JP7416414B2 - フジツボの養殖基板及びフジツボの養殖方法 - Google Patents

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Description

本発明は、海洋生物の一種であるフジツボの養殖技術に関する。
フジツボは、船底に付着して、船速を低下させることから、邪魔物と言われてきた。
しかし、近年、フジツボは、珍味であることから、食用に供されるようになってきた。
食用であれば、養殖による増産が望まれる。
そこで、従来、フジツボの養殖方法が各種提案されてきた(例えば、特許文献1(図1、図4)参照)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図17は従来のフジツボの養殖基板を説明する図及びフジツボの成体の断面図である。
図17(a)に示すように、100mm×200mm×2mmの大きさの樹脂製の養殖基板100が準備される。養殖基板100には、1辺40mmとなる正三角形の頂点に養生点101が設定され、正三角形が複数個連ねられ、合計10カ所の養生点101が設けられている。
これらの養生点101にフジツボの幼生が着床する。着床した幼生は成長して成体となる。
図17(b)に示すように、十分な大きさに成長したフジツボの成体102が養殖基板100に張り付いている。フジツボの成体102を収穫するときには、養殖基板100を捩じるか湾曲させる(特許文献1、段落0022第1行~第2行)。すると、フジツボの成体102が養殖基板100から脱落する。これで1個ずつのフジツボの成体102が得られる。
特許文献1の技術によれば、1枚の養殖基板100で、最大10個のフジツボの成体102が得られ、収穫数が多い養殖が可能となる。
一方、特許文献1の技術には、次に述べる問題点がある。
第1に、養殖基板100を捩じるか湾曲させるという脱落作業が必須となる。一度の捩じりや湾曲化で10個のフジツボの成体102の全てが脱落することは稀である。結果、複数回ねじり又は湾曲化を行う。
このような脱落作業は、短時間(又は、少ない回数)であれば問題とはならないが、長時間(又は、多数回)となると指、手首、腕に負担がかかる。養殖業者の負担を考慮すると肉体的負担の軽減が求められる。
第2に、フジツボの成体102は、底面が大事である。底面に傷がつくと壊死するなどして商品価値が下がる。そこで、フジツボの成体102の底面の傷つきを防止する必要がある。
したがって、養殖業者の肉体的負担が軽減され且つフジツボの成体の底面を傷つけないような養殖技術が、望まれる。
特許第4813608号公報
本発明は、養殖業者の肉体的負担が軽減され且つフジツボの成体の底面を傷つけないような養殖技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、フジツボの1成体に対応した大きさの平板と、一平面上に並べられた複数の前記平板を囲う支持枠と、隣り合う前記平板同士を連結する第1連結部と、前記支持枠とこの支持枠に近い前記平板とを連結する第2連結部とからなる平板状のフジツボの養殖基板であって、
前記第1連結部及び前記第2連結部は、全体又は一部が複数回折り曲げると破断する太さの脆弱部であることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のフジツボの養殖基板であって、
このフジツボの養殖基板は、複数枚が折り曲げ可能な第3連結部で、繋がれており、前記複数枚が折り畳み可能若しくは巻回可能とされていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載のフジツボの養殖基板であって、
前記平板は、中央に、フジツボの幼生を着床させる幼生着床部を備え、
この幼生着床部は、第1起立壁及びこの第1起立壁に直交する第2起立壁とからなることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3記載のフジツボの養殖基板であって、
前記平板は、前記第1起立壁及び前記第2起立壁を囲う周壁を更に備えていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4記載のフジツボの養殖基板であって、
