JP7409357B2 - インダクタ部品 - Google Patents

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Description

本発明は、インダクタ部品に関する。
従来、インダクタ部品としては、特許第6024243号公報(特許文献1)に記載されたものがある。このインダクタ部品は、素体と、素体内に設けられたコイルと、を備え、素体は、樹脂と樹脂に含有された金属磁性粉とを有する金属磁性粉含有樹脂を含む。
特許第6024243号公報
ところで、従来のインダクタ部品では、部品内部の抵抗損失、渦電流損失などで発生する自己発熱は、部品の主面および側面、ならびに部品実装時に接合される露出導体より外部へ放出される。しかしながら、自己発熱のうち、部品の主面及び側面より放出される熱量は、素体の表面積によって制限されており、従来のインダクタ部品では、放熱性を改善する余地があった。
そこで、本開示の課題は、放熱性を向上させることができるインダクタ部品を提供することにある。
前記課題を解決するため、本開示の一態様であるインダクタ部品は、
素体と、
前記素体内に設けられたコイルと、を備え、
前記素体は、樹脂と前記樹脂に含有された金属磁性粉とを有する金属磁性粉含有樹脂を含み、
前記素体の形状は、互いに対向する第1主面および第2主面と、前記第1主面および前記第2主面に接続する第1側面、第2側面、第3側面および第4側面と、を有する直方体であり、
前記第1主面および前記第2主面の各々の面積は、第1から第4側面の各々の面積よりも大きく、
前記第1側面と前記第1主面とには、それぞれ1つまたは複数の凹部が設けられ、
前記第1側面における前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さは、前記第1主面における前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい。
ここで、第1側面に凹部が1つのみ存在する場合、「第1側面における1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さ」とは、素体の中心を含み、第1主面と第1側面とに直交する平面における断面において、第1側面の1つの凹部の2つの開口端を結ぶ線分に直交する方向における凹部の深さの最大値を意味する。第1側面に凹部が複数存在する場合、「第1側面における1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さ」とは、素体の中心を含み、第1主面と第1側面とに直交する平面における断面において、第1側面の凹部の2つの開口端を結ぶ線分に直交する方向における各凹部の深さの最大値のうち、第1側面での最も大きい値を意味する。なお、以下の説明では、「第1側面における1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さ」を単に「第1側面における凹部の最大深さ」という場合がある。
同様に、第1主面に凹部が1つのみ存在する場合、「第1主面における1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さ」とは、素体の中心を含み、第1主面と第1側面とに直交する平面における断面において、第1主面の1つの凹部の2つの開口端を結ぶ線分に直交する方向における凹部の深さの最大値を意味する。第1主面に凹部が複数存在する場合、「第1主面における1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さ」とは、素体の中心を含み、第1主面と第1側面とに直交する平面における断面において、第1主面の凹部の2つの開口端を結ぶ線分に直交する方向における各凹部の深さの最大値のうち、第1主面での最も大きい値を意味する。なお、以下の説明では、「第1主面における1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さ」を単に「第1主面における凹部の最大深さ」という場合がある。
本開示のインダクタ部品によれば、第1側面と第2主面とに凹部が設けられている。そのため、素体の表面積が増大し、インダクタ部品の放熱性を向上させることができる。
また、本開示のインダクタ部品によれば、薄型部品において、第1主面における凹部の最大深さよりも、第1側面における凹部の最大深さを大きくしている。そのため、凹部に起因する素体強度の低下を抑制しつつ、素体の側面側の表面積を大きくできる。その結果、素体強度を低下させることなく、インダクタ部品の放熱性を向上させることができる。
また、本開示のインダクタ部品によれば、第1側面における凹部の最大深さは、第1主面における凹部の最大深さよりも大きいため、第1主面に方向性認識マークなどを設ける場合に、画像認識時の視認性を低下させることなく、インダクタ部品の放熱性を向上させることができる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
第1側面は、第3側面と対向し、
第2側面は、第4側面と対向し、
前記第1主面と前記第2主面との間の距離は、前記第1側面と前記第3側面との間の距離および前記第2側面と前記第4側面との間の距離よりも短い。
前記実施形態によれば、インダクタ部品をより薄型化できる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第2主面には、1つまたは複数の凹部が設けられ、
前記第1側面における前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さは、前記第2主面における前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい。
