JP7407005B2 - 穿孔装置 - Google Patents
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Description
また、フードパック固定用易開封テープにおいては、上記貼付機器適性、ディスペンサー適性、輸送適性と固定性が充分に担保された上で、テープのどこからも手で切れる手切れ性(易開封性)を備えている必要がある。
なお、図10Aにおいては、第2線状切刃160Aは二点鎖線のように見えないが、刃先の状態をイメージしやすいように垂直軸線Cを中心に水平方向に90°回転して示している。
また、幅方向の破断点荷重のばらつきは、穿孔ロール刃の軸方向の端部側、特に駆動源に接続する端部と反対側の端部に多く現れる。この現象は、穿孔ロール刃のロール軸の撓みが起因していると推測される。
この場合、少なくとも上記端部穿孔刃(16,16A)と、上記中央穿孔刃(26,26A)のない側方軸部(28,28A)の軸方向の長さが同寸法に形成され、上記両端部穿孔刃(16,16A)間の中間部(18,18A)と上記中央穿孔刃(26,26A)が軸方向の残りの寸法に形成されているのがよい(請求項2)。
刃先ピッチが0.5mmより小さいと穿孔刃の加工が困難であり、5.0mmより大きいと、手切れ性が発現できなくなるからである。
このように構成することにより、ロール幅が600mmを超える幅広タイプの場合においても幅方向の全域において被穿孔物に要求される引張強度を担保しつつ手切れ性を実現することができる。
<第1実施形態>
穿孔装置1Aは、図2に示すように、フードパックテープT(以下にテープTという)を捲回した操出ロール100とテープTを巻き取る巻取ロール200との間に配置されている。
更に、テープTは、上記ディスペンサー適性、輸送適性と固定性が充分に担保された上で、テープTのどこからも手で切れる手切れ性(易開封性)を備えている必要がある。
なお、上記各部の寸法は一例であって必ずしもこれに限定するものではないが、少なくとも600mmであることが望ましい。
第2実施形態の穿孔装置1Bは、図5に示すように、テープTを捲回した操出ロール100側に位置する第1の穿孔ユニット10とテープTを巻き取る巻取ロール200側に位置する第2の穿孔ユニット20とを具備する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
なお、この場合、駆動モータ40Cを設けずに、下部ロール体25と駆動モータ40Bの駆動軸とをタイミングベルト(図示せず)によって連動するようにしてもよい。
なお、上記各部の寸法は一例であって必ずしもこれに限定するものではないが、軸長さは少なくとも600mmであることが望ましい。
また、第2の穿孔ユニット20においても同様に、軸方向に沿う中央上穿孔刃26Aを有する第2の上部穿孔ロール刃23を下方側に回動可能に配設し、周方向に沿う中央下穿孔刃26を有する第2の下部穿孔ロール刃22を上方側に回動及び摺動可能に配設し、上述のようにエアーシリンダ50Cによって昇降可能な構造としてもよい。
<被穿孔物(テープ)>
・基材:OPP/ゴム系 基材厚:40μm
・粘着剤:天然ゴム系粘着剤 粘着剤厚:12μm
総厚:54±3μm
<穿孔サンプル(穿孔ロール刃)>
・直径:118mm、軸長さ:660mm(穿孔刃幅:630mm)
・軸方向(幅方向)を三等分し、両端上下刃と中央上下刃と定義。
・刃先幅の測定値:0°の位置、120°の位置、240°の位置(図9参照)
<刃先幅測定方法>
・顕微鏡にて、穿孔ロール刃の左端上下刃の3点、中央上下刃の3点、右端上下刃の3点の刃先幅を測定、3点の平均値を穿孔ロール刃の刃先幅とした。
<刃先高さ測定>
