JP7416355B2 - 選択マーカー発現カセット - Google Patents

選択マーカー発現カセット Download PDF

Info

Publication number
JP7416355B2
JP7416355B2 JP2023506894A JP2023506894A JP7416355B2 JP 7416355 B2 JP7416355 B2 JP 7416355B2 JP 2023506894 A JP2023506894 A JP 2023506894A JP 2023506894 A JP2023506894 A JP 2023506894A JP 7416355 B2 JP7416355 B2 JP 7416355B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
expression
sequence dna
sequence
selection marker
tdna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023506894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022196245A1 (ja
JPWO2022196245A5 (ja
Inventor
松岡▲隆▼之
武志 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
G CUBE CO., LTD.
Original Assignee
G CUBE CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by G CUBE CO., LTD. filed Critical G CUBE CO., LTD.
Publication of JPWO2022196245A1 publication Critical patent/JPWO2022196245A1/ja
Publication of JPWO2022196245A5 publication Critical patent/JPWO2022196245A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7416355B2 publication Critical patent/JP7416355B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression

Landscapes

  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本発明は、選択マーカー発現カセット、特に、目的タンパク質を高発現する動物培養細胞を効率的に選抜することが可能な選択マーカー発現カセットに関する。
これまで目的タンパク質を高レベルで発現する細胞を効率的に選抜することを目的に、選択マーカーの発現や機能を減弱化することに基づく様々な方法が開発されてきた。選択マーカーの発現や機能を減弱化する方法としては、転写活性の弱いプロモーターを利用する方法、選択マーカーの発現カセットにmRNA不安定化配列を導入する方法、選択マーカーのコード配列に変異を導入して選択マーカータンパク質自体の機能を減弱化する方法などが挙げられる。
不必要なタンパク質の発現や機能を減弱化する方法の一つに、Upstream open reading frame(上流ORF又はuORF)を利用した方法が存在する。上流ORFは、mRNAの5'非翻訳領域に存在し、下流のORFの翻訳を様々な機構で制御するが、一般に上流ORFの翻訳は下流のORFの翻訳効率を低下させることが知られている(非特許文献1及び2)。
Calvo SE, Pagliarini DJ, Mootha VK, "Upstream open reading frames cause widespread reduction of protein expression and are polymorphic among humans" Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. Proceedings of the National Academy of Sciences, May 2009, 106 (18): 7507-12. Joshua P Ferreira, William L Noderer, Alexander J Diaz de Arce & Clifford L Wang, "Engineering ribosomal leaky scanning and upstream open reading frames for precise control of protein translation", Bioengineered, 2014, 5:3, 186-192, DOI: 10.4161/bioe.27607
しかしながら、上流ORFが存在する場合、上流ORFの開始コドンがリボソームによって認識されて翻訳される場合(パターン1)とリボソームが上流ORFを通過する場合(パターン2)が存在していた。
パターン1は、以下のサブクラスに分類される。
パターン1-1:上流ORFの翻訳終結後、リボソームがmRNAから離れ、下流ORFが翻訳されない。
パターン1-2:上流ORFの翻訳終結後、リボソームがmRNAから離れることなく下流ORFの開始コドンを認識して翻訳が開始される。
パターン1-4:上流ORFの翻訳終結後、リボソームがmRNAから離れないが、下流ORFの開始コドンを通過するため、下流ORFは翻訳されない。
パターン2は、以下のサブクラスに分類される。
パターン2-1:下流ORFの開始コドンを認識して翻訳を開始する。
パターン2-2:下流ORFの開始コドンも通過するため、下流ORFは翻訳されない。
このように、上流ORFが存在していても、下流のORFの翻訳効率を実用的な水準で低下させることができない問題が存在していた。即ち、この技術では、目的タンパク質を高レベルで発現することを目的に、選択マーカーの発現や機能を効果的に減弱化することができなかった。
