JP7409076B2 - ピッキング装置 - Google Patents

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Description

本開示は、磁力によってワークをピッキングするピッキング装置に関する。
従来、バラ積みされた複数のワークの中から電磁石ハンドによる磁力を用いてワークを吸着するピッキング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-154231号公報
しかしながら、従来のピッキング装置では、ワークを吸着する際に磁石がワークに衝突することによるワークへの衝撃が考慮されていなかった。このため、衝突によってワークに衝撃が加わる可能性があるという課題があった。
本開示は上記した課題を解決するためになされたものであり、磁力によってワークを吸着する際にワークへの衝撃を低減することができるピッキング装置を得ることを目的とするものである。
本開示に係るピッキング装置は、上下方向に移動する可動部を有する上下機構と、可動部に接続され、磁力によってワークを吸着するための磁石と、磁石の側面を覆う筒と筒の下面を塞ぐ底板とを有し、磁石の周囲を上下方向に移動可能に設けられ、非磁性材料で構成されるカバーと、カバーと磁石との上下方向の位置ずれ発生を検出する位置ずれセンサと、カバーが可動部に連動して下方に移動しているときに、カバーが磁石の周囲を相対的に上方向に移動して位置ずれが発生し、位置ずれ発生が検出されることでカバーがワークに接触したことを検知すると、可動部の移動速度を小さくする制御部と、を備える。
本開示に係るピッキング装置は、磁力によってワークを吸着する際にワークへの衝撃を低減することができるという効果を有する。
実施の形態1のピッキング装置を示す全体構成図。 実施の形態1のピッキング装置の一部を示す要部構成図。 実施の形態1のピッキング装置によるピッキング動作を示すフローチャート。 実施の形態1のピッキング装置の吸着ハンドの初期状態を示す断面図。 実施の形態1のピッキング装置の吸着ハンドの可動部の高速モードでの降下を示す断面図。 実施の形態1のピッキング装置の吸着ハンドのワークへの接触時の動作を示す断面図。 実施の形態1のピッキング装置の吸着ハンドの可動部の低速モードでの降下を示す断面図。 実施の形態1のピッキング装置の吸着ハンドがワークを吸着した状態を示す断面図。 実施の形態1のピッキング装置の吸着ハンドの可動部の上昇を示す断面図。 実施の形態1のピッキング装置の吸着ハンドがワークを吊り下げた状態を示す断面図。 実施の形態1のピッキング装置の吸着ハンドのシリンダがカバーを押下げる動作を示す断面図。 実施の形態1のピッキング装置の吸着ハンドからワークを離脱する動作を示す断面図。 実施の形態1のピッキング装置の変形例の吸着ハンドの一部を示す要部断面図。 実施の形態2のピッキング装置を示す全体構成図。
以下、図面に基づいて実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。また、以下では、物が重力で落下する方向を下方向(-Z方向)、その反対方向を上方向(+Z方向)と定義して説明する。
実施の形態1.
実施の形態1のピッキング装置について、図1から図14を用いて説明する。
まず、本実施の形態のピッキング装置100の全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態のピッキング装置100を示す全体構成図である。
ピッキング装置100は、ワーク90をピッキングする吸着ハンド10、吸着ハンド10を水平面内(X-Y面内)の2方向に移動可能とする水平機構40、ならびに吸着ハンド10の動作および水平機構40の動作を制御する制御部30から構成される。なお、ワーク90、複数のワーク90を収納する収納箱60およびワーク90の搬送先である搬送台70は、ピッキング装置100の構成には含まれない。
吸着ハンド10は、水平機構40に取り付けられることによって、水平面内(X-Y面内)の2方向に移動可能に設けられている。また、詳細は後述するが、吸着ハンド10は、上下方向(±Z方向)に移動する動作をしてワーク90をピッキングする。吸着ハンド10は制御部30に接続されており、吸着ハンド10の動作の制御は、制御部30によって行われる。
制御部30は、演算部31、判断部32、速度変更部33および駆動制御部34を有する。制御部30はピッキング装置100の吸着ハンド10および水平機構40の動作を制御するものであり、制御の詳細については後述する。
水平機構40は、水平面内(X-Y面内)に自由度を持つ移動機構である。水平機構40は、吸着ハンド10を水平方向に移動させることができる。水平機構40は制御部30に接続されており、水平機構40の動作の制御は、制御部30によって行われる。
ワーク90を収納するための収納箱60は、上面を有さない直方体状の箱体であり、水平機構40による吸着ハンド10の水平面内の可動範囲の下方に置かれる。収納箱60は、ワーク90を複数個収納するのに適切な大きさを有しており、収納箱60内には複数のワーク90がバラ積みされている。
搬送台70は、水平機構40による吸着ハンド10の水平方向での可動範囲の下方において、収納箱60が設けられる位置と別個の位置に設けられる台である。吸着ハンド10によってワーク90が吸着されて吊り下げられた後、水平機構40を動作させることにより吸着ハンド10を搬送台70の上方へ移動させることでワーク90を搬送し、その後ワーク90が離脱されて搬送台70上に載置される。
