JP7402388B1 - 焼灼状態判定システム - Google Patents

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Abstract

焼灼状態判定システムは、心臓の内壁に形成された焼灼エリアの焼灼状態を判定する。焼灼状態判定システム(1)は、環状の焼灼予定ラインの内側領域に当接させられる第1電極(11)を有する第1配線部と、環状の焼灼予定ラインの外側領域に当接させられる第2電極を有する第2配線部と、制御装置とを備える。制御装置は、第1電極と第2電極との間のインピーダンスを測定する測定部と、測定部による測定結果に基づいて、焼灼エリアの焼灼状態を判定する状態判定部とを備える。

Description

本開示は、心臓の内壁に形成された焼灼エリアの焼灼状態を判定する焼灼状態判定システムに関する。
従来より、不整脈の原因となる心房細動の治療として、心臓の内部にアブレーションカテーテルを挿入して、心房の心筋細胞を焼灼するカテーテルアブレーションが行われている。例えば、特許文献1には、このようなカテーテルアブレーションを行うためのシステムが開示されている。
カテーテルアブレーションを行う場合、焼灼中において、例えば背中に貼り付けた電極板とアブレーションカテーテルの先端部との間のインピーダンスを測定することが行われている。そして、測定されたインピーダンスは、適切に焼灼できたか否か等の焼灼効果の指標として用いられている。
特開2020-081217号公報
上述した焼灼効果を確認するための方法では、心臓外の背中に電極を貼り付けている。この場合、心臓内と背中との間のそもそものインピーダンスの値が大きいため、インピーダンスの変化から心筋細胞の焼灼状態を精度良く判定することは困難である。
そこで、本開示は、心臓の内壁の焼灼状態をより精度良く判定することが可能な焼灼状態判定システムについて説明する。
本開示の一態様に係る焼灼状態判定システムは、[1]「心臓の内壁を環状の焼灼予定ラインに沿って焼灼することによって形成された焼灼エリアの焼灼状態を判定する焼灼状態判定システムであって、前記心臓の内壁面のうち、環状の前記焼灼予定ラインの内側領域に当接させられる第1電極を有する第1配線部と、前記心臓の内壁面のうち、環状の前記焼灼予定ラインの外側領域に当接させられる第2電極を有する第2配線部と、前記第1配線部と前記第2配線部とがそれぞれ接続された制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1電極が環状の前記焼灼予定ラインの内側領域に当接させられ、かつ前記第2電極が環状の前記焼灼予定ラインの外側領域に当接させられた状態で、前記第1電極と前記第2電極との間のインピーダンスを測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて、前記焼灼エリアの焼灼状態を判定する状態判定部と、を有する、焼灼状態判定システム。」である。
この焼灼状態判定システムは、心臓の内壁にそれぞれ当接させられる第1電極及び第2電極を備えている。これにより、この焼灼状態判定システムは、心臓の内壁面において、環状の焼灼予定ライン(焼灼エリア)の内側の位置と外側の位置と間のインピーダンスを測定することができる。ここで、心臓の細胞が焼灼されると、焼灼された部位のインピーダンスが変化する。このため、焼灼エリアが適切に環状に形成されている場合と、焼灼エリアが途切れて環状になっていない又は焼灼不足により適切に焼灼されていない部位が焼灼エリアに存在する場合と、では、第1電極と第2電極との間のインピーダンスに差異が生じる。このため、焼灼状態判定システムは、心臓の内壁面に当接させられる第1電極と第2電極との間のインピーダンスに基づいて、心臓の内壁の焼灼状態をより精度良く判定することができる。
本開示の他の態様に係る焼灼状態判定システムは、[2]「心臓の内壁を焼灼することによって形成された焼灼エリアの焼灼状態を判定する焼灼状態判定システムであって、前記心臓の内壁面のうち、前記焼灼エリアが形成された部分に当接させられる第1電極を有する第1配線部と、前記心臓の内壁面のうち、前記焼灼エリアが形成された部分以外の部分に当接させられる第2電極を有する第2配線部と、前記第1配線部と前記第2配線部とがそれぞれ接続された制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1電極が前記焼灼エリアが形成された部分に当接させられ、かつ前記第2電極が前記焼灼エリアが形成された部分以外の部分に当接させられた状態で、前記第1電極と前記第2電極との間のインピーダンスを測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて、前記焼灼エリアの焼灼状態を判定する状態判定部と、を有する、焼灼状態判定システム。」である。
