JP7409542B1 - 電子部品包装用カバーテープおよび電子部品包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロッキングが抑制され、また、部品の貼り付きが抑えられた、電子部品包装用カバーテープを提供すること。【解決手段】基材層と、基材層の片面側に設けられたシーラント層とを備える電子部品包装用カバーテープ。このカバーテープにおいて、シーラント層における基材層の側とは反対側の面は露出面となっている。その露出面の、ISO 25178で定義される山の頂点密度Spdは3×105~1×106/mm2であり、その露出面の、ISO 25178で定義される界面の展開面積比Sdrは1×10―3~5×10―2である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品包装用カバーテープおよび電子部品包装体に関する。
トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子レジスタ等の電子部品は、破損防止のため、電子部品を収納することが可能な凹部が形成されたキャリアテープの凹部内に収容され、そして凹部内の電子部品を封止するようにカバーテープをキャリアテープにヒートシールすることで得られる「電子部品包装体」の形で輸送されることがある。電子部品包装体は、しばしば、航空便や船便で、国をまたいで輸出入される。
包装された電子部品は、使用時に、電子部品包装体におけるカバーテープを剥離して、凹部から取り出す。
上記のような使用方法が意図されたカバーテープ(電子部品包装用カバーテープ)の先行技術として、以下のいくつかの特許文献を挙げることができる。
特開2017-171393号公報 国際公開第2012/079258号 特開2003-246358号公報
本発明者らは、従来のカバーテープの改良検討を通じて、従来のカバーテープには、以下(i)および(ii)の点で、なお改善の余地があることを見出した。
(i)ブロッキング:カバーテープの形状は通常長尺状であり、使用前においては巻き取られた状態にある。このときにカバーテープ同士がくっついて剥がれにくくなることがある。
(ii)部品の貼り付き:カバーテープをキャリアテープにヒートシールすることで得られる電子部品包装体において、キャリアテープの凹部内に収容された電子部品が、輸送時の振動などによりカバーテープに貼り付いてしまうことがある。このような貼り付きが生じると、キャリアテープからカバーテープを剥離する際に電子部品を適切に取り出すことが難しくなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的の1つは、ブロッキングが抑制され、また、部品の貼り付きが抑えられた、電子部品包装用カバーテープを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため様々な観点からカバーテープの改良を検討した。検討を通じ、カバーテープにおけるシーラント層の表面(露出面)の状態が、ブロッキングや電子部品の貼り付きに関係しているらしいことを知見した。この知見を踏まえ、本発明者らは以下に提供される発明を完成させた。そして上記課題を解決した。
1.
基材層と、前記基材層の片面側に設けられたシーラント層とを備える電子部品包装用カバーテープであって、
前記シーラント層における前記基材層の側とは反対側の面は露出面となっており、
前記露出面の、ISO 25178で定義される山の頂点密度Spdが3×10~1×10/mmであり、
前記露出面の、ISO 25178で定義される界面の展開面積比Sdrが1×10―3~5×10―2である、カバーテープ。
2.
1.に記載のカバーテープであって、
前記露出面の、ISO 25178で定義される算術平均高さSaが0.05~0.5μmである、カバーテープ。
3.
1.または2.に記載のカバーテープであって、
前記シーラント層は、無機粒子を含む、カバーテープ。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載のカバーテープであって、
前記シーラント層は、スチレン系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂の一方または両方を含む、カバーテープ。
5.
1.~4.のいずれか1つに記載のカバーテープであって、
前記基材層は、ポリエステルを含む、カバーテープ。
6.
1.~5.のいずれか1つに記載のカバーテープであって、
前記基材層と前記シーラント層との間に、中間層を備える、カバーテープ。
7.
6.に記載のカバーテープであって、
前記中間層は、ポリエチレン系樹脂を含む、カバーテープ。
8.
