JP7413111B2 - 変状箇所検出装置、変状箇所検出プログラムおよび変状箇所検出方法 - Google Patents

変状箇所検出装置、変状箇所検出プログラムおよび変状箇所検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、道路上に発生するポットホール等のように、道路上の変状箇所を検出するための変状箇所検出装置、変状箇所検出プログラムおよび変状箇所検出方法に関するものである。
従来、高速道路の日常点検業務では、作業員が点検車で走行しながら、道路の路面状況等を目視で点検している。そして、いわゆるポットホール(陥没)等の変状箇所を発見するたびに点検車を路肩に停車させ、ポットホールの大きさや深さを確認し、写真を撮影したり、その位置を記録する。さらに、点検作業が終わると、応急修繕の要否等を判断するため、作業員は直ちに事務所等へ戻り、発見された変状箇所ごとに点検報告書を作成している。また、緊急を要するものはその場でパッチングをしている。
なお、道路の状況を報告するための発明として、例えば、特開2007-65854号公報には、道路の損傷個所を特定する道路緒元や損傷状況等の道路損傷状況関係情報を画面から登録する損傷データ登録手段と、損傷部分を含む道路状況撮影写真及び損傷位置情報を取得する手段と、登録された道路損傷状況関係情報、道路状況撮影写真及び損傷位置からなる緊急報告情報を外部の所定のサーバに送信する報告情報送信手段とを備えた道路状況報告用携帯端末が提案されている(特許文献1)。
特開2007-65854号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明を含め、従来の道路の点検作業では、作業員がポットホール等の変状箇所を目視によって特定している。このため、多数の変状箇所が密集している場合や、積雪等で路肩に停車できず点検車で走行しながら点検作業を行う場合には、変状箇所を見逃してはいけないという精神的な重圧がかかる上、実際に変状箇所を見逃してしまうおそれもある。
また、従来の道路の点検作業では、上述したとおり、変状箇所を発見するたびに作業員が点検車から降車して作業を行っている。このため、作業員にかかる肉体的な負担が大きい上、作業効率が悪く作業時間がかかるという問題がある。特に、地域や時期によっては、月に数百箇所以上の変状箇所が発生することもあるため、日常点検業務の効率化を妨げる要因となっている。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、ポットホールのような道路上の変状箇所を自動的かつ高精度に検出することができ、作業員の精神的および肉体的な負担を軽減するとともに、道路の点検作業を高効率化することができる変状箇所検出装置、変状箇所検出プログラムおよび変状箇所検出方法を提供することを目的としている。
本発明に係る変状箇所検出装置は、ポットホールのような道路上の変状箇所を自動的かつ高精度に検出することができ、作業員の精神的および肉体的な負担を軽減するとともに、道路の点検作業を高効率化するという課題を解決するために、道路上の複数の測定点における路面高さを測定した路面高さデータに基づいて、道路上の変状箇所を検出する変状箇所検出装置であって、前記測定点の近傍を除く周囲の路面高さを平均したベースデータと、前記測定点の近傍の路面高さを平均したセンターデータとの差を変位差として算出する変位差算出部と、前記変位差が深さ閾値以上の測定点である異常測定点を変状箇所として検出し、前記変位差が前記深さ閾値未満の測定点である正常測定点を非変状箇所として検出する変状箇所検出部と、を有する。
また、本発明の一態様として、一連の変状箇所を高精度に検出するという課題を解決するために、前記変状箇所検出部は、一または複数の前記正常測定点が二つの前記異常測定点の間に挟まれており、かつ、前記異常測定点間の間隔が一連変状箇所検出用閾値以下の場合、前記挟まれている各正常測定点を前記変状箇所として検出してもよい。
また、本発明の一態様として、各測定点の路面高さを正確に測定するという課題を解決するために、前記路面高さデータは、道路にパルス状のレーザー光を放射状に照射し、路面に反射したレーザー光が戻ってくるまでの時間に基づいて距離を算出するレーザースキャナーによって測定され、前記レーザースキャナーによる1スキャン分の前記路面高さデータごとに、路面高さの分散が最小となる照射角度を路面の水平角として算出する水平角算出部と、前記水平角と下記式(1)とを用いて路面高さを補正する路面高さ補正部と、を有していてもよい。
Yi=Li・cos(θi+θh) …式(1)
ただし、各符号は以下を表す。
Yi:i回目の照射で得られた路面高さ
Li:i回目の照射で得られた距離
θi:i回目の照射角度
θh:路面の水平角
さらに、本発明の一態様として、一連の変状箇所を正確に把握するという課題を解決するために、前記変状箇所として検出された測定点が、道路の進行方向および/または横断方向に二つ以上連続する場合、その連続する変状箇所の大きさを算出する大きさ算出部を有していてもよい。