前記実施形態によれば、第1側面における凹部の最大深さが、第2主面における凹部の最大深さよりも大きいため、より効果的に素体強度を低下させることなく、放熱性を向上させることができる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第2から第4側面には、それぞれ1つまたは複数の凹部が設けられ、
前記第2から第4側面の各側面において、前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さの各々は、前記第1主面における前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい。
前記実施形態によれば、素体側面の表面積がさらに増大し、素体側面の放熱性をさらに向上させることができる。また、凹部が、第1から第4側面の全ての側面に設けられているため、凹部の最大深さを、素体の各側面毎に制御して、部品側面から排出される素体発熱の分布を制御することができる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第1主面と前記第2主面との間の距離は、300μm以下である。
前記実施形態によれば、第1主面と第2主面との間の距離が300μm以下の薄型部品において、放熱性を向上させることができる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記金属磁性粉含有樹脂は、前記第1側面に露出し、
前記第1側面における全ての前記凹部は、前記金属磁性粉含有樹脂の露出面に設けられている。
金属磁性粉含有樹脂は、金属磁性粉を含むため、高い熱伝導率を有する。前記実施形態によれば、第1側面における全ての凹部が、金属磁性粉含有樹脂の露出面に設けられているため、インダクタ部品の放熱性をより効果的に向上させることができる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第1側面における前記1つまたは複数の凹部のうちの少なくとも一つの内面の形状は、半球形である。
前記実施形態によれば、少なくとも一つの凹部の内面の形状が半球形であるため、機械的応力が凹部の内面で分散し、素体強度を確保できる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第1側面における前記1つまたは複数の凹部のうちの少なくとも一つの内面は、前記金属磁性粉含有樹脂中の前記樹脂から構成される。
凹部の内面は、凹部の内面以外の部分と比較して機械的応力が集中しやすく、相対的にクラックなどの欠陥が発生しやすい。前記実施形態によれば、第1側面における凹部の内面は、金属磁性粉含有樹脂中の樹脂から構成される。このため、凹部の内面に機械的応力が集中した場合でも、クラックなどの欠陥の発生を抑制し、インダクタ部品の特性および信頼性の低下を抑制できる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記金属磁性粉は、鉄を含み、
前記第1から第4側面のうち少なくとも1つの側面には、切断された前記金属磁性粉が露出している。
前記実施形態によれば、第1から第4側面のうち少なくとも1つの側面には、切断された金属磁性粉が露出しているため、素体側面の放熱性をさらに向上させることができる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記切断された前記金属磁性粉の露出面の最大直径をD(μm)とし、前記第1主面と前記第2主面との間の距離をT(μm)としたとき、D≧0.3Tを満たす。
ここで、「切断された金属磁性粉の露出面の最大直径」とは、第1から第4側面のうち少なくとも1つの側面に露出する、複数の切断された金属磁性粉において、各金属磁性粉の露出面の円相当直径を求め、そのうちの最大値を意味する。
前記実施形態によれば、金属磁性粉の露出面の最大直径を比較的大きくすることができるため、素体側面の放熱性をさらに向上させることができる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
さらに、D≧10を満たす。
前記実施形態によれば、より効果的に素体側面の放熱性を向上させることができる。
また、インダクタ部品の一実施形態では、
前記切断された前記金属磁性粉の露出面には、酸化被膜が形成されている。
金属磁性粉は電気伝導性を有するため、切断された金属磁性粉が隣接する部品の外部端子と接触した場合、金属磁性粉を介して電流リークが発生し得る。前記実施形態によれば、切断された金属磁性粉の露出面には、酸化被膜が形成されている。酸化被膜は、金属磁性粉の電気抵抗を高めるため、インダクタ部品のショート耐性を向上させることができる。
本開示の一態様であるインダクタ部品によれば、放熱性を向上させることができるインダクタ部品を実現できる。
第1実施形態に係るインダクタ部品を示す斜視図である。 第1実施形態に係るインダクタ部品を示す分解斜視図である。 図1のA-A’断面図である。 図1のB-B’断面図である。 図3BのA領域の拡大図である。 図3BのB領域の拡大図である。 素体の主面および側面を含む領域の構成を模式的に示した模式断面図である。 素体側面の形状を示す画像図である。 第1実施形態に係るインダクタ部品の製法を説明する説明図である。 第1実施形態に係るインダクタ部品の製法を説明する説明図である。 第1実施形態に係るインダクタ部品の製法を説明する説明図である。 第1実施形態に係るインダクタ部品の製法を説明する説明図である。 第1実施形態に係るインダクタ部品の製法を説明する説明図である。 第2実施形態に係るインダクタ部品を示す断面図である。 第3実施形態に係るインダクタ部品を示す断面図である。 第4実施形態に係るインダクタ部品を示す断面図である。
