JP7405060B2 - ネットワークシステム - Google Patents
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Description
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
図1に示すネットワークシステム1は、複数のバス状伝送路(以下、バス)2と、複数の通常中継装置3と、一つの管理中継装置4と、複数の端末装置5とを備える。
[1-1-1.通常中継装置の構成]
起動管理機能を有さない通常中継装置3であるGWiは、図4に示すように、上流用トランシーバ31と、下流用トランシーバ32と、MCU33と、電源リレー34と、を備える。MCUは、Micro Control Unitの略である。
上流用トランシーバ31は、パーシャルネットワークの規格に対応したトランシーバ、すなわち、PN対応トランシーバであり、上流バスであるBUS3を介して通信フレームを送受信する。
送受信回路311は、MCU33から供給される送信データに従ってCANプロトコルに従った通信フレームを生成して上流バスに送信する。送受信回路311は、上流バスを介して受信した通信フレームから受信データを抽出してMCU33に供給する。
電源リレー34は、上流用トランシーバ31及び下流用トランシーバ32からの起動指令(以下、外部要因の起動指令)によって、MCU33への給電を開始することで、MCU33を起動する。
図5に示すように、起動管理機能を有する管理中継装置4であるCGWは、下流用トランシーバ42と、MCU43と、電源リレー44とを備える。下流用トランシーバ42、MCU43、及び電源リレー44は、基本的には、図4を用いて説明したGWの下流用トランシーバ32、MCU33、及び電源リレー34と同様の機能を有する。つまり、CGWは、GWから上流用トランシーバ31を省略した構造を有する。当然、下流用トランシーバ42を構成する送受信回路421及びプロトコル検出器422も、下流用トランシーバ32を構成する送受信回路321及びプロトコル検出器322と同様の機能を有する。但し、下流用トランシーバ42には、BUS3が接続される。
端末装置5であるECUは、図6に示すように、上流用トランシーバ51と、MCU53と、電源リレー54と、状況検知部55とを備える。上流用トランシーバ51、MCU53、及び電源リレー54は、基本的には、図4を用いて説明したGWの上流用トランシーバ31、MCU33、及び電源リレー34と同様の機能を有する。当然、上流用トランシーバ51を構成する送受信回路511、プロトコル検出器512、フレーム構成メモリ513、及びメッセージフィルタ514も、上流用トランシーバ31を構成する送受信回路311、プロトコル検出器312、フレーム構成メモリ313、及びメッセージフィルタ314と同様の機能を有する。つまり、ECUは、GWから下流用トランシーバ32を省略して、状況検知部55を追加した構造を有する。但し、上流用トランシーバ31は、BUS1~3のいずれかに接続される。
[1-2-1.PN対応トランシーバ]
各ノードの上流用トランシーバ31,51、すなわち、PN対応トランシーバにて実行される起動制御の内容を、図8のフローチャートを用いて説明する。起動制御は、ノードへの給電が行なわれている間、繰り返し実行される。ここでは、GWの上流用トランシーバ31を例にして具体的に説明する。
S120及びS130の処理は、メッセージフィルタ314によって行われる。
これにより、ウェイクアップしたMCU33による処理が実行される。
[1-2-2.PN非対応トランシーバ]
各ノードの下流用トランシーバ32,42、すなわち、PN非対応トランシーバにて実行される起動制御の内容を、図9のフローチャートを用いて説明する。起動制御は、ノードへの給電が行なわれている間、繰り返し実行される。ここでは、GWの下流用トランシーバ32を例にして具体的に説明する。
つまり、下流用トランシーバ32では、NWフレームを受信した場合に、起動情報の内容に関わらず起動指令を出力する。
また、下流用トランシーバ32では、S140において、許容時間以内の間隔でNMフレームが受信され続けていれば起動情報の内容に関わらず起動維持条件が成立していると判定する。
前述した上流用トランシーバ31,51及び下流用トランシーバ32,42での起動制御により、各ノード(すなわち、GW、CGW及びECU)では、以下の状況でMCU33,43,53が起動する。
上流用トランシーバ51だけを有するECUは、NMフレームを受信した場合、自ノードが起動対象のときだけウェイクアップする。但し、ECUは、状況検知部55にてネットワークシステム1を起動すべき状況(すなわち、内部要因)が検出された場合もウェイクアップする。従って、ECUでは、NMフレームの受信、又は内部要因のいずれがウェイクアップ要因であるかを示す情報が、電源リレー54からMCU53に通知される。
