JP2014215168A - 放射線測定装置、放射線測定方法及び放射線測定プログラム - Google Patents

放射線測定装置、放射線測定方法及び放射線測定プログラム Download PDF

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武志 添田
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貴司 山▲崎▼
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Abstract

【課題】高感度、高精度かつ即時的に放射線を測定できる放射線測定装置を実現する。
【解決手段】放射線測定装置を、蒸気を満たした空間内の測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡する追跡部10と、追跡部で追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別する選別部12と、選別部で選別した一の放射線の数をカウントするカウント部13と、カウント部で測定時間内にカウントされた一の放射線の数を測定時間で除算して一の放射線の線量率を算出する線量率算出部14とを備えるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線測定装置、放射線測定方法及び放射線測定プログラムに関する。
最近、原子力発電所などを含む環境中の放射線の影響、様々な物の放射線汚染度、耐放射線に対する関心が高まっている。
例えば、半導体デバイスの分野では、放射線の一種であるアルファ線が半導体チップの動作に影響を与える、いわゆるソフトエラーに対する対策が必要になっている。
このような関心に応じ、対策をとるためには、放射線を測定することが必要である。
例えば、放射線を測定するのに、アルファ線測定用ランドリモニタ、ガスフロー型比例計数装置、固体飛跡検出器などが用いられている。
国際公開第2006/035496号 特開平8−82680号公報 実用新案登録第3100601号公報
しかしながら、従来の放射線測定では、高感度、高精度かつ即時的に放射線を測定するのは難しい。
そこで、高感度、高精度かつ即時的に放射線を測定できるようにしたい。
本放射線測定装置は、蒸気を満たした空間内の測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡する追跡部と、追跡部で追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別する選別部と、選別部で選別した一の放射線の数をカウントするカウント部と、カウント部で測定時間内にカウントされた一の放射線の数を測定時間で除算して一の放射線の線量率を算出する線量率算出部とを備えることを要件とする。
本放射線測定方法は、コンピュータが、蒸気を満たした空間内の測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡し、追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別し、選別した一の放射線の数をカウントし、測定時間内にカウントされた一の放射線の数を測定時間で除算して一の放射線の線量率を算出する、処理を実行することを要件とする。
本放射線測定プログラムは、コンピュータに、蒸気を満たした空間内の測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡し、追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別し、選別した一の放射線の数をカウントし、測定時間内にカウントされた一の放射線の数を測定時間で除算して一の放射線の線量率を算出する、処理を実行させることを要件とする。
したがって、本放射線測定装置、放射線測定方法及び放射線測定プログラムによれば、高感度、高精度かつ即時的に放射線を測定できるという利点がある。
本実施形態にかかる放射線測定装置の機能構成を示すブロック図である。 本実施形態にかかる放射線測定装置を含む放射線測定システムの構成を示す模式図である。 本実施形態にかかる放射線測定装置のハードウェア構成を示す図である。 標準線源の飛程分布を示す図である。 (A)は、本実施形態にかかる放射線測定システムにおける2つのカメラの配置を示す模式図であり、(B)は、本実施形態にかかる放射線測定システムの変形例における2つのカメラの配置を示す模式図である。 本実施形態にかかる放射線測定装置における処理(放射線測定方法)を説明するためのフローチャートである。 (A)は、本実施形態にかかる放射線測定システムにおける第1カメラによって測定試料の表面及びその近傍を横方向から撮影した画像の経時変化を示す模式図であり、(B)は、第2カメラによって測定試料の表面及びその近傍を正面方向から撮影した画像の経時変化を示す模式図であり、(C)は発生分布テーブルを示す模式図である。 本実施形態にかかる放射線測定システムの変形例の構成を示す模式図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる放射線測定装置、放射線測定方法及び放射線測定プログラムについて、図1〜図8を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる放射線測定装置は、例えば放射線測定システムに備えられる。
本実施形態では、放射線測定システムは、図2に示すように、容器(チャンバ)1と、カメラ2、3と、放射線測定装置4とを備える。なお、放射線測定装置4を、放射線評価装置又は放射線検出装置ともいう。
ここで、容器1は、その内部に測定試料5を設置するためのものである。ここで、測定試料5としては、例えばLSIチップなどの半導体チップ(半導体デバイス)、鉄鋼、プラスチック製品、繊維製品などの工業製品及びこれらの製品を構成する無機素材又は有機素材、野菜や飲料などの食品、コンクリート、モルタル及び壁紙などを含む建材などを挙げることができる。なお、建材は、素材の状態で測定試料となるだけでなく、施工後でも測定試料となりうる。なお、測定試料を測定対象又は評価対象ともいう。
この容器1には、蒸気供給器6が取り付けられており、容器1内を、蒸気(例えばエタノール)を満たした空間にすることができるようになっている。ここでは、放射線測定時に、容器1内に測定試料5を設置し、蒸気供給器6によって容器1内に過飽和蒸気を満たして、容器1内を、蒸気を満たした空間とする。つまり、放射線測定時には、蒸気を満たした容器1内に測定試料5を設置する。ここで、容器1内を蒸気で満たすには、例えば過冷却など温度差、即ち、温度変化を利用して蒸気を生成しても良いし、超音波振動などの機械的振動による霧化を利用して蒸気を生成しても良い。つまり、蒸気供給器6としては、容器1内を冷却する装置を用いても良いし、容器1に超音波振動などの機械的振動を与える装置を用いても良い。このようにして容器1内を蒸気で満たすことで、大気中に存在する放射線(自然放射線)の線源濃度を減少させることが可能となる。また、容器1には、照明機器7も取り付けられており、放射線の飛跡が明瞭となるようにしている。
カメラ2、3は、蒸気を満たした空間内の測定試料5の表面及びその近傍を撮影して、その画像を取得するためのものである。そして、カメラ2、3は、放射線測定装置4に接続されており、カメラ2、3によって撮影された画像は、放射線測定装置4へ送られるようになっている。なお、カメラ2、3は、静止画を撮影するものであっても良いし、動画を撮影するものであっても良い。
