JP6194246B2 - 冷凍機性能評価装置および方法 - Google Patents

冷凍機性能評価装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷凍機管理技術に関し、特に冷凍機の運転状況に基づいて性能を評価する冷凍機性能評価技術に関する。
一般に、ビル空調システムや冷凍設備などの熱源システムでは、冷房用の熱源として冷凍機が用いられる。近年、これら冷凍機の性能は大幅に向上しており、エネルギー量の削減やCO2の排出量の低減に貢献している。一方、優れた性能を保つためには、冷凍機のこまめな運転状況管理や適切なメンテナンスが重要となる。特に、適切なメンテナンスを怠ると、効率が低下したり機器寿命が短くなったりするため、定期的なメンテナンスが行われている。
従来、このような冷凍機の管理技術として、定期的なメンテナンス時期を迎える前に、冷凍機の異常が発生していないかを検知する性能評価技術が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1など参照)。
特許登録第3028390号公報
上田憲治ほか、「最適制御技術を用いた熱源システムの性能評価手法の開発(第1報)評価対象熱源システムの紹介」、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、2012.9.5−.7
このような熱源システムで用いられる冷凍機は、それぞれの機種・規模・運転状況に応じて、性能劣化の程度が異なるため、最適なメンテナンス時期は、それぞれの冷凍機で異なる。したがって、これら冷凍機を一律に一定期間ごとにメンテナンスを行うと、最適なメンテナンス時期と一致しなくなる。このため、メンテナンス時期が遅すぎると性能劣化による投入エネルギー量の増大に起因して運転コストが増大し、メンテナンス時期が早すぎるとメンテナンス予算が増大することになる。
しかしながら、このような従来技術は、冷凍機のメンテナンス時期が予め定期的に設定されていることを前提として、どれだけ早期に冷凍機の異常を検知するかということに視点を置いて、定期的なメンテナンス時期を迎える前に、冷凍機の異常が発生していないかを検知することを目的としている。
したがって、従来技術によれば、性能劣化による運転コスト増大で生じる劣化増分コストを考慮していないため、このような隠れたコスト損失を加味した適切なメンテナンス時期を判断するための具体的な性能評価を得ることができず、それぞれの冷凍機の性能劣化に応じたメンテナンス時期を適切に見極めることができないという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、適切なメンテナンス時期を判断するための具体的な性能評価を得ることができる冷凍機性能評価技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる冷凍機性能評価装置は、冷凍機の運転状況を示す運転状況データに基づいて、当該冷凍機に関する基準性能からの性能劣化を評価する冷凍機性能評価装置であって、前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合における、当該冷凍機の運転状況を示す推定用データと当該冷凍機で得られるエネルギー消費率との対応関係を示す消費率推定モデルと、任意の時点における前記運転状況データに基づいて、前記冷凍機が当該時点に実際に動作して得られた実エネルギー消費率を算出する実エネルギー消費率算出部と、任意の時点における前記運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を前記消費率推定モデルから取得することにより、当該時点に前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合に得られる基準エネルギー消費率を推定する基準エネルギー消費率推定部と、任意の時点における前記実エネルギー消費率と前記基準エネルギー消費率との差分を示す差分エネルギー消費率に基づいて、前記基準性能からの性能劣化による前記冷凍機への投入エネルギー量の増加に起因して発生する劣化増分コストを算出する劣化増分コスト算出部と、前記基準性能が得られた基準時点から性能劣化を評価する評価時点までの評価期間内の各時点について、前記劣化増分コスト算出部で得られた劣化増分コスト、またはこれら劣化増分コストを累積した累積コストを、前記冷凍機の性能に関する評価結果として出力する評価結果出力部とを備えている。
これに加えて、前記基準性能が得られた基準時点から性能劣化を評価する評価時点までの評価期間内の各時点について、前記実エネルギー消費率算出部で得られた実エネルギー消費率および前記基準エネルギー消費率推定部で得られた基準エネルギー消費率に基づいて、前記冷凍機の基準エネルギー消費率に対する実エネルギー消費率の劣化率を推定する劣化率推定部と、前記評価時点以降に設けた前記冷凍機のメンテナンスが想定される想定期間について、当該想定期間内の時点ごとに、当該時点で想定される当該冷凍機の運転状況を示す想定運転状況データに基づいて、当該想定運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を前記消費率推定モデルから取得することにより、当該時点に前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合に得られる想定基準エネルギー消費率を推定し、得られた想定基準エネルギー消費率と前記劣化率とから、当該時点における想定実エネルギー消費率を算出する想定エネルギー消費率算出部と、任意の時点における前記想定基準エネルギー消費率と前記想定実エネルギー消費率との差分を示す想定差分エネルギー消費率に基づいて、前記基準性能からの性能劣化による前記冷凍機への投入エネルギー量の増加に起因して発生する想定劣化増分コストを算出する想定劣化増分コスト算出部とをさらに備え、前記評価結果出力部は、前記想定期間内の各時点について、前記想定劣化増分コスト算出部で得られた前記想定劣化増分コストを累積した想定累積コストを算出し、これら想定累積コストの推移、またはこれら想定累積コストと当該冷凍機のメンテナンス予算とを比較して得られた前記冷凍機のメンテナンス時期を、当該冷凍機の性能に関する評価結果として出力するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記冷凍機性能評価装置の一構成例は、複数の熱源システムのそれぞれに設けられた前記冷凍機ごとに、当該冷凍機の性能に関する前記評価結果を求める処理制御部と、前記冷凍機ごとに得られた評価結果を当該熱源システムに対応して設けられている顧客端末に配信する配信部とをさらに備えている。
また、本発明にかかる冷凍機性能評価方法は、冷凍機の運転状況を示す運転状況データに基づいて、当該冷凍機に関する基準性能からの性能劣化を評価する冷凍機性能評価装置で用いられる冷凍機性能評価方法であって、前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合における、当該冷凍機の運転状況を示す推定用データと当該冷凍機で得られるエネルギー消費率との対応関係を示す消費率推定モデルと、実エネルギー消費率算出部が、任意の時点における前記運転状況データに基づいて、前記冷凍機が当該時点に実際に動作して得られた実エネルギー消費率を算出する実エネルギー消費率算出ステップと、基準エネルギー消費率推定部が、任意の時点における前記運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を前記消費率推定モデルから取得することにより、当該時点に前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合に得られる基準エネルギー消費率を推定する基準エネルギー消費率推定ステップと、劣化増分コスト算出部が、任意の時点における前記実エネルギー消費率と前記基準エネルギー消費率との差分を示す差分エネルギー消費率に基づいて、前記基準性能からの性能劣化による前記冷凍機への投入エネルギー量の増加に起因して発生する劣化増分コストを算出する劣化増分コスト算出ステップと、評価結果出力部が、前記基準性能が得られた基準時点から性能劣化を評価する評価時点までの評価期間内の各時点について、前記劣化増分コスト算出ステップで得られた劣化増分コスト、またはこれら劣化増分コストを累積した累積コストを、前記冷凍機の性能に関する評価結果として出力する評価結果出力ステップとを備えている。