また、本発明の一態様として、所望の大きさの変状箇所のみを抽出するという課題を解決するために、前記変状箇所検出部は、前記大きさ算出部によって算出された変状箇所の大きさが、変状箇所検出用閾値以上の大きさを有する変状箇所のみを前記変状箇所として検出してもよい。
また、本発明の一態様として、不要なキロポスト値データを除外して検出精度を向上するという課題を解決するために、前記道路に沿って設けられているキロポストの位置情報であるKP位置データに基づいて、前記路面高さデータの測定中に所定の時間間隔で記録した位置情報である測定位置データをキロポスト値に変換し、前記キロポスト値と測定時刻との対応関係を示すキロポスト値データを作成するキロポスト値データ作成部を有しており、前記キロポスト値データ作成部は、前記キロポスト値と測定時刻とに基づいて、前記路面高さデータを測定した際の点検車の車速を算出し、当該車速が所定の正常速度範囲外となるキロポスト値データを除外してもよい。
本発明に係る変状箇所検出プログラムは、ポットホールのような道路上の変状箇所を自動的かつ高精度に検出することができ、作業員の精神的および肉体的な負担を軽減するとともに、道路の点検作業を高効率化するという課題を解決するために、道路上の複数の測定点における路面高さを測定した路面高さデータに基づいて、道路上の変状箇所を検出する変状箇所検出プログラムであって、前記測定点の近傍を除く周囲の路面高さを平均したベースデータと、前記測定点の近傍の路面高さを平均したセンターデータとの差を変位差として算出する変位差算出部と、前記変位差が深さ閾値以上の測定点である異常測定点を変状箇所として検出し、前記変位差が前記深さ閾値未満の測定点である正常測定点を非変状箇所として検出する変状箇所検出部と、してコンピュータを機能させる。
本発明に係る変状箇所検出方法は、ポットホールのような道路上の変状箇所を自動的かつ高精度に検出することができ、作業員の精神的および肉体的な負担を軽減するとともに、道路の点検作業を高効率化するという課題を解決するために、道路上の複数の測定点における路面高さを測定した路面高さデータに基づいて、道路上の変状箇所を検出する変状箇所検出方法であって、前記測定点の近傍を除く周囲の路面高さを平均したベースデータと、前記測定点の近傍の路面高さを平均したセンターデータとの差を変位差として算出する変位差算出ステップと、前記変位差が深さ閾値以上の測定点である異常測定点を変状箇所として検出し、前記変位差が前記深さ閾値未満の測定点である正常測定点を非変状箇所として検出する変状箇所検出ステップと、を有する。
本発明によれば、ポットホールのような道路上の変状箇所を自動的かつ高精度に検出することができ、作業員の精神的および肉体的な負担を軽減するとともに、道路の点検作業を高効率化することができる。
本発明に係る変状箇所検出装置および変状箇所検出プログラムの一実施形態を示すブロック図である。 本実施形態において、点検車に搭載したレーザースキャナーによって路面高さデータを測定する様子を示す図である。 本実施形態における、(a)ベースデータフィルタの一例、および(b)センターデータフィルタの一例を示す図である。 本実施形態において、路面の水平角と路面高さとの関係を示す図である。 本実施形態において、複数の正常測定点が二つの異常測定点の間に挟まれている様子を示す図である。 本実施形態の変状箇所検出装置および変状箇所検出プログラムによって実行される変状箇所検出方法を示すフローチャートである。 実施例1で用いた実験用道路を示す図である。 実施例1の検出結果を示す表である。
以下、本発明に係る変状箇所検出装置、変状箇所検出プログラムおよび変状箇所検出方法の一実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明において、変状箇所とは、いわゆるポットホール(陥没)等のように、正常の状態とは異なった異常状態にある、道路上の全ての箇所を含む概念である。また、本発明において、道路とは、高速道路のように、アスファルトやコンクリート等によって舗装された全ての道路を含む概念である。
本実施形態において、変状箇所検出装置1は、パーソナルコンピュータやタブレット端末等のコンピュータによって構成されており、図1に示すように、主として、本実施形態の変状箇所検出プログラム1aや各種のデータを記憶する記憶手段2と、各種の演算処理を実行し後述する各構成部として機能する演算処理手段3とから構成されている。以下、各構成手段について詳細に説明する。
記憶手段2は、各種のデータを記憶するとともに、演算処理手段3が演算処理を行う際のワーキングエリアとして機能するものである。本実施形態において、記憶手段2は、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュメモリ等によって構成されており、図1に示すように、プログラム記憶部21と、路面高さデータ記憶部22と、測定位置データ記憶部23と、KP位置データ記憶部24と、キロポスト値データ記憶部25と、フィルタ記憶部26と、閾値記憶部27とを有している。以下、各構成部について詳細に説明する。
