析装置2の構成を示すブロック図である。図14において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1に示される符号と同じ符号が付される。実施の形態2に係る放射線分析装置2は、画像生成部212において、異なる平面の2つのエネルギー付与分布画像(すなわち、第1の画像D11、第2の画像D12)が生成される点で、実施の形態1に係る放射線分析装置1と相違する。これ以外の点については、実施の形態2に係る放射線分析装置2は、実施の形態1に係る放射線分析装置1と同じである。
図14に示されるように、放射線分析装置2は、放射線検出部211と、制御部220とを有する。制御部220は、画像生成部212と、反応点取得部213と、積算エネルギー量取得部14と、反応点広がり取得部215と、反応点広がり合成部218と、線種判定部16とを有する。なお、図14では、図1に示される放射性核種分析部17の図示を省略している。
図15(A)及び(B)は、実施の形態2に係る放射線検出部211の構成の一部を示す平面図である。図15(A)及び(B)に示されるように、放射線検出部211は、第1の検出面としての第1の検出面11aと、第2の検出面としての第2の検出面11bとを有する。第1の検出面11aは、上述した図3(B)に示される放射線入射面110に平行な面(すなわち、XY平面)である。第2の検出面11bは、放射線入射面110に直交する平面(ここでは、YZ平面)である。すなわち、第1の検出面11a及び第2の検出面11bは互いに直交している。
第1及び第2の検出面11a、11bは、マトリクス状に配列された複数の検出電極30a、30bをそれぞれ有する。複数の検出電極30a、30bにおける付与エネルギーに対応する大きさの電気信号が画像生成部212に出力される。入射した放射線の1粒子の付与エネルギーは、例えば、第1の検出面11a及び第2の検出面11bにおいて同時に検出される。
図14に戻って、画像生成部212の構成について説明する。画像生成部212は、第1の画像生成部212aと、第2の画像生成部212bとを有する。
第1の画像生成部212aは、複数の検出電極30aから出力された複数の電気信号に基づいて、エネルギー付与分布画像としての第1の画像を生成する。
図15(C)は、第1の画像生成部212aによって生成された第1の画像D11の一例を示す図である。図15(C)に示されるように、第1の画像D11は、放射線入射面110(すなわち、XY平面)に平行な方向に配列された複数の第1の画素40aからなる。
第2の画像生成部212bは、複数の検出電極30aから出力された複数の電気信号に基づいて、エネルギー付与分布画像としての第2の画像を生成する。
図15(D)は、第2の画像生成部212bによって生成された第2の画像D12の一例を示す図である。図15(D)に示されるように、第2の画像D12は、放射線入射面110に直交する面(すなわち、YZ平面)に平行な方向に配列された複数の第2の画素40bからなる。
このように、実施の形態2では、画像生成部212において、2つのエネルギー付与分布画像(すなわち、第1の画像D11及び第2の画像D12)が生成される。なお、放射線検出部211がシンチレータを有する場合、当該シンチレータが発したシンチレータ光に基づいて異なる平面のエネルギー付与分布画像が取得されるように、当該放射線検出部211は集光レンズを有していてもよい。この場合、放射線検出部211は、複数行複数列のマトリクス状に配置された検出電極30a、30bは、光検出部又はイメージャに備えられていてもよい。
反応点取得部213は、第1の反応点取得部213aと、第2の反応点取得部213bとを有する。第1の反応点取得部213aは、第1の画像D11に基づいて、エネルギーが付与された検出電極30aに対応するエネルギー付与ピクセル41を取得する処理を、入射する放射線毎に行う。第2の反応点取得部213bは、第2の画像D12に基づいて、エネルギーが付与された検出電極30bに対応するエネルギー付与ピクセル42を取得する処理を、入射する放射線毎に行う。
