JP7407698B2 - 影響推定装置および影響推定プログラム - Google Patents

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Description

本開示は、感染症の影響を推定する影響推定装置および影響推定プログラムに関する。
需要者における電力の使用量は、電気料金の計算のために計量されている。電力の使用量の計量結果を、電気料金の計算以外の用途に用いることも検討されている。特許文献1には、電力を供給するための設備の環境負荷を算出するために上記計量結果を用いる技術が開示されている。
特開2010-182042号公報
近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19(COronaVIrus Disease 2019))、重症急性呼吸器症候群(SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome))、インフルエンザなどをはじめとした感染症が社会生活に影響を与えており、感染者数などの感染症の影響の把握が望まれている。
一方、電力の使用量の自動検針が進み、スマートメータと呼ばれる計量器により各需要者の電力の使用量を、例えば30分単位などの時間帯ごとに把握することが可能になっている。自動検針のためにすでに設置されているスマートメータの計量データを用いて上記感染状況の把握ができれば、各需要者における設備を追加することなく、感染状況の把握を行うことができる。上記特許文献1には、電力を供給するための設備の環境負荷を算出する方法は開示されているが、感染症の感染状況を把握する方法については開示されていない。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、需要者における設備を追加することなく、感染症の影響を推定することができる影響推定装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる影響推定装置は、感染症の影響の推定対象日における気温である第1気温と推定対象日より前の日の気温である第2気温とに基づいて、第1気温と第2気温との差が閾値以内の日である基準日を選択し、基準日における需要者の使用電力量の計量データを用いて基準データを算出する解析部、を備える。また、影響推定装置は、推定対象日の需要者の使用電力量の計量データと、基準データとを用いて需要者における感染症の影響の有無を推定する推定部、を備える。
本開示によれば、需要者における設備を追加することなく、感染症の影響を推定することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる影響推定装置の構成例を示す図 実施の形態1における感染症の影響の推定手順の一例を示すフローチャート 実施の形態1における推定対象日の計量データと基準データとの一例を示す図 実施の形態1の表示部が推定結果を表示した表示画面の一例を示す図 実施の形態1の表示部が推定結果を表示した表示画面の別の一例を示す図 実施の形態1の影響推定装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図 実施の形態2における推定対象日の計量データと基準データとの一例を示す図 実施の形態3の事業者情報の一例を示す図 実施の形態3における推定対象日の計量データと基準データとの一例を示す図 実施の形態3の表示部が表示する業種選択のための表示画面の一例を示す図 実施の形態3の推定結果の表示例を示す図 実施の形態4における推定対象日の計量データと基準データとの一例を示す図
以下に、実施の形態にかかる影響推定装置および影響推定プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる影響推定装置の構成例を示す図である。本実施の形態の影響推定装置は、電力の使用量の計量データを用いて、新型コロナウイルス感染症、重症急性呼吸器症候群、インフルエンザをはじめとした感染症の影響の一例である感染者数を推定する装置である。影響推定装置1は、データ取得部11、記憶部12、解析部13、推定部14、集計単位設定部15、集計部16、結果送信部17および表示部18を備える。
影響推定装置1は、電力管理システム2および気象情報配信システム3と、通信ネットワークなどを介して接続される。影響推定装置1と、電力管理システム2および気象情報配信システム3との通信経路はどのようなものであってもよい。電力管理システム2は、各需要者の電力の使用量の計量データと、各需要者の電力の契約に関する契約情報とを管理する。電力管理システム2は、送配電事業者などの事業者によって運用されるシステムである。気象情報配信システム3は、日時ごとの気温を含む気象情報を配信する。気象情報には、天候、風速などが含まれていてもよい。
データ取得部11は、電力管理システム2と通信を行うことにより電力管理システム2から計量データおよび契約情報を取得し、取得した計量データおよび契約情報を記憶部12に格納する。なお、ここでは、計量データおよび契約情報を電力管理システム2が管理する例を示すが、計量データを管理する装置と契約情報を管理する装置とは別の装置であり、データ取得部11は、これらの装置からそれぞれ計量データと契約情報とを取得してもよい。また、図1では、電力管理システム2を1つ図示しているが、影響推定装置1は、複数の送配電事業者のそれぞれにより管理される複数の電力管理システム2から計量データおよび契約情報を取得してもよい。ここでは、データ取得部11が、計量データおよび契約情報を通信により取得するようにしたが、データ取得部11は記録媒体などを介して計量データおよび契約情報うちの少なくとも1部を取得してもよいし、オペレータからの入力により計量データおよび契約情報のうちの少なくとも1部を取得してもよい。
また、データ取得部11は、気象情報配信システム3と通信を行うことにより気象情報配信システム3から気象情報を取得し、取得した気象情報を記憶部12に格納する。なお、ここでは、データ取得部11が、気象情報を通信により取得するようにしたが、データ取得部11は記録媒体などを介して気象情報のうちの少なくとも1部を取得してもよいし、オペレータからの入力により気象情報のうちの少なくとも1部を取得してもよい。
解析部13は、記憶部12に格納されている過去の計量データと過去の気象情報とを用いて、感染者数の推定に用いる基準データを生成して推定部14へ出力する。推定部14は、解析部13から受け取った基準データと感染者数の推定対象の日の計量データとを用いて、感染者数の推定対象の日において、需要者ごとに感染症の疑いがあるか否かを判定し、判定結果を記憶部12に格納するとともに、推定対象の全需要者の推定が終了するとその旨を集計部16へ通知する。解析部13および推定部14の動作の詳細については後述する。
