JP7405406B2 - ピストンポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、斜板式のアキシャルピストンポンプに関し、特に、ポンプの小型化や流体圧回路の簡略化に適した構造のピストンポンプに関する。
斜板式のアキシャルピストンポンプでは、回転軸と一体に回転するシリンダブロックの各シリンダ内に、往復動可能なピストンを設け、回転軸の回転に伴ってピストンを斜板の傾き度合いに応じたストロークで往復動させるようにすると共に、シリンダブロックの端面をケーシングに設けた弁板に摺接させ、弁板に設けた吸入ポートと吐出ポートに、シリンダブロック端面の各シリンダに通じるシリンダポートを、ピストンの往復動に合ったタイミングで連通させるようにして、これらシリンダポートと吸入ポート又は吐出ポートを介して、シリンダを流体圧回路の作動流体の低圧側管路又は高圧側管路に接続し、ピストンの往復動に基づく作動流体の吸入又は吐出を実行可能とする仕組みを有していた。
こうした従来のピストンポンプの一例として、実用新案登録第2553032号公報に開示されるものがある。
実用新案登録第2553032号公報
従来の斜板式のアキシャルピストンポンプは、前記特許文献に示されるように、ピストンとシリンダブロックが一体となって回転軸と共に回転することで、ピストンが往復動し、吸入通路(入口)からの作動油が吐出通路(出口)に圧送されるポンプとして作動する仕組みを有しており、通常はリリーフ弁や方向切換弁などの付加装置と組み合わせて油圧回路に用いられる。
こうしたピストンポンプの適用分野は年々広がりを見せており、用いられる様々な状況に合わせる形で、ポンプの小型化や、ポンプを含む流体圧回路全体の簡略化による、省スペース化、低コスト化が強く求められるようになっている。
流体圧回路の簡略化、低コスト化のために、流体圧で作動するアクチュエータとポンプとを直結することは、容易に考えられ、従来にも数多く提案されているが、以下のような問題があった。
従来のピストンポンプを用いる流体圧回路で、簡略化のためにリリーフ弁や方向切換弁などの付加装置を使用せず、アクチュエータと直結した場合、例えば、流体圧シリンダなどのアクチュエータが作動範囲の終端に達するなどして、作動流体の流通が滞ると、作動し続けるポンプによりポンプ吐出側の作動流体圧力が上昇していく。しかし、流体圧回路にリリーフ弁など圧力を逃がす機構が存在しないことで、ポンプが送出する作動流体の圧力はポンプや回路の許容値を超えて過剰に高くなり得るため、流体圧回路やポンプ自体の破損を招くおそれがある。
また、こうした場合にポンプの小型化も図ると、小型化する分ポンプの機械的強度も低下して、作動流体の圧力に対する許容範囲が小さくなり、よりポンプが破損しやすくなることが予想される。
このような点から、従来のピストンポンプの場合、リリーフ弁等の付加装置を用いない簡略な流体圧回路の導入やポンプの小型化により、流体圧回路全体の省スペース化を図ることは難しく、ポンプを含む流体圧回路の省スペース化、低コスト化には限度があるという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、ポンプ吐出側の圧力が限度を超えて高くなるとポンプ内で圧力を逃がすようにして、過剰な圧力上昇とそれに伴う悪影響を回避して、無理なく小型化や適用される流体圧回路の簡略化が図れる、ピストンポンプを提供することを目的とする。
本発明の開示に係るピストンポンプは、回転軸と、当該回転軸の周囲に回転軸の軸線に対し略平行且つ回転対称として配置される複数のシリンダを有するシリンダブロックと、当該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿入配設され、シリンダから一端部を突出させるピストンと、各ピストンの一端部と対向させて配設され、各ピストンの一端部と接する斜板部と、前記回転軸の一部、シリンダブロック、ピストン、及び斜板部を内部に収めつつ、回転軸及びシリンダブロックを回転可能に支持するハウジングとを備える、アキシャル型のピストンポンプにおいて、前記回転軸が、一端部をハウジングの外に位置させる一方、他端部をハウジングの内部に位置させ、前記シリンダブロックが、前記ピストン一端部の突出する側とは反対側の端部に、各シリンダとそれぞれ連通する複数のシリンダポートを設けられると共に、中心部に穴を設けられ、当該穴に前記回転軸の他端部を挿入して回転軸と連結され、回転軸と一体に回転可能とされ、前記回転軸の軸線方向について、前記シリンダブロックの中心部の穴底部と回転軸の他端部との間に、弾性変形可能な移動制御片が介設され、前記ハウジングが、前記シリンダブロックの各シリンダポートに間欠的に連通可能な略弧状の吸入ポート及び吐出ポートをそれぞれ設けられる弁板部を有し、当該弁板部の端面に、シリンダブロック端部を摺接させつつ支持し、前記吸入ポートに外部の流体圧回路の低圧側管路を、前記吐出ポートに前記流体圧回路の高圧側管路をそれぞれ接続されてなり、ポンプとして前記吐出ポートから前記高圧側管路に送出する作動流体の圧力が過剰に高くなると、作動流体からシリンダブロックに加わる圧力に基づく回転軸の軸線方向の力により前記移動制御片が弾性変形して、回転軸に対するシリンダブロックの回転軸の軸線方向への相対移動を許容し、シリンダブロックをハウジングの弁板部から離隔させるものである。
