JP7404476B1 - 製麹装置及び製麹方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蒸気や空気がドラムの全面全周に行き届くようにし、原料に対する蒸気や空気の接触を十分に行わせ、原料の処理効率の向上を図る。【解決手段】 穀類の原料Wが入れられ軸線が略水平になるように回転可能に支持され回転駆動部30により回転させられる円筒状のドラム10と、ドラム10を収容するケーシング40と、ドラム10内に蒸気及び/または空気を噴射して供給する蒸気空気供給部50とを備え、ドラム10を回転させて原料を蒸す一次処理を行なうとともに、一次処理後に麹菌を原料に付着させてからドラム10を回転させて製麹する二次処理を行うもので、蒸気空気供給部50をその軸線がドラムの軸線に一致した管状に形成し、ドラム10の周壁の全面に、ドラム10の内及び外を連通する多数の小孔17を行列状に形成した。【選択図】 図1

Description

本発明は、製麹装置に係り、特に、米や麦等の穀類の原料を蒸す工程とその後に製麹を行なう工程とを連続して行うことのできるドラム型の製麹装置に関する。また、この製麹装置を用いて製麹を行う製麹方法に関する。
従来、この種の製麹装置としては、例えば、特許第4643346号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。図10に示すように、この製麹装置Saは、米や麦等の穀類の原料Wが入れられ軸線Pが略水平になるように回転可能に支持されて回転させられる円筒状のドラム100と、ドラム100を収容するケーシング101と、ドラム100内に設けられドラム100内に蒸気及び/または空気を噴射して供給する蒸気空気供給部102とを備えて構成され、ドラム100を回転させてドラム100内の原料を蒸す一次処理を行なうとともに、一次処理後に麹菌を原料に付着させてからドラム100を回転させて製麹する二次処理を行うものである。
ドラム100は、周壁の一部を切欠いた切欠部103を有し、この切欠部103に対面させて、原料を通過させることのない径を有する多数の小孔(図示せず)を設け水切りも可能な棚板104を設けている。また、蒸気空気供給部102は、ドラム100内にその軸線Pに沿って挿通されるとともに軸方向に沿って多数の空気噴射口(図示せず)を有し空気噴射口からドラム100の内面に向けて空気を噴射する空気供給管105と、ドラム100内に空気供給管105と平行に挿通されるとともに軸方向に沿って多数の蒸気噴射口(図示せず)を有しこの蒸気噴射口から空気供給管105に向けて蒸気を噴射する蒸気供給管106とを備えて構成されている。
これにより、一次処理時においては、ドラム100内に原料を投入して、原料の洗浄を行い、蒸気供給管106から蒸気を噴出して所定時間かけて原料を蒸す。その後、蒸気を止めて放冷する。次に、空気供給管105内の図示外の散布パイプから自動で種麹菌を原料Wに散布する。二次処理工程では、ドラム100を適宜回転させ、原料Wと種麹菌とを均一に混ぜ、原料Wの温度を温度センサ107により監視して、空気供給管105から温度調整した空気を供給し製麹を行う。そして、最後に、原料Wを冷却して乾燥する。
特許第4643346号公報
ところで、この従来の製麹装置Saにあっては、ドラム100の周壁に設けた切欠き103に対応して多数の小孔のある棚板104を設けており、そのため、原料Wが入れられるドラム100において小孔が開いている部位は部分的なので、一次処理において原料Wを蒸す際には、蒸気の排出部位がこの棚板104の部分に限られてしまうことから、原料Wに対する蒸気の接触にムラができ、原料Wの蒸し処理が不十分になることがあり、処理効率が悪いという問題があった。また、蒸気供給管106が、ドラム100の中心からずれた位置にあるので、この点でも原料Wに対する蒸気の接触にムラができ、原料の蒸し処理が不十分になることがあって、処理効率を悪くしている。
また、二次処理の製麹においても、空気はドラム100の中心の空気供給管106から排出されるものの、空気の排出部位が小孔のある棚板104の部分に限られてしまうことから、原料Wに対する空気の接触にムラができ、原料Wの製麹が不十分になることがあり、この点でも処理効率が悪いと言う問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、蒸気や空気がドラムの全面全周に行き届くようにし、原料に対する蒸気や空気の接触を十分に行わせ、原料の処理効率の向上を図った製麹装置及び製麹方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の製麹装置は、穀類の原料が入れられ軸線が略水平になるように回転可能に支持され回転駆動部により回転させられる円筒状のドラムと、
該ドラムを収容するケーシングと、
該ドラム内に設けられ該ドラム内に蒸気及び/または空気を噴射して供給する蒸気空気供給部とを備え、
上記ドラムを回転させて該ドラム内の原料を蒸す一次処理を行なうとともに、該一次処理後に麹菌を原料に付着させてから該ドラムを回転させて製麹する二次処理を行う製麹装置において、
上記蒸気空気供給部をその軸線が上記ドラムの軸線に一致した管状に形成し、
上記ドラムの周壁の全面に、該ドラムの内及び外を連通する多数の小孔を行列状に形成した構成としている。
これにより、一次処理時においては、ドラム内に洗浄した原料を投入して、ドラムを回転させながら蒸気空気供給部から蒸気を噴出して所定時間かけて原料を蒸す。この場合、ドラムの中心に管状の蒸気空気供給部を設けるとともに、ドラムの周壁の全面に多数の小孔を行列状に形成したので、温度調整された蒸気をドラムの中心から外方に噴射することができ、ドラムを回転させることにより、蒸気がドラムの全面全周に行き届くようになり、そのため、蒸気が満遍なく原料に接触することから、原料の蒸し処理を十分に行うことができ、それだけ、処理効率を向上させることができる。その後、例えば手作業で種麹菌を原料に散布して麹菌を原料に付着させてから、二次処理を行なう。この二次処理時においては、ドラムを適宜回転させ、蒸気空気供給部から温度調整した空気を供給し製麹を行う。そして、最後に、原料を冷却して乾燥する。この二次処理においても、温度調整された空気をドラムの中心から外方に噴射することができ、空気がドラムの全面全周に行き届くようになり、そのため、空気が満遍なく原料に接触するようになり、このため、原料の製麹が十分に行われ、この点でも処理効率を向上させることができる。