前記周壁は、高さが前記第1起立壁及び前記第2起立壁よりも低いことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、フジツボの1成体に対応した大きさの平板からなるフジツボの養殖基板であって、
前記平板は、中央に、フジツボの幼生を着床させる幼生着床部を備え、
この幼生着床部は、第1起立壁及びこの第1起立壁に直交する第2起立壁とからなり、
前記平板は、前記第1起立壁及び前記第2起立壁を囲う周壁を更に備えていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1記載のフジツボの養殖基板又は請求項2記載のフジツボの養殖基板を準備する準備工程と、
前記平板にフジツボの幼生を着床させる着床工程と、
この工程後に、前記平板から1個体の幼生を残し、他の幼生を除去する清掃工程と、
この工程後に、前記フジツボの養殖基板を海中に投入し育成する工程と、
この工程後に、前記フジツボの養殖基板を海上に回収する工程と、
この工程後に、前記第1連結部及び前記第2連結部を切断する工程と、
前記支持枠は廃棄し、1枚の前記平板に1個の成体が張り付いた形態の板付きフジツボを得る工程とからなる、フジツボの養殖方法である。
請求項1に係る発明では、第1連結部及び第2連結部を、ペンチ、金切り鋏又は手折りにより、切断する。養殖基板を捩じるか湾曲させるという脱落作業に比較して、切断作業であれば、肉体的負担が大幅に軽減される。
切断により、平板と、この平板に張り付いているフジツボの1成体と、からなる板付きフジツボが得られる。フジツボの成体から平板を剥がさないため、フジツボの成体の底面が痛むことはない。
以上により、養殖業者の肉体的負担が軽減され且つフジツボの成体の底面を傷つけないような養殖技術が提供される。
請求項2に係る発明では、フジツボの養殖基板は、複数枚が折り曲げ可能な第3連結部で、繋がれており、折り畳み可能若しくは巻回可能とされている。折り畳む若しくは巻回することで、コンパクト化を図ることができ、フジツボの養殖基板の運搬や保管が容易になる。
請求項3に係る発明では、平板は、中央に、フジツボの幼生を着床させる幼生着床部を備え、この幼生着床部は十文字壁からなる。十文字であれば、4個の隅が得られる。傾向としてフジツボの幼生は、隅に着床する。よって、本発明により、効率よく平板の中央に幼生を着床させることができる。
請求項4に係る発明では、十文字を構成する第1起立壁及び第2起立壁を囲う周壁を更に備えている。第1起立壁と第2起立壁と周壁とで、4個のポケットが得られる。これらのポケットの一部又は全部に、フジツボ誘引剤を詰める。これにより、更に効果的に平板の中央に幼生を着床させることができる。
請求項5に係る発明では、周壁は、高さが第1起立壁及び第2起立壁よりも低い。フジツボは成長に伴って底面が第1起立壁及び第2起立壁から外へ張り出す。周壁が低いため、フジツボは周壁を越える。フジツボの成長が阻害されない。
請求項6に係る発明では、フジツボの1成体に対応した大きさの平板からなるフジツボの養殖基板である。
平板と、この平板に張り付いているフジツボの1成体と、からなる板付きフジツボが得られる。フジツボの成体から平板を剥がさないため、フジツボの成体の底面が痛むことはない。
請求項7に係る発明の養殖方法により、平板と、この平板に張り付いているフジツボの1成体と、からなる板付きフジツボが得られる。フジツボの成体から平板を剥がさないため、フジツボの成体の底面が痛むことはない。養殖基板を捻る脱落作業が不要である。
よって、本発明により、養殖業者の肉体的負担が軽減され且つフジツボの成体の底面を傷つけないような養殖技術が提供される。