このように本発明の開示によれば、ハウジングに収められるシリンダブロックが、回転軸の軸線方向におけるこのシリンダブロックの一部と回転軸の一部との間に弾性変形可能な移動制御片を介設されて、ポンプとして送出する作動流体の圧力が過剰に高い場合には、作動流体からシリンダブロックを介して加わる力で移動制御片が弾性変形して、回転軸に対するシリンダブロックの回転軸軸線方向への相対移動を許容し、移動したシリンダブロックがハウジングの弁板部から離隔して、弁板部とシリンダブロックとの間に隙間が生じることにより、この隙間を経由して、弁板部の吐出ポートと吸入ポートとが連通可能となり、高圧側管路に通じる吐出ポートにおける作動流体の高い圧力が、低圧側管路に通じる吸入ポートに逃げる状態を得ることができ、ポンプの作動が継続しても、ポンプの吐出側や流体圧回路における作動流体の圧力が過度に上昇するのをポンプ単独で阻止できることとなり、流体圧回路に作動流体の圧力上昇に対応する安全装置等を設けない簡略な回路構成を採用でき、流体圧回路の低コスト化が図れる。また、ポンプについて機械的強度の低下を伴うような小型化を図っても、作動流体の過大な圧力に起因する破損等の悪影響を回避でき、ポンプの小型化と流体圧回路の簡略化による省スペース化を実現できる。
また、本発明の開示に係るピストンポンプは、回転軸と、当該回転軸の周囲に回転軸の軸線に対し略平行且つ回転対称として配置される複数のシリンダを有するシリンダブロックと、当該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿入配設され、シリンダから一端部を突出させるピストンと、各ピストンの一端部と対向させて配設され、各ピストンの一端部と接する斜板部と、前記回転軸の一部、シリンダブロック、ピストン、及び斜板部を内部に収めつつ、回転軸及びシリンダブロックを回転可能に支持するハウジングとを備えるアキシャル型のピストンポンプにおいて、前記シリンダブロックが、前記ピストン一端部の突出する側とは反対側の端部に、各シリンダとそれぞれ連通する複数のシリンダポートを設けられると共に、回転軸と一体に回転可能とされ、前記ハウジングが、前記シリンダブロックの各シリンダポートに間欠的に連通可能な略弧状の吸入ポート及び吐出ポートをそれぞれ設けられる弁板部を有し、当該弁板部の端面に、シリンダブロック端部を摺接させつつ支持し、前記吸入ポートに外部の流体圧回路の低圧側管路を、前記吐出ポートに前記流体圧回路の高圧側管路をそれぞれ接続され、前記回転軸が、当該回転軸の軸線方向について、回転軸の一部と前記ハウジングの一部との間に、弾性変形可能な移動制御片を少なくとも介設された状態で、ハウジングに回転可能に支持されてなり、ポンプとして前記吐出ポートから前記高圧側管路に送出する流体の圧力が過剰に高くなると、流体からシリンダブロックに加わる圧力に基づく回転軸の軸線方向の力により前記移動制御片が弾性変形して、少なくともシリンダブロック及び回転軸のハウジングに対する回転軸の軸線方向への相対移動を許容し、シリンダブロックをハウジングの弁板部から離隔させるものである。
このように本発明の開示によれば、回転軸の軸線方向において、ハウジングに収められる回転軸の一部とハウジングの一部との間に弾性変形可能な移動制御片が介設され、ポンプとして送出する作動流体の圧力が過剰に高い場合には、作動流体からシリンダブロックと回転軸を介して加わる力で移動制御片が弾性変形して、ハウジングに対する回転軸の軸線方向への相対移動を許容し、この回転軸と一体に移動するシリンダブロックがハウジングの弁板部から離隔して、弁板部とシリンダブロックとの間に隙間が生じることにより、この隙間を経由して、弁板部の吐出ポートと吸入ポートとが連通可能となり、高圧側管路に通じる吐出ポートにおける作動流体の高い圧力が、低圧側管路に通じる吸入ポートに逃げる状態を得ることができ、ポンプの作動が継続しても、ポンプの吐出側や流体圧回路における作動流体の圧力が過度に上昇するのをポンプ単独で阻止できることとなり、流体圧回路に作動流体の圧力上昇に対応する安全装置等を設けない簡略な回路構成を採用でき、流体圧回路の低コスト化が図れる。また、ポンプについて機械的強度の低下を伴うような小型化を図っても、作動流体の過大な圧力に起因する破損等の悪影響を回避でき、ポンプの小型化と流体圧回路の簡略化による省スペース化を実現できる。
また、本発明の開示に係るピストンポンプは必要に応じて、一端部を閉止された蛇腹管状に形成され、前記シリンダブロックの各シリンダ内における前記ピストンとシリンダポートとの間に、開口する他端部側をシリンダポート側に向けて配設される伸縮可能なライナー部を備え、当該ライナー部が、あらかじめ回転軸の軸線方向に縮められる弾性変形を伴って、ピストン他端部とシリンダブロックのシリンダポート周囲部分との間に介在し、弾性復元力でピストンをシリンダから突出する側に付勢するものである。
このように本発明の開示によれば、シリンダブロックの各シリンダ内に伸縮可能な蛇腹管状のライナー部を設け、このライナー部をピストン他端部とシリンダブロックのシリンダポート周囲部分との間に介在させて、ピストンの往復動に伴ってライナー部も伸縮変形し、その内容積をシリンダ同様に変化させるようにすることにより、ピストンの往復動に伴ってシリンダ内に出入りしようとする作動流体が、シリンダポート側に向けられたライナー部の開口端を通じて、主にライナー部に対し流入出する状態となり、ピストンのシリンダ内部空間を外部から隔離する役割をライナー部が代わりに担って、ピストンとシリンダとの間の隙間を厳密に管理せずに済むこととなり、仮にピストンとシリンダ間に隙間があっても、この隙間からの作動流体の漏れが生じにくいことで、ポンプの小型化でピストンとシリンダ間の隙間の精度が維持できない状態となっても問題はなく、ポンプの小型化による省スペース化が実現可能となる。