本発明者らは、下流ORFの翻訳効率を低下させるために、(1)上流ORFの開始コドンの認識効率を高め且つ(2)下流ORFの開始コドンの認識効率を低下させる技術を研究した。その結果、改変型Kozak配列DNA及び短いORF(上流ORF)配列DNAを、発現を減弱化させたい遺伝子の上流に挿入することによって、選択マーカー遺伝子の発現を効果的に減弱化することに成功し、本発明は完成した。
本発明の目的は、
発現調節配列DNAを備え、
上記発現調節配列DNAは、1又は複数の副発現調節配列DNAを備え、
上記副発現調節配列DNAは、改変型Kozak配列DNAと上記改変型Kozak配列DNAの下流に上流ORF配列DNAとを備え、
上記副発現調節配列DNAの塩基配列は、開始コドンの塩基配列を1つだけ備える、
薬剤選択マーカー発現カセット
を提供することである。
本発明にかかる薬剤選択マーカー発現カセットを用いることで、薬剤選択マーカーの発現を減弱化させ、薬剤選択マーカー遺伝子の翻訳効率を低下させることができる。
上記1又は複数の副発現調節配列DNAは、1つ、2つ又は3つの副発現調節配列DNAであってもよい。
前記改変型Kozak配列DNAは、gccRcc(Rはアデニン又はグアニン)で表される塩基配列であってもよい。
本発明の別の目的は、
上記薬剤選択マーカー発現カセットを備える、
発現ベクターを提供することである。
本発明にかかる発現ベクターを用いることで、薬剤選択マーカーの発現を減弱化させ、薬剤選択マーカー遺伝子の翻訳効率を低下させることができる。
上記発現ベクターは、2つの末端tDNAインシュレーターを更に備えていてもよい。上記薬剤選択マーカー発現カセットは、上記2つの末端tDNAインシュレーターの間に位置してもよい。
上記発現ベクターは、1又は複数の目的タンパク質発現カセットを更に備えていてもよい。上記1又は複数の目的タンパク質発現カセットは、上記2つの末端tDNAインシュレーターの間に位置してもよい。
上記発現ベクターは、更に、1又は複数の中間tDNAインシュレーターを備えていてもよい。上記1又は複数の目的タンパク質発現カセットは、複数の目的タンパク質発現カセットであってもよい。少なくとも1の上記中間tDNAインシュレーターが、上記複数の目的タンパク質発現カセットのうちの1つと隣接する目的タンパク質発現カセットとの間に存在していてもよい。
上記中間tDNAインシュレーターは、マウスtRNA遺伝子由来の塩基配列を有してもよい。
上記末端tDNAインシュレーターは、マウスtRNA遺伝子由来の塩基配列を有してもよい。
上記薬剤選択マーカー発現カセットは、薬剤選択マーカー遺伝子を更に備えていてもよい。上記薬剤選択マーカー遺伝子は、上記発現調節配列DNAの下流に位置してもよい。
上記上流ORF配列DNAの塩基配列が配列番号:2からなる場合、上記薬剤選択マーカー遺伝子の開始コドン配列は、上記上流ORF配列DNAの塩基配列中に含まれていてもよい。
図1は、本実施例で使用する発現ベクター作製用プラスミド(pCHR002)の模式図を示している。 図2は、本実施例で使用する第2遺伝子クローニング用プラスミド(pCHR006)の模式図を示している。 図3は、発現ベクター作製用プラスミド(pCHR002)にハーセプチン軽鎖遺伝子が導入されたベクタープラスミド(pCHR002-Lc)の模式図を示している。 図4は、第2遺伝子クローニング用プラスミド(pCHR006)にハーセプチン重鎖遺伝子が導入されたベクタープラスミド(CHR008)の模式図を示している。 図5は、図3に示すベクタープラスミド(pCHR002-Lc)に、図4に示すベクタープラスミド(pCHR008)由来のハーセプチン重鎖遺伝子を含む断片が導入されたハーセプチン発現ベクター(pCHR012)の模式図を示している。 図6は、本実施例で使用するベクタープラスミドにおける改変型コザック配列及び上流ORFの位置並びに改変型コザック配列(下線)及び上流ORF(四角枠)の塩基配列を整列配置した模式図を示している。 図7は、Mammalian PowerExpress System(登録商標)(TOYOBO)にハーセプチン遺伝子を導入したハーセプチン発現ベクター(pELC2+HC)の模式図を示している。 図8は、pCHR012、pCHR042、pCHR067、pCHR068、pCHR069及びpELC2+HCを導入した各細胞から分泌されたハーセプチン量のグラフを示している。 図9は、pELC2+HC、pCHR042、pCHR069を導入した各細胞から分泌されたハーセプチン量のグラフを示している。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、例示であって、本発明の範囲は、以下の実施形態で示すものに限定されない。なお、同様な内容については繰り返しの煩雑をさけるために、摘示説明を省略する。
定義
便宜上、本願で使用される特定の用語は、ここに集めている。別途規定されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。文脈で別途明記されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の言及を含む。
本発明で示す数値範囲及びパラメーターは、近似値であるが、特定の実施例に示されている数値は可能な限り正確に記載している。しかしながら、いずれの数値も本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含んでいる。また、本明細書で使用する「約」という用語は、一般に、所与の値又は範囲の10%、5%、1%又は0.5%以内を意味する。或いは、用語「約」は、当業者が考慮する場合、許容可能な標準誤差内にあることを意味する。
本明細書、図面及び配列表の塩基配列は、別途規定されない限り、5'末端から3'末端の順番で記載している。例えば、「100番目の塩基」は、5'末端から100番目の塩基を意味する。用語「逆相補配列」は、ある配列に対して逆相補の関係にある配列を意味する。例えば、5'-AAATTCGG-3'配列の逆相補配列は、5'-CCGAATTT-3'である。また、「上流」は、5'末端方向を指し、「下流」は、3'末端方向を意味する。
開始コドンは、タンパク質の合成開始を指定するコドンを指し、通常は、塩基配列ATG又はAUGで表される。
