JP2020071119A - 放射能分析装置 - Google Patents

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西沢 博志
Hiroshi Nishizawa
博志 西沢
中西 正一
Shoichi Nakanishi
正一 中西
理 笹野
Makoto Sasano
理 笹野
哲史 東
Tetsushi Azuma
哲史 東
真照 林
Masateru Hayashi
真照 林
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Abstract

【課題】簡易な構成の放射線検出部で放射線の線種の分析能力を向上することができる放射能分析装置を得ること。【解決手段】入射された放射線の線種と放射線のエネルギーとから放射性核種を分析する放射能分析装置であって、放射線を検出し電気信号として出力する放射線検出器1と、電気信号に基づいて放射線検出位置の分布を抽出し、線種を判定する放射線線種判定部20と、電気信号に基づいてエネルギーを解析する放射線エネルギー解析部3と、放射性核種についての既知の情報を記憶する放射性核種情報記憶部5と、放射線線種判定部の出力と放射線エネルギー解析部の出力とから既知の情報に基づき放射性核種を分析する放射性核種分析部4を備えた。【選択図】図1

Description

本願は、放射能分析装置に関するものである。
環境放射線のモニタリングを行う際には、放射性核種を分析することで、人工核種と天然核種とを分離できることが必要となっている。放射性核種の分析のためには、アルファ線、ベータ線、ガンマ線といった放射線の線種の分析と各線種のエネルギーの分析の双方の機能が必要である
双方の機能を備えた放射線検出器として、入射した放射線の線種によって出力波形の形状が変わることを利用して放射線の線種を分析し、出力波形の大きさから放射線のエネルギーを分析する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、検出器からの出力波形の形状を分析して放射性物質に含まれる放射性核種を分析すると同時に、放射線検出器に放射線が入射した位置を特定させる機能が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、検出器からの出力波形で分析する方法とは異なる方法として、放射線検出器を構成する放射線を赤外光から紫外光の光に変換する変換体からの光の分光分布で分析する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2012−242369号公報 特開2013−122388号公報 特開2010−181412号公報
アイソトープ手帳11版 ISBN978-4-89073-211-1
上記特許文献1および2においては、放射性物質からの放射線の線種を分析するために放射線検出器からの出力波形で分析を行っていたため、放射線の線種によって出力波形の形状に違いがない場合、もしくは形状の差が小さい場合には線種の分析をすることができないという課題があった。また出力波形の形状に違いが生ずるもの以外の放射線に対して用いることができないため、放射線検出器として適用できるものが少ないという課題があった。また、特許文献2においては放射線が入射した位置を特定する機能が付加されているが、放射線入射位置に付与された放射線検出位置の分布が放射線の線種を分析するために利用されるものではなかった。
また上記特許文献3においては、放射性物質からの放射線の線種を分析するために出力された光の分光分布で分析を行っていたため、放射線の線種によって光の分光分布に違いがないもしくは分布の差が小さい場合には分析することができないという課題があった。また、放射線を赤外光から紫外光に変換する変換体が必要であり、検出器が複雑になるという課題があった。また、放射線の線種によって変換体からの光の分光分布に違いが必要であり、変換体として適用できるものが少ないという課題があった。
本願は前記のような課題を解決するためになされたものであり、放射線検出位置の分布と放射線のエネルギーとから放射性核種を分析することを目的としている。
