JP7415552B2 - インクジェットインク及び記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットインク及び記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、吐出安定性等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、吐出安定性及び得られる記録物の耐擦性の向上を目的として、顔料、無機酸化物コロイド、アルカリ金属水酸化物、および水性溶媒を少なくとも含有してなる、インクジェット記録用インク組成物が開示されている。
特開平11-012516号公報
しかしながら、特許文献1のように無機酸化物コロイドを含むインクを用いた場合、一度ノズルのつまりが生じるとヘッドクリーニングをしても回復し難いという課題があった。
本発明のインクジェットインクは、無機酸化物コロイドと、アミノ酸と、下記式(1)で表される第1のグリコールモノエーテルと、下記式(2)で表される第2のグリコールモノエーテルと、水と、を含む。
11O-(R12O)n1-H ・・・(1)
(式(1)中、R11は炭素数が2~10のアルキル基を示し、R12は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、n1は、1~10の繰り返し数を示す。)
21O-(R22O)n2-H ・・・(2)
(式(2)中、R21は炭素数が1~8のアルキル基を示し、R22は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、R21の炭素数はR11の炭素数よりも小さく、n2は、1~10の繰り返し数を示す。)
上記インクジェットインクは、無機酸化物コロイドがコロイダルシリカを含むものであることが好ましい。
上記インクジェットインクは、無機酸化物コロイドの含有量が、固形分として、インクの総量に対して、3.0~15質量%であることが好ましい。
上記インクジェットインクは、R12及びR22がエチレン基であることが好ましい。
上記インクジェットインクは、第1のグリコールモノエーテルの含有量が、第2のグリコールモノエーテルとの含有量に対して、質量基準で、0.5~10倍であることが好ましい。
上記インクジェットインクは、第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルとの合計含有量が、無機酸化物コロイドの固形分含有量より、質量基準において少ないことが好ましい。
上記インクジェットインクは、第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルとの合計含有量が、インクの総量に対して、0.5~6.0質量%であることが好ましい。
上記インクジェットインクは、アミノ酸がトリメチルグリシンを含むことが好ましい。
上記インクジェットインクは、アミノ酸の含有量が、無機酸化物コロイドの固形分含有量より、質量基準において多いことが好ましい。
上記インクジェットインクは、水の含有量が、インクの総量に対して、50~80質量%であることが好ましい。
また、本発明の記録装置は、上記インクジェットインクを記録媒体に対して吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、を備える。
上記記録装置は、インクジェットヘッドが、ラインヘッドであることが好ましい。
本実施形態に係る記録装置を示す概略断面図。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
1.インクジェットインク
本実施形態に係るインクジェットインク(以下、単に「インク」ともいう。)は、無機酸化物コロイドと、アミノ酸と、下記式(1)で表される第1のグリコールモノエーテルと、下記式(2)で表される第2のグリコールモノエーテルと、水と、を含む。
11O-(R12O)n1-H ・・・(1)
(式(1)中、R11は炭素数が2~10のアルキル基を示し、R12は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、n1は、1~10の繰り返し数を示す。)
21O-(R22O)n2-H ・・・(2)
(式(2)中、R21は炭素数が1~8のアルキル基を示し、R22は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、R21の炭素数はR11の炭素数よりも小さく、n2は、1~10の繰り返し数を示す。)。
無機酸化物コロイドを含むインクを用いた場合には、得られる記録物の印字面のぬれ摩擦抵抗を下げつつ、カールやコックリングが抑制されるという利点がある。しかしながら、例えば長期間にわたり記録装置を使用しないと、ノズル近傍でインクが乾燥し、無機酸化物コロイドが凝集体として析出し、ノズル詰まりを生じさせる。このような目詰まりは、ノズルに凝集体が硬く固着するため、クリーニングによっても回復させることが困難で、永久的なノズル抜けとなるという問題がある。
