JP7413177B2 - 運転曲線作成装置、運転支援装置および運転制御装置 - Google Patents

運転曲線作成装置、運転支援装置および運転制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7413177B2
JP7413177B2 JP2020124568A JP2020124568A JP7413177B2 JP 7413177 B2 JP7413177 B2 JP 7413177B2 JP 2020124568 A JP2020124568 A JP 2020124568A JP 2020124568 A JP2020124568 A JP 2020124568A JP 7413177 B2 JP7413177 B2 JP 7413177B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving
curve
collision avoidance
unit
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020124568A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022021144A (ja
Inventor
英明 行木
仁志 井山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2020124568A priority Critical patent/JP7413177B2/ja
Publication of JP2022021144A publication Critical patent/JP2022021144A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7413177B2 publication Critical patent/JP7413177B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)

Description

本発明の実施形態は、運転曲線作成装置、運転支援装置および運転制御装置に関する。
大都市圏の高密度な鉄道路線では、先行列車の遅延が後続列車の遅延を誘発しやすい。先行列車が遅延している場合、後続列車がダイヤ通りの運転で先行列車に接近すると、先行列車への衝突を回避するための停止パターン(以下、衝突回避パターンと称する)に抵触(=運転曲線が衝突回避パターンと交差)し、ATC(自動列車制御装置)等によるブレーキ動作で駅の手前に停止する。いったん停止すると再加速に時間がかかり、駅への到着が遅れるため、後続列車は先行列車に接近しないように速度を抑制して運転する必要がある。さらに、このような状況下でも良好な乗り心地を保ち、省エネを実現できることが望ましい。
上記課題を解決するため、特許文献1の技術では、衝突回避パターンの解除時刻を予測するとともに、当該パターンの解除後、駅到着までの時間が最短となる当該パターン上の点(以下、接近点と称する)をあらかじめ算出しておく。そして、衝突回避パターンの解除時刻に接近点を通過し、かつ接近点まで惰行する運転曲線を作成することで、先行列車の遅延による後続列車の遅延を抑制する。
特許第6518609号公報
上記従来の技術は、駅到着までの時間が最短となる運転曲線を一義的に決定する方式であった。
このため、駅到着の時間よりも乗り心地や省エネを優先し、減速後の再加速を抑制するような運転曲線は別処理で作成する必要があった。また、乗り心地を考慮し、衝突回避パターンよりも低い減速度で減速する場合、減速度に応じて異なる接近点を計算するための別処理が必要となる。
上記課題に鑑み、本発明は、先行列車の遅延による後続列車の遅延を抑制し、時間、乗り心地、省エネ等の優先順位に応じて適切な運転曲線を作成できる運転曲線作成装置、運転支援装置および運転制御装置を提供することを目的としている。
実施形態の運転曲線作成装置は、衝突回避パターン解除時刻の予測結果に基づいて運転曲線作成条件を設定する条件設定部と、所定のパラメータを用いて、衝突回避パターン起点および駅停止位置から進行方向と逆向きに移動体の挙動を模擬する逆行計算を行うとともに、進行方向に移動体の挙動を模擬する順行計算を行い、運転曲線を作成するシミュレーション部と、シミュレーション部で用いるパラメータを調整するパラメータ調整部と、シミュレーション部で作成した運転曲線の走行時間を評価する運転曲線評価部とを備え、シミュレーション部は、順行計算において、衝突回避パターン解除時刻に応じて当該衝突回避パターンを起点とする逆行計算結果と、到着位置を起点とする逆行計算結果と、を切り替えて運転曲線を作成し、運転曲線評価部は、シミュレーション部で作成した運転曲線のうち、到着位置により早く到着する運転曲線を選択する。