本実施形態にかかる核酸分子(例えば、DNA、領域、カセット、ゲノム及びベクタープラスミド)の塩基配列は、その塩基配列と、
1)95%以上の配列相同性を有する塩基配列である、または、
2)1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列である、または、
3)相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列であっても良い。
なお、本明細書において同一性・相同性を示す値は、BLASTなどの公知のプログラムを利用することにより算出することができる。配列番号に示される塩基配列と配列相同性を有する塩基配列は、95%以上の配列相同性を有していればよく、例えば、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.5%以上、99.8%以上であっても良い。
本明細書において、「1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列」における「数塩基」は、例えば、2~10塩基、2~9塩基、2~8塩基、2~7塩基、2~6塩基、2~5塩基、2~4塩基、2~3塩基、2塩基である。欠失、置換、付加した塩基の数は、一般的に少ないほど好ましい。塩基の欠失、置換、付加のうち2種以上が同時に生じてもよい。なお、塩基の欠失、置換、付加については、公知の技術を用いることができる。
本明細書において、「ストリンジェントな条件」とは、例えば以下の(1)(2)などが挙げられる。
(1)イオン強度が低く洗浄温度が高い状態として、たとえば0.015MのNaCl/0.0015Mのクエン酸ナトリウム(チトラート)/0.1%SDSで温度50℃が挙げられる。あるいは
(2)ハイブリッド形成中にホルムアミド等の変性剤を使用して、たとえば、50%(vol/vol)ホルムアミドに、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%Ficoll/0.1%polyinylpyrrolidone/50mMリン酸ナトリウムバッファpH6.5、750mMNaCl、75mMクエン酸ナトリウムで温度42℃とすることが挙げられる。別の例としては、50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl,0.075Mクエン酸ナトリウム),50mM リン酸ナトリウム(pH6.8), 0.1%ピロリン酸ナトリウム, 5×デンハルト液、超音波処理されたサーモンスパームDNA(50μg/ml),0.1%SDS,10%硫酸デキストラン,温度42度,洗浄温度42℃,0.2×SSC,0.1%SDSが挙げられる。
また、当業者であれば、クリアで検出可能なハイブリダイゼーションシグナルを得るべく、ストリンジェントな条件を適宜変更できることは、明らかである。
なお、本明細書において、分子生物学の手法(例えば、クローニング、プラスミド抽出、DNA断片の切断、連結、ハイブリダイゼーション、部位特異的変異導入法、PCR法、ウエスタンブロット法等々の手法)は、当業者によく知られている通常の方法を採用することができる。これらの方法は、 Sambrook, J., Fritsch, E. F., and Maniatis, T., "Molecular Cloning A Laboratory Manual, Second Edition",Cold Spring Harbor Laboratory Press, (1989)等を参照することができる。
実施形態
選択マーカー発現カセット
本実施形態にかかる選択マーカー発現カセットは、
発現調節配列DNAを備え、
上記発現調節配列DNAは、1又は複数の副発現調節配列DNAを備え、
上記副発現調節配列DNAは、改変型Kozak配列DNAと上記改変型Kozak配列DNAの下流に上流ORF配列DNAとを備え、
上記副発現調節配列DNAの塩基配列は、開始コドンの塩基配列を1つだけ備える。
Kozak配列DNAの塩基配列は、真核生物のmRNAに出現する共通配列であり、主に翻訳の開始に関与している。ただし厳密な共通配列ではなく、不一致のあることも非常に多い。脊椎動物のKozak配列は、(gcc)gccRccAUGG(配列番号:39)と表され、なかでも開始コドン(AUG)の3塩基上流のR(プリン塩基、アデニン又はグアニン)と開始コドンの次のGが重要な役割を果たすと考えられている(Kozak M. An analysis of 5'-noncoding sequences from 699 vertebrate messenger RNAs. Nucleic Acids Res. 1987;15(20):8125-8148. doi:10.1093/nar/15.20.8125)。Kozak配列において、(1)小文字は、塩基が変わり得るが、その位置でのもっとも一般的な塩基を表示し、(2)「AUGG」配列は、高度に保存された塩基を指し示し、(3)括弧中の配列(gcc)は不確かな意義(uncertain significance)のものである。
本実施形態における改変型Kozak配列DNAは、Kozak配列DNAとは異なる塩基配列を有する。上記改変型Kozak配列DNAは、配列番号:3で表される塩基配列(GCCACC)、又は、その変異型塩基配列
(その塩基配列と、
1)95%以上の配列相同性を有する塩基配列、又は、
2)1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列、又は、
3)相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列)
からなるであってもよい。
上記改変型Kozak配列DNAの塩基配列には、開始コドンとしての役割を果たすATG配列が含まれない。
本実施形態における上流ORF配列DNAは、改変型Kozak配列DNAの下流に位置する。上流ORF配列DNAは、開始コドン(ATG)を1つだけ備える。言い換えれば、副発現調節配列DNAは、開始コドンを1つだけ備える。ある実施形態において、上流ORF配列DNAの開始コドン(ATG)は、その5'末端に位置する。上流ORF配列DNAの塩基配列は、開始コドン(ATG)の下流に、上流ORFの開始コドンとしての役割を果たさないATG配列を備えていてもよい。