これに対して、本実施形態に記載のインクジェットインクにおいては、アミノ酸と2種のグリコールモノエーテルを用いることにより、無機酸化物コロイドを含むインクジェットインクのクリーニング回復性を向上することができる。なお、このような組成の溶剤を用いることによりクリーニング回復性が向上する理由は、特に制限されるものではないが、インクの乾燥によって無機酸化物コロイドが凝集する際にアミノ酸が保護コロイドとして作用することで硬い凝集体の形成を妨げることができ、また、末端アルキル基の炭素数が異なる2種のグリコールモノエーテルは、無機酸化物コロイド及び凝集した場合の凝集体と、乾燥して溶剤リッチになったインクとにそれぞれ作用して両者の相溶性を向上させ、クリーニング時に凝集体の除去を促進するためと考えられる。
以下、本実施形態に係るインクジェットインクにおいて、含まれ得る成分、物性及び製造方法について説明する。
1.1.無機酸化物コロイド
無機酸化物コロイドは、SiO2、Al23等の微粒子が分散媒に分散した状態を言い、本実施形態においてインクが無機酸化物コロイドを含むとは、インクを構成する溶媒を分散媒として無機酸化物微粒子が分散した状態であることをいう。
無機酸化物コロイドとしては、特に制限されないが、例えば、コロイダルシリカ、アルミナコロイドが挙げられる。このなかでも、コロイダルシリカが好ましい。このような無機酸化物コロイドを用いることにより、得られる記録物のカールやコックリングがより抑制され、それによって記録媒体の高速搬送が可能になる。またコロイダルシリカは、ヒュームドシリカ等の乾式シリカと比較して、沈降が抑制され分散安定性がより向上する傾向にあり、また含有させてもインクジェットインクの粘度が上がりにくいため、吐出安定性にも優れる傾向にある。これに加えて、このような無機酸化物コロイドを用い、アミノ酸と2種のグリコールモノエーテルと併用することによってクリーニング回復性がより向上する傾向にある。なお、無機酸化物コロイドは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機酸化物コロイドの粒子は、表面処理がされたものであってもよい。例えば、コロイダルシリカは、アルミナで表面処理されていてもよい。これにより、コロイドの安定分散が可能なpHの範囲が拡大し、分散安定性がより向上する傾向にある。
上記のようなコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもでき、例えば、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスO、スノーテックスN、スノーテックスC(以上、すべて「日産化学工業株式会社」製)が挙げられる。
無機酸化物コロイドの平均粒径は、好ましくは5~150nmであり、より好ましくは5~100nmであり、さらに好ましくは10~70nmである。平均粒径が150nm以下であることにより、沈降が抑制され分散安定性がより向上する傾向にある。また、平均粒径が5nm以上であることにより、印字面の滑摩擦がより向上する傾向にある。
コロイダルシリカの平均粒子径は、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。このような粒度分布測定装置としては、例えば、周波数解析法としてホモダイン光学系を採用した大塚電子株式会社製の「ゼータ電位・粒径・分子量測定システム ELSZ2000ZS」(商品名)が挙げられる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、特に断りのない限り、個数基準の平均粒子径のことを指すものとする。
無機酸化物コロイドの含有量は、固形分として、インクの総量に対して、好ましくは1.0~15質量%であり、より好ましくは3.0~15質量%であり、さらに好ましくは5.0~10質量%である。無機酸化物コロイドの含有量が1.0質量%以上であることにより、得られる記録物のカールやコックリングがより抑制され、それによって記録媒体の搬送速度をより向上できる。また、無機酸化物コロイドの含有量が15質量%以下であることにより、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
1.2.アミノ酸
本実施形態におけるアミノ酸は、アミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を有する化合物をいう。なお、本実施形態においてアミノ基は、4級アンモニウム基を含むものとする。アミノ基は、安定性の観点から、3級アミノ基及び4級アンモニウム基が好ましい。このようなアミノ酸としては、特に制限されないが、例えば、ジメチルグリシン、ジメチルアラニン、ジメチルグルタミン酸、及びジエチルグリシンなどの3級アミノ酸;トリメチルグリシン、トリメチルアラニン、トリメチルグルタミン酸、及びトリエチルグリシンなどの4級アンモニウム化合物が挙げられる。このなかでも、4級アンモニウム化合物が好ましく、トリメチルグリシンがより好ましい。このようなアミノ酸を用いることにより、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。なお、アミノ酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミノ酸を構成する炭素数は、好ましくは3~12であり、より好ましくは3~7であり、さらに好ましくは4~6である。アミノ酸の炭素数が上記範囲内であることにより、帯電性異物の混入などの外乱に対する安定性がより向上する傾向にある。
