以下、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101について図面を参照して説明する。図1A及び図1Bは、レンズ駆動装置101の斜視図である。具体的には、図1Aは、レンズ駆動装置101の全体の斜視図であり、図1Bは、カバー部材1が取り外された状態のレンズ駆動装置101の斜視図である。図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。
図1A及び図1BにおけるX1は三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2はX軸の他方向を表す。また、Y1は三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は他方向を表す。同様に、Z1は三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2はZ軸の他方向を表す。本実施形態では、レンズ駆動装置101のX1側は、レンズ駆動装置101の前側(正面側)に相当し、レンズ駆動装置101のX2側は、レンズ駆動装置101の後側(背面側)に相当する。また、レンズ駆動装置101のY1側は、レンズ駆動装置101の左側に相当し、レンズ駆動装置101のY2側は、レンズ駆動装置101の右側に相当する。そして、レンズ駆動装置101のZ1側は、レンズ駆動装置101の上側に相当し、レンズ駆動装置101のZ2側は、レンズ駆動装置101の下側に相当する。他の図においても同様である。
レンズ駆動装置101は、図2に示すように、固定側部材FB及び可動側部材MBを含む。固定側部材FBは、カバー部材1及びベース部材7を含む。可動側部材MBは、レンズ保持部材2及びリンク機構LMを含む。可動側部材MBは、案内機構GMにより、光軸方向に案内されるように構成されている。光軸方向は、レンズ体に関する光軸JDの方向、及び、光軸JDに平行な方向を含む。また、可動側部材MBは、圧電駆動部PDによって光軸方向に移動させられるように構成されている。
カバー部材1は、可動側部材MBを覆うことができるように構成されている。本実施形態では、カバー部材1は、金属板に抜き加工及び絞り加工等を施して作製されている。但し、カバー部材1は、合成樹脂等の他の材料で形成されていてもよい。具体的には、カバー部材1は、図1Aに示すように、矩形筒状の外周壁部1Aと、外周壁部1Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた平板状且つ矩形環状の天井部1Bとを有する。天井部1Bには中央部分に円形の開口1Kが形成されている。そして、カバー部材1は、収容部1Sを定める箱状の外形を有し、収容部1S内に可動側部材MBを収容できるように構成されている。また、カバー部材1は、接着剤によりベース部材7に接合され、ベース部材7とともに筐体HSを構成する。
レンズ保持部材2は、筒状部2Cでレンズ体(図示せず。)を保持できるように構成されている。本実施形態では、レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで作製されている。レンズ体は、例えば、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルである。
リンク機構LMは、規制機構の一例である。規制機構は、レンズ保持部材2と固定側部材FBとの間に配置され、レンズ保持部材2が光軸方向へ移動する際の姿勢の変化を抑制するための機構である。レンズ保持部材2の姿勢の変化は、例えば、Z軸方向に対して光軸JDが傾くことを含む。本実施形態では、リンク機構LMは、第1リンク部材3及び第2リンク部材4を含み、レンズ保持部材2と固定側部材FBとしてのベース部材7との間に配置され、レンズ保持部材2が光軸方向へ移動する際の姿勢の変化を抑制できるように構成されている。
圧電駆動部PDは、レンズ保持部材2を光軸方向に沿って移動させることができるように構成されている。本実施形態では、圧電駆動部PDは、米国特許第7,786,648号に開示された駆動システムを利用する摩擦駆動部の一例であり、圧電素子8、接触部材9、及び回路基板10を含む。
圧電素子8は、印加された電圧に応じて曲げ振動を実現できるように構成されている。本実施形態では、圧電素子8は、光軸方向と直交する(光軸JDに垂直な方向である)Y軸方向に延在しており、二つのノード(節)を有する曲げ振動を実現できるように構成されている。具体的には、圧電素子8は、XY平面上で第1曲げ振動を実現する第1層とYZ平面上で第2曲げ振動を実現する第2層とで構成される二層構造を有する。圧電駆動部PDは、第1層を構成する圧電素子に対する電圧の印加と、第2層を構成する圧電素子に対する電圧の印加とを適切なタイミングで個別に行うことで、圧電素子8の中点が描く軌跡が回転軸8Xを中心とする円軌道となるようにすることができる。図2に示す例では、回転軸8Xは、Y軸に平行である。圧電駆動部PDは、電圧の印加を適切なタイミングで行うことで、円軌道を辿る中点の移動方向(回転方向)をY1側から見て時計回りと反時計回りとの間で切り換えることができる。レンズ保持部材2は、圧電素子8の中点の回転方向が時計回りのときに上方(Z1方向)に移動させられ、圧電素子8の中点の回転方向が反時計回りのときに下方(Z2方向)に移動させられる。圧電素子8の中点は、第1曲げ振動の振幅が最大となる点(第1曲げ振動の腹に対応する点)であり、且つ、第2曲げ振動の振幅が最大となる点(第2曲げ振動の腹に対応する点)である。このように、本実施形態における圧電素子8は、その中点が円を描くような振動(円運動)を実現できるように構成されている。なお、圧電素子8の中点が描く円(円軌道)は、完全な円(真円)ではなく、概略円形状であればよい。
接触部材9は、圧電素子8に取り付けられ、レンズ保持部材2と接触するように構成されている。本実施形態では、接触部材9は、圧電素子8の内側(光軸JDに対向する側)の表面の全体を覆うように、接着剤によって圧電素子8の内側の表面に接合されている。接触部材9は、ステンレス鋼等の金属で形成され、圧電素子8の曲げ振動に応じて曲げ振動を行うように構成されている。本実施形態では、接触部材9は、ステンレス鋼で形成された摩擦板である。接触部材9は、圧電素子8の延在方向と同じY軸方向に延在している。そして、接触部材9は、延在方向の中央部がレンズ保持部材2に取り付けられた受け部材11と接触するように構成されている。具体的には、接触部材9は、曲げ振動の振幅が最大となる点(曲げ振動の腹の部分)で受け部材11と接触するように構成されている。受け部材11は、ステンレス鋼等の金属で形成されている。本実施形態では、受け部材11は、ステンレス鋼で形成された、光軸方向に延在する円柱状のピンである。金属製の接触部材9と金属製の受け部材11とを接触させるのは、合成樹脂製のレンズ保持部材2と金属製の接触部材9との接触によるレンズ保持部材2の摩耗を防止するためである。なお、接触部材9と受け部材11との接触が得られるのであれば、Y軸方向における接触部材9の長さ寸法は圧電素子8と同じでなくてもよい。
回路基板10は、導電パターンを含む基板であり、外部電源と圧電素子8とを電気的に接続できるように構成されている。本実施形態では、回路基板10は、可撓性を有するフレキシブルプリント基板であり、圧電素子8に電圧を印加できるように構成されている。圧電素子8は、異方性導電性接着剤によって回路基板10の内側(光軸JDに対向する側)の表面に接合されている。圧電素子8は、異方性導電性接着膜によって回路基板10の内側に接合されていてもよい。