以下、本開示の一態様であるインダクタ部品を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
(第1実施形態)
(全体構成)
図1は、インダクタ部品の第1実施形態を示す斜視図である。図2は、インダクタ部品の分解斜視図である。図3Aは、図1のA-A’断面図である。図3Bは、図1のB-B’断面図である。具体的に述べると、図3Aは、素体の中心を含み、素体の第2側面および第4側面に平行な断面である。図3Bは、素体の中心を含み、素体の第1側面および第3側面に平行な断面である。
インダクタ部品1は、例えば、パソコン、DVDプレーヤー、デジタルカメラ、TV、携帯電話、スマートフォン、カーエレクトロニクスなどの電子機器に搭載され、例えば全体として直方体形状の部品である。
図1~図3Bに示すように、インダクタ部品1は、素体10と、素体10内に設けられたコイル20と、コイル20の第1端に電気的に接続された第1引出配線51と、コイル20の第2端に電気的に接続された第2引出配線52と、素体10の表面に設けられ、第1引出配線51に電気的に接続された第1外部端子41と、第2引出配線52に電気的に接続された第2外部端子42と、を有する。
素体10は、コイル20と、第1引出配線51および第2引出配線52と、を保持する部材である。素体10の形状は、互いに対向する第1主面11および第2主面12と、第1主面11および第2主面12に接続する第1から第4側面13~16と、を有する直方体である。第1側面13は、第3側面15と対向し、第2側面14は、第4側面16と対向する。図示するように、第1主面11および第2主面12に直交する方向をZ方向(上下方向)とし、以下では、順Z方向を上側、逆Z方向を下側とする。Z方向に直交し且つ第2側面14および第4側面16に直交する方向をX方向とする。Z方向に直交し且つ第1側面13および第3側面15に直交する方向をY方向とする。以下では、X方向を「長さ方向」ともいい、Y方向を「幅方向」ともいい、Z方向を「厚み方向」ともいう。なお、本明細書において、「直方体」とは、6つの各面が互いに直交する場合のみならず、各面が直角から僅かにずれた角度で交差している場合も含む。
第1主面11および第2主面12の各々の面積は、第1から第4側面13~16の各々の面積よりも大きい。すなわち、インダクタ部品1は、Z方向の厚みが薄い薄型部品である。好ましくは、第1主面11と第2主面12との間の距離は、300μm以下である。好ましくは、第1主面11と第2主面12との間の距離は、金属磁性粉の直径の2倍以上である。例えば、第1主面11と第2主面12との間の距離は、50μm以上である。好ましくは、第1主面11と第2主面12との間の距離は、第1側面13と第3側面15との間の距離および第2側面14と第4側面16との間の距離よりも短い。
素体10は、樹脂と当該樹脂に含有された金属磁性粉とを有する金属磁性粉含有樹脂17を含む。本実施形態では、素体10は、金属磁性粉含有樹脂17のみから構成されている。樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂及びこれらの混合体などである。金属磁性粉としては、例えば、FeSiCrなどのFeSi系合金、FeCo系合金、NiFeなどのFe系合金、または、それらのアモルファス合金などの金属磁性体材料の粉末、あるいは、NiZn系やMnZn系などのフェライトの粉末などである。金属磁性粉の含有率は、好ましくは、樹脂全体に対して50vol%以上85vol%以下である。なお、金属磁性粉は、粒子が略球形状であることが好ましく、平均粒径が5μm以下であることが好ましい。
コイル20は、素体10の第1主面11および第2主面12に沿ってスパイラル形状に延びる配線である。コイル20は、好ましくは、ターン数が1周を超えるスパイラル形状である。本実施形態では、コイル20のターン数は、凡そ2.5ターンである。コイル20は、例えば、上側からみて、外周端(第2端)から内周端(第1端)に向かって時計回り方向に渦巻状に巻回されている。コイル20は、導電性材料からなり、例えばCu、Ag,Auなどの低電気抵抗な金属材料からなる。
第1引出配線51は、好ましくはコイル20と同一の導電性材料からなり、コイル20と第1外部端子41とを電気的に接続する配線である。第1引出配線51の形状は、特に限定されない。本実施形態では、第1引出配線51は、X方向に延在する部分と、Y方向に延在する部分と、を有する。第1引出配線51の形状は、上側からみてT字状である。第1引出配線51は、ビア配線61およびビアパッド201を介して、コイル20の内周端と電気的に接続している。ビア配線61は、第1引出配線51とコイル20とを接続する配線である。ビアパッド201は、ビア配線61に接続されるコイル20の端部である。第1引出配線51の第1端は、ビア配線61の上端部と接続している。ビア配線61の下端部は、ビアパッド201と接続している。第1引出配線51の第2端は、素体10の第1主面11に露出して、第1外部端子41と接続している。以上の構成により、コイル20と第1外部端子41とが、電気的に接続される。
第2引出配線52は、好ましくはコイル20と同一の導電性材料からなり、コイル20と第2外部端子42とを電気的に接続する配線である。第2引出配線52の形状は、特に限定されない。本実施形態では、第2引出配線52は、Y方向に延在する配線である。第2引出配線52の第1端は、コイル20の外周端と接続している。第2引出配線52の第2端は、素体10の第1主面11に露出して、第2外部端子42と接続している。以上の構成により、コイル20と第2外部端子42とが、電気的に接続される。