この場合、上記蒸気空気供給部を、上記ドラム内にその軸線方向に沿って挿通されるとともに該軸方向に沿って多数の空気噴射口を有し該空気噴射口から上記ドラムの内面に向けて空気を噴射する空気供給管と、上記ドラム内にその軸線方向に沿って挿通されるとともに該軸方向に沿って多数の蒸気噴射口を有し該蒸気噴射口から上記ドラムの内面に向けて蒸気を噴射する蒸気供給管とを備えて構成し、
上記空気供給管を上記蒸気供給管より大径に形成し、該空気供給管に上記蒸気供給管を挿通し、該蒸気供給管の蒸気噴射口から噴射される蒸気を空気供給管の空気噴射口から噴射されるようにし、該空気供給管をその軸線が上記ドラムの軸線に一致させて配置したことが有効である。空気供給管内に蒸気供給管を内装したので、従来に比較して蒸気空気供給部がコンパクトになるとともに、空気及び蒸気をドラムの中心から外方に確実に噴射することができる。
そして、必要に応じ、上記小孔の直径をDとしたとき、1.8mm≦D≦2.2mmに設定するとともに、上記ドラムの周壁の全面積に対する上記全小孔の開口面積率をρとしたとき、15%≦ρ≦20%に設定した構成としている。
これにより、本発明の作用,効果をより一層発揮させることができる。
また、必要に応じ、上記ドラムの外径をG、その長さをLとしたとき、450mm≦G≦550mm、550mm≦L≦650mmに設定し、該ドラムの端面に、原料の出し入れを行う開閉可能な開口を設けた構成としている。
これにより、比較的小型になるので、原料の出し入れが容易になり、原料の洗浄を別途行なって対応することも容易になり、装置を簡略化することができる。また、原料に対する麹菌の散布も、手作業で行うことが容易になり、その分、装置を簡略化することができる。
更に、必要に応じ、上記ドラムの内面であって軸線方向に該ドラムの回転時に原料に当接して原料を解す解し棒を複数列設した解し棒列を設けるとともに、該解し棒列を、長さの長い解し棒と長さの短い解し棒とを不規則に配置して構成し、該解し棒列を上記ドラムの周方向に間隔を隔てて複数列設けた構成としている。
これにより、ドラムの回転を伴う原料の解しを行うことができる。特に、解し棒列を、長さの長い解し棒と長さの短い解し棒とを不規則に列設して構成したので、長さの長い解し棒の解しと、長さの短い解し棒の解しが混在することにより、原料の解しが良く行われるようになる。そのため、より一層、原料の蒸気や空気に対する接触性を向上させることができ、発酵,冷却,乾燥効率を向上させ、時間短縮ができ省エネ運用が可能になる。
更にまた、必要に応じ、上記ドラムの外側に該ドラムを支持して該ドラムとともに回転する回転リングを設け、該回転リングを、上記ドラムの軸線方向に所定間隔離間して設けられ該ドラムと同軸で該ドラムの周方向に沿うリング状の複数のレールを備えて構成し、
上記回転駆動部を、上記ドラムの軸線方向に沿う軸線を有し上記複数の各レールを夫々転動可能に支持するとともに上記ドラムの軸線方向に直交する方向に配設される複数のローラと、該複数のローラの少なくとも1つを駆動回転させて上記回転リングのレールを介して上記ドラムを回転させる駆動機構とを備えて構成している。
これにより、ドラムの軸線上に回転軸を設けなくてもよいので、空気及び蒸気を噴射する供給管をドラムの中心に設けやすくなり、装置製造と整備を容易にすることができる。
そしてまた、必要に応じ、上記ケーシングを上記ドラムの軸線に平行な軸線を有し一方の端面及び他方の端面を有した筒状に形成し、該ケーシングの壁部を、断熱材の層を設けて構成し、該断熱材の層に、シート状のシートヒータを設けた構成としている。
これにより、ドラムの保温性を担保することができ、設置環境に影響されずに温度湿度制御を容易にすることができる。
この場合、上記ケーシングの一方の端面及び上記ドラムの一方の端面を貫通して上記蒸気空気供給部を上記ドラム内に挿通し、上記ケーシングの他方の端面に、上記ドラムの他方の端面と同軸で該他方の端面よりも僅かに大きい開口と、該開口を開閉するヒンジにより開閉可能な外側扉とを設け、上記ドラムの他方の端面に、原料の出し入れを行う開口と、該開口を開閉するヒンジにより開閉可能な内側扉とを設け、上記外側扉に覗き窓を設け、上記ドラムの他方の端面及び/または内側扉に、上記外側扉の覗き窓を通してドラム内部を視認可能な覗き窓を設けた構成としている。
これにより、ケーシング及びドラムに夫々設けた覗き窓を通して、ドラム内の原料の様子を視認することができる。そのため、ケーシングの扉を逐一開けなくても良いことから、ケーシングによるドラムの保温機能を損なうことがなく、効率の良い処理を行なうことができる。
また、必要に応じ、上記蒸気空気供給部に蒸気を生成して送給する蒸気送給部と、上記蒸気空気供給部に空気を送給する空気送給部と、上記蒸気送給部及び空気送給部の制御条件を設定する設定部と、上記ドラム内の雰囲気温度を検知する第1温度センサと、該ドラム内の原料の温度を検知する第2温度センサと、該ドラム内の湿度を検知する湿度センサと、上記設定部に設定された設定条件に基づくとともに、上記第1温度センサ,第2温度センサ及び湿度センサの検知結果に基づいて上記ドラムの回転駆動部、蒸気送給部及び空気送給部を制御する制御部とを備え、
該制御部は、
上記第1温度センサ,第2温度センサ及び湿度センサの検知結果を表示部等に出力するモニター手段と、上記第2温度センサの検知温度に基づいて上記空気送給部が送給する空気の温度調整を行う空気温度調整手段と、上記湿度センサの湿度検知に基づいて上記空気送給部が送給する空気の湿度を調整する空気湿度調整手段と、上記一次処理を行なう一次処理実行手段と、該一次処理実行手段による一次処理後に麹菌を原料に付着させてから、上記空気温度調整手段及び空気湿度調整手段を機能させて上記二次処理を行なう二次処理実行手段とを備えた構成としている。