プログラム記憶部21には、本実施形態の変状箇所検出プログラム1aがインストールされている。そして、演算処理手段3が、変状箇所検出プログラム1aを実行することにより、変状箇所検出装置1としてのコンピュータを後述する各構成部として機能させるようになっている。
なお、変状箇所検出プログラム1aの利用形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、USBメモリやCD-ROM等のように、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に変状箇所検出プログラム1aを記憶させておき、当該記録媒体から直接読み出して実行してもよい。また、外部サーバ等からクラウドコンピューティング方式やASP(Application Service Provider)方式で利用してもよい。
路面高さデータ記憶部22は、道路上の複数の測定点における路面高さを測定した路面高さデータを記憶するものである。本実施形態において、路面高さデータは、図2に示すように、レーザースキャナー4を搭載した点検車5で、測定対象となる道路を走行しながら測定した。具体的には、レーザースキャナー4は、道路の横断方向に沿って照射角度を変えながらパルス状のレーザー光を放射状に照射し、路面に反射した各レーザー光が戻ってくるまでの時間に基づいて距離を算出するLiDAR(Light Detection and Ranging)技術によって各測定点の路面高さを測定するようになっている。なお、測定された路面高さデータは、同時に記録された測定時刻によって、後述するキロポスト値とリンクされる。
なお、路面高さデータを測定する手段は、路面の横断形状を測定できるものであれば、レーザースキャナー4に限定されるものではない。また、本実施形態では、道路の横断方向に沿ってパルス状のレーザー光を放射状に照射する二次元のLiDAR技術を使用しているが、道路の横断方向および点検車5の進行方向(後退方向)に沿ってパルス状のレーザー光を放射状に照射する三次元のLiDARを使用してもよい。
測定位置データ記憶部23は、路面高さデータの測定中に取得した測定位置データを記憶するものである。本実施形態において、測定位置データは、点検車5に搭載したGPS機能付きのアクションカム等(図示せず)によって、所定の時間間隔ごとに記録された位置情報(緯度・経度)とその記録時刻とから構成されている。なお、測定位置データを記録する手段は、高精度な位置情報を記録できるものであれば、特に限定されるものではなく、GPSロガー等でもよい。
KP位置データ記憶部24は、道路に沿って設けられているキロポスト(里程標や距離標ともいう)の位置情報(緯度・経度)であるKP位置データを記憶するものである。本実施形態において、KP位置データは、点検対象区間内における高速道路の上り線に対応する昇順データと、下り線に対応する降順データとを有している。なお、地域によっては、昇順データと降順データが逆の場合もある。そして、これら昇順データおよび降順データのそれぞれには、各キロポストごとに、当該キロポストが設置されている位置の緯度・経度が記憶されている。
キロポスト値データ記憶部25は、キロポストが示す値であるキロポスト値(KP値)と測定時刻との対応関係を示すキロポスト値データを記憶するものである。このキロポスト値データは、測定位置データの位置情報(緯度・経度)をキロポスト値に変換したものであり、後述するキロポスト値データ作成部33によって作成される。また、キロポスト値データの測定時刻と、路面高さデータの測定時刻とを同期させることにより、各路面高さデータと、各路面高さデータの測定位置に相当するキロポスト値とが対応付けられる。
フィルタ記憶部26は、路面高さの変化を検出するためのフィルタを記憶するものである。本実施形態において、フィルタ記憶部26には、測定点の近傍を除く周囲の路面高さを平均したベースデータを算出するためのベースデータフィルタと、測定点の近傍の路面高さを平均したセンターデータを算出するためのセンターデータフィルタとが記憶されている。以下、各フィルタについて説明する。
ベースデータフィルタは、測定点の近傍を除く周囲の路面高さを選別するものである。具体的には、図3(a)に示すように、算出対象の測定点と、当該測定点に隣接する8つの測定点についてはフィルタ値が「0」に設定されており、それ以外の周囲の測定点についてはフィルタ値が「1」に設定されている。これにより、算出対象の測定点の近傍を除く周囲の測定点の路面高さのみが選別され、それを平均化することでベースデータが算出される。
センターデータフィルタは、測定点の近傍の路面高さを選別するものである。具体的には、図3(b)に示すように、算出対象の測定点と、当該測定点に隣接する8つの測定点についてはフィルタ値が「1」に設定されており、それ以外の周囲の測定点についてはフィルタ値が「0」に設定されている。これにより、算出対象の測定点近傍の路面高さのみが選別され、それを平均化することでセンターデータが算出される。
なお、本実施形態では、算出対象の測定点と、当該測定点に隣接する8つの測定点とからなる9点を「測定点の近傍」としているが、これに限定されるものではない。具体的には、算出対象の測定点のみを「測定点の近傍」とし、当該測定点の路面高さをセンターデータとしてもよい。あるいは、算出対象の測定点と、当該測定点に隣接する8つの測定点のみならず、さらにその周囲の測定点まで近傍の範囲を広げてもよい。また、各フィルタのサイズについても、点検車5の車速や変状箇所の検出要求サイズ等に合わせて適宜変更してもよい。