ワーク90は、磁力によって吸着される材料で構成され、例えば鋼材のSS400から構成されるものとする。図1に示すワーク90は、M16、長さ50mmの六角キャップボルトである。なお、ワーク90のボルト径および長さは、これに限られるものではない。また、ワーク90は、磁力によって吸着されるものであればボルトでなくても構わない。
ここで、吸着ハンド10の構成について、図2を用いて詳しく説明する。図2は、本実施の形態のピッキング装置100の一部として吸着ハンド10および制御部30を示す要部構成図であり、吸着ハンド10の上下移動における初期状態を表す。なお、制御部30は、図1に示すように水平機構40に接続されているが、図2では水平機構40は図示を省略している。
吸着ハンド10は、固定部1aおよび可動部1bを有する上下機構としてのスライドアーム1、スライドアーム1の可動部1bに取り付けられたシャフト保持部2、シャフト保持部2の下部に取り付けられたシャフト3、シャフト3の下部に取り付けられた磁石4、シャフト3の周囲にシャフト3と摺動可能に設けられシャフト3をガイドするガイド部5、ガイド部5が取り付けられ磁石4の周囲を覆うカバー6、カバー6に固定された発光部7aおよびシャフト保持部2に固定された受光部7bからなる位置ずれセンサとしての光センサ7、スライドアーム1の可動部1bに取り付けられた押出機構としてのエアシリンダ8、ならびにスライドアーム1の固定部1aの上部に取り付けられた重量センサ9から構成される。
スライドアーム1は、上下方向(±Z方向)に1軸の自由度を持ち、固定部1aに対して可動部1bがスライドして移動する上下機構である。スライドアーム1の固定部1aの上部には重量センサ9が取り付けられ、可動部1bの側面の下側にはシャフト保持部2、側面の上側にはエアシリンダ8がそれぞれ取り付けられている。また、スライドアーム1は、シャフト保持部2、シャフト3、磁石4、ガイド部5、カバー6、光センサ7およびエアシリンダ8の総荷重と移動時に発生するモーメントとに耐え得る強度に設計されている。制御部30は、スライドアーム1の可動部1bの駆動形態として、高速モードと高速モードよりも速度が小さい低速モードとの2種類の速度モードを有している。
シャフト保持部2は、円柱形状に形成され、長手方向がスライドアーム1のスライド方向と平行になるように可動部1bの側面の下側に取り付けられている。また、シャフト保持部2は、下面側の中央にねじ穴を有しており、シャフト3の雄ねじが取り付けられる。さらに、シャフト保持部2には、光センサ7の受光部7bが固定されている。スライドアーム1の可動部1bが上下方向に移動すると、シャフト保持部2も連動して上下方向に移動する。なお、シャフト保持部2は、円柱形状に限られず、略円柱状または角柱形状などの形状で形成されてもよい。
シャフト3は、円柱形状に形成され、その両端に雄ねじを有している。シャフト3の上端は、シャフト3の長手方向の軸と同一軸上にシャフト保持部2が位置するように、シャフト保持部2のねじ穴に取り付けられる。一方、シャフト3の下端には、磁石4が取り付けられる。また、シャフト3は、ガイド部5内を上下方向に摺動し、かつ、カバー6の内部に収まる径を有する。シャフト3は、ワーク90を吸着する際に、その衝撃または荷重によって変形しない太さ・材料で形成されることが望ましい。なお、シャフト3は、円柱形状に限られず、略円柱状、円筒形状または角柱形状などの形状で形成されてもよい。
磁石4は、円柱形状に形成された永久磁石である。磁石4の上面には中心にねじ穴が形成されており、シャフト3の雄ねじと接続されて取り付けられる。また、磁石4の外径は、ガイド部5の内径より大きく、円筒形状のカバー6の内径より小さい。磁石4はシャフト3およびシャフト保持部2を介して可動部1bに接続されているため、スライドアーム1の可動部1bが上下方向に移動すると、磁石4も連動して上下方向に移動する。なお、シャフト保持部2およびシャフト3を設けずに、長尺の磁石を可動部1bに直接固定し、ガイド部5内をこの長尺の磁石が摺動する構成としてもよい。
ガイド部5は、円筒形状を有しており、カバー6の内面に取り付けられている。ガイド部5の円筒内部をシャフト3が摺動するため、ガイド部5はシャフト3の長手方向と同軸上の向きに設けられている。また、ガイド部5の内径は、シャフト3がガイド部5内を摺動した際、シャフト3がぶれなく摺動することができる径とする。ガイド部5はシャフト3の摺動により摩擦力を受けるため、耐摩耗性が高い例えばポリアセタールなどの樹脂材料で構成することが望ましい。カバー6の内面にガイド部5が設けられていることによって、シャフト3はシャフト3の長手方向である上下方向(±Z方向)に移動する方向が定められる。
カバー6は、磁石4の側面を覆う円筒形状で内部が空間となっており、円筒の上部および下部はそれぞれ上板6aおよび底板6bで塞がれている。カバー6は、下面が底板6bで塞がれて磁石4がワーク90側に露出していないので、ワーク90に鉄粉などの異物が付着していてもカバー6の内部の空間に下面から磁力で引き寄せられて異物が侵入することが抑制される。その結果、異物混入に起因するカバー6内部での磁石4の滑らかな移動が妨げられることを抑制することができる。