図1は、第1実施形態の運転曲線作成装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、運転曲線作成装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。 図3は、走行シミュレーションにより、衝突回避パターン抵触まで最速の条件で、駅出発から衝突回避パターン解除時刻までの運転曲線を作成した例の説明図である。 図4は、走行シミュレーションにより、当該衝突回避パターン解除後から到着駅停止までの運転曲線を作成した例の説明図である。 図5は、第1走行シミュレーションで作成した第1の運転曲線の一例の説明図である。 図6は、第1走行シミュレーションで作成した第2の運転曲線の一例の説明図である。 図7は、第1走行シミュレーションで作成した第3の運転曲線の一例の説明図である。 図8は、速度Aと走行時間の関係の説明図である。 図9は、速度Aと消費電力量の関係の説明図である。 図10は、仮想の制限速度の設定例の説明図である。 図11は、仮想速度制限を設定した場合の運転曲線作成例の説明図である。 図12は、衝突回避パターン解除後から到着駅停止までの運転曲線の作成例の説明図である。 図13は、繰り返し処理により得られた走行時間が最短となる運転曲線例の説明図である。 図14は、惰行量と走行時間との関係の説明図である。 図15は、第2実施形態の運転支援装置の概要構成ブロック図である。 図16は、第3実施形態の運転曲線作成装置10を備えた運転制御装置の概要構成ブロック図である。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態の運転曲線作成装置の概略構成を示すブロック図である。
運転曲線作成装置10は、列車の運転曲線を作成する。本実施形態による運転曲線作成装置10は、列車以外の移動体の運転曲線作成にも適用できる。以下の説明においては、列車の運転曲線作成を行う場合を例として説明する。
運転曲線作成装置10は、データ入出力部11と、演算部12と、車両路線情報データベース13と、を備えている。図1の運転曲線作成装置10の機能は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現できる。
データ入出力部11は、運転ダイヤ情報や衝突回避パターン解除時刻の予測結果等を入力するとともに、後述する運転曲線評価部24で選択した運転曲線を出力する。データ入出力部11は、例えば、ユーザインターフェースを備え、運転曲線作成装置10で必要な情報を、ユーザが容易に入力できるようにする。また、運転曲線作成装置10で作成した運転曲線の情報を、ユーザが容易に取得できるようにする。データ入出力部11は、不図示のネットワークに接続し、必要な情報をネットワーク経由で入出力してもよい。
演算部12は、条件設定部21と、シミュレーション実行部22と、パラメータ調整部23と、運転曲線評価部24と、を備えている。
条件設定部21は、列車の走行範囲すなわち出発駅と到着駅の停止位置、出発時刻と到着時刻、衝突回避パターン解除時刻、衝突回避パターンの起点等をシミュレーション条件として設定する。
シミュレーション実行部22は、車両路線情報データベース13に記録した列車性能および路線情報と、条件設定部21で設定した列車の走行条件と、後述するパラメータ調整部23により設定したパラメータに基づいて、走行シミュレーションを実行し、走行範囲における列車の運転曲線を作成する。
シミュレーション実行部22は、走行シミュレーションとして、第1走行シミュレーション及び第2走行シミュレーションを実行する。
ここで、第1走行シミュレーションでは、衝突回避パターンに抵触するまでの速度の異なる複数の運転曲線を作成する。
また、第2走行シミュレーションは、第1走行シミュレーションで調整した速度に対し、速度増分を付加した上で、惰行条件の異なる複数の運転曲線を作成する。