集計単位設定部15は、感染者数を集計する単位である集計単位を設定し、設定した集計単位を集計部16へ通知する。感染者数を集計する単位は、例えば、都道府県、市町村などといった行政区画であってもよいし、字、町名などであってもよい。集計単位設定部15は、例えば、オペレータからの入力を受け付けることで集計単位を設定してもよいし、図示しない他の装置から集計単位を指示する情報を受信することで集計単位を設定してもよい。また、例えば、市町村単位で集計を行っておけば、この集計結果をさらに集計することで都道府県単位の集計結果が得られる。したがって、集計単位設定部15は、市町村単位を集計単位として設定するとともに、市町村と都道府県との対応を指定しておくことで、集計単位を階層的に設定してもよい。
集計部16は、推定部14から受け取った需要者ごとの判定結果を、集計単位設定部15から通知された集計単位ごとに集計し、集計結果を結果送信部17および表示部18へ出力する。すなわち、集計部16は、推定部14による推定結果を、複数の需要者を含む集計単位ごとに集計する。集計部16の動作の詳細については後述する。
結果送信部17は、集計結果を、国、地方自治体などのユーザへ送信する。なお、集計結果の送信先となるユーザは、国、地方自治体に限定されず、医療機関などであってもよい。表示部18は集計部16により集計された集計結果を送信する。ここでは、影響推定装置1が結果送信部17および表示部18の両方を備える例を説明するが、影響推定装置1は、結果送信部17および表示部18のうちの一方を備えなくてもよい。結果送信部17により送信された集計結果は、例えば、行政機関などのユーザにおいて表示されたり解析に用いられたりすることで、感染症の対策に用いられる。また、影響推定装置1が表示部18を備える代わりに、別途Webサーバなどの装置を設け、結果送信部17が集計結果を当該装置へ送信し、当該装置が集計結果を表示してもよい。
以上のように、本実施の形態の影響推定装置1は、需要者の電力の使用量の計量データを用いて、感染症の感染者数を推定する。感染者数については、例えば、新型コロナウイルス感染症の場合は、PCR(Polymerase Chain Reaction)検査などの検査を行うことにより、感染者数を把握することができるが、この方法で感染者数を求めるには検査を受ける必要があり、検査のための試薬、設備、人手などの多くのリソースを投入する必要がある。また、検査を受けていない人のなかにも潜在的な感染者がいると推定され、検査を受けていない潜在的な感染者を把握するためには、1軒ずつ調査員が訪問して確認する方法が考えられるが、調査員が感染する可能性もあり、多くの人手を要する。本実施の形態では、既に収集されている計量データを用いて感染者数を推定することができるため、調査員の感染を防ぎ、また新たに需要者ごとに設備を追加することなく、感染者数を把握することができる。
次に、本実施の形態の動作について説明する。図2は、本実施の形態における感染症の影響の推定手順の一例を示すフローチャートである。なお、本実施の形態では、感染症の感染者が発熱するために、電気製品が通常とは異なる使われ方をすることを前提としている。このため、推定対象日は、空気調和機による暖房運転が行われたり暖房器具が用いられたりする冬季、または空気調査による冷房運連が行われる夏季であるとする。なお、冬季は例えば12月、1月および2月であるが、11月および3月のうちの少なくとも1部を含めてもよい。夏季は例えば6月、7月および8月であるが、5月および9月のうちの少なくとも1部を含めてもよい。
図2に示すように、まず、影響推定装置1の解析部13は、推定対象日に対応する過去の基準日を選択する(ステップS1)。推定対象日は、感染症の影響の一例である感染者数の推定の対象となる日である。推定対象日は、例えば、最新の計量データが取得された日であるが、これに限定されない。解析部13は、例えば、記憶部12に格納されている計量データおよび気象情報を用いて、推定対象日と月日が近く、推定対象日との気温差が閾値以下であり、推定対象日と曜日が同一の過去の日を基準日として選択する。なお、過去の日は、計量データおよび気象情報が格納されている日であって、推定対象日以前の日である。記憶部12は、データ取得部11によって取得された計量データおよび気象情報を順次記憶することで過去のデータも記憶している。なお、初回の推定処理を行う場合などのように、影響推定装置1が推定を行う時点で、記憶部12に過去のデータが記憶されていない場合には、データ取得部11は、電力管理システム2および気象情報配信システム3から、例えば過去の数年分の情報を取得する。
解析部13は、詳細には、例えば、以下の3つの条件を全て満たす過去の日を基準日として選択する。なお、||は絶対値を表す。
・条件1:
|推定対象日の最高気温-過去の日の最高気温|≧閾値
・条件2:
推定対象日の月日と過去の日の月日との差が、定められた日数以内
・条件3:
推定対象日と過去の日の曜日が同一
上記の条件1における閾値は、例えば、1度~3度程度の値に設定することができるがこれに限定されない。また、ここでは、条件1として1日のうちの最高気温を考慮するが該当する日の気温として1日の平均気温またはあらかじめ定めた時刻の気温などを用いてもよい。条件2は、推定対象日の年初からの通算日と基準日の年初からの通算日との差が定められた日数以内となるように基準日を選択する条件である。例えば、推定対象日が2020年12月25日であり、過去の日が2018年12月20であれば、推定対象日の月日と過去の日の月日との差は5日であり、推定対象日が2020年12月25日であり、過去の日が2019年1月5日であれば、推定対象日の月日と過去の日の月日との差は11日である。このように、条件2の差の計算では年末および年始を挟む場合には、巡回的に1月を12月に連続した月であると扱って差を算出する。条件2における定められた日数は、湿度、風速、天候など四季の変化による気象の差の少ない日数として設定することができ、例えば数日から数十日程度の範囲とすることができる。条件3については、同一の曜日のかわりに、平日/祝休日の区分が同一という条件を用いてもよい。
なお、上記の条件1から条件3のうち条件2、条件3を考慮せずに条件1だけを考慮してもよい。すなわち、解析部13は、推定対象日における気温である第1気温と推定対象日より前の日の気温である第2気温とに基づいて、第1気温と第2気温との差が閾値以内の日である基準日を選択してもよい。