また、カバー6の円筒の側面には、スライドアーム1と対向する側に長孔6cが2つ互いに平行して形成されている。なお、図2では2つの長孔6cのうち1つを図示している。長孔6cにはスライドアーム1にシャフト保持部2を固定するボルト(図示せず)が通り、ガイド部5と協働してカバー6が上下方向(±Z方向)に移動するためのガイドとなっている。なお、カバー6に設けられた長孔は、これに限られるものではなく、カバー6が上下方向に移動することを妨げないものであれば、他の形態であっても構わない。他の形態の場合は、カバー6の上下方向の移動はガイド部5のみでガイドされることになる。
カバー6の円筒内部には、シャフト保持部2、シャフト3、磁石4、ガイド部5および光センサ7が設けられており、このうちガイド部5はカバー6の円筒の内面に固定されている。また、カバー6は、磁石4に吸着されないために、非磁性材料で形成される。さらに、カバー6は、ワーク90に接触して僅かではあるが衝撃を受けるため、摩耗・衝撃に強く、軽量化が図れる例えば樹脂で製作することが望ましい。このようなカバー6の材料としては、例えばポリアセタールまたはポリイミドなどが用いられる。なお、カバー6は円筒形状で下面が底板6bで塞がれる構成としているが、カバーとしては円筒形状に限らず、磁石4の側面を覆う筒で下面が底板で塞がれた構成であればよい。
カバー6の長手方向すなわち上下方向(±Z方向)の長さは、シャフト保持部2、シャフト3および磁石4がそれぞれ取り付けられた状態での上下方向(±Z方向)の長さよりも長く設けられる。そして、カバー6は、シャフト保持部2、シャフト3および磁石4の周囲を上下方向に移動可能に設けられている。カバー6が自重によって下側に移動して静止した状態(初期状態)では、図2に示すように、カバー6の円筒と底板6bと磁石4の下面とで囲まれた領域には、図2において破線で示された下部空間11が存在する。初期状態において、下部空間11によるカバー6の底板6bの内側上面と磁石4の下面との間の距離Aは、磁石4の磁力によってワーク90がカバー6の底板6b側から吸着されない距離とすることが望ましい。なお、カバー6は、自重によって初期状態となるものに限られず、エアシリンダ8によって押下げられて初期状態となるものとしてもよい。
カバー6は、初期状態では上板6aの内面がシャフト保持部2の上面に接しているため、初期状態のままスライドアーム1の可動部1bが下方(-Z方向)に移動した場合、カバー6の底板6bの下面に外部から接触する物体が無ければ、可動部1bに連動してシャフト保持部2、シャフト3および磁石4が下方(-Z方向)に移動するのと同様、カバー6も連動して下方(-Z方向)に移動する。一方、可動部1bが下方に移動し、可動部1bに連動してシャフト保持部2、シャフト3、磁石4およびカバー6が下方に移動している時に、カバー6の底板6bに例えばワーク90が接触した場合、シャフト保持部2、シャフト3および磁石4は下方に移動し続けるが、カバー6はシャフト保持部2、シャフト3および磁石4に対して上方に移動し、見かけ上はほぼ静止した状態となる。そして、カバー6の上板6aの内側下面はシャフト保持部2の上面から離間して上部空間ができ、底板6bの内面と磁石4の下面との間の下部空間11が狭まる。この動作についての詳細は後述する。
光センサ7は、カバー6の内側側面に固定された発光部7aおよびシャフト保持部2に固定された受光部7bからなり、カバー6の底板6bの下面がワーク90に接触したタイミングを検知するための位置ずれセンサである。光センサ7の発光部7aと受光部7bは、図2に示す初期状態において互いに対向する位置に設けられる。すなわち、カバー6が初期状態の位置にあるとき、発光部7aからの光を受光部7bが受光することができる。一方で、カバー6が初期状態から磁石4の周囲を移動した場合には、カバー6に固定された発光部7aとシャフト保持部2に固定された受光部7bとの上下方向(±Z方向)での位置にずれが生じ、受光部7bは発光部7aからの光を受光できなくなる。したがって、カバー6の底板6bがワーク90に接触してカバー6が押上げられて位置がずれることで受光部7bは発光部7aからの光を受光できなくなるため、カバー6の底板6bがワーク90に接触したタイミングを検知することが可能となる。言い換えれば、位置ずれセンサとしての光センサ7は、磁石4がシャフト保持部2に連動して移動するので、カバー6と磁石4との初期状態からの上下方向の位置ずれ発生を検出することができる。光センサ7による受光信号は、受光部7bに接続された制御部30の速度変更部33に出力される。
エアシリンダ8は、スライドアーム1の可動部1bの側面の上側に取り付けられた単動押出し式の押出機構である。エアシリンダ8は、カバー6の上板6aの上面中央部を下方(-Z方向)に押出すことができる位置に設けられる。また、エアシリンダ8は、磁石4によって吸着されたワーク90を離脱するために十分な推力があるものとする。なお、押出機構としてのエアシリンダ8は、カバー6を下方に押下げることにより磁石4によって吸着されたワーク90を離脱できるものであればよく、空圧式に限らず例えば油圧式または電磁式のシリンダなどを用いることもできる。