電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、1.~7.のいずれか1つに記載のカバーテープとを備え、
前記電子部品を封止するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体。
本発明によれば、ブロッキングが抑制され、また、部品の貼り付きが抑えられた電子部品包装用カバーテープが提供される。
カバーテープの層構成の一例を模式的に表した図である。 カバーテープをキャリアテープに接着(ヒートシール)した状態の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応しない。
本明細書中、数値範囲の説明における「X~Y」との表記は、特に断らない限り、X以上Y以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
<電子部品包装用カバーテープ>
図1は、本実施形態の電子部品包装用のカバーテープ(カバーテープ10)の層構成の一例を、模式的に表したものである。
カバーテープ10は、基材層1と、基材層1の少なくとも片面側に設けられたシーラント層3とを備える。シーラント層3における基材層1の側とは反対側の面は露出面となっている(空気と接している)。
カバーテープ10は、好ましくは、基材層1と、シーラント層3との間に、中間層2を備える。
シーラント層3の露出面の、ISO 25178で定義される山の頂点密度Spdは3×10~1×10/mm、好ましくは3.5×10~9×10/mm、さらに好ましくは3.5×10~8×10/mm、ある。
また、シーラント層3の露出面の、ISO 25178で定義される界面の展開面積比Sdrは1×10―3~5×10―2、好ましくは5×10―3~3×10―2、さらに好ましくは1×10―2~3×10―2である。
上記SpdおよびSdrが適切な数値範囲内にあることにより、ブロッキングが抑制され、また、部品の貼り付きが抑えられる理由は、以下のように説明可能である。念のため述べておくと、以下説明は推測を含み、また、以下説明により本発明は限定されない。
山の頂点密度Spdは、測定対象の表面にある、1mmあたりの、所定サイズよりも大きな山頂の数を表す。特に指定が無い場合、所定サイズは、輪郭局面の最大振幅の5%の高さに設定される。
Spdが3×10/mm以上であるということは、シーラント層3の露出面にある程度の密度の「凸部」が存在するということである。このため、電子部品とシーラント層3との接触面積が小さくなって、貼り付きが抑えられると考えられる。また、カバーテープ10を巻回したときの、基材層1とシーラント層3との接触面積も小さくなって、ブロッキングが抑えられると考えられる。
一方、Spdが大きすぎると、接触面積とは別の観点での不具合が考えられる。例えば、カバーテープまたは電子部品包装体は、カメラで画像検査される場合がある。この際、Spdが大きすぎると画像検査を阻害する恐れがある。よって本実施形態においてはSpdの上限値を1×10/mmと設定している。
界面の展開面積比Sdrは、定義領域の展開面積(表面積)が、定義領域の面積(xy平面への投影面積)に対してどれだけ増大しているかを表す。完全に平坦な面のSdrは0である。
詳細は不明であるが、Sdrが1×10―3以上であるシーラント層3の表面は、適度な凹凸または起伏を有するため、電子部品とシーラント層3との接触面積が小さくなって、貼り付きが抑えられると考えられる。また、カバーテープ10を巻回したときの、基材層1とシーラント層3との接触面積も小さくなって、ブロッキングが抑えられると考えられる。
一方、Sdrが大きすぎると、凸部の山頂付近が平坦となって、電子部品が却って貼り付きやすくなったり、ブロッキングが発生しやすくなったりする可能性がある。よって、本実施形態においてはSdrの上限値を5×10―2に設定している。
SpdとSdrは、ともに、シーラント層3の表面性状に関する指標である。カバーテープ10においてはこれら2つの指標の両方が最適化されていることにより、ブロッキングが抑えられ、また、部品の貼り付きが抑えられる。本発明者ら検討の限りでは、SpdとSdrのうち一方を最適化したとしても、他方を最適化しなかった場合には、ブロッキングが発生しやすくなったり、かつ/または、部品の貼り付きが十分に抑えられなかったりすることがある。
カバーテープ10は、適切な材料を用い、適切な製造方法・製造条件によって得ることができる。例えばシーラント層形成用のコーティング液の粘度や、シーラント層の形成条件に十分に注意を払うことによって、SpdおよびSdrが適切な数値範囲内にあるカバーテープ10を製造することができる。具体的には、中間層2の表面に、適切な粘度に調整された溶剤含有コーティング液をコーティングすることや、溶剤を乾燥させてシーラント層を形成する際に、溶剤の乾燥を、適切な装置を用いて、適切な温度で、適切な時間行うことなどに注意することにより、SpdおよびSdrが適切な数値範囲内にあるカバーテープ10を製造することができる。
カバーテープの製造方法についての詳細は後述する。
以下、カバーテープ10についてより具体的に説明する。
[基材層]
基材層1を構成する材料は特に限定されない。カバーテープ10に加わる外力に耐えうる機械的強度およびヒートシール時の熱に耐えうる耐熱性がある限り、任意のフィルムを用いることができる。