また、あらかじめ回転軸の軸線方向に縮められたライナー部でピストンをシリンダから突出する側に付勢することで、ピストン一端部の斜板部に接する状態を無理なく維持でき、ピストンをより滑らかに往復動させて作動流体の送出を確実且つスムーズに実行させられる。
また、本発明の開示に係るピストンポンプは必要に応じて、前記ライナー部が、閉じた一端部から突出する凸部を設けられてなり、前記ピストンが、他端部に凹部を穿設され、前記シリンダ内で、ライナー部の凸部とピストンの凹部が係合するものである。
このように本発明の開示によれば、ライナー部の閉じた一端部に設けられた凸部を、ピストンの他端部に穿設された凹部に係合させて、シリンダ内でライナー部の一端部とピストンの他端部とが互いにずれにくい状態とすることにより、ピストンの往復動にライナー部の伸縮変形を確実に追随させて、ピストンの動きに応じた作動流体の流入出状態が得られ、作動流体をスムーズに送出できると共に、ピストン他端部に対しライナー部の一端部が横にずれて、このずれたライナー部がシリンダ内周面に偏った状態で摺接するような事態を避けることができ、ライナー部の偏摩耗による劣化や破損を防止できる。
本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプの斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプを適用する流体圧回路の概略説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプの平面図である。 図3のA-A概略断面図である。 図3のB-B概略断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプにおけるハウジング内部の機構の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプにおける内部機構の分解状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプにおけるライナー部とピストンの分離状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプにおけるシリンダブロックと弁板部の離隔状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプにおける吐出ポートと吸入ポートとの連通状態説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るピストンポンプの概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るピストンポンプにおけるシリンダブロックと弁板部の離隔状態説明図である。 本発明の他の実施形態に係るピストンポンプの概略断面図である。 本発明の他の実施形態に係るピストンポンプにおけるシリンダブロックと弁板部の離隔状態説明図である。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るピストンポンプを前記図1ないし図10に基づいて説明する。本実施形態においては、所定の流体圧回路に接続されて、作動流体を送出する小型のピストンポンプの例について説明する。
前記各図において本実施形態に係るピストンポンプ1は、駆動源である電動機60により回転駆動される回転軸10と、この回転軸10の周囲に配置される複数のシリンダ21を有するシリンダブロック20と、このシリンダブロック20の各シリンダ21に挿入配設されるピストン30と、各ピストン30の一端部と接する斜板部51と、回転軸10及びシリンダブロック20を回転可能に支持するハウジング50と、シリンダブロック20の各シリンダ21内に配設される蛇腹管状のライナー部40とを備える構成である。
なお、本実施形態に係るピストンポンプ1における作動流体を送出する基本的な仕組みについては、公知の斜板式のアキシャルピストンポンプと同様に、回転軸10の回転に伴って各ピストン30を斜板部51の傾き度合いに応じたストロークで往復動させるようにすると共に、ハウジング50側の弁板部54に設けた吸入ポート54aと吐出ポート54bを介して、各シリンダ21を順次流体圧回路80の低圧側管路81又は高圧側管路82に連通させ、各ピストン30の往復動に基づく作動流体の吸入又は吐出を継続的に実行させるものであり、詳細な説明を省略する。
前記回転軸10は、金属又は樹脂製の軸状体として形成され、軸中間部を軸受部11によりハウジング50に回転可能に支持される構成である。この回転軸10は、ハウジング50の外に位置する一端部を、所定の連結用部材を介して電動機60の出力軸に一体に回転可能として連結される一方、ハウジング50の内部に位置する他端部を、シリンダブロック20に一体に回転可能として連結される。
この他、回転軸15中間で鍔状に突出する拡径部12が、軸受部11における回転軸15の軸線方向の端部と接してこれに支持されることで、回転軸15はその軸線方向について不要な動きを生じないように支持される仕組みとなっている。