この焼灼状態判定システムは、心臓の内壁にそれぞれ当接させられる第1電極及び第2電極を備えている。これにより、この焼灼状態判定システムは、心臓の内壁面において、焼灼された部分と焼灼されていない部分との間のインピーダンスを測定することができる。ここで、心臓の細胞が焼灼されると、焼灼された部位のインピーダンスが変化する。このため、焼灼エリアが適切に焼灼されている場合と、焼灼不足等により焼灼エリアが適切に焼灼されていない場合と、では、第1電極と第2電極との間のインピーダンスに差異が生じる。このため、焼灼状態判定システムは、心臓の内壁面に当接させられる第1電極と第2電極との間のインピーダンスに基づいて、心臓の内壁の焼灼状態をより精度良く判定することができる。
上記の焼灼状態判定システムは、[3]「前記測定部は、第1周波数の交流電流を印加した時の前記インピーダンスである第1インピーダンスと、前記第1周波数よりも高い第2周波数の交流電流を印加した時の前記インピーダンスである第2インピーダンスと、を測定し、前記状態判定部は、前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの差分に基づいて、前記焼灼エリアの焼灼状態を判定する、上記[1]又は[2]に記載の焼灼状態判定システム。」であってもよい。
ここで、心臓の細胞(心筋細胞)は、細胞外液中に存在している。焼灼される前の心臓の細胞は、電気的にはコンデンサのように機能する。このため、焼灼される前の心臓の細胞では、低周波数の交流電流は流れにくく、高周波数の交流電流は流れやすい。したがって、第1電極と第2電極との間のインピーダンスを測定すると、焼灼される前の心臓の細胞では、第1周波数(低周波数)の交流電流を印加した時の第1インピーダンスが高く、第2周波数(高周波数)の交流電流を印加した時の第2インピーダンスが低い。
一方、心臓の細胞が焼灼されると、細胞が破壊される。これにより、心臓の細胞は、電気的にコンデンサとしての機能を果たさなくなる。このため、焼灼された後の心臓の細胞では、低周波数の交流電流及び高周波数の交流電流の両方とも、流れやすい。したがって、第1電極と第2電極との間のインピーダンスを測定すると、焼灼された後の心臓の細胞では、第1周波数(低周波数)の交流電流を印加した時の第1インピーダンスと、第2周波数(高周波数)の交流電流を印加した時の第2インピーダンスとの両方とも、低くなる。
つまり、第1周波数の交流電流を印加した時の第1インピーダンスが、第2周波数の交流電流を印加した時の第2インピーダンスにどこまで近づいたかに基づいて、心臓の細胞の焼灼状態を判定することができる。
なお、上述したように、細胞の焼灼状態によって、第1周波数の交流電流を印加した時の第1インピーダンスが変化する。しかしながら、細胞が焼灼状態である場合の基準となるインピーダンスの値が無いため、第1インピーダンスのみでは、焼灼状態を判定することは困難である。このため、第2周波数の交流電流を用いた場合の第2インピーダンスを基準として利用できるように、第1周波数及び第2周波数を用いて、インピーダンスを測定すると良い。このように、上記の焼灼状態判定システムは、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分に基づいて焼灼エリアの焼灼状態を判定することにより、焼灼状態をより精度良く判定できる。
上記の焼灼状態判定システムは、[4]「前記状態判定部は、前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの差分が小さい場合、前記差分が大きい場合に比べて、前記焼灼エリアの焼灼度合いが高いと判定する、上記[3]に記載の焼灼状態判定システム。」であってもよい。
心臓の細胞の焼灼度合いが高くなるほど、第1インピーダンスの値が第2インピーダンスの値に近づく。焼灼状態判定システムは、この特性を利用することにより、焼灼エリアの焼灼度合いをより適切に判定することができる。
上記の焼灼状態判定システムは、[5]「前記状態判定部は、前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの差分が予め定められた差分閾値以下である場合に、前記焼灼エリアの焼灼度合いが予め定められた焼灼度合いを満たすと判定し、前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの差分が前記差分閾値を超える場合に、前記焼灼エリアの焼灼度合いが前記予め定められた焼灼度合いを満たさないと判定する、上記[3]に記載の焼灼状態判定システム。」であってもよい。