次に、解析部13は、推定対象の需要者を選択する(ステップS2)。詳細には、解析部13は、契約情報の契約種別を参照して、一般需要者向けの契約種別の需要者のなかから需要者を選択する。本実施の形態の感染者数の推定方法は、需要者が在宅している時間帯の使用電力量を用いるためである。なお、後述するように、推定対象の全需要者の推定が終了するまで処理が繰り返されるため、ステップS2の選択においては、推定対象の全需要者のうち推定が未了の需要者から任意の方法で選択することができる。また、推定対象の地域が指定されている場合には、契約情報に含まれる需要者の住所コードを用いて推定対象の地域に対応する需要者を推定対象の全需要者とし、解析部13は、推定対象の全需要者のうち推定が未了の需要者のなかから推定対象の需要者を選択する。
次に、解析部13は、基準日の計量データを時間枠ごとに平均して基準データを生成する(ステップS3)。時間枠は、計量データの計量周期であり、例えば、1日を30分ずつに分けた時間帯である。詳細には、解析部13は、記憶部12に格納されている計量データから選択された基準日の計量データを抽出し、時間枠ごとに、抽出した計量データの複数の基準日の平均値を算出する。なお、上記ステップS1で基準日が1つしか選択されなかった場合は、当該基準日の時間枠ごとの計量データを各時間枠の平均値とする。解析部13は、生成した基準データを推定部14へ出力する。
次に、推定部14は、定められた時間帯の推定対象日の計量データの合計値と定められた時間帯の基準データの合計値との差を算出する(ステップS4)。推定部14は、詳細には、例えば、冬季の場合は下記式(1)により上記差を算出し、夏季の場合は下記式(2)により上記差をする。なお、下記式(1)および式(2)のΣは、第1時間帯である朝の時間帯と、第2時間帯である晩の時間帯との両方の時間帯に対応するデータの総和を示す。すなわち、30分を単位とする1日の時刻をtとするとき、第1時間帯の開始時刻≦t≦第1時間帯の終了時刻を満たすtと、第2時間帯の開始時刻≦t≦第2時間帯の終了時刻を満たすtとに対応するデータの総和である。
差=Σ推定対象日の計量データ-Σ基準データ ・・・(1)
差=Σ基準データ-Σ推定対象日の計量データ ・・・(2)
第1時間帯は、朝、需要者が起床してから出勤、通学などにより外出するまでの間に在宅していると想定される時間帯であり、例えば、6時から8時までなどと設定することができるがこれに限定されない。第2時間帯は、需要者が帰宅してから就寝するまでに在宅していると想定される時間帯であり、例えば、19時から22時までなどと設定することができるがこれに限定されない。
次に、推定部14は、差が判定閾値以上であるか否かを判定する(ステップS5)。詳細には、推定部14は、ステップS4で算出した差が、あらかじめ定められた判定閾値以上であるか否かを判定する。需要者が在宅しているときに、発熱の傾向が有る場合には寒気を感じて、冬季であれば空気調和機の設定温度を上げたり暖房器具を使用したりすることにより消費電力が増える傾向にあると推定され、夏季であれば空気調和機の設定温度を上げることにより消費電力が減少傾向にあると推定される。このため、本実施の形態では、冬季に関しては、ステップS4で算出した差、すなわち定められた時間帯の推定対象日の計量データの合計値から定められた時間帯の基準データの合計値を減算した値が判定閾値以上である場合には、推定部14は、需要者が感染症に感染している疑いがあると判定する。夏季に関しては、ステップS4で算出した差、すなわち定められた時間帯の基準データの合計値から定められた時間帯の推定対象日の計量データの合計値を減算した値が判定閾値以上である場合には、推定部14は、需要者が感染症に感染している疑いがあると判定する。本実施の形態では、需要者が感染症に感染している疑いがあるか否かの判定結果を2値のフラグで示すこととし、フラグが1の場合は感染症に感染している疑いがあるという判定結果を示し、フラグが0の場合は、感染症に感染している疑いが無いという判定結果を示す。なお、判定閾値は、発熱した場合と発熱していない場合とであらかじめ検証実験などによりどの程度消費電力に差があるかを求めておくなどの方法で設定されてもよいし、発熱した場合と発熱していない場合とで想定される設定温度の差と当該平均的な消費電力との差を用いて計算により算出されてもよい。また、判定閾値は、推定対象日が夏季である場合と冬季である場合とで異なっていてもよい。すなわち、推定部14は、推定対象日が冬季の場合に第1判定閾値を用い、推定対象日が夏季の場合に第2判定閾値を用い、第1判定閾値と第2判定閾値とは同一であってもよいし異なっていてもよい。
図3は、本実施の形態における推定対象日の計量データと基準データとの一例を示す図である。図3では、横軸は時刻を表し、縦軸は使用電力量を表している。図3は、推定対象日が冬季であり、破線で示した基準データ5に比べ、実線で示した推定対象日の計量データ6が、第1時間帯および第2時間帯で増加していることを示している。このような傾向にあり、上記ステップS4で算出された差が判定閾値以上となると、対応する需要者は感染症に感染している疑いがあると判定され、フラグが1に設定される。
差が判定閾値以上の場合(ステップS5 Yes)、推定部14は、推定対象の需要家に対応するフラグを1とし(ステップS6)、需要者を示す情報とフラグの値とを対応づけて判定結果として記憶部12に格納する。推定部14は、全需要者、すなわち推定対象の全需要者の推定が終了したか否かを判断し(ステップS8)、全需要者の推定を終了した場合(ステップS8 Yes)、集計部16にその旨を通知し、集計部16が集計単位ごとに集計を行い(ステップS9)、感染症の影響の推定処理を終了する。ステップS9では、詳細には、集計部16が記憶部12の判定結果と契約情報とを用いて、集計単位ごとにフラグ値の合計値を算出することで、集計単位ごとの感染者数の推定値を算出する。例えば、集計単位が市町村であれば、集計部16は、記憶部12の契約情報の住所コードを参照して市町村ごとに需要者を分類し、市町村ごとに対応する需要者のフラグを記憶部12の判定結果から読み出す。そして、集計部16は、市町村ごとにフラグの値の合計値を算出する。
ステップS5で、差が判定閾値未満の場合(ステップS5 No)、推定部14は、推定対象の需要家に対応するフラグを0とし(ステップS7)、需要者を示す情報とフラグの値とを対応づけて判定結果として記憶部12に格納して、ステップS8の処理へ進む。また、ステップS8で、推定対象の需要者のうち推定を行っていない需要者が有る場合(ステップS8 No)、推定部14は、選択する需要者の変更を解析部13へ指示し、ステップS2からの処理が再び行われる。