本実施形態では、カメラとして、測定試料5の表面に平行な方向に沿って測定試料5に対して横方向から測定試料5の表面及びその近傍を撮影するための第1カメラ2と、測定試料5の表面に垂直な方向に沿って測定試料5に対して正面方向から測定試料5の表面及びその近傍を撮影するための第2カメラ3とを用いている。なお、第1カメラ2は、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡(即ち、測定試料5の表面から放出される放射線の飛跡)を追跡するために用いられるため、飛跡追跡用カメラともいう。また、第2カメラ3は、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡の発生位置を特定するために用いられるため、飛跡発生位置特定用カメラともいう。
放射線測定装置4は、カメラ2、3によって撮影された画像を用いて放射線を測定する装置である。ここで、放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線が含まれる。
まず、放射線測定装置4のハードウェア構成について、図3を参照しながら説明する。
本放射線測定装置は、コンピュータを用いて実現することができ、そのハードウェア構成は、例えば図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)102、メモリ101、通信制御部109、入力装置106、表示制御部103、表示装置104、記憶装置105、可搬型記録媒体108のドライブ装置107、カメラ制御部111、バッファメモリ112を備え、これらがバス110によって相互に接続された構成になっている。なお、本装置のハードウェア構成はこれに限られるものではない。
ここで、CPU102は、コンピュータ全体を制御するものであり、プログラムをメモリ101に読み出して実行し、放射線測定装置4に必要な処理を行なうものである。
メモリ101は、例えばRAMなどの主記憶装置であり、プログラムの実行、データの書き換え等を行なう際に、プログラム又はデータを一時的に格納するものである。
通信制御部109(通信インターフェース)は、例えばLANやインターネットなどのネットワークを介して、他の装置と通信するために用いられるものである。この通信制御部109は、コンピュータに元から組み込まれていても良いし、後からコンピュータに取り付けられたNIC(Network Interface Card)でも良い。
入力装置106は、例えば、タッチパネル、マウスなどのポインティングデバイス、キーボードなどである。
表示装置104は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置である。
表示制御部103は、例えば線量率や発生分布などを表示装置104に表示させるための制御を行なうものである。
本実施形態では、表示装置104の画面上には、例えば、カメラ2、3によって撮影された画像、測定時間(現時点の時刻−測定開始時刻)、線量率、発生分布(面内方向座標)などが表示される。ここで、カメラ2、3によって撮影された画像には、例えば、現時点の画像(モニタリング像)、現時点までを記録した一連の画像(記録像)、後述の飛跡を検出し、かつ、一の放射線が選別された場合の一連の画像、後述の飛跡を検出したが一の放射線が選別されなかった場合の一連の画像などを含む。このうち、現時点までを記録した一連の画像、後述の飛跡を検出し、かつ、一の放射線が選別された場合の一連の画像、後述の飛跡を検出したが一の放射線が選別されなかった場合の一連の画像は、常時表示する必要はなく、ユーザが要求した場合に表示させるようにすれば良い。また、現時点までを記録した一連の画像は、一定間隔(例えば1時間など)でファイル化しておくのが好ましい。また、後述の飛跡を検出し、かつ、一の放射線が選別された場合の一連の画像、後述の飛跡を検出したが一の放射線が選別されなかった場合の一連の画像は、それぞれをナンバリングしてファイル化しておくのが好ましい。
記憶装置105は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やSSDなどの補助記憶装置であり、各種のプログラム及び各種のデータが格納されている。本実施形態では、記憶装置105には、後述の放射線測定プログラムが格納されている。なお、メモリ101として、例えばROM(Read Only Memory)を備えるものとし、これに各種のプログラムや各種のデータを格納しておいても良い。
本実施形態では、記憶装置105には、カメラ2、3によって撮影された画像、測定開始時刻、飛跡終端検出時刻、測定終了時刻、測定時間(測定終了時刻−測定開始時刻)、算出された線量率、及び、発生分布などが記憶される。
ドライブ装置107は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク等の可搬型記録媒体108の記憶内容にアクセスするためのものである。
カメラ制御部111は、カメラ2、3に対する制御を行なうコントローラである。例えば、静止画を撮影するカメラ2、3を用いる場合、カメラ制御部111は、測定時間内に時刻毎に静止画を撮影(トリガ撮影)するようにカメラ2、3を制御する。また、例えば、動画を撮影するカメラ2、3を用いる場合、カメラ制御部111は、測定時間内に動画を撮影するようにカメラ2、3を制御する。また、本実施形態のように2つのカメラ2、3を用いる場合、カメラ制御部111は、2つのカメラ2、3が時間的に同期して撮影するように、2つのカメラ2、3を制御する。
バッファメモリ112は、カメラ2、3によって撮影された画像、即ち、測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を一時的に保持するものである。これをバッファ又は保持部ともいう。例えば、静止画を撮影するカメラ2、3を用いる場合、時刻毎に撮影された静止画が画像として取り込まれ、バッファメモリ112に一時的に保持される。そして、バッファメモリ112に一時的に保持された時刻毎の画像が取り出されて、後述の放射線測定処理に用いられるようになっている。また、例えば、動画を撮影するカメラ2、3を用いる場合、撮影された動画が取り込まれ、バッファメモリ112に一時的に保持される。そして、バッファメモリ112に一時的に保持された動画から時刻毎(フレーム毎)の画像が抽出されて、後述の放射線測定処理に用いられるようになっている。なお、カメラ2、3によって撮影された動画から時刻毎(フレーム毎)の画像を抽出してバッファメモリ112に一時的に保持するようにしても良い。
このようなハードウェア構成を備えるコンピュータにおいて、CPU102が、例えば記憶装置105に格納されている放射線測定プログラムをメモリ101に読み出して実行することで、後述の本放射線測定装置の各機能が実現される。
つまり、図1に示すように、本放射線測定装置4は、追跡部10と、判定部11と、選別部12と、カウント部13と、線量率算出部14と、特定部15と、発生分布作成部16と、消去部17とを備える。
なお、追跡部10及び判定部11を、動体検出器ともいう。また、選別部12、カウント部13、線量率算出部14、特定部15、発生分布作成部16及び消去部17を、信号処理器ともいう。
ここで、追跡部10は、カメラ(ここでは第1カメラ2)によって撮影された画像を取り込み、それを用いて、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡する。つまり、蒸気を満たした空間内の測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡する。
本実施形態では、カメラ(ここでは第1カメラ2)によって測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像のうち、第1時刻の画像と第1時刻よりも前の第2時刻の画像とを比較して、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡があるか否かを判定する判定部11を備える。
そして、追跡部10は、判定部11によって測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡があると判定された場合に、放射線の飛跡の追跡を開始するようになっている。なお、放射線測定装置4は、判定部11を備えないものとして構成することもできる。