上記上流ORF配列DNAは、配列番号:1(ATGGCTTGA)又は配列番号:2(ATGGCTCTAGAAATCGGATGA)で表される塩基配列、又は、その変異型塩基配列
(その塩基配列と、
1)95%以上の配列相同性を有する塩基配列、又は、
2)1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列、又は、
3)相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列)
からなるであってもよい。
上流ORF配列DNAの塩基配列には、配列番号:3で表される塩基配列もその変異型塩基配列も含まれない。
ある実施形態において、上流ORF配列DNAは、改変型Kozak配列DNAに直接連結している(言い換えれば、いかなる塩基も上流ORF配列DNAと改変型Kozak配列DNAとの間に存在しない)。別の実施形態において、上流ORF配列DNAは、スペーサーDNAを介して改変型Kozak配列DNAに連結している。スペーサーDNAは、1、2、3、4又は5つの任意の塩基からなっていてもよい。スペーサーDNAは、開始コドンとしての役割を果たすATG配列を備えない。
選択マーカー発現カセットは、発現調節配列DNAに加えて、プロモーター(例えば、マウスPGKプロモーター)及び/又はポリAシグナル(例えば、BGHポリAシグナル)を備えていてもよい。また、選択マーカー発現カセットは、蛍光選択マーカー遺伝子(例:緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードするDNA)、薬剤選択マーカー遺伝子(例えば、ピューロマイシン耐性遺伝子及びネオマイシン耐性遺伝子))及び/又は栄養選択マーカー遺伝子(例:グルタミン合成酵素遺伝子)を含む選択マーカー遺伝子を備えていてもよい。ある実施形態において、選択マーカー発現カセットは、プロモーター、発現調節配列DNA、選択マーカー遺伝子及びポリAシグナルを備えていてもよい。
「選択マーカー遺伝子」の発現量は、本実施形態の構成を採用していない(発現抑制を受けていない)「選択マーカー遺伝子」の発現量と比較して、0.5%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は99%以上減弱している。
発現調節配列DNAは、1又は複数の副発現調節配列DNAを備える。ある実施形態において、発現調節配列DNAが複数の副発現調節配列DNAを備える場合、ある副発現調節配列DNAは、隣接する副発現調節配列DNAと直接接続している。別の実施形態において、発現調節配列DNAが複数の副発現調節配列DNAを備える場合、ある副発現調節配列DNAは、スペーサーDNAを介して隣接する副発現調節配列DNAと直接接続している。スペーサーDNAは、1、2、3、4又は5つの任意の塩基からなっていてもよい。スペーサーDNAは、開始コドンとしての役割を果たすATG配列を備えない。ある実施形態において、1又は複数の副発現調節配列DNAは、1つ、2つ又は3つの副発現調節配列DNAである。
上記上流ORF配列DNAの塩基配列が配列番号:2からなる場合、発現調節配列DNAは、1つの副発現調節配列DNAを備えていてもよい。上記上流ORF配列DNAの塩基配列が配列番号:2からなる場合、上記選択マーカー遺伝子の開始コドン配列は、上記上流ORF配列DNAの塩基配列中に含まれて(存在して)いてもよい。また、上記上流ORF配列DNAの塩基配列が配列番号:2からなる場合、上記上流ORF配列配列DNAの読み枠は、上記選択マーカー遺伝子の開始コドンとオーバーラップしてもよい。
Kozak配列、改変型Kozak配列及びそれらの変異型塩基配列は、選択マーカー遺伝子と隣接する上流ORF配列の間には存在しない。
発現ベクター
本実施形態にかかる発現ベクターは、選択マーカー発現カセットを備える。
本実施形態における発現ベクターは、クローニングベクターに、選択マーカー発現カセットを挿入等することで作成することができる。上記のクローニングベクターとしては、例えば、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミドまたは、人工染色体などがあげられる。具体的には大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322、pBR325、pUC12、pUC13)、酵母由来プラスミド(例えばpSH19、pSH15)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5、pC194)、動物細胞発現プラスミド(例えばpA1-11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neo)、λファージなどのバクテリオファージ、HIV、アデノウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルスなどのウイルス由来のベクターや人工染色体などを用いることができる。
本実施形態にかかる発現ベクターは、2つの末端tDNAインシュレーターを更に備えていてもよい。本実施形態にかかる発現ベクターが2つの末端tDNAインシュレーターを備えている場合、上記選択マーカー発現カセットは、上記2つの末端tDNAインシュレーターの間に位置することが好ましい。末端tDNAインシュレーターは、プロモーター干渉、サイレンシングを低減させ、遺伝子発現安定化に関与する、遺伝子の発現単位を区切ることが可能な塩基配列からなるDNAであり、例えば、マウスtRNA遺伝子の塩基配列からなるDNAを挙げることができる。
本実施形態にかかる発現ベクターは、1又は複数の目的タンパク質発現カセットを備えることができる。本実施形態にかかる発現ベクターが1又は複数の目的タンパク質発現カセットを備える場合、上記1又は複数の目的タンパク質発現カセットは、上記2つの末端tDNAインシュレーターの間に位置することが好ましい。目的タンパク質発現カセットは、目的タンパク質を発現する遺伝子を備える。一実施形態において、目的タンパク質発現カセットは、目的タンパク質を発現する遺伝子に加えて、プロモーター(例えば、ヒトEF1αプロモーター)、翻訳効率を高める因子(例えば、βグロビンリーダー配列)、mRNAを安定化する因子(例えば、Woodchuck hepatitis virus Post-transcriptional Regulatory Element(WPRE)配列及びポリAシグナル(SV40ポリAシグナル)からなる群より選択される少なくとも1つを備えていてもよい。