このように、本実施の形態においては、推定対象の感染症の影響の有無は、需要者が感染症の感染者であるか否かである。本実施の形態では、推定部14は、朝の第1時間帯および晩の第2時間帯の基準データの合計値である第1合計値と、第1時間帯および第2時間帯の推定対象日における計量データの合計値である第2合計値とを算出する。そして、推定部14は、推定対象日が冬季である場合は、第2合計値から第1合計値を減じた値が第1判定閾値以上であるか否かに基づいて需要者が感染症の感染者であるか否かを推定し、推定対象日が夏季である場合は、第1合計値から第2合計値を減じた値が第2判定閾値以上であるか否かに基づいて需要者が感染症の感染者であるか否かを推定する。
以上の処理により、影響推定装置1は、集計単位ごとの感染者数を推定することができる。集計単位ごとの感染者数の推定結果は、上述したように、結果送信部17によってユーザへ送信され、表示部18により表示される。なお、ここでは、1需要者あたりの感染者数を1としたが、集計された値に需要者の世帯内での感染者数に相当する値を乗算して、感染者数の推定値としてもよい。例えば、影響推定装置1は、集計単位ごとに1世帯あたりの人数の平均値を、図示しない情報提供装置などから取得しておき、集計単位ごとに、フラグの合計値に、1世帯の人数の平均値を乗算し、さらにあらかじめ定めた係数を乗算することで、集計単位ごとの感染者数の推定値を算出してもよい。係数は、例えば同一世帯においてどの程度感染者が発生したかの実績値などから算出しておく。
次に、本実施の形態の表示部18における表示画面の例について説明する。図4は、本実施の形態の表示部18が推定結果を表示した表示画面の一例を示す図である。図4に示した例では、集計単位を市町村とした場合に、色の違い(図4ではハッチングの違いで色の違いを示している)により各集計単位における感染者数の推定値を示している。なお、表示部18による表示方法は色分けに限定されず、ハッチングのパターンの違い、色の濃淡などによって同様に各市町村における感染者数の推定値を示してもよい。また、集計単位は上述したように市町村に限定されない。
図5は、本実施の形態の表示部18が推定結果を表示した表示画面の別の一例を示す図である。図5に示した例では、集計単位である市町村ごとの感染者の推定結果を、人数を示す数値で示している。なお、図4、図5は一例であり、例えば、表形式で市町村ごとの感染者数の予測値が示されてもよく、表示部18による表示方法は図4、図5に示した例に限定されない。
次に、本実施の形態の影響推定装置1のハードウェア構成について説明する。本実施の形態の影響推定装置1は、コンピュータシステム上で、影響推定装置1における処理が記述されたプログラムである影響推定プログラムが実行されることにより、コンピュータシステムが影響推定装置1として機能する。図6は、本実施の形態の影響推定装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図6に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
図6において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態の影響推定装置1における処理が記述された影響推定プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムの使用者が、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、ディスプレイ、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムの使用者に対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する受信機および送信機である。出力部106は、プリンタなどである。なお、図6は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図6の例に限定されない。
ここで、本実施の形態の影響推定プログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、影響推定プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、影響推定プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された影響推定プログラムが記憶部103に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態の影響推定装置1としての処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、影響推定装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
図1に示した解析部13、推定部14、集計単位設定部15および集計部16は、図6に示した記憶部103に記憶された影響推定プログラムが図6に示した制御部101により実行されることにより実現される。集計単位設定部15の実現には、入力部102または通信部105も用いられる。また、解析部13、推定部14、集計単位設定部15および集計部16の実現には、図6に示した記憶部103も用いられる。図1に示した記憶部12は図6に示した記憶部103の一部である。図1に示したデータ取得部11および結果送信部17は、図6に示した通信部105により実現される。図1に示した表示部18は、図6に示した表示部104により実現される。影響推定装置1は複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。また、複数のコンピュータシステムで構成されるクラウドシステムで影響推定プログラムが実行されることで影響推定装置1が実現されてもよい。
例えば、本実施の形態の影響推定プログラムは、感染症の影響の推定対象日における気温である第1気温と推定対象日より前の日の気温である第2気温とに基づいて、第1気温と第2気温との差が閾値以内の日である基準日を選択し、基準日における需要者の使用電力量の計量データを用いて基準データを算出するステップ、をコンピュータに実行させる。また、本実施の形態の影響推定プログラムは、推定対象日の需要者の使用電力量の計量データと、基準データとを用いて需要者における感染症の影響の有無を推定するステップと、をコンピュータに実行させる。
以上のように、本実施の形態の影響推定装置1は、需要者の電力の使用量の計量データを用いて、感染症の感染者数を推定する。これにより、本実施の形態では、既に収集されている計量データを用いて感染者数を推定することができるため、調査員の感染を防ぎ、また新たに需要者ごとに設備を追加することなく、感染者数を把握することができる。また、これにより、ユーザである地方自治体などにおいて感染が拡大している時期の感染抑制へ向けた対策、および感染が収束へ向かっている時期の経済活動活性化へ向けた対策に利用することができる。
実施の形態2.