心臓の細胞の焼灼度合いが高くなるほど、第1インピーダンスの値が第2インピーダンスの値に近づく。焼灼状態判定システムは、この特性を利用することにより、焼灼エリアが予め定められた焼灼度合いであるか否かをより適切に判定することができる。
上記の焼灼状態判定システムは、[6]「前記状態判定部の判定結果に応じた態様で、前記判定結果を出力する出力部をさらに備える、上記[1]~[5]のいずれかに記載の焼灼状態判定システム。」であってもよい。
この場合、焼灼状態判定システムは、焼灼エリアの焼灼状態の判定結果を、オペレータ等に報知できる。
本開示の一態様によれば、心臓の内壁の焼灼状態をより精度良く判定することができる。
図1は、実施形態に係る焼灼状態判定システムの概略構成を示す図である。 図2は、左心房の内壁において、第1電極及び第2電極が当接させられる位置を示す模式図である。 図3は、左心房の内壁に低周波数及び高周波数の交流電流を流した場合のインピーダンスを説明するためのイメージ図である。 図4は、左心房の内壁に低周波数及び高周波数の交流電流を流した場合のインピーダンスを説明するためのイメージ図である。 図5は、焼灼状態判定システムを用いた焼灼エリアの焼灼判定方法の処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示される焼灼状態判定システム1は、例えば、カテーテルアブレーションによって焼灼された心臓の内壁面の焼灼状態を判定(確認)するシステムである。ここでの、心臓の内壁とは、例えば心房の内壁である。但し、心臓の内壁は、心房の内壁に限定されず、例えば心室の内壁等の他の部位の内壁であってもよい。
また、カテーテルアブレーションによるアブレーション(心筋焼灼術)の方式は特に限定されない。焼灼状態判定システム1は、種々の方式のアブレーションによって焼灼(破壊)された心臓の内壁面の焼灼状態(破壊状態)を判定することができる。アブレーションの方式としては、例えば、RFジェネレータから出力された高周波電流を用いて細胞を焼灼する方式、細胞を例えば-40℃に冷却して細胞を破壊するCryoアブレーション方式、バルーンカテーテル内部の液体を例えば70℃に温めて細胞を焼灼する方式、バルーンカテーテルからレーザーを照射して細胞を焼灼するレーザーバルーン(JLL)方式、及び、高電圧パルスによる電界にて細胞を破壊するパルスフィールドアブレーション方式等が挙げられる。
以下では、一例として、図2に示されるように、左心房(心臓)LAの内壁Wに形成された焼灼エリアAの焼灼状態を判定する場合を例に説明する。但し、焼灼状態判定システム1は、左心房LAの内壁W以外の心臓の内壁に形成された焼灼エリアの焼灼状態を判定する場合も同様に判定することができる。
本実施形態において焼灼状態判定システム1は、左心房LAの内壁Wにおいて肺静脈Vとの接続部分を囲むように形成された環状の焼灼エリアA(焼灼ライン)の焼灼状態を判定する。この環状の焼灼エリアAは、アブレーションカテーテルを用いて左心房LAの内壁Wに形成される焼灼点を、環状の焼灼予定ラインLに沿って複数つなぐことによって形成される。なお、図2において、内壁Wのうちの焼灼された部位(焼灼エリアA)には、ハッチングが付されている。
図1に示されるように、焼灼状態判定システム1は、第1配線部10、第2配線部20、及び制御装置30を備えている。第1配線部10及び第2配線部20のそれぞれの基端部は、制御装置30に接続されている。
第1配線部10は、第1電極11、及び第1配線12を備えている。第1電極11は、第1配線12の先端部に設けられている。つまり、第1配線部10の先端部には、第1電極11が設けられている。第1配線12は、導電性及び可撓性を有している。
第2配線部20は、第2電極21、及び第2配線22を備えている。第2電極21は、第2配線22の先端部に設けられている。つまり、第2配線部20の先端部には、第2電極21が設けられている。第2配線22は、導電性及び可撓性を有している。
第1配線部10及び第2配線部20は、先端部側から人体の血管(例えば太ももの付け根付近の血管)に差し込まれる。そして、第1配線部10及び第2配線部20のそれぞれの先端部は、胴体の血管を介して左心房内まで到達させられる。