圧電駆動部PDは、ベース部材7に固定される付勢部材6によって内方(光軸JDに近づく方向)に付勢されてレンズ保持部材2に押し付けられるように構成されている。本実施形態では、付勢部材6は、金属板で形成され、圧電素子8の曲げ振動の際に形成される二つの節のそれぞれに対応する部分で圧電素子8の外側(光軸JDから遠い側)の表面と回路基板10を介して接触するように構成されている。付勢部材6と圧電駆動部PDとの接合は、例えば、接着剤によって実現される。
案内機構GMは、レンズ保持部材2を固定側部材FBに対して光軸方向へ移動可能に案内できるように構成されている。本実施形態では、案内機構GMは、レンズ保持部材2の柱状部2Bに形成された可動側溝部2Gと、ベース部材7の柱状部7Bに形成された固定側溝部7Gと、可動側溝部2Gと固定側溝部7Gとの間で挟持されるボール5と、を含む。なお、レンズ保持部材2の柱状部2Bは、左側柱状部2BL及び右側柱状部2BRを含み、可動側溝部2Gは、左側柱状部2BLに形成された左可動側溝部2GL、及び、右側柱状部2BRに形成された右可動側溝部2GRを含む。
具体的には、案内機構GMは、レンズ保持部材2に取り付けられた受け部材11を挟んで互いに対向するように配置された二つの案内部(右側案内部GMR及び左側案内部GML)を有する。
右側案内部GMRは、レンズ保持部材2の右側柱状部2BRに形成された右可動側溝部2GRと、ベース部材7の右側柱状部7BRに形成された右固定側溝部7GRと、右可動側溝部2GRと右固定側溝部7GRとの間に配置された右側ボール5Rと、を有する。右側ボール5Rは、右上側ボール5RU及び右下側ボール5RDを含む。
左側案内部GMLは、レンズ保持部材2の左側柱状部2BLに形成された左可動側溝部2GLと、ベース部材7の左側柱状部7BLに形成された左固定側溝部7GLと、左可動側溝部2GLと左固定側溝部7GLとの間に配置された左側ボール5Lと、を有する。左側ボール5Lは、左上側ボール5LU及び左下側ボール5LDを含む。
ベース部材7は、液晶ポリマー等の合成樹脂を用いた射出成形によって作製される。本実施形態では、ベース部材7は、図2に示すように、略矩形板状の外形を有し、中央に円形の開口7Kが形成されている。また、ベース部材7の被写体側(Z1側)の面(上面)には、上方に向けて突出する角形凸状の二つの柱状部7Bと一つの角形凸状の壁部7Wが設けられている。また、ベース部材7の前側の二つの角部には、上方に向けて突出する挟持部7Cが形成され、ベース部材7の後側の二つの角部には、上方に向けて突出する第3軸支部7Hが形成されている。挟持部7Cは、付勢部材6を挟持できるように構成された部分であり、左側挟持部7CL及び右側挟持部7CRを含む。第3軸支部7Hは、第1リンク部材3の第3軸部3Sを支持できるように構成された部分であり、左側第3軸支部7HL及び右側第3軸支部7HRを含む。更に、ベース部材7の左前側の角部及び左後側の角部には、図3Cに示すように、第4軸支部7Jが形成されている。第4軸支部7Jは、第2リンク部材4の第4軸部4Sを支持できるように少なくとも右側(Y2側)が開放されて構成された部分であり、前側第4軸支部7JF及び後側第4軸支部7JBを含む。
ベース部材7の壁部7Wには、センサ12が取り付けられている。具体的には、壁部7Wの後面(X2側の面)には、レンズ保持部材2に取り付けられた磁石13と対向するように不図示のセンサ用回路基板に実装されたセンサ12が取り付けられている。
センサ12は、可動側部材MBの位置を検出できるように構成されている。本実施形態では、センサ12は、ホール素子で構成され、センサ12が受ける磁石13による磁界の大きさに応じて変化する出力電圧を測定し、磁石13を含む可動側部材MB(レンズ保持部材2)の位置を検出するように構成されている。但し、センサ12は、巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto Resistive effect: GMR)素子、半導体磁気抵抗(Semiconductor Magneto Resistive: SMR)素子、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magneto Resistive: AMR)素子、又はトンネル磁気抵抗(Tunnel Magneto Resistive: TMR)素子等の磁気抵抗素子を利用して可動側部材MBの位置を検出できるように構成されていてもよい。
レンズ駆動装置101は、略直方体形状の外形を有し、撮像素子(図示せず。)を実装した基板(図示せず。)の上に取り付けられる。基板と、レンズ駆動装置101と、レンズ保持部材2に装着されたレンズ体(図示せず。)と、レンズ体に対向するように基板に実装された撮像素子とはカメラモジュールを構成する。圧電素子8は、回路基板10を介して外部の電源に接続される。圧電素子8に電圧が印加されると、圧電素子8は、第1曲げ振動及び第2曲げ運動を行い、レンズ保持部材2を光軸方向に沿って移動させる力を発生させる。この力は、レンズ保持部材2に取り付けられた受け部材11と、圧電素子8に接合された接触部材9との接触に伴う摩擦力である。
レンズ駆動装置101は、この力を利用し、撮像素子のZ1側(被写体側)で、光軸方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させることで自動焦点調節機能を実現する。具体的には、レンズ駆動装置101は、撮像素子から離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子に近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしている。
次に、図3A~図3C、図4A~図4C、図5A、及び図5Bを参照し、規制機構の一例であるリンク機構LMの詳細について説明する。図3A~図3Cは、リンク機構LMが取り付けられた状態のベース部材7の図である。具体的には、図3Aは、リンク機構LMが取り付けられた状態のベース部材7の上面図であり、図3Bは、リンク機構LMが取り付けられた状態のベース部材7の左側面図であり、図3Cは、第2リンク部材4のみが取り付けられた状態のベース部材7の斜視図である。なお、図3A~図3Cは何れも、光軸方向に移動可能なレンズ保持部材2が最も下側(Z2側)に位置するときの様子を示す。図4A~図4C、図5A、及び図5Bは、リンク機構LMが取り付けられた状態のレンズ保持部材2の図である。具体的には、図4Aは、リンク機構LMが取り付けられた状態のレンズ保持部材2の斜視図であり、図4B及び図4Cは、リンク機構LMが取り付けられた状態のレンズ保持部材2の左側面図である。図5A及び図5Bは、リンク機構LMが取り付けられた状態のレンズ保持部材2の正面図である。なお、図4A及び図4Bは、レンズ保持部材2が最も下側(Z2側)に位置するときの様子を示し、図4Cは、レンズ保持部材2が最も上側(Z1側)に位置するときの様子を示す。また、図5Aは、レンズ保持部材2が最も下側(Z2側)に位置するときの様子を示し、図5Bは、レンズ保持部材2が最も上側(Z1側)に位置するときの様子を示す。