パラメータ調整部23は、シミュレーション実行部22が走行シミュレーションを実行する際のパラメータを調整する。第1走行シミュレーションでは、衝突回避パターン抵触までの速度を調整する。また、第2走行シミュレーションでは、惰行条件を調整する。具体的には、ある惰行条件で走行シミュレーションを実施した後、惰行量を増やす。
運転曲線評価部24は、シミュレーション実行部22で実行した複数の走行シミュレーションに対応する運転曲線を評価し、走行時間が最も短いもの、すなわち駅に早く到着する運転曲線を選択する。選択した運転曲線は、データ入出力部11に送信する。
車両路線情報データベース13は、列車の力行特性、ブレーキ特性等の性能情報や、駅停止位置、衝突回避パターンの起点、制限速度、勾配、曲線等の路線情報を記録する。また、運転ダイヤ情報を記録してもよい。車両路線情報データベース13の情報は、状況の変化に応じて適宜更新される。
次に実施形態の動作を説明する。
図2は、運転曲線作成装置による処理手順の一例を示すフローチャートである。
演算部12の条件設定部21は、列車の走行範囲を設定する(ステップS11)。
ここで、走行範囲とは、例えば、出発駅の停止位置から到着駅の停止位置までをいう。
条件設定部21は、データ入出力部11に入力された運転ダイヤ情報と時刻に基づいて現在駅の駅名を特定する。そして、条件設定部21は、車両路線情報データベース13を参照し、車両路線情報データベース13を記録した当該駅の位置情報に基づいて走行範囲を設定する。
この場合において、現在駅は、列車の位置情報に基づいて判定してもよい。また、ユーザインターフェースを介して出発駅と到着駅をユーザが直接入力してもよく、走行範囲は駅間の途中からであってもよい。
次に条件設定部21は、また、データ入出力部11に入力された情報に基づき、衝突回避パターン解除時刻を設定する(ステップS12)。
設定した衝突回避パターン解除時刻の値は、後述する走行シミュレーションで参照される。なお、衝突回避パターン解除時刻の代わりに、先行列車の駅出発時刻の予測値を取得し、先行列車の駅出発時刻の予測値に衝突回避パターン解除までの時間を加えることで衝突回避パターン解除時刻を算出してもよい。
次にシミュレーション実行部22は、走行シミュレーションを実行し、衝突回避パターンに抵触するまでは最速の条件で到着駅停止までの運転曲線を作成する(ステップS13)。この場合において、走行シミュレーションは、例えば、特許第6087805号公報に記載された方法によって実行する。
走行シミュレーション上において時刻が衝突回避パターン解除時刻より前の状態では、衝突回避パターンの起点から進行方向とは逆向きに行うシミュレーション(衝突回避パターンによる減速と定速走行等を模擬)と、出発駅から進行方向の向きに行うシミュレーション(加速を模擬)と、の組み合わせにより運転曲線を作成する。なお、乗り心地を考慮する場合、衝突回避パターンの起点から進行方向と逆向きに行うシミュレーションにおいて、衝突回避パターンの減速度を低めに設定してもよい。
一方、シミュレーション上の時刻が衝突回避パターン解除時刻より後は、到着駅の停止位置から進行方向とは逆向きに行うシミュレーション(駅停止パターンによる減速と定速走行等を模擬)と、出発駅から進行方向の向きに行うシミュレーション(加速を模擬)と、の組み合わせにより運転曲線を作成する。
図3は、走行シミュレーションにより、衝突回避パターン抵触まで最速の条件で、駅出発から衝突回避パターン解除時刻までの運転曲線の作成例の説明図である。
運転曲線1aは、図3に示すように、衝突回避パターンPTCへの抵触後は当該衝突回避パターンPTCに従って減速、停止し、当該衝突回避パターンPTCの解除時刻まで停止を継続する。なお、衝突回避パターンPTCへの抵触までの速度(以下、速度Aと称する)は、制限速度VLMに対して所定の速度余裕(例えば、3km/h)をとって設定したものであり、これを最速条件としている。
図4は、走行シミュレーションにより、当該衝突回避パターン解除後から到着駅停止までの運転曲線の作成例の説明図である。
運転曲線1bは、図4に示すように、衝突回避パターンPTCの解除時刻までの運転曲線1aを引き継いでいる。そして、運転曲線1bは、衝突回避パターンPTCの解除後は、当該衝突回避パターンの起点PCに停止した状態から、到着駅の停止位置PSを起点とした駅停止パターンPTSに抵触するまで再加速する。そして、その後は、駅停止パターンPTSに従って減速し、停止する。
運転曲線評価部24は、ステップS13において作成した運転曲線が、衝突回避パターンに抵触したか否かを評価し、判定する(ステップS14)。