選別部12は、追跡部10で追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別する。この結果、一の放射線が選別される場合と、一の放射線が選別されない場合とがある。
ここで、放射線種としては、アルファ線、ベータ線、ガンマ線がある。そして、アルファ線の飛跡は、太くて直線的で、長さが短い。つまり、アルファ線(例えば正の荷電を有するアルファ線)は、他の放射線と比較して、その飛跡が明瞭で太く、その分エネルギを失いやすいため、飛跡の長さ、即ち、飛程は、例えば数センチメートルと短い。これに対し、ベータ線やガンマ線(あるいは2次電子線)の飛跡は、細くて曲がっており(曲がる回数が多く)、長さが長い。このため、容器1内に各種の放射線が存在していたとしても、放射線の飛跡又は飛程に基づいて放射線種を区別でき、放射線種を選別することができる。特に、アルファ線とベータ線やガンマ線との区別は容易である。
また、上述のように、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡するようにしており、測定試料5の表面に始点位置がある放射線の飛跡を追跡しているため、測定試料5から放出される放射線と大気中に存在する放射線(自然放射線)とを区別することもできる。なお、測定試料5から放出される放射線を、材料由来の放射線ともいい、大気中に存在する放射線を、大気由来の放射線ともいう。
例えば、選別部12は、追跡部10で追跡した放射線の飛跡の長さ(飛程)を算出し、飛跡の長さ(飛程)に基づいて放射線種を選別することができる。特に、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡するため、この選別部12で、測定試料5から放出される放射線が選別されることになる。ここで、飛程は、飛跡の直線性が十分である場合には、飛跡の始点と終点の差分によって算出することができる。一方、飛跡の直線性が十分でない場合には、各時刻間の飛跡の長さを積算することによって飛程を算出することができる。
例えば、本放射線測定装置4を用いて、予め、各放射線の標準線源(線量が既知の放射線源;ここでは標準アルファ線源、標準ベータ線源、標準ガンマ線源)の飛程を算出し、これに基づいて閾値(測定環境中の閾値)を決めておき、この閾値を用いて、放射線種を選別するようにすれば良い。例えば、本放射線測定装置4を用いてアルファ線を測定する場合、本放射線測定装置4を用いて、予め標準アルファ線源の飛程を算出し、これに基づいて、図4に示すように、標準アルファ線源の飛程分布を求め、その最大飛程を閾値として決めておく。そして、追跡部10で追跡し、選別部12で算出した放射線の飛程が閾値以下である場合(算出された飛程が最大飛程と同等かそれよりも短い場合)に、アルファ線であると判定され、アルファ線が選別されることになる。一方、閾値を超えている場合(算出された飛程が最大飛程よりも長い場合)に、アルファ線でないと判定され、アルファ線が選別されないことになる。ここで、標準アルファ線源は、単位面積、単位時間、単位立体角当たりでアルファ線が放出される個数が決まっているものであって、例えばアメリシウムである。但し、これに限られるものではなく、アルファ線を放出するものを用いれば良い。なお、放出されるアルファ線の個数が少ない場合には、例えばガウス分布をフィッティングするなどして求めた最大飛程を閾値とすれば良い。
そして、選別部12によって一の放射線が選別された場合、バッファメモリ112に一時的に保持されている一連の画像、即ち、追跡部10で追跡し、選別部12で選別された一の放射線の飛跡を含む一連の画像を、飛跡を検出し、かつ、一の放射線が選別された画像として、記憶装置105に記憶させる。
カウント部13は、選別部12で選別した一の放射線の数をカウントする。つまり、放射線種を特定したら、カウント数(線量カウント数)を1つ増やして、カウント値を積算する。ここでは、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡したものを選別部12で選別するため、測定試料5から放出される放射線が選別され、これがカウントされることになる。
線量率算出部14は、測定終了後に、カウント部13で測定時間内にカウントされた一の放射線の数(カウント数;カウント値)を測定時間で除算して一の放射線の線量率を算出する。そして、線量率算出部14で算出した一の放射線の線量率は、表示装置104の画面上に表示される。これにより、一の放射線の線量率が可視化される。ここでは、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡したものを選別部12で選別し、カウント部13でカウントするため、測定試料5から放出される放射線の線量率が算出され、これが可視化されることになる。これにより、測定試料5から放出される放射線の線量率を常時モニタリングすることが可能となる。
特定部15は、カメラ(ここでは第2カメラ3)によって測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて、一の放射線の発生位置(座標)を特定する。ここでは、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡したものを選別部12で選別するため、測定試料5から放出される放射線が選別され、この測定試料5から放出される放射線の発生位置が特定されることになる。
発生分布作成部16は、特定部15で特定した一の放射線の発生位置に基づいて一の放射線の発生分布(発生位置情報)を作成する。つまり、発生分布作成部16は、特定された一の放射線の発生位置(座標)を発生分布テーブルに保持していくことで、特定された一の放射線の発生分布を作成する。ここでは、発生分布テーブルは、2次元配列であり、特定された一の放射線の面内発生位置(面内座標)がプロットされるようになっており、同じ位置にプロットされるとその数がカウントされるようになっている。そして、発生分布作成部16で作成された一の放射線の発生分布は、表示装置104の画面上に表示される。これにより、一の放射線の発生分布が可視化される。ここでは、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡し、選別部12で測定試料5から放出される放射線が選別され、その発生位置が特定部15で特定されるため、測定試料5から放出される放射線の発生分布が作成され、可視化されることになる。
なお、本実施形態では、放射線測定装置4を、特定部15と、発生分布作成部16とを備えるものとしているが、これらを備えないものとして構成することもできる。
消去部17は、判定部11によって測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡がないと判定された場合に、バッファメモリ112に保持されている画像のうち、前の時刻(第2時刻)の画像を消去する。これにより、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡がある画像のみが残されることになる。そして、バッファメモリ112に保持しておくデータ量を抑えることが可能となる。
また、消去部17は、選別部12によって一の放射線が選別されなかった場合に、バッファメモリ112に一時的に保持されている一連の画像、即ち、追跡部10で追跡した放射線の飛跡を含む一連の画像を消去する。これにより、バッファメモリ112に保持しておくデータ量を抑えることが可能となる。
なお、本実施形態では、放射線測定装置4を、消去部17を備えるものとしているが、これを備えないものとして構成することもできる。特に、測定精度の定量性や再現性の検証を行なう必要がある場合には、消去部17を設けないで、画像を消去せずに保持し、飛跡と関係なく、測定時間内に撮影された画像として、記憶装置105に記憶させ、また、飛跡を検出したが一の放射線が選別されなかった画像として、記憶装置105に記憶させる。