本願に開示される放射能分析装置は、入射された放射線の線種と放射線のエネルギーとから放射性核種を分析する放射能分析装置であって、放射線を検出し電気信号として出力する放射線検出器と、電気信号に基づいて放射線検出位置の分布を抽出し、線種を判定する放射線線種判定部と、電気信号に基づいてエネルギーを解析する放射線エネルギー解析部と、放射性核種についての既知の情報を記憶する放射性核種情報記憶部と、放射線線種判定部の出力と放射線エネルギー解析部の出力とから既知の情報に基づき放射性核種を分析する放射性核種分析部を備えたものである。
本願に開示される放射能分析装置によれば、放射線検出器の選択の幅が広がり、複雑な構成とならず、簡易な構成の放射線検出部で放射性核種の分析能力を向上させることができる。
実施の形態1に係る放射能分析装置の構成図である。 放射能分析装置のハードウエアの一例を示す構成図である。 放射線の線種毎に異なる放射線検出位置の分布を示す模式図である。 実施の形態1に係る放射線エネルギー解析部で分析されたエネルギー分布の例を示す模式図である。 放射性核種情報記憶部に記憶されたデータの例を示す図である。 実施の形態1に係る放射性核種を分析するまでの処理フローを説明する図である。 実施の形態2に係る放射能分析装置の構成図である。 実施の形態2に係る放射線の分布形状の広がりと放射線のエネルギーの関係を示す模式図である。 実施の形態2に係る放射性核種を分析するまでの処理フローを説明する図である。 実施の形態3に係る放射能分析装置の構成図である。 放射線の線種毎のエネルギー形状を示す模式図である。 実施の形態3に係る放射性核種を分析するまでの処理フローを説明する図である。 実施の形態4に係る放射能分析装置の構成図である。
以下、実施の形態の放射能分析装置を図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る放射能分析装置10の構成図である。放射能分析装置10は、検出対象から入射された放射線を検出する放射線検出器1と、放射線検出器1から出力された電気信号に基づいて放射線の線種を判定する放射線線種判定部20としての放射線分布形状判定部2と、放射線のエネルギーを解析する放射線エネルギー解析部3と、放射性核種についての既知の情報を記憶する放射性核種情報記憶部5と、放射線分布形状判定部2の出力と放射線エネルギー解析部3の出力とから既知の情報に基づき検出対象に含まれる放射性核種を分析する放射性核種分析部4とから構成される。
放射能分析装置10の放射線分布形状判定部2と放射線エネルギー解析部3と放射性核種分析部4と放射性核種情報記憶部5は、ハードウエアの一例を図2に示すように、プロセッサ111と記憶装置112を備えた制御部100から構成される。記憶装置112は、図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ111は、記憶装置112から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ111にプログラムが入力される。また、プロセッサ111は、演算結果等のデータを記憶装置112の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
放射能分析装置10を構成する各部の機能について説明する。
放射線検出器1は、検出対象から入射された放射線を検出し、放射線検出器1における放射線検出位置の分布と放射線検出器1に放射線から付与されたエネルギーに相当する電気信号(電流、電圧)として出力するセンサである。センサの例としては、マトリクス状にピクセル化され、付与されたエネルギーの位置と分布に応じた複数の信号を取り出す電極を備えた半導体検出器がある。他の例としては、放射線を紫外光、可視光、赤外光といったシンチレーション光に変換するシンチレータとシンチレーション光を検出して電気信号を出力する光検出器を組み合わせたものがある。この場合、光が発生した位置と分布を検出できるように光検出器は例えばマトリクス状に配置されており、高い位置分解能の性能を有している。