閾値記憶部27は、変状箇所を検出するための閾値を記憶するものである。本実施形態において、閾値記憶部27には、各測定点における路面高さの変化が正常であるか否かを判別するための深さ閾値と、検出された変状箇所が一連のものであるか否かを判別するための一連変状箇所検出用閾値とが記憶されている。
つぎに、演算処理手段3は、上述した記憶手段2を制御するとともに、各種の演算処理を実行するものである。本実施形態において、演算処理手段3は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成されており、記憶手段2にインストールされた変状箇所検出プログラム1aを実行することにより、図1に示すように、路面高さデータ取得部31と、測定位置データ取得部32と、キロポスト値データ作成部33と、水平角算出部34と、路面高さ補正部35と、ベースデータ算出部36と、センターデータ算出部37と、変位差算出部38と、変状箇所検出部39と、大きさ算出部40として機能するようになっている。以下、各構成部についてより詳細に説明する。
路面高さデータ取得部31は、道路上の複数の測定点における路面高さを連続的に測定した路面高さデータを取得するものである。本実施形態において、路面高さデータ取得部31は、レーザースキャナー4によって測定された路面高さデータを保存した外付けハードディスク等の記録媒体が変状箇所検出装置1に接続されると、自動的に路面高さデータを取得し、路面高さデータ記憶部22に格納するようになっている。
測定位置データ取得部32は、路面高さデータの測定中に記録した位置情報である測定位置データを取得するものである。本実施形態において、測定位置データ取得部32は、測定位置データを記録したアクションカム等が変状箇所検出装置1に接続されると、自動的に測定位置データを取得し、測定位置データ記憶部23に格納するようになっている。
キロポスト値データ作成部33は、キロポスト値と測定時刻との対応関係を示すキロポスト値データを作成するものである。本実施形態において、キロポスト値データ作成部33は、測定位置データ記憶部23に測定位置データが記憶されると、KP位置データ記憶部24に記憶されているKP位置データを参照する。そして、当該KP位置データを構成する各キロポストの位置情報(緯度・経度)に基づいて、測定位置データに記録されている全ての緯度・経度をキロポスト値に変換してキロポスト値データを作成し、キロポスト値データ記憶部25に格納するようになっている。
また、本実施形態において、キロポスト値データ作成部33は、キロポスト値と測定時刻とに基づいて、路面高さデータを測定した際の点検車5の車速を算出し、当該車速が所定の正常速度範囲外となるキロポスト値データを除外する。これにより、例えば、正常速度範囲を0km<時速<150kmに設定すると、点検車5が停車している場合(時速0km)のキロポスト値データが除外される。また、アクションカム等の異常により測定位置データ(キロポスト値)に基づく車速があり得ない速度となっている場合(時速150km以上)のキロポスト値データが除外される。
なお、本実施形態において、キロポスト値データ作成部33は、キロポスト値と測定時刻とに基づいて、路面高さデータを測定した際の点検車5の車速を算出しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、キロポスト値データ作成部33は、点検車5のエンジンがストップしている間のキロポスト値データを除外するようにしてもよい。
水平角算出部34は、路面高さデータから路面の傾きに相当する水平角を算出するものである。本実施形態において、水平角算出部34は、レーザースキャナー4による1スキャン分の路面高さデータごとに、路面高さの分散が最小となる照射角度を路面の水平角として算出するようになっている。なお、分散とは、データの散らばり度合を表す値であり、各路面高さと路面高さの平均値との差を二乗し、平均化したものである。
路面高さ補正部35は、路面の傾きに基づいて、各測定点の路面高さを補正するものである。本実施形態において、路面高さ補正部35は、図4に示すように、水平角算出部34によって算出された水平角と下記式(1)とを用いて路面高さを補正するようになっている。
Yi=Li・cos(θi+θh) …式(1)
ただし、各符号は以下を表す。
Yi:i回目の照射で得られた路面高さ
Li:i回目の照射で得られた距離
θi:i回目の照射角度
θh:路面の水平角
ベースデータ算出部36は、測定点の近傍を除く周囲の路面高さを平均したベースデータを算出するものである。本実施形態において、ベースデータ算出部36は、フィルタ記憶部26に設定されているベースデータフィルタを用いて、算出対象の測定点の近傍を除く周囲の測定点の路面高さのみを選別する。そして、選別された路面高さの平均値をベースデータとして算出するようになっている。