これに加えて、劣化率推定部が、前記基準性能が得られた基準時点から性能劣化を評価する評価時点までの評価期間内の各時点について、前記実エネルギー消費率算出ステップで得られた実エネルギー消費率および前記基準エネルギー消費率推定ステップで得られた基準エネルギー消費率に基づいて、前記冷凍機の基準エネルギー消費率に対する実エネルギー消費率の劣化率を推定する劣化率推定ステップと、想定エネルギー消費率算出部が、前記評価時点以降に設けた前記冷凍機のメンテナンスが想定される想定期間について、当該想定期間内の時点ごとに、当該時点で想定される当該冷凍機の運転状況を示す想定運転状況データに基づいて、当該想定運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を前記消費率推定モデルから取得することにより、当該時点に前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合に得られる想定基準エネルギー消費率を推定し、得られた想定基準エネルギー消費率と前記劣化率とから、当該時点における想定実エネルギー消費率を算出する想定エネルギー消費率算出ステップと、想定劣化増分コスト算出部が、任意の時点における前記想定基準エネルギー消費率と前記想定実エネルギー消費率との差分を示す想定差分エネルギー消費率に基づいて、前記基準性能からの性能劣化による前記冷凍機への投入エネルギー量の増加に起因して発生する想定劣化増分コストを算出する想定劣化増分コスト算出ステップとをさらに備え、前記評価結果出力ステップは、前記想定期間内の各時点について、前記想定劣化増分コスト算出ステップで得られた前記想定劣化増分コストを累積した想定累積コストを算出し、これら想定累積コストの推移、またはこれら想定累積コストと当該冷凍機のメンテナンス予算とを比較して得られた前記冷凍機のメンテナンス時期を、当該冷凍機の性能に関する評価結果として出力するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記冷凍機性能評価方法の一構成例は、処理制御部が、複数の熱源システムのそれぞれに設けられた前記冷凍機ごとに、当該冷凍機の性能に関する前記評価結果を求める処理制御ステップと、配信部が、前記冷凍機ごとに得られた評価結果を当該熱源システムに対応して設けられている顧客端末に配信する配信ステップとをさらに備えている。
本発明によれば、適切なメンテナンス時期を判断するための具体的な性能評価を得ることができる。
第1の実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかる冷凍機の性能評価を示す説明図である。 熱源システムの構成例である。 消費率推定モデル作成処理を示すフロー図である。 第1の実施の形態にかかる冷凍機性能評価処理を示すフロー図である。 劣化増分コストの推移を示す評価結果例である。 累積コストの推移を示す評価結果例である。 エネルギー消費率の推移を示す評価結果例である。 第2の実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかる冷凍機の性能評価を示す説明図である。 エネルギー消費率比の変化を示す説明図である。 想定累積コストの推移を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかる冷凍機性能評価処理を示すフロー図である。 想定累積コストの推移およびメンテナンス時期を示す評価結果画面の表示例である。 第3の実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置の適用例を示す構成図である。 運転状況データの例を示すグラフである。
[発明の原理]
まず、本発明にかかる発明の原理について説明する。
一般に、ビル空調システムや冷凍設備などの熱源システムで用いられる冷凍機を保守・管理する場合、そのメンテナンス時期は、いろいろな要因を考慮した上で決定される。例えば、経年による冷凍機の単位熱量を生成するためのエネルギー消費量、すなわちCOP(Coefficient Of Performance)の逆数に相当するエネルギー消費率の劣化により投入エネルギー量が増大して冷凍機の運転コストが増加するが、冷凍機のメンテナンスにも多くのメンテナンス予算が発生する。この際、メンテナンス間隔が長すぎると劣化増分コストがメンテナンス予算を上回ってしまうが、逆に、メンテナンス間隔が短すぎるとメンテナンス予算が劣化増分コストを上回ってしまう。したがって、メンテナンス時期を決定する際、劣化増分コストとメンテナンス予算との費用対効果を考慮する必要がある。
本発明は、このような観点から、冷凍機の運転状況を示す運転状況データに基づいて、当該冷凍機に関する基準性能からの性能劣化を評価するようにしたものである。この際、任意の評価時点における実際の実エネルギー消費率は、その評価時点に得られた運転状況データに含まれる投入エネルギー量を生成熱量で除算することにより求められる。しかし、この実エネルギー消費率と比較するための基準エネルギー消費率については、評価時点に得られた運転状況データからは求めることはできない。すなわち、評価時点に得られた運転状況データには、基準性能より劣化した劣化性能の冷凍機を運転して得られた運転状況データしか含まれていないからである。
ここで、基準エネルギー消費率は、劣化評価の基準とする基準性能で冷凍機を、評価時点の運転状況で運転した場合に得られるエネルギー消費率であり、基準性能が得られた基準時点のエネルギー消費率と比較して、冷凍機を運転した運転状況だけが異なっていることになる。
本発明にかかる第1の実施の形態は、このような基準エネルギー消費率と基準性能が得られた基準時点のエネルギー消費率との関係に着目し、冷凍機が基準性能で動作した場合における、当該冷凍機の運転状況を示す推定用データと当該冷凍機で得られるエネルギー消費率との対応関係を示す消費率推定モデルを用いて、評価時点における基準エネルギー消費率を推定するようにしたものである。
これにより、これら実エネルギー消費率および基準エネルギー消費率に基づいて、冷凍機を実際に運転した任意の評価時点における、冷凍機のエネルギー消費率の劣化による劣化増分コストを正確に算出することができる。したがって、例えば、任意の基準時点から現時点までの評価期間に発生した劣化増分コストの累積コストと冷凍機のメンテナンス予算とを比較することができ、メンテナンス予算との費用対効果から、適切なメンテナンス時期を見極めることが可能となる。なお、消費率推定モデルについては、基準時点以前に得られた運転状況データから予め作成しておけばよい。
また、商業ビル・工場などは、営業や操業に影響のない時期にメンテナンスを実施しなくてはならないという制約があるとともに、メンテナンスの費用予算や準備にも計画性が必要となるため、メンテナンス時期の自由度が小さい。
したがって、メンテナンス可能な限られたタイミングごとに、それまでの間に発生するエネルギー消費率の劣化による劣化増分コストと、メンテナンスに要する費用コストとを正確に比較し、どのタイミングでメンテナンスを実施するかを、前もって見極めてメンテナンスの予算や準備を行う必要がある。
この際、実エネルギー消費率と基準エネルギー消費率とを実際に算出して両者を比較すると、実エネルギー消費率は、基準エネルギー消費率に対してほぼ一定の割合で低下する特性を有していることがわかった。