放射線分布形状判定部2は、放射線検出位置の分布に予め定めた閾値を適用して放射線の線種を判定する。図3は、放射線の線種毎に異なる放射線検出位置の分布を示す模式図である。放射線分布形状判定部2は、放射線検出器1から出力された電気信号に基づいて、予め定められた時間内に検出された放射線のカウントを積算することで図3に示すような放射線検出位置の分布を抽出する。目安となる積算時間は、エネルギーの広がりが正規分布と近似できるカウント数となる積算時間、もしくは統計的な不確かさでα線、β線、γ線が弁別可能になる積算時間である。例えば、100カウント/秒の場合に、統計的な不確かさが1%程度になる100秒を積算時間とする。放射性物質から放出される放射線の線種によって入射位置におけるエネルギーの広がりが異なるため、線種毎に放射線検出位置の分布が異なる。図3において、α線の放射線検出位置の分布を一点鎖線11、β線を破線12、γ線を実線13で示す。検出対象からの放射線がα線の場合は、α線の飛程は他の線種よりも短いので一点鎖線11のように反応位置の広がりが小さくなる。放射線がβ線の場合は、β線の飛程はα線の飛程よりも長くγ線の飛程より短いので破線12のように反応位置の広がりはα線よりも広くγ線よりも狭くなる。放射線がγ線の場合は、他の線種よりも飛程が長いので実線13のようにα線とβ線の反応位置の広がりよりも大きくなる。放射線の線種毎に異なる放射線検出位置の分布からの放射線の線種の判定は、分布形状の標準偏差または分散などを指標とすることも可能であるが、放射線分布形状判定部2は予め定めた閾値を利用して判定を行う。閾値はα線とβ線を弁別する閾値とβ線とγ線を弁別する閾値の2つが設けられ、それぞれの閾値と図3におけるピーク値とを比較することで線種を判定することができる。
放射線エネルギー解析部3は、放射線検出器1から出力された電気信号に基づいて、放射線から放射線検出器1に付与されたエネルギーの情報から放射線のスペクトル情報を解析することで図4に示すような線種毎のエネルギースペクトルを抽出する。図4において、α線のエネルギースペクトルを実線14、β線を破線15、γ線を一点鎖線16で示す。このように線種毎に放射性核種固有のスペクトル情報を有した固有のエネルギースペクトルが示される。なお、スペクトル情報による分析を行うことで、検出対象の放射性物質を特定する確度を向上させることができる。
放射性核種情報記憶部5は、放射性核種の崩壊に伴って放出される放射線の線種とその放射線のエネルギー情報の既知のデータを記憶したデータベースである。記憶されている情報の例としては、非特許文献1の22ページから100ページに記載された「主な放射性同位体元素の表」の壊変形式、主なβ線またはα線のエネルギー、および主な光子のエネルギーに示される。
放射性核種分析部4は、放射線分布形状判定部2から出力された線種の判定結果と放射線エネルギー解析部3から出力されたエネルギースペクトルとから、放射性核種情報記憶部5に記憶されたデータに基づき検出対象の放射性核種を分析する。分析は、線種とエネルギースペクトルと記憶されている放射性核種情報のデータを照合し、照合した結果で最も一致する放射性核種情報のデータを検出対象の放射性核種と同定するものである。図5は放射性核種情報記憶部5に記憶されたデータの例を示す図である。まず線種の判定結果から壊変形式を決定する。次に、該当する壊変形式を持つ核種の中から放射線エネルギー解析部3から出力されたエネルギースペクトルに近いものを選定する。壊変形式がαで図5に示されたエネルギーに近いものがあれば、核種は241Amと同定される。
同一の検出対象から放射線検出器1に同時に複数の線種が入射されることはほとんどないが、同一の検出対象から入射される放射線の線種は一つに限られない。そのため、複数の線種とエネルギーの解析結果が放射性核種分析部4に入力された場合、複数の放射線の線種と放射線のエネルギーを放出する放射性核種に関して放射性核種情報記憶部5に記憶された放射性核種情報のデータを照合の対象とし、最も一致するものが検出対象の放射性核種として同定される。