センターデータ算出部37は、測定点の近傍の路面高さを平均したセンターデータを算出するものである。本実施形態において、センターデータ算出部37は、フィルタ記憶部26に設定されているセンターデータフィルタを用いて、算出対象の測定点近傍の路面高さのみを選別する。そして、選別された路面高さの平均値をセンターデータとして算出するようになっている。
なお、センターデータを構成する測定点の近傍領域(センターエリア)よりも変状箇所の方がかなり大きい場合には、ベースデータに変状箇所の路面高さデータが含まれてしまう。そうすると、変状箇所の検出精度が低下し、大きな変状箇所の輪郭だけが検出されることとなる。そこで、大きな変状箇所を検出する際には、センターエリアを広く設定するか、あるいは、変状箇所の輪郭を抽出した場合も変状箇所として検出するロジックを追加することにより大きな変状箇所についても検出することが可能となる。具体的には、ベースデータ内に含まれる測定点の路面高さのうち、最高値と最低値との差が所定の閾値以上の場合、センターデータおよびベースデータを自動的に拡張する。
また、小さな変状箇所を検出することが要求されているにも関わらず、点検車5の速度が速い場合には、路面高さを1点しかサンプリングできない可能性もある。そうすると、隣接する複数の測定点について平均化フィルタ等を使用すると、逆に検出精度が低下するおそれがある。一方、点検車5の速度が遅い場合には、小さな変状箇所でも複数の測定点をサンプリングできるため、平均化フィルタ等を用いることでノイズが低減される。すなわち、変状箇所の検出要求サイズや点検車5の速度に応じて、使用するフィルタを適宜選択することにより検出精度の向上が見込まれる。
変位差算出部38は、路面高さの変化を表す変位差を算出するものである。本実施形態において、変位差算出部38は、ベースデータ算出部36によって算出されたベースデータと、センターデータ算出部37によって算出されたセンターデータとの差を変位差として算出するようになっている。また、上記のとおり、大きな変状箇所を検出する場合には、変位差算出部38は、ベースデータ内に含まれる測定点の路面高さのうち、最高値と最低値との差を算出してもよい。
変状箇所検出部39は、変位差に基づいて変状箇所を検出するものである。本実施形態において、変状箇所検出部39は、閾値記憶部27から深さ閾値を読み出し、変位差算出部38によって算出された変位差が深さ閾値以上の測定点については変状箇所として検出する。一方、変状箇所検出部39は、変位差算出部38によって算出された変位差が深さ閾値未満の測定点については非変状箇所として検出する。なお、本発明において、変位差が深さ閾値以上の測定点を「異常測定点」といい、変位差が深さ閾値未満の測定点を「正常測定点」というものとする。
また、本実施形態において、変状箇所検出部39は、全ての測定点について、変状箇所か否かの判定が終了すると、図5に示すように、道路の横断方向または進行方向において、一または複数の正常測定点が二つの異常測定点の間に挟まれている箇所を特定する。そして、当該異常測定点間の間隔と閾値記憶部27から読み出した一連変状箇所検出用閾値とを比較し、異常測定点間の間隔が一連変状箇所検出用閾値以下の場合、当該異常測定点間に挟まれている各正常測定点を変状箇所として検出する。一方、異常測定点間の間隔が一連変状箇所検出用閾値より大きい場合、当該異常測定点間に挟まれている各正常測定点をそのまま非変状箇所として検出する。これにより、個別に見ると別々の変状箇所として判定される測定点であっても、一連の変状箇所として検出されるため、路面の状況がより正確に把握される。
なお、本実施形態において、異常測定点間の間隔は、レーザー光を真下に照射したときの一点の照射サイズと、レーザー光の照射角度とに基づいて算出される。具体的には、レーザー光の照射角度間隔がθ、レーザースキャナー4から路面までの高さがhの場合、レーザー光を真下に照射したときの一点の照射サイズは、直径がh・tanθとなる。また、照射角度が真下方向から離れるに従って、路面との距離が離れるため、照射サイズが増大する。
例えば、レーザースキャナー4の真下位置における一点の照射サイズが20mmで、当該真下位置から最も離れた測定点の照射サイズが100mmの場合に、一連変状箇所検出用閾値を100mmに設定すると、真下位置では、異常測定点間に挟まれる正常測定点が四つまでであれば、一連の変状箇所として検出する。一方、最も離れた位置では、異常測定点間に挟まれる正常測定点が一つのときだけ一連の変状箇所として検出することとなる。
大きさ算出部40は、変状箇所の大きさを算出するものである。本実施形態において、大きさ算出部40は、変状箇所検出部39によって変状箇所として検出された測定点が、道路の進行方向および/または横断方向に二つ以上連続する場合、その連続する変状箇所の大きさを算出する。具体的には、上述したとおり、レーザー光の照射位置によって一点の照射サイズが求められるため、当該照射サイズに基づいて変状箇所の大きさを算出する。
つぎに、本実施形態の変状箇所検出装置1、変状箇所検出プログラム1a、および変状箇所検出方法による作用について、図6を参照しつつ説明する。