図3A~図3C、図4A~図4C、図5A、及び図5Bに示すように、リンク機構LMは、第1リンク部材3及び第2リンク部材4を有する。本実施形態では、第1リンク部材3及び第2リンク部材4は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで作製されている。
第1リンク部材3は、第1回動軸RA1の回りで回動可能となるようにレンズ保持部材2に連結され、第2リンク部材4は、第2回動軸RA2の回りで回動可能となるようにレンズ保持部材2に連結されている。また、第1リンク部材3は、第3回動軸RA3の回りで回動可能となるようにベース部材7に連結され、第2リンク部材4は、第4回動軸RA4の回りで回動可能となるようにベース部材7に連結されている。また、第1回動軸RA1と第3回動軸RA3とは互いに平行となるように配置され、第2回動軸RA2と第4回動軸RA4とは互いに平行になるように配置されている。また、光軸方向から見た平面視において、第1回動軸RA1及び第3回動軸RA3のそれぞれと第2回動軸RA2及び第4回動軸RA4のそれぞれとは互いに直交するように配置されている。具体的には、光軸方向から見た平面視において、第1回動軸RA1と第2回動軸RA2とは、光軸JDの位置で互いに直交するように配置され、第3回動軸RA3と第4回動軸RA4とは、ベース部材7の左後側の角部の位置で互いに直交するように配置されている。また、第1回動軸RA1及び第2回動軸RA2は、それぞれ光軸方向と直交している。
レンズ保持部材2は、図5A、図8A、及び図10Aに示すように、一対の第1軸部2S(左側第1軸部2SL及び右側第1軸部2SR)と、一対の第2軸部2T(前側第2軸部2TF及び後側第2軸部2TB)とを有する。
第1リンク部材3は、図3Aに示すように、ベース部材7に回動可能に支持される一対の第3軸部3S(左側第3軸部3SL及び右側第3軸部3SR)が形成された第1基部3Bと、第1基部3Bに繋がり互いに対向する一対の第1腕部3A(左側第1腕部3AL及び右側第1腕部3AR)とを有する。そして、一対の第1腕部3Aのそれぞれの先端部には第1軸支部3H(左側第1軸支部3HL及び右側第1軸支部3HR)が形成されている。図5Aに示すように、左側第1軸支部3HLは、レンズ保持部材2に形成された左側第1軸部2SLを支持し、右側第1軸支部3HRは、レンズ保持部材2に形成された右側第1軸部2SRを支持している。そして、図3Aに示すように、左側第3軸部3SLは、ベース部材7の左後側の角部に形成された左側第3軸支部7HLによって支持され、右側第3軸部3SRは、ベース部材7の右後側の角部に形成された右側第3軸支部7HRによって支持されている。
第2リンク部材4は、図3Cに示すように、ベース部材7に回動可能に支持される一対の第4軸部4S(前側第4軸部4SF及び後側第4軸部4SB)が形成された第2基部4Bと、第2基部4Bに繋がり互いに対向する一対の第2腕部4A(前側第2腕部4AF及び後側第2腕部4AB)とを有する。そして、一対の第2腕部4Aのそれぞれの先端部には第2軸支部4H(前側第2軸支部4HF及び後側第2軸支部4HB)が形成されている。前側第2軸支部4HFは、レンズ保持部材2に形成された前側第2軸部2TF(図8A参照。)を支持し、後側第2軸支部4HBは、レンズ保持部材2に形成された後側第2軸部2TB(図10A参照。)を支持している。そして、図3Cに示すように、前側第4軸部4SFは、ベース部材7の左前側の角部に形成された前側第4軸支部7JFによって支持され、後側第4軸部4SBは、ベース部材7の左後側の角部に形成された後側第4軸支部7JBによって支持されている。
このように、レンズ保持部材2と第1リンク部材3とは、第1軸部2S及び第1軸支部3Hを介して連結されており、レンズ保持部材2と第2リンク部材4とは、第2軸部2T及び第2軸支部4Hを介して連結されている。
本実施形態では、第1軸支部3Hは、図4Bに示すように、前側(X1側)が開放されたU字形状の第1凹部UR1を有する。第1軸部2Sは、第1凹部UR1内に位置しており、第1凹部UR1の内底面と第1軸部2Sとの間に隙間D1を形成できるように構成されている。
第2軸支部4Hは、図5Aに示すように、右側(Y2側)が開放されたU字形状の第2凹部UR2を有する。第2軸部2Tは、第2凹部UR2内に位置しており、第2凹部UR2の内底面と第2軸部2Tとの間に隙間D2を形成できるように構成されている。
リンク機構LMは、レンズ保持部材2が光軸方向に沿って移動する際に隙間D1及び隙間D2のそれぞれの大きさが変化するように構成されている。光軸方向に沿ったレンズ保持部材2の移動の際にレンズ保持部材2の姿勢が変化してしまうのを抑制するためである。本実施形態では、リンク機構LMは、図4B及び図4Cに示すように、レンズ保持部材2が上方(Z1方向)に移動する際に隙間D1の大きさが小さくなるように構成されている。また、リンク機構LMは、図5A及び図5Bに示すように、レンズ保持部材2が上方(Z1方向)に移動する際に隙間D2の大きさが小さくなるように構成されている。
次に、図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、図8B、図9A、図9B、図10A、及び図10Bを参照し、案内機構GMの詳細について説明する。図6A及び図6Bは、カバー部材1が取り外された状態のレンズ駆動装置101の斜視図である。具体的には、図6Aは、レンズ保持部材2が最も下側(Z2側)に位置するときの様子を示し、図6Bは、レンズ保持部材2が最も上側(Z1側)に位置するときの様子を示す。図7A及び図7Bは、ベース部材7の全体の斜視図である。具体的には、図7Aは、ベース部材7の柱状部7Bに形成された固定側溝部7Gにボール5が設置されていないときの様子を示し、図7Bは、固定側溝部7Gにボール5が設置されているときの様子を示している。図8A及び図8Bは、案内機構GMの前方斜視図である。具体的には、図8Aは、レンズ保持部材2及びボール5が取り付けられたベース部材7の全体の斜視図である。図8Bは、図8Aに示す破線で囲まれた範囲R1の拡大図である。なお、図8Bでは、明瞭化のため、ベース部材7以外の部材の図示が省略されている。図9A及び図9Bは、案内機構GMの後方斜視図である。具体的には、図9Aは、ベース部材7に取り付けられたレンズ保持部材2の全体の斜視図である。図9Bは、図9Aに示す破線で囲まれた範囲R2の拡大図である。なお、図9Bでは、明瞭化のため、レンズ保持部材2以外の部材の図示が省略されている。図10A及び図10Bは、レンズ保持部材2の全体の斜視図である。具体的には、図10Aは、レンズ保持部材2の柱状部2Bに形成された可動側溝部2Gにボール5が設置されていないときの様子を示し、図10Bは、可動側溝部2Gにボール5が設置されているときの様子を示している。
図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、図8B、図9A、図9B、図10A、及び図10Bに示すように、案内機構GMは、左右方向(Y軸方向)において受け部材11を挟んで対向するように配置された右側案内部GMR及び左側案内部GMLを含む。具体的には、右側案内部GMRは、レンズ保持部材2の右側柱状部2BRに設けられた右可動側溝部2GR(図10A参照。)と、ベース部材7に設けられ右可動側溝部2GRと対向する右固定側溝部7GR(図7A参照。)と、右可動側溝部2GRと右固定側溝部7GRとの間に配置された右側ボール5R(図7B参照。)と、を有する。