ところで、図3および図4に示した例では、運転曲線1aは衝突回避パターンPTCに抵触している場合を図示している。しかしながら、衝突回避パターンPTCの解除時刻が早いと、速度Aが最速条件でも衝突回避パターンPTCに抵触しないことがある。その場合には、先行列車の影響を考慮する必要はなく、図示してはいないが、通常の運転曲線作成を行うようにすればよい。
ステップS14において、衝突回避パターンPTCに抵触すると判定した場合(ステップS14;Yes)、パラメータ調整部23は、速度Aを調整する(ステップS15)。
続いてシミュレーション実行部22は、パラメータ調整部23による調整後の速度Aの条件で到着駅停止までの第1走行シミュレーションを実行し、運転曲線を作成する(ステップS16)。
次に運転曲線評価部24は、ステップS16における第1走行シミュレーションの結果に基づき、走行時間を評価し、走行時間が最短となったか否かを判断する(ステップS17)。
ステップS17において、走行時間が最短の運転曲線であるか否かは、走行時間が減少から増加に転じることで判定してもよいし、作成した複数運転曲線のうち最も走行時間の短いものを選択してもよい。
図5は、第1走行シミュレーションで作成した第1の運転曲線の一例の説明図である。
図5に示す運転曲線2a’、2b’は、速度Aを図4に示した最速に対して22km/h下げた場合であり、衝突回避パターン起点PCへの停止を回避できている。
図6は、第1走行シミュレーションで作成した第2の運転曲線の一例の説明図である。
図6の運転曲線2a、2bは、速度Aを図4に示した最速に対して27km/h下げた場合であり、衝突回避パターンへの抵触による速度低下が運転曲線2a’、2b’よりも小さくなっている。
図7は、第1走行シミュレーションで作成した第3の運転曲線の一例の説明図である。
図7の運転曲線2a”、2b”は、速度Aを図4に示した最速に対して36km/h下げた場合であり、当該衝突回避パターンに抵触する衝突回避パターン解除時刻において、丁度当該衝突回避パターン上の位置に到達している。この結果、列車は、減速することなく再加速に移行している。
図5~図7に示した運転曲線のうち、図6に示した運転曲線2a、2bの走行時間が最も短い。具体的には、運転曲線1a、1bの走行時間に対して、運転曲線2a、2bは、3.4秒短い。
また、図5に示した運転曲線2a’、2b’は運転曲線1a、1bの走行時間に対して、2.5秒短い。
さらに図7に示した運転曲線2a”、2b”は、運転曲線1a、1bと同じ走行時間となっている。
図8は、速度Aと走行時間の関係の説明図である。
図8に示すように、走行時間が極小となる速度Aが存在する。速度Aが最速の場合、衝突回避パターン起点に5秒ほど停止する。最速に対して速度Aの低減が小さい範囲では停止時間は減少するが、衝突回避パターン解除時刻に停止状態から再加速を開始する条件は変わらないため、走行時間は一定となる。速度Aをさらに低減すると、衝突回避パターン起点への停止を回避でき、再加速の時間が減少して走行時間が短くなる。走行時間は、所定の速度Aで極小となった後、増加に転じる。速度Aをさらに低減すると、衝突回避パターンへの抵触を完全に回避できるが、当該衝突パターンの解除時刻における列車位置が到着駅から遠くなるため、走行時間は長くなる。
図9は、速度Aと消費電力量の関係の説明図である。
速度Aが低いほど消費電力量は小さくなる。これは、以下の理由による。
第1は、速度Aが低いほど、衝突回避パターン抵触前の加速エネルギーと走行抵抗が小さいためである。また、第2は、衝突回避パターン抵触後の減速と再加速が少ないためである。
ステップS17の判断において、未だ走行時間が最短となっていない場合には(ステップS17;No)、処理を再びステップS15に移行し、上述した処理を繰り返すこととなる。
ステップS17の判断において、走行時間が最短となった場合には、走行時間が最短であると運転曲線評価部24が判定した運転曲線に対し、パラメータ調整部23は、減速から加速への変化点に仮想の速度制限を設定する(ステップS18)。これは、後述のステップS11~S12において、減速と加速の間に惰行を付加するための前処理である。
図10は、仮想の制限速度の設定例の説明図である。
図10においては、走行時間が最短である図6の運転曲線2a、2bに対して仮想の速度制限を設定した例を示している。