本発明にかかる第2の実施の形態は、このような基準エネルギー消費率に対する実エネルギー消費率の変化特性に着目し、実エネルギー消費率との関係の推移、すなわち実エネルギー消費率の劣化率を算出し、この劣化率を用いて、メンテナンス時期が想定される将来の想定期間における想定基準エネルギー消費率から、これに対応する実基準エネルギー消費率を求めるようにしたものである。
これにより、これら想定実エネルギー消費率および想定基準エネルギー消費率に基づいて想定期間における想定劣化増分コストを算出することができ、得られた想定劣化増分コストや、メンテナンス予算との比較結果に応じて、将来想定される冷凍機の適切なメンテナンス時期を見極めることが可能となる。
[第1の実施の形態]
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置の構成を示すブロック図である。
この冷凍機性能評価装置10は、全体として、サーバ装置やパーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなり、熱源システム50で計測して得られた冷凍機51の運転状況を示す各種の運転状況データを通信回線Lを介して取得し、これら運転状況データに基づいて、冷凍機51において評価基準とする基準性能が得られた基準時点から、性能が徐々に劣化した評価時点までの評価期間における、冷凍機51の性能を評価する機能を有している。
図2を参照して、本実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10における冷凍機の性能評価について説明する。
図2は、第1の実施の形態にかかる冷凍機の性能評価を示す説明図である。ここでは、冷凍機の評価の基準となる基準時点T0から評価時点T1までが評価期間Wとして割り当てられている。この評価期間Wは、過去の一定期間であってもよく、過去から現時点までの一定期間であってもよい。また、冷凍機のエネルギー消費率は、通常、急激に変化するものではないため、時間tは、熱源システム50から得られた運転状況データを統計処理した間隔、例えば日、週、月などの単位で設定すればよい。
本実施の形態は、熱源システム50で得られた運転状況データに基づいて、冷凍機51を実際に運転した任意の時点に発生する、冷凍機51のエネルギー消費率ECの劣化により増加する劣化増分コストΔCOST、さらには任意の評価期間に発生する累積コストTCOSTを算出するようにしたものである。
また、本実施の形態は、劣化増分コストΔCOSTを算出するため、基準時点T0において基本性能P0にある冷凍機を評価時点T1で運転した場合に得られるエネルギー消費率EC_E(T1)を、予め作成しておいた消費率推定モデルにより推定するようにしたものである。
評価時点T1における劣化増分コストΔCOSTは、基本性能P0より劣化が進んだ評価時点T1における劣化性能P1の冷凍機REF1を運転した場合の運転コストから、劣化が進んでいない評価時点T0における基本性能P0の冷凍機REF0を運転した場合の運転コストを減算することにより求められる。
この際、一般には、任意の時点tにおける運転コストCOST(t)は、任意の時点tにおけるエネルギー消費率EC(t)と、時点tに生成した生成熱量Qin(t)との積に、エネルギー単価Uを乗算することにより求められる。
したがって、評価時点T1における冷凍機REF0の実エネルギー消費率EC_R(T1)と冷凍機REF1の基準エネルギー消費率EC_E(T1)との差分を差分エネルギー消費率ΔECとし、評価時点T1に生成した生成熱量をQin(T1)とした場合、評価時点T1における劣化増分コストΔCOSTは、次の式(1)および式(2)で求められる。
ΔCOST=ΔEC×Qin(T1)×U …(1)
ΔEC=EC_R(T1)−EC_E(T1)…(2)
ここで、冷凍機のエネルギー消費率は、冷却水温度、冷水温度、生成熱量、負荷率など、冷凍機の運転状況によって変化する。例えば、冷凍機に還流する冷水の冷水温度が比較的低い場合や冷水流量が小さい場合、少ないエネルギーで一定の温度まで冷水温度を下げることができ、このような部分負荷で冷凍機を運転した場合、全負荷(定格)よりもエネルギー消費率が改善される。
したがって、基準時点T0での運転状況データから算出されるEC_R(T0)は、EC_E(T1)と同じ基本性能P0の冷凍機REF0を運転した場合におけるエネルギー消費率であるが、EC_R(T0)は運転状況S0で冷凍機REF0を運転した場合のものであり、運転状況S1で冷凍機REF0を運転した場合のEC_E(T1)とは異なる。
このため、運転状況データから算出可能なEC_R(T0)をEC_E(T1)として用いることはできない。
本発明は、このような観点から、冷凍機のエネルギー消費率に影響を与える、冷却水温度、冷水温度、生成熱量、負荷率など入力データから、出力データであるエネルギー消費率を推定する消費率推定モデルを用いて、基本性能P0の冷凍機REF0を評価時点T1の運転状況S1で運転した場合の基準エネルギー消費率EC_E(T1)を推定するようにしたものである。
これにより、冷凍機から実際に得られた実測データに限定されず、冷凍機の任意の劣化性能Pにおいて、任意の時点tにおける運転状況Sで運転した場合の基準エネルギー消費率EC_E(t)を推定することができる。
したがって、推定で得られた基準エネルギー消費率EC_E(t)から、前述した式(1)および式(2)に基づき、評価時点T1における劣化増分コスト、すなわち劣化増分コストΔCOSTを算出することができる。
[冷凍機性能評価装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、冷凍機性能評価装置10には、主な機能部として、通信I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、運転状況データ14、消費率推定モデル15、記憶部16、および演算処理部17が設けられている。
通信I/F部11は、データ通信用のI/F回路からなり、通信回線Lを介して熱源システム50などの外部装置との間でデータ通信を行うことにより、熱源システム50で計測された運転状況データの取得や、演算処理部17で得られた評価結果16Dの配信など、各種データのやり取りを行う機能を有している。
操作入力部12は、キーボード・マウス・タッチパネルなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して演算処理部17へ出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDなどの画面表示装置からなり、演算処理部17から出力された操作画面や評価結果画面などの各種の画面データを画面表示する機能を有している。
運転状況データ14は、熱源システム50で計測された、冷凍機51の運転状況を示すデータであり、通信I/F部11を介して熱源システム50から予め取得され、データベースなどの記憶装置に格納される。
図3は、熱源システムの構成例である。熱源システム50には、主な機器として、冷凍機51、往ヘッダ52、温度計53、負荷機器54、流量計55、還ヘッダ56が設けられている。
冷凍機51は、外部から供給された冷却水に基づいて、還ヘッダ56から入力された冷水(温水)を冷却して往ヘッダ52へ出力する。この冷水は、往ヘッダ52から空調機器などの負荷機器54へ送水され還ヘッダ56へ戻る。
熱源システム50で計測される主な運転状況データ14として、冷凍機51に供給される冷却水の冷却水温度(入口、出口)、冷却水流量、冷凍機51の負荷率、冷凍機51に投入される投入エネルギー量(電気、ガス、一次エネルギー換算値、CO2など)、外気温度、外気湿度、露点温度、温度計53で計測された冷水温度、流量計55で計測された冷水流量がある。
これら運転状況データ14は、これらデータに限定されるものではなく、基本的には、消費率推定モデル15で用いることを考慮して、例えば、冷凍機51のエネルギー消費率に対してある程度の相関を有するものを選択すればよい。