ECUにおけるMCU53がウェイクアップ時に実行する起動維持処理を、図10のフローチャートを用いて説明する。
GWにおけるMCU33がウェイクアップ中に実行するフレーム中継処理を、図11のフローチャートを用いて説明する。
S330では、MCU33は、下流用トランシーバ32がNMフレームを受信したか否かを判定し、受信していれば処理をS340に移行し、受信していなければ処理を終了する。
S340では、MCU33は、下流バスを介して受信したNMフレーム、すなわち、いずれかのECUが送信元となるNMフレームを、上流バスに送信して処理を終了する。
CGWにおけるMCU43がウェイクアップ時に実行するフレーム返送処理を、図12のフローチャートを用いて説明する。
続くS420では、MCU43は、S410で抽出された所属情報が示すECU起動グループGrαを用い、起動テーブルを参照することで、GW起動グループGriを特定する。
続くS440では、MCU43は、S430で生成された返送用の起動情報をデータ領域に設定したNMフレームである返送NMフレームを送信して、処理を終了する。
内部要因でECU_2Bがウェイクアップした場合の動作を、図1及び図3を用いて説明する。なお、初期状態では、全てのノードがスリープ状態にあるとする。
以後、ECU_2Bは、自ノードがスリープ状態に遷移するまでの間、NMフレームを周期的に送信することで、ECU起動グループGrBに所属する全てのECUのウェイクアップ状態が維持される。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1a)ネットワークシステム1では、GW(すなわち、通常中継装置3)は、下流バスからのNMフレームを起動情報の内容に関わらず上流バスに中継する。つまり、ECU(すなわち、端末装置5)から送信されたNMフレームを、そのままCGW(すなわち、管理中継装置4)に受信させる。CGWは、受信したNMフレームの起動情報、すなわち、送信元となったECUの所属情報に基づき、起動テーブルを用いてW起動グループGriを特定し、起動情報に追加して返送NMフレームを送信する。
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
予備機能付GWとCGWは、バス2とは異なる信号線7で接続される。信号線7は、予備機能付GWがCGWの動作を監視するために用いられる。信号線7は、トランシーバ31,42を介することなく、予備機能付GWのMCU33及びCGWのMCU43が有する入出力ポートを介して直接接続される。なお、信号線7は、シリアル通信用の簡易な通信回路に接続されてもよい。
[2-2-1.CGW監視処理]
予備機能付GWのMCU33が、定期的なウェイクアップ時に実行するCGW監視処理を、図14のフローチャートを用いて説明する。ネットワークシステム1aの起動時に、本処理で使用する故障フラグは、オフに設定され、Pingの受信間隔を測定するタイマーカウンタはリセットされる。
続くS540では、MCU33は、タイマーカウンタがタイムアウトしたか否かを判定し、タイムアウトしていれば、CGWの動作に異常が検出されたとして、処理をS550に移行し、タイムアウトしていなければ、処理を終了する。CGW監視処理が実行される時間間隔が、例えば、Pingの反転周期の0.6~0.9倍程度に設定されている場合、タイマーカウンタが3以上であればタイムアウトと判定する。
S570では、MCU33は、S520と同様に、Pingの受信レベルが反転したか否かを判定し、信号レベルが反転していれば、CGWの正常な動作が確認されたとして、処理をS580に移行し、信号レベルが反転していなければ処理を終了する。
S510~S580が監視部に相当する。
予備機能付GWのMCU33が実行する予備機能付GWメイン処理を、図15のフローチャートを用いて説明する。
S630では、MCU33は、フレーム返送処理を実行して処理を終了する。フレーム返送処理は、図12を用いて説明した内容と同じであるため、ここでの説明は省略する。
S610が代行制御部に相当し、S630が補助起動部に相当する。
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(2a)ネットワークシステム1aによれば、CGWの異常が検出された場合、予備機能付GWがCGWの機能を代行するため、システム全体が機能停止することを抑制できる。
[3-1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