第1外部端子41および第2外部端子42は、導電性材料からなり、例えば、低電気抵抗かつ耐応力性に優れたCu、耐食性に優れたNi、はんだ濡れ性と信頼性に優れたAuが内側から外側に向かってこの順に並ぶ3層構成である。
第1外部端子41は、素体10の第1主面11上に設けられ、第1引出配線51の上面を覆っている。これにより、第1外部端子41は、コイル20の内周端に電気的に接続される。第2外部端子42は、素体10の第1主面11上に設けられ、第1主面11から露出する第2引出配線52の上面を覆っている。これにより、第2外部端子42は、コイル20の外周端に電気的に接続される。
第1外部端子41および第2外部端子42には、好ましくは、防錆処理が施されている。ここで、防錆処理とは、NiおよびAu、または、NiおよびSnなどで被膜することである。これにより、はんだによる銅喰われや、錆びを抑制することができ、実装信頼性の高いインダクタ部品1を提供できる。
(素体の詳細構成)
次に、素体10の詳細構成について説明する。
素体10において、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面と、第1主面11および第2主面12のうち少なくとも1つの主面とには、1つまたは複数の凹部が設けられている。さらに、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面における1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さは、第1主面11および第2主面12のうち少なくとも1つの主面における1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい。なお、本実施形態においては、第2側面14に1つまたは複数の凹部が設けられており、第1主面11に1つまたは複数の凹部が設けられている。したがって、本実施形態において、特許請求の範囲における「第1側面」に相当するのは、第2側面14であり、「第1主面」に相当するのは、第1主面11である。
図4Aは、図3BのA領域(第2側面14)の拡大図である。図4Bは、図3BのB領域(第1主面11)の拡大図である。図4Aに示すように、素体10の第2側面14には、凹部14Rが設けられている。凹部14Rの内面の形状は、特に限定されないが、好ましくは半球形である。凹部14Rの内面の形状が半球形である場合、機械的応力が凹部14Rの内面で分散し、素体10の強度を確保できる。凹部14Rは、第2側面14に複数設けられていているが、1つだけ設けられていてもよい。凹部14Rの個数は、多いほど放熱性を向上させることができるため好ましい。また、凹部14Rは、均一に分布していると、第2側面14での放熱効果を広い範囲で得ることができるため好ましい。なお、本実施形態では、第2側面14に1つまたは複数の凹部14Rが設けられているが、凹部は、第1側面13、第3側面15および第4側面16のいずれの側面に設けられていてもよい。また、第1から第4側面13~16の複数の側面において、それぞれ1つまたは複数の凹部が設けられていてもよいし、第1から第4側面13~16のすべての側面において、それぞれ1つまたは複数の凹部が設けられていてもよい。すなわち、特許請求の範囲における「第1側面」に相当するのは、第1側面13、第3側面15、第4側面16のいずれかであってもよい。
また、図4Bに示すように、素体10の第1主面11には、凹部11Rが設けられている。凹部11Rの形状は、特に限定されないが、好ましくは半球形である。凹部11Rは、第1主面11に複数設けられているが、1つだけ設けられていてもよい。また、本実施形態では、第1主面11に凹部11Rが設けられているが、凹部は、第2主面12に設けられていてもよいし、第1主面11及び第2主面12の両方に、それぞれ1つまたは複数の凹部が設けられていてもよい。すなわち、特許請求の範囲における「第1主面」に相当するのは、第2主面12であってもよい。
凹部14Rのうち、最も深いものの最大深さは、凹部11Rのうち、最も深いものの最大深さよりも大きい。ここで、「凹部14Rのうち、最も深いものの最大深さ」について説明する。まず、素体10の中心を含み、第1主面11と第2側面14に直交する平面における断面において、複数の凹部14Rが存在する場合、各々のD1を求める。D1とは、凹部14Rの第1開口端e1と第2開口端e2とを結ぶ線分L1に直交する方向における凹部14Rの深さの最大値である。続いて、当該断面において求めた、第2側面14の全ての凹部14Rの各々のD1を比較して、そのうちの最も大きい値を求める。この最も大きい値が、「凹部14Rのうち、最も深いものの最大深さ」である。なお、当該断面において、第2側面14の凹部14Rが1つである場合は、当該凹部14RのD1が「凹部14Rのうち、最も深いものの最大深さ」となる。
同様に、「凹部11Rのうち、最も深いものの最大深さ」は、まず、素体10の中心を含み、第1主面11と第2側面14に直交する平面における断面において、複数の凹部11Rが存在する場合、各々のD2を求める。D2とは、凹部11Rの第1開口端e3と第2開口端e4とを結ぶ線分L2に直交する方向における凹部11Rの深さの最大値である。続いて、当該断面において求めた、第1主面11の全ての凹部11Rの各々のD2を比較して、そのうちの最も大きい値を求める。この最も大きい値が、「凹部11Rのうち、最も深いものの最大深さ」である。なお、当該断面において、第1主面11の凹部11Rが1つである場合は、当該凹部11RのD1が「凹部11Rのうち、最も深いものの最大深さ」となる。第2主面12、第1側面13、第3側面15および第4側面16における凹部の最大深さについても同様に定義される。