具体的には、右固定側溝部7GRは、図7Aに示すように、二つの凹部7Vに分割されている。凹部7Vは、右上側凹部7VRU及び右下側凹部7VRDを含む。そして、右側ボール5Rは、図7Bに示すように、右上側凹部7VRUに収容される右上側ボール5RUと、右下側凹部7VRDに収容される右下側ボール5RDと、を含む。一方で、右可動側溝部2GRは、図10Aに示すように、二つの凹部には分割されておらず、光軸方向(Z軸方向)に連続して延びている。この構成により、右上側ボール5RU及び右下側ボール5RDは、レンズ保持部材2が光軸方向に沿って移動した場合であっても互いに接近することなく所定の間隔が空けられた状態で維持される。右上側ボール5RU及び右下側ボール5RDは、右上側凹部7VRU及び右下側凹部7VRDによって光軸方向における移動が制限されるためである。
同様に、左側案内部GMLは、レンズ保持部材2の左側柱状部2BLに設けられた左可動側溝部2GL(図10A参照。)と、ベース部材7に設けられ左可動側溝部2GLと対向する左固定側溝部7GL(図7A参照。)と、左可動側溝部2GLと左固定側溝部7GLとの間に配置された左側ボール5L(図7B参照。)と、を有する。
具体的には、左固定側溝部7GLは、図8Bに示すように、二つの凹部7Vに分割されている。凹部7Vは、左上側凹部7VLU及び左下側凹部7VLDを含む。そして、左側ボール5Lは、図7Bに示すように、左上側凹部7VLUに収容される左上側ボール5LUと、左下側凹部7VLDに収容される左下側ボール5LDと、を含む。一方で、左可動側溝部2GLは、図9Bに示すように、二つの凹部には分割されておらず、光軸方向(Z軸方向)に連続して延びている。この構成により、左上側ボール5LU及び左下側ボール5LDは、レンズ保持部材2が光軸方向に沿って移動した場合であっても互いに接近することなく図10Bに示されるような所定の間隔が空けられた状態で維持される。左上側ボール5LU及び左下側ボール5LDは、左上側凹部7VLU及び左下側凹部7VLDによって光軸方向における移動が制限されるためである。
上述のような案内機構GMを備えることにより、レンズ駆動装置101は、レンズ保持部材2を光軸方向に沿って滑らかに移動させることができる。また、上述のようなリンク機構LMを備えることにより、レンズ駆動装置101は、レンズ保持部材2が光軸方向に沿って移動する際にレンズ保持部材2が傾いてしまうのを抑制することができる。
次に、図11A、図11B、図12A、図12B、図13A~図13D、図14A~図14D、図15A、図15B、図16A、及び図16Bを参照し、圧電駆動部PDの詳細について説明する。図11A及び図11Bは、カバー部材1が取り外された状態のレンズ駆動装置101の斜視図である。具体的には、図11Aは、更に圧電駆動部PD及び付勢部材6が取り外された状態のレンズ駆動装置101の斜視図である。図11Bは、図11Aに示す破線で囲まれた範囲R3の拡大図である。図12A及び図12Bは、圧電駆動部PDの斜視図である。具体的には、図12Aは、圧電駆動部PDの全体の斜視図であり、図12Bは、圧電駆動部PDの分解斜視図である。図13A~図13Dは、付勢部材6の詳細図である。具体的には、図13Aは付勢部材6の斜視図であり、図13Bは付勢部材6の正面図であり、図13Cは付勢部材6の上面図であり、図13Dは付勢部材6の左側面図である。図14A~図14Dは、圧電駆動部PDが取り付けられた付勢部材6の詳細図であり、図13A~図13Dに対応している。具体的には、図14Aは、圧電駆動部PDが取り付けられた付勢部材6の斜視図であり、図13Aに対応している。図14Bは、圧電駆動部PDが取り付けられた付勢部材6の正面図であり、図13Bに対応している。図14Cは、圧電駆動部PDが取り付けられた付勢部材6の上面図であり、図13Cに対応している。図14Dは、圧電駆動部PDが取り付けられた付勢部材6の左側面図であり、図13Dに対応している。図15A及び図15Bは、接着剤ADを介して圧電駆動部PDが取り付けられた付勢部材6の図である。具体的には、図15Aは、図14Bに示す破線で囲まれた範囲R4の拡大図である。図15Bは、接着剤ADを介して圧電駆動部PDが取り付けられた付勢部材6の左側面図であり、図13D及び図14Dに対応している。図16A及び図16Bは、付勢部材6が取り付けられたベース部材7の図である。具体的には、図16Aは、付勢部材6が取り付けられたベース部材7の全体の斜視図である。図16Bは、図16Aに示す破線で囲まれた範囲R5の拡大上面図である。
本実施形態では、付勢部材6は、板ばね部材によって構成されている。具体的には、付勢部材6は、図13A~図13Dに示すように、ベース部材7に固定される固定部6Fと、圧電駆動部PDを支持する支持部6Sと、固定部6Fと支持部6Sとの間に設けられた弾性変形可能な弾性変形部6Eとを有する。
具体的には、固定部6Fは、左側固定部6FL及び右側固定部6FRを含み、支持部6Sは、左側支持部6SL及び右側支持部6SRを含む。そして、弾性変形部6Eは、左側固定部6FLと左側支持部6SLとの間に設けられた左側弾性変形部6ELと、右側固定部6FRと右側支持部6SRとの間に設けられた右側弾性変形部6ERと、を含む。
支持部6Sは、弾性変形部6Eに繋がる板状の基部6Bと、基部6BからL字状に折り曲げられてレンズ保持部材2が位置する側(X2側)に突出する折り曲げ部6Nとを有する。そして、折り曲げ部6Nの先端には凹部RS(図13D参照。)が形成されている。凹部RSは、レンズ保持部材2の位置する側が開放された凹部である。具体的には、基部6Bは、左側支持部6SLの一部である左側基部6BLと、右側支持部6SRの一部である右側基部6BRと、を含む。また、折り曲げ部6Nは、左側支持部6SLの一部である左側折り曲げ部6NLと、右側支持部6SRの一部である右側折り曲げ部6NRと、を含む。凹部RSは、左側折り曲げ部6NL及び右側折り曲げ部6NRのそれぞれの先端に同じ形状で且つ同じ大きさで形成されている。そして、圧電駆動部PDは、図14Dに示すように、一部が凹部RS内に位置するとともに、凹部RSの内縁部BEに接触した状態で、図15Bに示すように接着剤ADによって折り曲げ部6Nに固定されている。なお、図14Dでは、明瞭化のため、折り曲げ部6Nと圧電駆動部PD(回路基板10)との間に隙間が存在するように示されているが、実際には、折り曲げ部6Nと圧電駆動部PD(回路基板10)とは接触している。
より具体的には、凹部RSは、図14Dに示すように、内縁部BEを挟んで互いに対向する上側縁部UEと下側縁部DEとを有する。そして、圧電駆動部PDは、上側縁部UEと下側縁部DEとの間に配置されている。
凹部RSの内縁部BEと圧電駆動部PDとが接触する位置は、図12Aに示すように、曲げ振動を実現する圧電駆動部PDの節の位置NDに対応している。節の位置NDは、第1位置ND1及び第2位置ND2を含む。図12Aでは、明瞭化のため、節の位置NDには、クロスパターンが付されている。
凹部RSの内縁部BEと圧電駆動部PDとが接触する位置は、圧電駆動部PDの端部から所定の距離にある位置に対応している。所定の距離は、例えば、圧電駆動部PDの全長の略四分の一の距離である。すなわち、凹部RSの内縁部BEと圧電駆動部PDとが接触する位置の一つである第1位置ND1は、圧電駆動部PDの左端部LEから距離DX1のところに位置している。そして、距離DX1は、圧電駆動部PDの全長(Y軸方向における長さ)の略四分の一の距離である。同様に、凹部RSの内縁部BEと圧電駆動部PDとが接触する位置の別の一つである第2位置ND2は、圧電駆動部PDの右端部REから距離DX2のところに位置している。そして、距離DX2は、圧電駆動部PDの全長の略四分の一の距離である。