[3-2.CGWのフレーム返送処理]
次に、CGWのMCU43が、図12を用いて説明したフレーム返送処理に代えて実行するフレーム返送処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。
続くS720では、MCU43は、S710で抽出されたECU識別情報を用いて、起動テーブルを参照し、送信元ECUが所属するECU起動グループGrαを特定する。
続くS740では、MCU43は、S720で特定されたECU起動グループGrαを用いて、起動テーブルを参照することで、返送NMフレームの送信に使用するトランシーバTriを選択する。
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
[4-1.第3実施形態との相違点]
第4実施形態は、基本的な構成は第3実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
[4-2-1.CGWメイン処理]
次に、CGWのMCU43が、図18を用いて説明したフレーム返送処理に代えて実行するCGWメイン処理を、図20のフローチャートを用いて説明する。
S830では、MCU43は、起動情報にて全ECUを指定したNMフレームを送信する。
返信される情報フレームには、ECU識別情報又はグループ情報を含む情報が示される。グループ情報とは、自ノードのECU識別情報に、自ノードの通信相手となるノードのECU識別情報をマージした情報である。
S810、S830~S880が更新部に相当する。
ECUのMCU53が、図10を用いて説明した起動維持処理に代えて実行する起動維持処理を、図21のフローチャートを用いて説明する。図10で説明した、フローチャートと比較して、S210で否定判定された場合の処理として、S230~S240が追加されている。
S240では、MCU53は、S230で生成したグループ情報を含んだ情報フレームを送信して、処理を終了する。
S210、S230~S240が情報提供部に相当する。
ネットワークシステム1cに、新規のECUを追加する場合、まず、起動情報を表す各ビットのうち未使用のビットを選択して自ノードの識別情報に設定する。図22では、起動情報の上位6ビットが既存のECUに割り当てられ、下位2ビットが未使用の状態であり、新規のECUの識別情報として最下位ビットを用いるものとする。また、ECU_2Cを新規に追加し、通信相手がECU_1BCであるとする。
登録スイッチ6が押下されると、CGWのMCU43がウェイクアップし、CGWからは、起動情報にて全てのECUを指定したNMフレームが送信される。この全てのECUを指定したNMフレームが一斉起動フレームに相当する。
[4-4.効果]
以上詳述した第4実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)及び第3実施形態の効果(3a)(3b)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
(4b)ネットワークシステム1cでは、追加した新規のECUを含んだ新たなECU起動グループも簡単に起動テーブルに登録できる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(5b)上記第1及び第2実施形態では、CGWが下流用トランシーバ42を一つだけ備えているが、CGWが複数の下流用トランシーバ42を備えてもよい。そして、各下流用トランシーバ42には、それぞれ図1及び図3に示されたネットワークと同様のネットワークが接続されてもよい。この場合、CGWでは、図7及び図17に示した起動テーブルを組み合わせた起動テーブルが用いられる。そして、CGWのフレーム返送処理では、起動情報にGW起動グループ及びECU起動グループが示されたNMフレームを、選択された下流用トランシーバ42に送信することになる。
Claims (8)
- 一つ以上の中継装置(3,4)と、
前記一つ以上の中継装置を介して接続される複数の伝送路(2)と、
それぞれが前記複数の伝送路のいずれかに接続される複数の端末装置(5)と、
を備え、
前記端末装置は、
当該端末装置を指定する起動情報が付与された管理用フレームを、前記伝送路を介して受信すると、指定機能が停止されたスリープ状態から前記指定機能を実行可能なウェイクアップ状態に、当該端末装置を遷移させるように構成されたトランシーバであるPN対応トランシーバ(51)と、
当該端末装置が前記管理用フレームの受信以外の要因でウェイクアップした場合、当該端末装置が属する起動グループの特定に必要な情報を前記起動情報として付与した前記管理用フレームを送信するように構成された起動処理部(53)と、