重量センサ9は、スライドアーム1の固定部1aの上部に取り付けられており、スライドアーム1、シャフト保持部2、シャフト3、磁石4、ガイド部5、カバー6、光センサ7およびエアシリンダ8、ならびに磁石4によって吸着されたワーク90の合計重量を測定する。測定された重量は制御部30に重量信号として出力され、ワーク90の吸着動作前の重量と吸着動作後の重量との差を算出して、ワーク90の単体重量で割ることで、吸着したワーク90の個数を算出することができる。
以上のように構成された吸着ハンド10には、図2に示すように、スライドアーム1、光センサ7の受光部7b、エアシリンダ8および重量センサ9に制御部30がそれぞれ接続されている。以下、制御部30の詳細について説明する。
制御部30は、図1および図2に示すように、吸着ハンド10の光センサ7の受光部7bおよび重量センサ9からそれぞれ受光信号および重量信号が入力され、水平機構40および吸着ハンド10のスライドアーム1の移動の動作、ならびに吸着ハンド10のエアシリンダ8の押出し動作をそれぞれ制御するように接続されている。また、制御部30は、演算部31、判断部32、速度変更部33および駆動制御部34を有する。
演算部31は、重量センサ9に接続され、重量センサ9で測定された合計重量のデータが入力される。演算部31は、入力された合計重量のデータを用いて、吸着動作前と吸着動作後との合計重量の差を算出する。そして、算出した差を予め記憶されまたは外部から入力されたワーク90の1個分の重量で割ることで、吸着したワーク90の個数を算出する。そして、演算部31は、算出したワーク90の吸着個数を判断部32に出力する。
判断部32は、演算部31から入力されたワーク90の吸着個数に基づいて、ピッキングの成否および次の制御を判断し、判断結果を駆動制御部34に出力する。例えば、ワーク90の吸着個数が「1」であれば、ワーク90の単体でのピッキングができたと判断して、ワーク90の搬送開始を指令する制御信号を出力する。一方で、ワーク90の吸着個数が「0」または「2以上」であれば、ワーク90の単体でのピッキングができなかったと判断して、再度ワーク90の吸着を試みることを指令する制御信号を出力する。これらの判断についての詳細は、図3の説明において後述する。
速度変更部33は、光センサ7の受光部7bに接続され、光センサ7の受光部7bが発光部7aからの光を受光したか否かを示す受光信号が入力される。そして、速度変更部33は、受光部7bから入力された受光信号に基づいて、スライドアーム1の可動部1bの速度モードを設定して駆動制御部34に出力する。例えば、吸着ハンド10によるワーク90の吸着動作の開始時には、可動部1bの速度モードを高速モードとすることを指令する制御信号を駆動制御部34に出力する。そして、スライドアーム1の可動部1bが高速モードで下方に移動している時に、受光部7bが発光部7aからの光を受光しなくなったことで磁石4とカバー6との上下方向の位置ずれ発生を示す受光信号が速度変更部33に入力されると、速度変更部33は、受光信号によりカバー6がワーク90に接触したことを検知し、可動部1bを低速モードに変更することを指令する制御信号を駆動制御部34に出力する。吸着動作についての詳細は、図3を用いたピッキング装置100のピッキング動作の説明において後述する。
駆動制御部34は、判断部32および速度変更部33からの入力情報に基づいて、スライドアーム1、エアシリンダ8および図1に示す水平機構40の駆動を制御する。例えば、判断部32からワーク90の搬送開始を指令する制御信号が入力されると、駆動制御部34は、水平機構40を動作させて吸着ハンド10を搬送台70の上方に移動させることによりワーク90を搬送することを指令する制御信号を出力する。また、ワーク90の離脱が必要な場合、駆動制御部34は、エアシリンダ8を押下げる動作を指令する制御信号を出力する。さらに、速度変更部33から速度モードの変更を入力されると、駆動制御部34は、スライドアーム1の可動部1bの移動速度の変更を指令する制御信号を出力する。これらの制御の詳細については、図3の説明において後述する。
次に、ピッキング装置100によるピッキング動作について、図3から図12を用いて説明する。図3は、本実施の形態のピッキング装置100によるピッキング動作を示すフローチャートである。また、図4から図12は、本実施の形態のピッキング装置100の吸着ハンド10の一連の各動作または状態を連続して説明するための断面図である。なお、図4から図12では、矢印によって移動の方向および速度を概略的に示している。
まず、制御部30の駆動制御部34は、図1の水平機構40を制御して、吸着ハンド10をワーク90がバラ積みされている収納箱60の上方の位置まで水平面内(X-Y面内)を移動させる(ステップS101)。このとき、図4に示すように、吸着ハンド10は、初期状態としてカバー6の上板6aの内側下面がシャフト保持部2の上面に接する位置までカバー6が降下しており、カバー6の底板6bの内面と磁石4の下面との間には既に説明したように破線で示された下部空間11を有する。
ここで、ステップS101における吸着ハンド10の水平面内(X-Y面内)での移動について詳しく説明する。吸着ハンド10は、水平機構40を駆動させることにより、水平面内(X-Y面内)を規則的に移動するように制御するとよい。具体的には、予め収納箱60を設置する位置を規定した位置情報を制御部30に記憶させておき、収納箱60の範囲内を一定範囲ごとに区画する。そして、一区画ずつ吸着ハンド10を順番に移動させ、その都度後述するステップS103からステップS107の吸着動作を行うものとする。あるいは、吸着ハンド10の移動がランダムになるように制御することもできる。ランダムにする場合は、予め収納箱60を設置する範囲を同様に記憶させておき、その範囲内において乱数で生成させた位置情報にしたがって位置を変えてその都度吸着動作を行う。このようにすることで、いずれにしても、二次元センサなどによるワーク90の位置情報を用いることなくピッキングを行うことが可能となる。