消費率推定モデル15は、冷凍機51が基準性能で動作した場合における、冷凍機51の運転状況を示す推定用データと冷凍機51で得られるエネルギー消費率との対応関係を示すモデルであり、本実施の形態では、運転状況データに含まれる冷却水温度、冷水温度、生成熱量、および負荷率からなる推定用データをモデル入力パラメータとし、これら推定用データで示される運転状況で運転している場合に、冷凍機51から得られるエネルギー消費率をモデル出力パラメータとしている。
実際のモデルとしては、評価期間以前に得られた冷凍機51の運転状況データ14に基づいて、例えばTCBM(Topological Case-Based Modeling)などの事例データベースモデルのほか、ニューラルネットワークモデルや非線形関数を用いた重回帰モデルなど、一般的なモデリング技術を用いて作成すればよい。
記憶部16は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、演算処理部17での性能評価処理に用いる各種の処理データやプログラム16Pを記憶する機能を有している。
プログラム16Pは、演算処理部17のCPUで実行されることにより、性能評価処理を行う各種の処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部11を介して接続された外部装置や記録媒体から読み出されて、予め記憶部16に格納される。
演算処理部17は、CPUとその周辺回路を有し、記憶部16のプログラム16Pを読み込んでCPUで実行することにより、性能評価処理を行う各種の処理部を実現する機能を有している。
演算処理部17で実現される主な処理部として、実エネルギー消費率算出部17A、消費率推定モデル作成部17B、基準エネルギー消費率推定部17C、劣化増分コスト算出部17D、および評価結果出力部17Eが設けられている。
実エネルギー消費率算出部17Aは、任意の時点tにおける運転状況データ14に基づいて、冷凍機51が当該時点に実際に動作して得られた実エネルギー消費率EC_R(t)を算出する機能を有している。
実エネルギー消費率EC_R(t)は、単位あたりの熱量を生成するのに冷凍機51が必要とするエネルギー量を示す指標であり、冷凍機51の性能劣化が進むにつれて値が大きくなる。
消費率推定モデル作成部17Bは、評価期間Wより過去のモデル作成期間における運転状況データ14に基づいて、前述したTCBMなどの事例データベースモデルなどの一般的なモデリング技術を用いて、消費率推定モデル15を作成する機能を有している。本実施の形態では、冷凍機性能評価装置10で消費率推定モデル15を作成する場合を例として説明するが、外部装置で予め作成した消費率推定モデル15を、通信I/F部11を介して冷凍機性能評価装置10へ登録してもよく、外部装置が有する消費率推定モデル15を、通信I/F部11を介して冷凍機性能評価装置10が参照するようにしてもよい。
基準エネルギー消費率推定部17Cは、任意の時点tにおける運転状況データ14から抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を消費率推定モデル15から取得することにより、当該時点tに冷凍機が基準性能で動作した場合に得られる基準エネルギー消費率EC_E(t)を推定する機能を有している。
劣化増分コスト算出部17Dは、任意の時点tにおける実エネルギー消費率EC_R(t)と基準エネルギー消費率EC_E(t)との差分を示す差分エネルギー消費率ΔECに基づいて、基準性能P0からの性能劣化による冷凍機51への投入エネルギー量の増加に起因して発生する劣化増分コストΔCOST(t)を算出する機能を有している。
評価結果出力部17Eは、基準性能P0が得られた基準時点T0から性能劣化を評価する評価時点T1までの評価期間W内の各時点について、劣化増分コスト算出部17Dで得られた劣化増分コストΔCOST(t)、またはこれら劣化増分コストΔCOST(t)を累積した累積コストTCOSTを、冷凍機51の性能に関する評価結果として、記憶部16、画面表示部13、通信I/F部11を介して接続された外部装置へ出力する機能を有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、本実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10の動作について説明する。
まず、図4を参照して、本実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10の消費率推定モデル作成処理について説明する。図4は、消費率推定モデル作成処理を示すフロー図である。
冷凍機性能評価装置10の演算処理部17は、操作入力部12で検出されたオペレータ指示に応じて、図4の消費率推定モデル作成処理を実行する。
まず、実エネルギー消費率算出部17Aは、予め指定されているモデル作成期間内の時点tごとに、当該時点tの運転状況データ14に含まれる発生熱量を投入エネルギー量で除算することにより、モデル作成用の実エネルギー消費率(16A)EC_R(t)を算出する。この際、エネルギー消費率に代えてCOPを用いてもよい。
続いて、消費率推定モデル作成部17Bは、モデル作成期間内の各時点tにおける運転状況データ14に含まれる冷却水温度、冷水温度、生成熱量、および負荷率からなる推定用データをモデル入力パラメータ14Aとし、実エネルギー消費率算出部17Aで算出された各時点tにおける実エネルギー消費率EC_R(t)をモデル出力パラメータ14Bとして、前述したTCBMなどの事例データベースモデルなどの一般的なモデリング技術を用いて、消費率推定モデル15を作成する。
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10の冷凍機性能評価処理について説明する。図5は、第1の実施の形態にかかる冷凍機性能評価処理を示すフロー図である。
冷凍機性能評価装置10の演算処理部17は、操作入力部12で検出されたオペレータ指示に応じて、図5の冷凍機性能評価処理を実行する。
まず、実エネルギー消費率算出部17Aは、図2に示すように、予め指定されている評価期間W内の時点tごとに、当該時点tの運転状況データ14に含まれる発生熱量を投入エネルギー量で除算することにより、性能評価用の実エネルギー消費率(16A)EC_R(t)を算出する。この際、エネルギー消費率に代えてCOPを用いてもよい。
また、基準エネルギー消費率推定部17Cは、評価期間W内の時点tごとに、当該時点tの運転状況データ14から抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を消費率推定モデル15から取得することにより、当該時点tに冷凍機が基準性能で動作した場合に得られる基準エネルギー消費率(16B)EC_E(t)を推定する。
続いて、劣化増分コスト算出部17Dは、評価期間W内の時点tごとに、当該時点tにおける実エネルギー消費率EC_R(t)と基準エネルギー消費率EC_E(t)との差分を示す差分エネルギー消費率ΔEC(t)=EC_R(t)−EC_E(t)を算出し、時点tにおける生成熱量Qin(t)とエネルギー単価Uとから、基準性能P0からの性能劣化による冷凍機51への投入エネルギー量の増加に起因して発生する劣化増分コスト(16C)ΔCOST(t)=ΔEC(t)×Qin(t)×Uを算出する。
この後、評価結果出力部17Eは、評価期間W内の各時点tについて、劣化増分コスト算出部17Dで得られた劣化増分コストΔCOST(t)、またはこれら劣化増分コストΔCOST(t)を評価時点T0から順次累積した累積コストTCOST(t)=ΣΔCOST(i)(i=T0〜t,t≦T1)を算出し、冷凍機51の性能に関する評価結果16Dとして、記憶部16、画面表示部13、通信I/F部11を介して接続された外部装置へ出力する。評価結果16Dについては、実エネルギー消費率EC_R(t)や基準エネルギー消費率EC_E(t)を出力してもよい。
図6は、劣化増分コストの推移を示す評価結果例である。ここでは、評価期間W内の各時点tにおける劣化増分コストΔCOST(t)の推移がグラフで示されている。