なお、凹部14Rが複数存在する場合、第2側面14の全ての凹部14Rにおける深さの最大値が、第1主面11の全ての凹部11Rにおける深さの最大値よりも大きくなくてもよい。すなわち、第2側面14の複数の凹部14Rのうち、第1主面11の凹部11Rにおける深さの最大値よりも小さい深さの最大値を有する凹部14Rが存在してもよい。
また、本発明における「凹部」は、素体10の表面を研削して平坦にしても発生し得る凹部を含む。例えば、凹部の第1開口端と第2開口端とを結ぶ線分に直交する方向における深さの最大値は、0.5μm以上である。
図5は、素体の第1主面11と第2側面14とを含む領域の構成を模式的に示した模式断面図である。図6は、素体側面の形状を示す画像図である。具体的には、光学顕微鏡写真である。図5および図6に示すように、本実施形態では、素体10は、金属磁性粉含有樹脂17から構成されている。金属磁性粉含有樹脂17は、樹脂171と当該樹脂171に含有された金属磁性粉172とを有する。素体10の第2側面14には、凹部14Rが設けられている。素体10の第1主面11には、凹部11Rが設けられている。
ここで、第1主面11および第2主面12は、研削工程で表面研削加工される。または、第1主面11および第2主面12は、研削工程後に、樹脂などで被覆される。そのため、第1主面11および第2主面12は、凹凸が少なく平坦である。一方、第1から第4側面13~16は、ダイシングブレードを用いて個片化されたカット面となる。本発明では、例えばダイシングブレードの粒度を制御することにより、第1から第4側面13~16において金属磁性粉172の脱粒を促進し、第1から第4側面13~16に凹部を積極的に設けることで、主面側よりも側面側の凹部の最大深さを大きくしている。なお、本発明の凹部は、金属磁性粉172の脱粒によって形成された凹部のみならず、その他の方法によって形成された凹部も含む。
前記インダクタ部品1によれば、素体10の第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの第2側面14と、第1主面11および第2主面12のうち少なくとも1つの第1主面11と、に凹部11R,14Rが設けられている。そのため、素体10の表面積が増大し、インダクタ部品1の放熱性を向上させることができる。
また、第1主面11および第2主面12の各々の面積が、第1から第4側面13~16の各々の面積よりも大きい、いわゆる厚み方向の部品厚みが、長さ方向および幅方向の部品幅よりも小さい薄型部品においては、厚み方向の部品厚みに対する第1主面11および第2主面12の凹部の最大深さの割合は、長さ方向および幅方向の部品幅に対する第1から第4側面13~16の凹部の最大深さの割合よりも大きい。そのため、第1主面11および第2主面12の凹部の最大深さが、第1から第4側面13~16の凹部の最大深さよりも、部品実装衝撃、抗折強度などへの影響が大きくなる。インダクタ部品1によれば、薄型部品において、第2側面14における凹部14Rの最大深さD1は、第1主面11における凹部11Rの最大深さD2よりも大きい。すなわち、薄型部品において、第1主面11の凹部11Rの最大深さよりも、第2側面14の凹部14Rの最大深さを大きくしている。そのため、凹部に起因する素体強度の低下を抑制しつつ、素体10の側面側の表面積を大きくできる。その結果、素体10の強度を低下させることなく、放熱性を向上させることができる。
また、インダクタ部品1の実装時において、実装機カメラを使用して、部品形状、部品の方向などの画像認識を必要とする場合、一般的に、第1主面11または第2主面12に方向性認識マークなどが付される。第1主面11または第2主面12に深さが大きい凹部が設けられている場合、凹部と方向性認識マークとの差異が判別しにくくなるため、画像認識時の視認性が低下する可能性がある。インダクタ部品1によれば、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの第2側面14における凹部14Rの最大深さD1は、第1主面11および第2主面12のうち少なくとも1つの第1主面11における凹部11Rの最大深さD2よりも大きいため、凹部と方向性認識マークとの差異が判別しやすく、画像認識時の視認性を低下させることなく、放熱性を向上させることができる。
好ましくは、第2主面12には、1つまたは複数の凹部が設けられ、第2側面14における凹部のうち、最も深いものの最大深さは、第2主面12における凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい。
上記構成によれば、より効果的に素体10の強度を低下させることなく、放熱性を向上させることができる。
好ましくは、第1側面13、第3側面15および第4側面16には、それぞれ1つまたは複数の凹部が設けられ、第1側面13、第3側面15および第4側面16の各側面において、凹部のうち、最も深いものの最大深さの各々は、第1主面11における凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい。
上記構成によれば、素体10の側面の放熱性をさらに向上させることができる。また、凹部が、第1から第4側面13~16の全ての側面に設けられているため、凹部の最大深さを、素体の各側面毎に制御して、部品側面から排出される素体発熱の分布を制御することができる。これにより、インダクタ部品1の実装後、例えば冷却ファン等の配置に合わせて、インダクタ部品1の放熱性を柔軟に制御することができる。