このように、第1配線部10及び第2配線部20の先端側の部位は、血管内に差し込み可能な太さとなっている。第1配線部10及び第2配線部20は、例えば血管等への差し込みを容易とするため、図示しない一つのカテーテル内に収容されていてもよい。
なお、第1配線部10及び第2配線部20は、アブレーションカテーテルと一体に設けられていてもよい。第1配線部10及び第2配線部20の少なくともいずれかは、アブレーションカテーテルに設けられた電極及び配線によって構成されていてもよい。つまり、カテーテルアブレーションを行うために設けられた電極及び配線が、焼灼状態判定システム1の第1配線部10及び/又は第2配線部20として用いられてもよい。
ここで、図2に示されるように、第1電極11は、左心房LAの内壁Wのうち、環状の焼灼予定ラインLの内側領域に当接させられる。つまり、第1電極11は、左心房LAの内壁Wのうち、環状に形成された焼灼エリアAの内側領域に当接せられる。第2電極21は、左心房LAの内壁Wのうち、環状の焼灼予定ラインLの外側領域に当接させられる。つまり、第2電極21は、左心房LAの内壁Wのうち、環状に形成された焼灼エリアAの外側領域に当接せられる。
このように、焼灼エリアAが適切に環状に形成されている場合、第1電極11と第2電極21との間の導電経路の途中部分に、焼灼エリアAが位置する。
図1に示されるように、制御装置30は、ECU(Electronic Control Unit)31
、及び出力部32を備えている。ECU31は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)等を
備える。ECU31は、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。
ECU31には、第1配線部10及び第2配線部20のそれぞれの基端部が接続される。ECU31は、機能的には、測定部31a、及び状態判定部31bを備えている。
測定部31aは、第1配線部10の第1電極11と、第2配線部20の第2電極21との間のインピーダンスを測定する。ここでは、測定部31aは、第1電極11が環状の焼灼エリアAの内側領域に当接させられ、かつ第2電極21が環状の焼灼エリアAの外側領域に当接させられた状態で、インピーダンスを測定する。なお、制御装置30は、測定部31aがインピーダンスを測定することができるように、RFジェネレータ等の各種の機器を備えている。
また、測定部31aは、低周波数(第1周波数)の交流電流を印加した時のインピーダンスである第1インピーダンスと、低周波数よりも高い高周波数(第2周波数)の交流電流を印加した時のインピーダンスである第2インピーダンスと、を測定する。
測定部31aは、第1インピーダンスと第2インピーダンスとを互いに異なるタイミングで測定してもよく、互いに同じタイミング(同時期)に測定してもよい。
状態判定部31bは、測定部31aの測定結果に基づいて、焼灼エリアAの焼灼状態を判定する。ここでは、状態判定部31bは、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分に基づいて、焼灼エリアAの焼灼状態を判定する。
ここで、左心房LAの内壁Wの焼灼状態に応じたインピーダンスの変化について説明する。図3に示されるように、心臓の細胞C(心筋細胞)は、細胞外液F中に存在している。焼灼される前の心臓の細胞Cは、電気的にはコンデンサのように機能する。このため、焼灼される前の心臓の細胞Cでは、低周波数の交流電流は流れにくく、高周波数の交流電流は流れやすい。つまり、低周波数の交流電流は、細胞Cを通ることが困難なため、細胞Cの隙間の細胞外液Fを通る。
したがって、第1電極11と第2電極21との間のインピーダンスを測定すると、焼灼される前の心臓の細胞Cでは、低周波数の交流電流を印加した時の第1インピーダンスが高く、高周波数の交流電流を印加した時の第2インピーダンスが低い。
なお、図3及後述する図4において、太い破線は、低周波数の交流電流が通る経路のイメージを示し、太い実線は、高周波数の交流電流が通る経路のイメージを示す。
一方、心臓の細胞Cが焼灼されると、細胞Cが破壊される。ここでは、細胞Cのタンパク質の状態が変化する。これにより、心臓の細胞Cは、電気的にコンデンサとして機能しなくなる。このため、図4に示されるように、焼灼された後の心臓の細胞Cでは、低周波数の交流電流及び高周波数の交流電流の両方とも、流れやすい。なお、図4では、破壊された状態の細胞Cが破線を用いて示されている。
したがって、第1電極11と第2電極21との間のインピーダンスを測定すると、焼灼された後の心臓の細胞Cでは、低周波数の交流電流を印加した時の第1インピーダンスと、高周波数の交流電流を印加した時の第2インピーダンスとの両方とも、低くなる。