積算エネルギー量取得部14は、例えば、エネルギー付与ピクセル41に対応する検出電極30aから出力された電気信号及びエネルギー付与ピクセル42に対応する検出電極30bから出力された電気信号のうちのいずれか一方の電気信号に基づいて、積算エネルギー量を取得する。なお、積算エネルギー量取得部14は、1組のエネルギー付与分布画像(すなわち、第1の画像D11及び第2の画像D12)に基づいて算出された積算エネルギー量の平均値を取得してもよい。
反応点広がり取得部215は、第1の広がり取得部215aと、第2の広がり取得部215bとを有する。第1の広がり取得部215aは、積算エネルギー量に対するエネルギー付与ピクセル41の数の分布の広がりを取得する。第2の広がり取得部215bは、積算エネルギーに対するエネルギー付与ピクセル42の数の分布の広がりを取得する。
反応点広がり合成部218は、エネルギー付与ピクセル41の数の分布の広がりとエネルギー付与ピクセル42の数の分布の広がりとを合成する。これにより、実施の形態2では、エネルギー付与ピクセル数の分布の広がり情報が3次元情報として取得される。このとき、エネルギー付与ピクセル数は、第1の画像D11から取得されたエネルギー付与ピクセル数と第2の画像D12から取得されたエネルギー付与ピクセル数との2乗和又は当該2乗和の平方根である。
ここで、第1の画像D11及び第2の画像D12内には、複数の粒子によってエネルギーが付与されたエネルギー付与ピクセルが含まれる場合がある。そのため、第1の画像D11内のエネルギー付与ピクセル41のY軸方向の位置と第2の画像D12内のエネルギー付与ピクセル42のY軸方向の位置とが同じである場合、反応点広がり合成部218は、当該エネルギー付与ピクセル41とエネルギー付与ピクセル42は、同一の粒子から付与エネルギーが付与されたと判定する。また、放射線検出部211は、3次元のエネルギー付与分布画像を取得可能な検出器である場合、当該3次元のエネルギー付与分布画像に基づいてエネルギー付与ピクセル数の分布の広がりについての3次元の情報が取得されるため、放射線分析装置2は反応点広がり合成部218を有していなくても実現することができる。
線種判定部16は、反応点広がり合成部218によって合成されたエネルギー付与ピクセル数の分布の広がりと線種判定閾値Thとの比較の結果に基づいて放射線の線種を判定する。
図16は、実施の形態2に係る放射線分析装置2における放射線の線種を判定する方法を示すグラフである。図16に示されるグラフにおいて、横軸は積算エネルギー量であり、縦軸はエネルギー付与ピクセル数である。また、図16に示されるグラフにおいて、分布P21~P23は、β線が入射したときのエネルギー付与ピクセル数の確率密度分布である。図16に示されるように、分布P21~P23の広がりは、図12に示される分布P1~P3の広がりよりも狭い。また、分布Q21~Q23は、α線が入射したときのエネルギー付与ピクセル数の確率密度分布である。分布Q21~Q23の広がりは、図12に示される分布Q1~Q3の広がりよりも狭い。すなわち、実施の形態2に係る放射線分析装置2では、エネルギー付与ピクセル数のばらつきが小さい。これにより、実施の形態2では、放射線の線種の判定精度を一層向上させることができる。
上述した実施の形態1で説明したように、エネルギー付与ピクセル数は放射線の入射角度に依存する。そのため、入射した放射線の線種が同じであり、且つ固有エネルギーが同じであった場合でも、実施の形態1では、エネルギー付与ピクセル数の確率密度分布(例えば、図12に示される分布P1~P3、Q1~Q3)は広がりを持った分布となる。特に、β線が入射するとき、放射線検出部11に対するβ線の入射角度が小さければ、エネルギー付与ピクセル数は少なくなる。このとき、入射したβ線をα線と誤って判定するおそれがある。
実施の形態2では、上述したように、第1の画像D11と第2の画像D12とによって、エネルギー付与分布画像が3次元の画像として取得される。そして、第1の画像D11及び第2の画像D12に基づいて、エネルギー付与ピクセル数の分布の広がり情報が3次元情報として取得される。よって、エネルギー付与ピクセル数のばらつきを少なくすることができ、放射線の線種の判定精度を一層向上させることができる。
〈実施の形態2の効果〉