好ましくは、第1側面13、第3側面15および第4側面16には、それぞれ1つまたは複数の凹部が設けられ、第1側面13、第3側面15および第4側面16の各側面において、凹部のうち、最も深いものの最大深さの各々は、第1主面11における凹部のうち、最も深いものの最大深さおよび第2主面12における凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい。
上記構成によれば、素体10の側面の放熱性をさらに効果的に向上させることができる。
好ましくは、金属磁性粉含有樹脂17は、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面に露出し、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面における全ての凹部は、金属磁性粉含有樹脂17の露出面に設けられている。
金属磁性粉含有樹脂17は、金属磁性粉172を含むため、高い熱伝導率を有する。前記実施形態によれば、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面における全ての凹部が、金属磁性粉含有樹脂17の露出面に設けられているため、インダクタ部品1の放熱性をより効果的に向上させることができる。
好ましくは、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面における少なくとも一つの凹部の内面は、金属磁性粉含有樹脂17中の樹脂171から構成される。
凹部の内面は、凹部の内面以外の部分と比較して機械的応力が集中しやすく、相対的にクラックなどの欠陥が発生しやすい。上記構成によれば、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面における少なくとも一つの凹部の内面は、金属磁性粉含有樹脂17中の樹脂171から構成される。このため、凹部の内面に機械的応力が集中した場合でも、クラックなどの欠陥の発生を抑制し、インダクタ部品1の特性および信頼性の低下を抑制できる。
好ましくは、金属磁性粉172は、鉄を含み、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面には、切断された金属磁性粉172が露出している。具体的に述べると、例えば、図5において符号Pで示したように、切断された金属磁性粉172が、第2側面14に露出している。
上記構成によれば、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面には、切断された金属磁性粉172が露出しているため、素体10の側面の放熱性を向上させることができる。
好ましくは、切断された金属磁性粉172の露出面の最大直径をD(μm)とし、第1主面と前記第2主面との間の距離をT(μm)としたとき、D≧0.3Tを満たす。
ここで、「切断された金属磁性粉172の露出面の最大直径」とは、第1から第4側面13~16のうち少なくとも1つの側面に露出する、複数の切断された金属磁性粉172において、各金属磁性粉172の露出面172fの円相当直径を求め、そのうちの最大値を意味する。
上記構成によれば、金属磁性粉172の露出面の最大直径を比較的大きくすることができるため、素体10の側面の放熱性を向上させることができる。
好ましくは、D≧10を満たす。
上記構成によれば、より効果的に素体10の側面の放熱性を向上させることができる。
好ましくは、切断された金属磁性粉172の露出面172fには、酸化被膜が形成されている。
金属磁性粉172は電気伝導性を有し、切断された金属磁性粉172が隣接する部品の外部端子と接触した場合、金属磁性粉172を介して電流リークが発生し得る。上記構成によれば、切断された金属磁性粉172の露出面172fには、酸化被膜が形成されている。酸化被膜は、金属磁性粉172の電気抵抗を高めるため、インダクタ部品1のショート耐性を向上させることができる。より好ましくは、第1から第4側面13~16に露出する金属磁性粉172は、切断されていなくとも、酸化被膜が露出面に形成されている。
(製造方法)
次に、インダクタ部品1の製造方法について説明する。
図7Aに示すように、ベースとなる金属磁性粉含有樹脂17を準備する。この際、金属磁性粉含有樹脂17上に図示しない導電性のシード層をスパッタ法などで形成する。続いて、図7Bに示すように、金属磁性粉含有樹脂17上に、フォトリソグラフィによってパターニングされたコイル20とコイル20の両端部にビアパッド201とを設ける。コイル20とビアパッド201とは、例えばフォトリソグラフィによってパターン加工されたフォトレジストを、シード層を含む金属磁性粉含有樹脂17上に配置し、フォトレジストの開口内の給電されたシード層上に銅を電解めっきした後に、フォトレジストを除去して、不要部分のシード層を除去して形成される。続いて、図7Cに示すように、ベースの金属磁性粉含有樹脂17上に第2層目となる金属磁性粉含有樹脂17を設ける。その後、ビアパッド201上の第2層目の金属磁性粉含有樹脂17を、レーザやブラストなどによって開口し、当該開口内にビア配線61を電解めっきなどで設ける。続いて、図7Dに示すように、フォトリソグラフィによってパターニングされた第1引出配線51を、その端部がコイル20の内周端側のビア配線61上と接続されるように設ける。なお、図示しないが、同時にコイル20の外周端側のビア配線61上に、第2引出配線52を設ける。その後、第1引出配線51、第2引出配線52および第2層目の金属磁性粉含有樹脂17上に、第3層目となる金属磁性粉含有樹脂17を設ける。その後、第1引出配線51および第2引出配線52の端部上の第3層目の金属磁性粉含有樹脂17を、レーザやブラストなどによって開口し、当該開口内にZ方向に延びる第1引出配線51、第2引出配線52の延長部分を設ける。その後、第3層目の金属磁性粉含有樹脂17の主面を表面研削等して平坦化する。その後、第3層目の金属磁性粉含有樹脂17の主面から露出する第1引出配線51上、第2引出配線52上に、それぞれ第1外部端子41、第2外部端子42をめっきなどにより設ける。その後、カット線Cにて個片化して、図7Eに示すように、インダクタ部品1を製造する。