これにより、温度・湿度を随時測定してモニター手段でモニターできるので、経過観測をグラフ化することも可能になり、経過変動数値の組み合わせから見越して、制御部により、ドラムの回転制御,蒸気の供給制御ができるとともに、調整された温度・湿度の空気の供給制御を行うことができる。特に、空気の温度調整のみならず、湿度も調整することができるようになるので、製麹する二次処理の際、麹菌の繁殖を円滑にして、製麹を効率よく確実に行うことができる。
この構成において、必要に応じ、
上記一次処理実行手段は、
上記空気送給部の空気供給を停止し、上記蒸気送給部からの蒸気供給により、上記ドラムを連続回転させながら、原料を100℃~105℃で所定時間蒸す蒸し工程と
該蒸し工程後に、上記蒸気送給部からの蒸気供給を停止し、上記空気送給部からの空気供給により、上記ドラムを連続回転させながら、原料を30℃~35℃になるまで冷却する冷却工程とを行わせ、
上記二次処理実行手段は、
上記冷却工程後に麹菌を原料に付着させてから、上記蒸気送給部からの蒸気供給を停止し、上記空気送給部からの空気供給により、上記ドラムを間欠回転させて、原料を35℃~38℃に保持するとともに、該ドラム内の湿度を90%~95%に保持して原料の発酵を行う第1発酵工程と、
該第1発酵工程において所定条件になったとき切替えられて、上記ドラムの間欠回転条件を該第1発酵工程とは異ならせて、原料を35℃~38℃に保持するとともに、上記ドラム内の湿度を90%~95%に保持して更に原料の発酵を所定時間行う第2発酵工程と、
該第2発酵工程後に、上記蒸気送給部からの蒸気供給を停止し、上記空気送給部からの空気供給により、上記ドラムを連続回転させながら、原料を20℃~25℃に低下保持して、所定時間乾燥する乾燥工程とを行わせる構成としている。
これにより、上記の製麹装置を用いるので、蒸し・冷却・発酵・乾燥各工程時に温度・湿度を随時測定して、モニターでき、経過観測をグラフ化することも可能になり、経過変動数値の組み合わせから見越して、ドラムの回転制御,蒸気の供給制御ができるとともに、蒸し工程時にはドラムを回転させながら米とドラムの全面全周に安定した蒸気供給ができる。また、冷却・発酵・乾燥工程時にはドラムを回転させながら調整された温度・湿度の通風を米とドラムの全面全周に安定供給できる。特に、長時間発酵麹種の紅麹等において、手を付けずに行う自動の安定した製麹を実現させることができる。
この場合、上記二次処理実行手段は、
上記第1発酵工程時に、上記第1温度センサの検知温度と上記第2温度センサの検知温度とを比較し、上記第2温度センサの検知温度が37℃以上になり、且つ、上記第1温度センサの検知温度が第2温度センサの検知温度よりも1℃以上低くなったとき、該第1発酵工程から第2発酵工程へ切り替える一方、上記第2発酵工程時に、上記第2温度センサの検知温度が35℃以下になったとき、該第2発酵工程から第1発酵工程へ切り替える発酵工程切替手段を備えたことが有効である。
これにより、第1発酵工程で、加温と加湿とをメインに行い、麹菌の発酵環境を作り、第2温度センサの検知温度が37℃以上になり、且つ、第1温度センサの検知温度が第2温度センサの検知温度よりも1℃以上低くなったとき、麹菌の発酵が開始されたと判断して、更に、適切な発酵環境に移行できる一方、第2発酵工程時に、第2温度センサの検知温度が35℃以下になったとき、第1発酵工程へ戻って適切な条件に整えるので、安定した製麹を行うことができる。
そして、上記目的を達成するための本発明の製麹方法は、上記の製麹装置を用い、上記ドラムを回転させて該ドラム内の原料を蒸す一次処理を行なうとともに、該一次処理後に麹菌を原料に付着させてから該ドラムを回転させて製麹する二次処理を行う構成としている。上記と同様の作用,効果を奏する。
本発明によれば、蒸気や空気がドラムの全面全周に行き届くようになり、そのため、原料に対する蒸気や空気の接触を十分に行わせることができ、原料の処理効率の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る製麹装置を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る製麹装置のドラムを示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る製麹装置の構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る製麹装置において蒸気空気供給部の構成を示し、(a)は部分縦断面図、(b)は部分横断面図である。 本発明の実施の形態に係る製麹装置においてケーシングの構成を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る製麹装置の制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る製麹装置を用いて製麹する処理工程を示す工程図である。 本発明の実施の形態に係る製麹装置を用いて製麹する際の一次処理における条件設定例を示す表図である。 本発明の実施の形態に係る製麹装置を用いて製麹する際の二次処理における条件設定例を示す表図である。 従来の製麹装置の一例を示す横断面図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る製麹装置及び製麹方法について詳細に説明する。実施の形態に係る製麹方法は、実施の形態に係る製麹装置によって実現されるので、その作用の説明において説明する。