基材層1を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。この中でも、基材層1を構成する材料としては、ポリエステル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂が好ましく、機械的強度を向上させることができるポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材層1を形成するために使用するフィルムは、延伸フィルムであってもよいし、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよい。カバーテープ10の機械的強度を向上させる観点から、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層1は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
基材層1は、キャリアテープの剥離に伴い発生する帯電量を低減させる観点から、帯電防止剤を含んでもよい。また、基材層1における中間層2が設けられた面とは反対側の面に、基材層のうちの一層として帯電防止層が設けられていてもよい。
基材層1の厚さは、例えば6~35μm、好ましくは7~33μm、より好ましくは8~30μmである。
基材層1が厚すぎないことにより、カバーテープの剛性が高くなりすぎない。そして、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかったとしても、カバーテープ10がキャリアテープの変形に追従し、剥離してしまう可能性を低減することができる。
基材層1の厚さが薄すぎないことにより、カバーテープ10の機械的強度を好適としやすい。そして、キャリアテープからカバーテープ10を高速で剥離する場合であっても、カバーテープ10が破断してしまう可能性を低減することができる。
[中間層]
中間層2は、主として、カバーテープ10のクッション性を向上させる目的で設けられる。カバーテープ10のクッション性が向上することにより、ヒートシールの際にシールコテの圧力がカバーテープ10にしっかりと伝わりやすくなる。このため、カバーテープ10とキャリアテープの密着性を一層向上させることができる。
中間層2の材料は特に限定されない。カバーテープ10にクッション性を付与できる材料を特に制限なく用いることができる。例えば、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリル酸エステル誘導体、ポリ酢酸ビニル誘導体、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、環状オレフィン樹脂のなかから選ばれる1種または2種以上およびこれらの共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、より好ましくはポリエチレン系樹脂を好適に用いることができる。クッション性の観点では、特に、低密度ポリエチレン(密度880kg/m以上930kg/m未満のポリエチレン)が好ましい。
中間層2は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
中間層2の厚さは、ヒートシールの際のカバーテープ10とキャリアテープとの密着性を一層向上させる観点から、典型的には10~50μm、好ましくは15~45μmである。
[シーラント層]
シーラント層3は、基材層1の少なくとも片面側に設けられている。中間層2が存在する場合には、シーラント層3は中間層2の基材層1に接する面とは反対の面側に設けられる。すでに述べたように、シーラント層3の露出面の、ISO 25178で定義される山の頂点密度Spdは3×10~1×10/mmである。また、シーラント層3の露出面の、ISO 25178で定義される界面の展開面積比Sdrは1×10―3~5×10―2である。
シーラント層3は、カバーテープ10をキャリアテープにヒートシールした際に、キャリアテープと接触する。シールコテによる加熱でシーラント層3は軟化または融解して、キャリアテープと接着する。
シーラント層3は、好ましくは熱可塑性樹脂を含む。具体的には、シーラント層3は、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂およびエステル系樹脂のなかから選ばれる1または2以上の樹脂を含む。これらの中でも、良好なヒートシール性や、無機粒子を良好に分散させる観点から、(メタ)アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂が好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のモノマーに由来する構造単位を有する樹脂を挙げることができる。(メタ)アクリル系樹脂は、これらの例示のうち1種または2種以上のモノマーに由来する構造単位を含むことができる。もちろん、(メタ)アクリル系樹脂は、これらの例示以外のモノマーに由来する構造単位をさらに含んでもよいし、含まなくてもよい。
スチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体(SB)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、水素添加スチレンブロック共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS;High Impact Polystyrene)、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS;General Purpose Polystyrene)等が挙げられる。中でも、種々の性能バランスの点から、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)またはスチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SBBS)が好ましい
エステル系樹脂は、通常、アルコール成分に由来する構造単位とカルボン酸成分に由来する構造単位とからなる。
アルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールなどの鎖又は分岐の脂肪族ジオール、水素添加ビスフェノールA〔2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン〕、水素添加ビスフェノールAの炭素数2以上4以下のアルキレンオキシド(平均付加モル数2以上12以下)付加物などの脂環式ジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールが挙げられる。これらのアルコール成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
カルボン酸成分の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アゼライン酸、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸などの鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸又はその無水物などの3価以上の多価カルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸芳香族ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのカルボン酸成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
シーラント層3は、好ましくは無機粒子を含む。無機粒子の使用により、シーラント層3の露出面の状態が調整され、SpdおよびSdrを所望の値としやすく、それによりブロッキングが一層抑制されやすくなったり、部品の貼り付きを一層抑えたりできる場合がある。また、無機粒子の使用により、キャリアテープからの剥離性の向上を期待できる場合もある。
無機粒子の一種として、金属元素含有粒子を挙げることができる。金属元素含有粒子は、金属を含むことにより比較的高い導電性を有するため、帯電防止剤として機能することができる。金属元素含有粒子の使用により、包装対象の電子部品が静電気でダメージを受けることが低減される。
金属元素含有粒子として具体的には、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン等の金属酸化物、硫化亜鉛、硫化銅、硫化カドミウム、硫化ニッケル、硫化パラジウム等の硫化物などの金属元素含有粒子を挙げることができる。
また、必ずしも金属元素を含有しないが、帯電防止機能を有する粒子として、カーボン微粒子などを挙げることができる。
入手容易性、剥離強度の調整のしやすさなどから、金属元素含有粒子としては金属酸化物が好ましい。
特に導電性の観点から、金属元素含有粒子には導電性を高めるための微量元素がドープされていてもよい。微量元素としてはアンチモンやインジウムを挙げることができる。特に好ましい帯電防止剤は、ITO:スズドープ酸化インジウム、または、ATO:アンチモンドープ酸化錫である。
無機粒子の平均粒径は、好ましくは1~1000nm、より好ましくは3~500nmである。適切な平均粒径の無機粒子を選択することで、シーラント層3の透明性を過度に損なうことなく、他の性能の向上効果を得やすい。
無機粒子の平均粒径は、顕微鏡画像中の無機粒子のうち少なくとも100個の円相当径を平均することで求めることができる。
無機粒子を用いる場合、その量は、無機粒子の使用意図や、無機粒子の比重にもよるが、シーラント層3全体(後述するカバーテープの製造方法におけるシーラント層形成用塗布液における不揮発成分)中、40~80質量%、好ましくは50~70質量%である。また、体積基準では、無機粒子を用いる場合の使用量は、シーラント層3全体中、好ましくは10~40体積%、より好ましくは15~35体積%である。
シーラント層3の露出面においては、SpdおよびSdrのほか、ISO 25178で定義される算術平均高さSaが適当な数値範囲内にあることが好ましい。Saが適当な数値範囲内にあることにより、諸性能の一層の向上を期待することができる。
具体的には、Saは、通常0.05~0.5μm、好ましくは0.1~0.4μm、さらに好ましくは0.1~0.3μmである。
シーラント層3の厚さ(乾燥膜厚)は、他の性能を過度に損なわずに十分なヒートシール性を得る観点から、好ましくは0.05~5μm、より好ましくは0.1~3μmである。