アミノ酸の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは1~30質量%であり、より好ましくは3~20質量%であり、さらに好ましくは4~16質量%である。アミノ酸の含有量が上記範囲内であることにより、無機酸化物コロイドが乾燥によって凝集する際に硬い凝集体が形成されることが抑制され、また、無機酸化物コロイドの分散安定性が向上するため、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
アミノ酸の含有量は、無機酸化物コロイドの固形分の含有量よりも質量基準において多いことが好ましい。具体的には、アミノ酸の含有量は、無機酸化物コロイドの固形分の含有量に対して、質量基準で、好ましくは1.1~7.5倍であり、より好ましくは1.5~5.0倍であり、さらに好ましくは2.0~3.0倍である。アミノ酸の含有量が上記範囲内であることにより、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
1.3.グリコールモノエーテル
本実施形態においては、末端アルキル基の炭素数の異なる2種のグリコールモノエーテルを用いる。炭素数がより大きい末端アルキル基を有するものを第1のグリコールモノエーテルといい、炭素数がより小さい末端アルキル基を有するものを第2のグリコールモノエーテルという。このとき、第1のグリコールモノエーテルは以下の式(1)で表すことができ、第2のグリコールモノエーテルは以下の式(2)で表すことができる。
11O-(R12O)n1-H ・・・(1)
(式(1)中、R11は炭素数が2~10のアルキル基を示し、R12は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、n1は、1~10の繰り返し数を示す。)
21O-(R22O)n2-H ・・・(2)
(式(2)中、R21は炭素数が1~8のアルキル基を示し、R22は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、R21の炭素数はR11の炭素数よりも小さく、n2は、1~10の繰り返し数を示す。)
11及びR21は、それぞれ第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルの末端アルキル基を示す。このようなアルキル基としては、特に制限されないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、テキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基が挙げられる。
11及びR21は、R21の炭素数がR11の炭素数よりも小さいという関係を有する。R11の炭素数は2~10であり、好ましくは2~6であり、より好ましくは2~4である。また、R21の炭素数は、1~8であり、好ましくは1~4であり、より好ましくは1~2である。さらに、R11の炭素数とR21の炭素数との差は、好ましくは1~5であり、より好ましくは1~4であり、さらに好ましくは2~3である。R11及びR21の炭素数が上記範囲内であることにより、無機酸化物コロイド及び凝集した場合の凝集体とインクとの相溶性がより向上し、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
12及びR22は、それぞれ第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルのグリコール骨格を構成するアルキレン基を示す。このようなアルキレン基としては、特に制限されないが、例えば、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基が挙げられる。このなかでも、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。R12及びR22の炭素数は2~4であり、好ましくは2~3である。また、第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルのグリコール骨格を構成するアルキレン基は、同一であっても異なっていてもよい。このなかでも、第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルとは、いずれもR12及びR22がエチレン基であることが好ましく、いずれもトリエチレングリコールのモノエーテルであることがより好ましい。このようなR12及びR22を用いることにより、無機酸化物コロイド及び凝集した場合の凝集体とインクとの相溶性がより向上し、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
n1及びn2は、それぞれ第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルのグリコール単位の繰り返し数を示す。n1及びn2は1~10であり、好ましくは2~7であり、より好ましくは2~4であり、さらに好ましくは3である。n1及びn2が上記範囲内であることにより、無機酸化物コロイド及び凝集した場合の凝集体とインクとの相溶性がより向上し、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
第1のグリコールモノエーテルの含有量は、インクの総量に対して、好ましくは0.1~10質量%であり、より好ましくは0.3~8質量%であり、さらに好ましくは0.5~6質量%である。第1のグリコールモノエーテルの含有量が上記範囲内であることにより、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