図1乃至図7に示すように、実施の形態に係る製麹装置Sは、キャスタ2を備えて移動可能な基台1と、基台1に支持され穀類の原料Wが入れられ軸線Pが略水平になるように回転可能に支持され回転駆動部30により回転させられる円筒状のドラム10と、基台1に支持されドラム10を収容するケーシング40と、ドラム10内に設けられドラム10内に蒸気及び/または空気を噴射して供給する蒸気空気供給部50とを備えて構成され、ドラム10を回転させてドラム10内の原料Wを蒸す一次処理(1)を行なうとともに、一次処理後に麹菌を原料Wに付着させてからドラム10を回転させて製麹する二次処理(2)を行う装置である。
ドラム10は、金属製であり、一方の端面11及び他方の端面12を有し、周壁13が円筒状に形成されている。ドラム10の外径をG、その長さをLとしたとき、450mm≦G≦550mm、550mm≦L≦650mmに設定されている。また、ドラム10の他方の端面12には、原料Wの出し入れを行う開口14と、この開口14を開閉するヒンジにより開閉可能な内側扉15とが設けられている。これにより、比較的小型になるので、原料Wの出し入れが容易になり、原料Wの洗浄を別途行なって対応することも容易になり、装置を簡略化することができる。また、原料Wに対する麹菌の散布も、手作業で行うことが容易になり、その分、装置を簡略化することができる。
また、後述のケーシング40の外側扉47には、覗き窓48が設けられており、ドラム10の他方の端面12及び/または内側扉15(実施の形態ではドラム10の他方の端面12)には、外側扉47の覗き窓48を通してドラム10内部を視認可能な覗き窓16が設けられている。これにより、ケーシング40及びドラム10に夫々設けた覗き窓48,16を通して、ドラム10内の原料Wの様子を視認することができる。
また、ドラム10の周壁13の全面には、ドラム10の内及び外を連通する多数の小孔17が行列状に形成されている。小孔17の直径をDとしたとき、1.8mm≦D≦2.2mmに設定されている。また、ドラム10の周壁の全面積に対する全小孔17の開口面積率をρとしたとき、15%≦ρ≦20%に設定されている。
更に、ドラム10の内面には、軸線P方向にドラム10の回転時に原料Wに当接して原料Wを解す解し棒18が複数列設された解し棒列19が設けられている。この解し棒列19は、長さの長い解し棒18aと長さの短い解し棒18bとが不規則に配置されて構成されており、ドラム10の周方向に間隔を隔てて複数列設けられている。
更にまた、ドラム10の外側には、ドラム10を支持してドラム10とともに回転する回転リング20が設けられている。回転リング20は、ドラム10の軸線P方向に所定間隔離間して設けられドラム10と同軸でこのドラム10の周方向に沿うリング状の複数(実施の形態では3つ)のレール21を備えて構成されている。各レール21は、その内側において軸方向に延び間隔を隔てて設けられる棒状の複数(実施の形態では4本)の連結杆22で連結されている。ドラム10の一方の端面11及び他方の端面12は、周壁の外径より僅かに大径に形成されており、この一方の端面11の外周及び他方の端面12の外周に、各連結杆22に対応して設けられ連結杆22に係合する切欠き23が設けられ、この切欠き23と連結杆22との係合により、ドラム10は回転リング20に支持されている。
また、ドラム10の回転駆動部30は、ドラム10の軸線P方向に沿う軸線を有し複数の各レール21を夫々転動可能に支持するとともにドラム10の軸線P方向に直交する方向に間隔を隔てて配設される複数(実施の形態では1対)のローラ31と、複数のローラ31の少なくとも1つ(実施の形態では1つ)を駆動回転させて回転リング20のレール21を介してドラム10を回転させる駆動機構32とを備えて構成されている。各ローラ31はケーシング40に軸支されており、駆動機構32は、ケーシング40の後述の一方の端面41の外側に設けられる電動モータ(図示せず)を備えて構成されている。これにより、ドラム10の軸線P上に回転する回転軸を設けなくてもよいので、空気及び蒸気を噴射する後述の蒸気空気供給部50をドラム10の中心に設けやすくなり、装置製造と整備を容易にすることができる。
ケーシング40は、一方の端面41及び他方の端面42を有し、ドラム10の軸線Pに平行な軸線を有した多角形状の筒状に形成されている。図5に示すように、ケーシング40の壁部は、断熱材43の層を設けて構成され、この断熱材43の層の内側にシート状のシートヒータ44を設けて構成されている。シートヒータ44は、線状の発熱体44aを均熱アルミシート44bで両側から覆うとともに、この均熱アルミシート44bを両側から散熱アルミシート44cで被覆して構成されている。45はドラム10側の内側表面を形成する表面材である。断熱材43,シートヒータ44及び表面材45は接着剤により互いに接着されている。これにより、ドラム10の保温性を担保することができ、設置環境に影響されずに温度湿度制御を容易にすることができる。
また、ケーシング40の他方の端面42には、ドラム10の他方の端面12と同軸でこの他方の端面12よりも僅かに大きい開口46と、この開口46を開閉するヒンジにより開閉可能な外側扉47とが設けられている。この外側扉47には、覗き窓48が設けられている。上記のドラム10の他方の端面12に設けた覗き窓16は、この外側扉47の覗き窓48を通してドラム10内部を視認可能な位置に設けられている。これにより、ケーシング40及びドラム10に夫々設けた覗き窓48,16を通して、ドラム10内の原料Wの様子を視認することができる。そのため、ケーシング40の扉を逐一開けなくても良いことから、ケーシング40によるドラム10の保温機能を損なうことがなく、効率の良い処理を行なうことができる。
蒸気空気供給部50は、その軸線Qがドラム10の軸線Pに一致した管状に形成されており、ケーシング40の一方の端面41及びドラム10の一方の端面11を貫通してドラム10内に挿通されている。詳しくは、図4に示すように、蒸気空気供給部50は、ドラム10内にその軸線P方向に沿って挿通されるとともに軸方向に沿って多数の空気噴射口51を有しこの空気噴射口51からドラム10の内面に向けて空気を噴射する空気供給管52と、ドラム10内にその軸線P方向に沿って挿通されるとともに軸方向に沿って多数の蒸気噴射口53を有しこの蒸気噴射口53からドラム10の内面に向けて蒸気を噴射する蒸気供給管54とを備えて構成されている。