[全体厚み]
カバーテープ10の全体厚みは、強度担保とハンドリング性のバランスの観点から、30~65μmであることが好ましく、35~60μmであることがより好ましい。
<カバーテープの製造方法>
前述したように、カバーテープ10は、適切な素材を用い、適切な製造プロセスを経ることで製造することができる。以下、好適な製造方法や、その製造方法で用いられる素材についてより具体的に説明する。
まず、基材層1の少なくとも一方の面側に中間層2を形成する。基材層1は、好ましくは、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂等で形成されたフィルムである。中間層2は、例えば、押出ラミネート法やドライラミネート法により形成できる。
基材層1と中間層2の間での剥がれを抑える観点から、基材層1と中間層2との間には、例えばアンカーコート剤による層が存在してもよい。
次に、中間層2の、基材層1とは反対側の面上に、シーラント層形成用塗布液を塗布し、乾燥させる。塗布方法としては、例えばグラビアコーティング法を採用することができる。
シーラント層形成用塗布液は、典型的には、樹脂(好ましくは前述の(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂のような熱可塑性樹脂)と、有機溶剤と、必要に応じて無機粒子や帯電防止成分などの添加成分と、を十分に混合することで調製することができる。塗布性や所望の膜厚を得る点で、シーラント層形成用塗布液の、28℃における粘度は、JIS Z 8803に準拠して、振動式粘度計を用いて測定したとき、2~10mPa・sであることが好ましい。粘度は、溶剤量を調整すること、適当な有機溶剤を用いることなどにより調整することができる。
シーラント層形成用塗布液の調製に使用可能な有機溶剤は特に限定されないが、好ましくは酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等の脂肪族または脂環族アルコール類等から選択される。
本実施形態においては、適切な粘度の塗布液を用いることに加え、好ましくは、中間層2の、基材層1とは反対側の面上に塗布された塗布液の乾燥条件を最適化することにより、SpdおよびSdrが適切な数値範囲内にあるカバーテープ10を製造することができる。具体的には、中間層の上に、上述の粘度に調整されたシーラント層形成用塗布液を塗布して形成した塗布体を、炉内温度が70~100℃に設定された、長さ8~12mの乾燥炉内に搬送しながら、溶剤を乾燥させる。このとき、搬送速度は140~200m/minに設定する。
詳細は不明であるが、溶剤の乾燥には「むら」「ゆらぎ」があるから、塗布液の粘度(特に広がりやすさに関係する)に加え、溶剤の乾燥速度やその他の乾燥条件を適切に制御することにより、シーラント層3の表面に凹凸が生じて、乾燥後のシーラント層3の露出面が、ブロッキング抑制や部品の貼り付き抑制に良好な表面性状となりやすいと推測される。また、シーラント層形成用塗布液が粒子(例えば金属元素含有粒子)を含む場合には、粒子の沈降のしやすさと密接に関係する塗布液の粘度に加え、溶剤の乾燥速度を制御することにより、最終的なシーラント層3において、粒子が適度に沈んだ状態で(または適度に浮いた状態で)固定されることによっても、SpdおよびSdrの値が調整されると推測される。
<電子部品包装体>
上記で説明したカバーテープ10と、電子部品が凹部に収容されたキャリアテープとから、電子部品包装体を得ることができる。これについて図2を参照しつつ説明する。
図2において、電子部品包装用カバーテープ10は、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられた帯状のキャリアテープ20の蓋材として用いられている。
具体的には、電子部品包装用カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(通常、ヒートシール)される。なお、以降、電子部品包装用カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品包装体100と称する。
電子部品包装体100は、例えば、以下の手順で作製することができる。
まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。
次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に電子部品包装用カバーテープ10をヒートシール法により接着する。この際、電子部品包装用カバーテープ10におけるシーラント層3がキャリアテープ20と接するようにする(つまり、図2における電子部品包装用カバーテープ10の「裏面」がシーラント層3となるようにしてヒートシールを行う)。
ヒートシールの具体的なやり方や条件は、電子部品包装用カバーテープ10がキャリアテープ20に十分強く接着する限り特に限定されない。典型的には、公知のヒートシール機を用い、温度100~240℃、荷重0.1~10kgf、時間0.0001~1秒の範囲内で行うことができる。
以上により、電子部品が密封収容された構造体(電子部品包装体100)が得られる。
この構造体(電子部品包装体100)は、例えば、リールに巻かれて、電子部品の使用時まで保管される。または、電子部品包装体100が巻かれたリールは、船便や航空便で遠隔地へ輸送されることもある。