本実施形態の変状箇所検出プログラム1aによって実行される変状箇所検出装置1を用いて、道路上に存在する変状箇所を検出する場合、まず事前に、点検車5に搭載したレーザースキャナー4によって点検対象区間内の道路を走行しながらレーザー光を照射し、路面高さデータを路面高さデータ記憶部22に蓄積する。また、測定中はアクションカムを同時に作動させ、所定の時間間隔ごとの位置情報(緯度・経度)を測定位置データとして測定位置データ記憶部23に蓄積する。このように、レーザースキャナー4およびアクションカムを作動させながら点検車5を走行させるだけで、必要なデータが自動的に収集されるため、道路の点検作業が容易化し、道路の点検業務が高効率化する。
つぎに、路面高さデータ取得部31が、点検対象区間内の路面高さデータを取得するとともに(ステップS1)、測定位置データ取得部32が、測定中に記録した測定位置データを取得する(ステップS2)。このように、路面高さデータと測定位置データとを別々に取得するため、正確な路面高さおよび高精度な位置情報を取得することが可能となる。なお、上記ステップS1およびステップS2の処理順序は、逆でもよく同時でもよい。
測定位置データが取得されると(ステップS2)、キロポスト値データ作成部33が、キロポスト値と測定時刻とに基づいて点検車5の車速を算出し、当該車速が正常速度範囲外となるキロポスト値データを除外する(ステップS3)。これにより、不要なキロポスト値データが除外されるため、検出精度が向上する。例えば、点検車5が停車している場合のキロポスト値データを除外することにより、同一のキロポスト値に複数の路面高さデータがリンクされることが抑制される。また、アクションカム等の異常によって車速があり得ない速度となるキロポスト値データを除外することにより、複数のキロポスト値に同一の路面高さデータが重複してリンクされることが抑制される。
つづいて、キロポスト値データ作成部33が、測定位置データとKP位置データとに基づいて、測定時刻とキロポスト値との対応関係を示すキロポスト値データを作成する(ステップS4)。これにより、路面高さデータの測定時刻と、キロポスト値データの測定時刻とをマッチングすることにより、各路面高さデータと、各路面高さデータの測定位置に相当するキロポスト値とがリンクされる。
キロポスト値データが作成されると(ステップS4)、水平角算出部34が、1スキャン分の路面高さデータごとに、路面の傾きに相当する水平角を算出する(ステップS5)。そして、算出された水平角を用いて、路面高さ補正部35が各測定点の路面高さを補正する(ステップS6)。これにより、測定点における路面が傾斜している場合でも、正確な路面高さが取得される。
つぎに、ベースデータ算出部36が各測定点のベースデータを算出するとともに(ステップS7)、センターデータ算出部37が各測定点のセンターデータを算出すると(ステップS8)、これらベースデータとセンターデータとから変位差算出部38が各測定点の変位差を算出する(ステップS9)。これにより、測定点の近傍を除く周囲における路面高さを基準として、測定点の近傍における路面高さの変化を表す変位差が求められる。
各測定点について変位差が算出されると(ステップS9)、変状箇所検出部39は、各測定点の変位差が深さ閾値以上であるか否かを判定する(ステップS10)。当該判定の結果、変位差が深さ閾値未満の場合(ステップS10:NO)、その測定点(正常測定点)を非変状箇所として検出する(ステップS11)。一方、変位差が深さ閾値以上の場合(ステップS10:YES)、その測定点(異常測定点)を変状箇所として検出する(ステップS12)。これにより、道路上の各測定点について、変状箇所であるか非変状箇所であるかが自動的かつ高精度に検出される。
その後、全測定点の判定が終了していなければ(ステップS13:NO)、ステップS7以降の処理を繰り返す。一方、全測定点の判定が終了すると(ステップS13:YES)、当該判定結果に基ついて、変状箇所検出部39が一連の変状箇所を検出する(ステップS14)。
すなわち、変状箇所検出部39は、道路の横断方向または進行方向において、一または複数の正常測定点が二つの異常測定点の間に挟まれており、かつ、当該異常測定点間の間隔が一連変状箇所検出用閾値以下の場合、挟まれている各正常測定点を変状箇所として検出する。これにより、個別に見ると非変状箇所と判定される測定点であっても、周囲の測定点の路面状況に応じて変状箇所と見なされるため、一連の変状箇所が自動的に検出される。このため、道路上の変状箇所に関する情報がより正確に把握される。
最後に、大きさ算出部40が、道路の進行方向および/または横断方向に二つ以上連続する変状箇所の大きさを算出する(ステップS15)。これにより、大きな変状箇所も含め、検出された全ての変状箇所の大きさが把握される。
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1.ポットホールのような道路上の変状箇所を自動的かつ高精度に検出することができる。
2.作業員の精神的および肉体的な負担を軽減できるとともに、道路の点検作業を高効率化することができる。
3.一連の変状箇所を高精度に検出でき、変状箇所に関する正確な情報を把握することができる。