「目的タンパク質」は、「選択マーカー遺伝子」の発現量を減弱化させることで、その発現量を増加させたいタンパク質を指す。本実施形態の構成中における「目的タンパク質」の発現量は、本発明の構成を採用していない(選択マーカーが発現抑制を受けていない)「目的タンパク質」の発現量と比較して、1.5倍、2.0倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、4.5倍又は5.0倍以上増加する。
本実施形態にかかる発現ベクターは、1又は複数の中間tDNAインシュレーターを備えることができる。本実施形態にかかる発現ベクターが複数の目的タンパク質発現カセットを備える場合、少なくとも1の上記中間tDNAインシュレーターが、上記複数の目的タンパク質発現カセットのうちの1つと隣接する目的タンパク質発現カセットとの間に存在することが好ましい。中間tDNAインシュレーターは、中間tDNAインシュレーターと同じであってもよく、例えば、マウスtRNA遺伝子の塩基配列からなるDNAを挙げることができる。
実施例1
発現ベクター作製用プラスミド(pCHR002)および第2遺伝子クローニング用プラスミド(pCHR006)の構築
VectorBuilder社のオンラインプラットフォーム上で利用可能な標準コンポーネントで構成され、VectorBuilder社によって構築されたプラスミド(ベクターID: VB900085-9593ncv及び VB190621-1088bqm)および人工合成したtDNAを含むプラスミド(Ebersole T, Kim JH, Samoshkin A, et al. tRNA genes protect a reporter gene from epigenetic silencing in mouse cells. Cell Cycle. 2011;10(16):2779-2791.を参照)を用意した。これらのプラスミドに基づいて、図1に表示する制限酵素サイトが付加されるように表1に示すコンポーネントをPCR法によって増幅した。
各コンポーネントは、表2に示すプライマーを使用してPCR法によって増幅させた。
これらのコンポーネントをNEBuilder HiFi DNA Assembly(New England Biolabs)を用いて結合させた。結合DNA断片は、AscI_tDNA-F2(配列番号:18)とNotI_tDNA-R2(配列番号:19)のプライマーセットを用いてPCRによって増幅させた。増幅させた結合DNA断片を、VectorBuilder社によって構築されたプラスミド(VB900085-9593ncv)骨格の制限酵素AscI、NotIサイトへ導入し、新しい発現ベクター作製用プラスミドpCHR002を構築した(図1)。pCHR002は、tDNA、ヒトEF-1αpromoter、SV40 late pA、mPGK promoter、PuroR、BGH pA、細菌複製起点(pUC ori)、アンピシリン耐性マーカー(AmpR)を含有する。
同様に、tDNA、ヒトEF-1αpromoter、SV40 late pA、pUC ori、AmpRを含有する、第2遺伝子クローニング用プラスミドpCHR006を構築した(図2)。各コンポーネントは、表3に示すプライマーを使用してPCR法によって増幅させた。
これらのコンポーネントをNEBuilder HiFi DNA Assembly(New England Biolabs)を用いて結合させた。結合DNA断片は、AscI_MluI_NdeI_tDNA-F(配列番号:20)とNotI_PacI_EcoT22I_SV40pA-R(配列番号:21)のプライマーセットを用いてPCRによって増幅させた。増幅させた結合DNA断片を、VectorBuilder社によって構築されたプラスミド(VB900085-9593ncv)骨格の制限酵素AscI、NotIサイトへ導入し、pCHR006を構築した。
ハーセプチン発現ベクターの構築
人工合成したハーセプチン遺伝子を含むプラスミド(pELC2+HC(TOYOBO, Mammalian PowerExpress System(登録商標))に基づいて、ハーセプチン軽鎖遺伝子(配列番号:33)及びハーセプチン重鎖遺伝子(配列番号:34)をPCRによって増幅した。使用したプライマーは表4に示す。
ハーセプチン軽鎖遺伝子をHindIII及びSalI制限酵素サイトを付加するようにPCRによって増幅した。増幅したハーセプチン軽鎖遺伝子をpCHR002のHindIII及びSalIサイトへ導入することで、pCHR002-Lcを構築した(図3)。同様に、ハーセプチン重鎖遺伝子をHindIII及びSbfI制限酵素サイトを付加するようにPCRによって増幅した。増幅したハーセプチン重鎖遺伝子をpCHR006のHindIII及びSbfIサイトへ導入することで、pCHR008を構築した(図4)。次に、pCHR008からハーセプチン重鎖遺伝子を含む断片を制限酵素MluI及びNsiIによって切り出した。切り出した断片をpCHR002-LcのMluI及びNsiIサイトへ導入することで、ハーセプチン発現ベクターpCHR012を構築した(図5)。
マーカー減弱化ハーセプチン発現ベクター(pCHR027、pCHR042、pCHR067、pCHR068、pCHR069)の構築
pCHR012を鋳型にPacI-YB_TATA-B-X-ΔK-PuroR-F(配列番号:26)とBamHI_PuroR-R(配列番号:13)のプライマーセットで増幅したPCR産物を、pCHR012のXbaI及びBamHIサイトへ導入した。これによって、ピューロマイシン耐性遺伝子のコザック配列に変異を入れたpCHR027を構築した(図6)。
pCHR027を鋳型にPacI_mPGKpro-F(配列番号:10)とXbaI-K-uORF-mPGK-R(配列番号:35)のプライマーセットで増幅したPCR産物を、pCHR027のPacI及びXbaIサイトへ導入した。これによって、ピューロマイシン耐性遺伝子に上流ORFを挿入したpCHR042を構築した(図6)。同様に、表5に示すプラスミドを、対応するプライマーセットを用いて増幅させたPCR産物をpCHR027のPacI及びXbaIサイトへ導入することで作成した。