次に放射能分析装置10の動作について説明する。図6は放射性核種を分析するまでの処理フローを説明する図である。検出対象から放射線検出器1に放射線が入射される(ステップS11)。放射線検出器1は放射線から放射線検出器1に付与されたエネルギーを検出し、放射線検出位置の分布とエネルギーに相当する電気信号を放射線分布形状判定部2および放射線エネルギー解析部3に出力する(ステップS12)。放射線分布形状判定部2は、入力された電気信号に基づいて放射線検出位置の分布を抽出して閾値を適用して放射線の線種を判定し、判定結果を放射性核種分析部4に出力する(ステップS13)。放射線エネルギー解析部3は、放射線から放射線検出器1に付与されたエネルギーを入力された電気信号に基づいて解析し、解析結果を放射性核種分析部4に出力する(ステップS23)。放射性核種分析部4は、入力された線種の判定結果とエネルギーの解析結果とから、放射性核種情報記憶部5に記憶されたデータに基づき、検出対象の放射性核種を同定する(ステップS14)。
以上のように、この放射能分析装置10では、放射線検出位置の分布から放射線の線種が判定されるため、放射線検出器1の選択の幅が広がり、複雑な構成とならず、簡易な構成の放射線検出部で放射線の線種の分析能力を向上させることができ、さらには放射性核種の分析能力を向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る放射能分析装置10について説明する。図7は実施の形態2に係る放射能分析装置10の構成図、図8は放射線の分布形状の広がりと放射線のエネルギーの関係を示す模式図である。実施の形態1では放射線分布形状判定部2において放射線検出位置の分布から放射線の線種を判定していたが、放射線の線種とエネルギーによっては飛程が近い値になるので放射線検出位置の分布が近くなり、線種の判定結果の精度が低下する場合がある。実施の形態2では放射線分布形状取得部7が出力した分布形状の広がりを示す情報と放射線エネルギー解析部3が出力したエネルギーの解析結果とから放射線応答情報記憶部6に記憶されたデータに基づき放射線線種分析部8において放射線の線種を判定するものである。なお、他の構成については、実施の形態1の記載と同様であるため同一の符号を付して説明を省略する。
放射能分析装置10の放射線分布形状取得部7と放射線線種分析部8と放射線エネルギー解析部3と放射性核種分析部4と放射性核種情報記憶部5と放射線応答情報記憶部6は、実施の形態1と同様に、ハードウエアの一例を図2に示すように、プロセッサ111と記憶装置112を備えた制御部100から構成される。
実施の形態2において、放射線線種判定部20は放射線分布形状取得部7と放射線線種分析部8とを備えて構成される。放射線分布形状取得部7は、放射線検出器1から出力された電気信号に基づいて、予め定められた時間内に検出された放射線のカウントを積算することで図3に示すような放射線検出位置の分布を抽出し、さらに半値幅等の分布形状の広がりを示す情報を取得する。なお分布形状の特徴を示す情報は、半値幅に限るものではない。取得した情報は、放射線線種分析部8に出力される。
放射線エネルギー解析部3は、放射線検出器1から出力された電気信号に基づいて、放射線から放射線検出器1に付与されたエネルギーの情報から放射線のスペクトル情報を解析することで図4に示すような線種毎のエネルギースペクトルを抽出する。結果は放射線線種分析部8と放射性核種分析部4に出力される。
放射線応答情報記憶部6は、分布形状の広がりと放射線のエネルギーとの関係である放射線応答情報のデータを記憶したデータベースである。放射線応答情報の例を図8に示す。図8において、α線(一点鎖線17)、β線(破線18)、γ線(実線19)のそれぞれの場合で分布形状の広がりと放射線のエネルギーとの関係は異なる傾きを有した直線で示される。α線、β線、γ線はエネルギーによって飛程が変わるためである。このような放射線応答情報は、事前に実験または近似式によって作成される。もしくは、シミュレーションによってα線、β線、γ線の様々なエネルギーの条件での放射線応答情報が作成される。作成された放射線応答情報のデータは、放射線応答情報記憶部6に記憶される。
放射線線種分析部8は、放射線分布形状取得部7から出力された分布形状の広がりを示す情報と放射線エネルギー解析部3から出力されたエネルギーの解析結果とから、放射線応答情報記憶部6に記憶された放射線応答情報のデータに基づき放射線の線種を判定する。判定は、分布形状の広がりの情報とエネルギーの分析結果と記憶されている放射線応答情報のデータを照合し、照合した結果で最も近い放射線の線種を検出した放射線の線種と同定するものである。α線、β線、γ線それぞれの線種に対して分布形状の広がりと放射線のエネルギーとの関係である放射線応答情報を利用して放射線の線種が判定されるので、判定の精度が向上する。