第2のグリコールモノエーテルの含有量は、インクの総量に対して、好ましくは0.1~8質量%であり、より好ましくは0.2~6質量%であり、さらに好ましくは0.3~4質量%である。第2のグリコールモノエーテルの含有量が上記範囲内であることにより、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
第1のグリコールモノエーテルの含有量は、第2のグリコールモノエーテルとの含有量に対して、質量基準で、好ましくは0.5~10倍であり、好ましくは0.75~7.5倍であり、好ましくは1.0~5.0倍である。第1のグリコールモノエーテルの含有量と第1のグリコールモノエーテルの含有量が上記関係を有することにより、無機酸化物コロイド及び凝集した場合の凝集体とインクとの相溶性がより向上し、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
また、第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルの合計含有量は、インクの総量に対して、好ましくは0.3~15質量%であり、より好ましくは0.5~10質量%であり、さらに好ましくは0.5~6.0質量%である。第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルの合計含有量が上記範囲内であることにより、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルの合計含有量は、無機酸化物コロイドの固形分の含有量よりも質量基準において少ないことが好ましい。具体的には、第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルの合計含有量は、無機酸化物コロイドの固形分の含有量に対して、質量基準で、好ましくは0.05~0.95倍であり、より好ましくは0.10~0.90倍であり、さらに好ましくは0.20~0.90倍である。第1のグリコールモノエーテルと第2のグリコールモノエーテルの合計含有量が上記範囲内であることにより、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
1.4.水
水の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは40~80質量%であり、より好ましくは50~80質量%であり、さらに好ましくは55~75質量%であり、よりさらに好ましくは55~70質量%であり、特に好ましくは55~65%である。水の含有量が40質量%以上であることにより、水の一部が蒸発した際でもインクの粘度上昇が抑制され、吐出安定性がより向上する傾向にある。また、水の含有量が80質量%以下であることにより、得られる記録物のカールやコックリングがより抑制される傾向にある。
1.5.顔料
本実施形態のインクジェットインクは、色材として顔料を含んでもよい。顔料としては、特に制限されないが、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の有機顔料;カーボンブラック(例えば、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等)、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等の無機顔料;炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料等を用いることができる。
上記顔料は、分散剤により水に分散させて得られる顔料分散液として、あるいは、顔料粒子表面に化学反応を利用して親水性基を導入した自己分散型の表面処理顔料を水に分散させて得られるか、又は、ポリマーで被覆された顔料を水に分散させて得られる顔料分散液として、インクに添加されることが好ましい。
上記顔料分散液を構成する顔料及び分散剤は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料の含有量は、インクの総量に対して、固形分として、好ましくは1.0~12質量%であり、より好ましくは2.0~10質量%であり、さらに好ましくは3.0~7.5質量%である。
1.6.界面活性剤
本実施形態のインクジェットインクは、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。