図3に戻って、水平機構40の動作完了後、重量センサ9は、吸着ハンド10による吸着動作前の重量測定を行う(ステップS102)。ここでは、スライドアーム1、シャフト保持部2、シャフト3、磁石4、ガイド部5、カバー6、光センサ7およびエアシリンダ8の合計重量が測定されることになる。重量測定した結果は、重量センサ9から制御部30の演算部31に重量信号として出力され、一時的に演算部31に保存される。なお、ワーク90が吸着されていない時の重量を予め演算部31に記憶しておくようにすれば、ステップS102を省略することもできる。
ステップS102の重量測定後、駆動制御部34は、吸着ハンド10のスライドアーム1の駆動を制御して、図5に示すように、可動部1bを高速モードで降下させる(ステップS103)。ここでは、可動部1bの降下に連動して、下部空間11を有したまま磁石4およびカバー6が一体で降下する。なお、このときの速度モードの設定は速度変更部33によって行われ、ステップS103では高速モードに設定されている。
可動部1bが降下を開始すると、速度変更部33は、光センサ7の受光部7bからの入力に基づいて、光センサ7の発光部7aと受光部7bとの位置ずれ発生の有無からカバー6とワーク90との接触の有無を監視する(ステップS104)。具体的には、光センサ7の受光部7bは、速度変更部33に連続して受光信号を出力し続ける。速度変更部33は、受光信号から受光部7bが発光部7aからの光を受光していて磁石4とカバー6との上下方向の位置ずれ発生が無い場合は接触を検知しないが、受光信号から受光部7bが発光部7aからの光を受光しなくなって磁石4とカバー6との上下方向の位置ずれが発生するとカバー6がワーク90に接触したことを検知することになる。
位置ずれ発生が無く、速度変更部33がカバー6とワーク90の接触を検知していない場合(ステップS104:No)、ステップS103に戻って、高速モードのままで可動部1bの降下を続ける。そして再び速度変更部33は接触の有無を監視する。
一方、位置ずれが発生し、速度変更部33がカバー6とワーク90との接触を検知した場合(ステップS104:Yes)、スライドアーム1の可動部1bの降下速度を低速モードに変更することを指令する制御信号を駆動制御部34に出力する。そして、駆動制御部34は、速度変更部33からの制御信号を受けて低速モードに変更して降下するようにスライドアーム1の可動部1bの移動速度を制御する(ステップS105)。
ここで、ステップS104における接触の有無の判断およびステップS105について以下詳しく説明する。
ステップS104において、可動部1bは高速モードで降下を続け、速度変更部33はカバー6とワーク90の接触の有無を監視する。可動部1bが降下を続けると、降下した先にワーク90が存在する場合は、図6に示すように、カバー6の底板6bの下面がワーク90に接触することになる。なお、この時点では、下部空間11によりワーク90と磁石4との間は距離Aだけ離間しているため、ワーク90は磁石4によっては吸着されない。
そして、カバー6の底板6bの下面がワーク90に接触した後も可動部1bが降下を続けると、シャフト保持部2、シャフト3および磁石4は可動部1bに連動して降下を続け、一方で、カバー6は降下せずにシャフト保持部2、シャフト3および磁石4の周囲を相対的に上方向に移動する。このとき、図7に示すように、光センサ7の発光部7aと受光部7bとの上下方向での位置にはずれが生じており、可動部1bは低速モードで下方に移動している。
つまり、図6に示す動作と図7に示す動作との間において、光センサ7の発光部7aと受光部7bとの上下方向での位置に僅かにずれが生じた段階で、発光部7aからの光を受光していないことを示す受光信号が速度変更部33に出力され、速度変更部33は、受光部7bから入力された受光信号に基づいて、カバー6とワーク90の接触を検知する(ステップS104:Yes)。
接触が検知された後は、駆動制御部34は低速モードで降下するように可動部1bの速度を制御する(ステップS105)。そして、可動部1bが低速モードで降下してカバー6が磁石4の周囲を相対的に上方に移動することにより、図7に示すように、下部空間11は初期状態よりも狭くなり、シャフト保持部2の上面とカバー6の上板6aの内面との間が離間して、下部空間11が狭まった高さ分だけ上部空間12ができる。
ステップS105で可動部1bの速度が低速モードに変更された後、駆動制御部34は、図8に示すように、速度変更部33によってカバー6がワーク90に接触したことを検知したタイミングを基準にして、可動部1bを距離Aだけ降下させてから停止させる(ステップS106)。そうすると、吸着ハンド10はピッキング対象となるワーク90を、カバー6を介して磁石4によって吸着することができる。