本発明に係るフジツボの養殖基板の要部拡大図である。 図2は図1の2部拡大図である。 (a)は図2の3a-3a線断面図、(b)は図2の3b-3b線断面図、(c)は図2の3c-3c線断面図、(d)は図2の3d-3d線断面図である。 図1の4-4線断面図である。 本発明に係るフジツボの養殖基板の全体図である。 (a)はフジツボの養殖基板の収納形態を説明する図、(b)は(a)のb部拡大図である。 (a)~(c)は準備工程と着床工程を説明する図である。 清掃工程を説明する図である。 (a)、(b)は育成工程を説明する図である。 回収工程と連結部切断工程を説明する図である。 得られた板付きフジツボの正面図である。 養殖基板の変更例を説明する図である。 (a)、(b)は変更例での収納状態を説明する図である。 (a)は本発明に係る板付きフジツボの正面図、(b)はさらなる変更例での板付きフジツボの平面図である。 養殖基板のさらなる変更例を説明する図である。 (a)、(b)は幼生着床部の変更例を説明する図である。 (a)、(b)は従来のフジツボの養殖基板を説明する図及びフジツボの成体の断面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1に示すように、フジツボの養殖基板10(以下、養殖基板10と略記する。)は、フジツボの成体(図10、符号52)1個に対応した大きさの平板11と、一平面上に並べられた複数の平板11を囲う支持枠12と、隣り合う平板11同士を連結する第1連結部13と、支持枠12とこの支持枠12に近い平板11とを連結する第2連結部14と、を要部とする。
平板11は、外径が(40~50)mmで厚さが(0.2~0.5)mmの円板が好適である。平板11は、造形性が高い樹脂製が好ましいが、軽金属を含む金属板のプレス品であってもよい。平板11は、後述するように調理時に加熱される。樹脂製の場合、平板11は、耐熱性樹脂が好ましい。
第1連結部13及び第2連結部14は、複数回屈曲を繰り返すと破断する太さの脆弱部とする。脆弱部は、第1連結部13及び第2連結部14を局部的に細くしてもよい。
好ましくは、平板11の中央に幼生着床部20を設ける。
図2に示すように、幼生着床部20は、例えば、平板(図1、符号11)から図面おもてへ突出する第1起立壁21とこの第1起立壁21に直交する第2起立壁22と、十文字をなす第1起立壁21及び第2起立壁22を囲う周壁23とからなる。幼生着床部20は、5~10mm程度の大きさが好ましい。
周壁23の外に、放射状に延びる直線壁24と、2つの直線壁24の間に設けられる複数の点状突起25とが設けられる。
図1において、幼生着床部20に着床した幼生は、90°ピッチで設けた4条の直線壁24に沿って成長すると共に90°ピッチで設けた4条の点状突起25群に張り付くことが、期待される。すなわち、点状突起25は、海底の岩肌の凹凸を模したものである。
図3(a)に示すように、第1起立壁21及び第2起立壁22は、平板11から起立する矩形断面の壁である。壁の幅waは、0.5mm程度、高さhaは、0.2~1mm程度が好ましい。平板11の厚さt1は、上述したように0.2~0.5mmである。
図3(b)に示すように、周壁23は、平板11から起立する三角形断面の壁である。壁の底面の幅wbは、2mm程度、高さhbは、haより小さな0.2~0.8mm程度が好ましい。
周壁23は、着床した幼生が成長する段階で、この幼生が乗り越える部位である。三角形の2つの斜辺のうち、一方の斜辺に沿って幼生の体の一部が這い上がり、次の他方の斜辺に沿って平板11の一般面に下がる。したがって、周壁23が三角形断面であることに意味がある。
台形断面は、上底と下底と2つの斜辺とからなるため、周壁23は台形断面であってもよい。
図3(c)に示すように、直線壁24は、平板11から起立する三角形断面の壁である。壁の底面の幅wcは、1~2mm程度、高さhcは、0.5~1mm程度が好ましい。
図3(d)に示すように、点状突起25は、平板11から突起する円錐、角錐(四角錐、三角錐など)又は半球である。点状突起25の底面の外径wdは、1mm程度、高さhdは、1mm程度が好ましい。
図4に示すように、平板11の上面に、第1起立壁21及び第2起立壁22、周壁23、直線壁24及び点状突起25が一体形成されているが、周壁23だけが低い。そのため、幼生は成長するときに、周壁23に遮られずに、第1起立壁21及び第2起立壁22から、直線壁24及び点状突起25へ広がる。
支持枠12は、外径が1.5~2mm程度の丸棒又は角棒である。角棒の断面は、四角、六角、八角が採用できる。
支持枠12は、適所に、上(又は下)に延びる穴あきボス33と、下(又は上)に延びるピン34とを一体的に有する。