衝突回避パターン解除時刻において、減速から加速に変化しており、当該点に灰色の太線で示した仮想の速度制限を設定する。速度制限区間の長さは、付加したい惰行区間長さに応じて設定する。
ステップS17の判断において走行時間が最短であると運転曲線評価部24が判定した運転曲線に対し、パラメータ調整部23は、速度Aに速度増分を付加し、速度Bを設定する(ステップS19)。
速度Aに対して速度増分を付加する理由は、後述のステップS21~S22において、衝突回避パターンへの抵触前に惰行を付加して省エネを図るためである。すなわち、惰行によって走行時間が長くなることを踏まえている。
この場合において、速度増分を大きくすると、前駅出発後の到達速度が高くなり、後半の惰行区間は長くなる。到達速度の向上により駅ホームの軌道回路から進出する時間は短くなる方向であり、自列車のさらに後続の列車の駅進入への影響を小さくできる。
従って、自列車のさらに後続の列車の接近状況に応じて速度増分を調整してもよい。
シミュレーション実行部22は、ステップS18で設定した仮想の速度制限と、ステップS19で設定した速度Bの条件で走行シミュレーションを行い、到着駅停止までの運転曲線を作成する(ステップS20)。
図11は、仮想速度制限を設定した場合の運転曲線作成例の説明図である。
図11において、運転曲線3aは、走行時間が最短である図6の運転曲線2a、2bに対して、ステップS18の仮想速度制限の設定と、ステップS19の速度Bの設定を行い、走行シミュレーションにより作成した、駅出発から衝突回避パターン解除時刻までの運転曲線である。
ここで、衝突回避パターンPTC’は、仮想の速度制限を考慮しており、途中に短い定速走行区間がある。
図12は、衝突回避パターン解除後から到着駅停止までの運転曲線の作成例の説明図である。
図12の運転曲線3bは、衝突回避パターンPTC’の解除時刻までの運転曲線3aを引き継ぎ、走行シミュレーションにより、当該衝突パターンPTC’の解除後から到着駅停止までの運転曲線を作成した例である。
この場合において、駅停止パターンに抵触するまで再加速した後、駅停止パターンに従った減速に移行する際、加速と減速の間に惰行を付加している。
続いて、パラメータ調整部23は、惰行条件を調整する(ステップS21)。
この場合において、惰行条件は、惰行による速度低下量または惰行開始位置で調整する。
そして、シミュレーション実行部22は、パラメータ調整部23による調整後の惰行条件で到着駅停止までの第2走行シミュレーションを実行し、運転曲線を作成する(ステップS22)。
続いて、運転曲線評価部24は、ステップS12による走行シミュレーション結果に基づき、走行時間を評価する(ステップS23)。
ステップS23の評価において、走行時間が最短ではない場合には(ステップS23;No)、処理を再びステップS21に移行し、走行時間が最短となる運転曲線を得るまで、ステップS21~S23の処理を繰り返す。
図13は、繰り返し処理により得られた走行時間が最短となる運転曲線例の説明図である。
運転曲線4a、4bは、図13に示すように、出発後の加速の終了後、衝突回避パターン抵触まで惰行となっている。また、衝突回避パターンによる減速と再加速の間、再加速と駅停止パターンによる減速の間も惰行となっていることがわかる。
図14は、惰行量と走行時間との関係の説明図である。
図11及び図12に示した惰行を付加しない運転曲線3a、3bに対し、図14に示した運転曲線4a、4bの走行時間が最も短くなっている。なお、再加速と駅停止パターンによる減速の間の惰行は共通であり、惰行条件の調整範囲外である。
したがって、ステップS23の評価において、走行時間が最短である場合には(ステップS23;Yes)、データ出力部11は、ステップS23で決定した運転曲線を最終的な運転曲線として出力する(ステップS24)。
図14に示した運転曲線4a、4bは、先行列車を考慮しない運転曲線1a、1bに対して、走行時間は3.2秒短く、消費電力量は32%小さい。また、加速と減速の間には必ず惰行が入っており、乗り心地も考慮されている。従って、到着駅への到着の遅れを抑制できる。さらに、良好な乗り心地を確保しつつ省エネが実現されている。
ところで、走行時間が最も短い運転曲線は、衝突回避パターンで減速した後に、惰行を挟んで再加速するパターンを有しているが、乗り心地が若干悪くなるおそれがある。
このため、遅れを抑制しつつ乗り心地を優先する場合は、運転曲線選択時に、衝突回避パターンへの抵触の有無を判定し、衝突回避パターンへの抵触のない運転曲線の中で最も走行時間の短いものを選択してもよい。