次に実施の形態2にかかる感染症の影響の推定方法について説明する。本実施の形態の影響推定装置1の構成は図1に示した実施の形態1の影響推定装置1と同様である。ただし、本実施の形態では、感染症の影響として、感染者数の代わりに外出自粛を行っている需要者の数を推定する。これにともなって、推定部14が行う処理の内容が一部実施の形態1と異なる。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態では、図2に示したフローチャートと同様に、ステップS1において推定対象日に対応する過去の基準日が選択される。実施の形態1では推定対象日を冬季または夏季としたが、本実施の形態では、季節は問わない。ただし、夏季または冬季の方が春季および秋季に比べて、需要者の外出時と在宅時との使用電力の差が大きいため、推定の精度が高くなると予想される。なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、推定に用いる計量データは一般需要者向けの契約種別の需要者の計量データである。また、推定対象日を、外出自粛が要請されている期間内としてもよい。
ステップS2およびステップS3は、実施の形態1と同様である。ステップS4では、推定部14は、実施の形態1で述べた式(1)に従って、定められた時間帯の推定対象日の計量データの合計値と定められた時間帯の基準データの合計値との差を算出する。ただし、本実施の形態では、外出自粛を行っている需要者の数を推定するため、定められた時間帯を、昼間の時間帯である第3時間帯とする。昼間の時間帯は例えば、9時から17時であるがこれに限定されない。
図7は、本実施の形態における推定対象日の計量データと基準データとの一例を示す図である。本実施の形態では、推定部14は、昼間の時間帯である第3時間帯において、推定対象日の計量データの合計値から基準データの合計値を減算した値を算出する。図7では、横軸は時刻を表し、縦軸は使用電力量を表している。図7では、破線で示した基準データ5に比べ、実線で示した推定対象日の計量データ6が、第3時間帯で増加していることを示している。このような傾向にあり、上記ステップS4で算出された差が判定閾値以上となると、対応する需要者は外出自粛していると推定されると判定され、フラグが1に設定される。
ステップS5~S8は、実施の形態1と同様である。ただし、ステップS5で用いる判定閾値の値は、需要者の外出時と在宅時との使用電力の差の実績値などに応じて定められる。なお、季節によって判定閾値の値を変えてもよい。また、ステップS9では、実施の形態1と同様に、集計部16は、集計単位ごとにフラグの合計値を算出する。本実施の形態では、ステップS9で算出された数は、集計単位ごとの外出自粛を行っている人の数の推定値となる。集計部16は、集計単位ごとに、フラグの合計値を算出し、合計値を当該集計単位における需要者の数で除算することで、外出自粛率を算出してもよい。以上述べた以外の本実施の形態の動作は実施の形態1と同様である。
このように、本実施の形態においては、推定対象とする感染症の影響の有無は、需要者が外出自粛をしているか否かである。本実施の形態では、推定部14は、昼間の第3時間帯の基準データの合計値から推定対象日における第3時間帯の計量データの合計値を減じた値が判定閾値以上であるか否かに基づいて需要者が外出自粛をしているか否かを推定する。
表示部18は、実施の形態1と同様に、集計単位ごとの外出自粛を行っている人の数の推定値または外出自粛率の推定値を、色分け、パターンの種別、数値などにより地図上に示してもよいし、これらの値を表形式で表示してもよい。
なお、影響推定装置1は、実施の形態1の動作と本実施の形態の動作との両方を実行することで、感染者数の推定と外出自粛を行っている人の数の推定との両方を行ってもよい。
以上のように、本実施の形態の影響推定装置1は、需要者の電力の使用量の計量データを用いて、感染症の影響の一例である外出自粛を行っている人の数を推定する。これにより、本実施の形態では、既に収集されている計量データを用いて外出自粛を行っている人の数を推定することができるため、新たに需要者ごとに設備を追加することなく、外出自粛を行っている人の数を把握することができる。これにより、ユーザである地方自治体などにおいて感染が拡大している時期の感染抑制へ向けた対策、および感染が収束へ向かっている時期の経済活動活性化へ向けた対策に利用することができる。
実施の形態3.