4.水平角を用いて路面高さを補正することにより、傾斜した路面においても正確な路面高さを測定することができる。
5.道路の進行方向および/または横断方向に二つ以上連続する測定点によって特定される変状箇所の大きさを算出することができる。
6.不要なキロポスト値データを除外して検出精度を向上することができる。
7.各路面高さデータと、各路面高さデータの測定位置に相当するキロポスト値とを対応付けることができる。
8.作業員の熟練度に起因する変状箇所の検出精度のバラツキを低減することができる。
9.点検作業時には、道路以外の変状箇所にも注視できるため、点検作業の質や精度を向上することができる。
つぎに、本発明に係る変状箇所検出装置1、変状箇所検出プログラム1aおよび変状箇所検出方法の具体的な実施例について説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下の実施例によって示される特徴に限定されるものではない。
本実施例1では、本発明に係る変状箇所検出装置1を用いて、道路上に存在するポットホール(変状箇所)を検出し、その検出精度を確認する実験を行った。
具体的には、実験用道路として、図7に示すように、横断方向に沿って740mmごとに5つのレーン(左2,左1,中央,右1,右2)を設定した。そして、左1レーン、中央レーンおよび右1レーンのそれぞれには、穴径が異なり(48.6mm,76.3mm,114.3mm)、かつ、進行方向に沿って1mごとに深さが異なる(20mm,40mm,50mm,100mm)擬似ポットホールを複数穿孔した。
つぎに、上述した実験用道路上をレーザースキャナー4を搭載した点検車5で走行し、路面高さデータを測定した。このとき、図7に示すように、レーザースキャナー4が搭載されている点検車5のセンターが、左1レーンに合致するように走行した。また、点検車5の車速を異ならせながら(10km/h,30km/h,50km/h)、路面高さデータを3回取得した。そして、各路面高さデータについて、上述したステップS7からステップS12までの処理を実行し、擬似ポットホールを検出した。その結果を図8に示す。
図8に示すように、いずれの条件下においても、レーザースキャナー4の直下に位置する左1レーンと、その両隣の左2レーンおよび中央レーンにおいては、検出率が100%であり、擬似ポットホールが確実に検出されていた。また、レーザースキャナー4から離れた右1レーンや右2レーンにおいては、やや検出率が低下するものの、車速が遅い場合(10km/h)や、穴径が大きい場合(76.3mm,114.3mm)には、検出率が100%となり、擬似ポットホールを確実に検出できることが示された。そして、全ての条件および全てのレーンにおける検出率の平均値は94%であり、実用レベルに十分な検出率で擬似ポットホールを検出できることが示された。
以上の本実施例1によれば、変状箇所の自動点検作業を実用化し得る程度に高い検出率で、変状箇所を自動検出できることが示された。
なお、本発明に係る変状箇所検出装置1、変状箇所検出プログラム1aおよび変状箇所検出方法は、上述した実施形態および実施例に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、上述した本実施形態において、検出された変状箇所に対して、変状箇所の大きさでフィルタリングするための変状箇所検出用閾値を閾値記憶部27に設定した場合、変状箇所検出部39は、大きさ算出部40によって算出された変状箇所の大きさが、変状箇所検出用閾値以上の大きさを有する変状箇所のみを検出することが可能となる。
また、レーザースキャナー4は、高解像度のものを使用する場合や点検車を低速度で走行させる場合は一台でもよいが、低解像度のものを使用する場合や点検車を高速度で走行させる場合には、複数台のレーザースキャナー4を並べて同時に路面高さデータを測定することが好ましい。具体的には、各レーザースキャナー4を道路の進行方向に沿って配置するとともに、各レーザースキャナー4が同じ箇所を照射するように角度を付けて固定する。そして、各レーザースキャナー4のスキャン開始タイミングが等間隔となるようにずらし、インターレース方式で路面高さを千鳥格子状に測定してもよい。
ただし、この場合、各レーザースキャナー4で測定された路面高さデータは、測定時間に沿って整列させて統合することが好ましい。また、上記ステップS5の水平角の算出処理は、マスターとなるいずれか一つのレーザースキャナー4でのみ実行すればよい。さらに、各レーザースキャナー4の取り付け位置や取り付け角度が検出精度に大きく影響するため、十分な留意が必要であり、別途、測定誤差の補正処理を実行することが好ましい。
さらに、点検車5に搭載したアクションカムによって道路を連続的に撮影した各道路画像データを取得し、これら各道路画像データと撮影位置に相当するキロポスト値とを対応付けて記憶手段2に記憶させておき、点検報告書を自動的に作成するようにしてもよい。具体的には、変状箇所が検出されたキロポスト値と、当該キロポスト値に対応する道路画像データのファイル名とを変状判定結果として記録し、当該変状判定結果に基づいて、変状箇所が検出されたキロポスト値ごとに、当該キロポスト値に対応する帳票情報と、ファイル名に対応する道路画像データとを含む点検報告書を自動的に作成する点検報告書作成部を有していてもよい。