圧電駆動部PDと折り曲げ部6Nとは、図15A及び図15Bに示すように、接着剤ADによって固定されている。本実施形態では、接着剤ADは、紫外線硬化型の接着剤である。但し、接着剤ADは、湿気硬化型又は熱硬化型等の他のタイプの接着剤であってもよい。そして、接着剤ADは、折り曲げ部6Nの一面と圧電駆動部PDとの間、及び、折り曲げ部6Nの他面と圧電駆動部PDとの間に付着している。
具体的には、接着剤ADは、図12Aに示すように、回路基板10の前側(X1側)の表面における第1位置ND1及び第2位置ND2に塗布される。すなわち、接着剤ADは、第1位置ND1に塗布される接着剤ADと、第2位置ND2に塗布される接着剤ADと、を含む。その上で、付勢部材6は、折り曲げ部6Nの先端に設けられた凹部RSによって回路基板10の前面に塗布された接着剤ADが押し潰されるように回路基板10の前面に押し付けられる。
その結果、図15Aに示すように、第1位置ND1に塗布される接着剤ADは、左側折り曲げ部6NLの左側面と圧電駆動部PDとの間に付着する接着剤AD1Lと、左側折り曲げ部6NLの右側面と圧電駆動部PDとの間に付着する接着剤AD1Rとに分けられる。同様に、第2位置ND2に塗布される接着剤ADは、右側折り曲げ部6NRの左側面と圧電駆動部PDとの間に付着する接着剤AD2Lと、右側折り曲げ部6NRの右側面と圧電駆動部PDとの間に付着する接着剤AD2Rとに分けられる。
二つの弾性変形部6Eは、図13Aに示すように、対応する基部6Bから互いに離れる方向に延びる。具体的には、左側弾性変形部6ELは、左側基部6BLから左方(Y1方向)に延び、右側弾性変形部6ERは、右側基部6BRから右方(Y2方向)に延びる。また、弾性変形部6Eの延在方向は、図14Cに示すように、圧電素子8の延在方向であるY軸方向に沿っている。
弾性変形部6Eの延長線上には固定部6Fが設けられている。そして、固定部6Fは、図16Bに示すように、ベース部材7に設けられた挟持部7Cによって挟持されている。具体的には、挟持部7Cは、ベース部材7の上面から上方(Z1方向)に延びる円柱状の突起PLと、ベース部材7の角部に形成された平面視でL字状の角壁部CNと、を有する。付勢部材6の固定部6Fは、突起PLと角壁部CNとの間に上方から嵌め込まれることで、突起PLと角壁部CNとの間で挟持される。なお、挟持部7Cによる固定部6Fの挟持は、接着剤によって実現されてもよく、接着剤によって補強されてもよい。
本実施形態では、付勢部材6の基部6Bには、図13A及び図13Bに示すように、開口6Hが形成されている。具体的には、開口6Hは、左側支持部6SLの左側基部6BLに形成された左側開口6HLと、右側支持部6SRの右側基部6BRに形成された右側開口6HRと、を含む。左側開口6HLは、左側折り曲げ部6NLと圧電駆動部PDとの接続状態が前側(X1側)から視認可能となるように形成されている。接続状態は、例えば、接着剤AD1Lが適切に配置されているか否か等である。同様に、右側開口6HRは、右側折り曲げ部6NRと圧電駆動部PDとの接続状態が前側(X1側)から視認可能となるように形成されている。接続状態は、例えば、接着剤AD2Rが適切に配置されているか否か等である。
付勢部材6は、二つの基部6Bを連結する連結部6Cを有する。具体的には、付勢部材6は、図13A及び図13Bに示すように、左側基部6BLと右側基部6BRとを連結する上側連結部6CU及び下側連結部6CDを有する。
次に、図17A、図17B、図18、及び図19A~図19Cを参照し、レンズ駆動装置101の別の構成例であるレンズ駆動装置101Aについて説明する。図17A及び図17Bは、レンズ駆動装置101Aの斜視図である。具体的には、図17Aは、レンズ駆動装置101Aの全体の斜視図であり、図17Bは、カバー部材1が取り外された状態のレンズ駆動装置101Aの斜視図である。図18は、レンズ駆動装置101Aの分解斜視図である。
レンズ駆動装置101Aは、主に、パンタグラフ式リンク機構PLMを備える点で、非パンタグラフ式のリンク機構LMを備えるレンズ駆動装置101と異なるが、その他の点ではレンズ駆動装置101と共通している。そのため、以下では、共通部分の説明が省略され、相違部分が詳説される。
図19A~図19Cは、パンタグラフ式リンク機構PLMが取り付けられた状態のレンズ保持部材20の図である。具体的には、図19Aは、パンタグラフ式リンク機構PLMが取り付けられた状態のレンズ保持部材20の斜視図であり、図19B及び図19Cは、パンタグラフ式リンク機構PLMが取り付けられた状態のレンズ保持部材20の左側面図である。なお、図19A及び図19Bは、レンズ保持部材20が最も下側(Z2側)に位置するときの様子を示し、図19Cは、レンズ保持部材20が最も上側(Z1側)に位置するときの様子を示す。
レンズ駆動装置101Aは、図18に示すように、固定側部材FB及び可動側部材MBを含む。固定側部材FBは、カバー部材1及びベース部材70を含む。可動側部材MBは、レンズ保持部材20及びパンタグラフ式リンク機構PLMを含む。可動側部材MBは、案内機構GMにより、光軸方向に案内されるように構成されている。光軸方向は、レンズ体に関する光軸JDの方向、及び、光軸JDに平行な方向を含む。また、可動側部材MBは、圧電駆動部PDによって光軸方向に移動させられるように構成されている。
レンズ保持部材20は、レンズ体(図示せず。)を保持できるように構成されている。本実施形態では、レンズ保持部材20は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで作製されている。
パンタグラフ式リンク機構PLMは、規制機構の別の一例である。本実施形態では、パンタグラフ式リンク機構PLMは、第1リンク部材30及び第2リンク部材40を含む。そして、パンタグラフ式リンク機構PLMは、レンズ保持部材20とベース部材70との間に配置され、レンズ保持部材20が光軸方向へ移動する際の姿勢の変化を抑制できるように構成されている。
レンズ駆動装置101Aでは、第1リンク部材30及び第2リンク部材40は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで作製されている。具体的には、図19Aに示すように、第1リンク部材30は、第1回動軸RX1の回りで回動可能となるようにレンズ保持部材20に連結され、第2リンク部材40は、第2回動軸RX2の回りで回動可能となるようにレンズ保持部材20に連結されている。また、第1リンク部材30は、第3回動軸RX3の回りで回動可能となるようにベース部材70に連結され、第2リンク部材40は、第4回動軸RX4の回りで回動可能となるようにベース部材70に連結されている。また、第1リンク部材30と第2リンク部材40とは、第5回動軸RX5の回りで回動可能となるように互いに連結されている。また、第1回動軸RX1、第2回動軸RX2、第3回動軸RX3、第4回動軸RX4、及び第5回動軸RX5は、互いに平行となるように配置されており、光軸方向と直交している。