図6に示す通り、pCHR067は、ピューロマイシン耐性遺伝子に上流ORFが2つ挿入され、pCHR068は、ピューロマイシン耐性遺伝子に上流ORFが3つ挿入され、pCHR069は、ピューロマイシン耐性遺伝子の開始コドンにオーバーラップするように上流ORFが挿入されている。
pCHR012、pCHR042、pCHR067、pCHR068、pCHR069、pELC2+HCの細胞導入
浮遊培養に馴化させた3×105 cells/mLのチャイニーズハムスター卵巣由来細胞CHO-G1(株式会社chromocenterが樹立)を12ウェルプレートに1 mLずつ播種した。一晩接着培養して、トランスフェクション用のCHO-G1細胞を準備した。5% FBSを加えたProCHO4培地(HT Supplement (1×)(GIBCO製)、L-Glutamine(2 mM)(GIBCO製)、Penicillin-Streptomycin (100 U/mL)(GIBCO製)を添加したProCHO4 Protein-free CHO Medium(LONZA製))を培地として使用した。
プラスミドとしてpCHR012、pCHR042、pCHR067、pCHR068、pCHR069、pELC2+HC(図7、TOYOBO, Mammalian PowerExpress System(登録商標)に人工合成したハーセプチン遺伝子を導入したハーセプチン発現ベクター)を使用した。トランスフェクションは、以下の方法で行った。1.6 μgのプラスミドベクターを100 μL Opti-MEM I Reduced Serum Medium(GIBCO製)で希釈した。4 μL Lipofectamine 2000 Transfection Reagent (Invitrogen製)を100 μL Opti-MEM I Reduced Serum Medium(GIBCO製)で希釈した。5分間放置した後、プラスミドの希釈液とLipofectamine 2000の希釈液を混合し、20分間放置した。その後、上記CHO-G1細胞(培地をOpti-MEM I Reduced Serum Mediumに置き換えた細胞)に混合液を加え、24時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞をAccumax(Innovative Cell Technologies製)で処理して分散させた。分散させた細胞をφ93×19.2 mm細胞培養ディッシュに移し、ProCHO4培地+5% FBSで培養した。翌日、細胞を培養している培地にPuromycin(Sigma-Aldrich製)を7.5 μg/mLの濃度で添加し、6-12日間の薬剤選抜接着培養を行った。選抜培養中、3-4日ごとに培地交換、あるいは適当な細胞密度で継代培養を行った。細胞が十分増殖した時点で5 μg/mL Puromycinを含むProCHO4培地で浮遊静置培養に移行した。浮遊静置培養でさらに1週間程度細胞を培養し、ハーセプチン安定発現CHO-G1ヘテロセルプールを得た。
ハーセプチン生産性の評価
pCHR012、pCHR042、pCHR067、ppCH068、CHR069、pELC2+HCの各発現ベクターを導入したそれぞれのハーセプチン安定発現CHO-G1ヘテロセルプールを5 μg/mL Puromycinを含む新鮮なProCHO4培地で2×105 cells/mLに調整した。2 mLのセルプールを6ウェルプレートに播種して37℃で浮遊静置培養した。5日後の培養上清を回収し、4000 rpmで5分間遠心して上清を回収することで生産ハーセプチンのサンプルとした。ハーセプチンの定量はAlphaLISA human IgG kit(PerkinElmer製)を用いてEnsight Multimode Plate Reader(PerkinElmer製)で測定した。
図8は、pCHR012、pCHR042、pCHR067、pCHR068、pCHR069、pELC2+HCの各発現ベクターを導入したそれぞれのハーセプチン安定発現CHO-G1ヘテロセルプールの培養上清におけるハーセプチン定量の結果を示す。ピューロマイシン耐性遺伝子に上流ORFを挿入したベクター(pCHR042)は、上流ORFを挿入しないベクター(pCHR012)と比較して、ハーセプチン生産量が約3倍に増加した。また、上流ORFを2コピー搭載したベクター(pCHR067)は、ベクター(pCHR042)と比較して、さらにハーセプチン生産量が増加した。同様に、ピューロマイシン耐性遺伝子の開始コドンにオーバーラップするように上流ORFが挿入されているベクター(pCHR069)もベクター(pCHR067)と同程度のハーセプチン生産量であった。
実施例2
pELC2+HC、pCHR042、pCHR069のCHO-K1細胞への導入
CHO-K1細胞(JCRB細胞バンク、IFO50414)を株式会社chromocenterにて浮遊培養に馴化した。上記CHO-G1細胞と同様の方法を用いて、トランスフェクション用のCHO-K1細胞を準備し、pELC2+HC、pCHR042、pCHR069のトランスフェクションを行った。また、上記CHO-G1細胞と同様の方法を用いて、7日間の薬剤選抜接着培養を行い、細胞が十分増殖した時点で5 μg/mL Puromycinを含むProCHO4培地で浮遊静置培養に移行した。浮遊静置培養でさらに2週間程度の細胞培養を行い、ハーセプチン安定発現CHO-K1ヘテロセルプールを得た。
ハーセプチン生産性の評価
上記CHO-G1細胞と同様の方法を用いて、pELC2+HC、pCHR042及びCHR069の各発現ベクターを導入したそれぞれのハーセプチン安定発現CHO-K1ヘテロセルプールのハーセプチン生産量を測定した。図9は、pELC2+HC、pCHR042及びpCHR069の各発現ベクターを導入したそれぞれのハーセプチン安定発現CHO-K1ヘテロセルプールの培養上清におけるハーセプチン定量の結果を示す。この結果、pELC2+HCと比較して、pCHR042は約2.8倍、pCHR069は約4.5倍のハーセプチン生産量を示した。