つまり、低周波数の交流電流を印加した時の第1インピーダンスが、高周波数の交流電流を印加した時の第2インピーダンスにどこまで近づいたかに基づいて、心臓の細胞Cの焼灼状態(焼灼の程度)を判定することができる。
このため、状態判定部31bは、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分が小さい場合、差分が大きい場合に比べて、焼灼エリアAの焼灼度合いが高いと判定することができる。つまり、状態判定部31bは、差分が小さいほど、焼灼度合いが高いと判定する。
また、状態判定部31bは、焼灼エリアAの焼灼度合いの高低ではなく、焼灼度合いが予め定められた焼灼度合いであるか否かを判定してもよい。具体的には、状態判定部31bは、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分が予め定められた差分閾値以下である場合に、焼灼エリアの焼灼度合いが予め定められた焼灼度合いを満たすと判定する。また、状態判定部31bは、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分が差分閾値を超える場合に、焼灼エリアの焼灼度合いが予め定められた焼灼度合いを満たさないと判定する。
なお、測定部31aは、第1インピーダンスを測定する際の交流電流の周波数(低周波数)の値として、焼灼される前の正常な細胞Cのときにインピーダンスが高くなる値を設定する。また、測定部31aは、第2インピーダンスを測定する際の交流電流の周波数(高周波数)の値として、焼灼の前及び後のいずれにおいてもインピーダンスが低くなる値を設定する。
図1に示されるように、出力部32は、焼灼状態判定システム1のオペレータに対して情報を提示する機器である。出力部32は、例えば、モニタ、及びスピーカ等を含んで構成されていてもよい。出力部32は、状態判定部31bの判定結果に応じた態様で、判定結果を出力する。つまり、出力部32は、状態判定部31bの判定結果をオペレータが認識可能なように、文字、数字、イラスト、色、及び音等の少なくともいずれかを用いて、判定結果を出力する。
例えば、状態判定部31bによって焼灼度合いが判定されている場合、出力部32は、判定された焼灼度合いをオペレータが認識できるように、判定結果を出力することができる。また、例えば、状態判定部31bによって予め定められた焼灼度合を満たしているか否かが判定されている場合、出力部32は、予め定められた焼灼度合いを満たしているかをオペレータが認識できるように、判定結果を出力することができる。
次に、焼灼状態判定システム1を用いた焼灼エリアの焼灼判定方法の処理の流れについて説明する。例えば、焼灼状態判定システム1は、医師等のオペレータによって操作される。図5に示されるように、オペレータは、第1配線部10及び第2配線部20の先端部を人体の血管内に挿入する。そして、オペレータは、第1配線部10及び第2配線部20の先端部が左心房LA内に到達するまで、第1配線部10及び第2配線部20を挿入する(S101:挿入工程)。
第1配線部10及び第2配線部20の先端部が左心房LA内に到達すると、オペレータは、第1配線部10の第1電極11及び第2配線部20の第2電極21を左心房LAの内壁Wに当接させる(S102:電極当接工程)。ここでは、オペレータは、第1電極11を環状の焼灼予定ラインLの内側領域に当接させ、第2電極21を環状の焼灼予定ラインLの外側領域に当接させる。
オペレータは、制御装置30の測定部31aを用いて、第1電極11と第2電極21との間のインピーダンスを測定する(S103:測定工程)。ここでは、低周波数及び高周波数の交流電流を用いて、第1インピーダンス及び第2インピーダンスを測定する。
制御装置30の状態判定部31bは、測定部31aの測定結果に基づいて、焼灼エリアAの焼灼状態を判定する(S104:判定工程)。制御装置30の出力部32は、状態判定部31bの判定結果をオペレータに出力する(S105:出力工程)。
なお、S104の判定工程では、測定部31aの測定結果に基づいて、オペレータが焼灼状態の判定を行う構成であってもよい。この場合、制御装置30の出力部32は、測定部31aの測定結果をオペレータが確認できるように出力してもよい。
以上のように、焼灼状態判定システム1は、左心房LAの内壁Wにそれぞれ当接させられる第1電極11及び第2電極21を備えている。これにより、この焼灼状態判定システム1は、左心房LAの内壁Wにおいて、環状の焼灼予定ラインL(焼灼エリア)の内側の位置と外側の位置と間のインピーダンスを測定することができる。