例えば、図7に示した運転曲線2a”、2b”のような運転曲線を選択するようにしてもよい。
以上の説明のように、第1実施形態の運転曲線作成装置10では、衝突回避パターンとその解除時刻を考慮した第1走行シミュレーションにより速度を調整し、惰行しない条件で、到着駅に早く到着する運転曲線を作成する。
そして、第2走行シミュレーションにより、第1走行シミュレーションで調整した速度に対して速度増分を付加するとともに、減速から加速への変化点に仮想の速度制限を設定した上で、惰行条件を調整し、到着駅に早く到着しつつ省エネとなる運転曲線を作成する。
これらの結果、本第1実施形態によれば、先行列車の遅延による後続列車の遅延を抑制し、時間、乗り心地、省エネ等の優先順位に応じて適切な運転曲線を作成できる。
ここで、第1実施形態で作成した運転曲線の活用について説明する。
第1実施形態の運転曲線作成装置10で作成した運転曲線は、列車の定時運転や省エネ運転のために活用できる。
例えば、列車の位置に応じた運転曲線上の速度を算出し、目標速度として運転士に提示することで省エネ運転を支援する。
また、列車の速度と位置に応じて、運転曲線に従って走行するための運転制御指令を算出し、自動で省エネ運転を行うようにしてもよい。
[2]第2実施形態
本第2実施形態は、第1実施形態の運転曲線作成装置10を備えた運転支援装置の実施形態である。
図15は、第2実施形態の運転支援装置の概要構成ブロック図である。
運転支援装置31は、例えば、列車の先頭車両32に設置される。
この先頭車両32には、運転支援装置31の他に、列車の速度と位置を検出する速度位置算出部33が設置されている。
速度位置算出部33は、車軸端に取り付けられた速度発電機34等の情報に基づき、列車の速度と位置を算出する。なお、GPS(Global Positioning System)等の情報に基づいて列車の速度と位置を算出してもよい。
運転支援装置31は、図1の運転曲線作成装置10の他に、運転支援情報作成部35と、運転支援情報表示部36と、を備えている。
運転支援情報作成部35は、運転曲線作成装置10で作成した運転曲線と、速度位置算出部33で算出した列車の速度と位置に基づき、運転士に提示する運転支援情報を作成する。
例えば、運転支援情報作成部35は、列車の位置に応じた運転曲線上の速度を算出する。そして、運転支援情報作成部35は、目標速度として表示したり、列車の速度と目標速度の差異に基づき、目標運転操作を表示したりする。
これらの結果、運転支援情報表示部36は、運転支援情報作成部35が作成した運転支援情報を表示する。
そして、運転士は、運転支援情報表示部36に表示された運転支援情報を参考にしながら、マスターコントローラやブレーキレバーを操作することで、省エネ運転曲線に従った適切な運転を行うことができる。
この場合において、運転支援情報は音声によって提示してもよい。
[3]第3実施形態
図16は、第3実施形態の運転曲線作成装置10を備えた運転制御装置の概要構成ブロック図である。
図16において、図15と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
第3実施形態の運転制御装置41は、列車の自動運転を行うものである。
運転制御装置41は、例えば、列車の先頭車両32に設置される。この先頭車両32には、運転制御装置41の他に、速度位置算出部33と、駆動制動制御装置42とが設置されている。
駆動制動制御装置42は、モータの駆動と制動を制御するとともに、不図示のブレーキ装置の動作を制御する。
運転制御装置41は、図1の運転曲線作成装置10の他に、運転制御情報作成部43と、運転制御情報送信部44とを備えている。
運転制御情報作成部43は、図1の運転曲線作成装置10で作成した運転曲線と、速度位置算出部33で算出した列車の速度と位置に基づき、運転制御情報を作成する。
運転制御情報は、例えば、運転曲線に従って走行するためのブレーキノッチまたは力行ノッチである。運転制御情報送信部44は、運転制御情報を駆動制動制御装置42に送信する。
駆動制動制御装置42は、運転制御情報に基づき、モータの駆動と制動を制御するとともに、図示しないブレーキ装置の動作を制御することで、省エネ運転曲線に従った適切な運転を自動で行うことができる。
[4]実施形態の変形例