なお、本実施形態では、図5(A)に示すように、第1カメラ2によって測定試料5に対して横方向から測定試料5の表面及びその近傍を撮影し、第2カメラ3によって正面方向から測定試料5の表面及びその近傍を撮影している。このため、第1カメラ2によって撮影した画像を用いて放射線の飛跡を追跡する追跡部10と、第2カメラ3によって撮影した画像を用いて一の放射線の発生位置を特定する特定部15と、特定部15で特定した一の放射線の発生位置に基づいて一の放射線の発生分布を作成する発生分布作成部16とを備えるものとしている。しかしながら、これに限られるものではない。例えば、図5(B)に示すように、第1カメラ2及び第2カメラ3を、測定試料5に対して斜め方向(例えば測定試料5の表面の法線方向に対して±45度の方向)から測定試料5の表面及びその近傍を撮影するようにしても良い。そして、これらの第1カメラ2及び第2カメラ3によって撮影した画像を用いて、放射線の飛跡の追跡を行なうとともに、一の放射線の発生位置を特定し、これに基づいて一の放射線の発生分布(発生位置情報)を作成するようにしても良い。この場合、例えばステレオ技法などを用いれば良い。このように、カメラ2、3の位置関係は任意であり、測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて放射線の飛跡を追跡する追跡部10と、測定試料5の表面及びその近傍を異なる方向から撮影した少なくとも2つの画像を用いて、一の放射線の発生位置を特定する特定部15と、特定部15で特定した一の放射線の発生位置に基づいて一の放射線の発生分布を作成する発生分布作成部16とを備えるものとすれば良い。
次に、本実施形態の放射線測定装置4においてCPU102がメモリ101に読み込まれた放射線測定プログラムに従って実行する処理(放射線測定方法)について、図6、図7を参照しながら説明する。なお、放射線測定方法を、放射線評価方法又は放射線検出方法ともいう。
なお、本放射線測定装置4による測定開始前に、容器1内に測定試料5を設置し、容器1内に蒸気(例えばエタノール;過飽和蒸気)を満たして、容器1内を、蒸気を満たした空間としておく(図2参照)。これは、荷電粒子や放射線が蒸気に入射すると蒸気を構成する気体分子のイオン化が起こり、そのイオンを凝結核として飛跡が観測されるためである。
まず、放射線測定装置4は、測定を開始したら、カメラ制御部111によって、カメラ(ここでは第1カメラ2及び第2カメラ3)を制御し、それぞれの方向から測定試料5の表面及びその近傍を撮影する。例えば、静止画を撮影するカメラ2、3を用いる場合には、カメラ制御部111からカメラ2、3へ一定の時間間隔の各時刻にトリガパルスを出力することで、カメラ2、3が一定の時間間隔の時刻毎に測定試料5の表面及びその近傍を撮影するようになっている。
次に、放射線測定装置4は、カメラ(ここでは第1カメラ2及び第2カメラ3)によって撮影された画像、即ち、測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を取り込み、バッファメモリ112に一時的に保持(ストア)する。例えば、静止画を撮影するカメラ1、3を用いる場合には、一定の時間間隔の時刻毎に撮影された画像がバッファメモリ112に一時的に保持されることになる。また、例えば、動画を撮影するカメラ2、3を用いる場合には、撮影された動画又は撮影された動画から時刻毎(フレーム毎)に抽出した画像が、バッファメモリ112に一時的に保持されることになる。
次に、放射線測定装置4は、図6に示すように、判定部11によって、カメラ(ここでは第1カメラ2)によって測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像のうち、第1時刻の画像と第1時刻よりも前の第2時刻の画像とを比較して、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡があるか否かを判定する(ステップS10)。なお、図6に示す処理は時刻毎に実行される。つまり、時刻毎に新たな画像を取り込む毎に図6に示す処理が実行される。
例えば、今回時刻の画像と前回時刻の画像とを比較して、即ち、時間差Δtのある2枚の画像を比較して、測定試料5の表面から延びる飛跡があるか否かの判定、即ち、測定試料5の表面から延びる飛跡の検出を行なう。ここでは、測定試料5の表面から延びる飛跡があるか否かは、2枚の画像に有意差があって、かつ、その始点が測定試料5の表面であるか否かによって判定する。なお、例えば、静止画を撮影するカメラ2、3を用いる場合には、時刻毎に撮影された画像をバッファメモリ112から取り出して用いれば良い。また、例えば、動画を撮影するカメラ2、3を用いる場合には、動画から時刻毎(フレーム毎)に抽出された画像をバッファメモリ112から取り出して用いれば良い。
この結果、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡があると判定された場合、追跡部10による放射線の飛跡の追跡を開始し、カメラ(ここでは第1カメラ2)によって測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡する(ステップS20)。例えば、今回時刻の画像と前回時刻の画像とを比較して、これらの画像に有意差があり、かつ、その始点が測定試料5の表面である場合、それは飛跡であるとして、追跡部10によってその飛跡を追跡する。なお、図6中、ステップS20における処理はサブルーチンとして実行される。
一方、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡がないと判定された場合、消去部17によって、バッファメモリ112に保持されている画像のうち、前の画像(第2時刻)の画像を消去して(ステップS120)、今回時刻の処理を終了する。例えば、今回時刻の画像と前回時刻の画像とを比較して、これらの画像に有意差がない、又は、有意差があるがその始点が測定試料5の表面でない場合、消去部17によって、バッファメモリ112から前回時刻の画像を消去する。これにより、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡がある画像のみが残されることになる。
ここで、図7(A)は、カメラ(ここでは第1カメラ2)によって測定試料5の表面及びその近傍を横方向から撮影した一連の画像であって、測定試料5の表面に飛跡が生じ、延びていき、消失するまでの経時変化を示している。ここでは、図7(A)中、左側から右側へ向けて、一定の時間間隔Δtで各時刻に撮影された画像を示している。なお、図7(A)中、符号Xは、カメラ2の視野、即ち、カメラ2によって撮影された画像を示している。
まず、ある時刻に撮影された画像(初期像;図7(A)中、最も左側の画像)とその次の時刻に撮影された画像(図7(A)中、左から2番目の画像)とを比較し、これらの画像に有意差があって、かつ、その始点が測定試料5の表面であるか否か、即ち、測定試料5の表面から延びる飛跡があるか否かを判定する。例えば、この有意差があるか否かの判定(有意差の検出)は、2枚の画像の強度(2次元強度)の差分又は輪郭強度の差分、あるいは、2枚の画像から抽出された特徴成分(特徴量)の差分を利用すれば良い。
この結果、これらの2つの画像に有意差があって、かつ、その始点が測定試料5の表面である、即ち、測定試料5の表面から延びる飛跡があると判定され、追跡部10による飛跡の追跡(トラッキング)を開始する。つまり、追跡部10は、それ以降の時刻に撮影された画像を用いて、その飛跡を追跡する。
ここでは、次の時刻に撮影された画像(図7(A)中、左側から3番目の画像)、その次の時刻に撮影された画像(図7(A)中、左側から4番目の画像)で、上述のようにして検出された飛跡は延びていき、それ以降の時刻に撮影された画像(図7(A)中、左側から5番目の画像から最も右側の画像までの3つの画像)で、エネルギを消失して、だんだん薄くなって(即ち、強度が小さくなって)、消失する。