このなかでも、クリーニング回復性の観点からアセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール及び2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4-ジメチル-5-デシン-4-オール及び2,4-ジメチル-5-デシン-4-オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアープロダクツ社製商品名)、サーフィノール61、104、465(日信化学工業社製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S-144、S-145(旭硝子株式会社製);FC-170C、FC-430、フロラード-FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO-100、FSN、FSN-100、FS-300(Dupont社製);FT-250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK-306、BYK-307、BYK-333、BYK-341、BYK-345、BYK-346、BYK-347、BYK-348、BYK-349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、KF-6020、X-22-4515、KF-6011、KF-6012、KF-6015、KF-6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、インクの総質量に対し、好ましくは0.1~5.0質量%であり、より好ましくは0.1~3.0質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。
1.7.pH調整剤
本実施形態のインクジェットインクは、上記以外の成分として、pH調整剤を含んでもよい。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸等)、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン)、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等)等が挙げられる。このなかでも、有機塩基が好ましい。pH調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本実施形態のインクのpHは、好ましくは6~10である。pHが上記範囲内であることにより、クリーニング回復性がより向上する傾向にある。pH調整剤の含有量はpHを目的とする範囲に調整可能な量であれば特に制限されないが、一例として、インクの総質量に対し、好ましくは0.1~5.0質量%であり、より好ましくは0.1~3.0質量%である。
1.8.水溶性有機溶剤
本実施形態のインクジェットインクは、上記以外の成分として、水溶性有機溶剤を含んでもよい。水溶性有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、グリセリン、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキシレングリコールなどが挙げられる。このなかでも、保湿効果という点からグリセリンが好ましい。
水溶性有機溶剤の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは0.5~15質量%であり、より好ましくは1.0~9.0質量%であり、さらに好ましくは3.0~7.0質量%である。
1.9.インクジェットインクの製造方法
本実施形態のインクジェットインクの製造方法は、特に制限されず、無機酸化物コロイドと、アミノ酸と、第1のグリコールモノエーテルと、第2のグリコールモノエーテルと、水と、必要に応じてその他の成分とを、混合する方法が挙げられる。なお、無機酸化物コロイドは、コロイド溶液の状態で混合してもよいし、顔料を用いる場合には、顔料分散液の状態で混合してもよい。
2.インクジェット方法
本実施形態に係るインクジェット方法は、所定のインクジェットヘッドを用いて、上記インクジェットインクを、吐出して記録媒体に付着させる吐出工程と、記録媒体を搬送する搬送する搬送工程とを有する。なお、吐出工程と搬送工程は同時に行ってもよいし、交互に行ってもよい。
2.1.吐出工程
吐出工程では、インクジェットヘッドからインクを吐出して記録媒体に付着させる。より具体的には、インクジェットヘッド内に設けられた圧力発生手段を駆動させて、インクジェットヘッドの圧力発生室内に充填されたインクをノズルから吐出させる。このような吐出方法をインクジェット法ともいう。
吐出工程において用いるインクジェットヘッドとしては、ライン方式により記録を行うラインヘッドと、シリアル方式により記録を行うシリアルヘッドが挙げられる。
ラインヘッドを用いたライン方式では、例えば、記録媒体の記録幅以上の幅を有するインクジェットヘッドを記録装置に固定する。そして、記録媒体を副走査方向(記録媒体の搬送方向)に沿って移動させ、この移動に連動してインクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出させることにより、記録媒体上に画像を記録する。
シリアルヘッドを用いたシリアル方式では、例えば、記録媒体の幅方向に移動可能なキャリッジにインクジェットヘッドを搭載する。そして、キャリッジを主走査方向(記録媒体の幅方向)に沿って移動させ、この移動に連動してインクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出させることにより、記録媒体上に画像を記録する。
2.2.搬送工程
搬送工程では、記録装置内で所定の方向に記録媒体を搬送する。より具体的には、記録装置内に設けられた搬送ローラーや搬送ベルトを用いて、記録装置の給紙部から排紙部へと記録媒体を搬送する。その搬送過程において、インクジェットヘッドから吐出されたインクが記録媒体に付着し、記録物が形成される。搬送は、連続的に行ってもよいし断続的に行ってもよい。