次に放射能分析装置10の動作について説明する。図9は放射性核種を分析するまでの処理フローを説明する図である。検出対象から放射線検出器1に放射線が入射される(ステップS11)。放射線検出器1は放射線から放射線検出器1に付与されたエネルギーを検出し、放射線検出位置の分布とエネルギーに相当する電気信号を放射線分布形状取得部7および放射線エネルギー解析部3に出力する(ステップS12)。放射線分布形状取得部7は、入力された電気信号に基づいて放射線検出位置の分布を抽出してさらに分布形状の広がりを示す情報を取得し、取得した結果を放射線線種分析部8に出力する(ステップS31)。放射線エネルギー解析部3は、放射線から放射線検出器1に付与されたエネルギーを入力された電気信号に基づいて解析し、解析結果を放射線線種分析部8と放射性核種分析部4に出力する(ステップS23)。放射線線種分析部8は、入力された分布形状の広がりの情報とエネルギーの解析結果とから、放射線応答情報記憶部6に記憶された放射線応答情報のデータに基づき、検出した放射線の線種を判定する(ステップS32)。さらに放射性核種分析部4は、線種の判定結果と放射線エネルギー解析部3でのエネルギーの解析結果とから、放射性核種情報記憶部5に記憶されたデータに基づき、検出対象の放射性核種を同定する(ステップS14)。
以上のように、この放射能分析装置10では、放射線分布形状取得部7が出力した分布形状の情報と放射線エネルギー解析部3が出力したエネルギーの解析結果とから放射線応答情報記憶部6に記憶された放射線応答情報のデータに基づき放射線の線種が判定されるため、放射線の線種の判定能力を向上させることができ、さらには放射性核種の分析能力を向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る放射能分析装置10について説明する。実施の形態3において、放射線線種判定部20は放射線エネルギー形状判定部9を備えて構成される。図10は実施の形態3に係る放射能分析装置10の構成図、図11は放射線検出器に付与された放射線の線種毎のエネルギー形状を示す模式図である。実施の形態1では放射線分布形状判定部2において放射線検出位置の分布から放射線の線種を分析していたが、検出対象の放射性物質からの放射線量が少ない場合には予め定められた時間内のカウントを積算しても線種毎に異なった放射線検出位置の分布が得られないため、放射線分布形状判定部2での放射線の線種に関する分析結果の精度が低下する場合がある。実施の形態3では放射線エネルギー形状判定部9において放射線の入射時に線種毎に得られた放射線のエネルギー形状から放射線の線種を分析するものである。なお、他の構成については、実施の形態1の記載と同様であるため同一の符号を付して説明を省略する。
放射能分析装置10の放射線エネルギー形状判定部9と放射線エネルギー解析部3と放射性核種分析部4と放射性核種情報記憶部5は、実施の形態1と同様に、ハードウエアの一例を図2に示すように、プロセッサ111と記憶装置112を備えた制御部100から構成される。
放射線エネルギー形状判定部9は、放射線検出器1から出力された電気信号に基づいて、予め定められた時間内のカウントを積算することで図11に示すような入射時の線種毎の放射線のエネルギー形状を抽出する。図11は短い時間幅で抽出されるものである。放射線検出器1に入射したα線21(一点鎖線)、β線23(破線)、γ線25(実線)は電荷量と質量の性質がそれぞれ異なるため、放射線検出器1の内部で反応してエネルギーを付与する範囲も異なる。そのため放射線検出器1で取得されるエネルギー形状も異なる。α線により付与されたエネルギー形状22は飛程が小さいため非常に小さい形状になり、β線により付与されたエネルギー形状24は放射線検出器内での飛程は長いため楕円に近い形状になり、γ線により付与されたエネルギー形状26は反応した位置から電子がはじかれるので反応位置の周辺に広がった形状になる。このように線種によってエネルギー形状が異なるため、放射線エネルギー形状判定部9は、抽出された放射線のエネルギー形状と予め定めたエネルギー形状とを例えば画像処理により比較して放射線の線種を判定する。α線、β線、γ線それぞれの線種毎に放射線検出器1に付与された放射線のエネルギー形状を利用して放射線の線種が判定されるので、放射線量が少ない場合でも分析の精度が向上する。