ワーク90の吸着後、駆動制御部34は、図9に示すように、スライドアーム1の可動部1bを、ワーク90が吸着ハンド10から離脱して落下しても他の複数のワーク90および落下したワーク90への衝撃が問題とならない定位置まで上昇させて停止させる(ステップS107)。これにより吸着ハンド10は、磁石4によって吸着されたワーク90を収納箱60から引き上げて吊り下げた状態となる。
以上のステップS103からステップS107までを吸着ハンド10によるワーク90の吸着動作とする。
スライドアーム1の可動部1bの移動停止後すなわち吸着動作の終了後、重量センサ9は、吸着動作後の重量測定を行う(ステップS108)。ここでは、スライドアーム1、シャフト保持部2、シャフト3、磁石4、ガイド部5、カバー6、光センサ7およびエアシリンダ8と、吊り下げられたワーク90が存在する場合は当該ワーク90との合計重量が測定されることになる。重量測定した結果は、制御部30の演算部31に重量信号として出力される。
演算部31は、重量センサ9から入力された吸着動作前および吸着動作後の重量測定の結果に基づいて、吸着動作前後での合計重量の差を算出してワーク90の1個分の重量で割ることで、吸着ハンド10が吸着して吊り下げているワーク90の吸着個数を算出する(ステップS109)。そして、演算部31は、算出した吸着個数の情報を判断部32に出力する。なお、算出する吸着個数は、端数を四捨五入または切り捨てることにより、0以上の整数として求めることとする。
次に、判断部32は、演算部31から入力されたワーク90の吸着個数が「0」であるか否かを判断する(ステップS110)。
吸着個数が「0」である場合は(ステップS110:Yes)、判断部32は、吸着ハンド10によってワーク90を吸着できなかったと判断して、ステップS101に戻る。ステップS101では、駆動制御部34は、再び水平機構40を動作させて前回吸着動作を行った位置と別の位置に吸着ハンド10を移動させる。
一方、吸着個数が「0」でない場合は(ステップS110:No)、判断部32は、さらに、演算部31から入力されたワーク90の個数が「2以上」であるか否かを判断する(ステップS111)。
吸着個数が「2以上」である場合は(ステップS111:Yes)、判断部32は、吸着ハンド10によってワーク90が複数個吸着された、すなわちワーク90を単体で吸着できなかったと判断して、駆動制御部34へワーク90の離脱を指令する制御信号を出力する。駆動制御部34は、水平機構40を動作させず、すなわち吸着ハンド10の水平面内での位置を移動させずに収納箱60の上方でエアシリンダ8を押下げることにより吸着ハンド10からワーク90を離脱させる(ステップS121)。ワーク90の離脱後、エアシリンダ8を引き戻し、カバー6が自重により初期状態に戻った後に、ステップS101に戻る。ステップS101では、駆動制御部34は、再び水平機構40を動作させて前回吸着動作を行った位置と別の位置に吸着ハンド10を移動させる。
一方、吸着個数が「2以上」でない場合は(ステップS111:No)、吸着個数は「0」でも「2以上」でもなく、すなわち「1」である。このとき判断部32は、吸着ハンド10によってワーク90を単体で吸着して吊り下げることができたと判断して、ワーク90の搬送開始を指令する制御信号を駆動制御部34に出力する。駆動制御部34は、まず、スライドアーム1の可動部1bを上限まで上昇させてから停止させる(ステップS112)。
可動部1bの停止後、駆動制御部34は、水平機構40を動作させて吸着ハンド10を水平面内(X-Y面内)で移動させ、図10に示すように、ワーク90を吊り下げたままの状態で搬送を行う(ステップS113)。
水平機構40によって吸着ハンド10が搬送台70の上方まで移動されると、駆動制御部34は、水平機構40による吸着ハンド10の移動を停止させる。そして、駆動制御部34は、図11に示すように、エアシリンダ8を押下げる。そうすると、図12に示すように、ワーク90は吸着ハンド10から搬送台70へと離脱される(ステップS114)。ワーク90の離脱後、エアシリンダ8を引き戻し、カバー6が自重により初期状態に戻る。
このようにしてワーク90が搬送台70に搬送されることによって、単体のワーク90のピッキングが完了する。
このように構成されたピッキング装置100の効果について説明する。
ピッキング装置100は、カバー6がワーク90に接触した後に可動部1bの移動速度を高速モードから低速モードに変更することができるため、スライドアーム1の可動部1bが高速モードのまま降下することでカバー6を介して磁石4がワーク90に強く衝突し、ワーク90が衝撃を受けることを抑制することができる効果を奏する。ワーク90に衝撃が加わることでワーク90に傷がつくことが懸念されるが、衝撃を低減することで傷がつくことを防止できる。
特に、磁石4として永久磁石を用いる場合、吸着動作時に磁力の調整ができないため、スライドアーム1に連動して磁石4が下方に移動することによる下向きの速度および磁石4の磁力によってワーク90が吸い寄せられることによる上向きの速度の双方によってワーク90に衝撃が加わることが懸念される。そこで、本実施の形態のピッキング装置100では、磁石4がワーク90を吸着し得る距離まで接近する前にカバー6がワーク90に接触することにより、磁石4とワーク90との間が下部空間11によって距離Aだけ離れた状態でスライドアーム1の速度を低速モードに変更することができる。これにより、磁石4が下方に移動することによる下向きの速度が小さくなることから、相対的にワーク90に加わる衝撃は小さくなるといえる。