リールの素材は、金属製、紙製、プラスチック製などであることができる。
電子部品を用いる際には、電子部品包装用カバーテープ10をキャリアテープ20から剥離し、収容されていた電子部品を取り出す。
電子部品包装体100内に収容される電子部品は、特に限定されない。半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子、光学素子、LED関連部材、コネクタ、電極など、電気・電子機器の製造に用いられる部品全般を挙げることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。念のため述べておくと、本発明は実施例のみに限定されない。
<実施例1>
以下手順によりカバーテープを製造した。
(1)基材層として、膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)を準備した。この片面に、押出ラミネート法により、低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜して、中間層を設けた。このようにして積層フィルムを得た。
(2)不揮発成分として、帯電防止剤:60質量%のアンチモンドープ酸化錫(三菱マテリアル社製「T-1」、平均粒径20nm程度)と、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体:40質量%のDIC社製「A450A」を、トルエンを用いて均一に分散または溶解させたコーティング液を調製した。溶剤の使用量は、28℃における粘度が6mPa・sとなるように調整した。
(3)上記コーティング液を、グラビアコーティング法により、上記積層フィルムの中間層が形成された面側にコーティングして塗布体を得た。コーティング直前のコーティング液の温度は28℃であった。その後、塗布体を、炉内温度が85℃に設定された長さ約10mの乾燥炉内に搬送しながら、溶剤を乾燥させた。搬送速度は180m/minに設定した(つまり、塗布体は搬送されながら乾燥炉内で10m/(180m/min)=1/18分=約3.3秒間熱せられた)。
コーティング液の塗布量は、シーラント層の乾燥膜厚が0.5μmとなるように調整した。
<実施例2>
以下手順によりカバーテープを製造した。
(1)基材層として、膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)を準備した。この片面に、押出ラミネート法により、低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜して、中間層を設けた。このようにして積層フィルムを得た。
(2)不揮発成分として、帯電防止剤:60質量%のアンチモンドープ酸化錫(三菱マテリアル社製「T-1」)と、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体:24質量%のDIC社製「A450A」、スチレン-ブタジエン共重合体:16質量%の旭化成社製、「タフテックH1517」(スチレン含有率(PS比率):43%、MFR(230℃、2.16kg):3g/10分)を、トルエンを用いて均一に分散または溶解させたコーティング液を調製した。溶剤の使用量は、28℃における粘度が4mPa・sとなるように調整した。
(3)上記コーティング液を、グラビアコーティング法により、上記積層フィルムの中間層が形成された面側にコーティングして塗布体を得た。コーティング直前のコーティング液の温度は28℃であった。その後、塗布体を、炉内温度が85℃に設定された長さ約10mの乾燥炉内に搬送しながら、溶剤を乾燥させた。搬送速度は180m/minに設定した(つまり、塗布体は搬送されながら乾燥炉内で10m/(180m/min)=1/18分=約3.3秒間熱せられた)。
コーティング液の塗布量は、シーラント層の乾燥膜厚が0.2μmとなるように調整した。
<実施例3>
以下手順によりカバーテープを製造した。
(1)基材層として、膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)を準備した。この片面に、押出ラミネート法により、低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜して、中間層を設けた。このようにして積層フィルムを得た。
(2)不揮発成分として、帯電防止剤:60質量%のアンチモンドープ酸化錫(三菱マテリアル社製「T-1」)と、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体:24質量%のDIC社製「A450A」、スチレン-ブタジエン共重合体:16質量%の旭化成社製、「タフテックH1517」(スチレン含有率(PS比率):43%、MFR(230℃、2.16kg):3g/10分)を、トルエンを用いて均一に分散または溶解させたコーティング液を調製した。溶剤の使用量は、28℃における粘度が2.5mPa・sとなるように調整した。
(3)上記コーティング液を、グラビアコーティング法により、上記積層フィルムの中間層が形成された面側にコーティングして塗布体を得た。コーティング直前のコーティング液の温度は28℃であった。その後、塗布体を、炉内温度が85℃に設定された長さ約10mの乾燥炉内に搬送しながら、溶剤を乾燥させた。搬送速度は180m/minに設定した(つまり、塗布体は搬送されながら乾燥炉内で10m/(180m/min)=1/18分=約3.3秒間熱せられた)。