次に実施の形態3にかかる感染症の影響の推定方法について説明する。本実施の形態の影響推定装置1の構成は図1に示した実施の形態1の影響推定装置1と同様である。ただし、本実施の形態では、記憶部12には図1に示した情報以外に後述する事業者情報が記憶され、影響推定装置1は、感染症の影響として、感染者数の代わりに営業自粛を行っている需要者の数を推定する。これにともなって、推定部14が行う処理の内容が一部実施の形態1と異なる。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態では、図2に示したフローチャートと同様に、ステップS1において推定対象日に対応する過去の基準日が選択される。ただし、実施の形態1では推定対象日を冬季または夏季としたが、本実施の形態では、実施の形態2と同様に季節は問わない。ただし、夏季または冬季の方が春季および秋季に比べて、需要者の営業時と営業自粛時との使用電力の差が大きいため、推定の精度が高くなると予想される。なお、本実施の形態においては、推定に用いる計量データは事業者向けの契約種別の需要者の計量データである。すなわち、営業自粛を行っているか否かの推定対象の需要者は事業者である。
上述したように、本実施の形態では、記憶部12に事業者情報が記憶される。事業者情報には、業種と営業時間とが格納される。図8は、本実施の形態の事業者情報の一例を示す図である。各需要者の業種については、需要者の電話番号、需要者名などからあらかじめ調査するなどにより定められる。なお、営業時間については、営業時間が判明している事業者については当該事業者の営業時間を用いてもよいし、業種ごとの平均的な営業時間を用いてもよい。事業者情報は、オペレータにより入力されてもよいし、他の装置から送信されてもよい。
ステップS2およびステップS3は、実施の形態1と同様である。ステップS4では、推定部14は、実施の形態1で述べた式(2)に従って、定められた時間帯の推定対象日の計量データの合計値と定められた時間帯の基準データの合計値との差を算出する。ただし、本実施の形態では、営業自粛を行っている需要者の数を推定するため、定められた時間帯を、営業時間とする。したがって、推定部14は、式(2)の計算において合計値を求める際に、事業者情報を参照して営業時間を読み出し、営業時間における合計値を算出する。
図9は、本実施の形態における推定対象日の計量データと基準データとの一例を示す図である。図9では、横軸は時刻を表し、縦軸は使用電力量を表している。本実施の形態では、推定部14は、営業時間帯において、計量データの合計値から基準データの合計値を減算した値を算出する。図9では、破線で示した基準データ7に比べ、実線で示した推定対象日の計量データ8が、営業時間帯で減少していることを示している。このような傾向にあり、上記ステップS4で算出された差が判定閾値以上となると、対応する需要者は営業自粛していると推定されると判定され、フラグが1に設定される。
このように、本実施の形態においては、推定対象とする感染症の影響の有無は、需要者が営業自粛をしているか否かである。本実施の形態の推定部14は、営業時間帯の推定対象日における基準データの合計値から推定対象日における営業時間帯の計量データの合計値を減じた値が判定閾値以上であるか否かに基づいて需要者が営業自粛をしているか否かを推定する。
ステップS5~S8は、実施の形態1と同様である。ただし、ステップS5で用いる判定閾値の値は、営業中と休業中との使用電力の差の実績値などに応じて定められる。なお、季節、業種などによって判定閾値の値を変えてもよい。また、ステップS9では、実施の形態1と同様に、集計部16は、集計単位ごとにフラグの合計値を算出する。本実施の形態では、ステップS9で算出された数は、集計単位ごとの営業自粛を行っている事業者の数の推定値となる。集計部16は、集計単位ごとに、フラグの合計値を算出し、合計値を当該集計単位における需要者の数で除算することで、営業自粛率を算出してもよい。なお、本実施の形態では、集計単位として都道府県、市町村といった地域を指摘するだけでなく業種も指定してもよい。業種ごとに集計を行うことで、業種別の自粛率などをユーザに提供することができる。すなわち、推定部14は、集計単位ごとにフラグの合計値を集計し、集計単位ごとの集計結果をさらに需要者の業種ごとに集計してもよい。
表示部18は、実施の形態1と同様に、集計単位ごとの営業自粛を行っている事業者の数の推定値または営業自粛率の推定値を、色分け、パターンの種別、数値などにより地図上に示してもよいし、これらの値を表形式で表示してもよい。すなわち、表示部18は、集計部16により集計された結果を業種ごとに表示してもよい。また、上述したように、業種ごとに集計を行っている場合には、表示する業種を選択できるようにしてもよい。図10は、本実施の形態の表示部18が表示する業種選択のための表示画面の一例を示す図である。表示部18は、例えば、図10に示したように営業自粛に関する推定結果を表示する業種を選択するための画面を表示する。図10に示した例では飲食店(昼夜営業)、飲食店(夜間営業)といった業種が記載されたボタンが表示され、これらのボタンがクリックされることにより、対応する業種の推定結果が表示される。また、図10に示した例では、全体として全業種をあわせた推定結果を選択することも可能である。
図11は、本実施の形態の推定結果の表示例を示す図である。図11は、図10に例示した選択画面で全体が選択された場合に表示される推定結果の例を示している。図11に示すように、推定結果が地図上に色分けにより表示されるとともに、右側には他の推定結果への表示の切替を行うためのボタンが表示されている。例えば、飲食店(昼夜営業)の業種の推定結果の表示に切り替えたい場合には、オペレータは右側の飲食店(昼夜営業)のボタンをクリックすることで、飲食店(昼夜営業)の業種に関する推定結果が表示される。なお、図10、図11に示した表示画面は一例であり、具体的な表示方法、配置などはこれらの例に限定されない。また、業種別、全体などの推定結果の切替を受け付ける方法についても、ボタン表示に限定されず、例えば、メニューバーで選択されるようにしてもよいしキーボードからの文字の入力で選択されるようにしてもよいしどのような受付方法であってもよい。以上述べた以外の本実施の形態の動作は実施の形態1と同様である。
なお、影響推定装置1は、実施の形態1の動作と本実施の形態の動作との両方を実行することで、感染者数の推定と営業自粛を行っている事業者の数の推定との両方を行ってもよい。さらに、影響推定装置1は、実施の形態1および実施の形態2の動作と本実施の形態の動作とを実行することで、感染者数の推定、営業自粛を行っている人の数の推定、および営業自粛を行っている事業者の数の推定を行ってもよい。
以上のように、本実施の形態の影響推定装置1は、需要者の電力の使用量の計量データを用いて、感染症の影響の一例である営業自粛を行っている事業者の数を推定する。これにより、本実施の形態では、既に収集されている計量データを用いて営業自粛を行っている人の数を推定することができるため、新たに需要者ごとに設備を追加することなく、営業自粛を行っている事業者の数を把握することができる。これにより、ユーザである地方自治体などにおいて、事業者の支援対策、経済活動活性化へ向けた対策などに利用することができる。
実施の形態4.