次に放射能分析装置10の動作について説明する。図12は放射性核種を分析するまでの処理フローを説明する図である。検出対象から放射線検出器1に放射線が入射される(ステップS11)。放射線検出器1は放射線から放射線検出器1に付与されたエネルギーを検出し、放射線のエネルギー形状とエネルギーに相当する電気信号を放射線エネルギー形状判定部9および放射線エネルギー解析部3に出力する(ステップS12)。放射線エネルギー形状判定部9は、入力された電気信号に基づいてエネルギー形状を抽出して放射線の線種を判定し、判定結果を放射性核種分析部4に出力する(ステップS41)。放射線エネルギー解析部3は、放射線から放射線検出器1に付与されたエネルギーを入力された電気信号に基づいて解析し、解析結果を放射性核種分析部4に出力する(ステップS23)。放射性核種分析部4は、入力された放射線エネルギー形状判定部9での線種の判定結果と放射線エネルギー解析部3でのエネルギーの分析結果とから、放射性核種情報記憶部5に記憶されたデータに基づき、検出対象の放射性核種を同定する(ステップS14)。
以上のように、この放射能分析装置10では、放射線毎のエネルギー形状から放射線の線種が分析されるため、放射線量が少ない場合でも放射線の線種の分析能力を向上させることができ、さらには放射性核種の分析能力を向上させることができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る放射能分析装置10について説明する。図13は実施の形態4に係る放射能分析装置10の構成図である。実施の形態3では放射線エネルギー形状判定部9において放射線のエネルギー形状のみから放射線の線種を判定していたが、実施の形態4では放射線エネルギー形状取得部11が出力したエネルギー形状の広がりを示す情報と放射線エネルギー解析部3が出力したエネルギーの解析結果とから放射線応答情報記憶部6に記憶されたデータに基づき放射線線種分析部8において放射線の線種を判定するものである。なお、他の構成については、実施の形態1の記載と同様であるため同一の符号を付して説明を省略する。
放射能分析装置10の放射線エネルギー形状取得部11と放射線線種分析部8と放射線エネルギー解析部3と放射性核種分析部4と放射性核種情報記憶部5と放射線応答情報記憶部6は、実施の形態1と同様に、ハードウエアの一例を図2に示すように、プロセッサ111と記憶装置112を備えた制御部100から構成される。
実施の形態4において、放射線線種判定部20は放射線エネルギー形状取得部11と放射線線種分析部8とを備えて構成される。放射線エネルギー形状取得部11は、放射線検出器1から出力された電気信号に基づいて、予め定められた時間内のカウントを積算することで図11に示すような入射時の線種毎の放射線のエネルギー形状を抽出し、さらに長さまたは面積等のエネルギー形状の広がりを示す情報を取得する。なおエネルギー形状の特徴を示す情報は、長さまたは面積等に限るものではない。取得した情報は、放射線線種分析部8に出力される。
放射線エネルギー解析部3は、放射線検出器1から出力された電気信号に基づいて、放射線から放射線検出器1に付与されたエネルギーの情報から放射線のスペクトル情報を解析することで図4に示すような線種毎のエネルギースペクトルを抽出する。結果は放射線線種分析部8と放射性核種分析部4に出力される。
放射線応答情報記憶部6は、エネルギー形状の広がりと放射線のエネルギーとの関係である放射線応答情報のデータを記憶したデータベースである。放射線応答情報記憶部6には、図8の横軸をエネルギー形状の広がりとした放射線応答情報のデータが記憶されている。
放射線線種分析部8は、放射線エネルギー形状取得部11から出力されたエネルギー形状の広がりを示す情報と放射線エネルギー解析部3から出力されたエネルギーの解析結果とから、放射線応答情報記憶部6に記憶された放射線応答情報のデータに基づき放射線の線種を判定する。判定は、エネルギー形状の広がりの情報とエネルギーの分析結果と記憶されている放射線応答情報のデータを照合し、照合した結果で最も近い放射線の線種を検出した放射線の線種と同定するものである。α線、β線、γ線それぞれの線種に対してエネルギー形状の広がりと放射線のエネルギーとの関係である放射線応答情報を利用して放射線の線種が判定されるので、判定の精度が向上する。