空気供給管52は、蒸気供給管54より大径に形成されており、この空気供給管52に、蒸気供給管54が挿通され、蒸気供給管54の蒸気噴射口53から噴射される蒸気を空気供給管52の空気噴射口51から噴射されるようにしている。そして、空気供給管52は、その軸線Qがドラム10の軸線Pに一致させて配置されている。ドラム10は、この蒸気空気供給部50の空気供給管52を中心に回転する。これにより、空気供給管52内に蒸気供給管54を内装したので、従来に比較して蒸気空気供給部50がコンパクトになるとともに、空気及び蒸気をドラム10の中心から外方に確実に噴射することができる。
図2及び図4に示すように、空気供給管52には、軸線Q方向に所定のピッチで列設された空気噴射口51の列が、等角度間隔で上下左右に4列設けられている。一方、蒸気供給管54には、軸線方向に空気噴射口51と同じピッチで列設された蒸気噴射口53の列が、下に1列設けられている。蒸気噴射口53は、蒸気供給管54から突出しており、その外径は空気噴射口51の内径より小径で、空気噴射口51に同軸で挿通されており、空気は蒸気噴射口53の外側から噴射される。これにより、空気供給管52内に蒸気供給管54を内装したので、従来に比較して蒸気空気供給部50がコンパクトになるとともに、空気及び蒸気をドラム10の中心から外方に確実に噴射することができる。
また、本製麹装置Sは、蒸気空気供給部50に蒸気を生成して送給する蒸気送給部60と、蒸気空気供給部50に空気を送給する空気送給部70とを備えている。蒸気送給部60は、蒸気を生成する周知のボイラ等の蒸気発生装置(図示せず)から蒸気送給管61を通して予め設定された温度の蒸気を蒸気供給管54に送給する。V1は蒸気送給管61の開閉を行う電動弁である。空気送給部70は、基台1に搭載されており、空気供給管52に空気を送給する電動弁V2で開閉可能な空気送給管71と、空気送給管71に介装され空気を送給するブロア72と、空気送給管71に介装され空気を加温する加温器73と、空気送給管71の空気を加湿する加湿器74とを備えて構成されている。
加温器73は、電動弁V3の開閉によりケーシング40内の空気を循環管75から取り入れ可能、且つ、ダンパ76の開閉により外気を取り入れ可能なミックスボックス77と、ミックスボックス77内に収納され取り入れた空気を加温するヒータ78と、フィルタ79とを備えている。加湿器74は、水タンク74aの水から蒸気を生成して空気送給管71に供給する周知の超音波加湿器からなる。図1及び図3中、符号62は電動弁V4の開閉によりケーシング40内の空気を排気する排気管、63はケーシング40の底から余分な蒸気や水を排出するスチームトラップ64を有したドレン管、65はドレン管63から分岐し電動弁V5の開閉により清掃時の水を排出する清掃用ドレン管である。
更に、本製麹装置Sは、蒸気送給部60及び空気送給部70の制御条件を設定する設定部80と、ドラム10内の雰囲気温度を検知する第1温度センサ81と、ドラム10内の原料Wの温度を検知する第2温度センサ82と、ドラム10内の湿度を検知する湿度センサ83と、設定部80に設定された設定条件に基づくとともに、第1温度センサ81,第2温度センサ82及び湿度センサ83の検知結果に基づいてドラム10の回転駆動部30、蒸気送給部60及び空気送給部70を制御する制御部90とを備えて構成されている。
図6に示すように、制御部90は、CPU等の機能によって実現され、設定部80に設定された設定条件等を記憶する記憶機能を備え、第1温度センサ81,第2温度センサ82及び湿度センサ83の検知結果を表示部84等に出力するモニター手段91と、第2温度センサ82の検知温度に基づいて空気送給部70が送給する空気の温度調整を行う空気温度調整手段92と、湿度センサ83の湿度検知に基づいて空気送給部70が送給する空気の湿度を調整する空気湿度調整手段93とを備えている。モニター手段91は、第1温度センサ81,第2温度センサ82及び湿度センサ83の検知結果等を加工して、例えば、グラフ化する等して、表示部84のみならず図示外のプリンタ等の外部機器等に出力する機能を備えることができる。
これにより、温度・湿度を随時測定してモニター手段91でモニターできるので、経過観測をグラフ化することも可能になり、経過変動数値の組み合わせから見越して、制御部90により、ドラム10の回転制御,蒸気の供給制御ができるとともに、調整された温度・湿度の空気の供給制御を行うことができる。
また、制御部90は、図7に示すフローチャートも参照し、一次処理(1)を行なう一次処理実行手段94と、一次処理実行手段94による一次処理後に麹菌を原料Wに付着させてから、空気温度調整手段92及び空気湿度調整手段93を機能させて二次処理(2)を行なう二次処理実行手段95とを備えている。制御部90においては、これらの機能を実現させるため、空気温度調整手段92は、ブロア72及び加温器73のヒータ78を制御する。空気湿度調整手段93は加湿器74の超音波加湿器74を制御する。また、制御部90は、設定部80の設定条件に基づいて、蒸気送給管61の電動弁V1,空気送給管71の電動弁V2,循環管75の電動弁V3,排気管62の電動弁V4,清掃用ドレン管65の電動弁V5及びダンパ76の開閉制御を行う。更に、ケーシング40のシートヒータ44のオンオフ制御も行う。
詳しくは、一次処理実行手段94は、空気送給部70の空気供給を停止し、蒸気送給部60からの蒸気供給により、ドラム10を連続回転させながら、原料Wを100℃~105℃で所定時間蒸す蒸し工程(1-1)と、蒸し工程後に、蒸気送給部60からの蒸気供給を停止し、空気送給部70からの空気供給により、ドラム10を連続回転させながら、原料Wを30℃~35℃になるまで冷却する冷却工程(1-2)とを行わせる。