また、ピッキング装置100の吸着ハンド10では、初期状態で下部空間11を有するように構成しているため、磁石4に永久磁石を用いてもカバー6をエアシリンダ8によって押出すことで吸着しているワーク90を離脱させることが可能となる。これによって、ピッキングに磁力の調整を必要とせず、電磁石用の電源が不要になるなど、装置構成の簡略化を図ることができる効果を奏する。
さらに、カバー6の内部にはガイド部5が設けられており、シャフト3がガイド部5内を摺動するため、シャフト3がぶれなく摺動することができる。これによって、磁石4が上下方向にぶれなく移動することが可能となり、安定したピッキング動作を行うことができる効果を奏する。なお、シャフト保持部2およびシャフト3を設けずに長尺の磁石がガイド部5内を摺動する場合も同様である。
また、ピッキング装置100は、規則的またはランダムに収納箱60の範囲内の上方で水平機構40を動作させてその都度図3のステップS103からステップS107に示した吸着動作を行うため、ワーク90の位置情報を取得することなくピッキングを行うことができる効果を奏する。これにより、位置情報を取得するための構成が不要となるため、ピッキング装置100全体での低コスト化をすることができる。
特に、ビジョンセンサなどを用いて位置情報を取得してピッキングを行う場合、例えば表面に光沢があるまたは表面が鏡面のワーク、複雑な構造を有するワークなど、パターン光による位置情報検出が困難なワークには適用することができなかった。また、センサでの位置情報認識時からワークが動いてしまった場合にもピッキングできないという課題があった。したがって、本実施の形態のピッキング装置100であれば位置情報を必要としないため、このようなワークに対してもピッキングを行うことができるという効果を奏する。
また、カバー6は非磁性材料で構成されるため、磁石4の磁力の影響を受けない。そのため、磁石4の周囲を滑らかに移動することができる。また、吸着ハンド10において磁石4がカバー6に覆われているため、磁石4に金属片や金属粉などの異物が付着することを防ぐことができ、異物混入に起因するカバー6内部での磁石4の滑らかな移動が妨げられることを防ぐことができる効果を奏する。したがって、磁石4はカバー6によって少なくとも下面側が覆われていればよい。
実施の形態1のピッキング装置の変形例について、図13を用いて説明する。図13は、本実施の形態のピッキング装置100を変形したピッキング装置の吸着ハンドの一部を示す要部断面図である。
吸着ハンドにおいて、磁石4の径をワーク90の径よりも小さくすることで、図13のような状態では2つのワーク90はいずれも吸着されない。
このように構成されたピッキング装置にあっては、ワーク90を複数個吸着しない、すなわち単体でピッキングすることができる効果を奏する。このため、ワーク90が0個または1個吸着されるものとして、吊り下げられたワーク90の吸着個数の判断を省略して搬送することもできる。
なお、本実施の形態では、磁石4とカバー6との上下方向での位置ずれ発生を検出する位置ずれセンサとして光センサ7を用いる構成について説明したが、これに限られるものではなく、磁気センサを用いたオートスイッチなどを用いることもできる。
また、本実施の形態では、吊り下げられたワーク90の重量を測定するために重量センサ9を用いる構成について説明したが、重量センサ9の代わりに力覚センサを用いることもできる。
本実施の形態では、スライドアーム1は高速モードと低速モードとの2種類の速度モードを有しており、高速モードから低速モードに変更されるものとして説明したが、磁石4とカバー6との位置ずれが検出された後にその速度が低下するものであればこれに限られるものではなく、速度は徐々に低下するものとしてもよいし、3段階以上の速度の速度モードを有するものとしてもよい。
また、本実施の形態では、初期状態で図2に示す下部空間11を有する構成について説明したが、これに限られるものではなく、少なくともピッキング装置の吸着動作においてカバー6の底板6bの下面がワーク90に接触する直前までに磁石4の下面と底板6bの内側上面との間を距離Aだけ離間した下部空間11を有する構成とすればよい。
スライドアーム1は本実施の形態で示した1軸(Z軸)のみに自由度を持ち固定部1aに対して可動部1bがスライドして移動するものに限られるものではなく、2軸以上に自由度を持ち単軸動作が可能であるロボットアームなどを用いても構わない。
また、本実施の形態では、磁石4として永久磁石を用いる場合について説明したが、電磁石を用いることもできる。電磁石を用いる場合は、磁力の調整が容易なため、対象となるワークの重量に応じて磁力を変更することであらゆるワークに対応することができるという効果を奏する。また、カバー6が移動可能に設けられることによって衝撃を低減することができるため、吸着前後での磁力の調整を必要とせず、より簡易な構成とすることができる効果を奏する。
さらに、磁石4は、永久磁石または電磁石のいずれを用いる場合にあっても、磁力にマージンを設けることができる。これによって、ワーク90の搬送時における揺れなどによってワーク90が落下することを防止することができる効果を奏する。ワーク90を単体でピッキングするためには、磁力は2個のワークを吸着可能な磁力よりも小さいものとすることが望ましい。
実施の形態2.