前記シリンダブロック20は、樹脂製の円柱状体における中心軸線の周りにシリンダ21を生じさせる円断面形状の穴を複数設けられると共に、中心部に回転軸10の他端部を連結させる穴を設けられる構成である(図4、図5、図7参照)。シリンダブロック20におけるシリンダ21は、シリンダブロック20を回転軸10と連結した状態で、回転軸10の周囲に回転軸10の軸線に対し平行且つ回転対称となるようにして配置される。
このシリンダブロック20の各シリンダ21に、前記ピストン30がそれぞれシリンダ21から一端部を突出させた状態で挿入配設されることとなる(図4、図5、図6参照)。
そして、シリンダブロック20は、ピストン30の一端部の突出する側とは反対側の端部に、各シリンダ21とそれぞれ連通する貫通孔である複数のシリンダポート22を設けられる(図6参照)。
この他、シリンダブロック20は、中心部の穴に回転軸10の他端部を挿入して回転軸10と連結され、回転軸10と一体に回転可能とされる一方、例えば公知のスプライン軸とスプライン穴との結合方式を用いるなどして、回転軸10に対しその軸線方向への相対移動を許容される仕組みである。また、シリンダブロック20中心部の穴底部と回転軸10の他端部との間には、弾性変形可能な弾性材製の移動制御片17が配設されており、回転軸10の軸線方向について、回転軸10の他端部とシリンダブロック20の中心部との間に移動制御片17を介設した状態となっている(図4、図5参照)。
前記ピストン30は、樹脂製の円柱状体として形成され、シリンダブロック20の各シリンダ21に往復動可能に挿入配設される構成である。ピストン30は、一端部に他の物体との接触を円滑にするための金属製又は樹脂製の球体31が転動可能に埋め込み配設され、この一端部をシリンダ21から突出させた状態とされている。また、ピストン30の他端部には所定深さの凹部32が設けられる(図4、図5、図8参照)。
このピストン30他端部とシリンダブロック20のシリンダポート22との間となるシリンダ21内には、ライナー部40が配設される。
前記ハウジング50は、略箱状の容器形態とされて、回転軸10の一部、シリンダブロック20、ピストン30、及び斜板部51を内部に収めつつ、回転軸10及びシリンダブロック20を回転可能に支持するものである。
このハウジング50の内側に、回転軸10の軸線方向に対し所定の向きに傾いたリング状の平面とされる前記斜板部51が、各ピストン30の一端部と対向させてハウジング50と一体に配設される構成である(図4、図6参照)。この斜板部51は、シリンダブロック20から離隔した部位に位置して、各ピストン30の一端部の球体31と接することとなる。
また、ハウジング50は、斜板部51のある側とは反対側の内部に、シリンダブロック20の各シリンダポート22に間欠的に連通可能な略弧状の吸入ポート54a及び吐出ポート54bをそれぞれ設けられる弁板部54を有する(図3、図4、図5参照)。ハウジング50は、この弁板部54の端面に、シリンダブロック20端部を摺接させつつ、シリンダブロック20を回転可能に支持する。弁板部54の端面は、平面の場合と比べて性能の安定性の面で優れていることが知られている球面とされ、これと摺接するシリンダブロック20の端部も、弁板部54側に対応する球面状とされる。
この他、ハウジング50は、吸入ポート54aに連通する管状の入口部52を外方に突出状態で設けられると共に、吐出ポート54bに連通する管状の出口部53を同様に外方に突出状態で設けられる(図1、図3参照)。そして、入口部52に外部の流体圧回路80の低圧側管路81を接続されると共に、出口部53に流体圧回路80の高圧側管路82を接続される仕組みである(図2参照)。
前記ライナー部40は、一端部を閉止された蛇腹管状に形成され、管長手方向に伸縮変形可能とされて、シリンダブロック20の各シリンダ21内におけるピストン30とシリンダポート22との間に、開口する他端部側をシリンダポート22側に向けて配設される構成である(図4、図5参照)。
このライナー部40は、あらかじめ回転軸10の軸線方向に縮められる弾性変形を伴って、ピストン30他端部とシリンダブロック20のシリンダポート22周囲部分との間に介在し、元の形状に復元しようとする弾性力によりピストン30をシリンダ21から突出する側に付勢する仕組みである。
このライナー部40によるピストン30の付勢により、ピストン30の一端部が斜板部51に接する状態を維持可能としている。
また、ライナー部40は、閉じた一端部から所定長さ突出する凸部41を設けられ、シリンダ21内で、この凸部41とピストン30他端部の凹部32が係合する(図4、図5、図8参照)。
なお、ライナー部40の他端部の開口縁には、シリンダブロック20のシリンダポート22周囲部分に密着してシール性を向上させる、柔軟性のあるくさび状断面形状のリップ部を設けるようにしてもよい。
次に、本実施形態に係るピストンポンプにおける作動状態について説明する。前提として、ピストンポンプ1は駆動源である電動機60から駆動力を得て作動し、圧力源として所定圧力の作動流体を流体圧シリンダ等のアクチュエータ70に直結された流体圧回路80の高圧側管路82に向けて継続的に送出可能とされ、且つアクチュエータ70を出た作動流体を流体圧回路80の低圧側管路81を通じて継続的に受入可能とされるものとする。
駆動源である電動機60が作動すると、その出力軸に連結された回転軸10及びシリンダブロック20が回転する。シリンダブロック20のシリンダ21から突出するピストン30の一端部は、シリンダ21内のライナー部40の弾性力によって斜板部51に押し付けられている。