この場合、追跡部10は、図7(A)中、最も右側の画像のように飛跡が消失するまで、飛跡を追跡する。そして、図7(A)中、左側から4番目の画像と図7(A)中、左側から5番目の画像とを比較したときに、追跡してきた飛跡が延びていないと判定し、図7(A)中、左側から4番目の画像の中の飛跡の終端位置を飛跡の終点位置として検出(特定)する。そして、図7(A)中、左側から4番目の画像が撮影された時刻tを、飛跡終端検出時刻として、記憶装置105に記憶させる。なお、ここでは、飛跡が消失するまで飛跡の追跡を行なうようにしているが、飛跡の終端位置が検出されたら、飛跡の追跡を終了するようにしても良い。この場合、飛跡終端検出時刻は追跡終了時刻(トラッキング終了時刻)となる。
なお、本実施形態では、測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡があるか否かを判定し、この判定の結果に応じて、追跡部10による放射線の飛跡の追跡を開始したり、バッファメモリ112に保持されている前の時刻(第2時刻)の画像を消去したりするようにしているが、これらの処理は行なわなくても良い。つまり、第1カメラ2によって測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡すれば良い。また、バッファメモリ112に保持されている画像を消去しなくても良い。特に、測定精度の定量性や再現性の検証を行なう必要がある場合には、画像を消去せずに保持し、飛跡と関係なく、測定時間内に撮影された画像として、記憶装置105に記憶させる。
このような追跡部10による追跡が終了したら、放射線測定装置4は、選別部12によって、追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別する(ステップS30)。この結果、一の放射線が選別される場合と、一の放射線が選別されない場合とがある。
本実施形態では、選別部12は、追跡部10で追跡した放射線の飛跡の長さ(飛程)を算出する。つまり、本実施形態では、図7(A)中、左側から2番目の画像の中の飛跡の始点位置と、図7(A)中、左側から4番目の画像の中の飛跡の終点位置とを用いて、測定試料5の表面から延びる飛跡の長さ、即ち、飛程を算出する。
そして、選別部12は、このようにして算出した飛跡の長さ(飛程)に基づいて放射線種を選別する。
例えば、本放射線測定装置4を用いて、予め各放射線の標準線源(ここでは標準アルファ線源、標準ベータ線源、標準ガンマ線源)の飛程を算出し、これに基づいて閾値(測定環境中の閾値)を決めておき、この閾値を用いて、放射線種を選別するようにすれば良い。
このうち、本放射線測定装置4を用いてアルファ線を測定する場合、本放射線測定装置4を用いて、予め標準アルファ線源の飛程を算出し、これに基づいて、図4に示すように、標準アルファ線源の飛程分布を求め、その最大飛程を閾値として決めておく。そして、追跡部10で追跡し、選別部12で算出した放射線の飛程が閾値以下である場合(算出された飛程が最大飛程と同等かそれよりも短い場合)に、アルファ線であると判定され、アルファ線が選別されることになる。一方、閾値を超えている場合(算出された飛程が最大飛程よりも長い場合)に、アルファ線でないと判定され、アルファ線が選別されないことになる。
そして、選別部12によって一の放射線が選別されたか否かを判定し(ステップS40)、この結果、選別部12によって一の放射線が選別されたと判定した場合は、バッファメモリ112に一時的に保持されている一連の画像、即ち、追跡部10で追跡し、選別部12で選別された一の放射線の飛跡を含む一連の画像を、飛跡を検出し、かつ、一の放射線が選別された画像として、記憶装置105に記憶させる(ステップS50)。
一方、選別部12によって一の放射線が選別されなかったと判定した場合は、消去部17によって、バッファメモリ112に一時的に保持されている一連の画像、即ち、追跡部10で追跡した放射線の飛跡を含む一連の画像を消去し(ステップS60)、今回時刻の処理を終了する。但し、測定精度の定量性や再現性の検証を行なう必要がある場合には、画像を消去せずに保持し、飛跡を検出したが一の放射線が選別されなかった画像として、記憶装置105に記憶させる。
次に、放射線測定装置4は、カウント部13によって、選別した一の放射線の数をカウントする(ステップS70)。つまり、放射線種を特定したら、カウント数(線量カウント数)を1つ増やして、カウント値を積算する。ここでは、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡したものを選別部12で選別するため、測定試料5から放出される放射線が選別され、これがカウントされることになる。例えば、本放射線測定装置4を用いてアルファ線を測定する場合、選別部12によってアルファ線であると判定され、アルファ線が選別された場合に、カウント部13によって、アルファ線の数をカウントする。
次に、放射線測定装置4は、特定部15によって、カメラ(ここでは第2カメラ3)によって測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて選別した一の放射線の発生位置(座標)を特定する(ステップS80)。ここでは、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡したものを選別部12で選別するため、測定試料5から放出される放射線が選別され、この測定試料5から放出される放射線の発生位置が特定されることになる。本実施形態では、上述のように、図7(A)中、左側から4番目の画像が撮影された時刻tが、飛跡終端検出時刻として、記憶装置105に記憶されている。また、カメラ(ここでは第2カメラ3)によって、一定の時間間隔Δtで時刻毎に、測定試料5の表面及びその近傍を正面方向から撮影した画像は、図7(B)に示すように、バッファメモリ112に保持されている。このため、上述の時刻tを用いて、バッファメモリ112から、時刻tにカメラ(ここでは第2カメラ3)によって測定試料5の表面及びその近傍を正面方向から撮影した画像(図7(B)中、左側から4番目の画像)を読み出す。そして、この画像を用いて、上述のようにして選別した一の放射線の発生位置を特定(検出)する。
なお、ここでは、カメラ(ここでは第2カメラ3)による正面方向からの撮影を常時行ない、撮影された画像をバッファメモリ112に保持するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、カメラ(ここでは第1カメラ2)によって横方向から撮影された画像を用いて、上述のようにして飛跡が検出されたら、カメラ(ここでは第2カメラ3)によって正面方向から撮影された画像をバッファメモリ112に一時的に保持するのを開始しても良い。この場合、カメラ(ここでは第2カメラ3)による正面方向からの撮影は常時行なっていても良いし、上述のようにして飛跡が検出されたら撮影を開始するようにしても良い。また、カメラ(ここでは第2カメラ3)によって撮影され、バッファメモリ112に一時的に保持されている画像は、カメラ(ここでは第1カメラ2)によって撮影された画像が消去される際に、対応する画像を同時に消去するようにし、カメラ(ここでは第1カメラ2)によって撮影された画像を記憶装置105に記憶させる際に、対応する画像を同時に記憶装置105に記憶させるようにすれば良い。
そして、放射線測定装置4は、特定された一の放射線の発生位置(座標)を発生分布テーブルに保持する(ステップS90)。ここでは、図7(C)に示すように、発生分布テーブルは、2次元配列であり、特定された一の放射線の面内発生位置(面内座標)がプロットされるようになっており、同じ位置にプロットされるとその数がカウントされるようになっている。つまり、特定された一の放射線の発生位置を、2次元配列上の該当位置にプロットすると、該当位置のカウント数が1つ増やされることになる。この処理が測定時間内に繰り返されることで、特定された一の放射線の発生分布(面内分布)が作成される。つまり、放射線測定装置4は、発生分布作成部16によって、特定部15によって特定した一の放射線の発生位置に基づいて一の放射線の発生分布を作成する。ここでは、この発生分布は、それぞれの位置から放出された放射線の数についての情報も含むものとなる。そして、作成した一の放射線の発生分布を、表示装置104の画面上に表示させる。これにより、一の放射線の発生分布が可視化される。ここでは、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡し、選別部12で測定試料5から放出される放射線が選別され、その発生位置が特定部15で特定されるため、測定試料5から放出される放射線の発生分布が作成され、可視化されることになる。