以上に説明した実施の形態2によれば、放射線検出部211は、第1の検出面11aと、第1の検出面11aに直交する第2の検出面11bとを有する。また、エネルギー付与分布画像は、第1の検出面11aの複数の検出電極30aに対応する複数の第1の画素40aからなる第1の画像D11と、第2の検出面11bの複数の検出電極30bに対応する複数の第2の画素40bからなる第2の画像D12とを含む。第1の画像D11と第2の画像D12とによって、エネルギー付与分布画像が3次元の画像として取得される。よって、エネルギー付与ピクセル数のばらつきを少なくすることができ、放射線の線種の判定精度を一層向上させることができる。
《実施の形態3》
図17は、実施の形態3に係る放射線分析装置の放射線検出部311の概略的な構成と、実施の形態3に係る画像生成部によって生成されたエネルギー付与分布画像D1の一例とを示す模式図である。図17において、図3に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図3に示される符号と同じ符号が付される。実施の形態3に係る放射線分析装置は、放射線検出部311にコリメータ70が備えられる点で、実施の形態1に係る放射線分析装置1と相違する。これ以外の点については、実施の形態3に係る放射線分析装置は、実施の形態1に係る放射線分析装置1と同じである。そのため、以下の説明では、図1を参照する。
図17に示されるように、放射線検出部311は、複数のコリメータ70を更に有する。コリメータ70は、検出面11aに平行に配置され、当該検出面11aに対する放射線(例えば、β線52)の入射角度を制限する。複数のコリメータ70は、互いに平行に配置されている。これにより、放射線検出部311に入射するβ線52は、コリメータ70によって平行化される。よって、β線52が検出面11aに直交する方向から入射することを防止できる。言い換えれば、反応点取得部13(図1参照)によって取得されるエネルギー付与ピクセル数が少なくなる放射線の粒子の入射を防止することができる。コリメータ70は、放射線(例えば、β線52)を遮蔽可能な素材から形成されている。また、コリメータ70は、放射線(例えば、β線52)を遮蔽可能な厚みを有する。
図18は、実施の形態3に係る放射線分析装置における放射線の線種を判定する方法を示すグラフである。図18に示されるグラフにおいて、横軸は積算エネルギー量であり、縦軸はエネルギー付与ピクセル数である。また、図18に示されるグラフにおいて、分布P31~P33は、β線が入射したときのエネルギー付与ピクセル数の確率密度分布である。
図18に示されるように、分布P31~P33の広がりは、図12に示される分布P1~P3の広がりよりも狭い。また、分布Q31~Q33は、α線が入射したときのエネルギー付与ピクセル数の確率密度分布である。分布Q31~Q33の広がりは、図12に示される分布Q1~Q3の広がりよりも狭い。すなわち、実施の形態3では、エネルギー付与ピクセル数のばらつきが低減される。これは、放射線検出部311にコリメータ70が備えられていることによって、取得されるエネルギー付与ピクセルの数が少なくなるような放射線の入射が防止されているためである。よって、実施の形態3では、放射線の線種の判定精度を一層向上させることができる。
〈実施の形態3の効果〉
以上に説明した実施の形態3によれば、放射線検出部311は、検出面11aに平行に配置されて検出面11aに対する放射線の入射角度を制限するコリメータ70を有する。これにより、反応点広がり取得部15によって取得されるエネルギー付与ピクセル数の分布P31~P33、Q31~Q33の広がりが狭くなる。すなわち、エネルギー付与ピクセル数のばらつきが低減される。よって、放射線の線種の判定精度を一層向上させることができる。
1、2 放射線分析装置、 11、211、311 放射線検出部、 11a 第1の検出面、 11b 第2の検出面、 12、212 画像生成部、 13、213 反応点取得部、 14 積算エネルギー量取得部、 15、215 反応点広がり取得部、 16 線種判定部、 17 放射性核種分析部、 30、30a、30b 検出電極、 40 画素、 40a 第1の画素、 40b 第2の画素、 41、41a、41b エネルギー付与ピクセル、 51 α線、 52 β線、 70 コリメータ、 A1、A2 代表点、 E 間隔、 D1 エネルギー付与分布画像、 D11 第1の画像、 D12 第2の画像、 N1、N2 ピクセル数、 P1、P2、P3、P21、P22、P23、P31、P32、P33、Q1、Q2、Q3、Q21、Q22、Q23、Q31、Q32、Q33 分布、 Th 線種判定閾値。