以上の説明においては、衝突回避パターンとその解除時刻が1組の場合を想定して説明したが、先行列車の進行に従って衝突回避パターン徐々に駅停止パターンに近づくような場合、すなわち衝突回避パターンとその解除時刻が複数の場合にも適用が可能である。また、移動体として、列車の場合について説明したが、所定の経路(列車の場合の線路)上を、順次予定の到着位置(列車の場合の到着駅)に移動する移動体であれば、同様に適用が可能である。
以上の実施形態の運転曲線作成装置10、運転支援装置31および運転制御装置41の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。
運転曲線作成装置10、運転支援装置31および運転制御装置41の少なくとも一部の機能をソフトウェアで構成して実現する場合には、運転曲線作成装置10、運転支援装置31および運転制御装置41の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、リムーバブルメディアやハードディスク装置に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらは、特許請求の範囲に記載した発明の範囲に含まれる。
10 運転曲線作成装置
11 データ入出力部
12 演算部
13 車両路線情報データベース
21 条件設定部
22 シミュレーション実行部
23 パラメータ調整部
24 運転曲線評価部
31 運転支援装置
32 先頭車両
33 速度位置算出部
34 速度発電機
35 運転支援情報作成部
36 運転支援情報表示部
41 運転制御装置
42 駆動制動制御装置
43 運転制御情報作成部
44 運転制御情報送信部

Claims (5)

  1. 衝突回避パターン解除時刻の予測結果に基づいて運転曲線作成条件を設定する条件設定部と、
    所定のパラメータを用いて、衝突回避パターン起点および駅停止位置から進行方向と逆向きに移動体の挙動を模擬する逆行計算を行うとともに、進行方向に移動体の挙動を模擬する順行計算を行い、運転曲線を作成するシミュレーション部と、
    前記シミュレーション部で用いる前記パラメータを調整するパラメータ調整部と、
    前記シミュレーション部で作成した運転曲線の走行時間を評価する運転曲線評価部とを備え、
    前記シミュレーション部は、前記順行計算において、衝突回避パターン解除時刻に応じて当該衝突回避パターンを起点とする逆行計算結果と、到着位置を起点とする逆行計算結果と、を切り替えて運転曲線を作成し、
    前記運転曲線評価部は、前記シミュレーション部で作成した運転曲線のうち、前記到着位置により早く到着する運転曲線を選択する、
    運転曲線作成装置。
  2. 前記パラメータ調整部で調整するパラメータが前記移動体の速度である、
    請求項1に記載の運転曲線作成装置。
  3. パラメータ調整部で調整するパラメータが惰行量である、
    請求項1又は請求項2に記載の運転曲線作成装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の運転曲線作成装置と、
    前記運転曲線作成装置で作成した運転曲線に基づいて運転支援情報を作成し、前記運転支援情報を前記移動体の運転士に提示して運転を支援する運転支援情報作成部と、
    を備えた運転支援装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の運転曲線作成装置と、
    前記運転曲線作成装置で作成した運転曲線に基づいて運転制御情報を作成し、前記運転制御情報に基づいて前記移動体の運転を制御する運転制御情報作成部と、
    を備えた運転制御装置。
JP2020124568A 2020-07-21 2020-07-21 運転曲線作成装置、運転支援装置および運転制御装置 Active JP7413177B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020124568A JP7413177B2 (ja) 2020-07-21 2020-07-21 運転曲線作成装置、運転支援装置および運転制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020124568A JP7413177B2 (ja) 2020-07-21 2020-07-21 運転曲線作成装置、運転支援装置および運転制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022021144A JP2022021144A (ja) 2022-02-02