・輪郭形状測定器 SURFCOM NEX 40-SD-14{(株)東京精密製}を用いて、ベアラー部と穿孔刃の高さの差を測定した。
<引張試験機>
・JIS B7721に準拠する引張試験機を用い、15mm幅、長さ100mmの試験片を作製し、テープ両端部を引張試験機に挟み、速度300mm/分で引っ張り、試験片が切断したときの荷重を破断点荷重とした。
・手切れ性
テープ流れ方向に上下刃1周分を約15mm間隔で、10名の被験者(A~J)によって手で切る官能試験を行った。
○:すべての箇所にて問題なく切断できる。
×:手でテープを切ることができない箇所がある。
・ディスペンサー適性
市販のテープディスペンサーを用いて10名の被験者(A~J)及び自動貼付機(品番:CS-800、(株)小坂研究所製)にて、テープの切断等なく、問題なく使用できるか確認した。
○:テープの強度が十分で、巻き戻し力に耐えることができる。
×:テープの強度が低く、巻き戻し力に耐えることができない。
・輸送適性
長方形の弁当容器とフタを固定するため、各辺中央に各実施例で作製したテープを貼付した。その後、弁当容器のフタだけを持ち、手動で約10cmのストロークを25~30秒間で100往復上下に振とうさせ、テープの剥がれや亀裂、切断の有無を確認した。
○:テープの剥がれや亀裂、切断がない。
×:テープの剥がれや亀裂、切断がある。
上刃と下刃の刃先幅を10μm、上刃のベアラー部と上刃の刃先先端部との差を0.0μm、下刃のベアラー部と下刃の刃先先端部との差を0.0μmとした状態で、上刃と下刃のベアラー部を加圧接触させて穿孔処理を行った粘着テープを引張試験したところ、初期破断点荷重(標準偏差SD)が33.0(1.5)(N/15mm)であった。また、100,000mのロングラン穿孔処理を行った後、その粘着テープを引張試験したところ、ロングラン穿孔後破断点荷重(標準偏差SD)が30.1(1.5)(N/15mm)であった。
実施例1では、手切れ性について表1に示すような結果が得られ、ディスペンサー適性(市販ディスペンサー、自動貼付機)について表2に示すような結果が得られ、また、輸送適性において表3に示すように充分満足できる結果が得られた。
上刃と下刃の刃先幅を29μmとした以外は、実施例1と同様に処理した粘着テープを引張試験したところ、初期破断点荷重(標準偏差SD)が30.8(1.3)(N/15mm)であった。また、100,000mのロングラン穿孔処理を行った後、その粘着テープを引張試験したところ、ロングラン穿孔後破断点荷重(標準偏差SD)が32.3(0.8)(N/15mm)であった。
実施例2では、手切れ性について表1に示すような結果が得られ、ディスペンサー適性(市販ディスペンサー、自動貼付機)について表2に示すような結果が得られ、また、輸送適性において表3に示すように充分満足できる結果が得られた。
上刃と下刃の刃先幅を57μmとした以外は、実施例1と同様に処理した粘着テープを引張試験したところ、初期破断点荷重(標準偏差SD)が30.8(1.1)(N/15mm)であった。また、100,000mのロングラン穿孔処理を行った後、引張試験したところ、ロングラン穿孔後破断点荷重(標準偏差SD)が31.5(0.4)(N/15mm)であった。
実施例3では、手切れ性について表1に示すような結果が得られ、ディスペンサー適性(市販ディスペンサー、自動貼付機)について表2に示すような結果が得られ、また、輸送適性において表3に示すように充分満足できる結果が得られた。
上刃と下刃の刃先幅を100μmとした以外は、実施例1と同様に処理した粘着テープを引張試験したところ、初期破断点荷重(標準偏差SD)が27.1(0.5)(N/15mm)であった。なお、上刃と下刃の刃先幅が100μmであって、摩耗による刃先幅の変化は少ないと考えられるため、100,000mのロングラン穿孔処理は行わなかった。