第1から第4側面13~16の凹部は、上記個片化工程で形成することができる。すなわち、上記個片化工程において、金属磁性粉の脱粒を促進させることにより、第1から第4側面13~16に凹部を設けることができる。発明者らが種々検討した結果、金属磁性粉1個当たりにかかる切削応力が大きいと脱粒が促進されることが分かった。具体的に述べると、例えばダイシングブレードでの個片化時のカットブレード仕様やカット条件の調整などで金属磁性粉の脱粒を促進させることができることが分かった。
発明者らは、カットブレードの仕様を変更して切断面の状態を観察した。ブレードによるカット速度を大きくすることにより、ブレード進行荷重により切削抵抗が増大し、金属磁性粉への応力が増大することで、脱粒が促進され素体側面に凹部を形成できることが分かった。また、カットブレードの回転数を低減し、ブレードの自生発刃が抑制されることにより、切削抵抗が増大し、金属磁性粉への応力が増大することで、脱粒が促進され、素体側面に凹部を形成できることも分かった。他の方法としては、電鋳タイプのブレード等に見られる、側面に砥粒が露出している仕様のダイシングブレードを使用することで、側面露出した砥粒が素体側面の金属磁性粉と接触する際に発生する応力を利用して、金属磁性粉の脱粒を促進させることができることも分かった。
なお、上記のインダクタ部品1の製造方法はあくまで一例であって、各工程において用いる工法や材料は、適宜他の公知のものと置き換えてもよい。例えば、上記において、金属磁性粉含有樹脂17をベースとするのではなく、フェライトやアルミナなどのベース基板やドライフィルムレジストなどを用いて、コイル20、ビアパッド201、ビア配線61、第1引出配線51、第2引出配線52を形成した後に、ベース基板やドライフィルムレジストを除去し、上下方向から金属磁性粉含有樹脂17を圧着して素体10を形成してもよい。また、上記のようなビルドアップ工法ではなく、シート積層工法やモールド工法を採用してもよい。
(第2実施形態)
図8は、インダクタ部品の第2実施形態を示す断面図である。第2実施形態は、第1実施形態とは、素体の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、第2実施形態のインダクタ部品1Aは、第1実施形態のインダクタ部品1と比較すると、素体10が、金属磁性粉含有樹脂17に加えて、絶縁樹脂18を含む。絶縁樹脂18は、コイル20の表面全体を少なくとも覆う。絶縁樹脂18は、第1から第4側面13~16の一部に露出している。具体的に述べると、素体10において、コイル20の下面を含むZ方向に直交する平面と、第1引出配線51のX方向に延在する部分の上面を含むZ方向に直交する平面と、の間の領域に、絶縁樹脂18が設けられている。これにより、コイル20の各ターン間の領域に絶縁樹脂18が存在する。絶縁樹脂18は、例えば、エポキシ、ポリイミドなどを主体とした絶縁材料や、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含侵した一般的なプリント基板またはBTレジン基材(すなわち、BT樹脂基材)、FR4基材(すなわち、ガラスエポキシ基材)などである。なお、第1から第4側面13~16であって、絶縁樹脂18が露出している領域に凹部が設けられていてもよい。
本実施形態によれば、コイル20の各ターン間の領域に絶縁樹脂18が存在するため、配線間の絶縁性を高めることができる。
(第3実施形態)
図9は、インダクタ部品の第3実施形態を示す断面図である。第3実施形態は、第2実施形態とは、絶縁樹脂が設けられている位置が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第2実施形態と同じ構成であり、第2実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、第3実施形態のインダクタ部品1Bは、第2実施形態のインダクタ部品1Aと比較すると、絶縁樹脂18が第1から第4側面13~16に露出していない。具体的に述べると、絶縁樹脂18は、コイル20の表面全体を少なくとも覆うと共に、第1から第4側面13~16に露出していない。これにより、第1から第4側面13~16の全面が、金属磁性粉含有樹脂17で構成されている。
本実施形態によれば、第2実施形態よりもインダクタ部品の放熱性を向上させることがきると共に、配線間の絶縁性も高めることができる。
(第4実施形態)
図10は、インダクタ部品の第4実施形態を示す断面図である。第4実施形態は、第2実施形態とは、絶縁樹脂が設けられている位置が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第2実施形態と同じ構成であり、第2実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図10に示すように、第4実施形態のインダクタ部品1Cは、第2実施形態のインダクタ部品1Aと比較すると、絶縁樹脂18が第1主面11上に設けられている。なお、第1主面11には、複数の凹部11Rが形成されているが、絶縁樹脂18は、複数の凹部11Rによる凹凸を平坦化していてもよいし、複数の凹部11Rの凹凸を反映した形状となっていてもよい。また、絶縁樹脂18は第2主面12上に設けられていてもよく、第1主面11上および第2主面12上の両方に設けられていてもよい。