以上のように、この放射能分析装置10では、放射線エネルギー形状取得部11が出力したエネルギー形状の情報と放射線エネルギー解析部3が出力したエネルギーの解析結果とから放射線応答情報記憶部6に記憶された放射線応答情報のデータに基づき放射線の線種が判定されるため、放射線の線種の判定能力を向上させることができ、さらには放射性核種の分析能力を向上させることができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 放射線検出器、2 放射線分布形状判定部、3 放射線エネルギー解析部、4 放射性核種分析部、5 放射性核種情報記憶部、6 放射線応答情報記憶部、7 放射線分布形状取得部、8 放射線線種分析部、9 放射線エネルギー形状判定部、10 放射能分析装置、11 放射線エネルギー形状取得部、20 放射線線種判定部

Claims (6)

  1. 入射された放射線の線種と放射線のエネルギーとから放射性核種を分析する放射能分析装置であって、
    前記放射線を検出し電気信号として出力する放射線検出器と、
    前記電気信号に基づいて放射線検出位置の分布を抽出し、前記線種を判定する放射線線種判定部と、
    前記電気信号に基づいてエネルギーを解析する放射線エネルギー解析部と、
    放射性核種についての既知の情報を記憶する放射性核種情報記憶部と、
    前記放射線線種判定部の出力と前記放射線エネルギー解析部の出力とから前記既知の情報に基づき放射性核種を分析する放射性核種分析部と、を備えたことを特徴とする放射能分析装置。
  2. 前記放射線線種判定部は、
    抽出された前記放射線検出位置の分布に予め定めた閾値を適用して前記線種を判定する放射線分布形状判定部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の放射能分析装置。
  3. 前記放射線線種判定部は、
    抽出された前記放射線検出位置の分布から分布形状の広がりを示す情報を取得する放射線分布形状取得部と、
    前記放射線分布形状取得部の出力と前記放射線エネルギー解析部の出力とから放射線応答情報記憶部に記憶されたデータに基づき前記線種を判定する放射線線種分析部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の放射能分析装置。
  4. 入射された放射線の線種と放射線のエネルギーとから放射性核種を分析する放射能分析装置であって、
    前記放射線を検出し電気信号として出力する放射線検出器と、
    前記電気信号に基づいて放射線のエネルギー形状を抽出し、前記線種を判定する放射線線種判定部と、
    前記電気信号に基づいてエネルギーを解析する放射線エネルギー解析部と、
    放射性核種についての既知の情報を記憶する放射性核種情報記憶部と、
    前記放射線線種判定部の出力と前記放射線エネルギー解析部の出力とから前記既知の情報に基づき放射性核種を分析する放射性核種分析部と、を備えたことを特徴とする放射能分析装置。
  5. 前記放射線線種判定部は、
    抽出された前記放射線のエネルギー形状と予め定めたエネルギー形状とを比較して前記線種を判定する放射線エネルギー形状判定部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の放射能分析装置。
  6. 前記放射線線種判定部は、
    抽出された前記放射線のエネルギー形状からエネルギー形状の広がりを示す情報を取得する放射線エネルギー形状取得部と、
    前記放射線エネルギー形状取得部の出力と前記放射線エネルギー解析部の出力とから放射線応答情報記憶部に記憶されたデータに基づき前記線種を判定する放射線線種分析部と、を備えていることを特徴とする請求項4に記載の放射能分析装置。
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