実施例4では、手切れ性について表1に示すような結果が得られ、ディスペンサー適性(市販ディスペンサー、自動貼付機)について表2に示すような結果が得られ、また、輸送適性において表3に示すように充分満足できる結果が得られた。
上刃と下刃の刃先幅を32μm、上刃のベアラー部と上刃の刃先先端部との差を0.0μm、下刃のベアラー部と下刃の刃先先端部との差を-10.0μmとした状態で、実施例1と同様に処理した粘着テープを引張試験したところ、初期破断点荷重(標準偏差SD)が28.1(1.1)(N/15mm)であった。また、100,000mのロングラン穿孔処理を行った後、引張試験したところ、ロングラン穿孔後破断点荷重(標準偏差SD)が30.9(1.5)(N/15mm)であった。
実施例5では、手切れ性について表1に示すような結果が得られ、ディスペンサー適性(市販ディスペンサー、自動貼付機)について表2に示すような結果が得られ、また、輸送適性において表3に示すように充分満足できる結果が得られた。
上刃と下刃の刃先幅を5μmとした以外は、実施例1と同様に処理した粘着テープを引張試験したところ、初期破断点荷重(標準偏差SD)が46.3(2.1)(N/15mm)であった。また、100,000mのロングラン穿孔処理を行った後、引張試験したところ、ロングラン穿孔後破断点荷重(標準偏差SD)が35.4(4.2)(N/15mm)であった。
比較例1では、手切れ性については表1に示すような結果が得られ、ディスペンサー適性(市販ディスペンサー、自動貼付機)について表2に示すような結果が得られ、表3に示すように、ディスペンサー適性及び輸送適性は得られたが、手切れ性は発現できなかった。
上刃と下刃の刃先幅を120μmとした以外は、実施例1と同様に処理した粘着テープを引張試験したところ、初期破断点荷重(標準偏差SD)が22.2(0.9)(N/15mm)であった。なお、上刃と下刃の刃先幅が120μmであって、摩耗による刃先幅の変化は少ないため、100,000mのロングラン穿孔処理は行わなかった。
比較例2では、表1に示すように手切れ性は発現できたが、ディスペンサー適性(市販ディスペンサー、自動貼付機)については表2に示す結果が得られ、表3に示すように輸送適性においては充分満足できる結果は得られなかった。
上刃と下刃の刃先幅を13μm、上刃のベアラー部と上刃の刃先先端部との差を0.0μmとし、下刃のベアラー部と下刃の刃先先端部との差を-13.5μmとした状態で、実施例1と同様に処理した粘着テープを引張試験したところ、初期破断点荷重(標準偏差SD)が45.0(5.6)(N/15mm)であった。なお、所望の手切れ性が得られなかったため、100,000mのロングラン穿孔処理は行わなかった。
比較例3では、手切れ性については表1に示す結果が得られ、ディスペンサー適性(市販ディスペンサー、自動貼付機)については表2に示す結果が得られ、表3に示すように、ディスペンサー適性及び輸送適性はあるが、手切れ性は発現できなかった。
上刃と下刃の刃先幅を41μm、上刃のベアラー部と上刃の刃先先端部との差を0.0μmとし下刃のベアラー部と下刃の刃先先端部との差を-13.5μmとした状態で、実施例1と同様に処理した粘着テープを引張試験したところ、初期破断点荷重(標準偏差SD)が41.5(6.1)(N/15mm)であった。なお、所望の手切れ性が得られなかったため、100,000mのロングラン穿孔処理は行わなかった。
比較例4では、手切れ性については表1に示す結果が得られ、ディスペンサー適性(市販ディスペンサー、自動貼付機)については表2に示す結果が得られ、表3に示すように、ディスペンサー適性及び輸送適性はあるが、手切れ性は発現できなかった。