図7は、累積コストの推移を示す評価結果例である。ここでは、評価期間W内の各時点tにおける累積コストTCOST(t)の推移がグラフで示されている。
図8は、エネルギー消費率の推移を示す評価結果例である。ここでは、評価期間W内の各時点tにおける実エネルギー消費率EC_R(t)と基準エネルギー消費率EC_E(t)の推移がグラフで示されている。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、劣化増分コスト算出部17Dが、任意の時点tにおける実エネルギー消費率EC_R(t)と基準エネルギー消費率EC_E(t)との差分を示す差分エネルギー消費率ΔECに基づいて、基準性能P0からの性能劣化による冷凍機51への投入エネルギー量の増加に起因して発生する劣化増分コストΔCOST(t)を算出し、評価結果出力部17Eが、評価期間W内の各時点について、劣化増分コスト算出部17Dで得られた劣化増分コストΔCOST(t)、またはこれら劣化増分コストΔCOST(t)を累積した累積コストTCOST(t)を、冷凍機51の性能に関する評価結果16Dとして出力するようにしたものである。
これにより、これら実エネルギー消費率EC_R(t)および基準エネルギー消費率EC_E(t)に基づいて、冷凍機51を実際に運転した任意の評価時点T1における、冷凍機51のエネルギー消費率の劣化による劣化増分コストΔCOST(t)を正確に算出することができ、このような隠れたコスト損失を加味して適切なメンテナンス時期を判断するための具体的な性能評価を得ることができる。
したがって、例えば、任意の基準時点T0から現時点T1までの評価期間Wに発生した劣化増分コストΔCOST(t)の累積コストTCOST(t)と冷凍機51のメンテナンス予算MCOSTとを比較することができ、劣化増分コストとメンテナンス予算との費用対効果を考慮した、適切なメンテナンス時期を見極めることが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10について説明する。図9は、第2の実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置の構成を示すブロック図である。
第1の実施の形態では、運転状況データ14が存在する過去の任意の時点あるいは現時点までの評価期間について冷凍機51の性能を評価する場合を例として説明した。本実施の形態では、将来、冷凍機51のメンテナンスが想定される想定期間について冷凍機の性能を評価する場合を例として説明する。
図10を参照して、本実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10における冷凍機の性能評価について説明する。
図10は、第2の実施の形態にかかる冷凍機51の性能評価を示す説明図である。ここでは、冷凍機51の評価の基準となる基準時点T0から評価時点T1までが評価期間Wとして割り当てられている。この評価期間Wは、過去の一定期間であってもよく、過去から現時点までの一定期間であってもよい。
一方、評価時点T1以降には、想定時点T2まで想定期間Xが割り当てられている。この想定期間Xは、冷凍機51のメンテナンスが想定される期間である。なお、冷凍機51のエネルギー消費率は、通常、急激に変化するものではないため、時間tは、熱源システム50から得られた運転状況データ14を統計処理した間隔、例えば日、週、月などの単位で設定すればよい。
図10に示すように、評価期間Wと同様にして想定期間Xにおいても劣化増分コストΔCOSTを推定できれば、これを累積した累積コストTCOSTとメンテナンス予算MCOSTとを比較することにより、劣化増分コストとメンテナンス予算との費用対効果を考慮して、冷凍機51をメンテナンスすべきメンテナンス時期TMを決定することができる。
したがって、想定期間Xにおいて劣化増分コストΔCOSTを推定するには、実エネルギー消費率EC_R(t)と基準エネルギー消費率EC_E(t)に基づいて、想定期間Xにおける想定実エネルギー消費率AEC_R(t)と想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)を推定する必要がある。
ここで、実エネルギー消費率EC_R(t)と基準エネルギー消費率EC_E(t)とを実際に算出して両者を比較すると、実エネルギー消費率EC_R(t)は、基準エネルギー消費率EC_E(t)に対してほぼ一定の割合で低下する特性を有している。
図11は、エネルギー消費率比の変化を示す説明図である。ここでは、評価期間内の各時点tにおける基準エネルギー消費率EC_E(t)に対する実エネルギー消費率EC_R(t)の比率であるエネルギー消費率比REC=EC_R(t)/EC_E(t)の変化がグラフで示されており、線形関数でREC=a×t+bで近似できることがわかる。
本実施の形態では、このようなエネルギー消費率比RECの線形近似関数の傾きaを、基準エネルギー消費率EC_E(t)に対する実エネルギー消費率EC_R(t)の劣化率RDとして推定している。
これにより、想定期間Xの想定運転状況データと消費率推定モデル15に基づき、想定期間Xにおける想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)を推定でき、この想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)と劣化率RDに基づき、想定期間Xにおける想定実エネルギー消費率AEC_R(t)を推定できる。
したがって、これら想定実エネルギー消費率AEC_R(t)と想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)の差分を示す想定差分エネルギー消費率ΔAEC(t)から、基準性能P0からの性能劣化による冷凍機51への投入エネルギー量の増加に起因して発生する想定劣化増分コストΔACOST(t)を算出し、これらを累積した想定累積コストATCOST(t)を求めれば、冷凍機51のメンテナンス予算MCOSTと比較することにより、冷凍機51のメンテナンス時期を決定できる。
図12は、想定累積コストの推移を示すグラフである。ここでは、想定期間Xにおける想定累積コストATCOST(t)の推移が示されており、メンテナンス予算MCOSTと想定累積ATCOST(t)との交点における時点tが、劣化増分コストとメンテナンス予算との費用対効果が考慮された、最適なメンテナンス時期TMを示すことになる。図12の例では、MCOSTが「100万円」の場合、MCOSTは「10/23」であることが分かる。
次に、図9を参照して、本実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10の構成について詳細に説明する。
図9に示すように、本実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10には、主な機能部として、通信I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、運転状況データ14、消費率推定モデル15、記憶部16、および演算処理部17が設けられている。
これら機能部のうち、通信I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、運転状況データ14、消費率推定モデル15、および記憶部16については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの説明は省略する。
演算処理部17で実現される主な処理部として、実エネルギー消費率算出部17A、消費率推定モデル作成部17B、基準エネルギー消費率推定部17C、劣化率推定部18A、想定エネルギー消費率算出部18B、想定劣化増分コスト算出部18C、および評価結果出力部17Eが設けられている。