Claims (11)

  1. 発現調節配列DNAを備え、
    前記発現調節配列DNAは、1又は複数の副発現調節配列DNAを備え、
    前記副発現調節配列DNAは、改変型Kozak配列DNAと前記改変型Kozak配列DNAの下流に上流ORF配列DNAとを備え、
    前記副発現調節配列DNAの塩基配列は、開始コドンの塩基配列を1つだけ備える、
    薬剤選択マーカー発現カセット。
  2. 前記1又は複数の副発現調節配列DNAは、1つ、2つ又は3つの副発現調節配列DNAである、
    請求項1に記載の薬剤選択マーカー発現カセット。
  3. 前記改変型Kozak配列DNAは、gccRcc(Rはアデニン又はグアニン)で表される塩基配列である、
    請求項1又は2に記載の薬剤選択マーカー発現カセット。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の薬剤選択マーカー発現カセットを備える、
    発現ベクター。
  5. 2つの末端tDNAインシュレーターを更に備え、
    前記薬剤選択マーカー発現カセットは、前記2つの末端tDNAインシュレーターの間に位置する、
    請求項に記載の発現ベクター。
  6. 1又は複数の目的タンパク質発現カセットを更に備え、
    前記1又は複数の目的タンパク質発現カセットは、前記2つの末端tDNAインシュレーターの間に位置する、
    請求項に記載の発現ベクター。
  7. 更に、1又は複数の中間tDNAインシュレーターを備え、
    前記1又は複数の目的タンパク質発現カセットは、複数の目的タンパク質発現カセットであり、
    少なくとも1の前記中間tDNAインシュレーターが、前記複数の目的タンパク質発現カセットのうちの1つと隣接する目的タンパク質発現カセットとの間に存在する、
    請求項に記載の発現ベクター。
  8. 前記中間tDNAインシュレーターは、マウスtRNA遺伝子由来の塩基配列を有する、
    請求項に記載の発現ベクター。
  9. 前記末端tDNAインシュレーターは、マウスtRNA遺伝子由来の塩基配列を有する、
    請求項からに記載の発現ベクター。
  10. 前記薬剤選択マーカー発現カセットは、薬剤選択マーカー遺伝子を更に備え、
    前記薬剤選択マーカー遺伝子は、前記発現調節配列DNAの下流に位置する、
    請求項からのいずれかに記載の発現ベクター。
  11. 前記上流ORF配列DNAの塩基配列が配列番号:2からなる場合、前記薬剤選択マーカー遺伝子の開始コドン配列は、前記上流ORF配列DNAの塩基配列中に含まれる、
    請求項10に記載の発現ベクター。
JP2023506894A 2021-03-15 2022-02-18 選択マーカー発現カセット Active JP7416355B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021041250 2021-03-15
JP2021041250 2021-03-15
PCT/JP2022/006667 WO2022196245A1 (ja) 2021-03-15 2022-02-18 選択マーカー発現カセット