二次処理実行手段95は、冷却工程後に麹菌を原料Wに付着させてから、蒸気送給部60からの蒸気供給を停止し、空気送給部70からの空気供給により、ドラム10を間欠回転させて、原料Wを35℃~38℃に保持するとともに、ドラム10内の湿度を90%~95%に保持して原料Wの発酵を行う第1発酵工程(2-1)と、第1発酵工程において所定条件になったとき切替えられて、ドラム10の間欠回転条件を第1発酵工程とは異ならせて、原料Wを35℃~38℃に保持するとともに、ドラム10内の湿度を90%~95%に保持して更に原料Wの発酵を所定時間行う第2発酵工程(2-2)と、第2発酵工程後に、蒸気送給部60からの蒸気供給を停止し、空気送給部70からの空気供給により、ドラム10を連続回転させながら、原料Wを20℃~25℃に低下保持して、所定時間乾燥する乾燥工程(2-3)とを行なわせる。
また、二次処理実行手段95は、第1発酵工程時に、第1温度センサ81の検知温度と第2温度センサ82の検知温度とを比較し、第2温度センサ82の検知温度が37℃以上になり、且つ、第1温度センサ81の検知温度が第2温度センサ82の検知温度よりも1℃以上低くなったとき、第1発酵工程から第2発酵工程へ切り替える一方、第2発酵工程時に、第2温度センサ82の検知温度が35℃以下になったとき、第2発酵工程から第1発酵工程へ切り替える発酵工程切替手段96を備えている。
従って、この実施の形態に係る製麹装置Sにより製麹を行うときは、図7に示すフローチャートを用いて説明すると、以下のようになる。ここでは、原料Wとして米の場合で説明する。図8及び図9に示すように、予め、設定部80に一次処理及び二次処理における設定条件を入力して設定しておく。設定の数値等はこれに限定されない。
(1)一次処理
(1-1)蒸し工程
予め、原料Wを洗浄し、ケーシング40の外側扉47及び内側扉15を開けて、ドラム10内に原料Wを入れる。この場合、ドラム10は、比較的小型なので、原料Wを入れる作業を容易に行うことができる。そして、内側扉15及び外側扉47を閉じ、装置を稼働する。これにより、空気送給部70の空気供給が停止された状態で、蒸気送給部60から蒸気供給管54に蒸気が供給され、蒸気供給管54の蒸気噴射口53から蒸気がドラム10内に噴射されるとともに、ドラム10が連続回転させられ、原料Wが蒸されていく。
この場合、ドラム10の中心に管状の蒸気空気供給部50を設けるとともに、ドラム10の周壁の全面に多数の小孔17を行列状に形成したので、温度調整された蒸気をドラム10の中心から外方に噴射することができ、ドラム10を回転させることにより、蒸気がドラム10の全面全周に行き届くようになり、そのため、蒸気が満遍なく原料Wに接触することから、原料Wの蒸し処理を十分に行うことができ、それだけ、処理効率を向上させることができる。特に、小孔17の直径Dを、1.8mm≦D≦2.2mmに設定するとともに、ドラム10の周壁の全面積に対する全小孔17の開口面積率ρを、15%≦ρ≦20%に設定したので、確実にその作用,効果をより発揮させることができる。
また、この場合、ドラム10の内面には、解し棒18を複数列設した解し棒列19をドラム10の周方向に間隔を隔てて複数列設けるとともに、解し棒列19を、長さの長い解し棒18aと長さの短い解し棒18bとを不規則に配置して構成したので、ドラム10の回転を伴う原料Wの解しを行うことができるとともに、長さの長い解し棒18aの解しと、長さの短い解し棒18bの解しが混在するので、原料Wの解しが良く行われるようになる。そのため、より一層、原料Wの蒸気に対する接触性が良くなり、時間短縮ができ省エネ運用が可能になる。
(1-2)冷却工程
所定時間経過すると、原料Wが蒸し上がり、冷却工程に移行する。この工程においては、蒸気送給部60からの蒸気供給を停止し、空気送給部70からの空気供給により、ドラム10を連続回転させながら、原料Wを30℃~35℃になるまで冷却する。この場合も、ドラム10の中心に管状の空気供給管52を設けるとともに、ドラム10の周壁の全面に多数の小孔17を行列状に形成したので、空気をドラム10の中心から外方に噴射することができ、ドラム10を回転させることにより、空気がドラム10の全面全周に行き届くようになり、また、上記と同様に、解し棒18の機能によってもドラム10の回転を伴う原料Wの解しを行うことができ、そのため、空気が満遍なく原料Wに接触することから、原料Wの冷却処理を十分に行うことができ、それだけ、処理効率を向上させることができる。
(2)二次処理
(2-1)第1発酵工程
予め、ケーシング40の外側扉47及び内側扉15を開けて、ドラム10内の原料Wに麹菌を手作業で散布する。この場合、ドラム10は、比較的小型なので、麹菌の散布作業を容易に行うことができる。そして、内側扉15及び外側扉47を閉じ、装置を稼働する。これにより、蒸気送給部60からの蒸気供給が停止された状態で、空気送給部70からの空気供給により、ドラム10を間欠回転させて、原料Wを35℃~38℃に保持するとともに、ドラム10内の湿度を90%~95%に保持して原料Wの発酵を行う。また、ケーシング40のシートヒータ44をオンにする。
この場合、ドラム10を適時に回転させるが、空気送給部70から温度と湿度を調整した空気をドラム10の中心から外方に噴射することができ、また、上記と同様に、解し棒18の機能によってもドラム10の回転を伴う原料Wの解しを行うことができ、空気がドラム10の全面全周に行き届くようになり、そのため、空気が満遍なく原料Wに接触するようになり、そのため、原料Wの製麹が十分に行われ、処理効率を向上させることができる。特に、空気の温度調整のみならず、湿度も調整することができるようになるので、麹菌の繁殖を円滑にして、製麹を効率よく確実に行うことができる。この場合、ケーシング40のシートヒータ44により、ドラム10の保温性を担保することができ、設置環境に影響されずに温度湿度制御を容易にすることができる。
(2-2)第2発酵工程