次に実施の形態4にかかる感染症の影響の推定方法について説明する。本実施の形態の影響推定装置1の構成は図1に示した実施の形態1の影響推定装置1と同様である。ただし、本実施の形態では、推定部14が行う処理の内容が一部実施の形態1と異なる。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態では、図2に示したフローチャートと同様に、ステップS1~S3が実施される。本実施の形態では、ステップS4の代わりに次のような処理が行われる。
実施の形態1では、需要者が在宅していると想定される第1時間帯および第2時間帯の計量データの合計値を、同時間帯の基準データの合計値とを比較することで、需要者に感染の疑いがあるか否かを判定した。一方、感染症の感染が広がっている際には、需要者が時差出勤を行うことにより在宅の時間が、通常時と異なる可能性がある。このため、本実施の形態では、計量データの合計値を算出する時間帯を固定の時間帯とせずに、第1時間帯付近で計量データの値がピークとなる時間帯を基準として合計値を算出する時間帯を決定する。
図12は、本実施の形態における推定対象日の計量データと基準データとの一例を示す図である。図12の上側の図では基準データ21を示し、図12の下側の図では推定対象日の計量データ22を示している。図12に示した例では、第1時間帯のピークとなる時刻は、基準データ21と計量データ22とで同じである。一方、基準データ21では第2時間帯内のピーク値に対応する時刻は時刻tpr2であるのに対し、計量データ22では、第2時間帯内のピーク値に対応する時刻は時刻tpm2であり時刻tpr2より後ろにずれている。図12に示した例では、需要者が時差出勤によって帰宅時間が基準データ21に対応する通常時より遅くなっている。
このような場合、帰宅時間自体はずれるものの、帰宅してからの一定時間内において電力は概ね同様に消費されると思われる。このため、本実施の形態では、第2時間帯内でのピーク値に対応する時刻を基準として、合計値を算出する時間帯を決定する。例えば、第2時間帯の開始時刻から時刻tpr2までの時間幅をwaとし、時刻tpr2から第2時間帯の終了時刻からまでの時間幅をwbとする。このとき、推定部14は、計量データ22に関しては、第1時間帯と、時刻tpm2より時間幅wa前の時刻から時刻tpm2より時間幅wb後の時刻までの時間帯と、の合計値を算出する。すなわち、推定部14は、計量データ22に関しては、時刻tpr2と時刻tpm2の時刻差の分シフトさせた時間帯の合計値を算出する。これにより、帰宅時間の変更による電力の使用量の違いの影響を抑制することができ、実施の形態1に比べて感染者数の推定値の推定精度の向上を図る。
なお、図12では、第2時間帯のピーク値を示しているが第1時間帯についても同様に第1時間帯内でのピーク値に対応する時刻を基準として、合計値を算出する時間帯を決定する。
したがって、本実施の形態では、実施の形態1のステップS4の代わりに、推定部14は、例えば、以下に示す処理を行う。推定部14は、基準データについては、実施の形態1と同様に第1時間帯および第2時間帯の合計値を算出する。推定部14は、さらに、第1時間帯および第2時間帯における、基準データおよび推定対象日の計量データのそれぞれのピーク値を求め、ピーク値に対応する時刻を算出する。第1時間帯の基準データのピーク値に対応する時刻(第1ピーク時刻)をtpr1とし、第1時間帯の推定対象日の計量データのピーク値に対応する時刻(第2ピーク時刻)をtpm1とし、第2時間帯の基準データのピーク値に対応する時刻(第3ピーク時刻)を上記と同様にtpr2とし、第2時間帯の推定対象日の計量データのピーク値に対応する時刻(第4ピーク時刻)を上記と同様にtpm2とし、第1時間帯の開始時刻をts1とし、第1時間帯の終了時刻をte1とし、第2時間帯の開始時刻をts2とし、第2時間帯の終了時刻をte2とすると、推定部14は、以下の式(3)、式(4)を満たす時刻tに対応する計量データの合計値を算出する。
tpm1-(tpr1-ts1)≦t≦tpm1+(te1-tpr1)・・・(3)
tpm2-(tpr2-ts2)≦t≦tpm2+(te2-tpr2)・・・(4)
そして、推定部14は、推定対象日の計量データの合計値と基準データの合計値とを用いて、冬季の場合は実施の形態1と同様に、推定対象日の計量データの合計値から基準データの合計値を減算して差を求め、夏季の場合は、基準データの合計値から推定対象日の計量データの合計値を減算して差を求める。
このように、本実施の形態では、推定部14は、第1時間帯における基準データのピーク値に対応する第1ピーク時刻と、第1時間帯における推定対象日の計量データのピーク値に対応する第2ピーク時刻と、第2時間帯における基準データのピーク値に対応する第3ピーク時刻と、第2時間帯における推定対象日の計量データのピーク値に対応する第4ピーク時刻とを算出する。そして、推定部14は、朝の第1時間帯および晩の第2時間帯の基準データの合計値である第1合計値を算出し、第1時間帯を第1ピーク時刻と第2ピーク時刻の差の分シフトさせた時間帯と第2時間帯を第3ピーク時刻と第4ピーク時刻の差の分シフトさせた時間帯との推定対象日における計量データの合計値である第2合計値を算出する。推定部14は、推定対象日が冬季である場合は、第2合計値から第1合計値を減じた値が第1判定閾値以上であるか否かに基づいて需要者が感染症の感染者であるか否かを推定し、推定対象日が夏季である場合は、第1合計値から第2合計値を減じた値が第2判定閾値以上であるか否かに基づいて需要者が感染症の感染者であるか否かを推定する。
以上で述べたステップS4の代わりの処理を実施した後、本実施の形態の影響推定装置1は、実施の形態1と同様にステップS5以降を実施する。以上述べた以外の本実施の形態の動作は実施の形態1と同様である。
また、実施の形態2で述べた外出自粛を行っている人の推定においても、同様に第3時間帯内のピーク値を求めて、基準データと推定対象日の計量データとのピーク値に対応する時刻のずれの分だけ、合計値を算出する期間をずらしてもよい。
また、影響推定装置1は、実施の形態2の動作と本実施の形態の動作との両方を実行することで、感染者数の推定と外出自粛を行っている人の数の推定との両方を行ってもよい。また、影響推定装置1は、実施の形態2および実施の形態3の動作と本実施の形態の動作とを実行することで、感染者数の推定、営業自粛を行っている人の数の推定、および営業自粛を行っている事業者の数の推定を行ってもよい。