これら処理部のうち、実エネルギー消費率算出部17A、消費率推定モデル作成部17B、基準エネルギー消費率推定部17Cについては、第1の実施の形態と同様であり、ここでの説明は省略する。
劣化率推定部18Aは、基準性能が得られた基準時点T0から性能劣化を評価する評価時点T1までの評価期間W内の各時点tについて、実エネルギー消費率算出部17Aで得られた実エネルギー消費率EC_R(t)および基準エネルギー消費率推定部17Cで得られた基準エネルギー消費率EC_E(t)に基づいて、冷凍機51の基準エネルギー消費率EC_E(t)に対する実エネルギー消費率EC_R(t)のエネルギー消費率比RECの変化率(傾き)aからなる劣化率RDを推定する機能を有している。
想定エネルギー消費率算出部18Bは、評価時点T1以降に設けた冷凍機51のメンテナンスが想定される想定期間Xについて、当該想定期間X内の時点tごとに、当該時点tで想定される冷凍機51の運転状況を示す想定運転状況データに基づいて、当該想定運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を消費率推定モデル15から取得することにより、当該時点tに冷凍機51が基準性能P0で動作した場合に得られる想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)を推定する機能と、得られた想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)と劣化率RDとから、当該時点tにおける想定実エネルギー消費率AEC_R(t)を算出する機能とを有している。
想定劣化増分コスト算出部18Cは、任意の時点tにおける想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)と想定実エネルギー消費率AEC_R(t)との差分を示す想定差分エネルギー消費率ΔAEC(t)に基づいて、基準性能P0からの性能劣化による冷凍機51への投入エネルギー量の増加に起因して発生する想定劣化増分コストΔACOST(t)を算出する機能を有している。
評価結果出力部17Eは、想定期間X内の各時点tについて、想定劣化増分コスト算出部18Cで得られた想定劣化増分コストΔACOST(t)を累積した想定累積コストATCOSTを算出する機能と、これら想定累積コストATCOSTの推移、またはこれら想定累積コストATCOSTと当該冷凍機51のメンテナンス予算MCOSTとを比較して得られた冷凍機51のメンテナンス時期TMを、当該冷凍機51の性能に関する評価結果16Dとして、記憶部16、画面表示部13、通信I/F部11を介して接続された外部装置へ出力する機能とを有している。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図13を参照して、本実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10の動作について説明する。図13は、第2の実施の形態にかかる冷凍機性能評価処理を示すフロー図である。
冷凍機性能評価装置10の演算処理部17は、操作入力部12で検出されたオペレータ指示に応じて、図13の冷凍機性能評価処理を実行する。
まず、実エネルギー消費率算出部17Aは、図10に示すように、予め指定されている評価期間W内の時点tごとに、当該時点tの運転状況データ14に含まれる発生熱量を投入エネルギー量で除算することにより、性能評価用の実エネルギー消費率(16A)EC_R(t)を算出する。
また、基準エネルギー消費率推定部17Cは、評価期間W内の時点tごとに、当該時点tの運転状況データ14から抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を消費率推定モデル15から取得することにより、当該時点tに冷凍機51が基準性能で動作した場合に得られる基準エネルギー消費率(16B)EC_E(t)を推定する。
続いて、劣化率推定部18Aは、基準性能が得られた基準時点T0から性能劣化を評価する評価時点T1までの評価期間W内の各時点tについて、実エネルギー消費率算出部17Aで得られた実エネルギー消費率EC_R(t)および基準エネルギー消費率推定部17Cで得られた基準エネルギー消費率EC_E(t)に基づいて、冷凍機51の基準エネルギー消費率EC_E(t)に対する実エネルギー消費率EC_R(t)のエネルギー消費率比RECの変化率(傾き)aからなる劣化率(16E)RDを推定する。
次に、想定エネルギー消費率算出部18Bは、図10に示すように、評価時点T1以降に設けた冷凍機51のメンテナンスが想定される想定期間Xについて、当該想定期間X内の時点tごとに、当該時点tで想定される冷凍機51の運転状況を示す想定運転状況データに基づいて、当該想定運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を消費率推定モデル15から取得することにより、当該時点tに冷凍機51が基準性能P0で動作した場合に得られる想定基準エネルギー消費率(16G)AEC_E(t)を推定する。
この後、想定エネルギー消費率算出部18Bは、図11に示すように、得られた想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)と劣化率RDとから、当該時点tにおける想定実エネルギー消費率(16F)AEC_R(t)=RD×(t−T1)×AEC_E(t)を算出する。
続いて、想定劣化増分コスト算出部18Cは、任意の時点tにおける想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)と想定実エネルギー消費率AEC_R(t)との差分を示す想定差分エネルギー消費率ΔAEC(t)=AEC_R(t)−AEC_E(t)を算出し、時点tにおける想定生成熱量AQin(t)とエネルギー単価Uとから、基準性能P0からの性能劣化による冷凍機51への投入エネルギー量の増加に起因して発生する想定劣化増分コスト(16H)ΔACOST(t)=ΔAEC(t)×AQin(t)×Uを算出する。
この後、評価結果出力部17Eは、想定期間X内の各時点tについて、想定劣化増分コスト算出部18Cで得られた想定劣化増分コストΔACOST(t)を累積した想定累積コストATCOST(t)=ΣΔACOST(i)(i=T1〜t,t≦T2)を算出し、これら想定累積コストATCOSTの推移、またはこれら想定累積コストATCOSTと当該冷凍機51のメンテナンス予算MCOSTとを比較して得られた冷凍機51のメンテナンス時期TMを、当該冷凍機51の性能に関する評価結果16Dとして、記憶部16、画面表示部13、通信I/F部11を介して接続された外部装置へ出力する。
図14は、想定累積コストの推移およびメンテナンス時期を示す評価結果画面の表示例である。ここでは、想定期間X内の各時点tにおける想定累積コストATCOST(t)の推移がグラフで示されている。また、メンテナンス予算MCOSTおよびメンテナンスを想定しているメンテナンス想定時期TMAの入力欄が設けられている。
この評価結果画面において、これらMCOSTやTMAに想定している値を入力して、計算実行ボタンを操作すれば、最適なメンテナンス時期TMや、TMとTMAとのズレにより生じるコスト増加分ΔMCOSTが画面表示される。この際、最適なメンテナンス時期TMは、想定累積コストATCOST(t)とメンテナンス予算MCOSTとが一致する点の時点tが用いられる。また、コスト増加分ΔMCOSTは、メンテナンス想定時期TMAにおける想定累積コストATCOST(t)とMCOSTとの差分で求められる。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、劣化率推定部18Aが、評価期間Wにおける冷凍機51の基準エネルギー消費率EC_E(t)に対する実エネルギー消費率EC_R(t)のエネルギー消費率比RECの変化率(傾き)aから劣化率RDを推定し、想定エネルギー消費率算出部18Bが、想定期間Xについて、想定運転状況データと消費率推定モデル15とに基づき想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)を推定し、さらに劣化率RDに基づき想定実エネルギー消費率AEC_R(t)を算出し、想定劣化増分コスト算出部18Cが、これら想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)と想定実エネルギー消費率AEC_R(t)との想定差分エネルギー消費率ΔAEC(t)から、想定劣化増分コストΔACOST(t)を算出するようにしたものである。