図18に示すように、第1リンク部材30とレンズ保持部材20とは、第1軸部30SB及び第1軸支部20HBを介して連結されている。具体的には、第1軸部30SBは、左側第1軸部30SBL及び右側第1軸部30SBRを含み、第1軸支部20HBは、左側第1軸支部20HBL及び右側第1軸支部20HBRを含む。そして、左側第1軸部30SBLは、左側第1軸支部20HBLにより、第1回動軸RX1(図19A参照。)の回りで回動できるように支持され、右側第1軸部30SBRは、右側第1軸支部20HBRにより、第1回動軸RX1の回りで回動できるように支持されている。
第2リンク部材40とレンズ保持部材20とは、第2軸部40SF及び第2軸支部20HFを介して連結されている。具体的には、第2軸部40SFは、左側第2軸部40SFL及び右側第2軸部40SFRを含み、第2軸支部20HFは、左側第2軸支部20HFL及び右側第2軸支部20HFRを含む。そして、左側第2軸部40SFLは、左側第2軸支部20HFLにより、第2回動軸RX2(図19A参照。)の回りで回動できるように支持され、右側第2軸部40SFRは、右側第2軸支部20HFRにより、第2回動軸RX2の回りで回動できるように支持されている。
具体的には、図19Bに示すように、第1軸支部20HBは、X2側(後側)が開放されたU字形状の第1凹部UR11を有する。そして、第1軸部30SBは、第1凹部UR11内に位置しており、第1凹部UR11の内底面と第1軸部30SBとの間に隙間D3が形成されるように構成されている。
第2軸支部20HFは、U字形状の凹部を含む長丸貫通孔TH11を有する。なお、長丸貫通孔TH11は、U字形状の凹部であってもよい。第2軸部40SFは、長丸貫通孔TH11内に位置しており、U字形状の凹部の内底面に相当する長丸貫通孔TH11の内周面の前側と第2軸部40SFとの間に隙間D4が形成されるように構成されている。
第1リンク部材30とベース部材70とは、第3軸部30SF及び第3軸支部70HFを介して連結されている。具体的には、図18に示すように、第3軸部30SFは、左側第3軸部30SFL及び右側第3軸部30SFRを含み、第3軸支部70HFは、左側第3軸支部70HFL及び右側第3軸支部70HFRを含む。そして、左側第3軸部30SFLは、左側第3軸支部70HFLにより、第3回動軸RX3(図19A参照。)の回りで回動できるように支持され、右側第3軸部30SFRは、右側第3軸支部70HFRにより、第3回動軸RX3の回りで回動できるように支持されている。
第2リンク部材40とベース部材70とは、第4軸部40SB及び第4軸支部70HBを介して連結されている。具体的には、図18に示すように、第4軸部40SBは、左側第4軸部40SBL及び右側第4軸部40SBRを含み、第4軸支部70HBは、左側第4軸支部70HBL及び右側第4軸支部70HBRを含む。そして、左側第4軸部40SBLは、左側第4軸支部70HBLにより、第4回動軸RX4(図19A参照。)の回りで回動できるように支持され、右側第4軸部40SBRは、右側第4軸支部70HBRにより、第4回動軸RX4の回りで回動できるように支持されている。
第1リンク部材30と第2リンク部材40とは、図18に示すように、第5軸部40SC及び第5軸支部30HCを介して連結されている。具体的には、第5軸部40SCは、左側第5軸部40SCL及び右側第5軸部40SCRを含み、第5軸支部30HCは、左側第5軸支部30HCL及び右側第5軸支部30HCRを含む。そして、左側第5軸部40SCLは、左側第5軸支部30HCLにより、第5回動軸RX5(図19A参照。)の回りで回動できるように支持され、右側第5軸部40SCRは、右側第5軸支部30HCRにより、第5回動軸RX5の回りで回動できるように支持されている。
このように、パンタグラフ式リンク機構PLMでは、レンズ保持部材20と第1リンク部材30とは、第1軸部30SB及び第1軸支部20HBを介して連結されており、レンズ保持部材20と第2リンク部材40とは、第2軸部40SF及び第2軸支部20HFを介して連結されている。また、ベース部材70と第1リンク部材30とは、第3軸部30SF及び第3軸支部70HFを介して連結されており、ベース部材70と第2リンク部材40とは、第4軸部40SB及び第4軸支部70HBを介して連結されている。更に、第1リンク部材30と第2リンク部材40とは、第5軸部40SC及び第5軸支部30HCを介して連結されている。
そして、パンタグラフ式リンク機構PLMは、レンズ保持部材20が光軸方向に沿って移動する際に隙間D3及び隙間D4のそれぞれの大きさが変化するように構成されている。光軸方向に沿ったレンズ保持部材20の移動の際にレンズ保持部材20の姿勢が変化してしまうのを抑制するためである。この例では、パンタグラフ式リンク機構PLMは、図19B及び図19Cに示すように、レンズ保持部材20が上方(Z1方向)に移動するにつれて隙間D3の大きさが小さくなるように、且つ、隙間D4の大きさが大きくなるように構成されている。
レンズ駆動装置101Aでは、センサ12は、ベース部材70ではなく、付勢部材6の一部に取り付けられている。具体的には、センサ12は、図17B及び図18に示すように、センサ12の前面(X1側の面)と付勢部材6の一部の後側(X2側の面)との間にセンサ用回路基板14を挟んだ状態で、付勢部材6に取り付けられている。
上述の通り、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101は、例えば図2に示すように、ベース部材7を含む固定側部材FBと、レンズ体を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2を固定側部材FBに対して光軸方向へ移動可能に案内する案内機構GMと、レンズ保持部材2を光軸方向へ移動させる、少なくとも圧電素子8を有して構成される圧電駆動部PDと、レンズ保持部材2と固定側部材FBとの間に配置され、レンズ保持部材2が光軸方向へ移動する際の姿勢の変化を抑制する規制機構としてのリンク機構LMと、を備えている。
この構成により、レンズ駆動装置101は、圧電素子8を利用した摩擦駆動によってレンズ保持部材2が光軸方向に移動させられるときのレンズ保持部材2の傾きを抑制できる。そのため、レンズ駆動装置101は、光軸JDが傾いてしまうのを抑制できる。この構成により、レンズ保持部材2は、例えば、水平状態を保ったままで、光軸方向に沿って移動できる。
リンク機構LMは、例えば図2に示すように、第1リンク部材3及び第2リンク部材4を有していてもよい。この場合、例えば図3Aに示すように、第1リンク部材3は、第1回動軸RA1の回りで回動可能となるようにレンズ保持部材2に連結され、第2リンク部材4は、第2回動軸RA2の回りで回動可能となるようにレンズ保持部材2に連結されていてもよい。また、第1リンク部材3は、第3回動軸RA3の回りで回動可能となるように固定側部材FBとしてのベース部材7に連結され、第2リンク部材4は、第4回動軸RA4の回りで回動可能となるように固定側部材FBとしてのベース部材7に連結されていてもよい。そして、光軸方向に沿うように見た平面視において、第1回動軸RA1と第2回動軸RA2とは互いに交差するように配置されていてもよい。図3Aに示す例では、平面視において、第1回動軸RA1と第2回動軸RA2とは互いに直交するように配置されている。また、第1回動軸RA1は、光軸方向と直交し、第2回動軸RA2は、光軸方向と直交している。