図5に示すように、1枚の平板状の養殖基板10は、一平面上に並べられた複数(この例では12個)の平板11と、これらの平板11を囲う支持枠12と、隣り合う平板11同士を連結する第1連結部13と、支持枠12と近傍の平板11とを連結する第2連結部14と、中央に設けられロープ穴27を有するリング28と、四隅の少なくとも一隅に設けられピン穴31を有する台形板32と、からなる。支持枠12には、各辺の中央に各々穴あきボス33が設けられている。
1枚の平板状の養殖基板10は、縦寸法と横寸法とが、各々200mm程度となる。
図6のb部拡大図である図6(b)に示すように、穴あきボス33に、ピン34を嵌めることにより、図6(a)に示すように、多数枚の養殖基板10を積層することができる。この積層により多数枚の養殖基板10を、小さな床面積で保管し、運搬することができる。
以上に述べた養殖基板10を用いて実施する、フジツボの養殖方法を、次に説明する。
図7(a)に示すように、平板状の養殖基板10を準備する。例えば、図6(a)において、最上段の養殖基板10を外して、作業に供する。
図7(b)に示すように、幼生着床部20の4つのポケット36のうち、対角の2カ所に、フジツボ誘引剤37(以下、誘引剤37と記す。)を充填する。4つのポケット36の全て又は1カ所に、誘引剤37を充填するは差し支えない。
誘引剤37は、種類や成分や任意であるが、次に述べるものが推奨される。
すなわち、誘引剤37は、フジツボの成体を細断してなる粉体を主成分とする。フジツボの成体は、フジツボの幼生を誘引する作用を発揮する。フジツボの成体は、天然物であるため、海洋汚染を招くことはない。
さらには、誘引剤37に、二枚貝の貝殻を砕いてなる破片又は粉末を、骨材として混ぜた。骨材により、誘引剤の流出速度を下げて、着床までの時間を稼ぐことができる。
次に、図7(a)に示すロープ穴27に、ロープ43を通し、「連凧」の要領で、多数枚の養殖基板10を連ねる。
図7(c)に示すように、海水槽41に、海水42を張り、ロープ43に連ねた養殖基板10を沈める。ロープ43の下端に錘44を設けるとなおよい。ロープ43の上端を横棒45に掛ける。
海水42に、適量の幼生を散布する。
すると、幼生は、海水42内を浮遊し、図7(b)に示す誘引剤37に引かれ、第1起立壁21と第2起立壁22とが交わる隅46又はその周辺に、着床することが期待される。
幼生の育成を兼ねて、一定期間放置する。
一定期間が経過したら、海水42から養殖基板10を引き上げる。
図8に示す1枚の平板11に、多数個の幼生が着床していることが想定される。
この場合、1枚の平板11当たり、中央の幼生着床部20に1個体の幼生を残す。他の幼生はブラシなどにより掻き落とす。この清掃は、平板11の表裏面において実施する。
次に、図9(a)に示すように、別のロープ48に、吊りピン49を水平に通し、この吊りピン49に図8で得た養殖基板10を下げる。ピン34は、図5に示すピン穴31に通す。ロープ48及び養殖基板10を、養殖場の海水51へ投下する。一定期間放置する。
図9(b)に示すように、養殖基板10に、複数個の成体52が張り付いている。成体52が所定の大きさに成長したら、ロープ48及び養殖基板10を海上に引き上げる。ロープ48から養殖基板10を外す。
図10に示すように、1枚の養殖基板10に、複数個(この例では12個)の成体52が張り付いている。船上又は陸上にて、第1連結部13及び第2連結部14を破断する。
破断は、金鋏、ペンチ又はカッターナイフなどの手工具によることが推奨される。しかし、手折りにより切断することは差し支えない。
第1連結部13及び第2連結部14は、繰り返し曲げることで破断する太さであるため、手折りや手工具で、容易に切断できる。
切断後、支持枠12は廃棄する。
以上により、図11に示すように、平板11に成体52は張り付いたままの板付きフジツボ54が、複数個得られる。
なお、以上に述べたフジツボの養殖方法は、一部を次のように変更することができる。
幼生の着床は、図7(c)に示す海水槽41を用いて間接的に実施する他、図9(a)に示す海水51中で直接的に実施するようにしてもよい。時期を選ぶと海水51中に多くの幼生が漂っているからである。
以上に述べたフジツボの養殖方法は、次のように纏めることができる。
フジツボの養殖基板10を準備する準備工程と、