1 変状箇所検出装置
1a 変状箇所検出プログラム
2 記憶手段
3 演算処理手段
4 レーザースキャナー
5 点検車
21 プログラム記憶部
22 路面高さデータ記憶部
23 測定位置データ記憶部
24 KP位置データ記憶部
25 キロポスト値データ記憶部
26 フィルタ記憶部
27 閾値記憶部
31 路面高さデータ取得部
32 測定位置データ取得部
33 キロポスト値データ作成部
34 水平角算出部
35 路面高さ補正部
36 ベースデータ算出部
37 センターデータ算出部
38 変位差算出
39 変状箇所検出部
40 大きさ算出部

Claims (8)

  1. 道路上の複数の測定点における路面高さを測定した路面高さデータに基づいて、道路上の変状箇所を検出する変状箇所検出装置であって、
    前記測定点の近傍を除く周囲の路面高さを平均したベースデータと、前記測定点の近傍の路面高さを平均したセンターデータとの差を変位差として算出する変位差算出部と、
    前記変位差が深さ閾値以上の測定点である異常測定点を変状箇所として検出し、前記変位差が前記深さ閾値未満の測定点である正常測定点を非変状箇所として検出する変状箇所検出部と、
    を有する、変状箇所検出装置。
  2. 前記変状箇所検出部は、一または複数の前記正常測定点が二つの前記異常測定点の間に挟まれており、かつ、前記異常測定点間の間隔が一連変状箇所検出用閾値以下の場合、前記挟まれている各正常測定点を前記変状箇所として検出する、請求項1に記載の変状箇所検出装置。
  3. 前記路面高さデータは、道路にパルス状のレーザー光を放射状に照射し、路面に反射したレーザー光が戻ってくるまでの時間に基づいて距離を算出するレーザースキャナーによって測定され、
    前記レーザースキャナーによる1スキャン分の前記路面高さデータごとに、路面高さの分散が最小となる照射角度を路面の水平角として算出する水平角算出部と、
    前記水平角と下記式(1)とを用いて路面高さを補正する路面高さ補正部と、
    を有する、請求項1または請求項2に記載の変状箇所検出装置;
    Yi=Li・cos(θi+θh) …式(1)
    ただし、各符号は以下を表す。
    Yi:i回目の照射で得られた路面高さ
    Li:i回目の照射で得られた距離
    θi:i回目の照射角度
    θh:路面の水平角
  4. 前記変状箇所として検出された測定点が、道路の進行方向および/または横断方向に二つ以上連続する場合、その連続する変状箇所の大きさを算出する大きさ算出部を有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の変状箇所検出装置。
  5. 前記変状箇所検出部は、前記大きさ算出部によって算出された変状箇所の大きさが、変状箇所検出用閾値以上の大きさを有する変状箇所のみを前記変状箇所として検出する、請求項4に記載の変状箇所検出装置。
  6. 前記道路に沿って設けられているキロポストの位置情報であるKP位置データに基づいて、前記路面高さデータの測定中に所定の時間間隔で記録した位置情報である測定位置データをキロポスト値に変換し、前記キロポスト値と測定時刻との対応関係を示すキロポスト値データを作成するキロポスト値データ作成部を有しており、
    前記キロポスト値データ作成部は、前記キロポスト値と測定時刻とに基づいて、前記路面高さデータを測定した際の点検車の車速を算出し、当該車速が所定の正常速度範囲外となるキロポスト値データを除外する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の変状箇所検出装置。
  7. 道路上の複数の測定点における路面高さを測定した路面高さデータに基づいて、道路上の変状箇所を検出する変状箇所検出プログラムであって、
    前記測定点の近傍を除く周囲の路面高さを平均したベースデータと、前記測定点の近傍の路面高さを平均したセンターデータとの差を変位差として算出する変位差算出部と、
    前記変位差が深さ閾値以上の測定点である異常測定点を変状箇所として検出し、前記変位差が前記深さ閾値未満の測定点である正常測定点を非変状箇所として検出する変状箇所検出部と、
    してコンピュータを機能させる、変状箇所検出プログラム。
  8. 道路上の複数の測定点における路面高さを測定した路面高さデータに基づいて、道路上の変状箇所を検出する変状箇所検出方法であって、
    前記測定点の近傍を除く周囲の路面高さを平均したベースデータと、前記測定点の近傍の路面高さを平均したセンターデータとの差を変位差として算出する変位差算出ステップと、
    前記変位差が深さ閾値以上の測定点である異常測定点を変状箇所として検出し、前記変位差が前記深さ閾値未満の測定点である正常測定点を非変状箇所として検出する変状箇所検出ステップと、
    を有する、変状箇所検出方法。
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