このように、レンズ駆動装置101は、二つのリンク部材による簡単な構成のリンク機構LMにより、レンズ保持部材2の姿勢の変化を規制することができる。
レンズ駆動装置101のリンク機構LMでは、図4Aに示すように、第1回動軸RA1と第3回動軸RA3とは互いに平行であり、第2回動軸RA2と第4回動軸RA4とは互いに平行である。また、第1回動軸RA1は光軸方向と直交し、第2回動軸RA2は光軸方向と直交している。すなわち、第1回動軸RA1は、光軸JDに対して垂直であり、第2回動軸RA2は光軸JDに対して垂直である。そして、光軸方向に沿って見た平面視において、第1回動軸RA1と第2回動軸RA2とは互いに直交している。
レンズ駆動装置101のリンク機構LMでは、図4Aに示すように、第1リンク部材3とレンズ保持部材2とは、第1軸部2S及び第1軸支部3Hを介して連結され、第2リンク部材4とレンズ保持部材2とは、第2軸部2T及び第2軸支部4Hを介して連結されている。この場合、第1軸支部3Hは、図4Bに示すように、前側(X1側)が開放されたU字形状の第1凹部UR1を有する。そして、第1軸部2Sは、第1凹部UR1内に位置し、第1凹部UR1の内底面と第1軸部2Sとの間に隙間D1を形成できるように構成される。また、第2軸支部4Hは、図5Aに示すように、右側(Y2側)が開放されたU字形状の第2凹部UR2を有する。そして、第2軸部2Tは、第2凹部UR2内に位置しており、第2凹部UR2の内底面と第2軸部2Tとの間に隙間D2を形成できるように構成される。
この構成により、リンク機構LMは、レンズ保持部材2が光軸方向に移動するときに、レンズ保持部材2が第1リンク部材3及び第2リンク部材4から不所望な力を受けてしまうのを抑制できる。
第1回動軸RA1と第2回動軸RA2とは、望ましくは、光軸方向における異なる位置(高さ)に位置するように構成されている。例えば、第1回動軸RA1と第2回動軸RA2とは、図5Aに示すように、光軸方向(Z軸方向)において間隔V1を空けて配置されている。
この構成により、レンズ駆動装置101は、レンズ保持部材2が光軸方向に移動する際に、第1リンク部材3と第2リンク部材4とが干渉してしまうのを防止できる。
レンズ駆動装置101では、第1リンク部材3は、ベース部材7に回動可能に支持される一対の第3軸部3Sを有し、第2リンク部材4は、ベース部材7に回動可能に支持される一対の第4軸部4Sを有する。そして、第3軸部3Sの一方である左側第3軸部3SLと第4軸部4Sの一方である後側第4軸部4SBとは、図3Aに示すように、ベース部材7の左後側の角部のところで、光軸方向において少なくとも一部が重なるように配置されている。
この構成は、第3軸部3Sと第4軸部4Sとが光軸方向において全く重ならないように配置される構成に比べ、レンズ駆動装置101の小型化を実現できる。具体的には、この構成は、レンズ駆動装置101のX軸方向における寸法及びY軸方向における寸法の少なくとも一方を小さくすることができる。
固定側部材FBとしてのベース部材7は、望ましくは、一対の第3軸部3Sを回動可能に支持する一対の第3軸支部7H(図3A参照。)と、一対の第4軸部4Sを回動可能に支持する一対の第4軸支部7J(図3C参照。)と、を有する。この場合、一対の第3軸支部7Hのそれぞれは、図3Bに示すように、上方を開放させた第3凹部UR3を有する。そして、図3Cに示すように、一対の第3軸支部7Hの一方である左側第3軸支部7HLの下側には、一対の第4軸支部7Jの一方である後側第4軸支部7JBが配置されている。後側第4軸支部7JBは、右側(Y2側)が開放された凹部によって構成されている。
この構成は、第3軸支部7Hと第4軸支部7Jとが光軸方向において全く重ならないように配置される構成に比べ、レンズ駆動装置101の小型化を実現できる。具体的には、この構成は、レンズ駆動装置101のX軸方向における寸法及びY軸方向における寸法の少なくとも一方を小さくすることができる。また、この構成は、第3軸支部7Hが上方を開放させた第3凹部UR3を有するため、第3軸支部7Hに対する第1リンク部材3の取り付けが容易になるという効果をもたらす。
レンズ駆動装置101では、第1リンク部材3は、図3Aに示すように、ベース部材7に回動可能に支持される一対の第3軸部3Sが形成された第1基部3Bと、第1基部3Bに繋がり互いに対向する一対の第1腕部3Aとを有するように構成されている。そして、一対の第1腕部3Aのそれぞれの先端部には第1軸支部3Hが形成されている。同様に、第2リンク部材4は、図3Cに示すように、ベース部材7に回動可能に支持される一対の第4軸部4Sが形成された第2基部4Bと、第2基部4Bに繋がり互いに対向する一対の第2腕部4Aとを有する。そして、一対の第2腕部4Aのそれぞれの先端部には第2軸支部4Hが形成されている。そして、レンズ保持部材2には、図5Aに示すように、一対の第1軸支部3Hによって支持される一対の第1軸部2Sと、一対の第2軸支部4Hによって支持される一対の第2軸部2Tとが形成されている。
この構成は、軸部を支持するための軸支部がレンズ保持部材2には形成されないという点において、レンズ保持部材2の形状を単純化できるという効果をもたらす。そのため、この構成は、レンズ保持部材2を射出成形する際に利用される金型の構造が複雑になってしまうのを抑制できる。
レンズ駆動装置101では、圧電駆動部PDは、図12A及び図12Bに示すように、圧電素子8の後側(X2側)に重ねられる接触部材9を含むように構成されている。なお、圧電素子8の後側は、図11Aに示すように、レンズ保持部材2に対向する側である。そして、圧電素子8及び接触部材9のそれぞれは、図11Aに示すように、一対の第1軸部2Sの軸線である第1回動軸RA1の方向(Y軸に平行な方向)に延在しており、接触部材9の下側には、一対の第2軸部2Tの一方である前側第2軸部2TFの少なくとも一部が配置されている。
この構成は、接触部材9の下側に第2軸部2Tが配置されない構成に比べ、レンズ駆動装置101の小型化を実現できる。具体的には、この構成は、レンズ駆動装置101のX軸方向における寸法及びY軸方向における寸法の少なくとも一方を小さくすることができる。
図17A及び図17Bに示すレンズ駆動装置101Aでは、第1リンク部材30及び第2リンク部材40を有するパンタグラフ式リンク機構PLMが規制機構として採用されている。そして、パンタグラフ式リンク機構PLMでは、図19A~図19Cに示すように、第1リンク部材30は、第1回動軸RX1の回りで回動可能となるようにレンズ保持部材20に連結され、第2リンク部材40は、第2回動軸RX2の回りで回動可能となるようにレンズ保持部材20に連結されている。また、第1リンク部材30は、第3回動軸RX3の回りで回動可能となるようにベース部材70に連結され、第2リンク部材40は、第4回動軸RX4の回りで回動可能となるようにベース部材70に連結されている。更に、第1リンク部材30及び第2リンク部材40は、第5回動軸RX5の回りで回動可能となるように互いに連結されている。そして、第1回動軸RX1、第2回動軸RX2、第3回動軸RX3、第4回動軸RX4、及び第5回動軸RX5は、互いに平行となり、且つ光軸方向に垂直となるように配置されている。
この構成により、レンズ駆動装置101Aは、レンズ駆動装置101と同様に、圧電素子8を利用した摩擦駆動によってレンズ保持部材20が光軸方向に移動する際のレンズ保持部材20の傾きを抑制できる。そのため、レンズ駆動装置101Aは、光軸JDが傾いてしまうのを抑制できる。この構成により、レンズ保持部材20は、例えば、水平状態を保ったままで、光軸方向に沿って移動できる。