この斜板部51が回転軸10の軸線方向に対し傾いているため、シリンダブロック20と共に回転軸10の軸線周りに回転するピストン30は、その一端部が斜板部51に沿って移動しながら回転するのに伴い、ピストン30はシリンダブロック20に対し回転軸10の軸線方向に往復動する。斜板部51に対する一回転でピストン30は一往復することとなる。
シリンダブロック20及びピストン30の回転において、ピストン30の一端部が、接触する斜板部51上でシリンダブロック20から遠ざかる向きに案内されて、ピストン30がシリンダ21から進出していくと、シリンダ21の内容積が拡大し、その内部のライナー部40も伸長変形してその内容積を拡大させる。そして、この時、内容積を拡大させているシリンダ21のシリンダポート22は、同じく拡大したライナー部40内側の空間部分に通じる一方、ハウジング50における弁板部54の吸入ポート54aに面してこれと連通する状態にある。これにより、ハウジング50における弁板部54の吸入ポート54a、及び、シリンダブロック20のシリンダポート22を通じて、流体圧回路80の低圧側管路81から作動流体がシリンダ21内、すなわちライナー部40内側の空間部分に吸引されて流入する。
他方、回転に伴う斜板部51との相対位置関係の変化により、ピストン30の一端部が、接触する斜板部51上でシリンダブロック20に近付く向きに案内されて、ピストン30のシリンダ21からの進出量が小さくなる、すなわち、ピストン30がシリンダ21側に後退すると、シリンダ21の内容積は縮小する。この場合、シリンダ21の内部のライナー部40も縮長変形してその内容積を縮小させる。そして、この時、内容積が縮小したシリンダ21のシリンダポート22は、同じく縮小したライナー部40内側の空間部分に通じる一方、ハウジング50における弁板部54の吐出ポート54bに面してこれと連通する状態にある。
これにより、作動流体が、シリンダ21内、すなわちライナー部40内側の空間部分から押し出され、シリンダブロック20のシリンダポート22、及び、ハウジング50における弁板部54の吐出ポート54bを通じて吐出され、ハウジング50の出口部53から流体圧回路80の高圧側管路82に送出される。
この高圧側管路82に送出された圧力の高い作動流体は、アクチュエータ70に達してこれを作動させる。そして、アクチュエータ70を出た、より圧力の低い作動流体は、低圧側管路81を通じてピストンポンプ1に向かい、ハウジング50の入口部52に流入することとなる。
従来の斜板式のアキシャルピストンポンプにおいて、ポンプの小型化のためにシリンダブロックやピストンを小型化する場合、一般に小型化に伴って加工の精密な度合いが相対的に悪化し、且つ仕上げ加工も現実的には困難になることから、ピストンとシリンダ間の隙間の精度を確保できず、ピストンとシリンダ間からの流体の漏れを避けられなくなり、こうした点で、小型化の実現は困難であった。
これに対し、本実施形態のピストンポンプでは、ライナー部40を用いることで、シリンダポート22を通じてシリンダ21内に出入りする流体は主にライナー部40に流入出する状態となり、流体はピストン30の往復動に応じて変形するライナー部40に吸入され且つライナー部40から吐出される形となって、仮にピストン30とシリンダ21間に隙間があっても、流体がそちらに向かうことはなく、漏れを回避でき、ポンプの小型化を支障なく実現できる。
流体圧回路80でピストンポンプ1と接続され、ピストンポンプ1からの流体圧で作動するアクチュエータ70が流体圧シリンダの場合、アクチュエータ70がストロークの最大位置や最小位置など、作動範囲の終端に達したり、何らかの不具合によって、作動による流体圧力の低下が生じない状況に陥る一方で、ピストンポンプ1がそのまま作動し続けると、ポンプ側で高圧側管路82に送出する作動流体の圧力は高くなっていく。
ただし、本実施形態のピストンポンプ1では、吐出ポート54bにおける作動流体の圧力が過剰に高くなる、すなわち、あらかじめ設定された上限の圧力を超えるようになると、こうした作動流体の高い圧力を受けたシリンダブロック20が、移動制御片17やライナー部40を押し縮める向きに弾性変形させつつ、回転軸10に対しその軸線方向に相対移動して弁板部54から離隔し、弁板部54とシリンダブロック20との間に流体が流通可能な隙間を生じさせる(図9、図10参照)。
この隙間により吐出ポート54bと吸入ポート54aとが連通可能となり、高圧側管路82の圧力が低圧側管路81に逃げる状態を得ることができる。これにより、回転軸10とシリンダブロック20が回転を継続してピストン30が往復動し、それに伴ってシリンダポート22を通じた作動流体の流入出が続いても、それ以上流体圧回路80の圧力が上昇することはない。