そして、評価結果出力部17Eが、想定劣化増分コストΔACOST(t)の想定累積コストATCOSTを算出し、これら想定累積コストの推移、またはこれら想定累積コストATCOSTと当該冷凍機51のメンテナンス予算MCOSTとを比較して得られた冷凍機51のメンテナンス時期TMを、当該冷凍機51の性能に関する評価結果16Dを出力するようにしたものである。
これにより、想定基準エネルギー消費率AEC_E(t)と想定実エネルギー消費率AEC_R(t)に基づいて、将来、冷凍機51のメンテナンスが想定される想定期間Xにおける、冷凍機51のエネルギー消費率の劣化による想定劣化増分コストΔACOST(t)を推定することができ、将来に想定される適切なメンテナンス時期を判断するための具体的な性能評価を得ることができる。
したがって、想定期間Xに発生した想定劣化増分コストΔACOST(t)の想定累積コストATCOST(t)と冷凍機51のメンテナンス予算MCOSTとを比較することにより、劣化増分コストとメンテナンス予算との費用対効果を考慮した、最適なメンテナンス時期TMを見極めることが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、図15を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置10について説明する。図15は、第3の実施の形態にかかる冷凍機性能評価装置の適用例を示す構成図である。
第1および第2の実施の形態では、熱源システム50の冷凍機51を専用の冷凍機性能評価装置10で評価する場合を例として説明したが、本実施の形態では、1つの冷凍機性能評価装置10で複数の熱源システム50A〜50Nの冷凍機51を性能評価する場合について説明する。
図15に示すように、冷凍機性能評価装置10は、通信ネットワークNW1に接続された熱源システム50A〜50Nと通信回線L1を介して接続されており、通信ネットワークNW2に接続された顧客端末60A〜60Nと通信回線L2を介して接続されている。これら顧客端末60A〜60Nは、それぞれ熱源システム50A〜50Nに対応しており、熱源システム50A〜50Nの冷凍機51の評価結果16Dが、冷凍機性能評価装置10から顧客端末60A〜60Nに対して配信される。通信ネットワークNW1,NW2は、1つの通信ネットワークで実現してもよい。
本実施の形態において、冷凍機性能評価装置10の演算処理部17には、主な処理部として、第1または第2の実施の形態で説明した各処理部に加えて、熱源システム50A〜50Nの冷凍機51ごとに、第1または第2の実施の形態で説明した演算処理部17の各処理部を制御して冷凍機性能評価処理を実行する処理制御部19Aと、得られた評価結果16Dを当該熱源システム50A〜50Nに対応する顧客端末60A〜60Nに配信する配信部19Bとが設けられている。
これにより、熱源システム50A〜50Nの冷凍機51ごとに、第1または第2の実施の形態で説明した冷凍機性能評価処理が実行されて、得られたそれぞれの評価結果16Dが対応する顧客端末60A〜60Nに配信されて、顧客端末60A〜60Nで画面表示されることになる。
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態によれば、熱源システム50A〜50Nの冷凍機51に関する評価結果16Dが、対応する顧客端末60A〜60Nに対して、共通の冷凍機性能評価装置10から配信される。したがって、熱源システム50A〜50Nを運用する顧客が、それぞれ冷凍機性能評価装置10を用意する必要がなくなり、冷凍機51の性能評価やメンテナンス管理に要する設備コストや運用コストを大幅に削減することができる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
例えば、冷凍機性能評価装置10の演算処理部17において、第1の実施の形態にかかる実エネルギー消費率算出部17A、消費率推定モデル作成部17B、基準エネルギー消費率推定部17C、劣化増分コスト算出部17D、および評価結果出力部17Eに加えて、第2の実施の形態にかかる劣化率推定部18A、想定エネルギー消費率算出部18B、想定劣化増分コスト算出部18Cを設けることにより、冷凍機51に関する現時点までの評価期間Wにおける評価結果16Dだけでなく、将来の想定期間Xにおける評価結果16Dも得ることができ、劣化増分コストとメンテナンス予算との費用対効果を考慮した、適切なメンテナンス時期を、より高い精度で見極めることが可能となる。
また、第2の実施の形態では、想定期間Xにおける冷凍機51の運転状況を示す、冷却水温度、冷水温度、生成熱量、負荷率などの運転状況データが必要となるが、この運転状況データについては、過去に冷凍機51から得られた運転状況データを用いてもよい。例えば、ビル空調システムや冷凍設備などの熱源システム50が用いられる商用施設や産業プラントでは、年単位、月単位、週単位、あるいは日単位など、一定の周期性を持って熱源システム50を運転している。このため、この周期性にしたがって、過去の運転状況データを想定期間における運用状況データとして想定して用いることができる。
また、冷却水温度、冷水温度、生成熱量、負荷率などの運転状況データの一部またはすべてを、予め作成した推定モデルにより推定してもよい。図16は、運転状況データの例を示すグラフである。これら運転状況データは、前述のように、過去の運転状況データや、熱源システム50を取り巻く外気温度、外湿度、露点温度のほか、天候、月日、曜日や祝日などのカレンダー情報、熱源システム50の運用計画などの関連データとある程度の相関関係を有している。
このため、これら関連データを入力データとし、冷却水温度、冷水温度、生成熱量、負荷率などの運転状況データを出力データとする推定モデルを、過去の運転状況データと関連データとの組から予め作成しておけば、想定期間における想定運転状況データを精度良く推定できる。
なお、このような想定運転状況データは、外部装置で推定したものを冷凍機性能評価装置10に予め取り込んで用いてもよく、このような外部装置の推定モデルを冷凍機性能評価装置10から参照して推定してもよい。あるいは、外部装置で作成した推定モデルを冷凍機性能評価装置10に予め取り込んで用いてもよく、さらにはこのような推定モデルを作成する処理部を冷凍機性能評価装置10の演算処理部17に設けてもよい。
10…冷凍機性能評価装置、11…通信I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、14…運転状況データ、15…消費率推定モデル、16…記憶部、16A…実エネルギー消費率、16B…基準エネルギー消費率、16C…劣化増分コスト、16D…評価結果、16E…劣化率、16F…想定実エネルギー消費率、16G…想定基準エネルギー消費率、16H…想定劣化増分コスト、16P…プログラム、17…演算処理部、17A…実エネルギー消費率算出部、17B…消費率推定モデル作成部、17C…基準エネルギー消費率推定部、17D…劣化増分コスト算出部、17E…評価結果出力部、18A…劣化率推定部、18B…想定エネルギー消費率算出部、18C…想定劣化増分コスト算出部、19A…処理制御部、19B…配信部、50…熱源システム、51…冷凍機、L,L1,L2…通信回線、NW1,NW2…通信ネットワーク。

Claims (4)

  1. 冷凍機の運転状況を示す運転状況データに基づいて、当該冷凍機に関する基準性能からの性能劣化を評価する冷凍機性能評価装置であって、