を備え、
前記中継装置の一つである管理中継装置(4)は、
前記管理用フレームを受信すると、前記起動情報の内容に関わらず、当該管理中継装置を前記スリープ状態から前記ウェイクアップ状態に遷移させるように構成されたトランシーバである一つ以上のPN非対応トランシーバ(41)と、
前記PN非対応トランシーバを介して受信した前記管理用フレームの前記起動情報、及び起動テーブルを用いて、該管理用フレームの送信元となった前記端末装置が属する前記起動グループ、及び該起動グループに対応づけられる対象伝送路を抽出し、抽出された前記起動グループに属する全ての前記端末装置を指定する前記起動情報を生成し、該起動情報が付与された前記管理用フレームを、前記対象伝送路に流す返送処理を実行するように構成された起動管理部(43)と、
を備え、
前記起動グループは、同時にウェイクアップさせる必要がある前記端末装置のグループであり、
前記対象伝送路は、前記起動グループに属する前記端末装置が接続された前記伝送路であり、
前記起動テーブルは、前記起動グループのそれぞれに対応づけられる前記対象伝送路を指定するための情報を列挙したテーブル情報である、
ネットワークシステム。 - 請求項1に記載のネットワークシステムであって、
前記管理中継装置は、前記PN非対応トランシーバを複数備え、
前記起動管理部は、前記返送処理として、前記対象伝送路に接続された前記PN非対応トランシーバを介して前記管理用フレームを送信するように構成された
ネットワークシステム。 - 請求項1又は請求項2に記載のネットワークシステムであって、
前記管理中継装置以外の前記中継装置である通常中継装置を一つ以上備え、
前記伝送路のうち前記通常中継装置からみて前記管理中継装置に到る前記伝送路を上流伝送路とし、前記上流伝送路以外の前記伝送路を下流伝送路として、
前記通常中継装置は、前記上流伝送路との接続に前記PN対応トランシーバが用いられ、前記下流伝送路との接続に前記PN非対応トランシーバが用いられ、
前記起動管理部は、前記返送処理として、前記下流伝送路が前記対象伝送路である前記通常中継装置が起動されるように前記起動情報が設定された前記管理用フレームを送信するように構成された
ネットワークシステム。 - 請求項3に記載のネットワークシステムであって、
前記通常中継装置のそれぞれには、個別の前記起動グループが割り当てられた
ネットワークシステム。 - 請求項3又は請求項4に記載のネットワークシステムであって、
前記通常中継装置の少なくとも一つを補助管理装置(3a)とし、
前記補助管理装置は、
前記管理中継装置の前記起動管理部と同等の機能を有するように構成された補助起動部(33:S630)と、
前記管理中継装置の動作を監視する監視部(33:510~S580)と、
前記管理中継装置の異常が検出された場合、前記補助起動部を作動させることで、前記管理中継装置の機能を代行するように構成された代行制御部(33:S610)と、
を備えるネットワークシステム。 - 請求項5に記載のネットワークシステムであって、
前記監視部は、前記管理中継装置から前記伝送路に定期的に送信される信号の受信間隔が、予め設定された許容時間を超えた場合に、前記管理中継装置が異常であると判定する
ネットワークシステム。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のネットワークシステムであって、
前記管理中継装置は、
トリガ信号を入力するように構成されたトリガ入力部(6)と、
前記トリガ信号が入力されると、全ての前記端末装置を起動するために用いられる前記起動情報が付与された前記管理用フレームである一斉起動フレームを送信し、該一斉起動フレームに対する前記端末装置からの応答として、前記端末装置のそれぞれから、グループ情報が付与された情報フレームを受信し、受信した前記グループ情報に基づいて前記起動テーブルを更新するように構成された更新部(43:S810,S830~S880)と、
を更に備え、
前記端末装置は、
前記一斉起動フレームを受信した場合、当該端末装置及び当該端末装置と同時にウェイクアップさせる他の前記端末装置を個々に識別する情報を前記グループ情報として用いて、前記情報フレームを送信するように構成された情報提供部(53:S210、S230~S240)を更に備える、
ネットワークシステム。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のネットワークシステムであって、
前記端末装置及び前記中継装置は、CAN(登録商標)プロトコルに従って通信を行うように構成された
ネットワークシステム。
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