なお、本実施形態では、選別した一の放射線の発生位置を特定し、特定部15によって特定した一の放射線の発生位置に基づいて一の放射線の発生分布を作成するようにしているが、これらの処理は行なわなくても良い。
その後、放射線測定装置4は、測定を継続するか否かを判定し(ステップS100)、測定を継続すると判定した場合にはステップS10へ戻って、同様の処理を繰り返す。
一方、測定を継続しないと判定した場合、即ち、測定を終了した場合、ステップS110へ進み、放射線測定装置4は、線量率算出部14によって、カウント部13によって測定時間内にカウントされた一の放射線の数(カウント数;カウント値)を測定時間で除算して一の放射線の線量率を算出する。そして、算出した一の放射線の線量率を、表示装置104の画面上に表示させる。これにより、一の放射線の線量率が可視化される。ここでは、追跡部10で測定試料5の表面から延びる放射線の飛跡を追跡したものを選別部12で選別し、カウント部13でカウントするため、測定試料5から放出される放射線の線量率が算出され、これが可視化されることになる。これにより、測定試料5から放出される放射線の線量率を常時モニタリングすることが可能となる。なお、測定時間はユーザが任意の時間に設定すれば良い。
なお、本実施形態では、第1カメラ2によって測定試料5に対して横方向から測定試料5の表面及びその近傍を撮影し、第2カメラ3によって正面方向から測定試料5の表面及びその近傍を撮影しているため、第1カメラ2によって撮影した画像を用いて放射線の飛跡を追跡し、第2カメラ3によって撮影した画像を用いて一の放射線の発生位置を特定し、特定した一の放射線の発生位置に基づいて一の放射線の発生分布を作成するようにしているが、これに限られるものではない。
例えば、図5(B)に示すように、第1カメラ2及び第2カメラ3を、測定試料5に対して斜め方向(例えば測定試料の表面の法線方向に対して±45度の方向)から測定試料5の表面及びその近傍を撮影するようにし、これらの第1カメラ2及び第2カメラ3によって撮影した画像を用いて、放射線の飛跡の追跡を行なうとともに、一の放射線の発生位置を特定し、これに基づいて一の放射線の発生分布(発生位置情報)を作成するようにしても良い。このように、カメラ2、3の位置関係は任意であり、測定試料5の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて放射線の飛跡を追跡し、測定試料5の表面及びその近傍を異なる方向から撮影した少なくとも2つの画像を用いて、一の放射線の発生位置を特定し、特定した一の放射線の発生位置に基づいて一の放射線の発生分布を作成するようにすれば良い。
また、例えば、測定試料5から放出される放射線の線量率を算出することができれば良く、その発生分布は必要ない場合には、第2カメラ3を設けずに、第1カメラ2のみを設けるだけでも良い。
なお、上述の実施形態では、容器1内に測定試料5を設置し、容器1内を蒸気で満たすようにしているが、これに限られるものではなく、蒸気を満たした空間内に測定試料5があれば良い。
例えば、測定試料5が容器1の中に収納できる場合には、上述の実施形態のようにして放射線測定を行なうことができるのに対し、例えば施工後の建材(例えば建屋内の内壁など)などの場合には、容器1の中に測定試料5を収納することができない。
この場合、次の2つの方法によって放射線測定を行なうことができる。
つまり、例えば、比較的小さい空間である場合には、その空間内に蒸気を満たし、上述の実施形態の場合と同様に、放射線測定を行なうことができる。
一方、比較的大きい空間である場合には、例えば図8に示すように、一つの面が開口部1Aになっている容器1を測定試料5に密着させ、容器1内を蒸気で満たし、上述の実施形態の場合と同様に、放射線測定を行なうことができる。
したがって、本実施形態にかかる放射線測定装置及び放射線測定方法によれば、高感度、高精度かつ即時的に放射線を測定できるという利点がある。
ところで、上述のような放射線測定装置及び放射線測定方法は、特に、測定試料5がLSIチップなどの半導体チップ(半導体デバイス)であって、放射線としてアルファ線(特に低線量アルファ線)を測定するのに用いるのが好ましい。なお、この場合、放射線測定装置4をアルファ線測定装置といい、このアルファ線測定装置4を備える放射線測定システムをアルファ線測定システムという。
これは以下の理由による。
ソフトエラーは、放射線がLSIチップなどの半導体デバイス中のトランジスタ近傍を通過することで発生する電荷が原因で、半導体デバイス中のメモリや論理回路が一次的に誤動作する現象である。このソフトエラーが発生しても直ちに半導体デバイスの故障には至らないが、データが書き換わるため、高信頼性が要求されるコンピュータの中枢でこのエラーが発生すると、その影響は甚大となる。
デバイスサイズが大きいとエラーの発生頻度が低いため、従来は人工衛星や宇宙ステーション向けの半導体デバイスを除きそれほど問題はなかったが、近年、半導体デバイスの微細化に伴い、微小な電荷の移動や電圧変動が民生用半導体デバイスでも問題視されるようになってきた。
ソフトエラーを起こす放射線種は実質的にアルファ線に限られ、アルファ線の発生経路は、以下に示す2系統に大別できる。
一つは、デバイス材料にアルファ線源が含まれる場合であり、もう一つは、大気中の中性子がデバイス材料と反応してアルファ線を生成する、いわゆる(n,α)反応を起こす場合である。
前者は、主に設計段階、特に材料選定時に問題となる。ソフトエラーの発生頻度は、材料が含有するアルファ線源の濃度が低い材料ほど減少する。
一方、後者は、製造後に問題となる。例えば、エッチングガスに混入したホウ素−10が仮にデバイス内に残留した場合、自然中性子線の入射により(n,α)反応が起こり、ソフトエラーが発生するおそれがある。
どちらの場合もソフトエラーの発生頻度を評価するには、材料ないしデバイスから放出されるアルファ線をモニタリングする必要がある。
アルファ線のモニタリングには、主にガスフロー型比例計数装置や固体飛跡検出器が用いられる。
ガスフロー型比例計数装置は、封入ガスの電離を利用するもので、汎用性が広く、実用的であるが、検出下限が1×10−3cph/cm(cph:count per hour)と比較的高く、例えば線量率が1×10−4cph/cmの低アルファ線放出材料は評価できない。
一方、固体飛跡検出器は、アルファ線由来のキズ(ピット)を計数するもので、ガスフロー型比例計数装置よりも検出下限が低く、高感度である。しかし、この固体飛跡検出器を用いる場合にも次のような課題がある。第1に、検出効率が悪いため、計測に月レベルの長時間を要し、即時的に線量や分布を評価できない。第2に、アルファ線以外にも感度があり、それらの区別が困難である。第3に、低アルファ線放出材料(1×10−4cph/cm)に比べ、大気中のアルファ線放出量(約10cph/cm)が大きく、検出装置の搬送工程やエッチング工程など大気中での作業が定量精度に影響を及ぼす。そして、第4に、エッチングの再現性やエッチピット計数の精度がオペレータの取扱に依存しやすいうえ、検証するすべがないことが挙げられる。
このため、材料由来、即ち、測定試料由来のアルファ線のみを選別し、当該アルファ線の線量率、さらには、当該アルファ線の発生分布を、高感度、高精度かつ即時的に測定できるようにしたい。
これは、上述の実施形態の放射線測定装置4及び放射線測定方法を用いることで実現することができる。