コーティング液の塗布量は、シーラント層の乾燥膜厚が0.2μmとなるように調整した。
<比較例1>
以下手順によりカバーテープを製造した。
(1)基材層として、膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)を準備した。この片面に、押出ラミネート法により、低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜して、中間層を設けた。このようにして積層フィルムを得た。
(2)不揮発成分として、帯電防止剤:60質量%のアンチモンドープ酸化錫(三菱マテリアル社製「T-1」)と、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体:24質量%のDIC社製「A450A」、スチレン-ブタジエン共重合体:16質量%の旭化成社製、「タフテックH1517」(スチレン含有率(PS比率):43%、MFR(230℃、2.16kg):3g/10分)を、トルエンを用いて均一に分散または溶解させたコーティング液を調製した。溶剤の使用量は、28℃における粘度が1.5mPa・sとなるように調整した。
(3)上記コーティング液を、グラビアコーティング法により、上記積層フィルムの中間層が形成された面側にコーティングして塗布体を得た。コーティング直前のコーティング液の温度は28℃であった。その後、塗布体を、炉内温度が85℃に設定された長さ約10mの乾燥炉内に搬送しながら、溶剤を乾燥させた。搬送速度は180m/minに設定した(つまり、塗布体は搬送されながら乾燥炉内で10m/(180m/min)=1/18分=約3.3秒間熱せられた)。
コーティング液の塗布量は、シーラント層の乾燥膜厚が0.2μmとなるように調整した。
<比較例2>
以下手順によりカバーテープを製造した。
(1)基材層として、膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)を準備した。この片面に、押出ラミネート法により、低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜して、中間層を設けた。このようにして積層フィルムを得た。
(2)製膜された中間層の上に、エチレン-酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製「ウルトラセン537」、酢酸ビニル基の含有率:6質量%)90質量%、粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製「アルコンP-100」)10質量%の溶融混合物を、押出成形法により、押出温度280℃で中間層の表面に押し出し、厚さ10μmに製膜した。その直後、シーラント層側からは表面粗さ5.5μmの突起を備える冷却ロールで、基材層側からはシリコンゴム製マットロールで、圧力0.2MPaで挟みながら各ロールを回転させることでシーラント層表面の粗面化をおこなった。この際、冷却ロールの温度は20℃に設定した。
<比較例3>
以下手順によりカバーテープを製造した。
(1)基材層として、膜厚25μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「E7415」)を準備した。この片面に、押出ラミネート法により、低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製「スミカセンL705」)を押出温度300℃で厚み20μmに製膜して、中間層とした。
(2)製膜された中間層の上に、エチレン-酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製「ウルトラセン537」、酢酸ビニル基の含有率:6質量%)90質量%、粘着付与剤(荒川化学工業株式会社製「アルコンP-100」)10質量%の溶融混合物を、押出成形法により、押出温度280℃で中間層の表面に押し出し、厚さ10μmに製膜した。その直後、シーラント層側からは表面粗さ7.0μmの突起を備える冷却ロールで、基材層側からはシリコンゴム製マットロールで、圧力0.2MPaで挟みながら各ロールを回転させることで、シーラント層表面の粗面化をおこなった。この際、冷却ロールの温度は20℃に設定した。
<シーラント層の表面特性の測定>
キーエンス社製のレーザー顕微鏡VK-X3000を用い、上記各実施例および各比較例のシーラント層(露出している)の以下指標を測定した。解析ソフトウェアとしては装置に付属のものを用いた。
・ISO 25178で定義される算術平均高さSa
・ISO 25178で定義される山の頂点密度Spd
・ISO 25178で定義される界面の展開面積比Sdr
<評価:ブロッキング>
各実施例及び比較例のカバーテープを、幅5.4mm、長さ500mに裁断した。そして、裁断したカバーテープをリールにすき間なく巻いた。
上記のリールに巻かれたカバーテープを、65℃環境下で24時間放置した。