Claims (8)

  1. 複数の検出電極を備えた1つ以上の検出面を有し、入射した放射線の粒子毎に前記複数の検出電極に付与されたエネルギーに対応する大きさの複数の電気信号が前記複数の検出電極から出力される、放射線検出部と、
    前記複数の検出電極から出力された前記複数の電気信号に基づいて、前記複数の検出電極に対応する複数の画素からなるエネルギー付与分布画像を生成する画像生成部と、
    前記エネルギー付与分布画像に基づいて、前記複数の検出電極のうちの前記エネルギーが付与された検出電極に対応する画素である反応点を取得する処理を、入射した放射線毎に行う反応点取得部と、
    前記反応点に対応する検出電極から出力された電気信号に基づいて、前記入射した放射線毎に前記反応点の前記エネルギーの積算値である積算エネルギー量を取得する積算エネルギー量取得部と、
    前記入射した放射線毎に前記積算エネルギー量に対する前記反応点のピクセル数を取得することで、前記積算エネルギー量に対する前記ピクセル数の分布の広がりを取得する反応点広がり取得部と、
    線種判定閾値を有し、前記分布の代表点における前記ピクセル数と前記線種判定閾値との比較の結果に基づいて前記入射した放射線の線種を判定する線種判定部と
    を備え、
    前記線種判定部は、前記積算エネルギー量に応じて前記線種判定閾値を変える、
    ことを特徴とする放射線分析装置。
  2. 前記線種判定閾値は、前記積算エネルギー量が大きいほど、大きい値に設定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射線分析装置。
  3. 前記線種判定部は、
    前記代表点における前記ピクセル数が前記線種判定閾値より小さいとき、前記放射線の線種は第1の線種であると判定し、
    前記代表点における前記ピクセル数が前記線種判定閾値以上であるとき、前記放射線の線種は前記第1の線種と異なる第2の線種であると判定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線分析装置。
  4. 前記反応点広がり取得部は、予め決められたエネルギー閾値以上の前記エネルギーが付与された前記検出電極に対応する前記画素を前記反応点として取得する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射線分析装置。
  5. 前記エネルギー付与分布画像において互いに間隔を開けて検出された前記反応点である第1及び第2の反応点が存在する場合、
    前記反応点広がり取得部は、前記間隔が予め決められた距離閾値より大きいとき、前記第1の反応点に対応する検出電極に前記入射した放射線の粒子は、前記第2の反応点に対応する検出電極に前記入射した放射線の粒子と異なると判定する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の放射線分析装置。
  6. 1つ以上の検出面は、第1の検出面及び前記第1の検出面に直交する第2の検出面であり、
    前記エネルギー付与分布画像は、前記第1の検出面の前記複数の検出電極に対応する前記複数の画素である複数の第1の画素からなる第1の画像と、前記第2の検出面の前記複数の検出電極に対応する前記複数の画素である複数の第2の画素からなる第2の画像とを含む、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の放射線分析装置。
  7. 前記放射線検出部は、前記検出面に平行に配置されて前記検出面に対する前記放射線の入射角度を制限するコリメータを更に有する、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の放射線分析装置。
  8. 前記線種判定部における前記放射線の線種についての判定結果及び前記放射線の前記エネルギーに基づいて、前記放射線の核種を分析する放射性核種分析部を更に有する、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の放射線分析装置。
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