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2022196245A1 JPWO2022196245A1 (ja) 2022-09-22
JPWO2022196245A5 JPWO2022196245A5 (ja) 2023-09-07
JP7416355B2 true JP7416355B2 (ja) 2024-01-17

Family

ID=83322300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023506894A Active JP7416355B2 (ja) 2021-03-15 2022-02-18 選択マーカー発現カセット

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7416355B2 (ja)
WO (1) WO2022196245A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117947040A (zh) * 2022-10-31 2024-04-30 苏州荷光科汇生物科技有限公司 用于目的基因的表达盒及其应用

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2009218069B2 (en) * 2008-02-27 2014-05-01 Fuso Pharmaceutical Industries, Ltd. Expression vector for mass production of foreign gene-derived protein using animal cell and use thereof
US8809017B2 (en) * 2011-05-24 2014-08-19 Agency For Science, Technology And Research IRES mediated multicistronic vectors

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
FERREIRA Joshua P et al.,Engineering ribosomal leaky scanning and upstream open reading frames for precise control of protein translation,Bioengineered,2014年,Vol.5, issue3,p.186-192
GATHER Fabian et al.,Regulation of human inducible nitric oxide synthase expression by an upstream open reading frame,Nitric Oxide,2019年,Vol.88,p.50-60 & Supplemental Figures
NADERI Fatemeh et al.,The Augmenting Effects of the tDNA Insulator on Stable Expression of Monoclonal Antibody in Chinese Hamster Ovary Cells,MONOCLONAL ANTIBODIES IN IMMUNODIAGNOSIS AND IMMUNOTHERAPY,2018年,Vol.37, No.5,p.200-206

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2022196245A1 (ja) 2022-09-22
WO2022196245A1 (ja) 2022-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2386644B1 (en) Expression system
US20180245057A1 (en) Systems and methods for selection of grna targeting strands for cas9 localization
Tornøe et al. Generation of a synthetic mammalian promoter library by modification of sequences spacing transcription factor binding sites
US20200277624A1 (en) Non-integrating dna vectors for the genetic modification of cells
CN109072257B (zh) 增强的睡美人转座子、试剂盒和转座方法
US11060108B2 (en) DNA element having the activity of enhancing foreign gene expression
JP7416355B2 (ja) 選択マーカー発現カセット
US20230272491A1 (en) Non-replicative transduction particles with one or more non-native tail fibers and transduction particle-based reporter systems
Underhill et al. Transient gene expression levels from multigene expression vectors
AU2017225350A1 (en) Promoter
Krause et al. Efficient co-expression of bicistronic proteins in mesenchymal stem cells by development and optimization of a multifunctional plasmid
Mursi et al. The production of recombinant proteins from mammalian cells using RNA element
JP6779513B2 (ja) インビボクローニング可能な細胞株をスクリーニングするための方法、インビボクローニング可能な細胞株の製造方法、細胞株、インビボクローニング方法、及びインビボクローニングを行うためのキット
WO2019093418A1 (ja) 哺乳動物細胞内の標的染色体部位で目的遺伝子を含むポリヌクレオチドを増幅させる方法およびベクター、ならびにその利用
Sauerwald et al. Expression in Mammalian Cells
TW202146432A (zh) 新基因表現單元
Prather Development of a process for the production and purification of minicircles for biopharmaceutical application

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230730

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230730

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20230804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7416355

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150