放置後、カバーテープが巻かれたリールを垂直にし、カバーテープを巻いた方向とは逆方向にゆっくりと回転させた。このとき、巻かれたカバーテープを自重で巻き出せるかどうか、自重で巻き出せない場合にはどの程度の力を加えれば巻き出せるかを調べることにより、カバーテープの表と裏の密着の強さ(ブロッキングの程度)を評価した。具体的には以下基準で評価した。
・カバーテープを自重で巻き出せる:とても良い
・カバーテープ同士の若干の密着が見られ、カバーテープを自重で巻き出せないが、カバーテープを手で軽く振れば密着が剥がれて巻き出せる:良い
・カバーテープ同士が比較的強く密着し、カバーテープを手で軽く振っても密着が剥がれず、巻き出せない:悪い
<評価:部品の貼り付き>
以下のような、電子部品を模した金属片の付着試験を行うことで、部品の貼り付きについて評価した。
(1)実施例および比較例で得られたカバーテープを適当な大きさに切り取り、シーラント層の表面が上向きになるように、スライドガラスの上に貼り付けた。このシーラント層の上に、金属片(縦0.4mm×横0.8mm×厚み0.4mm)20個を載せた試験片を作製した。金属片は、ニッケルを精密切断機で切断することにより得た。
(2)得られた試験片を、60℃、95%RHの条件下において24時間静置し、さらに常温常湿で24時間静置した。
(3)上記(2)の後、ボルテックスミキサーの上に、スライドガラスを反転させた状態で、試験片を両面テープで固定した。その後、ボルテックスミキサーの設定値を1,500rpmとして、20秒間の振動を試験片に加えた。
(振動を加える専用の装置が無かったため、本来は液状物の攪拌に用いるボルテックスミキサーを用いて、試験片に振動を加えた。)
(4)上記(3)の終了後、シーラント層の表面に付着している金属片の数から付着割合を算出した。
上記の測定結果および評価結果をまとめて下表に示す。
Figure 0007409542000002
上表に示されるとおり、シーラント層の露出面の山の頂点密度Spdが3×10~1×10/mmの範囲内にあり、かつ、シーラント層の露出面の界面の展開面積比Sdrが1×10―3~5×10―2である、実施例1、2および3のカバーテープの評価では、ブロッキングが抑制され、また、部品の貼り付きが抑えられていた。
これに対し、Spdが3×10よりも小さい比較例1および2、Spdが3×10よりも小さく、Sdrが5×10―2よりも大きい比較例3では、ブロッキングの評価結果は悪く、また、部品の貼り付きが発生した。
ちなみに、上記のブロッキング評価においては、65℃環境下で24時間放置というシビアな評価条件においても、ブロッキング発生が抑えられた。このような好結果は、シーラント層のSpdやSdrといった指標に着目し、そしてこれら指標を最適化したからこそのものである。
1 基材層
2 中間層
3 シーラント層
10 カバーテープ
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 電子部品包装体

Claims (8)

  1. 基材層と、前記基材層の片面側に設けられたシーラント層とを備える電子部品包装用カバーテープであって、
    前記シーラント層における前記基材層の側とは反対側の面は露出面となっており、
    前記露出面の、ISO 25178で定義される山の頂点密度Spdが3×10~1×10/mmであり、
    前記露出面の、ISO 25178で定義される界面の展開面積比Sdrが1×10―3~5×10―2である、カバーテープ。
  2. 請求項1に記載のカバーテープであって、
    前記露出面の、ISO 25178で定義される算術平均高さSaが0.05~0.5μmである、カバーテープ。
  3. 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
    前記シーラント層は、無機粒子を含む、カバーテープ。
  4. 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
    前記シーラント層は、スチレン系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂の一方または両方を含む、カバーテープ。
  5. 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
    前記基材層は、ポリエステルを含む、カバーテープ。
  6. 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
    前記基材層と前記シーラント層との間に、中間層を備える、カバーテープ。
  7. 請求項6に記載のカバーテープであって、
    前記中間層は、ポリエチレン系樹脂を含む、カバーテープ。
  8. 電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、請求項1または2に記載のカバーテープとを備え、
    前記電子部品を封止するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体。
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JP2021091437A (ja) 2019-12-10 2021-06-17 住友ベークライト株式会社 カバーテープおよび電子部品包装体

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