ここで、心臓の細胞が焼灼されると、焼灼された部位のインピーダンスが変化する。このため、焼灼エリアAが適切に環状に形成されている場合と、焼灼エリアAが途切れて環状になっていない又は焼灼不足により適切に焼灼されていない部位が焼灼エリアAに存在する場合と、では、第1電極11と第2電極21との間のインピーダンスに差異が生じる。このため、焼灼状態判定システム1は、左心房LAの内壁Wに当接させられる第1電極11と第2電極21との間のインピーダンスに基づいて、左心房LAの内壁Wの内壁の焼灼状態をより精度良く判定することができる。
焼灼状態判定システム1は、低周波数の交流電流を印加した時の第1インピーダンスと、高周波数の交流電流を印加した時の第2インピーダンスとの差分に基づいて、焼灼エリアAの焼灼状態を判定する。ここで、上述したように、焼灼された後の心臓の細胞では、低周波数(第1周波数)の交流電流を印加した時の第1インピーダンスと、高周波数(第2周波数)の交流電流を印加した時の第2インピーダンスとの両方とも、低くなる。このため、焼灼状態判定システム1は、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分に基づいて焼灼エリアの焼灼状態を判定することにより、焼灼状態をより精度良く判定できる。
また、上述したように、心臓の細胞の焼灼状態によって、低周波数の交流電流を印加した時の第1インピーダンスが変化する。しかしながら、細胞が焼灼状態である場合の基準となるインピーダンスの値が無いため、第1インピーダンスのみでは、焼灼状態の程度を判定することは困難である。このため、高周波数の交流電流を用いた場合の第2インピーダンスを基準として利用できるように、低周波数及び高周波数を用いて、インピーダンスを測定すると良い。これにより、焼灼状態判定システム1は、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分を用いて焼灼エリアの焼灼状態を判定することにより、焼灼状態をより精度良く判定できる。
焼灼状態判定システム1は、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分が小さい場合、差分が大きい場合に比べて、焼灼エリアAの焼灼度合いが高いと判定することができる。ここで、心臓の細胞の焼灼度合いが高くなるほど、第1インピーダンスの値が第2インピーダンスの値に近づく。これにより、焼灼状態判定システム1は、この特性を利用することにより、焼灼エリアAの焼灼度合いをより適切に判定することができる。
焼灼状態判定システム1は、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分が予め定められた差分閾値以下である場合に予め定められた焼灼度合いを満たすと判定することができる。また、焼灼状態判定システム1は、第1インピーダンスと第2インピーダンスとの差分が予め定められた差分閾値を超える場合に、予め定められた焼灼度合いを満たさないと判定することができる。ここで、心臓の細胞の焼灼度合いが高くなるほど、第1インピーダンスの値が第2インピーダンスの値に近づく。このため、焼灼状態判定システム1は、この特性を利用することにより、焼灼エリアが予め定められた焼灼度合いであるか否かをより適切に判定することができる。
焼灼状態判定システム1は、焼灼状態の判定結果を出力する出力部32を備えている。これにより、焼灼状態判定システム1は、焼灼エリアAの焼灼状態の判定結果を、オペレータ等に報知できる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図2に示されるように、焼灼状態判定システム1は、第1電極11及び第2電極21を用いて、環状の焼灼予定ラインL(焼灼エリアA)の内側領域と外側領域との間のインピーダンスを測定した。これに限定されず、焼灼状態判定システム1は、第1電極11及び第2電極21を用いて、焼灼エリアAと、焼灼エリアA以外の部位とのインピーダンスを測定してもよい。具体的には、焼灼状態判定システム1は、左心房LAの内壁Wのうち、焼灼エリアAが形成された部分に第1電極11を当接させ、焼灼エリアAが形成された部分以外の部分に第2電極21を当接させる。この場合、焼灼エリアAは、環状に形成されていなくてもよい。この場合であっても、焼灼状態判定システム1は、実施形態と同様に、焼灼エリアAの焼灼状態を判定することができる。この焼灼状態判定システム1は、心臓の左心房LA以外の部位の内壁Wに形成された焼灼エリアAに第1電極11を当接させることができる。