フジツボの養殖基板10を、海水槽41の海水42に投入するか又は自然界の海水51に投入することで、平板11にフジツボの幼生を着床させる着床工程と、
この工程後に、ジツボの養殖基板10を、海水42又は海水51から引き上げ、平板11から1個体の幼生を残し、他の幼生を除去する清掃工程と、
この工程後に、フジツボの養殖基板10を自然界の海水51中に投入し育成する工程と、
この工程後に、フジツボの養殖基板10を海上に回収する工程と、
この工程後に、第1連結部13及び第2連結部14を切断する工程と、
支持枠12は廃棄し、1枚の平板11に1個の成体52が張り付いた形態の板付きフジツボ54を得る工程とからなる。
次に、本発明の養殖基板10の変更例を説明する。
図12に示すように、隣り合う養殖基板10と養殖基板10とを、折り曲げ可能な第3連結部56で連結して、帯状(ベルト状)にしてもよい。
第3連結部56を、手工具で切断して、ばらばらにすることにより、図10に示す養殖基板10が、多数枚得られる。
図13(a)に示すようにベルト状の養殖基板10群は、第3連結部56をU字状に変形することで、段積みすることができる。
又は、図13(b)示すようにベルト状の養殖基板10群は、第3連結部56をU字状に変形することで、巻回することができる。第3連結部56を長くすると、巻ける養殖基板10の数を増すことができる。
何れも、保管に要する床面積が小さくなり、輸送も容易になる。
なお、ベルト状の養殖基板10群は、第3連結部56を切断して、図7(c)や図9(a)、(b)のような形態で使用する他、第3連結部56を切断しないで使用することもできる。
すなわち、ベルト状の養殖基板10群は、図12に示す形態で、海水42や海水51に沈めてもよい。ロープ43やロープ48が不要になると共に、折り畳んだ(又は巻回した)ベルト状の養殖基板10群を、延ばして海水42や海水51へ垂らすだけでよいため、作業性が高まり、コストダウンを図ることができる。
図14(a)に示すように、本発明に係る板付きフジツボ54は、フジツボの1成体52に対応した大きさの平板11と、この平板に張り付いているフジツボの1成体52とからなる。
仮に、成体52は底面に傷がつくと鮮度が落ちる。この点、本発明では、平板11から成体52を外さないため、成体52の底面に傷がつく心配はない。この板付きフジツボ54で出荷する。板付きフジツボ54は流通経路を経て、料理店の厨房や家庭の台所へ提供される。この際に、平板11は、皿やトレイの役割を果たす。平板11は、運搬中に、成体52の底面が傷つくことを防止する保護板の役割も果たす。
板付きフジツボ54の形態で、調理がなされると、成体52から汁(エキス)がにじみ出る。この汁(エキス)は、平板11上に溜まるため、ストローで吸うなどして、賞味される。
図14(b)に示すように、平板11は、平面視で、柏葉、しその葉、もみじ葉の形態の板であってもよい。この形態であれば、風情を醸し出すことができ板付きフジツボ54のままで、飲食に提供できる。
次に、養殖基板10のさらなる変更例を、図15に基づいて説明する。
図15示すように、養殖基板10は、複数条(この例では8条)の点状突起25のみを幼生着床部20から放射状に延ばしてもよい。条の数は、任意である。
その他の構成は図1と同じであるため、図1の符号を流用して、詳細な説明は省略する。
次に、幼生着床部20の変更例を、図16に基づいて説明する。
図16(a)に示すように、幼生着床部20は、複数条(この例では6条)の第1起立壁21と、この第1起立壁21に直交する第2起立壁22と、これらを囲う周壁23とからなる。隅46の数が複数条の条数に比例して増加する。この例では、隅46の数は24個である。幼生は隅46又はその周辺に着床することが期待されるため、隅46の数が多い程、着床の確立が高まる。
幼生着床部20の外径Dは、5~10mm程度が好ましい。
図16(b)は図16(a)のbーb線断面図であり、図16(b)に示すように、第1起立壁21(と第2起立壁22)の幅weは0.2~0.5mm程度が好ましく、高さheは0.2~1mm程度が好ましい。
尚、平板11の大きさは、標準的な成体52の底面の大きさより、一回り大きくすることが推奨される。上述した汁(エキス)が溜めやすくなるからである。