このように、本実施形態に係るピストンポンプは、ハウジング50に収められるシリンダブロック20が、回転軸10の軸線方向におけるこのシリンダブロック20の中心部と回転軸10の他端部との間に弾性変形可能な移動制御片17を介設されて、ポンプとして送出する作動流体の圧力が過剰に高い場合には、作動流体からシリンダブロック20を介して加わる力で移動制御片17が弾性変形して、回転軸10に対するシリンダブロック20の回転軸軸線方向への相対移動を許容し、移動したシリンダブロック20がハウジング50の弁板部54から離隔して、弁板部54とシリンダブロック20との間に隙間が生じることから、この隙間を経由して、弁板部54の吐出ポート54bと吸入ポート54aとが連通可能となり、高圧側管路82に通じる吐出ポート54bにおける作動流体の高い圧力が、低圧側管路81に通じる吸入ポート54aに逃げる状態を得ることができ、ポンプの作動が継続しても、ポンプの吐出側や流体圧回路80における作動流体の圧力が過度に上昇するのをポンプ単独で阻止できることとなり、流体圧回路80に作動流体の圧力上昇に対応する安全装置等を設けない簡略な回路構成を採用でき、流体圧回路80の低コスト化が図れる。また、ポンプについて機械的強度の低下を伴うような小型化を図っても、作動流体の過大な圧力に起因する破損等の悪影響を回避でき、ポンプの小型化と流体圧回路の簡略化による省スペース化を実現できる。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るピストンポンプを前記図11及び図12に基づいて説明する。本実施形態においても、所定の流体圧回路に接続されて、作動流体を送出する小型のピストンポンプの例について説明する。
前記各図において本実施形態に係るピストンポンプ1は、前記第1の実施形態同様、回転軸15と、シリンダブロック20と、ピストン30と、斜板部51と、ハウジング55と、ライナー部40とを備える一方、異なる点として、回転軸15が、この回転軸15の軸線方向について、回転軸15の一部とハウジング55の一部との間に、弾性変形可能なばね状の移動制御片18を少なくとも介設された状態で、ハウジング55に回転可能に支持される構成を有するものである。
なお、本実施形態に係るピストンポンプ1における作動流体を送出する基本的な仕組みについても、公知の斜板式のアキシャルピストンポンプと同様のものであり、詳細な説明を省略する。また、本実施形態に係るピストンポンプ1における、シリンダブロック20、ピストン30、ハウジング55の斜板部51及び弁板部54、並びに、ライナー部40については、前記第1の実施形態と同様の構成を有するものであり、詳細な説明を省略する。
前記回転軸15は、前記第1の実施形態同様、金属又は樹脂製の軸状体として形成され、軸中間部を軸受部11によりハウジング55に回転可能に支持されてなり、ハウジング55の外に位置する一端部を電動機60の出力軸に連結され、ハウジング55の内部に位置する他端部をシリンダブロック20に連結される。
一方、回転軸15は、前記第1の実施形態における回転軸10とは異なり、回転軸15の他端部をシリンダブロック20の中心部の穴に挿入してシリンダブロック20と連結される場合に、回転軸15の他端部とシリンダブロック20の穴底部との間に介在物を介在させておらず、シリンダブロック20は回転軸15に対しその軸線方向への相対移動を許容されず、回転軸15の他端部と一体に固着された状態とされる。
この他、回転軸15中間で鍔状に突出する拡径部12が、前記第1の実施形態同様、軸受部11における回転軸15の軸線方向の端部と接してこれに支持されることで、回転軸15はその軸線方向について不要な動きを生じないように支持される仕組みとなっている。
前記ハウジング55は、前記第1の実施形態同様、略箱状の容器形態とされて、回転軸15の一部、シリンダブロック20、ピストン30、及び斜板部51を内部に収めつつ、回転軸15及びシリンダブロック20を回転可能に支持する構成とされる一方、異なる点として、回転軸15を支持する軸受部11を、このハウジング55に対し回転軸15の軸線方向へ所定範囲移動可能となるように配設されると共に、ハウジング55一端部における回転軸15を貫通させる軸孔56の周囲部分に沿って、弾性変形可能なばね状の移動制御片18を配設される構成を有するものである(図11参照)。
すなわち、回転軸15の拡径部12と、ハウジング55一端部の軸孔56の周囲部分との間には、軸受部11と移動制御片18とが介在することとなる。
こうして、回転軸15の軸線方向について、回転軸15の拡径部12とハウジング55の軸孔56の周囲部分との間に、軸受部11だけでなく弾性変形可能な移動制御片18を介設していることで、回転軸15は、ハウジング55に回転可能に支持されると共に、回転軸15の軸線方向に移動制御片18が弾性変形するような力を伴った場合には、回転軸15及び軸受部11が、ハウジング55に対し回転軸15の軸線方向へ、移動制御片18の変形量分、移動可能とされる仕組みである(図12参照)。
そして、回転軸15はその他端部においてシリンダブロック20と一体化されていることから、回転軸15がその軸線方向に移動制御片18の弾性変形を伴いながら移動する際には、シリンダブロック20も一体に軸線方向に移動する。逆に言えば、シリンダブロック20に回転軸15の軸線方向の力が加わり、この力が回転軸15や軸受部11を介して移動制御片18に伝わり、これを弾性変形させると、シリンダブロック20が回転軸15と共にハウジング55に対し回転軸15の軸線方向へ移動する状態となる。
これにより、ポンプとして吐出ポート54bから高圧側管路82に送出する作動流体の圧力がある程度高くなると、作動流体からシリンダブロック20に加わる圧力に基づく回転軸15の軸線方向の力が、回転軸15や軸受部11を介して移動制御片18を押圧することで、移動制御片18が弾性変形して、シリンダブロック20及び回転軸15のハウジング55に対する回転軸15の軸線方向への移動が許容され、シリンダブロック20をハウジング55の弁板部54から離隔させることとなる。