実施の形態2のピッキング装置について、図14を用いて説明する。図14は、本実施の形態のピッキング装置200を示す全体構成図である。
ピッキング装置200は、実施の形態1のピッキング装置100に二次元情報取得部として二次元センサ50をさらに設けたものである。ピッキング装置200のその他の構成については、ピッキング装置100と同様であるため、説明を省略する。
二次元センサ50は、二次元の情報を取得する二次元情報取得部である。なお、二次元センサ50は、二次元情報を取得するものであればこれに限られるものではなく、カメラなどを用いてもよい。
実施の形態1ではピッキング装置100の水平機構40を動作させて吸着ハンド10を移動させるにあたり、規則的またはランダムに移動させることにより位置情報を何ら必要としない動作について説明したが、ピッキング装置200は、二次元でのワーク90の位置情報を取得してピッキングを行う。
すなわち、本実施の形態のピッキング装置200では、実施の形態1で説明した図3のステップS101において、二次元センサ50によって吸着対象とする単体のワーク90の位置情報を取得して駆動制御部34に出力し、駆動制御部34は、入力された位置情報に基づいて吸着対象とする特定のワーク90の上方へ吸着ハンド10を水平機構40によって移動させる。
このように構成されたピッキング装置200にあっては、吸着対象とする特定のワーク90が存在することを認識した位置に吸着ハンド10を移動させるため、ピッキングの成功率が上がり、ピッキングの所要時間を短縮することができる効果を奏する。
また、ピッキング装置200は、吸着動作において速度モードを高速モードから低速モードに変更するため、ワーク90に与える衝撃を低減することができる効果を奏する。特に、本実施の形態では、二次元の位置情報を使用するが、上下方向すなわち高さ方向の位置情報は必要としないため、パターン光によって高さ方向の位置情報を取得するビジョンセンサを用いることなく吸着動作をすることができる。したがって、例えば表面に光沢があるまたは表面が鏡面のワーク、複雑な構造を有するワークなど、パターン光による位置情報の検出が困難なワークにも適用することができ、このようなワークの吸着動作においてもワーク90に与える衝撃を低減することができる効果を奏する。
さらに、ピッキング装置200は二次元の位置情報のみを取得することでピッキングを行うことができるため、ビジョンセンサなどを用いて三次元の位置情報を取得してピッキングを行う場合と比較して、低コスト化ができるという効果を奏する。
なお、各実施の形態を、適宜、組み合わせたり、変形や省略することも、本開示の範囲に含まれる。
1 スライドアーム(上下機構)、1a 固定部、1b 可動部、2 シャフト保持部、3 シャフト、4 磁石、5 ガイド部、6 カバー、6a 上板、6b 底板、6c 長孔、7 光センサ(位置ずれセンサ)、7a 発光部、7b 受光部、8 エアシリンダ(押出機構)、9 重量センサ、10 吸着ハンド、11 下部空間、12 上部空間、30 制御部、31 演算部、32 判断部、33 速度変更部、34 駆動制御部、40 水平機構、50 二次元センサ(二次元情報取得部)、60 収納箱、70 搬送台、90 ワーク、100、200 ピッキング装置。

Claims (10)

  1. 上下方向に移動する可動部を有する上下機構と、
    前記可動部に接続され、磁力によってワークを吸着するための磁石と、
    前記磁石の側面を覆う筒と前記筒の下面を塞ぐ底板とを有し、前記磁石の周囲を上下方向に移動可能に設けられ、非磁性材料で構成されるカバーと、
    前記カバーと前記磁石との上下方向の位置ずれ発生を検出する位置ずれセンサと、
    前記カバーが前記可動部に連動して下方に移動しているときに、前記カバーが前記磁石の周囲を相対的に上方向に移動して前記位置ずれが発生し、前記位置ずれ発生が検出されることで前記カバーが前記ワークに接触したことを検知すると、前記可動部の移動速度を小さくする制御部と、
    を備えたピッキング装置。
  2. 前記制御部は、
    前記可動部の駆動形態として高速モードおよび前記高速モードよりも速度が小さい低速モードを有し、
    前記カバーが前記ワークに接触したと判断する前は前記可動部を前記高速モードで下方に移動させ、
    前記カバーが前記ワークに接触したと判断した後は前記可動部を前記低速モードに変更して下方に移動させること
    を特徴とする請求項1に記載のピッキング装置。
  3. 前記カバーの前記筒の内部にガイド部が設けられていること
    を特徴とする請求項1または2に記載のピッキング装置。
  4. 前記上下機構は、水平機構に取り付けられていること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のピッキング装置。
  5. 前記制御部は、前記ワークが収納された収納箱の上方の範囲内で前記上下機構を水平方向に規則的に移動させた後に、前記可動部を下方に移動させること
    を特徴とする請求項4に記載のピッキング装置。
  6. 前記制御部は、前記ワークが収納された収納箱の上方の範囲内で前記上下機構を水平方向に乱数で生成させた位置情報にしたがって移動させた後に、前記可動部を下方に移動させること
    を特徴とする請求項4に記載のピッキング装置。
  7. 二次元情報のみを取得する二次元情報取得部をさらに備え、
    前記制御部は、前記二次元情報取得部によって前記ワークの二次元での位置のみを認識し、前記上下機構を前記ワークの上方まで水平方向に移動させた後に、前記可動部を下方に移動させること
    を特徴とする請求項4に記載のピッキング装置。
  8. 前記ワークを吊り下げ可能な位置まで前記可動部を上方に移動させた状態で、吊り下げられた前記ワークの重量を測定するための重量センサをさらに有し、
    前記制御部は、前記重量センサで測定された重量に基づいて吊り下げられた前記ワークの個数を算出し、前記個数が1であると判断した場合は、前記上下機構を水平方向に移動させて前記ワークを搬送すること
    を特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載のピッキング装置。
  9. 前記磁石の径は、前記ワークの径よりも小さいこと
    を特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のピッキング装置。
  10. 前記磁石は、永久磁石であること
    を特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のピッキング装置。
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