しかし、平板11の大きさは、標準的な成体52の底面の大きさと同じか、又は一回り小さくしてもよい。この場合は、汁(エキス)を溜めることはできないが、成体52で隠されて平板11が見えない(又は、殆ど見えない)ため、板付きフジツボ54の外観性が高まる。
また、平板11の裏面は平坦面とし、おもて面に幼生着床部20や直線壁24や点状突起25を設けることが推奨されるが、おもて面に設ける凹凸の形態は任意であり、要は、海中の岩肌に似ていればよい。
また、幼生着床部20は、実施例で述べた第1起立壁21、第2起立壁22、周壁23からなるものの他、平板11に設けた単なる窪み又は単なる周壁23のみであってもよい。
また、幼生着床部20は、第1起立壁21及び第2起立壁22で構成し、周壁23を省いてもよい。第1起立壁21と第2起立壁22が交差する隅46に幼生の着床が期待されるからである。
また、図14(a)、(b)に示す平板11(一枚の平板11)を、テグス又は糸で吊って海水42、51に投入し、1個の板付きフジツボ54を養殖することは差し支えない。この場合、平板11には、第1連結部13と第2連結部14とが付属していないが、中央に幼生着床部20を備えている。収量性に難があるが、第1連結部13と第2連結部14を切断する手間が省けるという利点及び平板11が綺麗であるため、皿としてより好ましく使えるという利点がある。
本発明は、フジツボの養殖に好適である。
10…フジツボの養殖基板(養殖基板)、11…平板、12…支持枠、13…第1連結部、14…第2連結部、20…幼生着床部、21…第1起立壁、22…第2起立壁、23…周壁、52…フジツボの成体(成体)、54…板付きフジツボ、56…第3連結部。

Claims (7)

  1. フジツボの1成体に対応した大きさの平板と、一平面上に並べられた複数の前記平板を囲う支持枠と、隣り合う前記平板同士を連結する第1連結部と、前記支持枠とこの支持枠に近い前記平板とを連結する第2連結部とからなる平板状のフジツボの養殖基板であって、
    前記第1連結部及び前記第2連結部は、全体又は一部が複数回折り曲げると破断する太さの脆弱部であることを特徴とするフジツボの養殖基板。
  2. 請求項1記載のフジツボの養殖基板であって、
    このフジツボの養殖基板は、複数枚が折り曲げ可能な第3連結部で、繋がれており、前記複数枚が折り畳み可能若しくは巻回可能とされていることを特徴とするフジツボの養殖基板。
  3. 請求項1又は請求項2記載のフジツボの養殖基板であって、
    前記平板は、中央に、フジツボの幼生を着床させる幼生着床部を備え、
    この幼生着床部は、第1起立壁及びこの第1起立壁に直交する第2起立壁とからなることを特徴とするフジツボの養殖基板。
  4. 請求項3記載のフジツボの養殖基板であって、
    前記平板は、前記第1起立壁及び前記第2起立壁を囲う周壁を更に備えていることを特徴とするフジツボの養殖基板。
  5. 請求項4記載のフジツボの養殖基板であって、
    前記周壁は、高さが前記第1起立壁及び前記第2起立壁よりも低いことを特徴とするフジツボの養殖基板。
  6. フジツボの1成体に対応した大きさの平板からなるフジツボの養殖基板であって、
    前記平板は、中央に、フジツボの幼生を着床させる幼生着床部を備え、
    この幼生着床部は、第1起立壁及びこの第1起立壁に直交する第2起立壁とからなり、
    前記平板は、前記第1起立壁及び前記第2起立壁を囲う周壁を更に備えていることを特徴とするフジツボの養殖基板。
  7. 請求項1記載のフジツボの養殖基板又は請求項2記載のフジツボの養殖基板を準備する準備工程と、
    前記平板にフジツボの幼生を着床させる着床工程と、
    この工程後に、前記平板から1個体の幼生を残し、他の幼生を除去する清掃工程と、
    この工程後に、前記フジツボの養殖基板を海中に投入し育成する工程と、
    この工程後に、前記フジツボの養殖基板を海上に回収する工程と、
    この工程後に、前記第1連結部及び前記第2連結部を切断する工程と、
    前記支持枠は廃棄し、1枚の前記平板に1個の成体が張り付いた形態の板付きフジツボを得る工程とからなる、フジツボの養殖方法。
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