    前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合における、当該冷凍機の運転状況を示す推定用データと当該冷凍機で得られるエネルギー消費率との対応関係を示す消費率推定モデルと、
    任意の時点における前記運転状況データに基づいて、前記冷凍機が当該時点に実際に動作して得られた実エネルギー消費率を算出する実エネルギー消費率算出部と、
    任意の時点における前記運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を前記消費率推定モデルから取得することにより、当該時点に前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合に得られる基準エネルギー消費率を推定する基準エネルギー消費率推定部と、
    任意の時点における前記実エネルギー消費率と前記基準エネルギー消費率との差分を示す差分エネルギー消費率に基づいて、前記基準性能からの性能劣化による前記冷凍機への投入エネルギー量の増加に起因して発生する劣化増分コストを算出する劣化増分コスト算出部と、
    前記基準性能が得られた基準時点から性能劣化を評価する評価時点までの評価期間内の各時点について、前記劣化増分コスト算出部で得られた劣化増分コスト、またはこれら劣化増分コストを累積した累積コストを、前記冷凍機の性能に関する評価結果として出力する評価結果出力部と
    前記基準性能が得られた基準時点から性能劣化を評価する評価時点までの評価期間内の各時点について、前記実エネルギー消費率算出部で得られた実エネルギー消費率および前記基準エネルギー消費率推定部で得られた基準エネルギー消費率に基づいて、前記冷凍機の基準エネルギー消費率に対する実エネルギー消費率の劣化率を推定する劣化率推定部と、
    前記評価時点以降に設けた前記冷凍機のメンテナンスが想定される想定期間について、当該想定期間内の時点ごとに、当該時点で想定される当該冷凍機の運転状況を示す想定運転状況データに基づいて、当該想定運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を前記消費率推定モデルから取得することにより、当該時点に前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合に得られる想定基準エネルギー消費率を推定し、得られた想定基準エネルギー消費率と前記劣化率とから、当該時点における想定実エネルギー消費率を算出する想定エネルギー消費率算出部と、
    任意の時点における前記想定基準エネルギー消費率と前記想定実エネルギー消費率との差分を示す想定差分エネルギー消費率に基づいて、前記基準性能からの性能劣化による前記冷凍機への投入エネルギー量の増加に起因して発生する想定劣化増分コストを算出する想定劣化増分コスト算出部とを備え、
    前記評価結果出力部は、前記想定期間内の各時点について、前記想定劣化増分コスト算出部で得られた前記想定劣化増分コストを累積した想定累積コストを算出し、これら想定累積コストの推移、またはこれら想定累積コストと当該冷凍機のメンテナンス予算とを比較して得られた前記冷凍機のメンテナンス時期を、当該冷凍機の性能に関する評価結果として出力する
    ことを特徴とする冷凍機性能評価装置。
  2. 請求項1に記載の冷凍機性能評価装置において、
    複数の熱源システムのそれぞれに設けられた前記冷凍機ごとに、当該冷凍機の性能に関する前記評価結果を求める処理制御部と、
    前記冷凍機ごとに得られた評価結果を当該熱源システムに対応して設けられている顧客端末に配信する配信部とを
    さらに備えることを特徴とする冷凍機性能評価装置。
  3. 冷凍機の運転状況を示す運転状況データに基づいて、当該冷凍機に関する基準性能からの性能劣化を評価する冷凍機性能評価装置で用いられる冷凍機性能評価方法であって、
    前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合における、当該冷凍機の運転状況を示す推定用データと当該冷凍機で得られるエネルギー消費率との対応関係を示す消費率推定モデルと、
    実エネルギー消費率算出部が、任意の時点における前記運転状況データに基づいて、前記冷凍機が当該時点に実際に動作して得られた実エネルギー消費率を算出する実エネルギー消費率算出ステップと、
    基準エネルギー消費率推定部が、任意の時点における前記運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を前記消費率推定モデルから取得することにより、当該時点に前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合に得られる基準エネルギー消費率を推定する基準エネルギー消費率推定ステップと、
    劣化増分コスト算出部が、任意の時点における前記実エネルギー消費率と前記基準エネルギー消費率との差分を示す差分エネルギー消費率に基づいて、前記基準性能からの性能劣化による前記冷凍機への投入エネルギー量の増加に起因して発生する劣化増分コストを算出する劣化増分コスト算出ステップと、
    評価結果出力部が、前記基準性能が得られた基準時点から性能劣化を評価する評価時点までの評価期間内の各時点について、前記劣化増分コスト算出ステップで得られた劣化増分コスト、またはこれら劣化増分コストを累積した累積コストを、前記冷凍機の性能に関する評価結果として出力する評価結果出力ステップと
    劣化率推定部が、前記基準性能が得られた基準時点から性能劣化を評価する評価時点までの評価期間内の各時点について、前記実エネルギー消費率算出ステップで得られた実エネルギー消費率および前記基準エネルギー消費率推定ステップで得られた基準エネルギー消費率に基づいて、前記冷凍機の基準エネルギー消費率に対する実エネルギー消費率の劣化率を推定する劣化率推定ステップと、
    想定エネルギー消費率算出部が、前記評価時点以降に設けた前記冷凍機のメンテナンスが想定される想定期間について、当該想定期間内の時点ごとに、当該時点で想定される当該冷凍機の運転状況を示す想定運転状況データに基づいて、当該想定運転状況データから抽出した推定用データと対応するエネルギー消費率を前記消費率推定モデルから取得することにより、当該時点に前記冷凍機が前記基準性能で動作した場合に得られる想定基準エネルギー消費率を推定し、得られた想定基準エネルギー消費率と前記劣化率とから、当該時点における想定実エネルギー消費率を算出する想定エネルギー消費率算出ステップと、
    想定劣化増分コスト算出部が、任意の時点における前記想定基準エネルギー消費率と前記想定実エネルギー消費率との差分を示す想定差分エネルギー消費率に基づいて、前記基準性能からの性能劣化による前記冷凍機への投入エネルギー量の増加に起因して発生する想定劣化増分コストを算出する想定劣化増分コスト算出ステップとを備え、
    前記評価結果出力ステップは、前記想定期間内の各時点について、前記想定劣化増分コスト算出ステップで得られた前記想定劣化増分コストを累積した想定累積コストを算出し、これら想定累積コストの推移、またはこれら想定累積コストと当該冷凍機のメンテナンス予算とを比較して得られた前記冷凍機のメンテナンス時期を、当該冷凍機の性能に関する評価結果として出力する
    ことを特徴とする冷凍機性能評価方法。
  4. 請求項3に記載の冷凍機性能評価方法において、
    処理制御部が、複数の熱源システムのそれぞれに設けられた前記冷凍機ごとに、当該冷凍機の性能に関する前記評価結果を求める処理制御ステップと、
    配信部が、前記冷凍機ごとに得られた評価結果を当該熱源システムに対応して設けられている顧客端末に配信する配信ステップとを
    さらに備えることを特徴とする冷凍機性能評価方法。
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