以上のように、本実施の形態の影響推定装置1は、需要者の電力の使用量の計量データを用いて、感染症の感染者数を推定する。これにより、本実施の形態では、既に収集されている計量データを用いて営業自粛を行っている人の数を推定することができるため、新たに需要者ごとに設備を追加することなく、営業自粛を行っている事業者の数を把握することができる。また、本実施の形態では、基準データと推定対象日の計量データとのピーク値に対応する時刻のずれの分だけ、合計値を算出する期間をずらしているので、時差出勤などにより通常時から在宅の時間帯がずれても、実施の形態2に比べて精度よく感染者数を推定することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 影響推定装置、2 電力管理システム、3 気象情報配信システム、11 データ取得部、12 記憶部、13 解析部、14 推定部、15 集計単位設定部、16 集計部、17 結果送信部、18 表示部。

Claims (12)

  1. 感染症の影響の推定対象日における気温である第1気温と前記推定対象日より前の日の気温である第2気温とに基づいて、前記第1気温と前記第2気温との差が閾値以内の日である基準日を選択し、前記基準日における需要者の使用電力量の計量データを用いて基準データを算出する解析部と、
    前記推定対象日の前記需要者の使用電力量の計量データと、前記基準データとを用いて前記需要者における感染症の影響の有無を推定する推定部と、
    を備えることを特徴とする影響推定装置。
  2. 前記解析部は、前記基準日として前記推定対象日と曜日が同一の日を選択することを特徴する請求項1に記載の影響推定装置。
  3. 前記解析部は、前記推定対象日の年初からの通算日と前記基準日の年初からの通算日との差が定められた日数以内となるように前記基準日を選択することを特徴する請求項1または2に記載の影響推定装置。
  4. 前記第1気温および前記第2気温は、それぞれに対応する日における最高気温であることを特徴する請求項1から3のいずれか1つに記載の影響推定装置。
  5. 前記感染症の影響の有無は、前記需要者が前記感染症の感染者であるか否かであり、
    前記推定部は、朝の第1時間帯および晩の第2時間帯の前記基準データの合計値である第1合計値と、前記第1時間帯および前記第2時間帯の前記推定対象日における計量データの合計値である第2合計値とを算出し、前記推定対象日が冬季である場合は、前記第2合計値から前記第1合計値を減じた値が第1判定閾値以上であるか否かに基づいて前記需要者が前記感染症の感染者であるか否かを推定し、前記推定対象日が夏季である場合は、前記第1合計値から前記第2合計値を減じた値が第2判定閾値以上であるか否かに基づいて前記需要者が前記感染症の感染者であるか否かを推定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の影響推定装置。
  6. 前記感染症の影響の有無は、前記需要者が前記感染症の感染者であるか否かであり、
    前記推定部は、朝の第1時間帯における前記基準データのピーク値に対応する第1ピーク時刻と、前記第1時間帯における前記推定対象日の計量データのピーク値に対応する第2ピーク時刻と、晩の第2時間帯における前記基準データのピーク値に対応する第3ピーク時刻と、前記第2時間帯における前記推定対象日の計量データのピーク値に対応する第4ピーク時刻とを算出し、朝の第1時間帯および晩の第2時間帯の前記基準データの合計値である第1合計値を算出し、前記第1時間帯を前記第1ピーク時刻と前記第2ピーク時刻の差の分シフトさせた時間帯と前記第2時間帯を前記第3ピーク時刻と前記第4ピーク時刻の差の分シフトさせた時間帯との前記推定対象日における計量データの合計値である第2合計値を算出し、前記推定対象日が冬季である場合は、前記第2合計値から前記第1合計値を減じた値が第1判定閾値以上であるか否かに基づいて前記需要者が前記感染症の感染者であるか否かを推定し、前記推定対象日が夏季である場合は、前記第1合計値から前記第2合計値を減じた値が第2判定閾値以上であるか否かに基づいて前記需要者が前記感染症の感染者であるか否かを推定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の影響推定装置。
  7. 前記感染症の影響の有無は、前記需要者が外出自粛をしているか否かであり、
    前記推定部は、昼間の第3時間帯の前記基準データの合計値から前記推定対象日における前記第3時間帯の計量データの合計値を減じた値が判定閾値以上であるか否かに基づいて前記需要者が外出自粛をしているか否かを推定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の影響推定装置。
  8. 前記感染症の影響の有無は、前記需要者が営業自粛をしているか否かであり、
    前記推定部は、営業時間帯の前記推定対象日における前記基準データの合計値から前記推定対象日における前記営業時間帯の計量データの合計値を減じた値が判定閾値以上であるか否かに基づいて前記需要者が営業自粛をしているか否かを推定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の影響推定装置。
  9. 前記推定部による推定結果を、複数の需要者を含む集計単位ごとに集計する集計部を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の影響推定装置。
  10. 前記集計部により集計された結果を表示する表示部、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の影響推定装置。
  11. 前記推定部による推定結果を、複数の需要者を含む集計単位ごとに集計し、前記集計単位ごとの集計結果をさらに需要者の業種ごとに集計する集計部と、
    前記集計部により集計された結果を業種ごとに表示する表示部と、
    を備えることを特徴とする請求項8に記載の影響推定装置。
  12. 感染症の影響の推定対象日における気温である第1気温と前記推定対象日より前の日の気温である第2気温とに基づいて、前記第1気温と前記第2気温との差が閾値以内の日である基準日を選択し、前記基準日における需要者の使用電力量の計量データを用いて基準データを算出するステップと、
    前記推定対象日の前記需要者の使用電力量の計量データと、前記基準データとを用いて前記需要者における感染症の影響の有無を推定するステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする影響推定プログラム。
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