本実施形態によれば、インダクタ部品1Cの放熱性を向上させることがきると共に、外部端子間の絶縁性を高めることができる。
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第4実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
第1実施形態では、コイルは、スパイラル形状に延びる配線であったが、コイルの形状
は、特に限定されない。例えば、コイルは、ヘリカル形状、ストレート形状、ミアンダ形状等であってもよい。また、第1実施形態では、内部配線は、コイル、ビアパッド、ビア配線および引出配線から構成されていたが、内部配線の形態や配置等はこれに限定されない。また、外部端子の形態や位置等も限定されない。
10 素体
11、12 第1~第2主面
13~16 第1~第4側面
17 金属磁性粉含有樹脂
171 樹脂
172 金属磁性粉
172f 露出面
18 絶縁樹脂
20 コイル
201 ビアパッド
41、42 外部端子
51、52 引出配線
61 ビア配線
11R、14R 凹部
C カット線
P 切断された金属磁性粉
e1~e4 開口端

Claims (12)

  1. 素体と、
    前記素体内に設けられたコイルと、を備え、
    前記素体は、樹脂と前記樹脂に含有された金属磁性粉とを有する金属磁性粉含有樹脂を含み、
    前記素体の形状は、互いに対向する第1主面および第2主面と、前記第1主面および前記第2主面に接続する第1側面、第2側面、第3側面および第4側面と、を有する直方体であり、
    前記第1主面および前記第2主面の各々の面積は、第1から第4側面の各々の面積よりも大きく、
    前記第1側面と前記第1主面とには、それぞれ1つまたは複数の凹部が設けられ、
    前記第1側面における前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さは、前記第1主面における前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい、インダクタ部品。
  2. 第1側面は、第3側面と対向し、
    第2側面は、第4側面と対向し、
    前記第1主面と前記第2主面との間の距離は、前記第1側面と前記第3側面との間の距離および前記第2側面と前記第4側面との間の距離よりも短い、請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 前記第2主面には、1つまたは複数の凹部が設けられ、
    前記第1側面における前記1つまたは複数の凹部ののうち、最も深いものの最大深さは、前記第2主面における前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい、請求項1または2に記載のインダクタ部品。
  4. 前記第2から第4側面には、それぞれ1つまたは複数の凹部が設けられ、
    前記第2から第4側面の各側面において、前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さの各々は、前記第1主面における前記1つまたは複数の凹部のうち、最も深いものの最大深さよりも大きい、請求項1から3の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  5. 前記第1主面と前記第2主面との間の距離は、300μm以下である、請求項1から4の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  6. 前記金属磁性粉含有樹脂は、前記第1側面に露出し、
    前記第1側面における全ての前記凹部は、前記金属磁性粉含有樹脂の露出面に設けられている、請求項1から5の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  7. 前記第1側面における前記1つまたは複数の凹部のうちの少なくとも一つの内面の形状は、半球形である、請求項1から6の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  8. 前記第1側面における前記1つまたは複数の凹部のうちの少なくとも一つの内面は、前記金属磁性粉含有樹脂中の前記樹脂から構成される、請求項1から7の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  9. 前記金属磁性粉は、鉄を含み、
    前記第1から第4側面のうち少なくとも1つの側面には、切断された前記金属磁性粉が露出している、請求項1から8の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  10. 前記切断された前記金属磁性粉の露出面の最大直径をD(μm)とし、前記第1主面と前記第2主面との間の距離をT(μm)としたとき、D≧0.3Tを満たす、請求項9に記載のインダクタ部品。
  11. さらに、D≧10を満たす、請求項10に記載のインダクタ部品。
  12. 前記切断された前記金属磁性粉の露出面には、酸化被膜が形成されている、請求項9から11の何れか一つに記載のインダクタ部品。
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