具体的には、レンズ駆動装置101Aのパンタグラフ式リンク機構PLMでは、図19A~図19Cに示すように、第1リンク部材30とレンズ保持部材20とは、第1軸部30SB及び第1軸支部20HBを介して連結され、第2リンク部材40とレンズ保持部材20とは、第2軸部40SF及び第2軸支部20HFを介して連結されている。この場合、第1軸支部20HBは、図19Bに示すように、後側(X2側)が開放されたU字形状の第1凹部UR11を有する。そして、第1軸部30SBは、第1凹部UR11内に位置し、第1凹部UR11の内底面と第1軸部30SBとの間に隙間D3を形成できるように構成される。また、第2軸支部20HFは、図19Bに示すように、U字形状の凹部を含む長丸貫通孔TH11を有する。そして、第2軸部40SFは、長丸貫通孔TH11内に位置しており、U字状の凹部の内底面に相当する長丸貫通孔TH11の内周面の前側と第2軸部40SFとの間に隙間D4を形成できるように構成される。
この構成により、パンタグラフ式リンク機構PLMは、リンク機構LMと同様に、レンズ保持部材20が光軸方向に移動するときに、レンズ保持部材20が第1リンク部材30及び第2リンク部材40から不所望な力を受けてしまうのを抑制できる。
なお、レンズ駆動装置101では、圧電駆動部PDは、図1Bに示すように、付勢部材6によってレンズ保持部材2の側である後側(X2側)へ付勢されており、レンズ保持部材2には、付勢部材6による付勢力を受けた圧電駆動部PDと接触する受け部材11が取り付けられている。また、レンズ駆動装置101Aでは、圧電駆動部PDは、図17Bに示すように、付勢部材6によってレンズ保持部材20の側である後側(X2側)へ付勢されており、レンズ保持部材20には、付勢部材6による付勢力を受けた圧電駆動部PDと接触する受け部材11(図18参照。)が取り付けられている。
この構成は、合成樹脂製のレンズ保持部材2又はレンズ保持部材20が圧電駆動部PDと接触することによって摩耗してしまうのを防止できる。この構成では、圧電駆動部PDは、レンズ保持部材2又はレンズ保持部材20よりも摩耗し難い受け部材11と接触するように配置されているためである。
レンズ駆動装置101では、案内機構GMは、図6Aに示すように、Y軸方向において受け部材11を挟んで互いに対向するように配置された二つの案内部(左側案内部GML及び右側案内部GMR)を有する。そして、左側案内部GML及び右側案内部GMRのそれぞれは、レンズ保持部材2に設けられた第1溝部としての可動側溝部2G(図10A参照。)と、ベース部材7に設けられ可動側溝部2Gと対向する第2溝部としての固定側溝部7G(図7A参照。)と、可動側溝部2Gと固定側溝部7Gとの間に配置されたボール5と、を有する。そして、可動側溝部2Gは、図9Bに示すように、光軸方向に延びるように形成されている。固定側溝部7Gは、図8Bに示すように、ボール5が光軸方向に移動しないように、二つの凹部7Vに分割されている。レンズ駆動装置101Aにおいても同様である。なお、案内機構GMは、固定側溝部7Gが光軸方向に延びるように、且つ、可動側溝部2Gが複数の凹部に分割されるように構成されていてもよい。或いは、案内機構GMは、可動側溝部2G及び固定側溝部7Gのそれぞれが光軸方向に延びるように構成されていてもよい。
このように構成された案内機構GMは、付勢部材6による付勢力によって、レンズ保持部材2の筒状部2Cが変形してしまうのを抑制できる。案内機構GM及び付勢部材6は何れもレンズ保持部材2の片側(X1側)に配置されているためである。すなわち、案内機構GMと付勢部材6とでレンズ保持部材2の筒状部2Cが挟み込まれてしまうことがないためである。
また、上述のように、可動側溝部2G及び固定側溝部7Gの少なくとも一方は、少なくとも二つの凹部に分割されていてもよい。この場合、ボール5は、少なくとも二つの凹部のうちの一つに収容される第1ボールと、少なくとも二つの凹部のうちの別の一つに収容される第2ボールと、を含む。
レンズ駆動装置101では、図7Aに示すように、左固定側溝部7GLは、左上側凹部7VLU及び左下側凹部7VLDに分割され、右固定側溝部7GRは、右上側凹部7VRU及び右下側凹部7VRDに分割されている。そして、ボール5は、図7Bに示すように、左上側凹部7VLUに収容される左上側ボール5LUと、左下側凹部7VLDに収容される左下側ボール5LDと、右上側凹部7VRUに収容される右上側ボール5RUと、右下側凹部7VRDに収容される右下側ボール5RDと、を含む。
この構成は、左可動側溝部2GLと左固定側溝部7GLとの間に挟持される左上側ボール5LUと左下側ボール5LDとの間の間隔が小さくなってしまうのを防止できる。同様に、この構成は、右可動側溝部2GRと右固定側溝部7GRとの間に挟持される右上側ボール5RUと右下側ボール5RDとの間の間隔が小さくなってしまうのを防止できる。そのため、この構成は、レンズ保持部材2が光軸方向に移動する際に、レンズ保持部材2が傾いてしまうのをより確実に抑制できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
例えば、上述の実施形態では、レンズ保持部材2は、軸部(第1軸部2S及び第2軸部2T)を有し、軸支部を有さないように構成されているが、軸支部を有するように構成されていてもよい。この場合、第1リンク部材3は、その軸支部に対応する軸部を有するように構成されていてもよい。第2リンク部材4についても同様である。
また、上述の実施形態では、ベース部材7は、軸支部(第3軸支部7H及び第4軸支部7J)を有し、軸部を有さないように構成されているが、軸部を有するように構成されていてもよい。この場合、第1リンク部材3は、その軸部に対応する軸支部を有するように構成されていてもよい。第2リンク部材4についても同様である。
また、上述の実施形態では、第1軸部2Sは、左側第1軸部2SL及び右側第1軸部2SRを有するように、すなわち、一対の軸部を有するように構成されているが、軸部と軸支部の組み合わせで構成されていてもよい。例えば、第1軸部2Sは、左側第1軸部2SLと右側第1軸支部(図示せず。)とを有するように構成されていてもよい。この場合、第1軸支部3Hは、左側第1軸支部3HLと右側第1軸部(図示せず。)とを有するように構成されていてもよい。第2軸部2T、第2軸支部4H、第3軸部3S、第3軸支部7H、第4軸部4S、及び第4軸支部7Jについても同様である。
また、上述の変形は、レンズ駆動装置101Aにおけるレンズ保持部材20、第1リンク部材30、第2リンク部材40、及びベース部材70にも同様に適用され得る。
また、可動側溝部2Gと固定側溝部7Gとの間に配置される一組のボール5の数は、三つ以上であってもよく、一つであってもよい。例えば、レンズ駆動装置101Aでは、図18に示すように、右可動側溝部2GRと右固定側溝部7GRとの間に配置される右側ボール5Rは二つ(右上側ボール5RU及び右下側ボール5RD)であるが、左可動側溝部2GLと左固定側溝部7GLとの間に配置される左側ボール5Lは一つである。
本願は、2021年1月26日に出願した日本国特許出願2021-010630号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本願に参照により援用する。