2.3.記録媒体
本実施形態で用いる記録媒体としては、特に制限されないが、例えば、吸収性又は非吸収性の記録媒体が挙げられる。このなかでも、吸収性記録媒体はカールなどの問題が生じやすいため、無機酸化物コロイドを用いつつもクリーニング回復性に優れる本発明が有効である。
吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)から、インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
非吸収性記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン等のプラスチック類のフィルムやプレート;鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート;又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレート;紙製の基材にポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン等のプラスチック類のフィルムを接着(コーティング)した記録媒体等が挙げられる。
3.記録装置
本実施形態の記録装置は、インクジェットインクを記録媒体に対して吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、を備える。インクジェットヘッドは、インクが供給される圧力室と、インクを吐出するノズルと、を備える。また、搬送手段は、記録装置内に設けられた搬送ローラーや搬送ベルトから構成される。
以下、本実施形態に係る記録装置について、図1を参照して説明する。なお、図1において示すX-Y-Z座標系はX方向が記録媒体の長さ方向、Y方向が記録装置内の搬送経路における記録媒体の幅方向、Z方向が装置高さ方向を示している。
記録装置10は一例として、高速及び高密度の印刷が可能なライン型インクジェットプリンターである。記録装置10は、用紙等の記録媒体Pを収納する給送部12と、搬送部14と、ベルト搬送部16と、記録部18と、「排出部」としてのFd(フェイスダウン)排出部20と、「載置部」としてのFd(フェイスダウン)載置部22と、「反転搬送機構」としての反転経路部24と、Fu(フェイスアップ)排出部26と、Fu(フェイスアップ)載置部28とを備えている。
給送部12は、記録装置10において装置下部に配置されている。給送部12は、記録媒体Pを収納する給送トレイ30と、該給送トレイ30に収納された記録媒体Pを搬送経路11に送り出す給送ローラー32とを備えている。
給送トレイ30に収納された記録媒体Pは、給送ローラー32により搬送経路11に沿って搬送部14に給送される。搬送部14は、搬送駆動ローラー34と搬送従動ローラー36とを備えている。搬送駆動ローラー34は、図示しない駆動源により回転駆動される。搬送部14において、記録媒体Pは、搬送駆動ローラー34と搬送従動ローラー36との間に狭持(ニップ)されて搬送経路11の下流側に位置するベルト搬送部16へと搬送される。
ベルト搬送部16は、搬送経路11において上流側に位置する第1ローラー38と、下流側に位置する第2ローラー40と、第1ローラー38及び第2ローラー40に回転移動可能に取り付けられた無端ベルト42と、第1ローラー38と第2ローラー40との間において無端ベルト42の上側区間42aを支持する支持体44とを備える。
無端ベルト42は、図示しない駆動源により駆動された第1ローラー38または第2ローラー40により上側区間42aにおいて+X方向から-X方向に移動するように駆動される。このため、搬送部14から搬送された記録媒体Pは、ベルト搬送部16においてさらに搬送経路11の下流側に搬送される。
記録部18は、ライン型のインクジェットヘッド48と、該インクジェットヘッド48を保持するヘッドホルダー46とを備えている。尚、該記録部18は、Y軸方向に往復移動するキャリッジにインクジェットヘッドが設けられたシリアル型のものであってもよい。インクジェットヘッド48は、支持体44に支持された無端ベルト42の上側区間42aと対向するように配置されている。インクジェットヘッド48は、無端ベルト42の上側区間42aにおいて記録媒体Pが搬送される際、記録媒体Pに向けてインクを吐出し、記録を実行する。記録媒体Pは、記録が行われつつベルト搬送部16により搬送経路11の下流側に搬送される。
なお、「ライン型のインクジェットヘッド」とは、記録媒体Pの搬送方向と交差する方向に形成されたノズルの領域が、記録媒体Pの交差方向全体をカバー可能なように設けられ、ヘッド又は記録媒体Pの一方を固定し他方を移動させて画像を形成する記録装置に用いられるヘッドである。なお、ラインヘッドの交差する方向のノズルの領域は、記録装置が対応している全ての記録媒体Pの交差方向全体をカバー可能でなくてもよい。
また、ベルト搬送部16の搬送経路11の下流側には、第1分岐部50が設けられている。第1分岐部50は、記録媒体PをFd排出部20またはFu排出部26へ搬送する搬送経路11と、記録媒体Pの記録面を反転させて再度記録媒体Pを記録部18に搬送する反転経路部24の反転経路52とに切り替え可能に構成されている。尚、第1分岐部50により反転経路52に切り替えられて搬送される記録媒体Pは、反転経路52における搬送過程において記録面が反転され、最初の記録面と反対側の面がインクジェットヘッド48と対向するように記録部18に再度搬送される。