また、破断点荷重の最大値は、実施例1の33.0(σ:1.5)である。上述したように、標準偏差(σ)が±3σであると、全体の約99.7%が入る。したがって、破断点荷重の最大値は、33+1.5×3=37.5≒38(N/15mm)となる。
2 下部穿孔ロール刃
3 上部穿孔ロール刃
5 下部ロール体
5A 上部ロール体
6 下穿孔刃(下刃)
6A 上穿孔刃(上刃)
7,7A ベアラー部
10 第1の穿孔ユニット
12 第1の下部穿孔ロール刃
13 第1の上部穿孔ロール刃
15 下部ロール体
15A 上部ロール体
16 端部下穿孔刃
16A 端部上穿孔刃
17,17A ベアラー部
20 第2の穿孔ユニット
22 第2の下部穿孔ロール刃
23 第2の上部穿孔ロール刃
25 下部ロール体
25A 上部ロール体
26 中央下穿孔刃
26A 中央上穿孔刃
27,27A ベアラー部
T テープ(被穿孔物)
Ta 穿孔
b 刃先幅
h 刃先高さ
p 刃先ピッチ
Claims (4)
- 粘着性を有するシート状の被穿孔物を挟み、通過させて上記被穿孔物に穿孔を施す、連動して回転する一対のロール体の表面に形成される穿孔刃を有する穿孔ロール刃を備える穿孔装置であって、
上記被穿孔物の供給側に配設され、ロール体(15,15A)の軸方向の両端部に端部穿孔刃(16,16A)を有する一対の穿孔ロール刃(12,13)を備える第1の穿孔ユニット(10)と、
上記被穿孔物の取り出し側に配設され、ロール体(25,25A)の軸方向の中央部に中央穿孔刃(26,26A)を有する一対の穿孔ロール刃(22,23)を備える第2の穿孔ユニット(20)とを2列に配設し、
上記第1の穿孔ユニット(10)の一方の上記端部穿孔刃(16)及び上記第2の穿孔ユニット(20)の一方の上記中央穿孔刃(26)は、駆動源に接続される上記ロール体(15,25)の周面の周方向に沿って軸方向に刃先ピッチが等間隔に設けられ、上記第1の穿孔ユニット(10)の他方の上記端部穿孔刃(16A)及び上記第2の穿孔ユニット(20)の他方の上記中央穿孔刃(26A)は、上記一方のロール体(15,25)に対して切離可能かつ回動可能なロール体(15A,25A)の周面の軸方向に沿って周方向に刃先ピッチが等間隔に設けられ、
上記端部穿孔刃(16,16A)及び上記中央穿孔刃(26,26A)の刃先幅が、10μm~100μmに形成され、かつ、上記端部穿孔刃(16)及び上記中央穿孔刃(26)の刃先高さが、上記一対のロール体(15,15A;25,25A)の軸方向の端部同士が当接するベアラー部(17,17A)を基準として、-10μm~0μmに形成され、
上記第1の穿孔ユニット(10)と上記第2の穿孔ユニット(20)によって穿孔が施された上記被穿孔物に、該被穿孔物に要求される引張強度を担保しつつ幅方向の手切れ性を可能にした、
ことを特徴とする穿孔装置。 - 請求項1に記載の穿孔装置において、
少なくとも上記端部穿孔刃(16,16A)と、上記中央穿孔刃(26,26A)のない側方軸部(28,28A)の軸方向の長さが同寸法に形成され、上記両端部穿孔刃(16,16A)間の中間部(18,18A)と上記中央穿孔刃(26,26A)が軸方向の残りの寸法に形成されている、ことを特徴とする穿孔装置。 - 請求項1又は2に記載の穿孔装置において、
上記端部穿孔刃及び上記中央穿孔刃の刃先ピッチが0.5mm~5.0mmである、ことを特徴とする穿孔装置。 - 請求項1又は3に記載の穿孔装置において、
上記穿孔ロール刃の軸方向の長さが少なくとも600mmである、ことを特徴とする穿孔装置。
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