第1発酵工程においては、制御部90は、第1温度センサ81の検知温度と第2温度センサ82の検知温度とを比較しており、第2温度センサ82の検知温度が37℃以上になり、且つ、第1温度センサ81の検知温度が第2温度センサ82の検知温度よりも1℃以上低くなったとき、発酵工程切替手段96が、第1発酵工程から第2発酵工程へ切り替える。これにより、ドラム10の間欠回転条件を第1発酵工程とは異ならせて、原料Wを35℃~38℃に保持するとともに、ドラム10内の湿度を90%~95%に保持して更に原料Wの発酵が所定時間行われる。また、ケーシング40のシートヒータ44をオンにする。このケーシング40のシートヒータ44により、ドラム10の保温性を担保することができ、設置環境に影響されずに温度湿度制御を容易にすることができる。
即ち、第1発酵工程で、加温と加湿とをメインに行い、麹菌の発酵環境を作り、第2温度センサ82の検知温度が37℃以上になり、且つ、第1温度センサ81の検知温度が第2温度センサ82の検知温度よりも1℃以上低くなったとき、麹菌の発酵が開始されたと判断して、更に、第2発酵工程での適切な発酵環境に移行できる。そのため、安定した製麹を行うことができる。
一方、第2発酵工程時に、第2温度センサ82の検知温度が35℃以下になったとき、発酵工程切替手段96が、第2発酵工程から第1発酵工程へ切り替える。そのため、第1発酵工程へ戻って原料Wを適切な条件に整えるので、安定した製麹を行うことができる。上記の所定条件になれば、再び、第2発酵工程で所定時間発酵処理が行われる。
(2-3)乾燥工程
第2発酵工程後に、蒸気送給部60からの蒸気供給を停止し、空気送給部70からの空気供給により、ドラム10を連続回転させながら、原料Wを20℃~25℃に低下保持して、原料Wを所定時間乾燥する。これにより、製麹された原料Wを得ることができる。
このように、本製麹装置Sを用いて製麹を行うと、蒸し・冷却・発酵・乾燥各工程時に温度・湿度を随時測定して、モニターでき、経過観測をグラフ化することも可能になり、経過変動数値の組み合わせから見越して、ドラム10の回転制御,蒸気の供給制御ができるとともに、蒸し工程時にはドラム10を回転させながら米とドラム10の全面全周に安定した蒸気供給ができる。また、冷却・発酵・乾燥工程時にはドラム10を回転させながら調整された温度・湿度の通風を米とドラム10の全面全周に安定供給できる。特に、長時間発酵麹種の紅麹等において、手を付けずに行う自動の安定した製麹を実現させることができる。
尚、上記実施の形態に係る製麹装置Sを用いた製麹の例では、原料Wとして米を用いた場合を示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の穀類についても処理してよいことは勿論である。また、上記実施の形態において、一次処理及び二次処理の温度条件,湿度条件やドラム10の回転条件等の処理条件は、上述した条件に限定されるものではなく、適宜変更して差支えない。本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されず、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
S 製麹装置
W 原料
1 基台
2 キャスタ
P 軸線
10 ドラム
11 一方の端面
12 他方の端面
13 周壁
14 開口
15 内側扉
16 覗き窓
17 小孔
18 解し棒
19 解し棒列
20 回転リング
21 レール
22 連結杆
23 切欠き
30 回転駆動部
31 ローラ
32 駆動機構
40 ケーシング
41 一方の端面
42 他方の端面
43 断熱材
44 シートヒータ
44a 発熱体
44b 均熱アルミシート
44c 散熱アルミシート
45 表面材
46 開口
47 外側扉
48 覗き窓
50 蒸気空気供給部
Q 軸線
51 空気噴射口
52 空気供給管
53 蒸気噴射口
54 蒸気供給管
60 蒸気送給部
61 蒸気送給管
62 排気管
63 ドレン管
64 スチームトラップ
65 清掃用ドレン管
70 空気送給部
71 空気送給管
72 ブロア
73 加温器
74 加湿器
74a 水タンク
75 循環管
76 ダンパ
77 ミックスボックス
78 ヒータ
79 フィルタ
V1,V2,V3,V4,V5 電動弁
80 設定部
81 第1温度センサ
82 第2温度センサ
83 湿度センサ
84 表示部
90 制御部
91 モニター手段
92 空気温度調整手段
93 空気湿度調整手段
94 一次処理実行手段
95 二次処理実行手段
96 発酵工程切替手段
(1)一次処理
(1-1)蒸し工程
(1-2)冷却工程
(2)二次処理
(2-1)第1発酵工程
(2-2)第2発酵工程
(2-3)乾燥工程

Claims (8)

  1. 穀類の原料が入れられ軸線が略水平になるように回転可能に支持され回転駆動部により回転させられる円筒状のドラムと、
    該ドラムを収容するケーシングと、
    該ドラム内に設けられ該ドラム内に蒸気及び/または空気を噴射して供給する蒸気空気供給部とを備え、
    上記ドラムを回転させて該ドラム内の原料を蒸す一次処理を行なうとともに、該一次処理後に麹菌を原料に付着させてから該ドラムを回転させて製麹する二次処理を行う製麹装置において、
    上記蒸気空気供給部をその軸線が上記ドラムの軸線に一致した管状に形成し、
    上記ドラムの周壁の全面に、該ドラムの内及び外を連通する多数の小孔を行列状に形成し、
    上記蒸気空気供給部を、上記ドラム内にその軸線方向に沿って挿通されるとともに該軸方向に沿って多数の空気噴射口を有し該空気噴射口から上記ドラムの内面に向けて空気を噴射する空気供給管と、上記ドラム内にその軸線方向に沿って挿通されるとともに該軸方向に沿って多数の蒸気噴射口を有し該蒸気噴射口から上記ドラムの内面に向けて蒸気を噴射する蒸気供給管とを備えて構成し、
    上記空気供給管を上記蒸気供給管より大径に形成し、該空気供給管に上記蒸気供給管を挿通し、該蒸気供給管の蒸気噴射口から噴射される蒸気を空気供給管の空気噴射口から噴射されるようにし、該空気供給管をその軸線が上記ドラムの軸線に一致させて配置し、