搬送経路11に沿って第1分岐部50の下流側には、さらに第2分岐部54が設けられている。第2分岐部54は、記録媒体PをFd排出部20へ向けて搬送し、または記録媒体PをFu排出部26へ向けて搬送するように記録媒体Pの搬送方向を切り替え可能に構成されている。
第2分岐部54においてFd排出部20へ向けて搬送される記録媒体Pは、Fd排出部20から排出され、Fd載置部22に載置される。このとき、記録媒体Pの記録面は、Fd載置部22に対向するように載置される。また、第2分岐部54においてFu排出部26へ向けて搬送される記録媒体Pは、Fu排出部26から排出され、Fu載置部28に載置される。このとき、記録媒体Pの記録面は、Fu載置部28と反対側に向くように載置される。
インクジェット法を用いる記録装置では、液体であるインクを記録媒体に付着させることから、記録媒体、特に普通紙、インクジェット用紙等の吸収性の記録媒体においてはカールなどの問題が生じたり、インク乾燥前に記録物が排出され重なるため記録物を正確にスタックできないという問題が生じたりする。特に記録媒体を0.5m/s以上で高速搬送すると、この課題が顕著になる傾向にある。また、インクジェット印字面のぬれ摩擦抵抗が大きいベタ画像になると、記録物が滑らずにつっかえてしまったり、ほぼ記録物が揃っても、きれいに揃えることが困難になり、ステープラー(ホッチキス止め)がずれてしまうといった課題が発生する。また、印字面が下を向いて排紙されるフェイスダウン排紙においては、インクの乾燥がし難いため、よりスタック性が困難になるといった課題が発生する。その上、吸収性の記録媒体においては、印字すると、印字面が膨張するため、印字直後に印字面が凸となる排紙カール(一次カール)が発生するという課題もある。さらに、乾燥が進行すると、印字面が収縮するため、十数秒から数分で印字面が凹となる永久カール(二次カール)が発生するという課題がある。
これに対して、本実施形態では、無機酸化物コロイドを含む上記インクジェットインクを用いることにより、印字面のぬれ摩擦抵抗を下げつつ、カールを抑制できることから、スタック性を向上させることができる。特に、0.5m/s以上の高速で記録媒体Pを搬送させつつ、インクジェット記録を行う場合に、スタック性の向上効果が顕著となる。
なお、上記では、ライン型のインクジェットヘッドを用いる場合の例について説明したが、本実施形態に係る記録装置は、シリアル型のインクジェットヘッドを用いるプリンタ(シリアルプリンタ)であってもよい。シリアルプリンタでは、記録媒体を搬送方向に搬送させつつ、インクジェットヘッドを当該搬送方向と交差する方向に移動させることにより、印刷が行われる。シリアルプリンタであっても、印刷中におけるヘッドと記録媒体の相対速度が0.5m/s以上と高速であれば、スタック性の課題が生じ得るため、上述したインクを用いることによりスタック性の向上効果が得られる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
1.インクの調製
表1に記載の組成となるように、混合物用タンクに各成分を入れ、混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過することにより各例のインクジェットインクを得た。なお、表中の各例に示す各成分の数値は特段記載のない限り質量%を表す。また、表中において、無機酸化物コロイド及び顔料分散液の数値は、固形分の質量%を表す。
表1中で使用した略号や製品成分は以下のとおりである。
〔無機酸化物コロイド〕
コロイダルシリカ(日産化学工業製、ST-30L、粒子径45nm、固形分30%)
〔アミノ酸〕
トリメチルグリシン(無水ベタイン、東京化成工業社製)
〔グリコールモノエーテル〕
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGmBE、末端炭素数4)
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(TEGmME、末端炭素数1)
トリエチレングリコールモノエチルエーテル(TEGmEE、末端炭素数2)
〔顔料分散液〕
CAB-O-JET300(キャボット社製商品名、固形分15%)
〔界面活性剤〕
オルフィンE1010(エアープロダクツ社製商品名、アセチレングリコール系界面活性剤)
サーフィノール104(日信化学工業社製商品名、アセチレングリコール系界面活性剤)
〔pH調整剤〕
トリエタノールアミン(東京化成工業社製)
〔水溶性有機溶剤〕
グリセリン
2.評価方法
2.1.クリーニング回復性の評価
EPSON製LX-10000F(ラインインクジェットプリンタ)のインクカートリッジにインクを充填し、全ノズルよりインクが吐出できることを確認した。その後、インクジェットヘッドがプリンタに備えられたキャップの位置からずれており、ヘッドにキャップがされていない状態で、40℃ 湿度20%の環境下で7日間放置した。
放置後、インクジェットヘッドのクリーニングとして、ノズル内のインクの吸引動作を1回行うごとに、インクが吐出できないノズルの本数をカウントした。その結果を、表1に示す。
2.2.カールの評価