JP7413177B2 true JP7413177B2 (ja) 2024-01-15

Family

ID=80220197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020124568A Active JP7413177B2 (ja) 2020-07-21 2020-07-21 運転曲線作成装置、運転支援装置および運転制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7413177B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011217564A (ja) 2010-04-01 2011-10-27 Toshiba Corp 目標速度算出機能を備えた列車制御装置
JP2018144676A (ja) 2017-03-07 2018-09-20 株式会社日立製作所 列車制御システム、列車制御方法および列車の車上装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011217564A (ja) 2010-04-01 2011-10-27 Toshiba Corp 目標速度算出機能を備えた列車制御装置
JP2018144676A (ja) 2017-03-07 2018-09-20 株式会社日立製作所 列車制御システム、列車制御方法および列車の車上装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022021144A (ja) 2022-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5927054B2 (ja) 車両の走行制御装置
US9205851B2 (en) Speed profile creation device and automatic train operation apparatus
US20180170386A1 (en) Method for controlling motor torque in electric vehicle
WO2017204006A1 (ja) 車両制御装置
JPWO2012098680A1 (ja) 車両制御装置
JP5991220B2 (ja) 運転支援装置
CN109070765A (zh) 列车控制装置、方法以及程序
CN111527019B (zh) 运行曲线制作装置、运行辅助装置以及运行控制装置
JP2018520045A (ja) 車両速度の制御方法
JP2007102564A (ja) 走行制御装置
JP6547222B2 (ja) 自動列車運転装置、自動列車制御方法及びプログラム
CN115817460B (zh) 一种混合流条件下智能网联车主动协调避撞方法
JP3688023B2 (ja) 列車運行制御方法
JP7413177B2 (ja) 運転曲線作成装置、運転支援装置および運転制御装置
SE540598C2 (en) A method for controlling a powertrain of a motor vehicle
JP5364682B2 (ja) 列車の定速走行制御方法及び装置
CN117480084A (zh) 用于路线事件的优先化的方法和设备
JP6663791B2 (ja) 運転支援システム
JP7045287B2 (ja) 列車制御システムおよび列車制御方法
JP2021121155A (ja) 列車制御装置、及び列車制御方法
JP2018039435A (ja) 車間距離制御方法と車間距離制御装置
SE540825C2 (en) A method and a system for controlling a powertrain of a vehicle
WO2021080012A1 (ja) 運転曲線作成装置、運転支援装置、運転制御装置および運転曲線作成方法
JP2019196138A (ja) 自動車の走行制御装置
JP2018137875A (ja) 列車制御装置、制御方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7413177

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150