次に、本実施形態に係るピストンポンプにおける作動流体の送出圧力の異常上昇時の内部状態について説明する。なお、本実施形態に係るピストンポンプの通常の作動状態は、前記第1の実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
本実施形態のピストンポンプ1と流体圧回路80で接続され、ピストンポンプ1からの流体圧で作動するアクチュエータ70が、流体圧シリンダである場合、アクチュエータ70がストロークの最大位置や最小位置など、作動範囲の終端に達したり、何らかの不具合によって、作動による流体圧力の低下が生じない状況に陥る一方で、ピストンポンプ1がそのまま作動して作動流体の送出を続けると、このポンプ側で高圧側管路82に送出する作動流体の圧力は高くなっていく。
ただし、ピストンポンプ1では、吐出ポート54bにおける作動流体の圧力が過剰に高くなる、すなわち、あらかじめ設定された上限の圧力を超えるようになると、こうした作動流体の高い圧力を受けたシリンダブロック20が、回転軸15の軸線方向にライナー部40を押し縮める向きに弾性変形させると共に、回転軸15及び軸受部11を介して移動制御片18を押し縮める向きに弾性変形させつつ、ハウジング55に対し回転軸15の軸線方向に回転軸15や軸受部11と共に移動する。この移動でシリンダブロック20は弁板部54から離隔し、弁板部54とシリンダブロック20との間に流体が流通可能な隙間を生じさせる(図12参照)。
この隙間により、吐出ポート54bと吸入ポート54aとが連通可能となり、高圧側管路82の圧力が低圧側管路81に逃げる状態を得ることができる。これにより、回転軸15とシリンダブロック20が回転を継続してピストン30が往復動し、それに伴ってピストンポンプ1における作動流体の流入出が続いても、それ以上流体圧回路80の圧力が上昇することはない。
このように、本実施形態に係るピストンポンプは、回転軸15の軸線方向において、ハウジング55に収められる回転軸15の一部とハウジング55の一部との間に弾性変形可能な移動制御片18が介設され、ポンプとして送出する作動流体の圧力が過剰に高い場合には、作動流体からシリンダブロック20と回転軸15を介して加わる力で移動制御片18が弾性変形して、ハウジング55に対する回転軸15の軸線方向への相対移動を許容し、この回転軸15と一体に移動するシリンダブロック20がハウジング55の弁板部54から離隔して、弁板部54とシリンダブロック20との間に隙間が生じることから、この隙間を経由して、弁板部54の吐出ポート54bと吸入ポート54aとが連通可能となり、高圧側管路82に通じる吐出ポート54bにおける作動流体の高い圧力が、低圧側管路81に通じる吸入ポート54aに逃げる状態を得ることができ、ポンプの作動が継続しても、ポンプの吐出側や流体圧回路80における作動流体の圧力が過度に上昇するのをポンプ単独で阻止できることとなり、流体圧回路80に作動流体の圧力上昇に対応する安全装置等を設けない簡略な回路構成を採用でき、流体圧回路80の低コスト化が図れる。また、ポンプについて機械的強度の低下を伴うような小型化を図っても、作動流体の過大な圧力に起因する破損等の悪影響を回避でき、ポンプの小型化と流体圧回路80の簡略化による省スペース化を実現できる。
なお、前記各実施形態に係るピストンポンプにおいては、斜板部51をハウジング50、55と一体化して傾斜角度を固定とするなど、斜板部51を簡略な構造として、ポンプの小型化、低コスト化を優先した構成としているが、これに限られるものではなく、公知の斜板式アキシャルピストンポンプにも採用される、斜板部をハウジングと分離して傾斜角度可変とし、斜板部の傾斜角度の設定でポンプによる作動流体の送出量を調整可能な構成とするようにしてもかまわない。
また、前記各実施形態に係るピストンポンプにおいては、移動制御片17、18として回転軸10、15とは別体のOリングやばね等を設け、ポンプとして送出する作動流体の圧力が適正な範囲では、シリンダブロック20の回転軸軸線方向への移動を許容せず、吐出ポート54bと吸入ポート54aとの隔離状態を維持する一方、作動流体の圧力が過剰に高い場合には、作動流体からシリンダブロック20等を介して加わる力で移動制御片17、18が弾性変形し、ハウジング50、55に対しシリンダブロック20が弁板部54から離れる向きに移動するようにして、弁板部54とシリンダブロック20との間に隙間を生じさせ、この隙間を通じて、吐出ポート54bにおける作動流体の高い圧力を吸入ポート54aに逃がせる構成としている。ただし、これに限られるものではなく、前記移動制御片同様に作動流体から加わる圧力に基づいてシリンダブロックの移動を制御する役割を果たすものであれば、回転軸と当初から一体とされて回転軸の一部をなす弾性材部が、回転軸におけるその軸線方向についてシリンダブロックやハウジングに対向する所定部位に設けられる構成とすることもできる。
例えば、図13、図14に示すように、回転軸10の他端側の一部を弾性材部10aとして、シリンダブロック20中心部の穴底部にこの回転軸10他端の弾性材部10aを当接させると、ポンプとして送出する作動流体の圧力が過剰に高い場合には、前記第1の実施形態と同様に、作動流体からシリンダブロック20を介して加わる力で回転軸10の弾性材部10aが弾性変形して、回転軸10に対するシリンダブロック20の回転軸軸線方向への相対移動を許容し、移動したシリンダブロック20がハウジング50の弁板部54から離隔して、弁板部54とシリンダブロック20との間に隙間を生じさせ、吐出ポート54bにおける作動流体の高い圧力を吸入ポート54aに逃がす状態が得られることとなる。