EPSON製PX-S840(シリアルインクジェットプリンタ)のインクカートリッジにインクを充填し、記録媒体(A4サイズのXerox P紙、富士ゼロックス社製コピー用紙、坪量64g/m2、紙厚88μm)に対して、温度25℃、湿度50%の環境下において、印刷Duty:100%でベタパターンを印刷した。そして、印刷後フェイスアップで1週間放置した際の、用紙端の床面からの浮き上がり量を測定した。評価基準は以下のとおりである。
〔評価基準〕
A:浮き上がり量10mm未満
B:浮き上がり量10~20mm
C:浮き上がり量20mm以上
3.評価結果
表1に、各例で用いたインクの組成、並びに評価結果を示した。表1から、アミノ酸と、第1のグリコールモノエーテルと、第2のグリコールモノエーテルを含むインクを用いた場合には、無機酸化物コロイドを含むインクであってもクリーニング回復性に優れることが分かった。
詳しくは各実施例と比較例1~3とを比較すると、アミノ酸、長鎖グリコールモノエーテルと、短鎖グリコールモノエーテルを全て含むことにより、クリーニング回復性に優れることがわかる。
また、EPSON製LX-10000F (ラインインクジェットプリンタ)のインクカートリッジに各実施例のインクを充填し、記録媒体(A4サイズのXerox P紙、富士ゼロックス社製コピー用紙、坪量64g/m2、紙厚88μm)に対して、温度25℃、湿度50%の環境下において、印刷Duty:100%でベタパターンを20枚連続印刷し、フェイスダウンで排紙したところ、用紙が良好にスタックできた。
10記録装置、11搬送経路、12給送部、14搬送部、16ベルト搬送部、18記録部、20Fd排出部、22Fd載置部、24反転経路部、26Fu排出部、28Fu載置部、30給送トレイ、32給送ローラー、34搬送駆動ローラー、36搬送従動ローラー、38第1ローラー、40第2ローラー、42無端ベルト、42a無端ベルトの上側区間、44支持体、46ヘッドホルダー、48インクジェットヘッド、50第1分岐部、52反転経路、54第2分岐部、56排出ローラー対、64排出駆動ローラー、68駆動軸、76載置面、78凸状部、80第1付勢部材、82第2付勢部材、84、86支持軸、P記録媒体

Claims (12)

  1. 無機酸化物コロイドと、アミノ酸と、下記式(1)で表される第1のグリコールモノエーテルと、下記式(2)で表される第2のグリコールモノエーテルと、界面活性剤と、水と、を含む、
    11O-(R12O)n1-H ・・・(1)
    (式(1)中、R11は炭素数が2~10のアルキル基を示し、R12は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、n1は、1~10の繰り返し数を示す。)
    21O-(R22O)n2-H ・・・(2)
    (式(2)中、R21は炭素数が1~8のアルキル基を示し、R22は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、R21の炭素数はR11の炭素数よりも小さく、n2は、1~10の繰り返し数を示す。)
    吸収性記録媒体用のインクジェットインク。
  2. 前記無機酸化物コロイドが、コロイダルシリカを含む、
    請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記無機酸化物コロイドの含有量が、固形分として、インクの総量に対して、3.0~15質量%である、
    請求項1又は2に記載のインクジェットインク。
  4. 前記R12及び前記R22は、エチレン基である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のインクジェットインク。
  5. 前記第1のグリコールモノエーテルの含有量が、前記第2のグリコールモノエーテルとの含有量に対して、質量基準で、0.5~10倍である、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のインクジェットインク。
  6. 前記第1のグリコールモノエーテルと前記第2のグリコールモノエーテルとの合計含有量が、前記無機酸化物コロイドの固形分含有量より、質量基準において少ない、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のインクジェットインク。
  7. 前記第1のグリコールモノエーテルと前記第2のグリコールモノエーテルとの合計含有量が、インクの総量に対して、0.5~6.0質量%である、
    請求項1~6のいずれか一項に記載のインクジェットインク。
  8. 前記アミノ酸が、トリメチルグリシンを含む、
    請求項1~7のいずれか一項に記載のインクジェットインク。
  9. 前記アミノ酸の含有量が、前記無機酸化物コロイドの固形分含有量より、質量基準において多い、
    請求項1~8のいずれか一項に記載のインクジェットインク。
  10. 前記水の含有量が、インクの総量に対して、50~80質量%である、
    請求項1~9のいずれか一項に記載のインクジェットインク。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載のインクジェットインクを記録媒体に対して吐するノズルを有するインクジェットヘッドと、
    前記記録媒体を搬送する搬送手段と、を備える、
    記録装置。
  12. 前記インクジェットヘッドが、ラインヘッドである、
    請求項11に記載の記録装置。
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