つまり、上述の実施形態の放射線測定装置4及び放射線測定方法を用いることで、上述のガスフロー型比例計数装置の感度の低さと、固体飛跡検出器を用いる場合のスループット性の低さを補うことができる。また、上述の実施形態の放射線測定装置4及び放射線測定方法は、線量に関わらず放射線を1本単位で可視化できるので、感度はガスフロー型比例計数装置より良く、固体飛跡検出器を用いる場合と同等に低アルファ線放出材料を評価できる。さらに、スループット性は固体飛跡検出器を用いる場合よりも著しく向上する。固体飛跡検出器では試験中に線量評価ができないため、数か月のランニング試験(低アルファ線放出材料の典型的な評価時間は3か月)が必要となるが、上述の実施形態の放射線測定装置4及び放射線測定方法では、例えば数日に短縮できる。さらに、上述の実施形態の放射線測定装置4及び放射線測定方法では、常時モニタリングすることができるため、即ち、常時線量率の算出及び表示を行なうことができるため、例えば定性的な傾向解析を目的とする場合あるいは統計処理を含む定量測定を目的とする場合など、ユーザの目的に合わせて、任意の時刻で測定(試験)を中断でき、また、再開もでき、これも大きな利点である。このようなことは固体飛跡検出器を用いる場合には行なえない。さらに、上述の実施形態の放射線測定装置4及び放射線測定方法では、固体飛跡検出器を用いる場合に必須となるエッチング工程がないため、工数が減るとともに、ヒューマンエラーの要因がなくなる。さらに、固体飛跡検出器を用いる場合と異なり、上述の実施形態の放射線測定装置4及び放射線測定方法では、材料由来のアルファ線のみを測定することができるため、測定結果において、自然放射線ならびに材料由来の他の放射線の影響を考慮する必要がなくなる。
したがって、上述の実施形態の放射線測定装置4及び放射線測定方法は、測定試料5がLSIチップなどの半導体デバイスであって、放射線としてアルファ線(特に低線量アルファ線)を測定するのに用いるのが好ましい。
特に、上述の実施形態の放射線測定装置4及び放射線測定方法を用いることで、測定精度の定量性や再現性の検証も可能になる。つまり、測定精度の定量性や再現性の検証を行なう場合には、飛跡とは関係なく測定時間内に撮影された画像、飛跡を検出したが一の放射線が選別されなかった画像、飛跡を検出し、かつ、一の放射線が選別された画像を記憶装置105に記憶させておき、これらの画像を用いて、飛跡は正しく検出されて数え落としがないか、あるいは、検出された飛跡が正しく、かつ、一の放射線が選別されたか等を検証することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、放射線測定装置4を、コンピュータに放射線測定プログラムをインストールしたものとして構成しているが、上述の実施形態における処理をコンピュータに実行させる放射線測定プログラム(上述のような機能をコンピュータに実現させるための放射線測定プログラム)は、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納した状態で提供される場合もある。
ここで、記録媒体には、例えば半導体メモリなどのメモリ,磁気ディスク,光ディスク[例えばCD(Compact Disc)−ROM,DVD(Digital Versatile Disk),ブルーレイディスク等],光磁気ディスク(MO:Magneto optical Disc)等のプログラムを記録することができるものが含まれる。なお、磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等を可搬型記録媒体ともいう。
この場合、ドライブ装置を介して、可搬型記録媒体から放射線測定プログラムを読み出し、読み出された放射線測定プログラムを記憶装置にインストールすることになる。これにより、上述の実施形態で説明した放射線測定装置4及び放射線測定方法が実現され、上述の実施形態の場合と同様に、記憶装置にインストールされた放射線測定プログラムを、CPUがメインメモリ上に読み出して実行することで、上述の実施形態の各処理が行なわれることになる。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
また、上述の実施形態における処理をコンピュータに実行させる放射線測定プログラムは、例えば伝送媒体としてのネットワーク(例えばインターネット,公衆回線や専用回線等の通信回線等)を介して提供される場合もある。
例えば、プログラム提供者が例えばサーバなどの他のコンピュータ上で提供している放射線測定プログラムを、例えばインターネットやLAN等のネットワーク及び通信インタフェースを介して、記憶装置にインストールしても良い。これにより、上述の実施形態で説明した放射線測定装置4及び放射線測定方法が実現され、上述の実施形態の場合と同様に、記憶装置にインストールされた放射線測定プログラムを、CPUがメインメモリ上に読み出して実行することで、上述の実施形態の各処理が行なわれることになる。なお、コンピュータは、例えばサーバなどの他のコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
以下、上述の実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
蒸気を満たした空間内の測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡する追跡部と、
前記追跡部で追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別する選別部と、
前記選別部で選別した一の放射線の数をカウントするカウント部と、
前記カウント部で測定時間内にカウントされた前記一の放射線の数を前記測定時間で除算して前記一の放射線の線量率を算出する線量率算出部とを備えることを特徴とする放射線測定装置。
(付記2)
前記測定試料の表面及びその近傍を異なる方向から撮影した少なくとも2つの画像を用いて、前記一の放射線の発生位置を特定する特定部と、
前記特定部で特定した前記一の放射線の発生位置に基づいて前記一の放射線の発生分布を作成する発生分布作成部とを備えることを特徴とする、付記1に記載の放射線測定装置。
(付記3)
前記選別部は、前記追跡部で追跡した放射線の飛跡の長さを算出し、前記飛跡の長さに基づいてアルファ線を選別することを特徴する、付記1又は2に記載の放射線測定装置。
(付記4)
前記測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像のうち、第1時刻の画像と前記第1時刻よりも前の第2時刻の画像とを比較して、前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡があるか否かを判定する判定部を備え、
前記追跡部は、前記判定部によって前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡があると判定された場合に、前記放射線の飛跡の追跡を開始することを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の放射線測定装置。
(付記5)
前記測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を一時的に保持する保持部と、
前記判定部によって前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡がないと判定された場合に、前記保持部に保持されている前記画像のうち、前記第2時刻の画像を消去する消去部とを備えることを特徴とする、付記4に記載の放射線測定装置。
(付記6)
コンピュータが、
蒸気を満たした空間内の測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡し、
前記追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別し、