カテーテルアブレーションによって焼灼された心臓の内壁面の焼灼状態をより精度良く判定できる。
1…焼灼状態判定システム、10…第1配線部、11…第1電極、20…第2配線部、21…第2電極、30…制御装置、31a…測定部、31b…状態判定部、32…出力部、A…焼灼エリア、L…焼灼予定ライン、LA…左心房(心臓)、W…内壁。

Claims (6)

  1. 心臓の内壁を環状の焼灼予定ラインに沿って焼灼することによって形成された焼灼エリアの焼灼状態を判定する焼灼状態判定システムであって、
    前記心臓の内壁面のうち、環状の前記焼灼予定ラインの内側領域に当接させられる第1電極を有する第1配線部と、
    前記心臓の内壁面のうち、環状の前記焼灼予定ラインの外側領域に当接させられる第2電極を有する第2配線部と、
    前記第1配線部と前記第2配線部とがそれぞれ接続された制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1電極が環状の前記焼灼予定ラインの内側領域に当接させられ、かつ前記第2電極が環状の前記焼灼予定ラインの外側領域に当接させられた状態で、前記第1電極と前記第2電極との間のインピーダンスを測定する測定部と、
    前記測定部による測定結果に基づいて、前記焼灼エリアの焼灼状態を判定する状態判定部と、
    を有する、焼灼状態判定システム。
  2. 前記測定部は、第1周波数の交流電流を印加した時の前記インピーダンスである第1インピーダンスと、前記第1周波数よりも高い第2周波数の交流電流を印加した時の前記インピーダンスである第2インピーダンスと、を測定し、
    前記状態判定部は、前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの差分に基づいて、前記焼灼エリアの焼灼状態を判定する、請求項1に記載の焼灼状態判定システム。
  3. 心臓の内壁を焼灼することによって形成された焼灼エリアの焼灼状態を判定する焼灼状態判定システムであって、
    前記心臓の内壁面のうち、前記焼灼エリアが形成された部分に当接させられる第1電極を有する第1配線部と、
    前記心臓の内壁面のうち、前記焼灼エリアが形成された部分以外の部分に当接させられる第2電極を有する第2配線部と、
    前記第1配線部と前記第2配線部とがそれぞれ接続された制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1電極が前記焼灼エリアが形成された部分に当接させられ、かつ前記第2電極が前記焼灼エリアが形成された部分以外の部分に当接させられた状態で、前記第1電極と前記第2電極との間のインピーダンスを測定する測定部と、
    前記測定部による測定結果に基づいて、前記焼灼エリアの焼灼状態を判定する状態判定部と、
    を有し、
    前記測定部は、第1周波数の交流電流を印加した時の前記インピーダンスである第1インピーダンスと、前記第1周波数よりも高い第2周波数の交流電流を印加した時の前記インピーダンスである第2インピーダンスと、を測定し、
    前記状態判定部は、前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの差分に基づいて、前記焼灼エリアの焼灼状態を判定する、焼灼状態判定システム。
  4. 前記状態判定部は、前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの差分が小さい場合、前記差分が大きい場合に比べて、前記焼灼エリアの焼灼度合いが高いと判定する、請求項2又は3に記載の焼灼状態判定システム。
  5. 前記状態判定部は、
    前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの差分が予め定められた差分閾値以下である場合に、前記焼灼エリアの焼灼度合いが予め定められた焼灼度合いを満たすと判定し、
    前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの差分が前記差分閾値を超える場合に、前記焼灼エリアの焼灼度合いが前記予め定められた焼灼度合いを満たさないと判定する、請求項2又は3に記載の焼灼状態判定システム。
  6. 前記状態判定部の判定結果に応じた態様で、前記判定結果を出力する出力部をさらに備える、請求項1又は3に記載の焼灼状態判定システム。
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