1 ピストンポンプ
10、15 回転軸
10a 弾性材部
11 軸受部
12 拡径部
17、18 移動制御片
20 シリンダブロック
21 シリンダ
22 シリンダポート
30 ピストン
31 球体
32 凹部
50、55 ハウジング
51 斜板部
52 入口部
53 出口部
54 弁板部
54a 吸入ポート
54b 吐出ポート
56 軸孔
40 ライナー部
41 凸部
60 電動機
70 アクチュエータ
80 流体圧回路
81 低圧側管路
82 高圧側管路

Claims (4)

  1. 回転軸と、当該回転軸の周囲に回転軸の軸線に対し略平行且つ回転対称として配置される複数のシリンダを有するシリンダブロックと、当該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿入配設され、シリンダから一端部を突出させるピストンと、各ピストンの一端部と対向させて配設され、各ピストンの一端部と接する斜板部と、前記回転軸の一部、シリンダブロック、ピストン、及び斜板部を内部に収めつつ、回転軸及びシリンダブロックを回転可能に支持するハウジングとを備える、アキシャル型のピストンポンプにおいて、
    前記回転軸が、一端部を前記ハウジングの外に位置させる一方、他端部をハウジングの内部に位置させ、
    前記シリンダブロックが、前記ピストン一端部の突出する側とは反対側の端部に、各シリンダとそれぞれ連通する複数のシリンダポートを設けられると共に、中心部に穴を設けられ、当該穴に前記回転軸の他端部を挿入して回転軸と連結され、回転軸と一体に回転可能とされ、
    前記回転軸の軸線方向について、前記シリンダブロックの中心部の穴底部と回転軸の他端部との間に、弾性変形可能な移動制御片が介設され、
    前記ハウジングが、前記シリンダブロックの各シリンダポートに間欠的に連通可能な略弧状の吸入ポート及び吐出ポートをそれぞれ設けられる弁板部を有し、当該弁板部の端面に、シリンダブロック端部を摺接させつつ支持し、前記吸入ポートに外部の流体圧回路の低圧側管路を、前記吐出ポートに前記流体圧回路の高圧側管路をそれぞれ接続されてなり、
    ポンプとして前記吐出ポートから前記高圧側管路に送出する作動流体の圧力が過剰に高くなると、作動流体からシリンダブロックに加わる圧力に基づく回転軸の軸線方向の力により前記移動制御片が弾性変形して、回転軸に対するシリンダブロックの回転軸の軸線方向への相対移動を許容し、シリンダブロックをハウジングの弁板部から離隔させることを
    特徴とするピストンポンプ。
  2. 回転軸と、当該回転軸の周囲に回転軸の軸線に対し略平行且つ回転対称として配置される複数のシリンダを有するシリンダブロックと、当該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿入配設され、シリンダから一端部を突出させるピストンと、各ピストンの一端部と対向させて配設され、各ピストンの一端部と接する斜板部と、前記回転軸の一部、シリンダブロック、ピストン、及び斜板部を内部に収めつつ、回転軸及びシリンダブロックを回転可能に支持するハウジングとを備えるアキシャル型のピストンポンプにおいて、
    前記シリンダブロックが、前記ピストン一端部の突出する側とは反対側の端部に、各シリンダとそれぞれ連通する複数のシリンダポートを設けられると共に、回転軸と一体に回転可能とされ、
    前記ハウジングが、前記シリンダブロックの各シリンダポートに間欠的に連通可能な略弧状の吸入ポート及び吐出ポートをそれぞれ設けられる弁板部を有し、当該弁板部の端面に、シリンダブロック端部を摺接させつつ支持し、前記吸入ポートに外部の流体圧回路の低圧側管路を、前記吐出ポートに前記流体圧回路の高圧側管路をそれぞれ接続され、
    前記回転軸が、当該回転軸の軸線方向について、回転軸の一部と前記ハウジングの一部との間に、弾性変形可能な移動制御片を少なくとも介設された状態で、ハウジングに回転可能に支持されてなり、
    ポンプとして前記吐出ポートから前記高圧側管路に送出する流体の圧力が過剰に高くなると、流体からシリンダブロックに加わる圧力に基づく回転軸の軸線方向の力により前記移動制御片が弾性変形して、少なくともシリンダブロック及び回転軸のハウジングに対する回転軸の軸線方向への相対移動を許容し、シリンダブロックをハウジングの弁板部から離隔させることを
    特徴とするピストンポンプ。
  3. 前記請求項1又は2に記載のピストンポンプにおいて、
    一端部を閉止された蛇腹管状に形成され、前記シリンダブロックの各シリンダ内における前記ピストンとシリンダポートとの間に、開口する他端部側をシリンダポート側に向けて配設される伸縮可能なライナー部を備え、
    当該ライナー部が、あらかじめ回転軸の軸線方向に縮められる弾性変形を伴って、ピストン他端部とシリンダブロックのシリンダポート周囲部分との間に介在し、弾性復元力でピストンをシリンダから突出する側に付勢することを
    特徴とするピストンポンプ。
  4. 前記請求項3に記載のピストンポンプにおいて、
    前記ライナー部が、閉じた一端部から突出する凸部を設けられてなり、
    前記ピストンが、他端部に凹部を穿設され、
    前記シリンダ内で、ライナー部の凸部とピストンの凹部が係合することを
    特徴とするピストンポンプ。
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