前記選別した一の放射線の数をカウントし、
測定時間内にカウントされた前記一の放射線の数を前記測定時間で除算して前記一の放射線の線量率を算出する、処理を実行することを特徴とする放射線測定方法。
(付記7)
前記コンピュータが、
前記測定試料の表面及びその近傍を異なる方向から撮影した少なくとも2つの画像を用いて、前記一の放射線の発生位置を特定し、
前記特定した前記一の放射線の発生位置に基づいて前記一の放射線の発生分布を作成する、処理を実行することを特徴とする、付記6に記載の放射線測定方法。
(付記8)
前記選別処理において、前記追跡した放射線の飛跡の長さを算出し、前記飛跡の長さに基づいてアルファ線を選別する処理を前記コンピュータが実行することを特徴する、付記6又は7に記載の放射線測定方法。
(付記9)
前記コンピュータが、前記測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像のうち、第1時刻の画像と前記第1時刻よりも前の第2時刻の画像とを比較して、前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡があるか否かを判定する処理を実行し、
前記判定処理において、前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡があると判定された場合に、前記追跡処理において、前記放射線の飛跡の追跡を開始する処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記6〜8のいずれか1項に記載の放射線測定方法。
(付記10)
前記コンピュータが、
前記測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を保持部に一時的に保持し、
前記判定処理において、前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡がないと判定された場合に、前記保持部に保持されている前記画像のうち、前記第2時刻の画像を消去する、処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする、付記9に記載の放射線測定方法。
(付記11)
コンピュータに、
蒸気を満たした空間内の測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡し、
前記追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別し、
前記選別した一の放射線の数をカウントし、
測定時間内にカウントされた前記一の放射線の数を前記測定時間で除算して前記一の放射線の線量率を算出する、処理を実行させることを特徴とする放射線測定プログラム。
(付記12)
前記コンピュータに、
前記測定試料の表面及びその近傍を異なる方向から撮影した少なくとも2つの画像を用いて、前記一の放射線の発生位置を特定し、
前記特定した前記一の放射線の発生位置に基づいて前記一の放射線の発生分布を作成する、処理を実行させることを特徴とする、付記11に記載の放射線測定プログラム。
(付記13)
前記選別処理において、前記追跡した放射線の飛跡の長さを算出し、前記飛跡の長さに基づいてアルファ線を選別する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴する、付記11又は12に記載の放射線測定プログラム。
(付記14)
前記コンピュータに、前記測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像のうち、第1時刻の画像と前記第1時刻よりも前の第2時刻の画像とを比較して、前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡があるか否かを判定する処理を実行させ、
前記判定処理において、前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡があると判定された場合に、前記追跡処理において、前記放射線の飛跡の追跡を開始する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記11〜13のいずれか1項に記載の放射線測定プログラム。
(付記15)
前記コンピュータに、
前記測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を保持部に一時的に保持し、
前記判定処理において、前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡がないと判定された場合に、前記保持部に保持されている前記画像のうち、前記第2時刻の画像を消去する、処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、付記14に記載の放射線測定プログラム。
1 容器(チャンバ)
1A 開口部
2 カメラ(第1カメラ)
3 カメラ(第2カメラ)
4 放射線測定装置
5 測定試料
6 蒸気供給器
7 照明機器
10 追跡部
11 判定部
12 選別部
13 カウント部
14 線量率算出部
15 特定部
16 発生分布作成部
17 消去部
101 メモリ
102 CPU
103 表示制御部
104 表示装置
105 記憶装置
106 入力装置
107 ドライブ装置
108 可搬型記録媒体
109 通信制御部
110 バス
111 カメラ制御部
112 バッファメモリ

Claims (5)

  1. 蒸気を満たした空間内の測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡する追跡部と、
    前記追跡部で追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別する選別部と、
    前記選別部で選別した一の放射線の数をカウントするカウント部と、
    前記カウント部で測定時間内にカウントされた前記一の放射線の数を前記測定時間で除算して前記一の放射線の線量率を算出する線量率算出部とを備えることを特徴とする放射線測定装置。
  2. 前記測定試料の表面及びその近傍を異なる方向から撮影した少なくとも2つの画像を用いて、前記一の放射線の発生位置を特定する特定部と、
    前記特定部で特定した前記一の放射線の発生位置に基づいて前記一の放射線の発生分布を作成する発生分布作成部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の放射線測定装置。
  3. 前記選別部は、前記追跡部で追跡した放射線の飛跡の長さを算出し、前記飛跡の長さに基づいてアルファ線を選別することを特徴する、請求項1又は2に記載の放射線測定装置。
  4. コンピュータが、
    蒸気を満たした空間内の測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡し、
    前記追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別し、
    前記選別した一の放射線の数をカウントし、
    測定時間内にカウントされた前記一の放射線の数を前記測定時間で除算して前記一の放射線の線量率を算出する、処理を実行することを特徴とする放射線測定方法。
  5. コンピュータに、
    蒸気を満たした空間内の測定試料の表面及びその近傍を撮影した画像を用いて前記測定試料の表面から延びる放射線の飛跡を追跡し、
    前記追跡した放射線の飛跡に基づいて放射線種を選別し、
    前記選別した一の放射線の数をカウントし、
    測定時間内にカウントされた前記一の放射線の数を前記測定時間で除算して前記一の放射線の線量率を算出する、処理を実行させることを特徴とする放射線測定プログラム。
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