    上記小孔の直径をDとしたとき、1.8mm≦D≦2.2mmに設定するとともに、
    上記ドラムの周壁の全面積に対する上記全小孔の開口面積率をρとしたとき、15%≦ρ≦20%に設定し、
    上記ケーシングを上記ドラムの軸線に平行な軸線を有し一方の端面及び他方の端面を有した筒状に形成し、該ケーシングの壁部を、断熱材の層を設けて構成し、該断熱材の層に、シート状のシートヒータを設け、
    上記蒸気空気供給部に蒸気を生成して送給する蒸気送給部と、上記蒸気空気供給部に空気を送給する空気送給部と、上記蒸気送給部及び空気送給部の制御条件を設定する設定部と、上記ドラム内の雰囲気温度を検知する第1温度センサと、該ドラム内の原料の温度を検知する第2温度センサと、該ドラム内の湿度を検知する湿度センサと、上記設定部に設定された設定条件に基づくとともに、上記第1温度センサ,第2温度センサ及び湿度センサの検知結果に基づいて上記ドラムの回転駆動部、蒸気送給部及び空気送給部を制御する制御部とを備え、
    該制御部は、
    上記第1温度センサ,第2温度センサ及び湿度センサの検知結果を表示部等に出力するモニター手段と、上記第2温度センサの検知温度に基づいて上記空気送給部が送給する空気の温度調整を行う空気温度調整手段と、上記湿度センサの湿度検知に基づいて上記空気送給部が送給する空気の湿度を調整する空気湿度調整手段と、上記一次処理を行なう一次処理実行手段と、該一次処理実行手段による一次処理後に麹菌を原料に付着させてから、上記空気温度調整手段及び空気湿度調整手段を機能させて上記二次処理を行なう二次処理実行手段とを備えたことを特徴とする製麹装置。
  2. 上記ドラムの外径をG、その長さをLとしたとき、450mm≦G≦550mm、550mm≦L≦650mmに設定し、該ドラムの端面に、原料の出し入れを行う開閉可能な開口を設けたことを特徴とする請求項1記載の製麹装置。
  3. 上記ドラムの内面であって軸線方向に該ドラムの回転時に原料に当接して原料を解す解し棒を複数列設した解し棒列を設けるとともに、該解し棒列を、長さの長い解し棒と長さの短い解し棒とを不規則に配置して構成し、該解し棒列を上記ドラムの周方向に間隔を隔てて複数列設けたことを特徴とする請求項2記載の製麹装置。
  4. 上記ドラムの外側に該ドラムを支持して該ドラムとともに回転する回転リングを設け、
    該回転リングを、上記ドラムの軸線方向に所定間隔離間して設けられ該ドラムと同軸で該ドラムの周方向に沿うリング状の複数のレールを備えて構成し、
    上記回転駆動部を、上記ドラムの軸線方向に沿う軸線を有し上記複数の各レールを夫々転動可能に支持するとともに上記ドラムの軸線方向に直交する方向に配設される複数のローラと、該複数のローラの少なくとも1つを駆動回転させて上記回転リングのレールを介して上記ドラムを回転させる駆動機構とを備えて構成したことを特徴とする請求項3記載の製麹装置。
  5. 上記ケーシングの一方の端面及び上記ドラムの一方の端面を貫通して上記蒸気空気供給部を上記ドラム内に挿通し、上記ケーシングの他方の端面に、上記ドラムの他方の端面と同軸で該他方の端面よりも僅かに大きい開口と、該開口を開閉するヒンジにより開閉可能な外側扉とを設け、上記ドラムの他方の端面に、原料の出し入れを行う開口と、該開口を開閉するヒンジにより開閉可能な内側扉とを設け、上記外側扉に覗き窓を設け、上記ドラムの他方の端面及び/または内側扉に、上記外側扉の覗き窓を通してドラム内部を視認可能な覗き窓を設けたことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の製麹装置。
  6. 上記一次処理実行手段は、
    上記空気送給部の空気供給を停止し、上記蒸気送給部からの蒸気供給により、上記ドラムを連続回転させながら、原料を100℃~105℃で所定時間蒸す蒸し工程と、
    該蒸し工程後に、上記蒸気送給部からの蒸気供給を停止し、上記空気送給部からの空気供給により、上記ドラムを連続回転させながら、原料を30℃~35℃になるまで冷却する冷却工程とを行わせ、
    上記二次処理実行手段は、
    上記冷却工程後に麹菌を原料に付着させてから、上記蒸気送給部からの蒸気供給を停止し、上記空気送給部からの空気供給により、上記ドラムを間欠回転させて、原料を35℃~38℃に保持するとともに、該ドラム内の湿度を90%~95%に保持して原料の発酵を行う第1発酵工程と、
    該第1発酵工程において所定条件になったとき切替えられて、上記ドラムの間欠回転条件を該第1発酵工程とは異ならせて、原料を35℃~38℃に保持するとともに、上記ドラム内の湿度を90%~95%に保持して更に原料の発酵を所定時間行う第2発酵工程と、
    該第2発酵工程後に、上記蒸気送給部からの蒸気供給を停止し、上記空気送給部からの空気供給により、上記ドラムを連続回転させながら、原料を20℃~25℃に低下保持して、所定時間乾燥する乾燥工程とを行わせることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の製麹装置。
  7. 上記二次処理実行手段は、
    上記第1発酵工程時に、上記第1温度センサの検知温度と上記第2温度センサの検知温度とを比較し、上記第2温度センサの検知温度が37℃以上になり、且つ、上記第1温度センサの検知温度が第2温度センサの検知温度よりも1℃以上低くなったとき、該第1発酵工程から第2発酵工程へ切り替える一方、上記第2発酵工程時に、上記第2温度センサの検知温度が35℃以下になったとき、該第2発酵工程から第1発酵工程へ切り替える発酵工程切替手段を備えたことを特徴とする請求項6記載の製麹装置。
  8. 上記請求項7記載の製麹装置を用い、上記ドラムを回転させて該ドラム内の原料を蒸す一次処理を行なうとともに、該一次処理後に麹菌を原料に付着させてから該ドラムを回転させて製麹する二次処理を行うことを特徴とする製麹方法。
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